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特表2024-539748二重特異性のNK細胞アゴニスト及び製造方法並びに使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】二重特異性のNK細胞アゴニスト及び製造方法並びに使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20241022BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20241022BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20241022BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20241022BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20241022BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20241022BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20241022BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20241022BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20241022BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20241022BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20241022BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20241022BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20241022BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20241022BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
C07K19/00
C07K16/28 ZNA
C07K14/705
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N15/13
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
A61P29/00
A61P35/00
A61P31/12
A61P31/04
A61P31/16
A61P31/20
A61P31/14
A61P35/02
A61P1/00
A61P11/00
A61P15/00
A61K35/12
A61K35/17
A61K35/76
A61K48/00
A61K39/395 N
A61K38/16
A61P43/00 105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546349
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2022102876
(87)【国際公開番号】W WO2023115896
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111566165.1
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】524144280
【氏名又は名称】シャンハイ エヌケー セル テック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】シャオ ウェイファ
(72)【発明者】
【氏名】ティアン ジーガン
(72)【発明者】
【氏名】リー ヤンヤン
(72)【発明者】
【氏名】シエ シーチー
(72)【発明者】
【氏名】チェン ミンファ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA13
4C084BA01
4C084BA02
4C084BA08
4C084BA21
4C084BA22
4C084BA41
4C084CA26
4C084CA53
4C084NA14
4C084ZA591
4C084ZA592
4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZB211
4C084ZB212
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZB351
4C084ZB352
4C085AA14
4C085BB11
4C085CC03
4C085DD62
4C085EE01
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB37
4C087BB65
4C087BC83
4C087NA14
4C087ZA59
4C087ZA66
4C087ZA81
4C087ZB11
4C087ZB21
4C087ZB26
4C087ZB27
4C087ZB33
4C087ZB35
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は生物医薬分野に関し、具体的に二重特異性のNK細胞アゴニスト及び製造方法並びに使用に関する。本開示は、融合タンパク質を提供し、CD16A受容体と4-1BB受容体を標的として、新しい二重特異性のNK細胞アゴニスト薬物、即ちscfv-CD16A-Trimer-4-1BBLを取得し、体外でNK細胞を活性化して増幅する活性を有し、その抗ウイルスと抗腫瘍の能力を増強し、同時に、NK細胞の増殖を促進し、及びT細胞の機能を増強する潜在的な効果を有し、体外でNK細胞を活性化して増幅する使用可能性があり、且つ増幅後のNK細胞は比較的良い細胞毒性を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD16A単鎖抗体と4-1BBL細胞外領域を含み、前記CD16A単鎖抗体は4-1BBL細胞外領域に接続され、前記4-1BBL細胞外領域は少なくとも1~3個の4-1BBL細胞外ドメインを含む融合タンパク質。
【請求項2】
前記4-1BBL細胞外領域は3個の4-1BBL細胞外ドメインを含み、3個の前記4-1BBL細胞外ドメインは順次接続される請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記CD16A単鎖抗体と4-1BBL細胞外領域はフレキシブルジョイントを介して連結され、
任意選択に、3個の前記4-1BBL細胞外ドメインの間はフレキシブルジョイントを介して連結される請求項1または2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記融合タンパク質は非哺乳細胞発現系によって発現され、
任意選択に、前記非哺乳細胞発現系は原核発現系と低級真核発現系の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記非哺乳細胞発現系は大腸菌発現系と酵母発現系の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記酵母発現系はピキア酵母発現系を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記CD16A単鎖抗体はV領域とV領域を含み、前記V領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:1に示され、前記V領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:2に示され、
任意選択に、前記V領域とV領域は第1のジョイントを介して接続され、
任意選択に、前記第1のジョイントはフレキシブルジョイントであり、
任意選択に、前記第1のジョイントの長さは10~20個のアミノ酸であり、
任意選択に、前記第1のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:3に示される請求項1~4のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記V領域またはV領域の一端と前記4-1BBL細胞外領域は第2のジョイントを介して接続され、
任意選択に、前記第2のジョイントはフレキシブルジョイントであり、
任意選択に、前記第2のジョイントの長さは10~20個のアミノ酸であり、
任意選択に、前記第2のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:4に示される請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記4-1BBL細胞外ドメインのアミノ酸配列はSEQ ID NO:5に示される請求項1~6のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
3個の前記4-1BBL細胞外ドメインはそれぞれ第3のジョイントと第4のジョイントを介して互いに接続され、前記第3のジョイントと第4のジョイントは同一または異なり、
任意選択に、前記第3のジョイントと第4のジョイントはいずれもフレキシブルジョイントであり、
任意選択に、前記第3のジョイントと第4のジョイントの長さは15~25個のアミノ酸であり、
任意選択に、前記第3のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:6に示され、
任意選択に、前記第4のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:7に示される請求項1~7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記融合タンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO:8に示される請求項1~8のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする核酸。
【請求項11】
前記核酸は酵母発現系コドンで最適化された核酸であり、
任意選択に、前記核酸のヌクレオチド配列はSEQ ID NO:10に示される請求項10に記載の核酸。
【請求項12】
請求項10または11に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項13】
請求項10または11に記載の核酸、請求項12に記載の発現ベクターを担持したり、または請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質を発現する組換え細胞。
【請求項14】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項10または11に記載の核酸、請求項12に記載の発現ベクター、請求項13に記載の組換え細胞の腫瘍や炎症性疾患の治療や予防に使用される薬物の製造における使用。
【請求項15】
前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含み、
任意選択に、前記細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む請求項14に記載の使用。
【請求項16】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項10または11に記載の核酸、請求項12に記載の発現ベクター、請求項13に記載の組換え細胞の体外でのNK細胞の培養増幅における使用。
【請求項17】
前記NK細胞は末梢血から由来するか、または幹細胞の誘導により得られ、
任意選択に、前記NK細胞は、ヒト末梢血単一核細胞から由来するNK細胞、ヒト臍帯血幹細胞誘導によるNK細胞、ヒト胚性幹細胞誘導によるNK細胞、ヒトiPSC誘導によるNK細胞の少なくとも一方を含む請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項10または11に記載の核酸、請求項12に記載の発現ベクターまたは請求項13に記載の組換え細胞を含む薬物組成物。
【請求項19】
前記薬物組成物は、腫瘍や炎症性疾患の治療や予防に使用され、
任意選択に、前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含み
任意選択に、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含み、
任意選択に、前記細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む請求項18に記載の薬物組成物。
【請求項20】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含む試薬キット。
【請求項21】
前記試薬キットはCD16A及び/又は4-1BBを検出するために使用される請求項20に記載の試薬キット。
【請求項22】
腫瘍または炎症性疾患を患っているまたは疑いのある被験者に、
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質、
請求項10または11に記載の核酸、
請求項12に記載の発現ベクター、
請求項13に記載の組換え細胞、及び
請求項18または19に記載の薬物組成物の少なくとも一方を投与することを含む腫瘍または炎症性疾患を治療または予防する方法。
【請求項23】
前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含み、
任意選択に、前記細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含み
任意選択に、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項10または11に記載の核酸、請求項12に記載の発現ベクター、請求項13に記載の組換え細胞、請求項18または19に記載の薬物組成物の腫瘍または炎症性疾患の治療または予防における使用。
【請求項25】
前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含み、
任意選択に、前記細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む請求項24に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は生物医薬分野に関し、具体的に、二重特異性のNK細胞アゴニスト及び製造方法並びに使用に関する。
【背景技術】
【0002】
NK細胞は固有免疫系の主要な効果細胞であり、T細胞に比べて、NK細胞は予め刺激を必要とせず、パーフォリンとグラニュール酵素及び関連するメカニズムを使用することで、MHC制限なしに腫瘍細胞とウイルス感染細胞を殺傷することができる。NK細胞は数多くの活性化性受容体を発現し、腫瘍細胞または感染細胞が生成したストレス性リガンドを効果的に識別することで、腫瘍細胞を効果的に殺傷することができるが、同時に腫瘍細胞も多くの免疫抑制性の分子を分泌して生成し、免疫抑制性の腫瘍微小環境を形成し、この環境にあるNK細胞の活性及び抗腫瘍能力の発揮を抑制し、NK細胞を枯渇状態にする。現在、免疫検査点遮断、活性化性抗体、活性化性サイトカインなど、腫瘍微小環境におけるNK細胞の枯渇を回復するための多くの方法もあり、これらの方法はNK細胞に活性化信号を提供したり、腫瘍微小環境における抑制信号を遮断したり、NK細胞を正常な活性化状態に回復させたり、抗腫瘍または抗ウイルスの機能を発揮させたりすることができる。
【0003】
CD16AはNK細胞上で発現される重要な活性化受容体の一種であり、CD16Aがそのリガンドまたは抗体結合によって活性化されると、各種のカスケード活性化反応を誘導し、グラニュール酵素、パーフォリン、炎症性サイトカイン及びケモカインを放出し、これは、NK細胞に強力な活性化効果と抗腫瘍能力の増強をもたらすと同時に、4-1BB受容体発現を一時的に向上させる。4-1BB受容体はTNF受容体スーパーファミリーのメンバーの1つであり、4-1BBは主に活性化後のNK細胞、T細胞上で三量体の形で発現し、そのリガンドは4-1BBLであり、現在発見されている唯一の天然に存在するリガンドでもあり、4-1BBLと4-1BBが結合すると、4-1BB受容体が活性化され、この過程は、NK細胞に一定の活性化効果及びADCC効果の増強をもたらす。
【0004】
現在、NK細胞アゴニストに関する研究報告がまだ少なく、既存のNK細胞アゴニストはNK細胞を活性化する能力が限られ、さらに改善する余裕がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、関連技術における技術的問題の一つを少なくともある程度解決することを目的とする。このため、本開示の一つの目的は、CD16A受容体と4-1BB受容体を標的として、新しい二重特異性のNK細胞アゴニスト薬物を取得し、NK細胞を活性化し、その抗ウイルスと抗腫瘍の能力を増強するために使用され、同時に、NK細胞の増殖を促進し、及びT細胞の機能を増強する潜在的な効果を有する融合タンパク質を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本開示の第1態様は、融合タンパク質を提供する。本開示の実施手段によれば、前記融合タンパク質はCD16A単鎖抗体と4-1BBL細胞外領域を含み、前記CD16A単鎖抗体は4-1BBL細胞外領域に接続され、前記4-1BBL細胞外領域は少なくとも1~3個の4-1BBL細胞外ドメインを含む。
【0007】
発明者らは、CD16A受容体と4-1BB受容体を標的として、単鎖CD16A抗体と4-1BBLの細胞外セグメント領域を選択し、新型二重特異性のNK細胞アゴニスト薬物scfv-CD16A/Trimer-4-1BBLを設計することを発見した。このNK細胞アゴニスト薬物は、単鎖CD16A抗体がCD16A受容体を識別した後、融合タンパク質の他端の4-1BBLの細胞外セグメント領域によって4-1BB受容体を識別することにより、NK細胞の増殖が増加してしまう。単鎖のanti-CD16A抗体と1~3個、好ましく3個の4-1BBL細胞外セグメントを接続し、構築した二重特異性のNK細胞アゴニスト薬物は、NK細胞を活性化し、その抗ウイルスと抗腫瘍の能力を増強するために使用され、同時に、NK細胞の増殖を促進し、及びT細胞の機能を増強する潜在的な効果を有する。本開示によるscfv-CD16A/Trimer-4-1BBL融合タンパク質はCD16A受容体と4-1BB受容体との結合によりNK細胞の活性化を協力し、NK細胞の枯渇状態を逆転し、NK細胞の抗腫瘍能力を増強する。本開示によるscfv-CD16A/Trimer-4-1BBL融合タンパク質はNK細胞を効果的に増幅し、NK細胞の純度と増幅倍数を高めることができる。
【0008】
本開示の実施手段によれば、前記融合タンパク質は、以下の付加的な技術的特徴のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0009】
本開示の実施手段によれば、前記4-1BBL細胞外領域は3個の4-1BBL細胞外ドメインを含み、3個の前記4-1BBL細胞外ドメインは順次接続される。
【0010】
3個の4-1BBL細胞外ドメインはCD16A単鎖抗体に連結されてscfv-CD16A-Trimer-4-1BBLを形成する。scfv-CD16A-Trimer-4-1BBLは体外でNK細胞を活性化して増幅させる活性を有し、且つ増幅後のNK細胞は比較的に良い細胞毒性を持っている。
【0011】
本開示の実施手段によれば、前記CD16A単鎖抗体と4-1BBL細胞外領域はフレキシブルジョイントを介して連結される。
【0012】
本開示の実施手段によれば、3個の前記4-1BBL細胞外ドメインの間はフレキシブルジョイントを介して連結される。
【0013】
本開示の実施手段によれば、前記融合タンパク質は非哺乳細胞発現系によって発現される。
【0014】
本開示の実施手段によれば、前記非哺乳細胞発現系は原核発現系と低級真核発現系の少なくとも一方を含む。
【0015】
本開示の実施手段によれば、前記非哺乳細胞発現系は大腸菌発現系と酵母発現系の少なくとも一方を含む。
【0016】
本開示の実施手段によれば、前記酵母発現系はピキア酵母発現系を含む。
【0017】
本開示の実施手段によれば、前記CD16A単鎖抗体はV領域とV領域を含み、前記V領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:1に示され、前記VL領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:2に示される。
【0018】
本開示の実施手段によれば、前記V領域とV領域は第1のジョイントを介して接続される。
【0019】
本開示の実施手段によれば、前記第1のジョイントはフレキシブルジョイントである。
【0020】
本開示の実施手段によれば、前記第1のジョイントの長さは10~20個のアミノ酸である。
【0021】
本開示の実施手段によれば、前記第1のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:3に示される。
【0022】
CD16A単鎖抗体のV領域のアミノ酸配列は以下のSEQ ID NO:1に示され、
QVQLVQSGAEVKKPGESLKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGIINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARGSAYYYDFADYWGQGTLVTVSS
CD16A単鎖抗体のV領域のアミノ酸配列は以下のSEQ ID NO:2に示され、
SYVLTQPSSVSVAPGQTATISCGGHNIGSKNVHWYQQRPGQSPVLVIYQDNKRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISGTQAMDEADYYCQVWDNYSVLFGGGTKLTVL
第1のジョイントのアミノ酸配列は以下のSEQ ID NO:3に示され、
GGGGSGGGGSGGGGS。
【0023】
本開示の実施手段によれば、前記V領域またはV領域の一端と前記4-1BBL細胞外領域は第2のジョイントを介して接続される。
【0024】
本開示の実施手段によれば、前記第2のジョイントはフレキシブルジョイントである。
【0025】
本開示の実施手段によれば、前記第2のジョイントの長さは10~20個のアミノ酸である。
【0026】
本開示の実施手段によれば、前記第2のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:4に示される。
【0027】
第2のジョイントのアミノ酸配列は以下のSEQ ID NO:4に示され、
GGGGSGGGGSGGGG。
【0028】
本開示の実施手段によれば、前記4-1BBL細胞外ドメインのアミノ酸配列はSEQ ID NO:5に示される。
【0029】
4-1BBL細胞外ドメインのアミノ酸配列は以下のSEQ ID NO:5に示され、
REGPELSPDDPAGLLDLRQGMFAQLVAQNVLLIDGPLSWYSDPGLAGVSLTGGLSYKEDTKELVVAKAGVYYVFFQLELRRVVAGEGSGSVSLALHLQPLRSAAGAAALALTVDLPPASSEARNSAFGFQGRLLHLSAGQRLGVHLHTEARARHAWQLTQGATVLGLFRVTPEIPAGLPSPRSE。
【0030】
本開示の実施手段によれば、3個の前記4-1BBL細胞外ドメインはそれぞれ第3のジョイントと第4のジョイントを介して互いに接続され、前記第3のジョイントと第4のジョイントは同一または異なる。
【0031】
本開示の実施手段によれば、前記第3のジョイントと第4のジョイントはいずれもフレキシブルジョイントである。
【0032】
本開示の実施手段によれば、前記第3のジョイントと第4のジョイントの長さは15~25個のアミノ酸である。
【0033】
本開示の実施手段によれば、前記第3のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:6に示される。
【0034】
本開示の実施手段によれば、前記第4のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:7に示される。
【0035】
第3のジョイントのアミノ酸配列は以下のSEQ ID NO:6に示され、
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
第4のジョイントのアミノ酸配列は以下のSEQ ID NO:7に示され、
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS。
【0036】
本開示の実施手段によれば、前記融合タンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO:8に示される。
【0037】
融合タンパク質のアミノ酸配列は以下のSEQ ID NO:8に示され、
QVQLVQSGAEVKKPGESLKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGIINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARGSAYYYDFADYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSSYVLTQPSSVSVAPGQTATISCGGHNIGSKNVHWYQQRPGQSPVLVIYQDNKRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISGTQAMDEADYYCQVWDNYSVLFGGGTKLTVLGGGGSGGGGSGGGGREGPELSPDDPAGLLDLRQGMFAQLVAQNVLLIDGPLSWYSDPGLAGVSLTGGLSYKEDTKELVVAKAGVYYVFFQLELRRVVAGEGSGSVSLALHLQPLRSAAGAAALALTVDLPPASSEARNSAFGFQGRLLHLSAGQRLGVHLHTEARARHAWQLTQGATVLGLFRVTPEIPAGLPSPRSEGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSREGPELSPDDPAGLLDLRQGMFAQLVAQNVLLIDGPLSWYSDPGLAGVSLTGGLSYKEDTKELVVAKAGVYYVFFQLELRRVVAGEGSGSVSLALHLQPLRSAAGAAALALTVDLPPASSEARNSAFGFQGRLLHLSAGQRLGVHLHTEARARHAWQLTQGATVLGLFRVTPEIPAGLPSPRSEGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSREGPELSPDDPAGLLDLRQGMFAQLVAQNVLLIDGPLSWYSDPGLAGVSLTGGLSYKEDTKELVVAKAGVYYVFFQLELRRVVAGEGSGSVSLALHLQPLRSAAGAAALALTVDLPPASSEARNSAFGFQGRLLHLSAGQRLGVHLHTEARARHAWQLTQGATVLGLFRVTPEIPAGLPSPRSEHHHHHH
【0038】
本開示の第2の態様は核酸を提供する。本開示の実施手段によれば、前記核酸は第1の態様に記載の融合タンパク質をコードする。
【0039】
本開示の実施手段によれば、前記核酸は酵母発現系のコドンによって最適化された核酸である。
【0040】
本開示の実施手段によれば、前記核酸のヌクレオチド配列はSEQ ID NO:10に示される。
【0041】
コドンによって最適化されていない上記融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は以下のSEQ ID NO:9に示され、
CAAGTTCAATTGGTTCAATCTGGTGCTGAGGTTAAGAAACCAGGTGAGTCTTTGAAGGTTTCTTGTAAGGCTTCTGGTTATACTTTCACTTCTTACTATATGCATTGGGTTAGACAAGCTCCAGGTCAAGGTTTGGAGTGGATGGGTATTATTAATCCATCTGGTGGTTCTACTTCTTATGCTCAAAAGTTCCAAGGTAGAGTTACTATGACTAGAGATACTTCTACTTCTACTGTTTATATGGAGTTGTCTTCTTTGAGATCTGAAGATACTGCTGTTTATTATTGTGCTAGAGGTTCTGCTTATTATTATGATTTCGCTGATTATTGGGGTCAAGGTACTTTGGTTACTGTCTCTTCTGGTGGTGGTGGTTCTGGTGGTGGTGGTTCTGGTGGTGGTGGTTCCTCTTACGTCTTGACTCAACCATCTTCTGTCTCTGTTGCTCCAGGTCAAACTGCTACTATTTCTTGTGGTGGTCATAATATTGGTTCTAAGAATGTTCATTGGTATCAACAAAGACCAGGTCAATCTCCAGTCTTGGTCATCTATCAAGATAACAAGAGACCATCTGGTATTCCAGAGAGATTCTCTGGTTCTAATTCTGGTAATACTGCTACTTTGACTATTTCTGGTACTCAAGCTATGGATGAAGCTGATTACTATTGTCAAGTTTGGGATAATTATTCTGTCTTGTTCGGTGGTGGTACTAAGTTGACTGTTTTGGGTGGTGGTGGTTCTggaGGTggcGGTTCTGGTGGTGGTGGTCGCGAGGGTCCCGAGCTTTCGCCCGACGATCCCGCCGGCCTCTTGGACCTGCGGCAGGGCATGTTTGCGCAGCTGGTGGCCCAAAATGTTCTGCTGATCGATGGGCCCCTGAGCTGGTACAGTGACCCAGGCCTGGCAGGCGTGTCCCTGACGGGGGGCCTGAGCTACAAAGAGGACACGAAGGAGCTGGTGGTGGCCAAGGCTGGAGTCTACTATGTCTTCTTTCAACTAGAGCTGCGGCGCGTGGTGGCCGGCGAGGGCTCAGGCTCCGTTTCACTTGCGCTGCACCTGCAGCCACTGCGCTCTGCTGCTGGGGCCGCCGCCCTGGCTTTGACCGTGGACCTGCCACCCGCCTCCTCCGAGGCTCGGAACTCGGCCTTCGGTTTCCAGGGCCGCTTGCTGCACCTGAGTGCCGGCCAGCGCCTGGGCGTCCATCTTCACACTGAGGCCAGGGCACGCCATGCCTGGCAGCTTACCCAGGGCGCCACAGTCTTGGGACTCTTCCGGGTGACCCCCGAAATCCCAGCCGGACTCCCTTCACCGAGGTCGGAAGGTGGTGGTGGTTCTggaGGTggcGGTTCTGGTGGTGGTGGTTCTggaGGTggcGGTTCTCGCGAGGGTCCCGAGCTTTCGCCCGACGATCCCGCCGGCCTCTTGGACCTGCGGCAGGGCATGTTTGCGCAGCTGGTGGCCCAAAATGTTCTGCTGATCGATGGGCCCCTGAGCTGGTACAGTGACCCAGGCCTGGCAGGCGTGTCCCTGACGGGGGGCCTGAGCTACAAAGAGGACACGAAGGAGCTGGTGGTGGCCAAGGCTGGAGTCTACTATGTCTTCTTTCAACTAGAGCTGCGGCGCGTGGTGGCCGGCGAGGGCTCAGGCTCCGTTTCACTTGCGCTGCACCTGCAGCCACTGCGCTCTGCTGCTGGGGCCGCCGCCCTGGCTTTGACCGTGGACCTGCCACCCGCCTCCTCCGAGGCTCGGAACTCGGCCTTCGGTTTCCAGGGCCGCTTGCTGCACCTGAGTGCCGGCCAGCGCCTGGGCGTCCATCTTCACACTGAGGCCAGGGCACGCCATGCCTGGCAGCTTACCCAGGGCGCCACAGTCTTGGGACTCTTCCGGGTGACCCCCGAAATCCCAGCCGGACTCCCTTCACCGAGGTCGGAAGGTGGTGGTGGTTCTggaGGTggcGGTTCTGGTGGTGGTGGTTCTggaGGTggcGGTTCTCGCGAGGGTCCCGAGCTTTCGCCCGACGATCCCGCCGGCCTCTTGGACCTGCGGCAGGGCATGTTTGCGCAGCTGGTGGCCCAAAATGTTCTGCTGATCGATGGGCCCCTGAGCTGGTACAGTGACCCAGGCCTGGCAGGCGTGTCCCTGACGGGGGGCCTGAGCTACAAAGAGGACACGAAGGAGCTGGTGGTGGCCAAGGCTGGAGTCTACTATGTCTTCTTTCAACTAGAGCTGCGGCGCGTGGTGGCCGGCGAGGGCTCAGGCTCCGTTTCACTTGCGCTGCACCTGCAGCCACTGCGCTCTGCTGCTGGGGCCGCCGCCCTGGCTTTGACCGTGGACCTGCCACCCGCCTCCTCCGAGGCTCGGAACTCGGCCTTCGGTTTCCAGGGCCGCTTGCTGCACCTGAGTGCCGGCCAGCGCCTGGGCGTCCATCTTCACACTGAGGCCAGGGCACGCCATGCCTGGCAGCTTACCCAGGGCGCCACAGTCTTGGGACTCTTCCGGGTGACCCCCGAAATCCCAGCCGGACTCCCTTCACCGAGGTCGGAACATCATCACCATCACCAT
【0042】
コドンによって最適化された上記融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は以下のSEQ ID NO:10に示され、
CAAGTTCAGTTGGTGCAATCTGGTGCTGAGGTTAAGAAACCAGGTGAGTCATTGAAGGTTTCCTGTAAAGCCTCTGGTTATACTTTCACCTCATACTATATGCATTGGGTTCGACAAGCTCCAGGTCAAGGTTTAGAGTGGATGGGTATAATTAATCCCTCTGGTGGAAGCACTTCCTATGCTCAGAAGTTCCAAGGTCGGGTAACTATGACCCGTGATACAAGCACATCTACAGTGTATATGGAGCTGTCGAGTTTAAGGAGTGAGGACACTGCTGTTTATTACTGTGCGCGCGGTTCAGCATACTATTACGATTTCGCCGACTACTGGGGTCAAGGAACTTTAGTAACAGTCTCTTCTGGAGGTGGAGGTTCTGGTGGAGGTGGATCTGGTGGAGGTGGATCCTCTTACGTCTTGACTCAACCCTCTTCTGTCTCCGTAGCTCCAGGTCAAACTGCCACAATTAGCTGTGGCGGGCATAATATAGGTAGTAAGAATGTTCATTGGTATCAACAGCGGCCAGGTCAGTCACCCGTTCTCGTCATCTACCAGGATAACAAGCGCCCCAGTGGTATTCCTGAGCGTTTCTCTGGTAGCAATTCGGGTAATACTGCTACGTTGACAATTAGCGGTACTCAAGCTATGGACGAGGCGGATTACTATTGCCAAGTTTGGGATAATTATTCCGTCCTCTTCGGTGGGGGTACTAAGCTTACAGTGTTAGGTGGAGGTGGATCTggaGGTggcGGTTCTGGTGGAGGTGGAAGAGAGGGACCAGAATTGTCCCCAGATGACCCTGCTGGCTTATTGGACCTTAGACAAGGAATGTTTGCCCAGTTAGTAGCTCAAAACGTTCTACTTATCGATGGTCCACTTTCATGGTATTCAGATCCAGGGTTGGCGGGCGTCAGCCTGACCGGTGGACTGAGTTACAAAGAAGATACTAAGGAGTTGGTTGTAGCTAAAGCAGGAGTTTACTATGTGTTTTTCCAACTCGAACTAAGACGAGTTGTGGCCGGTGAAGGGTCGGGGTCTGTCTCCTTGGCTCTACACTTACAACCCCTTCGTTCAGCTGCCGGAGCAGCAGCCCTGGCTCTGACAGTTGACTTGCCACCTGCATCCTCAGAAGCACGTAACAGTGCTTTTGGATTTCAAGGCAGATTGCTACATTTATCCGCAGGGCAGAGACTCGGAGTGCACTTGCACACGGAGGCTAGAGCCAGGCATGCTTGGCAGTTGACCCAGGGCGCTACTGTCTTGGGTCTGTTCAGAGTTACCCCTGAAATTCCTGCCGGACTTCCTTCGCCGAGGAGTGAAGGTGGAGGTGGTTCTGGTGGAGGTGGATCTGGTGGAGGTGGATCTGGTGGTGGAGGTTCTAGAGAGGGACCAGAATTGTCCCCAGATGACCCTGCTGGCTTATTGGACCTTAGACAAGGAATGTTTGCCCAGTTAGTAGCTCAAAACGTTCTACTTATCGATGGTCCACTTTCATGGTATTCAGATCCAGGGTTGGCGGGCGTCAGCCTGACCGGTGGACTGAGTTACAAAGAAGATACTAAGGAGTTGGTTGTAGCTAAAGCAGGAGTTTACTATGTGTTTTTCCAACTCGAACTAAGACGAGTTGTGGCCGGTGAAGGGTCGGGGTCTGTCTCCTTGGCTCTACACTTACAACCCCTTCGTTCAGCTGCCGGAGCAGCAGCCCTGGCTCTGACAGTTGACTTGCCACCTGCATCCTCAGAAGCACGTAACAGTGCTTTTGGATTTCAAGGCAGATTGCTACATTTATCCGCAGGGCAGAGACTCGGAGTGCACTTGCACACGGAGGCTAGAGCCAGGCATGCTTGGCAGTTGACCCAGGGCGCTACTGTCTTGGGTCTGTTCAGAGTTACCCCTGAAATTCCTGCCGGACTTCCTTCGCCGAGGAGTGAAGGTGGAGGTGGATCTGGTGGAGGTGGCTCTGGTGGCGGTGGTTCTGGTGGCGGTGGCTCTAGAGAGGGACCAGAATTGTCCCCAGATGACCCTGCTGGCTTATTGGACCTTAGACAAGGAATGTTTGCCCAGTTAGTAGCTCAAAACGTTCTACTTATCGATGGTCCACTTTCATGGTATTCAGATCCAGGGTTGGCGGGCGTCAGCCTGACCGGTGGACTGAGTTACAAAGAAGATACTAAGGAGTTGGTTGTAGCTAAAGCAGGAGTTTACTATGTGTTTTTCCAACTCGAACTAAGACGAGTTGTGGCCGGTGAAGGGTCGGGGTCTGTCTCCTTGGCTCTACACTTACAACCCCTTCGTTCAGCTGCCGGAGCAGCAGCCCTGGCTCTGACAGTTGACTTGCCACCTGCATCCTCAGAAGCACGTAACAGTGCTTTTGGATTTCAAGGCAGATTGCTACATTTATCCGCAGGGCAGAGACTCGGAGTGCACTTGCACACGGAGGCTAGAGCCAGGCATGCTTGGCAGTTGACCCAGGGCGCTACTGTCTTGGGTCTGTTCAGAGTTACCCCTGAAATTCCTGCCGGACTTCCTTCGCCGAGGAGTGAACATCATCATCACCATCAT
【0043】
本開示の第3の態様が発現ベクターを提供する。本開示の実施手段によれば、前記発現ベクターは第2の態様に記載の核酸を含む。
【0044】
本開示の第4の態様は組換え細胞を提供する。本開示の実施手段によれば、前記組換え細胞は、第2の態様に記載の核酸、第3の態様に記載の発現ベクターを担持したり、第1の態様に記載の融合タンパク質を発現したりする。
【0045】
本開示の第5の態様は第1の態様に記載の融合タンパク質、第2の態様に記載の核酸、第3の態様に記載の発現ベクターまたは第4の態様に記載の組換え細胞の薬物の製造における使用を提供し、前記薬物は、腫瘍や炎症性疾患の治療や予防に使用される。
【0046】
本開示の実施手段によれば、前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含む。
【0047】
本開示の実施手段によれば、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含む。
【0048】
本開示の実施手段によれば、前記細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含む。
【0049】
本開示の実施手段によれば、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染のうちの少なくとも1つを含む。
【0050】
本開示の第6態様は第1の態様に記載の融合タンパク質、第2の態様に記載の核酸、第3の態様に記載の発現ベクターまたは第4の態様に記載の組換え細胞の体外でのNK細胞の培養増幅における使用を提供する。
【0051】
本開示の実施手段によれば、前記NK細胞は、末梢血から由来するか、幹細胞の誘導により得られる。本開示の実施手段によれば、前記NK細胞は、ヒト末梢血単一核細胞由来のNK細胞、ヒト臍帯血幹細胞の誘導によるNK細胞、ヒト胚性幹細胞誘導によるNK細胞、ヒトiPSC誘導によるNK細胞の少なくとも一方を含む。
【0052】
本開示の第7態様は、薬物組成物を提供する。本開示の実施手段によれば、前記薬物組成物は、第1の態様に記載の融合タンパク質、第2の態様に記載の核酸、第3の態様に記載の発現ベクターまたは第4の態様に記載の組換え細胞を含む。
【0053】
本開示の実施手段によれば、前記薬物組成物は、腫瘍や炎症性疾患の治療や予防に使用される。
【0054】
本開示の実施手段によれば、前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含む。
【0055】
本開示の実施手段によれば、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含む。
【0056】
本開示の実施手段によれば、前記細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含む。
【0057】
本開示の実施手段によれば、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む。
【0058】
本開示の第8の態様は試薬キットを提供する。本開示の実施手段によれば、前記試薬キットは第1の態様に記載の融合タンパク質を含む。
【0059】
本開示の実施手段によれば、前記試薬キットはCD16A及び/又は4-1BBを検出するために使用される。
【0060】
本開示第9の態様は、腫瘍または炎症性疾患を治療または予防する方法を提供する。本開示の実施手段によれば、前記方法は、腫瘍または炎症性疾患を患っている、または疑いのある被験者に、
第1の態様に記載の融合タンパク質、
第2の態様に記載の核酸、
第3の態様に記載の発現ベクター、
第4の態様に記載の組換え細胞、及び
第7態様に記載の薬物組成物の少なくとも一方を投与するステップを含む。
【0061】
本開示の実施手段によれば、前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含む。
【0062】
本開示の実施手段によれば、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含む。
【0063】
本開示の実施手段によれば、前記細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含む。
【0064】
本開示の実施手段によれば、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む。
【0065】
本開示の第10の態様は、第1の態様に記載の融合タンパク質、第2の態様に記載の核酸、第3の態様に記載の発現ベクター、第4の態様に記載の組換え細胞、第7態様に記載の薬物組成物の腫瘍または炎症性疾患の治療または予防における使用を提供する。
【0066】
本開示の実施手段によれば、前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含む。
【0067】
本開示の実施手段によれば、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含む。
【0068】
本開示の実施手段によれば、前記細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含む。
【0069】
本開示の実施手段によれば、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む。
【0070】
本開示の付加的な態様と利点を以下の説明では部分的に示し、部分的に以下の説明から明らかになり、または本開示の実践を通じて了解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
本開示の上記および/または付加的な態様と利点は、以下の図面を組み合わせた実施例の説明から明らかになり、理解しやすい。
図1】タンパク質発現ベクター及びscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の模式図である。
図2】scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質発現クローンのスクリーニング結果であり、図(A)はドットブロット(Dot Blot)結果であり、図(B)はウェスタンブロット(Western Blot)結果(抗His tag抗体)である。
図3】scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の発酵発現結果であり、図(A)は発酵プロセスパラメータのモニタリングであり、図(B)は標的タンパク質の蓄積時点検出結果である。
図4】scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の精製及び物理化学的同定であり、図(A)はscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質純度SDS-PAGE検出結果であり、図(B)はscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の動的光散乱検出結果であり、図(C)はscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質のHPLC検出結果である。
図5】scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の体外活性化NK細胞活性の検出結果である。
図6】scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の体外誘導によるNK細胞の増幅及び増幅効果の評価結果であり、図(A)はscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の体外誘導によるNK細胞の増幅後のNK純度検出結果であり、図(B)はscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の体外誘導によるNK細胞の増幅倍数の検出結果であり、図(C)はscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の体外誘導によるNKの増幅後の総細胞増幅倍数の検出結果であり、図(D)はscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の体外誘導によるNK細胞の増幅後細胞亜群の検出結果であり、図(E)はscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質の体外誘導によるNK細胞の増幅後の細胞殺傷活性の検出結果である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下、本開示の実施例を詳細に説明する。以下で説明される実施例は例示的なものであり、本開示を解釈するためにのみ使用され、本開示に対する制限として理解すべきではない。
【0073】
なお、「第1の」、「第2の」といった用語は目的を説明するためのものにすぎず、相対的に重要性を示す若しくは暗に示す、または技術的特徴を明示する数を暗に示すとみなすことはできない。したがって、「第1の」、「第2の」と限定している特徴は1つまたは複数の該特徴を含むことを明示するまたは暗に示すことができる。本開示の説明では、特に明確かつ具体的に限定している場合を除き、「複数」の概念は少なくとも2つ、例えば2つまたは3つである。
【0074】
本開示による幾つかの具体的な実施手段によれば、本開示は、融合タンパク質を提供し、CD16A単鎖抗体と4-1BBL細胞外領域を含み、前記CD16A単鎖抗体は4-1BBL細胞外領域に接続され、前記4-1BBL細胞外領域は少なくとも1~3個の4-1BBL細胞外ドメインを含む。例えば、前記4-1BBL細胞外領域は3個の4-1BBL細胞外ドメインを含み、3個の前記4-1BBL細胞外ドメインは順次接続されて、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質を形成する。
【0075】
本開示による融合タンパク質は、CD16A受容体と4-1BB受容体を標的として、新しい二重特異性のNK細胞アゴニスト薬物、即ちscfv-CD16A-Trimer-4-1BBLを取得し、体外でNK細胞を活性化して増幅する活性を有し、その抗ウイルスと抗腫瘍の能力を増強し、同時に、NK細胞の増殖を促進し、及びT細胞の機能を増強する潜在的な効果を有し、且つ増幅後のNK細胞は比較的良い細胞毒性を有する。
【0076】
ここで、「抗体」という用語は、特異的抗原と結合できる免疫球タンパク質分子である。2本の分子量が軽い軽鎖と2本の分子量が重い重鎖を含み、重鎖(H鎖)と軽鎖(L鎖)はジスルフィド結合で接続して1つのテトラペプチド鎖分子を形成する。ここで、ペプチド鎖のアミノ端(N端)アミノ酸配列の変化が大きく、可変領域(V領域)、カルボキシル端(C端)は相対的に安定であり、変化が小さく、定常領域(C領域)と呼ばれる。L鎖とH鎖のV領域はそれぞれVLとVHと呼ばれ、L鎖のC領域はCLであり、H鎖のC領域はCH1領域、CH2領域及びCH3領域を含む。
【0077】
本開示において、末梢血単一核細胞(Peripheral blood mononuclear cell,PBMC)は末梢血中に単一核を有する細胞であり、リンパ球と単核細胞を含む。
【0078】
本開示による幾つかの具体的な実施手段によれば、前記第1、第2、第3、第4の連結ペプチドはグリシンとセリンからなる柔軟なポリペプチドである。
【0079】
本開示による幾つかの具体的な実施手段によれば、本開示による薬物組成物は、任意の溶媒、固体賦形剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、または他の液体賦形剤、分散剤、香味矯正剤または懸濁剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤、乳化剤、防腐剤、固体結合剤、流動促進剤または潤滑剤等を含む薬学的に許容されるベクターをさらに含み、特有の標的剤形に適する。任意の従来の添加剤が本開示の融合タンパク質と相溶しない範囲、例えば生成された任意の不良な生物学的効果、または薬学的に許容される組成物の他の成分と有害な方法で生成された相互作用に加えて、その使用も本開示で考慮された範囲である。
【0080】
例えば、本開示の融合タンパク質は、非経口投与(例えば静脈内、皮下、腹膜内、筋肉内)に適した薬物組成物に組み込むことができる。これらの薬物組成物は様々な形態に製造することができる。例えば液体、半固体及び固体剤形などは、液体溶液(例えば、注射溶液と注入溶液)、分散剤または懸濁剤、錠剤、丸剤、粉末、リポソーム及び坐剤を含むが、これらに限定されない。前記融合タンパク質は静脈注入射または筋肉内または皮下注射によって投与することができる。
【0081】
ここで使用される用語「治療」と「予防」及びここに由来する単語は、100%または完全な治療または予防を暗に示す必要がない。逆に、異なる程度の治療または予防が存在し、当業者は、前記治療または予防は潜在的な利益または治療効果があると考えている。そして、本開示による治療または予防は、癌など、治療または予防中の疾患の1つまたは複数の病患または症状の治療または予防を指す。また、本明細書の目的のために、「予防」は、疾患またはその症状または疾患の発症を遅らせることを含むことができる。
【0082】
以下、本開示の実施例を詳細に説明する。以下で説明される実施例は例示的なものであり、本開示を解釈するためにのみ使用され、本開示に対する制限として理解すべきではない。実施例に具体的な技術または条件が示されない場合、当該分野の文献に記載されている技術または条件に従って、または製品の明細書に従って実行する必要がある。用いられる試薬または機器にメーカーが示されない場合、市販によって購入できる従来の製品である。
【0083】
実施例1.二重特異性NK細胞アゴニストscfv-CD16A-Trimer-4-1BBLの融合タンパク質発現ベクターの構築
【0084】
1、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合遺伝子の取得
scfv-CD16Aの配列情報(scfv-CD16AはVとVを含み、且つVとVはlinker1を介して接続し、Vのアミノ酸配列はSEQ ID NO:1に示され、Vのヌクレオチド配列はSEQ ID NO:2に示され、linker1のヌクレオチド配列はSEQ ID NO:3に示される)を取得し、NCBIから4-1BBL細胞外セグメント71-254配列(SEQ ID NO:5に示される)を取得し、scfv-CD16Aと3つの4-1BBL細胞外セグメントをlinker2を介して接続し(SEQ ID NO:4に示される)、且つ3つの4-1BBL細胞外セグメントドメインの間は順次linker3(SEQ ID NO:6に示される)とlinker4(SEQ ID NO:7に示される)を介して接続する。得られたコドンで最適化されていない元のscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合遺伝子はSEQ ID NO:9に示される。
【0085】
元のscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合遺伝子配列を調整して改造し、ピキア酵母コドンによる最適化を行い、及び両端にXholとNotIの2つの酵素切断部位を添加し、最適化して調整した後の遺伝子配列はSEQ ID NO:10に示され、その後、該遺伝子配列を全遺伝子合成し、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質遺伝子配列を得る。
【0086】
2、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質のピキア酵母発現ベクターの構築
前のステップで得られたscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質遺伝子配列とピキア酵母発現プラスミドPGAPzα-rDNA-NTSはいずれも制限エンドヌクレアーゼXholとNotIを使用して二重酵素切断を行う。酵素切断scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質遺伝子配列産物遺伝子はPCR産物回収試薬キットで回収(Axygen社)し、酵素切断プラスミドはDNAゲル回収試薬キットで回収(Axygen社)し、操作手順は試薬キットの説明を参照する。回収によって得られた酵素切断後融合タンパク質遺伝子と酵素切断後ベクターはT4 DNA連結酵素で接続する。酵素連結産物は大腸菌TOP10受容体細胞を形質転換する。形質転換操作手順は、10μLの酵素連結産物を100μLの大腸菌受容体に加え、均一に混合し、氷上で15-30分間静置し、5分おきに均等に弾き、その後、42℃で90秒熱刺激し、氷上で3~5分間静置し、400ulの抗生物質を含まないLB液体培地を加え、37℃でロッキングベッドで45分間蘇生培養し、その後、Zeocin耐性プレートを塗布した。
【0087】
プレートにクローン菌コロニーを成長した後、単一のコロニークローンを選択してLZ液体培地(Zeocin耐性のLB培地)を含む細胞培養チューブ内に入れて、37℃で6-8h培養し、その後、菌液をテンプレートとしてPCR同定を行い、得られた陽性クローンをPGAP-zα-scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL(タンパク質発現ベクターは図1に示される)と命名し、陽性クローンに対応する菌液をプラスミド小量抽出試薬キットで抽出し、汎用生物と金唯智に送ってシーケンシングする。
【0088】
シーケンシング結果は理論的に予想される結果と一致し、クローン構築は正しい。
【0089】
実施例2.二重特異性NK細胞アゴニストscfv-CD16A-Trimer-4-1BBLの融合タンパク質の発現と精製
【0090】
1、融合タンパク質発現
50mLのLZ液体培地を用いて実施例1で構築された陽性クローンを拡大培養し、中量の試薬キット(Axygen社)でプラスミドPGAP-z α-scfv-CD16A-Trimer-4-1BBLを抽出する。前のステップで調製された発現プラスミドPGAPz α-scfv-CD16A-Trimer-4-1BBLをエンドヌクレアーゼSpeIで線形化し、エタノール沈殿により回収する。
【0091】
エタノール沈殿ステップ:1)酵素切断反応系に2倍体積の無水エタノールと0.1倍体積の3M酢酸ナトリウムを加え、-20℃で2時間以上沈殿させる。2)12000gを10間遠心分離し、上澄みを廃棄する。3)300μL、70%のエタノールで再懸濁して沈殿させ、12000gを10分間遠心分離し、上澄みを廃棄する。4)37℃で乾燥し、脱イオンで再懸濁して濃度を測定し、濃度を0.5-1.0μg/μLに調整する。
【0092】
酵母受容体の製造:作製ステップ:1)凍結保存の良好なバステピキア酵母X33菌株を取り、YPDプレートに線を引き、酵母培養タンクで30℃恒温培養した。2)クローンが直径1mm程度に成長したら、クローンを液体4mLYPD培地に取り出し、酵母をロッキングベッドで30℃で恒温培養する。3)24-48時間培養する。該菌液1mLを50mLの新鮮なYPD培地に接種する。4)OD600値が1-1.5に達すると、菌液を50mLの遠心分離管に移り、4℃で、1500gの菌液を5分間遠心分離し、上澄みを廃棄する。5)50mL氷水で再懸濁し、4℃で、1500gを5分間遠心分離し、上澄みを廃棄し、1回繰り返す。6)50mLの1Mコールドソルビトールで再懸濁し、4℃で、1500gを5分間遠心分離し、上澄みを廃棄し、1回繰り返す。7)500μLの1Mのコールドソルビトールで再懸濁した。
【0093】
電気形質転換ステップ:上記受容体細胞100μLを無菌予冷電気回転カップに入れ、その内に10μLの線形化プラスミド(5-10μg)を加え、均一に混合する。電気回転計パラメータ:2000V、200Ω、25μFに設定する。電気回転し、電気回転した後に直ちに電気回転カップに1mのL1Mコールドソルビトールを加え、氷上で5~10min静置し、その後、全部の菌液を1mlのYPDを入れた50ml遠心分離管に移り、30℃で、225rpm、2h蘇生する。蘇生が終了した後、100-1000μLの上記菌液を取ってYPDZ(Zeocin耐性を含むプレート)プレートに塗布し、プレートを30℃の恒温酵母培養タンクに置いて培養する。
【0094】
陽性発現クローンスクリーニング:上記YPDZプレートに酵母クローンを成長した後、若干のクローンを2mLのBMGY培地に選択して入れて、酵母をロッキングベッドで28℃で菌液乳白まで恒温培養する。その中の1mLの菌液を凍結保存して種を保存し、残りの1mLの菌液12000gを5分間遠心分離した後、上澄みを取り、抗His tag抗体を用いてDot blot同定の初期スクリーニング(結果は図2に示される)を行い、発現量が相対的に高い酵母菌株を選別し、その後、発現量が相対的に高い酵母菌株(e1、c7、c11、d1、f13)をzeocinを含むYPDプレートに塗布し、クローンを成長した後にその中から複数のクローンを選択し、上記のように菌を振って菌液上澄みを取得し、Anti-his tag抗体を用いてWestern Blot同定分析を行い、高発現菌株をスクリーニングし、対応する菌株の残りの1mLの菌液を凍結保存して種を保存し、この高発現菌株(f13-3)はscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL複合体タンパク質を発現できるピキア酵母菌株である。
【0095】
2、融合タンパク質の発酵、精製及び同定
発現菌株培養:組換え菌株の発酵はInvitrogen社の発酵指導マニュアルに従って行う。スクリーニングした高発現菌株を4mLのYPD培地を含む細胞培養チューブに接種し、OD600が2-6にするまで、30℃でロッキングベッドで24-48時間培養し、即ち発酵一級種子液である。1mLの該種子液を取って200mLのBMGY培地を含むコーンボトルに移し入れ、30℃でロッキングベッドで12-24時間培養し、即ち発酵二級種子液である。200mLの二級種子液を全部6LのBMGY培地を含む発酵タンクに接種する。パラメータの設定:培養温度30℃、pH6.0で、溶存酸素、回転速度などを監視し、発酵培養を開始する。菌体成長段階ではBMGY培地を採用し、溶存酸素が急速上昇した場合、培地中の基礎グリセリンが消費され尽くし、グリセリンの添加を開始し、グリセリンの添加速度は70ml/hであり、発酵温度を25℃に調整し、発酵の終了まで続く。
【0096】
培養液清澄:発酵が終了した後、10000gを30分間遠心分離し、上澄みを収集し、0.22μmと500kDaマイクロフィルターで濾過清澄した後、その後PHを7.4に調整する。
【0097】
タンパク質の捕獲:アフィニティカラムニッケルカラムを使用して組換え融合タンパク質を捕獲する。具体的なステップは以下の通りである。1)脱イオンでカラムを5カラムの体積洗い流す。2)PBSでカラムを3カラムの体積洗い流す。3)サンプルを添加する。4)サンプル添加が終了した後、PBSでカラムを3カラムの体積洗い流す。5)不純物洗浄:10mM、20mM、30mM、40mMのイミダゾールを含むPBS溶液を用いてカラムを段階的に洗い流し、濃度当たりを1~1.5カラムの体積洗い流す。6)標的タンパク質を溶出し、溶出液は濃度が200mMのイミダゾールを含むPBS溶液であり、収集した溶出液が濃縮した後に後続の精製に用いられる。
【0098】
細い精製:AKTA PURE 25を使用し、PBS緩衝液でSuperdex200分子篩を平衡化させ、平衡化した後、中性溶出液にサンプルを添加し、PBS緩衝液で洗い流した後に溶出サンプルを収集する。続いて、該サンプルを濃縮した後に同じ方法でSuperdex75分子篩を通過し、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL組換えタンパク質を得た。
【0099】
組換えタンパク質の同定:精製されたタンパク質をSDS-PAGE、HPLC、動的光散乱同定する。
【0100】
図2は、YPDZ耐性培養板でスクリーニングし、融合タンパク質の酵母発現菌株を取得することを示す。Dot blotを用いて初期スクリーニングを行い、発現量が相対的に高いクローンを初めに取得することができ、その後、Western Blotによって確認して比較し、発現量が高い酵母発現クローンをスクリーニングすることができ、続いたタンパク質発現の精製に用いられる。
【0101】
図3は、発酵過程の各パラメータのモニタリングを示し、発酵過程全体が50時間続いて、発酵過程が安定して繰り返しやすく、図3中の図Aは、基礎グリセリン培養段階終了時からグリセリンを添加して誘導タンパク質発現(20h)を制限的に培養し、過程全体のタンパク質が蓄積し続け、43~50hタンパク質蓄積量はあまり差がなく、発酵終点(図3中の図Bはそれぞれ発酵20h、28h、35h、43h、50hの発酵上澄み液中のscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL組換えタンパク質の量を示す)を判定し、
遠心分離濾過と2段階精製により、SDS-PAGE、HPLC同定により、タンパク質純度は95%以上(図4中の図A図C)に達することができ、且つscfv-CD16A-Trimer-4-1BBLタンパク質分子量は約95kDa程度で、予想通りであり、
動的光散乱同定により、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBLの分子直径が約10nm程度で、分子間の均一性が良い(図4中の図B)。
【0102】
実施例3、二重特異性NK細胞アゴニストscfv-CD16A-Trimer-4-1BBLの融合タンパク質体外誘導NK細胞の活性化機能検証
【0103】
Ficoll密度勾配遠心分離法を用いてヒトPBMCを分離する。分離したPBMCを10%FBSを含むRPMI 1640を用いて1.0×10個/mLに希釈する。T25培養ボトルに10mLの希釈後の細胞を添加する。12時間培養した後、20nMの最終濃度で培養ボトルにscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質を添加する。24時間培養した後、フローサイトメータでNK細胞の表現型変化を検出する。
【0104】
結果は、図5に示され、対照群PBSと比べて、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質を添加した実験群では、NK細胞表面の主な活性化性分子、例えばCD69、NKp30及び殺傷性分子4-1BB、TRAIL、Granzyme B、走化性分子CX3CR1の発現は顕著に上昇し、これによって、NK細胞がscfv-CD16A-Trimer-4-1BBL融合タンパク質によって効果的に活性化されると判断する。
【0105】
実施例4、二重特異性NK細胞アゴニストscfv-CD16A-Trimer-4-1BBLの融合タンパク質体外誘導NK細胞増幅及び増幅効果の評価
【0106】
1、融合タンパク質増幅NK細胞の純度及び数の検出:
1)24h前に融合タンパク質でT75培養ボトルを被覆し、ボトル当たり7.5ml被覆液を取り、ボトル体の底部を覆う。4℃の冷蔵庫で一晩被覆した。
2)血液試料からPBMC細胞を分離した後、計数(マイレー計数器)し、PBMC細胞中の各細胞亜群の百分率を記録する。1.5*10/ml密度(20ml培養体積)に従って接種する。細胞総数は30*10である。これは、0日目である。同時に、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBLを含まないKBM581培地に1%のIL2(1000IU/ml)と5%の対応するPBMCの自己血漿を加える。
3)3日目、対応する培養体積1%のIL2因子を補充する。
4)5日目、培地の色及びT75ボトル体の底部細胞の壁貼り状態を観察し、必要に応じてscfv-CD16A-Trimer-4-1BBLを含む5~10mlのKBM581培地を補充して補液体積1%のIL2(1000IU/ml)因子を添加する。
5)6日目、サンプリングして計数し、細胞継代拡大培養(1.3*10/ml)を行う。それに染色標識(CD3/CD45/CD56)を行い、フローサイトメータでそのNK細胞亜群の百分率、CD56+細胞亜群の百分率を検出し、総細胞数を計算し、及びフロー純度検出結果からNK細胞数を計算する。5日目以後、細胞継代拡大培養を行い、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBLを含む基礎培地を使用し、1%のIL2と2%の自己血漿を添加する。
6)7日目、培地の色及びボトル体の細胞の壁貼り成長状態を観察し、必要に応じてKBM581培地を補充して補液体積1%のIL2因子を添加する。
7)8日目、サンプリングして計数する。必要に応じて細胞継代拡大(T75またはT175ボルト、1.4*10/ml)を行って培地の1%のIL2因子、2%の自己血漿を添加する。
8)9日目、培地の色及びボトル体の細胞の壁貼り成長状態を観察し、必要に応じて補液(補液体積1%のIL2因子を添加する)する。
9)10日目、サンプリングして計数し、細胞継代拡大培養(1.5*10/ml)を行う。それに染色標識(CD3/CD45/CD56)を行い、フローサイトメータでそのNK細胞亜群の百分率、CD56+細胞亜群の百分率を検出し、総細胞数を計算し、及びフロー純度検出結果からNK細胞数を計算する。
10)12日目、培地の色及びボトル体の細胞の壁貼り成長状態を観察し、必要に応じて補液(補液体積1%のIL2因子を添加する)する。
11)13日目、サンプリングして計数し、細胞継代拡大培養(1.5*10/ml)を行う。それに染色標識(CD3/CD45/CD56)を行い、フローサイトメータでそのNK細胞亜群の百分率、CD56+細胞亜群の百分率を検出し、総細胞数を計算し、及びフロー純度検出結果からNK細胞数を計算する。
12)15日目、サンプリングして計数する。必要に応じて細胞継代拡大(T175ボルトまたは培養バッグ、1.5*10/ml)を行い、培地の1%のIL2因子を添加する。
13)17日目、サンプリングして計数し、それに染色標識(CD3/CD45/CD56)を行い、フローサイトメータでそのNK細胞亜群の百分率、CD56+細胞亜群の百分率を検出し、総細胞数を計算し、及びフロー純度検出結果からNK細胞数を計算する。0、6、10、13、17日目のNK純度及び細胞数に従ってNK細胞の割合及び数の経時変化のグラフを作成する。
【0107】
2、融合タンパク質増幅PBMC由来NK細胞の亜群分析
1)細胞内分子標識細胞モネンシン誘導:培養した細胞4×10個(2ml)を6ウェルプレートに入れ、モネンシン(0.5μg/μl)10μl、37℃で、5%CO恒温培養タンク内で4時間誘導する。
2)単細胞懸濁液の製造:表面分子標識細胞から培養した細胞9.0×10個を取って15mlの遠心分離管に入れ、400gを8分間遠心分離して細胞を収集し、10mlの1×PBSで2回洗浄し、最後に0.81mlの1×PBSで単細胞懸濁液に再懸濁した。細胞内分子標識細胞モネンシンの誘導が終了した後、5mlの1×PBSで2回洗浄し、最後に180μlの1×PBSで単細胞懸濁液に再懸濁した。
3)閉鎖:表面分子標識細胞に90μlのマウス血清を入れ、均一に混合し、細胞内分子標識細胞に20μlのマウス血清を入れ、均一に混合し、室温で15~30分間静置した。
4)抗体標識:閉鎖後の表面分子標識細胞を0.09ml/チューブごとに9つのフローチューブに分注し、複数のバッチの細胞を同時に検出した場合、1-8チューブの細胞を複数のバッチの細胞と等量で混合して標識することができ、各チューブの細胞使用量は、0.8-1×10個であり、サンプル管1は表面分子標識であり、細胞使用量は0.8-1×10個である。サンプル管2は細胞内分子標識であり、細胞使用量は3-4×10個であり、対応する蛍光標識抗体を添加し、均一に混合した後に4℃の遮光下に30分間(その間に15分ごとに1回混合する)静置する。
【0108】
【表1】
【0109】
5)洗浄:各チューブの表面分子標識細胞に1mlの1×PBSを添加し、4℃で、400gを8分間遠心分離して細胞を収集する。1mlの1×PBSで2回繰り返して洗浄する。最後に、各チューブに200ulのPBSを添加して標識後の細胞を再懸濁し、実験群にDAPI(50μg/ml,40×)5μlを添加し、チューブに移して上機で検出する。
6)検出:フローサイトメータは計器説明書に従って校正と調整を行う。空白対照チューブサンプルは、前方散乱および横方向散乱の電圧を調整するために使用される。単標対照サンプルは各チャンネルの蛍光補償を調整するために使用される。検出時に細胞ゲートを描写した後、各サンプルゲート内で1×10個の細胞を収集する。
【0110】
3、融合タンパク質増幅NK細胞の殺傷活性検出
【0111】
標的細胞(K562)懸濁液の製造
1)細胞計数:培養したK562細胞を0.5%のFBSを含む1640培地(標的細胞に用いた培地)で再懸濁し、計数し、細胞密度を1×10/mLに調整し、
2)CFSE染色:細胞懸濁液にCFSE(作動濃度が5μM)を添加し、直ちに1mLのピペットで吹き付けて混合し、渦を十分に混ぜ合わせ、37℃の培養タンクで遮光下で15minインキュベートし、5minごとに渦を取り出して1回混ぜ合わせ、
3)染色終止:4℃で5倍体積の予冷した完全培地(標的細胞に用いた培地)を添加し、染色を終止し、5分間氷浴する。140g、4℃で、5min遠心分離し、
4)細胞洗浄:4℃で予冷した完全培地(標的細胞に用いた培地)で再懸濁し、細胞を140g、4℃で、5min遠心分離し、繰り返して2回洗浄し、
5)計数:細胞を再懸濁、計数し、細胞密度を2×10/mLに調整し、
6)敷板:96ウェルの円底板に各ウェルに100μlのK562懸濁液を添加し、ウェル当たりの最終細胞数は20000個/ウェルである。
【0112】
NK細胞の準備と添加
7)適切なNK細胞密度に調製し、
8)E-Plate 16を取り出し、超清浄テーブルに置き、
9)100μlのNK細胞懸濁液を異なるCD56+:K562効果標的比(1:1、2:1、4:1、8:1)で培養板内に添加し、なお、3組の対照が更に設置され、即ち、CFSE染色のみの標的細胞(標的細胞の自然死亡率を検出する)、効果細胞のみ(効果細胞がCFSE非特異的染色を含まないことを証明する)、標的細胞+Tween-20(標的細胞アポトーシスの陽性対照として)であり、
10)共同インキュベートし、予め設計された順序で各ウェルにNK細胞を添加する。120g、室温で、2min遠心分離し、有効標的細胞を十分に接触させる。37℃の培養タンクに戻して4時間インキュベートした。
11)インキュベートが終了した後、5μlのPIを加え、均一に混合し、遮光下で5minインキュベートし、上機で検出する。
12)結果分析:殺傷百分率=[(実験群標の細胞死亡率(%)-標的細胞の死亡率(%))/(100%-標的細胞の自然死亡率(%))]×100%)
【0113】
4、結果分析
図6図A~Cに示すように、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBLを使用してPBMCから由来するNK細胞を増幅すると、NK細胞を効果的に増幅し、NK細胞の純度及び増幅倍数を向上させ、培養過程全体では最も高くNK細胞の割合を60%程度に達させることができ、
図6図Dに示すように、増幅後の細胞を亜群分析し、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBLによって処理増幅された後のPBMC細胞は、NK細胞の割合が55%に達し、NKTの割合が約20%程度で、合計のCD56陽性細胞が約75%程度であり、残りの細胞亜群は増幅後のPBMC細胞の中での割合が低く、
図6図Eに示すように、増幅後の細胞の細胞毒性を評価し、増幅後の細胞はK562細胞を効果的に殺傷することができる。
【0114】
以上のように、これらの結果から、scfv-CD16A-Trimer-4-1BBLは体外でNK細胞活性化して増幅する活性を有し、且つ増幅後のNK細胞は比較的に良い細胞毒性を持っていることを証明する。
【0115】
本明細書の説明では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」という参考用語などの説明は、該実施例または例を組み合わせて説明する具体的な特徴、構造、材料または特点は本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれる。本明細書では、上記用語例示的な叙述は必ずしも同じ実施例または例を対象とする必要がない。また、説明する具体的な特徴、構造、材料または特点はいずれかまたは複数の実施例または例では適切な方式で結合することができる。なお、互いに衝突しない場合、当業者は本明細書に説明される異なる実施例または例以及び異なる実施例または例の特徴を結合と組み合わせることができる。
【0116】
本開示の実施例を提示し記述したが、上記実施例は例示的なものであり、本開示を制限するためのものとして理解することができなく、当業者であれば、本開示の範囲で上記実施例について様々な変化、修正、置換および変形が可能であることが理解できる。
【0117】
関連出願の相互参照
本願は、2021年12月20日に中国国家知識産権局に提案された、特許出願番号が202111566165.1の特許出願の優先権と権益を主張し、その全部内容は参照によりここに組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【配列表】
2024539748000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD16A単鎖抗体と4-1BBL細胞外領域を含み、前記CD16A単鎖抗体は4-1BBL細胞外領域に接続され、前記4-1BBL細胞外領域は少なくとも1~3個の4-1BBL細胞外ドメインを含む融合タンパク質。
【請求項2】
前記4-1BBL細胞外領域は3個の4-1BBL細胞外ドメインを含み、3個の前記4-1BBL細胞外ドメインは順次接続される請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記CD16A単鎖抗体と4-1BBL細胞外領域はフレキシブルジョイントを介して連結され、
任意選択に、3個の前記4-1BBL細胞外ドメインの間はフレキシブルジョイントを介して連結される請求項に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記融合タンパク質は非哺乳細胞発現系によって発現され、
任意選択に、前記非哺乳細胞発現系は原核発現系と低級真核発現系の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記非哺乳細胞発現系は大腸菌発現系と酵母発現系の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記酵母発現系はピキア酵母発現系を含む請求項に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記CD16A単鎖抗体はV領域とV領域を含み、前記V領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:1に示され、前記V領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:2に示され、
任意選択に、前記V領域とV領域は第1のジョイントを介して接続され、
任意選択に、前記第1のジョイントはフレキシブルジョイントであり、
任意選択に、前記第1のジョイントの長さは10~20個のアミノ酸であり、
任意選択に、前記第1のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:3に示される請求項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記V領域またはV領域の一端と前記4-1BBL細胞外領域は第2のジョイントを介して接続され、
任意選択に、前記第2のジョイントはフレキシブルジョイントであり、
任意選択に、前記第2のジョイントの長さは10~20個のアミノ酸であり、
任意選択に、前記第2のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:4に示される請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記4-1BBL細胞外ドメインのアミノ酸配列はSEQ ID NO:5に示される請求項に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
3個の前記4-1BBL細胞外ドメインはそれぞれ第3のジョイントと第4のジョイントを介して互いに接続され、前記第3のジョイントと第4のジョイントは同一または異なり、
任意選択に、前記第3のジョイントと第4のジョイントはいずれもフレキシブルジョイントであり、
任意選択に、前記第3のジョイントと第4のジョイントの長さは15~25個のアミノ酸であり、
任意選択に、前記第3のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:6に示され、
任意選択に、前記第4のジョイントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:7に示される請求項に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記融合タンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO:8に示される請求項に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
請求項に記載の融合タンパク質をコードする核酸。
【請求項11】
前記核酸は酵母発現系コドンで最適化された核酸であり、
任意選択に、前記核酸のヌクレオチド配列はSEQ ID NO:10に示される請求項10に記載の核酸。
【請求項12】
請求項10に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項13】
請求項10に記載の核酸を担持した融合タンパク質を発現する組換え細胞。
【請求項14】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項10または11に記載の核酸、請求項12に記載の発現ベクター、請求項13に記載の組換え細胞の腫瘍や炎症性疾患の治療や予防に使用される薬物の製造における使用。
【請求項15】
前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含み、
任意選択に、細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む請求項14に記載の使用。
【請求項16】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項10または11に記載の核酸、請求項12に記載の発現ベクター、請求項13に記載の組換え細胞の体外でのNK細胞の培養増幅における使用。
【請求項17】
前記NK細胞は末梢血から由来するか、または幹細胞の誘導により得られ、
任意選択に、前記NK細胞は、ヒト末梢血単一核細胞から由来するNK細胞、ヒト臍帯血幹細胞誘導によるNK細胞、ヒト胚性幹細胞誘導によるNK細胞、ヒトiPSC誘導によるNK細胞の少なくとも一方を含む請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1に記載の融合タンパク質を含む薬物組成物。
【請求項19】
前記薬物組成物は、腫瘍や炎症性疾患の治療や予防に使用され、
任意選択に、前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含み
任意選択に、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含み、
任意選択に、細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む請求項18に記載の薬物組成物。
【請求項20】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含む試薬キット。
【請求項21】
前記試薬キットはCD16A及び/又は4-1BBを検出するために使用される請求項20に記載の試薬キット。
【請求項22】
請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項10または11に記載の核酸、請求項12に記載の発現ベクター、請求項13に記載の組換え細胞、請求項18または19に記載の薬物組成物の腫瘍または炎症性疾患の治療または予防における使用。
【請求項23】
前記腫瘍は、卵巣癌、肺癌、直腸癌、乳癌、白血病の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記炎症性疾患は細菌またはウイルス感染を含み、
任意選択に、細菌感染は肺炎クレバー、リステリア菌、黄色ブドウ球菌感染症の少なくとも一方を含み、
任意選択に、前記ウイルス感染はHPV、HBV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染の少なくとも一方を含む請求項22に記載の使用。
【国際調査報告】