(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】S1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用する円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4192 20060101AFI20241024BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20241024BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241024BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20241024BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61K31/4192
A61P17/14
A61P43/00 111
A61K8/49
A61Q7/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560621
(86)(22)【出願日】2023-08-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 KR2023012725
(87)【国際公開番号】W WO2024085417
(87)【国際公開日】2024-04-25
(32)【優先日】2022-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523369938
【氏名又は名称】ネクストジェン バイオサイエンス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NEXTGEN BIOSCIENCE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】イ ボンヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク ヤンヘ
(72)【発明者】
【氏名】キム ウンジョン
【テーマコード(参考)】
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4C083AC851
4C083CC37
4C083EE22
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC60
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA63
4C086NA06
4C086NA14
4C086ZA92
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、S1P受容体のサブタイプS1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用する円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物に関し、より具体的には、S1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用して、心血管疾患の副作用を引き起こさず、円形脱毛症の予防または治療効果を有するスフィンゴ脂質化合物を有効成分として含む薬学的組成物に関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物:
【化1】
ここで、
R
1は、水素であり;
R
2は、水素またはアセチル基であり;
Xは、単一結合、C
2アルキレン、またはC
2アルケニレンであり;
Aは、N原子3個を含む5員環のヘテロアリレンであり;
Bは、C
2-11の直鎖または側鎖アルキレンであり;
Cは、単一結合またはフェニレンであり;および
Dは、水素、フェニルおよびC
1-6アルキルからなる群から選ばれる。
【請求項2】
前記R
2は、水素であることを特徴とする請求項1に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項3】
前記Xは、C
2アルキレンであることを特徴とする請求項1に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項4】
前記Bは、C
2-11の直鎖アルキレンであることを特徴とする請求項1に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項5】
前記化学式1で表される化合物は、下記化合物群から選択されるいずれか1つの化合物であることを特徴とする請求項1に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物:
(1)2-アミノ-2-(2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(2)2-アミノ-2-(2-(1-オクチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(3)2-アミノ-2-(2-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(4)2-アミノ-2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール;
(5)(E)-2-アミノ-2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ビニル-1,3-ジオール;
(6)2-アミノ-2-(2-(1-(8-フェニルオクチル)-1H-1,2,3-トリアゾールブチル-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(7)N-(2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1,3-ジヒドロオキシプロパン-2-イル)アセトアミド;
(8)N-(4-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミド;および
(9)N-(4-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミド。
【請求項6】
前記化学式1で表される化合物は、下記化学式2で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【化2】
【請求項7】
前記薬学的組成物は、経口投与用製剤または非経口投与用製剤であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項8】
前記薬学的組成物は、円形脱毛症の治療に適した1つ以上の他の治療剤をさらに含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項9】
前記薬学的組成物は、S1PR1およびS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項10】
前記薬学的組成物は、心血管疾患の副作用を引き起こさないことを特徴とする請求項9に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、S1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用する円形脱毛症の予防または治療用組成物に関し、より具体的には、本発明は、S1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用して、心血管疾患の副作用を引き起こさず、円形脱毛症の予防または治療効果を有するスフィンゴ脂質化合物を含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
脱毛は、異常に毛が多く抜ける症状で、主に毛髪が抜ける場合が多いが、ひげや眉毛、陰毛、脇毛、その他の部位の毛が異常に抜ける場合も脱毛と呼ばれる。
【0003】
毛髪は、毛包から生成され、毛包は、表皮層下の皮下脂肪の上にある真皮層に位置している。毛包は、唇、手の平、足の裏を除いた身体のすべての部位にあり、新しい毛髪は、毛包の下部にある毛の基質から作られる。毛の基質にある生細胞が増殖し、上に押し上げられ、このような細胞が急速に乾燥して死ぬと、密度が高く、硬い塊に圧縮されて、毛幹を構成する。死んだタンパク質からなる毛幹は、薄い板のようなうろこ状で構成された繊細な層(小皮)で覆われている。
【0004】
毛髪の成長サイクルは、3段階からなり、毛髪が最も活発に成長する成長期(anagen)と、その後に次々と続く毛髪の退化が始まる退行期(catagen)と、毛髪の成長が停止している休止期(telogen)がある。休止期の最後には、毛髪が抜けて毛包から新しい毛髪が成長し、新しいサイクルが再び始まる。眉毛とまつげの成長期は、1~6ヶ月程度で、頭髪の成長期は、2~6年程度であり、一般的に毎日約50~100本の頭髪が休止期の最後に至って抜ける。
【0005】
脱毛の中でも円形脱毛は、毛髪が円形に抜ける疾患で、初期には、1~2箇所の円形の脱毛を示し、ひどくなると、複数の箇所に同時に円形の脱毛が発生したり、脱毛部位が融合し、頭皮の毛髪の他にも眉毛やひげの毛髪も消失する現象を示す。円形脱毛症は、免疫体系が変化して免疫細胞が毛包を攻撃して炎症を起こす自己免疫性疾患であり、ストレスおよび遺伝的原因によることが知られている。円形脱毛患者の約10%未満では、アトピー皮膚炎、甲状腺疾患および悪性貧型などの他の自己免疫疾患が伴う可能性があり、男女およびすべての年齢で発生するが、子供と若い成人の間で最も一般的に現れる疾患で、全人口の約1~2%の有病率を示す。
【0006】
円形脱毛の代表的な治療剤は、ステロイド製剤である。現在までステロイド注射、ステロイド服用薬、免疫抑制剤などが治療剤として使用されているが、ステロイド製剤を用いて治療する際に初期にはある程度効果を示すが、長期治療時にはかえって症状をさらに悪化させたり、頭皮炎、頭皮陥没、高血圧、体重増加、胸焼け、胃炎などの副作用を誘発させることができ、再発しやすい傾向にある。
【0007】
現在、脱毛の治療に最も多く使用される薬物としては、FDAで承認を受けた2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン-3-オキシド(別名「ミノキシジル(Minoxidil)」、米国特許第4,139,619号明細書および4,596,812号明細書参照)とII型5α-還元酵素の特定抑制剤であるフィナステリド(finasteride)が挙げられる。
【0008】
ミノキシジル製剤は、血管拡張効果を通じて血流量を増加させ、毛根に栄養分を供給することによって、毛髪成長を誘導する薬物であり、特につむじ部位の脱毛症状の緩和に対して効果が良いことが知られており、これを活性成分として使用する医薬品は、商品名ロゲイン(Rogaine,Pharmacia & Upjohn Companyの商標名)として市販されている。ロゲインは、男性型脱毛症を患っている男性の場合、10%まで脱毛を減少させ、毛髪の成長を促進することが知られているが、頭皮部位に外部から直接的に適用しなければならず、規則的に長期間にわたって使用しなければならず、つむじ部位以外の部位の脱毛に対しては、あまり良い効果を発揮しないという欠点がある。
【0009】
フィナステリドを活性成分として使用した医薬品は、商品名プロペシア(Propecia,Merck & Co.,Inc.の商標名)として市販されており、これは、経口投与用丸剤であり、II型5α-還元酵素の機能を抑制し、テストステロンがジヒドロテストステロン(Dihydrotestosterone,DHT)に転換されるのを防止することによって脱毛を抑制することが知られているが、これも、持続的かつ規則的な服用を必要とし、一部の患者に対しては、性欲減退、勃起不全などの副作用を示し、成人男性にのみ使用することができ、円形脱毛症には効果がないという問題点がある。
【0010】
最近では、関節リウマチの治療剤として知られている経口用JAK抑制剤オルミアント(成分名Baricitinib)が、2022年6月に第3の脱毛剤として、そして最初の円形脱毛全身治療剤としてFDA承認を受けた。また、ファイザーも、JAK抑制剤の一種であるPF-06651600(成分名Ritlecitinib)の三相試験完了後、オルミアントと同様の効能データを発表し、最近FDA承認された。しかしながら、JAK抑制剤は、心臓発作、脳卒中、がんの危険性を高めるという研究結果が報告されていて、円形脱毛症の治療効能に優れながらも、毒性および副作用の少ない安全な医薬品の開発が継続的に必要な実情である。
【0011】
そこで、本発明者らは、円形脱毛症の治療効能に優れながらも、毒性および副作用の少ない医薬品を開発するために鋭意努力しているところ、本発明による化合物がS1PR1とS1PR4受容体に特異的に結合し、機能的拮抗剤(antagonist)の役割を果たすことによって、円形脱毛症の予防または治療効果を有することを確認し、本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、心血管疾患の副作用を引き起こさず、円形脱毛症の予防または治療の薬理活性を有する化合物を有効成分として含む薬学的組成物を提供することを目的とする。
【0013】
他の態様において、本発明は、それを必要とする対象体に前記組成物または前記組成物中の有効成分を投与する段階を含む、円形脱毛症の予防または治療方法を提供することを目的とする。
【0014】
さらに他の態様において、本発明は、円形脱毛症の予防または治療のための前記組成物または前記組成物中の有効成分の用途を提供することを目的とする。
【0015】
さらに他の態様において、本発明は、円形脱毛症の予防または治療のための薬物の製造のための前記組成物または前記組成物中の有効成分の用途を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、下記化学式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物を提供する:
【0017】
【0018】
ここで、
R1は、水素であり;
R2は、水素またはアセチル基であり;
Xは、単一結合、C2アルキレン、またはC2アルケニレンであり;
Aは、N原子3個を含む5員環のヘテロアリレンであり;
Bは、C2-11の直鎖または側鎖アルキレンであり;
Cは、単一結合またはフェニレンであり;および
Dは、水素、フェニルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれる。
【0019】
前記R2は、水素であってもよい。
【0020】
前記Xは、C2アルキレンであってもよい。
【0021】
前記Bは、C2-11の直鎖アルキレンであってもよい。
【0022】
前記化学式1で表される化合物が、下記化合物群から選択されるいずれか1つの化合物であってもよい:
(1)2-アミノ-2-(2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(2)2-アミノ-2-(2-(1-オクチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(3)2-アミノ-2-(2-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(4)2-アミノ-2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール;
(5)(E)-2-アミノ-2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ビニル-1,3-ジオール;
(6)2-アミノ-2-(2-(1-(8-フェニルオクチル)-1H-1,2,3-トリアゾールブチル-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(7)N-(2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1,3-ジヒドロオキシプロパン-2-イル)アセトアミド;
(8)N-(4-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミド;および
(9)N-(4-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミド。
【0023】
前記化学式1で表される化合物が、下記化学式2で表される化合物(以下「NXC736」という)であってもよい。
【0024】
【0025】
本発明による薬学的組成物は、経口投与用製剤または非経口投与用製剤であってもよい。
【0026】
本発明による薬学的組成物は、円形脱毛症の治療に適した1つ以上の他の治療剤をさらに含んでもよい。
【0027】
本発明による薬学的組成物は、S1PR1およびS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用することができる。
【0028】
本発明による薬学的組成物は、心血管疾患の副作用を引き起こさない効果を期待することができる。
【0029】
本発明は、また、前記化学式1で表される化合物、その光学異性体またはその塩を含む組成物を提供する。
【0030】
本発明は、また、それを必要とする対象体に前記組成物または前記組成物中の有効成分を投与する段階を含む、円形脱毛症の予防または治療方法を提供する。
【0031】
本発明は、また、円形脱毛症の予防または治療のための前記組成物または前記組成物中の有効成分の用途を提供する。
【0032】
本発明は、また、円形脱毛症の予防または治療のための薬物の製造のための前記組成物または前記組成物中の有効成分の用途を提供する。
【発明の効果】
【0033】
本発明による薬学的組成物は、S1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用して、円形脱毛症の予防または治療効果を有する。
【0034】
特に、本発明による薬学的組成物は、S1P受容体のサブタイプ(S1P1、S1P2、S1P3、S1P4およびS1P5)のうちS1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用して、円形脱毛症の予防または治療効果を有すると同時に、心血管疾患の副作用を引き起こさない効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、NXC736(3mg/kg/day)の経口投与後、マウスの全体T細胞およびT細胞サブタイプの細胞数の変化を示すグラフである。
【
図2】
図2は、NXC736(10mg/kg/day)の経口投与後、ラットの全体T細胞およびT細胞サブタイプの細胞数の変化を示すグラフである。
【
図3】
図3は、円形脱毛症マウスモデルC3H/HeJにおいて対照群およびNXC736(30mg/kg/day)の経口投与による円形脱毛病変面積(AA lesion area)を比較した結果である。
【
図4】
図4は、円形脱毛症マウスモデルC3H/HeJにおいて対照群およびNXC736(30mg/kg/day)の経口投与による無病割合(Disease free ratio)を比較した結果である。
【
図5】
図5は、円形脱毛症マウスモデルC3H/HeJにおいて対照群およびNXC736(30mg/kg/day)の経口投与による円形脱毛誘発抑制効果を比較した結果である。
【
図6】
図6は、hERG遺伝子(hERG gene)が過剰発現したHEK293細胞におけるNXC736(1、3、10、30μM)の影響を評価試験した表である。
【
図7】
図7は、NXC736(12.5、25、50mg/kg)の経口投与後、ビーグル犬の心拍数の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書または出願に開示されている説明は、ただ本発明の技術的思想による実施例を説明するための目的で例示されたものであり、本発明の技術的思想による実施例は、本明細書または出願に開示されている実施例以外にも様々な形態で実施することができ、本発明の技術的思想が本明細書または出願に説明された実施例に限定されると解されない。
【0037】
本発明において、「予防」とは、有効成分を個体に投与して対象疾患の発病を抑制または遅延させるすべての行為を意味する。
【0038】
本発明において、「治療」とは、有効成分を個体に投与して対象疾患の症状が好転したり有益にするすべての行為を意味する。
【0039】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0040】
本発明による円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物は、下記化学式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む。
【0041】
【0042】
ここで、
R1は、水素であり;
R2は、水素またはアセチル基であり;
Xは、単一結合、C2アルキレン、またはC2アルケニレンであり;
Aは、N原子3個を含む5員環のヘテロアリレンであり;
Bは、C2-11の直鎖または側鎖アルキレンであり;
Cは、単一結合またはフェニレンであり;および
Dは、水素、フェニルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれる。
【0043】
前記R2は、水素であってもよい。
【0044】
前記Xは、C2アルキレンであってもよい。
【0045】
前記Bは、C2-11の直鎖アルキレンであってもよい。
【0046】
また、前記化学式1で表される化合物は、下記化合物群から選択されるいずれか1つの化合物であってもよい:
(1)2-アミノ-2-(2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(2)2-アミノ-2-(2-(1-オクチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(3)2-アミノ-2-(2-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(4)2-アミノ-2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール;
(5)(E)-2-アミノ-2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ビニル-1,3-ジオール;
(6)2-アミノ-2-(2-(1-(8-フェニルオクチル)-1H-1,2,3-トリアゾールブチル-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(7)N-(2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1,3-ジヒドロオキシプロパン-2-イル)アセトアミド;
(8)N-(4-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミド;および
(9)N-(4-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミド。
【0047】
また、前記化学式1で表される化合物が下記化学式2で表される化合物である2-アミノ-2-(2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール(別名、NXC736)であってもよい。
【0048】
【0049】
化学式1で表される化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で使用することができる。この際、塩は、薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩が使用できる。
【0050】
また、本発明による薬学的組成物は、化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有するだけでなく、これから製造することができる溶媒和物、光学異性体、水和物などから選択された物質を有効成分として含んでもよい。
【0051】
本発明において、前記化学式1で表される化合物、その光学異性体、またはその薬学的に許容可能な塩は、薬学的に有効な量、例えば、前記薬学的組成物の全重量に対して0.1~99.9重量%内任意の量で含まれ得る。
【0052】
化学式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物は、経口投与用製剤および薬理活性を示す範囲内で他の類型の製剤に変更することができる。
【0053】
経口投与用製剤は、トローチ剤(troches)、ロジェンジ(lozenge)、錠剤、水溶性懸濁液、油性懸濁液、調製粉末、顆粒、エマルジョン、ハードカプセル、ソフトカプセル、シロップまたはエリキシル剤などの形態を含んでもよいし、これに制限されるものではしない。
【0054】
また、本発明による薬学的組成物を経口投与用製剤に製剤化するために、ラクトース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アミロペクチン(Amylopectin)、セルロース(Cellulose)またはゼラチン(Gelatin)等のような結合剤;リン酸二カルシウム(Dicalcium phosphate)等のような賦形剤;とうもろこしデンプンまたはさつまいもデンプン等のような崩解剤;ステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)、ステアリン酸カルシウム(Calcium stearate)、ステアリルフマル酸ナトリウム(Sodium stearyl fumarate)またはポリエチレングリコールワックス(Polyethylene glycol wax)等のような滑沢剤;甘味剤;芳香剤;シロップ剤;などを使用することができる。また、カプセル剤の場合、前記言及した物質の他にも、脂肪油のような液体担体などをさらに使用することができる。
【0055】
化学式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物は、非経口投与のための適合した様々な剤形に製剤化して使用することができる。
【0056】
非経口投与用製剤は、注射液、坐剤、呼吸器吸入用粉末、スプレー用エアロゾル剤、軟膏、塗布用パウダー、オイル、クリームなどが挙げられ、これに制限されるものではない。
【0057】
また、本発明による薬学的組成物を非経口投与用製剤に製剤化するために、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、外用剤などを使用することができる。具体的には、非水性溶剤、懸濁剤は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどを使用することができる。
【0058】
本発明による薬学的組成物を注射液に製剤化する場合、薬学的組成物を安定剤または緩衝剤と共に水で混合して、溶液または懸濁液として製造し、これをアンプル(ampoule)またはバイアル(vial)の単位投与用に製剤化することができる。また、本発明による薬学的組成物をエアロゾル剤に製剤化する場合、水分散された濃縮物または湿潤粉末が分散するように推進剤などを添加剤と共に配合することができる。また、本発明による薬学的組成物を軟膏、クリームなどに製剤化する場合には、動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルク、酸化亜鉛などを担体として使用して製剤化することができる。
【0059】
本発明による薬学的組成物は、円形脱毛症の治療に適した1つ以上の他の治療剤をさらに含んでもよい。
【0060】
円形脱毛症の治療に適した1つ以上の他の治療剤は、一緒にまたは別々に投与することができる。別々に投与する場合、これは、同時にまたは任意の順序で順次に投与することができる。化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および他の治療剤の投与量および投与時期は、所望の組み合わせ治療効果を達成するために選択することができる。
【0061】
本発明による薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含んでもよい。「薬学的に許容可能」というのは、化合物の投与時に生物体を刺激することなく、投与する化合物の生物学的活性および特性を阻害しない、薬学分野において通常使用されるものを意味する。
【0062】
担体の種類は、特に制限されず、当該技術分野において通常使用される担体であれば、いずれも使用することができる。担体の非制限的な例としては、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、アルブミン注射溶液、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マルトデキストリン、グリセロール、エタノールなどが挙げられる。これらは、単独で使用したり2種以上を混合して使用してもよい。
【0063】
また、必要に応じて本発明による薬学的組成物に賦形剤、希釈剤、抗酸化剤、緩衝液または静菌剤などその他薬学的に許容可能な添加剤を添加して使用することができる。また、必要に応じて本発明による薬学的組成物に充填剤、増量剤、湿潤剤、崩解剤、分散剤、界面活性剤、結合剤または潤滑剤などを付加的に添加して使用することができる。
【0064】
本発明による薬学的組成物の薬理的有効量および人体に対する投与量は、前記薬学的組成物の製剤化方法、投与方式、投与時間および/または投与経路などによって多様化することができる。前記の投与量は、薬学的組成物の投与により達成しようとする反応の種類と程度、投与対象となる個体の種類、年齢、体重、一般的な健康状態、疾患の症状や程度、性別、食事、排泄、当該個体に同時または異時に一緒に使用される薬物などその他組成物の成分などを含む様々な因子および医薬分野において広く知られている類似因子によって多様化することができる。また、本発明による薬学的組成物の投与経路および投与方式は、それぞれ独立していてもよく、その方式において特に制限されない。本発明による薬学的組成物が投与されて、活性成分が目的とする当該部位に到達できる限り、任意の投与経路および投与方式に従うことができる。
【0065】
本発明による薬学的組成物は、経口投与または非経口投与方式で投与することができる。例えば、非経口投与する方法としては、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、経皮投与または皮下投与などを用いることができる。また、本発明による薬学的組成物を疾患部位に塗布したり噴霧、吸入する方法を用いることができるが、これに制限されない。また、本発明による薬学的組成物は、それを必要とする対象体において円形脱毛症の治療用に使用できる。この際、対象体の種類は、特に制限されないが、哺乳動物であってもよく、好ましくは、ヒトであってもよい。
【0066】
他の様態において、本発明は、前記化学式1で表される化合物、またはその光学異性体、またはその塩を含む組成物を提供する。
【0067】
さらに他の様態において、本発明は、前記化学式1で表される化合物、またはその光学異性体、またはその薬学的に許容可能な塩またはそれを含む薬学的組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む円形脱毛症の予防または治療方法を提供する。前記個体は、ヒトまたはヒトを除いた動物であってもよい。
【0068】
さらに他の様態において、本発明は、円形脱毛症の予防または治療のための前記化学式1で表される化合物、またはその光学異性体、またはその薬学的に許容可能な塩、またはそれを含む薬学的組成物の用途を提供する。
【0069】
さらに他の様態において、本発明は、円形脱毛症の予防または治療のための薬物の製造のための前記化学式1で表される化合物、またはその光学異性体またはその薬学的に許容可能な塩、またはそれを含む薬学的組成物の用途を提供する。
【0070】
S1PR1受容体は、主にリンパ球(lymphocyte)に存在し、リンパ球(lymphocyte)が免疫細胞から遊離することを調節する役割を主に担当している。S1PR4受容体も、リンパ球(lymphocyte)に存在し、免疫細胞交換(immune cell trafficking)に作用するだけでなく、T細胞の調節にも作用をして、炎症反応に関与している。したがって、本発明の化合物は、S1PR1受容体に機能的拮抗剤として作用して、リンパ球(lymphocyte)の遊離を阻害するだけでなく、S1PR4に作用して、効果的な抗炎症効果を示し、円形脱毛症を予防または治療する効果を有する。
【0071】
具体的には、本発明の化合物は、S1PR1およびS1PR4に特異的に結合した後、細胞内にこれらを流入して消失させる機構を介して当該受容体に対する機能的拮抗剤(functional antagonist)として作用することによって、円形脱毛症を予防または治療する効果を有する。また、本発明による薬学的組成物は、S1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用して、心血管疾患の副作用を引き起こさないことができる。
【0072】
前記化学式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容可能な塩は、S1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用して、心血管疾患の副作用を引き起こすことなく、円形脱毛症を予防または治療することができる。
【0073】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、ただ本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されると解釈されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明だろう。
【0074】
実施例:化学式1で表される化合物の製造
本発明の化学式1で表される化合物は、韓国公開特許第10-2017-0087813号公報に記載されたような方法を用いて製造することができ、この方法は、以下に記載の実施例の通りである。ただし、本発明の化学式1で表される化合物の製造方法がこれに限定されるものではなく、通常の技術者が変更可能な範囲内で変更された方法で製造することができる。
【0075】
実施例1:2-アミノ-2-(2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオールの製造
【化5】
【0076】
段階1:tert-ブチル(2,2-ジメチル-5-((トリイソプロピルシリル)ブタ-1,3-ジイン-1-イル)-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメートの製造
【化6】
【0077】
N2気体条件下で、CuCl(10mg、0.10mmol)、NH2OH・HCl(1.02g、14.67mmol)、n-BuNH2(3.87mL、39.15mmol)を溶かしたメタノール(50mL)の溶液に、メタノール(30mL)に溶かしたtert-ブチル5-エチニル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イルカルバメート(1.25g、4.89mmol)を添加した後、メタノール(20mL)に溶かした2-ブロモ-1-トリイソプロピルシリルアセチレン(2.56g、9.78mmol)を一滴ずつ添加し、室温で2時間反応混合物をよく撹拌した後、反応を水でクエンチ(quench)し、濃縮させた。この濃縮物をエチルアセテートで希釈し、塩水(Brine)で洗浄した後、有機層は、MgSO4で乾燥させ、真空状態でろ過した後、濃縮させた。これをフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して(hexane/EtOAc、7:1)、白色固体の目的化合物を製造した(1.85g、4.25mmol、87%)。
【0078】
段階2:tert-ブチル(5-((1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチニル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメートの製造
【化7】
【0079】
前記段階1で製造した化合物(334mg、1.20mmol)を溶かした無水DMF(12mL)溶液に、1-アジドデカン(339mg、1.86mmol)、CuI(114mg、0.60mmol)、DIPEA(N,N-Diisopropylethylamine)(0.63mL、3.6mmol)およびAgF(182mg、1.44mmol)を添加した。室温で反応混合物を12時間よく撹拌した後、反応を飽和NH4Clでクエンチした後、エチルアセテートで2回抽出し、有機層抽出物を飽和NH4Clと塩水で洗浄した。これをMgSO4で乾燥させた後、減圧下に濃縮させた。この濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(hexane/EtOAc、6:1)で精製して、白色固体の目的化合物を製造した(439mg、0.95mmol、79%)。
【0080】
段階3:tert-ブチル(5-(2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメート
【化8】
【0081】
メタノール(30mL)に前記段階2で製造した化合物(149mg、0.32mmol)を溶かした溶液に10%のPd/C(45mg、前記段階2で製造した化合物の30wt%)を添加した。フラスコを真空に作った後、H2気体で満たし、室温で1時間撹拌し、混合物をセルライト(Celite)でろ過し、濃縮した後、沈殿物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(hexane/EtOAc、7:1または2:1)で精製して、無色オイルの目的化合物を製造した(110mg、0.24mmol、74%)。
【0082】
段階4:2-アミノ-2-(2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオールの製造
【化9】
【0083】
室温で前記段階3で製造した化合物(65mg、0.14mmol)を溶かしたCH2Cl2(1.40mL)溶液にTFA(1.40mL)を添加した。反応物を12時間撹拌し、減圧下に溶媒と試薬を除去した後、濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/NH4OH、100:10:1)で精製して、白色固体の目的化合物を製造した(36mg、0.11mmol、78%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.86(t、J=6.8Hz、3H)、1.23-1.29(m、14H)、1.85(t、J=6.8Hz、2H)、1.92(t、J=7.7Hz、2H)、2.47(brs、4H)、2.78(t、J=7.8Hz、2H)、3.57(dd、J=11.2、26.9Hz、4H)、4.27(t、J=7.3Hz、2H)、7.31(s、1H);13C NMR(75MHz、CDCl3)δ14.03、19.2、22.57、26.50(2C)、28.95(2C)、29.03(2C)、30.19、31.70、50.42、60.05、63.09(2C)、121.34、146.82;IR(CHCl3)υHRMS(FAB)calcd for C17H35N4O2([M+H]+)327.2760、found 327.2762。
【0084】
実施例2:2-アミノ-2-(2-(1-オクチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオールの製造
【化10】
【0085】
1-アジドデカンを使用する代わりに、1-アジドオクタンを使用したことを除いて、実施例1の反応過程と同一に行うことで、目的化合物を製造した。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ0.86(t、J=6.8Hz、3H)、1.24-1.29(m、10H)、1.84-1.91(m、4H)、2.48(brs、4H)、2.77(t、J=7.4Hz、2H)、3.54(q、J=12.2Hz、4H)、4.28(t、J=7.2Hz、2H)、7.28(s、1H)。
【0086】
実施例3:2-アミノ-2-(2-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオールの製造
【化11】
【0087】
1-アジドデカンを使用する代わりに、1-(2-アジドエチル)-4-ヘキシルベンゼンを使用したことを除いて、実施例1の反応過程と同一に行うことで、目的化合物を製造した。
【0088】
実施例4:2-アミノ-2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオールの製造
【化12】
【0089】
実施例1の段階1に使用される2-ブロモ-1-トリイソプロピルシリルアセチレンの代わりに、ブロモトリイソプロピルシランを使用し、段階2の1-アジドデカンの代わりに、1-アジドドデカン(1-azidododecane)を使用することを除いて、実施例1と同一に行うことで、目的化合物を製造した。
1H NMR(300MHz、MeOD)δ0.89(t、J=6.7Hz、3H)、1.28-1.32(m、18H)、1.90-1.92(m、2H)、3.89-3.98(m、4H)、4.41(t、J=7.1Hz、2H)、8.07(s、1H)。
【0090】
実施例5:(E)-2-アミノ-2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ビニル-1,3-ジオールの製造
【化13】
【0091】
実施例1の段階2で製造した化合物が溶けているTHF(5mL)溶液を-78℃に温度を下げた後、LAH(lithium aluminum hydride)が溶けているTHF溶液(0.3mmol)をゆっくり滴加した。0℃で3時間撹拌した後に、水で反応をクエンチし、CH2Cl2で2回抽出した。有機層は、塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した後、真空で濃縮した。濃縮物は、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、20:1)で精製して、白色固体の目的化合物を製造した。その後、実施例1の段階4の反応過程と同一に行うことで、目的化合物を製造した。(24mg、0.074mmol、74%)
【0092】
実施例6:2-アミノ-2-(2-(1-(8-フェニルオクチル)-1H-1,2,3-トリアゾールブチル-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオールの製造
【化14】
【0093】
実施例1の段階2に使用される1-アジドデカンを使用する代わりに、8-アジドオクティルベンジェンを使用することを除いて、実施例1と同一に行うことで、目的化合物を製造した。
【0094】
実施例7:N-(2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1,3-ジヒドロオキシプロパン-2-イル)アセトアミドの製造
【化15】
【0095】
実施例4で製造した化合物(50mg、1eq、0.15mmol)に酢酸無水物(0.2mL)、MeOH(1mL)、飽和されたNaHCO3水溶液(1mL)を添加し、30分間撹拌した後、濃縮し、塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチした後、CH2Cl2で2回抽出してMgSO4で乾燥させ、濃縮して、別途の精製過程なしに目的化合物を98%の収率で製造した(54mg、98%)。
1H NMR(300MHz、MeOD)δ0.89(t、J=6.7Hz、3H)、1.28-1.32(m、18H)、1.86-1.96(m、2H)、2.00(s、3H)、4.02(q、J=11.2Hz、4H)、4.35(t、J=7.2Hz、2H)、7.84(s、1H)。
【0096】
実施例8:N-(4-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミドの製造
【化16】
【0097】
実施例1で製造した化合物を開始物質として前記実施例7で行ったアセチル化反応と同様に行うことで、目的化合物を製造した。
1H NMR(300MHz、MeOD)δ0.86(t、J=6.8Hz、3H)、1.23-1.32(m、14H)、1.86-1.92(m、2H)、1.94(s、3H)、1.99-2.02(m、2H)、2.47(m、2H)、3.62(dd、J=11.2、26.9Hz、4H)、4.31(t、J=7.3Hz、2H)、7.31(s、1H)。
【0098】
実施例9:N-(4-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミドの製造
【化17】
【0099】
実施例3で製造した化合物を出発物質として前記実施例7で行ったアセチル化反応と同様に行うことで、目的化合物を製造した。
【0100】
実験例1:NXC736のマウス免疫細胞に対する抑制効果の確認
FTY720(Fingolimod)は、リンパ節または骨髄からリンパ球の一部を可逆的に捕獲することによって、リンパ球を二次リンパ器官に隔離させて中枢神経系への進入を抑制したり、血流内循環するリンパ球の個体数を減少させて脳に到達する活性化リンパ球の個数を減少させる作用機構を有する多発性硬化症治療剤である。
【0101】
S1P受容体に作用するNXC736も、リンパ球の減少に効果を示すかを確認するために、NXC736が免疫細胞に及ぼす影響を評価した。C57BL/6マウス(デハンバイオリンク(DBL)、対照群4匹、試験群18匹)にNXC736を3mg/kg/dayで1回経口投与後、末梢血流(PB,peripheral blood)、骨髄(BM,Bone marrow)におけるリンパ球の変化をT細胞(anti-mouse CD3ε-PE/cyanine7抗体を使用)、CD4 T細胞(anti-mouse CD4-FITC抗体を使用)、CD8 T細胞(anti-mouse CD8a-PerCP抗体を使用)に分類して測定した。具体的には、試験物質の投与後、0、4、8、12、24、36時間別にFlow cytometer(FC500,Beckman coulter)を用いて測定し、FlowJoTM V10(Flowjo,LLC)を用いて分析を行い、T細胞、CD4 T細胞、CD8 T細胞の数は、0時間を基準として百分率(% of control)で示した。
【0102】
図1を参照すると、末梢血流(PB)では、NXC736を3mg/kgの投与によってT細胞、CD4 T細胞、CD8 T細胞が、それぞれ、4時間後に40.6~41.6%、16.4~17.6%、5.9~9.3%レベルまで減少することを確認することができた。T細胞の場合、12時間まで減少が維持され、その後、次第に回復して、36時間では88.9%に回復した。
【0103】
骨髄(BM)では、NXC736を3mg/kgの投与によってT細胞が4時間後に120~135%、24時間後に118~131%に増加することが示された。これは、NXC736によって受容体内在化(Receptor internalization)が発生し、T細胞の遊離が抑制されて現れる現象と判断される。
【0104】
NXC736を3mg/kgの投与後、末梢血流(PB)におけるT細胞の細胞数(cell number)は、12時間まで着実に減少し、24時間まで抑制効果がある程度維持され回復することを確認することができた。結論的に、NXC736の投与によって血流内循環するリンパ球(lymphocyte)の個体数が減少、免疫抑制効果が現れることを確認することができた。
【0105】
実験例2:NXC736のラット免疫細胞に対する抑制効果の確認
NXC736のラット免疫細胞に対する影響を評価するために、SDラット(デハンバイオリンク(DBL)、対照群3匹、試験群15匹)にNXC736を10mg/kg/dayで1回経口投与後、実験例1と同じ抗体を用いて末梢血流(PB)および骨髄(BM)におけるT細胞、CD4 T細胞、CD8 T細胞に分類して測定した。具体的には、試験物質の投与後、0、4、8、12、24、36、48時間別にFlow cytometer(FC500,Beckman coulter)を用いて測定し、FlowJoTM V10(Flowjo,LLC)を用いて分析を行い、T細胞、CD4 T細胞、CD8 T細胞の数を測定し、0 timeを基準として 百分率(% of control)で示した。
【0106】
図2を参照すると、NXC736の投与後、末梢血流(PB)では、4時間までT細胞が急速に減少することを確認することができた。免疫抑制効果は、NXC736を10mg/kgの投与によって24時間まで維持されることを確認することができた。骨髄(BM)では、反対にリンパ球数の変化がないか、増加する傾向を確認することができた。
【0107】
本研究を通じて、NXC736は、経口投与後、末梢血流(PB)でリンパ球の数を減少させて免疫抑制効果を示すことを確認することができた。また、骨髄(BM)では、リンパ球数の変化がないか、増加する傾向を確認することができた。このような効果は、NXC736がリンパ節(lymph node)、骨髄(BM)などに存在するS1P受容体に機能的拮抗剤として作用して、リンパ球の遊離を抑制する機構と関連していると判断される。
【0108】
実験例3:C3H/HeJ円形脱毛症マウスモデルを用いた円形脱毛症の抑制効能の確認
円形脱毛症マウスモデルC3H/HeJ(ジャクソンラボ、セロンバイオ)を用いてNXC736の円形脱毛症に対する有効性評価を行った。C3H/HeJマウスは、週齢の増加時に自然的に円形脱毛が進行される実験動物であり、自然的に円形脱毛が誘発された20週齢以上のC3H/HeJマウスから得たリンパ節細胞を増殖させて、円形脱毛が誘発されていない10~16週齢のC3H/HeJマウスに注射して、円形脱毛を誘発させた。動物飼育室の条件として、温度23±3℃、相対湿度50±10%、12時間間隔で夜と昼を維持し、実験動物は、隔離用飼育箱(ThreeShine)で飼育し、実験動物用飼料と飲水を自由給与した。
【0109】
マウスを対照群(滅菌蒸留水投与群)およびNXC736投与実験群の2つのグループに区分し、1グループ当たりC3H/HeJマウスを5匹ずつ無作為配分し、リンパ節細胞を増殖させて、円形脱毛が誘発されていない10~16週齢のC3H/HeJマウスに注射した時点からNXC736投与群に30mg/kgのNXC736を、対照群に同一体積の滅菌蒸留水をそれぞれ12週間1日に1回同じ時間に経口投与した後、円形脱毛病変面積(AA lesion area)と無病割合(Disease free ratio)を2週間隔で測定した。
【0110】
円形脱毛病変面積は、写真を撮った後、Image Jプログラム(Version 1.44p)を用いて測定した。
【0111】
図3を参照すると、円形脱毛病変面積(AA lesion area)が、対照群の場合、約80%であり、NXC736投与群の場合、約10%であり、NXC736投与群が、対照群に比べて、円形脱毛病変面積(AA lesion area)が有意的に顕著に少ないことを確認することができた。
【0112】
無病割合は、薬物を投与し、指定された時点で脱毛症状を示さないマウスの割合で定義した。
【0113】
図4を参照すると、無病割合(Disease free ratio)の結果、グラフのように、100%円形脱毛が観察されるのに対照群が56日かかったのに対し、NXC736投与群は、84日まで延び、NXC736の投与時に円形脱毛の進行が遅れることを確認することができた。
【0114】
なお、
図5を参照すると、薬物投与後84日目に、対照群およびNXC736の経口投与による円形脱毛誘発抑制効果を比較した結果、目視でもNXC736の投与時に円形脱毛進行が顕著に遅れることを確認することができた。
【0115】
参考として、対照群とNXC736投与群において体重の有意差が確認されなかった。
【0116】
【0117】
実験当日、hERGチャネル電流(hERG channel currents)を測定し、-50mV再分極段階で500pA超、3000pA未満で測定された細胞を選択した後、外部水槽溶液(137mM NaCl、4mM KCl、10 mM HEPES、1mM MgCl2、10mM D-glucose、1.8mM CaCl2、pH7.4)に溶解した濃度別試験物質を9分間処理後にチャネル電流をNotocord program(Notocord System,France)を用いて記録した。
【0118】
陰性対照群としては、外部水槽溶液のみを用いて記録し、陽性対照群としては、任意の1個の細胞に対して洗浄後に0.1μM陽性対照物質(E-4031 n-Hydrate,FUJIFILM Wako Pure Chemical corporation,Japan)を処理し、hERG channel currentsが抑制されたことを記録し確認することによって、細胞株の適合性を共に確認した。
【0119】
図6を参照すると、1、3、10および30μMの濃度におけるNCX736(B~E group)のhERGチャネル電流(hERG channel currents)の抑制率(Compensated suppression rate,%)は、それぞれ、9.94±1.96、13.98±4.48、35.03±12.09および82.62±7.31%(n=3)であり、陰性対照群(A group)のhERGチャネル電流(hERG channel currents)の補償された抑制率(Compensated suppression rate,%)は、0±4.12(n=3)の値を示した。すなわち、10および30μM濃度におけるNCX736(DおよびE group)は、陰性対照群(A group)と比較して、統計学的に有意差を示すことを確認することができた。
【0120】
特に、試験物質であるNXC736を最大30μMの濃度まで処理した結果、hERGチャネル電流(hERG channel currents)の補償された抑制率(Compensated suppression rate,%)は、82.62±7.31%を示し、K+イオンチャネル阻害能(IC50)は、12.94μM(ヒル係数(Hill coefficient):1.527)で算出された。
【0121】
なお、これと同じ条件下で陽性対照群(F group)としてE-4031を0.1μMの濃度で処理した結果では、hERGチャネル電流(hERG channel currents)の補償された抑制率(Compensated suppression rate,%)が92.64±1.66%(n=5)の高い値を示した。
【0122】
このような結果を見ると、本試験法は、NCX736のhERGチャネル電流(hERG channel currents)に及ぼす影響を評価するために適合した方法であることを確認することができ、NXC736は、hERGカリウムチャネル活性を阻害せず、心臓異常を誘発しない物質であることを確認することができた。
【0123】
2)ビーグル犬を用いて心血管系に及ぼす影響の確認
遠隔送信機が挿入された無麻酔および無拘束状態の雄ビーグル犬4匹(ORIENTBIO Inc.,Republic of Korea)にNXC736を経口投与した。その後、ビーグル犬4匹に対する心拍数を測定し、NXC736が心血管系に及ぼす影響を評価し、目視で異常症状の発現の有無を確認した。
【0124】
本実験は、ビーグル犬4匹に対し、対照物質として賦形剤である0.5%MC水溶液を投与して心拍数を測定し、1週間経過後にNXC736を12.5mg/kgを投与して心拍数を測定し、1週間経過後にNXC736を25mg/kgを投与して心拍数を測定し、1週間経過後にNXC736を50mg/kgを投与した後に心拍数を測定した。
【0125】
ビーグル犬の心拍数は、具体的には、実験物質投与前0時間(hours)、実験物質投与0.5時間(hours)、1時間(hours)、2時間(hours)、3時間(hours)、4時間(hours)、6時間(hours)、8時間(hours)、12時間(hours)、および24時間(hours)経過した後に測定した。
【0126】
図7を参照すると、NXC736を12.5、25、50mg/kgの用量で投与しても、心拍数(Heart rate)の変化が現れないことを確認することができた。
また、目視でビーグル犬に対して一般症状を観察する結果、NXC736を12.5、25、50mg/kgの用量の投与による異常症状が観察されなかった。
【0127】
以上のように、C3H/HeJ円形脱毛症マウスモデルを用いた円形脱毛症抑制効能の評価結果およびNXC736を投与したビーグル犬の心拍数および目視で異常症状の発現の有無を確認した結果によれば、本発明による化学式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む薬学的組成物は、S1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用して、円形脱毛症の予防または治療効果を有することを確認することができた。また、本発明による薬学的組成物は、S1P受容体のサブタイプ(S1P1、S1P2、S1P3、S1P4およびS1P5)のうちS1PR1とS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用して、円形脱毛症の予防または治療効果を有すると同時に、心血管疾患の副作用を引き起こさない効果を有することを確認することができた。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物
であって、
【化1】
ここで、
R
1は、水素であり;
R
2は、水素またはアセチル基であり;
Xは、単一結合、C
2アルキレン、またはC
2アルケニレンであり;
Aは、N原子3個を含む5員環のヘテロアリレンであり;
Bは、C
2-11の直鎖または側鎖アルキレンであり;
Cは、単一結合またはフェニレンであり;および
Dは、水素、フェニルおよびC
1-6アルキルからなる群から選ばれ
、
前記化学式1で表される化合物は、下記化合物群から選択されるいずれか1つの化合物であることを特徴とする円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物:
(1)2-アミノ-2-(2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(2)2-アミノ-2-(2-(1-オクチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(3)2-アミノ-2-(2-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(4)2-アミノ-2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール;
(5)(E)-2-アミノ-2-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ビニル-1,3-ジオール;
(6)2-アミノ-2-(2-(1-(8-フェニルオクチル)-1H-1,2,3-トリアゾールブチル-4-イル)エチル)プロパン-1,3-ジオール;
(7)N-(2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1,3-ジヒドロオキシプロパン-2-イル)アセトアミド;
(8)N-(4-(1-デシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミド;および
(9)N-(4-(1-(4-ヘキシルフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-1-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-2-イル)アセトアミド。
【請求項2】
前記化学式1で表される化合物は、下記化学式2で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【化2】
【請求項3】
前記薬学的組成物は、経口投与用製剤または非経口投与用製剤であることを特徴とする請求項1
または2に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項4】
前記薬学的組成物は、S1PR1およびS1PR4に対する機能的拮抗剤として作用することを特徴とする請求項1
または2に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項5】
前記薬学的組成物は、
心臓機能異常の副作用を引き起こさないことを特徴とする請求項
4に記載の円形脱毛症の予防または治療用薬学的組成物。
【国際調査報告】