(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241024BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241024BHJP
H10K 50/822 20230101ALI20241024BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20241024BHJP
H10K 59/173 20230101ALI20241024BHJP
H10K 50/813 20230101ALI20241024BHJP
H10K 59/80 20230101ALI20241024BHJP
H10K 71/60 20230101ALI20241024BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20241024BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349C
G09F9/00 338
H10K50/822
H10K59/122
H10K59/173
H10K50/813
H10K59/80
H10K71/60
H10K71/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523811
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2022126259
(87)【国際公開番号】W WO2024031833
(87)【国際公開日】2024-02-15
(31)【優先権主張番号】202210960550.2
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】顔志敏
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼汝博
(72)【発明者】
【氏名】高思明
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107CC45
3K107DD25
3K107DD30
3K107DD89
3K107FF15
3K107GG14
5C094AA60
5C094BA27
5C094DA13
5C094EA04
5C094EC04
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB12
5C094JA08
5G435AA00
5G435BB05
5G435EE12
5G435FF13
5G435HH12
5G435KK05
(57)【要約】
本願は、表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法を開示し、表示パネルは、基板、第1電極層、画素定義層および第2電極層を含み、第1電極層は、基板に位置し、第1電極を含み、
画素定義層は、第1電極層の基板から離反する側に位置し、隔離部と、隔離部により囲まれて形成された第1開口とを含み、第1電極の少なくとも一部は、第1開口から露出し、少なくとも一部の第2電極層が画素定義層の基板から離反する側に位置し、第2電極層は、本体部と、本体部を貫通する中空部とを含み、中空部と第1電極との基板における正投影は重ならないように設けられている。本願の表示パネルは、製造過程において、第1電極層の第1電極をマスクとし、第2電極層に中空部を形成して表示パネルの光透過率を向上させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、第1電極層、画素定義層および第2電極層を含み、
前記第1電極層は、前記基板に位置し、第1電極を含み、
前記画素定義層は、前記第1電極層の前記基板から離反する側に位置し、隔離部と、前記隔離部により囲まれて形成された第1開口とを含み、前記第1電極の少なくとも一部は、前記第1開口から露出し、
少なくとも一部の前記第2電極層が前記画素定義層の前記基板から離反する側に位置し、前記第2電極層は、本体部と、前記本体部を貫通する中空部とを含み、前記中空部と前記第1電極との前記基板における正投影は重ならないように設けられている、表示パネル。
【請求項2】
前記画素定義層は、前記画素定義層を貫通して設けられた第2開口をさらに含み、前記中空部の前記基板における正投影は、前記第2開口の前記基板における正投影内に位置している、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1電極の前記基板における正投影の少なくとも一部のエッジは、前記第2開口の前記基板における正投影内に位置している、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1電極層は、第2電極をさらに含み、前記中空部と前記第2電極、前記第1電極との前記基板における正投影は重ならないように設けられ、前記第2電極の前記基板における正投影の少なくとも一部のエッジは、前記第2開口の前記基板における正投影内に位置している、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第2電極と前記本体部との前記表示パネルの厚さ方向における最大距離は、0.8μm以下である請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1電極と前記第2電極との間に隙間が存在している請求項4に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1電極と前記第2電極とは、一対一で対応して設けられ、各前記第2電極は、各前記第1電極の周側に環状の前記隙間が形成されるように、各前記第1電極を取り囲んで設けられている請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記隙間の幅は、0.5μm~10μmである請求項6に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記隔離部と前記第1電極とは、一対一で対応して設けられ、且つ前記隔離部は環状を呈し、各前記隙間の前記基板における正投影は各前記隔離部の前記基板における正投影内に位置している請求項6に記載の表示パネル。
【請求項10】
隣接する2つの前記隔離部の間に前記第2開口が形成され、前記第2開口の対向する両側に位置する前記第2電極の前記基板における正投影のエッジは、前記第2開口の前記基板における正投影内に位置している、請求項4に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記表示パネルは、金属遮蔽層をさらに含み、前記金属遮蔽層は、前記第1電極層の前記画素定義層から離反する側に位置し、前記金属遮蔽層は、遮蔽部を含み、前記隙間の前記基板における正投影は、前記遮蔽部の前記基板における正投影内に位置し、前記中空部の前記基板における正投影と前記遮蔽部の前記基板における正投影とは、重ならないように設けられている、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項12】
少なくとも一部の前記第2開口の前記基板における正投影は、前記遮蔽部の前記基板における正投影内に位置している、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記遮蔽部は、
第2方向に沿って延びるストライプ状の第1部分であり、複数の前記第1部分が第1方向に沿って並設された第1部分と、
前記第1方向に沿って延び、且つ複数の前記第1部分に接続された第2部分と、を含み、
少なくとも一部の前記本体部の前記基板における正投影は、前記第1部分の前記基板における正投影内に位置し、
前記第2方向に沿って並設された複数の前記隙間及び複数の前記第2開口において、各前記隙間及び各前記第2開口の前記基板における少なくとも一部の正投影は、同一の前記第1部分の前記基板における正投影内に位置している、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記表示パネルは、第1領域と、前記第1領域の少なくとも一部を取り囲む第2領域とを有し、前記第1部分は、前記第1領域に位置し、前記第2部分は、前記第2領域に位置している、請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【請求項16】
基板に第1導電材料層を製造し、前記第1導電材料に対しパターニング処理を行って第1電極層を形成し、前記第1電極層は第1電極を含むことと、
前記第1電極層の前記基板から離反する側に絶縁材料層を製造し、前記絶縁材料層に対しパターニング処理を行って画素定義層を形成し、前記画素定義層は、隔離部と、前記隔離部により囲まれて形成された第1開口とを含み、前記第1電極の少なくとも一部は、前記第1開口から露出することと、
前記画素定義層に第2導電材料層を製造することと、
前記基板の前記第1電極層から離反する側から前記第2導電材料層に対しレーザエッチング処理を行って第2電極層を形成し、前記第2電極層は、本体部と、前記本体部を貫通する中空部とを含み、前記中空部と前記第1電極との前記基板における正投影は重ならないように設けられることとを含む、表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年08月09日に提出された名称が「表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法」である中国特許出願第202210960550.2号の優先権を主張し、当該出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、表示分野に関し、特に表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器の急速な発展に伴い、画面占有率に対するユーザの要求がますます高くなり、電子機器のフルスクリーン表示が業界からますます注目されている。
【0004】
従来の電子機器として、例えば携帯電話、タブレットコンピュータ等は、フロントカメラ、受話器及び赤外線感知素子等を集積する必要がある。従来の技術において、表示画面に溝(Notch)又は孔を開設することにより、外光がスクリーンにおける溝又は孔を介してスクリーンの下方に位置する感光素子に入ることができる。しかしながら、これらの電子機器はいずれも本当の意味でのフルスクリーンではなく、スクリーン全体の各領域にいずれも表示することができず、例えばそのフロントカメラの対応領域には画面を表示することができない。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、少なくとも一部の領域が光を透過可能であり且つ表示可能であり、感光アセンブリのアンダースクリーン集積を容易にすることを実現する表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法を提供する。
【0006】
本願の第1態様の実施例は、表示パネルを提供し、表示パネルは基板、第1電極層、画素定義層および第2電極層を含み、第1電極層は、基板に位置し、第1電極を含み、画素定義層は、第1電極層の基板から離反する側に位置し、隔離部と、隔離部により囲まれて形成された第1開口とを含み、第1電極の少なくとも一部は、第1開口から露出し、少なくとも一部の第2電極層が画素定義層の基板から離反する側に位置し、第2電極層は、本体部と、本体部を貫通する中空部とを含み、中空部と第1電極との基板における正投影は重ならないように設けられている。
【0007】
本願の第1態様の実施形態によれば、画素定義層は、画素定義層を貫通して設けられた第2開口をさらに含み、中空部の基板における正投影は、第2開口の基板における正投影内に位置している。第2電極層と第1電極層との間の距離をより小さくすることができる。
【0008】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、第1電極の基板における正投影の少なくとも一部のエッジは、第2開口の基板における正投影内に位置している。本体部のエッジと第1電極との距離が近いことを保証し、本体部の中空部に向かうエッジの上方へ引き返す問題をより良く改善することができる。
【0009】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、第1電極層は、第2電極をさらに含み、中空部と第2電極、第1電極との基板における正投影は重ならないように設けられ、第2電極の基板における正投影の少なくとも一部のエッジは、第2開口の基板における正投影内に位置している。第2電極を設けることにより、第1電極の正常な動作に影響を与えることなく、第2電極層をレーザアッシングして中空部を形成する過程において、第1電極層がマスクとして役割をよりよく果たすことができる。
【0010】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、第2電極と本体部との表示パネルの厚さ方向における最大距離は、0.8μm以下である。第1電極層と第2電極層との距離を近くすることにより、レーザ回折による本体部の中空部に向かうエッジの折り返しによる後続のパッケージングプロセスのパッケージング効果への影響を回避することができる。
【0011】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、第1電極と第2電極との間に隙間が存在している。第2電極と第2電極層の本体部とが互いに接続されることにより、第1電極が第2電極を介して第2電極層の本体部に短絡接続されることを回避し、表示パネルの歩留まりをさらに向上させることができる。
【0012】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、第1電極と第2電極とは、一対一で対応して設けられ、各第2電極は、各第1電極の周側に環状の隙間が形成されるように、各第1電極を取り囲んで設けられている。
【0013】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、隙間の幅は0.5μm~10μmである。
【0014】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、隔離部と第1電極とは、一対一で対応して設けられ、且つ隔離部は環状を呈し、各隙間の基板における正投影は各隔離部の基板における正投影内に位置している。レーザ回折による本体部のエッジの上方へ引き返す問題は、より良く改善される。
【0015】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、隣接する2つの隔離部の間に第2開口が形成され、第2開口の対向する両側に位置する第2電極の基板における正投影のエッジは、該第2開口の基板における正投影内に位置している。
【0016】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、金属遮蔽層をさらに含み、金属遮蔽層は、第1電極層の画素定義層から離反する側に位置し、金属遮蔽層は、遮蔽部を含み、隙間の基板における正投影は、遮蔽部の基板における正投影内に位置し、中空部の基板における正投影と遮蔽部の基板における正投影とは、重ならないように設けられている。金属遮蔽層の遮蔽部はレーザ光を遮蔽することが可能であり、隙間に対応する第2導電材料を保留することができる。
【0017】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、少なくとも一部の第2開口の基板における正投影は、遮蔽部の基板における正投影内に位置している。
【0018】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、遮蔽部は、第2方向に沿って延びるストライプ状の第1部分であり、複数の第1部分が第1方向に沿って並設された第1部分と、第1方向に沿って延び、且つ複数の第1部分に接続された第2部分と、を含み、少なくとも一部の本体部の基板における正投影は、第1部分の基板における正投影内に位置し、第2方向に沿って並設される複数の隙間及び複数の第2開口において、各隙間及び各第2開口の基板における少なくとも一部の正投影は、同一の第1部分の基板における正投影内に位置している。本体部を互いに連通させ、全面の共通電極を形成することができる。
【0019】
本願の第1態様の前記いずれかの実施形態によれば、表示パネルは、第1領域と、第1領域の少なくとも一部を取り囲む第2領域とを有し、第1部分は、第1領域に位置し、第2部分は、第2領域に位置している。第1領域内の本体部の分布面積をさらに減少させ、第1領域の光透過率を向上させることができる。
【0020】
本願の第2態様の実施例は、上記いずれかの実施形態の表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0021】
本願の第3態様の実施例は、表示パネルの製造方法を提供し、該方法は、
基板に第1導電材料層を製造し、前記第1導電材料に対しパターニング処理を行って第1電極層を形成し、第1電極層は第1電極を含むことと、第1電極層の基板から離反する側に絶縁材料層を製造し、絶縁材料層に対しパターニング処理を行って画素定義層を形成し、画素定義層は、隔離部と、隔離部により囲まれて形成された第1開口とを含み、第1電極の少なくとも一部は、第1開口から露出することと、画素定義層に第2導電材料層を製造することと、基板の第1電極層から離反する側から第2導電材料層に対しレーザエッチング処理を行って第2電極層を形成し、第2電極層は、本体部と、本体部を貫通する中空部とを含み、中空部と第1電極との基板における正投影は重ならないように設けられることとを含む。
【0022】
本願の実施例に係る表示パネルによれば、表示パネルは、基板と、基板に設けられた第1電極層と、画素定義層と第2電極層とを含む。第1電極層は第1電極を含み、第2電極層は本体部と中空部を含み、中空部と第1電極の基板における正投影は重ならないように設けられている。第2電極層の製造過程において、第1電極層をマスクとして、基板の第1電極層から離反する側から第2電極層に向けてレーザ光を出射することにより、中空部を形成することができる。また、第2電極層に中空部を設けることにより、本体部の分布面積を減少させ、更に表示パネルの光透過率を向上させ、表示パネルの非表示側に感光アセンブリを集積することができる。また、第1電極層及び第2電極層のうちの一方が画素定義層の一方側に設けられ、他方が画素定義層の他方側に設けられ、第1電極層と第2電極層との間の距離が近いため、レーザ回折による本体部の中空部に向かうエッジの折り返しを回避することが可能であり、後続のパッケージングプロセスのパッケージング効果への影響を回避することができる。
【0023】
したがって、本願の実施例の表示パネルは、製造過程において、第1電極層をマスクとして、第2電極層に中空部を形成して表示パネルの光透過率を向上させ、感光アセンブリのアンダースクリーン集積を容易にする。また、第1電極層と第2電極層との間の距離が近いため、レーザ回折による本体部の中空部に向かうエッジの折り返しを回避することが可能であり、後続のパッケージングプロセスのパッケージング効果への影響を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、図面を参照して非限定的な実施例を詳細に説明することにより、本願の他の特徴、目的及び利点がより明らかになる。ただし、同一または類似の符号は同一または類似の特徴を表し、図面は実際のスケールで描かれていない。
【
図1】本願の第1態様の実施例に係る表示パネルの構造模式図である。
【
図3】別の実施例における
図1のA-Aでの断面図である。
【
図5】更に別の実施例における
図1のA-Aでの断面図である。
【
図7】更に別の実施例における
図1のA-Aでの断面図である。
【
図8】更に別の実施例における
図1のQでの部分拡大構造模式図である。
【
図9】本願の第3態様の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本願の各態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明し、本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に図面及び具体的な実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。本明細書で説明される具体的な実施例は、本願を説明するように構成されるに過ぎず、本願を限定するように構成されないことを理解されたい。当業者にとって、本願は、これらの具体的な細部のうちのいくつかの細部を必要とせずに実施することができる。以下の実施例の説明は、本願の例を示して本願をよりよく理解するために提供されるに過ぎない。
【0026】
例えば、携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器では、表示パネルが設けられる側にフロントカメラ、赤外線センサ、近接光センサなどの感光アセンブリを集積する必要がある。いくつかの実施例では、上記電子機器に光透過表示領域を設け、感光アセンブリを光透過表示領域の背面に設け、感光アセンブリが正常に動作することを保証する場合、電子機器のフルスクリーン表示を実現することができる。
【0027】
光透過表示領域の光透過率を向上させるために、いくつかの関連技術において、共通電極に対してパターニング処理を行う。共通電極に表示パネルの光透過領域内において中空を形成させることで、共通電極の光透過率を向上させ、更に表示パネルの光透過領域の光透過率を向上させることができる。関連技術では、一般的に、レーザアッシングなどの手段を用いて共通電極のパターニング処理を実現する。
【0028】
しかしながら、関連技術において、レーザアッシングにより共通電極に対してパターニング処理を行う場合、通常、基板にアレイ膜層、発光層及び共通電極を形成した後、基板のアレイ膜層から離反する側から共通電極に対してレーザ照射を行い、アレイ膜層内の遮光金属層をマスクとして用い、共通電極のレーザエッチング及びパターニング処理を実現する。共通電極に対してレーザエッチング及びパターニング処理を行った後、共通電極のエッジが折り返しやすく、後続の薄膜パッケージなどのプロセスに影響を与え、パッケージプロセスの信頼性に影響を及ぼす。
【0029】
上記問題を解決するために、本願の実施例は、表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法を提供する。以下、図面を参照しながら表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法の各実施例を説明する。
【0030】
本願の実施例は、表示パネルを提供し、当該表示パネルが有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)表示パネルであってもよい。
【0031】
図1及び
図2を参照すると、
図1は、本願の第1態様の実施例に係る表示パネル10の構造模式図であり、
図2は、
図1におけるA-Aでの断面図である。
【0032】
図1及び
図2に示すように、本願の第1態様の実施例に係る表示パネル10は、基板100と、第1電極層200と、画素定義層300と、第2電極層400と、を含み、第1電極層200は、基板100に位置し、第1電極層200は、第1電極210を含み、画素定義層300は、第1電極層200の基板100から離反する側に位置し、画素定義層300は、隔離部310と、隔離部310により囲まれて形成された第1開口320と、を含み、第1電極210は、少なくとも一部が第1開口320から露出し、少なくとも一部の第2電極層400は、画素定義層300の基板100から離反する側に位置し、第2電極層400は、本体部410と、本体部410を貫通する中空部420と、を含み、中空部420と第1電極210とは、基板100における正投影が重ならないように設けられている。
【0033】
本願の実施例は、基板100と、基板100に設けられた第1電極層200と、画素定義層300と第2電極層400とを含む表示パネル10を提供する。第1電極層200は、第1電極210を含む。画素定義層300は、第1開口320と隔離部310とを含み、第1開口320内に発光ユニット(図示せず)が設けられ、第1電極210が第1開口320から露出することにより、第1電極210が第1開口320内の発光ユニットを駆動して発光させることができる。第2電極層400は本体部410と中空部420とを含み、且つ中空部420と第1電極210とは基板100における正投影がいずれも重ならないように設けられ、即ち中空部420と第1開口320とがずれて設けられて、表示パネル10の表示効果に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0034】
本願に係る表示パネル10において第2電極層400を製造する際に、第1電極層200を遮蔽層として利用し、例えば、第1電極210をマスクとして利用し、基板100の第1電極層200から離反する側から第2電極層400に向けてレーザを出射し、第2電極層400に対してレーザエッチングを行って中空部420を形成することができる。また、第2電極層400に中空部420を設けることにより、本体部410の分布面積を減少させ、更に表示パネル10の光透過率を向上させ、表示パネル10の非表示側に感光アセンブリを集積することができる。また、第1電極層200と第2電極層400のうちの一方が画素定義層300の一方側に設けられ、他方が画素定義層300の他方側に設けられ、第1電極層200と第2電極層400との間の距離が近いため、レーザ回折による本体部410の中空部420に向かうエッジの折り返しによる後続のパッケージングプロセスのパッケージング効果への影響、ひいては表示パネル10の表示効果への影響の問題を軽減又は回避することができる。
【0035】
本願に係る表示パネル10の有益な効果は下記の通りである。第2電極層400に中空部420を設けることにより、本体部410の分布面積を減少させ、更に表示パネル10の光透過率を向上させ、表示パネル10の非表示側に感光アセンブリを集積することができる。また、第1電極層200及び第2電極層400のうちの一方は、画素定義層300の一方側に設けられ、他方は、画素定義層300の他方側に設けられ、第1電極層200と第2電極層400との間の距離が近いため、レーザ回折による本体部410の中空部420に向かうエッジの折り返しを回避することができ、後続のパッケージングプロセスのパッケージング効果への影響を回避することができる。
【0036】
基板100の設置方式は、様々であり、基板100は、例えば、サブストレートと、サブストレートに設けられたアレイ膜層とを含んでもよい。または、基板100は、サブストレートである。または、基板100は、サブストレート側から離反するバッファ層及び支持板をさらに含む。
【0037】
第1電極層200は、例えば陽極層であり、第2電極層400は陰極層である。第1電極層200及び第2電極層400により第1開口320内の発光ユニットを駆動して発光させる場合、第1電極層200における第1電極210を陽極とし、第2電極層400の本体部410を陰極とする。
【0038】
好ましくは、第1電極210の基板100における正投影のエッジは、隔離部310の基板100における正投影内に位置し、各第1開口320の基板100における正投影は、各第1電極210の基板100における正投影内に位置するため、第1電極210と発光ユニットとの接触面積を増大させ、発光効果を向上させることができる。
【0039】
引き続き
図1を参照すると、いくつかの選択可能な実施例では、表示パネル10は、第1表示領域AA1と、第2表示領域AA2と、第1表示領域AA1及び第2表示領域AA2を取り囲む非表示領域とを有し、第1表示領域AA1及び第2表示領域AA2は表示領域であり、第1表示領域AA1の光透過率は第2表示領域AA2の光透過率よりも大きい。
【0040】
本願において、好ましくは、第1表示領域AA1の光透過率は15%以上である。第1表示領域AA1の光透過率が15%よりも大きく、さらに40%よりも大きく、さらにより高い光透過率を有することを確保するために、本実施例において、第1表示領域AA1に位置する表示パネル10の各機能膜層の光透過率はいずれも80%よりも大きく、さらに少なくとも一部の機能膜層の光透過率はいずれも90%よりも大きい。
【0041】
本願の実施例の表示パネル10によれば、第1表示領域AA1の光透過率が第2表示領域AA2の光透過率よりも大きく、表示パネル10の第1表示領域AA1の非表示側に感光アセンブリを集積し、例えばカメラの感光アセンブリのアンダースクリーン集積を実現することができるとともに、第1表示領域AA1は画面を表示することが可能であり、表示パネル10の表示面積を向上させ、表示装置のフルスクリーン設計を実現することができる。
【0042】
好ましくは、第2電極層400の中空部420は、第1表示領域AA1の光透過率を向上させるように、第1表示領域AA1に位置してもよい。他の実施例において、第2電極層400の中空部420は、表示領域全体の光透過率を向上させるように、第1表示領域AA1及び第2表示領域AA2に同時に位置してもよい。本願で提供される実施例は、第1表示領域AA1および/または第2表示領域AA2に設けられてもよく、具体的には、実際の状況に応じて設けられることが理解され得る。
【0043】
図1及び
図3を参照すると、
図3は、別の実施例における
図1のA-Aでの断面図である。
【0044】
図1及び
図3に示すように、いくつかの選択可能な実施例では、画素定義層300は、画素定義層300を貫通して設けられた第2開口330をさらに含み、中空部420の基板100における正投影は、第2開口330の基板100における正投影内に位置している。
【0045】
これらの選択可能な実施例において、画素定義層300に第2電極層400を製造する場合、まず画素定義層300に第2導電材料層を形成し、次に第2導電材料層に対してパターニング処理を行って第2電極層400を形成する。第2導電材料層は第2開口330内に直接堆積することで、第2導電材料層と第1電極層200との間の距離をさらに小さくすることができる。
【0046】
第1電極210を利用して第2導電材料層に対してレーザエッチング及びアッシング処理を行う場合、第2開口330に対応する領域内に中空部420を形成することが可能であり、本体部410の中空部420に向かうエッジが上方へ引き返す問題をより良く改善することができる。具体的には、距離が近くなるほど回折が小さくなり、レーザ集束効果がより良くなるため、本体部410のエッジの上方への引き返すことによる後続のパッケージングプロセスへの影響をより良く改善することができる。
【0047】
好ましくは、画素定義層300に正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び電子注入層などの共通層を製造する場合、第1電極210と第2導電材料層との間にこれらの共通層がさらに設けられている。
【0048】
図1、
図3及び
図4を参照すると、
図4は、
図1におけるQでの部分拡大構造模式図である。本願の表示パネル10の構造をよりよく示すために、
図4には、第1電極層200と画素定義層300との相対位置関係のみが示されている。
【0049】
図1及び
図3に示すように、いくつかの選択可能な実施例において、第1電極210の基板100における正投影の少なくとも一部のエッジは、第2開口330の基板100における正投影内に位置し、即ち、第1電極210の少なくとも一部は、隔離部310の基板100に向かう側から第2開口330内まで延びている。
【0050】
第1電極210を利用して第2電極層400に対しパターニング処理を行って本体部410を形成する場合、第1電極210の遮蔽により、第1電極210が位置する領域にエッチングされていない本体部410が形成される。基板100における第1電極210の正投影の少なくとも一部のエッジが基板100における第2開口330の正投影内に位置することにより、本体部410の中空部420に向かうエッジが第2開口330内に位置することを保証し、本体部410のエッジと第1電極210との距離が近いことを保証し、本体部410の中空部420に向かうエッジが上方へ引き返す問題をより良く改善することができる。
【0051】
いくつかの選択可能な実施例では、
図4に示すように、第1電極層200は、第2電極220をさらに含み、中空部420は、第2電極220、第1電極210の基板100における正投影と重ならないように設けられている。第2電極220を設けることにより、第1電極210の正常な動作に影響を与えることなく、第2電極層400をレーザアッシングして中空部420を形成する過程において、第1電極層200がマスクとして役割をよりよく果たすことができる。
【0052】
好ましくは、第2電極220と第2電極層400との間の距離をさらに小さくするために、第2電極220と第2電極層400との間に共通層などの構造を設けなくてもよい。
【0053】
図5を参照すると、いくつかの選択可能な実施例において、第2電極220の基板100における正投影の少なくとも一部のエッジは、第2開口330の基板100における正投影内に位置し、即ち、第2電極220の少なくとも一部は、隔離部310の基板100に向かう側から第2開口330内まで延びている。
【0054】
これらの実施例において、第2電極220を利用して第2電極層400に対しパターニング処理を行って本体部410を形成する場合、第2電極220の遮蔽により、第2電極220が位置する領域にエッチングされていない本体部410が形成される。基板100における第2電極220の正投影の少なくとも一部のエッジが基板100における第2開口330の正投影内に位置することにより、本体部410の中空部420に向かうエッジが第2開口330内に位置することを保証し、本体部410のエッジと第2電極220との距離が近いことを保証し、本体部410の中空部420に向かうエッジが上方へ引き返す問題をより良く改善することができる。
【0055】
好ましくは、第2電極220と本体部410との表示パネル10の厚さ方向における最大距離は0.8μm以下である。第2電極220と本体部410との距離を近くすることにより、本体部410の中空部420に向かうエッジが上方へ引き返す問題をより良く改善することができる。
【0056】
第1電極210と第2電極220とが同一層に設けられ、第2電極220と本体部410との表示パネル10の厚さ方向における最大距離が0.8μm以下であり、具体的に、第2電極220と本体部410との表示パネル10の厚さ方向における距離が200nm、500nm、800nm等であってもよい。第1電極層200と本体部410との距離を近くすることにより、本体部410の中空部420に向かうエッジが上方へ引き返す問題をより良く改善することができる。
【0057】
いくつかの選択可能な実施例では、第2電極220と第1開口320とはずれて設けられ、即ち、第2電極220の基板100における正投影と第1開口320の基板100における正投影とが重ならないように設けられている。第2電極220が第1開口320内の発光ユニットの発光効果に影響を与えることを回避することができる。
【0058】
図4及び
図5に示すように、いくつかの選択可能な実施例では、第1電極210と第2電極220との間に隙間230が存在することで、第2電極220と第2電極層400の本体部410とが互いに接続されることにより、第1電極210が第2電極220を介して第2電極層400の本体部410に短絡接続されることを回避し、表示パネル10の歩留まりをさらに向上させることができる。また、第2電極220を設けることにより、レーザ熱が第1電極210を介して発光ユニットに伝導されて表示効果に影響を与えることを回避することもできる。
【0059】
隙間230の設置寸法は様々であり、好ましくは、隙間230の幅は0.5μm~10μmであり、具体的には、隙間230の設置寸法は0.5μm、1μm、5μmなどであってもよく、隙間230が小さすぎることにより第2電極220と本体部410とが短絡して接続されることを改善することができ、隙間230が大きすぎることにより、第1電極層200をマスクとして使用する場合、隙間230の位置に対応する第2電極層400上の部位に貫通孔が形成され、第1電極210と第2電極層400との重なり面積に影響を与え、発光ユニットの発光効果に影響を与えることも改善することができる。なお、隙間230の幅とは、第1方向Xにおける寸法を言う。
【0060】
第1電極210と第2電極220との相互設置方式は、様々であり、例えば、隣接する2つの第1電極210の間に1つの第2電極220が設置されてもよい。
【0061】
他の選択可能な実施例において、
図6に示すように、第1電極210と第2電極220とは一対一で対応して設けられ、各第2電極220は各第1電極210を取り囲んで設けられ、各第1電極210の周側に環状の隙間230を形成する。
【0062】
これらの選択可能な実施例において、各第1電極210に第2電極220が対応して設けられ、隣接する2つの第2電極220の間に中空部420が形成され、中空部420の分布面積を大きくし、本体部410の分布面積を小さくし、表示パネル10の光透過率を向上させることができる。また、第2電極220が第1電極210を取り囲むように設けられることにより、中空部420と第1電極210とが重ならないように確保することが可能であり、中空部420が第1開口320内の発光ユニットの発光に影響を与えることを回避することができる。環状の隙間230は、第2電極220と第1電極210との間の相互絶縁を確保することが可能であり、第1電極210が第2電極220を介して第2電極層400の本体部410に短絡接続されることを回避することができる。
【0063】
いくつかの選択可能な実施例では、
図6に示すように、隔離部310と第1電極210とは一対一で対応して設けられ、且つ隔離部310は環状であり、各隙間230の基板100における正投影は各隔離部310の基板100における正投影内に位置している。
【0064】
これらの選択可能な実施例において、隔離部310は環状であり、隣接する隔離部310の間にサイズの大きい第2開口330を形成することができ、距離が近い第2電極200と第2電極層400の分布面積をさらに大きくすることが可能であり、レーザ回折による本体部410のエッジの上方へ引き返す問題をよりよく改善することができる。
【0065】
また、各隙間230の基板100における正投影は、各隔離部310の基板100における正投影内に位置し、第2電極層400の本体部410は、隔離部310の第1電極層200から離反する側に位置するため、第2電極層400と第1電極210との相互絶縁を確保することができる。
【0066】
好ましくは、引き続き
図6を参照すると、隣接する2つの隔離部310の間に第2開口330が形成され、第2開口330の対向する両側に位置する第2電極220の基板100における正投影のエッジは、該第2開口330の基板100における正投影内に位置している。
【0067】
例えば、第1電極210が第1方向X(
図6におけるX方向)及び第2方向Y(
図6におけるY方向)に沿ってアレイ状に分布する場合、第2開口330の第1方向Xにおける両側及び第2方向Yにおける両側には、いずれも第2電極220が設けられ、第2開口330の第1方向Xにおける両側に位置する第2電極220の基板100における正投影のエッジは、該第2開口330の基板100における正投影内に位置し、即ち、第2開口330の第1方向Xにおける両側に位置する第2電極220のエッジは、いずれも第2開口330内まで延びている。同様に、第2開口330の第2方向Yにおける両側に位置する第2電極220のエッジは、いずれも第2開口330内に延びていて、距離が近い第2電極層400及び第2電極220の分布面積をさらに増大させ、レーザ回折による本体部410のエッジの上方へ引き返す問題をよりよく改善することができる。
【0068】
図1、
図7及び
図8を併せて参照すると、
図7は別の実施例における
図1のA-Aでの断面図であり、
図8は別の実施例における
図1のQでの部分拡大構造模式図である。
【0069】
図1、
図7及び
図8に示すように、いくつかの選択可能な実施例では、表示パネル10は、金属遮蔽層500をさらに含み、金属遮蔽層500は、第1電極層200の画素定義層300から離反する側に位置し、金属遮蔽層500は、遮蔽部510を含み、基板100における隙間230の正投影は、基板100における遮蔽部510の正投影内に位置し、基板100における中空部420の正投影と基板100における遮蔽部510の正投影とは、重ならないように設けられている。
【0070】
基板100における隙間230の正投影は、基板100における遮蔽部510の正投影内に位置するため、隙間230の位置に対応する第2導電材料層がレーザエッチングによりアッシングされることを効果的に回避できることが理解される。理解できるように、本実施例における基板100はアレイ膜層を含んでもよく、金属遮蔽層500はいずれかの金属膜層であってもよく、上記ニーズを満たすことができればよい。
【0071】
選択可能な実施例では、本体部410が互いに連通するように、少なくとも一部の第2開口330の基板100における正投影は、遮蔽部510の基板100における正投影内に位置している。
図8には、金属遮蔽層500、第1電極層200及び画素定義層300の相対位置関係が模式的に示されている。
【0072】
これらの選択可能な実施例において、金属遮蔽層500を設けることにより、基板100の第1電極層200から離反する側に第2電極層400に向けてレーザ光を出射する場合、金属遮蔽層500の遮蔽部510がレーザ光を遮蔽し、更に隙間230及び少なくとも一部の第2開口330に対応する第2電極層400をエッチングせずに残し、本体部410が互いに連通して全面電極を形成することができる。したがって、遮蔽部510の存在により、遮蔽部510が位置する領域は、少なくとも一部の第2電極層400の本体部410を形成することが可能であり、第2電極層400の中空部420は、遮蔽部510が位置しない領域に形成することができる。
【0073】
「少なくとも一部の第2開口330の基板100における正投影が遮蔽部510の基板100における正投影内に位置する」とは、複数の第2開口330のうちの一部の第2開口330の基板100における正投影が遮蔽部510の基板100における正投影内に位置することを含んでもよいし、同一の第2開口330の少なくとも一部の基板100における正投影が遮蔽部510の基板100における正投影内に位置することを含んでもよい。本体部410が互いに連通しているように確保すればよい。
【0074】
他の実施例において、少なくとも一部の第2電極220の基板100における正投影は、遮蔽部510の基板100における正投影内に位置してもよく、このような設置方式により、本体部410が互いに連通するように確保することができる。
【0075】
遮蔽部510の形状の設置方式は様々であり、いくつかの選択可能な実施例では、引き続き
図8を参照すると、遮蔽部510は、第2方向Yに沿って延びるストライプ状の第1部分であり、複数の第1部分511が第1方向Xに沿って並設された第1部分511と、第1方向Xに沿って延び、且つ第1方向Xに並設された複数の第1部分511に接続された第2部分512と、を含み、少なくとも一部の本体部410の基板100における正投影は、第1部分511の基板100における正投影内に位置し、第2方向Yに沿って並設される複数の隙間230及び複数の第2開口330において、各隙間230及び各第2開口330の基板100における少なくとも一部の正投影は、同一の第1部分511の基板100における正投影内に位置している。
【0076】
第1部分511は、矩形などの規則的なストリップ状構造であってもよく、第1部分511は、全体として第2方向Yに沿って延在可能であれば、不規則的なストリップ状構造であってもよく、ここでは、第1部分511の具体的な形状を特に限定しない。
【0077】
これらの選択可能な実施例において、第1部分511は、同じ行(第2方向Yが行方向である場合)に位置する複数の隙間230のうちの各隙間230の少なくとも一部、及び各複数の第2開口330のうちの各第2開口330の一部を遮蔽することができる。或いは、第1部分511は、同じ列(第2方向Yが列方向である場合)に位置する複数の隙間230のうちの各隙間230の少なくとも一部、及び複数の第2開口330のうちの各第2開口330の一部を遮蔽して、同じ行又は同じ列の本体部410を互いに連通させることができる。第2部分512の遮蔽により、第2部分512と同じ分布領域及び同じサイズの本体部410を形成することが可能でありさらに異なる位置の本体部410を互いに連通させ、全面の共通電極を形成することができる。
【0078】
第2部分512の位置の設定方式は、複数種類あり、例えば、表示パネル10が第1領域と第1領域の少なくとも一部を取り囲む第2領域とを有し、第1部分511が第1領域に位置し、第2部分512が第2領域に位置する場合、第1領域内の本体部410の分布面積をさらに減少させ、第1領域の光透過率を向上させることができる。第2領域は非表示領域であってもよいし、第2領域は第2表示領域AA2であってもよいが、ここでは限定されない。
【0079】
本願の第2態様の実施例は、上記いずれかの第1態様の実施例の表示パネル10を含む表示装置をさらに提供する。本願の第2態様の実施例に係る表示装置は、上記第1態様のいずれかの実施例の表示パネル10を含むため、本願の第2態様の実施例に係る表示装置は、上記第1態様のいずれかの実施例の表示パネル10が有する有益な効果を有し、ここでは説明を省略する。
【0080】
本願の実施例における表示装置は、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDAと略称する)、タブレットコンピュータ、電子書籍、テレビ、ドアコントロール、スマート固定電話、コンソールなどの表示機能を有する機器を含むが、これらに限定されない。
【0081】
図9を参照すると、
図9は、本願の第3態様の実施例に係る表示パネル10の製造方法のフローチャートである。当該表示パネル10は、上記いずれかの第1態様の実施例に係る表示パネル10であってもよい。
【0082】
図9に示すように、
図1~
図8に示す表示パネル10も参照すると、表示パネル10の製造方法は以下のステップを含む。
【0083】
ステップS01において、基板に第1導電材料層を製造し、第1導電材料に対しパターニング処理を行って、第1電極を含む第1電極層を形成する。
【0084】
ステップS02において、第1電極層の基板から離反する側に絶縁材料層を製造し、絶縁材料層に対しパターニング処理を行って画素定義層を形成し、画素定義層は、隔離部と、隔離部により囲まれて形成された第1開口とを含み、第1電極の少なくとも一部は第1開口から露出する。
【0085】
好ましくは、ステップS02の後に、画素定義層300に正孔注入層、正孔輸送層、発光ユニット、電子輸送層及び電子注入層などの層構造を設けてもよい。
【0086】
ステップS03において、画素定義層に第2導電材料層を製造する。
【0087】
ステップS04において、基板の第1電極層から離反する側から、第2導電材料層に対しレーザエッチング処理を行って第2電極層を形成し、第2電極層は、本体部と、本体部を貫通する中空部とを含み、中空部と第1電極との基板における正投影が重ならないように設けられている。
【0088】
本願の実施例に係る表示パネル10の製造方法において、まず、ステップS01により第1電極210を形成し、第1電極210は、ステップS03における第2導電材料層に対してパターニング処理を行うマスクとすることが可能であり、第1電極210が位置する領域の第2導電材料層はエッチングされず、第2電極層400の本体部410を形成する。次に、ステップS02により画素定義層300を形成することにより、発光ユニットを第1開口320内に設けることが可能であり、第1電極210及び第2電極層400の本体部410は発光ユニットを駆動して発光させることができる。第1電極210が第2導電材料層に対してパターニング処理を行うマスクとして機能するため、第1電極210が位置しない領域内の第2導電材料層の材料をレーザエッチングにより除去する。したがって、第2電極層400の本体部410の少なくとも一部と第1電極210との厚さ方向に沿う正投影が重なるように設けられ、中空部420と第1電極210との基板100における正投影が重ならないように設けられている。
【0089】
いくつかの選択可能な実施例では、ステップS02において、絶縁材料層に対しパターニング処理を行って第2開口330を形成してもよい。第2開口330内に発光ユニットが設けられていないため、画素定義層300に正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層などの共通層が設けられている場合、これらの共通層は、第2開口330内で第1電極210に直接堆積することができる。ステップS03において第2導電材料層を形成する場合、第2導電材料層と第1電極210との間に、隔離部310などの構造ではなく、共通層などの層構造が設けられ、第2開口330が位置する領域内の第2導電材料層と第1電極210との間の距離をさらに小さくすることができる。ステップS04において、第1電極210をマスクとして第2導電材料層に対してパターニング処理を行う場合、回折を改善することが可能であり、本体部410のエッジの上方へ引き返すことによる後続のパッケージングプロセスの歩留まりへの影響を回避することができる。
【0090】
いくつかの選択可能な実施例では、第1電極層200は、第2電極220をさらに含み、中空部420と第2電極220、第1電極210との基板100における正投影が重ならないように設けられ、第2電極220の基板100における正投影の少なくとも一部のエッジは、第2開口330の基板100における正投影内に位置し、第2電極220と第1電極210との間に、第2電極層400の本体部410が第2電極220を介して第1電極210に互いに短絡接続されることを回避するための隙間230がさらに設けられている。
【0091】
いくつかの選択可能な実施例では、ステップS01の前に、金属遮蔽層500を形成してもよく、金属遮蔽層500は遮蔽部510を含み、具体的には、隙間230の基板100における正投影が遮蔽部510の基板100における正投影内に位置してもよい。好ましくは、隙間230及び少なくとも一部の第2開口330の基板100における正投影は、遮蔽部510の基板100における正投影内に位置してもよい。遮蔽部510が存在するため、ステップS04においてレーザにより第2導電材料層に対してパターニング処理を行う場合、遮蔽部510はレーザを遮蔽することで、遮蔽部510が位置する領域内の第2導電材料層がエッチングされないようにするため、遮蔽部510が位置する領域内に中空部420が形成されず、中空部420の基板100における正投影と遮蔽部510の基板100における正投影とが重ならないように設けられている。
【0092】
遮蔽部510の位置は複数種類設けられ、遮蔽部510の存在により、本体部410が互いに連通できればよい。上記したように、遮蔽部510は、第1部分511と第2部分512とを含むことができる。
【0093】
本願の上記の実施例によれば、これらの実施例はすべての細部を詳細に説明するものではなく、この発明は上記の具体的な実施例だけであることを限定するものではない。以上の説明から、多くの修正及び変更が可能であることは明らかである。本明細書は、本願の原理および実際の応用をよりよく解釈するために、これらの実施例を選択し、具体的に説明し、これにより、当業者は、本願および本願に基づく修正を十分に利用することができる。本願は、特許請求の範囲及びその全範囲と均等物のみによって限定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、第1電極層、画素定義層および第2電極層を含み、
前記第1電極層は、前記基板に位置し、第1電極を含み、
前記画素定義層は、前記第1電極層の前記基板から離反する側に位置し、隔離部と、前記隔離部により囲まれて形成された第1開口とを含み、前記第1電極の少なくとも一部は、前記第1開口から露出し、
少なくとも一部の前記第2電極層が前記画素定義層の前記基板から離反する側に位置し、前記第2電極層は、本体部と、前記本体部を貫通する中空部とを含み、前記中空部と前記第1電極との前記基板における正投影は重ならないように設けられている、表示パネル。
【請求項2】
前記画素定義層は、前記画素定義層を貫通して設けられた第2開口をさらに含み、前記中空部の前記基板における正投影は、前記第2開口の前記基板における正投影内に位置している、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1電極の前記基板における正投影の少なくとも一部のエッジは、前記第2開口の前記基板における正投影内に位置している、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1電極層は、第2電極をさらに含み、前記中空部と前記第2電極、前記第1電極との前記基板における正投影は重ならないように設けられ、前記第2電極の前記基板における正投影の少なくとも一部のエッジは、前記第2開口の前記基板における正投影内に位置している、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第2電極と前記本体部との前記表示パネルの厚さ方向における最大距離は、0.8μm以下であ
り、
又は、隣接する2つの前記隔離部の間に前記第2開口が形成され、前記第2開口の対向する両側に位置する前記第2電極の前記基板における正投影のエッジは、前記第2開口の前記基板における正投影内に位置しており、
又は、前記第2電極の前記基板における正投影と前記第1開口の前記基板における正投影とが重ならないように設けられている請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1電極と前記第2電極との間に隙間が存在している請求項4に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1電極と前記第2電極とは、一対一で対応して設けられ、各前記第2電極は、各前記第1電極の周側に環状の前記隙間が形成されるように、各前記第1電極を取り囲んで設けられて
おり、
又は、前記隙間の幅は、0.5μm~10μmであり、
又は、前記隔離部と前記第1電極とは、一対一で対応して設けられ、且つ前記隔離部は環状を呈し、各前記隙間の前記基板における正投影は各前記隔離部の前記基板における正投影内に位置しており、
又は、前記表示パネルは、金属遮蔽層をさらに含み、前記金属遮蔽層は、前記第1電極層の前記画素定義層から離反する側に位置し、前記金属遮蔽層は、遮蔽部を含み、前記隙間の前記基板における正投影は、前記遮蔽部の前記基板における正投影内に位置し、前記中空部の前記基板における正投影と前記遮蔽部の前記基板における正投影とは、重ならないように設けられている、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
少なくとも一部の前記第2開口の前記基板における正投影は、前記遮蔽部の前記基板における正投影内に位置して
おり、
又は、前記遮蔽部は、
第2方向に沿って延びるストライプ状の第1部分であり、複数の前記第1部分が第1方向に沿って並設された第1部分と、
前記第1方向に沿って延び、且つ複数の前記第1部分に接続された第2部分と、を含み、
少なくとも一部の前記本体部の前記基板における正投影は、前記第1部分の前記基板における正投影内に位置し、
前記第2方向に沿って並設された複数の前記隙間及び複数の前記第2開口において、各前記隙間及び各前記第2開口の前記基板における少なくとも一部の正投影は、同一の前記第1部分の前記基板における正投影内に位置しており、
前記表示パネルは、第1領域と、前記第1領域の少なくとも一部を取り囲む第2領域とを有し、前記第1部分は、前記第1領域に位置し、前記第2部分は、前記第2領域に位置している、請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか1項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【請求項10】
基板に第1導電材料層を製造し、前記第1導電材料
層に対しパターニング処理を行って第1電極層を形成し、前記第1電極層は第1電極を含むことと、
前記第1電極層の前記基板から離反する側に絶縁材料層を製造し、前記絶縁材料層に対しパターニング処理を行って画素定義層を形成し、前記画素定義層は、隔離部と、前記隔離部により囲まれて形成された第1開口とを含み、前記第1電極の少なくとも一部は、前記第1開口から露出することと、
前記画素定義層に第2導電材料層を製造することと、
前記基板の前記第1電極層から離反する側から前記第2導電材料層に対しレーザエッチング処理を行って第2電極層を形成し、前記第2電極層は、本体部と、前記本体部を貫通する中空部とを含み、前記中空部と前記第1電極との前記基板における正投影は重ならないように設けられることとを含む、表示パネルの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本願の第3態様の実施例は、表示パネルの製造方法を提供し、該方法は、
基板に第1導電材料層を製造し、前記第1導電材料層に対しパターニング処理を行って第1電極層を形成し、第1電極層は第1電極を含むことと、第1電極層の基板から離反する側に絶縁材料層を製造し、絶縁材料層に対しパターニング処理を行って画素定義層を形成し、画素定義層は、隔離部と、隔離部により囲まれて形成された第1開口とを含み、第1電極の少なくとも一部は、第1開口から露出することと、画素定義層に第2導電材料層を製造することと、基板の第1電極層から離反する側から第2導電材料層に対しレーザエッチング処理を行って第2電極層を形成し、第2電極層は、本体部と、本体部を貫通する中空部とを含み、中空部と第1電極との基板における正投影は重ならないように設けられることとを含む。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
【
図1】本願の第1態様の実施例に係る表示パネルの構造模式図である。
【
図3】別の実施例における
図1のA-Aでの断面図である。
【
図5】更に別の実施例における
図1のA-Aでの断面図である。
【
図7】更に別の実施例における
図1のA-Aでの断面図である。
【
図8】更に別の実施例における
図1のQでの部分拡大構造模式図である。
【
図9】本願の第3態様の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
これらの選択可能な実施例において、隔離部310は環状であり、隣接する隔離部310の間にサイズの大きい第2開口330を形成することができ、距離が近い第2電極220と第2電極層400の分布面積をさらに大きくすることが可能であり、レーザ回折による本体部410のエッジの上方へ引き返す問題をよりよく改善することができる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
これらの選択可能な実施例において、第1部分511は、同じ行(第2方向Yが行方向である場合)に位置する複数の隙間230のうちの各隙間230の少なくとも一部、及び複数の第2開口330のうちの各第2開口330の一部を遮蔽することができる。或いは、第1部分511は、同じ列(第2方向Yが列方向である場合)に位置する複数の隙間230のうちの各隙間230の少なくとも一部、及び複数の第2開口330のうちの各第2開口330の一部を遮蔽して、同じ行又は同じ列の本体部410を互いに連通させることができる。第2部分512の遮蔽により、第2部分512と同じ分布領域及び同じサイズの本体部410を形成することが可能でありさらに異なる位置の本体部410を互いに連通させ、全面の共通電極を形成することができる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
ステップS01において、基板に第1導電材料層を製造し、第1導電材料層に対しパターニング処理を行って、第1電極を含む第1電極層を形成する。
【国際調査報告】