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特表2024-539779加圧ガスを使用したミルク・フォーミング・デバイス、及びミルク・フォームを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】加圧ガスを使用したミルク・フォーミング・デバイス、及びミルク・フォームを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20241024BHJP
   A47J 31/46 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A47J31/44 410
A47J31/46 115
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544693
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2022078365
(87)【国際公開番号】W WO2023072596
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】102021128339.6
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523198431
【氏名又は名称】エバシス ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロビル、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ロシェール、グレゴワール
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA27
4B104BA30
4B104BA33
4B104DA13
4B104DA40
4B104DA44
4B104DA47
4B104EA30
(57)【要約】
本発明は、ミルク起泡デバイス1、ミルク・フォーミング・デバイス1を備えた飲料供給デバイス100、及びミルク・フォームを製造するための方法に関する。特にコーヒー飲料産業では、異なるミルク開始製品に基づいて、微細孔ミルク・フォーム又は粗細孔ミルク・フォームなどの様々な異なるミルク・モディフィケーションを製造するニーズが存在している。そのためには、様々な異なる機器が必要であることがしばしばである。
本発明によれば、ポンピングデバイス2の出口側Aのミルクに圧縮空気を加えることによって、広範囲にわたる異なるミルク・モディフィケーションを製造することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口側(E)及び出口側(A)を有する、ミルクを前記入口側(E)から前記出口側(A)へ引き渡すためのポンピングデバイス(2)を備えるミルク起泡デバイス(1)であって、
前記入口側(E)はミルク供給ライン(M1)に接続することができ、前記ミルク供給ライン(M1)を介して好ましくは冷たいミルクが前記ポンピングデバイス(2)の中に導入され、
前記出口側(A)は、発泡ミルクを分配するためのミルク分配ライン(M2)に接続することができる、
ミルク起泡デバイス(1)において、
前記ミルクを発泡させるために、加圧ガス、特に加圧空気を導入するためのガス入口(3)が前記ポンピングデバイス(2)の前記出口側(A)に配置される
ことを特徴とするミルク起泡デバイス(1)。
【請求項2】
前記ポンピングデバイス(2)が、ハウジング(4)と、前記ハウジング(4)の中に配置された運搬手段(5)、並びに前記ハウジング(4)の中に配置された少なくとも第1のアクセス開口及び第2のアクセス開口(O1、O2)、及び少なくとも第1の出口開口(O3)とを備え、前記第1のアクセス開口(O1)が前記運搬手段(5)の上流側の入口側に配置され、前記第1の出口開口(O3)が前記運搬手段(5)の下流側の出口側に配置され、前記第2のアクセス開口(O2)が、前記出口側の、特に前記運搬手段(5)の領域に配置されている前記ガス入口(3)であることを特徴とする請求項1に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項3】
前記第1の出口開口(O3)及び/又は前記第2のアクセス開口(O2)がノズル及び/又は絞り弁(DS2、DS3)を備えるか、又はノズル及び/又は絞り弁(DS2、DS3)として設計されることを特徴とする請求項1又は2に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項4】
前記ポンピングデバイス(2)が、互いにかみ合い、且つ、平行に配置された2つの回転軸(X1、X2)の周りに回転可能に配置される2つのギヤ・ホイールを有する歯車ポンプとして設計されることを特徴とする請求項1から3までの一項に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項5】
前記ガス・アクセス(3)が前記出口側(A)の前記ギヤ・ホイールの前記かみ合いの直ぐ近くに配置されることを特徴とする請求項4に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項6】
前記ハウジング(4)が底部側(6)、頂部側(7)及び少なくとも1つの側壁(8)を備え、前記第1のアクセス開口(O1)及び前記出口開口(O3)が前記側壁(8)の中に配置されること、及び/又は
前記第2のアクセス開口(O2)が前記エンクロージャ(4)の前記頂部側(7)又は前記底部側(6)の中に配置される
ことを特徴とする請求項2から5までのいずれか一項に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項7】
前記アクセス開口(O1、O2)及び/又は前記出口開口(O3)の各々が前記ハウジング(4)の中に配置されたそれぞれの流体通路(L1、L2、L3)の中に没入し、前記流体通路(L1、L2、L3)が、ミルク供給ライン(M1)、ミルク分配ライン(M2)又は加圧ガス・ライン(DL)を接続するように設計されることを特徴とする請求項2から6までのいずれか一項に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの流体通路(L1、L2、L3)に逆止弁(RSV2、RSV4)が配置されることを特徴とする請求項7に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの流体通路(L2)が、分岐を形成するための隣接する通路(L4)を有する他の開口(O4)を有し、前記他の開口(O4)を介して水を前記ハウジング(4)の中に導入することができることを特徴とする請求項2から8までのいずれか一項に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項10】
前記第2のアクセス開口(O2)が、最大10mm、好ましくは最大5mm、又は特に好ましくは最大0.05mmの開口径を有することを特徴とする請求項2から9までの一項に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項11】
前記第1のアクセス開口(O1)が第1の開口径を有し、前記第1の出口開口(O3)が第3の開口径を有し、
前記第3の開口径が前記第1の開口径より小さいことを特徴とする請求項2から10までのいずれかに記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項12】
前記ガス入口(3)は、加圧ガスを生成するための圧縮機(10)に接続することができ、又は前記圧縮機(10)に接続されることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一項に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項13】
前記加圧ガスが少なくとも4バール、好ましくは6バールの供給圧力の下で提供されること、及び/又は
前記加圧ガスが、加圧ガスが供給されていない場合の前記ミルク起泡デバイス(1)の前記出口側(A)の圧力より、その圧力の0%、30%、更には50%を超える圧力である供給圧力の下で提供される
ことを特徴とする請求項1から12までの一項に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項14】
前記圧縮機(10)がバッファ・タンクを備えることを特徴とする請求項12又は13に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項15】
前記ミルク起泡デバイスが圧力調整デバイス103を備え、前記圧力調整デバイス103が、
前記圧縮機(10)と前記ガス入口(3)の間に配置された制御可能比例弁(V)、及び/又は
前記圧縮機(10)と前記ガス入口(3)の間に置かれた高サイクル開閉遮断弁(V’)、及び/又は
前記加圧ガス・ライン(DL)に配置された、前記圧縮機(10)によって提供された圧縮ガスを吐出するための吐出弁(V’’)
のいずれかを備え、及び/又は
前記圧縮機(10)は制御可能であり、前記ガス入口(3)に実質的に直接接続される
ことを特徴とする請求項12から14までのいずれか一項に記載のミルク起泡デバイス(1)。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか一項に記載のミルク起泡デバイス(1)を備える、特にコーヒー及びコーヒー混合飲料のための飲料調製デバイス(100)。
【請求項17】
前記飲料調製デバイス(100)が、加熱状態又は非加熱状態における発泡状態又は非発泡状態のミルクを分配するための分配デバイス(101)を備え、前記ミルク・フォーミング・デバイス(1)の前記出口側(A)がミルク分配ライン(M2)を介して前記分配デバイス(101)に接続されることを特徴とする請求項16に記載の飲料調製デバイス(100)。
【請求項18】
前記ミルク分配ライン(M2)に加熱デバイス(102)が配置されることを特徴とする請求項16又は17に記載の飲料調製デバイス(100)。
【請求項19】
前記加熱デバイスが連続フロー・ヒータ(102’)として設計されることを特徴とする請求項18に記載の飲料調製デバイス(100)。
【請求項20】
前記加熱デバイス(102)が、熱い蒸気、特に水蒸気を前記ミルク分配ライン(M2)に給送するための蒸気注入器として設計され、前記蒸気注入器が蒸気源に結合されるか、又は蒸気源を備えることを特徴とする請求項18に記載の飲料調製デバイス(100)。
【請求項21】
泡立ったミルクを製造するための方法であって、ポンピングデバイス(2)のハウジング(4)の中に配置されたミルクが、前記ポンピングデバイス(2)の低圧側から前記ポンピングデバイス(2)の高圧側へ前記ミルクを運搬するための可動運搬手段(5)の領域で、加圧ガス、特に加圧空気によって作用されること、前記加圧ガスが前記高圧側で前記ミルクの中に導入されることを特徴とする方法。
【請求項22】
前記加圧ガスが少なくとも実質的に無水の加圧ガス又はガス混合物であり、前記ガス又はガス混合物が100℃未満、好ましくは80℃未満、特に40℃未満の温度を有し、前記加圧ガスが、好ましくは圧縮空気、圧縮窒素、圧縮酸素又は圧縮二酸化炭素、或いはそれらの混合物、特に一酸化二窒素であり、また、特に水蒸気又は濡れた蒸気ではないことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記加圧ガスが脈動方式で前記ミルクに加えられることを特徴とする請求項20又は21に記載の方法。
【請求項24】
前記脈動がスタッター弁によって、又は圧縮機(10)の動的に制御された起動によってもたらされることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文によるミルク起泡デバイス、飲料供給デバイス、及び発泡ミルク(ミルク・フォーム)を製造するための方法に関する。ミルクは、動物ミルク製品、即ち哺乳網の雌の動物の腺分泌物に加えて、植物性ミルク製品並びに匹敵する製品、例えば豆乳又はアーモンド・ミルクを意味することも理解される。
【背景技術】
【0002】
ホット・ミルク及びコールド・ミルク、或いはカプチーノ又はラッテ・マキアートなどのミルク混合飲料を製造するために、ミルクは、液体の形態で処理されるだけでなく、発泡形態でも処理される。ミルクは、通常、攪拌器中のミルクを機械的に攪拌することによって、ミルクに蒸気を加えることによって、及び/又はベンチュリ・ノズルを通って流れるミルクの流れに空気を加えることによって泡立てられる。広範囲にわたるミルク及びミルク混合飲料を製造するためには、異なるミルク・モディフィケーション、例えばコールド形態又はホット形態のミルク、並びに発泡形態又は非発泡形態のミルクを提供する必要があり、したがって美観及び舌の触覚並びに味覚に影響を及ぼすために、泡特性(含水量、泡気泡サイズ、密度、等々)、並びにミルク・モディフィケーションの温度を制御することができ、また、選択的に調整することができることが場合によっては望ましい。
【0003】
ミルク・フォームは、例えばラッテ・マキアートの場合のように混合ミルク飲料の一部であってもよく、或いはミルク・フォームは、カプチーノの場合のように飲料の上に泡の冠を形成することができる。例えば引き締まった密な粗細孔フォームと微細孔ミルク・フォームの間での区別が可能である。粗細孔ミルク・フォームは、製造時は単層であり、カップの中で一定の静止時間が経過すると、粗細孔ミルク・フォームは、ホット・ミルクの下部液体層と、その上の引き締まったミルク・フォームの層からなる2層ミルク・フォームに変化する。この粗細孔ミルク・フォームを使用して、例えばラッテ・マキアートを作ることができる。しかしながらこの引き締まった粗細孔フォームは、カプチーノ上のミルク・フォームの中に装飾を作り出す(ラッテ・アート)ためには適していない。そのためには超微小空気気泡からなる、マイクロフォームとしても知られている、もっと液状でクリーミィな微細孔ミルク・フォームを使用することができる。このマイクロフォームは単層であることが好ましく、絹のような光沢のある、泡の中に一様に分散した、裸眼では見ることが困難な極めて小さい空気気泡を含有する表面を有している。このマイクロフォームがクレマを含有した(エスプレッソ)コーヒーの表面に注がれると、クレマとミルク・フォームの部分混合が生じ、そのためにコーヒーの黒ずんだクレマによって白いミルク・フォームが変色する。したがって泡の表面に絵を描くことができる(ラッテ・アート)。
【0004】
ミルクなどの発泡可能液体を発泡させるためのデバイスの中で泡を製造している間、泡特性に影響を及ぼすことが知られている。また、その後、製造された泡のコンシステンシを変化させることも知られている。泡特性の修正は、例えば、欧州特許第2798988(B1)号明細書に記載されている後処理デバイスによって、自動コーヒー機の中で達成することができる。ここでは、ミルクは、泡の空気気泡を標準化し、したがって泡のコンシステンシを一様にするために、バッフルによって取り囲まれた通路のラビリンスを介した事前選択された圧力下で引き渡される。後処理デバイスの中の圧力比を調整することにより、ミルク・フォームのコンシステンシを微細フォーム、即ち極めて小さい空気気泡を有する泡から、粗フォーム、即ち大きい空気気泡を有する泡に変化させることもでき、また、緩いクリーム状から引き締まったクリーム状に変化させることができる。
【0005】
したがってこの知られている後処理デバイスを使用した特定の泡特性は、後処理デバイスに対する変更なく、圧力比を調整することによって(即ち蒸気供給ラインのより高い圧力によって)しか達成することができず、これは、水希釈及び/又は泡の過熱(ミルク蛋白質の凝固)の点で不利であり得る。
【0006】
更に、低脂肪乳、無乳糖乳などのより多くの異なる乳製品、並びに豆乳及びアーモンド・ミルクなどの野菜ミルク代用品が提供されている。ミルク・フォームを製造するためのこれらのミルク開始材料は、異なる処理特性(脂肪含有量、発泡性、加熱性、粘性、等々)を有しており、したがって無矛盾の特性又は匹敵する特性を有するミルク・フォームを製造するために、ミルク・フォームを供給するための製造パラメータをミルク開始材料に適合させる必要があり得る。
【0007】
欧州特許出願公開第3763258(A1)号明細書は、渦巻きチャンバの中のベンチュリ・ノズルを介してミルクを空気で豊富にした後の空気-ミルク混合物の混合を示している。次に、フロー・ヒータを介して発泡ミルクをテンパリングすることができる。欠点は、限られた範囲でしか泡特性を制御することができないことである。特に、欧州特許出願公開第3763258(A1)号明細書に示されているデバイスでは、微細孔フォーム及び粗細孔フォームなどの異なるタイプの泡を製造することは不可能である。
【0008】
欧州特許出願公開第2156771(A1)号明細書は、ガスの流れ、特に空気の流れと、ミルクを泡立てるためのミルクの流れを結合し、それらをまとめてポンプ、特に歯車ポンプの入口側に導入し、それによりそれらが歯車ポンプを通過する際にガス-ミルク混合物がミルク・フォームに泡立てられることを教示している。次に、蒸気を加えることによってポンプの出口側でミルク・フォームを加熱することができる。この知られているミルク起泡デバイスによれば、冷たいミルク・フロス及び温かいミルク・フロスの両方を製造することができ、それにより蒸気を使用したデバイスの洗浄が容易に可能である。しかしながらポンプの入口側へのミルクとガスの混合物の導入は、ポンプ動作の妨害、特に、ポンプとして使用されることが好ましい歯車ポンプのすべり、及びポンプの出口側のミルク・フォームのガタガタした出力を招くことがあり得る。また、ポンプは、キャビテーションのために極めて摩耗し易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第2798988(B1)号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3763258(A1)号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2156771(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この背景技術に対して、本発明は、調整可能な特性を有するミルク・フォームを製造することができ、且つ、誤動作することなく、次々に一定の体積流量で分配することができる、ミルク起泡デバイス、このようなミルク起泡デバイスを有する飲料供給デバイス、及びミルク・フォームを製造するための方法を提供する目的を追求している。好ましくは、体積流量を自由に調整することができる、異なるミルク開始製品(乳牛のミルク、無乳糖乳、アーモンド・ミルク、ヘンプ・ミルク、豆乳、カンガルー・ミルク、等々)に適合された製造パラメータを使用して、冷たいミルク又は温かいミルク、並びに冷たいミルク・フォーム又は温かいミルク・フォームなどの異なるタイプのミルク・モディフィケーションを製造することもできるべきである。それと同時に、小さいサイズ及び少ない部品、長寿命及び少ない保守要求事項との高水準の機能統合が実現されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらのタスクは、請求項1の特徴を有するミルク起泡デバイスによって、請求項16による特徴を有する飲料供給デバイスによって、また、請求項21の特徴を有する方法によって解決される。
【0012】
本発明によるミルク起泡デバイスは、入口側及び出口側を有する、該入口側から出口側へミルクを運ぶためのポンピングデバイスを備えている。ミルク供給ラインは入口側に接続することができ、したがって特に貯蔵容器からの冷やされたミルクをポンピングデバイスの中に導入することができ、且つ、出口側を介して引き渡すことができる。出口側は、ミルク・フォームを分配するためにミルク分配ラインに接続することができる。ミルク起泡デバイスは、ミルクを発泡させるための加圧ガスを導入するためのガス入口がポンピングデバイスの出口側に配置されていることを特徴としている。食料品と両立する空気、窒素、酸素、二酸化炭素又はそれらの混合物、例えば一酸化二窒素(NO)などの加圧ガスが加圧ガスとして使用される。
【0013】
「加圧ガス」という用語は、一般的には水蒸気発生器、例えばボイラによって提供される熱い水蒸気は含まない。また、「加圧ガス」という用語は、濡れた水蒸気、即ち水に対するガスの飽和限界を超える含水量を有するガスも含まない。
【0014】
本発明の文脈では、加圧ガスは、特に、本質的に無水加圧ガス、即ちその含水量が故意に高められていない圧力の下での加圧ガス又はガス混合物を意味している。本発明の意味内における本質的に無水加圧ガスの実例は、自然湿度の形態の一定の割合の水を含有する圧縮大気である。
【0015】
ミルクは、ポンピングデバイスの高圧側の出口側で加圧ガスと混合される。出口側でミルクに加圧ガスを加えることにより、ポンピングデバイスの機能が加圧ガスによって悪影響を及ぼされることがなく、特にポンピングデバイスのすべり又は自由回転が防止され、出口側におけるミルク・フォームの一様な引渡しが可能になる。更に、ミルクの引渡し速度を調整することができ、したがって泡特性に無関係にポンピングデバイスの吐出量を調整することができる。異なる給送圧力で加圧ガスを供給し、したがって異なる引渡し速度で異なる量の加圧ガスを供給することにより、微細孔ミルク・フォーム及び粗細孔ミルク・フォームの両方を製造することができる。また、加圧ガスを導入せずに、ミルク・フォームを製造することなく、ミルク起泡デバイスをミルクのための給送ポンプとして使用することも可能である。したがって異なるミルク・フォームを製造するための他の引渡し手段、特に個別の引渡し手段は不要であり、又は異なるミルク起泡デバイスの使用は不要である。
【0016】
入口側及び出口側は、ポンピングデバイスの低圧側及び高圧側と本質的に同義語として理解されたい。したがって「出口側の(に、で)」は、「高圧側に割り当てられる」ものとして理解されたい。加圧ガスを導入するためのガス入口は、ポンピングデバイスのハウジングの内側又は外側の出口側に配置することができる。
【0017】
本発明の他の特徴及び有利な実施例は、従属請求項及び以下の説明から明らかである。
【0018】
ミルク起泡デバイスは、ミルクを発泡させるための加圧ガスを導入するためのポンピングデバイスの入口側にガス入口を有していないことが好ましい。ポンピングデバイスの入口側に加圧ガスを導入することによってミルクを発泡させる実施例は、本発明のこの実施例には包含されていない。
【0019】
有利な実施例では、ミルク起泡デバイスのポンピングデバイスは少なくとも1つのハウジングを備えており、機械で動く運搬手段がハウジングの中の運搬チャンバの中に配置されている。少なくとも1つの第1のアクセス開口及び少なくとも1つの第2のアクセス開口、及び少なくとも1つの第1の出口開口がハウジングの中に提供されている。第1のアクセス開口は、入口側上流側、即ちミルクが流れる方向における運搬手段の前に配置され、ミルクをポンピングデバイスのハウジングの中に導入するための入口を形成している。出口開口は、出口側の下流側、即ちミルクが流れる方向における引渡し手段の後方に配置され、ミルク・フォームを分配するための、引渡しチャンバからの出口を形成している。第2のアクセス開口は、出口側の好ましくは運搬手段の領域に配置されている。加圧ガスは、ミルクを発泡させるための第2のアクセス開口を介して運搬チャンバの中に導入される。第2のアクセス開口はガス入口を形成している。
【0020】
加圧ガスは、ハウジング内、特にポンピングデバイスの運搬チャンバ内の出口側に給送されることが好ましいため、加圧ガス給送による泡形成混合効果だけでなく、引渡し手段によって生成される乱れ効果を有利に使用してミルクを発泡させることができる。したがってミルクを泡立てるための運動エネルギーをひたすら圧力に関連付ける必要がないため、加圧ガスの給送圧力を比較的低く維持することができる。
【0021】
ポンピングデバイスは、機械式運搬手段を有するポンピングデバイスであることが好ましい。連続的に動作する(例えば歯車ポンプ)又は周期的に動作する(例えばピストン・ポンプ、膜ポンプ)容積式ポンプをポンピングデバイスとして使用することができる。
【0022】
ポンピングデバイスは歯車ポンプとして設計されることが好ましく、特に外部歯車ポンプとして、又は内部歯車ポンプとして設計されることが好ましい。歯車ポンプは、互いにかみ合い、2つの平行回転軸の周りに回転するように配置される2つのギヤ・ホイールを備えており、ギヤ・ホイールの歯は、係合すると、限定された引渡し体積を提供する。歯車ポンプは、小さいモーメントの慣性及び高い制御動力学を有している。それらの高速応答挙動のため、ミルクの引渡し体積が微小であっても(ショット)、高い引渡し圧力で達成することができる。これは、引渡しチャンバの出口側における所望の圧力差をほぼ瞬時に、即ち圧力ビルドアップ・フェーズなしに得ることができることを意味している。これは、品質が不十分な廃棄量を低減する。歯車リング・ポンプ、膜ポンプ又はピストン・ポンプなどの他のポンプ・タイプを使用することも可能である。
【0023】
ポンピングデバイスのポンプ供給手段の領域における第2のアクセス開口の、目的にかなう都合の良い構造は、例えばギヤ・ホイールとして設計された運搬手段の先端の直径を半径方向に外側に配置することにより、第2のアクセス開口がポンピングデバイスのポンプ供給手段との機械的接触を有していない構造と、又は例えば歯車ポンプのギヤ・ホイールの形態の運搬手段の根元の直径と先端の直径の間に半径方向に配置されているアクセス開口により、即ちポンピングデバイスの運搬要素を移動させることによってアクセス開口が円筒状に覆われ、且つ、覆われない方法で、第2のアクセス開口がポンピングデバイスの運搬手段との機械的接触を有する構造の両方を備えている。アクセス開口を円筒状に解放することにより、ガスの脈動する加圧が可能である。それによりポンピングデバイスのポンプ供給手段及び第2のアクセス開口は、追加構成要素を必要とすることなくスタッター弁を形成する。
【0024】
出口開口がノズル及び/又は絞り弁を備えているか、又はノズル及び/又は絞り弁として設計されていると、それは有用であり得る。その場合、出口側の引渡しチャンバの圧力を制御された方法で調整することができる。
【0025】
第2のアクセス開口がノズル及び/又は絞り弁を備えているか、又はノズル及び/又は絞り弁として設計されていると、それはやはり有利である。適切に選択されたノズル形状により、例えばノズルを通過する際に、アクセス開口に加えられる加圧ガスの圧力の静水圧成分を動圧成分に有利に変換することができる。そのようにすることにより、大きい差動速度で加圧ガスをミルクに導入することができ、したがって優れた混合を達成することができる。ノズル又は絞り弁は、開口としてポンピングデバイスのハウジングの中に一体で形成することができる。しかしながらノズル及び絞り弁は、ハウジングの中に挿入される交換可能な個別の部品であり、例えばブッシング・インサートであることが有利である。交換可能なブッシング・インサートを使用することにより、その後ミルク起泡デバイスを変化した製造パラメータに適合させることも可能である。
【0026】
ミルク・フォーム、特に一様な気泡サイズの気泡がミルク・フォーム中に均質に分散したミルク・フォームの最良の可能均質化を達成するために、第2のアクセス開口(ガス入口)は、歯車ポンプの出口側のギヤホイールのかみ合いの直ぐ近くに配置されることが好ましい。第2のアクセス開口を可能な限りギヤホイールの近くに置くことにより、ギヤホイールの引渡し体積を小さくすることによって加圧ガスを変位させることができ、したがってミルクが流れる方向、即ち出口開口の方向に加速させることができる。
【0027】
加圧ガスは、ミルクが流れる方向に対して直角又は接線をなしてミルクの流れに導入されることが好ましい。流れの方向に逆らって、或いは混合形態、例えばある角度をなして加圧ガスを導入することも可能である。ミルクが流れる方向に逆らった導入は、高い泡品質を製造するために、第2のアクセス開口を介して給送される加圧ガスとミルクの間に大きい乱れ及び良好な混合が望ましい場合に有利である。
【0028】
有利な実施例では、ポンピングデバイスは、3つ以上のアクセス開口を備えることができ、特にいくつかのガス入口を備えることができる。ガス入口を形成しているアクセス開口は、ポンピングデバイスのハウジングの中に互いに反対側に、且つ、互いに向かい合って有利に配置することができる。別法又は追加として、いくつかのアクセス開口を互いに隣り合って、或いは互いに上下にして配置することも可能である。いくつかのガス入口を使用することによって発泡率を大きくすることができ、したがってミルク・フォーム・スループットを大きくすることができ、その一方でポンピングデバイスのサイズをほぼ同じサイズに維持することができる。
【0029】
第1のアクセス開口及び出口開口は平行に配置することができ、特に同軸で配置することができる。しかしながら出口開口が平行に、且つ、アクセス開口に対してオフセットして配置されると、それは有利である。そのようにすることにより、混合、したがってミルクの発泡に正の影響を及ぼすバッフル効果が得られる。
【0030】
ポンピングデバイスのハウジングは、好都合には、平らであることが好ましい底部側、底部側から一定の距離を隔てて平行に延びている、平らであることが好ましい頂部側、及び底部側に対して直角に配置されていることが好ましい少なくとも1つの側壁を備えている。側壁は円周状であり、特に円筒状であってもよい。しかしながらハウジングは、いくつかの側壁を有する多角形、特に互いに直角の4つの側壁を有する立方形の形として設計することも可能である。側壁は、運搬チャンバの範囲を定めている。第1のアクセス開口及び出口開口は、好都合には、円周状側壁の中心に、それぞれ互いに反対側の点、即ち2つの互いに反対側の側壁に配置されている。第2のアクセス開口は、ハウジングの頂部側及び/又は底部側に配置されていることが好ましい。運搬手段は、頂部側と底部側の間を展開している回転軸の周りに回転可能に取り付けられていることが好ましい。
【0031】
アクセス開口及び/又は出口開口は、ハウジングの中に配置されている流体通路の中にそれぞれ没入していることが有利であり、それにより個々の流体通路は、アクセス開口又は出口開口の開口断面と比較して異なる断面を形成することができる。ミルク供給ラインは第1の流体通路に接続することができ、ミルク分配ラインは第3の流体通路に接続することができ、また、加圧ガス・ラインは第2の流体通路に接続することができる。これらのラインは好都合にはホース接続として設計されており、ホース接続は、流体通路に接続するための対応するクイック・カプリング要素を有している。
【0032】
逆止弁が少なくとも第2の流体通路に配置されていることが好都合である。この逆止弁は、ミルクが加圧ガス・ラインに逆流するのを防止することができる。逆止弁は、第1の流体通路及び第3の流体通路に配置することも可能である。そのようにすることによって高水準の機能統合の利点が得られ、したがってとりわけ、例えばミルク供給ライン及びミルク分配ラインのためのより短い接続、即ちホース経路が可能である。
【0033】
有利な実施例では、第2の流体通路は他の開口を有しており、この開口は、分岐を形成するための隣接する他の通路を有している。洗浄目的の水又は洗浄液を追加通路を介してハウジングの中に給送することができる。この水又は洗浄液を使用して、例えば出口側の運搬チャンバ又は運搬チャンバに接続されている流体ラインを洗浄することができる。
【0034】
第2の開口アクセスは、最大10mm、好ましくは最大5mm、又は特に好ましくは最大0.05mmの開口径を有することができる。オリフィス径を大きくすると大量の質量流量が得られるが、それに応じて強力な加圧ガス源が必要である。直径を小さくすると、加圧ガスを引渡しチャンバの中に給送する際に大きい圧力差を得ることができ、また、優れた発泡を得ることができる。
【0035】
いくつかのアクセス開口を使用して3つ以上のガス入口を形成する場合、異なる直径を使用してこれらのガス入口を設計することも可能である。アクセス開口は並列に流体接続することができ、また、電子制御弁を介して、まとめて、或いは個別のいずれかで加圧ガスをアクセス開口に供給することができる。異なる開口径を有する異なるアクセス開口を個別に制御することにより、同じミルク・フォーミング・デバイスを使用して、より広範囲の異なるミルク・フォーム、特に、著しく大きい細孔サイズ及び著しく小さい細孔サイズを有するミルク・フォームを製造することができる。
【0036】
更に、第1の開口アクセスが第1の開口径を有し、また、出口開口が第3の開口径を有し、第3の開口径が第1の開口径より小さい場合、それは有利である。そのようにすることにより、引渡しチャンバの出口側の背圧を特に容易に高くすることができる。これには、泡形成に対する有利な効果がある。
【0037】
加圧ガスを加圧ガスのガス入口を介して提供するために、有利な実施例では、加圧ガス入口は、圧力下で加圧ガスを生成するための圧縮機に接続することができ、又は圧縮機に接続される。圧縮機は、機械的な仕事によってガスを圧縮する圧縮機機械を意味している。圧縮機の代わりに別の加圧ガス源、特に、圧力瓶などの加圧ガス・シリンダを使用することも可能である。圧縮ガス・シリンダを使用することによって加圧ガスの供給を単純にすることができるが、その代わりに加圧ガス・シリンダの定期的な交換が必要である。
【0038】
一実施例では、加圧ガスは、ほぼ一定の絶対給送圧力、好ましくは少なくとも3バールの給送圧力、特に4バールから10バールまでの範囲、特に好ましくは少なくとも6バールの給送圧力の下で供給することができる。時間が経過しても一定を維持する給送圧力は、技術的に実現が特に容易である。しかしながら特にミルクの流量が少ない場合、1バール以下でも、例えばマイクロフォームを製造するためには十分であり得る。
【0039】
有利な実施例では、加圧ガスは、例えば加圧ガスが供給されていない場合のミルク起泡デバイスの出口側の圧力より、その圧力の0%、好ましくは15%、30%又は50%を超える圧力である供給圧力(給送圧力)の下で提供される。特に、出口側のミルクの流れの動圧より少なくとも30%高い相対給送圧力によって、ミルクの流れの中の加圧ガスの流れの均質な分散が保証され、また、この相対給送圧力は、存在する圧力差に応じてミルク・フォームの泡パターンを変化させることができる更なる利点を有している。ポンピングデバイスが可変引渡し速度で動作する場合、そのためには加圧ガス源の追加制御努力も必要である。
【0040】
供給される加圧ガスの量及び/又は供給される加圧ガスの動圧を特に調整することができるようにするためにミルク起泡デバイスが圧力調整デバイス(制御デバイス)を備えている場合は、それは有利である。
【0041】
一実施例では、圧力調整デバイスは、例えば圧縮機とガス入口の間に配置された電磁的制御可能比例弁を備えることができる。電磁的制御可能比例弁を備えることにより、加圧ガスの給送圧力の単純な起動及び正確な制御が得られる。
【0042】
別法又は追加として、圧力調整デバイスは、高いサイクル・レートで開閉する遮断弁(またスタッター弁)を備えることも可能であり、遮断弁は圧縮機とガス入口の間に配置される。遮断弁は、パルス幅変調の原理に従って極めて多数のサイクルで開閉され、したがって加圧ガスの中間給送圧力を達成することができる。更に、極めて多数のサイクルで開閉されるため、ポンピングデバイスの中に提供される加圧空気の量の極めて細かい調整が可能である。
【0043】
圧力調整デバイスは、別法又は追加として、圧縮機によって提供された加圧ガスを吐出するための吐出弁を備えることができる。吐出弁は加圧ガス・ラインに配置される。吐出弁を備えることにより、高速切り替え遮断弁を使用した制御デバイスと比較すると、提供される空気体積の帯域幅を広くすることができる。
【0044】
圧縮機自体が短い応答を有し、また、制御可能であるように設計され、したがって必要に応じて圧縮機が起動され、起動解除され、及び/又はその出力が調整される方法で圧力調整デバイスを圧縮機に直接接続することも可能である。この場合、圧縮機は、本質的にガス入口に直接接続される。
【0045】
圧力調整デバイスの列挙された変形形態の組合せも可能である。
【0046】
圧縮機は、更に、ガス圧力所蔵容器を形成するために、バッファ・タンクを備えて設計することも、バッファ・タンクを備えることも可能である。圧縮機を同時に動作させない場合でも、このバッファ・タンクを介して加圧空気をポンピングデバイスの中に給送することができる。加圧ガス生成のこのような一時的結合解除及び加圧ガスの使用により、加圧ガスの出力は少ないが、効率がより高い圧縮機を使用することができる。更に、ミルク・フォーム製造中における騒音放出を回避することができる。
【0047】
本発明は、更に、特にコーヒー及びコーヒー混合飲料のための飲料供給デバイスに関しており、飲料供給デバイスは、上で説明したミルク・フォーミング・デバイスを含む。
【0048】
飲料供給デバイスは、発泡状態及び/又は非発泡状態、及び/又は加熱状態及び/又は非加熱状態のミルクを分配するための分配デバイスを備えており、ミルクを分配するための分配デバイスは、ミルク分配ラインを介して、ミルク起泡デバイスの出口側のみに排他的に接続されていることが好ましい。
【0049】
したがってミルク起泡デバイスは、飲料供給デバイスのすべての飲料に対して異なるタイプのミルクを提供することができる。したがって異なるテクスチャ(粗細孔、微細孔、...)の液体の冷たいミルク、液体の熱いミルク、冷たいミルク・フォーム又は温かいミルク・フォームなどの異なるミルク・モディフィケーションを製造するための異なるミルク起泡デバイスの使用はもはや不要である。
【0050】
加熱されたミルク又は加熱されたミルク・フォームを提供するために、加熱デバイスが好都合にはミルク分配ラインに配置されている。加熱デバイスは、連続フロー・ヒータ、特に電気連続フロー・ヒータ、好ましくは薄膜ヒータとして設計されていることが好ましい。そのように設計することにより、熱い蒸気などの熱伝達流体と混合することなくミルクを加熱することができる。したがって、例えばミルク・フォームの水希釈をもたらす、加熱のための蒸気などの熱伝達流体との混合による不利な泡品質の変化を回避することができる。
【0051】
また、加熱デバイスは、熱い蒸気、特に水蒸気をミルク分配ラインに給送するための蒸気注入器として設計することも可能であり、蒸気注入器は蒸気源に結合されているか、又は蒸気源を備えている。連続加熱によるミルク加熱と蒸気入力の組合せを想定することも可能である。
【0052】
本発明は、発泡ミルクを製造するための方法にも関している。この方法では、ポンピングデバイスのハウジングの中に配置されたミルクが、ポンピングデバイスの低圧側からポンピングデバイスの高圧側へミルクを運搬するための歯車ポンプの歯などの可動運搬手段の領域で、高圧側でミルクの中に加圧ガスを導入することによって加圧ガス、特に加圧空気にさらされる。
【0053】
加圧ガスは、温度が100℃未満、好ましくは80℃未満、特に40℃未満の、少なくとも実質的に無水加圧ガス又はガス混合物であってもよい。加圧ガスの温度が低く、例えば30℃未満である場合、供給された、また、加圧ガスで発泡した冷たいミルクは、少なくとも実質的に加熱されず、したがって冷たいミルク・フォームを製造することもできる。しかしながらミルクを加熱しなければならない場合、熱い加圧ガスも使用して特にミルクを加熱することができるが、本質的に無水ガスはその熱容量が小さいため、ミルクを加熱するためには多大な技術的努力が必要である。
【0054】
加圧ガスは、吸い込まれた大気から圧縮機によって生成される加圧空気であってもよい。しかしながら例えば圧力容器からの窒素又は二酸化炭素を加圧ガスとして使用することも可能である。
【0055】
加圧ガスは、大気圧より著しく高い圧力を有している。
【0056】
プロセスの有利な変形形態では、脈動方式で加圧ガスをミルクに加えることができる。脈動のため、ポンピングデバイスの中に導入している間の乱れ効果、したがって泡形成率を高くすることができる。したがって一定の泡品質でより大量のミルクの流量が可能であり、したがって製造されるミルク・フォームのより大きい体積フローが可能である。加圧ガスの連続、即ち非脈動導入が可能である。
【0057】
脈動は、例えばスタッター弁によって達成することができる。しかしながら脈動は、加圧ガスを供給する圧縮機を動的に制御することによって達成することも可能である。スタッター弁と、圧縮機の調整された制御の組合せも可能である。
【0058】
スタッター弁は高速切り替え弁(シャッター弁)であり、この高速切り替え弁を使用して、高圧力パルスに低圧力パルスを重畳させることによって中間圧力を達成することができる。シャッター弁は例えば電磁的に制御される。圧縮機の動的制御は、特に圧縮機の可変速度制御を意味しており、所望の圧力をほぼ実時間で提供する。
【0059】
しかしながら加圧ガスは、例えばアクセス開口を歯車ポンプのギヤホイールの根元の直径と先端の直径の間で半径方向に配置することにより、アクセス開口がポンピングデバイスの運搬要素を移動させることによって円筒状に覆われ、また、再びその覆いが除去される方法で配置されたアクセス開口を介して供給することも可能である。
【0060】
加圧ガス供給ライン、第2の流体通路又は運搬チャンバの出口側領域に圧力センサを有効に提供することができる。
【0061】
以下、本発明について、添付の図に示されている実施例を参照して、実例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明によるミルク・フォーミング・デバイスを有する、本発明による飲料供給デバイスの略図である。
図2】本発明によるミルク起泡デバイスの横断面図である。
図3A】本発明によるミルク起泡デバイスの第1の斜視図である。
図3B図3Aからの本発明によるミルク起泡デバイスの別の斜視図である。
図4】修正された圧力調整デバイスを有する図1と同様の、本発明によるミルク・フォーミング・デバイスを有する、本発明による飲料供給デバイスの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、ミルク・システムを有する、コーヒー及びミルクに基づく冷たい飲料及び熱い飲料を供給するための飲料供給デバイス100を概略的に示したものである。
【0064】
飲料供給デバイス100のミルク・システムは、ミルク容器105、入口側E及び出口側Aを有するポンピングデバイス2を備えたミルク起泡デバイス1、及び分配デバイス101を有している。ポンピングデバイス2は、ミルク供給ラインM1を介して入口側Eのミルク容器105に接続され、また、ミルク分配ラインM2を介して出口側Aの分配デバイス101に接続されている。出口側Aでは、ポンプ・デバイス2もまた、加圧ガス・ラインDLを介して圧縮機10に接続されており、圧縮機10は、ここでは空気源106と呼ばれているフィルタ要素を介して大気を引き込み、且つ、圧縮する。圧縮空気(加圧空気)は、加圧ガス・ラインDL及びガス入口3を介してポンピングデバイス2の中に給送される。制御ユニット104によって電磁的に制御することができる比例弁Vもまた、圧縮機10とポンピングデバイス2の間に配置されている。ミルク供給ラインM1は、分岐を介して、水ラインWLを介して水接続107に接続されている。ミルク又はミルク・フォームをテンパリングし、且つ、加熱するために、連続フロー・ヒータ102’の形態の加熱デバイス102もミルク分配ラインM2に配置されている。
【0065】
ミルク供給ラインM1、加圧ガス・ラインDL及び水ラインWLには、逆止弁RSV1、RSV2及びRSV4の形態の逆流障害物が存在しており、液体の逆流又は不適切な引渡しを防止している。
【0066】
ポンピングデバイス2は、運搬要素5が中に配置されている運搬チャンバ16を収納しているハウジング4を備えている。運搬要素5は、運搬チャンバ16を入口側給送チャンバ17及び出口側混合チャンバ9に分割している。
【0067】
飲料供給デバイス100は、4つの異なる動作モード、即ち冷たい液体ミルクを分配するための第1のモード、テンパリングされた液体ミルクを分配するための第2のモード、冷たいミルク・フォームを分配するための第3のモード、及び熱いミルク・フォームを分配するための第4のモードで動作させることができ、ミルク又はミルク・フォームは、個々のケースにおいて、分配デバイス101を介して飲料容器の中に分配され、例えば分配デバイス101の出口下方に置かれたカップの中に分配される。更に、飲料供給デバイス100は洗浄モードを有している。飲料供給デバイス100は、動作モード及び洗浄モードを以下のように設定するために、電気制御ユニット104によって制御される。
【0068】
第1の動作モード(冷たいミルク)
第1のモードでは、冷やされたミルクが、ここでは外部歯車ポンプとして設計されているポンピングデバイス2を介して、ハウジング4の中の第1のアクセス開口O1を介してミルク容器105からポンピングデバイス2の給送チャンバ17の中に吸い込まれ、運搬要素5を介して混合チャンバ9の中へ運搬され、出口側出口開口O3を介して、絞り要素DSを通ってミルク分配ラインM2にポンプ供給され、したがってポンピングデバイス2が起動されると、冷たいミルクが分配デバイス101から流出する。フロー・ヒータ102’は、このモードではオフに切り替えられている。ミルク分配ラインM2は、更に、側路ライン(バイパス)を有することも可能であり、ミルクがフロー・ヒータ102’を通過するのを回避し、それによりフロー・ヒータ102’からの残留熱によるミルクの加熱を回避するために、第1の動作モードではこの側路ラインを通してミルクが引き渡される。制御ユニット104は、このモードではポンピングデバイス2のみを起動する。
【0069】
第2のモード(温かいミルク)
第2のモードでは、温かいミルクが分配デバイス101を介して分配されることになる。第2の動作モードは、ポンピングデバイスが起動される直前、又はポンピングデバイスの起動と同時に制御ユニット104がフロー・ヒータ102’を起動し、したがってフロー・ヒータ102’を通って流れている間にミルクが加熱される点で第1の動作モードとは異なっている。この動作モードでは、ミルクの流量に影響を及ぼすためのフロー・ヒータの加熱能力並びにポンピングデバイス2の引渡し能力を、ミルクの所望の目標温度に応じて制御ユニット104によって調整することができる。
【0070】
第3のモード(冷たいミルク・フォーム)
第3の動作モードでは、冷たい粗細孔ミルク・フォームが分配デバイス101から、飲料表面に浮かべて分配されることになる。フロー・ヒータ102’は、第1の動作モードの場合と同様、オフに切り替えられているか、又はバイパス・ラインによって迂回されている。制御ユニット104は、冷たい泡を製造するためにポンピングデバイス2及び圧縮機10を同時に起動する。圧縮機10は、例えば6バールの圧力の加圧空気を提供する。加圧空気は、次に、ポンピングデバイス2の出口側A(高圧側)の第2のアクセス開口O2を介して混合チャンバ9の中に吹き込まれ、混合チャンバ9の中でミルクを発泡させる。第2のアクセス開口O2は、加圧ガス・ラインDLから加圧ガスを導入するためのガス入口に対応している。この場合、ポンピングデバイス2の吐出量は、出口開口O3の下流側に配置されている絞り要素DSの前方の出口側Aに、例えば4バールの圧力の下でミルクが蓄積される量になるように選択される。発泡したミルクは、次に、絞り要素DSを通過する際に均質化される。
【0071】
提供される加圧空気の量の微調整は、加圧空気ラインDL(圧縮機10とアクセス開口O2の間)に配置されている弁Vを介して達成される。一可能実施例では、弁Vは圧力調整デバイス103の比例弁であり、この弁Vは、制御ユニット104を介して電磁的に制御される。比例弁の代わりにスタッター弁を使用することも可能であり、このスタッター弁は、パルス幅変調の方式の高速反復方式、即ち弁を高速クロック開閉させる方式で制御される。弁を高速交互方式で開閉させることにより、加圧空気の量及び圧力を極めて細かく制御することができる。更に、混合チャンバの中のミルクに脈動圧力が加えられ、これはミルク・フォーム形成のために有利である。
【0072】
ポンピングデバイス2のポンピング能力を、例えばポンピングデバイス2のポンピング能力が、高い密度を有する微細孔ミルク・フォームを製造するために、密度が低い粗細孔ミルク・フォームを製造する場合よりも高い能力に設定される方法で調整することにより、ミルクの中に導入される加圧ガスの量の更なる制御を実施することができる。
【0073】
第4のモード(温かいミルク・フォーム)
第4の動作モードでは、分配デバイス101の出口の下方に配置されている飲料、例えばエスプレッソのクレマと混合する、熱い微細孔ミルク・フォームが分配デバイス101から分配されることになる。そのために、制御ユニット104は、第3の動作モードと同様、ポンピングデバイス2及び圧縮機10を起動し、且つ、弁Vを調整する。ポンピングデバイス2の吐出量及び圧縮機10によって提供される加圧空気の圧力の両方が、第3の動作モードの場合よりも低く選択される。更に、アクセス開口O2に加えられる加圧空気と混合チャンバ9に流入するミルクの間の圧力差が低く維持され、したがってミルク圧力の約10~30%の過剰圧力の下で加圧空気が混合チャンバ9の中に導入される。そのようにすることにより、ミルク中の空気の高い比率を達成することができ、また、極めて細かい細孔の均質な泡を製造することができる。
【0074】
更に、第4の動作モードでは、フロー・ヒータ102’が起動され、分配デバイス101を介した分配に先立ってミルク・フォームを加熱する。
【0075】
洗浄モード
ポンピングデバイス2及びミルク分配ラインM2を水又は洗浄液で洗浄することができる。そのために、制御ユニット104は水ラインWLの弁を開いてポンピングデバイス2を起動し、したがってポンピングデバイス2は、水ラインWLから混合チャンバを通ってミルク分配ラインM2へ水をポンプ供給することができる。
【0076】
加圧ガスの第2のアクセス開口O2を洗浄するために、洗浄モードの後続のステップでポンピングデバイス2の起動が解除される。それによりポンピングデバイス2の入口側Eを介してポンピングデバイス2を通る液体の通路が静止している運搬要素5によって遮断される。水ラインWLを介して、水ラインWLと加圧ガス・ラインDLの間の、逆止弁RV4が配置されている交線を通り、第2のアクセス開口O2を通って、水ライン圧力の下で水が混合チャンバ9の中に給送され、次に、出口開口O3及びミルク分配ラインM2を介して、分配デバイス101を通って吐出される。それにより出口開口O3、並びにミルク残留物によって潜在的に汚染されている加圧空気ラインDLの接続経路が洗浄される。
【0077】
他の動作モード
更なる動作モードを提供することができる。例えば、ミルク・フォームは冷たい状態で発泡され、その後に、必要に応じて初めてフロー・ヒータ102’を介して加熱されるため、熱い粗細孔ミルク・フォーム又は冷たい微細孔ミルク・フォームを提供することも可能であり、したがって泡のタイプ(粗細孔対微細孔)は、分配デバイス101におけるミルク・フォームの所望の温度に依存しないか、或いはそれほどには依存しない。
【0078】
図2は、図1のスキームに使用されている、本発明によるポンピングデバイス2を通る断面を示したものである。ポンピングデバイス2は、中に運搬チャンバ16が配置されているハウジング4を備えている。運搬チャンバは、実質的に平らな底部側6、底部側6に対して平行に間隔を隔てた頂部側(図示せず)、及びそれらの間を垂直方向に展開している円筒状側壁8によって取り囲まれている。ギヤホイールの形態の2つの運搬手段5が、運搬チャンバ16の中に、図の平面に互いに前後に配置されたそれぞれの平行回転軸X1、X2の周りに取り付けられており、これらの2つの運搬手段5(ギヤ・ホイール)は互いにかみ合っており(図2、ピッチ・サークル径d又は先端径d)、それにより外部歯車ポンプを形成している。これらの2つの運搬手段5(ギヤ・ホイール)は、ここでは図示されていないモータ、例えば電動機によって駆動され、それによりミルクを入口側Eから出口側Aまで運搬するための異なる速度を設定することができる。モータは、この目的のために制御ユニットを介して電子的に制御される。モータは、図2に参照されている電子制御ユニット104を介して電子的に制御することができる。
【0079】
運搬手段5は、運搬チャンバ16を、供給チャンバ17を有する入口側Eと、混合チャンバ9を有する出口側Aとに分割する。入口側Eは単一のアクセス、即ち第1のアクセス開口O1を有しており、この第1のアクセス開口O1は、給送チャンバ17の側壁8のほぼ2分の1の高さH/2に形成されている。第1のアクセス開口O1は、丸い穴として、側壁8を貫通して垂直方向に延び、したがってノズルとして作用するくびれを形成している。第1のアクセス開口O1の周りに、ハウジング4と一体で接続ソケットが配置されており、接続ソケットは、中心軸C1を有する第1の円形-円筒状流体通路L1を形成している。接続ピース11は、流体密閉で接続ソケットに挿入されており、この接続ピース11を介して、ミルク供給ラインM1として示されている流体ラインにポンプ・デバイス2を接続することができる。
【0080】
ポンプ・デバイス2の出口側Aは出口開口O3の形態の単一の出口を有しており、この出口開口O3を通して、混合チャンバ9の中に配置されている流体を吐出させることができる。出口開口O3は、円形-円筒状の横方向の穴として側壁8の中に形成されており、可変断面輪郭を有する第3のノズルDS3がこの横方向の穴に挿入されている。第3のノズルDS3は絞り要素を形成しており、この絞り要素を介して、運搬速度が遅く、或いは運搬体積が小さくても、混合チャンバ9の中に対抗圧を構築することができる。第1のアクセス開口O1と同様、第3の接続ソケットがハウジング4の外側に、出口開口O3の周りにハウジング4と一体で形成されており、第3の接続ソケットは、中心軸C3を有する第3の流体通路L3を形成している。接続ピース13は第3の接続ソケットに挿入されており、混合チャンバ9を図1に示されているミルク分配ラインM2と流体接続している。
【0081】
図2から分かるように、軸C1及び軸C3又はアクセス開口O1及びO3は、側壁8の中の同じ高さに配置されている。異なる、特に非対称の配置が可能である。
【0082】
混合チャンバ9は底部側6の中に第2のアクセス開口O2を有しており、第2のアクセス開口O2は、この事例では、底部側6を貫通して垂直方向に延びている。しかしながら第2のアクセス開口O2は、傾斜した角度、好ましくは鋭角で、好ましくは流れの方向に逆らって、即ち運搬要素5と整列して底部側6の中に配置することも可能である。このような設計は、より大きい乱れ効果(乱流)を誘導することができ、この乱れ効果は、第2の入口開口O2を介して加圧ガスが導入される場合、混合チャンバ16におけるミルクとの加圧ガスの改善された混合をもたらし、或いは第2の入口開口O2を介して水が導入される場合、混合チャンバ16の改善された洗浄をもたらす。加圧ガスを導入するために必要な圧力を小さくするために、流れの方向に逆らって、即ち流れの方向に対して直角に配置する代わりに、第2のアクセス開口を流れの方向に整列させることも可能である。
【0083】
第2の入口開口O2(並びに第1の出口開口O3)は、入口開口O2に挿入された絞り要素DS2を有している。絞り要素DS2を使用して、加圧空気及び/又は水の注入圧力及び注入速度を制御することができる。
【0084】
第2の入口開口O2は、接続ソケットによって形成された第2の流体通路L2の中に没入しており、接続ソケットには、図1に示されている加圧空気ラインDLに接続するために逆止弁RSV2及び接続ピース12が挿入されている。第2の流体通路L2は、開口O4を有する分岐を有しており、開口O4は第4の流体通路L4の中へ展開している。この第4の流体通路L4には、図1に示されている水ラインWLに流体接続するために、逆止弁RSV4及び接続ピース
14が挿入されている。逆止弁RSV2及びRSV4は、混合チャンバの中の流体がそれぞれ加圧空気ラインDL及び水ラインWLに逆流するのを防止している。
【0085】
加圧空気ラインDLの接続ピース12、第2の流体通路L2及び第2のアクセス開口O2は互いに同軸で配置されている。同軸で配置することによって流動抵抗が最も小さくなる。水ラインWLの接続ピース14及び追加開口O4は、第2の流体通路L2に対して直角に配置されている。
【0086】
アクセス開口O1、O2、O3及び他の開口O4の開口断面及び開口輪郭は、仕様輪郭に応じて、それらの開口に使用されているブッシングを交換することによって変更することができる。例えば仕様輪郭に応じて、異なる開口径を有する異なるブッシングを挿入することができる標準の穴として開口を設計することができる。
【0087】
図3A及び図3Bは、図2からのミルク起泡デバイス1の変形形態を斜視図で示したものである。ここでは、回転軸X1及びX2に対応する軸を有する2つの円形シリンダの重畳としてのポンピングデバイス2の引渡しチャンバ16の幾何学的設計を明確に見ることができる。歯車ポンプのギヤ・ホイール及び関連するシャフトは、分かり易くするために示されていない。やはり示されていない、モータの形態のドライブは、ポンプ・デバイス2のハウジング4の頂部側7に取り付けられ、減速歯車(図示せず)を介してギヤ・ホイールのシャフトを駆動している。第2のギヤ・ホイールは、第2のギヤ・ホイールとかみ合っている第1のギヤ・ホイールを介して間接的に駆動されている。タンデム駆動も可能である。ブッシング15は、図2に示されている逆止弁RSV2のための取付け開口を表している。
【0088】
図3A及び図3Bのポンプ・デバイス2は、図2に示されているポンプ・デバイスとは出口開口O3の位置が異なっている。出口開口O3は、引渡しチャンバ16の高さの2分の1の高さではなく、ほぼ最初の3分の1の高さH/3に配置されている。したがって出口開口O3は、2分の1の高さ(図2のH/2参照)に配置されている第1の入口開口O1に対して平行にオフセットされている。
【0089】
図3Aから分かるように、第2のアクセス開口O2は、ハウジング4の底部側6の側壁8の直ぐ近くの、出口開口O3の真正面に配置されている。したがってポンピングデバイス2によって運搬されたミルクが出口開口O3に入ると、直ちに加圧ガスの流れをミルクに加えることができる。
【0090】
図3A及び図3Bによるポンプ・デバイス2のすべての他の特徴に関しては、図2の実施例実例に対する説明が参照される。
【0091】
図4は、図1に示されている飲料供給デバイス100におけるミルク起泡デバイス1の変形形態を示したものである。本質的な相異は、ここでは、ポンピングデバイス2の中に導入される加圧ガスの量を制御するために圧力調整デバイス103が圧縮機10の下流側に配置されていることにある。図1の実施例実例に使用されている比例弁Vの代わりに、開又は閉に切り替えることができる遮断弁V’、及び流れの方向における下流側に配置され、また、加圧ガス・ラインDlの分岐に配置される吐出弁V’’が加圧ガス・ラインDLに配置されている。遮断弁V’及び吐出弁V’’は圧力調整デバイス103を形成している。吐出弁V’’を介して、圧縮機10によって提供された加圧ガスを大気中に部分的に吐出することができる。図1の実施例実例の場合のように、加圧ガス・ラインに直接配置された比例弁の使用又はスタッター弁の使用と比較すると、より広い圧力帯域幅にわたって加圧空気を提供することができる。したがって例えばやはりポンピングデバイス2のポンプ供給容量を調整する必要なく、或いはポンプ供給容量を変更する必要なく、吐出弁V’’のみを介して、空気対ミルクの所望の混合比率を設定することができる。したがって吐出弁を有するこのような圧力調整デバイス103を介して、飲料の上に泡の冠を製造するための、低密度の極めて粗い細孔の泡と、分配デバイス101の下方に配置されている飲料のクレマと良好に混合する極めて細かい細孔の泡(マイクロフォーム)の両方を同時に製造することができる。制御ユニット104は、この実施例実例では、オン位置とオフ位置の間でのみ、ポンピングデバイスのポンピング能力を調整する。
【0092】
ここで示されているバージョンでは、ドレン弁V’’は高速作動スタッター弁として設計されている。しかしながらドレン弁V’’は比例弁として設計することも可能である。
【0093】
飲料供給デバイスの他の本質的に全く同じ詳細については、上記図1の実施例実例の説明が参照される。
【0094】
説明した本発明は、特に、構造的に極めて単純であるが、飲料供給デバイス及びプロセスに使用することができ、また、ミルク・フォーミング・デバイスに使用されるポンピングデバイスのポンプ供給機能を損なうことなく、均質な組成を有する、異なるコンシステンシ及び温度のミルク・フォームを製造するために使用することができ、また、一様な体積フローで分配することができる、質量流量が多い柔軟なミルク・フォーミング・デバイスを提供する。
【符号の説明】
【0095】
1 ミルク起泡デバイス
2 ポンピングデバイス
3 ガス入口
4 ハウジング
5 運搬手段
6 底部側
7 頂部側
8 側壁
9 混合チャンバ
10 圧縮機
11 接続ピース
12 接続ピース
13 接続ピース
14 接続ピース
15 ブッシング
16 運搬チャンバ
17 給送チャンバ
100 飲料供給デバイス
101 分配デバイス
102 加熱デバイス
102’ 連続フロー・ヒータ
103 圧力調整デバイス
104 制御ユニット
105 ミルク容器
106 空気源
107 水供給
A 出口側
C1 軸
C2 軸
C3 軸
DL 加圧ガス・ライン
d ピッチ・サークル径(ギヤ・ホイール)
先端径(ギヤ・ホイール)
DS 絞り弁
DS2 絞り弁
DS3 絞り弁
E 入口側
H 高さ
L1 流体通路
L2 流体通路
L3 流体通路
L4 流体通路
M1 ミルク供給ライン
M2 ミルク分配ライン
O1 開口(第1のアクセス開口)
O2 開口(第2のアクセス開口)
O3 開口(出口開口)
O4 開口(水供給ライン)
RSV1 逆止弁
RSV2 逆止弁
RSV4 逆止弁
V 弁
V’ 弁
V’’ 弁
WL 水ライン
X1 回転軸
X2 回転軸
図1
図2
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】