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特表2024-539654電池パックおよびこれを含むデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/367 20210101AFI20241022BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241022BHJP
   H01M 10/655 20140101ALI20241022BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241022BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M50/211
H01M50/35 201
H01M50/224
H01M50/293
H01M50/105
H01M10/613
H01M10/655
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522537
(86)(22)【出願日】2023-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 KR2023009963
(87)【国際公開番号】W WO2024019414
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089844
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0076240
(32)【優先日】2023-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ウーヨン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】インス・キム
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ジュ・シン
(72)【発明者】
【氏名】ミュンウー・イ
(72)【発明者】
【氏名】セユン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ジュネ・チ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H011AA02
5H011AA03
5H011AA09
5H011CC10
5H012AA03
5H012CC10
5H031AA09
5H031KK01
5H040AA03
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY05
5H040LL01
(57)【要約】
本発明の一実施例による電池パックは、それぞれがシーリング部を含む電池セルが一方向に積層された複数の電池セル、複数の電池セルの少なくとも一部をカバーするセルカバー、複数の電池セルのシーリング部およびセルカバーの間に形成されたベンティング流路、およびベンティング流路の内面に配置された接着層を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがシーリング部を含む電池セルが一方向に積層された複数の電池セル;
前記複数の電池セルの少なくとも一部をカバーするセルカバー;
前記複数の電池セルの前記シーリング部および前記セルカバーの間に形成されたベンティング流路;および
前記ベンティング流路の内面に配置された接着層を含む、電池パック。
【請求項2】
前記シーリング部は、前記電池セルのうち前記セルカバーと対面する一側部が密封されて形成された部分である、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記セルカバーは、前記複数の電池セルの側面をカバーする第1側面カバー部および第2側面カバー部と、前記複数の電池セルの上部をカバーする上側カバー部と、を含み、
前記シーリング部は、前記複数の電池セルの上部に配置される、請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記上側カバー部は、前記シーリング部から離隔される、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記接着層は、前記上側カバー部の内面に配置される、請求項3に記載の電池パック。
【請求項6】
前記接着層は、前記第1側面カバー部の少なくとも一部の内面および前記第2側面カバー部の少なくとも一部の内面にさらに配置される、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記セルカバーは、前記複数の電池セルの上面および両側面をカバーし、前記複数の電池セルの下面を露出させる、請求項1に記載の電池パック。
【請求項8】
前記シーリング部は、1回以上折り曲げられたものである、請求項1に記載の電池パック。
【請求項9】
前記セルカバーは、一体的な形状を有する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項10】
前記セルカバーは、ステンレススチール(SUS)を含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項11】
前記複数の電池セルそれぞれは、パウチ型電池セルである、請求項1に記載の電池パック。
【請求項12】
内部空間に前記複数の電池セルおよび前記セルカバーを収納するパックケースをさらに含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項13】
請求項1に記載の電池パックを含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年07月20日付韓国特許出願第10-2022-0089844号および2023年06月14日付韓国特許出願第10-2023-0076240号に基く優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびこれを含むデバイスに関し、より具体的にはエネルギー密度と冷却性能が向上して安全性が強化された電池パックおよびこれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化され、このようなモバイル機器と関連する分野技術に関する開発が活発になっている。また、充放電が可能な二次電池は、化石燃料を使用する従来のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)等の動力源として利用されており、二次電池に関する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在の常用化された二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、この中でリチウム二次電池は、充放電が自由で、自己放電率が低く、エネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収納する外装材、即ち、電池ケースを備える。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は外装材の形状によって、電極アセンブリが金属カンに内装されているカン型二次電池と、電極アセンブリがアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池に分類することができる。
【0007】
近年、電気自動車やエネルギー保存システムなどの中大型装置に駆動用やエネルギー保存用に電池パックが幅広く使用されている。従来電池パックは、パックケース内部に一つ以上の電池モジュールと電池パックの充放電を制御する制御ユニット、例えば、BMS(Battery Management System)を含む。ここで、電池モジュールは、モジュールケースの内部に複数の電池セルを含む形態で構成される。即ち、従来電池パックの場合、複数の電池セル(二次電池)がモジュールケース内部に収納されてそれぞれの電池モジュールを構成し、このような電池モジュールが一つ以上パックケースの内部に収納されて電池パックを構成する
【0008】
特に、パウチ型電池の場合、重量が軽く、積層時デッドスペース(dead space)が少ないなどの様々な側面で長所を有しているが、外部の衝撃に脆弱で、組立性が多少落ちる問題がある。したがって、複数のセルをまずモジュール化した後、パックケースの内部に収納される形態に電池パックが製造されることが一般的である。代表的な例として、従来電池パックの場合、複数の電池セルをまずモジュールケース内部に収納して電池モジュールを構成した後、このような電池モジュールを一つ以上のパックケースの内部に収納する形態で構成することができる。さらに、従来電池モジュールは、カートリッジとも呼ばれるプラスチック材質の積層用フレーム、セル積層方向両端のプレート、およびボルトなどの締結部材などの様々な構成要素を利用して複数の電池セルを積層する場合が多い。そして、このように形成された積層体は、再びモジュールケース内部に収納されてモジュール化される場合も多い。
【0009】
しかし、このような従来電池パックの場合、エネルギー密度側面から不利なこともある。代表的に、複数の電池セルをモジュールケース内部に収納してモジュール化する過程において、モジュールケースまたは積層用フレームなどの様々な構成要素によって電池パックの体積が不要に増加したり、電池セルが占める空間が減少することがある。さらに、モジュールケースや積層用フレームなどの構成要素自体が占める空間はもちろん、このような構成要素に対する組立公差を確保するために、電池セルの収納空間が減少することがある。したがって、従来電池パックの場合、エネルギー密度を高めることに限界が生じる可能性がある。
【0010】
また、従来電池パックの場合、組立性側面からも不利なこともある。特に、電池パックを製造するためには、まず、複数の電池セルをモジュール化させて電池モジュールを構成した後、電池モジュールをパックケースに収納する過程を経ることになるので、電池パックの製造工程が複雑になる問題がある。さらに、前記先行文献に開示されたように、積層用フレームおよびボルト、プレートなどを利用してセル積層体を形成する工程および構造が非常に複雑なこともある。
【0011】
また、従来電池パックの場合、パックケース内部にモジュールケースが収納され、モジュールケース内部に電池セルが収納されるので、優れた冷却性を確保するのが難しいという問題もある。特に、モジュールケース内部に収納された電池セルの熱をモジュールケースを経てパックケース外部に排出させる場合、冷却効率が落ち、冷却構造も複雑になる可能性がある。
【0012】
また、従来電池パックに含まれる複数の電池セルが互いに直列または並列に接続されて電池セル積層体を形成することにより、容量および出力が向上するが、電池モジュール内の狭い空間で複数の電池セルから発生する熱が合算されることにより、全体温度がより急速に上昇する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、エネルギー密度、組立性および/または冷却性などに優れた電池パックおよび自動車などを含むデバイスを提供することである。
【0014】
また、連続的な熱暴走現象を防止することにより、耐久性および安全性が向上した電池パックおよびこれを含むデバイスを提供することである。
【0015】
しかし、本発明の実施例が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、記載されていない他の課題は、本発明の説明から当業者に明確に理解できる範囲で拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施例による電池パックは、それぞれがシーリング部を含む電池セルが一方向に積層された複数の電池セル;前記複数の電池セルの少なくとも一部をカバーするセルカバー;前記複数の電池セルの前記シーリング部および前記セルカバーの間に形成されたベンティング流路;および前記ベンティング流路の内面に配置された接着層を含む。
【0017】
前記シーリング部は、前記電池セルのうち前記セルカバーと対面する一側部が密封されて形成された部分であってもよい。
【0018】
前記セルカバーは、前記複数の電池セルの側面をカバーする第1側面カバー部と第2側面カバー部、および前記複数の電池セルの上部をカバーする上側カバー部を含み、前記シーリング部は、前記複数の電池セルの上部に配置される。
【0019】
前記上側カバー部は、前記シーリング部から離隔されることができる。
【0020】
前記接着層は、前記上側カバー部の内面に配置することができる。
【0021】
前記接着層は、前記第1側面カバー部の少なくとも一部の内面および前記第2側面カバー部の少なくとも一部の内面にさらに配置することができる。
【0022】
前記セルカバーは、前記複数の電池セルの上面および両側面をカバーし、前記複数の電池セルの下面を露出させることができる。
【0023】
前記シーリング部は、1回以上折り曲げられることができる。
【0024】
前記セルカバーは、一体的な形状を有することができる。
【0025】
前記セルカバーは、ステンレススチール(SUS)を含むことができる。
【0026】
前記複数の電池セルのそれぞれは、パウチ型電池セルであってもよい。
【0027】
内部空間に前記複数の電池セルおよび前記セルカバーを収納するパックケースをさらに含むことができる。
【0028】
本発明の一実施例による装置は、前記少なくとも一つの電池パックを含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ガスや火炎発生時に各電池セルから排出された高温のパーティクルが外部に飛散することを防止し、連続的な熱暴走現象を防止することができる。
【0030】
本発明の効果は、以上で言及した効果で限定されるものではなく、言及されていない他の効果は、請求範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例による電池パックの一部構成を分離して示す概略的な斜視図である。
図2】本発明の一実施例による電池パック内部に収納される電池セルとセルカバーの構成を含むセルユニットを概略的に示す分解斜視図である。
図3図2の構成要素を結合した形態を示す斜視図である。
図4図3の切断面Aに沿って示す斜視図である。
図5図4の正面図である。
図6】比較例による発火現象が発生したセルユニットの様子を示す図面である。
図7図3のy軸方向にベンティングガスが排出される様子を示す図面である。
図8】本発明の他の一実施例によるセルユニットを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して、本発明の多様な実施例について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、以下で説明するもの以外にも多様な異なる形態に実施することができ、ここで説明する実施例に限られない。
【0033】
本発明を明確に説明するため、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素については同じ参照符号を付ける。
【0034】
また、図面に示した各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に拡大または縮小して示したので、本発明が必ずしも示されたものに限られない。図面から複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部層および領域の厚さを誇張して示した。
【0035】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるという時、これは当該する層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間に別の部分がないことを意味する。また、基準となる部分「の上に」または「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向けて「の上に」または「上に」位置するとのを意味するものではない。一方、他の部分「の下に」または「下に」あると説明することも、上述した内容を参照して理解することができるだろう。
【0036】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例による電池パックの一部構成を分離して示す概略的な斜視図である。
【0038】
図2は、本発明の一実施例による電池パック内部に収納される電池セルとセルカバーの構成を含むセルユニットを概略的に示す分解斜視図である。
【0039】
図3は、図2の構成要素を結合した様子を示す斜視図である。
【0040】
図1図3を参照すると、本発明の一実施例による電池パック1000は、電池セル100、セルカバー200、およびパックケース600を含む。
【0041】
電池セル100は、パウチ型電池セルであってもよい。即ち、電池セル100は、パウチ型二次電池であり、電極アセンブリ、電解質およびパウチ外装材を含むことができる。
【0042】
一般的に、パウチ型である電池セル100は、電極アセンブリをセルケースに収納した状態で電解液を注入し、セルケースをシーリング(Sealing)する過程を通じて製造することができる。例えば、セルケースは、電池セル100の両端部とこれらを接続する一側部を接着することによってシーリングすることができる。
【0043】
このような電池セル100は、電池パックに複数に含まれることができる。そして、このような複数の電池セル100は、少なくとも一方向に積層することができる。例えば、図1に示すように、複数の電池セル100は、水平方向、例えば、左右方向(図面のx軸方向)に積層配置することができる。また、複数の電池セル100は、図1に示すように、前後方向(図面のy軸方向)に配置することができる。
【0044】
さらに、複数の電池セル100は、水平方向に配置され、左右方向および水平方向に複数の列をなす形態で配置されることができる。例えば、図1を参照すると、複数の電池セル100は、左右方向に配置されたセル列が前後方向に2つ備えられた形態に積層されることができる。
【0045】
本発明による電池パックは、本発明の出願時点に公知された様々な形態の電池セル100を採用することができるので、このような電池セル100の構成などについては、詳細な説明を省略する。
【0046】
パックケース600は、内部に空隙が形成され、複数の電池セル100を収納することができる。例えば、パックケース600は、図1に示すように、上部ケース610と下部ケース620を備えることができる。より具体的な例として、下部ケース620は、上端が開放されたボックス形態で構成され、内部空間に複数の電池セルを収納することができる。そして、上部ケース610は、下部ケース620の上端開放部をカバーする蓋形態で構成することができる。この時、上部ケース610は、下端が開放されたボックス形態で構成されることもできる。また、このようなパックケース600の内部空間には、複数の電池セル100と共にセルカバー200も収納することができる。パックケース600は、プラスチックまたは金属材質で形成することができる。その他にも、パックケース600は、本発明の出願時点に公知された様々な電池パックの外装材材質を採用することができる。
【0047】
セルカバー200は、パックケースの内部空間において、電池セル100を包むように構成することができる。即ち、セルカバー200は、電池パックに含まれている複数の電池セル100のうち、少なくとも一部電池セルを包むように構成することができる。さらに、セルカバーは、電池セル100を少なくとも部分的に包むように備えることができる。
【0048】
そして、セルカバー200は、このように電池セルを包む構造を通じて、パックケース600内部で複数の電池セル100の積層状態を支持するように構成することができる。例えば、複数の電池セル100は、図1に示すように、水平方向(図面のx軸方向)に積層することができる。この時、セルカバー200は、このように水平方向に積層された複数の電池セル100の積層状態が安定的に維持されるように構成することができる。
【0049】
本発明のこのような側面によれば、モジュールケースなしで、複数の電池セル100がパックケース600内部に直接装着されて収納することができる。特に、電池セル100の場合、外装材が軟性材質で製作され、外部衝撃に脆弱であり、また硬度が低いと言える。したがって、モジュールケースに収納せず、電池セル100自体だけでパックケース600内部に収納することが容易でない。しかし、本発明の場合、複数の電池セル100は、セルカバー200によって少なくとも一部分が包まれた状態でセルカバー200と結合し、パックケース600内部に直接収納され、その積層状態が安定的に維持されることができる。
【0050】
したがって、本発明のこのような側面によれば、電池パック1000にモジュールケースや積層用フレーム、セルの積層状態を維持するためのボルトなどの締結部材などをさらに備える必要がない。したがって、モジュールケースや積層用フレームなど他の構成要素が占める空間やそれによる公差確保のための空間を除去することができる。したがって、除去された空間ほど電池セルがさらに空間を占めることができるため、電池パックのエネルギー密度がより向上することができる。
【0051】
また、本発明のこのような側面によれば、モジュールケースや積層用フレーム、ボルトなどが備えられないため、電池パックの体積や重量が減少し、製造工程が簡素化される。
【0052】
また、本発明のこのような側面によれば、電池セル100のハンドリングがより容易になる可能性がある。例えば、複数の電池セル100をパックケース内部に収納する場合、ジグなどによって電池セル100を把持することができる。この時、ジグは電池セル100を直接把持せずに、電池セル100を包んでいるセルカバー200を把持することができる。したがって、ジグによる電池セル100の損傷や破損が防止することができる。
【0053】
また、本発明のこのような側面によれば、電池セル100にセルカバー200が結合し、モジュールケースなくても電池セル100を効果的に保護することができる。
【0054】
セルカバー200は、剛性確保のために、様々な材質で構成することができる。特に、セルカバー200は、金属材質で構成することができる。このような金属材質の場合、電池セルの積層状態をより安定的に維持し、外部衝撃から電池セルをより安全に保護することができる。特に、セルカバー200は、スチール材質、さらにステンレススチール(SUS)材質を備えることができる。例えば、セルカバー200は、全体的にSUS材質で構成することができる。
【0055】
このように、セルカバー200がスチール材質で構成される場合、機械的強度乃至剛性が優れているため、電池セル100の積層状態をより安定的に支持することができる。また、この場合、外部の衝撃、例えば、針状体などから電池セル100の損傷や破損をより効果的に防止することができる。それだけでなく、この場合、電池セルのハンドリングをより容易にすることができる。
【0056】
また、前記実施例のように、セルカバー200がスチール材質で構成される場合、高い溶融点により、電池セル100から火炎発生時、全体的な構造が安定的に維持されることができる。特に、スチール材質の場合、アルミニウム材質に比べて融点が高いため、電池セル100から噴出された火炎にも溶けず、その形態が安定的に維持されることができる。したがって、電池セル100間の火炎伝播防止乃至遅延効果、ベンティング制御効果などが優秀に確保することができる。
【0057】
セルカバー200は、一つまたはそれ以上の電池セル100を包むように構成することができる。例えば、図2および図3に示すように、一つのセルカバー200は、一つの電池セル100または複数の電池セル100を包むように構成することができる。この場合、複数の電池セル100のうち、それぞれの電池セル100ごとにセルカバー200が個別に結合されるか、またはセルカバー200は、二つまたはそれ以上の電池セル100を一緒に包むように構成することができる。
【0058】
セルカバー200は、電池セル100の外側表面に少なくとも部分的に接着することができる。例えば、セルカバー200は、電池セル100の収納部に内側表面が接着することができる。
【0059】
セルカバー200は、電池パックに一つまたは複数含まれることができる。特に、セルカバー200は、電池パックに含まれている複数の電池セル100をグループ化してユニット化するように構成することができる。この場合、一つのセルカバー200は、一つのセルユニット10を構成すると言える。そして、一つのセルユニット10には、一つまたは複数の電池セル100が含まれることができる。電池パックには、複数のセルユニットが含まれることがあり、この場合、セルカバー200は、電池パックに複数含まれると言える。一例として、セルカバー200が一つの電池セル100を包む形態で構成された場合、電池パックには、電池セル100の数と同じ数のセルカバー200が含まれることができる。他の例として、セルカバー200が二つ以上の電池セル100を包む形態で構成された場合、電池パックには、電池セル100の数より小さい数のセルカバー200が含まれることができる。
【0060】
セルカバー200は、複数の電池セル100を立てた状態で支持するように構成することができる。それぞれの電池セル100は、図2に示すように、2つの広い表面を有し、広い表面の角部分は、パウチ外装材のシーリング部や折り畳まれた部分が存在することができる。したがって、電池セル100は、一般的に上下方向に立てられた形態で積層させることが困難である。しかし、本発明による電池パックにおいて、セルカバー200は、一つまたはそれ以上の電池セル100を包みながら、包まれた電池セル100の立った状態、即ち、起立状態を支持するように構成することができる。
【0061】
特に、セルカバー200は、複数の電池セル100が上下方向に立てられた状態で水平方向に積層されるように構成することができる。例えば、図1図3に示す実施例のように、複数のセルカバー200は、水平方向に相互積層され、それぞれのセルカバー200は、一つまたはそれ以上の電池セル100を包む形態で構成することができる。この場合、セルカバー200によって、複数の電池セル100がそれぞれ立てられた状態で、水平方向に並列に積層された構成が安定的に維持されることができる。
【0062】
特に、セルカバー200は、パックケース600の内部空間で、自立可能に構成することができる。即ち、セルカバー200は、パックケース600や電池セル100など、電池パックに備える他の構成要素の助けがなくでも、自ら起立状態を維持するように構成することができる。
【0063】
例えば、セルカバー200は、図1の実施例では、下部ケース620の底面に直接装着することができる。この時、セルカバー200の一部、セルカバー200の下端部が下部ケース620の底面に直接接触して装着することができる。この時、下部ケース620底面には、サーマルレジン層626が形成されている場合がある。サーマルレジン層626は、電池セル100から発生した熱がヒートシンク(図示せず)を通じて放熱されるようにヒートシンクに熱を伝達することができる。図示しなかったが、サーマルレジン層626の下にヒートシンクが形成されることができる。一例として、ヒートシンクは、下部ケース620の底面上に形成され、ヒートシンク上部面にサーマルレジン層626が塗布されることができる。サーマルレジン層626は、接着性を有することにより、セルカバー200および/または電池セル100を下部ケース620の底面またはヒートシンクに結合させることができる。サーマルレジン層626は、電池セル100とセルカバー200の起立状態がより安定的に維持されるようにすることができる。
【0064】
そして、セルカバー200は、このように下端部が装着された場合、装着状態が安定的に維持されるように構成することができる。この時、セルカバー200は、スチールのように剛性に優れた金属材質、特にSUS材質で構成される場合、自立状態がより安定的に維持することができる。したがって、この場合、電池セル100の起立状態がより確実に支持することができる。
【0065】
セルカバー200は、包まれた電池セルの少なくとも一側が外部に露出するように電池セルを部分的に包む形態で構成することができる。即ち、セルカバー200は、電池セル100を全体的に完全に包むことなく、一部のみ包む形態で構成することができる。特に、セルカバー200は、電池セルの少なくとも一側がパックケースに向けて露出するように構成することができる。
【0066】
例えば、図2および図3の実施例を参照すると、セルカバー200は、一つの電池セル100を包む形態で構成されるが、包まれた電池セル100、即ち、内部空間に収容された電池セル100の下部は、セルカバー200によって包まれない場合がある。したがって、電池セル100の下部は、パックケース600を向かって露出され、パックケース600に直接対面することができる。特に、図1の実施例を参照すると、電池セル100の下部は、下部ケース620の底面に向けって露出することができる。
【0067】
本発明のこのような実施例によれば、電池パックの冷却性能がより効果的に確保することができる。特に、前記実施例によれば、電池セル100とパックケース600が直接対面接触することができる。したがって、それぞれの電池セル100から放出した熱がパックケース600に直接伝達され、冷却性能が向上することができる。また、この場合、電池セル100とパックケース600の間に別途の冷却構造が備えられなくても良いので、効率的な冷却性能が実現することができる。そして、この場合、電池セル100の間に空気などの冷媒が流入するための空間が備えられない場合がある。
【0068】
一方、本発明による電池パックにおいて、互いに異なる構成要素間の熱伝達性能を高めるために、TIM(Thermal Interface Material)が介在されることができる。例えば、電池セル100とセルカバー200の間、セルカバー200とパックケース600の間、および/または電池セル100とパックケース600の間にTIMが充填されることができる。この場合、電池パックの冷却性能、例えば、デュアルクーリング性能などがより向上することができる。
【0069】
特に、セルカバー200は、内部に収容された電池セル100の複数のエッジ部のうち、電極リードが備えていないエッジ部を包む形態で構成することができる。例えば、図2に示された実施例を参照すると、電池セル100は、2つの電極リード110、即ち、正極リードと負極リードを備えることができる。この時、2つの電極リードは、前方側エッジ部と後方側エッジ部にそれぞれ位置することができる。この時、セルカバーは、このような前方側エッジ部と後方側エッジ部を除いた残りの2つのエッジ部のうち一つを包む形態で構成することができる。
【0070】
図2および図3を参照すると、電池セル100は、ほぼ6面体で形成されているとすることもできる。そして、6面のうち2面に電極リード110、即ち、負極リードと正極リードがそれぞれ形成されることができる。そして、セルカバー200は、6面の電池セル100から電極リード110が形成された2面を除いた残りの4面のうち3面の少なくとも一部を包むように備えられる。
【0071】
本発明のこのような実施例によれば、セルカバー200の露出した側面に火炎などの排出方向を誘導することができる。例えば、実施例によれば、電極リード110が位置するセルカバー200の前方側および後方側が開放されているため、このような開放された方向に火炎などが排出されるようにすることができる。特に、前記のように前方および後方が開放された形態でセルカバー200が構成された場合、サイドディレクショナルベンティング(side directional venting)が容易に実現することができる。
【0072】
本発明のこのような実施例によれば、一つのセルカバー200として、一つまたはそれ以上の電池セルを支持して保護する構成が容易に実現することができる。特に、前記実施例によれば、下側エッジ部は、セルカバー200によって包まれることなく、パックケース600と直接対面接触することができる。したがって、セルカバー200によって包まれた電池セル100の熱が下部のパックケース600側に迅速かつ円滑に排出することができる。したがって、電池パックの冷却性能をより効果的に確保することができる。
【0073】
特に、このような構成は、パックケース600の下部で冷却が主に行われる場合、より効果的に実施することができる。例えば、電気自動車に装着される電池パックの場合、車体の下部に装着されるので、パックケース600の下部で主に冷却が行われることがある。この時、前記実施例のように、各電池セル100の下側エッジ部がパックケースに対面接触される場合、各電池セル100からパックケース側に熱が迅速に伝達され、冷却性能がより向上することができる。
【0074】
また、前記実施例によれば、熱暴走などの状況で電池セル100から高温のガスや火炎などが排出される場合、排出されたガスや火炎が上部側へ向かうことを効果的に防止することができる。特に、電気自動車のように、電池パックの上部側に搭乗者が位置する場合、前記実施例によれば、ガスや火炎などが搭乗者側へ向かうことを抑制または遅延させることができる。
【0075】
図2および図3を参照すると、セルカバー200は、ほぼn字と類似の形状に形成されると言える。そして、セルカバー200は、このような形状を通じて、内部に収容された電池セル100に対して、電極リードが突出した前方側と後方側、そして下側を除いた他の部分を覆うように構成されているといえる。即ち、セルカバー200は、内部に収容された電池セルの収納部の外側および上部側を覆うように備えられることができる。
【0076】
より具体的には、セルカバー200は、図2に示すように、上側カバー部210、第1側面カバー部220、および第2側面カバー部230を含むことができる。
【0077】
ここで、上側カバー部210は、内部に収容された電池セル100の上部を包むように構成することができる。特に、上側カバー部210は、電池セル100の上部側エッジ部に接触したり離隔される形態で構成することができる。また、上側カバー部210は、平面状に構成することができる。この場合、上側カバー部210は、断面が水平方向の直線状に形成され、電池セル100の上部側エッジ部を外側から直線状に包むことができる。
【0078】
第1側面カバー部220は、上側カバー部210の一端から下部方向に延びる形態で構成することができる。例えば、第1側面カバー部220は、上側カバー部210の左側端部から下部方向(図面の-Z軸方向)に長く延びた形態で構成することができる。さらに、第1側面カバー部220は、平面状に形成することができる。この時、第1側面カバー部220は、上側カバー部210でベンディングされた形態で構成することができる。
【0079】
そして、第1側面カバー部220は、内部に収容された電池セル100の一側収納部の外側を包むように構成することができる。例えば、セルカバー200に一つの電池セル100が収容された場合、第1側面カバー部220は、収容された電池セル100の収納部の左側表面を左側から包むように構成することができる。ここで、第1側面カバー部220は、収納部の外側表面に直接接触することができる。
【0080】
第2側面カバー部230は、第1側面カバー部220から水平方向に離隔して位置することができる。そして、第2側面カバー部230は、上側カバー部210の他端から下部方向に延びる形態で構成することができる。例えば、第2側面カバー部230は、上側カバー部210の右側端部から下部方向に長く延びた形態で構成することができる。さらに、第2側面カバー部230も第1側面カバー部220と同じに平面状に構成することができる。この時、第2側面カバー部230と第1側面カバー部220は、水平方向に離隔した状態で互いに平行に配置されていると言える。
【0081】
そして、第2側面カバー部230は、内部に収容された電池セル100の他側収納部の外側を包むように構成することができる。例えば、セルカバー200に一つの電池セル100が収容された場合、第2側面カバー部230は、収容された電池セル100の収納部の右側表面を右側から包むように構成することができる。ここで、第2側面カバー部230は、収納部の外側表面に直接接触することができる。
【0082】
前記実施例において、上側カバー部210、第1側面カバー部220および第2側面カバー部230によって内部空間が限定することができる。そして、セルカバー200は、このように限定された内部空間に一つまたはそれ以上の電池セルを収容することができる。
【0083】
また、前記実施例において、第1側面カバー部220と第2側面カバー部230の下側端部は、パックケース600の底面に接触することができる。特に、このような第1側面カバー部220と第2側面カバー部230の下側端部とパックケース600の間の接触構成は、前後方向(図面のy軸方向)に長く延びた形態で形成することができる。このような実施例によれば、内部に収容された電池セル100を立てた状態で維持させることができるセルカバー200の自立構成がより安定的に実現することができる。
【0084】
さらに、第1側面カバー部220と第2側面カバー部230は、互いに同じ高さを有することができる。即ち、第1側面カバー部220と第2側面カバー部230は、上側カバー部210から下部方向に延びた長さが同じであることができる。この場合、セルカバー200の自立構成がより容易に達成することができる。
【0085】
一方、本発明の一実施例によるセルカバー200と電池セル100を再度説明すると、上側カバー部210は、電池セル100の上部側エッジ部を対面することができ、第1側面カバー部220および第2側面カバー部230と共に上部側エッジ部を包むことができる。
【0086】
また、第1側面カバー部220と第2側面カバー部230の断面積は、第1側面カバー部220と第2側面カバー部230が対面する電池セル100の断面積より大きく備えられ、収納部が外部に露出することを防止して安全性を最大限確保することができる。
【0087】
一方、電池セル100は、シーリング部240(図4参照)を含むことができる。シーリング部240(図4参照)は、電池セル100のうちセルカバー200と対面する一側部が密封されて形成された部分であることができる。シーリング部240(図4参照)は、熱融着などの方法で密封され、密封性能を向上させるために1回以上折り曲げられることができる。例えば、シーリング部240(図4参照)は、二重折り畳み(Double Side Folding)された部分であることができる。
【0088】
図2の実施例において、上部側エッジ部は電池セル100のシーリング部240(図4参照)として二重折り畳み(Double Side Folding)された部分であることができる。下側エッジ部は、電池セル100の未シーリング部であることができる。
【0089】
ここで、セルカバー200は、電池セル100を包むが、シーリング部の少なくとも一部は包んで、未シーリング部の少なくとも一部は包まずに外部に露出するように構成することができる。例えば、図2の実施例を参照すると、セルカバー200は、電池セル100のシーリング部の一部である上部側エッジ部を覆う形で構成することができる。この場合、セルカバー200の内部に収容された電池セル100は、シーリング部である上部側エッジ部が上側カバー部210と対面するように構成されると言える。また、セルカバー200は、電池セル100の未シーリング部である下側エッジ部については、外部に露出するように電池セル100を包むことができる。この場合、電池セル100における未シーリング部である下側エッジ部は、セルカバー200の開放面に配置されるといえる。
【0090】
電池セル100におけるシーリング部としての上部側エッジ部は、未シーリング部である下側エッジ部より相対的に高温のガスや火炎の排出にさらに脆弱である可能性がある。しかし、前記実施例によれば、シーリング部である上部側エッジ部が上側カバー部210を対面するように配置され、Directional Ventingにさらに有利であることができる。
【0091】
また、電池セル100で未シーリング部として下側エッジ部は、シーリング部である上部側エッジ部より相対的に断面積が広く、平坦な形状で備えてセルカバー200の開放面に配置することができ、図1のサーマルレジン層626に直接接触して冷却効率が増大することができる。
【0092】
さらに、下部ケース620が車体の一面に装着される場合、第1側面カバー部220と第2側面カバー部230は、上側カバー部210から車体の一面に向けて延びることができ、上部側エッジ部は、下側エッジ部より車体の一面からより遠くに配置されることができる。即ち、下部ケース620が車体の一面に装着される場合、セルカバー200は、車体の一面と相対的に近くに配置された面が開放される形態で構成することができる。
【0093】
逆に、上部ケース610が車体の一面に装着される場合、第1側面カバー部220と第2側面カバー部230は、上側カバー部210から車体の一面から離れるように延びることができ、上部側エッジ部は、下側エッジ部より車体の一面よりさらに近くに配置されることができる。即ち、上部ケース610が車体の一面に装着される場合、セルカバー200は、車体の一面と相対的に離れる面が開放される形態で構成することができる。
【0094】
即ち、セルカバー200と電池セル100の配置は、車体、パックケース600、パックケース600以外の車体に配置される構成との関係に応じて多様に設定することができる。
【0095】
一方、前記実施例では、セルカバー200がn字状で形成された構成を中心に図示乃至説明したが、セルカバー200は、他の多様な形態で構成することができる。例えば、セルカバー200は、I字、U字、L字など他の多様な形状に形成することができる。
【0096】
図4は、本発明の一実施例による電池パックの一部構成を概略的に示す分離斜視図である。
【0097】
図2を参照すると、本発明による電池パックは、バスバーアセンブリー300をさらに含むことができる。ここで、バスバーアセンブリー300は、複数の電池セル100を互いに電気的に接続するように構成することができる。例えば、図2に示すように、バスバーアセンブリー300は、複数の電池セル100の電極リード110に結合され、複数の電池セル100の間を電気的に直列および/または並列に接続するようにすることができる。バスバーアセンブリー300は、銅やアルミニウムのような電気導電性材質で構成され、電極リード110に直接接触するバスバー端子およびプラスチックのような電気絶縁性材質で構成され、バスバー端子を支持するバスバーハウジングを備えることができる。
【0098】
さらに、電池セル100において電極リード110が両側に備えられる場合、バスバーアセンブリー300も電極リード110が備えられた両側に全て含まれることができる。例えば、図2に示すように、電極リード110が前方側(図面のy軸方向)と後方側(図面の-y軸方向)の両方に突出した場合、バスバーアセンブリー300も前方側と後方側の全てに位置することができる。
【0099】
バスバーアセンブリー300は、一つまたは複数のセルカバー200と結合することができる。この時、バスバーアセンブリー300は、1つのセルカバー200の端部に結合することができる。この時、1つのセルカバー200には、一つまたは複数の電池セル100が収容することができる。
【0100】
バスバーアセンブリー300は、セルカバー200と様々な方式で結合することができる。例えば、バスバーアセンブリー300は、接着、溶接、挿入結合、フック結合、ボルティング結合、リベット結合など様々な締結方式を通じてセルカバー200と結合固定することができる。
【0101】
図2および図3を参照すると、本発明による電池パック1000は、絶縁カバー部350およびエンドプレート400をさらに含むことができる。絶縁カバー部350は、電気絶縁性材質で構成され、バスバーアセンブリー300がエンドプレート400によって外部に露出することを防止し、電気絶縁性を確保および維持することができる。
【0102】
エンドプレート400は、複数の電池セル100の前後面を覆って、セルカバー200と結合することができる。エンドプレート400は、電池セル100の前方側(図面のy軸方向)に配置された第1エンドプレート410と電池セル100の後方側(図面の-y軸方向)に配置された第2エンドプレート410を含むことができる。
【0103】
エンドプレート400は、溶接を通じてセルカバー200と密封されるように結合されることができる。
【0104】
この時、エンドプレート400は、バスバーアセンブリー300と絶縁カバー部350を固定してセルユニット10の構造的安定性を確保することができる。一方、エンドプレート400には、絶縁カバー部350が露出するホールが形成されることができ、前記ホールを通じて場合によってディレクショナルベンティング(directional venting)が誘導されることができる。
【0105】
以下、本実施例による電池パック1000に含まれるベンティング流路および接着層についてより具体的に説明する。
【0106】
図4は、図3の切断面Aにより示される斜視図である。
【0107】
図5は、図4の正面図である。
【0108】
図4および図5を参照すると、セルカバー200の上部と電池セル100の間にエアーギャップ(Air Gap)が存在することができる。このようなエアーギャップを介してベンティング流路(VP、図7参照)が形成され、電池セル100から発生したガスが移動することができる。特に、電池セル100の上部側エッジ部は、シーリング部240が形成されることによって、未シーリング部である下側エッジ部より相対的に高温のガスや火炎の排出がよく起きることができる。ガスや火炎が発生すると、ベンティング流路(VP、図7参照)を通じて高温のガスおよびスパークに放出され、スパークが外部の酸素などと接触することによって発火が発生する可能性がある。したがって、本実施例の電池パックは、上述した問題を解決するために、スパーク、即ち、高温のパーティクルが外部に飛散されることを防止する接着層250を含むことができる。接着層250は、セルカバー200と電池セル100の間の空間の内面に配置することができる。具体的には、接着層250は、上側カバー部210の内面に配置することができる。また、接着層250は、第1側面カバー部220の少なくとも一部の内面および第2側面カバー部230の少なくとも一部の内面にさらに配置することができる。例えば、接着層250は、上側カバー部210の内面、上側カバー部210の一端から下部方向に延びる第1側面カバー部220の一部の内面、および上側カバー部210の他の一端から下部方向に延びる第2側面カバー部230の一部の内面に配置することができる。特に、シーリング部240と上側カバー部210の間に接着層が相対的に多く形成されることによって、スパークをさらに多くキャッチするようにすることができる。
【0109】
セルユニット10に接着層250が形成されると、電池セル100の発火時にベンティング流路であるエアーギャップに沿って移動するパーティクルが接着層250に付着することができ、これによってパーティクルがセルユニット10の外部に飛散することを防止することができる。接着層250によって高温のパーティクル、即ち、スパークの放出が制限されると、スパークが外部酸素と接触する可能性が低くなり、これにより、さらなる熱暴走現象を防止することができる。
【0110】
接着層250は、ベンティング流路の内部に層の形態で付着したり、液体形態で塗布された後、層で形成することができる。
【0111】
接着層250は、粘着物質を含むことができる。接着層250に使用できる粘着物質は、パーティクルが付着可能な粘着性を保有するものであれば種類に関係なく可能である。粘着物質の例としては、アトリレートまたはシリコンを含むものを挙げることができ、上述した粘着物質には、エステルゴム、フェノール樹脂またはその他の物質が補助剤として使用されたり、ヒマシ油またはポリイソブチレンのような低分子物質がさらに混合することができる。
【0112】
接着層250は、ベンティング流路に提供されることができる。ベンティング流路は、図2、3に示したy軸方向に沿って延びることができ、エンドプレート400のホールを通してディレクショナルベンティングが誘導される時、ガスおよび火炎はベンティング流路に沿って排出されるが、この時、接着層250によって高温のパーティクル、即ち、スパークの放出が制限されると、スパークが外部酸素と接触する可能性が低くなり、これにより、追加的な熱暴走現象を防止することができる。
【0113】
図6は、比較例による発火現象が発生したセルユニットの様子を示す図面である。
【0114】
図7は、図3のy軸方向にベンティングガスが排出される様子を示す図面である。
【0115】
図6を参照すると、セルユニットは、セルカバー21と電池セル1の間に形成されたベンティング流路を含むことができる。電池セル1は、充放電過程で多量の熱を発生させることができ、過充電などの理由でその温度が適正温度より高くなる場合、性能が低下することがあり、温度上昇が過度な場合、爆発または発火することがある。電池セル1の発火時、外部に高温の引火性ガスと共にセルの内部物質が噴出することがあり、このような内部物質は主にC、Cu、Al、Ni、Co、Mg、Liのような物質で、高温のパーティクル、即ち、スパークの形態で噴出される。
【0116】
一方、このようなスパークは、一緒に排出された引火ガスまたは外部の酸素と接触すると発火現象を発生させるので、電池セル1を含む電池パック内の外部で連続的な熱暴走現象を発生させることができる。
【0117】
図7を参照すると、本実施例によるセルユニット10は、電池セル100と上側カバー部210の間に形成されたベンティング流路(VP)を含むことができる。ベンティング流路(VP)は、電池セル100から発生したガスなどをセルカバー200の外部に排出するためのものとすることができる。ベンティング流路(VP)は、セルカバー200と電池セル100の間の離隔空間に形成することができる。ベンティング流路(VP)の一端部には電池セル100の内部ガスを排出するベンティング部、例えば、図2および図3で説明したエンドプレート400のホールが位置することができる。各電池セル100からベンティング流路(VP)に排出された火炎、ガスなどは、ベンティング流路(VP)に沿って移動し、セルユニット10に備えられた排出口(図示せず)を介して外部に排出されることができる。
【0118】
図7に示すように、電池セル100の発火時、ベンティング流路(VP)に沿って移動するパーティクルが接着層250に付着することができ、これにより、パーティクルがセルユニット10の外部に飛散されることが防止することができる。接着層250によって高温のパーティクル、即ち、スパークの放出が制限されると、スパークが外部酸素と接触する可能性が低くなり、これにより、さらなる熱暴走現象を防止することができる。
【0119】
図8は、本発明の他の一実施例によるセルユニットを示す図面である。
【0120】
図8の実施例は、図5の実施例を変形したものであり、本実施例によるセルユニット20は、電池セル100の上部を覆う熱伝達部材260をさらに含むことができる。熱伝達部材260は、シリコン系の材質で塗布形成したり、熱導電性パッドで形成することができる。接着層250は、熱伝達部材260と上側カバー部210の間に形成することができる。接着層250は、上側カバー部210の内面、上側カバー部210の一端から下部方向に熱伝達部材260まで延びる第1側面カバー部220の一部の内面、および上側カバー部210の他の一端から下部方向に熱伝達部材260まで延びる第2側面カバー部230の一部の内面に接着層250が形成されることができる。但し、接着層250の形成位置はこれに限定されず、熱伝達部材260の上部面に直接塗布されたり、付着して形成されることもできる。
【0121】
以上で説明した相違点以外に、図5で説明した内容は全て本実施例に適用可能である。
【0122】
一方、以上で具体的に言及されていないが、本発明の一実施例による電池パックは、電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)および/または冷却装置などをさらに含むことができる。
【0123】
本発明の一実施例による電池パックは、様々なデバイスに適用することができる。例えば、電池パックが適用されるデバイスは、電動自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段である可能性がある。しかし、上述したデバイスがこれに限定されるものではなく、上述した例示以外にも様々なデバイスに本実施例による電池パックが使用することができ、これも本発明の権利範囲に属する。
【0124】
本実施例において、前、後、左、右、上、下のような方向を表す用語を使用したが、これらの用語は説明の便宜のためのものであり、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって異なる場合がある。
【0125】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も、本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0126】
10、20 セルユニット
VP ベンティング流路
100 電池セル
200 セルカバー
210 上側カバー部
220 第1側面カバー部
230 第2側面カバー部
240 シーリング部
250 接着層
260 熱伝達部材
300 バスバーアセンブリー
350 絶縁カバー部
400 エンドプレート
600 パックケース
610 上部ケース
620 下部ケース
626 サーマルレジン層
1000 電池パック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】