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特表2024-539723(S)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-3-((3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-5-(メチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを含む非晶質固体分散体
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  • 特表-(S)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-3-((3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-5-(メチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを含む非晶質固体分散体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】(S)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-3-((3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-5-(メチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを含む非晶質固体分散体
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4155 20060101AFI20241022BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241022BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20241022BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241022BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20241022BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61K31/4155
A61P35/00
A61K9/14
A61K9/48
A61K9/10
A61K47/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526628
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2022128315
(87)【国際公開番号】W WO2023078179
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/275,076
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.LABRASOL
(71)【出願人】
【識別番号】516095419
【氏名又は名称】ベイジン・イノケア・ファーマ・テク・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing InnoCare Pharma Tech Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Bldg.8,No.8 Life Park Rd.,ZGC Life Science Park,Changping Dist.,Beijing,PRC,102206
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シャンヤン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC27
4C076DD37
4C076DD41
4C076DD55
4C076DD67
4C076EE06
4C076EE32
4C076EE33
4C076EE38
4C076FF06
4C076FF36
4C076FF63
4C076GG09
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC36
4C086GA07
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA21
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA03
4C086NA05
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、S)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-3-((3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-5-(メチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物I)及び薬学的に許容可能なポリマーを含有する非晶質固体分散体に関する。本発明は、また、前記非晶質固体分散体を含む医薬組成物に関する。本発明の非晶質固体分散体は、結晶と比較して貯蔵時に安定で、溶解度及び生物学的利用能が良好である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
5~40w/w%の化合物I又はその薬学的に許容可能な塩、及び60~95w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース-アセテートサクシネート(HPMC-AS)
【化1】
を含む非晶質固体分散体。
【請求項2】
5~20w/w%の化合物Iを含む、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項3】
10w/w%の化合物Iを含む、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項4】
噴霧乾燥又は加熱溶融押出しのいずれかによって製造される、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項5】
請求項1に記載の非晶質固体分散体及び薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
【請求項6】
錠剤又はカプセル剤である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の非晶質固体分散体の製造方法であって、
(a) 化合物I又はその薬学的に許容可能な塩及びHPMC-ASを有機溶媒に溶解して溶液を形成する工程;並びに、
(b) 前記溶液を噴霧乾燥して前記非晶質固体分散体を形成する工程;
を含む、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(S)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-3-((3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-5-(メチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの非晶質固体分散体に関する。
【背景技術】
【0002】
(S)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-3-((3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-5-(メチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物I)は、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の強力な阻害剤である。化合物Iの製造及びがんの治療における使用は、国際公開第2018/049781号に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1図1は、リン酸緩衝液(pH6.8)におけるA形及びASDの溶解度プロファイルを示す(n=3)。
図2図2は、噴霧乾燥によって製造した非晶質固体分散体のDSCチャートを示す。
図3図3は、加熱溶融押出しによって製造した非晶質固体分散体のDSCチャートを示す。
図4図4は、A形及び噴霧乾燥によって製造した非晶質固体分散体(HPMC-AS)のXRPDチャートを示す。
図5図5は、A形及び加熱溶融押出しによって製造した非晶質固体分散体(PVP-VA)のXRPDチャートを示す。
図6図6は、HPMCAS-10-SDDを、(A) 25℃/60%RH・密封、及び (B) 40℃/75%RH・密封、で保存した後のXRPDチャートを示す。
図7図7は、PVPVA-10-HMEを、25℃/60%RH・密封で保存した後のXRPDチャートを示す。
図8図8は、HPMCAS-10-SDDを、(A) 25℃/60%RH・密封、及び (B) 40℃/75%RH・密封、で保存した後のDSCチャートを示す。
図9図9は、PVPVA-10-HMEを、25℃/60%RH・密封で保存した後のDSCチャートを示す。
図10図10は、HPMCAS-10-SDDを、(A) 25℃/60%RH・密封、及び (B) 40℃/75%RH・密封、で保存した後の溶解度プロファイルを示す。
図11図11は、PVPVA-10-HMEを、25℃/60%RH・密封で保存した後の溶解度プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明は、(S)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-3-((3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-5-(メチルアミノ)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物I)又はその薬学的に許容可能な塩、及び薬学的に許容可能なポリマーを含有する非晶質固体分散体(ASD)に関する。
【0005】
【化1】
【0006】
この発明は、化合物IのASDが、製剤化においてその結晶形よりも有利であることを開示する。化合物IのASDは、溶解度及び生物学的利用能が良好で、化学的及び物理的に安定である。
【0007】
A形結晶形
A形結晶形は、国際公開第2018/049781号に記載されているように、化合物Iから製造される。A形結晶形は、化合物Iをアセトン/水に溶解し、次いで、低温で沈殿させることにより得ることができる。
【0008】
A形の粉末X線回折(XRPD)のデータを表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
室温で24時間平衡化した後の、本発明のA形の水に対する溶解度は6.4μg/mLである。
【0011】
非晶質固体分散体
化合物IのASDは、化合物I又はその薬学的に許容可能な塩、及び薬学的に許容可能なポリマーを含む。化合物IのASDは、製剤中で非晶質として長期間存在し、安定である。化合物IのASDは、望ましい薬学的特徴を有しており、製造が容易である。
【0012】
ASDには化合物及び分散液を安定化させるために薬学的に許容可能なポリマーが含まれ、それは親水性ポリマーであってもよく、セルロース系ポリマー(例.ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、ヒプロメロース)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒプロメロース(HPMCP)、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、メチルセルロース、セルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、ケイ素化結晶セルロース等)、デンプン系ポリマー(例.ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン類(トウモロコシ、バレイショ、コメ、小麦など、完全にアルファ化し部分的にゲル化することが可能な供給源のデンプンを含む))、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリグリコール化グリセリド、ポリメタクリレート、ハイドロコロイド(例.カラギーナン、キトサン、アルギン酸、ヒアルロン酸、ペクチン酸など)が含まれる。
【0013】
本発明の好ましいポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース-アセテートサクシネート(HPMC-AS)、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体(PVP-VA)、ポリビニルピロリドン(PVP)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。HPMC-AS及びPVP-VAが更に好ましい。
【0014】
ASD中の化合物Iの量は、一般に5~60重量%、5~50重量%、5~40重量%、10~50重量%又は10~40重量%である。例えば、ASD(薬物含有)中の化合物Iの量は10重量%又は20重量%である。
【0015】
化合物Iと薬学的に許容可能なポリマー(例.HPMC-AS又はPVP-VA)の重量比は、一般に、1:1~5:95又は1:1~1:9である。
【0016】
例えば、化合物IのASDは、5~40w/w%の化合物I及び60~95w/w%のHPMC-ASを含有する。
【0017】
例えば、化合物IのASDは、10~40w/w%の化合物I及び60~90w/w%のHPMC-ASを含有する。
【0018】
例えば、化合物IのASDは、5~30w/w%の化合物I及び70~95w/w%のHPMC-ASを含有する。
【0019】
例えば、化合物IのASDは、10~30w/w%の化合物I及び70~90w/w%のHPMC-ASを含有する。
【0020】
例えば、化合物IのASDは、5~25w/w%の化合物I及び75~95w/w%のHPMC-ASを含有する。
【0021】
例えば、化合物IのASDは、10~25w/w%の化合物I及び75~90w/w%のHPMC-ASを含有する。
【0022】
例えば、化合物IのASDは、5~20w/w%の化合物I及び80~95w/w%のHPMC-ASを含有する。
【0023】
例えば、化合物IのASDは、10~20w/w%の化合物I及び80~90w/w%のHPMC-ASを含有する。
【0024】
例えば、化合物IのASDは、10~40w/w%の化合物I及び60~90w/w%のPVP-VAを含有する。
【0025】
好ましい態様では、本発明のASDは界面活性剤を含まない。
【0026】
別の態様では、本発明のASDは、溶解度を上げ、及び/又は物理的な安定性を改善するために、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の量は、一般に、ASDの5~40w/w%、好ましくは10~30w/w%である。
【0027】
固体分散体中の添加剤として有用な薬学的に許容可能な界面活性剤には、ポリソルベート(例.ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート80、ポリソルベート85、ポリソルベート60など)、シクロデキストリン、ポリオキシル20ステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、ポロキサマー、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール40ソルビタン、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポロキサマー331、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシル40ヒマシ油、ポロキサマー188、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン1800、オレイン酸、デオキシコール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、N-カルバモイルメトキシポリエチレングリコール2000-1,2-ジステアロール、ミリスチン酸、ステアレス、ステアリン酸、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸ポリオキシル60、ショ糖ステアリン酸エステル、トコフェロール、ポリオキシルヒマシ油、合成トリグリセリド、トリミリスチン、トリステアリン、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、ラウリル硫酸塩、ビタミンE、卵黄ホスファチド、ドクサートナトリウム、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルレシチン、Capryol 90(モノカプリン酸プロピレングリコール)、Capryol PGMC(モノカプリン酸プロピレングリコール)、デオキシコール酸塩、コレステロール、Cremophor EL、アルギン酸プロピレングリコール、Croval A-10(PEG60アーモンド油グリセリド)、Labrafil 1944(オレオイルマクロゴール-6グリセリド)、Labrafil 2125(リノレオイルマクロゴール-6グリセリド)、Labrasol(カプリロイルカプロイルマクロゴール-8グリセリド)、Lauroglycol 90(モノラウリン酸プロピレングリコール)、Lauroglycol FCC(ラウリン酸プロピレングリコール)、ステアリン酸カルシウム、Lecithin Centromix E、Lecithin Centrophase 152、Lecithin Centrol 3F21B、POE26グリセリン、Olepal isosteariques(イソステアリン酸PEG-6)、Plurol diisostearique(3-ジイソステアリン酸ポリグリセロール)、Plurol Oleique CC、トリオレイン酸POE20ソルビタン、Tagat TO(トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセロール)若しくはSolutol(ヒドロキシステアリン酸マクロゴール-15)、又はそれらの混合物が含まれる。
【0028】
ASDの物理的状態をX線粉末回折計(XRPD)で分析する。結果は、化合物IのASDが結晶のピークを有さないことを示し、このことは、ASD中で化合物Iが非晶質であることを裏付ける。
【0029】
ASDの熱化学的特性は、示差走査型熱量計(DSC)で分析する。化合物IのASDは、ガラス転移温度がわずか1つで、かつ吸熱ピーク(融解ピーク)がなく、このことは、ASD中で化合物Iが非晶質であることを裏付ける。得られたASDは、高い生物学的利用能を示す医薬組成物に製剤化できる。
【0030】
本発明のASDをpH6.8のリン酸緩衝液に溶かした場合の溶解度は、A形結晶よりも良好である。
【0031】
本発明のASDは安定で、25~40℃、相対湿度60~75%で少なくとも1か月間非晶質の状態である。
【0032】
ある態様では、本発明のASDは化学的に安定で、25~40℃、60~75%で少なくとも1か月間保存した場合に、純度に大きな変化はない。
【0033】
ASDの製造方法
本発明のASDは、噴霧乾燥、加熱溶融押出し又は凍結乾燥によって製造できる。
【0034】
固体状のマトリックスには、その溶解度が最大になるように化合物Iが細かく分散(分子分散)しており、それにより、化合物の生物学的利用能が改善される。
【0035】
ある態様では、本発明のASDは、化合物Iを十分な量の有機溶媒に溶解し、得られた溶液を薬学的に許容可能な担体、及び必要に応じて界面活性剤のような溶解度向上剤を含む溶液と混合して噴霧用の溶液を得ることにより製造する。次いで、溶媒を蒸発し、薬物をマトリックス中に分散/溶解させる。
【0036】
ある態様では、前記方法は、(a) 化合物I及び薬学的に許容可能な担体を溶媒に溶解し;(b) 工程(a)で得た溶液を乾燥する工程を含む。
【0037】
ある態様では、化合物Iを十分な量の有機溶媒に溶解し;薬学的に許容可能な担体を溶媒に溶解し;次いで、これらの溶液を混合する工程(a)を含む。
【0038】
ある態様では、有機溶媒を化合物I及び担体の溶解に使用する。有機溶媒には、アルコール、ハロアルカン、アセトン、酢酸、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、DMSO、テトラヒドロフラン又はそれらの混合物が含まれる。例えば、アルコールはメタノール、エタノール、プロパノール又はイソプロパノールである。例えば、ハロアルカンは、ジクロロメタン、クロロホルム又は四塩化炭素である。
【0039】
ある態様では、化合物I及び担体の溶解に、水又は水と有機溶媒の混合物を使用する。
【0040】
ある態様では、工程(b)は噴霧乾燥を含む。別の態様では、工程(b)は流動床と組み合わせた噴霧乾燥を含む。更に別の態様では、工程(b)はロータリーエバポレーターを用いる溶媒の蒸発を含む。
【0041】
ある態様では、溶媒は、噴霧乾燥による蒸発によって除去できる。用語「噴霧乾燥」は、従来から広く使用されてきた用語で、液体混合物を小さな液滴とし(霧化)、液滴から溶媒を蒸発させる強い力を有する噴霧乾燥機構(例.ノズル)で混合物から溶媒を急速に除去することを含む方法を指す。代表的な噴霧乾燥処理では、供給された液体は、ポンプ輸送可能で霧化可能な、溶液、スラリー、エマルション、ゲル又はペーストであってもよい。
【0042】
噴霧乾燥方法及び噴霧乾燥装置は、一般に、Perry's Chemical Engineers' Handbook (Sixth Edition, 1984)の20-54~20-57ページに記載されている。溶媒を除去又は蒸発させる力は、通常、乾燥させる液滴の温度での噴霧乾燥機構内の溶媒の分圧を、溶媒の蒸気圧よりも実質的に低く保つことで生じる。
【0043】
噴霧の終了後、供給と霧化を停止し、固体分散体を回収し、必要に応じて約40~60℃のオーブンで更に真空乾燥させる。
【0044】
ある態様では、ASDは加熱溶融押出しで製造する。この方法では、最初に化合物Iと担体を均一に混合する。混合物を押出し機に入れ、化合物Iと担体の混合物の溶融温度よりも高い温度で押し出す。固形物を集めて粉砕し、メッシュフィルターを通過させて粉末のADSを得る。
【0045】
医薬組成物
本発明は、また、治療有効量のASDの形態の化合物I及び薬学的に許容可能な添加物を含有する医薬組成物に関する。
【0046】
不活性成分である薬学的に許容可能な添加物は、従来の基準により当業者が選択できる。薬学的に許容可能な添加物には、非水系の溶液、懸濁液、エマルション、マイクロエマルション、ミセル溶液、ゲル及び軟膏が含まれるが、これらに限定されるものではない。薬学的に許容可能な添加物には、生理食塩水及び電解質水溶液;塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン及びデキストロースなどのイオン性及び非イオン性の等張化剤;水酸化物、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩及びトロラミン塩などのpH調整剤及び緩衝液;亜硫酸水素、亜硫酸、メタ重亜硫酸、チオ亜硫酸の塩、酸及び/又は塩基、アスコルビン酸、アセチルシステイン、システイン、グルタチオン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェロール類並びにパルミチン酸アスコルビルなどの抗酸化剤;ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジルイノシトールを含むがこれらには限定されないリン脂質、レシチンなどの界面活性剤;ポロキサマー類、ポロキサミン類、ポリソルベート80、ポリソルベート60及びポリソルベート20などのポリソルベート類、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールなどのポリエーテル類;ポリビニルアルコール及びポビドンなどのポリビニル類;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース並びにそれらの塩などのセルロース誘導体;鉱油及び白色ワセリンなどの石油誘導体;ラノリン、ピーナッツ油、パーム油、大豆油などの油脂;モノ、ジ及びトリグリセリド類;カルボキシポリメチレンゲル及び疎水的に修飾された架橋アクリレートコポリマーなどのアクリル酸の重合体;デキストランなどの多糖類;並びに、ヒアルロン酸ナトリウムなどのグリコサミノグリカン類を含む成分も含まれるが、これらに限定されるものではない。そのような薬学的に許容可能な添加物は、塩化ベンザルコニウム、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、メチルパラベン、チメロサール並びにフェニルエチルアルコールを含むがこれらには限定されない周知の防腐剤で、細菌による汚染から保護できるか、単回又は複数回使用のための非保存製剤として製剤化できる。
【0047】
例えば、化合物Iを含む錠剤又はカプセル剤は、活性化合物との反応性及び生物活性を有さない他の賦形剤を含んでいてもよい。錠剤の賦形剤には、充填剤、結合剤、潤滑剤及び流動促進剤、崩壊剤、湿潤剤並びに放出速度調整剤が含まれる。結合剤は製剤中の粒子の接着を促進し、錠剤の製造にとって重要である。結合剤としては、カルボキシメチルセルロース、セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カラヤゴム、デンプン、トラガカントガム、ポリ(アクリル酸)及びポリビニルピロリドンが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
ある態様では、組成物は錠剤とされる。
【0049】
ある態様では、錠剤は、5~75重量%、好ましくは5~40重量%の本発明のASDを含む。
【0050】
ある態様では、錠剤は、総重量の10~80%、好ましくは20~80%又は40~80%の1つ以上の充填剤、例えばラクトース及び/又は結晶セルロースを含む。
【0051】
ある態様では、錠剤は、4~20重量%、好ましくは5~15重量%の崩壊剤を含む。
【0052】
ある態様では、錠剤は、0.5~10重量%、好ましくは1~5重量%の流動促進剤を含む。ある態様では、錠剤は、0.25~2.0重量%、好ましくは0.25~1.0重量%、より好ましくは0.5~1.0重量%の潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムを含む。
【0053】
以下の実施例により、本発明を更に説明する。これらの実施例は、本発明を単に例示することを意図しており、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例
【0054】
実施例1 A形結晶形の製造
化合物Iを、国際公開第2018/049781号の実施例21に記載の手順に従って製造した。まず、アセトンと脱イオン水との混合溶媒(4:1v/v)を50℃に加熱して化合物Iを溶解し、得られた溶液の温度を30℃に下げ、種晶を加えた。混合物の温度を20~25℃に下げて沈殿させた。固体をろ過し、アセトン/水(2:3v/v)の混合溶媒で洗浄して、A形結晶を得た。
【0055】
実施例2 噴霧乾燥によるASDの製造
HPMCAS-10-SDD(薬物配合10%): 化合物I2.00gをメタノール/アセトン(4:6v/v)360mLに溶解した。100rpmで撹拌しながら、HPMC-AS18.00gをゆっくりと加えた。添加後、溶液が透明になるまで撹拌を2時間続けた。次いで、ASD製造のために、溶液を、入口温度80℃、出口温度46~52℃、流速5.2~11.3mL/分及び噴霧空気圧0.1MPaに設定したYamato ADL 311S噴霧乾燥機に入れた。得られた噴霧乾燥物をガラス皿に移し、蓋をして2時間真空乾燥し、15.06gのASD粉末を得た。
【0056】
表2は、さまざまな量の化合物I及び試薬を用い、上記手順に従って製造した4つのASDを示す。
【0057】
【表2】
【0058】
実施例3 加熱溶融押出しによるASDの製造
PVPVA-10-HME(薬物配合10%): 化合物I2.00g及びPVP-VA18.00gを均一に混合した。40メッシュのフィルターを通過させた後、ASD製造のために、160℃、20rpmに設定したThermo MiniCTW押出し機に混合物を供給した。得られた黄色の固体を粉砕し、40メッシュのフィルターを通過させて、11.35gのASD粉末を得た。押出しは、180℃、30rpmで行った。
【0059】
PVPVA-20-HME(薬物配合20%)及びPVPVA-40-HME(薬物配合40%)を、さまざまな量のPVP-VAで同様に製造した(表3参照)。
【0060】
【表3】
【0061】
実施例4 A形及びASDの溶解度プロファイル
リン酸緩衝液(pH6.8): リン酸二水素カリウム3.40g及び水酸化ナトリウム0.45gを水500mLに溶解した。
【0062】
A形: A形試料約8.0mgを、30mLガラスバイアルに入ったリン酸緩衝液(pH6.8)20mLに加えた。バイアルに蓋をし、振とう機に入れ、37℃150rpmで振とうを続けた。指示された時点(10、30、60、120、240分)で懸濁液の一部を取り出し、0.45μmフィルターでろ過し、ろ液の最初の部分は廃棄した。ろ液を希釈し、HPLCで分析した。結果(3回の繰り返しの平均)を表2及び図1に示す。
【0063】
ASD: 適切な量のASD(約3.0mgの化合物I)を、30mLガラスバイアルに入ったリン酸緩衝液(pH6.8)7.5mLに加えた。バイアルに蓋をし、振とう機に入れ、37℃150rpmで振とうを続けた。指示された時点(10、30、60、120、240分)で懸濁液の一部を取り出し、12,000rpmで5分間遠心分離して、透明な溶液を得、これをHPLCで分析した。結果(3回の繰り返しの平均)を表4及び図1に示す。
【0064】
【表4】
【0065】
A形がHPMC-AS又はPVP-VAでASDに変換された後、溶解度が大幅に増加した結果が示された。薬物の配合量が増加するにつれて、ASDの溶解度は低下し、加熱溶融押出しで製造したPVP-VAを含むASDでは、この低下は顕著である。
【0066】
実施例5 ガラス転移温度の測定
A形: 正確に秤量したA形試料(2~5mg)をDSCパンに入れ、密封し、TA Instruments Q2000に入れた。パンを室温から230℃まで20℃/分で加熱し、5分後、50℃/分で0℃まで急冷した。さらに5分後、DSC分析を0~210℃の間で昇温速度10℃/分で行った。ガラス転移温度(Tg)を表3にまとめる。
【0067】
ASD: 正確に秤量したASD試料(2~5mg)をDSCパンに入れ、密封し、TA Instruments Q2000に入れた。パンを室温から135℃まで20℃/分で加熱し、5分後、50℃/分で0℃まで急冷した。さらに5分後、DSC分析を0~210℃の間で昇温速度10℃/分で行った(図2及び図3)。ガラス転移温度(Tg)を表5にまとめる。
【0068】
【表5】
【0069】
DSC曲線は、ガラス転移温度が1つしかなく、融解のピークがないことを示し、このことは、化合物Iが両者の技術で製造された担体中で非晶質の状態で存在することを示す。薬物の配合量を10%から40%に増やすと、Tgが低下し、したがって相分離の危険性が増加する。薬物の配合量を低く維持して、物理的安定性を確保にすることが望ましい。
【0070】
実施例6 XRPD
電流:40mA、電圧:40kV、2θ:5~40°、走査ステップ:0.0263°及び走査速度:0.3282°/分によるXRPD測定のために、各A形結晶及びASDの約10mgをシリコンチップ上に噴霧した。結果を図4(HPMC-AS)及び図5(PVP-VA)に示す。噴霧乾燥又は加熱溶融押出しで製造したASD中の化合物Iは、非晶質状態であった。ASD粉末は、XRPDで結晶回折ピークを示さないが、A形結晶は特徴的な回折ピークを示す。
【0071】
実施例7 高湿度条件における薬物10%配合ASDの吸湿性
HPMCAS-10-SDD及びPVPVA-10-HMEのASDを、それぞれ蓋をしていない褐色のガラスバイアルに移し、次いで、デシケーターに入れて、吸湿性を調査した。デシケーター内の相対湿度(RH)92.5%を維持するために、底部に飽和硝酸カリウム溶液を入れた。0日及び10日にASDを秤量し、それらの外観を確認した。重量増加を表6に示すように計算した。高湿度条件での10日後、HPMCAS-10-SDD固体分散体は、白色又はほぼ白色の粉末として残存し、外観に明らかな変化はなく、吸湿性は低かった。これに対して、PVPVA-10-HME固体分散体は、ほぼ白色の粉末から透明な半固体へのある程度の外観の変化と、吸湿のため著しい重量増加があり、その高い吸湿性を示し、これは、担体PVP-VAの高い吸湿性と関連している。
【0072】
【表6】
【0073】
実施例8 ASDの安定性評価
ASD試料(HPMCAS-10-SDD及びPVPVA-10-HME)それぞれを入れ、蓋をした褐色ガラスバイアルを安定性試験チャンバー内に置いた。25℃/60%RH及び40℃/75%RHで、11日及び30日後に、XRPD、DSC、溶解度及び相対物質について、試料を評価した。
【0074】
40℃/75%RHで、11日及び30日間保存した後、PVPVA-10-HME ASDの外観は、ほぼ白色の粉末から褐色ボトルの内壁に付着した透明な半固体へと著しく変化し、これは許容できない。振とう中も、試料は壁に付着し続け、測定のために試料を採取しなかった。HPMCAS-10-SDD ASDは、同じ条件で11日及び30日間保存後も正常に見え、HPMCAS-10-SDDの物理的及び化学的安定性がより優れており、製品の仕様が満たされていることが更に示された。
【0075】
1) XRPDの結果
(A) 25℃/60%RH・密封、及び(B) 40℃/75%RH・密封で、0~30日間保存した後のHPMCAS-10-SDDのXRPDチャートを図6に示す。25℃/60%RH・密封で、0~30日間保存したPVPVA-10-HMEのXRPDチャートを図7に示す。ASD試料中には結晶の回折ピークが観察されない結果が示され、ASD試料は少なくとも30日間非晶質であることを示す。
【0076】
2) DSCの結果
(A) 25℃/60%RH・密封、及び(B) 40℃/75%RH・密封で、0~30日間保存した後のHPMCAS-10-SDDのDSC曲線を図8に示す。追加の融解ピークはなく、1つのTgのみが観察される結果が示され、ASD試料は少なくとも30日間非晶質であることを示す。
【0077】
3) 溶解度の結果
図10は、(A) 25℃/60%RH・密封、及び(B) 40℃/75%RH・密封で、異なる期間(0日、11日及び30日間)保存した後のHPMCAS-10-SDD(pH6.8リン酸緩衝液、n=3)の溶解度曲線を示す。図11は、25℃/60%RH・密封で、異なる期間(0日、11日、30日間)保存した後のPVPVA-10-HME(pH6.8リン酸緩衝液、n=3)の溶解度曲線を示す。これらの条件で30日間保存した後、2つのASD試料の溶解度プロファイルは明らかに変化しない結果が示された。
【0078】
4) 相対物質の結果
(A) 25℃/60%RH・密封、及び(B) 40℃/75%RH・密封で、保存した後のHPMCAS-10-SDD、並びに、25℃/60%RH・密封で異なる期間(0日、11日及び30日間)保存した後のPVPVA-10-HMEの相対的な物質の評価を表7にまとめる。これらの条件で11日及び30日間保存した後の2つのASD試料の相対物質に、明らかな変化がなかった結果が示され、これらの試料の安定性は許容可能であった。
【0079】
【表7】
【0080】
実施例9 in vivo PK
A形及びHPMCAS-10-SDDそれぞれを、添加物と共に製剤化した。ビーグル犬に経口投与した2つの製剤のPK特性を評価した。各製剤を、体重8~12kgの3匹のイヌで試験した。
【0081】
1) A形製剤のin vivo PKの測定
製剤を湿式造粒法で調製した。最初に、表8に従い、さまざまな量のマンニトール、アルファ化デンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム及びドデシル硫酸ナトリウムを均一に混合した。次に、A形及びポビドンK30を適切な量の無水アルコールに添加し、撹拌し、付着剤として混合した。最後に、付着剤を均一に混合した添加物に加え、造粒し、乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムを加え、混合して粉末にした。
【0082】
【表8】
【0083】
上記製剤を0.5%メチルセルロース(MC)に加え、0.6mg/mLの化合物Iが含まれる懸濁液を得た。次いで、懸濁液を、絶食させたビーグル犬に5mL/kgで経口投与したが、この用量は3mg/kgに相当する。投与後0.25、0.5、1、2、4、8及び24時間に血液試料を採取した。化合物Iの濃度を、API-4500質量分析計によるLC-MS/MS分析で定量した。WinNonlinを用いてPKパラメータを計算し、結果を表8に要約する。
【0084】
2) HPMCAS-10-SDD製剤のin vivo PKの測定
製剤を乾式造粒法で調製した。表9に従い、HPMCAS-10-SDD、マンニトール、結晶セルロース、さまざまな量のアルファ化デンプン及び二酸化ケイ素を均一に混合し、乾式造粒し、ステアリン酸マグネシウムを加えて打錠した。
【0085】
【表9】
【0086】
4つの錠剤を、絶食させたビーグル犬に用量3mg/kgで経口投与した。投与後0.25、0.5、1、2、4、8及び24時間に血液を採取した。化合物Iの濃度をLC-MS/MS分析で定量した。WinNonlinを用いてPKパラメータを計算し、結果を表10に要約する。
【0087】
【表10】
【0088】
結果は、HPMCAS-10-SDDがA形よりも、ビーグル犬のCmax及びAUCについて、良好であることを示す。
【0089】
以上は、本発明の好ましい態様について説明したものであり、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の変更が可能であることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
実施例5 ガラス転移温度の測定
A形: 正確に秤量したA形試料(2~5mg)をDSCパンに入れ、密封し、TA Instruments Q2000に入れた。パンを室温から230℃まで20℃/分で加熱し、5分後、50℃/分で0℃まで急冷した。さらに5分後、DSC分析を0~210℃の間で昇温速度10℃/分で行った。ガラス転移温度(Tg)を表にまとめる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
上記製剤を0.5%メチルセルロース(MC)に加え、0.6mg/mLの化合物Iが含まれる懸濁液を得た。次いで、懸濁液を、絶食させたビーグル犬に5mL/kgで経口投与したが、この用量は3mg/kgに相当する。投与後0.25、0.5、1、2、4、8及び24時間に血液試料を採取した。化合物Iの濃度を、API-4500質量分析計によるLC-MS/MS分析で定量した。WinNonlinを用いてPKパラメータを計算し、結果を表10に要約する。
【国際調査報告】