(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】皮膚表面のプラズマ治療用のプラズマ治療デバイス
(51)【国際特許分類】
A61N 1/44 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61N1/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524433
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2022080529
(87)【国際公開番号】W WO2023078913
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】102021128469.4
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512158435
【氏名又は名称】シノギー・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】CINOGY GmbH
【住所又は居所原語表記】Max-Naeder-Str. 15, 37115 Duderstadt, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘルモルト、ヤン-ヘンドリク
(72)【発明者】
【氏名】レトケ、ロニー
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053MM02
4C053MM05
4C053MM08
(57)【要約】
本発明は、誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイスに関し、-グリップを有するハウジングと、-ハウジング上に配置された治療ヘッドと、-治療ヘッド上に設けられた電極装置であって、少なくとも1つの電極と、治療される皮膚表面に対して電極を完全に覆う誘電体とが設けられた電極装置と、ここで、誘電体は、治療面を有し、誘電体バリアプラズマを生成するために、少なくとも1つの電極が対電極としての治療されるべき皮膚表面と係合するように、少なくとも1つの電極を有して構成され、-誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するためにハウジング中に配置された高電圧段と、ここにおいて、高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置によって電極装置の少なくとも1つの電極と電気接触しているか、又は電気接触させることができ、を備える、プラズマ治療デバイスにおいて、電極装置は、移動することができるようにハウジング(11)中に配置され、少なくとも1つのモータ(30)と1つの駆動列(31)とを有する駆動装置が、ハウジング(11)中に設けられ、駆動列は、モータ駆動の動きのために電極装置と動作可能に接続され、その一方で、電極(19)は、電極(19)と対電極として機能する皮膚表面との間に誘電体バリアプラズマを生成することを目的として接続装置(35)を介して高電圧段(15)と電気接触するか、又は電気接触させることができることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイス(10)であって、
-グリップを有するハウジング(11)と、
-前記ハウジング(11)上に配置された治療ヘッド(12)と、
-前記治療ヘッド(12)上に設けられた電極装置であって、少なくとも1つの電極(19)と、治療される前記皮膚表面に対して前記電極を完全に覆う誘電体(18)とが設けられた電極装置と、ここで、前記誘電体は、治療面(18a)を有し、前記誘電体バリアプラズマを生成するために、前記少なくとも1つの電極(19)が対電極としての治療されるべき前記皮膚表面と係合するように、前記少なくとも1つの電極(19)を有して構成され、
-前記誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するために前記ハウジング(11)中に配置された高電圧段(15)と、ここにおいて、前記高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置(35)によって前記電極装置の前記少なくとも1つの電極(19)と電気接触しているか、又は電気接触させることができ、
を備える、プラズマ治療デバイス(10)において、
前記電極装置は、移動することができるように前記ハウジング(11)中に配置され、少なくとも1つのモータ(30)と1つの駆動列(31)とを有する駆動装置が、前記ハウジング(11)中に設けられ、前記駆動列は、モータ駆動の動きのために前記電極装置と動作可能に接続され、その一方で、前記電極(19)は、前記電極(19)と前記対電極として機能する前記皮膚表面との間に前記誘電体バリアプラズマを生成することを目的として前記接続装置(35)を介して前記高電圧段(15)と電気接触するか、又は電気接触させることができることを特徴とする、プラズマ治療デバイス(10)。
【請求項2】
前記電極装置は、前記ハウジング(11)上に取り外し可能に配置されるか、又は挿入可能であり、前記接続装置(35)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に移動可能に据え付けられたときに前記少なくとも1つの電極(19)を前記高電圧段(15)に接続することを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項3】
前記電極装置は、スナップオン接続によって前記ハウジング(11)上に取り外し可能に配置されるか、又は挿入可能であることを特徴とする、請求項2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項4】
前記プラズマ治療デバイス(10)は、前記ハウジング(11)中の前記電極装置の前記挿入位置を検出するように設計された少なくとも1つの位置センサ(22)を有し、前記高電圧段(15)は、前記挿入位置が前記少なくとも1つの位置センサ(22)によって検出されない限りオフに切り替えられることを特徴とする、請求項2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電極(19)は、前記治療面(18a)とは反対の前記電極装置の後側に電気接続ボルト(20)を有する前記誘電体(18)から引き出されており、前記電気接続ボルト(20)は、前記電極(19)とは反対の端部断面上に接触面(25)を有し、前記接触面(25)は、前記ハウジング(11)中に設けられた対接点と係合し、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に移動可能に据え付けられたときに電気接触のために前記高電圧段(15)に電気接続されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項6】
電気接続ボルト(20)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に移動可能に据え付けられたときに前記電気接続ボルト(20)の長手方向軸を中心として機能する前記駆動列(31)の少なくとも一部との形状嵌め及び/又は圧入嵌めを形成することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項7】
前記治療ヘッド(12)中の前記電極装置は平坦なキャリア(17)を備え、前記平坦なキャリアに対して前記誘電体(18)が誘電体支持体(17a)に固定され、前記平坦なキャリアから電気接続ボルト(20)が前記誘電体(18)とは反対の前記平坦なキャリア(17)の後側に引き出されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項8】
前記治療ヘッド(12)の平坦なキャリア(17)は、後側で電気接続ボルト(20)の周りに凹部(39)を備え、前記凹部(39)により、前記平坦なキャリア(17)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記駆動列(31)の少なくとも一部にトルクに耐えられる仕方で接続されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項9】
電気接続ボルト(20)は、電気絶縁カバー(21)によって少なくとも部分的に取り囲まれていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項10】
前記電極装置の前記誘電体(18)は、ゲル状物質、特にポリウレタンゲルから少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項11】
前記誘電体(18)の前記治療面(18a)は、ガス空間(42)を形成するために隆起部と隆起部間の窪みとを有するスペーサ(41)を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項12】
電気エネルギーを前記高電圧段(15)に供給するように構成された電気エネルギー貯蔵部が、前記ハウジング中に設けられていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項13】
前記高電圧段(15)は、外部エネルギー源(32)に接続されるか、又は接続することができることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項14】
前記電極装置は、回転する仕方で、回転振動する仕方で、並進運動を可能にする仕方で、及び/又は振動運動を可能にする仕方で前記ハウジング中に据え付けられていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイスに関し、ここで、皮膚表面は、対電極として機能する。
【背景技術】
【0002】
プラズマは、例えば、アクセスするのが困難な皮膚表面のエリア上でさえも確実な消毒を可能にし、また、ケア又は治癒物質の吸収のために皮膚表面を整え、例えば、組織中の微小循環を増大させることによって、一般に創傷治癒に対してプラスの効果を有することができるので、皮膚及び創傷表面を誘電体バリアプラズマを用いて有利に治療することができることが、しばらくの間知られている。
【0003】
特に、治療されるべき表面に属する体を対電極(いわゆる「浮遊電極」)として使用することによって、プラズマの安全且つ効果的な形成が可能であることが見出された。これは、治療デバイスが高電圧を伝える少なくとも1つの電極を有することのみを必要とし、それ自体の対電極を必要としないことを意味する。
【0004】
DE 10 2009 060 627 B4は、平坦な可撓性の電極及び可撓性の平坦な誘電体から成る電極装置について開示しており、電極装置において、誘電体は、平坦な電極を全ての側で取り囲み、電極の1つの接続のみが、高電圧生成器に接続するために絶縁された仕方で誘電体から引き出されている。誘電体は、治療されるべき表面、例えば、人間又は動物の体の皮膚表面と接触することを意図され、接触側に突起構造を有し、突起構造は、誘電体バリアプラズマを形成することができるガス空間が突起間に形成されるので、スペーサとして機能する。
【0005】
治療デバイスが、DE 10 2012 015 482 A1に記載の類似の装置を装備され、電極を埋め込む誘電体が、治療デバイスのハウジングの前壁を形成する。可撓的に埋め込まれた平坦な電極を有する可撓性の誘電体から成る可撓性の電極装置は、電極装置の後ろに配置された弾性圧力手段によって治療されるべき表面に対して押圧され、それは、治療されるべき表面、特に皮膚表面の輪郭に対する電極装置の適合性を改善する。
【0006】
DE 10 2013 019 058 A1及び更に発展したDE 10 2016 100 466 A1は、治療されるべき表面が対電極として機能し、電極を埋め込む誘電体がハウジングから突出するボールから形成される、誘電体バリアプラズマ治療用の治療デバイスについて開示している。ボールは、ハウジング中に回転可能に据え付けられ、電極は、全ての可能な回転位置で誘電体によって覆われる。これは、治療されるべき表面を横切る治療デバイスの柔軟で自由な移動を可能にする。
【0007】
DE 10 2018 126 489 A1は、複数の剛毛を有する治療ヘッドとしてブラシヘッドを備える、誘電体バリアプラズマ治療用の治療デバイスについて説明している。剛毛間に形成されたガス空間は、電極装置によって誘電体バリアプラズマを形成するために使用される。
【0008】
WO 2017/162505 A1から、第1の電極と、誘電体によって第1の電極から絶縁された第2の電極とによってプラズマが生成される、皮膚用の治療デバイスが知られており、ここにおいて、プラズマ治療は、例えば、皮膚のひだにおける、アクセスするのが困難な皮膚のエリアがプラズマ治療のために露出されることになるという点で、機械的マニピュレータによってサポートされることになる。これの欠点は、表面プラズマを生成するために治療デバイス中に2つの電極が必要とされることであり、このことは、デバイスの複雑性が増大し、その一方で、プラズマ治療の有効性が減少することを意味する。
【0009】
DE 10 2017 118 568 B3は、誘電体によって遮蔽された電極装置が位置する治療ヘッドを有するプラズマ治療デバイスについて開示しており、ここにおいて、治療ヘッドでは、電極装置は、治療ヘッドが体内に挿入されたときに体の内側の周囲組織の形状を取ることができるように、軟質弾性コアの周りに空間的に閉じられた可撓性シースを形成し、可撓性誘電体の薄層によってその外面を覆われる。
【0010】
DE 10 2015 111 401 B3は、誘電体バリアプラズマ治療用の治療デバイスについて説明しており、ここにおいて、電極及び誘電体を有する治療ヘッドは、治療剤用の貯蔵チャンバを備え、前記貯蔵チャンバの体積を、治療剤が誘電体中の通過開口部を通過して治療されるべき表面のエリア中に入るように低減することができる。
【0011】
DE 10 2019 109 940 A1は、電極装置と、接続導体を有する誘電体から成る接触取り付け部とを備える、誘電体バリアプラズマ治療用の治療デバイスについて説明している。接続導体は、次いで、接触要素によって交流高電圧源に接続することができ、接触要素の接触ピンは、接触取り付け部の誘電体中の凹部を通って接続導体に接触する。
【0012】
DE 10 2008 008 034 A1は、ポリウレタンゲル及びその製造方法について開示している。
【0013】
DE 10 2018 132 918 A1は、切断端にパッドとして適用されるべきライナーについて説明しており、ここで、誘電体バリアプラズマ放電用の電極装置が、ライナーに一体化される。
【0014】
特に美容及び医療目的のために、誘電体バリアプラズマを用いる治療はまた、顔などの皮膚の敏感なエリアに望ましい。しかしながら、特に美容分野では、可能な限り最良の結果を達成するために、プラズマ治療後に皮膚の敏感なエリアに機械的治療を受けさせることが必要であることが多い。これは、通常、追加のデバイスを必要とし、治療コストの増加をもたらす。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、従って、誘電体バリアプラズマ放電を用いた、特に敏感な皮膚表面の改善された治療が可能となるように、上述したタイプの治療デバイスを構成することを目的とする。
【0016】
本発明によると、この課題は、請求項1に記載のプラズマ治療デバイスによって解決される。本発明の有利な実施形態が、対応する下位請求項に見出されることになる。
【0017】
請求項1によると、前提部に記載のプラズマ治療デバイスは、誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するために提案され、ここで、皮膚表面は、対電極として機能する。前提部によると、プラズマ治療デバイスは、グリップを有するハウジングを備え、治療ヘッドが、ハウジング上に配置される。治療ヘッドは、少なくとも1つの電極と、治療されるべき皮膚表面に対して電極を完全に覆う誘電体とを備える電極装置を備え、誘電体は、好ましくは、治療ヘッドから治療されるべき表面に、治療面を含む表面セクションで突出する治療面を有する。更に、高電圧段が、誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するためにハウジング中に設けられ、高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置によって電極装置の少なくとも1つの電極と電気接触しているか、又は電気接触させることができる。ハウジング及びグリップは、特に、電気絶縁性であるように設計することができる。治療ヘッドは、ハウジング上にしっかりと又は取り外し可能に配置することができる。ここで、誘電体は、特に可撓性であるように設計され、好ましくは、軟質材料及び/又はゲル状材料から形成される。
【0018】
高電圧段は、高電圧段が誘電体バリアプラズマを生成するために必要な電気高電圧信号を生成し、それらを少なくとも1つの電極に放出するように制御デバイスによって制御される。高電圧段は、高電圧信号が個々のパルスの形態、パルス列の形態、及び/又は減衰振動の形態で個々のパルス信号として生成され、電極に放出されるように設計することができる。減衰振動を伴うパルス列の場合、開始波は、最高振幅を有する。高電圧段は、従って、高電圧生成器であり、高電圧生成器は、高電圧変圧器の仕方で入力電圧を高電圧に変換する。
【0019】
本発明によると、電極装置は、移動することができるようにハウジング中に配置され、少なくとも1つのモータと1つの駆動列とを有する駆動装置が、ハウジング中に設けられ、駆動列は、モータ駆動の動きのために電極装置と動作可能に接続され、その一方で、電極は、電極と対電極として機能する皮膚表面との間に誘電体バリアプラズマを生成することを目的として接続装置を介して高電圧段と電気接触することがここで提供される。特に、電極装置は、モータの動きが電極装置に伝達されるように、駆動列の一部に動作可能に接続される。
【0020】
プラズマ治療デバイスは、従って、誘電体バリアプラズマが生成されている間の電極装置の機械的な移動によって治療をサポートするために、電極と対電極として機能する皮膚表面との間の誘電体バリアプラズマの生成中に電極装置を移動させるように設計される。この目的のために、誘電体の治療面は、治療中に治療されるべき皮膚表面と接触させられ、そのため、誘電体バリアプラズマが、治療面と皮膚表面との間に形成され、同時に、プラズマ治療は、誘電体の治療面と皮膚表面との間の摩擦に起因する動きによってサポートされる。プラズマを生成するために必要とされる高電圧信号は、誘電体バリアプラズマを生成するために、電気接続装置の助けを借りて、ハウジングの固定システムから電極装置の移動システムに、高電圧段から安全に送られる。電極装置の移動は、例えば、振動の形態の回転運動、回転振動運動、及び/又は並進運動、並びにそれらの組み合わせであり得る。並進運動は、例えば、往復運動であり得、その往復運動では、回転振動運動と同様に、並進運動の運動方向が、周期的に変化する。特に、運動方向の変化は、反対の運動方向であり得る。
【0021】
電極装置の回転運動は、回転軸を中心とした電極装置の回転を意味すると理解され、ここにおいて、回転方向は変化しない。電極装置の回転振動運動は、回転方向が周期的に変化する電極装置の回転運動を意味すると理解される。好ましくは、各回転方向についての回転角度は、完全な円よりも小さく、好ましくは半円よりも小さく、特に好ましくは四分の一円よりも小さい。
【0022】
誘電体の治療面は、ほぼ平坦となるように設計されることを提供することができる。これは、特に、誘電体が球状ではないことを意味すると理解されるべきである。本発明の文脈では、治療面における誘電体の平坦な形態は、治療面の平面がほぼ平らであるか又は平坦であることを意味すると理解される。しかしながら、ほぼ平坦な治療面は、湾曲度(空間方向に見た円弧の長さに対する中心角の比)が50%未満である(所定の又は製造公差に起因する)依然として許容可能な湾曲であると理解される。しかしながら、誘電体はまた、半球状であり得る。
【0023】
電極装置は、形状嵌めによって駆動列の一部に動作可能に接続することができ、形状嵌めの助けを借りて、モータの動きが、電極ユニットに伝えられる。
【0024】
一実施形態によると、電極装置は、ハウジング上に取り外し可能に配置されるか、又は挿入可能であり、接続装置は、電極装置が挿入位置でハウジング上に移動可能に据え付けられたときに少なくとも1つの電極を高電圧段に接続することが提供される。この場合、電極装置を、取り外し位置から挿入位置に、及びその逆に至らせることができる。取り外し位置では、電極装置(又はことによると治療ヘッド全体)は、ハウジングから取り除かれるか、又は駆動列に動作可能に接続されず、それに対して、挿入位置では、駆動列は、ハウジング中に挿入され、電極装置を移動させることができるようにハウジング中の駆動装置の駆動列に動作可能に接続される。
【0025】
一実施形態によると、電極装置は、スナップオン接続によってハウジング上に取り外し可能に配置されるか、又は挿入可能であることが提供される。スナップオン接続の助けを借りて、電極は、電極装置が軸方向に移動することができないように、軸方向に(例えば、回転軸に)固定される。軸方向の固定は、プラズマ治療中の電極装置の所望の移動、例えば、電極装置の回転運動又は回転振動運動のための回転軸を中心とした移動を可能にする。スナップオン接続の取り外しは、対応する接続力に打ち勝つことによって、又はエジェクタ機構を作動させることによって達成することができる。
【0026】
例えば、そのようなスナップオン接続は、電極装置がハウジング中に適切に据え付けられたときに、電極装置の回転シャフト又は駆動シャフトに対して半径方向の凹部中にスナップオンセクションを介して係合する少なくとも1つのばね負荷式タペットをハウジング中に設けることによって達成することができる。少なくとも1つのばね負荷式タペットは、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられ、電極装置の回転シャフト又は駆動シャフト内の凹部中にそのスナップインセクションを介して係合すると、電極装置の回転シャフト又は駆動シャフトの方向(本質的にそれに対して垂直)にばね力を印加し、そのため、タペットを横断する(即ち、軸方向の)電極装置の望ましくない移動を防止する。この場合、電極装置の回転シャフト又は駆動シャフト中に設けられた凹部は、電極装置が回転軸を中心として依然として回転することができるように、円周状(準無限)であり得る。しかしながら、(特に回転方向に対して軸方向に)治療ヘッドの一時的な固定を保証する他のスナップイン接続が考えられる。例えば、回転シャフト又は駆動列から特定のボールセクションで突出し、回転シャフト又は駆動列に対して半径方向にばね負荷されるばね負荷式ボールが、回転シャフト又は駆動シャフト中に設けられることが考えられる。前記ばね負荷式ボールは、ここで、電極装置が挿入されるハウジングのガイドチャネル内の凹部中に係合することができ、このことから、電極装置を回転方向に対して軸方向に固定することができる。
【0027】
好ましい実施形態によると、プラズマ治療デバイスは、ハウジング中の電極装置の挿入位置を検出するように設計された少なくとも1つの測位センサ(測定センサ)を有し、高電圧段は、挿入位置が少なくとも1つの位置センサによって検出されない限りオフに切り替えられることが提供される。それ故に、ハウジング中の電極装置及びことによると治療ヘッドの挿入位置は、位置センサによって検出され、プラズマ治療デバイスは、挿入位置が少なくとも1つの位置センサによって検出されたときに、高電圧段を起動動作状態に切り替えるように更に構成される。高電圧段は、そうでない場合には、オフに切り替えられたままである。
【0028】
これは、電極装置及びことによると治療ヘッドが挿入位置でハウジング中に挿入されたときにのみ高電圧段を作動させることができることを保証し、それによって、ハウジング中に設けられた対接点からの意図しないスパークオーバを回避することができる。電極装置が適所にない状態で誤って動作させられた治療デバイスは、従って、対接点に対して作用するであろうプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成しないであろう。挿入位置が位置センサによって検出されたときにのみ、ハウジング中の対接点が電極と接触し、誘電体に起因してスパークが防止されることが保証される。
【0029】
そのような位置センサ又は測定センサは、例えば、位置スイッチの助けを借りて実現することができる。挿入位置では、位置スイッチは、高電圧段及び/又は制御デバイスとの電圧供給を確立するオン位置(NOスイッチ、「常時開」)に保持される。電極装置がハウジング中に据え付けられていない解放位置では、位置スイッチは、高電圧段及び/又は制御デバイスのための電圧供給が中断されないオフ位置にある。治療デバイスの偶発的な作動は、従って、高電圧信号の生成につながらない。
【0030】
代替として又は追加として、電極装置及びことによると治療ヘッドの挿入位置はまた、導通テスタの助けを借りて検出することができる。この目的のために、少なくとも2つの接続された導電性接点が、例えば、電極装置又は治療ヘッド上に設けられ、導電性接点は各々、挿入位置で導通テスタと電気接触する。2つの導電性接点間の可能な電流の流れに基づいて、前記導通テスタは、ここで、電極装置又は治療ヘッドが挿入位置に正しく据え付けられているかどうかを判断することができる。この場合も、導通試験が陰性である限り、治療デバイスの偶発的な作動は高電圧信号の生成につながらない。
【0031】
電極装置がハウジングに正しく接続されているかどうかを判断するための他の選択肢は、電極装置に接続されたRFIDチップの検出、誘導又は磁気測定センサの使用又は同様のものを含む。
【0032】
好ましい実施形態によると、少なくとも1つの電極は、治療面とは反対の電極装置の後側に電気接続ボルトを有する誘電体から引き出されており、電気接続ボルトは、電極とは反対の端部断面上に接触面を有し、接触面は、ハウジング中に設けられた対接点と係合し、電極装置が挿入位置でハウジング上に移動可能に据え付けられたときに電気接触のために高電圧段に電気接続されることが提供される。そのような接続ボルトは、移動を目的としてモータ装置の駆動列に動作可能に接続される回転シャフト又は駆動シャフトであり得る。言い換えれば、接続ボルトは、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられたときに、モータ駆動の動きを目的として駆動装置の駆動列に動作可能に接続される。結果として、接続ボルトは、接続ボルトと電気接触している電極に高電圧信号を供給して、誘電体バリアプラズマを生成するために接続装置の一部を形成するだけでなく、電極装置及びことによると治療ヘッドをモータの助けを借りて、例えば回転又は回転振動する仕方で移動させるために駆動列の一部も形成する。
【0033】
ハウジング中に設けられた対接点との電気接触に対する接触面は、接続ボルトの前側又は前面であり得る。ここで、前方接触面を押圧し、同時に回転運動又は回転振動運動を可能にするばね負荷式対接点が、ハウジング中に配置され得る。しかしながら、接触面はまた、接続ボルトの端部断面の周面又は側面であり得、この場合、対接点は、周面又は側面に対して押圧される。例えば、そのような対接点は、ばねクランプシューであり得る。
【0034】
一実施形態によると、接続ボルトは、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられたときに、特に回転又は回転振動する仕方で、接続ボルトの長手方向軸を中心として作用する駆動列の少なくとも一部と形状嵌め及び/又は圧入嵌めを形成することが提供される。
【0035】
形状嵌めは、接続ボルトが、ハウジング中の駆動列マウントの断面に対応する断面を有し、そのため、接続ボルトを、その特定の断面で駆動列マウント中に挿入することができ、両方が、このことから、駆動列の動きが接続ボルトに、このことから、電極装置に伝えられえる形状嵌めを形成することができるという点で容易に達成することができる。例えば、そのような断面は、六角形などの多角形(3つの角よりも大きい/3つの角に等しい)であり得る。
【0036】
一実施形態によると、電極装置は、平坦なキャリアを備え、平坦なキャリアに対して誘電体が誘電体支持体に固定され、平坦なキャリアから接続ボルトが誘電体とは反対の平坦なキャリアの後側に引き出されていることが提供される。誘電体は、平坦なキャリア上の誘電体支持体に(取り外し可能に又は恒久的に)固定される。この実施形態では、従って、治療ヘッドは、キャリアと、誘電体及び電極を有する電極装置と、電極を高電圧段と接続するための接続装置とから形成される。
【0037】
一実施形態によると、治療ヘッドの平坦なキャリアは、後側で接続ボルトの周りに凹部を備え、凹部により、平坦なキャリアは、電極装置が特に回転又は回転振動する仕方で挿入位置でハウジング上に据え付けられたときに駆動列の少なくとも一部にトルクに耐えられる仕方で接続されていることが提供される。
【0038】
この実施形態では、凹部は、キャリア中の凹部中に係合する駆動列の一部の断面に対応する断面を備えることができ、このことから、駆動列とキャリアとの間に形状嵌めを形成する。この場合、電気接触の機能は、特に回転運動又は回転振動運動を伝えるための機械的接続から切り離すことができる。
【0039】
一実施形態によると、接続ボルトは、電気絶縁カバーによって少なくとも部分的に取り囲まれることが提供される。
【0040】
電極(電気接続ボルト)の引き出し端部を有する絶縁カバーを、プラズマ治療デバイスのハウジング中のマウント中に挿入し、スナップオン接続によってハウジング中に取り外し可能に保持することができる。電極装置が挿入位置に至らせられるとすぐに、スナップイン接続は、特別に設けられた要素に係合し、このことから、電極装置、及び適用可能な場合には、治療ヘッドを挿入位置に確実に保持する。
【0041】
一実施形態によると、電気絶縁カバーは、電気接続ボルトの接触面を越えて突出し、そのため、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられたときに、絶縁カバーの内側の対接点との電気接触が行われることが提供される。
【0042】
対接点は、ハウジング中のばね接点であり得、ばね接点は、電極装置が挿入位置に挿入されると電気接続ボルトの接触面に接触し、確実な電気接触を保証するように、ある特定のばね力で前記接触面を押圧する。この場合、可能な限り高い動作安全性を保証し、スパークのリスクを防止するために、対接点が絶縁カバー内の高電圧接触(HV接触)用の接触面に接触することを提供することができる。
【0043】
しかしながら、電気接続ボルトの接触面が電気絶縁カバーを越えて突出し、そのため、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられたときに、対接点との電気接触がハウジング中のマウント中の絶縁カバーの外側で生じることも考えられる。これは、対接点が接続ボルトの端部断面の側面に作製されている場合に特に有利である。
【0044】
一実施形態によると、電極装置の誘電体は、ゲル状物質、特にポリウレタンベースから少なくとも部分的に形成されることが提供される。特に、電極装置の誘電体は、ヒドロゲルではないポリウレタンゲルから少なくとも部分的に形成されることを提供することができる。
【0045】
驚くべきことに、そのようなポリウレタンゲルは、誘電体として適しており、そのため、非常に軟質且つ可撓性の高い誘電体を、敏感な皮膚エリアを治療するのに特に適した誘電体バリアプラズマを生成するためのプラズマ治療デバイス上に設けることができる。ゲル状誘電体は、好ましくは、誘電体表面上に少なくとも軟質で耐引裂性のスキンを装備され、そのため、誘電体との接触を使用して、敏感な皮膚エリアを治療することができ、誘電体中に埋め込まれた電極に偶発的に触れるリスクがない。これは、誘電体を成形するためのキャスティングプロセス中に、ポリウレタンゲルのスキンを形成することによって、又は好ましくは、シリコーン若しくは好ましくはポリウレタン製であり得るフィルムをゲルに適用することによって作られる耐引裂性の誘電体表面が、電極から関係する人へのスパークのリスクをもたらすであろう誘電体の治療面の機械的破壊を防止し、同時に、敏感な皮膚エリアの快適で穏やかな治療をもたらすからである。軟質でしなやかなポリウレタンゲルは、少なくとも1つのポリオールの、少なくとも1つの適切なイソシアネートとの反応から作り出され、ゲルの固定化分散(液体)相は、少なくとも1つのポリオールによって形成され、ヒドロゲルの場合のように水によって形成されるのではない。むしろ、ポリウレタンゲルの水含有量は、製造後の湿気の吸収に起因して、5重量%未満、好ましくは3重量%未満である。ポリウレタンゲルを完全に封入することができるスキンは、1mm未満、好ましくは0.5mm未満、特に好ましくは0.2mm未満の厚さを有し、ゲルの有利な機械的特性(軟性、湾曲面への適合性、快適な接触感)が損なわれないほど可撓性である。
【0046】
従って、敏感な皮膚エリアを治療するときに誘電体バリアプラズマを生成するための既知のプラズマ治療デバイスの欠点を克服することが可能である。
【0047】
ヒドロゲルではないポリウレタンゲルを、誘電体バリアプラズマを生成するための電極装置の誘電体として形成することができ、この目的のために使用することができることが認識された。
【0048】
誘電体は、ポリウレタンゲルから完全に形成することができ、電気絶縁性となるように設計される。しかしながら、誘電体が少なくとも2つの層から成り、治療面を備える誘電体の第1の層のみがポリウレタンゲルから形成され、その一方で、誘電体の残りの層がシリコーンなどの別の可撓性材料製であることも考えられる。電極は、層間に完全に埋め込むことができるか、又は第1の層中にのみ埋め込むことができるか、若しくは好ましくは第2の層中に埋め込むことができる。
【0049】
ポリウレタンゲルは、例えば、ゾル-ゲルであり得る。そのようなゲル状材料は、ゾル-ゲルプロセスで作り出される。特に、ゲルは、可塑剤なしで作製及び形成することができ、弾性特性を有する固体の寸法安定性を有する。その電気的特性は、本発明に従って、誘電体バリアプラズマを生成するための誘電体としてそれが使用されることを可能にする。
【0050】
特に、ゲル状材料は、製造プロセス中に注入可能な材料であり得、誘電体は、ゲル状材料を注入することによって型中で製造される。適切なフィルムを型中に挿入してスキンを形成し、ゲル状材料が、次いで、ゲル状材料を型中に注入することによって前記フィルムに適用されることが考えられる。埋め込まれた電極は、電極が既に型内の所望の位置にあり、充填中に注入可能な材料によって取り囲まれるという点で、誘電体と共に製造することができる。しかしながら、誘電体が、個々に又は別個に作り出された2つ以上の層で構成され、少なくとも1つの電極が、従って、2つの層間に埋め込まれることも考えられる。しかしながら、誘電体は、単一部品として製造されるが、製造プロセス中に一緒にされ、境界層で材料結合を形成する異なる材料の複数の層から成ることも考えられる。
【0051】
少なくとも1つの電極は、好ましくは、誘電体材料(例えば、ゲル)によって完全に取り囲まれ、誘電体として前記材料中に埋め込まれる。
【0052】
しかしながら、誘電体はまた、シリコーンなどの従来の材料製であり得る。
【0053】
一実施形態によると、誘電体の治療面は、ガス空間を形成するために隆起部と隆起部間の窪みとを有するスペーサを有することが提供される。そのようなスペーサは、複数の突起の助けを借りて形成することができ、それらの突起間には、プラズマを生成するために必要とされるガス空間を形成する窪みがある。別の実施形態は、スペーサとして格子状の壁構造を提供し、壁は、好ましくは、薄く、壁が形成する空気空間の寸法と比較して小さい厚さである。
【0054】
好ましい実施形態によると、電気エネルギーを高電圧段に供給するように構成された電気エネルギー貯蔵部が、ハウジング中に設けられることが提供される。電気エネルギー貯蔵部は、バッテリであり得る。しかしながら、電気エネルギー貯蔵部はまた、再充電可能バッテリの形態で再充電可能であり得る。これは、プラズマ治療デバイスをある特定の時間期間にわたって外部エネルギー源なしに自律的に動作させることを可能にし、それによって、手動で動作させられる治療デバイス中のそのような移動式エネルギー貯蔵部の助けを借りて、対応する誘電体バリアプラズマ放電を、特に駆動される移動電極装置と共に、ある特定の時間期間にわたって動作させることができると判断された。
【0055】
代替として又は追加として、高電圧段が外部エネルギー源に接続されるか又は接続することができることを提供することができる。これは、外部エネルギー源によって治療デバイス中のエネルギー貯蔵部を充電することを可能にする。しかしながら、外部エネルギー源が高電圧段に電気エネルギーを直接供給するように構成され、そのため、移動式エネルギー貯蔵部がデバイス中に展開される必要がないことも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明の一実施形態によるプラズマ治療デバイスの断面図である。
【
図2】
図1からのプラズマ治療デバイスの治療ヘッドを通る断面図である。
【
図3】駆動装置の詳細図におけるプラズマ治療デバイスである。
【
図4】
図3からのプラズマ治療デバイスの分解図である。
【
図5】
図3及び4からの治療ヘッドの断面図である。
【
図6】導通テスタを有する一実施形態におけるプラズマ治療デバイスの断面図である。
【
図7】2つの代替の実施形態における
図6からのプラズマ治療デバイスの治療ヘッドを通る断面図である。
【
図8】
図7からの2つの代替の実施形態の電極装置を通る断面図である。
【
図9】更なる実施形態における治療ヘッドの図である。
【
図10】運動方向が周期的に変化する並進運動を伴う実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1では、上側の図a)は、横断面を示し、下側の図b)は、断面図としての上面図を示す。ハウジング11と治療ヘッド12とを有するプラズマ治療デバイス10を認識することができる。
図1からの実施形態の例では、ハウジング11は、上部ハウジング部11a及び下部ハウジング部11bを有し、治療ヘッド12は、下部ハウジング部11b中でハウジング11中に挿入されている。作動ボタン13もまた、治療デバイス10を作動及び/又は作動停止させるために下部ハウジング部11b中に配置される。
【0058】
制御デバイス14が、ハウジング11中に収容され、制御デバイス14は、高電圧段15に動作可能に接続される。点火コイル又は変圧器の形態の高電圧段15は、プラズマを生成するために高電圧信号を生成するように構成される。作動ボタン13を作動させることは、制御デバイス14が作動させ、制御デバイス14は、高電圧段15の助けを借りて、誘電体バリアプラズマを生成するための高電圧信号の生成をトリガする。更に、別の作動ボタンが設けられ得、別の作動ボタンを用いて、電極装置の移動をプラズマとは無関係に開始することができる。
【0059】
制御デバイス14は、再充電可能バッテリの形態の電気エネルギー源16に接続され、電気エネルギー源16は、制御デバイス14を動作させ、高電圧信号を生成するために必要とされる電気エネルギーを提供する。再充電可能バッテリは、再充電可能バッテリを充電するために、ハウジングの外側のインタフェースと共に引き出すことができる。しかしながら、再充電可能バッテリが誘導充電デバイスの助けを借りて誘導的に充電されることも考えられる。
【0060】
図1からの実施形態の例では、治療ヘッド12は、挿入位置にあり、平坦なキャリア17も備え、平坦なキャリア17の上に誘電体18が配置され、誘電体18は、平坦な電極19と共に電極装置を形成する。誘電体18は、例えば、接着によって、取り外し不可能な仕方でキャリア17の誘電体支持体17aに取り付けることができる。
【0061】
電極19は、誘電体18中に埋め込まれ、この電極は、接続ボルト20によって誘電体18から引き出され、支持体17を貫通して遠くハウジング11中に突出している。キャリア17の後部から離れて突出する延長部は、電気絶縁カバー21を形成し、電気絶縁カバー21は、特に取り外し可能な仕方で、ハウジング11に治療ヘッド12を締結するための接続装置35の一部である。
【0062】
電極装置の誘電体18は、電気絶縁性のゲル状ポリウレタンベースの材料製であり、治療面18aを有し、治療面18aは、治療されるべき皮膚表面上に配置される。治療面18aは、誘電体バリアプラズマの形成のためにガス空間が形成されるように、窪みを含む、好ましくは誘電体中に成形されたスペーサ(
図9)を有することができる。そのようなスペーサは、複数の突起又は薄い格子状の壁から形成することができる。
【0063】
接続装置35によって、治療ヘッド12の電極19は、電極装置がハウジング11中の挿入位置に据え付けられたときに高電圧段15と電気的に接触させられ、そのため、高電圧段15によって生成された高電圧信号を、誘電体バリアプラズマを生成するために電極19に伝えることができる。
【0064】
治療ヘッド12がハウジング11中に挿入されていないときに作動ボタン13を作動させるときの偶発的なスパークオーバのリスクを回避するために、位置センサ22a、22b(測定センサ)が設けられ、位置センサ22a、22bは、電線23を介して制御デバイス14に接続される。測位センサ22の助けを借りて治療ヘッド12の正しい挿入が検出された場合、それぞれの線23の回路が閉じられ、それに応じて制御デバイス14に電気エネルギーを供給させる。
【0065】
電極装置は、回転軸を中心として回転することができるように、ハウジング11中に回転可能に据え付けられている。回転軸は、接続ボルト20に対して軸方向又は同軸となるように設計される。更に、モータ30が、デバイス10中に設けられ、前記モータは、制御デバイス14に接続され、駆動列31を介して電極装置を回転又は回転振動する仕方で駆動する。モータ30及び駆動列31は、駆動装置を形成する。この目的のために、例えば、スプロケットを電気絶縁カバー21の円周上に設けることができ、スプロケットは、駆動列31の対応する歯車に係合し、このことから、電極装置及びことによると治療ヘッド12を回転又は回転振動する仕方で駆動する。
【0066】
スナップイン接続を詳細に示すために、
図2の左側は、電極装置が挿入位置にある状態の断面
図B-B(
図1を参照)であり、右側は、電極装置が解放された非挿入位置にある状態の断面図である。ハウジング11中に収容された接続装置35は、電極19の接続ボルト20の電気絶縁カバー21を形成するキャリア17の延長部を正確に挿入することができるガイドチャネル24を有する。電気絶縁カバー21は、接触面25が電気絶縁カバー21内にあるように、電極19とは反対の端部において接続ボルト20よりも長くなるように設計される。
【0067】
接続装置35はまた、ばね接点26を有し、ばね接点26は、治療ヘッド12がハウジング中の挿入位置に据え付けられたときに接続ボルト20の接触面25に接触するための対接点として機能する(左側の図)。逆に、非挿入位置では(右側の図)、ばね接点26と接触面25との間に電気接続はない。電気絶縁カバー21は、接続ボルト20の接触面25の端部を越えて突出しているので、ばね接点26との電気接触は、電気絶縁カバー21の内側で生じる。
【0068】
ばね接点26は、接触のために回路基板27上に配置することができ、回路基板27は、高電圧段15及び/又は制御デバイス14をばね接点26に電気接続するための電気接触手段を有する。
【0069】
接続装置35は、
図2の実施形態の例では、合計で2つのばね負荷式タペット28を有するスナップイン接続を有する。タペット28は、電気絶縁カバー21の方向に半径方向のばね力を印加することができるように据え付けられる。電気絶縁カバー21に面するタペット28の端部には、スナップインセクション29があり、スナップインセクション29は、治療ヘッド12が挿入されると、電気絶縁カバー21中の(スナップイン)窪みに係合するか又はスナップインし、それによって、治療ヘッド12を挿入位置に保持する。電気絶縁カバー21中の窪みは、電極装置が回転可能に据え付けられるように円周状に設計され、回転軸は、接続ボルト20内にある。ばね接点26は、電極装置及びことによると治療ヘッド12が回転軸を中心として回転する場合であっても、電極19の一定の接触を保証する。
【0070】
挿入位置では、タペット28は、リセットされ、それによって、それぞれの側の位置センサ22を作動させ、それによって、位置センサ22は、
図1からの回路を閉じ、このことから、デバイス中の電子機器を作動動作状態に設定する。
【0071】
図2の右側に示すように、電極装置が挿入位置からハウジングから治療ヘッド12と共に取り除かれる場合、タペット28は、ばね負荷式の据え付けによってガイドチャネル24中に端部停止部まで押し込まれ、この位置では、位置センサ22は、作動させられず、回路は、従って、開いており、それによって、デバイス中の電子機器は、作動停止動作状態に設定される。NCセンサ(NC=常時閉)に加えて、NOセンサ(NO=常時開)も、及び位置センサ22として押しボタンも使用することができることは、必然的に専門家の手の届く範囲内である。
【0072】
図3は、プラズマ治療デバイス10が外部エネルギー源32に接続され、そのため、再充電可能バッテリ又はハウジングの内側のバッテリが不要になる実施形態の例を示す。外部電気エネルギー源32は、ケーブルを介して取り付けられる。
【0073】
その上、駆動装置の更なる実施形態を、
図4(分解図)に関連して
図3に、及び5に詳細に図示しており、前記装置は、回転又は回転振動する仕方で治療ヘッド12を移動させる役割を果たす。ハウジング11中に収容されたモータ30は、特にモータ30によって開始された回転運動を駆動列31に伝え、次いで駆動列31に動作可能に接続された電極装置に伝えるために、駆動列31を介して電極装置に取り外し可能に接続される。
【0074】
駆動列31は、複数の歯車60から成ることができ、それによって、電極装置の回転速度についてのある特定の変換比が規定される。モータは、その回転軸と共に、ハウジング中で長手方向にあるので、回転角度は、まず第1の歯車装置37aによって全て変更され、回転運動は、その後、第2の歯車装置37bによって電極装置に伝えられる(
図4を参照)。
【0075】
図3~5の実施形態の例では、第2の歯車装置37bは、駆動シャフト38を備え、駆動シャフト38は、治療ヘッド12に向かって面するその端部に六角形の断面を備える。駆動シャフト38の断面は、治療ヘッド12が挿入位置でハウジング中に据え付けられたときに、治療ヘッド12のキャリア17中の凹部39中に形状嵌めされる(
図5を参照)。
【0076】
凹部39は、キャリア17中の治療ヘッド12の接続ボルト20の周りに設けられ、そのため、接続ボルト20は、治療ヘッド12の回転軸を形成する。挿入された状態では、駆動シャフト38は、従って、その嵌合端部で、治療ヘッド12のキャリア17中のこの凹部39内に係合し、このことから、回転形状嵌めを形成し、そのため、駆動シャフト38の回転運動が、治療ヘッド12に伝えられる。結果として、モータ30は、その回転運動を治療ヘッド12中の電極装置に伝えることができる。
【0077】
図3~5の実施形態の例では、駆動シャフト38は、中空になるように設計され、そのため、接続ボルト20は、その中に挿入され、駆動シャフト38の反対側の端部においてある特定の量だけ突出することができる(
図5を参照)。この場合、接続ボルト20は、電気絶縁カバーを備えて図示していないが、ある特定の状況下では、電気絶縁カバーを有し得る。治療ヘッド12の反対側の端部において駆動シャフト38から突出する接続ボルト20の端部は、治療ヘッド12が挿入された状態にあるときに、誘電体バリアプラズマを生成するために電極19を高電圧段15に接続するために、対接点としてクランプばね40に接触する。クランプばね40のクランプセクションは、接続ボルト20の側面を取り囲み、それによって、回転運動中であっても、高電圧段への電気接続を確立する。
【0078】
他の図に既に図示しているように、ここでは、プラズマ治療デバイスのハウジング中に電極装置を確実に保持するために、スナップイン接続を設けることもできる。形状嵌めの取り外し可能な接続(スナップイン接続)に加えて、電極装置を挿入位置に保持するための磁気接続及び/又は圧入嵌め接続も実現することができることが、本発明の思想によって完全に包含され、且つ任意の実施形態において考えられる。従って、磁気要素が、キャリア17中の凹部39中に、及び駆動シャフト38上に設けられることが考えられ、前記要素は、治療ヘッド12が挿入位置にあるときに磁気接続を作る。
【0079】
図6、7、及び8は、位置スイッチ22a、22bの代替として又はそれに加えて、導通テスタ33a、33bが(
図1及び2からの)位置センサ22として設けられた実施形態の例を図示し、それらは、電極装置が挿入位置に移動させられると導電性リング34に接触する。導通テスタ33a、33bは、次いで、それらが治療ヘッド12の導電性リング34と電気接触していることを検出することができ、それによって、挿入位置における電極装置又は治療ヘッド12の正しい嵌合が想定される。前記位置センサ22は、制御デバイス14を作動動作状態又は作動停止動作状態に設定するために、制御デバイス14の電線に接続することができる。
【0080】
図7及び8は、挿入位置における電極装置又は治療ヘッド12の正しい嵌合を保証するために、導通テスタなしでさえも使用することができる2つの実施形態を提供する。左側には、以前に説明したように、キャリア17と、キャリア17上に配置された誘電体18とを備える治療ヘッド12を図示している。
【0081】
図7及び8の右側の図は、キャリア17を必要としない誘電体18を示し、それにおいて、誘電体18は、幅が厚くなっている。誘電体18から突出する接続ボルト20は、別個の電気絶縁カバー21によって取り囲まれ、前記電気絶縁カバー21は、誘電体18中に突出する。
【0082】
導電性リング34は、キャリア17の後部(左側)又は誘電体18の後部(右側)に位置し、前記リングは、挿入位置でそれぞれの導通テスタ33a、33bと接触させられる。
【0083】
電気絶縁性のゲル状材料製の誘電体18は、単一部品として設計し、電極を一体的に埋め込むことができる。しかしながら、誘電体18が2つ以上の接続された層から形成され、(治療面を形成する)皮膚側の層が軟質且つ弾性であることも考えられる。
【0084】
図9は、誘電体の治療面18aがスペーサ41を備え、その間に1つ以上のガス空間42が形成され、その中に生成されたプラズマが広がることができる実施形態を図示する。
図9のスペーサは、誘電体18中に形成された突起であり、前記突起は、好ましくは、ゲル状材料から単一部品として形成されている。スペーサ41もまた、従って、ゲル状材料、好ましくは、誘電体18と同じ材料製である。
【0085】
図10は、電極又は治療ヘッドが、並進的な仕方で移動することができるようにハウジング11中に配置される実施形態を示す。この目的のために、プラズマ治療デバイスは、モータ(ここでは隠れているので図示せず)を有し、その駆動シャフト38は、端面に偏心ボルト38aを備え、偏心ボルト38aは、接続ボルト20と重なるスリーブ44の長穴43中に形状嵌めの仕方で係合する。スリーブ44は、実施形態の例ではキャリア17を介して誘電体18に接続され、ハウジング中で並進的な仕方で(接続ボルト20に対して軸方向に)移動することができ、そのため、スリーブ44の長穴43と相互作用する偏心ボルト38aに起因するモータの駆動シャフト38の回転は、モータの回転運動をスリーブ44の、このことから電極装置の並進的な往復運動(ストローク運動)に変換する。治療ヘッド12の左側の矢印によって示す並進運動は、モータの駆動シャフト38の回転運動と相関して、その並進運動方向を周期的に変化させ、それによって、並進運動はまた、モータの回転速度に依存する振動として知覚することができる。
【0086】
この場合、スリーブ44は、
図10の実施形態の例では、電極装置又は治療ヘッド12を内部に挿入することができるマウントを内側に形成するように設計される。ここで、以前に説明した接続手段、特にスナップイン接続などの取り外し可能な接続手段を利用して、プラズマ治療デバイス上への治療ヘッド又は電極装置の正確な挿入を可能にすることができる。しかしながら、電極装置(特に接続ボルトを有する誘電体)がスリーブ44にしっかりと接続され、取り外すことができないことも考えられる。
【0087】
スリーブ44に対して、治療ヘッド12又は電極装置は、このことから、スリーブ44の並進運動を電極装置に、及びことによると治療ヘッド12に伝えることができるように固定される。
【0088】
図10の実施形態の例では、接続ボルト20は、挿入位置でスリーブ44の内部空洞中に据え付けられ、接続ボルト20は、その上部エリア中で、高電圧段への電気接続を目的としてハウジング中に設けられた対接点40と接触させられる。接続ボルト20のエリアでは、キャリア17はまた、スリーブ44の内部空洞中にある特定のセクションで突出し、スリーブ44の内壁との形状嵌め及び/又は圧入嵌めを形成する。クランプばね40によって形成される対接点は、スリーブ44にしっかりと接続され得る。
【0089】
特に、周期的に変化する運動方向を有する並進運動は、接続ボルト20に対して軸方向である。
【0090】
[参照リスト]
10 プラズマ治療デバイス
11 ハウジング
11a 上部ハウジング部
11b 下部ハウジング部
12 治療ヘッド
13 作動ヘッド
14 制御デバイス
15 高電圧段
16 内部電気エネルギー源
17 キャリア
17a 誘電体支持体
18 誘電体
18a 治療面
19 電極
20 接続ボルト
21 電気絶縁カバー
22 位置センサ
22a 第1の位置スイッチ
22b 第2の位置スイッチ
23 線
24 ガイドチャネル
25 接触面
26 対接点としてのばね接点
27 回路基板
28 タペット
29 スナップインセクション
30 モータ
31 駆動列
32 外部エネルギー源
33 導通テスタ
34 導電性リング
35 接続装置
36 歯車
37a 第1の歯車装置
37b 第2の歯車装置
38 駆動シャフト
38a 駆動シャフトの偏心ボルト
39 凹部
40 対接点としてのクランプばね
41 スペーサ
42 ガス空間
43 長穴
44 スリーブ
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイス(10)であって、
-グリップを有するハウジング(11)と、
-前記ハウジング(11)上に配置された治療ヘッド(12)と、
-前記治療ヘッド(12)上に設けられた電極装置であって、少なくとも1つの電極(19)と、治療される前記皮膚表面に対して前記電極を完全に覆う誘電体(18)とが設けられた電極装置と、ここで、前記誘電体は、治療面(18a)を有し、前記誘電体バリアプラズマを生成するために、前記少なくとも1つの電極(19)が対電極としての治療されるべき前記皮膚表面と係合するように、前記少なくとも1つの電極(19)を有して構成され、
-前記誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するために前記ハウジング(11)中に配置された高電圧段(15)と、ここにおいて、前記高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置(35)によって前記電極装置の前記少なくとも1つの電極(19)と電気接触しているか、又は電気接触させることができ、
を備える、プラズマ治療デバイス(10)において、
前記電極装置は、移動することができるように前記ハウジング(11)中に配置され、少なくとも1つのモータ(30)と1つの駆動列(31)とを有する駆動装置が、前記ハウジング(11)中に設けられ、前記駆動列は、モータ駆動の動きのために前記電極装置と動作可能に接続され、その一方で、前記電極(19)は、前記電極(19)と前記対電極として機能する前記皮膚表面との間に前記誘電体バリアプラズマを生成することを目的として前記接続装置(35)を介して前記高電圧段(15)と電気接触するか、又は電気接触させることができることを特徴とする、プラズマ治療デバイス(10)。
【請求項2】
前記電極装置は、前記ハウジング(11)上に取り外し可能に配置されるか、又は挿入可能であり、前記接続装置(35)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に移動可能に据え付けられたときに前記少なくとも1つの電極(19)を前記高電圧段(15)に接続することを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項3】
前記電極装置は、スナップオン接続によって前記ハウジング(11)上に取り外し可能に配置されるか、又は挿入可能であることを特徴とする、請求項2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項4】
前記プラズマ治療デバイス(10)は、前記ハウジング(11)中の前記電極装置の前記挿入位置を検出するように設計された少なくとも1つの位置センサ(22)を有し、前記高電圧段(15)は、前記挿入位置が前記少なくとも1つの位置センサ(22)によって検出されない限りオフに切り替えられることを特徴とする、請求項2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電極(19)は、前記治療面(18a)とは反対の前記電極装置の後側に電気接続ボルト(20)を有する前記誘電体(18)から引き出されており、前記電気接続ボルト(20)は、前記電極(19)とは反対の端部断面上に接触面(25)を有し、前記接触面(25)は、前記ハウジング(11)中に設けられた対接点と係合し、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に移動可能に据え付けられたときに電気接触のために前記高電圧段(15)に電気接続されることを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項6】
電気接続ボルト(20)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に移動可能に据え付けられたときに前記電気接続ボルト(20)の長手方向軸を中心として機能する前記駆動列(31)の少なくとも一部との形状嵌め及び/又は圧入嵌めを形成することを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項7】
前記治療ヘッド(12)中の前記電極装置は平坦なキャリア(17)を備え、前記平坦なキャリアに対して前記誘電体(18)が誘電体支持体(17a)に固定され、前記平坦なキャリアから電気接続ボルト(20)が前記誘電体(18)とは反対の前記平坦なキャリア(17)の後側に引き出されていることを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項8】
前記治療ヘッド(12)の平坦なキャリア(17)は、後側で電気接続ボルト(20)の周りに凹部(39)を備え、前記凹部(39)により、前記平坦なキャリア(17)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記駆動列(31)の少なくとも一部にトルクに耐えられる仕方で接続されていることを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項9】
電気接続ボルト(20)は、電気絶縁カバー(21)によって少なくとも部分的に取り囲まれていることを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項10】
前記電極装置の前記誘電体(18)は、ゲル状物質、特にポリウレタンゲルから少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項11】
前記誘電体(18)の前記治療面(18a)は、ガス空間(42)を形成するために隆起部と隆起部間の窪みとを有するスペーサ(41)を有することを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項12】
電気エネルギーを前記高電圧段(15)に供給するように構成された電気エネルギー貯蔵部が、前記ハウジング中に設けられていることを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項13】
前記高電圧段(15)は、外部エネルギー源(32)に接続されるか、又は接続することができることを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項14】
前記電極装置は、回転する仕方で、回転振動する仕方で、並進運動を可能にする仕方で、及び/又は振動運動を可能にする仕方で前記ハウジング中に据え付けられていることを特徴とする、請求項
2又は3に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
[参照リスト]
10 プラズマ治療デバイス
11 ハウジング
11a 上部ハウジング部
11b 下部ハウジング部
12 治療ヘッド
13 作動ヘッド
14 制御デバイス
15 高電圧段
16 内部電気エネルギー源
17 キャリア
17a 誘電体支持体
18 誘電体
18a 治療面
19 電極
20 接続ボルト
21 電気絶縁カバー
22 位置センサ
22a 第1の位置スイッチ
22b 第2の位置スイッチ
23 線
24 ガイドチャネル
25 接触面
26 対接点としてのばね接点
27 回路基板
28 タペット
29 スナップインセクション
30 モータ
31 駆動列
32 外部エネルギー源
33 導通テスタ
34 導電性リング
35 接続装置
36 歯車
37a 第1の歯車装置
37b 第2の歯車装置
38 駆動シャフト
38a 駆動シャフトの偏心ボルト
39 凹部
40 対接点としてのクランプばね
41 スペーサ
42 ガス空間
43 長穴
44 スリーブ
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイス(10)であって、
-グリップを有するハウジング(11)と、
-前記ハウジング(11)上に配置された治療ヘッド(12)と、
-前記治療ヘッド(12)上に設けられた電極装置であって、少なくとも1つの電極(19)と、治療される前記皮膚表面に対して前記電極を完全に覆う誘電体(18)とが設けられた電極装置と、ここで、前記誘電体は、治療面(18a)を有し、前記誘電体バリアプラズマを生成するために、前記少なくとも1つの電極(19)が対電極としての治療されるべき前記皮膚表面と係合するように、前記少なくとも1つの電極(19)を有して構成され、
-前記誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するために前記ハウジング(11)中に配置された高電圧段(15)と、ここにおいて、前記高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置(35)によって前記電極装置の前記少なくとも1つの電極(19)と電気接触しているか、又は電気接触させることができ、
を備える、プラズマ治療デバイス(10)において、
前記電極装置は、移動することができるように前記ハウジング(11)中に配置され、少なくとも1つのモータ(30)と1つの駆動列(31)とを有する駆動装置が、前記ハウジング(11)中に設けられ、前記駆動列は、モータ駆動の動きのために前記電極装置と動作可能に接続され、その一方で、前記電極(19)は、前記電極(19)と前記対電極として機能する前記皮膚表面との間に前記誘電体バリアプラズマを生成することを目的として前記接続装置(35)を介して前記高電圧段(15)と電気接触するか、又は電気接触させることができることを特徴とする、プラズマ治療デバイス(10)。
[2] 前記電極装置は、前記ハウジング(11)上に取り外し可能に配置されるか、又は挿入可能であり、前記接続装置(35)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に移動可能に据え付けられたときに前記少なくとも1つの電極(19)を前記高電圧段(15)に接続することを特徴とする、[1]に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[3] 前記電極装置は、スナップオン接続によって前記ハウジング(11)上に取り外し可能に配置されるか、又は挿入可能であることを特徴とする、[2]に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[4] 前記プラズマ治療デバイス(10)は、前記ハウジング(11)中の前記電極装置の前記挿入位置を検出するように設計された少なくとも1つの位置センサ(22)を有し、前記高電圧段(15)は、前記挿入位置が前記少なくとも1つの位置センサ(22)によって検出されない限りオフに切り替えられることを特徴とする、[2]又は[3]に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[5] 前記少なくとも1つの電極(19)は、前記治療面(18a)とは反対の前記電極装置の後側に電気接続ボルト(20)を有する前記誘電体(18)から引き出されており、前記電気接続ボルト(20)は、前記電極(19)とは反対の端部断面上に接触面(25)を有し、前記接触面(25)は、前記ハウジング(11)中に設けられた対接点と係合し、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に移動可能に据え付けられたときに電気接触のために前記高電圧段(15)に電気接続されることを特徴とする、[1]~[4]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[6] 電気接続ボルト(20)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に移動可能に据え付けられたときに前記電気接続ボルト(20)の長手方向軸を中心として機能する前記駆動列(31)の少なくとも一部との形状嵌め及び/又は圧入嵌めを形成することを特徴とする、[1]~[5]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[7] 前記治療ヘッド(12)中の前記電極装置は平坦なキャリア(17)を備え、前記平坦なキャリアに対して前記誘電体(18)が誘電体支持体(17a)に固定され、前記平坦なキャリアから電気接続ボルト(20)が前記誘電体(18)とは反対の前記平坦なキャリア(17)の後側に引き出されていることを特徴とする、[1]~[6]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[8] 前記治療ヘッド(12)の平坦なキャリア(17)は、後側で電気接続ボルト(20)の周りに凹部(39)を備え、前記凹部(39)により、前記平坦なキャリア(17)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記駆動列(31)の少なくとも一部にトルクに耐えられる仕方で接続されていることを特徴とする、[1]~[7]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[9] 電気接続ボルト(20)は、電気絶縁カバー(21)によって少なくとも部分的に取り囲まれていることを特徴とする、[1]~[8]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[10] 前記電極装置の前記誘電体(18)は、ゲル状物質、特にポリウレタンゲルから少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[11] 前記誘電体(18)の前記治療面(18a)は、ガス空間(42)を形成するために隆起部と隆起部間の窪みとを有するスペーサ(41)を有することを特徴とする、[1]~[10]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[12] 電気エネルギーを前記高電圧段(15)に供給するように構成された電気エネルギー貯蔵部が、前記ハウジング中に設けられていることを特徴とする、[1]~[11]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[13] 前記高電圧段(15)は、外部エネルギー源(32)に接続されるか、又は接続することができることを特徴とする、[1]~[12]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[14] 前記電極装置は、回転する仕方で、回転振動する仕方で、並進運動を可能にする仕方で、及び/又は振動運動を可能にする仕方で前記ハウジング中に据え付けられていることを特徴とする、[1]~[13]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【国際調査報告】