(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】関節アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/66 20060101AFI20241024BHJP
A61F 2/70 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61F2/66
A61F2/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523109
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 FR2022051902
(87)【国際公開番号】W WO2023062308
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524142529
【氏名又は名称】リヴァイバル・バイオニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム・ロジェ・アルベール・パトリック・バニエル
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA02
4C097AA08
4C097BB02
4C097BB06
4C097CC07
4C097CC18
4C097TA07
4C097TA08
4C097TA10
4C097TB05
(57)【要約】
本発明は、関節アセンブリ(101)であって、
入力要素(103)と、
出力要素(105、109)と、
トーションバー(107)であって、トーションバーの長手方向軸(120)を中心として変形し得るトーションバー(107)と、
作動手段と
を備え、
入力要素(103)は、トーションバー(107)の第1のゾーン(107a)に対して回転可能に結合され、出力要素(105)は、トーションバー(107)の第2のゾーン(107b)に対して回転可能に結合され、入力要素(103)は、作動手段に対してさらに連結され、入力要素(103)および出力要素(105)は、トーションバー(107)の軸に沿って互いに対して回転するように案内される、関節アセンブリ(101)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節アセンブリ(101)であって、
入力要素(103)と、
出力要素(105、109)と、
トーションバー(107)であって、前記トーションバーの長手方向軸(120)を中心として変形し得るトーションバー(107)と、
作動手段と
を備え、
前記入力要素(103)は、前記トーションバー(107)の第1のゾーン(107a)に対して回転可能に結合され、前記出力要素(105)は、前記トーションバー(107)の第2のゾーン(107b)に対して回転可能に結合され、前記入力要素(103)は、前記作動手段に対してさらに連結され、前記入力要素(103)および前記出力要素(105)は、前記トーションバー(107)の軸に沿って互いに対して回転するように案内される、関節アセンブリ(101)。
【請求項2】
前記入力要素(103)および前記出力要素(105)は、埋設連結部を介して前記トーションバー(107)の前記第1のゾーンに対しておよび前記第2のゾーンに対してそれぞれ連結される、請求項1に記載の関節アセンブリ。
【請求項3】
前記トーションバー(107)は、100~10,000Nm/ラジアンの間の剛性値を有する、請求項1または2に記載の関節アセンブリ。
【請求項4】
前記トーションバー(107)、前記入力要素(103)、および前記出力要素(105)は、前記トーションバー(107)が取外し可能であるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の関節アセンブリ。
【請求項5】
前記アセンブリは、前記入力要素(103)に対してヒンジ連結されたベースを備え、前記ベースは、前記作動手段を支持する、請求項1から4のいずれか一項に記載の関節アセンブリ。
【請求項6】
前記作動手段は、前記トーションバー(107)の前記軸に対して例えば垂直であるなど非共線的である作動軸に沿って移動され得る作動部材を移動させるように構成されたリニアアクチュエータを備え、前記作動部材の移動により、前記入力要素(103)が前記出力要素(105)に対して回転される、請求項1から5のいずれか一項に記載の関節アセンブリ。
【請求項7】
前記作動部材は、前記入力要素(103)と枢動連結状態または玉継手連結状態にある、請求項6に記載の関節アセンブリ。
【請求項8】
前記入力要素(103)は、枢動連結部により前記ベースに対して連結される、請求項5に記載の関節アセンブリ。
【請求項9】
前記リニアアクチュエータは、枢動連結部において前記ベースに対してヒンジ連結され、前記枢動連結部において、枢動軸は、前記トーションバー(107)の前記軸に対して平行であり、前記トーションバー(107)のねじれまたは前記入力要素(103)の回転により、前記リニアアクチュエータが第2の枢動軸を中心として前記ベースに対して回転される、請求項5に従属する請求項6に記載の、または請求項5に従属するときの請求項6に従属する請求項7に記載の、関節アセンブリ。
【請求項10】
前記リニアアクチュエータと前記ベースとの間に少なくとも1つのばねを備え、前記少なくとも1つのばねは、前記リニアアクチュエータと前記ベースとが相対移動する最中に縮むように、または伸びるように構成される、請求項9に記載の関節アセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのばねは、全体剛性が100~10,000Nm/ラジアンの間になるように構成される、請求項10に記載の関節アセンブリ。
【請求項12】
前記トーションバー(107)の第1の端部は、前記第1のゾーン(107a)を形成し、前記トーションバー(107)の第2の端部は、前記第2のゾーン(107b)を形成し、前記トーションバー(107)は、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間の作業部分(107c)がねじれることによって変形するように構成され、前記入力要素(103)および前記出力要素(105)は、それぞれ第1の管状セクション(103a)および第2の管状セクション(105a)を備え、前記第1の管状セクション(103a)および前記第2の管状セクション(105a)は、互いに嵌め合わされることにより前記トーションバー(107)を収容する管状本体(110)を共に形成するように構成され、前記入力要素(103)の前記第1の管状セクション(103a)は、前記トーションバー(107)の前記軸を中心として前記トーションバー(107)の前記第1のゾーンに回転可能に結合されるように構成された第1の内部結合表面を前記管状本体の第1の端部に備え、前記出力要素(105)の前記第2の管状セクション(105a)は、前記トーションバー(107)の前記軸を中心として前記トーションバー(107)の前記第2のゾーンに回転可能に結合されるように構成された第2の内部結合表面を前記管状本体の第2の端部に備え、
前記第1の管状セクション(103a)および前記第2の管状セクション(105a)は、前記第1の管状セクション(103a)の内部に位置する第1のガイド表面および前記第2の管状セクション(105a)の外部に位置する第1のガイド表面を、またはその逆である第1のガイド表面をそれぞれ備え、これらの前記第1のガイド表面は、前記管状本体の前記第1の端部と前記第2の端部との間の中間位置に構成され、前記内部の第1のガイド表面および前記外部の第1のガイド表面は、前記出力要素(105)が前記トーションバー(107)の前記軸を中心として前記入力要素(103)に対して回転するように案内されるのを確保するように構成される、請求項2から11のいずれか一項に記載の関節アセンブリ。
【請求項13】
前記出力要素(105)は、前記第2の管状セクション(105a)とは異なる第2の部分を備え、前記第2の部分は、第2のガイド表面を介して前記入力要素(103)の前記第1の管状セクション(103a)に対して枢動連結状態にあり、前記第2のガイド表面は、前記第1の管状セクション103aの外部におよび前記第2の部分の内部にそれぞれ位置し、前記管状本体の前記第1の端部に構成される、請求項12に記載の関節アセンブリ。
【請求項14】
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する前記管状本体は、前記トーションバー(107)を全体的に収容し、前記トーションバー(107)は、好ましくは前記トーションバー(107)の前記軸に沿って前記管状本体と同一の長さを有する、請求項13に記載の関節アセンブリ。
【請求項15】
請求項5に記載の、または請求項2から4および請求項6から14のいずれか一項と組み合わされた請求項5に記載の関節アセンブリを備えるプロテーゼデバイスであって、
前記トーションバー(107)の前記軸を中心として前記ベースに対して枢動するように構成された接地ブレード
を備え、
前記ベースは、肢断端に対して固定されるように意図された脛骨ベースであり、前記脛骨ベースは、前記作動手段を有し、
前記入力要素(103)は、前記作動手段の出力部に対して連結され、前記出力要素(105)は、前記接地ブレードに対して連結され、
前記トーションバー(107)は、前記トーションバー(107)のねじれにより歩行中にエネルギーを保存し、前記作動手段からの作用と同時に推進力に対してエネルギーを供給するように構成される、プロテーゼデバイス。
【請求項16】
前記脛骨ベースは、前記作動手段を受け入れる中空本体を備える、請求項15に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項17】
前記脛骨ベースは、前記トーションバー(107)に対して垂直である長手方向を有し、前記作動手段は、モータおよびねじ-ナットシステムを備え、前記ねじ-ナットシステムおよび前記モータは、前記長手方向に沿って重畳するように配置される、請求項16に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項18】
前記作動手段のための独立したエネルギー供給源を受け入れるための空間が、前記トーションバー(107)と接触プレートとの間に存在する、請求項15から17のいずれか一項に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項19】
請求項1から14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの関節アセンブリを備える、大型の整形外科用デバイス。
【請求項20】
請求項1から14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの関節アセンブリを備える、関節システムであって、前記関節システムは、互いにヒンジ連結された第1のセクションおよび第2のセクションを少なくとも備え、前記第1のセクションは、前記関節アセンブリの前記入力要素(103)を形成し、前記第2のセクションは、前記関節アセンブリの前記出力要素(105)を形成する、関節システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、能動型プロテーゼまたは受動型プロテーゼにおいて使用される関節アセンブリの分野に関する。さらに詳細には、本開示は、足部プロテーゼの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
能動型であれ、受動型であれ、プロテーゼの目的は、切断肢の機能を与えることにより肢切断患者の身体障害を補うことである。例えば、切断の程度に応じて、足部プロテーゼは、腓腹筋の機能、足部背屈筋の機能、またはアキレス腱に関連する機能を場合によっては実現しなければならない。さらに、プロテーゼ、特に能動型プロテーゼは、通常であれば脳により実現される制御機能の代わりを果たすために、および通常であれば代謝により可能となるエネルギー消費を補償するために、コントローラおよびバッテリも組み込まなければならない。
【0003】
したがって、一般的に、能動型プロテーゼは、モータ-ねじシステムから構成される電気式リニアアクチュエータを含む。このアクチュエータは、一般的に、ばね要素に対して直列的に配置され、このばね要素は、人工アキレス腱として機能し、使用の最中にアクチュエータにより供給されるピーク出力を低下させ得る。このアクチュエータ/ばねの対は、「直列弾性アクチュエータ」という名称で知られている。
【0004】
切断手術による影響を被った人々の需要を、とりわけプロテーゼの快適性、コンパクト性、およびプロテーゼの自律性、ならびにユーザ属性への適合性に対する必要を満たすために、多数の解決策が先行技術によって提案されてきた。しかし、先行技術において提案されるこれらの解決策は、一般的に、上述の必要性に対して厳密には対処し得るものではなく、多数の欠点が残る。例えば、足部プロテーゼの場合に、人工アキレス腱を構成するばねは、患者に対して個別に適合化された剛性を常に有するとは限らず、または各患者の体重に対して適合するのは難しい。
【0005】
さらに、先行技術の解決策において選択されている構造は、失われた肢の体積と適度に等しい設計を有するケーシングの範囲内において、能動型プロテーゼを実現するために必要なあらゆる構成要素(例えばモータ、電子機器、バッテリ、ばねなどの人工アキレス腱等を含む)を組み込むことに対して制約をもたらす場合がある、または患者の便宜のために1日もしくはそれ以上にわたる自律性の実現に相当し得る複数のバッテリセルを組み込むことに対して制約をもたらす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、上記の状況を改善するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、関節アセンブリであって、
入力要素と、
出力要素と、
トーションバーであって、トーションバーの長手方向軸を中心として変形し得るトーションバーと、
作動手段と
を備えることが可能である、
入力要素が、トーションバーの第1のゾーンに対して回転可能に結合され、出力要素が、前記第1のゾーンから遠くに位置するトーションバーの第2のゾーンに対して回転可能に結合され、入力要素が、作動手段に対してさらに連結され、入力要素および出力要素が、トーションバーの軸に沿って互いに対して回転するように案内される、関節アセンブリが提案される。
【0008】
有利には、かかる関節アセンブリは、とりわけプロテーゼデバイスまたは矯正デバイスの中において使用される場合に、トーションバーによりエネルギーを保存および供給するためのコンパクトなシステムを実現し得る。かかる構造により、例えば1つまたは複数のバッテリ、回路、1つまたは複数のモータ等の他の要素のさらに容易な組込みを可能にする様式で、全体寸法を縮小することが可能となる。
【0009】
入力要素および出力要素は、埋設連結部を介してトーションバーの第1のゾーンに対しておよび第2のゾーンに対してそれぞれ連結され得る。
【0010】
トーションバーは、100~10,000Nm/ラジアンの間の、好ましくは100~2,000Nm/ラジアンの間の剛性値を有し得る。
【0011】
トーションバー、入力要素、および出力要素は、トーションバーが取外し可能であるように構成され得る。
【0012】
したがって、トーションバーは、損傷を被った場合にまたはトーションバーの剛性が調節される必要がある場合に容易に交換することが可能となる。有利には、関節アセンブリがプロテーゼ(例えば能動型の)に組み込まれる場合に、患者の形態構造または外形にしたがってトーションバーの剛性を調節することが可能となる。例えば、複数種のトーションバーを有することが可能であり、この場合に各種類は、例えば患者の体重などの患者の特徴(physiognomy)に対して適合化される。
【0013】
本アセンブリは、入力要素に対してヒンジ連結されるベースを備えてもよく、このベースは、作動手段を支持する。
【0014】
作動手段は、トーションバーの軸に対して例えば垂直であるなど非共線的である作動軸に沿って移動され得る作動部材を移動するように構成されたリニアアクチュエータを備えてもよく、この作動部材の移動により、入力要素が出力要素に対して回転される。
【0015】
リニアアクチュエータは、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、例えばボールねじまたは遊星ローラねじ(標準ローラねじとも呼ばれる)タイプなどのモータにより駆動されるねじ-ナットシステム、電気モータ等であってもよい。したがって、一例によれば、リニアアクチュエータがねじ-ナットシステムである場合に、作動部材は、モータにより駆動されるナットによって始動されるねじに相当し得る。別の例によれば、リニアアクチュエータがねじ-ナットシステムである場合に、作動部材は、モータにより駆動されるねじによって始動されるナットに相当し得る。
【0016】
モータにより駆動されるねじ-ナットシステムは、モータに対して結合された駆動プーリーと、ねじに対して結合された被動プーリーとを備えてもよく、駆動プーリーおよび被動プーリーは、駆動ベルトにより連結される。
【0017】
アクチュエータにより供給される最大出力は、歩行中にプロテーゼ内において使用される場合に50~1000ワットの間であってもよい。
【0018】
アクチュエータの合計体積および/またはねじ-ナットシステムを有するモータの合計体積は、100~1500cm3の間であってもよい。
【0019】
作動部材は、入力要素と枢動連結状態または玉継手連結状態にある。
【0020】
作動部材と入力要素との間の枢動連結部は、例えば滑り軸受、玉軸受、転がり軸受、もしくはニードル軸受などの軸受、またはボールアンドソケット継手によって確立され得る。ヒンジピンは、縮着フィッティングまたは弾性スプリットリングにより固定され得る。
【0021】
作動手段は、ベースの上または中に直接的または間接的に取り付けられ得る。「間接的」とは、追加的な要素が作動手段とベースとの間に配置されることを意味するものとして理解することができる。
【0022】
例えば制御ユニットなどの制御手段が、プロテーゼデバイスまたは矯正デバイスの様々な要素を制御するために使用されてもよい。これらの制御手段は、ベースの上および/または中に取り付けられ得る。さらに、制御手段は、作動アセンブリの上に取り付けられてもよい。
【0023】
リニアアクチュエータは、枢動連結部においてベースに対してヒンジ連結されてもよく、この枢動連結部においては、その枢動軸がトーションバーの軸に対して平行であり、トーションバーのねじれまたは入力要素の回転により、リニアアクチュエータが枢動軸を中心としてベースに対して回転される。
【0024】
1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つのばねが、リニアアクチュエータとベースとの間に備えられてもよく、この少なくとも1つのばねは、リニアアクチュエータと前記ベースとが相対移動する最中に延びるように、または縮むように構成され得る。
【0025】
有利には、トーションバーにおいて関節アセンブリの全体剛性値を調節することが可能である。1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つのばねは、トーションバーにおける全体剛性が100~10,000Nm/ラジアンの間になり得るように構成され得る。
【0026】
有利には、トーションバーの軸上におけるシステムの等価剛性を計算する場合にすべての構成要素を考慮することにより、モータのピーク出力を低下させることが可能となる。
【0027】
さらに、複数の構成要素が全体剛性に対して連続的に関与することにより、トーションバーの剛性および疲労抵抗を厳密に調節することが可能となる。
【0028】
1つまたは複数の実施形態では、トーションバーの第1の端部が、第1のゾーンを形成し、トーションバーの第2の端部が、第2のゾーンを形成し、前記トーションバーは、第1のゾーンと第2のゾーンとの間の作業部分がねじれることによって変形するように構成され、入力要素および出力要素は、それぞれ第1の管状セクションおよび第2の管状セクションを備え、これらの第1の管状セクションおよび第2の管状セクションは、互いに嵌め合わされることにより前記トーションバーを収容する管状本体を共に形成するように構成され、入力要素の第1の管状セクションは、トーションバーの軸を中心としてトーションバーの第1のゾーンに回転可能に結合されるように構成された第1の内部結合表面を管状本体の第1の端部に備え、出力要素の第2の管状セクションは、トーションバーの軸を中心としてトーションバーの第2のゾーンに回転可能に結合されるように構成された第2の内部結合表面を管状本体の第2の端部に備え、第1の管状セクションおよび第2の管状セクションは、第1の管状セクションの内部に位置する第1のガイド表面および第2の管状セクションの外部に位置する第1のガイド表面を、またはその逆である第1のガイド表面をそれぞれ備え、これらの第1のガイド表面は、管状本体の第1の端部と第2の端部との間の中間位置に構成され、内部の第1のガイド表面および外部の第1のガイド表面は、出力要素がトーションバーの軸を中心として入力要素に対して回転するように案内されるのを確保するように構成される。
【0029】
管状本体の第2の端部は、管状本体の第1の端部の対向側の第2の端部を意味するものとして理解できる。
【0030】
ガイド表面は、直接接触による案内を可能にし得るものであり、または例えばリング軸受、ブシュ軸受、もしくは転がり軸受などの軸受により実装されてもよい。
【0031】
出力要素は、第2の管状セクションとは異なる第2の部分を備えてもよく、第2の部分は、第2のガイド表面を介して入力要素の第1の管状セクションに対して枢動連結状態にあり、これらの第2のガイド表面は、第1の管状セクションの外部におよび第2の部分の内部にそれぞれ位置し、管状本体の第1の端部に構成される。
【0032】
第1の端部と第2の端部との間に延在する管状本体は、トーションバーを全体的に収容してもよく、トーションバーは、好ましくはトーションバーの軸に沿って管状本体と同一の長さを有する。
【0033】
したがって、有利には、大型の整形外科用デバイス(プロテーゼおよび矯正器具)またはさらにはロボットデバイス(例えば協働ロボットもしくは外骨格)などの多数のデバイスにとって理想的な、非常にコンパクトなエネルギー充電および給電システムを実現することが可能となる。
【0034】
また、本開示は、本開示によるプロテーゼデバイスであって、
トーションバーの軸を中心としてベースに対して枢動するように構成された接地ブレード
を備え得、
ベースは、例えばソケットなどを介して肢断端に対して固定されるように意図された脛骨ベースであり、この脛骨ベースは、作動手段を有し、
入力要素が、作動手段の出力部に対して連結され、出力要素が、接地ブレードに対して連結され、
トーションバーが、トーションバーのねじれにより歩行中にエネルギーを保存し、作動手段からの作用と同時に推進力に対してエネルギーを供給するように構成される、プロテーゼデバイスに関する。
【0035】
かかる構造により、ヒトの足関節の生体力学的特徴およびとりわけその推進特性をより忠実に再現することが可能となる。
【0036】
脛骨ベースは、作動手段を受け入れる中空本体を備え得る。
【0037】
有利には、このベースは、作動手段を保護することが可能であり、患者にとり有益となるようなシステム外観の改善を果たすための設計作業の中心となり得る。
【0038】
脛骨ベースの中空本体は、例えばプロテーゼデバイスの様々な要素の制御を可能にする制御ユニットなどの制御手段をさらに有し得る。
【0039】
脛骨ベースは、トーションバーに対して垂直である長手方向を有してもよく、作動手段は、モータおよびねじ-ナットシステムを備え、ねじ-ナットシステムおよびモータは、長手方向軸に沿って重畳するように配置される。
【0040】
有利には、かかる構成により、作動手段にとって必要な性能を犠牲にすることなく様々な断端の長さおよびサイズを有する多数の患者に対応するために、プロテーゼデバイスのコンパクト性を高めて、プロテーゼデバイスの高さを縮小することが可能になる。
【0041】
モータにより駆動されるねじ-ナットシステムは、モータに対して結合された駆動プーリーと、ねじに対して結合された被動プーリーとを備えてもよく、駆動プーリーおよび被動プーリーは、駆動ベルトにより連結される。
【0042】
作動手段のための例えば取外し可能なエネルギー供給源などの独立したエネルギー供給源を受け入れるための空間が、トーションバーと接触プレートとの間に設けられ得る。
【0043】
したがって、有利には、プロテーゼデバイスの外部上にバッテリを配置する必要性を回避することにより、本デバイスの全体寸法を縮小することが可能となる。さらには、これにより、バッテリは、例えばシューズ内で着用されるように意図された足部形状を有する美観ケーシングなどのケーシング内に隠蔽することが可能となる。
【0044】
さらに、本開示は、本開示による少なくとも1つの関節アセンブリを備える大型の整形外科用デバイスに関する。
【0045】
さらに、本開示は、前述のタイプの少なくとも1つの関節アセンブリを備える関節システムに関する。この関節システムは、互いにヒンジ連結された第1のセクションおよび第2のセクションを少なくとも備え、第1のセクションは、関節アセンブリの入力要素を形成し、第2のセクションは、関節アセンブリの出力要素を形成する。
【0046】
以下の詳細な説明を読み、添付の図面を精査することにより、他の特徴、詳細、および利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1a】本開示の関節アセンブリの概略斜視図である。
【
図1b】本開示の関節アセンブリの概略分解図である。
【
図1c】本開示の関節アセンブリのZY面に沿った概略断面図である。
【
図2a】本開示の関節アセンブリを備える足部プロテーゼなどのプロテーゼデバイスの概略斜視図である。
【
図2b】本開示の関節アセンブリを備える足部プロテーゼなどのプロテーゼデバイスのZX面に沿った概略側面図である。
【
図2c】本開示の関節アセンブリを備える足部プロテーゼなどのプロテーゼデバイスのZY面に沿った概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1a、
図1b、および
図1cは、斜視図、分解図、および断面図において関節アセンブリを概略的に示す。
【0049】
図1a~
図1cを参照すると、関節アセンブリ101が、入力要素103と、出力要素105と、長手方向軸120を有しこの長手方向軸120を中心として変形することが可能なトーションバー107と、作動手段とを備え得る。入力要素103は、管状セクションを備えてもよく、この管状セクションから連結ロッドが延在して、例えばクレビスジョイントが形成される。具体的には、アームの自由端部は、ヒンジを取り付けるように意図されたオリフィスを備え得る。
【0050】
入力要素103の管状セクションは、トーションバー107の第1のゾーン107aに対して回転可能に結合され、出力要素105は、トーションバーの第2のゾーン107bに対して回転可能に結合され得る。入力要素103、具体的にはアームは、作動手段に対して連結され、入力要素および出力要素105は、トーションバーの軸120に沿って互いに対して回転するように案内され得る。
【0051】
例えば、トーションバー107は、トーションバーの第1のゾーンを形成する第1の端部を備えてもよく、トーションバーの第2のゾーンを形成する第2の端部を備えてもよい。トーションバーの第1のゾーンおよび第2のゾーンは、シリンダ状であってもよい。
【0052】
トーションバー107は、トーションバー107の第1の端部と第2の端部との間に例えばシリンダ状などである作業部分107cを備えてもよく、この作業部分107cはねじりにより変形するように構成される。トーションバー107の第1のゾーン107aおよび第2のゾーン107bは、作業部分107cの断面または直径よりも大きい断面または直径を有し得る。
【0053】
トーションバー107の剛性は、100~10,000Nm/ラジアンの間であってもよく、これにより関節アセンブリ101は多数の用途に対して対応することが可能となる。
【0054】
1つまたは複数の実施形態では、作業部分107cは、20~70mmの間の長さを有し得る。作業部分の直径は、例えば5~15mmの間などである。
【0055】
さらに、関節アセンブリ101の入力要素103および出力要素105は、例えばシリンダ状などである第1の管状セクション103a、および例えばシリンダ状などである第2の管状セクション105aをそれぞれ備えてもよく、これらの第1の管状セクション103aおよび第2の管状セクション105aは、互いに嵌着するように構成され、それによりトーションバー107を収容する管状本体110を共に形成する。連結ロッドが、管状セクション105aから延在し、前記連結ロッドの自由端部は、図示しないヒンジピンを通過させるように意図されたオリフィスを備える。
【0056】
入力要素103の第1の管状セクション103aは、管状本体の第1の端部110aに第1の内部結合表面S1を備えてもよく、この第1の内部結合表面S1は、トーションバー107の軸120を中心としてトーションバー107の第1のゾーン107aに回転可能に結合されるように構成される。
【0057】
同様に、出力要素105の第2の管状セクション105aは、管状本体110の第2の端部110bに第2の内部結合表面S2を備えてもよく、この第2の内部結合表面S2は、トーションバー107の軸120を中心としてトーションバー107の第2のゾーンに回転可能に結合されるように構成される。
【0058】
例えば、第1の表面S1および第2の表面S2は、それぞれの埋設連結部を介して第1のゾーン107aおよび第2のゾーン107bに回転可能にそれぞれ結合され得る。これらの埋設連結部は、第1の表面S1と第1のゾーン107aとの間および第2の表面S2と第2のゾーン107bとの間の相補的な溝によって確立され得る。これらの埋設連結部は、第1の表面S1と第1のゾーン107aとの間および第2の表面S2と第2のゾーン107bとの間に例えば正方形または六角形などの相補的な多角形形状部によって実装され得る。当該パーツ同士の間の並進方向停止手段は、好ましくは取外し可能である任意の適切な手段によって実現され得る。
【0059】
溝および取外し可能な並進方向停止手段を使用することにより、トーションバー107の摩耗、患者の外形もしくは形態構造、または患者の外形もしくは形態構造における変化に応じて交換可能な、取外し可能なトーションバー107を有することが可能となる。
【0060】
埋設連結部に対して溝を使用する代わりに、例えば正方形、六角形、多角形、スパイク形状、鋸歯形状、円錐形、または双円錐形のアセンブリなどの、シャフトとハブとの間の障害物を介した任意の他のタイプのトランスミッションを使用することが可能であり得る。
【0061】
各管状セクション103a、105aの長さは、20~70mmの間であってもよい。同様に、各管状セクションの直径は、10~40mmの間であってもよい。
【0062】
第1の端部110aと第2の端部110bとの間に延在する管状本体は、トーションバー107を全体的に収容し得る。トーションバー107は、トーションバー107の軸120に沿って管状本体と同一の長さを有し得る。
【0063】
さらに、第1の管状セクション103aおよび第2の管状セクション105aは、それぞれ第1の管状セクション103aの内部に位置する第1のガイド表面S3および第2の管状セクション105aの外部に位置する第1のガイド表面S3を、またはその逆である第1のガイド表面S3をそれぞれ備え得る。例えば、これらの第1の表面は、接触状態にある第1の管状セクション103aの内部表面S3および第2の管状セクション105aの外部表面S3からなるものであってもよく、これにより出力要素がトーションバー107の軸120を中心として入力要素に対して回転するように案内されることが確保され得る。
【0064】
対照的に、1つまたは複数の実施形態において、第1の管状セクション103aは、第2の管状セクション105aの内部表面と接触状態にある外部表面を備えてもよく、これにより入力要素が出力要素に対して回転するように案内され得る。
【0065】
これらの第1のガイド表面は、管状本体110の第1の端部110aと第2の端部110bとの間の中間位置に構成され得る。
【0066】
さらに、出力要素は、第2の管状セクション105aとは異なる第2の部分109を備えてもよく、この第2の部分109は、入力要素の第1の管状セクション103aに対して枢動連結状態にある環状ゾーンを備える。この枢動連結部は、それぞれ第1の管状セクション103aの外部に位置する第2のガイド表面S4および第2の部分の内部に位置する第2のガイド表面S4によって実装され、管状本体の第1の端部に構成され得る。小型コネクタが、環状ゾーンから延在し、このコネクタの自由端部は、図示しないヒンジピンを通過させるように意図されたオリフィスを備える。
【0067】
入力要素103、具体的には入力要素の小型コネクタの自由端部は、枢動連結部により作動手段(
図1a~
図1cには図示せず)に対して連結され得る115。
【0068】
この作動手段は、トーションバー107の軸120に対して垂直な軸220に沿って移動され得る作動部材を移動するように構成されたリニアアクチュエータを備え得る。
【0069】
例として、このリニアアクチュエータは、出力シャフトを備えるモータを備えるねじジャッキであってもよく、この出力シャフトは、回転するように駆動され、例えばねじ-ナットタイプなどの減速機に対して結合され、このねじは、場合によってはプーリー装置を介してモータの出力シャフトに対して結合されるか、またはモータの出力シャフトを形成する。ねじが回転することにより、ねじ203の軸に沿ってナットが並進移動する。ナットは、軸XXを介して入力要素の連結ロッドの自由端部に対してヒンジ連結される。
【0070】
関節アセンブリに含まれる様々な要素は、金属から作製されてもよい。
【0071】
かかる関節アセンブリは、大型の整形外科用デバイス(例えば足部もしくは膝などのためのプロテーゼもしくは矯正器具)において、または例えば協働ロボットもしくは外骨格などのロボット工学において、例えば1つまたは複数の関節アセンブリからなる関節システムなどのデバイス内で使用することが可能である。
【0072】
例えば、関節システムは、協働ロボット工学で使用される関節アームなどの協働ロボットであってもよく、このロボットアームの各関節部は、直列または並列に構成された本説明による1つまたは複数の関節アセンブリを場合によっては備える。
【0073】
他の例によれば、かかる関節アセンブリ101は、能動型足部プロテーゼに組み込まれてもよく、その場合にはアキレス腱の機能を果たす。
【0074】
図2a~
図2cは、本開示の関節アセンブリを備える例えば足部プロテーゼなどのプロテーゼデバイスを概略的に示す。
【0075】
図2aは斜視図に相当し、
図2bは面ZXに沿った足部プロテーゼの側面図に相当し、
図2cはトーションバー107の軸を含む面に沿った断面
図ZYを示す。
【0076】
図2a~
図2bを参照すると、足部プロテーゼ200は、ソケットにより断端に対して固定されるように意図された脛骨ベース201中に取り付けられた関節アセンブリを備え得る。例えば、脛骨ベース201は、U字の底部が上に位置し、2つの側壁部が下方へ延在する、反転U字形状支持部の形態であってもよい。ピラミッド形アダプタ211が、この底部から上方に延在する。前記アダプタは、例えば多角形底部を、特に正方形底部を有するピラミッド形状部などを有し、それによりソケットを介したヒトの断端に対する装着が可能となる。
【0077】
さらに、出力要素105は、歩行時にねじり軸120を中心として脛骨ベースに対して枢動するように構成された接地ブレード205(すなわち足部のアーチと同等の)に対して連結され得る(例えば直接的にまたは間接的に)。
【0078】
接地ブレードは、例えば炭素繊維、ガラス、またはケブラー(登録商標)などをベースとした複合材料から作製されたブレードであってもよい。
【0079】
接地ブレードは、その撓曲がトーションバーの軸上におけるシステム全体の等価剛性に関与するように構成され得る。
【0080】
脛骨ベースの各壁部201a、201bは、管状本体110上におよび管状本体の2つの端部110a、110bの間に枢動可能に取り付けられ得る。さらに具体的には、各壁部201a、201bはオリフィスを有してもよく、このオリフィスの内部エッジは、入力要素の第1の管状セクション103aのショルダにより形成された相補的なシリンダ状表面の上において、例えばブシュ軸受、リング、または転がり軸受などにより回転するように案内されるシリンダ状表面を画定する。したがって、このベースは、入力要素、出力要素、およびトーションバーを備える管状本体110に対して枢動連結状態にある。当然ながら、他のタイプの連結部をも考えられる。
【0081】
さらに、脛骨ベース201は中空領域を画成してもよく、作動手段はこの中空領域内に収容される。
【0082】
1つまたは複数の実施形態では、プロテーゼデバイスの様々な要素の制御を可能にする制御ユニットなどの制御手段が、例えば中空領域内になど、脛骨ベース201上に取り付けられ得る。
【0083】
脛骨ベース201内における作動手段および/または制御手段のかような構成により、能動型プロテーゼのあらゆる着用者にとって重要な基準となる人工足部のコンパクト性を高めることが可能となる。
【0084】
さらに、リニアアクチュエータは、上述のようなねじ-ナットシステムを駆動するモータ207であってもよい。モータ207は、本体と、回転駆動されるように意図され駆動プーリー209aに対して結合された出力シャフトとを備え得る。ねじ-ナットシステムは、ナットが枢動可能に取り付けられる本体をさらに備え、このナットは、ねじ203上に係合される。この本体は、ねじの軸に対して垂直であり軸115および軸107bに対して平行であるヒンジピン213にて脛骨ベース201上にヒンジ連結される。モータの本体は、ねじ-ナットシステムの本体に対して固定される。さらに、ナットは被動プーリー209bに対して結合される。駆動プーリー209aは、例えばベルト(図示せず)を介して被動プーリーを駆動することが可能である。
【0085】
モータ207のシャフトが回転することにより、プーリー209a、209bおよびベルトによって本体内部の遊星ローラねじ(標準ローラねじとも呼ばれる)またはボールねじのナットが回転され、したがってこの回転するナットに沿ってねじが並進移動され、それにより入力要素103がトーションバー107によって出力要素105に対して回転移動する。
【0086】
1つまたは複数の実施形態では、プーリーおよびベルトシステムは、例えば直歯平歯車装置、傘歯車装置、またはさらには斜歯歯車装置などの歯車システムに置き換えられてもよい。代替的には、モータシャフトは、ねじ-ナットシステムのねじを直接的に駆動してもよい。さらに別の変形例では、モータシャフトは、ねじ-ナットシステムのナットを直接的に駆動し得る。
【0087】
1つまたは複数の実施形態では、リニアアクチュエータおよび駆動/被動プーリー対を含む合計体積は、モータにより供給される100~1500ワットの間の最大出力に対して100~1500cm3の間であってもよい。
【0088】
1つまたは複数の例によれば、作動手段203と入力要素103との間の枢動連結部115は、例えば滑り軸受または例えば玉軸受、転がり軸受、もしくはニードル軸受などの転動要素を有する軸受などの軸受によって確立され得る。
【0089】
足部プロテーゼの着用者の歩行中における脛骨ベース201に対する入力要素103の回転を可能にするおよび/またはトーションバー107のねじれを可能にするために、リニアアクチュエータは、枢動連結部213を中心としてベース201に対して枢動する。トーションバー107がねじれることにより、枢動連結部213を中心としてベースに対してリニアアクチュエータ207が回転される。トーションバー107がねじれることによりエネルギーの保存が可能となり、この保存エネルギーは残りの動作の最中に伝達されることになる。
【0090】
人工足部に対する、具体的には作動手段に対する力は、足部プロテーゼ内に備えられた自律性エネルギー供給源230を介して供給され得る。1つまたは複数の実施形態では、自律性エネルギー供給源は、トーションバー107と接地ブレードとの間に位置する空間内に配置され得る。トーションバー107と接地ブレードとの間に独立したエネルギー供給源を収容することは、入力要素と、トーションバー107と、接地ブレードに対して連結された出力要素とを備える関節アセンブリのインターロッキングがコンパクトであることによって可能になる。
【0091】
1つまたは複数の実施形態では、自律性エネルギー供給源230は、例えばリチウムバッテリなどのバッテリであってもよい。
【0092】
1つまたは複数の実施形態では、バッテリの合計体積は100~300cm3の間であってもよい。
【0093】
したがって、例えば足部プロテーゼなどのプロテーゼ内におけるかような構成により、ロバスト性を有しつつコンパクトであり、また足部プロテーゼの着用者の日常的作業に対して十分な自律性を与える能動型足部プロテーゼを実現することが可能となる。
【0094】
かかる一構成では、トーションバー107の変形は、接地フェーズの最中に発生し、すなわち脛骨が足部の上を通過しているときにアキレス腱の様式にて生じる。次いで、トーションバー107は、保存エネルギーを放出し、したがってモータが踏切りフェーズの最中に歩行推進力に対して所要のトルクを供給するのを補助する。
【0095】
より具体的には、接地ブレードによる接地フェーズの最中に、出力要素に対する入力要素の回転によるトーションバー107のねじれによって、エネルギーが保存される。トーションバー107のねじれ(または変形)と同時に、モータがねじを駆動して、トーションバー107を変形させ得る。プロテーゼの着用者が片方の脚から他方の脚へと体重を移動させる時点にて、モータは、ねじを上昇させることにより入力要素を引いて推進力を誘発させ、保存エネルギーは、体重の移動に起因して、トーションバー107を解除することによってモータからの作用と同時に推進力に対して放出され得る。
【0096】
任意には、および1つまたは複数の実施形態では、例えば引張ばねなどの少なくとも1つのばねが、リニアアクチュエータとベースとの間に配置され得る。このばねは、リニアアクチュエータとベースとが相対移動する最中に伸張するように、または縮むように構成され得る。
【0097】
例えば、歩行中における枢支点を中心とする脛骨ベース201の回転は、脛骨ベース201と駆動/被動プーリー対との間に位置するばねに対して牽引力を印加する。トーションバー107に対して直列状態でこのばねを使用することにより、ばねの剛性を調節することによってプロテーゼデバイスの全体剛性を変更することが可能となり、プロテーゼデバイスの全体剛性は、トーションバー107に基づく。
【0098】
1つまたは複数の実施形態では、ばねまたはばね位置の他の構成が可能であり得る。
【0099】
さらに、一般的には、1つまたは複数の実施形態では、ねじ山の斜面を修正することにより、ねじ山を非対称にすることにより、ねじ、ローラ、およびナットの間において非対称なねじ山と対称的なねじ山とを交互させることにより、または摩擦力を上昇させるガスケットを追加することにより、遊星ローラねじ-ナットアセンブリの不可逆性を改善することが可能である。
【符号の説明】
【0100】
101 関節アセンブリ
103 入力要素
103a 第1の管状セクション
105 出力要素
105a 第2の管状セクション
107 トーションバー
107a 第1のゾーン
107b 第2のゾーン、軸
107c 作業部分
109 第2の部分
110 管状本体
110a 第1の端部
110b 第2の端部
115 軸、枢動連結部
120 長手方向軸
200 足部プロテーゼ
201 脛骨ベース
201a 壁部
201b 壁部
203 ねじ、作動手段
205 接地ブレード
207 モータ、リニアアクチュエータ
209a 駆動プーリー
209b 被動プーリー
211 ピラミッド形アダプタ
213 ヒンジピン、枢動連結部
220 軸
230 自律性エネルギー供給源
S1 第1の内部結合表面
S2 第2の内部結合表面
S3 第1のガイド表面
S4 第2のガイド表面
【国際調査報告】