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特表2024-539661バッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20241022BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241022BHJP
【FI】
H01M50/342 201
H01M50/35 201
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522655
(86)(22)【出願日】2023-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 KR2023009179
(87)【国際公開番号】W WO2024005581
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0081164
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン-ファン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ミュン-キ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-ヨブ・ソン
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012BB01
5H012GG05
5H040AA14
5H040AA37
5H040AS07
(57)【要約】
熱イベントが発生した場合でも構造的安定性を確保できるように構成されたバッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車を提供する。本発明の一態様によるバッテリーパックは、モジュール端子が配置された前方側にベントガス又は火炎が排出されないように構成され、後方側に前記ベントガス又は火炎を外部に排出可能なように構成された開閉部材を備えたバッテリーモジュール、及び前記バッテリーモジュールを内部に収容するパックハウジングと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール端子が配置された前方側にベントガス又は火炎が排出されないように構成され、後方側に前記ベントガス又は火炎を外部に排出可能なように構成された開閉部材を備えたバッテリーモジュールと、
前記バッテリーモジュールを内部に収容するパックハウジングと、を含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記パックハウジングは、
前記パックハウジングの側面を構成し、少なくとも一部分が前記バッテリーモジュールの後方側と対向するように配置されたサイドフレームを含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記パックハウジングは、
上下方向に前記開閉部材と対向するように構成され、前記サイドフレームと対向するように配置された第1カバーをさらに含み、
前記サイドフレームと前記第1カバーとの間には、
前記ベントガス又は火炎が通過可能な流通孔が備えられたことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記開閉部材の端部は、
前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記第1カバーと当接するように構成されたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記パックハウジングは、
上下方向に前記第1カバーから離隔されて前記第1カバーの上部に配置される第2カバーをさらに含み、
前記第1カバーと前記第2カバーとの間には、
前記流通孔と連通し、前記ベントガス又は火炎の前記パックハウジングの外部への排出をガイドするように構成された流動経路が備えられたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記パックハウジングは、
前記流動経路と連通し、前記ベントガス又は火炎を前記パックハウジングの外部に排出できるように構成された排出口をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記排出口は、
前記パックハウジングにおいて、前記ベントガス又は火炎が1回以上折り曲げられた後の位置に配置されたことを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記排出口は、
前記パックハウジングにおいて、前記第1カバーを基準として前記バッテリーモジュールが配置された部分とは反対側に備えられたことを特徴とする、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記排出口は、
前記パックハウジングにおいて、前記第1カバーを基準として前記バッテリーモジュールの前方側とは反対側に備えられたことを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記パックハウジングは、
前記サイドフレームと連結される補強壁をさらに含み、
前記バッテリーモジュールは、
前記補強壁を基準として一対で備えられ、
前記一対のバッテリーモジュールは、
前記パックハウジング内において、それぞれのバッテリーモジュールの前方側が互いに対向して配置されることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記パックハウジングは、
前記サイドフレームと連結される隔壁をさらに含み、
前記バッテリーモジュールは、
前記パックハウジングの長手方向に沿って複数備えられ、
前記複数のバッテリーモジュールは、
前記パックハウジングの長手方向から見るとき、前記隔壁によって互いに密閉されるように構成されたことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも1つ以上含むことを特徴とする、自動車。
【請求項13】
セルアセンブリと、
前記セルアセンブリを内部に収容し、モジュール端子が配置された前方側にベントガス又は火炎が排出されないように構成され、後方側に前記ベントガス又は火炎を外部に排出可能なように構成された開閉部材を備えたモジュールケースと、を含むことを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項14】
前記モジュールケースは、
後方側の上部が開口した形態で構成され、
前記開閉部材は、
前記ベントガス又は前記火炎の排出圧力によって前記モジュールケースの後方側の上部を開閉するように構成されたことを特徴とする、請求項13に記載のバッテリーモジュール。
【請求項15】
前記開閉部材は、
両側端部に形成された遮断プレートを含み、
前記遮断プレートは、
前記開閉部材が前記モジュールケースの後方側の上部を開放するとき、前記モジュールケースの側面方向への前記ベントガス又は前記火炎の流れを遮断するように構成されたことを特徴とする、請求項14に記載のバッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年7月1日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0081164号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車に関し、より詳しくは、熱イベントが発生した場合でも構造的安定性を確保できるように構成されたバッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯型電子製品の需要が急激に増加し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化することによって、繰り返し充放電が可能な高性能二次電池に関する研究が活発に行われている。
【0004】
現在商用化されている二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがある。これらのうちでもリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんどないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという利点から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として用いる。また、リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板、正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体、及び電極組立体を電解液とともに封止して収納する外装材を備える。
【0006】
一方、リチウム二次電池は、電池ケースの形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池とに分類される。また、缶型二次電池は、また金属缶の形状によって円筒型電池と角型電池とに分類される。
【0007】
ここで、パウチ型二次電池のパウチは、下部シートと、これを覆う上部シートとに大きく分けられる。このとき、パウチには、正極及び負極とセパレーターが積層巻取されて形成された電極組立体が収納される。また、前記電極組立体を収納した後、上部シートと下部シートの縁部を熱融着などによってシールする。また、各電極から引き出された電極タブが電極リードに結合し、前記電極リードには、シール部と接触した部分に絶縁フィルムを付加することができる。
【0008】
このように、パウチ型二次電池は、様々な形態で構成できる柔軟性を有することができる。また、パウチ型二次電池は、より小さな体積と質量で同じ容量の二次電池を実現できるという利点がある。
【0009】
このような前記リチウム二次電池は、高電圧及び高電流を提供できるように、複数のバッテリーセルをそれ自体又はカートリッジなどに装着した状態で重畳及び積層して密集構造にした後、これを電気的に接続したバッテリーモジュールやバッテリーパックとして用いられている。
【0010】
このようなバッテリーパックの構成において、代表的に重要な問題の1つは安全性である。特に、バッテリーパックに含まれた複数のバッテリーモジュールのうち、いずれかのバッテリーモジュールで熱イベントが発生した場合、このようなイベントが異なるバッテリーモジュールに伝播(propagation)することを抑制する必要がある。バッテリーモジュール間の熱伝播が適切に抑制されない場合、これは、バッテリーパックに含まれた他のバッテリーモジュールの熱イベントにつながり、バッテリーパックの発火や爆発など、より大きな問題を引き起こす可能性がある。さらに、バッテリーパックで発生した発火や爆発は、周辺の人や物に重大な被害を与える可能性がある。よって、このようなバッテリーパックの場合、上述した熱イベントを適切に制御できる構成が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、熱イベントが発生した場合でも構造的安定性を確保できるように構成されたバッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車を提供することをその目的とする。
【0012】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に限定されず、言及されていないまた他の課題は、以下に記載された発明の説明から当業者であれば明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によるバッテリーパックは、モジュール端子が配置された前方側にベントガス又は火炎が排出されないように構成され、後方側に前記ベントガス又は火炎を外部に排出可能なように構成された開閉部材を備えたバッテリーモジュールと、前記バッテリーモジュールを内部に収容するパックハウジングと、を含む。
【0014】
一実施形態において、前記パックハウジングは、前記パックハウジングの側面を構成し、少なくとも一部分が前記バッテリーモジュールの後方側と対向するように配置されたサイドフレームを含むことができる。
【0015】
一実施形態において、前記パックハウジングは、上下方向に前記開閉部材と対向するように構成され、前記サイドフレームと対向するように配置された第1カバーをさらに含み、前記サイドフレームと前記第1カバーとの間には、前記ベントガス又は火炎が通過可能な流通孔を備えることができる。
【0016】
一実施形態において、前記開閉部材の端部は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記第1カバーと当接するように構成され得る。
【0017】
一実施形態において、前記パックハウジングは、上下方向に前記第1カバーから離隔されて前記第1カバーの上部に配置される第2カバーをさらに含み、前記第1カバーと前記第2カバーとの間には、前記流通孔と連通し、前記ベントガス又は火炎の前記パックハウジングの外部への排出をガイドするように構成された流動経路を備えることができる。
【0018】
一実施形態において、前記パックハウジングは、前記流動経路と連通し、前記ベントガス又は火炎を前記パックハウジングの外部に排出できるように構成された排出口をさらに含むことができる。
【0019】
一実施形態において、前記排出口は、前記パックハウジングにおいて、前記ベントガス又は火炎が1回以上折り曲げられた後の位置に配置され得る。
【0020】
一実施形態において、前記排出口は、前記パックハウジングにおいて、前記第1カバーを基準として前記バッテリーモジュールが配置された部分とは反対側に備えられ得る。
【0021】
一実施形態において、前記排出口は、前記パックハウジングにおいて、前記第1カバーを基準として前記バッテリーモジュールの前方側とは反対側に備えられ得る。
【0022】
一実施形態において、前記パックハウジングは、前記サイドフレームと連結される補強壁をさらに含み、前記バッテリーモジュールは、前記補強壁を基準として一対で備えられ、前記一対のバッテリーモジュールは、前記パックハウジング内において、それぞれのバッテリーモジュールの前方側が互いに対向して配置され得る。
【0023】
一実施形態において、前記パックハウジングは、前記サイドフレームと連結される隔壁をさらに含み、前記バッテリーモジュールは、前記パックハウジングの長手方向に沿って複数備えられ、前記複数のバッテリーモジュールは、前記パックハウジングの長手方向から見るとき、前記隔壁によって互いに密閉されるように構成され得る。
【0024】
また、本発明の他の態様による自動車は、上述のような本発明の一態様によるバッテリーパックを少なくとも1つ以上含む。
【0025】
また、本発明のまた他の態様によるバッテリーモジュールは、セルアセンブリと、前記セルアセンブリを内部に収容し、モジュール端子が配置された前方側にベントガス又は火炎が排出されないように構成され、後方側に前記ベントガス又は火炎を外部に排出可能なように構成された開閉部材を備えたモジュールケースと、を含む。
【0026】
一実施形態において、前記モジュールケースは、後方側の上部が開口した形態で構成され、前記開閉部材は、前記ベントガス又は前記火炎の排出圧力によって前記モジュールケースの後方側の上部を開閉するように構成され得る。
【0027】
一実施形態において、前記開閉部材は、両側端部に形成された遮断プレートを含み、前記遮断プレートは、前記開閉部材が前記モジュールケースの後方側の上部を開放するとき、前記モジュールケースの側面方向への前記ベントガス又は前記火炎の流れを遮断するように構成され得る。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施形態によると、ベントガス及び/又は火炎の一側方向への排出を誘導する開閉部材を構成することで、バッテリーモジュールでモジュール端子が配置された方向へのベントガス及び/又は火炎の排出を最小化することができる。
【0029】
これによって、1つのバッテリーモジュール内で、バッテリーセル間における熱暴走や火炎の伝播を防止することができる。
【0030】
また、モジュール端子側へのベントガス及び/又は火炎の排出を最小化し、複数のバッテリーモジュール間の同時発火を防止することができる。
【0031】
また、複数のバッテリーモジュール間のモジュール端子を接続させる電気的接続部材の損傷を防止でき、バッテリーモジュール間で短絡が発生することを防止し、電気的安定性を確保することができる。
【0032】
また、ベントガス及び/又は火炎が排出された後には、ベントガス及び/又は火炎の逆流入を遮断し、バッテリーモジュール内におけるさらなる発火を抑制することができる。
【0033】
また、バッテリーモジュールの正常状態では、モジュールケースの開口した部分を閉鎖することで、セルアセンブリを安定に保護することができる。
【0034】
また、バッテリーパックの発火要因を抑制し、バッテリーパックの構造的安定性を強化することができる。
【0035】
さらに、本発明の種々の実施形態によって、他の様々な追加の効果を達成することができる。このような本発明の様々な効果については各実施形態で詳しく説明するか、当業者が容易に理解できる効果についてはその説明を省略する。
【0036】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示す図。
図2図1のバッテリーパックの詳細構造を説明するための図。
図3図2のバッテリーパックに備えられたバッテリーモジュールを示す図。
図4図3のバッテリーモジュールにおける熱暴走時の状態を示す図。
図5図3のバッテリーモジュールにおける熱暴走時の状態を示す図。
図6】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールを示す図。
図7図1のA-A’方向の断面図。
図8】バッテリーモジュールの熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される一例を示す図。
図9】バッテリーモジュールの熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される一例を示す図。
図10】バッテリーモジュールの熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0039】
したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10を示す図であり、図2は、図1のバッテリーパック10の詳細構造を説明するための図であり、図3は、図2のバッテリーパック10に備えられたバッテリーモジュール100を示す図であり、図4及び図5は、図3のバッテリーモジュール100における熱暴走時の状態を示す図である。このとき、図4及び図5で後述するベントガス及び火炎は、それぞれ参照符号「V」及び「F」と表記する。
【0041】
本発明の実施形態において、図面に示されたX軸方向は、後述するパックハウジング200の長手方向、Y軸方向は、X軸方向と水平面(XY平面)上で垂直なパックハウジング200の左右方向、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向の両方に対して垂直な上下方向を意味し得る。
【0042】
図1から図5を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10は、バッテリーモジュール100及びパックハウジング200を含むことができる。
【0043】
前記バッテリーモジュール100は、セルアセンブリ110及びモジュールケース120を含むことができる。
【0044】
前記セルアセンブリ110は、少なくとも1つのバッテリーセルを含むことができる。ここで、バッテリーセルは二次電池を意味し得る。このようなバッテリーセルは、パウチ型電池セル、円筒型電池セル又は角型電池セルとして設けられ得る。一例として、バッテリーセルはパウチ型電池セルであり得る。
【0045】
前記モジュールケース120は、セルアセンブリ110を内部に収容することができる。このために、モジュールケース120には、セルアセンブリ110を内部に収容するための内部収容空間を設けることができる。このようなモジュールケース120は、耐熱性及び剛性の強い材料を含むことができる。また、バッテリーモジュール100は、モジュールケース120の前方側に備えられ、セルアセンブリ110と接続されるモジュール端子Bをさらに含むことができる。一例として、モジュール端子Bには、正極モジュール端子及び負極モジュール端子を備えることができる。このようなモジュール端子Bは、バッテリーパック10に備えられた別途のBMS(Battery Management System)、電流センサー及びヒューズなどの電子制御構成と電気的に接続することができる。
【0046】
前記パックハウジング200は、バッテリーモジュール100を内部に収容することができる。このためにパックハウジング200は、バッテリーモジュール100を内部に収容するための内部収容空間を含むことができる。また、パックハウジング200は、耐熱性及び剛性の強い材料を含むことができる。
【0047】
具体的に、図3から図5に示されたように、モジュールケース120は、モジュール端子Bが配置された前方側にベントガス及び/又は火炎が排出されないように構成され得る。また、モジュールケース120は、開閉部材Cを備えることができる。
【0048】
前記開閉部材Cは、モジュールケース120の後方側に備えられ得る。また、開閉部材Cは、ベントガス及び/又は火炎を外部に排出可能なように構成され得る。
【0049】
一般のバッテリーパックでは、特定のバッテリーモジュールで熱暴走現象のようなイベントが発生する場合がある。この場合、特定のバッテリーモジュールの内部で高温及び高圧のベントガスが発生し、このようなベントガスが酸素と接触すると、バッテリーモジュールの内部又は外部で火炎が発生する可能性がある。
【0050】
一方、従来のバッテリーモジュールは、密閉したモジュールケース内にセルアセンブリが配置された構造で構成されているため、ベントガス又は火炎の適切な排出経路がなく、モジュールケース構造の崩壊及び爆発の可能性が非常に高い。また、このような場合、バッテリーモジュールに備えられたモジュール端子側にベントガス又は火炎が排出される可能性があり、より大きな被害が発生する危険性がある。
【0051】
また、バッテリーモジュールで発生した火炎は、特定のバッテリーモジュールと隣接する他のバッテリーモジュールに伝播する危険性が高く、これによって、複数のバッテリーモジュールの同時発火が発生する可能性がある。一方、従来のバッテリーパックは、密閉したパックハウジング内にバッテリーモジュールが複数配置され、ベントガス又は火炎の適切な排出経路がないため、上述の同時発火に対する脆弱性の問題がある。
【0052】
本発明のバッテリーモジュール100の場合、前記開閉部材Cを備えることで、上記の問題を解決することができる。このような開閉部材Cは、モジュールケース120の内圧変化に応じてモジュールケース120の後方側を開閉するように構成され得る。
【0053】
本発明のこのような実施形態によると、ベントガス及び/又は火炎の一側方向への排出を誘導する開閉部材Cを構成することで、バッテリーモジュール100において、モジュール端子Bが配置された方向へのベントガス及び/又は火炎の排出を最小化することができる。
【0054】
このようなベント構造を通じて、1つのバッテリーモジュール100内でバッテリーセル間における熱暴走や火炎の伝播を防止することができる。また、熱暴走現象が発生した際に、ガスを適切に排出することによってバッテリーモジュール100の内圧を低下させることで、バッテリーモジュール100の爆発を防止することができる。また、モジュール端子B側へのベントガス及び/又は火炎の排出を最小化することで、複数のバッテリーモジュール100間の同時発火を防止することができる。また、複数のバッテリーモジュール100間のモジュール端子Bを接続させる電気的接続部材(例:モジュールバスバー)の損傷を防止でき、バッテリーモジュール100の間で短絡が発生することを防止し、電気的安定性を確保することができる。
【0055】
まとめると、本発明の上述の実施形態によって、バッテリーパック10の発火要因を抑制し、バッテリーパック10の構造的安定性を強化することができる。
【0056】
図3から図5を再び参照すると、モジュールケース120は、後方側の上部が開口した状態で構成され得る。
【0057】
また、開閉部材Cは、ベントガス及び/又は火炎の排出圧力によってモジュールケース120の後方側の上部を開閉するように構成され得る。
【0058】
すなわち、開閉部材Cは、ベントガス及び/又は火炎の排出圧力によってモジュールケース120の内圧が変化する場合、モジュールケース120の後方側の上部を開閉するように構成され得る。
【0059】
具体的に、開閉部材Cは、開口したモジュールケース120の後方側の上部の一側に回動可能に結合することができる。一例として、開閉部材Cは、別途の結合部材Iによりモジュールケース120の後方側の上部の一側に回動可能に結合することができる。一例として、前記結合部材Iはヒンジであるが、これに限定されない。
【0060】
詳しく示されてはいないが、結合部材Iは弾性体を備え、上述の開閉部材Cの回転動作を制御するように構成され得る。一例として、前記弾性体はヒンジバネであり得る。
【0061】
開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走現象が発生しない状態で、上述の結合部材Iに備えられた弾性体の弾性復元力によって、モジュールケース120の後方側の上部を閉鎖することができる。
【0062】
一方、開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走によってモジュールケース120の内圧が基準圧力以上に上昇する場合、モジュールケース120の後方側の上部を開放するように構成され得る。この場合、ベントガス及び/又は火炎の排出圧力によって開閉部材Cに加えられる加圧力が弾性体の弾性復元力よりも高くなり得る。よって、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、開閉部材Cは、ベントガス及び/又は火炎の排出圧力によって、モジュールケース120の外側方向に展開することができる。
【0063】
これによって、ベントガス及び/又は火炎を、開放されたモジュールケース120の後方側の上部を介して迅速にモジュールケース120の外部に排出することができる。また、ベントガス及び/又は火炎の排出によって、モジュールケース120の内圧を迅速に低下させることができる。
【0064】
また、開閉部材Cは、ベントガス及び/又は火炎がモジュールケース120の外部に排出され、モジュールケース120の内圧が基準圧力以下に低下する場合、モジュールケース120の後方側の上部を閉鎖するように構成され得る。このように、モジュールケース120の内圧が基準圧力以下である場合は、ベントガス及び/又は火炎がモジュールケース120の外部に排出され、モジュールケース120の内圧によって開閉部材Cに加えられる加圧力よりも弾性体の弾性復元力がさらに大きい場合を意味し得る。この場合、弾性体は初期状態に復元することができる。よって、ベントガス及び/又は火炎が外部に排出されてモジュールケース120の内圧が減少する場合、開閉部材Cは、モジュールケース120の後方側の上部を閉鎖することができる。
【0065】
これによって、ベントガス及び/又は火炎の排出量が減少する場合に、開閉部材Cによるモジュールケース120の閉鎖が容易なようにすることで、モジュールケース120の内部へのベントガス及び/又は火炎の逆流入を確実に遮断することができる。また、モジュールケース120の内部への酸素の流入を遮断することで、モジュールケース120内におけるさらなる発火を抑制することができる。
【0066】
上述の本発明の実施形態によると、バッテリーモジュール100において、モジュール端子Bが配置された方向へのベントガス及び/又は火炎の排出を最小化できるとともに、ベントガス及び/又は火炎が排出された後には、ベントガス及び/又は火炎の逆流入を遮断することで、バッテリーモジュール100内におけるさらなる発火を抑制することができる。
【0067】
また、モジュールケース120の内圧変化に応じて一側を開閉可能であるため、バッテリーモジュール100の正常状態ではモジュールケース120の開口した部分を閉鎖することで、セルアセンブリ110を安定に保護することができる。
【0068】
図6は、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュール102を示す図である。また、図6において、ベントガス及び火炎は、それぞれ参照符号「V」及び「F」と表記する。
【0069】
本実施形態によるバッテリーモジュール102は、上記の実施形態の前記バッテリーモジュール100と類似するため、上記の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下では上記の実施形態との相違点を中心に検討する。
【0070】
図6を参照すると、前記バッテリーモジュール102において、開閉部材Cは遮断プレートC1を含むことができる。
【0071】
前記遮断プレートC1は、開閉部材Cの両側端部に形成され得る。
【0072】
このような遮断プレートC1は、開閉部材Cがモジュールケース120の後方側の上部を開放するとき、モジュールケース120の側面方向へのベントガス及び/又は火炎の流れを遮断するように構成され得る。
【0073】
具体的に、遮断プレートC1は、開閉部材Cの両側端部から折り曲げられた形状に下方に延びて構成され得る。このような遮断プレートC1は、バッテリーモジュール102の正常状態ではモジュールケース120内に位置し得る。一方、遮断プレートC1は、バッテリーモジュール102の熱暴走時に開閉部材Cがモジュールケース120の後方側の上部を開放することによって、開閉部材Cの両側に配置され得る。
【0074】
すなわち、遮断プレートC1は、開閉部材Cがモジュールケース120の外側に展開された状態で、開閉部材Cの両側端部とモジュールケース120との間の隙間に配置され得る。これによって、遮断プレートC1は、開閉部材Cがモジュールケース120の後方側の上部を開放するとき、モジュールケース120の側面方向へのベントガス及び/又は火炎の流れを遮断することができる。また、バッテリーモジュール102の熱暴走時にベントガス及び/又は火炎の排出方向をさらに特定の方向(モジュールケース120の後方外側)に誘導することができる。
【0075】
本実施形態によるバッテリーモジュール102によると、モジュールケース120の側面方向へのベントガス及び/又は火炎の流れを遮断して、特定のバッテリーモジュール102と側部方向(左右方向)に隣接する他のバッテリーモジュール102へのベントガス及び/又は火炎の伝播を防止することができる。これによって、複数のバッテリーモジュール102の同時発火を防止することができる。
【0076】
以下、上述のバッテリーパック10の詳細構造に対してより詳しく検討する。
【0077】
図7は、図1のA-A’方向の断面図であり(詳しくは、図7は、図1のバッテリーパック10をA-A’線に沿ってYZ平面に対して断面処理して示す図である)、図8及び図9は、バッテリーモジュール100の熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される一例を示す図である。このとき、図8及び図9において、ベントガス及び火炎は、それぞれ参照符号「V」及び「F」と表記する。
【0078】
図1図2、及び図7から図9を参照すると、前記パックハウジング200は、サイドフレーム210を含むことができる。ただし、図8では、説明の便宜上、サイドフレーム210の一部分が除去された形態で示されている。
【0079】
前記サイドフレーム210は、パックハウジング200の側面を構成することができる。このようなサイドフレーム210は、少なくとも一部分がバッテリーモジュール100の後方側と対向するように配置され得る。このとき、バッテリーモジュール100の後方側は、サイドフレーム210のすべての側面と対向するように配置されるか、又はサイドフレーム210の一部の側面にのみ対向するように配置され得る。
【0080】
このようなサイドフレーム210は、開閉部材Cの開放によりモジュールケース120の外部に排出されるベントガス及び/又は火炎の流れにさらに方向性を付与することができる。
【0081】
具体的に、サイドフレーム210は、パックハウジング200とモジュールケース120の後方側の間でベントガス及び/又は火炎が流動できる経路を提供することができる。すなわち、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、開閉部材Cは、対向するサイドフレーム210方向に開放され得るため、モジュールケース120の外部に排出されたベントガス及び/又は火炎は、バッテリーモジュール100の後方側とパックハウジング200の側面との間の経路に沿って流れがガイドされ、パックハウジング200の外部に排出することができる。
【0082】
このような構成によって、バッテリーモジュール100において、モジュール端子Bが配置された方向へのベントガス及び/又は火炎の排出をより最小化することができる。
【0083】
図1図2、及び図7から図9を再び参照すると、パックハウジング200は、第1カバー220をさらに含むことができる。
【0084】
前記第1カバー220は、上下方向に開閉部材Cと対向するように構成され、サイドフレーム210と対向するように配置され得る。すなわち、第1カバー220は、パックハウジング200の側面と対向するように配置され得る。
【0085】
また、サイドフレーム210と第1カバー220との間には、ベントガス及び/又は火炎が通過可能な流通孔Hを備えることができる。すなわち、前記流通孔Hは、パックハウジング200の側面と第1カバー220との間に備えられ得る。また、開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走時に端部が流通孔H側に向かうように開放され得る。
【0086】
このように、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、開閉部材Cの端部がサイドフレーム210と第1カバー220との間の流通孔H側に向かうため、パックハウジング200においてバッテリーモジュール100が配置された領域から迅速にベントガス及び/又は火炎を排出することができる。
【0087】
このような実施形態によると、バッテリーモジュール100において、モジュール端子Bが配置された方向へのベントガス及び/又は火炎の排出をより最小化することができる。
【0088】
図9を再び参照すると、前記開閉部材Cの端部は、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、第1カバー220と当接するように構成され得る。このために、開閉部材Cの長さ(例:開口したモジュールケース120の後方側の上部の一側から延びる長さ)は、第1カバー220とモジュールケース120との間の上下方向における距離と同一であるかそれより長く構成され得る。
【0089】
これによって、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、開閉部材Cは、第1カバー220とモジュールケース120との間の空間で開閉部材Cの端部が第1カバー220に当接する部分を基準にして、バッテリーモジュール100の前方側(モジュール端子Bが配置された方向)にベントガス及び/又は火炎が流入することを防止することができる。
【0090】
このような実施形態によると、バッテリーモジュール100において、モジュール端子Bが配置された方向へのベントガス及び/又は火炎の排出を防止することができる。また、ベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200内に残留することを防止し、流通孔Hの方向へのベントガス及び/又は火炎の排出をより確実にガイドすることができる。
【0091】
図1図2、及び図7から図9を再び参照すると、前記パックハウジング200は、第2カバー230をさらに含むことができる。
【0092】
前記第2カバー230は、上下方向に第1カバー220から離隔されて、第1カバー220の上部に配置され得る。このような第2カバー230は、サイドフレーム210の上部に結合することができる。
【0093】
また、第1カバー220と第2カバー230との間には、流動経路Pを備えることができる。
【0094】
前記流動経路Pは、流通孔Hと連通し、ベントガス又は火炎のパックハウジング200の外部への排出をガイドするように構成され得る。
【0095】
また、流動経路Pは、第1カバー220によって上下方向にバッテリーモジュール100が配置された空間さら離隔されて配置され得る。このような流動経路Pは、流通孔Hを介して流動経路P内に流入したベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200の外部に排出されるように流動空間を提供することができる。
【0096】
このような構成によって、バッテリーモジュール100の後方側から排出されたベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200の内部でランダムに流動せず、流動経路Pによってガイドされ、より安定にパックハウジング200の外部に排出することができる。
【0097】
また、流通孔Hを介して排出されたベントガス及び/又は火炎が、バッテリーモジュール100が配置された空間から離隔された流動経路Pを介してパックハウジング200の外部に排出され得るため、ベントガス及び/又は火炎が、バッテリーモジュール100が配置された空間に逆流入することを最小化することができる。
【0098】
一方、上述のパックハウジング200は、フロアフレーム240をさらに含むことができる。
【0099】
前記フロアフレーム240は、パックハウジング200の下部を構成し、サイドフレーム210の下部に結合することができる。
【0100】
図1図2、及び図7から図9を再び参照すると、前記パックハウジング200は、排出口Eをさらに含むことができる。
【0101】
前記排出口Eは、流動経路Pと連通し、ベントガス及び/又は火炎をパックハウジング200の外部に排出できるように構成され得る。このような排出口Eは、所定の面積を有する孔の形状に備えられ得る。
【0102】
このような構成を通じて、バッテリーモジュール100の後方側を介して排出されたベントガス及び/又は火炎をパックハウジング200の外部に排出することができる。
【0103】
特に、排出口Eは、パックハウジング200において、ベントガス及び/又は火炎が1回以上折り曲げられた後の位置に配置され得る。
【0104】
すなわち、排出口Eは、パックハウジング200において、バッテリーモジュール100の後方側から排出されたベントガス及び/又は火炎の流れが少なくとも1回以上切り替えられた後の位置に形成され得る。一例として、排出口Eは、第1カバー220と第2カバー230との間の流動経路P上で、パックハウジング200の側面(サイドフレーム210)に形成され得る。また、排出口Eは、流動経路P上で上述の流通孔Hに隣接して配置されるか、又は流通孔Hから多少離隔して配置されることも可能である。
【0105】
このような実施形態によると、バッテリーモジュール100の後方側から排出されたベントガス及び/又は火炎の流れが少なくとも1回切り替えられた後の位置で、パックハウジング200の外部へのベントガス及び/又は火炎の排出が行われるため、直進性の強い火炎がパックハウジング200の外部にゆっくり排出されるようにすることで、発火要因として作用することを最小化することができる。また、ベントガス及び/又は火炎が、バッテリーモジュール100が配置された空間に逆流入することを最小化することができる。
【0106】
また、排出口Eは、パックハウジング200において、第1カバー220を基準としてバッテリーモジュール100が配置された部分とは反対側に備えられ得る。
【0107】
一例として、排出口Eは、上述の流動経路P上で、第1カバー220の上部に位置し、流通孔Hから多少離隔して配置され得る。
【0108】
すなわち、排出口Eは、パックハウジング200において、ベントガス及び/又は火炎の流れが複数回切り替えられた後の位置に形成され得る。これによって、直進性の強い火炎がパックハウジング200の外部によりゆっくり排出されるようにすることで、発火要因として作用することを最小化することができる。また、ベントガス及び/又は火炎が、バッテリーモジュール100が配置された空間に逆流入することをより最小化することができる。
【0109】
一実施形態において、排出口Eは、パックハウジング200において、第1カバー220を基準としてバッテリーモジュール100の前方側とは反対側に備えられ得る。
【0110】
一例として、排出口Eの形成位置は、パックハウジング200の側面(サイドフレーム210)において、第1カバー220を基準として、バッテリーモジュール100の前方側とは上下方向に反対側であり得る。
【0111】
すなわち、排出口Eは、パックハウジング200において、ベントガス及び/又は火炎が排出されるバッテリーモジュール100の後方側から可能な限り離隔して形成され得る。これによって、直進性の強い火炎がパックハウジング200の外部に可能な限りゆっくり排出されるようにすることで、発火要因として作用することを最小化することができる。また、ベントガス及び/又は火炎が、バッテリーモジュール100が配置された空間に逆流入することをできるだけ抑制することができる。
【0112】
図2、及び図7から図9を再び参照すると、パックハウジング200は、補強壁250をさらに含むことができる。
【0113】
前記補強壁250は、サイドフレーム210と連結され得る。例えば、補強壁250の両端(一側端部及び他側端部)は、互いに反対方向に配置されたサイドフレーム210にそれぞれ結合することができる。また、補強壁250には、第1カバー220の上部が結合することができる。また、補強壁250の下部には、フロアフレーム240が配置され得る。一例として、補強壁250は、パックハウジング200の左右方向(Y軸方向)から見るとき、パックハウジング200の略中央に備えられ得る。
【0114】
また、バッテリーモジュール100は、補強壁250を基準として一対で備えられ得る。このような補強壁250は、一対のバッテリーモジュール100の間を区画することができる。また、バッテリーモジュール100は、パックハウジング200の左右方向に沿って一対で備えられ得る。
【0115】
また、一対のバッテリーモジュール100は、パックハウジング200内において、それぞれのバッテリーモジュール100の前方側が互いに対向するように配置され得る。すなわち、一対のバッテリーモジュール100は、それぞれ、補強壁250を挟んで、モジュール端子Bが配置された前方側が互いに対向するように配置され得る。このとき、一対のバッテリーモジュール100の後方側は、それぞれサイドフレーム210と対向するように構成され得る。
【0116】
このような実施形態によると、補強壁250によりバッテリーパック10の全体的な剛性を補強することができる。
【0117】
また、一対のバッテリーモジュール100のそれぞれの後方側から排出されたベントガス及び/又は火炎が、それぞれのモジュール端子B側に排出されることを抑制することができる。また、対向するように構成されたバッテリーモジュール100間の同時発火を最小化することができる。
【0118】
図10は、バッテリーモジュール100の熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される他の例を示す図である。このとき、図10において、ベントガス及び火炎は、それぞれ参照符号「V」及び「F」と表記する。
【0119】
図2及び図7図10を参照すると、パックハウジング200は、隔壁260をさらに含むことができる。
【0120】
前記隔壁260は、一端がサイドフレーム210と連結され得る。一例として、隔壁260の一端は、パックハウジング200の左右方向(Y軸方向)にサイドフレーム210と連結され得る。また、隔壁260は、他端が補強壁250と連結され得る。一例として、隔壁260の他端は、パックハウジング200の左右方向にサイドフレーム210と連結され得る。また、隔壁260には、第1カバー220の上部が結合することができる。
【0121】
このような隔壁260は、パックハウジング200の長手方向に沿って複数備えられ得る。このとき、補強壁250は、複数の隔壁260に対応するように、パックハウジング200の長手方向に沿って延びて構成され得る。
【0122】
また、バッテリーモジュール100は、パックハウジング200の長手方向に沿って複数備えられ得る。このとき、複数のバッテリーモジュール100は、パックハウジング200の長手方向から見るとき、隔壁260によって互いに密閉されるように構成され得る。このとき、隔壁260は、耐熱性及び剛性の強い材料を含むことができる。
【0123】
また、複数のバッテリーモジュール100のそれぞれの後方側は、サイドフレーム210と対向するように構成され得る。
【0124】
このような構成によって、パックハウジング200の長手方向において、隣接するバッテリーモジュール100間の同時発火が発生することを抑制することができる。
【0125】
また、パックハウジング200の長手方向から見るとき、複数のバッテリーモジュール100が隔壁260によって互いに密閉されるため、流通孔Hの方向にベントガス及び/又は火炎の流れがより集中し得る。これによって、より迅速かつ安定にベントガス及び/又は火炎をパックハウジング200の外部に排出することができる。
【0126】
一方、本発明によるバッテリーパック10は、電気自動車のような自動車に適用することができる。すなわち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパック10を少なくとも1つ以上含むことができる。
【0127】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的な思想と下記の特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0128】
一方、本発明で上、下、左、右、前、後などの方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜上のものであり、対象となる物体の位置や観察者の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者に自明である。
【符号の説明】
【0129】
10 バッテリーパック
100、102 バッテリーモジュール
110 セルアセンブリ
120 モジュールケース
200 パックハウジング
210 サイドフレーム
220 第1カバー
230 第2カバー
240 フロアフレーム
250 補強壁
260 隔壁
B モジュール端子
C 開閉部材
C1 遮断プレート
E 排出口
H 流通孔
I 結合部材
P 流動経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】