(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】重度の注射部位反応を処置及び予防するためのプロセス及び治療用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/573 20060101AFI20241022BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20241022BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20241022BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20241022BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20241022BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20241022BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20241022BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20241022BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20241022BHJP
A61P 25/32 20060101ALI20241022BHJP
A61P 25/34 20060101ALI20241022BHJP
A61K 31/58 20060101ALI20241022BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61K31/573
A61P25/24
A61P25/18
A61P25/28
A61P25/14
A61P25/16
A61P17/02
A61P25/08
A61P25/22
A61P25/32
A61P25/34
A61K31/58
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524691
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022080094
(87)【国際公開番号】W WO2023092046
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521491174
【氏名又は名称】ブリー バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジー
(72)【発明者】
【氏名】マ,ジ
(72)【発明者】
【氏名】マーゴリス,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】スー,リャンホン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA10
4C086DA12
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA65
4C086MA66
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA89
4C086ZC39
4C086ZC75
(57)【要約】
【課題】ステロイド組成物を混合、合剤化、または同時投与することにより、それを必要とする対象における注射部位反応(ISR)を処置及び/もしくは最小限に抑え、ならびに/または重度のISRを予防する方法。いくつかの実施形態では、本開示は、中枢神経系(CNS)障害を処置するための方法に関する。
【解決手段】方法は、ステロイド組成物及び神経活性ステロイド(NAS)を同時投与することを含む。方法は、GABA調節に関連するCNS状態または疾患、例えば、うつ病、特に泌乳女性の産後うつ病(PPD)、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、及び他の疾患を予防及び/または処置するために、ならびに重度のISRを予防するために使用することができる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ガンマ-アミノ酪酸A型(GABA
A)受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)、またはその薬学的に許容される塩もしくは組成物、(ii)コルチコステロイド組成物、及び、(iii)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、を含む、治療用組成物。
【請求項2】
前記治療用組成物が、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、または皮下注射(SC)用に製剤化される、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項3】
前記治療用組成物が、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピックC型病)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)欠損症、産後うつ病(PPD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、難治性てんかん重積状態(RSE)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性抑うつ障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、二次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるCNS障害の処置用に製剤化される、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項4】
前記CNS障害が、PPDである、請求項3に記載の治療用組成物。
【請求項5】
前記治療用組成物が、前記NASのIV、IM、またはSC注射により引き起こされるか、または誘発される重度のISRを処置または予防するために製剤化される、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項6】
前記神経活性ステロイド(NAS)が、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項7】
前記治療用組成物が、単回用量中に、約50mg~1,000mgの前記神経活性ステロイドを含む、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項8】
前記治療用組成物が、単回用量中に、約50mg~約600mgの前記神経活性ステロイドを含む、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項9】
前記神経活性ステロイドが、前記対象において、前記神経活性ステロイド(NAS)の単回投与後に、約30分~6時間で、最大血漿中濃度(C
max)に到達し、少なくとも約5日、前記C
maxの約5%を超える血漿中濃度を維持するように、前記治療用組成物が製剤化される、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項10】
前記コルチコステロイド組成物が、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、トリアムシノロンアセトニド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるコルチコステロイドを含む、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項11】
前記コルチコステロイドが、メチルプレドニゾロンアセタート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項10に記載の治療用組成物。
【請求項12】
前記コルチコステロイドが、メチルプレドニゾロンアセタートである、請求項10に記載の治療用組成物。
【請求項13】
前記コルチコステロイド組成物が、前記ステロイド約10mg~約450mgを含む、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項14】
前記治療用組成物が、授乳している泌乳女性の産後うつ病(PPD)の処置または予防のために製剤化される、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項15】
前記コルチコステロイド組成物が、前記注射部位のそれぞれに対して、10~100mgの範囲の単一部位用量の前記ステロイドを含み、前記医薬組成物が、30mg~1200mgの範囲の単一部位用量の前記神経活性ステロイドを含む、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項16】
前記治療用組成物が、0.5mL~6mLの範囲の注射量で、前記コルチコステロイド組成物及び前記医薬組成物を含む、請求項15に記載の治療用組成物。
【請求項17】
ガンマアミノ酪酸A型(GABA
A)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害を処置することを必要とする対象の、ガンマアミノ酪酸A型(GABA
A)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害を処置するための方法であって、前記方法が、注射により前記対象に、(i)前記GABA
A受容体の調節因子である神経活性ステロイド(NAS)またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、及び、(ii)コルチコステロイド組成物、を投与すること、を含み、前記医薬組成物及び前記コルチコステロイド組成物が、筋肉内(IM)注射または皮下注射(SC)により、前記対象に投与される、前記方法。
【請求項18】
前記対象が、注射部位反応を有するか、または注射部位反応を起こしやすい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ISRが、重度のISRである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記医薬組成物及び前記コルチコステロイド組成物が、少なくとも1つの注射部位で、筋肉内(IM)注射または皮下注射(SC)により、前記対象に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
(1)前記コルチコステロイド組成物が、神経活性ステロイド(NAS)を含む前記医薬組成物と合剤化され、注射により前記対象に一緒に投与され、(2)前記コルチコステロイド組成物が、前記神経活性ステロイドと混合され、注射により前記対象に一緒に投与され、(3)前記コルチコステロイド組成物が、前記神経活性ステロイド(NAS)またはそれらの組み合わせと共に同時投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記コルチコステロイド組成物が、注射前に、神経活性ステロイド(NAS)を含む前記医薬組成物と混合され、前記注射部位に一緒に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記コルチコステロイド組成物が、神経活性ステロイド(NAS)を含む前記医薬組成物と合剤化され、前記注射部位に一緒に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記神経活性ステロイド(NAS)が前記対象に投与される前または後の0~60分以内に、前記コルチコステロイド組成物が、前記対象に同時投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記コルチコステロイド組成物が、前記注射部位から0~5センチメートル以内にある少なくとも同時投与部位に、前記対象に同時投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記神経活性ステロイド(NAS)が、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記神経活性ステロイド(NAS)が、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記医薬組成物が、前記対象の体重1キログラム当たり約0.01~50mgの前記神経活性ステロイドを含む単回用量で、前記対象に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記単回用量が、約50mg~1,000mgの前記神経活性ステロイドを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記単回用量が、約50mg~約600mgの前記神経活性ステロイドを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記コルチコステロイド組成物が、10~100mgの前記ステロイドを含む単回用量で、前記対象に投与され、前記医薬組成物が、30mg~1200mgの前記神経活性ステロイド(NAS)を含む単回用量で、前記対象に投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項32】
前記コルチコステロイド組成物及び神経活性ステロイドを含む前記医薬組成物が、前記注射部位のそれぞれに対して0.5mL~6mLの範囲の注射量で製剤化される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記神経活性ステロイドが、前記対象において、前記神経活性ステロイドの単回投与後に、約30分~6時間で、最大血漿中濃度(C
max)に到達し、少なくとも約5日間、前記C
maxの約5%を超える血漿中濃度を維持する、請求項17に記載の方法。
【請求項34】
前記コルチコステロイド組成物が、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、トリアムシノロンアセトニド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるコルチコステロイドを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項35】
前記コルチコステロイドが、メチルプレドニゾロンアセタート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記対象が、授乳中の泌乳女性であり、前記疾患が、産後うつ病(PPD)である、請求項17に記載の方法。
【請求項37】
前記CNS障害が、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピックC型病)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)欠損症、産後うつ病(PPD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、難治性てんかん重積状態(RSE)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性抑うつ障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、二次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項38】
前記CNS障害が、PPDである、請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2022年8月15日に出願された米国仮出願第63/398,221号及び2021年11月18日に出願された米国仮出願第63/281,066号(これらのそれぞれは、全体が参照により本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
【0002】
開示の分野
本開示は、重度の注射部位反応(ISR)を処置または予防することを必要とする対象の重度の注射部位反応(ISR)を処置または予防するためのプロセス及び治療用組成物に関する。本開示は、さらに、神経活性ステロイド(NAS)及びステロイド組成物を使用して中枢神経系(CNS)障害を処置するための方法及び治療用組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
注射部位反応(ISR)は、注射部位周囲の腫れ、紅斑、掻痒、及び痛みを含む様々な症状として定義される局所現象である。2種類の注射部位反応がある:1つは発赤反応を含む局所アレルギー反応と、注射した部位周囲の組織に少量の薬物が漏出することにより引き起こされる溢出による組織への損傷を特徴とする、より重度の反応。両方の反応の症状は、通常、発赤、圧痛、熱感、及びかゆみを含むが、痛み、水疱、及び重度の皮膚損傷を含み得る。原因に応じて、注射部位の反応は、温湿布、氷、場合により、血管外に浸出している特定の薬剤の解毒剤、極端な場合、形成外科手術で処置され得る。
【0004】
注射部位反応(ISR)は、非経口薬の開発及び臨床使用において問題となり得る。例えば、ISRは、関節リウマチ(RA)の処置として注射用TNF-α阻害薬の比較的一般的な副作用であることが判明している(Matsui,T.et al.,Int’l J.of Medical Sciences,14(2):102-109,2017.DOI:10.7150/ijms.17025)。ISRは、患者のストレス、神経過敏、痛み、及び生活の質(QoL)の低下を引き起こし得、患者における薬物レジメンに対する遵守に影響を与え得る。ISRは、通常、処置から最初1ヶ月以内に発生し、3~5日間続く。ISRのほとんどの症例は、自然に、または冷湿布で解決するが、重度のISRは、処置を必要とし得る。いくつかの実施形態では、コルチコステロイド(Kaiser,C.,Rheumatol Intl.,32:295-299,2012.DOI:10.1007/s00296-011-2096-3)、冷蔵ローション、クリーム、及び軟膏(Kukowski,B.,et al.,Patient Preference and Adherence.15:1091-1100,2021)、ならびに他の薬剤、例えば、抗ヒスタミン薬またはアセトアミノフェンの局所適用は、ISRを軽減するために使用することができる。いくつかの場合では、全身的または局所的に適用されたコルチコステロイド処置のいずれもが、ISRの発症を予防しない(Leonie van Meer,et al.,Br J Clin Pharmacol 82:340-351,2016.DOI:10.1111/bcp.12961)。
【0005】
ISRなどの副作用は、特定の薬物の選択及び処置の遵守に対する患者の好みに関わる重要な要素となり得る。場合により、重度のISRが、前臨床及び臨床用量制限毒性を引き起こし得る。現在、ISRの臨床的意義及び処置レジメンは、十分に確立されていない。
【0006】
ISRを引き起こすか、または誘発し得る非経口投与される重要な種類の薬学的活性薬の重要なクラスは、神経活性ステロイド(NAS)である。NASは、中枢神経系(CNS)におけるγ-アミノ酪酸(GABA)受容体複合体(GRC)の調節因子である。NASの主な標的は、ニューロンの興奮性及び急速な気分変化の調節に寄与する抑制性GABA A型受容体(GABAAR)である。NASは、脳内でコレステロールから新たに生成されるか、または末梢由来のステロイド前駆体の局所代謝に由来し得る。内因性神経ステロイドは、5α-プレグナン-3α-オール-20-オン(アロプレグナノロン、ブレキサノロンとしても既知)及び5α-プレグナン-3α,21-ジオール-20-オン(THDOC)を含み得る(Majewska MD,et al.,Science.232:1004-7,1986[PubMed:2422758])。アルファキサロンなどの合成神経活性ステロイドも、GABAに対する応答を選択的に増強し得る(Harrison NL,et al.,J Physiol(Lond).346:42,1984)。様々な行動状態、例えば、不安レベル、パニック、ストレス応答、発作、睡眠、不眠症、及び記憶などを含む多くのCNS障害は、GABAAR機能に関連している可能性があり、NAS及びその合成誘導体の影響を受ける得る(Zorumski,CF.,et al.,Neurosci.Biobehavioral Rev.37:109-122,2013.DOI:10.1016/j.neubiorev.2012.10.005)。
【0007】
GABAARは、神経回路の機能における重要な役割を考慮して、数多くの臨床関連薬物の標的となっている。ブレキサノロン(アロプレグナノロンとしても既知)及びガナキソロンは、中枢神経系(CNS)の全体的な阻害を引き起こす、GABAARの陽性アロステリック調節因子として知られている。Sage Therapeutics(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)により開発され、Sage Therapeuticsの登録商標で販売される静脈注射用のブレキサノロン溶液製剤製品ZULRESSO(登録商標)は、近年、現在の薬物療法が特に示される重篤で潜在的に生命を脅かす状態である産後うつ病(PPD)の処置について、米国食品医薬品局(FDA、2019年3月)により承認された。しかし、ZULRESSOは、使用が不便であり、合計約60時間(2.5日)続く連続静脈(IV)注入により患者に投与する必要がある。SAGE-217として既知の新しい経口薬であるGABAARの陽性アロステリック調節因子は、14日間の薬物の投与後の臨床試験でうつ病症状の軽減における混合結果を示している。加えて、SAGE-217は、プラセボよりも多くの有害事象を示した(Gunduz-Bruce,H.,et al.,N.Engl.J.Med.381(10):903-911,Sept.2019;US Patent No.:9,512,165及びPCT公開第WO2014/169833号)。米国特許第9,777,037号及び米国特許公開第20180340005A1号に開示されるような多くの新しい分子も提案されている。しかし、ヒトのCNS障害の処置におけるそれらの有効性は明らかではない。加えて、ZULRESSOでは、副作用、例えば、皮膚の紅潮(皮膚の発赤及び熱感)が生じ得る。
【0008】
従って、CNS障害の処置のためにGABAARの機能を調節し、ISRなどの副作用を軽減するための、より優れた化合物が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
いくつかの態様では、本開示は、プロセスを必要とする対象の注射部位反応(ISR)処置または予防するためのプロセスに関し、プロセスは、ステロイド(例えば、コルチコステロイド)組成物、及び活性薬を含む医薬組成物を注射により対象に投与することを含み、(1)ステロイド組成物及び医薬組成物が、合剤化される;(2)ステロイド組成物が、医薬組成物と混合される;(3)ステロイド組成物が、医薬組成物の注射部位の、もしくはその近傍の同時投与部位で、医薬組成物と共に同時投与される;またはそれらの組み合わせであり、医薬組成物が、注射部位で、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、または皮下注射(SC)により対象に投与される。
【0010】
いくつかの実施形態では、ISRは、重度のISRである。
【0011】
いくつかの実施形態では、活性薬は、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)である。
【0012】
いくつかの実施形態では、NASは、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系障害を処置するために対象に投与される。いくつかの実施形態では、CNS障害は、産後うつ病(PPD)である。
【0013】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、コルチコステロイド組成物である。
【0014】
本発明は、また、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害の処置を必要とする対象において、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害を処置するための方法に関し、方法は、GABAA受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)、またはその薬学的に許容される塩もしくは組成物、及びステロイド(例えば、コルチコステロイド)組成物を、対象に注射により投与することを含み、神経活性ステロイド(NAS)及びステロイド組成物が対象に筋肉内(IM)注射または皮下注射(SC)により投与される。
【0015】
いくつかの実施形態では、対象は、ISRを有するか、またはISRを起こしやすい。いくつかの実施形態では、ISRは、重度のISRである。
【0016】
いくつかの実施形態では、NAS、その組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは組成物、及びステロイド組成物は、少なくとも1つの注射部位に投与される。
【0017】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、コルチコステロイド組成物である。
【0018】
本開示は、さらに、(i)ガンマ-アミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)、その薬学的に許容される塩、またはその組成物、(ii)ステロイド(例えば、コルチコステロイド)組成物、及び、(ii)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、を含む治療用組成物に関する。
【0019】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、対象の、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連するCNS障害の処置用に製剤化される。
【0020】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、対象のISRの処置または予防用である。いくつかの実施形態では、ISRは、重度のISRである。
【0021】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、コルチコステロイド組成物である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】例示的な粒径分布の概略図。A:医薬組成物は、最小量、例えば、1%未満の小粒子及び大部分の大粒子、を含む。B:医薬組成物は、いくつかの小粒子及び大部分の大粒子を含む。C:医薬組成物は、漸増量の小粒子及び大粒子を含む。D:医薬組成物は、同量の小粒子及び大粒子を含む。D50=質量中央径(MMD)、粒子の50%が、所与の直径より小さく、粒子の50%が、所与の直径より大きい。平均大=大粒子の粒径。平均小=小粒子の粒径。
【
図2A】ブレキサノロンを含む医薬組成物の例。ブレキサノロンの構造。
【
図2B】ブレキサノロンを含む医薬組成物の例。ブレキサノロンの小さい粒径分布。
【
図2C】ブレキサノロンを含む医薬組成物の例。ブレキサノロンの大きい粒径分布。
【
図2D】ブレキサノロンを含む医薬組成物の例。投与後の経時的なラット血漿中ブレキサノロン濃度を示す、ラットの薬物動態(PK)。説明:白ひし形、小粒子のブレキサノロン懸濁液、25mg/kg;白四角、大粒子のブレキサノロン懸濁液、25mg/kg;黒四角、IV溶液(比較)1mg/kg;黒三角、IM溶液(比較)12.5mg/kg。
【
図2E】ブレキサノロンを含む医薬組成物の例。投与後の経時的なラット血漿中ブレキサノロン濃度を示す、ラットの薬物動態(PK)。説明:白ひし形、小粒子のブレキサノロン懸濁液、25mg/kg;白四角、大粒子のブレキサノロン懸濁液、25mg/kg;黒四角、IV溶液(比較)1mg/kg;黒三角、IM溶液(比較)12.5mg/kg。
【
図3A】ガナキソロンを含む医薬組成物の例。ガナキソロンの構造。
【
図3B】ガナキソロンを含む医薬組成物の例。4.1μmのガナキソロン粒子の分布。
【
図3C】ガナキソロンを含む医薬組成物の例。3.6μmのガナキソロン粒子の分布。
【
図3D】ガナキソロンを含む医薬組成物の例。投与後の経時的なラット血漿中濃度を示すラットにおける薬物動態(PK)。説明:白ひし形、1μm粒子のガナキソロン懸濁液、25mg/kg;白四角、4μmの粒子のガナキソロン懸濁液、25mg/kg;黒四角、IV溶液(比較);黒ひし形、IMソリューション(比較)。
【
図3E】ガナキソロンを含む医薬組成物の例。投与後の経時的なラット血漿中濃度を示すラットにおける薬物動態(PK)。説明:白ひし形、1μm粒子のガナキソロン懸濁液、25mg/kg;白四角、4μmの粒子のガナキソロン懸濁液、25mg/kg;黒四角、IV溶液(比較);黒ひし形、IMソリューション(比較)。
【
図4A】粉末X線回折(PXRD)ディフラクトグラムの例。18.15 2θの位置に1つの主要なピークを示す前処理市販ブレキサノロン。
【
図4B】粉末X線回折(PXRD)ディフラクトグラムの例。7.25及び18.15 2θに複数のピークを示す結晶形態Aブレキサノロン。
【
図5】健常成人におけるBRII-296及びトリアムシノロンKenalog-40(40mg/mL)の同時投与後の血漿中ブレキサノロン濃度。
【
図6A】BRII-296及び選択されたステロイドの同時投与後の血漿中ブレキサノロン濃度。健常成人における、注射部位当たり300及び600mgのBRII-296と、10~40mgのDepo-Medrol 80の同時投与後の血漿中ブレキサノロン(BXN)濃度。
【
図6B】BRII-296及び選択されたステロイドの同時投与後の血漿中ブレキサノロン濃度。健常成人における、注射部位当たり600mgのBRII-296と、20~40mgのDepo-Medrol 80の同時投与後の血漿中ブレキサノロン(BXN)濃度。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下は、本開示による方法及び器具に関連する様々な概念、及びその実施形態のより詳細な説明である。主題が特定の方式の実装に限定されないので、上で導入され、下でより詳細に考察される主題の様々な態様が、多くの方法のいずれかで、実施され得ることを理解すべきである。特定の実装及び応用の例は、主に説明を目的として提供される。
【0024】
本明細書で使用される場合、
「γアミノ酪酸A型受容体」、「GABAA受容体」、「GABAAR」、「GABAAR(複数)」、「GABAAR(複数)」,という用語、または単数形もしくは複数形のいずれかのそれらの文法的変形形態は、神経伝達物質ガンマアミノ酪酸(GABA)に応答する受容体のクラスであるガンマアミノ酪酸A型受容体(GABAAR)を指す。GABAは、大脳皮質の主要な抑制性神経伝達物質であり、これは、神経刺激を釣り合う抑制状態を維持するのに重要である。GABAA受容体の障害、またはGABAと神経興奮の不均衡は、様々な行動状態、例えば、不安レベル、パニック、ストレス応答、発作、睡眠、不眠症、及び記憶の中心にあるGABA機能に関連する広範な脳回路及び障害を引き起こし得る。
【0025】
多くの天然及び合成神経活性ステロイドは、GABAARに結合し、その活性を調節し得る。
【0026】
「神経活性ステロイド」、「NAS」、「神経活性ステロイド」、「NAS」という用語、またはその文法的変形形態は、神経伝達、特に、GABAA受容体に阻害作用を発揮し、中枢神経系(CNS)におけるγアミノ酪酸(GABA)受容体複合体(GRC)の調節因子である1つ以上の神経ステロイドを指す。主な例としては、テトラヒドロデオキシコルチコステロン(THDOC)、アンドロスタン、アンドロスタン3α-アンドロスタンジオール、コレスタンコレステロール、プレグナン、プレグナンプレグナノロン(エルタノロン)、アロプレグナノロン、ブレキサノロン、ガナキソロン及びSAGE-217が挙げられ得るが、これらに限定されない。本明細書に開示のNASは、国際純正応用化学連合(IUPAC)により推奨される命名法または他の命名法に基づいた名称により識別することができる。NASは、化学構造図によっても識別することができる。特定の文脈において反対のことが明示的に述べられない限り、名称及び構造は、本開示全体にわたって互換的に使用され得る。
【0027】
「注射部位反応」、「ISR」、「注射部位反応(複数)」、「ISR(複数)」という用語、またはその文法的変形形態は、注射部位で発生する激しい有害反応(通常は、免疫学的)を特徴とする障害、例えば、症状(限定されないが、薬物が注射される患者などの対象の部位(本明細書では、「注射部位」)周囲の腫れ、紅斑、かゆみ、痛み、水疱、発赤、圧痛、熱感、掻痒、及び皮膚損傷を含む)を指す。注射部位反応は、注射部位周囲の組織の炎症または損傷であり得、局所アレルギー反応、例えば、発赤反応、または、注射された血管から漏出する少量の薬物に引き起こされる溢出による組織への損傷を特徴とする、より重度の反応であり得る。米国国立がん研究所の有害事象共通用語規準(NCI CTCAE)(v5.0、2017年11月)及び米国保健福祉省エイズ局(DAIDS)の成人及び小児の有害事象の重症度の等級表の修正バージョン2.1(2017年7月)によると、ISRは、少なくともグレード1~グレード5に分類することができる。本開示では、グレード1以下のレベルのISRは、「中等度」または「軽度」とみなさ得、グレード2以上のレベルのISRは、「重度」と見なされ得る。筋肉内注射に対する部位反応の詳細な分類が表2に示される。
【0028】
「ステロイド組成物」という用語は、1つ以上のコルチコステロイド、及び、任意に、1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含むステロイド組成物を指す。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、トリアムシノロン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0029】
「授乳」という用語または文法的変形形態は、女性の母乳を乳児に直接供給すること;装置を使用して女性から母乳を抽出し、その後、乳児に供給すること;装置を使用して女性から母乳を抽出し、短期間母乳保管し、その後、保管された母乳を乳児に供給すること;またはそれらの組み合わせを指す。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の対象は、定期的に頻繁に乳児に授乳している泌乳女性である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の対象は、授乳中であり、産後うつ病(PPD)の処置または予防を必要とする泌乳女性である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の対象は、定期的に乳児に頻繁に授乳しており、且つ産後うつ病(PPD)の処置または予防を必要としている泌乳女性である。
【0030】
「混合する(admix)」、「混合する(ad-mix)」、「共混合する(co-admix)」、「混合された(admixed)」、「共混合された(co-admixed)」、「混合すること(admixing)」、「共混合すること(co-admixing)」という用語、またはその文法的変形形態は、投与前に2つ以上の異なる製剤を混合することを指し、そのため、2つ以上の製剤に対して、注射などの1回のみの投与が実施される。混合は、通常、2つ以上の薬剤を一緒に混合することができる2番目の容器で行うことができ、投与前に、一定時間(通常は、数日未満、例えば、1~3日未満、24時間未満、8時間未満、または4時間未満)保存することができる。
【0031】
「合剤化(coformulation)」、「合剤化する(coformulate)」、「合剤化すること(coformulating)」、「合剤化すること(co-formulating)」、「合剤化された(co-fo rmulated)」、「合剤化する(co-formulate)」、「合剤化(co-formulation)」という用語、またはその文法的変形は、同じ1次包装(経口用量の錠剤、例えば、注射可能薬物用バイアル)内で一緒に製剤化される2つ以上の原薬を指す。2つ以上の原薬が、すでに混合されているので、混合する必要はない。一緒に合剤化された2つ以上の原薬は、長期間、例えば、6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月以上保存することができる。1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を、合剤化に使用することができる。
【0032】
「事前混合する(pre-mix)」という用語は、「混合する(admix)」、「混合すること(admixing)」、「混合された(admixed)」、「合剤化する(coformulate)」、「合剤化された(coformulated)」、「合剤化すること(coformulating)」、「合剤化する(co-formulate)」、「合剤化された(co-formulated)」、「合剤化すること(co-formulating)」、またはそれらの組み合わせを指し得る。
【0033】
「共包装すること」、「共包装する」、「共包装された」という用語、またはその文法的変形形態は、1つの単一の2次包装(パックまたはカートンまたは箱)で一緒に提供される2つ以上の個別包装の製剤を指し;それらは、同時投与されるか、またはされない可能性がある。それらは、混合されるか、または別々に投与され得る。
【0034】
「同時投与(coadministration)」、「同時投与(co-administration)」、「同時投与する(co-admin)」、「同時投与する(coadmin)」、「同時投与された(co-administered)」という用語、または文法的変形形態は、同時に、または投与間の一定時間内に、2つ以上の薬物(別々の製剤中にそれぞれ)を同じ対象に投与することを指す。経口投与の場合、同時投与は、同時に、または投与間の一定時間内(例えば、数秒~数分以内)に対象に実施することができる。注射の場合、同時投与は、対象の同じ注射部位または異なる注射部位に、同時に、または投与間の一定時間内(例えば、数秒~数分または数時間内)に、同じ対象に実施することができる。
【0035】
本明細書で使用される場合、対象に関して「処置すること」という用語は、対象の障害の少なくとも1つの症状を改善することを指す。処置は、障害を治癒すること、改善すること、または少なくとも部分的に改善することであり得る。本明細書で使用される「治療効果」という用語は、方法及び/または組成物により提供される所望のまたは有益な効果を指す。例えば、開示された疾患または状態を処置するための方法は、方法が対象における疾患または状態の少なくとも1つの症状を軽減する場合、治療効果を提供する。
【0036】
本明細書で使用される場合、対象に関して「予防する」という用語は、疾患、状態、または障害の症状または合併症の発症を軽減または排除することを指す。いくつかの実施形態では、症状または合併症は、疾患、状態、または障害にかかりやすい対象において軽減または排除される。本開示のパッチは、そのような疾患、状態、または障害を予防または処置することを可能にする。いくつかの実施形態では、「予防方法」及び「予防処置の方法」は、互換的に使用される。
【0037】
開示の方法
いくつかの実施形態では、本開示は、プロセスを必要とする対象の注射部位反応(ISR)処置または予防するためのプロセスに関し、プロセスは、ステロイド組成物、及び活性薬を含む医薬組成物を注射により対象に投与することを含み、(1)ステロイド組成物及び医薬組成物が、合剤化される;(2)ステロイド組成物が、医薬組成物と混合される;(3)ステロイド組成物が、医薬組成物の注射部位の、もしくはその近傍の同時投与部位で、医薬組成物と共に同時投与される;またはそれらの組み合わせであり、医薬組成物が、注射部位で、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、または皮下注射(SC)により対象に投与される。
【0038】
本開示全体を通して言及される注射部位反応は、注射部位への活性薬を含む医薬組成物の注射により引き起こされるか、誘発されるか、または引き起こされるか、もしくは誘発されると予想され得る。いくつかの実施形態では、活性薬は、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子であるNASである。いくつかの実施形態では、注射部位反応は、医薬組成物を必要としている対象のガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害を処置するための、神経活性ステロイド(NAS)を含む医薬組成物の注射により引き起こされる。
【0039】
いくつかの実施形態では、プロセスは、対象において、医薬組成物の注射により引き起こされるか、または誘発される注射部位反応の予防処置に関する。いくつかの実施形態では、プロセスは、対象においてISRが現れる前に、対象への医薬組成物の注射により引き起こされるか、または誘発されると予想される注射部位反応を予防することに関する。いくつかの実施形態では、プロセスは、それを必要とする対象における、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害の処置に有用な神経活性ステロイド(NAS)の注射により引き起こされるか、または誘導される注射部位反応の予防処置に関する。
【0040】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、注射前に医薬組成物と混合され、注射部位に一緒に投与される。ステロイド組成物及び医薬組成物は、また、治療用組成物を形成するために一緒に事前混合し、1つ以上の注射部位で1回以上の注射により、それを必要とする対象に投与することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、医薬組成物と合剤化され、注射部位に一緒に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、本明細書に開示の治療用組成物を形成するために医薬組成物と合剤化される。ステロイド組成物及び医薬組成物は、本明細書に開示の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と合剤化することができる。医薬組成物と合剤化されたステロイド組成物は、1つ以上の注射部位で、1回以上の注射により、それを必要とする対象に投与することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、本明細書に開示の任意の医薬組成物を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、対象への医薬組成物の投与から0~10日(それらの間の全ての値及び部分範囲を含む)、例えば、0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、または10日、以内に対象に同時投与される。ステロイド組成物は、ISRが対象に現れる前または後に対象に同時投与することができる。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、対象への医薬組成物の投与から0~60分(それらの間の全ての値及び部分範囲を含む)、例えば、0分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、または60分、以内に対象に同時投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物及びステロイド組成物は、同時に投与される、すなわち、互いに0~数秒以内に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、医薬組成物が対象に投与されてから、後10秒~60分、1~60分、5~60分、10~60分、15~60分、20~60分、または40~60分以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、医薬組成物が対象に投与される前または後の0~60分以内に対象に同時投与される。
【0044】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、医薬組成物の注射部位から0~10センチメートル(それらの間の全ての値及び部分範囲を含む)例えば、0センチメートル、1センチメートル、2センチメートル、3センチメートル、4センチメートル、5センチメートル、6センチメートル、7センチメートル、8センチメートル、9センチメートル、または10センチメートル以内にある同時投与部位で対象に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、医薬組成物の注射部位から0~5センチメートル、0~4センチメートル、0~3センチメートル、0~2センチメートル、または0~1センチメートル以内の同時投与部位で対象に投与される。
【0045】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、筋肉内(IM)注射または皮下注射(SC)により対象に同時投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、IM注射により対象に同時投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、SC注射により対象に同時投与される。
【0046】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物、医薬組成物、またはステロイド組成物と医薬組成物の両方は、治療用量または治療量以下の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物及び医薬組成物は、それぞれ、治療用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物及び医薬組成物は、それぞれ、治療量以下の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、治療用量で対象に投与され、医薬組成物は、治療量以下の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、治療量以下の用量で対象に投与され、医薬組成物は、治療用量で対象に投与される。一実施形態では、ステロイド組成物は、治療用量または治療量以下の投薬量で対象に投与される。別の例では、医薬組成物は、治療投薬量または治療量以下の投薬量で対象に投与される。さらに別の例では、ステロイド組成物及び医薬組成物の両方が、それぞれ、それぞれの治療用量またはそれぞれの治療量以下の用量で対象に投与される。
【0047】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、コルチコステロイド組成物である。いくつかの実施形態では、コルチコステロイド組成物は、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン(例えば、Celestone(登録商標)Soluspan(登録商標)、Schering Corporationの商標)、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート(例えば、商品名Decadron-LAで入手可能なもの)、デキサメタゾンナトリウム(例えば、Decadron(登録商標)、PRAGMA PHARMACEUTICALSの商標、またはSolurex(登録商標)、Alexion Pharmaceuticals,Inc.の商標)、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート(例えば、Depo-Medrol(登録商標)で入手可能なもの、Pfizer Inc.の商標)、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド(例えば、Aristospan(登録商標)で入手可能なもの、SANDOZ CANADA INC.の商標)、トリアムシノロンヘキサアセトニド(例えば、商標名Kenalogで入手可能なもの)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるコルチコステロイドを含む。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロンアセタート(例えば、Depo-Medrol(登録商標)で入手可能なもの)、トリアムシノロンアセトニド(Kenalog)、トリアムシノロンヘキサトニド(例えば、Aristospan(登録商標)で入手可能なもの)、デキサメタゾンアセタート(例えば、Decadron-LAのブランド名で入手可能なもの)、デキサメタゾンナトリウム(例えば、Decadron(登録商標)またはSolurex(登録商標)の商標名で入手可能なもの)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。本開示の全体にわたって使用されるように、特定のコルチコステロイドの商標またはブランド名は、非限定例としてのみ使用される。いくつかの実施形態では、コルチコステロイド組成物は、メチルプレドニゾロンを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、対象の体重1キログラム当たりのステロイドが0.01~50mgの範囲の単回用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、対象の体重1キログラム当たりのステロイドが0.01~1mg、0.01~2mg、0.01~4mg、0.01~5mg、0.01~8mg、0.01~10mg、0.01~20mg、0.01~30mg、0.01~40mg、及び0.01~50mgの範囲の単回用量で対象に投与される。
【0049】
いくつかの実施形態では、単回ステロイド用量は、約1mg~約450mgのステロイド、例えば、約1mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mgmg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、または約450mg(それらの間の全ての値及び部分範囲を含む)を含む。ステロイド単回用量は、ステロイド包装単位で包装される。各ステロイド包装単位は、バイアル、アンプル、シリンジ、チューブ、または注射に適した任意の包装形式に包装することができる。1つ以上のステロイド包装単位は、注射に使用される。本明細書で定義されているように、「約1mg~約450mgのステロイド組成物」という用語は、約1mg~約450mgのステロイド、例えば、コルチコステロイドを指す。特定の実施形態では、単回ステロイド用量は、バイアルに包装されるコルチコステロイド約1mg~約450mgを含む。特定の実施形態では、単回ステロイド用量は、バイアルに包装されるDepo-Medrol約1mg~約450mgを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、注射部位のそれぞれに対して10~100mgのステロイド(例えば、コルチコステロイド)を含む単一部位用量で、対象に投与され、医薬組成物は、注射部位のそれぞれに対して30mg~1200mgの活性薬(例えば、NAS)を含む単一部位医薬組成物用量で、対象に投与される。ステロイド組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、一実施形態では、10~100mgのステロイド、別の実施形態では、20~100mg、さらに別の実施形態では、30~100mg、さらに別の実施形態では、40~100mg、さらに別の実施形態では、50~100mg、さらに別の実施形態では、60~100mg、さらに別の実施形態では、70~100mg、さらに別の実施形態では、80~100mg、またはさらに別の実施形態では、90~100mgを含み得る。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、30~40mg、40mg、40~50mg、50mg、50~60mg、60mg、60~70mg、70mg、70~80mg、80mg、80~90mg、90mg、または90~100mgのステロイドを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、一実施形態では、30mg~1200mg、別の実施形態では、40mg~1200mg、さらに別の実施形態では、50~1200mg、さらに別の実施形態では、60~1200mg、さらに別の実施形態では、70~1200mg、さらに別の実施形態では、80~1200mg、さらに別の実施形態では、90~1200mg、さらに別の実施形態では、100~1200mg、さらに別の実施形態では、200~1200mg、さらに別の実施形態では、300~1200mg、さらに別の実施形態では、400~1200mg、さらに別の実施形態では、500~1200mg、さらに別の実施形態では、600~1200mg、さらに別の実施形態では、700~1200mg、さらに別の実施形態では、800~1200mg、さらに別の実施形態では、900~1200mg、さらに別の実施形態では、1000~1200mg、またはさらに別の実施形態では、1100~1200mgの活性薬(例えば、NAS)を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、100~800mg、200~800mg、300~800mg、400~800mg、500~800mg、及び600~800mgの活性薬(例えば、NAS)を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、300mgの活性薬(例えば、NAS)を含む。本明細書で引用される全ての範囲は、包括的である。上述の単一部位ステロイド用量と単一部位医薬組成物用量のいずれかの組み合わせが適切であり得る。いくつかの実施形態では、事前混合された治療用組成物は、ステロイド10~100mg及び活性薬50~1200mgを含む。いくつかの実施形態では、事前混合された治療用組成物は、ステロイド20~40mg及び活性薬200~800mgを含む。単一部位ステロイド用量は、1つ以上の用量単位を使用して投与することができ、単一部位医薬組成物用量は、1つ以上の用量単位を使用して投与することができる。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物の単一部位用量及び医薬組成物の単一部位用量は、それぞれ20mgのステロイド及び300mgの活性薬を含む2回の注射を使用して投与される。
【0051】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物及び医薬組成物は、各注射部位に対して、0.5mL~6mLの範囲の注射量で製剤化される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物及び医薬組成物は、は、各注射部位に対し、一実施形態では、0.5mL~1mL、別の実施形態では、0.5mL~2mL、さらに別の実施形態では、0.5mL~3mL、さらに別の実施形態では、0.5mL~4mL、さらに別の実施形態では、0.5mL~5mL、さらに別の実施形態では、0.5mL~6mL、さらに別の実施形態では、1mL~2mL、さらに別の実施形態では、1mL~3mL、さらに別の実施形態では、1mL~4mL、さらに別の実施形態では、1mL~5mL、さらに別の実施形態では、1mL~6mL、さらに別の実施形態では、2mL~3mL、さらに別の実施形態では、2mL~4mL、さらに別の実施形態では、2mL~5mL、さらに別の実施形態では、2mL~6mL、さらに別の実施形態では、3mL~4mL、さらに別の実施形態では、3mL~5mL、さらに別の実施形態では、3mL~6mLの範囲の注射量で製剤化される。注射量中のステロイド組成物及び医薬組成物は、1つ以上の単位または副容積を使用して投与することができる。いくつかの実施形態では、6mLの注射量が、それぞれ3mLの量を有する2回の注射を使用して投与される。
【0052】
いくつかの実施形態では、ISRは、ワクチン、核酸ワクチン、mRNAワクチン、弱毒化ワクチン、またはウイルスベクターワクチンから選択される医薬組成物により引き起こされるか、または誘導される。いくつかの実施形態では、ISRは、抗生物質、化学療法薬、神経活性ステロイド、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)阻害薬、生物学的製剤、または抗体薬物を含む医薬組成物により引き起こされるか、または誘発される。いくつかの実施形態では、抗体薬物は、アダリムマブ、イセキズマブ、セクキヌマブ、またはウステキヌマブである。いくつかの実施形態では、化学療法薬は、ブレオマイシン、CABENUVA(カボテグラビル及びリルピビリン徐放性注射用懸濁液)、カボテグラビル、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU(登録商標))、シスプラチン、クラドリビン(ロイスタチン(登録商標))、ダカルバジン(DTIC-Dome(登録商標))、ダウノルビシン(Cerubidine(登録商標))、デニロイキンジフチトクス、ドラセトロン(Anzemet(登録商標))、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、ドキソルビシンリポソーム、エピルビシン(Ellence(登録商標))、エトポシド、フルベストラント(Faslodex(登録商標))、イダルビシン(Idamycin(登録商標))、イホスファミド、インターフェロン(IFN)ベータ、メクロレタミン(Mustargen(登録商標))、マイトマイシン(Mutamycin(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、パクリタキセル(Taxol(登録商標)、Onxal(商標))、パミドロネート(Aredia(登録商標))、ペグフィルグラスチム(Neulasta(登録商標))、プリカマイシン(Mithracin(登録商標))、リルピビリン、ストレプトゾシン(Zanosar(登録商標))、テニポシド(Vumon(登録商標))、チオテパ、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標)、Vincasar(登録商標))、ビノレルビン(Navelbine(登録商標))、神経活性ステロイド(NAS)、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、生物学的製剤は、EMGALITY(ガルカネズマブ-gnlm)であり、いくつかの実施形態では、TNF-α阻害薬は、エタネルセプトである。いくつかの実施形態では、NASは、ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、またはそれらの組み合わせである。
【0053】
いくつかの実施形態では、ISRは、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)、またはその薬学的に許容される塩の注射により引き起こされる、または誘導される。NASは、ガンマアミノ酪酸(GABA)A受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害を処置するために対象に投与することができる。いくつかの実施形態では、CNS障害は、PPDである。
【0054】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、疾患は、ガンマアミノ酪酸(GABA)A受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害であり、CNS障害は、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピックC型病)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)欠損症、産後うつ病(PPD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、難治性てんかん重積状態(RSE)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性抑うつ障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、二次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0055】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)を含む。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)組成物は、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、NASを含む医薬組成物は、表1に提示される組成物である。
【0056】
特定の実施形態では、NASは、ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロンのプロドラッグ、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、NASは、ブレキサノロンのプロドラッグを含む。特定の実施形態では、NASは、ガナキソロンのプロドラッグを含む。特定の実施形態では、NASは、ズラノロンのプロドラッグを含む。いくつかの実施形態では、NASは、例えば、WO2021/174205A1、15~36ページ(これは、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれる)に記載されているプロドラッグNASを個別に、または組み合わせて含む。特定の実施形態では、NASは、(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル)カルボナートを含む。いくつかの実施形態では、NASは、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカルボナートを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、ブレキサノロン結晶形態を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、NAS組成物は、長時間作用型ブレキサノロンであるブレキサノロン水性懸濁液BRII-296を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、対象の体重1キログラム当たり約0.05~50mgのNASを含む単回用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドの単回用量は、対象の体重1キログラム当たり約0.05~50mg、0.1~50mg、0.5~50mg、1~50mg、5~50mg、10~50mg、15~50mg、20~50mg、25~50mg、30~50mg、40~50mg、0.05~40mg、0.05~30mg、0.05~20mg、0.05~10mg、0.05~8mg、0.05~5mg、または0.05~1mgのNASを含む。NASプロドラッグのいずれについても、各NASプロドラッグの量は、分子量及び生物学的有効性に基づいて、それぞれの単回用量の当量に換算することができる。
【0060】
本開示全体を通じて本明細書で使用される体重は、別途明記のない限り、対象の体重を指す。
【0061】
神経活性ステロイド(NAS)は、単回投与用に製剤化及び包装することができる。いくつかの実施形態では、単回用量は、約50mg~1,000mgの神経活性ステロイドである。いくつかの実施形態では、単回用量は、約50mg~約600mgの神経活性ステロイドである。単回用量は、NAS包装単位で包装することができる。いくつかの実施形態では、単回用量は、バイアル、アンプル、チューブ、またはプレフィルドシリンジに包装される。1つ以上のNAS包装単位は、注入用に使用することができる。
【0062】
本開示のプロセスに適している神経活性ステロイドは、対象において、神経活性ステロイド(NAS)を含む医薬組成物の単回投与後に、約30分~6時間で、最大血漿中濃度(Cmax)に到達し、少なくとも約5日間、Cmaxの約5%を超える血漿中濃度を維持するように製剤化することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、開示された医薬組成物は、約5mg/mL~約800mg/mLの濃度の神経活性ステロイドを含む。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド濃度は、少なくとも約5mg/mLである。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド濃度は、最大約800mg/mLである。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド濃度は、約5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約50mg/mL、約5mg/mL~約100mg/mL、約5mg/mL~約200mg/mL、約5mg/mL~約400mg/mL、約5mg/mL~約800mg/mL、約10mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約100mg/mL、約10mg/mL~約200mg/mL、約10mg/mL~約400mg/mL、約10mg/mL~約800mg/mL、約50mg/mL~約100mg/mL、約50mg/mL~約200mg/mL、約50mg/mL~約400mg/mL、約50mg/mL~約800mg/mL、約100mg/mL~約200mg/mL、約100mg/mL~約400mg/mL、約100mg/mL~約800mg/mL、約200mg/mL~約400mg/mL、約200mg/mL~約800mg/mL、または約400mg/mL~約800mg/mLである。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド濃度は、約5mg/mL、約10mg/mL、約50mg/mL、約100mg/mL、約200mg/mL、約400mg/mL、または約800mg/mLである。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド濃度は、約300mg/mLである。
【0064】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドは、少なくとも約10、20、30、40、50、または60日間、Cmaxの約10%、15%、20%、25%、または30%を超える血漿中濃度を維持する。神経活性ステロイドは、一実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの約10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの15%を超える、別の実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの20%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約20日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約20日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約30日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約30日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約40日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約40日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約50日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約50日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間以上Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間以上Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上Cmaxの25%を超える、または、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上Cmaxの35%を超える、血漿中濃度を維持する。特定の一実施形態では、神経活性ステロイドは、少なくとも約30日間、Cmaxの約15%を超える血漿中濃度を維持する。
【0065】
いくつかの実施形態では、Cmaxは、約1ng/mL~約100ng/mLである。いくつかの実施形態では、Cmaxは、少なくとも約1ng/mLである。いくつかの実施形態では、Cmaxは、最大約100ng/mLである。いくつかの実施形態では、Cmaxは、約1ng/mL~約10ng/mL、約1ng/mL~約20ng/mL、約1ng/mL~約40ng/mL、約1ng/mL~約60ng/mL、約1ng/mL~約80ng/mL、約1ng/mL~約100ng/mL、約10ng/mL~約20ng/mL、約10ng/mL~約40ng/mL、約10ng/mL~約60ng/mL、約10ng/mL~約80ng/mL、約10ng/mL~約100ng/mL、約20ng/mL~約40ng/mL、約20ng/mL~約60ng/mL、約20ng/mL~約80ng/mL、約20ng/mL~約100ng/mL、約40ng/mL~約60ng/mL、約40ng/mL~約80ng/mL、約40ng/mL~約100ng/mL、約60ng/mL~約80ng/mL、約60ng/mL~約100ng/mL、または約80ng/mL~約100ng/mLである。いくつかの実施形態では、Cmaxは、約1ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約40ng/mL、約60ng/mL、約80ng/mL、または約100ng/mLである。特定の例では、Cmaxは、20~90ng/mLの範囲にある。
【0066】
いくつかの実施形態では、単回用量は、体重1キログラム当たり3~約5mgの範囲であり、及び/または、神経活性ステロイドは、少なくとも約5日間、約10ng/mLを超える血漿中濃度を維持し得る。特定の実施形態では、神経活性ステロイドは、少なくとも約10、20、30、40、50、または60日間、10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mLを超える血漿中濃度を維持し得る。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドは、一実施形態では、少なくとも約10日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約10日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約20日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約20日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約30日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約30日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約40日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約40日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約50日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約50日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約60日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約60日間以上、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、100ng/mLを超える、血漿中濃度を維持し得る。
さらなる一実施形態では、神経活性ステロイドは、少なくとも約30日間、20ng/mLを超える血漿中濃度を維持し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、筋肉内または皮下注射による医薬組成物の単回投与から約1時間以内に、神経活性ステロイドの約5%~50%未満を放出する。特に、医薬組成物は、筋肉内または皮下注射により対象に投与された医薬組成物の単回投与から約1時間以内に、神経活性ステロイドの、一実施形態では、約5%~50%未満、別の実施形態では、10%~50%、さらに別の実施形態では、25%~50%、さらに別の実施形態では、15%~50%、さらに別の実施形態では、20%~50%、さらに別の実施形態では、30%~50%、さらに別の実施形態では、40%~50%、さらに別の実施形態では、45%~50%、を対象の血漿中に放出し得る。放出のパーセンテージは、測定された神経活性ステロイドの血漿中濃度及び対象に投与される医薬組成物の単回用量中の神経活性ステロイドの総量に基づく。
【0068】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、筋肉内または皮下注射による単回投与の24時間後に、静脈内投与による同用量と比較して、相対的な生物学的利用能(生物学的利用能IM/SC/生物学的利用能IV)約2%~50%を有し得る。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、約2%~約50%である。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、少なくとも約2%である。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、最大約50%である。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、約2%~約5%、約2%~約10%、約2%~約20%、約2%~約30%、約2%~約40%、約2%~約50%、約5%~約10%、約5%~約20%、約5%~約30%、約5%~約40%、約5%~約50%、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、または約40%~約50%である。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、約2%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%である。
【0069】
いくつかの実施形態では、開示された医薬組成物は、少なくとも1つの神経活性ステロイド及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む粒子を含み、神経活性ステロイドが、γアミノ酪酸A型(GABA
A)受容体の陽性調節因子であり、粒子が、約1.5μm~約15μmの範囲の粒径を有する大粒子、及び、約0.2μm~約1.5μmの範囲の粒径を有する小粒子を含み、粒子の約0.01%~約50%が、小粒子であり、粒子の約50%~99.99%が、大粒子である(粒子の総重量に基づく百分率)。医薬組成物の実施形態または例のいずれにおいても、粒子は、本明細書に開示の安定化粒子であり得る。例示的な粒径分布の概略図が、
図1A~
図1Dに示される。
図1A:医薬組成物は、最小量、例えば、1%未満の小粒子及び大部分の大粒子、を含む。
図1B:医薬組成物は、いくつかの小粒子及び大部分の大粒子を含む。
図1C:医薬組成物は、漸増量の小粒子及び大粒子を含む。
図1D:医薬組成物は、同量の小粒子及び大粒子を含む。D50=質量中央径(MMD)、粒子の50%が、所与の直径より小さく、粒子の50%が、所与の直径より大きい。平均大=大粒子の粒径。平均小=小粒子の粒径。さらなる例では、平均粒径は、約3μmであり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、開示された医薬組成物は、薬学的有効量の神経活性ステロイドを含み、神経活性ステロイドが、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子であり;医薬組成物の単回用量が静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、皮下(SC)注射、またはそれらの組み合わせにより対象に投与された後の、約30分~6時間に、神経活性ステロイドが、対象において最大血漿中濃度(Cmax)に達し、少なくとも約5日間、Cmaxの約5%を超える神経活性ステロイドの血漿中濃度を維持し;医薬組成物が、神経活性ステロイドの粒子を含み;粒子が、約1.5μm~約15μmの範囲の粒径を有する大粒子及び約0.2μm~約1.5μmの範囲の粒径を有する小粒子を含み;粒子の約0.01%~約50%が、小粒子であり、粒子の約50%~99.99%が、大粒子である(粒子の総重量に基づく百分率)。
【0071】
いくつかの実施形態では、最大血漿中濃度(Cmax)は、対象由来の検体から測定される。
【0072】
いくつかの実施形態では、粒子は、1.2μm~約6.0μmの範囲のD50を有し得る。D50は、一実施形態では、1.2μm、別の実施形態では、1.3μm、さらに別の実施形態では、1.4μm、さらに別の実施形態では、1.5μm、さらに別の実施形態では、1.6μm、さらに別の実施形態では、1.7μm、さらに別の実施形態では、1.8μm、さらに別の実施形態では、1.9μm、さらに別の実施形態では、2.0μm、さらに別の実施形態では、2.2μm、さらに別の実施形態では、2.4μm、さらに別の実施形態では、2.6μm、さらに別の実施形態では、2.8μm、さらに別の実施形態では、3.0μm、さらに別の実施形態では、3.5μm、さらに別の実施形態では、4.0μm、さらに別の実施形態では、4.5μm、さらに別の実施形態では、5.0μm、さらに別の実施形態では、5.5μm、さらに別の実施形態では、6.0μm、または、さらなる実施形態では、1.2μm~6.0μmの範囲のいずれか1つの値である。
【0073】
開示された医薬組成物の神経活性ステロイドは、テトラヒドロデオキシコルチコステロン(THDOC)、アンドロスタン、アンドロスタン3α-アンドロスタンジオール、コレスタンコレステロール、プレグナン、プレグナンプレグナノロン(エルタノロン)、アロプレグナノロン、ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン(SAGE-217)、またはそれらの組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドは、ブレキサノロンである。
【0074】
いくつかの実施形態では、大粒子は、一実施形態では、2.0~6.0μmの範囲の平均粒径、別の実施形態では、2.0~4.0μmの範囲の平均粒径、さらに別の実施形態では、約3μmの平均粒径、別の実施形態では、3.0~5.0μmの範囲の平均粒径、さらに別の実施形態では、0.4~1.3μmの範囲の平均粒径、さらなる実施形態では、0.5~0.9μmの範囲の平均粒径である。
【0075】
いくつかの実施形態では、対象は、授乳中の泌乳女性であり、疾患は、産後うつ病(PPD)である。泌乳女性は、PPDの処置または予防を必要とする可能性がある。いくつかの実施形態では、泌乳女性は、PPDの処置または予防のために本明細書に開示のNASを投与され、ISRの処置または予防のためにステロイド組成物を同時投与される。上及び下に開示されるNASのいずれもが、好適であり得る。ステロイド組成物は、上及び下に開示されるコルチコステロイドを含む。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、プレドニゾロン、プレドニゾン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロンまたはメチルプレドニゾロンアセタートである。コルチゾンは、母親の血流から乳汁に移行する母乳の正常な構成成分であり、薬理学的量での外因的投与後の母乳の影響は、十分に研究されていない(Drugs and Lactation Database(LactMed)[Internet].Bethesda(MD):National Library of Medicine(US);2006-.Cortisone.[Updated 2018 Oct 31].)。いくつかの研究は、コルチゾン注射が、泌乳女性の疼痛緩和に対し安全で効果的であることも示す(Avci,S.,et al.,J Hand Surg;27A:322-324,2002)。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、注射前にNASと混合され、注射部位に一緒に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、NASと合剤化され、注射部位に一緒に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、NASと合剤化されて、本明細書に開示の治療用組成物を形成する。ステロイド組成物及びNASは、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と合剤化することができる。本明細書に開示の賦形剤が適切である。NASと合剤化されたステロイド組成物は、1つ以上の注射部位で、1回以上の注射により、それを必要とする対象に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、NASが対象に投与される前または後の0~60分以内に、対象に同時投与される。
【0076】
いくつかの実施形態では、対象は、例えば、泌乳中、看護中、または授乳中の女性を含み得る泌乳期にある。対象は、出産後の泌乳期の女性である。対象は、また、誘発された泌乳期の女性であり得る。CDCガイドライン(https://www.cdc.gov/breastfeeding/breastfeeding-special-circumstances/maternal-or-infant-illnesses/postpartum-depression.html)及び最近の研究に基づいて、乳中及び血漿中のアロプレグナノロン(ALLO)濃度は低く、母乳育ちの乳児に対するリスクが低いことと関連している(Hoffmann,et al.,Obstetrics & Gynecology,Volume 133,p 115S,May 2019,and Hoffmann,et al.,American Journal of Obstetrics & Gynecology,S554 Supplement to JANUARY 2019)。
【0077】
さらなる場合では、プロセスは、さらに、治療有効量の1つ以上の治療薬を対象に投与することを含み得る。治療薬は、1つ以上の疼痛管理薬、抗炎症薬、またはそれらの組み合わせを含む。一例では、治療薬は、疼痛管理薬を含む。別の例では、治療薬は、抗炎症薬、例えば、抗ヒスタミン薬、例えば、ジフェンヒドラミン(Benadryl)、プロメタジン(Phenergan)、塩酸ヒドロキシジン(Restall、Vistacot)、またはジメンヒドリナート(Dramamine、Driminate)を含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、経口または注射により対象に投与される。
【0078】
本開示は、また、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害の処置を必要とする対象のガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害を処置するための方法に関連する。方法は、GABAA受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)、またはその薬学的に許容される塩、及びステロイド組成物を対象に注射により投与することを含み得、神経活性ステロイド(NAS)及びステロイド組成物が、例えば、少なくとも1つの注射部位に、筋肉内(IM)注射または皮下注射(SC)により対象に投与される。
【0079】
いくつかの実施形態では、1)ステロイド組成物は、神経活性ステロイド(NAS)と合剤化され、注射により対象に一緒に投与されるか、2)ステロイド組成物は、神経活性ステロイド(NAS)と混合され、注射により、対象に一緒に投与されるか、3)ステロイド組成物は、神経活性ステロイド(NAS)と同時投与されるか、または、4)それらの組み合わせ、である。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、注射前に神経活性ステロイド(NAS)と混合され、注射部位に一緒に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、神経活性ステロイド(NAS)と合剤化され、注射部位に一緒に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、神経活性ステロイド(NAS)が対象に投与される前または後0~60分以内に対象に同時投与される。
【0080】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、注射部位から0~10センチメートル以内にある同時投与部位で対象に同時投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、注射部位から0~5センチメートル、0~4センチメートル、0~3センチメートル、0~2センチメートル、または0~1センチメートル以内にある同時投与部位で対象に投与される。
【0081】
いくつかの実施形態では、CNS障害は、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピックC型病)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)欠損症、産後うつ病(PPD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、難治性てんかん重積状態(RSE)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性抑うつ障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、二次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、またはそれらの組み合わせを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、CNS障害は、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピックC型病)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)欠損症、産後うつ病(PPD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、難治性てんかん重積状態(RSE)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性抑うつ障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、二次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0083】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法で抑うつ障害を処置された対象は、HAM-Dスコアの減少により測定されるように、うつ病の軽減を経験する。HAM-Dは、17項目からなるうつ病評価尺度であり、17項目の合計スコアが0~54の範囲であり、スコアが高いほど、より深刻なうつ病を示す。いくつかの実施形態では、処置後に、対象は、処置前のベースラインスコアと比較したHAM-Dスコアの1~10点(例えば、1点、2点、3点、4点、5点、6点、7点、8点、9点、または10点)の減少を特徴とするうつ病の軽減を経験する。いくつかの実施形態では、HAM-Dスコアは、処置後3、8、15、30、及び45日目に測定される。
【0084】
いくつかの実施形態では、本開示の方法で抑うつ障害を処置された対象は、Montgomery Asbergうつ病評価スケール(MADRS)の減少により測定されるように、うつ病の軽減を経験する。MADRSは、それぞれ0~6で評価される、10項目からなるうつ病評価尺度である。10項目の合計スコアは、0~60の範囲であり、スコアが高いほど、より深刻なうつ病を示す。いくつかの実施形態では、処置後に、対象は、処置前のベースラインスコアと比較したMADRSスコアの1~10点(例えば、1点、2点、3点、4点、5点、6点、7点、8点、9点、または10点)の減少を特徴とするうつ病の軽減を経験する。いくつかの実施形態では、MADRSスコアは、処置後3日目、8日目、15日目、30日目、及び45日目に測定される。
【0085】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0087】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0088】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、ブレキサノロン結晶形態、例えば、ブレキサノロン多形形態Aを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、NASは、長時間作用型ブレキサノロンであるブレキサノロン水性懸濁液BRII-296を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド組成物は、対象の体重1キログラム当たり約0.01~50mgのNASを含む単回用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド組成物は、対象の体重1キログラム当たり、0.01~1mg、0.01~2mg、0.01~4mg、0.01~5mg、0.01~8mg、0.01~10mg、0.01~20mg、0.01~30mg、0.01~40mg、及び0.01~50mgの神経活性ステロイドを含む単回用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、単回用量は、約50mg~1,000mgの神経活性ステロイドを含む。さらなる例では、単回用量は、約50mg~約600mgの神経活性ステロイドを含む。NAS単回用量は、NAS梱包単位で梱包することができる。1つ以上のNAS包装単位は、注入用に使用することができる。
【0091】
本開示の上及び下に開示される全ての範囲及び部分範囲が、好適であり得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、各注射部位に対して10~100mgのステロイド組成物を含む単一部位用量で対象に投与され、医薬組成物は、各注射部位に対して30mg~1200mgの神経活性ステロイドを含む単一部位用量で対象に投与される。ステロイド組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、一実施形態では、10~100mg、別の実施形態では、20~100mg、さらに別の実施形態では、30~100mg、さらに別の実施形態では、40~100mg、さらに別の実施形態では、50~100mg、さらに別の実施形態では、60~100mg、さらに別の実施形態では、70~100mg、さらに別の実施形態では、80~100mg、さらに別の実施形態では、90~100mgである。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、30~40mg、40mg、40~50mg、50mg、50~60mg、60mg、60~70mg、70mg、70~80mg、80mg、80~90mg、90mg、及び90~100mgのステロイド(例えば、コルチコステロイド)を含む。いくつかの実施形態では、単一部位用量は、注射部位当たり、一実施形態では、30mg~1200mg、別の実施形態では、40mg~1200mg、さらに別の実施形態では、50~1200mg、さらに別の実施形態では、60~1200mg、さらに別の実施形態では、70~1200mg、さらに別の実施形態では、80~1200mg、さらに別の実施形態では、90~1200mg、さらに別の実施形態では、100~1200mg、さらに別の実施形態では、200~1200mg、さらに別の実施形態では、300~1200mg、さらに別の実施形態では、400~1200mg、さらに別の実施形態では、500~1200mg、さらに別の実施形態では、600~1200mg、さらに別の実施形態では、700~1200mg、さらに別の実施形態では、800~1200mg、さらに別の実施形態では、900~1200mg、さらに別の実施形態では、1000~1200mg、及びさらに別の実施形態では、1100~1200mgの神経活性ステロイドを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、100~800mg、200~800mg、300~800mg、400~800mg、500~800mg、及び600~800mgの神経活性ステロイドを含む。本明細書で引用される全ての範囲は、包括的である。上述の単一部位ステロイド投薬量及び単一部位NAS投薬量のいずれかの組み合わせが、好適であり得る。いくつかの実施形態では、事前混合された治療用組成物は、ステロイド組成物10~100mg及び神経活性ステロイド50~1200mgを含む。いくつかの実施形態では、事前混合された治療用組成物は、ステロイド組成物20~40mg及び神経活性ステロイド200~800mgを含む。単一部位ステロイド用量は、1つ以上の用量単位を使用して投与することができ、単一部位NAS用量は、本明細書に開示の神経活性ステロイドの1つ以上の用量単位を使用して投与することができる。いくつかの実施形態では、40mgの単一部位用量のステロイド(例えば、コルチコステロイド)及び600mgの単一部位のNAS用量は、それぞれ、20mgのステロイド及び300mgの神経活性ステロイドを含む2回の注射を使用して投与することができる。「mg」という単位で本明細書に記載されるステロイド量は、上及び下で開示されるコルチコステロイドなどのステロイド、及び/または、神経活性ステロイド(NAS)などの他の任意の医薬有効成分(API)の有効用量を指す。本開示全体にわたって本明細書で使用される場合、ステロイド組成物の量、例えば、特定の「ステロイド組成物のmg」は、本明細書に開示のコルチコステロイドなどのステロイドの有効用量の量、すなわち、mg、を指す。本開示全体にわたって本明細書で使用される場合、医薬組成物の量、例えば、特定の「医薬組成物のmg」は、医薬有効成分(API)、例えば、本明細書に開示の神経活性ステロイド(NAS)の、有効用量の量、すなわち、mg、を指す。賦形剤(複数可)の量は、用量、用量、有効用量、単位、量、重量、mg、ng、μg、mg/mL、ng/mL、μg/mLなどの用語のいずれか、または本明細書で使用される他の同様の用語にも含まれないことが理解される。NASプロドラッグのいずれについても、各NASプロドラッグの量は、分子量及び生物学的有効性に基づいて、それぞれの単一部位NAS用量の当量に換算することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、各注射部位に対して10~100mgのステロイドを含む単一部位用量で対象に投与され、医薬組成物は、各注射部位に対して30mg~1200mgの神経活性ステロイド(NAS)を含む単一部位用量で対象に投与される。
【0094】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物及び神経活性ステロイドは、注射部位のそれぞれに対して0.5mL~6mLの範囲の注射量で製剤化される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物及び神経活性ステロイドは、各注射部位に対し、一実施形態では、0.5mL~1mL、別の実施形態では、0.5mL~2mL、さらに別の実施形態では、0.5mL~3mL、さらに別の実施形態では、0.5mL~4mL、さらに別の実施形態では、0.5mL~5mL、さらに別の実施形態では、0.5mL~6mL、さらに別の実施形態では、1mL~2mL、さらに別の実施形態では、1mL~3mL、さらに別の実施形態では、1mL~4mL、さらに別の実施形態では、1mL~5mL、さらに別の実施形態では、1mL~6mL、さらに別の実施形態では、2mL~3mL、さらに別の実施形態では、2mL~4mL、さらに別の実施形態では、2mL~5mL、さらに別の実施形態では、2mL~6mL、さらに別の実施形態では、3mL~4mL、さらに別の実施形態では、3mL~5mL、さらに別の実施形態では、3mL~6mLの範囲の注射量で製剤化される。注射量中のステロイド組成物及び神経活性ステロイドは、1つ以上の単位または副容積を使用して投与することができる。いくつかの実施形態では、6mLの注射量が、それぞれ3mLの量を有する2回の注射を使用して投与される。
【0095】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドは、神経活性ステロイドの単回投与後に、対象において、約30分~6時間、最大血漿中濃度(Cmax)に達し、少なくとも約5日間、Cmaxの約5%を超える血漿中濃度を維持する。
【0096】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドは、約5mg/mL~約800mg/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド濃度は、少なくとも約5mg/mLである。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド濃度は、最大約800mg/mLである。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド濃度は、約5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約50mg/mL、約5mg/mL~約100mg/mL、約5mg/mL~約200mg/mL、約5mg/mL~約400mg/mL、約5mg/mL~約800mg/mL、約10mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約100mg/mL、約10mg/mL~約200mg/mL、約10mg/mL~約400mg/mL、約10mg/mL~約800mg/mL、約50mg/mL~約100mg/mL、約50mg/mL~約200mg/mL、約50mg/mL~約400mg/mL、約50mg/mL~約800mg/mL、約100mg/mL~約200mg/mL、約100mg/mL~約400mg/mL、約100mg/mL~約800mg/mL、約200mg/mL~約400mg/mL、約200mg/mL~約800mg/mL、または約400mg/mL~約800mg/mLである。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド濃度は、約5mg/mL、約10mg/mL、約50mg/mL、約100mg/mL、約200mg/mL、約400mg/mL、または約800mg/mLである。
【0097】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドは、少なくとも約10、20、30、40、50、または60日間、Cmaxの約10%、15%、20%、25%、または30%を超える血漿中濃度を維持するように製剤化される。神経活性ステロイドは、一実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの約10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの15%を超える、別の実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの20%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約20日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約20日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約30日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約30日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約40日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約40日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約50日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約50日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間、Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間、Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、Cmaxの25%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、Cmaxの35%を超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間以上Cmaxの10%を超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間以上Cmaxの15%を超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上Cmaxの25%を超える、または、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上Cmaxの35%を超える、血漿中濃度を維持するように製剤化される。特定の一実施形態では、神経活性ステロイドは、少なくとも約30日間、Cmaxの約15%を超える血漿中濃度を維持し得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドのCmaxは、約1ng/mL~約100ng/mLである。いくつかの実施形態では、Cmaxは、少なくとも約1ng/mLである。いくつかの実施形態では、Cmaxは、最大約100ng/mLである。いくつかの実施形態では、Cmaxは、約1ng/mL~約10ng/mL、約1ng/mL~約20ng/mL、約1ng/mL~約40ng/mL、約1ng/mL~約60ng/mL、約1ng/mL~約80ng/mL、約1ng/mL~約100ng/mL、約10ng/mL~約20ng/mL、約10ng/mL~約40ng/mL、約10ng/mL~約60ng/mL、約10ng/mL~約80ng/mL、約10ng/mL~約100ng/mL、約20ng/mL~約40ng/mL、約20ng/mL~約60ng/mL、約20ng/mL~約80ng/mL、約20ng/mL~約100ng/mL、約40ng/mL~約60ng/mL、約40ng/mL~約80ng/mL、約40ng/mL~約100ng/mL、約60ng/mL~約80ng/mL、約60ng/mL~約100ng/mL、または約80ng/mL~約100ng/mLである。いくつかの実施形態では、Cmaxは、約1ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約40ng/mL、約60ng/mL、約80ng/mL、または約100ng/mLである。特定の例では、Cmaxは、20~90ng/mLの範囲にある。
【0099】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の単回用量は、体重1キログラム当たり3~約5mgのNASを含み、及び/または、神経活性ステロイドは、少なくとも約5日間、約10ng/mLを超える血漿中濃度を維持する。特定の実施形態では、神経活性ステロイドは、少なくとも約10、20、30、40、50、または60日間、10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mLを超える血漿中濃度を維持する。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドは、一実施形態では、少なくとも約10日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約10日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約10日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約20日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約20日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約20日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約30日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約30日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約30日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約40日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約40日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約40日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約50日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約50日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約50日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約60日間、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間、100ng/mLを超える、一実施形態では、少なくとも約60日間以上、10ng/mLを超える、別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、20ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、30ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、40ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、50ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、60ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、70ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、80ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、90ng/mLを超える、さらに別の実施形態では、少なくとも約60日間以上、100ng/mLを超える、血漿中濃度を維持する。
さらなる一実施形態では、神経活性ステロイドは、少なくとも約30日間、20ng/mLを超える血漿中濃度を維持する。
【0100】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、筋肉内または皮下注射による神経活性ステロイドの単回投与から約1時間以内に、神経活性ステロイドの約5%~50%未満を放出する。特に、治療用組成物は、筋肉内または皮下注射により対象に投与される神経活性ステロイドの単回投与から1時間以内に、神経活性ステロイドの、一例では、約5%~50%、別の例では、10%~50%、さらに別の例では、15%~50%、さらに別の例では、20%~50%、さらに別の例では、25%~50%、さらに別の例では、30%~50%、さらに別の例では、40%~50%、さらに別の例では、45%~50%未満を対象の血症中に放出し得る。放出のパーセンテージは、測定された神経活性ステロイドの血漿中濃度、及び対象に投与される神経活性ステロイドの単回用量における神経活性ステロイドの総量に基づく。
【0101】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイドは、静脈内投与による同用量と比較して、筋肉内または皮下注射による単回投与の24時間後に、相対的な生物学的利用能(生物学的利用能IM/SC/生物学的利用能IV)約2%~50%を有する。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、約2%~約50%である。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、少なくとも約2%である。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、最大約50%である。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、約2%~約5%、約2%~約10%、約2%~約20%、約2%~約30%、約2%~約40%、約2%~約50%、約5%~約10%、約5%~約20%、約5%~約30%、約5%~約40%、約5%~約50%、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、または約40%~約50%である。いくつかの実施形態では、相対生物学的利用能は、約2%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%である。
【0102】
いくつかの実施形態では、開示された治療用組成物は、少なくとも1つの神経活性ステロイド及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む粒子を含み、神経活性ステロイドが、γアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子であり、粒子が、約1.5μm~約15μmの範囲の粒度を有する大粒子、及び、約0.2μm~約1.5μmの範囲の粒度を有する小粒子を含み、粒子の約0.01%~約50%(粒子の総重量に基づく百分率)が、小粒子であり、粒子の約50%~99.99%が、大粒子である。神経活性ステロイドの実施形態または例のいずれにおいても、粒子は、本明細書に開示の安定化粒子であり得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、開示された治療用組成物は、薬学的有効量の神経活性ステロイドを含み、神経活性ステロイドが、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子であり;神経活性ステロイドが、神経活性ステロイドの単回用量が、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、皮下(SC)注射、またはそれらの組み合わせにより対象に投与された後の、約30分~6時間に対象において最大血漿中濃度(Cmax)に達し、少なくとも約5日間、Cmaxの約5%を超える神経活性ステロイドの血漿中濃度を維持し;治療用組成物が、神経活性ステロイドの粒子を含み;粒子が、約1.5μm~約15μmの範囲の粒径を有する大粒子及び約0.2μm~約1.5μmの範囲の粒径を有する小粒子を含み;粒子の約0.01%~約50%が、小粒子であり、粒子の約50%~99.99%が、大粒子である(粒子の総重量に基づく百分率)。
【0104】
いくつかの実施形態では、最大血漿中濃度(Cmax)は、対象由来の検体から測定される。いくつかの実施形態では、検体は、対象の血液である。
【0105】
いくつかの実施形態では、粒子は、1.2μm~約6.0μmの範囲のD50を有する。D50は、一実施形態では、1.2μm、別の実施形態では、1.3μm、さらに別の実施形態では、1.4μm、さらに別の実施形態では、1.5μm、さらに別の実施形態では、1.6μm、さらに別の実施形態では、1.7μm、さらに別の実施形態では、1.8μm、さらに別の実施形態では、1.9μm、さらに別の実施形態では、2.0μm、さらに別の実施形態では、2.2μm、さらに別の実施形態では、2.4μm、さらに別の実施形態では、2.6μm、さらに別の実施形態では、2.8μm、さらに別の実施形態では、3.0μm、さらに別の実施形態では、3.5μm、さらに別の実施形態では、4.0μm、さらに別の実施形態では、4.5μm、さらに別の実施形態では、5.0μm、さらに別の実施形態では、5.5μm、さらに別の実施形態では、6.0μm、または、さらなる実施形態では、1.2μm~6.0μmの範囲のいずれか1つの値である。
【0106】
開示された治療用組成物の神経活性ステロイドは、テトラヒドロデオキシコルチコステロン(THDOC)、アンドロスタン、アンドロスタン3α-アンドロスタンジオール、コレスタンコレステロール、プレグナン、プレグナンプレグナノロン(エルタノロン)、アロプレグナノロン、ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン(SAGE-217)、またはそれらの組み合わせを含む。例えば、神経活性ステロイドは、ブレキサノロンであり得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、大粒子は、一実施形態では、2.0~6.0μmの範囲の平均粒径、別の実施形態では、2.0~4.0μmの範囲の平均粒径、さらに別の実施形態では、約3μmの平均粒径、別の実施形態では、3.0~5.0μmの範囲の平均粒径、さらに別の実施形態では、0.4~1.3μmの範囲の平均粒径、さらなる実施形態では、0.5~0.9μmの範囲の平均粒径である。
【0108】
方法のいくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、神経活性ステロイドが対象に投与されてから0~60分以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド及びステロイド組成物は、同時に投与される。
【0109】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド及びステロイド組成物は、対象の注射部位に投与する前に、一緒に混合され、すなわち、混合される。
【0110】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、注射部位から0~10センチメートル以内にある同時投与部位で対象に同時投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、注射部位から0~5センチメートル、0~4センチメートル、0~3センチメートル、0~2センチメートル、または0~1センチメートル以内にある同時投与部位で対象に投与される。
【0111】
いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート(Decadron-LA)、デキサメタゾンナトリウム(Decadron、Solurex)、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート(Depo-Medrol))、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド(Aristospan)、トリアムシノロンアセトニド(Kenalog)、またはそれらの組み合わせを含むコルチコステロイドを含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロンアセタート(Depo-MedROL)、トリアムシノロンアセトニド(Kenalog)、トリアムシノロンヘキサセトニド(Aristospan)、デキサメタゾンアセタート(Decadron-LA)、デキサメタゾンナトリウム(Decadron、Solurex)、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロンアセタート(Depo-Medrol)、トリアムシノロンアセトニド(Kenalog)、トリアムシノロンヘキサセトニド(Aristospan)、デキサメタゾンアセタート(Decadron-LA)、デキサメタゾンナトリウム(Decadron、Solurex)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択することができる。
【0113】
方法のいくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、対象の体重1キログラム当たり0.01~50mgの範囲のステロイド組成物の単一ステロイド用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、対象の体重1kg当たり、0.01~1mg、0.01~2mg、0.01~4mg、0.01~5mg、0.01~8mg、0.01~10mg、0.01~20mg、0.01~30mg、0.01~40mg、及び0.01~50mgの範囲のステロイド組成物のステロイド用量で対象に投与される。
【0114】
方法のいくつかの実施形態では、ステロイド組成物の単回用量は、約10mg~約450mgのステロイドを含む。特定の実施形態では、ステロイド単回投薬量は、1つ以上のステロイド包装単位を含む。
【0115】
方法のいくつかの実施形態では、神経活性ステロイド及びステロイド組成物は、対象に投与する前に一緒に混合される。
【0116】
いくつかの実施形態では、対象は、授乳中の泌乳女性であり、疾患は、産後うつ病(PPD)であり、コルチコステロイドは、本明細書に開示の任意のコルチコステロイドから選択される。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、プレドニゾロン、プレドニゾン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0117】
本開示の治療用組成物
いくつかの実施形態では、本開示は、注射部位反応(ISR)を処置または予防することを必要とする対象における注射部位反応(ISR)を処置または予防するための治療用組成物に関する。さらなる実施形態では、本開示は、中枢神経系(CNS)障害の処置をすることを必要とする対象の中枢神経系(CNS)障害を処置するための治療用組成物に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、中枢神経系(CNS)障害を処置し、注射部位反応(ISR)を予防することを必要とする対象の中枢神経系(CNS)障害を処置し、注射部位反応(ISR)を予防するための治療用組成物に関する。
【0118】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の治療用組成物は、(i)ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)、またはその薬学的に許容される塩もしくは組成物、(ii)ステロイド組成物、及び、(iii)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、または皮下注射(SC)用に製剤化される。
【0120】
治療用組成物は、対象の中枢神経系(CNS)障害を処置し、注射部位反応(ISR)を予防するために製剤化される。
【0121】
いくつかの実施形態では、NASを含む医薬組成物は、水性組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、水性懸濁液組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、表1に提示される水性懸濁液組成物である。
【0122】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、注射部位のそれぞれに対して10~100mgのステロイドを含む単一部位用量、及び注射部位のそれぞれに対して30mg~1200mgの神経活性ステロイドを含む単一部位用量で、対象に投与されるように製剤化される。ステロイド組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、一実施形態では、10~100mgのステロイド、別の実施形態では、20~100mg、さらに別の実施形態では、30~100mg、さらに別の実施形態では、40~100mg、さらに別の実施形態では、50~100mg、さらに別の実施形態では、60~100mg、さらに別の実施形態では、70~100mg、さらに別の実施形態では、80~100mg、さらに別の実施形態では、90~100mgを含む。いくつかの実施形態では、ステロイド組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、30~40mg、40mg、40~50mg、50mg、50~60mg、60mg、60~70mg、70mg、70~80mg、80mg、80~90mg、90mg、及び90~100mgのステロイドを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、一実施形態では、30mg~1200mg、別の実施形態では、40mg~1200mg、さらに別の実施形態では50~1200mg、さらに別の実施形態では、60~1200mg、さらに別の実施形態では、70~1200mg、さらに別の実施形態では、80~1200mg、さらに別の実施形態では、90~1200mg、さらに別の実施形態では、100~1200mg、さらに別の実施形態では、200~1200mg、さらに別の実施形態では、300~1200mg、さらに別の実施形態では、400~1200mg、さらに別の実施形態では、500~1200mg、さらに別の実施形態では600~1200mg、さらに別の実施形態では、700~1200mg、さらに別の実施形態では、800~1200mg、さらに別の実施形態では、900~1200mg、さらに別の実施形態では、1000~1200mg、さらに別の実施形態では、1100~1200mgの神経活性ステロイドを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物の単一部位用量は、注射部位当たり、100~800mg、200~800mg、300~800mg、400~800mg、500~800mg、及び600~800mgの神経活性ステロイドを含む。本明細書で引用される全ての範囲は、包括的である。上述の単一部位ステロイド用量及び単一部位NAS用量のいずれかの組み合わせが、好適である。いくつかの実施形態では、事前混合された治療用組成物は、ステロイド組成物10~100mg及び神経活性ステロイド50~1200mgを含む。いくつかの実施形態では、事前混合された治療用組成物は、ステロイド組成物20~40mg及び神経活性ステロイド200~800mgを含む。単一部位ステロイド用量は、1つ以上の用量単位を使用して投与することができ、単一部位NAS用量は、本明細書に開示の神経活性ステロイドの1つ以上の用量単位を使用して投与することができる。いくつかの実施形態では、40mgの単一部位ステロイド用量のステロイド及び600mgの単一部位NAS用量が、それぞれ20mgのステロイド及び300mgの神経活性ステロイドを含む2回の注射を使用して投与される。本明細書で使用される重量単位「mg」は、本明細書に開示のコルチコステロイドなどのステロイド及び神経活性ステロイド(NAS)などの医薬有効成分(API)の有効用量を指す。
【0123】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、注射部位のそれぞれに対して0.5mL~6mLの範囲の注射量で製剤化される。いくつかの実施形態では、治療用組成物は、各注射部位に対して、一例では、0.5mL~1mL、別の例では、0.5mL~2mL、さらに別の例では、0.5mL~3mL、さらに別の例では、0.5mL~4mL、さらに別の例では、0.5mL~5mL、さらなる例では、0.5mL~6mL、さらに別の例では、1mL~2mL、さらに別の例では、1mL~3mL、さらに別の例では、1mL~4mL、さらに別の例では、1mL~5mL、さらに別の例では、1mL~6mL、さらに別の例では、2mL~3mL、さらに別の例では、2mL~4mL、さらに別の例では、2mL~5mL、さらに別の例では、2mL~6mL、さらに別の例では、3mL~4mL、さらに別の例では、3mL~5mL、及び、さらに別の例では、3mL~6mLの範囲の注射量で製剤化することができる。注射量中の治療用組成物は、1つ以上の単位または副容積を使用して投与することができる。非限定例では、6mLの注射量は、それぞれ3mLの量を有する2回の注射を使用して投与することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピック病C型)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、産後うつ病(PPD)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性うつ病性障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、2次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、またはそれらの組み合わせを含むCNS障害を処置するために製剤化される。
【0125】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピック病C型)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、産後うつ病(PPD)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性うつ病性障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、2次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるCNS障害を処置するために製剤化される。
【0126】
治療用組成物のいくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせを含む。
【0127】
治療用組成物のいくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0128】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、本明細書に開示の任意の医薬組成物を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)は、本明細書に開示のブレキサノロン結晶形態を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、NASは、長時間作用型ブレキサノロンであるブレキサノロン水性懸濁液BRII-296を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、治療用包装単位当たり約50mg~1,000mgの神経活性ステロイドのNAS単回用量の神経活性ステロイドを含む。いくつかの実施形態では、NAS単回用量は、治療用包装単位当たり約50mg~約600mgの範囲の神経活性ステロイドであり得る。
【0132】
治療用組成物は、神経活性ステロイドが、対象において、神経活性ステロイドの単回投与後に、約30分~6時間で、最大血漿中濃度(Cmax)に到達し、少なくとも約5日間、Cmaxの約5%を超える血漿中濃度を維持するように製剤化することができる。
【0133】
治療用組成物のいくつかの実施形態では、ステロイド組成物は、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート(例えば、Decadron-LA)、デキサメタゾンナトリウム(例えば、DecadronまたはSolurex)、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート(例えば、Depo-Medrol)、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド(例えば、Aristospan)、トリアムシノロンアセトニド(例えば、Kenalog)、またはそれらの組み合わせを含むコルチコステロイドを含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロンアセタート(例えば、Depo-Medrol)、トリアムシノロンアセトニド(例えば、Kenalog)、トリアムシノロンヘキサセトニド(例えば、Aristospan)、デキサメタゾンアセタート(例えば、Decadron-LA)、デキサメタゾンナトリウム(例えば、DecadronまたはSolurex)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0135】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、注射前にNASと、コルチコステロイドのうちの1つ以上とを事前混合することにより製剤化される。いくつかの実施形態では、治療用組成物は、対象における神経活性ステロイドの注射により引き起こされるか、または誘発される注射部位反応の予防処置のために製剤化される。
【0136】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、注射前に長時間作用型ブレキサノロンと、コルチコステロイドのうちの1つ以上とを事前混合することにより製剤化される。いくつかの実施形態では、治療用組成物は、BRII-296などの長時間作用型ブレキサノロンを、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート(例えば、Decadron-LA)、デキサメタゾンナトリウム(例えば、DecadronまたはSolurex)、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート(例えば、Depo-Medrol)、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド(例えば、Aristospan)、トリアムシノロンアセトニド(例えば、Kenalog)、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上と事前混合することにより製剤化される。
【0137】
治療用組成物は、治療用包装単位当たりのステロイド組成物約10mg~約450mgの範囲のステロイド単回投薬量でステロイド組成物を含むように製剤化することができる。各単位は、バイアル、アンプル、シリンジ、チューブ、または注射に適した任意の包装形式に包装することができる。
【0138】
特定の実施形態では、治療用組成物は、治療用包装単位当たりのステロイド組成物約10mg~約450mg及び神経活性ステロイド約50mg~1,000mgの範囲のステロイド組成物を含むように製剤化される。
【0139】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、授乳中の泌乳女性の産後うつ病(PPD)の処置または予防のために製剤化される。
【0140】
本明細書に開示の治療用組成物は、ステロイド、例えば、コルチコステロイドを含むステロイド組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、本明細書に開示のコルチコステロイドのいずれかである。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、プレドニゾロン、プレドニゾン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0141】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、対象における中枢神経系(CNS)障害を処置し、重度の注射部位反応(ISR)を予防するために製剤化される。いくつかの実施形態では、治療用組成物は、注射部位のそれぞれに対して10~100mgのステロイド組成物の範囲の単一部位ステロイド用量で製剤化されたステロイド組成物、及び、注射部位のそれぞれに対して30mg~1200mgの神経活性ステロイドの範囲の単一部位NAS用量の神経活性ステロイド(NAS)を含む。上述の投薬量範囲及び部分範囲が、好適であり得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、注射部位のそれぞれに対して0.5mL~6mLの範囲の注射量でステロイド組成物及び神経活性ステロイドを含む。上述の量範囲及びサブ範囲が、好適であり得る。
【0143】
明示的に反対の記載がない限り、本明細書に引用される全ての範囲は、包括的である。
【0144】
本発明の医薬組成物及び治療用組成物に適した賦形剤は、界面活性剤、乳化剤、充填剤、担体、等張化剤、分散剤、粘度調整剤、再懸濁剤、緩衝剤、またはそれらの組み合わせを含む。
【0145】
薬学的に許容される賦形剤の例としては、薬学的界面活性剤、乳化剤、充填剤、担体、等張化剤、分散剤、粘度調整剤、再懸濁剤、緩衝剤、またはそれらの組み合わせが挙げられる。医薬品賦形剤は、通常、医薬有効成分(API)とも呼ばれる医薬または薬物の有効成分の特性を有さず、通常、有効成分の製造プロセスもしくは包装を合理化するために、またはAPIを患者もしくは他の対象に送達するために使用される。米国FDAから入手可能な非有効成分データベース(https://www.fda.gov/drugs/drug-approvals-and-databases/inactive-ingredients-database-download)の薬学的に許容される担体、賦形剤、または非有効成分が、好適であり得る。米国FDAのGRAS物質(SCOGS)データベース(https://www.fda.gov/food/generally-recognized-safe-gras/gras-substances-scogs-database)から入手可能な一般に安全と認められる(GRAS)食品物質のいくつかが好適でもあり得る。
【0146】
本開示の実施形態では、薬学的に許容される担体は、アカシア、動物油、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ステアリン酸カルシウム、カルボマー、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、シクロデキストリン、デキストロース、ジエタノールアミン、乳化ワックス、エチレングリコールパルミトステアラート、グリセリン、グリセリンモノステアラート、グリセロールステアラート、グリセリルモノオレアート、グリセリルモノステアラート、水和物、ヒスチジン、塩酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPBCD)、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))、ラノリン、ラノリンアルコール、レシチン、中鎖トリグリセリド、金属石鹸、メチルセルロース、鉱油、一塩基性リン酸ナトリウム、モノエタノールアミン、オレイン酸、ポリエチレングリコール(PEG 3350、PEG 4000、PEG 6000)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアラート、ポリソルベート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート(Tween 20、ポリソルベート20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート(Tween 80、ポリソルベート80)、ポビドン、プロピレングリコールアルギナート、生理食塩水、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、水酸化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、ソルビタンエステル、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ヒマワリ油、トラガカント、トリエタノールアミン、植物油、水、キサンタンガム、またはそれらの組み合わせを含む。
【0147】
さらなる実施形態では、薬学的に許容される担体は、デキストロース、グリセリン、ヒスチジン、塩酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPBCD)、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート(Tween 20、ポリソルベート 20)、ポリエチレングリコール(PEG 3350、PEG 4000、PEG 6000)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー188、ポロキサマー407)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート(Tween 80、ポリソルベート80)、生理食塩水、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、ラウリル硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム一塩基性、リン酸ナトリウム二塩基性、またはそれらの組み合わせを含む。
【0148】
GABA調節に関連するさらなる例示的なCNS状態としては、睡眠障害(例えば、不眠症)、気分障害(例えば、うつ病、気分変調性障害(例えば、軽度のうつ病)、双極性障害(例えば、I及び/またはII)、不安障害(例えば、全般性不安障害(GAD)、社会不安障害)、ストレス、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、強迫神経障害(例えば、強迫性障害(OCD)))、統合失調症スペクトラム障害(例えば、統合失調症、統合失調感情障害)、けいれん性障害(例えば、てんかん(例えば、てんかん重積状態(SE))、発作)、記憶及び/または認知の障害(例えば、注意障害(例えば、注意欠陥・多動性障害(ADHD))、認知症(例えば、アルツハイマー型認知症、ルイス小体型認知症、脳血管性認知症)、運動障害(例えば、ハンチントン病、パーキンソン病)、パーソナリティ障害(例えば、反社会性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害)、自閉症スペクトラム障害(ASD)(例えば、自閉症、シナプトパチーなどの自閉症の単一遺伝的原因、例えば、レット症候群、脆弱X症候群、アンジェルマン症候群)、疼痛(例えば、神経障害性疼痛、傷害関連疼痛症候群、急性疼痛、慢性疼痛)、外傷性脳損傷(TBI)、血管疾患(例えば、脳卒中、虚血、血管奇形)、薬物乱用障害及び/もしくは離脱症候群(例えば、アヘン剤、コカイン、及び/もしくはアルコールへ中毒)、耳鳴り、またはそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0149】
本明細書に開示の処置方法では、疾患は、睡眠障害、不眠症、気分障害、うつ病、気分変調性障害、軽度のうつ病、双極性障害、不安障害、全般性不安障害(GAD)、社会不安障害、ストレス、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、強迫神経障害、強迫性障害(OCD)、統合失調症スペクトラム障害、統合失調症、統合失調感情障害、けいれん性障害、てんかん、てんかん重積状態(SE)、発作、記憶及び/または認知の障害、注意障害、注意力欠陥多動性障害(ADHD)、認知症、アルツハイマー型認知症、ルイス小体型認知症、脳血管性認知症、運動障害、ハンチントン病、パーキンソン病、パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、自閉症、自閉症の単一遺伝的原因、シナプトパチー、レット症候群、脆弱X症候群、アンジェルマン症候群、神経障害性疼痛、傷害関連疼痛症候群、急性疼痛、慢性疼痛、外傷性脳損傷(TBI)、血管疾患、脳卒中、虚血、血管奇形、薬物乱用障害及び/もしくは離脱症候群、アヘン剤中毒、コカイン中毒、アルコール中毒、耳鳴り、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0150】
特定の実施形態では、疾患は、不安、重度のうつ病性障害、産後障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん、局所発症発作、PCDH19小児てんかん、小児遺伝性てんかん、CDKL5欠損症(CDD)、月経てんかん、乳児けいれん、脆弱X症候群、うつ病、産後うつ病、または月経前症候群から選択される。
【0151】
特定の実施形態では、神経活性ステロイド(NAS)の筋肉内(IM)注射を受けている患者における注射部位反応(ISR)を予防または軽減するための方法が本明細書で提供され、方法は、(a)ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害を処置するために、IM注射により患者にNASを投与すること;及び、(b)ステップ(a)で生じるISRを予防または軽減するために、IM注射により患者にコルチコステロイドを投与すること、を含む。いくつかの実施形態では、2回のIM注射が患者に投与される。
【0152】
いくつかの実施形態では、NASは、ブレキサノロンである。特定の実施形態では、NASは、水性製剤で患者に投与される。いくつかの実施形態では、水性製剤は、NAS粒子の懸濁液を含む。特定の実施形態では、水性製剤は、ブレキサノロン粒子の懸濁液を含む。特定の実施形態では、ブレキサノロン粒子は、1μm~6μmのDv50の粒径分布を有する。特定の実施形態では、ブレキサノロン粒子は、約3μmのDv50を有する。特定の実施形態では、ブレキサノロン粒子は、3μm~12μmのDv90を有する。特定の実施形態では、ブレキサノロン粒子は、約6μmのDv90を有する。
【0153】
いくつかの実施形態では、NASは、ブレキサノロン粒子の懸濁液及び1つ以上の賦形剤を含む水性製剤で投与される。いくつかの実施形態では、1つ以上の賦形剤は、PEG3350、ポリソルベート80、マンニトール、クエン酸ナトリウム、及び/またはクエン酸を含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、ステップ(a)及びステップ(b)は、別々のIM注射として実施される。いくつかの実施形態では、ステップ(a)及びステップ(b)は、例えば、NAS及びコルチコステロイドが混合物中にあり、1回以上のIM注射により患者に投与される場合、同時に実施される。
【0155】
特定の実施形態では、NAS及びコルチコステロイドは、単一のIM注射における混合物として患者に投与される。いくつかの実施形態では、NAS及びコルチコステロイドは、混合物として患者に2回のIM注射で投与される。いくつかの実施形態では、NAS及びコルチコステロイドは、混合物として2回のIM注射で患者に投与され、各注射は、約2mL~約4mLの量を有する。いくつかの実施形態では、NAS及びコルチコステロイドは、混合物として2回のIM注射で患者に投与され、各注射は、約3mLの量を有する。
【0156】
特定の実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロンまたはその塩(例えば、メチルプレドニゾロンアセタート)である。
【0157】
いくつかの実施形態では、NAS及びコルチコステロイドは、NASとして結晶性ブレキサノロン粒子(例えば、ブレキサノロン多形形態A)、及びコルチコステロイドとしてメチルプレドニゾロンまたはその塩(例えば、メチルプレドニゾロンアセタート)の懸濁液を含む水性製剤として患者に投与される。
【0158】
特定の実施形態では、ブレキサノロン粒子及びメチルプレドニゾロンまたはその塩(例えば、メチルプレドニゾロンアセタート)を含む水性製剤を筋肉内または皮下注射によりPPD患者に投与することを含む、PPD患者の抑うつ症状を軽減するための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、2回のIMまたはSC注射が、患者に投与される。
【0159】
特定の実施形態では、ブレキサノロン粒子及びメチルプレドニゾロンまたはその塩(例えば、メチルプレドニゾロンアセタート)を含む水性製剤を筋肉内または皮下注射によりMDD患者に投与することを含む、MDD患者の抑うつ症状を軽減するための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、2回のIMまたはSC注射が、患者に投与される。
【0160】
いくつかの実施形態では、本方法は、また、IMまたはSC注射を受ける対象におけるISRを処置または予防する。
【0161】
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、患者に投与されるブレキサノロンの量は、約300mg~約700mgであり、患者に投与されるメチルプレドニゾロンアセタートの量は、約20mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、患者に投与されるブレキサノロンの量は、約400、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、620、または640mgであり、患者に投与されるメチルプレドニゾロンアセタートの量は、約30、40、50、60、70、80、または90mgである。いくつかの実施形態では、投与されるブレキサノロンの量は、約500mg~約600mgであり、患者に投与されるメチルプレドニゾロンアセタートの量は、約40mg~約80mgである。いくつかの実施形態では、患者に投与されるブレキサノロンの量は、約600mgであり、患者に投与されるメチルプレドニゾロンアセタートの量は、約40mgである。いくつかの実施形態では、患者に投与されるブレキサノロンの量は、約600mgであり、患者に投与されるメチルプレドニゾロンアセタートの量は、約80mgである。ブレキサノロン及びメチルプレドニゾロンアセタートの量は、例えば、組み合わせ組成物(例えば、混合物)として投与するか、または別の例として、別々に投与することができる。さらに、ブレキサノロン及びメチルプレドニゾロンアセタートが組み合わせ組成物(例えば、混合物)として投与されるいくつかの実施形態では、組み合わせを、単回注射として投与することができる。他の実施形態では、組み合わせ中のブレキサノロン及びメチルプレドニゾロンアセタートの量は、患者に2回以上の注射で(例えば、分割用量で)投与される。特定の実施形態では、組み合わせにおけるブレキサノロン及びメチルプレドニゾロンアセタートの量は、2回の注射で患者に投与され、それぞれは、等量のブレキサノロン及びメチルプレドニゾロンを含む。
【0162】
本開示は、さらに、疾患の処置用の薬品を製造するための神経活性ステロイド及びステロイド組成物の使用に関し、疾患が、GABA調節に関連するCNS状態、睡眠障害、不眠症、気分障害、うつ病、気分変調性障害、軽度のうつ病、双極性障害、不安障害、全般性不安障害(GAD)、社会不安障害、ストレス、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、強迫神経障害、強迫性障害(OCD)、統合失調症スペクトラム障害、統合失調症、統合失調感情障害、けいれん性障害、てんかん、てんかん重積状態(SE)、発作、記憶及び/または認知の障害、注意障害、注意力欠陥多動性障害(ADHD)、認知症、アルツハイマー型認知症、ルイス小体型認知症、脳血管性認知症、運動障害、ハンチントン病、パーキンソン病、パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、自閉症、自閉症の単一遺伝的原因、シナプトパチー、レット症候群、脆弱X症候群、アンジェルマン症候群、神経障害性疼痛、傷害関連疼痛症候群、急性疼痛、慢性疼痛、外傷性脳損傷(TBI)、血管疾患、脳卒中、虚血、血管奇形、薬物乱用障害及び/もしくは離脱症候群、アヘン剤中毒、コカイン中毒、アルコール中毒、耳鳴り、またはそれらの組み合わせを含む。
【0163】
本明細書に開示の神経活性ステロイド及びステロイド組成物は、好適であり得る。本明細書で開示されるような、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)、またはその薬学的に許容される塩、ステロイド組成物、及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む治療用組成物が、好適であり得る。本開示の上及び下に開示される全ての範囲及び部分範囲が、好適であり得る。
【0164】
本開示は、さらに、コルチコステロイドを含むステロイド組成物及び医薬組成物を含むキットに関し、ステロイド組成物及び医薬組成物は、それぞれ、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、または皮下注射(SC)用に製剤化される。
【0165】
いくつかの実施形態では、キットは、約1mg~約450mgのコルチコステロイドを含む少なくとも1つのステロイド包装単位、及び医薬組成物の少なくとも1つの包装単位を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、キットは、それぞれ、約20mg~約40mgのコルチコステロイドを含む少なくとも2つのステロイド梱包単位を含む。特定の実施形態では、ステロイド包装単位のそれぞれは、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、トリアムシノロンアセトニド、及びそれらの組み合わせから選択されるコルチコステロイド20mg~40mgを含む。
【0167】
特定の実施形態では、医薬組成物は、ワクチン、核酸ワクチン、mRNAワクチン、弱毒化ワクチン、ウイルスベクターワクチン、抗生物質、生物学的製剤、抗体薬物、アダリムマブ、エタネルセプト、イキキズマブ、セクキヌマブ、ウステキヌマブ、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)阻害薬エタネルセプト、化学療法薬、ブレオマイシン、CABENUVA(カボテグラビル及びリルピビリン徐放性注射用懸濁液)、カボテグラビル、カルボプラチン、カルムスチン、シスプラチン、クラドリビン、カカルバジン(cacarbazine)、ダウノルビシン、デニロイキンジフチトクス、ドラセトロン(dolasetrone)、ドキソルビシン、ドキソルビシンリポソーム、EMGALITY(ガルカネズマブ-gnlm)、エピルビシン、エトポシド、フルベストラント、イダルビシン、イフォスファミド、インターフェロン(IFN)ベータ、メクロレタミン、マイトマイシン、ミトキサントロン、パクリタキセル、パミドロネート、ペグフィルグラスチム、プリカマイシン、リルピビリン、ストレプトゾシン、テニポシド、チオテパ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、神経活性ステロイド(NAS)、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0168】
特定の実施形態では、医薬組成物は、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される神経活性ステロイド(NAS)を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、キットは、約1mg~約450mgのコルチコステロイドを含む少なくとも1つのステロイド包装単位、及び、約50mg~1,000mgの神経活性ステロイドを含む少なくとも1つのNAS包装単位を含む。特定の実施形態では、キットは、約20mg~約40mgのコルチコステロイドを含む少なくとも1つのステロイド包装単位、及び、約300mg~800mgの神経活性ステロイドを含む少なくとも1つのNAS包装単位を含む。特定の実施形態では、キットは、約20mg~約40mgのコルチコステロイドをそれぞれが含む少なくとも2つのステロイド包装単位、及び、約300mg~800mgの神経活性ステロイドを含む少なくとも1つのNAS包装単位を含む。上述のコルチコステロイド及び神経活性ステロイドが、好適であり得る。コルチコステロイド及び神経活性ステロイドの上述の投薬量範囲が、好適であり得る。
【0170】
特定の実施形態では、キットは、さらに、ステロイド組成物及び医薬組成物を混合するための、滅菌バイアル、滅菌チューブ、滅菌シリンジ、滅菌バッグ、またはそれらの組み合わせから選択される混合装置を含み得る。ステロイド組成物及び医薬組成物は、注射により対象に投与する前に、混合装置内で混合することができる。特定の実施形態では、2つ以上のステロイド包装単位、例えば、神経活性ステロイドを含むNAS包装単位が、医薬組成物と一緒に混合される。
【0171】
開示の番号付きの実施形態
1.注射部位反応(ISR)を処置または予防することを必要とする対象における、注射部位反応(ISR)を処置または予防するプロセスであって、該プロセスが、コルチコステロイド組成物及び神経活性ステロイド(NAS)を含む医薬組成物を注射により対象に投与すること、を含み、
(i)該コルチコステロイド組成物が、該医薬組成物と合剤化され、
(ii)該コルチコステロイド組成物が、該医薬組成物と混合され、
(iii)該コルチコステロイド組成物が、該医薬組成物の該注射部位もしくはその近傍の同時投与部位で、該医薬組成物と同時投与され、
またはそれらの組み合わせであり、
該医薬組成物が、該注射部位で、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、または皮下注射(SC)により該対象に投与される、プロセス。
【0172】
2.コルチコステロイド組成物が、コルチココルチコステロイド組成物である、実施形態1に記載のプロセス。
【0173】
3.コルチコステロイド組成物及び医薬組成物が、少なくとも1つの注射部位で注射により投与される、実施形態1または2に記載のプロセス。
【0174】
4.該コルチコステロイド組成物が、注射前に、該医薬組成物と混合され、該注射部位に一緒に投与される、実施形態1または2に記載のプロセス。
【0175】
5.該コルチコステロイド組成物が、該医薬組成物と共に合剤化され、該注射部位に一緒に投与される、実施形態1または2に記載のプロセス。
【0176】
6.該コルチコステロイド組成物が、該医薬組成物の該対象への投与から0~60分で、該対象に同時投与される、実施形態1~3のいずれか1つに記載のプロセス。
【0177】
7.該コルチコステロイド組成物が、該注射部位から0~5センチメートルにある該同時投与部位で、該対象に同時投与される、実施形態5に記載のプロセス。
【0178】
8.該コルチコステロイド組成物及び/または該医薬組成物が、それぞれ、治療用量で該対象に投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載のプロセス。
【0179】
9.該コルチコステロイド組成物及び/または該医薬組成物が、治療量以下の用量で該対象に投与される、実施形態1~7のいずれか1つに記載のプロセス。
【0180】
10.該コルチコステロイド組成物が、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、トリアムシノロンアセトニド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるコルチコステロイドを含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0181】
11.該コルチコステロイドが、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、プレドニゾロン、プレドニゾン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態10に記載のプロセス。
【0182】
12.該コルチコステロイドが、メチルプレドニゾロンアセタート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態10に記載のプロセス。
【0183】
13.該コルチコステロイド組成物が、該対象の体重1キログラム当たり0.01~50mgの該ステロイドを含む単回用量で、該対象に投与される、実施形態1~12のいずれか1つに記載のプロセス。
【0184】
14.該コルチコステロイド組成物が、該対象の体重1キログラム当たり0.01~2mgの該ステロイドを含む単回用量で、該対象に投与される、実施形態1~12のいずれか1つに記載のプロセス。
【0185】
15.該コルチコステロイド組成物の用量が、約1mg~約450mgの該ステロイドを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載のプロセス。
【0186】
16.該コルチコステロイド組成物が、該注射部位のそれぞれに対して10~100mgの該ステロイドを含む用量で該対象に投与され、該医薬組成物が、30mg~1200mgの該活性薬を含む用量で該対象に投与される、実施形態1~8のいずれか1つに記載のプロセス。
【0187】
17.該コルチコステロイド組成物及び該医薬組成物が、0.5mL~6mLの範囲の単一注射量で製剤化される、実施形態16に記載のプロセス。
【0188】
18.該ISRが、神経活性ステロイド(NAS)を含む該医薬組成物により引き起こされるか、または誘発される、実施形態1~17のいずれか1つに記載のプロセス。
【0189】
19.神経活性ステロイドを含む該医薬組成物が、該対象の体重1キログラム当たり約0.05~50mgの該NASを含む単回用量で、該対象に投与される、実施形態1~18のいずれか1つに記載のプロセス。
【0190】
20.該単回用量が、約50mg~1,000mgの該神経活性ステロイドを含む、実施形態19に記載のプロセス。
【0191】
21.該単回用量が、約50mg~約600mgの該神経活性ステロイドを含む、実施形態19に記載のプロセス。
【0192】
22.該神経活性ステロイドが、該対象において、該医薬組成物の単回投与後、約30分~6時間で、最大血漿中濃度(Cmax)に到達し、少なくとも約5日間、該Cmaxの約5%を超える血漿中濃度を維持する、実施形態1~21のいずれか1つに記載のプロセス。
【0193】
23.該神経活性ステロイド(NAS)が、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態1~23のいずれか1つに記載のプロセス。
【0194】
24.該神経活性ステロイド(NAS)が、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態1~23のいずれか1つに記載のプロセス。
【0195】
25.神経活性ステロイドを含む該医薬組成物が、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピックC型病)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)欠損症、産後うつ病(PPD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、難治性てんかん重積状態(RSE)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性抑うつ障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、二次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるGABAA受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害を処置するために製剤化される、実施形態1~24のいずれか1つに記載のプロセス。
【0196】
26.該対象が、授乳中の泌乳女性であり、該疾患が、産後うつ病(PPD)である、実施形態1~25のいずれか1つに記載のプロセス。
【0197】
27.プロセスが、さらに、治療有効量の1つ以上の追加の活性薬を該対象に投与することを含む、実施形態1~26のいずれか1つに記載のプロセス。
【0198】
28.ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害の処置を必要とする対象の、ガンマアミノ酪酸A型(GABAA)受容体の調節に関連する中枢神経系(CNS)障害を処置するための方法であって、該方法が、注射により該対象に、(i)GABAA受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、及び、(ii)コルチコステロイド組成物、を投与すること、を含み、該医薬組成物及び該コルチコステロイド組成物が、筋肉内(IM)注射または皮下注射(SC)により、該対象に投与される、方法。
【0199】
29.対象が、注射部位反応を有するか、または注射部位反応を起こしやすい、実施形態28に記載の方法。
【0200】
30.ISRが、重度のISRである、実施形態29に記載の方法。
【0201】
31.該医薬組成物及び該コルチコステロイド組成物が、少なくとも1つの注射部位で、筋肉内(IM)注射または皮下注射(SC)により、該対象に投与される、実施形態28~30のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
32.(1)該コルチコステロイド組成物が、神経活性ステロイド(NAS)を含む該医薬組成物と合剤化され、注射により該対象に一緒に投与され、(2)該コルチコステロイド組成物が、該神経活性ステロイド(NAS)と混合され、注射により該対象に一緒に投与され、(3)該コルチコステロイド組成物が、該神経活性ステロイド(NAS)またはその組み合わせと共に同時投与される、実施形態28~31のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
33.該コルチコステロイド組成物が、注射前に、神経活性ステロイド(NAS)を含む該医薬組成物と混合され、該注射部位に、一緒に投与される、実施形態28~31のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
34.該コルチコステロイド組成物が、神経活性ステロイド(NAS)を含む該医薬組成物と合剤化され、該注射部位に、一緒に投与される、実施形態28~31のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
35.該神経活性ステロイド(NAS)が該対象に投与される前または後の0~60分以内に、該コルチコステロイド組成物が、該対象に同時投与される、実施形態28~31のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
36.該コルチコステロイド組成物が、該注射部位から0~5センチメートル以内にある少なくとも同時投与部位に、該対象に同時投与される、実施形態35に記載の方法。
【0207】
37.該神経活性ステロイド(NAS)が、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態28~36のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
38.該神経活性ステロイド(NAS)が、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態28~36のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
39.該医薬組成物が、該対象の体重1キログラム当たり約0.01~50mgの該神経活性ステロイドを含む単回用量で、該対象に投与される、実施形態28~38のいずれか1つに記載の方法。
【0210】
40.該単回用量が、約50mg~1,000mgの該神経活性ステロイドを含む、実施形態39に記載の方法。
【0211】
41.該単回用量が、約50mg~約600mgの該神経活性ステロイドを含む、実施形態39に記載の方法。
【0212】
42.該コルチコステロイド組成物が、10~100mgの該ステロイドを含む単回用量で、該対象に投与され、該医薬組成物が、30mg~1200mgの該神経活性ステロイド(NAS)を含む単回用量で、該対象に投与される、実施形態28~38のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
43.該コルチコステロイド組成物及び神経活性ステロイドを含む該医薬組成物が、該注射部位のそれぞれに対して0.5mL~6mLの範囲の注射量で製剤化される、実施形態42に記載の方法。
【0214】
44.該神経活性ステロイドが、該対象において、該神経活性ステロイドの単回投与後に、約30分~6時間で、最大血漿中濃度(Cmax)に到達し、少なくとも約5日間、該Cmaxの約5%を超える血漿中濃度を維持する、実施形態28~43のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
45.該コルチコステロイド組成物が、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、トリアムシノロンアセトニド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるコルチコステロイドを含む、実施形態28~44のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
46.該コルチコステロイドが、メチルプレドニゾロンアセタート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態45に記載の方法。
【0217】
47.該対象が、授乳中の泌乳女性であり、該疾患が、産後うつ病(PPD)である、実施形態28~46のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
48.該CNS障害が、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピックC型病)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)欠損症、産後うつ病(PPD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、難治性てんかん重積状態(RSE)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性抑うつ障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、二次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態28~46のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
49.CNS障害が、PPDである、実施形態28~46のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
50.(i)ガンマ-アミノ酪酸A型(GABAA)受容体の陽性調節因子である神経活性ステロイド(NAS)、またはその薬学的に許容される塩もしくは組成物、(ii)コルチコステロイド組成物、及び、(iii)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、を含む、治療用組成物。
【0221】
51.該治療用組成物が、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、または皮下注射(SC)用に製剤化される、実施形態50に記載の治療用組成物。
【0222】
52.該治療用組成物が、うつ病、双極性障害、認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、てんかん、発作、不安、脆弱X随伴振戦/運動失調症候群、リソソーム蓄積障害(ニーマンピックC型病)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)欠損症、産後うつ病(PPD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、難治性てんかん重積状態(RSE)、大うつ病性障害(MDD)、月経前不快気分障害(PMDD)、持続性抑うつ障害(PDD)、季節性感情障害(SAD)、二次性うつ病、ポストフィナステリド症候群、アルコール渇望、禁煙、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるCNS障害の処置用に製剤化される、実施形態50または51に記載の治療用組成物。
【0223】
53.該CNS障害が、PPDである、実施形態52に記載の治療用組成物。
【0224】
54.該治療用組成物が、NASのIV、IM、またはSC注射により引き起こされるか、または誘発される重度のISRを処置または予防するために製剤化される、実施形態50~53のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0225】
55.該神経活性ステロイド(NAS)が、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態50~54のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0226】
56.該治療用組成物が、単回用量中に、約50mg~1,000mgの該神経活性ステロイドを含む、実施形態50~55のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0227】
57.該治療用組成物が、単回用量中に、約50mg~約600mgの該神経活性ステロイドを含む、実施形態50~55のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0228】
58.該神経活性ステロイドが、該対象において、該神経活性ステロイド(NAS)の単回投与後に、約30分~6時間で、最大血漿中濃度(Cmax)に到達し、少なくとも約5日間、該Cmaxの約5%を超える血漿中濃度を維持するように、該治療用組成物が製剤化される、実施形態50~57のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0229】
59.該コルチコステロイド組成物が、アルクロメタゾンジプロピオナート、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオナート、ベタメタゾンバレラート、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾールプロピオナート、クロベタゾンブチラート、コルチゾン、コルチゾンアセタート、デソニド、デキサメタゾン、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデンアセタート、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポナート、ヒドロコルチゾンアセタート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチラート、ヒドロコルチゾンバレラート、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセタート、モメタゾン、モメタゾンフロアート、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトールピバラート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、トリアムシノロンアセトニド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるコルチコステロイドを含む、実施形態50~58のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0230】
60.該コルチコステロイドが、メチルプレドニゾロンアセタート、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、デキサメタゾンアセタート、デキサメタゾンナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、実施形態59に記載の治療用組成物。
【0231】
61.該コルチコステロイドが、メチルプレドニゾロンアセタートである、実施形態59に記載の治療用組成物。
【0232】
62.コルチコステロイド組成物が、約10mg~約450mgの該ステロイドを含む、実施形態50~55のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0233】
63.該治療用組成物が、授乳中の泌乳女性の産後うつ病(PPD)の処置または予防のために製剤化される、実施形態50~62のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0234】
64.該治療用組成物が、1)該注射部位のそれぞれに対して、10~100mgの範囲の単一部位用量の該ステロイドを含むコルチコステロイド組成物、及び、2)該神経活性ステロイド30mg~1200mgの範囲の単一部位用量の該神経活性ステロイド(NAS)、を含む、実施形態50~63のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0235】
65.該治療用組成物が、0.5mL~6mLの範囲の注射量で、該コルチコステロイド組成物及び該神経活性ステロイドを含む、実施形態64に記載の治療用組成物。
【0236】
66.組成物が、治療用包装単位として提供される、実施形態62~65のいずれか1つに記載の治療用組成物。
【0237】
67.コルチコステロイド及び医薬組成物を含むコルチコステロイド組成物を含むキットであって、該コルチコステロイド組成物及び該医薬組成物が、それぞれ、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、または皮下注射(SC)用に製剤化される、キット。
【0238】
68.該キットが、約1mg~約450mgの該コルチコステロイドを含む少なくとも1つのステロイド包装単位、ならびに、ブレキサノロン、長時間作用型ブレキサノロン、徐放性ブレキサノロン、ガナキソロン、ズラノロン、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される神経活性ステロイド(NAS)を含む該医薬組成物の少なくとも1つの包装単位を含む、実施形態67に記載のキット。
【0239】
69.該キットが、約20mg~約40mgの該コルチコステロイドを含む少なくとも1つの該ステロイド包装単位、及び、約300mg~約800mgの該神経活性ステロイドを含む少なくとも1つの該NAS包装単位を含む、実施形態67または68に記載のキット。
【0240】
70.さらに、該コルチコステロイド組成物及び該医薬組成物を混合するための、滅菌バイアル、滅菌チューブ、滅菌注射器、滅菌バッグ、またはそれらの組み合わせから選択される混合装置を含む、実施形態67~69のいずれか1つに記載のキット。
【0241】
ここで、本開示は、以下の非限定例において、例示されるであろう。
【実施例】
【0242】
本発明は、さらに、以下の実施例において規定される。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しながら、例示のみを目的として与えられていることが理解されるべきである。上記の議論及びこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認し得、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなく、本発明を様々な使用及び条件に適応させるように、本発明の様々な変更及び修正を行うことができる。
【0243】
実施例1:ブレキサノロン懸濁液
ブレキサノロンを、医薬有効成分(API)として販売業者から購入した(
図2A)。市販のブレキサノロンの粒径は、約7~8μmである。
【0244】
市販のブレキサノロンを、水、生理食塩水、デキストロース、HPMC、TWEEN 80、ポロクサマー407、及びグリセリンの存在下、約300~500rpmの回転速度で、約20~30分間粉砕した。粉砕を、所望の粒径に応じて1~5サイクル実施した。使用された粉砕媒体は、直径0.1~1.0mmのビーズであった。
【0245】
粉砕パラメーターを制御することにより、2セットの粒径を選択した。1つは、平均粒径が約0.7μmの小粒子であり(
図2B)、もう1つは、平均粒径が約4.0μmの大粒子であった(
図2C)。
【0246】
実施例2:ラットにおけるブレキサノロン組成物の薬物動態(PK)
0.7μmの粒子及び4.0μmの粒子の懸濁液を、25mg/kgのブレキサノロンの投薬量で筋肉内(IM)注射によりラットに別々に注射した。比較のために、比較ブレキサノロン溶液を、12.5mg/kgの投薬量で筋肉内(IM)注射、または1mg/kgで静脈内(IV)注射により注射した。血漿中ブレキサノロン濃度を、示された時点で測定した。データが、
図2D~
図2Eに示される。溶液のPKを、比例した用量になるように調整した。
【0247】
実施例3:ブレキサノロン結晶形態の調製
ブレキサノロンを販売業者から購入し、穏やかに粉砕してスラリーを形成した。ブレキサノロン試料を以下の分析手法で分析した:FT-ラマン分光法、FT-IR分光法、示差熱量計(DSC)、熱重量分析(TGA-IR)、偏光顕微鏡法(PLM)、及び粉末X線回折(PXRD)。試料は、大きな脆い塊を含む幅広いサイズの不規則な粒子からなる白色結晶性粉末であることが判明した。DSC分析は、174℃(ΔH=101J/g)での融解吸熱を示した。TGA分析は、25~174℃のごくわずか(0.1%未満)の重量損失を示した。これは、ブレキサノロン材料が溶媒和されていないことを示す。
【0248】
結晶化を3つのモードで実施した:(1)ブレキサノロンスラリーを40~45℃で2日間、温度サイクルで熟成する(TC)(n=48);(2)スラリーを40℃に加熱し、続いて、熱濾過し、次に、ブレキサノロン溶液を4℃で最長2日間保存する(RC)(n=48);(3)ブレキサノロン溶液を、周囲条件で最長7日間蒸発させる(EV)(n=48)。合計48の溶媒系を結晶形成についてスクリーニングした。
【0249】
ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセタート(EtOAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、2-プロパノール:水(9:1)(v/v)、メタノール(MeOH)、2-プロパノール(IPA)、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、イソプロピルエーテル(IPE)、アセトニトリル(MeCN)、n-ヘプタン、エタノール、水、及びそれらの混和可能な組み合わせからなる群より選択される溶媒のそれぞれから、ブレキサノロンを結晶化した。PXRD、DSC、TGA、及びPLMを含む分析方法のうちの1つ以上を使用して、全ての結晶形態を分析した。
【0250】
粉末X線回折(PXRD)ディフラクトグラムの10個の以下のピークにより、ブレキサノロン結晶形態を特性決定した:7.25、8.88、11.46、14.50、14.78、17.77、18.15、18.32、18.61、及び19.99±0.1 2θ(°)。比較用の市販のブレキサノロンは、18.15に単一のピークを示した(
図4A)。1つのブレキサノロン結晶形態(本明細書では、「多形形態A」と呼ばれる)は、それぞれ91及び100の相対強度を有する7.25及び18.15 2θ(°)に特徴的な2つのピークを示し(
図4B)、本開示の医薬組成物に使用するために選択された。ピーク18.32、18.61、17.77、14.78、19.99、14.50、11.46、及び8.88での相対強度は、それぞれ、40%、31%、19%、18%、18%、16%、16%、及び14%であった。様々な製剤に適する可能性がある多形形態Aブレキサノロンは、1μm~100μmの範囲の粒径を有する。多形形態Aは、174℃(ΔH=127J/g)の開始融点を示した。TGA分析は、融解事象の前にごくわずか(0.1%未満)の重量損失を示した。これは、形態Aが非溶媒和形態であることを示す。
【0251】
実施例4:ブレキサノロンBRII-296製剤の製造
ブレキサノロンBRII-296製剤を生成する以下の製造プロセスに従って、表1の単位用量を調製した。
【0252】
注射用のBRII-296懸濁液(本明細書では「BRII-296」)に対する製造プロセスは、最初に製剤ビヒクルを調製することを含む。注射用水中にポリソルベート80、ポリエチレングリコール3350(PEG 3350)、マンニトール、クエン酸一水和物、及びクエン酸ナトリウム二水和物を溶解することにより、製剤ビヒクルを調製した。溶液を、1つの滅菌0.22ミクロンのPVDFフィルターを通して濾過し、濾液の最初の200mLを廃棄した。製剤化ビヒクルのpHをチェックし(目標pH範囲は、6.0~7.0)、記録した。必要量のブレキサノロン原薬を秤量し、ゆっくりと混合しながら、必要量の製剤ビヒクルを含む容器に徐々に加え、原薬を完全に湿らした。次に、それを、3000 RPMで最低10分間均質化し、凝集物が存在しない均一な懸濁液を得た。高密度及び硬度の、無菌で発熱物質除去された1mmのイットリウム安定化酸化ジルコニウム粉砕ビーズを含有するステンレススチール製粉砕容器に、事前混合懸濁液を移し、目標の粒径が達成されるまで粉砕した。非限定例では、1mmのビーズ約560gを250mLの粉砕容器に装填し、それに、約120gの事前混合懸濁液を添加した。粒径を定期的にチェックしながら、粉砕を250RPMで約8~10分間実施した(レーザー光回折)。スクリーンを使用してビーズを除去した後、粉砕した懸濁液を、充填容器に移した。均一性を維持するために懸濁液をゆっくりと混合しながら、粉砕された懸濁液を、滅菌済みのガラスバイアルに充填し、続いて、栓をし、オーバーシールを圧着して栓を固定した。充填中、工程内チェックとして、充填重量を定期的にチェックした。
【0253】
内部線量範囲26~53kGyに相当する外部線量範囲38~42kGyの電子ビーム照射を使用して、充填されたバイアを最終滅菌した。
【0254】
全ての滅菌バイアルを、欠陥及び異種微粒子について検査した。
【表1】
【0255】
実施例5:追加の注射用ブレキサノロン医薬組成物
第1のブレキサノロン組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように上で調製される0.7μmの粒子の懸濁液を使用して生成される。
【0256】
第2のブレキサノロン組成物は、上で調製される0.7μmの粒子及び4.0μmの粒子の懸濁液を混合することにより生成される。組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように、約10%の0.7μmの粒子と約90%の4.0μmの粒子を含むように調整される。
【0257】
第3のブレキサノロン組成物は、上で調製される0.7μmの粒子及び4.0μmの粒子の懸濁液を混合することにより生成される。組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように、約30%の0.7μmの粒子と約70%の4.0μmの粒子を含むように調整される。
【0258】
第4のブレキサノロン組成物は、上で調製される0.7μmの粒子及び4.0μmの粒子の懸濁液を混合することにより生成される。組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように、約40%の0.7μmの粒子と約60%の4.0μmの粒子を含むように調整される。
【0259】
第5のブレキサノロン組成物は、上で調製される0.7μmの粒子及び4.0μmの粒子の懸濁液を混合することにより生成される。組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように、約50%の0.7μmの粒子と約50%の4.0μmの粒子を含むように調整される。
【0260】
第6のブレキサノロン組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように上で調製される4μmの粒子の懸濁液を使用して生成される。
【0261】
実施例6:ガナキソロン懸濁液
ガナキソロンを、医薬有効成分(API)として販売業者から購入した(
図3A)。市販のブレキサノロンの粒径は、約47μmである。
【0262】
市販のガナキソロンを、水、生理食塩水、1mg/mLのTWEEN 80及び5mg/mLのHPMCの存在下で、約200rpmの回転速度で約20分間粉砕した。粉砕を、3サイクル実施した。使用された粉砕媒体は、直径1.0mmのビーズであった。
【0263】
粉砕粒子は、2つのバッチで、1.5μm未満のサイズの粒子が1%未満であり、平均サイズが2バッチで、約4.1μm(
図3B)、約3.6μm(
図3C)である。平均粒径約1.0μmの粒子も生成した。
【0264】
実施例7:ラットにおけるガナキソロン組成物の薬物動態(PK)
1μm及び4.1μmを有する粒子の懸濁液を、25mg/kgのガナキソロンの投薬量で筋肉内(IM)注射によりラットに別々に注射した。比較のために、比較ガナキソロン溶液を、12.5mg/kgの投薬量で筋肉内(IM)注射、または1mg/kgで静脈内(IV)注射により注射した。血漿中ブレキサノロン濃度を、示された時点で測定した。データは、
図3D及び
図3Eに示される。溶液のPKを、比例した用量になるように調整した。
【0265】
実施例8:注射用ガナキソロン医薬組成物
第1のガナキソロン組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように上で調製される1μmの粒子の懸濁液を使用して生成される。
【0266】
第2のガナキソロン組成物は、上で調製される1μmの粒子及び4.1μmの粒子の懸濁液を混合することにより生成される。組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように、約10%の1μmの粒子と約90%の4.1μmの粒子を含むように調整される。
【0267】
第3のガナキソロン組成物は、上で調製される1μmの粒子及び4.1μmの粒子の懸濁液を混合することにより生成される。組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように、約30%の1μmの粒子と約70%の4.1μmの粒子を含むように調整される。
【0268】
第4のガナキソロン組成物は、上で調製される1μmの粒子及び4.1μmの粒子の懸濁液を混合することにより生成される。組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように、約40%の1μmの粒子と約60%の4.1μmの粒子を含むように調整される。
【0269】
第5のガナキソロン組成物は、上で調製される1μmの粒子及び4.1μmの粒子の懸濁液を混合することにより生成される。組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように、約50%の1μmの粒子と約50%の4.1μmの粒子を含むように調整される。
【0270】
第6のガナキソロン組成物は、所望の薬物動態プロファイルを有するように上で調製される4.1μmの粒子の懸濁液を使用して生成される。
【0271】
実施例9:注射用ブレキサノロン医薬組成物の単位用量
注射用ブレキサノロン組成物の第1の単位用量を、1mLのバイアル中に100mg/mLのブレキサノロン注射用溶液として包装した。
【0272】
注射用ブレキサノロン組成物の第2の単位用量を、1mLのバイアル中に200mg/mLのブレキサノロン注射用溶液として包装した。
【0273】
注射用ブレキサノロン組成物の第3の単位用量を、1mLのバイアル中に300mg/mLのブレキサノロン注射用溶液として包装した。
【0274】
注射用ブレキサノロン組成物の第4の単位用量を、1mLのバイアル中に350mg/mLのブレキサノロン注射用溶液として包装した。
【0275】
注射用ブレキサノロン組成物の第5の単位用量を、1mLのバイアル中に400mg/mLのブレキサノロン注射用溶液として包装した。
【0276】
注射用ブレキサノロン組成物の第6の単位用量を、1mLのバイアル中に500mg/mLのブレキサノロン注射用溶液として包装した。
【0277】
注射用ブレキサノロン組成物の第7の単位用量を、1mLのバイアル中に550mg/mLのブレキサノロン注射用溶液として包装した。
【0278】
注射用ブレキサノロン組成物の第8の単位用量を、1mLのバイアル中に600mg/mLのブレキサノロン注射用溶液として包装した。
【0279】
実施例10:Kenalog注射及びブレキサノロンの血漿中濃度
健常成人に、治験審査委員会(IRB)により承認されたプロトコールに従って、筋肉内(IM)注射(コホート1~3)により、様々な濃度及び容量で、100mgのBRII-296を投与した(
図5)。IMステロイド処置(コホート3)では、各対象に、BRII-296注射の投与の5~15分後に、筋肉内(IM)注射により、トリアムシノロンKenalog-40(40mg/mL)(Bristol-Myers Squibb Companyから入手可能)40mgを注射した。トリアムシノロンKenalog-40を、BRII-296注射部位から1cm以内に注射した。対象の平均体重は、約83kgであった。
【0280】
ブレキサノロンの血漿中濃度を、示された時点で測定した。データが
図5に示される。これは、BRII-296 IM注射後のブレキサノロンの吸収に対するKenalog同時注射の干渉が観察されなかったことを実証し、これは、ブレキサノロン及びKenalog-40を同時投与した場合、薬物間相互作用(DDI)が観察されなかったことを示す。
【0281】
実施例11:Kenalog注射
Kenalog-10は、ISRの処置または予防が必要な患者に病巣内注射により投与される。Kenalog-10は、10mgのトリアムシノロンアセトニドを含有する。
【0282】
実施例12:Aristospanの注射
上記の実施例の1つに従って、患者に、ブレキサノロン組成物を筋肉内(IM)により投与する。Aristospanは、ISRを処置または予防するために、滅菌Aristospan懸濁液(5mg/mL)を使用してブレキサノロン注射部位の近くに注射される。
【0283】
実施例13:Depo-Medrolの注射
Depo-Medrolは、20mg/mL、40mg/mL、80mg/mLの濃度を有するDepo-Medrolを使用して、ISRの処置または予防に必要な患者に筋肉内(IM)注射により投与される。
【0284】
患者は、80mg/mLのDepo-Medrolを含む1mLの注射溶液を使用して、筋肉内(IM)注射により80mgのDepo-Medrolが投与される。
【0285】
別の患者は、80mg/mLのDepo-Medrolを含む0.5mLの注射溶液を使用して、筋肉内(IM)注射により40mgのDepo-Medrolが投与される。
【0286】
別の患者は、80mg/mLのDepo-Medrolを含む0.25mLの注射溶液を使用して、筋肉内(IM)注射により20mgのDepo-Medrolが投与される。
【0287】
別の患者は、40mg/mLのDepo-Medrolを含む1mLの注射溶液を使用して、筋肉内(IM)注射により40mgのDepo-Medrolが投与される。
【0288】
別の患者は、40mg/mLのDepo-Medrolを含む0.5mLの注射溶液を使用して、筋肉内(IM)注射により20mgのDepo-Medrolが投与される。
【0289】
別の患者は、20mg/mLのDepo-Medrolを含む1mLの注射溶液を使用して、筋肉内(IM)注射により20mgのDepo-Medrolが投与される。
【0290】
80mg/mLのDepo-Medrolのような高濃度の注射液が好ましい。
【0291】
実施例14:デキサメタゾン注射
デキサメタゾンリンナトリウムは、ISRの処置または予防が必要な患者にIV注射により投与される。デキサメタゾンリンナトリウムは、4mg(デキサメタゾン3.33mg)を含有する。
【0292】
別の例では、デキサメタゾンリンナトリウムは、ISRの処置または予防が必要な患者にIM注射により投与される。
【0293】
別の例では、デキサメタゾンリンナトリウムは、ISRの処置または予防が必要な患者に関節内注射により投与される。
【0294】
別の例では、デキサメタゾンリンナトリウムは、ISRの処置または予防が必要な患者に軟組織注射により投与される。
【0295】
別の例では、デキサメタゾンリンナトリウムが、ISRの処置または予防が必要な患者に病巣内注射により投与される。
【0296】
実施例15:ベタメタゾン注射
Celestone(登録商標)Soluspan(登録商標)(それぞれの登録商標でSchering Corporationから入手可能)として入手可能なベタメタゾン注射用懸濁液は、セレストンソルスパンが本質的に高い有効性であるので、40mgのDepo-Medrolに相当する約6mgの低用量で、ISRの処置または予防が必要な者に、IM注射により投与される。
【0297】
実施例16:事前混合された注射組成物
第1の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びKenalog-10を含む。
【0298】
第2の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びKenalog-40を含む。
【0299】
第3の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びAristospanを含む。
【0300】
第4の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びDepo-Medrolを含む。
【0301】
第5の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びデキサメタゾンを含む。
【0302】
第6の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びベタメタゾンを含む。
【0303】
第7の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びアルクロメタゾンを含む。
【0304】
第8の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びジプロピオン酸塩を含む。
【0305】
第9の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びアムシノニドを含む。
【0306】
第10の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びベクロメタゾンを含む。
【0307】
第11の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びベタメタゾンジプロピオナートを含む。
【0308】
第12の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びベタメタゾンバレラートを含む。
【0309】
第13の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びブデソニドを含む。
【0310】
第14の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びシクレソニドを含む。
【0311】
第15の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びクロベタゾールプロピオナートを含む。
【0312】
第16の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びクロベタゾンブチラートを含む。
【0313】
第17の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びコルチゾンアセタートを含む。
【0314】
第19の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びクロベタゾールプロピオナートを含む。
【0315】
第20の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びデソニドを含む。
【0316】
第21の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びデキサメタゾンを含む。
【0317】
第22の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びデキサメタゾンアセタートを含む。
【0318】
第23の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びデキサメタゾンナトリウムを含む。
【0319】
第24の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びフルオシノロンアセトニドを含む。
【0320】
第25の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びフルオシノニドを含む。
【0321】
第26の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びフルオコルトロンを含む。
【0322】
第27の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びフルプレドニデンアセタートを含む。
【0323】
第28の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びハルシノニドを含む。
【0324】
第29の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びハロメタゾンを含む。
【0325】
第30の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びヒドロコルチゾンを含む。
【0326】
第31の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びヒドロコルチゾンアセポナートを含む。
【0327】
第32の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びヒドロコルチゾンアセタートを含む。
【0328】
第33の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びヒドロコルチゾンブテプラートを含む。
【0329】
第34の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びヒドロコルチゾンブチラートを含む。
【0330】
第35の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びヒドロコルチゾンバレラートを含む。
【0331】
第36の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びメチルプレドニゾロンを含む。
【0332】
第37の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びメチルプレドニゾロンアセタートを含む。
【0333】
第38の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びモメタゾンを含む。
【0334】
第39の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びモメタゾンフロアートを含む。
【0335】
第40の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びプレドニカルバートを含む。
【0336】
第41の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びプレドニゾロンを含む。
【0337】
第42の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びプレドニゾンを含む。
【0338】
第43の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びチキソコルトールピバラートを含む。
【0339】
第44の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びトリアムシノロンアセトニドを含む。
【0340】
第45の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びトリアムシノロンヘキサセトニドを含む。
【0341】
第46の事前混合された注射組成物は、BRII-296及びトリアムシノロンアセトニドを含む。
【0342】
注射部位反応(ISR)の評価:パラメーター及び分類
医薬組成物、例えば、NASの筋肉内(IM)注射の忍容性は、例えば、表2に示されるように分類することができる。
【表2】
【0343】
実施例17:事前混合された注射後のブレキサノロンの薬物動態
BRII-296及びDepo-Medrol(メチルプレドニゾロンアセタート)の同時投与後の血漿中ブレキサノロン(BXN)濃度(薬物動態、PK)を、健常な男性及び女性成人において測定した。データは、
図6A及び
図6Bに示される。ISRグレードを、表2に従って評価した。
【0344】
図6Aに示されるように、
黒ひし形:注射量2~2.5mL中の事前混合された300mgのBRII-296及び40mgのDepo-Medrol 80(最終BXN濃度は約120~150mg/mLである)。観察されたISRは、最小であった。データは、8人の対象由来であった。
【0345】
黒丸:注射量2mL中の事前混合された300mgのBRII-296及び10mgのDepo-Medrol 80(最終BXN濃度は約150mg/mLである)。観察されたISRは、中等度~重度であった。データは、8人の対象由来であった。
【0346】
黒四角:注射量3mL中の事前混合された300mgのBRII-296及び20mgのDepo-Medrol 80(最終BXN濃度は約100mg/mLである)。2回の注射を投与した:注射当たり3mL中2x300mgのBXN/20mgのDepo-Medrol。観察されたISRは、中等度~重度であった。データは、8人の対象由来であった。
【0347】
黒三角:注射量2mL中の事前混合された300mgのBRII-296及び20mgのDepo-Medrol 80(最終BXN濃度は約150mg/mLである)。2回の注射を投与した:注射部位当たり、2mL中2x300mgのBXN/20mgのDepo-Medrol。観察されたISRは、中等度~重度であった。データは、4人の対象由来であった。
【0348】
図6Bに示されるように、
黒上向き三角:注射量3mL中の事前混合された200mg/mLのBRII-296及び20mgのDepo-Medrol 80。
【0349】
黒四角:注射量3mL中の事前混合された300mg/mLのBRII-296及び40mgのDepo-Medrol 80(最終BXN濃度は約100mg/mLである)。2回の注射を投与した:注射部位当たり、2mL中2x300mgのBXN/20mgのDepo-Medrol。
【0350】
黒下向き三角:注射量2mL中の事前混合された300mg/mLのBRII-296及び20mgのDepo-Medrol 80(最終BXN濃度は約150mg/mLである)。2回の注射を投与した:注射当たり2mL中2x300mgのBXN/20mgのDepo-Medrol。
【0351】
実施例18:事前混合された注射後のISRデータ
健常な男性及び女性の成人対象に、承認されたプロトコールに従って、Depo-Medrol(DM)がある(コホート10~16)またはDMがない(コホート4~5)、300mgまたは600mgのBRII-296を注射した。データは、表3に示される。ISRグレードを、表2に従って評価した。対象1人当たり、対象8人中3人(37.5%)が、予防処置なしに300mgで、グレード3のISRを示した。ISR改善に対するDMの用量依存効果が、1回の注射当たり40mgのDMで観察され、最適なISRプロファイルを提供した(表3)。N:対象数。
【0352】
実施例19:PPD及び/またはISRを処置または予防する方法
PPDを発症するリスクのある成人女性における、筋肉内注射(IM)による、Depo-Medrol(DM)がある、またはDMがない、BRII-296の安全性、忍容性、及び/または有効性を評価するために、Depo-Medrolがある(コホート10~16)またはDMがない(コホート4~5)、300mgまたは600mgのBRII-296が、適格な対象に投与されるであろう。
【0353】
1週間おきに2回、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)17の合計スコアが15以上の対象を評価して、PPD及び/またはISRの存在を確認するであろう。各コホートの16週間の処置/予防期間中にPPDエピソード及び/またはISRが発生した対象の割合が報告されるであろう。ISRの改善/予防に対するDMの用量依存的な効果も観察及び分析されるであろう。
【0354】
実施例20:ステロイド及びNASを含むキット
第1のキットは、それぞれ20mgのDepo-Medrolを含む2つのバイアル、及び、300mgのBRII-296を含む1つのバイアルを含む。
【0355】
第2のキットは、それぞれ40mgのDepo-Medrolを含む2つのバイアル、及び、300mgのBRII-296を含む1つのバイアルを含む。
【0356】
第3のキットは、それぞれ40mgのDepo-Medrolを含む2つのバイアル、及び、600mgのBRII-296を含む1つのバイアルを含む。
【0357】
第4のキットは、それぞれ40mgのDepo-Medrolを含む2つのバイアル、20mgのDepo-Medrolを含む1つのバイアル、及び、それぞれ300mgのBRII-296を含む2つのバイアルを含む。
【0358】
第5のキットは、それぞれ40mgのDepo-Medrolを含む2つのバイアル、20mgのDepo-Medrolを含む1つのバイアル、及び、600mgのBRII-296を含む1つのバイアルを含む。
【0359】
第6のキットは、それぞれ20mgのDepo-Medrolを含む3つのバイアル、及び、600mgのBRII-296を含む1つのバイアルを含む。
【表3】
【国際調査報告】