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特表2024-539877ブラッシングマウスピースのアーチにおける交互フィンガー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ブラッシングマウスピースのアーチにおける交互フィンガー
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/06 20060101AFI20241024BHJP
   A61C 17/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61C 17/22 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61C19/06 A
A61C17/00 Z
A61C17/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522637
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 EP2022082838
(87)【国際公開番号】W WO2023089201
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/282,044
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ホール スコット イー
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052MM10
(57)【要約】
円弧状マウスピースを用いる歯科器具及び方法が提供され、マウスピースは、横ブリッジ部により結合される対向する側壁を持つ複数の実質的にH形状のプレートセグメントを備え、横ブリッジ部は、上顎歯列弓及び下顎歯列弓の歯をそれぞれ受容するための寸法を持つ上部チャネル及び反転チャネルへと対向する側壁を分割する。その結果、タフト毛などの1つ又は複数の清掃モジュールが作動され、プレートセグメントに隣接する上顎歯列弓の歯及び下顎歯列弓の歯の作業面が同時に清掃される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの上顎歯列弓の1つ又は複数の歯及び下顎歯列弓の1つ又は複数の歯を同時に清掃する歯科用清掃器具であって、
対向する側壁を持つH型部材として構成される複数のプレートセグメントを含む円弧状マウスピースであって、前記対向する側壁の各々が、折り返された端部まで延在する単層部分の末端を持ち、前記単層部分は、二重層部分の当接する内層を形成するよう折り返され、前記内層が、前記対向する側壁の間のブリッジ部で合わさり、前記対向する側壁の末端及び折り返し端が、対向する横方向に並置して反転され、前記対向する側壁は、前記ブリッジ部により分割され、前記上顎歯列弓の少なくとも1つの歯を受容する寸法を持ち、前記プレートセグメントの上側に配置される上部チャネルと、前記下顎歯列弓の少なくとも1つの歯を受け入れる寸法を持ち、前記上部チャネルの下の前記プレートセグメントの下側に配置される反転チャネルとが形成される、円弧状マウスピースと、
前記プレートセグメントの内面が前記上顎歯列弓の歯の作業面に近接し、前記プレートセグメントの前記反転チャネルの内面が前記下顎歯列弓の歯の作業面に近接するよう適応的な配置にするため、前記プレートセグメントを結合する非剛性部材であって、前記プレートセグメントに隣接する前記上顎歯列弓の歯及び前記下顎歯列弓の歯に対して、前記上部チャネル及び前記反転チャネルの適応的なフィットが容易にされる、非剛性部材と、
前記円弧状マウスピースに接続される駆動機構と、
前記プレートセグメントの内面に配置される1つ又は複数の清掃モジュールとを有し、
前記プレートセグメントに隣接する前記上顎歯列弓の歯の作業面及び前記下顎歯列弓の歯の作業面が同時に清掃するため、前記駆動機構が、前記清掃モジュールを作動させることができる、歯科用清掃装置。
【請求項2】
前記プレートセグメントに隣接する前記上顎歯列弓の歯の作業面及び前記下顎歯列弓の歯の作業面を同時に清掃するとき、前記円弧状マウスピースの位置決めを容易にするために、前記プレートセグメント及び前記非剛性部材とインターフェースする基部を更に有する、請求項1に記載の歯科用清掃装置。
【請求項3】
前記基部がセグメント化される、請求項2に記載の歯科用清掃装置。
【請求項4】
前記プレートセグメントのブリッジ部が、異なる間隔をあけて配置され、下降したブリッジ部を持つプレートセグメントが、上昇したブリッジ部を持つプレートセグメントの間に配置され、下降したブリッジ部を持つプレートセグメントが、上昇したブリッジ部を持つプレートセグメントの間で近接して間隔を置かれるような寸法を前記非剛性部材が持ち、第1の一連の非剛性部材が、上昇したブリッジ部を持つプレートセグメントの端部を接続するための大きさ及び間隔を持ち、第2の一連の非剛性部材が、下降したブリッジ部を持つプレートセグメントを接続するための大きさ及び間隔を持ち、上昇したブリッジ部を持つプレートセグメントが、下降したブリッジ部を持つプレートセグメントの間に入れ子にされる、請求項2に記載の歯科用清掃装置。
【請求項5】
前記駆動機構が、空気圧装置である、請求項1に記載の歯科用清掃装置。
【請求項6】
前記駆動機構が、空気圧装置であり、前記基部は、ブラダである、請求項5に記載の歯科用清掃装置。
【請求項7】
前記1つ又は複数の非剛性部材が、前記空気圧装置が可撓性壁部を加圧及び減圧するときに変形可能に構成される可撓性壁部を含む、請求項5に記載の歯科用清掃装置。
【請求項8】
前記非剛性部材が、膨張可能に構成された1つ又は複数のブラダを有し、前記空気圧装置は、前記ブラダを膨張させるために加圧し、前記非剛性部材のブラダを収縮させるために減圧することができる、請求項5に記載の歯科用清掃装置。
【請求項9】
前記非剛性部材が、ヒンジ、スライダ、バネ、形状記憶フォーム、細長い梁、柔軟な布、シリコーンパッド、及びフィルムからなる群から選択される可動要素を含む、請求項1に記載の歯科用清掃装置。
【請求項10】
前記プレートセグメントの側壁の1つ又は複数が、前記歯の対応する形状にフィットする、請求項1に記載の歯科用清掃装置。
【請求項11】
前記清掃モジュールが、発泡パッド、研磨面、流体の噴出口、柔軟な壁、及びタフト毛からなる群から選択される、請求項1に記載の歯科用清掃装置。
【請求項12】
前記清掃モジュールが、タフト毛であり、前記タフト毛は、前記プレートセグメントの末端に向かって長くなり、前記プレートセグメントのブリッジ部に向かって短くなるようにテーパー状にされる、請求項1に記載の歯科用清掃装置。
【請求項13】
前記清掃モジュールが、タフト毛であり、前記タフト毛は、前記プレートセグメントの端部に向かってより剛性が高く、前記ブリッジ部に向かってより柔軟である、請求項1に記載の歯科用清掃装置。
【請求項14】
前記清掃モジュールが、流体を排出する開口部を含む、請求項1に記載の歯科用清掃装置。
【請求項15】
前記流体が、歯科治療剤である、請求項8に記載の歯科用清掃装置。
【請求項16】
ユーザの上顎歯列弓の1つ又は複数の歯及び下顎歯列弓の1つ又は複数の歯を同時に清掃する方法において、
横ブリッジ部により結合される対向する側壁を持つH字形部材として構成される複数のプレートセグメントを含む円弧状マウスピースを提供するステップであって、前記上顎歯列弓の少なくとも1つの歯を受け入れる寸法を持つ上部チャネルが、前記プレートセグメントの上側に配置され、前記下顎歯列弓の歯の少なくとも1つを受け入れる寸法を持つ反転チャネルが、前記上部チャネルの下に配置され、前記プレートセグメントを結合する非剛性部材を持つよう、前記プレートセグメントが構成され、前記上部チャネルが前記上顎歯列弓の歯の作業面の近位に、前記プレートセグメントの反転チャネルが前記プレートセグメントに隣接する前記下顎歯列弓の歯の作業面の近位に、適応的に配置され、1つ又は複数の清掃モジュールが、前記プレートセグメントに隣接する前記上顎歯列弓の歯及び前記下顎歯列弓の歯の作業面に接触することができる、ステップと、
前記プレートセグメントに隣接する前記上顎歯列弓の歯及び前記下顎歯列弓の歯を1つ又は複数の清掃モジュールが同時に清掃するように、前記プレートセグメントを駆動するステップと、
歯清掃操作が完了したら、前記円弧状のマウスピースを取り外すステップとを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に口腔清掃器具に関し、より具体的には、個別の口腔解剖学的構造に適合可能な複数の歯の同時清掃又は処置を可能にするワークピース/毛アセンブリを持つ斯かる器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一度に複数の歯を磨くマウスピースが、ユーザの口腔形状にフィットしていなければならないことはよく知られる。フィットは重要である。なぜなら、個別の歯とタフト面との間のスペースは、毛先が与える力に直接関係し、ひいては歯垢除去の効果に対応するからである。従って、歯の清掃及び歯垢除去は、ユーザの歯列にフィットするように適応する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、歯列解剖学的な態様は様々なものがあり変化し、大きさの異なる歯、曲率が大きく変化する歯列、フルマウス、上下のアーチのずれ、不正咬合、骨の人工物などを含む。
【0004】
ほとんどの歯列に共通する個別の歯の寸法的な変化は、1つの課題を提示する。1本の歯の表面積とそれに対応する幅及び長さの不一致は、任意の公称設計においても適応を必要とする。ブラッシング又は清掃マウスピースの複数の歯への適用は、それらの相対的な位置及び向きに対応する追加的なレベルの適合的フィットを必要とする。斯かる適合的フィットは、口腔内の移行部、即ち大臼歯/小臼歯と犬歯との間、犬歯と切歯との間で更に悪化する。これらのゾーンでは、歯の著しい乖離が、毛先及び位置決め機構に相応の適応性を要求する。
【0005】
歯列及び歯の斯かる一般的な変化以上に、非定型の幾何学的形状を示す歯列弓が遭遇する複数の構造的異常は、複数の歯を同時に清掃するために、許容可能な近さの毛を配置するために必要なマウスピースの効率的なフィットに更なる課題を与える。
【0006】
従って、歯ブラシ又は歯面清掃用マウスピースのような口腔衛生器具が歯の清掃に効果的であるために、すべての歯にアクセスできること、及び清掃中に歯の口腔形状に概ね適合することの両方が可能でなければならない。歯の様々な口腔形状を効率的に清掃するための従来の歯科器具は、歯ブラシに見られる毛のトリム輪郭又は断続的な毛の延長部を採用している場合がある。これらの従来技術の歯科用ブラッシングシステムは、代替的及び追加的に、毛表面の長さに沿って変化する毛の硬い、テーパー状、又は片持ち梁状のタフト部を利用する場合がある。
【0007】
過去のブラッシング器具の適合的なフィットを高める試みは、バネ要素を含み、これは、様々な毛構成及び片持ち梁の有無にかかわらず組み込まれることができる。しかしながら、バネ要素のためのスペースは、タフト作業面の一部を消費し、性能及び快適性を制限する可能性がある。
【0008】
更に、特定の毛先構成は通常、幅広いカテゴリのユーザに有用であり、個々のユーザの口腔形状に適合する能力は、あったとしても制限される。毛配置の限界は、特に顕著な特定の構造異常のある歯列弓の歯領域を清掃することを不可能にする。清掃が難しく、及び従って口腔疾患にかかりやすい特定の歯領域がある場合、斯かる領域にアクセスするブラッシング用マウスピースを設計することに特に関心がある。
【0009】
従来技術の歯科器具もまた、ユーザの歯に適応的適合性を提供する変形可能な毛基材を組み込んでいる。いくつかの斯かるシステムは、柔軟な基材を提供するエラストマーを採用する。しかしながら、エラストマー材料により駆動システムから及ぼされる圧力の減衰は、電動歯ブラシの毛への動きの伝達を制限し、歯の清掃効果を低下させる可能性がある。
【0010】
ブラッシング用マウスピースの受動的適応の斯かる欠点及び他の欠点に対処するため、補助機構が提案される。例えば、US9,517,119に記載されるような能動的又はロボット的要素及び機能を利用すること、US2018/0116773に記載されるようなカスタマイズされるフィットを利用すること、及びUS8,793,830に記載されるようなバネ要素及びセグメント化されたマウスピースを利用することが提案される。
【0011】
複数の歯を同時に清掃するためのマウスピースに採用される従来のシステムの斯かる及び他の欠点は、その有効性を制限する。例えば、マウスピースベースプレートと付属のブラッシング要素との間の接続は、フィンガーに付けられるフィラメントに過度の圧縮を与える場合がある。一部のシステムでは、マウスピーストラフの末端リム又は末端が、食べかす及び歯垢を歯から清掃するには不十分な圧力をブラッシング要素に及ぼす。
【0012】
従って、推察されるように、従来のブラッシング用マウスピースは、上顎及び下顎歯列の複数の歯を効果的に清掃するために十分な作業運動を毛に伝達しつつ、毛アセンブリの歯への適応的適合を統合するシステムは提供していなかった。斯かる及び他の欠点が、ブラッシング用マウスピースの有効性を制限し続けている。従って、ユーザの上顎及び下顎歯列弓の複数の歯を効率的に清掃するための適応的口腔清掃システムに対するニーズが依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本書において、上顎歯列弓の1つ又は複数の歯及び下顎歯列弓の1つ又は複数の歯を同時に清掃するための歯科用清掃器具及び方法であって、ユーザの口の少なくとも一部にフィットするための円弧状マウスピースを含む、歯科用清掃器具及び方法が開示され及び請求される。円弧状のマウスピースは、対向する壁の間に横方向のブリッジ部を持つH型のプレートセグメントを含み、完全又は部分的なU字型又はJ字型のマウスピースを形成するように組み立てられたプレートセグメントを含むこともできる。
【0014】
ブリッジ部の上側には、上顎歯列弓の歯を受容するための寸法を持つリムを備える上側チャネルがあり、下顎歯列弓の歯を受容するための寸法を持つ反転チャネルが上側に配置される。
【0015】
プレートセグメントの間には、プレートセグメントを結合する大きさの非剛性部材がある。その結果、プレートセグメント(8)が、上顎歯列弓及び下顎歯列弓の歯の作業面の近位に同時にフィットするように、上部チャネル及び反転チャネルの内面を適応的に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、プレートセグメントの上部チャネル及び反転チャネルの適応的フィットを容易にするべく、下降したブリッジ部を備えるプレートセグメントが上昇したブリッジ部を備えるプレートセグメントの間で近接して間隔を空けて配置されるような大きさに、非剛性部材はされる。
【0016】
清掃モジュールは、上部及び反転チャネルの内面に配置され得る。その結果、プレートセグメントに隣接する上顎及び下顎アーチの歯の作業領域を同時に清掃するように、駆動機構が清掃モジュールを作動させることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、対向する側壁は、単層部分の末端と、対向する側壁を接合する横ブリッジ部で合流する当接される内層部を備える折り返し端とを持つ。いくつかの実施形態では、プレートセグメントは、側壁の末端単層が歯の作業面に柔軟に適応するよう構成される。実施形態はまた、上昇及び下降されるブリッジ部を備える交互するプレートセグメントを含むこともできる。いくつかの実施形態では、上昇したブリッジ部を備えるプレートセグメントは、下降したブリッジ部を持つプレートセグメントの間に間隔をあけて配置される。
【0018】
いくつかの実施形態では、駆動機構は、歯科器具の加圧態様及び減圧態様を可能にするよう、円弧状マウスピースと連通する空気圧装置であってもよい。斯かる空気圧装置は、清掃モジュールを作動させることができる。空気圧装置は、以下に更に詳述するように、ブラダ又は可撓性壁部を加圧及び減圧するために採用されることができる。
【0019】
様々な実施形態は、円弧状マウスピースをユーザの口腔内に挿入し、及び位置決めすることを容易にするためのハンドルを更に特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、空気圧装置はハンドル内に配置されることができる。
【0020】
プレートセグメントは、ユーザの歯の形状に基づき、様々に構成されることができる。即ち、臼歯を受容するよう構成された部分のプレートセグメントの側壁は、基部材に対して実質的に垂直な方向に延びるが、犬歯及び切歯を受容するよう設計された部分に対応する側壁は、個別の形状にフィットするよう縮小され及びテーパー状にされる。プレートセグメントは、ユーザの歯から食べかす、細菌、及び歯垢を除去するのに十分な摩擦を生み出す運動及び圧力を変換するのに十分な剛性の、安全で耐久性のある任意の材料で構成されることができる。例示的な適切な材料は、硬質又は半硬質の生体適合性ポリマー、炭素繊維、及びポリマーに成形される金属インサートを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、円弧状マウスピースの対向する端部は、対向する端部プレートセグメントに接合された非剛性要素により付けられる。
【0022】
円弧状マウスピースの要素は、任意の適切な生体適合性材料で構成されることができる。非剛性部材は、ベースプレートの平面の周りでの柔軟な回転と、隣接する歯への適応的な適合性を付与できる柔軟な材料又は可動要素を含むべきである。非剛性部材の組成は例えば、シリコーン、メモリーフォーム、ゴム、可撓性ポリマー、又は同様の可撓性布もしくはフィルムなどの様々な材料を含み得る。非剛性部材は例えば、ヒンジ、スライダ、可撓性梁又はバネなどの可動機械要素を採用することもできる。
【0023】
本書に記載の歯科器具の実施形態は、上顎歯列弓の歯及び下顎歯列弓の歯に関する円弧状マウスピースの位置決めを容易にするよう構成された基部を更に含み得る。いくつかの実施形態では、基部は、可動性又は柔軟性のある材料を挿入することにより、セグメント化、ヒンジ化、又は他の態様で適応的柔軟性が付与されることができる。基部は、ブラダを含むこともできる。
【0024】
実施形態は更に、非剛性部材としてのブラダ、又は空気圧装置により加圧及び減圧されるときに変形可能な可撓性壁部を採用することができる。軟質ブラダを膨張及び収縮させることにより付与されるサイズ可変性は、歯牙形状のより顕著な偏差に対して、プレートセグメントと清掃モジュールとの高度な適合性を提供する。
【0025】
この円弧状マウスピースのプレートセグメントは、市販の材料及び既知の技術により非剛性部材に付けられることができる。例えば、従来のレーザーシーミング、又は例えばインサート成形若しくは共成形、超音波溶着などの他の接合システムが使用されることができる。中間部材は、プレートセグメントに挿入されるか、又は一体成形されることができる。斯かる既知の取り付け及び成形技術は、円弧状マウスピースの基部材及び可撓性プラットフォームにプレートセグメントを接合する際にも同様に適用されることができる。
【0026】
様々な歯列弓及び歯形状を収容するための様々な構造配置が存在する。いくつかの実施形態では、例えば、上顎歯列弓の歯の後ろ又は内側に下顎歯列弓が入れ子になっている通常の向きではなく、下顎歯列弓の後ろ又は内側に上顎歯列弓が入れ子になっているような通常の逆向きの場合といった、非典型的な歯列形状への調整に対応する。
【0027】
プレートセグメントの側壁の内面の末端側にある清掃モジュールは、構造的に構成されることができ、食べかす及び歯垢を歯から除去するための様々な要素及び薬剤を採用することができる。例えば、いくつかの実施形態における清掃モジュールは、様々なタフト構成の毛を含むことができる。毛パッドは、ユーザの口腔解剖学的構造の対応する輪郭に届くよう構成可能である。更に、毛の長さは、段階的若しくはテーパー状にされ、又は対応する歯の形状及び歯列の感受性に基づき可変とすることができる。毛の硬さは、特定の歯列弓の解剖学的構造及び/又は用途に対応するように変化されることもできる。
【0028】
様々な実施形態において、バネ要素は、特定の又は顕著な異常を示す歯列弓の歯の清掃を強化するために採用され得る。タフトの長さを伸ばし、毛の硬さを減らすために、設計にばね要素を含めることが利用されることができる。
【0029】
いくつかの実施形態は、ユーザの歯列に流体を噴出するよう構成された開口を備える清掃モジュールを提供することができる。斯かる流体の適用は、毛と組み合わされることができ、又は単独で使用されることができる。適切な流体は、水、生理食塩水、洗口液、並びにユーザの歯列及び/又は口腔のための他の液体治療剤を含む。
【0030】
本書に記載の主題は、上記のような歯科用清掃器具を提供する方法論を更に含み、円弧状マウスピースをユーザの口腔内に配置するステップと、清掃モジュールを作動させて、上顎歯列弓及び下顎歯列弓の1つ又は複数の歯を同時に清掃するステップと、適切な時間歯を清掃するステップと、作業が完了したら、歯科用清掃器具を取り外すステップとを有する。
【0031】
本書に記載される歯科用器具及び方法論から、以下の1つ又は複数を含み得る複数の利点が生じる。この装置及びシステムは、清掃及び/又は歯科処置作業を強化し、及び迅速化する。本装置及びシステムは、不正咬合、広くて浅いだけでなく、深くて狭い歯列弓、上顎及び下顎歯列弓の逸脱又は不規則な位置、骨欠損システム、並びにユーザの歯列の他の異常又は構造的不規則を含む、様々な形状の歯及び歯列弓を清掃するために使用されることができる。
【0032】
こうして、この装置及びシステムの特定の利点は、歯の形状の不均一性に対応する適応可能な適合性から生じることがわかる。即ち、マウスピース設計の適応的な多様性が、一般的な歯の幅のばらつき及び歯列弓の相対的な位置関係に合わせて清掃モジュールを調整する。特に、可撓性要素、可動要素、並びに/又は非剛性部材、基部及び/若しくはプレートセグメントのサイズ、構成及び組成の可変性を付与する特性は、清掃モジュールの適応的なフィットを容易にする。斯かる及び他の可変要素は、上顎及び下顎の歯列弓の同時清掃のために、非典型的な歯列形状及び/又は不都合にかかわらず、アクセスを容易にする近接性を提供する。例えば、非剛性要素の多用途な調整は、歯のサイズ及び/又は数の典型的なバリエーションに加えて、非常に多様な曲率を持つ完全な歯列弓、広くて「浅い」又は逆に狭くて「深い」歯列に対応することを容易にする。本書に記載される実施形態の更に別の利点は、設計の柔軟性が、歯及び口腔の異なる表面曲率の差動清掃を可能にし、ユーザにカスタマイズ可能な性能を可能にすることである。
【0033】
本発明の実施形態は、上顎及び下顎の歯を交互に若しくは別々に、又はデュアルアーチ方式で清掃する可能性を含むことができる。更に、この装置及びシステムは、完全な歯列、自然又は不自然に欠損した歯の任意の組み合わせを呈するケースを処置するのに使用されることができる。この装置及びシステムは、病弱者及び高齢者を含む、任意の年齢及び病歴のユーザのために、及びユーザにより使用されることができる。
【0034】
更なる利点は、上顎及び下顎の歯列弓の歯をより均一に同時清掃し、短時間で複数の歯を徹底的かつ効率的に清掃することである。
【0035】
前述の概念及びより詳細に説明される追加概念のすべての組み合わせが、本書に開示される発明的主題の一部であることが企図されることを理解されたい。特に、本願の請求項に記載された主題のすべての組み合わせが、本書に開示された発明的主題の一部であることが想定される。
【0036】
本発明のこれら及び他の側面が、以下に記載される実施形態から明らかとなり、実施形態を参照して説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】上昇及び下降ブリッジ部20を備えるプレートセグメント8を破線又は幻線で交互に示す歯科用清掃器具100の透視図である。
図2】破線又は幻線で部分的に示される、非剛性部材30及び基部34に対するプレートセグメント8の構成を示す部分円弧状マウスピース6の透視図である。
図3】プレートセグメント8の断面及び歯に対する図3の要素の配置を示す簡略化した断面図である。
図4】プレートセグメント8及び非剛性部材30の簡略図である。
図5】組み立てられていないとき、非剛性部材30に対するプレートセグメント8の作業領域を示す簡略図である。
図6】歯の清掃操作を達成するために歯科器具100を使用する連続ステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
開示された主題は、図と合わせて以下の詳細な説明を検討することにより、より好適に理解されるであろう。詳細な説明及び図は、本書に記載された発明の例示的な実施形態を提供する。当業者であれば、本書に記載した発明の範囲から逸脱することなく、開示される例が変形、修正及び変更されることができることを理解するであろう。
【0039】
以下の詳細な説明を通じて、特許請求される発明の態様を説明するために、特徴の代表例が開示される。例における関連する特徴は、同一、類似又は異種のいずれであってもよい。所与の特徴が特定の描写と同じである又は類似する必要はないことを理解されたい。従って、図1図6に示される代表的な実施形態は、電動ブラッシングマウスピースに適合するものであることを理解されたい。しかしながら、特許請求された本発明の他の実施形態の特許請求の範囲に記載され及び説明される特徴は例えば、可撓性又は泡状材料清掃機構、流体排出洗浄剤、及び歯科治療及び漂白用途を含む他の用途に適応可能であり得ることを理解されたい。
【0040】
明細書及び特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、明確に反対の意味を示さない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されたい。明細書及び特許請求の範囲で使用される「及び/又は」という表現は、そのように結合された要素の「どちらか又は両方」を意味すると理解されるべきであり、即ち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味する。「及び/又は」で記載される複数の要素は、同じように解釈されるべきであり、即ち、そのように結合された要素の「1つ又は複数」である。特定された要素に関連するか否かにかかわらず、「及び/又は」節で特定された要素以外の他の要素がオプションで存在してもよい。
【0041】
本書及び特許請求の範囲で使用される「又は」は、上記で定義される「及び/又は」と同義である。例えば、リストの項目を区切るとき、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であると解釈され、即ち、複数又はリストの要素のうち、少なくとも1つを含むが、1つ又は複数も含み、更にオプションとして、リストにない追加項目を含むと解釈される。「唯一の」若しくは「正確に1つの」、又は特許請求の範囲で使用される「からなる」など、反対の意味を持つことが明確に示される用語のみが、複数の又はリストの要素の正確に1つの要素が含まれていることを意味する。一般的に、本書で使用される「又は」という用語は、「いずれか」、「1つの」、「唯一の」、又は「正確に1つの」などの排他的な用語が前に置かれているときのみ、排他的な選択肢(即ち、「一方又は他方で両方ではない」)を示すと解釈される。
【0042】
特許請求の範囲及び明細書において、「有する」、「含む」、「搬送する」、「持つ」、「備える」、「関与する」、「保持する」などのすべての移行語は、オープンエンドであると理解されるべきであり、即ち、包含を意味し、限定を意味するものではないものとして理解されたい。
【0043】
本書で使用される「円弧状マウスピース」は、ユーザの歯を受けるための任意の適切な歯科器具を指す。形状は一般的に湾曲しており、ユーザの歯の全部又は一部を受けるために、広い若しくは浅いU字型、部分的なU字型、C字型、又はJ字型に構成されることができる。
【0044】
本書において、説明され特許請求されるプレートセグメントに適用される「H型」は一般に、対向する側壁10を結合する横ブリッジ部20を持つ任意の構成を指す。側壁10は、垂直又は角度つき、直線又は曲線とすることができ、ブリッジ部の上部の対向する上部空洞及びブリッジ部の下部の下部空洞のリムを、対応する上顎及び下顎歯列弓に適応的に適合させる寸法とすることができる。従って、「H型」という用語は、積み重ねられた上部及び反転チャネルを持つ様々な形状のプレートセグメントを含む派生物を含むように定義され、「X」により近い構成を含むこともでき、逆"U"字の上に積み重ねられた上部及び類似の形状を含み、これにより、様々な寸法の積み重ねられた上部チャンネル22及び逆チャンネル24が形成される。従って、上部及び下部チャネルのリムは鏡面形状であってもよいが、実施形態は、非対称の、及び/又は異種の形状又はサイズのチャネルを含むことができる。プレートセグメント8の「上昇ブリッジ部」20は、「H型」プレートセグメント8の対向する壁を結合する横ブリッジ部20を、その中間部よりも上方に位置させることを指す。プレートセグメント8’の「下降ブリッジ部」20’は、その中間部より下に位置させることを指す。
【0045】
本書で使用される「駆動機構」は、口腔内用途に適した機械的、電気的、電気機械的、振動的、超音波的、空気圧的、又はコンピュータ対応の動力源又は圧力源を指す。例えば、バッテリーは、口腔内の実施形態のための電気モーターを駆動することができる。簡単な実施形態は、小型コイン電池、アルカリ又はリチウム電池、及び充電式電池を使用することができる。駆動機構を作動させるため、市販のオン/オフスイッチが使用されることができる。容易に理解できるように、駆動機構は、押下可能な作動装置(プッシュボタン、ロッカー又はメンブレンボタン)を備えたオン/オフスイッチにより作動され、及び作動を停止されることができる。
【0046】
次に、図1図6に示されるような、特許請求される発明の例示的な実施形態を示す様々な図を参照すると、上顎歯列弓2及び下顎歯列弓4の歯を同時に清掃する歯科用清掃器具100が示される。円弧状マウスピース6は、対向する側壁10を持つH型部材として構成された複数のプレートセグメント8を含む。各側壁10は、折り返し端16まで延びる単層部分14の末端12を持ち、当接する内層部18を形成するよう折り返して二重にされる。対向する側壁の内層部18は、側壁10間で横ブリッジ部20と合わさる。その結果、対向する側壁10の末端部12及び折り返し端部16が横方向に並置された状態で反転される。対向する側壁10は、ブリッジ部20により分割され、上顎歯列弓2の少なくとも1つの歯を受容する寸法を持つ上部チャネル22がプレートセグメント(8)の上側に配置されること、及び下顎歯列弓4の少なくとも1つの歯を受け入れる寸法を持つ反転チャネル24が、上部チャネル22の下のプレートセグメント(8)の下側に配置されることが形成される。
【0047】
図2及び図3を更に参照すると、非剛性部材30は、上顎歯列弓2の歯の作業面に近接する上部チャネル22の内面26と、下顎歯列弓4の歯の作業面に近接する反転チャネル24の内面28とを適応的に位置決めするように、プレートセグメント8を結合する。これにより、プレートセグメント8に隣接する上顎歯列弓2及び下顎歯列弓4の歯に、上部チャンネル22及び反転チャンネル24が適合的にフィットすることが可能にされる。
【0048】
駆動機構40は、円弧状マウスピース6に接続され、これは、内面に配置された清掃モジュール32を作動させる。いくつかの実施形態では、駆動機構40は空気圧装置であってもよい。
【0049】
チャネルのリムを形成する側壁10の末端から延びるプレートセグメント8の内面24、26に沿って、1つ又は複数の清掃モジュール(30)がある。駆動機構40の作動は、プレートセグメント8に隣接する上顎歯列弓2の歯及び下顎歯列弓4の歯を同時に清掃するように、清掃モジュール30を作動させる。
【0050】
成人歯の臼歯部フィットの場合、H型プレートセグメント8の上部開口部の典型的な寸法は、以下の範囲にあると考えられる。チャネルの外側リムの長さは6~12mmで、対応する典型的な内側リムは4~7mmである。チャネルの開放面は通常4~10mmである。
【0051】
上記で詳述したように、非剛性部材30は様々な材料又は可動部材から構成されることができる。様々な実施形態は、ヒンジ、スライダ、細長い梁、柔軟な布、柔軟な壁及びフィルムを含む、様々な非剛性部材30を更に採用することができる。いくつかの実施形態は、加圧されるとき空気圧装置により膨張可能であり、減圧されるときに収縮するよう構成された1つ又は複数のブラダを持つ非剛性部材30を含むことができる。
【0052】
ここで図1及び図2を参照すると、プレートセグメント8のブリッジ部20は、異なる間隔をあけて配置され、その結果、下降したブリッジ部20’を持つプレートセグメント8’が、上昇したブリッジ部20を持つプレートセグメント8の間に配置される。ここで、非剛性部材30は、下降したブリッジ部20’を持つプレートセグメント8’が、上昇したブリッジ部20を持つプレートセグメント8’の間で近接して間隔を置かれるような寸法にされる。後者の実施形態では、一連の非剛性部材30は、上昇ブリッジ部20を持つプレートセグメント8の端部を接続するための大きさ及び間隔を有し、別個の一連の非剛性部材30は、下降ブリッジ部20’を持つプレートセグメント8’を接続するための大きさ及び間隔を有する。その結果、プレートセグメント8が、隣接するプレートセグメント8’間に入れ子にされる。
【0053】
図2及び図3に示されるように、基部34は、円弧状マウスピース6の位置決めを支持するよう提供されることもできる。基部34は、対応するプレートセグメント8及び非剛性部材30とインターフェースされることができる。これにより、プレートセグメント8に隣接する上顎歯列弓2の歯の作業面及び下顎歯列弓4の歯の作業面を同時に清掃する際に、円弧状マウスピースの位置決めが容易にされる。基部34は、様々な材料で構成され、分割され、切り欠きが設けられ、ヒンジ化され、バネが埋め込まれ、又は様々な剛性の材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、基部34は、可撓性壁部を含むブラダであってもよい。
【0054】
ここで、図1と、説明される歯科用器具の隠された要素を主に破線の幻線で示す図2とを参照すると、ブリッジ部20は、下降したブリッジ部20’を持つプレートセグメント8’が、上昇したブリッジ部20を持つプレートセグメント8の間に配置されるよう異なる間隔を空けて配置されることができ、非剛性部材30は、下降したブリッジ部20’を持つプレートセグメント8’が、上昇したブリッジ部20を持つプレートセグメント8の間で近接して間隔をおいて配置されるような寸法にされる。図1~3に描かれているように、第1の一連の非剛性部材30は、上昇ブリッジ部20を持つプレートセグメント8の端部を接続する大きさ及び間隔を有する。別個の一連の非剛性部材30’は、下降ブリッジ部20’を持つプレートセグメント8’を接続するための大きさ及び間隔を有する。その結果、プレートセグメント8が隣接するプレートセグメント8’間に入れ子にされる。
【0055】
非剛性部材30は、プレートセグメント8が撓み、これにより円弧状マウスピースの平面に沿って自由に並進及び回転することを可能にするように間隔をあけて配置される。図1図6に示されるようないくつかの実施形態では、プレートセグメント8の長さ及びその間のスペースはほぼ同じ大きさである。プレートセグメント8をそのように間隔をあけて配置するため、交互するプレートセグメント8、8’間の非剛性部材30の長さは通常、歯1つ分未満であり、歯の半分に近い。典型的な歯の場合、非剛性部材30の大きさは約4~8mmである。
【0056】
図1及び図2の透視図の隠れた部分を描いた破線の幻影線により部分的に示されるように、基部34は、プレートセグメント8の連続する上昇ブリッジ部20の下及びプレートセグメント8’の下降ブリッジ部20’の上に連続的に配置され得る。非剛性部材22は、下降したブリッジ部20’を持つプレートセグメント8’が、上昇したブリッジ部20を持つプレートセグメント8’の間で近接して間隔を置かれるような寸法にされる。第1の一連の非剛性部材30が、上昇ブリッジ部20を持つプレートセグメント8の端部を接続する大きさ及び間隔を有している。第2の一連の非剛性部材30は、下降ブリッジ部20’を持つプレートセグメント8を接続するための大きさ及び間隔を有する。その結果、上昇したブリッジ部8を持つプレートセグメント8が、下降したブリッジ部20を持つプレートセグメント8の間に入れ子にされる。
【0057】
図3に示す例示的な実施形態の別の特徴は、上部チャネル22の内面26及び/又は反転チャネル24の内面28における可撓性壁部36である。可撓性壁部36は、空気圧装置が可撓性壁部36を加圧及び減圧するときに変形可能に構成され得る。
【0058】
清掃モジュール32はまた、例えば水、漂白剤又は他の歯科処置剤などの流体を噴出するための開口部38を含むことができる。
【0059】
清掃モジュール32は、様々な材料、質感及び構造を採用することもできる。例えば、発泡パッド、研磨面、流体の噴射口並びに長さ及び硬さの異なる毛のタフトが、単独で、又は組み合わせて使用されることができる。いくつかの実施形態では、タフト付き毛は、プレートセグメント8の末端に向かって長くなり、プレートセグメント8のブリッジ部20に向かって短くなるようにテーパー状にされることができる。タフト毛は、剛性において変化することもできる。その結果、それらは、プレートセグメント8の末端部12に向かって剛性がより高く、ブリッジ部20に向かってより柔軟になる。
【0060】
図では、臼歯の用途について図示されるが、他の様々な実施形態では、プレートセグメント8の1つ又は複数の側壁12が、歯の対応する形状にフィットするよう構成されることができる。
【0061】
小臼歯、切歯、犬歯を含む他の歯にフィットする側壁10又はリムの輪郭は、よりX字形、非対称、及び/又は曲線的な構成を形成するように内側に角度を付けるよう構成されることができる。本書で説明され特許請求の範囲に記載されるようなプレートセグメント8の斯かる派生は、上記で詳述したように、H形状の定義に含まれる。
【0062】
非剛性部材30に所望の可撓性を付与する材料及び要素は、ヒンジ、スライダ、長い梁、1つ若しくは複数のブラダ、布地又はフィルムを含むことができる。これは、プレートと一体成形若しくはインサート成形される、又は単独で組み立てられることができる。円弧状マウスピース6の非剛性部材30の長さは、対応する歯及び/又は歯列弓の形状に対応するように変化することができる。
【0063】
図1図6に例示されるような特定の実施形態では、プレートセグメント8は、十分な作業領域を容易にするために、非剛性部材30の間に入れ子状にされることができる。いくつかの実施形態では、プレートセグメント8は、非剛性部材30の剛性が末端部の柔軟性により減衰され、こうして、ユーザの歯にフィットするよう、適応的な動きが提供される末端部付近の位置で、ブラダに接続されるか、又は互いに接続されることができる。
【0064】
ここで図4を参照すると、概略的表現が、未組立図を示し、これは、交互するプレートセグメント(8)が、隣接するプレートセグメント間に非剛性部材30を用いてどのように入れ子にされるかを太い矢印で示す。図4及び図5は、作業領域Xに沿った清掃モジュール32の動きを更に示す。示されるように、歯科用器具100の図示された構成は、梁を付与し、その結果、梁が作業領域から遠ざかる距離xごとに、長さが2X分増加され、剛性が長さの3乗の逆数になる。従って、末端部12の柔軟性は、清掃モジュール32の毛の剛性を低下させながら、対応する作業領域を増加させることが理解されることができる。
【0065】
様々な実施形態の更なる特徴は、発泡体若しくはシリコーンパッド、研磨面、流体の噴射及び/又はタフト毛で構成される清掃モジュール32を含むことができる。斯かる毛は、多くの構成において、様々な長さ及び硬さを持ち、テーパー状、成形された、又は様々な大きさのものがある。例えば、いくつかの実施形態では、タフト毛は、プレートセグメント8の端部に向かって長くなり、ブリッジ部20に向かって短くなるようにテーパー状にされる。更に、タフト毛は、プレートセグメント8、8’の端部に向かってより硬く、ブリッジ部20に向かってより柔軟であってよい。
【0066】
いくつかの実施形態が本書において説明及び/又は図示されてきたが、当業者であれば、本書に記載された機能を実行し、及び/又は結果を得、及び/又は1つ又は複数の利点を得るための様々な他の手段及び/又は構造を容易に想定することができ、斯かる変形及び/又は変更のそれぞれは、本書に記載された発明的な実施形態の範囲内であるとみなされる。より一般的には、本書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示的なものであり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される特定の用途又はアプリケーションに依存することを、当業者は容易に理解するであろう。
【0067】
当業者であれば、本書に記載された特定の発明的実施形態の多くの均等物を認識するか、又は日常的な実験以上のことをせずに確認することができるであろう。例えば、ノッチ、ミシン目、縁取り、可撓性層、又は適応サイジングを明らかに含めることが、プレートセグメント8又は非剛性部材30の適応撓みを高めることができる。
【0068】
従って、前述の実施形態は例示としてのみ提示され、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、発明的な実施形態は、具体的に説明され請求項に記載されるものとは別の態様で実行され得ることを理解されたい。本開示の発明的実施形態は、本書に記載される個々の特徴、システム、物品又は材料に向けられる。更に、性能を向上又は促進するために、材料の構造的特徴の組み合わせが説明した実施形態に組み込まれることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】