(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】箱型構造の溶接変形制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B23K 37/04 20060101AFI20241022BHJP
B23K 31/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
B23K37/04 K
B23K31/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525069
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2022070307
(87)【国際公開番号】W WO2023070942
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111243217.1
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520112818
【氏名又は名称】シーアールアールシー チンダオ スーファン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】ハン シヤオフイ
(72)【発明者】
【氏名】シン イエンシュワン
(72)【発明者】
【氏名】リー シュワイジェン
(72)【発明者】
【氏名】グオ チアンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ファン シイフェン
(57)【要約】
箱型構造の溶接変形制御装置は、支持部及び調節部を含み、支持部には溶接すべき箱体を支持する支持面が形成されており、調節部は支持部に接続され、少なくとも溶接すべき箱体の溶接面に当接し、溶接過程において、調節部は、溶接すべき箱体の溶接面への付勢力の大きさ及び/又は付勢位置を調節することにより、溶接すべき箱体の平面度に対する制御を実現する。制御装置は、枕梁の箱型構造にマルチポイントフレキシブルサポートを設けることにより、構造の溶接中の製造精度および応力分布のリアルタイムな動的調整及び段階的な精密調整のような精細化制御を行い、枕梁の製造精度を向上させ、枕梁の箱型構造の溶接後のチューニングをなくすことができる。本願は更に箱型構造の溶接変形制御方法をさらに開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部及び調節部を含み、
前記支持部には溶接すべき箱体を支持する支持面が形成されており、
前記調節部は支持部に接続され、少なくとも前記溶接すべき箱体の溶接面に当接し、
溶接過程において、前記調節部は、前記溶接すべき箱体の溶接面への付勢力の大きさ及び/又は付勢位置を調節することにより、前記溶接すべき箱体の平面度に対する制御を実現することを特徴とする
箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項2】
前記溶接すべき箱体は少なくとも、第1の溶接面及び第2の溶接面を含み、
前記第1の溶接面は、前記溶接すべき箱体の前記支持面に近い側の表面であり、
前記第2の溶接面は、前記溶接すべき箱体の前記第1の溶接面から遠い側の表面であることを特徴とする
請求項1に記載の箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項3】
前記溶接すべき箱体の前記第1の溶接面における少なくとも一部の領域の厚さは一部の前記第2の溶接面の厚さより小さいことを特徴とする
請求項2に記載の箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項4】
前記支持部は、支持台及び駆動ユニットを含み、
前記支持台の表面が前記支持面を形成し、
前記駆動ユニットは、前記支持台に接続されており、前記支持台の回転角度を調節して、前記第1の溶接面と前記第2の溶接面の溶接を実現するために用いられ、
ここで、前記支持台には複数の隙間が設けられており、前記隙間は、少なくとも前記第1の溶接面の溶接すべき位置に対応することを特徴とする
請求項2に記載の箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項5】
前記調節部は、第1の調節座、第1の調節シリンダ及び第1のセンサーコンポーネントを含み、
複数の前記第1の調節座は前記支持台に接続され、
前記第1の調節シリンダの一端は前記第1の調節座に設けられ、前記第1の調節シリンダの他端は前記第1の溶接面に当接し、
前記第1のセンサーコンポーネントは少なくとも前記第1の調節シリンダに接続され、
ここで、溶接過程において、前記第1の調節シリンダは、前記第1のセンサーコンポーネントがフィードバックしたパラメータに基づいて、前記第1の調節シリンダのストロークを調節し、前記第1の溶接面への付勢力の大きさに対する調節を実現することを特徴とする
請求項4に記載の箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項6】
前記調節部は、第2の調節座、第2の調節シリンダ、押圧ロッド、及び第2のセンサーコンポーネントを含み、
複数の前記第2の調節座は、前記支持台の側部に設けられ、
前記第2の調節シリンダの一端は前記第2の調節座に接続され、前記第2の調節シリンダの他端は前記押圧ロッドに接続され、且つ前記第2の調節シリンダは鉛直方向に沿って設けられ、
前記押圧ロッドの前記第2の調節シリンダに対向する他端は、前記第2の溶接面に当接し、
前記第2のセンサーコンポーネントは少なくとも前記押圧ロッドに接続され、
ここで、溶接過程において、前記第2の調節シリンダは、前記第2のセンサーコンポーネントがフィードバックしたパラメータに基づいて、前記第2の調節シリンダのストロークを調節し、前記押圧ロッドの前記第2の溶接面への付勢力の大きさに対する調節を実現することを特徴とする
請求項4に記載の箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項7】
前記調節部は、スライドウェイをさらに含み、複数の前記スライドウェイは前記支持台の側部に設けられ、前記第2の調節座は前記スライドウェイに滑り嵌めされており、
ここで、溶接過程において、前記第2の調節座は、前記第2のセンサーコンポーネントがフィードバックしたパラメータに基づいて、前記スライドウェイの延在方向に沿ってスライドし、前記押圧ロッドの前記第2の溶接面での付勢位置に対する調節を実現することを特徴とする
請求項6に記載の箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項8】
前記第2の調節座は、第1のパネル、第2のパネル、及びスライドブロックを含み、
前記第1のパネルは前記支持台の側部に接続され、
前記第2のパネルは、前記第1のパネルと接続されてL字型の構造を形成し、
前記スライドブロックは前記第2のパネルに摺動可能に設けられており、
前記第2の調節シリンダは前記スライドブロックに接続され、
前記調節部は、第3の調節シリンダ及びタイロッドをさらに含み、
前記第3の調節シリンダは、前記第1のパネルの前記支持台の側部に対向する他方の面に設けられ、
前記タイロッドの一端は、前記第3の調節シリンダに接続され、前記タイロッドの他端は、前記第2のパネルに開設された開口溝を通過して前記スライドブロックに接続されることを特徴とする
請求項6に記載の箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項9】
前記押圧ロッドは、伸縮長さを調節できる棒状の構造であり、
溶接過程において、前記押圧ロッドは前記第2のセンサーコンポーネントがフィードバックしたパラメータに基づいて、伸縮長さを調節し、前記第2の溶接面での付勢位置に対する調節を実現することを特徴とする
請求項6に記載の箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項10】
前記溶接すべき箱体は、枕梁であり、
前記枕梁は少なくとも、貫通管、第1の蓋板及び第2の蓋板を含み、
2つの前記貫通管は間隔をあけて設けられており、
前記第1の蓋板は、前記第1の溶接面内で2つの前記貫通管にそれぞれ接続され、
前記第2の蓋板は、前記第2の溶接面内で2つの前記貫通管にそれぞれ接続され、
ここで、少なくとも前記第1の蓋板の厚さは前記第2の蓋板の厚さより小さいことを特徴とする
請求項2から9のいずれか1項に記載の箱型構造の溶接変形制御装置。
【請求項11】
溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得することと、
前記歪み量パラメータに基づいて、前記溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成することと、
前記逆変形調節戦略に従って、溶接過程における前記溶接すべき箱体に対してリアルタイムに逆変形調節を行うことと、を含むことを特徴とする
請求項1から10のいずれか1項に記載の箱型構造の溶接変形制御装置に基づく制御方法。
【請求項12】
前記した、溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得するステップは、具体的に、
前記溶接すべき箱体の溶接過程における第1の歪み特徴値及び第2の歪み特徴値を取得することであって、ここで、前記第1の歪み特徴値は、前記溶接すべき箱体の歪み領域パラメータであり、前記第2の歪み特徴値は、前記第1の歪み特徴値に対応する歪み力パラメータであることと、
前記第1の歪み特徴値及び前記第2の歪み特徴値に基づいて前記歪み量パラメータを生成することと、を含むことを特徴とする
請求項11に記載の箱型構造の溶接変形の精細化制御方法。
【請求項13】
前記した、前記歪み量パラメータに基づいて、前記溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成するステップは、具体的に、
前記溶接すべき箱体の溶接面に基づく複数のプリセット調節領域を取得して、前記第1の歪み特徴値に基づいて対応する前記プリセット調節領域内の全ての調節部を取得することと、
前記第2の歪み特徴値に基づいて、取得された各前記調節部に基づく調節変位特徴値を生成することであって、前記調節変位特徴値は少なくとも、前記調節部の前記溶接すべき箱体の溶接面に対して垂直となる第1の方向変位パラメータ、及び前記調節部の前記溶接すべき箱体の溶接面に対して平行となる第2の方向変位パラメータを含むことと、
全ての前記調節変位特徴値に基づいて、前記プリセット調節領域に基づく前記逆変形調節戦略を生成することと、を含むことを特徴とする
請求項12に記載の箱型構造の溶接変形の精細化制御方法。
【請求項14】
前記した、前記歪み量パラメータに基づいて、前記溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成するステップは、具体的に、
前記溶接すべき箱体の瞬間溶接領域を取得し、前記瞬間溶接領域及び前記プリセット調節領域に対して動的フィッティングを行って、前記動的フィッティングに基づく瞬間調節領域を得ることと、
前記瞬間調節領域のうち、アクティブ状態にあり且つ前記瞬間調節領域外にある前記調節部を決定し、対応する前記調節部にスリープ信号を送信することと、
前記瞬間調節領域のうち、スリープ状態にあり且つ前記瞬間調節領域内にある前記調節部を決定し、対応する前記調節部にウェイクアップ信号を送信することと、を更に含むことを特徴とする
請求項13に記載の箱型構造の溶接変形の精細化制御方法。
【請求項15】
前記した、前記歪み量パラメータに基づいて、前記溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成するステップは、具体的に、
前記溶接すべき箱体に基づくデジタルツインモデルを構築することと、
前記デジタルツインモデルの前記溶接すべき箱体の前記歪み量パラメータに対応するツイン歪み量パラメータを取得することと、
前記ツイン歪み量パラメータに基づいて前記逆変形調節戦略を生成することと、を更に含むことを特徴とする
請求項11から14のいずれか1項に記載の箱型構造の溶接変形の精細化制御方法。
【請求項16】
前記した、溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得するステップの前に、具体的に、
前記溶接すべき箱体に基づく有限要素モデルを構築して、前記有限要素モデルにおいて前記溶接すべき箱体の溶接パラメータをロードすることと、
前記有限要素モデルの有限要素解析過程における、前記溶接パラメータに基づく第1の有限要素特徴値及び第2の有限要素特徴値を取得することであって、前記第1の有限要素特徴値は、前記溶接すべき箱体の固有歪みパラメータであり、前記第2の有限要素特徴値は、前記溶接すべき箱体の弾性歪みパラメータであることと、
前記第1の有限要素特徴値及び前記第2の有限要素特徴値に基づいて有限要素解析パラメータを生成して、前記有限要素解析パラメータ及び前記歪み量パラメータに基づいて前記逆変形調節戦略を生成することと、をさらに含むことを特徴とする
請求項11から14のいずれか1項に記載の箱型構造の溶接変形の精細化制御方法。
【請求項17】
前記した、前記逆変形調節戦略に従って、溶接過程における前記溶接すべき箱体に対してリアルタイムに逆変形調節を行うステップは、具体的に、
前記逆変形調節戦略における第1の逆変形調節決定及び第2の逆変形調節決定を取得することであって、前記第1の逆変形調節決定は、前記溶接すべき箱体の第1の溶接面を含み、前記第2の逆変形調節決定は、前記溶接すべき箱体の第2の溶接面を含むことと、
前記第1の逆変形調節決定に従って調節部の前記第1の溶接面への付勢力の大きさをリアルタイムに制御することと、
前記第2の逆変形調節決定に従って前記調節部の前記第2の溶接面への付勢力の大きさ及び/又は付勢位置をリアルタイムに制御することと、を含むことを特徴とする
請求項11から14のいずれか1項に記載の箱型構造の溶接変形の精細化制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年10月25日に提出された、出願番号が202111243217.1であり、名称が「箱型構造の溶接変形制御装置及び制御方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全体が参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本願は、溶接の技術分野に関し、特に、箱型構造の溶接変形制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
高速列車の枕梁は、アルミニウム合金型材及び板材によって構成された箱型溶接構造であり、高速列車の長く大きく薄い壁を持つ車体における重要な担持部品及び主要構成部分であり、高速列車の台車に接続される。箱型枕梁構造は、高い製造精度が要求され、使用環境及び動作モードが過酷であり、列車が高速で走行する際の繰り返し衝撃荷重を受ける。箱型枕梁構造は、内部に補強リブを備えた非対称溶接構造であり、溶接構造が複雑で、溶接スペースが狭く、主に8mm以上の中厚板の溶接が行われ、溶接ビードが多く、溶接量が大きく、加えて、アルミ合金は高温に加熱すると膨張係数が大きくなるため、深刻な溶接変形が発生する。車体の後続の組み立て要件を満たすために、溶接後の火炎による矯正及びチューニングを追加する必要があり、生産効率が低下し、且つ強度の損失や性能の低下が引き起こされ、高速列車のアルミニウム合金車体の製造品質及び自動化効率のさらなる向上は厳しく制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、箱型構造の溶接変形制御装置及び制御方法を提供し、従来技術では、枕梁構造の溶接後のチューニングの免除を実現できず、溶接変形を効果的に抑えることができず、反復検証の作業量が大きく、溶接構造の変形の進化傾向や変化量に基づいて精密かつ動的な調整を行うことができず、逆変形効果が良くない等の欠陥を解決するために用いられ、枕梁の箱型構造にマルチポイントフレキシブルサポートを設けることにより、溶接過程において、枕梁の箱型構造の各ステップにおける位置決め支持、剛性制約点の位置及び作用力の大きさ、逆変形位置および逆変形量をリアルタイムで定量的に出力し、枕梁の箱型構造の溶接中の製造精度および応力分布を3次元で動的且つリアルタイムに監視することを実現し、リアルタイムな動的調整及び段階的な精密調整のような精細化制御を行い、枕梁の製造精度を向上させ、枕梁の箱型構造の溶接後のチューニングをなくし、製造コストを削減し、生産効率を大幅に向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、箱型構造の溶接変形の精細化制御方法をさらに提供し、従来技術では、枕梁構造の溶接後のチューニングの免除を実現できず、溶接変形を効果的に抑えることができず、反復検証の作業量が大きく、溶接構造の変形の進化傾向や変化量に基づいて精密かつ動的な調整を行うことができず、逆変形効果が良くない等の欠陥を解決するために用いられ、枕梁箱型構造の数学モデル式を構築することにより、枕梁の箱型構造に対するマルチポイントフレキシブルサポート、動的デジタル圧着及び無段階位置調整を実現し、枕梁の箱型構造の溶接中の製造精度および応力分布を3次元で動的且つリアルタイムに監視し、リアルタイムな動的調整及び段階的な精密調整のような精細化制御を行い、枕梁の箱型構造の各ステップにおける位置決め支持、剛性制約点の位置及び作用力の大きさ、逆変形位置および逆変形量をリアルタイムで定量的に出力し、枕梁の製造精度を向上させ、枕梁の箱型構造の溶接後のチューニングをなくし、製造コストを削減し、生産効率を大幅に向上させる。
【0006】
本願の第1の側面に係る箱型構造の溶接変形制御装置は、支持部及び調節部を含み、前記支持部には溶接すべき箱体を支持する支持面が形成されており、前記調節部は支持部に接続され、少なくとも前記溶接すべき箱体の溶接面に当接し、溶接過程において、前記調節部は、前記溶接すべき箱体の溶接面への付勢力の大きさ及び/又は付勢位置を調節することにより、前記溶接すべき箱体の平面度に対する制御を実現する。
【0007】
本願の1つの実施形態によれば、前記溶接すべき箱体は少なくとも、第1の溶接面及び第2の溶接面を含み、前記第1の溶接面は、前記溶接すべき箱体の前記支持面に近い側の表面であり、前記第2の溶接面は、前記溶接すべき箱体の前記第1の溶接面から遠い側の表面である。
【0008】
具体的に、本実施形態は、溶接すべき箱体の実施形態を提供した。
【0009】
本願の1つの実施形態によれば、前記溶接すべき箱体の前記第1の溶接面における少なくとも一部の領域の厚さは一部の前記第2の溶接面の厚さより小さい。
【0010】
具体的に、本実施形態は、第1の溶接面及び第2の溶接面の実施形態を提供した。
【0011】
本願の1つの実施形態によれば、前記支持部は、支持台及び駆動ユニットを含み、前記支持台の表面が前記支持面を形成し、前記駆動ユニットは、前記支持台に接続されており、前記支持台の回転角度を調節して、前記第1の溶接面と前記第2の溶接面の溶接を実現するために用いられ、ここで、前記支持台には複数の隙間が設けられており、前記隙間は、少なくとも前記第1の溶接面の溶接すべき位置に対応する。
【0012】
具体的に、本実施形態は、支持部の実施形態を提供した。
【0013】
本願の1つの実施形態によれば、前記調節部は、第1の調節座、第1の調節シリンダ及び第1のセンサーコンポーネントを含み、複数の前記第1の調節座は前記支持台に接続され、前記第1の調節シリンダの一端は前記第1の調節座に設けられ、前記第1の調節シリンダの他端は前記第1の溶接面に当接し、前記第1のセンサーコンポーネントは少なくとも前記第1の調節シリンダに接続され、ここで、溶接過程において、前記第1の調節シリンダは、前記第1のセンサーコンポーネントがフィードバックしたパラメータに基づいて、前記第1の調節シリンダのストロークを調節し、前記第1の溶接面への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0014】
具体的に、本実施形態は、調節部が支持台に設けられる実施形態を提供した。
【0015】
本願の1つの実施形態によれば、前記調節部は、第2の調節座、第2の調節シリンダ、押圧ロッド、及び第2のセンサーコンポーネントを含み、複数の前記第2の調節座は、前記支持台の側部に設けられ、前記第2の調節シリンダの一端は前記第2の調節座に接続され、前記第2の調節シリンダの他端は前記押圧ロッドに接続され、且つ前記第2の調節シリンダは鉛直方向に沿って設けられ、前記押圧ロッドの前記第2の調節シリンダに対向する他端は、前記第2の溶接面に当接し、前記第2のセンサーコンポーネントは少なくとも前記押圧ロッドに接続され、ここで、溶接過程において、前記第2の調節シリンダは、前記第2のセンサーコンポーネントがフィードバックしたパラメータに基づいて、前記第2の調節シリンダのストロークを調節し、前記押圧ロッドの前記第2の溶接面への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0016】
具体的に、本実施形態は、調節部が支持台の側部に設けられる実施形態を提供した。
【0017】
本願の1つの実施形態によれば、前記調節部は、スライドウェイをさらに含み、複数の前記スライドウェイは前記支持台の側部に設けられ、前記第2の調節座は前記スライドウェイに滑り嵌めされており、ここで、溶接過程において、前記第2の調節座は、前記第2のセンサーコンポーネントがフィードバックしたパラメータに基づいて、前記スライドウェイの延在方向に沿ってスライドし、前記押圧ロッドの前記第2の溶接面での付勢位置に対する調節を実現する。
【0018】
具体的に、本実施形態は、支持台の側部にスライドウェイを設ける実施形態を提供した。
【0019】
本願の1つの実施形態によれば、前記第2の調節座は、第1のパネル、第2のパネル、及びスライドブロックを含み、前記第1のパネルは前記支持台の側部に接続され、前記第2のパネルは、前記第1のパネルと接続されてL字型の構造を形成し、前記スライドブロックは前記第2のパネルに摺動可能に設けられており、前記第2の調節シリンダは前記スライドブロックに接続され、前記調節部は、第3の調節シリンダ及びタイロッドをさらに含み、前記第3の調節シリンダは、前記第1のパネルの前記支持台の側部に対向する他方の面に設けられ、前記タイロッドの一端は、前記第3の調節シリンダに接続され、前記タイロッドの他端は、前記第2のパネルに開設された開口溝を通過して前記スライドブロックに接続される。
【0020】
具体的に、本実施形態は、押圧ロッドの第2の溶接面での付勢位置を調節する実施形態を提供した。
【0021】
本願の1つの実施形態によれば、前記押圧ロッドは、伸縮長さを調節できる棒状の構造であり、溶接過程において、前記押圧ロッドは前記第2のセンサーコンポーネントがフィードバックしたパラメータに基づいて、伸縮長さを調節し、前記第2の溶接面での付勢位置に対する調節を実現する。
【0022】
具体的に、本実施形態は、押圧ロッドの実施形態を提供した。
【0023】
本願の1つの実施形態によれば、前記溶接すべき箱体は、枕梁であり、前記枕梁は少なくとも、貫通管、第1の蓋板及び第2の蓋板を含み、2つの前記貫通管は間隔をあけて設けられており、前記第1の蓋板は、前記第1の溶接面内で2つの前記貫通管にそれぞれ接続され、前記第2の蓋板は、前記第2の溶接面内で2つの前記貫通管にそれぞれ接続され、ここで、少なくとも前記第1の蓋板の厚さは前記第2の蓋板の厚さより小さい。
【0024】
具体的に、本実施形態は、溶接すべき箱体が枕梁である実施形態を提供した。
【0025】
本願の第2の側面に係る上記の箱型構造の溶接変形制御装置に基づく制御方法は、
溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得することと、
前記歪み量パラメータに基づいて、前記溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成することと、
前記逆変形調節戦略に従って、溶接過程における前記溶接すべき箱体に対してリアルタイムに逆変形調節を行うことと、を含む。
【0026】
本願の1つの実施形態によれば、前記した、溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得するステップは、具体的に、
前記溶接すべき箱体の溶接過程における第1の歪み特徴値及び第2の歪み特徴値を取得することであって、ここで、前記第1の歪み特徴値は、前記溶接すべき箱体の歪み領域パラメータであり、前記第2の歪み特徴値は、前記第1の歪み特徴値に対応する歪み力パラメータであることと、
前記第1の歪み特徴値及び前記第2の歪み特徴値に基づいて前記歪み量パラメータを生成することと、を含む。
【0027】
具体的に、本実施形態は、溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得する実施形態を提供した。
【0028】
本願の1つの実施形態によれば、前記した、前記歪み量パラメータに基づいて、前記溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成するステップは、具体的に、
前記溶接すべき箱体の溶接面に基づく複数のプリセット調節領域を取得して、前記第1の歪み特徴値に基づいて対応する前記プリセット調節領域内の全ての調節部を取得することと、
前記第2の歪み特徴値に基づいて、取得された各前記調節部に基づく調節変位特徴値を生成することであって、前記調節変位特徴値は少なくとも、前記調節部の前記溶接すべき箱体の溶接面に対して垂直となる第1の方向変位パラメータ、及び前記調節部の前記溶接すべき箱体の溶接面に対して平行となる第2の方向変位パラメータを含むことと、
全ての前記調節変位特徴値に基づいて、前記プリセット調節領域に基づく前記逆変形調節戦略を生成することと、を含む。
【0029】
具体的に、本実施形態は、前記歪み量パラメータに基づいて前記溶接すべき箱体の平面度を制御する逆変形調節戦略を生成する実施形態を提供した。
【0030】
本願の1つの実施形態によれば、前記した、前記歪み量パラメータに基づいて、前記溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成するステップは、具体的に、
前記溶接すべき箱体の瞬間溶接領域を取得し、前記瞬間溶接領域及び前記プリセット調節領域に対して動的フィッティングを行って、前記動的フィッティングに基づく瞬間調節領域を得ることと、
前記瞬間調節領域のうち、アクティブ状態にあり且つ前記瞬間調節領域外にある前記調節部を決定し、対応する前記調節部にスリープ信号を送信することと、
前記瞬間調節領域のうち、スリープ状態にあり且つ前記瞬間調節領域内にある前記調節部を決定し、対応する前記調節部にウェイクアップ信号を送信することと、を更に含む。
【0031】
具体的に、本実施形態は、前記歪み量パラメータに基づいて前記溶接すべき箱体の平面度を制御する逆変形調節戦略を生成する別の実施形態を提供した。
【0032】
本願の1つの実施形態によれば、前記した、前記歪み量パラメータに基づいて、前記溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成するステップは、具体的に、
前記溶接すべき箱体に基づくデジタルツインモデルを構築することと、
前記デジタルツインモデルの前記溶接すべき箱体の前記歪み量パラメータに対応するツイン歪み量パラメータを取得することと、
前記ツイン歪み量パラメータに基づいて前記逆変形調節戦略を生成することと、を更に含む。
【0033】
具体的に、本実施形態は、デジタルツインモデルに基づいて逆変形調節戦略を構築する実施形態を提供した。
【0034】
本願の1つの実施形態によれば、前記した、溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得するステップの前に、具体的に、
前記溶接すべき箱体に基づく有限要素モデルを構築して、前記有限要素モデルにおいて前記溶接すべき箱体の溶接パラメータをロードすることと、
前記有限要素モデルの有限要素解析過程における、前記溶接パラメータに基づく第1の有限要素特徴値及び第2の有限要素特徴値を取得することであって、前記第1の有限要素特徴値は、前記溶接すべき箱体の固有歪みパラメータであり、前記第2の有限要素特徴値は、前記溶接すべき箱体の弾性歪みパラメータであることと、
前記第1の有限要素特徴値及び前記第2の有限要素特徴値に基づいて有限要素解析パラメータを生成して、前記有限要素解析パラメータ及び前記歪み量パラメータに基づいて前記逆変形調節戦略を生成することと、をさらに含む。
【0035】
具体的に、本実施形態は、有限要素モデルに基づいて逆変形調節戦略を構築する実施形態を提供した。
【0036】
本願の1つの実施形態によれば、前記した、前記逆変形調節戦略に従って、溶接過程における前記溶接すべき箱体に対してリアルタイムに逆変形調節を行うステップは、具体的に、
前記逆変形調節戦略における第1の逆変形調節決定及び第2の逆変形調節決定を取得することであって、前記第1の逆変形調節決定は、前記溶接すべき箱体の第1の溶接面を含み、前記第2の逆変形調節決定は、前記溶接すべき箱体の第2の溶接面を含むことと、
前記第1の逆変形調節決定に従って前記調節部の前記第1の溶接面への付勢力の大きさをリアルタイムに制御することと、
前記第2の逆変形調節決定に従って前記調節部の前記第2の溶接面への付勢力の大きさ及び/又は付勢位置をリアルタイムに制御することと、を含む。
【0037】
具体的に、本実施形態は、前記逆変形調節戦略に従って、溶接過程における溶接すべき箱体に対してリアルタイムに逆変形調節を行う実施形態を提供した。
【発明の効果】
【0038】
本願における上記の一つ又は複数の技術的手段は、以下のような技術効果の少なくとも1つを有する。本願に係る箱型構造の溶接変形制御装置及び制御方法は、枕梁の箱型構造にマルチポイントフレキシブルサポートを設けることにより、溶接過程において、枕梁の箱型構造の各ステップにおける位置決め支持、剛性制約点の位置及び作用力の大きさ、逆変形位置および逆変形量をリアルタイムで定量的に出力し、枕梁の箱型構造の溶接中の製造精度および応力分布を3次元で動的且つリアルタイムに監視することを実現し、リアルタイムな動的調整及び段階的な精密調整のような精細化制御を行い、枕梁の製造精度を向上させ、枕梁の箱型構造の溶接後のチューニングをなくし、製造コストを削減し、生産効率を大幅に向上させる。
【0039】
本願の付加的な側面及び利点は、一部が以下の説明で与えられ、一部が以下の説明から明らかになり、又は本発明の実施によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
以下、本願又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、以下に説明する図面は、本願の一部の実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいてその他の図面を取得することができる。
【
図1】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置の装着関係の模式図その1である。
【
図2】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置の装着関係の模式図その2である。
【
図3】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置の装着関係の模式図その3である。
【
図4】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、枕梁の装着関係の模式図その1である。
【
図5】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、枕梁の装着関係の模式図その2である。
【
図6】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、支持台の構造関係の模式図である。
【
図7】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、第1の調節座及び第1の調節シリンダの装着関係の模式図である。
【
図8】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、第2の調節座、第2の調節シリンダ及び押圧ロッドの装着関係の模式図である。
【
図9】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、第2の調節座、第2の調節シリンダ、押圧ロッド、タイロッド及び第3の調節シリンダの装着関係の模式図である。
【
図10】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、第1のセンサーコンポーネント、第2のセンサーコンポーネント及びコントローラの配置関係の模式図である。
【
図11】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその1である。
【
図12】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその2である。
【
図13】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその3である。
【
図14】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその4である。
【
図15】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその5である。
【
図16】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその6である。
【
図17】本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその7である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本願の実施形態の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下は、本願における図面を参照しながら、本願における技術案を明確かつ完全に説明する。勿論、説明する実施形態は、全ての実施形態ではなく、本願の一部の実施形態に過ぎない。本願における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働をしないうちに取得する全ての他の実施形態は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0042】
本願の実施形態の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「トップ」、「ボトム」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本願の実施形態の説明の便宜や説明の簡略化のためのものに過ぎず、示される装置又は要素が特定の方位を有したり、特定の方位で構成又は操作されたりすることを指示又は示唆するものではないので、本願の実施形態に対する限定としては理解されることができない。また、「第1の」、「第2の」、「第3の」のような用語は、説明するためのものに過ぎず、比較的な重要性を指示又は示唆するものとしては理解されることができない。
【0043】
図1から
図3は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置の装着関係の模式図その1から3であり、ここで、
図2は、スライドウェイ54と第2の調節座50の相対位置、及び第1の調節座40の支持台30の内部での具体的な設置を容易に観察する目的に達するように、支持台30の側部の一部の構造を省略した。
【0044】
図4及び
図5は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、枕梁60の装着関係の模式図その1及び2である。主に枕梁60の構造を示している。
【0045】
図6は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、支持台30の構造関係模式図である。
図6は、支持台30の具体的な構造を示している。
【0046】
図7は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、第1の調節座40及び第1の調節シリンダ41の装着関係の模式図である。
図7は、第1の調節座40の具体的な設置を示している。
【0047】
図8は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、第2の調節座50、第2の調節シリンダ51及び押圧ロッド52の装着関係の模式図である。ここで、
図8は、スライドブロック503に支持ロッド80を設ける方策も示しており、押圧ロッド52は支持ロッド80との接続部位を回転中心として回転し、さらに、支持ロッド80は伸縮機能を有する伸縮ロッドとして設定されてもよい。
【0048】
図9は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、第2の調節座50、第2の調節シリンダ51、押圧ロッド52、タイロッド56及び第3の調節シリンダ55の装着関係の模式図であり、第2の調節座50の具体的な構造を示しており、
図9は、主に第2の調節座50の内部に第3の調節シリンダ55を設ける実施形態を示しており、第3の調節シリンダ55を設けることにより、押圧ロッド52は対応する付勢位置を調節することができ、第3の調節シリンダ55はスライドブロック503を往復動作させる。
【0049】
図10は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御装置における、第1のセンサーコンポーネント42、第2のセンサーコンポーネント53及びコントローラ90の配置関係の模式図である。
図10は主に、第1のセンサーコンポーネント42、第2のセンサーコンポーネント53及びコントローラ90の間の相対配置情況を示している。
【0050】
図11は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその1である。
図11には、ステップS100、S200及びS300が含まれ、具体的に、以下のようになる。
【0051】
ステップS100において、溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得する。
【0052】
具体的に、溶接すべき箱体の溶接過程における関連パラメータをリアルタイムに取得して、関連パラメータを歪み量パラメータに変換し、溶接すべき箱体の溶接過程におけるリアルタイムでフレキシブルな動的制御が実現される。
【0053】
可能な実施形態において、本願で言及された溶接すべき箱体はいずれも枕梁60である。
【0054】
可能な実施形態において、本願で言及された溶接すべき箱体は、枕梁と類似する構造を有する他の箱型構造であり、且つ少なくとも2つの対向する面の溶接が必要となると理解されてもよい。
【0055】
ステップS200において、歪み量パラメータに基づいて、溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成する。
【0056】
具体的に、逆変形調節戦略は、リアルタイムに更新される戦略であり、溶接すべき箱体の溶接過程に対応し、溶接すべき箱体の溶接過程の展開に伴い、逆変形調節戦略がリアルタイムに更新される。
【0057】
ステップS300において、逆変形調節戦略に従って、溶接過程における溶接すべき箱体に対してリアルタイムに逆変形調節を行う。
【0058】
可能な実施形態において、逆変形調節戦略に従って溶接すべき箱体を調節した後も、調節部分のデータをリアルタイムに収集して、調節部の溶接すべき箱体に対する位置決め、及び温度の低下に伴う後続の変形問題に対する制御を容易にする。
【0059】
可能な実施形態において、溶接すべき箱体の溶接過程全体を通じて、あらゆる調節部は関与しており、溶接位置の調整に伴い、溶接範囲内での調節部は、熱量及び応力の集中に基づいて、付勢力及び/又は付勢位置を調整する。
【0060】
図12は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその2である。
図12には、ステップS110及びS120が含まれ、具体的に、以下のようになる。
【0061】
ステップS110において、溶接すべき箱体の溶接過程における第1の歪み特徴値及び第2の歪み特徴値を取得し、ここで、第1の歪み特徴値は、溶接すべき箱体の歪み領域パラメータであり、第2の歪み特徴値は、第1の歪み特徴値に対応する歪み力パラメータである。
【0062】
具体的に、溶接過程において、第1の溶接面10及び第2の溶接面20の溶接位置は、周囲領域と比べると、熱量及び応力がより集中している特徴があるため、歪み領域パラメータ及び歪み力パラメータの両方のパラメータを取得することにより、歪み領域パラメータの具体的な歪み力パラメータに基づいて対応する調節部による制御を行うことができ、例えば、歪み領域パラメータには3つの調節部が含まれており、そのうちの各調節部に対応する歪み力パラメータはそれぞれ異なっており、従って、各調節部によって加えられた付勢力も異なっており、且つ溶接が進むにつれて、各調節部の付勢位置も第1の溶接面10及び第2の溶接面20の具体的な変形状態に応じて変わる。
【0063】
ステップS120において、第1の歪み特徴値及び第2の歪み特徴値に基づいて歪み量パラメータを生成する。
【0064】
具体的に、第1の歪み特徴値及び第2の歪み特徴値に基づいて歪み量パラメータを形成することにより、枕梁60の溶接過程における熱量変化領域、応力集中領域に対する監視がより正確になり、調節部による枕梁60の溶接面に対するフレキシブルな動的制御もより正確になる。
【0065】
図13は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその3である。
図13には、ステップS210、S220及びS230が含まれ、具体的に、以下のようになる。
【0066】
ステップS210において、溶接すべき箱体の溶接面に基づく複数のプリセット調節領域を取得して、第1の歪み特徴値に基づいて対応するプリセット調節領域内の全ての調節部を取得する。
【0067】
具体的に、調節部の分布に基づいて、調節部を複数のプリセット調節領域に設定することができ、且つ各プリセット調節領域内の調節部は独立して動作することができ、コントローラ90の制御下で、対応する付勢力の大きさ及び/又は付勢位置を調整する。
【0068】
ステップS220において、第2の歪み特徴値に基づいて、取得された各調節部に基づく調節変位特徴値を生成し、ここで、調節変位特徴値は少なくとも、調節部の溶接すべき箱体の溶接面に対して垂直となる第1の方向変位パラメータ、及び調節部の溶接すべき箱体の溶接面に対して平行となる第2の方向変位パラメータを含む。
【0069】
具体的に、調節部は、対応する付勢位置での応力の大きさに基づいて、調節変位特徴値を生成し、一つのプリセット調節領域内で、各調節部は、枕梁60の当該領域における具体的な情況に基づいて、第1の方向変位パラメータ及び第2の方向変位パラメータを決定する。
【0070】
ステップS230において、全ての調節変位特徴値に基づいて、プリセット調節領域に基づく逆変形調節戦略を生成する。
【0071】
具体的に、一つのプリセット調節領域の各調節部によって生成された全ての調節変位特徴値に基づいて、当該プリセット調節領域内の枕梁60の歪みを制御する逆変形調節戦略を生成する。
【0072】
図14は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその4である。
図14には、ステップS231、S232及びS233が含まれ、具体的に、以下のようになる。
【0073】
ステップS221において、溶接すべき箱体の瞬間溶接領域を取得し、瞬間溶接領域及びプリセット調節領域に対して動的フィッティングを行って、動的フィッティングに基づく瞬間調節領域を得る。
【0074】
具体的に、枕梁60の溶接過程は変化しており、つまり、溶接トーチの移動につれて、枕梁60の変形領域も変化しており、従って、対応する瞬間溶接領域を取得する必要がある。
【0075】
さらに、瞬間溶接領域及びプリセット調節領域に基づいてフィッティングを行って、瞬間調節領域を得る。
【0076】
なお、瞬間調節領域は動的に変化しており、枕梁60の溶接過程に応じて対応する変化を行う。
【0077】
ステップS232において、瞬間調節領域のうち、アクティブ状態にあり且つ瞬間調節領域外にある調節部を決定し、対応する調節部にスリープ信号を送信する。
【0078】
ステップS233において、瞬間調節領域のうち、スリープ状態にあり且つ瞬間調節領域内にある調節部を決定し、対応する調節部にウェイクアップ信号を送信する。
【0079】
具体的に、上記のステップS232及びステップS233において、枕梁60の溶接過程において、溶接位置が固定されるので、通常、単一の溶接機構が採用され、一部の情況では複数の溶接機構を採用して共同作業を行うが、単一溶接であっても、共同溶接であっても、枕梁60での歪み位置はいずれも動的なものであり、従って、瞬間調節領域を形成する必要があり、瞬間調節領域に基づいて対応する調節部をウェイクアップすることにより、熱量及び応力が集中している領域では調節部により対応する制御を行うことができる。
【0080】
また、ウェイクアップされていない又はアクティブ状態からスリープ状態に入る調節部は、引き続き枕梁60に対して予測支持力に基づいて支持し、枕梁60に対する位置決めを形成する。
【0081】
なお、本願で言及されたアクティブ状態は、調節部が溶接面の対応する歪みに基づいてフレキシブル動的な調整を行う状態に対応するが、スリープ状態は、溶接面の変形が比較的小さく又はすでに安定しており、調節部が支持作用のみを果たす状態に対応する。
【0082】
図15は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその5である。
図15には、ステップS240、S250及びS260が含まれ、具体的に、以下のようになる。
【0083】
ステップS240において、溶接すべき箱体に基づくデジタルツインモデルを構築する。
【0084】
具体的に、デジタルツインモデルを構築することにより、枕梁60の逆変形量に対する計算が実現される。
【0085】
ステップS250において、デジタルツインモデルの、溶接すべき箱体の歪み量パラメータに対応するツイン歪み量パラメータを取得する。
【0086】
具体的に、デジタルツインモデルにおけるツイン歪み量パラメータについて、仮想のデジタルツインモデルにおいて、枕梁60の各工程で設定される圧着点、圧着力、逆変形位置、逆変形量及び溶接プロセス情報を出力し、これにより、組み立て溶接プロセスをリアルタイムに調整し、精細化制御を実現する目的に達する。
【0087】
ステップS260において、ツイン歪み量パラメータに基づいて逆変形調節戦略を生成する。
【0088】
具体的に、ツイン歪み量パラメータに基づいて逆変形調節戦略を生成し、枕梁60の溶接過程に対するリアルタイムでフレキシブル動的な制御を実現する。
【0089】
さらに、デジタルツインモデルで対応する調整状態のシミュレーションを行って、枕梁60に対する最適な調整方策を得て、さらに逆変形調節戦略を生成してもよい。
【0090】
図16は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその6である。
図16には、ステップS70、S80及びS90が含まれ、具体的に、以下のようになる。
【0091】
ステップS70において、溶接すべき箱体に基づく有限要素モデルを構築して、有限要素モデルにおいて溶接すべき箱体の溶接パラメータをロードする。
【0092】
具体的に、シミュレーション結果を得るように、有限要素モデルにより枕梁60の具体的な型番、サイズ及び関連溶接パラメータ、クランプパラメータ等を予めシミュレーションする。さらに、シミュレーション結果に基づいて対応する治具、調節部の支持力等の方面の設定を行ってもよく、調節方策を予め設定して、実際に収集されたデータと比較し、作業効率を容易に向上させてもよい。
【0093】
ステップS80において、有限要素モデルの有限要素解析過程における、溶接パラメータに基づく第1の有限要素特徴値及び第2の有限要素特徴値を取得し、ここで、第1の有限要素特徴値は、溶接すべき箱体の固有歪みパラメータであり、第2の有限要素特徴値は、溶接すべき箱体の弾性歪みパラメータである。
【0094】
具体的に、有限要素解析過程において固有歪みパラメータ及び弾性歪みパラメータを取得することにより、枕梁60に対する解析過程をより真の値に近づける。。
【0095】
さらに、有限要素解析を行う過程において、枕梁60の具体的な加工環境、電流、電圧等をシミュレートするように、環境パラメータ等を設定してもよく、得られたシミュレーション結果はより正確である。
【0096】
ステップS90において、第1の有限要素特徴値及び第2の有限要素特徴値に基づいて有限要素解析パラメータを生成して、有限要素解析パラメータ及び歪み量パラメータに基づいて逆変形調節戦略を生成する。
【0097】
具体的に、第1の有限要素特徴値及び第2の有限要素特徴値に基づいて逆変形調節戦略が生成される。
【0098】
図17は、本願に係る箱型構造溶接変形の精細化制御方法のフローチャートその7である。
図17には、ステップS310、S320及びS330が含まれ、具体的に、以下のようになる。
【0099】
ステップS310において、逆変形調節戦略における第1の逆変形調節決定及び第2の逆変形調節決定を取得し、ここで、第1の逆変形調節決定は、溶接すべき箱体の第1の溶接面10を含み、第2の逆変形調節決定は、溶接すべき箱体の第2の溶接面20を含む。
【0100】
具体的に、逆変形調節戦略の具体的な調節決定を取得することにより、第1の溶接面10及び第2の溶接面20をそれぞれ制御することが実現される。
【0101】
なお、ここでの設定は、第1の溶接面10及び第2の溶接面20の厚さ及び調節部の具体的な設定の違いが考慮されている。
【0102】
ステップS320において、第1の逆変形調節決定に従って調節部の第1の溶接面10への付勢力の大きさをリアルタイムに制御する。
【0103】
具体的に、第1の逆変形調節決定により第1の溶接面10への付勢力の大きさに対するフレキシブル動的な制御が実現される。
【0104】
ステップS330において、第2の逆変形調節決定に従って調節部の第2の溶接面20への付勢力の大きさ及び/又は付勢位置をリアルタイムに制御する。
【0105】
具体的に、第2の逆変形調節決定により第2の溶接面20への付勢力の大きさ及び/又は付勢位置に対するフレキシブル動的な制御が実現される。
【0106】
本願の実施形態の説明において、特に明確な規定及び限定がない限り、「互いに接続」、「接続」などの用語は、広義に理解されるすべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、又は一体に接続されてもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記の用語の本願の実施形態における具体的な意味を理解することができる。
【0107】
本願の実施形態において、特に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」または「下」に位置することは、第1特徴が第2特徴に直接接触することであってもよく、第1特徴が中間媒体を介して第2特徴に間接的に接触することであってもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上のほう」に位置することは、第1特徴が第2特徴の真上や斜め上に位置することであってもよく、あるいは、第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことのみを表す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」や「下のほう」に位置することは、第1特徴が第2特徴の真下や斜め下に位置することであってもよく、あるいは、第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことのみを表す。
【0108】
本願のいくつかの具体的な実施方策において、
図1から
図10に示すように、本方策は、箱型構造の溶接変形制御装置を提供し、支持部及び調節部を含み、支持部には溶接すべき箱体を支持する支持面が形成されており、調節部は、支持部に接続され、少なくとも溶接すべき箱体の溶接面に当接し、溶接過程において、調節部は、溶接すべき箱体の溶接面への付勢力の大きさ及び/又は付勢位置を調節することにより、溶接すべき箱体の平面度に対する制御を実現する。
【0109】
詳しく説明すると、本願は、箱型構造の溶接変形制御装置及び制御方法を提供し、従来技術では、枕梁60構造の溶接後のチューニングの免除を実現できず、溶接変形を効果的に抑えることができず、反復検証の作業量が大きく、溶接構造の変形の進化傾向や変化量に基づいて精密かつ動的な調整を行うことができず、逆変形効果が良くない等の欠陥を解決するために用いられ、枕梁60の箱型構造にマルチポイントフレキシブルサポートを設けることにより、溶接過程において、枕梁60の箱型構造の各ステップにおける位置決め支持、剛性制約点の位置及び作用力の大きさ、逆変形位置および逆変形量をリアルタイムで定量的に出力し、枕梁60の箱型構造の溶接中の製造精度および応力分布を3次元で動的且つリアルタイムに監視することを実現し、リアルタイムな動的調整及び段階的な精密調整のような精細化制御を行い、枕梁60の製造精度を向上させ、枕梁60の箱型構造の溶接後のチューニングをなくし、製造コストを削減し、生産効率を大幅に向上させる。
【0110】
本願のいくつかの可能な実施形態において、溶接すべき箱体は少なくとも、第1の溶接面10及び第2の溶接面20を含み、第1の溶接面10は、溶接すべき箱体の支持面に近い側の表面であり、第2の溶接面20は、溶接すべき箱体の第1の溶接面10から遠い側の表面である。
【0111】
具体的に、本実施形態は、溶接すべき箱体の実施形態を提供し、溶接すべき箱体に第1の溶接面10及び第2の溶接面20を設け、第1の溶接面10及び第2の溶接面20と支持面との相対位置を制約することにより、溶接すべき箱体が溶接過程において、調節部により第1の溶接面10及び第2の溶接面20をそれぞれ調整することができ、溶接中に熱量及び応力の集中により第1の溶接面10及び第2の溶接面20に構造的な損傷や比較的大きな変形が発生し、さらに製造誤差を引き起こすことを回避すると共に、溶接すべき箱体の溶接後のチューニングをなくし、製造コストを削減し、生産効率を大幅に向上させることができる。
【0112】
なお、支持部には溶接すべき箱体を支持する支持面が形成され、当該支持面は、支持部の表面の具体的な構造によって形成される実体支持面であってもよく、実体支持面は、支持部が溶接すべき箱体の接触面に対して面接触し、且つ完全に支持部の表面構造によって支持されることを指し、支持面の表面に透かし彫り等の構造を採用して物理的な支持面を形成してもよく、物理的な支持面は、溶接すべき箱体と支持部の係合面が位置する平面であってもよく、支持部は当該平面内で溶接すべき箱体を部分的に支持してもよく、完全な面接触を採用する必要がない。
【0113】
可能な実施形態において、第1の溶接面10及び第2の溶接面20は、溶接すべき箱体の対向する2つの平面を指し、溶接すべき箱体の対向する2つの平面内で、多くの溶接を行う必要があるが、溶接による熱量及び応力の集中は、第1の溶接面10と第2の溶接面20の歪みの発生を引き起こす。
【0114】
可能な実施形態において、第1の溶接面10及び第2の溶接面20は、溶接すべき箱体の対向する2つの平面内の一部の溶接ビードを指す。
【0115】
本願のいくつかの可能な実施形態において、溶接すべき箱体の第1の溶接面10における少なくとも一部の領域の厚さは第2の溶接面20の一部の厚さより小さい。
【0116】
具体的に、本実施形態は、第1の溶接面10及び第2の溶接面20の実施形態を提供し、溶接すべき箱体は、第1の溶接面10において厚さが第2の溶接面20の厚さより小さい領域が存在するため、溶接すべき箱体の第1の溶接面10内での全体的な歪み量は第2の溶接面20より大きい可能性があり、従って、第1の溶接面10を支持台30に近い側に設けると、支持台30の第1の溶接面10に対する全体支持作用により、溶接過程において、第1の溶接面10には全体的に比較的大きな歪みが発生することを回避し、支持台30は第1の溶接面10に対する逆変形作用を果たす。
【0117】
可能な実施形態において、溶接すべき箱体は軌道車両の枕梁60である。
【0118】
可能な実施形態において、第1の溶接面10の溶接層溝の配置数は第2の溶接面20の溶接層溝の配置数より少なく、実際の応用では、枕梁60の構造上の特殊性のため、枕梁60の第1の溶接面10及び第2の溶接面20は厚さ及び溶接層溝の数量がいずれも異なっており、一般的に、第2の溶接面20の厚さ及び溶接層溝の数量はいずれも第1の溶接面10より多い。第2の溶接面20は厚さが比較的大きいため、溶接過程における全体的な歪みは第1の溶接面10より小さいが、第2の溶接面20の溶接層溝の数量が多く、即ち溶接層数がより多いため、溶接ビード近傍の応力がより集中しており、変形がより激しくなり、従って、第2の溶接面20を支持台30から遠い側に設置する必要があり、調節部によりフレキシブルな支持及び動的な調節を行うことにより、溶接過程において、第2の溶接面20での溶接ビードに対する逆変形制御を実現し、枕梁60の歪み量を低減し、枕梁60の平面度を向上させ、ひいては枕梁60の製造精度を向上させる。
【0119】
本願のいくつかの可能な実施形態において、支持部は、支持台30及び駆動ユニット31を含み、支持台30の表面が支持面を形成し、駆動ユニット31は、支持台30に接続されており、支持台30の回転角度を調節して、第1の溶接面10と第2の溶接面20の溶接を実現するために用いられ、ここで、支持台30には複数の隙間が設けられており、隙間は、少なくとも第1の溶接面10の溶接すべき位置に対応する。
【0120】
具体的に、本実施形態は、支持部の実施形態を提供し、駆動ユニット31により支持台30の反転を実現し、さらに溶接機構により第1の溶接面10及び第2の溶接面20に対して溶接を施す。
【0121】
また、従来の枕梁60の溶接はいずれも単一溶接機構を採用し、即ち、単一溶接トーチを採用して溶接を施し、枕梁60に対して溶接加工を行う過程において、手動での裏返し、繰り返し位置決め及びクランピングが必要である問題が存在し、一回でクランプ成型が困難であり、従って、枕梁60の加工精度にも影響を与え、労動強度を向上させ、同時に従来方策には枕梁60に対して単一支持を行う情況が存在し、単一の溶接歪み抑制対策で、箱型枕梁60の構造の溶接後の製造精度はいまなおチューニングフリーの基準に達していない。
【0122】
なお、本願は、駆動ユニット31は、その具体的な構造が限定されておらず、モーター、軸受、支持機構、伝動機構等を含み、紙幅の都合上、本願は具体的な構造についてあまり詳しく説明しておらず、実際の応用では、当業者は実際の状況に応じて関連分野の設置を参照することができる。
【0123】
可能な実施形態において、本願では、枕梁60を支持台30に設置した後、枕梁60の第1の溶接面10は支持台30に接触し、第2の溶接面20は対向の面となるため、第2の溶接面20に対する溶接を直接行うことができるが、第1の溶接面10に対する溶接は、駆動ユニット31により支持台30を反転させる必要があり、支持台30自体には複数の隙間が設けられており、隙間は枕梁60の第1の溶接面10における溶接ビードに対応し、従って、溶接機構は隙間を介して枕梁60の第1の溶接面10に対して溶接を施すことができると共に、支持台30自体も第1の溶接面10との面接触により、一定の逆変形作用を果たしており、枕梁60の第1の溶接面10が溶接過程において、熱量及び応力の集中による過大な歪みが生じて、ひいては溶接後に枕梁60に対してチューニングを行う必要がある問題を回避することができる。
【0124】
本願のいくつかの可能な実施形態において、調節部は、第1の調節座40、第1の調節シリンダ41及び第1のセンサーコンポーネント42を含み、複数の第1の調節座40は支持台30に接続され、第1の調節シリンダ41の一端は第1の調節座40に設けられ、第1の調節シリンダ41の他端は第1の溶接面10に当接し、第1のセンサーコンポーネント42は少なくとも第1の調節シリンダ41に接続され、ここで、溶接過程において、第1の調節シリンダ41は、第1のセンサーコンポーネント42がフィードバックしたパラメータに基づいて、第1の調節シリンダ41のストロークを調節し、第1の溶接面10への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0125】
具体的に、本実施形態は、調節部が支持台30に設けられる実施形態を提供し、第1の調節座40及び第1の調節シリンダ41を設けることにより、支持台30の一側から第1の溶接面10に対するフレキシブルな支持が実現され、そして、第1のセンサーコンポーネント42の設置により、第1の調節シリンダ41は溶接過程において、関連パラメータに基づいてフレキシブルな支持力を調節し、さらに、当該第1の調節シリンダ41が所在する位置の第1の溶接面10のリアルタイムパラメータに基づいて、動的な調節を行うことを実現する。
【0126】
なお、本願は、第1の調節座40の具体的な構造を限定しておらず、第1の調節座40は、実際の状況に応じて設けられてもよい。
【0127】
可能な実施形態において、第1の調節座40は、支持台30の内部に設けられ、支持台30の表面には第1の調節シリンダ41が突き出すための通路が設けられている。
【0128】
可能な実施形態において、第1の調節座40は、支持台30の枕梁60に対向する他方側に設けられ、支持台30の表面には第1の調節シリンダ41が突き出すための通路が設けられている。
【0129】
可能な実施形態において、第1の調節シリンダ41は空気圧シリンダであり、本願は、第1の調節シリンダ41が伸縮調節により第1の溶接面10への付勢力の大きさに対する調節を実現するように、第1の調節シリンダ41に接続される対応するエア機構、例えば、エアソース、エアポンプ、及びエアライン等をさらに含む。
【0130】
可能な実施形態において、第1の調節シリンダ41は、油圧シリンダであり、本願は、第1の調節シリンダ41が伸縮調節により第1の溶接面10への付勢力の大きさに対する調節を実現するように、第1の調節シリンダ41に接続される対応する油圧機構、例えば、オイルタンク、オイルポンプ、及び配管等をさらに含む。
【0131】
可能な実施形態において、第1の調節シリンダ41は、電動シリンダであり、本願は、第1の調節シリンダ41が伸縮調節により第1の溶接面10への付勢力の大きさに対する調節を実現するように、第1の調節シリンダ41に接続される対応する電気機構、例えば、モーター、電源、及び制御ボード等をさらに含む。
【0132】
可能な実施形態において、第1のセンサーコンポーネント42は、第1の変位センサを含み、第1の変位センサは第1の調節シリンダ41に接続され、第1の調節シリンダ41のストロークを検出して、コントローラ90に第1の調節シリンダ41のストロークパラメータをフィードバックするために用いられ、コントローラ90は第1の変位センサがフィードバックしたストロークデータにより、第1の調節シリンダ41と第1の溶接面10の間の付勢力の大きさをより正確に制御することができる。
【0133】
可能な実施形態において、第1のセンサーコンポーネント42は、第1の応力センサを含み、第1の応力センサは、第1の調節シリンダ41の先端に設けられており、第1の溶接面10に当接し、第1の溶接面10と第1の調節シリンダ41の間の付勢力パラメータを測定して、コントローラ90に対応する付勢力データをフィードバックするために用いられる。溶接過程において、第1の溶接面10は歪みが発生し、第1の溶接面10と第1の調節シリンダ41の間の付勢力の大きさが変化し、コントローラ90は、フィードバックされた付勢力パラメータとプリセット力学モデルに基づいて判断を行い、第1の調節シリンダ41のストロークを調節し、さらに第1の溶接面10への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0134】
可能な実施形態において、第1のセンサーコンポーネント42は、第1の温度センサを含み、第1の温度センサは、第1の調節シリンダ41の先端に設けられて、第1の溶接面10に当接し、第1の溶接面10の温度パラメータを測定するために用いられる。それと共に、第1の温度センサは、コントローラ90に第1の溶接面10の温度パラメータをフィードバックし、コントローラ90は温度パラメータとプリセット温度モデルに基づいて判断を行い、第1の溶接面10に加えられる付勢力の大きさを制御すると共に、隣接する第1の調節シリンダ41と協働して、第1の温度センサがフィードバックした温度フィールドに基づいて共同作業し、第1の溶接面10の製造精度を制御するフレキシブルな支持を形成する。
【0135】
可能な実施形態において、第1のセンサーコンポーネント42は、第1の画像センサを含み、第1の画像センサは第1の調節シリンダ41に接続され、実際の需要に応じて第1の調節シリンダ41の先端に設けられてもよく、第1の画像センサは、溶接過程において、第1の溶接面10の3次元トポグラフィーパラメータを収集して、コントローラ90に伝送するために用いられ、コントローラ90は、溶接過程において、第1の溶接面10の3次元トポグラフィー変化を判断して、判断結果に基づいて第1の調節シリンダ41に対して対応する制御を行い、また、隣接する第1の調節シリンダ41により逆変形調節領域を形成することができ、第1の溶接面10に対する領域制御を実現し、枕梁60の加工精度を向上させる。
【0136】
本願のいくつかの可能な実施形態において、調節部は、第2の調節座50、第2の調節シリンダ51、押圧ロッド52、及び第2のセンサーコンポーネント53を含み、複数の第2の調節座50は、支持台30の側部に設けられ、第2の調節シリンダ51の一端は第2の調節座50に接続され、第2の調節シリンダ51の他端は押圧ロッド52に接続され、且つ第2の調節シリンダ51は鉛直方向に沿って設けられ、押圧ロッド52の第2の調節シリンダ51に対向する他端は、第2の溶接面20に当接し、第2のセンサーコンポーネント53は少なくとも押圧ロッド52に接続され、ここで、溶接過程において、第2の調節シリンダ51は第2のセンサーコンポーネント53がフィードバックしたパラメータに基づいて、第2の調節シリンダ51のストロークを調節し、押圧ロッド52の第2の溶接面20への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0137】
具体的に、本実施形態は、調節部が支持台30の側部に設けられる実施形態を提供し、第2の調節座50、第2の調節シリンダ51及び押圧ロッド52を設けることにより、第2の溶接面20に対する制御が実現され、押圧ロッド52は第2の調節シリンダ51の作用下で対応する付勢位置及び/又は付勢力の大きさを調節し、フレキシブルな支持を実現すると共に、第2のセンサーコンポーネント53を設けることにより、押圧ロッド52は溶接過程において、関連パラメータに基づいてフレキシブルな支持力の調節を行うことができ、ひいては当該押圧ロッド52が所在する位置の第2の溶接面20のリアルタイムパラメータに基づいて、動的な調節を行うことを実現する。
【0138】
また、本願は第2の調節座50の具体的な構造を限定しておらず、第2の調節座50は、実際の状況に応じて設けられることができる。
【0139】
なお、第2の調節シリンダ51と押圧ロッド52の間にはレバーに類似する構造が採用され、第2の調節シリンダ51が作動すると、押圧ロッド52が接続点を中心に回転し、それによって、第2の溶接面20への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0140】
可能な実施形態において、第2の調節座50には第2の調節シリンダ51と間隔をあけた支持ロッド80が設けられており、支持ロッド80は押圧ロッド52に接続され、接続部位は押圧ロッド52が回転する中心を構成し、押圧ロッド52は支持ロッド80との接続位置を中心に回転し、第2の溶接面20への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0141】
可能な実施形態において、支持ロッド80は、電動、エア、及び油圧のうちのいずれか1つの伸縮可能なロッド構造であり、支持ロッド80は、第2の調節シリンダ51との共同作業により、第2の溶接面20への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0142】
可能な実施形態において、第2の調節座50は支持台30の側部に設けられ、第2の調節シリンダ51は、第2の調節座50に接続されることにより、支持台30の上方に位置し、押圧ロッド52を介して第2の溶接面20に付勢力を加える。
【0143】
可能な実施形態において、第2の調節座50は支持台30の枕梁60に対向する他方側に設けられ、第2の調節シリンダ51は、対応するアダプタ構造により、支持台30の上方に位置し、押圧ロッド52を介して第2の溶接面20に付勢力を加える。
【0144】
可能な実施形態において、第2の調節シリンダ51は空気圧シリンダであり、本願は、第2の調節シリンダ51に接続される対応するエア機構、例えば、エアソース、エアポンプ、及びエアライン等をさらに含み、第2の調節シリンダ51が伸縮調節により第2の溶接面20への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0145】
可能な実施形態において、第2の調節シリンダ51は、油圧シリンダであり、本願は、第2の調節シリンダ51に接続される対応する油圧機構、例えば、オイルタンク、オイルポンプ、及び配管等をさらに含み、第2の調節シリンダ51が伸縮調節により第2の溶接面20への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0146】
可能な実施形態において、第2の調節シリンダ51は、電動シリンダであり、本願は、第2の調節シリンダ51に接続される対応する電気機構、例えば、モーター、電源、及び制御ボード等をさらに含み、第2の調節シリンダ51が伸縮調節により第2の溶接面20への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0147】
可能な実施形態において、第2のセンサーコンポーネント53は、第2の変位センサを含み、第2の変位センサは、第2の調節シリンダ51に接続され、第2の調節シリンダ51のストロークを検出して、コントローラ90に第2の調節シリンダ51のストロークパラメータをフィードバックするために用いられ、コントローラ90は第2の変位センサがフィードバックしたストロークデータにより、押圧ロッド52と第2の溶接面20の間の付勢力の大きさをより正確に制御することができる。
【0148】
可能な実施形態において、第2のセンサーコンポーネント53は、第2の応力センサを含み、第2の応力センサは押圧ロッド52の先端に設けられて、第2の溶接面20に当接し、第2の溶接面20と押圧ロッド52の間の付勢力パラメータを測定して、コントローラ90に対応する付勢力データをフィードバックするために用いられる。溶接過程において、第2の溶接面20は変形し、第2の溶接面20と押圧ロッド52の間の付勢力の大きさが変化し、コントローラ90はフィードバックされた付勢力パラメータとプリセット力学モデルに基づいて判断を行い、第2の調節シリンダ51のストロークを調節し、さらに押圧ロッド52の第2の溶接面20への付勢力の大きさに対する調節を実現する。
【0149】
可能な実施形態において、第2のセンサーコンポーネント53は、第2の温度センサを含み、第2の温度センサは、押圧ロッド52の先端に設けられて、第2の溶接面20に当接しており、第2の溶接面20の温度パラメータを測定するために用いられる。それと共に第2の温度センサは、コントローラ90に第2の溶接面20の温度パラメータをフィードバックし、コントローラ90は温度パラメータとプリセット温度モデルに基づいて判断を行い、第2の溶接面20に加えられる付勢力の大きさを制御する共に、隣接する第2の調節シリンダ51と協働し、第2の温度センサがフィードバックした温度フィールドに基づいて共同作業し、第2の溶接面20の製造精度を制御するフレキシブルな支持を形成する。
【0150】
可能な実施形態において、第2のセンサーコンポーネント53は、第2の画像センサを含み、第2の画像センサは、押圧ロッド52に接続されており、実際の需要に応じて押圧ロッド52の先端に設けられてもよく、第2の画像センサは、溶接過程において、第2の溶接面20の3次元トポグラフィーパラメータを収集して、コントローラ90に伝送するために用いられ、コントローラ90は、溶接過程において、第2の溶接面20の3次元トポグラフィー変化を判断して、判断結果に基づいて第2の調節シリンダ51に対して対応する制御を行い、また、隣接する第2の調節シリンダ51により逆変形調節領域を形成することができ、第2の溶接面20に対する領域制御を実現し、枕梁60の加工精度を向上させる。
【0151】
本願のいくつかの可能な実施形態において、調節部は、スライドウェイ54をさらに含み、複数のスライドウェイ54は支持台30の側部に設けられ、第2の調節座50はスライドウェイ54に滑り嵌めされており、ここで、溶接過程において、第2の調節座50は、第2のセンサーコンポーネント53がフィードバックしたパラメータに基づいて、スライドウェイ54の延在方向に沿ってスライドし、押圧ロッド52の第2の溶接面20での付勢位置に対する調節を実現する。
【0152】
具体的に、本実施形態は、支持台30の側部にスライドウェイ54を設ける実施形態を提供し、スライドウェイを設けることにより、対応する第2の調節座50が支持台30の側部に沿ってスライドすることができ、溶接過程において、押圧ロッド52の第2の溶接面20に対する付勢位置を一定範囲内で調節することができ、それにより、一つの押圧ロッド52は一つの逆変形量の調節領域を形成して、隣接する押圧ロッド52と協同して制御を行い、溶接過程において第2の溶接面20が発生する様々な変形情況に対応することができる。
【0153】
可能な実施形態において、第2の調節座50とスライドウェイ54は、電気制御のリニアモーションモジュールであり、コントローラ90にそれぞれ接続される。
【0154】
可能な実施形態において、第2の調節座50の底部は、スライドウェイ54と係合するスライドブロック等の構造に設けられ、スライドブロック及びスライドウェイ54はそれぞれリニアモーションモジュールのサブコンポーネントである。
【0155】
可能な実施形態において、第2の調節座50とスライドウェイ54の間は、磁気誘導、スクリュー、コンベヤベルト等の伝動方式により、電気制御のよる調節を実現する。
【0156】
可能な実施形態において、支持台30の側部には複数の第4の調節シリンダ70がさらに設けられており、第4の調節シリンダ70は、枕梁60の側部に当接しており、枕梁60に対して位置決めを行うために用いられ、枕梁60の溶接過程における変位を生じることを回避する。
【0157】
可能な実施形態において、第4の調節シリンダ70はコントローラ90に接続されると共に、第4の調節シリンダ70はさらにスライドウェイ54に摺動可能に接続され、スライドウェイ54の延在方向に沿って移動し、支持台30の側部に対するフレキシブル動的な支持を実現することができる。
【0158】
本願のいくつかの可能な実施形態において、第2の調節座50は、第1のパネル501、第2のパネル502、及びスライドブロック503を含み、第1のパネル501は支持台30の側部に接続され、第2のパネル502は、第1のパネル501と接続されてL字型の構造を形成し、スライドブロック503は第2のパネル502に摺動可能に設けられており、第2の調節シリンダ51はスライドブロック503に接続され、調節部は、第3の調節シリンダ55及びタイロッド56をさらに含み、第3の調節シリンダ55は、第1のパネル501の支持台30の側部に対向する他方の面に設けられ、タイロッド56の一端は、第3の調節シリンダ55に接続され、タイロッド56の他端は、第2のパネル502に開設された開口溝を通過してスライドブロック503に接続される。
【0159】
具体的に、本実施形態は、押圧ロッド52の第2の溶接面20での付勢位置に対する調節の実施形態を提供し、第2の調節座50の具体的な構造、及び第3の調節シリンダ55及びタイロッド56の構造の提供により、押圧ロッド52がタイロッド56及び第3の調節シリンダ55の作用により、第2の溶接面20での付勢位置に対する調節を実現することができる。
【0160】
さらに、第2の調節座50は、第1のパネル501、第2のパネル502及びスライドブロック503を設けることにより、第3の調節シリンダ55と押圧ロッド52の接続が実現されると共に、占有空間をできるだけ小さくし、全体の構造をよりコンパクトにする。
【0161】
可能な実施形態において、第3の調節シリンダ55は、エア、油圧及び電動伸縮ロッドのうちのいずれか1つ又は複数の組み合わせであり、且つ第3の調節シリンダ55には関連の制御機構及び配管が設けられており、実際の応用では、第3の調節シリンダ55の具体的な設置は本願における第1の調節シリンダ41及び第2の調節シリンダ51の関連設置を参照することができる。
【0162】
可能な実施形態において、第2のセンサーコンポーネント53は、第3の調節シリンダ55に接続される第3の変位センサを含み、第3の変位センサは、第3の調節シリンダ55のストロークパラメータを検出して、コントローラ90にフィードバックするために用いられ、コントローラ90は第3の変位センサがフィードバックしたストロークパラメータに基づいてシステム全体を制御する。
【0163】
本願のいくつかの可能な実施形態において、押圧ロッド52は、伸縮長さを調節できる棒状の構造であり、溶接過程において、押圧ロッド52は、第2のセンサーコンポーネント53がフィードバックしたパラメータに基づいて、伸縮長さを調節し、第2の溶接面20での付勢位置に対する調節を実現する。
【0164】
具体的に、本実施形態は、押圧ロッド52の実施形態を提供し、押圧ロッド52を長さが調節可能な伸縮ロッドに設定することにより、押圧ロッド52の伸縮長さを調節することにより、押圧ロッド52の第2の溶接面20での付勢位置に対する調節が実現される。
【0165】
可能な実施形態において、押圧ロッド52は、エア、油圧及び電動の伸縮ロッドのうちのいずれか1つ又は複数の組み合わせであり、且つ押圧ロッド52には関連の制御機構及び配管が設けられており、実際の応用では、押圧ロッド52の具体的な設置は本願における第1の調節シリンダ41及び第2の調節シリンダ51の関連設置を参照することができる。
【0166】
可能な実施形態において、第2のセンサーコンポーネント53は、押圧ロッド52に接続される第4の変位センサを含み、第4の変位センサは、押圧ロッド52のストロークパラメータを検出して、コントローラ90にフィードバックするために用いられ、コントローラ90は、第4の変位センサがフィードバックしたストロークパラメータに基づいてシステム全体を制御する。
【0167】
本願のいくつかの可能な実施形態において、溶接すべき箱体は、枕梁60であり、枕梁60は少なくとも、貫通管61、第1の蓋板62及び第2の蓋板63を含み、2つの貫通管61は間隔をあけて設けられており、第1の蓋板62は第1の溶接面10内で2つの貫通管61にそれぞれ接続され、第2の蓋板63は第2の溶接面20内で2つの貫通管61にそれぞれ接続され、ここで、少なくとも第1の蓋板62の厚さは第2の蓋板63の厚さより小さい。
【0168】
具体的に、本実施形態は、溶接すべき箱体が枕梁60である実施形態を提供し、枕梁60は、貫通管61、第1の蓋板62及び第2の蓋板63等の構造を含み、実際の応用では、枕梁60には対応する補強リブ及びインナーライニングボード等の補強及び接続の作用を果たす構造も含まれるべきであり、本実施形態において、貫通管61、第1の蓋板62及び第2の蓋板63は提供して表示されるだけであるが、枕梁60は上記の構造のみを含むことを意味するものではない。
【0169】
可能な実施形態において、第1の蓋板62の厚さは第2の蓋板63の厚さより小さい。
【0170】
可能な実施形態において、貫通管61の第1の蓋板62に対応する側の厚さは、貫通管61の第2の蓋板63に対応する側の厚さより小さい。
【0171】
可能な実施形態において、枕梁60の溶接過程において、熱量及び応力の集中によって、第1の蓋板62、第2の蓋板63及び貫通管61の変形が存在し、本実施形態は、枕梁60の第1の溶接面10及び第2の溶接面20にフレキシブルに支持する調節部を設けることにより、溶接過程において、枕梁60の第1の溶接面10及び第2の溶接面20に対して逆変形力及び対応する付勢位置をリアルタイムで定量的に出力することが実現され、溶接過程において枕梁60の変形に対するリアルタイムで精細化制御が実現され、枕梁60の製造精度を向上させ、枕梁60の箱型構造の溶接後のチューニングをなくし、製造コストを削減し、生産効率を大幅に向上させる。
【0172】
可能な実施形態において、枕梁60の第1の溶接面10では、第1の調節シリンダ41によって形成される支持ポイントは、間隔をあけて、3列5行で合計15個のフレキシブル調節ポイントを形成する。
【0173】
可能な実施形態において、枕梁60の第2の溶接面20では、第1の調節シリンダ41によって形成される支持ポイントは、間隔をあけて、2列4行で合計8個のフレキシブル調節ポイントを形成する。
【0174】
本願のいくつかの具体的な実施方策において、
図1から
図17に示すように、本方策は、上記の箱型構造の溶接変形制御装置に基づく制御方法を提供し、
溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得することと、
歪み量パラメータに基づいて、溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成することと、
逆変形調節戦略に従って、溶接過程における溶接すべき箱体に対してリアルタイムに逆変形調節を行うことと、を含む。
【0175】
詳しく説明すると、本願は、箱型構造の溶接変形の精細化制御方法をさらに提供し、従来技術では、枕梁60構造の溶接後のチューニングの免除を実現できず、溶接変形を効果的に抑えることができず、反復検証の作業量が大きく、溶接構造の変形の進化傾向や変化量に基づいて精密かつ動的な調整を行うことができず、逆変形効果が良くない等の欠陥を解決するために用いられ、枕梁60箱型構造の数学モデル式を構築することにより、枕梁60の箱型構造に対するマルチポイントフレキシブルサポート、動的デジタル圧着及び無段階位置調整を実現し、枕梁60の箱型構造の溶接過程における製造精度および応力分布を3次元で動的且つリアルタイムに監視し、リアルタイムな動的調整及び段階的な精密調整のような精細化制御を行い、枕梁60の箱型構造の各ステップにおける位置決め支持、剛性制約点の位置及び作用力の大きさ、逆変形位置および逆変形量をリアルタイムで定量的に出力し、枕梁60の製造精度を向上させ、枕梁60の箱型構造の溶接後のチューニングをなくし、製造コストを削減し、生産効率を大幅に向上させる。
【0176】
本願のいくつかの可能な実施形態において、溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得するステップは、具体的に、
溶接すべき箱体の溶接過程における第1の歪み特徴値及び第2の歪み特徴値を取得することであって、ここで、第1の歪み特徴値は、溶接すべき箱体の歪み領域パラメータであり、第2の歪み特徴値は、第1の歪み特徴値に対応する歪み力パラメータであることと、
第1の歪み特徴値及び第2の歪み特徴値に基づいて歪み量パラメータを生成することと、を含む。
【0177】
具体的に、本実施形態は、溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得する実施形態を提供し、枕梁60の溶接過程における変形領域及び変形力に基づいて、対応する歪み量パラメータの生成を実現する。
【0178】
なお、溶接過程において、第1の溶接面10及び第2の溶接面20の変形は動的なものであり、従って、調節部は、第1の溶接面10及び第2の溶接面20に加えられた逆変形力及び対応する付勢位置に対して、いずれもフレキシブルで動的な調節を行う必要がある。
【0179】
本願のいくつかの可能な実施形態において、歪み量パラメータに基づいて、溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成するステップは、具体的に、
溶接すべき箱体の溶接面に基づく複数のプリセット調節領域を取得して、第1の歪み特徴値に基づいて対応するプリセット調節領域内の全ての調節部を取得することと、
第2の歪み特徴値に基づいて、取得された各調節部に基づく調節変位特徴値を生成することであって、調節変位特徴値は少なくとも、調節部の溶接すべき箱体の溶接面に対して垂直となる第1の方向変位パラメータ、及び調節部の溶接すべき箱体の溶接面に対して平行となる第2の方向変位パラメータを含むことと、
全ての調節変位特徴値に基づいて、プリセット調節領域に基づく逆変形調節戦略を生成することと、を含む。
【0180】
具体的に、本実施形態は、歪み量パラメータに基づいて溶接すべき箱体の平面度を制御する逆変形調節戦略を生成する実施形態を提供し、第1の溶接面10及び第2の溶接面20における溶接位置に対応する変形領域を取得して、プリセット調節領域とマッチングすることにより、フレキシブルな支持が実現されるとともに、制御をより正確にする。
【0181】
なお、全てのプリセット調節領域における、枕梁60の第1の歪み特徴値に対応していない他のプリセット調節領域において、依然として枕梁60に対して対応するプリセット支持を行い、枕梁60の溶接中の位置決めを実現する。
【0182】
さらに、調節部は、枕梁60の具体的な型番、サイズ、加工パラメータ等に基づいて予測支持力の設置を行うことができ、つまり、調節部がアクティブ化されていない場合、又は枕梁60が溶接されていない場合、調節部は予測支持力に基づいて枕梁60に対する支持を実現する。
【0183】
本願のいくつかの可能な実施形態において、歪み量パラメータに基づいて、溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成するステップは、具体的に、
溶接すべき箱体の瞬間溶接領域を取得し、瞬間溶接領域及びプリセット調節領域に対して動的フィッティングを行って、動的フィッティングに基づく瞬間調節領域を得ることと、
瞬間調節領域のうち、アクティブ状態にあり且つ瞬間調節領域外にある調節部を決定し、対応する調節部にスリープ信号を送信することと、
瞬間調節領域のうち、スリープ状態にあり且つ瞬間調節領域内にある調節部を決定し、対応する調節部にウェイクアップ信号を送信することと、を更に含む。
【0184】
具体的に、本実施形態は、歪み量パラメータに基づいて溶接すべき箱体の平面度を制御する逆変形調節戦略を生成する別の実施形態を提供し、枕梁60の溶接過程において、溶接位置が固定されるので、通常、単一の溶接機構が採用され、一部の情況では複数の溶接機構を採用して共同作業を行うが、単一溶接であっても、共同溶接であっても、枕梁60での歪み位置はいずれも動的なものであるため、瞬間調節領域を形成する必要があり、瞬間調節領域に基づいて対応する調節部をウェイクアップして、熱量及び応力が集中している領域では調節部により対応する制御を行うことができる。
【0185】
さらに、ウェイクアップされていない又はアクティブ状態からスリープ状態に入る調節部は、引き続き枕梁60に対して予測支持力に基づいて支持し、枕梁60に対する位置決めを形成する。
【0186】
なお、本願で言及されたアクティブ状態は、調節部が溶接面の対応する変形に基づいてフレキシブル動的な調整を行う状態に対応するが、スリープ状態は、溶接面の変形が比較的小さく又はすでに安定し、調節部が支持作用のみを果たす状態に対応する。
【0187】
本願のいくつかの可能な実施形態において、歪み量パラメータに基づいて、溶接すべき箱体の溶接面の歪み量を制御する逆変形調節戦略を生成するステップは、具体的に、
溶接すべき箱体に基づくデジタルツインモデルを構築することと、
デジタルツインモデルの溶接すべき箱体の歪み量パラメータに対応するツイン歪み量パラメータを取得することと、
ツイン歪み量パラメータに基づいて逆変形調節戦略を生成することと、を更に含む。
【0188】
具体的に、本実施形態は、デジタルツインモデルに基づいて逆変形調節戦略を構築する実施形態を提供し、デジタルツインモデルを構築することにより、枕梁60の逆変形量に対する計算が実現され、枕梁60の各工程で設定される圧着点、圧着力、逆変形位置、逆変形量及び溶接プロセス情報を出力し、組み立て溶接プロセスをリアルタイムに調整し、精細化制御を実現する目的に達する。
【0189】
本願のいくつかの可能な実施形態において、溶接すべき箱体の溶接過程における歪み量パラメータを取得するステップの前に、具体的に、
溶接すべき箱体に基づく有限要素モデルを構築して、有限要素モデルにおいて溶接すべき箱体の溶接パラメータをロードすることと、
有限要素モデルの有限要素解析過程における、溶接パラメータに基づく第1の有限要素特徴値及び第2の有限要素特徴値を取得することであって、第1の有限要素特徴値は、溶接すべき箱体の固有歪みパラメータであり、第2の有限要素特徴値は、溶接すべき箱体の弾性歪みパラメータであることと、
第1の有限要素特徴値及び第2の有限要素特徴値に基づいて有限要素解析パラメータを生成して、有限要素解析パラメータ及び歪み量パラメータに基づいて逆変形調節戦略を生成することと、をさらに含む。
【0190】
具体的に、本実施形態は、有限要素モデルに基づいて逆変形調節戦略を構築する実施形態を提供し、有限要素のシミュレーションを行うことにより、溶接前に枕梁60のモデル及び対応する溶接パラメータに対してシミュレーション演算を行って、枕梁60の予測支持パラメータ、予測変形パラメータ及び予測調節パラメータを得て、さらに枕梁60の最適剛性制約点位置、逆変形適用位置、制約点付勢力の大きさ及び逆変形量を得る。
【0191】
なお、固有歪みパラメータは、外部荷重が取り除かれた後も物体の内部には歪みが残っており、溶接が完了してから外部荷重による制約が取り除かれると、弾性歪みが回復することを指し、弾性歪み以外の歪みを総称して固有歪みと呼び、溶接固有歪みを低減することにより溶接後の総変形を制御する。
【0192】
可能な実施形態において、枕梁60の総歪みには、弾性歪み、塑性歪み、熱歪み、クリープ歪み及びトランスフォーメーション歪み等が含まれ、適切な弾性逆変形対策を適用し、即ち、反対方向の弾性変形を増やすことにより、溶接後の総歪みの低減に寄与するが、弾性逆変形は過量になってはならず、過量になると溶接後に反方向の変形が発生する。
【0193】
本願のいくつかの可能な実施形態において、逆変形調節戦略に従って、溶接過程における溶接すべき箱体に対してリアルタイムに逆変形調節を行うステップは、具体的に、
逆変形調節戦略における第1の逆変形調節決定及び第2の逆変形調節決定を取得することであって、第1の逆変形調節決定は、溶接すべき箱体の第1の溶接面10を含み、第2の逆変形調節決定は、溶接すべき箱体の第2の溶接面20を含むことと、
第1の逆変形調節決定に従って調節部の第1の溶接面10への付勢力の大きさをリアルタイムに制御することと、
第2の逆変形調節決定に従って調節部の第2の溶接面20への付勢力の大きさ及び/又は付勢位置をリアルタイムに制御することと、を含む。
【0194】
具体的に、本実施形態は、逆変形調節戦略に従って、溶接過程における溶接すべき箱体に対してリアルタイムに逆変形調節を行う実施形態を提供し、第1の溶接面10及び第2の溶接面20に対するフレキシブルで動的な調節により、枕梁60の溶接過程における精細化制御が実現され、枕梁60に対する製造精度を向上させる。
【0195】
本明細書の説明において、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」等の用語を参照した説明は、当該実施形態又は例を参照しながら説明された具体的な特徴、構造、材料、又は特性が、本願の実施形態の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の模式的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例に向けられているわけではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例においては適切な形式で組み合わせることができる。さらに、当業者であれば、本明細書に説明された異なる実施形態または例と、異なる実施形態または例の特徴とを、互いに矛盾することなく結合及び組み合わせることができる。
【0196】
最後に説明すべきのは、上記の実施形態は、本願を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではないことである。実施形態を参照して本願を詳細に説明したが、当業者にとって、本願の技術案に対して組み合わせ、修正、または等価的に置き換えを行うことは、いずれも本願の技術案の精神及び範囲から逸脱せず、いずれも本願の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0197】
10:第1の溶接面
20:第2の溶接面
30:支持台
31:駆動ユニット
40:第1の調節座
41:第1の調節シリンダ
42:第1のセンサーコンポーネント
50:第2の調節座
501:第1のパネル
502:第2のパネル
503:スライドブロック
51:第2の調節シリンダ
52:押圧ロッド
53:第2のセンサーコンポーネント
54:スライドウェイ
55:第3の調節シリンダ
56:タイロッド
60:枕梁
61:貫通管
62:第1の蓋板
63:第2の蓋板
70:第4の調節シリンダ
80:支持ロッド
【国際調査報告】