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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】エアレイド不織布
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/4374 20120101AFI20241022BHJP
   D04H 1/26 20120101ALI20241022BHJP
   D04H 1/425 20120101ALI20241022BHJP
   D04H 1/4382 20120101ALI20241022BHJP
   D04H 1/54 20120101ALI20241022BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20241022BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20241022BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20241022BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
D04H1/4374
D04H1/26
D04H1/425
D04H1/4382
D04H1/54
B32B5/26
A61F13/511 300
A61F13/53 300
A61F13/15 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522300
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 US2022045793
(87)【国際公開番号】W WO2023064143
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/256,406
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519381724
【氏名又は名称】フィテサ(チャイナ)エアレイド カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523262226
【氏名又は名称】フィテサ シンプソンビル,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100166718
【弁理士】
【氏名又は名称】石渡 保敬
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】シン,ユー
(72)【発明者】
【氏名】レン,ジチュン
(72)【発明者】
【氏名】ホワ,ディン
(72)【発明者】
【氏名】チュ,イ-ジエン
【テーマコード(参考)】
3B200
4F100
4L047
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200AA11
3B200AA12
3B200AA14
3B200AA15
3B200BB03
3B200BB09
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3B200DB02
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3B200EA00
4F100AJ04
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4F100AK07A
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4F100DG15B
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4F100EJ86
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4F100JL12
4F100JL12A
4L047AA08
4L047AA14
4L047AA21
4L047AA27
4L047AA28
4L047AB02
4L047AB03
4L047AB04
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4L047AB09
4L047BA08
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4L047CA19
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4L047CC03
4L047EA01
4L047EA02
4L047EA05
4L047EA10
(57)【要約】
第1の層と前記第1の層の上に重なるエアレイド不織布層とを備えている複合シート材料が提供され、ここで、前記エアレイド不織布層は、竹由来のステープル繊維と非セルロースステープル繊維とのブレンドを含み、前記エアレイド不織布層は、前記第1の層の表面に向かって配置され且つ熱的に接着された第1の表面と、前記複合シート材料の外面を画定する第2の表面とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合シート材料であって、
第1の層;及び、
前記第1の層の上に重なるエアレイド不織布層
を含み、
ここで、前記エアレイド不織布層は、竹由来のステープル繊維と非セルロースステープル繊維とのブレンドを含み、前記エアレイド不織布層は、前記第1の層の表面に向かって配置され且つ熱的に接着された第1の表面と、前記複合シート材料の外面を画定する第2の表面とを備えている、
前記複合シート材料。
【請求項2】
前記第1の層が、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、カーディング処理された不織布、エアレイド不織布、セルロース系ティッシュペーパー、フィルム、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の複合シート材料。
【請求項3】
前記第1の層が、互いにエアースルー接着して一体的な不織布生地を形成する複数のステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む、請求項1又は2に記載の複合シート材料。
【請求項4】
前記エアレイド不織布層が、隣接するエアレイド層に熱的に接着されている複数のエアレイド層を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項5】
前記エアレイド不織布層が、2~10層のエアレイド層、特には3~6層のエアレイド層、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項6】
前記第1の層が、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項7】
前記非セルロース繊維が、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維である、請求項1~6のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項8】
前記第1の層が、バイオベースポリマーを含むカーディング処理された不織布生地を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項9】
前記エアレイド不織布層の前記非セルロースステープル繊維がバイオベースポリマーを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項10】
前記バイオベースポリマーが、脂肪族ポリエステル、バイオベース由来のポリエチレン、バイオベース由来のポリプロピレン、バイオベース由来のポリエステル、例えばバイオベース由来のポリエチレンテレフタレート(PET)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の複合シート材料。
【請求項11】
前記脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、又はそれらの組み合わせ若しくはブレンドを含む、請求項9に記載の複合シート材料。
【請求項12】
前記複合シート材料の坪量が、約25~約400g/m2、例えば約25~250g/m2、である、請求項1~11のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項13】
前記竹由来のステープル繊維が、約0.8~約3.0mmの平均長さ、及び約12~約22ミクロンの平均幅を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項14】
前記竹由来のステープル繊維が、約60~約120である幅に対する長さ比を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項15】
ポリマーコーティング層が前記エアレイド不織布層の表面の上に堆積され、ここで、前記ポリマーコーティングが、エチレンビニルアセテート、エチレンアクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンアクリレート、ポリビニルアルコール、バイオベースのラテックス、又はそれらの混合物を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項16】
前記ポリマーコーティングの追加乾燥重量が、前記複合シート材料の総重量に基づいて、約1.5~約5重量パーセントである、請求項15に記載の複合シート材料。
【請求項17】
前記エアレイド層が、慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項18】
前記エアレイド層における前記慣用的な木材パルプ繊維の量が、前記慣用的な木材パルプ繊維と前記竹由来のステープル繊維との合計重量に基づいて、約10~約90重量パーセントである、請求項17に記載の複合シート材料。
【請求項19】
前記芯が、約0.5~約3.0mmの範囲の厚さ、約5~約15mN/cmの範囲のCD剛性、及び約20~約50mN/cmの範囲のMD剛性を示す、請求項1~18のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項20】
前記複合シートが、約30~約50mm/15秒のウィッキング速度、及び約30~約70mmの垂直流体ウィッキング高さを示す、請求項1~19のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項21】
前記複合シートが、約1.25~約1.40mmの範囲の厚さ、約6~約14mN/cmの範囲のCD剛性、約25~約40mN/cmの範囲のMD剛性、約32~約40mm/15秒のウィッキング速度、及び約35~約65mmの垂直流体ウィッキング高さを示す、請求項1~20のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項22】
前記エアレイド不織布層が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の複合シート材料と比較して、前記複合シートが、50~150%の範囲の垂直ウィッキング高さにおける増加、及び40~120%の範囲のウィッキング速度における増加を示す、請求項1~21のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項23】
前記エアレイド不織布が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の複合シート材料と比較して、前記複合シートが、10~50%の範囲のMD剛性における減少、及び10~60%の範囲のCD剛性における減少を示す、請求項1~22のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項24】
前記エアレイド不織布が1以上のエアレイド層を含み、及び前記エアレイド層のうちの少なくとも1つが高吸収性ポリマーを含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項25】
前記エアレイド不織布層がエアースルー接着を介して熱的に接着されており、及び前記第1の層がエアースルー接着を介して前記上に重なるエアレイド不織布層に接着されている、請求項1~24のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか1項に記載の複合シート材料を含む吸収性物品。
【請求項27】
前記吸収性物品が、おむつ、女性用衛生パッド、又は吸収性物品の吸収性芯を含む、請求項26に記載の吸収性物品。
【請求項28】
吸収性物品において請求項1~25のいずれか1項に記載の複合シート材料を使用する方法。
【請求項29】
吸収性物品の吸収性芯であって、該芯が、竹由来のステープル繊維を含むエアレイド層を含む、前記吸収性芯。
【請求項30】
前記吸収性芯が、
互いに結合して一体的なウェブを形成する繊維の第1の層;及び、
前記第1の層の上に重なるエアレイド不織布層
を含み、
ここで、前記エアレイド不織布層が、竹由来のステープル繊維と非セルロースステープル繊維とのブレンドを含み、前記エアレイド不織布層が、前記第1の層の表面に向かって配置され且つ熱的に接着された第1の表面と、前記複合シート材料の外面を画定する第2の表面とを備えている、
請求項29に記載の吸収性芯。
【請求項31】
前記第1の層が、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、カーディング処理された不織布、エアレイド不織布、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド複合体(SMS)、セルロース系ティッシュペーパー、フィルム、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項30に記載の吸収性芯。
【請求項32】
前記第1の層が、互いにエアースルー接着されて一体的な不織布生地を形成する複数のステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む、請求項30又は31に記載の吸収性芯。
【請求項33】
前記エアレイド不織布層が、隣接するエアレイド層に熱的に接着されている複数のエアレイド層を含む、請求項30~32のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項34】
前記エアレイド不織布層が、2~10層のエアレイド層、特には3~6層のエアレイド層、を含む、請求項30~33のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項35】
前記第1の層が、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む、請求項30~34のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項36】
前記非セルロース繊維が、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維である、請求項30~35のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項37】
前記第1の層が、バイオベースポリマーを含むカーディング処理された不織布生地を含む、請求項30~36のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項38】
前記エアレイド不織布層の前記非セルロースステープル繊維がバイオベースポリマーを含む、請求項30~37のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項39】
前記バイオベースポリマーが、脂肪族ポリエステル、バイオベース由来のポリエチレン、バイオベース由来のポリプロピレン、バイオベース由来のポリエステル、例えばバイオベース由来のポリエチレンテレフタレート(PET)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項37又は38に記載の吸収性芯。
【請求項40】
前記脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、又はそれらの組み合わせ若しくはブレンドを含む、請求項39に記載の吸収性芯。
【請求項41】
前記複合シート材料の坪量が、約25~約400g/m2である、請求項30~40のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項42】
前記竹由来のステープル繊維が、約0.8~約3.0mmの平均長さ、及び約12~約22ミクロンの平均幅を有する、請求項30~41のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項43】
前記竹由来のステープル繊維が、約60~約120である幅に対する長さ比を有する、請求項30~42のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項44】
前記芯が、約0.5~約3.0mmの範囲の厚さ、約5~約15mN/cmの範囲のCD剛性、及び約20~約50mN/cmの範囲のMD剛性を示す、請求項30~43のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項45】
前記芯が、約30~約50mm/15秒のウィッキング速度、及び約30~約70mmの垂直流体ウィッキング高さを示す、請求項30~44のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項46】
前記芯が、約1.25~約1.40mmの範囲の厚さ、約6~約14mN/cmの範囲のCD剛性、約25~約40mN/cmの範囲のMD剛性、約32~約40mm/15秒のウィッキング速度、及び約35~約65mmの垂直流体ウィッキング高さを示す、請求項30~45のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項47】
前記エアレイド不織布層が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の吸収性芯材料と比較して、前記芯が、50~150%の範囲の垂直ウィッキング高さにおける増加、及び40~120の範囲のウィッキング速度における増加を示す、請求項30~46のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項48】
前記エアレイド不織布が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の吸収性芯材料と比較して、前記芯が、10~50%の範囲のMD剛性における減少、及び10~60%の範囲のCD剛性における減少を示す、請求項30~47のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項49】
前記エアレイド不織布が1以上のエアレイド層を含み、及び前記エアレイド層のうちの少なくとも1つが高吸収性ポリマーを含む、請求項30~48のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項50】
前記エアレイド不織布層がエアースルー接着を介して熱的に接着されており、及び前記第1の層がエアースルー接着を介して前記上に重なるエアレイド不織布層に接着されている、請求項30~49のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項51】
前記芯が、竹由来のステープル繊維を約10~約90重量パーセントと、慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を約10~約90重量パーセントとを含む、請求項29に記載の吸収性芯。
【請求項52】
前記芯の繊維が、エチレンビニルアセテート、エチレンアクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンアクリレート、ポリビニルアルコール、バイオベースのラテックス又はそれらの混合物を含むポリマー材料で接着されている、請求項29に記載の吸収性芯。
【請求項53】
前記ポリマー材料の追加乾燥重量が、前記吸収性芯の総重量に基づいて、約1.5~約20重量パーセントである、請求項52に記載の吸収性芯。
【請求項54】
前記芯が、高吸収性ポリマーを更に含む、請求項29及び51~53のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項55】
前記複合シート材料の坪量が約25~約400g/m2である、請求項29及び51~54のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項56】
前記竹由来のステープル繊維が、約0.8~約3.0mmの平均長さ、及び約12~約22ミクロンの平均幅を有する、請求項29及び51~55のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項57】
前記竹由来のステープル繊維が、約60~約120である幅に対する長さ比を有する、請求項29及び51~56のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項58】
組織層を更に含む、請求項29及び51~57のいずれか1項に記載の吸収性芯。
【請求項59】
複合シートを作成する方法であって、
シート材料の第1の層を用意すること;
前記第1の層の表面上に第1のエアレイド層を堆積させて複合シートを形成すること、ここで、前記第1のエアレイド層は、竹由来のステープル繊維と非セルロースステープル繊維との混合物を含む;並びに、
前記複合シートを加熱された気体でエアースルー接着して、前記非セルロースステープル繊維のポリマーを溶融させ、そして、隣接する繊維、前記竹由来のステープル繊維及び前記第1の層を融合させること、ここで、前記エアレイド層の非セルロースステープル繊維は互いに接着する、
を含む、前記方法。
【請求項60】
複数のエアレイド層を前記第1のエアレイド層上に連続的に堆積させることを更に含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記複合シートが、前記カーディング処理された不織布生地の上に重ねて連続的に堆積された2~10層のエアレイド層を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記第1の層が、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、カーディング処理された不織布、エアレイド不織布、セルロース系ティッシュペーパー、フィルム、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項59~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の層が、互いにエアースルー接着して一体的な不織布生地を形成する複数のステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む、請求項59~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記エアレイド不織布層が、隣接するエアレイド層に熱的に接着されている複数のエアレイド層を含む、請求項59~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記エアレイド不織布層が、2~10層のエアレイド層、特には3~6層のエアレイド層、を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の層が、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む、請求項59~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記非セルロース繊維が、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維である、請求項59~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記第1の層が、バイオベースポリマーを含むカーディング処理された不織布生地を含む、請求項59~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記エアレイド不織布層の前記非セルロースステープル繊維がバイオベースポリマーを含む、請求項59~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記バイオベースポリマーが、脂肪族ポリエステル、バイオベース由来のポリエチレン、バイオベース由来のポリプロピレン、バイオベース由来のポリエステル、例えばバイオベース由来のポリエチレンテレフタレート(PET)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項59~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、又はそれらの組み合わせ若しくはブレンドを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記複合シート材料の坪量が、約25~約400g/m2である、請求項59~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記竹由来のステープル繊維が、約0.8~約3.0mmの平均長さ、及び約12~約22ミクロンの平均幅を有する、請求項59~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記竹由来のステープル繊維が、約60~約120である直径に対する長さ比を有する、請求項59~73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記方法が前記エアレイド不織布層の表面の上に重ねてポリマーコーティング層を堆積することを更に含み、ここで、前記ポリマーコーティングが、エチレンビニルアセテート、エチレンアクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンアクリレート、ポリビニルアルコール、バイオベースのラテックス、又はそれらの混合物を含む、請求項59~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記ポリマーコーティングの追加乾燥重量が、前記複合シート材料の総重量に基づいて、約1.5~約4重量パーセントである、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記複合シートが、約0.5~約5.0mmの範囲の厚さ、約5~約15mN/cmの範囲のCD剛性、及び約20~約50mN/cmの範囲のMD剛性を示す、請求項59~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記複合シートが、約30~約50mm/15秒のウィッキング速度、及び約30~約70mmの垂直流体ウィッキング高さを示す、請求項59~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記複合シートが、約1.25~約1.40mmの範囲の厚さ、約6~約14mN/cmの範囲のCD剛性、約25~約40mN/cmの範囲のMD剛性、約32~約40mm/15秒のウィッキング速度、及び約35~約65mmの垂直流体ウィッキング高さを示す、請求項59~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記エアレイド不織布層が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の複合シート材料と比較して、前記複合シートが、50~150%の範囲の垂直ウィッキング高さにおける増加、及び40~120%の範囲のウィッキング速度における増加を示す、請求項59~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記エアレイド不織布が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の複合シート材料と比較して、前記複合シートが、10~50%の範囲のMD剛性における減少、及び10~60%の範囲のCD剛性における減少を示す、請求項59~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記エアレイド不織布が1以上のエアレイド層を含み、及び前記エアレイド層のうちの少なくとも1つが高吸収性ポリマーを含む、請求項59~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記エアレイド不織布層がエアースルー接着を介して熱的に接着されており、及び前記第1の層がエアースルー接着を介して前記上に重なるエアレイド不織布層に接着されている、請求項59~80のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年10月15日に出願された米国仮出願第63/256,406号の優先権を主張するものであり、その内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般的に、吸収性物品において使用する為のエアレイド不織布に関し、より特には、竹由来のステープル繊維と非セルロースステープル繊維とのブレンドを含むエアレイド不織布に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な天然繊維及び合成繊維の組み合わせで作られた不織布は、吸収性物品における製造の為に使用されることが知られている。そこのような吸収性物品は、使い捨て衛生用品、例えば、おむつ、女性用生理用品(femcare sanitary product)、大人用失禁用品(adult incontinent products)、おしりふき等、を包含する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸収性物品の製造及び設計における著しい発展にもかかわらず、向上された流体管理特性、減少した厚さ、及び増加した柔軟性を有する吸収性物品についての必要性が依然として存在する。環境中に導入される合成プラスチック材料の量を減らす為に、再生可能/持続可能なバイオベースの供給原料を利用することがまた重要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の或る実施態様は、非セルロースステープル繊維と竹由来のステープル繊維とのブレンドを含むエアレイド不織布に向けられている。驚くべきことに、慣用的な木材パルプ繊維の代わりに竹由来のステープル繊維を使用することにより、非セルロースステープル繊維及び慣用的な木材パルプ繊維を含む同一のエアレイド不織布と比較して、望ましい流体管理特性、例えば、ウィッキング速度及び垂直ウィッキング高さ、減少した厚さ、及び向上された柔軟性、における顕著な向上を提供することが見出された。
【0006】
1つの実施態様において、第1の層と該第1の層の上に重なるエアレイド不織布層とを備えている複合シート材料が提供され、ここで、該エアレイド不織布層は、竹由来のステープル繊維と非セルロースステープル繊維とのブレンドを含み、該エアレイド不織布層は、該第1の層の表面に向かって配置され且つ熱的に接着された(thermally bonded)第1の表面と、該複合シート材料の外面を画定する第2の表面とを備えている。
【0007】
或る実施態様において、該第1の層は、スパンボンド不織布(spunbond nonwoven)、メルトブローン不織布(meltblown nonwoven)、スパンレース不織布(spunlace nonwoven)、カーディング(梳毛)処理された不織布(carded nonwoven)、エアレイド不織布(airlaid nonwoven)、セルロース系ティッシュ(cellulosic tissue)、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド複合体(spunbond-meltblown-spunbond composite)、フィルム、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。好ましい実施態様において、該第1の層が、互いにエアースルー接着して一体的な不織布生地(coherent nonwoven fabric)を形成する複数のステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地(carded nonwoven fabric)を含む。幾つかの実施態様において、該第1の層が、複合構造体、例えば、メルトブローン-スパンボンド(MS)、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド複合体(SMS)、スパンボンド-メルトブローン-メルトブローン-スパンボンド複合体(SMMS)等、を含みうる。そのような複合体は、単独で、又は1以上の前述された材料と組み合わせて使用されることができる。
【0008】
幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布層は、隣接するエアレイド層に熱的に接着されている複数のエアレイド層を含む。例えば、該エアレイド不織布層は、2~10層の連続するエアレイド層を含みうる。1つの実施態様において、該エアレイド不織布層は、3~6層のエアレイド層を含む。
【0009】
或る実施態様において、該第1の層は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む。幾つかの実施態様において、該カーディング処理された不織布生地の該二成分ステープル繊維は、約25~約60ミリメートル(mm)の平均長さを有しうる。
【0010】
或る実施態様において、該エアレイド不織布の該非セルロース繊維は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維である。幾つかの実施態様において、該非セルロース繊維は、約0.8~約10ミリメートル(mm)の平均長さを有しうる。
【0011】
或る実施態様において、該第1の層が、ポリ乳酸(PLA)ステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含み、及び該エアレイド不織布の該非セルロース繊維は、該鞘がPLAを含む鞘/芯構成を有するPLAを含む。
【0012】
或る実施態様において、該第1の層は、バイオベースポリマーを含むカーディング処理された不織布生地を含む。
【0013】
幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布層の該非セルロースステープル繊維はバイオベースポリマーを含む。
【0014】
幾つかの実施態様において、該第1の層又は該エアレイド層の該バイオベースポリマーが、脂肪族ポリエステル、バイオベース由来のポリエチレン、バイオベース由来のポリプロピレン、バイオベース由来のポリエステル、例えばバイオベース由来のポリエチレンテレフタレート(PET)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0015】
幾つかの実施態様において、該脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、又はそれらの組み合わせ若しくはブレンドを含む。
【0016】
幾つかの実施態様において、該複合シート材料の坪量は、約25~約400g/m2、例えば約25~250g/m2又は約50~約100g/m2、である。
【0017】
或る実施態様において、該竹由来のステープル繊維は、約0.8~約3.0mmの平均長さ、及び約12~約22ミクロンの平均幅を有する。
【0018】
幾つかの実施態様において、該竹由来のステープル繊維は、約60~約120である幅に対する長さ比を有する。
【0019】
或る実施態様において、ポリマーコーティング層は該エアレイド不織布層の表面の上に堆積され、ここで、該ポリマーコーティングが、エチレンビニルアセテート、エチレンアクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンアクリレート、ポリビニルアルコール、バイオベースのラテックス又はそれらの混合物を含む。
【0020】
幾つかの実施態様において、該ポリマーコーティングの追加乾燥重量は、該複合シート材料の総重量に基づいて、約1.5~約4重量パーセントである。
【0021】
幾つかの実施態様において、該複合シート材料は、ステープル繊維からなるカーディング処理された不織布生地と、該カーディング処理された不織布生地の上に重なる少なくとも1つのエアレイド不織布層とを備えており、並びに、ここで、該複合シート材料が、約60~約100g/m2の範囲の坪量を示し、並びに該複合シート材料が、約0.5~約3.0mmの範囲の厚さ、約5~約15mN/cmの範囲のCD剛性、及び約20~約50mN/cmの範囲のMD剛性を示す。
【0022】
或る実施態様において、該複合シート材料は、約30~約50mm/15秒のウィッキング速度、及び約30~約70mmの垂直流体ウィッキング高さを示す。
【0023】
幾つかの実施態様において、該複合シート材料は、ステープル繊維からなるカーディング処理された不織布生地と、該カーディング処理された不織布生地の上に重なる少なくとも1つのエアレイド不織布層とを備えており、並びに、ここで、該複合シート材料が、約60~約100g/m2の範囲の坪量を示し、並びに該複合シート材料が、約1.25~約1.40mmの範囲の厚さ、約6~約14mN/cmの範囲のCD剛性、約25~約40mN/cmの範囲のMD剛性、約32~約40mm/15秒のウィッキング速度、及び約35~約65mmの垂直流体ウィッキング高さを示す。
【0024】
或る実施態様において、該エアレイド不織布層が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の複合シート材料と比較して、該複合シートは、50~150%の範囲の垂直ウィッキング高さにおける増加、及び40~120%の範囲のウィッキング速度における増加を示す。
【0025】
或る実施態様において、該エアレイド不織布が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の複合シート材料と比較して、該複合シートは、10~50%の範囲のMD剛性における減少、及び10~60%の範囲のCD剛性における減少を示す。
【0026】
幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布は1以上のエアレイド層を含み、及び該エアレイド層のうちの少なくとも1つが高吸収性ポリマーを含む。
【0027】
或る実施態様において、該エアレイド不織布層はエアースルー接着を介して熱的に接着されており、及び該第1の層は、エアースルー接着を介して該上に重なるエアレイド不織布層に接着される。
【0028】
或る実施態様において、該エアレイド層は、慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。1つのそのような実施態様において、該エアレイド層における慣用的な木材パルプ繊維の量が、該慣用的な木材パルプ繊維と該竹由来のステープル繊維との合計重量に基づいて、約10~約90重量パーセントである。
【0029】
或る実施態様において、該複合シート材料は、吸収性物品の成分を含んでいてもよい。本発明の実施態様はまた、吸収性物品中の該複合シート材料の使用に向けられている。
【0030】
本発明の観点の更なる観点はまた、複合シートを作成する方法であって、シート材料の第1の層を用意すること;該第1の層の表面上に第1のエアレイド層を堆積させて複合シートを形成すること、ここで、該第1のエアレイド層は、竹由来のステープル繊維と非セルロースステープル繊維との混合物を含む;並びに、該複合シートを加熱された気体でエアースルー接着して、該非セルロースステープル繊維のポリマーを溶融させ、そして、隣接する繊維該竹由来のステープル繊維及び該第1の層を融合させること、ここで、該エアレイド層の非セルロースステープル繊維は互いに接着する、の工程を含む上記の方法に向けられている。
【0031】
或る実施態様において、該方法は、複数のエアレイド層を該第1のエアレイド層上に連続的に堆積させることを更に含む。幾つかの実施態様において、該複合シートは、該カーディング処理された不織布生地の上に重ねて連続的に堆積された2~10層のエアレイド層を含む。
【0032】
本方法の幾つかの実施態様において、該第1の層は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含み、及び、該エアレイド不織布の該非セルロース繊維は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維を含む。
【0033】
本方法の幾つかの実施態様において、該カーディング処理された不織布生地の該二成分ステープル繊維は約25~約60ミリメートル(mm)の長さを有し、及び該エアレイド不織布の該非セルロース繊維は約0.8~約10ミリメートル(mm)の長さを有する。
【0034】
本方法の或る実施態様において、該カーディング処理された不織布生地はポリ乳酸(PLA)ステープル繊維を含み、及び該非セルロース繊維は、鞘がPLAからなる鞘/芯構造を有するPLA二成分繊維からなる。
【0035】
幾つかの実施態様において、該方法は、最も外側のエアレイド層の表面上にポリマーラテックスのコーティング層を堆積させ、そして次に、該ポリマーラテックスを硬化そして乾燥させるのに十分な温度まで該複合シート材料を加熱することの工程を含む。
【0036】
本方法の幾つかの実施態様において、該方法は、該エアレイド不織布層のうちの少なくとも1つの層に高吸収性ポリマーを添加することの工程を更に含む。
【0037】
或る実施態様において、
シート材料の第1の層を用意すること;
該第1の層の表面上に第1のエアレイド層を堆積させて複合シートを形成すること、ここで、該第1のエアレイド層は、竹由来のステープル繊維と非セルロースステープル繊維との混合物を含む;並びに、
該複合シートを加熱された気体でエアースルー接着して、該非セルロースステープル繊維のポリマーを溶融させ、そして、隣接する繊維、該竹由来のステープル繊維及び該第1の層を融合させること、ここで、該エアレイド層の非セルロースステープル繊維は互いに接着される
の工程を含む、複合シートを作成する方法が提供される。
【0038】
本方法の或る実施態様において、該方法は、複数のエアレイド層を該第1のエアレイド層上に連続的に堆積させることを含む。
【0039】
本方法の幾つかの実施態様において、該複合シートは、該カーディング処理された不織布生地の上に重ねて連続的に堆積された2~10層のエアレイド層を含む。
【0040】
本方法の幾つかの実施態様において、該第1の層は、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、カーディング処理された不織布、エアレイド不織布、セルロース系ティッシュペーパー、フィルム、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0041】
本方法の幾つかの実施態様において、該第1の層は、互いにエアースルー接着して一体的な不織布生地を形成する複数のステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む。
【0042】
本方法の幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布層は、隣接するエアレイド層に熱的に接着されている複数のエアレイド層を含む。
【0043】
本方法の幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布層は、2~10層のエアレイド層、特には3~6層のエアレイド層、を含む。
【0044】
本方法の幾つかの実施態様において、該第1の層は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む。
【0045】
本方法の幾つかの実施態様において、該非セルロース繊維は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維である。
【0046】
本方法の幾つかの実施態様において、該第1の層は、バイオベースポリマーを含むカーディング処理された不織布生地を含む。
【0047】
本方法の幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布層の該非セルロースステープル繊維はバイオベースポリマーを含む。
【0048】
本方法の幾つかの実施態様において、該バイオベースポリマーは、脂肪族ポリエステル、バイオベース由来のポリエチレン、バイオベース由来のポリプロピレン、バイオベース由来のポリエステル、例えばバイオベース由来のポリエチレンテレフタレート(PET)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0049】
本方法の幾つかの実施態様において、該脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、又はそれらの組み合わせ若しくはブレンドを含む。
【0050】
本方法の幾つかの実施態様において、該複合シート材料の坪量は、約25~250g/m2である。
【0051】
本方法の幾つかの実施態様において、該竹由来のステープル繊維は、約0.8~約3.0mmの平均長さ、及び約12~約22ミクロンの平均幅を有する。
【0052】
本方法の幾つかの実施態様において、該竹由来のステープル繊維は、約60~約120である幅に対する長さ比を有する。
【0053】
本方法の幾つかの実施態様において、該方法は、該エアレイド不織布層の表面の上に重ねてポリマーコーティング層を堆積することの工程を更に含み、ここで、該ポリマーコーティングが、エチレンビニルアセテート、エチレンアクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンアクリレート、ポリビニルアルコール、バイオベースのラテックス、又はそれらの混合物を含む。
【0054】
本方法の幾つかの実施態様において、該ポリマーコーティングの追加乾燥重量が、該複合シート材料の総重量に基づいて、約1.5~約4重量パーセントである。
【0055】
本方法の幾つかの実施態様において、該複合シート材料は、約0.5~約3.0mmの範囲の厚さ、約5~約15mN/cmの範囲のCD剛性、及び約20~約50mN/cmの範囲のMD剛性を示す。
【0056】
本方法の幾つかの実施態様において、該複合シートは、約30~約50mm/15秒のウィッキング速度、及び約30~約70mmの垂直流体ウィッキング高さを示す。
【0057】
本方法の幾つかの実施態様において、該複合シートは、約1.25~約1.40mmの範囲の厚さ、約6~約14mN/cmの範囲のCD剛性、約25~約40mN/cmの範囲のMD剛性、約32~約40mm/15秒のウィッキング速度、及び約35~約65mmの垂直流体ウィッキング高さを示す。
【0058】
本方法の幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布層が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の複合シート材料と比較して、該複合シートは、50~150%の範囲の垂直ウィッキング高さにおける増加、及び40~120%の範囲のウィッキング速度における増加を示す。
【0059】
本方法の幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布層が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の複合シート材料と比較して、該複合シートは、10~50%の範囲のMD剛性における減少、及び10~60%の範囲のCD剛性における減少を示す。
【0060】
本方法の幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布は1以上のエアレイド層を含み、及び該エアレイド層のうちの少なくとも1つが高吸収性ポリマーを含む。
【0061】
本方法の幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布層はエアースルー接着を介して熱的に接着されており、及び該第1の層がエアースルー接着を介して該上に重なるエアレイド不織布層に接着される。
【0062】
更なる観点において、本発明の実施態様は、吸収性物品の吸収性芯であって、該芯が竹由来のステープル繊維を含む上記の吸収性芯に向けられている。
【0063】
1つのそのような観点において、該吸収性芯は、一緒に接着されて一体的なウェブ(coherent web)を形成する繊維の第1の層;及び、該第1の層の上に重なるエアレイド不織布層を備えており、ここで、該エアレイド不織布層は、竹由来のステープル繊維と非セルロースステープル繊維とのブレンドを含み、該エアレイド不織布層は、該第1の層の表面に向かって配置され且つ熱的に接着された第1の表面と、該複合シート材料の外面を画定する第2の表面とを備えている。
【0064】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該第1の層は、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、カーディング処理された不織布、エアレイド不織布、セルロース系ティッシュペーパー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0065】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該第1の層は、互いにエアースルー接着されて一体的な不織布生地を形成する複数のステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む。
【0066】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該エアレイド不織布層は、隣接するエアレイド層に熱的に接着されている複数のエアレイド層を含む。
【0067】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該エアレイド不織布層は、2~10層のエアレイド層、特には3~6層のエアレイド層、を含む。
【0068】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該第1の層は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む。
【0069】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該非セルロース繊維は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート芯又はそれらの混合物とを有する二成分ステープル繊維である。
【0070】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該第1の層は、バイオベースポリマーを含むカーディング処理された不織布生地を含む。
【0071】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該エアレイド不織布層の該非セルロースステープル繊維はバイオベースポリマーを含む。
【0072】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該バイオベースポリマーは、脂肪族ポリエステル、バイオベース由来のポリエチレン、バイオベース由来のポリプロピレン、バイオベース由来のポリエステル、例えばバイオベース由来のポリエチレンテレフタレート(PET)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0073】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、又はそれらの組み合わせ若しくはブレンドを含む。
【0074】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該複合シート材料の坪量は、約25~約400g/m2である。
【0075】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該竹由来のステープル繊維は、約0.8~約5.0mm、例えば約1.0~約3.0mm、の平均長さ、及び約12~約22ミクロンの平均幅を有する。
【0076】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該竹由来のステープル繊維は、約60~約120である幅に対する長さ比を有する。
【0077】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該芯は、約0.5~約5.0mm、例えば約0.5~約3.0mm、の範囲の厚さ、約5~約15mN/cmの範囲のCD剛性、及び約20~約50mN/cmの範囲のMD剛性を示す。
【0078】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該芯は、約30~約50mm/15秒のウィッキング速度、及び約30~約70mmの垂直流体ウィッキング高さを示す。
【0079】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該芯は、約1.25~約1.40mmの範囲の厚さ、約6~約14mN/cmの範囲のCD剛性、約25~約40mN/cmの範囲のMD剛性、約32~約40mm/15秒のウィッキング速度、及び約35~約65mmの垂直流体ウィッキング高さを示す。
【0080】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該エアレイド不織布層が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の吸収性芯材料と比較して、該芯が、50~150%の範囲の垂直ウィッキング高さにおける増加、及び40~120の範囲のウィッキング速度における増加を示す。
【0081】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該エアレイド不織布層が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同一の吸収性芯材料と比較して、該芯は、10~50%の範囲のMD剛性における減少、及び10~60%の範囲のCD剛性における減少を示す。
【0082】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該エアレイド不織布は1以上のエアレイド層を含み、及び該エアレイド層のうちの少なくとも1つが高吸収性ポリマーを含む。
【0083】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該エアレイド不織布層が、エアースルー接着を介して熱的に接着されており、及び該第1の層がエアースルー接着を介して該上に重なるエアレイド不織布層に接着される。
【0084】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該芯は、竹由来のステープル繊維を約10~約90重量パーセントと、慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を約10~約90重量パーセントとを含む。
【0085】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該芯の該繊維が、エチレンビニルアセテート、エチレンアクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンアクリレート、ポリビニルアルコール、バイオベースのラテックス、又はそれらの混合物を含むポリマー材料で接着されている。
【0086】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該ポリマー材料の追加乾燥重量は、該吸収性芯の総重量に基づいて、約1.5~約5重量パーセントである。
【0087】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該芯は、高吸収性ポリマーを更に含む。
【0088】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該複合シート材料の坪量は、約25~約400g/m2である。
【0089】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該竹由来のステープル繊維は、約0.8~約3.0mmの平均長さ、及び約12~約22ミクロンの平均幅を有する。
【0090】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該竹由来のステープル繊維は、約60~約120である幅に対する長さ比を有する。
【0091】
該吸収性芯の幾つかの観点において、該吸収性芯は組織層を更に含む。
【0092】
このように本発明を一般的な語で説明してきたが、次に添付図面が参照されるが、これらは必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない
【図面の簡単な説明】
【0093】
図1図1は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従うエアレイド不織布の断面側面図である。
図2図2は、互いに重ね合わせた複数のエアレイド層を有するエアレイド不織布の断面側面図である。
図3図3は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シートである。
図4図4は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シートの断面側面図であり、ここで、該複合シートは複数のエアレイド層を含む。
図5図5は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シートの断面側面図であり、ここで、該複合シートは、最も外側のエアレイド層の表面上に堆積されたコーティング層を含む。
図6A図6Aは、本発明の実施態様に従う複合シートを作成する為のシステムの概略図である。
図6B図6Bは、本発明の少なくとも1つの実施態様に従ってエアレイド層を用意する為の成形ヘッドの概略図を示す。
図7図7は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シートの断面側面図であり、ここで、該複合シートは、最も外側のエアレイド層の表面上に形成された複数の交互の隆起とチャネルとを含む。
図8図8は、複合シート材料を通る流体の輸送及び分配を図示する。
図9図9は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う吸収性物品の説明図である。
図10図10は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う吸収性物品の説明図であり、ここで、該吸収性物品が女性用生理用パッドの形態である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
詳細な説明
本発明がここで添付の図面を参照してより本明細書の以下において完全に記載されており、該図面において本発明の実施態様の幾つかが示されているが、全てが示されているわけではない。事実、これらの発明は、多くの異なる形態において具体化されてもよく、本明細書において記載された実施態様に限定されると解釈されるべきでなく、寧ろ、これらの実施態様は、本開示が適用される法的要件を満たすように提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を言及する。本明細書において及び添付の特許請求の範囲において使用される場合に、単数形「1つ」(“a”、“an”)、「該」(the)は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数の参照語を含む。
【0095】
定義
【0096】
本出願の目的の為に、下記の語は下記の意味を有するものとする。
【0097】
語「繊維」(fiber)は、有限の長さを持つ繊維(fiber)、又は無限の長さを持つフィラメント(フィラメント)を云う。
【0098】
語「ステープル繊維」は、有限の長さを持つ繊維を云う。一般的に、ステープル繊維は、約2~200ミリメートル(mm)の長さを有していてもよい。
【0099】
本明細書において使用される場合に、語「単成分」は、1つのポリマーから形成された繊維、又はポリマーの単一ブレンドから形成された繊維を云う。もちろん、これは、色、帯電防止特性、潤滑性、親水性、撥液性等の為に添加剤が加えられている繊維を除外するものでない。
【0100】
本明細書において使用される場合に、語「多成分」は、別々の押出機から押し出される少なくとも2つのポリマー(例えば、二成分繊維)から形成される繊維を云う。該少なくとも2つのポリマーは、各々独立して、互いに同じであることができ若しくは異なることができ、又はポリマーのブレンドであることができる。該ポリマーは、繊維の断面を横切って実質的に一定に配置された個々のゾーン内に配置される。該成分は、任意の所望の構成、例えば、鞘-芯(sheath-core)、サイド-バイ-サイド(side-by-side)、セグメントパイ(segmented pie)、アイランド-イン-ザ-シー(island-in-the-sea)等、で配置されてもよい。多成分繊維を形成する為の様々な方法が、Taniguchi等に対する米国特許第4,789,592号明細書、Strack等に対する米国特許第5,336,552号明細書、Kaneko等に対する米国特許第5,108,820号明細書、Kruege等に対する米国特許第4,795,668号明細書、Pike等に対する米国特許第5,382,400号明細書、Strack等に対する米国特許第5,336,552号明細書、及びMarmon等に対する米国特許第6,200,669号明細書において記載されており、それらは参照によってそれらの全体が本明細書内に組み込まれる。様々な不規則な形状を有する多成分繊維がまた、例えば、Hogle等に対する米国特許第5,277,976号明細書、Hillsに対する米国特許第5,162,074号明細書、Hillsに対する米国特許第5,466,410号明細書、Largman等に対する米国特許第5,069,970号明細書、及びLargman等に対する米国特許第5,057,368号明細書において記載されており、それらは参照によってそれらの全体が本明細書内に組み込まれる。
【0101】
本明細書において使用される場合に、語「不織布」(nonwoven)、「不織布ウェブ」(nonwoven web)及び「不織布生地」(nonwoven fabric)は、織る工程又は編む工程を使用すること無しに形成されている材料の構造又はウェブ(web)であって、それらは絡み合っているが、識別可能な、繰り返し様式ではないところの上記の構造又はウェブを云う。不織布ウェブは、過去において、様々な慣用的な工程、例えば、メルトブローン(meltblown)プロセス、スパンボンド(spunbond)プロセス、及びステープル繊維カーディング(staple fiber carding)プロセス、によって形成されてきている。
【0102】
本明細書において使用される場合に、語「カーディング処理された生地」(carded fabric)は、カーディングプロセスを使用して機械方向に主に整列され且つ配向されたところのステープル繊維を含む不織布生地を云う。
【0103】
本明細書において使用される場合に、語「慣用的なパルプ繊維」は、木材パルプ、例えば広葉樹パルプ及び針葉樹パルプ、に典型的には由来するセルロース繊維を云い、竹パルプに由来する繊維は含まない。
【0104】
本明細書において使用される場合に、語「メルトブローン」(meltblown)は、溶融熱可塑性材料を複数の細い、通常は円形の、ダイキャピラリー(die capillaries)を通じて、溶融熱可塑性材料を減衰させる高速ガス(例えば空気)流中へと押し出し、そして、マイクロファイバー直径にされることができる繊維を形成することによって繊維が形成されるところのプロセスを云う。その後、該メルトブローン繊維は気体流によって運ばれ、そして、収集面上に堆積されて、ランダムなメルトブローン繊維のウェブを形成する。そのようなプロセスは、例えば、Buntin等に対する米国特許第3,849,241号明細書において開示されている。
【0105】
本明細書において使用される場合に、語「機械方向」(machine direction)又は「MD」は、製造の間の不織布ウェブの移動方向を云う。
【0106】
本明細書において使用される場合に、語「交差方向」(cross direction)又は「CD」は、機械方向に対して垂直であり且つ不織布ウェブの幅を横切って横方向に延在するところの方向を云う。
【0107】
本明細書において使用される場合に、語「スパンボンド」(spunbond)は、紡糸口金(spinneret)の複数の細い、通常は円形のキャピラリーから、溶融熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、次に、該フィラメントを細くし、そして機械的又は空気圧で延伸するプロセスを云う。該フィラメントは収集面上に堆積されて、ランダムに配置された実質的に連続したフィラメントのウェブを形成し、このウェブはその後、一緒に接着されて一体的な不織布生地を形成することができる。スパンボンド不織布ウェブの製造は、特許、例えば、米国特許第3,338,992号明細書;米国特許第3,692,613号明細書;米国特許第3,802,817号明細書;米国特許第4,405,297号明細書;及び米国特許第5,665,300号明細書において示されている。一般的に、これらのスパンボンドプロセスは、紡糸口金からフィラメントを押し出すこと、空気流で該フィラメントをクエンチングして溶融フィラメントの固化を早めること、空気圧で該フィラメントを空気流に乗せることによって又は機械的なドローロール(mechanical draw rolls)に該フィラメントを巻き付けるかのいずれかでドロー張力(draw tension)を施与して該フィラメントを細くすること、延伸されたフィラメント(drawn filaments)をフォラミナス収集面(foraminous collection surface)に堆積させてウェブを形成すること、及びルーズフィラメント(loose filaments)のウェブを不織布生地内に接着することを含む。該接着は、任意の熱的又は化学的な接着処理であることができ、典型的にはサーマルポイントボンディング(thermal point bonding)である。
【0108】
本明細書において使用される場合に、語「エアースルーサーマルボンディング」(air through thermal bonding)は、接着されるべき材料、例えば1以上の繊維ウェブ、を、加熱された気体、例えば空気、の流れを通じて渡すことを含み、ここで、該加熱された気体の温度は、接着される材料の少なくとも1つのポリマー成分の軟化温度又は溶融温度よりも高い。エアースルー熱接着は、材料を加熱オーブンに通すことを含んでいてもよい。
【0109】
本明細書において使用される場合に、語「サーマルポイント接着」(thermal point bonding)は、加熱されたカレンダーロール(calender roll)とアンビルロール(anvil roll)との間に接着されるべき材料、例えば1以上の繊維ウェブ、を通すことを含む。該カレンダーロールは典型的には、生地がその表面全体にわたって接着されるのではなく、個別のポイント接着部位で接着されるようにパターニングされている。
【0110】
本明細書において使用される場合に、語「ポリマー」は一般的に、ホモポリマー、コポリマー(例えば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー及び交互コポリマー)、ターポリマー等、並びにそれらのブレンド及び改変体を包含するが、これらに限定されない。その上、特に限定されない限り、語「ポリマー」は、材料の全てのありうる幾何学的構成、例えば、アイソタクチック(isotactic)、シンジオタクチック(syndiotactic)及びランダム対称性(random symmetries)を包含する上記の幾何学的構成、を包含するものとする。
【0111】
本明細書において使用される場合に、語「複合体」(composite)は、2以上の層、例えば、フィルム層と繊維層又は複数の繊維層、が一緒に接合されるものからなる構造体でありうる。複合構造の該2つの層は、それらの共通のX-Y平面界面の実質的な部分が互いに接合されるように、一緒に接合されてもよい。
【0112】
文脈から明らかでない限り、語「約」は、記載された値の標準的な測定誤差範囲(例えばSEM)内の値、又は特定された値から±0.5%、1%、5%又は10%の変動を包含する。
【0113】
本発明の実施態様は、非セルロースステープル繊維と竹由来パルプ繊維とのブレンドであるエアレイド不織布を含むシート材料に向けられている。本発明の1以上の実施態様に従うシート材料は、吸収性物品、特には、使い捨ての女性用衛生製品及び失禁用製品、の製造において特に有用である。
【0114】
I.エアレイド不織布生地
【0115】
図1を参照すると、エアレイド不織布が示されており、参照符号2によって広く指定されている。エアレイド不織布2は、単層8においてブレンドされる複数の非セルロースステープル繊維と竹由来のステープル繊維とを含む。単層8は、上面4と下面6とを備えている。該非セルロースステープル繊維及び竹由来のステープル繊維は、エアレイド不織布全体にわたって均質にブレンドされていてもよく又は不均一にブレンドされていてもよい。
【0116】
以下においてより詳細に説明されているように、慣用的な木材パルプ繊維の代わりに竹由来のステープル繊維を含むエアレイド不織布は、慣用的なパルプ繊維を含む同様に調製されたエアレイド不織布と比較して、或る流体ハンドリング特性における向上並びにエアレイド不織布の全体的な厚さにおける減少をもたらすことが発見された。加えて、本発明の或る実施態様に従うエアレイド不織布は、慣用的なパルプ繊維を含む同様に調製された生地と比較して、柔軟性に関して向上を示す。このように、本発明の実施態様に従うエアレイド不織布は、吸収性物品の製造における様々な用途において特に有用である。「同様に調製された」又は「同様のエアレイド不織布」とは、該エアレイド不織布が同一の化学的性質又は実質的に同一の化学的性質を有し、及び慣用的なパルプ繊維の代わりに使用される竹由来のステープル繊維の置換を除いて、同様又は同一の加工条件下で加工されていることを意味する。
【0117】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従うエアレイド不織布は、類似のエアレイド不織布と比較して、10~60%、特には約20~50%、より特には25~45%の範囲の厚さ(キャリパー)の減少を示し、ここで、該類似のエアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。
【0118】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従うエアレイド不織布は、類似のエアレイド不織布と比較して、10~50%、特には約15~約35%、より特には約20~約30%、の範囲のMD剛性における減少を示し、ここで、該類似のエアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。
【0119】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従うエアレイド不織布は、類似のエアレイド不織布と比較して、10~60%、特には約20~約50%、より特には約25~約45%、の範囲のCD剛性における減少を示し、ここで、該類似のエアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。
【0120】
有利には、該エアレイド不織布の剛性における低減は、該エアレイド不織布を含む該吸収性物品における全体的な剛性の低減を提供するのに役立ち、その結果、該吸収性物品において増加した柔軟性をもたらす。厚さにおける減少及び柔軟性における増加は一般的に望ましい。なぜならば、それらは、吸収性物品の快適性及び着用性を向上させる為に役立ち、並びに向上された目立たなさ(discreetness)を有する物品を提供するからである。
【0121】
更に、本発明の特定の実施態様に従うエアレイド不織布は、類似のエアレイド不織布と比較して、向上された柔軟性(例えば、低減された剛性)を示すことが観察されており、ここで、該類似のエアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。
【0122】
有利には、竹由来のステープル繊維の使用に関連付けられたこれらの向上は、エアレイド不織布の他の望ましい流体管理特性、例えば、流体取得時間、流体貯留及び流体吸収を著しく犠牲にすること無しに提供される。
【0123】
加えて、本発明の或る実施態様に従うエアレイド不織布は、類似のエアレイド不織布と比較して、向上されたウィッキング特性(構成要素を通って移動する流体の毛細管現象)を示し、ここで、該類似のエアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。
【0124】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従うエアレイド不織布は、類似のエアレイド不織布と比較して、50~150%、特には約75~約140%、より特には約90~約130%、の範囲の垂直ウィッキング高さにおける増加を示し、ここで、該類似のエアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。
【0125】
或る実施態様において、本発明に従うエアレイド不織布は、類似のエアレイド不織布と比較して、40~120%、特には約50~約110%、より特には約60~約100%、の範囲のウィッキング速度における増加を示し、ここで、該類似のエアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。幾つかの実施態様において、本発明の実施態様に従うエアレイド不織布は、類似のエアレイド不織布と比較して、75~95%の範囲のウィッキング速度における増加を示し、ここで、該類似のエアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。
【0126】
或る実施態様において、該エアレイド不織布はまた、竹の中に存在する天然由来の抗菌剤による抗菌特性を含みうる。
【0127】
該エアレイド不織布の該繊維は、熱(thermal)接着、超音波(ultrasonic)接着、機械的(mechanical)接着、及び接着剤(adhesive)接着を用いて隣接する繊維に接着されうる。幾つかの実施態様において、該エアレイド層は、水素結合を介して結合されてもよい。或る実施態様において、該エアレイド不織布を該エアレイド不織布の少なくとも1つのポリマー材料の融点を超える温度で加熱された気体、例えば空気、に付される熱接着ユニットに通すことによって該エアレイド不織布生地が熱接着される。好ましい実施態様において、加熱された気体、例えば空気、の流れが該エアレイド不織布の少なくとも1つのポリマー成分の軟化温度又は融点温度を越える温度であるところのエアースルー熱接着ユニットに該エアレイド不織布が通される。
【0128】
幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布の該繊維は、熱カレンダー接着(thermal calender bonding)を介して接着されうる。或る他の実施態様において、該エアレイド不織布の該繊維は、熱カレンダー接着に付されない。或る実施態様において、該エアレイド不織布の該繊維は、液圧の絡み合い(hydraulic entanglement)を介して接着されず、該繊維の接着において液圧の絡み合いプロセスがないことによって特徴付けられる。
【0129】
幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布2は、1以上のエアレイド層を含みうる。この点に関して、図2は、エアレイド不織布2が、互いに重なり合って形成される複数のエアレイド層(層8a、8b及び8c)を含む本発明の実施態様を示す。好ましくは、該複数のエアレイド層の各々は、隣接する層が互いに対して流体連通するように、該シート材料のすぐ隣接する層に隣接し且つ直接接触している。複数のエアレイド不織布層を含む実施態様において、隣接する層は、先に述べられた接着技術を用いて互いに接着されうる。好ましくは、複数のエアレイド層は、エアースルー接着ユニットにエアレイド不織布を通すことによって互いに熱的に接着される。
【0130】
一般的に、該エアレイド不織布は、意図される用途に応じて、約25~約400(g/m2)の範囲の坪量を有する。或る実施態様において、該エアレイド不織布は、約40~約200g/m2、より特には約50~約100g/m2、の範囲の坪量を有しうる。好ましい実施態様において、該エアレイド不織布は、約35~約80g/m2の坪量を有する。
【0131】
該エアレイド不織布の厚さは、約0.4~約4mm、特には約0.7~約3mm、より特には約0.7~約2mmの範囲を有しうる。好ましい実施態様において、該エアレイド不織布は、約0.8~約1.5mmの厚さを有する。
【0132】
A.竹由来のステープル繊維
【0133】
竹由来のステープル繊維は、処理済の竹パルプ及び未処理の竹パルプを含みうる。竹由来のステープル繊維を得る為の典型的なパルプ化方法は、化学パルプ化、化学機械パルプ化、熱機械パルプ化、及びそれらの組み合わせを包含しうる。
【0134】
多種多様な異なる竹の種類が使用されうる。走竹(running bamboo)及び群生竹(clumping bamboo)の両方が利用されうる。或る実施態様において、該竹由来のステープル繊維は群生竹に由来しうる。
【0135】
典型的には、本発明の或る実施態様において使用する為の竹由来のステープル繊維は、0.5~4.5mm(例えば、0.5~3mm)、特には約0.7~約2.5mm、例えば約0.8~約2.2mm、より特には約1.2~約2.0mm、の平均長さを示す。好ましい実施態様において、該竹由来のステープル繊維は、1.6~1.8mmの範囲の平均長さを示す。
【0136】
或る実施態様において、該竹由来のステープル繊維は、10~30ミクロン、例えば10~26ミクロン、特には約12~約22ミクロン、より特には約14~20ミクロン、の範囲の幅(断面直径)を示す。好ましい実施態様において、該竹由来のステープル繊維は16~18ミクロンの範囲の幅を示す。
【0137】
幾つかの実施態様において、該竹由来のステープル繊維は、約130~約50、特には約120~約60又は約110~約70、より特には約80~約100、である幅に対する長さ比を示す。好ましい実施態様において、該竹由来のステープル繊維は、約92~約98である幅に対する長さ比を示す。
【0138】
該エアレイド不織布中の竹由来のステープル繊維の量は典型的には、該エアレイド不織布の総重量に基づいて、約20~約95重量%、特には約30~約75重量パーセント、である。好ましい実施態様において、該エアレイド不織布中の竹由来のステープル繊維の量は、該エアレイド不織布の総重量に基づいて、約40~約60重量%である。
【0139】
或る実施態様において、該エアレイド不織布の該セルロース部分は、竹由来のステープル繊維100%を含む。幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布の該セルロース部分は、竹由来のステープル繊維を少なくとも95%、例えば96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、含む。
【0140】
B.非セルロースステープル繊維
【0141】
該エアレイド不織布の該非セルロースステープル繊維は典型的には、約0.8~約15mm、特には約3~約10mm、より特には約3~約6mm、の範囲の長さを有する。
【0142】
該エアレイド不織布において使用する為の記非セルロースステープル繊維の為の好適な材料は、単成分繊維若しくは多成分繊維、又は単成分繊維と多成分繊維との組み合わせを含みうる。好ましい実施態様において、該エアレイド不織布の該非セルロースステープル繊維は、鞘/芯構成を有する二成分繊維を含む。
【0143】
1つの実施態様において、該ステープル繊維は、鞘/芯構成を有する二成分繊維を含む。二成分繊維の例は、サイド-バイ-サイド(side-by-side)、アイランド-イン-ザ-シー(islands in the sea)、及び鞘/芯配置を包含する。好ましくは、該繊維は鞘/芯構造を有し、ここで、該鞘は第1のポリマー成分を含み、及び該芯は第2のポリマー成分を含む。この配置において、該第1のポリマー成分のポリマーと該第2のポリマー成分のポリマーとは、互いに同じであってもよく又は異なっていてもよい。例えば、1つの実施態様において、該鞘は第1のポリマー成分を含み、及び該芯は、該第1のポリマー成分と異なっていても又は同じであってもよい第2のポリマー成分を含む。好ましい実施態様において、該二成分繊維の該第1のポリマー成分及び該第2のポリマー成分は互いに異なる。
【0144】
幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布の該ステープル繊維は、該芯が該鞘に相対的に中央に配置されていてもよい鞘/芯構成を有しうる。代替的には、該芯は、該鞘に相対的に(off-set configuration)オフセット構成で存在しうる。結果として、熱が施与されるときに、例えば接着の間に熱が施与されるときに、該繊維はカール(curl)又はクリンプ(crimp)する傾向を有し、該エアレイド不織布にロフト(loft)を与える為に役立ちうる。
【0145】
1つの実施態様において、該鞘の該第1のポリマー成分は、該芯を含む該第2のポリマー成分の溶融温度よりも低い溶融温度を有するポリマーを含む。該鞘の低融点ポリマーは接着を促進し、一方、より高い溶融温度を有する該芯の該ポリマー成分は該繊維に強度を与え、従って、最終的な接着された不織布に強度を与える。
【0146】
一般的に、該繊維における該芯の重量パーセンテージに対する該鞘の重量パーセンテージは、該不織布生地の所望の特性に応じて大きく変化しうる。例えば、該芯に対する該鞘の重量比は、約10:90~90:10、特には約20:80~80:20、で変わりうる。好ましい実施態様において、該芯に対する該鞘の重量比は約60:40~約40:60であり、約50:50の重量比が好ましい。
【0147】
該エアレイド不織布において使用する為の非セルロースステープル繊維を使用する為に多種多様なポリマーが使用されうる。好適な繊維の例は、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン及びポリエチレン並びにそれらのコポリマー、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、ポリスチレン、コポリマー、及びそれらのブレンド、並びに繊維の調製において使用されうる他の合成ポリマーを包含しうる。1つの実施態様において、該非セルロースステープル繊維は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン芯とを含む鞘/芯構成を有する。他の実施態様において、該ステープル繊維は、ポリエチレン鞘とポリエステル芯、例えばポリエチレンテレフタレートを含む芯、とを含む鞘/芯構成を有しうる。
【0148】
幾つかの実施態様において、該非セルロースステープル繊維は、繊維のブレンド、例えばポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有する二成分ステープル繊維のブレンドを含んでいてもよく、ここで、該二成分ステープル繊維はポリエチレン鞘とポリプロピレン芯とを有する。1つの実施態様において、該エアレイド不織布の該繊維は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有し、4.3dtexの繊度(fineness)及び3~6mmの平均長さを有する偏心二成分ステープル繊維を含みうる。そのような繊維の例は、商品名TS47の下で、Indorama Polyester Industries Public Company Limitedから入手可能である。
【0149】
1つの実施態様において、該エアレイド不織布の該非セルロースステープル繊維は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有する二成分ステープル繊維を含みうる。1つのそのような例は、2.2dtexの繊度及び3mmの平均長さを有する二成分ステープル繊維であり、それは、商品名EZBON A (UN-204)の下に、Toray Chemical Korea Inc.から入手可能である。更なる例は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有する偏心二成分ステープル繊維である。そのような繊維は、商品名TS47(4.3dtexの繊度及び3mmの平均長さ)の下に、Indorama Polyester Industries Public Company Limitedから入手可能である。他の例は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有する二成分ステープル繊維であり、及び商品名T255ステープル繊維の下、Treviraから入手可能である。これらのステープル繊維は、4.3dtexの繊度及び3mmの平均長さを有する。
【0150】
別の実施態様において、該非セルロースステープル繊維は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン芯とを有する二成分ステープル繊維を含みうる。1つのそのような例は、4.0dtexの繊度及び4mmの平均長さを有するステープル繊維であり、それは、商品名Y116の下に、Yangzhou Petrochemical Co.Ltdから入手可能である。ポリエチレン鞘とポリプロピレン芯を有し、6.0のデニール(denier)及び51mmの平均長さを有する二成分ステープル繊維の別の例は、商品名JNGX-PZ11-6*51Lの下に、JiangNan High Polymer Fiberから入手可能である。
【0151】
幾つかの実施態様において、該非セルロース繊維は、繊維のブレンド、例えば二成分PE/PETとPE/PPステープル繊維とを含むブレンド、を含みうる。
【0152】
上述されたポリマーは一般的に、合成源、例えば石油由来のポリマー、に由来すると考えられる。幾つかの実施態様において、1以上の持続可能なポリマー成分を含むエアレイド不織布を提供することが望ましい場合がある。石油源由来のポリマーとは対照的に、持続可能なポリマーは一般的に、バイオベースの材料に由来する。幾つかの実施態様において、持続可能なポリマー成分はまた、生分解性であると考えられる。バイオベースの材料で作られた特別なクラスの生分解性製品は、複合環境において分解可能であることが可能である場合に、堆肥化可能であると考えられる。欧州規格EN 13432「プラスチック製品の堆肥化可能性の証明」(Proof of Compostability of Plastic Products)は、持続可能な内容物で構成された生地又はフィルムが堆肥化可能であるとして分類されることができるかを判断する為に使用されうる。
【0153】
1つのそのような実施態様において、該エアレイド不織布は、持続可能ポリマーを含む非セルロースステープル繊維を含む。或る実施態様において、該非セルロースステープル繊維は、合成材料、例えば、石油系の材料(petroleum-based materials)及びポリマー、を実質的に含まない。例えば、エアレイド不織布を含む非セルロースステープル繊維は、該エアレイド不織布の総重量に基づいて、25重量パーセント未満の非生物ベースである材料、より好ましくは20重量パーセント未満、15重量パーセント未満、10重量パーセント未満、更により好ましくは5重量パーセント未満、の非生物ベースの材料、を有しうる。
【0154】
1つの実施態様において、使用する為の持続可能ポリマーは、脂肪族ポリエステル系ポリマー、例えばポリ乳酸(PLA:polylactic acid)及びポリブチレンサクシネート(PBS:polybutylene succinate)、及びバイオベース由来のポリエチレンを包含しうる。
【0155】
本発明において有用な脂肪族ポリエステルは、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)のホモポリマー及びコポリマー、並びに1以上のポリオールと1以上のポリカルボン酸との反応生成物から誘導されるそれらの脂肪族ポリエステルのホモ及びコポリマーであって、これらは典型的には1以上のアルカンジオールと1以上のアルカンジカルボン酸(又はアシル誘導体)との反応生成物から形成される上記の脂肪族ポリエステルのホモ及びコポリマーを包含しうる。ポリエステルは更に、多官能性ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、及びそれらの組み合わせから誘導されて、分岐型、星型、及びグラフトホモポリマー及びコポリマーを形成しうる。ポリヒドロキシアルカノエートは一般的に、ヒドロキシ酸モノマー単位又はその誘導体から形成される。これらは例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリカプロラクトン等を包含する。脂肪族ポリエステルと1以上の追加の半結晶性又は非晶質性ポリマーとの混和性及び非混和性ブレンドがまた使用されうる。
【0156】
脂肪族ポリエステルの1つの有用なクラスは、ヒドロキシ酸の縮合重合又は開環重合によって得られるポリ(ヒドロキシアルカノエート)、又はそれらの誘導体である。好適なポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、下記の式によって表されうる:H(O--R--C(O)--)nOH、ここで、Rは、1~20個の炭素原子、好ましくは(炭素鎖中の炭素原子に結合した)カテナリー(catenary)酸素原子によって置換されていてもよい1~12個の炭素原子、を有する直鎖状又は分枝状であってよいアルキレン部分であり;nは、エステルが重合性であるような数であり、好ましくは、脂肪族ポリエステルの分子量が少なくとも10,000ダルトン、好ましくは少なくとも30,000ダルトン、最も好ましくは少なくとも50,000ダルトン、であるような数である。或る実施態様において、脂肪族ポリエステルの分子量は典型的には、1,000,000ダルトン未満、好ましくは500,000ダルトン未満、最も好ましくは300,000ダルトン未満である。Rは更に、1以上のカテナリー(すなわち鎖状中)エーテル酸素原子を含んでいてもよい。一般的に、ヒドロキシ酸のR基は、ペンダントヒドロキシル基が第一級又は第二級ヒドロキシル基である。
【0157】
有用なポリ(ヒドロキシアルカノエート)は例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(乳酸)(ポリラクチドとしてまた知られている)、ポリ(3-ヒドロキシプロパノエート)、ポリ(4-ヒドロペンタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシペンタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシヘプタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン及びポリグリコール酸(すなわち、ポリグリコリド)のホモポリマー及びコポリマーを包含する。上記のヒドロキシ酸の2以上のコポリマー、例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクテート-コ-3-ヒドロキシプロパノエート)、ポリ(グリコリド-コ-p-ジオキサノン)及びポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、が使用されてもよい。該ポリ(ヒドロキシアルカノエート)のうちの2以上のブレンドがまた使用されてもよく、並びに1以上の半結晶性若しくは非晶質性ポリマー及び/又はコポリマーとのブレンドがまた使用されてもよい。
【0158】
該脂肪族ポリエステルは、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)のブロックコポリマーであってもよい。本発明の組成物において有用な脂肪族ポリエステルは、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、星型-分岐型ランダムコポリマー、星型-分岐型ブロックコポリマー、樹枝状コポリマー、超分岐型コポリマー、グラフトコポリマー、及びそれらの組み合わせを包含しうる。
【0159】
脂肪族ポリエステルの他の有用なクラスは、1以上のアルカンジオールと1以上のアルカンジカルボン酸(又はアシル誘導体)との反応生成物から誘導されるそれらの脂肪族ポリエステルを包含する。そのようなポリエステルは、下記の一般式を有する。
【化1】
ここで、R'及びR''各々は、1~20個の炭素原子、好ましくは1~12個の炭素原子、を有する直鎖状又は分枝状であってもよいアルキレン部分を表し、及びmはエステルが重合性である数であり、好ましくは脂肪族ポリエステルの分子量が少なくとも10,000ダルトン、好ましくは少なくとも30,000ダルトン、最も好ましくは少なくとも50,000ダルトンであるが、1,000,000ダルトン未満、好ましくは500,000ダルトン未満、最も好ましくは300,000ダルトン未満、である数である。各nは独立して0又は1である。R'及びR''は更に、1以上のカテナリー(すなわち、鎖状で)エーテル酸素原子を含んでいてもよい。
【0160】
脂肪族ポリエステルの例は、(a)下記の二酸の1以上(又は、それらの誘導体):コハク酸;アジピン酸;1,12-ジカルボキシドデカン;フマル酸;グルタル酸;ジグリコール酸;及びマレイン酸;並びに(b)下記のジオールの1以上:エチレングリコール;ポリエチレングリコール;1,2-プロパンジオール;1,3-プロパンジオール;1,2-プロパンジオール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;1,4-ブタンジオール;2,3-ブタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;5~12個の炭素原子を有する1,2-アルカンジオール;ジエチレングリコール;300~10,000ダルトン、好ましくは400~8,000ダルトン、の分子量を有するポリエチレングリコール;300~4,000ダルトンの分子量を有するプロピレングリコール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドから誘導されるブロック又はランダムコポリマー;ジプロピレングリコール;及びポリプロピレングリコール、並びに(c)任意的に、少量の、すなわち0.5~7.0モルパーセントの、2超の官能性を有するポリオール、例えば、グリセロール、ネオペンチルグリコール及びペンタエリスリトール、から誘導されるホモポリマー及びコポリマーを包含する。
【0161】
そのようなポリマーは、ポリブチレンサクシネートホモポリマー、ポリブチレンアジペートホモポリマー、ポリブチレンアジペート-サクシネートコポリマー、ポリエチレンサクシネート-アジペートコポリマー、ポリエチレングリコールサクシネートホモポリマー及びポリエチレンアジペートホモポリマーを包含しうる。
【0162】
商業的に入手可能な脂肪族ポリエステルは、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(L-ラクチド-コ-トリメチレンカーボナート)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(ブチレンサクシネート)、及びポリ(ブチレンアジペート)を包含する。
【0163】
語「脂肪族ポリエステル」は、脂肪族及び/又はシクロ脂肪族成分のみから作られるポリエステルの他に、ポリエステルが実質的に持続可能な含量を有する限り、脂肪族及び/又はシクロ脂肪族単位の他に芳香族単位を含むところのポリエステルをまた含む。
【0164】
PLAベースの樹脂に加えて、本発明の実施態様に従う不織布生地は、1つのカルボン酸基と1つのヒドロキシル基とを有する脂肪族成分から誘導される他のポリマーを包含し得、それらは代替的には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA:polyhydroxyalkanoates)と呼ばれる。その例は、ポリヒドロキシブチレート(PHB:polyhydroxybutyrate)、ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレテレート)(PHBV:poly-(hydroxybutyrate-co-hydroxyvaleterate)、ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ポリヒドロキシヘキサノエート)(PHBH:poly-(hydroxybutyrate-co-polyhydroxyhexanoate)、ポリグリコール酸(PGA:polyglycolic acid)、ポリ-(イプシロン-カプロラクトン)(PCL:poly-(epsilon-caprolactione)であり、好ましくはポリ乳酸(PLA)である。
【0165】
本発明の実施態様において使用されうる追加のポリマーの例は、2つのカルボン酸基を有する脂肪族成分と2つのヒドロキシル基を有する脂肪族成分との組み合わせから誘導されるポリマーを包含し、並びに、脂肪族ジオールから及び脂肪族ジカルボン酸から誘導されるポリエステル、例えば、ポリブチレンサクシネート(PBSU:polybutylene succinate)、ポリエチレンサクシネート(PESU:polyethylene succinate)、ポリブチレンアジペート(PBA:polybutylene adipate)、ポリエチレンアジペート(PEA:polyethylene adipate)、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート(PTMAT:polytetramethylene adipate/terephthalate)、である。
【0166】
有用な脂肪族ポリエステルは、半結晶性ポリ乳酸から誘導される脂肪族ポリエステルを包含する。ポリ(乳酸)又はポリラクチド(PLA)は、乳酸をその主分解産物として有し、それは、自然界に普通に存在し、毒性がなく、食品、医薬品及び医療産業において広く使用されている。該ポリマーは、乳酸の二量体であるラクチドの開環重合によって調製されうる。乳酸は光学的に活性であり、及び二量体は下記の4つの異なる形態で現れる:L,L-ラクチド、D,D-ラクチド、D,L-ラクチド(メソラクチド)及びL,L-とD,D-のラセミ混合物である。これらのラクチドを純粋な化合物又はブレンドとして重合することによって、異なる立体化学的性質及び異なる物理的性質、例えば結晶化度(crystallinity)を包含する上記の物理的性質、を有するポリ(ラクチド)ポリマーが得られうる。L,L-又はD,D-ラクチドは半結晶性ポリ(ラクチド)を与え、一方、D,L-ラクチドから得られるポリ(ラクチド)は非晶質性である。
【0167】
一般的に、ポリ乳酸ベースのポリマーは、畑のトウモロコシから得られる糖源であるデキストロースから調製される。北米では、とうもろこしが、最終的に糖に変換する為の植物デンプンの最も経済的な供給源であること故に使用されている。しかしながら、デキストロースはトウモロコシ以外の供給源からも得られることができることが認識されるべきである。糖は微生物の使用を通じた発酵を介して乳酸又は乳酸誘導体に変換される。次に、乳酸は重合してPLAを形成しうる。とうもろこしに加えて、米、テンサイ、サトウキビ、小麦、セルロース系材料、例えば、木材パルプ化から回収されたキシロース等を包含する他の農業由来の糖供給源が使用されてもよい。
【0168】
該ポリラクチドは好ましくは、該ポリマーの固有の結晶化度を最大にする為に高いエナンチオマー比を有する。ポリ(乳酸)の結晶化度は、ポリマー骨格の規則性と他のポリマー鎖との結晶化する為の能力に基づく。比較的少量の一方のエナンチオマー(例えば、D-)が反対側のエナンチオマー(例えば、L-)と共重合される場合に、該ポリマー鎖は不規則な形状となり、及び結晶性が低下する。これらの理由から、結晶化度が好まれる場合には、該結晶化度を最大にする為に、少なくとも85%の1つの異性体、少なくとも90%の1つの異性体、又は少なくとも95%の1つの異性体、であるところのポリ乳酸が望ましい。
【0169】
幾つかの実施態様において、D-ポリラクチドとL-ポリラクチドとのほぼ等モルブレンドがまた有用である。このブレンドは、D-ポリ(ラクチド)及びL-(ポリラクチド)のいずれか単独(約190℃)よりも高い融点(約210℃)を有する独特の結晶構造を形成し、及び向上した熱安定性を有する。
【0170】
ポリ(乳酸)と他の脂肪族ポリエステルとのブロック及びランダムコポリマーを包含するコポリマーがまた使用されうる。有用なコモノマーは、グリコリド、ベータ-プロピオラクトン、テトラメチルグリコリド、ベータ-ブチロラクトン、ガンマ-ブチロラクトン、ピバロラクトン、2-ヒドロキシ酪酸、アルファー-ヒドロキシイソ酪酸、アルファー-ヒドロキシ吉草酸、アルファー-ヒドロキシイソ吉草酸、アルファー-ヒドロキシカプロン酸、アルファー-ヒドロキシエチル酪酸、アルファー-ヒドロキシイソカプロン酸、アルファー-ヒドロキシ-ベータ-メチル吉草酸、アルファー-ヒドロキシオクタン酸、アルファー-ヒドロキシデカン酸、アルファー-ヒドロキシミリスチン酸、及びアルファー-ヒドロキシステアリン酸を包含する。
【0171】
ポリ(乳酸)と1以上の他の脂肪族ポリエステル又は1以上の他のポリマーとのブレンドがまた使用されうる。有用なブレンドの例は、ポリ(乳酸)とポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール/ポリサクシネート、ポリエチレンオキシド、ポリカプロラクトン及びポリグリコリドを包含する。
【0172】
或る好ましい実施態様において、該脂肪族ポリエステル成分はPLAベースの樹脂を含む。本発明の実施態様に従って不織布生地を調製する為に、多種多様な異なるPLA樹脂が使用されうる。該PLA樹脂は、スパンボンドプロセスで紡糸される為に好適な分子特性を有するべきである。好適な例は、NatureWorks LLC(Minnetonka,Minn.55345)から供給されているPLA樹脂、例えば、グレード6752D、グレード6100D及びグレード6202D、を包含し、それは、Gruber等に対する米国特許第5,525,706号明細書及びGruber等に対する米国特許第6,807,973号明細書の教示に一般的に従って生成されると信じられている。好適なPLA樹脂の他の例はL130、L175及びLX175を包含し、それらの全ては、Corbion of Arkelsedijk 46,4206 A C Gorinchem,the Netherlandsから入手される。
【0173】
或る実施態様において、該非セルロースステープル繊維は鞘/芯構成を有し、ここで、該鞘及び該芯の両方がPLA樹脂を含む。これらの実施態様において、合成ポリマー成分、例えば石油系の材料及びポリマー、を実質的に含まないエアレイド不織布が提供されうる。例えば、該エアレイド不織布生地の該非セルロースステープル繊維は、両成分がPLAベースである二成分配置を有していてもよく、これにより、100%PLAであるステープル繊維を生成しうる。本明細書において使用される場合に、「100%PLA」はまた、例示的なものにすぎないが、色、柔らかさ、滑り、帯電防止、潤滑性、親水性、撥液性、抗酸化保護等を提供する為の添加剤及び/又は添加剤のマスターバッチを包含する5%以下の添加剤を含んでいてもよい。この点に関して、該非セルロースステープル繊維は、95~100%のPLA、例えば、96~100%のPLA、97~100%のPLA、98~100%のPLA、99~100%のPLA等、を含みうる。そのような添加剤がマスターバッチとして添加されるときに、例えば、加工を容易にする為に及び該繊維内の持続可能な含有量を最大にする為に、マスターバッチキャリア(masterbatch carrier)は主にPLAを含みうる。例えば、該エアレイド不織布の非セルロースステープル繊維は、1以上の追加の添加剤を含んでいてもよい。そのような実施態様において、例えば、添加剤は、着色剤、軟化剤、滑り剤、帯電防止剤、滑剤、親水剤、撥液剤、酸化防止剤等のうちの少なくとも1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0174】
1つの実施態様において、該鞘のPLAポリマーは、該芯のPLAポリマーと同じPLAポリマーであってもよい。他の実施態様において、該鞘のPLAポリマーは、該芯のPLAポリマーとは異なるPLAポリマーであってもよい。例えば、該二成分ステープル繊維は、該鞘が第1のPLAグレードを含み、ここで、該芯が第2のPLAグレードを含み、該第1のPLAグレードと該第2のPLAグレードとは異なる(例えば、該第1のPLAグレードが該第2のPLAグレードよりも低い融点を有する)ようなPLA/PLA二成分繊維を含んでいてもよい。例としてのみ挙げると、該第1のPLAグレードは約5%までの結晶化度を含んでいてもよく、及び該第2のPLAグレードは約40%~約50%の結晶化度を含んでいてもよい。
【0175】
幾つかの実施態様において、例えば、該第1のPLAグレードは、約125℃~約135℃の融点を含んでいてもよく、及び第第2のPLAグレードは、約155℃~約170℃の融点を含んでいてもよい。更なる実施態様において、例えば、該第1のPLAグレードは、約4~約10重量%のD異性体の重量パーセントを含んでいてもよく、及び該第2のPLAグレードは、約2重量%のD異性体の重量パーセントを含んでいてもよい。
【0176】
例えば、1つの実施態様において、該芯は、該鞘において使用されているD%異性体PLAポリマーのD%異性体よりも低いポリ乳酸のD%異性体を有するPLAを含みうる。低いD%異性体を有するPLAポリマーは、紡糸の間に高い応力誘起結晶化度(higher degree of stress induced crystallization)を示し、一方、高いD%異性体を有するPLAポリマーは、紡糸の間により非晶質な状態を保持する。より非晶質性の鞘は接着を促進し、一方、より高い結晶化度を示す芯は該繊維に強度を与え、従って最終的な接着されたウェブに強度を与える。1つの特定の実施態様において、4%のD異性体を有するNature Works PLA Grade 6752が該鞘として使用されることができ、一方、2%のD異性体を有するNatureWorks Grade 6202が該芯として使用されることができる。
【0177】
幾つかの実施態様において、本発明のエアレイド不織布は、1つのカルボン酸基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエステル基)と1つのヒドロキシル基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエーテル基)とを有する脂肪族成分から誘導されるところの生分解性製品の持続可能なポリマー成分を含んでいてもよく、又は2つのカルボン酸基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエステル基)を有する脂肪族成分と、2つのヒドロキシル基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエーテル基)を有する脂肪族成分との組み合わせから誘導されてもよく、又は2つのカルボン酸基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエステル基)を有する脂肪族成分と2つのヒドロキシル基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエーテル基)を有する脂肪族成分との組み合わせから誘導されてもよい。
【0178】
バイオベースポリマーの追加の非限定的な例は、有機体から直接的に生産されるポリマー、例えばポリヒドロキシアルカノエート(例えば、ポリ(ベータ-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート,NODAX商標)、及びバクテリアセルロース;植物及びバイオマスから抽出されるポリマー、例えば、多糖類及びその誘導体(例えば、ガム、セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサン、デンプン、化学修飾デンプン)、タンパク質(例えば、ゼイン(zein)、ホエー、グルテン、コラーゲン)、脂質、リグニン、及び天然ゴム;並びに、天然由来のモノマー及びその誘導体から得られる最新のポリマー、例えば、バイオポリエチレン、バイオポリプロピレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ナイロン11、アルキド樹脂(alkyd resins)、コハク酸ベースのポリエステル及びバイオポリエチレンテレフタレート、を包含する。
【0179】
幾つかの実施態様において、該非セルロースステープル繊維は、生物学的供給源に由来するバイオベースポリエチレンを含むバイオベースポリマーを含んでいてもよい。例えば、バイオベースポリエチレンは、糖を発酵させてエタノールを生成し、それを脱水してエチレンを提供するところの該糖から調製されることができる。好適なサトウキビ由来のポリエチレンの例は、製品名PE SHA7260の下でBraskem S.A.から入手可能である。
【0180】
該非セルロースステープル繊維の幾つかの実施態様において、該鞘はバイオベースのポリエチレンを含んでいてもよく、及び該芯はPLAポリマーを含んでいてもよい。
【0181】
幾つかの実施態様において、該鞘はPLA又はPBSポリマーを含んでいてもよく、及び該芯は合成ポリマー、例えばポリプロピレン、を含んでいてもよい。
【0182】
幾つかの実施態様において、該非セルロースステープル繊維は、溶融押出段階の間に1以上のポリマーとブレンドされる1以上の添加剤を含みうる。好適な添加剤の例は、分子フィルター及び/又は基体フィルター、例えば、ゼオライト、イオン交換粒子、活性炭等、着色剤、例えば顔料(例えば、TiO2)、UV安定剤、疎水化剤、親水化剤、帯電防止剤、エラストマー、相溶化剤、酸化防止剤、アンチブロック剤、スリップ剤、蛍光増白剤、難燃剤、抗菌剤、例えば酸化銅及び酸化亜鉛等、の1以上を包含する。
【0183】
幾つかの実施態様において、該竹由来のステープル繊維はまた、慣用的なパルプ繊維を含むステープル繊維とブレンドされてもよい。そのような用途において、慣用的な木材パルプ繊維の含有量は、エアレイド層中のパルプ繊維の総重量(例えば、竹由来のステープル繊維と慣用的なパルプ繊維との合計含有量)に基づいて80%以下でありうる。
【0184】
慣用的な木材パルプ繊維の追加的な例は、様々なパルプ化プロセスから調製されたパルプ、例えば、クラフトパルプ(kraft pulp)、サルファイトパルプ(sulfite pulp)、サーモメカニカルパルプ(thermo-mechanical pulp)等、を包含する。慣用的な木材パルプ繊維は、処理済のパルプ及び未処理のパルプを包含する。慣用的な木材パルプ繊維の例としては、1ミリメートル(mm)超の、特には約2mm~約5mmの、平均繊維長を有する針葉樹繊維を包含しうる。そのような針葉樹繊維は、北方針葉樹(northern softwood)、南方針葉樹(southern softwood)、レッドウッド(redwood)、レッドシダー(red cedar)、ヘムロック(hemlock)、パイン(pine)(例えば、サザンパイン(southern pines))、スプルース(spruce)(例えば、ブラックスプルース(black spruce))、それらの組み合わせ等を包含することができるが、それらに限定されない。本発明において好適な例示的な商業的に入手可能な慣用的な木材パルプ繊維には、商品名4722の下で、Georgia Pacificから入手可能なものを包含する。広葉樹繊維、例えば、ユーカリ(eucalyptus)、カエデ(maple)、シラカバ(birch)、アスペン(aspen)等、がまた、慣用的なパルプ繊維として使用されることができる。或る例において、再生された原料から得られる二次繊維、例えば繊維パルプ、例えば新聞紙、再生板紙及び事務廃棄物、が使用されうる。
【0185】
幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維及び非セルロース繊維と混合される高吸収性ポリマー又は高吸収性繊維を含みうる。高吸水性ポリマーが存在する場合、該高吸水性ポリマーは、繊維、粒子、ゲル等の形態であってもよい。一般的に言えば、高吸水性物質は、0.9重量パーセントの塩化ナトリウムを含む水性溶液中で、少なくともその重量の約10倍、場合によってはその重量の少なくとも約30倍、を吸収することができる水膨潤性物質である。高吸水性物質は、天然ポリマー、合成ポリマー及び改質天然ポリマー並びに材料から形成されうる。合成高吸水性ポリマーの例は、ポリ(アクリル酸)及びポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルエーテル)、無水マレイン酸とエーテル及びアルファー-オレフィンとのコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルモルホリノン)、ポリ(ビニルアルコール)、及びそれらの混合物、並びにそれらのコポリマーを包含する。更なる高吸水性物質は、天然ポリマー及び変性天然ポリマー、例えば加水分解されたアクリロニトリルグラフトデンプン(hydrolyzed acrylonitrile-grafted starch)、アクリル酸グラフトデンプン(acrylic acid grafted starch)、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及び天然ガム、例えばアルギナート、キサンタンガム、ローカストビーンガム等、を包含する。天然高吸水性ポリマーと全体的又は部分的に合成された高吸水性ポリマーとの混合物がまた本発明において有用でありうる。特に好適な高吸水性ポリマーは、BASF(Charlotte,N.C.)から入手可能なHYSORB 8800AD、及びDegrussa Superabsorber(Greensboro,N.C.)から入手可能なFAVOR SXM 9300である。天然高吸水性物質が存在する場合、該天然高吸水性物質は、100%の高吸水性物質を含んでいてもよく、又は合成高吸水性物質とブレンドされてもよい。
【0186】
該エアレイド層が複数のエアレイド不織布層を含む実施態様において、該高吸収性ポリマー又は高吸収性繊維は、該エアレイド不織布の1つの層のみに存在してもよく、又は該エアレイド不織布の複数のエアレイド層中に存在してもよい。高吸収性ポリマー又は高吸収性繊維が存在する場合、該高吸収性ポリマー又は該高吸収性繊維は、該高吸収性ポリマー又は該高吸収性繊維が存在する該エアレイド不織布層の総重量に基づいて、約5~約50重量パーセント、特には約10~約重量パーセント、の量で存在してもよい。
【0187】
本発明に従うエアレイド不織布の或る実施態様は、複合シート材料及び積層体の製造において特に有用である。特には、本発明の1以上の実施態様に従うエアレイド不織布は、吸収性物品の製造において特に有用である複合シート材料を提供する為に、1以上の追加層と組み合わせられてもよい。本発明のエアレイド不織布と組み合わせられてもよい追加層の例は、不織布生地、例えば、スパンボンド、メルトブローン、スパンレース、エアレイド及びカーディング処理された生地等;組織層、例えば、竹組織層及びフィルム層;並びにそれらの組み合わせを包含する。
【0188】
或る実施態様において、本発明のエアレイド不織布は特には、取得/分配層における構成要素として、又は吸収性物品における吸収性芯として有用である。
【0189】
II.吸収性物品の流体移送層(Fluid Transfer Layer)
【0190】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従うエアレイド不織布は、吸収性物品における流体移送層として特に有用である。有利には、該移送層は、トップシート(topsheet)から該芯への流体の制御された移送を提供する為に役に立つ。特には、該移送層は、該芯への移送の前に、該流体の一時的な貯蔵能力を提供する為に役に立つ。
【0191】
或る実施態様において、該移送層は、吸収性物品の製造における取得/分配層(AQDL:acquisition/distribution layer)成分を含む。該流体AQDL成分は一般的に、本発明のエアレイド不織布と、1以上の追加層、例えばカーディング処理された不織布層、との組み合わせを含む複合シート材料を備えている。幾つかの実施態様において、追加層は、不織布、例えば、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布及びカーディング処理された不織布;フィルム;並びに、セルロース系ティッシュペーパー、からなる群から選択されうる。
【0192】
図3を参照すると、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シート材料が示されており、参照符号10によって指定されている。図示された実施態様において、シート材料10は、流体取得構成要素12と、該流体取得構成要素の上に重なるエアレイド構成要素(airlaid component)14とを備えている。エアレイド構成要素14は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従うものであり、非セルロースステープル繊維と竹由来のステープル繊維とのブレンドを含む。非セルロースステープル繊維及び竹由来のステープル繊維の例は、本発明のエアレイド不織布に関連して上で議論されている。
【0193】
或る実施態様において、該流体取得構成要素は、第1の外面16及び第2の外面18を有する少なくとも1つの不織布層を含む。同様に、該エアレイド構成要素は、第1の外面20及び第2の外面22を備えている。
【0194】
1つの実施態様において、流体取得構成要素(fluid acquisition component)12の外面18は、エアレイド構成要素14の外面20に隣接して且つその反対側に配置される。好ましい実施態様において、流体分配構成要素(fluid distribution component)12及びエアレイド不織布構成要素14の反対側の外面18及び20は、各構成要素の表面が互いに接触するように、互いに直接反対側に配置される。
【0195】
幾つかの実施態様において、該エアレイド不織布構成要素14は、1以上のエアレイド層を備えていてもよい。この点に関して、図4は、該エアレイド構成要素が、流体取得構成要素12の上に形成される複数のエアレイド層を備えている本発明の実施態様を示す。好ましくは、複数の該エアレイド層の各々は、隣接する層が互いに対して流体連通するように、該エアレイド構成要素のすぐ隣接する層に隣接し及びそれに直接接触している。
【0196】
幾つかの実施態様において、該エアレイド構成要素の非セルロースステープル繊維と該流体取得構成要素の繊維の少なくとも一部との両方は、2つの構成要素における繊維の互いの接着を促進することを助ける為に相溶性ポリマー(compatible polymers)を含む。
【0197】
典型的には、流体AQDL構成要素は、流体を着用者の皮膚から素早く遠ざけ、そして、吸収性物品の吸収性芯内に均一に分配する為に、特性のバランスをとる必要がある。該流体がAQDL構成要素を通じて迅速に運ばれ過ぎる場合に、該流体は該層を通じて横方向に(x-y方向に)分配されない場合がある。その結果、流体が吸収性芯の一領域に局在化しすぎる場合がある。理想的には、該流体が流体AQDL構成要素を迅速に移動し、それと同時に、該流体が該構成要素通じて横方向に分布されることが望ましい。このことにより、該吸収芯の広い表面積にわたって該流体が吸収されることを可能にする。
【0198】
この所望のバランスを達成する為には、流体AQDL構成要素が良好な流体移送特性、良好なウィッキング特性(構成要素を通って移動する流体の毛細管現象)、低い流体取得時間(所与の量の流体を材料が吸収する為にかかる時間の長さ)、及び良好な流体貯留特性を有することが重要である。最初の3つの特性は、流体が着用者の皮膚から吸収性芯内に移動する速さに寄与し、及び流体貯留特性は、該吸収芯内に移送する前に該流体が横方向に分散されることを可能にする為に、これらの特性のバランスをとる為に役に立つ。
【0199】
吸収性物品、例えば、フェムケア製品(femcare products)、おむつ及び失禁用製品、は典型的には、個人によって着用されることが意図されている為に、着用者にとっての材料の快適性がまた重要である。該材料が柔軟でなく、硬く(stiff)又は堅い(rigid)場合に、該着用者は吸収性物品を拒絶する可能性が最も高い。従って、該吸収性物品は、上述された特性のバランスを提供するだけでなく、該着用者に向上した快適性と適合性とを提供するように弾力性を有することが望ましい。
【0200】
本発明の発明者等は、本発明に従う複合シートが、流体吸収性、流体ウィッキング性、流体取得時間、及び流体貯留の良好なバランスを提供すること、並びに良好な柔軟性、弾力性及び減少した厚さを有する複合シートを提供することを見出した。結果として、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、吸収性物品の製造における流体AQDL構成要素として特に有用である。
【0201】
特には、本発明のエアレイド不織布を含む複合シート材料は、該エアレイド不織布が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を有するエアレイド不織布を含むところの同様の複合シートと比較して、厚さにおける減少、改善されたウィッキング能力及び増加した柔軟性を示す。
【0202】
驚くべきことに、本発明の実施態様に従う複合シートは、該複合シートの流体貯留特性を有意に犠牲にすること無しに、慣用的な木材パルプ繊維を含む繊維を有するところの同様の複合シートと比較して、減少した厚さを示す。典型的には、所与の坪量について、AQDL構成要素の厚さにおける減少は、流体貯留における減少ももたらすことを当業者は予測する。なぜならば、繊維間の空隙が減少するからである。この予測とは対照的に、本発明者等は、慣用的な木材パルプ繊維を含む繊維の代わりに竹由来のステープル繊維を使用することにより、AQDL構成要素の流体貯留特性を有しに犠牲にすること無しに、10~75%の範囲の厚さにおける減少が提供されることを発見した。
【0203】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料(すなわち、竹由来のステープル繊維を含む少なくとも1つのエアレイド不織布を含む)は、該エアレイド不織布成分が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同様の複合シートと比較して、約10~約60%、特には約20~約50%、より特には約25~約45%の範囲の厚さ(キャリパー)における減少を示す。
【0204】
幾つかの実施態様において、該複合シート材料は、2.0mm未満、1.95mm未満、1.90mm未満、1.85mm未満、1.80mm未満、1.75mm未満、1.70mm未満、1.65mm未満、1.60mm未満、1.55mm未満、1.50mm未満、1.45mm未満、1.40mm未満、1.35mm未満、1.30mm未満、1.25mm未満、1.20mm未満、1.15mm未満、1.10mm未満、及び1.05mm未満、のいずれか1つの厚さを示す。或る実施態様において、該複合シート材料は、約1.0~約2.0mm、約1.1~約1.9mm、約1.2~約1.3mm及び約1.25~約1.40mm、の範囲の厚さを有する。
【0205】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、該エアレイド不織布が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むエアレイド不織布を含むところの同様の複合シートと比較して、約10~約50%、特には約15~約35%、より特には約20~約30%、の範囲のMD剛性における減少を示す。
【0206】
1つの実施態様において、本発明の1以上の実施態様に従う複合シート材料は、46mN/cm未満、44mN/cm未満、42mN/cm未満、40mN/cm未満、38mN/cm未満、36mN/cm未満、34mN/cm未満、32mN/cm未満、30mN/cm未満、28mN/cm未満、26mN/cm未満、24mN/cm未満、22mN/cm未満、及び20mN/cm未満、のMD剛性を示しうる。幾つかの実施態様において、複合シート材料は、約20~約50mN/cm、例えば約25~約40mN/cm、及び約28~約36mN/cm、の範囲のMD剛性を示しうる。1つの特定の実施態様において、該複合シート材料は、25~40mN/cmの範囲のMD剛性を示しうる。
【0207】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、記エアレイド不織布が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むエアレイド不織布を含むところの同様の複合シートと比較して、10~60%、特には約20~約50%、より特には約25~約45%、の範囲のCD剛性における減少を示す。
【0208】
1つの実施態様において、本発明の1以上の実施態様に従う複合シート材料は、15mN/cmmN/cm未満、14mN/cm未満、13mN/cm未満、12mN/cm未満、11mN/cm未満、10mN/cm未満、9mN/cm未満、8mN/cm未満、7mN/cm未満、6 mN/cm未満、及び5mN/cm、のCD剛性を示しうる。幾つかの実施態様において、複合シート材料は、約5~約15mN/cm、例えば約6~約14mN/cm、約7~12mN/cm、又は8~11mN/cm、の範囲のCD剛性を示しうる。
【0209】
有利には、該複合シート材料の剛性における低減は、該複合シート材料を含む吸収性物品における全体的な剛性における低減を提供する為に役立ち、その結果、該吸収性物品における増加した柔軟性をもたらす。厚さにおける減少及び柔軟性における増加は一般的に望ましい。なぜならば、それらは、吸収性物品の快適性及び着用性を向上させる為に役立ち、並びに向上された目立たなさ(discreetness)を有する物品を提供するからである。
【0210】
更に、本発明の或る実施態様に従う複合シート材料は、エアレイド不織布成分が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同様の複合シート材料と比較して、向上された柔軟性(例えば、低減された剛性)を示すことが観察されている。
【0211】
有利には、竹由来のステープル繊維の使用に関連するこれらの向上は、複合シート材料の他の望ましい流体管理特性、例えば、流体取得時間、流体貯留、流体吸収及び流体容量、を有意に犠牲にすること無しに提供される。
【0212】
加えて、本発明の或る実施態様に従う複合シート材料は、エアレイド不織布成分が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維のステープル繊維を含むところの同様の複合シート材料と比較して、向上されたウィッキング特性(構成要素を通って移動する流体の毛細管現象)を示す。
【0213】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、エアレイド不織布成分が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同様の複合シート材料と比較して、約50~約150%、特には約75~約140%、より特には約90~約130%、の範囲の垂直ウィッキング高さにおける増加を示す。
【0214】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、エアレイド不織布成分が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの同様の複合シート材料と比較して、約40~約120%、特には約50~約110%、より特には約60~約100%、の範囲のウィッキング率における増加を示す。幾つかの実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、エアレイド不織布成分が竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含むところの複合シート材料と比較して、75~95%の範囲のウィッキング速度における増加を示す。
【0215】
1つの実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、少なくとも30mm/15秒、少なくとも32mm/15秒、少なくとも34mm/15秒、少なくとも36mm/15秒、少なくとも38mm/15秒、少なくとも40mm/15秒、少なくとも42mm/15秒、少なくとも44mm/15秒、及び少なくとも46mm/15秒、のウィッキング速度を示す。幾つかの実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、約30~約50mm/15秒、例えば約32~約40mm/15秒、又は約34~約38mm/15秒、のウィッキング速度を示す。
【0216】
1つの実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、少なくとも30mm、少なくとも32mm、少なくとも34mm、少なくとも36mm、少なくとも38mm、少なくとも40mm、少なくとも42mm、少なくとも44mm、少なくとも46mm、少なくとも48mm、少なくとも50mm、少なくとも52mm、少なくとも54mm、少なくとも56mm、少なくとも58mm、少なくとも60mm、少なくとも62mm、少なくとも64mm、少なくとも66mm、少なくとも68、又は少なくとも70mmの垂直ウィッキング高さを示す。幾つかの実施態様において、本発明の実施態様に従う複合シート材料は、約30~約70mm、例えば約35~約65mm、又は約40~約60mm、の垂直ウィッキング高さを示す。
【0217】
1つの観点において、本発明の或る実施態様に従う複合シートは、約1.0~約2.0mmの範囲の厚さ、約5~15mN/cmの範囲のCD剛性、及び約20~約50mN/cmの範囲のMD剛性によって特徴付けられる。更なる観点において、該複合シートはまた、約30~約50mm/15秒のウィッキング速度、及び約30~約70mmの垂直ウィッキング高さによって特徴付けられうる。
【0218】
1つの観点において、本発明の或る実施態様に従う複合シートは、約1.25~約1.40mmの範囲の厚さ、約6~約14mN/cmの範囲のCD剛性、及び約25~約40mN/cmのMD剛性によって特徴付けられる。更なる観点において、該複合シートはまた、約32~約40mm/15秒のウィッキング速度、及び約35~約65mmの垂直ウィッキング高さによって特徴付けられうる。
【0219】
1つの観点において、本発明の或る実施態様に従う複合シートは、約0.75秒~約2秒、特には約0.8~約1.5秒、特には約0.84~約1.3秒、の範囲の流体取得時間によって特徴付けられる。
【0220】
1つの観点において、本発明の或る実施態様に従う複合シートは、約15~約30g/g、特には約20~約26g/g、特には約20~約25g/g、の範囲の流体吸収によって特徴付けられる。
【0221】
1つの観点において、本発明の或る実施態様に従う複合シートは、約8~約15g/g、特には約9~約14g/g、特には約10~約12g/g、の範囲の流体貯留によって特徴付けられる。
【0222】
1つの観点において、本発明の或る実施態様に従う複合シートは、約10~約50mm、特には約15~約45mm、より特には約15~約40mm、の範囲の垂直流体ウィッキング高さによって特徴付けられる。
【0223】
1つの観点において、本発明の或る実施態様に従う複合シートは、約30~約60%、特には約35~約55%、より特には約40~約50%、の範囲の回復力(resiliency)によって特徴付けられる。
【0224】
1つの実施態様において、本発明に従う複合シートは、約0.5秒~約2秒の範囲の流体取得時間;約15~約30g/gの範囲の流体吸収;約8~約15g/gの範囲の流体貯留;約10~約50mmの範囲の流体ウィッキング高さ;及び、約30~約60%の範囲の回復力によって特徴付けられる。例えば、該複合シートは、約0.65~約1.5秒の範囲の流体取得時間;約20~約26g/gの範囲の流体吸収;約9~約14g/gの範囲の流体貯留;約15~約45mmの範囲の流体ウィッキング高さ;及び、約35~約55%の範囲の回復力を有しうる。或る実施態様において、該複合シートは、約0.84~約1.3秒の範囲の流体取得時間;約20~約25g/gの範囲の流体吸収;約10~約12g/gの範囲の流体貯留;約15~約40mmの範囲の流体ウィッキング高さ;及び、約40~約55%の範囲の回復力を有しうる。
【0225】
好ましい実施態様において、該複合シートは、約1.25秒の流体取得;約25g/gの流体吸収;約10g/gの流体貯留;約40mmの垂直流体ウィッキング高さ;及び、約40%の回復力を有する。
【0226】
該複合シートの坪量は、1平方メートル当たり約25~約400グラム(g/m2)、特には約40~約225g/m2、約50~約250g/m2、より特には約50~約180g/m2、の範囲でありうる。好ましい実施態様において、該複合シートは、約50~100g/m2である坪量を有する。
【0227】
該複合シートの厚さは、約0.7~約6mm、特には約1.3~約4.5mm、より特には約1.5~約3.0mmの範囲でありうる。好ましい実施態様において、該複合シートは、約1.6~約2.5mmである厚さを有する。好ましい実施態様において、該複合シートの厚さは、約1.0~約1.5mm、特には約1.2~約1.4mm、である。
【0228】
一般的に、該流体取得構成要素の質量は、該複合シートの総重量に基づいて、該複合シートの約8~約85重量パーセントを構成する。1つの実施態様において、該流体取得構成要素の質量は、該複合シートの総重量に基づいて、該複合シートの約20~約75重量パーセント、特には約30~約60重量パーセント、を構成する。
【0229】
該エアレイド構成要素の質量は、該複合シートの総重量に基づいて、該複合シートの約15~約92重量パーセントを構成する。1つの実施態様において、該エアレイド構成要素の質量は、該複合シートの総重量に基づいて、該複合シートの約20~約80重量パーセント、特には約30~約70重量パーセント、を構成する。
【0230】
流体取得構成要素
【0231】
1つの実施態様において、該流体取得構成要素は、流体が流体取得層の表面上に衝突すると該流体が流体取得層を通ってエアレイド構成要素14内に迅速に輸送されるように、相対的に透過性である且つ多孔性構造を有する不織布生地を含む流体取得層を備えている。該流体取得層の透過性及び多孔性の性質は一般的に、層の密度によって特徴付けられ得る。例えば、該流体取得層の密度は、約0.02~約0.07g/cm3、特には約0.03~約0.06g/cm3、でありうる。好ましい実施態様において、該流体取得層の密度は、約0.04~約0.05g/cm3である。
【0232】
多種多様の異なる不織布生地が、流体取得層として使用されうる。1つの実施態様において、該流体取得層の不織布生地は、ステープル繊維を含むカーディング処理された不織布生地を含む。流該体取得層中のステープル繊維の典型的な長さは、約20~約100mm、特には約25~約60mm、より特には約35~約55mm、の範囲でありうる。
【0233】
流体取得層として使用されうる不織布の他の例は、ラテックス接着されたカーディング処理された生地及びスパンレース不織布を包含しうる。該流体取得層の繊維は、様々な様式、例えば、熱接着、樹脂接着、ステッチ接着、機械的接着(例えば、ニードルパンチ(needle punch)又はハイドロエンタングルメント(hydroentanglement))等で接着されうる。好ましい実施態様において、該流体取得層の該繊維は、エアースルー熱接着を介して接着される。
【0234】
幾つかの実施態様において、該流体取得層の該繊維は、熱カレンダー接着(thermal calender bonding)を介して接着されうる。或る他の実施態様において、該流体取得層の該繊維は、熱カレンダー接着に付されない。或る実施態様において、該流体取得層の該繊維は、液圧の絡み合い(hydraulic entanglement)を介して接着されず、該繊維の接着において液圧の絡み合いプロセスがないことによって特徴付けられる。
【0235】
該流体取得構成要素において使用する為の該ステープル繊維の為の好適な材料は、単成分繊維若しくは多成分繊維、又は単成分繊維と多成分繊維との組み合わせを含みうる。好ましい実施態様において、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は、鞘/芯構成を有する二成分繊維を含む。
【0236】
1つの実施態様において、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は、鞘/芯構成を有する二成分繊維を含む。二成分繊維の例は、サイド-バイ-サイド(side-by-side)、アイランド-イン-ザ-シー(islands in the sea)、及び鞘/芯配置を包含する。好ましくは、該繊維は鞘/芯構造を有し、ここで、該鞘は第1のポリマー成分を含み、及び該芯は第2のポリマー成分を含む。この配置において、該第1のポリマー成分のポリマーと該第2のポリマー成分のポリマーとは、互いに同じであってもよく又は異なっていてもよい。例えば、1つの実施態様において、該鞘は第1のポリマー成分を含み、及び該芯は、該第1のポリマー成分と異なっていても又は同じであってもよい第2のポリマー成分を含む。好ましい実施態様において、該二成分繊維の該第1のポリマー成分及び該第2のポリマー成分は互いに異なる。
【0237】
幾つかの実施態様において、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は、該芯が該鞘に相対的に中央に配置されていてもよい鞘/芯構成を有しうる。代替的には、該芯は、該鞘に相対的に(off-set configuration)オフセット構成で存在しうる。結果として、熱が施与されるときに、例えば接着の間に熱が施与されるときに、該繊維はカール(curl)又はクリンプ(crimp)する傾向を有し、該流体取得構成要素にロフト(loft)を与える為に役立ちうる。
【0238】
1つの実施態様において、該鞘の該第1のポリマー成分は、該芯を含む該第2のポリマー成分の溶融温度よりも低い溶融温度を有するポリマーを含む。該鞘の低融点ポリマーは接着を促進し、一方、より高い溶融温度を有する該芯の該ポリマー成分は該繊維に強度を与え、従って、最終的な接着された不織布に強度を与える。
【0239】
一般的に、該繊維における該芯の重量パーセンテージに対する該鞘の重量パーセンテージは、該不織布生地の所望の特性に応じて大きく変化しうる。例えば、該芯に対する該鞘の重量比は、約10:90~90:10、特には約20:80~80:20、で変わりうる。好ましい実施態様において、該芯に対する該鞘の重量比は約60:40~約40:60であり、約50:50の重量比が好ましい。
【0240】
該流体取得構成要素において使用する為のステープル繊維を調製する為に多種多様なポリマーが使用されうる。好適な繊維の例は、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン及びポリエチレン並びにそれらのコポリマー、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、ポリスチレン、コポリマー、及びそれらのブレンド、並びに繊維の調製において使用されうる他の合成ポリマーを包含しうる。1つの実施態様において、該ステープル繊維は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン芯とを含む鞘/芯構成を有する。他の実施態様において、該ステープル繊維は、ポリエチレン鞘とポリエステル芯、例えばポリエチレンテレフタレートを含む芯、とを含む鞘/芯構成を有しうる。
【0241】
幾つかの実施態様において、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は、繊維のブレンド、例えばポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有する二成分ステープル繊維のブレンドを含んでいてもよく、ここで、該二成分ステープル繊維はポリエチレン鞘とポリプロピレン芯とを有する。1つの実施態様において、該流体取得構成要素の該繊維は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有し、4.3dtexの繊度及び38~51mmの平均長さを有する偏心二成分ステープル繊維を含みうる。そのような繊維の例は、商品名TS47の下で、Indorama Polyester Industries Public Company Limitedから入手可能である。
【0242】
1つの実施態様において、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有する二成分ステープル繊維を含みうる。1つのそのような例は、2.2dtexの繊度及び3mmの平均長さを有する二成分ステープル繊維であり、それは、商品名EZBON A (UN-204)の下に、Toray Chemical Korea Inc.から入手可能である。更なる例は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有する偏心二成分ステープル繊維である。そのような繊維は、商品名TS47(4.3dtexの繊度及び3mmの平均長さ)の下に、Indorama Polyester Industries Public Company Limitedから入手可能である。他の例は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有する二成分ステープル繊維であり、及び商品名T255ステープル繊維の下、Treviraから入手可能である。これらのステープル繊維は、4.3dtexの繊度及び3mmの平均長さを有する。
【0243】
別の実施態様において、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は、ポリエチレン鞘とポリプロピレン芯とを有する二成分ステープル繊維を含みうる。1つのそのような例は、4.0dtexの繊度及び4mmの平均長さを有するステープル繊維であり、それは、商品名Y116の下に、Yangzhou Petrochemical Co.Ltdから入手可能である。ポリエチレン鞘とポリプロピレン芯を有し、6.0のデニール(denier)及び51mmの平均長さを有するところの二成分ステープル繊維の別の例は、商品名JNGX-PZ11-6*51Lの下に、JiangNan High Polymer Fiberから入手可能である。
【0244】
幾つかの実施態様において、該流体取得構成要素であるステープル繊維は、繊維のブレンド、例えば二成分PE/PETとPE/PPステープル繊維とを含むブレンド、を含みうる。
【0245】
上述されたポリマーは一般的に、合成源、例えば石油由来のポリマー、に由来すると考えられる。幾つかの実施態様において、1以上の持続可能ポリマー成分を含む流体取得構成要素を提供することが望ましい場合がある。石油源由来のポリマーとは対照的に、持続可能なポリマーは一般的に、バイオベースの材料に由来する。幾つかの実施態様において、持続可能なポリマー成分はまた、生分解性であると考えられる。バイオベースの材料で作られた特別なクラスの生分解性製品は、複合環境において分解可能であることが可能である場合に、堆肥化可能であると考えられる。欧州規格EN 13432「プラスチック製品の堆肥化可能性の証明」(Proof of Compostability of Plastic Products)は、持続可能な内容物で構成された生地又はフィルムが堆肥化可能であるとして分類されることができるかを判断する為に使用されうる。
【0246】
1つのそのような実施態様において、該流体取得構成要素は、持続可能ポリマーを含むステープル繊維を含む。或る実施態様において、該流体取得構成要素であるステープル繊維は、合成材料、例えば、石油系の材料及びポリマー、を実質的に含まない。例えば、該流体取得構成要素を含むステープル繊維は、該エアレイド不織布の総重量に基づいて、25重量パーセント未満の非バイオベースである材料、より好ましくは20重量パーセントmN/cm未満、15重量パーセントmN/cm未満、10重量パーセント未満、なおより好ましくは5重量パーセント未満の非バイオベースの材料、を有しうる。
【0247】
1つの実施態様において、使用する為の持続可能ポリマーは、脂肪族ポリエステル系ポリマー、例えばポリ乳酸(PLA:polylactic acid)及びポリブチレンサクシネート(PBS:polybutylene succinate)、バイオベース由来のポリエチレン、バイオベース由来のポリプロピレン、バイオベース由来のポリエステル、例えばバイオベース由来のポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)等、並びにそれらの組み合わせを包含しうる。
【0248】
本発明において有用な脂肪族ポリエステルは、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)のホモポリマー及びコポリマー、並びに1以上のポリオールと1以上のポリカルボン酸との反応生成物から誘導されるそれらの脂肪族ポリエステルのホモ及びコポリマーであって、これらは典型的には1以上のアルカンジオールと1以上のアルカンジカルボン酸(又はアシル誘導体)との反応生成物から形成される上記の脂肪族ポリエステルのホモ及びコポリマーを包含しうる。ポリエステルは更に、多官能性ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、及びそれらの組み合わせから誘導されて、分岐型、星型、及びグラフトホモポリマー及びコポリマーを形成しうる。ポリヒドロキシアルカノエートは一般的に、ヒドロキシ酸モノマー単位又はその誘導体から形成される。これらは例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリカプロラクトン等を包含する。脂肪族ポリエステルと1以上の追加の半結晶性又は非晶質性ポリマーとの混和性及び非混和性ブレンドがまた使用されうる。
【0249】
脂肪族ポリエステルの1つの有用なクラスは、ヒドロキシ酸の縮合重合又は開環重合によって得られるポリ(ヒドロキシアルカノエート)、又はそれらの誘導体である。好適なポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、下記の式によって表されうる:H(O--R--C(O)--)nOH、ここで、Rは、1~20個の炭素原子、好ましくは(炭素鎖中の炭素原子に結合した)カテナリー(catenary)酸素原子によって置換されていてもよい1~12個の炭素原子、を有する直鎖状又は分枝状であってよいアルキレン部分であり;nは、エステルが重合性であるような数であり、好ましくは、脂肪族ポリエステルの分子量が少なくとも10,000ダルトン、好ましくは少なくとも30,000ダルトン、最も好ましくは少なくとも50,000ダルトン、であるような数である。或る実施態様において、脂肪族ポリエステルの分子量は典型的には、1,000,000ダルトン未満、好ましくは500,000ダルトン未満、最も好ましくは300,000ダルトン未満である。Rは更に、1以上のカテナリー(すなわち鎖状中)エーテル酸素原子を含んでいてもよい。一般的に、ヒドロキシ酸のR基は、ペンダントヒドロキシル基が第一級又は第二級ヒドロキシル基である。
【0250】
有用なポリ(ヒドロキシアルカノエート)は例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(乳酸) (ポリラクチドしてまた知られている)、ポリ(3-ヒドロキシプロパノエート)、ポリ(4-ヒドロペンタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシペンタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシヘプタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン及びポリグリコール酸(すなわち、ポリグリコリド)のホモポリマー及びコポリマーを包含する。上記のヒドロキシ酸の2以上のコポリマー、例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクテート-コ-3-ヒドロキシプロパノエート)、ポリ(グリコリド-コ-p-ジオキサノン)及びポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、が使用されてもよい。該ポリ(ヒドロキシアルカノエート)のうちの2以上のブレンドがまた使用されてもよく、並びに1以上の半結晶性若しくは非晶質性ポリマー及び/又はコポリマーとのブレンドがまた使用されてもよい。
【0251】
該脂肪族ポリエステルは、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)のブロックコポリマーであってもよい。本発明の組成物において有用な脂肪族ポリエステルは、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、星型-分岐型ランダムコポリマー、星型-分岐型ブロックコポリマー、樹枝状コポリマー、超分岐型コポリマー、グラフトコポリマー、及びそれらの組み合わせを包含しうる。
【0252】
脂肪族ポリエステルの他の有用なクラスは、1以上のアルカンジオールと1以上のアルカンジカルボン酸(又はアシル誘導体)との反応生成物から誘導されるそれらの脂肪族ポリエステルを包含する。そのようなポリエステルは、下記の一般式を有する。
【化2】
ここで、R'及びR''各々は、1~20個の炭素原子、好ましくは1~12個の炭素原子、を有する直鎖状又は分枝状であってもよいアルキレン部分を表し、及びmはエステルが重合性である数であり、好ましくは脂肪族ポリエステルの分子量が少なくとも10,000ダルトン、好ましくは少なくとも30,000ダルトン、最も好ましくは少なくとも50,000ダルトンであるが、1,000,000ダルトン未満、好ましくは500,000ダルトン未満、最も好ましくは300,000ダルトン未満、である数である。各nは独立して0又は1である。R'及びR''は更に、1以上のカテナリー(すなわち、鎖状で)エーテル酸素原子を含んでいてもよい。
【0253】
脂肪族ポリエステルの例は、(a)下記の二酸の1以上(又は、それらの誘導体):コハク酸;アジピン酸;1,12-ジカルボキシドデカン;フマル酸;グルタル酸;ジグリコール酸;及びマレイン酸;並びに(b)下記のジオールの1以上:エチレングリコール;ポリエチレン グリコール;1,2-プロパンジオール;1,3-プロパンジオール;1,2-プロパンジオール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;1,4-ブタンジオール;2,3-ブタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;5~12個の炭素原子を有する1,2-アルカンジオール;ジエチレングリコール;300~10,000ダルトン、好ましくは400~8,000ダルトン、の分子量を有するポリエチレングリコール;300~4,000ダルトンの分子量を有するプロピレングリコール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドから誘導されるブロック又はランダムコポリマー;ジプロピレングリコール;及びポリプロピレングリコール、並びに(c)任意的に、少量の、すなわち0.5~7.0モルパーセントの、2超の官能性を有するポリオール、例えば、グリセロール、ネオペンチルグリコール及びペンタエリスリトール、から誘導されるホモポリマー及びコポリマーを包含する。
【0254】
そのようなポリマーは、ポリブチレンサクシネートホモポリマー、ポリブチレンアジペートホモポリマー、ポリブチレンアジペート-サクシネートコポリマー、ポリエチレンサクシネート-アジペートコポリマー、ポリエチレングリコールサクシネートホモポリマー及びポリエチレンアジペートホモポリマーを包含しうる。
【0255】
商業的に入手可能な脂肪族ポリエステルは、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(L-ラクチド-コ-トリメチレンカーボナート)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(ブチレンサクシネート)、及びポリ(ブチレンアジペート)を包含する。
【0256】
語「脂肪族ポリエステル」は、脂肪族及び/又はシクロ脂肪族成分のみから作られるポリエステルの他に、ポリエステルが実質的に持続可能な含量を有する限り、脂肪族及び/又はシクロ脂肪族単位の他に芳香族単位を含むところのポリエステルをまた含む。
【0257】
PLAベースの樹脂に加えて、本発明の実施態様に従う不織布生地は、1つのカルボン酸基と1つのヒドロキシル基とを有する脂肪族成分から誘導される他のポリマーを包含し得、それらは代替的には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA:polyhydroxyalkanoates)と呼ばれる。その例は、ポリヒドロキシブチレート(PHB:polyhydroxybutyrate)、ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレテレート)(PHBV:poly-(hydroxybutyrate-co-hydroxyvaleterate)、ポリ-(ヒドロキシブチレート-コ-ポリヒドロキシヘキサノエート)(PHBH:poly-(hydroxybutyrate-co-polyhydroxyhexanoate)、ポリグリコール酸(PGA:polyglycolic acid)、ポリ-(イプシロン-カプロラクトン)(PCL:poly-(epsilon-caprolactione)であり、好ましくはポリ乳酸(PLA)である。
【0258】
本発明の実施態様において使用されうる追加のポリマーの例は、2つのカルボン酸基を有する脂肪族成分と2つのヒドロキシル基を有する脂肪族成分との組み合わせから誘導されるポリマーを包含し、並びに、脂肪族ジオールから及び脂肪族ジカルボン酸から誘導されるポリエステル、例えば、ポリブチレンサクシネート(PBSU:polybutylene succinate)、ポリエチレンサクシネート(PESU:polyethylene succinate)、ポリブチレンアジペート(PBA:polybutylene adipate)、ポリエチレンアジペート(PEA:polyethylene adipate)、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート(PTMAT:polytetramethylene adipate/terephthalate)、である。
【0259】
有用な脂肪族ポリエステルは、半結晶性ポリ乳酸から誘導される脂肪族ポリエステルを包含する。ポリ(乳酸)又はポリラクチド(PLA)は、乳酸をその主分解産物として有し、それは、自然界に普通に存在し、毒性がなく、食品、医薬品及び医療産業において広く使用されている。該ポリマーは、乳酸の二量体であるラクチドの開環重合によって調製されうる。乳酸は光学的に活性であり、及び二量体は下記の4つの異なる形態で現れる:L,L-ラクチド、D,D-ラクチド、D,L-ラクチド(メソラクチド)及びL,L-とD,D-のラセミ混合物である。これらのラクチドを純粋な化合物又はブレンドとして重合することによって、異なる立体化学的性質及び異なる物理的性質、例えば結晶化度(crystallinity)を包含する上記の物理的性質、を有するポリ(ラクチド)ポリマーが得られうる。L,L-又はD,D-ラクチドは半結晶性ポリ(ラクチド)を与え、一方、D,L-ラクチドから得られるポリ(ラクチド)は非晶質性である。
【0260】
一般的に、ポリ乳酸ベースのポリマーは、畑のトウモロコシから得られる糖源であるデキストロースから調製される。北米では、とうもろこしが、最終的に糖に変換する為の植物デンプンの最も経済的な供給源であること故に使用されている。しかしながら、デキストロースはトウモロコシ以外の供給源からも得られることができることが認識されるべきである。糖は微生物の使用を通じた発酵を介して乳酸又は乳酸誘導体に変換される。次に、乳酸は重合してPLAを形成しうる。とうもろこしに加えて、米、テンサイ、サトウキビ、小麦、セルロース系材料、例えば、木材パルプ化から回収されたキシロース等を包含する他の農業由来の糖供給源が使用されてもよい。
【0261】
該ポリラクチドは好ましくは、該ポリマーの固有の結晶化度を最大にする為に高いエナンチオマー比を有する。ポリ(乳酸)の結晶化度は、ポリマー骨格の規則性と他のポリマー鎖との結晶化する為の能力に基づく。比較的少量の一方のエナンチオマー(例えば、D-)が反対側のエナンチオマー(例えば、L-)と共重合される場合に、該ポリマー鎖は不規則な形状となり、及び結晶性が低下する。これらの理由から、結晶化度が好まれる場合には、該結晶化度を最大にする為に、少なくとも85%の1つの異性体、少なくとも90%の1つの異性体、又は少なくとも95%の1つの異性体、であるところのポリ乳酸が望ましい。
【0262】
幾つかの実施態様において、D-ポリラクチドとL-ポリラクチドとのほぼ等モルブレンドがまた有用である。このブレンドは、D-ポリ(ラクチド)及びL-(ポリラクチド)のいずれか単独(約190℃)よりも高い融点(約210℃)を有する独特の結晶構造を形成し、及び向上した熱安定性を有する。
【0263】
ポリ(乳酸)と他の脂肪族ポリエステルとのブロック及びランダムコポリマーを包含するコポリマーがまた使用されうる。有用なコモノマーは、グリコリド、ベータ-プロピオラクトンテトラメチルグリコリド、ベータ-ブチロラクトン、ガンマ-ブチロラクトン、ピバロラクトン、2-ヒドロキシ酪酸、アルファー-ヒドロキシイソ酪酸、アルファー-ヒドロキシ吉草酸、アルファー-ヒドロキシイソ吉草酸、アルファー-ヒドロキシカプロン酸、アルファー-ヒドロキシエチル酪酸、アルファー-ヒドロキシイソカプロン酸、アルファー-ヒドロキシ-ベータ-メチル吉草酸、アルファー-ヒドロキシオクタン酸、アルファー-ヒドロキシデカン酸、アルファー-ヒドロキシミリスチン酸、及びアルファー-ヒドロキシステアリン酸を包含する。
【0264】
ポリ(乳酸)と1以上の他の脂肪族ポリエステル又は1以上の他のポリマーとのブレンドがまた使用されうる。有用なブレンドの例は、ポリ(乳酸)とポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール/ポリサクシネート、ポリエチレンオキシド、ポリカプロラクトン及びポリグリコリドを包含する。
【0265】
或る好ましい実施態様において、該脂肪族ポリエステル成分はPLAベースの樹脂を含む。本発明の実施態様に従って不織布生地を調製する為に、多種多様な異なるPLA樹脂が使用されうる。該PLA樹脂は、スパンボンドプロセスで紡糸される為に好適な分子特性を有するべきである。好適な例は、NatureWorks LLC(Minnetonka,Minn.55345)から供給されているPLA樹脂、例えば、グレード6752D、グレード6100D及びグレード6202D、を包含し、それは、Gruber等に対する米国特許第5,525,706号明細書及びGruber等に対する米国特許第6,807,973号明細書の教示に一般的に従って生成されると信じられている。好適なPLA樹脂の他の例はL130、L175及びLX175を包含し、それらの全ては、Corbion of Arkelsedijk 46,4206 A C Gorinchem,the Netherlandsから入手される。
【0266】
或る実施態様において、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は鞘/芯構成を有し、ここで、該鞘及び該芯の両方がPLA樹脂を含む。これらの実施態様において、合成ポリマー成分、例えば石油系の材料及びポリマー、を実質的に含まないエアレイド不織布が提供されうる。例えば、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は、両成分がPLAベースである二成分配置を有していてもよく、これにより、100%PLAであるステープル繊維を生成しうる。本明細書において使用される場合に、「100%PLA」はまた、例示的なものにすぎないが、色、柔らかさ、滑り、帯電防止、潤滑性、親水性、撥液性、抗酸化保護等を提供する為の添加剤及び/又は添加剤のマスターバッチを包含する5%以下の添加剤を含んでいてもよい。この点に関して、該流体取得構成要素であるステープル繊維は、95~100%のPLA、例えば、96~100%のPLA、97~100%のPLA、98~100%のPLA、99~100%のPLA等、を含みうる。そのような添加剤がマスターバッチとして添加されるときに、例えば、加工を容易にする為に及び該繊維内の持続可能な含有量を最大にする為に、マスターバッチキャリア(masterbatch carrier)は主にPLAを含みうる。例えば、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は、1以上の追加の添加剤を含んでいてもよい。そのような実施態様において、例えば、該添加剤は、着色剤、軟化剤、滑り剤、帯電防止剤、滑剤、親水剤、撥液剤、酸化防止剤等のうちの少なくとも1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0267】
1つの実施態様において、該鞘のPLAポリマーは、該芯のPLAポリマーと同じPLAポリマーであってもよい。他の実施態様において、該鞘のPLAポリマーは、該芯のPLAポリマーとは異なるPLAポリマーであってもよい。例えば、該二成分ステープル繊維は、該鞘が第1のPLAグレードを含み、ここで、該芯が第2のPLAグレードを含み、該第1のPLAグレードと該第2のPLAグレードとは異なる(例えば、該第1のPLAグレードが該第2のPLAグレードよりも低い融点を有する)ようなPLA/PLA二成分繊維を含んでいてもよい。例としてのみ挙げると、該第1のPLAグレードは約5%までの結晶化度を含んでいてもよく、及び該第2のPLAグレードは約40%~約50%の結晶化度を含んでいてもよい。
【0268】
幾つかの実施態様において、例えば、該第1のPLAグレードは、約125℃~約135℃の融点を含んでいてもよく、及び第第2のPLAグレードは、約155℃~約170℃の融点を含んでいてもよい。更なる実施態様において、例えば、該第1のPLAグレードは、約4~約10重量%のD異性体の重量パーセントを含んでいてもよく、及び該第2のPLAグレードは、約2重量%のD異性体の重量パーセントを含んでいてもよい。
【0269】
例えば、1つの実施態様において、該芯は、該鞘において使用されているD%異性体PLAポリマーのD%異性体よりも低いポリ乳酸のD%異性体を有するPLAを含みうる。低いD%異性体を有するPLAポリマーは、紡糸の間に高い応力誘起結晶化度(higher degree of stress induced crystallization)を示し、一方、高いD%異性体を有するPLAポリマーは、紡糸の間により非晶質な状態を保持する。より非晶質性の鞘は接着を促進し、一方、より高い結晶化度を示す芯は該繊維に強度を与え、従って最終的な接着されたウェブに強度を与える。1つの特定の実施態様において、4%のD異性体を有するNature Works PLA Grade 6752が該鞘として使用されることができ、一方、2%のD異性体を有するNatureWorks Grade 6202が該芯として使用されることができる。
【0270】
幾つかの実施態様において、該流体取得構成要素は、1つのカルボン酸基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエステル基)と1つのヒドロキシル基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエーテル基)とを有する脂肪族成分から誘導されるところの生分解性製品の持続可能なポリマー成分を含んでいてもよく、又は2つのカルボン酸基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエステル基)を有する脂肪族成分と、2つのヒドロキシル基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエーテル基)を有する脂肪族成分との組み合わせから誘導されてもよく、又は2つのカルボン酸基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエステル基)を有する脂肪族成分と2つのヒドロキシル基(又は、それらのポリエステル形成誘導体、例えばエーテル基)を有する脂肪族成分との組み合わせから誘導されてもよい。
【0271】
バイオベースポリマーの追加の非限定的な例は、有機体から直接的に生産されるポリマー、例えばポリヒドロキシアルカノエート(例えば、ポリ(ベータ-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート,NODAX商標)、及びバクテリアセルロース;植物及びバイオマスから抽出されるポリマー、例えば、多糖類及びその誘導体(例えば、ガム、セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサン、デンプン、化学修飾デンプン)、タンパク質(例えば、ゼイン(zein)、ホエー、グルテン、コラーゲン)、脂質、リグニン、及び天然ゴム;並びに、天然由来のモノマー及びその誘導体から得られる最新のポリマー、例えば、バイオポリエチレン、バイオポリプロピレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ナイロン11、アルキド樹脂(alkyd resins)、コハク酸ベースのポリエステル及びバイオポリエチレンテレフタレート、を包含する。
【0272】
幾つかの実施態様において、該流体取得構成要素であるステープル繊維は、生物学的供給源に由来するバイオベースポリエチレンを含むバイオベースポリマーを含んでいてもよい。例えば、バイオベースポリエチレンは、糖を発酵させてエタノールを生成し、それを脱水してエチレンを提供するところの該糖から調製されることができる。好適なサトウキビ由来のポリエチレンの例は、製品名PE SHA7260の下でBraskem S.A.から入手可能である。
【0273】
該流体取得構成要素であるステープル繊維の幾つかの実施態様において、該はバイオベースのポリエチレンを含んでいてもよく、及び該芯はPLAポリマーを含んでいてもよい。
【0274】
幾つかの実施態様において、該鞘はPLA又はPBSポリマーを含んでいてもよく、及び該芯は合成ポリマー、例えばポリプロピレン、を含んでいてもよい。
【0275】
幾つかの実施態様において、該流体取得構成要素の該ステープル繊維は、溶融押出段階の間に1以上のポリマーとブレンドされる1以上の添加剤を含んでいてもよい。好適な添加剤の例は、分子フィルター及び/又は基体フィルター、例えば、ゼオライト、イオン交換粒子、活性炭等、着色剤、例えば顔料(例えば、TiO2)、UV安定剤、疎水化剤、親水化剤、帯電防止剤、エラストマー、相溶化剤、酸化防止剤、アンチブロック剤、スリップ剤、蛍光増白剤、難燃剤、抗菌剤、例えば酸化銅及び酸化亜鉛等、の1以上を包含する。
【0276】
エアレイド不織布の成分
【0277】
上で議論されているように、該エアレイド構成要素は、非セルロースステープル繊維と竹由来のステープル繊維とのブレンドを含むエアレイド不織布を含む。1つの実施態様において、該エアレイド構成要素は、該エアレイド不織布層のうちの1以上が非セルロースステープル繊維と竹由来のステープル繊維とのブレンドを含む複数のエアレイド不織布層を含む。好ましくは、該エアレイド不織布構成要素が複数のエアレイド不織布層を含むときに、該エアレイド不織布層の各々は、非セルロースステープル繊維と竹由来のステープル繊維とのブレンドを含む。
【0278】
前述されているように、該エアレイド不織布構成要素は、接着技術、例えば、熱接着(例えば、カレンダー接着(calender bonding)又はエアースルー接着(air through bonding))、機械的接着(mechanical bonding)(例えば、液圧の絡み合い(hydraulic entanglement)又はニードルパンチ(needle punching))、化学接着(chemical bonding)(例えば、接着剤又は他の接着樹脂を使用する)、超音波接着等、を使用して、該流体取得構成要素に接着されうる。好ましい実施態様において、該エアレイド不織布構成要素は、複合シート材料が、該複合シート材料の少なくとも1つのポリマー成分の軟化温度又は溶融温度超である加熱された気体の1以上の流れに曝露されるエアースルー接着ユニットに該複合シート材料を通すことによって、該流体取得構成要素に熱的に接着される。
【0279】
好適なポリマー、材料、添加剤、並びに該非セルロースステープル繊維及び該竹由来のステープル繊維についての特性が、該エアレイド不織布に関連して先に議論されている。
【0280】
任意のコーティング層
【0281】
幾つかの実施態様において、該複合シートは、該エアレイド構成要素の外面22上に堆積されるポリマーベースのコーティング層を更に含んでいてもよい。この点に関して、図5は、複合シート材料10が、エアレイド構成要素14の外面上に配置されたコーティング層24を備えているところの本発明の実施態様を示す。1つの実施態様において、該コーティング層には、担体、例えば水又は有機溶媒、と該担体中に分散されたポリマー材料とを含む組成物が施与されてもよい。例えば、1つの実施態様において、該コーティング層は、エチレンビニルアセテート、アクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエン-アクリル酸、ポリビニルアルコール、及びそれらの混合物から成る水性ポリマー分散物のラテックス製剤を含んでいてもよい。
【0282】
1つの実施態様において、該ポリマーベース層は、植物起源のバイオベースのラテックスを含む。そのようなバイオベースのラテックスは、商標名OC-BIOBINDER商標Lily 1450の下でOrganoClickから入手可能である。他のバイオベース材料は、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(Na CMC)を包含する。
【0283】
1つの実施態様において、該ラテックス製剤は、製品名VINNAPAS登録商標192192の下でWackerから入手可能な、モノマーである酢酸ビニルとエチレンから製造されるポリマーを含み、固形成分は約45~約55%である。
【0284】
該コーティング層は、様々な異なる方法、例えば、スプレーコーティング(spray coating)、フォームコーティング(foam coating)、キスコーティング(kiss coating)等、で該複合シート材料に施与されうる。
【0285】
水性分散物又はエマルジョンの場合に、該コーティング層は液体として施与され、それは次に、乾燥及び硬化されて該複合シートに付着した固体コーティングを形成する。任意の乾燥及び硬化工程に続いて該複合シートに添加されるコーティング層の量は、該複合シートの総重量に基づいて、典型的には約1~約5重量パーセント、特には約1.5~約3重量パーセント、より特には約1.75~約2.25重量パーセント、である。
【0286】
幾つかの実施態様において、任意のコーティング層、例えばラテックス、は、該複合シート材料の反対側上に添加されてもよい。そのような場合に、任意のコーティング層の追加乾燥重量は、該複合シートの総重量に基づいて、約2~約10重量パーセント、特には約3~約6重量パーセント、より特には約3.5~約4.5重量パーセント、であってもよい。
【0287】
該複合シートを調製するプロセス
【0288】
図6Aを参照すると、複合シート材料を調製する為のシステム及び関連付けられたプロセスが示されており、参照文字26で指定されている。システム26は、流体取得層12として使用する為の生地の供給源を備えている。図示された実施態様において、該供給源は、先に形成された流体取得層が巻かれたスプール28として示されている。しかしながら、該システムは、該流体取得層の不織布生地をシステム26の残りの部分に対して連続したラインで調製する為の生地形成装置(fabric forming device)、例えばカード(card)又は紡糸ビーム(spinning beam)、を備えていてもよいことが認識されるべきである。
【0289】
図示されているように、流体取得層12の不織布生地は、スプール28から取り出され、そして、収集面29、例えばエンドレスベルト(endless belt)、上に堆積される。次に、該流体取得層は、一連のエアレイド生地形成ヘッド(30a、30b、30c)に搬送される。各成形ヘッドでは、セルロースステープル繊維と非セルロースステープル繊維との流れが均一に混合されて、混合されたステープル繊維の流れが形成される。次に、第1の成形ヘッドが、該ステープル繊維の混合された流れを流体取得層12の表面に堆積させ、及び他の成形ヘッドの各々が、連続的に追加のエアレイド層を堆積させる。バキューム31a、31b及び31cは、収集面の下に及び流体取得層12上への繊維の混合された流れを堆積することを補助する為に成形ヘッドの各々の下に配置される。該システムは、各成形ヘッドに続いて配置される1対以上の圧縮ローラ32a及び32bを任意に含んでいてもよい。圧縮ローラ32a及び32bが存在する場合に、該圧縮ローラ32a及び32bは加熱されてもよい。例えば、圧縮ローラ32a及び32bは、約90~約110℃の範囲の温度で加熱されてもよい。
【0290】
3個のエアレイド成形ヘッドが示されているが、流体取得層12上に堆積されるエアレイド層の所望の数に依存して、該システムは任意の数の成形ヘッドを備えていてもよいことが理解されるべきである。例えば、エアレイド成形ヘッドの数は1~10個、例えば2~8個、3~6個、及び4~5個、の範囲であってもよい。該システムの動作の間、1以上の成形ヘッドが使用されない場合があることがまた認識されるべきである。
【0291】
図6Bを参照すると、本発明の或る実施態様において使用されうる成形ヘッドが図示されている。見られるように、成形ヘッド30aは、該成形ヘッド内に乱流を生成する複数の攪拌機35を備えている。該乱流により、セルロースステープル繊維と非セルロースステープル繊維とが混合され、そして、均質な混合物が形成される。該成形ヘッドはまた、該成形ヘッドからのステープル繊維の出力を制限/制御するスクリーン33を備えており、それによって均等に分散されたエアレイド層を形成することを助ける。
【0292】
図6Aに戻ると、このようにして堆積されたエアレイド層を有する複合シート材料は、第1の加熱オーブン36aに搬送される。第1の加熱オーブンは典型的には、該エアレイド層の非セルロース繊維を軟化させ且つ溶融させる為に十分な温度に維持される。この溶融により、該ポリマーが流動し、そして、隣接する繊維に融合して、一体的な複合シート(coherent composite sheet)を提供する。例えば、非セルロースステープル繊維がポリエチレン鞘を有する二成分繊維からなる実施態様において、該複合シート材料は、該鞘の融点を超える温度で、しかし該芯の融点未満の温度に加熱されてもよい。ポリエチレンの場合、該オーブンの温度は典型的には、約120~約165℃である。
【0293】
幾つかの実施態様において、該システムは、該複合シートの表面上にエンボスされたパターンを付与する為に使用されうる1以上のエンボスロール34を備えていてもよい。幾つかの実施態様において、該システムはまた、該複合シートの厚さ/プロファイルを調整する為に及び/又は隣接する層間の層間接着を補助する為の1対のキャリブレーションロール38を備えていてもよい。キャリブレーションロール38は、ニップ(nip)を画定してもよく、又は隙間があってもよい。幾つかの実施態様において、該キャリブレーションロールは加熱されるが、他の実施態様において、該キャリブレーションロールは加熱されない。
【0294】
この最初の加熱オーブンでの熱接着に先立ち、該複合シートは施与ステーション35に搬送され、この時点でコーティング層が最も外層のエアレイド層の表面に施与されうる。このコーティング層は、慣用的な技術、例えば当技術分野において知られている慣用技術、例えばスプレーコーティング(spray coating)及びキスロール施与(kiss roll application)、を用いて施与されうる。好ましい実施態様において、水性ラテックス分散物のコーティングが複合体ウェブの表面に施与される。幾つかの実施態様において、第2の施与コーティング層が、施与ステーション37を介してコーティングの反対側に施与されうる。
【0295】
該複合シートの表面への任意の第2のコーティング層又は任意の他の材料の施与に続いて、該複合シートは、以前に施与されたコーティング層を乾燥及び硬化させるところの温度で維持される第2加熱オーブン36bに搬送される。任意的に、該複合シート材料は第3のオーブン36cで更に加熱されうる。
【0296】
次に、結合され且つ乾燥された複合シート材料は、ロール39に巻かれていてもよい。幾つかの実施態様において、該複合シートは、機械方向に連続的に切断されて、各々が別々のロール上に巻かれる複数の夫々の複合シートを形成してもよい。
【0297】
幾つかの実施態様において、該複合シートの該エアレイド構成要素上にパターンをエンボス加工することが望ましい場合がある。例えば、図6Aにおいて示されるエンボスロール34を使用する。この点に関して、図7は、複合シート10の表面22が、最も外側のエアレイド層の表面上に画定される複数の交互の隆起R及びチャネル/溝Cを有するところの本発明の実施態様を示す。吸収性物品の構造において、該流体取得層は典型的には、トップシートの方に配置され、一方、該エアレイド構成要素は吸収性芯の方に配置される。複合シート材料に入る流体は、該流体取得層を通じて及び1以上のエアレイド層内に分配される。それが吸収性芯に向かって搬送されるときに、複数の隆起及びチャネルは、該流体を更に分配する為に役立ち、それによって、該流体は、該エアレイド層全体、従って吸収性芯全体に、より均一に分配されうる。
【0298】
交互に隆起及びチャネルのパターンは典型的には、複合シート材料の機械方向に延在するが、他の方向、例えば、斜め若しくは交差方向、又は非線形、例えば蛇行、及び/又は非連続的な構成が可能である。
【0299】
該パターンは、交互に隆起した表面と、該ロールの周方向に延在する溝とのパターンを有するロールによって生成されてもよい。幾つかの実施態様において、交互の溝及び隆起のパターンの形成を促進するのを助ける為に、該ロールが加熱され、そして、圧力が該複合シート材料の表面に加えられてもよい。各溝の幅(例えば、隣接する隆起間の距離)は、吸収性物品の意図される用途に応じて変化し得るが、典型的には、約0.2~約10mm、特には、約1~約6mm、より特には約2~約3mm、の範囲であろう。各溝の深さは典型的には、約0.1~約5mm、特には約0.3~約3mm、である。
【0300】
前述されているように、本発明の該複合シート材料は特には、吸収性物品における移送層(transfer layer)、例えばAQDL構成要素、として有用である。特には、該複合シートは、流体を該流体取得層を通じて迅速に搬送し、そして次に、該流体を1以上のエアレイド層を通じて横方向に分配することができる。流体の搬送は、図8において示されている。
【0301】
吸収性物品の吸収性芯
【0302】
本発明の幾つかの実施態様において、本発明のエアレイド不織布は、吸収性物品の吸収性芯の構成要素を構成してもよい。そのような実施態様において、該エアレイド不織布は、本発明の実施態様に従って複数のエアレイド不織布層を備えていてもよい。特には、該吸収性コアは、1~10のエアレイド不織布層を備えていてもよい。
【0303】
加えて、吸収性芯における使用の為の該エアレイド不織布は、以前に記載された1以上の非セルロースステープル繊維を含みうる。例えば、該非セルロースステープル繊維は、合成ポリマー、例えばポリオレフィン及びポリエステル;ポリアミド、例えばナイロン、等に由来するポリマー、又はそれらの組み合わせ若しくはブレンドを含んでいてもよい。幾つかの実施態様において、該非セルロースステープル繊維は、バイオベースポリマー、例えば、PLA、PBS、グリーンポリオレフィン(green polyolefins)、例えばグリーンポリエチレン(green polyethylene)、グリーンポリエステル(green polyesters)、例えばグリーンポリエチレンテレフタレート(green polyethylene terephthalate)、又は1以上のバイオベースポリマーの組み合わせ、若しくは1以上のバイオベースポリマーのブレンド、由来のポリマーを含んでいてもよい。バイオベースポリマーの好適な例は先に議論されている。
【0304】
加えて、該非セルロースステープル繊維は、合成ポリマー及びバイオベースポリマーに由来するポリマーの組み合わせ及び/又はブレンドを含んでいてもよい。
【0305】
先に議論されているように、該非セルロースステープル繊維は、単成分繊維若しくは多成分繊維、又は単成分繊維と多成分繊維との組み合わせを含みうる。
【0306】
吸収性芯の用途において、該エアレイド不織布又は集合的に、複数のエアレイド不織布層は典型的には、約25~約400gsmの範囲の坪量、及び約0.4~約4mmの範囲の厚さを有する。
【0307】
本発明のエアレイド不織布に加えて、該吸収性芯は高吸収性ポリマーを含みうる。好適な吸収性ポリマーについては先に議論されている。SAPが存在する場合、該SAPは、吸収性芯の総重量に基づいて、10~90重量重量パーセントの量で存在しうる。
【0308】
或る実施態様において、本発明の1以上の実施態様に従う吸収性芯は、非セルロースステープル繊維と竹由来の繊維を含むセルロース系繊維との両方を含みうる。幾つかの実施態様において、該セルロース系繊維は、竹由来の繊維と慣用的な木材パルプ繊維との混合物を含みうる。
【0309】
典型的には、該吸収性芯中の竹由来の繊維の量は、吸収性芯の総重量に基づいて、5~100重量パーセントである。好ましい実施態様において、該吸収性芯中の竹由来の繊維の量は、該吸収性芯の総重量に基づいて、約75~約100重量パーセントであり、85~100重量パーセントの量がややより好ましい。
【0310】
或る実施態様において、該吸収性芯中の竹由来の繊維の量は、該吸収性芯の総重量に基づいて、約5重量パーセント以上、約10重量パーセント以上、約15重量パーセント以上、約20重量パーセント以上、約25重量パーセント以上、約30重量パーセント以上、約35重量パーセント以上、約40重量パーセント以上、約45重量パーセント以上、約50重量パーセント以上、約55重量パーセント以上、約60重量パーセント以上、約65重量パーセント以上、約70重量パーセント以上、約75重量パーセント以上、約80重量パーセント以上、約85重量パーセント以上、約90重量パーセント以上、約95重量パーセント以上、約96重量パーセント以上、約97重量パーセント以上、約98重量パーセント以上、又は約99重量パーセント以上である。
【0311】
或る実施態様において、該吸収性芯中の竹由来の繊維の量は、該吸収性芯の総重量に基づいて、約100重量パーセント以下、約99重量パーセント以下、約98重量パーセント以下、約97重量パーセント以下、約96重量パーセント以下、約95重量パーセント以下、約90重量パーセント以下、約85重量パーセント以下、約80重量パーセント以下、約75重量パーセント以下、約70重量パーセント以下、約65重量パーセント以下、約60重量パーセント以下、約55重量パーセント以下、約50重量パーセント以下、約45重量パーセント以下、約40重量パーセント以下、約35重量パーセント以下、約30重量パーセント以下、約25重量パーセント以下、約20重量パーセント以下、約15重量パーセント以下、約10重量パーセント以下、約5重量パーセント以下である。
【0312】
或る実施態様において、本発明の実施態様に従うエアレイド不織布を含む吸収性芯は、類似のエアレイド不織布と比較して、10~60%、特には約20~約50%、より特には約25~約45%の範囲の厚さ(キャリパー)における減少を示し、ここで、該類似のエアレイド不織布は、竹由来のステープル繊維の代わりに慣用的な木材パルプ繊維を含むステープル繊維を含む。
【0313】
或る実施態様において、該吸収性芯は、非セルロースステープル繊維と竹由来の繊維とのブレンドを含む少なくとも1つのエアレイド不織布層を含む。この実施態様において、該竹由来の繊維は吸収性を提供し、一方、該非セルロース繊維は吸収性芯の為の一体性及び構造的支持を提供する。非セルロースステープル繊維と竹由来のステープル繊維とのブレンドを含む吸収性芯は、カレンダー接着、エアースルー熱接着、又はそれらの組み合わせのうちの1以上を介して熱接着されうる。
【0314】
非セルロースステープル繊維を含む実施態様において、該吸収性芯は典型的には、該芯の総重量に基づいて約1~約30重量パーセントであり、特には、該吸収性芯の総重量に基づいて約2~約20重量パーセントである。好ましい実施態様において、該吸収性芯における非セルロースステープル繊維の量は典型的には、該吸収性芯の総重量に基づいて約3~約10重量パーセントであり、より好ましくは、該吸収性芯の総重量に基づいて約4~約6重量パーセントである。
【0315】
或る実施態様において、該吸収性芯中の非セルロースステープル繊維の量は、該吸収性芯の総重量に基づいて、約1重量パーセント以上、約2重量パーセント以上、約3重量パーセント以上、約4重量パーセント以上、約5重量パーセント以上、約6重量パーセント以上、約7重量パーセント以上、約8重量パーセント以上、約9重量パーセント以上、約10重量パーセント以上、約11重量パーセント以上、約12重量パーセント以上、約13重量パーセント以上、約14重量パーセント以上、約15重量パーセント以上、約16重量パーセント以上、約17重量パーセント以上、約18重量パーセント以上、約19重量パーセント以上、約20重量パーセント以上、約21重量パーセント以上、約22重量パーセント以上、約23重量パーセント以上、約24重量パーセント以上、約25重量パーセント以上、約26重量パーセント以上、約27重量パーセント以上、約28重量パーセント以上、約29重量パーセント以上、又は約30重量パーセント以上である。
【0316】
或る実施態様において、該吸収性芯中の非セルロースステープル繊維の量は、該吸収性芯の総重量に基づいて、約30重量パーセント以下、約29重量パーセント以下、約28重量パーセント以下、約27重量パーセント以下、約26重量パーセント以下、約25重量パーセント以下、約24重量パーセント以下、約23重量パーセント以下、約22重量パーセント以下、約21重量パーセント以下、約20重量パーセント以下、約19重量パーセント以下、約18重量パーセント以下、約17重量パーセント以下、約16重量パーセント以下、約15重量パーセント以下、約14重量パーセント以下、約13重量パーセント以下、約12重量パーセント以下、約11重量パーセント以下、約10重量パーセント以下、約9重量パーセント以下、約8重量パーセント以下、約7重量パーセント、約6重量パーセント以下、約5重量パーセント以下、約4重量パーセント以下、約3重量パーセント以下、約2重量パーセント以下、又は約1重量パーセント以下である。
【0317】
或る他の実施態様において、少なくとも1つのエアレイド不織布層を含む該吸収性芯は、非セルロースステープル繊維を含んでいなくてもよく又は実質的に含んでいなくてもよい。例えば、幾つかの実施態様において、該吸収性芯の該セルロース繊維は、ラテックス材料を介して接着されてもよく、又は水素結合を介して接着されてもよい。
【0318】
好適なラテックス材料は、合成材料又はバイオベースの材料に由来しうる。好適なラテックス材料の例は先に議論されている。典型的には、該吸収性芯を接着する為に使用されるラテックス材料の量は、該吸収性芯の総重量に基づいて、約0.5~約15重量パーセントである。或る実施態様において、該ラテックスは、該吸収性芯の総重量に基づいて、約1.5~約20重量パーセント、追加乾燥重量に基づいて存在する。6重量パーセントを超える重量パーセンテージでは、該ラテックス材料は典型的にはラテックス結合された吸収性芯に使用される。
【0319】
或る実施態様において、該吸収性芯は、非セルロースステープル繊維と、該セルロース繊維を接着する為のラテックスとを含みうる。
【0320】
或る実施態様において、該1以上のエアレイド不織布層は組織層を含んでいてもよい。1つの実施態様において、該1以上のエアレイド不織布層は、1対の組織層間に挟まれていてもよい。該組織層は、竹繊維、慣用的な木材パルプ繊維、又はそれらの組み合わせに由来する組織を含んでいてもよい。
【0321】
吸収性物品
【0322】
本発明に従う複合シートは、多種多様な異なる物品、特には多種多様な吸収性物品、において使用されうる。
【0323】
図9を参照すると、本発明の実施態様に従う吸収性物品(「おむつ」)の1つの実施態様が示されており、及び参照番号40によって広く指定されている。おむつ40は、吸収性芯44が配置されている芯領域42を備えている。シャーシ領域46が芯領域42を取り囲み、並びに前領域48、後領域50、及び前ウエスト領域52a及び後ウエスト領域52bを備えている。前領域、後領域及び芯領域を含むシャーシ領域は一般的に、液体透過性トップシートと液体不透過性バックシートを備えている複合構造体を有し、これらは、対向する表面に沿って互いに取り付けられて、その間に吸収性芯が配置される空洞を画定する。
【0324】
該トップシート、該バックシート及び吸収性芯は一般的に、吸収性物品の製造において慣用的に使用されている任意の材料を含みうる。
【0325】
図9において示されているように、該おむつはまた、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シート材料10(図3を参照)を含む。複合シート10は、流体輸送層(fluid transport layer)、例えば該吸収性物品の流体取得分配システム90(すなわち、AQDL構成要素)、を画定する。上で議論されているように、複合シート10は、着用者から吸収性芯44への流体の移動を効率的に促進する為に役立つ流体分配/取得構成要素を画定する。
【0326】
幾つかの実施態様において、該おむつの該前領域及び該後領域は各々、該おむつの腰部領域に配置される1対の耳54をまた含む。(本明細書において使用される場合、語「配置された」は、該おむつの1以上の要素が、該おむつの他の要素と一体構造として、又は該おむつの別の要素に接合された別個の要素として、特定の場所又は位置において形成されること(接合されること、及び配置されること)を意味する為に使用される)。耳部54は、弾性的に延在可能な特徴を提供し、それは、該おむつを着用者に最初にぴったりとフィットさせ、及び伸縮性のあるサイドパネルにより該おむつの側部が伸縮することが可能である故に、該おむつに滲出液が負荷されたときを過ぎても、着用時間を通じてこのフィット感を持続させることによって、より快適で且つ輪郭に沿ったフィット感を提供する。
【0327】
加えて、耳54は、着用者の上におむつ40を維持し及びウエストのフィット性を高める為に、より詳細に後述される締め付けシステム(fastening system)によって開発され及び維持される張力を高める着用力(張力)を開発及び維持する。図9において示されているように、該おむつは、後ウエスト領域52bに近接して該おむつシャーシの後領域50に接合されるところの1対の後耳56a及び56bと、前ウエスト領域52aに近接して該おむつシャーシの前領域48に接合されるところの1対の前耳58a及び58bとを備えている。
【0328】
該前耳及び該後耳は、当技術分野において知られている任意の接着方法、例えば、接着剤接着(adhesive bonding)、加圧接着(pressure bonding)、熱接着(heat bonding)、によってシャーシ領域46に接合されうる。他の実施態様において、該前耳及び/又は該後耳は、シャーシ領域46が該前耳及び/又は該後耳上に延在する層、要素又は基材を有するシャーシ領域46に接合された個別の要素から構成されてもよい。例えば、各耳は、シャーシ領域の側縁部60から且つ該側縁部60に沿って横方向外側におむつ40の長手方向縁部62まで延在するところのおむつシャーシ領域の一部を備えていてもよい。1つの実施態様において、これらの耳は一般的に、おむつ40の端縁部64から、脚開口部を形成するおむつ40の長手方向縁部62の部分(長手方向縁62のこのセグメントは、脚縁部66として指定されている)まで長手方向に延在する。幾つかの実施態様において、これら耳は、該トップシート又は該バックシートに接合されている別個の生地又はウェブを備えていてもよい。他の実施態様において、各耳は、吸収性芯44の該側縁部を越えて延在するところの該トップシート及び該バックシートの部分によって形成されてもよい。
【0329】
1つの実施態様において、おむつ40はまた、液体及び他の身体滲出物の向上された封じ込め提供する為の弾性レッグカフ(elastic leg cuffs)70を備えていてもよい。各弾性化されたレッグカフ70は、脚領域における体液の漏出を低減する為の複数の異なる実施態様を備えていてもよい。(該レッグカフは、レッグバンド(leg bands)、サイドフラップ(side flaps)、バリアカフ(barrier cuffs)、又は伸縮性カフ(elastic cuffs)としてまた言及されうる。)Buellに対して1975年1月14日に発行された「Contractable Side Portions for a Disposable Diaper」(使い捨ておむつの為の収縮可能な側部)と題する米国特許第3,860,003号明細書は、サイドフラップを有する収縮可能な脚開口部と、伸縮性レッグカフ(elasticized leg cuff)(ガスケットカフ(gasketing cuff))を提供する為の1以上の弾性部材とを提供するところの使い捨ておむつを記載する。Aziz及びBlaneyに対する1990年3月20日に発行された「Disposable Absorbent Article Having Elasticized Flaps」(伸縮性フラップを有する使い捨て吸収性物品)と題する米国特許第4,909,803号明細書は、脚部の封じ込めを向上する為の「スタンドアップ」(stand-up)伸縮性フラップ(バリアカフ)を有する使い捨ておむつを記載する。Lawsonに対して発行された「Absorbent Article Having Dual Cuffs」(デュアルカフを有する吸収性物品)と題する米国特許第4,695,278号明細書は、ガスケットカフとバリアカフとを備えているデュアルカフを有する使い捨ておむつを記載する。Buellに対して1987年11月3日に発行された「Disposable Waist Containment Garment」(使い捨て腰部封じ込め衣服)と題する米国特許第4,704,115号明細書は、衣服内に自由液体を含むように構成された側縁漏れ防止ガーターを有する使い捨ておむつ又は失禁用衣服を開示する。これらの特許の各々は、参照によって本明細書内に組み込まれる。「Garment Having Elastomeric Laminate」(エラストマーラミネートを有する衣類)と題する米国特許第6,476,289号明細書は、本発明の実施態様においてまた使用されうる様々な弾性レッグカフ構成を記載する。
【0330】
好ましい実施態様において、該レッグカフは、該レッグカフの構造内に組み込まれる複数の弾性ストランド(elastic strands)を備えているSMS構造を有する生地層を備えていてもよい。好ましくは、該レッグカフスは、液体バリア特性を有する材料を含む。
【0331】
レッグカフスの形成において使用する為の生地の1例は、第1のポリマー成分の鞘と第2のポリマー成分の芯とを有する二成分繊維を備えているスパンボンド不織布層を有するSMS生地を備えている。該鞘及び芯の為の材料の例は、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン及びポリエチレン、ポリエステル、PLAベースのポリマー等を包含する。1つの実施態様において、該二成分繊維は、ポリプロピレンの鞘と、PLAの芯とを備えている。この実施態様において使用する為のポリプロピレン材料の一例は、例えば、Total Petrochemicals and Refining USA,Inc.(La Port,TX,77571 USA)がグレードM 3766(メタロセンポリプロピレン)及びグレードM 3764又はグレードM 3866(チーグラー・ナッタ(Zeigler Natta)ポリプロピレン)として提供されているような、20~40g/10分(ASTM D1238(190℃/2.16kg)に準拠して測定)のメルトフローレート(MFR:melt flow rate)を有しうる。PLA芯として使用する為に好適な材料は、Nature Works PLAから2%D異性体を含むグレード6202として入手可能である。該メルトブローン層は、例えば、Total Petrochemicals and Refining USA,Inc(La Port,TX,77571 USA)からグレード3962として提供されているような、1,300g/10分のMFR(ASTM D1238(190℃/2.16kg)に準拠して測定)を有するポリプロピレンを含みうる。
【0332】
第2の例において、該レッグカフスは、PLA鞘とPLA芯とを有する二成分繊維を備えているスパンボンド不織布層と、PLA繊維含むメルトブローン層とを有するSMS生地を含みうる。該鞘として使用する為に好適なPLA材料の例は、4%のD異性体を有するPLAグレード6752であり、該芯として使用する為に好適なPLA材料の例は、2%のD異性体を有するPLAグレード6202であり、それらの両方はNatureWorksから入手可能である。PLAメルトブローン繊維の為に好適な材料はPLAグレード6252であり、それはまた、NatureWorksから入手可能である。
【0333】
第3の実施態様において、該レッグカフスは、該スパンボンド不織布層がポリプロピレン鞘とPLA芯とを有する二成分生地を含むところのSMS構造を有する生地を含んでいてもよい。該鞘及び該芯の好適な材料の例は上述されている。該メルトブローン層は、国際出願第PCT/US2015/012658号において教示されているプロセスを用いて、PP/PLAからなるスパンボンド二成分繊維から再生されているPLAとポリプロピレンとのブレンドを含むメルトブローン繊維を含みうる。
【0334】
第4の実施態様において、該レッグカフスは、該スパンボンド不織布層がPLA鞘とPLA芯とを有する二成分生地を含むところのSMS構造を有する生地を含みうる。該鞘及び該芯の為に好適な材料の例は上述されている。上述された第3の実施態様と同様に、メルトブローン層は、国際出願第CT/US2015/012658号において教示されているプロセスを用いて、PP/PLAからなるスパンボンド二成分繊維から再生されているPLAとポリプロピレンとのブレンドを含むメルトブローン繊維を含みうる。
【0335】
好ましくは、該レッグカフスを形成する為のスパンボンド生地は、約30/70~約70/30の鞘/芯比を有する。1つの実施態様において、該SMS生地の坪量は約8g/m2~15g/m2である。好ましくは、該メルトブローン含有量は、該SMS生地の総重量に基づいて約10~約30重量%を含む。幾つかの実施態様において、該レッグカフスを形成する際に使用する為のSMS生地は、INDA試験法WSP80.6に従って測定された約50mm超のハイドロヘッド値(hydrohead value)を有する。
【0336】
幾つかの実施態様において、おむつ40はまた、ウエスト領域52及び弾性カフスのうちの1以上の周囲に配置される弾性要素を備えていてもよい。例えば、該おむつはまた、向上したフィット及び封じ込めを提供する為に役に立つ少なくとも1つの弾性ウエスト機能(図示せず)を備えていることができる。該弾性ウエスト機能は一般的に、着用者のウエストに動的に適合するように弾性的に拡張及び収縮することが意図されている。該弾性ウエスト機能は好ましくは、吸収性芯の少なくとも1つのウエスト端部から少なくとも長手方向外側に延在し、及び一般的に、該吸収性物品の端縁の少なくとも一部を形成する。使い捨ておむつは、2つの弾性ウエスト特徴を有するように構成されることができ、1つは前ウエスト領域に配置され、もう1つは後ウエスト領域に配置される。該弾性ウエスト機能は、米国特許第4,515,595号明細書;米国特許第4,710,189号明細書;米国特許第5,151,092号明細書;及び米国特許第5,221,274号明細書において記載されているものを包含する数多くの異なる構成で構築されうる。
【0337】
幾つかの実施態様において、該弾性機能は、該おむつのトップシートとバックシートとの間に収縮可能に取り付けられる弾性ストランド(elastic strands)又は糸(threads)を備えている弾性要素で構成されていてもよい。そのようなストランド又は糸は、バイオベースの材料、例えば天然ゴム、で構成されることができる。上述されているように、天然ゴムストランドは、弾性部材が着用者の皮膚に直接接触しないように、不織布、例えば該トップシート及び/又は該バックシート、によって覆われている。
【0338】
該吸収性物品は、締め付けシステム(fastening system)を備えていてもよい。該締め付けシステムは、テープ式おむつについて典型的であるように、吸収性物品を着用者に保持する為に、該吸収性物品の周縁部に横方向の張力を与える為に使用されることができる。この締め付けシステムは、プルオンスタイル(pull on style)の吸収性物品、例えばトレーニングパンツ又は大人用失禁吸収性物品、の為には必要でない。なぜならば、これらの物品のウエスト領域は既に接着されているからである。
【0339】
該締め付けシステムは通常、締め付け具(fastener)、例えば、テープタブ(tape tabs)、フック・アンド・ループ締め付け構成要素(hook and loop fastening components)、タブ&スロット(tabs & slots)、バックル(buckles)、ボタン(buttons)、スナップ(snaps)、及び/又は両性締め付け具構成要素(hermaphroditic fastening components)、を備えているが、他の公知の任意の締め付け手段(fastening means)も一般的に許容される。ランディングゾーン(landing zone)は通常、該締め付け具が解放可能に取り付けられるように前ウエスト領域上に設けられる。締め付けられるときに、該締め付けシステムは、前ウエスト領域52aと後ウエスト領域52bとを相互接続する。締め付けられるときに、おむつ44は、周縁ウエスト開口部(circumscribing waist opening)と2つの周縁レッグ開口部(circumscribing leg openings)とを備えている。
【0340】
該締め付けシステムは、係合部材(engaging member)80と受け部材(receiving member)82(ランディングゾーン(landing zone)としてまた言及される)とを備えていてもよい。係合部材80は、フック、ループ、接着剤、粘着剤、タブ、又は他の締め付け機構(fastening mechanism)を備えていてもよい。受け部材82は、係合部材80を受けることができるところの、フック、ループ、スロット、接着剤、凝集剤、又は他の締め付け機構を備えていてもよい。好適な係合部材80と受け部材82との組み合わせは、当技術分野において周知であり、フック/ループ、フック/フック、接着剤/重合性フィルム、凝集剤/凝集剤、接着剤/接着剤、タブ/スロット、及びボタン/ボタン穴を包含するが、これらに限定されない。好適には、該締め付けシステムは、バイオベースの材料に由来するポリマーを備えていてもよい。
【0341】
この点に関して、図9は、該係合部材が、後耳56a及び56bに接合される1対のタブ80と、おむつ40の前面84上に配置される関連付けられたランディングゾーン82とを備えているところの締結システムを更に示す。幾つかの実施態様において、該タブは、該タブを該ランディングゾーンに接着可能に取り付ける為の感圧接着剤を含んでいてもよい。
【0342】
幾つかの例示的な表面固定システムが、Buellに対して発行された、米国特許第3,848,594号明細書;米国特許第4,662,875号明細書;米国特許第4,846,815号明細書;米国特許第4,894,060号明細書;米国特許第4,946,527号明細書;米国特許第5,151,092号明細書;及び米国特許第5,221,274号明細書において開示されている。例示的なインターロック締め付けシステム(interlocking fastening system)は、米国特許第6,432,098号明細書において開示されている。該締結システムはまた、Robertson等に対して発行された米国特許第4,963,140号明細書において開示されているように、物品を廃棄構成に保持する為の手段を提供しうる。
【0343】
該締め付けシステムはまた、米国特許第5,242,436号明細書;米国特許第5,499,978号明細書;米国特許第5,507,736号明細書;及び米国特許第5,591,152号明細書において開示されているように重なり部分のずれを軽減する為に又はフィット性を向上させる為に、米国特許第4,699,622号明細書において開示されているように一次締め付けシステムと二次締め付けシステムとを備えていてもよい。
【0344】
好ましい実施態様において、該締め付けシステムは、米国特許第9,084,701号明細書において記載されているようなフック・アンド・ループ(hook and loop)を採用することができる。好ましい実施態様において、該フック・アンド・ループ締め付けシステムは、繊維質材料からなる雌型締め付け材料(female fastening material)と、繊維質材料の為に構成されたフックを有する雄型締め付け材料(male fastening material)とを備えている。
【0345】
1つの実施態様において、雌型ループ材料(female loop material)は、バイオベース材料、例えば、PLAを有するスパンボンド二成分繊維、を含む接着された二成分繊維と、サトウキビ由来のポリエチレンポリマーを含む鞘とを含む。そのような材料の例は上述されている。該芯の為に好適なPLAポリマーの一例は、NatureWorksからPLAグレード6202として入手可能である。
【0346】
50%のバイオベース材料含有量を提供する雌型ループ構成要素として使用する為の第2の繊維は、石油系のポリプロピレンポリマーの鞘と、製品名PLAグレード6202の下で、NatureWorksからのPLA芯とを備えている。この実施態様において使用する為に好ましいポリプロピレンは典型的には、例えば、Total Petrochemicals and Refining USA,Inc.(La Port,TX,77571 USA)によってグレードM 3766(メタロセンポリプロピレン)及びグレードM 3764又はグレードM 3866(チーグラー・ナッタ(Zeigler Natta)ポリプロピレン)として提供されているような、20~40g/10分(ASTM D1238(190℃/2.16kg)に準拠して測定)のメルトフローレート(MFR)を有する。
【0347】
バイオベース材料含有率50%を提供する雌型ループ材料を構成する為の繊維の更なる例は、該芯がリグニンベースポリマーを含み及び鞘が石油系のポリエチレンを含むところのスパンボンド二成分繊維を含む。そのような繊維は、欧州特許第EP2,630,285B1号明細書及び米国特許公開公報第No.2014/0087618号明細書に実施例4、5、6、7、8及び9として開示されている。
【0348】
これらの実施例における石油系のポリエチレン鞘を、Braskem S.A.から入手可能なサトウキビ由来のポリエチレン又はNatureWorks社から入手可能なトウモロコシ由来のPLA(両方とも上記で開示されたポリマー)からなる鞘に置き換えることにより、最大100%のバイオベース材料含有率を有する繊維が提供される。
【0349】
雌型ループ材料を構成する為に使用されることができる繊維の更なる例は、(PLA)の芯と、PLAを含む鞘とを有する二成分繊維である。例えば、1つの実施態様において、該芯は、該鞘において使用される%D異性体のPLAポリマーの%D異性体よりも低い、ポリ乳酸の%D異性体を有するPLAを含んでいてもよい。低い%D異性体を有するPLAポリマーは、紡糸の間に高い応力誘起結晶化度(degree of stress induced crystallization)を示し、一方、高いD異性体を有するPLAポリマーは、紡糸の間により多くの非晶質状態を保持する。より多くの非晶質の鞘は接着を促進し、より高い結晶化度を示す芯は該繊維に直進性を与え、従って、最終的に接着したウェブになる。
【0350】
特定の1つの実施態様において、4%のD異性体を有するNatureWorks PLAグレードPLA 6752が該鞘として使用されることができ、一方、2%のD異性体を有するNatureWorksグレード6202が該芯として使用されることができる。
【0351】
雌型ループ材料において使用する為の繊維の更なる例として、少なくとも50%のバイオベース素材含有率を提供するものは、綿繊維と石油系ポリマー、例えばポリプロピレン、との50/50ブレンドを含みうる。そのような生地を形成する為に有用なポリプロピレンステープル繊維の例は、Fibervisions CorporationからグレードT-198として入手可能である。そのような不織布生地を形成する為に使用する為の綿繊維の例は、TJ Beall ompanyから入手可能な製品名TRUECOTTON登録商標の下で販売されている繊維、及びBarnhardt Manufacturing Companyから入手可能な製品名HIGH-Q ULTRA登録商標の下で販売されている繊維を包含する。
【0352】
好ましい実施態様の為のこの締め付けシステムにおいて使用される雄型フックがまた、かなりの持続可能な含有量で構成されている。該フックを備えている雄型締め付け材料は、鋳造、成形、プロファイル押出、又はマイクロ複製によって製造されることができ、ここで、使用される該ポリマーは、トウモロコシ由来のPLA、例えば、NatureWorksから入手可能な、トウモロコシ由来のPLA、である。NatureWorksは、フック、例えば、グレード3001D、グレード3052D、グレード3100HP及びグレード3251Dを包含する上記のフック、を製造する為に使用されることができる射出成形の為のグレードの選択を提供する。
【0353】
図10を参照すると、本発明の実施態様に従う吸収性物品の更なる実施態様が示されており、ここで、該吸収性物品は、参照符号100によって大まかに指定された女性用生理用パッドの形態である。
【0354】
パッド100は、トップシート102、バックシート104、及びその間に配置された吸収性芯106を備えていてもよい。好ましくは、トップシート102及びバックシート104は、パッド100の周縁部110に延在する連続シーム(continuous seam)108を画定する為に、対向する外縁部に沿って互いに接合される。連続シーム108は、該トップシートと該バックシートとを互いに熱接着することにより形成されるヒートシールを備えてもよい。他の実施態様において、連続シーム108は、該トップシートと該バックシートとを互いに接着接合することによって形成される。
【0355】
該トップシート、該バックシート及び該吸収性芯の為に好適な材料は、吸収性物品の構築おいて典型的に使用される材料を備えていてもよい。
【0356】
図示されているように、パッド100は、流体輸送層(fluid transport layer)、例えば、流体AQDL構成要素112、を画定する複合シート10(図3を参照)を備えている。該AQDL構成要素は、吸収性芯106とトップシート102との間に配置される。先に議論されているように、該流体分配/取得構成要素を画定する複合シートは、カーディング処理された不織布を含む流体取得層と、セルロースステープル繊維と非セルロース繊維とのブレンドを含む少なくとも1つのエアレイド層とを備えており、ここで、これらの層の繊維は互いに熱的に接着されている。
【0357】
該吸収性物品の様々な構成要素は典型的には、熱接着又は接着剤接着を介して接合される。好適な接着剤の例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン酢酸ビニル系の溶融接着剤を包含する。幾つかの実施態様において、該接着剤は、バイオベースの接着剤を含んでいてもよい。バイオベースの接着剤の例は、Danimer Scientificから製品コード92721の下で入手可能な感圧接着剤(sensitive adhesive)である。
【0358】
更に別の態様において、本発明の或る実施態様は、吸収性物品を提供する。或る実施態様に従って、該吸収性物品は、本発明に従って複合シートを含みうる。
【0359】
この点に関して、本発明の実施態様に従って調製された複合シートは、多種多様な物品及び用途において使用されうる。例えば、本発明の実施態様は、パーソナルケア用途、例えばベビーケアの為の製品(おむつ、おしりふき)、フェムケアの為の製品(パッド及びライナー)、成人ケアの為の製品(失禁用製品)、又は化粧品の為の製品(パッド)の為に使用されうる。
【0360】
実施例
【0361】
下記の実施例は、本発明の1以上の実施態様を説明する為に提供されるものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきでない。
【0362】
特に定義されない限り、下記の実施態様において使用される専門用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。下記の実施態様において使用される試験試薬は、特に断らない限り、慣用的な試薬であり、該実験方法は、特に断らない限り、慣用的な方法である。
【0363】
試験方法
【0364】
厚さ(キャリパー)は、デジタル厚さ計を用いてEDANA 30.5-99に従って決定された。この試験に従い、材料サンプルが、圧力(0.5kPa)の下で2枚のプレートの間に置かれ、2枚のプレート間の距離が「mm」の単位で報告されている。
【0365】
異なる製品の要求に従ってサンプルの採取と切断を実施することにより、試験されるべきサンプルのサイズ端から機器の上側の端までの大きさは5mm未満であるべきである。該サンプルは一定の温度と湿度の条件(23±2℃;相対湿度:50%±5%)の下で少なくとも4時間順化される必要がある。該サンプルの馴化が行われない場合は、比較の参考の為に、測定を実行する間の温度及び湿度が記録される必要がある。
【0366】
坪量
【0367】
坪量は、EDANA 40.3-90に従って測定された。
【0368】
質量決定:単位面積の質量は、サンプルの質量決定(グラム重量)であり、単位は g/m2である。
【0369】
試験装置:電子天秤(精度は0.001グラム)、スクリーンが天秤の周囲に設置されて、空気の流れ及び他の干渉要因が天秤に影響することを防ぐ。
【0370】
該サンプルは、恒温及び恒湿の条件(23±2℃;相対湿度50%±5%)の下で少なくとも4時間平衡化される必要がある。該天秤がオンラインリアルタイム試験(on-line real-time test)で実施されない場合には、比較の参考の為にのみ、温度及び湿度が測定を実行する間に記録される必要がある。
【0371】
試験されるべきサンプル天秤に載せられ、該天秤の読みが安定した後に、重量がグラム単位で記録される。
【0372】
質量決定(GSM)=A/B
ここで、
GSM:サンプルの決定された質量;
A:サンプルの重量;
B:サンプルの面積。
【0373】
引張強さ(Tensile strength)及び破断伸度(elongation at break)は、EDANA 20.2-89に準拠して測定された。
【0374】
引張強さ:指定された大きさを有するサンプルを一定の速度で引っ張って破断させる為に必要とされる張力。サンプルの元の長さに対する、サンプルが引っ張られて破断させたときの長さのパーセンテージが破断伸度である(単位は「%」)。
【0375】
試験装置:Zwick 2.5強度試験装置(strength tester)
【0376】
サンプルが200mm×25.4mmの大きさに切断され、該サンプルは、恒温及び恒湿の条件(23±2℃;相対湿度50%±5%)の下、少なくとも4時間馴化される必要がある。オンラインリアルタイム試験で馴化が行われない場合は、その時点の温湿度が記録される必要があり、あくまでも比較の基準とする。
【0377】
下記の試験パラメータに従って試験手順を設定する:
最大試験限界:100N;
テスト速度:254mm/分;
クランプ距離:51mm;
クランプ圧力:5バール。
【0378】
流体貯留が、EDANA 10.4-02に従って測定された。
【0379】
液体吸収能力:サンプルが液体中に10分間浸された後の、総重量の増加のパーセンテージが該サンプルの吸収能力である。
【0380】
液体吸収能力:サンプルが液体中に10分間浸された後の、総重量の増加が、該サンプルの吸収能力である(g/g)。
【0381】
貯留(Retention):サンプルが液体中に10分間浸され、そして、該サンプルが2分間容器内に保持された後の、1976gの重りを慎重に該サンプル上に載せ、重量の増加分が該サンプルの保水力(water retaining capacity)である(g/g)。
【0382】
リウェット(Rewet)(g)
【0383】
試験されるべきサンプルが吸収芯上に置かれる(該試験の間は150gsmのSAP芯(18%のSAP)に施与される)。試験されるべきサンプルの中心位置にφ60mmの円筒が置かれ、15mlの塩水を採取し、そして、それが円筒内に入れられ、同時に時間のカウントが開始され、5分後、サンプルの表面上に既知の重さを有するろ紙が何枚も重ねられ(最上層のろ紙が何ら液体を吸収しなくなるまで)、そして、1.2kgの標準押えブロックが同時に濾紙上の上に置かれ、再び時間が数え始められ、1分後に該標準押えブロックが取り除かれ、該サンプル表面上の濾紙の質量を天秤によって秤量され、その増加重量が逆浸透値とされる。この値が小さいほど、良好なリウェット性能が期待されるであろう。
【0384】
流体取得が、EDANA 150.5-02に従って測定された。
【0385】
取得:0.9%の塩化ナトリウム溶液5m1がサンプルに浸透したときに、回路導電率によって液体の通過時間が秒単位で記録される。
【0386】
試験機器:リスター液体浸透試験機器(Lister liquid penetration instrument)
【0387】
ウィッキング速度及び垂直ウィッキング高さ:参照基準:EDANA 10.3-99に従って測定された
【0388】
垂直に吊り下げられたサンプルの一端が液体中に5分間浸された後に、該液体が該サンプルに沿って上昇する高さが該サンプルの吸引範囲である。
【0389】
サンプルサイズ:サンプルサイズは30mm×200mm。
【0390】
該サンプルは、恒温及び恒湿の条件(23±2℃、相対湿度50%±5%)の下で少なくとも4時間平衡化される必要がある。
【0391】
試験台がプラスチック容器内に置かれ、2本の定規が垂直に固定され、0.9%のNaCl溶液又は蒸留水(顧客の要求に応じて)が加えられ、2本の定規の目盛りが15mmになるように液面が調整される。読みやすいように、該溶液中に適量の青色着色剤が加えられ、そして混ぜられる。定規が回転されて液面から外され、そして、表面上の水分をきれいに拭き取られ、十分に調製されたサンプルが魚の尾クリップで定規に固定され、該定規の下端をゼロ点に合わせるように注意が払われる。該定規が回転されて液面から出され、そして、同時に時間が数え始められる。定規とサンプルとの間に一定の隙間ができるように、液中に伸ばされた定規の端が少し後方に傾けられる。5分後にタイマーが鳴ると同時に、2本の定規が回転されて液面から出され、そして、測定値が読み取られる(液面が該サンプルに沿って上昇する高さを観察し、ピーク点の値を読み取り、個々の値がサンプル端で高すぎる場合には、それを丸めて、そして他のピーク点の値を読み取る)。試験結果は、実際の値から15mmを差し引いた値がウィッキング速度を提供する。
【0392】
垂直方向のウィッキング速度の場合には、液の高さが15秒後に測定される以外は、上記の手順が使用される。
【0393】
複合シート及び比較例の不織生地において使用された材料が下記において特定されている。全てのパーセンテージは、特に断りのない限り重量パーセントである。全ての物性値及び組成値は、特に断りのない限り概算値である。
【0394】
「パルプ-1」(Pulp-1)は、竹由来の処理済のパルプステープル繊維を云い、TAISONから商品名「Bamboo Fluff」の下で入手可能である。竹ステープル繊維は、1.7mmの平均長さ、及びおよそ18ミクロンの平均幅を有する。該竹ステープル繊維は主に、ネオシーノ・カラムス・アフィニス(Neosino calamus affinis)、リンナニア・インターメディア(Lingnania intermedia)、バンブサ・リギダ・ケン・エフ(Bambusa rigida Keng et Keng f.)、及びバンブサ・オールダムイ(Bambusa oldhamii)のブレンドを含む塊状の竹からパルプ化によって調製された。パルプ化する前の竹繊維の特性は下記の通りである:
平均長さ 2.37mm;
平均幅 16.6ミクロン;
幅に対する長さ比 145;
空洞に対する壁厚さの比 1.7;及び
セルロース含有量 48.08重量パーセント、及びリグニン含有量 26重量パーセント。
【0395】
「パルプ-2」(Pulp-2)は、Georgia Pacificから製品名4722の下で入手可能な慣用的な処理済のパルプステープル繊維を云う。
【0396】
「PE/PET-1」は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有し、2.2dtexの繊度及び4mmの平均長さを有するところの二成分系ステープル繊維を云い、それは、Toray Chemical Korea Inc.から製品名FDL 17360の下で入手可能である。
【0397】
「PE/PET-2」は、ポリエチレン鞘とポリエチレンテレフタレート芯とを有し、2.2dtexの繊度及び38mmの平均長さを有するところの二成分系ステープル繊維を云い、それは、Huvisから製品名N81Sの下で入手可能である。
【0398】
「ラテックス」は、酢酸ビニルとエチレンとのモノマーから製造される水性ポリマー分散物を云い、それは、Wackerから製品名VINNAPAS登録商標192の下で入手可能である。ラテックス製剤は、14~20%の固形成分を有するように水で希釈される。
【0399】
以下に記載されている本発明の実施例において、エアースルー接着された(ATB:air through bonded)カーディング処理された生地層の上に重なる2枚のエアレイド生地層を堆積させることによって、本発明の実施態様に従う複合シートが調製された。本発明の実施例1及び比較例1において使用されたカーディング処理されたATB生地は下記の通りである。
【0400】
「ATB-1」は、PE/PET-2のステープル繊維を含むカーディング処理された生地のことである。該カーディング処理された生地は20g/m2の坪量を有した。
【0401】
実施例1及び比較例1の調製
【0402】
特に示されない限り、本発明の実施例は下記の手順に従って調製された。第1の段階において、エアースルー接着され、カーディング処理された不織布生地(ATB-1生地)からなる予め調製された生地が、スプール(spool)から巻き戻されて、連続メッシュベルト上に移送された。このATB生地は、該複合シートの流体取得層、従って流体分配構成要素(fluid distribution component)を画定する。
【0403】
本発明の実施例1において、該ATB-1生地がエアレイド成形ヘッドに搬送され、それにより、非セルロース(PET-1)と竹由来のステープル繊維(パルプ-1)の混合物がATB生地上に堆積されて、複合シートのエアレイド構成要素を形成した。
【0404】
比較例1において、該ATB-1生地がエアレイド成形ヘッドに搬送され、それにより、非セルロース(PET-1)と竹由来のステープル繊維(パルプ-2)の混合物がATB生地上に堆積されて、複合シートのエアレイド構成要素を形成した。
【0405】
本発明の実施例1並びに比較例1及び2において、エアレイド層が、該ATB生地の上に重ねて堆積された。該エアレイド生地層は、M&J Companyから入手されたエアレイド機器を用いて水平スクリーン型成形技術で形成された。結果として得られた複合シート材料の坪量は、本発明の実施例1並びに比較例1の両方の場合におよそ80gsmであった。
【0406】
エアレイドプロセスにおいて、1以上の該エアレイド層のセルロースステープル繊維と非セルロース繊維は、各成形ヘッド内に乱流を作り出す空気流と複数のブレード(blades)を使用して均一に混合された。ステープル繊維をATB生地層の表面上に集める際に補助する為の真空がベルトの下に配置されている。第1のエアレイド層が堆積された後に、圧縮ローラが任意的に、第1の成形ヘッドと第2の成形ヘッドとの間に配置されてもよい。次に、該複合シートは第2のエアレイド形成エリアに搬送され、そこで第2エアレイド不織布層が予め堆積されたエアレイド層の上に重ねて堆積される。このプロセスは、所望の量のエアレイド層が該複合シート上に堆積されるまで繰り返される。次に、結果として得られた複合シートは、80~180℃の温度に加熱された加熱ローラを用いて安定化させうる。次に、該複合シートは、約120~165℃の温度に維持された第1の加熱オーブンに運ばれ、そしてその中を通過した。高速では、オーブンの温度を上げることが望ましい場合がある。第1のオーブンの温度は、該エアレイド層と該流体取得層(例えばATB層)の両方の非セルロース繊維を軟化させ、そして溶融させ、これら繊維が溶融し、そして一緒に流れ、一体的な複合シートを形成するように選択された。
【0407】
該オーブンを通過する前に、該複合シートはコーティングステーションに運ばれ、そこでは、ラテックス製剤からなるコーティング層が最も外側のエアレイドの表面上に堆積されて、コーティング層が形成された。次に、該複合シートがオーブン内で加熱されて、ラテックスコーティングを乾燥させ、そして硬化された。該オーブンは約120~約150℃の温度で維持された。任意的に、該複合シートは更に第3のオーブン内で乾燥されてもよい。結果として得られた複合シート材料の坪量は、~。
【0408】
本発明の実施例1
【0409】
本発明の実施例1は、予め調製されたATB-1の生地上に2つのエアレイド層を堆積することによって調製された。該エアレイド層は、パルプ-1繊維とPE/PET-1繊維との均質な繊維混合物を含んでいた。2つのエアレイド層が堆積された後、ラテックス製剤のコーティングが最も外側のエアレイド層の表面に施与された。次に、該複合シート材料が一連のオーブンに順次通されて繊維を互いに接着させ、そして、ラテックス製剤が乾燥され、そして、硬化された。該ラテックス層の乾燥添加重量は、本発明の実施例1の総乾燥重量に基づいて3重量パーセントであった。結果として得られた複合シートは、80g/m2の坪量を有した。
【0410】
比較例1
【0411】
比較例1は、予め調製されたATB-1の生地上に2つのエアレイド層を堆積することによって調製された。該エアレイド層はパルプ-2繊維とPE/PET-1繊維との均質な繊維混合物を含んでいた。ラテックス(Latex)のラテックス製剤が、複合体生地の総重量に基づいて3重量%の乾燥したままの量として比較例1に施与された。該生地が150~160℃の温度で1以上のオーブン中で乾燥された。
【0412】
下記の表1において、比較例1及び本発明の実施例1のサンプルが得られ、そして、流体管理特性について評価された。該表からわかるように、慣用的な木材パルプを含む繊維の代わりに竹由来のステープル繊維を有するサンプルでは厚さにおいて34パーセント減少したにもかかわらず、流体管理特性はかなり同等であった。例えば、本発明の実施例1は、比較例1と比較して34%減少した厚さを有する一方で、流体貯留に関しては9%の減少しか示さなかった。このことは、本発明の複合シートが有意に薄いにもかかわらず、吸収性物品において特に好ましい良好な流体貯留特性を表すことを示している。
【0413】
【表1】
【0414】
下記の表2~表4において、本発明の複合シート材料のウィッキング特性及び剛性が、エアレイド層中に竹由来のステープル繊維を含まない同様の複合シート材料と比較された。表2及び表3における結果は、本発明の複合シート及び比較例の複合シートの6つの異なるサンプルを採取し、そして次に、記載された特性を測定することによって得られた。表4において、各測定からの結果の平均値が比較されて、本発明の複合シートと比較例の複合シートとの間の増加/減少並びにパーセントを決定した。
【0415】
【表2】
【0416】
【表3】
【0417】
下記の表4において、比較例1と本発明の実施例1についての平均結果が、各測定の平均値のパーセント差を測定することによって比較されている。
【0418】
【表4】
【0419】
上記からわかるように、該ウィッキング高さ及び該ウィッキング速度は、比較例の複合シートに比べて有意な改善を最も示した。このことは、本発明の複合シートが、吸収性物品において良好な液管理特性を提供することが期待されることを示す。
【0420】
加えて、本発明の複合シート材料は、竹由来のステープル繊維を含まない比較例の複合シートと比較して、およそ40%のCD剛性における現象及び25%のMD剛性における減少を示した。このことは、本発明の複合シート材料、従って、本発明のエアレイド不織布、を含む吸収性物品が、ウィッキング速度及びウィッキング高さにおける増加によって証明されているように、液体管理特性に関して向上を提供すると同時に、低減された剛性を有する材料を提供することが期待されることを更に示す。
【0421】
有利には、減少した剛性及び減少した厚さにより、より柔軟性を有する吸収性物品が提供され、ひいては、増加したレベルの快適さ及び目立たなさ(discreetness)が着用者に提供される為に役立ちうる。
【0422】
本明細書において記載された本発明の多くの修正及び他の実施態様は、前述された記載及び関連付けられた図面において提示された教示の利益を有するこれらの発明が関連する技術分野の当業者にとって思い浮かぶであろう。それ故に、本発明は、開示された特定の実施態様に限定されるものでなく、修正及び他の実施態様は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。本明細書において特定の語が使用されているが、これらは一般的且つ説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】