IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノベリス・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-539637熱処理アルミニウムシート及び製造プロセス
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】熱処理アルミニウムシート及び製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   C22F 1/05 20060101AFI20241022BHJP
   C22C 21/02 20060101ALN20241022BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
C22F1/05
C22C21/02
C22F1/00 623
C22F1/00 684C
C22F1/00 691B
C22F1/00 692Z
C22F1/00 692A
C22F1/00 682
C22F1/00 683
C22F1/00 685Z
C22F1/00 691C
C22F1/00 694B
C22F1/00 630A
C22F1/00 630K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522292
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 US2022078643
(87)【国際公開番号】W WO2023076889
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/263,052
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】アロク クマー グプタ
(72)【発明者】
【氏名】ジェファーソン ランスフォード
(72)【発明者】
【氏名】チャリッサ ヒックソン
(72)【発明者】
【氏名】ファリッド テビブ
(72)【発明者】
【氏名】チャドウィック モロウ
(57)【要約】
金属、例えば熱処理可能な合金のストリップが溶体化され、急速に冷却され、高温で熱スパイクされ、コイル化される、金属の連続熱処理プロセスが本明細書に記載される。連続熱処理プロセスは、バッチ時効処理を含まないか、または必要としない。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理アルミニウム合金の製造プロセスであって、
金属ストリップを鋳造すること;
前記鋳造した金属ストリップをライン速度で溶体化して溶体化された金属ストリップを製造すること;
前記溶体化された金属ストリップを空冷して、冷却された金属ストリップを製造すること;
前記冷却された金属ストリップを150℃~320℃の温度で連続的に前記ライン速度で熱スパイクして、熱スパイクされた金属ストリップを製造すること;
及び、前記熱スパイクされた金属ストリップをコイル化して、コイル化された金属ストリップを製造すること、を含む、前記プロセス。
【請求項2】
前記コイル化された金属ストリップを冷却することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記コイル化された金属ストリップを冷却することが、前記熱スパイクされた金属ストリップを空冷することを含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記熱スパイクされた金属ストリップの自然冷却のみが熱スパイクとコイル化との間で生じる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記熱スパイクされた金属ストリップをコイル化することが、連続ラインの端部で連続的に実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記コイル化された金属ストリップの前記冷却が、10℃/時間以下の速度である、請求項2に記載のプロセス。
【請求項7】
前記熱スパイクされた金属ストリップの前記コイル化が、110℃~160℃の温度である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ライン速度が少なくとも10メートル/分である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ライン速度が10メートル/分~120メートル/分である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記熱スパイク温度が150℃~300℃である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
溶体化する前に前記金属ストリップを均質化すること、熱間圧延すること、及び冷間圧延することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記冷却された金属ストリップを熱スパイクすることが、少なくとも12メートルの長さを有する再加熱炉内で実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記溶体化温度が約480℃~約590℃である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
前記溶体化された金属ストリップを空冷することが、前記溶体化された金属ストリップを50℃未満に冷却することを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
請求項1に記載のプロセスから形成された熱処理金属ストリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月26日に出願された米国仮出願第63/263,052号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に金属加工に関し、より具体的には、熱処理可能な合金のストリップが溶体化され、急速に冷却され、熱スパイクされ、コイル化される、金属の連続熱処理プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
金属物品の製造業者は、物品が形成されて塗料硬化された後に良好な成形性と高い強度の両方を有する薄いゲージ材料を提供するという課題に直面している。一例として、自動車産業は、車両経済性及び燃費を改善するために、軽量化された車体パネルまたは構造部材に使用するためのそのような製品を必要とする。
【0004】
熱処理可能なアルミニウム合金などの熱処理可能な金属は、場合によっては、これらの目的を達成することができる。熱処理可能な合金は、一般に、室温溶解限界を超える量の可溶性合金成分を含む合金である。これらの合金は、時効中に硬化を提供するための硬化元素(例えば、Mg、Si及び/またはCo)、及び成形性及び粒径を制御するための潜在的にFe、Mn及び場合によってはCrなどの他の元素を含むことができる。このような合金は、作業及び/または加熱に付され、次いで急冷ステップに付されると、向上した特性を発現し得る。金属の熱処理は、従来、溶体化熱処理及び時効のステップを含む析出硬化によって行われる。溶体化熱処理プロセスでは、金属ストリップ、例えばアルミニウム合金ストリップが溶体化され、急速に冷却され、製品要件に応じて熱スパイクされてもされなくてもよい。溶体化手順の目的は、合金(溶質)元素を溶体化することであり、最終的に特定の合金を強化する。急速冷却の目的は、溶質元素及び過剰な空孔を金属ストリップの金属(例えば、アルミニウム)マトリックスにロックすることである。熱スパイクの目的は、コイルが60℃~110℃の間でコイル化されることを確実にすること、及び、塗料焼付中に材料が潜在的な強度利得を最大40%失ってしまうコイル保管の悪影響を排除することである。次いで、熱処理金属ストリップは、時効手順を経ることができる。
【0005】
一例として、時効テンパーを製造するための現在のプロセスは、T4テンパー内のコイルを20℃/h~50℃/hで120℃~260℃の範囲の高温に加熱し、1時間以上浸漬し、室温に冷却するバッチ時効プロセスを必要とする。しかしながら、既存の熱処理及びバッチ時効プロセスは、8時間より長い総サイクル時間及び浸漬時間(1時間以上、多くの場合4~6時間)、追加のステップ及び複雑さ、ならびに熱処理プロセスの正確な制御を必要とする。
【発明の概要】
【0006】
実施形態という用語及び同様の用語は広義には、本開示の主題のすべて及び以下の特許請求の範囲を指すものとする。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載の主題を限定するものでも、以下の特許請求の範囲の意味または範囲を限定するものでもないと理解すべきである。本明細書で扱われる本開示の実施形態は、この発明の概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって規定される。この発明の概要は、本開示の種々の態様の大まかな概略であり、下記の発明を実施するための形態のセクションでさらに説明する考え方の一部を紹介している。この発明の概要は、特許請求の範囲に記載された主題の重要または本質的な特徴を特定することは意図されておらず、特許請求の範囲に記載された主題対象の範囲を決定するために単独で使用されることも意図されていない。主題は、本開示の明細書全体、いずれかまたはすべての図面、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解すべきである。
【0007】
本開示の特定の態様及び特徴は、金属ストリップが溶体化され、急速に冷却され、120℃~300℃(例えば、200℃~250℃)の範囲の高温で熱スパイクされ、連続ラインの端部に位置する巻き戻しでコイル化される、連続熱処理プロセスに関する。いくつかの態様では、連続熱処理プロセス及びその構成ステップは、特定のライン速度、例えば少なくとも10メートル/分(例えば、少なくとも40メートル/分;10メートル/分~100メートル/分、40メートル/分~100メートル/分、または10メートル/分~40メートル/分)のライン速度で行うことができる。いくつかの態様では、熱スパイク処理は、比較的長い再加熱炉、例えば10メートルより長い再加熱炉で行うことができる。いくつかの態様では、熱スパイクとコイル化との間で自然冷却のみ(すなわち、冷却装置を使用しない)が行われ、コイル化はライン速度を維持するように行われる。いくつかの態様では、熱スパイク処理後の冷却または自然冷却速度は、例えば、周囲温度まで、10℃/時間未満(例えば、2℃/時間未満)である。したがって、いくつかの態様では、金属ストリップのコイル化は、比較的温かい温度、例えば60℃超、例えば110℃超、70℃~150℃、70℃~130℃、または70℃~110℃、110℃~150℃、110℃~130℃、または110℃~120℃などの温度で行われる。特定の態様では、開示されたプロセスは、材料を時効硬化させるためのバッチ時効プロセスを含まないか、または必要としない。
【0008】
本開示は、バッチ時効プロセスを必要とせずに連続焼鈍ラインを使用して、良好な成形性と高い強度の両方を有する薄いゲージを用いて、開示されたプロセスから製品を製造することができる。本開示は、特性の調整された組み合わせを有する製品を提供し、したがってダウンゲージの可能性を提供する点で、または、H1X、H2X及びH3xテンパーで供給される5000系アルミニウム合金の潜在的な代替物として、特に有益である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の特定の態様及び特徴は、金属ストリップが溶体化され、急速に冷却され、120℃~300℃の範囲の高温で(例えば、熱風によって)熱スパイクされ、コイル化され、(コイル化の前及び/または後に)、例えば5℃/時間以下、好ましくは2℃/時間以下の速度で冷却または自然冷却される、連続熱処理プロセスに関する。特定の実施形態において、金属ストリップは、熱処理可能な合金、例えば、熱処理可能なアルミニウム合金である。
【0010】
特定の実施形態では、熱スパイク温度は、120℃~300℃(例えば、約150℃~300℃)に維持される。より高い温度での熱スパイクの使用は、その後のコイル化及びコイル冷却中に硬化粒子を形成する核として作用するクラスタの形成を誘発することができる。
【0011】
本開示は、再加熱炉を使用して金属ストリップをコイル化前のラインの速度で所望の温度まで熱スパイクすることによってバッチプロセスを完全に排除することによって、部分的に既存の技術を改善する。例えば、連続焼鈍ラインは、バッチ時効プロセスを必要とせずに使用することができる。コイル冷却と組み合わせた熱スパイクコイルは、時効硬化のための適切な条件を提供する。様々な特性を調整するための温かいコイル化温度での熱スパイク及びコイル化の使用は、本開示によって達成される。本開示は、特性の調整された組み合わせを有する製品を提供し、したがってダウンゲージの可能性を提供する点で特に有益である。
【0012】
本開示の態様及び特徴は、連続鋳造または非コイル化金属ストリップなどの金属ストリップに関して本明細書に記載されているが、本開示は、連続焼鈍ライン上で加工される任意の適切な金属製品と共に使用することもできる。本開示の態様及び特徴は、平坦な表面を有する任意の金属製品に特に適し得る。本開示の態様及び特徴は、平行またはほぼ平行な対向面(例えば、上面及び底面)を有する任意の金属製品に特に適し得る。ほぼ平行は、平行または平行の1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°もしくは10°以内、またはそれ以上を含むことができる。
【0013】
定義及び説明
本明細書で使用する場合、用語「発明」、「その発明」、「この発明」、及び「本発明」は、この特許出願の主題及び以下の特許請求の範囲のすべてを広く指すことが意図されている。これらの用語を含む記述は、本明細書で説明されている主題を制限するもの、または以下の特許請求の範囲の意味もしくは範囲を制限するものではないと理解されるべきである。
【0014】
本明細書において、「系」または「7xxx」などの、AA番号及び他の関連する記号によって識別される合金に対する言及がなされる。アルミニウム及びその合金を命名及び特定するときに最も一般的に使用される番号指定システムを理解するためには、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」(両方ともThe Aluminum Associationより刊行)を参照されたい。
【0015】
本明細書で使用する場合、プレートは全般的に厚さが約15mm超である。例えば、プレートは、厚さが約15mm超、約20mm超、約25mm超、約30mm超、約35mm超、約40mm超、約45mm超、約50mm超、または約100mm超のアルミニウム製品を指す場合がある。
【0016】
本明細書で使用する場合、シェート(シートプレートとも言う)は全般的に、厚さが約4mm~約15mmである。例えば、シェートは、厚さが約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、または約15mmであってもよい。
【0017】
本明細書で使用する場合、シートは全般的に、厚さが約4mm未満であるアルミニウム製品を指す。例えば、シートは、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1mm未満、約0.5mm未満、または約0.3mm未満(例えば、約0.2mm)の厚さを有し得る。
【0018】
本明細書で使用される場合、ホイルは、一般に、約0.2mm未満の厚さを有する金属製品を指す。例えば、ホイルは、約0.2mm未満、約0.15mm未満、約0.10mm未満、約0.05mm未満、約0.04mm未満、約0.03mm未満、約0.02mm未満、または約0.01mm未満(例えば、約0.006mm)の厚さを有し得る。
【0019】
本明細書で使用される場合、直接チル(DC)及び連続鋳造は、液体金属から固体金属を鋳造する2つの方法である。DC鋳造では、鋳型内の液体金属の凝固速度で引き出すことができる格納式フォルスボトムを有する鋳型に液体金属が注がれ、多くの場合、大きく比較的厚いインゴット(例えば、幅1500mm×厚さ500mm×長さ5m)が得られる。インゴットは、加工され、均質化され、熱間圧延され、冷間圧延され、熱間圧延後または最終冷間圧延パスの前に焼鈍されてもされなくてもよく、及び/または熱処理され、そうでなければ、金属ストリップ製品の消費者(例えば、自動車製造設備)に分配可能な金属ストリップ製品にコイル化される前に仕上げられる。
【0020】
連続鋳造は、一対の移動する対向する鋳造面の間に画定された鋳造キャビティに溶融金属を連続的に注入し、鋳造キャビティの出口から鋳造金属型(例えば、金属ストリップ)を引き出すことを含む。連続鋳造は、製品全体を単一の完全連結加工ラインで調製することができる場合に望ましい。そのような完全連結加工ラインは、連続鋳造装置の速度を下流の加工装置の速度に一致させる、または「連結する」ことを含む。
【0021】
本出願では、合金のテンパーまたは条件について言及され得る。最も一般に使用される合金テンパーの説明の理解については、「American National Standards(ANSI)H35 on Alloy and Temper Designation Systems」を参照のこと。F条件またはテンパーは、製造されたままのアルミニウム合金を指す。O条件またはテンパーは、焼鈍後のアルミニウム合金を指す。本明細書でHテンパーとも称されるHxx条件またはテンパーは、熱処理(例えば、焼鈍)の有無にかかわらず、冷間圧延後の非熱処理型アルミニウム合金を指す。好適なHテンパーには、テンパーHX1、HX2、HX3、HX4、HX5、HX6、HX7、HX8、またはHX9が含まれる。T1条件またはテンパーは、熱間加工から冷却され、(例えば、室温で)自然時効されたアルミニウム合金を指す。T2条件またはテンパーは、熱間加工から冷却され、冷間加工され、自然時効されたアルミニウム合金を指す。T3条件またはテンパーは、溶体化熱処理され、冷間加工され、自然時効されたアルミニウム合金を指す。T4条件またはテンパーは、溶体化熱処理され、自然時効されたアルミニウム合金を指す。T5条件またはテンパーは、熱間加工から冷却され、(高温で)人工時効されたアルミニウム合金を指す。T6条件またはテンパーは、溶体化熱処理され、人工時効されたアルミニウム合金を指す。T7条件またはテンパーは、溶体化熱処理され、人工過剰時効されたアルミニウム合金を指す。T8x条件またはテンパーは、溶体化熱処理され、冷間加工され、人工時効されたアルミニウム合金を指す。T9条件またはテンパーは、溶体化熱処理され、人工時効され、冷間加工されたアルミニウム合金を指す。W条件またはテンパーは、溶体化熱処理後のアルミニウム合金を指す。
【0022】
本明細書で使用する場合、「室温」の意味は、約15℃~約30℃の温度、例えば、約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、または約30℃を含み得る。本明細書で使用される場合、「周囲条件」または「周囲環境」の意味は、約室温の温度、約20%~約100%の相対湿度、及び約975ミリバール(mbar)~約1050mbarの気圧を含み得る。例えば、相対湿度は、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%、またはそれらの間の任意の値であり得る。例えば、気圧は、約975mbar、約980mbar、約985mbar、約990mbar、約995mbar、約1000mbar、約1005mbar、約1010mbar、約1015mbar、約1020mbar、約1025mbar、約1030mbar、約1035mbar、約1040mbar、約1045mbar、約1050mbar、またはそれらの間の任意の値であり得る。
【0023】
本明細書で開示される範囲はいずれも、その範囲に含まれるあらゆる部分範囲を包むものとして理解されたい。例えば、記載されている「1~10」という範囲には、最小値1と最大値10の間のあらゆるすべての部分範囲(1及び10を含む)が含まれるとみなされるべきである。すなわち、すべての部分範囲は、1以上の最小値から始まり(例えば、1~6.1)、かつ10以下の最大値で終了する(例えば、5.5~10)。特に明記しない限り、ある元素の組成量を指す場合、「最大」という表現は、その元素が任意選択的であり、その特定の元素の0%組成を含むことを意味する。特に明記しない限り、すべての組成パーセンテージは重量パーセント(重量%)である。
【0024】
本明細書で使用する場合、「a」、「an」、及び「the」の意味は、文脈によって特に明確に指示されない限り、単数形及び複数形の参照を含む。
【0025】
本説明文中、アルミニウム合金製品及びそれらの構成成分は、それらの元素組成に関して重量パーセント(重量%)で記載する場合がある。各合金中、全不純物の合計の最大の重量%が0.15%であれば、残部はアルミニウムである。
【0026】
結晶粒微細化剤及び脱酸剤などの付随的元素、またはその他の添加剤が本発明において存在してもよく、本明細書に記載の合金または本明細書に記載の合金の特性から逸脱するかまたは大きく変わることなく、それら自体で他の特性を付与することができる。
【0027】
金属ストリップ
説明したように、本開示の熱処理プロセスは、金属ストリップ、例えばアルミニウム合金ストリップ上で実行することができる。特定の態様では、本明細書に記載の金属ストリップは、金属の鋳造、例えばDC鋳造または金属の連続鋳造から製造することができる。鋳造後、特定の態様では、均質化、熱間圧延、及び/または冷間圧延、ならびに熱間圧延後または最終冷間圧延前の任意の焼鈍を行って、金属ストリップを製造することができる。
【0028】
特定の態様では、金属ストリップは、金属シート、シェート、またはホイルであり得る。特定の態様では、金属ストリップはシートであり得る。例えば、一実施形態では、記載されたプロセスは、0.5mm~4.5mmのゲージを有するシートを製造するために使用される。いくつかのそのような態様では、金属ストリップは、アルミニウム合金シート、例えば熱処理可能なアルミニウム合金シートであり得る。いくつかの態様では、金属ストリップは、2xxx系、6xxx系、または7xxx系のアルミニウム合金シートから選択することができる。いくつかの態様では、金属ストリップは、2xxx系のアルミニウム合金シートである。いくつかの態様では、金属ストリップは、6xxx系のアルミニウム合金シートである。いくつかの態様では、金属ストリップは、7xxx系のアルミニウム合金シートである。特定の態様では、金属ストリップはシェートであり得る。いくつかの態様では、金属ストリップは、アルミニウム合金シェート、例えば熱処理可能なアルミニウム合金シェートであり得る。いくつかの態様では、金属ストリップは、2xxx系、6xxx系、または7xxx系のアルミニウム合金シェートから選択することができる。いくつかの態様では、金属ストリップは、2xxx系のアルミニウム合金シェートである。いくつかの態様では、金属ストリップは、6xxx系のアルミニウム合金シェートである。いくつかの態様では、金属ストリップは、7xxx系のアルミニウム合金シェートである。特定の態様では、金属ストリップはホイルであり得る。いくつかの態様では、金属ストリップは、アルミニウム合金ホイル、例えば熱処理可能なアルミニウム合金ホイルであり得る。いくつかの態様では、金属ストリップは、2xxx系、6xxx系、または7xxx系のアルミニウム合金ホイルから選択することができる。いくつかの態様では、金属ストリップは、2xxx系のアルミニウム合金ホイルである。いくつかの態様では、金属ストリップは、6xxx系のアルミニウム合金ホイルである。いくつかの態様では、金属ストリップは、7xxx系のアルミニウム合金ホイルである。
【0029】
特定の態様では、合金は、高い強度及び高い変形性を示す。場合によっては、合金は、変形性を著しく損なうことなく熱処理後に強度の増加を示す。合金の特性は、少なくとも部分的には、合金を加工して上述のホイル、シェート、シートまたは他の製品を製造する方法に起因して達成される。
【0030】
いくつかの例では、合金は、表1で提供される以下の元素組成を有し得る。
【表1】
【0031】
いくつかの例では、合金は、表2で提供される以下の元素組成を有し得る。
【表2】
【0032】
他の例では、合金は、表3で提供されるような以下の元素組成を有し得る。
【表3】
【0033】
一例では、アルミニウム合金は、表4に示す以下の元素組成を有することができる。特定の態様では、合金は、アルミニウムホイル及びシートを調製するために使用される。
【表4】
【0034】
特定の例では、開示の合金は、合金の総重量に基づいて約0.05%~約1.2%(例えば、約0.1%~約1.2%、約0.2%~約1.1%、約0.3%~約1.0%、約0.4%~約1.0%、約0.6%~約1.1%、約0.65%~約0.9%、約0.7%~約1.0%、または約0.6%~約0.7%)の量の銅(Cu)を含む。例えば、合金は、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、約0.3%、約0.31%、約0.32%、約0.33%、約0.34%、約0.35%、約0.36%、約0.37%、約0.38%、約0.39%、約0.4%、約0.41%、約0.42%、約0.43%、約0.44%、約0.45%、約0.46%、約0.47%、約0.48%、約0.49%、約0.5%、約0.51%、約0.52%、約0.53%、約0.54%、約0.55%、約0.56%、約0.57%、約0.58%、約0.59%、約0.6%、約0.61%、約0.62%、約0.63%、約0.64%、約0.65%、約0.66%、約0.67%、約0.68%、約0.69%、約0.7%、約0.71%、約0.72%、約0.73%、約0.74%、約0.75%、約0.76%、約0.77%、約0.78%、約0.79%、約0.8%、約0.81%、約0.82%、約0.83%、約0.84%、約0.85%、約0.86%、約0.87%、約0.88%、約0.89%、約0.9%、約0.91%、約0.92%、約0.93%、約0.94%、約0.95%、約0.96%、約0.97%、約0.98%、約0.99%、約1.0%、約1.01%、約1.02%、約1.03%、約1.04%、約1.05%、約1.06%、約1.07%、約1.08%、約1.09%、約または約1.1%のCuを含むことができる。すべて重量%で表される。
【0035】
特定の例では、開示される合金は、合金の総重量に基づいて約0.6%~約1.5%(例えば、約0.7%~約1.3%、約0.8%~約1.2%、約0.9%~約1.1%、約0.6%~約0.9%、約0.9%~約1.1%、または約1.0%~約1.1%)の量のケイ素(Si)を含む。例えば、合金は、約0.6%、約0.61%、約0.62%、約0.63%、約0.64%、約0.65%、約0.66%、約0.67%、約0.68%、約0.69%、約0.7%、約0.71%、約0.72%、約0.73%、約0.74%、約0.75%、約0.76%、約0.77%、約0.78%、約0.79%、約0.8%、約0.81%、約0.82%、約0.83%、約0.84%、約0.85%、約0.86%、約0.87%、約0.88%、約0.89%、約0.9%、約0.91%、約0.92%、約0.93%、約0.94%、約0.95%、約0.96%、約0.97%、約0.98%、約0.99%、約1.0%、約1.01%、約1.02%、約1.03%、約1.04%、約1.05%、約1.06%、約1.07%、約1.08%、約1.09%、または約1.1%のSiを含み得る。すべて重量%で表される。
【0036】
特定の例では、開示された合金は、合金の総重量に基づいて約0.3%~約1.3%(例えば、約0.4%~約1.25%、約0.5%~約1.2%、約0.7%~約1.1%、約0.8%~約1.25%、約1.1%~約1.25%、約1.1%~約1.2%、約1.0%~約1.2%、約1.05%~約1.3%、または約1.15%~約1.3%)の量のマグネシウム(Mg)を含む。例えば、合金は、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.71%、約0.72%、約0.73%、約0.74%、約0.75%、約0.76%、約0.77%、約0.78%、約0.79%、約0.8%、約0.81%、約0.82%、約0.83%、約0.84%、約0.85%、約0.86%、約0.87%、約0.88%、約0.89%、約0.9%、約0.91%、約0.92%、約0.93%、約0.94%、約0.95%、約0.96%、約0.97%、約0.98%、約0.99%、約1.0%、約1.01%、約1.02%、約1.03%、約1.04%、約1.05%、約1.06%、約1.07%、約1.08%、約1.09%、約1.1%、約1.11%、約1.12%、約1.13%、約1.14%、約1.15%、約1.16%、約1.17%、約1.18%、約1.19%、または約1.2%のMgを含むことができる。すべて重量%で表される。
【0037】
特定の態様では、合金は、合金の総重量に基づいて最大約0.25%(例えば、約0%~約0.25%、約0.03%~約0.06%、約0.03%~約0.19%、または約0.06%~約0.1%)の量のクロム(Cr)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.059%、約0.01%、約0.011%、約0.012%、約0.013%、約0.014%、約0.015%、約0.016%、約0.017%、約0.018%、約0.019%、約0.02%、約0.021%、約0.022%、約0.023%、約0.024%、約0.025%、約0.026%、約0.027%、約0.028%、約0.029%、約0.03%、約0.031%、約0.032%、約0.033%、約0.034%、約0.035%、約0.036%、約0.037%、約0.038%、約0.039%、約0.04%、約0.041%、約0.042%、約0.043%、約0.044%、約0.045%、約0.046%、約0.047%、約0.048%、約0.049%、約0.05%、約0.051%、約0.052%、約0.053%、約0.054%、約0.055%、約0.056%、約0.057%、約0.058%、約0.059%、約0.06%、約0.061%、約0.062%、約0.063%、約0.064%、約0.065%、約0.066%、約0.067%、約0.068%、約0.069%、約0.07%、約0.071%、約0.072%、約0.073%、約0.074%、約0.075%、約0.076%、約0.077%、約0.078%、約0.079%、約0.08%、約0.081%、約0.082%、約0.083%、約0.084%、約0.085%、約0.086%、約0.087%、約0.088%、約0.089%、約0.09%、約0.091%、約0.092%、約0.093%、約0.094%、約0.095%、約0.096%、約0.097%、約0.098%、約0.099%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、または約0.25%のCrを含むことができる。すべて重量%で表される。いくつかの場合では、Crは、合金に存在しない(すなわち、0%)。いくつかの例では、Crは粒組織を制御し、粒成長及び再結晶を防止することができる。より多量のCrは、時効テンパーにおいて、より高い成形性及び改善された曲げ性を提供することができる。
【0038】
特定の例では、合金は、合金の総重量に基づいて最大約0.35%(例えば、約0%~約0.35%、約0.05%~約0.18%、約0.1%~約0.35%、または約0.1%~約0.3%)の量のマンガン(Mn)を含むことができる。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.059%、約0.01%、約0.011%、約0.012%、約0.013%、約0.014%、約0.015%、約0.016%、約0.017%、約0.018%、約0.019%、約0.02%、約0.021%、約0.022%、約0.023%、約0.024%、約0.025%、約0.026%、約0.027%、約0.028%、約0.029%、約0.03%、約0.031%、約0.032%、約0.033%、約0.034%、約0.035%、約0.036%、約0.037%、約0.038%、約0.039%、約0.04%、約0.041%、約0.042%、約0.043%、約0.044%、約0.045%、約0.046%、約0.047%、約0.048%、約0.049%、約0.05%、約0.051%、約0.052%、約0.053%、約0.054%、約0.055%、約0.056%、約0.057%、約0.058%、約0.059%、約0.06%、約0.061%、約0.062%、約0.063%、約0.064%、約0.065%、約0.066%、約0.067%、約0.068%、約0.069%、約0.07%、約0.071%、約0.072%、約0.073%、約0.074%、約0.075%、約0.076%、約0.077%、約0.078%、約0.079%、約0.08%、約0.081%、約0.082%、約0.083%、約0.084%、約0.085%、約0.086%、約0.087%、約0.088%、約0.089%、約0.09%、約0.091%、約0.092%、約0.093%、約0.094%、約0.095%、約0.096%、約0.097%、約0.098%、約0.099%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、約0.3%、約0.31%、約0.32%、約0.33%、約0.34%、または約0.35%のMnを含むことができる。いくつかの場合では、Mnは、合金に存在しない(すなわち、0%)。すべて重量%で表される。
【0039】
特定の態様では、合金はまた、合金の総重量に基づいて約0.1%~約0.35%(例えば、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.25%、約0.18%~約0.25%、約0.2%~約0.21%、または約0.15%~約0.22%)の量の鉄(Fe)を含む。例えば、合金は、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、または約0.30%のFeを含むことができる。場合によっては、Feは合金中に存在しない(すなわち、0%である)。すべて重量%で表される。
【0040】
特定の態様では、合金は、合金の総重量に基づいて最大約0.25%(例えば、約0%~約0.2%、約0.01%~約0.25%、約0.01%~約0.15%、約0.01%~約0.1%、または約0.02%~約0.09%)の量のジルコニウム(Zr)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、または約0.25%のZrを含むことができる。特定の態様では、Zrは、合金中に存在しない(すなわち、0%)。すべて重量%で表される。いくつかの例では、Zrは粒組織を制御し、粒成長及び再結晶を防止することができる。より多量のZrは、T4及び時効テンパーにおいても、より高い成形性及び改善された曲げ性を提供することができる。
【0041】
特定の態様では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量に基づいて最大約1.0%(例えば、約0%~約1.0%、約0.001%~約0.3%、約0.005%~約0.09%、約0.004%~約0.3%、約0.03%~約0.2%、または約0.06%~約0.1%)の量の亜鉛(Zn)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.011%、約0.012%、約0.013%、約0.014%、約0.015%、約0.016%、約0.017%、約0.018%、約0.019%、約0.02%、約0.021%、約0.022%、約0.023%、約0.024%、約0.025%、約0.026%、約0.027%、約0.028%、約0.029%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、約0.3%、約0.31%、約0.32%、約0.33%、約0.34%、約0.35%、約0.36%、約0.37%、約0.38%、約0.39%、約0.4%、約0.41%、約0.42%、約0.43%、約0.44%、約0.45%、約0.46%、約0.47%、約0.48%、約0.49%、約0.50%、約0.51%、約0.52%、約0.53%、約0.54%、約0.55%、約0.56%、約0.57%、約0.58%、約0.59%、約0.6%、約0.61%、約0.62%、約0.63%、約0.64%、約0.65%、約0.66%、約0.67%、約0.68%、約0.69%、約0.7%、約0.71%、約0.72%、約0.73%、約0.74%、約0.75%、約0.76%、約0.77%、約0.78%、約0.79%、約0.8%、約0.81%、約0.82%、約0.83%、約0.84%、約0.85%、約0.86%、約0.87%、約0.88%、約0.89%、約0.90%、約0.91%、約0.92%、約0.93%、約0.94%、約0.95%、約0.96%、約0.97%、約0.98%、約0.99%、または約1.0%のZnを含むことができる。いくつかの場合では、Znは、合金に存在しない(すなわち、0%)。すべて重量%で表される。特定の態様では、Znは、ホイル、シート、及びシェート製品の曲げ及び曲げ異方性の低減を含む成形に有益であり得る。
【0042】
特定の態様では、合金は、合金の総重量に基づいて最大約0.3%(例えば、約0%~約0.3%、約0.01%~約0.25%、約0.05%~約0.2%、または最大約0.1%)の量のチタン(Ti)を含む。例えば、合金は、約0.01%、約0.011%、約0.012%、約0.013%、約0.014%、約0.015%、約0.016%、約0.017%、約0.018%、約0.019%、約0.02%、約0.025%、約0.03%、約0.035%、約0.04%、約0.045%、約0.05%、約0.055%、0.06%、約0.065%、約0.07%、約0.075%、約0.08%、約0.085%、約0.09%、約0.095%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、または約0.3%のTiを含むことができる。特定の態様では、Tiは、合金中に存在しない(すなわち、0%)。すべて重量%で表される。
【0043】
特定の態様では、合金は、合金の総重量に基づいて最大約0.04%(例えば、0%~約0.02%、約0.01%~約0.03%、約0.03%~約0.04%)の量のニッケル(Ni)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.011%、約0.012%、約0.013%、約0.014%、約0.015%、約0.016%、約0.017%、約0.018%、約0.019%、約0.02%、約0.021%、約0.022%、約0.023%、約0.024%、約0.025%、約0.026%、約0.027%、約0.028%、約0.029%、約0.03%、約0.031%、約0.032%、約0.033%、約0.034%、約0.035%、約0.036%、約0.037%、約0.038%、約0.039%、または約0.04%のNiを含むことができる。特定の態様では、Niは、合金中に存在しない(すなわち、0%)。すべて重量%で表される。
【0044】
任意に、合金組成物は、場合によっては不純物と呼ばれる他の微量元素を、それぞれ約0.05%以下、約0.04%以下、約0.03%以下、約0.02%以下、または約0.01%以下の量でさらに含むことができる。これらの不純物は、V、Ga、Ca、Hf、Sr、Sc、Sn、またはそれらの組み合わせを含んでよいが、これらに限定されない。したがって、V、Ga、Ca、Hf、Sr、Sc、またはSnは、合金中に、約0.05%以下、約0.04%以下、約0.03%以下、約0.02%以下、または約0.01%以下の量で存在し得る。特定の態様では、すべての不純物の合計は、約0.15%を超えない(例えば、0.1%)。すべて重量%で表される。特定の態様では、合金の残りのパーセンテージは、アルミニウムである。
【0045】
連続熱処理プロセス
本開示の特定の態様及び特徴は、以下に記載されるように、金属ストリップが溶体化され、急速に冷却され、高温(例えば、120℃~300℃の範囲の温度)で熱スパイクされ、コイル化される連続熱処理プロセスに関する。特定の実施形態において、金属ストリップは、熱処理可能な合金、例えば、熱処理可能なアルミニウム合金である。特定の実施形態では、熱スパイクされた金属ストリップは、コイル化の前または後に冷却される。特定の実施形態では、熱スパイクされた金属ストリップは、コイル化の前または後に自然冷却されるだけである。いくつかの実施形態では、コイルは、連続熱処理プロセスの最後にコイル化した後に冷却する(例えば、冷却ファン(複数可)を使用する)ことができる。特定の実施形態では、金属ストリップ自体は、鋳造インゴットの皮剥、均質化、熱間圧延、任意にバッチ焼鈍、及び冷間圧延から調製することができる。
【0046】
連続熱処理プロセスは、特定のライン速度で運転することができる。例えば、連続熱処理プロセスは、5メートル/分を超える、例えば10メートル/分を超える、20メートル/分を超える、25メートル/分を超える、30メートル/分を超える、40メートル/分を超える、50メートル/分を超える、60メートル/分を超える、70メートル/分を超える、80メートル/分を超える、90メートル/分を超える、100メートル/分を超える、10メートル/分~100メートル/分、20メートル/分~80メートル/分、30メートル/分~70メートル/分、または40メートル/分~60メートル/分のライン速度で運転することができる。
【0047】
溶体化
溶体化により、特定の合金中に存在する所望の量の合金元素を溶体化(例えば、アルミニウム固溶体化)することができる。いくつかの態様では、溶体化ステップは、金属ストリップ(例えば、プレート、シェート、シート、またはホイル)を、室温から約400℃~約590℃(例えば、約450℃~約575℃、約400℃~約525℃、約450℃~約510℃、約520℃~約590℃、約520℃~約580℃、約520℃~約560℃、約530℃~約570℃、約545℃~約575℃、約550℃~約570℃、約555℃~約565℃、約540℃~約560℃、約540℃~約575℃、約560℃~約580℃、約550℃~約575℃、約540℃、約550℃、約560℃、または約570℃)の温度まで加熱することを含むことができる。
【0048】
特定の実施形態では、ストリップを一定期間温度で浸漬することができる。特定の態様では、ストリップを、ある時間(例えば、最大およそ5分、両端を含めて約10秒~約5分、約1秒~約3分、または約5秒~約5分)浸漬することができる。例えば、ストリップを、温度(例えば、約525℃~約590℃)で20秒未満、25秒未満、30秒未満、35秒未満、40秒未満、45秒未満、50秒未満、55秒未満、60秒未満、65秒未満、70秒未満、75秒未満、80秒未満、85秒未満、90秒未満、95秒未満、100秒未満、105秒未満、110秒未満、115秒未満、120秒未満、125秒未満、130秒未満、135秒未満、140秒未満、145秒未満、または150秒未満、または5分未満、またはその間のいずれか、浸漬することができる。
【0049】
特定の態様では、溶体化は、連続プロセス、例えば連続熱処理ラインで行うことができる。いくつかの実施形態では、連続プロセス(例えば、連続熱処理ライン)は、特定のライン速度を有することができる。
【0050】
特定の態様では、溶体化ステップは、熱間圧延ステップ及び/または冷間圧延ステップの直後に金属ストリップ上で行われる。他の態様では、溶体化ステップは、熱間圧延ステップ及び/または冷間圧延ステップの後に(例えば、48時間超後に)金属ストリップ上で行われる。特定の態様では、溶体化ステップは、焼鈍及び冷間圧延ステップの後に行われる。
【0051】
急速冷却
理論に束縛されるものではないが、溶質元素及び過剰な空孔を金属ストリップの金属(例えば、アルミニウム)マトリックスにロックするために、金属ストリップを非常に急速に冷却することができる。したがって、いくつかの態様では、溶体化後、金属ストリップを急速に冷却して金属ストリップの温度を低下させることができる。いくつかの態様では、溶体化炉から冷却媒体への移送時間は非常に短い(例えば、1秒未満、2秒未満、3秒未満、5秒未満、10秒未満、15秒未満、20秒未満、25秒未満、30秒未満、35秒未満、40秒未満、45秒未満、50秒未満、55秒未満、1分未満、2分未満、3分未満、4分未満、5分未満、または10分未満)。溶体化された金属の移送の時間は、炉のドアが開き始めた瞬間から始まり、アルミニウム合金が完全に浸漬されて水没する点まで進む。移送時間が規定の時間制限を超えると、不完全な溶体化が起こる可能性があり、これは特定の合金の不均一な冶金的及び機械的条件を意味する。
【0052】
特定の態様では、溶体化後、金属ストリップは、選択されたゲージに基づく急速冷却ステップにおいて、約1℃/秒~400℃/秒の間で変化し得る速度で冷却することができる。例えば、急速冷却の速度は、約50℃/秒~約375℃/秒、約60℃/秒~約375℃/秒、約70℃/秒~約350℃/秒、約80℃/秒~約325℃/秒、約90℃/秒~約300℃/秒、約100℃/秒~約275℃/秒、約125℃/秒~約250℃/秒、約150℃/秒~約225℃/秒、約175℃/秒~約200℃/秒、約10℃/秒~約125℃/秒、または約20℃/秒~約125℃/秒であり得る。いくつかの態様では、金属ストリップは、100℃未満、例えば90℃未満、80℃未満、70℃未満、60℃未満、50℃未満、45℃未満、40℃未満、35℃未満、30℃未満、25℃未満、20℃未満、15℃未満の温度まで、約20℃から約80℃まで、約20℃から約70℃まで、約20℃から約60℃まで、約25℃から約50℃まで、約25℃から約40℃まで、約20℃まで、約25℃まで、約30℃まで、約35℃まで、約40℃まで、約45℃まで、または約50℃まで、急速に冷却することができる。
【0053】
特定の態様では、金属ストリップは、液体(例えば、水)及び/またはガス、または別の選択された冷却媒体で急速に冷却することができる。特定の態様では、金属ストリップは、空気で急速に冷却される。特定の態様では、金属ストリップは、水で急速に冷却することができる。
【0054】
熱スパイク
金属ストリップは、高温で熱スパイク処理を受けることができる。本明細書に記載されるように、当技術分野で以前に開示されたものよりも高い熱スパイク温度を使用することは、本開示の予想外の利点を達成するのに役立った。いくつかの態様では、熱スパイク温度(すなわち、金属ストリップが曝されるピーク温度であり、必ずしも金属ストリップ自体の温度ではない)は、約100℃~約300℃、例えば約120℃~約300℃、約150℃~約300℃、約170℃~約280℃、約180℃~約270℃、約190℃~約260℃、約200℃~約250℃、約210℃~約250℃、約220℃~約250℃、約220℃~約240℃の範囲内、約200℃、約210℃、約220℃、約230℃、約240℃、または約250℃である。いくつかの態様では、金属ストリップ自体は、熱スパイク温度の100℃以内、例えば90℃以内、80℃以内、70℃以内、60℃以内、50℃以内、40℃以内、30℃以内、20℃以内、10℃以内、5℃以内、または1℃以内に達する。
【0055】
いくつかの態様では、熱スパイク処理は、金属ストリップを溶体化及び空冷した後に行われる。いくつかの態様では、熱スパイク処理は、例えば連続熱処理プロセスの一部として、溶体化及び急速冷却と同じ加工ライン速度で行うことができる。
【0056】
T4またはT4Pテンパー中の従来の6XXX材料は、金属マトリックス全体に均一に分布した多数の微細な準安定クラスタ及びゾーンを含む。従来のプロセスでは、塗料硬化中に、いくつかの微細な不安定クラスタ/ゾーンが金属マトリックス中に再溶解する一方で、他のものは時効硬化により材料強度を改善する。本明細書に記載のプロセスは、合金材料が向上した時効応答(硬度応答)を示すことを可能にする。理論に束縛されるものではないが、150℃~320℃、(例えば、長い再加熱炉では)例えば約150℃~300℃、約180℃~300℃、または約150℃~225℃の熱スパイクの後の、コイル化及びコイル冷却は、クラスタ及びゾーンの一部を形成し、コイル冷却中の析出プロセスを促進すると考えられる。
【0057】
温度がピーク熱スパイク温度に維持される期間は、0からその状況で実用的な任意の時間までの範囲であり得る。いくつかの態様では、熱スパイク処理は、連続熱処理プロセスの加工ラインの速度で(例えば、長い炉内で)行われる。例えば、加工ラインの速度及び熱スパイク処理の速度は、約1メートル/分~約120メートル/分、例えば約2メートル/分~約110メートル/分、約5メートル/分~約100メートル/分、約10メートル/分~約600メートル/分、約20メートル/分~約500メートル/分、約25メートル/分~約500メートル/分、約30メートル/分~約400メートル/分、約40メートル/分~約350メートル/分、約50メートル/分~約300メートル/分、または約100メートル/分~約250メートル/分の速度で行うことができる。実際には、期間は、通常、0~最大約5分、例えば約1秒~約5分、約2秒~約4分、約3秒~約3分、約5秒~約2分、約7秒~約1分、または約10秒~約30秒である。
【0058】
いくつかの態様では、熱スパイク処理が行われる加熱速度は(すなわち、金属ストリップの温度が上昇する速度は)、約1℃/分~約50℃/秒(例えば、約1℃/秒~約40℃/秒、約2℃/秒~約40℃/秒、約3℃/秒~約35℃/秒、約3℃/秒~約30℃/秒、約5℃/秒~約30℃/秒、約10℃/秒~約25℃/秒、または約2℃/秒~約10℃/秒)である。
【0059】
いくつかの態様では、熱スパイク処理は、再加熱炉、例えば連続再加熱炉で行われる。いくつかの態様では、熱スパイク処理は、長い再加熱炉内で行われる。例えば、炉は、少なくとも10メートル、例えば少なくとも20メートル、少なくとも25メートル、少なくとも30メートル、少なくとも40メートル、少なくとも50メートル、少なくとも60メートル、少なくとも70メートル、少なくとも80メートル、少なくとも90メートル、または少なくとも100メートルの有効長(すなわち、金属ストリップが連続プロセスで加熱される長さ)を有することができる。本開示を限定するものではないが、これにより、ライン速度及び/または熱スパイク時間を増加させることができる。
【0060】
時効
いくつかの態様では、金属ストリップは時効プロセスを受けない。いくつかの態様では、金属ストリップのコイル化及び/または金属ストリップの冷却と組み合わせた金属ストリップの熱スパイクは、時効硬化の代わりをすることができる。
【0061】
冷却
いくつかの態様では、金属ストリップは、熱スパイク処理後に冷却することができる。いくつかの態様では、この冷却はコイル化の後に行うことができる。他の態様では、この冷却はコイル化の前に行うことができる。また、いくつかの態様では、コイル化の前及び/または後に冷却を行うことができる。例えば、いくつかの態様では、金属ストリップは、例えば少なくとも1つのファンを使用して空冷することができる。いくつかの態様では、金属ストリップは、(例えば、熱スパイク処理とコイル化との間のストリップの通過中に)自然冷却されるだけであり、これは、コイル化の前に金属ストリップを冷却するために使用される装置またはプロセスがないことを意味する。例えば、金属ストリップは、コイル化の前に周囲条件にのみ(例えば、連続熱処理プロセスのライン速度で)曝されてもよい。いくつかの態様では、金属ストリップは、コイル化後に自然冷却されるだけである。本明細書に記載されるように、自然冷却(例えば、冷却前の周囲条件への曝露のみ)は、当技術分野で以前に使用された「冷却すること」または「冷却される」という用語に含まれない。いくつかの態様では、冷却または自然冷却は、金属ストリップが周囲温度に達するまで実行することができる。
【0062】
いくつかの態様では、金属ストリップ及び/またはコイル化された金属ストリップは、約60℃/時間以下(例えば、約50℃/時間以下、約40℃/時間以下、約30℃/時間以下、約20℃/時間以下、約10℃/時間以下、約5℃/時間以下、約3℃/時間以下、約2.5℃/時間以下、約2℃/時間以下、約1.5℃/時間以下、約1℃/時間以下、または約0.8℃/時間以下)の速度で冷却または自然冷却することができる。
【0063】
金属ストリップを調製する方法
特定の態様では、開示される金属(例えば、合金)ストリップ組成物は、開示される方法の生成物である。本開示を限定するものではないが、アルミニウム合金特性などの合金特性は、合金の調製中の微細構造の形成によって部分的に決定される。特定の態様では、合金組成物に対する調製方法は、合金が所望の用途に適切な特性を有するか否かに影響を与え得るか、または決定さえし得る。
【0064】
本明細書に記載の金属(例えば、合金)ストリップは、鋳造法を使用してインゴットに鋳造することができる。例えば、鋳造プロセスは、直接チル(DC)鋳造プロセスを含むことができる。別の例では、鋳造プロセスは連続鋳造プロセスを含むことができる。鋳造インゴットは、その後、さらなる加工ステップを受けることができる。1つの非限定的な例では、加工方法は、上述の溶体化、急速冷却、熱スパイク処理、及びコイル化と、それに続く冷却(例えば、コイル化後のファン冷却)の前に、皮剥、均質化、熱間圧延、任意のバッチ焼鈍、及び冷間圧延を含む。
【0065】
均質化
いくつかの態様では、均質化ステップは、1ステップ均質化または2ステップ均質化を含むことができる。均質化ステップの一例では、本明細書に記載の合金組成物から調製されたインゴットを加熱して、約または少なくとも約500℃(例えば、少なくとも520℃、少なくとも530℃、少なくとも540℃、少なくとも550℃、少なくとも560℃、少なくとも570℃、または少なくとも580℃)のピーク金属温度(PMT)を得る1ステップ均質化が行われる。例えば、インゴットは、約520℃~約580℃、約530℃~約575℃、約535℃~約570℃、約540℃~約565℃、約545℃~約560℃、約530℃~約560℃、または約550℃~約580℃の温度に加熱され得る。いくつかの場合では、ピーク金属温度までの加熱速度は、約100℃/時間以下、75℃/時間以下、50℃/時間以下、40℃/時間以下、30℃/時間以下、25℃/時間以下、20℃/時間以下、15℃/時間以下、または10℃/時間以下であり得る。他の場合では、ピーク金属温度までの加熱速度は、約10℃/分~約100℃/分(例えば、約10℃/分~約90℃/分、約10℃/分~約70℃/分、約10℃/分~約60℃/分、約20℃/分~約90℃/分、約30℃/分~約80℃/分、約40℃/分~約70℃/分、または約50℃/分~約60℃/分)であり得る。
【0066】
次いでインゴットは、ある期間浸漬される(すなわち、示された温度で保持される)。1つの非限定的な例によれば、インゴットは最大約8時間(例えば、約5秒~8時間、または約30分~約8時間(両端含む))浸漬される。例えば、インゴットは、少なくとも500℃の温度で30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、またはその間のいずれか、浸漬することができる。
【0067】
均質化ステップの別の例では、2ステップ均質化が実施され、本明細書に記載の合金組成物から調製されたインゴットは、約または少なくとも約480℃~約520℃の第1の温度を達成するように加熱される。例えば、インゴットは、約480℃、490℃、500℃、510℃、または520℃の第1の温度に加熱することができる。特定の態様では、第1の温度までの加熱速度は、約10℃/分~約100℃/分(例えば、約10℃/分~約90℃/分、約10℃/分~約70℃/分、約10℃/分~約60℃/分、約20℃/分~約90℃/分、約30℃/分~約80℃/分、約40℃/分~約70℃/分、または約50℃/分~約60℃/分)であり得る。他の態様では、第1の温度までの加熱速度は、約10℃/時間~約100℃/時間(例えば、約10℃/時間~約90℃/時間、約10℃/時間~約70℃/時間、約10℃/時間~約60℃/時間、約20℃/時間~約90℃/時間、約30℃/時間~約80℃/時間、約40℃/時間~約70℃/時間、または約50℃/時間~約60℃/時間)であり得る。
【0068】
次いで、インゴットをある期間浸漬させる。ある場合には、インゴットを最大約6時間(例えば、5秒~6時間、または30分~6時間(両端含む))浸漬させる。例えば、インゴットは、約480℃~約520℃の温度で30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、もしくは6時間、またはその間のいずれか、浸漬することができる。
【0069】
2ステップ均質化プロセスの第2のステップでは、インゴットを第1の温度から約520℃を超える第2の温度(例えば、520℃超、530℃超、540℃超、550℃超、560℃超、570℃超、または580℃超)までさらに加熱することができる。例えば、インゴットは、約520℃~約580℃、約530℃~約575℃、約535℃~約570℃、約540℃~約565℃、約545℃~約560℃、約530℃~約560℃、または約550℃~約580℃の第2の温度に加熱され得る。第2の温度への加熱速度は、約10℃/分~約100℃/分(例えば、約20℃/分~約90℃/分、約30℃/分~約80℃/分、約10℃/分~約90℃/分、約10℃/分~約70℃/分、約10℃/分~約60℃/分、約40℃/分~約70℃/分、または約50℃/分~約60℃/分)であり得る。
【0070】
他の態様では、第2の温度までの加熱速度は、約10℃/時間~約100℃/時間(例えば、約10℃/時間~約90℃/時間、約10℃/時間~約70℃/時間、約10℃/時間~約60℃/時間、約20℃/時間~約90℃/時間、約30℃/時間~約80℃/時間、約40℃/時間~約70℃/時間、または約50℃/時間~約60℃/時間)であり得る。
【0071】
次いで、インゴットをある期間浸漬させる。ある場合には、インゴットを最大約6時間(例えば、5秒~6時間、または30分~6時間(両端含む))浸漬させる。例えば、インゴットは、約520℃~約580℃の温度で30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、もしくは6時間、またはその間のいずれか、浸漬することができる。
【0072】
熱間圧延
いくつかの態様では、均質化ステップに続いて、熱間圧延ステップを実施することができる。特定の場合において、インゴットを敷設し、約380℃~約540℃の入口温度範囲で熱間圧延する。例えば、入口温度は、例えば、約505℃、510℃、515℃、520℃、525℃、530℃、535℃、または540℃であり得る。特定の場合では、熱間圧延出口温度は、約230℃~約420℃(例えば、約330℃~約370℃)の範囲であり得る。例えば、熱間圧延出口温度は、約255℃、260℃、265℃、270℃、275℃、280℃、285℃、290℃、295℃、300℃、305℃、310℃、315℃、320℃、325℃、330℃、335℃、340℃、345℃、350℃、355℃、360℃、365℃、370℃、375℃、または380℃とすることができ、上記の入口温度のいずれかと組み合わせることができる。
【0073】
特定の場合では、インゴットは、約2mm~約15mm厚ゲージ(例えば、約5mm~約12mm厚ゲージ)に熱間圧延され、これは、シェートと称され得る。例えば、インゴットは、約4mm厚ゲージ、約5mm厚ゲージ、約6mm厚ゲージ、約7mm厚ゲージ、約8mm厚ゲージ、約9mm厚ゲージ、約10mm厚ゲージ、約11mm厚ゲージ、約12mm厚ゲージ、約13mm厚ゲージ、約14mm厚ゲージ、または約15mm厚ゲージに熱間圧延することができる。特定の場合には、インゴットは、厚さ15mmを超えるゲージ(すなわち、プレート)まで熱間圧延することができる。他の場合には、インゴットを4mm未満のゲージ(すなわち、シート)まで熱間圧延することができる。いくつかの態様では、熱間圧延コイルは、いくつかの場合には冷間圧延前にバッチ焼鈍することができる。特定の実施形態では、焼鈍は、第1のコールドパスまたは第2のコールドパスの後、最終コールドパスの前に行われることも可能である。
【0074】
冷間圧延
いくつかの態様では、熱間圧延ステップの後に冷間圧延ステップを実施することができる。特定の態様では、熱間圧延ステップからの圧延製品は、シート(例えば、およそ4.0mm未満)に冷間圧延することができる。特定の態様では、圧延製品は、0.6mm~1.0mm、1.0mm~3.0mm、または3.0mm~4.0mmの厚さに冷間圧延される。特定の態様では、合金は、約3.5mm以下、3mm以下、2.5mm以下、2mm以下、1.5mm以下、または1mm以下まで冷間圧延される。例えば、圧延製品は、約0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、または3.0mmまで冷間圧延することができる。
【0075】
上述のプロセスの態様を使用して、上述のような金属ストリップを製造することができる。さらに、説明したように、金属ストリップは、熱処理された物品を製造するために、開示された連続熱処理プロセスを使用して加工することができる。いくつかの態様では、金属ストリップを製造し、金属ストリップを熱処理するプロセス全体は連続的である。次いで、金属ストリップに記載の熱処理プロセスを施すことができる。
【実施例
【0076】
これらの説明のための例は、本明細書で論じられる一般的な主題を読者に紹介するために与えられており、開示された概念の範囲を限定することを意図するものではない。以下のセクションでは、図面を参照して種々のさらなる特徴及び例について説明する。図面では、同様の数字は同様の構成要素を示している。また方向の記述を、例示的な実施形態を説明するために使用しているが、例示的な実施形態と同様に、本開示を限定するために使用するべきではない。本明細書の例示に含まれる要素は、一定の比率で描かれてはいない場合がある。
【0077】
実施例1
0.62重量%のMg、0.75重量%のSi、0.21重量%のCu、0.13重量%のMn、0.2重量%のFe及び0.02重量%のTiを含む合金の直接チル鋳造インゴットを、皮剥し、均質化し、最終的な0.9mmゲージまで熱間及び冷間圧延した。コイルの冷間圧延ストリップ(実施例1)を540℃~575℃で溶体化熱処理し、50℃未満まで急速に冷却し、ストリップがコイル化の前に60メートル/分で移動する連続プロセスで、220℃に設定された炉内で熱スパイクした。プロセス終了時の熱スパイクとコイル化との間に意図的な冷却はなかった(すなわち、天然のみ)。ストリップは、ラインのフライングせん断位置でのコイル化前、及び仕上げラインでの冷却後にサンプリングした。
【0078】
コイル化の前後に採取したサンプルを、ASTMサンプルをそのままの状態及び塗料焼付条件(2%+185℃で20分-T8Xと呼ばれる)で使用して、6日間の連続焼鈍溶体化熱処理(「CASH」)後に試験した。表5は、フライングせん断時及びコイル化前に採取したシートサンプルの横方向の降伏強度が、そのままの状態及び塗料焼付テンパーでそれぞれ117及び229MPaを示し、この合金から予想される典型的な値よりもわずかに高いだけであることを示す。しかしながら、降伏強度(YS)値は、コイル冷却サンプルの両方のテンパーでより高く、このことは、熱スパイクを有さず同様の温度でコイル化された従来の製品がそのような高い特性を示さないので、非常に驚くべきことである。そのような製品は、一般に、T4テンパー内のコイルを別個のバッチ時効熱処理に供することによって製造される。理論に束縛されるものではないが、開示された熱スパイクプロセスは、コイル冷却中の時効硬化プロセスを加速すると考えられる。
【0079】
【表5】
【0080】
実施例2~5
表6に示す組成を有する4つの異なる合金の直接チル鋳造インゴットを、皮剥し、均質化し、最終的なゲージまで熱間及び冷間圧延した。実施例1のようなコイルの冷間圧延ストリップを540℃~575℃で溶体化熱処理し、50℃未満まで急速に冷却し、ストリップがラインの端部でのコイル化の前に60メートル/分で移動する連続プロセスで、250℃に設定された炉内で熱スパイクした。ストリップは、ラインのフライングせん断位置でのコイル化前、及び仕上げラインでの冷却後にサンプリングした。
【0081】
【表6】
【0082】
コイル化の前後に採取した実施例2~5の試料を、JIS試料及び(2%+170℃で20分)の塗料焼付テンパーを用いて試験したコイル実施例3を除いて、ASTMサンプルをそのままの状態及びT8X(2%+185℃で20分)条件でキャッシュの数日後に試験した。表7は、フライングせん断及び仕上げラインで採取した実施例2~5のサンプルの引張特性をまとめたものである。表7は、4つの合金すべてが、コイル冷却前のフライングせん断サンプルとは対照的に、コイル冷却サンプルにおいて著しくより高い強度を示すことを示し、実施例1の結果を裏付けている。
【0083】
【表7】
【0084】
実施例6~8
実施例2~5と同様に、合金Ex.4の3つの冷間圧延コイルを連続熱処理ラインに溶体化し、200~250℃の範囲で熱スパイクし、熱スパイク後に意図的な冷却を行わず(すなわち、自然空冷のみ)、ラインの端部でコイル化した。コイル化前にフライングせん断で得られ、仕上げラインからコイル化された実施例6~8のサンプルを、ASTMサンプルを使用して、そのままの状態及びT8Xテンパーの両方で試験した。表8に要約されているように、この試験の結果は、熱スパイク及びコイル冷却されたサンプルが、フライングせん断サンプルと比較してより高い強度を示すことを示しており、熱スパイクの効果及び以前の実施例の結果を裏付けている。
【0085】
表8に列挙した実施例6~8の同じコイルを、1回目と同じ方法で再溶体化したが、再加熱器を自動モードでそれぞれ100℃及び150℃に設定した。再溶体化コイルからの結果を表9にまとめており、これは、熱スパイク温度の上昇がより高い強度をもたらすが、増加の程度が>200℃で見られるものよりも低いことを示している。これらの結果に示すように、熱スパイク温度は、コイル冷却サンプルの強度に大きな影響を及ぼす。この観察は、合金及び熱温度の適切な選択により、追加のバッチ時効プロセスを必要とせずに引張特性の異なる組み合わせを製造することが可能であることを示している。
【0086】
【表8】
【0087】
【表9】
【0088】
実施例9~10
この試験の目的は、第1に、AA6111コイルの強度に対するライン速度の変化(52m/分と41m/分)による熱スパイク中の加熱速度の影響を調べること、及び第2に、AA6111の引張特性をH3Xテンパーで供給される典型的な5xxx合金と比較することの2つであった。
【0089】
0.76重量%のCu、0.74重量%のMg、0.66重量%のSi、0.27重量%のFe及び0.74重量%のMnを含有するAA6111合金の一対の2mmゲージの冷間圧延コイル(実施例9及び10)を、520~560℃の間で溶体化し、50℃未満で急速に冷却し、250℃で炉内で熱スパイクした後、連続プロセスの最後にコイル化した。実施例9及び10のコイルを、それぞれ52メートル/分及び41メートル/分で熱処理した。サンプルを仕上げライン上の各コイルから得て、ASTMサンプルをそのままの状態及びT8Xテンパーの両方で使用して試験した。この試験の結果を表10に要約する。2つのライン速度で加工された両方のコイルは、T4及びT8Xテンパーの両方で非常に類似した特性を示し、41m/分から52m/分のストリップ速度の範囲のライン速度の変化から引張特性に大きな影響を及ぼさないことを示唆している。T4テンパーにおけるより高い強度は、潜在的に、ダウンゲージの可能性を提供するか、または成形後熱処理を排除する構造部品に使用することができる。
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
表11は、一般的に使用される5xxx合金の典型的なASTM引張特性をまとめたものである。YS、UTS及び全伸び値はそれぞれ、190~290MPa、230及び325MPa、7~16%の範囲である。表10のAA6111コイルのYSは5086-H34に近く、全伸びは著しくより高い。これは、本明細書に記載のプロセスによって製造されたAA6111材料が、より良好な全伸びを提供しながら5086-H34製品を置き換えることができることを示唆している。同じ合金を、他のAA5xxx製品の強度に適合するように、より低い温度での熱スパイクによってより低い強度で製造することができる。他のプロセス変数と共に合金の化学的性質を変化させることによって、強度の異なる組み合わせを達成することもできる。
【0093】
熱スパイクAA6xxxは、いかなる大きな自然時効も示さない。この特性は、同等の強度及び全伸びと共に、高い成形性が要求される5xxxの製品に対する非常に魅力的な代替品を提供する。
【0094】
実施例11
0.69重量%のMg、0.57重量%のSi、0.51重量%のCu、0.19重量%のMn、0.23重量%のFe及び0.01重量%のTiを含むAA6111合金の直接チルド鋳造インゴットを、皮剥し、均質化し、最終的な2.3mmゲージまで熱間及び冷間圧延した。コイルの冷間圧延ストリップを525℃の間で溶体化熱処理し、50℃未満に急速に冷却し、炉内で熱スパイクして、連続プロセスでストリップを約190℃に加熱し、約135℃のコイル幅の側壁温度で巻き戻した。ライン速度を17~20メートル/分で調節して、炉の出口で190℃に近いストリップ温度を確保した。プロセス終了時の熱スパイクとコイル化との間に意図的な冷却はなかった。コイル温度は約2.8℃/時間で135℃から85℃に低下し、周囲へのさらなる冷却は2℃/時間未満だった。熱処理の5日後にコイルをサンプリングし、ASTMサンプルを使用して、そのままの状態及び異なる塗料焼付テンパーで試験した。
【0095】
表12は、コイル冷却サンプルから採取したシートサンプルの平均横方向ASTM引張特性を示す。コイル冷却サンプルの降伏強度(YS)及び極限引張強度(UTS)はそれぞれ277MPa及び344MPaであり、17%の全伸び値であった。これらの特性は、100℃未満のコイル化温度で通常製造されるAA6111コイル(典型的に125MPaのYS、230MPaのUTS、及び24%の全伸びを示す)とは著しく異なる。コイルの特性は、140℃で50時間近い時効で得られた時効テンパーに特徴的である。理論に束縛されるものではないが、熱スパイクはコイル冷却中の硬化プロセスを加速する。合金は、表12に示すように、予備歪みの有無にかかわらず、高温での時効の場合、強度のわずかな増加を示す。熱スパイクプロセスは、比較的短い時効時間で強度を有し、14%未満の伸びを有する典型的なバッチ焼鈍プロセスから予想されるよりも良好な伸びを有するコイルを製造する。
【0096】
【表12】
【0097】
例示された実施形態を含む実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的のためにのみ提示されており、網羅的であること、または開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。その多くの変更、適応、及び使用が、当業者には明らかである。
【0098】
以下で使用されるように、一連の実施形態へのいかなる言及も、それらの実施形態のそれぞれに対する言及として離接的に理解されるべきである(例えば、「実施形態1~4」は「実施形態1、2、3、または4」として理解されるべきである)。
【0099】
実施形態1は、金属ストリップを鋳造すること;ライン速度で鋳造金属ストリップを溶体化して溶体化された金属ストリップを製造すること;溶体化された金属ストリップを空冷して、冷却された金属ストリップを製造すること;冷却された金属ストリップを150℃~300℃の温度で連続的にライン速度で熱スパイクして、熱スパイクされた金属ストリップを製造すること;熱スパイクされた金属ストリップをコイル化して、コイル化された金属ストリップを製造することを含む、熱処理アルミニウム合金の製造プロセスである。
【0100】
実施形態2は、熱スパイク後に、熱スパイクされた金属ストリップを冷却することをさらに含む、実施形態1のプロセスである。
【0101】
実施形態3は、熱スパイクされた金属ストリップを冷却することが、熱スパイクされた金属ストリップを空冷することを含む、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0102】
実施形態4は、熱スパイクされた金属ストリップの自然冷却のみが熱スパイクとコイル化との間で生じる、実施形態1のプロセスである。
【0103】
実施形態5は、熱スパイクされた金属ストリップをコイル化することが、連続ラインの端部で連続的に実行される、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0104】
実施形態6は、熱スパイクされた金属ストリップを冷却することが、10℃/時間未満の速度である、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0105】
実施形態7は、熱スパイクされた金属ストリップを冷却することが、2℃/時間未満の速度である、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0106】
実施形態8は、熱スパイクされた金属ストリップをコイル化することが、70℃~130℃の温度である、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0107】
実施形態9は、熱スパイクされた金属ストリップをコイル化することが、60℃を超える温度で実行される、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0108】
実施形態10は、ライン速度が少なくとも10メートル/分である、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0109】
実施形態11は、ライン速度が10メートル/分~120メートル/分である、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0110】
実施形態12は、熱スパイク温度が150℃~280℃である、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0111】
実施形態13は、熱スパイク温度が200℃~250℃である、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0112】
実施形態14は、金属ストリップの鋳造が連続鋳造を含む、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0113】
実施形態15は、金属ストリップの鋳造が直接チル(DC鋳造)を含む、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0114】
実施形態16は、鋳造後及び溶体化前に金属ストリップを均質化すること、熱間圧延すること、及び冷間圧延することをさらに含む、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0115】
実施形態17は、冷却された金属ストリップを熱スパイクすることが、少なくとも12メートルの長さを有する再加熱炉内で実行される、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0116】
実施形態18は、溶体化温度が約480℃~約590℃である、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0117】
実施形態19は、溶体化された金属ストリップを空冷することが、溶体化された金属ストリップを50℃未満に冷却することを含む、実施形態のいずれかに記載のプロセスである。
【0118】
実施形態20は、実施形態のいずれかに記載のプロセスから形成された熱処理金属ストリップである。
【国際調査報告】