IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特表-エアロゾル発生装置 図1
  • 特表-エアロゾル発生装置 図2
  • 特表-エアロゾル発生装置 図3
  • 特表-エアロゾル発生装置 図4
  • 特表-エアロゾル発生装置 図5
  • 特表-エアロゾル発生装置 図6
  • 特表-エアロゾル発生装置 図7
  • 特表-エアロゾル発生装置 図8
  • 特表-エアロゾル発生装置 図9
  • 特表-エアロゾル発生装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/05 20200101AFI20241024BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20241024BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20241024BHJP
【FI】
A24F40/05
A24F40/10
A24F40/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575982
(86)(22)【出願日】2023-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 KR2023011913
(87)【国際公開番号】W WO2024063338
(87)【国際公開日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0118321
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】コ、キョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ソ、チャンウォン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、チン チュル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC27
(57)【要約】
一実施例に係るエアロゾル発生装置は、ハウジング、マウス側端部、エアロゾル形成基材を貯蔵する1つ以上のカートリッジ、及び前記カートリッジと連結され、エアロゾルを発生させるエアロゾル発生部、を含み、前記エアロゾル発生部は、平板形態を含む基板、前記基板上に配置される1つ以上の変換器、及び前記基板の表面に位置し、エアロゾルが発生する霧化領域を含み、前記基板は前記ハウジングの長手方向に平行な中心軸を基準として、前記中心軸と鋭角を形成するように前記ハウジング内に配置され、前記変換器は電気信号を表面弾性波に変換し、前記表面弾性波は前記基板を介して前記霧化領域に伝達され前記エアロゾル形成基材をエアロゾル化することができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面に対向する第2面を備えるハウジングと、
前記第1面に配置されるマウス側端部と、
前記ハウジング内に配置され、エアロゾル形成基材を貯蔵する1つ以上のカートリッジと、
前記カートリッジと連結され、エアロゾルを発生させるエアロゾル発生部と、
を含み、
前記エアロゾル発生部は、
平板形態を含む基板と、
前記基板上に配置される1つ以上の変換器と、
前記基板の表面上にあり、前記エアロゾルが発生する霧化領域と、を含み、
前記基板は、前記第1面から前記第2面に向かう前記ハウジングの長手方向に平行な中心軸を基準として、前記中心軸と鋭角を形成するように前記ハウジング内に配置され、
前記変換器は電気信号を表面弾性波に変換し、前記表面弾性波は前記基板を介して前記霧化領域に伝達され前記エアロゾル形成基材をエアロゾル化する、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記カートリッジは、
前記第2面よりも前記第1面に近く配置される第1貯蔵所と、
前記ハウジングの長手方向を基準として、前記第1貯蔵所と離隔して配置される第2貯蔵所と、を含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記第2貯蔵所は、前記エアロゾル発生部を基準として、前記第1貯蔵所に対向して配置される、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記第1貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材は、前記基板の表面を経て重力方向に沿って前記第2貯蔵所に流動する、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記エアロゾル形成基材を前記エアロゾル発生部に伝達するウィックをさらに含み、
前記ウィックの第1端部は前記第1貯蔵所に連結され、前記ウィックの第2端部は前記エアロゾル発生部に連結される、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記ウィックの前記第2端部は、前記霧化領域の少なくとも一部に重畳するように配置される、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記第2貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材を前記ウィックに伝達する連結部材をさらに含み、
前記連結部材の一端は前記ウィックに連結され、前記連結部材の他端は前記第2貯蔵所に連結される、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記変換器は複数で構成され、
前記複数の変換器は、前記霧化領域を基準として、互いに対向して配置される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記変換器は、
前記表面弾性波を前記霧化領域に送信する第1変換器と、
前記表面弾性波を前記霧化領域に送信する第2変換器と、を含む、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記変換器は、
前記表面弾性波を前記霧化領域に送信する第1変換器と、
前記第1変換器から送信された前記表面弾性波を受信する第2変換器と、を含む、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記エアロゾル発生装置の内部又は外部の状態を感知する検出部と、
前記検出部が感知した前記エアロゾル発生装置の内部又は外部の状態に応じて、前記エアロゾル発生装置の作動を制御する制御部をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記検出部は、
前記エアロゾル発生装置が傾いた程度を感知する傾きセンサを含み、
前記制御部は、前記傾きセンサが感知した前記エアロゾル発生装置の傾いた程度によって、前記エアロゾル発生部が前記中心軸に対して形成する角度を調節する、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
第1面及び前記第1面に対向する第2面を備えるハウジングと、
前記第1面に配置されるマウス側端部と、
前記第2面よりも前記第1面に近く配置され、エアロゾル形成基材を貯蔵する第1貯蔵所と、
前記ハウジングの長手方向を基準として、前記第1貯蔵所と離隔して配置され、エアロゾル形成基材を貯蔵する第2貯蔵所と、
前記第1貯蔵所と連結され、エアロゾルを発生させるエアロゾル発生部と、
前記第1貯蔵所及び前記エアロゾル発生部を連結し、前記エアロゾル形成基材を前記エアロゾル発生部に伝達するウィックと、
前記ウィック及び前記第2貯蔵所を連結し、前記第2貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材を前記ウィックに伝達する連結部材と、
を含む、エアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記エアロゾル発生部は、
平板形態を含む基板と、
前記基板上に配置される1つ以上の変換器と、
前記基板の表面上にあり、エアロゾルが発生する霧化領域と、を含み、
前記変換器は電気信号を表面弾性波に変換し、
前記表面弾性波は、前記エアロゾル形成基材をエアロゾル化する、請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記基板は前記第1面から前記第2面に向かう前記ハウジングの長手方向に平行な中心軸を基準として、前記中心軸と鋭角を形成するように前記ハウジング内に配置され、
前記第1貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材は前記基板の表面を介して重力方向に沿って前記第2貯蔵所に流動し、
前記第2貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材は、前記連結部材を通じて前記ウィックに流動する、請求項14に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、実施例は、エアロゾル発生モジュール及びエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝統シガレットの欠点を克服する代替物品に関する需要が高まっている。例えば、シガレットスティックを電気的に加熱することでエアロゾルを発生させる装置(例えば、シガレット型電子タバコ)に関する需要が高まっている。エアロゾルを発生させる方法には、超音波方式と芯加熱方式がある。超音波方式の場合、エアロゾル粒子の大きさが均一ではなく液滴が飛び散ることがある。芯加熱方式の場合、芯自体が加熱されるとエアロゾルが発生しないことがある。
【0003】
例えば、公開特許公報第10-2017-0132823号は、「非燃焼型香味吸引器、香喫味源ユニット及び霧化ユニット」を開示する。
【0004】
前述した背景技術は、発明者が本願の開示内容を導出する過程で保有又は習得したものであって、必ずしも本出願前に一般公衆に公開された公知技術とは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一実施例に係る目的は、表面弾性波を用いて均一な大きさの微細エアロゾルを発生させる装置を提供するためのものである。
【0006】
一実施例に係る目的は、エアロゾル形成基材を均等に提供して液滴の固まりを防止するエアロゾル発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例に係るエアロゾル発生装置は、第1面及び前記第1面に対向する第2面を備えるハウジング、前記第1面に配置されるマウス側端部、前記ハウジング内に配置され、エアロゾル形成基材を貯蔵する1つ以上のカートリッジ、及び前記カートリッジと連結され、エアロゾルを発生させるエアロゾル発生部、を含み、前記エアロゾル発生部は、平板形態を含む基板、前記基板上に配置される1つ以上の変換器、及び前記基板の表面上にあり、前記エアロゾルが発生する霧化領域を含み、前記基板は、前記第1面から前記第2面に向かう前記ハウジングの長手方向に平行な中心軸を基準として、前記中心軸と鋭角を形成するように前記ハウジング内に配置され、前記変換器は電気信号を表面弾性波に変換し、前記表面弾性波は前記基板を介して前記霧化領域に伝達されて前記エアロゾル形成基材をエアロゾル化することができる。
【0008】
一実施例では、前記カートリッジは、前記第2面よりも前記第1面に近く配置される第1貯蔵所、及び前記ハウジングの長手方向を基準として、前記第1貯蔵所と離隔して配置される第2貯蔵所を含むことができる。
【0009】
一実施例では、前記第2貯蔵所は、前記エアロゾル発生部を基準として、前記第1貯蔵所に対向して配置されることができる。
【0010】
一実施例では、前記第1貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材は、前記基板の表面を経て重力方向に沿って前記第2貯蔵所に流動することができる。
【0011】
一実施例では、前記エアロゾル発生装置は、前記エアロゾル形成基材を前記エアロゾル発生部に伝達するウィックをさらに含み、前記ウィックの第1端部は前記第1貯蔵所に連結され、前記ウィックの第2端部は前記エアロゾル発生部に連結されることができる。
【0012】
一実施例では、前記ウィックの前記第2端部は、前記霧化領域の少なくとも一部に重畳するように配置されることができる。
【0013】
一実施例では、前記エアロゾル発生装置は、前記第2貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材を前記ウィックに伝達する連結部材をさらに含み、前記連結部材の一端は前記ウィックに連結され、前記連結部材の他端は前記第2貯蔵所に連結されることができる。
【0014】
一実施例では、前記変換器は複数で構成され、前記複数の変換器は前記霧化領域を基準として、互いに対向して配置されることができる。
【0015】
一実施例では、前記変換器は、前記表面弾性波を前記霧化領域に送信する第1変換器、及び表面弾性波を前記霧化領域に送信する第2変換器を含むことができる。
【0016】
一実施例では、前記変換器は、前記表面弾性波を前記霧化領域に送信する第1変換器、及び前記第1変換器から送信された前記表面弾性波を受信する第2変換器を含むことができる。
【0017】
一実施例では、エアロゾル発生装置は、前記エアロゾル発生装置の内部又は外部の状態を感知する検出部、及び前記検出部が感知した前記エアロゾル発生装置の内部又は外部の状態に応じて、前記エアロゾル発生装置の作動を制御する制御部をさらに含むことができる。
【0018】
一実施例では、前記検出部は、前記エアロゾル発生装置が傾いた程度を感知する傾きセンサを含み、前記制御部は前記傾きセンサが感知した前記エアロゾル発生装置の傾いた程度によって、前記エアロゾル発生部が前記中心軸に対して形成する角度を調節することができる。
【0019】
一実施例に係るエアロゾル発生装置は、第1面及び前記第1面に対向する第2面を備えるハウジング、前記第1面に配置されるマウス側端部、前記第2面よりも前記第1面に近く配置され、エアロゾル形成基材を貯蔵する第1貯蔵所、及び前記ハウジングの長手方向を基準として、前記第1貯蔵所と離隔して配置され、エアロゾル形成基材を貯蔵する第2貯蔵所、前記第1貯蔵所と連結され、エアロゾルを発生させるエアロゾル発生部、前記第1貯蔵所及び前記エアロゾル発生部を連結し、前記エアロゾル形成基材を前記エアロゾル発生部に伝達するウィック、及び前記ウィック及び前記第2貯蔵所を連結し、前記第2貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材を前記ウィックに伝達する連結部材、を含むことができる。
【0020】
一実施例では、前記エアロゾル発生部は、平板形態を含む基板、前記基板上に配置される1つ以上の変換器、及び前記基板の表面上にあり、エアロゾルが発生する霧化領域を含み、前記変換器は電気信号を表面弾性波に変換し、前記表面弾性波は前記エアロゾル形成基材をエアロゾル化することができる。
【0021】
一実施例では、前記基板は、前記第1面から前記第2面に向かう前記ハウジングの長手方向に平行な中心軸を基準として、前記中心軸と鋭角を形成するように前記ハウジング内に配置され、前記第1貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材は前記基板の表面を介して重力方向に沿って前記第2貯蔵所に流動し、前記第2貯蔵所に貯蔵された前記エアロゾル形成基材は、前記連結部材を介して前記ウィックに流動することができる。
【発明の効果】
【0022】
一実施例に係るエアロゾル発生装置は、均一な大きさの微細エアロゾルを発生させて喫味を向上させることができる。
【0023】
一実施例に係るエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基材を均等に提供して液滴の固まりを防止することができる。
【0024】
一実施例に係るエアロゾル発生装置の効果は、以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施例に係るエアロゾル発生装置にシガレットが挿入された例を示す図である。
図2】一実施例に係るエアロゾル発生装置にシガレットが挿入された例を示す図である。
図3】一実施例に係るエアロゾル発生装置にマウスピースが挿入された例を示す図である。
図4】一実施例に係るシガレットの例を示す図である。
図5】一実施例に係るシガレットの例を示す図である。
図6】一実施例に係るエアロゾル発生装置のブロック図である。
図7】一実施例に係るエアロゾル発生装置の内部構成要素を示すエアロゾル発生装置の正面図である。
図8】一実施例に係るエアロゾル発生装置の内部構成要素を示すエアロゾル発生装置の側面図である。
図9】一実施例に係るエアロゾル発生部の斜視図である。
図10】一実施例に係るエアロゾル発生装置の動作を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施例で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら、できるだけ現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事している技術者の意図又は判例、新たな技術の出現などによって変わり得る。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明部分において詳細にその意味を記載する。したがって、本発明において使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が持つ意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されるべきである。
【0027】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載の「部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェア又はソフトウェアで実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0028】
別途の定義がない限り、技術的又は科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているなどの用語は、関連技術の文脈上有している意味と一致する意味を持つと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0029】
なお、添付図面を参照して説明するにあたって、図面符号にかかわらず同一の構成要素は同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあたって関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0030】
さらに、実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などは限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結又は接続されるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるとも理解されるべきである。
【0031】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を使用して説明する。反対の記載がない限り、いずれかの実施例に記載の説明は他の実施例にも適用でき、重複する範囲において具体的な説明は省略する。
【0032】
以下の実施例では、「エアロゾル発生物品」は、媒質を収容する物品であって、エアロゾルが該当物品を通過し、媒質が移行する物品を意味することができる。エアロゾル発生物品の代表的な例としてはシガレットが挙げられるが、本開示の範囲はこれに限定されない。
【0033】
以下の実施例では、「上流」(upstream)又は「上流方向」は、ユーザ(喫煙者)の口部から離れる方向を意味し、「下流」(downstream)又は「下流方向」は、ユーザの口部から近づく方向を意味することができる。上流及び下流という用語は、エアロゾル発生物品を構成する要素の相対的位置を説明するために用いられる。
【0034】
以下の実施例では、「パフ(puff)」とは、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内又は肺に引き寄せる状況を意味する。
【0035】
一実施例では、エアロゾル発生装置は、内部空間に収容されるシガレットを電気的に加熱してエアロゾルを生成する装置であることができる。
【0036】
エアロゾル発生装置はヒーターを含むことができる。一実施例では、ヒーターは電気抵抗性ヒーターであることができる。例えば、ヒーターは、電気伝導性トラック(track)を含むことができ、電気伝導性トラックに電流が流れるとヒーターが加熱されることができる。
【0037】
ヒーターは、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素又は棒状加熱要素を含むことができ、加熱要素の模様によってシガレットの内部又は外部を加熱することができる。
【0038】
シガレットはタバコロッド及びフィルタロッドを含むことができる。タバコロッドは、シート(sheet)で作製されてもよく、ストランド(strand)で作製されてもよく、タバコシートが細かく切られた刻草で作製されてもよい。また、タバコロッドは熱伝導物質によって取り囲まれてもよい。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルなどの金属ホイルであってもよいが、これに制限されない。
【0039】
フィルタロッドはセルロースアセテートフィルタであることができる。フィルタロッドは少なくとも1つ以上のセグメントで構成できる。例えば、フィルタロッドは、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含むことができる。
【0040】
他の実施例では、エアロゾル発生装置はエアロゾル生成物質を保有するカートリッジを用いてエアロゾルを生成する装置であることができる。
【0041】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ及びカートリッジを支持する本体を含むことができる。カートリッジは本体と着脱可能に結合することができるが、これに制限されない。カートリッジは本体と一体に形成又は組み立てられてもよく、ユーザによって脱着しないように固定されてもよい。カートリッジは内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体に装着されてもよい。ただし、これらに制限されず、カートリッジが本体に結合した状態でカートリッジ内部にエアロゾル生成物質が注入されてもよい。
【0042】
別の実施例では、エアロゾル発生装置は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルはシガレットを通過してユーザに伝達されることができる。すなわち、液状組成物から生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置の気流通路に沿って移動することができ、気流通路は、エアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成できる。
【0043】
以下では、添付の図面を参考にして本開示の実施例について、当該技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本開示は、前述した様々な実施例のエアロゾル発生装置において実現可能な形態で実施されるか、又は様々な異なる形態で実現されて実施することができ、ここで説明する実施例に制限されない。
【0044】
以下では、図面を参照して本開示の実施例を詳細に説明する。
【0045】
図1及び図2は、一実施例に係るエアロゾル発生装置にシガレットが挿入された例を示す図である。
【0046】
図1及び図2を参照すると、エアロゾル発生装置1はエアロゾル発生部14をさらに含む。また、エアロゾル発生装置1の内部空間にはシガレット2、3が挿入されることができる。
【0047】
さらに、図1及び図2には、エアロゾル発生装置1にヒーター13が含まれていると示されているが、必要に応じて、ヒーター13は省略することもできる。
【0048】
図1には、バッテリ11、制御部12、ヒーター13及びエアロゾル発生部14が一列に配置されていると示されている。また、図2には、エアロゾル発生部14及びヒーター13が並列に配置されていると示されている。しかし、エアロゾル発生装置1の内部構造は、図1及び図2に示されたものに限定されない。言い換えれば、エアロゾル発生装置1の設計に応じて、バッテリ11、制御部12、ヒーター13、及びエアロゾル発生部14の配置は変わり得る。
【0049】
シガレット2、3がエアロゾル発生装置1に挿入されると、エアロゾル発生装置1はヒーター13及び/又はエアロゾル発生部14を作動させ、エアロゾルを発生させることができる。ヒーター13及び/又はエアロゾル発生部14によって発生したエアロゾルはシガレット2を通過してユーザに伝達される。
【0050】
必要に応じて、シガレット2,3がエアロゾル発生装置1に挿入されない場合にもエアロゾル発生装置1はヒーター13を加熱することができる。
【0051】
バッテリ11は、エアロゾル発生装置1が動作するのに用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒーター13又はエアロゾル発生部14が加熱されるように電力を供給することができ、制御部12が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル発生装置1に設置されたディスプレイ、センサ、モーターなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0052】
制御部12はエアロゾル発生装置1の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部12は、バッテリ11、ヒーター13及びエアロゾル発生部14だけでなく、エアロゾル発生装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル発生装置1の構成のそれぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置1が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0053】
制御部12は少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは多数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行できるプログラムが貯蔵されたメモリの組み合わせで実現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで実現されてもよいことを本実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0054】
ヒーター13はバッテリ11から供給された電力によって加熱されることができる。例えば、シガレット2、3がエアロゾル発生装置1に挿入されると、ヒーター13はシガレットの外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒーター13はシガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0055】
ヒーター13は電気抵抗性ヒーターであることができる。例えば、ヒーター13には電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることによってヒーター13が加熱されることができる。しかし、ヒーター13は上述した例に限定されず、所望の温度まで加熱されるものであれば制限なく該当することができる。ここで、所望の温度は、エアロゾル発生装置1に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0056】
一方、他の例では、ヒーター13は誘導加熱式ヒーターであることができる。具体的には、ヒーター13にはシガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むことができ、シガレットは誘導加熱式ヒーターによって加熱されるサセプタを含むことができる。
【0057】
例えば、ヒーター13は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素又は棒状加熱要素を含むことができ、加熱要素の模様によってシガレット2、3の内部又は外部を加熱することができる。
【0058】
また、エアロゾル発生装置1にはヒーター13が複数配置されてもよい。このとき、複数のヒーター13は、シガレット2の内部に挿入されるように配置されてもよく、シガレット2、3の外部に配置されてもよい。さらに、複数のヒーター13の一部は、シガレット2、3の内部に挿入されるように配置され、残りはシガレット2、3の外部に配置されてもよい。また、ヒーター13の形状は、図1図3に示す形状に限定されず、様々な形状で作製されてもよい。
【0059】
エアロゾル発生部14は液状組成物を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルはシガレット2、3を通過してユーザに伝達されることができる。言い換えれば、エアロゾル発生部14によって生成されたエアロゾルはエアロゾル発生装置1の気流通路に沿って移動することができ、気流通路はエアロゾル発生部14によって生成されたエアロゾルがシガレット2、3を通過してユーザに伝達されるように構成できる。
【0060】
例えば、エアロゾル発生部14は、エアロゾル発生部203、液体伝達手段及び加熱要素を含むことができるが、これらに限定されない。例えば、エアロゾル発生部203、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル発生装置1に含まれてもよい。
【0061】
一方、エアロゾル発生装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒーター13及びエアロゾル発生部14の外に汎用的な構成をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル発生装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/又は触覚情報の出力のためのモーターを含むことができる。また、エアロゾル発生装置1は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含むことができる。さらに、エアロゾル発生装置1は、シガレット2、3が挿入された状態においても外部空気が流入するか、内部気体が流出し得る構造で作製できる。
【0062】
図1図3には示されていないが、エアロゾル発生装置1は別途のクレードルと共にシステムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル発生装置1のバッテリ11の充電に用いられる。又は、クレードルとエアロゾル発生装置1とが結合した状態でヒーターが加熱されることもできる。
【0063】
シガレット2、3は、一般的な燃焼型シガレットと類似することができる。例えば、シガレット2、3は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分できる。又は、シガレット2、3の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒又はカプセルの形態で作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0064】
エアロゾル発生装置1の内部には第1部分の全体が挿入され、第2部分は外部に露出することができる。又は、エアロゾル発生装置1の内部に第1部分の一部のみ挿入されてもよく、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口で噛んだ状態でエアロゾルを吸入することができる。このとき、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0065】
一例として、外部空気は、エアロゾル発生装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入することができる。例えば、エアロゾル発生装置1に形成された空気通路の開閉及び/又は空気通路の大きさはユーザによって調節できる。これによって、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節できる。他の例として、外部空気は、シガレット2、3の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してシガレット2、3の内部に流入することもできる。
【0066】
図3は、一実施例に係るエアロゾル発生装置にマウスピースが挿入された例を示す図である。図1及び図2の説明と重複する部分は説明を省略する。
【0067】
図3を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生装置20は、バッテリ201、制御部202、エアロゾル発生部203、及びマウスピース204を含むことができる。一実施例に係るエアロゾル発生部203は液状組成物を貯蔵することができる。例えば、液状組成物は揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。エアロゾル発生部203は、エアロゾル発生装置20から脱着できるように作製されてもよく、エアロゾル発生装置20と一体として作製されてもよい。
【0068】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、又はビタミン混合物を含むことができる。香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、種々の果物香成分などを含むことができるが、これらに制限されない。香味剤は、ユーザに様々な香味又は風味を提供できる成分を含むことができる。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合したものであってもよいが、これらに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含むことができる。
【0069】
液体伝達手段は、エアロゾル発生部203の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔質セラミックなどの芯(wick)であってもよいが、これらに限定されない。
【0070】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒーターなどであってもよいが、これらに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線などの伝導性フィラメントで構成されてもよく、液体伝達手段に巻かれる構造で配置されてもよい。加熱要素は、電流供給によって加熱されることができ、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達して液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成することができる。
【0071】
例えば、エアロゾル発生部14、203は、霧化器、カトマイザー(cartomizer)又はアトマイザー(atomizer)と称されるが、これらに限定されない。
【0072】
以下、図4及び図5を参照して、シガレット2、3の例を説明する。
【0073】
図4及び図5は、シガレットの例を示す図である。
【0074】
図4を参照すると、シガレット2はタバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。図1図3を参照して上述した第1部分はタバコロッド21を含み、第2部分はフィルタロッド22を含む。
【0075】
フィルタロッド22は図4に示すように単一セグメント又は複数のセグメントを有することができるが、実施例はこれらに限定されない。フィルタロッド22の複数のセグメントは、エアロゾルを冷却するセグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含むことができる。また、必要に応じて、フィルタロッド22には他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含むことができる。例えば、図4に示すように、フィルタロッド22はタバコロッド21に接する第1セグメント、第1セグメントの下流端に接する第2セグメント、及び第2セグメントの下流端に接する第3セグメントを含むことができる。
【0076】
シガレット2の直径は5mm~9mmの範囲内であり、長さは約48mmであってもよいが、これらに限定されない。例えば、タバコロッド21の長さは約12mm、フィルタロッド22の第1セグメントの長さは約10mm、フィルタロッド22の第2セグメントの長さは約14mm、フィルタロッド22の第3セグメントの長さは約12mmであってもよいが、これらに限定されない。
【0077】
シガレット2は少なくとも1つのラッパー24によって包装されることができる。ラッパー24には外部空気が流入するか内部気体が流出する少なくとも1つの孔(hole)が形成することができる。一例として、シガレット2は1つのラッパー24によって包装されることができる。他の例として、シガレット2は、2つ以上のラッパー24によって重畳的に包装されることもできる。例えば、第1ラッパー241によってタバコロッド21が包装され、ラッパー242、243、244によってフィルタロッド22が包装されることができる。また、単一ラッパー245によってシガレット2全体が再包装されることができる。仮に、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成されていると、それぞれのセグメントがラッパー242、243、244によって包装されることができる。
【0078】
第1ラッパー241及び第2ラッパー242は一般的なフィルタ巻紙で作製することができる。例えば、第1ラッパー241及び第2ラッパー242は、多孔質巻紙又は無多孔質巻紙であってもよい。また、第1ラッパー241及び第2ラッパー242は、耐油性を有する紙類及び/又はアルミニウム合紙包装剤で作製することができる。
【0079】
第3ラッパー243はハード巻紙で作製することができる。例えば、第3ラッパー243の坪量は、88g/m~96g/mの範囲内に含まれてもよく、好ましくは90g/m~94g/mの範囲内に含まれてもよい。また、第3ラッパー243の厚さは、120μm~130μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは125μmであってもよい。
【0080】
第4ラッパー244は、耐油性ハード巻紙で作製することができる。例えば、第4ラッパー244の坪量は、88g/m~96g/mの範囲内に含まれてもよく、好ましくは90g/m~94g/mの範囲内に含まれてもよい。また、第4ラッパー244の厚さは、120μm~130μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは125μmであってもよい。
【0081】
第5ラッパー245は、滅菌紙(MFW)で作製することができる。ここで、滅菌紙(MFW)とは、引張強度、耐水度、平滑度などが一般紙よりも増進するように特殊に製造された紙を意味する。例えば、第5ラッパー245の坪量は、57g/m~63g/mの範囲内に含まれてもよく、好ましくは60g/mであってもよい。また、第5ラッパー245の厚さは、64μm~70μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは67μmであってもよい。
【0082】
第5ラッパー245は所定の物質が内添されてもよい。ここで、所定の物質の例としてはシリコンが該当することができるが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化しない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、又は電気絶縁性などの特性を有する。ただし、シリコンでなくとも、上述した特性を有する物質であれば、制限なく第5ラッパー245に塗布(又は、コーティング)されることができる。
【0083】
第5ラッパー245はシガレット2が燃焼する現象を防止することができる。例えば、タバコロッド21がヒーター13によって加熱されると、シガレット2が燃焼する可能性がある。具体的には、タバコロッド31に含まれた物質のいずれかの発火点以上に温度が上昇する場合、シガレット2が燃焼することができる。このような場合にも、第5ラッパー245は不燃性物質を含むので、シガレット2が燃焼する現象を防止することができる。
【0084】
また、第5ラッパー245はシガレット2から生成される物質によってホルダが汚染するのを防止することができる。ユーザのパフによって、シガレット2内で液体物質が生成することができる。例えば、シガレット2から生成されたエアロゾルが外部空気によって冷却されることで、液体物質(例えば、水分など)が生成することができる。第5ラッパー245がシガレット2を包装することによって、シガレット2内で生成された液体物質がシガレット2の外部に漏れるのを防止することができる。
【0085】
タバコロッド21はエアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤及び/又は有機酸(organic acid)などの他の添加物質を含有することができる。また、タバコロッド21には、メンソール又は保湿剤などの加香液が、タバコロッド21に噴射することで添加することができる。
【0086】
タバコロッド21は多様に作製することができる。例えば、タバコロッド21は、シート(sheet)で作製されてもよく、ストランド(strand)で作製されてもよい。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻草で作製されてもよい。さらに、タバコロッド21は、熱伝導物質によって取り囲まれることができる。例えば、熱伝導物質はアルミニウムホイルなどの金属ホイルであってもよいが、これに限定されない。一例として、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達される熱を均等に分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、これによってタバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒーターによって加熱されるサセプタとしての機能をすることができる。このとき、図面に示されてはいないが、タバコロッド21は外部を取り囲む熱伝導物質の他にもさらなるサセプタを含むことができる。
【0087】
フィルタロッド22はセルロースアセテートフィルタであることができる。一方、フィルタロッド22の形状には制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱型(type)ロッドであってもよく、内部に中空を含むチューブ型(type)ロッドであってもよい。また、フィルタロッド22はリセス型(type)ロッドであってもよい。仮に、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状で作製されてもよい。
【0088】
フィルタロッド22の第1セグメントはセルロースアセテートフィルタであることができる。例えば、第1セグメントは、内部に中空を含むチューブ形態の構造物であることができる。第1セグメントによってヒーター13が挿入される場合、タバコロッド21の内部物質が後方に押し出される現象を防止することもでき、エアロゾルの冷却効果も発生することができる。第1セグメントに含まれた中空の直径は、2mm~4.5mmの範囲内で適切な直径が採用されてもよいが、これに限定されない。
【0089】
第1セグメントの長さは4mm~30mmの範囲内で適切な長さが採用されてもよいが、これに限定されない。好ましくは、第1セグメントの長さは10mmであってもよいが、これに限定されない。
【0090】
第1セグメントの製造時に可塑剤の含量を調節することで第1セグメントの硬度を調整することができる。また、第1セグメントは、内部(例えば、中空)に同一あるいは異形の材質のフィルム、チューブなどの構造物を挿入して製造することができる。
【0091】
フィルタロッド22の第2セグメントは、ヒーター13がタバコロッド21を加熱することで生成されたエアロゾルを冷却させる。したがって、ユーザは適度な温度に冷却されたエアロゾルを吸入することができる。
【0092】
第2セグメントの長さ又は直径は、シガレット2の形態によって様々に決定できる。例えば、第2セグメントの長さは、7mm~20mmの範囲内で適切に採用されてもよい。好ましくは、第2セグメントの長さは約14mmであってもよいが、これに限定されない。
【0093】
第2セグメントはポリマー繊維を織って作製することができる。この場合、ポリマーで製造された繊維に加香液を塗布することもできる。又は、加香液が塗布された別途の繊維とポリマーで製造された繊維を共に織って第2セグメントを作製することもできる。又は、第2セグメントは巻軸されたポリマーシートによって形成することができる。
【0094】
例えば、ポリマーは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)及びアルミニウムホイルからなる群より選ばれる材料で作製することができる。
【0095】
第2セグメントが織られたポリマー繊維又は巻軸されたポリマーシートによって形成されることによって、第2セグメントは縦方向に延びる単数又は複数のチャンネルを含むことができる。ここで、チャンネルとは、気体(例えば、空気又はエアロゾル)が通過する通路を意味する。
【0096】
例えば、巻軸されたポリマーシートからなる第2セグメントは、約5μmと約300μmとの間、例えば約10μmと約250μmとの間の厚さを有する材料から形成することができる。また、第2セグメントの全表面積は、約300mm/mmと約1000mm/mmとの間であってもよい。さらに、エアロゾル冷却要素は、比表面積が約10mm/mgと約100mm/mgとの間の材料から形成することができる。
【0097】
一方、第2セグメントは揮発性香味成分を含有するスレッド(thread)を含むことができる。ここで、揮発性香味成分はメントールであってもよいが、これに制限されない。例えば、スレッドには、1.5mg以上のメントールを第2セグメントに提供するために、十分な量のメントールを充填することができる。
【0098】
フィルタロッド22の第3セグメントはセルロースアセテートフィルタであることができる。第3セグメントの長さは、4mm~20mmの範囲内で適切に採用されてもよい。例えば、第3セグメントの長さは、約12mmであってもよいが、これに限定されない。
【0099】
第3セグメントを作製する過程で、第3セグメントに加香液を噴射することによって香味が発生するように作製することもできる。又は、加香液が塗布された別途の繊維を第3セグメントの内部に挿入することもできる。タバコロッド21から生成されたエアロゾルはフィルタロッド22の第2セグメントを通過することによって冷却され、冷却されたエアロゾルが第3セグメントを介してユーザに伝達される。したがって、第3セグメントに加香要素が添加される場合、ユーザに伝達される香味の持続性が増進する効果を発生することができる。
【0100】
さらに、フィルタロッド22には少なくとも1つのカプセル23が含まれてもよい。ここで、カプセル23は、香味を発生させる機能を行うこともでき、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造であってもよい。カプセル23は、球形又は円筒形の形状を有することができるが、これらに制限されない。
【0101】
図5を参照すると、シガレット3はせん断プラグ33をさらに含むことができる。せん断プラグ33は、タバコロッド31において、フィルタロッド32に対向する一側に位置することができる。せん断プラグ33は、タバコロッド31が離脱することを防止することができ、喫煙中にタバコロッド31から液状化したエアロゾルがエアロゾル発生装置(図1図3の1)に流れ込むのを防止することができる。
【0102】
フィルタロッド32は第1セグメント321及び第2セグメント322を含むことができる。ここで、第1セグメント321は、図4のフィルタロッド22の第1セグメントに対応することができ、第2セグメント322は、図4のフィルタロッド22の第3セグメントに対応することができる。
【0103】
シガレット3の直径及び全長は、図4のシガレット2の直径及び全長に対応することができる。例えば、せん断プラグ33の長さは約7mm、タバコロッド31の長さは約15mm、第1セグメント321の長さは約12mm、第2セグメント322の長さは約14mmであってもよいが、これらに限定されない。
【0104】
シガレット3は少なくとも1つのラッパー35によって包装されることができる。ラッパー35には外部空気が流入するか内部気体が流出する少なくとも1つの孔(hole)が形成することができる。例えば、第1ラッパー351によってせん断プラグ33が包装され、第2ラッパー352によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパー353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパー354によって第2セグメント322が包装されることができる。また、第5ラッパー355によってシガレット3全体が再包装されることができる。
【0105】
また、第5ラッパー355には少なくとも1つの穿孔36が形成することができる。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を取り囲む領域に形成することができるが、これに制限されない。穿孔36は、図2及び図3に示すヒーター13によって形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割を果たすことができる。
【0106】
さらに、第2セグメント322には少なくとも1つのカプセル34が含まれてもよい。ここで、カプセル34は、香味を発生させる機能を行うこともでき、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造であってもよい。カプセル34は、球形又は円筒形の形状を有することができるが、これらに制限されない。
【0107】
第1ラッパー351は、一般的なフィルタ巻紙にアルミニウムホイルなどの金属ホイルが結合したものであってもよい。例えば、第1ラッパー351の全厚さは、45μm~55μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは50.3μmであってもよい。また、第1ラッパー351の金属ホイルの厚さは、6μm~7μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは6.3μmであってもよい。さらに、第1ラッパー351の坪量は、50g/m~55g/mの範囲内に含まれてもよく、好ましくは53g/mであってもよい。
【0108】
第2ラッパー352及び第3ラッパー353は、一般的なフィルタ巻紙で作製することができる。例えば、第2ラッパー352及び第3ラッパー353は、多孔質巻紙又は無多孔質巻紙であってもよい。
【0109】
例えば、第2ラッパー352の多孔度は35000CUであってもよいが、これに制限されない。また、第2ラッパー352の厚さは、70μm~80μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは78μmであってもよい。また、第2ラッパー352の坪量は、20g/m~25g/mの範囲内に含まれてもよく、好ましくは23.5g/mであってもよい。
【0110】
例えば、第3ラッパー353の多孔度は24000CUであってもよいが、これに制限されない。また、第3ラッパー353の厚さは、60μm~70μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは68μmであってもよい。また、第3ラッパー353の坪量は、20g/m~25g/mの範囲内に含まれてもよく、好ましくは21g/mであってもよい。
【0111】
第4ラッパー354はPLA合紙で作製することができる。ここで、PLA合紙とは、紙層、PLA層及び紙層を含む3重の紙を意味する。例えば、第4ラッパー354の厚さは、100μm~120μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは110μmであってもよい。また、第4ラッパー354の坪量は、80g/m~100g/mの範囲内に含まれてもよく、好ましくは88g/mであってもよい。
【0112】
第5ラッパー355は滅菌紙(MFW)で作製することができる。ここで、滅菌紙(MFW)とは、引張強度、耐水度、平滑度などが一般紙よりも増進するように特殊に製造された紙を意味する。例えば、第5ラッパー355の坪量は、57g/m~63g/mの範囲内に含まれてもよく、好ましくは60g/mであってもよい。また、第5ラッパー355の厚さは、64μm~70μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは67μmであってもよい。
【0113】
第5ラッパー355は所定の物質が内添されてもよい。ここで、所定の物質の例としてはシリコンが該当することができるが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化しない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、又は電気絶縁性などの特性を有する。ただし、シリコンでなくとも、上述した特性を有する物質であれば、制限なく第5ラッパー355に塗布(又は、コーティング)されることができる。
【0114】
せん断プラグ33はセルロースアセテートで作製することができる。一例として、せん断プラグ33は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて作製することができる。セルロースアセテートトウを構成するフィラメントのモノデニール(mono denier)は、1.0~10.0の範囲内に含まれてもよく、好ましくは4.0~6.0の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、せん断プラグ33のフィラメントのモノデニールは5.0であってもよい。また、せん断プラグ33を構成するフィラメントの断面はY字型であってもよい。せん断プラグ33のトータルデニール(total denier)は、20000~30000の範囲内に含まれてもよく、好ましくは25000~30000の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、せん断プラグ33のトータルデニールは28000であってもよい。
【0115】
また、必要に応じて、せん断プラグ33は少なくとも1つのチャンネルを含むことができ、チャンネルの断面形状は多様に作製することができる。
【0116】
タバコロッド31は、図4を参照して上述したタバコロッド21に対応することができる。したがって、以下ではタバコロッド31についての具体的な説明は省略する。
【0117】
第1セグメント321はセルロースアセテートで作製することができる。例えば、第1セグメントは、内部に中空を含むチューブ形態の構造物であってもよい。第1セグメント321は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて作製することができる。例えば、第1セグメント321のモノデニール及びトータルデニールは、せん断プラグ33のモノデニール及びトータルデニールと同一であってもよい。
【0118】
第2セグメント322はセルロースアセテートで作製することができる。第2セグメント322を構成するフィラメントのモノデニール(mono denier)は、1.0~10.0の範囲内に含まれてもよく、好ましくは8.0~10.0の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、第2セグメント322のフィラメントのモノデニールは9.0であってもよい。また、第2セグメント322のフィラメントの断面はY字型であってもよい。第2セグメント322のトータルデニール(total denier)は、20000~30000の範囲内に含まれてもよく、好ましくは25000であってもよい。
【0119】
図6は、様々な実施例に係るエアロゾル発生装置のブロック図である。
【0120】
エアロゾル発生装置600は、制御部610、検出部620、出力部630、バッテリ640、ヒーター650、ユーザ入力部660、メモリ670及び通信部680を含むことができる。ただし、エアロゾル発生装置600の内部構造は図1に示すものに制限されない。すなわち、エアロゾル発生装置600の設計に応じて、図1に示す構成の一部が省略されるか、新しい構成がさらに追加されることを本実施例に関する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0121】
検出部620は、エアロゾル発生装置600の状態又はエアロゾル発生装置600の周辺の状態を感知し、感知された情報を制御部610に伝達することができる。制御部610は、前記感知された情報に基づいて、ヒーター650の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル発生物品(例えば、エアロゾル発生物品、カートリッジなど)の挿入如何判断、通知表示などの様々な機能が行われるようにエアロゾル発生装置600を制御することができる。
【0122】
検出部620は、温度センサ622、挿入感知センサ624及びパフセンサ626のうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに制限されない。
【0123】
温度センサ622は、ヒーター650(又は、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル発生装置600は、ヒーター650の温度を感知する別途の温度センサを含むか、ヒーター650自体が温度センサの役割を果たすことができる。又は、温度センサ622は、バッテリ640の温度をモニタリングするようにバッテリ640の周りに配置されてもよい。
【0124】
挿入感知センサ624は、エアロゾル発生物品の挿入及び/又は除去を感知することができる。例えば、挿入感知センサ624は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ及び赤外線センサのうち少なくとも1つを含むことができ、エアロゾル発生物品が挿入及び/又は除去されることによる信号変化を感知することができる。
【0125】
パフセンサ626は、気流通路又は気流チャンネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを感知することができる。例えば、パフセンサ626は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化、及び圧力変化のいずれかに基づいてユーザのパフを感知することができる。
【0126】
検出部620は、前述したセンサ622~626の他に、温/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち少なくとも1つをさらに含むことができる。各センサの機能は、その名称から通常の技術者が直観的に推論することができるので、具体的な説明は省略できる。
【0127】
出力部630は、エアロゾル発生装置600の状態に関する情報を出力してユーザに提供することができる。出力部630は、ディスプレイ部632、ハプティック部634及び音響出力部636のうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに制限されない。ディスプレイ部632とタッチパッドがレイヤー構造を成してタッチスクリーンで構成される場合、ディスプレイ部632は出力装置以外に入力装置としても使用することができる。
【0128】
ディスプレイ部632は、エアロゾル発生装置600に関する情報をユーザに視覚的に提供することができる。例えば、エアロゾル発生装置600に関する情報は、エアロゾル発生装置600のバッテリ640の充/放電状態、ヒーター650の予熱状態、エアロゾル発生物品の挿入/除去状態又はエアロゾル発生装置600の使用が制限される状態(例えば、異常物品感知)などの様々な情報を意味することができ、ディスプレイ部632は、上記情報を外部に出力することができる。ディスプレイ部632は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などであってもよい。また、ディスプレイ部632は、LED発光素子形態であってもよい。
【0129】
ハプティック部634は、電気的信号を機械的な刺激又は電気的な刺激に変換してエアロゾル発生装置600に関する情報をユーザに触覚的に提供することができる。例えば、ハプティック部634は、モーター、圧電素子、又は電気刺激装置を含むことができる。
【0130】
音響出力部636は、エアロゾル発生装置600に関する情報をユーザに聴覚的に提供することができる。例えば、音響出力部636は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力することができる。
【0131】
バッテリ640は、エアロゾル発生装置600が動作するのに用いられる電力を供給することができる。バッテリ640は、ヒーター650が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ640は、エアロゾル発生装置600内に備えられた他の構成(例えば、検出部620、出力部630、ユーザ入力部660、メモリ670及び通信部680)の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ640は、充電が可能なバッテリ又は使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ640は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリであってもよいが、これらに制限されない。
【0132】
ヒーター650は、バッテリ640から電力を供給されてエアロゾル生成物質を加熱することができる。図1に示されてはいないが、エアロゾル発生装置600はバッテリ640の電力を変換してヒーター650に供給する電力変換回路(例えば、DC/DCコンバータ)をさらに含むことができる。また、エアロゾル発生装置600が誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル発生装置600は、バッテリ640の直流電源を交流電源に変換するDC/ACコンバータをさらに含むことができる。
【0133】
制御部610、検出部620、出力部630、ユーザ入力部660、メモリ670及び通信部680は、バッテリ640から電力を供給されて機能を行うことができる。図1に示されてはいないが、エアロゾル発生装置600はバッテリ640の電力を変換してそれぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路又は電圧レギュレータ回路をさらに含むことができる。
【0134】
一実施例では、ヒーター650は、任意の適した電気抵抗性物質で形成することができる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ナイオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属又は金属合金であってもよいが、これらに制限されない。また、ヒーター650は、金属熱線(wire)、電気伝導性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などで実現されてもよいが、これらに制限されない。
【0135】
他の実施例では、ヒーター650は誘導加熱方式のヒーターであることができる。例えば、ヒーター650は、コイルによって印加された磁場を通じて発熱し、エアロゾル生成物質を加熱するサセプタを含むことができる。
【0136】
一実施例では、ヒーター650は複数のヒーターを含むことができる。例えば、ヒーター650は、エアロゾル発生物品を加熱するための第1ヒーター及び液状を加熱するための第2ヒーターを含むことができる。
【0137】
ユーザ入力部660は、ユーザから入力された情報を受信したり、ユーザに情報を出力したりすることができる。例えば、ユーザ入力部660は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線感知方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあり得るが、これらに制限されない。また、図1に示されてはいないが、エアロゾル発生装置600は、USB(universal serial bus)インターフェースなどの連結インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどの連結インターフェースを介して他の外部装置と連結して情報を送受信するか、バッテリ640を充電することができる。
【0138】
メモリ670は、エアロゾル発生装置600内で処理される各種データを貯蔵するハードウェアであって、制御部610で処理されたデータ及び処理されるデータを貯蔵することができる。メモリ670は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、ラム(RAM、random access memory)SRAM(static random access memory)、ロム(ROM、read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの貯蔵媒体を含むことができる。メモリ670は、エアロゾル発生装置600の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに関するデータなどを貯蔵することができる。
【0139】
通信部680は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含むことができる。例えば、通信部680は、近距離通信部682及び無線通信部684を含むことができる。
【0140】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)682は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(ワイパイ)通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra-wideband)通信部、Ant+通信部などを含むことができるが、これらに制限されない。
【0141】
無線通信部684は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含むことができるが、これらに制限されない。無線通信部684は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI))を用いて通信ネットワーク内でエアロゾル発生装置600を確認及び認証することもできる。
【0142】
制御部610は、エアロゾル発生装置600の全般的な動作を制御することができる。一実施例では、制御部610は、少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行できるプログラムが貯蔵されたメモリとの組み合わせで実現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで実現されてもよいことを本実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0143】
制御部610は、バッテリ640の電力をヒーター650に供給することを制御することでヒーター650の温度を制御することができる。例えば、制御部610は、バッテリ640とヒーター650との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することで電力供給を制御することができる。他の例として、制御部610の制御命令に従って、加熱直接回路がヒーター650に対する電力供給を制御することもできる。
【0144】
制御部610は、検出部620によって感知された結果を分析し、以降行われる処理を制御することができる。例えば、制御部610は、検出部620によって感知された結果に基づいて、ヒーター650の動作が開始又は終了するようにヒーター650に供給される電力を制御することができる。他の例では、制御部610は、検出部620によって感知された結果に基づいて、ヒーター650が所定の温度まで加熱されるか適切な温度を維持できるようにヒーター650に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0145】
制御部610は、検出部620によって感知された結果に基づいて、出力部630を制御することができる。例えば、パフセンサ626を介してカウントされたパフ回数が既に設定された回数に達すると、制御部610は、ディスプレイ部632、ハプティック部634及び音響出力部636のうち少なくとも1つを通じてユーザにエアロゾル発生装置600がすぐに終了することを予告することができる。
【0146】
一実施例では、制御部610は、検出部620によって感知されたエアロゾル発生物品の状態に応じてヒーター650に対する電力供給時間及び/又は電力供給量を制御することができる。例えば、エアロゾル発生物品が過湿状態の場合、制御部610は、誘導コイルに対する電力供給時間を制御し、エアロゾル発生物品が一般的な状態の場合よりも予熱時間を増加させることができる。
【0147】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態としても実現することができる。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の可用媒体であることができ、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ貯蔵媒体及び通信媒体をいずれも含むことができる。コンピュータ貯蔵媒体は、コンピュータ読み取り可能命令語、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータなどの情報の貯蔵のための任意の方法又は技術で実現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ読み取り可能命令語、データ構造、プログラムモジュールなどの変調されたデータ信号のその他のデータ、又はその他の伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0148】
図7は、一実施例に係るエアロゾル発生装置の内部構成要素を示すエアロゾル発生装置の正面図であり、図8は、一実施例に係るエアロゾル発生装置の内部構成要素を示すエアロゾル発生装置の側面図であり、図9は、一実施例に係るエアロゾル発生部の斜視図である。
【0149】
図7図9を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生装置700はエアロゾルを発生させることができる。例えば、エアロゾル発生装置700は表面弾性波の原理を用いてカートリッジ740に貯蔵された液状をエアロゾル化させることができる。一実施例では、エアロゾル発生装置700は、カートリッジ740に貯蔵されたエアロゾル形成基材を霧化させることができる。一実施例によれば、エアロゾル発生装置700は、ハウジング710、バッテリ711、マウス側端部720、エアロゾル発生部730、カートリッジ740、ウィック750、連結部材760、検出部770及び制御部780を含むことができる。
【0150】
一実施例では、ハウジング710は、様々な電子/機械コンポネントを収容するように構成することができる。一実施例では、バッテリ711、検出部770、制御部780、エアロゾル発生部730、カートリッジ740は、いずれもハウジング710の内部に収容され、外部の刺激(例えば、埃、衝撃、熱など)から安全に保護できる。一実施例では、ハウジング710は、第1面710a及び第2面710bを備えることができる。一実施例では、第2面710bは、第1面710aに対向することができる。
【0151】
一実施例では、マウス側端部720は、ユーザがエアロゾル発生装置700からエアロゾルを吸入するのに使用することができる。例えば、マウスピース又は吸入物品(例えば、シガレット)を収容するための挿入部がマウス側端部720に配置されることができる。一実施例では、マウス側端部720はユーザの口部と当接する部分であって、エアロゾルはマウス側端部720に含まれる流体流路を介してユーザに移行することができる。一実施例では、マウス側端部720は、ハウジング710の第1面710aに配置されることができる。例えば、マウス側端部720は、ハウジング710の第1面710aに当接するように配置されることができる。
【0152】
一実施例では、カートリッジ740は少なくとも1つ以上のエアロゾル形成基材を貯蔵することができる。例えば、エアロゾル形成基材は、液体状態、固体状態、気体状態、ゲル(gel)状態などの様々な状態のいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を含むことができる。エアロゾル生成物質は液状組成物を含むことができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。一実施例では、カートリッジ740は本体から伝達される電気信号又は無線信号などによって作動することで、カートリッジ740内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気体の相に変換してエアロゾルを発生させる機能を行うことができる。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化した粒子及び空気が混合した状態の気体を意味することができる。一実施例では、カートリッジ740に貯蔵されるエアロゾル形成基材は同一又は異なる物質を含むことができる。
【0153】
一実施例では、カートリッジ740は、エアロゾル形成基材となる機能性物質(図示せず)を貯蔵することができる。一実施例では、機能性物質は、気相、液相、固相の少なくともいずれか1つの形態でカートリッジ740内部に貯蔵されることができる。一実施例では、機能性物質は、ニコチン、グリセリン、プロピレングリコール、メンソールなどの香料又は喘息、慢性閉塞性疾患などの呼吸系疾患治療のための薬物、アロマなどのオイル、カフェイン、タウリン、ワクチンなどを含むことができる。機能性物質は、上記の例に限定されず、様々な物質を含むことができる。一実施例では、カートリッジ740に貯蔵される機能性物質は同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、カートリッジ740が複数備えられ、複数のカートリッジ740の各々に貯蔵された機能性物質が同一である場合、複数のカートリッジ740の少なくともいずれか1つのカートリッジ740はスペア(spare)の役割を果たすことができる。カートリッジ740に貯蔵された機能性物質が異なる場合、ユーザの好みに応じてカートリッジ740のいずれかを選択してエアロゾル化することができる。
【0154】
以下では、均質なエアロゾル形成基材がカートリッジ740内に貯蔵されていることを前提に説明する。
【0155】
一実施例では、カートリッジ740はハウジング710内に配置されることができる。一実施例では、カートリッジ740は、第1貯蔵所741及び第2貯蔵所742を含むことができる。一実施例では、第1貯蔵所741は、ハウジング710の第1面710aに隣接して配置されることができる。例えば、第1貯蔵所741は、マウス側端部720に隣接して配置されることができる。第1貯蔵所741は、エアロゾル形成基材を貯蔵することができる。
【0156】
一実施例では、第2貯蔵所742は、ハウジング710の長手方向(例えば、図7のZ軸方向)に沿って、第1貯蔵所741と離隔して配置されることができる。例えば、第2貯蔵所742は、後述するエアロゾル発生部730を挟んで、第1貯蔵所741の反対側に配置されることができる。一実施例では、第2貯蔵所742には誘導部材7421が配置されることができる。一実施例では、誘導部材7421はエアロゾル形成基材が第2貯蔵所742に流動するように誘導することができる。誘導部材7421は中心軸C(例えば、図8のZ軸)を基準として第2貯蔵所742の上側に傾いて配置されることができる。例えば、第1貯蔵所741からエアロゾル発生部730に供給されたエアロゾル形成基材の一部が重力によって重力方向(例えば、図8の-Z軸方向)に沿って第2貯蔵所742に向かって流動することができる。この場合、前記エアロゾル形成基材は誘導部材7421に先に当たった後、第2貯蔵所742に向かってゆっくりと滑り込むことができる。誘導部材7421はエアロゾル形成基材が第2貯蔵所742に落ちる時に発生する騒音を減少させることができ、第2貯蔵所742に貯蔵されたエアロゾル形成基材があふれるのを抑制することができる。
【0157】
一実施例では、第1貯蔵所741及び第2貯蔵所742は一体に形成することができる。この場合、第1貯蔵所741及び第2貯蔵所742は、ハウジング710に共に脱着することができる。他の実施例では、カートリッジ740は、第1貯蔵所741が省略され、第2貯蔵所742のみを備えるように構成できる。この場合には、第2貯蔵所742に貯蔵されたエアロゾル形成基材は、連結部材760とウィック750を通じてエアロゾル発生部730に供給できる。
【0158】
一実施例では、エアロゾル発生部730は、カートリッジ740に貯蔵されたエアロゾル形成基材をエアロゾル化させることができる。例えば、エアロゾルを発生させる方法として表面弾性波(surface acoustic wave、SAW)を用いることができる。表面弾性波は、電気的エネルギーと機械的エネルギーを相互変換し得る圧電物質を用いて発生できる。例えば、半導体エッチング工程を通じて指がずれている形態の変換器(interdigital transducer)を所望の形態で圧電物質の表面にパターニングし、変換器の間隔に相応する作動周波数を有するAC電圧を該当変換器に加えると、圧電物質の収縮又は膨脹に伴う表面に沿って進行する表面弾性波を発生させることができる。表面弾性波の音響波力は、微細液滴及び微細流動チャンネル内の流体又は微細粒子をエアロゾル化することができる。表面弾性波を利用したエアロゾルは粒子の大きさが微細且つ均一であり得る。一実施例では、エアロゾル発生部730は、表面弾性波を用いてカートリッジ740内に貯蔵されたエアロゾル形成基材をエアロゾル化することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、様々な方式、例えば、ヒーターを使用した加熱方式でエアロゾル化させることができる。以下では、表面弾性波を用いたエアロゾル化を例示として説明する。
【0159】
一実施例では、エアロゾル発生部730は、カートリッジ740と連結されることができる。例えば、エアロゾル発生部730は、ウィック750を通じて第1貯蔵所741と連結されることができる。
【0160】
一実施例では、エアロゾル発生部730は、基板731、変換器732及び霧化領域730aを含むことができる。
【0161】
基板731は表面弾性波が伝達される表面を形成することができる。基板731は平板(plate)形態を含むことができる。基板731はハウジング710の長手方向に平行な中心軸Cに対して所定の角度θで傾くことができる。例えば、基板731が中心軸Cと形成する角度θは鋭角(acute angle)であり得る。基板731がハウジング710の中心軸Cに対して傾いて配置されることで、第1貯蔵所741に貯蔵されたエアロゾル形成基材は重力によって基板731の表面上で第2貯蔵所742に向かって流動することができる。
【0162】
基板731の表面には霧化領域730aが位置することができる。霧化領域730aは、エアロゾル形成基材が変換器732を通じてエアロゾル化してエアロゾルが発生する領域であり得る。基板731が重力方向(例えば、図8の-Z方向)に対して傾いているので、霧化領域730aも前記重力方向に対して傾くように配置されることができる。この場合、霧化領域730aは重力方向にウィック750の下に配置されることができる。変換器732は、表面弾性波が霧化領域730aに向かうように配置されることができる。
【0163】
変換器732はバッテリ711から伝達された電気エネルギーを運動エネルギーに変換することができ、変換器732によって変換された運動エネルギーによって音響波が発生することができる。前記音響波が弾性力のある基板731の表面に沿って伝播されることによって、表面弾性波がウィック(wick)から供給されたエアロゾル形成基材を振動させて微粒化(atomization)を通じて液滴のエアロゾル化(aerosolization)を誘発することができる。
【0164】
一実施例では、ウィック(wick)750は第1貯蔵所741及び/又は第2貯蔵所742に貯蔵されたエアロゾル形成基材をエアロゾル発生部730に伝達することができる。例えば、ウィック750はエアロゾル形成基材を伝達することができる芯などの多孔質部材のいずれかであり得る。一実施例では、ウィック750は、第1貯蔵所741及びエアロゾル発生部730を連結させることができる。例えば、ウィック750の第1端部は第1貯蔵所741に連結され、第2端部はエアロゾル発生部730に連結されることができる。ウィック750は前記第1端部又は後述する連結部材760を通じてエアロゾル形成基材を伝達されることができる。ウィック750の第2端部が基板731の表面上の霧化領域730aの少なくとも一部に重畳するように配置されることで、エアロゾル形成基材は基板731の表面上に均一で薄い液状フィルムを形成することができる。
【0165】
一実施例では、連結部材760はウィック750及び第2貯蔵所742を連結することができる。例えば、連結部材760の一端はウィック750に連結され、他端は第2貯蔵所742に連結されることができる。連結部材760は、第2貯蔵所742に貯蔵されたエアロゾル形成基材をウィック750に伝達することができる。連結部材760は重力によって基板731の表面に沿って第1貯蔵所741から第2貯蔵所742に移動したエアロゾル形成基材をウィック750に伝達することができる。例えば、連結部材760は毛細管作用により第2貯蔵所742に貯蔵されたエアロゾル形成基材をウィック750に伝達することができる。連結部材760は、芯などの多孔質部材を含むことができる。
【0166】
一実施例では、変換器732は、第1変換器7321及び第2変換器7322を含むことができる。第1変換器7321及び第2変換器7322は、基板731上で霧化領域730aを横切って、互いに対向するように配置されることができる。
【0167】
一例では、第1変換器7321及び第2変換器7322は、電気エネルギーを運動エネルギーに変換し、運動エネルギーが基板731の表面に沿って伝播する結果、表面弾性波を発生させるように構成できる。第1変換器7321及び第2変換器7322がいずれも表面弾性波を発生させてそれぞれの表面弾性波をウィック750に伝達できる送信機で構成されることで、霧化量を容易に増加させることができる。
【0168】
他の例では、第1変換器7321は表面弾性波を発生させる送信機で構成することができ、第2変換器7322は第1変換器7321が送信した表面弾性波を受信する受信機で構成することができる。第1変換器7321が表面弾性波を送信し、第2変換器7322が表面弾性波を受信することによって、表面弾性波の送受信不良を感知してエアロゾル発生装置700の作動状態を効果的にモニタリングすることができる。
【0169】
図10は、一実施例に係るエアロゾル発生装置の動作を説明するためのブロック図である。
【0170】
図10を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生装置(例えば、図7のエアロゾル発生装置700)は、エアロゾル形成基材をエアロゾル化してエアロゾルを発生させるエアロゾル発生部730、エアロゾル発生装置の状態を感知する検出部770及びエアロゾル発生装置の作動を制御する制御部780を含むことができる。
【0171】
一実施例では、検出部770はエアロゾル発生装置の内部又は外部の状態を感知することができる。例えば、検出部770は、地面に垂直な方向(例えば、図8のZ軸方向)を基準として、エアロゾル発生装置がどの程度傾いたかを感知可能な傾きセンサ(例えば、ジャイロセンサ)を含むことができる。
【0172】
一実施例では、制御部780はエアロゾル発生装置の作動を制御することができる。例えば、制御部780は、検出部770が感知したエアロゾル発生装置の内部又は外部の状態に応じて、エアロゾル発生装置の作動を制御することができる。一実施例では、制御部780は、検出部770が感知したエアロゾル発生装置の傾き程度によって、エアロゾル発生部がハウジング(例えば、図8のハウジング710)の長手方向(例えば、図8のZ軸方向)に平行な中心軸(例えば、図8の中心軸C)に対して形成する角度(例えば、図8の角度θ)を制御することができる。例えば、制御部780は、エアロゾル発生装置を傾ける状態を感知し、エアロゾル発生部がハウジングの中心軸に対して形成する角度を実質的に一定に維持することで、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する過程で、エアロゾル発生装置を傾けても、作動不良が発生するのを防ぐことができる。
【0173】
図7図10を参照して、以下では、一実施例に係るエアロゾル発生装置700の作動を説明する。
【0174】
一実施例では、第1貯蔵所741に貯蔵されたエアロゾル形成基材は、ウィック750を通じてエアロゾル発生部730に供給することができる。エアロゾル発生部730は、基板731及び変換器732を通じて霧化領域730aでエアロゾルを発生させることができる。エアロゾル発生部730内でエアロゾル化しないエアロゾル形成基材の残余分は、重力によって基板731の傾斜面を通じて第2貯蔵所742に向かって流動することができる。第2貯蔵所742上には誘導部材7421が配置されることで、誘導部材7421は残余エアロゾル形成基材が第2貯蔵所742に流動するように誘導することができる。第2貯蔵所742に貯蔵されたエアロゾル形成基材は、連結部材760を通じて、例えば、毛細管作用を用いて、ウィック750に流動することができ、これによって残余エアロゾル形成基材のエアロゾル化を誘発することができる。
【0175】
一実施例に係るエアロゾル発生装置700は、エアロゾル形成基材を均一な大きさの粒子からなるようにエアロゾル化して霧化領域730aに供給することができるので、不均一な厚さによって発生できる変換器732の効率低下問題を未然に防止することができる。
【0176】
また、一実施例に係るエアロゾル発生装置700は、残余エアロゾル形成基材を効果的に再循環させるので、残余エアロゾル形成基材による液滴固まりを防止することができ、残余エアロゾル形成基材の効果的な再使用が行われる。
【0177】
以上のように、実施例がたとえ限られた図面によって説明されたが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順序で実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合又は組み合わせられるか、他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されても、適切な結果を達成することができる。
【0178】
したがって、他の実施形態、他の実施例及び特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】