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特表2024-539905安全制御機構、方法、電池システム及び電力消費装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】安全制御機構、方法、電池システム及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20241024BHJP
   H01M 50/572 20210101ALI20241024BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241024BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241024BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G01R31/00
H01M50/572
H01M50/204 401H
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H02H7/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523812
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2022099488
(87)【国際公開番号】W WO2023240604
(87)【国際公開日】2023-12-21
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】陳 小波
(72)【発明者】
【氏名】蒲 玉杰
(72)【発明者】
【氏名】李 耀
(72)【発明者】
【氏名】柯 剣煌
(72)【発明者】
【氏名】楊 飄飄
【テーマコード(参考)】
2G036
5G053
5H030
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
2G036AA19
2G036AA28
2G036BA12
2G036BB08
5G053AA16
5G053CA04
5G053FA05
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF31
5H030FF43
5H030FF44
5H040AA06
5H040AS04
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY05
5H040NN01
5H043BA07
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA08
5H043CA12
5H043CA13
(57)【要約】
本願の実施例は電池の安全性能を向上させることができる安全制御機構、方法、電池システム及び電力消費装置を提供する。安全制御機構は電池に対して安全制御を実行することに用いられ、該安全制御機構は、電圧発生モジュール及び安全部材を含み、電圧発生モジュールは安全部材と電池との間に電圧差を確立することに用いられ、電池に異常が発生した場合、電圧差は安全部材に安全制御を実行させる。該技術的解決手段により、安全制御機構は安全部材を含む以外に、さらに電圧発生モジュールを含み、それは安全部材と電池との間に電圧差を能動的に確立することに用いられ、該能動的に確立される電圧差は実際の必要に応じて生成することができ、且つ安全部材に電池に対する安全制御をリアルタイムに実行させ、それにより電池における安全上のリスクを解消又は予防して、電池に対してリアルタイムで且つ効果的な安全制御を実行し電池の安全性能を向上させる。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池に対して安全制御を実行することに用いられ、電圧発生モジュール及び安全部材を含み、
前記電圧発生モジュールは前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することに用いられ、前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差は前記安全部材に安全制御を実行させることを特徴とする、安全制御機構。
【請求項2】
前記安全部材に安全物質が収容され、
前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の安全制御機構。
【請求項3】
前記電池は第1電池セルを含み、
前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることを含むことを特徴とする、請求項2に記載の安全制御機構。
【請求項4】
前記電圧発生モジュールが前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することに用いられることは、
前記電圧発生モジュールが前記安全部材と前記第1電池セルとの間に電圧差を確立することに用いられることを含み、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して、前記第1電池セルが位置する空間及び/又は前記第1電池セルに近接する空間に対する安全制御を実行することを含むことを特徴とする、請求項3に記載の安全制御機構。
【請求項5】
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して前記第1電池セルが位置する空間に対する安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記アークを形成することで前記安全部材及び前記第1電池セルのハウジングを突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して前記第1電池セルの内部空間に対する安全制御を実行することを含むことを特徴とする、請求項4に記載の安全制御機構。
【請求項6】
前記電圧差は、
前記安全部材の壁厚、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連することを特徴とする、請求項4又は5に記載の安全制御機構。
【請求項7】
前記電圧差と前記安全部材の壁厚は、1≦U/T≦5000の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Tは前記安全部材の壁厚で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離に対して、U/d≧2の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、dは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積に対して、U/S≧0.00008の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Sは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積で、単位はmmであることを特徴とする、請求項6に記載の安全制御機構。
【請求項8】
前記電圧差の範囲は4V~1000Vの間であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の安全制御機構。
【請求項9】
前記第1電池セルと前記安全部材は互いに絶縁され、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁が失効し、前記第1電池セルと前記安全部材との間の前記電圧差は前記安全部材に安全制御を実行させることを含むことを特徴とする、請求項3~8のいずれか一項に記載の安全制御機構。
【請求項10】
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁層の状態が変化して、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁を失効させることを特徴とする、請求項9に記載の安全制御機構。
【請求項11】
前記安全部材は前記第1電池セルに対応して設置されることを特徴とする、請求項3~10のいずれか一項に記載の安全制御機構。
【請求項12】
前記電圧発生モジュールが前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することに用いられることは、
前記電圧発生モジュールが前記電池の特徴信号を取得し、前記電池の特徴信号は前記電池に異常が発生したことを指示することに用いられ、
前記電圧発生モジュールが前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立することに用いられることを含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の安全制御機構。
【請求項13】
前記電圧発生モジュールは、制御サブモジュール及び電圧サブモジュールを含み、
前記制御サブモジュールは前記電池の特徴信号を取得し、且つ前記電池の特徴信号に基づいて、前記電圧サブモジュールを制御して前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立することに用いられることを特徴とする、請求項12に記載の安全制御機構。
【請求項14】
前記電圧発生モジュールは、監視サブモジュールをさらに含み、
前記監視サブモジュールが前記電池の特徴信号を監視し、且つ前記電池の特徴信号を前記制御サブモジュールに送信することに用いられることを特徴とする、請求項13に記載の安全制御機構。
【請求項15】
前記電圧サブモジュールは、電圧発生器及びオンオフ構造を含み、前記電圧発生器は前記オンオフ構造を介して前記安全部材に接続され、
前記制御サブモジュールは、前記電池の特徴信号に基づいて前記オンオフ構造の連通を制御し、それにより前記電圧発生器は前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立することに用いられることを特徴とする、請求項13又は14に記載の安全制御機構。
【請求項16】
前記電圧発生器は、前記電池における第2電池セルを含むことを特徴とする、請求項15に記載の安全制御機構。
【請求項17】
前記電池の特徴信号は、前記電池が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられることを特徴とする、請求項12~16のいずれか一項に記載の安全制御機構。
【請求項18】
前記電池の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの信号を含むことを特徴とする、請求項12~17のいずれか一項に記載の安全制御機構。
【請求項19】
前記電池の特徴信号は、前記電池における第1電池セルの特徴信号を含み、
前記電圧発生モジュールは、前記第1電池セルの特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記電圧差を確立することに用いられることを特徴とする、請求項12~18のいずれか一項に記載の安全制御機構。
【請求項20】
電池に対する安全制御を実行することに用いられる安全制御の方法であって、
安全部材と前記電池との間に電圧差を確立し、前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップを含む安全制御の方法。
【請求項21】
前記安全部材に安全物質が収容され、
前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップは、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項20に記載の安全制御の方法。
【請求項22】
前記電池は第1電池セルを含み、
前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップを含むことを特徴とする、請求項21に記載の安全制御の方法。
【請求項23】
前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することは、
前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記電圧差を確立することを含み、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して、前記第1電池セルが位置する空間及び/又は前記第1電池セルに近接する空間に対する安全制御を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項22に記載の安全制御の方法。
【請求項24】
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材が前記安全物質を放出して前記第1電池セルが位置する空間に対する安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材及び前記第1電池セルのハウジングを突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材が前記安全物質を放出して前記第1電池セルの内部空間に対する安全制御を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項23に記載の安全制御の方法。
【請求項25】
前記電圧差は、
前記安全部材の壁厚、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連することを特徴とする、請求項23又は24に記載の安全制御の方法。
【請求項26】
前記電圧差と前記安全部材の壁厚は、1≦U/T≦5000の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Tは前記安全部材の壁厚で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離に対して、U/d≧2の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、dは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積に対して、U/S≧0.00008の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Sは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積で、単位はmmであることを特徴とする、請求項25に記載の安全制御の方法。
【請求項27】
前記電圧差の範囲は4V~1000Vの間であることを特徴とする、請求項20~26のいずれか一項に記載の安全制御の方法。
【請求項28】
前記第1電池セルと前記安全部材は互いに絶縁され、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁が失効し、前記第1電池セルと前記安全部材との間の前記電圧差は前記安全部材に安全制御を実行させるステップを含むことを特徴とする、請求項22~27のいずれか一項に記載の安全制御の方法。
【請求項29】
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁層の状態が変化して、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁を失効させることを特徴とする、請求項28に記載の安全制御の方法。
【請求項30】
前記安全部材は前記第1電池セルに対応して設置されることを特徴とする、請求項22~29のいずれか一項に記載の安全制御の方法。
【請求項31】
前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することは、
前記電池の特徴信号を取得し、前記電池の特徴信号は前記電池に異常が発生したことを指示することに用いられるステップと、
前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップと、を含むことを特徴とする、請求項20~30のいずれか一項に記載の安全制御の方法。
【請求項32】
電圧発生モジュールに応用され、前記電圧発生モジュールは、制御サブモジュール及び電圧サブモジュールを含み、
前記電池の特徴信号を取得するステップは、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号を取得するステップを含み、
前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップは、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号に基づいて、前記電圧サブモジュールを制御して前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項31に記載の安全制御の方法。
【請求項33】
前記電圧発生モジュールは、監視サブモジュールをさらに含み、前記安全制御の方法は、
前記監視サブモジュールが前記電池の特徴信号を監視し、且つ前記電池の特徴信号を前記制御サブモジュールに送信するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項32に記載の安全制御の方法。
【請求項34】
前記電圧サブモジュールは、電圧発生器及びオンオフ構造を含み、前記電圧発生器は前記オンオフ構造を介して前記安全部材に接続され、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号に基づいて、前記電圧サブモジュールを制御して前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップは、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号に基づいて前記オンオフ構造の連通を制御し、それにより前記電圧発生器は前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項32又は33に記載の安全制御の方法。
【請求項35】
前記電圧発生器は、前記電池における第2電池セルを含むことを特徴とする、請求項34に記載の安全制御の方法。
【請求項36】
前記電池の特徴信号は、前記電池が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられることを特徴とする、請求項31~35のいずれか一項に記載の安全制御の方法。
【請求項37】
前記電池の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの信号を含むことを特徴とする、請求項31~36のいずれか一項に記載の安全制御の方法。
【請求項38】
前記電池の特徴信号は、前記電池における第1電池セルの特徴信号を含み、
前記電池の特徴信号を取得する前記ステップは、
前記第1電池セルの特徴信号を取得するステップを含み、
前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立する前記ステップは、
前記第1電池セルの特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記電圧差を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項31~37のいずれか一項に記載の安全制御の方法。
【請求項39】
電池、及び、前記電池に対する安全制御を実行することに用いられる請求項1~19のいずれか一項に記載の安全制御機構を含むことを特徴とする、電池システム。
【請求項40】
電力消費装置であって、前記電力消費装置へ電気エネルギーを供給するために用いられる請求項39に記載の電池システムを含むことを特徴とする、電力消費装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池技術分野に関し、特に安全制御機構、方法、電池システム及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池技術の絶え間ない進歩に伴い、電池をエネルギー貯蔵装置とする様々な新エネルギー産業が急速に発展している。電池技術の発展において、電池の性能を向上させる以外に、安全上の問題も無視できない課題である。電池の安全上の問題を保証できない場合、該電池を使用することはできない。従って、電池の安全性能をどのように向上させるかは、電池技術における早急に解決すべき技術的課題である。
【発明の概要】
【0003】
本願は電池の安全性能を向上させることができる安全制御機構、方法、電池システム及び電力消費装置を提供する。
【0004】
第1態様によれば、電池に対して安全制御を実行することに用いられる安全制御機構を提供し、安全制御機構は、電圧発生モジュール及び安全部材を含み、電圧発生モジュールは安全部材と電池との間に電圧差を確立することに用いられ、電池に異常が発生した場合、電圧差は安全部材に安全制御を実行させる。
【0005】
本願実施例の技術的解決手段により、安全制御機構は安全部材を含む以外に、さらに電圧発生モジュールを含み、それは安全部材と電池との間に電圧差を能動的に確立することに用いられ、該能動的に確立される電圧差は実際の必要に応じて生成することができ、且つ安全部材に電池に対する安全制御をリアルタイムに実行させ、それにより電池における安全上のリスクを解消又は予防して、電池に対してリアルタイムで且つ効果的な安全制御を実行し電池の安全性能を向上させる。
【0006】
いくつかの可能な実施形態において、安全部材に安全物質が収容され、電圧差が安全部材に安全制御を実行させることには、電圧差が安全部材と電池との間にアークを形成することで安全部材を突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して安全制御を実行することを含む。
【0007】
該実施形態の技術的解決手段により、安全部材内に安全物質が収容され、電池に異常が発生した場合、電圧発生モジュールが安全部材と電池との間に能動的に確立する電圧差は、安全部材と電池との間に能動的にアークを形成することができる。該大きなエネルギーを有するアークにより、効果的且つ迅速に安全部材を突き破り破壊することができ、それにより安全部材内に収容された安全物質を放出して電池に対する安全制御作用を果たし、電池の安全性能をさらに向上させる。
【0008】
いくつかの可能な実施形態において、電池は第1電池セルを含み、電池に異常が発生した場合、電圧差が安全部材に安全制御を実行させることには、第1電池セルに異常が発生した場合、電圧差が安全部材に安全制御を実行させることを含む。
【0009】
該実施形態の技術的解決手段により、電圧発生モジュールは電池と安全部材との間に電圧差を確立し、第1電池セルに異常がある場合、該電圧差により、安全部材は電池に対する安全制御を実行することができる。該技術的解決手段は電池における第1電池セルの異常に対応することができ、電池に対する安全制御を実行して、電池の安全性能を確実且つ意図的に保証することができる。
【0010】
いくつかの可能な実施形態において、安全部材と電池との間に電圧差を確立することには、安全部材と第1電池セルとの間に電圧差を確立することを含み、電圧差は安全部材と電池との間にアークを形成することで安全部材を突き破ることに用いられ、それにより安全部材が安全物質を放出して安全制御を実行することには、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間にアークを形成することで安全部材を突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して第1電池セルが位置する空間及び/又は第1電池セルに近接する空間に対する安全制御を実行することを含む。
【0011】
該実施形態の技術的解決手段により、電圧発生モジュールが第1電池セルと安全部材との間に能動的に形成するアークは、安全部材内の安全物質が第1電池セルの位置する空間及び/又は第1電池セルに近接する空間に対して正確且つ確実な制御作用を果たすようにさせて、該第1電池セルの異常状態で発生する熱が電池内の他の場所に広がり伝達されることを防止して、電池の安全性能を効果的に保証する。
【0012】
いくつかの可能な実施形態において、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間にアークを形成することで安全部材及び第1電池セルのハウジングを突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して第1電池セルの内部空間に対する安全制御を実行する。
【0013】
該実施形態の技術的解決手段により、安全部材と第1電池セルとの間に形成されるアークは、安全部材の容器壁を突き破り破壊するだけでなく、第1電池セルのハウジングも突き破り破壊することができる。第1電池セルに異常が発生し、内部の温度が高くなると、アークは第1電池セルのハウジングを破壊して、安全部材内から放出される安全物質が第1電池セルの内部に対して正確且つ効果的な冷却を行うことに役立ち、該第1電池セルの異常状態で発生する熱が他の電池セルに広がることを防止して、電池の安全性能をさらに向上させる。
【0014】
いくつかの可能な実施形態において、電圧差は、安全部材の壁厚、安全部材と第1電池セルとの間の距離、安全部材と第1電池セルとの間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連する。
【0015】
本願実施例の技術的解決手段により、安全部材と第1電池セルとの間に電圧差を設計する場合、安全部材、第1電池セル及び両者が位置する環境における関連パラメータを総合的に考慮して、適切な電圧差を取得し、それにより安定しており且つ制御可能なアークを得ることができる。
【0016】
いくつかの可能な実施形態において、電圧差は安全部材の壁厚に対して、1≦U/T≦5000の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Tは安全部材の壁厚で、単位はmmであり、及び/又は、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間の距離に対して、U/d≧2の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、dは安全部材と第1電池セルとの間の距離で、単位はmmであり、及び/又は、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間の対応する面積に対して、U/S≧0.00008の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Sは安全部材と第1電池セルとの間の対応する面積で、単位はmmである。
【0017】
本願実施例の技術的解決手段により、電圧差と少なくとも1つのパラメータとの相関関係を利用して、アークを発生させるために必要な電圧差を容易且つ正確に得ることができ、電池の安全性能を保証する。
【0018】
いくつかの可能な実施形態において、電圧差の範囲は4V~1000Vの間である。
【0019】
該実施形態の技術的解決手段により、電圧差を4V~1000V又はさらに正確な電圧差の範囲内に制御し、該電圧差は安全部材と第1電池セルとの間にアークを形成することができ、該アークは安全部材の容器壁を突き破り安全物質を放出させることができ、電池の安全性能を総合的に保証する。
【0020】
いくつかの可能な実施形態において、第1電池セルと安全部材は互いに絶縁され、第1電池セルに異常が発生した場合、第1電池セルと安全部材との間の絶縁が失効し、第1電池セルと安全部材との間の電圧差は安全部材に安全制御を実行させる。
【0021】
該実施形態の技術的解決手段により、電池において、第1電池セルと安全部材との間の相互絶縁は、安全部材が第1電池セルに与える影響が小さいことを保証し、且つ第1電池セルの正常な動作状態における安全性能を保証する。これに加え、第1電池セルに異常が発生すると、安全部材との間の絶縁失効が生じ、さらに安全部材は、第1電池セルが位置する電池に対する安全制御を実行し、実現方式全体は高い対応性及び信頼性を有する。
【0022】
いくつかの可能な実施形態において、第1電池セルに異常が発生した場合、第1電池セルと安全部材との間の絶縁層の状態が変化して、第1電池セルと安全部材との間の絶縁を失効させる。
【0023】
該実施形態の技術的解決手段において、第1電池セルと安全部材との間の絶縁層による絶縁設計は、電池内で容易に実現され且つ絶縁性能を保証することができる。さらに、該絶縁層は第1電池セルの熱暴走の発生などの異常状態に対応することができ、第1電池セルと安全部材との間に絶縁失効を効果的に形成し、安全部材は第1電池セルが位置する電池に対する安全制御を実行して、第1電池セルから発生する熱が電池に及ぼす安全に対する影響を防止又は解消する。
【0024】
いくつかの可能な実施形態において、安全部材は第1電池セルに対応して設置される。
【0025】
該実施形態の技術的解決手段により、安全部材は少なくとも1つの電池セルのうちの第1電池セルに対応して設置され、他の電池セルに対応して設置されることなく、安全部材が他の電池セルに影響を及ぼすことを防止して、電池における他の正常な電池セルの動作性能を保証する。
【0026】
いくつかの可能な実施形態において、電圧発生モジュールは電池の特徴信号を取得することに用いられ、電池の特徴信号は電池に異常が発生したことを指示することに用いられ、電圧発生モジュールは電池の特徴信号に基づいて、安全部材と電池との間に電圧差を確立することに用いられる。
【0027】
該実施形態の技術的解決手段により、電圧発生モジュールは、電池に異常が発生したことを指示する特徴信号を取得し且つそれに基づいて、安全部材と電池との間に電圧差を確立し、それにより電圧発生モジュールは、異常状態にある電池に対するリアルタイム且つ確実な安全制御を実行することができる。
【0028】
いくつかの可能な実施形態において、電圧発生モジュールは、制御サブモジュール及び電圧サブモジュールを含み、制御サブモジュールは電池の特徴信号を取得し、且つ電池の特徴信号に基づいて、電圧サブモジュールを制御して安全部材と電池との間に電圧差を確立することに用いられる。
【0029】
該実施形態の技術的解決手段により、電圧発生モジュール内に制御サブモジュールが設置され、該制御サブモジュールは電圧サブモジュールを柔軟に制御して安全部材と電池との間に電圧差を確立することができる。電圧発生モジュールが安全部材と電池との間に電圧差を継続的に確立する技術的解決手段と比較して、該技術的解決手段は、安全部材と電池に継続的に存在する電圧差が電池の安全性能に及ぼす影響を低下させることができ、電池に対する安全制御機構の安全管理性能をさらに向上させる。
【0030】
いくつかの可能な実施形態において、電圧発生モジュールは、監視サブモジュールをさらに含み、監視サブモジュールは電池の特徴信号を監視し、且つ電池の特徴信号を制御サブモジュールに送信することに用いられる。
【0031】
該実施形態の技術的解決手段により、安全制御機構内に独立した監視サブモジュールが設置され、電池の特徴信号の能動的且つリアルタイムな監視に用いることができ、それにより安全制御機構は電池に対してよりリアルタイムで且つ効果的な安全管理を行い、電池の安全性能をさらに向上させる。
【0032】
いくつかの可能な実施形態において、電圧サブモジュールは、電圧発生器及びオンオフ構造を含み、電圧発生器はオンオフ構造を介して安全部材に接続され、制御サブモジュールは、電池の特徴信号に基づいてオンオフ構造の連通を制御することに用いられ、それにより電圧発生器は安全部材と電池との間に電圧差を確立する。
【0033】
該実施形態の技術的解決手段により、電圧サブモジュールは電圧発生器及びオンオフ構造を含み、該オンオフ構造は制御サブモジュールの制御下で安全部材と電圧発生器との間の連通を実現することができ、解決手段の実現方式全体はシンプルで且つ信頼性が高く、安全制御機構に余分のコストをもたらすこともない。
【0034】
いくつかの可能な実施形態において、電圧発生器は、電池における第2電池セルを含む。
【0035】
該実施形態の技術的解決手段により、電池における第2電池セルを電圧発生器として兼用し、電池が所在するシステムに電圧発生器を追加する必要がなく、電池が所在するシステム内で安全制御機構が占める空間を節約し、電池が所在するシステム全体の体積及び生産に必要なコストの削減に有利である。
【0036】
いくつかの可能な実施形態において、電池の特徴信号は、電池が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられる。
【0037】
該実施形態の技術的解決手段により、電池の特徴信号は、電池においてよく見られ且つ電池への損傷程度が大きい熱暴走状態及び/又は熱暴走の臨界状態を指示するために用いることができ、該電池の特徴信号により、電池の熱暴走状態及び/又は臨界状態を効果的に制御することができ、電池の安全性能を保証する。
【0038】
いくつかの可能な実施形態において、電池の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの信号を含む。
【0039】
該実施形態の技術的解決手段により、該電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力などの信号は検出が容易であり且つ電池の動作状態を効果的に反映することができ、該少なくとも1つの信号に基づいて電池が異常状態にあることを効果的に判断することができ、異常状態の電池に対する安全制御機構の安全制御の実行に役立つ。
【0040】
いくつかの可能な実施形態において、電池の特徴信号は、電池における第1電池セルの特徴信号を含み、電圧発生モジュールは第1電池セルの特徴信号に基づいて、安全部材と第1電池セルとの間に電圧差を確立することに用いられる。
【0041】
該実施形態の技術的解決手段により、電圧発生モジュールは該第1電池セルの特徴信号に基づいて、安全部材と第1電池セルとの間に正確且つリアルタイムに電圧差を形成することができ、それにより安全部材は第1電池セルに対して正確な安全制御を迅速に実行することができる。さらに、第1電池セルの特徴信号が、第1電池セルが熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられる場合、該安全制御機構内の電圧発生モジュール及び安全部材は互いに協働して、リアルタイムに、さらには事前に熱暴走状態及び/又は臨界状態にある第1電池セルに対して危険解消を実行することができ、第1電池セルの内部の熱が電池内に拡散して他の電池セルの性能に影響を及ぼすことを防止して、該第1電池セルが位置する電池に対する安全制御を迅速に実行し、それにより電池の安全性能を大幅に向上させることができる。
【0042】
第2態様によれば、電池に対する安全制御を実行することに用いられる安全制御の方法を提供し、該安全制御の方法は、安全部材と電池との間に電圧差を確立し、電池に異常が発生した場合、電圧差が安全部材に安全制御を実行させるステップを含む。
【0043】
いくつかの可能な実施形態において、安全部材に安全物質が収容され、上記電圧差が安全部材に安全制御を実行させるステップは、電圧差が安全部材と電池との間にアークを形成することで安全部材を突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して安全制御を実行するステップを含む。
【0044】
いくつかの可能な実施形態において、電池は第1電池セルを含み、上記電池に異常が発生した場合、電圧差が安全部材に安全制御を実行させるステップは、第1電池セルに異常が発生した場合、電圧差が安全部材に安全制御を実行させるステップを含む。
【0045】
いくつかの可能な実施形態において、上記安全部材と電池との間に電圧差を確立することは、安全部材と第1電池セルとの間に電圧差を確立することを含み、上記電圧差は安全部材と電池との間にアークを形成することで安全部材を突き破ることに用いられ、それにより安全部材が安全物質を放出して安全制御を実行するステップは、電圧差が安全部材と第1電池セルとの間にアークを形成することで安全部材を突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して、第1電池セルが位置する空間及び/又は第1電池セルに近接する空間に対する安全制御を実行するステップを含む。
【0046】
いくつかの可能な実施形態において、上記電圧差は安全部材と第1電池セルとの間にアークを形成することで安全部材を突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して第1電池セルが位置する空間に対する安全制御を実行するステップは、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間にアークを形成することで安全部材及び第1電池セルのハウジングを突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して第1電池セルの内部空間に対する安全制御を実行するステップを含む。
【0047】
いくつかの可能な実施形態において、電圧差は、安全部材の壁厚、安全部材と第1電池セルとの間の距離、安全部材と第1電池セルとの間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連する。
【0048】
いくつかの可能な実施形態において、電圧差は安全部材の壁厚に対して、1≦U/T≦5000の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Tは安全部材の壁厚で、単位はmmであり、及び/又は、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間の距離に対して、U/d≧2の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、dは安全部材と第1電池セルとの間の距離で、単位はmmであり、及び/又は、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間の対応する面積に対して、U/S≧0.00008の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Sは安全部材と第1電池セルとの間の対応する面積で、単位はmmである。
【0049】
いくつかの可能な実施形態において、電圧差の範囲は4V~1000Vの間である。
【0050】
いくつかの可能な実施形態において、第1電池セルと安全部材は互いに絶縁され、第1電池セルに異常が発生した場合、第1電池セルと安全部材との間の絶縁が失効し、第1電池セルと安全部材との間の電圧差は安全部材に安全制御を実行させる。
【0051】
いくつかの可能な実施形態において、第1電池セルに異常が発生した場合、第1電池セルと安全部材との間の絶縁層の状態が変化して、第1電池セルと安全部材との間の絶縁を失効させる。
【0052】
いくつかの可能な実施形態において、安全部材は少なくとも1つの電池セルのうちの第1電池セルに対応して設置される。
【0053】
いくつかの可能な実施形態において、上記安全部材と電池との間に電圧差を確立することは、電池の特徴信号を取得し、電池の特徴信号は電池に異常が発生したことを指示することに用いられるステップと、電池の特徴信号に基づいて、安全部材と電池との間に電圧差を確立するステップと、を含む。
【0054】
いくつかの可能な実施形態において、安全制御の方法は電圧発生モジュールに応用され、電圧発生モジュールは、制御サブモジュール及び電圧サブモジュールを含み、上記電池の特徴信号を取得するステップは、制御サブモジュールが電池の特徴信号を取得するステップを含み、上記電池の特徴信号に基づいて、安全部材と電池との間に電圧差を確立するステップは、制御サブモジュールが電池の特徴信号に基づいて、電圧サブモジュールを制御して安全部材と電池との間に電圧差を確立するステップを含む。
【0055】
いくつかの可能な実施形態において、電圧発生モジュールは、監視サブモジュールを含み、安全制御の方法は、監視サブモジュールが電池の特徴信号を監視し、且つ電池の特徴信号を制御サブモジュールに送信するステップをさらに含む。
【0056】
いくつかの可能な実施形態において、電圧サブモジュールは、電圧発生器及びオンオフ構造を含み、電圧発生器はオンオフ構造を介して安全部材に接続され、上記制御サブモジュールが電池の特徴信号に基づいて、電圧サブモジュールを制御して安全部材と電池との間に電圧差を確立することは、制御サブモジュールが電池の特徴信号に基づいてオンオフ構造の連通を制御し、それにより電圧発生器は安全部材と電池との間に電圧差を確立するステップを含む。
【0057】
いくつかの可能な実施形態において、電圧発生器は、電池における第2電池セルを含む。
【0058】
いくつかの可能な実施形態において、電池の特徴信号は、電池が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられる。
【0059】
いくつかの可能な実施形態において、電池の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの信号を含む。
【0060】
いくつかの可能な実施形態において、電池の特徴信号は、電池における第1電池セルの特徴信号を含み、上記電池の特徴信号を取得するステップは、第1電池セルの特徴信号を取得するステップを含み、上記電池の特徴信号に基づいて、安全部材と電池との間に電圧差を確立するステップは、第1電池セルの特徴信号に基づいて、安全部材と第1電池セルとの間に電圧差を確立するステップを含む。
【0061】
第3態様によれば、電池、及び、電池に対する安全制御を実行することに用いられる第1態様又は第1態様における任意の可能な実施形態における安全制御機構を含む電池システムを提供する。
【0062】
第4態様によれば、電力消費装置へ電気エネルギーを供給するための第3態様における電池システムを含む前記電力消費装置を提供する。
【0063】
本願実施例の技術的解決手段により、安全制御機構は安全部材を含む以外に、さらに電圧発生モジュールを含み、それは安全部材と電池との間に電圧差を能動的に確立することに用いられ、該能動的に確立される電圧差は実際の必要に応じて生成することができ、且つ安全部材は電池に対する安全制御をリアルタイムに実行し、それにより電池における安全上のリスクを解消又は予防して、電池に対してリアルタイムで且つ効果的な安全制御を実行し電池の安全性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するめに、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、理解すべきことは、以下に示された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面をさらに取得することができる。
【0065】
図1】本願の一実施例に係る車両の構造概略図である。
図2】本願の一実施例に係る電池の構造概略図である。
図3】本願の一実施例に係る安全制御機構の概略構造ブロック図である。
図4】本願の一実施例に係る安全制御機構の別の概略構造ブロック図である。
図5】本願の一実施例に係る安全制御機構の別の概略構造ブロック図である。
図6】本願の一実施例に係る安全制御機構の別の概略構造ブロック図である。
図7】本願の一実施例に係る安全制御機構の別の概略構造ブロック図である。
図8】本願の一実施例に係る安全制御機構の別の概略構造ブロック図である。
図9】本願の一実施例に係る安全制御機構の別の概略構造ブロック図である。
図10】本願の一実施例に係る安全制御機構の別の概略構造ブロック図である。
図11】本願の一実施例に係る安全制御機構の別の概略構造ブロック図である。
図12】本願の一実施例に係る安全制御機構の別の概略構造ブロック図である。
図13】本願の一実施例に係る安全制御の方法の概略フローチャートである。
図14】本願の一実施例に係る別の安全制御の方法の概略フローチャートである。
図15】本願の一実施例に係る別の安全制御の方法の概略フローチャートである。
図16】本願の実施例に係る電池システムの概略構造ブロック図である。
【0066】
図面において、図面は実際の比率に従って描かれたものではない。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明し、明らかに、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0068】
別途定義されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することが目的であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」及び「有する」という用語及びそれらの類語は、排他的ではないものを意図している。本願の明細書と特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」等の用語は異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序又は主従関係を説明するために用いられるものではない。
【0069】
本願における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各所に該「実施例」という語が出現しても、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的で独立した又は代替的な実施例を指すものでもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明示的かつ暗示的に理解する。
【0070】
本願の記載において説明すべきことは、特に明確に規定及び限定しない限り、「取り付ける」、「つながっている」、「接続」、「取り付け」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体接続であってもよい。直接つながっていてもよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよく、又は2つの素子内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0071】
本願における「及び/又は」という用語は、単に関連対象の関連、関係を説明しているに過ぎず、3種類の関係が存在可能であることを示し、例として、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在する、という3つの状況を示すことができる。なお、本願において記号「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0072】
本願における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各所に該「実施例」という語が出現しても、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的で独立した又は代替的な実施例を指すものでもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明示的かつ暗示的に理解する。
【0073】
本願において、電池は電気エネルギーを提供するために1つ又は複数の電池セルを含む物理的モジュールを指す。例えば、本願で言及される電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含むことができる。電池は、一般的に1つ又は複数の電池セルをパッケージ化するための筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物が電池セルの充放電に影響を及ぼすことを防止する。
【0074】
本願において、電池セルは化学電池であっても物理電池であってもよく、例として、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、マグネシウムイオン電池、燃料電池などであってもよく、本願の実施例はこれに限定されない。電池セルは円筒、扁平体、直方体、又は他の形状等であってもよく、本願の実施例はこれにも限定されない。電池セルは一般的にパッケージの方式により円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、本願の実施例はこれにも限定されない。
【0075】
電池セルは電極アセンブリ及び電解液を含み、電極アセンブリは正極シート、負極シート及びセパレータで構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間を移動することによって動作する。正極シートは正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体を正極タブとする。正極タブの数は複数であり且つ一体に積層され、負極タブの数は複数であり且つ一体に積層されてもよい。セパレータの材質は、ポリプロピレン(Polypropylene,PP)又はポリエチレン(Polyethylene,PE)等であってもよい。また、電極アセンブリは捲回式構造であってもよく、又は積層式構造であってもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0076】
電池技術の発展には多方面の設計要素、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電効率等の性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性を考慮する必要がある。
【0077】
いくつかの関連技術において、電池の安全性を向上させるために、電池セルには一般的に減圧機構が設置される。減圧機構とは、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達した時に作動して、内部圧力又は温度を解放する素子又は部品である。減圧機構は感圧又は感温の素子又は部材を用いることができ、即ち、電池セルに熱暴走が発生し、その内部圧力又は温度が所定の閾値に達すると、減圧機構が作動し、それにより内部圧力又は温度を解放することができる流路を形成する。減圧機構が作動すると、電池セルの内部の高温高圧物質が排出物として減圧機構から外に排出される。電池セル内部からの排出物は、電解液、溶解又は分裂した正負極シート、セパレータの破片、反応により生成された高温高圧ガス、火炎等を含むがこれらに限定されない。
【0078】
電池セルに短絡、過充電などの現象が発生すると、電池セル内部の熱暴走が発生して圧力又は温度が急激に上昇することがある。その場合、減圧機構を作動させることにより内部圧力及び温度を外部に逃がして、電池セルの爆発、発火を防止して、電池セルの安全性能を保証することができる。
【0079】
電池セルに減圧機構を設置して電池の安全性を保証する以外に、電池セルを収容するための筐体内に、さらに散布管路などの危険解消部材が設置されてもよく、該散布管路に危険解消媒体を収容することができ、該危険解消媒体は危険解消液体、危険解消ガス又は危険解消固体であってもよい。いくつかの実施形態において、散布管路は電池セルにおける減圧機構に対応して設置されてもよい。減圧機構が作動すると、電池セル内から放出される排出物が散布管路の壁を破壊し、危険解消媒体を散布管路から流出させ、危険解消媒体は電池セルの高温排出物を冷却して、排出物の危険性を低下させることができ、それにより電池セル及び電池全体の安全性能を向上させる。
【0080】
該技術的解決手段において、電池セルの内部に熱暴走がすでに発生した状況で、散布管路は電池セル内部の排出物によって破壊され、それによりすでに熱暴走が発生した電池セルを冷却することができる。電池セルの内部にすでに熱暴走が発生している場合、該電池セルの温度が高く、発生した熱は隣接した複数の電池セルにすでに伝達され、熱は電池における複数の電池セルの間に広がっている可能性があり、この場合、すでに熱暴走が発生した電池セルを散布管路が冷却できたとしても、該冷却効果には限界があり、電池全体に対する散布管路の安全制御性能も相対的に低い。また、異なる容量又は異なるエネルギー密度の電池が暴走した場合、その減圧機構から放出される排出物の温度には顕著な差があり、散布管路の破壊の程度も異なり、該散布管路から液体が流出する効果にも差があり、従って、該散布管路が破壊されることによる危険解消効果も不安定である。
【0081】
これに鑑みて、本願は電池に対して安全制御を実行することに用いられる安全制御機構を提供する。該安全制御機構は、電圧発生モジュール及び安全部材を含む。該電圧発生モジュールは安全部材と電池との間に電圧差を確立することに用いられ、電池に異常が発生した場合、該電圧差は安全部材に電池に対する安全制御を実行させる。本願実施例が提供する技術的解決手段において、安全制御機構は安全部材を含む以外に、さらに電圧発生モジュールを含み、それは安全部材と電池との間に電圧差を能動的に確立することに用いられ、該能動的に確立される電圧差は実際の必要に応じて生成することができ、且つ安全部材に電池に対する安全制御をリアルタイムに実行させ、それにより電池における安全上のリスクを解消又は予防して、電池に対してリアルタイムで且つ効果的な安全制御を実行し電池の安全性能を向上させる。
【0082】
本願実施例に記載の技術的解決手段は電池を使用する様々な装置に適用され、例えば、携帯型電力消費装置、電気自動車、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶、宇宙機、エネルギー貯蔵システム等であり、例えば、宇宙機は航空機、ロケット、スペースシャトル及びスペースシップ等を含む。
【0083】
なお、本願の実施例に記載の技術的解決手段は上記の装置に適用できるだけではなく、電池を使用する全ての装置にも適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例はいずれも電動車両を例として説明する。
【0084】
例えば、図1は本願の実施例に係る車両1の構造概略図を示し、車両1はガソリン自動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車等であってもよい。車両1の内部にモータ11、コントローラ12及び電池10を設置することができ、コントローラ12は電池10を制御してモータ11に給電するために用いられる。例えば、車両1の底部又は前側又は後側に電池10を設置することができる。電池10は車両1への給電に用いられ、例えば、電池10は車両1の動作電源として、車両1の回路システムに用いることができ、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力の必要を賄う。本願の別の実施例において、電池10は車両1の動作電源としてだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供することができる。
【0085】
異なる使用電力需要を満たすために、電池10は複数の電池セルを含むことができ、複数の電池セルの間は直列接続又は並列接続又は直並列接続することができ、直並列接続は直列接続及び並列接続の混合を指す。電池10は、電池パック(battery pack)とも呼ばれる。好ましくは、複数の電池セルがまず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールがさらに直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池10を構成してもよい。すなわち、複数の電池セルが電池10を直接構成してもよく、又はまず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールが電池10を構成してもよい。
【0086】
例えば、図2は、本願の一実施例に係る電池10の構造概略図を示し、電池10は複数の電池セル20を含むことができる。電池10はさらに筐体100(又はカバーと呼ばれる)を含むことができ、筐体100の内部は中空構造であり、複数の電池セル20は筐体100内に収容される。図2に示すように、筐体100は2つの部分を含むことができ、ここではそれぞれ第1部分111及び第2部分112と呼ばれ、第1部分111及び第2部分112は一体に係合される。第1部分111及び第2部分112の形状は、複数の電池セル20が組み合わされた形状によって決定されてもよく、第1部分111及び第2部分112は、いずれも1つの開口を有してもよい。例えば、第1部分111と第2部分112はいずれも中空の直方体であって且つそれぞれ1つの面のみが開口面であってもよく、第1部分111の開口と第2部分112の開口は対向して設置され、且つ第1部分111と第2部分112は互いに係合して密閉キャビティを有する筐体100を形成する。複数の電池セル20を互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせた後、第1部分111と第2部分112を係合して形成された筐体100内に配置する。
【0087】
電池10はさらに他の構造を含んでもよく、ここでの説明は省略する。例えば、該電池10はさらにバス部材を含むことができ、バス部材は複数の電池セル20の間の電気的接続、例えば並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するために用いられる。具体的には、バス部材は電池セル20の電極端子を接続することによって電池セル20の間の電気的接続を実現することができる。さらに、バス部材は溶接によって電池セル20の電極端子に固定されてもよい。複数の電池セル20の電気エネルギーは、さらに導電機構を介して筐体を貫通して引き出されてもよい。導電機構はバス部材に属してもよい。
【0088】
電池セル20の数は、電力の需要に応じて任意の数に設定することができる。複数の電池セル20は、より大きな容量又は出力を実現するために、直列接続、並列接続、又は直並列接続の方式で接続されてもよい。各電池10に含まれる電池セル20の数が多いため、取り付けやすくするために、電池セル20をグループ化して設置することができ、各グループの電池セル20は電池モジュールを構成する。電池モジュールに含まれる電池セル20の数は限定されず、必要に応じて設定することができる。
【0089】
図3は本願の一実施例に係る安全制御機構300の概略構造ブロック図である。具体的には、該安全制御機構300は電池に対して安全制御を実行することに用いられ、例えば、該安全制御機構300は上記図1及び図2に示す電池10に対して安全制御を実行することができる。
【0090】
図3に示すように、該安全制御機構300は、電圧発生モジュール310と安全部材320を含む。電圧発生モジュール310は安全部材320と電池10(図3には図示せず)との間に電圧差を確立することに用いられ、電池10に異常が発生した場合、該電圧差は安全部材320に電池10に対する安全制御を実行させる。
【0091】
具体的に、本願実施例において、電圧発生モジュール310は目標電圧を形成することができるモジュールであってもよく、例えば、該電圧発生モジュール310は電源、電圧発生回路又は他の電気エネルギーを担持するモジュールを含んでもよい。一例として、該電圧発生モジュール310は電池10におけるいずれか1つの電池セル20を含んでもよく、すなわち該例において、電池10における電池セル20は電池10の外部の電力消費装置に電気エネルギーを提供する以外に、本願実施例における電圧発生モジュール310として兼用されてもよい。別の例として、該電圧発生モジュール310は電池10以外の独立した他の電気モジュールであってもよく、本願実施例は該電圧発生モジュール310の具体的な実現方式を限定しない。
【0092】
安全部材320はリスクを解消し又は災害を予防するための部材であり、具体的に、該安全部材320は電池10において発生する可能性があるリスク又は災害を解消又は予防するために用いられる。一例として、該安全部材320は危険解消機能を実現するための危険解消部材を含むがそれに限定されず、該危険解消部材に危険解消媒体が収容され、該危険解消媒体は電池10において熱暴走が発生しようとしているか又はすでに熱暴走が発生した電池セル20及び/又はその他の部材に対して危険解消を実行することができる。当然ながら、他の例において、該安全部材320は他の形式の部材であってもよく、安全制御機能を実現することができればよく、本願実施例はその具体的な実現を限定しない。
【0093】
具体的に、電圧発生モジュール310は該安全部材320と電池10との間に電圧差を確立することに用いられ、該電池10に異常が発生した場合、該電圧差は安全部材320を駆動することができ、又は該電圧差は安全部材320を作動させ、それにより安全部材320は電池10に対する安全制御を実行し、電池10における安全上のリスクを解消又は予防する。
【0094】
該電圧発生モジュール310は該安全部材320と電池10の任意の部材との間に電圧差を確立することに用いられてもよく、該電池10の任意の部材に異常が発生した場合、該電圧差は安全部材320に該電池10の任意の部材に対する安全制御を実行させてもよい。
【0095】
なお、電池又は部材に異常が発生したか否かは、当業者の一般的な理解を用いるべきであり、例えば電池又は部材の動作状態が通常の状態ではなく、及び/又は所定の状態ではない場合、電池又は部材に異常が発生したと理解することができ、さらに、例えば電池又は部材のパラメータが正常範囲になく、及び/又は所定の範囲にない場合、電池又は部材に異常が発生したと理解することができる。例として、電池10の動作状態が正常状態と異なる場合、電池10に異常が発生したと理解することができ、電池10が正常状態にある場合、該電池10の各動作パラメータは所定の正常なパラメータ範囲内にある。電池10が異常状態にある場合、該電池10の少なくとも1つの動作パラメータは所定の正常なパラメータ範囲外にあり、該少なくとも1つの異常な動作パラメータに基づいて、電池10に異常が発生したと判断することができる。一例として、該電池10が熱暴走状態にあり、又は間もなく熱暴走状態が発生しようとする臨界状態にある場合、該電池10の温度、電気パラメータ、応力などのうちの少なくとも1つの動作パラメータは正常なパラメータ範囲を超えており、この場合、電池10は異常状態にあると判断することができる。
【0096】
なお、電池10が正常な動作状態にある場合、電圧発生モジュール310が安全部材320と電池10との間に電圧差を確立することは、電池10に影響を与えることはなく、電池10に異常が発生した場合、電圧発生モジュール310が安全部材320と電池10との間に電圧差を確立することは、安全部材320を駆動し、又は該電圧差は安全部材320を作動させ、それにより安全部材320は電池10に対する安全制御を実行し、電池10における安全上のリスクを解消又は予防する。
【0097】
以上のように、本願実施例の技術的解決手段により、安全制御機構は安全部材320を含む以外に、さらに電圧発生モジュール310を含み、それは安全部材320と電池10との間に電圧差を能動的に確立することに用いられ、該能動的に確立される電圧差は実際の必要に応じて生成することができ、且つ安全部材320に電池10に対する安全制御をリアルタイムに実行させ、それにより電池10における安全上のリスクを解消又は予防して、電池10に対してリアルタイムで且つ効果的な安全制御を実行し電池10の安全性能を向上させる。
【0098】
図4は本願の一実施例に係る安全制御機構300の別の概略構造ブロック図である。
【0099】
図4に示すように、本願実施例において、安全部材320に安全物質が収容され、上記電圧発生モジュール310が安全部材320と電池10との間に確立する電圧差は安全部材320と電池10との間にアークを形成して安全部材320を突き破ることに用いられ、それにより安全部材320は安全物質を放出して安全制御を実行する。
【0100】
具体的に、該安全部材320が収容する安全物質は、電池10に対する安全制御を実現するための物質であってもよい。一例として、該安全物質は流体であってもよく、一定の流動性を有し、電池10において発生する熱を伝達及び交換して、電池10に対する安全制御を実現するものあってもよい。該安全物質は液体流体又は気体流体であってもよく、例えば該流体は水、水とグリコールの混合液又は空気などであってもよいが、これらに限定されない。又は、別の例として、該安全物質は化学反応又はその他の方式により電池10に対する安全制御を実現してもよく、本願実施例はこれについて具体的に限定しない。
【0101】
選択的に、安全物質を収容する安全部材320は管状容器、板状容器又はその他の任意の形状の容器であってもよい。該安全部材320はいくつかの関連する実施例においては、少なくとも1つの電池セル20に対して熱管理を実行することに用いられる危険解消管路、冷却板などの部材と称されてもよい。又は、別の実施例において、該安全部材320は電池10に対する安全制御を実行するための専用の部材であってもよい。
【0102】
電池10に異常が発生した場合、電圧発生モジュール310が安全部材320と電池10との間に確立する電圧差は、両者の間にアーク現象を発生させてアークを形成することに用いられる。具体的に、電圧発生モジュール310が安全部材320と電池10との間に電圧差を確立した後、該電圧差は安全部材320と電池10との間に一定の電流を形成するために用いることができ、該電流は安全部材320と電池10との間の特定の絶縁媒体(例えば空気など)を突き破り瞬間的に火花を発生させアークを形成することができる。該アークは大きなエネルギーを担持し、安全部材320の容器壁を突き破ることができ、該容器壁が突き破られると、その中の安全物質が放出されて該安全物質が電池10に対して安全制御を実行する。
【0103】
本願実施例の技術的解決手段により、安全部材320内に安全物質が収容され、電池10に異常が発生した場合、電圧発生モジュール310が安全部材320と電池10との間に能動的に確立する電圧差は、安全部材320と電池10との間に能動的にアークを形成することができる。該大きなエネルギーを有するアークにより、効果的且つ迅速に安全部材320を突き破り破壊することができ、それにより安全部材320内に収容された安全物質を放出して電池10に対する安全制御作用を果たし、電池10の安全性能をさらに向上させる。
【0104】
図5は本願の一実施例に係る安全制御機構300の別の概略構造ブロック図である。
【0105】
図5に示すように、本願実施例において、電池10は第1電池セル210を含み、電圧発生モジュール310は安全部材320と電池10との間に電圧差Uを確立することに用いられ、第1電池セル210に異常が発生した場合、該電圧差Uは安全部材320に安全制御を実行させる。
【0106】
図5に示すように、電池10は少なくとも1つの電池セル20を含み、該少なくとも1つの電池セル20はバス部材201を介して互いに直列接続、並列接続又は直並列接続されて、外部に対して電気エネルギーを出力してもよい。第1電池セル210は少なくとも1つの電池セル20における任意の1つの電池セルであってもよい。該第1電池セル210に異常が発生した場合、例えば該第1電池セル210の動作パラメータが所定のパラメータ範囲を超える場合、電圧発生モジュール310は該第1電池セル210が位置する電池10と安全部材320との間に電圧差Uを確立し、安全部材320は電池10に対する安全制御を実行する。
【0107】
選択的に、本願実施例において、安全制御機構300は電池10の筐体100の内部に設置することができ、それにより該電池10における内部空間に対して安全制御を実行し、例えば、安全制御機構300は電池10における少なくとも一部の電池セル20及び/又は電池セル20間の空間に対して安全制御を実行することができ、該電池10の安全性能を保証する。
【0108】
本願実施例の技術的解決手段により、電圧発生モジュール310は電池10と安全部材320との間に電圧差を確立し、第1電池セル210に異常がある場合、該電圧差Uにより、安全部材320は電池10に対する安全制御を実行することができる。該技術的解決手段は電池10における第1電池セル210の異常に対応することができ、電池10に対する安全制御を実行して、電池10の安全性能を確実且つ意図的に保証することができる。
【0109】
図6は本願の一実施例に係る安全制御機構300の別の概略構造ブロック図である。
【0110】
図6に示すように、電圧発生モジュール310は安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立することに用いられ、上記電圧差Uは、安全部材320と第1電池セル210との間にアークを形成することで安全部材320を突き破ることに用いられ、それにより安全部材320は安全物質を放出して、第1電池セル210が位置する空間及び/又は第1電池セル210に近接する空間に対する安全制御を実行してもよい。
【0111】
図6に示すように、本願実施例において、上記安全部材320は安全物質(例えば流体)を収容することができ、第1電池セル210に異常が発生した場合、上記電圧差は第1電池セル210と安全部材320との間にアークを形成して該安全部材320を突き破ることに用いられ、それにより該安全部材320は安全物質を放出して電池10に対する安全制御を実行する。説明を容易にするために、以下では安全物質が流体であることを例として、その安全制御機能を説明する。
【0112】
該安全部材320はその内部に収容された流体を介して電池10における少なくとも1つの電池セル20に対する温度制御機能を実現し、内部の流体が温度の低い流体である場合、それは少なくとも1つの電池セル20を冷却し、電池セル20の温度が高すぎることによる安全上のリスクを防止することに用いられ、内部の流体が温度の高い流体である場合、それは電池セル20を昇温し、電池セル20が低温環境下で動作して、その電気的特性に影響を及ぼすことを防止することに用いられてもよい。
【0113】
第1電池セル210に異常が発生した場合、電圧発生モジュール310が安全部材320と第1電池セル210との間に確立する電圧差Uは、両者の間にアーク現象を発生させてアークを形成することに用いられる。具体的に、電圧発生モジュール310が安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立した後、該電圧差Uは安全部材320と第1電池セル210との間に一定の電流を形成するために用いることができ、該電流は安全部材320と第1電池セル210との間の特定の絶縁媒体(例えば空気など)を突き破る瞬間的な火花を発生させるアークを形成することができる。該アークは大きなエネルギーを担持し、安全部材320の容器壁を突き破ることができ、該容器壁が突き破られると、その中の流体が流出して電池10に対して温度などの関連状態の制御を実行する。
【0114】
本願実施例の技術的解決手段により、安全部材320に流体が収容され、安全部材320が破壊されない場合、該安全部材320自体は、流体を介して少なくとも1つの電池セル20に対して一定の温度制御作用を果たすことができる。これに基づいて、電圧発生モジュール310が安全部材320と第1電池セル210との間に能動的に確立する電圧差Uは、安全部材320と第1電池セル210との間に能動的にアークを形成することができる。該大きなエネルギーを有するアークにより、効果的且つ迅速に安全部材320を突き破り破壊することができ、それにより安全部材320内に収容された流体を流出させて少なくとも1つの電池セル20に対する安全制御作用をさらに果たし、電池10の安全性能をさらに向上させる。
【0115】
本願実施例のいくつかの実施形態において、上記電圧差Uは、安全部材320と第1電池セル210との間にアークを形成することで安全部材320を突き破ることに用いられ、それにより該安全部材320内の流体が流出して、第1電池セル210が位置する空間及び/又は第1電池セル210に近接する空間に対する安全制御を実行する。
【0116】
該実施形態において、安全部材320と第1電池セル210との間に形成されるアークは、安全部材320における第1電池セル210に正対する領域を突き破り破壊してもよく、この時に、安全部材320から流出する流体は、第1電池セル210が位置する空間に対して良好な制御作用を果たす。
【0117】
例えば、第1電池セル210に熱暴走が発生しようとしているか又はすでに熱暴走が発生した場合、その内部温度は高く、この時に電圧発生モジュール310が該第1電池セル210と安全部材320との間に能動的に形成するアークは、安全部材320内の流体に第1電池セル210に対する正確且つ確実な冷却作用を果たさせ、該第1電池セル210で発生する熱が電池10における他の電池セルに広がり伝達することを防止して、電池10の安全性能を効果的に保証する。
【0118】
また、流体は第1電池セル210が位置する空間に対して安全制御作用を果たすと同時に、該流体は該第1電池セル210に近接する空間にも流動して、該第1電池セル210に近接する空間に対する安全制御を実行することができ、該第1電池セル210に近接する空間とは、第1電池セル210を中心とする予め設定された範囲の空間である。該第1電池セル210に近接する空間は、第1電池セル210に隣接する電池セル20が位置する空間及び隣接する電池セル20との間の空間を含み、該「第1電池セル210に隣接する」とは、第1電池セル210に直接隣接することのみを意味せず、第1電池セル210に間接的に隣接することを意味してもよい。
【0119】
具体的に、本願実施例において、安全部材320から流出する流体は、第1電池セル210が位置する空間に対して安全制御を実行する以外に、該流体は第1電池セル210に近接する電池セル20に対して安全制御を実行し及び/又は第1電池セル210と近接する電池セル20との間の空間に対して安全制御を実行することができる。
【0120】
又は、別の可能な代替の実施形態として、安全部材320と第1電池セル210との間に形成されるアークは、安全部材320における第1電池セル210に隣接する電池セル20に近い領域を突き破り破壊してもよい。この時に、安全部材320から流出する流体は、第1電池セル210に隣接する電池セル20に対して良好な安全制御作用を果たす。
【0121】
又は、さらに別の可能な代替の実施形態として、安全部材320と第1電池セル210との間に形成されるアークは、安全部材320における第1電池セル210に正対する領域、及び第1電池セル210に隣接する電池セル20に近い領域を同時に突き破り破壊してもよい。この時に、安全部材320から流出する流体は、第1電池セル210及び第1電池セル210に隣接する電池セルに対していずれも良好な安全制御作用を果たす。
【0122】
該実施形態の技術的解決手段により、電圧発生モジュール310が第1電池セル210と安全部材320との間に能動的に形成するアークは、安全部材320内の流体が第1電池セル210の位置する空間及び/又は第1電池セル210に近接する空間に対して正確且つ確実な制御作用を果たすようにさせて、該第1電池セル210の異常状態で発生する熱が電池10内の他の場所に広がり伝達されることを防止して、電池10の安全性能を効果的に保証する。
【0123】
本願実施例のいくつかの実施形態において、上記電圧差Uは、安全部材320と第1電池セル210との間にアークを形成することで安全部材320及び第1電池セル210のハウジングを突き破ることに用いられ、それにより該安全部材320内の流体が流出して、第1電池セル210の内部空間に対する制御を実行する。
【0124】
具体的に、該実施形態において、安全部材320と第1電池セル210との間に形成されるアークは、安全部材320の容器壁を突き破り破壊するだけでなく、第1電池セル210のハウジングも突き破り破壊することができる。例として、第1電池セル210に異常が発生し、且つ内部の温度が高くなると、アークは第1電池セル210のハウジングを破壊して、安全部材320内から流出する流体が第1電池セル210の内部に対して正確且つ効果的な冷却を行うことに役立ち、該第1電池セル210の異常状態で発生する熱が他の電池セルに広がることを防止して、電池10の安全性能をさらに向上させる。
【0125】
具体的に、本願実施例において、電圧発生モジュール310が安全部材320と第1電池セル210との間に確立する電圧差Uを調整することにより、安全部材320と第1電池セル210との間に形成されるアークのエネルギーを調整することができ、それにより該アークは安全部材320の容器壁のみを突き破り、又は安全部材320の容器壁と第1電池セル210のハウジングを同時に突き破る。
【0126】
上記電圧差Uは、安全部材320の壁厚、安全部材320と第1電池セル210との間の距離、安全部材320と第1電池セル210との間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連してもよい。
【0127】
いくつかの実施形態において、上記少なくとも1つのパラメータにより、アークを形成するために用いられる電圧差Uが決定されてもよい。
【0128】
一例として、上記電圧差Uと安全部材320の壁厚Tは、1≦U/T≦5000の関係を満たし、電圧差Uの単位はVであり、安全部材320の壁厚Tの単位はmmである。
【0129】
別の例として、上記電圧差Uと、安全部材320と第1電池セル210との間の距離dは、U/d≧2の関係を満たし、電圧差Uの単位はVであり、安全部材320と第1電池セル210との間の距離dの単位はmmである。
【0130】
第3の例として、上記電圧差と、安全部材320と第1電池セル210との間の対応する面積は、U/S≧0.00008の関係を満たし、電圧差Uの単位はVであり、安全部材320と第1電池セル210との間の対応する面積Sの単位はmmである。
【0131】
本願実施例の技術的解決手段により、安全部材320と第1電池セル210との間の電圧差Uを設計する場合、安全部材320、第1電池セル210及び両者が位置する環境における関連パラメータを総合的に考慮して、適切な電圧差を取得し、それにより安定しており且つ制御可能なアークを得ることができる。
【0132】
いくつかの実施形態において、上記電圧差Uの範囲は4V~1000Vの間であってもよい。さらに、上記電圧差Uの範囲は10V~500Vの間であってもよい。さらに、上記電圧差Uの範囲は20V~200Vの間であってもよい。さらに、上記電圧差Uの範囲は20V~100Vの間であってもよい。より好ましくは、上記電圧差Uの範囲は30V~60Vの間であってもよい。
【0133】
該実施形態の技術的解決手段により、電圧差Uを4V~1000V又はさらに正確な電圧差の範囲内に制御し、該電圧差Uは安全部材320と第1電池セル210との間にアークを形成することができ、該アークは安全部材320の容器壁を突き破り安全物質を放出させることができ、電池10の安全性能を総合的に保証する。
【0134】
具体的に、上記本願の実施例において、安全部材320と電池10との間の電圧差Uは、第1電池セル210の異常発生時に安全部材320を駆動し又は安全部材320を作動させる。該電圧差Uは、第1電池セル210の異常発生前に確立されてもよいが、該異常が発生していない第1電池セル210には影響を与えないようにしてもよく、又は、該電圧差Uは、第1電池セル210の異常発生時に同期して確立されてもよく、それにより第1電池セル210の正常動作時では、電圧差Uはそれに影響を与えないようにしてもよく、これにより電池10の動作性能を保証する。
【0135】
また、安全部材320は電池10における他の電池セル20との間に電圧差を確立しなくてもよく、又は、他の電池セル20が正常に動作している時、該安全部材320と他の電池セル20との間の電圧差は該他の電池セル20に対して影響を及ぼすことがなく、それにより電池10の正常な動作を保証する。
【0136】
上記図6に示す実施例において、第1電池セル210と安全部材320は互いに絶縁されているが、第1電池セル210に異常が発生した場合、第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁は失効し、該第1電池セル210と安全部材320との間の電圧差Uは安全部材320に安全制御を実行させてもよい。
【0137】
該状況において、図7は本願の一実施例に係る安全制御機構300の別の概略構造ブロック図である。
【0138】
図7に示すように、本願実施例において、電池10において、少なくとも1つの電池セル20における各電池セル20と安全部材320とはいずれも互いに絶縁されているが、第1電池セル210に異常が発生した場合、第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁は失効し、該第1電池セル210と安全部材320との間の電圧差Uは安全部材320に電池10に対する安全制御を実行させる。
【0139】
図7に示すように、安全部材320と少なくとも1つの電池セル20との間には絶縁設計を有してもよい。該絶縁設計は、該安全部材320と各電池セル20との間に絶縁等価抵抗Rを形成し、該絶縁等価抵抗Rは大きな抵抗値を有し、少なくとも1つの電池セル20が位置する電池10に人体が誤って接触しても、該絶縁等価抵抗Rは電池10が人体に損傷を与えることを防止することができ、人体の安全を保証する。該絶縁等価抵抗Rは関連する基準又は実際の要件に基づいて設計されてもよく、本願実施例は該絶縁等価抵抗Rの具体的な抵抗値について限定しない。
【0140】
少なくとも1つの電池セル20のうちの第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁設計が第1電池セル210又はその他の部材の影響を受けると、該第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁等価抵抗Rが大幅に低下し、この時に該第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁性能が低下し、又は、該第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁が失効する。
【0141】
図7に示すように、該第1電池セル210と安全部材320との間で絶縁失効の状況が生じると、該第1電池セル210と安全部材320との間の等価抵抗は絶縁等価抵抗Rから絶縁失効等価抵抗Rに低下する。
【0142】
電圧発生モジュール310が安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立した状況において、第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁性能が良好である場合、該第1電池セル210と安全部材320との間には大きな絶縁等価抵抗Rを有し、従って、該第1電池セル210と安全部材320との間の電流は非常に小さく、さらにはほぼゼロである。しかしながら第1電池セル210と安全部材320との間に絶縁失効の状況が生じると、該第1電池セル210と安全部材320との間の抵抗は大幅に低下して、絶縁失効等価抵抗Rを形成し、第1電池セル210と安全部材320との間には電圧差Uの作用下で一定の電流が形成され、それにより安全部材320を駆動し又は該安全部材320を作動させて、電池10に対する安全制御を実行する。
【0143】
本願実施例の技術的解決手段により、電池10において、第1電池セル210と安全部材320との間の相互絶縁は、安全部材320が第1電池セル210に与える影響が小さいことを保証し、且つ第1電池セル210の正常な動作状態における安全性能を保証する。これに基づき、第1電池セル210に異常が発生すると、安全部材320との間に絶縁失効が生じ、さらに安全部材320は、第1電池セル210が位置する電池10に対する安全制御を実行し、実現方式全体は高い対応性及び信頼性を有する。
【0144】
いくつかの実施形態において、第1電池セル210と安全部材320との間に絶縁層が設けられて、第1電池セル210と安全部材320との間の相互絶縁を実現してもよい。該実施形態において、第1電池セル210に異常が発生した場合、第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁層の状態が変化して、第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁を失効させる。
【0145】
選択的に、第1電池セル210に熱暴走が発生したか又は熱暴走が発生しようとしている場合、該第1電池セル210の温度は高い。該高温の影響を受けて、該第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁層は熱を受けて融解し、第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁等価抵抗Rは小さくなり、絶縁失効を形成する。
【0146】
絶縁層が第1電池セル210の異常状態に対応して、第1電池セル210の温度が高い時に熱を受けて融解することを保証するため、該絶縁層の融点は800℃未満であってもよい。
【0147】
又は、他の実施形態において、該第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁層は他の要因により制御され又は影響を受けて、その状態を変化させてもよい。例えば、第1電池セル210に異常が発生した場合、それと安全部材320との間の絶縁層には、外部作用を受けて破損又はその他の種類の物理的状態の変化が生じてもよく、それにより第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁等価抵抗Rは小さくなり、絶縁失効を形成する。
【0148】
従って、該実施形態の技術的解決手段において、第1電池セル210と安全部材320との間の絶縁層による絶縁設計は、電池10内で容易に実現され且つ絶縁性能を保証することができる。さらに、該絶縁層は第1電池セル210の熱暴走の発生などの異常状態に対応することができ、第1電池セル210と安全部材320との間に効果的な絶縁失効を形成し、安全部材320は第1電池セル210が位置する電池10に対する安全制御を実行して、第1電池セル210から発生する熱が電池10に及ぼす安全に対する影響を防止又は解消する。
【0149】
なお、上記図7に示す実施例において、安全部材320と少なくとも1つの電池セル20との間に絶縁等価抵抗Rが形成される以外に、他の数値の等価抵抗が形成されてもよく、該等価抵抗の抵抗値は絶縁抵抗値のレベルに達しない可能性があり、それは、他の抵抗値が大きい抵抗であってもよく、電圧発生モジュール310が、第1電池セル210に異常が発生する前に第1電池セル210と安全部材320との間に電圧差Uを確立した場合、該安全部材320と第1電池セル210との間の等価抵抗は、該電圧差Uが安全部材320及び第1電池セル210に及ぼす影響を小さくする。
【0150】
又は、上記図7に示す実施例において、安全部材320と少なくとも1つの電池セル20との間の等価抵抗は小さく、さらにはゼロに設計されてもよく、この場合、電圧発生モジュール310は、第1電池セル210に異常が発生した時に、第1電池セル210と安全部材320との間に電圧差Uを確立する。
【0151】
この場合、安全部材320が他の電池セル20に影響を及ぼすことを防止するために、該安全部材320は少なくとも1つの電池セル20のうちの第1電池セル210に対応して設置され、他の電池セル20に対応して設置されることなく、それにより電池10における他の正常な電池セル20の動作性能を保証する。
【0152】
又は、安全部材320と少なくとも1つの電池セル20との間の等価抵抗が、絶縁等価抵抗R又はその他の大きな抵抗値を有する抵抗である場合も、該安全部材320は第1電池セル210に対応して設置され、他の電池セル20に対応して設置されないようにしてもよい。
【0153】
上記各出願実施例に関し、いくつかの実施形態において、電圧発生モジュール310は安全部材320に直接接続されてもよく、それにより該安全部材320と電池10との間に電圧差が形成される。該実施形態において、電圧差は電池10に異常が発生する前に確立されてもよい。
【0154】
又は、別の実施形態において、電圧発生モジュール310は電池10の特徴信号を取得することに用いられ、該電池10の特徴信号は電池10に異常が発生したことを指示することに用いられ、電圧発生モジュール310は該電池10の特徴信号に基づいて、安全部材320と電池10との間に電圧差を確立することに用いられる。該実施形態において、電圧差は電池10に異常が発生した時に同期して確立されてもよい。
【0155】
具体的に、該実施形態の技術的解決手段において、電池10の特徴信号は、電池10の異常状態を反映する状態信号を含むことができる。例えば、該電池10の特徴信号は、電池10における少なくとも1つの電池セル20の特徴信号及び/又は電池10におけるその他の部材の特徴信号が含まれてもよい。該特徴信号は、電気パラメータ(例えば、電流又は電圧など)、温度、圧力、特徴ガス又は応力などが含まれてもよいがこれらに限定されない。電池10が異常状態にある時、該電池10の特徴信号の信号値は、電池10の正常時の信号値とは異なる。該電池10の特徴信号の信号値により、電池10が異常状態にあることを判定することができる。
【0156】
限定ではなく例として、該電池10の特徴信号は、電池10が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられる。具体的には、電池10における任意の1つの電池セル20に熱暴走が発生したか又は熱暴走が発生しようとしている時、該電池10の電気パラメータ、該電池10の内部の温度、圧力、特徴ガス及び該電池10の筐体上の局所応力などの特徴信号は、正常状態に比べていずれも変化する可能性があり、電圧発生モジュール310は電池10の特徴信号を取得することにより、該電池10の内部の電池セル20に熱暴走が発生したか又は熱暴走が発生しようとしていることを特定し、安全部材320と電池10との間に電圧差を確立し、安全部材320に電池10に対して安全制御を実行させる。
【0157】
本願実施例の技術的解決手段により、電圧発生モジュール310は、電池10に異常が発生したことを指示する特徴信号を取得し且つそれに基づいて、安全部材320と電池10との間に電圧差を確立し、それにより電圧発生モジュール310は、異常状態にある電池10に対するリアルタイム且つ確実な安全制御を実行する。
【0158】
上記電池10の特徴信号は、電池10における第1電池セル210の特徴信号が含まれてよく、該第1電池セル210の特徴信号は、該第1電池セル210が異常状態にあることを指示するために用いられる。
【0159】
該実施形態において、図8は本願の一実施例に係る安全制御機構300の別の概略構造ブロック図である。
【0160】
図8に示すように、電圧発生モジュール310は通信部材202を介して電池10における少なくとも1つの電池セル20と接続することにより、該少なくとも1つの電池セル20の信号を取得してもよい。該通信部材202は、信号収集ハーネス又は他の信号伝送に用いられる通信デバイスを含むがそれに限定されない。また、該電圧発生モジュール310は通信部材202を介して少なくとも1つの電池セル20に接続される以外に、該通信部材202を介して電池10におけるその他の部材に接続されて、その他の部材の信号を取得してもよい。
【0161】
具体的に、電圧発生モジュール310は電池10における第1電池セル210の特徴信号を取得し、且つ該第1電池セル210の特徴信号に基づいて、安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立することに用いることができる。第1電池セル210の特徴信号は、第1電池セル210に異常が発生したことを指示するために用いられる。
【0162】
該実施形態において、第1電池セル210の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの第1電池セル210のパラメータを含んでもよい。
【0163】
該第1電池セル210に異常が発生すると、該第1電池セル210は異常状態にあり、該異常状態は、正常な動作状態とは異なる他の状態であってもよく、例えば、該第1電池セル210の異常状態は、熱暴走状態及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態であってもよい。又は、第1電池セル210の異常状態は、熱暴走状態及び/又は熱暴走状態の臨界状態だけでなく、他の監視できる異常状態であってもよく、本願実施例は該異常状態のタイプについて具体的に限定しない。
【0164】
本願実施例の技術的解決手段により、電圧発生モジュール310は該第1電池セル210の特徴信号に基づいて、安全部材320と第1電池セル210との間に正確且つリアルタイムに電圧差を形成することができ、それにより安全部材320は第1電池セル210に対して正確な安全制御を迅速に実行することができる。
【0165】
さらに、第1電池セル210の特徴信号が、第1電池セル210が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられる場合、該安全制御機構300内の電圧発生モジュール310及び安全部材320は互いに協働して、リアルタイムに、さらには事前に、熱暴走状態及び/又は臨界状態にある第1電池セル210に対して危険解消を実行することができる。これにより、第1電池セル210の内部の熱が電池10内に拡散して他の電池セルの性能に影響を及ぼすことを防止して、該第1電池セル210が位置する電池10に対する安全制御を迅速に実行し、それにより電池10の安全性能を大幅に向上させることができる。
【0166】
電圧発生モジュール310は、電池10における第1電池セル210の特徴信号を取得する以外に、他の代替実施形態において、該電圧発生モジュール310は、電池10における第1電池セル210に隣接する電池セルの特徴信号を取得し、且つ第1電池セル210の特徴信号及び/又は該第1電池セル210に隣接する電池セルの特徴信号に基づいて、安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立してもよい。
【0167】
電圧発生モジュール310は電池10における第1電池セル210及び/又は該第1電池セル210に隣接する電池セルの特徴信号を取得した後、安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立することができる以外に、安全部材320と隣接する電池セル(第1電池セル210と隣接する)との間に電圧差を確立してもよい。
【0168】
図9は本願の一実施例に係る安全制御機構300の別の概略構造ブロック図である。
【0169】
図9に示すように、本願実施例において、電圧発生モジュール310は、制御サブモジュール311及び電圧サブモジュール312を含み、該制御サブモジュール311は電池10(図9に図示せず)の特徴信号を取得し、且つ電池10の特徴信号に基づいて、電圧サブモジュール312を制御して安全部材320と電池10との間に電圧差を確立することに用いられる。
【0170】
具体的に、本願実施例において、制御サブモジュール311は電池10の特徴信号に基づき電圧サブモジュール312に第1制御信号を送信することができ、該電圧サブモジュール312は該第1制御信号の制御下で、安全部材320と電池10との間に電圧差を確立することができる。また、制御サブモジュール311は電池10の他の信号に基づき電圧サブモジュール312に第2制御信号を送信することもでき、該電圧サブモジュール312は該第2制御信号の制御下で、安全部材320と電池10との間に確立された電圧差を取り消して、電池10の安全性能に対する安全部材320の影響を低減させ、電池10に対する安全制御機構300の安全制御性能をさらに向上させる。
【0171】
図9に示す実施例において、制御サブモジュール311は通信部材202を介して電池10における少なくとも1つの電池セル20と接続することにより、該少なくとも1つの電池セル20の信号を取得してもよい。少なくとも1つの電池セル20のうちの第1電池セル210に異常が発生すると、該制御サブモジュール311は、該第1電池セル210の特徴信号を取得し且つ該第1電池セル210の特徴信号に基づいて電圧サブモジュール312を制御し、安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立することに用いられる。
【0172】
いくつかの実施形態において、該制御サブモジュール311は電池10を管理するための電池管理系統(Battery Management System、BMS)であってもよく、又は、別の実施形態において、該制御サブモジュール311は他のタイプの制御デバイスであってもよく、本願実施例は該制御サブモジュール311の具体的な実現方式について限定しない。
【0173】
本願実施例の技術的解決手段により、電圧発生モジュール310内に制御サブモジュール311が設置され、該制御サブモジュール311は電圧サブモジュール312を柔軟に制御して安全部材320と電池10との間に電圧差を確立することができる。電圧発生モジュール310が安全部材320と電池10との間に電圧差を継続的に確立する技術的解決手段と比較して、該技術的解決手段は、安全部材320と電池10に継続的に存在する電圧差が電池10の安全性能に及ぼす影響を低下させることができ、電池10に対する安全制御機構300の安全管理性能をさらに向上させる。
【0174】
図10は本願の一実施例に係る安全制御機構300の別の概略構造ブロック図である。
【0175】
図10に示すように、本願実施例において、電圧発生モジュール310はさらに、電池10の特徴信号を監視し且つ電池10(図10に図示せず)の特徴信号を制御サブモジュール311に送信することに用いられる監視サブモジュール313を含む。該制御サブモジュール311は監視サブモジュール313が送信する電池10の特徴信号を受信し、且つ該特徴信号に基づいて、電圧サブモジュール312を制御して安全部材320と電池10との間に電圧差を確立することに用いられる。
【0176】
具体的に、本願実施例は独立した監視サブモジュール313を提供し、電池10の動作状態をリアルタイムに監視することに用いられ、例えば、該監視サブモジュール313は電池10における各電池セル20の信号をリアルタイムに監視し及び/又は電池10におけるその他の部材の信号を監視することに用いられる。該監視サブモジュール313は電池監視回路(Cell Supervision Circuit、CSC)又は電池10の動作状態を監視するための他のモジュールを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0177】
図10に示す実施例において、監視サブモジュール313は電池10における少なくとも1つの電池セル20をリアルタイムに監視するために用いられ、少なくとも1つの電池セル20のうちの第1電池セル210に異常が発生すると、該監視サブモジュール313は、該第1電池セル210の特徴信号を制御サブモジュール311に送信し、該制御サブモジュール311は該第1電池セル210の特徴信号に基づき電圧サブモジュール312を制御して、安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立することに用いられてもよい。
【0178】
該監視サブモジュール313の数は1つ又は複数であってもよく、監視サブモジュール313の数が複数である場合、電池10の筐体内に分散して設置されてもよく、それにより該複数の監視サブモジュール313を介して、電池10内部の少なくとも1つの電池セル20及びその他の部材の特徴信号を全面的に監視しやすくなる。
【0179】
本願実施例の技術的解決手段により、安全制御機構300内に独立した監視サブモジュール313が設置され、電池10の特徴信号の能動的且つリアルタイムな監視に用いることができ、それにより安全制御機構300は電池10に対してよりリアルタイムで且つ効果的な安全管理を行い、電池10の安全性能をさらに向上させる。
【0180】
図11は本願の一実施例に係る安全制御機構300の別の概略構造ブロック図である。
【0181】
図11に示すように、本願実施例において、電圧サブモジュール312(図示せず)は、電圧発生器3121及びオンオフ構造3122を含み、電圧発生器3121はオンオフ構造3122を介して安全部材320に接続される。制御サブモジュール311は、電池10(図示せず)の特徴信号に基づいてオンオフ構造3122の連通を制御することに用いられ、それにより電圧発生器3121は安全部材320と電池10との間に電圧差を確立する。
【0182】
具体的に、本願実施例において、該電圧発生器3121は電源、電圧発生回路又は他の電気エネルギーを担持するモジュールであってもよく、安全部材320を帯電させて、それにより安全部材320と電池10との間に電圧差を確立することができる。該電圧発生器3121は電池10内部の電力供給装置、例えば電池10内部の電池セル20であってもよく、又は、該電圧発生器3121は電池10外部の電力供給装置であってもよく、本願実施例は該電圧発生器3121の具体的な位置について限定しない。
【0183】
オンオフ構造3122は電気スイッチを含むがこれに限定されず、電圧発生器3121は該電気スイッチを介して安全部材320に接続され、且つ該電気スイッチは制御サブモジュール311に制御されてオンオフすることができる。当然ながら、電気スイッチ以外に、該オンオフ構造3122は他のタイプの電気デバイス又は機械構造であってもよく、該オンオフ構造3122は、制御サブモジュール311の制御下で安全部材320と電圧発生器3121との間の連通及び遮断を実現できるものであればよく、本願実施例は該オンオフ構造3122の具体実現方式についても限定しない。
【0184】
図11に示すように、制御サブモジュール311は通信部材202を介して少なくとも1つの電池セル20に接続される以外に、通信部材202を介してオンオフ構造3122と接続を確立してもよく、該オンオフ構造3122は制御サブモジュール311の制御信号を受信して、安全部材320と電圧発生器3121との間の連通と遮断を実現することができる。
【0185】
具体的に、制御サブモジュール311は、少なくとも1つの電池セル20及び/又は電池10におけるその他の部材の特徴信号を取得することができ、且つ制御サブモジュール311は該特徴信号に基づき電池10が正常状態とは異なる異常状態にあることを判断することができ、この場合、制御サブモジュール311はオンオフ構造3122を制御して連通させ、それにより安全部材320と電圧発生器3121が連通し、電圧発生器3121は安全部材320と電池10との間に電圧差を確立する。
【0186】
図11に示す実施例において、少なくとも1つの電池セル20のうちの第1電池セル210に異常が発生すると、該制御サブモジュール311は、該第1電池セル210の特徴信号を取得し且つ該第1電池セル210の特徴信号に基づいてオンオフ構造3122の連通を制御し、それにより電圧発生器3121は安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立してもよい。
【0187】
なお、制御サブモジュール311は、図11に示すように、通信部材202を介して少なくとも1つの電池セル20に直接接続される以外に、監視サブモジュール313を介して少なくとも1つの電池セル20に接続されてもよく、該制御サブモジュール311は、監視サブモジュール313が送信する少なくとも1つの電池セル20の特徴信号を受信することに用いられる。
【0188】
本願実施例の技術的解決手段により、電圧サブモジュール312は電圧発生器3121及びオンオフ構造3122を含み、該オンオフ構造3122は制御サブモジュール311の制御下で安全部材320と電圧発生器3121との間の連通を実現することができ、解決手段の実現方式全体はシンプルで且つ信頼性が高く、安全制御機構300に余分のコストをもたらすこともない。
【0189】
図12は本願の一実施例に係る安全制御機構300の別の概略構造ブロック図である。
【0190】
図12に示すように、本願実施例において、上記電圧発生器3121は、電池10における第2電池セル220を含む。
【0191】
すなわち、本願実施例において、電池10における第2電池セル220を電圧発生器3121として兼用することができ、該第2電池セル220は電池10における第1電池セル210以外の他の任意の電池セルであってもよく、該第2電池セル220は外部に電気エネルギーを供給することができる。
【0192】
図12に示すように、本願実施例において、第2電池セル220と安全部材320との間にオンオフ構造3122が接続され、それにより第2電池セル220がオンオフ構造3122を介して安全部材320と第1電池セル210との間に電圧差Uを確立することを実現してもよい。
【0193】
本願実施例の技術的解決手段により、電池10における第2電池セル220を電圧発生器3121として兼用し、電池10が所在するシステムに電圧発生器を追加する必要がなく、電池10が所在するシステム内で安全制御機構300が占める空間を節約し、電池10が所在するシステム全体の体積及び生産に必要なコストの削減に有利である。
【0194】
上記図3図12を参照して本願実施例の安全制御機構300を説明した。以下に図13図15を参照して本願実施例の安全制御の方法を説明するが、詳細に説明しない部分は上記各実施例を参照することができる。
【0195】
図13は本願の一実施例に係る安全制御の方法400の概略フローチャートである。該安全制御の方法400は上記電池10などの電池に対する安全制御を実行するために用いることができる。
【0196】
図13に示すように、本願実施例において、該安全制御の方法400は以下のステップS410を含む。
【0197】
S410では、安全部材と電池との間に電圧差を確立し、電池に異常が発生した場合、電圧差は安全部材に安全制御を実行させる。
【0198】
具体的に、本願実施例において、上記ステップS410の実行主体は上記装置の実施例における電圧発生モジュール310であってもよく、且つ該ステップS410における安全部材は上記装置の実施例における安全部材320であってもよい。すなわち、本願実施例において、電圧発生モジュール310は安全部材320と電池10との間に電圧差を確立する。該電圧発生モジュール310、安全部材320及び電圧差の関連する技術的解決手段は、上記装置の実施例における関連する説明を参照することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
【0199】
いくつかの実施形態において、安全部材に安全物質が収容され、上記電圧差が安全部材に安全制御を実行させるステップは、電圧差は、安全部材と電池との間にアークを形成することで安全部材を突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して安全制御を実行するステップを含んでもよい。
【0200】
いくつかの実施形態において、電池は第1電池セルを含み、上記電池に異常が発生した場合、電圧差が安全部材に安全制御を実行させるステップは、第1電池セルに異常が発生した場合、電圧差が安全部材に安全制御を実行させるステップを含んでもよい。
【0201】
図14は本願の一実施例に係る別の安全制御の方法500の概略フローチャートである。
【0202】
図14に示すように、本願実施例において、該安全制御の方法500は以下のステップS510を含む。
【0203】
S510では、安全部材と少なくとも1つの電池セルのうちの第1電池セルとの間に電圧差を確立し、第1電池セルに異常が発生した場合、電圧差は、安全部材と第1電池セルとの間にアークを形成することで安全部材を突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して、第1電池セルが位置する空間及び/又は第1電池セルに近接する空間に対する安全制御を実行する。
【0204】
いくつかの可能な実施形態において、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間にアークを形成することで安全部材及び第1電池セルのハウジングを突き破ることに用いられ、それにより安全部材は安全物質を放出して第1電池セルの内部空間に対する安全制御を実行する。
【0205】
いくつかの可能な実施形態において、上記電圧差は、安全部材の壁厚、安全部材と第1電池セルとの間の距離、安全部材と第1電池セルとの間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連する。
【0206】
いくつかの可能な実施形態において、上記電圧差と安全部材の壁厚は、1≦U/T≦5000の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Tは安全部材の壁厚で、単位はmmであり、及び/又は、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間の距離に対して、U/d≧2の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、dは安全部材と第1電池セルとの間の距離で、単位はmmであり、及び/又は、電圧差は安全部材と第1電池セルとの間の対応する面積に対して、U/S≧0.00008の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Sは安全部材と第1電池セルとの間の対応する面積で、単位はmmである。
【0207】
いくつかの可能な実施形態において、上記電圧差の範囲は4V~1000Vの間である。
【0208】
いくつかの可能な実施形態において、第1電池セルと安全部材は互いに絶縁され、第1電池セルに異常が発生した場合、第1電池セルと安全部材との間の絶縁が失効し、第1電池セルと安全部材との間の電圧差は安全部材に安全制御を実行させる。
【0209】
いくつかの可能な実施形態において、第1電池セルに異常が発生した場合、第1電池セルと安全部材との間の絶縁層が熱を受けて融解し、第1電池セルと安全部材との間の絶縁を失効させる。
【0210】
いくつかの可能な実施形態において、安全部材は少なくとも1つの電池セルのうちの第1電池セルに対応して設置される。
【0211】
図15は本願の一実施例に係る別の安全制御の方法600の概略フローチャートである。該安全制御の方法600は、少なくとも1つの電池セル20を含む電池10の安全制御を実行するために用いることができる。
【0212】
図15に示すように、本願実施例において、該安全制御の方法600は以下のステップS610~S620を含む。
【0213】
S610では、電池の特徴信号を取得し、電池の特徴信号は電池に異常が発生したことを指示することに用いられる。
【0214】
S620では、電池の特徴信号に基づいて、安全部材と電池との間に電圧差を確立し、電池に異常が発生した場合、該電圧差は安全部材に安全制御を実行させる。
【0215】
いくつかの可能な実施形態において、上記安全制御の方法600は上記装置の実施例における電圧発生モジュール310に応用され、該電圧発生モジュール310は、制御サブモジュール311及び電圧サブモジュール312を含む。
【0216】
この場合、上記ステップS610は、制御サブモジュール311が電池の特徴信号を取得するステップを含むことができる。上記ステップS620は、制御サブモジュール311が電池の特徴信号に基づいて、電圧サブモジュール312を制御して安全部材と電池との間に電圧差を確立するステップを含むことができる。
【0217】
いくつかの可能な実施形態において、電圧発生モジュール310は、監視サブモジュール313を含み、この場合、上記安全制御の方法600は、監視サブモジュール313が電池の特徴信号を監視し、且つ電池の特徴信号を制御サブモジュール311に送信するステップをさらに含む。
【0218】
いくつかの可能な実施形態において、上記電圧サブモジュール312は、電圧発生器3121及びオンオフ構造3122を含み、電圧発生器3121はオンオフ構造3122を介して安全部材に接続される。この場合、上記ステップS620は、制御サブモジュール311が電池の特徴信号に基づいてオンオフ構造3122の連通を制御し、それにより電圧発生器3121は安全部材と電池との間に電圧差を確立するステップを含む。
【0219】
いくつかの可能な実施形態において、上記電圧発生器3121は、少なくとも1つの電池セルのうちの第2電池セルを含む。
【0220】
いくつかの可能な実施形態において、上記電池の特徴信号は、電池が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられる。
【0221】
いくつかの可能な実施形態において、上記電池の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの信号を含む。
【0222】
いくつかの可能な実施形態において、上記電池の特徴信号は、電池における第1電池セルの特徴信号を含む。この場合、上記ステップS610は、第1電池セルの特徴信号を取得するステップを含むことができる。上記ステップS620は、第1電池セルの特徴信号に基づいて、安全部材と第1電池セルとの間に電圧差を確立するステップを含むことができる。
【0223】
図16は本願の実施例に係る電池システム101の概略構造ブロック図である。
【0224】
図16に示すように、該電池システム101は、上記出願実施例における電池10及び安全制御機構300を含むことができ、該安全制御機構300は電池10に対する安全制御を実行することに用いられる。
【0225】
本願の一実施例はさらに電力消費装置を提供し、該電力消費装置は上記実施例における電池システム101を含むことができ、該電池システム101は電力消費装置に電気エネルギーを供給するために用いられる。
【0226】
いくつかの実施例において、電力消費装置は車両1、船舶又は宇宙機であってもよい。
【0227】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲を逸脱することなく、種々の改良を行い、その構成要素を等価物に置換することができる。特に、各実施例で言及した各技術的特徴は、構造的な矛盾がない限り、いずれも任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含む。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池に対して安全制御を実行することに用いられ、電圧発生モジュール及び安全部材を含み、
前記電圧発生モジュールは前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することに用いられ、前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差は前記安全部材に安全制御を実行させることを特徴とする、安全制御機構。
【請求項2】
前記安全部材に安全物質が収容され、
前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の安全制御機構。
【請求項3】
前記電池は第1電池セルを含み、
前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることを含むことを特徴とする、請求項2に記載の安全制御機構。
【請求項4】
前記電圧発生モジュールが前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することに用いられることは、
前記電圧発生モジュールが前記安全部材と前記第1電池セルとの間に電圧差を確立することに用いられることを含み、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して、前記第1電池セルが位置する空間及び/又は前記第1電池セルに近接する空間に対する安全制御を実行することを含むことを特徴とする、請求項3に記載の安全制御機構。
【請求項5】
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して前記第1電池セルが位置する空間に対する安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記アークを形成することで前記安全部材及び前記第1電池セルのハウジングを突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して前記第1電池セルの内部空間に対する安全制御を実行することを含むことを特徴とする、請求項4に記載の安全制御機構。
【請求項6】
前記電圧差は、
前記安全部材の壁厚、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連することを特徴とする、請求項4に記載の安全制御機構。
【請求項7】
前記電圧差と前記安全部材の壁厚は、1≦U/T≦5000の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Tは前記安全部材の壁厚で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離に対して、U/d≧2の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、dは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積に対して、U/S≧0.00008の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Sは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積で、単位はmmであることを特徴とする、請求項6に記載の安全制御機構。
【請求項8】
前記電圧差の範囲は4V~1000Vの間であることを特徴とする、請求項1に記載の安全制御機構。
【請求項9】
前記第1電池セルと前記安全部材は互いに絶縁され、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁が失効し、前記第1電池セルと前記安全部材との間の前記電圧差は前記安全部材に安全制御を実行させることを含むことを特徴とする、請求項3に記載の安全制御機構。
【請求項10】
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁層の状態が変化して、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁を失効させることを特徴とする、請求項9に記載の安全制御機構。
【請求項11】
前記安全部材は前記第1電池セルに対応して設置されることを特徴とする、請求項3に記載の安全制御機構。
【請求項12】
前記電圧発生モジュールが前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することに用いられることは、
前記電圧発生モジュールが前記電池の特徴信号を取得し、前記電池の特徴信号は前記電池に異常が発生したことを指示することに用いられ、
前記電圧発生モジュールが前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立することに用いられることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の安全制御機構。
【請求項13】
前記電圧発生モジュールは、制御サブモジュール及び電圧サブモジュールを含み、
前記制御サブモジュールは前記電池の特徴信号を取得し、且つ前記電池の特徴信号に基づいて、前記電圧サブモジュールを制御して前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立することに用いられることを特徴とする、請求項12に記載の安全制御機構。
【請求項14】
前記電圧発生モジュールは、監視サブモジュールをさらに含み、
前記監視サブモジュールが前記電池の特徴信号を監視し、且つ前記電池の特徴信号を前記制御サブモジュールに送信することに用いられることを特徴とする、請求項13に記載の安全制御機構。
【請求項15】
前記電圧サブモジュールは、電圧発生器及びオンオフ構造を含み、前記電圧発生器は前記オンオフ構造を介して前記安全部材に接続され、
前記制御サブモジュールは、前記電池の特徴信号に基づいて前記オンオフ構造の連通を制御し、それにより前記電圧発生器は前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立することに用いられることを特徴とする、請求項13に記載の安全制御機構。
【請求項16】
前記電圧発生器は、前記電池における第2電池セルを含むことを特徴とする、請求項15に記載の安全制御機構。
【請求項17】
前記電池の特徴信号は、前記電池が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられることを特徴とする、請求項12に記載の安全制御機構。
【請求項18】
前記電池の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの信号を含むことを特徴とする、請求項12に記載の安全制御機構。
【請求項19】
前記電池の特徴信号は、前記電池における第1電池セルの特徴信号を含み、
前記電圧発生モジュールは、前記第1電池セルの特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記電圧差を確立することに用いられることを特徴とする、請求項12に記載の安全制御機構。
【請求項20】
電池に対する安全制御を実行することに用いられる安全制御の方法であって、
安全部材と前記電池との間に電圧差を確立し、前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップを含む安全制御の方法。
【請求項21】
前記安全部材に安全物質が収容され、
前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップは、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項20に記載の安全制御の方法。
【請求項22】
前記電池は第1電池セルを含み、
前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップを含むことを特徴とする、請求項21に記載の安全制御の方法。
【請求項23】
前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することは、
前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記電圧差を確立することを含み、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して、前記第1電池セルが位置する空間及び/又は前記第1電池セルに近接する空間に対する安全制御を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項22に記載の安全制御の方法。
【請求項24】
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材が前記安全物質を放出して前記第1電池セルが位置する空間に対する安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材及び前記第1電池セルのハウジングを突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材が前記安全物質を放出して前記第1電池セルの内部空間に対する安全制御を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項23に記載の安全制御の方法。
【請求項25】
前記電圧差は、
前記安全部材の壁厚、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連することを特徴とする、請求項23に記載の安全制御の方法。
【請求項26】
前記電圧差と前記安全部材の壁厚は、1≦U/T≦5000の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Tは前記安全部材の壁厚で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離に対して、U/d≧2の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、dは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積に対して、U/S≧0.00008の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Sは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積で、単位はmmであることを特徴とする、請求項25に記載の安全制御の方法。
【請求項27】
前記電圧差の範囲は4V~1000Vの間であることを特徴とする、請求項20に記載の安全制御の方法。
【請求項28】
前記第1電池セルと前記安全部材は互いに絶縁され、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁が失効し、前記第1電池セルと前記安全部材との間の前記電圧差は前記安全部材に安全制御を実行させるステップを含むことを特徴とする、請求項22に記載の安全制御の方法。
【請求項29】
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁層の状態が変化して、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁を失効させることを特徴とする、請求項28に記載の安全制御の方法。
【請求項30】
前記安全部材は前記第1電池セルに対応して設置されることを特徴とする、請求項22に記載の安全制御の方法。
【請求項31】
前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することは、
前記電池の特徴信号を取得し、前記電池の特徴信号は前記電池に異常が発生したことを指示することに用いられるステップと、
前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップと、を含むことを特徴とする、請求項20に記載の安全制御の方法。
【請求項32】
電圧発生モジュールに応用され、前記電圧発生モジュールは、制御サブモジュール及び電圧サブモジュールを含み、
前記電池の特徴信号を取得するステップは、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号を取得するステップを含み、
前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップは、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号に基づいて、前記電圧サブモジュールを制御して前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項31に記載の安全制御の方法。
【請求項33】
前記電圧発生モジュールは、監視サブモジュールをさらに含み、前記安全制御の方法は、
前記監視サブモジュールが前記電池の特徴信号を監視し、且つ前記電池の特徴信号を前記制御サブモジュールに送信するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項32に記載の安全制御の方法。
【請求項34】
前記電圧サブモジュールは、電圧発生器及びオンオフ構造を含み、前記電圧発生器は前記オンオフ構造を介して前記安全部材に接続され、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号に基づいて、前記電圧サブモジュールを制御して前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップは、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号に基づいて前記オンオフ構造の連通を制御し、それにより前記電圧発生器は前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項32に記載の安全制御の方法。
【請求項35】
前記電圧発生器は、前記電池における第2電池セルを含むことを特徴とする、請求項34に記載の安全制御の方法。
【請求項36】
前記電池の特徴信号は、前記電池が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられることを特徴とする、請求項31に記載の安全制御の方法。
【請求項37】
前記電池の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの信号を含むことを特徴とする、請求項31に記載の安全制御の方法。
【請求項38】
前記電池の特徴信号は、前記電池における第1電池セルの特徴信号を含み、
前記電池の特徴信号を取得する前記ステップは、
前記第1電池セルの特徴信号を取得するステップを含み、
前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立する前記ステップは、
前記第1電池セルの特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記電圧差を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項31に記載の安全制御の方法。
【請求項39】
電池、及び、前記電池に対する安全制御を実行することに用いられる請求項1~19のいずれか一項に記載の安全制御機構を含むことを特徴とする、電池システム。
【請求項40】
電力消費装置であって、前記電力消費装置へ電気エネルギーを供給するために用いられる請求項39に記載の電池システムを含むことを特徴とする、電力消費装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池に対して安全制御を実行することに用いられ、電圧発生モジュール及び安全部材を含み、
前記電圧発生モジュールは前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することに用いられ、前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差は前記安全部材に安全制御を実行させることを特徴とする、安全制御機構。
【請求項2】
前記安全部材に安全物質が収容され、
前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の安全制御機構。
【請求項3】
前記電池は第1電池セルを含み、
前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることを含むことを特徴とする、請求項2に記載の安全制御機構。
【請求項4】
前記電圧発生モジュールが前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することに用いられることは、
前記電圧発生モジュールが前記安全部材と前記第1電池セルとの間に電圧差を確立することに用いられることを含み、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して、前記第1電池セルが位置する空間及び/又は前記第1電池セルに近接する空間に対する安全制御を実行することを含むことを特徴とする、請求項3に記載の安全制御機構。
【請求項5】
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して前記第1電池セルが位置する空間に対する安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記アークを形成することで前記安全部材及び前記第1電池セルのハウジングを突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して前記第1電池セルの内部空間に対する安全制御を実行することを含むことを特徴とする、請求項4に記載の安全制御機構。
【請求項6】
前記電圧差は、
前記安全部材の壁厚、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連することを特徴とする、請求項4に記載の安全制御機構。
【請求項7】
前記電圧差と前記安全部材の壁厚は、1≦U/T≦5000の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Tは前記安全部材の壁厚で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離に対して、U/d≧2の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、dは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積に対して、U/S≧0.00008の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Sは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積で、単位はmmであることを特徴とする、請求項6に記載の安全制御機構。
【請求項8】
前記電圧差の範囲は4V~1000Vの間であることを特徴とする、請求項1に記載の安全制御機構。
【請求項9】
前記第1電池セルと前記安全部材は互いに絶縁され、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁が失効し、前記第1電池セルと前記安全部材との間の前記電圧差は前記安全部材に安全制御を実行させることを含むことを特徴とする、請求項3に記載の安全制御機構。
【請求項10】
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁層の状態が変化して、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁を失効させることを特徴とする、請求項9に記載の安全制御機構。
【請求項11】
前記安全部材は前記第1電池セルに対応して設置されることを特徴とする、請求項3に記載の安全制御機構。
【請求項12】
前記電圧発生モジュールが前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することに用いられることは、
前記電圧発生モジュールが前記電池の特徴信号を取得し、前記電池の特徴信号は前記電池に異常が発生したことを指示することに用いられ、
前記電圧発生モジュールが前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立することに用いられることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の安全制御機構。
【請求項13】
前記電圧発生モジュールは、制御サブモジュール及び電圧サブモジュールを含み、
前記制御サブモジュールは前記電池の特徴信号を取得し、且つ前記電池の特徴信号に基づいて、前記電圧サブモジュールを制御して前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立することに用いられることを特徴とする、請求項12に記載の安全制御機構。
【請求項14】
前記電圧発生モジュールは、監視サブモジュールをさらに含み、
前記監視サブモジュールが前記電池の特徴信号を監視し、且つ前記電池の特徴信号を前記制御サブモジュールに送信することに用いられることを特徴とする、請求項13に記載の安全制御機構。
【請求項15】
前記電圧サブモジュールは、電圧発生器及びオンオフ構造を含み、前記電圧発生器は前記オンオフ構造を介して前記安全部材に接続され、
前記制御サブモジュールは、前記電池の特徴信号に基づいて前記オンオフ構造の連通を制御し、それにより前記電圧発生器は前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立することに用いられることを特徴とする、請求項13に記載の安全制御機構。
【請求項16】
前記電圧発生器は、前記電池における第2電池セルを含むことを特徴とする、請求項15に記載の安全制御機構。
【請求項17】
前記電池の特徴信号は、前記電池が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられることを特徴とする、請求項12に記載の安全制御機構。
【請求項18】
前記電池の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの信号を含むことを特徴とする、請求項12に記載の安全制御機構。
【請求項19】
前記電池の特徴信号は、前記電池における第1電池セルの特徴信号を含み、
前記電圧発生モジュールは、前記第1電池セルの特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記電圧差を確立することに用いられることを特徴とする、請求項12に記載の安全制御機構。
【請求項20】
電池に対する安全制御を実行することに用いられる安全制御の方法であって、
安全部材と前記電池との間に電圧差を確立し、前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップを含む安全制御の方法。
【請求項21】
前記安全部材に安全物質が収容され、
前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップは、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項20に記載の安全制御の方法。
【請求項22】
前記電池は第1電池セルを含み、
前記電池に異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させるステップを含むことを特徴とする、請求項21に記載の安全制御の方法。
【請求項23】
前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することは、
前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記電圧差を確立することを含み、
前記電圧差が前記安全部材と前記電池との間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材は前記安全物質を放出して、前記第1電池セルが位置する空間及び/又は前記第1電池セルに近接する空間に対する安全制御を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項22に記載の安全制御の方法。
【請求項24】
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材を突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材が前記安全物質を放出して前記第1電池セルが位置する空間に対する安全制御を実行することは、
前記電圧差が前記安全部材と前記第1電池セルとの間にアークを形成することで前記安全部材及び前記第1電池セルのハウジングを突き破ることに用いられ、それにより前記安全部材が前記安全物質を放出して前記第1電池セルの内部空間に対する安全制御を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項23に記載の安全制御の方法。
【請求項25】
前記電圧差は、
前記安全部材の壁厚、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離、前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積のうち少なくとも1つのパラメータと関連することを特徴とする、請求項23に記載の安全制御の方法。
【請求項26】
前記電圧差と前記安全部材の壁厚は、1≦U/T≦5000の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Tは前記安全部材の壁厚で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離に対して、U/d≧2の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、dは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の距離で、単位はmmであり、及び/又は、
前記電圧差は前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積に対して、U/S≧0.00008の関係を満たし、Uは電圧差で、単位はVであり、Sは前記安全部材と前記第1電池セルとの間の対応する面積で、単位はmmであることを特徴とする、請求項25に記載の安全制御の方法。
【請求項27】
前記電圧差の範囲は4V~1000Vの間であることを特徴とする、請求項20に記載の安全制御の方法。
【請求項28】
前記第1電池セルと前記安全部材は互いに絶縁され、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記電圧差が前記安全部材に安全制御を実行させることは、
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁が失効し、前記第1電池セルと前記安全部材との間の前記電圧差は前記安全部材に安全制御を実行させるステップを含むことを特徴とする、請求項22に記載の安全制御の方法。
【請求項29】
前記第1電池セルに異常が発生した場合、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁層の状態が変化して、前記第1電池セルと前記安全部材との間の絶縁を失効させることを特徴とする、請求項28に記載の安全制御の方法。
【請求項30】
前記安全部材は前記第1電池セルに対応して設置されることを特徴とする、請求項22に記載の安全制御の方法。
【請求項31】
前記安全部材と前記電池との間に電圧差を確立することは、
前記電池の特徴信号を取得し、前記電池の特徴信号は前記電池に異常が発生したことを指示することに用いられるステップと、
前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップと、を含むことを特徴とする、請求項20~30のいずれか一項に記載の安全制御の方法。
【請求項32】
電圧発生モジュールに応用され、前記電圧発生モジュールは、制御サブモジュール及び電圧サブモジュールを含み、
前記電池の特徴信号を取得するステップは、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号を取得するステップを含み、
前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップは、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号に基づいて、前記電圧サブモジュールを制御して前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項31に記載の安全制御の方法。
【請求項33】
前記電圧発生モジュールは、監視サブモジュールをさらに含み、前記安全制御の方法は、
前記監視サブモジュールが前記電池の特徴信号を監視し、且つ前記電池の特徴信号を前記制御サブモジュールに送信するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項32に記載の安全制御の方法。
【請求項34】
前記電圧サブモジュールは、電圧発生器及びオンオフ構造を含み、前記電圧発生器は前記オンオフ構造を介して前記安全部材に接続され、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号に基づいて、前記電圧サブモジュールを制御して前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップは、
前記制御サブモジュールが前記電池の特徴信号に基づいて前記オンオフ構造の連通を制御し、それにより前記電圧発生器は前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項32に記載の安全制御の方法。
【請求項35】
前記電圧発生器は、前記電池における第2電池セルを含むことを特徴とする、請求項34に記載の安全制御の方法。
【請求項36】
前記電池の特徴信号は、前記電池が熱暴走状態にあること及び/又は熱暴走状態の前の所定時間内の臨界状態にあることを指示するために用いられることを特徴とする、請求項31に記載の安全制御の方法。
【請求項37】
前記電池の特徴信号は、電気パラメータ、温度、圧力、特徴ガス又は応力のうちの少なくとも1つの信号を含むことを特徴とする、請求項31に記載の安全制御の方法。
【請求項38】
前記電池の特徴信号は、前記電池における第1電池セルの特徴信号を含み、
前記電池の特徴信号を取得する前記ステップは、
前記第1電池セルの特徴信号を取得するステップを含み、
前記電池の特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記電池との間に前記電圧差を確立する前記ステップは、
前記第1電池セルの特徴信号に基づいて、前記安全部材と前記第1電池セルとの間に前記電圧差を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項31に記載の安全制御の方法。
【請求項39】
電池、及び、前記電池に対する安全制御を実行することに用いられる請求項1~19のいずれか一項に記載の安全制御機構を含むことを特徴とする、電池システム。
【請求項40】
電力消費装置であって、前記電力消費装置へ電気エネルギーを供給するために用いられる請求項39に記載の電池システムを含むことを特徴とする、電力消費装置。
【国際調査報告】