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特表2024-539946プロリルヒドロキシラーゼドメイン含有タンパク質(PHD)阻害剤およびその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】プロリルヒドロキシラーゼドメイン含有タンパク質(PHD)阻害剤およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20241024BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C07D471/04 113
C07D471/04 CSP
A61P1/04
A61K31/496
A61K31/5377
A61K31/4375
A61K31/4545
A61K31/444
A61K31/497
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524568
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2022128293
(87)【国際公開番号】W WO2023072257
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/127023
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2022/112270
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522064867
【氏名又は名称】インシリコ メディシン アイピー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディン,シャオ
(72)【発明者】
【氏名】チン,リーナ
(72)【発明者】
【氏名】レン,フェン
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ジェンユー
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA68
(57)【要約】
本明細書には、PHD阻害剤、および当該阻害剤を含む医薬組成物が記載される。対象となる化合物および組成物は、炎症性腸疾患の処置に有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体であって、
式中、
は、任意選択で独立して1つもしくは複数のR1aで置換された単環式ヘテロシクロアルキルであり、
各R1aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
または、同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成し、
Xは、NもしくはCRであり、
は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
Yは、-O-、-S-、もしくは-NR-であり、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
Lは、-(CR-であり、
各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
または同一炭素上のRおよびRが一体となって、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルを形成し、それぞれが、任意選択で1つもしくは複数のR7aで置換され、
各R7aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
pは、0~4であり、
環Aは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、任意選択で独立して1つもしくは複数のR9aで置換され、
または、同一原子上の2つのRが一体となってオキソを形成し、
各R9aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
または、同一原子上の2つのR9aが一体となってオキソを形成し、
nは、0~4であり、
各Rは、独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換され、
各Rは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換され、
各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換され、
または、RおよびRは、それらが結合している原子と一体となって任意選択で1つもしくは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、ならびに
各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OC-Cアルキル、-S(=O)C-Cアルキル、-S(=O)-Cアルキル、-S(=O)NH、-S(=O)NHC-Cアルキル、-S(=O)N(C-Cアルキル)、-NH、-NHC-Cアルキル、-N(C-Cアルキル)、-NHC(=O)OC-Cアルキル、-C(=O)C-Cアルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC-Cアルキル、-C(=O)NH、-C(=O)N(C-Cアルキル)、-C(=O)NHC-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、または
同一原子上の2つのRが一体となってオキソを形成する、化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項2】
XがNである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項3】
XがCRである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項4】
が、水素、フルオロ、またはC-Cアルキルである、請求項1または3に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項5】
が水素である、請求項1または3または4に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項6】
が、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくはその立体異性体。
【請求項7】
が水素である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項8】
が、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項9】
が水素である、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項10】
が、水素またはC-Cアルキルである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項11】
が水素である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項12】
Yが、-O-、または-NR-である、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項13】
Yが-NR-である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項14】
が、水素またはC-Cアルキルである、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項15】
が水素である、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項16】
pが1または2である、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項17】
pが1である、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項18】
各RおよびRが、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、もしくはC-Cヒドロキシアルキルであり、または同一炭素上のRおよびRが一体となって、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルを形成する、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項19】
各RおよびRが、独立して、水素またはC-Cアルキルである、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項20】
各RおよびRが水素である、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項21】
環Aが、アリールまたはヘテロアリールである、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項22】
環Aがフェニルである、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項23】
環Aが、5員ヘテロアリールまたは6員ヘテロアリールである、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項24】
環Aが、6員ヘテロアリールである、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項25】
nが1または2である、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項26】
nが1である、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項27】
nが2である、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項28】
各Rが、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、またはC-Cヘテロアルキルである、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項29】
各Rが、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項30】
各Rが、独立して、ハロゲンまたは-CNである、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項31】
各Rが-CNである、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項32】
が、任意選択で独立して1つまたは2つのR1aで置換された単環式ヘテロシクロアルキルである、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項33】
が、任意選択で独立して1つまたは2つのR1aで置換された5~7員(例えば、6員)の単環式ヘテロシクロアルキルであり、前記単環式ヘテロシクロアルキルが、1~3個の環窒素原子を含有する、請求項32に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項34】
各R1aが、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、または同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成する、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項35】
各R1aが、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-NRC(=O)R、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、または同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成する、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項36】
各R1aが、独立して、ハロゲン、-OH、-OR、-NRC(=O)R、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cヘテロアルキル、もしくはシクロアルキルであり、または同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成する、請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項37】
各R1aが、独立して、C-Cアルキル(例えば、メチル)、C-Cハロアルキル、または-C(=O)OR(例えば、-C(=O)O(C-Cアルキル))である、請求項1~36のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項38】
が非置換である、請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項39】
R、R、R1a、R、R、R、R、R、R、R7a、R、R、R9a、R、R、R、および/またはRのそれぞれにおける重水素の存在量が、独立して、水素および重水素の総数の少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%である、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項40】
R、R、R1a、R、R、R、R、R、R、R7a、R、R、R9a、R、R、R、および/またはR基のうちの1つまたは複数が、重水素の天然存在量よりも高い割合で重水素を含む、請求項1~39のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項41】
1つまたは複数の水素が、以下の基R、R、R1a、R、R、R、R、R、R、R7a、R、R、R9a、R、R、R、および/またはRのうちの1つまたは複数における1つまたは複数の重水素で置き換えられる、請求項1~40のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項42】
表1の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体。
【請求項43】
請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体と、薬学的に許容可能な賦形剤とを治療有効量で含む医薬組成物。
【請求項44】
対象における疾患または障害を処置する方法であって、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体、あるいは請求項43に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含み、前記疾患または障害が、炎症性腸疾患(IBD)である、方法。
【請求項45】
前記疾患または障害が、潰瘍性大腸炎(「UC」)、またはクローン病(「CD」)である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
追加の活性薬剤の投与をさらに含む、請求項44または45に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2021年10月28日出願の国際出願番号第PCT/CN2021/127023号、および2022年8月12日出願の国際出願番号第PCT/CN2022/112270号の利益を主張するものであり、これらは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
低酸素誘導因子(HIF)は、細胞の酸素濃度の変化に応答して遺伝子発現を媒介する。HIFは、酸素調節のサブユニット(HIF-α)と、恒常的発現のサブユニット(HIF-β)とを有するヘテロ二量体である。HIFプロリルヒドロキシラーゼは、プロリルヒドロキシラーゼドメイン含有タンパク質(PHD)としても知られ、3つのアイソフォーム(PHD1、PHD2、およびPHD3)としてヒト中に存在する。PHDは、低酸素誘導因子(「HIF」)分解経路を調整する酸素センサとして機能する。要するに、PHDは、HIFのサブユニットであるHIFαのヒドロキシル化を担い、最終的にプロテアソームによるHIFαの分解をもたらす経路を開始する。PHDには、PHD1、PHD2、PHD3を含む3つのサブタイプがある。PHDの阻害は、炎症性腸疾患(IBD)などのHIFα関連疾患の有望な治療法として必要が示されてきた。
【0003】
PHDの阻害剤は、骨髄中の赤血球の産生を刺激する、腎臓と肝臓の両方のエリスロポエチン(「EPO」)合成を誘導し、かつ機能性赤血球に不可欠な成分である鉄の代謝を調節することによって、赤血球産生を調整する。PHDの阻害剤は、鉄動員に悪影響を与える肝臓のヘプシジンの産生も抑制する可能性がある。PHDの阻害剤は、DMT1およびDCYTBなどのいくつかの鉄代謝遺伝子の発現をアップレギュレートする可能性があるとも推測されている。HIFプロリルヒドロラーゼは細胞の酸素感知において中心的な役割を果たすため、PHDの阻害剤は、とりわけ心血管障害、代謝障害、血液障害、肺障害、腎臓障害、肝臓障害、創傷治癒障害、およびがんなどの処置に有用であり得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書には、式(I)
【0005】
【化1】
の化合物、または薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体であって、
式中、
は、任意選択で独立して1つもしくは複数のR1aで置換された単環式のヘテロシクロアルキルであり
各R1aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
または、同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成し、
Xは、NもしくはCRであり、
は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
Yは、-O-、-S-、もしくは-NR-であり、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
Lは、-(CR-であり、
各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
または同一炭素上のRおよびRが一体となって、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルを形成し、それぞれが、任意選択で1つもしくは複数のR7aで置換され、
各R7aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
pは、0~4であり、
環Aは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、任意選択で独立して1つもしくは複数のR9aで置換され、
または、同一原子上の2つのRが一体となってオキソを形成し、
各R9aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
または、同一原子上の2つのR9aが一体となってオキソを形成し、
nは、0~4であり、
各Rは、独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で、1つもしくは複数のRで置換され、
各Rは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換され、
各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換され、
または、RおよびRは、それらが結合している原子と一体となって任意選択で1つもしくは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、ならびに
各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OC-Cアルキル、-S(=O)C-Cアルキル、-S(=O)-Cアルキル、-S(=O)NH、-S(=O)NHC-Cアルキル、-S(=O)N(C-Cアルキル)、-NH、-NHC-Cアルキル、-N(C-Cアルキル)、-NHC(=O)OC-Cアルキル、-C(=O)C-Cアルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC-Cアルキル、-C(=O)NH、-C(=O)N(C-Cアルキル)、-C(=O)NHC-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、または
同一原子上の2つのRが一体となってオキソを形成する、化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が開示される。
【0006】
また、本明細書には、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、および薬学的に許容可能な賦形剤を治療有効量で含む医薬組成物が開示される。
【0007】
また、本明細書には、対象における疾患または障害を処置する方法であって、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、あるいは本明細書に開示される医薬組成物を対象に投与することを含む方法が開示され、ここで、疾患または障害は、炎症性腸疾患(IBD)である。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、疾患または障害は、潰瘍性大腸炎(「UC」)またはクローン病(「CD」)である。
【0008】
また、本明細書には、対象における低酸素誘導因子(HIF)を安定化させる方法であって、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、あるいは本明細書に開示される医薬組成物を対象に投与することを含む方法が開示される。いくつかの実施形態では、HIFはHIF-1αである。
【0009】
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、方法は、追加の活性薬剤の投与をさらに含む。
【0010】
参照による援用
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、各々の個別の刊行物、特許、または特許出願が参照によって援用されるとして具体的かつ個別に示された場合と同じ程度に、参照により本明細書に援用される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
以下の説明では、様々な実施形態の完全な理解を提供するために、ある具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者は、これらの詳細がなくとも本発明が実施され得ることを理解するであろう。他の例では、実施形態の説明が不必要に曖昧になることを避けるために、周知の構造は詳細に示されたり、説明されたりしていない。文脈上別段の解釈を必要としない限り、以下の明細書および特許請求の範囲全体を通じて、「含む(comprise)」という語、ならびに、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などのその変更形態は、広義(open)で包括的な意味、すなわち、「含むが、限定されない(including,but not limited to)」という意味で解釈されるべきである。さらに、本明細書に提示される見出しは便宜上のものに過ぎず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲または意味を解釈するものではない。
【0012】
本明細書全体を通して「いくつかの実施形態」、または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な箇所に出てくる「一実施形態では(in one embodiment)」、または「ある実施形態では(in an embodiment)」という句は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてもよい。また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容上明らかに別異に解されない限り、複数の指示対象を含む。「または」という用語は、内容上明らかに別異に解されない限り、概して「および/または」を含む意味で使用されることにも留意されたい。
【0013】
本明細書で使用される場合、以下の用語は、別段の指示がない限り、次の意味を有する。
【0014】
「oxo」は=Oを指す。
【0015】
「カルボキシル」は-COOHを指す。
【0016】
「シアノ」は-CNを指す。
【0017】
「アルキル」とは、1個~約10個、より好ましくは1個~6個の炭素原子を有する、直鎖、または分岐鎖の飽和炭化水素モノラジカルを指す。例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-アミルおよびヘキシル、ならびに、例えば、ヘプチル、オクチルなどのより長いアルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に出てくるときはいつでも、「C-Cアルキル」、または「Cアルキル」などの数値範囲は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルキル」の使用も含む。いくつかの実施形態では、アルキルは、C10アルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、Cアルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、Cアルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、Cアルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、Cアルキルである。本明細書において特に別段の定めがない限り、アルキル基は、任意選択で、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アルキルは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、-COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、任意選択で、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0018】
「アルケニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有し、かつ2個~約10個の炭素原子、より好ましくは2個~約6個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖炭化水素モノラジカルを指す。この基は、二重結合についてcis型の立体配座またはtrans型の立体配座いずれかにあってもよく、両方の異性体を含むと理解されたい。例としては、エテニル(-CH=CH)、1-プロペニル(-CHCH=CH)、イソプロペニル[-C(CH)=CH]、ブテニル、1,3-ブタジエニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に出てくるときはいつでも、「C-Cアルケニル」、または「Cアルケニル」などの数値範囲は、アルケニル基が、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルケニル」の使用も含む。本明細書において特に別段の定めがない限り、任意選択で、アルケニル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アルケニルは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、-COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、アルケニルは、任意選択で、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、アルケニルは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0019】
「アルキニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有し、かつ2個~約10個の炭素原子、より好ましくは2個~約6個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖炭化水素モノラジカルを指す。例としては、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル、1,3-ブタジニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に出てくるときはいつでも、「C-Cアルキニル」、または「Cアルキニル」などの数値範囲は、アルキニル基が、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルキニル」の使用も含む。本明細書において特に別段の定めがない限り、任意選択で、アルキニル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アルキニルは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、アルキニルは、任意選択で、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、アルキニルは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0020】
「アルキレン」とは、直鎖または分岐鎖の二価炭化水素鎖を指す。本明細書において特に別段の定めがない限り、アルキレン基は、任意選択で、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アルキレンは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、アルキレンは、任意選択で、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、アルキレンは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0021】
「アルコキシ」とは、式-ORの基を指し、ここでRは、定義上のアルキル基である。本明細書において特に別段の定めがない限り、アルコキシ基は、任意選択で、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アルコキシは、任意選択で、ハロゲン、-CN、-COOH、COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、アルコキシは、任意選択で、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、アルコキシは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0022】
「アリール」とは、6~30個の炭素原子と、少なくとも1つの芳香族環とを含む炭化水素環系から誘導される基を指す。アリール基は、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であってもよく、これは、縮合環系(シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環と縮合した場合、アリールは芳香族環原子を通して結合される)、または架橋環系を含み得る。いくつかの実施形態では、アリールは、6~10員アリールである。いくつかの実施形態では、アリールは、6員アリール(フェニル)である。アリール基は、アントリレン、ナフチレン、フェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンの炭化水素環系由来のアリール基を含むが、これらに限定されない。本明細書において特に別段の定めがない限り、アリールは、任意選択で、例えば、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アリールは、任意選択で、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-COOH、COOMe、-CF、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、アリールは、任意選択で、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、アリールは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0023】
「シクロアルキル」とは、部分的または完全に飽和した、単環式、または多環式の炭素環式環を指し、これは、縮合環系(アリールまたはヘテロアリール環と縮合した場合、シクロアルキルは非芳香族環原子を通して結合される)、スピロ、または架橋環系を含み得る。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは完全に飽和している。代表的なシクロアルキルとしては、3個~15個の炭素原子(例えば、C-C15完全飽和シクロアルキル、もしくはC-C15シクロアルケニル)、3~10個の炭素原子(例えば、C-C10完全飽和シクロアルキル、もしくはC-C10シクロアルケニル)、3個~8個の炭素原子(例えば、C-C完全飽和シクロアルキル、もしくはC-Cシクロアルケニル)、3~6個の炭素原子(例えば、C-C完全飽和シクロアルキル、もしくはC-Cシクロアルケニル)、3~5個の炭素原子(例えば、C-C完全飽和シクロアルキル、もしくはC-Cシクロアルケニル)、または炭素数3~4個(例えば、C-C完全飽和シクロアルキル、もしくはC-Cシクロアルケニル)を有するシクロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、3~10員の完全飽和シクロアルキル、または3~10員のシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、3~6員の完全飽和シクロアルキル、または3~6員のシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、5~6員の完全飽和シクロアルキル、または5~6員のシクロアルケニルである。単環式シクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。多環式シクロアルキルとしては、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、cis-デカリン、trans-デカリン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、およびビシクロ[3.3.2]デカン、および7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。部分飽和シクロアルキルとしては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが挙げられる。本明細書において特に別段の定めがない限り、シクロアルキルは、任意選択で、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで置換されてもよい。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-COOH、COOMe、-CF、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0024】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態では、ハロゲンはフルオロである。
【0025】
「ハロアルキル」とは、上記で定義する1つ以上のハロ基、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどで置換される、上記で定義するアルキル基を指す。
【0026】
「ヒドロキシアルキル」とは、上記で定義された、1つまたは複数のヒドロキシルによって置換されたアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、アルキルは、1つのヒドロキシルで置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、1つ、2つ、または3つのヒドロキシルで置換される。ヒドロキシアルキルとしては、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、またはヒドロキシペンチルが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアルキルはヒドロキシメチルである。
【0027】
「アミノアルキル」とは、上記で定義された、1つまたは複数のアミンによって置換されたアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、アルキルは、1つのアミンで置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、1つ、2つ、または3つのアミンで置換される。アミノアルキルとしては、例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、またはアミノペンチルが挙げられる。いくつかの実施形態では、アミノアルキルはアミノメチルである。
【0028】
「ヘテロアルキル」とは、アルキルの1つまたは複数の骨格原子が炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素(例えば、-NH-、-N(アルキル)-)、硫黄、リン、またはこれらの組合せから選択されるアルキル基を指す。ヘテロアルキルは、ヘテロアルキルの炭素原子で分子の残りの部分に結合する。一態様では、ヘテロアルキルは、C-Cヘテロアルキルであり、ここで、ヘテロアルキルは、1個~6個の炭素原子および炭素以外の1つまたは複数の原子、例えば、酸素、窒素(例えば、-NH-、-N(アルキル)-)、硫黄、リン、またはそれら組合せで構成され、ここで、ヘテロアルキルは、ヘテロアルキルの炭素原子で分子の残りの部分に結合する。このようなヘテロアルキルの例としては、例えば、-CHOCH、-CHCHOCH、-CHCHOCHCHOCH、-CH(CH)OCH、-CHNHCH、-CHN(CH、-CHCHNHCH、または-CHCHN(CHが挙げられる。本明細書において特に別段の定めがない限り、ヘテロアルキルは、任意選択で、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0029】
「ヘテロシクロアルキル」とは、2個~23個の炭素原子、ならびに窒素、酸素、リン、ケイ素、および硫黄からなる群から選択される1個~8個のヘテロ原子を含む、3~24員の部分的または完全に飽和した環基を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは完全に飽和している。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1個~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、窒素、および酸素からなる群から選択される1個~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1個~3個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1個または2個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1個の窒素、および1個の酸素を含む。本明細書において特に別段の定めがない限り、ヘテロシクロアルキル基は、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であってもよく、これは、縮合環系(アリールまたはヘテロアリール環と縮合した場合、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族環原子を通して結合される)、スピロ、または架橋環系を含み得、ヘテロシクロアルキル基中の窒素原子、炭素原子、または硫黄原子は、任意選択で酸化されてもよく、窒素原子は、任意選択で四級化されてもよい。代表的なヘテロシクロアルキルとしては、2個~15個の炭素原子(例えば、C-C15完全飽和ヘテロシクロアルキル、もしくはC-C15ヘテロシクロアルケニル)、2個~10個の炭素原子(例えば、C-C10完全飽和ヘテロシクロアルキル、もしくはC-C10ヘテロシクロアルケニル)、2個~8個の炭素原子(例えば、C-C完全飽和ヘテロシクロアルキル、もしくはC-Cヘテロシクロアルケニル)、2個~7個の炭素原子(例えば、C-C完全飽和ヘテロシクロアルキル、もしくはC-Cヘテロシクロアルケニル)、2個~6個の炭素原子(例えば、C-C完全飽和ヘテロシクロアルキル、もしくはC-Cヘテロシクロアルケニル)、2個~5個の炭素原子(例えば、C-C完全飽和ヘテロシクロアルキル、もしくはC-Cヘテロシクロアルケニル)、または2個~4個の炭素原子(例えば、C-C完全飽和ヘテロシクロアルキル、もしくはC-Cヘテロシクロアルケニル)を有するヘテロシクロアルキルなどが挙げられるが、これらに限定されない。このようなヘテロシクロアルキル基の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル(trithianyl)、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル(thiamorpholinyl)、1-オキソ-チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル、3-オキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル、メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル、および2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルという用語は、単糖類、二糖類、およびオリゴ糖類を含むがこれらに限定されない、炭水化物のすべての環型も含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環中に2個~10個の炭素を有する。ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数に言及する場合、ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数は、ヘテロシクロアルキルを構成する原子(ヘテロ原子を含む)の総数(すなわち、ヘテロシクロアルキル環の骨格原子)と同一ではないことが理解される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~8員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~7員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~6員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、4~6員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、5~6員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~8員のヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~7員のヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~6員のヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、4~6員のヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、5~6員のヘテロシクロアルケニルである。本明細書において特に別段の定めがない限り、ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで以下に説明するように置換されてもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-COOH、COOMe、-CF、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0030】
「ヘテロアリール」とは、1個~13個の炭素原子と、窒素、酸素、リン、および硫黄からなる群から選択される1個~6個のヘテロ原子と、少なくとも1個の芳香族環と含む、5~14員環系基を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1個~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、窒素、および酸素からなる群から選択される1個~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、1個~3個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、1個または2個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、1個の窒素を含む。ヘテロアリール基は、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であってもよく、これは、縮合環系(シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル環と縮合した場合、ヘテロアリールは芳香族環原子を通して結合される)、または架橋環系を含み得、ヘテロアリール基中の窒素原子、炭素原子、または硫黄原子は、任意選択で酸化されてもよく、窒素原子は、任意選択で四級化されてもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、5~10員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、5~6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、5員のヘテロアリールである。例としては、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズインドリル(benzindolyl)、ベンゾジオキソリル(benzodioxolyl)、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル(benzothiadiazolyl)、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル(dioxepinyl)、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル(benzonaphthofuranyl)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニルbenzopyranonyl)、ベンゾフラノニル(benzofuranonyl)、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1-オキシドピリジニル(oxidopyridinyl)、1-オキシドピリミジニル(oxidopyrimidinyl)、1-オキシドピラジニル(oxidopyrazinyl)、1-オキシドピリダジニル(oxidopyridazinyl)、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において特に別段の定めがない限り、ヘテロアリールは、任意選択で、例えば、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで置換されてもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、任意選択で、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-COOH、COOMe、-CF、-OH、-OMe、-NH、または-NOで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、任意選択で、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、任意選択で、ハロゲンで置換される。
【0031】
「任意の」または「任意選択で」という用語は、その後に説明される事象または状況が発生する場合と発生しない場合があり、説明には、上記事象または状況が発生する場合と発生しない場合とが含まれることを意味する。例えば、「任意選択で置換されたアルキル」とは、上記で定義された「アルキル」または「置換アルキル」のいずれかを意味する。さらに、任意選択で置換された基は、非置換(例えば、-CHCH)、完全置換(例えば、-CFCF)、一置換(例えば、-CHCHF)、または完全置換と一置換との間任意のレベル(例えば、-CHCHF、-CHCF、-CFCH、-CFHCHFなど)で置換されてもよい。当業者であれば、1つまたは複数の置換基を含有するいずれかの基に関して、そのような基は、立体配置的に非実用的であり、および/または合成的に実現不可能な任意の置換または置換パターン(例えば、置換アルキルは、任意選択で置換されたシクロアルキル基を含み、これはまた、任意選択で置換されたアルキル基を含むものとして定義され、無限に続く可能性がある)を持ち込むことを意図していないことを理解するであろう。したがって、説明される置換基はいずれも、一般に約1,000ダルトン、より典型的には、約500ダルトンまでの最大分子量を有すると理解されるべきである。
【0032】
任意の置換基に言及する場合の「1つまたは複数」という用語は、対象基が、任意選択で、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の置換基で置換されることを意味する。いくつかの実施形態では、対象基は、任意選択で、1つ、2つ、3つ、または4つの置換基で置換される。いくつかの実施形態では、対象基は、任意選択で、1つ、2つ、または3つの置換基で置換される。いくつかの実施形態では、対象基は、任意選択で、1つまたは2つの置換基で置換される。いくつかの実施形態では、対象基は、任意選択で、1つの置換基で置換される。いくつかの実施形態では、対象基は、任意選択で、2つの置換基で置換される。
【0033】
「有効量」または「治療有効量」とは、単回用量として、または一連の用量の一部として哺乳動物対象に投与され、所望の治療効果をもたらすのに有効である、化合物の量を指す。
【0034】
個体(例えば、ヒトなどの哺乳動物)または細胞の「処置」とは、個体または細胞の自然な経過を変化させようとする試みに使用されるあらゆる種類の介入である。いくつかの実施形態では、処置には、病理学的事象の開始後、もしくは病原体との接触後に、医薬組成物を投与すること、および疾病を安定化させること(例えば、疾病が悪化しない)、または疾病を緩和させることが含まれる。
【0035】
化合物
本明細書には、炎症性腸疾患(IBD)の処置に有用な式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が記載される。
【0036】
本明細書には、式(I)
【0037】
【化2】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体であって、
式中、
は、任意選択で独立して置換された単環式ヘテロシクロアルキルであり、
Xは、NもしくはCRであり、
は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
Yは、-O-、-S-、もしくは-NR-であり、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
Lは、-(CR-であり、
各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
または同一炭素上のRおよびRが一体となって、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルを形成し、それぞれが、任意選択で1つもしくは複数のR7aで置換され、
各R7aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
pは、0~4であり、
環Aは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、任意選択で独立して置換され、
nは、0~4であり、
各Rは、独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で置換され、
各Rは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で置換され、ならびに、
各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で置換され、
または、RおよびRは、それらが結合している原子と一体となって任意選択で置換されるヘテロシクロアルキルを形成する、化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が開示される。
【0038】
本明細書には、式(I)
【0039】
【化3】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体であって、
式中、
は、任意選択で独立して1つもしくは複数のR1aで置換された単環式ヘテロシクロアルキルであり、
各R1aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
または、同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成し、
Xは、NもしくはCRであり、
は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
Yは、-O-、-S-、もしくは-NR-であり、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
Lは、-(CR-であり、
各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
または同一炭素上のRおよびRが一体となって、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルを形成し、それぞれが、任意選択で1つもしくは複数のR7aで置換され、
各R7aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、
pは、0~4であり、
環Aは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、任意選択で独立して1つもしくは複数のR9aで置換され、
または、同一原子上の2つのRが一体となってオキソを形成し、
各R9aは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)OR、-OC(=O)NR、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRS(=O)、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
または、同一原子上の2つのR9aが一体となってオキソを形成し、
nは、0~4であり、
各Rは、独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で、1つもしくは複数のRで置換され、
各Rは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換され、ならびに、
各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、もしくはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換され、
または、RおよびRは、それらが結合している原子と一体となって任意選択で1つもしくは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、ならびに
各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OC-Cアルキル、-S(=O)C-Cアルキル、-S(=O)-Cアルキル、-S(=O)NH、-S(=O)NHC-Cアルキル、-S(=O)N(C-Cアルキル)、-NH、-NHC-Cアルキル、-N(C-Cアルキル)、-NHC(=O)OC-Cアルキル、-C(=O)C-Cアルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC-Cアルキル、-C(=O)NH、-C(=O)N(C-Cアルキル)、-C(=O)NHC-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルであり、または
同一原子上の2つのRが一体となってオキソを形成する、化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が開示される。
【0040】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはNである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはCRである。
【0041】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、フルオロ、またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0042】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0043】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0044】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0045】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、
【0046】
【化4】
は、
【0047】
【化5】
である。
【0048】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、
【0049】
【化6】
は、
【0050】
【化7】
である。
【0051】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Yは、-O-、または-NR-である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Yは-NR-である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Yは-O-である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Yは-S-である。
【0052】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0053】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは1~4である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは1~3である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは1または2である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは1である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは2である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは3である。
【0054】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、もしくはC-Cヒドロキシアルキルであり、または同一炭素上のRおよびRが一体となってシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルを形成する。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、同一炭素上のRおよびRが一体となって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成する。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して水素またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは水素である。
【0055】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各R7aは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、-OH、-OR、またはC-Cアルキルである。
【0056】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Aは、アリールまたはヘテロアリールである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Aはフェニルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Aは、5員ヘテロアリールまたは6員ヘテロアリールである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Aは6員ヘテロアリールである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Aは6員ピリジルである。
【0057】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは1~3である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは2~4である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは2または3である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは1または2である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは0である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは1である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは2である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは3である。
【0058】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、もしくはC-Cヘテロアルキルである。
【0059】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。
【0060】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲンまたは-CNである。
【0061】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは-CNである。
【0062】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、独立して、1つまたは複数のR1aで置換された単環式ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、独立して、1つ、2つ、3つ、または4つのR1aで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、独立して、1つまたは2つのR1aで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、置換された単環式ヘテロシクロアルキルである。
【0063】
いくつかの実施形態では、Rは、4員の、任意選択で置換された単環式ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、5員の、任意選択で置換された単環式ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、6員の、任意選択で置換された単環式ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、Rの窒素原子を介して式(I)のフラグメントの残りの部分に結合する。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【0064】
【化8】
であり、それぞれが任意選択で1つまたは複数のR1aで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、
【0065】
【化9】
であり、任意選択で、1つまたは2つのR1aで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、
【0066】
【化10】
であり、任意選択で、1つまたは2つのR1aで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、
【0067】
【化11】
であり、任意選択で、1つまたは2つのR1aで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、
【0068】
【化12】
であり、任意選択で、1つまたは2つのR1aで置換される。
【0069】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルであり、それぞれが、任意選択で独立して1つまたは複数のR1aで置換される。
【0070】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、任意選択で1つまたは複数のR1aで置換されたピペリジニルである。
【0071】
いくつかの実施形態では、Rは、任意選択で独立して1つまたは2つのR1aで置換された単環式ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択で独立して1つもしくは2つのR1aで置換された5~7員(例えば、6員)の単環式ヘテロシクロアルキルであり、ここで、単環式ヘテロシクロアルキルは、1個~3個の環窒素原子を含有する。
【0072】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは非置換である。
【0073】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、または同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成する。
【0074】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、または同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成する。
【0075】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-NRC(=O)R、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、または同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成する。
【0076】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、ハロゲン、-OH、-OR、-NRC(=O)R、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cヘテロアルキル、もしくはシクロアルキルであり、または同一原子上の2つのR1aが一体となってオキソを形成する。
【0077】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、C-Cアルキル(例えば、メチル)、C-Cハロアルキル、または-C(=O)OR(例えば、-C(=O)O(C-Cアルキル))である。
【0078】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R1aはC(=O)NRである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R1aはC(=O)NHである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R1aは、
【0079】
【化13】
である。
【0080】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【0081】
【化14-1】
【0082】
【化14-2】
である。
【0083】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【0084】
【化15-1】
【0085】
【化15-2】
である。
【0086】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【0087】
【化16】
である。
【0088】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【0089】
【化17】
である。
【0090】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【0091】
【化18】
である。
【0092】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【0093】
【化19】
である。
【0094】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、またはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換される。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換される。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、またはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、C-Cアルキルである。
【0095】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、またはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ独立して、任意選択で、1つもしくは複数のRで置換される。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して任意選択で1つもしくは複数のRで置換される。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、またはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、水素、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、水素またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、C-Cアルキルである。
【0096】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、またはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)であり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ならびにヘテロアリールは、それぞれ独立して任意選択で1つまたは複数のRで置換される。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して任意選択で1つまたは複数のRで置換される。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、C-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキレン(アリール)、またはC-Cアルキレン(ヘテロアリール)である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して水素またはC-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは水素である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、C-Cアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアルキル、C-Cアミノアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C-Cアルキレン(シクロアルキル)、またはC-Cアルキレン(ヘテロシクロアルキル)である。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、-CHOCH、-CHCHOCH、-CHCHOCHCHOCH、-CH(CH)OCH、-CHNHCH、-CHN(CH、-CHCHNHCH、-CHCHN(CH、-CHCHOH、または-CHCHNHC(=O)O-t-ブチルである。
【0097】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RおよびRは、それらが結合している原子と一体となって任意選択で1つまたは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成する。
【0098】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OC-Cアルキル、-NH、-NHC-Cアルキル、-N(C-Cアルキル)、-NHC(=O)OC-Cアルキル、-C(=O)C-Cアルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC-Cアルキル、-C(=O)NH、-C(=O)N(C-Cアルキル)、-C(=O)NHC-Cアルキル、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OC-Cアルキル、-NH、-C(=O)C-Cアルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC-Cアルキル、-C(=O)NH、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、-CN、-OH、-OC-Cアルキル、-NH、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。
【0099】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各R、R、R、R、R、R、RおよびRが一体となったときに形成されるヘテロシクロアルキル、ならびにRおよびRが一体となったときに形成されるヘテロシクロアルキルは、任意選択で独立して、本明細書で定義される1つ、2つ、3つ、または4つの置換基で置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各R、R、R、R、R、R、RおよびRが一体となったときに形成されるヘテロシクロアルキル、ならびにRおよびRが一体となったときに形成されるヘテロシクロアルキルは、任意選択で独立して本明細書で定義される1つ、2つ、または3つの置換基で置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各R、R、R、R、R、R、RおよびRが一体となって形成されるヘテロシクロアルキル、ならびにRおよびRが一体となって形成されるヘテロシクロアルキルは、任意選択で独立して本明細書で定義される1つまたは2つの置換基で置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各R、R、R、R、R、R、RおよびRが一体となったときに形成されるヘテロシクロアルキル、ならびにRおよびRが一体となったときに形成されるヘテロシクロアルキルは、任意選択で独立して本明細書で定義される1つの置換基で置換される。
【0100】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R1a、R、R、R、R、R、R、R7a、R、R、R9a、R、R、R、および/またはRのそれぞれにおける重水素の存在量は、独立して、水素および重水素の総数の少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%である。
【0101】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R1a、R、R、R、R、R、R、R7a、R、R、R9a、R、R、R、および/もしくはR基の1つまたは複数は、重水素の天然存在量よりも高い割合で重水素を含む。
【0102】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の水素は、以下の基、R、R、R1a、R、R、R、R、R、R、R7a、R、R、R9a、R、R、R、および/もしくはRのうちの1つまたは複数における1つまたは複数の重水素で置き換えられる。
【0103】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、環Aの1つまたは複数の水素は、1つまたは複数の重水素で置き換えられる。
【0104】
本明細書では、様々な変数について上述した基のあらゆる組合せが企図される。本明細書全体を通して、基およびその置換基は、安定した部分構造および化合物を提供するために、当業者によって選択される。
【0105】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、表1の化合物の1つである。
【0106】
【表1-1】
【0107】
【表1-2】
【0108】
【表1-3】
【0109】
【表1-4】
【0110】
【表1-5】
【0111】
【表1-6】
【0112】
【表1-7】
【0113】
【表1-8】
【0114】
【表1-9】
【0115】
【表1-10】
【0116】
【表1-11】
【0117】
【表1-12】
【0118】
【表1-13】
【0119】
【表1-14】
【0120】
本明細書に開示される化合物のさらなる形態
異性体/立体異性体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、幾何異性体として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、1つまたは複数の二重結合を含む。本明細書に提示される化合物は、すべてのcis異性体、trans異性体、syn異性体、anti異性体、entgegen(E)異性体、およびzusammen(Z)異性体、ならびにそれらの対応する混合物を含む。状況によっては、本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数のキラル中心を有し、各中心は、R配置、またはS配置に存在する。本明細書に記載の化合物は、すべてのジアステレオ異性体形態、鏡像異性体形態、およびエピ異性体形態、ならびにそれらの対応する混合物を含む。本明細書に提供される化合物および方法の追加の実施形態では、単一の調製工程、組合せ、もしくは相互変換から生じる鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体の混合物は、本明細書に記載の用途に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分解剤と反応させて一対のジアステレオ異性体の化合物を形成し、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋な鏡像異性体を回収することにより、化合物の個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態では、分離可能な複合体が好ましい。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、明白な物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を備えており、これらの相違点を利用することにより分離される。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、キラルクロマトグラフィーによって、または好ましくは、溶解度の差に基づく分離/分解技術によって分離される。いくつかの実施形態では、光学的に純粋な鏡像異性体はその後、ラセミ化を生じない任意の実用的な手段により、分解剤と共に回収される。
【0121】
標識化合物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、それらの同位体で標識化した形態で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような同位体で標識化された化合物を投与することによって疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような同位体で標識化した化合物を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、同位体で標識化した化合物を含み、この化合物は、1つまたは複数の原子が、通常自然に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられるという事実を除けば、本明細書で挙げられるものと同一である。本明細書に開示される化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、および塩化物の同位体、例えば、それぞれH(D)、H(T)、13C、14C、l5N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clが挙げられる。上述の異性体および/または他の原子の他の異性体を含有する、本明細書に記載の化合物、およびその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体は、本発明の範囲内である。本明細書に記載の化合物、およびその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体は、本発明の範囲内である。同位体で標識化した特定の化合物、例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位体が組み込まれるものは、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化した(すなわち、H)および炭素-14(すなわち、14C)の同位体は、その調製と検出の容易さのために特に好ましい。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される置換基のそれぞれにおける重水素の存在量は、独立して、水素および重水素の総数の少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される置換基の1つまたは複数は、重水素の天然存在量よりも高い割合で重水素を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の水素は、本明細書に開示される置換基の1つまたは複数における1つまたは複数の重水素で置換される。
【0123】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、発色団もしくは蛍光部分、生物発光標識、または化学発光標識の使用を含むがこれらに限定されない他の手段によって標識される。
【0124】
薬学的に許容可能な塩
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、それらの薬学的に許容可能な塩として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような薬学的に許容可能な塩を投与することによって疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような薬学的に許容可能な塩を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、酸性基または塩基性基を有し、したがって、いくつかの無機塩基または有機塩基、ならびに無機酸および有機酸のいずれかと反応して、薬学的に許容可能な塩を形成する。いくつかの実施形態では、これらの塩は、本明細書に開示される化合物、またはその溶媒和物、もしくは立体異性体の最終的な単離および精製中にin situで、またはその遊離形態の精製された化合物を適切な酸もしくは塩基と別々に反応させ、このようにして形成された塩を単離することによって調製される。
【0126】
薬学的に許容可能な塩の例としては、本明細書に記載の化合物と無機物、有機酸または無機塩基との反応によって調製される塩が挙げられ、このような塩としては、酢酸塩、アクリル酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クロロ安息香酸塩、二水素塩化物、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、デカン酸塩、ジグルコン酸塩、二水素リン酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシン-1,6-ジオエート、ヒドロキシ安息香酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、一水素リン酸、1-ナフタレンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ピロ硫酸塩、ピロリン酸塩、プロピオル酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、プロパンスルホン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩、およびキシレンスルホン酸塩が挙げられる。
【0127】
さらに、本明細書に記載の化合物は、遊離塩基形態の化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸などの無機酸、ならびに酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、およびムコン酸などの有機酸を含むがこれらに限定されない、薬学的に許容可能な無機酸または有機酸と反応させることによって形成される薬学的に許容可能な塩として調製することができる。いくつかの実施形態では、シュウ酸などの他の酸は、それ自体は薬学的に許容可能でないが、本明細書に開示される化合物、その溶媒和物、または立体異性体、およびそれらの薬学的に許容可能な酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製において使用される。
【0128】
いくつかの実施形態では、遊離酸基を含む本明細書に記載の化合物は、適切な塩基、例えば、薬学的に許容可能な金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、アンモニア、または薬学的に許容可能な有機一次、二次、三級、もしくは四級アミンと反応する。代表的な塩としては、アルカリまたはアルカリ土類塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム、およびアルミニウム塩などが挙げられる。塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウム、N(C1-4アルキル)などが挙げられる。
【0129】
塩基付加塩の形成に有用である代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。本明細書に記載の化合物はまた、それらが含有する任意の塩基性窒素含有基の四級化を含むことを理解されたい。いくつかの実施形態では、水または油溶性または分散性生成物は、そのような四級化によって得られる。
【0130】
溶媒和物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、溶媒和物として存在する。本発明は、そのような溶媒和物を投与することによって疾患を処置する方法を提供する。本発明はさらに、そのような溶媒和物を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を提供する。
【0131】
溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量のいずれかの溶媒を含有し、いくつかの実施形態では、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を用いた結晶化のプロセス中に形成される。水和物は、溶媒が水であるときに形成され、またはアルコラートは、溶媒がアルコールであるときに形成される。本明細書に記載の化合物の溶媒和物は、本明細書に記載のプロセス中に都合よく調製または形成され得る。単なる例として、本明細書に記載の化合物の水和物は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、またはメタノールを含むがこれらに限定されない有機溶媒を使用して、水性/有機溶媒混合物から再結晶することによって都合よく調製することができる。さらに、本明細書に提供される化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態で存在し得る。概して、溶媒和形態は、本明細書に提供される化合物および方法の目的上、非溶媒和形態と等価であるとみなされる。
【0132】
互変異性体
状況によっては、化合物は互変異性体として存在する。本明細書に記載される化合物は、本明細書に記載される式内のすべての可能な互変異性体を含む。互変異性体は、水素原子の移動によって相互変換可能であり、単結合および隣接する二重結合のスイッチを伴う化合物である。互変異性化が可能である結合配置では、互変異性体の化学平衡が存在する。本明細書に開示される化合物のすべての互変異性形態が企図される。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの因子によって異なる。
【0133】
処置方法
本明細書には、対象における疾患または障害を処置する方法であって、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を対象に投与することを含む方法が開示され、ここで、疾患または障害は、炎症性腸疾患(IBD)である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、潰瘍性大腸炎(「UC」)またはクローン病(「CD」)である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、潰瘍性大腸炎(「UC」)である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、クローン病(「CD」)である。
【0134】
炎症性腸疾患(IBD)
IBDは、消化管の慢性炎症を伴う疾患を説明するために使用される包括的な用語である。IBDの種類として、潰瘍性大腸炎(「UC」)、およびクローン病(「CD」)が挙げられる。IBDの症状は様々であり、炎症の重症度や発生場所によって異なる。GlobalDataによると、2019年には、8つの主要市場(米国、5EU、日本、カナダ)でUCと診断された患者が170万人おり、同年の市場売上高は68億ドルに達した。[さらに、8つの主要市場(米国、5EU、日本、カナダ)でUCと既に診断されている有病者は130万人おり、市場売上高は74億ドルに達している。]
【0135】
炎症性腸疾患は、粘膜の炎症と損傷の繰返し、および腸上皮バリア機能の喪失を特徴とし、腸管内腔から漿膜および血液へと細菌または細菌産物を通過させることになり、その結果、全身性菌血症および内毒素血症を引き起こす。PHD阻害は、大腸炎のマウスモデルにおいて、いくつかのレベルの臨床スコアリングで疾患の重症度を低下させることが示されている。PHD阻害剤の治療活性のメカニズムとして提案されているのは、HIF-1αの安定化によるものであり、上皮バリアの増強および治癒を促進する。
【0136】
PHDの阻害剤は、IBDに対する新たな治療の選択肢となり得、利用可能な抗炎症剤と併用することで、より高い効果が得られ得る。
【0137】
投与
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物(複数可)を含有する組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与される。特定の治療用途では、組成物は、疾患または疾病に既に罹患している患者に、疾患または疾病の症状の少なくとも1つを治癒するかまたは少なくとも部分的に抑止させるのに十分な量で投与される。この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬物に対する応答、ならびに処置を行う医師の判断によって異なる。治療有効量は、任意選択で、用量漸増および/または用量設定(dose ranging)臨床試験を含むが、これらに限定されない方法によって決定される。
【0138】
予防的用途では、本明細書に記載の化合物を含有する組成物は、特定の疾患、障害、または疾病に感受性があるか、またはそうでなければその危険性がある患者に投与される。このような量は、「予防的に有効な量または用量」であると定義される。また、この使用において、正確な量は、患者の健康状態、体重などによって異なる。患者に使用される場合、この使用のための有効量は、疾患、障害、または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態および薬物に対する応答、ならびに処置する医師の判断によって異なる。一態様では、予防的処置は、疾患または疾病の症状の回復を予防するために、処置されている疾患の少なくとも1つの症状または危険因子を以前に経験し、現在寛解中である哺乳動物に、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を投与することを含む。
【0139】
患者の疾病が改善しない特定の実施形態では、医師の裁量で、化合物の投与は、慢性的に、すなわち、患者の疾患または疾病の症状を改善するか、さもなければ制御または制限するために、患者の生涯にわたるものを含む長期間にわたって投与される。
【0140】
患者の病状が改善する特定の実施形態では、投与される薬物の用量は、特定の時間(すなわち、「休薬期間」)にわたって一時的に減少されるか、または一時的に中断される。具体的な実施形態では、休薬期間の長さは、2日間~1年間であり、単なる例として、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、12日間、15日間、20日間、28日間、または28日間超を含む。休薬期間中の用量の減少は、単なる例として、10%~100%であり、単なる例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、および100%を含む。
【0141】
患者の疾病が改善したら、必要に応じて維持量を投与する。その後、具体的な実施形態では、投与量もしくは投与頻度、またはその両方は、症状の関数として、改善された疾患、障害、または疾病が保持されるレベルまで低減される。しかし、特定の実施形態では、患者は、症状が少しでも再発すると、長期間にわたる断続的または毎日の処置を必要とする。
【0142】
このような量に対応する所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患状態およびその重症度、処置を必要とする対象または宿主のアイデンティティ(例えば、体重、性別)などの因子に応じて変動するが、それでもなお例えば、投与される特定の薬剤、投与経路、処置される疾病、および処置される対象または宿主を含む、症例を取り巻く特定の状況に応じて決定される。
【0143】
しかし、一般に、成人のヒト処置に使用される用量は、典型的に0.01mg~5000mg/日の範囲である。一態様では、成人ヒト処置に使用される用量は、約1mg~約1000mg/日である。一実施形態では、所望の用量は、単回用量で、または同時にもしくは適切な間隔で投与される分割用量で、例えば、2回、3回、4回、またはそれ以上のサブ用量/日として都合よく提示される。
【0144】
一実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に適切な1日投与量は、約0.01~約50mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、1日投与量、または剤形中の活性物質の量は、個々の処置レジメンに関する多くの変数に応じて、本明細書に示される範囲より少ないかまたは多い。様々な実施形態では、1日投与量および単位投与量は、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与方式、個々の対象の要件、処置される疾患または疾病の重症度、および医師の判断を含むがこれらに限定されない多数の変数に応じて変更される。
【0145】
このような治療レジメンの毒性および治療効果は、LD10およびED90の決定を含むがこれらに限定されない、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定される。毒性効果と治療効果の用量比が治療指数であり、LD50とED50の比として表される。特定の実施形態では、細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトを含む哺乳動物において使用するための治療上有効な1日投与量範囲および/または治療上有効な単位投与量を処方する際に使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物の1日投与量は、最小限の毒性を有するED50を含む循環濃度の範囲内にある。特定の実施形態では、一日当たりの用量範囲および/または単位用量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変化する。
【0146】
前述の態様のいずれかは、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が、(a)哺乳動物に全身投与される、および/または(b)哺乳動物に経口投与される、および/または(c)哺乳動物に静脈内投与される、および/または(d)哺乳動物に注射によって投与される、および/または(e)哺乳動物に表面(topically)投与される、および/または(f)哺乳動物に非全身投与または局所(locally)投与される、さらなる実施形態である。
【0147】
前述の態様のいずれかは、(i)化合物が1日1回投与される、または(ii)化合物を哺乳動物に1日間にわたり複数回投与する、さらなる実施形態を含む、有効量の化合物の単回投与を含むさらなる実施形態である。
【0148】
前述の態様のいずれかは、(i)化合物が連続的または断続的に投与される:単回投与の場合と同様に、(ii)複数回投与の間の時間は、6時間ごとである;(iii)化合物を哺乳動物に8時間毎に投与する;(iv)化合物を対象に12時間毎に投与する;(v)化合物を対象に24時間毎に投与する、さらなる実施形態を含む、有効量の化合物の複数回投与を含むさらなる実施形態である。さらなるまたは代替的な実施形態では、この方法は、化合物の投与が一時的に中断されるか、または投与される化合物の用量が一時的に減少される休薬期間を含み、休薬期間の終わりに、化合物の投与を再開する。一実施形態では、休薬期間の長さは、2日から1年まで変動する。
【0149】
投与経路
適切な投与経路として、経口、静脈内、直腸、エアロゾル、非経口、眼、肺、経粘膜、経皮、膣、耳、鼻、および局所投与が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、単なる例として、非経口送達には、筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、ならびに髄腔内、直接心室内、腹腔内、リンパ内、および鼻腔内注射が含まれる。
【0150】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、全身よりもむしろ局所様式で、例えば、しばしばデポー調製物または持続放出製剤中で、化合物を臓器に直接注射することによって投与される。特定の実施形態では、長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与される。さらに、他の実施形態では、薬物は、標的薬物送達系において、例えば、臓器特異的抗体でコーティングされたリポソームにおいて送達される。このような実施形態では、リポソームは、臓器を標的とし、臓器によって選択的に取り込まれる。さらに他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、急速放出製剤の形態で、持続放出製剤の形態で、または中間放出製剤の形態で提供される。さらに他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は局所投与される。
【0151】
医薬組成物/製剤
本明細書に記載される化合物は、それを必要とする対象に、標準的な薬務に従って、単独で、または薬学的に許容可能な担体、賦形剤、もしくは希釈剤と組み合わせて、医薬組成物で投与される。一実施形態では、化合物は、動物に投与されてもよい。化合物は、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸、および局所投与経路を含む、経口または非経口投与することができる。
【0152】
別の態様では、本明細書には、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用可能な調製物に加工することを容易にする1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤を使用して、従来の様式で製剤化される。適切な製剤は、選択される投与経路に応じて異なる。本明細書に記載される医薬組成物の概要は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;および、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams&Wilkins1999)、に見出され、これらは、そのような開示に関して参照によって本明細書に援用される。
【0153】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、担体、結合剤、充填剤、懸濁剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤、およびこれらの任意の組合せから選択される。
【0154】
本明細書に記載の医薬組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋内)、鼻腔内、頬側、表面、直腸、または経皮投与経路を含むがこれらに限定されない適切な投与経路によって対象に投与される。本明細書に記載の医薬製剤として、水性液体分散剤、液体、ゲル剤、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー、懸濁剤、自己乳化分散剤、固溶体、リポソーム分散剤、エアロゾル剤、固形経口剤形、粉末剤、即時放出製剤、制御放出製剤、速溶製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末、糖衣錠、発泡製剤、凍結乾燥製剤、遅延放出製剤、徐放性製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤、ならびに即時および制御放出混合製剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0155】
本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を含む医薬組成物は、単なる例として、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、粉末化、乳化、カプセル化、封入、または圧縮プロセスによってなど、従来の様式で製造される。
【0156】
経口使用のための医薬組成物は、1種または複数種の固形賦形剤を本明細書に記載の1種または複数の化合物と混合し、得られた混合物を任意選択で粉砕し、必要に応じて適切な補助剤を添加した後、顆粒混合物を処理して錠剤または糖衣錠コアを得ることによって得られる。適切な賦形剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖類などの充填剤、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース製剤、またはポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)もしくはリン酸カルシウムなどのその他のものが挙げられる。必要に応じて、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤が添加される。いくつかの実施形態では、活性化合物の異なる用量の組合せを識別または特徴付けるために、染料または顔料が錠剤または糖衣錠のコーティング剤に添加される。
【0157】
経口投与される医薬組成物には、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル剤、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤製の軟質密封カプセル剤が含まれる。プッシュフィットカプセル剤は、乳糖などの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに任意選択で安定剤との混合物中に有効成分を含有する。軟カプセル剤では、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁される。いくつかの実施形態では、安定剤を添加する。いくつかの実施形態では、安定剤が添加される。
【0158】
非経口使用のための医薬組成物は、注入または注射として製剤化される。いくつかの実施形態では、注射または注入に適した医薬組成物は、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を含む滅菌水溶液または分散液または滅菌粉末を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は液体担体を含む。いくつかの実施形態では、液体担体は、例えば、水、生理食塩水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性グリセリルエステル、およびそれらの任意の組合せを含む溶媒または液体分散媒である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、微生物の増殖を防止するための防腐剤をさらに含む。
【0159】
併用
本明細書には、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を、追加の治療剤と組み合わせて使用して炎症性腸疾患(IBD)を処置する方法が開示される。
【0160】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物と同時に投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤および本明細書に開示される化合物は、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物よりも低い頻度で投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物よりも高い頻度で投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物の投与後に投与される。
【0161】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤には、アムロジピン、クレビジピン、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、およびベラパミルを含むカルシウムチャネル遮断剤などの心血管剤、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、およびピタバスタチンを含むスタチン、ゲムフィブロジルおよびフェノフィブレートを含むフィブレート、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルベジロール、エスモロール、ラベタロメトプロロール、ナドロール、ネビボロール、ペンブトロール、プロプラノロール、ソタロール、およびチモロールを含むβ遮断剤、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、およびトンドラプリルを含むACE阻害剤、アスピリン、カングレロル、クロピドグレル、シロスタゾール、ジピリダモール、プラスグレル、およびチカグレロルなどの血小板凝集阻害剤が含まれる。
【0162】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、代謝障害を処置するための薬剤である。これらの薬剤には、膵リパーゼ阻害剤(例えば、オルリスタット)、インスリン、ビグアニド(例えば、ブホルミン、メトホルミン、およびフェンホルミン)、およびグリタゾン(例えば、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾン)を含むインスリン感受性促進剤、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、およびグリブリド)、およびメグリチニド(例えば、ナテグリニドおよびレパグリニド)を含むインスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボースおよびミグリトール)、グルカゴン様ペプチド類似体およびアゴニスト(例えば、エキセナチド、リラグルチド、およびタスポグルチド)、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤(例えば、アログリプチン、リナグリプチン、サクサグリプチン、シタグリプチン、およびビルダグリプチン)、ならびにアミリン類似体(例えば、プラムリンチド)が含まれる。
【0163】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、創傷治癒障害を処置するための薬剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、抗炎症剤、鎮痛剤、止痒剤、または抗感染剤である。
【0164】
抗炎症剤の例としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)およびコルチコステロイドが挙げられる。代表的なNSAIDとして、アパゾン、アスピリン、セレコキシブ、ジクロフェナク(ミソプロストールを伴う場合およびミソプロストール伴わない場合)、ジフルーニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、サリチル酸コリンおよびマサリチル酸マグネシウム、サルサレート、およびスリンダクが挙げられる。代表的なコルチコステロイドとして、ベタメタゾン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンが挙げられる。代表的な鎮痛剤として、硫酸アセトアミノフェンおよび硫酸モルヒネ、ならびにコデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、プロポキシフェン、ならびにトラマドールが挙げられ、いずれもアセトアミノフェンを伴うか、または伴わない。全身使用のための代表的な止痒剤として、シプロヘプタジン、ジフェンヒドラミン、ガバペンチン、ヒドロキシジン、およびオンダンセトロンが挙げられる。
【0165】
局所使用のための代表的な止痒剤には、乳酸アンモニウム、ベンゾカイン、カラミン、カプサイシン、クリオキノール、クロタミトン、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、ヒドロコルチゾン、リドカイン、メントール、サリチル酸メチル、プラモキシンが含まれる。
【0166】
抗感染剤の例としては、抗菌物質、抗真菌薬物質、抗ウイルス物質が挙げられる。
【0167】
代表的な抗菌物質には、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、パロモマイシン、およびトブラマイシンなどのアミノグリコシド、ドリペネム、エルタペネム、イミペネム、およびメロペネムなどのカルバペネム、セフタジジム/アビバクタムおよびセフトロザン/タゾバクタムなどのβ-ラクタマーゼ阻害剤と組み合わせたセファロスポリン、セファドロキシル、セファゾリン、セファレキシン、およびセフラジンなどの第1世代セファロスポリン、セフォテタン、セフプロジル、セフロキシム、エフォキシチン、およびロラカルベフなどの第2世代セファロスポリン、セフジニル、セフジトレン、セフィキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、およびセフトリアキソンなどの第3世代セファロスポリン、セフェピムおよびセフタロリンなどの第4世代および次世代セファロスポリン、ダルババンシン、オリタバンシン、テラバンシン、およびバンコマイシンなどの糖ペプチド抗生物質、チゲシクリンなどのグリシルシクリン(glycylcycline)、クリンダマイシンなどのリンコマイシンおよびその誘導体、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、およびフィダキソマイシンなどのマクロライド、ならびにテリスロマイシンなどのケトリドを含むマクロライド誘導体、リネゾリドおよびテジゾリドなどのオキサゾリジノン抗生物質、アモキシシリン、アンピシリンなどのアミノペニシリンを含むペニシリン、カルベニシリン、ピペラシリン、およびチカルシリンなどの抗シュードモナスペニシリン、アモキシシリン/クラブラン酸塩、アンピシリン/スルバクタム、ピペラシリン/タゾバクタム、およびチカルシリン/クラブラン酸塩などのβ-ラクタマーゼ阻害剤を含むペニシリン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンVカリウム、およびプロカインペニシリンなどの天然ペニシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、およびオキサシリンなどのペニシリナーゼ耐性ペニシリン、シノキサシン、シプロフロキサシン、デラフロキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、およびトロバフロキサシンなどのキノロン、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、およびスルフイソキサゾールなどのスルホンアミド、デメクロサイクリン、ドキシシクリン、ドキシシクリン/オメガ-3多価不飽和脂肪酸、ドキシシクリン/サリチル酸、ミノシクリン、およびオキシテトラシクリンなどのテトラシクリンおよびその誘導体が含まれる。その他の代表的な抗菌物質には、アトバコン、アズトレオナム、バシトラシン、クロラムフェニコール、コリスティメタート、ダルホプリスチン/キヌプリスチン、ダプトマイシン、エリスロマイシン/スルフイソキサゾール、ホスホマイシン、メトロニダゾール、ペンタミジン、リファキシミン、スペクチノマイシン、およびトリメトレキセートなどが含まれる。
【0168】
代表的な抗真菌薬物質には、クロトリマゾール、フルコナゾール、イサブコナゾニウム、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ポサコナゾール、およびボリコナゾールなどのアゾール系抗真菌薬物質、アニデュラファンギン、カスポファンギン、およびミカファンギンなどのエキノカンジン、ならびにアムホテリシンB、アムホテリシンB硫酸コレステリル(amphotericin B cholesteryl sulfate)、アムホテリシンB脂質複合体、およびナイスタチンなどのポリエンが含まれる。その他の代表的な抗真菌薬物質には、フルシトシン、グリセオフルビン、およびテルビナフィンなどが含まれる。
【0169】
代表的な抗ウイルス剤には、アシクロビル、シドフォビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、リバビリン、バラシクロビル、およびバルガンシクロビルなどのプリンヌクレオシドが含まれる。
【0170】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、抗がん剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、アルキル化剤、抗生物質、代謝拮抗剤、植物由来の薬剤、およびトポイソメラーゼ阻害剤などの化学療法剤(すなわち、細胞毒性、または抗腫瘍剤)、ならびに腫瘍の成長および進行に関与する特定の分子に干渉することによってがんの増殖および転移を妨げる分子標的剤である。分子標的剤には、低分子剤および生物製剤の両方が含まれる。
【0171】
代表的なアルキル化剤には、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、およびウラシルマスタードを含むビスクロロエチルアミン(窒素マスタード)、チオテパを含むアジリジン、ブスルファンを含むアルキルアルコンスルホン酸塩、カルムスチン、ロムスチン、およびストレプトゾシンを含むニトロソ尿素、アルトレタミン、ダカルバジン、およびプロカルバジンを含む非古典型アルキル化剤、ならびにカルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、四硝酸トリプラチンなどの白金化合物が含まれる。
【0172】
代表的な抗生物質には、アクラルビシン、アムルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、バルビシン、およびゾルビシンを含むアントラシクリン、ミトキサントロンおよびピキサントロンを含むアントラセンジオン、ならびにアクチノマイシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、マイトマイシンC、プリカマイシンを含むストレプトマイセスが含まれる。
【0173】
代表的な代謝拮抗剤には、アミノプテリン、メトトレキサート、およびペメトレキセドを含むジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、ラルチトレキセドおよびペメトレキセドを含むチミジル酸合成酵素阻害剤、ロイコボリンを含むフォリン酸、ペントスタチンを含むアデノシンデアミナーゼ阻害剤、クラドリビン、クロファラビン、およびフルダラビンを含むハロゲン化/リボヌクレオチド還元酵素阻害剤、チオグアニンおよびメルカプトプリンを含むチオプリン、フルオロウラシル、カペシタビン、テガフール、カルモフール、およびフロクスウリジンを含むチミジル酸合成酵素阻害剤、シタラビンを含むDNAポリメラーゼ阻害剤、ゲムシタビンを含むリボヌクレオチド還元酵素阻害剤、アザシチジンおよびデシタビンを含む低メチル化剤、ヒドロキシ尿素を含むリボヌクレオチド酵素還元阻害剤、ならびにアスパラギナーゼを含むアスパラギン除去剤が含まれる。
【0174】
代表的なI型トポイソメラーゼ阻害剤には、ベロテカン、イリノテカン、ルビテカン、およびトポテカンを含むカンプトテシンが含まれる。
【0175】
代表的なII型トポイソメラーゼ阻害剤には、エピポドフィロトキシンの誘導体である、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、およびテニポシドなどが含まれる。
【0176】
分子標的治療には、サイトカインなどの生物製剤、およびその他の免疫調節剤が含まれる。有用なサイトカインとして、インターロイキン-2(IL-2、アルデスロイキン)、インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン12(IL-12)、およびインターフェロンが挙げられ、これは、23以上の関連する亜型を含む。その他のサイトカインには、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)(フィルグラスチム)、および顆粒球マクロファージCSF(サルグラモスチム)が含まれる。その他の免疫調節剤には、カルメット-ゲラン菌(bacillus Calmette-Guerin)、レバミゾール、およびオクトレオチド、トラストルズマブおよびリツキシマブなどの腫瘍抗原に対するモノクローナル抗体、ならびに腫瘍に対する免疫反応を誘導するがんワクチンが含まれる。
【0177】
さらに、腫瘍の成長と進行に関与する特定の分子を阻害する分子標的剤には、上皮成長因子(EGF)の阻害剤、形質転換成長因子-α(TGF)、TGFp、ヘレグリン、インスリン様成長因子(IGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン(EPO)、インターロイキン-2(IL-2)、神経成長因子(NGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、幹細胞増殖因子(HGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン、上皮成長因子受容体(EGFR)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、HER4、インスリン様成長因子1受容体(IGF1R)、IGF2R、線維芽細胞増殖因子1受容体(FGF1R)、FGF2R、FGF3R、FGF4R、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、免疫グロブリン様および上皮成長因子様ドメインを有するチロシンキナーゼ2(Tie-2)、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、Abl、Bcr-Abl、Raf、FMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)、c-Kit、Src、プロテインキナーゼc(PKC)、トロポミオシン受容体キナーゼ(Trk)、Ret、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)、オーロラキナーゼ、ポロ様キナーゼ(PLK)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)、間葉上皮転換因子(c-MET)、シクリン依存性キナーゼ(CDK)、Akt、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)、ポリ(ADP)リボースポリメラーゼ(PARP)などが含まれる。
【0178】
特定の分子標的剤には、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、およびラロキシフェンなどの選択的エストロゲン受容体調節剤、ビカルタミド、ニルタミドの、メゲストロール、およびフルタミドなどの抗アンドロゲン物質、ならびにエキセメスタン、アナストロゾール、およびレトロゾールなどのアロマターゼ阻害剤が含まれる。特定の分子標的剤には、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、およびラロキシフェンなどの選択的エストロゲン受容体調節剤、ビカルタミド、ニルタミドの、メゲストロール、およびフルタミドなどの抗アンドロゲン物質、ならびにエキセメスタン、アナストロゾール、およびレトロゾールなどのアロマターゼ阻害剤が含まれる。
【実施例
【0179】
中間体A:メチル2-クロロ-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキシレートの合成
【0180】
【化20】
工程1:
MeOH(100mL)中のメチル(E)-3-アミノブタ-2-エノエート(10g、87mmol)の混合物に、メチルプロプ-2-イノエート(7.78g、92.6mmol)を添加した。混合物を70℃で12時間撹拌した。混合物を5℃に冷却した。沈殿物を濾過し、MTBE(50mL×3)で粉砕した。メチル6-ヒドロキシ-2-メチルニコチネート(5g、収率34%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ12.61(s,1H),8.02(d,J=8Hz,1H),6.42(d,J=12Hz,1H),3.84(s,3H),2.72(s,3H).
【0181】
工程2:
POCl(17.7g、115mmol)中のメチル-6-ヒドロキシ-2-メチルニコチネート(5g、29.8mmol)の混合溶液を、100℃で4時間撹拌した。反応物を氷水(100mL)にゆっくりと注ぎ、次いで酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO(50mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を次の工程にそのまま使用した。
【0182】
工程3:
CCl(60mL)中のメチル-6-クロロ-2-メチルニコチネート(6g、32.4mmol)の溶液に、NBS(6.9g、38.7mmol)、およびBPO(1.56g、6.45mmol)を添加した。混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物をDCM(60mL)で希釈し、HO(60mL×3)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、残渣を得た。残渣をシリカゲルクロマトグラフによって精製することで、メチル2-(ブロモメチル)-6-クロロニコチネートを黄色固形物(11g、粗生成物)として得た。LCMS:RT=0.981分、MS m/z(ESI)[M+H]=264.1.
【0183】
工程4:
DMF(50mL)中の2-(ブロモメチル)-6-クロロニコチネート(5g、18.9mmol)およびメチル2-(p-トリルスルホニルアミノ)アセテート(4.6g、18.9mmol)の溶液にKCO(5.02g、47.4mmol)およびNaI(0.28g、1.86mmol)を添加した。混合物をN雰囲気下、50℃で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、HO(80mL×3)で洗浄した。有機層をブライン(80mL×3)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、残渣を得た。残渣をシリカゲルクロマトグラフによって精製することで、メチル6-クロロ-2-(((N-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)メチル)ニコチネート(6g、粗生成物)を黄色固形物として得た。
【0184】
工程5:
DMSO(60mL)中のメチル6-クロロ-2-(((N-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-4-メチルフェニル)スルホンアミド)メチル)ニコチネート(6g、14mmol)の溶液に、KCO(11.6g、84.3mmol)を添加した。混合物をN雰囲気下、50℃で4時間撹拌した。混合物をHO(60mL)で希釈し、水溶液を1M HClでpHを6に調整した。沈殿した固形物を濾過し、乾燥させることで、中間体A(1.5g、収率45%)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.86(s,1H),8.72(d,J=0.9Hz,1H),7.91(d,J=8.8Hz,1H),3.95(s,3H).
【0185】
一般的な手順A:tert-ブチル4-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの合成(実施例29)
【0186】
【化21】
工程1:
MeOH(30mL)中の中間体A(1g、4.19mmol)の溶液に、5-(アミノメチル)ピリジン-2-カルボニトリル(0.84g、6.29mmol)、TEA(2.91mL、20.95mmol)を添加し、反応物を75℃で一晩撹拌した。反応混合物を通常の漏斗に通して濾過し、濾過ケークを10mLのMeOHで洗浄し、真空中で乾燥させることで、中間体Bである、2-クロロ-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(1.1g、3.24mmol、収率77%)を黄色固形物として得た。
【0187】
工程2:
DMSO(15mL)中の中間体B(1.1g、3.24mmol)の溶液に、TEA(1.35mL、9.71mmol)、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(904mg、4.86mmol)を添加し、反応物をN下、100℃で2時間撹拌した。反応物を冷却し、水HO(200mL)に注いだ。混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl溶液(30mL×3)で洗浄し、真空中で濃縮した。残渣をCHCN(20mL)およびCHCl(5mL)で粉砕し、濾過することで、実施例29(500mg、1.02mmol、収率32%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=1.838分、MS m/z(ESI)[M+H]=490.1.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.36(s,1H),9.77(t,J=6.3Hz,1H),8.76(s,1H),8.44(s,1H),8.29(d,J=9.4Hz,1H),8.00(s,2H),7.48(d,J=9.5Hz,1H),4.63(d,J=6.3Hz,2H),3.82-3.79(m,4H),3.50-3.48(m,4H),1.46(s,9H).
【0188】
一般的な手順C:N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成(実施例3)
【0189】
【化22】
工程1:
THF(10mL)中の中間体A(300mg、1.26mmol)とモルホリン(76.67mg、880.03μmol、77.44μL)との混合物に、DIEA(324.96mg、2.51mmol、437.95μL)を25℃で添加した。混合物を50℃で17時間撹拌した。モルホリン(76.67mg、880.03μmol、77.44μL)を添加し、混合物を65℃で4.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、メチル5-ヒドロキシ-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキシレート(128mg、383.84μmol、収率31%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=0.637分、MS m/z(ESI)[M+H]=290.1.
【0190】
工程2:
THF(1.5mL)およびHO(1.5mL)中のメチル5-ヒドロキシ-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキシレート(128mg、442.47μmol)の溶液に、LiOH・HO(37.14mg、884.94μmol)を25℃で添加した。混合物を25℃で16時間撹拌し、50℃でさらに3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、HCl(1M)でpH=6に調整した。水(20mL)を添加し、混合物をEtOAc(20mL×3)で抽出した。水溶液を凍結乾燥することで、5-ヒドロキシ-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボン酸(130mg、粗生成物)を黄色固形物として得た。LCMS:RT=0.525分、MS m/z(ESI)[M+H]=276.1.
【0191】
工程3:
DMF(1mL)中のカルボン酸(45mg、163.48μmol)とTEA(49.63mg、490.45μmol、68.26μL)との混合物に、HATU(68.38mg、179.83μmol)を25℃で添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。次いで、アミン(32.68mg、196.18μmol)を添加し、混合物を25℃で2時間撹拌した。2滴の水を添加した。混合物を濾過した。濾液を分取HPLCによって精製し、凍結乾燥させることで、生成物を得て、これを生成物の別のバッチ(6.0mg)と合わせ、凍結乾燥することで、実施例3(10.78mg、25.15μmol、収率6%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=0.831分、MS m/z(ESI)[M+H]=424.1.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.31 (s,1H),9.76-9.68(m,1H),8.47(s,1H),8.29(d,J=9.6Hz,1H),8.08(d,J=1.6Hz,1H),7.85-7.76(m,1H),7.55-7.46(m,2H),4.63(d,J=6.4Hz,2H),3.80-3.70(m,8H).
【0192】
一般的な手順D:N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-2-(ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成(実施例5)
【0193】
【化23】
工程1:
無水DMSO(5mL)中の中間体A(500mg、2.10mmol)およびtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(467.5mg、2.52mmol)の溶液に、TEA(525mg、5.25mmol)を添加した。溶液をN下、100℃で16時間撹拌した。反応混合物をHO(30mL)に注ぎ、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。メチル2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキシレート(200mg、収率25%)を黄色固形物として得た。LCMS:RT=1.002分、MS m/z(ESI)[M+H]=389.0.
【0194】
工程2:
無水MeOH(1.5mL)中のメチル2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキシレート(100mg、0.295mmol)および4-(アミノメチル)-3-クロロベンゾニトリル(60mg、0.359mmol)の溶液にTEA(60mg、0.594mmol)を添加した。溶液をN下、75℃で20時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮することで、溶媒を除去した。粗製生成物(150mg、粗生成物、黄色の油状物)を、それ以上精製することなく次の工程にそのまま投入した。LCMS:RT=1.097分、MS m/z(ESI)[M+H]=523.4.
【0195】
工程3:
酢酸エチル(1.5mL)中の粗生成物(150.0mg、0.287mmol)の溶液に、4N HCl/EtOAc(0.4mL、1.435mmol)の溶液を添加した。溶液を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮することで、溶媒を除去した。粗製生成物を分取HPLCによって精製することで、実施例5(25.4mg、収率21%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=2.217分、MS m/z(ESI)[M+H]=423.2.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.74(s,1H),8.41(s,1H),8.41-8.23(m,2H),8.07-8.06(m,1H),7.81-7.79(m,1H),7.51-7.49(m,2H),4.63-4.62(m,2H),3.75-3.72(m,4H),2.83-2.80(m,4H).
一般的な手順F:N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(3-メトキシプロパンアミド)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0196】
【化24】
NMP(2mL)中の中間体B(80mg、0.24mmol)の溶液に、3-メトキシプロパンアミド(48.56mg、0.47mmol)、Xantphos(27.25mg、0.05mmol)、Pd(dba)(21.56mg、0.02mmol)、およびKPO(149.95mg、0.71mmol)を添加し、反応物をN下、マイクロ波反応器中、150℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCl(100mL)に注ぎ、EA(40mL×3)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過して有機層を分離し、真空中で濃縮した。残渣は、MeCNで水(0.1%FA)に溶出する分取HPLCを使用して精製することで、標題化合物(36.81mg、39%)を得た。LCMS:407.4[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.55(s,1H),11.13(s,1H),9.87(s,1H),8.78(s,1H),8.64-8.60(m,3H),8.01(d,J=1.3Hz,2H),4.68(d,J=6.3Hz,2H),3.66(t,J=6.1Hz,2H),3.26(s,3H),2.75(t,J=6.1Hz,2H).
【0197】
実施例6:(R)-N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0198】
【化25】
無水DMSO(30mL)中の中間体A(100mg、0.42mmol)および(R)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン(126mg、0.63mmol)の溶液に、TEA(106mg、1.06mmol)を添加した。溶液を100℃で16時間撹拌した。反応混合物をH30mL)に注ぎ、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。メチル(R)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキシレート(110mg、収率65%)を黄色固形物として得た。LCMS:RT=1.179分、MS m/z(ESI)[M+H]=404.3.
【0199】
無水MeOH(1.5mL)中のメチル(R)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキシレート(100mg、0.25mmol)および4-(アミノメチル)-3-クロロベンゾニトリル(50.0mg、0.30mmol)の溶液に、TEA(50mg、0.50mmol)を添加した。溶液をN雰囲気下、75℃で20時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮することで、溶媒を除去した。粗製生成物(140mg、黄色の油状物)を、それ以上精製することなく次の工程に直接投入した。LCMS:RT=1.099分、MS m/z(ESI)[M+H]=538.4.
【0200】
酢酸エチル(1.5mL)中の(R)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(140mg、0.26mmol)の溶液に、酢酸エチル(0.35mL、1.30mmol)中の4N HClの溶液を添加した。溶液を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮することで、溶媒を除去した。粗製生成物を分取HPLCによって精製することで、実施例6(13.3mg、収率12%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=2.472分、MS m/z(ESI)[M+H]=424.2.H NMR(400MHz,CDCl)δ12.66(s,1H),8.47(s,1H),8.46-8.31(m,2H),7.70-7.69(m,1H),7.58-7.56(m,2H),6.99(s,1H),4.80-4.70(m,3H),3.74(s,4H),2.21-2.18(m,2H).
【0201】
実施例22:N-((6-カルバモイルピリジン(carbamoylpyridin)-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0202】
【化26】
無水MeOH(2mL)中のN-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(120mg、0.31mmol)の溶液に、3M NaOH溶液(3mL)を添加した。混合物をN下、室温で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製することで、実施例22(8.5mg、収率7%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=0.890分、MS m/z(ESI)[M+H]=409.3.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.47(s,1H),9.74(s,1H),8.59(d,J=1.6Hz,1H),8.38(s,1H),8.25(d,J=9.4Hz,1H),8.05(s,1H),7.97(d,J=8.0Hz,1H),7.89(dd,J=8.1,2.0Hz,1H),7.56(s,1H),7.43(d,J=10.0Hz,1H),4.57(d,J=6.3Hz,2H),3.70(d,J=5.5Hz,8H).
【0203】
実施例24:5-((5-ヒドロキシ-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド)メチル)ピコリン酸の合成
【0204】
【化27】
無水MeOH(2mL)中のN-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(120mg、0.3mmol)の溶液に、3M NaOH水溶液(3ml)を添加した。溶液をN下、70℃で20時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製することで、実施例24(37mg、収率30%)を黄色固形物として得た。LCMS:RT=1.962分、MS m/z(ESI)[M+H]=410.4、H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.45(s,1H),9.73(s,1H),8.66(s,1H),8.39(s,1H),8.25(d,J=9.4Hz,1H),7.93(dd,J=38.0,7.9Hz,2H),7.44(d,J=9.4Hz,1H),4.58(s,2H),3.70(d,J=6.7Hz,8H).
【0205】
実施例41:(S)-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(3-(ピペラジン-1-カルボニル)ピロリジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0206】
【化28】
DMSO(2mL)中の中間体B(150mg、0.44mmol)の溶液に、TEA(0.245mL、1.77mmol)、メチル(3S)-ピロリジン-3-カルボキシレート塩酸塩(95mg、0.57mmol)を添加し、反応物を100℃で3時間撹拌した。反応物を分取HPLCによって精製することで、メチル(S)-1-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピロリジン-3-カルボキシレート(120mg、0.28mmol、収率63%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=1.102分、MS m/z(ESI)[M+H]=433.3.
【0207】
THF(0.5mL)中のメチル(S)-1-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピロリジン-3-カルボキシレート(100mg、0.23mmol)の溶液に、TFA(2mL)を添加し、反応物を室温で48時間撹拌した。反応物を水(10mL)で希釈し、DCM(10mL×3)で抽出した。有機層を分離し、飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をメタノール(0~10%)でクロロホルム(0~10%)に溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することで、(S)-1-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピロリジン-3-カルボン酸(85mg、0.20mmol、収率88%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=0.912分、MS m/z(ESI)[M+H]=419.1.
【0208】
DMF(2mL)中の(S)-1-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピロリジン-3-カルボン酸(80mg、0.19mmol)の溶液に、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(46mg、0.25mmol)、HATU(109mg、0.29mmol)、TEA(0.080mL、0.57mmol)を添加し、反応物を室温で3時間撹拌した。混合物にHO(15mL)を添加し、tert-ブチルメチルエーテル(10mL×3)で抽出した。有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空注で濃縮することで、tert-ブチル(S)-4-(1-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピロリジン-3-カルボニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(80mg、0.14mmol、収率71%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=1.009分、MS m/z(ESI)[M+H]=587.2.
【0209】
FA(4mL)中のtert-ブチル(S)-4-(1-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピロリジン-3-カルボニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(75mg、0.13mmol)の溶液に、反応物を室温で2時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製することで、実施例41(6.86mg、0.01mmol、収率11%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=1.296分、MS m/z(ESI)[M+H]=487.2.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.76(s,1H),8.42(s,1H),8.26(d,J=9.1Hz,2H),8.00(d,J=1.2Hz,2H),7.14(d,J=9.3Hz,1H),4.63(s,2H),3.85-3.54(m,9H),2.82-2.80(m,2H),2.75-2.73(m,2H),2.20-2.15(m,2H).
【0210】
実施例45:(R)-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(3-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0211】
【化29】
DMSO(2mL)中の中間体B(200mg、0.59mmol)の溶液に、TEA(0.41mL、2.95mmol)およびtert-ブチル(2R)-2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(191.41mg、0.89mmol)を添加し、反応物をN下、100℃で2時間撹拌した。反応物を冷却し、水HO(200mL)に注いだ。混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフ(石油中0~50%の酢酸エチル)によって精製することで、tert-ブチル(R)-4-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(206mg、0.40mmol、収率67%)をオフホワイト固形物として得た。LCMS:RT=0.888分、MS m/z(ESI)[M+H]=520.0.
【0212】
DCM(0.5mL)中のtert-ブチル(R)-4-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50mg、0.10mmol)の溶液にTFA(0.5mL、6.73mmol)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、乾燥させることで、(R)-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(50mg、0.09mmol、収率94%)を黄色の油状物として得た。LCMS:RT=0.695分、MS m/z(ESI)[M+H]=420.0.
【0213】
DCE(5mL)中の(R)-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(40mg、0.1mmol)の溶液に、ナトリウムビス(アセチルオキシ)酢酸ボラニル(80.5mg、0.4mmol)およびホルムアルデヒド(4.3mg、0.1mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、分取HPLCによって精製することで、実施例45(5.37mg、0.012mmol、収率13%)を赤色固形物として得た。LCMS:RT=0.870分、MS m/z(ESI)[M+H]=434.0.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.35(s,1H),9.78-9.76(m,1H),8.76(s,1H),8.43(s,1H),8.28(d,J=9.2Hz,1H),8.14(s,1H),8.00(s,2H),7.48(d,J=9.5Hz,1H),4.85-4.84(m,1H),4.65-4.63(m,2H),4.59-4.24(m,4H),3.72-3.70(m,3H),3.00-2.92(m,3H),2.35(s,3H).
【0214】
実施例46:(R)-2-(4-アセチル-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル)-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0215】
【化30】
DCM(1mL)中の(R)-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(20mg、0.05mmol)の溶液に、TEA(0.066mL、0.48mmol)および塩化アセチル(0.003mL、0.04mmol)を添加し、反応物を室温で3時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、分取HPLCによって精製することで、実施例46(6.60mg、0.014mmol、収率30%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=0.964分;MS m/z(ESI)[M+H]=462.0.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.37(s,1H),9.85-9.82(m,1H),8.76(s,1H),8.41(s,1H),8.29(d,J=9.5Hz,1H),8.01-7.99(m,2H),7.47-7.45(m,1H),4.95-4.92(m,1H),4.67-4.62(m,2H),4.61-4.22(m,4H),4.07-3.75(m,1H),3.51-3.49(m,2H),3.16-2.82(m,2H),2.08(d,J=15.3Hz,3H).
【0216】
実施例50:メチル(R)-4-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-2-カルボキシレートの合成
【0217】
【化31】
NMP(2mL)中の中間体B(100mg、0.29mmol)の溶液に、1-tert-ブチル2-メチル(2R)-ピペラジン-1,2-ジカルボキシレート(107.86mg、0.44mmol)、TEA(0.12mL、0.88mmol)を添加した。密封したバイアルをマイクロ波反応器中、140℃で2.5時間照射した。反応物を水/CHCN/HCOOHで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することで、1-(tert-ブチル)2-メチル(R)-4-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-1,2-ジカルボキシレート(60mg、0.11mmol、収率37%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=1.871分、MS m/z(ESI)[M+H]=548.2.
【0218】
ギ酸(2mL)中の1-(tert-ブチル)2-メチル(R)-4-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-1,2-ジカルボキシレート(55mg、0.10mmol)の溶液を室温で2時間撹拌した。反応物を分取HPLCによって精製することで、実施例50(15.66mg、0.03mmol、収率35%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=1.309分、MS m/z(ESI)[M+H]=448.1.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.80(s,1H),8.76(s,1H),8.42(s,1H),8.27(d,J=9.4Hz,1H),8.18(s,1H),8.00(d,J=1.2Hz,2H),7.48(d,J=9.5Hz,1H),4.63(d,J=6.4Hz,2H),4.37-4.34(m,1H),3.95-3.93(m,1H),3.66(s,3H),3.61-3.54(m,2H),3.49-3.46(m,2H),3.03-3.01(m,1H),2.75-2.71(m,1H).
【0219】
実施例51:(R)-4-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-2-カルボン酸の合成
【0220】
【化32】
NMP(2mL)中の中間体B(100mg、0.29mmol)の溶液に、1-tert-ブチル2-メチル(2R)-ピペラジン-1,2-ジカルボキシレート(107.86mg、0.44mmol)、TEA(0.123mL、0.88mmol)を添加した。密封したバイアルをマイクロ波反応器中、140℃で2.5時間照射した。反応物を水/CHCN/HCOOHで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することで、(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-2-カルボン酸(50mg、0.09mmol、収率32%)を白色固形物として得た。 LCMS:RT=1.094分、MS m/z(ESI)[M+H]=534.1.
【0221】
ギ酸(2mL)中の(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(6-(((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-2-カルボン酸(45mg、0.08mmol)の溶液に、反応物を室温で2時間撹拌した。反応物を分取HPLCによって精製することで、実施例51(11.18mg、0.03mmol、収率31%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=1.249分、MS m/z(ESI)[M+H]=434.2.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.35(s,1H),9.83(s,1H),8.76(s,1H),8.47(s,1H),8.32(d,J=9.3Hz,1H),8.01(s,2H),7.51(d,J=9.3Hz,1H),4.75-4.73(m,1H),4.63(d,J=6.1Hz,2H),4.37-4.34(m,1H),3.44-2.99(m,6H).
【0222】
実施例60:(R)-N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-2-(3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0223】
【化33】
DMSO(5mL)中の2-クロロ-N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(250mg、0.67mmol)の溶液に、TEA(0.279mL、2.01mmol)、tert-ブチル(R)-2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(23mg、0.20mmol)を添加し、反応物をN下、100℃で2時間撹拌した。反応物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を分離し、飽和NaCl溶液(100mL×3)でさらに洗浄し、真空中で濃縮した。残渣をメタノール(0~15%)でクロロホルムに溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。有機層を回収し、真空中で濃縮し、乾燥させることで、標題化合物であるtert-ブチル(R)-4-(6-((2-クロロ-4-シアノベンジル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50mg、0.12mmol、収率50%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=1.471分、MS m/z(ESI)[M+H]=553.3.
【0224】
(R)-4-(6-((2-クロロ-4-シアノベンジル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(270mg、0.49mmol)の溶液に、TFA(2mL、26.93mmol)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCO(100mL)に注ぎ、EtOAc(40mL×3)で抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させることで、実施例60(200mg、0.44mmol、収率90%)を黄色の油状物として得た。LCMS:RT=0.740分、MS m/z(ESI)[M+H]=453.0.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.78(s,1H),8.82(s,1H),8.52(d,J=8.2Hz,1H),8.34(s,1H),8.14(s,1H),7.87(d,J=8.0Hz,1H),7.57(d,J=8.0Hz,2H),5.08-5.06(m,1H),4.66-4.52(m,4H),3.59-3.51(m,2H),3.21-3.18(m,2H),2.98-2.88(m,4H).
【0225】
実施例59:(R)-N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-2-(3-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0226】
【化34】
DCM(1mL)中の(R)-N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-2-(3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(50mg、0.11mmol)の溶液に、ナトリウムビス(アセチルオキシ)酢酸ボラニル(69.86mg、0.33mmol)、ホルムアルデヒド(18.42mg、0.22mmol)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。反応物をEtOAc(30mL)および水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、真空中で濃縮した。残渣を、分取HPLCを用いて精製することで、実施例59(13.39mg、0.03mmol、収率26%)を淡黄色の固形物として得た。LCMS:RT=1.376分、MS m/z(ESI)[M+H]=467.2.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.73(s,1H),8.42(s,1H),8.28(d,J=9.4Hz,1H),8.21(s,1H),8.07(d,J=1.5Hz,1H),7.81(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),7.52(d,J=8.1Hz,1H),7.46(d,J=9.4Hz,1H),4.64(d,J=6.1Hz,2H),4.55-4.44(m,1H),4.37-4.35(m,1H),3.72-3.70(m,2H),3.42-3.40(m,1H),3.21-3.13(m,1H),2.98-2.83(m,2H),2.28(s,3H),2.24-2.20(m,1H),2.11-2.04(m,1H).
【0227】
実施例63:(R)-2-(4-アセチル-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル)-N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0228】
【化35】
DCM(3mL)中の(R)-N-(2-クロロ-4-シアノベンジル)-5-ヒドロキシ-2-(3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(70mg、0.15mmol)の溶液に、塩化アセチル(0.105mL、0.10mmol)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。反応物をEtOAc(30mL)および水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLCを用いて精製することで、実施例63(6.75mg、0.01mmol、収率9%)を淡黄色の固形物として得た。LCMS:RT=1.620分、MS m/z(ESI)[M+H]=495.2.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.77(s,1H),8.40-8.38(m,1H),8.30(d,J=8.9Hz,1H),8.26(s,1H),8.08(s,1H),7.81(d,J=8.3Hz,1H),7.52(d,J=8.0Hz,1H),7.46-7.44(m,1H),4.86-4.84(m,1H),4.65-4.63(m,2H),4.55-4.47(m,2H),4.35-4.33(m,2H),4.07-4.05(m,1H),3.30-3.78(m,1H),3.50(d,J=7.1Hz,2H),3.00-2.96(m,1H),2.09(d,J=14.9Hz,3H).
【0229】
実施例72:N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(4-(3-ヒドロキシプロパノイル)ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0230】
【化36】
DCM(4mL)中のN-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(50mg、0.13mmol)の溶液に、3-ヒドロキシプロパン酸(0.011mL、0.13mmol)、HATU(73.23mg、0.19mmol)、およびDIEA(0.064mL、0.39mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCl(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製することで、実施例72(7.07mg、0.02mmol、収率12%)を淡黄色の固形物として得た。LCMS:RT=1.420分、MS m/z(ESI)[M+H]=462.1.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.37(s,1H),9.77(t,J=6.1Hz,1H),8.76(s,1H),8.45(s,1H),8.29(d,J=9.4Hz,1H),8.00(s,2H),7.50(d,J=9.5Hz,1H),4.63(d,J=6.2Hz,2H),4.55(d,J=5.3Hz,1H),3.84-3.81(m,4H),3.69-3.66(m,6H),2.57-2.55(m,2H).
【0231】
実施例73:N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(4-(3-メトキシプロパノイル)ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0232】
【化37】
DCM(4mL)中のN-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(ピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド(50mg、0.13mmol)の溶液に、3-ヒドロキシプロパン酸(0.011mL、0.13mmol)、HATU(73.23mg、0.19mmol)、およびDIEA(0.064mL、0.39mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCl(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、分取HPLCを用いて精製することで、実施例73(6.18mg、0.01mmol、収率6%)を白色固形物として得た。LCMS:RT=1.505分、MS m/z(ESI)[M+H]=476.2.H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.37(s,1H),9.77(t,J=6.3Hz,1H),8.76(s,1H),8.45(s,1H),8.29(d,J=9.4Hz,1H),8.00(d,J=1.2Hz,2H),7.50(d,J=9.5Hz,1H),4.63(d,J=6.3Hz,2H),3.83-3.81(m,4H),3.65-3.56(m,6H),3.24(s,3H),2.64(t,J=6.6Hz,2H).
【0233】
実施例85:N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(2-オキソモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの結合
【0234】
【化38】
DMSO(5mL)中の中間体B(150mg、0.44mmol)の溶液に、エチル(2-ヒドロキシエチル)グリシネート(195mg、1.32mmol)およびTEA(222mg、2.2mmol)を添加し、反応物を100℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、分取TLCによって精製することで、実施例85(19.20mg、11%)を得た。
【0235】
実施例85:LCMS:405.1[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.41(s,1H),9.79(s,1H),8.76(s,1H),8.52(s,1H),8.36(d,J=9.3Hz,1H),8.00(d,J=1.4Hz,2H),7.39(d,J=9.4Hz,1H),4.70-4.54(m,6H),4.00-3.88(m,2H).
【0236】
実施例124:2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0237】
【化39】
実施例123の溶液(100mg、0.198mmol)に、ギ酸(3mL、0.225mmol)を添加し、反応物を25℃で3時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製することで、実施例124(34.39mg、43%)を得た。LCMS:404.3[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.03(s,1H),8.76(s,1H),8.38(s,1H),8.35(s,1H),8.25(s,1H),8.01-7.97(m,2H),7.47(d,J=9.5Hz,1H),4.63(d,J=5.4Hz,2H),4.57(d,J=13.5Hz,2H),3.25-3.17(m,1H),3.10(t,J=11.9Hz,2H),1.96(d,J=12.5Hz,2H),1.45-1.42(m,2H).
【0238】
実施例126:(S)-2-(3-アミノピロリジン-1-イル)-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0239】
【化40】
実施例125の溶液(110mg、0.225mmol)にギ酸(3mL、0.225mmol)を添加し、反応物を25℃で3時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製することで、実施例126(22.01mg、24%)を得た。LCMS:390.5[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.83(s,1H),8.76(s,1H),8.37(d,J=18.9Hz,2H),8.25(d,J=9.2Hz,1H),8.00(s,2H),7.08(d,J=9.1Hz,1H),4.64(d,J=4.8Hz,2H),3.81-3.69(m,4H),3.65-3.62(m,1H),2.23-2.21(m,1H),1.99-1.97(m,1H).
【0240】
実施例15:(6-シアノピリジン-3-イル)メチル(R)-5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキシレートの合成
【0241】
【化41】
DMF(3mL)中の5-(ブロモメチル)ピコリノニトリル(100mg、0.51mmol)の溶液に、カルボン酸(155.23mg、0.56mmol、実施例3と同様の手順により得られた)、NaHCO(94.74mg、1.13mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応物をHO(30mL)で希釈し、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaCl水溶液(30mL×3)で洗浄し、乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLによって精製することで、実施例15(4.1mg、2%)を得た。LCMS:392.0[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.90(s,1H),8.32-8.08(m,5H),7.14-6.91(m,1H),5.52-5.50(m,2H),5.03-5.01(m,1H),4.45-4.43(m,1H),3.63-3.61(m,4H),2.03-2.01(m,3H).
【0242】
実施例102:N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-2-(2-オキソピペラジン-1-イル)-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0243】
【化42】
HCl/EA(3M、2mL)中の実施例101(150mg、0.298mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製することで、実施例102(24.15mg、19%)を得た。LCMS:404.2[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.61(s,1H),10.00(s,1H),9.65(s,2H),8.80(d,J=15.4Hz,2H),8.70(d,J=9.3Hz,1H),8.36(d,J=9.2Hz,1H),8.02(d,J=1.4Hz,2H),4.68(d,J=6.2Hz,2H),4.43-4.23(m,2H),4.05(s,2H),3.67-3.50(m,2H).
【0244】
実施例128:2-(3-アミノアゼチジン-1-イル)-N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミド
【0245】
【化43】
HCl/EA(3M、5mL)中の実施例127(28mg、0.059mmol)の混合物を室温で1時間撹拌し、反応物を真空中で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製することで、実施例128(29.91mg、38%)を得た。LCMS:376[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.77(s,1H),8.76(s,1H),8.41(s,1H),8.23(d,J=9.0Hz,1H),8.00(s,2H),6.92(d,J=9.1Hz,1H),4.63(d,J=6.4Hz,2H),4.33(t,J=8.1Hz,2H),3.93-3.85(m,1H),3.82-3.73(m,2H).
【0246】
実施例134:tert-ブチル4-(6-(((5-シアノピラジン-2-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの合成
【0247】
【化44】
DMF(2mL)中のtert-ブチル4-(6-(((5-クロロピラジン-2-イル)メチル)カルバモイル)-5-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(150mg、0.300mmol、一般的な手順Dで得られた)の溶液に、Zn(CN)(35.23mg、0.300mmol)、Pd(dppf)Cl(43.91mg、0.060mmol)を添加し、反応物をN下、130℃で16時間撹拌した。反応物を水(50mL)に注ぎ、EA(30mL×3)で抽出した。有機層をNaCl水溶液(30mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製することで、実施例134(8.28mg、5%)を得た。LCMS:491.2[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.29(s,1H),9.66-9.65(m,1H),9.18(d,J=1.2Hz,1H),8.88(s,1H),8.46(s,1H),8.30(d,J=9.4Hz,1H),7.49(d,J=9.4Hz,1H),4.81(d,J=6.0Hz,2H),3.83-3.81(m,4H),3.49-3.46(m,4H),1.44(s,9H).
【0248】
実施例163:N-((6-シアノピリジン-3-イル)メチル)-5-メトキシ-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0249】
【化45】
アセトン(2mL)中の実施例10の溶液(100mg、0.256mmol)に、MeI(360mg、2.536mmol)およびKCO(180mg、1.302mmol)を添加し、反応物を50℃まで2時間加熱し、溶液を水(10mL)で希釈し、EA(5mL×3)で抽出し、EA層を合わせ、ブライン(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製することで、実施例163(3.76mg、4%)を得た。LCMS:405[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.84(s,1H),8.76(s,1H),8.35(d,J=9.4Hz,1H),8.13(s,1H),8.01(s,2H),7.42(d,J=9.3Hz,1H),4.64(d,J=5.9Hz,2H),4.47(s,3H),3.75-3.72(m,8H).
【0250】
実施例40:5-ヒドロキシ-N-((6-ヒドロキシピリジン-3-イル)メチル)-2-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-6-カルボキサミドの合成
【0251】
【化46】
アセトニトリル(5.0mL)中の実施例34の溶液(129mg、0.33mmol)に、ヨードトリメチルシラン(0.14mL、1.00mmol)を添加した。得られた混合物を80℃で18時間撹拌した。残渣を分取HPLCによって精製することで、実施例40(50.95mg、41%)を得た。LCMS:382.0[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.60(s,1H),11.48(s,1H),9.47(t,J=6.1Hz,1H),8.41(s,1H),8.28(d,J=9.4Hz,1H),7.51(dd,J=9.5,2.6Hz,1H),7.48(d,J=9.5Hz,1H),7.33(d,J=2.1Hz,1H),6.32(d,J=9.4Hz,1H),4.24(d,J=6.3Hz,2H),3.75(s,4H),3.73(s,4H).
【0252】
以下の化合物は、以下の表2に示す一般的な手順に従って作製した。
【0253】
【表2-1】
【0254】
【表2-2】
【0255】
【表2-3】
【0256】
生物学的な実施例
実施例A:PHD2酵素アッセイの手順
化合物DMSOストック調製:すべての化合物をDMSOによって20mMストック中に再溶解(reconstitute)した。
【0257】
化合物の保存:DMSO中のすべての化合物を、短期保存(最大3か月)のためにデシケーター中、室温で保存した。残留(leftover)化合物を-20℃で長期保存した。
【0258】
作業ストックの調製:
・参照Roxadustat(FG-4592)を、DMSO中、400μMから10用量にわたって3倍段階希釈した。
・化合物を、DMSO中、400μMから10用量にわたって3倍段階希釈した。
・200×陽性対照(400μM、FG-4592)、および200×溶媒対照(100%DMSO)を調製した。
・化合物プレートを1000rpmで1分間遠心分離した。
【0259】
化合物のスクリーニング:
・a)40nlの化合物希釈物を、Echo 655を使用してアッセイプレートの各ウェルに移した。
・b)アッセイプレートを密封し、化合物プレートを1000rpmで1分間遠心分離する。
・c)4μLの2xPHD2酵素作業溶液を調製し、アッセイプレートの個々のウェルに添加する。
・d)アッセイプレートを密封し、化合物プレートを1000rpmで1分間遠心分離する。プレートを室温で30分間インキュベートする。
・e)4μLの2xPHD2基質作業溶液を調製し、アッセイプレートの各ウェルに添加する。
・f)4μLの4x停止液を調製し、アッセイプレートの各ウェルに添加した。
・g)AlphaScreen Streptavidin Donorビーズ、AlphaScreen Protein A Acceptorビーズ、およびHydroxy-HIF-1α(Pro564)(D43B5)XP(登録商標)Rabbit mAbで4x検出液を調製した。
・h)アッセイプレートの各ウェルに4μLの4x検出液を添加した。工程dを再度行う。
・i)Envision HTSプレートリーダーでAlphascreen信号を読み取る。
【0260】
データ分析
ALPHASCREEN信号(ALPcmpd)を、各ウェルについて計算する
2.2 阻害%を次のように計算する。
【0261】
【数1】
【0262】
【数2】
:プレート全体の陽性対照の平均ALP。
【0263】
【数3】
:プレート全体の陰性対照の平均ALP。
2.3 IC50の計算、および化合物の効果―用量曲線のプロット。
Graphpad 8.0で阻害値%および化合物濃度の対数を非線形回帰(用量応答-可変勾配)に当てはめてIC50を計算した。
Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))
X:阻害剤濃度の対数、Y:阻害率%。
【0264】
実施例C:Caco-2 HIF1α-HiBiTのアッセイ
細胞:Caco2-HIF1α-HiBiT-クローン-1細胞。
【0265】
培地:EMEMは、Caco-2に対して20%FBS、1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含有
【0266】
細胞継代手順
・75%エタノールで安全キャビネット(bio-safety cabinet)の作業面を洗浄し、キャビネットを使用する前に約5分経過させる。
・細胞培地を吸引し、細胞層を5mLのDPBSで静かに2回すすぐ。次いで、DPBSを削除する。
・フラスコに、2mlの0.25%トリプシンを添加し、37℃、5%COのインキュベータで2分間置く。
・2分間のトリプシン処理後、トリプシンを10mlの細胞培地でクエンチした。
・細胞を上下に静かにピペッティングし、細胞かたま塊を解離させ、細胞懸濁液を15mlチューブに移した。
・セルカウンタを使用してセル密度を確認した。
・細胞懸濁液を培地で希釈し、2.0*106個の細胞をT75フラスコに移す。
・細胞を特定の湿度下、37℃、5%COのインキュベータで3日間維持した。
【0267】
細胞のプレーティング(1日目)
・プレート培地(plating medium)を調製した。
・細胞培地を吸引した。細胞を10mLのPBSで静かに洗浄し、PBSを除去する。細胞を3mLの0.25%トリプシンで解離させ、10mLの細胞培地で消化を終了させる。
・セルカウンタで細胞密度を測定した。
・Caco-2-HIF1α-HiBiT-クローン-1細胞を、384ウェルプレート(Corning-3765)に20μlの培地内でウェルあたり5.5k細胞の密度でプレーティングした。細胞をインキュベータ内で一晩維持する。
【0268】
化合物処置(3日目)
・化合物ストック溶液をDMSOに溶解し、細胞培地で段階希釈を行うことで作業濃度を達成した。
・所望の濃度の異なる化合物を含む20μLの培地をウェルごとに添加することで、最終化合物濃度を達成した。
・細胞を37℃、5%COのインキュベータで6時間インキュベートした。
【0269】
検出(3日目)
・調製した2x検出溶液:LgBiTタンパク質、およびNano-Glo(登録商標)HiBiT Lytic基質1:2:100を、新しいチューブ内で適切な量の室温Nano-Glo(登録商標)HiBiT Lytic緩衝液に希釈する。
・調製した1x検出液:等量のPBSを2x検出液に添加して1x検出液を調製する。
・細胞をPBSで洗浄し、30ulの1x溶液をウェルに添加し、混合する。
・ライセート中のLgBiT およびHiBiTの平衡化を少なくとも10分間待った。Envisionを使用して発光を測定した。
【0270】
実施例AおよびCのデータを表3に示す。
【0271】
【表3-1】
【0272】
【表3-2】
【0273】
【表3-3】
【国際調査報告】