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特表2024-539625バッテリケースのクロスメンバ及びバッテリケース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】バッテリケースのクロスメンバ及びバッテリケース
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20241022BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20241022BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20241022BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/249
H01M50/224
B60K1/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522129
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 KR2022017115
(87)【国際公開番号】W WO2023080669
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0151420
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、 チャン-ギュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、 ジェ-ホン
(72)【発明者】
【氏名】チャ、 ミュン―ファン
(72)【発明者】
【氏名】ウィー、 サン-クォン
【テーマコード(参考)】
3D235
5H040
【Fターム(参考)】
3D235BB07
3D235EE63
3D235HH26
5H040AA01
5H040AA14
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC13
5H040CC20
5H040JJ02
5H040LL01
5H040NN01
(57)【要約】
本発明は、第1フレーム部;第2フレーム部;及び上記第1フレーム部と上記第2フレーム部との間に配置され、上記第1フレーム部と上記第2フレーム部とを連結する連結フレーム部;を含み、上記連結フレーム部は、上記第1フレーム部及び上記第2フレーム部とは異なる素材で構成されるバッテリケースのクロスメンバを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フレーム部と、
第2フレーム部と、
前記第1フレーム部と前記第2フレーム部との間に配置され、前記第1フレーム部と前記第2フレーム部とを連結する連結フレーム部と
を含み、
前記連結フレーム部は、前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部とは異なる素材で構成される、バッテリケースのクロスメンバ。
【請求項2】
前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部は第1素材で構成され、前記連結フレーム部は前記第1素材とは異なる第2素材で構成される、請求項1に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項3】
前記第1フレーム部、前記第2フレーム部、及び前記連結フレーム部は金属素材で構成され、
前記連結フレーム部は、前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部に比べて比重が小さいことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項4】
前記第1フレーム部の第1厚さ及び前記第2フレーム部の第2厚さは、前記連結フレーム部の第3厚さより薄いことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項5】
前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部は鋼材で構成され、前記連結フレーム部はアルミニウム素材又はアルミニウム合金素材で構成される、請求項1に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項6】
前記連結フレーム部は、
連結本体と、
前記連結本体の一側に形成され、前記第1フレーム部の一側が挿入される第1挿入溝と、
前記連結本体の他側に形成され、前記第2フレーム部の一側が挿入される第2挿入溝と
を含む、請求項1に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項7】
前記第1フレーム部の上下方向の長さは、前記第2フレーム部の上下方向の長さより長く、
前記第1挿入溝の第1深さは、前記第2挿入溝の第2深さより大きいことを特徴とする、請求項6に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項8】
前記連結本体は「H字型」の断面を含む、請求項6に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項9】
前記第1フレーム部は、
前記第1挿入溝に下部が挿入され、「U字型」の断面を含む第1フレーム本体と、
前記第1フレーム本体の上側においてそれぞれ前記第1フレーム本体の設置幅から外れる方向に延長形成される一対の第1フランジと
を含む、請求項6に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項10】
前記第1フレーム本体及び前記一対の第1フランジは、単一の板材が多段に折り曲げられて形成される、請求項9に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項11】
前記第2フレーム部は、
前記第2挿入溝に上部が挿入され、「逆U字型」の断面を含む第2フレーム本体と、
前記第2フレーム本体の下側においてそれぞれ前記第2フレーム本体の設置幅から外れる方向に延長形成される一対の第2フランジと
を含む、請求項6に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項12】
前記第2フランジは、
前記第2フレーム本体の下側から外側に延長形成される第2-1水平板と、
前記第2-1水平板と交差し、前記第2-1水平板から下側に延長形成される第2垂直板と、
前記第2垂直板と交差し、前記第2垂直板の下側から外側に延長形成される第2-2水平板と
を含む、請求項11に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項13】
前記第2フランジは、
前記第2フレーム本体の第2側面板の方向に開放された「コ字型」の断面を有し、前記第2側面板と共に閉断面を形成する第2補強部材と、
前記第2補強部材から折り曲げられて前記第2側面板と接するように平行に配置された状態で、前記第2側面板と接合される第2接合板と
を含む、請求項11に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項14】
前記第2フレーム本体及び前記一対の第2フランジは、単一の板材が多段に折り曲げられて形成される、請求項11に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項15】
前記第1フレーム部と、前記第2フレーム部と、前記連結フレーム部とを貫通して締結される締結部をさらに含む、請求項1に記載のバッテリケースのクロスメンバ。
【請求項16】
縁部分を囲むように設置されるサイドメンバと、
左右方向に延長形成されて前記サイドメンバの対向する側面部材を連結し、前後方向に複数個が離隔して設置される請求項1から15のいずれか一項に記載のクロスメンバと
を含む、バッテリケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリケースのクロスメンバ及びバッテリケースに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に述べられた内容は、単に本発明に対する背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではないことを明らかにする。
【0003】
電気自動車のバッテリケースは、車両を運行する際に発生する外部衝撃からバッテリセルを保護する役割を果たす。車両の前後方衝突の場合、車体部品がバッテリケース前後に積み重ねられており、比較的衝突に備えやすい。しかし、側面衝突の場合、車体のシルサイド(Sill Side)以外には保護構造がなく、バッテリケース自体が側面衝突に対して強く抵抗できるように設計されなければならない。
【0004】
バッテリケースの構造部品のうち、側面衝突に対応する代表的な部材としてサイドフレーム及びクロスメンバがある。サイドフレームは、バッテリケースの側面縁としての役割を果たすとともに、衝突に一次的に抵抗する部材である。クロスメンバはサイドフレームと直角をなし、バッテリケースの内部を横切る。クロスメンバは主にバッテリモジュールとモジュールの間に配置され、サイドフレームを支える役割を果たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-0818057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、一側面として、バッテリケースの軽量化を達成しながら耐衝突性能を向上させることができるバッテリケースのクロスメンバ及びバッテリケースを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するための一側面として、本発明は、第1フレーム部;第2フレーム部;及び上記第1フレーム部と上記第2フレーム部との間に配置され、上記第1フレーム部と上記第2フレーム部とを連結する連結フレーム部;を含み、上記連結フレーム部は、上記第1フレーム部及び上記第2フレーム部とは異なる素材で構成されるバッテリケースのクロスメンバを提供する。
【0008】
上記第1フレーム部及び上記第2フレーム部は第1素材で構成され、上記連結フレーム部は上記第1素材とは異なる第2素材で構成されることができる。
【0009】
上記第1フレーム部、上記第2フレーム部及び上記連結フレーム部は金属素材で構成され、上記連結フレーム部は、上記第1フレーム部及び上記第2フレーム部に比べて比重が小さくてもよい。
【0010】
好ましくは、上記第1フレーム部の第1厚さ及び上記第2フレーム部の第2厚さは、上記連結フレーム部の第3厚さより薄くてもよい。
【0011】
上記第1フレーム部及び上記第2フレーム部は鋼材で構成され、上記連結フレーム部はアルミニウム素材又はアルミニウム合金素材で構成されることができる。
【0012】
上記連結フレーム部は、連結本体;上記連結本体の一側に形成され、上記第1フレーム部の一側が挿入される第1挿入溝;及び上記連結本体の他側に形成され、上記第2フレーム部の一側が挿入される第2挿入溝;を含むことができる。
【0013】
上記第1フレーム部の上下方向の長さは、上記第2フレーム部の上下方向の長さより長く、上記第1挿入溝の第1深さは、上記第2挿入溝の第2深さより大きくてもよい。
【0014】
上記連結本体は、「H字型」の断面を含むバッテリケースのクロスメンバ。
【0015】
上記第1フレーム部は、上記第1挿入溝に下部が挿入され、「U字型」の断面を含む第1フレーム本体;及び上記第1フレーム本体の上側においてそれぞれ上記第1フレーム本体の設置幅から外れる方向に延長形成される一対の第1フランジ;を含むことができる。
【0016】
上記第1フレーム本体及び上記一対の第1フランジは、単一の板材が多段に折り曲げられて形成されることができる。
【0017】
上記第2フレーム部は、上記第2挿入溝に上部が挿入され、「逆U字型」の断面を含む第2フレーム本体;及び上記第2フレーム本体の下側においてそれぞれ上記第2フレーム本体の設置幅から外れる方向に延長形成される一対の第2フランジ;を含むことができる。
【0018】
上記第2フランジは、上記第2フレーム本体の下側から外側に延長形成される第2-1水平板;上記第2-1水平板と交差し、上記第2-1水平板から下側に延長形成される第2垂直板;及び上記第2垂直板と交差し、上記第2垂直板の下側から外側に延長形成される第2-2水平板;を含むことができる。
【0019】
上記第2フランジは、上記第2フレーム本体の第2側面板方向に開放された「コ字型」の断面を有し、上記第2側面板と共に閉断面を形成する第2補強部材;及び上記第2補強部材から折り曲げられて上記第2側面板と接するように平行に配置された状態で、上記第2側面板と接合される第2接合板;を含むことができる。
【0020】
上記第2フレーム本体及び上記一対の第2フランジは、単一の板材が多段に折り曲げられて形成されることができる。
【0021】
上記第1フレーム部、上記第2フレーム部及び上記連結フレーム部を貫通して締結される締結部;をさらに含むことができる。
【0022】
上記のような目的を達成するための他の一側面として、本発明は、縁部分を囲むように設置されるサイドメンバ;及び左右方向に延長形成され、上記サイドメンバの対向する側面部材を連結し、前後方向に複数個が離隔して設置される前述のクロスメンバ;を含むバッテリケースを提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施例によれば、バッテリケースの軽量化を達成しながら耐衝突性能を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施例によるクロスメンバを示す斜視図である。
図2図1の分解状態を示す斜視図である。
図3図1の断面図である。
図4図3の分解状態を示す断面図である。
図5】本発明の第2実施例によるクロスメンバの断面図である。
図6】本発明の第3実施例によるクロスメンバを示す斜視図である。
図7図6の断面図である。
図8】本発明の第1実施例によるクロスメンバ及び本発明の比較例によるクロスメンバの荷重性能に対する数値解析図である。
図9】本発明の第1実施例によるクロスメンバ及び本発明の比較例によるクロスメンバの荷重性能(縦軸:圧縮強度、単位‐KN、横軸:時間、単位‐ms)を比較した図である。
図10】本発明のバッテリケースを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な異なる形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張することができる。
【0026】
以下、図1図4を参照して、本発明の第1実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10に含まれた構成要素について具体的に説明する。
【0027】
図1は、本発明の第1実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10を示す斜視図であり、図2図1の分解状態を示す斜視図であり、図3図1の断面図であり、図4図3の分解状態を示す断面図である。
【0028】
本発明の第1実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10は、第1フレーム部100、第2フレーム部200、及び連結フレーム部300を含むことができる。
【0029】
第1フレーム部100は上側に配置されることができる。
【0030】
第2フレーム部200は下側に配置され、バッテリケースの下部板が結合することができる。
【0031】
連結フレーム部300は、第1フレーム部100と第2フレーム部200との間に配置され、第1フレーム部100と第2フレーム部200とを連結することができる。
【0032】
第1フレーム部100、連結フレーム部300、第2フレーム部200が上下方向D1に配置され、連結フレーム部300が第1フレーム部100及び第2フレーム部200の間を連結することができる。
【0033】
連結フレーム部300の挿入溝に第1フレーム部100及び第2フレーム部200が挿入された状態で互いに結合することができる。
【0034】
第1フレーム部100及び第2フレーム部200は、連結フレーム部300に形成された挿入溝に挿入された状態で連結されることができ、作業者が挿入という簡易な方式により部材を配置した状態で連結することができ、現場での作業性を改善できる効果がある。
【0035】
連結フレーム部300は、第1フレーム部100及び第2フレーム部200とは異なる素材で構成されることができる。
【0036】
ここで、他の素材とは、鋼材とアルミニウムのように素材を異ならせることを意味する。
【0037】
第1フレーム部100及び第2フレーム部200は同じ素材で構成されることができる。
【0038】
一例として、第1フレーム部100及び第2フレーム部200が鋼材で構成され、第1フレーム部100及び第2フレーム部200が強度の異なる鋼材で構成される場合は、同じ素材で構成されるものと見なすことができる。
【0039】
もちろん、第1フレーム部100と第2フレーム部200が鋼材で構成され、第1フレーム部100と第2フレーム部200の強度が同じであってもよいことは言うまでもない。
【0040】
バッテリケースのクロスメンバ10は、連結フレーム部300と第1、2フレーム部を異なる素材で構成して、バッテリケースのクロスメンバ10の強度を十分に確保しながらバッテリケースのクロスメンバ10を軽量化することができる効果がある。
【0041】
バッテリケースのクロスメンバ10は圧縮応力を支持し、バッテリケースに設置されるバッテリモジュール(図示せず)を支持することができる。
【0042】
バッテリケースのクロスメンバ10は、第1フレーム部100、第2フレーム部200及び連結フレーム部300が別途作製され、分解組立が可能であるように構成されることができる。
【0043】
一例として、バッテリケースのクロスメンバ10は、第1フレーム部100、第2フレーム部200、及び連結フレーム部300が着脱可能に結合することができる。
【0044】
第1フレーム部100及び第2フレーム部200は第1素材で構成され、連結フレーム部300は第1素材とは異なる第2素材で構成されることができる。
【0045】
第1素材と第2素材は金属素材であり、第1素材は第2素材に比べて比重が大きくてもよい。
【0046】
一例として、第1素材は第2素材よりも比重が大きくてもよい。
【0047】
第1フレーム部100、第2フレーム部200及び連結フレーム部300は金属素材で構成され、連結フレーム部300は第1フレーム部100及び第2フレーム部200に比べて比重が小さくてもよい。
【0048】
第1フレーム部100の第1厚さT1及び第2フレーム部200の第2厚さT2は、連結フレーム部300の第3厚さT3より薄くてもよい。
【0049】
バッテリケースのクロスメンバ10の圧縮強度を増加させるためには、適用された素材の強度を増加させるか、又は素材の厚さを増加させることができる。
【0050】
比重の大きい第1素材で構成された第1、2フレーム部の厚さを厚くする場合、重量が過度になる可能性がある。したがって、比重の小さい第2素材で構成された連結フレームの厚さを厚くすることで、重量に対する圧縮強度を向上させることができる。
【0051】
バッテリケースのクロスメンバ10は圧縮荷重を受けるため、バッテリケースのクロスメンバ10に厚い部材を使用するほど、初期の強度向上に有利であり得る。しかし、比重の大きい素材を厚くする場合には、バッテリケースのクロスメンバ10の重量が過大になる可能性があるという問題点がある。
【0052】
したがって、連結フレーム部300に比重が相対的に小さい第2素材を適用し、厚さを厚くして重量に対する圧縮強度を向上させ、比重の大きい第1素材で構成された第1、2フレーム部の厚さを薄くして圧縮強度を十分に確保しながら重量を低減できる効果がある。
【0053】
第1フレーム部100は、第1厚さT1を有する第1ブランクで構成され、第2フレーム部200は、第2厚さT2を有する第2ブランクで構成されることができる。
【0054】
一例として、第1ブランクの第1厚さT1と第2ブランクの第2厚さT2は同じであってもよい。
【0055】
第1ブランクと第2ブランクは板材で構成され、第1フレーム部100は第1ブランクを多段に折り曲げて形成することができ、第2フレーム部200は第2ブランクを多段に折り曲げて形成することができる。
【0056】
連結フレーム部300は、第3厚さT3を有する第3ブランクで構成されることができる。
【0057】
第1フレーム部100及び第2フレーム部200は鋼材で構成され、連結フレーム部300はアルミニウム素材又はアルミニウム合金素材で構成されることができる。
【0058】
一例として、第1フレーム部100と第2フレーム部200は鋼材で構成され、同じ鋼種で構成されてもよい。
【0059】
他の一例として、第1フレーム部100と第2フレーム部200は鋼材で構成され、強度が異なる他の鋼種で構成されてもよい。
【0060】
バッテリケースのクロスメンバ10等の構造部材が外部衝撃を受けると、局部的に圧縮を受け、崩壊し始めながら曲げなどの様々な変形が発生する可能性がある。
【0061】
構造部材が圧縮を受けてから時間が経つと、力のバランスが崩れて特定部位に座屈が発生するが、この地点を塑性ヒンジといい、塑性ヒンジが発生すると、構造部材はもはや構造材としての役割を果たせずに崩れる可能性がある。
【0062】
したがって、初期圧縮に対する抵抗を高めるためには、塑性ヒンジの発生時点をできるだけ遅らせる必要があり、塑性ヒンジを遅らせるためには、強度と厚さを増加させなければならず、特に厚さを増加させることが有利であり得る。
【0063】
アルミニウム素材の場合、比重が低いため、厚さを厚く適用してもよいことから、圧縮応力の抵抗には非常に有利であり得るが、鋼材に比べて高価であり、製造コストが大きく増加するという問題点がある。
【0064】
鋼材(鉄鋼材)の衝突による変形が進行すると、圧縮だけでなく曲げ、引張などの様々なモードの荷重がかかるが、このときは強度の高い鋼材がより有利であり得る。
【0065】
但し、鋼材(鉄鋼材)の場合、重量が高く高強度の博物化された素材を適用するため、厚さが非常に薄くて圧縮に対する抵抗性が低く、塑性ヒンジがすぐに発生する可能性がある。
【0066】
バッテリケースの評価時には、変形があまり起こらない初期変形で評価が行われ、このときは主に圧縮がかかる。したがって、アルミニウムなどの低比重素材を用いて厚さを厚くすると有利であり、これは、バッテリケースが主にアルミニウムで製造される重要な理由の一つである。
【0067】
第1実施例のバッテリケースのクロスメンバ10は、アルミニウム素材の利点及び鋼材の利点の両方を活かして材料の効率性を極大化することができる。
【0068】
圧縮がかかる箇所には主にアルミニウム素材を配置し、引張など、その他の応力がかかる部材には鋼材を配置することができる。
【0069】
第1実施例のバッテリケースのクロスメンバ10は、100%アルミニウム素材で構成された場合に比べて、素材コストを大幅に削減(通常、70%程度削減される)することができる。
【0070】
第1実施例のバッテリケースのクロスメンバ10は組み立てコストが多少増加する可能性があるが、100%アルミニウム素材で構成された場合に比べて素材コストの削減がはるかに大きく、バッテリケースのクロスメンバ10全体の製造コストを大きく削減することができる効果がある。
【0071】
連結フレーム部300は、連結本体310、第1挿入溝330及び第2挿入溝350を含むことができる。
【0072】
第1挿入溝330は連結本体310の一側に形成され、第1フレーム部100の一側が挿入されることができる。
【0073】
第2挿入溝350は連結本体310の他側に形成され、第2フレーム部200の一側が挿入されることができる。
【0074】
第1フレーム部100の第1フレーム本体110が第1挿入溝330に挿入され、第1フレーム部100の第1フレーム本体110が第1挿入溝330に挿入された状態で、第1フレーム部100、第2フレーム部200、及び連結フレーム部300が結合することができる。
【0075】
第1挿入溝330は、上側が開放された「U字型」に形成され、第2挿入溝350は、下部が開放された「逆U字型」に形成されることができる。
【0076】
第1フレーム部100は、第1挿入溝330に挿入される反対方向に開放された第1開放区間150が形成され、第2フレーム部200は第2挿入溝350に挿入される反対方向に開放された第2開放区間250が形成されることができる。
【0077】
第1フレーム部100の上下方向D1の長さは第2フレーム部200の上下方向D1の長さより長く、第1挿入溝330の第1深さH1は第2挿入溝350の第2深さH2より大きくてもよい。
【0078】
これにより、上下方向D1に長い長さを有する第1フレーム部100が第1挿入溝330に安定的に収容されながら設置されることができる。
【0079】
もちろん、第1フレーム部100の上下方向D1の長さと第2フレーム部200の上下方向D1の長さとが同等である場合、第1挿入溝330の第1深さH1は、第2挿入溝350の第2深さH2と同等であってもよいことは言うまでもない。
【0080】
連結本体310は「H字型」の断面を含むことができる。
【0081】
連結本体310は、連結板311及び一対の連結側面板313を含むことができる。
【0082】
一対の連結側面板313が連結板311を挟んで左右方向D2に連結されることで連結本体310は「H字型」の断面を形成することができる。連結板311は、一対の連結側面板313の上下方向D1の中央部分を連結することができる。
【0083】
連結本体310は、連結板311及び一対の連結側面板313以外に、追加の構成を含んでもよいことは言うまでもない。
【0084】
第1フレーム部100は、第1フレーム本体110及び一対の第1フランジ130を含むことができる。
【0085】
第1フレーム本体110は、第1挿入溝330に下部が挿入され、「U字型」の断面を含むことができる。
【0086】
第1フレーム本体110は、第1挿入板113及び一対の第1側面板111を含むことができる。
【0087】
第1挿入板113は、第1フレーム本体110が第1挿入溝330に挿入された状態で、連結フレーム部300の連結板311と対向するように配置されることができる。一例として、第1挿入板113と連結板311とは互いに接して配置されることができ、第1挿入板113と連結板311とは面接触することができる。
【0088】
第1側面板111は、第1挿入板113の左右方向D2の両側端部において上側に交差するように延長形成されることができる。
【0089】
第1側面板111と連結側面板313とは互いに接して配置されてもよい。第1側面板111と連結側面板313とは面接触することができる。
【0090】
第1フランジ130は、第1フレーム本体110の上側においてそれぞれ第1フレーム本体110の設置幅から外れる方向に延長形成されることができる。
【0091】
第1フレーム本体110及び一対の第1フランジ130は、単一の板材が多段に折り曲げられて形成されることができる。
【0092】
第2フレーム部200は、第2フレーム本体210及び一対の第2フランジ230を含むことができる。
【0093】
第2フレーム本体210は、第2挿入溝350に上部が挿入され、「逆U字型」の断面を含むことができる。
【0094】
第2フレーム本体210は、第2挿入板213及び一対の第2側面板211を含むことができる。
【0095】
第2挿入板213は、第2フレーム本体210が第2挿入溝350に挿入された状態で、連結フレーム部300の連結板311と対向するように配置されることができる。一例として、第2挿入板213と連結板311とは互いに接して配置されてもよい。第2挿入板213と連結板311とは面接触することができる。
【0096】
第2側面板211は、第2挿入板213の左右方向D2の両側端部において下側に交差するように延長形成されることができる。
【0097】
第2側面板211と連結側面板313とは互いに接して配置されてもよい。第2側面板211と連結側面板313とは面接触することができる。
【0098】
第2側面板211は、バッテリモジュールを容易に挿入できるように、垂直方向から1~2度程度外側に広がるように形成されることができる。
【0099】
第2フランジ230は、第2フレーム本体210の下側においてそれぞれ第2フレーム本体210の設置幅から外れる方向に延長形成されることができる。
【0100】
第2フランジ230は、バッテリケースの下部板と連結されることができる。
【0101】
第2フランジ230は、第2-1水平板231、第2垂直板232、及び第2-2水平板233を含むことができる。
【0102】
第2-1水平板は、第2フレーム本体210の下側から外側に延長形成されることができる。
【0103】
第2垂直板232は、第2-1水平板231と交差し、第2-1水平板231から下側に延長形成されることができる。
【0104】
第2-2水平板233は、第2垂直板232と交差し、第2垂直板232の下側から外側に延長形成されることができる。
【0105】
第2-2水平板233にバッテリケースの下部板が連結されることができる。
【0106】
他の一例として、第2-2水平板233は、第2垂直板232と交差し、第2垂直板232から内側に交差する方向に延長形成されることができる(図8の(b)参照)。
【0107】
以下、図5を参照して、本発明の第2実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10に含まれた構成要素について具体的に説明する。
【0108】
図5は、本発明の第2実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10の断面図である。
【0109】
第2実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10は、締結部400の構成要素が採用された点のみが異なり、その他の構成要素は、上述した第1実施例のバッテリケースのクロスメンバ10の構成と同じであってもよい。
【0110】
バッテリケースのクロスメンバ10は、締結部400をさらに含むことができる。
【0111】
締結部400は、第1フレーム部100、第2フレーム部200及び連結フレーム部300を貫通して締結されることができる。
【0112】
締結部400は、第1フレーム部100、第2フレーム部200及び連結フレーム部300を貫通して締結されるボルト部材で構成されることができる。
【0113】
具体的に、締結部400は、第1フレーム部100の第1挿入板113、連結フレーム部300の連結板311、及び第2フレーム部200の第2挿入板 213を貫通して締結されるボルト部材で構成されることができる。
【0114】
他の一例として、バッテリケースのクロスメンバ10は、第1フレーム部100、第2フレーム部200、及び連結フレーム部300を溶接接合又は接着材を介して固定されることができる。
【0115】
以下、図6及び図7を参照して、本発明の第3実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10に含まれた構成要素について具体的に説明する。
【0116】
図6は、本発明の第3実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10を示す斜視図であり、図7図6の断面図である。
【0117】
第3実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10は、第2フレーム部200の第2フランジ230の構成要素が第1実施例と異なり、残りの構成要素は上述した第1実施例のバッテリケースのクロスメンバ10の構成と同じであってもよい。
【0118】
第2フランジ230は、第2補強部材235及び第2接合板236を含むことができる。
【0119】
第2補強部材235は、第2フレーム本体210の第2側面板211の方向に開放された「コ字型」の断面を有し、第2側面板211と共に閉断面を形成することができる。
【0120】
第2接合板236は、第2補強部材235から折り曲げられて第2側面板211と接するように平行に配置された状態で第2側面板211と接合されることができる。
【0121】
第2補強部材235と第2側面板211とは共に四角形状の閉断面を形成することができる。
【0122】
第2フレーム部200は、第2補強部材235及び第2側面板211により閉断面を形成することで、剛性を大きく向上させることができる効果がある。
【0123】
第2フレーム部200は、第2フレーム本体210及び一対の第2フランジ230を含み、第2接合板236が第2側面板211とそれぞれ接合されることで2つの閉断面を形成することができる。
【0124】
第2フレーム本体210及び一対の第2フランジ230は、単一の板材が多段に折り曲げられて形成されることができる。
【0125】
以下では、図8及び図9を参照して、本発明の第1実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10、及び本発明の比較例によるバッテリケースのクロスメンバ10の荷重性能を比較する。
【0126】
図8の(a)は、本発明の比較例によるバッテリケースのクロスメンバ10の荷重性能に対する数値解析図であり、図8の(b)は、本発明の第1実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10の荷重性能に対する数値解析図である。
【0127】
図9は、本発明の比較例によるバッテリケースのクロスメンバ10と、本発明の第1実施例によるバッテリケースのクロスメンバ10の荷重性能(縦軸:圧縮強度、単位‐KN、横軸:時間、単位‐ms)を比較した図である。
【0128】
本発明の比較例によるバッテリケースのクロスメンバ10は、第1実施例の第1フレーム部100と第2フレーム部200に対応する構成要素を溶接又はボルト締結方式により直接に接合した構造である。
【0129】
そして、第1実施例のバッテリケースのクロスメンバ10と比較例のバッテリケースのクロスメンバ10は同等レベルの重量で構成されている。
【0130】
第1実施例の場合、圧縮荷重が106KNであり、比較例の場合、圧縮荷重が84KNであって、第1実施例が比較例に比べて22KNの圧縮荷重が増加することが分かる。すなわち、第1実施例は、重量を同等レベルに維持しながらも、比較例に比べて圧縮荷重を向上させることができる効果がある。
【0131】
次に、図10を参照してバッテリケースについて具体的に説明する。
【0132】
図10は、本発明のバッテリケースを示す斜視図である。
【0133】
本発明の一実施例によるバッテリケースは、サイドメンバ20及びバッテリケースのクロスメンバ10を含むことができる。
【0134】
サイドメンバ20は、縁部分を囲むように設置されることができる。
【0135】
サイドメンバ20の側面部材21は前後方向D3に延長形成され、左右方向D2に離隔して一対が設置されることができる。
【0136】
サイドメンバ20には、バッテリケースの上面を形成する上部板が着脱可能に結合することができる。
【0137】
サイドメンバ20の前後部材23は左右方向D2に延長形成され、前後方向D3に離隔して一対が設置されることができる。前後部材23は、溶接接合等により接合されて一対の側面部材21の間を連結することができる。
【0138】
バッテリケースのクロスメンバ10は、左右方向D2に延長形成されてサイドメンバ20の対向する側面部材21を連結し、前後方向D3に複数個が離隔して設置されることができる。
【0139】
バッテリケースのクロスメンバ10はサイドメンバ20の内部に設置され、サイドメンバ20の対向する2つの側面部材21の間を連結して側面方向から加えられる衝撃に対して主に抵抗するように構成されることができる。
【0140】
バッテリケースのクロスメンバ10は、一対の側面部材21の内側を連結するように設置されることができる。一例として、バッテリケースのクロスメンバ10と側面部材21とは溶接接合により連結されてもよい。
【0141】
バッテリケースのクロスメンバ10は、側面部材21と交差するように設置されることができる。一例として、バッテリケースのクロスメンバ10は、側面部材21と垂直に交差するように設置されてもよい。
【0142】
バッテリケースのクロスメンバ10には、バッテリケースの底面を形成する下部板が結合することができる。
【0143】
また、本発明のバッテリケースには、前述した様々な実施形態を有するバッテリケースのクロスメンバ10の様々な実施形態が適用されてもよいことは言うまでもない。
【0144】
したがって、バッテリケースにおいて活用されるバッテリケースのクロスメンバ10の第1フレーム部100、第2フレーム部200、及び連結フレーム部300などの構成は、既に説明したように、バッテリケースのクロスメンバ10の構成と同じであるため、これに関する詳細な説明は、重複を避けるために省略する。
【0145】
以上のように、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には自明である。
【符号の説明】
【0146】
10:クロスメンバ
20:サイドメンバ
21:側面部材
23:前後部材
100:第1フレーム部
110:第1フレーム本体
111:第1側面板
113:第1挿入板
130:第1フランジ
150:第1開放区間
200:第2フレーム部
210:第2フレーム本体
211:第2側面板
213:第2挿入板
230:第2フランジ
231:第2-1水平板
232:第2垂直板
233:第2-2水平板
235:第2補強部材
236:第2接合板
250:第2開放区間
300:連結フレーム部
310:連結本体
311:連結板
313:連結側面板
330:第1挿入溝
350:第2挿入溝
400:締結部
D1:上下方向
D2:左右方向
D3:前後方向
H1:第1深さ
H2:第2深さ
T1:第1厚さ
T2:第2厚さ
T3:第3厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
前記連結本体は、「H字型」の断面を含むことができる
【国際調査報告】