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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】凝縮設備
(51)【国際特許分類】
   F28B 1/06 20060101AFI20241022BHJP
   B01D 5/00 20060101ALI20241022BHJP
   F01K 9/00 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
F28B1/06
B01D5/00 A
F01K9/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545061
(86)(22)【出願日】2023-05-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 DE2023100331
(87)【国際公開番号】W WO2023217319
(87)【国際公開日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】102022111503.8
(32)【優先日】2022-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524137514
【氏名又は名称】ケルヴィオン・サーマル・ソルーションズ・ホールディング・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ギュルトナー・ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ゲリフ・グザヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】バリトー・ニコラ
【テーマコード(参考)】
4D076
【Fターム(参考)】
4D076AA24
4D076BC02
4D076CB07
4D076EA05Z
4D076EA11Z
4D076HA20
4D076JA03
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、蒸気2の凝縮のための、上方へと整向された管束10、11を有する凝縮設備1に関し、この凝縮設備が、以下の特徴:即ち、a) 空気チャンバー14が、上側面17と、下側面15と、管束10、11によって形成され、垂直線Vに対して逆方向に傾斜された2つの長手方向側面27と、並びに、冷却空気16に関して不透過性の端側面30とを有する、上方へと拡幅する台形状の断面を備えており;b) 前記上側面17が、加熱された冷却空気16のための少なくとも1つの流出開口部を備えており、前記流出開口部内において、ファン18が位置しており、このファンが、前記管束10、11を通って外方から来る、より冷たい冷却空気16を、前記空気チャンバー14内へと吸引するために構成されており;c) 前記管束10、11が、熱交換器管体を備えており、これら熱交換器管体が、これら熱交換器管体の端部でもって、蒸気分配導管8、9と、凝縮液集積導管12、13とに接続されており、両方の前記長手方向側面27のそれぞれの長手方向側面において、これら蒸気分配導管8、9の内の1つの蒸気分配導管と、これら凝縮液集積導管12、13の内の1つの凝縮液集積導管とが配置されており;d) 前記管束10、11が、それぞれに垂直線Vに対して12°から18°までの範囲内における角度W1において起立しており、前記管束10、11が、前記蒸気分配導管8、9において、相互に第1の間隔A1をおいて延びており、且つ、前記凝縮液集積導管12、13において、相互に第2の間隔A2をおいて延びており、第2の前記間隔A2が、第1の前記間隔A1の少なくとも1/3である、ことの特徴を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気(2)の凝縮のための、上方へと整向された管束(10、11)を有する凝縮設備(1)において、この凝縮設備が、以下の特徴:即ち、
a) 空気チャンバー(14)が、
上側面(17)と、下側面(15)と、管束(10、11)によって形成され、垂直線(V)に対して逆方向に傾斜された2つの長手方向側面(27)と、並びに、冷却空気(16)に対して不透過性の端側面(30)とを有する、
上方へと拡幅する台形状の断面を備えており;
b) 前記上側面(17)が、加熱された冷却空気(16)のための少なくとも1つの流出開口部を備えており、
前記流出開口部内において、ファン(18)が位置しており、
このファンが、前記管束(10、11)を通って外方から来る、より冷たい冷却空気(16)を、前記空気チャンバー(14)内へと吸引するために構成されており;
c) 前記管束(10、11)が、熱交換器管体を備えており、
これら熱交換器管体が、これら熱交換器管体の端部でもって、蒸気分配導管(8、9)と、凝縮液集積導管(12、13)とに接続されており、
両方の前記長手方向側面(27)のそれぞれの長手方向側面において、これら蒸気分配導管(8、9)の内の1つの蒸気分配導管と、これら凝縮液集積導管(12、13)の内の1つの凝縮液集積導管とが配置されており;
d) 前記管束(10、11)が、それぞれに垂直線(V)に対して12°から18°までの範囲内における角度(W1)において起立しており、
前記管束(10、11)が、前記蒸気分配導管(8、9)において、相互に第1の間隔(A1)をおいて延びており、且つ、前記凝縮液集積導管(12、13)において、相互に第2の間隔(A2)をおいて延びており、
第2の前記間隔(A2)が、第1の前記間隔(A1)の少なくとも1/3である、
ことの特徴を有することを特徴とする凝縮設備(1)。
【請求項2】
前記管束(10、11)は、前記垂直線(V)に対して15°±1°の角度において配置されていることを特徴とする請求項1に記載の凝縮設備(1)。
【請求項3】
第1の前記間隔(A1)は、9,000mmから12,000mmまでの範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の凝縮設備(1)。
【請求項4】
前記空気チャンバー(14)は、モジュール的な構造様式において、複数の空気チャンバーモジュール(28)から形成されており、
それぞれの空気チャンバーモジュール(28)が、ファン(18)を有しており、および、
これら空気チャンバーモジュール(28)が、これら空気チャンバーモジュールの端側面(30)において、互いに結合されており、
従って、これら空気チャンバーモジュール(28)の前記蒸気分配導管(8、9)と前記凝縮液集積導管(12、13)とが、互いに結合されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の凝縮設備(1)。
【請求項5】
それぞれのファン(18)は、ファンリング(19)内において配設されており、前記ファンリング(19)が、前記蒸気分配導管(8、9)の間に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の凝縮設備(1)。
【請求項6】
前記ファンリング(19)の直径は、前記蒸気分配導管(8、9)の第1の前記間隔(A1)を規定し、且つ、1つの空気チャンバーモジュール(28)の長さ(L1)も規定し、
それぞれの空気チャンバーモジュール(28)が、前記蒸気分配導管(8、9)の高さ領域内において、基本的に正方形の断面を有していることを特徴とする請求項5に記載の凝縮設備(1)。
【請求項7】
前記空気チャンバー(14)は、高くされた位置において、スタンド機構(23)の上に配置されており、
このスタンド機構が、前記空気チャンバー(14)の前記下側面(15)の下方に位置しており、且つ、前記凝縮設備(1)の基礎面(G)の幅(B2)を区画し、
この幅が、前記蒸気分配導管(8、9)における前記管束(10、11)の前記間隔(A1)よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の凝縮設備(1)。
【請求項8】
前記基礎面(G)の前記幅(B1)は、前記凝縮液集積導管(12、13)の高さ領域内における前記凝縮設備(1)の前記幅(B2)に相応することを特徴とする請求項7に記載の凝縮設備(1)。
【請求項9】
前記管束(10、11)は、7,000から11,000mmまでの範囲内における長さを有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の凝縮設備(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴に従う凝縮設備に関する。
【背景技術】
【0002】
タービン蒸気またはプロセス蒸気の凝縮のための設備は、極めて大きな規模におけるエネルギー技術的な分野において、長年にわたって使用されている。これら設備は、空気冷却される熱交換器の特別な使用形態として見なされ得る。
空気冷却される熱交換器は、化学産業、石油化学産業、および、発電産業の種々のプロセス内において、周囲空気を用いての流体の冷却のために利用される。これら熱交換器は、基本的に、熱交換器管体から成り、これら熱交換器管体が、熱伝達の改善のために、外側にリブが装備されている。
熱伝導と対流とによる熱交換器を用いての、冷却媒体空気に対する熱伝達は、しばしば、乾燥冷却と称される。空気冷却される熱交換器の熱交換器管体は、溶接された管板によって、いわゆる管束へと統合される。1つの管束が、平行な1つまたは複数の列の熱交換器管体を有することは可能である。
【0003】
熱交換器管体への、冷却されるべき蒸気の流入は、蒸気分配導管を用いて行われ、これら蒸気分配導管が、上側の管板に配置されている。凝縮液の流出、および、未だに凝縮されていない蒸気の分配は、凝縮液集積装置を介して行われ、この凝縮液集積装置が、下側の管板に配置されている。冷却媒体空気は、吸引または加圧するように配置されているファンを用いて、熱交換器管体を通って搬送される。
A字形の構造様式において、ファンは、加圧する状態の配置において、屋根形状に配置された熱交換器管体の下方に位置している。ファンを有する、屋根形状に配置された熱交換器管体は、支持構造体によって担持される。ファンは、ファンブラケットによって担持される。反対向きにされた構造様式は、V字形状と称される。
同様に更なる構造形態も言及され得、これら構造形態において、垂直方向に配置された管束が、互いに間隔をおいて配置されており、且つ、水平方向の断面内において多角形の空気チャンバーを区画している。同様に、ほぼ水平方向に配置された管束を有する構造形態も存在する。
【0004】
下側に位置するファンを有する、標準のA字形の構造様式は、個々の多数のモジュールを互いに結合すること、および、A字形に配置された管束の多数の列を相並んで配置することを可能にする。但し、この構造様式は、ファンの下方で、十分に大きな吸気室を必要とし、且つ、従って、相応して大きな基礎面を、相応する大きな下側構造と共に必要とする。
【0005】
管束のV字形状の配置は、幾分より低い構造様式を可能とし、且つ、同様に、列状の複数の管束の配置を可能にする。A字形の形状と比較して、ファンが、比較的に高く組み付けされる必要があることは欠点である。
ファンはより大きな高さにおいて支持することの手間暇は、同様に、相応して手間暇がかかる下部構造を必要とする。必要な基礎面は、全く同様に、A字形の形状においてのように大きい。
【0006】
管束の垂直方向の配置は、約30°だけ傾斜されている管束(A字形の形状またはV字形の形状)と比較して、下方へと流出する凝縮液が、管束の分縮的な切り替えの際に、即ち、凝縮されるべき蒸気が下方から上方へと凝縮液の流出方向とは逆に流動する場合、蒸気流をより容易にブロックすることの欠点を有している。
凝縮可能な蒸気の流動速度および量は、従って、分縮的に作動する管束の内部で制限されている。A字形の形状またはV字形の形状においてのような、傾斜させられた管束において、凝縮液は、重力によって、管体の下側の領域内において集積する。
【0007】
遥かに稀に個々の管体の溢れという事態となり、従って、同様に分縮的に作動する管束も、より高い蒸気速度でもって作動され得る。凝縮性能は、傾斜させられた管束における分縮的な作動状態において、直接的な比較において、より高い。
凝縮的な作動方法と、分縮的な作動方法とにおける管束が、通常、互いに組み合わせられるので、制限する要因は、分縮的な管束である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底をなす課題は、高い凝縮性能を可能にし、且つ、同時に、安いコストで達成され得る、凝縮設備を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1の特徴を有する凝縮設備によって解決される。
【0010】
従属請求項は、本発明の有利な更なる構成に関している。
【発明の効果】
【0011】
本発明に従う凝縮設備は、蒸気の凝縮のための、上方へと整向された管束を備えている。記載「上方へと整向された」は、管束の管体が、下方から上方へと延びていることを意味する。蒸気は、上方から下方へと流動する。
凝縮設備は、この目的のために、空気チャンバーを備えており、この空気チャンバーが、上方へと拡幅している。概念「上方へ」は、「地球の引力とは逆」の意味において理解されるべきである。本発明の趣旨における「垂直線」は、地球の引力に相応して、上方から下方へと延びている。記載「幅」は、前記「垂直線」に対して直交して、即ち水平方向において測定される。
【0012】
空気チャンバーは、より幅広の上側面と、より幅狭の下側面と、垂直線に対して傾斜された2つの長手方向側面とを有する、台形状の断面を備えており、その際、この長手方向側面が、管束によって形成されている。端側面は、空気チャンバーを閉鎖している。これら端側面は、冷却空気に対して不透過性である。
【0013】
冷却空気は、管束を横切って吸引され、従って、管束の管体が、外側で、冷却空気によって周囲を流過される。空気チャンバーの前記上側面は、流出開口部を備えている。
この流出開口部内において、ファンが位置しており、このファンが、特に外方にリブ状にされた前記管束の管体の間を横切って外方から来る、より冷たい冷却空気を、空気チャンバー内へと吸引するため、および、加熱された冷却空気として、この流出開口部から輸送するために構成されている。
【0014】
上方に整向された管束は、熱交換器管体を備えており、これら熱交換器管体が、これら熱交換器管体の上側の端部でもって、一方では、蒸気分配導管と、および、これら熱交換器管体の下側の端部でもって、他方では、凝縮液集積導管とに接続されており、その際、両方の前記長手方向側面のそれぞれの長手方向側面において、これら蒸気分配導管の内の1つの蒸気分配導管と、これら凝縮液集積導管の内の1つの凝縮液集積導管とが配置されている。
本発明に従い、上方に整向された管束が、それぞれに垂直線に対して12°から18°までの範囲内における角度において起立していることは意図されている。
管体の上側の端部における前記蒸気分配導管は、相互に第1の水平方向の間隔をおいて延びており、且つ、前記凝縮液集積導管が、相互により小さな第2の水平方向の間隔をおいて延びている。蒸気分配導管は水平方向に延び、および、凝縮液集積導管が水平方向に延び、その際、凝縮液流出のための軽度の勾配が、更に、水平方向の延びとして理解されるべきである。
ここで扱われているのは、典型的に水平方向に対して60°もしくは垂直方向に対して30°の角度が管束毎に利用される、V字形の配置ではない。むしろ、管束は、これら管束の下側の端部の領域内において、即ち凝縮液集積導管の高さ領域内において、水平方向に離間されており、従って、空気チャンバーが、如何なる三角形の形状またはV字形の形状も、断面内において描かず、むしろ、下方へと先細りになる台形状を描く。
空気チャンバーの下側の高さ領域内における管束の間隔は、管束の上側の領域内における間隔の、少なくとも1/3である。これら間隔は、それぞれに、管束の管板の中心に関連する。全ての管束は、同じ上側の間隔、および、同じ下側の間隔を有している。
【0015】
上方へと整向された管束は、有利には、垂直線に対して15°の角度、もしくは、水平面に対して75°の角度において配置されている。ファンは、本発明に従い、水平方向に配置されており、従って、角度指示が、同様に、空気チャンバーの水平方向の上側面に関連させられることも可能である。
【0016】
台形状の断面を有する空気チャンバーは、比較的に低い構造様式を可能にする。
管束の下側の間隔は、1つの基礎面が凝縮設備の確実な起立がしかも床部から下側面へと至るまでだけ延在する必要のある担持構造によって可能である程度に、十分な幅を備えている程に大きく選択されている。
本発明に従う凝縮設備のための配置面積は、垂直方向の管束の極めて小さな間隔、およびこれに伴って基礎面の幅が垂直方向の2つの管束の間に位置しているファンの直径によって制限されている、垂直方向の管束を有する設備よりも明確に小さい。
【0017】
凝縮設備の建築は、それに加えてより容易である。床板または基礎部は、より省スペースに配置され得る。支柱と支持体とは、より短い。材料と輸送重量とは節約される。構成要素のハンドリングはより容易である。
【0018】
本発明に従う凝縮設備は、両側の管束のために、垂直方向に対して有利には15°から水平方向に対して75°までの角度を利用する。何故ならば、この角度が、管束の垂直方向の配置においてのように、貫通流動する冷却空気の比較可能に少ない圧力損失を達成するが、但し、容易な溢れ(Fluten)の欠点が、分縮的な作動において必然的に伴わないからである。
約15°±3°、特に15°±1°の角度範囲内における傾斜位置は、分縮的な管束において、凝縮液流出も改善し、且つ、従って、凝縮液と蒸気とのより大量の流量を可能にする。そのような凝縮設備は、従って、極めて性能の良く、且つ、より少ない材料使用を必要とする。
これら比較する考察方法において、ファンプラットホームとファンとのための手間暇が、管束の水平方向の配置においてのように、匹敵可能に大きいことは仮定される。閉鎖された下側面のためのほんの少しだけの余分な手間暇は、より小さな配置面積によって達成され得る利点との比較において、無視可能である。
それに加えて、ファンのための駆動装置が、下側面の上方または下方に配置されていることは可能であり、このことは、メンテナンスの目的のためのアクセスを容易化する。
【0019】
本発明に従う凝縮設備は、特に蒸気の凝縮のため、特に水蒸気の凝縮のために意図されており、その際、有利には24から32フィート(7.3152から9.7536m)までの直径を有するファンが使用され得る。それに応じて、蒸気分配導管の領域内における、管束の上側の間隔は、有利には、約9,000mmから12,000mmまでである。
【0020】
本発明の更に別の利点は、前記空気チャンバーが、モジュール的な構造様式において、複数の空気チャンバーモジュールから形成され得ることである。それぞれの空気チャンバーモジュールは、ファンを備えている。これら個々の空気チャンバーモジュールは、これら空気チャンバーモジュールの端側面において、互いに結合されている。
これら空気チャンバーモジュールの水平方向の蒸気分配導管と水平方向の凝縮液集積導管とは、同様に互いに結合されており、従って、一連の個々の空気チャンバーモジュールが、直線的に相前後して起立する、延長された且つ延長可能な1つの空気チャンバーを形成する。
個々の空気チャンバーモジュールの隣接する端側面は、通常、閉鎖されており、且つ、台形状の分離壁によって分離されている。全てのファンが、常に同じ回転数でもって作動される場合、これら分離壁は省略可能である。
但し、或るファンに欠陥がある場合に、更に別のファンによって流出開口部を通って、如何なる空気も、相応する空気チャンバーモジュール内へと、もしくは、管束の迂回のもとで空気チャンバー内へと吸引されないために、欠陥があるファンの流出開口部は閉鎖される必要がある。
【0021】
それぞれのファンは、ファンリング内において位置しており、このファンリングが、流出開口部を、上側面において形成および区画する。凝縮設備の構造高さが、一方では、低く維持され、且つ、他方では、最大の大きさの流出開口部が冷却空気のために提供されるために、ファンリングは、有利には、前記蒸気分配導管の間に配置されている。
構造高さが低くなればなる程、いっそう、そのような凝縮設備を建築するために必要である建築機械、特にクレーンは小さくなる。
【0022】
蒸気分配導管の間隔は、決定的に、ファンリングの直径によって規定される。同時に、このファンリングは、1つの空気チャンバーモジュールの長さをも規定する。従って、それぞれの空気チャンバーモジュールは、前記蒸気分配導管の高さ領域内において、基本的に正方形である。
管束の傾斜位置に基づいて、下側に配置された凝縮液集積導管の領域内における断面は長方形である。
【0023】
凝縮設備が、スタンド機構の上に配置されていることは可能である。このことは、凝縮設備が、路面と同じ高さに、即ち建造物の上では無しに、設置される場合、特に有利である。
スタンド機構の上での配置は、その場合に、このスタンド機構の下方に配置されていることが可能な凝縮液集積タンク内への、凝縮液集積装置の測地学的な荷空けを可能にする。凝縮液集積タンクは、付加的に、凝縮液集積タンクの下方に配置されている、少なくとも1つの凝縮液ポンプのための必要な流入高さを達成する。
【0024】
凝縮設備が、それに反して、かさ上げされて配置される場合、例えば機械ハウジングの平屋根の上に組み付けられる場合、場合によっては、完全にスタンド機構は省略され得る。
【0025】
凝縮設備が、スタンド機構の上に配置されている限りは、このスタンド機構によって区画された空間、及び/または、このスタンド機構自体が、有利には、完全に、前記空気チャンバーの前記下側面の下方に位置している。概念「下方に」は、従って、下側面の面積が、凝縮設備が組み付けられる床の上で投影されることと理解されるべきである。
そのように規定された基礎面は、1つの幅を備えており、この幅が、従って、前記蒸気分配導管における前記管束の前記間隔よりも小さい。
凝縮設備の前記基礎面の前記幅が、基本的に、前記凝縮液集積導管の高さ領域内における前記幅に相応することは可能である。凝縮液集積導管は、側方で、空気チャンバーの下側面に接続しており、且つ、両側で、この空気チャンバーの下側面を幾分超えて突出している。
【0026】
この様式の凝縮設備において、有利には、前記管束は、7,000から11,000mmまでの長さ範囲内において使用され、その際、この長さが、上側の管体端部から下側の管体端部へと測定される。
【0027】
本発明に従う凝縮設備によって、凝縮設備を、同様により小さな配置面積で建築可能にすること、もしくは、より小さな基礎面を有する設備を提供することの目的が、決定的に達成される。配置面積の減少が50%に至るまでであることは可能である。
同時に、凝縮設備の配置のための、必要な鋼製構造の総量は、A字形またはV字形の管束配置との比較において、約30重量パーセントだけ低減される。約15°だけの管束の傾斜位置は、分縮的に作動する管束内における溢れのリスクを制限する。
そのような凝縮設備によって、ファンのための同じエネルギー消費量において、および、同時に低減される構造容積において、より大きな配置面積を必要とする標準のA字形またはV字形の形状におけるよりも、多くの蒸気が凝縮され得る。本発明に従う凝縮設備は、従って、特に有利な方法において、コストを低減すること、および、凝縮性能を改善することの本発明に従う課題を解決する。
【0028】
以下で、純粋に概略的な図内において図示された実施例に基づいて、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】タービンに接続された凝縮設備の図である。
図2】凝縮設備の側面図である。
図3】凝縮設備の平面図である。
図4】凝縮設備の更に別の実施形態の側面図である。
図5】凝縮設備の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、蒸気2の凝縮のための凝縮設備1を示しており、この蒸気が、廃蒸気として、発電所装置から凝縮設備1に供給される。蒸気2は、凝縮設備1内において凝縮される。凝縮液3は、凝縮液集積タンク33内において捕捉され、且つ、この凝縮液集積タンクから、凝縮液ポンプ34を用いて、閉鎖された循環経過内において、蒸発器4に供給される。蒸発器4からの高温蒸気5は、タービン6内へと流動し、このタービンが、発電機7を駆動する。
タービンからの蒸気2は、再び、凝縮設備1に供給される。この循環経過は、そのような凝縮設備1の使用のための、可能な使用状況のための単に1つの例示である。
【0031】
図1の凝縮設備1は、強度に簡略的に、垂直断面図において図示されている。蒸気2は、上側に配置された蒸気分配導管8、9内へと流動し、これら蒸気分配導管が、管束10、11の上側の管板に接続されている。
蒸気2は、管束10、11の管を、上方から下方へと、より下方に配置された凝縮液集積導管12、13への方向に貫通流動し、これら凝縮液集積導管が、管束10、11の下側の管板に接続されており、その際、凝縮液集積導管12、13内において、凝縮液3が集積され、且つ、再び、発電所装置に供給される。
【0032】
管束10、11は、15°だけ、垂直線Vに対して傾斜させられている。この垂直線は、この場合において、台形状の凝縮設備1の中心長手方向平面である。管束10、11は、それら管束自身の間で、空気チャンバー14を区画し、この空気チャンバーが、下方へと、両側で且つ中心長手方向平面に関して先細りになっている。
凝縮液集積導管12、13は、水平方向に離間されている。これら凝縮液集積導管は、蒸気分配導管8、9と同様に、水平方向に延びている。凝縮液集積導管12と凝縮液集積導管13との間で、空気チャンバー14は、下側面15によって閉鎖されている。
冷却空気16は、描かれた矢印の方向にだけ、空気チャンバー14内へと到達可能であり、上側面17において、ファンリング19内において配置されているファン18(図3)によって、この空気チャンバー14から外に向かって運ばれる。加熱された冷却空気は、上方へと指向する矢印の方向に、上方へと流出する。
【0033】
本発明に従う凝縮設備の重要な要素は、その空気チャンバーの側壁27を有する、台形状の、下方へと先細りになる空気チャンバー14であり、これら側壁が、この凝縮設備の中央における、中心長手方向平面に対して鏡対称的に配置されている。この台形状は、下方へと下側面15によって、および、上方へと、この下側面15に対して平行に延びる上側面17によって区画される。
図2は、そのような凝縮設備1を側面図において、および、部分的に断面図において示している。図1に対する補足において、モーター20と伝動機構21とが、下側面15の領域内において認識され得る。軸22は、伝動機構21を出発点として垂直方向に上方へと通じており、且つ、ファン18を駆動する。ファン18のメンテナンスは、このことによって、熱交換器束の上方で配置されている駆動装置よりも容易である。
概念「ファン」は、先ず第一に、ハブと、このハブに固定されたファンブレードによって示される、軸流ファンに関係し、これらファンブレードが、空気流を支援する。モーター20と伝動機構21とから成るファン駆動装置は、この構造形態において、空気チャンバー14の内部に位置している。
【0034】
上方へと整向された管束10、11は、これら管束の下側の端部でもって、凝縮液集積導管12、13の上で起立している。凝縮液集積導管12、13は、脚部35を有しており、これら脚部が、スタンド機構23の主長手方向担持体36の上で起立している。凝縮液集積導管12、13の下側エッジ部37と、主長手方向担持体36との間で、間隙は、閉鎖薄板38によって、気密に密閉されている。
両方の主長手方向担持体36は、横方向担持体を介して互いに結合されている。これら主長手方向担持体36の間の平面全体は、床薄板を介して、気密に閉鎖されている。伝動機構21とモーター20とは、この平面の上方に配置されている。
伝動機構21とモーター20とが、冷却のための冷たい空気を供給されるために、モーター20と伝動機構21との上方にフードを配置すること、および、このモーター20と伝動機構21との下方で、床薄板を除去することは意図されている。従って、冷たい周囲空気が、モーター20と伝動機構21とを冷却可能であり、且つ、引き続いて、フード内における開口部を通って、空気チャンバー14内へと吸引され得る。
【0035】
図1と2とは、スタンド機構23を示しており、このスタンド機構が、凝縮設備1の下側面15の下方に位置している。図2の側面図内において、3つの支持体24、25、26が認識され得る。
中央の支持体25は、垂直線Vの長さ範囲内において配置されている。ファン18から中央の支持体への負荷経路は、特に短い。更に別の支持体24、26は、端部において配置されている。それぞれの長手方向側面27において、3つの支持体が位置し、これら支持体は、付加的な支柱によって安定化され得る(図5)。
【0036】
図3の平面図内において、管束10、11の上側の端部におけるファンリング19の寸法によって制約された状態で、凝縮設備1が、基本的に矩形の断面を有していることは認識され得る。その他の点では閉鎖された、即ち非通気的な上側面の図示は、省略されている。
図3は、更に、管束10、11の上側の端部の間の水平方向の間隔としての、第1の間隔A1と、所属する凝縮液集積導管12、13の高さにおける、管束10、11の下側の端部の間の第2の間隔A2とを示している。これら間隔A1、A2は、管束10、11の、それぞれの上側もしくは下側の管板の間で測定される。間隔A1、A2は、すべての管束10と管束11との間で同一である。
【0037】
第2の間隔A2は、第1の間隔A1の少なくとも3分の1であり、従って、管束10、11の下側の端部と、凝縮液集積導管12、13とが、15°±1°の角度範囲内における管束の少しの傾斜位置によって制約された状態で、常に、互いに比較的に大きな間隔をおいて配置されている。
角度が約2倍程の大きさの場合、これら凝縮液集積導管は、V字形の配置のように、直接的に相並んで位置し、但し、その場合に、凝縮設備が長手方向側で十分に支持されているために、支持体が、蒸気分配導管に至るまで設けられている必要がある。このことは、ここで、必要ではない。自己担持形の管束が使用される。
【0038】
図2は、作動のために必要な全ての特徴を有する凝縮設備1を示している。より大きな凝縮設備の提供のために、図2の構造形態は、個々のモジュールとして利用され、このモジュールが、更に別の同じ構造の空気チャンバーモジュールによって延長される。
図4は、この様式の複数の空気チャンバーモジュールを示しており、これら空気チャンバーモジュールが、直線的な構造様式において相前後して接続されており、且つ、共通の凝縮設備1を形成している。この目的のために、これら空気チャンバーモジュール28の、蒸気分配導管9と凝縮液集積導管13とは、互いに結合されている。
2つ、3つ、4つ、または、それ以上の個々の空気チャンバーモジュール28を有する構造形態は可能である。直接的に相並んでの、A字形またはV字形の空気凝縮機(A-oder V-Lukos)においてのような、複数の列は意図されない。何故ならば、より急傾斜に起立する管束10、11の間の冷却空気のための吸気空間が、明確により小さいからである。従って、本発明に従う凝縮設備は、特に、より低い凝縮性能で十分である使用目的のために適している。
【0039】
図5の透視図は、更に別の凝縮設備1を示している。スタンド機構23は、付加的な対角線状に延びる支柱29を有しており、これら支柱が、下側の領域内において、支持体24、25、26に取り付けされており、且つ、斜め上方へと、空気チャンバーの下側面へと延びている。
内側の位置する空気チャンバーは、部屋のドアのサイズにおけるメンテナンス用アクセス部31を通って、その他の点では閉鎖された端側面30の中に足を踏み入れられ得る。
【0040】
この透視図において、同じ構造の総じて4つの空気チャンバーモジュール28の内の第2の空気チャンバーモジュール28は、分縮的に接続される1つまたは複数の管束11を有している。
蒸気が、上側に配置されている蒸気分配導管8、9を通って、その他の空気チャンバーモジュール28内において、上方から下方へと、凝縮液集積導管12、13への方向に、流動する間じゅう、凝縮されていない蒸気が、凝縮液集積導管12、13を通って、第2の空気チャンバーモジュール28の管束11内へと下方から流入し、且つ、そこで、可能な限り完全に凝縮されることは意図されている。
場合によっては有り得る残留ガスと、凝縮されていない蒸気とは、吸引部32内において吸引される。この構造形態において、従って、凝縮的な3つの空気チャンバーモジュール28が使用され、分縮的に作動する1つの空気チャンバーモジュール28と組み合わせられる。
【0041】
図5の構造形態のための有利な選択肢は、2つから4つまで、またはそれ以上の、一列の空気チャンバーモジュールのそれぞれの空気チャンバーモジュールが、同一の数の分縮的に接続される管束を、同一の位置において有していることを意図する。
それぞれの空気チャンバーモジュールは、有利には、分縮的に作動する管体または管束11の約16%から約20%までの割合分を備えている。このことは、凝縮液集積導管の直径が小さく保持され得、これら凝縮液集積導管を通って、蒸気が、管体もしくは管束に向かって流れることの利点を有している。
【0042】
凝縮設備1の寸法設定に関して、一方では、垂直線Vに対して、角度W1だけ傾斜された管束10、11が指摘され得る。この角度W1は15°である。凝縮設備1は、上側の管板の領域内において、水平方向に延びる蒸気分配導管8、9の長手方向において測定された長さL2を備えており、この長さが、個々の空気チャンバーモジュールの長さL1の複数倍である(図2)。
スタンド機構23によって場所を占められる、基礎面Gは、幅B1を備えている。基礎面Gの幅B1は、下側に配置され且つ下側の管板の領域内において水平方向に延びる、凝縮液集積導管12、13の高さ領域内における凝縮設備1の幅B2に相応する。蒸気分配導管8、9の高さ領域内における間隔A1は、ほぼ2倍の大きさである。
【符号の説明】
【0043】
1 凝縮設備
2 蒸気
3 凝縮液
4 蒸発器
5 高温蒸気
6 タービン
7 発電機
8 蒸気分配導管
9 蒸気分配導管
10 管束
11 管束
12 凝縮液集積導管
13 凝縮液集積導管
14 空気チャンバー
15 空気チャンバー14の下側面
16 冷却空気
17 空気チャンバー14の上側面
18 ファン
19 ファンリング
20 モーター
21 伝動機構
22 軸
23 スタンド機構
24 支持体
25 支持体
26 支持体
27 空気チャンバー14の長手方向側面
28 空気チャンバーモジュール
29 支柱
30 空気チャンバー14の端側面
31 端側面30内におけるメンテナンス用アクセス部
32 管束11における吸引部
33 凝縮液集積タンク
34 凝縮液ポンプ
35 脚部
36 主長手方向担持体
37 凝縮液集積導管12、13の下側エッジ部
38 閉鎖薄板
A1 蒸気分配導管における管束の上側の端部の間隔
A2 蒸気分配導管における管束の下側の端部の間隔
B1 凝縮設備1の基礎面Gの幅
B2 凝縮液集積導管の高さ領域内における、凝縮設備1の幅
G 基礎面
L1 空気チャンバーモジュール28の長さ
L2 凝縮設備1の長さ
V 垂直線
W1 角度
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴に従う凝縮設備に関する。
【背景技術】
【0002】
タービン蒸気またはプロセス蒸気の凝縮のための設備は、極めて大きな規模におけるエネルギー技術的な分野において、長年にわたって使用されている。これら設備は、空気冷却される熱交換器の特別な使用形態として見なされ得る。
空気冷却される熱交換器は、化学産業、石油化学産業、および、発電産業の種々のプロセス内において、周囲空気を用いての流体の冷却のために利用される。これら熱交換器は、基本的に、熱交換器管体から成り、これら熱交換器管体が、熱伝達の改善のために、外側にリブが装備されている。
熱伝導と対流とによる熱交換器を用いての、冷却媒体空気に対する熱伝達は、しばしば、乾燥冷却と称される。空気冷却される熱交換器の熱交換器管体は、溶接された管板によって、いわゆる管束へと統合される。1つの管束が、平行な1つまたは複数の列の熱交換器管体を有することは可能である。
【0003】
熱交換器管体への、冷却されるべき蒸気の流入は、蒸気分配導管を用いて行われ、これら蒸気分配導管が、上側の管板に配置されている。凝縮液の流出、および、未だに凝縮されていない蒸気の分配は、凝縮液集積装置を介して行われ、この凝縮液集積装置が、下側の管板に配置されている。冷却媒体空気は、吸引または加圧するように配置されているファンを用いて、熱交換器管体を通って搬送される。
A字形の構造様式において、ファンは、加圧する状態の配置において、屋根形状に配置された熱交換器管体の下方に位置している。ファンを有する、屋根形状に配置された熱交換器管体は、支持構造体によって担持される。ファンは、ファンブラケットによって担持される。反対向きにされた構造様式は、V字形状と称される。
同様に更なる構造形態も言及され得、これら構造形態において、垂直方向に配置された管束が、互いに間隔をおいて配置されており、且つ、水平方向の断面内において多角形の空気チャンバーを区画している。同様に、ほぼ水平方向に配置された管束を有する構造形態も存在する。
【0004】
下側に位置するファンを有する、標準のA字形の構造様式は、個々の多数のモジュールを互いに結合すること、および、A字形に配置された管束の多数の列を相並んで配置することを可能にする。但し、この構造様式は、ファンの下方で、十分に大きな吸気室を必要とし、且つ、従って、相応して大きな基礎面を、相応する大きな下側構造と共に必要とする。
【0005】
管束のV字形状の配置は、幾分より低い構造様式を可能とし、且つ、同様に、列状の複数の管束の配置を可能にする。A字形の形状と比較して、ファンが、比較的に高く組み付けされる必要があることは欠点である。
ファンはより大きな高さにおいて支持することの手間暇は、同様に、相応して手間暇がかかる下部構造を必要とする。必要な基礎面は、全く同様に、A字形の形状においてのように大きい。
【0006】
管束の垂直方向の配置は、約30°だけ傾斜されている管束(A字形の形状またはV字形の形状)と比較して、下方へと流出する凝縮液が、管束の分縮的な切り替えの際に、即ち、凝縮されるべき蒸気が下方から上方へと凝縮液の流出方向とは逆に流動する場合、蒸気流をより容易にブロックすることの欠点を有している。
凝縮可能な蒸気の流動速度および量は、従って、分縮的に作動する管束の内部で制限されている。A字形の形状またはV字形の形状においてのような、傾斜させられた管束において、凝縮液は、重力によって、管体の下側の領域内において集積する。
【0007】
遥かに稀に個々の管体の溢れという事態となり、従って、同様に分縮的に作動する管束も、より高い蒸気速度でもって作動され得る。凝縮性能は、傾斜させられた管束における分縮的な作動状態において、直接的な比較において、より高い。
凝縮的な作動方法と、分縮的な作動方法とにおける管束が、通常、互いに組み合わせられるので、制限する要因は、分縮的な管束である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底をなす課題は、高い凝縮性能を可能にし、且つ、同時に、安いコストで達成され得る、凝縮設備を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1の特徴を有する凝縮設備によって解決される。
【0010】
従属請求項は、本発明の有利な更なる構成に関している。
【発明の効果】
【0011】
本発明に従う凝縮設備は、蒸気の凝縮のための、上方へと整向された管束を備えている。記載「上方へと整向された」は、管束の管体が、下方から上方へと延びていることを意味する。蒸気は、上方から下方へと流動する。
凝縮設備は、この目的のために、空気チャンバーを備えており、この空気チャンバーが、上方へと拡幅している。概念「上方へ」は、「地球の引力とは逆」の意味において理解されるべきである。本発明の趣旨における「垂直線」は、地球の引力に相応して、上方から下方へと延びている。記載「幅」は、前記「垂直線」に対して直交して、即ち水平方向において測定される。
【0012】
空気チャンバーは、より幅広の上側面と、より幅狭の下側面と、垂直線に対して傾斜された2つの長手方向側面とを有する、台形状の断面を備えており、その際、この長手方向側面が、管束によって形成されている。端側面は、空気チャンバーを閉鎖している。これら端側面は、冷却空気に対して不透過性である。
【0013】
冷却空気は、管束を横切って吸引され、従って、管束の管体が、外側で、冷却空気によって周囲を流過される。空気チャンバーの前記上側面は、流出開口部を備えている。
この流出開口部内において、ファンが位置しており、このファンが、特に外方にリブ状にされた前記管束の管体の間を横切って外方から来る、より冷たい冷却空気を、空気チャンバー内へと吸引するため、および、加熱された冷却空気として、この流出開口部から輸送するために構成されている。
【0014】
上方に整向された管束は、熱交換器管体を備えており、これら熱交換器管体が、これら熱交換器管体の上側の端部でもって、一方では、蒸気分配導管と、および、これら熱交換器管体の下側の端部でもって、他方では、凝縮液集積導管とに接続されており、その際、両方の前記長手方向側面のそれぞれの長手方向側面において、これら蒸気分配導管の内の1つの蒸気分配導管と、これら凝縮液集積導管の内の1つの凝縮液集積導管とが配置されている。
本発明に従い、上方に整向された管束が、それぞれに垂直線に対して12°から18°までの範囲内における角度において起立していることは意図されている。
管体の上側の端部における前記蒸気分配導管は、相互に第1の水平方向の間隔をおいて延びており、且つ、前記凝縮液集積導管が、相互により小さな第2の水平方向の間隔をおいて延びている。蒸気分配導管は水平方向に延び、および、凝縮液集積導管が水平方向に延び、その際、凝縮液流出のための軽度の勾配が、更に、水平方向の延びとして理解されるべきである。
ここで扱われているのは、典型的に水平方向に対して60°もしくは垂直方向に対して30°の角度が管束毎に利用される、V字形の配置ではない。むしろ、管束は、これら管束の下側の端部の領域内において、即ち凝縮液集積導管の高さ領域内において、水平方向に離間されており、従って、空気チャンバーが、如何なる三角形の形状またはV字形の形状も、断面内において描かず、むしろ、下方へと先細りになる台形状を描く。
空気チャンバーの下側の高さ領域内における管束の間隔は、管束の上側の領域内における間隔の、少なくとも1/3である。これら間隔は、それぞれに、管束の管板の中心に関連する。全ての管束は、同じ上側の間隔、および、同じ下側の間隔を有している。
【0015】
上方へと整向された管束は、有利には、垂直線に対して15°の角度、もしくは、水平面に対して75°の角度において配置されている。ファンは、本発明に従い、水平方向に配置されており、従って、角度指示が、同様に、空気チャンバーの水平方向の上側面に関連させられることも可能である。
【0016】
台形状の断面を有する空気チャンバーは、比較的に低い構造様式を可能にする。
管束の下側の間隔は、1つの基礎面が凝縮設備の確実な起立がしかも床部から下側面へと至るまでだけ延在する必要のある担持構造によって可能である程度に、十分な幅を備えている程に大きく選択されている。
本発明に従う凝縮設備のための配置面積は、垂直方向の管束の極めて小さな間隔、およびこれに伴って基礎面の幅が垂直方向の2つの管束の間に位置しているファンの直径によって制限されている、垂直方向の管束を有する設備よりも明確に小さい。
【0017】
凝縮設備の建築は、それに加えてより容易である。床板または基礎部は、より省スペースに配置され得る。支柱と支持体とは、より短い。材料と輸送重量とは節約される。構成要素のハンドリングはより容易である。
【0018】
本発明に従う凝縮設備は、両側の管束のために、垂直方向に対して有利には15°から水平方向に対して75°までの角度を利用する。何故ならば、この角度が、管束の垂直方向の配置においてのように、貫通流動する冷却空気の比較可能に少ない圧力損失を達成するが、但し、容易な溢れ(Fluten)の欠点が、分縮的な作動において必然的に伴わないからである。
約15°±3°、特に15°±1°の角度範囲内における傾斜位置は、分縮的な管束において、凝縮液流出も改善し、且つ、従って、凝縮液と蒸気とのより大量の流量を可能にする。そのような凝縮設備は、従って、極めて性能の良く、且つ、より少ない材料使用を必要とする。
これら比較する考察方法において、ファンプラットホームとファンとのための手間暇が、管束の水平方向の配置においてのように、匹敵可能に大きいことは仮定される。閉鎖された下側面のためのほんの少しだけの余分な手間暇は、より小さな配置面積によって達成され得る利点との比較において、無視可能である。
それに加えて、ファンのための駆動装置が、下側面の上方または下方に配置されていることは可能であり、このことは、メンテナンスの目的のためのアクセスを容易化する。
【0019】
本発明に従う凝縮設備は、特に蒸気の凝縮のため、特に水蒸気の凝縮のために意図されており、その際、有利には24から32フィート(7.3152から9.7536m)までの直径を有するファンが使用され得る。それに応じて、蒸気分配導管の領域内における、管束の上側の間隔は、有利には、約9,000mmから12,000mmまでである。
【0020】
本発明の更に別の利点は、前記空気チャンバーが、モジュール的な構造様式において、複数の空気チャンバーモジュールから形成され得ることである。それぞれの空気チャンバーモジュールは、ファンを備えている。これら個々の空気チャンバーモジュールは、これら空気チャンバーモジュールの端側面において、互いに結合されている。
これら空気チャンバーモジュールの水平方向の蒸気分配導管と水平方向の凝縮液集積導管とは、同様に互いに結合されており、従って、一連の個々の空気チャンバーモジュールが、直線的に相前後して起立する、延長された且つ延長可能な1つの空気チャンバーを形成する。
個々の空気チャンバーモジュールの隣接する端側面は、通常、閉鎖されており、且つ、台形状の分離壁によって分離されている。全てのファンが、常に同じ回転数でもって作動される場合、これら分離壁は省略可能である。
但し、或るファンに欠陥がある場合に、更に別のファンによって流出開口部を通って、如何なる空気も、相応する空気チャンバーモジュール内へと、もしくは、管束の迂回のもとで空気チャンバー内へと吸引されないために、欠陥があるファンの流出開口部は閉鎖される必要がある。
【0021】
それぞれのファンは、ファンリング内において位置しており、このファンリングが、流出開口部を、上側面において形成および区画する。凝縮設備の構造高さが、一方では、低く維持され、且つ、他方では、最大の大きさの流出開口部が冷却空気のために提供されるために、ファンリングは、有利には、前記蒸気分配導管の間に配置されている。
構造高さが低くなればなる程、いっそう、そのような凝縮設備を建築するために必要である建築機械、特にクレーンは小さくなる。
【0022】
蒸気分配導管の間隔は、決定的に、ファンリングの直径によって規定される。同時に、このファンリングは、1つの空気チャンバーモジュールの長さをも規定する。従って、それぞれの空気チャンバーモジュールは、前記蒸気分配導管の高さ領域内において、基本的に正方形である。
管束の傾斜位置に基づいて、下側に配置された凝縮液集積導管の領域内における断面は長方形である。
【0023】
凝縮設備が、スタンド機構の上に配置されていることは可能である。このことは、凝縮設備が、路面と同じ高さに、即ち建造物の上では無しに、設置される場合、特に有利である。
スタンド機構の上での配置は、その場合に、このスタンド機構の下方に配置されていることが可能な凝縮液集積タンク内への、凝縮液集積装置の測地学的な荷空けを可能にする。凝縮液集積タンクは、付加的に、凝縮液集積タンクの下方に配置されている、少なくとも1つの凝縮液ポンプのための必要な流入高さを達成する。
【0024】
凝縮設備が、それに反して、かさ上げされて配置される場合、例えば機械ハウジングの平屋根の上に組み付けられる場合、場合によっては、完全にスタンド機構は省略され得る。
【0025】
凝縮設備が、スタンド機構の上に配置されている限りは、このスタンド機構によって区画された空間、及び/または、このスタンド機構自体が、有利には、完全に、前記空気チャンバーの前記下側面の下方に位置している。概念「下方に」は、従って、下側面の面積が、凝縮設備が組み付けられる床の上で投影されることと理解されるべきである。
そのように規定された基礎面は、1つの幅を備えており、この幅が、従って、前記蒸気分配導管における前記管束の前記間隔よりも小さい。
凝縮設備の前記基礎面の前記幅が、基本的に、前記凝縮液集積導管の高さ領域内における前記幅に相応することは可能である。凝縮液集積導管は、側方で、空気チャンバーの下側面に接続しており、且つ、両側で、この空気チャンバーの下側面を幾分超えて突出している。
【0026】
この様式の凝縮設備において、有利には、前記管束は、7,000から11,000mmまでの長さ範囲内において使用され、その際、この長さが、上側の管体端部から下側の管体端部へと測定される。
【0027】
本発明に従う凝縮設備によって、凝縮設備を、同様により小さな配置面積で建築可能にすること、もしくは、より小さな基礎面を有する設備を提供することの目的が、決定的に達成される。配置面積の減少が50%に至るまでであることは可能である。
同時に、凝縮設備の配置のための、必要な鋼製構造の総量は、A字形またはV字形の管束配置との比較において、約30重量パーセントだけ低減される。約15°だけの管束の傾斜位置は、分縮的に作動する管束内における溢れのリスクを制限する。
そのような凝縮設備によって、ファンのための同じエネルギー消費量において、および、同時に低減される構造容積において、より大きな配置面積を必要とする標準のA字形またはV字形の形状におけるよりも、多くの蒸気が凝縮され得る。本発明に従う凝縮設備は、従って、特に有利な方法において、コストを低減すること、および、凝縮性能を改善することの本発明に従う課題を解決する。
【0028】
以下で、純粋に概略的な図内において図示された実施例に基づいて、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】タービンに接続された凝縮設備の図である。
図2】凝縮設備の側面図である。
図3】凝縮設備の平面図である。
図4】凝縮設備の更に別の実施形態の側面図である。
図5】凝縮設備の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、蒸気2の凝縮のための凝縮設備1を示しており、この蒸気が、廃蒸気として、発電所装置から凝縮設備1に供給される。蒸気2は、凝縮設備1内において凝縮される。凝縮液3は、凝縮液集積タンク33内において捕捉され、且つ、この凝縮液集積タンクから、凝縮液ポンプ34を用いて、閉鎖された循環経過内において、蒸発器4に供給される。蒸発器4からの高温蒸気5は、タービン6内へと流動し、このタービンが、発電機7を駆動する。
タービンからの蒸気2は、再び、凝縮設備1に供給される。この循環経過は、そのような凝縮設備1の使用のための、可能な使用状況のための単に1つの例示である。
【0031】
図1の凝縮設備1は、強度に簡略的に、垂直断面図において図示されている。蒸気2は、上側に配置された蒸気分配導管8、9内へと流動し、これら蒸気分配導管が、管束10、11の上側の管板に接続されている。
蒸気2は、管束10、11の管を、上方から下方へと、より下方に配置された凝縮液集積導管12、13への方向に貫通流動し、これら凝縮液集積導管が、管束10、11の下側の管板に接続されており、その際、凝縮液集積導管12、13内において、凝縮液3が集積され、且つ、再び、発電所装置に供給される。
【0032】
管束10、11は、15°だけ、垂直線Vに対して傾斜させられている。この垂直線は、この場合において、台形状の凝縮設備1の中心長手方向平面である。管束10、11は、それら管束自身の間で、空気チャンバー14を区画し、この空気チャンバーが、下方へと、両側で且つ中心長手方向平面に関して先細りになっている。
凝縮液集積導管12、13は、水平方向に離間されている。これら凝縮液集積導管は、蒸気分配導管8、9と同様に、水平方向に延びている。凝縮液集積導管12と凝縮液集積導管13との間で、空気チャンバー14は、下側面15によって閉鎖されている。
冷却空気16は、描かれた矢印の方向にだけ、空気チャンバー14内へと到達可能であり、上側面17において、ファンリング19内において配置されているファン18(図3)によって、この空気チャンバー14から外に向かって運ばれる。加熱された冷却空気は、上方へと指向する矢印の方向に、上方へと流出する。
【0033】
本発明に従う凝縮設備の重要な要素は、その空気チャンバーの側壁27を有する、台形状の、下方へと先細りになる空気チャンバー14であり、これら側壁が、この凝縮設備の中央における、中心長手方向平面に対して鏡対称的に配置されている。この台形状は、下方へと下側面15によって、および、上方へと、この下側面15に対して平行に延びる上側面17によって区画される。
図2は、そのような凝縮設備1を側面図において、および、部分的に断面図において示している。図1に対する補足において、モーター20と伝動機構21とが、下側面15の領域内において認識され得る。軸22は、伝動機構21を出発点として垂直方向に上方へと通じており、且つ、ファン18を駆動する。ファン18のメンテナンスは、このことによって、熱交換器束の上方で配置されている駆動装置よりも容易である。
概念「ファン」は、先ず第一に、ハブと、このハブに固定されたファンブレードによって示される、軸流ファンに関係し、これらファンブレードが、空気流を支援する。モーター20と伝動機構21とから成るファン駆動装置は、この構造形態において、空気チャンバー14の内部に位置している。
【0034】
上方へと整向された管束10、11は、これら管束の下側の端部でもって、凝縮液集積導管12、13の上で起立している。凝縮液集積導管12、13は、脚部35を有しており、これら脚部が、スタンド機構23の主長手方向担持体36の上で起立している。凝縮液集積導管12、13の下側エッジ部37と、主長手方向担持体36との間で、間隙は、閉鎖薄板38によって、気密に密閉されている。
両方の主長手方向担持体36は、横方向担持体を介して互いに結合されている。これら主長手方向担持体36の間の平面全体は、床薄板を介して、気密に閉鎖されている。伝動機構21とモーター20とは、この平面の上方に配置されている。
伝動機構21とモーター20とが、冷却のための冷たい空気を供給されるために、モーター20と伝動機構21との上方にフードを配置すること、および、このモーター20と伝動機構21との下方で、床薄板を除去することは意図されている。従って、冷たい周囲空気が、モーター20と伝動機構21とを冷却可能であり、且つ、引き続いて、フード内における開口部を通って、空気チャンバー14内へと吸引され得る。
【0035】
図1と2とは、スタンド機構23を示しており、このスタンド機構が、凝縮設備1の下側面15の下方に位置している。図2の側面図内において、3つの支持体24、25、26が認識され得る。
中央の支持体25は、垂直線Vの長さ範囲内において配置されている。ファン18から中央の支持体への負荷経路は、特に短い。更に別の支持体24、26は、端部において配置されている。それぞれの長手方向側面27において、3つの支持体が位置し、これら支持体は、付加的な支柱によって安定化され得る(図5)。
【0036】
図3の平面図内において、管束10、11の上側の端部におけるファンリング19の寸法によって制約された状態で、凝縮設備1が、基本的に矩形の断面を有していることは認識され得る。その他の点では閉鎖された、即ち非通気的な上側面の図示は、省略されている。
図3は、更に、管束10、11の上側の端部の間の水平方向の間隔としての、第1の間隔A1と、所属する凝縮液集積導管12、13の高さにおける、管束10、11の下側の端部の間の第2の間隔A2とを示している。これら間隔A1、A2は、管束10、11の、それぞれの上側もしくは下側の管板の間で測定される。間隔A1、A2は、すべての管束10と管束11との間で同一である。
【0037】
第2の間隔A2は、第1の間隔A1の少なくとも3分の1であり、従って、管束10、11の下側の端部と、凝縮液集積導管12、13とが、15°±1°の角度範囲内における管束の少しの傾斜位置によって制約された状態で、常に、互いに比較的に大きな間隔をおいて配置されている。
角度が約2倍程の大きさの場合、これら凝縮液集積導管は、V字形の配置のように、直接的に相並んで位置し、但し、その場合に、凝縮設備が長手方向側で十分に支持されているために、支持体が、蒸気分配導管に至るまで設けられている必要がある。このことは、ここで、必要ではない。自己担持形の管束が使用される。
【0038】
図2は、作動のために必要な全ての特徴を有する凝縮設備1を示している。より大きな凝縮設備の提供のために、図2の構造形態は、個々のモジュールとして利用され、このモジュールが、更に別の同じ構造の空気チャンバーモジュールによって延長される。
図4は、この様式の複数の空気チャンバーモジュールを示しており、これら空気チャンバーモジュールが、直線的な構造様式において相前後して接続されており、且つ、共通の凝縮設備1を形成している。この目的のために、これら空気チャンバーモジュール28の、蒸気分配導管9と凝縮液集積導管13とは、互いに結合されている。
2つ、3つ、4つ、または、それ以上の個々の空気チャンバーモジュール28を有する構造形態は可能である。直接的に相並んでの、A字形またはV字形の空気凝縮機(A-oder V-Lukos)においてのような、複数の列は意図されない。何故ならば、より急傾斜に起立する管束10、11の間の冷却空気のための吸気空間が、明確により小さいからである。従って、本発明に従う凝縮設備は、特に、より低い凝縮性能で十分である使用目的のために適している。
【0039】
図5の透視図は、更に別の凝縮設備1を示している。スタンド機構23は、付加的な対角線状に延びる支柱29を有しており、これら支柱が、下側の領域内において、支持体24、25、26に取り付けされており、且つ、斜め上方へと、空気チャンバーの下側面へと延びている。
内側の位置する空気チャンバーは、部屋のドアのサイズにおけるメンテナンス用アクセス部31を通って、その他の点では閉鎖された端側面30の中に足を踏み入れられ得る。
【0040】
この透視図において、同じ構造の総じて4つの空気チャンバーモジュール28の内の第2の空気チャンバーモジュール28は、分縮的に接続される1つまたは複数の管束11を有している。
蒸気が、上側に配置されている蒸気分配導管8、9を通って、その他の空気チャンバーモジュール28内において、上方から下方へと、凝縮液集積導管12、13への方向に、流動する間じゅう、凝縮されていない蒸気が、凝縮液集積導管12、13を通って、第2の空気チャンバーモジュール28の管束11内へと下方から流入し、且つ、そこで、可能な限り完全に凝縮されることは意図されている。
場合によっては有り得る残留ガスと、凝縮されていない蒸気とは、吸引部32内において吸引される。この構造形態において、従って、凝縮的な3つの空気チャンバーモジュール28が使用され、分縮的に作動する1つの空気チャンバーモジュール28と組み合わせられる。
【0041】
図5の構造形態のための有利な選択肢は、2つから4つまで、またはそれ以上の、一列の空気チャンバーモジュールのそれぞれの空気チャンバーモジュールが、同一の数の分縮的に接続される管束を、同一の位置において有していることを意図する。
それぞれの空気チャンバーモジュールは、有利には、分縮的に作動する管体または管束11の約16%から約20%までの割合分を備えている。このことは、凝縮液集積導管の直径が小さく保持され得、これら凝縮液集積導管を通って、蒸気が、管体もしくは管束に向かって流れることの利点を有している。
【0042】
凝縮設備1の寸法設定に関して、一方では、垂直線Vに対して、角度W1だけ傾斜された管束10、11が指摘され得る。この角度W1は15°である。凝縮設備1は、上側の管板の領域内において、水平方向に延びる蒸気分配導管8、9の長手方向において測定された長さL2を備えており、この長さが、個々の空気チャンバーモジュールの長さL1の複数倍である(図2)。
スタンド機構23によって場所を占められる、基礎面Gは、幅B1を備えている。基礎面Gの幅B1は、下側に配置され且つ下側の管板の領域内において水平方向に延びる、凝縮液集積導管12、13の高さ領域内における凝縮設備1の幅B2に相応する。蒸気分配導管8、9の高さ領域内における間隔A1は、ほぼ2倍の大きさである。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1. 蒸気(2)の凝縮のための、上方へと整向された管束(10、11)を有する凝縮設備(1)において、この凝縮設備が、以下の特徴:即ち、
a) 空気チャンバー(14)が、
上側面(17)と、下側面(15)と、管束(10、11)によって形成され、垂直線(V)に対して逆方向に傾斜された2つの長手方向側面(27)と、並びに、冷却空気(16)に対して不透過性の端側面(30)とを有する、
上方へと拡幅する台形状の断面を備えており;
b) 前記上側面(17)が、加熱された冷却空気(16)のための少なくとも1つの流出開口部を備えており、
前記流出開口部内において、ファン(18)が位置しており、
このファンが、前記管束(10、11)を通って外方から来る、より冷たい冷却空気(16)を、前記空気チャンバー(14)内へと吸引するために構成されており;
c) 前記管束(10、11)が、熱交換器管体を備えており、
これら熱交換器管体が、これら熱交換器管体の端部でもって、蒸気分配導管(8、9)と、凝縮液集積導管(12、13)とに接続されており、
両方の前記長手方向側面(27)のそれぞれの長手方向側面において、これら蒸気分配導管(8、9)の内の1つの蒸気分配導管と、これら凝縮液集積導管(12、13)の内の1つの凝縮液集積導管とが配置されており;
d) 前記管束(10、11)が、それぞれに垂直線(V)に対して12°から18°までの範囲内における角度(W1)において起立しており、
前記管束(10、11)が、前記蒸気分配導管(8、9)において、相互に第1の間隔(A1)をおいて延びており、且つ、前記凝縮液集積導管(12、13)において、相互に第2の間隔(A2)をおいて延びており、
第2の前記間隔(A2)が、第1の前記間隔(A1)の少なくとも1/3である、
ことの特徴を有することを特徴とする凝縮設備(1)。
2. 前記管束(10、11)は、前記垂直線(V)に対して15°±1°の角度において配置されていることを特徴とする上記1に記載の凝縮設備(1)。
3. 第1の前記間隔(A1)は、9,000mmから12,000mmまでの範囲内にあることを特徴とする上記1または2に記載の凝縮設備(1)。
4. 前記空気チャンバー(14)は、モジュール的な構造様式において、複数の空気チャンバーモジュール(28)から形成されており、
それぞれの空気チャンバーモジュール(28)が、ファン(18)を有しており、および、
これら空気チャンバーモジュール(28)が、これら空気チャンバーモジュールの端側面(30)において、互いに結合されており、
従って、これら空気チャンバーモジュール(28)の前記蒸気分配導管(8、9)と前記凝縮液集積導管(12、13)とが、互いに結合されている、
ことを特徴とする上記1から3のいずれか一つに記載の凝縮設備(1)。
5. それぞれのファン(18)は、ファンリング(19)内において配設されており、前記ファンリング(19)が、前記蒸気分配導管(8、9)の間に配置されていることを特徴とする上記1から4のいずれか一つに記載の凝縮設備(1)。
6. 前記ファンリング(19)の直径は、前記蒸気分配導管(8、9)の第1の前記間隔(A1)を規定し、且つ、1つの空気チャンバーモジュール(28)の長さ(L1)も規定し、
それぞれの空気チャンバーモジュール(28)が、前記蒸気分配導管(8、9)の高さ領域内において、基本的に正方形の断面を有していることを特徴とする上記5に記載の凝縮設備(1)。
7. 前記空気チャンバー(14)は、高くされた位置において、スタンド機構(23)の上に配置されており、
このスタンド機構が、前記空気チャンバー(14)の前記下側面(15)の下方に位置しており、且つ、前記凝縮設備(1)の基礎面(G)の幅(B2)を区画し、
この幅が、前記蒸気分配導管(8、9)における前記管束(10、11)の前記間隔(A1)よりも小さい、
ことを特徴とする上記1から6のいずれか一つに記載の凝縮設備(1)。
8. 前記基礎面(G)の前記幅(B1)は、前記凝縮液集積導管(12、13)の高さ領域内における前記凝縮設備(1)の前記幅(B2)に相応することを特徴とする上記7に記載の凝縮設備(1)。
9. 前記管束(10、11)は、7,000から11,000mmまでの範囲内における長さを有していることを特徴とする上記1から8のいずれか一つに記載の凝縮設備(1)。
【符号の説明】
【0043】
1 凝縮設備
2 蒸気
3 凝縮液
4 蒸発器
5 高温蒸気
6 タービン
7 発電機
8 蒸気分配導管
9 蒸気分配導管
10 管束
11 管束
12 凝縮液集積導管
13 凝縮液集積導管
14 空気チャンバー
15 空気チャンバー14の下側面
16 冷却空気
17 空気チャンバー14の上側面
18 ファン
19 ファンリング
20 モーター
21 伝動機構
22 軸
23 スタンド機構
24 支持体
25 支持体
26 支持体
27 空気チャンバー14の長手方向側面
28 空気チャンバーモジュール
29 支柱
30 空気チャンバー14の端側面
31 端側面30内におけるメンテナンス用アクセス部
32 管束11における吸引部
33 凝縮液集積タンク
34 凝縮液ポンプ
35 脚部
36 主長手方向担持体
37 凝縮液集積導管12、13の下側エッジ部
38 閉鎖薄板
A1 蒸気分配導管における管束の上側の端部の間隔
A2 蒸気分配導管における管束の下側の端部の間隔
B1 凝縮設備1の基礎面Gの幅
B2 凝縮液集積導管の高さ領域内における、凝縮設備1の幅
G 基礎面
L1 空気チャンバーモジュール28の長さ
L2 凝縮設備1の長さ
V 垂直線
W1 角度
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気(2)の凝縮のための、上方へと整向された管束(10、11)を有する凝縮設備(1)において、この凝縮設備が、以下の特徴:即ち、
a) 空気チャンバー(14)が、
上側面(17)と、下側面(15)と、管束(10、11)によって形成され、垂直線(V)に対して逆方向に傾斜された2つの長手方向側面(27)と、並びに、冷却空気(16)に対して不透過性の端側面(30)とを有する、
上方へと拡幅する台形状の断面を備えており;
b) 前記上側面(17)が、加熱された冷却空気(16)のための少なくとも1つの流出開口部を備えており、
前記流出開口部内において、ファン(18)が位置しており、
このファンが、前記管束(10、11)を通って外方から来る、より冷たい冷却空気(16)を、前記空気チャンバー(14)内へと吸引するために構成されており;
c) 前記管束(10、11)が、熱交換器管体を備えており、
これら熱交換器管体が、これら熱交換器管体の端部でもって、蒸気分配導管(8、9)と、凝縮液集積導管(12、13)とに接続されており、
両方の前記長手方向側面(27)のそれぞれの長手方向側面において、これら蒸気分配導管(8、9)の内の1つの蒸気分配導管と、これら凝縮液集積導管(12、13)の内の1つの凝縮液集積導管とが配置されており;
d) 前記管束(10、11)が、それぞれに垂直線(V)に対して12°から18°までの範囲内における角度(W1)において起立しており、
前記管束(10、11)が、前記蒸気分配導管(8、9)において、相互に第1の間隔(A1)をおいて延びており、且つ、前記凝縮液集積導管(12、13)において、相互に第2の間隔(A2)をおいて延びており、
第2の前記間隔(A2)が、第1の前記間隔(A1)の少なくとも1/3である、
ことの特徴を有することを特徴とする凝縮設備(1)。
【請求項2】
前記管束(10、11)は、前記垂直線(V)に対して15°±1°の角度において配置されていることを特徴とする請求項1に記載の凝縮設備(1)。
【請求項3】
第1の前記間隔(A1)は、9,000mmから12,000mmまでの範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の凝縮設備(1)。
【請求項4】
前記空気チャンバー(14)は、モジュール的な構造様式において、複数の空気チャンバーモジュール(28)から形成されており、
それぞれの空気チャンバーモジュール(28)が、ファン(18)を有しており、および、
これら空気チャンバーモジュール(28)が、これら空気チャンバーモジュールの端側面(30)において、互いに結合されており、
従って、これら空気チャンバーモジュール(28)の前記蒸気分配導管(8、9)と前記凝縮液集積導管(12、13)とが、互いに結合されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の凝縮設備(1)。
【請求項5】
それぞれのファン(18)は、ファンリング(19)内において配設されており、前記ファンリング(19)が、前記蒸気分配導管(8、9)の間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の凝縮設備(1)。
【請求項6】
前記ファンリング(19)の直径は、前記蒸気分配導管(8、9)の第1の前記間隔(A1)を規定し、且つ、1つの空気チャンバーモジュール(28)の長さ(L1)も規定し、
それぞれの空気チャンバーモジュール(28)が、前記蒸気分配導管(8、9)の高さ領域内において、基本的に正方形の断面を有していることを特徴とする請求項5に記載の凝縮設備(1)。
【請求項7】
前記空気チャンバー(14)は、高くされた位置において、スタンド機構(23)の上に配置されており、
このスタンド機構が、前記空気チャンバー(14)の前記下側面(15)の下方に位置しており、且つ、前記凝縮設備(1)の基礎面(G)の幅(B2)を区画し、
この幅が、前記蒸気分配導管(8、9)における前記管束(10、11)の前記間隔(A1)よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の凝縮設備(1)。
【請求項8】
前記基礎面(G)の前記幅(B1)は、前記凝縮液集積導管(12、13)の高さ領域内における前記凝縮設備(1)の前記幅(B2)に相応することを特徴とする請求項7に記載の凝縮設備(1)。
【請求項9】
前記管束(10、11)は、7,000から11,000mmまでの範囲内における長さを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の凝縮設備(1)。
【国際調査報告】