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特表2024-539937シュワン細胞への標的化送達のためのデザイナー細胞外小胞
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】シュワン細胞への標的化送達のためのデザイナー細胞外小胞
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/10 20060101AFI20241024BHJP
   C12N 5/077 20100101ALI20241024BHJP
   C07K 14/475 20060101ALI20241024BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20241024BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20241024BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20241024BHJP
【FI】
C12N5/10
C12N5/077 ZNA
C07K14/475
C07K14/47
A61P17/00
A61P25/02
A61K35/12
A61K48/00
A61K31/7088
C12N15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524440
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022078715
(87)【国際公開番号】W WO2023076949
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/271,912
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514137997
【氏名又は名称】オハイオ・ステイト・イノベーション・ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イギータ-カストロ,ナタリア
(72)【発明者】
【氏名】ギャレゴ-ペレス,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】サラザール-プエルタ,アナ
(72)【発明者】
【氏名】ドッド,ダニエル
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065BD39
4B065CA60
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZA20
4C084ZA89
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA20
4C086ZA89
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB33
4C087NA14
4C087ZA20
4C087ZA89
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045CA40
4H045DA21
(57)【要約】
シュワン細胞(SC)を標的とするデザイナー細胞外小胞(EV)が本明細書に開示される。例えば、いくつかの実施形態では、EVは、HRG1/2、NRG1、又はそれらの組み合わせで装飾される。いくつかの実施形態では、これらのEVを使用して、診断用カーゴ及び/又は治療用カーゴを、それを必要とする対象のシュワン細胞に送達することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NRG1、NRG2、又はそれらの組み合わせを発現するように操作されたドナー細胞から産生された細胞外小胞(EV)を含む、組成物。
【請求項2】
前記ドナー細胞が、自己由来である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ドナー細胞が、皮膚細胞である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記EVが、治療用カーゴをカプセル化する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記治療用カーゴが、NF1又はニューロフィブロミンをコードする核酸を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記EVが、シュワン細胞を選択的に標的とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
対象のシュワン細胞に治療用カーゴを選択的に送達するための方法であって、前記対象に、有効量の請求項4を投与することを含む、方法。
【請求項8】
対象における神経線維腫症1型(NF1)を治療する方法であって、前記対象に、有効量の請求項1に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項9】
対象における神経線維腫症1型(NF1)を治療するための方法であって、前記対象の皮膚細胞にNRG1、NRG2、又はそれらの組み合わせをコードする核酸配列と、ニューロフィブロミンをコードする核酸配列とを含むポリヌクレオチドを細胞内送達することを含み、前記皮膚細胞が、NRG1、NRG2、又はそれらの組み合わせで装飾され、治療用カーゴとしてニューロフィブロミンをカプセル化するEVを産生する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月26日に出願された、米国仮出願第63/271,912号の利益を主張し、これは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、2022年10月25日に作成された「321501_2590_Sequence_Listing」と題されるST.26形式で提出された配列表を含む。配列表の内容は、その全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
神経線維腫症I型(NF1)は、シュワン細胞(SC)におけるニューロフィブロミン1(NF1)遺伝子の変異によって引き起こされる常染色体優性遺伝的状態である。NF1は、神経機能障害、変形、隣接構造への疼痛損傷を引き起こし、悪性形質転換を起こす可能性がある叢状神経線維腫(pNF)を含む、末梢神経系腫瘍(PNST)を特徴とする。pNFを予防又は治療するための有効な療法は現在存在しない。更に、診断及び治療目的のために、SCへの細胞特異的送達が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
シュワン細胞(SC)を標的とするデザイナー細胞外小胞(EV)が本明細書に開示される。例えば、いくつかの実施形態では、EVは、NRG1、NRG2、又はそれらの組み合わせで装飾される。他の実施形態は、プリン作動性受容体(すなわち、P2X4R)又はRTK(例えば、ErbB3)などのシュワン細胞分子を組み込むことができる。いくつかの実施形態では、これらのEVを使用して、診断用カーゴ及び/又は治療用カーゴを、それを必要とする対象のシュワン細胞に送達することができる。
【0005】
したがって、本明細書において、シュワン細胞に関連する任意の疾患又は状態を治療するための方法も開示される。シュワン細胞関連疾患、及び治療のための潜在的な治療用分子には、神経線維腫症1型(NF1)及び神経線維腫症1遺伝子、神経線維腫症2型(NF2)及び神経線維腫症2遺伝子、シャルコー-マリー-トゥース病(CMT)及びPMP22発現を阻害する標的、ギラン-バレー症候群(GBS、急性炎症性脱髄性多発神経根症型)、並びにSMARCB1又はLZTR1腫瘍抑制遺伝子を標的とすることによる神経鞘腫が挙げられる。慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、ハンセン病、及びジカウイルスは全て、シュワン細胞が関与する神経障害である。したがって、開示されるEVを使用して、これらの神経障害のうちの1つ以上を治療することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、これらのEVは、機能的なニューロフィブロミン1を担持し、したがって、対象におけるNF1を治療するために使用することができる。EVはまた、調節不全の細胞増殖を阻害するために、Ras経路遺伝子を標的とするsiRNA又はRNAi分子を担持させることができる。この場合、ダブラフェニブ、セルメチニブ、又はニロチニブなどの低分子阻害剤も使用することができる。したがって、本明細書において、対象の細胞を操作して、シュワン細胞(SC)を標的とし、シュワン細胞(SC)に機能的なニューロフィブロミン1を送達する治療用EVを産生することを含む、対象におけるNF1を治療する方法も開示される。また、対象におけるNF1の治療に使用するために、エクスビボで産生されたEVを回収し、これらにニューロフィブロミン1を担持させる方法も開示される。
【0007】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に明示されている。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】神経線維腫を治療するために、SCのトロピズムが増強されたデザイナーEVを、エクスビボで作製し、インビボで展開することを示す。TNTは、表皮をデザイナーEVバイオリアクターに変えて、SCを標的とし、神経線維腫を治療するために使用される。
図2A】トンネルナノチューブ(TNT)プラットフォーム(1:プラスミドリザーバ、2:陰性リード、及び3:陽性リード)を示す。
図2B】トンネルナノチューブ(TNT)プラットフォーム(1:プラスミドリザーバ、2:陰性リード、及び3:陽性リード)を示す。
図2C】電子顕微鏡写真である。
図2D】パルスフィールドで穿孔し、電気泳動的にカーゴを皮膚に駆動することを示す。
図2E】パルスフィールドで穿孔し、電気泳動的にカーゴを皮膚に駆動することを示す。
図2F】パルスフィールドで穿孔し、電気泳動的にカーゴを皮膚に駆動することを示す。
図2G】TNT対BEPにおける、集中穿孔(実線)対広域穿孔(破線)を示すシミュレーションである。
図2H】TNT対BEPにおける、集中穿孔(実線)対広域穿孔(破線)を示すシミュレーションである。
図2I】遺伝子発現対BEPを示す。*p<0.05。
図3A】SC標的化リガンドNRG1及びNRG2で装飾されたEVの生成を示す。
図3B】SC標的化リガンドNRG1及びNRG2で装飾されたEVの生成を示す。
図4】PMEF及びSCによる、SC標的化リガンドNRG1及びNRG2で装飾されたEVの取り込みの割合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示をより詳細に説明する前に、本開示は、説明される特定の実施形態に限定されず、そのため、当然ながら変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本開示の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるので、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0010】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確にそうでないことを指示しない限り、下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限との間の各介在値と、その記述された範囲内の任意の他の記述された値又は介在値が、本開示内に包含されることを理解されたい。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれてもよく、また、記述された範囲内の任意の明確に除外された限定を前提として、本開示内に包含される。記述された範囲が、上限及び下限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれた上限及び下限の一方又は両方を除外する範囲もまた、本開示に含まれる。
【0011】
別段定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記載されているものと類似又は均等の任意の方法及び材料もまた、本開示の実施又は試験に使用することができるが、ここで好ましい方法及び物質を本明細書に記載する。
【0012】
本明細書で引用された全ての刊行物及び特許は、各個々の刊行物又は特許が、参照により本明細書に組み込まれることを明確にかつ個別に示される場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれ、引用された刊行物に関連して方法及び/又は物質を開示し、説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日以前のその開示のためのものであり、本開示が、先行開示のためにそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、提供した公開日は実際の公開日とは異なる可能性があり、これらは独立して確認する必要があり得る。
【0013】
本開示を読めば当業者には明らかとなるとおり、本明細書に記載及び例示される個々の実施形態の各々は、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はそれらと組み合わされ得る個別の成分及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実施され得る。
【0014】
本開示の実施形態は、別段の指示がない限り、当技術分野の範囲内である、化学、生物学などの技法を用いる。
【0015】
以下の実施例は、当業者に、本明細書において開示及び特許請求された方法及びプローブの使用方法の完全な開示及び説明を提供するために示される。数値(例えば、量、温度など)に関して精度を保証するように努力がなされてはいるが、いくらかの誤差及び偏差が考慮されるべきである。別段の指示がない限り、部は、重量部であり、温度は、℃であり、圧力は、大気圧又はその付近である。標準温度及び圧力は、20℃及び1気圧と定義されている。
【0016】
本開示の実施形態が詳細に説明される前に、別段の指示がない限り、本開示は、特定の材料、試薬、反応物質、製造プロセスなどに限定されないので、変化し得ることが理解されるであろう。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図するものではないことを理解されたい。本開示では、ステップは、論理的に可能である場合には異なる順序で行われ得ることも可能である。
【0017】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段文脈が明示的に示さない限り、複数の指示物を含むことに留意する必要がある。
【0018】
定義
「対象」という用語は、投与又は治療の標的である任意の個体を指す。対象は、脊椎動物、例えば、哺乳動物であり得る。したがって、対象は、ヒト又は獣医患者であり得る。「患者」という用語は、臨床医、例えば、医師の治療下にある対象を指す。
【0019】
「治療的に有効な」という用語は、使用される組成物の量が、疾患又は障害の1つ以上の原因又は症状を軽減するのに十分なものであることを指す。このような軽減は、低減又は改変を必要とするだけであり、排除である必要はない。
【0020】
「薬学的に許容される」という用語は、合理的な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なしでヒト及び動物の組織に接触して使用するのに好適な、健全な医学的判断の範囲内である、化合物、材料、組成物、及び/又は投薬形態を指す。
【0021】
「担体」という用語は、化合物又は組成物と組み合わされるとき、その意図された用途又は目的のために、化合物又は組成物の調製、貯蔵、投与、送達、有効性、選択性、又は任意の他の特徴を補助又は促進する、化合物、組成物、物質、又は構造を意味する。例えば、担体は、活性成分の任意の分解を最小限に抑え、対象における任意の有害な副作用を最小限に抑えるように選択することができる。
【0022】
「治療」という用語は、疾患、病的な状態、又は障害を治癒し、軽減し、安定化し、又は予防する意図を有する患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的治療、すなわち、具体的に疾患、病態、又は障害の改善に向けた治療を含み、また、原因治療、すなわち、関連する疾患、病態、又は障害の原因の除去に向けた治療も含む。加えて、この用語は、緩和治療、すなわち、疾患、病態、又は障害の治癒ではなく、症状の軽減のために設計された治療;予防的治療、すなわち、関連する疾患、病態、又は障害の発症を最小限に抑える、又は部分的に若しくは完全に阻害することに向けた治療;並びに支持治療、すなわち、関連する疾患、病態、又は障害の改善に向けた別の特定の治療法を補完するために用いられる治療を含む。
【0023】
「阻害する」という用語は、活性、応答、状態、疾患、又は他の生物学的パラメータの減少を指す。これには、活性、応答、状態、又は疾患の完全な除去が含まれ得るが、これらに限定されない。これはまた、例えば、天然又は対照のレベルと比較して、活性、応答、状態、又は疾患の10%の低減を含み得る。したがって、低減は、天然又は対照のレベルと比較して、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%、又はその間の任意の量の低減であり得る。
【0024】
「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合又は修飾ペプチド結合、例えば、ペプチドイソスターなどによって互いに結合したアミノ酸を指し、20個の遺伝子コードされたアミノ酸以外の修飾アミノ酸を含有し得る。ポリペプチドは、翻訳後処理などの、自然プロセス、又は当該技術分野で周知の化学修飾技法のいずれかによって修飾することができる。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、及びアミノ又はカルボキシル末端を含む、ポリペプチドの任意の場所で生じ得る。同じ種類の修飾は、所与のポリペプチドにおけるいくつかの部位に同じ又は変動する程度で存在し得る。また、所与のポリペプチドは、多くの種類の修飾を有し得る。修飾としては、限定なしに、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、共有結合架橋又は環化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスフィチジルイノシトールの共有結合、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、システイン又はピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ化、メチル化、ミリストイル化、酸化、PEG化、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、及びアルギニル化などのアミノ酸のタンパク質への転移-RNA媒介付加が挙げられる。(Proteins-Structure and Molecular Properties 2nd Ed.,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York(1993)、Posttranslational Covalent Modification of Proteins,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York,pp.1-12(1983)を参照されたい)。
【0025】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸配列」という用語は、アミノ酸残基を表す略語、文字、記号、又は単語のリストを指す。本明細書で使用されるアミノ酸の略語は、アミノ酸の従来の1文字コードであり、以下のように表される:A、アラニン、B、アスパラギン又はアスパラギン酸、C、システイン、Dアスパラギン酸、E、グルタミン酸塩、グルタミン酸、F、フェニルアラニン、G、グリシン、Hヒスチジン、Iイソロイシン、K、リジン、L、ロイシン、M、メチオニン、N、アスパラギン、P、プロリン、Q、グルタミン、R、アルギニン、S、セリン、T、トレオニン、V、バリン、W、トリプトファン、Y、チロシン、Z、グルタミン又はグルタミン酸。
【0026】
本明細書で使用される場合、「核酸」という語句は、DNA若しくはRNA、又はDNA-RNAハイブリッド、一本鎖又は二本鎖、センス又はアンチセンスにかかわらず、ワトソン-クリック塩基対形成による相補的な核酸へのハイブリダイゼーションを可能にする、天然に存在する又は合成オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを指す。核酸はまた、ヌクレオチド類似体(例えば、BrdU)、及び非ホスホジエステルヌクレオシド間結合(例えば、ペプチド核酸(PNA)又はチオジエステル結合)を含み得る。具体的には、核酸は、限定されないが、DNA、RNA、cDNA、gDNA、ssDNA、dsDNA、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」は、塩基部分、糖部分、及びリン酸部分を含有する分子である。ヌクレオチドは、それらのリン酸部分及び糖部分を通して、一緒に結合し、ヌクレオシド間結合を生成することができる。「オリゴヌクレオチド」という用語は、一緒に結合した2つ以上のヌクレオチドを含有する分子を指して使用されることがある。ヌクレオチドの塩基部分は、アデニン-9-イル(A)、シトシン-1-イル(C)、グアニン-9-イル(G)、ウラシル-1-イル(U)、及びチミン-1-イル(T)であり得る。ヌクレオチドの糖部分は、リボース又はデオキシリボースである。ヌクレオチドのリン酸部分は、五価リン酸である。ヌクレオチドの非限定的な例は、3’-AMP(3’-アデノシン一リン酸)又は5’-GMP(5’-グアノシン一リン酸)であろう。
【0028】
ヌクレオチド類似体は、塩基、糖、及び/又はリン酸部分に何らかの種類の修飾を含有するヌクレオチドである。ヌクレオチドに対する修飾は、当該技術分野において周知であり、例えば、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、及び2-アミノアデニン、並びに糖又はリン酸部分における修飾を含むであろう。
【0029】
ヌクレオチド代替物は、ヌクレオチドと同様の機能特性を有するが、ペプチド核酸(PNA)などのリン酸部分を含有しない分子である。ヌクレオチド代替物は、ワトソン-クリック又はフーグスティーン様式で核酸を認識するが、リン酸部分以外の部分を通して一緒に結合した分子である。ヌクレオチド代替物は、適切な標的核酸と相互作用するときに、二重らせん型構造に適合することができる。
【0030】
「ベクター」又は「構築物」という用語は、ベクター配列が結合している別の核酸を細胞に輸送することが可能な核酸配列を指す。「発現ベクター」という用語は、細胞による発現に好適な形態で(例えば、転写制御エレメントに結合した)遺伝子構築物を含有する任意のベクター(例えば、プラスミド、コスミド、又はファージ染色体)を含む。「プラスミド」及び「ベクター」は、プラスミドがベクターの一般的に使用される形態であるため、交換可能に使用される。更に、本発明は、同等の機能を果たす他のベクターを含むことが意図される。
【0031】
「作動可能に結合した」という用語は、核酸と別の核酸配列との機能的関係を指す。プロモーター、エンハンサー、転写及び翻訳停止部位、並びに他のシグナル配列は、他の配列に作動可能に結合した核酸配列の例である。例えば、転写制御エレメントへのDNAの作動可能な結合は、そのようなDNAの転写が、DNAを特異的に認識し、結合し、転写するRNAポリメラーゼによってプロモーターから開始されるような、DNAとプロモーターとの間の物理的及び機能的関係を指す。
【0032】
本明細書の目的のために、所与のヌクレオチド又はアミノ酸配列Cの、所与の核酸配列Dに対する(to、with、又はagainst)配列同一性%(代替的に、所与の配列Dに対する(to、with、又はagainst)特定の配列同一性%を有するか、又は含む所与の配列Cとして表現することができる)は、以下のように計算され、
100×分数W/Z
式中、Wは、そのプログラムのC及びDのアラインメントにおける配列アラインメントプログラムによって同一マッチとしてスコアリングされたヌクレオチド又はアミノ酸の数であり、Zは、Dにおけるヌクレオチド又はアミノ酸の総数である。配列Cの長さが配列Dの長さに等しくない場合、C対Dの配列同一性%は、D対Cの配列同一性%に等しくないことが理解されるであろう。配列同一性パーセントを決定する目的でのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、ALIGN-2、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当該技術分野の技術の範囲内にある様々な方法で達成することができる。
【0033】
「特異的にハイブリダイズする」とは、プローブ、プライマー、又はオリゴヌクレオチドが、高いストリンジェンシー条件下で実質的に相補的な核酸(例えば、c-met核酸)を認識し、これと物理的に相互作用(すなわち、塩基対形成)し、他の核酸と実質的に塩基対形成しないことを意味する。
【0034】
本明細書で使用される場合、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という用語は、プローブと標的配列との間に少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%の配列同一性がある場合、ハイブリダイゼーションが一般的に起こることを意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、50%のホルムアミド、5XSSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5Xデンハルト溶液、10%のデキストラン硫酸、及び20μg/mlの変性、剪断した担体DNA(サーモン精子DNAなど)を含む溶液中で一晩インキュベーションし、続いて、ハイブリダイゼーション支持体を0.1XSSC中で約65℃で洗浄することである。他のハイブリダイゼーション及び洗浄条件は周知であり、Sambrook et al,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)、特に第11章に例示される。
【0035】
「制御エレメント」又は「調節配列」は、宿主細胞タンパク質と相互作用して転写及び翻訳を行う、ベクターエンハンサー、プロモーター、5’及び3’非翻訳領域の非翻訳領域である。そのようなエレメントは、それらの強度及び特異性において変動し得る。
【0036】
「プロモーター」は、一般に、転写開始部位に関して相対的に固定された位置にあるときに機能するDNAの配列である。「プロモーター」は、RNAポリメラーゼ及び転写因子の基本的な相互作用に必要なコアエレメントを含有し、上流エレメント及び応答エレメントを含有することができる。
【0037】
「エンハンサー」は、一般に、転写開始部位から固定距離なしで機能し、転写単位に対して5’又は3’のいずれかであり得るDNAの配列を指す。更に、エンハンサーは、イントロン内及びコード配列自体内にあり得る。これらは、通常、10~300bpの長さで、シスで機能する。エンハンサーは、近くのプロモーターからの転写を増加させるように機能する。エンハンサーは、プロモーターのように、同様に多くの場合、転写の調節を媒介する応答エレメントを含有する。エンハンサーは、多くの場合、発現の調節を決定する。
【0038】
「内因性」エンハンサー/プロモーターは、ゲノムにおける所与の遺伝子と自然に結合しているものである。「外因性」又は「異種」エンハンサー/プロモーターは、その遺伝子の転写が結合したエンハンサー/プロモーターによって指示されるように、遺伝子操作(すなわち、分子生物学的技法)によって遺伝子と並置されるものである。
【0039】
シュワン細胞標的化細胞外ビヒクル(EV)
治療用カーゴ及び/又は診断用カーゴを担持することができる、シュワン細胞(SC)を標的とするEVが本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、対象の細胞を操作して、治療用EVを産生することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、エクスビボで産生されたEVを回収することと、それらに治療用カーゴを担持させることと、を含む。
【0040】
治療用EVを生産するための患者細胞の操作
対象の細胞をEV産生細胞にリプログラミングする方法が開示され、本方法は、SC標的化リガンドをコードする核酸配列と任意選択的に治療用カーゴとを含むポリヌクレオチドを細胞に細胞内送達することを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、皮膚細胞(例えば、線維芽細胞、ケラチノサイト、皮膚幹細胞)、脂肪細胞、樹状細胞、末梢血単核細胞(PBMC)、膵臓細胞(例えば、管状上皮細胞)、肝臓細胞(例えば、肝細胞)、免疫細胞(例えば、T細胞、マクロファージ、骨髄由来サプレッサー細胞)を含むが、これらに限定されない、EVを産生することができる対象における任意の細胞であり得る。
【0041】
例えば、NF1を治療するために使用することができる、インビトロ及びインビボの両方で皮膚細胞をEV産生細胞にリプログラミングするための組成物及び方法が本明細書に開示される。
【0042】
いくつかの実施形態では、本方法は、対象の細胞を、NRG1、NRG2、又はこれらの任意の組み合わせをコードする発現ベクターでトランスフェクトすることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、対象の細胞を、ニューロフィブロミンをコードする発現ベクターでトランスフェクトすることを含む。
【0043】
マウスNRG1のmRNA配列は、NCBI受託番号NM_178591.3(この配列について参照により組み込まれる)に提供される。マウスNRG2のmRNA配列は、NCBI受託番号NM_001167891.3(この配列について参照により組み込まれる)に提供される。
【0044】
いくつかの実施形態では、ヒトNRG1 cDNAは、以下の核酸配列を有する:GAGCCCTTGGACCAAACTCGCCTGCGCCGAGAGCCGTCCGCGTAGAGCGCTCCGTCTCCGGCGAGATGTCCGAGCGCAAAGAAGGCAGAGGCAAAGGGAAGGGCAAGAAGAAGGAGCGAGGCTCCGGCAAGAAGCCGGAGTCCGCGGCGGGCAGCCAGAGCCCAGCCTTGCCTCCCCAATTGAAAGAGATGAAAAGCCAGGAATCGGCTGCAGGTTCCAAACTAGTCCTTCGGTGTGAAACCAGTTCTGAATACTCCTCTCTCAGATTCAAGTGGTTCAAGAATGGGAATGAATTGAATCGAAAAAACAAACCACAAAATATCAAGATACAAAAAAAGCCAGGGAAGTCAGAACTTCGCATTAACAAAGCATCACTGGCTGATTCTGGAGAGTATATGTGCAAAGTGATCAGCAAATTAGGAAATGACAGTGCCTCTGCCAATATCACCATCGTGGAATCAAACGAGATCATCACTGGTATGCCAGCCTCAACTGAAGGAGCATATGTGTCTTCAGAGTCTCCCATTAGAATATCAGTATCCACAGAAGGAGCAAATACTTCTTCATCTACATCTACATCCACCACTGGGACAAGCCATCTTGTAAAATGTGCGGAGAAGGAGAAAACTTTCTGTGTGAATGGAGGGGAGTGCTTCATGGTGAAAGACCTTTCAAACCCCTCGAGATACTTGTGCAAGTGCCAACCTGGATTCACTGGAGCAAGATGTACTGAGAATGTGCCCATGAAAGTCCAAAACCAAGAAAAGGCGGAGGAGCTGTACCAGAAGAGAGTGCTGACCATAACCGGCATCTGCATCGCCCTCCTTGTGGTCGGCATCATGTGTTTGGTGGCCTACTGCAAAACCAAGAAACAGCGGAAAAAGCTGCATGACCGTCTTCGGCAGAGCCTTCGGTCTGAACGAAACAATATGATGAACATTGCCAATGGGCCTCACCATCCTAACCCACCCCCCGAGAATGTCCAGCTGGTGAATCAATACGTATCTAAAAACGTCATCTCCAGTGAGCATATTGTTGAGAGAGAAGCAGAGACATCCTTTTCCACCAGTCACTATACTTCCACAGCCCATCACTCCACTACTGTCACCCAGACTCCTAGCCACAGCTGGAGCAACGGACACACTGAAAGCATCCTTTCCGAAAGCCACTCTGTAATCGTGATGTCATCCGTAGAAAACAGTAGGCACAGCAGCCCAACTGGGGGCCCAAGAGGACGTCTTAATGGCACAGGAGGCCCTCGTGAATGTAACAGCTTCCTCAGGCATGCCAGAGAAACCCCTGATTCCTACCGAGACTCTCCTCATAGTGAAAGGTATGTGTCAGCCATGACCACCCCGGCTCGTATGTCACCTGTAGATTTCCACACGCCAAGCTCCCCCAAATCGCCCCCTTCGGAAATGTCTCCACCCGTGTCCAGCATGACGGTGTCCATGCCTTCCATGGCGGTCAGCCCCTTCATGGAAGAAGAGAGACCTCTACTTCTCGTGACACCACCAAGGCTGCGGGAGAAGAAGTTTGACCATCACCCTCAGCAGTTCAGCTCCTTCCACCACAACCCCGCGCATGACAGTAACAGCCTCCCTGCTAGCCCCTTGAGGATAGTGGAGGATGAGGAGTATGAAACGACCCAAGAGTACGAGCCAGCCCAAGAGCCTGTTAAGAAACTCGCCAATAGCCGGCGGGCCAAAAGAACCAAGCCCAATGGCCACATTGCTAACAGATTGGAAGTGGACAGCAACACAAGCTCCCAGAGCAGTAACTCAGAGAGTGAAACAGAAGATGAAAGAGTAGGTGAAGATACGCCTTTCCTGGGCATACAGAACCCCCTGGCAGCCAGTCTTGAGGCAACACCTGCCTTCCGCCTGGCTGACAGCAGGACTAACCCAGCAGGCCGCTTCTCGACACAGGAAGAAATCCAGGCCAGGCTGTCTAGTGTAATTGCTAACCAAGACCCTATTGCTGTATAAAACCTAAATAAACACATAGATTCACCTGTAAAACTTTATTTTATATAATAAAGTATTCCACCTTAAATTAAACAATTTATTTTATTTTAGCAGTTCTGCAAATAGAAAACAGGAAAAA(配列番号1、BC150609.1)。
【0045】
いくつかの実施形態では、ヒトNRG1 mRNAは、以下のアミノ酸配列をコードする:MSERKEGRGKGKGKKKERGSGKKPESAAGSQSPALPPQLKEMKSQESAAGSKLVLRCETSSEYSSLRFKWFKNGNELNRKNKPQNIKIQKKPGKSELRINKASLADSGEYMCKVISKLGNDSASANITIVESNEIITGMPASTEGAYVSSESPIRISVSTEGANTSSSTSTSTTGTSHLVKCAEKEKTFCVNGGECFMVKDLSNPSRYLCKCQPGFTGARCTENVPMKVQNQEKAEELYQKRVLTITGICIALLVVGIMCLVAYCKTKKQRKKLHDRLRQSLRSERNNMMNIANGPHHPNPPPENVQLVNQYVSKNVISSEHIVEREAETSFSTSHYTSTAHHSTTVTQTPSHSWSNGHTESILSESHSVIVMSSVENSRHSSPTGGPRGRLNGTGGPRECNSFLRHARETPDSYRDSPHSERYVSAMTTPARMSPVDFHTPSSPKSPPSEMSPPVSSMTVSMPSMAVSPFMEEERPLLLVTPPRLREKKFDHHPQQFSSFHHNPAHDSNSLPASPLRIVEDEEYETTQEYEPAQEPVKKLANSRRAKRTKPNGHIANRLEVDSNTSSQSSNSESETEDERVGEDTPFLGIQNPLAASLEATPAFRLADSRTNPAGRFSTQEEIQARLSSVIANQDPIAV(配列番号2、AAI50610.1)。
【0046】
いくつかの実施形態では、ヒトNRG2 cDNAは、以下の核酸配列を有する:
GTACAAAAAAGCAGAAGGGCCGTCAAGGCCCACCATGCGGCAGGTTTGCTGCTCAGCGCTGCCGCCGCCGCCACTGGAGAAGGGTCGGTGCAGCAGCTACAGCGACAGCAGCAGCAGCAGCAGCGAGAGGAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCGAGAGCGGCAGCAGCAGCAGGAGCAGCAGCAACAACAGCAGCATCTCTCGTCCCGCTGCGCCCCCAGAGCCGCGGCCGCAGCAACAGCCGCAGCCCCGCAGCCCCGCAGCCCGGAGAGCCGCCGCCCGTTCGCGAGCCGCAGCCGCCGGCGGCATGAGGCGCGACCCGGCCCCCGGCTTCTCCATGCTGCTCTTCGGTGTGTCGCTCGCCTGCTACTCGCCCAGCCTCAAGTCAGTGCAGGACCAGGCGTACAAGGCACCCGTGGTGGTGGAGGGCAAGGTACAGGGGCTGGTCCCAGCCGGCGGCTCCAGCTCCAACAGCACCCGAGAGCCGCCCGCCTCGGGTCGGGTGGCGTTGGTAAAGGTGCTGGACAAGTGGCCGCTCCGGAGCGGGGGGCTGCAGCGCGAGCAGGTGATCAGCGTGGGCTCCTGTGTGCCGCTCGAAAGGAACCAGCGCTACATCTTTTTCCTGGAGCCCACGGAACAGCCCTTAGTCTTTAAGACGGCCTTTGCCCCCCTCGATACCAACGGCAAAAATCTCAAGAAAGAGGTGGGCAAGATCCTGTGCACTGACTGCGCCACCCGGCCCAAGTTGAAGAAGATGAAGAGCCAGACGGGACAGGTGGGTGAGAAGCAATCGCTGAAGTGTGAGGCAGCAGCCGGTAATCCCCAGCCTTCCTACCGTTGGTTCAAGGATGGCAAGGAGCTCAACCGCAGCCGAGACATTCGCATCAAATATGGCAACGGCAGAAAGAACTCACGACTACAGTTCAACAAGGTGAAGGTGGAGGACGCTGGGGAGTATGTCTGCGAGGCCGAGAACATCCTGGGGAAGGACACCGTCCGGGGCCGGCTTTACGTCAACAGCGTGAGCACCACCCTGTCATCCTGGTCGGGGCACGCCCGGAAGTGCAACGAGACAGCCAAGTCCTATTGCGTCAATGGAGGCGTCTGCTACTACATCGAGGGCATCAACCAGCTCTCCTGCAAGTGTCCTGTGGGATACACCGGGGACAGGTGTCAGCAGTTCGCAATGGTCAACTTCTCCAAGCACCTTGGATTTGAATTAAAGGAAGCCGAGGAGCTGTACCAGAAGAGGGTCCTGACCATCACGGGCATCTGCGTGGCTCTGCTGGTCGTGGGCATCGTCTGTGTGGTGGCCTACTGCAAGACCAAAAAACAGCGGAAGCAGATGCACAACCACCTCCGGCAGAACATGTGCCCGGCCCATCAGAACCGGAGCTTGGCCAATGGGCCCAGCCACCCCCGGCTGGACCCAGAGGAGATCCAGATGGCAGATTATATTTCCAAGAACGTGCCAGCCACAGACCATGTCATCAGGAGAGAAACTGAGACCACCTTCTCTGGGAGCCACTCCTGTTCTCCTTCTCACCACTGCTCCACAGCCACACCCACCTCCAGCCACAGACACGAGAGCCACACGTGGAGCCTGGAACGTTCTGAGAGCCTGACTTCTGACTCCCAGTCGGGGATCATGCTATCATCAGTGGGTACCAGCAAATGCAACAGCCCAGCATGTGTGGAGGCCCGGGCAAGGCGGGCAGCAGCCTACAACCTGGAGGAGCGGCGCAGGGCCACCGCGCCACCCTATCACGATTCCGTGGACTCCCTTCGCGACTCCCCACACAGCGAGAGGTACGTGTCGGCCCTGACCACGCCCGCGCGCCTCTCGCCCGTGGACTTCCACTACTCGCTGGCCACGCAGGTGCCAACTTTCGAGATCACGTCCCCCAACTCGGCGCACGCCGTGTCGCTGCCGCCGGCGGCGCCCATCAGTTACCGCCTGGCCGAGCAGCAGCCGTTACTGCGGCACCCGGCGCCCCCCGGCCCGGGACCCGGACCCGGGCCCGGGCCCGGGCCCGGCGCAGACATGCAGCGCAGCTATGACAGCTACTATTACCCCGCGGCGGGGCCCGGACCGCGGCGCGGGACCTGCGCGCTCGGCGGCAGCCTGGGCAGCCTGCCTGCCAGCCCCTTCCGCATCCCCGAGGACGACGAGTACGAGACCACGCAGGAGTGCGCGCCCCCGCCGCCGCCGCGGCCGCGCGCGCGCGGTGCGTCCCGCAGGACGTCGGCGGGGCCCCGGCGCTGGCGCCGCTCGCGCCTCAACGGGCTGGCGGCGCAGCGCGCACGGGCGGCGAGGGACTCGCTGTCGCTGAGCAGCGGCTCGGGCGGCGGCTCAGCCTCGGCGTCGGACGACGACGCGGACGACGCGGACGGGGCGCTGGCGGCCGAGAGCACACCTTTCCTGGGCCTGCGTGGGGCGCACGACGCGCTGCGCTCGGACTCGCCGCCACTGTGCCCGGCGGCCGACAGCAGGACTTACTACTCACTGGACAGCCACAGCACGCGGGCCAGCAGCAGACACAGCCGCGGGCCGCCCCCGCGGGCCAAGCAGGACTCGGCGCCACTCTAGGGCCTCATGGGCCCAGCTTTCTTGTAC(配列番号3、BC166615.1)。
【0047】
いくつかの実施形態では、ヒトNRG2 mRNAは、以下のアミノ酸配列をコードする:
MRQVCCSALPPPPLEKGRCSSYSDSSSSSSERSSSSSSSSSESGSSSRSSSNNSSISRPAAPPEPRPQQQPQPRSPAARRAAARSRAAAAGGMRRDPAPGFSMLLFGVSLACYSPSLKSVQDQAYKAPVVVEGKVQGLVPAGGSSSNSTREPPASGRVALVKVLDKWPLRSGGLQREQVISVGSCVPLERNQRYIFFLEPTEQPLVFKTAFAPLDTNGKNLKKEVGKILCTDCATRPKLKKMKSQTGQVGEKQSLKCEAAAGNPQPSYRWFKDGKELNRSRDIRIKYGNGRKNSRLQFNKVKVEDAGEYVCEAENILGKDTVRGRLYVNSVSTTLSSWSGHARKCNETAKSYCVNGGVCYYIEGINQLSCKCPVGYTGDRCQQFAMVNFSKHLGFELKEAEELYQKRVLTITGICVALLVVGIVCVVAYCKTKKQRKQMHNHLRQNMCPAHQNRSLANGPSHPRLDPEEIQMADYISKNVPATDHVIRRETETTFSGSHSCSPSHHCSTATPTSSHRHESHTWSLERSESLTSDSQSGIMLSSVGTSKCNSPACVEARARRAAAYNLEERRRATAPPYHDSVDSLRDSPHSERYVSALTTPARLSPVDFHYSLATQVPTFEITSPNSAHAVSLPPAAPISYRLAEQQPLLRHPAPPGPGPGPGPGPGPGADMQRSYDSYYYPAAGPGPRRGTCALGGSLGSLPASPFRIPEDDEYETTQECAPPPPPRPRARGASRRTSAGPRRWRRSRLNGLAAQRARAARDSLSLSSGSGGGSASASDDDADDADGALAAESTPFLGLRGAHDALRSDSPPLCPAADSRTYYSLDSHSTRASSRHSRGPPPRAKQDSAPL(配列番号4、AAI66615.1)。
【0048】
いくつかの実施形態では、EVは、プリン作動性受容体(すなわち、P2X4R)又はRTK(例えば、ErbB3)などのシュワン細胞分子を組み込む。
【0049】
いくつかの実施形態では、ヒトプリン作動性受容体P2X4(P2RX4)cDNAは、以下の核酸配列を有する:AGACCGACTAGGGGACTGGGAGCGGGCGGCGCGGCCATGGCGGGCTGCTGCGCCGCGCTGGCGGCCTTCCTGTTCGAGTACGACACGCCGCGCATCGTGCTCATCCGCAGCCGCAAAGTGGGGCTCATGAACCGCGCCGTGCAACTGCTCATCCTGGCCTACGTCATCGGACCTGCTTTTTTAAAGGCTGCAGAAAACTTCACTCTTTTGGTTAAGAACAACATCTGGTATCCCAAATTTAATTTCAGCAAGAGGAATATCCTTCCCAACATCACCACTACTTACCTCAAGTCGTGCATTTATGATGCTAAAACAGATCCCTTCTGCCCCATATTCCGTCTTGGCAAAATAGTGGAGAACGCAGGACACAGTTTCCAGGACATGGCCGTGGAGGGAGGCATCATGGGCATCCAGGTCAACTGGGACTGCAACCTGGACAGAGCCGCCTCCCTCTGCTTGCCCAGGTACTCCTTCCGCCGCCTCGATACACGGGACGTTGAGCACAACGTATCTCCTGGCTACAATTTCAGGTTTGCCAAGTACTACAGAGACCTGGCTGGCAACGAGCAGCGCACGCTCATCAAGGCCTATGGCATCCGCTTCGACATCATTGTGTTTGGGAAGGCAGGGAAATTTGACATCATCCCCACTATGATCAACATCGGCTCTGGCCTGGCACTGCTAGGCATGGCGACCGTGCTGTGTGACATCATAGTCCTCTACTGCATGAAGAAAAGACTCTACTATCGGGAGAAGAAATATAAATATGTGGAAGATTACGAGCAGGGTCTTGCTAGTGAGCTGGACCAGTGAGGCCTACCCCACACCTGGGCTCTCCACAGCCCCATCAAAGAACAGAGAGGAGGAGGAGGGAGAAATGGCCACCACATCACCCCAGAGAAATTTCTGGAATCTGATTGAGTCTCCACTCCACAAGCACTCAGGGTTCCCCAGCAGCTCCTGTGTGTTGTGTGCAGGATCTGTTTGCCCACTCGGCCCAGGAGGTCAGCAGTCTGTTCTTGGCTGGGTCAACTCTGCTTTTCCCGCAACCTGGGGTTGTCGGGGGAGCGCTGGCCCGACGCAGTGGCACTGCTGTGGCTTTCAGGGCTGGAGCTGGCTTTGCTCAGAAGCCTCCTGTCTCCAGCTCTCTCCAGGACAGGCCCAGTCCTCTGAGGCACGGCGGCTCTGTTCAAGCACTTTATGCGGCAGGGGAGGCCGCCTGGCTGCAGTCACTAGACTTGTAGCAGGCCTGGGCTGCAGGCTTCCCCCCGACCATTCCCTGCAGCCATGCGGCAGAGCTGGCATTTCTCCTCAGAGAAGCGCTGTGCTAAGGTGATCGAGGACCAGACATTAAAGCGTGATTTTCTTAA(配列番号5、P2RX4転写物バリアントX2)。
【0050】
いくつかの実施形態では、ヒトP2RX4 mRNAは、以下のアミノ酸配列をコードする:MAGCCAALAAFLFEYDTPRIVLIRSRKVGLMNRAVQLLILAYVIGPAFLKAAENFTLLVKNNIWYPKFNFSKRNILPNITTTYLKSCIYDAKTDPFCPIFRLGKIVENAGHSFQDMAVEGGIMGIQVNWDCNLDRAASLCLPRYSFRRLDTRDVEHNVSPGYNFRFAKYYRDLAGNEQRTLIKAYGIRFDIIVFGKAGKFDIIPTMINIGSGLALLGMATVLCDIIVLYCMKKRLYYREKKYKYVEDYEQGLASELDQ(配列番号6)。
【0051】
いくつかの実施形態では、ヒトerb-b2受容体チロシンキナーゼ3(ERBB3)cDNAは、以下の核酸配列を有する:GCAATTTGCAACCTCCGCTGCCGTCGCCGCAGCAGCCACCAATTCGCCAGCGGTTCAGGTGGCTCTTGCCTCGATGTCCTAGCCTAGGGGCCCCCGGGCCGGACTTGGCTGGGCTCCCTTCACCCTCTGCGGAGTCATGAGGGCGAACGACGCTCTGCAGGTGCTGGGCTTGCTTTTCAGCCTGGCCCGGGGCTCCGAGGTGGGCAACTCTCAGGCAGTGTGTCCTGGGACTCTGAATGGCCTGAGTGTGACCGGCGATGCTGAGAACCAATACCAGACACTGTACAAGCTCTACGAGAGGTGTGAGGTGGTGATGGGGAACCTTGAGATTGTGCTCACGGGACACAATGCCGACCTCTCCTTCCTGCAGTGGATTCGAGAAGTGACAGGCTATGTCCTCGTGGCCATGAATGAATTCTCTACTCTACCATTGCCCAACCTCCGCGTGGTGCGAGGGACCCAGGTCTACGATGGGAAGTTTGCCATCTTCGTCATGTTGAACTATAACACCAACTCCAGCCACGCTCTGCGCCAGCTCCGCTTGACTCAGCTCACCGAGATTCTGTCAGGGGGTGTTTATATTGAGAAGAACGATAAGCTTTGTCACATGGACACAATTGACTGGAGGGACATCGTGAGGGACCGAGATGCTGAGATAGTGGTGAAGGACAATGGCAGAAGCTGTCCCCCCTGTCATGAGGTTTGCAAGGGGCGATGCTGGGGTCCTGGATCAGAAGACTGCCAGACATTGACCAAGACCATCTGTGCTCCTCAGTGTAATGGTCACTGCTTTGGGCCCAACCCCAACCAGTGCTGCCATGATGAGTGTGCCGGGGGCTGCTCAGGCCCTCAGGACACAGACTGCTTTGCCTGCCGGCACTTCAATGACAGTGGAGCCTGTGTACCTCGCTGTCCACAGCCTCTTGTCTACAACAAGCTAACTTTCCAGCTGGAACCCAATCCCCACACCAAGTATCAGTATGGAGGAGTTTGTGTAGCCAGCTGTCCCCATAACTTTGTGGTGGATCAAACATCCTGTGTCAGGGCCTGTCCTCCTGACAAGATGGAAGTAGATAAAAATGGGCTCAAGATGTGTGAGCCTTGTGGGGGACTATGTCCCAAAGCCTGTGAGGGAACAGGCTCTGGGAGCCGCTTCCAGACTGTGGACTCGAGCAACATTGATGGATTTGTGAACTGCACCAAGATCCTGGGCAACCTGGACTTTCTGATCACCGGCCTCAATGGAGACCCCTGGCACAAGATCCCTGCCCTGGACCCAGAGAAGCTCAATGTCTTCCGGACAGTACGGGAGATCACAGGTTACCTGAACATCCAGTCCTGGCCGCCCCACATGCACAACTTCAGTGTTTTTTCCAATTTGACAACCATTGGAGGCAGAAGCCTCTACAACCGGGGCTTCTCATTGTTGATCATGAAGAACTTGAATGTCACATCTCTGGGCTTCCGATCCCTGAAGGAAATTAGTGCTGGGCGTATCTATATAAGTGCCAATAGGCAGCTCTGCTACCACCACTCTTTGAACTGGACCAAGGTGCTTCGGGGGCCTACGGAAGAGCGACTAGACATCAAGCATAATCGGCCGCGCAGAGACTGCGTGGCAGAGGGCAAAGTGTGTGACCCACTGTGCTCCTCTGGGGGATGCTGGGGCCCAGGCCCTGGTCAGTGCTTGTCCTGTCGAAATTATAGCCGAGGAGGTGTCTGTGTGACCCACTGCAACTTTCTGAATGGGGAGCCTCGAGAATTTGCCCATGAGGCCGAATGCTTCTCCTGCCACCCGGAATGCCAACCCATGGAGGGCACTGCCACATGCAATGGCTCGGGCTCTGATACTTGTGCTCAATGTGCCCATTTTCGAGATGGGCCCCACTGTGTGAGCAGCTGCCCCCATGGAGTCCTAGGTGCCAAGGGCCCAATCTACAAGTACCCAGATGTTCAGAATGAATGTCGGCCCTGCCATGAGAACTGCACCCAGGGGTGTAAAGGACCAGAGCTTCAAGACTGTTTAGGACAAACACTGGTGCTGATCGGCAAAACCCATCTGACAATGGCTTTGACAGTGATAGCAGGATTGGTAGTGATTTTCATGATGCTGGGCGGCACTTTTCTCTACTGGCGTGGGCGCCGGATTCAGAATAAAAGGGCTATGAGGCGATACTTGGAACGGGGTGAGAGCATAGAGCCTCTGGACCCCAGTGAGAAGGCTAACAAAGTCTTGGCCAGAATCTTCAAAGAGACAGAGCTAAGGAAGCTTAAAGTGCTTGGCTCGGGTGTCTTTGGAACTGTGCACAAAGGAGTGTGGATCCCTGAGGGTGAATCAATCAAGATTCCAGTCTGCATTAAAGTCATTGAGGACAAGAGTGGACGGCAGAGTTTTCAAGCTGTGACAGATCATATGCTGGCCATTGGCAGCCTGGACCATGCCCACATTGTAAGGCTGCTGGGACTATGCCCAGGGTCATCTCTGCAGCTTGTCACTCAATATTTGCCTCTGGGTTCTCTGCTGGATCATGTGAGACAACACCGGGGGGCACTGGGGCCACAGCTGCTGCTCAACTGGGGAGTACAAATTGCCAAGGGAATGTACTACCTTGAGGAACATGGTATGGTGCATAGAAACCTGGCTGCCCGAAACGTGCTACTCAAGTCACCCAGTCAGGTTCAGGTGGCAGATTTTGGTGTGGCTGACCTGCTGCCTCCTGATGATAAGCAGCTGCTATACAGTGAGGCCAAGACTCCAATTAAGTGGATGGCCCTTGAGAGTATCCACTTTGGGAAATACACACACCAGAGTGATGTCTGGAGCTATGGTGTGACAGTTTGGGAGTTGATGACCTTCGGGGCAGAGCCCTATGCAGGGCTACGATTGGCTGAAGTACCAGACCTGCTAGAGAAGGGGGAGCGGTTGGCACAGCCCCAGATCTGCACAATTGATGTCTACATGGTGATGGTCAAGTGTTGGATGATTGATGAGAACATTCGCCCAACCTTTAAAGAACTAGCCAATGAGTTCACCAGGATGGCCCGAGACCCACCACGGTATCTGGTCATAAAGAGAGAGAGTGGGCCTGGAATAGCCCCTGGGCCAGAGCCCCATGGTCTGACAAACAAGAAGCTAGAGGAAGTAGAGCTGGAGCCAGAACTAGACCTAGACCTAGACTTGGAAGCAGAGGAGGACAACCTGGCAACCACCACACTGGGCTCCGCCCTCAGCCTACCAGTTGGAACACTTAATCGGCCACGTGGGAGCCAGAGCCTTTTAAGTCCATCATCTGGATACATGCCCATGAACCAGGGTAATCTTGGGGAGTCTTGCCAGGAGTCTGCAGTTTCTGGGAGCAGTGAACGGTGCCCCCGTCCAGTCTCTCTACACCCAATGCCACGGGGATGCCTGGCATCAGAGTCATCAGAGGGGCATGTAACAGGCTCTGAGGCTGAGCTCCAGGAGAAAGTGTCAATGTGTAGGAGCCGGAGCAGGAGCCGGAGCCCACGGCCACGCGGAGATAGCGCCTACCATTCCCAGCGCCACAGTCTGCTGACTCCTGTTACCCCACTCTCCCCACCCGGGTTAGAGGAAGAGGATGTCAACGGTTATGTCATGCCAGATACACACCTCAAAGGTACTCCCTCCTCCCGGGAAGGCACCCTTTCTTCAGTGGGTCTCAGTTCTGTCCTGGGTACTGAAGAAGAAGATGAAGATGAGGAGTATGAATACATGAACCGGAGGAGAAGGCACAGTCCACCTCATCCCCCTAGGCCAAGTTCCCTTGAGGAGCTGGGTTATGAGTACATGGATGTGGGGTCAGACCTCAGTGCCTCTCTGGGCAGCACACAGAGTTGCCCACTCCACCCTGTACCCATCATGCCCACTGCAGGCACAACTCCAGATGAAGACTATGAATATATGAATCGGCAACGAGATGGAGGTGGTCCTGGGGGTGATTATGCAGCCATGGGGGCCTGCCCAGCATCTGAGCAAGGGTATGAAGAGATGAGAGCTTTTCAGGGGCCTGGACATCAGGCCCCCCATGTCCATTATGCCCGCCTAAAAACTCTACGTAGCTTAGAGGCTACAGACTCTGCCTTTGATAACCCTGATTACTGGCATAGCAGGCTTTTCCCCAAGGCTAATGCCCAGAGAACGTAACTCCTGCTCCCTGTGGCACTCAGGGAGCATTTAATGGCAGCTAGTGCCTTTAGAGGGTACCGTCTTCTCCCTATTCCCTCTCTCTCCCAGGTCCCAGCCCCTTTTCCCCAGTCCCAGACAATTCCATTCAATCTTTGGAGGCTTTTAAACATTTTGACACAAAATTCTTATGGTATGTAGCCAGCTGTGCACTTTCTTCTCTTTCCCAACCCCAGGAAAGGTTTTCCTTATTTTGTGTGCTTTCCCAGTCCCATTCCTCAGCTTCTTCACAGGCACTCCTGGAGATATGAAGGATTACTCTCCATATCCCTTCCTCTCAGGCTCTTGACTACTTGGAACTAGGCTCTTATGTGTGCCTTTGTTTCCCATCAGACTGTCAAGAAGAGGAAAGGGAGGAAACCTAGCAGAGGAAAGTGTAATTTTGGTTTATGACTCTTAACCCCCTAGAAAGACAGAAGCTTAAAATCTGTGAAGAAAGAGGTTAGGAGTAGATATTGATTACTATCATAATTCAGCACTTAACTATGAGCCAGGCATCATACTAAACTTCACCTACATTATCTCACTTAGTCCTTTATCATCCTTAAAACAATTCTGTGACATACATATTATCTCATTTTACACAAAGGGAAGTCGGGCATGGTGGCTCATGCCTGTAATCTCAGCACTTTGGGAGGCTGAGGCAGAAGGATTACCTGAGGCAAGGAGTTTGAGACCAGCTTAGCCAACATAGTAAGACCCCCATCTCTTTAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAACTTTAGAACTGGGTGCAGTGGCTCATGCCTGTAATCCCAGCCAGCACTTTGGGAGGCTGAGATGGGAAGATCACTTGAGCCCAGAATTAGAGATAAGCCTATGGAAACATAGCAAGACA


CTGTCTCTACAGGGGAAAAAAAAAAAAGAAACTGAGCCTTAAAGAGATGAAATAAATTAAGCAGTAGATCCAGGATGCAAAATCCTCCCAATTCCTGTGCATGTGCTCTTATTGTAAGGTGCCAAGAAAAACTGATTTAAGTTACAGCCCTTGTTTAAGGGGCACTGTTTCTTGTTTTTGCACTGAATCAAGTCTAACCCCAACAGCCACATCCTCCTATACCTAGACATCTCATCTCAGGAAGTGGTGGTGGGGGTAGTCAGAAGGAAAAATAACTGGACATCTTTGTGTAAACCATAATCCACATGTGCCGTAAATGATCTTCACTCCTTATCCGAGGGCAAATTCACAAGGATCCCCAAGATCCACTTTTAGAAGCCATTCTCATCCAGCAGTGAGAAGCTTCCAGGTAGGACAGAAAAAAGATCCAGCTTCAGCTGCACACCTCTGTCCCCTTGGATGGGGAACTAAGGGAAAACGTCTGTTGTATCACTGAAGTTTTTTGTTTTGTTTTTATACGTGTCTGAATAAAAATGCCAAAGTTTTTTTTCA(配列番号7、ERBB3転写物バリアント1)。
【0052】
いくつかの実施形態では、ヒトERBB3 mRNAは、以下のアミノ酸配列をコードする:MRANDALQVLGLLFSLARGSEVGNSQAVCPGTLNGLSVTGDAENQYQTLYKLYERCEVVMGNLEIVLTGHNADLSFLQWIREVTGYVLVAMNEFSTLPLPNLRVVRGTQVYDGKFAIFVMLNYNTNSSHALRQLRLTQLTEILSGGVYIEKNDKLCHMDTIDWRDIVRDRDAEIVVKDNGRSCPPCHEVCKGRCWGPGSEDCQTLTKTICAPQCNGHCFGPNPNQCCHDECAGGCSGPQDTDCFACRHFNDSGACVPRCPQPLVYNKLTFQLEPNPHTKYQYGGVCVASCPHNFVVDQTSCVRACPPDKMEVDKNGLKMCEPCGGLCPKACEGTGSGSRFQTVDSSNIDGFVNCTKILGNLDFLITGLNGDPWHKIPALDPEKLNVFRTVREITGYLNIQSWPPHMHNFSVFSNLTTIGGRSLYNRGFSLLIMKNLNVTSLGFRSLKEISAGRIYISANRQLCYHHSLNWTKVLRGPTEERLDIKHNRPRRDCVAEGKVCDPLCSSGGCWGPGPGQCLSCRNYSRGGVCVTHCNFLNGEPREFAHEAECFSCHPECQPMEGTATCNGSGSDTCAQCAHFRDGPHCVSSCPHGVLGAKGPIYKYPDVQNECRPCHENCTQGCKGPELQDCLGQTLVLIGKTHLTMALTVIAGLVVIFMMLGGTFLYWRGRRIQNKRAMRRYLERGESIEPLDPSEKANKVLARIFKETELRKLKVLGSGVFGTVHKGVWIPEGESIKIPVCIKVIEDKSGRQSFQAVTDHMLAIGSLDHAHIVRLLGLCPGSSLQLVTQYLPLGSLLDHVRQHRGALGPQLLLNWGVQIAKGMYYLEEHGMVHRNLAARNVLLKSPSQVQVADFGVADLLPPDDKQLLYSEAKTPIKWMALESIHFGKYTHQSDVWSYGVTVWELMTFGAEPYAGLRLAEVPDLLEKGERLAQPQICTIDVYMVMVKCWMIDENIRPTFKELANEFTRMARDPPRYLVIKRESGPGIAPGPEPHGLTNKKLEEVELEPELDLDLDLEAEEDNLATTTLGSALSLPVGTLNRPRGSQSLLSPSSGYMPMNQGNLGESCQESAVSGSSERCPRPVSLHPMPRGCLASESSEGHVTGSEAELQEKVSMCRSRSRSRSPRPRGDSAYHSQRHSLLTPVTPLSPPGLEEEDVNGYVMPDTHLKGTPSSREGTLSSVGLSSVLGTEEEDEDEEYEYMNRRRRHSPPHPPRPSSLEELGYEYMDVGSDLSASLGSTQSCPLHPVPIMPTAGTTPDEDYEYMNRQRDGGGPGGDYAAMGACPASEQGYEEMRAFQGPGHQAPHVHYARLKTLRSLEATDSAFDNPDYWHSRLFPKANAQRT(配列番号8)。
【0053】
いくつかの実施形態では、核酸配列は、非ウイルスベクターに存在する。いくつかの実施形態では、核酸配列は、発現制御配列に作動可能に連結されている。他の実施形態では、核酸は、2つ以上の発現制御配列に作動可能に連結されている。
【0054】
ウイルス及び非ウイルス媒介技法を含む、様々な方法が当該技術分野で既知であり、細胞への核酸の導入に好適である。典型的な非ウイルス媒介性技法の例としては、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム媒介性導入、ヌクレオフェクション、ソノポレーション、熱ショック、マグネトフェクション、リポソーム媒介性導入、マイクロインジェクション、マイクロプロジェクタ媒介性導入(ナノ粒子)、カチオン性ポリマー媒介性導入(DEAE-デキストラン、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール(PEG)など)又は細胞融合が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
いくつかの実施形態では、開示される核酸配列を含むEVは、対象の細胞に投与され、次いで、対象における細胞をEV産生細胞に誘導することができる。したがって、細胞をEV産生細胞にリプログラミングする方法も開示され、本方法は、開示される治療用遺伝子を含むか又は発現する細胞から産生された細胞外小胞に細胞を曝露することを含む。
【0056】
エクソソーム及びマイクロベシクルは、サイズ及び表面タンパク質マーカーを含む、それらの生物発生プロセス及び生物物理学的特性に基づいて異なるEVである。エクソソームは、40~150nmのサイズの均質な小さい粒子であり、それらは通常、エンドサイトーシスリサイクリング経路に由来する。エンドサイトーシスでは、形質膜でエンドサイトーシス小胞が形成され、融合されて初期のエンドソームが形成される。これらは成熟し、腔内小胞が小胞内腔になる後期エンドソームとなる。リソソームと融合する代わりに、これらの多胞体は、形質膜と直接融合し、エクソソームを細胞外空間に遊離する。エクソソーム生物発生、タンパク質カーゴソート、及び遊離は、輸送に必要なエンドソームソート複合体(ESCRT複合体)、並びにAlix及びTsg101などの他の関連タンパク質を含む。対照的に、マイクロベシクルは、形質膜からの膜小胞の外向きの出芽及び分裂を通じて直接産生され、したがって、それらの表面マーカーは、起点の膜の組成に大きく依存する。更に、それらは、直径150~1000nmの範囲の、細胞外小胞のより大きく、より多くの異種性の集団を構成する傾向がある。しかしながら、両方のタイプの小胞は、機能的mRNA、miRNA及びタンパク質を受容細胞に送達することが示されている。
【0057】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、遺伝子銃、そのような送達に適したミクロ粒子若しくはナノ粒子、エレクトロポレーション、三次元ナノチャネルエレクトロポレーションによるトランスフェクション、組織ナノトランスフェクションデバイス、そのような送達に適したリポソーム、又は深部局所組織ナノエレクトロインジェクションデバイスを介して細胞に細胞内送達される。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターを使用することができる。しかしながら、他の実施形態では、ポリヌクレオチドは、ウイルスによって送達されない。
【0058】
エレクトロポレーションは、細胞膜の透過性を増加させるために電界を細胞に印加し、カーゴ(例えば、リプログラミング因子)が細胞に導入されることを可能にする技法である。エレクトロポレーションは、外来DNAを細胞に導入するための一般的な技法である。
【0059】
組織ナノトランスフェクションは、並置する組織細胞メンバーを良性にナノポレートし、カーゴを細胞へと電気泳動的に駆動する、アレイされたナノチャネルを介して非常に強力かつ焦点の合った電界を印加することによって、カーゴ(例えば、リプログラミング因子)の細胞への直接的なサイトゾル送達を可能にする。
【0060】
ポリペプチド又は機能的核酸を発現するために、ヌクレオチドコード配列を適切な発現ベクターに挿入し得る。したがって、本明細書に開示される核酸配列を含むポリヌクレオチドを含む非ウイルスベクターも開示され、核酸配列は発現制御配列に作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、核酸配列は、単一の発現制御配列に作動可能に結合している。他の実施形態では、核酸配列は、2つ以上の別個の発現制御配列に作動可能に結合している。
【0061】
遺伝子配列並びに適切な転写及び翻訳制御エレメントを含有する発現ベクターを構築する方法は、当該技術分野において周知である。これらの方法には、インビトロで組み換えDNA技術、合成技術、及びインビボでの遺伝子組み換えが含まれる。そのような技法は、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press,Plainview,N.Y.,1989)、及びAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons,New York,N.Y.,1989)に記載される。
【0062】
発現ベクターは、概して、挿入されたコード配列の翻訳及び/又は転写のための調節配列必要なエレメントを含有する。例えば、コード配列は、好ましくは、所望の遺伝子産物の発現を制御するのに役立つように、プロモーター及び/又はエンハンサーに作動可能に結合している。
【0063】
バイオテクノロジーで使用されるプロモーターは、遺伝子発現の制御の意図された種類に従った異なる種類のものである。それらは、一般に、構成的プロモーター、組織特異的又は発達段階特異的プロモーター、誘導性プロモーター、及び合成プロモーターに分けることができる。
【0064】
構成的プロモーターは、実質的に全ての組織における発現を指示し、環境及び発達因子とは、完全ではないにしても、ほとんど無関係である。それらの発現は通常、内因性因子によって条件付けられないため、構成的プロモーターは通常、種にわたって、更には界にわたって活性である。構成的プロモーターの例としては、CMV、EF1a、SV40、PGK1、Ubc、ヒトベータアクチン、及びCAGが挙げられる。
【0065】
組織特異的又は発生段階特異的プロモーターは、特定の組織又は特定の発生段階における遺伝子の発現を誘導する。植物の場合、脈管系、光合成組織、塊茎、根、及び他の植物性器官、又は種子及び他の生殖器官における遺伝子を発現するか又は発現に影響を及ぼすプロモーターエレメントは、異種系(例えば、遠く関連する種、又は他の界でさえも)に見出すことができるが、最大の特異性は、一般に、相同プロモーター(すなわち、同じ種、属、又は科に由来する)で達成される。これはおそらく、転写因子の協調発現がプロモーターの活性の調節に必要であるためである。
【0066】
誘導性プロモーターの性能は、内因性因子ではなく、人工的に制御することができる環境条件及び外部刺激に条件付けられる。この群内には、光、酸素レベル、高温、低温、及び創傷などの非生物学的因子によって調節されるプロモーターがある。これらの因子のいくつかは、実験環境の外で制御することが困難であるため、目的の生物において天然に見出されない、化学化合物に応答するプロモーターが特に興味深い。同じように、抗生物質、銅、アルコール、ステロイド、及び除草剤に応答するプロモーターは、他の化合物の中でも、自由自在に、かつ他の生物学的又は非生物学的因子とは独立して、遺伝子活性の誘導を可能にするように適合及び精製されている。
【0067】
真核生物細胞生物学の研究のために最も一般的に使用される2つの誘導性発現系は、Tet-Off及びTet-Onと名付けられる。Tet-Off系は、Escherichia coli細菌に見られる1つのタンパク質TetR(テトラサイクリンリプレッサー)と、ヘルペス単純ウイルスに見られる別のタンパク質VP16の活性化ドメインとを融合させることによって作製されるテトラサイクリントランスアクチベーター(tTA)タンパク質を利用する。得られたtTAタンパク質は、特定のTetOオペレーター配列でDNAに結合することができる。ほとんどのTet-Off系において、そのようなTetO配列のいくつかの反復は、CMVプロモーターなどの最小限のプロモーターの上流に配置される。最小限のプロモーターを有するいくつかのTetO配列の全体は、テトラサイクリン応答エレメント(TRE)と呼ばれる。なぜなら、それは、そのプロモーターの下流の遺伝子(複数可)の発現の増加によってテトラサイクリントランスアクチベータータンパク質tTAの結合に応答するからである。Tet-Offシステムでは、TRE制御遺伝子の発現は、テトラサイクリン及びその誘導体によって抑制され得る。それらはtTAに結合し、TRE配列に結合することができなくなり、それによってTRE制御遺伝子のトランス活性化を防止する。Tet-On系は、同様に機能するが、逆の方法で作動する。Tet-Off系においては、tTAは、Tet-On系においてテトラサイクリン又はドキシサイクリンなどのその誘導体の1つに結合していない場合にのみオペレーターに結合することができ、rtTAタンパク質は、テトラサイクリンに結合している場合にのみオペレーターに結合することができる。したがって、ドキシサイクリンの系への導入は、遺伝子産物の転写を開始する。Tet-On系は、その応答性が速いため、Tet-Offよりも好ましいことがある。
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸配列は、同じ発現制御配列に作動可能に連結されている。代替的に、配列内リボソーム進入部位(IRES)エレメントを使用して、マルチ遺伝子又はポリシストロニックのメッセージを作成することができる。IRESエレメントは、5’メチル化Cap依存性翻訳のリボソーム走査モデルをバイパスし、内部部位で翻訳を開始することができる。IRESエレメントは、異種オープンリーディングフレームに結合させることができる。複数のオープンリーディングフレームを一緒に転写することができ、それぞれがIRESによって分離され、ポリシストロニックメッセージを作成する。IRESエレメントにより、各オープンリーディングフレームは、効率的な翻訳のためにリボソームにアクセス可能である。複数の遺伝子を、単一のプロモーター/エンハンサーを使用して効率的に発現させ、単一のメッセージを転写することができる。
【0069】
発現制御配列に作動可能に結合した本明細書に開示される1つ以上のポリヌクレオチドを含有する非ウイルスベクターが開示される。そのような非ウイルスベクターの例としては、オリゴヌクレオチドを単独で、又は好適なタンパク質、多糖、若しくは脂質製剤と組み合わせて含む。非ウイルス方法は、ウイルス法に対して特定の利点を提示し、単純な大規模産生及び低い宿主免疫原性がそのわずか2つである。以前は、低レベルのトランスフェクション及び遺伝子の発現は、非ウイルス方法を不利な状況に保持したが、ベクター技術の最近の進歩は、ウイルスのものと同様のトランスフェクション効率を有する分子及び技法をもたらした。
【0070】
好適な非ウイルスベクターの例としては、pIRES-hrGFP-2a、pCMV6、pMAX、pCAG、pAd-IRES-GFP、及びpCDNA3.0が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
開示される組成物は、薬学的に許容される担体と組み合わせて治療に使用することができる。「薬学的に許容される」とは、いかなる望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、又はそれと接触する薬学的組成物の他の成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく、生物学的に又は別途望ましくないものではない材料、すなわち、核酸又はベクターとともに、対象に投与され得る材料を意味する。担体は、当業者には周知のとおり、活性成分のあらゆる分解を最小限に抑え、対象におけるあらゆる有害な副作用を最小限に抑えるように、必然的に選択され得る。
【0072】
治療用EV
また、NF1の治療に使用するための、エクスビボで産生され、治療用カーゴが担持されたEVも開示される。いくつかの実施形態では、開示されるEVは、細胞によって分泌され得る任意の小胞であり得る。細胞は、アポトーシス小体(1~5μm)、微小胞(100~1000nmのサイズ)、及びエクソソームとして知られるエンドソーム起源の小胞(50~150nm)を含む、広範な直径及び機能を有する細胞外小胞(EV)を分泌する。
【0073】
いくつかの実施形態では、ドナー細胞は、皮膚細胞(例えば、線維芽細胞、ケラチノサイト、皮膚幹細胞)、脂肪細胞、樹状細胞、末梢血単核細胞(PBMC)、膵臓細胞(例えば、管状上皮細胞)、肝臓細胞(例えば、肝細胞)、免疫細胞(例えば、T細胞、マクロファージ、骨髄由来サプレッサー細胞)を含むが、これらに限定されない、EVを産生することができる任意のドナー細胞であり得る。
【0074】
開示される細胞外小胞は、当該技術分野で既知の方法によって調製され得る。例えば、開示される細胞外小胞は、真核生物細胞において、細胞標的化リガンドをコードするmRNAを発現させることによって調製され得る。いくつかの実施形態では、細胞はまた、治療用カーゴをコードするmRNAを発現する。細胞標的化リガンド及び治療用カーゴのためのmRNAは、開示されるEVを産生するための好適な産生細胞にトランスフェクションされるベクターから発現され得る。細胞標的化リガンド及び治療用カーゴのためのmRNAは、同じベクターから発現されてもよく(例えば、ベクターが細胞標的化リガンドのためのmRNA及び別個のプロモーターからの治療用カーゴを発現する場合)、又は細胞標的化リガンド及び治療用カーゴのためのmRNAは、別個のベクターから発現されてもよい。細胞標的化リガンド及び治療用カーゴのためのmRNAを発現させるためのベクターは、開示される細胞外小胞を調製するために設計されたキットにパッケージングされ得る。
【0075】
好適な担体及びそれらの製剤は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(19th ed.)ed.A.R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA 1995.に記載されている。典型的には、製剤を等張性にするために、製剤に適切な量の薬学的に許容される塩が使用される。薬学的に許容される担体の例としては、生理食塩水、リンゲル液、及びデキストロース溶液が挙げられるが、これらに限定されない。溶液のpHは、好ましくは、約5~約8であり、より好ましくは、約7~約7.5である。更なる担体としては、抗体を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの徐放性調製物が挙げられ、このマトリックスは、成形物品、例えば、フィルム、リポソーム、又は微粒子の形態である。例えば、投与経路及び投与される組成物の濃度に応じて、ある特定の担体がより好ましい場合があることは、当業者には明らかであろう。
【0076】
薬学的担体は当業者に既知である。これらは、最も典型的には、生理的pHの滅菌水、生理食塩水、及び緩衝液などの溶液を含む、ヒトへの薬物投与のための標準的な担体である。これらの組成物は、筋肉内又は皮下に投与することができる。他の化合物は、当業者が使用する標準的な手順に従って投与されるであろう。
【0077】
薬学的組成物は、選択される分子に加えて、担体、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤、表面活性剤などを含んでもよい。薬学的組成物はまた、抗微生物剤、抗炎症剤、麻酔剤などのような1つ以上の活性成分を含んでもよい。
【0078】
非経口投与のための調製物には、滅菌水溶液又は非水溶液、懸濁液、及びエマルジョンが含まれる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体には、生理食塩水及び緩衝媒体を含む、水、アルコール性/水性溶液、エマルジョン、又は懸濁液が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル液、又は固定油が含まれる。静脈内ビヒクルには、流体及び栄養補充剤、電解質補充剤(リンゲルデキストロースに基づくものなど)などが含まれる。保存剤及び他の添加剤、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガスなども存在し得る。
【0079】
局所投与のための製剤は、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、座薬、スプレー、液体、及び粉末を含み得る。従来の医薬担体、水性基剤、粉末基剤又は油性基剤、増粘剤などが、必要となるか又は望ましい場合がある。
【0080】
経口投与のための組成物としては、粉末若しくは顆粒、水若しくは非水媒体中の懸濁液若しくは溶液、カプセル、小袋、又は錠剤が挙げられる。増粘剤、香料、希釈剤、乳化剤、分散助剤、又は結合剤が望ましい場合がある。
【0081】
組成物のうちのいくつかは、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸及びリン酸などの無機酸、並びにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸及びフマル酸などの有機酸との反応によって、又は、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、並びにモノ、ジ、トリアルキルアミン及びアリールアミン及び置換エタノールアミンなどの有機塩基類との反応によって形成される、薬学的に許容される酸付加塩又は塩基付加塩として、投与される可能性があり得る。
【0082】
医薬組成物を含む本明細書に開示される組成物は、局所治療又は全身治療が所望されるかどうか、及び治療される領域に応じて、いくつかの方法で投与され得る。例えば、開示される組成物は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、又は経皮的に投与することができる。組成物は、局所鼻腔内投与又は吸入剤による投与を含む、経口、非経口(例えば、静脈内)、筋肉内注射、腹腔内注射、経皮、体外、眼科的、膣内、直腸、鼻腔内、局所などに投与することができる。
【0083】
治療用カーゴ
開示される細胞外小胞には、治療剤が担持されてもよく、これらの細胞外小胞は、薬剤をSCに送達する。好適な治療剤としては、治療薬(例えば、低分子薬)、治療用タンパク質、及び治療用核酸(例えば、治療用のRNA又はDNA)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、開示される細胞外小胞は、治療用のRNA又はDNA(本明細書では「カーゴRNA」又は「カーゴDNA」とも称される)を含む。特定の実施形態では、カーゴは、NF1遺伝子のニューロフィブロミン1である。
【0084】
例えば、いくつかの実施形態では、細胞標的化タンパク質はまた、細胞外小胞が細胞から分泌される前に、カーゴRNAを細胞外小胞にパッケージングするためにカーゴRNAに存在する1つ以上のRNAモチーフに結合するRNAドメイン(例えば、融合タンパク質の細胞質C末端)を含む。同様に、いくつかの実施形態では、細胞標的化タンパク質はまた、細胞外小胞が細胞から分泌される前に、カーゴDNAを細胞外小胞にパッケージングするためにカーゴDNAに存在する1つ以上のDNAモチーフに結合するDNAドメイン(例えば、融合タンパク質の細胞質C末端)を含む。そのため、タンパク質は、「細胞標的化タンパク質」及び「パッケージタンパク質」の両方として機能し得る。いくつかの実施形態では、パッケージタンパク質は、細胞外小胞担持タンパク質又は「EV担持タンパク質」と称され得る。
【0085】
開示される細胞外小胞のカーゴRNA又はカーゴDNAは、任意の好適な長さのものであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、カーゴRNA又はカーゴDNAは、少なくとも約10nt、20nt、30nt、40nt、50nt、100nt、200nt、500nt、1000nt、2000nt、5000nt、又はそれ以上のヌクレオチド長を有し得る。他の実施形態では、カーゴRNAは、約5000nt、2000nt、1000nt、500nt、200nt、100nt、50nt、40nt、30nt、20nt、又は10nt以下のヌクレオチド長を有し得る。なお更なる実施形態では、カーゴRNAは、これらの想定されるヌクレオチド長の範囲内のヌクレオチド長、例えば、約10nt~5000ntの範囲又は他の範囲のヌクレオチド長を有し得る。開示される細胞外小胞のカーゴRNA又はカーゴDNAは、比較的長いものであってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、治療用カーゴは、細胞によって分泌された後にEVに担持される膜透過性薬理学的化合物である。
【0087】
EVへの小型RNAの担持を達成するために、トランスフェクションに基づくアプローチが提案されている。他の報告は、細胞内の小型RNAのベクター誘導発現を使用して、EVへの小型RNA担持を達成することができることを示している。代替的に、EVドナー細胞を小型RNAで直接トランスフェクトしてもよい。腫瘍細胞を化学療法薬とともにインキュベーションすることは、薬物をEVにパッケージングする別の方法でもある。薬物担持EVの形成を刺激するために、細胞に紫外線を照射してアポトーシスを誘導する。膜融合性リポソームなどの代替的アプローチはまた、薬物をEVに担持させることをもたらす。
【0088】
いくつかの実施形態では、治療用カーゴは、濃度勾配を介した拡散によってEVに担持される。
【0089】
方法
本明細書において、開示されるEVを使用してシュワン細胞に診断用カーゴ又は治療用カーゴを送達するための方法が開示される。したがって、本明細書において、シュワン細胞に関連する任意の疾患又は状態を治療するための方法も開示される。
【0090】
例えば、神経鞘腫は、神経系に形成されるまれなタイプの腫瘍である。神経鞘腫腫瘍は良性であることが多く、これは、がんではないことを意味する。しかし、まれにがんになることがある。
【0091】
神経線維腫症I型(NF1)は、シュワン細胞(SC)におけるニューロフィブロミン1(NF1)遺伝子の変異によって引き起こされる常染色体優性遺伝的状態である。NF1は、フォンレックリングハウゼン病とも呼ばれ、神経及び皮膚の複数の非がん性(良性)腫瘍(神経線維腫)並びに異常な皮膚の色の領域(色素沈着)の発症を特徴とする。異常な皮膚色素沈着の領域は、典型的には、淡い黄褐色又は明るい褐色の変色(カフェオレ斑点)、腕の下(腋窩領域)又は鼠径部(鼠径部領域)などの異常な場所におけるそばかすを含む。そのような皮膚色素沈着の異常は、しばしば1歳までに明らかとなり、時間の経過とともにサイズ及び数が増加する傾向がある。
【0092】
出生時又は幼児期初期に、罹患した個体は、神経及び他の組織の束(叢状神経線維腫)からなる比較的大きく良性の腫瘍を有する場合がある。NF1を有する個体はまた、眼の着色領域に良性の結節(虹彩小結節)、又は視覚経路の神経の腫瘍(視神経膠腫)を発症し得る。よりまれに、罹患した個体は、特定の悪性(がん性)腫瘍を発症することがある。
【0093】
NF1はまた、異常に大きな頭部サイズ(巨頭症)及び比較的低い身長を特徴とし得る。また、脳における制御不能な電気活動のエピソード(発作)、学習障害、及び注意欠陥、言語障害、異常に増加した活動(活動亢進)、及び骨格奇形(脊椎の進行性弯曲(脊柱側弯症)、下肢の内反(偽関節症)、及び特定の骨の不適切な発達を含む)などの追加の異常も存在している可能性がある。関連する症状及び所見は、同じ家族内であっても、人によってその範囲及び重症度が大きく異なる場合がある。NF1を有するほとんどの人は、正常な知能を有するが、NF1を有する子供の約50%に学習障害が現れる。
【0094】
1987年の国立衛生研究所(NIH)のコンセンサス会議によると、患者が以下のうち少なくとも2つを示す場合、NF1の臨床診断が下される可能性がある:(1)サイズが少なくとも5ミリメートル[mm](思春期前)又は15mm(思春期後)の6つ以上のカフェオレ斑点、(2)脇の下(腋窩)又は脚の付け根(鼠径部)領域のそばかす、(3)目の着色部分(虹彩小結節)の異常な色素の塊、(4)頭部の骨発達の特定の異常(蝶形骨翼異形成)又は骨の異常な変形(偽関節症)、(5)任意のタイプの2つ以上の神経線維腫又は1つの叢状神経線維腫、(6)NF1が確認された罹患した親、兄弟姉妹、又は子供。
【0095】
NF1の症状は通常、小児期に始まり、状況に応じて4歳までに明確な診断が下され得る。この障害は、生涯にわたって進行性である。場合によっては、NF1症状が思春期、妊娠中、又はホルモン変化が起こったときに悪化すると報告されているが、この相関はまだ完全には理解されていない。NF1症状の範囲及び重症度は、罹患した個体間で大きく異なり、この障害の進行率は予測不可能である。しかしながら、患者の大部分(約60%)は、状態の「軽度の」形態を有すると報告されている。
【0096】
多くの場合、NF1の最初の徴候は、皮膚に複数の茶色の斑点(カフェオレ斑)又は脇の下(腋窩)又は脚の付け根(鼠径部)のそばかすの出現であり、これは出生時又は乳児期の早い段階で起こり得る。虹彩小結節は、人生の早い段階でも存在する可能性があり、罹患した個体の約97%に生じるため、NF1診断を強く示唆する。
【0097】
複数の非がん性(良性)腫瘍(神経線維腫)は、NF1において、皮膚の下又は身体のより深い領域の神経の表層(鞘)に沿って発生する。神経線維腫は、体内の任意の器官に形成され得る。皮膚(skin)(皮膚(cutaneous))神経線維腫、又はあまりはっきりしない神経線維腫(叢状神経線維腫)は、外観を損なう可能性がある。時には、腫瘍は、脳内、脳から出る神経、及び/又は脊髄に発症し得る。成人における神経線維腫の総数は、数人から数百個又は数千個の範囲であり得、これらの腫瘍の数は、年齢とともに増加する傾向がある。疼痛は、罹患した末梢神経から、又は隣接する構造に局所的な腫瘤効果の結果として生じ得る。罹患した個体の8~15%において、神経線維腫は、がん性(悪性末梢神経鞘腫瘍)に変化する可能性がある。これは、疼痛、体重減少、寝汗を伴い、緊急の評価及び処置を必要とする。
【0098】
NF1を有する人の約15%が、脳腫瘍(神経膠腫)を発症し、ほぼ常に小児期に発症する。これらは、眼の神経で頻繁に発症し(視神経膠腫)、視力に影響を及ぼすか、又は失明につながる可能性がある。追加的に、NF1を有する患者において、消化管間質腫瘍(GIST)を含む様々な他の腫瘍が発生する可能性がある。NF1を有する女性では、乳がんを発症するリスクが3.5倍増加し、50歳未満で乳がんを発症するリスクが5倍増加する。
【0099】
整形外科的な問題は、脊椎の弯曲(脊柱側弯症)、頭蓋骨の異常な成長(蝶形骨翼異形成)、又は骨組織の喪失、骨折、及び異常な治癒を特徴とする状態、及び体重を支える長骨の変形(偽関節症)を含む、NF1を発症する可能性がある。追加的に、骨密度の障害(骨減少症及び骨粗鬆症)は、一般集団よりもNF1を有する人々においてより一般的である。これらの状態が発症するプロセスは完全には理解されていないが、活性化ビタミンDレベルの低下、副甲状腺ホルモンレベルの増加、及び骨破壊のマーカーの増加と関連付けられている。NF1患者は、年齢の割に身長が平均を下回り、筋力が平均を下回り、頭部サイズが平均を上回る傾向がある。
【0100】
高い血圧(高血圧)は、一般集団よりもNF1集団でより高い頻度で見られる。この原因は不明であるが、NF1に直接関連するものではなく、腎臓につながる血管の関連する変化(腎動脈狭窄)が原因である可能性がある。よりまれに、NF1を有する患者は、副腎の腫瘍(褐色細胞腫)を発症するリスクがあり、これは、治療しないと重篤な血圧の上昇を引き起こす可能性がある。
【0101】
性的発達は、NF1を有する個体において遅延され得るか、又は早期に生じ得る(思春期早発症)。(この疾患の詳細については、希少疾患データベースの検索語として「思春期早発症」を選択されたい。)加えて、NF1を有する人の50%以上が、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの学習障害を経験している。発作が起こることもある。他の症状には、頭痛、しびれ、及び/又は脱力が含まれる。
【0102】
分節型神経線維腫症として知られているNF1の限局性形態では、異常な色素沈着及び/又は腫瘍は、身体の1つの領域に限定され得る。
【0103】
神経線維腫症2(NF2)は、NF1とは遺伝的に異なるまれな障害である。NF2は、聴神経(前庭神経鞘腫)及び身体の他の領域の両方における良性腫瘍を特徴とする。中枢神経系の他の腫瘍(髄膜腫及び/又は上衣腫を含む)も発症する可能性がある。NF2を有する個体は、典型的には、カフェオレ斑又は異常な皮膚のそばかすを有していない。NF2の他の症状には、平衡の問題、耳鳴り(buzzing)若しくは耳鳴り(ringing)(耳鳴症)、進行性難聴、顔面脱力などがある。いくつかの実施形態では、開示される組成物及び方法は、NF2を治療するために使用することができる。
【0104】
開示されるEVは、任意の好適な手段によって対象に投与され得る。ヒト又は動物対象への投与は、非経口、筋肉内、脳内、血管内、皮下、又は経皮投与から選択され得る。典型的には、送達方法は、注射によるものである。好ましくは、注射は、筋肉内又は血管内(例えば、静脈内)である。医師は、各特定の患者に必要な投与経路を決定することができるであろう。
【0105】
EVは、好ましくは、組成物として送達される。組成物は、非経口、筋肉内、脳内、血管内(静脈内を含む)、皮下、又は経皮投与のために製剤化され得る。非経口投与のための組成物には、緩衝剤、希釈剤、及び他の好適な添加剤も含有し得る滅菌水溶液が含まれ得る。EVは、EVに加えて、薬学的に許容される担体、増粘剤、希釈剤、緩衝液、防腐剤、及び他の薬学的に許容される担体又は賦形剤などを含み得る医薬組成物中で製剤化され得る。
【0106】
非経口投与は、概して、皮下、筋肉内、又は静脈内などの注射によって特徴付けられる。非経口投与のための製剤には、注射の準備ができている滅菌溶液、皮下錠剤を含む、使用直前に溶媒と組み合わせる準備ができている凍結乾燥粉末などの滅菌乾燥可溶性製品、注射の準備ができている滅菌懸濁液、使用直前にビヒクルと組み合わせる準備ができている滅菌乾燥不溶性製品、及び滅菌エマルジョンが含まれる。溶液は、水性又は非水性のいずれかであり得る。
【0107】
静脈内投与する場合、好適な担体としては、生理食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、及びグルコース、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどの増粘剤及び可溶化剤を含有する溶液、並びにそれらの混合物が挙げられる。非経口製剤で使用される薬学的に許容される担体としては、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤、等張剤、緩衝液、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁剤及び分散剤、乳化剤、封鎖剤又はキレート剤、並びに他の薬学的に許容される物質が挙げられる。水性ビヒクルの例としては、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース及び乳酸リンゲル注射液が挙げられる。非水性非経口ビヒクルには、植物由来の固定油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、及びピーナッツ油が含まれる。フェノール又はクレゾール、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムを含む、静菌濃度又は静真菌濃度の抗菌剤が、複数回用量容器に包装された非経口製剤に添加されなければならない。等張剤としては、塩化ナトリウム及びデキストロースが挙げられる。緩衝液としては、リン酸塩及びクエン酸塩が挙げられる。抗酸化剤としては、重硫酸ナトリウムが挙げられる。局所麻酔剤には、プロカイン塩酸塩が含まれる。懸濁剤及び分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0108】
乳化剤としては、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)が挙げられる。金属イオンの封鎖剤又はキレート剤としては、EDTAが挙げられる。薬学的担体はまた、水混和性ビヒクルのためのエチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、並びにpH調節のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、又は乳酸を含む。薬学的に活性な化合物の濃度は、注射により所望の薬理学的効果を産生するための有効量が提供されるように調節される。正確な用量は、当該技術分野で知られているように、患者又は動物の年齢、体重、及び状態に依存する。
【0109】
単位用量の非経口製剤は、アンプル、バイアル、又は針を備えた注射器にパッケージングされ得る。非経口投与のための全ての製剤は、当該技術分野で既知であり、実施されるように、無菌である必要がある。
【0110】
治療有効量の組成物が投与される。用量は、様々なパラメータに従って、特に、治療される患者の状態の重症度、年齢、及び体重、投与経路、並びに必要なレジメンに従って決定され得る。医師は、任意の特定の患者に必要な投与経路及び投薬量を決定することができるであろう。最適な投薬量は、個々の構築物の相対的な効力に応じて変動し得、概して、インビトロ及びインビボ動物モデルで有効であることが見出されるEC50に基づいて推定され得る。概して、投薬量は、体重1kg当たり0.01mg~100mg/kgである。典型的な1日用量は、特定の構築物の効力、治療される対象の年齢、体重及び状態、疾患の重症度、並びに投与の頻度及び経路に従って、体重のkg当たり約0.1~50mg、好ましくは約0.1mg/kg~10mg/kgである。投与が筋肉内注射によるものであるか、又は全身(静脈内又は皮下)注射によるものであるかに応じて、異なる投薬量の構築物が投与され得る。
【0111】
好ましくは、単回筋肉内注射の用量は、約5~20μgの範囲にある。好ましくは、単回又は複数回の全身注射の用量は、体重の10~100mg/kgの範囲にある。
【0112】
構築物のクリアランス(及び任意の標的とされた分子の分解)により、患者は、例えば、毎日、毎週、毎月、又は毎年1回以上、繰り返し治療されなければならない場合がある。当業者は、体液又は組織中の測定された滞留時間及び構築物の濃度に基づいて、投薬の反復率を容易に推定することができる。治療が成功した後、患者に維持療法を受けてもらうことが望ましい場合があり、構築物は、1日1回以上~20年に1回、体重1kg当たり0.01mg~100mg/kgの範囲の維持用量で投与される。
【0113】
例示的な実施形態
実施形態1.NRG1、NRG2、又はそれらの組み合わせを発現するように操作されたドナー細胞から産生された細胞外小胞(EV)を含む、組成物。
【0114】
実施形態2.ドナー細胞が、自己由来である、実施形態1に記載の組成物。
【0115】
実施形態3.ドナー細胞が、皮膚細胞である、実施形態1又は2に記載の組成物。
【0116】
実施形態4.EVが、治療用カーゴをカプセル化する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
【0117】
実施形態5.治療用カーゴが、NF1又はニューロフィブロミンをコードする核酸を含む、実施形態4に記載の組成物。
【0118】
実施形態6.EVが、シュワン細胞を選択的に標的とする、実施形態1に記載の組成物。
【0119】
実施形態7.対象のシュワン細胞に治療用カーゴを選択的に送達するための方法であって、対象に、有効量の実施形態4を投与することを含む、方法。
【0120】
実施形態8.対象における神経線維腫症1型(NF1)を治療する方法であって、対象に、有効量の実施形態1~6のいずれか1つに記載の組成物を投与することを含む方法。
【0121】
実施形態9.対象における神経線維腫症1型(NF1)を治療するための方法であって、対象の皮膚細胞にNRG1、NRG2、又はそれらの組み合わせをコードする核酸配列と、ニューロフィブロミンをコードする核酸配列とを含むポリヌクレオチドを細胞内送達することを含み、皮膚細胞が、NRG1、NRG2、又はそれらの組み合わせで装飾され、治療用カーゴとしてニューロフィブロミンをカプセル化するEVを産生する、方法。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態を記載してきた。それにもかかわらず、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更が行われ得ることを理解されたい。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【実施例
【0123】
実施例1
標的化送達のためのデザイナーEV
ナノトランスフェクションは、線維芽細胞を操作して、SCに対するトロピズムを有するEVを産生し、治療用ペイロードをSCに全身にわたって送達するために使用される(図1)。トンネルナノチューブ(TNT)はまた、皮膚パッチを操作して、SCに対するトロピズム有するデザイナーEVを(インサイツで)放出し、治療用ペイロードをSCに全身にわたって送達するために使用される(図1)。
【0124】
NF1は、SCにおけるNF1遺伝子の変異/欠失によって駆動される。NF1には多くの重要な機能(例えば、Ras-GTPaseの調節)があるため、そのような変異/欠失は、神経線維腫につながる。したがって、NF1機能を回復させるための遺伝子療法が研究されている。レトロウイルス及びアデノ随伴ウイルスベクターは、NF1のGAP関連ドメインをトランスフェクトして、機能を回復させるために使用されている。しかしながら、これらの研究では、効率が低いことが多い。更に、ウイルスベクターは、カプシドサイズの制限のために、完全長NF1を運ぶことができない。
【0125】
ウイルスベクターは、遺伝子療法のゴールドスタンダードとなっている。しかしながら、有望であるが、ウイルスには、カプシドサイズの制約以外にもいくつかの制限がある。ウイルスベクター誘導免疫は、例えば、再投薬を妨げるか、又は生物学的安全性の懸念を引き起こす可能性がある。したがって、EVは、遺伝子療法のための有望な治療用担体として浮上してきた。ほとんどの担体システム(ウイルス又は合成)と比較して、EVは、大きなカーゴをパッケージングすることができ、生体適合性の改善、免疫原性の低減、安定性の強化、及び生物学的障壁を通過する生来の能力を示す。したがって、様々な疾患のための治療用EVのエンジニアリングにかなりの量の研究が費やされている。しかしながら、現在、NF1の治療用ペイロードを送達するためのデザイナーEVに関する研究が不足している。
【0126】
TNTは、インビボでの非ウイルス(すなわち、カプシドサイズに制限がない)遺伝子送達に使用され得る。TNTは、シリコンナノチャネルと電場を使用して、カーゴを高速(約100ミリ秒)、効率的、かつ穏和な様式で固体組織組織に送達する(図2)。これは、ナノスケールエレクトロポレーション及び電気泳動の組み合わせによって達成される。インシリコ及びインビボ研究は、標準的なバルクエレクトロポレーション(BEP)と比較して、TNTの優越性が検証されている。TNTを使用して、マウスにおける皮膚神経線維腫(cNF)及び叢状神経線維腫(pNF)の遺伝子療法が推進されるであろう。
【0127】
TNTは、固体組織への直接的な遺伝子送達を可能にすることに加えて、TNTに遺伝子のコピー及び転写産物が担持された、表皮からのデザイナーEVの放出を駆動することもできる。TNT処置された皮膚は、皮膚を超えてトランスフェクションを増幅するために使用される可能性があるEVを産生することができることが研究によって示唆される。ここで、TNTは、エクスビボで作製されたデザイナーEVの全身送達に加えて、特定の受容体-リガンド相互作用を介して、全身にわたってcNF及びpNFを対象とするSC標的化デザイナーEV(インビボ)を表皮に「強制」するために使用される。
【0128】
NF1の遺伝子療法を展開するためのEVベースのアプローチは、いくつかの実施形態では、皮膚からSC標的化EVを派遣することによって産生される。例えば、治療用遺伝子をcNFに直接送達することに加えて、TNTを使用して、表皮をプログラムして、SCトロピズムを有するデザイナーEVを全身にわたって放出する。
【0129】
全長NF1は、モデルカーゴとして使用されるが、提案されるEV技術は、異なるタイプの治療用カーゴ(例えば、CRISPR/Cas9)を送達するために使用され得る。
【0130】
実施例2
SC標的化送達のためのデザイナーEVの開発
SCに対するトロピズムが増強されたデザイナーEV製剤を開発する。これは、マウス皮膚線維芽細胞(MDF)をプラスミドでナノトランスフェクションして、SC標的化リガンド(HRG1/2、NRG1)を過剰発現させるか、又はSCへの変換(SOX10、EGR2)を促進することによって行われる。作業仮説は、SC標的化リガンドプラスミドでMDFをナノトランスフェクションすることが、リガンド-受容体相互作用(HRG1/2-ErbB2/3、NRG1-EGF/ErbB3)を介してSCに優先的に結合するであろう機能化EVの放出につながるというものである。したがって、より容易に豊富な細胞に由来するEVにSCトロピズムを付与する方法が必要である。
【0131】
標的化リガンドで装飾されたEV:
ナノトランスフェクションプラットフォームを作製し、前述のようにSC標的化リガンドのためのプラスミドをMDFに送達するために使用する。簡潔に述べると、MDF(ScienCell)を、ナノチャネルと直接接触させて播種し、パルス電界(約250V、10msパルス、10パルス)を使用して、プラスミドを送達する。同じ骨格を有するシャムプラスミドを、対照として使用する。プラスミドは、個別にトランスフェクトするか、又は2つの並び替えで等モルで混合する。EVを、ExoQuickキットを使用して、6~72時間で上清から単離する。標的化リガンドによるEVの機能化は、ウェスタンブロット(WB)で評価する。NanoSightを使用して、EVの濃度及びサイズを定量化する。
【0132】
選択的取り込み:
デザイナーEV製剤の選択的SC取り込みを、SC及びMDFの共培養で評価する。SC(ATCC)及びMDFを、1:1の比率で混合する。細胞及びEVを、異なる波長(約490、560、及び650nm)のフルオロフォアで標識する。共培養物を、約10~1010EV/mlに曝露し、SCによる選択的取り込みとMDFによる選択的取り込みを、共焦点顕微鏡によって評価する。SCに由来するEVを、陽性対照として使用する。
【0133】
生体内分布:
CNF/pNFにおけるSCに対するトロピズムが増強されたEV製剤を特定するために、Nf1対立遺伝子がSOX10+細胞において不活性化され、cNF及びpNFの形成につながる、NF1のマウスモデルを使用する。簡潔に述べると、ホモ接合性Nf1fl/flマウス(ストック番号:017640,JAX)を、タモキシフェン誘導性SOX10-CreERT2マウス(在庫番号:027651,JAX)と交配させる。その子孫から、Nf1fl/-:SOX10-CreERT2+/0マウスをNf1fl/flマウスと交配させる。子孫の約25%は、Nf1flox対立遺伝子についてのホモ接合遺伝子型を有し、SOX10-CreERT2対立遺伝子についてのヘミ接合遺伝子型を有し(Nf1fl/fl:SOX10-CreERT2+/0)、実験株として使用される。Nf1flox対立遺伝子についてはホモ接合性の子孫、SOX10-CreERT2対立遺伝子についてのヌル(Nf1fl/fl:SOX10-CreERT20/0)を対照として使用する。マウスを、約1ヶ月齢でタモキシフェンで治療する。EV製剤を、タモキシフェン導入後約6ヶ月後に尾静脈を介して注射し、cNF/pNF病変/症状(汚れた毛皮、円背、跛行、四肢麻痺)が確認される。SCに由来するEVを、陽性対照として使用する。EVを、MemGlowで蛍光タグ付けする。マウスに、毎日、約1012EV/グラム体重のボーラスを注射し、1~5回注射したマウスを比較する。最後の注射から24時間後にマウスを安楽死させ、cNF病変、脊髄/坐骨神経(pNFを検査するため)、肝臓、肺、脾臓、及び腎臓を採取し、IVISによって画像化して、EV分布を評価する。その後、組織を組織学的検査のために処理する。神経線維腫を、S100β、GAP43、SOX10、Iba1、及び肥満細胞に対して免疫染色する。組織切片におけるEVの存在を、共焦点イメージングによって定量化する。
【0134】
cNF/pNFへのNF1の送達:
最適なセットのリガンドが特定されると、モデルカーゴとして全長NF1を担持したEVが作製される。MDFを、NF1(約13.4kb、Origene)及び最適化されたリガンドプラスミドと共ナノトランスフェクションする(1:1の比率)。陽性対照EVは、NF1をSCに送達することによって調製する。陰性対照EVは、シャム+リガンドプラスミドを共送達することによって調製する。6~72時間で、デザイナーEVを上清から採取し、EV機能化及びNF1の担持を、WB及びqRT-PCRによって評価する。NF1を担持したEVのSCによる選択的取り込みを評価する。qRT-PCRを使用して、SCにおけるNF1発現を評価する。EVは、毎日、約1012EV/グラム体重のボーラスで、尾静脈を介してタモキシフェン処置Nf1fl/fl:SOX10-CreRT2+/0マウスに送達され、1~5回注射されたマウスを比較する。生体内分布を評価する。NF1送達cNF/pNF及び機能を、NF1の場合、qRT-PCRによって評価し、ニューロフィブロミン、p-ERKに対する免疫染色、並びにSOX10+及び肥満細胞の定量によって評価する。追加の評価には、神経線維腫の数及び体積の定量化、並びにTUNEL及びBrdU染色が含まれる。EVがNF1を担持しているどうかを検証するために、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)を使用して、組織切片の蛍光タグ付き部分を単離し(タグ付きEVの蓄積を示す)、PCR/qRT-PCRを使用して、その位置でNF1プラスミド/mRNAを定量する。
【0135】
実施例3
SC標的化EVのインサイツ展開のためのTNTプロトコルの開発
代替的なアプローチは、TNTを使用して表皮に神経線維腫を治療するためのSC標的化EVを産生することによって、NF1に対するEVベースの療法を展開するために試験される。皮膚を治療用EVのインサイツソースとして使用することは、分離/精製の必要性を排除し、したがって、スケールアップ及び適用を促進する可能性がある。作業仮説は、SC標的化リガンドのNF1+最適化製剤のTNTベースの同時送達は、(1)cNFにおけるSCへのNF1の直接送達をもたらし、かつ(2)NF1を担持し、SC標的化リガンドで「装飾」された上皮EVの放出をもたらし得ることである。したがって、末梢リンパ節又は全身循環へのそのようなEVの連続的なドレナージは、皮膚を超えて全身に広がり、cNF及びpNFにおけるSCへのホーミングをもたらす可能性が高い。
【0136】
TNTデバイスの作製:
TNTプラットフォームは、前に示したように、4インチSiウェハーから、ウェハースケールのクリーンルーム手順を使用して作製される。簡潔に述べると、ナノチャネル(約300nmφ、奥行約20μm)は、投影及び接触リソグラフィと深掘り反応性イオンエッチングとの組み合わせを使用して、Siにエッチングされる。電子顕微鏡によるプロセスの各ステップで行われる特性評価により、デバイスの品質が保証される。処理されたウェハーは、プラスチックケースに取り付けられて、プラスミドリザーバが形成される1cmのデバイスに賽の目に切断される。
【0137】
トランスフェクション:
NF1用のプラスミド及び標的化リガンド用に最適化された製剤は、co-TNT(1:1の比率)である。TNTは、タモキシフェン誘導Nf1fl/fl:SOX10-CreERT2+/0マウスのcNF又は正常皮膚上で直接行われる。皮膚を、TNTの前に脱毛する。シャムプラスミドのみ、及びシャム+標的化リガンドプラスミドを有するTNTは、対照として機能する。プラスミドは、プラスミドリザーバと皮膚との間に位置する一対の電極にわたってパルス電場(250V、10msパルス、10パルス)を印加することによって送達される。TNT手順の持続時間は約100msのみであるため、マウス当たり1~4スポットがTNTである。再投薬効果を評価するために、TNTを1~5週間毎週実施する。マウスを安楽死させ、TNT処理皮膚、cNF病変、脊髄/神経、肝臓、脾臓、腎臓、及び肺を採取する。表皮EVを追跡するために、NF1のTNT及び標的化リガンドプラスミドの24時間前に、皮膚をEVトラッカープラスミド(pCT-CD63-GFP,Systems Bio)で用いたプレTNT処理する。
【0138】
TNTの結果:
NF1のcNF又は正常な皮膚への良好な送達/発現を、表皮及び真皮のLCM、続いて、PCR/qRT-PCR、及び免疫染色によって評価して、プラスミドの送達及び発現(mRNA及びタンパク質レベル)を評価する。EVを、皮膚生検から単離し、装飾及び担持を、WB及びqRT-PCRによって特徴付ける。CD63-GFPタグ付きEVの生体内分布を評価する。直接TNT処理されていないcNF及びpNFにおけるNF1のEVベースの送達/発現を、表皮EVが蓄積したGFP+領域を分析するために、LCM/qRT-PCRによって特徴付ける。cNF及びpNFにおける機能評価も行う。
【0139】
実施例4
EVを生成するためのプロトコル
EVを、ドナー細胞のトランスフェクションの24時間後に培地から単離した。培地を、2,000gで30分間、4℃で遠心分離して、死細胞及び破片を除去した。遠心分離後、無細胞培養培地を濾過し、300kDaの分子量カットオフを有するVivaspinフィルター(Sartorius,76408-886)を使用して濃縮した。続いて、EVを、以下の2つの方法のうちの1つを使用して単離した:1)次いで、EVを含む濃縮溶液を、qEV Original SECカラムを使用してqEV自動フラクションコレクター(Izon Science Ltd.)上でサイズ排除クロマトグラフィーに供し、3つのEVが濃縮された画分を回収し、その後の分析のために保存したか、又は2)全エクソソーム単離試薬(Thermo Fisher Scientific,44-783-59)を、製造業者の説明書に従って、無細胞培養培地を含む上清に添加した。全てのEVは、ナノ粒子追跡分析(NTA)技術によってそれらの濃度及びサイズ分布を測定することによって溶液中で特徴付け、任意の実験の前に、定量的qRT-PCRを使用して、EV内の分子カーゴの装填を検証した。
【0140】
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、開示される発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に引用される刊行物及びそれらが引用する物質は、参照により具体的に本明細書に組み込まれる。
【0141】
当業者であれば、通常範囲を超えない実験を使用して、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、又は確定することができるであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
図1
図2A-B】
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3A-B】
図4
【配列表】
2024539937000001.xml
【国際調査報告】