(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】検出精度ランキングおよび車両指示のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241022BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20241022BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241022BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241022BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20241022BHJP
【FI】
G08G1/00 J
G01C21/34
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525801
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 JP2022040707
(87)【国際公開番号】W WO2023080111
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ ポール ミアン
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ シャオリャン
(72)【発明者】
【氏名】クンドゥ スブラタ クマル
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB18
2F129BB26
2F129DD02
2F129EE52
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2F129FF52
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2F129FF61
2F129GG17
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH18
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181BB19
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181EE11
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181MC16
(57)【要約】
クラウドベースの道路異常データベースを更新するための少なくとも1つのハードウェアプロセッサを備えるシステムが開示される。システムは、車両の1つ以上のセンサによって検出された物体に関する情報を車両から受信し、情報は検出された物体の位置および/またはサイズを含んでもよく、第1の検出物体の位置および/またはサイズを、第1の検出物体に関する道路特徴データベースに記憶されたデータと比較し、位置および/またはサイズを比較することに基づいて、第1の検出物体および第2の検出物体に関連する精度スコアを判定し、関連する精度スコアが閾値精度スコアまたはクラウドベースの道路異常データベースに記憶された対応する物体の情報に関連する精度スコアの少なくとも一方よりも高いことに基づいて、第2の検出物体についての受信した情報を用いてクラウドベースの道路異常データベースを更新する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドベースの道路異常データベースを更新する方法であって、
車両の1つ以上のセンサによって検出された第1の物体および第2の物体に関する情報を前記車両から受信することであって、前記情報は前記検出された物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含む、受信することと、
前記検出された第1の物体の前記位置または前記サイズの少なくとも一方を、前記検出された第1の物体に関する道路特徴データベースに記憶されたデータと比較することと、
前記位置または前記サイズの少なくとも一方を比較することに基づいて、前記検出された第2の物体に関連する精度スコアを判定することと、
前記関連する精度スコアが閾値精度スコアまたは前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された対応する物体の情報に関連する精度スコアの少なくとも一方よりも高いことに基づいて、前記検出された第2の物体についての前記受信した情報を用いて前記クラウドベースの道路異常データベースを更新することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記車両の経路を決定することと、
前記決定された経路に沿った物体に関連する、前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された少なくとも1つの物体の情報のセットを識別することと、
前記決定された経路に沿った前記物体に関する前記車両からの情報の精度スコアを予測することと、
前記予測された精度スコアに基づいて、センサ構成の指示を前記車両に送信することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサ構成の前記指示は、
前記予測された精度スコアが、前記決定された経路に沿った前記物体に関連する前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された前記情報の前記精度スコアよりも高い場合、高感度構成を含み、
前記予測された精度スコアが、前記決定された経路に沿った前記物体に関連する前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された前記情報の前記精度スコアよりも低い場合、低感度構成を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記検出された第2の物体に関連する前記精度スコアを判定することは、前記検出された第1の物体に関連する精度スコアを判定することと、前記検出された第1の物体についての前記判定された精度スコアを前記検出された第2の物体に関連付けることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記検出された第1の物体に関連する前記精度スコアを判定することは、前記検出された第1の物体に関する前記受信した情報と、前記検出された第1の物体に関する前記道路特徴データベースに記憶された前記データとの間の差の大きさに基づいて前記精度スコアを判定することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記精度スコアは、第1の方向、第2の方向、第3の方向、経度、または緯度のうちの少なくとも1つについての精度スコアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記検出された第1および第2の物体に関する前記受信した情報は、前記第1および第2の物体を検出する複数のインスタンスに関する情報を含み、前記精度スコアは、前記複数のインスタンスに基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記車両の前記1つ以上のセンサによって検出された追加の物体に関する情報を前記車両から受信することであって、前記検出された追加の物体に関する前記受信した情報は、前記追加の物体を検出する第1のインスタンス数に関する情報を含む、受信することと、
対応する物体に関するデータが前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶されていないと判定することと、
前記第1のインスタンス数が閾値検出インスタンス数よりも大きいことに基づいて、前記検出された追加の物体を前記クラウドベースの道路異常データベースに追加することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記追加の物体を検出する前記第1のインスタンス数に関連する精度スコアを判定することをさらに含み、前記検出された追加の物体を前記クラウドベースの道路異常データベースに追加することは、前記精度スコアが閾値精度スコアよりも高いことにさらに基づく、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記車両の前記1つ以上のセンサによって検出された追加の物体に関する情報を前記車両から受信することと、
前記検出された追加の物体に関連する追加の精度スコアを判定することと、
対応する物体に関連するデータが前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶されていることを判定することであって、前記記憶されたデータは記憶された精度スコアを含む、判定することと、
前記判定された追加の精度スコアが前記記憶された精度スコアよりも低いことに基づいて、前記検出された追加の物体についての前記受信した情報を用いて前記クラウドベースの道路異常データベースを更新しないことと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
車両がクラウドベースのルート生成システムにデータを提供して前記クラウドベースのルート生成システムのクラウドベースの道路異常データベースを更新する方法であって、
前記車両の軌道に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信することと、
前記クラウドベースのルート生成システムから、前記車両の前記軌道に関連する少なくとも1つの対応する位置に関連する少なくとも1つのセンサ構成の指示を受信することと、
前記少なくとも1つの指示されたセンサ構成に基づいて、少なくとも1つの物体を検出することと、
前記指示されたセンサ構成によって検出された前記少なくとも1つの物体に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサ構成の前記指示は、
前記クラウドベースのルート生成システムが閾値精度を上回る精度に関連するデータを記憶していない道路危険に関連する、少なくとも1つの位置に対する高感度構成と、
道路危険がないこと、または前記クラウドベースのルート生成システムが閾値精度を上回る精度に関連するデータを記憶している道路危険の少なくとも一方に関連する、少なくとも1つの位置に対する低感度構成と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの検出された物体に関連するサイズまたは位置の少なくとも一方を判定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの検出された物体に関連する前記サイズまたは前記位置の少なくとも一方を判定することは、複数のセンサタイプからのデータを融合することに基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの検出された物体に関連する精度スコアを判定することをさらに含み、前記少なくとも1つの物体に関する前記送信された情報は、前記判定された精度スコアを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記精度スコアは、第1の方向、第2の方向、第3の方向、経度、または緯度のうちの少なくとも1つについての精度スコアを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記指示されたセンサ構成は高感度構成であり、前記少なくとも1つの検出された物体は、前記クラウドベースのルート生成システムが閾値精度に関連するデータを記憶していない道路危険である、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
クラウドベースの道路異常データベースを更新するための装置であって、
車両の1つ以上のセンサによって検出された第1の物体および第2の物体に関する情報を前記車両から受信する手段であって、前記情報は前記検出された物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含む、手段と、
前記検出された第1の物体の前記位置または前記サイズの少なくとも一方を、前記検出された第1の物体に関する道路特徴データベースに記憶されたデータと比較する手段と、
前記位置または前記サイズの少なくとも一方を比較することに基づいて、前記検出された第2の物体に関連する精度スコアを判定する手段と、
前記関連する精度スコアが閾値精度スコアまたは前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された対応する物体の情報に関連する精度スコアの少なくとも一方よりも高いことに基づいて、前記検出された第2の物体についての前記受信した情報を用いて前記クラウドベースの道路異常データベースを更新する手段と、を含む、装置。
【請求項19】
前記車両の経路を決定する手段と、
前記決定された経路に沿った物体に関連する、前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された少なくとも1つの物体の情報のセットを識別する手段と、
前記決定された経路に沿った少なくとも1つの物体に関連する精度スコアが閾値精度スコアを下回る精度スコアに関連付けられていると判定する手段と、
前記決定された経路に沿った前記少なくとも1つの物体に関連する前記精度スコアが前記閾値精度スコアを下回る前記精度スコアに関連付けられていると判定することに基づいて、前記決定された経路に沿った前記物体を検出するために前記車両が使用するために、前記決定された経路に沿った前記物体に関連する、前記決定された経路に沿った位置に関連するセンサ構成の指示を前記車両に送信する手段と、をさらに含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記車両の前記1つ以上のセンサによって収集された、前記決定された経路に沿った前記少なくとも1つの物体に関連する前記位置に関する情報を前記車両から受信する手段と、
前記受信した情報に関連する追加の精度スコアを判定する手段と、
前記少なくとも1つの物体がもはや前記位置にないと判定する手段と、
前記少なくとも1つの物体がもはや前記位置にないことを示す前記受信した情報に関連する前記追加の精度スコアが、前記記憶された精度スコアよりも高いことに基づいて、前記クラウドベースの道路異常データベースを更新して、前記少なくとも1つの物体を削除するための手段と、をさらに含む、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する実施形態は一般に、コネクテッド車両技術および検出された道路危険の共有を対象とする。
【背景技術】
【0002】
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によれば、アメリカの道路では毎年500万件を超える衝突事故があり、30,000人を超える死者およびさらに多くの重傷者が発生している。自動車事故における死亡の多くは、不十分な道路状況、例えば欠陥のある道路設計、ポットホール、デブリ、道路のひび割れ、工事区域や作業区域、および他のそのような危険によって引き起こされる。長年にわたって、運転安全性を向上するために、多くの技術、例えばエアバッグ、アンチロックブレーキ、車線維持、自動緊急ブレーキ、および他のそのような技術が進化してきた。これらの受動的および半能動的なシステムや技術は、運転安全性を向上し、死者数を低減し得るが、応答時間および検出範囲に限界があるため、局所的な領域に焦点を合わせることで運転者に対する保護が制限される可能性がある。現代の車両は、例えばステレオカメラ、レーダ、サラウンドビューカメラなどのますます進歩したセンサ、ならびに演算能力が向上し続ける多数のエンジン制御装置(ECU)およびオンボードチップを装備し得る。これらの高度で強力なECUは、より多くのセンサデータの処理を可能にし、したがって、例えば車線維持、緊急ブレーキ、アダプティブクルーズコントロールなど、衝突を回避するための追加の安全機能を提供する。加えて、一部の情報はまた、クラウドベースのプラットフォームに(例えば、車両対クラウド(V2C))、他の車両に(V2V)、歩行者に(V2P)、道路インフラに(V2I)、またはより広い定義では、車両からあらゆる物に(V2X)共有することもできる。
【0003】
自動車メーカーがコネクテッド車両のデータを収集、処理、および分析するアプリケーションを構築し、実行することを可能にするために、コネクテッド車両に対してモノのインターネット(IoT)ベースのソリューションが提案されている。一部のIoTベースのソリューションは、車両を管理し、クラウドベースのインフラストラクチャに接続するために、低遅延および低オーバーヘッドのセキュアなプラットフォームを提供し得る。コネクテッド車両のための現在の方法および技術は、接続、データの共有、およびデータベース内のデータの組み合わせに関連する基本的な機能に焦点を当てていると考えられる。しかしながら、方法および技術は、検出精度を考慮しない場合がある。
【0004】
道路上のポットホール、デブリ、またはその他の異常などの道路危険は、運転の安全性および快適性に大きな危険をもたらす。コネクテッド車両技術は、例えばステレオカメラ、光検出と測距(ライダ)システム、サラウンドビューカメラ、または他のそのようなセンサなどの高度なセンサおよびアルゴリズムを装備した車両から検出される道路異常に関するデータを収集し、共有するために実装され得る。実装中、これらの従来の方法は、低精度、誤った検出結果、および(例えば多数の車両からの)同じ道路異常に関する大量の類似データに関連する欠点に直面する。
【0005】
先行技術は、1)視覚化または処理のためにプラットフォームに組み込むための危険検出に関するデータを収集すること、および2)記憶された地図データを用いて検出された危険の差異を識別することという基本機能を実行することを説明している。しかしながら、データの精度ならびにデータのソートおよび選択のメカニズムの課題が残る。
【0006】
コネクテッド車両技術は、検出された道路危険を他者と共有することにより運転の安全性および快適性を向上させるための極めて重要な点となっている。しかしながら、車両には様々なセンサのセットが装備されており、異なるセンサスイートの性能は異なり、時間と共に偏りが生じることになる。その結果、車両から検出および共有された道路危険情報と、低精度またはノイズの多いデータとが混在する。車両から共有されるデータが道路危険データベースに追加されるほど十分に正確であることをどのように保証するかが大きな課題となる。
【発明の概要】
【0007】
したがって、複数の車両から収集したデータを用いてクラウドベースの道路異常データベースを更新するシステムおよび方法が開示される。加えて、開示されたシステムおよび方法は、複数の車両から受信したデータの相対精度に基づいて、複数の車両から収集したデータから特定の道路特徴(例えば、静的特徴または動的特徴)についての特定のデータを選択してもよい。
【0008】
実施形態において、クラウドベースの道路異常データベースを更新するためのシステムが開示される。システムは、車両の1つ以上のセンサによって検出された物体に関する情報を車両から受信し、情報は検出された物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含み、第1の検出物体の位置またはサイズの少なくとも一方を、第1の検出物体に関する道路特徴データベースに記憶されたデータと比較し、位置またはサイズの少なくとも一方を比較することに基づいて、第1の検出物体および第2の検出物体に関連する精度スコアを判定し、関連する精度スコアが閾値精度スコアまたはクラウドベースの道路異常データベースに記憶された対応する物体の情報に関連する精度スコアの少なくとも一方よりも高いことに基づいて、第2の検出物体についての受信した情報を用いてクラウドベースの道路異常データベースを更新する、少なくとも1つのハードウェアプロセッサを備える。
【0009】
いくつかの実施形態において、クラウドベースの道路異常データベースを更新するための方法が開示される。前記方法は、車両の1つ以上のセンサによって検出された第1の物体および第2の物体に関する情報を前記車両から受信することであって、前記情報は前記検出された物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含む、受信することと、前記第1の検出物体の前記位置または前記サイズの少なくとも一方を、前記第1の検出物体に関する道路特徴データベースに記憶されたデータと比較することと、前記位置または前記サイズの少なくとも一方を比較することに基づいて、前記第1の検出物体および前記第2の検出物体に関連する精度スコアを判定することと、前記関連する精度スコアが閾値精度スコアまたは前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された対応する物体の情報に関連する精度スコアの少なくとも一方よりも高いことに基づいて、前記第2の検出物体についての前記受信した情報を用いて前記クラウドベースの道路異常データベースを更新することと、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、クラウドベースの道路異常データベースを更新するためのプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。前記プログラムは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、車両の1つ以上のセンサによって検出された第1の物体および第2の物体に関する情報を前記車両から受信し、前記情報は前記検出された物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含み、前記第1の検出物体の前記位置または前記サイズの少なくとも一方を、前記第1の検出物体に関する道路特徴データベースに記憶されたデータと比較し、前記位置または前記サイズの少なくとも一方を比較することに基づいて、前記第1の検出物体および前記第2の検出物体に関連する精度スコアを判定し、前記関連する精度スコアが閾値精度スコアまたは前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された対応する物体の情報に関連する精度スコアの少なくとも一方よりも高いことに基づいて、前記第2の検出物体についての前記受信した情報を用いて前記クラウドベースの道路異常データベースを更新する。
【0011】
いくつかの実施形態において、クラウドベースの道路異常データベースを更新するためのシステムが開示される。前記システムは、車両の1つ以上のセンサによって検出された第1の物体および第2の物体に関する情報を前記車両から受信する手段であって、前記情報は前記第1の検出物体の位置またはサイズの少なくとも一方および前記第2の検出物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含む、手段と、前記第1の検出物体の前記位置または前記サイズの少なくとも一方を、前記第1の検出物体に関する道路特徴データベースに記憶されたデータと比較する手段と、前記位置または前記サイズの少なくとも一方を比較することに基づいて、前記第1の検出物体および前記第2の検出物体に関連する精度スコアを判定する手段と、前記関連する精度スコアが閾値精度スコアまたは前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された対応する物体の情報に関連する精度スコアの少なくとも一方よりも高いことに基づいて、前記第2の検出物体についての前記受信した情報を用いて前記クラウドベースの道路異常データベースを更新する手段と、を含む。
【0012】
システム、方法、またはコンピュータ可読媒体は、いくつかの態様において、前記車両の経路を決定することと、前記決定された経路に沿った物体に関連する、前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された少なくとも1つの物体の情報のセットを識別することと、前記決定された経路に沿った前記物体に関する前記車両からの情報の精度スコアを予測することと、前記予測された精度スコアに基づいて、センサ構成の指示を前記車両に送信することと、をさらに含んでもよい、またはこれらを行うように構成されてもよい。いくつかの態様では、前記センサ構成の前記指示は、前記予測された精度スコアが、前記決定された経路に沿った前記物体に関連する前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された前記情報の前記精度スコアよりも高い場合、高感度構成を含み、前記予測された精度スコアが、前記決定された経路に沿った前記物体に関連する前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶された前記情報の前記精度スコアよりも低い場合、低感度構成を含む。
【0013】
システム、方法、またはコンピュータ可読媒体はまた、いくつかの態様において、車両の1つ以上のセンサによって検出された1つ以上の追加の物体に関する情報を車両から受信することを含んでもよく、またはこれを行うように構成されてもよく、情報は、検出された1つ以上の追加の物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含む。検出された物体に関連する精度スコアを判定することは、1つ以上の追加の物体に関する受信した情報に基づいて精度スコアを判定することをさらに含んでいてもよく、精度スコアは、検出された物体および検出された1つ以上の追加の物体のそれぞれに関連付けられてもよい。いくつかの態様において、精度スコアは、第1の方向、第2の方向、第3の方向、経度、または緯度のうちの少なくとも1つについての精度スコアを含む。検出された物体に関する受信した情報は、いくつかの態様において、物体を検出する複数のインスタンスに関する情報を含み、精度スコアは複数のインスタンスに基づく。
【0014】
システム、方法、またはコンピュータ可読媒体はまた、いくつかの態様において、前記車両の前記1つ以上のセンサによって検出された追加の物体に関する情報を前記車両から受信することであって、前記検出された追加の物体に関する前記受信した情報は、前記追加の物体を検出する第1のインスタンス数に関する情報を含む、受信することと、対応する物体に関するデータが前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶されていないと判定することと、前記第1のインスタンス数が閾値検出インスタンス数よりも大きいことに基づいて、前記検出された追加の物体を前記クラウドベースの道路異常データベースに追加することと、をさらに含んでもよい、またはこれらを行うように構成されてもよい。システム、方法、またはコンピュータ可読媒体はまた、いくつかの態様において、前記追加の物体を検出する前記第1のインスタンス数に関連する精度スコアを判定することを含んでもよく、またはこれを行うように構成されてもよく、前記検出された追加の物体を前記クラウドベースの道路異常データベースに追加することは、閾値精度よりも高い精度を示す精度スコアにさらに基づく。
【0015】
システム、方法、またはコンピュータ可読媒体はまた、いくつかの態様において、前記車両の前記1つ以上のセンサによって検出された追加の物体に関する情報を前記車両から受信することと、前記検出された追加の物体に関連する追加の精度スコアを判定することと、対応する物体に関連するデータが前記クラウドベースの道路異常データベースに記憶されていることを判定することであって、前記記憶されたデータは記憶された精度スコアを含む、判定することと、前記記憶された精度スコアが前記記憶された精度スコアよりも低いことに基づいて、前記検出された追加の物体についての前記受信した情報を用いて前記クラウドベースの道路異常データベースを更新しないことと、を含んでもよい、またはこれらを行うように構成されてもよい。
【0016】
実施形態において、クラウドベースのルート生成システムにデータを提供して前記クラウドベースのルート生成システムのクラウドベースの道路異常データベースを更新するためのシステムが開示される。前記システムは、前記車両の軌道に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信し、前記クラウドベースのルート生成システムから、前記車両の前記軌道に関連する少なくとも1つの対応する位置に関連する少なくとも1つのセンサ構成の指示を受信し、前記少なくとも1つの指示されたセンサ構成に基づいて少なくとも1つの物体を検出し、前記指示されたセンサ構成によって検出された前記少なくとも1つの物体に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信する、少なくとも1つのハードウェアプロセッサを備える。
【0017】
いくつかの実施形態において、クラウドベースの道路異常データベースを更新するための方法が開示される。前記方法は、前記車両の軌道に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信することと、前記クラウドベースのルート生成システムから、前記車両の前記軌道に関連する少なくとも1つの対応する位置に関連する少なくとも1つのセンサ構成の指示を受信することと、前記少なくとも1つの指示されたセンサ構成に基づいて、少なくとも1つの物体を検出することと、前記指示されたセンサ構成によって検出された前記少なくとも1つの物体に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信することと、を含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、クラウドベースの道路異常データベースを更新するためのプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。前記プログラムは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、前記車両の軌道に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信し、前記クラウドベースのルート生成システムから、前記車両の前記軌道に関連する少なくとも1つの対応する位置に関連する少なくとも1つのセンサ構成の指示を受信し、前記少なくとも1つの指示されたセンサ構成に基づいて、少なくとも1つの物体を検出し、前記指示されたセンサ構成によって検出された前記少なくとも1つの物体に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信する。
【0019】
いくつかの実施形態において、クラウドベースの道路異常データベースを更新するためのシステムが開示される。前記システムは、前記車両の軌道に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信する手段と、前記クラウドベースのルート生成システムから、前記車両の前記軌道に関連する少なくとも1つの対応する位置に関連する少なくとも1つのセンサ構成の指示を受信する手段と、前記少なくとも1つの指示されたセンサ構成に基づいて、少なくとも1つの物体を検出する手段と、前記指示されたセンサ構成によって検出された前記少なくとも1つの物体に関する情報を前記クラウドベースのルート生成システムに送信する手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の詳細は、その構造および動作の両方に関して、同様の参照番号が同様の部分を指す添付の図面を検討することによって部分的に収集され得る。
【
図1】
図1は、例示的な実装形態による車両システムを示す。
【
図2】
図2は、例示的な実装形態による複数の車両システムおよび管理装置を示す。
【
図3】
図3は、クラウドベースの道路異常データベースを更新するためのシステムを示す。
【
図4】
図4は、データ処理モジュールの入力および出力の例示的な実装形態を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明のいくつかの実装形態で使用され得る融合アルゴリズムのセットを示す図である。
【
図6】
図6は、深層学習ベースの融合アルゴリズムのセットを示す図である。
【
図7】
図7は、カメラおよびライダのデータ融合のための完全畳み込みニューラルネットワーク(FCNN)を介した例示的な物体検出および道路区分アーキテクチャを示す。
【
図9】
図9は、動的クラウドベースの道路異常(または危険)データベースを更新するための例示的な方法を示す。
【
図10】
図10は、車両から受信した検出された危険が道路危険データベースにすでに含まれているかどうかを判定するための例示的な方法を示す。
【
図11】
図11は、複数の車両によって検出され、クラウドコンポーネントに提供される特定の検出物体についての道路危険データベースを更新するために適用され得る比較およびソートアルゴリズムを示す。
【
図12】
図12は、記憶された道路危険に関するより高い精度のデータの捕捉を試みる位置を1つ以上の車両に指示することによって、道路危険データベースに記憶された道路危険に関連する精度を向上するための方法を示す。
【
図13】
図13は、記憶された道路危険に関するより高い精度のデータの捕捉を試みる位置を1つ以上の車両に指示することによって、道路危険データベースに記憶された道路危険に関連する精度を向上するためのシステムを示す。
【
図14】
図14は、例示的なルート表示と、最小のセンサ構成および最適なセンサ構成が
図11に示す方法を採用する
図12のシステムによってトリガされ得る対応する領域とを示す。
【
図15】
図15は、クラウドベースの道路異常(危険)データベースを更新するための方法を示す。
【
図16】
図16は、クラウドベースの道路異常データベース内の道路危険データを更新するための方法を示す。
【
図17】
図17は、いくつかの例示的な実装形態での使用に適した例示的なコンピュータデバイスを有する例示的なコンピューティング環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願では、複数の車両から収集したデータを用いてクラウドベースの道路異常データベースを更新する実施形態が開示される。本明細書を読めば、当業者には、種々の代替的な実施形態および代替的な用途において、クラウドベースの道路異常データベース更新をどのように実装するかが明らかになるであろう。しかしながら、種々の実施形態および用途が本明細書に記載されるが、これらの実施形態および用途は、例示および実例として提示されるのみであり、限定ではないことが理解される。したがって、この詳細な説明は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲または広さを限定するものと解釈されるべきではない。加えて、本明細書に記載の例示的な特徴および機能は、様々な実施形態において、単独で、または他の特徴および機能と組み合わせて利用することができ、現在知られている、または将来生じる任意の手段を通して実装されてもよい。さらに、本明細書で説明するプロセスは、サブプロセスの特定の配置および順序で示され得るが、各プロセスは、より少ない、より多い、または異なるサブプロセスで、異なるサブプロセスの配置および/または順序で実装されてもよい。他のサブプロセスの完了に依存しない任意のサブプロセスは、サブプロセスが特定の順序で説明または図示されている場合でも、その他の独立したサブプロセスの前に、後に、または並行して実行され得ることも理解されたい。
【0022】
図1は、例示的な実装形態による車両システムを示す。具体的には、
図1は、人間が操作するモードおよび自律モードで動作するように構成された、例示的な人間操作車両システムを示す。自動運転/先進運転支援システム(AD/ADAS)ECU1は、マップポジショニングユニット6に接続され、マップポジショニングユニット6からの信号を受信する。これらの信号は、設定されたルート、地図データ、地図上の車両の位置、車両の方向、車線数などの車線情報、制限速度、および道路/車両位置のタイプ(例えば、高速道路および一般自動車道路、支線道路、料金所、駐車場、または車庫など)を表す。
【0023】
車両には、車輪速度測定装置7と、車両挙動測定装置8とを含み得る車両の運転状態を示すパラメータの数値を測定するための運転パラメータ測定ユニットが設けられている。これらの装置から提供される信号は、AD/ADAS ECU1に送信される。車両挙動測定装置8は、前後加速度、横加速度、およびヨーレートを測定する。
【0024】
車両には、前方カメラ10f、前方レーダ11f、後方カメラ10r、後方レーダ11r、左前方カメラ12L、右前方カメラ12R、左後方カメラ13L、および右後方カメラ13Rを含む、車両周囲の環境の状態を測定するための環境条件測定装置が設けられている。これらの環境条件測定装置は、車両周囲のレーンマーク、障害物、および非対称な標識に関する情報をAD/ADAS ECU1に送信する。
【0025】
車両のカメラは、所望の実装形態に応じて、サラウンドアイカメラ、または他のカメラの形態とすることができる。車両のカメラシステムにおいて、前方カメラ10fには、車両周囲の1つ以上の非対称な標識の画像を取得するための撮像ユニットと、車両と1つ以上の非対称な標識との位置関係を示す信号を提供する出力ユニットとが設けられている。前方レーダ11fは、他の車両および歩行者を検出および位置特定し、車両とこれらの物体との位置関係を表す信号を提供する。後方カメラ10r、左前方カメラ12L、右前方カメラ12R、左後方カメラ13L、および右後方カメラ13Rは、前方カメラ10f、前方レーダ11f、および後方レーダ11rと機能において同様である。
【0026】
車両には、エンジン21と、電子制御ブレーキシステム22と、電子制御差動機構23と、電子制御ステアリングシステム24とが設けられている。AD/ADAS ECU1は、運転者によって与えられる操作量の値、および/または非対称な標識の検出または本明細書に記載の車両システムのための様々な自律モードの作動などの環境条件に基づいて、これらのシステム22、23、および24に含まれるアクチュエータに駆動信号を与える。車両を加速させる必要がある場合、コントローラ1は、エンジン21に加速信号を与える。車両を減速させる必要がある場合、コントローラは、電子制御ブレーキシステム22に減速信号を与える。車両を旋回させる必要がある場合、AD/ADAS ECU1は、電子制御ブレーキシステム22、電子制御差動機構23、および電子制御ステアリングシステム24のうちの少なくとも1つに旋回信号を与える。
【0027】
電子制御ブレーキシステム22は、車輪にそれぞれ付与される個々の制動力を制御可能な油圧式ブレーキシステムである。電子制御ブレーキシステムは、旋回要求に応じて右車輪または左車輪のいずれかに制動力を付与して車両にヨーイングモーメントを付与する。電子制御差動機構23は、旋回要求に応じて電動モータまたはクラッチを駆動して右車軸と左車軸との間にトルク差を発生させて、車両にヨーイングモーメントを付与する。電子制御ステアリングシステム24は、例えば、旋回要求に応じてステアリングホイールの旋回角度とは独立してステアリング角を補正して、車両にヨーイングモーメントを付与することが可能なステアバイワイヤステアリングシステムである。
【0028】
車両には、情報出力ユニット26が設けられている。情報出力ユニット26は、運転支援動作のタイプに応じて、支援動作についての情報を示す画像の表示、音声の生成、および警告灯の点灯を行う。情報出力ユニット26は、例えば、内蔵スピーカが設けられたモニタである。複数の情報出力ユニットが車両に設置されてもよい。
【0029】
図1に示すシステムは、本明細書に記載の車両システムの例示的な実装形態であるが、他の構成も可能であり、例示的な実装形態の範囲内に含まれ、本開示は、
図1に示す構成に限定されない。例えば、カメラは、壁、道路標識、看板などに配置される非対称な標識を検出する目的で、車両の上部または屋根に設置されてもよい。
【0030】
図2は、例示的な実施形態による複数の車両システムおよび管理装置を示す。
図1に関して説明した1つ以上の車両システム101-1、101-2、101-3、および101-4は、管理装置102に接続されたネットワーク100に通信可能に結合される。管理装置102は、ネットワーク100内の車両システムから集約されたデータフィードバックを含むデータベース103を管理する。代替的な例示の実装形態では、車両システム101-1、101-2、101-3、および101-4からのデータフィードバックは、企業資源計画システムなどのシステムからのデータを集約する専有データベースなどの中央リポジトリまたは中央データベースに集約することができ、管理装置102は、中央リポジトリまたは中央データベースにアクセスする、またはそこからデータを取得することができる。そのような車両システムは、所望の実装形態に応じて、自動車、トラック、トラクター、バンなどの人間が操作する車両を含むことができる。
【0031】
管理装置102は、
図4(a)に記載するように、マーカーに対する対応する車両システムの位置を送信する車両システム101-1、101-2、101-3、および101-4から位置情報を受信するように構成することができ、次のマーカーまでの車両の軌道を示す指示を車両システム101-1、101-2、101-3、101-4に送信するように、および/または動作モード、位置、速度、および/または配向を調整するように、さらに構成することができる。
【0032】
図3は、クラウドベースの道路異常データベースを更新するためのシステムを示す。この装置は、1つ以上の車両(例えば、車両318)のセットに実装された車両側310を含んでいてもよい。いくつかの態様では、車両318は、関連するカメラから少なくとも1つの画像311を取り込み得る。車両318は、1つ以上の特徴(例えば、特徴1~5)に関して、追加のセンサ(例えば、ステレオカメラ、ライダシステム、サラウンドビューカメラ、または他のそのようなセンサ)から追加のデータを取り込んでもよい。取り込まれた画像311(および他のセンサデータ)は、1つ以上の道路特徴または危険(例えば、特徴1~5)を識別するために、(例えば、確率論的手法、統計的手法、知識ベース手法、証拠推論手法、または他のデータ融合アルゴリズムもしくは方法のうちの1つ以上を使用して)データ処理モジュール312に提供されてもよい。例えば、車両318は、画像315を取り込み、(例えば、ポットホール316を含む)検出項目リスト314内の道路特徴および危険、ならびに関連するデータのセットを識別し得る。識別された道路特徴および危険に関連するデータは、1つ以上の方向におけるサイズを含んでいてもよい。識別された道路特徴および危険に関連するデータは、道路特徴または危険の位置(例えば、緯度および経度)をさらに含み得る。識別された道路特徴または危険は、結果319としてクラウドコンポーネント320に送信され得る。
【0033】
クラウドコンポーネント320は、特定の車両(例えば、車両318)から結果319を受信してもよい。結果319は、道路特徴(例えば、エントリ1~4)および危険(例えば、エントリ5)のセットに関する検出結果321を含み得る。クラウドコンポーネント320は、静的道路特徴(例えば、検出結果321のエントリ1~4)に関するデータ332を記憶する静的道路データベース330からのベンチマークデータ点の要求329を行ってもよい。いくつかの態様では、精度(例えば、平均二乗誤差(MSE)324)は、データの1つ以上の成分(例えば、3つの直交方向の各々におけるサイズ、緯度、および経度)について計算されてもよい。例えば、第1の(「x」)方向成分について、検出データ点および対応するベンチマークデータ点のセット322を使用して、検出データの精度を算出(例えば、精度スコアを算出)してもよい。MSE324(または他の精度の尺度)は、数式323に基づいてx方向について算出され得る。MSE324(または他の精度尺度/スコア)は、(例えば、データ構造325において)特定の道路特徴または危険(例えば、動的道路特徴または危険)に関連付けられ得る。いくつかの態様では、精度スコアは、識別された道路特徴または危険をエントリ(またはエントリのセット)342として動的マップデータベース340に追加するかどうか、または動的マップデータベース340内の既存のエントリまたはエントリのセットを更新するかどうかを決定するために使用される。クラウドコンポーネント320が動的マップデータベース340を更新することを決定した場合、クラウドコンポーネント320は、動的マップデータベース340に対して更新要求339を行い得る。いくつかの態様では、動的マップデータベース340は、検出された危険をマップ344に関連付けてもよい。
【0034】
いくつかの態様では、車両側(例えば、
図3の車両側310)の主な機能は、様々な車載センサから取り込まれた情報を融合し、検出結果(例えば、
図3の結果319)をクラウドコンポーネント(例えば、
図3のクラウドコンポーネント320)に提供することである。検出結果は、関連する次元(および位置が関連する結果のGPS位置)を有する異なるカテゴリ(例えば、道路特徴および道路危険)における結果を含み得る。この融合を達成するために、1つ以上の異なる融合アルゴリズム(例えば、人工知能(AI)またはディープニューラルネットワーク(DNN)モデル)がデータ処理モジュールによって利用されてもよく、様々なセンサからのデータが1つ以上の異なる融合モデルに供給される。1つ以上の異なる融合モデルは、いくつかの態様では、各検出物体に関連付けられたタイプ、サイズ、および/または位置情報のうちの少なくとも1つを有する検出結果のリストを出力し得る。
【0035】
図4は、データ処理モジュールの入力および出力の例示的な実装形態を示す
図400である。センサからの入力410は、ステレオカメラ画像入力411、レーダデータ入力412、ライダデータ入力413、360°ビューカメラ画像入力414、慣性測定ユニット(IMU)入力415、および全地球測位システム(GPS)入力416のうちの1つ以上を含み得る。センサからの入力410は、データ処理モジュール420に提供され得る。データ処理モジュール420は、異なるタイプの入力を組み込むための融合アルゴリズム/方法を含み得る。融合アルゴリズムは、
図5に示す確率論的手法、統計的手法、知識ベース手法、証拠推論手法、または他のデータ融合アルゴリズムもしくは方法のうちの1つ以上を含んでもよい。代替的に、データ処理モジュール420は、
図6に示すように回帰型ニューラルネットワークまたは畳み込みニューラルネットワーク(例えば、1段階検出器および2段階検出器を含む)を含む深層学習ベースの融合アルゴリズム/方法を採用してもよい。
【0036】
データ処理モジュール420は、いくつかの態様では、道路特徴432のセットおよび道路危険434のセットを生成(または識別)し得る。道路特徴432のセットおよび道路危険434のセットは、検出された特徴および危険の出力リスト440に統合されてもよい。検出された特徴および危険の出力リスト440は、例えば、ナンバープレート441、レーンマーカー442、車線幅443、道路標識444、および信号機445などの道路特徴のセットを含み得る。いくつかの道路特徴は、位置に関連付けられ得る(例えば、道路標識444、信号機445、または他の標識などの固定された特徴)が、その他の道路特徴は、位置に関連付けられ得ない(例えば、ナンバープレート441などの固定されていない特徴や、レーンマーカー442または車線幅443などの位置が重要でない特徴)。いくつかの態様では、識別された道路危険、例えばポットホール446、デブリ447、およびバンプ448は、位置(例えば、経度および緯度)に関連付けられ得る。
【0037】
図5は、本発明のいくつかの実装形態で使用され得る融合アルゴリズム510のセットを示す
図500である。融合アルゴリズム510のセットは、確率論的手法520、統計的手法530、知識ベース手法540、証拠推論手法550のうちの1つ以上を含み得る。確率論的手法520は、いくつかの態様では、ベイジアンネットワーク、最小二乗推定、状態空間モデリング、または他の同様の確率論的手法を含み得る。いくつかの態様では、統計的手法530は、相互共分散、共分散交差、または他の統計的手法を含み得る。知識ベース手法540は、いくつかの態様では、人工ニューラルネットワーク(ANN)、ファジー論理、遺伝的アルゴリズム、粒子群、または他の知識ベース手法を含み得る。いくつかの態様では、証拠推論手法550は、再帰オペレータ、組み合わせ規則、デンプスター・シェーファー法、または他の証拠推論手法を含み得る。
【0038】
図6は、深層学習ベースの融合アルゴリズム610のセットを示す
図600である。深層学習ベースの融合アルゴリズム610のセットは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)620または回帰型ニューラルネットワーク(RNN)630のうちの1つ以上を含み得る。CNN620は、1段階検出器640、例えば、領域ベースのCNN(R-CNN)、空間ピラミッドプーリング(SPP)-net、fast R-CNN、faster R-CNN、または他の1段階検出器CNNを含み得る。CNN620はまた、2段階検出器650、例えば、You Only Look Once(YOLO)、シングルショット検出器(SSD)、逆畳み込みSSD(DSSD)、または他の2段階検出器CNNを含み得る。いくつかの態様では、RNN630は、長・短期記憶(LSTM)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、または他のRNNであり得る。いくつかの態様では、深層学習ベースの融合アルゴリズムは、人間の脳の機能を模倣することを目的とする。深層学習ベースの融合アルゴリズムは、AIおよびMLの細分化であり得、ニューラルネットワークの改良とも言える。
【0039】
いくつかの態様では、カメラは、境界ボックス、車線境界線位置、信号機および標識の状態などを出力してもよく、高解像度タスクのための主要なセンサとなり得る。しかしながら、カメラは、深度情報が欠けている2Dセンサである。ステレオカメラは、レンズごとに別個のイメージセンサを有する2つ以上のレンズを利用して人間の両眼視をシミュレートし、3D次元画像(例えば、視差マップ)を撮像する能力を付与する。レーダセンサは、周波数変調連続波(FMCW)を用いて、動いている、または静止している標的を確実に検出し、ライダセンサは、パルスレーザーを利用して、反射の戻り時間に基づいて物体の可変距離を算出する。
【0040】
一般に、以下の2つの主要なタスクを実行するために、様々なセンサの組み合わせが採用される。1)環境認識…カメラ、レーダ、およびライダ、2)位置特定…IMU、GPS、または他のセンサ。しかしながら、各タイプのセンサは、それ自体の利点および欠点を有する。したがって、異なるセンサの組み合わせは、単一のセンサの欠点を克服し、または補い、より信頼性の高い結果をもたらし得る。より信頼性の高い結果をもたらすために、データ処理モジュールは、融合アルゴリズムを使用して複数のセンサからのデータを融合してもよい。例えば、カメラおよびライダのデータ融合は、歩行者および道路の検出により優れている場合があり、カメラおよびレーダのデータ融合は、車両の検出および車線の検出により優れている場合があり、カメラおよびIMUは、SLAM(同時位置特定およびマッピング)により優れている場合があり、GPSおよび慣性航法システム(INS)は、ナビゲーションにより優れている場合があり、地図、カメラ、GPS、INSの融合は、自己測位により優れている場合がある。
【0041】
車載センサに基づいて、異なる融合アルゴリズムを選択および調整して、最良の融合結果を得ることができる。
図7は、カメラおよびライダのデータ融合のための完全畳み込みニューラルネットワーク(FCNN)700を介した例示的な物体検出および道路区分アーキテクチャを示す。FCNN700は、入力としてカメラ画像データ710およびライダ深度マップ720を受信してもよく、(ネイティブに、または前処理に基づいて)両方とも同じ次元を有する。カメラ画像データ710およびライダ深度マップ720は、1つ以上の畳み込み層(例えば、畳み込み層730)とそれに続く最大プーリング層740のセットを通して処理され得る。追加的に、FCNNは、スキップ畳み込み層750および転置畳み込み層760を含んでもよい。処理に基づいて、FCNNは、出力770を生成し得る。
【0042】
下記表1は、道路特徴および道路危険の検出結果の例を示す。
【表1】
【0043】
図3に関連して上述したように、それぞれ検出された道路特徴または道路危険は、1つ以上の方向(例えば、x、y、およびz)および位置に関する測定値に関連付けられ得る。いくつかの態様では、特定の方向が、検出された道路特徴のタイプに関するデータに関連付けられ得る。例えば、検出されたナンバープレート(または他の標識)のz方向は、検出された物体に関連する測定値のセットと比較するためのベンチマーク測定値のセットを識別できるナンバープレート(または標識)のタイプを示し得る。いくつかの態様では、車両プレートの寸法は、国ごとに、および小型自動二輪車から大型トラックまで異なる。例えば、米国では、標準的なフルサイズの通常車両用プレートの寸法は6インチ×12インチであり、一方、小型車両用プレート(例えば、自動二輪車またはゴルフカート用)では、標準的なプレートは4インチ×7インチである。z次元のセルは、車両プレートのタイプおよび/または国(または、例えば信号機、一時停止の標識、道を譲れ標識(yield sign)、他の道路標識などの道路特徴または標識のタイプ)を示し得る。
【0044】
図8は、精度スコア算出800を示す。精度スコア算出800は、道路特徴および危険を検出するための道路特徴および危険検出モジュール812を使用して、車両側810から開始し得る。検出された道路特徴および危険は、検出された道路特徴および危険(物体)の性質を識別するための道路特徴分類モジュール814に提供され得る。例えば、道路特徴分類モジュール814は、検出された物体を、(1)車両ナンバープレート、信号機、道路標識、または他の危険ではない物体のような道路特徴、または(2)ポットホール、デブリ、バンプ、または(動的な)道路危険(例えば、一時的であり得る道路危険)を提示する他の物体のような道路危険の一方として識別し得る。道路特徴分類モジュール814は、検出および分類された道路特徴および危険を道路特徴サイズ測定モジュール816に提供し得る。道路特徴サイズ測定モジュール816は、1つ以上の次元(例えば、方向)において識別された特徴の測定されたサイズを識別し、その測定されたサイズを識別された特徴と関連付け得る。
【0045】
例えば、周辺環境情報を捕捉するために車載センサが設置されてもよい。捕捉された情報は、その後、道路特徴(例えば、道路標識、信号機、レーンマーカー、車両プレート、および他のそのような道路特徴)および道路危険(例えば、ポットホール、デブリ、バンプ、薄氷、道路上の物体など)を検出するために、(例えば、道路特徴および危険検出モジュール812によって実装される)1つ以上のデータ処理アルゴリズムに提供され得る。1つ以上のデータ処理アルゴリズムは、1つ以上の異なる深層学習アーキテクチャ(例えば、
図6に示すもの)、または1つ以上の従来のデータ処理アルゴリズム(例えば、
図5に示すもの)と1つ以上の深層学習アルゴリズムとの組み合わせを利用してもよい。道路特徴および危険検出モジュール812は、
図8では車両側810上に展開されているように描かれているが、いくつかの態様では、道路特徴および危険検出モジュール812は、前処理(例えば、解析なしの圧縮)をほとんどまたは全く伴わずに入力が送信されるクラウドコンポーネント内に展開されてもよい。1つ以上のデータ処理アルゴリズムから、各道路特徴および危険は、各方向(例えば、x、y、およびz)におけるサイズ、ならびにGPS位置に関連付けられ得る。
図8に示すように、異なる道路特徴は、異なるサイズおよび位置のフィールド/データに関連付けられ得る。例えば、信号機は、x、y、およびz次元/フィールドならびにGPS位置フィールドに関連付けられ得、道路標識は、xおよびy次元/フィールドならびにGPS位置フィールドに関連付けられ得、車両プレートは、xおよびy次元/フィールドに関連付けられ得るが、GPS位置フィールドには関連付けられ得ない。
【0046】
車両側810(より具体的には、道路特徴サイズ測定モジュール816)は、サイズ計測値および位置(例えば、緯度および/または経度)を含む検出された道路特徴のセット821を、精度スコア算出のためにクラウドコンポーネント820に提供し得る。異なるメッセージ送信プロトコル、例えば、MQテレメトリトランスポート(MQTT)、制約付きアプリケーションプロトコル(CoAP)、または他のメッセージ送信プロトコルが、車両(またはエッジ)側とクラウドコンポーネントとの間のデータシェアリングのために使用されてもよい。いくつかの態様では、検出された道路危険に関する情報は精度スコアを算出するために使用されないが、送信されたデータは、(例えば、特定の車両に関連する精度スコアを識別するために)異なる車両を識別するための車両識別情報(VIN)番号とともに、道路危険に関する情報(例えば、それらの寸法および位置データ)を含み得る。
【0047】
クラウドコンポーネントは、精度スコア算出モジュール824を使用して精度スコアを算出するために、道路特徴データベース823からベンチマークデータを取得し、受信した検出された道路特徴のセット821および取得したベンチマークデータを使用してもよい。例えば、各道路特徴に関連するGPS位置情報に基づいて、対応する(例えば、同じ)道路特徴に関連する道路特徴データが、静的マップデータベース(例えば、
図3の静的道路データベース330)から抽出または取得され得る。精度スコア(または算出された精度)は、各方向に関連するMSE(例えば、数1)に基づいて算出され得る。いくつかの態様では、検出された道路特徴のセット821の各検出された特徴は、同じ検出された道路特徴に関連する複数のデータ点を含み得、MSEのセット825(または他の精度尺度)は、道路特徴データベース823から取得したベンチマークデータに基づいて、検出された道路特徴のセット821の各検出された道路特徴に関連する各次元について算出され得る。MSEのセット825は、その後、精度スコアのセット827の各次元について精度スコアのセットを生成するために使用され得る。いくつかの態様では、精度スコアのセット827における各次元の精度スコアは、その次元に関連するMSEの平均として算出される。
【0048】
【0049】
例えば、表2は、検出された特徴および関連するベンチマークのセットを示す。検出された特徴とベンチマークとの比較に基づいて、クラウドコンポーネントは、表2の最終行に示すように、各次元(例えば、x、y、z、緯度、および経度)についてMSEを計算し得る。
【表2】
【0050】
算出された精度スコア(例えば、MSE)は、同じ車両によって検出された道路危険に関連付けられ得る。表3は、算出された精度スコア(例えば、MSE)に関連付けられている検出された道路危険のセットを示す。
【表3】
【0051】
いくつかの態様では、精度スコア算出800は、上述の動作に基づいて、関連するサイズ、位置、および精度データを有する道路危険のセットを生成する予測分析層を含んでもよい。いくつかの態様では、予測分析層(例えば、精度スコア算出800)の出力は、(1)動的マップデータベースの更新、および(2)車両トリガ信号の生成のための処方分析層に提供され得る。
【0052】
図9は、動的クラウドベースの道路異常(または危険)データベースを更新するための例示的な方法900を示す。方法900は、クラウドコンポーネントの処方分析層、例えば、クラウドコンポーネントに関連するプロセッサ上に実装された処方分析プログラムによって実行されてもよいし、より一般的には、クラウドコンポーネント(例えば、クラウドコンポーネント320または820)によって実行されてもよい。902において、クラウドコンポーネントは、危険を検出する(または検出しない)特定の車両(例えば、VIN番号によって識別される)から、新たな危険情報を受信し得る。受信した新たな危険情報は、検出された危険に関連する危険のタイプ、位置(例えば、緯度および経度または他の位置識別子)、およびサイズを含み得る。新たな危険情報は、危険が検出された回数をさらに含んでもよい。
【0053】
904において、クラウドコンポーネントは、検出された危険の検出回数が、設定された閾値検出回数よりも多いかどうかを判定し得る。いくつかの態様では、904における判定が誤検出を識別する。例えば、車両は通常、一定の距離、例えば15m以内の危険を検出し、車両がその危険を通過するか、またはその危険が車載センサの検出範囲外に出るまで、毎秒約5~10回、道路危険を追跡または検出し続ける。しかしながら、この連続的な検出パターンは、誤検出のために欠落している可能性がある。したがって、閾値検出回数を設定することによって、誤検出が大幅に低減され得る。
【0054】
906において、クラウドコンポーネントは、新たな危険情報に関連する精度(または精度スコア)を判定し得る。例えば、
図8を参照すると、クラウドコンポーネント820は、他の道路特徴情報またはデータに基づいて、検出された危険の精度スコアを算出し得る。精度スコアは、同じ車両によって同時にまたは履歴的に検出された他の道路特徴と、静的マップデータベース(例えば、道路特徴データベース823)内のベンチマークデータとに基づいて算出されてもよい。算出された精度は、検出された危険に関する各タイプのデータ(例えば、1つ以上の方向におけるサイズ、緯度、または経度)に関連付けられた精度を含み得る。
【0055】
908において、クラウドコンポーネントは、車両から受信した検出された危険が道路危険データベースにすでに含まれているかどうかを判定し得る。
図10は、車両から受信した検出された危険が道路危険データベースにすでに含まれているかどうかを判定するための例示的な方法1000を示す。1002において、クラウドコンポーネントは、受信した新たな危険情報についての位置データを抽出し得る。位置は、GPSデータ(例えば、緯度および経度を含む)または道路危険データベース内の位置を識別するために使用される他の位置データであってもよい。1002において抽出された位置データに基づいて、クラウドコンポーネントは、1004において、道路危険データベースを検索するための位置範囲を決定し得る。道路危険データベースを検索するための位置範囲は、1002において抽出された位置データに基づく緯度値の第1の範囲および経度値の第2の範囲と、第1の(第2の)範囲が、検出された危険の緯度(経度)から設定された閾値を差し引いたものから検出された危険の緯度(経度)に設定された閾値を加えたものまでとなるように、緯度および経度のそれぞれについて設定された閾値距離とを含んでもよい。
【0056】
908において検出された危険が道路危険データベースにすでに含まれているかどうかを判定するために、クラウドコンポーネントは、道路危険データベース(例えば、動的マップデータベース340)にアクセスして、1006において、任意の危険データが車両から受信した検出された危険の位置と同じ位置で記憶されているかどうか(例えば、任意の危険データがそれぞれ第1および第2の範囲内の緯度および経度で記憶されているかどうか)を判定し得る。クラウドコンポーネントが、1006において、検出された危険の位置と同じ位置に危険データが記憶されていると判定した場合、クラウドコンポーネントは、1008において、記憶された道路危険が検出された危険と同じタイプであるかどうか、例えば、ポットホール、デブリ、バンプ、または他の道路危険のタイプかどうかを判定し得る。記憶された道路危険が、1008において、同じタイプでないと判定された場合、クラウドコンポーネントは、908において、検出された危険が道路危険データベースに記憶されていない新たな危険であると判定し得、記憶された道路危険が、1008において、同じタイプであると判定された場合、クラウドコンポーネントは、908において、検出された危険が道路危険データベースにすでに記憶されていると判定し得る。
【0057】
908、1006、または1008において、新たな危険が道路危険データベースにまだ存在しないと判定された場合、クラウドコンポーネントは、910において、精度(または精度スコア)が設定された閾値精度よりも高いかどうかを判定し得る。いくつかの態様では、設定された閾値精度は、危険を回避しようとするときに有用であり得る精度のレベル(例えば、道路の車線内まで正確に)に基づいて決定され得る。910における判定が基づく検出された危険に関連する精度は、特定のタイプの情報(例えば、1つ以上の方向のいずれかにおけるサイズ、または位置)に関連する最低の精度(例えば、最も高い関連するMSE)であり得る。いくつかの態様では、検出された危険に関連する精度は、位置データの異なる次元または成分の各々に関連する精度の平均である。検出された危険に関連する精度は、いくつかの態様では、危険の識別により関連すると考えられる特定のタイプのデータに関連する精度であり得る(例えば、1フィート以内の危険のサイズを判定するよりも、1車線以内の危険の位置を識別することがより重要であり得る)。いくつかの態様では、異なるタイプのデータに対する異なる有用性閾値を考慮するために、異なるタイプのデータに対して異なる設定がされた精度閾値を構成してもよい。
【0058】
検出された危険に関連する精度が閾値精度未満であると910で判定された場合(例えば、検出された危険に関連するMSEが閾値MSEよりも高い場合)、912において、クラウドコンポーネントは、検出された危険に関する情報を破棄してもよい。あるいは、検出された危険に関連する精度が閾値精度よりも高いと910で判定された場合(例えば、検出された危険に関連するMSEが閾値MSE未満である場合)、クラウドコンポーネントは、914において、検出された危険に関する情報を新たな道路危険のエントリとして危険データベースに追加してもよい。例えば、
図3を参照すると、クラウドコンポーネント320は、車両側310から受信した検出された危険情報の処方的分析を実行して、それが最小閾値精度を満たすかどうかを判定し、検出された危険情報が最小精度閾値を満たす場合、動的マップデータベース340に対して更新要求339を行ってもよい。
【0059】
クラウドコンポーネントが、908(または1008)において、車両から受信した検出された危険が道路危険データベースにすでに含まれていると判定した場合、クラウドコンポーネントは、920において、検出された危険に関連する精度が記憶されたデータに関連する精度よりも高いかどうかを判定し得る。920における判定が基づく検出された危険に関連する精度は、特定のタイプの情報(例えば、1つ以上の方向のいずれかにおけるサイズ、または位置)に関連する最低の精度(例えば、最も高い関連するMSE)であり得る。いくつかの態様では、検出された危険(および記憶された情報)に関連する精度は、位置データの異なる次元または成分の各々に関連する精度の平均である。検出された危険に関連する精度は、いくつかの態様では、危険の識別により関連すると考えられる特定のタイプのデータに関連する精度であり得る(例えば、1フィート以内の危険のサイズを判定するよりも、1車線以内の危険の位置を識別することがより重要であり得る)。いくつかの態様では、クラウドコンポーネントは、920において、検出された危険の各成分(例えば、サイズの各方向、緯度、または経度)に関連する精度が記憶された危険データの対応する成分に関連する精度よりも高いかどうかを判定してもよい。
【0060】
クラウドコンポーネントが、920において、検出された危険に関連する精度が記憶された危険データに関連する精度未満であると判定した場合、922において、クラウドコンポーネントは、検出された危険に関する情報を破棄し、危険に関する記憶されたデータを維持し得る。一方、クラウドコンポーネントが、920において、検出された危険に関連する(または検出された危険に関する情報の1つ以上の成分に関連する)精度が記憶された危険データに関連する(または検出された危険に対応する記憶された情報の1つ以上の成分に関連する)精度よりも高いと判定した場合、クラウドコンポーネントは、924において、道路危険データベースを、検出された危険データ(またはより高い精度に関連する成分)を用いて更新し得る。精度(または精度スコア)を比較することによって、クラウドコンポーネントは、道路危険データベースを最良の利用可能な情報で(リアルタイムで)更新することができる。いくつかの態様では、924において道路危険データを更新することは、道路危険データベースの危険の位置に危険がないことを識別する(例えば、危険がないことを示す環境内の物体を識別する)、902において受信した新たな危険情報に基づいて、道路危険データベースからデータを削除することを含み得る。例えば、
図3を参照すると、クラウドコンポーネント320は、車両側310から受信した検出された危険の処方的分析を実行して、それが動的マップデータベース340に記憶された既存のデータよりも高い精度に関連付けられているかどうかを判定し得、検出された危険が動的マップデータベース340内に記憶された既存のデータよりも高い精度に関連付けられている場合、動的マップデータベース340に対して更新要求339を行って、動的マップデータベース340のデータを更新し得る。
【0061】
図11は、複数の車両によって検出され、クラウドコンポーネントに提供される特定の検出物体の道路危険データベースを更新するために適用され得る比較およびソートアルゴリズム1100を示す。
図9の920における判定に関連して説明した処理は、単一の車両から受信した検出された危険データのための比較およびソートアルゴリズム1100という特殊なケースであり得ることを理解されたい。比較およびソートアルゴリズム1100は、データ収集段階1110から開始され得、この間に、
図9の902におけるデータ受信、および
図10の1002におけるデータ抽出に関連して説明するように、クラウドコンポーネントは、道路危険データベースに記憶された特定の道路危険に対応する複数の車両から道路危険データを受信し、関連する新たな危険データ1114を抽出し得る。データ収集段階1110はまた、受信した新たな(または新たに検出された)危険に対応する道路危険についてのデータベースの危険データ1112を取得するために、道路危険データベースに問い合わせることを含んでもよい。
【0062】
比較およびソートアルゴリズム1100は、検出された危険データがオンラインモードで受信されるときに実行され得る。代替的に、比較およびソートアルゴリズム1100は、オフラインまたはバッチモードで(例えば、周期的に、またはトリガ事象に基づいて)実行されてもよい。例えば、比較およびソートアルゴリズム1100は、道路危険のタイプおよびその予想される持続時間に応じて、毎日、毎時、または15分毎に(例えば、ポットホールについては毎日、工事または作業区域については毎時、デブリについては15分毎に)実行するように構成され得る。トリガ事象は、例えば、比較およびソートアルゴリズム1100が実行され得る新たなおよび記憶された道路危険位置の位置を含み、(自)車両の現在位置の範囲内の道路危険について、車両が道路危険データベースに問い合わせることを含み得る。
【0063】
データ集約段階1120では、比較およびソートアルゴリズム1100が、2つのデータセット(例えば、データベースの危険データ1112および新たな危険データ1114)の情報を3つのグループに集約してもよい。例えば、第1のグループは、x次元およびy次元のデータ1122を集約し得、第2のグループはz次元のデータ1124を集約し得、第3のグループは位置(例えば、GPS)データ1126を集約し得る。
図11は、x次元およびy次元を一緒に集約することを示しているが、他の態様では、各次元を別々に集約してもよい。集約されたデータは、いくつかの態様では、値および精度(または精度スコア)を含む各成分(例えば、xおよびy、z、または緯度および経度)についての順序対を含む。
【0064】
データが集約されると、比較およびソートアルゴリズム1100は、データソート段階1130の間にソート動作を実行し得る。図示のように、集約されたデータの各グループは、グループごとに、異なる車両に関連するデータが選択され得るように、独立してソートされる。データソート段階1130中に使用されるソートアルゴリズムは、バブルソート、マージソート、バイナリソート、または順序付きリスト内の要素を出力することができる任意の他のアルゴリズムを含んでもよい。例えば、ソートされたx次元およびy次元データ1132は、x次元およびy次元(例えば、(x, A_x)(y, A_y))の記憶されたデータを識別し、ソートされたz次元データ1134は、第3の車両に関連するz次元の値(例えば、(z_3, Az_3))を識別し、ソートされた位置データ1136は、第1の車両に関連する位置データ(例えば、(lat_1, Alat_1), (lon_1, Alon_1))を識別する。x次元およびy次元または位置データ(例えば、緯度および経度を含む)などの多成分データを使用するとき、ランキングは、多成分データの最低の(または最高の)精度の値に基づき得る。いくつかの態様では、平均精度(または精度スコア)を使用して多成分データをソートしてもよい。代替的に、一方の成分の精度が、他方の構成要素の精度に関係なく(例えば、x次元およびy次元または緯度および経度が同様の精度スコアを有するという期待に基づいて)、多成分データに使用されてもよい。
【0065】
データ選択1140の間、比較およびソートアルゴリズム1100は、道路危険データベースに含めるために、最も高い精度を有すると識別されたデータを選択し得る。例えば、道路危険データベースは、ソートされたz次元データ1134によって識別された第3の車両に関連するz次元値(例えば、(z_3, Az_3))と、ソートされた位置データ1136によって識別された位置(例えば、緯度および経度)データ(例えば、(lat_1, Alat_1), (lon_1, Alon_1))とを含むように更新されてもよく、一方、x次元値およびy次元値は、記憶されたデータを最も高い精度に関連するものとして識別し、ソートされたx次元およびy次元データ1132に基づいて更新されなくてもよい。したがって、図示の実施形態において更新された記憶された道路危険データ1142は、{(x, A_x), (y, A_y), (z_3, Az_3), (lat_1, Alat_1), (lon_1, Alon_1)}であり得る。
【0066】
図12は、記憶された道路危険に関するより高い精度のデータの捕捉を試みる位置を1つ以上の車両に指示することによって、道路危険データベースに記憶された道路危険に関連する精度を向上するための方法1200を示す。本方法は、
図3のシステム300と同様のシステムのクラウドコンポーネント(またはクラウドコンポーネントのプログラムを実行するプロセッサ)によって実行されてもよい。加えて、本方法は、
図13に示すようなシステムによって実行され得る。
図13は、記憶された道路危険に関するより高い精度のデータの捕捉を試みる位置を1つ以上の車両に指示することによって、道路危険データベースに記憶された道路危険に関連する精度を向上するためのシステム1300を示す。
図14は、例示的なルート表示1440と、最小のセンサ構成(位置1410および1430)および最適なセンサ構成(位置1420)が比較およびソートアルゴリズム1100を採用する
図12のシステムによってトリガされ得る対応する領域とを示す。したがって、方法1200は、場合によっては
図13および
図14に関連して説明される。
【0067】
1202において、クラウドコンポーネント(例えば、クラウドコンポーネント320または1320)は、車両(例えば、車両1310)から軌道情報を受信し得る。軌道情報は、現在位置、所望の目的地、およびルートまたは走行モードの選好(例えば、高速道路なし、料金なし、または他のそのようなユーザ選好)を含んでもよく、これによってクラウドコンポーネントがルートを生成し得る。いくつかの態様では、軌道情報はルートを識別し得、ルート表示において(例えば、ルート表示1440において)ユーザに表示するための動的道路危険データ要求において受信され得る。
【0068】
1204において、クラウドコンポーネントは、受信した軌道情報(例えば、ルート)および道路危険データベースに基づいて、道路危険リストを取得し得る。いくつかの態様では、軌道情報は、例えば動的マップデータベース340と同様の動的リアルタイム道路危険データベース1330などの道路危険データベースに問い合わせて道路危険リストを取得するために、クラウドコンポーネント(例えば、車両トリガアルゴリズム1324)によって使用され得る。道路危険リストは、道路危険データベースの道路危険に関連する位置(例えば、緯度および経度の値)によって識別されるような、ルートの一定の距離以内の道路危険のリストを含んでもよい。
【0069】
1206において、クラウドコンポーネント(例えば、車両トリガアルゴリズム1324)は、道路危険リストが空であるかどうか、または道路危険リスト内の各道路危険について、道路危険に関連する精度(または精度スコア)が設定された閾値精度を上回るかどうか(例えば、サイズおよび位置のような記憶された道路危険の特徴が、適用に十分な精度で識別されたかどうか)を判定し得る。いくつかの態様では、閾値精度は車両からの情報に対する予測精度に基づく。例えば、車両から以前に受信したデータに基づいて、クラウドコンポーネントは車両に関連する精度を判定し、その精度を閾値精度の値として使用してもよい。クラウドコンポーネント(例えば、車両トリガアルゴリズム1324)が、1206において、(1)道路危険リストが空であること、または(2)道路危険リスト内の各道路危険が設定された閾値精度を上回る精度に関連付けられていること、のいずれかを判定する場合、クラウドコンポーネントは、1208において、最小の(例えば、低感度の)センサ構成で十分であると判定し得る。最小のセンサ構成は、車両(例えば、車両1310)において電力を節約し得ると共に、より少ないデータが車両において処理され、さらなる処理のためにクラウドコンポーネントへ通信され得るので、車両およびクラウドコンポーネントの両方において処理能力を節約し得る。
【0070】
クラウドコンポーネント(例えば、車両トリガアルゴリズム1324)が、1206において、道路危険リストが空ではないこと、および道路危険リストの少なくとも1つの道路危険に関連する少なくとも1つの成分が設定された閾値精度未満の精度に関連付けられていることを判定した場合、クラウドコンポーネントは、1210において、車両の位置に対する少なくとも1つの道路危険の位置を判定し得る。クラウドコンポーネントは、利用可能な車両センサをさらに識別して、少なくとも1つの道路危険に関連する位置でどのセンサをトリガすべきかを決定し得る。1210において車両の位置に対する少なくとも1つの道路危険の相対位置を判定した後、クラウドコンポーネント(例えば、車両トリガアルゴリズム1324)は、1212において、少なくとも1つの道路危険に関連する位置のセットにおいて最適な(例えば、高感度の)センサ構成が使用されるべきであると判定し得る。1212において、最適なセンサ構成が使用されるべきであると判定することは、設定された閾値精度を上回る精度に関連していない特定の道路危険データを更新するための最適なセンサ構成を識別することも含み得る。例えば、道路危険の位置は、最適なセンサ構成が右(または左)側のセンサには適用されるが、反対側のセンサには適用されないことを示し得るので、車両は、車両の全てのセンサをトリガさせる必要はなく、より正確な情報を得るために右側のセンサをトリガするように指示され得る。これにより、より正確なデータの捕捉を試みながら電力を節約し得る。
【0071】
1208においてクラウドコンポーネントが最小のセンサ構成で十分であると判定したか、または1212において最適なセンサ構成が使用されるべきであると判定したかどうかにかかわらず、クラウドコンポーネントは、1214において車両の軌道に沿った異なる位置に関連する決定されたセンサ構成を送信し得る。例えば、
図13および
図14を参照すると、クラウドコンポーネント1320は、トリガ警報1312を車両1310または1412に送信して、閾値精度を下回る少なくとも1つの精度に関連する物体1421に関するデータを収集するために最適なセンサ構成が使用されるべき位置、例えばトリガ領域1420を識別し得る。
図14は、さらに、領域/位置1410および1430について、情報が収集されるべき物体が識別されていないので、最小のセンサ構成が使用され得ることを示す。
【0072】
1214において軌道に沿った異なる領域について決定されたセンサ構成を送信した後、トリガ処理は終了してもよく、クラウドコンポーネントは、新たな道路危険データ1314を受信し、記述的分析モジュール1326および予測分析モジュール1328を使用して、
図9に関連して説明したように、道路危険データベース、例えば、動的リアルタイム道路危険データベース1330を更新するかどうかを決定し得る。道路危険データベースを更新することは、いくつかの態様では、
図9の動作914および924に関連して説明したように、道路危険データベースに道路危険を追加すること、道路危険データベースの既存の道路危険のデータを更新すること、または道路危険データベースから道路危険を削除することのうちのいずれかを含む。例えば、1214で送信された特定の領域について決定されたセンサ構成に基づいて1つ以上の車両から受信したデータが、特定の危険がもはや存在しないことを示す場合、特定の道路危険についてのデータは、道路危険データベースのデータから削除されてもよい。受信したデータにおいて、道路危険データベースで識別されるよりも少ない数の危険(例えば、特定の危険を含まない危険のセット)が識別される場合、受信したデータは、特定の危険がもはや存在しないことを示し得る。
【0073】
図15は、クラウドベースの道路異常(危険)データベースを更新するための方法1500を示す。本方法は、動的な道路危険データを収集するためのシステムのクラウドコンポーネント(例えば、クラウドコンポーネント320または1320)によって実行されてもよい。本出願はクラウドコンポーネントに言及するが、方法1500または
図8~8または12の方法を実行するコンポーネントは、上記の動作を実行するためのプログラムを実行することが可能なプロセッサを含む任意のシステムであってよい。1502において、クラウドコンポーネントは、車両の1つ以上のセンサによって検出された第1の物体および第2の物体に関する情報を車両から受信し得る。いくつかの態様では、上記で説明したように、第1および第2の物体の各々に関する情報は、検出された物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含む。例えば、表1を参照すると、受信した情報は、信号機(第1の検出物体)およびポットホール(第2の検出物体)について、3方向のうちの1つ以上におけるサイズに関するデータと、緯度および経度を含む位置データとを含み得る。いくつかの態様では、第1および第2の検出物体に関する受信情報は、第1および第2の物体を検出する複数のインスタンスに関する情報を含み、精度スコアは複数のインスタンスに基づく。
【0074】
1504において、クラウドコンポーネントは、第1の検出物体の位置またはサイズの少なくとも一方を第1の検出物体に関する道路特徴データベースに記憶されたデータと比較し得る。例えば、
図8を参照すると、精度スコア算出モジュール824は、少なくとも第1の道路特徴を、道路特徴データベース823内のその道路特徴について記憶されたベンチマークと比較し得る。道路特徴データベースは、外部ソースから取得した正確な情報を有する静的特徴データベースであってもよい。
【0075】
1506において、クラウドコンポーネントは、位置またはサイズの少なくとも一方を比較することに基づいて、第2の検出物体に関連する精度スコアを判定し得る。いくつかの態様では、
図3に示すように、精度スコアは第1の検出物体(例えば、静的道路特徴)に基づいて算出され得、第2の検出物体(例えば、動的道路危険)に適用され得る。いくつかの態様では、検出された動的道路危険に関連する精度スコアを判定するために、複数の検出された静的道路特徴が使用されてもよい。例えば、
図8を参照すると、精度スコア算出モジュール824は、少なくとも第1の道路特徴をその道路特徴について記憶されたベンチマークと比較し、それを第2の検出物体に適用することによって、データセットの精度(または精度スコア)を判定し得る。
【0076】
1508において、クラウドコンポーネントは、関連する精度スコアが閾値精度スコアまたはクラウドベースの道路異常データベースに記憶された対応する物体の情報に関連する精度スコアの少なくとも一方よりも高いことに基づいて、第2の検出物体について受信した情報を用いてクラウドベースの道路異常データベースを更新し得る。
図9および
図11に関連して説明したように、道路危険データベースに記憶された対応する道路危険を識別し、検出された道路危険に関連する精度スコアを対応する道路危険に関連する精度スコアと比較して、道路危険に記憶されたデータを更新することを決定してもよい。いくつかの態様では、検出された物体および記憶された対応する物体に関するデータの異なる成分が個別に比較され、道路危険データベースを更新する判定は、
図11の比較およびソートアルゴリズム1100に関連して説明したように、道路危険データベースに記憶されたデータの全ての成分よりも少ない成分を更新するという決定を含み得る。
【0077】
図16は、クラウドベースの道路異常データベースの道路危険データを更新するための方法1600を示す。本方法は、車両(例えば、車両318、1310、または1412)によって実行され得る。1602において、車両は、車両の軌道に関する情報を送信し得る。上述したように、軌道に関する情報は、現在位置および目的地を含んでもよい。軌道情報は、静的道路特徴データベースおよび動的道路危険データベースと通信するクラウドコンポーネントを含むクラウドベースのルート生成システム(例えば、
図13のシステム1300)に送信され得る。
【0078】
1602で送信された情報に基づいて、車両は、1604において、クラウドベースのルート生成システムから少なくとも1つの対応する位置に関連する少なくとも1つのセンサ構成の指示を受信し得る。
図14に関連して説明したように、センサ構成は、道路危険を検出するための最小のセンサ構成または最適なセンサ構成のうちの1つであり得る。センサ構成は、軌道に沿った異なる位置で車両が有効または無効にするセンサのセットを示し得る。
【0079】
1606において、車両は、少なくとも1つの指示されたセンサ構成に基づいて、少なくとも1つの物体を感知し得る。少なくとも1つの検出された物体は、最小のセンサ構成を使用して、または最適なセンサ構成を使用して検出され得る。1606において、少なくとも1つの物体を検出することは、
図3から
図8に関連して説明したように、データ処理モジュールを使用して、または複数のタイプのセンサが使用される場合は他のデータ融合アルゴリズムを利用して、第1の処理のセットを実行することを含み得る。
【0080】
最後に、1608において、車両は、指示されたセンサ構成によって検出された少なくとも1つの物体に関する情報を、クラウドベースのルート生成システムに送信し得る。送信された情報は、3方向のうちの1つ以上におけるサイズに関するデータと、緯度および経度を含む位置データとに関するデータを含み得る。送信された情報は、複数の検出物体のデータと、検出物体を検出する複数のインスタンスとを含み得る。
【0081】
図17は、いくつかの例示的な実装形態での使用に適した例示的なコンピュータデバイスを有する例示的なコンピューティング環境を示す。コンピューティング環境1700内のコンピュータデバイス1705は、1つ以上の処理装置、コア、またはプロセッサ1710、メモリ1715(例えば、RAM、ROM、および/または同様のもの)、内部ストレージ1720(例えば、磁気、光学、ソリッドステートストレージ、および/または有機)、および/またはIOインターフェース1725を含むことができ、それらのうちのいずれも、情報を通信するための通信機構またはバス1730に結合することができ、またはコンピュータデバイス1705に埋め込むことができる。IOインターフェース1725はまた、所望の実装形態に応じて、カメラから画像を受信する、またはプロジェクタもしくはディスプレイに画像を提供するように構成される。
【0082】
コンピュータデバイス1705は、入力/ユーザインターフェース1735および出力デバイス/インターフェース1740に通信可能に結合することができる。入力/ユーザインターフェース1735および出力デバイス/インターフェース1740のいずれか一方または両方は、有線または無線インターフェースとすることができ、取り外し可能とすることができる。入力/ユーザインターフェース1735は、入力を提供するために使用することができる、物理的または仮想的な任意のデバイス、コンポーネント、センサ、またはインターフェース(例えば、ボタン、タッチスクリーンインターフェース、キーボード、ポインティング/カーソル制御、マイクロフォン、カメラ、点字、モーションセンサ、加速度計、光学式読み取り装置、および/または同様のもの)を含んでもよい。出力デバイス/インターフェース1740は、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカ、点字などを含んでもよい。いくつかの例示的な実装形態では、入力/ユーザインターフェース1735および出力デバイス/インターフェース1740は、コンピュータデバイス1705に埋め込むことができる、または物理的に接続することができる。他の例示的な実装形態では、他のコンピュータデバイスが、コンピュータデバイス1705のための入力/ユーザインターフェース1735および出力デバイス/インターフェース1740として機能してもよい、またはそれらの機能を提供してもよい。
【0083】
コンピュータデバイス1705の例としては、これらに限定しないが、移動性の高いデバイス(例えば、スマートフォン、車両および他の機械内のデバイス、ならびに人間および動物によって携帯されるデバイスなど)、モバイル機器(例えば、タブレット、ノートブック、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、ポータブルテレビ、ラジオなど)、および移動用に設計されていないデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、他のコンピュータ、情報キオスク、1つ以上のプロセッサが埋め込まれた、および/または1つ以上のプロセッサに接続されたテレビ、ラジオなど)が挙げられ得る。
【0084】
コンピュータデバイス1705は、同じまたは異なる構成の1つ以上のコンピュータデバイスを含む、任意の数のネットワーク化されたコンポーネント、デバイス、およびシステムと通信するために、外部ストレージ1745およびネットワーク1750に(例えば、IOインターフェース1725を介して)通信可能に結合することができる。コンピュータデバイス1705または任意の接続されたコンピュータデバイスは、サーバ、クライアント、薄型サーバ、汎用マシン、専用マシン、または別のラベルとして機能することができ、それらのサービスを提供することができ、またはそのように称することができる。
【0085】
IOインターフェース1725は、これに限定しないが、コンピューティング環境1700内の少なくとも全ての接続されたコンポーネント、デバイス、およびネットワーク間で情報を通信するための、任意の通信またはIOプロトコルまたは規格(例えば、イーサネット、1502.11x、ユニバーサルシステムバス、WiMax、モデム、セルラーネットワークプロトコルなど)を使用する有線および/または無線インターフェースを含むことができる。ネットワーク1750は、任意のネットワークまたはネットワークの組み合わせ(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、電話ネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワークなど)とすることができる。
【0086】
コンピュータデバイス1705は、一時的媒体および非一時的媒体を含む、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体を使用することができる、および/またはこれを使用して通信することができる。一時的媒体は、伝送媒体(例えば、金属ケーブル、光ファイバ)、信号、搬送波などを含む。非一時的媒体は、磁気媒体(例えば、ディスクおよびテープ)、光学媒体(例えば、CD-ROM、デジタルビデオディスク、ブルーレイディスク)、ソリッドステート媒体(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ソリッドステート記憶装置)、および他の不揮発性記憶装置またはメモリを含む。
【0087】
いくつかの例示的なコンピューティング環境において、コンピュータデバイス1705は、技術、方法、アプリケーション、プロセス、またはコンピュータ実行可能命令を実装するために使用することができる。コンピュータ実行可能命令は、一時的媒体から取得することができ、非一時的媒体に記憶することができ、非一時的媒体から取得することができる。実行可能命令は、任意のプログラミング言語、スクリプト言語、および機械言語(例えば、C、C++、C#、Java、Visual Basic、Python、Perl、JavaScriptなど)のうちの1つ以上から発することができる。
【0088】
プロセッサ1710は、ネイティブ環境または仮想環境において、任意のオペレーティングシステム(OS)(図示せず)の下で実行することができる。論理ユニット1760、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)ユニット1765、入力ユニット1770、出力ユニット1775、および異なるユニットが互いに、OSと、および他のアプリケーション(図示せず)と通信するためのユニット間通信機構1795を含む、1つ以上のアプリケーションを展開することができる。記載のユニットおよび要素は、設計、機能、構成、または実装において変更することができ、提供される説明に限定されない。プロセッサ1710は、中央処理装置(CPU)などのハードウェアプロセッサの形態、またはハードウェアユニットとソフトウェアユニットとの組み合わせとすることができる。
【0089】
いくつかの例示的な実装形態では、情報または実行命令がAPIユニット1765によって受信されると、それが1つ以上の他のユニット(例えば、論理ユニット1760、入力ユニット1770、出力ユニット1775)に通信され得る。場合によっては、上記のいくつかの例示的な実装形態において、論理ユニット1760は、ユニット間の情報フローを制御し、APIユニット1765、入力ユニット1770、出力ユニット1775によって提供されるサービスを指示するように構成されてもよい。例えば、1つ以上のプロセスまたは実装形態のフローは、論理ユニット1760単独で、またはAPIユニット1765と組み合わせて制御されてもよい。入力ユニット1770は、例示的な実装形態で説明した計算のための入力を得るように構成されてもよく、出力ユニット1775は、例示的な実装形態で説明した計算に基づいて出力を提供するように構成されてもよい。
【0090】
プロセッサ1710は、物理的システムの材料特性およびモード特性を得るように構成することができる。プロセッサ1710は、車両の1つ以上のセンサによって検出された第1の物体および第2の物体に関する情報を車両から受信し、情報は検出された物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含み、第1の検出物体の位置またはサイズの少なくとも一方を、第1の検出物体に関する道路特徴データベースに記憶されたデータと比較し、位置またはサイズの少なくとも一方を比較することに基づいて、第1の検出物体および第2の検出物体に関連する精度スコアを判定し、関連する精度スコアが閾値精度スコアまたはクラウドベースの道路異常データベースに記憶された対応する物体の情報に関連する精度スコアの少なくとも一方よりも高いことに基づいて、第2の検出物体についての受信した情報を用いてクラウドベースの道路異常データベースを更新するように構成することができる。
【0091】
プロセッサ1710はまた、車両の軌道に関する情報を送信し、車両の軌道に関連する少なくとも1つの対応する位置に関連する少なくとも1つのセンサ構成の指示を受信し、少なくとも1つの指示されたセンサ構成に基づいて少なくとも1つの物体を感知し、指示されたセンサ構成によって検出された少なくとも1つの物体に関する情報を送信するように構成することもでき、情報は、検出された物体の位置またはサイズの少なくとも一方を含む。
【0092】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータ内の動作のアルゴリズムおよび記号表現に関して提示されている。これらのアルゴリズム記述および記号表現は、データ処理技術の当業者によって、それらの革新の本質を他の当業者に伝えるために使用される手段である。アルゴリズムは、所望の最終状態または結果をもたらす一連の定義されたステップである。例示的な実装形態では、実行されるステップは、有形の結果を達成するために有形の量の物理的操作を必要とする。
【0093】
特に明記しない限り、説明から明らかなように、説明全体を通して、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「判定する」、「表示する」などの用語を利用する説明は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタまたは他の情報記憶装置、伝送装置もしくは表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータシステムまたは他の情報処理装置の動作およびプロセスを含むことができることが理解される。
【0094】
例示的な実装形態はまた、本明細書の動作を実行するための装置に関することができる。この装置は、必要な目的のために特別に構成されてもよく、または1つまたは複数のコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される1つまたは複数の汎用コンピュータを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体またはコンピュータ可読信号媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、光ディスク、磁気ディスク、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートデバイスおよびドライブ、または電子情報を記憶するのに適した任意の他のタイプの有形または非一時的媒体などの有形媒体を含むことができるが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、搬送波などの媒体を含むことができる。本明細書に提示されるアルゴリズムおよびディスプレイは、いかなる特定のコンピュータまたは他の装置にも本質的に関連しない。コンピュータプログラムは、所望の実装形態の動作を実行する命令を含む純粋なソフトウェア実装形態を含むことができる。
【0095】
様々な汎用システムは、本明細書の例によるプログラムおよびモジュールとともに使用されてもよく、または所望の方法ステップを実行するためのより特殊化された装置を構築することが好都合であることが判明してもよい。さらに、例示的な実装形態は、特定のプログラミング言語を参照して説明されていない。本明細書に記載の例示的な実装形態の教示を実施するために、様々なプログラミング言語を使用できることが理解されよう。プログラミング言語の命令は、1つまたは複数の処理装置、例えば、中央処理装置(CPU)、プロセッサ、またはコントローラによって実行されてもよい。
【0096】
当技術分野で知られているように、上述の動作は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアの何らかの組み合わせによって実行することができる。例示的な実装形態の様々な態様は、回路および論理デバイス(ハードウェア)を使用して実装されてもよく、他の態様は、機械可読媒体(ソフトウェア)に記憶された命令を使用して実装されてもよく、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本出願の実装形態を実行する方法を実行させる。さらに、本出願のいくつかの例示的な実装形態は、ハードウェアでのみ実行されてもよく、他の例示的な実装形態は、ソフトウェアでのみ実行されてもよい。さらに、記載された様々な機能は、単一のユニットで実行することができ、または任意の数の方法で複数の成分に分散することができる。ソフトウェアによって実行される場合、方法は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令に基づいて、汎用コンピュータなどのプロセッサによって実行されてもよい。必要に応じて、命令は、圧縮および/または暗号化された形式で媒体に記憶することができる。
【0097】
さらに、本出願の他の実施態様は、本明細書の考察および本出願の教示の実施から当業者には明らかであろう。記載された例示的な実装形態の様々な態様および/または成分は、単独で、または任意の組み合わせで使用することができる。本明細書および例示的な実施態様は、例としてのみ考慮されることが意図されており、本出願の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0098】
開示された実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を作製または使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に記載の一般原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することが可能である。このように、本明細書に提示する説明および図面は、本発明の現在好ましい実施形態を表し、したがって、本発明によって広く企図される主題を表すことを理解されたい。本発明の範囲は当業者に明らかとなり得る他の実施形態を完全に包含し、したがって、本発明の範囲は限定されないことをさらに理解されたい。
【0099】
本明細書に記載の「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つ以上」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つ以上」、および「A、B、C、またはそれらの任意の組み合わせ」などの組み合わせは、A、B、および/またはCの任意の組み合わせを含み、複数のA、複数のB、または複数のCを含んでもよい。具体的には、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つ以上」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つ以上」、および「A、B、C、またはそれらの任意の組み合わせ」などの組み合わせは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCであってよく、そのような組み合わせはその成分A、B、および/またはCのうちの1つ以上のメンバーを含んでもよい。例えば、AおよびBの組み合わせは、1つのAおよび複数のB、複数のAおよび1つのB、または複数のAおよび複数のBを含んでもよい。
【国際調査報告】