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特表2024-539702車両のワイパー用ワイパーアーム、ワイパー、および車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】車両のワイパー用ワイパーアーム、ワイパー、および車両
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/34 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
B60S1/34 200
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525515
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2022079648
(87)【国際公開番号】W WO2023072862
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202122604158.8
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100224856
【弁理士】
【氏名又は名称】朱牟田 奏人
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ハオイー
(72)【発明者】
【氏名】プー、チンロン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、シュイ
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AD01
3D225AE05
(57)【要約】
本発明は、車両のワイパー用ワイパーアーム、ワイパー、および車両に関する。ワイパーアームは、第1側壁と、第2側壁と、前記第1側壁と前記第2側壁とを接続するベースと、を備える細長いアーム本体と、第1側縁部と第2側縁部とを有するカバーと、を備え、前記第1側縁部は前記第1側壁と係合するとともに、前記第2側縁部は前記第2側壁と係合することで、前記アーム本体と前記カバーとの間にキャビティが形成される。第1係合特徴部が、前記第1側縁部および前記第2側縁部の少なくとも一方に設けられ、前記第1係合特徴部と協働する第2係合特徴部が、前記第1側壁および前記第2側壁の少なくとも一方に設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のワイパー用のワイパーアームであって、
第1側壁(5)と、第2側壁(6)と、前記第1側壁(5)と前記第2側壁(6)とを接続するベース(7)と、を備える細長いアーム本体(3)と、
第1側縁部(8)と第2側縁部(9)とを有するカバー(4)と、
を備えるワイパーアーム(1)であって、
前記第1側縁部(8)は前記第1側壁(5)と係合するとともに、前記第2側縁部(9)は前記第2側壁(6)と係合することで、前記アーム本体(3)と前記カバー(4)との間にキャビティ(13)が形成されることを特徴とするワイパーアーム(1)において、
第1係合特徴部(10)が、前記第1側縁部(8)および前記第2側縁部(9)の少なくとも一方に設けられ、前記第1係合特徴部(10)と協働する第2係合特徴部が、前記第1側壁(5)および前記第2側壁(6)の少なくとも一方に設けられ、
前記第1側壁(5)および前記第2側壁(6)の開放端部が前記アーム本体(3)の幅(d1)を規定する一方で、前記第1側縁部(8)および前記第2側縁部(9)が前記カバー(4)の幅(d2)を規定し、前記アーム本体(3)の前記幅(d1)は前記カバー(4)の前記幅(d2)よりも大きい、またはこれに等しい、
ワイパーアーム。
【請求項2】
前記第1係合特徴部(10)は、前記第1側縁部(8)および前記第2側縁部(9)にそれぞれ配置されて前記キャビティ(13)の内部に向かって突出する複数の凸部(101、102)を備え、
前記第2係合特徴部は、前記第1側壁(5)および前記第2側壁(6)の内面(111、112)である、
ことを特徴とする請求項1に記載のワイパーアーム。
【請求項3】
前記凸部は、前記カバー(4)の長さに沿って間隔を空けている、
ことを特徴とする請求項2に記載のワイパーアーム。
【請求項4】
前記第1係合特徴部(10)は、前記第1側縁部(8)に配置されたスナップフィット(103)と、前記第2側縁部(9)に配置された重なり部(104)と、を備え、
前記第2係合特徴部は、前記第1側壁に配置されて前記スナップフィットと協働する第1ラグ(113)、および前記第2側壁に配置されて前記重なり部と協働する第2ラグ(114)である、
ことを特徴とする請求項1に記載のワイパーアーム。
【請求項5】
前記第1係合特徴部(10)は、前記第1側縁部(8)に配置された第1スナップフィット(105)と、前記第2側縁部(9)に配置された第2スナップフィット(106)と、を備え、
前記第2係合特徴部は、前記第1側壁に配置されて前記第1スナップフィット(105)と協働する第1ラグ(113)、および前記第2側壁に配置されて前記第2スナップフィット(106)と協働する第2ラグ(114)である、
ことを特徴とする請求項1に記載のワイパーアーム。
【請求項6】
前記スナップフィット(103)は、少なくとも部分的に前記キャビティ(13)内に位置するとともに、対応する前記第2係合特徴部の内面に隣接する、
ことを特徴とする請求項4に記載のワイパーアーム。
【請求項7】
前記第1スナップフィット(105)および前記第2スナップフィット(106)の少なくとも一方は、少なくとも部分的に前記キャビティ(13)内に位置するとともに、対応する前記第2係合特徴部の内面に隣接する、
ことを特徴とする請求項5に記載のワイパーアーム。
【請求項8】
前記スナップフィットは、逆U字形状クリップまたはスナップフックである、
ことを特徴とする請求項6に記載のワイパーアーム。
【請求項9】
前記第1スナップフィットおよび前記第2スナップフィットの少なくとも一方は、逆U字形状クリップまたはスナップフックである、
ことを特徴とする請求項7に記載のワイパーアーム。
【請求項10】
前記ワイパーアーム(1)は、ノズルフレーム(12)をさらに備え、
U字形状スロット(15)が、前記ノズルフレームに設けられ、
前記第1側壁(5)の一部(51)が、前記U字形状スロット(15)内に挿入され、
前記アーム本体の外側に位置する前記U字形状スロットの側壁(16)が、前記第1側壁(5)の最外郭を超えて突出しない、
ことを特徴とする請求項1に記載のワイパーアーム。
【請求項11】
凹部(53)が、前記第1側壁(5)に設けられ、
前記アーム本体の外側に位置する前記U字形状スロット(15)の前記側壁(16)の端部が、前記凹部(53)内に位置する、
ことを特徴とする請求項10に記載のワイパーアーム。
【請求項12】
前記第1側壁(5)の前記一部(51)には、開口(52)が設けられ、
突出部(18)が、アーム本体の内部に位置するU字形状スロットの側壁(17)に設けられ、
前記突出部(18)は、前記開口(52)と係合する、
ことを特徴とする請求項10に記載のワイパーアーム。
【請求項13】
車両用のワイパーであって、請求項1~12のいずれか一項に記載のワイパーアームを備えることを特徴とするワイパー。
【請求項14】
請求項13に記載のワイパーを備えることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のワイパー用ワイパーアーム、本ワイパーアームを備えるワイパー、および本ワイパーを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイパーは、車両に必須の部品であり、悪天候時(例えば、雨天時、降雪時、または砂嵐の時)に車両の風防ガラスに降り注ぐ雨水、積雪水や塵埃を払拭することでドライバーの視界を妨げずに走行の安全を確保することを主目的としている。一般に、ワイパーは、駆動機構に接続したワイパーアームベースと、ワイパーアームに接続してワイパーブレードを保持するように使用されるワイパーアームと、洗浄流体を風防ガラスに向けて噴霧するためのノズルと、を備えている。ワイパーアームは、アーム本体と、アーム本体に接続してキャビティを形成するカバーと、キャビティに配置されて洗浄流体を供給するよう使用されるダクト等を備え得る。ノズルはノズルフレームに装着され、ノズルフレームは一般にアーム本体に配置されている。
【0003】
吹雪の場合、屋外に駐車している車両の風防ガラスに雪が積もりやすく、長時間に亘って堆積した雪を取り除くことは非常に困難である。車両のユーザは、除雪機を使用して除雪する必要がある。除雪中に、除雪装置がワイパーに衝突することは避けられないであろう。カバーとアーム本体との接続部やノズルフレームとアーム本体との接続部に、挿入を許容する隙間が存在するため、このような衝突により、カバーがワイパーアームのアーム本体から分離してノズルフレームが損傷することもあり得る。このような場合、ワイパーアームのキャビティ内の部品が露出し得る。これは、ワイパーの外観に影響を及ぼし得るとともに、ワイパーを正常に使用できなくなることさえある。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、車両のワイパー用のワイパーアーム、本ワイパーアームを備えるワイパー、および本ワイパーを備える車両を提供することである。外力を受けた場合、例えば除雪時に加わる外力を受けた場合でも、ワイパーアームのカバーがアーム本体から分離することがなく、ワイパーアームのノズルフレームが破損することがなく、カバーおよびアーム本体により形成されるキャビティが露出することがない。このため、ワイパーアームが損傷することがなく完全な外観を有する。また、ワイパーアームは、構造がシンプルで製造コストが低い。
【0005】
上述の目的は、後述のワイパーアーム、ワイパー、および車両により達成される。
【0006】
本発明は、車両のワイパー用のワイパーアームに関する。ワイパーアームは、第1側壁と、第2側壁と、前記第1側壁と前記第2側壁とを接続するベースと、を備える細長いアーム本体と、第1側縁部と第2側縁部とを有するカバーと、を備え、前記第1側縁部は前記第1側壁と係合するとともに、前記第2側縁部は前記第2側壁と係合することで、前記アーム本体と前記カバーとの間にキャビティが形成される。第1係合特徴部が、前記第1側縁部および前記第2側縁部の少なくとも一方に設けられ、前記第1係合特徴部と協働する第2係合特徴部が、前記第1側壁および前記第2側壁の少なくとも一方に設けられる。
【0007】
実施形態において、前記第1側壁および前記第2側壁の開放端部が前記アーム本体の幅を規定する一方で、前記第1側縁部および前記第2側縁部が前記カバーの幅を規定し、前記アーム本体の前記幅は前記カバーの前記幅よりも大きい、またはこれに等しい。
【0008】
実施形態において、前記第1係合特徴部は、前記第1側縁部および前記第2側縁部にそれぞれ配置されて前記キャビティの内部に向かって突出する複数の凸部を備え、前記第2係合特徴部は、前記第1側壁および前記第2側壁の内面である。
【0009】
実施形態において、前記凸部は、前記カバーの長さに沿って間隔を空けている。
【0010】
実施形態において、前記第1係合特徴部は、前記第1側縁部に配置されたスナップフィットと、前記第2側縁部に配置された重なり部と、を備え、前記第2係合特徴部は、前記第1側壁に配置されて前記スナップフィットと協働する第1ラグ(第1突起)、および前記第2側壁に配置されて前記重なり部と協働する第2ラグ(第2突起)である。
【0011】
実施形態において、前記第1係合特徴部は、前記第1側縁部に配置された第1スナップフィットと、前記第2側縁部に配置された第2スナップフィットと、を備え、前記第2係合特徴部は、前記第1側壁に配置されて前記第1スナップフィットと協働する第1ラグ、および前記第2側壁に配置されて前記第2スナップフィットと協働する第2ラグである。
【0012】
実施形態において、前記スナップフィット、前記第1スナップフィット、および前記第2スナップフィットの少なくとも1つは、少なくとも部分的に前記キャビティ内に位置するとともに、対応する前記第2係合特徴部の内面に隣接する。
【0013】
実施形態において、前記スナップフィット、前記第1スナップフィット、および前記第2スナップフィットの少なくとも1つは、逆U字形状クリップまたはスナップフックである。
【0014】
実施形態において、前記ワイパーアームは、ノズルフレームをさらに備え、U字形状スロットが、前記ノズルフレームに設けられ、前記第1側壁の一部が、前記U字形状スロット内に挿入され、前記アーム本体の外側に位置する前記U字形状スロットの側壁が、前記第1側壁の最外郭を超えて突出しない。
【0015】
実施形態において、凹部が、前記第1側壁に設けられ、前記アーム本体の外側に位置する前記U字形状スロットの前記側壁の端部が、前記凹部内に位置する。
【0016】
実施形態において、前記第1側壁の前記一部には、開口が設けられ、突出部が、アーム本体の内部に位置するU字形状スロットの側壁に設けられ、前記突出部は、前記開口と係合する。
【0017】
本発明は、車両用のワイパーであって、上述のワイパーアームを備えるワイパーにさらに関する。
【0018】
本発明は、上述のワイパーを備える車両にさらに関する。
【0019】
本発明の利点および目的は、図面とともに以下に詳細に説明する本発明の好適な実施形態からより良く理解され得る。図面中の部品間の関係をより良好に示すために、図面は縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明による実施形態によるワイパーの概略図を示す。
図2a図2aは、本発明の実施形態によるワイパーのワイパーアームの一部のB-B断面の概略図を示す。
図2b図2bは、本発明の実施形態によるワイパーのワイパーアームの一部のB-B断面の概略図を示す。
図3図3は、本発明の実施形態によるワイパーのワイパーアームの一部のA-A断面の概略図を示す。
図4図4は、本発明の実施形態によるワイパーのワイパーアームの一部のA-A断面の別の概略図を示す。
図5図5は、本発明の実施形態によるワイパーのワイパーアームの一部のA-A断面の別の概略図を示す。
図6図6は、本発明の実施形態によるワイパーのワイパーアームのノズルフレームの概略図を示す。
図7図7は、本発明の実施形態によるワイパーのワイパーアームのノズルフレームの上面斜視図を示す。
図8図8は、図7によるノズルフレームの一部のC-C断面の概略図を示す。
図9図9は、図8によるノズルフレームの一部のD-D断面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、技術的解決策および利点を明確にすべく、本発明の実施形態の技術的解決策について、本発明の特定の実施形態の図面を参照しつつ以下に明確かつ徹底的に説明する。図面において、同一の参照符号は同一の部品を示す。記載の実施形態は、本発明の一部であって全部ではないことに留意すべきである。本発明の記載された実施形態に基づいて当業者が創意努力なく得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に属するものとする。
【0022】
別段の定義がない限り、本明細書で使用する技術用語または科学用語は、本発明が属する技術分野における通常の当業者によって理解される一般的な意味を有するものとする。本発明特許出願の明細書および特許請求の範囲において使用される「第1」、「第2」などの語は、いかなる順序、量または重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためにのみ使用される。同様に、「1つの」(「a」または「one」)等の語は、必ずしも数量的制限を表すものではない。「備える」(「comprising」)、「含む」(「including」)または「有する」(「having」)等の語は、その語の前にある要素または対象が、他の要素または対象を除外することなく、その語の後に列挙された要素または対象およびその等価物をカバーすることを意味する。「接続」または「通信」等の語は、図面に示された物理的または機械的な接続または通信に限定されるのではなく、直接的か間接的かにかかわらず、それに相当する接続または通信を含み得る。「上(上方、上側)」、「下(下方、下側)」、「左(左方、左側)」、「右(右方、右側)」等は、相対的な位置関係を示すためにのみ使用され、記載された対象物の絶対的な位置が変化した場合、相対的な位置関係もそれに応じて変化し得る。
【0023】
本発明の種々の実施形態について、図1図9を参照しつつ以下に詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態によるワイパーの略全体の概略斜視図を示す。ワイパーは、車両(例えば、自動車、電気自動車、またはハイブリッド自動車等)の風防ガラス上に設置される。図1の概略図は、風防ガラスに対面している状態で見たワイパーの斜視図である。ワイパーは、ワイパーブレードを保持するためのワイパーアーム1と、駆動機構に接続したワイパーアームベース2と、を備えている。ワイパーアーム1は、ワイパーアームベース2に接続しており、駆動機構の駆動作用を受けて、ワイパーアーム1は、戻りワイパー位置(すなわち最大払拭位置)と内側払拭位置(すなわち図1に示す設置位置)との間で前後に移動し得る。ワイパーアーム1は、金属製のアーム本体と、プラスチック製のカバーであってアーム本体を覆ってキャビティを形成するカバーと、ノズルフレーム12と、を備え得る。雪や氷が風防ガラス上に堆積した場合、車両のユーザは、除雪機を使用して除雪しなければならない。例えば、ユーザは、実質的に図1の白矢印で示す方向に力を加えて、風防ガラス上に積もった雪や氷を取り除く。
【0025】
図1の平面B-Bに沿った断面図である図2aおよび図2bを参照すると、ワイパーアーム1は、細長いアーム本体3とカバー4とを備えている。アーム本体3は、第1側壁5と、第2側壁6と、第1側壁5と第2側壁6とを接続するベース7と、を有している。カバー4は、第1側縁部8と第2側縁部9とを有している。第1側縁部8は第1側壁5に係合し、第2側縁部9は第2側壁6に係合して、アーム本体3とカバー4との間にキャビティ13が形成されている。
【0026】
図1を再び参照すると、第1係合特徴部10が、第1側縁部8および第2側縁部9のうちの少なくとも一方に設けられ、第1係合特徴部10と協働する第2係合特徴部が、第1側壁5および第2側壁6のうちの少なくとも一方に設けられている(図1に示さず)。
【0027】
例えば、図2aおよび図2bを参照すると、第1係合特徴部10は、複数の凸部101、102を備えている。凸部101、102は、第1側縁部8および第2側縁部9にそれぞれ配置されてキャビティ13の内部に向かって突出している。すなわち、第1側縁部8に配置された複数の第1凸部101、および第2側縁部9に配置された複数の第2凸部102;そして第2係合特徴部は、アーム本体3の第1側壁5および第2側壁6の内面111、112、すなわちキャビティ13に対面する内面である。第1凸部101は第1側壁5の内面111に隣接し、第2凸部102は第2側壁6の内面112に隣接している。さらに、図1に示すように、凸部同士は、カバー3の長さに沿って間を空けている。例えば、複数の第1凸部101は、第1側縁部8において、カバー3の長さに沿って、例えば約10cmの距離で、特に一様に間隔を空けている。複数の第2凸部102は、第2側縁部9において、カバー3の長さに沿って、例えば約10cmの距離で、特に一様に間隔を空けている。したがって、カバー4は、例えば図2aの白矢印で示す方向に外力を受けた場合でも、図2aおよび図2bに示す水平方向において移動せず(すなわち左右に移動せず)、かつ、特にアーム本体3から外れることがない。図2aにおける白矢印は、ユーザが除雪しているときにワイパーに加わり得る力を概略的に示したものである。ただし、実際に加わる力は、矢印で示す方向から外れる場合がある。換言すれば、図2aの白矢印は、ユーザが除雪しているときにワイパーに加わり得る力の成分を概略的に示すものであり、前記成分は、図面において水平方向右向きである。例えば、ユーザが雪または氷を取り除いているときにワイパーに加わり得る力は、図2aの白矢印により示される方向とは実質的に反対の向きでもあり得る。
【0028】
さらに、図2bに示すように、アーム本体3の第1側壁5および第2側壁6の開放端部は、アーム本体3の幅d1を規定している。一方、カバー4の第1側縁部8および第2側縁部9は、カバー4の幅d2を規定している。アーム本体の幅d1は、カバー4の幅d2よりも大きい、またはこれに等しい。例えば、アーム本体3の第1側壁5の外郭は、カバー4の第1側縁部8の外郭よりも約0.5mmさらに外側にある。また、アーム本体3の第2側壁6の外郭は、カバー4の第2側縁部9の外郭よりも約0.5mmさらに外側にある。したがって、ユーザが除雪しているときに、除雪機がカバー4に接触することがなく、場合によりアーム本体3に接触するのみであるため、カバー4がアーム本体3から外れることがない。
【0029】
また、再び図2aを参照すると、第1凸部101は、例えば約3mmの高さh1を有し、第2凸部102は、例えば約3.1mmの高さh2を有している。本明細書で使用する場合、用語「高さ」とは、アーム本体3のベース7に対して垂直な方向における寸法、すなわち、図2aにおいて鉛直方向上向きの寸法を指す。本発明では、凸部が特定の用途を満たす限り、その高さは限定されない。
【0030】
図3に示すように、第1係合特徴部10は、カバー4の第1側縁部8に配置されたスナップフィット103、およびカバー4の第2側縁部9に配置された重なり部104も備え得る。本例において、アーム本体3の第2係合特徴部は、第1側壁5に配置されてスナップフィット103と協働する第1ラグ113、および第2側壁6に配置されて重なり部104と協働する第2ラグ114である。スナップフィット103は、少なくとも部分的に、例えば全体的にキャビティ13内に位置するとともに、第1ラグ113の内面、すなわち、キャビティの内面に対面する面に隣接する。
【0031】
図3の代替例または追加例として、図4に示すように、第1係合特徴部10は、カバー4の第1側縁部8に配置された第1スナップフィット105と、カバー4の第2側縁部9に配置された第2スナップフィット106と、を備え得る。本例において、アーム本体3の第2係合特徴部は、第1側壁5に配置されて第1スナップフィット105と協働する第1ラグ113、および第2側壁6に配置されて第2スナップフィット106と協働する第2ラグ114である。第1スナップフィット105は、少なくとも部分的に、例えば全体的にキャビティ13内に位置するとともに、第1ラグ113の内面、すなわち、キャビティの内面に対面する面に隣接する。第2スナップフィット106は、少なくとも部分的に、例えば全体的にキャビティ13内に位置するとともに、第2ラグ114の内面、すなわち、キャビティの内面に対面する面に隣接する。
【0032】
例えば、第1ラグ113は、第1側壁5の端部からキャビティ13の内部に向かって延びる、例えば第1側壁5に対して垂直に延びる凸部である。例えば、第2ラグ114は、第2側壁6の端部からキャビティ13の内部に向かって延びる、例えば第2側壁6に対して垂直に延びる凸部である。
【0033】
例えば、図3および図4に示すように、スナップフィット103、スナップフィット105、およびスナップフィット106は、開口がキャビティの外側に向く逆U字形状のクリップであり得る。逆U字形状のクリップは、変形させることによりキャビティ13内に挿入され、逆U字形状クリップの一方のアームの端部が対応するラグの内面に隣接する。したがって、対応するラグは、キャビティから離れるようなカバー4の移動、すなわち、図3および図4において鉛直方向下向きの移動を阻止し得る。このようにして、カバー4をアーム本体3に確実に接続することができるだけでなく、外力がアーム本体3のベース7に対して垂直方向(すなわち、図3および図4において鉛直方向下向き)に加わった場合でも、カバー4がアーム本体3から外れるリスクを低減することができる。
【0034】
図5に示すように、他の例において、第1スナップフィット105および第2スナップフィット106は、スナップフックであり得る。スナップフックは、傾斜面を有するフックであり、変形させることでキャビティ13に挿入可能であるとともに、対応するラグに接続可能である。このようにして、アーム本体3のベース7に対して外力が垂直方向(すなわち、図5において鉛直方向下向き)に加わった場合でも、カバー4がアーム本体3から外れるリスクが大幅を低減できる。
【0035】
また、図3図5において、カバー4の幅d2は、アーム本体3の幅d1よりも小さい。これにより、ユーザが除雪しているときに除雪機がカバー4に接触することがなく、カバー4がアーム本体3から外れるリスクが回避される。
【0036】
例えば、第1係合特徴部は、射出成形によりカバーと一体的に製造され得る。
【0037】
図6は、図1のワイパーのワイパーアームのノズルフレーム12の、方向Nから見た概略図を示す。流体を風防ガラスに向けて噴霧するために、ノズルフレーム12は、アーム本体3に配置されて、キャビティ内に配置されたダクトのワイパーノズル14を保持するように使用される。図7は、図6のノズルフレームの上面斜視図、すなわち、風防ガラスに対面して見た場合のノズルフレームの斜視図である。図8は、図7の平面C-Cに沿った断面図を示す。図9は、図8の平面D-Dに沿った断面図を示す。図8および図9に示すように、U字形状スロット15が、ノズルフレーム12に設けられている。アーム本体3の第1側壁5の一部51が、U字形状スロット15内に挿入され、アーム本体3の外側に位置するU字形状スロット15の側壁16が、アーム本体3の第1側壁5の最外郭を超えて突出しない。例えば、図8および図9に示すように、凹部53が、アーム本体3の第1側壁5に設けられている。そして、アーム本体3の外側に位置するU字形状スロット15の側壁16の端部が、凹部53内に位置している。例えば、凹部53は、第1側壁の外面からキャビティの内部に落ち込んでいる、例えば、図8の水平方向左方に約0.5~1mmだけ落ち込んでいる。
【0038】
ノズルフレーム12をアーム本体3に装着可能とするため、U字形状スロット15の幅(すなわち、図8において水平方向の寸法)は、U字形状スロット15内に挿入されるアーム本体3の第1側壁5の一部51の幅に一致している。アーム本体3の第1側壁5の一部51には、開口52が設けられている。突出部18が、アーム本体3の内部に位置するU字形状スロット15の側壁17に設けられている。この突出部18は、開口52と係合する。例えば、突出部18は、スナップフックである。例えば、突出部18は、アーム本体3の内部に位置するU字形状スロット15の側壁17の端部に配置される。
【0039】
再び図9を参照すると、U字形状スロット15内に挿入される第1側壁5の一部51の長さは、ノズルフレームの長さに実質的に対応している。これらの長さは、図9の水平方向における寸法である。
【0040】
アーム本体3の外側に位置するU字形状スロット15の側壁16がアーム本体3の第1側壁5の最外郭を超えて突出しないため、車両のユーザが除雪機を使用して力をワイパーに図8の白矢印で示す方向に加えた場合でも、除雪機はノズルフレーム12に接触することがなく、さらにはアーム本体3の第1側壁5とアーム本体3の外側に位置するU字形状スロット15の側壁16との間のわずかな隙間に入り込むことがない。したがって、ノズルフレームに損傷を与えることがなく、開口52を介してキャビティ13が露出することが回避される。
【0041】
上述のノズルフレーム12は、カバー4とは別の部品である。しかしながら、他の例において、上述のノズルフレーム12は、カバー4とともに単一部品として形成され得る。
【0042】
外力の作用を受けても、例えば除雪時の外力の作用を受けても、本発明のワイパーアームは、損傷することがなく完全な外観を有する。また、本発明のワイパーアームは、構造がシンプルで製造コストが低い。
【0043】
さらに、以上に開示した技術的特徴は、開示した他の特徴との組み合わせに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の目的を達成すべく、本発明の目的に従って技術的特徴の他の組み合わせも可能である。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】