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特表2024-539834自動車用ウインドウ積層構造体、そこに使用する熱可塑性積層シート構造体、及びそれが設けられた輸送車両
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  • 特表-自動車用ウインドウ積層構造体、そこに使用する熱可塑性積層シート構造体、及びそれが設けられた輸送車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】自動車用ウインドウ積層構造体、そこに使用する熱可塑性積層シート構造体、及びそれが設けられた輸送車両
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20241024BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20241024BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20241024BHJP
   B32B 3/20 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C03C27/12 Z
B60J1/00 J
B32B17/10
B32B3/20
C03C27/12 D
C03C27/12 F
C03C27/12 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518924
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 NL2022050525
(87)【国際公開番号】W WO2023059182
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】2029331
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522320453
【氏名又は名称】オートグラス ディーアンドケー ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】バルトロメウス レオナルダス マリウス ボルチャード ドリーハイス
【テーマコード(参考)】
4F100
4G061
【Fターム(参考)】
4F100AG00A
4F100AG00B
4F100AJ06E
4F100AK23D
4F100AK23E
4F100AK25E
4F100AK42E
4F100AK51D
4F100AK51E
4F100AR00C
4F100BA05
4F100BA41C
4F100CB00D
4F100CB00E
4F100DC25E
4F100GB32
4F100GB41E
4F100JA11E
4F100JB16C
4F100JB16D
4F100JB16E
4F100JG01C
4F100JG01E
4F100JL11D
4F100JL11E
4F100YY00E
4G061AA02
4G061AA30
4G061BA02
4G061CB03
4G061CB19
4G061CB20
4G061CD03
4G061CD18
(57)【要約】
本発明は自動車用ウインドウ積層構造体に関し、それは第1及び第2の平行かつ相互に離隔したガラスシートと、熱可塑性積層シート構造体と、を備える。積層シート構造体は第1及び第2のガラスシート間に配置され、積層シート構造体は、上面及び下面を有する少なくとも1層の機能層、少なくとも2層の結合層を備え、結合層は機能層の上面及び下面を覆う。結合層の一部分は機能層の周囲を越えて延在し、カプセル化層は、カプセル化層が機能層の周囲に沿って延在するように、第1及び第2のガラスシート間に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離隔した平行な第1のガラスシート及び第2のガラスシートと、
前記第1のガラスシート及び前記第2のガラスシート間に実質的に全体的に配置された熱可塑性積層シート構造体であって、
上面及び下面を有する少なくとも1層の機能層、並びに
前記少なくとも1層の機能層の前記上面及び下面を実質的に全体的に覆う少なくとも2層の結合層であって、該結合層の一部分が前記機能層の周囲の一部分を越えて延在する、少なくとも2層の結合層
を備える熱可塑性積層シート構造体と、
前記第1のガラスシート及び前記第2のガラスシート間に少なくとも部分的に位置するカプセル化層であって、前記機能層の周囲の少なくとも一部分に沿って延在する、好ましくは前記結合層が越えて延在する前記周囲の前記一部分に沿って延在する、カプセル化層と、
を備え、
前記カプセル化層の少なくとも一部が前記機能層の不活性部分によって形成された、自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項2】
前記カプセル化層が、全体的に前記機能層の前記不活性部分によって形成された、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項3】
前記結合層が、少なくとも部分的にポリビニルブチラール(PVB)及び/又は熱可塑性ウレタンからなる、請求項1又は2に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項4】
前記少なくとも1層の機能層は、少なくとも2層の熱可塑性層、及び前記少なくとも2層の熱可塑性層間の少なくとも1層のフィルム層を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項5】
少なくとも1層の熱可塑性フィルムの少なくとも一部が、前記少なくとも1層のフィルム層の周囲を越えて延在する、請求項4に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項6】
前記少なくとも1層の熱可塑性フィルムが、前記少なくとも1層のフィルム層を越えて少なくとも2mm、好ましくは少なくとも3mm、より好ましくは少なくとも5mm、延在する、請求項5に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項7】
少なくとも1層の熱可塑性層が、基本的に全体的に少なくとも1層の結合層の周囲まで延在する、請求項5又は6に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項8】
前記熱可塑性層は、少なくとも部分的にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセテートセルロース(TAC)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)からなる、請求項4から7のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項9】
前記少なくとも1層のフィルム層は、ポリマー分散型液晶デバイス、浮遊粒子デバイス、エレクトロクロミックデバイス及び/又はマイクロブラインドである、請求項4から8のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項10】
少なくとも1層の熱可塑性層の少なくとも一方の面に、導電性コーティング、好ましくはインジウムスズ酸化物(ITO)が、設けられた、請求項4から9のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項11】
前記機能層の前記不活性部分が、前記少なくとも1層のフィルム層、前記少なくとも1層の熱可塑性層及び/又は前記熱可塑性層の導電性コーティングの切欠き部分によって形成された、請求項4から10のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項12】
前記機能層の前記不活性部分は、該機能層の一体化部分である、請求項1から11のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項13】
前記カプセル化層が、前記機能層の周囲全体に沿って延在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項14】
前記少なくとも2層の結合層が、前記機能層の周囲全体に沿って該機能層の一部の周囲を越えて延在する、請求項1から13のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項15】
前記カプセル化層が、前記機能層の前記周囲に沿って延びる前記結合層間の空間を少なくとも部分的に充填し、前記結合層が前記周囲を越えて延在する、請求項1から14のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項16】
前記カプセル化層の厚さの少なくとも一部が、前記機能層の少なくとも一部の厚さに実質的に等しい、請求項1から15のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項17】
前記機能層の前記不活性部分の一部が、前記機能層に給電するためのコネクタを形成する、請求項1から16のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項18】
アノード及びカソードが前記機能層の同じ辺側に設けられ、特に該機能層の前記不活性部分に設けられた、請求項17に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項19】
導電回路が、熱可塑性積層体の前記機能層に少なくとも1つの接続部を介して電気的に接続された、請求項1から18のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項20】
前記機能層は、少なくとも2つ、好ましくは複数の、活性セグメントを備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項21】
前記少なくとも2つの活性セグメント、好ましくは該活性セグメントの各々が、前記導電回路の接続部に独立して接続され、各活性セグメントが前記導電回路に選択的に電気的に接続可能である、請求項19又は20に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項22】
非導電層が、前記導電回路の上部に設けられた、請求項19から21のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項23】
少なくとも1層の結合層が、前記機能層の少なくとも一部を封止し、好ましくは前記少なくとも1層の結合層は前記機能層の前記一部を不透過封止する、請求項1から22のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項24】
自動車用ウインドウ積層構造体に使用するための請求項1から23のいずれか一項において規定された熱可塑性積層シート構造体。
【請求項25】
請求項1から23のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体が設けられた、乗用車、バス又はトラックなどの、輸送車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ウインドウ積層構造体、自動車用ウインドウ積層構造体に使用する熱可塑性積層シート構造体、及び本発明に係る自動車用ウインドウ積層構造体が設けられた輸送車両に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、ポリマー分散型液晶(PDLC)、エレクトロクロム及び浮遊粒子デバイス(SPD)などの他の機能性フィルムなどの少なくとも1層の機能層を備える熱可塑性積層シート構造体が建築用ガラスにおいて広く使用されているが、より例外的に、自動車産業でも使用される。これにはいくつかの理由があり、それは、一般論であるが、自動車産業では、安全規制及び品質問題の双方において高い要求があるためである。例示として、自動車産業での承認は、所定の高さから鋼球をウインドウ積層構造体上に落下させるなどの破壊試験だけでなく光学性能及び沸騰試験などの非破壊試験も合格することを要する。
【0003】
現在、機能層を備えるほとんどの熱可塑性積層シート構造体は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など、そのプラスチックとの良好な結合特性に起因して、エチレンビニルアセテート(EVA)からなる結合層によって積層される。ただし、本発明は、これらの例示的材料に限定されない。さらに、EVAは加熱時に非常に低い粘度を有し、それにより、積層時にEVAが容易に熱可塑性積層シート構造体の層間の開口部/隙間に流入可能となり、特にこれらの開口部/隙間が大きくなる場合に流入可能となる。一方、EVAは、光学性能の観点では品質が低いことで知られる。これは、EVAは曇ったままであり、したがって若干不透明であるだけでなく、高粘度の積層剤の使用が与える光学歪みよりも高い光学歪みを含むことを意味する。これは、自動車ウインドウ構造体では望ましくない。さらに、EVAの強度は比較的低く、それにより、自動車用ウインドウの安全試験に合格するのが難しくなり、その低い強度を補償するために、通常は、自動車用ウインドウが受ける強度試験に合格するための厚めのPET層が熱可塑性積層シート構造体に使用される。しかし、その試験に合格し得るとしても、厚めのPET層によって自動車用ウインドウ積層体の重量が大幅に増加してしまう。代替物として、ポリビニルブチラール(PVB)が、積層プロセス時の結合層として使用され得る。PVBは、EVAよりも光学特性が大幅に良好であり、EVAと比較して強度も高いことで知られている。したがって、PVBを使用すると、自動車用ウインドウ積層構造体の重量の低減が実現され得る。しかし、PVBは加熱時に粘性がなく、熱可塑性積層シート構造体の層間の開口部/隙間を平坦化できない傾向にある。これは、導電性フィルムにポリマー分散物のための障壁を閉じ込め及び/又は与えるために縁部シールの使用も必要とする。
【0004】
一般に、熱可塑性積層シート構造体及び特にその機能層は、自動車用ウインドウ積層構造体のガラスシートの縁部まで全体には拡がらない。実際に、熱可塑性積層シート構造体の周囲のカプセル化は、自動車用ガラスには必須である。これは、一般に、0.38mmの結合層を機能層周囲のサイズに切断することによって行われる。特に、ガラスシートの間に割り当てられた機能層がない領域、これらの領域の開口部/隙間は、厚さの観点で補償される必要がある。機能層及び好ましくはさらに熱可塑性層の導電性コーティングがガラスシートの縁部に全体にわたって延在しないことの理由は、主に、気象条件、水分、酸素、(海岸付近の環境による又は道路の凍結防止剤による)塩分、ウインドウ拭取り液などが機能層と接触し又はそのいずれかの層の導電性コーティングと接触するのを防止するためである。そのような環境と熱可塑性積層構造体との間の接触によって、積層構造体に不具合が生じ、又は積層構造体が全く機能しなくなることさえある。比較的厚い機能層が使用される場合に機能層がウインドウのガラスシートの周囲まで延在しない場合の前述の開口部/隙間を充填することは特に重要である。これは、PVB及びTPUはより高い粘度を有するため、PVB及び/又はTPUが使用される場合に一層重要となる。上記開口部/隙間を充填することの必要性は、機能層の厚さが増加する場合、より重要となる。さらに、上記開口部/隙間を充填することの必要性は、機能層の厚さに依存するだけでなく、ガラスの厚さ、機能層の周囲とガラスの周囲との間の距離、ガラスの形状などにも関係し得る。上記開口部/隙間を充填しない場合、ガラスシートは、積層時のガラス内の不均一な圧力分布に起因して局所的にひび割れ又は破壊することになり得る。本質として、起こっていることは、機能層の周囲が折畳み線として機能することであり、その線上で、積層時に付与される真空によってもたらされる力に起因してガラスが折り畳まれることである。ガラスシートが曲がりすぎると、それらはその結果として破壊/ひび割れし得る。一方、上記開口部/隙間を充填しないことに起因して、それらが破壊又はひび割れない場合に局所的な空隙がガラスシート間に閉じ込められる場合も考えられる。当然に、それら全ての影響は、望ましくないものである。特に、これは、最近では薄いガラスの使用が標準となっている自動車産業における場合である。
【0005】
したがって、自動車産業では、ガラスシートの縁部から機能層を離隔することは、フレーム層によって実現される。そのフレーム層は、上記の開口部/隙間を充填し、好ましくは機能層がガラスシートの縁部(トリム)まで延在しない場合のいずれの箇所も充填する。このように、その積層時のより高い粘度に起因して、主に隙間がフレーム層によって充填されるため、PVBを結合材料として利用することが可能である。ただし、上記フレーム層は、幾つかの大きな不利益も有し得る。まず、フレーム層は、フィットする形状、すなわち、機能層の周囲にフィットする形状とされる必要がある。フレーム層の成形は、通常は手間のかかる仕事であり、正確に実行されなければならない。またさらに、機能層及びフレーム層が(PVB結合層のうちの1層であり得る)ベース層に付着される必要がある。また、この付着は、正確に行われなければならず、とりわけ、機能層及びフレーム層のいずれの局所的な重なりも防止しなければならない。このような重なりは「積層ミス」ともいわれ、機能層の破損又は損傷をもたらし得る。特定の要求によっては、フレーム層の製造及び取付けを自動化するのが困難となる。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の目的は、より効率的に及び/又は既存の製造技術の欠点なしに製造され得る自動車用ウインドウ積層構造体を提供することである。
【0007】
本発明は、この目的を以下の自動車用ウインドウ積層構造体を提供することによって達成できる。その自動車用ウインドウ積層構造体は第1のガラスシート及び第2のガラスシートを備え、当該第1及び第2のガラスシートは平行であり、相互に離隔される。自動車用ウインドウ積層構造体は、熱可塑性積層シート構造体を備え、当該熱可塑性積層シート構造体は第1及び第2のガラスシート間に実質的に全体的に配置され、当該積層シート構造体は上面及び下面を有する少なくとも1層の機能層並びに少なくとも2層の結合層を備え、少なくとも2層の結合層は少なくとも1層の機能層の上面及び下面を実質的に全体的に覆い、結合層の一部分が機能層の周囲の一部分を越えて延在する。自動車用ウインドウ積層構造体は第1及び第2のガラスシート間に少なくとも部分的に位置するカプセル化層を備え、そのカプセル化層は機能層の周囲の少なくとも一部分、好ましくは結合層が越えて延在する周囲の一部分に沿って延在する。カプセル化層の少なくとも一部は、機能層の不活性部分によって形成される。
【0008】
カプセル化層の少なくとも一部は機能層の不活性部分によって形成されるので、フレーム層の必要性は少なくとも部分的に排除され得る。そのため、自動車用ウインドウ積層構造体の製造を容易化することが可能となる。主に機能層に対するフレーム層の、又は本発明の場合にはカプセル化層の慎重な位置決めの負担が、本発明によって大幅に軽減され得る。カプセル化層は、この点について、機能層の機能部分が欠けている場所において、ガラスシート間、好ましくは結合層間の開口部/隙間(又は少なくともその一部)を充填し得る。用語「カプセル化層の一部」は、本発明に関しては、より容易な製造プロセスという有利な効果を実現するのに充分に大きな部分として理解されるべきである。そのため、機能層の不活性部分によって形成されるカプセル化層が機能層の周囲の一辺の縁部のみ、又は特に、例えば、熱可塑性層がコネクタ、特にマルチトラックコネクタとして作用するようにのみ使用される場合、機能層の周囲の一辺の縁部の半分のみに沿って延在することも考えられる。これは、カプセル化層の残余部が機能層の周囲の残余部分に容易に接続可能であるので、本発明の利益を既に実現していることになり得る。あるいは、機能層の周囲の残余部、すなわち、カプセル化層によって囲まれない周囲の部分に実質的にカプセル化層がない状態とすることも可能である。すなわち、機能層の周囲の一部のみにカプセル化層が設けられてもよく、カプセル化層は、第1及び第2のガラスシートに対する機能層の位置を維持するように位置決めされる。好ましくは、本発明に係る機能層は、切替可能な機能層などの調整可能な機能層である。
【0009】
本発明は、熱可塑性積層シート構造体も提供する。当該積層シート構造体は、実質的に全体的に第1及び第2のガラスシート間に配置され得る。それによると、積層シート構造体は、上面及び下面を有する少なくとも1層の機能層、少なくとも2層の結合層を備え得る。少なくとも2層の結合層は、実質的に全体的に少なくとも1層の機能層の上面及び下面を覆う。結合層の一部分は、機能層、カプセル化層の周囲の一部分を越えて延在し、カプセル化層は機能層の周囲の少なくとも一部分、好ましくは結合層が延在して越える周囲の部分に沿って延在する。カプセル化層の少なくとも一部は、機能層の不活性部分によって形成される。さらに、本発明は、少なくとも2層の熱可塑性層及びその少なくとも2層の熱可塑性層の間の少なくとも1層のフィルム層を備える機能層も提供する。当該機能層の少なくとも一部分は不活性部分であり、不活性部分は、好ましくは少なくとも1層の熱可塑性層の局所的切欠き部分によって形成される。当業者であれば、本発明に係るこれらの実施形態は、別個に又は本出願に提示される実施形態、特に、熱可塑性積層シート構造体に関する実施形態のいずれかと組み合わせて使用され得ることを認識するはずである。そのため、熱可塑性積層シート構造体に付随する全ての特徴は、熱可塑性積層シート構造体に向けて、単独で、すなわち、自動車用ウインドウ積層構造体から独立して適用されてもよい。
【0010】
好ましくは、カプセル化層は、全体的に機能層の不活性部分によって形成される。これは、従来技術に係るフレーム層の必要性が全体的に置換され得るため、特に有益である。この実施形態によると、別個のカプセル化層の必要性が回避され得る。すなわち、カプセル化層全体が機能層の不活性部分によって形成されるので、カプセル化層を形成する当該不活性部分は、機能部分の位置をガラスシートに対して及び/又は2層の結合層に対して保持することができる。この目的のため、不活性部分又はカプセル化層の周囲の少なくとも一部は、2層の結合層の周囲に揃えられ得る。これにより、最初にフレームを機能層の周辺に位置決めすることを要さずに、熱可塑性積層シート構造体全体をガラスシートの間に容易に位置決めすることが可能となる。好ましくは、機能層の不活性部分は、その製造時に既に生成されている。これにより、熱可塑性積層シート構造体を直接形成することが可能となり、最初に機能層を結合層の一方に対して位置決めする必要がなくなり、続いて、第2の結合層を機能層の上部に配置する前に機能層の周辺のフレーム層を非常に慎重に位置決めする必要がなくなることになる。一方、不活性部分を有する機能層は、その周囲において2層の結合層に容易に揃えられ得る。そのため、カプセル化層が全体的に機能層の不活性部分によって形成されるので、フレーム層を配置して当該フレーム層を位置決めするステップ全体が排除され得る。好ましくは、当該不活性部分は、少なくとも部分的に、好ましくは実質的に全体的に、電気的に絶縁される。これにより、アノード及びカソードを電源に接続するための導電回路を絶縁部分に設けることが可能となる。特に、適用される場合、複数の活性セグメントが存在する場合には複数の導電回路を機能層の不活性部分の当該絶縁部上に設けることが可能となる。好ましくは、当該機能層は、少なくとも1枚、好ましくは2枚の熱可塑性シートを備える。当該熱可塑性シートの相互に向き合う面に、例えば、ITOコーティング、特に20~150nmの薄いITOコーティングなどの導電性コーティングが設けられると好適である。当該熱可塑性シート間に、少なくとも1層の、エレクトロクロム、PDLC、SPD又は類似のフィルムなどの切替可能フィルム、特に2~100ミクロンの薄い切替可能フィルムが堆積される。当該機能層の少なくとも一部分は、不活性であり得る。これは、例えば、導電性コーティングの一部分、切替可能フィルム及び/又は少なくとも1層の熱可塑性層が局所的に除去及び/又は電気的に分離された場合であり得る。これは、当該不活性部分が当該機能層に、例えば、一体化されるなど、付着したままとなることを可能としつつ、機能層の「切替可能」な機能を局所的に除去することによって達成され得る。当該不活性部分は、このように、好ましくはカプセル化層の少なくとも一部分を形成する。機能層の好適な実施形態によると、一方の熱可塑性層は、少なくとも切替可能フィルム及び/又は第2の熱可塑性層の周囲を越えて延在する。周囲を越えて延在する当該部分、特にその上面は、少なくとも1つの非導電領域及び/又は電気的絶縁部分を備える。この点について、上面は、内側に向いて周囲を越えて延在する部分の面と理解され得る。そのため、当該上面には、少なくとも部分的に、導電性コーティングがなく及び/又は絶縁材料が設けられる。これにより、少なくとも部分的に導電性コーティングがなく及び/又は絶縁材料が設けられた当該部分が、導電回路のための基板として作用可能となる。特に、導電回路は、より好ましくは、切替可能フィルムを電源に接続するためのフレキシブルプリント回路(FPC)である。少なくとも部分的に導電性コーティングがなく及び/又は絶縁材料が設けられた部分は、特に、導電回路による機能層の電気的短絡を防止するので有利である。さらに、この不活性部分は、このように、カプセル化層の一部分を同時に形成し得る。熱可塑性層の導電性コーティングの除去はレーザによって実現されてもよく、それは導電性コーティングが付与された後に行われる。あるいは、導電性コーティングが特定の領域において熱可塑性層に付着されることを防止できる。これは、導電性コーティングが熱可塑性層の特定の領域に付与されるのを防止するシルクスクリーンによって実現され得る。さらに、導電性コーティングに絶縁材料が設けられることも考えられる。これにより、導電回路又はトラック(track)を、電力不足を起こさないようにしつつ絶縁材料上に設けることが可能となる。
【0011】
両結合層又は少なくとも一方の結合層が、少なくとも部分的にポリビニルブチラール(PVB)及び/又はTPUからなることが好適である。本発明は、結合層が少なくとも部分的にPVBから構成される場合に特に有利であることが分かっている。これは、積層温度におけるPVB及びTPUの粘度の高さに起因し、これによりカプセル化層の必要性が高まる。カプセル化層の必要性は、カプセル化層が緩い層、すなわち、フレーム層である場合、そしてそのためにPVB及び/又はTPUが結合層として付与される場合に、その正確な配置が必要となることを示すので、本発明の使用によって製造の容易化が可能となる。これは、カプセル化層の少なくとも一部が機能層の不活性部分によって形成されるためにもたらされ得るものである。一方、一方の結合層が少なくとも部分的にPVBからなるが、第2の結合層は少なくとも部分的に熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなることも考えられる。TPU及びPVBは、各々異なる特定を有するものの、相互に互換可能である。TPUでは、例えば、高温でのそれ自体の元素の移動性が低いだけでなく、軟質及び/又は硬質の架橋剤を容易に添加して機械的特性を設定することが可能となる。一方、PVBは、容易な着色を可能とする。そのため、2つの異なる結合層の組合せは、相乗的な効果をもたらし得る。
【0012】
好適な実施形態では、少なくとも1層の機能層は、少なくとも2層の熱可塑性層、及びその少なくとも2層の熱可塑性層間の少なくとも一方の、切替可能フィルムともいうフィルム層を備える。好ましくは、少なくとも1層の熱可塑性層の少なくとも一部は、少なくとも1層のフィルム層の周囲を越えて延在する。好ましくは、少なくとも1層の熱可塑性フィルムは、少なくとも1層のフィルム層を越えて少なくとも2mm、好ましくは少なくとも3mm、より好ましくは少なくとも5mm延在する。熱可塑性フィルムは、さらにフィルム層を越えて12mm以上まで延在し得る。少なくとも1層の熱可塑性層は基本的に機能層の残余部を越えて延在するので、より良好な機能層のシールが実現され得る。シールは、結合層によって実現されてもよく、水分が機能層の透過性材料を通じて侵入するのを防止し得る。さらに、熱可塑性積層体は、フィルム層及び第2の熱可塑性層以上に延在するので、積層時に結合層が充填すべき隙間は小さくなり、したがって、充填が容易となる。この目的のために、少なくとも1層の熱可塑性フィルムは、例えば、レーザによって機能性フィルムから除去されてもよく、好ましくはフィルム層も除去され、そのため、少なくとも1層の熱可塑性層は完全なまま残り、したがって機能層の他の層を越えて延在する。少なくとも1層の熱可塑性層が基本的に全体的に少なくとも1層の結合層の周囲まで延在することも考えられる。好ましくは、フィルム層及び他方の熱可塑性層を越えて延在する熱可塑性層は、基本的に全体的に少なくとも1層の結合層の周囲まで、すなわち、好ましくは、機能層の残余部を越えて延在する熱可塑性層に隣接する結合層の周囲まで延在する。当該熱可塑性層は、例えば、シートの結合層の縁部の0~3mm以内、好ましくは0~1mm以内であり得る。当該熱可塑性層が少なくとも1枚のガラスシートの周囲から0~1mmまで延在することも考えられる。この場合、結合層はガラスシートの周囲に全体的に延在することが好適である。熱可塑性層がこの端部まで延在する場合、機能層を結合層及びガラスシートに対して正しく配置するのが容易となり得る。好ましくは、少なくとも2層の熱可塑性層が等しい厚さのものでない場合、最も厚いものがフィルム層を越えて延在するように最も薄いものが除去される。
【0013】
少なくとも一方の熱可塑性層が切替可能フィルム及び/又は第2の熱可塑性層を越えて少なくとも10mm延在することが考えられる。好ましくは、当該越えて延在する部分は、少なくとも部分的に不活性であり、そのため、カプセル化層の一部分を形成し得る。好ましくは、機能層は、機能層を少なくとも1つの電源及び/又はスイッチング電源に接続するように構成された少なくとも1つの接続基板を備える。当該少なくとも1つの電源及び/又はスイッチング電源は、自動車バッテリ及び/又は処理装置などの外部電源であり得る。好ましくは、接続基板は、機能層、特にその不活性部分と少なくとも部分的に一体形成される。切替可能フィルム及び/又は第2の熱可塑性層を越えて延在する部分、好ましくは不活性部分が基板の少なくとも一部分を形成することが考えられる。当該基板上には、少なくとも1つの導電部分、好ましくは少なくとも2つの相互に分離した導電部分が付与され得る。当該導電部分は、機能層のアノード及び/又はカソードと外部電源との間の電気接続を確立するためのトレース又はトラックであり得る。好ましくは、基板には、少なくとも部分的にITOがない。これは、ITOコーティングを熱可塑性層から部分的に除去すること及び/又はITOコーティングが熱可塑性層の一部分に付与されないようにすることによって実現され得る。好ましくは、少なくとも一方の熱可塑性層は、第2の熱可塑性層と比較して厚い。特に、他方の熱可塑性層を越えて延在する熱可塑性層の方が厚い。これにより、電気トラックの印刷及び/若しくは付与、並びに/又は機能層のアノード及び/若しくはカソードへの接続をより良好なものとすることができる。また、一方の熱可塑性層が他方の熱可塑性層と比較して相対的に薄いため、この薄い熱可塑性層が除去されると結合層は隙間を充填することが可能となる。すなわち、カスケード部分を形成する。この目的のため、一方の熱可塑性層が約50ミクロンの厚さを有し、一方で第2の熱可塑性層が約180ミクロンの厚さを有することが考えられる。好ましくは、薄い方の熱可塑性層は、より良好な機能層のシールを可能とする少なくとも部分的にTPUからなる結合層に隣接して位置する。TPUは、より少ない移動性元素からなり、したがって機能層、少なくともその切替可能フィルムのシールの向上を与える。これは、本発明において説明するように、特にカスケード部分が存在する場合に有益である。アノード及びカソードという用語は、電流を説明するものである。一方、PDLC及びSPDのような切替可能フィルムは、偏極の影響を受けず、したがって逆さに接続されてもよい。そのため、アプリケーションがアノード及びカソードを指定する場合、これはそれぞれカソード及びアノードとしても理解され得る。
【0014】
延在する熱可塑性層は、基本的にカスケード部分を形成し得る。フィルム層又は切替可能フィルムを越えて延在する熱可塑性層及び他方の熱可塑性層によって形成される当該カスケード部分は、機能層の不活性部分の周囲の一部に位置し得る。すなわち、カスケード部分は、機能層の周囲に位置してもよく、好ましくは機能層の不活性部分の少なくとも一部に位置する。
【0015】
好ましくは、熱可塑性層は、少なくとも部分的にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセテートセルロース(TAC)及び/又はポリメチルメタクリレート(PMMA)から構成される。少なくとも1層のフィルム層は、特に、ポリマー分散型液晶デバイス、浮遊粒子デバイス、エレクトロクロミックデバイス及び/又はマイクロブラインドであり得る。ただし、本発明は、これらの例のみに限定されない。実際に、任意の機能性フィルムが、本発明の全体の発明のコンセプトに関して使用され得る。好ましくは、少なくとも1層の熱可塑性層の少なくとも一方の面に、導電性コーティング、好ましくはインジウムスズ酸化物(ITO)が設けられる。より好ましくは、両熱可塑性層の一方の面に、導電性コーティング、好ましくはITOが設けられる。特に、相互に向き合う熱可塑性層の面に、そのような導電性コーティングが設けられる。ただし、本発明は、導電性コーティングに限られず、導電層がコーティングの代わりに設けられ、及び/又は銀ナノ配線が付与されることも可能である。
【0016】
好適な実施形態によると、複数の機能層が設けられることが考えられる。複数の機能層は、例えば、3層の熱可塑性層及び2層の切替可能フィルムを備える。この点について、中央の熱可塑性層には、導電性コーティング、好ましくはITOコーティングがその両面に設けられてもよい。PDLC及びSPDなどの2つの異なる種類の切替可能フィルムを与えて異なる機能を提供することができる。さらに、より多くの機能層も考えられ、当業者であれば、特定のニーズに対して機能層の数を調整することを容易に実現するはずである。
【0017】
機能層の不活性部分が少なくとも1層のフィルム層、少なくとも1層の熱可塑性層及び/又は熱可塑性層の導電性コーティングの切欠き部分によって少なくとも部分的に形成されると、さらに有利である。切欠き部分は、レーザ切欠き部分であり得る。レーザによって、正確な切込みが作製可能であり、それは機能層を通じて全体にわたって延在する必要はない。この点について、切欠き部分は、電力不足及び/又は電気的短絡を防止するように、少なくとも1層のフィルム層、少なくとも1層の熱可塑性層及び/又は熱可塑性層の導電性コーティングの間の分離を形成する。好ましくは、レーザが、熱可塑性積層面に向けて垂直に向けられる。これは、残余層の剥離を防止する。ただし、例えば、フライス加工又はマイクロフライス加工など、上記機能層を通じて全体にわたって延在しない切欠き部分を付与する代替の方法も適用可能である。好ましくは、切欠き部分は、熱可塑性積層の少なくとも1層及びフィルム層の一部を通じて延在する。このように、切欠き部分は、少なくとも一方、好ましくは両熱可塑性層に付与される導電性コーティングを通じて局所的に切り込む。この目的のため、切欠き部分は、連続的な切欠き部分、又は少なくとも機能層の周囲の一点から周囲の他の異なる点まで延在する切欠き部分であることが好適である。これは、機能層の不活性部分をもたらし、特に、連続的切欠き部分の内部が活性部分を形成し、又は少なくとも上記周囲上の点の間に延在する切欠き線によって分離される面の一方が機能層の活性部分を形成することになる。熱可塑性層の少なくとも1層に設けられた機能層の活性部分の導電性コーティングに切込み線が設けられることも考えられ、当該切込み線は電界を分離する。好ましくは、当該切込み線は、機能層の活性部分の周囲の一辺から機能層の活性部分の周囲の対辺まで延在する。そのため、当該切込み線は、活性部分を、導電性コーティングの2つの隣接する分離した面に分離し得る。好ましくは、導電性コーティングの2つの隣接する分離した面は、等しくサイズ取りされる。導電性コーティングに加えて、熱可塑性層が局所的に削除されることが考えられる。これは、レーザ切削によって実現され得る。切込み線が導電性コーティングに2以上の分離した面を形成する態様に起因して、コネクタが積層体の周囲の一辺に位置することを可能とする電気回路が形成されてもよく、一方が分離した面の各々に、より具体的には当該切込み線によって導電層上に形成された各面に接続される。これにより、電流が、一方のコネクタから、導電性コーティングの少なくとも2つの分離した面の一方を通じて、続いてフィルム層を通じて、その後に対向する熱可塑性層の依然完全な導電性コーティングを通じて流れ、続いて、隣接する分離した面のフィルム層(すなわち、液晶)を通じて他方のコネクタに戻ることが可能となる。このように、アノード及びカソードのコネクタを周囲の同じ辺側、特に熱可塑性層の同じ辺側にも有しつつ、液晶を活性化させる電流が活性化されることを可能とする回路が形成される。
【0018】
更なる好適な実施形態では、機能層の不活性部分は、機能層の一体化部分である。そのため、この点について、一体化部分は、機能層の機能部分から電気的に分離された機能層の熱可塑性層の一部によって形成され得る。すなわち、好ましくは機能層の不活性部分全体が、機能層の活性部分に少なくとも部分的に付着される。これはカプセル化層を充分に硬くすることができ、更なる有利な効果は、当該カプセル化層の厚さが基本的に機能層の厚さに等しく、すなわち、局所的切欠き部分とは別であることである。そのため、機能層の不活性部分の上面及び下面は、基本的に機能層の上面及び下面と面一となる。不活性部分は機能層の一体化部分であるので、追加の構造的利益が実現され得る。
【0019】
好ましくは、カプセル化層は、機能層の周囲全体に沿って延在する。これにより、カプセル化層全体が機能層の不活性部分によって形成される場合に機能層の最良の位置決めとなる。カプセル化層が機能層の周囲全体に沿って延在する場合、ガラスシートの周囲に対する機能層又はその活性部分の、より良好な支持が実現される。
【0020】
好ましくは、少なくとも2層の結合層が、機能層の周囲全体に沿って機能層の一部の周囲を越えて延在する。これは、機能層がガラスシートの縁部に対して充分な間隔を有することを保証する。機能層の周囲を越えて延在する2層の結合層間に存在する隙間全体は、好ましくはカプセル化層によって充填される。一方、既に述べたように、隙間の一部のみが充填されることも可能となる。この点について、カプセル化層全体が機能層の不活性部分によって形成される場合、機能層は機能層の機能部分とみなされることになる。そのため、カプセル化層全体が機能層の不活性部分によって形成される場合、少なくとも2層の結合層は、好ましくは機能層の活性部分の周囲全体に沿って、機能層の活性部分の周囲を越えて延在する。一方の熱可塑性層が機能層の残余部、特に他方の熱可塑性層及びフィルム層の周囲を越えて延在する場合、結合層は少なくとも当該残余部分を越えて、ただし任意選択的に、さらにフィルム層を越えて延在する熱可塑性層を越えて延在することも考えられる。
【0021】
カプセル化層が、機能層の周囲に沿って拡がる結合層間の空間を少なくとも部分的に充填することも好適であり、結合層は当該周囲を越えて延在する。上記に説明したように、結合層が当該周囲を越えて延在する機能層の周囲に沿って拡がる結合層間の空間は、好ましくは全体的に充填される。これは、カプセル化層によって実現され得る。この目的のため、これは、カプセル化層全体が機能層の不活性部分をはみ出て形成される場合、及びカプセル化層又は機能層の当該不活性部分が機能層の周囲全体の周辺に延在する場合に有益である。機能層の不活性部分の上面及び下面は機能層の残余部と面一となるので、これにより上記空間を正確かつ容易に充填することが可能となる。あるいは、当該空間がカスケード態様で充填されることも可能である。このカスケードも不活性部分をはみ出て形成され、不活性部分の高さはガラスシートの縁部から機能層の活性部分に向かう方向に増加する。これらのカスケードは、切欠き部分によって形成されてもよい。例えば、機能層の熱可塑性層のストリップが除去され得る。熱可塑性層の当該除去ストリップは、例えば、レーザ切削によって除去され、不活性部分が1層の熱可塑性層及び1層のフィルム層のみによって形成されるように機能層の不活性部分全体において除去され得る。さらに、フィルム層のストリップがさらに除去されてもよく、除去されるフィルム層のストリップは、除去される熱可塑性層のストリップよりもガラスシートの縁部の方に位置する。カスケードストリップがガラスシートの縁部から機能層の活性部分に向かう方向において充分に広い場合、高さの相違は、結合層、特にPVB及び/又はTPUによって説明され得る。これは、本発明によると、局所的切欠き部分が正確に適用され得るので可能となる。
【0022】
好ましくは、カプセル化層の厚さの少なくとも一部は、機能層の少なくとも一部の厚さに実質的に等しい。これにより、結合層によって充填される開口部/隙間の体積が大幅に減少するので、結合層を非常に薄くすることが可能となる。当該結合層は、熱可塑性積層体の縁部シールを形成し得る。縁部シールの1つの機能は、積層プロセス中に一時的な支持を分散ポリマーフィルムの縁部に与えて縁部における局所的な剥離を防止することである。カスケード化セグメントは、そのような局所的剥離を防止し得る。そのため、カスケード縁部が使用される場合には、縁部シールは適用されるべきではない。好ましくは、熱可塑性積層構造体は、カスケード縁部を有する。好ましくは、カスケード縁部は、カプセル化層によって形成される。この目的のため、カプセル化層の一部分は、カスケード態様で除去され得る。すなわち、カプセル化層の不活性部分の一部、特に、不活性部分の周囲部分における機能層の1層の熱可塑性層及びフィルム層の一部は、例えば、レーザによって除去される。これにより、カスケード構造体が形成されるので、ガラスシートの破損はもたらされず、結合層はこれを徐々に充填することができる。カスケード化部分は、さらに、剥離を防止し、長期的に積層体の不透過性を増加させる。この問題について、カスケード、特に周囲を越える部分の長さ及び結合層の透過係数には関係がある。
【0023】
更なる好適な実施形態では、機能層の不活性部分の一部は、機能層に給電するためのコネクタ及び/又はFPCを形成する。機能層の不活性部分は、このように、機能層、特にその活性部分に給電するのに使用され得る。コネクタは、機能層の不活性部分の一部に局所的に付着された導電材料のストリップによって形成され、又はそのような不活性部分によって形成され得る。導電性コンジットである回路が、機能層内のLEDライト、近距離通信(NFC)又は他の組込み電子部品などの機能部に給電するように印刷されることも考えられる。
【0024】
好ましくは、アノード及びカソードが、機能層の同じ辺側に、特に機能層の不活性部分に設けられる。好ましくは、少なくとも2つの切欠きノッチが、機能層の対辺に、好ましくは、電界を分離する導電性コーティング内の切込み線に重ねて設けられる。好ましくは、当該ノッチは、少なくとも機能層の周囲から機能層の切欠き部分まで延在する。機能層の一辺が、同じ縁部上にあるものとして理解されるべきであり、アノード及びカソードが切欠きノッチ間に延在する切込み線の対辺に位置する。さらに、アノード及びカソードが、切欠きノッチの1つによって相互に分離されることが好適である。そのため、コネクタが、この実施形態に係るアノード及びカソードによって形成され得る。アノード及びカソードが機能層の同じ辺側に配置されるため、ウインドウが配置される自動車の電子部品への接続を容易化することができる。切欠き及び切込み線が反復されて、別個に活性化可能な複数のセグメントを提供することができる。
【0025】
好ましくは、導電回路が、少なくとも1つの接続部を介して熱可塑性積層体の機能層に電気的に接続される。当該導電回路が、熱可塑性層の一方、好ましくはフィルム層を越えて延在する熱可塑性層に設けられることが考えられる。導電回路は、熱可塑性層のITOコーティングなどの導電性コーティングに電気的に接続され得る。当該導電回路は、平坦な及び/又は柔軟なプリント回路によって形成され得る。導電回路は積層構造体によって形成されることが考えられ、当該積層構造体は少なくとも2層のPET及び/又はポリイミドを含み、導電層はPET及びポリイミドの層間に位置し、当該導電層はポリイミドの層間に設けられた錫、銅、銀又は金であり得る。導電回路は、代替的に、熱可塑性層上の導電層及び/又はコーティング層を局所的に除去することによって形成されてもよい。さらに他の代替例では、導電回路がプリント導電回路であり、導電回路は熱可塑性層上に導電インクによって印刷される。好ましくは、導電回路は、その導電特性が知られているので銀を含み、及び/又はより良好な腐食保護が必要な場合には錫クラッド金属を含む。当該導電回路は、例えば、機能層、特に基板を越えて延在する機能層の熱可塑性層上に設けられ得る。接続部は、例えば、導電回路と、熱可塑性層の導電性コーティング、好ましくはITOコーティングとの間の導電リンクによって形成され得る。機能層の少なくとも一方の熱可塑性層は他方の熱可塑性層及び/又は切替可能フィルムを部分的に越えて延在することが考えられる。好ましくは、当該越えて延在する部分は基板を形成し、好ましくは当該基板にはITOコーティングがない。導電回路は、機能層の残余部を越えて延在する熱可塑性層の部分上に、特に基板上に設けられ得る。ITO(又は同様に機能する代替物)コーティングは、この熱可塑性層(基板)の部分から部分的に除去されるので、機能層を電気的に接続する態様を簡素化しつつも電力不足及び/又は電気的短絡は起こらないことになる。
【0026】
任意選択的に、機能層は、少なくとも2つ、好ましくは複数の活性セグメントを備える。当該活性セグメントの各々は、本発明において説明されるような切込み線によって分離され得る。当該切込み線は、隣接セグメント間のITOコーティング(又は同様の代替コーティング)の分離を(局所的に)与える。これは、1つのセグメントが活性化される場合に、電力不足及び/又は電気的短絡が起こるのを防止する。これにより、コネクタが全て機能性フィルムの周囲の同じ辺側に位置することが可能となる。好ましくは、少なくとも2つの活性セグメント、好ましくはその活性セグメントの各々が、導電回路の接続部に独立して接続され、各活性セグメントが導電回路に選択的に電気的に接続されることを可能とする。この点について、当該導電回路は、上記のような特殊柔軟プリント回路であってもよく、それは、少なくとも2つ、好ましくは複数の固有の導電チャネルを、各導電チャネルが固有の活性セグメントに接続され得るように導電層内に備える。好ましくは、機能層は、2以上のコネクタ及び/又は組み合わせたコネクタを備える。好ましくは、各コネクタは、活性面を電源に接続するように構成される。好ましくは、全てのコネクタは、機能層の周囲の同じ縁部上にある。これにより、より小型の設計が可能となる。
【0027】
好ましくは、機能層の少なくとも1層の熱可塑性層の1つの内向き面に、1本以上の切込み線が設けられる。好ましくは、当該切込み線は、ITOコーティング(又は同様の代替コーティング)の隣接面を局所的に物理的に分離する。これにより、複数のセグメントが形成可能となる。切込み線は、好ましくは、成形された線であるが、部分的に曲線状及び/又は直線状であってもよい。そのため、合計2本の切込み線が、当該機能層の合計3個の独立制御可能な活性セグメントに対して設けられ得る。少なくとも2本以上の、好ましくは実質的に平行な切込み線が、少なくとも3個の平行な活性セグメントを提供するために設けられることが考えられる。当該切込み線は、本出願において説明するように、電力不足を防止するように、熱可塑性層上に付与される導電性コーティングを分離する。両熱可塑性層がITOコーティングの少なくとも2以上の相互に分離した面を備えるように、機能層の両熱可塑性層に1本以上の切込み線が設けられることも考えられる。好ましくは、2以上のITO面を有する当該2層の熱可塑性層は、相互に略平行であり、両熱可塑性層の切込み線は、好ましくは相互に交差するように、角度を有する。このように、画素を表し得る切替可能なセグメントを形成することも可能となり得る。すなわち、両熱可塑性層の2つのITO面は、機能層上の画素として配向される4個の活性セグメントを確立し得る。本出願は切込み線を記載するが、ITOコーティング(又は同様のコーティング)の分離した面を実現する代替の態様が利用可能であるとも考えられ、それらは本発明によって排除されない。したがって、切込み線は、必ずしも、ITOコーティングを通るレーザなどによる切削を伴わず、ITOコーティングの2つの分離した面を単に付与するものとしても理解され得る。本出願において切込み線に言及する場合、これを分離線ともいうことがある。特に、そのような分離線は、導電性コーティングの2つの面を局所的に分離する。
【0028】
好ましくは、非導電層が、導電回路の上部に設けられる。この非導電層は、導電回路内の短絡を防止し得る。当該非導電層は、例えば、接着非導電テープであってもよいし、又は導電回路上に非導電材料で印刷されてもよい。その非導電テープは、導電回路を覆うカプトンテープであり得る。さらに、非導電層を導電回路の上部に備える本実施形態が逆の順序で適用されることも考えられ得る。すなわち、熱可塑性層の導電性コーティングの上部に非導電層を設け、非導電層の上部に導電回路を設けることも考えられ得る。このように、全てのコネクタが機能層の周囲の同じ辺側及び熱可塑性層の同じ辺側となることを依然として可能としつつ電力不足も回避され得る。機能層のアノード及びカソードに対するトラック及び/又は接続部が、機能層を越えて延在する熱可塑性層上に設けられ、外部の、好ましくは耐候性コネクタがトラック及び/又は接続部に接続されることも考えられる。これにより、トラック又は接続部が環境から保護される。当該外部の、好ましくは耐候性コネクタも、柔軟なプリント回路であり得る。
【0029】
少なくとも1層の結合層が、機能層の少なくとも一部を封止し、好ましくは当該少なくとも1層の結合層が機能層の当該一部を不透過封止することが考えられる。好ましくは、当該少なくとも1層の結合層は、2層の熱可塑性層間に位置するフィルム層を不透過封止する。好ましくは、少なくとも1層の結合層は、水分がフィルム層に侵入するのを防止する。機能層は水分の影響を受け易いので、これは機能層の劣化を防止し得る。シールは、例えば、結合層が高粘度となるにつれて積層プロセス中に確立され得る。機能層を少なくとも1層の結合層で封止することによって、積層プロセスを開始する前にテープなどの形態の縁部シールを適用する必要がなくなる。この実施形態は、機能層のカスケード化縁部との組合せにおいて、特に適切であることが分かっている。すなわち、一方の熱可塑性層がフィルム層及び他方の熱可塑性層を越えて延在する。
【0030】
本発明は、さらに、自動車用ウインドウ積層構造体における使用のための、本発明に係る熱可塑性積層シート構造体に関する。本発明は、さらに、本発明に係る自動車用ウインドウ積層構造体が設けられた乗用車、バス又はトラック(truck)などの輸送車両に関する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、従来技術に係る自動車用ウインドウ積層構造体の断面の一部を示す。
図2図2は、本発明に係る第1の実施形態の断面の一部を示す。
図3図3は、熱可塑性積層シート構造体の実施形態の上面図を示す。
図4a図4aは、図3の熱可塑性積層シート構造体の断面を示す。
図4b図4bは、図3の熱可塑性積層シート構造体の断面を示す。
図5a図5aは、異なる実施形態及び自動車用ウインドウシートに係る熱可塑性積層シート構造体の上面図を示す。
図5b図5bは、異なる実施形態及び自動車用ウインドウシートに係る熱可塑性積層シート構造体の上面図を示す。
図6図6は、図5aの熱可塑性積層シート構造体の断面を示す。
図7図7は、図5aに係る自動車用ウインドウ積層構造体の断面を示す。
図8図8は、異なる実施形態に係るウインドウ積層体の上面図を示す。
図9図9は、図8に示す線E-Eの断面を示す。
図10図10は、図8に示す線F-Fの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明を、以下の図面に示す非限定的な実施形態を参照してさらに説明する。
【0033】
図1は、従来技術に係る自動車用ウインドウ積層構造体1の一部の一例を示す。自動車用ウインドウ積層構造体1は、双方とも平行でかつ相互に離隔した第1のガラスシート2及び第2のガラスシート3を備える。第1及び第2のガラスシート2、3の間には、熱可塑性積層シート構造体4が割り当てられる。当該積層シート構造体4は、2層の結合層6及びこれらの結合層6の間の1層の機能層5によって形成される。機能層5は、2層の熱可塑性層10及び1層のフィルム層11を備える。図示するように、2層の結合層6は、さらにガラスシート2、3の縁部に向かって延在する。2層の結合層6の間の開口部/空間内では、それらが機能層5を越えて延在する場所に別個のカプセル化層7が位置決めされる。当該カプセル化層7の機能は、ウインドウ積層構造体1の製造時に機能層5を適所に維持することであり、ガラスシート2、3の縁部に関して機能層5の位置を維持することである。
【0034】
図2は、本発明に係る自動車用ウインドウ積層構造体1の非限定的な実施形態を示す。第1及び第2のガラスシート2、3の間には、熱可塑性積層シート構造体4が割り当てられる。積層シート構造体4は1層の機能層5を備え、機能層5は、その上面及び下面において、少なくとも2層の結合層6によって(実質的に)全体的に覆われる。
【0035】
機能層5は、不活性部分8及び活性部分9を備える。不活性部分8及び活性部分9は、機能層5の一体化部分である。カプセル化層7は、機能層5の活性部分9を適所に維持するために設けられる。カプセル化層7は、この非限定的な実施形態では、機能層5の不活性部分8からはみ出して形成される。これにより、別個のカプセル化層7の使用が排除され、製造プロセスが大幅に迅速化され得る。さらに、不活性部分8は、機能層5の切欠き部分12によって不活性化される。切欠き部分12は、例えば、機能層5からレーザ切削によって切り取られ得る。熱可塑性層10は、フィルム11に向くそれらのそれぞれの面に、導電性コーティングを有する。機能層5の切欠き12は、熱可塑性層10の少なくとも1層の導電性コーティングを局所的に破壊し、2つの対向するコーティングを当該切欠き12によって相互に接続するのにも使用され得る。熱可塑性積層シート構造体4は、機能層5に関して精密な配置を必要とする別個のカプセル化層7の必要性を回避するので、使用に際して便利である。ガラスシート2、3の2層間のわずかな重なりは、その局所的なひび割れ、断裂又は破損をもたらし得る。本発明によると、カプセル化層7は一体化層であり、それにより、機能層5に対するカプセル化層7の精密な配置の要件が排除され得る(それらは一体形成されているため)。このように、機能層5の配置だけで充分であり、それにより、機能層5の周辺のフレーム層の精密かつ正確な位置決めの必要性がなくなる。それは、カプセル化層7は機能層5の不活性部分8として一体形成されているため、実現され得る。そのため、当該不活性部分8は、活性部分9がガラスシート間のその位置に保持されることを可能とする。
【0036】
図3は、本発明に係る機能層5の上面図を示す。模式的に示すように、切欠き(切欠き部分)12は、機能層5の活性部分9全体の周辺に延在する。このように、切欠き12は、活性部分9とカプセル化層7の間に割り当てられる。したがって、カプセル化層7は、この非限定的な実施形態では、実質的に全体的に機能層5の不活性部分8によって形成される。すなわち、切欠き12がこのような観点で一種のフレームを画定するので、フレームの内側部分を活性に維持し(活性部分9という)、フレームの外側部分は切欠き12によって不活性とされる。すなわち、上記のように、2層の外側熱可塑性層の一方が切断され、それにより、その上層の導電性コーティング又は層を切断し、それにより、フレームの外側部分を非活性化する。2つの電力接続部14、14´が、本図において機能層5の一辺側に図示されている。従来技術によると、当該電力接続部を配置する必要がある場合、それはいずれかの導電材料からなることになり、両対辺に堆積されなければならいが、本発明はより利便性の高い同じ辺側での配置を可能とする。これは機能層5における2つの切欠きノッチ13によって実現され、1層又は2層のみを切り取る切欠き12に対して、切欠きノッチ13は機能層5全体を局所的に除去する。切欠きは、少なくともカプセル化層7の周囲から切欠き12まで延在しなければならない。このように、アノード側及びカソード側は、機能層5に形成され得る。ここで、アノード側及びカソード側は、2つの切欠きノッチ13の間に延在する仮想線の上下に位置する。1つの電力接続部が機能層の一辺側の切欠きノッチ13の片側に設けられるので、これにより、ガラスシート間の容易な接続が可能となる。これは主に電力接続部14、14´が同じ辺側にあるためであり、これは積層ガラス構造体の複数辺での電気接続の必要性を回避し得るからである。これは、全ての困難な切削、特に全てのレーザ動作が一辺側から行われ得るので、その製造時に機能性フィルムが捲れるのも防止し、それにより、より容易かつ良好な製造の制御が可能となる。後者の利点は、電力接続部が周囲の同じ辺側、特に機能層5の同じ熱可塑性層にある場合には一般に本発明に当てはまる。2本の切欠きノッチ13の間の仮想線も線A-A´によって示され、それは線B-B´とともにそれぞれ図4b及び4aにおいて詳細に説明される。
【0037】
図4aは、図3の線B-B´にわたる断面図を示す。図4bは、図3の線A-A´にわたる断面図を示す。図4aから明確に視認可能なように、切欠き12は、上部の熱可塑性層10からフィルム層11まで延在する。このように、下部の熱可塑性層10に向く上部の熱可塑性層10の側に設けられた導電性コーティング又は層は破壊される。このように、機能層5の不活性部分8が形成される。同時に、この不活性部分8は、カプセル化層7の機能を果たす。そのため、カプセル化層は、機能層5の一体化部分であり、機能層5の不活性部分8の一体化部分である。図4bは、コネクタ(電力接続部)14の存在も示す。線A-A´は切欠きノッチ13を通じて延在するので、これらの部分は破線によって模式的に示されている。また、この断面では機能層5の活性部分9のみが存在するため、切欠き12は破線によってのみ示される。一方のコネクタ14がより手前に(すなわち、紙面から出る方向に)存在する層に設けられ、第2のコネクタ14がより奥側に(すなわち、紙面に入る方向に)存在する層に設けられるので、機能層5のアノード及びカソード側が画定され得る。当該アノード及びカソード側は、切欠きノッチ13によって相互に分離される。これにより、コネクタ14が機能層5の同じ辺に沿って配置可能となり、自動車用ウインドウが自動車に配置される場合に機能層を自動車の電源に接続する層について利便性が高まる。
【0038】
図5a及び5bは、本発明に係る異なる実施形態を示す。図5aは、複数の活性セグメント(活性面)17を備える機能層5を示す。そのため、機能層5の活性部分9は、当該セグメント17からなる。セグメントは、切込み線18によって相互に分離される。当該切込み線18は、非常に細く、したがって、当該機能層5を通じた視界をほとんど遮ることはない。切込み線18は、活性面17の各々が相互に電気的に分離され、又は少なくともそれらのそれぞれの導電性コーティングが相互に分離されるように、熱可塑性層の一方の導電層(不図示)を通じて切り取る。このように、1つの導電回路16が、活性セグメント17の各々を別個に接続するのに使用され得る。導電回路16は、好ましくは機能層5の不活性部分8に設けられ、好ましくは、熱可塑性層、より詳細には部分的に機能層5の活性部分9を越えて延在する当該熱可塑性層の導電層に設けられる。図5bはガラスシート2を示し、当該ガラスシート2には黒色のマスキング部分15が設けられる。好ましくは、当該マスキング部分は、機能層5の不活性部分8の少なくとも一部を、好ましくは、積層構造体からはみ出る1以上のコネクタ14のための基板として使用される不活性部分8の一部分を除いて、全体的に覆うのに充分大きなものである。さらに、当該マスキング部分15は、活性セグメント17を電源に電気的に接続する導電回路16も覆い得る。機能層5の不活性部分8は、1以上のトラック(track)22又は導電回路22のための基板となり得る。当該トラック22又は導電回路22は、好ましくは、電源(電力接続部)14又はコネクタ14を独立した活性セグメント17に接続する。理解できるように、全てのトラック22又は導電回路22は機能層5の周囲の一辺にあり、これにより接続が効率的となる。さらに、導電回路22はまた(より詳細を図7に示すように)熱可塑性層10の同じ面にあり、これにより製造が非常に効率的となる。
【0039】
図6は、図5aに示すような部分B-Bに沿う機能層5の断面を示す。ここで、機能層5を、明瞭化のために分解図で示す。図示するように、機能層5は、切欠き部分12によって相互に分離された活性部分9及び不活性部分8を備える。機能層5自体が2層の熱可塑性層10を備え、両熱可塑性層10の相互に向く面に導電性コーティング19が設けられる。導電性コーティング19の間には、切替可能フィルム11などのフィルム層(切替可能フィルム)11が設けられる。機能層5の不活性部分8には、カスケード化セグメント20が設けられる。すなわち、下部の熱可塑性層10は、フィルム層11及び他方の熱可塑性層10の周囲を越えて延在する。局所的に、少なくとも上部の熱可塑性層10、上部の熱可塑性層10に接続された導電性コーティング19及びフィルム層が削除されるが、切欠き部分12の領域において下側熱可塑性層10の導電性コーティング19が除去されても好適である。これは、機能層5に対して垂直な方向に適用されるレーザ切削によって実現され得る。この実施形態でも、下側導電性コーティング19がカスケード化セグメント20の領域において除去される。当該カスケード化セグメント20は、基板20の一部分を形成し得る。当該基板(カスケード化セグメント)20には、活性面17に給電するように、導電回路及び/又はトラックが設けられ得る。この基板は、基板20上のトラック又は導電回路が電力不足となる原因となり得る導電性コーティング19が本質的にないため、特にこの目的のために適切である。
【0040】
図7は、特に図5aに示す部分A-Aに沿う自動車用ウインドウ積層構造体の一部を示す。ここで、上部及び下部ガラスシート2、3を示す。上部及び下部ガラスシート2、3の双方には、黒色マスキング部分15が設けられる。結合層6は、基本的に全体的にガラスシート2の周囲に向かって延在する。機能層5には、図6に示すのと同様に、カスケード化部分が設けられる。当該カスケード化部分は、フィルム層(ここでは不図示)及び上部熱可塑性層10の周囲を越えて延在する下部熱可塑性層10によって形成される。下部熱可塑性層10が上部熱可塑性層10を越えて延在していることが好適であるが、本発明はこれに限定されない。この実施形態では、下部熱可塑性層10は、基本的に下部結合層の周囲まで延在する。下部熱可塑性層10の上部では、それがフィルム及び上部熱可塑性層10を越えて延在する場所に導電回路が存在する。当該導電回路は複数の導電部分(導電回路)22を備え、1つの部分22がアノードを形成し、その他の部分は機能層5の活性セグメント17に接続されたカソードを形成し得る。そのため、当該導電部分22は、導電回路22、特にプリント回路を形成する。下側熱可塑性層10(これは、ウインドウが捲られた場合には上側の層となり得る)が機能層5、特にその間に位置する切替可能フィルムを越えて延在することも視認可能である。好ましくは、越えて延在する下側熱可塑性層10のこの部分には、少なくとも部分的に導電性コーティングがなく、特にITOコーティングはない。これは、導電回路22が電力不足の原因となり、そのためにそれらが電気的に分離されることを防止する。この配向によって、トラック22ということもある導電回路22において、接続部が機能層5の周囲の一辺側となることが可能となる。これにより、トラック22の各々がウインドウの活性セグメント17に接続し、当該活性セグメント17に給電することが可能となる。
【0041】
図8は、本発明の異なる実施形態に対する簡略化した説明に係る上位概観を示す。本図に示すような機能層5は、複数の、特に4個の活性セグメント17を備える。好ましくは、当該活性セグメント17の各々は、個々に切替可能である。この特定の実施形態によると、活性セグメント17は画素状に配向されるが、異なるサイズなど、異なる配向が適用されることが考えられる。カプセル化層7は、この実施形態では、実質的に全体的に機能層5の不活性部分8によって形成される。好ましくは、熱可塑性層に付与され得る導電性コーティング19(図9及び10)は、図9及び10に関してより詳細に説明するように、少なくとも部分的に不活性部分から除去され、不活性部分に付与されず及び/又は不活性部分上で絶縁される。機能層5は1以上のコネクタ23、24又は導電回路23、24を備え、それにより、活性セグメント17が、好ましくは電気的に、電力接続部14に接続可能となる。当該1以上のコネクタ23、24又は導電回路23、24は、機能層5の不活性部分8上に設けられた多数の導電回路22及び/又はトラック22に電気的に接続される。1以上のコネクタ23、24又は導電回路23、24が、切替可能フィルム11を部分的に越えて延在する導電材料の一部分によって形成されることが考えられ、導電回路22又はトラック22は、好ましくは、切替可能フィルム11を超えて延在する当該導電材料に付着する。ここでは、2つのコネクタ23又は導電回路23が(この特定の配向では)2本の鉛直な列に電力を供給するために設けられ、一方で2つのコネクタ24又は導電回路24は(この特定の配向では)2本の水平な行に電力を供給するために設けられる。当業者には、水平及び鉛直な行及び列という用語は単に説明の目的で使用され、異なり得ることは明らかである。この実施形態の種々の態様を線E-E及びF-Fに沿う断面に関してより詳細に説明する。
【0042】
図9は、図8に示す線E-Eに沿う機能層5の断面を示す。ここでは、機能層5の活性部分9及び不活性部分8を示す。不活性部分8は、機能層5の熱可塑性層10の一方によって形成される。熱可塑性層10によって形成される当該不活性部分では、少なくとも本図では上面27を反映する内側を向く面27上では、図面に示すように導電性コーティング19はない。ただし、非導電性の内向き面27とするように、当該内向き面27に絶縁材料が設けられることも考えられる。不活性部分8は、この場合、一方の熱可塑性層10、両熱可塑性層の導電性コーティング19及び切替可能フィルム11を局所的に除去することによって形成される。図面は、上側導電性コーティング19に存在する切込み線18も示す。当該切込み線は、導電性コーティング19の2つの分離した面を形成するように、当該上側熱可塑性層10上の導電性コーティング19を電気的に分離する。当該両面の各々がそれら自体の電気接続部(図8)を備えるため、これらを別個に制御することができる。図面は、機能層5の不活性部分8、特に内向き面27上に設けられた多数のトラック22又はプリント導電回路22も示す。この部分8、特に内向き面27には、基本的に導電性コーティング19はなく及び/又は絶縁材料が設けられるので、電力不足をもたらすことなく当該トラック22又は導電回路22をそこに設けることができる。当該トラック22又は導電回路22は、アノード及びカソードに電力を供給する。
【0043】
図10は、セグメントE-Eに略垂直なセグメントF-Fに沿う機能層5の断面を示す。本図は、機能層5の活性部分9及び不活性部分8も示す。ただし、図9とは逆に、ここでは切込み線18は下部熱可塑性層10の導電性コーティング内に設けられる。本図に示すように切込み線18を上側導電性コーティング19(図9)及び下側導電性コーティング19の双方に適用することによって、切替可能活性セグメント17の行列(図8)を生成することが可能となる。本図は、導電性コーティング19の4個の分離された面26を与える3本の切込み線18を示す。右側の2つの面26は、図8に示すように、活性セグメント17の2本の水平な行に向けて電力を供給するために構成される。これは、導電性コーティング19のこれら2つの最右面26に接続する2つのコネクタ24が横方向導電体25を介して上側導電性コーティング19に接続されるので可能となる。3本以上の水平な行が設けられる場合、右側の狭い導電面26の数も増加することになる。横方向導電体25は、2層の熱可塑性層10の下側導電性コーティング19を上側導電性コーティング19に接続する導電材料によって形成され得る。横方向導電体25によって、アノード及びカソードを機能層の同じ辺側とすることができ、一辺側での製造方法となる。
【0044】
上述した発明のコンセプトを、幾つかの具体的な実施形態によって示した。発明の詳細を含む個々の発明のコンセプトは、それを適用するにあたり、説明した例示の他の詳細をさらに適用することなく適用され得ることが考えられる。当業者であれば特定の用途及び/又は代替の実施形態に到達するために多数の発明のコンセプトが組み合わせられ得ることを理解するはずであるので、上述した発明のコンセプトの全ての想到可能な組合せの例示について詳細に説明する必要はない。
【0045】
本書類で使用される「第1」、「第2」及び「第3」などの序数は、識別目的のみに使用される。そのため、したがって「第2の」構成要素/部品などの表現の使用は、必ずしも「第1の」構成要素/部品の共存を必要としない。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-05-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離隔した平行な第1のガラスシート及び第2のガラスシートと、
前記第1のガラスシート及び前記第2のガラスシート間に実質的に全体的に配置された熱可塑性積層シート構造体であって、
上面及び下面を有する少なくとも1層の機能層、並びに
前記少なくとも1層の機能層の前記上面及び下面を実質的に全体的に覆う少なくとも2層の結合層であって、該結合層の一部分が前記機能層の周囲の一部分を越えて延在する、少なくとも2層の結合層
を備える熱可塑性積層シート構造体と、
前記第1のガラスシート及び前記第2のガラスシート間に少なくとも部分的に位置するカプセル化層であって、前記機能層の周囲の少なくとも一部分に沿って延在する、好ましくは前記結合層が越えて延在する前記周囲の前記一部分に沿って延在する、カプセル化層と、
を備え、
前記カプセル化層の少なくとも一部が前記機能層の不活性部分によって形成された、自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項2】
前記カプセル化層が、全体的に前記機能層の前記不活性部分によって形成された、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項3】
前記結合層が、少なくとも部分的にポリビニルブチラール(PVB)及び/又は熱可塑性ウレタンからなる、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項4】
前記少なくとも1層の機能層は、少なくとも2層の熱可塑性層、及び前記少なくとも2層の熱可塑性層間の少なくとも1層のフィルム層を備える、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項5】
少なくとも1層の熱可塑性フィルムの少なくとも一部が、前記少なくとも1層のフィルム層の周囲を越えて延在する、請求項4に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項6】
前記少なくとも1層の熱可塑性フィルムが、前記少なくとも1層のフィルム層を越えて少なくとも2mm、好ましくは少なくとも3mm、より好ましくは少なくとも5mm、延在する、請求項5に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項7】
少なくとも1層の熱可塑性層が、基本的に全体的に少なくとも1層の結合層の周囲まで延在する、請求項5に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項8】
前記熱可塑性層は、少なくとも部分的にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセテートセルロース(TAC)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)からなる、請求項4に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項9】
前記少なくとも1層のフィルム層は、ポリマー分散型液晶デバイス、浮遊粒子デバイス、エレクトロクロミックデバイス及び/又はマイクロブラインドである、請求項4に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項10】
少なくとも1層の熱可塑性層の少なくとも一方の面に、導電性コーティング、好ましくはインジウムスズ酸化物(ITO)が、設けられた、請求項4に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項11】
前記機能層の前記不活性部分が、前記少なくとも1層のフィルム層、前記少なくとも1層の熱可塑性層及び/又は前記熱可塑性層の導電性コーティングの切欠き部分によって形成された、請求項4に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項12】
前記機能層の前記不活性部分は、該機能層の一体化部分である、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項13】
前記カプセル化層が、前記機能層の周囲全体に沿って延在する、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項14】
前記少なくとも2層の結合層が、前記機能層の周囲全体に沿って該機能層の一部の周囲を越えて延在する、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項15】
前記カプセル化層が、前記機能層の前記周囲に沿って延びる前記結合層間の空間を少なくとも部分的に充填し、前記結合層が前記周囲を越えて延在する、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項16】
前記カプセル化層の厚さの少なくとも一部が、前記機能層の少なくとも一部の厚さに実質的に等しい、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項17】
前記機能層の前記不活性部分の一部が、前記機能層に給電するためのコネクタを形成する、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項18】
アノード及びカソードが前記機能層の同じ辺側に設けられ、特に該機能層の前記不活性部分に設けられた、請求項17に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項19】
導電回路が、熱可塑性積層体の前記機能層に少なくとも1つの接続部を介して電気的に接続された、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項20】
前記機能層は、少なくとも2つ、好ましくは複数の、活性セグメントを備える、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項21】
前記少なくとも2つの活性セグメント、好ましくは該活性セグメントの各々が、前記導電回路の接続部に独立して接続され、各活性セグメントが前記導電回路に選択的に電気的に接続可能である、請求項19に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項22】
非導電層が、前記導電回路の上部に設けられた、請求項19に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項23】
少なくとも1層の結合層が、前記機能層の少なくとも一部を封止し、好ましくは前記少なくとも1層の結合層は前記機能層の前記一部を不透過封止する、請求項1に記載の自動車用ウインドウ積層構造体。
【請求項24】
自動車用ウインドウ積層構造体に使用するための請求項1から23のいずれか一項において規定された熱可塑性積層シート構造体。
【請求項25】
請求項1から23のいずれか一項に記載の自動車用ウインドウ積層構造体が設けられた、乗用車、バス又はトラックなどの、輸送車両。
【国際調査報告】