(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電力増幅を介して加熱を制御するエアロゾル発生装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20241024BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20241024BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241024BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20241024BHJP
H03F 3/20 20060101ALI20241024BHJP
H03F 1/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/46
A24F40/465
H02M7/48 P
H03F3/20
H03F1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524502
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 KR2022019362
(87)【国際公開番号】W WO2023106730
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0175139
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060942
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ヨン ポム
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン スン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】イム、フン イル
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソク ス
【テーマコード(参考)】
4B162
5H770
5J500
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
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4B162AD08
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5H770BA09
5H770DA01
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5H770KA01W
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5J500AA01
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5J500AH39
5J500AK13
5J500AK41
5J500AT01
5J500AT07
5J500LV08
5J500WU08
(57)【要約】
一実施形態によれば、エアロゾル生成装置は、電力を供給するバッテリ、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱する加熱体、並びに該バッテリ及び加熱体と電気的に連結される増幅回路を含み、該増幅回路は、バッテリから供給された電力信号をスイッチング素子を介して増幅し、第1信号を生成し、フィルタを介して第1信号から高調波成分を除去し、第2信号を生成し、第2信号を加熱体に伝達しうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
電力を供給するバッテリと、
エアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱する加熱体と、
前記バッテリ及び前記加熱体と電気的に連結される増幅回路と、を含み、
前記増幅回路は、
前記バッテリから供給された電力信号をスイッチング素子を介して増幅し、第1信号を生成し、
フィルタを介し、前記第1信号から高調波成分を除去し、第2信号を生成し、
前記第2信号を前記加熱体に伝達する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記フィルタは、
前記第1信号の二次高調波成分を除去する第1フィルタ回路と、
前記第1信号の三次高調波成分を除去する第2フィルタ回路と、
前記第1フィルタ回路及び前記第2フィルタ回路を通過した信号から共振周波数成分以外の成分を除去する第3フィルタ回路と、を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記第1フィルタ回路は、
前記第1信号の前記二次高調波成分をグランド端子にバイパスさせる、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記第2フィルタ回路は、
前記第1信号の前記三次高調波成分につき、開放回路インピーダンスを適用する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記第3フィルタ回路は、
前記第1フィルタ回路及び前記第2フィルタ回路を通過した信号の共振周波数成分につき、開放回路インピーダンスを適用し、前記共振周波数成分以外の残り成分につき、短絡回路インピーダンスを適用する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記バッテリから供給された前記電力信号のキャリア周波数範囲は、20KHzないし100MHzである、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記バッテリから供給された前記電力信号のキャリア周波数範囲は、1MHzないし20MHzである、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記バッテリのDC(direct current)供給電圧の範囲は、2.5Vないし4.5Vである、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
エアロゾル生成装置の動作方法において、
バッテリから供給された電力信号をスイッチング素子を介して増幅し、第1信号を生成する動作と、
フィルタを介し、前記第1信号から高調波成分を除去し、第2信号を生成する動作と、
前記第2信号をエアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱する加熱体に伝達する動作と、を含む、エアロゾル生成装置の動作方法。
【請求項10】
前記第2信号を生成する動作は、前記フィルタの第1フィルタ回路を介し、前記第1信号の二次高調波成分をグランド端子にバイパスさせる動作をさらに含む、請求項9に記載のエアロゾル生成装置の動作方法。
【請求項11】
前記第2信号を生成する動作は、前記フィルタの第2フィルタ回路を介し、前記第1信号の三次高調波成分につき、開放回路インピーダンスを適用する動作をさらに含む、請求項9に記載のエアロゾル生成装置の動作方法。
【請求項12】
前記第2信号の共振周波数成分につき、開放回路インピーダンスを適用し、前記共振周波数成分以外の残り成分につき、短絡回路インピーダンスを適用する動作をさらに含む、請求項9に記載のエアロゾル生成装置の動作方法。
【請求項13】
前記バッテリから供給された前記電力信号のキャリア周波数範囲は、20KHzないし100MHzである、請求項9に記載のエアロゾル生成装置の動作方法。
【請求項14】
前記バッテリから供給された前記電力信号のキャリア周波数範囲は、1MHzないし20MHzである、請求項9に記載のエアロゾル生成装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力増幅を介して高調波成分が除去された信号に基づいて加熱を制御するエアロゾル生成装置及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法を求める需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方法ではなく、エアロゾル生成装置を利用し、シガレットまたはエアロゾル生成物質を加熱することにより、エアロゾルを生成するシステムを求める需要が増大している。
【0003】
最近では、誘導加熱を採択するエアロゾル生成装置において、エアロゾル形成基材をさらに効率的に加熱するための方法に対する研究が進められている。特に、該エアロゾル生成装置は、ユーザの携帯便宜性のために、制限的な大きさで提供されるので、制限的な大きさ内において、電力の効率性側面を改善させるための方法が必要となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示による一実施形態は、クラスF増幅器を活用して電力信号を増幅し、高調波成分を除去するエアロゾル生成装置を提供することである。
【0005】
本開示の実施形態を介して解決する課題は、前述の課題に制限されるのではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態におけるエアロゾル生成装置は、電力を供給するバッテリ、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱する加熱体、並びに該バッテリ及び該加熱体と電気的に連結される増幅回路を含み、該増幅回路は、該バッテリから供給された電力信号をスイッチング素子を介して増幅して第1信号を生成し、フィルタを介して該第1信号から高調波成分を除去して第2信号を生成し、該第2信号を該加熱体に伝達しうる。
【0007】
一実施形態におけるエアロゾル生成装置の動作方法は、バッテリから供給された電力信号をスイッチング素子を介して増幅し、第1信号を生成する動作、フィルタを介して該第1信号から高調波成分を除去して第2信号を生成する動作、及び該第2信号をエアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱する加熱体に伝達する動作を含むものでもある。
【発明の効果】
【0008】
本開示の多様な実施形態によれば、電力増幅を介し、誘導加熱のための電力を効率的に制御することができ、効率的な電力制御を介し、エアロゾル生成装置の大きさを縮小させ、空間的な利点を極大化させうる。
【0009】
ただし、本実施形態による効果は、前述の効果に制限されるのではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から、実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解されうるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態によるエアロゾル生成装置のブロック図を図示する図である。
【
図2】一実施形態によるエアロゾル生成装置の信号制御方法を示すフローチャートである。
【
図3】一実施形態による増幅回路に含まれるフィルタのブロック図を図示する図である。
【
図4】一実施形態による増幅回路における高調波成分除去方法を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態による増幅回路の回路図を図示する図である。
【
図6】一実施形態による増幅回路に対する入力信号と出力信号との差を示すグラフである。
【
図7】一実施形態による増幅回路を介して高調波成分が除去された出力信号を示すグラフである。
【
図8】他の実施形態によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語が選択されているが、それは、当分野に従事する技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0012】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものでもあるということを意味する。また、明細書に記載された「~部」、「~モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によって具現されうる。
【0013】
本明細書で使用されているように、「少なくともいずれか1つの」というような表現が、配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではなく、全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b及びcのうち少なくともいずれか一つ」という表現は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、またはa、b及びcを含むと解釈されなければならない。
【0014】
一実施形態において、エアロゾル生成装置は、内部空間に収容されるシガレットを電気的に加熱し、エアロゾルを生成する装置でもある。
【0015】
エアロゾル生成装置は、ヒータを含むものでもある。一実施形態において、該ヒータは、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、該ヒータは、導電性トラック(track)を含むものでもあり、該導電性トラックに電流が流れれば、該ヒータが加熱されうる。
【0016】
ヒータは、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含むものでもあり、加熱要素の形態により、シガレットの内部または外部を加熱しうる。
【0017】
シガレットは、タバコロッド及びフィルタロッドを含むものでもある。該タバコロッドは、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製され、タバコシートが細かく刻まれた刻みタバコによっても作製される。また、該タバコロッドは、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、該熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに制限されるものではない。
【0018】
フィルタロッドは、酢酸セルロースフィルタでもある。該フィルタロッドは、少なくとも1以上のセグメントによって構成されうる。例えば、該フィルタロッドは、エアロゾルを冷却する第1セグメント、及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含むものでもある。
【0019】
他の実施形態において、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジを利用し、エアロゾルを生成する装置でもある。
【0020】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ、及び該カートリッジを支持する本体を含むものでもある。該カートリッジは、本体と着脱自在に結合されうるが、それに制限されるものではない。該カートリッジは、本体と一体に形成されるか、あるいは組み立てられ、ユーザによって脱着されないように固定されもする。該カートリッジは、内部に、エアロゾル生成物質を収容した状態で本体に装着されうる。ただし、それに制限されるものではなく、該カートリッジが本体に結合された状態で、カートリッジ内部にエアロゾル生成物質が注入されもする。
【0021】
カートリッジは、液体状態、固体状態、気体状態、ゲル(gel)状態のような多様な状態のうちいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有しうる。該エアロゾル生成物質は、液状組成物を含むものでもある。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0022】
カートリッジは、本体から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することにより、カートリッジ内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換してエアロゾルを発生させる機能を遂行することができる。該エアロゾルは、エアロゾル生成物質から生じた蒸気化された粒子、及び空気が混合された状態の気体を意味しうる。
【0023】
さらに他の実施形態において、エアロゾル生成装置は、液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、シガレットを通過し、ユーザに伝達されうる。すなわち、該液状組成物から生成されたエアロゾルは、該エアロゾル生成装置の気流通路に沿って移動することができ、該気流通路は、該エアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成されうる。
【0024】
さらに他の実施形態において、エアロゾル生成装置は、超音波振動方式を利用し、エアロゾル生成物質からエアロゾルを生成する装置でもある。このとき、該超音波振動方式は、振動子によって発生される超音波振動により、エアロゾル生成物質を霧化させることにより、エアロゾルを発生させる方式を意味しうる。
【0025】
エアロゾル生成装置は、振動子を含むものでもあり、該振動子を介し、短周期の振動を発生させ、エアロゾル生成物質を霧化させうる。該振動子によって発生される振動は、超音波振動でもあり、該超音波振動の周波数帯域は、約100kHzないし約3.5MHz周波数帯域でもあるが、それに制限されるものではない。
【0026】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を吸収する芯をさらに含むものでもある。例えば、該芯は、振動子の少なくとも一領域を覆い包むように配されるか、あるいは該振動子の少なくとも一領域と接触するように配されうる。
【0027】
振動子に電圧(例:交流電圧)が印加されるにより、該振動子から、熱及び/または超音波振動が生じ、該振動子から生じた熱及び/または超音波振動は、芯に吸収されたエアロゾル生成物質に伝達されうる。該芯に吸収されたエアロゾル生成物質は、該振動子から伝達される熱及び/または超音波振動により、気相に変換され、その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0028】
例えば、振動子から生じた熱により、芯に吸収されたエアロゾル生成物質の粘度が低くなり、該振動子から生じた超音波振動により、粘度が低くなったエアロゾル生成物質が微細粒子化されることにより、エアロゾルが生成されうるが、それに制限されるものではない。
【0029】
さらに他の実施形態において、エアロゾル生成装置は、誘導加熱(induction heating)方式でもって、エアロゾル生成装置に収容されるエアロゾル生成物品を加熱することにより、エアロゾルを生成する装置でもある。
【0030】
エアロゾル生成装置は、サセプタ(susceptor)及びコイルを含むものでもある。一実施形態において、該コイルは、該サセプタに磁場を印加することができる。該エアロゾル生成装置から該コイルに電力が供給されることにより、該コイルの内部には、磁場が形成されうる。一実施形態において、該サセプタは、外部磁場によって発熱する磁性体でもある。該サセプタがコイルの内部に位置し、磁場が印加されることにより、該サセプタが発熱することにより、エアロゾル生成物品が加熱されうる。また、選択的に、該サセプタは、エアロゾル生成物品内に位置することができる。
【0031】
さらに他の実施形態において、エアロゾル生成装置は、クレードル(cradle)をさらに含むものでもある。
【0032】
エアロゾル生成装置は、別途のクレードルと共に、システムを構成しうる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置のバッテリを充電することができる。または、該クレードルとエアロゾル生成装置とが結合された状態で、ヒータが加熱されうる。
【0033】
以下においては、添付図面を参照し、本開示の実施形態につき、当該技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、詳細に説明する。本開示は、前述の多様な実施形態のエアロゾル生成装置で具現可能な形態に実施されるか、あるいはさまざまに異なる形態に具現されて実施されうるが、ここで説明される実施形態に制限されるものではない。
【0034】
以下においては、図面を参照し、本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0035】
図1は、一実施形態によるエアロゾル生成装置のブロック図を図示する。
【0036】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、加熱体120及び増幅回路130を含むものでもある。しかしながら、エアロゾル生成装置100内部のハードウェア構成要素は、
図1に図示されたところに限定されるものではない。エアロゾル生成装置100の設計により、
図1に図示されたハードウェア構成のうち一部が省略されるか、あるいは新たな構成がさらに追加されうるということは、本実施形態と係わる技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
以下においては、エアロゾル生成装置100に含まれた各構成が位置する空間を限定せずに、各構成の動作について説明する。
【0037】
一実施形態において、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100が動作するのに必要な電力を供給することができる。具体的には、加熱体120がエアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱するように、バッテリ110は、加熱体120に対して電力を供給することができる。
【0038】
一実施形態において、バッテリ110は、増幅回路130に、DC(direct current)供給電圧を印加することができる。例えば、バッテリが印加するDC供給電圧の範囲は、約2.5Vないし約4.5Vでもある。例えば、DC供給電圧は、約3Vでもある。
【0039】
一実施形態において、加熱体120は、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱しうる。例えば、加熱体120は、エアロゾル生成物品の内部に含まれたサセプタ、またはエアロゾル生成物品の外部に配されるサセプタに対して可変磁場を発生させて加熱する誘導コイルでもある。ただし、それらに制限されるものではなく、他の実施形態において、加熱体120は、電気抵抗性物質によって形成されるフィルムヒータでもある。
【0040】
一実施形態において、エアロゾル生成装置100は、加熱体120につき、共振回路を含むものでもある。加熱体120が誘導コイルである場合、前記誘導コイルの内部に配されて加熱されるサセプタは、電気的に抵抗特性を有しても、誘導コイルによって印加される電力のほとんどは、前記誘導コイルのインダクタンスによって無効成分を有しうる。従って、前記無効電力を相殺させ、皮相電力を有効電力と同一にするために、エアロゾル生成装置100は、キャパシタ(capacitor)が連結される共振回路(例:LCマッチング回路)を含むものでもある。加熱体120についての共振回路における共振周波数(
)は、数式1を介して演算されうる。
【0041】
【0042】
すなわち、加熱体120(すなわち、誘導コイル)の内部に配されるサセプタの物質特性、電気的特性などに基づき、前記サセプタが誘導加熱されうる共振周波数(
)を演算し、演算された共振周波数(
)に基づき、共振回路の部品が設定されうる。
【0043】
一実施形態において、バッテリ110は、加熱体120によって誘導された可変磁場に対応し、サセプタが誘導加熱されうるように既設定された周波数範囲に対応する電力を供給しうる。このとき、前記既設定された周波数範囲は、約20KHzないし約100MHzでもある。さらに望ましくは、前記既設定された周波数範囲は、約1MHzないし約100MHzでもある。例えば、既設定された周波数は、約6.78MHzでもある。
【0044】
一実施形態において、増幅回路130は、バッテリ110から入力される入力信号を増幅しうる。例えば、増幅回路130は、バッテリ110から印加されるDC供給電圧を介し、入力信号を増幅しうる。このとき、増幅回路130は、クラスF電力増幅器でもある。
【0045】
一実施形態において、増幅回路130は、スイッチング素子132及びフィルタ134を含むものでもある。このとき、スイッチング素子132は、エアロゾル生成装置100のプロセッサ(図示せず)によって制御されうる。
【0046】
一実施形態において、スイッチング素子132は、バッテリ110から供給された電力信号を増幅しうる。このとき、スイッチング素子132は、電子信号または電力を増幅するか、あるいはスイッチングするトランジスタでもって具現されうる。例えば、スイッチング素子132は、電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)、及び接合型トランジスタ(BJP:bipolar junction transistor)のうちいずれか一つでもある。
【0047】
例えば、スイッチング素子132がFETである場合、バッテリ110から、スイッチング素子132のゲート(gate)にDC供給電圧が印加され、スイッチング素子132は、印加された電圧でもって、ソース(source)とドレイン(drain)との電流を制御することができる。または、スイッチング素子132がBJTである場合、バッテリ110から印加されるDC供給電圧をベース(base)に電流で変換し、スイッチング素子132は、コレクタ(collector)とエミッタ(emitter)との電流を制御することができる。
【0048】
さらに具体的には、スイッチング素子132は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)のような電界効果トランジスタによっても具現される。
【0049】
一実施形態において、スイッチング素子132は、スイッチング時間(switching time)が実質的に短いのである。すなわち、スイッチング素子132は、バッテリ110から印加される電圧を基準に動作するとき、ドレイン・ソース抵抗(Rds(on))が低いほど、電力損失が少なく、ゲート総電荷量(Qg)が低いほど、スイッチング時の損失が少ないのである。また、前述のような損失が低減するほど、スイッチング素子132は、高速スイッチングが可能である。また、スイッチング素子132のスイッチング時間が短いほど、サセプタに対して可変磁場を発生させ、誘導加熱を遂行する加熱体120に対し、効率的に電力を供給しうる。
【0050】
例えば、バッテリ110からスイッチング素子132に印加される電圧が3Vである場合、動作時のドレイン・ソース抵抗であるRds(on)は、約10mΩないし約500mΩでもあり、ゲート総電荷量であるQgは、約3nCないし約50nCでもある。
【0051】
一実施形態において、フィルタ134は、スイッチング素子132を介して増幅された信号から、高調波成分を除去することができる。このとき、「高調波成分」は、信号の周期的な波形成分において、周波数が最も低い基本波成分を除いた波形成分を意味しうる。信号の線形性は、高調波成分を除去することによって保証されうる。
【0052】
すなわち、バッテリ110から供給される電力信号が、約20KHzないし約100MHz範囲の周波数を有する場合、前記電力信号は、実質的に、基本波成分と、複数個の高調波成分とが合成された合成波に該当し、フィルタ134は、合成波から、複数個の高調波成分を除去することができる。
【0053】
例えば、バッテリ110から供給される電力信号が、5MHzの周波数を有する場合、前記電力信号は、5MHzの基本波成分及び基本波成分の2倍周波数である10MHzの二次高調波成分、3倍周波数である15MHzの三次高調波成分などを含むものでもある。フィルタ134は、前記電力信号から、10MHzの二次高調波成分及び15MHzの三次高調波成分を除去しうる。
【0054】
図2は、一実施形態によるエアロゾル生成装置の信号制御方法を示すフローチャートを図示する。
【0055】
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置(例:エアロゾル生成装置100(
図1))は、動作201において、バッテリ(例:バッテリ110(
図1))から供給された電力信号を、スイッチング素子(例:スイッチング素子132(
図1))を介して増幅し、第1信号を生成することができる。
【0056】
例えば、バッテリ110から供給された電力信号は、入力電圧(V
in)が約3Vであり、キャリア周波数(
)が約5MHzである信号でもある。スイッチング素子132は、任意のトランジスタによっても具現され、前記電力信号が、スイッチング素子132に供給されることにより、前記入力電圧(V
in)は、約50Vに増幅されうる。それにより、スイッチング素子132は、約50Vの電圧、及び約5MHzのキャリア周波数を有する電力信号である第1信号を生成することができる。
【0057】
一実施形態によれば、エアロゾル生成装置100は、動作203において、フィルタ(例:フィルタ134)を介し、第1信号から高調波成分を除去し、第2信号を生成しうる。
【0058】
例えば、スイッチング素子132を介して増幅された第1信号が、約50Vの電圧、及び約5MHzのキャリア周波数である場合、第1信号は、約5MHzの基本波成分以外にも、約10MHzの二次高調波成分、約15MHzの三次高調波成分をさらに含むものでもある。このとき、残り高調波成分は、信号伝達システムの非線形性を引き起こすので、前記高調波成分を除去するためのトラップの役割を行うフィルタ134を介して高調波成分が除去された第2信号を生成しうる。ただし、フィルタ134が、高調波成分を除去する方法に係わる具体的な説明は、
図3及び
図4で後述する。
【0059】
一実施形態によれば、エアロゾル生成装置100は、動作205において、第2信号をエアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱する加熱体(例:加熱体120(
図1))に伝達しうる。第2信号は、高調波成分を含まない電力信号であるので、第1信号対比で、バッテリ110から供給された電力信号の線形性が改善されうる。
【0060】
一実施形態において、エアロゾル生成装置100は、生成された第2信号を加熱体120に伝達する以前、出力マッチング(output matching)をさらに行うこともできる。このとき、「出力マッチング」は、サセプタが、所定の温度に加熱されるように、加熱体120を制御するために、第2信号の周波数を制御することを意味しうる。例えば、エアロゾル生成装置100は、サセプタが最大温度に加熱されうるように、第2信号の周波数を共振周波数(
)でもって制御しうる。
【0061】
図3は、一実施形態による増幅回路に含まれるフィルタのブロック図を図示する。
【0062】
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置(例:エアロゾル生成装置100(
図1))のフィルタ134は、第1フィルタ回路300、第2フィルタ回路310及び第3フィルタ回路320を含むものでもある。
【0063】
一実施形態において、第1フィルタ回路300は、増幅回路(例:増幅回路130(
図1))のスイッチング素子(例:スイッチング素子132(
図1))を介して増幅された第1信号から、偶数高調波成分を除去しうる。例えば、該第1信号は、基本波成分及び高調波成分が合成された合成波(すなわち、歪形波)に該当し、合成波の時間関数は、数式2に該当しうる。
【0064】
【数2】
このとき、
は、直流分、
及び
は、基本波成分に該当し、残りは、高調波成分に該当する。特に、第1フィルタ回路300は、増幅された第1信号から、偶数高調波成分に該当する
、
などを除去しうる。
【0065】
第1信号において、偶数高調波成分には、
、
だけではなく、
、
などがさらに含まれ、ただし、高調波の次数が高くなるにつれ、高調波成分の値が小さくなるので、本実施形態による第1フィルタ回路300は、二次高調波成分のみを除去すると開示されうる。ただし、それに限定されるものではなく、他の実施形態において、増幅回路130の第1フィルタ回路300は、偶数高調波成分をいずれも除去することもできる。
【0066】
一実施形態において、第2フィルタ回路310は、増幅回路130のスイッチング素子132を介して増幅された第1信号から、奇数高調波成分を除去しうる。特に、第2フィルタ回路310は、増幅された第1信号から、奇数高調波成分に該当する
、
などを除去しうる。
【0067】
第1信号において、奇数高調波成分には、
、
だけでなく
、
などがさらに含まれるものでもある。ただし、高調波の次数が高くなるにつれ、高調波成分の値が小さくなるので、本実施形態による第2フィルタ回路310は、三次高調波成分のみを除去すると開示されうる。ただし、それに限定されるものではなく、他の実施形態において、増幅回路130の第2フィルタ回路310は、奇数高調波成分をいずれも除去することもできる。
【0068】
一実施形態において、第3フィルタ回路320は、第1フィルタ回路300及び第2フィルタ回路310を通過した信号から、共振周波数成分以外の成分を除去しうる。例えば、加熱体(例:加熱体120(
図1))及びサセプタによって誘導加熱が開始されるように、第3フィルタ回路320は、共振周波数成分のみを含む第2信号を生成し、加熱体120に伝達しうる。
【0069】
図4は、一実施形態による増幅回路における高調波成分除去方法を示すフローチャートを図示する。
図5は、一実施形態による増幅回路の回路図を図示する。
【0070】
図4は
図2の動作203について具体的に説明するためのフローチャートであるので、
図4に係わる説明において、前述の内容と対応するか、あるいは同一であったり類似したりする内容は、省略されうる。
【0071】
図4及び
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置(例:エアロゾル生成装置100(
図1))は、動作203aにおいて、第1フィルタ回路300を介し、第1信号の二次高調波成分を、グランド端子にバイパス(bypass)させることができる。このとき、該第1信号は、バッテリから供給された電力信号が、スイッチング素子500によって増幅された信号でもある。
【0072】
一実施形態において、第1フィルタ回路300は、第1インダクタL2、第1キャパシタC2及びバイパスキャパシタ510を含むものでもある。例えば、直列連結される第1インダクタL2及び第1キャパシタC2は、バイパスキャパシタ510と共に、二次高調波成分をグランド端子にバイパスさせ、該二次高調波成分以外の残り周波数成分につき、高インピーダンス値を適用することができる。
【0073】
一実施形態によれば、エアロゾル生成装置100は、動作203bにおいて、第2フィルタ回路310を介し、第1信号の三次高調波成分につき、開放回路インピーダンスを適用することができる。
【0074】
一実施形態において、第2フィルタ回路310は、第2インダクタL3及び第2キャパシタC3を含むものでもある。例えば、並列連結される第2インダクタL3及び第2キャパシタC3は、三次高調波成分につき、開放回路インピーダンスを適用し、該三次高調波成分以外の残り周波数成分につき、短絡回路インピーダンスを適用することができる。
【0075】
「開放回路インピーダンス」を適用するということは、実質的に非常に高いインピーダンスを適用することを意味しうる。従って、第1信号の三次高調波成分につき、開放回路インピーダンスを適用するということは、該第1信号の該三次高調波成分が、第2フィルタ回路310を通過することができずに除去されることを意味しうる。
【0076】
「短絡回路インピーダンス」を適用するということは、実質的に非常に低いインピーダンスを適用することを意味しうる。従って、第1信号の三次高調波成分以外の残り周波数成分につき、短絡回路インピーダンスを適用するということは、該第1信号の該三次高調波成分以外の残り成分が、第2フィルタ回路310を通過することを意味しうる。
【0077】
一実施形態によれば、エアロゾル生成装置100は、動作203cにおいて、第3フィルタ回路320を介し、第1フィルタ回路300及び第2フィルタ回路310を通過した信号の共振周波数成分につき、開放回路インピーダンスを適用し、共振周波数以外の成分につき、短絡回路インピーダンスを適用することができる。このとき、第1フィルタ回路300及び第2フィルタ回路310を順次に通過した信号は、二次高調波成分及び三次高調波成分が除去された状態でもある。
【0078】
一実施形態において、第3フィルタ回路320は、第3インダクタL0及び第3キャパシタC0を含むものでもある。例えば、並列連結される第3インダクタL0及び第3キャパシタC0は、共振周波数成分が、第3フィルタ回路320に連結されるグランド端子に伝達されないように、共振周波数成分につき、開放回路インピーダンスを適用することができる。また、並列連結される第3インダクタL0及び第3キャパシタC0は、共振周波数以外の成分が、前記グランド端子に伝達されるように、共振周波数以外の成分につき、短絡回路インピーダンスを適用することができる。
【0079】
ただし、
図4においては、動作203a及び動作203bが順次に遂行されるように図示されているが、それに制限されるものではない。他の実施形態において、動作203a及び動作203bは、並列的にも遂行され、動作203bが優先的に遂行された以後、動作203aが遂行されもする。
【0080】
図6は、一実施形態による増幅回路に係わる、入力信号と出力信号との差を示すグラフを図示する。
【0081】
図6を参照すれば、増幅回路(例:増幅回路130(
図1))は、バッテリ(例:
図1のバッテリ110)から出力される送出信号に基づいて入力信号を生成しうる。バッテリ110から出力される送出信号が電圧である場合、前記送出信号は、増幅回路130のスイッチング素子(例:スイッチング素子132(
図1))のゲートソース電圧610として印加されうる。例えば、スイッチング素子132につき、バッテリ110から印加される約3Vのゲートソース電圧610が、増幅回路130に対する入力信号でもある。
【0082】
また、増幅回路130のスイッチング素子132に、ゲートソース電圧610が印加されれば、増幅回路130のスイッチング素子132は、ドレインソース電圧620を出力することができる。例えば、スイッチング素子132は、約50Vのドレインソース電圧620を出力することができ、出力されたドレインソース電圧620が、増幅回路130からの出力信号でもある。
【0083】
図7は、一実施形態による増幅回路を介し、高調波成分が除去された出力信号を示すグラフを図示する。
【0084】
図7を参照すれば、増幅回路(例:増幅回路130(
図1))のフィルタ(例:
図1のフィルタ134)を介して高調波成分が除去されることにより、出力信号は、クラスF増幅器の理想的な電圧/電流波形を有することができる。
【0085】
例えば、第1フィルタ回路(例:第1フィルタ回路300(
図3))が二次高調波成分を除去することにより、該二次高調波電流が短絡され、それにより、電流の波形710は、サイン半波の形態を有しうる。また、第2フィルタ回路(例:第2フィルタ回路310(
図3))が三次高調波成分を除去することにより、三次高調波電圧がドレインソース電圧(例:ドレインソース電圧620(
図6))の位相と合わないように追加され、電圧の波形720は、矩形波の形態を有しうる。
【0086】
図8は、他の実施形態によるエアロゾル生成装置800のブロック図である。
【0087】
エアロゾル生成装置800は、制御部810、センシング部820、出力部830、バッテリ840、ヒータ850、ユーザ入力部860、メモリ870及び通信部880を含むものでもある。ただし、エアロゾル生成装置800の内部構造は、
図8に図示されているところに制限されるものではない。すなわち、エアロゾル生成装置800の設計により、
図8に図示された構成のうち一部が省略されるか、あるいは新たな構成がさらに追加されうるということは、本実施形態と係わる技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0088】
センシング部820は、エアロゾル生成装置800の状態、またはエアロゾル生成装置800周辺の状態を感知し、感知された情報を制御部810に伝達しうる。制御部810は、前記感知された情報に基づき、ヒータ850の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル生成物品(例:シガレット、カートリッジなど)の挿入いかん判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるように、エアロゾル生成装置800を制御しうる。
【0089】
センシング部820は、温度センサ822、挿入感知センサ824及びパフセンサ826のうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。
温度センサ822は、ヒータ850(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知しうる。エアロゾル生成装置800は、ヒータ850の温度を感知する別途の温度センサを含むか、あるいはヒータ850自体が温度センサの役割を遂行しうきる。または、温度センサ822は、バッテリ840の温度をモニタリングするように、バッテリ840の周囲に配されたものでもある。
【0090】
挿入感知センサ824は、エアロゾル生成物品の挿入及び/または除去を感知しうる。例えば、挿入感知センサ824は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ及び赤外線センサのうち少なくとも一つを含むものでもあり、エアロゾル生成物品が挿入及び/または除去されることによる信号変化を感知しうる。
【0091】
パフセンサ826は、気流通路または気流チャンネルの多様な物理的変化に基づき、ユーザのパフを感知しうる。例えば、パフセンサ826は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうちいずれか一つに基づき、ユーザのパフを感知しうる。
センシング部820は、前述のセンサ(温度センサ822、挿入感知センサ824及びパフセンサ826)以外に、温度/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS(global positioning system))、近接センサ及びRGB(red-green-blue)センサ(illuminance sensor)のうち少なくとも一つをさらに含むものでもある。各センサの機能は、その名称から、通常の技術者が直観的に推論することができるので、具体的な説明は、省略されうる。
【0092】
出力部830は、エアロゾル生成装置800の状態に係わる情報を出力し、ユーザに提供しうる。出力部830は、ディスプレイ部832、ハプティック部834及び音響出力部836のうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。ディスプレイ部832とタッチパッドとがレイヤ構造をなし、タッチスクリーンとして構成される場合、ディスプレイ部832は、出力装置以外に、入力装置としても使用されうる。
【0093】
ディスプレイ部832は、エアロゾル生成装置800に係わる情報を、ユーザに視覚的に提供しうる。例えば、エアロゾル生成装置800に係わる情報は、エアロゾル生成装置800のバッテリ840の充電/放電状態、ヒータ850の予熱状態、エアロゾル生成物品の挿入/除去状態、またはエアロゾル生成装置800の使用が制限される状態(例:異常物品感知)のような多様な情報を意味し、ディスプレイ部832は、前記情報を外部に出力することができる。ディスプレイ部832は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などでもある。また、ディスプレイ部832は、LED発光素子形態でもある。
【0094】
ハプティック部834は、電気的信号を、機械的な刺激、または電気的な刺激に変換し、エアロゾル生成装置800に係わる情報を、ユーザに触覚的に提供しうる。例えば、ハプティック部834は、モータ、圧電素子または電気刺激装置を含むものでもある。
【0095】
音響出力部836は、エアロゾル生成装置800に係わる情報を、ユーザに聴覚的に提供しうる。例えば、音響出力部836は、電気信号を音響信号に変換し、外部に出力することができる。
【0096】
バッテリ840は、エアロゾル生成装置800が動作するのに利用される電力を供給しうる。バッテリ840は、ヒータ850が加熱されうるように、電力を供給しうる。また、バッテリ840は、エアロゾル生成装置800内に具備された他の構成(例:センシング部820、出力部830、ユーザ入力部860、メモリ870及び通信部880)の動作に必要な電力を供給しうる。バッテリ840は、充電が可能なバッテリでもあり、一回使用バッテリでもある。例えば、バッテリ840は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されるものではない。
【0097】
ヒータ850は、バッテリ840から電力を供給され、エアロゾル生成物質を加熱しうる。
図8に図示されていないが、エアロゾル生成装置800は、バッテリ840の電力を変換し、ヒータ850に供給する電力変換回路(例:DC(direct current)/DCコンバータ)をさらに含むものでもある。また、エアロゾル生成装置800が誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル生成装置800は、バッテリ840の直流電源を交流電源に変換するDC/AC(alternating current)コンバータをさらに含むものでもある。
【0098】
制御部810、センシング部820、出力部830、ユーザ入力部860、メモリ870及び通信部880は、バッテリ840から電力を供給されて機能を遂行しうきる。
図8に図示されていないが、バッテリ840の電力を変換し、それぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路または電圧レギュレータ回路をさらに含むものでもある。
【0099】
一実施形態において、ヒータ850は、任意の適する電気抵抗性物質によって形成されうる。例えば、適する電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されるものではない。また、ヒータ850は、金属熱線(wire)、導電性トラックが配された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現されるが、それらに制限されるものではない。
【0100】
他の実施形態において、ヒータ850は、誘導加熱方式のヒータでもある。例えば、ヒータ850は、コイルによって印加された磁場を介して発熱し、エアロゾル生成物質を加熱するサセプタを含むものでもある。
【0101】
ユーザ入力部860は、ユーザから入力された情報を受信するか、あるいはユーザに情報を出力することができる。例えば、ユーザ入力部860は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線感知方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがありうるが、それらに制限されるものではない。また、
図8に図示されていないが、エアロゾル生成装置800は、USB(universal serial bus)インターフェースのような連結インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースのような連結インターフェースを介し、他の外部装置と連結されて情報を送受信するか、あるいはバッテリ840を充電することができる。
【0102】
メモリ870は、エアロゾル生成装置800内で処理される各種データを保存するハードウェアであり、制御部810で処理されたデータ、及び処理されるデータを保存することができる。メモリ870は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD(secure digital)メモリまたはXD(extreme digital)メモリなど)、RAM(random access memory)、SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの記録媒体を含むものでもある。メモリ870は、エアロゾル生成装置800の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどを保存することができる。
【0103】
通信部880は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含むものでもある。例えば、通信部880は、近距離通信部(short-range wireless communication unit)882及び無線通信部884を含むものでもある。
【0104】
近距離通信部882は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(near field communication unit)、WLAN(wireless local area network)(Wi-Fi(wireless fidelity))通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA:infrared data association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra-wideband)通信部、Ant+通信部などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。
【0105】
無線通信部884は、セルラネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例:LAN(local area network)またはWAN(wide area network))通信部などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。無線通信部884は、加入者情報(例:国際モバイル加入者識別子(IMSI)を利用し、通信ネットワーク内において、エアロゾル生成装置800を確認及び認証することもできる。
【0106】
制御部810は、エアロゾル生成装置800の全般的な動作を制御しうる。一実施形態において、制御部810は、少なくとも1つのプロセッサを含むものでもある。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0107】
制御部810は、バッテリ840の電力をヒータ850に供給することを制御することにより、ヒータ850の温度を制御しうる。例えば、制御部810は、バッテリ840とヒータ850とのスイッチング素子のスイッチングを制御することにより、電力供給を制御しうる。他の例において、制御部810の制御命令により、加熱直接回路がヒータ850に対する電力供給を制御することもできる。
【0108】
制御部810は、センシング部820によって感知された結果を分析し、その後に遂行される処理を制御しうる。例えば、制御部810は、センシング部820によって感知された結果に基づき、ヒータ850の動作が開始または終了されるように、ヒータ850に供給される電力を制御しうる。他の例を挙げれば、制御部810は、センシング部820によって感知された結果に基づき、ヒータ850が所定の温度まで加熱されるか、あるいは適切な温度を維持することができるように、ヒータ850に供給される電力の量、及び電力が供給される時間を制御しうる。
【0109】
制御部810は、センシング部820によって感知された結果に基づき、出力部830を制御しうる。例えば、パフセンサ826を介してカウントされたパフ回数が、既設定の回数に逹すれば、制御部810は、ディスプレイ部832、ハプティック部834及び音響出力部836のうち少なくとも一つを介し、ユーザにエアロゾル生成装置800がすぐに終了されるを予告することができる。
【0110】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態によっても具現されうる。コンピュータで読み取り可能な媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性の媒体、分離型及び非分離型の媒体をいずれも含む。また、コンピュータで読み取り可能な媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含むものでもある。該コンピュータ記録媒体は、コンピュータで読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュール、またはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型の媒体をいずれも含む。該通信媒体は、典型的に、コンピュータで読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0111】
前述の実施形態に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野において通常の知識を有する者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、発明の真の保護範囲は、添付された特許請求の範囲によって定められるものであり、該特許請求の範囲に記載された内容と同等な範囲にある全ての差異は、該特許請求の範囲によって定められる保護範囲に含まれると解釈されなければならないのである。
【国際調査報告】