(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含む装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20241022BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20241022BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20241022BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20241022BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/211
H01M50/289 101
H01M50/293
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522656
(86)(22)【出願日】2023-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 KR2023009969
(87)【国際公開番号】W WO2024019415
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089912
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089913
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0067036
(32)【優先日】2023-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ウヨン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュンモ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ジュネ・チ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】セユン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ミュンウ・イ
(72)【発明者】
【氏名】インス・キム
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA01
5H040AA03
5H040AS01
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC13
5H040CC33
5H040JJ02
5H040LL01
(57)【要約】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数のセルユニットを含む電池アセンブリー、および電池アセンブリーを内部空間に収容するパックケースを含み、それぞれのセルユニットは、少なくとも一つの電池セル、および少なくとも一つの電池セルを部分的に覆うセルカバーを含み、セルカバーは、少なくとも一つの電池セルの一側面を覆う第1カバー部、少なくとも一つの電池セルの他側面を覆う第2カバー部、第1カバー部の一端および第2カバー部の一端を連結する第3カバー部、および第1カバー部の他端および第2カバー部の他端のそれぞれに形成され、少なくとも一つの電池セルの脱去を遮断する遮断部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルユニットを含む電池アセンブリー;および
前記電池アセンブリーを内部空間に収容するパックケースを含み、
それぞれのセルユニットは、少なくとも一つの電池セル、および前記少なくとも一つの電池セルを部分的に覆うセルカバーを含み、
前記セルカバーは、前記少なくとも一つの電池セルの一側面を覆う第1カバー部、前記少なくとも一つの電池セルの他側面を覆う第2カバー部、前記第1カバー部の一端および前記第2カバー部の一端を連結する第3カバー部、および前記第1カバー部の他端および前記第2カバー部の他端のそれぞれに形成され、前記少なくとも一つの電池セルの脱去を遮断する遮断部を含む電池パック。
【請求項2】
前記遮断部は、前記第1カバー部の他端に形成された第1遮断部、および前記第2カバー部の他端に形成された第2遮断部を含み、
前記第1遮断部および前記第2遮断部は互いに向き合う、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記第1遮断部および前記第2遮断部は互いに離隔した、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第1遮断部および前記第2遮断部のうちの少なくとも一つは、前記電池セルの長さ方向に互いに離隔して複数提供される、請求項2に記載の電池パック。
【請求項5】
前記第1カバー部および前記第2カバー部は前記少なくとも一つの電池セルが積層された方向に配列された、請求項1に記載の電池パック。
【請求項6】
前記第3カバー部および前記遮断部は前記少なくとも一つの電池セルが積層された方向と垂直に配列された、請求項1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記遮断部は、前記少なくとも一つの電池セルの一面のうち、前記一面の縁部を覆い、中央部は露出させる、請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記遮断部は、前記第1カバー部と第2カバー部の各終端で前記セルカバーの内側に折り曲げられて係止構造を形成する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項9】
前記遮断部は、前記セルカバーの内部面と接触して前記セルカバーの第1カバー部と第2カバー部との間の間隔を変更するように構成されたジグのフィンガーが挿入される挿入溝を含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項10】
前記セルカバーは一体の形状を有する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項11】
前記セルカバーはステンレススチール(SUS)を含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項12】
請求項1に記載の電池パックを含む装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年07月20日付韓国特許出願第10-2022-0089912号、2022年07月20日付韓国特許出願第10-2022-0089913号および2023年05月24日付韓国特許出願第10-2023-0067036号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびこれを含む装置に関し、より詳しくは、セルツーパック(Cell To Pack)方式で製造される電池パックおよびこれを含む装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、二次電池(secondary battery)は、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などのように反復的な充放電が可能な電池をいう。このような二次電池の充放電の基本単位に該当する電池セル(battery cell)の出力電圧は、ほぼ2.5Vから4.2V程度である。
【0004】
最近、二次電池が電気自動車(electric vehicle)やESS(Energy Storage System)などのように高い出力電圧と大量の充電容量を要求する装置に適用されることに伴い、複数の電池セルを直列または並列に連結して電池モジュール(battery module)を構成し、このように構成された多数の電池モジュールを再び直列または並列に連結する方式で製造される電池パック(battery pack)が幅広く使用されている。
【0005】
しかし、韓国登録特許公報第10-2379227号、韓国公開特許公報第10-2022-0052183号などに開示されたように、既存の技術は、電池セルをボックス形態の金属ケースに収容して電池モジュールを構成し、このような電池モジュールを再び電池パックケースに収容する方式で電池パックを製造するため、電池パック全体の重量と体積を増加させ、電池パックのエネルギー密度を低下させるという問題点がある。
【0006】
また、電池パックのエネルギー密度を高めるために、多数の電池セルを電池パックのパックケースに直接装着する従来のセルツーパック(Cell To Pack)方式が軟質ケースを有するパウチ型電池セルに適用される場合、多数の電池セルを同時に取り扱うか積層することが難しく、電池セルがパックケースに装着される過程で電池セルの損傷が発生する危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、電池パックの全体重量と体積を軽減させ、電池パックのエネルギー密度を高める、電池パックおよびこれを含む装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明が解決しようとする技術的課題は、多数の電池セルを含む電池パック製造過程において、電池セルの取り扱いと装着を容易にし、電池セルの損傷を防止しながらも、電池セルの装着に要求される構造体を簡素化および軽量化して製造費用を節減する電池パックおよびこれを含む装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数のセルユニットを含む電池アセンブリー;および前記電池アセンブリーを内部空間に収容するパックケースを含み、それぞれのセルユニットは、少なくとも一つの電池セル、および前記少なくとも一つの電池セルを部分的に覆うセルカバーを含み、前記セルカバーは、前記少なくとも一つの電池セルの一側面を覆う第1カバー部、前記少なくとも一つの電池セルの他側面を覆う第2カバー部、前記第1カバー部の一端および前記第2カバー部の一端を連結する第3カバー部、および前記第1カバー部の他端および前記第2カバー部の他端のそれぞれに形成され、前記少なくとも一つの電池セルの脱去を遮断する遮断部を含む。
【0010】
前記遮断部は、前記第1カバー部の他端に形成された第1遮断部、および前記第2カバー部の他端に形成された第2遮断部を含み、前記第1遮断部および前記第2遮断部は互いに向き合うことができる。
【0011】
前記第1遮断部および前記第2遮断部は互いに離隔していてもよい。
【0012】
前記第1遮断部および前記第2遮断部のうちの少なくとも一つは、前記電池セルの長さ方向に互いに離隔して複数提供され得る。
【0013】
前記第1カバー部および前記第2カバー部は前記少なくとも一つの電池セルが積層された方向に配列され得る。
【0014】
前記第3カバー部および前記遮断部は前記少なくとも一つの電池セルが積層された方向と垂直に配列され得る。
【0015】
前記遮断部は、前記少なくとも一つの電池セルの一面のうち、縁部を覆い、中央部は露出させることができる。
【0016】
前記遮断部は、前記第1カバー部と第2カバー部の各終端で前記セルカバーの内側に折り曲げられて係止構造を形成することができる。
【0017】
前記遮断部は、前記セルカバーの内部面と接触して前記セルカバーの第1カバー部と第2カバー部との間の間隔を変更するように構成されたジグのフィンガーが挿入される挿入溝を含むことができる。
【0018】
前記セルカバーは一体の形状を有することができる。
【0019】
前記セルカバーはステンレススチール(SUS)を含むことができる。
【0020】
本発明の一実施形態による装置は、前記電池パックを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、多数の電池セルが別途のモジュールケースに収容されて電池パックのパックケースに装着されるのではなく、簡素化された構造のセルカバーにより部分的にのみ覆われ、前記パックケースに直接装着されることによって、電池パック全体の重量と体積を減少させ、電池パックのエネルギー密度を高めながらも、多数の電池セルをケースに直接装着して使用する過程で発生する電池セルの損傷を防止し、電池セルのスウェリング(swelling)制御とガスベンティング経路の設計を容易にすることができる。
【0022】
また、前記セルカバーの遮断部が当該セルカバーに挿入された電池セルを支持して前記電池セルの脱去を遮断することによって、電池セルの位置変更やセルカバー外部への離脱を防止し、電池パックの安全性と信頼性を保障することができる。
【0023】
また、それぞれ少なくとも一つの電池セルを含むセルユニットが、一対のサイドプレートと統合型エンドカバーにブロック化して固定されることによって、電池パックに装着される電池セルの取り扱いと装着を容易にしながらも、電池セルの装着に要求される構造体を簡素化および軽量化し、製造費用を節減することができる。
【0024】
さらには、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明による多様な実施形態が前記で言及されていない多くの技術的課題を解決できることを以下の説明から自明に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による電池パックを示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態による電池アセンブリーを示す図面である。
【
図3】
図2に示された電池アセンブリーの部分分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による電池アセンブリーのセルユニットを示す斜視図である。
【
図5】
図4に示されたセルユニットの分解斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態による電池パックのセルユニット組立方式を示す図面である。
【
図7】本発明の一実施形態による電池パックのセルユニットを示す図面である。
【
図8】一実施形態によるセルカバーの変形実施形態を示す図面である。
【
図9】一実施形態によるセルカバーの変形実施形態を示す図面である。
【
図10】一実施形態によるセルカバーの変形実施形態を示す図面である。
【
図11】
図2に表示されたP1領域の底面部分を示す拡大図である。
【
図12】本発明の一実施形態による装置を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態により限定されない。
【0027】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0028】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたものに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0029】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0030】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0031】
図1には本発明の一実施形態による電池パック10が示されている。
【0032】
図1に示すように、電池パック10は、本発明の一実施形態による少なくとも一つの電池アセンブリー100、およびパックケース12を含むことができる。
【0033】
電池アセンブリー100は、複数のセルユニット110を含むことができる。複数のセルユニット110は、それぞれ少なくとも一つのパウチ型電池セル203と、少なくとも一つのパウチ型電池セル203の外部を部分的に覆って支持するセルカバー200を含むことができる。
【0034】
パックケース12は、電池アセンブリー100が別途のケースなしに直接載置される載置構造を有し、複数の電池アセンブリー100を電池アセンブリー別に別途の載置空間に収容するように構成され得る。
【0035】
このために、パックケース12はその内部空間を複数の載置空間に分割するクロスビーム14a、14bを含むことができる。このような、クロスビーム14a、14bは互いに離隔するように配置されたり交差するように配置されて複数の載置空間を形成するように構成され得る。
【0036】
図2には本発明の一実施形態による電池アセンブリー100が示されている。
【0037】
図2に示すように、本発明の一実施形態による電池アセンブリー100は、複数のセルユニット110、一対のサイドプレート120、および一対の統合型エンドカバー130を含み、実施形態によりハンドルユニット140をさらに含むことができる。
【0038】
複数のセルユニット110は、それぞれ少なくとも一つの電池セル203を含み、その幅方向に並んで積層されるように構成され得る。以下で再び説明するが、それぞれのセルユニット110は充電および放電の基本単位になる少なくとも一つの電池セル203と、少なくとも一つの電池セル203を部分的にのみ覆って支持するセルカバー200を含むことができる。
【0039】
一対のサイドプレート120は複数のセルユニット110の幅方向(積層方向)の両端にそれぞれ配置されて、複数のセルユニット110を支持するように構成され得る。
【0040】
このために、一対のサイドプレート120のうちの少なくとも一つのサイドプレートは、支持部122、エンドカバー結合部124、およびハンドル結合部126を含むことができる。
【0041】
支持部122は複数のセルユニット110の幅方向の一側面または他側面に接触して、複数のセルユニット110を支持するように構成され得る。この場合、支持部122は板構造で構成され得る。
【0042】
エンドカバー結合部124は支持部122からそのサイド方向に延びて統合型エンドカバー130のサイド方向の一端部と結合するように構成され得る。
【0043】
ハンドル結合部126は支持部122から上方に延びて複数のハンドルユニット140のうちの少なくとも一つのハンドルユニットと結合するように構成され得る。以下で再び説明するが、ハンドル結合部126は少なくとも一つのハンドルユニットとの結合と分離が可能に構成され得る。
【0044】
このような一対のサイドプレート120は、後述する統合型エンドカバー130と共に複数のセルユニット110をブロック化しながら、複数のセルユニット110に加えられる圧力をセルユニット110全体に均等に分配することができる。また、一対のサイドプレート120はアルミニウムを含むメタル素材で構成されたり、インサートモールディング(insert molding)を通じてアルミニウムと高分子合成樹脂を組み合わせた素材で構成され得る。
【0045】
一対の統合型エンドカバー130は、複数のセルユニットの長さ方向の両端にそれぞれ配置されて複数のセルユニットを支持し、複数のセルユニット110に含まれている電池セル203の端子部分を一体に覆うように構成され得る。
【0046】
つまり、それぞれの統合型エンドカバー130は、そのサイド方向の一端が一対のサイドプレートのうち第1サイドプレートに結合し、そのサイド方向の他端が一対のサイドプレートのうち第2サイドプレートに結合して、複数のセルユニット110に含まれている電池セル203の端子部分を一体に覆うように構成され得る。
【0047】
この場合、統合型エンドカバー130は複数のセルユニット110にそれぞれ対応する位置ごとにベンティングホール132aを備えることができる。
【0048】
このような統合型エンドカバー130はアルミニウムを含むメタル素材または高分子合成樹脂で構成されたり、インサートモールディング(insert molding)を通じてアルミニウムを含むメタル素材と高分子合成樹脂を組み合わせた素材で構成され得る。
【0049】
このような統合型エンドカバー130が電池アセンブリー100に適用されることによって、セルユニット別に適用されて当該セルユニットに含まれている電池セル203の端子またはバスバー部分を覆う個別のエンドカバーを省略することができ、製造工程を簡素化することができる。
【0050】
ハンドルユニット140は電池アセンブリー100を運搬する運搬者により把持されたり電池アセンブリー100をリフティングまたは移送する所定の移送装置と連結されるように構成され得る。
【0051】
このようなハンドルユニット140は一対のサイドプレート120に分離可能に結合するように構成され得る。また、ハンドルユニット140は所定の強度を有するメタル素材、高分子合成樹脂、またはこれらの組み合わせで構成され得る。
【0052】
前述した電池アセンブリー100は積層されるセルユニット110の個数を増加させる方式でスケールの拡張が可能である。
【0053】
図3には
図2に示された電池アセンブリー100が部分分解斜視図で示されている。
【0054】
図3に示すように、電池アセンブリー100の一対のサイドプレート120と一対の統合型エンドカバー130は、互いに結合して複数のセルユニット110をブロック化することができる。
【0055】
このために、統合型エンドカバー130は、端子カバー部132、第1結合部134a、および第2結合部134bを含むことができる。
【0056】
端子カバー部132は複数のセルユニット110に含まれている電池セル203の端子部分(電極リード部分)を一体に覆うように構成され得る。このような端子カバー部132はそれぞれのセルユニット110に対応する位置ごとにベンティングホール132aを備えることができる。
【0057】
第1結合部134aは端子カバー部132から第1サイドプレート側に延びて第1サイドプレートのエンドカバー結合部124と結合するように構成され得る。この場合、第1結合部134aとエンドカバー結合部124はボルトやリベットなどのような締結部材により結合され得る。
【0058】
第2結合部134bは端子カバー部132から第2サイドプレート側に延びて第2サイドプレートのエンドカバー結合部124と結合するように構成され得る。この場合、第2結合部134bとエンドカバー結合部124はボルトやリベットなどのような締結部材により結合され得る。
【0059】
一方、ハンドルユニット140は対応するサイドプレート120のハンドル結合部126に、結合と分離が可能な多様な方式で結合され得る。
【0060】
図4には本発明の一実施形態による電池アセンブリーのセルユニット110が斜視図で示されている。
【0061】
図4に示すように、セルユニット110は少なくとも一つの電池セル203の外部を部分的に覆うセルカバー200を含むことができる。このようなセルカバー200には意図したベンティング方向により多様な位置に設けられるベンティングホール(venting hole)201を備えることができる。このようなベンティングホール201はセルカバー200の所定の部分にノッチを形成する方式で設けられ得る。
【0062】
図5には
図4に示されたセルユニット110の分解斜視図で示されている。
【0063】
図5に示すように、セルユニット110は、セルカバー200、少なくとも一つの電池セル203、バスバーフレーム204、および絶縁カバー205を含むことができる。少なくとも一つの電池セル203はセルユニット110内に挿入され得る。
【0064】
電池セル203は充放電の基本単位に該当するものであって、軟質の金属ケース内部に電極組立体と電解質物質を収納し、金属ケースをシーリングする方式で製造され得る。この場合、電極組立体は正極電極と負極電極との間に分離膜を介する方式で製造され得る。
【0065】
また、電池セル203のケース外部には電極組立体と電気的に連結された電極リードが設けられ得る。このような電池セル203はパウチ(pouch)形態で構成され得る。
【0066】
セルカバー200は少なくとも一つの電池セル203の外部を部分的に囲むように構成され得る。また、セルカバー200は、少なくとも一つの電池セル203を起立状態で支持するように構成され得る。
【0067】
例えば、
図5のように、セルカバー200は3個の電池セル203の外部を部分的に囲んで当該電池セル203を起立状態で支持するように構成され得る。以下、
図6を共に参照して、セルカバー200の構成について具体的には説明する。
【0068】
図6は本発明の一実施形態による電池パックのセルユニット組立方式を示す図面である。
【0069】
図5および
図6を参照すれば、一実施形態のセルカバー200は、第1カバー部210、第2カバー部220、第3カバー部230、および遮断部240を含む。
【0070】
具体的には、セルカバー200は、少なくとも一つの電池セル203の一側面を覆う第1カバー部210、少なくとも一つのパウチ型電池セル203の他側面を覆う第2カバー部220、および第1カバー部210の一端および第2カバー部220の一端を連結する第3カバー部230を含む。
【0071】
この場合、ベンティングホール201はセルカバー200の第3カバー部230に設けられ得る。
【0072】
例えば、セルカバー200は少なくとも一つの電池セル203の3面を囲む「コ」字形態または「u」字形態で構成され得る。
【0073】
また、セルカバー200は、遮断部240を含む。
【0074】
遮断部240は第1カバー部210の他端および第2カバー部220の他端のそれぞれに形成される。第1カバー部210の他端は第3カバー部230が連結されていない第1カバー部210の終端を意味し得る。第2カバー部220の他端は第3カバー部230が連結されていない第2カバー部220の終端を意味し得る。
【0075】
遮断部240は、第1カバー部210と第2カバー部220との間に挿入された少なくとも一つの電池セル203の脱去を遮断するように構成され得る。つまり、遮断部240は、第1カバー部210と第2カバー部220の各他端で互いに向き合うように折り曲げられて延びて少なくとも一つの電池セル203を支持するように構成され得る。
【0076】
図5に示されたように、遮断部240は互いに離隔して複数提供され得る。具体的には、遮断部240は電池セル203の長さ方向Ldに互いに離隔することができ、電池セル203の幅方向に互いに離隔して配置され得る。本明細書で、電池セル203の長さ方向Ldはバスバーフレーム204が結合する電池セル203の両端部を連結する方向を意味する。電池セル203の幅方向は電池セル203の長さ方向に垂直な方向であり得る。前記のように離隔した遮断部240の間の空間202を通じて電池セル203が挿入され得る。
【0077】
ただし、遮断部240の形状がこれに制限されるのではなく、遮断部240は電池セル203の長さ方向Ldに延びた一つの形態で提供され得る。この場合、遮断部240は第1カバー部210の他端に形成された1個および第2カバー部220の他端に形成された1個で提供され得る。
【0078】
セルカバー200は一体の形状を有することができる。つまり、第1カバー部210、第2カバー部220、第3カバー部230、および遮断部240が延長された一つの形状を有することができる。この場合、セルカバー200は板構造のメタルプレートを折り曲げる方式で構成され得る。
【0079】
このように、簡素化された構造のセルカバー200は、電池セル203のケースより高い剛性を有するメタル素材で構成されて、セルカバー200により覆われる少なくとも一つの電池セル203を外部衝撃や振動から保護することができる。例えば、セルカバー200は加工が容易であり、耐食性が高いステンレススチール(SUS)を含む素材で構成され得る。
【0080】
バスバーフレーム204は、セルカバー200により覆われる少なくとも一つの電池セル203の電極リードを支持し、電極リードを他の電極リードと電気的に連結するように構成され得る。この場合、バスバーフレーム204は電極リードと電気的に連結される端子を備えることができる。
【0081】
絶縁カバー205は、電極リードまたはバスバー短絡を防止するように構成され得る。このために、絶縁カバー205は絶縁性を有する高分子合成樹脂で構成され得る。
【0082】
図4および
図5に示されていないが、セルユニット110は、セルカバー200をクランピング(clamping)するように構成されたクランピング部材をさらに含むことができる。クランピング部材は、少なくとも一つの電池セル203が挿入されたセルカバー200をクランピングして、セルカバー200の両端(第1カバー部210の他端と第2カバー部220の他端)の間が広がるか、または挿入された電池セル203がセルカバー200から離脱することを防止するように構成され得る。このようなクランピング部材はテープで構成されてもよく、弾性を有する金属素材で構成されてもよい。
【0083】
図5および以下では、一つのセルカバー200により覆われる少なくとも一つの電池セル203が3個であると図示および説明したが、セルカバー200のスケールによりセルカバー200により覆われる電池セル203の個数は多様に変更され得る。
【0084】
図6に示すように、遮断部240は、第1カバー部210の他端に形成された第1遮断部240a、および第2カバー部220の他端に形成された第2遮断部240bを含むことができる。第1遮断部240aおよび第2遮断部240bは互いに向き合うことができる。第1遮断部240aおよび第2遮断部240bのうちの少なくとも一つは、電池セル203の長さ方向Ld(
図5参照)に互いに離隔して複数提供され得る。例えば、
図5で前述したように、第1遮断部240aは電池セル203の長さ方向Ld(
図5参照)に互いに離隔配置されて複数提供され得る。第2遮断部240bも電池セル203の長さ方向Ld(
図5参照)に互いに離隔配置されて複数提供され得る。
【0085】
また、第1遮断部240aおよび第2遮断部240bは電池セル203の幅方向に互いに離隔して配置され得る。これにより、第1遮断部240aおよび第2遮断部240bの間に電池セル203が挿入され得る。
【0086】
例えば、ジグのフィンガーなどを利用してセルカバー200の第1カバー部210と第2カバー部220との間の間隔を広げると、電池セル203が第1カバー部210と第2カバー部220との間に挿入され得る。
【0087】
セルカバー200の遮断部240は、挿入される電池セル203を損傷させないように適切な長さと形態を有することができる。
【0088】
図7は本発明の一実施形態による電池パックのセルユニットを示す図面である。
【0089】
図7に示すように、電池セル203がセルカバー200内側に挿入された後、ジグのフィンガーが除去されると、第1カバー部210と第2カバー部220はその弾性により再び元の位置に戻るようになる。
【0090】
セルカバー200の遮断部240は、第1カバー部210と第2カバー部220との間に挿入された電池セル203の脱去を遮断することができる。このために、遮断部240は、第1カバー部210と第2カバー部220の各終端から延びて電池セル203の下側縁部分を支持するように構成され得る。
【0091】
セルカバー200と電池セル203の組み立てが完了した
図7を参照すれば、第1カバー部210および第2カバー部220は電池セル203が積層された方向に配列され得る。また、第3カバー部230および遮断部240は電池セル203が積層された方向と垂直に配列され得る。遮断部240は、電池セル203の一面を部分的に覆うものであり得る。具体的には、遮断部240は電池セル203の一面の縁部を覆い、中央部は露出させるものであり得る。
【0092】
遮断部240は電池セル203の一部を覆うことで、電池セル203の脱去を防止し、第1乃至第3カバー部210、220、230と共に電池セル203を起立形態で支持することができる。
【0093】
ただし、遮断部240の形状が前述した内容に制限されるのではない。
【0094】
例えば、遮断部240は、第1カバー部210と第2カバー部220の各終端からセルカバー200の内側に折り曲げられて係止構造を形成することができる。
【0095】
図8は一実施形態によるセルカバー200-aの変形実施形態を示す図面である。
【0096】
図8に示すように、セルカバー200-aの遮断部240-aは、第1カバー部210と第2カバー部220の各終端からセルカバー200-aの内側に折り曲げられて係止構造を形成することができる。
【0097】
図9は一実施形態によるセルカバー200-bの変形実施形態を示す図面である。
【0098】
図9に示すように、セルカバー200-bの遮断部240-bは、第1カバー部210と第2カバー部220の各終端からセルカバー200-bの内側に折り曲げられた後、再びセルカバー200-bの外側にラウンドに折り曲げられ得る。遮断部240-bがラウンド面で電池セル203を支持するように構成されることによって、パウチセルのような軟質の電池セル203の損傷を防止することができる。
【0099】
図10は一実施形態によるセルカバー200-cの変形実施形態を示す図面である。
【0100】
図10に示すように、セルカバー200-cの遮断部240-cは、挿入溝240-Hを含むことができる。
【0101】
挿入溝240-HにはジグJIGのフィンガーが挿入され得る。具体的には、ジグJIGのフィンガーは遮断部240-cの内部面と接触してセルカバー200-cの第1カバー部210と第2カバー部220との間の間隔を変更することができる。一実施形態の遮断部240-cは挿入溝240-Hを含むことで、ジグJIGがセルカバー200-cを損傷させることなく、第1カバー部210と第2カバー部220との間の間隔を広げるようにすることができる。
【0102】
図11には
図2に表示されたP1領域の底面部分が拡大図で示されている。
【0103】
図11に示すように、統合型エンドカバー130の第1結合部134aは第1サイドプレートのエンドカバー結合部124と締結部材Bを通じて結合され得る。
【0104】
また、統合型エンドカバー130は、セルユニット支持部136を含むことができる。セルユニット支持部136はベンティングホール132aが設けられた端子カバー部132から複数のセルユニット110の底面に延びて複数のセルユニット110を支持するように構成され得る。この場合、セルユニット支持部136は複数のセルユニット110に備えられたバスバーフレーム204の下端を支持するように構成され得る。
【0105】
一方、本発明の多様な実施形態による電池アセンブリー100は、電池パックに適用され得ることはもちろん、別途のケースを有して電池パックやESS(Energy Storage System)のラック(rack)に収納される電池モジュール(battery module)にも適用され得る。
【0106】
図12には本発明の一実施形態による装置Vが示されている。
【0107】
図12に示すように、本発明の一実施形態による装置Vは、前述した多様な実施形態のいずれか一つの実施形態による少なくとも一つの電池アセンブリーを含む電池パック10を含むことができる。
【0108】
このように、装置Vに備えられた電池パック10は装置Vの多くの動作に必要な電気エネルギーを提供することができる。
【0109】
参考までに、本発明による電池アセンブリーは、装置以外に多様な電気システムで使用される電池パックに適用され得ることはもちろん、このような電池パックやESS(Energy Storage System)のラックに別途のケースを有して収容される電池モジュールにも適用され得る。
【0110】
前述のように、本発明によれば、多数の電池セル203が別途のモジュールケースに収容されて電池パックのパックケース12に装着されるのではなく、簡素化された構造のセルカバー200により部分的にのみ覆われてパックケース12に直接装着されることによって、電池パック10全体の重量と体積を減少させ、電池パック10のエネルギー密度を高めながらも、多数の電池セル203をケースに直接装着して使用する過程で発生する電池セル203の損傷を防止し、電池セル203のスウェリング(swelling)制御とガスベンティング経路の設計を容易にすることができる。
【0111】
また、セルカバー200の遮断部240が当該セルカバー200に挿入された電池セル203を支持して電池セル203の脱去を遮断することによって、電池セル203の位置変更やセルカバー200外部への離脱を防止し、電池パック10の安全性と信頼性を保障することができる。
【0112】
また、セルカバー200の内部面と接触してセルカバー200の両端部の間隔を変更するように構成されたジグのフィンガーが挿入される挿入溝240-Hが、セルカバー200-cの遮断部240-cに設けられることによって、セルカバー200-cに電池セル203を挿入する組立工程を容易にし、電池セル203の損傷を防止することができる。
【0113】
また、それぞれ少なくとも一つの電池セル203を含むセルユニットが、一対のサイドプレートと統合型エンドカバーにブロック化して固定されることによって、電池パックに装着される電池セル203の取り扱いと装着を容易にしながらも、電池セル203の装着に要求される構造体を簡素化および軽量化し、製造費用を節減することができる。
【0114】
前述した電池パック10は多様な装置に適用され得る。このような装置は、例えば電気自動車、ハイブリッド自動車などの自動車、または電気自転車などの運送手段に適用され得る。しかし、本発明はこれに制限されず、電池パックを使用することができる多様な装置に適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0115】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されているが、このような用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象となる事物の位置や観測者の位置などにより変わり得る。
【0116】
また、本発明による実施形態は、当該技術分野はもちろん、関連技術分野で本明細書に言及された内容以外の他の多様な技術的課題を解決できることはもちろんである。
【0117】
以上で、本発明について具体的な実施形態を参照して説明した。しかし、当業者であれば本発明の技術的範囲で多様な変形実施形態が具現され得ることを明確に理解できるであろう。したがって、前記で開示された実施形態は、限定的な観点でなく、説明的な観点で考慮されるべきである。つまり、本発明の真の技術的な思想の範囲は請求の範囲に示されており、それと均等範囲内にある全ての差異点は本発明に含まれるものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0118】
10:電池パック
100:電池アセンブリー
110:セルユニット
200:セルカバー
210:第1カバー部
220:第2カバー部
230:第3カバー部
240:遮断部
【国際調査報告】