(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】想定外のデバイス使用法の検出及び適合
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241024BHJP
G06F 9/44 20180101ALI20241024BHJP
G06F 11/34 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06F9/44
G06F11/34 142
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519941
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2022079638
(87)【国際公開番号】W WO2023072855
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マントリプラガダ、コンダラ ラオ ラドハ ラヴィ シャンカラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラダ、スリ ハルシャ
(72)【発明者】
【氏名】ヤマラパリ、ラメッシュ ナイドゥ
(72)【発明者】
【氏名】カリ、ヴェンカタ ヴァラ プラサド
【テーマコード(参考)】
5B042
5B376
5L050
【Fターム(参考)】
5B042JJ17
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC21
5B042MC22
5B042MC37
5B376DA20
5L050CC03
(57)【要約】
想定外のデバイス使用法の検出及び適合電子デバイスについての想定外の使用法パターンに対する視認性及び洞察の向上を提供するシステムについて説明される。利用分析システムは、デバイス利用情報に利用モデルを適用する。利用モデルはまた、電子デバイスについての1つ又は複数のデバイス使用法パターンを判定するために使用される。これらのデバイス使用法パターンは、想定外のデバイス利用を判定するために使用され、システムは、電子デバイスへの損傷を防止し、及び/又は電子デバイスの設計及び開発を強化するために、幾つかのハードウェア及びソフトウェアソリューション提案で想定外のデバイス利用に応答する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用分析システムにおいて、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する段階;
前記利用分析システムにおいて、前記デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する段階;
前記電子デバイスについての前記少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、前記設計パラメータにおいて存在しない、前記電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する段階、
前記想定外のデバイス利用を用いて:
前記電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、又は
前記電子デバイスについてのハードウェア強化
のうちの少なくとも1つを含む、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する段階;及び
前記1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、前記電子デバイスの前記想定外のデバイス利用について前記電子デバイスを適合させる段階
を備える、方法。
【請求項2】
前記想定外のデバイス利用は、少なくとも前記電子デバイスの加速した劣化をもたらす、前記電子デバイスを劣化させる利用を含み、前記想定外のデバイス利用は:
前記電子デバイスの使用中における前記電子デバイスのユーザ操作、
前記電子デバイスの使用中における、少なくとも位置を含むデバイスコンテキスト、
前記電子デバイスの使用の時間及び継続期間、又は
前記電子デバイスの使用中における外部デバイスとのインタラクション
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソフトウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのファームウェアアップデート;
前記想定外のデバイス利用についてデバイス利用情報を直接監視するためのプログラムアップデート;又は
前記想定外のデバイス利用についてユーザ情報を提供するユーザインタラクションアップデート
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ハードウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるための、追加されたハードウェアコンポーネント;及び
将来のデバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのハードウェア設計変更
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電子デバイスの最適な使用、及び、前記電子デバイスの有害な使用法を回避する方法、のうちの少なくとも1つを明示する仮想指示チュートリアルを生成する段階;及び
前記仮想指示チュートリアルを消費者に提供し、前記想定外のデバイス利用をデバイスユーザに知らせる段階
を更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記デバイス利用情報は:
前記電子デバイスのユーザによって提供される利用情報;
サービスシステムによってコンパイルされる利用情報;及び
サービスフォーラムによって提供される利用情報
のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記デバイス利用情報は、前記電子デバイスの外部にある1つ又は複数のコンテキスト収集デバイスによって提供されるコンテキスト情報を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータ可読プログラムコードが具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備え、前記コンピュータ可読プログラムコードは:
利用分析システムにおいて、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する手順;
前記利用分析システムにおいて、前記デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する手順;
前記電子デバイスについての前記少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、前記設計パラメータにおいて存在しない、前記電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する手順;
前記想定外のデバイス利用を用いて:
前記電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、及び
前記電子デバイスについてのハードウェア強化
のうちの少なくとも1つを含む、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する手順;及び
前記1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、前記電子デバイスの前記想定外のデバイス利用について前記電子デバイスを適合させる手順
を有する動作を実行するために1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実行可能である、コンピュータプログラム製品。
【請求項9】
前記想定外のデバイス利用は、少なくとも前記電子デバイスの加速した劣化をもたらす、前記電子デバイスを劣化させる利用を含み、前記想定外のデバイス利用は:
前記電子デバイスの使用中における前記電子デバイスのユーザ操作、
前記電子デバイスの使用中における、少なくとも位置を含むデバイスコンテキスト、
前記電子デバイスの使用の時間及び継続期間、又は
前記電子デバイスの使用中における外部デバイスとのインタラクション
のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項10】
前記ソフトウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのファームウェアアップデート;
前記想定外のデバイス利用についてデバイス利用情報を直接監視するためのプログラムアップデート;及び
前記想定外のデバイス利用についてユーザ情報を提供するユーザインタラクションアップデート
のうちの1つ又は複数を含む、請求項8に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項11】
前記ハードウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるための、追加されたハードウェアコンポーネント;及び
将来のデバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのハードウェア設計変更
のうちの1つ又は複数を含む、請求項8に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
前記動作は:
前記電子デバイスの最適な使用、及び、前記電子デバイスの有害な使用法を回避する方法、のうちの少なくとも1つを明示する仮想指示チュートリアルを生成する手順;及び
前記仮想指示チュートリアルを消費者に提供し、前記想定外のデバイス利用をデバイスユーザに知らせる手順
を更に有する、請求項8に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
前記デバイス利用情報は:
前記電子デバイスのユーザによって提供される利用情報;
サービスシステムによってコンパイルされる利用情報;及び
サービスフォーラムによって提供される利用情報
のうちの1つ又は複数を更に含む、請求項8に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
前記デバイス利用情報は、前記電子デバイスの外部にある1つ又は複数のコンテキスト収集デバイスによって提供されるコンテキスト情報を更に含む、請求項8に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
1つ又は複数のコンピュータプロセッサ;及び
前記1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実行された場合に:
利用分析システムにおいて、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する手順;
前記利用分析システムにおいて、前記デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する手順;
前記電子デバイスについての前記少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、前記設計パラメータにおいて存在しない、前記電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する手順;
前記想定外のデバイス利用を用いて:
前記電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、及び
前記電子デバイスについてのハードウェア強化
のうちの少なくとも1つを含む、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する手順;及び
前記1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、前記電子デバイスの前記想定外のデバイス利用について前記電子デバイスを適合させる手順
を有する動作を実行するプログラムを収容するメモリ
を備える、システム。
【請求項16】
前記想定外のデバイス利用は、少なくとも前記電子デバイスの加速した劣化をもたらす、前記電子デバイスを劣化させる利用を含み、前記想定外のデバイス利用は:
前記電子デバイスの使用中における前記電子デバイスのユーザ操作、
前記電子デバイスの使用中における、少なくとも位置を含むデバイスコンテキスト、
前記電子デバイスの使用の時間及び継続期間、又は
前記電子デバイスの使用中における外部デバイスとのインタラクション
のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ソフトウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのファームウェアアップデート;
前記想定外のデバイス利用についてデバイス利用情報を直接監視するためのプログラムアップデート;及び
前記想定外のデバイス利用についてユーザ情報を提供するユーザインタラクションアップデート
のうちの1つ又は複数を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ハードウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるための、追加されたハードウェアコンポーネント;及び
将来のデバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのハードウェア設計変更
のうちの1つ又は複数を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記動作は:
前記電子デバイスの最適な使用、及び、前記電子デバイスの有害な使用法を回避する方法、のうちの少なくとも1つを明示する仮想指示チュートリアルを生成する手順;及び
前記仮想指示チュートリアルを消費者に提供し、前記想定外のデバイス利用をデバイスユーザに知らせる手順
を更に有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記デバイス利用情報は:
前記電子デバイスのユーザによって提供される利用情報;
サービスシステムによってコンパイルされる利用情報;及び
サービスフォーラムによって提供される利用情報
のうちの1つ又は複数を更に含む、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの使用法(usage)に関し、より具体的には、ユーザによる電子デバイスの想定外の又は有害な使用(use)を識別し、これに適合することに関する。現在、ハードウェア及びソフトウェアの設計者は、デバイスの利用(utilization)中における通常の又は想定される損耗に耐えることが想定されている電子デバイスを製造するために、大規模な設計テスト及びプロトタイプに依拠している。しかしながら、人間のユーザは、多くの場合において予測不能であり、予想されていない、又は、電子デバイスについての所与の設計パラメータから外れた様式で電子デバイスを使用する。電子デバイス、又は電子デバイスの使用についてのユーザの期待を適合させることを怠ると、ユーザが電子デバイスを偶発的に損傷する事態を引き起こし、電子デバイスの期待耐用年数の短縮及び電子デバイスに対する消費者信頼感の喪失をもたらし得る。
【発明の概要】
【0002】
1つ又は複数のコンピュータのシステムは、動作中にシステムに作用を実行させる、システム上にインストールされたソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって特定の動作又は作用を実行するように構成され得る。1つ又は複数のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行された場合、装置に作用を実行させる命令を含むことによって特定の動作又は作用を実行するように構成され得る。
1つの一般的な態様は、方法を含む。方法は、利用分析システムにおいて、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する段階、利用分析システムにおいて、デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する段階、及び、電子デバイスについての少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、設計パラメータにおいて存在しない、電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する段階、を備える。方法はまた、想定外のデバイス利用を用いて、電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、及び、電子デバイスについてのハードウェア強化、のうちの少なくとも1つを含む、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する段階、を備える。方法はまた、1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、電子デバイスの想定外のデバイス利用について電子デバイスを適合させる段階を備える。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び、1つ又は複数のコンピュータ記憶デバイス上に記録されたコンピュータプログラムを含み、各々が方法の作用を実行するように構成されている。
【0003】
例示的な一実施形態は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品を含み、当該コンピュータ可読プログラムコードは、動作を実行するために1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実行可能である。動作は、利用分析システムにおいて、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する手順、利用分析システムにおいて、デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する手順、及び、電子デバイスについての少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、設計パラメータにおいて存在しない、電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する手順、を備える。動作はまた、想定外のデバイス利用を用いて、電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、及び、電子デバイスについてのハードウェア強化、のうちの少なくとも1つを含む、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する手順、を備える。動作はまた、1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、電子デバイスの想定外のデバイス利用について電子デバイスを適合させる手順を備える。
【0004】
別の例示的な実施形態は、システムを含む。システムは、1つ又は複数のコンピュータプロセッサを備える。システムはまた、コンピュータプロセッサによって実行された場合、動作を実行するプログラムを収容するメモリを備える。動作は、利用分析システムにおいて、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する手順、利用分析システムにおいて、デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する手順、及び、電子デバイスについての少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、設計パラメータにおいて存在しない、電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する手順、を備える。動作はまた、想定外のデバイス利用を用いて、電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、及び、電子デバイスについてのハードウェア強化、のうちの少なくとも1つを含む、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する手順、を備える。動作はまた、1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、電子デバイスの想定外のデバイス利用について電子デバイスを適合させる手順を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
ここで、本発明の好ましい実施形態が、例としてのみ、及び以下の図面を参照して説明される。
【0006】
【
図1】一実施形態による、例示的な電子デバイス及び利用分析システムを示す。
【0007】
【
図2】一実施形態による、例示的な電子デバイスのブロック図を示す。
【0008】
【
図3】実施形態による、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定するためのフローチャートを示す。
【0009】
【
図4】実施形態による、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定するためのフローチャートを示す。
【0010】
【
図5】一実施形態による、利用分析システムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
電子デバイスは、消費者及び商業形態の両方において、ますます生活の偏在的な部分となっている。人間は、個人的及び産業的場面の両方において、モバイルフォン、タブレット、及び他のコンピューティングデバイスなどの個人用消費者向けデバイスからモノのインターネット(Internet-of-Things:IoT)デバイスに至るまで、様々なデバイスを使用し、これらに依拠している。例えば、ユーザは多くの場合、常時手の届くところにモバイルスマートフォンを有し、ユーザの手首にはスマートウォッチを有し、そして自宅では、スマートテレビ及びコンピュータから、ますますスマートホームを構成しつつある多くのタイプのIoTデバイスにまで及ぶ、様々な電子デバイスを有する。
【0012】
加えて、商業及び産業企業は、様々な小売、産業、及びその他の場面に様々な電子デバイスを組み込んでいる。例えば、スマートデバイスは、小売、産業、及びその他の場面を含む多種多様な商業企業において、労働者を支援し、商業環境を監視するために使用されている。商業的場面及び消費者直接取引の場面の両方において、これらの電子デバイスは、電子デバイスについて耐久性能を提供することを意図した特定のパラメータ内で設計されている。これらの電子デバイス設計は、多くの場合、幾つかの極端な又は有害な条件を勘案しているが、幾つかのケースにおいて、電子デバイス設計は、電子デバイスがエンドユーザによる使用中に遭遇し得るあらゆる利用を勘案することができない。
【0013】
これらの想定外のデバイス利用のうち幾つかは、デバイスへの損耗又は損傷の増大をもたらさない場合もあるが、想定外のデバイス利用の多くが、機能に関する問題を引き起こし、デバイスを急速に劣化させ得る。他の例において、想定外のデバイス利用は、デバイスにいかなる損傷ももたらさない場合もあるが、これらの使用法を発見することは、電子デバイス開発者が更なる有利な使用及び他の開発のために電子デバイスを更に強化する上で有益であり得る。
【0014】
本明細書で説明されるシステム及び方法は、電子デバイスについての想定外の使用法パターンに対する視認性及び洞察の向上を提供する。システム及び方法は、デバイス利用情報に利用モデルを適用する利用分析システムを用いることを含む。利用モデルは、電子デバイスについての1つ又は複数のデバイス使用法パターンを判定するために使用される。これらのデバイス使用法パターンは、想定外のデバイス利用を判定するために使用され、システムは、電子デバイスへの損傷を防止し、及び/又は電子デバイスの設計及び開発を強化するために、幾つかのハードウェア及びソフトウェアソリューション提案で想定外のデバイス利用に応答する。
【0015】
図1は、一実施形態による、例示的な電子デバイス及び利用分析システムを示す。環境100は、電子デバイス105(デバイス105)とインタラクトする、又はこれを用いるユーザ101を含み、デバイス105は、利用分析システム150(システム150)と通信している。ユーザは、インタラクション107を介してデバイス105とインタラクトする、又はそうでなければこれを操作する。幾つかのケースにおいて、インタラクション107は、様々な想定されるデバイス使用を含み得る。例えば、ユーザ101は、想定される/設計された継続期間にわたり、かつコンテキスト情報130によって表されるコンテキストにおいて、ユーザの自宅でスマートスピーカ(例えば、デバイス105)を使用し得る。例えば、スマートスピーカは、リビングルームなど、自宅内の典型的な位置にあり得る。
【0016】
別の例において、ユーザ101は、(例えば、設計パラメータ内にはない)想定外の様式又は位置でスマートスピーカを使用し得る。例えば、スマートスピーカは、キッチン内のコンロ上に置かれ得る。この例において、調理に伴う高温多湿は、デバイスを劣化させる利用を引き起こし得る。例えば、スピーカは或る期間にわたり正常に機能しているように見える場合があるが、損耗の増大を被っている可能性があり、そのため、当該スピーカの期待耐用年数(例えば、想定される使用法では10年間)が(例えば、有害な使用法では2年間に)短縮される。インタラクション107に対処すると共に更なるハードウェア開発をインタラクション107に適合させるために、システム150は、デバイス105についての1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定及び展開する。
【0017】
例えば、システム150は、スマートホームシステム内のあらゆる耐久消費財デバイスについての想定される消費者使用法パターン及び想定外の/隠れた使用法パターンを活用し、それにより、ソフトウェアコンポーネント及びハードウェアコンポーネント強化に対する洞察及び推奨事項を導出する。
【0018】
ソフトウェアコンポーネントのアップグレード又は強化の事例において、システムは、ユーザの有効な想定外の/隠れた使用法パターンを考慮し、当該パターンを、ユーザビリティモジュール強化、セキュリティモジュール強化、又は追跡/パワーモジュール/ファームウェア強化として分類し、最適化された使用法及び発電のためのより良い将来のリリースに向けてそれぞれのソフトウェア開発チームに注意喚起し得る。
【0019】
別の例において、ハードウェアコンポーネント強化について、システム150は、ソーシャル、IoT対応デバイス、サービスセンタ及び/又は他のオンラインプラットフォームで与えられる調査/フィードバックのような様々なプラットフォームから導出される使用法パターン並びにユーザからのフィードバックを考慮する。この情報は、既存のコア機能に加えて、エンドユーザが期待しているハードウェア強化又は変更を識別するために使用される。
【0020】
幾つかの例において、デバイス105は、デバイスについてのコンテキスト情報を提供するセンサを含む、任意のタイプの消費者、産業、又は他のタイプの電子デバイスを含み得る。例示的なデバイスは、モバイルスマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、コンピュータ、又は他の消費者向けデバイスを含み得る。追加デバイスは、ネットワーク接続されたカメラ、センサ、スマート電球、スマートロック等のようなIoTデバイスを含み得る。本明細書では主に消費者向けの場面において説明されるが、デバイス105は、小売環境、産業的場面、大規模データセンタなどの商業的場面、及び他の商業的場面においても利用され得る。
【0021】
幾つかの例において、デバイス105は、オンボードセンサ並びにネットワーク内の他のデバイスから様々な利用及び他のデバイスコンテキストデータを収集するコンポーネントを含む。例えば、
図2において示されている通り、配置200において示されているデバイス105はプロセッサ205、メモリ210、ストレージ220、外部ネットワークインタフェース230、センサ及び利用ハードウェアコンポーネント、コンポーネント240、及び先に列挙されたコンポーネントを接続するバス250を含む。幾つかの例において、コンポーネント240は、デバイス105についてのコンテキスト及び利用情報を提供する様々な監視及びコンテキストセンサ及び他のハードウェアを含む。例えば、利用情報は、ジャイロスコープ及びユーザによるデバイスの配向及び操作を検出し得る他のコンポーネントを介して収集される、電子デバイスの使用中における電子デバイスのユーザ操作を含み得る。
【0022】
利用情報はまた、全地球測位システム又はコンポーネント240によって提供される他の位置検出サービスを介して収集される電子デバイスの使用中における少なくとも位置を含むデバイスコンテキストを含み得る。利用情報はまた、電子デバイスの使用の時間及び継続期間、及び、電子デバイスの使用中における外部デバイスとのインタラクションを含み得る。例えば、コンポーネント240は、デバイス275など、デバイス105の外部にあるデバイスとのインタラクションを検出し得、デバイス275はまた、追加の利用及びコンテキスト情報を提供し得る。デバイス105はまた、利用モジュール211、通信モジュール212、及びデバイス利用情報を利用データ110としてコンパイルして利用データ110をネットワーク270を介してシステム150に提供し、システム150から受信されたソフトウェア強化115を実装するソフトウェア実装モジュール213を含むプログラムモジュール215を含む。
【0023】
図1に戻ると、
図2に関連して論述された通り、追加デバイス275は、追加のコンテキスト又は他の使用法情報を提供し得る。これらのデバイスは、利用情報106a及び106bをデバイス105に提供するIoTデバイス115a及び115b、並びに、利用情報108をデバイス105に提供するユーザデバイス120などの様々な電子デバイスを含み得る。利用情報106a~b及び108は、コンテキスト情報130と共にユーザ101によるデバイスの利用及び操作に関する追加情報を提供し得る。例えば、IoTデバイス115a及び115bは、温度センサ、カメラ、位置ビーコン、及び追加の位置及びコンテキスト情報を収集及び提供し得る他の典型的なIoTデバイスを含み得る。例えば、デバイス105としてのスマートスピーカの先の例を参照すると、IoTデバイス115a及び115bは、デバイス105がキッチン内のコンロ付近にあることを示す位置データ、並びに、デバイス105の周囲の位置についての熱及び湿度データをスマートスピーカに提供し得る。
【0024】
幾つかの例において、ユーザ101はまた、直接、又はユーザデバイス120上のユーザインタフェースを介して、デバイス105に、インタラクション107を表す追加利用情報を提供し得る。例えば、デバイス105は、(ユーザデバイス120として具現化される)スマートフォンなどの別のスマートデバイスを介したインタラクションを必要とする(例えば、スマートスピーカ等の)スマートデバイスを含み得る。幾つかの例において、デバイス105は、全ての関連する利用データをデバイス自体で収集し、利用データ110をシステム150に直接提供する。例えば、ユーザ101は、位置及び他の利用データをデバイス105及び/又はユーザデバイス120に手動で提供し得る。
【0025】
デバイス105が利用データ110を収集及び提供すると、システム150はデバイス105から利用データ110を収集すると共に、他の入力及びデバイス開発者151からの追加の入力から追加利用情報152を収集する。幾つかの例において、追加利用情報152は、電子デバイスのユーザによって(例えば、ユーザデバイス120を介して、フィードバックシステム等を介して)提供される利用情報を含み得る。幾つかの例において、追加利用情報は、複数の様々なユーザによる使用法を表す、サービスシステムによってコンパイルされた情報を含む。例えば、ユーザは、顧客サービスインタラクションにおける特定のコンテキストにおいて又は特定の様式においてデバイス105を用いることを頻繁に示し得る。別の例において、利用情報はまた、サービスフォーラムによって提供され得、例えば、コミュニティソースの質問/回答フォーラムも、デバイス105に類似したデバイスについての典型的な利用情報を判定するために使用され得る。
【0026】
システム150は、利用データ110に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する。幾つかの例において、利用モデルは、様々なパラメータを使用して、利用データ110に基づき、デバイス105の様々なコンテキスト及び使用法を判定する。幾つかの例において、スマートスピーカについて判定された使用法パターンは、様々な使用位置並びにデバイスの性能を含み得る。例えば、使用法パターンは、スマートスピーカについて、頻繁な高温/多湿の使用法を示し得る。
【0027】
システム150はまた、デバイス105についてのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、設計パラメータにおいて存在しない、電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定し、次に、想定外のデバイス利用を用いて、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する。デバイス最適化提案は、電子デバイスによる実行のためのソフトウェア強化、及び、電子デバイスについてのハードウェア強化を含み得る。
【0028】
例えば、ソフトウェア強化は、電子デバイスを想定外のデバイス利用に適合させるための、デバイスファームウェアに対するアップデート、想定外のデバイス利用についてデバイス利用情報を直接監視するためのプログラムアップデート、及び、想定外のデバイス利用についてユーザ情報を提供するユーザインタラクションアップデート、のうちのいずれかを含み得る。例えば、スマートスピーカは、脆弱なコンポーネントを保全するために、有害な条件にある場合にその使用法を適合させるためにアップデートされ得る。加えて、スマートスピーカは、直接通知を介して、又はユーザデバイス120を介して、或る使用法がデバイスにとって有害であることを示す通知をユーザに提供するためにアップデートされ得る。
【0029】
幾つかの例において、ハードウェア強化は、電子デバイスを想定外のデバイス利用に適合させるための、追加されたハードウェアコンポーネント、及び、将来のデバイスを想定外のデバイス利用に適合させるためのハードウェア設計変更を含み得る。例えば、スマートスピーカについてのハードウェア改善は、有害な高温多湿条件にある場合におけるスピーカについてのケースについての提案、並びに、有害な条件下においても長持ちするように設計されたハードウェアを組み込むためのスピーカの設計に対する将来的なアップデートを含み得る。
【0030】
別のソフトウェア強化はまた、デバイスの有害な利用を回避する方法について指示する、ユーザ向けの詳細な指示を含み得る。例えば、システム150はまた、電子デバイスの最適な使用を明示する仮想指示チュートリアル155を生成し得、システム150は、仮想指示チュートリアル155をユーザ101などの消費者に提供し、想定外のデバイス利用をユーザ101に知らせる。幾つかの例において、仮想指示チュートリアル155は、
図4に関連して更に詳細に説明されている通り、デバイス105又はユーザデバイス120を介して提供される。
【0031】
システム150は、1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、電子デバイスの想定外のデバイス利用について電子デバイスを適合させる。例えば、システム150は、デバイスのソフトウェアをアップデートするために、デバイス105にソフトウェア強化115を提供する。システム150はまた、デバイス105用のハードウェアを更に適合させるために、デバイス開発者151にハードウェア強化を提供し得る。上記で説明された動作は、
図3に関連して更に詳細に説明される。
【0032】
図3は、実施形態による、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定するためのフローチャートを示す。論述を容易にするために、
図3において説明される方法は、
図1~
図2において説明される例及びシステムを参照する。方法はまた、
図1並びに
図5において説明されるシステム150によって実行され得る。方法300はブロック302で始まり、システム150は、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する。例えば、システム150は、デバイス105から利用データ110を受信し、利用データ110は、デバイス105からの様々なコンテキスト及び使用法データを含む。例えば、利用データ110は、電子デバイスの使用中における電子デバイスのユーザ操作を含み得る。例えば、デバイス105上の様々なコンポーネントによって収集される、使用中にユーザがデバイスを動作させる方法である。利用データ110はまた、電子デバイスの使用中における、少なくとも位置を含むデバイスコンテキストを含み得る。例えば、位置は、大域的な位置(例えば、国、州、地域)又はより具体的な位置(例えば、自宅、小売環境、キッチン、会議室内等)であり得る。
【0033】
幾つかの例において、利用データ110はまた、電子デバイスの使用の時間及び継続期間を含み得る。例えば、利用データ110は、時刻のタイムスタンプ、並びに、1日につき、又は1回の使用につき、ユーザがどのくらいの長さにわたりデバイスを使用しているか、等を含み得る。利用データ110はまた、電子デバイスの使用中における外部デバイスとのインタラクションを含み得る。例えば、デバイス105及びユーザデバイス120又はデバイス115a~bの間の任意のインタラクションも、利用データ110に含まれ得る。
【0034】
幾つかの例において、デバイス105から受信された利用データ110はまた、ユーザデバイス120から受信された追加情報、追加利用情報152、及びデバイス開発者151によって補強され得る。この情報は、ユーザ101によって直接提供される利用情報、サービスシステムによってコンパイルされる利用情報、及び、コンパイルされる利用データの他の形態のうち、サービスフォーラムによって提供される利用情報を含み得る。
【0035】
ブロック304で、システム150は、デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する。幾つかの例において、利用モデルは、特定の使用法パターンを解析するために、機械学習又は他の方法を使用して利用情報における様々な要因を相関させる。スマートスピーカの例を再び参照すると、使用の時刻及び継続期間は、スピーカが食事の準備中に使用され、調理装置の近くに位置していたことを示す、高温/多湿などの他の使用条件と相関され得る。幾つかの例において、利用モデルは、追加利用情報152及びデバイス開発者151によって提供される追加情報を更に使用して、頻繁に及び/又は稀に発生する使用法のエッジケースを識別し、多種多様な使用を識別し得る。
【0036】
ブロック306で、システム150は、電子デバイスについての少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、設計パラメータにおいて存在しない、電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する。設計パラメータは、デバイスの想定される有害な使用を含む、様々な想定される利用を含み得る。例えば、スマートスピーカは、デバイスについて想定される典型的な動作条件並びにデバイス105について想定される短期の有害な条件を含み得る。ブロック304において識別される使用法パターンのうちの1つ又は複数が設計パラメータから外れている(例えば、典型的な動作条件を超えている)場合、システム150は、当該使用法パターンを想定外のデバイス利用としてフラグを立てる。
【0037】
例えば、デバイス105は、冷蔵庫、オーブン、又は食品貯蔵に関連する他のスマートデバイスを含み得る。幾つかの例において、(デバイス内で貯蔵/調理された食品を含む)使用法はセンサに影響を及ぼし得、これは、即座には検出不能であり得るが経時的に損傷の増大をもたらし得る。別の例において、アルコール系消毒剤で消毒されたスマートウォッチ/モバイルデバイスは、長期間にわたるその耐久性に影響を及ぼし得る。
【0038】
幾つかの例において、想定外のデバイス利用は、電子デバイスの使用中における電子デバイスのユーザ操作、電子デバイスの使用中における、少なくとも位置を含むデバイスコンテキスト、電子デバイスの使用の時間及び継続期間、電子デバイスの使用中における外部デバイスとのインタラクション、のうちの少なくとも1つを含む。幾つかのケースにおいて、想定外のデバイス利用は、少なくとも電子デバイスの加速した劣化をもたらす、電子デバイスを劣化させる利用である。劣化させる利用は、誤った、不適当な使用法、又は決して最適ではない使用法による損耗の増大を含み得る。
【0039】
幾つかの例において、想定外のデバイス利用は、デバイスに損傷をもたらさないが、想定される使用でもない使用を含み得る。例えば、スマートスピーカは、デバイスに損耗の増大をもたらさない、(例えば、インターコムシステムの一部として等の)典型的に想定されていない方法で使用され得る。幾つかの例において、現在のデバイスと外部デバイスとの想定外のデバイス利用は、消耗には関係せず、その代わりにユーザビリティを高め、ひいては顧客満足を構築する新たな使用法パターンであり得る。例えば、冷蔵庫を動作させながら調理映像を見ているユーザは、冷蔵庫上のスマートスクリーン上でこのオプションを有効にするよう冷蔵庫メーカーに示し得る。このケースにおいて、システム150は、ファームウェアアップグレード等を識別し、ファームウェアメーカーに通知する。
【0040】
ブロック308で、システム150は、想定外のデバイス利用を用いて、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する。幾つかの例において、最適化提案は、電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、及び/又は、電子デバイスについてのハードウェア強化を含み得る。例えば、システムは、様々な最適化提案を判定するために、想定外のデバイス利用及びデバイス設計を使用する。
【0041】
一例において、方法300はブロック310に進み、電子デバイスについてのソフトウェア強化を判定する。幾つかの例において、ソフトウェア強化は、ブロック312、314、及び316で様々な強化を判定することを含む。例えば、ブロック312で、システム150は、電子デバイスを想定外のデバイス利用に適合させるためのファームウェアアップデートを判定する。ファームウェアアップデートは、想定外のデバイス利用中においてデバイスを保全するための、デバイス105のファームウェアに対する変更を含み得る。デバイス利用が有害ではない例において、ファームウェアアップデートは、想定外の利用中におけるデバイス105の挙動を更に最適化し得る、又は適合させ得る。
【0042】
ブロック314で、システム150は、想定外のデバイス利用についてデバイス利用情報を直接監視するためのプログラムアップデートを判定する。例えば、想定外の利用中におけるデバイスの使用法を更に監視するために、デバイス105についての新たなプログラム又はプログラムアップデートが開始され得る。幾つかの例において、プログラムアップデートはまた、想定外の利用中にデバイス105を保全する。別の例において、プログラムは、想定外の使用中におけるデバイス105についてのより焦点を絞った、又はより粒度の高い情報を提供するために、増強された監視能力を提供する。
【0043】
ブロック316で、システム150は、想定外のデバイス利用についてユーザ情報を提供するユーザインタラクションアップデートを判定する。ユーザインタラクションアップデートは、デバイス105又はユーザデバイス120を介した、想定外の使用法、及び、デバイス利用による任意の損傷を防止するための軽減努力についての直接通知を含み得る。幾つかの例において、ユーザインタラクションアップデートは、利用が損傷をもたらしていること(例えば、圧力、加えられた力、負荷された重量、温度及び/又は位置が損傷をもたらしている等)を示す単純なアラートを含み得る。別の例において、ユーザインタラクションアップデートは、より詳細な情報、又は、
図4に関連して更に詳細に説明される仮想指示チュートリアル155などのチュートリアルを含み得る。
【0044】
図3において別個のステップとして示されているが、ブロック312~316のうちの1つ又は複数は、ソフトウェア強化の別個の又は組み合わされたコンポーネントとして同時に実行され得る。加えて、ソフトウェア強化はまた、ブロック320~324に関連して説明されるハードウェア強化と共に判定され得る。
【0045】
一例において、方法300はブロック320に進み、電子デバイスについてのハードウェア強化を判定する。幾つかの例において、ハードウェア強化は、ブロック322及び324で様々な強化を判定することを含む。例えば、ブロック322で、システム150は、電子デバイスを想定外のデバイス利用に適合させるために、追加されたハードウェアコンポーネントを判定する。幾つかの例において、追加されたハードウェアコンポーネントは、デバイスを想定外の利用に適合させる、デバイス105への物理的追加を含み得る。
【0046】
ブロック324で、システム150は、将来のデバイスを想定外のデバイス利用に適合させるためのハードウェア設計変更を判定する。例えば、ハードウェア設計変更は、デバイスの将来の設計反復についてデバイスを適合させるための、デバイス105の構成/コンポーネントへの1つ又は複数の変更を含み得る。
【0047】
ブロック340で、システム150は、1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、電子デバイスの想定外のデバイス利用について電子デバイスを適合させる。ソフトウェア強化について、システム150は、想定外の利用をユーザに知らせるための情報をユーザ101に提供すると共に、デバイス105に対する様々なファームウェア及びソフトウェアアップデートをインストールし得る。ハードウェア強化について、システム150は、想定外の利用に対処するために必要とされる任意のハードウェア修正を展開するために、ハードウェア強化に関する情報をユーザに提供すると共に、ハードウェア強化をデバイス開発者に提供し得る。
【0048】
図4は、実施形態による、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定するためのフローチャートを示す。幾つかの例において、システム150は、ユーザ101の隠れた/想定外の使用法パターン、並びに、既知の現在の製品/デバイス使用法又は機能及びユーザの期待事項を使用して、最適化されていない様式で使用された場合にユーザに即座に提示するための、デバイス105についての仮想現実(virtual reality:VR)/拡張現実(augmented reality:AR)コンテンツを含み得る仮想指示チュートリアルを生成する。
【0049】
例えば、方法400はブロック402で始まり、システム150は、電子デバイスの最適な使用を明示する仮想指示チュートリアルを生成する。幾つかの例において、仮想指示チュートリアル155は、デバイス105を介して、又はユーザデバイス120を介してユーザに提供されるVR/ARコンポーネントを含む。仮想指示チュートリアル155は、想定外の使用法パターンによるデバイスへの損傷を引き起こすことなくデバイスを使用する方法について、ユーザ101への様々な指示を含み得る。別の例において、仮想指示チュートリアル155はまた、システム150によって生成されるハードウェア強化に従ってハードウェアをアップグレードする方法についての情報を含み得る。例えば、小売環境において使用されているデバイス105について、想定外の有害な使用がシステム150によって検出された場合、当該小売環境の従業員向けに、電子デバイスの想定外の有害な使用を回避する、又はこれに適合するように彼らを訓練するために、チュートリアルが生成される。
【0050】
加えて、仮想指示チュートリアル155はまた、デバイスを適切に利用する方法について指示及び教示するために、デバイスの潜在的ユーザに提供され得る。例えば、潜在的ユーザは、彼らが意図している使用がデバイス105に準拠しているかどうかを判定するために、デバイス105の購入に先立ち仮想指示チュートリアル155にアクセスし得る、又は、彼らは、デバイスの有害な使用を回避するために、自らの挙動を適合させ得る。
【0051】
ブロック404で、システム150は、仮想指示チュートリアルを消費者に提供し、想定外のデバイス利用をデバイスユーザに知らせる。上記で説明された通り、仮想指示チュートリアル155は、デバイスの任意の有害な想定外の使用法を回避する、又はこれに適合することについてユーザ101及び他者に指示及び通知するために、デバイス105、デバイス115a~115b、及びユーザデバイス120、又はこれらのデバイスのいずれかの組み合わせを介して提供され得る。例えば、潜在的顧客は、彼らが意図している使用がデバイス105に準拠しているかどうかを判定するために、デバイス105の購入に先立ち仮想指示チュートリアル155を受信し得る、又は、彼らは、デバイスの有害な使用を回避するために、又は、デバイスを購入するかどうかについて、自らの挙動を適合させ得る。
【0052】
図5は、一実施形態による、システム150のブロック図を示す。システム150は、汎用コンピューティングデバイスの形態で示される。システム150のコンポーネントは、1つ又は複数の処理ユニット又はプロセッサ505、メモリ510、ストレージシステム520、ネットワークインタフェース530、及びメモリ510及びストレージシステム520を含む様々なシステムコンポーネントをプロセッサ505に結合するバス550を含み得るが、これらに限定されない。他の実施形態において、配置500は分散されており、有線又は無線ネットワーキングを通じて接続される複数の個別のコンピューティングデバイスを含む。
【0053】
バス550(並びにバス250)は、メモリバス又はメモリコントローラ、ペリフェラルバス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、及び様々なバスアーキテクチャのいずれかを用いるプロセッサ又はローカルバスを含む、幾つかのタイプのバス構造のいずれかのうちの1つ又は複数を表す。例として、そのようなアーキテクチャは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA)バスと、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バスと、エンハンスドISA(EISA)バス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーション(VESA)ローカルバス、及びペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)バスを含むが、これらに限定されない。
【0054】
システム150は、様々なコンピュータシステム可読媒体を典型的に含む。そのような媒体は、システム150によってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得、かつ、それは、揮発性及び不揮発性媒体、リムーバブル及びノンリムーバブル媒体の両方を含む。メモリ510(並びにメモリ210)は、ランダムアクセスメモリ(random access memory:RAM)及び/又はキャッシュメモリなどの揮発性メモリの形態におけるコンピュータシステム可読媒体を含み得る。システム150は、他のリムーバブル/ノンリムーバブル、揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶媒体を更に含み得る。例として、ストレージシステム520(並びにストレージシステム520)は、ノンリムーバブルな不揮発性磁気媒体(図示せず、典型的には「ハードドライブ」と称される)からの読み出し及びこれに対する書き込みのために提供され得る。図示されていないが、リムーバブルな不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピディスク」)からの読み出し、及びこれに対する書き込みのための磁気ディスクドライブ、及び、CD-ROM、DVD-ROM又は他の光媒体などのリムーバブルな不揮発性光ディスクからの読み出し、又はこれに対する書き込みを行うための光ディスクドライブが提供され得る。そのような事例において、各々が1つ又は複数のデータ媒体インタフェースによってバス550に接続され得る。以下で更に描写及び説明される通り、メモリ510は、本開示の実施形態の機能を実行するように構成されたプログラムモジュールの(例えば、少なくとも1つの)セットを有する少なくとも1つのプログラム製品を含み得る。
【0055】
システム150は更に、他のリムーバブル/ノンリムーバブル、揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶媒体を含み得る。幾つかの例において、ストレージシステム520はメモリ510の一部として含まれ得、典型的には、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス用の不揮発性メモリを提供し得、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、光記憶デバイス、及び/又は磁気記憶デバイスなどの1つ又は複数の異なるストレージ要素を含み得る。例えば、ストレージシステム520は、ノンリムーバブルな不揮発性磁気媒体(図示せず、典型的には「ハードドライブ」と称される)からの読み出し及びこれに対する書き込みのために提供され得る。図示されていないが、リムーバブルな不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピディスク」)からの読み出し、及びこれに対する書き込みを行うための磁気ディスクドライブ、及び、CD-ROM、DVD-ROM又は他の光媒体などのリムーバブルな不揮発性光ディスクからの読み出し、又はこれに対する書き込みを行うための光ディスクドライブが提供され得る。そのような事例において、各々が1つ又は複数のデータ媒体インタフェースによってバス550に接続され得る。ストレージシステム520は、本明細書で説明されるプログラムモジュール515によってアップデート及びアクセスされ得る。
【0056】
加えて、システム150は、ネットワークインタフェース530を介して、ローカルエリアネットワーク(local area network:LAN)、一般ワイドエリアネットワーク(wide area network:WAN)、及び/又は、パブリックネットワーク(例えば、インターネット)などの1つ又は複数のネットワークと通信し得る。描写されている通り、ネットワークインタフェース530は、バス550を介してシステム150の他のコンポーネントと通信する。図示されていないが、他のハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントがシステム150と併せて使用され得ることを理解されたい。例は、クラウドコンピューティングシステム、マイクロコード、デバイスドライバ、冗長処理ユニット、外付けディスクドライブアレイ、RAIDシステム、テープドライブ、及びデータアーカイブストレージシステム等を含むが、これらに限定されない。
【0057】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示を目的として提示されているが、包括的であること、又は開示された実施形態に限定されることは意図されていない。説明される実施形態の範囲から逸脱することなく、当業者には多くの修正及び変形が明らかとなるであろう。本明細書において使用される専門用語は、実施形態の原理、実用的な適用又は市場で見られる技術に対する技術的改善を最も良く説明し、又は、本明細書において開示される実施形態を他の当業者が理解することを可能にするように選択された。
【0058】
前述において、本開示で提示された実施形態に言及した。しかしながら、本開示の範囲は、説明される具体的な実施形態に限定されない。代わりに、異なる実施形態に関連するか否かにかかわらず、企図される実施形態を実装及び実践するために特徴及び要素の任意の組み合わせが企図される。更に、本明細書で開示される実施形態は、考えられる他のソリューションに対する、又は、先行技術に対する利点を実現し得るが、特定の利点が所与の実施形態により実現されるか否かは、本開示の範囲を限定するものではない。そのため、本明細書で論述された態様、特徴、実施形態、及び利点は単なる例示であり、請求項に明示的に記載されている場合を除き、添付の特許請求の範囲の要素又は限定とみなされるものではない。同様に、「本発明」への言及は、本明細書で開示された任意の発明主題の一般化と解釈されるべきではなく、請求項に明示的に記載されている場合を除き、添付の特許請求の範囲の要素又は限定とみなされるべきではない。
【0059】
本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態を取り得、これらは全て概して、本明細書では「回路」、「モジュール」、又は「システム」と称され得る。
【0060】
本発明は、任意の可能な技術的詳細レベルで統合化されたシステム、方法及び/又はコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又は複数のコンピュータ可読記憶媒体)を含み得る。
【0061】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持及び記憶し得る有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、限定されないが、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は上述したものの任意の好適な組み合わせであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非包括的なリストは、以下:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM:read-only memory)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM:erasable programmable read-only memory又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)、メモリスティック、フロッピディスク、命令が記録されているパンチカード又は溝の中の隆起構造などの機械的にエンコードされたデバイス、及び上述したものの任意の好適な組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体は、電波又は自由に伝搬する他の電磁波、導波路又は他の伝送媒体を通じて伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又は、ワイヤを通じて伝送される電気信号などの一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0062】
本明細書において説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、それぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又は、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又は無線ネットワークを介して、外部コンピュータ又は外部記憶デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを有し得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体内に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0063】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、又は、Smalltalk(登録商標)又はC++などのようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語などの手続き型プログラミング言語又は同様のプログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で実行すること、部分的にユーザのコンピュータ上で実行することができ、部分的にユーザのコンピュータ上で実行し部分的にリモートコンピュータ上で実行すること、又は、完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得、又はその接続が、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通じて)外部コンピュータに対して行われ得る。幾つかの実施形態において、本発明の態様を実行するために、例えばプログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA:programmable logic array)を含む電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、電子回路をパーソナライズするためのコンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0064】
本発明の態様は、本明細書において、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック及び、フローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることが理解されるであろう。
【0065】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定される機能/作用を実装するための手段を作成するよう、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて機械を生成するものであってよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置及び/又は他のデバイスに特定の様式で機能するように指示できるコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得、それにより、その中に記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能/作用の態様を実装する命令を含む製品を備える。
【0066】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で実行させてコンピュータ実装プロセスを生成してよく、それにより、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能/作用を実装する。
【0067】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。これに関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、又は一部を表し得る。幾つかの代替的な実装形態において、ブロック内に記されている機能は、図において記されている順序とは異なる順序で生じ得る。例えば、連続して示されている2つのブロックが、実際には、1つのステップとして実現されてよく、同時に、実質的に同時に、部分的に又は全体的に時間が重複する様式で実行されてよく、又は、ブロックは、場合によっては、関与する機能に応じて逆の順序で実行されてよい。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及び、ブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は作用を実行する、又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースのシステムにより実装され得ることにも留意されたい。
【0068】
本発明の実施形態は、クラウドコンピューティングインフラストラクチャを通じてエンドユーザに提供され得る。クラウドコンピューティングとは、概して、ネットワークを介したサービスとしてのスケーラブルなコンピューティングリソースのプロビジョニングを指す。より正式には、クラウドコンピューティングは、コンピューティングリソース及びその基礎を成す技術的アーキテクチャ(例えば、サーバ、ストレージ、ネットワーク)の間に抽象化を提供するコンピューティング能力として定義され得、管理労力又はサービスプロバイダとのインタラクションを最小限に抑えて迅速にプロビジョニング及びリリースされ得る、構成可能なコンピューティングリソースの共有プールへの便利なオンデマンドのネットワークアクセスを有効にする。そのため、クラウドコンピューティングは、ユーザが、コンピューティングリソースを提供するために使用される基礎を成す物理システム(又はそれらのシステムの位置)にかかわらず、「クラウド」内の仮想コンピューティングリソース(例えば、ストレージ、データ、アプリケーション、及び更には完全な仮想化コンピューティングシステム)にアクセスすることを可能にする。
【0069】
典型的には、クラウドコンピューティングリソースは、利用回数制料金でユーザに提供され、ユーザは、実際に使用したコンピューティングリソース(例えば、ユーザにより消費されたストレージ空間の量、又はユーザによりインスタンス化された仮想化システムの数)についてのみ課金される。ユーザは、クラウドに常駐するリソースのいずれかに、インターネットにわたって任意の時間に任意の場所からアクセスすることができる。本発明のコンテキストにおいて、ユーザは、クラウド内で利用可能なアプリケーション(例えば、システム150)又は関連データにアクセスし得る。例えば、システム150は、クラウド内のコンピューティングシステム上で実行され得る。そのようなケースにおいて、システムは、クラウド内のストレージ位置で、想定外のデバイス利用及び最適化提案を判定し得る。そうすることにより、ユーザが、クラウド(例えば、インターネット)に接続されたネットワークにアタッチされた任意のコンピューティングシステムからこの情報にアクセスすることが可能になる。
【0070】
上述は、本発明の実施形態を対象にしているが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態及び更なる実施形態が考案され得、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲により決定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用分析システムにおいて、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する段階;
前記利用分析システムにおいて、前記デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する段階;
前記電子デバイスについての前記少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、前記設計パラメータにおいて存在しない、前記電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する段階、
前記想定外のデバイス利用を用いて:
前記電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、又は
前記電子デバイスについてのハードウェア強化
のうちの少なくとも1つを含む、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する段階;及び
前記1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、前記電子デバイスの前記想定外のデバイス利用について前記電子デバイスを適合させる段階
を備える、方法。
【請求項2】
前記想定外のデバイス利用は、少なくとも前記電子デバイスの加速した劣化をもたらす、前記電子デバイスを劣化させる利用を含み、前記想定外のデバイス利用は:
前記電子デバイスの使用中における前記電子デバイスのユーザ操作、
前記電子デバイスの使用中における、少なくとも位置を含むデバイスコンテキスト、
前記電子デバイスの使用の時間及び継続期間、又は
前記電子デバイスの使用中における外部デバイスとのインタラクション
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソフトウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのファームウェアアップデート;
前記想定外のデバイス利用についてデバイス利用情報を直接監視するためのプログラムアップデート;又は
前記想定外のデバイス利用についてユーザ情報を提供するユーザインタラクションアップデート
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ハードウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるための、追加されたハードウェアコンポーネント;及び
将来のデバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのハードウェア設計変更
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電子デバイスの最適な使用、及び、前記電子デバイスの有害な使用法を回避する方法、のうちの少なくとも1つを明示する仮想指示チュートリアルを生成する段階;及び
前記仮想指示チュートリアルを消費者に提供し、前記想定外のデバイス利用をデバイスユーザに知らせる段階
を更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記デバイス利用情報は:
前記電子デバイスのユーザによって提供される利用情報;
サービスシステムによってコンパイルされる利用情報;及び
サービスフォーラムによって提供される利用情報
のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記デバイス利用情報は、前記電子デバイスの外部にある1つ又は複数のコンテキスト収集デバイスによって提供されるコンテキスト情報を更に含む、請求項1
から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータ可読プログラムコー
ドを備え、前記コンピュータ可読プログラムコードは:
利用分析システムにおいて、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する手順;
前記利用分析システムにおいて、前記デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する手順;
前記電子デバイスについての前記少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、前記設計パラメータにおいて存在しない、前記電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する手順;
前記想定外のデバイス利用を用いて:
前記電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、及び
前記電子デバイスについてのハードウェア強化
のうちの少なくとも1つを含む、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する手順;及び
前記1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、前記電子デバイスの前記想定外のデバイス利用について前記電子デバイスを適合させる手順
を有する動作を実行するために1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実行可能である、コンピュータプログラ
ム。
【請求項9】
前記想定外のデバイス利用は、少なくとも前記電子デバイスの加速した劣化をもたらす、前記電子デバイスを劣化させる利用を含み、前記想定外のデバイス利用は:
前記電子デバイスの使用中における前記電子デバイスのユーザ操作、
前記電子デバイスの使用中における、少なくとも位置を含むデバイスコンテキスト、
前記電子デバイスの使用の時間及び継続期間、又は
前記電子デバイスの使用中における外部デバイスとのインタラクション
のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項10】
前記ソフトウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのファームウェアアップデート;
前記想定外のデバイス利用についてデバイス利用情報を直接監視するためのプログラムアップデート;及び
前記想定外のデバイス利用についてユーザ情報を提供するユーザインタラクションアップデート
のうちの1つ又は複数を含む、請求項8に記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項11】
前記ハードウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるための、追加されたハードウェアコンポーネント;及び
将来のデバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのハードウェア設計変更
のうちの1つ又は複数を含む、請求項8に記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項12】
前記動作は:
前記電子デバイスの最適な使用、及び、前記電子デバイスの有害な使用法を回避する方法、のうちの少なくとも1つを明示する仮想指示チュートリアルを生成する手順;及び
前記仮想指示チュートリアルを消費者に提供し、前記想定外のデバイス利用をデバイスユーザに知らせる手順
を更に有する、請求項8に記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項13】
前記デバイス利用情報は:
前記電子デバイスのユーザによって提供される利用情報;
サービスシステムによってコンパイルされる利用情報;及び
サービスフォーラムによって提供される利用情報
のうちの1つ又は複数を更に含む、請求項8に記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項14】
前記デバイス利用情報は、前記電子デバイスの外部にある1つ又は複数のコンテキスト収集デバイスによって提供されるコンテキスト情報を更に含む、請求項8
から13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項15】
1つ又は複数のコンピュータプロセッサ;及び
前記1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実行された場合に:
利用分析システムにおいて、電子デバイスからデバイス利用情報を受信する手順;
前記利用分析システムにおいて、前記デバイス利用情報に利用モデルを適用して少なくとも1つのデバイス使用法パターンを判定する手順;
前記電子デバイスについての前記少なくとも1つのデバイス使用法パターン及び設計パラメータから、前記設計パラメータにおいて存在しない、前記電子デバイスの想定外のデバイス利用を判定する手順;
前記想定外のデバイス利用を用いて:
前記電子デバイス上で実行するソフトウェア強化、及び
前記電子デバイスについてのハードウェア強化
のうちの少なくとも1つを含む、1つ又は複数のデバイス最適化提案を判定する手順;及び
前記1つ又は複数のデバイス最適化提案を展開して、前記電子デバイスの前記想定外のデバイス利用について前記電子デバイスを適合させる手順
を有する動作を実行するプログラムを収容するメモリ
を備える、システム。
【請求項16】
前記想定外のデバイス利用は、少なくとも前記電子デバイスの加速した劣化をもたらす、前記電子デバイスを劣化させる利用を含み、前記想定外のデバイス利用は:
前記電子デバイスの使用中における前記電子デバイスのユーザ操作、
前記電子デバイスの使用中における、少なくとも位置を含むデバイスコンテキスト、
前記電子デバイスの使用の時間及び継続期間、又は
前記電子デバイスの使用中における外部デバイスとのインタラクション
のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ソフトウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのファームウェアアップデート;
前記想定外のデバイス利用についてデバイス利用情報を直接監視するためのプログラムアップデート;及び
前記想定外のデバイス利用についてユーザ情報を提供するユーザインタラクションアップデート
のうちの1つ又は複数を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ハードウェア強化は:
前記電子デバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるための、追加されたハードウェアコンポーネント;及び
将来のデバイスを前記想定外のデバイス利用に適合させるためのハードウェア設計変更
のうちの1つ又は複数を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記動作は:
前記電子デバイスの最適な使用、及び、前記電子デバイスの有害な使用法を回避する方法、のうちの少なくとも1つを明示する仮想指示チュートリアルを生成する手順;及び
前記仮想指示チュートリアルを消費者に提供し、前記想定外のデバイス利用をデバイスユーザに知らせる手順
を更に有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記デバイス利用情報は:
前記電子デバイスのユーザによって提供される利用情報;
サービスシステムによってコンパイルされる利用情報;及び
サービスフォーラムによって提供される利用情報
のうちの1つ又は複数を更に含む、請求項15
から19のいずれか一項に記載のシステム。
【国際調査報告】