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特表2024-539789カソード導電機構及び電気メッキシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】カソード導電機構及び電気メッキシステム
(51)【国際特許分類】
   C25D 17/00 20060101AFI20241024BHJP
   C25D 21/00 20060101ALI20241024BHJP
   C25D 17/10 20060101ALI20241024BHJP
   C25D 7/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C25D17/00 B
C25D17/00 G
C25D21/00 H
C25D17/10 Z
C25D7/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564205
(86)(22)【出願日】2023-02-13
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2023075610
(87)【国際公開番号】W WO2024082493
(87)【国際公開日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】202211279657.7
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524016758
【氏名又は名称】深▲せん▼金美新材料科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】臧 世▲偉▼
【テーマコード(参考)】
4K024
【Fターム(参考)】
4K024BB11
4K024CB04
4K024CB10
4K024CB26
(57)【要約】
本発明はカソード導電機構及び電気メッキシステムに関する。該カソード導電機構は、第1導電ベルト、第1導電ベルトアセンブリ、第2導電ベルト及び第2導電ベルトアセンブリを含み、第1導電ベルトアセンブリは第1ベルトローラ及び第2ベルトローラを含み、第1導電ベルトは第1ベルトローラ及び第2ベルトローラの外側に巻き付けられ、第2導電ベルトアセンブリは第3ベルトローラ及び第4ベルトローラを含み、第2導電ベルトは第3ベルトローラ及び第4ベルトローラの外側に巻き付けられる。本発明における下導電ベルトは電気メッキ槽の底部を貫通する必要がかく、液体漏れを回避するとともに、上導電ベルト及び下導電ベルトはそれぞれ2つのベルトローラだけで駆動されればよく、コストを大幅に軽減させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード導電機構であって、前記カソード導電機構(10)は、
第1導電ベルト(11)と、第1導電ベルトアセンブリ(12)と、第2導電ベルト(13)と、第2導電ベルトアセンブリ(14)と、を含み、
前記第1導電ベルトアセンブリ(12)は第1ベルトローラ(121)及び第2ベルトローラ(122)を含み、前記第1導電ベルト(11)は前記第1ベルトローラ(121)及び前記第2ベルトローラ(122)の外側に巻き付けられ、
前記第2導電ベルトアセンブリ(14)は第3ベルトローラ(141)及び第4ベルトローラ(142)を含み、前記第2導電ベルト(13)は前記第3ベルトローラ(141)及び前記第4ベルトローラ(142)の外側に巻き付けられ、
前記第1ベルトローラ(121)と前記第3ベルトローラ(141)は上下に転がり接触し、前記第2ベルトローラ(122)と前記第4ベルトローラ(142)は転がり接触することを特徴とするカソード導電機構。
【請求項2】
前記第2導電ベルト(13)の幅は前記第1導電ベルト(11)の幅よりも大きく、前記第2導電ベルト(13)の前記第1導電ベルト(11)よりもはみ出る部分に導電ブラシ(15)が設置されるか、又は、
前記第1導電ベルト(11)の幅は前記第2導電ベルト(13)の幅よりも大きく、前記第1導電ベルト(11)の前記第2導電ベルト(13)よりもはみ出る部分に導電ブラシ(15)が設置されることを特徴とする請求項1に記載のカソード導電機構。
【請求項3】
前記導電ブラシ(15)に銅バスバー(151)が接続されることを特徴とする請求項2に記載のカソード導電機構。
【請求項4】
前記第1導電ベルトアセンブリ(12)は複数の上ピンチローラ(123)をさらに含み、前記複数の上ピンチローラ(123)は、前記第1ベルトローラ(121)と前記第2ベルトローラ(122)との間に位置し、取付高さが前記第1ベルトローラ(121)及び前記第2ベルトローラ(122)の取付高さよりも低いことを特徴とする請求項1に記載のカソード導電機構。
【請求項5】
前記第2導電ベルトアセンブリ(14)は複数の下ピンチローラ(143)をさらに含み、前記複数の下ピンチローラ(143)は、前記第3ベルトローラ(141)と前記第4ベルトローラ(142)との間に位置し、取付高さが前記第3ベルトローラ(141)及び前記第4ベルトローラ(142)の取付高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載のカソード導電機構。
【請求項6】
前記第1導電ベルトアセンブリ(12)の上方に上補助電極槽(16)が設置され、前記上補助電極槽(16)の両側には前記第1導電ベルト(11)が通過するための開口部が設置され、
前記上補助電極槽(16)内には前記第1導電ベルト(11)の導電層表面の銅メッキ粒子を除去するための上銅腐食機構が設置されることを特徴とする請求項1に記載のカソード導電機構。
【請求項7】
前記第2導電ベルトアセンブリ(14)の下方に下補助電極槽(17)が設置され、前記下補助電極槽(17)の両側には前記第2導電ベルト(13)が通過するための開口部が設置され、
前記下補助電極槽(17)内には前記第2導電ベルト(13)の導電層表面の銅メッキ粒子を除去するための上銅腐食機構が設置されることを特徴とする請求項1に記載のカソード導電機構。
【請求項8】
電気メッキシステムであって、
電気メッキ槽(20)と、前記電気メッキ槽(20)のコーティングセグメントにミラー対称に設置されるカソード導電機構(10)と、を含み、前記カソード導電機構(10)はそれぞれ薄膜(30)の配置方向の両側に位置し、
前記電気メッキ槽(20)内に複数の上下電気メッキアノード(21)が設置され、前記上下電気メッキアノード(21)は前記電気メッキ槽(20)の両側のカソード導電機構(10)の間に設置されることを特徴とする電気メッキシステム。
【請求項9】
前記電気メッキ槽(20)のコーティングセグメントの前端には、前記薄膜(30)のエッジに対してメッキ層の肉厚化を行うための肉厚化セグメントがさらに設置されることを特徴とする請求項8に記載の電気メッキシステム。
【請求項10】
前記電気メッキ槽(20)の前端に予備メッキ槽(40)が設置され、前記予備メッキ槽(40)内に導電ローラ(41)、通過ローラ(42)及びアノード極板(43)が設置されることを特徴とする請求項8に記載の電気メッキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜電気メッキの技術分野に関し、特にカソード導電機構及び電気メッキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気メッキは、電解の原理を利用して金属表面に金属又は合金の薄層をメッキするプロセスであり、電解作用を利用して金属又はほかの材料からなる部材の表面に金属膜を付着させることで、金属の酸化(例えば、錆)を防止し、耐摩耗性、導電性、反射率及び美観性などを向上させる。現代の産業技術の発展に伴い、薄膜基材の表面コーティングの需要は高まりつつあり、高性能自動車用フィルム、プラズマテレビ用平板ディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池、フレキシブルプリント回路基板(FPC)、チップオンフィルム(COF)などの分野に広く使用されている。
【0003】
現在、導電薄膜の製造装置において、例えば、公開番号がCN114182328A、名称がカソードエッジ導電機構及び水平電気メッキ機器のカソード導電モジュールである特許では、従来の導電ローラのかわりに導電ベルトを使用して薄膜のエッジに導電するが、該導電薄膜の製造装置は導電ベルトの長さが短く、以下の現在の欠点を解消できない。下導電ベルトの2つのプーリーが電気メッキ槽の底部にある必要があるため、下導電ベルトは上導電ベルトが位置する槽本体の底部を通過する必要があり、その結果、上導電ベルトが位置する槽本体から下への液体漏れが発生しやすく、また、下導電ベルトと上導電ベルトはそれぞれ4つの導電プーリーにより駆動される必要があり、コスト浪費につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の上記欠点、欠陥に鑑みて、本発明は、従来技術では下導電ベルトが電気メッキ槽の底部を通過することによって電気メッキ槽の底部からの液体漏れを引き起こすという技術的課題を解決するカソード導電機構及び電気メッキシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に用いられる主な技術的解決手段は以下のとおりである。
【0006】
一態様では、本発明はカソード導電機構を提供し、前記カソード導電機構は、第1導電ベルトと、第1導電ベルトアセンブリと、第2導電ベルトと、第2導電ベルトアセンブリと、を含み、前記第1導電ベルトアセンブリは第1ベルトローラ及び第2ベルトローラを含み、前記第1導電ベルトは前記第1ベルトローラ及び前記第2ベルトローラの外側に巻き付けられ、前記第2導電ベルトアセンブリは第3ベルトローラ及び第4ベルトローラを含み、前記第2導電ベルトは前記第3ベルトローラ及び前記第4ベルトローラの外側に巻き付けられる。前記第1ベルトローラと前記第3ベルトローラは上下に転がり接触し、前記第2ベルトローラと前記第4ベルトローラは転がり接触する。
【0007】
選択的に、前記第2導電ベルトの幅は前記第1導電ベルトの幅よりも大きく、前記第2導電ベルトの前記第1導電ベルトよりもはみ出る部分に導電ブラシが設置される。又は、前記第1導電ベルトの幅は前記第2導電ベルトの幅よりも大きく、前記第1導電ベルトの前記第2導電ベルトよりもはみ出る部分に導電ブラシが設置される。
【0008】
選択的に、前記導電ブラシに銅バスバーが接続される。
【0009】
選択的に、前記第1導電ベルトアセンブリは複数の上ピンチローラをさらに含み、前記複数の上ピンチローラは、前記第1ベルトローラと前記第2ベルトローラとの間に位置し、取付高さが前記第1ベルトローラ及び前記第2ベルトローラの取付高さよりも低い。
【0010】
選択的に、前記第2導電ベルトアセンブリは複数の下ピンチローラをさらに含み、前記複数の下ピンチローラは、前記第3ベルトローラと前記第4ベルトローラとの間に位置し、取付高さが前記第3ベルトローラ及び前記第4ベルトローラの取付高さよりも高い。
【0011】
選択的に、前記第1導電ベルトアセンブリの上方に上補助電極槽が設置され、前記上補助電極槽の両側には前記第1導電ベルトが通過するための開口部が設置される。前記上補助電極槽内には前記第1導電ベルトの導電層表面の銅メッキ粒子を除去するための上銅腐食機構が設置される。
【0012】
選択的に、前記第2導電ベルトアセンブリの下方に下補助電極槽が設置され、前記下補助電極槽の両側には前記第2導電ベルトが通過するための開口部が設置される。前記下補助電極槽内には前記第2導電ベルトの導電層表面の銅メッキ粒子を除去するための上銅腐食機構が設置される。
【0013】
別の態様では、本発明は電気メッキシステムを提供し、前記電気メッキシステムは、電気メッキ槽と、前記電気メッキ槽内にミラー対称に設置されるカソード導電機構と、を含み、前記カソード導電機構はそれぞれ薄膜の配置方向の両側に位置する。前記電気メッキ槽内に複数の上下電気メッキアノードが設置され、前記上下電気メッキアノードは前記電気メッキ槽の両側のカソード導電機構の間に設置される。
【0014】
選択的に、前記電気メッキ槽のコーティングセグメントの前端には、前記薄膜のエッジに対してメッキ層の肉厚化を行うための肉厚化セグメントがさらに設置される。
【0015】
選択的に、前記電気メッキ槽の前端に予備メッキ槽が設置され、前記予備メッキ槽内に導電ローラ、通過ローラ及びアノード極板が設置される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0017】
本発明に係るカソード導電機構及び電気メッキシステムによれば、該カソード導電機構は、第1導電ベルトと、第1導電ベルトアセンブリと、第2導電ベルトと、第2導電ベルトアセンブリと、を含み、第1導電ベルトアセンブリは第1ベルトローラ及び第2ベルトローラを含み、第1導電ベルトは第1ベルトローラ及び第2ベルトローラの外側に巻き付けられ、第2導電ベルトアセンブリは第3ベルトローラ及び第4ベルトローラを含み、第2導電ベルトは第3ベルトローラ及び第4ベルトローラの外側に巻き付けられる。本発明の第2導電ベルトは電気メッキ槽の底部を通過する必要がなく、液体漏れを回避するとともに、第1導電ベルト及び第2導電ベルトはそれぞれ2つのベルトローラだけで駆動されればよく、コストを大幅に削減させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例におけるカソード導電機構の全体構造模式図である。
図2】本発明の実施例におけるカソード導電機構の側面図である。
図3】本発明の実施例におけるテンションホイール付きのカソード導電機構の構造模式図である。
図4】本発明の実施例における補助電極槽付きのカソード導電機構の構造模式図である。
図5】本発明の実施例における電気メッキシステムの全体構造の上面図である。
図6】本発明の実施例における肉厚化槽の全体構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上記技術的解決手段をよりよく理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の例示的な実施例をより詳細に説明する。図面において本発明の例示的な実施例が示されているが、ここで説明される実施例に限定されることなく様々な形態で本発明を実現することができることを理解すべきである。その反面、これらの実施例は、本発明をより明確かつ十分に理解して本発明の範囲を当業者に完全に伝えることができるために提供される。
【0020】
図1に示すように、本発明の具体的な実施形態はカソード導電機構を提供し、該カソード導電機構10は、第1導電ベルト11と、第1導電ベルトアセンブリ12と、第2導電ベルト13と、第2導電ベルトアセンブリ14とを含み、第1導電ベルトアセンブリ12は第1ベルトローラ121及び第2ベルトローラ122を含み、第1導電ベルト11は第1ベルトローラ121及び第2ベルトローラ122の外側に巻き付けられ、第2導電ベルトアセンブリ14は第3ベルトローラ141及び第4ベルトローラ142を含み、第2導電ベルト13は第3ベルトローラ141及び第4ベルトローラ142の外側に巻き付けられ、第1ベルトローラ121と第3ベルトローラ141は上下に転がり接触し、第2ベルトローラ122と第4ベルトローラ142は転がり接触する。本発明の第2導電ベルト13は電気メッキ槽の底部を通過する必要がなく、電気メッキ槽の底部からの液体漏れを回避するとともに、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13はそれぞれ2つのベルトローラだけで駆動されればよく、コストを大幅に削減させる。
【0021】
図2に示すように、いくつかの実施例では、第2導電ベルト13の幅は第1導電ベルト11の幅よりも大きく、第2導電ベルト13の第1導電ベルト11よりもはみ出る部分に導電ブラシ15が設置されるか、又は、第1導電ベルト11の幅は第2導電ベルト13の幅よりも大きく、第1導電ベルト11の第2導電ベルト13よりもはみ出る部分に導電ブラシ15が設置され、即ち、本実施例では、第1導電ベルト11と第2導電ベルト13の幅は異なり、幅の小さい導電ベルトの欠けている部分に導電ブラシ15が設置される。
【0022】
具体的には、従来技術における導電機構は構造上で制限され、導電ベルトの長さが短いため、電流が導電ベルトに非常に短い時間だけ滞留してベルトを駆動するローラに伝達し、それ自体の抵抗が小さく、発熱が少ないため、電流は導電ベルトに損傷を与えることがない一方、導電ベルトが短く、コーティングの需要を満たすことができないため、コーティングの需要を満たすには電気メッキ槽内に複数の導電部材を敷設する必要がある。上記事情に鑑みて、本願に係るカソード導電機構10の第1導電ベルト11の幅は第2導電ベルト13の幅よりも小さく、従って、第2導電ベルト13の第1導電ベルト11よりもはみ出る部分に導電ブラシ15が設置され、第1導電ベルト11と第2導電ベルト13の長さが増加する(例えば、長さは元の3メートルから現在の50メートル程度に増加してもよい)ため、電流がそれぞれ第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13の一端から他端に到達する過程で第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13に蓄積される電荷量が増加し、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13の厚さが一定であるため、抵抗が増加するとともに、通過する必要がある電流も10倍増加し、その結果、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13が発熱し、電源の電圧が上昇する。この場合、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13はより大きな電流容量を必要とする。従って、本実施例では、導電ブラシ15が第2導電ベルト13と接触することで、第2導電ベルト13から電流を分流させ、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13の電流を小さくし、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13の損傷を回避する。
【0023】
いくつかの実施例では、導電ブラシ15の数が非常に多いため、導電ブラシ15に銅バスバー151が接続される。本発明の実施例では、銅バスバー151が設置されることで、銅バスバー151によってすべての導電ブラシ15のワイヤをまとめ、全体の配線をより容易にすることができる。
【0024】
図3に示すように、いくつかの実施例では、第1導電ベルトアセンブリ12は複数の上ピンチローラ123をさらに含み、複数の上ピンチローラ123は、第1ベルトローラ121と第2ベルトローラ122との間に位置し、取付高さが第1ベルトローラ121及び第2ベルトローラ122の取付高さよりも低い。本発明の実施例は、従来の導電ベルト構造を備えた機器に比べて、本願の上ピンチローラ123の取付座が昇降シリンダーによって昇降動作を行うため、昇降シリンダーによって上ピンチローラ123を昇降駆動するだけで第1導電ベルトアセンブリ12と第2導電ベルトアセンブリ14を離間及び接近させることができ、従って、本願の第1導電ベルトアセンブリ12及び第2導電ベルトアセンブリ14はいずれも固定して取り付けられ、同一の駆動モータを共有することができる。
【0025】
図3に示すように、いくつかの実施例では、第2導電ベルトアセンブリ14は複数の下ピンチローラ143をさらに含み、複数の下ピンチローラ143は、第3ベルトローラ141と第4ベルトローラ142との間に位置し、取付高さが第3ベルトローラ141及び第4ベルトローラ142の取付高さよりも高く、複数の下ピンチローラ143によって第2導電ベルト13をテンションすることで、第2導電ベルト13の揺れによる導電品質への悪影響を回避する。本願の第2導電ベルト13のテンション部分は複数の下ピンチローラ143を使用して機械的テンションを行い、テンションシリンダーを別途使用する必要がなく、テンション機構を簡素化するとともに、コストを削減させる。
【0026】
具体的には、昇降を必要とする部分を上ピンチローラ123に変更し、別途の昇降制御が不要であり、本願は、ベルトローラを減少させるだけでなく、ベルトローラの駆動機構、昇降機構及びテンション機構を簡素化し、コストを削減させる。図4は本発明の実施例における補助電極槽付きのカソード導電機構の構造模式図である。図4に示すように、いくつかの実施例では、第1導電ベルトアセンブリ12の上方に上補助電極槽16が設置され、上補助電極槽16の両側には第1導電ベルト11が通過するための開口部が設置され、上補助電極槽16内には第1導電ベルト11の導電層表面の銅メッキ粒子を除去するための上銅腐食機構が設置される。第2導電ベルトアセンブリ14の下方に下補助電極槽17が設置され、下補助電極槽17の両側には第2導電ベルト13が通過するための開口部が設置され、下補助電極槽17内には第2導電ベルト13の導電層表面の銅メッキ粒子を除去するための上銅腐食機構が設置される。
【0027】
具体的には、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13の長さが長くなり、即ち、第1ベルトローラ121と第2ベルトローラ122との距離、第3ベルトローラ141と第4ベルトローラ142との距離が大きくなるため、上補助電極槽16と下補助電極槽17に十分な取付スペースを提供することができる。
【0028】
図5に示すように、別の態様では、本発明の具体的な実施形態は電気メッキシステムをさらに提供し、該電気メッキシステムは、電気メッキ槽20と、電気メッキ槽20内にミラー対称に設置されるカソード導電機構10と、を含み、カソード導電機構10はそれぞれ薄膜30の配置方向の両側に位置し、電気メッキ槽20内に複数の上下電気メッキアノード21が設置され、上下電気メッキアノード21は電気メッキ槽20の両側のカソード導電機構10の間に設置される。具体的には、電気メッキ過程で、電気メッキ槽20内にメッキ液が設置され、薄膜30の配置方向の両側の電気メッキ槽20のエッジにカソード導電機構10がそれぞれ設置され、カソード導電機構10は薄膜30のエッジをそれぞれ挟持して薄膜30に導電し、上下電気メッキアノード21によってアノード電力を供給し、薄膜30、上下電気メッキアノード21及びメッキ液で形成される電気メッキ回路は薄膜30に対して電気メッキを行う。
【0029】
いくつかの実施例では、電気メッキ槽20の入液端に肉厚化セグメントがさらに設置されてもよく、該肉厚化セグメントはコーティングセグメントの構造と同じであってもよいが、肉厚化セグメントのカソード導電機構10間の取付間隔は後者よりもわずかに大きく、即ち、肉厚化セグメントのカソード導電機構10の薄膜30を挟持する部位は、コーティングセグメントのカソード導電機構10の薄膜30を挟持する部位よりもエッジに近く、その結果、両者のエッジが重なっていない部分において薄膜30のメッキ層の厚さが増加し、コーティングセグメントの導電性を向上させることに有利である。
【0030】
本発明の実施例に係る電気メッキシステムによれば、カソード導電機構10の全体構造がいずれも電気メッキ槽20の内部にあるため、第2導電ベルト13は電気メッキ槽20の底部を通過する必要がなく、液体漏れを回避し、また、電気メッキシステムに必要なカソード導電機構10が少なく、電気メッキ槽20の両側に1つのカソード導電機構10をそれぞれ設置するだけでコーティングの需要を満たすことができ、コストを大幅に削減させる。
【0031】
図6に示すように、いくつかの実施例では、電気メッキ槽20の前端に予備メッキ槽40が設置され、予備メッキ槽40内に導電ローラ41、通過ローラ42及びアノード極板43が設置される。本発明の実施例によれば、予備メッキ槽40によって薄膜30に所定厚さの金属層を追加しておくことで、後続のコーティング品質を向上させる。
【0032】
本発明の実施例の有益な効果は以下の通りである。
【0033】
本発明の第2導電ベルト13は、電気メッキ槽の底部を通過する必要がなく、液体漏れを回避するとともに、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13はそれぞれ2つのベルトローラだけで駆動されればよく、コストを大幅に削減させる。
【0034】
本実施例では、導電ブラシ15が第2導電ベルト13と接触することで、第2導電ベルト13から電流を分流させ、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13の電流を小さくし、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13の損傷を回避する。
【0035】
本発明の実施例では、銅バスバー151が設置されることで、銅バスバー151によってすべての導電ブラシ15のワイヤをまとめ、全体の配線をより容易にすることができる。
【0036】
本発明の実施例では、第1導電ベルト11及び第2導電ベルト13の長さが長くなり、即ち、第1ベルトローラ121と第2ベルトローラ122との距離、第3ベルトローラ141と第4ベルトローラ142との距離が大きくなるため、上補助電極槽16と下補助電極槽17に十分な取付スペースを提供することができる。
【0037】
本発明の実施例に係る電気メッキシステムによれば、カソード導電機構10の全体構造がいずれも電気メッキ槽20の内部にあるため、第2導電ベルト13は電気メッキ槽20の底部を通過する必要がなく、液体漏れを回避し、また、電気メッキシステムに必要なカソード導電機構10が少なく、電気メッキ槽20の両側に1つのカソード導電機構10をそれぞれ設置するだけでコーティングの需要を満たすことができ、コストを大幅に削減させる。
【0038】
本発明の説明では、理解できるように、用語「第1」、「第2」は単に説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を指示又は暗示したり指示される技術的特徴の数を暗黙的に示したりするものではないと理解すべきである。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明では、特に明確な限定がない限り、「複数」の意味は2つ以上である。
【0039】
本発明では、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体化であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接連結、中間媒体を介する間接連結であってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0040】
本発明では、特に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接接触するか、又は第1特徴と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上側」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあるか、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを表すことであってもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下側」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあるか、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことを表すことであってもよい。
【0041】
本明細書の説明では、用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「実施例」、「例」、「具体例」又は「いくつかの例」などについての説明とは、該実施例又は例を参照しながら説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを指す。本明細書では、上記用語の例示的な表現は必ずしも同じ実施例又は例を指すわけではない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性がいずれか1つ又は複数の実施例又は例において適宜組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者は本明細書で説明された異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を組み合わせることができる。
【0042】
本発明の実施例を示しながら説明したが、理解できるように、上記実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものではないと理解すべきであり、当業者は本発明の範囲を逸脱せずに上記実施例に対して修正、変更、置換や変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0043】
10 カソード導電機構
11 第1導電ベルト
12 第1導電ベルトアセンブリ
121 第1ベルトローラ
122 第2ベルトローラ
123 上ピンチローラ
13 第2導電ベルト
14 第2導電ベルトアセンブリ
141 第3ベルトローラ
142 第4ベルトローラ
143 下ピンチローラ
15 導電ブラシ
151 銅バスバー
16 上補助電極槽
17 下補助電極槽
20 電気メッキ槽
21 電気メッキアノード
30 薄膜
40 予備メッキ槽
41 導電ローラ
42 通過ローラ
43 アノード極板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】