(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】パワーエレクトロニクス用の冷却器
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20241024BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524477
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 US2022078588
(87)【国際公開番号】W WO2023076859
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、バーナビー ジェームズ ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ホール、ブラッドレイ ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ビスカップ、リチャード ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA05
5E322AA10
5E322DA00
5E322FA01
5F136CB07
5F136CB08
5F136DA27
(57)【要約】
パワーエレクトロニクス用の冷却器は、入口及び出口を有する積層構造体を備え、前記積層構造体が、平面部材のスタックを有し、前記スタックの端部の第1の最外部材が、第1のパワーエレクトロニクスベースプレートを装着するための第1の熱交換表面を形成し、前記スタックの反対側の端部に第2の最外部材が位置付けられており、前記第1の最外部材に隣接した第1の複数の前記平面部材が、前記スタック内で第1の熱交換空間を形成する開口を有し、前記入口及び前記出口が、前記第1の熱交換空間に結合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーエレクトロニクス用の冷却器であって、前記冷却器が、
入口及び出口を有する積層構造体を備え、前記積層構造体が、平面部材のスタックを有し、前記スタックの端部の第1の最外部材が、第1のパワーエレクトロニクスベースプレートを装着するための第1の熱交換表面を形成し、前記スタックの反対側の端部に第2の最外部材が位置付けられており、前記第1の最外部材に隣接した第1の複数の前記平面部材が、前記スタック内で第1の熱交換空間を形成する開口を有し、前記入口及び前記出口が、前記第1の熱交換空間に結合されている、冷却器。
【請求項2】
前記第1の複数の前記平面部材に隣接した第2の複数の前記平面部材は、前記入口及び前記第1の熱交換空間に結合された入口マニホールドを形成する開口を有し、前記入口マニホールド及び前記第1の熱交換空間の間に、第1のアパーチャが位置付けられている、請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記入口マニホールドは、前記第1の熱交換空間における流れ方向に沿った第1の幅を有し、前記第1のアパーチャは、前記第1の幅より小さい第2の幅を有する、請求項2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記第1のアパーチャは、前記入口マニホールドに対して中心にある、請求項2に記載の冷却器。
【請求項5】
前記第2の複数の前記平面部材は、前記出口及び前記第1の熱交換空間に結合された出口マニホールドをさらに形成し、前記出口マニホールドは、前記入口マニホールドに対して平行であり、前記出口マニホールド及び前記第1の熱交換空間の間に、第2のアパーチャが位置付けられている、請求項4に記載の冷却器。
【請求項6】
前記第2のアパーチャは、前記出口マニホールドに対して中心になく、前記第2のアパーチャは、前記出口マニホールドに対して前記入口マニホールドから離れるように位置付けられている、請求項5に記載の冷却器。
【請求項7】
前記出口マニホールドは、前記第1の熱交換空間における流れ方向に沿った第1の幅を有し、前記第2のアパーチャは、前記第1の幅より小さい第2の幅を有する、請求項5に記載の冷却器。
【請求項8】
前記入口マニホールドは、単一の入口マニホールドアームを含む、請求項5に記載の冷却器。
【請求項9】
前記出口マニホールドは、前記単一の入口マニホールドアームの両側に、それぞれの出口マニホールドアームを含む、請求項8に記載の冷却器。
【請求項10】
前記第1の熱交換空間の内側に構造をさらに備え、前記構造が、前記平面部材とは別個であり、穴を含む、請求項1に記載の冷却器。
【請求項11】
前記穴は、前記構造において周期的に間隔を空けられ、前記穴のそれぞれは、対応するピンと位置合わせされている、請求項10に記載の冷却器。
【請求項12】
前記第1の最外部材における第1の開口;及び
第1の平面部材の縁部にある第1のスロット、前記第1のスロットは、前記第1の開口と位置合わせされ、前記第1のスロットは、四角ナットを受けるように構成されている、
をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の冷却器。
【請求項13】
前記第1の平面部材は、前記第1の最外部材に当接しており、前記冷却器は、
前記第1の最外部材における第2の開口;及び
前記第1の平面部材に当接しており、前記第1の最外部材から反対側に位置付けられた第2の平面部材の縁部にある第2のスロット、前記第2のスロットは、前記第2の開口に位置合わせされている、
をさらに備える、請求項12に記載の冷却器。
【請求項14】
前記平面部材の少なくとも一部は、互いに異なる厚さを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の冷却器。
【請求項15】
前記冷却器は、前記第1のパワーエレクトロニクスベースプレート及び第2のパワーエレクトロニクスベースプレートのためのダブル冷却器であり、前記第2の最外部材は、前記第2のパワーエレクトロニクスベースプレートを装着するための第2の熱交換表面を形成し、前記第2の最外部材に隣接した第2の複数の前記平面部材は、前記スタック内で第2の熱交換空間を形成する開口を有し、前記入口及び前記出口は、前記第2の熱交換空間にも結合されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の冷却器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年10月27日出願の米国特許出願第63/263,137号、名称「COOLER FOR POWER ELECTRONICS」の優先権を主張し、その開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、パワーエレクトロニクス用の冷却器に関する。
【背景技術】
【0003】
パワーエレクトロニクスは、様々な状況において使用される。電気自動車において、それらは、高電圧バッテリパックからの直流を、推進モータに電力供給するための交流に変換するインバータに含まれるか、又はモータから回収したエネルギーを、バッテリパックに供給するために含まれることが可能である。同様に、パワーエレクトロニクスは、例えば住宅又は別の建物のための電力解決手段としての役割を果たす場合に、非可動式のエネルギー貯蔵システムにおいて使用されることが可能である。これらの使用例に共通しているのは、パワーエレクトロニクスは、何らかの方法で管理する必要があり得る熱を発生させるということである。さらに、空間的制約が要因になることがあり、それにより熱制御のためのよりコンパクトな解決手段が好ましい場合がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、パワーエレクトロニクス用の冷却器は、入口及び出口を有する積層構造体を備え、前記積層構造体が、平面部材のスタックを有し、前記スタックの端部の第1の最外部材が、第1のパワーエレクトロニクスベースプレートを装着するための第1の熱交換表面を形成し、前記スタックの反対側の端部に第2の最外部材が位置付けられており、前記第1の最外部材に隣接した第1の複数の前記平面部材が、前記スタック内で第1の熱交換空間を形成する開口を有し、前記入口及び前記出口が、前記第1の熱交換空間に結合されている。
【0005】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれか又は全てを含むことができる。前記第1の複数の前記平面部材に隣接した第2の複数の前記平面部材は、前記入口及び前記第1の熱交換空間に結合された入口マニホールドを形成する開口を有し、前記入口マニホールド及び前記第1の熱交換空間の間に、第1のアパーチャが位置付けられている。前記入口マニホールドは、前記熱交換空間における流れ方向に沿った第1の幅を有し、前記第1のアパーチャは、前記第1の幅より小さい第2の幅を有する。前記第1のアパーチャは、前記入口マニホールドに対して中心にある。前記第2の複数の前記平面部材は、前記出口及び前記第1の熱交換空間に結合された出口マニホールドをさらに形成し、前記出口マニホールドは、前記入口マニホールドに対して平行であり、前記出口マニホールド及び前記第1の熱交換空間の間に、第2のアパーチャが位置付けられている。前記第2のアパーチャは、前記出口マニホールドに対して中心になく、前記第2のアパーチャは、前記出口マニホールドに対して前記入口マニホールドから離れるように位置付けられている。前記出口マニホールドは、前記第1の熱交換空間における流れ方向に沿った第1の幅を有し、前記第2のアパーチャは、前記第1の幅より小さい第2の幅を有する。前記入口マニホールドは、単一の入口マニホールドアームを含む。前記出口マニホールドは、前記単一の入口マニホールドアームの両側に、それぞれの出口マニホールドアームを含む。前記冷却器は、前記第1の熱交換空間の内側に構造をさらに備え、前記構造が、前記平面部材とは別個であり、穴を含む。前記穴は、前記構造において周期的に間隔を空けられ、前記穴のそれぞれは、対応するピンと位置合わせされている。前記冷却器は、前記第1の最外部材における第1の開口;及び第1の平面部材の縁部にある第1のスロット、前記第1のスロットは、前記第1の開口と位置合わせされ、前記第1のスロットは、四角ナットを受けるように構成されている、をさらに備える。前記第1の平面部材は、前記第1の最外部材に当接しており、前記冷却器は、前記第1の最外部材における第2の開口;及び前記第1の平面部材に当接しており、前記第1の最外部材から反対側に位置付けられた第2の平面部材の縁部にある第2のスロット、前記第2のスロットは、前記第2の開口に位置合わせされている、をさらに備える。前記平面部材の少なくとも一部は、互いに異なる厚さを有する。前記冷却器は、前記第1のパワーエレクトロニクスベースプレート及び第2のパワーエレクトロニクスベースプレートのためのダブル冷却器であり、前記第2の最外部材は、前記第2のパワーエレクトロニクスベースプレートを装着するための第2の熱交換表面を形成し、前記第2の最外部材に隣接した第2の複数の前記平面部材は、前記スタック内で第2の熱交換空間を形成する開口を有し、前記入口及び前記出口は、前記第2の熱交換空間にも結合されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】パワーエレクトロニクス用の冷却器の一例を示す。
【0007】
【
図2A】パワーエレクトロニクスベースプレートを有する冷却器の一例を概略的に示す。
【
図2B】2つのパワーエレクトロニクスベースプレートを有するダブル冷却器の一例を概略的に示す。
【0008】
【
図3】
図1の冷却器に装着されることが可能なパワーエレクトロニクスの一例を示す。
【0009】
【
図4】
図1の冷却器を通る冷却剤の流路の一例を示す。
【0010】
【
図5】平面部材のスタックを備える積層構造体の一例を概略的に示す。
【0011】
【
図6】
図4における線A―Aに沿った断面の一例を概略的に示す。
【0012】
【0013】
【
図8】パワーエレクトロニクス用の装着構造を有する冷却器の一例を示す。
【0014】
【
図9】コンパクトな電力ユニットに対して増大した熱伝達を提供することができる冷却器を概念的に示す。
【0015】
【
図10】
図1の冷却器とともに使用されることが可能な例示的な平面部材を示す。
【0016】
【
図11】
図1の冷却器とともに使用されることが可能な平面部材の例示的な部分的スタックを示す。
【0017】
【0018】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書は、様々な状況のいずれかにおいて、パワーエレクトロニクスを冷却するためのシステム及び技術の例について説明する。いくつかの実装形態において、冷却器は、平面部材のスタックを使用して作製された積層構造体を有することができる。一部の平面部材は、それらに開口を有し、それにより積層構造体の内側に、空洞、通路、マニホールド、アパーチャ、又は他の特徴が形成されている。これにより、パワーエレクトロニクスモジュールの単一のセット又は複数のセットを冷却するように適合可能な柔軟性のある冷却器設計を提供することができる。冷却器は、冷却剤の流れを向上させ、それにより熱を伝達する際の冷却器の効率を向上させる1つ又は複数の特徴を有することができる。冷却器は、シート素材から打ち抜かれた構成要素から主に作製されることが可能であり、それにより製造コストを低減することができる。相当な個数のスイッチがインバータにおいて使用され、それによりかなりの熱量を発生させる高性能電気自動車などの困難な実装形態においても、冷却器は、向上したコンパクトさを提供することができる。そのため、本開示により、よりコンパクトは電力ユニットを提供することができる。
【0020】
本明細書で説明する例では、パワーエレクトロニクスに言及する。本明細書において使用されるとき、パワーエレクトロニクスは、固体電子機器(例えば、1つ又は複数の半導体デバイス)を使用して電力を変換する任意の回路を含む。パワーエレクトロニクスの構成要素は、1つ又は複数のトランジスタを含むことができる。いくつかの実装形態において、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor:MOSFET)を使用することができる。例えば、パワーエレクトロニクスは、1つ又は複数の炭化ケイ素MOSFETを含むことができる。いくつかの実装形態において、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor:IGBT)を使用することができる。パワーエレクトロニクス構成要素の回路は、ダイオード、抵抗器、及び/又はコンデンサを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の要素を、スイッチに加えて含むことができる。
【0021】
本明細書で説明する例は、冷却剤に言及する。本明細書において使用されるとき、冷却剤は、温度を調整するために使用される任意の流体を含む。ほんの1つ例を挙げると、冷却剤は水を含むことができる(任意選択で1つ又は複数の添加剤を有する)。本明細書で説明する冷却器を通過する冷却剤は、熱システムにおいて循環されることが可能である。例えば、そのようなシステムは、伝導、対流、及び/又は放射などにより、熱を開放するための1つ又は複数の特徴も含むことができる。
【0022】
本明細書で説明する例は、第1の特徴及び第2の特徴が互いに結合されることを説明するとき、「結合」という用語又はその変化形を使用する。本明細書において使用されるとき、結合されているとは、特徴同士が互いに流体連通していることを示す。例えば、冷却剤は、第1の特徴から第2の特徴に流れることができ、及び/又は第2の特徴から第1の特徴に流れることができる。
【0023】
図1は、パワーエレクトロニクス用の冷却器100の一例を示す。冷却器100は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。冷却器100は、積層構造体を使用して作製され、ポート102及びポート104を有する。ポート102及び104のそれぞれは、冷却器100の内部への開口である。例えば、ポート102は、冷却剤の入口として、ポート104は出口としての役割を果たすことができ、又はその逆もまた同様である。ポート102及び104のそれぞれは、熱システムの1つ又は複数のタイプの導管、及び/又は別の構成要素に取り付けられるように構成されることが可能である。
【0024】
冷却器100は、熱交換表面106を有する。いくつかの実装形態において、熱交換表面106は、積層構造体を構成するスタックの端部の最外平面部材によって形成される。熱交換表面106は、1つ又は複数のパワーエレクトロニクスモジュール(不図示)を冷却するための熱界面としての役割を果たすことができる。例えば、熱交換表面106に隣接した冷却器100の内側に、熱交換空間を形成することができ、この熱交換空間が、ポート102及び104に結合されている。最外平面部材において(例えば、熱交換表面106内で)、冷却器は、パワーエレクトロニクスモジュールのベースプレートを取り付けるための1つ又は複数の特徴を有することができる。ここで、最外平面部材は、例えば他の中でもとりわけ、開口108A及び108Bを有する。
【0025】
図2Aは、パワーエレクトロニクスベースプレート202を有する冷却器200の一例を概略的に示し、
図2Bは、パワーエレクトロニクスベースプレート206及び208を有するダブル冷却器204の一例を概略的に示す。冷却器200又は204は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。パワーエレクトロニクスベースプレート202、206、又は208は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。
【0026】
冷却器200は、シングルモデルと呼ばれることが可能である。パワーエレクトロニクスベースプレート202は、冷却器200の外部に形成された1つの熱交換表面に装着されることが可能である。冷却器200の入口又は出口は、簡潔にするために図示されていない。冷却器200は、パワーエレクトロニクスベースプレート202の構成要素を効率的に冷却するための、低コストでコンパクトな解決手段を提供することができる。例えば、冷却器200は、パワーエレクトロニクスベースプレート202の外部寸法を越えて延在しなくてよい。
【0027】
ダブル冷却器204においては、パワーエレクトロニクスベースプレート206及び208のそれぞれが、ダブル冷却器204の外部に形成されたそれぞれの熱交換表面に装着されることが可能である。例えば、熱交換表面は、ここでダブル冷却器204の対向する主表面に形成される。いくつかの実装形態において、それぞれの熱交換空間は、熱交換表面のそれぞれに隣接したダブル冷却器204の内側に形成されることが可能である。パワーエレクトロニクスベースプレート206及び208のそれぞれの構成要素は、互いに類似していてもよいし、又はそれらは異なる設計を有していてもよい。ダブル冷却器204の入口又は出口は、簡潔にするために図示されていない。ダブル冷却器204は、パワーエレクトロニクスベースプレート206及び208の構成要素を効率的に冷却するための、低コストでコンパクトな解決手段を提供することができる。例えば、ダブル冷却器204は、パワーエレクトロニクスベースプレート206及び208のいずれの外部寸法も越えて延在しなくてよい。
【0028】
図3は、例えば
図1の冷却器100に装着されることが可能なパワーエレクトロニクス300の一例を示す。パワーエレクトロニクス300は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。パワーエレクトロニクス300は、現状では見えない平坦な主表面を有し得るベースプレート302を含む。ベースプレート302は、金属(例えば、銅)を含むがこれに限定されない熱伝導性の材料から作製されることが可能である。少なくとも1つのモジュール304が、ベースプレート302の表面に組み付けられることが可能である。ここで、パワーエレクトロニクス300は、3つのモジュール304を含む。モジュール304は、スイッチ308の1つ又は複数の列306を含むことができる。ここで、モジュール304は、それぞれ5つのスイッチ308を有する2つの列306を含む。列306内のスイッチ308は、ダイで形成されることが可能である。スイッチ308は、ほんの2つの例を挙げると、MOSFET又はIGBTとすることができる。パワーエレクトロニクス300は、その平坦な主表面が、本明細書で説明するいずれかの冷却器の熱交換表面に当接する状態で装着されることが可能である。
【0029】
図4は、例えば
図1の冷却器100を通る冷却剤の流路400の一例を示す。流路400は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。例えば、流路400は、熱交換表面106を通る方向に見たときの冷却器100の内部構造を図示することができる。
【0030】
流路400は、入口経路402を含む。いくつかの実装形態において、入口経路402は実質的にL字形状を有する。入口経路402は、入口404で始まることが可能であり、入口マニホールド内で少なくとも1つのアーム402A(例えば単一のアーム)を形成し、その後、入口経路402の終わりである1つ又は複数の流れ方向402Bに沿って移動する。流れ方向402Bは、アーム402Aに対しておおよそ垂直とすることができる。例えば、流れ方向402Bに通過する冷却剤は、冷却器の熱交換表面の内側に沿って移動することができ、それにより冷却剤が熱エネルギーを吸収する場所で熱交換を促進する。
【0031】
流路400は、出口経路406を含む。いくつかの実装形態において、出口経路406は、実質的にF字形状を有する。出口経路406は、流れ方向402Bのうちの1つ又は複数において始まることができ、少なくとも1つのそれぞれの出口マニホールド内で、1つ又は複数のアーム406A~406B(例えば2つのアーム)を形成する。アーム406A~406Bは、実質的に互いに平行とすることができる。例えば、アーム406A~406Bは、入口経路402のアーム402Aの両側に位置することが可能である。出口経路406は、出口408で終端することができる。
【0032】
流れ方向402Bは、効率的な熱交換を提供することができる。いくつかの実装形態において、流れ方向402Bは、パワーエレクトロニクスユニットにおいてスイッチの個々の列が位置付けられる場所に揃えることができる。例えば、パワーエレクトロニクスのそれぞれのダイが、冷却剤の平行な流れを受けるように、流れ方向402Bを配置することができる。
【0033】
図5は、平面部材502のスタックを備える積層構造体500の一例を概略的に示す。積層構造体500及び/又は任意の平面部材502は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。例えば、本明細書で説明する任意又は全ての冷却器が、積層構造体500を含むことができる。
【0034】
平面部材502は、材料のシート素材から形成された複数の平面要素を含むことができる。いくつかの実装形態において、材料は、金属又は金属合金である。ほんの少しの例を挙げると、アルミニウム又はアルミニウム合金を使用することができる。平面部材502は、
図1の冷却器100の形状を含むがこれに限定されない任意の形状を有することができる。平面部材502は、全てが共通の材料を有することができ、及び/又は共通の厚さを有することができる。別の例として、平面部材502の少なくとも一部は、互いに異なる厚さを有することができる。
【0035】
ここで平面部材502は、スタックの端部に最外部材502Aを含む。例えば、最外部材502Aは、熱交換表面504を形成することができる。平面部材502は、ここでスタックの反対側の端部に最外部材502Bを含む。例えば、最外部材502Bは、別の熱交換表面を形成することができる。平面部材502は、最外部材502A~502Bの間に位置付けられた平面部材502Cを含む。平面部材502Cの一部又は全部は、1つ又は複数の開口を有する。ここで、平面部材502Dは、開口506A~506Cを有するように示してある。例えば、開口506Bは、冷却剤のための入口マニホールドの一部分を、冷却材が熱交換表面504に向かう道の途中に形成することができる。別の例として、開口506A及び506Cは、冷却剤のための出口マニホールドの一部分を、冷却剤が積層構造体500から出る道の途中に形成することができる。
【0036】
平面部材502は、積層構造体500を形成するように組み立てられることが可能である。いくつかの実装形態において、ろう付けを実行することができる。例えば、金属(例えばアルミニウム)のプレクラッドプレートを組立体へとスタックし、オーブン内で加熱してそれらを互いに接合することができる。
【0037】
上述した例は、パワーエレクトロニクス用の冷却器(例えば、冷却器100、200、又は204のいずれか)が、入口及び出口(例えば、ポート102及び104)を有する積層構造体(例えば、積層構造体500)を含み得ることを図示している。積層構造体は、平面部材(例えば平面部材502)のスタックを含むことができる。スタックの端部の第1の最外部材(例えば、最外部材502A)は、第1のパワーエレクトロニクスベースプレート(例えば、パワーエレクトロニクスベースプレート302)を装着するための第1の熱交換表面(例えば、熱交換表面106)を形成することができる。第2の最外部材(例えば、最外部材502B)は、スタックの反対側の端部に位置付けられることが可能である。第1の最外部材に隣接した第1の複数の平面部材(例えば、平面部材502Cのうちの一部)は、(例えば、実質的に流れ方向402Bに沿って移動する冷却剤を収容するために)スタック内で第1の熱交換空間を形成する開口を有することができる。入口及び出口は、(例えば、それぞれ入口経路402及び出口経路406によって)第1の熱交換空間に結合されることが可能である。
【0038】
図6は、
図4における線A―Aに沿った断面の一例600を概略的に示す。例600は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。例600は、コンパクトな解決手段における効率的な熱交換のために、冷却剤がどのように冷却器を通って流れ得るかを図示する。
【0039】
例600の冷却器は、冷却剤が流れるときにパワーエレクトロニクスから熱を吸収できる熱交換空間602を提供する。最初に、冷却剤は、熱交換空間602に結合された入口マニホールド604に入ることができる。例えば、入口マニホールド604は、積層構造体のそれぞれの平面部材内の開口によって形成されることが可能である。熱交換空間602を横切った後、冷却剤は、熱交換空間602に結合された1つ又は複数の出口マニホールド606A~606Bに入ることができる。例えば、出口マニホールド606A~606Bは、平面部材内のそれぞれの開口によって形成されることが可能である。
【0040】
いくつかの状況において、熱交換空間602を通した冷却剤の分配は、いくぶん不均等な流れを有することがある。例えば、熱交換空間602の部分602B及び602Dにおいて相対的により多くの流れが存在するのに対して、熱交換空間602の部分602A、602C、及び602Eは、相対的に少ない流れしか有することができないか、又は流れがない場合があることを観察することができる。冷却剤の流れのこの欠乏は、熱交換空間602の部分602A、602C、及び602Eにおいて、熱交換が低減することを示す。
【0041】
冷却剤の分配を向上させるために、1つ又は複数のアパーチャを提供することができる。いくつかの実装形態において、アパーチャ608は、入口マニホールド604及び熱交換空間602の間に(例えば、その部分602Cに面するように)位置付けられることが可能である。アパーチャ608は、入口マニホールド604に対して中心にあることが可能である。例えば、入口マニホールド604は、熱交換空間602における流れ方向に対して平行な方向に沿って測定された幅610を有することができ、アパーチャ608は、幅610より小さい幅612を有することができる。アパーチャ608は、熱交換空間602の少なくとも部分602Cにおいて、冷却剤の流れを向上させることができる。アパーチャ608は、積層構造体の1つ又は複数の平面部材によって形成されることが可能である。
【0042】
いくつかの実装形態において、アパーチャ614Aは、出口マニホールド606A及び熱交換空間602の間に(例えば、その部分602Eに面するように)位置付けられることが可能である。アパーチャ614Aは、出口マニホールド606Aに対して中心になくてよい。アパーチャ614Aは、出口マニホールド606Aに対して、入口マニホールド604から離れるように位置付けられてよい。出口マニホールド606Aは、熱交換空間602における流れ方向に対して平行な方向に沿って測定された幅616Aを有することができ、アパーチャ614Aは、幅616Aより小さい幅618Aを有することができる。アパーチャ614Aは、熱交換空間602の少なくとも部分602Eにおいて、冷却剤の流れを向上させることができる。アパーチャ614Aは、積層構造体の1つ又は複数の平面部材によって形成されることが可能である。
【0043】
いくつかの実装形態において、アパーチャ614Bは、出口マニホールド606B及び熱交換空間602の間に(例えば、その部分602Aに面するように)位置付けられることが可能である。アパーチャ614Bは、出口マニホールド606Bに対して中心になくてよい。アパーチャ614Bは、出口マニホールド606Bに対して、入口マニホールド604から離れるように位置付けられてよい。出口マニホールド606Bは、熱交換空間602における流れ方向に対して平行な方向に沿って測定された幅616Bを有することができ、アパーチャ614Bは、幅616Bより小さい幅618Bを有することができる。アパーチャ614Bは、熱交換空間602の少なくとも部分602Aにおいて、冷却剤の流れを向上させることができる。アパーチャ614bは、積層構造体の1つ又は複数の平面部材によって形成されることが可能である。
【0044】
冷却剤の流れを制御するために及び/又は熱伝達を向上させるために、熱交換空間602に、1つ又は複数の特徴を置くことができる。いくつかの実装形態において、構造620(ここでは挿入図として示してある)が、熱交換空間602の内側に提供されることが可能である。構造620は、熱交換空間602を画成する平面部材とは別個である(例えば、それによって形成されていない)ことが可能である。例えば、構造620は、組み立て中に平面部材のうちの1つ又は複数にろう付けされることが可能である。構造620は、任意の方向に配向されることが可能である。例えば、構造620に対して示してある矢印622が、熱交換空間602内の流れ方向に(例えば平行又は逆平行に)位置合わせされることが可能である。構造は、穴624を含むことができる。穴624は、例えばピン626の対応する1つと位置合わせされるように、構造620において周期的に間隔を空けられることが可能である。構造620は、本明細書で説明する1つ又は複数の他の冷却器とともに使用されることが可能である。
【0045】
図7は、ダブル冷却器の断面の一例700を概略的に示す。例700は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。例700は、コンパクトな解決手段における効率的な熱交換のために、冷却剤がどのようにダブル冷却器を通って流れ得るかを図示する。
【0046】
例700のダブル冷却器は、冷却剤が流れるときにパワーエレクトロニクスから熱を吸収できる熱交換空間702A~702Bを提供する。ダブル冷却器は、熱交換空間702A~702Bのそれぞれに結合された入口マニホールド704を含む。例えば、入口マニホールド704は、積層構造体のそれぞれの平面部材内の開口によって形成されることが可能である。ダブル冷却器は、熱交換空間702A~702Bの両方にそれぞれ結合された出口マニホールド706A~706Bを含む。例えば、出口マニホールド706A~706Bは、平面部材内のそれぞれの開口によって形成されることが可能である。
【0047】
ダブル冷却器は、入口マニホールド704及び熱交換空間702Aの間に位置付けられたアパーチャ708Aを含むことができる。ダブル冷却器は、入口マニホールド704及び熱交換空間702Bの間に位置付けられたアパーチャ708Bを含むことができる。ダブル冷却器は、出口マニホールド706A及び熱交換空間702Aの間に位置付けられたアパーチャ714Aを含むことができる。ダブル冷却器は、出口マニホールド706A及び熱交換空間702Bの間に位置付けられたアパーチャ715Aを含むことができる。ダブル冷却器は、出口マニホールド706B及び熱交換空間702Aの間に位置付けられたアパーチャ714Bを含むことができる。ダブル冷却器は、出口マニホールド706B及び熱交換空間702Bの間に位置付けられたアパーチャ715Bを含むことができる。アパーチャ708A~708B、714A~714B、及び715A~715Bのそれぞれは、積層構造体のそれぞれの1つ又は複数の平面部材によって形成されることが可能である。
【0048】
図8は、パワーエレクトロニクス用の装着構造を有する冷却器の一例800を示す。例800は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。例えば、例800は、
図1の冷却器100とともに使用されることが可能である。
【0049】
冷却器は、最外部材802に開口108Aを含む。冷却器は、平面部材806の縁部にスロット804を含む。例えば、スロット804は、(例えば、熱交換空間用などの1つ又は複数の他の開口の形成に関連して)平面部材806内に打ち抜かれることが可能である。スロット804は、開口108Aに位置合わせされる。スロット804は、四角ナット808を受けるように構成される。四角ナットは、雌ねじを含むことができる。いくつかの実装形態において、これにより、四角ナット808を使用して固定すべき締め具(例えばボルト)を開口108Aに通して挿入することができるようになり得る。例えば、これにより、最外部材802に対するパワーエレクトロニクスベースボードの取り付けを容易にすることができる。
【0050】
平面部材806は、最外部材802に当接することができる。冷却器は、平面部材812の縁部にスロット810を含むことができる。平面部材812は、平面部材806に当接し、最外部材802から反対に位置付けられている。スロット810は、(例えば、熱交換空間用などの1つ又は複数の他の開口の形成に関連して)平面部材812内に打ち抜かれることが可能である。スロット810は、開口108Bに位置合わせされる。スロット810は、別の四角ナット808を受けるように構成される。そのため、平面部材812も、又は代わりに、パワーエレクトロニクスベースボードを取り付ける際に使用されることが可能である。
【0051】
図9は、コンパクトな電力ユニットに対して増大した熱伝達を提供することができる冷却器900を概念的に示す。冷却器900は、本明細書の他の箇所で説明する1つ又は複数の他の例とともに使用されることが可能である。冷却器900、例えば以下で例示する個々の構造体は、積層構造体を形成するようにスタックされた個々の平面部材によって形成されることが可能である。
【0052】
冷却器900は、冷却剤用の入口902を含む。冷却器900は、入口902に結合された入口マニホールド904を含む。冷却器900は、入口マニホールド904及び熱交換ゾーン908の間にアパーチャ906を有する。例えば、熱交換ゾーンは、冷却器900の熱交換表面の内側に沿って延在している。冷却器900は、熱交換ゾーン908及び出口マニホールド912の間のアパーチャ910を含む。出口マニホールド912は、出口914に結合されている。入口マニホールド904、熱交換ゾーン908、及び出口マニホールド912のうちの2つ又はそれより多くは、互いに異なる平面に位置することができる。例えば、入口マニホールド904及び出口マニホールド912は、本質的に冷却器900の共通のレベルに位置付けられることが可能である。別の例として、熱交換ゾーン908は、入口マニホールド904又は出口マニホールド912の少なくとも1つとは異なるレベルに位置付けられることが可能である。
【0053】
図10は、
図1の冷却器1000とともに使用されることが可能な例示的な平面部材100を示す。平面部材1000は、冷却剤用の流路を形成することができる。平面部材1000は、入口1002で始まる入口経路を有し、入口マニホールド内で少なくとも1つのアーム1004(例えば単一のアーム)を形成する。いくつかの実装形態において、出口経路は、実質的にF字形状を有する。出口経路は、少なくとも1つのそれぞれの出口マニホールド内で1つ又は複数のアーム1006A~1006B(例えば、2つのアーム)を形成することができる。出口経路は、出口1008において終わることができる。
【0054】
図11は、
図1の冷却器100とともに使用されることが可能な平面部材の例示的な部分的スタック1100を示す。部分的スタック1100は、アーム1004、1006A、及び1006Bを示す。部分的スタック1100は、アーム1004、1006A、及び1006Bのうちの1つ又は複数において、又はマニホールドにおいて、少なくとも1つの凹部1102を形成することができる。
【0055】
図12は、
図1の冷却器100の例示的な断面1200を示す。断面1200は、アーム1004、1006A、及び1006Bを示す。
【0056】
本明細書の全体を通して使用される「実質的に」及び「約」という用語は、処理時のばらつきに起因するものなどの小さい変動を説明及び報告するために使用される。例えば、それらは、±5%より小さいか又はそれに等しいこと、例えば、±2%より小さいか又はそれに等しいこと、例えば、±1%より小さいか又はそれに等しいこと、例えば、±0.5%より小さいか又はそれに等しいこと、例えば、±0.2%より小さいか又はそれに等しいこと、例えば、±0.1%より小さいか又はそれに等しいこと、例えば、±0.05%より小さいか又はそれに等しいことを指すことがある。また、本明細書で使用するとき、「a」又は「an」などの不定冠詞は「少なくとも1つ」を意味する。
【0057】
上記の概念及び以下でより詳細に論じる追加の概念の全ての組み合わせが(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)、本明細書で開示する本発明の主題の一部分であると想定されることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求の範囲に係る主題の全ての組み合わせが、本明細書で開示する本発明の主題の一部分であると想定される。
【0058】
いくつかの実装形態について説明してきた。とは言え、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。
【0059】
さらに、図に示す論理フローは、望ましい結果を達成するために、示した特定の順序、又は連続した順序を必要としない。さらに、他のプロセスが提供されてよく、又は説明したフローからプロセスが排除されてよく、説明したシステムに他の構成要素が追加されてよく、又は説明したシステムから他の構成要素が削除されてよい。したがって、他の実装形態が以下の特許請求の範囲に記載の範囲内に含まれる。
【0060】
説明した実装形態の特定の特徴が、本明細書で説明するように図示されてきたが、今や多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者には思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、これらの実装形態の範囲に含まれる全てのそのような修正及び変更を包含するように意図されていることが理解されるべきである。それらは限定ではなく単なる例として提示されており、形態及び詳細の様々な変更が行われてよいことを理解されたい。相互に排他的な組み合わせを除き、本明細書で説明する装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組み合わせで組み合わされてよい。本明細書で説明する実装形態は、説明した異なる実装形態の機能、構成要素、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は副次的組み合わせを含むことができる。
(他の可能な形態)
(項目1)
パワーエレクトロニクス用の冷却器であって、前記冷却器が、
入口及び出口を有する積層構造体を備え、前記積層構造体が、平面部材のスタックを有し、前記スタックの端部の第1の最外部材が、第1のパワーエレクトロニクスベースプレートを装着するための第1の熱交換表面を形成し、前記スタックの反対側の端部に第2の最外部材が位置付けられており、前記第1の最外部材に隣接した第1の複数の前記平面部材が、前記スタック内で第1の熱交換空間を形成する開口を有し、前記入口及び前記出口が、前記第1の熱交換空間に結合されている、冷却器。
(項目2)
前記第1の複数の前記平面部材に隣接した第2の複数の前記平面部材は、前記入口及び前記第1の熱交換空間に結合された入口マニホールドを形成する開口を有し、前記入口マニホールド及び前記第1の熱交換空間の間に、第1のアパーチャが位置付けられている、項目1に記載の冷却器。
(項目3)
前記入口マニホールドは、前記第1の熱交換空間における流れ方向に沿った第1の幅を有し、前記第1のアパーチャは、前記第1の幅より小さい第2の幅を有する、項目2に記載の冷却器。
(項目4)
前記第1のアパーチャは、前記入口マニホールドに対して中心にある、項目2または3に記載の冷却器。
(項目5)
前記第2の複数の前記平面部材は、前記出口及び前記第1の熱交換空間に結合された出口マニホールドをさらに形成し、前記出口マニホールドは、前記入口マニホールドに対して平行であり、前記出口マニホールド及び前記第1の熱交換空間の間に、第2のアパーチャが位置付けられている、項目4に記載の冷却器。
(項目6)
前記第2のアパーチャは、前記出口マニホールドに対して中心になく、前記第2のアパーチャは、前記出口マニホールドに対して前記入口マニホールドから離れるように位置付けられている、項目5に記載の冷却器。
(項目7)
前記出口マニホールドは、前記第1の熱交換空間における流れ方向に沿った第1の幅を有し、前記第2のアパーチャは、前記第1の幅より小さい第2の幅を有する、項目5または6に記載の冷却器。
(項目8)
前記入口マニホールドは、単一の入口マニホールドアームを含む、項目5から7のいずれか一項に記載の冷却器。
(項目9)
前記出口マニホールドは、前記単一の入口マニホールドアームの両側に、それぞれの出口マニホールドアームを含む、項目8に記載の冷却器。
(項目10)
前記第1の熱交換空間の内側に構造をさらに備え、前記構造が、前記平面部材とは別個であり、穴を含む、項目1から9のいずれか一項に記載の冷却器。
(項目11)
前記穴は、前記構造において周期的に間隔を空けられ、前記穴のそれぞれは、対応するピンと位置合わせされている、項目10に記載の冷却器。
(項目12)
前記第1の最外部材における第1の開口;及び
第1の平面部材の縁部にある第1のスロット、前記第1のスロットは、前記第1の開口と位置合わせされ、前記第1のスロットは、四角ナットを受けるように構成されている、
をさらに備える、項目1から11のいずれか一項に記載の冷却器。
(項目13)
前記第1の平面部材は、前記第1の最外部材に当接しており、前記冷却器は、
前記第1の最外部材における第2の開口;及び
前記第1の平面部材に当接しており、前記第1の最外部材から反対側に位置付けられた第2の平面部材の縁部にある第2のスロット、前記第2のスロットは、前記第2の開口に位置合わせされている、
をさらに備える、項目12に記載の冷却器。
(項目14)
前記平面部材の少なくとも一部は、互いに異なる厚さを有する、項目1から13のいずれか一項に記載の冷却器。
(項目15)
前記冷却器は、前記第1のパワーエレクトロニクスベースプレート及び第2のパワーエレクトロニクスベースプレートのためのダブル冷却器であり、前記第2の最外部材は、前記第2のパワーエレクトロニクスベースプレートを装着するための第2の熱交換表面を形成し、前記第2の最外部材に隣接した第2の複数の前記平面部材は、前記スタック内で第2の熱交換空間を形成する開口を有し、前記入口及び前記出口は、前記第2の熱交換空間にも結合されている、項目1から14のいずれか一項に記載の冷却器。
【国際調査報告】