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▶ ウォン,チョン チルの特許一覧

<図1>
  • 特表-身体矯正用靴の中敷き 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】身体矯正用靴の中敷き
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20241022BHJP
   A43B 17/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61F5/01 E
A43B17/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525776
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 KR2022095129
(87)【国際公開番号】W WO2023075576
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0144807
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524158128
【氏名又は名称】ウォン,チョン チル
【氏名又は名称原語表記】WON,Jong Chil
【住所又は居所原語表記】328-15 Seongdeok-ro Gangneung-si Gangwon-do 25616,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一
(74)【代理人】
【識別番号】100205730
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 重輝
(74)【代理人】
【識別番号】100213551
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 智貴
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,チョン チル
【テーマコード(参考)】
4C098
4F050
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB02
4C098BC37
4C098BC45
4C098BD02
4F050EA09
4F050HA53
4F050HA56
4F050JA30
(57)【要約】
本発明は、身体矯正用靴の中敷きに関し、具体的には、歩行時に正常な歩行ができるようにしながらも、歩行者の下体(骨盤、膝または足首)で発生する屈曲、湾曲、ねじれまたは折れから迅速に回復(弛緩)されることができるようにして、歩行者の脊椎が真っ直ぐに伸びた状態で歩行を維持することができるようにする身体矯正用靴の中敷きに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行時に踵の外側が触れる時点である第1地点と、後足部から前足部に踏む圧力が内側に移動される時点である第2地点を含む底板;および
前記底板上に安着されて積層を成すように結合され、中足骨に対応する部位が外側から内側に行くほど13゜~14゜の角度に傾斜した上向き傾斜面を備えた上板;
を含み、
前記第1地点と第2地点を通る仮想の基準線は、前記底板の幅方向と水平な仮想線を基準として30゜の角度で形成され、仮想の前記基準線の境界から内側方向に上向きに傾斜した傾斜面を備え、前記第1地点と第2地点との間の踵骨に形成された前記傾斜面は、16゜~20゜の角度で形成される、ことを特徴とする身体矯正用靴の中敷き。
【請求項2】
前記底板は、0.5~1.0mmの厚さからなり、
前記基準線を境界として、外側部位が0.1~0.2mmの誤差範囲内で同じ厚さに形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の身体矯正用靴の中敷き。
【請求項3】
前記第1地点と第2地点との間の踵骨に形成された前記傾斜面は、1.0mmから2.8mmの厚さで外側部位に向かって上向きに傾斜した傾斜面をなす、ことを特徴とする請求項1に記載の身体矯正用靴の中敷き。
【請求項4】
前記上板は前記底板よりも軟質の材質からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の身体矯正用靴の中敷き。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体矯正用靴の中敷きに関し、具体的には、歩行時に正常な歩行ができるようにしながらも、歩行者の下体(骨盤、膝または足首)で発生する屈曲、湾曲、ねじれまたは折られた現象から迅速に回復(弛緩)されることができるようにして、歩行者の脊椎が真っ直ぐに伸びた状態で歩行を維持することができるようにする、身体矯正用靴の中敷きに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、歩行は体が前へ進むようにするために、下肢が同じ動作を繰り返して行うことを言う。
【0003】
すなわち、体が前へ動く時、一つの下肢は動きを支え、残り一つの下肢は前へ進む動きを言う。一つの下肢から他の下肢に体の体重を移す間に両足は地面に付いており、目標地点に到逹するまで歩行周期がそれぞれの下肢によって互いに役割が転換されながら連続的に繰り返して実行するようになる。
【0004】
歩行時に、歩行周期は、立脚期(stance phase)および遊脚期(swing phase)に分けられる。
【0005】
例えば、立脚期は、右側踵が地面に接触する時から右側足指が地面から離れるまでの過程で、右側足裏が地面に接触して体重を支持する時に起きる。
【0006】
遊脚期は、右側足指が地面から離れる時から再び右側踵が地面に接触するまでの過程であり、右側足が空中にある時期で、再び地面に接触するまで足が前へ進むようになる。
【0007】
正常な歩行速力において、立脚期は、歩行周期の約60%、遊脚期は残り40%を占める。
【0008】
歩行周期の間に下肢で発生する大部分の問題は、立脚期時に発生するが、このような現象は、体重負荷による衝撃量のためと知られている。
【0009】
このように歩行者が歩く時には、体重の1~2倍、走る時には、2~3倍の衝撃量が発生することと知られており、このような衝撃量はストレスとして作用し、過度なストレスの蓄積は足の損傷原因となることがある。
【0010】
一方、歩行時だけでなく、長時間椅子に座って生活する過程で不均衡な姿勢の習慣により体が一方へ傾く体の不均衡現象がたくさん起きている。
【0011】
このような体の不均衡現象による代表的な症状としては、非対称的不均衡症状である脊椎側弯症と脊椎後弯症が知られている。
【0012】
脊椎側弯症は、両足のツマ先対称中心線が11時方向または1時方向にねじれる場合、これと対応する上体は反対方向にツイストドーナツみたいにねじれて発生する不均衡症状である。
【0013】
脊椎後弯症は、横から見た時、脊椎が後に曲がっている症状で、足首関節の捻れ骨盤変形と脊椎変形をもたらして、首、腰、骨盤、膝または足の痛症などを誘発させる原因となる。
【0014】
体の不均衡を矯正するための方法としては、大きく矯正手術を利用した方法と、矯正器具を利用した方法が知られている。
【0015】
矯正手術を利用した方法は、手術的副作用と費用的側面で選好度が低く、矯正器具を利用した方法は、矯正器具を長期間着用するため、日常生活を営むのにたくさんの不便をもたらすという問題点があった。
【0016】
最近には、靴の中敷きを矯正器具として活用するための技術が活発に開発されている。
【0017】
しかしながら、大部分の技術開発は、靴の中敷きの硬度または構造物の挿入による衝撃緩和または吸収などのような機能性部分が占めているだけで、脊椎側弯症などのような症状を誘発する体の不均衡を矯正するための技術開発はまだ充分でない実情である。
【0018】
このように体の不均衡を矯正するための技術開発の要求に符合するために、本出願人により先出願された特許文献1(大韓民国登録特許第10-2049077号)には、正常歩行時に、踵の外側が触れる時点である第1地点と、後足部から前足部に踏む圧力が移動される内側時点である第2地点を有する底板;および前記底板の上面に積層して設置され、中足骨に対応する部位が外側から内側に行くほど13゜~14゜の角度に傾斜した上向き傾斜面を備えた上板;を含み、前記第1地点と第2地点を通る仮想の基準線は、前記底板の長さ方向と水平な仮想線を基準として30゜の角度に形成され、前記仮想の基準線を境界として前記基準線の境界から内側方向に上向き傾斜した傾斜面を備え、前記第1地点および第2地点の間の踵骨に形成された前記傾斜面の角度は16゜~20゜に形成される、ことを特徴とする身体矯正用靴の中敷きが開示されている。
【0019】
また、歩行時に、足首の動きが正常でない足では、矢状面(体を左/右に分ける面)を基準として、屈曲、湾曲、ねじれまたは折れを誘発したまま歩行を維持することになるが、この時、歩行者の下体では足首が受ける荷重を分散させるために、自然に足が内側へ折れる内転現象を発生する。
【0020】
すなわち、足首の動きが正常でない歩行者は、それによる下体(骨盤、膝または足首)の外側不均衡を補償するために、自然に内転現象を起こして、下体と脊椎との均衡を維持しようとする。
【0021】
ところが、上述した特許文献1は、歩いたり走る状態ではない止まっている状態では内転現象を発生しなくても骨盤または足首が原位置に復帰して伸びることができるように誘導して、脊椎も真っ直ぐに伸ばすことができたが、底板の長さ方向と水平な仮想線を基準として、30゜の角度に形成された基準線の境界から内側方向に上向きに傾斜した傾斜面を備えることによって、歩行時または走る動作時に歩行者の踵骨に触れる面積が広くなって、下体(骨盤、膝または足首)の外側不均衡を誘発して、足の疲労感を累積させるという問題があった。
【0022】
さらに、上述したように、歩行時または走る動作時に誘発される外側不均衡によって累積された足の疲労感を回復するために、屈曲されたりねじれた下体と脊椎が再び伸びるように回復する時間が長くなることは勿論、これを補償するために、内転現象を発現し、かつ、股関節周辺の筋肉が強く緊張し、これは歩行者の関節または脊椎などに圧力を増加させるため、全体的な筋肉緊張度が増加されたまま歩いたり走ることにより、脊椎の矯正は期待できないだけでなく、さらに屈曲されたりねじれた状態で歩いたり走る動作を維持するしかないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたもので、歩行時に正常な歩行ができるようにしながらも、歩行者の下体(骨盤、膝または足首)で発生する屈曲、湾曲、ねじれまたは折られた現象から迅速に回復(弛緩)されることができるようにして、歩行者の脊椎が真っ直ぐに伸びた状態で歩行を維持することができるようにする、身体矯正用靴の中敷きを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の目的を達するための本発明に係る身体矯正用靴の中敷きは、歩行時に踵の外側が触れる時点である第1地点と、後足部から前足部に踏む圧力が内側に移動される時点である第2地点を含む底板;および前記底板上に安着されて積層を成すように結合され、中足骨に対応する部位が外側から内側へ行くほど13゜~14゜の角度で傾斜した上向き傾斜面を備えた上板;を含み、前記第1地点と第2地点を通る仮想の基準線は、前記底板の幅方向と水平な仮想線を基準として30゜の角度に形成され、仮想の前記基準線の境界から内側方向に上向きに傾斜した傾斜面を備え、前記第1地点および第2地点の間の踵骨に形成された前記傾斜面は、16゜~20゜の角度に形成されることができる。
【0025】
前記底板は0.5~1.0mmの厚さからなり、前記基準線を境界として、外側部位が0.1~0.2mmの誤差範囲内で同じ厚さに形成されてもよい。
【0026】
前記第1地点および第2地点の間の踵骨に形成された前記傾斜面は、1.0mmから2.8mmの厚さで外側部位に向かって上向きに傾斜した傾斜面をなしてもよい。
【0027】
前記上板は前記底板よりも軟質の材質からなってもよい。
【発明の効果】
【0028】
このように、本発明に係る身体矯正用靴の中敷きは、歩行時に正常な歩行ができるようになりながらも、歩行者の下体(骨盤、膝または足首)で発生する屈曲、湾曲、ねじれまたは折られた現象から迅速に回復(弛緩)されることができるようにして、歩行者の脊椎が真っ直ぐに伸びた状態で歩行が維持されることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係る身体矯正用靴の中敷きを概略的に示した図面である。
図2】本発明に係る身体矯正用靴の中敷きの底板を概略的に示した図面である。
図3】本発明に係る身体矯正用靴の中敷きの底板を概略的に示した図面である。
図4】本発明に係る身体矯正用靴の中敷きの上板を概略的に示した図面である。
図5】従来の靴の中敷きを着用した状態で歩行する時に歩行者の足首の屈曲とその屈曲の回復速度を説明するために示したグラフである。
図6】本発明に係る身体矯正用靴の中敷きを着用した状態で歩行する時に歩行者の足首の屈曲とその屈曲の回復速度を説明するために示したグラフである。
図7】従来の靴の中敷きを着用した状態で歩行する時に歩行者の骨盤のねじれおよびそのねじれの回復速度を説明するために示したグラフである。
図8】本発明に係る身体矯正用靴の中敷きを着用した状態で歩行する時に歩行者の骨盤のねじれおよびそのねじれの回復速度を説明するために示したグラフである。
図9】従来の靴の中敷きの着用と本発明に係る身体矯正用靴の中敷きの着用した状態で歩行する時の体のねじれを説明するために撮影した動画をキャプチャした写真である。
図10】従来の靴の中敷きの着用と本発明に係る身体矯正用靴の中敷きの着用した状態で歩行する時の体のねじれを説明するために撮影した動画をキャプチャした写真である。
図11】従来の靴の中敷きの着用と本発明に係る身体矯正用靴の中敷きの着用した状態で歩行する時の体のねじれを説明するために撮影した動画をキャプチャした写真である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して本発明の具体的な実施例に対する構成および作用について詳しく説明すれば、次の通りである。
【0031】
ここで、各図面の構成要素について参照符号を付ける際において、同じ構成要素に限ってはたとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同じ符号で標記していることに留意しなければならない。
【0032】
そして、本発明を説明する際において、係わる公知機能あるいは構成に対する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧にしないようにするために省略する。
【0033】
また、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0034】
また、本発明を説明する際において、幅方向は足幅を成す方向(図2図4を基準として横方向)を基準とし、長さ方向は幅方向と垂直をする方向を基準として説明する。
【0035】
また、内側の表現は各構成または各構成によって区画された内側方向またはその方向にある部位を指称するものであり、外側の表現は内側の表現と反対方向またはその方向にある部位を指称するものにして説明する。
【0036】
本発明は、歩行時に正常な歩行ができるようにしながらも、歩行者の下体(骨盤、膝または足首)で発生する屈曲、湾曲、ねじれまたは折られた現象から迅速に回復(弛緩)されることができるようにして、歩行者の脊椎が真っ直ぐに伸びた状態で歩行を維持することができるようにする、身体矯正用靴の中敷きに関する。
【0037】
このための本発明に係る身体矯正用靴の中敷きの構成は、図1図4に示したように、底板11および上板12を含んでもよい。
【0038】
まず、本発明の底板11は、図1図3のように、足を踏むとき、足の外側から内側に約30゜の角度に圧力が集中されることを補償し、踵骨(踵部位にある足根骨の一つ)が崩れる角度、例えば16゜~20゜を補償することができるように機能する。
【0039】
このような底板11は、足を踏むとき、足の外側から内側に30゜の角度に集中される圧力を分配して、足全体に均一な圧力を提供するために踵の外側が触れた時点である第1地点f1と、後足部から前足部に踏む圧力が内側に移動される時点である第2地点f2を通るプログレッション(progression)ラインを基準線13として、底板11の内側に上向きに傾斜した構造を有する。
【0040】
すなわち、踵で踏んだ後、踵骨の内側部位が地面に接触し歩行が始まり、その踵骨で踏んだ後に前足部の踏みが起きるが、第2地点f2は足弓(足の土踏まず)が始まる前の後足部の境界部位を意味する。
【0041】
このような足弓の構造的な特徴によって、個人別に一部差があり得るが、歩行のために足を踏むとき、足裏に加えられる圧力は外側から内側に約30゜角度の傾き現象が発生して、外側から内側に傾斜する姿勢不均衡現象が発生する。
【0042】
そこで、本発明では、底板11に仮想線14を基準として、第1地点f1と第2地点f2を30゜の傾斜度を有する基準線13で連結し、基準線13の内側、すなわち基準線13を基点として内側方向に上向きに傾斜した傾斜面11aを形成することによって、基準線13を境界として底板11の内側から外側に圧力が分配されるようにする。
【0043】
これによって、歩行時に足全体で均一な圧力が加えられるようにして、正常な歩行を誘導することができるようになる。
【0044】
特に、本発明では、前述したように、本出願人により先出願された「大韓民国登録特許公報第10-2049077号(2019.11.26.公告)」の従来技術における問題点または限界点を克服するために、上述した第1地点f1と第2地点f2を通る仮想の基準線13を、従来の底板11の長さ方向と水平な仮想線と違って、底板11の幅方向と水平な仮想線14を基準として形成したことに技術的要旨がある。
【0045】
これによって、従来の靴の中敷きを着用して歩行する時または走る動作をする時に、歩行者の踵骨方に触れる面積が広くなって、下体(骨盤、膝または足首)の外側不均衡を誘発して、足の疲労感を累積させるという問題を解決することができる。
【0046】
また、歩行する時や走る動作をする時に誘発される外側不均衡によって累積された足の疲労感を回復するために、屈曲されたりねじれた下体と脊椎が再び伸びるように回復する時間が長くなることは勿論、これを補償するために、内転現象を発現するとともに、股関節周辺の筋肉が強く緊張することになり、これは歩行者の関節または脊椎などに圧力を増加させることによって、全体的な筋肉緊張度が増加されたまま歩いたり走るようになって、脊椎の矯正を期待できないだけでなく、さらに屈曲されたりねじれた状態で歩いたり走る動作を維持するしかないという問題も解決することができる。
【0047】
図5および図6を参照すると、図5は、従来の靴の中敷きを着用した状態で歩行する時に歩行者の足首の屈曲とその屈曲の回復速度を示したグラフであり、図6は、本発明に係る身体矯正用靴の中敷きを着用した状態で歩行する時に歩行者の足首の屈曲とその屈曲の回復速度を説明するために示したグラフである。
【0048】
すなわち、図5および図6は、歩行者の足首の湾曲ローテーションを示したもので、図面に示された赤色のボックス区間は、角速度(回復速度)を示したもので、ボックスの長さが長くて、点の稠密性が低下するということは、角速度(回復速度)が早いということを意味する。
【0049】
このような図5図6を比較すると、従来の靴の中敷きを着用した時よりも、本発明に係る身体矯正用靴の中敷きを着用した時に、足首の屈曲(湾曲)変形から回復する速度が顕著に早いことを確認することができ、これは、従来の靴の中敷きで感じていた疲労感の累積による足首の屈曲状態での歩行による脊椎矯正の限界を解決したことを確認することができる。
【0050】
また、図7および図8を参照すると、図7は、従来の靴の中敷きを着用した状態で歩行する時に歩行者の骨盤のねじれと、そのねじれの回復速度を説明するために示したグラフであり、図8は、本発明に係る身体矯正用靴の中敷きを着用した状態で歩行する時に歩行者の骨盤のねじれと、そのねじれの回復速度を説明するために示したグラフである。
【0051】
すなわち、図7および図8は、歩行者の骨盤のねじれローテーションを示したもので、図面に示された赤色のボックス区間は、角速度(回復速度)を示したもので、ボックスの長さが長くて点の稠密性が低下するということは、角速度(回復速度)が早いということを意味する。
【0052】
このような図7図8を比較すると、従来の靴の中敷きを着用した時よりも、本発明に係る身体矯正用靴の中敷きを着用した時に、骨盤のねじれ(折れ)変形から回復される速度が顕著に早いことを確認でき、これは従来の靴の中敷きから感じていた疲労感の累積による骨盤のねじれ状態での歩行による脊椎矯正の限界を解決したことを確認することができる。
【0053】
図9図11を参照すると、これらは従来の靴の中敷きの着用と本発明に係る身体矯正用靴の中敷きの着用状態で歩行する時に体のねじれを説明するために撮影した動画をキャプチャした写真で、写真を基準として、左側が従来の靴の中敷きを着用したもので、右側が本発明に係る身体矯正用靴の中敷きを着用したものである。
【0054】
このように、図9図11を参照しても、従来の靴の中敷きを着用して歩いた時には、歩行者の下体(骨盤、膝または足首)の外側不均衡(屈曲、湾曲、ねじれまたは折れ)を誘発して、これを補償するために、内転(adduction/Add)現象を誘発することを確認できる。
【0055】
一方、本発明に係る身体矯正用靴の中敷きを着用して歩いた時には、上述した外側不均衡(屈曲、湾曲、ねじれまたは折れ)現象の回復速度が早くて、歩行者の下体と脊椎が伸びた状態で歩行を維持することができることを確認できる。
【0056】
一方、本発明の底板11は、足裏の踵骨が崩れる角度を補償するために、底板11の第1地点f1と第2地点f2との間の踵骨の傾斜度を16゜~20゜にすることが好ましい。
【0057】
このように、歩行時に足を踏んだ後に踵骨が崩れる角度は16゜~20゜範囲内に含まれることによって、本発明では、底板11の第1地点f1と第2地点f2との間の踵骨の上向き傾斜度を16゜~20゜にしてこれを補償することによって、脊椎を真っ直ぐに伸ばすという効果を具現することができる。
【0058】
例えば、踵骨の傾斜度が16゜~20゜を逸脱する場合、骨盤の前方傾斜が強くなり、左側と右側の搖れに対する補正が難しくなることはもちろん、足の回転(hip rotation)が大きくなることがある。
【0059】
また、本発明の底板11は、基準線13を境界として外側部の厚さが0.5~1.0mmのできるだけ同一または近似値の厚さからなり、基準線13を境界として外側部位が0.1~0.2mmの誤差範囲内で同じ厚さに形成されてもよい。
【0060】
そして、上述した第1地点f1と第2地点f2との間の踵骨に形成された傾斜面11aは、1.0mmから2.8mmの厚さで外側部位に向かって上向きに傾斜した傾斜面11aをなしてもよい。
【0061】
このように、本発明は、底板11の構造を改善することによって、歩行のために足を踏むとき、外側から内側に作用される30゜の圧力を靴の着用時から補償して、足全体に均一な圧力が作用されるようにすることによって、安定的な正常な歩行を誘導することができ、歩行のために足を踏むとき、足裏の踵骨が崩れる角度(16゜~20゜)を補償して、歩いたり走る動作をする時、脊椎が真っ直ぐに伸びるようにして、体の不均衡の発生を予防および防止することができる。
【0062】
一方、本発明の上板12は、図1および図4のように、底板11上に安着されて積層を成すように結合され、中足骨に対応する部位が外側から内側に行くほど13゜~14゜の角度で傾斜した上向き傾斜面を備え、底板11よりも軟質の材質からなってもよい。
【0063】
すなわち、本発明の底板11は、16゜~20゜の踵骨角度(プログレッション角度(progression angle))が崩れないように比較的堅い材質からなる一方、上板12は衝撃の緩和および吸収のために、底板11より相対的に柔らかい材質で形成される。
【0064】
例えば、上板12は、底板11上の屈曲面に沿って緊密に密着されるように弾性を有しながら軟質の材質であるポリウレタン、ゴムまたはシリコン材質からなってもよく、これらの他にも底板11よりも柔らかい材質であればいずれも適用することができる。
【0065】
そして、上板12は、図4のように、ウィンドラスメカニズム(windlass mechanism、巻き上げ効果)を向上させるために、中足骨に対応する部位が上板12の外側から内側に行くほど13゜~14゜の上向き傾斜面を有するように形成される。
【0066】
例えば、四番目の中足骨または三番目の中足骨部位から一番目の中足骨(第1趾)に行くほど上向きに傾斜した構造からなり得る。
【0067】
また、ウインドラスメカニズムは、歩行する時に内側足弓を維持するために、足裏筋膜(plantar fascia)とスプリング靭帯(spring ligament)の効果的な動きで足の巻き上げ効果(windlass effect)を有する足関節の動きを発生することを意味する。
【0068】
本発明に係る上板12のように、足骨に対応する部位に上板12の外側から内側に行くほど13゜~14゜の上向き傾斜面を有するように形成することによって、足を踏んでから、持ち上げる時、足の巻き上げ効果を向上させてウインドラスメカニズムを向上させることができるようになる。
【0069】
例えば、傾斜面の角度が13゜未満の場合、歩行時に、ふくらはぎ筋肉に無理が発生することがあり、14゜を超える場合、歩行時に、足裏、特に一番目の中足骨に痛症が発生することがある。
【0070】
以上、本発明を特定の具体的な実施例を挙げて図示して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、多様な変更と修正が可能であることは勿論である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】