(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】栄養素および味調節剤を含む組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20241024BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20241024BHJP
A23L 33/16 20160101ALI20241024BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20241024BHJP
A23G 4/06 20060101ALI20241024BHJP
A23L 13/00 20160101ALI20241024BHJP
A23L 27/00 20160101ALN20241024BHJP
【FI】
A23L5/00 D
A23L5/00 F
A23L33/15
A23L33/16
A23L2/00 F
A23G4/06
A23L13/00 Z
A23L2/52
A23L27/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519787
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2022078462
(87)【国際公開番号】W WO2023072604
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マキシム ドゥラトル
(72)【発明者】
【氏名】ピエール-エティエンヌ ブーケラン
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド スキフ
【テーマコード(参考)】
4B014
4B018
4B035
4B042
4B047
4B117
【Fターム(参考)】
4B014GB13
4B014GG08
4B014GK03
4B014GL03
4B014GL11
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4B117LK13
4B117LL01
4B117LL09
(57)【要約】
本発明の技術分野は、栄養素および味調節剤を含む組成物に関する。前記組成物を調製する方法および前記組成物を含有する消費者製品も本発明の対象である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 少なくとも1種の水溶性担体材料、
- 少なくとも1種の栄養素、および
- 少なくとも1種の味調節剤
を含む、組成物。
【請求項2】
前記栄養素は、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、植物抽出物、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記栄養素は、ビタミン、ミネラル、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
フレーバーを含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物の総重量を基準として、0.1重量%~50重量%、好ましくは0.5重量%~30重量%の栄養素を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
鉄、セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、銅、ナトリウム、カリウム、リン、銀、金、硫黄、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のミネラルを含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
ビタミンE、ビタミンB
6、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンB
1、ビタミンB
2、ビタミンB
3、ビタミンB
5、ビタミンB
6、ビタミンB
7、ビタミンB
8、ビタミンB
9、ビタミンB
12、イノシトール、ビタミンD
1、ビタミンD
2、ビタミンD
3、ビタミンD
4、ビタミンD
5、ビタミンK、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のビタミンを含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物の総重量を基準として、50重量%~95重量%、好ましくは60重量%~90重量%の水溶性担体材料を含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
前記水溶性担体材料は、デンプン誘導体、ガム、繊維、多糖類、タンパク質、可溶性小穀粉、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の総重量を基準として、0.5重量%~25重量%、好ましくは2重量%~15重量%の味調節剤を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
前記味調節剤は、苦味マスキング剤化合物、酸味マスキング剤化合物、旨味増強剤化合物、清涼感増強剤化合物、苦味ブロッキング化合物、苦味マスキング化合物、酸味調節化合物、食感変更化合物、フレーバーマスキング化合物、渋味マスキング剤化合物、塩味または金属味マスキング剤化合物、甘味増強剤化合物、唾液分泌増強剤化合物、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から10までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
前記味調節剤は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドまたはその食用として許容される任意の塩、3-ヒドロキシ安息香酸、またはヘスペレチンジヒドロカルコン、ヘスペレチンジヒドロカルコン-4’-O’グルコシド、ネオヘスペレチンジヒドロカルコン、ブラゼイン、ヘスペリジン、フィロズルチン、ナリンゲニン、ナリンギン、フロレチン、グルコシル化ステビオールグルコシド、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン、ルブソシド、タウマチン、モネリン、ミラクリン、グリチルリチンおよびその食用として許容される任意の塩(モノアンモニウム塩など)、ナリンギンジヒドロカルコン、ミリセチン、ノビレチン、ポリメトキシフラボン、メトキシフラボンとヒドロキシフラボンとの混合物、ケルセチン、3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピルプロパンアミド、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシ-ヘプタデカ-16-エン、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-イン、(3R,5S)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)デカン-3,5-ジオールジアセテート、N-(ヘプタン-4-イル)ベンゾ-[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド、N-エチル-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チアゾール-5-イルメチル)-アセトアミド、2-((5-メトキシベンゾフラン-2-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、(E/Z)-2-メチル-2-ブテナール、(E/Z)-2-イソプロピル-5-メチル-2-ヘキセナール、3-(1-((3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ヒドロキシベンジル)-イミダゾリジン-2,4-ジオン、4-(2,2,3-トリメチル-シクロペンチル)酪酸、3β-ヒドロキシジヒドロコスツノリド、3β-ヒドロキシペレノリド、プロベネシド、サクラネチン、6-メトキシサクラネチン、ジャセオシジン、4’-フルオロ-6-メトキシフラボノン、6,3’-ジメトキシフラボノン、6-メトキシフラボノン、γ-アミノ酪酸、Να,Να-ビス(カルボメチル)-L-リシン、(+/-)アブシジン酸、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸モノナトリウム、酢酸ナトリウム、ホモエリオジクチオール、ステルビン、エリオジクチオール、2,4,ジヒドロ安息香酸、ネオジオスミン、1-カルボキシメチル-5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチルピリジニウム、フラバン-3-スピロ-C-グリコシド、ポリ-γ-グルタミン酸、α,α-トレハロース、タウリン、(2)-ギンゲルジオン、2,4,-ジヒドロキシ安息香酸、L-テアニン、エンテロジオール、ラリシレシノール、エンテロラクトン、マタイレシノールの任意の化合物、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から11までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
押出粒子である、請求項1から12までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項14】
コーティング材料である、請求項1から13までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載の組成物を、好ましくはホットまたはコールド飲料、ハーブ浸出液、コーヒー、茶、ボタニカルの形態で含む、食用の消費者製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、栄養素および味調節剤を含む組成物に関する。前記組成物を調製する方法および前記組成物を含有する消費者製品も本発明の対象である。
【0002】
背景
栄養素(例えばミネラル類および/またはビタミン類)を含む食用製品に対する消費者の需要は、ますます重要になっており、新たな送達システム(delivery system)の開発を促進している。
【0003】
さらに、食品に関連する感覚器官による感覚は、多くの消費者にとって重要である。しかしながら、栄養素には、オフノートや望ましくない味を有する可能性があるものもある。
【0004】
最後に、栄養素が液体の形である場合、最終的な食用製品への添加が難しい場合があり、栄養素が活性である寿命を確保することは難しい。
【0005】
したがって、当該産業においては、栄養素(例えば、ミネラルおよび/またはビタミン)を含み、安全、かつ取り扱いが容易であり、優れた物理的および化学的安定性を有し、使用におけるコストパフォーマンスを改善する一方で、オフノートまたは望ましくない味を放出しない送達システムが必要とされている。本発明は、当該産業のこうした要望や他の要望を満たすものである。
【0006】
発明の説明
[組成物]
本発明の第1の対象は、
-少なくとも1種の水溶性担体材料、
-少なくとも1種の栄養素、および
-少なくとも1種の味調節剤
を含む、組成物である。
【0007】
一実施形態によれば、栄養素および味調節剤は、水溶性担体材料内に均質に分散される。
【0008】
特定の実施形態によれば、組成物は粒子である。別の実施形態によれば、組成物は、コーティング材料である。コーティングは、典型的には、例えば花、葉、豆、種子、穀類、粉末、および粒子などの不溶性食品担体上に、好ましくは茶葉およびコーヒー豆上に適用することができる。葉は、全葉、切断葉、粉砕葉、特に自由流動性粉末または粒子の形態の粉末葉であってもよい。
【0009】
「コーティング」とは、例えば不溶性食品担体を、均一に(完全に)コーティングすることのみでなく、不均一に(部分的に)コーティングすることも意味する。
【0010】
特定の実施形態によれば、組成物は、フレーバーを含む。フレーバーは、水溶性担体材料内に分散または埋め込まれることが好ましい。
【0011】
本発明において、「水溶性担体材料」および「水溶性マトリックス材料」は、区別なく使用される場合がある。
【0012】
本明細書において、「フレーバーまたはフレーバリング組成物」とは、フレーバリング配合物を調製するために現在使用されている、消費者製品にフレーバーまたは風味を付与することができるフレーバリング成分、またはフレーバリング成分、溶媒、もしくは助剤の混合物を意味する。
【0013】
一実施形態によれば、フレーバーは、疎水性である。他の実施形態によれば、フレーバーは、親水性である。一実施形態によれば、フレーバーは、フレーバーオイルである。
【0014】
フレーバリング成分は当業者に周知であり、その性質は本明細書の詳細な説明において説明し尽くせるものではなく、いずれの場合も全てを網羅するものではないであろう。熟練のフレーバリストは、その一般的な知識に基づき、かつ意図された使用または用途、および得ようとする感覚器刺激効果に応じて、フレーバリング成分を選択することができる。これらフレーバリング成分の多くは、S. Arctander著の書籍、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, N.J., US、もしくはその改訂版、または他の同種の論文、例えば、Fenaroli’s Handbook of Flavor Ingredients, 1975, CRC Press、もしくは Synthetic Food Adjuncts, 1947, M.B. Jacobs, van Nostrand Co., Inc.に列挙されている。フレーバリング配合物の調製に現在使用されている溶媒および助剤も、当該技術分野においては周知である。
【0015】
特定の実施形態において、フレーバーは、ミントフレーバーである。より具体的な一実施形態において、ミントは、ペパーミントおよびスペアミントからなる群より選択される。
【0016】
他の実施形態において、フレーバーは、メントールフレーバーである。
【0017】
主として天然のクエン酸を含む果実に由来する、または基づくフレーバーとしては、例えば、柑橘類(レモン、ライムなど)、リモネン、イチゴ、オレンジ、およびパイナップルが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、フレーバー食品は、果実から直接搾られたレモン、ライム、またはオレンジの果汁である。フレーバーの更なる実施形態には、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、キーライム、シトロン、クレメンタイン、マンダリン、タンジェリン、および任意の他の柑橘類またはそれらの変種もしくはハイブリッドから搾られた果汁または液体が含まれる。特定の実施形態において、フレーバーには、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、キーライム、シトロン、クレメンタイン、マンダリン、タンジェリン、および任意の他の柑橘類またはそれらの変種もしくはハイブリッド、ザクロ、キウイフルーツ、スイカ、リンゴ、バナナ、ブルーベリー、メロン、ショウガ、ピーマン、キュウリ、パッションフルーツ、マンゴー、洋ナシ、トマト、およびイチゴから抽出、または蒸留された液体が含まれる。
【0018】
特定の実施形態において、フレーバーは、リモネンを含む組成物を含み、具体的な実施形態において、組成物は、リモネンをさらに含む柑橘類である。
【0019】
他の特定の実施形態において、フレーバーには、ストロベリー、オレンジ、ライム、トロピカル、ベリーミックス、およびパイナップルを含む群より選択されるフレーバーが含まれる。
【0020】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、組成物の総重量を基準として、1重量%~18重量%、好ましくは3重量%~10重量%のフレーバーを含む。
【0021】
特定の実施形態によれば、組成物は、フレーバーを含まない。
【0022】
(栄養素)
本発明による栄養素は、身体が適切に機能し、かつ健康を維持するために使用される食品中の化学化合物として理解されるべきである。
【0023】
一実施形態によれば、栄養素は、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、植物抽出物、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0024】
一実施形態によれば、組成物は、好ましくは鉄、セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、銅、ナトリウム、カリウム、リン、銀、金、硫黄、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のミネラルを含む。
【0025】
一実施形態によれば、組成物は、ビタミンE(トコフェロールまたはα-トコフェロール-(2R)-2,5,7,8-テトラメチル-2-[(4R,8R)-(4,8,12-トリメチルトリデシル)]クロマン-6-オール)、ビタミンB6(ピリドキシンまたは4,5-ビス(ヒドロキシメチル)-2-メチルピリジン-3-オール)、ビタミンA(レチノールまたは(2E,4E,6E,8E)-3,7-ジメチル-9-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ノナ-2,4,6,8-テトラエン-1-オール)、ビタミンC(アスコルビン酸または(5R)-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3,4-ジヒドロキシフラン-2(5H)-オン)、ビタミンD、ビタミンB1(チアミンまたは2-[3-[(4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル]-4-メチル-1,3-チアゾール-3-イウム-5-イル]-エタノール)、ビタミンB2(リボフラビンまたは7,8-ジメチル-10-[(2S,3S,4R)-2,3,4,5-テトラヒドロキシペンチル]ベンゾ[g]プテリジン-2,4-ジオン)、ビタミンB3(ニコチン酸またはピリジン-3-カルボン酸)、ビタミンB5(パントテン酸または3-[(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタノイル)アミノ]プロパン酸)、ビタミンB6(ピリドキシンまたは4,5-ビス(ヒドロキシメチル)-2-メチルピリジン-3-オール)、ビタミンB7(ビオチンまたは5-[(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル]ペンタン酸)、ビタミンB8(ビオチンまたは5-[(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル]ペンタン酸)、ビタミンB9(葉酸または(2S)-2-[(4-{[(2-アミノ-4-ヒドロキシプテリジン-6-イル)メチル]アミノ}フェニル)ホルムアミド]ペンタン二酸)、ビタミンB12(シアノコバラミンまたはコバルト(3+);[(2R,3S,4R,5S)-5-(5,6-ジメチルベンズイミダゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキソラン-3-イル][(2R)-1-[3-[(1R,2R,3R,5Z,7S,10Z,12S,13S,15Z,17S,18S,19R)-2,13,18-トリス(2-アミノ-2-オキソエチル)-7,12,17-トリス(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3,5,8,8,13,15,18,19-オクタメチル-2,7,12,17-テトラヒドロ-1H-コリン-24-イド-3-イル]プロパノイルアミノ]プロパン-2-イル]ホスフェート;シアン化物)、イノシトール(シクロヘキサンヘキソールまたはシス-1,2,3,5-トランス-4,6-シクロヘキサンヘキソール)、ビタミンD1(エルゴカルシフェロールおよびルミステロールの1:1分子化合物の混合物)、ビタミンD2(エルゴカルシフェロールまたは(3β,5Z,7E,22E)-9,10-セコエルゴスタ-5,7,10(19),22-テトラエン-3-オール)、ビタミンD3(コレカルシフェロールまたは(3β,5Z,7E)-9,10-セココレスタ-5,7,10(19)-トリエン-3-オール)、ビタミンD4(22-ジヒドロエルゴカルシフェロールまたは(5Z,7E)-(3S)-9,10-セコ-5,7,10(19)-エルゴスタトリエン-3-オール)、ビタミンD5(シトカルシフェロールまたは(1S,3Z)-3-[(2E)-2-[(1R,3aS,7aR)-1-[(1R,4S)-4-エチル-1,5-ジメチルヘキシル]-7a-メチル-2,3,3a,5,6,7-ヘキサヒドロ-1H-インデン-4-イリデン]エチリデン]-4-メチレン-1-シクロヘキサノール)、ビタミンK(フィトナジオンまたは2-メチル-3-[(E,7R,11R)-3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカ-2-エニル]ナフタレン-1,4-ジオン)、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のビタミンを含む。
【0026】
一実施形態によれば、組成物は、好ましくはビタミンE、ビタミンB6、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB8、ビタミンB9、ビタミンB12、イノシトール、ビタミンD1、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD4、ビタミンD5、ビタミンK、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のビタミンを含む。一実施形態によれば、組成物は、好ましくはビタミンE、ビタミンB6、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB8、ビタミンB9、ビタミンB12、ビタミンD1、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD4、ビタミンD5、ビタミンK、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のビタミンを含む。
【0027】
本発明において使用可能な酸化防止剤は、当業者に周知である。酸化防止剤の非限定的な例としては、例えば、ローズマリー抽出物、テコフェロール、アスコルビン酸、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0028】
本発明において使用可能な植物性抽出物は、当業者に周知である。植物性抽出物の非限定的な例としては、例えば、バラ抽出物、マンゴー抽出物、ショウガ抽出物、茶抽出物、ガルシニアカンボジア、カスカラ、チアシード、イチョウ、イラクサ葉、アセロラ、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0029】
組成物中の栄養素の量は様々であってよい。当業者は、最終的な食品および/または飲料の用途において目標とされる栄養素の用量に基づいて、組成物中に添加されるべき栄養素の適切な量を決定することができる。
【0030】
典型的には、本発明による組成物は、組成物の総重量を基準として、0.1重量%~50重量%、好ましくは0.5重量%~30重量%の栄養素を含む。
【0031】
(担体材料)
本発明によれば、担体材料は水溶性である。本発明の目的に関して、「水溶性材料」は、水中で一相溶液を形成する任意の材料を包含すること意図している。水溶性材料は、20重量%もの、より好ましくは50重量%もの高濃度で水に溶解された場合においても、一相溶液を形成することが好ましい。水溶性材料は、あらゆる濃度で水に溶解された場合においても、一相溶液を形成することが最も好ましい。
【0032】
組成物中の水溶性担体材料の量は様々であってよい。当業者は、組成物中に添加されるべき水溶性担体材料の適切な量を決定することができる。
【0033】
典型的には、本発明による組成物は、組成物の総重量を基準として、50重量%~95重量%、好ましくは60重量%~90重量%の間の担体材料を含む。
【0034】
一実施形態によれば、水溶性担体材料は、デンプン誘導体、ガム、繊維、多糖類、タンパク質、可溶性穀粉、またはそれらの混合物からなる群より選択される。
【0035】
「デンプン誘導体」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。デンプン誘導体は、天然のデンプンを酵素的、物理的、または化学的に処理してその特性を変化させることによって製造される。デンプン誘導体の具体例には、マルトデキストリン、デキストリン、レジスタントスターチ、ヒドロキシプロピル化デンプン、リン酸塩、デンプンリン酸塩、オクテニルコハク酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、およびアセチル化酸化デンプンが含まれる。
【0036】
「ガム」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。ガムは、植物源、海藻、および細菌発酵から誘導することができる。ガムの具体例には、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、ガッチガム、オクラガム、グルコマンナン、ゲランガム、アルギン酸塩等が含まれる。
【0037】
「繊維」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。繊維は、人体の酵素によって消化することができない。繊維の具体例には、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ベータグルカン、アラビノガラクタン、グルコマンナン、サイリウム、可溶性コーン繊維などが含まれる。
【0038】
「多糖類」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。多糖類の具体的な例としては、タマリンド種子多糖類、大豆多糖類、ガラクトマンナン、キシログルカン、カラギーナン、ペクチン、カードラン、アラビナン、アラビノガラクタンなどが含まれる。
【0039】
「タンパク質」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。タンパク質の具体例には、エンドウタンパク質、大豆タンパク質、レンズ豆タンパク質、ヒヨコ豆タンパク質、米タンパク質、ポテトタンパク質、ソラ豆タンパク質、緑豆タンパク質、キャノーラタンパク質などが含まれる。
【0040】
「可溶性穀粉」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。可溶性穀粉は、化学的、物理的または酵素的処理により、その可溶性および機能性が高められている。可溶性穀粉の具体例には、可溶性米粉、可溶性玄米粉、米麹などが含まれる。
【0041】
一実施形態によれば、担体材料は、少なくとも1種の加工デンプンおよび少なくとも1種の加水分解デンプンを含む。
【0042】
一実施形態によれば、担体材料は、6DEより大きい、特に10DEより大きい、より具体的には17DEより大きいDEを有する少なくとも1種の加水分解デンプンを含む。
【0043】
DE値は、加水分解デンプンの還元当量の尺度として定義することができ、デキストロースを基準とするパーセンテージ(乾物ベース)で表され、周知の手順によって決定される。
【0044】
デキストロース当量DEは、通常、以下の関係によって定義される(H. Levine, L. Slade: “Water as a plasticizer: physico-chemical aspects of low moisture polymer systems”, Water Science Reviews, 1988, Vol.3, F. Franks (Ed.), pp. 79 to 185, Cambridge University Press, Cambridge, England)
DE=(18016)/Mn
[式中、DEはデキストロース当量であり、Mnは数平均分子量である]
Mnの値は、例えばSECマルチ検出器システムを使用して、当業者が容易に測定することができる。
【0045】
非限定的な例として、SEC機器は、屈折率(RI)、光散乱(LS)、および粘度(VS)検出器が組み込まれたViscotekトリプル検出器アレイ(TDA)を備えたViscotek TDA305 maxシステム(Malvern Instruments, Ltd, UK)である。Mnを測定するための典型的な方法は、以下の通りである:クロマトグラフィシステムは、A7ガードカラムの後に直列に配置されたA2000(CLM3015)およびA6000(CLM3020)(300mm L×8.0mm ID、Malvern Instruments Ltd.)から成り、要求される排除限界分子量(プルラン)はそれぞれ4KDaおよび2000KDaである。溶離液は、流量0.4mL/分の0.1Mの硝酸ナトリウムである。注入量は、約2mg/mLの試料濃度で100μLである。全ての測定を35℃で行った。この方法の再現性は、3回の連続注入の最大ピーク時の保持容量に対して0.06%の標準偏差で許容される。
【0046】
「加水分解デンプン」という用語は、典型的にはデンプン、好ましくはコーンスターチを酸および/または酵素加水分解することで得られるオリゴ糖タイプの物質を意味する。
【0047】
特定の実施形態によれば、加水分解デンプンは、マルトデキストリン、デキストリン、コーンシロップ、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0048】
一実施形態によれば、担体材料は、加工デンプンも含む。
【0049】
「加工デンプン」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。すなわち、加工デンプンとは、物理的に加工された(物理的加工)、酵素的に加工された(酵素加工)、または化学的に加工された(化学的加工)デンプンである。
【0050】
「物理的に加工されたデンプン」とは、比較的少量の水または湿気の存在下で熱処理されたデンプンを意味する。熱処理中、デンプンに他の試薬を添加することはない。熱処理工程は、湿熱処理および徐冷処理を含み、これらはいずれもゲル化を伴わずにデンプンを物理的に加工する。
【0051】
「酵素的に加工されたデンプン」とは、その特性を変更するために1種または複数種の酵素で処理されたデンプンを意味する。
【0052】
「化学的に加工されたデンプン」とは、試薬分子とデンプン分子との間に新たな供給結合を形成するためにデンプンに添加された試薬と反応させられたデンプンを意味する。
【0053】
加工デンプンの具体例には、デキストリン、ヒドロキシプロピル化デンプン、リン酸デンプンリン酸塩、オクテニルコハク酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、およびアセチル化酸化デンプンが含まれる。幾つかの非限定的な例には、オクテニルコハク酸無水物加工デンプン、例えば、Tate & Lyle社のMiraCap(登録商標)、Ingredion社のCapsul(登録商標)、Cargill社のEmCap(登録商標)等が含まれる。
【0054】
一実施形態によれば、加工デンプンは、化学的に加工されたデンプンである。化学的加工により、デンプンの疎水性が顕著に増加し、安定剤および乳化剤として作用することが可能となる。
【0055】
この実施形態によれば、化学的に加工されたデンプンは、オクテニルコハク酸デンプンからなる群より選択される。
【0056】
具体的な実施形態によれば、加工デンプンは、凝集または圧縮されない。
【0057】
一実施形態によれば、加工デンプンは、凝集または圧縮される。
【0058】
具体的な実施形態において、担体材料は、約1~約20のデキストロース当量(DE)を有するマルトデキストリンを含む。
【0059】
具体的な実施形態において、マルトデキストリンは、約10~約18DEまでのDEを有するマルトデキストリンより選択される。
【0060】
他の実施形態において、担体材料は、21~49までのDEを有するコーンシロップを含む。例えば、トウモロコシ、小麦、ジャガイモ、またはコメなどの様々な原材料(ただしそれらに限定されない)から作られたデンプンの加水分解によって製造された、あらゆる担体材料が使用可能である。他の実施形態において、担体材料は、加水分解水添デンプン(例えばHSPolyols)、フルクトースオリゴ糖(例えばOrafit社のイヌリンが挙げられるがそれに限定されない)、可溶性繊維、例えば、Nutriose(Roquette社)およびαデンプンであるが、それらに限定されない。
【0061】
具体的な実施形態によれば、担体材料は、加工デンプンとマルトデキストリンとの混合物であり、マルトデキストリンは、1~20、特に10~20DEに含まれるDEを有する。
【0062】
具体的な実施形態によれば、担体材料は、加工デンプンとマルトデキストリンとの混合物であり、マルトデキストリンは、17~20DEに含まれるDEを有する。
【0063】
マルトデキストリン、または異なるDE値を有するマルトデキストリンの配合物を使用することができる。
【0064】
具体的な実施形態によれば、担体材料は、6DE以下のDEを有するマルトデキストリンを含まない。
【0065】
具体的な実施形態によれば、加工デンプンは、担体材料の全重量を基準として、50%未満の量で使用される。
【0066】
具体的な実施形態によれば、加工デンプンは、担体材料の総重量を基準として、10重量%~70重量%、好ましくは10重量%~50重量%、好ましくは10重量%~49重量%、より好ましくは30重量%~49重量%、さらにより好ましくは30重量%~40重量%に含まれる量で使用され、かつ/または加水分解デンプン、好ましくはマルトデキストリンは、30重量%~90重量%、好ましくは50重量%~90重量%、好ましくは51重量%~90重量%、より好ましくは51重量%~70重量%、さらにより好ましくは60重量%~70重量%の量で使用される。
【0067】
具体的な実施形態によれば、担体材料は、30~40%の加工デンプン、および60~70%のマルトデキストリンを含み、該マルトデキストリンは、好ましくは1~20DE、特に17~20DEを有する。
【0068】
一実施形態によれば、本発明による組成物は、好ましくはガム、タンパク質、小分子界面活性剤、植物抽出物、サポニン、植物由来タンパク質、タンパク質水解物、柑橘類繊維、テンサイ繊維またはそれらの混合物からなる群より選択される更なる成分を含む場合があり、更なる成分は、(組成物の総重量を基準として)1~30重量%、好ましくは5~20重量%、かつより好ましくは10~20重量%の量で使用することができる。これらの更なる成分は、安定剤または乳化剤として作用することができる。
【0069】
「ガム」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。ガムの具体的な例には、アラビアガム、カラヤガム、ガッチガム、トラガントガム、オクラガムなどが含まれる。「タンパク質」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。タンパク質の具体的な例には、エンドウタンパク質、大豆タンパク質、レンズ豆タンパク質、ヒヨコ豆タンパク質、米タンパク質、ポテトタンパク質、ソラ豆タンパク質、緑豆タンパク質、キャノーラタンパク質などが含まれる。「小分子界面活性剤」という用語は、当業者が解するこの用語の通常の意味を有する。小分子界面活性剤の具体的な例には、キラヤサポニン、ユッカサポニン、リン脂質、レシチン、リゾレシチン、ジアセチル酒石酸と脂肪酸モノおよびジグリセリドとのエステル(DATEM)、モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(CITREM)などが含まれる。
【0070】
特定の実施形態において、組成物は潤滑剤を含む。潤滑剤は、油、液体脂肪、トリグリセリド、脂肪酸、またはそれらの混合物であってもよい。別の実施形態において、潤滑剤は、例えばレシチンもしくは(例えば、クエン酸、酒石酸、酢酸の)脂肪酸エステル、DATEM、CITREM、またはそれらの混合物のようなミセル界面活性剤を含む。特定の実施形態において、潤滑剤は、組成物の総重量の、約5重量%まで、特に約0.2重量%から約5重量%まで、より詳細には約0.8重量%から約2重量%まで、さらにより詳細には約1重量%から2重量%までの量で供給されてもよい。
【0071】
一実施形態によれば、担体材料は、低分子量炭水化物を含む。低分子量炭水化物は、スクロース、グルコース、ラクトース、マルトース、フルクトース、リボース、デキストロース、イソマルト、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、ペンタトール、アラビノース、グルコースシロップ、ペントース、キシロース、ガラクトース、トレハロース(登録商標)、およびそれらの混合物からなる群より選択可能であり、組成物の総重量を基準として、好ましくは1重量%~10重量%、より好ましくは2重量%~6重量%で使用される。
【0072】
特定の実施形態によれば、担体材料は酵母を含まない。
【0073】
特定の実施形態において、組成物は、さらに水を含む場合がある。
【0074】
組成物は、液体の形態ではなく、固体組成物の形態を依然として保つような量の水のみを含む場合がある。
【0075】
特定の実施形態において、本発明による組成物は、安定な組成物である。本明細書における「安定な組成物」とは、組成物が、室温の乾燥した環境において、感覚的性能の損失に対して少なくとも12ヶ月間にわたり安定であることと理解される。
【0076】
(味調節剤)
味調節剤は、他の成分、典型的には栄養素が提供する味を変更できる化合物として理解されるべきである。
【0077】
様々な味が存在する。それらの中でも、例えば、5つの主な基本の味(甘味、酸味、塩味、苦味、および旨味)だけでなく、三叉神経の感覚、例えば清涼感、渋味、および辛味も挙げることができる。味調節剤は、味の認知を妨げる任意の物質として理解することができる。
【0078】
味調整剤は、苦味マスキング剤化合物、酸味マスキング剤化合物、旨味増強剤化合物、清涼感増強剤化合物、苦味ブロッキング化合物、苦味マスキング化合物、酸味調節化合物、食感変更化合物、フレーバーマスキング化合物、渋味マスキング剤化合物、塩味または金属味マスキング剤化合物、甘味増強剤化合物、唾液分泌増強剤化合物、およびそれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0079】
幾つかの実施形態において、組成物は、甘味増強剤を含む。本明細書に開示された組成物において、合成甘味増強剤、天然甘味増強剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な甘味増強剤を使用することができる。
【0080】
適切な合成甘味増強剤の例としては、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミド、もしくはそれらの食用として許容される任意の塩、3-ヒドロキシ安息香酸、または米国特許第8,541,421号明細書;米国特許第8,815,956号明細書;米国特許第9,834,544号明細書;米国特許第8,592,592号明細書;米国特許第8,877,922号明細書;米国特許第9,000,054号明細書;および米国特許第9,000,051号明細書、ならびに米国特許出願公開第2017/0119032号明細書に記載されている任意の化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
天然甘味増強剤の適切な例には、ヘスペレチンジヒドロカルコン、ヘスペレチンジヒドロカルコン-4’-O’グルコシド、ネオヘスペレチンジヒドロカルコン、ブラゼイン、ヘスペリジン、フィロズルシン、ナリンゲニン、ナリンギン、フロレチン、グルコシル化ステビオールグリコシド、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン、ルブソシド、ソーマチン、モネリン、ミラクリン、グリチルリチン、およびそれらの食用として許容される塩(例えばモノアンモニウム塩)、ナリンギンジヒドロカルコン、ミリセチン、ノビレチン、ポリメトキシフラボン、メトキシおよびヒドロキシフラボンの混合物、ケルセチン、ある種のアミノ酸などが含まれるが、それらに限定されない。本明細書で使用する場合、「グルコシル化ステビオールグリコシド」の用語は、天然のステビオールグリコシド化合物を酵素によりグルコシル化した生成物を指す。グルコシル化は、一般に、グリコシド結合、例えば、α-1,2結合、α-1,4結合、α-1,6結合、β-1,2結合、β-1,4結合、β-1,6結合などを介して起こる。
【0082】
上述の実施形態のうちの幾つかにおいて、組成物は、3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピルプロパンアミド、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]-チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、またはそれらの食用として許容される塩を含む。幾つかの実施形態において、フレーバー変更化合物はN-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、またはその食用として許容される塩を含む。幾つかの実施形態において、フレーバー変更組成物は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミドを含む。
【0083】
幾つかの実施形態において、組成物は、1種以上の旨味増強化合物を含む。そのような旨味増強化合物には、天然由来化合物または合成化合物、例えば米国特許第8,735,081号明細書;米国特許第8,124,121号明細書;および米国特許第8,968,708号明細書に記載された任意の化合物が含まれるが、それらに限定されない。幾つかの実施形態において、旨味増強化合物は、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシ-ヘプタデカ-16-エン、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-イン、またはそれらの混合物である。幾つかの実施形態において、旨味増強化合物は、(3R,5S)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)デカン-3,5-ジオールジアセテートである。幾つかの実施形態において、旨味増強化合物は、N-(ヘプタン-4-イル)ベンゾ-[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミドである。
【0084】
幾つかの更なる実施形態において、組成物は、1種以上の清涼感増強化合物を含む。そのような清涼感増強化合物には、例えばメントールまたはその類似体などの天然由来化合物、または例えば米国特許第9,394,287号明細書および米国特許第10,421,727号明細書に記載されている合成化合物が含まれるが、それらに限定されない。非限定的な例には、N-エチル-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チアゾール-5-イルメチル)-アセトアミド、2-((5-メトキシベンゾフラン-2-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、(E/Z)-2-メチル-2-ブテナール、(E/Z)-2-イソプロピル-5-メチル-2-ヘキセナール、フロレチン、ナリンゲニン、およびそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0085】
幾つかの更なる実施形態において、組成物は、1種以上の苦味ブロッキングまたは苦味マスキング化合物を含む。このような苦味ブロッキング化合物または苦味マスキング化合物は、天然由来の化合物または合成化合物、例えば米国特許第8,076,491号明細書;米国特許第8,445,692号明細書;および米国特許第9,247,759号明細書に記載の任意の化合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0086】
非限定的な例には、3-(1-((3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル)-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ヒドロキシベンジル)-イミダゾリジン-2,4-ジオン、4-(2,2,3-トリメチルシクロペンチル)酪酸、3β-ヒドロキシジヒドロコスタノリド、3β-ヒドロキシペレノリド、プロベネシド、サクラネチン、6-メトキシサクラネチン、ジャセオシジン、4’-フルオロ-6-メトキシフラボノン、6,3’-ジメトキシフラボノン、6-メトキシフラボノン、γ-アミノ酪酸、Να,Να-ビス(カルボメチル)-L-リシン、(+/-)アブシジン酸、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸モノナトリウム、酢酸ナトリウム、ホモエリオジクチオール、ステルビン、エリオジクチオール、2,4,ジヒドロ安息香酸、ネオジオスミン、1-カルボキシメチル-5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチルピリジニウム、フラバン-3-スピロ-C-グリコシド、ポリ-γ-グルタミン酸、α,α-トレハロース、タウリン、(2)-ギンゲルジオン、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、L-テアニン、エンテロジオール、ラリシレシノール、エンテロラクトン、マタイレシノール、およびそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0087】
一実施形態によれば、味調節剤は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミド、もしくはその食用として許容される任意の塩、3-ヒドロキシ安息香酸、または任意の化合物、ヘスペレチンジヒドロカルコン、ヘスペレチンジヒドロカルコン-4’-O’グルコシド、ネオヘスペレチンジヒドロカルコン、ブラゼイン、ヘスペリジン、フィロズルチン、ナリンゲニン、ナリンギン、フロレチン、グルコシル化ステビオールグリコシド、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン、ルブソシド、ソーマチン、モネリン、ミラクリン、グリチルリチン、およびそれらの食用として許容される塩(例えばモノアンモニウム塩)、ナリンギンジヒドロカルコン、ミリセチン、ノビレチン、ポリメトキシフラボン、メトキシおよびヒドロキシフラボンの混合物、ケルセチン、3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピル-プロパンアミド、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシ-ヘプタデカ-16-エン、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-イン、(3R,5S)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)デカン-3,5-ジオールジアセタート、N-(ヘプタン-4-イル)ベンゾ-[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド、N-エチル-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェノキシ-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チアゾール-5-イルメチル)-アセトアミド、2-((5-メトキシベンゾフラン-2-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、(E/Z)-2-メチル-2-ブテナール、(E/Z)-2-イソプロピル-5-メチル-2-ヘキセナール、3-(1-((3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ヒドロキシベンジル)-イミダゾリジン-2,4-ジオン、4-(2,2,3-トリメチル-シクロペンチル)酪酸、3β-ヒドロキシジヒドロコスタノリド、3β-ヒドロキシペレノリド、プロベネシド、サクラネクチン、6-メトキシサクラネチン、ジャセオシジン、4’-フルオロ-6-メトキシフラボノン、6,3’-ジメトキシフラボノン、6-メトキシフラボノン、γ-アミノ酪酸、Να,Να-ビス(カルボメチル)-L-リシン、(+/-)アブシジン酸、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホモエリオジクチオール、ステルビン、エリオジクチオール、2,4,ジヒドロ安息香酸、ネオジオスミン、1-カルボキシメチル-5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチルピリジニウム、フラバン-3-スピロ-C-グリコシド、ポリ-γ-グルタミン酸、α,α-トレハロース、タウリン、(2)-ギンゲルジオン、2,4,-ジヒドロキシ安息香酸、L-テアニン、エンテロジオール、ラリシレシノール、エンテロラクトン、マタイレシノール、およびそれらの混合物から選択される。
【0088】
幾つかの更なる実施形態において、組成物は、1種以上の酸味調節化合物を含む。
【0089】
幾つかの更なる実施形態において、組成物は、1種以上の食感変更化合物を含む。このような食感変更化合物には、タンニン、セルロース材料、竹粉末などが含まれるが、これらに限定されない。
【0090】
幾つかの更なる実施形態において、組成物は、1種以上のフレーバーマスキング化合物を含む。このようなフレーバーマスキング化合物には、セルロース材料、菌類から抽出された材料、植物から抽出された材料、クエン酸、炭酸(または炭酸塩)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0091】
特定の実施形態によれば、味調節剤は、フロレチン、ナリンゲニン、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0092】
当業者は、組成物中に含まれる栄養素が呈する/関連するオフノートをマスキングするのに適切な量の味調節剤を選択することができるであろう。
【0093】
典型的には、組成物は、組成物の総重量を基準として、0.5重量%~25重量%、好ましくは2重量%~15重量%の味調節剤を含む。
【0094】
本発明の組成物は、混合、押出、噴霧乾燥、流動床乾燥などの様々な方法により得ることができる。
【0095】
一実施形態によれば、組成物は、押出粒子であり、好ましくは0.25mm~50mm、より好ましくは0.25mm~10mm、さらにより好ましくは0.5mm~3mmのサイズを有する。
【0096】
他の実施形態によれば、組成物は、噴霧乾燥粒子であり、好ましくは、5ミクロン~300ミクロン、好ましくは10ミクロン~100ミクロンのサイズを有する。
【0097】
粒径は、最大5%の、好ましくは1%未満の実験誤差内で正確な測定を可能にする確立された任意の方法によって測定することができる。適切で確立された方法では、レーザー回折粒度分析器(例えば、Coulter LS 13 320、Beckman Coulter社(ブレア、カリフォルニア州、米国)製)が使用される。分析の際に、体積統計(d4,3)を測定し、粒径を特徴付けた。幾つかの粒子のサイズが2mmを超える場合、異なる画分を収集して重み付けするために、異なるメッシュの篩の範囲のものをふるい分けすることによって、それらの分布を評価すべきである。分離を繰り返し行うために、篩震とう機、例えばReitsch AS 200 basic(ドイツ)を使用することができる。
【0098】
他の実施形態によれば、組成物(少なくとも栄養剤、味覚調整剤および水溶性担体材料の混合物)は、コーティングとして使用される。混合物は、ノズルを通して不溶性食品担体上へ注ぎ、散布し、または噴霧することができる。
【0099】
不溶性食品担体は、好ましくは花、葉、豆類、種子、穀類、藻類、果実片、野菜片、粉末、および粒子からなる群より選択され、より好ましくは、不溶性食品担体は、茶葉およびコーヒー豆からなる群より選択される。葉は、全葉、切断葉、粉砕葉、特に自由流動性粉末の形態の粉末葉、または粒子であってよい。コーヒー豆は、挽かれていない豆でも挽かれた豆でもよい。
【0100】
特定の実施形態において、不溶性食品担体は、ハーブ担体、果物担体、および他のボタニカルからなる群より選択される。
【0101】
特定の実施形態において、不溶性食品担体は、藻類、好ましくは海藻であってよい。
【0102】
特定の実施形態において、不溶性食品担体は、1つ以上の果実片である。1つ以上の果実片は、同じ種類の果実からのものであっても、異なる種類の果実からのものであってもよい。1つ以上の果実片は、例えばリンゴ、洋ナシ、オレンジ、マンダリン、ライム、ネクタリン、アプリコット、桃、プラム、バナナ、マンゴー、ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリー、キウイフルーツ、パッションフルーツ、および/またはスイカからのものであってよい。
【0103】
特定の実施形態において、不溶性食品担体は、1つ以上の野菜片である。1つ以上の野菜片は、同じ種類の野菜からのものであっても、異なる種類の野菜からのものであってもよい。
【0104】
[組成物を調製する方法]
本発明による組成物に関する上記実施形態は、本発明による方法にも当てはまり、特に、担体材料、栄養素、味調節剤、およびフレーバー(組成物中に存在する場合)に当てはまる。
【0105】
組成物は、当業者によって容易に選択される任意の適切な方法によって調製してもよい。方法の非限定的な例には、混合、押出、噴霧乾燥等が含まれる。
【0106】
本発明は、本明細書中に上述された組成物を:
a)水溶性担体材料、栄養素、味調節剤、および任意でフレーバーを、場合により二軸スクリュー押出機中で混合する工程、
b)任意に、得られた混合物を水中で、場合により乳化剤の存在下で均質化する工程、
c)任意に、得られた、場合により均質化された混合物を乾燥させる工程、
によって調製する方法に関する。
【0107】
他の実施形態によれば、組成物は、粒子であり、押出、好ましくは二軸スクリュー押出、またはホットメルト押出によって製造される。
【0108】
一実施形態によれば、組成物は、粒子であり、噴霧乾燥によって製造される。
【0109】
(押出プロセス)
他の実施形態によれば、組成物は、例えば、国際公開第2016/102426号に開示されている方法に従って、二軸押出によって調製される。一実施形態によれば、組成物は、押出粒子である。
【0110】
したがって、本発明の他の対象は:
a)・少なくとも1種の水溶性担体材料
・少なくとも1種の栄養素、および
・少なくとも1つの味調節剤
・任意に、フレーバー
を含む混合物を調製する工程;
b)前記混合物を、スクリュー押出機内で、好ましくは90℃~130℃の温度に加熱して、溶融塊を形成する工程;
c)溶融塊をダイから押し出す工程;
d)溶融塊がダイを出る際に細断して、押出粒子を供給する工程
を含む、押出粒子の製造プロセスである。
【0111】
一実施形態によれば、プロセスは、工程b)と工程c)との間に、溶融塊をポンピングすることと、スタティックミキサから前記溶融塊を押し出すこととからなる更なる工程を含む。ポンピング工程は、押出機から出てくる溶融物を取り出し、スタティックミキサを通じて溶融物を押し出すことを可能にするギアポンプ、好ましくはポリマーギアポンプを使用することによって、または二軸スクリュー押出機自体の効果のみによって実施することができる。
【0112】
押出粒子は、例えば切断プロセスを使用して、まだ熱いうちに、押出機のダイ面で形成される場合がある。
【0113】
一実施形態において、押出粒子は、約0.5mm~5mmのサイズを有する。
【0114】
一実施形態において、粒子のガラス転移温度は、混合物のガラス転移温度と実質的に同じである。このことは、水の損失が少ないか、または損失が無いようにすることで達成される。
【0115】
この特定の実施形態によれば、得られる溶融物のガラス転移温度(Tg)が、最終製品の所望のTg値に対応し、それと実質的に同じであることを保証するために、少量の水を混合物に添加する。つまり、湿式造粒などの他の方法とは異なり、押出前の混合物のガラス転移温度は、すでに最終製品に必要とされる値であり、その温度は、室温を上回り、好ましくは40℃を上回るので、製品は、自由流動粒子の形態で周囲温度において貯蔵することができる。結果として、本発明のこの実施形態は、水を除去してTgを許容可能な値まで上昇させることを意図する、押出に続く追加の乾燥工程を省くことが可能となる。
【0116】
したがって、混合物は、その温度を、好ましくは90℃~130℃の所定の温度に維持する押出機アセンブリで押し出される。この温度は、特に本発明のシステムに適合されている。まず第一に、混合物を溶融塊の形で維持するために、この温度は水溶性担体材料のガラス転移温度を上回ることが好ましい。圧力も負荷されるが、この圧力は、溶融物の均一性を維持するために適切な値に調整される。典型的には、装置のサイズに応じて、100バール(107Pa)までの圧力値を用いることができる(例えば、大型押出機の場合、圧力を200バールに挙げなくてはならない場合がある)。
【0117】
この特定の実施形態において、混合物が押出機のダイ部分に到達する際、温度は、依然として担体材料のガラス転移温度を上回っている。典型的には、押出機にはカッターナイフが装備されているので、混合物は、溶融物の温度で切断される。典型的には、周囲の空気によって一旦周囲温度に冷却されると、すでに切断されたガラス状の材料は、溶融したマトリックスが切断前に冷却される他のプロセスの場合とは異なり、スフェロナイザー、流動床乾燥機または他の装置で成形または乾燥させる必要はない。特定の実施形態において、周囲空気には、冷却空気が含まれる。
【0118】
混合物(場合によりフレーバーを含む)のガラス転移温度は、初期混合物に添加される水の量に依存する。実際、水の割合が増加するとTgが低下することは、当該技術分野で周知である。後者の本発明の実施形態において、得られる混合物のガラス転移温度が、最終的な粒子、すなわち、押出成形品に望まれるガラス転移温度と実質的に等しくなるように、混合物に添加される水の割合は低くなる。
【0119】
一実施形態によれば、得られたカプセル化された化合物または組成物は、該組成物が貯蔵され、引き続き使用される温度を大幅に上回るガラス転移温度Tgを有する。臨界温度(Tg)は、好ましくは少なくとも室温を上回り、好ましくは40℃を上回る。したがって、本発明で水が使用される割合は、担体材料、および最終製品に必要とされるTgに応じて当業者が適合させ、選択することができる広範囲な値で変化する。
【0120】
前記したように、このプロセスの押出工程は、押出装置を必要とする。商業的に許容される押出装置は、カッターナイフを備えた二軸スクリュー押出機(商品名:Clextral BC21)である。このカッターナイフで、溶融物がまだ柔軟であるうちに、ダイ出口において切断することができる。したがって、切断された生成物は、マトリックスのガラス転移温度を上回る温度のままである。
【0121】
押出装置は、二軸スクリュー型に限定されず、例えば、一軸スクリュー、ラム、または他の同様の押出方式のものも含まれる場合がある。
【0122】
押出プロセスの間、混合物は、典型的には約0.250mm~10mm、より具体的には約0.5mm~約2.0mm、より具体的には0.7mm~2.0mmの範囲の所定の直径を有するオリフィスを備えたダイに押し込まれる。しかしながら、ダイの直径をさらに大きくすることも可能である。
【0123】
断片の長さは、典型的には、特定の切断装置のストローク速度を制御することによって調整される。
【0124】
典型的には、切断された断片は、その後、周囲空気によって周囲温度まで冷却される。一実施形態において、乾燥または更なる処理は不要である。
【0125】
他の実施形態において、本明細書では潤滑剤が供給される。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、潤滑剤は、ダイ出口での溶融塊の剪断および膨張を低減すると考えられている。潤滑剤は、油、液体脂肪、トリグリセリド、脂肪酸、またはそれらの混合物である場合がある。幾つかの実施形態において、潤滑剤は、中鎖トリグリセリド(MCT)を含む場合がある。他の実施形態において、潤滑剤は、例えばレシチンもしくは(例えば、クエン酸、酒石酸、酢酸の)脂肪酸エステル、DATEM、CITREM、またはそれらの混合物のようなミセル界面活性剤を含む。特定の実施形態において、潤滑剤は、重量ベースで、粒子の総重量の約5%まで、特に約0.2%から約5%まで、より具体的には約0.8%から約2%まで、さらにより具体的には約1%から約2%までの量で供給される場合がある。この実施形態において、潤滑剤は、粒子の総重量の2%の量で供給される。他の実施形態において、潤滑剤は、粒子の総重量の1%の量で供給される。
【0126】
(ホットメルト押出)
他の実施形態によれば、組成物は、粒子であり、かつホットメルト押出によって、例えば国際公開第2004/082393号に開示された方法に従って調製される。
【0127】
粒子は、
a)少なくとも1種の水溶性担体材料の水溶液を調製してシロップを形成する工程;
b)シロップを加熱して、濃縮溶液または濃縮溶融物を形成する工程;
c)栄養素、味調節剤、および任意でフレーバーを溶融物全体に均一に分散させて、溶融活性混合物を形成する工程;
d)溶融活性混合物を、該混合物が溶融状態である温度に冷却する工程;
e)溶融混合物を冷却有機溶媒に押し出し、ここで、押し出された溶融塊を粒子に分割する工程;および
f)粒子を乾燥させる工程、
を含むホットメルト押出プロセスにより、調製することができる。
【0128】
特定の実施形態によれば、工程a)~f)を連続的に実施し、工程b)およびd)を、工程b)におけるシロップ、工程d)における溶融活性混合物のそれぞれを、熱交換器の表面上に通すことによって実施する。
【0129】
一実施形態によれば、工程b)は、掃き取り式表面熱交換器(swept surface heat exchanger)上で行われる
一実施形態によれば、工程d)は、かき取り式表面熱交換器上で行われる。
【0130】
一実施形態によれば、シロップは、工程b)において、105℃~150℃以内の温度に加熱される。
【0131】
一実施形態によれば、工程b)の熱交換器におけるシロップの平均滞留時間は、1分~10分以内である。
【0132】
一実施形態によれば、工程a)の水溶液は、溶液の総重量に対して12重量%~40重量%の水を含有する。
【0133】
一実施形態によれば、工程a)の水溶液は、乾燥固形分重量槽から混合槽および加熱槽へと出発材料を搬送し、次いでポンプにより加熱槽からマルチチューブ熱交換器を通して、再びループ内の高温槽へと戻すことによって製造される。
【0134】
一実施形態によれば、工程b)の最後における溶融物は、2重量%~11重量%以内の含水率を有する。
【0135】
一実施形態によれば、工程c)は、混合物の滞留時間が1分未満である高剪断ホモジナイザーにより実施される。
【0136】
一実施形態によれば、溶融活性混合物は、102℃~135℃以内の温度に冷却される。
【0137】
一実施形態によれば、工程c)において溶融物に分散されたフレーバー成分または組成物の少なくとも90重量%は、製造された粒状組成物中に効果的に封入される。
【0138】
一実施形態によれば、押出工程は、1×105Pa~3×105Pa以内の圧力で実施される。
【0139】
(噴霧乾燥プロセス)
一実施形態によれば、組成物は粒子であり、例えば、米国特許出願公開第2015/0374018号明細書に開示さる方法に従い、噴霧乾燥によって調製される。
【0140】
粒子は、
(i)-水、
-担体材料、
-栄養素、
-味調節剤
-任意で、フレーバー、
を含む組成物を調製する工程;
(ii)工程i)で得られた組成物を乾燥させて、粉末状組成物を得る工程、
を含むプロセスによって、調製することができる。
【0141】
一実施形態によれば、工程i)の組成物は、エマルションである。
【0142】
工程i)の組成物は、任意の公知の乳化方法、例えば高剪断混合、超音波処理、または均質化などを用いて形成することができる。そのような乳化方法は、当業者に周知である。
【0143】
一実施形態によれば、工程i)の組成物は、65℃で100s-1の剪断速度において、50mPa・s~500mPa・s以内の粘度を有する。流動粘度は、同心円柱形状のAR2000レオメーター(TAインスツルメンツ社(ニューキャッスル、デラウェア州、米国)製)を用いて測定された。
【0144】
当業者であれば、水、担体材料、栄養素、味調節剤、および任意にフレーバーの適切な量を選択し、典型的には:
-粒子の総重量を基準として、0.1重量%~50重量%、好ましくは0.5重量%~30重量%の栄養素;
-粒子の総重量を基準として、50重量%~95重量%、好ましくは60重量%~90重量%の担体材料;
-粒子の総重量を基準として、0.5重量%~25重量%、好ましくは2重量%~15重量%の味調節剤;
-任意に、粒子の総重量を基準として、1重量%~18重量%、好ましくは3重量%~10重量%のフレーバー;
を有する粒子を得ることができるであろう。
【0145】
エマルションは、任意の成分も含有する場合がある。これは、特に、有効量の防火剤、または爆発抑制剤をさらに含有してもよい。噴霧乾燥エマルション中のそのような難燃剤または爆発抑制剤の種類および濃度は、当業者に知られている。そのような難燃剤または爆発抑制剤の非限定的な例としては、無機塩、C1~C12カルボン酸、C1~C12カルボン酸の塩およびそれらの混合物を挙げることができる。好ましい爆発抑制剤は、サリチル酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、クエン酸、コハク酸、ヒドロキシコハク酸、マレイン酸、フマル酸、オキシル酸、グリオキシル酸、アジピン酸、乳酸、酒石酸、アスコルビン酸、上記の酸のいずれかのカリウム塩、カルシウム塩および/またはナトリウム塩、ならびにこれらの混合物である。
【0146】
他の任意成分には、酸化防止剤、防腐剤、着色剤、および染料が含まれる。
【0147】
エマルションの液滴サイズd(v、0.9)は、好ましくは0.5μm~15μm、より好ましくは0.5μm~10μmである。
【0148】
一実施形態によれば、工程ii)において、エマルションは、粉末組成物を得るように噴霧乾燥される。
【0149】
噴霧乾燥が使用される場合、エマルションは、まず噴霧工程にかけられ、その間にエマルションは液滴の形で噴霧塔に分散される。そのような分散を実施するために、エマルションを液滴の形態で分散させることができる任意の装置を使用することができる。例えば、エマルションは、噴霧ノズルまたは遠心ホイールディスクを通って噴霧塔に導かれる場合がある。振動オリフィスを使用してもよい。
【0150】
一実施形態によれば、エマルションは、液滴の形態で、乾燥塔内に漂って存在する粉末化剤に分散される。そのようなタイプのプロセスは、例えば、国際公開第2007/054853号、または国際公開第2007/135583号に詳細に記載されている。
【0151】
特定の配合について、粒子のサイズは、塔に分散される液滴のサイズの影響を受ける。液滴の分散に噴霧ノズルが用いられる場合、そのような液滴のサイズは、例えばノズルを通る噴霧ガスの流量により制御することができる。液滴の分散に遠心ホイールディスクが使用される場合、液滴のサイズを調節するための主な要因は、液滴がディスクから塔に分散される時の遠心力である。次に、遠心力は、回転速度およびディスクの直径に依存する。エマルション供給流量、その表面張力、およびその粘度もまた、最終的な液滴のサイズおよびサイズ分布を制御するパラメータである。これらのパラメータを調節することにより、当業者は、塔に分散されるエマルションの液滴のサイズを制御することができる。
【0152】
液滴をチャンバー内に噴霧したら、当該技術分野で知られている任意の技術を用いて液滴を乾燥させることができる。これらの方法は、噴霧乾燥の技術分野における特許および非特許文献に完全に記されている。例えば、Spray-Drying Handbook, 3rd ed., K. Masters; John Wiley (1979)には、多様な噴霧乾燥法が記載されている。
【0153】
本発明のプロセスは、従来から使用されている任意の噴霧塔内で実施することができる。従来の多段式乾燥装置は、例えばこのプロセスの工程を実施するのに適している。多段式乾燥装置は、噴霧塔、および噴霧塔の塔底部には、噴霧塔を通って落ちた後の部分的に乾燥した粒子を捕らえる流動床を備える場合がある。
【0154】
噴霧乾燥工程の間に失われるフレーバーの量は、好ましくは15%未満、より好ましくは10%未満、最も好ましくは5%未満であり、これらのパーセンテージは、噴霧乾燥工程の間にフレーバーが全く失われないと仮定した場合に粒子中に存在するであろう理論量に対して、重量ベースで規定されている。
【0155】
[食用消費者製品]
本発明は、本明細書でこれまで述べてきた組成物を含む食用消費者製品、および任意に、フレーバーベースの消費者製品に関する。一実施形態によれば、食用消費者製品は、フレーバー付き食用消費者製品である。
【0156】
食用消費者製品、好ましくは、フレーバー付き消費者製品は、飲料または食品であってよい。
【0157】
特定の実施形態において、食用消費者製品、好ましくはフレーバー付き消費者製品は、フレーバーを飲料、液状乳製品、調味料、焼き菓子、フロスティング、ベーカリーフィリング、飴、チューインガム、および他の食品に移すのに適する場合がある。
【0158】
特定の実施形態において、食用消費者製品、好ましくはフレーバー付き消費者製品は、タンパク質粉末、タンパク質飲料、穀類、プロテインバー、代替肉、代替シーフード、および風味製品からなる群より選択される。代替肉には、代替豚肉、代替鹿肉、代替牛肉、代替ウサギ肉、代替ソーセージ、代替デリミート、代替ハム、代替サラミ、代替ペペローニ、代替鶏肉、代替七面鳥肉、代替ガチョウ肉、代替キジ肉、代替ハト肉、代替鯨肉、代替ラム肉、代替ヤギ肉、代替ロバ肉、および代替リス肉が含まれる。代替シーフードには、代替魚類、代替ホタテ、代替エビ、代替カニ肉、代替貝、代替二枚貝、代替イカ、代替巻き貝、および代替ホヤが含まれる。
【0159】
食品が粒状または粉末状である場合、その食品への乾燥組成物の添加は、乾式混合によって容易に行うことができる。典型的な食品は、インスタントスープまたはソース、朝食用シリアル、粉ミルク、ベビーフード、粉末飲料、粉末チョコレート飲料、スプレッド、粉末シリアル飲料、チューインガム、発泡錠、シリアルバー、およびチョコレートバーからなる群より選択される。粉末状の食品または飲料は、製品を水、ミルクおよび/またはジュース、または他の水性液体で戻した後に消費されることが意図される場合がある。
【0160】
飲料には、コーラ、レモンライム、ルートビア、柑橘風味飲料(heavy citrus)(「デュータイプ(dew type)」)、フルーツフレーバーソーダおよびクリームソーダを含む炭酸清涼飲料;粉末清涼飲料水、およびファウンテン用シロップおよびコーディアルなどの液体濃縮物;コーヒーおよびコーヒーベースの飲料、コーヒー代替品、および穀物ベースの飲料;ドライミックス製品およびレディ・トゥ・ドリンク(すぐに飲める)タイプの茶(ハーブおよび茶葉ベース)を含む茶類;フルーツおよび野菜ジュース、およびフレーバー付きジュース飲料、ならびにジュース飲料、ネクター、濃縮物、パンチ、および「エード」;炭酸入りおよび炭酸なしの両方の、甘くフレーバー付きの水;スポーツ/エネルギー/健康飲料;アルコール飲料に加えて、ビールおよび麦芽飲料を含むアルコールフリーおよび他の低アルコール製品、サイダー、およびワイン(炭酸なし、スパークリング、強化ワインおよびワインクーラー);加熱(温浸、低温殺菌、超高温、オーム加熱、または商用の無菌滅菌)処理され、熱間充填包装された他の飲料;およびろ過または他の保存技術によって作られた冷間充填包装された製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
特定の実施形態によれば、食用消費者製品は、ハーブ浸出液、コーヒー、茶、ボタニカルなどの温かい飲料または冷たい飲料の形態である。
【0162】
特定の実施形態によれば、食用消費者製品は、茶葉を含む飲料であり、該飲料中には、本発明の組成物が、消費者製品の総重量を基準として0.01重量%~0.15重量%の量で存在することが好ましい。
【0163】
特定の実施形態によれば、食用消費者製品は、ティーバッグであり、該ティーバッグ中には、本発明の組成物が、消費者製品の総重量を基準として1重量%~15重量%の量で存在することが好ましい。
【0164】
液体乳製品には、非凍結、部分凍結および凍結した液体乳製品、例えば、ミルク、アイスクリーム、シャーベット、およびヨーグルトが含まれるが、これらに限定されない。調味料には、ケチャップ、マヨネーズ、サラダドレッシング、ウスターソース、フルーツフレーバー付きソース、チョコレートソース、トマトソース、チリソース、およびマスタードが含まれるが、これらに限定されない。
【0165】
焼き菓子には、ケーキ、クッキー、ペストリー、パン、ドーナツなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0166】
ベーカリーフィリングには、低pHまたは中性pHのフィリング、高固形分、中固形分、または低固形分のフィリング、フルーツまたはミルクベース(プディングタイプまたはムースタイプ)のフィリング、高温または低温仕上げフィリング、および無脂肪から全脂肪までのフィリングが挙げられるが、これらに限定されない。
【0167】
適切なフレーバーベースの消費者製品は、任意の食品ベース、例えば食品または飲料であってよい。適切な食品ベース、例えば、食品または飲料は、揚げることができてもできなくても、凍結されていてもいなくても、低脂肪であってもそうでなくても、マリネされていても、衣が付けられていても、冷却されていても、脱水されていても、即席でも、缶詰でも、戻されていても、レトルトでも、または保存されていてもよい。そのような食品ベースの典型的な例には:
-シーズニングまたは調味料、例えばストック、風味付けキューブ、粉末ミックス、フレーバーオイル、ソース(例えば、レリッシュ、バーベキューソース、ドレッシング、グレービーソース、またはスイートおよび/またはサワーソース)、サラダドレッシング、またはマヨネーズ;
-肉ベースの製品、例えば鶏肉、牛肉、または豚肉ベースの製品、シーフード、すり身、または魚肉ソーセージ;
-スープ、例えばクリアースープ、クリームスープ、チキンもしくはビーフスープ、またはトマトもしくはアスパラガススープ;
-炭水化物ベースの製品、例えばインスタント麺、米、パスタ、ポテトフレーク、またはフライドポテト、麺、ピザ、トルティーヤ、ラップ、
-乳製品または脂肪製品、例えばスプレッド、チーズ、または普通脂肪もしくは低脂肪マーガリン、バター/マーガリンブレンド、バター、ピーナッツバター、ショートニング、プロセスチーズ、またはフレーバーチーズ;
-風味製品、例えばスナック、ビスケット(例えばチップスまたはクリスプ)、または卵製品、ポテト/トルティーヤチップ、電子レンジポップコーン、ナッツ、プレッツェル、餅、せんべい等;
-イミテーション製品、例えば乳製品(例えば油、脂肪、および増粘剤から製造される再形成チーズ)、または代替シーフードもしくは代替肉(例えばベジタリアン用代替肉、野菜バーガー)、またはペットまたは動物用食品、
が含まれる。
【0168】
一実施形態によれば、食用製品は、0.5未満の水分活性を有する。
【0169】
水分活性は、周知のパラメータであり、含水組成物中にどれくらいの自由水が存在するかを表す。
【0170】
水分活性(aw)は、物質中の水の蒸気分圧を標準状態の水の蒸気分圧で除した値である。食品科学の分野では、標準状態は、同じ温度における純水の蒸気分圧として定義されることが最も多い。
【0171】
水分活性awは:
p/p*
[式中、pは、溶液中の水の蒸気分圧であり、p*は、同一温度における純水の蒸気分圧である]
として定義される。
【0172】
awは、組成物固有の特性であり、抵抗式電解湿度計、容量式湿度計または露点湿度計などの様々な方法によって容易に測定することができる。
【0173】
水分活性を、Rotronic社 Hygrolab cellを用いて少数点以下4桁、25°で測定し、飽和食塩水で較正し、SUPPLIER Quick Aw(登録商標)機能を使用して、5~6分間平衡後のawを推定した。
【0174】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、消費者製品の総重量を基準として0.001重量%~15重量%の量で使用される。
【0175】
本発明の他の対象は、
-不溶性食品担体、
-・少なくとも1種の水溶性担体材料、
・少なくとも1種の栄養素、および
・少なくとも1種の味調節剤
を含む不溶性担体上のコーティング、
を含む、乾燥組成物である。
【0176】
不溶性食品担体は、好ましくは花、葉、豆類、種子、穀類、藻類、果実片、野菜片、粉末、および粒子からなる群より選択され、より好ましくは茶葉およびコーヒー豆からなる群より選択される。葉は、全葉、切断葉、粉砕葉、特に自由流動性粉末の形態の粉末葉、または粒子であってよい。コーヒー豆は、挽かれていない豆でも挽かれた豆でもよい。
【0177】
特定の実施形態において、不溶性食品担体は、ハーブ担体、果物担体、および他のボタニカルからなる群より選択される。
【0178】
特定の実施形態において、不溶性食品担体は、藻類、好ましくは海藻であってよい。
【0179】
特定の実施形態において、不溶性食品担体は、1つ以上の果実片である。1つ以上の果実片は、同じ種類の果実からのものであっても、異なる種類の果実からのものであってもよい。1つ以上の果実片は、例えばリンゴ、洋ナシ、オレンジ、マンダリン、ライム、ネクタリン、アプリコット、桃、プラム、バナナ、マンゴー、ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリー、キウイフルーツ、パッションフルーツ、および/またはスイカからのものであってよい。
【0180】
特定の実施形態において、不溶性食品担体は、1つ以上の野菜片である。1つ以上の野菜片は、同じ種類の野菜からのものであっても、異なる種類の野菜からのものであってもよい。
【実施例】
【0181】
ここで、本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明する。
【0182】
[実施例1]
(本発明による(粒子の形態の)組成物の製造)
・一般手順
以下の表に記載の成分を秤量し、混合ボウル中で、最初に固体成分を混合し、最後に水を加えた。次に、混合物を、Thermo Electron社(ドイツ)製の16mm実験室用押出機を使用して押出成形した。押出のパラメータは以下の通りであった:フィーダースループット400g/h、ダイ温度112℃、温度20℃~112℃の範囲の4個のバレル。ダイの単一孔は、1mmの内径を有する。スクリュー速度を300rpmに設定した。
【0183】
定常状態の押出条件を確立した後、押出物を、回転ナイフを用いて約1.5mmの粒子にばらばらに細断し、サイクロンで収集した。
【0184】
以下の粒子組成物を、一般手順に従って調製した。
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
[実施例2]
(本発明による組成物の性能)
・手順
実施例1で調製した粒子を、レモンフレーバー付き飲料(配合を以下に示す)、または水に、鉄については0.1%rtd(レディ・トゥ・ドリンク)、ビタミンB6については0.06%rtd、ビタミンEについては0.05%rtdの濃度を含ませ、味調節剤無しで栄養素とカプセル化したものと、味調節剤有りで栄養素とカプセル化したもの(いずれの場合も栄養素を同じレベルで投与する)とを比較した。
【表11】
【0196】
本発明の性能を測定するために、ビタミンおよび/またはミネラルを含有するカプセル化製品に味調節剤を添加することによる利点を示す、テイスティングセッションを実施した。
【0197】
サンプルを提示し、訓練されたパネリストで構成されるパネルが無作為順序でテイスティングし、特性を0~10の基準で判定した。
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
【0203】
【0204】
結論
味調節剤を配合物に添加した場合、有意な結果が明らかに得られた。好ましい効果は、例えば、フレーバー全般の強さ、甘味、脂っこい、金属の、酸敗臭のオフノート、厚紙(cardboard)および長持ちする甘味の項目に認められた。
【0205】
[実施例3]
(本発明の組成物を含むチューインガム)
粒子E~粒子Hを、チューインガム組成物の総重量を基準として、2重量%の濃度でチューインガム組成物中に入れた。
【0206】
【0207】
[実施例4]
(本発明の組成物を含む代替肉)
粒子G~粒子Jを、代替肉組成物(大豆タンパク質またはエンドウタンパク質をベースとする代替肉組成物)中に、代替肉組成物の総重量を基準として、粒子Gおよび粒子Hについては0.007重量%の濃度で、粒子IおよびJについては、0.06%の濃度で入れた。
【国際調査報告】