(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】模擬加熱条件でサセプタ配設を試験するための試験装置および方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/80 20200101AFI20241024BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241024BHJP
【FI】
A24F40/80
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524469
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 EP2022079524
(87)【国際公開番号】W WO2023072802
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】チュー スーン レオン
(72)【発明者】
【氏名】サンナ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ストゥラ エンリコ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC50
(57)【要約】
本発明は、ユーザー体験中にエアロゾル発生装置内に配設された加熱されたサセプタ配設の模擬加熱条件下でサセプタ配設を試験するための試験装置および方法に関する。試験装置は、試験されるサセプタ配設を受容するためのホルダーを備えるホルダーモジュールと、誘導加熱配設と制御回路を備える測定装置とを備える制御モジュールと、を備え、誘導加熱配設は、サセプタ配設を誘導加熱するための交番磁界を発生するように構成される。測定装置は、誘導加熱配設と動作可能に連通するサセプタ配設に応答して、制御回路に加えられる負荷に関連する測定値から、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定するように構成され、制御回路は、サセプタ配設の一つの試験サイクルまたはいくつかの後続の試験サイクルの間、誘導加熱配設に給電するように構成され、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値が所定のサセプタ値に対応するかどうかを決定するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー体験中にエアロゾル発生装置内に配設された加熱されたサセプタ配設の模擬加熱条件下でサセプタ配設を試験するための試験装置であって、前記試験装置が、
試験されるサセプタ配設を受容するためのホルダーを備えるホルダーモジュールと、
誘導加熱配設と制御回路を備える測定装置とを備える制御モジュールであって、前記誘導加熱配設が、サセプタ配設を誘導加熱するための交番磁界を発生するように構成される、制御モジュールと、を備え、
前記測定装置が、前記誘導加熱配設と動作可能に連通するサセプタ配設に応答して、前記制御回路に印加される負荷に関連する測定値から、前記サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定するように構成され、前記制御回路が、前記サセプタ配設の一つの試験サイクルまたはいくつかの後続の試験サイクルの間、前記誘導加熱配設に給電するように構成され、かつ前記サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値が所定のサセプタ値に対応するかどうかを決定するように構成されている、試験装置。
【請求項2】
前記制御モジュールが、所定のサセプタ値に達した場合に試験されたサセプタ組立品の受け入れを出力する、または所定のサセプタ値に達しない場合に試験されたサセプタ組立品の拒否を出力するように構成される、請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値が、見かけの電気コンダクタンス値であり、前記所定のサセプタ値が、所定の電気コンダクタンス値である、請求項1~2のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項4】
前記ホルダーが、前記空洞内にサセプタ配設を受容し、かつ収容するための空洞を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項5】
少なくとも一つのクリップが、前記空洞内にサセプタ配設を固定するために前記空洞内に配設されている、請求項4に記載の試験装置。
【請求項6】
加熱サイクル間にサセプタ配設を冷却するための冷却装置をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項7】
支持体をさらに備え、前記ホルダーモジュールおよび前記制御モジュールが、前記支持体に取り付けられ、前記ホルダーモジュールおよび前記制御モジュールが、前記ホルダーモジュール内の前記ホルダーの少なくとも一部が前記制御モジュール内のそれぞれの受容スロット内に収容可能であり、かつそれらから取り外し可能であるように、前記支持体上で互いに対して相対的に移動可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項8】
前記試験装置の較正係数を決定するための試験サイクルを実行するための較正サセプタをさらに備え、前記較正サセプタが、試験サイクル全体を通して、固定サセプタ値、例えば、固定電気コンダクタンス値を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項9】
ユーザー体験中にエアロゾル発生装置内の加熱されたサセプタ配設の模擬加熱条件下で、試験装置におけるサセプタ配設を試験するための方法であって、前記方法が、
少なくとも第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含むサセプタ配設を提供することと、
a)前記サセプタ配設を誘導加熱配設と動作可能に連通させ、前記サセプタ配設を前記誘導加熱配設で誘導加熱することと、
b)制御回路に印加される負荷に関連する測定値から、前記サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定することであって、前記測定値が、試験サイクル中に前記誘導加熱配設と動作可能に連通する前記サセプタ配設に応答する、決定することと、
ステップa)およびb)を繰り返し、それによって、後続の試験サイクルに対する前記サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定することと、
前記試験されたサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を所定のサセプタ値と比較することと、
決定されたサセプタ値と所定のサセプタ値との間の差が、所定の閾値を超える場合、前記試験されたサセプタ配設を受け入れるか、または拒否することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を、数回またはすべての試験サイクルにわたって平均化し、前記平均されたサセプタ値を前記所定のサセプタ値と比較する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた所定の値が、試験サイクル中の所定の時間、好ましくは前記試験サイクルの加熱期間中に、試験サイクル当たりの電気コンダクタンスの最大値および最小値を含む、請求項9~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記サセプタ配設の前記第一のサセプタ材料および前記サセプタ配設の前記第二のサセプタ材料が、互いに密接に物理的に接触し、前記第二のサセプタ材料が、摂氏500度未満のキュリー温度を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第一のサセプタ材料がキュリー温度を含まないか、または摂氏500度を超えるキュリー温度を含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第二のサセプタ材料が、75重量パーセント~85重量パーセントおよび10重量パーセント~25重量パーセントのFeを含むNi-Fe合金を含むか、またはそれから成る、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記サセプタ配設が、前記第二のサセプタ材料に密接に連結された第三のサセプタ材料を含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザー体験中にエアロゾル発生装置内に配設された加熱されたサセプタ配設の模擬加熱条件下でサセプタ配設を試験するための試験装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体と、基体を加熱してエアロゾルを発生させるためのサセプタの形態の発熱体とを備える物品は、先行技術から一般的に公知である。サセプタの材料パラメータは、サセプタの最適化された性能のために、またエアロゾル発生に従って、非常に特定の範囲内である必要がある。しかしながら、多層サセプタ配設では特に、サセプタの物理的材料パラメータは、要求されたまたは必要なサセプタ性能にリンクするには複雑すぎる場合がある。したがって、例えば、サセプタサプライヤーによって提供される個々の材料パラメータは、多くの場合、多層サセプタ配設の加熱性能を特徴付けるのに十分ではない。
【0003】
したがって、シミュレーションされた実際の状態で、サセプタ配設、特に多層サセプタ配設を試験することを可能にする試験装置および試験方法に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明によると、ユーザー体験中にエアロゾル発生装置内に配設された加熱されたサセプタ配設の模擬加熱条件下でサセプタ配設を試験するための試験装置が提供されている。試験装置は、試験されるサセプタ配設を受容するためのホルダーを備えるホルダーモジュールと、誘導加熱配設と制御回路を備える測定装置とを備える制御モジュールと、を備える。誘導加熱配設は、サセプタ配設を誘導加熱するための交番磁界を発生するように構成されている。測定装置は、誘導加熱配設と動作可能に連通するサセプタ配設に応答して、制御回路に印加される負荷に関連する測定値から、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を判定するように構成されている。制御回路は、サセプタ配設の一つの試験サイクルの間、またはいくつかの後続の試験サイクルの間、誘導加熱配設に給電するように構成され、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値が、所定のサセプタ値、好ましくは所定のユーザー体験における所定のサセプタ配設の所定のサセプタ値に対応するかどうかを判定するように構成されている。
【0005】
模擬加熱条件でサセプタ配設を試験し、試験結果をユーザー体験中にサセプタ配設の所望の加熱特性と比較する場合、サセプタ配設の詳細な材料特性を知る必要はないことがわかった。所望の加熱特性は、誘導加熱装置内で加熱された時に、かつユーザー体験に従って、エアロゾル形成基体内に配設されたサセプタ配設の所定のサセプタ値に対応する。所定のサセプタ値は、好ましくは、特に所定の電気コンダクタンス値、より具体的には、電気コンダクタンス値または電気コンダクタンスの変化率の変化である。
【0006】
典型的に、測定装置は、誘導加熱装置によって引き出される電流および電圧の測定値から、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を判定するように構成されている。サセプタ配設は、制御回路への負荷を表し、測定値は、誘導加熱配設と動作通信するサセプタ配設に応答する。試験サイクル中、特にサセプタ配設の加熱中に、異なる温度および時間でのサセプタ配設の物理的特性の変化に応じて、制御回路に印加される負荷は変化し、サセプタ配設の物理的値、特に見かけの電気抵抗または見かけの電気コンダクタンス値は、誘導加熱装置によって引き出される電流および電圧から決定されてもよい。
【0007】
好ましくは、制御モジュールは、所定のサセプタ値に達した場合に試験されたサセプタ組立品の受け入れを出力する、または所定のサセプタ値に達しない場合に試験されたサセプタ組立品の拒否を出力するように構成される。
【0008】
好ましくは、サセプタ配設の物理的特性に関連する所定の値は、試験サイクル中、好ましくは試験サイクルの加熱期間中の所定の時間における試験サイクルごとの電気コンダクタンスの最大値と最小値を含む。
【0009】
試験されたサセプタ組立品の受け入れまたは拒否は、異なる試験結果で決定されうる。例えば、一部の実施形態では、制御モジュールは、各試験サイクル当たりのサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を、所定のサセプタ値と比較するように構成され得る。一部の他の実施形態では、制御モジュールは、二回、数回、またはすべての実施された試験サイクルにわたって、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を平均化し、当該平均したサセプタ値を所定のサセプタ値と比較するように構成される。いくつかの試験を実行し、少なくとも二回、好ましくは三回から五回の試験を実行して、試験結果を平均すると、単一の試験結果が所定のサセプタ値の所定の閾値を超えているため欠陥があると思われるサセプタ配設の数を減らしことができる。
【0010】
サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値のセット内の所定の閾値のセット、または所定のサセプタ値のセットからの許容可能な偏差に対する所定の閾値のセットは、サセプタ配設の加熱特性の必要とされる、または所望の精度に応じて定義されてもよい。
【0011】
所定の閾値は、所定の値の5パーセント~30パーセントであることが好ましい。所定の閾値は、所定の値の10パーセント未満であることが好ましい。したがって、試験および測定されたサセプタ配設の値は、所定の値から5パーセント~30パーセント、または最大±10パーセント逸脱し得る。
【0012】
好ましくは、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値は透過性であり、見かけの電気抵抗または見かけの電気コンダクタンス値および所定のサセプタ値は、所定の透過性であり、電気抵抗または電気コンダクタンス値、最も好ましくは、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値は、見かけの電気コンダクタンス値であり、所定のサセプタ値は、所定の電気コンダクタンス値である。
【0013】
測定装置は、装置のDC電源から誘導加熱配設によって引き出されるDC電流を決定するための電流測定装置と、DC電源によって誘導加熱配設に供給されるDC電圧を決定するための電圧測定装置とを備えてもよい。測定装置は、決定されたDC電流と決定されたDC電圧の比から、誘導加熱配設の電気コンダクタンス値を決定するように構成される。
【0014】
試験装置は、可能な限り近い実際の電子加熱装置におけるエアロゾル発生物品の実際の使用をシミュレートすることが好ましい。サセプタを含むエアロゾル形成基体、特にサセプタを含む固体エアロゾル形成基体用の特定の誘導加熱装置は、WO2015/177255号に記載されている。この文書およびその電子エアロゾル発生装置のセットアップ、動作、および動作原理の説明は、参照により本明細書に組み込まれる。試験装置の制御ユニットは、サセプタ配設を備え、かつ当該実際の誘導加熱装置で使用される物品の一部であるサセプタ配設の加熱に近い状態で、試験装置内のサセプタ配設の加熱を実施するために、WO2015/177255号に記載の装置と同一または実質的に同一の試験される物品を受容するための電源、電源電子回路、および空洞を備えることが好ましい。
【0015】
したがって、制御モジュールは、高周波で動作するように構成された電源回路を備え、電源回路は、DC電源に接続されたDC/ACインバータを備え、DC/ACインバータは、トランジスタスイッチおよび低オーム負荷で動作するように構成されたLC負荷ネットワークを含むクラスE電力増幅器を含むことが好ましい。
【0016】
DC電源は一般的に、特に本線に接続される電源供給ユニット、一つ以上の使い捨て電池、再充電可能電池、または要求されるDC電源電圧および要求されるDC電源アンペア数を供給する能力を有するその他の任意の適切なDC電源を含む、適切な任意のDC電源を備えうる。一つの実施形態で、DC電源のDC電源電圧は約2.5ボルト~約4.5ボルトの範囲であり、DC電源アンペア数は約2.5~約5アンペアの範囲(DC供給電力約6.25ワット~約22.5ワットの範囲に相当)である。電源回路は高周波で動作するよう構成される。本出願の目的で、「高周波」という用語は、約1メガヘルツ(MHz)~約メガヘルツ(MHz)(1MHz~30MHzの範囲を含む)、具体的には約1メガヘルツ(MHz)~約10MHz(1MHz~10MHzの範囲を含む)、なおより具体的には約5メガヘルツ(MHz)~約7メガヘルツ(MHz)(5MHz~7MHzの範囲を含む)の範囲の周波数を意味することが理解される。
【0017】
電源回路は、DC電源に接続されたDC/ACインバータを備える。DC/ACインバータは、トランジスタスイッチ、トランジスタスイッチ駆動回路、およびLC負荷ネットワークを含む、クラスE電力増幅器を含む。クラスE電力増幅器は一般的に公知であり、例えば、論文「Class-E RF Power Amplifiers(クラスEのRF電力増幅器)」(Nathan O.Sokal著、隔月雑誌QEX、2001年1月/2月号、9-20ページ、American Radio Relay League(ARRL)(米国コネチカット州ニューイントン)で公表)で詳細に説明されている。クラスE電力増幅器は、高周波数での動作に関して有利であり、それと同時に最小数の構成要素を備えた単純な回路構造を持つ(例えば、一つのトランジスタスイッチのみを必要とするが、これは、二つのトランジスタの一方がオンになっている時に二つのトランジスタのもう一方が確実にオフになるようにする方法で、高周波数で制御されなければならない二つのトランジスタスイッチを備えた、クラスD電力増幅器に比べて有利である)。さらに、クラスE電力増幅器については、スイッチング移行中のスイッチングトランジスタでの電力損失が最小であることが公知である。
【0018】
クラスE電力増幅器は、単一のトランジスタスイッチのみを持つシングルエンドの一次クラスE電力増幅器であることが好ましい。
【0019】
クラスE電力増幅器のトランジスタスイッチは、任意のタイプのトランジスタとすることができ、バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)として埋め込んでもよい。ただし、トランジスタスイッチは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)などの、電界効果トランジスタ(FET)として埋め込まれることがより好ましい。
【0020】
本発明による誘導加熱装置のクラスE電力増幅器のLC負荷ネットワークは、低オーム負荷を動作するよう構成されている。「低オーム負荷」という用語は、約2オーム未満のオーム負荷を意味するものと理解される。
【0021】
好ましくは、試験装置において、LC負荷ネットワークは、分路コンデンサ、およびコンデンサとオーム抵抗を持つインダクタとの直列接続を含む。インダクタのこのオーム抵抗は一般に十分の数オームである。作動時に、サセプタのオーム抵抗はインダクタのオーム抵抗に追加され、インダクタのオーム抵抗よりも高くなるべきだが、これは供給される電力が、電力増幅器の効率を増やすために、またエアロゾルを効果的に生成するためにサセプタからエアロゾル形成基体の残りの部分にできるだけたくさんの熱の伝達が許容されるように、サセプタ内でできるだけ広範囲に熱に変換されるべきためである。サセプタ配設自体を試験する場合、誘導加熱配設は、ホルダーが誘導加熱配設の範囲内に配設された時に、ホルダー内のサセプタ配設を誘導加熱するために、ホルダーの一部内に交番磁界を発生するように構成されている。
【0022】
制御モジュールはまた、ホルダーの少なくとも一部を受容するための受容スロットを備え、スロットは、受容スロット内にホルダーの一部を収容する際に、LC負荷ネットワークのインダクタが試験中にホルダー内のサセプタ配設に誘導結合されるように配設されている。
【0023】
一部の実施形態では、ホルダーは、空洞内にサセプタ配設を受容および収容するための空洞を備える。空洞は、サセプタ配設を収容する形状およびサイズを有する。空洞は、細長い平坦なサセプタ配設、例えば細片状のサセプタ配設を受容および収容するためのスリットの形状を有することが好ましい。
【0024】
少なくとも一つのクリップは、サセプタ配設を空洞内に固定するために空洞内に配設されてもよい。ホルダーは、サセプタ配設をサセプタ配設の両端に固定するために、空洞内に対向して配設された二つのクリップを備えることが好ましい。クリップは非常に単純で効果的な固定手段である。クリップは、例えば、試験中、特にサセプタ配設の加熱および冷却中に、サセプタ配設を定位置に保持することを可能にする。クリップはまた、サセプタ配設が、サセプタ配設をホルダー、例えば空洞壁とさらに物理的に接触することなく保持され得るという利点を有する。これは、時間および電源の観点から試験効率を改善するために好ましいだけでなく、サセプタへの熱伝達を最大限に高め、熱放散を最小限に抑える。さらに、サセプタ配設とホルダーの部品との最小限の物理的接触は、ホルダーハウジングの燃焼またはくすぶりを防止し得る。製造上の理由から、ホルダーハウジングはプラスチック材料で製造され、一方で試験中のサセプタ配設の温度は、例えば摂氏400度に達する場合がある。
【0025】
ホルダーハウジングを過度に加熱するリスクをさらに低減するために、空洞を画定する壁は、高温耐性コーティング、好ましくはセラミックコーティングで被覆されてもよい。こうした高温耐性コーティングは、典型的には、1W/mK未満(1メートル当たりのワット×ケルビン)、好ましくは0.05W/mK未満の熱伝導率を有する。
【0026】
エアロゾル形成基体、特にたばこ基体の熱負荷をシミュレートするために、サセプタ配設は通常、電子加熱装置で使用される時に挿入され、空洞は、空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する耐熱性繊維材料を含んでもよい。空洞は、例えば、耐熱性ケブラー(登録商標)フェルトなどの、空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する耐熱性フェルト材料を含んでもよい。こうした耐熱性繊維材料は、サセプタ配設の表面にわたる温度分布に影響を与える。
【0027】
一部の実施形態では、試験装置は、サセプタ配設を備える物品を試験するように適合される。これらの実施形態では、ホルダーは、サセプタ配設を備えるロッド状の物品を保持するための保持手段を備える。こうした保持手段は、ロッド状の物品を保持する、好ましくはこれをクランプするように適合されている。こうした保持手段は、例えば、一つ以上のピン、ハーフシェルの形態のクランプ、物品が押し込まれる、その中に配設される空洞、または同様のものであってもよい。
【0028】
試験装置は、サセプタ配設を、好ましくは少なくとも加熱サイクル間に冷却するための冷却装置をさらに備えてもよい。冷却装置は、試験装置を所定の温度に維持しうることが好ましい。冷却装置は、ホルダーまたはサセプタ配設の過熱を防止し得る。試験を繰り返すために、または次の試験を実行するために、試験装置は冷却されなければならない。試験装置、特に制御ユニットを積極的に冷却することで、次の試験が実行されるまで中断せずに、または中断をほとんどしない状態で、複数の試験が実施され得る。
【0029】
試験装置は支持体を備えてもよく、ホルダーモジュールおよび制御モジュールは支持体に取り付けられている。ホルダーモジュールおよび制御モジュールは、ホルダーモジュール内のホルダーの少なくとも一部が制御モジュール内のそれぞれの受容スロット内に収容可能であり、かつそれらから解放可能であるように、支持体上で互いに相対的に移動可能であることが好ましい。これによって、ホルダー内に保持されたサセプタ配設は、試験されるために制御モジュール内の受容スロット内に配設されてもよい。
【0030】
ホルダーモジュールは、制御モジュールに対して、および制御モジュールから離れるように、ガイドに沿って直線的に移動可能であることが好ましい。制御モジュールは、支持体上に固定して配設され、ホルダーモジュールは、制御モジュールに移動可能に支持体上に配設されて、制御モジュールから離れるように移動可能であることが好ましい。
【0031】
有利なことに、試験装置は、サセプタ配設を試験する前に較正される。こうした較正試験を実施するために、試験装置は、試験装置の較正係数を決定するための試験サイクルを実行するための較正サセプタを備えてもよい。こうした較正試験サイクルを実施するために、較正サセプタは、試験サイクル全体を通して、固定サセプタ値、例えば、固定透過性値、固定電気抵抗値、または固定電気コンダクタンス値を有する。これによって、較正サセプタを用いた試験実行の結果Yは、次いで、較正サセプタの既知の透過性値、既知の電気抵抗値、または既知の電気コンダクタンス値Xなどの既知の物理的特性によって補正することができ、誤差はY-Xに対応する。較正サセプタは、固定電気コンダクタンス値を有することが好ましい。
【0032】
本発明によると、ユーザー体験中にエアロゾル発生装置内の加熱されたサセプタ配設の模擬加熱条件下で、試験装置内のサセプタ配設を試験するための方法も提供されている。方法は、少なくとも第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含むサセプタ配設を提供することであって、
a)サセプタ配設を誘導加熱配設と動作可能に連通させ、誘導加熱配設でサセプタ配設を誘導加熱し、
b)制御回路に印加される負荷に関連する測定値から、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定し、測定値が、試験サイクル中に誘導加熱配設と動作可能に連通するサセプタ配設に応答する、提供することと、
ステップa)およびb)を繰り返し、それによって、後続の試験サイクルに対するサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定することと、
試験されたサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を所定のサセプタ値、好ましくは、所定のユーザー体験における所定のサセプタ配設と比較することと、決定されたサセプタ値と所定のサセプタ値との間の差が、所定の閾値を超える場合、
試験されたサセプタ配設を受け入れるか、または拒否することと、を含む。
【0033】
方法は、テキストサイクル中に制御回路によって引き出される電流および電圧を測定することと、測定された電流および電圧からサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定することとを含むことが好ましい。
【0034】
一部の実施形態では、試験されたサセプタ配設を受け入れるまたは拒否することは、試験されたサセプタ配設が取られたサセプタ配設バッチ全体を受け入れるまたは拒否することを示す。これによって、例えばサセプタの連続的なバンドを含む同一のボビンから切断された一つ以上のサセプタ配設の試験は、バッチ全体の品質を示す。試験されたサセプタ配設またはサセプタ配設が試験に失敗した場合、バッチ全体が拒否される。これは、欠陥のあるサセプタ材料で物品が生成されないため、有利である。時間および材料コストを節約し得、廃物を削減し得る。
【0035】
本方法および試験装置は、非常に複雑であるサセプタ配設の正確な材料特性を調査する必要なく、サセプタ材料のバッチの品質をチェックするための信頼性がありかつ迅速な方法を提示する。
【0036】
一部の実施形態では、方法は、各試験サイクル当たりのサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を、所定のサセプタ値と比較することを含む。一部の他の実施形態では、方法は、少なくとも二回にわたって、したがって数回またはすべての試験サイクルにわたってサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を平均化することと、当該平均されたサセプタ値を所定のサセプタ値と比較することと、を含む。
【0037】
好ましい実施形態では、方法は、後続の試験サイクルのサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を比較することと、後続の試験サイクルの決定された値間の差が所定の閾値を超える場合にサセプタ配設
を拒否することと、を含む。
【0038】
サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値は、決定された見かけの電気コンダクタンス値に対応し、所定のサセプタ値は、所定の電気コンダクタンス値に対応することが好ましい。
【0039】
典型的には、試験サイクルは、加熱期間および冷却期間を含む。
【0040】
方法は、加熱期間の間にサセプタ配設を能動的に冷却することを含んでもよい。冷却は、冷却媒体を介して制御モジュールへ、またはサセプタ配設に直接実施されてもよい。
【0041】
サセプタ組立品が加熱されると、その見かけの抵抗が増加する。この抵抗の増加は、例えばDC電源から引き出されるDC電流を監視することによって観察および検出することができる。定電圧では、サセプタ配設の温度が増加するにつれてDC電流が減少する。誘導装置によって提供される高周波の交番磁界は、サセプタ配設の表面に近接して、表皮効果として既知の効果である渦電流を誘起する。サセプタ配設の抵抗は、第一および第二のサセプタ材料の電気的抵抗に部分的に依存し、また誘起された渦電流に利用できるそれぞれの材料の表皮層の深さに部分的に依存する。第二のサセプタ材料がそのキュリー温度に達すると、その磁性が失われる。これにより、第二のサセプタ材料内で渦電流に利用できる表皮層が増え、これによりサセプタの見かけの抵抗が減少する。その結果、第二のサセプタ材料がそのキュリー温度に達した時に、検出されたDC電流が一時的に増加する。これは、測定または決定された抵抗曲線の谷(局所最小値)として見ることができる。電流は、第二のサセプタ材料がそのキュリー温度に達する時点での最大表皮深さに達するまで増加し続ける。
【0042】
サセプタ組立品の抵抗の変化を遠隔検出することにより、サセプタ組立品が第二のキュリー温度に達する瞬間が決定され得る。この点は、測定または決定された抵抗曲線における丘(局所最大値)として見ることができる。
【0043】
実際の装置では、この時点で、実際の装置内の電子回路が動作して供給される電力を変化させ、それによってサセプタ組立品の加熱を低減または停止させる。その後、サセプタ組立品の温度は、第二のサセプタ材料のキュリー温度よりも低く下がる。電源供給は一定時間経過後、または第二のサセプタ材料がそのキュリー温度よりも低く冷めたことが検出された後のいずれかに、再び増加または再開されうる。こうしたフィードバックループを使用することにより、サセプタ組立品の温度をほぼ第二のキュリー温度に維持し得る。
【0044】
サセプタ組立品の物理的特性、特に電気抵抗または電気コンダクタンスにおけるこの挙動は、特定のサセプタ材料の組み合わせを有する特定のサセプタ組立品に非常に特異的である。試験結果とサセプタ組立品のこうした最適化された加熱特性との比較は、許容可能なまたは欠陥のあるサセプタ配設に関する信頼できる情報を提供する。したがって、試験されたサセプタ配設が試験パラメータを満たす場合、試験装置によって信頼できる情報が得られる。これにより、サセプタ配設またはサセプタ配設がサンプルとして一部であったバッチ全体が、エアロゾル発生物品の発熱体として使用されるのに適しているか、または当該バッチからのサセプタ配設を含む一連の物品が品質要件を満たすかのいずれかであると判定され得る。
【0045】
方法の一部の実施形態では、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた所定の値は、試験サイクル中の所定の時間、特に試験サイクルの加熱期間中の、試験サイクル当たりの電気コンダクタンスの最大値および最小値を含む。
【0046】
電気コンダクタンスのこれらの最大値および最小値は、これらの値が、サセプタ配設内のサセプタ材料がそのキュリー温度に達し、その磁性を失うプロセス(検出された電流の一時的な増大、抵抗の減少またはコンダクタンスの増加、抵抗の極小値またはコンダクタンスの極大値)、ならびにサセプタ材料のキュリー温度に達した時点(当該点まで電流が上昇すると、サセプタ材料は、その自然磁性を失い、強磁性またはフェリ磁性状態から常磁性状態、すなわち抵抗の極大値またはコンダクタンスの極小値への相変化を受ける)に相関しているため、そのサセプタ配設固有のものである。
【0047】
方法は、DC電源から誘導加熱配設によって引き出されるDC電流を測定することと、DC電源によって誘導加熱配設に供給されるDC電圧を測定することと、判定されたDC電流と判定されたDC電圧との比から誘導加熱配設の電気コンダクタンス値を判定することと、を含むことが好ましい。
【0048】
好ましい実施形態では、方法は、試験装置の電源回路を高周波で動作させることを含んでもよく、電源回路は、DC電源に接続されたDC/ACインバータを備え、DC/ACインバータは、トランジスタスイッチおよび低オーム負荷で動作するように構成されたLC負荷ネットワークを含むクラスE電力増幅器を含む。
【0049】
LC負荷ネットワークは、分路コンデンサ、およびコンデンサとオーム抵抗を持つインダクタとの直列接続を含み得る。方法は、LC負荷ネットワークのインダクタが試験中にサセプタ配設に誘導結合されるように、誘導加熱配設を含む制御モジュールの受容スロット内にサセプタ配設を収容することを含み得る。
【0050】
サセプタ配設は細長いサセプタ配設であることが好ましく、細片の形態であることが好ましい。最も好ましくは、サセプタ配設は、細長い、多層サセプタ配設である。
【0051】
細長いサセプタ配設は、0.03ミリメートル~0.15ミリメートル、より好ましくは0.05ミリメートル~0.09ミリメートルの範囲内の厚さを有してもよい。細長いサセプタ配設は、2ミリメートル~6ミリメートル、具体的に4ミリメートル~5ミリメートルの範囲内の幅を有してもよい。同様に、細長いサセプタ配設は、8ミリメートル~19ミリメートル、具体的に10ミリメートル~14ミリメートル、好ましくは10~12ミリメートルの範囲内の長さを有してもよい。
【0052】
別の方法として、サセプタ配設は、サセプタロッド、またはサセプタピン、または多層サセプタスリーブ、またはサセプタカップ、または円筒状のサセプタ配設であってもよい。
【0053】
第一のサセプタ材料は最大加熱効率について選択されることが好ましい。変動磁場内に位置する磁性サセプタ材料の誘導加熱は、サセプタ内で誘起される渦電流による抵抗加熱と、磁気ヒステリシス損失によって生成される熱との組み合わせによって起こる。サセプタ配設の第一のサセプタ材料およびサセプタ配設の第二のサセプタ材料は、相互に密接に物理的に接触し、第二のサセプタ材料は、摂氏500度未満のキュリー温度を含むことが好ましい。
【0054】
第一のサセプタ材料はキュリー温度を含まないか、または摂氏500度を超えるキュリー温度を含むことが好ましい。
【0055】
第一のサセプタ材料は、サセプタが変動する電磁場内に置かれた時に、サセプタを加熱するために主に使用されることが好ましい。任意の好適な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であってもよい。第一のサセプタ材料は、金属、例えばフェライト鉄、またはステンレス鋼、具体的にはグレード410、グレード420、もしくはグレード430のステンレス鋼を含むか、それらから成ることが好ましい。
【0056】
第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ組立品全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。それ故に、第二のサセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル形成基体の発火点を下回るべきである。第一および第二のサセプタ材料がすぐ近くにあることは、正確な温度制御を提供するにあたって有利でありうる。
【0057】
第一のサセプタ材料は、摂氏500度を超えるキュリー温度を有する磁性材料であることが好ましい。加熱効率の観点から、第一のサセプタのキュリー温度は、サセプタ組立品が加熱されることができる任意の最大温度を超えることが望ましい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、好ましくは摂氏400度より低く、好ましくは摂氏380度よりも低く、または摂氏360度より低くなるように選択されてもよい。第二のサセプタ材料は所望の最高加熱温度と実質的に同じであるキュリー温度を有するように選択された磁性材料であることが好ましい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、例えば、摂氏200度~摂氏400度、または摂氏250度~摂氏360度の範囲内であってもよい。
【0058】
こうして、加熱時には第一および第二のサセプタ材料は同一の温度を持つ。第一のサセプタ材料は、サセプタ配設が物品に収容されると、エアロゾル形成基体の加熱のために最適化され得、所定の最大加熱温度よりも高い第一のキュリー温度を有しうる。サセプタが第二のキュリー温度に達すると、第二のサセプタ材料の磁性が変化する。第二のキュリー温度で、第二のサセプタ材料は強磁性の相から常磁性の相へと可逆的に変化する。誘導加熱の間、第二のサセプタ材料のこの相変化は、第二のサセプタ材料との物理的接触なしに検出され得る。相変化の検出により、サセプタ配設の実際の使用において、エアロゾル形成基体の加熱に対する制御が可能になり得る。例えば、第二のキュリー温度に関連する相変化が検出された時点で、誘導加熱は自動的に停止させうる。こうして、主としてエアロゾル形成基体の加熱を担う第一のサセプタ材料がキュリー温度、すなわち望ましい最大加熱温度よりも高い第一のキュリー温度を持たない場合でも、エアロゾル形成基体の過熱を回避することができる。誘導加熱が停止した後、サセプタは第二のキュリー温度よりも低い温度に達するまで冷却される。この時点で第二のサセプタ材料はその強磁性を再び獲得する。この相変化は第二のサセプタ材料と接触することなく検出することができ、よって誘導加熱を再び起動しうる。こうして、サセプタ配設の誘導加熱およびしたがってサセプタ組立品に囲まれたエアロゾル形成基体の誘導加熱は、誘導加熱装置を繰り返し作動および停止することによって制御されうる。この温度制御は無接触の手段によって達成される。試験装置では、こうした温度または電力制限は、基体の過熱による悪影響のリスクがないため、一般的に試験に対する制約として使用されない。
【0059】
第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料の間の密接な接触は、任意の適切な手段によってなされてもよい。例えば、第二のサセプタ材料は、第一のサセプタ材料上にメッキ、堆積、被覆、クラッディング、または溶接されてもよい。好ましい方法としては、電気メッキ、亜鉛メッキ、およびクラッディングが挙げられる。第二のサセプタ材料は高密度の層として存在することが好ましい。高密度層は多孔性の層よりも高い透磁率を有し、キュリー温度での微細な変化を検出することをより容易にする。第一のサセプタ材料が基体の加熱のために最適化されている場合、第二のサセプタ材料の量は検出可能な第二のキュリー点の提供に必要とされるよりも大きくないことが好ましい場合がある。
【0060】
第二のサセプタ材料のために好適な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。
【0061】
第二のサセプタ材料の特定の材料選択は、様々なサセプタ材料間、特に様々な層間の制限された自由な移動が、こうしたサセプタ配設の大量生産中に制御することが困難である磁気収縮に与える影響に起因して、その製造中に生じるサセプタ配設における望ましくない効果を低減し得ることが見出された。具体的に、これらの望ましくない効果は、前駆体積層材料(複数のサセプタ配設はこの材料から最終的に作製される)の異なる場所にわたって変化する場合がある。結果として、磁性は、同じ前駆材料で作製されている場合でさえも、異なるサセプタ配設間で変化する場合がある。
【0062】
したがって、第二のサセプタ材料は、75重量パーセント~85重量パーセントおよび10重量パーセント~25重量パーセントのFeを含むNi-Fe合金を含むか、またはそれから成ることが好ましい。より具体的には、Ni-Fe合金は、79重量パーセント~82重量パーセントのNiおよび13重量パーセント~15重量パーセントのFeを含んでもよい。上記の範囲内のNiおよびFeを含むNi-Fe合金は、弱い磁歪しか呈しない、または磁歪を呈しないことが見いだされた。結果として、第二の層の第二のサセプタ材料は、その処理後、およびその動作の温度範囲全体を通して、その磁性の変化を受けないか、または少なくとも減少したのみである。これは結果として、処理後およびその後の動作中に、その磁性の変動がない、またはごくわずかな変動しかない、第二の磁気的層を有する多層サセプタ配設の大量生産を可能にする。
【0063】
本明細書で使用される時、用語「重量パーセント」または「重量パーセント」はまた、その合金内の元素の質量分率を示し、これは、そのそれぞれの元素の質量と、その合金の試料の総質量との比である。
【0064】
主な構成成分に加えて、Ni-Fe合金の残りの部分は、以下の元素:Co、Cr、Cu、Mn、Mo、Nb、Si、TiおよびVのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0065】
本明細書で使用される記号Niは、化学元素のニッケルを表し、記号Feは、化学元素の鉄を表し、記号Coは、化学元素のコバルトを表し、記号Crは、化学元素クロムを表し、記号Cuは、化学元素の銅を表し、記号Mnは、化学元素のマンガンを表し、記号Moは、化学元素のモリブデンを表し、記号Nbは、化学元素のニオブを表し、記号Siは、化学元素のケイ素を表し、記号Tiは、化学元素のチタンを表し、記号Vは、化学元素のバナジウムを表す。
【0066】
第一のサセプタ材料は、第一のサセプタ層であってもよく、20マイクロメートル~60マイクロメートル、具体的に30マイクロメートル~50マイクロメートル、好ましくは40マイクロメートルの範囲内の第一の層厚さを有してもよい。
【0067】
第二のサセプタ材料は、第二のサセプタ層であってもよく、4マイクロメートル~20マイクロメートル、具体的に8マイクロメートル~16マイクロメートル、好ましくは10マイクロメートル~15マイクロメートルの範囲内の第二の層厚さを有してもよい。
【0068】
第二の材料は、第一の材料に密接に連結されてもよい。本明細書で使用される時、「密接に連結された」という用語は、特に層構造と平行な方向において二つの材料の間で機械的力が伝達されてもよいような、サセプタ配設内の二つのサセプタ材料層、特にサセプタ層間の機械的連結を指す。連結は、層状の、二次元な、区域的連結、または全面積連結であってもよく、すなわち二つの層のそれぞれの対向する表面の両側の連結であってもよい。連結は直接の連結であってもよい。具体的に、相互に密接に連結されている二つの材料は、相互に直接接触していてもよい。別の方法として、連結は間接的な連結であってもよい。具体的に、二つの材料は、少なくとも一つの中間材料を介して間接的に連結されてもよい。第二の層は、第一の層上に配設されていて、かつ第一の層に密接に連結されていて、具体的に第一の層と直接接続されていることが好ましい。
【0069】
サセプタ配設は、第三のサセプタ材料をさらに含んでもよい。第三のサセプタ材料は、第二のサセプタ材料に密接に連結されてもよい。この文脈において、「密接に連結された」という用語は、第一および第二の材料に関して上記で定義したものと同様に使用される。
【0070】
好ましくは、第三のサセプタ材料は、エアロゾル形成基体がサセプタ配設の表面にくっつくのを回避する、サセプタ材料からエアロゾル形成基体の中への材料拡散(例えば、金属マイグレーション)を回避する、サセプタ配設の材料間の熱膨張の差異に起因する熱的な曲がりを回避もしくは低減する、または他の材料(具体的に、第二の材料)をあらゆる腐食性の影響から保護するうちの少なくとも一つを行うように構成された保護層である。
【0071】
後者は、サセプタ配設がエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の中に埋め込まれている場合、すなわちサセプタ配設がエアロゾル形成基体と物理的に直接接触している場合、特に重要である。このために、第三のサセプタ材料は好ましくは、耐腐食性材料を含む、またはそれから成る。有利なことに、耐腐食性材料は、第三のサセプタ材料によって覆われていて、それ故に環境に直接曝露されない、耐腐食性ではない第二のサセプタ材料の外表面のそれらの部分の経時特性を改善する。
【0072】
本明細書で使用される「第三の層」という用語は、第一の層および第二の層と異なる、第一の層および第二の層に加えた層を指す。具体的に、第一のサセプタ材料または第二のサセプタ材料の酸化から生じる第一の層または第二の層の表面上の任意の可能性のある酸化物層は、第三の層(具体的に、耐腐食性材料を含むまたは耐腐食性材料から成る第三の層)と見なされるべきではない。
【0073】
第三のサセプタ材料または第三の層は、第一の層の第一のサセプタ材料と同じ材料を含んでもよく、またはそれから成ってもよい。これに起因して、多層サセプタ配設は、同じ熱膨張係数を有する少なくとも二つの層を備え、これは結果として、動作温度範囲を通してサセプタ配設の変形の低減をもたらす。これは、サセプタ配設が第一の層、第二の層、第三の層のみを備える場合、および第二の層が第一の層と第三の層の間に対称的に挟まれている場合に特に当てはまる。
【0074】
その結果、第三のサセプタ材料は、金属、例えばフェライト鉄、またはステンレス鋼、例えばフェライト系ステンレス鋼、具体的に400シリーズステンレス鋼(グレード410のステンレス鋼、またはグレード420のステンレス鋼、またはグレード430のステンレス鋼、または類似のグレードのステンレス鋼など)を含んでもよい。別の方法として、第三のサセプタ材料は適切な非磁性材料、特に常磁性の導電性材料(アルミニウム(Al)など)を含んでもよく、またはそれらであってもよい。同様に、第三の材料は、非導電性のフェリ磁性セラミックなどの非導電性のフェリ磁性材料を含んでもよく、またはそれらであってもよい。
【0075】
第三の材料が、オーステナイトステンレス鋼を含む、またはそれから成ることも可能である。有利なことに、オーステナイトステンレス鋼は、その常磁性特性および高い電気抵抗に起因して、第二の層を第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料に加えられる磁場からわずかに遮蔽する。一例として、第三の層は、X5CrNi18-10(EN(欧州規格)による名称、材料番号1.4301、V2A鋼としても知られる)またはX2CrNiMo17-12-2(EN(欧州規格)による名称、材料番号1.4571または1.4404、V4A鋼としても知られる)を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。具体的に、第三の層は、301ステンレス鋼、304ステンレス鋼、304Lステンレス鋼、316ステンレス鋼、または316Lステンレス鋼(SAE鋼グレード[米国自動車技術者協会]による名称)のうちの一つを含んでもよい、またはそれらから成ってもよい。
【0076】
存在する場合、第三の材料は、2マイクロメートル~6マイクロメートル、具体的に3マイクロメートル~5マイクロメートル、好ましくは3マイクロメートル~4マイクロメートルの範囲内の層厚さを有する第三のサセプタ層であってもよい。
【0077】
第三の層の層厚さは、第一の層の層厚さの0.05~1.5倍、特に0.1~1.25倍、または0.95~1.05倍、特に1倍の範囲であってもよい。
【0078】
対称的な層構成、またはほぼ対称的な層構成の場合、第一の層だけでなく第三の層は、2マイクロメートル~20マイクロメートル、具体的に3マイクロメートル~10マイクロメートル、好ましくは3マイクロメートル~6マイクロメートルの範囲内の厚さを有してもよい。
【0079】
次いで第二の層は、5マイクロメートル~50マイクロメートル、具体的に10マイクロメートル~40マイクロメートル、好ましくは20マイクロメートル~40マイクロメートルの範囲内の厚さを有してもよい。
【0080】
一般に、本明細書に記載のサセプタ配設は、サセプタ配設の異なる幾何学的構成を実現するために使用されてもよい。
【0081】
方法は、好ましくはホルダーの空洞内でサセプタ配設を試験するために固定することをさらに含んでもよい。方法は、サセプタ配設を、好ましくは空洞内にクランプすることを含むことが好ましく、サセプタ配設は、クランプに使用されるクリップを除いて、空洞壁と接触しないことが好ましい。これにより、周囲の材料への放熱による熱損失が防止または低減されうる。
【0082】
熱伝導または放散をさらに低減するために、サセプタ配設は、サセプタ組立品を囲む高温耐性材料を提供することによって断熱されてもよい。こうした高温耐性材料は、試験中にサセプタ配設が収容される空洞壁を覆うために使用されることが好ましい。
【0083】
加えて、または別の方法として、サセプタ配設を耐熱性繊維材料で包むことが有利である場合がある。それによって、エアロゾル形成基体、例えばエアロゾル形成基体を含有するたばこ材料中のサセプタ配設の実際の環境がシミュレートされる。耐熱性繊維材料は、試験装置に関して上述したようなものであってもよい。
【0084】
方法は、試験サイクル全体を通して固定サセプタ値を有する較正サセプタを使用して、試験装置を較正し、その中で試験サイクルを実施することと、試験装置によって測定された較正サセプタの較正サセプタ値と較正サセプタの固定サセプタ値との比較によって、試験装置の較正係数を決定することと、をさらに含み得る。
【0085】
固定サセプタ値は固定電気コンダクタンス値であり、較正サセプタ値は較正電気コンダクタンス値であることが好ましい。
【0086】
こうした較正サイクルでは、較正サセプタは負荷をシミュレートする。これは、例えば、誘導加熱配設と動作可能に接続されるボビンを備える較正サセプタによって行われてもよい。ボビンは、誘導加熱配設の誘導コイルと動作可能に接続されることが好ましい。
【0087】
試験装置に関して、または試験方法に関して記載される本発明の利点および特徴は、その逆もまた適用可能である。
【0088】
本発明の一部の実施形態では、試験のための試験装置および方法は、サセプタ配設を備えるロッド状の物品を試験するための速度を強化するように適合されている。これらの実施形態では、サセプタ配設を備えるロッド状の物品の連続的、特に連続的な試験が利用可能であることが好ましい。制御モジュール、特に制御モジュール内の誘導加熱配設は、試験される物品が、試験のために制御モジュールに挿入され、試験後に制御モジュールを通過し得るように、開放的な様式で構築される。例えば、制御モジュールは、制御モジュールを通って延びる受容スロットを備えてもよく、または物品が貫通孔を通過するための貫通孔を備えてもよい。これにより、物品は、直線運動および同じ方向に、制御モジュールに挿入され、制御モジュールから取り外され得る。これは、試験される新しい物品を制御モジュールに提供する速度を高める場合がある。また、制御モジュールから試験された物品を単に押し出すことによって、制御モジュールへの物品の提供を自動化または半自動化することを可能にする。例えば、これは、受容スロットに挿入される試験される後続の物品によって行われてもよく、それによって、試験された物品を受容スロットの外に、かつ制御モジュールの外に押し出す。したがって、試験装置の好ましい実施形態では、制御モジュールは、制御モジュールを通る通路を形成する受容スロットを備える。
【0089】
また、ホルダーモジュールは、通路内にロッド状の物品を受容するための通路を備えてもよい。それによって、ホルダーモジュールの一方の側からホルダーモジュールに物品が提供されてもよく、ホルダーモジュールは、ホルダーモジュールの反対側から制御モジュールに物品を供給してもよい。これにより、試験されるロッド状の物品の提供、制御モジュールへの物品の供給、および制御モジュールからの試験された物品の取り外しは、同じ直線方向に実施されてもよい。ホルダーモジュールから制御モジュールへの物品の供給のために、ホルダーモジュールおよび制御モジュールの受容スロットの通路は直線的に整列可能であることが好ましい。
【0090】
好ましい実施形態では、制御モジュールは、試験される物品が受容され、かつ垂直に制御モジュールを通過し得るように、制御モジュール内の受容スロットが垂直に配設されるように配設される。それ故に、物品は上から提供され、また主に重力によって試験装置に案内され、かつ試験装置を通して案内される。
【0091】
試験装置では、二つの制御モジュールが直列に配設されてもよい。誘導加熱配設、特にコイルは、単一長の物品だけでなく二倍長の物品も試験され得るように、相互から距離を置いて配設されている。試験のための物品の位置付け、および測定中の物品の位置を維持することも、小さな制限内に保たれることが好ましい。したがって、一つの制御ユニットおよび一つのコイル内に異なる長さを有する物品の可変位置決めは、二つのコイルを提供することによって改善されうる。
【0092】
単一長の物品の配向に応じて、またこれによって物品内のサセプタ配設の位置に応じて、単一長の物品は、二つの制御モジュールのうちの第一の制御モジュールまたは第二の制御モジュールで試験されてもよい。二倍長の物品については、物品内の二つのサセプタ配設はそれぞれ、二つの制御モジュール内の測定装置のうちの一つによって試験される。これらの実施形態は、異なる長さを有し、かつ重力によって試験装置に垂直に供給され、かつ試験装置を通過する物品の試験に特に有利である。
【0093】
いくつかの制御モジュールは、互いに平行に配設されてもよい。一つのホルダーモジュールが、いくつかの制御モジュールに割り当てられてもよい。別の方法として、一つのホルダーモジュールを、いくつかの制御モジュールのそれぞれに割り当てることができる。組み合わせは、例えば、ホルダーモジュールがいくつかの制御モジュールのうちのいくつかのみを提供するという点で可能である。
【0094】
したがって、試験方法は、サセプタ配設を備えるロッド状の物品を制御モジュール内の受容スロットの中に挿入するステップと、ロッド状の物品内のサセプタ配設を試験するステップと、その後、ロッド状の物品を、受容スロットを通過させることによって、試験されたロッド状の物品を制御モジュールの反対側の部位で取り外すステップとを含んでもよい。方法は、サセプタ組立品を備えるロッド状の物品をホルダーモジュールの一方の側面からホルダーモジュールの中に、かつホルダーモジュールを通して供給することを含んでもよい。
【0095】
方法は、ロッド状の物品を、制御モジュール内の受容スロットを通して垂直に案内することを含むことが好ましい。
【0096】
方法は、試験されるさらなるロッド状の物品を制御モジュールの受容スロットの中に挿入することによって、試験された物品を制御モジュールの受容スロットの外へと押すことを含むことが好ましい。
【0097】
方法は、直列に配設された二つの制御モジュールを提供することと、二つの制御モジュールのいずれか一つにおける単一長の物品を試験することと、二つの制御モジュールの両方における二倍長の物品を試験することと、を含み得る。
【0098】
方法は、並列に配設されたいくつかの制御モジュールにおけるサセプタ配設を含むいくつかのロッド状の物品の並列試験を実施するステップを含み得る。
【0099】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のいずれか一つ以上の特徴と組み合わされ得る。
【実施例】
【0100】
実施例1:
ユーザー体験中にエアロゾル発生装置内に配設された加熱されたサセプタ配設の模擬加熱条件下でサセプタ配設を試験するための試験装置であって、試験装置が、
試験されるサセプタ配設を受容するためのホルダーを備えるホルダーモジュールと、
誘導加熱配設と制御回路を備える測定装置とを備える制御モジュールであって、誘導加熱配設が、サセプタ配設を誘導加熱するための交番磁界を発生するように構成される、制御モジュールと、を備え、
測定装置が、誘導加熱配設と動作可能に連通するサセプタ配設に応答して、制御回路に加えられる負荷に関連する測定値から、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定するように構成され、制御回路が、サセプタ配設の一つの試験サイクルまたはいくつかの後続の試験サイクルの間、誘導加熱配設に給電するように構成され、かつサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値が所定のサセプタ値に対応するかどうかを決定するように構成される、試験装置。
実施例2:
測定装置が、誘導加熱装置によって引き出される電流および電圧の測定値から、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定するように構成される、実施例1に記載の試験装置。
実施例3:
制御モジュールが、所定の物理的特性値に達した場合に試験されたサセプタ組立品の受け入れを出力する、または所定の物理的特性値に達しない場合に試験されたサセプタ組立品の拒否を出力するように構成される、実施例1~2のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例4:
制御モジュールが、各試験サイクル当たりのサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を、所定の物理的特性値と比較するように構成される、実施例1~3のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例5:
制御モジュールが、二回、数回、またはすべての実施された試験サイクルにわたってサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を平均化し、当該平均された物理的特性値を所定の物理的特性値と比較するように構成される、実施例1~3のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例6:
サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値が、見かけの電気コンダクタンス値であり、所定の物理的特性値が、所定の電気コンダクタンス値である、実施例1~5のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例7:
測定装置が、装置のDC電源から誘導加熱配設によって引き出されるDC電流を決定するための電流測定装置と、DC電源によって誘導加熱配設に供給されるDC電圧を決定するための電圧測定装置とを備え、測定装置が、決定されたDC電流と決定されたDC電圧との比から、誘導加熱配設の見かけの電気コンダクタンス値を決定するように構成される、実施例1~6のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例8:
制御モジュールが、高周波で動作するように構成された電源回路を備え、電源回路が、DC電源に接続されたDC/ACインバータを備え、DC/ACインバータが、トランジスタスイッチを含むクラスE電力増幅器と、低オーム負荷で動作するように構成されたLC負荷ネットワークとを含む、実施例1~7のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例9:
LC負荷ネットワークが、分路コンデンサと、コンデンサと、オーム抵抗を有するインダクタとの直列接続とを備え、制御モジュールが、ホルダーの少なくとも一部を受容するための受容スロットを備え、スロットが、受容スロット内にホルダーの一部を収容すると、LC負荷ネットワークのインダクタが試験中にサセプタ配設に誘導結合されるように配設されている、実施例8に記載の試験装置。
実施例10:
ホルダーが、空洞内にサセプタ配設を受容し、かつ収容するための空洞を備える、実施例1~9のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例11:
空洞が、細長い平坦なサセプタ配設を受容および収容するためのスリットの形状を有する、実施例10に記載の試験装置。
実施例12:
少なくとも一つのクリップが、空洞内にサセプタ配設を固定するために空洞内に配設されている、実施例10~11のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例13:
ホルダーが、サセプタ配設の両端にサセプタ配設を固定するために空洞内に対向して配設された二つのクリップを備える、実施例12に記載の試験装置。
実施例14:
空洞を画定する壁が、高温耐性コーティング、好ましくはセラミックコーティングで被覆される、実施例10~13のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例15:
空洞が、空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する耐熱性繊維材料を含み、好ましくは、例えば、耐熱性ケブラー(登録商標)フェルトなどの空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する耐熱性フェルト材料を含む、実施例10~14のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例16:
ホルダーが、サセプタ配設を備えるロッド状の物品を保持するための保持手段を備える、実施例1~9のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例17:
加熱サイクル間にサセプタ配設を冷却するための冷却装置をさらに備える、実施例1~16のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例18:
支持体をさらに備え、ホルダーモジュールおよび制御モジュールが支持体に取り付けられ、ホルダーモジュールおよび制御モジュールが支持体上で相互に対して相対的に移動可能であり、その結果、ホルダーモジュール内のホルダーの少なくとも一部が、制御モジュール内のそれぞれの受容スロット内に収容可能であり、かつそれらから解放可能である、実施例1~17のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例19:
ホルダーモジュールが、ガイドに沿って制御モジュールに対して、および制御モジュールから離れるように直線的に移動可能である、実施例18に記載の試験装置。
実施例20:
制御モジュールが支持体上に固定して配設されている、実施例18~19のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例21:
試験装置の較正係数を決定するための試験サイクルを実行するための較正サセプタをさらに備え、較正サセプタが、固定物理的特性、例えば、試験サイクル全体を通して固定電気コンダクタンス値を有する、実施例1~20のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例22:
ユーザー体験中にエアロゾル発生装置内の加熱されたサセプタ配設の模擬加熱条件下で、試験装置におけるサセプタ配設を試験するための方法であって、方法が、
少なくとも第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含むサセプタ配設を提供することであって、
a)サセプタ配設を誘導加熱配設と動作可能に連通させ、サセプタ配設を誘導加熱配設で誘導加熱し、
b)制御回路に印加される負荷に関連する測定値から、サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定し、測定値が、試験サイクル中に誘導加熱配設と動作可能に連通するサセプタ配設に応答する、提供することと、
ステップa)およびb)を繰り返し、それによって、後続の試験サイクルに対するサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定することと、
試験されたサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を、所定のユーザー体験における所定のサセプタ配設の所定の物理的特性値と比較することと、
決定された物理的特性値と所定の物理的特性値との間の差が、所定の閾値を超える場合、試験されたサセプタ配設を受け入れるか、または拒否することと、を含む、方法。
実施例23:
テキストサイクル中に制御回路によって引き出される電流および電圧を測定し、測定された電流および電圧からサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた値を決定する、実施例22に記載の方法。
実施例24:
試験されたサセプタ配設を受容または拒否することが、サセプタ配設バッチ全体を受容または拒否することを示し、試験されたサセプタ配設がその一部である、実施例22~23のいずれか一つに記載の方法。
実施例25:
各試験サイクル当たりのサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を、物理的特性値に関連付けられた所定の値と比較する、実施例22~24のいずれか一つに記載の方法。
実施例26:
数回またはすべての試験サイクルにわたってサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を平均化し、当該平均された物理的特性値を所定の物理的特性値と比較する、実施例22~24のいずれか一つに記載の方法。
実施例27:
後続の試験サイクルのサセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値を比較し、後続の試験サイクルの物理的特性値間の差が所定の閾値を超える場合にサセプタ配設
を拒否する、実施例22~26のいずれか一つに記載の方法。
実施例28:
サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた決定された値が、決定された電気コンダクタンス値に対応し、所定の物理的特性値が、所定の電気コンダクタンス値に対応する、実施例22~27のいずれか一つに記載の方法。
実施例29:
試験サイクルが、加熱期間および冷却期間を含む、実施例22~28のいずれか一つに記載の方法。
実施例30:
加熱期間の間にサセプタ配設を能動的に冷却する、実施例29に記載の方法。
実施例31:
サセプタ配設の物理的特性に関連付けられた所定の値が、試験サイクル中の所定の時間、好ましくは試験サイクルの加熱期間中に、試験サイクル当たりの電気コンダクタンスの最大値および最小値を含む、実施例22~30のいずれか一つに記載の方法。
実施例32:
誘導加熱配設によってDC電源から引き出されるDC電流を測定し、DC電源によって誘導加熱配設に供給されるDC電圧を測定し、決定されたDC電流と決定されたDC電圧との比から誘導加熱配設の電気コンダクタンス値を決定する、実施例22~31のいずれか一つに記載の方法。
実施例33:
試験装置の電源回路を高周波で動作させることをさらに含み、電源回路がDC電源に接続されたDC/ACインバータを備え、DC/ACインバータが、トランジスタスイッチおよび低オーム負荷で動作するように構成されたLC負荷ネットワークを含むクラスE電力増幅器を含む、実施例22~32のいずれか一つに記載の方法。
実施例34:
LC負荷ネットワークが、分路コンデンサと、コンデンサとオーム抵抗を有するインダクタとの直列接続とを備え、LC負荷ネットワークのインダクタが試験中にサセプタ配設に誘導結合されるように、誘導加熱配設を備える制御モジュールの受容スロット内にサセプタ配設を収容する、実施例33に記載の方法。
実施例35:
サセプタ配設が、細片の形態の細長いサセプタ配設である、実施例22~34のいずれか一つに記載の方法。
実施例36:
サセプタ配設の第一のサセプタ材料およびサセプタ配設の第二のサセプタ材料が、互いに密接に物理的に接触し、第二のサセプタ材料が、摂氏500度未満のキュリー温度を含む、実施例22~35のいずれか一つに記載の方法。
実施例37:
第一のサセプタ材料が、キュリー温度を含まないか、または摂氏500度を超えるキュリー温度を含む、実施例22~36のいずれか一つに記載の方法。
実施例38:
第一のサセプタ材料が、金属、例えばフェライト鉄、またはステンレス鋼、具体的にはグレード410、グレード420、もしくはグレード430のステンレス鋼を含む、またはそれらから成る、実施例22~37のいずれか一つに記載の方法。
実施例39:
第二のサセプタ材料が、75重量パーセント~85重量パーセントおよび10重量パーセント~25重量パーセントのFeを含むNi-Fe合金を含むか、またはそれから成る、実施例22~38のいずれか一つに記載の方法。
実施例40:
Ni-Fe合金が、以下の元素:
Co、Cr、Cu、Mn、Mo、Nb、Si、TiおよびVのうちの一つ以上をさらに含む、実施例39に記載の方法。
実施例41:
Ni-Fe合金が、79重量パーセント~82重量パーセントのNiおよび13重量パーセント~15重量パーセントのFeを含む、実施例38~40のいずれか一つに記載の方法。
実施例42:
第一のサセプタ材料が、20マイクロメートル~60マイクロメートルの範囲内の層厚さを有する第一の層である、実施例22~41のいずれか一つに記載の方法。
実施例43:
第二のサセプタ材料が、4マイクロメートル~20マイクロメートルの範囲内の層厚さを有する第二の層である、実施例22~42のいずれか一つに記載の方法。
実施例44:
サセプタ配設が、第二のサセプタ材料に密接に連結された第三のサセプタ材料層を含む、実施例22~43のいずれか一つに記載の方法。
実施例45:
第三のサセプタ材料が、第一のサセプタ材料と少なくとも部分的に同一である、実施例44に記載の方法。
実施例46:
第三のサセプタ材料が、オーステナイトステンレス鋼、具体的には301ステンレス鋼、304ステンレス鋼、316ステンレス鋼、もしくは316Lステンレス鋼のうちの一つを含む、またはそれから成る、実施例44~45のいずれか一つに記載の方法。
実施例47:
第三のサセプタ材料が、2マイクロメートル~6マイクロメートルの範囲の層厚さを有する第三の層である、44~46のいずれか一つに記載の方法。
実施例48:
サセプタ配設を試験用のホルダーの空洞内に固定することをさらに含む、実施例22~47のいずれか一つに記載の方法。
実施例49:
サセプタ配設を空洞内にクランプすることであって、サセプタ配設が、クランプに使用されるクリップを除いて空洞壁と接触しない、実施例48に記載の方法。
実施例50:
サセプタ配設を囲む高温耐性材料を提供することによって、サセプタ配設を断熱することをさらに含む、実施例22~49のいずれか一つに記載の方法。
実施例51:
サセプタ配設を耐熱性繊維材料で包囲し、それによって、エアロゾル形成基体、例えば、エアロゾル形成基体を含有するたばこ材料中のサセプタ配設の実際の環境をシミュレートする、実施例22~50のいずれか一つに記載の方法。
実施例52:
試験装置を較正することと、その中で、試験サイクル全体を通して固定物理的特性値を有する較正サセプタを使用して試験サイクルを実施することと、試験装置によって測定された較正サセプタの較正物理的特性値と、較正サセプタの固定物理的特性値とを比較することによって、試験装置の較正係数を決定することと、をさらに含む、実施例22~51のいずれか一つに記載の方法。
実施例53:
固定物理的特性値が固定電気コンダクタンス値であり、較正物理的特性値が較正電気コンダクタンス値である、実施例52に記載の方法。
実施例54:
較正サセプタが、負荷をシミュレートし、誘導加熱配設と動作可能に接続されるボビンを含む、実施例52~53のいずれか一つに記載の方法。
実施例55:
ボビンが誘導加熱配設の誘導コイルと動作接続される、実施例55に記載の方法。
実施例56:
制御モジュールが、制御モジュールを通る通路を形成する受容スロットを備える、実施例1~8のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例57:
受容スロットが、制御モジュールを通る貫通孔である、実施例56に記載の試験装置。
実施例58:
ホルダーモジュールが、通路内にロッド状の物品を受容するための通路を備える、実施例56~57のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例59:
ホルダーモジュールの通路および制御モジュールの受容スロットが直線的に整列可能である、実施例58に記載の試験装置。
実施例60:
制御モジュールが、制御モジュール内の受容スロットが垂直に配設されるように配設され、その結果、試験される物品が受容され、かつ垂直に制御モジュールを通過し得る、実施例56~59のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例61:
二つの制御モジュールが直列に配設される、実施例56~60のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例62:
いくつかの制御モジュールが、互いに平行に配設される、実施例56~61のいずれか一つに記載の試験装置。
実施例63:
一つのホルダーモジュールが、いくつかの制御モジュールに割り当てられる、実施例62に記載の試験装置。
実施例64:
ホルダーモジュールが、いくつかの制御モジュールのうちの各々に割り当てられる、実施例62に記載の試験装置。
実施例65:
サセプタ配設を含むロッド状の物品を制御モジュール内の受容スロットの中に挿入し、ロッド状の物品内のサセプタ配設を試験し、次いで、ロッド状の物品を、受容スロットを通過させることによって、制御モジュールの反対側の部位で試験されたロッド状の物品を取り外す、実施例22~47のいずれか一つに記載の方法。
実施例66:
サセプタ組立品を備えるロッド状の物品を、ホルダーモジュールの一方の側からホルダーモジュールの中に、かつホルダーモジュールを通して供給する、実施例65に記載の方法。
実施例67:
ロッド状の物品を、制御モジュール内の受容スロットを通して垂直に案内する、実施例65~66のいずれか一つに記載の方法。
実施例68:
それによって、試験されるさらなるロッド状の物品を制御モジュールの受容スロットの中に挿入することによって、試験された物品を制御モジュールの受容スロットの外に押し出す、実施例65~67のいずれか一つに記載の方法。
実施例69:
直列に配設された二つの制御モジュールを提供し、二つの制御モジュールのいずれか一つにおける単一長の物品を試験し、二つの制御モジュールの両方における二倍長の物品を試験する、実施例65~68のいずれか一つに記載の方法。
実施例70:
並列に配設されたいくつかの制御モジュールにおけるサセプタ配設を含むいくつかのロッド状の物品の並列試験を実施する、実施例65~69のいずれか一つに記載の方法。
【0101】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【
図2】
図2は、細長い平坦なサセプタ配設のためのホルダーを概略的に図示する。
【
図4】
図4は、制御モジュール内の励起コイル配置を概略的に示す。
【
図5】
図5は、試験サイクル中のサセプタ配設の一実施形態のコンダクタンス曲線を示すグラフである。
【
図6】
図6は、一連のテキストサイクル中に決定されたコンダクタンス値を示す。
【
図7】
図7は、較正サセプタを有する試験装置を図示する。
【
図8】
図8は、物品挿入前のオープンコイル配置を図示する。
【
図9】
図9は、物品挿入後のオープンコイル配置を図示する。
【
図10】
図10は、コイル通路と一列に並べられた電気接点を有するコイル配置を示す。
【
図11】
図11は、電気接点のために曲げられた電気接点を有するコイル配置を示す。
【
図13】
図13は、各々が二つの直列に配設された制御モジュールを備える二つの試験装置のモジュール式セットアップを示す。
【
図14】
図14は、二つの直列に配設された制御モジュールを備える試験装置の内部図である。
【
図15】
図15は、物品製造中に使用される統合試験装置を有する装置のセットアップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0103】
図1は、開位置にある試験装置1を図示し、それ故に試験されるサセプタ配設を備える準備が整っている。
【0104】
試験装置1は、ホルダーモジュール10と、支持体15上に配設された制御モジュール13とを備える。
【0105】
制御モジュール13は、支持体15上に固定して配設されている。ホルダーモジュール10は、支持体15上に移動可能に配設されている。ホルダーモジュール10は、ユーザーハンドル12を備え、それによってホルダーモジュール10は、支持体15に沿って並列に配設された二つのレール16に沿って制御モジュール13に対して直線的に移動されてもよい。
【0106】
ホルダーモジュール10は、サセプタ配設(図示せず)を保持するためのホルダー11を備える。ホルダー11は、ホルダーモジュール10の一体型の部品であってもよい。ホルダー11は、制御モジュール13に面するホルダーモジュール10の前面に中央に配設される。
【0107】
有利なことに、サセプタ配設がホルダー11の中に挿入された後、ホルダーモジュール10は、制御モジュール13に対して摺動され、ホルダー11は、ホルダーモジュール10に面する制御モジュール13の側面に配設された開口部20を介して制御モジュール13の中に挿入される。
【0108】
制御モジュール13は、内部的に、励起装置と、一つまたは好ましくはいくつかの後続の試験サイクル、それ故にサセプタ配設の加熱および冷却サイクルを実施するための測定装置(図示せず)とを備える。ホルダーモジュール10が制御モジュール13の中へ移動すると、ホルダー11が挿入され、またそれとともにホルダー内のサセプタ配設を制御モジュール13の内部励起装置内に収容して試験を実行する。
【0109】
励起装置は、試験中にサセプタ配設を貫通し、発熱のために渦電流を誘起する変化する磁界を発生する励起コイルを含む。測定装置は、励起装置の上流で吸収される電圧および電流を含む、システムへの誘導された負荷を測定するように構成される。
【0110】
図1に示す試験装置は、制御モジュール13を冷却するための冷却ユニット17をさらに備える。冷却ユニット17を用いて、試験装置1、特に制御ユニット13は、所定の温度、例えば摂氏100度未満に維持されうることが好ましい。
【0111】
これは、過熱を回避し、中断をほとんどまたは全くせずに複数の試験を実施することができるため、連続したサンプルの試験を可能にするため有利である。能動的な冷却がなければ、次の試験を実行する前に機器が冷めるまで待つ必要があるため、より多くの時間が必要である。
【0112】
テストのデータは、制御ユニット13内に提供されたシリアルストリーミングケーブル14を介してプロセッサ(図示せず)に送信される。プロセッサでは、データおよび試験分析が実施されてもよい。
【0113】
図2は、ホルダー11をより詳細に示す。ホルダー11は、試験される細長いサセプタ配設(図示せず)の挿入のための長軸方向のスリット3の形態の空洞3を備える。
【0114】
クリップ31は、空洞3の対向する長軸方向端の各々に配設されている。クリップ31によって、サセプタ配設は、試験中に空洞3内の所定位置に保持される。
【0115】
サセプタ配設とホルダー11との直接的な物理的接触は最小限に抑えられる。サセプタ配設を保持するためのスリットおよびクリップ31の形態の空洞3では、サセプタ配設は、(クリップ31を除いて)ホルダーとの物理的接触をほとんど伴わずに、空気中にほぼ懸架される。
【0116】
空洞壁は、空洞3の長軸方向の側壁に沿って、断熱性コーティング32、例えば断熱性セラミックコーティングを備える。こうしたコーティング32では、ホルダー11の燃焼のリスクは、特にホルダー本体がプラスチックで作製される場合、低減または回避されうる。
【0117】
ホルダー11は、挿入手段35を備え、ここではそうでなければロッド状のホルダーの平坦な円周方向側面の形態である。挿入手段35は、空洞3の反対側のホルダー11の端に配設されている。平坦な挿入手段35は、一つの固定された回転位置でのみホルダーモジュール10の中へのホルダー11の挿入を可能にする。さらに、挿入手段35は、ホルダーモジュール10内に配設された時にホルダー11がその回転位置に固定され、それ故に試験中に安定していることを保証する。挿入手段は、ホルダー11がホルダーモジュール10内に配置される前に、ホルダー11にサセプタ配設を供給することを可能にし得る。
【0118】
他の実施形態では、試験装置1はまた、消耗品とともに使用されてもよい。それ故に、試験装置1は、例えば細片状の多層サセプタ配設を備える誘導加熱たばこロッドなどのサセプタ配設を備えるエアロゾル発生物品を試験するために直接使用されてもよい。これらの実施形態では、試験される消耗品は主にホルダー11と置き換えられる。それ故に、ホルダーモジュール10は、物品を直接受容および収容するための管状スロットを備えるように構成されてもよい。別の方法として、ホルダーは、こうしたヒートスティックを受容するように構成されたホルダー手段を備えてもよい。
【0119】
図3は、制御モジュール13の内部図を示す。制御ハウジング23は、開口部20と、サセプタ配設を備えるホルダー11を受容するための円筒状のスロット21とを備える。制御モジュール13は、PCB(プリント回路基板)22をさらに備える。PCB22は、電源、励起装置、測定装置などの市販の装置に通常含まれるすべての構成要素を備える。しかしながら、試験装置1は、例えば、電力制限、温度制限など、対応する実際の装置として包囲制約を含まないことが好ましい。したがって、サセプタ配設の試験は、それに応じて正確な試験結果を有する非常に安定した条件下で実施され得る。
【0120】
ホルダー11が制御モジュール13のスロット21の中に挿入されると、構成は、サセプタ配設が制御モジュール13内の公称位置に到達するようなものである。試験を実施するために、試験装置1は、サセプタ配設の較正曲線の特性点を測定する目的で、好ましくはサセプタ配設のコンダクタンス値の観点から、複数の較正パルスの生成を開始する。
【0121】
図4は、制御モジュール13および制御モジュール13内のスロット21の概略図である。サセプタ配設の品質をチェックするために、サセプタ配設を備えるホルダーの一部は、スロット21内に収容されている。
【0122】
制御モジュール13内に位置するのは、スロット21を長軸方向に囲み、ブロック130で示されるLRC測定回路の一部を形成する励起コイル129である。
【0123】
試験装置1は、市販の装置で使用されるコイルモジュールとほぼ同様に動作する。試験装置1では、こうした実際の装置は、サセプタ配設が実際の装置と同様に加熱されるように、したがってエアロゾル形成のために物品のエアロゾル形成基体を加熱するために、可能な限り近くでシミュレーションされるものとする。
【0124】
図5では、経時的(ミリ秒)でのコンダクタンス値(ミリメンス)に関する較正曲線が図示されている。
図5では、本発明による試験装置1によって提供される単一のサセプタ試験の典型的な出力が示されている。較正曲線は、試験サイクルの聴力期間Hおよび冷却期間Cに沿って示されている。
【0125】
加熱パルスは、サセプタコンダクタンス値が、時間tV1の後にコンダクタンス値GV1で谷50に達するようなパルスである。その後の時間tH1での加熱の後、コンダクタンス値GH1を有する丘51に達する。
【0126】
制御モジュール12の測定装置では、丘の値51および谷の値50が検出および測定50され、結果としてΔS(丘51と谷50との間のコンダクタンスの差、ならびに谷および丘の点に到達するための関連する時間tV1およびtH1、結果としてΔt(谷から丘に到達する時間)である。次いで、破線によって示されるようにサセプタが冷却される。
【0127】
試験中、サセプタは丘51に達し、このように丘の形状を検出および測定することもできる。これは、点51~81(コンダクタンス値GH1~GE1に対応する)からの曲線によってグラフに図示されている。
【0128】
試験装置では、熱スティックまたはたばこプラグを過熱するリスクはなく、実際の状態では、サセプタ配設は消耗品を加熱するために収容される。
【0129】
有効な較正曲線が試験で得られたことがわかった場合、これはサセプタ配設が正しく製造され、満足のいく材料品質を有し、加熱に伴い満足のいく性能を提供することを意味する。
【0130】
図5のコンダクタンス曲線、およびそれに対応するコンダクタンスにおける谷および丘の値は基本的に、サセプタ配設の温度が上昇するにつれて、経時的に試験装置内の電源から引き出されるDC電流間の関係を示す。
【0131】
電源から引き出されるDC電流は、DC/ACコンバータの入力側において測定される。電源の電圧はほぼ一定であると想定されうる。サセプタ配設が誘導的に加熱されると、サセプタの見かけの抵抗が増加する。この抵抗の増加は、電源から引き出されるDC電流の減少として観察され、定電圧では、サセプタ配設の温度が上昇するにつれて減少する。制御モジュール13の励起装置によって提供される高周波の交番磁界は、サセプタ表面(表皮効果)に近接して、渦電流を誘起する。サセプタ配設の抵抗は、第一のサセプタ材料の電気抵抗率、第二のサセプタ材料の抵抗率に部分的に、および誘起された渦電流に利用可能なそれぞれの材料の表皮層の深さに部分的に依存し、抵抗率は温度に依存する。第二のサセプタ材料がそのキュリー温度に達すると、その磁性が失われる。これにより、第二のサセプタ材料内で渦電流に利用可能な表皮層が増え、これによりサセプタ配設の見かけの抵抗が減少する。その結果、第二のサセプタ材料の表皮深さが増加し始め、抵抗が下がり始めると、検出されたDC電流の一時的な増加が生じる。電流は、第二のサセプタ材料がその自然磁気特性を失った点と整合する最大皮膚深度に達するまで増加し続ける。この点はキュリー温度と呼ばれ、
図5では丘(局所最大値)51として見なされる。この時点で、第二のサセプタ材料は、強磁性またはフェリ磁性状態から常磁性状態への相変化を受けている。この時点で、サセプタ配設は既知の温度(固有材料特異的温度であるキュリー温度)にある。制御ユニットが、キュリー温度に達した後、交番磁界を発生し続ける場合(すなわち、DC/ACコンバータへの電力が中断されない)、サセプタ配設内で発生される渦電流が、サセプタ配設の抵抗に対して流れ、これにより、サセプタ配設のジュール加熱が継続され、これにより、抵抗は再び増加し、電流は、制御ユニット13がサセプタ配設に電力を供給し続ける限り、再び低下し始める。
【0132】
したがって、サセプタ配設の見かけの抵抗(および対応する電源から引き出される電流IDC)は、サセプタ配設の特定の温度範囲にわたる厳密に単調な関係にあるサセプタ配設の温度によって変化し得る。厳密に単調な関係により、見かけの抵抗または見かけのコンダクタンス(1/R)の判定からのサセプタ配設の温度の明確な判定が可能になる。これは、見かけの抵抗の判定された値がそれぞれ、温度の一つの値のみを表すためであり、その関係に曖昧性がない。サセプタ配設の温度と見かけの抵抗とのモノトニック関係は、サセプタ配設の温度を決定および制御することができるようにし、したがってエアロゾル形成基体の温度を決定および制御するために、基体を加熱するためにサセプタ配設が配設されることが意図されている。
【0133】
サセプタ配設の見かけの抵抗は、少なくともDC電源から引き出されるDC電流を監視することによって遠隔的に検出することができる。
【0134】
少なくとも、電源から引き出されるDC電流は、制御モジュール13によって監視される。好ましくは、電源から引き出されるDC電流およびDC電源電圧の両方が監視される。制御モジュール13は、コンダクタンス値または抵抗値に基づいて、誘導加熱装置に提供される電力の供給を調節し、コンダクタンスは、DC電流のDC電源電圧に対する比として定義され、抵抗は、DC電源電圧のDC電流に対する比として定義される。
【0135】
制御モジュール13の測定装置は、DC電流を測定するための電流センサを備えてもよい。測定は、DC電源電圧を測定するための電圧センサを随意に含みうる。電流センサおよび電圧センサは、DC/ACコンバータの入力側に位置する。DC電流および任意選択でDC電源電圧は、コントローラへのフィードバックチャネルによって提供され、励起装置へのAC電力のさらなる供給を制御する。
【0136】
サセプタ配設の較正は、ΔSの経時的な変動が追加の出力として記録され得るように、複数回繰り返されることが好ましい。
図6は、例えば
図1に示す通り、試験装置1によって提供されるサセプタ試験の典型的な出力を図示し、一連の三つの試験サイクル91、92、93が実施される。
【0137】
第一の加熱パルスは、サセプタが時間tV1の後にコンダクタンス値GV1で谷50に達し、その後、時間tH1の後にコンダクタンス値GH1で丘51に達するようなものである。次いで、サセプタは、第二の加熱パルスが提供されるまで冷却され(破線)、その結果、サセプタは、時間tV2の後にコンダクタンス値GV2で谷60に達し、その後、時間tH2の後にコンダクタンス値GH2で丘61に達する。次いで、サセプタは、第三の加熱パルスが提供されるまで再び冷却され、その結果、サセプタは、時間tV3の後にコンダクタンス値GV3で谷70に達し、その後、時間tH3の後にコンダクタンス値GH3で丘71に達する。これは、所望の数の較正に対して継続され得る。
【0138】
また、三つの試験サイクル91、92、93では、サセプタは丘51、61、71に達し、それを超える。これは、点51~81(コンダクタンス値GH1~GE1に対応する)、点61~82(コンダクタンス値GH2~GE2に対応する)、および点71~83(コンダクタンス値GH3~GE3に対応する)からの曲線によってグラフに図示されている。
【0139】
装置は、その後のΔSの値、ならびにそれらの進化および平均値を監視し得る。
【0140】
測定装置の結果は、例えば、較正の数および各較正パルスでΔS値と共に取得された関連する平均ΔSの観点からのものでもよい。
【0141】
こうした分析にしたがって、サンプルを受け入れるか、または拒否するかの決定が取られてもよい。試験は、「サンプル」であるサセプタ配設上で実行されることが好ましい。これは、サンプルが、概してサセプタボビンの形態の材料バッチ全体を表すことを意味する。したがって、サンプルの試験が陽性であると、バッチ全体が受け入れられる。したがって、サンプルの試験が失敗であると、バッチ全体が拒否される。これは、バッチ内で、バッチ材料の物理的特性の変動が概して非常に少ないことが知られているため、バッチ全体の試験を簡素化する。
【0142】
図7は、較正サセプタ7とともに使用され、
図7のブロック95で示される試験装置1を示す。較正サセプタ7は、実際のサセプタではなく、制御モジュール13のスロット21の中に挿入された時に、変圧器ユニットとして動作するボビン(図示せず)を備える。これは、内部巻線が較正サセプタ7のボビンのうちの一つであり、外部巻線が制御モジュール13の励起コイル11である、二つの巻線によって可能になる。較正サセプタブロック95は、負荷をシミュレートする電気配設を内部に備える。
【0143】
結果として、較正サセプタ7のボビンが試験を実行するために使用される時、構成は、較正サセプタ7のコンダクタンスが固定され、試験全体を通して変化しないようなものである。
【0144】
この試験を用いて、有利なことに、試験装置1は実際の試験の前に較正されてもよい。
【0145】
較正サセプタ7のコンダクタンスは既知の値Xであるため、試験装置1によって与えられる結果Yは、こうした既知の値(誤差はY-Xである)に基づいて調整することができる。
【0146】
例えば、較正サセプタ7は、880mSに等しいコンダクタンス値を有するように構成される。試験装置の出力が881mSである場合、これは、試験終了時に装置1によって返されたコンダクタンス値を、補正するために1mSだけ減算する必要があることを意味する。
【0147】
較正サセプタ7は、試験装置1のオフセットとして作用し、サセプタ配設を試験するために試験を実行する前に試験装置1を較正するために使用される。
【0148】
図8および
図9では、開放コイル配置129が示されている。
図8では、試験される物品4は、
図8の左側からコイル配置129に挿入されようとしている。
図9に見られるように、物品は、
図9の右側にコイル配置内へ、および部分的にコイル配置を通してさらに移動される。物品4は、コイル配置129内の円筒形通路21内に測定位置まで移動される。試験後、物品4は、コイル配置129から出る同じ直線運動で移動する。試験される後続の物品を使用して、以前の物品を前方に押すことができる。これにより、物品4の後続または連続的な試験のために必要な製品の取り扱いはほとんどない。本試験装置用のコイル配置129は、例えば、120ナノヘンリー~135ナノヘンリー、好ましくは125ナノヘンリー~130ナノヘンリーの範囲内の誘導率を有してもよい。
【0149】
図10および
図11は、電気接点128を有するコイル配置129を示し、コイル配置に電力を提供する。
図10では、接点128は、コイル配置129内の通路21に平行に配置され、物品4のコイル配置への挿入または通過を妨げないようにする。また、コイル配置129の制御モジュールへの取り外しおよび挿入は、この接点配置によって簡素化される。
図9では、電気接点128は、半径方向外側に90度曲げられて、制御モジュール内に電気接点を確立する。曲げられた接点は、コイルの垂直セットアップおよびコイル配置129を通した物品の垂直通過のために、PCB基板に垂直なコイル配置129の取り付け、例えばはんだ付けを可能にする。
【0150】
図12は、制御モジュール13のコイル配置129を通って、および制御モジュールを通って延びる垂直通路21を有する試験装置1を示す。制御モジュール13は、そうでなければ、物品内のサセプタ配設の物理的特性を測定するために必要な構成要素を有するPCB(プリント回路基板)22を備える、
図3に関して説明した制御モジュールと同様のセットアップを有する。制御モジュール13は、支持体15上に取り付けられている。支持体15は、制御モジュール13を通る通路21と整列する開口部150を備える。試験された物品は、通路21を通過し、重力のみによって制御モジュール13から出てもよい。
【0151】
図13は、並列に取り付けられた二つの試験装置1のモジュール式セットアップを示す。試験装置1の各々における物品の垂直挿入方向を矢印で示す。なおさらなる試験装置1は、時間当たりの試験された物品の数を増やすために並列に配設されてもよい。
【0152】
二つの試験装置1の各々には、直列に配設された二つの制御モジュール13が提供されている。制御モジュール13の各々は、開放コイルを備え、開放コイル内の通路は、垂直に、かつ互いに整列して配設されている。したがって、試験される物品は、同じ試験装置1の両方の制御モジュールを通過し得る。
【0153】
二つの直列に配設された制御モジュール13を有する試験装置が
図14に概略的に示される。
図14の試験装置1の内部図では、二つのコイル配置129の直列配置が見えうる。一つのコイル配置は試験装置の上部に配置され、第二のコイル配置129は試験装置下部に配置される。
【0154】
物品が機器を通ってさらに落下するのを阻止するために、二つのストッパー25、26が提供されている。上部ストッパー25は、試験装置の長さの約半分に提供され、下部ストッパー26は、装置の端部に、より正確には、第二のコイル配置129の出口端部に提供される。
【0155】
この試験装置は、短い物品、例えば、サセプタ配設を備える単一長の物品を測定するように適合され、サセプタ配設は、物品のいずれかの端に位置付けられてもよい。物品が、そのサセプタ配設がその上端(物品の垂直処理方向に対して与えられる方向)にある状態で試験装置に挿入される場合、上部ストッパー25が作動し、物品が上部制御ユニット内に位置付けられ、上部制御ユニット13を使用して測定される。物品がそのサセプタ配設をその下端に有して試験装置に挿入される場合、下部ストッパー26が作動し、物品が下部制御ユニット内に位置付けられ、下部制御ユニット13を使用して測定される。これにより、試験される物品内のサセプタ配設が、コイル配置129で常に正確に位置付けられることが保証される。
【0156】
試験装置はまた、長い物品、例えば二倍長の物品を測定するように適合され、それに応じて二つのサセプタ配設を備える。二つのサセプタ配設は、二倍長の物品の各端に配設されている。二倍長の物品が試験装置に挿入される場合、二倍長の物品の二つのサセプタ配設が二つのコイル配置によって測定されうるように、下部ストッパー26が起動される。測定が行われた後、それぞれのストッパー25、26が引き出される。試験された物品は、試験装置から下向きに落下し、試験される次の物品のための空間を作ってもよい。
【0157】
別の方法として、またはストッパーに加えて、試験装置内に落下物品を保持するその他の形態も使用されうる。こうしたホルダーは、例えば、開閉されうるハーフシェルの形態のクランプであってもよく、シェル間に物品をクランプ留めする。
【0158】
図15は、試験装置1を通過する落下物品4を試験するように適合された試験装置1のセットアップを示す。このセットアップは、例えば、物品製造プロセスに統合されてもよい。例えば、製造された物品の一部はバイパスされてもよく、基本的にインラインで試験されて、必要な品質仕様を満たしているかどうかを確認する。また、すべての製造された物品を試験装置に通過させるが、時々試験される物品を選択し、試験させることもできる。他のすべての物品は、試験されることなく、単に示されたセットアップに該当する。
【0159】
ホッパーの形態の貯蔵部40は、複数の物品、例えば、試験される一つまたは二つのサセプタ配設を担持する細長いスティックを含む。ホッパーは、数百本のスティック、例えば20o~300本のスティックを含みうることが好ましい。
【0160】
ホッパーから、物品4は下向きに落下し、例えば貯蔵部40の下方に配置されたスライド組立品内に垂直線に沿って位置付けられる。次に、物品4は試験装置1に到達する。セットアップでは、落下物品は試験装置内の通路21に案内される。試験装置1内の励起コイルまたは励起コイルを通過した後、試験された物品はコイル内の通路を離れ、インジケータおよび選択部分43を通過し、その後物品を収集する容器44に入る。
【0161】
インジケータおよび選択部分43は、センサ、および例えば、試験された物品の結果、例えば、試験された物品の受容を示すインジケータライトを備えてもよい。
【0162】
インジケータライトは、例えば光の色を変えることによって、試験装置の状態、または試験された物品が許容可能であるか、または欠陥があるかを示しうる。例えば、一つの色は、装置が測定の準備が整っていること、測定が進行中であること、測定された物品が製品公差内であること、または物品が製品公差外であることを示しうる。
【0163】
試験条件は、測定サイクル全体、例えば、ある特定の数の試験された物品にわたって、またはある特定の試験時間にわたって、例えば、24時間にわたって一定に保たれることが好ましい。例えば、試験条件は、摂氏約20~24度および相対湿度約40~60パーセントを含む。所望の電気抵抗からの許容可能な偏差は、例えば、サセプタ素子の電気抵抗が300~450ミリオームの場合、±40ミリオームである。偏差は、例えば、五つの測定値にわたる平均値に対して決定されることが好ましい。
【0164】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、数量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈において、数AはA±5%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むとみなされ得る。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用される一部の実例において、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に著しく影響しない限り、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】