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特表2024-539821フィーチャ画像を使用する3次元マスクシミュレーションにおけるマスク作製効果
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】フィーチャ画像を使用する3次元マスクシミュレーションにおけるマスク作製効果
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20241024BHJP
   G03F 1/36 20120101ALI20241024BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 502
G03F7/20 503
G03F1/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515386
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022045380
(87)【国際公開番号】W WO2023056012
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/251,477
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/956,550
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
(71)【出願人】
【識別番号】523461472
【氏名又は名称】シノプシス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リウ ペン
【テーマコード(参考)】
2H195
2H197
【Fターム(参考)】
2H195BA07
2H195BA10
2H195BB01
2H195BB36
2H197BA11
2H197CA06
2H197CA10
2H197DA02
2H197DA09
2H197DB22
2H197GA01
2H197GA24
2H197HA03
(57)【要約】
リソグラフィマスクのレイアウト幾何学的形状を表すフィーチャ画像が受信される。個々のフィーチャ画像からのマスク関数(MF)寄与が、フィーチャ画像を対応する3次元マスク(M3D)フィルタで畳み込むことによって計算される。M3Dフィルタは、そのフィーチャ画像の電磁散乱効果を表す。少なくとも1つのM3Dフィルタは、リソグラフィマスクのための作製プロセスから生じる効果を同様に説明する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィマスクのレイアウト幾何学的形状を表すフィーチャ画像を受信すること、および、
各フィーチャ画像を対応する3次元マスク(M3D)フィルタで畳み込むことによって、前記フィーチャ画像からマスク関数(MF)寄与を、プロセッサデバイスによって計算することであって、前記M3Dフィルタは、前記フィーチャ画像の電磁散乱効果を表し、少なくとも1つのM3Dフィルタは、前記リソグラフィマスクのための作製プロセスから生じる効果を同様に説明するマスク補正済みM3Dフィルタである、計算すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記マスク補正済みM3Dフィルタは、パラメータ化され、前記マスク補正済みM3Dフィルタのパラメータは、前記作製プロセスを使用して作製されたリソグラフィマスクを使用して作製されたウェハの測定結果に基づいて調節される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マスク補正済みM3Dフィルタはエリアフィルタであり、前記エリアフィルタ用のパラメータは、加法定数または乗法定数である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マスク補正済みM3Dフィルタは単一エッジフィルタであり、前記単一エッジフィルタ用のパラメータは空間シフトである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マスク補正済みM3Dフィルタはエッジツーエッジフィルタであり、前記エッジツーエッジフィルタ用のパラメータは空間シフトである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マスク補正済みM3Dフィルタ用のパラメータは、空間シフト、加法定数、または乗法定数である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記計算されたMF寄与の組み合わせに基づいて前記リソグラフィマスクについてのマスク関数を決定すること、
前記リソグラフィマスクによって生成される空間像または印刷済みマスクパターンを含む結果を推定するために、前記マスク関数を使用すること、および、
前記推定された結果に基づいて前記リソグラフィマスクの設計にマスク補正を適用することを含み、前記マスク補正は、光近接効果補正、解像度以下補助フィーチャ、位相シフト用マスク、およびインバースリソグラフィ技法の少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
記憶された命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサデバイスによって実行されると、前記プロセッサデバイスに
リソグラフィマスクのレイアウト幾何学的形状を表すために使用されるフィーチャ画像に対応するオリジナルマスク3D(M3D)フィルタにアクセスさせ、なお、フィーチャ画像に対応する前記オリジナルM3Dフィルタは、前記フィーチャ画像の電磁散乱効果を表し、
前記リソグラフィマスクのための作製プロセスから生じる効果を説明するマスク補正済みM3Dフィルタを生成するために、前記オリジナルM3Dフィルタを修正させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記オリジナルM3Dフィルタを修正することは、
前記作製プロセスを使用して作製されたリソグラフィマスクを使用して作製されたウェハの測定結果にアクセスすること、および、
ウェハの前記測定結果に基づいて前記オリジナルM3Dフィルタを修正することを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記オリジナルM3Dフィルタを修正することは、(a)前記マスク補正済みM3Dフィルタを使用するウェハのシミュレーションによって予測される結果と(b)ウェハの前記測定結果を照合することに基づいて前記オリジナルM3Dフィルタを修正することを含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記オリジナルM3Dフィルタを修正することは、(a)前記マスク補正済みM3Dフィルタを使用するウェハのシミュレーションによって予測される結果と(b)ウェハ構造についてのモデルが前記作製プロセスから生じる作製効果を含む、ウェハのシミュレーションよって予測される結果を照合することに基づいて前記オリジナルM3Dフィルタを修正することを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記リソグラフィマスクは、側壁を有するフィーチャを含み、前記マスクフィーチャを表す前記フィーチャ画像は、単一エッジ画像および/またはマルチエッジ画像を含み、前記オリジナルM3Dフィルタを修正することは、前記側壁の角度の変動を説明するために、前記フィーチャ画像のための前記オリジナルM3Dフィルタをシフトさせることを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記リソグラフィマスクは、フィルムスタックを含み、前記アブソーバを表す前記フィーチャ画像は、単一エッジ画像および/またはマルチエッジ画像を含み、前記オリジナルM3Dフィルタを修正することは、前記フィルムスタックの厚さの変動を説明するために、前記フィーチャ画像のための前記オリジナルM3Dフィルタをシフトさせることを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記リソグラフィマスクは、屈折率および誘電率を特徴とするアブソーバを含み、前記アブソーバを表す前記フィーチャ画像は、単一エッジ画像および/またはマルチエッジ画像を含み、前記オリジナルM3Dフィルタを修正することは、屈折率または誘電率の変動を説明するために、前記フィーチャ画像のための前記オリジナルM3Dフィルタをシフトさせることを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記フィーチャ画像は、単一エッジ画像および/またはマルチエッジ画像を含み、前記オリジナルM3Dフィルタを修正することは、前記リソグラフィマスクのための前記作製プロセスにおける短距離近接効果を説明するために、前記フィーチャ画像のための前記オリジナルM3Dフィルタにフィーチャ依存性シフトを適用することを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
システムであって、
命令、ならびに、予め規定されたフィーチャ画像および対応する予め計算されたマスク3D(M3D)フィルタを含むライブラリを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記M3Dフィルタは、前記フィーチャ画像の電磁散乱効果を表し、少なくとも1つのM3Dフィルタは、前記リソグラフィマスクのための作製プロセスから生じる効果を同様に説明するマスク補正済みM3Dフィルタである、コンピュータ可読記憶媒体と、
前記コンピュータ可読記憶媒体に結合され、前記命令を実行するためのプロセッサデバイスとを備え、前記命令は、実行されると、前記プロセッサデバイスに
前記ライブラリに含まれる前記予め規定されたフィーチャ画像に基づいてリソグラフィマスクのレイアウト幾何学的形状を複数のフィーチャ画像に分割させ、
前記フィーチャ画像を前記ライブラリからの前記対応するM3Dフィルタで畳み込むことによって、前記複数のフィーチャ画像のそれぞれからマスク関数(MF)寄与を計算させ、
前記リソグラフィマスクについてマスク関数を決定するために、前記計算されたMF寄与を組み合わせる、システム。
【請求項17】
アッベ結像モデルまたはホプキンス結像モデルへの入力として前記マスク関数を適用することをさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記レイアウト幾何学的形状は、積分回路ダイ全体のためのレイアウト幾何学的形状を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記リソグラフィマスクの光源照明は、極端紫外線(EUV)または深紫外線(DUV)照明である、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記レイアウト幾何学的形状は、複数の形状を含み、各形状を表す前記フィーチャ画像は、せいぜいエリア画像、単一エッジ画像、および2エッジ画像を含む、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年10月1日に出願された米国仮特許出願第63/251,477号「Mask Fabrication Effects in Lithography Simulations」および2022年9月29日に出願された米国特許出願第17/956,550号「Mask Fabrication Effects in Three-Dimensional Mask Simulations Using Feature Images」に対して米国特許法第119(e)条の下で優先権を主張する。上記の全ての主題は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、例えば、フルチップまたは大規模計算リソグラフィアプリケーションを含む、リソグラフィマスクシミュレーションに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウェハの製造における1つの工程はリソグラフィを含む。典型的なリソグラフィプロセスにおいて、光源は、リソグラフィマスクを照明するために収集/照明光学系によって収集され方向付けられる光を生成する。投影光学系は、照明されたマスクによって生成されたパターンをウェハ上に中継し、照明パターンに従ってウェハ上のレジストを露光する。パターニングされたレジストは、その後、プロセス内で使用されて、ウェハ上に構造を作製する。
【0004】
種々の技術が、リソグラフィマスクの設計を含むリソグラフィプロセスを改善することを対象とする。計算リソグラフィにおいて、リソグラフィマスク設計は、3次元マスクモデルに対する入力として使用され、3次元マスクモデルは、光源によって照明されるマスクの電磁界散乱特性を記述するマスク関数を計算するために使用される。マスク関数は、その後、光学結像モデル(例えば、アッベ結像モデル(Abbe imaging model)またはホプキンス結像モデル(Hopkins imaging model))に対する入力として使用されて、レジストにおける被印刷パターンを予測することができる。3次元マスクモデルが正確であるうえに高速であることが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
特定の態様において、リソグラフィマスクのレイアウト幾何学的形状を表すフィーチャ画像が受信される。個々のフィーチャ画像からのマスク関数(MF:mask function)寄与が、フィーチャ画像を対応する3次元マスク(M3D:mask three-dimensional)フィルタで畳み込むことによって計算される。M3Dフィルタは、フィーチャ画像の電磁散乱効果を表す。少なくとも1つのM3Dフィルタは、リソグラフィマスクのための作製プロセスから生じる効果を同様に説明するM3Dフィルタである。
【0006】
他の態様は、コンポーネント、デバイス、システム、機能強化、方法、プロセス、アプリケーション、コンピュータ可読媒体、および上記の任意のものに関連する他の技術を含む。
【0007】
本開示は、以下で与えられる詳細な説明からおよび本開示の実施形態の添付図からより完全に理解されるであろう。図は、本開示の実施形態の知識および理解を提供するために使用され、本開示の範囲をこれらの特定の実施形態に限定しない。さらに、図は、必ずしも一定比例尺に従って描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示の実施形態と共に使用するのに適する極端紫外線(EUV)リソグラフィプロセスを示す図である。
図1B】本開示の実施形態による、マスクからの散乱を計算するためのフローチャートである。
図1C】本開示の実施形態による、マスク作製効果を説明するためにM3Dフィルタを調整するためのフローチャートである。
図1D】本開示の実施形態による、マスク作製効果を説明するためにM3Dフィルタを調整するための別のフローチャートである。
図2】本開示の実施形態による、マスクレイアウト幾何学的形状を複数のフィーチャ画像に分割することを示す図である。
図3】本開示の実施形態による、ライブラリ内のフィーチャ画像を示す図である。
図4A】本開示の実施形態による、フィーチャ画像についてのM3Dフィルタを計算するためのフローチャートである。
図4B】本開示の実施形態による、例のM3Dフィルタ計算を示す図である。
図5】本開示の実施形態による、M3Dフィルタを調整する例を示す図である。
図6A】本開示の実施形態による、側壁角度の変動についてM3Dフィルタを調整することを示す図である。
図6B】本開示の実施形態による、側壁角度の変動についてM3Dフィルタを調整することを示す図である。
図6C】本開示の実施形態による、側壁角度の変動についてM3Dフィルタを調整することを示す図である。
図7A】本開示の実施形態による、マスク厚さの変動についてM3Dフィルタを調整することを示す図である。
図7B】本開示の実施形態による、マスク厚さの変動についてM3Dフィルタを調整することを示す図である。
図7C】本開示の実施形態による、マスク厚さの変動についてM3Dフィルタを調整することを示す図である。
図8A】本開示の実施形態による、マスク材料特性の変動についてM3Dフィルタを調整することを示す図である。
図8B】本開示の実施形態による、マスク材料特性の変動についてM3Dフィルタを調整することを示す図である。
図8C】本開示の実施形態による、マスク材料特性の変動についてM3Dフィルタを調整することを示す図である。
図9】本開示の実施形態による、積分回路の設計および製造中に使用される種々のプロセスのフローチャートである。
図10】本開示の実施形態がそこで動作することができる例のコンピュータシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の態様は、フィーチャ画像に基づく3次元マスクシミュレーションに関する。ウェハ上のレジストを露光する照明パターンは、とりわけ、リソグラフィマスクの幾何学的レイアウトおよび光源照明に依存する。リソグラフィプロセスのシミュレーションは、リソグラフィマスクに入射する光源照明によって生成された電磁界の正確な予測に依存する。この電磁界は、回折および散乱効果を説明するマクスウェルの方程式の厳密な3次元シミュレーションを使用して予測され得る。しかしながら、そのようなシミュレーションは、計算集約的であり、長いランタイムを有する。結果として、多くの場合、チップ全体をカバーするマスクエリアについて厳密3次元シミュレーションを実行することは法外に高くつく。
【0010】
本開示の態様は、それらの一部がマスク作製プロセスからの効果を説明するために修正される、フィーチャ画像(フィーチャベクトルとしても知られる)および対応するフィルタ(マスク3次元(3D)またはM3Dフィルタと呼ばれる)のセットを使用することによって、マスク関数(MF)によって表される、電磁界回折および散乱特性を計算することに関する。フィーチャ画像は、マスク内に存在することができる基本的幾何学的形状を表し、対応するM3Dフィルタは、フィーチャ画像に由来する散乱効果を表す。M3Dフィルタは、光源照明が与えられた場合にフィーチャ画像の散乱効果の厳密電磁シミュレーションに基づいて決定され得る。
【0011】
1つのアプローチにおいて、フィーチャ画像は、予め規定されたフィーチャ画像およびそれらの対応する事前計算されたマスク3D(M3D)フィルタのライブラリから選択される。ライブラリ内のフィーチャ画像は、
・ 0エッジフィーチャ画像:バルクエリア(エッジなし)
・ 1エッジフィーチャ画像:異なる配向の複数のエッジ
・ 2エッジフィーチャ画像:異なる配向および互いに対する空間的関係を有する2つのエッジの組み合わせ
・ 3+エッジフィーチャ画像:3つ以上のエッジ(例えば、ポリゴン形状)の組み合わせ
を含むが、それに限定されない。
【0012】
多くの場合、リソグラフィマスクの実際のレイアウト幾何学的形状は、マスク作製プロセスに由来する効果を含むことになる。例えば、特定のマスクフィーチャは、材料の層から構築された反射型スタックとすることができる。スタックは、完全に垂直な側壁を有さない場合がある。層の厚さは、公称設計値に正確に一致しない場合がある。材料特性も、公称設計値に正確に一致しない場合がある。
【0013】
しかしながら、一部のリソグラフィシミュレーションにおいて、リソグラフィマスクのトポグラフィは、マスク作成プロセスの制限および結果得られる効果を考慮しない理想化されたモデルによって表され得る。結果として、理想化されたトポグラフィを仮定するリソグラフィシミュレーションは、所望されるよりも正確でないとすることができる。
【0014】
シミュレーションに対する他のアプローチにおいて、これらの効果の正確な推定は、複雑なモデル、例えば、マスクフィーチャの詳細な3次元モデルまたはフィーチャからの散乱についてのマクスウェルの方程式の完全に厳密な3次元解を必要とする。しかしながら、これは、計算的に複雑である可能性があり、かなりのコンピュートリソースおよび長いランタイムを必要とする。
【0015】
本明細書で説明するアプローチにおいて、M3Dフィルタは、マスク作製プロセスから生じる効果を説明するために修正される。M3Dフィルタは、これらの効果を説明するためさらなる自由度を提供するためにパラメータ化され得る。パラメータの例は、M3Dフィルタの空間的シフトまたはバイアスならびにフィルタ内の項についての加法および乗法定数を含む。幾つかの場合、これらのパラメータの値は、マスクがマスク作製プロセスを使用して作製されたリソグラフィマスクを使用して作製されたウェハの測定結果に基づいて決定される。
【0016】
本開示のさらなる態様において、マスク補正済みM3Dフィルタと呼ばれることになる修正済みM3Dフィルタは、計算され、ルックアップテーブル(LUT)または他のデータ構造として保存される。これらのLUTは、3Dマスクシミュレーションにおいて再使用され、したがって、マスク作製効果を説明する。マスク関数(MF)によって表される、電磁界回折および散乱特性は、対応するマスク補正済みM3Dフィルタで畳み込まれるフィーチャ画像のセットを使用することによって計算される。
【0017】
本開示のさらなる技術的利点は、以下を含むが、それに限定されない。このアプローチは、処理する後続のシミュレーションフローについてのさらなるレイアウトを作成せず、したがって、代替のアプローチと比較してシミュレーションランタイムを改善する。本発明は、機械学習(ML:machine learning)と非MLの両方のフレームワークと共に使用するのにより適し、同様に、グラフィクス処理ユニット(GPU:graphics processing units)用により適している可能性がある。十分に厳密なシミュレーションと比較して、アプローチは、モデル生成、訓練、および較正についてより計算効率がよく、ランタイムもまた、マスク関数について正確な結果を依然として生成しながら低減される。結果得られるマスク関数は、リソグラフィシミュレーションにおける次のステップとすることができるホプキンスとアッベの両方の結像モデルにおいて効率的に使用されることができる。
【0018】
より詳細に、図1Aは、本開示の実施形態と共に使用するのに適するEUVリソグラフィプロセスを示す。このシステムにおいて、光源102は、マスク110を照明するために収集/照明光学系104によって収集され方向付けられるEUV光を生成する。投影光学系116は、照明されたマスク110によって生成されたパターンをウェハ118上に中継し、照明パターンに従ってウェハ上のレジストを露光する。露光されたレジストは、その後、現像され、ウェハ上にパターニングされたレジストを生成する。これは、例えば、堆積、ドーピング、エッチング、または他のプロセスを通して、ウェハ上に構造を作製するために使用される。
【0019】
図1Aにおいて、光は、約13.5nmまたは13.3~13.7nm範囲内のEUV波長範囲内にある。これらの波長において、成分は、透過型ではなく反射型であるとすることができる。マスク110は、異なる材料のスタックとして実施され得る反射型マスクであり、光学系104、116は、同様に反射型でありかつオフアクシスである。これは単なる例である。深紫外線(DUV)を含む他の波長において、透過型マスクおよび/または光学系を使用すること、および、ポジティブまたはネガティブレジストを使用することを含む、他のタイプのリソグラフィシステムも使用され得る。
【0020】
図1Bは、マスク作製プロセスからの効果を考慮して、マスク110からの散乱を計算するためのフローチャートである。マスク110からの回折および散乱は、マスク関数(MF)150によって表される。図1Bのプロセスは、マスクの記述115およびライブラリ120を使用して、マスクについてマスク関数150を決定する。ライブラリは、フィーチャ画像122(例えば、予め規定されたフィーチャ画像)およびマスク3D(M3D)フィルタと呼ばれることになる対応するフィルタ129を含む。なぜなら、それらが、所与の光源照明について、そのタイプのフィーチャ画像からのマスク関数全体に対する寄与を表すからである。M3Dフィルタ129は、光源照明の効果を含み、本明細書でより詳細に説明されたように、マスク作製効果を説明するために調整されている。
【0021】
図1Bに示すように、マスクのレイアウト幾何学的形状は、130にて受信され、140にて、ライブラリ120からのフィーチャ画像122に基づいて複数のフィーチャ画像142に分割される。各フィーチャ画像142からのマスク関数(MF)寄与は、144にてフィーチャ画像142をその対応するM3Dフィルタ129で畳み込むことによって計算される。マスクおよび所与の光源照明についての集計マスク関数は、146にて個々のフィーチャ画像からのMF寄与を結合する(例えば、合計する)ことによって決定される。
【0022】
マスク関数は、その後、種々の設計フローで使用され得る。マスク関数は、リソグラフィマスクによって生成される空間像(aerial image)または印刷済みマスクパターンなどのリソグラフィプロセスの結果を推定するために使用され得る。マスク補正は、その後、推定された結果に基づいてリソグラフィマスクの設計に適用され得る。マスク補正の例は、光近接効果補正(optical proximity correction)、解像度以下補助フィーチャ(sub-resolution assist feature)、位相シフト用マスク、インバースリソグラフィ技法、および光源マスク最適化を含む。
【0023】
図1Cは、マスク補正済みM3Dフィルタ129を開発するためのフローチャートである。未補正M3Dフィルタは、以下で図2~4で説明されるように開発され得る。これらのフィルタは、マスク作製効果を説明するためより多くの自由度を付加するためにパラメータ化され得る。図1Cの127にて、パラメータの値は、125におけるシミュレーションの予測を128における実際のウェハの測定結果と比較することによって決定される。例えば、ウェハは、マスクがマスク作製プロセスによって作製されるリソグラフィマスクを使用して作製され得る。例えば、ウェハ上に印刷されたフィーチャの幅または間隔などの種々の測定が行われ得る。M3Dフィルタは、シミュレーションで使用されて、同じ測定結果126を予測することができる。パラメータは、予測される測定結果126と実際の測定結果128との間の差を減少させることに基づいて、127において決定され得、129にてマスク補正済みM3Dフィルタをもたらす。この例において、ウェハ測定結果128は、パラメータ化済みM3Dフィルタ124を直接較正するためにグラウンドトゥルース(ground truth)として使用される。
【0024】
代替のアプローチにおいて、ウェハ測定結果128は、パラメータ化済みM3Dフィルタ124を較正するためにその後使用されるグラウンドトゥルースを生成するために使用され得る。例えば、ライン幅または他の物理的メトリックを直接測定するのではなく、ウェハ上のフィーチャの3次元プロファイルが測定され得る。これらは、その後、ライン幅を予測する正確なシミュレーションへの入力として使用され得る。代替的に、ウェハ上の測定済み3次元プロファイルは、2つを関連付けるモデルを使用してパラメータ化済みM3Dフィルタ124を直接較正するために使用され得る。リソグラフィマスク自身の測定結果は、ウェハの測定結果に加えてまたはその代わりに、同様に使用され得る。
【0025】
図1Dは、本開示の実施形態による、マスク作製効果を説明するためにM3Dフィルタを調整するための別のフローチャートである。右側は、テストマスク設計115に基づく物理的ウェハ164の作製を示す。左側は、同じプロセスのシミュレーションを示す。物理的作製フローにおいて、テストマスク設計115は、マスク作製プロセス161において最初に使用されて、印刷済みマスク(物理的マスク)162を生成する。物理的リソグラフィマスクは、その後、リソグラフィプロセス163において使用されて、印刷済みウェハ(物理的ウェハ)164を作製する。種々のフィーチャのサイズなどの、ウェハの種々のメトリック166が、その後、165にて測定され得る。
【0026】
シミュレーションフローにおいて、テストマスク設計115は、物理的作製フローで測定されたウェハ特性を予測するシミュレーションへの入力として使用される。調節可能なM3Dモデル171は、フィーチャ画像およびパラメータ化済みM3Dフィルタを使用して、回折したマスク電磁界またはマスク関数172を予測する。このステップは、光源照明およびマスク作製効果を説明する。この結果は、レンズ結像モデル173を通して伝搬されて、ウェハ上のレジスト内の空間像174を予測する。レジストおよびエッチモデル175は、同じウェハメトリック177がそこから推定され得る作製済みウェハ176を予測するために使用される。
【0027】
180にて、測定済みウェハメトリック166と同じメトリックのシミュレート済み予測177との比較は、M3Dフィルタについてパラメータを調節する182ために使用される。このフィードバックは、シミュレーションフローにおいて他のモデルを調整するために同様に使用され得る。
【0028】
図2~4は、マスク作製効果についての補正なしでのフィーチャ画像の使用を最初に説明する。図2は、マスクレイアウト幾何学的形状を複数のフィーチャ画像に分割することを示す。図2は、2つの形状210および220ならびに形状210の複数のフィーチャ画像への分割を示す。形状210は、以下のフィーチャ画像:1つのエリア画像、6つのエッジ画像、6つの角部画像、および2つのエッジツーエッジ(E2E:Edge-to-Edge)画像に分割される。形状210は、マスクレイアウト内に存在する異なるフィーチャを識別するルールに基づいてフィーチャ画像に分割することができる。この例において、ポリゴン形状210の内部エリアおよびマスク関数に対するその寄与は、エリア1フィーチャ画像によって表される。これは、マスクのどのエリアが、透過型または反射型に対して不透過型であるかを規定する。エッジフィーチャ画像(エッジ1~エッジ6)は、エッジにおける電磁波の回折および散乱を説明する。
【0029】
残りのフィーチャ画像は、2つのエッジ間に相互作用が存在することになる2つのエッジの組み合わせに基づく。角部フィーチャ画像(角部1~角部6)は、2つのエッジの単なる個々の寄与を超える、角部における相互作用を説明する。図2において、角部が内側角部と外側角部の両方を含むことに留意されたい。エッジツーエッジ(E2E)フィーチャ画像は、平行エッジ間の相互作用を説明する。E2E 1は、エッジ1と3との間の相互作用を説明する。E2E 2は、エッジ2と形状220の左エッジとの間の相互作用を説明する。
【0030】
フィーチャ画像のそれぞれは画像である。例えば、エリア画像は形状210のポリゴンとすることができる。エッジ画像のそれぞれは、関連エッジのフィルタリング済みバージョンとすることができる。幾つかの場合、ラスター化フィルタは、フィーチャ画像を生成するために適用される。
【0031】
レイアウト幾何学的形状の分割は、ライブラリ120からのフィーチャ画像122を使用する。ライブラリ内のフィーチャ画像は、散乱の理解およびどのタイプの幾何学的フィーチャが散乱に寄与するかに基づいて選択することができる。
【0032】
図3は、ライブラリ内のフィーチャ画像の幾つかの例を示す。図3のフィーチャ画像は、フィーチャ画像内のエッジの数に従って分類される。一番上の列のフィーチャ画像は0エッジを有し、次の列のフィーチャ画像は、1エッジ、そして2エッジ、そして3+エッジを有する。これらは、単に例であり、網羅的でない。
【0033】
一番上の例において、エリアフィーチャ画像は、マスクのどのエリアが、透過型または反射型に対して不透過型であるかを決定する。エリアフィーチャ画像の実際の事例は、マスクに関する形状の幾何学的レイアウトに応じて、異なる形状、サイズ、および場所を有することができる。エリアフィーチャ画像に対応するM3Dフィルタは、無限大エリアを仮定するエリア内の各ポイントによって生成される散乱を表す、すなわち、幾何学的レイアウトのバルクエリア内の各ポイントからのマスク関数に対する寄与はいずれのエッジ効果も無視する。したがって、エリアフィーチャ画像(例えば、図2のエリア1)の事例を用いたM3Dフィルタの畳み込みは、マスク内のその形状のバルクエリアからのMF寄与をもたらす。
【0034】
第2の列において、エッジフィーチャ画像は、フィーチャ画像の別のクラスである-なぜなら、電磁波の回折または散乱がエッジで起こるからである。図3は、1つのエッジフィーチャ画像を示すが、ライブラリは、多くのタイプのエッジ画像を有することができる。マンハッタン幾何学的形状のみを有するマスクの場合、マンハッタン幾何学的形状内のエッジの考えられる4つの配向に対応する4つのエッジフィーチャ画像が、ライブラリに含まれる。幾つかのマスクは、45度の倍数でのまたはさらに任意の角度でのエッジを可能にすることもできる。エッジフィーチャ画像に対応するM3Dフィルタは、無限長エッジを仮定するエッジに沿う各ポイントによって生成される散乱を表す。
【0035】
第3の列は、2つのエッジの組み合わせであるフィーチャ画像の別の重要なクラスを示す。2つのエッジが十分に近くなると、2つのエッジ間に相互作用が存在することになる。幾つかの例は図3に示される。最初の2つの例において、2つのエッジは平行である。これは、一般にエッジツーエッジ(図2においてE2Eとラベル付けされる)と呼ばれる。図3は、2つのエッジ間のエリアがマスク材料によって満たされているか否かに応じて、2つの異なる極性を示す。2つの異なる極性に加えて、ライブラリは、エッジ間の異なる分離を有し、エッジが異なる角度で(水平に、垂直に、45度の倍数等で)配向する状態の、エッジツーエッジフィーチャ画像を含むこともできる。
【0036】
第3の列の最後の2つの例において、2つのエッジは互いに垂直である。これらは、角部フィーチャ画像:極性に応じた内側角部および外側角部である。ライブラリは、異なる角度で配向した角部を含むことができる。他の2つのエッジフィーチャ画像も可能である。例えば、2つのエッジは互いに異なる角度にあるとすることができる。2つのエッジは、分離されるが、互いに平行でないとすることができる。そのため、2つのエッジは、ゆっくり収束または発散することになる。90度以外の角度での角部も可能である。
【0037】
一番下の列は、3つ以上のエッジを有するフィーチャ画像を示す。最初の2つの例は、両極性の先端である。ライブラリは、異なる幅のそして異なる角度配向のバージョンを含むことができる。次の2つの例は、両極性の穴またはバイアである。異なるバージョンは、異なる幅、高さ、および角度配向を有することができる。
【0038】
フィーチャ画像のそれぞれは、フィーチャ画像からのMF寄与を生成するために使用される対応するM3Dフィルタを有する。すなわち、フィーチャ画像の散乱効果は、M3Dフィルタによって捕捉される。1つのアプローチにおいて、厳密シミュレーションはフィーチャ画像について実施され、厳密結果は、M3Dフィルタを決定するために使用される。
【0039】
M3Dフィルタは、低次効果で始めることによって計算することができる。エリア画像(0次フィーチャ画像)の効果は、問題のエリアの透過または反射にのみ依存する。厳密シミュレーションにおいて、このフィーチャ画像についてのマスク構造は一定値の平面である。M3Dフィルタは、厳密シミュレーションから計算された透過または反射に等しい不変数である。
【0040】
次に、エッジフィーチャ画像を考える。レイアウト幾何学的形状におけるエッジは、エリアフィーチャ画像プラスエッジフィーチャ画像に分割される。エッジ散乱の厳密シミュレーションは、その後、エリアフィーチャ画像からのMF寄与プラスエッジフィーチャ画像からのMF寄与によってモデル化される。エリアフィーチャ画像からのMF寄与は既に決定されているため、エッジフィーチャ画像からのマスク関数寄与および対応するM3Dフィルタが、その後、決定されることができる。
【0041】
全ての単一エッジフィーチャ画像が考慮された後、2つのエッジを含むフィーチャ画像を考える。図4Aは、低次フィーチャ画像から高次フィーチャ画像まで進行するフィーチャ画像についてのM3Dフィルタを計算するためのフローチャートである。図4Bは、図3に示す2エッジギャップフィーチャ画像について例のM3Dフィルタ計算を示す。
【0042】
図4Bの例において、0エッジおよび1エッジフィーチャ画像についてのM3Dフィルタは、既に計算されており、プロセスは、より複雑なフィーチャ画像:2エッジフィーチャ画像に移動する405。特定の間隔Δを有するギャップフィーチャ画像は、410にて次に考慮される。ギャップフィーチャ画像についてのマスク構造は、420で間隔Δだけ分離された2つのエッジであると決定される。3次元シミュレーションは、このマスク構造について実行することができ430、このマスク構造についてのマスク関数をもたらす。
【0043】
このマスク構造についての幾何学的レイアウトは、低次フィーチャ画像:関心の、エリアフィーチャ画像+2エッジフィーチャ画像+ギャップフィーチャ画像に440で分割される。これは、図4Bの一番上の列に絵を用いて示される。厳密電磁シミュレーションによって計算された集計マスク関数は、各フィーチャ画像からのMF寄与の合計に等しい。
【数1】
ここで、Iiはフィーチャ画像であり、Kiは対応するM3Dフィルタであり、
【数2】
は畳み込み演算子であり、Nはフィーチャ画像の数である。MFはマスク関数であり、マスク関数は、この場合、厳密シミュレーションからわかっている。低次フィーチャ画像についてのMF寄与は、それらの画像について、前もって計算されたM3Dフィルタを使用して計算することができる450。これは、図4Bの一番下に絵を用いて示された、方程式1における1つの未知数を残す。それは、ギャップフィーチャ画像についてのM3Dフィルタであり、そのM3Dフィルタは、その後、計算することができる460。幾つかの場合、これは、ライブラリ120内のM3Dフィルタ122として、または、図1Cにおけるパラメータ化済みM3Dフィルタ124についての基礎として使用され得る。
【0044】
フィーチャ画像は、画像の疎サンプリングを可能にするフィーチャのグレースケール表現とすることができる。例えば、エッジは、無限大周波数成分を有し、100%忠実度で表現するために無限大帯域幅を必要とすることになる。しかしながら、エッジは、代わりに、エッジの低域通過フィルタリングされたバージョンによって表すことができ、それは、グレースケールぼけエッジに似ている。マスクにおけるポリゴン形状は、低域通過ラスター化関数を使用してラスター化することができる。この関数は、フィーチャの高周波数成分を除去し、低周波数成分のみを保持する。この関数は許容可能である-なぜなら、投影光学系が、実際には低域通過システムであるため、高(空間)周波数成分を、当然、フィルタリングして除去することになるからである。ラスター化演算において関数をよりコンパクトに、したがってより速くするために、低域通過ラスター化フィルタは、sincまたはsinc様関数の均一応答と比較して、周波数通過帯域において不均一応答を有するように設計される。低域通過ラスター化関数がその周波数通過帯域内で不均一応答を有する限りにおいて、等化フィルタ470は、不均一応答を補償するために付加することができる。M3Dフィルタ490は、その後、電磁散乱と等化の結合体である。
【0045】
上記で説明したアプローチは、例えば、1nmの増分で、異なる間隔Δを有するギャップフィーチャ画像について反復することができる。アプローチは、異なる配向および極性について反復することもできる。アプローチは、他の2エッジの、およびより複雑なフィーチャ画像について反復することもできる。
【0046】
方程式1は、直接畳み込みを使用して空間ドメイン内で計算し解くことができる。しかしながら、方程式1は、空間周波数ドメイン内で処理することもできる。量は、空間周波数ドメインに変換され、畳み込みは生成物になる。そして、等価方程式は、
【数3】
であり、ここで、FT{}はフーリエ変換である。
【0047】
図5~9に示す例を使用して、マスク作製プロセスの効果をここで考える。これらの例は、方程式1の以下の表現に基づく:
【数4】
ここで、IAREAはエリアフィーチャ画像であり、FFGおよびFBGは、対応するエリアM3DフィルタKAREAの表現である、バルクエリア内の前景および背景光反射率/透過率を表す。第1の合計は、エッジ画像のためのものであり、ここで、IEDGEはエッジフィーチャ画像であり、KEDGEは対応するM3Dフィルタである。第2の合計は、エッジツーエッジ(E2E:edge-to-edge)画像のためのものであり、ここで、IE2EはE2Eフィーチャ画像(平行なエッジを有する)であり、KE2Eは対応するM3Dフィルタである。方程式3のパラメータ済みバージョンは、
【数5】
によって示され、ここで、プライム’は、フィルタが方程式3のオリジナルフィルタのパラメータ済みバージョンであることを示す。
【0048】
以下は、考えられる幾つかのパラメータ化である。エリアフィルタは、乗法定数CBGおよびCFGによってパラメータ化され得る:
F’BG=CBGBG および F’FG=CFGFG (5A)
代替的に、加法定数(additive constant)が使用され得る:
F’BG=FBG+CBG および F’FG=FFG+CFG (5B)
エッジおよびE2Eフィルタは、乗法定数(multiplicative constant)Cおよび空間シフトまたはバイアスbによってパラメータ化され得る:
K’EDGE(x、y)=CEDGEEDGE(x-bEDGE、y) (6)
K’E2E(x、y)=CE2EE2E(x-bE2E、y) (7)
この例において、シフトは、座標xにあるが、シフト方向は、フィーチャ画像およびM3Dフィルタの配向に依存することになる。
【0049】
より高次のフィーチャの変化は、より低次のフィルタに影響を及ぼす場合もある。図5は、幅wのリッジフィーチャを使用する例を示す。この例において、マスク作製効果は、(w+Δ)の幅を有するリッジフィーチャのように振る舞うフィーチャをもたらす。このフィーチャが、図5の一番上の行に示すように、4つのフィーチャ画像:エリア画像、左エッジ画像、右エッジ画像、およびE2E画像に分割されると仮定する。これらの画像は変化しない。しかしながら、対応するM3Dフィルタ550A~Dは、差を説明するために調整される。例えば、エリアM3Dフィルタ550Aは、幅wのエリア画像に適用されると、幅(w+Δ)のエリア画像の散乱予測を生成するようにスケーリングされることになる。同様の調整は、2つのエッジフィルタ550B、CおよびE2Eフィルタ550Dに対して行われる。これらのフィルタに適用されるシフトbが異なる場合があることに留意されたい。フィーチャ画像の全てからのマスク補正済み寄与は、図5の一番下の行に示すように、合計されて、リッジフィーチャについてのマスク関数を生成する。
【0050】
図6~9は、4つの異なるマスク作製効果を使用する例を示す。図6A~6Cは、マスク側壁角度の変動を考慮する。理想的なシミュレーションにおいて、マスクフィーチャの側壁角度は、図6Aの上部マスクプロファイルに示すように、完全に垂直であると仮定され得る(90度の側壁)。作製されると、側壁は、図6Aの下部マスクプロファイルに示すように、傾斜しているとすることができる。図6Aのマスクプロファイルが、実際のマスクサイズより4倍小さいウェハスケールで示されることに留意されたい。この側壁変動は、マスクからの回折の変化を引き起こす。考えられる1つの効果はシャドウイングに関する。このタイプのマスクフィーチャは、シャドウを引き起こすが、非垂直側壁は、特にオフアクシス照明の場合、シャドウの量を低減することになる。これは、フィーチャを、垂直側壁を有する同じフィーチャより小さく見えさせることになる。示すマスクフィーチャは、エリア画像、2つのエッジ画像、およびE2E画像に分割され得る。1つのアプローチにおいて、非垂直側壁の効果は、対応するエッジおよびE2Eフィルタに空間シフトを適用することによって説明され得る。エリアフィルタは、角度付き側壁が、フィーチャの総光反射率/透過率に影響を及ぼすか否かに応じて、影響を受けるかまたは受けない場合がある。
【0051】
図6Bおよび6Cは、このアプローチの有効性を示す。この例において、公称マスクフィーチャは垂直側壁を有し、実際のマスクフィーチャは、2度偏垂直(88度の角度)である側壁を有する。図6Bは、88度側壁のシミュレーションによって予測された空間像(AI:aerial image)と本明細書で説明したアプローチによって予測された空間像との間の差をプロットする。x軸は、nm単位の空間シフトまたはバイアスbであり、y軸は、空間像間の差の正規化されたRMS値である。b=-0.3nmのバイアスは、より厳密なシミュレーションによって予測された結果に対して良好な一致を生じる。負バイアスは、アブソーバが公称より小さく見えることを意味し、それは、予想されるものと矛盾しない。図6Cは、同様のプロットであるが、限界寸法(CD:critical dimension)間の差のRMS値のためのものである。やはり、b=-0.3nmのバイアスは、より厳密なシミュレーションに対して良好な一致を生じる。b=0のバイアスは、未補正M3Dフィルタを使用する予測に対応する。
【0052】
図7A~7Cは、マスクスタック厚さの変動を考慮する。マスクフィーチャは、公称厚さの1つまたは複数の材料のスタックとして実施され得る。実際の厚さは、公称値より大きいかまたは小さい場合がある。スタックが吸収型である場合、より薄いスタックは、低減されたシャドウイング効果を有し、したがって、公称バージョンより小さく見える。厚さ変動は、全体の透過または反射の振幅および位相に影響を及ぼす可能性もある。これらの効果は、エッジベースフィルタをシフトさせ、エリアフィルタも調整することによって説明され得る。
【0053】
図7Bおよび7Cは、図6Bおよび6Cと類似しているが、厚さ変化のためのものである。この例において、公称厚さは76.5nmであり、実際の厚さは69nmである。図7Aのz軸が、マスクスケールより4倍小さいウェハスケールであるため、76.5nmマスクが、図7Aのzスケールに従って19.1nmとして見えることになることに留意されたい。図7Bおよび7Cは、空間像間の差のRMS値および限界寸法間の差のRMS値をそれぞれバイアスbの関数としてプロットする。対応するM3Dフィルタは、2つの方法で調整される。第1に、曲線720Bおよび720Cは、差メトリックをバイアスbの関数として示す。第2に、-8.09度の位相シフトも、エリアフィルタに適用される。曲線730Bおよび730Cは、-8.09度の位相シフトを含んで、差メトリックをバイアスbの関数としてプロットする。
【0054】
図8A~8Cは、屈折率(n)および誘電率(k)などのマスクの材料特性の変動を考慮する。これらの材料特性は、特定の公称値を有すると仮定されるが、作製されるマスクの実際の値は変動する場合がある。スタックが吸収型である場合、より低いコントラストの材料(すなわち、異なる材料間のnまたはkの差が公称値より小さい)、スタックは、より弱い回折を有することになり、公称バージョンより小さく見える場合がある。これらの変動は、全体の透過または反射の振幅および位相に影響を及ぼす可能性もある。これらの効果は、エッジベースフィルタをシフトさせ、エリアフィルタも調整することによって説明され得る。
【0055】
図8Bおよび8Cは、図7Bおよび7Cと類似しているが、屈折率の変化のためのものである。この例において、公称屈折率n=2.43であり、実際の屈折率n=2.3688である。対応するM3Dフィルタは、図7の場合と同様に調節される。曲線820Bおよび820Cは、差メトリックをバイアスbの関数として示す。第2に、-8度の位相シフトおよび1.0063の振幅スケーリングも、エリアフィルタに適用される。曲線830Bおよび830Cは、これらのさらなる調整を伴って、差メトリックをバイアスbの関数としてプロットする。
【0056】
最後の例として、マスク線形効果またはマスク近接効果を考慮する。公称値からのこれらの偏差は、短距離近接効果によって引き起こされ、マスクフィーチャに依存する。1つのマスクフィーチャの作製は、近くにある他のマスクフィーチャに影響を及ぼす場合がある。1つのアプローチにおいて、これらの効果は、パラメータ化済み3DMフィルタによって説明されるが、パラメータはフィーチャ依存性であるとすることができる。例えば、バイアスbは、
b=B+Cexp(-w/D) (8)
として表現され得、ここで、B、C、およびDは定数パラメータであり、wはフィーチャの幅である。バイアスbはフィーチャ依存性である。バイアスbは、より狭いフィーチャについてより大きく、より広いフィーチャについてより小さい。
【0057】
図9は、集積回路を表す設計データおよび命令を変換し検証するために、集積回路などの製造品の設計、検証、および作製中に使用されるプロセスの例のセット900を示す。これらのプロセスのそれぞれは、複数のモジュールまたは演算として構築され有効にされることができる。用語「EDA(Electronic Design Automation)」は、用語「電子設計自動化」を意味する。これらのプロセスは、設計者によって供給される情報を有する製品アイデア910の作成で始まり、その情報は、EDAプロセス912のセットを使用する製造品を作成するために変換される。設計が終了すると、設計はテープアウトされ934、テープアウトされるのは、集積回路用のアートワーク(例えば、幾何学的パターン)が、マスクセットを製造する作製施設に送られるときであり、アートワークは、その後、集積回路を製造するために使用される。テープアウト後に、半導体ダイは、作製され936、パッケージングおよび組み立てプロセス938は、完成集積回路940を生産するために実施される。
【0058】
回路または電子構造についての仕様は、低レベルトランジスタ材料レイアウトから高レベル記述言語に及ぶことができる。高レベルの表現は、VHDL、Verilog、SystemVerilog、SystemC、MyHDL、またはOpenVera等のハードウェア記述言語(「HDL(hardware description language)」)を使用して、回路およびシステムを設計するために使用することができる。HDL記述は、論理レベルレジスタ転送レベル(「RTL(register transfer level)」)記述、ゲートレベル記述、レイアウトレベル記述、またはマスクレベル記述に変換することができる。より詳細な記述であるより低い各表現レベルは、より有用な詳細、例えば、記述を含むモジュールについてのより多くの詳細を設計記述内に付加する。より詳細な記述である表現のより低レベルは、コンピュータによって生成される、設計ライブラリから導出される、または別の設計自動化プロセスによって作成されることができる。より詳細な記述を指定するためのより低レベルの表現言語における仕様言語の例はSPICEであり、SPICEは、多くのアナログコンポーネントを有する回路の詳細記述のために使用される。表現の各レベルにおける記述は、その層の対応するシステム(例えば、フォーマル検証システム)によって使用するために有効にされる。設計プロセスは、図9に示すシーケンスを使用することができる。記述されるプロセスは、EDA製品(またはEDAシステム)によって有効にされることができる。
【0059】
システム設計914中に、製造される集積回路の機能が指定される。設計は、電力消費、性能、面積(物理的および/またはコード行数)およびコストの減少等の所望の特性について最適化することができる。異なるタイプのモジュールまたはコンポーネントへの設計の分割は、この段階(stage)で起こりうる。
【0060】
論理設計および機能検証916中に、回路内のモジュールまたはコンポーネントは1つまたは複数の記述言語で指定され、仕様は機能正確度についてチェックされる。例えば、回路のコンポーネントは、設計される回路またはシステムの仕様の要件に一致する出力を生成することを検証されることができる。機能検証は、シミュレータおよびテストベンチ生成器、スタティックHDLチェッカ、およびフォーマル検証機等の他のプログラムを使用することができる。幾つかの実施形態において、「エミュレータ(emulator)」または「プロトタイピングシステム(prototyping system)」と呼ばれるコンポーネントの特別なシステムが、機能検証を加速するために使用される。
【0061】
テストのための合成および設計918中に、HDLコードはネットリストに変換される。幾つかの実施形態において、ネットリストはグラフ構造とすることができ、グラフ構造のエッジは回路のコンポーネントを示し、グラフ構造のノードはコンポーネントがどのように接続されているかを示す。HDLコードとネットリストは共に、階層的製造品であり、階層的製造品は、EDA製品によって使用されて、集積回路が、製造されると、指定された設計に従って働くことを検証することができる。ネットリストは、ターゲット半導体製造技術について最適化することができる。さらに、完成集積回路は、集積回路が仕様の要件を満たすことを検証するためにテストされることができる。
【0062】
ネットリスト検証920中に、ネットリストは、タイミング制約の順守およびHDLコードとの対応についてチェックされる。設計プラニング922中に、集積回路についての全体フロアプランが構築され、タイミングおよびトップレベルルーティングについて解析される。
【0063】
レイアウトおよび物理的実装924中に、物理的配置(トランジスタまたはキャパシタ等の回路コンポーネントの位置決め)およびルーティング(複数の導体による回路コンポーネントの接続)が行われ、特定の論理機能を有効にするためのライブラリからのセルの選択が実施されることができる。本明細書で使用するとき、用語「セル(cell)」は、ブール論理機能(例えば、AND、OR、NOT、XOR)または記憶機能(例えば、フリップフロップまたはラッチ)を提供する、トランジスタ、他のコンポーネント、および相互接続のセットを指定することができる。本明細書で使用するとき、回路「ブロック(block)」は、2つ以上のセルを指すことができる。セルおよび回路ブロックは共に、モジュールまたはコンポーネントと呼ばれることができ、両方の物理的構造としておよびシミュレーションにおいて有効にされる。サイズ等のパラメータは、選択されたセル(「標準的セル(standard cell)」に基づく)について指定され、EDA製品による使用のためにデータベースにおいてアクセス可能にされる。
【0064】
解析および抽出926中に、回路機能は、レイアウトレベルで検証され、それが、レイアウト設計の微調整を可能にする。物理的検証928中に、レイアウト設計は、DRC制約、電気的制約、リソグラフィ制約等の製造制約が正しいこと、および、回路部機能がHDL設計仕様に一致することを保証するためにチェックされる。解像度向上930中に、レイアウトの幾何学的形状は、回路設計が製造される方法を改善するために変換される。
【0065】
テープアウト中に、データが、リソグラフィマスクの生産のため(適切である場合、リソグラフィ向上が適用された後に)使用されるために作成される。マスクデータ準備932中に、「テープアウト」データは、完成集積回路を生産するために使用されるリソグラフィマスクを生産するために使用される。
【0066】
コンピュータシステム(図10のコンピュータシステム1000等)の記憶サブシステムは、本明細書で説明するEDA製品、および、ライブラリ用のならびにライブラリを使用する物理的および論理的設計用のセルの開発のために使用される製品の一部または全てによって使用されるプログラムおよびデータ構造を記憶するために使用することができる。
【0067】
図10は、コンピュータシステム1000の例の機械を示し、その機械内で、本明細書で論じる方法のうちの任意の1つまたは複数の方法を機械に実施させるための命令のセットの実行が可能である。代替の実装態様において、機械は、LAN、イントラネット、エクストラネット、および/またはインターネット内で他の機械に接続(例えば、ネットワークで接続)することができる。機械は、クライアントサーバネットワーク環境内でサーバまたはクライアント機械の能力内で、ピアツーピア(または分散)ネットワーク環境内でピア機械として、または、クラウドコンピューティングインフラストラクチャまたは環境内で、サーバまたはクライアント機械として動作することができる。
【0068】
機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、あるいは、その機械によってとられる行動を指定する命令のセットを(順次にまたはその他の方法で)実行することが可能な任意の機械とすることができる。さらに、単一機械が示されるが、用語「機械(machine)」は、本明細書で論じられる方法のうちの任意の1つまたは複数の方法を実施するために、命令のセット(または複数のセット)を個々にまたは連携して(jointly)実行する機械の任意の集合体を含むと考えられるものともする。
【0069】
例のコンピュータシステム1000は、処理デバイス1002、主メモリ1004(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)等のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックメモリ1006(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等))、および、バス1030を介して互いに通信するデータ記憶デバイス1018を含む。
【0070】
処理デバイス1002は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット、または同様なもの等の1つまたは複数のプロセッサを示す。より詳細には、処理デバイスは、複雑命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、ベリーロング命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、あるいは、他の命令セットを実装するプロセッサまたは命令セットの組み合わせを実装するプロセッサとすることができる。処理デバイス1002は、1つまたは複数の専用処理デバイス、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ、または同様なものとすることもできる。処理デバイス1002は、本明細書で説明する演算およびステップを実施するための命令1026を実行するように構成することができる。
【0071】
コンピュータシステム1000は、ネットワーク1020を通じて通信するネットワークインターフェースデバイス1008をさらに含むことができる。コンピュータシステム1000は、ビデオディスプレイユニット1010(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス1012(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス1014(例えば、マウス)、グラフィクス処理ユニット1022、信号発生デバイス1016(例えば、スピーカ)、グラフィクス処理ユニット1022、ビデオ処理ユニット1028、およびオーディオ処理ユニット1032を含むこともできる。
【0072】
データ記憶デバイス1018は、命令1026の1つまたは複数のセットあるいは本明細書で説明する方法または機能のうちの任意の1つまたは複数を具現化するソフトウェアが記憶される機械可読記憶媒体1024(非一時的コンピュータ可読媒体としても知られる)を含むことができる。命令1026は、機械可読記憶媒体を同様に構成するコンピュータシステム1000、主メモリ1004、および処理デバイス1002による命令の実行中に、主メモリ1004内におよび/または処理デバイス1002内に、完全にまたは少なくとも部分的に存在することもできる。
【0073】
幾つかの実装態様において、命令1026は、本開示に対応する機能を実装する命令を含む。機械可読記憶媒体1024が、例の実装態様において単一媒体であると示されるが、用語「機械可読記憶媒体(machine-readable storage medium)」は、命令の1つまたは複数のセットを記憶する単一媒体または複数媒体(例えば、集中または分散データベースおよび/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと考えられるべきである。用語「機械可読記憶媒体」は、機械による実行のための命令のセットを記憶またはエンコードすることが可能であり、本開示の方法のうちの任意の1つまたは複数の方法を機械および処理デバイス1002に実施させる、任意の媒体を含むとも考えられるものとする。用語「機械可読記憶媒体」は、固体メモリ、光媒体、および磁気媒体を含むが、それに限定されないと考えられるものとする。
【0074】
先行する詳細な説明の幾つかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する演算のアルゴリズムおよびシンボリック表現によって提示されてきた。これらのアルゴリズム記述および表現は、データ処理分野の専門家の作業の趣旨を他の専門家に最も効率的に伝えるためにデータ処理分野の専門家によって使用される方法である。アルゴリズムは、所望の結果をもたらす演算のシーケンスとすることができる。演算は、物理量の物理的操作を必要とする演算である。そのような量は、記憶される、結合される、比較される、そしてその他の方法で操作されることが可能な電気または磁気信号の形態をとることができる。そのような信号は、ビット、値、要素、シンボル、キャラクタ、期間、数字、または同様なものとして参照されることができる。
【0075】
しかしながら、これらのおよび同様の用語の全てが、適切な物理量に関連付けられ、これらの量に適用された好都合なラベルに過ぎないことが留意されるべきである。別段に具体的に述べられない限り、本開示から明らかなように、説明全体を通して、特定の用語が、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムメモリまたレジスタあるいは他のそのような情報記憶デバイス内の物理量としても表される他のデータに変換する、コンピュータシステムまたは同様な電子コンピューティングデバイスの行動およびプロセスを指すことが認識される。
【0076】
本開示は、本明細書の演算を実施するための装置にも関する。この装置は、意図される目的のために特別に構築することができる、または、この装置は、コンピュータ内に記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成されるコンピュータを含むことができる。そのようなコンピュータプログラムは、限定はしないが、それぞれがコンピュータシステムバスに結合された、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、および磁気光ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光カード、あるいは、電子命令を記憶するのに適する任意のタイプの媒体等の、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。
【0077】
本明細書で提示されるアルゴリズムおよびディスプレイは、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連しない。種々の他のシステムは、本明細書の教示に従うプログラムと共に使用することができる、または、方法を実施するためにより専用の装置を構築することが好都合であることがわかる場合がある。さらに、本開示は、任意の特定のプログラミング言語を参照して説明されない。種々のプログラミング言語が、本明細書で説明する本開示の教示を実装するために使用することができることが認識されるであろう。
【0078】
本開示は、命令が記憶されている機械可読媒体を含むことができるコンピュータプログラム製品またはソフトウェアとして提供することができ、命令は、本開示によるプロセスを実施するためコンピュータシステム(または他の電子デバイス)をプログラムするために使用することができる。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶するための任意の機構を含む。例えば、機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等のような機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体を含む。
【0079】
上記開示において、本開示の実装態様は、その特定の例の実装態様を参照して説明された。添付特許請求項に述べられる本開示の実装態様のより幅広い趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の修正が実装態様に対して行われることができることが明らかであることになる。本開示が単数の意味で幾つかの要素を参照する場合、2つ以上の要素が図に示されることができ、同様な要素は、同様の数字をラベル付けされる。本開示および図面は、それにより、制限的な意味ではなく、例証的な意味で考えられる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10
【国際調査報告】