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特表2024-539730内燃機関のための燃料供給システム及び燃料供給システムの燃料ポンプの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】内燃機関のための燃料供給システム及び燃料供給システムの燃料ポンプの制御方法
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/08 20060101AFI20241022BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
F02M37/08 A
F02M37/00 341
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527208
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 JP2022042665
(87)【国際公開番号】W WO2023090386
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】102021213120.4
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アエ マウ マウ
(72)【発明者】
【氏名】安川 義人
(72)【発明者】
【氏名】猿渡 匡行
(57)【要約】
本明細書に記載の主題は、内燃機関のための燃料供給システムの燃料ポンプを制御するための方法、コントローラ、及びコンピュータプログラムプロダクト、並びに内燃機関のための燃料供給システムに関する。
解決されるべき課題は、異なる環境条件下で気泡を形成することなく様々なタイプの燃料を供給することができる効率的な燃料供給システムを提供することではない。
方法は、第1の測定手段によって燃料供給システム内の燃料の圧力を測定するステップと、第2の測定手段によって燃料の温度を測定するステップと、第3の測定手段によって燃料の物理パラメータを測定するステップと、制御ユニットによって、測定された燃料の物理パラメータに基づいて燃料タイプを決定し、決定された燃料タイプと測定された温度とに基づいて燃料の蒸気圧を決定し、測定された圧力の圧力振幅を決定するステップと、制御ユニットによって、決定された蒸気圧、決定された圧力振幅、及び所定の圧力マージンの合計としての第1の目標圧力値を計算し、第1の目標圧力値と所定の第2の目標圧力値との間の圧力差を計算するステップと、計算された圧力差が0よりも大きい場合に、制御ユニットにより、計算された圧力差に基づいて燃料ポンプの動作点を制御するための制御値を調整するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のための燃料供給システムの燃料ポンプを制御する方法であって、
第1の測定手段によって前記燃料供給システム内の燃料の圧力を測定するステップと、
第2の測定手段によって前記燃料の温度を測定するステップと、
第3の測定手段によって前記燃料の物理パラメータを測定するステップと、
制御ユニットによって、
前記測定された燃料の物理パラメータに基づいて燃料タイプを決定し、
前記決定された燃料タイプと前記測定された温度とに基づいて前記燃料の蒸気圧を決定し、
前記測定された圧力の圧力振幅を決定する、
ステップと、
前記制御ユニットによって、
前記決定された蒸気圧、前記決定された圧力振幅、及び所定の圧力マージンの合計としての第1の目標圧力値を計算し、
前記第1の目標圧力値と所定の第2の目標圧力値との間の圧力差を計算する、
ステップと、
前記計算された圧力差が0よりも大きい場合に、
前記制御ユニットにより、前記計算された前記圧力差に基づいて前記燃料ポンプの動作点を制御するための制御値を調整するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記所定の第2の目標圧力値は、燃料温度の関数として前記制御ユニットに記憶される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記燃料ポンプの前記動作点を制御するための前記制御値は、
PIDコントローラを用いて前記計算された圧力差を制御値差に変換するステップと、
前記制御値に前記制御値差を加算するステップであって、前記制御値が前記所定の第2の目標圧力値に基づく、ステップと、
を実行することによって調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記燃料ポンプの前記動作点を制御するための前記制御値は、
前記計算された前記圧力差を前記所定の第2圧力値に加算することによって第3の目標圧力値を計算するステップと、
前記燃料ポンプの特性曲線を用いて前記第3の目標圧力値を前記制御値に変換するステップと、
を実行することによって調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記燃料タイプは、燃料温度の関数として前記制御ユニットに記憶される基準データの第1のセットを使用して前記燃料の前記測定された物理パラメータに基づいて前記制御ユニットによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記燃料の前記蒸気圧は、燃料タイプ及び燃料温度の関数として前記制御ユニットに記憶される基準データの第2のセットを使用して前記制御ユニットによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
内燃機関のための燃料供給システムであって、前記燃料供給システム内の燃料をタンクから高圧ポンプに供給するための燃料ポンプと、
前記燃料ポンプと前記高圧ポンプとを接続するための供給パイプと、
前記燃料供給システム内の前記燃料の圧力を測定するための第1の測定手段と、
前記燃料供給システム内の前記燃料の温度を測定するための第2の測定手段と、
前記燃料供給システム内の前記燃料の物理パラメータを測定するための第3の測定手段と、
前記第1、第2、及び第3の検知手段に電気的に接続される制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記第1の検知手段によって測定される燃料圧力、前記第2の検知手段によって測定される燃料温度、及び前記第3の検知手段によって測定される物理パラメータを受け、
請求項1に記載の方法を実行する、
ように構成される、燃料供給システム。
【請求項8】
前記第1、第2、及び第3の測定手段は、前記供給パイプ内を流れる燃料の圧力、温度、及び物理パラメータを測定するために前記供給パイプ内に配置される、請求項7に記載の燃料供給システム。
【請求項9】
前記第1の測定手段のサンプリングレートが前記高圧ポンプのピストンストローク周波数よりも高い、請求項7に記載の燃料供給システム。
【請求項10】
内燃機関を制御するとともに、請求項1に記載の方法を実行するように構成されるコントローラ。
【請求項11】
コンピュータによって実行されるときに請求項1に記載の方法を前記コンピュータに実行させる命令を含む、メモリに記憶可能なコンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の主題は、内燃機関のための燃料供給システムの燃料ポンプを制御するための方法、コントローラ及びコンピュータプログラムプロダクト、並びに内燃機関のための燃料供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
世界的な気候変動を減速させるためには、産業及び輸送におけるCO排出量の大幅な削減が必要である。電気駆動装置の使用の増加に加えて、より長い距離をカバーできるようにするために、車両内の内燃機関が依然として必要とされている。
【0003】
必要とされるCO削減を達成するために、バイオ燃料及び内燃機関のためのいわゆる電気燃料が重要な役割を果たす。エタノールなどのバイオ燃料は、ガソリンの代替品としての重要性を既に実証している。現在、例えばセルロースから得ることができる第2世代エタノールの製造が重要になっている。電気燃料は、再生可能エネルギーからの水素を二酸化炭素と反応させることによって生成される合成燃料である。ガソリンエンジンで使用可能な液体電気燃料に関する例は、メタノール及びジメチルカーボネート(DMC)である。これらの合成燃料は、将来、純粋な形態及び従来の燃料との混合の両方で充填ステーションに供給されることが予想される。
【0004】
しかしながら、内燃機関の燃料供給システムにおいて異なるタイプの燃料を取り扱う場合、異なる燃料特性を考慮に入れなければならない。特に、燃料噴射を妨げて燃料搭載部品に損傷を与える可能性がある燃料供給システム内の気泡の形成を回避するために、使用される燃料の蒸気圧を考慮しなければならない。燃料供給システム(ガソリン直接噴射システムの低圧側)で生じる気泡は、高圧側に輸送され得るものであり、そこで圧縮されて内破する。気泡が噴射構成要素の表面上で破裂する場合、これにより、キャビテーション壊食がもたらされ、構成要素に深刻な損傷を引き起こす。
【0005】
したがって、使用される燃料にかかわらず、システム内の燃料圧力が常に蒸気圧を上回るようにする燃料供給システムが必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,742,479号明細書
【発明の概要】
【0007】
技術的課題
特許文献1は、ジメチルエーテルエンジンのための燃料供給システムについて記載し、このシステムでは、圧送ポンプによりジメチルエーテルが飽和蒸気圧以上に昇圧されながら燃料タンクから高圧燃料ポンプに供給される。燃料供給システムは、圧送ポンプからのジメチルエーテルの状態を検出するためのジメチルエーテル検出デバイスと、高圧燃料ポンプに通じる燃料パイプ内のジメチルエーテルが液体状態のときに高圧燃料ポンプを駆動するための電子制御ユニットとを備える。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示される燃料供給システムは、ジメチルエーテルで動作するように特別に設計されているため、異なる種類の燃料に対応することができない。
【0009】
本明細書に記載の主題の目的は、異なる環境条件下で気泡を形成することなく様々なタイプの燃料を供給することができる効率的な燃料供給システムを提供することである。この課題は、独立請求項に係る主題によって解決される。更なる好ましい進展が従属請求項により記載される。
【0010】
課題の解決策
本明細書に記載の主題は、内燃機関のための燃料供給システムの燃料ポンプを制御するための方法を含む。方法は、第1の測定手段によって燃料供給システム内の燃料の圧力を測定するステップと、第2の測定手段によって燃料の温度を測定するステップと、第3の測定手段によって燃料の物理パラメータを測定するステップとを含む。
【0011】
続いて、制御ユニットは、燃料の測定された物理パラメータに基づいて燃料タイプを決定するとともに、決定された燃料タイプと測定された温度とに基づいて燃料の蒸気圧を決定する。好ましくは、第3の測定手段によって測定/検出される燃料の物理パラメータは、燃料供給システム内の燃料の誘電率、密度、及び/又は動粘度であってもよい。
【0012】
以下の表1は、様々な燃料における物理パラメータの例を示す。特に、それぞれの燃料の誘電率が著しく異なることが明らかになる。したがって、誘電率を測定することにより、燃料タイプを確実に検出することができる。
【表1】
【0013】
検出の精度を高めるために、燃料供給システム内の燃料の密度及び動粘度などの更なる物理パラメータが更に測定されてもよい。
【0014】
燃料タイプが特定されると、特定された燃料タイプと測定された温度とに基づいて燃料の蒸気圧が決定される。蒸気圧は、閉鎖系内の所与の温度でその凝縮相(固相又は液相)と熱力学的平衡状態にある蒸気によって及ぼされる圧力として規定される。燃料供給システム内の燃料の場合、このことは、燃料圧力が蒸気圧力を下回る場合に燃料が気泡を形成することを意味する。蒸気圧は、温度の関数であり(温度が高いほど蒸気圧は高くなる)、異なる燃料間で変化する。特に、代替燃料として重要な役割を果たすメタノール及びエタノールは、ガソリンに比べて蒸気圧が高い。したがって、燃料供給システムにおいて異なる燃料を取り扱うためには、気泡の形成を回避するべく、使用される燃料の蒸気圧を決定する必要がある。現在の燃料温度で使用される燃料の蒸気圧を具体的に決定することによって、燃料供給システム内の燃料圧力を、支配的な条件に合わせて正確に調整することができる。
【0015】
更に、制御ユニットは、測定された圧力の圧力振幅を決定する。燃料供給システム内の平均圧力は、通常、例えば高圧ポンプの振動ピストン運動によって引き起こされる圧力変動/圧力脈動によって重畳される。この圧力脈動は、燃料供給システム内で発生する最低圧力が蒸気圧を下回らないようにするために考慮されなければならない。圧力振幅は、所定の時間間隔で平均圧力及び最低測定圧力を決定し、次いで平均圧力と最低圧力との差を形成することによって、測定圧力信号から決定することができる。例えば、所定の時間間隔は、0.2秒~2秒の範囲内であってもよい。このプロセスは、燃料供給システムの動作中に連続的に繰り返すことができる。
【0016】
更に、制御ユニットは、決定された蒸気圧、決定された圧力振幅、及び所定の圧力マージンの合計として第1の目標圧力値を計算する。所定の圧力マージンは、第1の目標圧力が常に蒸気圧を上回るようにする安全マージンであってもよい。所定の圧力マージンは、燃料ポンプがその最適化された動作範囲外で動作しないようにするために、燃料ポンプの温度及び/又は動作点に応じて変化し得る。例えば、所定の圧力マージンは、0.2バール~1バールの範囲内であってもよい。
【0017】
決定された蒸気圧、決定された圧力振幅、及び所定の圧力マージンの合計として第1の目標圧力値を計算することによって、燃料供給システム内の燃料圧力が蒸気圧を上回ったままであるようにする現在有効な目標圧力が指定される。
【0018】
燃料ポンプの動作点を制御するための制御値を提供するために、制御ユニットは、第1の目標圧力値と所定の第2の目標圧力値との間の圧力差を計算する。計算された圧力差が0よりも大きい場合、制御ユニットは、計算された圧力差に基づいて、燃料ポンプの動作点を制御するための制御値を調整する。換言すれば、制御ユニットは、決定された第1の目標圧力値と、所定の第2の目標圧力値とを比較し、第1の目標圧力値が所定の第2の目標圧力よりも大きい場合に、より高い圧力で燃料が送出されるように燃料ポンプの動作点を制御するための制御値を調整する。
【0019】
前述の方法は、燃料ベーパーロックによって引き起こされる燃料噴射不良を防止し、高圧ポンプの入口弁での及び噴射システムの高圧側に沿ったキャビテーション壊食のリスクを最小限に抑える。更に、方法は、燃料圧力を測定し、関連する蒸気圧力を決定することによって、目標圧力の不必要な増加を回避することにより、燃料ポンプの効率的な動作を可能にする。
【0020】
一態様によれば、所定の第2の目標圧力値は、燃料温度の関数として制御ユニットに記憶される。所定の第2の目標圧力は、基本的な目標圧力値として理解することができ、これは、一般にエンジンマップ全体にわたって有効であり得るが、特定のエンジン動作点及び/又は特定の環境条件で調整することができる。
【0021】
例えば、第2の目標圧力値は、より高い燃料温度でより高い目標圧力が出力されるように、燃料温度の関数として特性曲線に記憶されてもよい。或いは、高圧ポンプの送出速度を維持するために高いエンジン速度で目標圧力が更に増加するように、燃料温度及びエンジン速度の関数として第2の目標圧力値をマップに記憶することができる。第2の目標圧力値が異なる燃料に関して記憶される複数の特性曲線又はマップが制御ユニットに与えられることも想定し得る。
【0022】
このことは、使用される燃料の蒸気圧が第2の目標圧力値において既にある程度考慮されているため、現在の測定値から決定された第1の目標圧力値が第2の目標圧力値を超える特定の状況においてのみ燃料ポンプの制御値が調整されることを意味する。
【0023】
一態様によれば、まず、PIDコントローラを用いて計算された圧力差を制御値差に変換することによって、燃料ポンプの動作点を制御するための制御値を調整することができる。換言すれば、圧力差を燃料ポンプの動作を制御するのに適した値に変換するためにPIDコントローラが使用される。PIDコントローラを使用すると、現在検出されている大きな圧力差に応じて制御値差を増幅することができる。次いで、制御値差は、好ましくは所定の第2の目標圧力値に基づく既存の制御値に追加することができる。好ましくは、既存の制御値は、制御ユニット又は燃料ポンプの別個のユニットに記憶することができる燃料ポンプの特性曲線から決定することができる。例えば、燃料ポンプがDCモータによって駆動される容積型ポンプである場合、特性曲線は、特定の燃料圧力で特定の燃料流量を達成するために必要な制御電圧及び/又は制御電流を示すことができる。また、燃料ポンプ特性曲線は、制御値を提供するための1つ以上のマップを含むこともできる。
【0024】
或いは、計算された圧力差と所定の第2圧力値との合計である第3の目標圧力値を計算することにより、燃料ポンプの動作点を制御するための制御値を調整することができる。その後、上記と同様に、燃料ポンプの特性曲線を用いて第3の目標圧力値を制御値に変換することができる。この場合、燃料ポンプの動作点を制御するための制御値を生成する際、第1の目標圧力値と第2の目標圧力値との間の現在決定されている圧力差が既に考慮されてもよい。
【0025】
一態様によれば、燃料タイプは、燃料温度の関数として制御ユニットに記憶される基準データの第1のセットを使用して、燃料の測定された物理パラメータに基づいて制御ユニットによって決定される。このことは、基準データの第1のセットが、燃料温度の関数として、燃料タイプを特定するために使用することができる1つ以上の物理パラメータをそれぞれが含む複数の異なる燃料における特性曲線又はマップを含むことを意味する。これは、物理パラメータが異なる燃料温度で変化するために必要である。例えば、誘電率、密度、粘度は、温度の上昇とともに低下する。したがって、様々な環境条件下で燃料タイプを正確に決定するために、燃料温度の関数として物理パラメータを記憶する必要がある。複数のタイプの燃料(複数の燃料成分)を含む燃料組成を決定するために、ドイツ特許出願公開第102020216593.9号明細書を参照されたい。
【0026】
一態様によれば、燃料の蒸気圧は、燃料温度及び燃料タイプの関数として制御ユニットに記憶される基準データの第2のセットを使用して制御ユニットによって決定される。換言すれば、複数の燃料の蒸気圧曲線は、燃料温度の関数として制御ユニットに記憶されてもよい。検出された燃料の現在の蒸気圧を決定するために、現在測定されている温度におけるそれぞれの曲線から対応する値を取得することができる。蒸気圧曲線の温度範囲は、0°C~150°Cの範囲であってもよい。
【0027】
本明細書に記載の主題は、燃料供給システム内の燃料をタンクから高圧ポンプに供給するための燃料ポンプと、燃料ポンプと高圧ポンプとを接続するための供給パイプとを含む内燃機関のための燃料供給システムを更に含む。好ましくは、燃料ポンプは、電気モータによって駆動されるローラセルポンプであってもよい。最も好ましくは、電気モータは、デューティファクタを介して制御電圧によって制御されるDCモータであってもよい。
【0028】
燃料供給システムは、燃料供給システム内の燃料の圧力を測定するための第1の測定手段と、燃料供給システム内の燃料の温度を測定するための第2の測定手段と、燃料供給システム内の燃料の物理パラメータを測定するための第3の測定手段とを更に備える。
【0029】
第1の測定手段は、圧力センサ、好ましくはピエゾ抵抗圧力センサであってもよい。燃料供給システム内の燃料圧力を測定するのに適した任意の他のタイプの圧力センサも同様に使用することができる。第2の測定手段は、温度センサ、好ましくはNTCセンサ素子を使用する温度センサであってもよい。燃料供給システム内の燃料温度を測定するのに適した任意の他のタイプの温度センサも同様に使用することができる。
【0030】
第3の測定手段は、好ましくは音叉共振器であってもよい。これに代えて又は加えて、前述の物理パラメータを検出するのに適した静電容量センサ又は任意の他のタイプのセンサを使用することができる。
【0031】
更に、燃料供給システムは、第1、第2、及び第3の検知手段に電気的に接続される制御ユニットを含む。制御ユニットは、第1の検知手段によって測定された燃料圧力、第2の検知手段によって測定された燃料温度、及び第3の検知手段によって測定された物理パラメータを受けるように構成される。更に、制御ユニットは、測定手段から受信した信号を使用して前述の方法を実行するように構成される。好ましくは、制御ユニットは、エンジン制御ユニットであってもよく、又はエンジン制御ユニットに組み込まれてもよい。或いは、制御ユニットは、エンジン制御ユニットから遠隔的に位置される別個のデバイスであってもよい。
【0032】
一態様によれば、第1、第2、及び第3の測定手段は、供給パイプを流れる燃料の圧力、温度、及び物理パラメータを測定するために供給パイプに配置されてもよい。このことは、ガソリン直接噴射システムの低圧側において、燃料ポンプと高圧ポンプとの間に測定手段を設置してもよいことを意味する。好ましくは、第1及び第2の測定手段は、高圧ポンプに入る直前に燃料の状態を決定するために、高圧ポンプの近傍に配置されてもよい。これにより、高圧ポンプの上流側での気泡の発生を確実に防止することができる。
【0033】
一態様によれば、第1の測定手段のサンプリングレートは、高圧ポンプのピストンストローク周波数より高くてもよい。燃料供給システム内の燃料の圧力振幅、特に燃料ポンプと高圧ポンプとの間の燃料タイプにおける燃料の圧力振幅を正確に決定するためには、燃料パイプ内に発生する圧力脈動の周波数よりも高いサンプルレートで圧力を検出する必要がある。燃料ポンプと高圧ポンプとの間の燃料パイプ内の圧力脈動は、高圧ポンプ内のピストンの振動動作によって誘発されるため、サンプリングレートはピストンストローク周波数よりも高くなり得る。
【0034】
本明細書に記載の主題は、内燃機関を制御して前述の方法を実行するためのコントローラを更に備える。好ましくは、コントローラは、エンジン制御ユニットであってもよく、又はエンジン制御ユニットに組み込まれてもよい。或いは、コントローラは、エンジン制御ユニットから遠隔的に位置される別個のデバイスであってもよい。
【0035】
更に、本明細書に記載の主題は、コンピュータによって実行されるときにコンピュータに前述の方法を実行させる命令を含むメモリに記憶可能なコンピュータプログラムプロダクトを含む。
発明の有利な効果
【0036】
上記を要約すると、本明細書に記載の主題は、燃料ベーパーロックによって引き起こされる燃料噴射不良を防止し、高圧ポンプの入口弁での及び噴射システムの高圧側に沿ったキャビテーション壊食のリスクを最小限に抑える。また、方法は、燃料圧力を測定し、関連する蒸気圧力を決定することによって、目標圧力の不必要な増加を回避することにより、燃料ポンプの効率的な動作を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
以下では、添付の例示的な図面を参照して、少なくとも1つの好ましい例に基づいて主題を更に説明する。
図1】ガソリン直接噴射システムに組み込まれた本明細書に記載の主題に係る燃料供給システムの一例を概略的に示す。
図2】任意の燃料における温度の関数としての蒸気圧曲線の例を概略的に描く図を示す。
図3】本明細書に記載の主題に係る燃料供給システムによって提供される温度及び増加した燃料圧力の関数としてのメタノール及びエタノールの蒸気圧曲線を概略的に描く図を示す。
図4】温度の関数としての所定の圧力マージンの一例を概略的に描く図を示す。
図5】高圧ポンプの前の燃料パイプで発生する異なるタイプの圧力脈動を概略的に描く図を示す。
図6】温度の関数としての第2の目標圧力値の2つの特性曲線を概略的に描く図を示す。
図7】第1、第2の目標圧力間の関係を例示する図を示す。
図8】例によって本明細書に記載の方法の個々のステップを示すフローチャートを示す。
図9】本明細書に記載の方法のステップを実行するための典型的な機能ブロックを示すブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本明細書に記載の主題に係る燃料供給システム20の一例を概略的に示し、燃料供給システム20はガソリン直接噴射システムに組み込まれる。燃料供給システムは、燃料タンク1内に設置された燃料ポンプ2と、燃料ポンプ2を高圧ポンプ7に接続する供給パイプ11とを備える。燃料ポンプは、燃料タンク1の外部に設置されていてもよい。
【0039】
燃料ポンプ2が高圧ポンプ7に燃料を吐出する圧力範囲は、1bar~25barの範囲であってもよい。高圧ポンプ7によって燃料が圧縮される圧力範囲は、50バール~600バールの範囲であってもよい。
【0040】
また、燃料供給システム20は、燃料ポンプ2と高圧ポンプ7との間の燃料パイプ11に設置された3つの測定手段4,5,6を備える。第1の測定手段4は供給パイプ11内の燃料圧力を測定し、第2の測定手段5は供給パイプ11内の燃料温度を測定し、第3の測定手段6は供給パイプ11を流れる燃料のタイプを表す物理パラメータを検出してもよい。第1の測定手段4は、圧力センサ、好ましくはピエゾ抵抗圧力センサであってもよい。第2の測定手段5は、温度センサ、好ましくはNTCセンサ素子を用いた温度センサであってもよい。供給パイプ11内の燃料圧力/燃料温度を検出するのに適した任意の他のタイプの圧力及び/又は温度センサも同様に使用することができる。第3の測定手段6は、好ましくは音叉共振器であってもよい。これに代えて又は加えて、燃料タイプを表す物理パラメータを検出するのに適した静電容量センサ又は任意の他のタイプのセンサを使用することができる。
【0041】
更に、燃料供給システム20は、測定手段4、5、6に電気的に接続されて蒸気圧及び圧力脈動を決定するためにこれらの測定手段から測定値を受信する制御ユニット10を備える。また、制御ユニット20は、燃料ポンプ2、高圧ポンプ7及び燃料噴射器9と電気的に接続されており、これらの制御を行う。図示の燃料供給システム20は、燃料タンク1内に配置され、制御ユニット10にも電気的に接続された追加の温度センサ3を有する。追加の温度センサ3は、第2の測定手段5と同じタイプのものであってもよい。また、タンク内の燃料温度を測定可能な他のタイプのセンサを用いることも想定し得る。追加の温度センサ3は、ハイブリッド車両における燃料補給中又は長期のエンジン停止中のタンク内の温度の変化(動作温度未満)を検出することを可能にする。
【0042】
燃料供給システム20は高圧ポンプ7に接続されており、高圧ポンプ7は燃料レール8に接続されており、そこから燃料が4つの高圧燃料噴射器9に分配され、各高圧燃料噴射器9は内燃機関(図示せず)の燃焼室に燃料を噴射する。図1に示す4つの高圧燃料噴射器9は、燃料レールに接続することができる任意の数の燃料噴射器の例としてのみ機能する。
【0043】
本明細書に記載の主題に係る燃料供給システム20は、低圧噴射システムにも適している。この場合、高圧ポンプ7はなく、燃料ポンプ2は燃料を燃料レール8に直接供給し、燃料レール8から低圧燃料噴射9に燃料を分配する。
【0044】
高圧燃料噴射器は、50bar~600barの範囲の燃料を噴射するように設計された燃料噴射器であってもよく、低圧燃料噴射器は、1bar~25barの範囲の燃料を噴射するように設計された燃料噴射器であってもよい。
【0045】
図2は、任意の燃料についての温度Tの関数としての蒸気圧曲線pvapの一例を示す図である。燃料が液体形態で存在する蒸気圧曲線pvapより上の圧力及び温度領域は、灰色の太い矢印で示され、燃料が蒸気形態で存在する蒸気圧曲線pvapより下の圧力及び温度領域は、白色の太い矢印で示される。更に、高圧ポンプ7の前の燃料供給システム20における典型的な燃料圧力値を表す一定の燃料圧力値pFP,0が示されている。図2から、温度Tvapを超えると、燃料圧力値pFP、0が燃料の蒸気圧よりも低くなり、燃料供給システム20内で気泡が発生する可能性があることが分かる。
【0046】
図3は、燃料温度Tの関数として制御ユニット10によって決定されたメタノールpvap,meth及びエタノールpvap,ethの蒸気圧曲線の例を示す図である。更に、制御ユニット10によって計算された所定の第2の目標圧力値ptar,2及びメタノールptar,1_meth及びエタノールptar,1_ethの第1の目標圧力値が示されている。
【0047】
それぞれ燃料温度Tf、vap、m及びTf、vap、eを下回ると、所定の第2の目標圧力ptar、2は、決定された蒸気圧、決定された圧力振幅及び所定の圧力マージンの合計として計算された第1の目標圧力値ptar、1_meth及びptar、1_ethよりも高いことを認識することができる。したがって、温度Tf、vap、m、Tf、vap、eまでは、燃料圧力pを大きくするために、燃料ポンプ2の動作点を制御するための制御値を調整する必要がない。
【0048】
しかし、燃料温度Tがそれぞれ温度Tf,vap,m,Tf,vap,eを超えると、第1の目標圧力値ptar,1_meth,ptar,1_ethが所定の第2の目標圧力ptar,2の値を超えるため、燃料ポンプ2の制御値が調整され、供給パイプ11内の燃料圧力pがそれぞれ第1の目標圧力値ptar,1_meth,ptar,1_ethまで上昇する。
【0049】
図4は、制御ユニット10が決定したメタノールpvap,methの蒸気圧曲線の一例を示す図である。更に、所定の圧力マージンpの例は、燃料温度Tの関数として示されており、この場合、決定された蒸気圧曲線pvap,meth上の一定のオフセットを表す。しかし、燃料温度T及び/又は燃料ポンプ2の動作点に応じて、所定の圧力余裕pが変化してもよい。所定の圧力余裕pは、図4に示すようなオフセットであってもよいし、相対値であってもよい。所定の圧力マージンpは、0.2バール~1バールの範囲内とすることができる。
【0050】
図5は、一定の燃料温度Tにおける時間tの関数として、高圧ポンプ7への供給パイプ11において生じ得る種々の圧力脈動ppul,1,ppul,2及びppul,3を示す図である。また、供給パイプ11内の平均燃料圧力pFP,m、燃料pvapの蒸気圧、及び気泡発生が予想されるリスクエリアを示している。
【0051】
圧力脈動ppul,1は、圧力脈動の指数関数的な増加を示し、燃料圧力pが時間とともに増加することを意味する。この場合、圧力脈動ppul,1に発生する最低圧力が蒸気圧pvapを下回るリスクは少ない。しかしながら、時間的に一定の圧力脈動ppul、2は蒸気圧pvapを下回ることが示されているため、この脈動ppul、2のアンダーシュートは、気泡の形成が予想されるリスク領域に達する。これは、この場合、燃料中の気泡の形成を回避するために、平均燃料圧力pFP,mを増加させなければならないことを意味する。供給パイプ11に指数関数的な圧力低下を示す圧力脈動ppul,3のような脈動が発生すると、状況が悪化する。この場合、供給パイプ11内の圧力は時間とともに低下するので、脈動オーバーシュートの一部でさえもリスクエリアに達する。そのため、燃料中に気泡が発生しないように、平均燃料圧力pFP,mをより大きくする必要がある。
【0052】
図5から、燃料供給システム内の圧力脈動を監視することは、燃料供給システム内の燃料流量に応じて異なるタイプの圧力脈動が発生する可能性があるため、システム内の気泡を回避するために有益であることが分かる。
【0053】
図6は、温度の関数としての第2の目標圧力値の2つの特性曲線を示す図500を概略的に示す。上の曲線ptar,2_nmaxは、最大エンジン回転数における第2の目標圧力値を示し、下の曲線ptar,2_nminは、最小エンジン回転数における第2の目標圧力値を示す。図500は、第2の目標圧力値ptar、2を温度及びエンジン速度の関数として記憶することができるマップを表し、すなわち、最大エンジン速度と最小エンジン速度との間のエンジン速度範囲を表す更なる特性曲線をマップに記憶することができる。異なる燃料に対して異なるマップが存在してもよく、又は複数の燃料に対して第2の設定圧力値ptar,2を含む単一のマップが存在してもよい。
【0054】
最大エンジン速度では、高圧ポンプの必要な燃料流量を維持するために、最小エンジン速度における燃料圧力ptar,2_nminよりも高い燃料圧力ptar,2_nmaxが必要であることが分かる。更に、第2の目標圧力値は、どちらの場合も、気泡の形成を防止するために、より高い温度で増加する。これは、使用される燃料の蒸気圧が第2の目標圧力値ptar,2においてある程度考慮されるため、燃料ポンプの制御値は、現在の測定値から決定された第1の目標圧力値が第2の目標圧力値を超える特定の状況においてのみ調整されることが好ましいことを意味する。或いは、第1の設定圧力ptar,1の計算のみに基づく燃料ポンプの制御値の適切な設定も可能であるため、燃料の蒸気圧を考慮せずに第2の目標圧力ptar,2を決定することも可能であり得る。
【0055】
第1の目標圧力と第2の目標圧力との間の可能な関係の一例が以下の図7に示されており、図7は、例えば図8に示すような制御によって異なる圧力目標値が選択される異なるシナリオを理解することを可能にする。
【0056】
具体的には、図7は、最大及び最小エンジン速度における第1の目標圧力値を表し、それぞれのエンジン速度におけるメタノールの決定された蒸気圧pvap,meth、圧力マージンp、及び決定された圧力脈動ppul、nmax、ppul、nminの合計である温度の関数として、2つの線形曲線ptar、1_nmax、ptar、1_nminを概略的に示す。更に、図6から既知である、最大及び最小エンジン速度における第2の目標圧力値ptar、2_nmax、ptar、2_nminの2つの特性曲線が示されている。
【0057】
最小エンジン速度(点線矢印で示す)における圧力脈動ppul,nminの振幅は、最大エンジン速度(実線矢印で示す)における圧力脈動ppul,nmaxの振幅よりも低いことが分かる。異なる圧力振幅の理由は、より低いエンジン速度で必要とされるより低い燃料流量である。しかし、圧力脈動ppul,nminにより、低い燃料温度では、第1の目標圧力が第2の目標圧力よりも高くなる。これは、低速及び低温では、高圧ポンプの燃料流量を提供するために低圧のみが必要とされ、その結果、エンジンのこの動作範囲において低い第2の目標圧力値ptar,2_nminが選択されるという事実に起因する。この範囲の第1の目標圧ptar,1_nminは第2の目標圧ptar,2_nminよりも高いため、制御ユニットは、圧力脈動ppul,nminの影響を補償するために燃料ポンプの制御値を大きくしてもよい。
【0058】
しかしながら、最大エンジン回転数において、第2の目標圧力ptar、2_nmaxは、低い燃料温度から中程度の燃料温度において第1の目標圧力ptar、1_nmaxよりも高く、したがって、燃料ポンプの制御値の調整は、この動作点において必要とされない。第1の目標圧力値ptar、1_nmaxは、高温では対応する第2の目標圧力値ptar、2_nmaxを超えるだけであるため、最高エンジン速度での燃料ポンプの制御値の調整は、高温でのみ必要であることを認識することができる。
【0059】
図8は、本明細書に記載の方法の個々のステップを一例として示すフローチャートを示す。方法は、ステップS100において、燃料タイプX、温度T、又は燃料圧力pを表す物理パラメータXf,0を測定するセンサのいずれかが故障を示すかどうかをチェックすることによって開始する。この場合、燃料供給システムは作業場でチェックされなければならず(S101)、方法はステップS107で終了する。全てのセンサが動作の準備ができている場合、ステップS102において、物理パラメータXf、0、温度T及び燃料の圧力pが測定される。測定されたセンサ信号に基づいて、ステップS103において、燃料タイプX、蒸気圧pvar、f、及び圧力脈動ppulの振幅が決定される。
【0060】
燃料タイプXは、例えば、燃料供給システム20内の燃料の誘電率、密度、及び/又は動粘度を測定して、制御ユニット(20)に記憶された基準データの第1のセットに基づいて燃料タイプXを検出することによって決定することができる。基準データのこの第1のセットは、燃料温度Tの関数として、燃料タイプXを特定するために使用することができる1つ以上の物理パラメータXf,0をそれぞれ含む複数の異なる燃料の特性曲線又はマップを含むことができる。次いで、検出された燃料の蒸気圧pvap,fは、複数の燃料における基準データの第2のセットに記憶された蒸気圧曲線を使用して決定することができる。検出された燃料の現在の蒸気圧pvap,fを決定するために、現在測定されている温度Tでのそれぞれの蒸気圧曲線から対応する値を得ることができる。圧力振幅ppulは、所定の時間間隔で平均圧力及び最低測定圧力を決定し、次いで平均圧力と最低圧力との差を形成することによって、測定圧力信号から決定することができる。
【0061】
続いて、ステップS104aにおいて、第1の目標圧力値ptar,1が、決定された蒸気圧pvar,f、所定の圧力マージンp、及び圧力脈動ppulの振幅の合計として計算される。所定の圧力マージンpは、第1の目標圧力ptarが常に蒸気圧pvar、fを上回るようにする安全マージンであってもよい。所定の圧力マージンpは、燃料ポンプ2がその最適化された動作範囲外で動作しないようにするために、燃料ポンプ2の温度及び/又は動作点に応じて変化し得る。
【0062】
並行して、所定の第2の目標圧ptar,2が、エンジン回転数(2つの異なるケース「min」及び「max」について前述したが、図6に関連して説明したように、より多くのエンジン速度を考慮することができる)、決定燃料種X、及び決定温度Tに基づいて、制御ユニット10に記憶されたマップ又は特性曲線から決定される(S104b)。次に、第1の目標圧力値ptar,1と所定の第2の目標圧力値ptar,2との間の圧力差が計算される。言い換えると、第1の目標圧力値ptar,1は、第2の目標圧力値ptar,2と比較される。第2の目標圧ptar,2が第1の目標圧ptar,1よりも低い場合には、第1の目標圧値ptar,1が到達すべき制御目標となるように、圧送ポンプの制御値 FP(例えば、図9)が調整される(S105)。これは、第2の目標圧ptar,2が第1の目標圧ptar,1よりも低い場合には、燃料圧力pが第1の目標圧値ptar,1と等しくなるように圧送ポンプ の制御値FPが調整されることを意味する。
【0063】
逆の場合には、圧送ポンプの既存の制御値 FPが維持され、第2の目標圧ptar,2となるように燃料圧力pが制御される(S106)。説明した手順は、エンジンが動作している限り繰り返され、エンジンがオフにされると終了する(S107)。
【0064】
図9は、本明細書に記載の方法のステップを実行するための例示的な機能ブロックを示すブロック図である。機能ブロック800では、決定された蒸気圧pvap、f、所定の圧力マージンp、及び決定された圧力脈動ppulの振幅が加算されて、第1の目標圧力値ptar、1が計算される。
【0065】
機能ブロック500は、図5から既に知られている概略マップを表し、このマップから第2の目標圧力値ptar,2を読み取ることができる。機能ブロック801において、第1の目標圧力と第2の目標圧力との差Δpが計算され、これは後続のリミッタ802によって0以上の値に下限値0で制限される。リミッタ802は、計算された圧力差Δpが0よりも大きい場合にのみ制御値 FPが調整されるようにし、このことは、第1の目標値ptar,1が第2の目標圧力値ptar,2よりも大きいことを意味する。制限圧力差Δplimは、圧力差Δplimを制御値差ΔFPに変換するPIDコントローラに入力される。PIDコントローラを使用すると、現在検出されている大きな圧力差Δplimに応じて制御値差を増幅することができる。その後、制御値差ΔFPは、既存の制御値 FPs,0に加算され、調整された制御値FPとして燃料ポンプコントローラ805に入力される。既存の制御値FPs,0は、燃料圧力及び燃料体積流量Qf,sの関数として燃料ポンプ2の特性曲線を含む機能ブロック804に入力される第2の目標圧力値に基づく。このことは、第2の目標圧力ptar,1及び圧力差が、燃料ポンプの動作を制御するのに適した制御値FPs,0及びΔFP に変換されることを意味する。
【0066】
また、図9には、燃料ポンプコントローラ805の出力が、更新された圧力制御値として燃料ポンプ2に入力されることが示されている。制御値 FPを調整すると、燃料ポンプコントローラ805の出力値が変化し、圧力脈動ppulが変化する可能性があるため、燃料ポンプ2の実際の圧力値が機能ブロック800にフィードバックされ、圧力脈動ppulの入力値が連続的に更新される。
【0067】
或いは、制限圧力差Δplimと所定の第2の圧力値ptar,2との和である第3の目標圧力値を計算することで、燃料ポンプコントローラ805に入力される制御値 FPを調整することができる。次いで、第3の目標圧力値を、機能ブロック804に入力して、前述と同様に、燃料ポンプ2の特性曲線を使用して制御値FPs,0(この場合は制御値 FPに等しい)に変換することができる。この場合、制限圧力差Δplimを増幅するためにPIDコントローラを使用することはできないが、代わりにこの圧力差Δplimは、制御値FPを生成する前に既に考慮されてもよい。
【0068】
図7のフローチャート及び図8のブロック図に従って説明した方法を実行することによって、燃料供給システム10内の最低燃料圧力が常に蒸気圧よりも大きくなるようにすることによって、燃料供給システム10内の気泡の形成を防止することができる。
【0069】
再び要約すると、本明細書に記載の主題は、燃料ベーパーロックによって引き起こされる燃料噴射不良を防止し、高圧ポンプの入口弁での及び噴射システムの高圧側に沿ったキャビテーション壊食のリスクを最小にする。また、方法は、燃料圧力を測定し、関連する蒸気圧力を決定することによって、目標圧力の不必要な増加を回避することにより、燃料ポンプの効率的な動作を可能にする。
【0070】
当業者には理解されるように、本開示は、上記及び添付図面で説明したように、方法、装置(デバイス、マシン、システム、コンピュータプログラムプロダクト、及び/又は任意の他の装置を含む)、又は上記の組み合わせとして具体化することができる。
【0071】
したがって、本開示の実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又は本明細書で一般に「システム」と呼ばれ得るソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる。更に、本開示の実施形態は、媒体に組み込まれたコンピュータ実行可能プログラムコードを有するコンピュータ可読媒体上のコンピュータプログラムプロダクトの形態をとることができる。
【0072】
矢印は、2つ以上のエンティティを含む通信、転送、又は他のアクティビティを表すために図面で使用され得ることに留意すべきである。両方向矢印は、一般に、活動が両方の方向(例えば、一方の方向のコマンド/要求と、他方の方向の対応する応答、又はいずれかのエンティティによって開始されたピアツーピア通信である)で起こり得ることを示すが、状況によっては、必ずしも両方の方向で活動が起こるとは限らない場合もある。
【0073】
一方向矢印は、一般に、もっぱら又は主に一方向の活動を示すことができるが、特定の状況では、そのような方向の活動は、実際には両方向の活動(例えば、送信者から受信者へのメッセージ及び受信者から送信者への確認応答、又は転送前の接続の確立及び転送後の接続の終了)を含み得ることに留意すべきである。したがって、特定の活動を表すために特定の図面で使用される矢印のタイプは例示的なものであり、限定的であると見なされるべきではない。
【0074】
態様は、方法及び装置のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して、並びに方法及び/又は装置によって生成されたグラフィカルユーザインターフェースの幾つかのサンプルビューを参照して、前述されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、及び/又はフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせ、並びにグラフィカルユーザインターフェースは、コンピュータ実行可能プログラムコードによって実装できることが理解され得る。
【0075】
コンピュータ実行可能プログラムコードは、特定の機械を製造するために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行されるプログラムコードは、フローチャート、ブロック図ブロック又は複数のブロック、図、及び/又は記述された説明で指定された機能/動作/出力を実施するための手段を作成する。
【0076】
これらのコンピュータ実行可能プログラムコードはまた、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、その結果、コンピュータ可読メモリに記憶されたプログラムコードは、フローチャート、ブロック図ブロック、図、及び/又は記述で指定された機能/動作/出力を実施する命令手段を含む製品を製造する。
【0077】
コンピュータ実行可能プログラムコードはまた、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行される一連の動作ステップをコンピュータ実装プロセスを生成し、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行されるプログラムコードが、フローチャート、ブロック図ブロック、図、及び/又は明細書に指定された機能/動作/出力を実装するためのステップを提供するようにすることができる。或いは、コンピュータプログラム実施ステップ又は動作は、実施形態を実行するためにオペレータ又は人間が実施するステップ又は動作と組み合わされてもよい。
【0078】
「サーバ」及び「プロセッサ」などの用語は、特定の実施形態で使用され得るデバイスを説明するために本明細書で使用されてもよく、文脈上他に必要とされない限り、任意の特定のデバイスタイプに限定すると解釈されるべきではないことに留意すべきである。したがって、デバイスは、ブリッジ、ルータ、ブリッジルータ(ルータ)、スイッチ、ノード、サーバ、コンピュータ、機器、又は他のタイプのデバイスを含むことができるが、これらに限定されない。そのようなデバイスは、典型的には、通信ネットワークを介して通信するための1つ以上のネットワークインターフェースと、それに応じてデバイス機能を実行するように構成されたプロセッサ(例えば、メモリ及び他の周辺機器及び/又は特定用途向けハードウェアを備えたマイクロプロセッサ)とを含む。
【0079】
通信ネットワークは、一般に、パブリックネットワーク及び/又はプライベートネットワークを含んでもよく、ローカルエリア、ワイドエリア、メトロポリタンエリア、ストレージ、及び/又は他のタイプのネットワークを含んでもよく、これらに限られるわけではないが、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含む通信技術を使用することができる。
【0080】
デバイスは、通信プロトコル及びメッセージ(例えば、デバイスによって作成、送信、受信、記憶、及び/又は処理されたメッセージ)を使用してもよく、そのようなメッセージは、通信ネットワーク又は媒体によって伝達されてもよいことにも留意すべきである。
【0081】
文脈がそうでないことを要求しない限り、本開示は、任意の特定の通信メッセージタイプ、通信メッセージフォーマット、又は通信プロトコルに限定されると解釈されるべきではない。したがって、通信メッセージは、一般に、フレーム、パケット、データクラム、ユーザデータクラム、セル、又は他のタイプの通信メッセージを含み得るが、これらに限定されない。
【0082】
文脈がそうでないことを要求しない限り、特定の通信プロトコルへの言及は例示的なものであり、代替の実施形態は、必要に応じて、そのような通信プロトコル(例えば、時々行われ得るプロトコルの修正又は拡張)の変形、又は将来既知もしくは開発される他のプロトコルを使用することができることを理解すべきである。
【0083】
論理フローは、様々な態様を実証するために本明細書に記載されてもよく、本開示を任意の特定の論理フロー又は論理実装に限定すると解釈されるべきではないことにも留意すべきである。記載された論理は、全体的な結果を変更することなく、異なる論理ブロック(例えば、プログラム、モジュール、機能、又はサブルーチン)に分割することができる。
【0084】
多くの場合、論理要素は、全体的な結果を変更することなく、追加、修正、省略、異なる順序での実行、又は異なる論理構造(例えば、論理ゲート、ルーピングプリミティブ、条件付き論理、及び他の論理構造)を使用した実装が可能である。
【0085】
本開示は、限定するものではないが、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、又は汎用コンピュータ)と共に使用するためのコンピュータプログラムロジック、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のPLD)と共に使用するためのプログラマブルロジック、個別の構成要素、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、又はそれらの任意の組み合わせを含む任意の他の手段を含む多くの異なる形態で実施されてもよく、記載された機能の一部又は全てを実施するコンピュータプログラムロジックは、一般に、コンピュータ実行可能形態に変換され、コンピュータ可読媒体にそのように記憶され、オペレーティングシステムの制御下でマイクロプロセッサによって実行されるコンピュータプログラム命令のセットとして実施される。記載された機能の一部又は全てを実装するハードウェアベースのロジックは、1つ以上の適切に構成されたFPGAを使用して実装されてもよい。
【0086】
本明細書で前述した機能の全部又は一部を実装するコンピュータプログラム論理は、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、及び様々な中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ、又はロケータによって生成されたフォーム)を含むがこれらに限定されない様々な形式で具現化されてもよい。
【0087】
ソースコードは、様々なオペレーティングシステム又は動作環境で使用するための様々なプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、又はFortran、C、C++、JAVA、もしくはHTMLなどの高級言語)のいずれかで実装された一連のコンピュータプログラム命令を含むことができる。ソースコードは、様々なデータ構造及び通信メッセージを定義及び使用することができる。ソースコードは、(例えば、インタプリタを介した)コンピュータ実行可能形式であってもよく、又はソースコードは、(例えば、トランスレータ、アセンブラ、又はコンパイラを介してコンピュータ実行可能形式に変換)されてもよい。
【0088】
本開示の実施形態の動作を実行するためのコンピュータ実行可能プログラムコードは、Java、Perl、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向、スクリプト化、又はスクリプト化されていないプログラミング言語で書かれていてもよい。しかしながら、実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードはまた、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語で書かれてもよい。
【0089】
本明細書で前述した機能の全部又は一部を実装するコンピュータプログラム論理は、単一のプロセッサ(例えば、同時に)上で異なる時間に実行されてもよく、又は複数のプロセッサ上で同じ又は異なる時間に実行されてもよく、単一のオペレーティングシステムプロセス/スレッドの下で、又は異なるオペレーティングシステムプロセス/スレッドの下で実行されてもよい。
【0090】
したがって、「コンピュータプロセス」という用語は、一般に、異なるコンピュータプロセスが同じ又は異なるプロセッサ上で実行されるかどうかにかかわらず、また異なるコンピュータプロセスが同じオペレーティングシステムプロセス/スレッド又は異なるオペレーティングシステムプロセス/スレッドの下で実行されるかどうかにかかわらず、コンピュータプログラム命令のセットの実行を指すことができる。
【0091】
コンピュータプログラムは、任意の形態(例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、又は中間形式)で、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、又は他のメモリデバイスなどの有形の記憶媒体に恒久的又は一時的に固定されてもよい。
【0092】
コンピュータプログラムは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含むがこれらに限定されない様々な通信技術のいずれかを使用してコンピュータに送信可能な信号の任意の形態で固定されてもよい。
【0093】
コンピュータプログラムは、添付の印刷又は電子文書(例えば、シュリンクラップソフトウェア)を備えたリムーバブル記憶媒体として任意の形態で配布されてもよく、コンピュータシステム(例えば、システムROM又は固定ディスク上)にプリロードされてもよく、又は通信システム(例えば、インターネット又はワールド・ワイド・ウェブ)を介してサーバ又は電子掲示板から配布されてもよい。
【0094】
本明細書で前述した機能の全部又は一部を実装するハードウェアロジック(プログラマブルロジックデバイスで使用するためのプログラマブルロジックを含む)は、従来の手動方法を使用して設計されてもよく、又はコンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDL又はAHDL)、もしくはPLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、又はCUPL)などの様々なツールを使用して電子的に設計、キャプチャ、シミュレート、もしくは文書化されてもよい。
【0095】
任意の適切なコンピュータ可読媒体を利用することができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置、デバイス、又は媒体であってもよいが、これらに限定されない。
【0096】
コンピュータ可読媒体のより具体的な例には、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、又はポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、又は他の光もしくは磁気記憶デバイスなどの他の有形記憶媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
プログラマブル論理は、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、又は他のメモリデバイスなどの有形の記憶媒体に恒久的又は一時的に固定されてもよい。
【0098】
プログラマブルロジックは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含むがこれらに限定されない様々な通信技術のいずれかを使用してコンピュータに送信可能な信号に固定されてもよい。
【0099】
プログラマブルロジックは、添付の印刷又は電子文書(例えば、シュリンクラップソフトウェア)を備えたリムーバブル記憶媒体として配布されてもよく、コンピュータシステム(例えば、システムROM又は固定ディスク上)にプリロードされてもよく、又は通信システム(例えば、インターネット又はワールド・ワイド・ウェブ)を介してサーバ又は電子掲示板から配布されてもよい。もちろん、幾つかの態様は、ソフトウェア(例えば、コンピュータプログラムプロダクト)とハードウェアの両方の組み合わせとして実装されてもよい。更に他の実施形態は、完全にハードウェアとして、又は完全にソフトウェアとして実装されてもよい。
【0100】
特定の例示的な態様を説明し、添付の図面に示したが、そのような態様は例示的なものであり、実施形態は、上記の段落に記載したものに加えて、様々な他の変更、組み合わせ、省略、修正及び置換が可能であるため、図示及び説明した特定の構造及び配置に限定されないことを理解すべきである。
【0101】
当業者であれば分かるように、前述の実施形態の様々な適合、修正、及び/又は組み合わせを構成することができる。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本開示は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されてもよいことを理解すべきである。例えば、特に明記しない限り、本明細書に記載のプロセスのステップは、本明細書に記載の順序とは異なる順序で実行されてもよく、1つ以上のステップは、組み合わされてもよく、分割されてもよく、又は同時に実行されてもよい。
【0102】
また、当業者であれば分かるように、本開示を考慮して、本明細書に記載の異なる実施形態又は態様を組み合わせて他の実施形態を形成することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 燃料タンク
2 燃料ポンプ
3 温度センサ(燃料タンク)
4 第1の測定手段、圧力センサ
5 第2の測定手段、温度センサ(燃料パイプ)
6 第3の測定手段、燃料センサ
7 高圧ポンプ
8 燃料レール
9 燃料噴射器
10 制御ユニット
11 供給パイプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】