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特表2024-539745MSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置
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  • 特表-MSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】MSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/30 20230101AFI20241022BHJP
   C02F 11/04 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
C02F3/30 A
C02F11/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532268
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 CN2022125027
(87)【国際公開番号】W WO2024050919
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】202211080104.9
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524202579
【氏名又は名称】可事托環保設備(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】CORSTAR ENVIRONMENTAL EQUIPMENT SHANGHAI LTD
【住所又は居所原語表記】Room 2303, No. 88 North Cao Xi Road, Xuhui District Shanghai 200030, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】楊 企星
(72)【発明者】
【氏名】沈 磊
(72)【発明者】
【氏名】孫 ▲しん▼▲うぇい▼
【テーマコード(参考)】
4D040
4D059
【Fターム(参考)】
4D040BB32
4D040BB72
4D040BB91
4D059AA03
4D059BA11
4D059CA28
4D059EA01
4D059EA02
4D059EB02
(57)【要約】
本発明は、流入水分配装置、加水分解発酵槽及びそれに接続されたMSBRシステムを備え、流入水分配装置、加水分解発酵槽及びMSBRシステムがすべて外部のオンライン制御プラットフォームに接続される、MSBRシステムの耐水力衝撃機能及び脱窒・リン除去機能を強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置を開示する。この装置は、雨季で水量が多い状況でのMSBRシステムの活性汚泥の大量損失、流入水の炭素源の不足、脱窒・リン除去効率の低下の問題を効果的に補うことができ、システムの内部の炭素源を深く発掘して利用し、下水処理場のコストを効果的に削減し、MSBRシステムの耐水力衝撃動作の安定性及び信頼性を向上させることができ、脱窒・リン除去効果を高めるとともに、下水処理場の汚泥の原位置減量及び動作のためのエネルギー消費量の削減を達成することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置であって、
流入水分配装置(1)、加水分解発酵槽(2)及びそれに接続されたMSBRシステム(3)を備え、前記流入水分配装置(1)、前記加水分解発酵槽(2)及び前記MSBRシステム(3)は、すべて外部のオンライン制御プラットフォーム(4)に接続され、
前記流入水分配装置(1)は、分配管及び関連するバルブ計器を含み、前記MSBRシステム(3)への流入水量を分配するために使用され、前記加水分解発酵槽(2)の内部には、槽内に流入する汚泥を撹拌するための撹拌機(5)が設けられ、前記加水分解発酵槽(2)の外部には、前記MSBRシステム(3)内の汚泥を槽内に移送するための供給ポンプ(6)が接続されることを特徴とする、MSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項2】
前記流入水分配装置(1)は、
それぞれの途中に電磁流量計(8)が取り付けられた3本の管と、
前記電磁流量計(8)の前端の給水口に取り付けられた電動ボールバルブ(7)と、
第1汚泥濃度計(9)とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項3】
前記MSBRシステム(3)は、嫌気ユニット(10)、好気ユニット(13)、第1SBRユニット(16)及び第2SBRユニット(17)を含み、前記嫌気ユニット(10)の底部には、給水口が設けられ、前記給水口は、前記流入水分配装置(1)の中間管に接続され、前記好気ユニット(13)の底部には、給水口も設けられ、前記給水口は、前記流入水分配装置(1)の両側の管に接続されることを特徴とする、請求項2に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項4】
前記第1SBRユニット(16)及び前記第2SBRユニット(17)の内部には、前記第1汚泥濃度計(9)が設けられ、前記第1SBRユニット(16)及び前記第2SBRユニット(17)には、それぞれ汚泥返送ポンプ(20)が接続されることを特徴とする、請求項3に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項5】
前記MSBRシステム(3)は、順次接続されている泥水分離ユニット(18)、前無酸素ユニット(19)、嫌気ユニット(10)、第1無酸素ユニット(11)、第2無酸素ユニット(12)をさらに含み、第2無酸素ユニット(12)は、好気ユニット(13)に接続され、第1SBRユニット(16)、第2SBRユニット(17)は、汚泥返送ポンプ(20)を介して泥水分離ユニット(18)に接続され、第1無酸素/好気ユニット(14)、第2無酸素/好気ユニット(15)は、好気ユニット(13)に接続されることを特徴とする、請求項3に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項6】
前記加水分解発酵槽(2)のシェルには、第2汚泥濃度計(21)の開口部、ORP計(22)の開口部、pH計(23)の開口部、温度計(24)の開口部及び液面計(25)の開口部が設けられており、上記開口部の全てに対応する装置が取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項7】
前記加水分解発酵槽(2)のシェルの上端には、供給口(26)も設けられ、前記供給口(26)に接続された供給管の外部に前記供給ポンプ(6)が接続され、前記加水分解発酵槽(2)のシェルの外部には、複数本の還流管(27)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項8】
前記還流管(27)には、3本の管が含まれることを特徴とする、請求項7に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項9】
前記加水分解発酵槽(2)のシェルの上端には、溢流口(28)が設けられ、シェルの下端には、通気口(29)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項10】
前記MSBRシステム(3)と前記加水分解発酵槽(2)は、配管ダクトを介して接続されることを特徴とする、請求項1に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項11】
汚泥は、前記前無酸素ユニット(19)によって濃縮されることを特徴とする、請求項5に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項12】
濃縮された返送汚泥の一部は、前記供給ポンプ(6)を通過して前記加水分解発酵槽(2)に流入することを特徴とする、請求項1に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【請求項13】
前記加水分解発酵槽(2)に流入する汚泥の滞留時間は、1-3日間であることを特徴とする、請求項9に記載のMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水処理の技術分野に関し、特に、MSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理場は、雨季の間、雨水と下水の混合による大きな水力負荷沖撃と流入水の炭素源の不足という二重の苦境に直面することが多い。MSBRなどの活性汚泥処理装置は、過負荷状態にあり、反応時間及び処理程度が大幅に低下し、沈降領域の実際の水力負荷及び固体負荷が設計値をはるかに超えるため、活性汚泥の大量損失を引き起こしてシステムを崩壊させることが非常に容易になる。流入水の有機炭素源の濃度及び利用可能性は、MSBRシステムの脱窒・リン除去効果に影響を与える重要な要因である。信頼性の高い生物学的脱窒及びリン除去効果を得るために、通常、流入水のCOD/TKNが少なくとも5~8に達し、COD/TPが40以上に達することが要求され、ここで、流入水中の急速分解性有機物(rbCOD)又は短鎖脂肪酸(SCVFA)の濃度が特に重要であり、急速分解性有機物(rbCOD)とTPの比率は、少なくとも18~20以上であり、又はVFA/TP≧4~7でなければならず、嫌気領域の揮発性脂肪酸VFAの濃度は、少なくとも28mg/Lに達しなければならない。
【0003】
しかしながら、中国の既存の大部分の下水処理場の流入水の水質は、関連する炭素源の最低要件を達成することが困難であり、雨季の場合での合流した下水の濃度がさらに希釈されると、流入水の炭素源が不足し、特に流入水の急速分解性有機物(rbCOD)又は短鎖脂肪酸(SCVFA)の含有量が十分ではなく、プロセスの脱窒・リン除去能力が深刻に制約される。雨季に水量が多い場合でのMSBRシステムの生物学的脱窒・リン除去効率を向上させ、排水の全窒素(TN)、全リン(TP)の基準値での排出を実現するために、多くの場合、流入水量を厳しく制御し、有機炭素源を補給するためにグルコース、酢酸ナトリウム、メタノールなどを添加し、又は化学的リン除去剤を添加する必要があるため、下水処理場の運営コストを増加させ、システムの動作安定性に影響を与え、同時に受入水域の汚染程度を悪化させる。
【0004】
特許「改良型MSBRプロセス下水処理システム」の主な改善点は、薬剤溶解プールを追加し、水質を基準に達させるために関連薬剤を投入することにあるが、大負荷下での流入水量の分流と炭素源の不足の問題について言及されていない。
【0005】
特許「脱窒を強化する都市下水処理システム及びプロセス」では、MSBRの機能区画が再設計されるが、主な改善点は、前無酸素ゾーンに給水ポイントを追加することにより、返送汚泥及び流入水が急速に混合され、それによって嫌気状態に達することにあるが、MSBRに基づく大きな水力負荷沖撃負荷と炭素源の不足の問題が同様に考慮されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の欠点を解決するために、流入水分配装置、加水分解発酵槽及びそれに接続されたMSBRシステムを備え、前記流入水分配装置、前記加水分解発酵槽及び前記MSBRシステムがすべて外部のオンライン制御プラットフォームに接続される、MSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記流入水分配装置は、分配管及び関連するバルブ計器を含み、前記MSBRシステムへの流入水量を分配するために使用され、前記加水分解発酵槽の内部には、槽内に流入する汚泥を撹拌するための撹拌機が設けられ、前記加水分解発酵槽の外部には、MSBRシステム内の汚泥を槽内に移送するための供給ポンプが接続される。
【0008】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記流入水分配装置は、
それぞれの途中に電磁流量計が取り付けられた3本の管と、
前記電磁流量計の前端の給水口に取り付けられた電動ボールバルブと、
第1汚泥濃度計とを含む。
【0009】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記MSBRシステムは、嫌気ユニット、好気ユニット、第1SBRユニット及び第2SBRユニットを含み、前記嫌気ユニットの底部には、給水口が設けられ、前記給水口は、前記流入水分配装置の中間管に接続され、前記好気ユニットの底部には、給水口も設けられ、前記給水口は、前記流入水分配装置の両側の管に接続される。
【0010】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記第1SBRユニット及び前記第2SBRユニットの内部には、前記第1汚泥濃度計が設けられ、前記第1SBRユニット及び前記第2SBRユニットには、それぞれ汚泥返送ポンプが接続される。
【0011】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記MSBRシステムは、順次接続されている泥水分離ユニット(18)、前無酸素ユニット(19)、嫌気ユニット(10)、第1無酸素ユニット、第2無酸素ユニットをさらに含み、第2無酸素ユニットは、好気ユニットに接続され、第1SBRユニット、第2SBRユニットは、汚泥返送ポンプを介して泥水分離ユニットに接続され、第1無酸素/好気ユニット、第2無酸素/好気ユニットは、好気ユニットに接続される。
【0012】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記加水分解発酵槽のシェルには、第2汚泥濃度計の開口部、ORP計の開口部、pH計の開口部、温度計の開口部及び液面計の開口部が設けられており、上記開口部の全てに対応する装置が取り付けられる。
【0013】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記加水分解発酵槽のシェルの上端には、供給口も設けられ、前記供給口に接続された供給管の外部に前記供給ポンプが接続され、前記加水分解発酵槽のシェルの外部には、複数の還流管が設けられる。
【0014】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記還流管には、3本の管が含まれる。
【0015】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記加水分解発酵槽は、シェルの上端に溢流口が設けられ、シェルの下端に通気口が設けられる。
【0016】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記MSBRシステムと前記加水分解発酵槽は、配管ダクトを介して接続される。
【0017】
上記技術的解決策のさらなる説明として、汚泥は、前記前無酸素ユニットによって濃縮される。
【0018】
上記技術的解決策のさらなる説明として、濃縮された返送汚泥の一部は、前記供給ポンプを通過して前記加水分解発酵槽に流入する。
【0019】
上記技術的解決策のさらなる説明として、前記加水分解発酵槽に流入する汚泥の滞留時間は、1-3日間である。
【0020】
本発明は、次のような有益な効果を有する。
1、本発明は、多地点への流入水の分配の技術を改良することにより、雨季の場合のMSBRシステムの処理能力を乾季の場合の設計流量の400%~500%以上に増加させ、雨季の水量過負荷動作状況での活性汚泥の大量損失によって引き起こされるMSBRシステムの崩壊を効果的に回避することができる。
【0021】
2、MSBRシステムの両側のSBRユニットの動作サイクルを調整することにより、MSBRシステムは、沈降及び排水を同時に実行する状態になり、この場合、MSBRシステムの沈降領域に耐えられる固体負荷及び水力負荷の両方は、従来の動作モードに比べて2倍増加する。
【0022】
3、本発明は、分流処理後、大量の活性汚泥がMSBRシステムの沈降領域に持ち込まれることを回避し、それによって沈降領域への流入固形物負荷を減らし、大量の汚泥が損失され、及び排水の水質が基準を超えることを回避することができる。
【0023】
4、本発明は、MSBRシステムが雨季に低濃度の大きな水力衝撃負荷を効果的に処理することを確保することができ、同時に、水量が減少した後、通常の水質濃度及び水量に対するMSBRシステムの処理能力を迅速に回復させることができる。
【0024】
5、本発明は、MSBRシステムの独特の返送汚泥濃縮機能を利用し、即ち返送汚泥を泥水分離ユニットに移送して濃縮し、次に前無酸素ユニットに流入させて濃縮し、濃縮された返送汚泥の一部を供給口から供給ポンプを経て加水分解発酵槽に流入させて1~3日間滞留させ、また、撹拌機を間欠的に起動して撹拌羽根を駆動して加水分解発酵槽の内部で撹拌することにより、速分解性有機物(rbCOD)又は短鎖脂肪酸(SCVFA)を多く含む混合液を還流管を介してMSBRシステムの嫌気ユニットに還流させて炭素源の補給を行うことができ、嫌気ユニットで間欠的に撹拌して活性汚泥による炭素源の利用・増殖を強化することができ、これにより、MSBRシステムの脱窒・リン除去を強化する効果を達成する。
【0025】
6、本発明は、MSBRシステムの濃縮汚泥を側流で加水分解発酵(SSH)し、「内部炭素源」を最大限に活用することにより、有機炭素源を補給するためにグルコース、酢酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどを追加的に添加し、又は化学的リン除去剤を添加する必要がなく、MSBRシステムの脱窒・リン除去効果及び動作安定性の最適化を達成し、同時に動作コストを削減することもできる。
【0026】
7、本発明は、雨季に水量が多い場合のMSBRシステムの流入水の炭素源の不足、脱窒・リン除去効率の低下の問題を効果的に補い、システム内部の炭素源を深く発掘して利用し、下水処理場のコストを効果的に削減し、MSBRシステムの動作安定性及び信頼性を高めることができ、脱窒・脱リン効果を高めるとともに、下水処理場の汚泥の原位置減量及び動作のためのエネルギー消費量の削減を達成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明で提供されるMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置の原理図である。
図2】本発明で提供されるMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置の別の原理図である。
図3】本発明で提供されるMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置の加水分解発酵槽の側面図である。
図4】本発明で提供されるMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置の加水分解発酵槽の正面図である。
図5】本発明で提供されるMSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置での加水分解発酵槽の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明の実施例の図面を参照して本発明の実施例における技術的解決策を明確且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要せずに取得したすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0029】
図1図5を参照すると、本発明で提供される実施例は、次のとおりである。MSBRシステムを強化するために、流入水の分配及び濃縮汚泥の発酵に使用される装置は、流入水分配装置1、加水分解発酵槽2及びそれに接続されたMSBRシステム3を備え、流入水分配装置1、加水分解発酵槽2及びMSBRシステム3は、すべて外部のオンライン制御プラットフォーム4に接続され、加水分解発酵槽2の内部には、槽内に流入する汚泥を攪拌するための撹拌機5が設けられる。
【0030】
上記技術的解決策によれば、雨季に水力沖撃負荷が大きい場合、流入水分配装置1は、電動ボールバルブ7により流入水の流速を制御するとともに、電磁流量計8によりリアルタイムな流入水の流量を計測して、流入水の合理的な制御及び分配を行う。
【0031】
雨水の初期段階では、初期の雨水中の汚染物質の濃度が高く、水量が乾季の設計流量の1.5倍に増加すると、希釈された雨水が流入し始め、このとき、システムは、分流モードをオンにすることができる。
【0032】
図1及び図2を参照すると、流入水分配装置1は、流入水を、嫌気ユニット10と好気ユニット13の先頭領域及び末端領域にそれぞれ移送し、このとき、嫌気ユニット10の流入水量が乾季の設計流量の1-1.5倍になり、嫌気ユニット10で処理した後、嫌気ユニット10内の混合液を第1無酸素ユニット11と第2無酸素ユニット12に移送して脱窒し、脱窒された下水が好気ユニット13に入って有機物が分解され、分解された下水が第1無酸素/好気ユニット14、第2無酸素/好気ユニット15により硝化・脱窒が強化されて第1SBRユニット及び第2SBRユニット17に移送されて沈降し、沈降した汚泥を泥水分離ユニット18に移送して分離及び濃縮させ、濃縮された汚泥を前無酸素ユニット19に移送してさらに処理し、配管を介して嫌気ユニット10又は汚泥供給ポンプ6を介して加水分解発酵槽2に移送し、同時に泥水分離ユニット18は、配管を介して濃縮後の上澄み液を好気ユニット13に移動して反応を継続する。
【0033】
さらに、前記オンライン制御プラットフォーム4は、MSBRシステム3の第1SBRユニット16と第2SBRユニット17の動作サイクルを調整することにより、MSBRシステム3は、沈降及び排水を同時に実行する状態になる。
【0034】
流入水分配装置1を経て好気ユニット13の先頭領域及び末端領域に分配された残りの水量に対して、汚泥返送ポンプ20によって汚泥を第1SBRユニット16と第2SBRユニット17から泥水分離ユニット18にそれぞれ返送し、周波数変換器によって制御し、雨季に流量が大きい時に汚泥返送を強化して汚泥の損失を回避する。ここで、汚泥濃度計9は、MSBRシステムの第1SBRユニット16と第2SBRユニット17にそれぞれ設けられ、沈降・排水期間の第1SBRユニット16及び第2SBRユニット17の汚泥濃度及び泥層の高さの変化を監視し、流量の分配及び返送汚泥量の調整を行うために使用される。
【0035】
MSBRシステム内の汚泥は、第1SBRユニット16及び第2SBRユニット17に設けられた汚泥返送ポンプ20を通過し、MSBRシステム3の独特の返送汚泥濃縮機能を利用し、返送汚泥を泥水分離ユニット18に移送して濃縮し、次に前無酸素ユニット19に流入させて濃縮し、濃縮された返送汚泥の一部を供給口6から供給ポンプ26を経て加水分解発酵槽2に流入させて1~3日間滞留させ、撹拌機5を間欠的に起動して撹拌羽根を駆動して加水分解発酵槽2の内部で撹拌することにより、速分解性有機物(rbCOD)又は短鎖脂肪酸(SCVFA)を多く含む混合液を還流管27を介してMSBRシステム3の嫌気ユニット10に還流させて炭素源の補給を行うことができ、これにより、MSBRシステムの脱窒・リン除去を強化する効果を達成するが、消化され安定した残りの汚泥は、加水分解発酵槽2の下部の通気口29から排出され、排出された汚泥は、乾燥、再利用等の次の工程で処理される。
【0036】
さらに、加水分解発酵槽2のシェルには、第2汚泥濃度計21の開口部、ORP計22の開口部、pH計23の開口部、温度計24の開口部及び液面計25の開口部が設けられており、上記開口部の全てに対応する装置が取り付けられ、上記装置は、すべて加水分解発酵槽2の上端付近に設けられ、OPR計6は、加水分解発酵槽2内のOPR値、即ち酸化還元電位を検出するために使用され、pH計23は、混合液のpH値を監視するために使用され、温度計24及び液面計25は、混合液の温度及び液面の高さを監視するために使用される。
【0037】
上記計器によって検出されたすべてのデータは、オンライン制御プラットフォーム4により監視され、オンライン制御プラットフォーム4は、上記機器及び計器を制御及び監視することができ、同時にMSBRシステム3の動作サイクルなどの関連パラメータの設定を調整することもできる。
【0038】
さらに、活性汚泥の加水分解プロセス及び効率に影響を与える重要なパラメータは、温度、SRT、MLSS、pH値、発酵槽の混合条件などを含み、他の条件が変わらない場合、汚泥の加水分解速度と汚泥濃度は、一定の範囲内で線形関係になる。MSBRシステムの濃縮汚泥の供給濃度は、通常、8000~12000mg/Lに達することができ、従来の活性汚泥加水分解の汚泥濃度約3000mg/Lに比べて、MSBRシステム3と加水分解発酵槽2を組み合わせして使用することにより、汚泥加水分解発酵装置の加水分解速度を大幅に向上させることができ、同時に加水分解により生成される速分解性有機物(rbCOD)又は短鎖脂肪酸(SCVFA)の濃度を少なくとも1倍高めることができ、同時に加水分解発酵装置の汚泥滞留時間(SRT)が長すぎて活性汚泥の嫌気加水分解プロセスがメタン生成段階に入ること、及び装置容積が大きすぎるなどの欠点を回避することができる。
【0039】
さらに、前記加水分解発酵槽2のシェルの上端には、供給口26も設けられ、供給口26に接続された供給管の外部に供給ポンプ6が接続され、加水分解発酵槽2のシェルの外部には、複数本の還流管27が設けられ、濃縮された返送汚泥の一部は、供給口26から供給ポンプ6を経て加水分解発酵槽に流入し、供給口26は、加水分解発酵槽2の上方に設けられ、より多くの返送汚泥を通過させることができる。
【0040】
さらに、還流管27に3本の管が含まれるため、速分解性有機物(rbCOD)又は短鎖脂肪酸(SCVFA)の混合液は、複数本の還流管27を通過してMSBRシステム3の嫌気ユニットに返送されてMSBRシステム3の炭素源を補給することができ、これにより、脱窒・リン除去効果が強化される。
【0041】
さらに、安定化された返送汚泥が通気口29から排出された後、ORP計22及びpH計23によって監視された、対応する値に基づいて、返送汚泥の増加量をそれに応じて調整することができる。
【0042】
さらに、MSBRシステム3と加水分解発酵槽2は、配管ダクトを介して接続され、MSBRシステム3と加水分解発酵槽2を一体化することもでき、装置全体の体積を小さくすることができる。
【0043】
さらに、汚泥は、前無酸素ユニット19によって濃縮される。
【0044】
さらに、濃縮された返送汚泥の一部は、供給ポンプ6を通過して加水分解発酵槽2に流入する。
【0045】
さらに、加水分解発酵槽2に流入する汚泥の滞留時間は、1-3日間であり、好ましくは2日間であり、これにより、汚泥から分離された急速分解性有機物(rbCOD)又は短鎖脂肪酸(SCVFA)の含有量を大幅に増加させることができ、一度に十分な炭素源を補給することができる。
【0046】
最後、説明すべきものとして、上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、上記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として上記の各実施例に記載される技術的解決策を変更し、又はその中の一部の技術的特徴に対して同等入れ替えを行うことができ、本発明の精神と原則内で行われるいかなる変更、同等入れ替えと改善などはいずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0047】
1 流入水分配装置
2 加水分解発酵槽
3 MSBRシステム
4 オンライン制御プラットフォーム
5 撹拌機
6 供給ポンプ
7 電動ボールバルブ
8 電磁流量計
9 第1汚泥濃度計
10 嫌気ユニット
11 第1無酸素ユニット
12 第2無酸素ユニット
13 好気ユニット
14 第1無酸素/好気ユニット
15 第2無酸素/好気ユニット
16 第1SBRユニット
17 第2SBRユニット
18 泥水分離ユニット
19 前無酸素ユニット
20 汚泥返送ポンプ
21 第2汚泥濃度計
22 ORP計
23 pH計
24 温度計
25 液面計
26 供給口
27 還流管
28 溢流口
29 通気口
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】