(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ポリエステル組成物からジアルキルテレフタレートを回収するための方法
(51)【国際特許分類】
C07C 67/03 20060101AFI20241024BHJP
C08J 11/24 20060101ALI20241024BHJP
C07C 69/82 20060101ALI20241024BHJP
C07C 67/56 20060101ALI20241024BHJP
B01J 23/04 20060101ALI20241024BHJP
B01J 23/02 20060101ALI20241024BHJP
B01J 23/16 20060101ALI20241024BHJP
B01J 29/04 20060101ALI20241024BHJP
B01J 31/02 20060101ALI20241024BHJP
B01J 31/12 20060101ALI20241024BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20241024BHJP
【FI】
C07C67/03
C08J11/24 ZAB
C07C69/82
C07C67/56
B01J23/04 Z
B01J23/02 Z
B01J23/16 Z
B01J29/04 Z
B01J31/02 Z
B01J31/12 Z
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524630
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022047650
(87)【国際公開番号】W WO2023076212
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】バーニッキ,スコット・ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ウェスト,ネイサン・ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,ピングァン
【テーマコード(参考)】
4F401
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4F401AA02
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA11
4F401AA13
4F401AA15
4F401AA17
4F401AA22
4F401AA23
4F401AA24
4F401AB01
4F401AB05
4F401AB07
4F401BA06
4F401CA22
4F401CA67
4F401CA68
4F401CA75
4F401CA88
4F401CA90
4F401CB01
4F401CB14
4F401EA07
4F401EA34
4F401EA54
4F401EA59
4F401EA60
4F401EA77
4F401FA01Z
4F401FA02Z
4F401FA06Z
4F401FA07Z
4G169AA08
4G169BA07A
4G169BA10A
4G169BA21A
4G169BA27A
4G169BB05A
4G169BB16A
4G169BC02A
4G169BC03A
4G169BC04A
4G169BC06A
4G169BC09A
4G169BC10A
4G169BC22A
4G169BC35A
4G169BC50A
4G169BC51A
4G169BC62A
4G169BE01A
4G169BE06A
4G169BE08A
4G169BE11A
4G169CB35
4H006AA02
4H006AB84
4H006AC48
4H006AC91
4H006AD17
4H006BA69
4H006BB14
4H006BC10
4H006BC11
4H006BE11
4H006BE12
4H006BJ50
4H006BN10
4H006KA03
4H039CA66
4H039CL30
(57)【要約】
ジアルキルテレフタレートを回収するための方法。方法は、ポリエステル組成物を解重合条件まで1種以上のグリコールに曝露し、それにより1種以上の解重合生成物を用意するステップを含んでもよい。1種以上のグリコールとしては、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはこれらの組合せを挙げることができる。1種以上の解重合生成物をアルコリシスプロセスに曝露して、ジアルキルテレフタレートを回収することができる。任意選択で、解重合プロセスから生成されたエチレングリコール(EG)を回収し、後続のジアルキルテレフタレート回収または他のプロセスで再使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法であって、ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露して第1の混合物を用意するステップであり、第1の混合物が、1種以上の解重合生成物;エチレングリコール(EG);および1種以上の不溶性成分を含み、解重合条件が、約120℃~約260℃の範囲の温度、約0.013atm(0.2psig)~約10.2atm(150psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約10時間の範囲の期間を含み、第1のグリコール組成物が、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せを含むステップ;反応容器中で、ポリエステル組成物を第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露する間に、反応容器からEGの少なくとも一部を除去するステップ;第1の混合物の第1の液体成分の少なくとも一部を、アルコリシス条件下で1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露して第2の混合物を用意するステップであり、第2の混合物が1種以上のジアルキルテレフタレートを含む固体成分および第2の液体成分を含み、アルコリシス条件が、約25℃~約90℃の範囲の温度、約1atm(14.7psig)~約2atm(30psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約5時間の範囲の期間を含むステップ;ならびに1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を、固液分離によって第2の混合物から分離するステップを含む、方法。
【請求項2】
反応容器中でポリエステル組成物を第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露する間に溶媒が存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
溶媒が、100℃~250℃の沸点を有するC7~C16炭化水素である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
解重合条件が、0.013atm(0.2psig)~約1atm(14.7psig)の圧力を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露する間に、第1のグリコール組成物とポリエステル組成物との重量比が約1:9~約9:1の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1のグリコール組成物がEGをさらに含み、EGとジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せとの重量比が約99:1~約0:100の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
溶媒が、トルエン、キシレン、isopar C、isopar E、isopar G、isopar H、isopar L、isopar M、またはそれらの組合せである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
ポリエステル組成物が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)変性PET、イソフタル酸(IPA)変性PET、ジエチレングリコール(DEG)変性PET、ネオペンチルグリコール(NPG)変性PET、プロパンジオール(PDO)変性PET、ブタンジオール(BDO)変性PET、ヘキサンジオール(HDO)変性PET、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)変性PET、イソソルビド変性PET、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)変性PET、ポリ(エチレングリコール)(PEG)変性PET、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)含有コポリエステル、イソソルビド含有コポリエステル、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ポリエステル組成物が1種以上の異物を含み、1種以上の異物が、ポリエステル組成物中の1種以上のポリエステルの重量に対して0.01wt.%~50wt.%の量でポリエステル組成物中に存在し、1種以上の異物が、ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、綿、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スパンデックス、天然繊維、セルロースエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ナイロン、ポリ(乳酸)、ポリジメチルシロキサン、ポリシラン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、無機充填剤、色素、顔料、カラートナー、着色剤、可塑剤、接着剤、難燃剤、金属、アルミニウム、および鉄からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
固体成分中の1種以上のジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレート(DMT)を含み、DMTが少なくとも90%の純度である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
1種以上のグリコリシス触媒が、Li
2CO
3、K
2CO
3、CaCO
3、Na
2CO
3、Cs
2CO
3、ZrCO3、LiOH、NaOH、KOH、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、マグネシウムメトキシド(Mg(OMe)
2、カリウムt-ブトキシド、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac)
2)、酢酸亜鉛(Zn(OAc)
2)、酢酸マンガン(II)(Mn(OAc)
2)、ハイドロタルサイト、ゼオライトおよび塩化リチウムからなる群から選択されるメンバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1の混合物の第1の液体成分の少なくとも一部を1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露する前に、第1の混合物の第1の液体成分から1種以上の不溶性成分の少なくとも一部を分離するステップであって、異物の少なくとも一部が1種以上の不溶性成分中に存在するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
1種以上のアルコールがメタノールを含み、アルコリシス触媒が、ポリエステル組成物の重量に対して0.1wt.%~20wt.%の量で存在し、アルコリシス触媒が、K
2CO
3、Na
2CO
3、Li
2CO
3、Cs
2CO
3;KOH、LiOH、NaOH;NaOMe、Mg(OMe)
2、KOMe、KOt-Bu、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1のグリコール組成物の少なくとも一部を第2の液体成分から分離してリサイクルグリコール組成物を形成するステップ;およびリサイクルグリコール組成物の存在下で、第2のポリエステル組成物中の1種以上のポリエステルを解重合するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法であって、ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露して第1の混合物を用意するステップであり、第1の混合物が、第1の液体成分および1種以上の不溶性成分を含み、第1のグリコール組成物が、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せを含み、第1の液体成分が、1種以上の解重合生成物およびエチレングリコール(EG)を含み、解重合条件が、約120℃~約260℃の範囲の温度、約0.013atm(0.2psig)~約10.2atm(150psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約10時間の範囲の期間を含むステップ;第1の液体成分の少なくとも一部を、アルコリシス反応容器中で、アルコリシス条件下で1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露して第2の混合物を用意するステップであり、第2の混合物が、1種以上のジアルキルテレフタレートを含む固体成分および第2の液体成分を含み、アルコリシス条件が、約25℃~約90℃の範囲の温度、約1atm(14.7psig)~約2atm(30psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約5時間の範囲の期間を含むステップ;第2の混合物から1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を分離するステップ;ならびに第2の液体成分の少なくとも一部を蒸留条件に曝露してEGの少なくとも一部を分離し、リサイクルグリコール組成物を用意するステップであり、リサイクルグリコール組成物が第1のグリコール組成物の少なくとも一部を含むステップを含む、方法。
【請求項16】
ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露して第1の混合物を用意する間に、第1のグリコール組成物とポリエステル組成物との重量比が約1:9~約9:1の範囲である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
固体成分中の1種以上のジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレート(DMT)を含み、DMTが少なくとも90%の純度である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
ポリエステル組成物が、ポリエステル組成物中の1種以上のポリエステルの重量に対して0.01wt.%~50wt.%の量で1種以上の異物を含み、1種以上の異物が、ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、綿、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スパンデックス、天然繊維、セルロースエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ナイロン、ポリ(乳酸)、ポリジメチルシロキサン、ポリシラン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、無機充填剤、色素、顔料、カラートナー、着色剤、可塑剤、接着剤、難燃剤、金属、アルミニウム、および鉄からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
第1の液体成分の少なくとも一部を1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露する前に、第1の混合物の第1の液体成分から1種以上の不溶性成分の少なくとも一部を分離するステップであって、異物の少なくとも一部が1種以上の不溶性成分中に存在するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第2の液体成分の少なくとも一部を蒸留条件に曝露してEGの少なくとも一部を分離するステップがリサイクルアルコール組成物をさらにもたらし、方法が、リサイクルアルコール組成物の少なくとも一部をアルコリシス反応容器に供給するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリエステル組成物をリサイクルするための方法に関する。より詳細には、本開示は、ポリエステル組成物からジアルキルテレフタレートを回収することに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の従来のシステムは、ポリエステルをリサイクルする試みにおいて、グリコリシスおよび/またはメタノリシスプロセスを利用する場合がある。しかし、特定の従来のグリコリシスおよび/またはメタノリシスプロセスは、後続の生産プロセス、例えば、リサイクルされたポリエステルまたは他の組成物を作製する生産プロセスで使用するために好適な生成物に到達するために、実質的な量の資源およびエネルギーを必要とする場合がある。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法が提供される。方法は、ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露して第1の混合物を用意するステップであって、第1の混合物が、1種以上の解重合生成物;エチレングリコール(EG);および1種以上の不溶性成分を含むステップを含んでもよい。解重合条件は、約120℃~約260℃の範囲の温度、約0.013atm(0.2psig)~約10.2atm(150psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約10時間の範囲の期間を含む。第1のグリコール組成物は、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せを含む。方法は、反応容器中で、ポリエステル組成物を第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露する間に、反応容器からEGの少なくとも一部を除去するステップをさらに含む。方法はまた、第1の混合物の第1の液体成分の少なくとも一部を、アルコリシス条件下で1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露して第2の混合物を用意するステップであって、第2の混合物が、1種以上のジアルキルテレフタレートを含む固体成分および第2の液体成分を含むステップを含んでもよい。アルコリシス条件は、約25℃~約90℃の範囲の温度、約1atm(14.7psig)~約2atm(30psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約5時間の範囲の期間を含む。方法はまた、固液分離によって第2の混合物から1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を分離するステップを含んでもよい。
【0004】
別の態様では、ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法が提供される。方法は、ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露して第1の混合物を用意するステップであって、第1の混合物が第1の液体成分および1種以上の不溶性成分を含むステップを含んでもよい。第1のグリコール組成物は、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せを含む。第1の液体成分は、1種以上の解重合生成物およびエチレングリコール(EG)を含み、解重合条件は、約120℃~約260℃の範囲の温度、約0.013atm(0.2psig)~約10.2atm(150psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約10時間の範囲の期間を含む。方法はまた、第1の液体成分の少なくとも一部を、アルコリシス反応容器中で、アルコリシス条件下で1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露して第2の混合物を用意するステップであって、第2の混合物が、1種以上のジアルキルテレフタレートを含む固体成分および第2の液体成分を含むステップを含んでもよい。アルコリシス条件は、約25℃~約90℃の範囲の温度、約1atm(14.7psig)~約2atm(30psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約5時間の範囲の期間を含む。方法はまた、第2の混合物から1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を分離するステップ;および第2の液体成分の少なくとも一部を蒸留条件に曝露してEGの少なくとも一部を分離し、リサイクルグリコール組成物を用意するステップであって、リサイクルグリコール組成物が第1のグリコール組成物の少なくとも一部を含むステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の態様によるポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための例示的なシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概要
本開示は、本開示の特定の態様および実施例の以下の詳細な説明を参照することによってさらに容易に理解され得る。本開示の目的に従い、本開示の特定の態様は、発明の概要に記載され、以下で本明細書にさらに記載される。また、本開示の他の態様も本明細書に記載される。
【0007】
本明細書における態様は、ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法に関する。本明細書に記載されるように、例示的な方法は、ポリエステル組成物を解重合条件下で1種以上のグリコールに曝露して1種以上の解重合生成物を作製し、次いでこれをアルコリシスプロセスに曝露してジアルキルテレフタレートを回収するステップを含んでもよい。
【0008】
上記で考察したように、特定の従来のグリコリシスおよび/またはメタノリシスプロセスは、後続の生産プロセス、例えば、リサイクルされたポリエステルまたは他の組成物を作製するための生産プロセスで使用するのに好適な生成物に到達するために、実質的な量の資源およびエネルギーを必要とする場合がある。
【0009】
本明細書に開示される方法およびシステムは、上記の問題の1つ以上を軽減することができる。例えば、特定の態様では、本明細書に開示される方法は、ポリエステル組成物を1種以上のグリコールによる解重合条件に曝露して、1種以上の解重合生成物を用意するステップを含んでもよい。種々の態様では、1種以上の解重合生成物は、モノマー、オリゴマー、またはそれらの組合せを含んでもよい。態様では、1種以上の解重合生成物をアルコリシス条件に曝露して、高収率および高純度のジアルキルテレフタレート生成物を得ることができる。本明細書で考察されるように、アルコリシス条件は、特定の従来のシステムと比較して低下した温度を含み、これは、必要とされる全体的なエネルギーおよび資源を低減する。
【0010】
ポリエステル組成物
上記で考察されたように、本明細書に記載の方法は、ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収することに関する。用語「ポリエステル」は、1種以上の二官能性カルボン酸および/または多官能性カルボン酸と、1種以上の二官能性ヒドロキシル化合物および/または多官能性ヒドロキシル化合物との反応によって調製される合成ポリマーを指してもよい。二官能性カルボン酸はジカルボン酸であってもよく、二官能性ヒドロキシル化合物は、例えばグリコールなどの二価アルコールであってもよい。さらに、本明細書で使用される場合、用語「二酸」または「ジカルボン酸」は、分岐剤などの多官能性酸を含む。本明細書で使用される場合、用語「グリコール」または「ジオール」は、ジオール、グリコール、および/または多官能性ヒドロキシル化合物を含むがこれらに限定されない。ジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマーまたはその関連する酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物、またはそれらの混合物に由来してもよい。したがって、本明細書で使用される場合、用語ジカルボン酸は、ジカルボン酸、およびポリエステルを作成するためのジオールとの反応プロセスで有用な、その関連する酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、またはそれらの混合物を含むジカルボン酸の任意の誘導体を含むことを意図する。本明細書で使用される場合、用語「ポリエステル」は、コポリエステルも指すことが理解されるべきである。
【0011】
本明細書で使用される場合、用語「残基」は、ポリマー、オリゴマー、またはダイマー中のモノマー単位または繰り返し単位を指す。例えば、ポリマーは、以下のモノマー:テレフタル酸(「TPA」)とシクロヘキシル-1,4-ジメタノール(「CHDM」)の縮合から作成されてもよい。縮合反応により水分子が失われる。得られるポリマー中の残基は、テレフタル酸またはシクロヘキシル-1,4-ジメタノールのいずれかに由来する。以下の式(I)に、ポリエステルの非限定的な例を示す。
【0012】
【0013】
態様では、ポリエステル組成物は、ASTM D2857-70に従って決定して約0.1dL/g~約1.2dL/g、ASTM D2857-70に従って決定して約0.2dL/g~約1.2dL/g、ASTM D2857-70に従って決定して約0.3dL/g~約1.2dL/g、またはASTM D2857-70に従って決定して約0.4dL/g~約1.2dL/gの固有粘度を示す。
【0014】
態様では、ポリエステル組成物は1種以上のポリエステルを含んでもよい。種々の態様では、1種以上のポリエステルはテレフタレートポリエステルを含んでもよい。テレフタレートポリエステルは、テレフタル酸の残基、またはコポリエステルを作成するためのジオールとの反応プロセスで有用な、その関連する酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、および/またはそれらの混合物またはそれらの残基を含むテレフタル酸の任意の誘導体の残基を含むポリエステルである。種々の態様では、ポリエステル組成物は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含んでもよい。1つ以上の態様では、ポリエステル組成物は、グリコール変性PETを含んでもよい。特定の態様では、ポリエステル組成物は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)変性PET、イソフタル酸(IPA)変性PET、ジエチレングリコール(DEG)変性PET、グリコール変性PET、ネオペンチルグリコール(NPG)変性PET、プロパンジオール(PDO)変性PET、ブタンジオール(BDO)変性PET、ヘキサンジオール(heaxanediol)(HDO)変性PET、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)変性PET、イソソルビド変性PET、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)含有コポリエステル、イソソルビド含有コポリエステル、またはこれらの組合せを含んでもよい。
【0015】
種々の態様では、ポリエステル組成物はCHDMを含んでもよい。一態様では、ポリエステル組成物は、約0モル%~約100モル%のCHDM、約1モル%~約100モル%のCHDM、約1モル%~約90モル%のCHDM、約1モル%~約80モル%のCHDM、約1モル%~約70%のCHDM、約1モル%~約60モル%のCHDM、約1モル%~約50モル%のCHDM、約1モル%~約40モル%のCHDM、約1モル%~約35モル%のCHDM、約1モル%~約30モル%のCHDM、約1モル%~約25モル%のCHDM、約1モル%~約20モル%のCHDM、約1モル%~約10モル%のCHDM、または約1モル%~約5モル%のCHDMを含んでもよい。態様では、CHDMのモル%は、ポリエステル組成物中のすべてのジオール等価物に対するCHDMのモル%を指す。種々の態様では、ポリエステル組成物はDEGを含んでもよい。態様では、ポリエステル組成物は、約0モル%~約100モル%のDEG、約1モル%~約100モル%のDEG、約1モル%~約90モル%のDEG、約1モル%~約80モル%のDEG、約1モル%~約70モル%のDEG、約1モル%~約60モル%のDEG、約1モル%~約50モル%のDEG、約1モル%~約40モル%のDEG、約1モル%~約35モル%のDEG、約1モル%~約30モル%のDEG、約1モル%~約20モル%のDEG、約1モル%~約10モル%のDEG、約1モル%~約5モル%のDEG、または約1モル%~約3モル%のDEGを含んでもよい。態様では、DEGのモル%は、ポリエステル組成物中のすべてのジオール等価物に対するDEGのモル%を指す。態様では、ポリエステル組成物はイソフタル酸を含んでもよい。態様では、ポリエステル組成物は、約0モル%~約30モル%のイソフタル酸、約1モル%~約30モル%のイソフタル酸、約1モル%~約25モル%のイソフタル酸、約1モル%~約20モル%のイソフタル酸、約1モル%~約15モル%のイソフタル酸、約1モル%~約10モル%のイソフタル酸、約1モル%~約7.5モル%のイソフタル酸、約1モル%~約5モル%のイソフタル酸、約1モル%~約3モル%のイソフタル酸、約10モル%以下のイソフタル酸、約7.5モル%以下のイソフタル酸、約5モル%以下のイソフタル酸、または約3モル%以下のイソフタル酸を含んでもよい。態様では、イソフタル酸のモル%は、ポリエステル組成物中の全二酸等価物に対するイソフタル酸のモル%を指す。特定の態様では、ポリエステル組成物は、約0モル%~約100モル%のCHDM、約0モル%~約100モル%のDEG、約0モル%~約30モル%のイソフタル酸、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、ポリエステル組成物は、約1モル%~約100モル%のCHDM、約1モル%~約100モル%のDEG、約1モル%~約30モル%のイソフタル酸、またはそれらの組合せを含んでもよい。種々の態様では、ポリエステル組成物は、他のグリコール、例えば上述したもの以外を含んでもよい。例えば、態様では、ポリエステル組成物は、これらに限定されないが、ネオペンチルグリコール(NPG)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ブタンジオール(BDO)、プロパンジオール(PDO)、ヘキサンジオール(HDO)、イソソルビド、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、ポリ(エチレン)グリコール(PEG)、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、NPG、MPジオール、BDO、PDO、HDO、イソソルビド、PTMGおよびPEGのそれぞれは、0モル%~約100モル%、約1モル%~約100モル%、約1モル%~約90モル%、約1モル%~約80モル%、約1モル%~約70モル%、約1モル%~約60モル%、約1モル%~約50モル%、約1モル%~約40モル%、約1モル%~約35モル%、約1モル%~約30モル%、約1モル%~約25モル%、約1モル%~約20モル%、約1モル%~約10モル%、または約1モル%~約5モル%の量でポリエステル組成物中に存在してもよい。態様では、NPG、MPジオール、BDO、PDO、HDO、イソソルビド、PTMG、およびPEGのそれぞれのモル%は、ポリエステル組成物中の全ジオール等価物に対するNPG、MPジオール、BDO、PDO、HDO、イソソルビド、PTMG、およびPEGのそれぞれのモル%をそれぞれ指す。種々の態様では、ポリエステル組成物は、CHDM、DEG、NPG、MPジオール、BDO、PDO、HDO、イソソルビド、PTMG、PEG、イソフタル酸、またはそれらの組合せを含んでもよく、各成分は、この段落に記載されるそのような成分についての量のいずれかで存在する。
【0016】
態様では、ポリエステル組成物またはポリエステル組成物中に存在する1種以上のポリエステルは、リサイクルされたポリエステルであってもよい。種々の態様では、リサイクルされたポリエステルは、製造スクラップ、産業廃棄物、消費財廃棄物、またはそれらの組合せとして回収された材料を含んでもよい。態様では、リサイクルされたポリエステルは、使用および/または廃棄された既使用製品であってもよい。態様では、ポリエステル組成物および/またはリサイクルされたポリエステルは、織物、カーペット、熱成形材料、ボトル、ペレット、およびフィルムを含むがこれらに限定されない種々の供給源から、および/または種々の形態で得られてもよい。1つ以上の態様では、ポリエステル組成物は、再生ポリエステル、例えば、本明細書に記載の方法などの先行するDMT回収方法から回収されたDMTから形成されたポリエステルを含んでもよい。
【0017】
種々の態様では、ポリエステル組成物は1種以上の異物を含んでもよい。態様では、1種以上の異物は、これらに限定されないが、ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、綿、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スパンデックス、天然繊維、セルロースエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ナイロン、ポリ(乳酸)、ポリジメチルシロキサン、ポリシラン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、無機充填剤、色素、顔料、カラートナー、着色剤、可塑剤、接着剤、難燃剤、金属、アルミニウムおよび鉄、またはそれらの組合せを含んでもよい。種々の態様では、1種以上の異物は、ポリエステル組成物中の1種以上のポリエステルの重量に対して約0.01wt.%~約50wt.%、約0.01wt.%~約40wt.%、約0.01wt.%~約30wt.%、約0.01wt.%~約20wt.%、約0.01wt.%~約15wt.%、約0.01wt.%~約10wt.%、約0.01wt.%~約7.5wt.%、約0.01wt.%~約5wt.%、約0.01wt.%~約2.5wt.%、約0.01wt.%~約1.0wt.%の量でポリエステル組成物中に存在してもよい。
【0018】
態様では、ポリエステル組成物は、固体形態、液体形態、溶融形態、または溶液であってもよい。特定の態様では、溶液は、溶媒、例えばDMT、EG、DEG、TEG、またはそれらの組合せに予め溶解されたポリエステル組成物を含んでもよい。
【0019】
ポリエステル組成物の任意選択の前処理
特定の態様では、グリコリシスおよび/またはメタノリシスの前に、ポリエステル組成物の任意選択の処理が実施されてもよい。種々の態様では、任意選択の前処理は、ポリエステル組成物から任意の異物の一部を除去するのを助ける、および/または混合フィードストック、例えば、上記で考察した異物を含むフィードストックから1種以上のポリエステルを回収するのを助ける任意の種類の処理を含んでもよい。例えば、一態様では、任意選択の前処理は、ポリエステル組成物中のポリエステル(またはポリエステル組成物中の異物の少なくとも一部)を選択的に溶解して、異物の少なくとも一部とポリエステル組成物中の1種以上のポリエステルとの間の分離を可能にするために、ポリエステル組成物を1種以上の溶媒に曝露するステップを含んでもよい。一例の態様として、任意選択の前処理は、ポリエステル組成物を1種以上の溶媒、例えば、ポリエステル組成物中のポリエステルの溶解を引き起こすことができる1種以上の溶媒に曝露するステップを含んでもよい。例えば、1種以上の溶媒としては、4-メチルシクロヘキサンメタノール(MCHM)、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、ジブチルテレフタレート(DBT)、ジオクチルテレフタレート(DOTP)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。同じまたは代替的な態様では、ポリエステル組成物は、1種以上の成分の溶解を実行するために、特定の温度で1種以上の溶媒に曝露されてもよい。種々の態様では、前処理プロセスは、所望のレベルの異物除去および/またはPETの純度レベルを達成するために、種々の溶媒および/または温度を使用する1つ以上の溶解および分離ステップを含んでもよい。例えば、1つの態様では、特定の温度で1種の溶媒を使用して溶解および分離を利用し、例えば、1種以上の異物を除去した後、特定の温度で別の溶媒を使用してポリエステル画分の後続の溶解および分離を行い、例えば、1種以上の他の異物を除去することができる。この任意選択の前処理ステップにおける溶解および/または分離は、所望の前処理ポリエステル組成物を達成するために、任意の好適なシステム、反応器、容器、および/または分離技術を利用することができる。
【0020】
ポリエステル組成物のグリコリシス
上記で考察したように、種々の態様では、本明細書に開示される方法は、ポリエステル組成物を解重合条件に曝露して、1種以上のポリエステルの少なくとも一部を1種以上の解重合生成物に解重合させるステップを含んでもよい。種々の態様では、1種以上の解重合生成物は、モノマー、オリゴマー、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、オリゴマーは、2~10、2~8、2~6、または2~4の重合度を示してもよい。態様では、1種以上のポリエステルは、モノマー、および2~10、2~8、2~6または2~4の重合度を有するテレフタレートオリゴマーを含み得る1種以上の解重合生成物に解重合されてもよい。態様では、オリゴマーの重合度を識別するために液体クロマトグラフィーがされてもよく、および/またはオリゴマーの分子量を識別するためにゲル浸透クロマトグラフィーが利用されてもよい。
【0021】
態様では、重合度(DP)という用語は、オリゴマー中の残基の数を指してもよい。本明細書で使用される場合、重合度(DP)は、オリゴマー中の二官能性カルボン酸残基および/または多官能性カルボン酸残基の数を指す。例えば、1つの例示的な態様では、1のDPは、1つのテレフタル酸残基または1つのイソフタル酸残基を含む残基を指す。このような例示的な態様では、1のDPはモノマーとも称されてもよい。1のDPの非限定的な例が式(II)で以下に提供され、ここでRは、グリコール、例えば、態様において本明細書に記載されるグリコールのいずれかであってもよい。
【0022】
【0023】
[0028]以下の式(III)~(V)は、態様においてそれぞれ2、3、およびnのDPを有するオリゴマーの非限定的な例を示す。式(III)、(IV)および(V)において、Rは、グリコール、例えば、態様において本明細書に記載されるグリコールのいずれかであってもよい。
【0024】
【0025】
態様では、この解重合はグリコリシスプロセスを介して行われてもよい。一般に、態様では、グリコリシスプロセスは、ポリエステル組成物を1種以上のグリコールに曝露することを含んでもよく、グリコールは、任意選択でトランスエステル化触媒の存在下でポリエステルと反応し、使用されるグリコールに応じてビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)または他のテレフタレート残基(例えば、DEGを利用する場合、ビス(2-ヒドロキシジエチレンテレフタレート)(BHDET))と低分子量テレフタレートオリゴマーとの混合物を形成する。グリコリシス方法のいくつかの代表的な例は、米国特許第3,257,335号;第3,907,868号;第6,706,843号;および第7,462,649号に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
グリコリシスプロセスの一態様では、1種以上のポリエステル、例えば1種以上のリサイクルされたポリエステル、および1種以上のグリコールをグリコリシス反応器にフィードすることができ、そこで1種以上のリサイクルされたポリエステルが解重合条件下で溶解および解重合される。
【0027】
態様では、グリコリシスプロセスでの使用に好適な1種以上のグリコールの任意の量を利用することができる。種々の態様では、ポリエステル組成物の量に対する1種以上のグリコールの重量比は、9:1~1:9、8:1~1:9、7:1~1:9、6:1~1:9、5:1~1:9、4:1~1:9、3:1~1:9、2:9~1:9、9:1~1:8、9:1~1:7、9:1~1:6、9:1~1:5、9:1~1:4、9:1~1:3、または9:1~1:2であってもよい。
【0028】
特定の態様では、1種以上のグリコールは、グリコリシスプロセスで使用するのに好適な任意のグリコールを含んでもよい。本明細書で使用される場合、用語「グリコール」は、脂肪族、脂環式およびアラルキルグリコールを指す。例示的なグリコールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコールとしても公知)、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、イソソルビド、p-キシリレンジオールなどが挙げられる。これらのグリコールは、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールの場合のように、エーテル結合を含むこともできる。グリコールの追加的な実施形態としては、ポリエチレングリコールとして公知の高分子量ホモログ、例えばCarbowax(商標)の商品名でDow Chemical Companyによって生産されているものが挙げられる。一実施形態では、ポリエチレングリコール(PEG)は、200より多く~約10,000ダルトン(Mn)の分子量を有する。これらのグリコールは、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコールなどのより高次のアルキルアナログも含む。同様に、さらなるグリコールは、分子量が約200~約10,000ダルトン(Mn)(g/モルとも称する)の範囲であるポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのより高次のポリアルキレンエーテルジオールを含む。一態様では、グリコールは、脂肪族、脂環式およびアラルキルグリコールから選択することができる。種々の態様では、グリコールは、エチレングリコール;1,2-プロパンジオール;1,3-プロパンジオール;1,4-ブタンジオール;1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール;1,2-シクロヘキサンジメタノール;1,3-シクロヘキサンジメタノール;1,4-シクロヘキサンジメタノール;2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール;イソソルビド;p-キシリレンジオール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;テトラエチレングリコール;ポリエチレングリコール;ジプロピレングリコール;ジブチレングリコール;ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールから選択されるポリアルキレンエーテルジオールから選択することができる。
【0029】
特定の態様では、1種以上のグリコールは、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せ;および任意選択でii)エチレングリコール(EG)を含んでもよい。このような態様では、グループi)のグリコールとEGとの重量比は、100:0~1:99であってもよい。特定の態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して約0wt.%~約100wt.%のDEG、または約1wt.%~約100wt.%のDEGを含んでもよい。特定の態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して約0wt.%~約100wt.%のTEG、または約1wt.%~約100wt.%のTEGを含んでもよい。態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して約0wt.%~約50wt.%のCHDM、または約1wt.%~約100wt.%のCHDMを含んでもよい。種々の態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して0wt.%~約100wt.%のPEG、または約1wt.%~約100wt.%のPEGを含んでもよい。種々の態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して0wt.%~約100wt.%のNPG、または約1wt.%~約100wt.%のNPGを含んでもよい。種々の態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して0wt.%~約100wt.%のPDO、または約1wt.%~約100wt.%のPDOを含んでもよい。種々の態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して0wt.%~約100wt.%のBDO、または約1wt.%~約100wt.%のBDOを含んでもよい。種々の態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して0wt.%~約100wt.%のMPジオール、または約1wt.%~約100wt.%のMPジオールを含んでもよい。種々の態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して0wt.%~約100wt.%のPTMG、または約1wt.%~約100wt.%のPTMGを含んでもよい。特定の態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して約0wt.%~約100wt.%のEG、または約1wt.%~約100wt.%のEGを含んでもよい。一態様では、1種以上のグリコールは、1種以上のグリコールの総重量に対して0wt.%~約100wt.%のEG、0wt.%~約100wt.%のDEG、0wt.%~約100wt.%のTEG、0wt.%~約100wt.%のPEG、0wt.%~約100wt.%のNPG、0wt.%~約100wt.%のPDO、0wt.%~約100wt.%のBDO、0wt.%~約100wt.%のMPジオール、0wt.%~約100wt.%のPTMG、および0wt.%~約50wt.%のCHDMを含んでもよい。特定の態様では、以下で詳細に考察されるように、1種以上のグリコールは、本明細書に開示されるように、1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための先行のグリコリシスおよび/またはメタノリシスプロセスから回収されたリサイクルグリコールであってもよい。
【0030】
種々の態様では、上記で考察されたように、グリコリシスプロセスは、1種以上の触媒、例えば、トランスエステル化触媒を含んでもよい。特定の態様では、触媒は、ポリエステル組成物の重量に対して0.1wt.%~10wt.%の量で存在してもよい。態様では、任意の好適な触媒を利用することができる。一態様では、触媒は、炭酸塩触媒、例えば、これらに限定されないが、Li2CO3、K2CO3、Na2CO3、Cs2CO3、ZrCO3、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、触媒は、水酸化物触媒、例えば、これらに限定されないが、LiOH、NaOH、KOH、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、触媒は、アルコキシド触媒、例えば、これらに限定されないが、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、マグネシウムメトキシド、カリウムt-ブトキシド、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、触媒は、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac)2)、酢酸亜鉛(Zn(OAc)2)、および酢酸マンガン(II)(Mn(OAc)2))、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、触媒は、LiOH、NaOH、KOH、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、ZrCO3、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、および亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac)2)、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、触媒は、LiOH、NaOH、KOH、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、およびリチウムメトキシド(LiOMe)を含んでもよい。特定の態様では、触媒は、Li2CO3、K2CO3、CaCO3、Na2CO3、Cs2CO3、ZrCO3、LiOH、NaOH、KOH、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、マグネシウムメトキシド(Mg(OMe)2、カリウムt-ブトキシド、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac)2)、酢酸亜鉛(Zn(OAc)2)、酢酸マンガン(II)(Mn(OAc)2)、ハイドロタルサイト、ゼオライト、塩化リチウム、またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0031】
解重合条件は、かき混ぜられた反応器中0.5時間~10時間にわたって120℃~260℃の温度、および0.013気圧(atm)(0.2psig)~10.2atm(150psig)の絶対圧を含んでもよい。ポリエステルと1種以上のグリコールとの反応には、1つまたは複数の反応器が使用されてもよい。例えば、反応混合物は、第一段から連続的に抜き出され、追加のグリコールとともに、前述の圧力範囲下に維持された第二段に導入されてもよく、解重合は所望の完了度まで継続する。種々の態様では、任意の種類の容器、反応器および/または反応器システムを、ポリエステル組成物の解重合またはグリコリシスに利用することができる。一態様では、連続撹拌槽型反応器もしくは容器、固定床反応器、または溶融押出機が利用されてもよい。同じまたは代替的な態様では、ポリエステル組成物の解重合またはグリコリシスは、バッチまたは連続方法であってもよい。
【0032】
様々な態様では、解重合プロセスはまた、EGの形成および/または蓄積をもたらしてもよい。特定の態様では、解重合反応容器からEGを除去することが望ましい場合があり、これは特定の状況において、ポリエステル組成物のさらなる解重合を促進し得る。一態様では、解重合反応容器からのEGの除去を促進するために、解重合プロセス中に溶媒を存在させてEGの除去を促進させることができる。1つ以上の態様では、溶媒は、解重合条件下で分離および/または解重合反応容器からのEGの除去を促進することができる任意の溶媒であってもよい。特定の態様では、100℃~250℃の沸点を有するC7~C16炭化水素が利用されてもよい。特定の態様では、トルエン、キシレン、isopar C、isopar E、isopar G、isopar H、isopar L、isopar M、またはそれらの組合せが利用されてもよい。
【0033】
特定の理論に束縛されることなく、このような溶媒はEGと共沸物を形成し、それによりEGの沸点を下げ、例えばガス状EGとして解重合反応容器からのEGの除去を促進することができると考えられる。様々な態様では、溶媒は、解重合反応容器中に存在するポリエステルの重量に対して30wt.%~約200wt.%の量で存在してもよい。同じまたは代替的な態様では、溶媒は、解重合容器中に存在する1種以上のグリコールの重量に対して30wt.%~約200wt.%の量で存在してもよい。種々の態様では、解重合反応容器中のポリエステル組成物、溶媒、EGおよび/または他の成分を窒素スパージングおよび/または減圧、例えば0.013atm(0.2psig)~約1atm(14.7psig)に供して、ガス状EGの除去を促進することができる。一態様では、解重合条件は、EGの除去を実行するために、減圧、例えば0.013atm(0.2psig)~約1atm(14.7psig)および150℃~260℃の範囲の温度を含んでもよい。
【0034】
種々の態様では、EGは、無溶媒プロセスで解重合反応容器から除去されてもよい。例えば、特定の態様では、解重合反応容器中のポリエステル組成物、触媒、および1種以上のグリコールを窒素スパージングおよび/または減圧、例えば0.013atm(0.2psig)~約1atm(14.7psig)に供してガス状EGの除去を促進することができる。一態様では、解重合条件は、減圧、例えば0.013atm(0.2psig)~約1atm(14.7psig)および150℃~260℃の範囲の温度を含んでもよい。
【0035】
上記で詳述した解重合条件に曝露した後、得られた混合物を任意選択で約150℃以下、または約50℃~約150℃の温度まで冷却させることができる。態様では、得られた混合物はグリコリシス反応容器内で所望の温度まで冷却させるか、または温度を下げるために異なる容器に移すことができる。得られた混合物は、固体成分および液体成分を含んでもよい。態様では、液体成分は、1種以上の解重合生成物、例えば、モノマーおよび/または2~10の重合度を有するオリゴマーを1種以上のグリコールとともに含み、さらに、ポリエステル組成物、1種以上のグリコール、触媒、またはそれらの組合せからの任意の追加の可溶性成分を含んでもよい。種々の態様では、固体成分は、ポリエステル組成物の残留異物および任意の他の不溶性成分であってもよく、廃棄すべき廃棄物とみなされてもよい。
【0036】
以下でさらに考察するように、液体成分は、1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するために、少なくともメタノリシスプロセスおよび/またはアルコリシスプロセスにさらに供される。種々の態様では、メタノリシスプロセスの前に、液体成分を固体成分から分離することができる。態様では、液体成分は、任意のシステムを使用して固体成分から分離されてもよい。一態様では、液体成分は、得られる混合物が約50℃~約150℃の温度にある間に固体成分から分離することができる。このような態様では、約150℃以下の温度、例えば約50℃~約150℃で固体成分から液体成分を分離することにより、現在の従来の方法よりも効率的な方法および/または資源集約的でない方法を提供することができる。同じまたは代替的な態様では、約150℃以下の温度、例えば約50℃~約150℃で固体成分から液体成分を分離することは、いくつかの不純物がより高い温度、例えば150℃を超える温度で不安定になる場合があり、それにより本明細書に記載の方法、生成物収率、および/または生成物純度に悪影響を及ぼす可能性があるため、有益であり得る。
【0037】
種々の態様では、固体成分からの液体成分の分離は、濾過プロセスを含んでもよい。このような態様では、約50℃~約150℃の上昇した濾過温度に耐えることができる任意の好適な濾過プロセスを利用することができる。特定の態様では、固体成分は遠心分離によって除去することができる。特定の態様では、固体は沈降または沈殿により除去することができる。特定の態様では、固体成分は容器の底に沈降していてもよく、容器内に適切に位置決めされた容器導管またはバルブを通して液体成分を除去することができる。一態様では、このような導管および/またはバルブは、下流プロセスにおける固体成分の包含を最小化するための濾過デバイスを含んでもよい。
【0038】
1種以上の解重合生成物のアルコリシス
上記で考察したように、態様では、上述のグリコリシスプロセスで生成された1種以上の解重合生成物は、アルコリシスプロセスに供されてもよい。
【0039】
一般に、典型的なアルコリシスプロセスでは、ポリエステルをアルコール、例えばメタノールと反応させて、オリゴマー、テレフタレートモノマー、例えばジメチルテレフタレート(DMT)、および1種以上のグリコールを含む解重合混合物を生成する。他の実施形態では、ポリエステルの組成に応じて、例えば、CHDM、DEG、およびジメチルイソフタレート(DMI)などの他のモノマーも生成されてもよい。一実施形態では、アルコリシスプロセス中に、テレフタレートオリゴマーをメタノールと反応させて、ポリエステルオリゴマー、DMT、CHDM、および/またはEGを含む解重合ポリエステル混合物を生成する。
【0040】
PETのメタノリシスのいくつかの代表例は、米国特許第3,321,510号;第3,776,945号;第5,051,528号;第5,298,530号;第5,414,022号;第5,432,203号;第5,576,456号;第6,262,294号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
態様では、アルコリシスプロセスは、グリコリシスプロセスから得られる液体成分および/または1種以上の解重合生成物を、1種以上のジアルキルテレフタレートをもたらす条件下でアルコール組成物に曝露することを含んでもよい。上記で考察したように、態様では、1種以上の解重合生成物は、グリコリシスプロセスから得られる液体成分中に存在してもよい。種々の態様では、上記で考察したように、グリコリシスプロセスから得られる1種以上の解重合生成物および/または液体成分をアルコリシスプロセスに供する前に、液体成分を、グリコリシスプロセスの得られる混合物から、および/または得られる固体成分から分離することができる。特定の態様では、液体成分をグリコリシスプロセスの固体成分から分離した後、液体成分をこのアルコリシスプロセスで直接利用することができる。同じまたは代替的な態様では、液体成分をグリコリシスプロセスの固体成分から分離した後、液体成分は、このアルコリシスプロセスで利用される前に、さらなる加工、例えば、蒸留および/または他の分離プロセスに供されない。任意の特定の理論に束縛されることなく、グリコリシスプロセスは、特定の従来のプロセスと比較してより少ない量のグリコール(または3:1~1:9のポリエステル組成物の量に対するグリコールの重量比)を使用して実施されるため、例えば、得られる1種以上の解重合生成物を濃縮し、および/またはグリコールの一部を除去するためのさらなる加工を必要とすることなく、グリコリシスプロセスから得られる液体成分をアルコリシスプロセスで直接利用することができると考えられる。
【0042】
アルコール組成物は、特定のジアルキルテレフタレートを得るためのアルコリシスプロセスで使用するための、当技術分野で公知の任意の好適なアルコールを含んでもよい。一態様では、アルコール組成物はメタノールであってもよく、および/またはメタノールを含んでもよい。態様では、メタノールがアルコール組成物として利用される場合、DMTが得られるメタノリシス生成物であってもよい。
【0043】
特定の態様では、アルコール組成物の量は、ポリエステル組成物の量または重量に対して重量基準で過剰である任意の量であってもよい。特定の態様では、ポリエステル組成物の量に対するアルコール組成物の量の重量比は、約2:1~約10:1であってもよい。種々の態様では、ポリエステル組成物の量に対するアルコール組成物の量の重量比は、約2:1~約9:1、約2:1~約8:1、約2:1~約7:1、約2:1~約6:1、または約2:1~約5:1であってもよい。態様では、ポリエステル組成物の量は、上記のグリコリシスプロセスで利用されるポリエステル組成物の量または重量を指す。
【0044】
態様では、アルコリシス反応は、約90℃以下、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約40℃以下、または約30℃以下の温度で行われてもよい。同じまたは代替的な態様では、アルコリシス反応は、約20℃~約90℃、約20℃~約80℃、約20℃~約70℃、約20℃~約60℃、約20℃~約50℃、約20℃~約40℃、または約20℃~約30℃の温度で行われてもよい。特定の態様では、アルコリシス反応は、約25℃~約90℃、約25℃~約80℃、約25℃~約70℃、約25℃~約60℃、約25℃~約50℃、約25℃~約40℃、または約25℃~約30℃の温度で行われてもよい。種々の態様では、任意の特定の理論に束縛されることなく、本明細書に開示される方法では、ポリエステル組成物中のポリエステルは、例えば、上記で考察したグリコリシスステップで少なくとも部分的な解重合プロセスを既に受けているため、メタノリシスプロセスは、特定の他の従来のプロセスと比較して比較的低減された上述の温度で実施することができると考えられる。さらにまたは代替的に、任意の特定の理論に束縛されることなく、グリコリシスプロセスで生成される1種以上の解重合生成物は、このアルコリシスプロセスの前に廃棄物または不溶性物質から分離されるため、アルコリシスプロセスを上述の低減された温度で行うことができると考えられる。
【0045】
態様では、アルコリシスプロセスは、任意の好適な反応器および/または容器中で行われてもよい。態様では、アルコリシス反応器は、上述のグリコリシスプロセスで利用される反応器と流体連通することができる。特定の態様では、アルコリシス反応器は、グリコリシスに使用される容器とは異なる反応器である。あるいは、種々の態様では、アルコリシスプロセスは、上述のグリコリシスプロセスおよび/または濾過プロセスと同じ容器中で行われてもよい。特定の態様では、アルコリシスプロセスは、周囲圧力、例えば約1atm、または約1atm~約5atm、または約1atm~約3atm、または約1atm~約2atmの圧力で行われてもよい。種々の態様では、アルコリシス反応は、アルコリシス反応温度が本明細書に開示されるプロセス条件に対して高い場合、例えば、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、または約90℃以上である場合、周囲圧力を超える圧力、例えば1atmより高い、または約5atm以下、約3atm以下、約2atm以下で行われてもよい。
【0046】
種々の態様では、アルコリシス触媒をアルコリシスプロセスで利用することができる。態様では、アルコリシス触媒は、ポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約20wt.%、またはポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約10wt.%、またはポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約5wt.%、またはポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約2wt.%、またはポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約1wt.%、またはポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約0.5wt.%の量で存在してもよい。このような態様では、ポリエステル組成物の量は、上記のグリコリシスプロセスで利用されるポリエステル組成物の量または重量を指す。種々の態様では、この段落に開示されるアルコリシス触媒の量は、アルコリシス反応中に存在するアルコリシス触媒の量を指す。種々の態様では、この段落に開示されるアルコリシス触媒の量は、アルコリシス反応を促進するために1種以上の解重合生成物および1種以上のアルコールに添加されるアルコリシス触媒の量を指す。特定の態様では、アルコリシス反応を促進するために、低減されたまたはより少ない量のアルコリシス触媒を1種以上の解重合生成物および1種以上のアルコールに添加することができ、例えば、ポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約10wt.%、またはポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約5wt.%、またはポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約2wt.%、またはポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約1wt.%、またはポリエステル組成物の重量に対して約0.1wt.%~約0.5wt.%の量である。態様では、少なくとも部分的に、アルコリシス触媒が1種以上の解重合生成物および/または1種以上のアルコール中に既に存在するため、このようなより少ない量のアルコリシス触媒を添加することができる。このような態様では、以下で考察するように、アルコールおよび/またはグリコールは、本明細書に開示される後続のグリコリシスおよびアルコリシスプロセスでリサイクルおよび再使用されてもよく、これは、先行のアルコリシスおよび/またはグリコリシスプロセスからのアルコリシス触媒の少なくとも一部を含んでもよい。
【0047】
種々の態様では、アルコリシス触媒は、炭酸塩触媒、例えば、これらに限定されないが、K2CO3、Na2CO3、Li2CO3、Cs2CO3;水酸化物触媒、例えば、これらに限定されないが、KOH、LiOH、NaOH;アルコキシド触媒、例えば、これらに限定されないが、NaOMe、Mg(OMe)2、KOMe、KOt-Bu、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、アルコリシス触媒は、KOH、NaOH、LiOH、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、アルコリシス触媒は、NaOMe、KOMe、Mg(OMe)2、KOt-Bu、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含んでもよい。種々の態様では、アルコリシス触媒は、固体形態、水、メタノール、もしくはエチレングリコール中の溶液形態、またはそれらの組合せであってもよい。特定の態様では、アルコリシス触媒は、アルコール組成物および1種以上の解重合生成物が上記に開示された所望の反応温度または温度範囲に達した時点で、1種以上の解重合生成物およびアルコール組成物に添加されてもよい。
【0048】
1種以上の解重合生成物は、得られるジアルキルテレフタレートの所望の収率を達成するための時間にわたって、上述の温度および圧力条件下でアルコール組成物および任意選択でアルコリシス触媒に曝露されてもよい。特定の態様では、1種以上の解重合生成物は、約5分~約5時間、または約5分~約2時間、または約5分~約1時間、または約5分~約30分、または約5分~約15分、または約5分~約10分の時間、上述の温度および圧力条件下でアルコール組成物および任意選択でアルコリシス触媒に曝露されてもよい。
【0049】
態様では、アルコリシスプロセスは、1種以上のジアルキルテレフタレートを含む混合物をもたらす。種々の態様では、アルコリシスプロセスは、ジアルキルテレフタレートが不溶性および/または固体成分である混合物をもたらす。態様では、この混合物の液体成分は、1つ以上のグリコール、アルコール組成物、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、グリコールは、グリコリシスプロセスで利用され、アルコリシスプロセスの開始時に1種以上の解重合生成物とともに存在したグリコールであってもよい。種々の態様では、ジアルキルテレフタレートは、任意の公知の分離技術、例えば、濾過、遠心分離、沈殿、沈降、または1つ以上の分離技術の組合せを使用して混合物から単離することができる。態様では、濾過は、追加のアルコール組成物または他の溶媒で固体成分を洗浄することを含んでもよい。得られる液体成分は、濾液および洗浄液を含んでもよい。得られる固体成分は、固体成分の重量に対して約90wt.%%以上のジアルキルテレフタレート、例えばDMT、約93wt.%以上のジアルキルテレフタレート、例えばDMT、または約95wt.%以上のジアルキルテレフタレート、例えばDMTを含んでもよい。同じまたは代替的な態様では、得られる固体成分中のジアルキルテレフタレート、例えばDMTは、約90%以上純粋、約93%以上純粋、または約95%以上純粋であってもよい。種々の態様では、固体成分はまた、ジメチルイソフタレート(DMI)を含んでもよい。そのような態様では、DMIは、約1000ppm以下、または約500ppm以下、または約1ppm~約1000ppm、または約1ppm~約500ppmの量で存在してもよい。1つ以上の態様では、固体成分はまた、ビスフェノールA(BPA)を含んでもよい。そのような態様では、BPAは、約1000ppm以下、または約500ppm以下、または約1ppm~約1000ppm、または約1ppm~約500ppmの量で存在してもよい。
【0050】
本明細書に記載のプロセス、例えば、グリコリシスおよび/またはアルコリシスプロセスは、特定の従来のプロセス、例えば、高温1ステップグリコリシスまたはメタノリシスプロセスと比較して実質的に穏やかである。例えば、特定の従来の1ステッププロセスは、ルイス酸触媒、例えばZn(OAc)2またはKOAcの存在下で、240℃以上の温度でグリコリシスプロセスを利用する場合がある。このような過酷な条件では、EGが、種々の副反応で、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、アセトアルデヒド、1,1-ジメトキシエタン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、2-メトキシエタノール、1-メトキシエタノールおよびジメチルエーテルを含むがこれらに限定されない種々の不純物化合物に変換されるため、解重合からのEG収率が低下する可能性がある。態様では、本明細書に記載のプロセスは、そのような従来のプロセスよりも実質的に穏やかであり、さらに、例えば、EGを種々の不純物に変換する副反応が少ないことから、EGの収率損失が少なくなる。一態様では、本明細書に記載のプロセスは、約5%以下のEGの収率損失、約2%以下のEGの収率損失、または約1%以下のEGの収率損失、または約0.5%以下のEGの収率損失をもたらす。このような態様では、EGの収率損失は、ポリエステル組成物フィードからのEGとグリコリシスプロセスで添加されるEGを組み合わせた量に対する不純物、例えばDEGへと形成されるEGのパーセントである。同じまたは代替的な態様では、本明細書に記載されるプロセスは、最小限のグリコール不純物を生成する。例えば、一態様では、本明細書に記載のプロセスは、EGがグリコリシスプロセスで1種以上のグリコールとして使用される場合、約5wt.%以下のDEG、約2wt.%以下のDEG、または約1wt.%以下のDEG、または約0.5wt.%以下のDEG、または約0.01wt.%~約5wt.%のDEG、約0.01wt.%~約2wt.%のDEG、または約0.01wt.%~約1wt.%のDEG、または約0.01wt.%~約0.5wt.%のDEG、または約0.01wt.%~約0.2wt.%DEGの正味発生量をもたらすことができる。態様では、本明細書に記載のプロセスは、EGがグリコリシスプロセスで1種以上のグリコールとして使用される場合、約5wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、約2wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約1wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.5wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約5wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、約0.01wt.%~約2wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約1wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約0.5wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約0.2wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物の正味発生量をもたらすことができる。態様では、DEG(または他の不純物)の正味発生量は、ポリエステル組成物フィード中に存在するDEGまたは他の不純物の量に対する、存在するDEGまたは他の不純物の量の重量パーセントである。一態様では、生成されるDEGは、本明細書に記載されるグリコリシスプロセスおよび/または本明細書に記載されるアルコリシスプロセスで生成されてもよい。特定の態様では、グリコリシスプロセスで1種以上のグリコールとしてEGを使用する場合、DEGなどのEGおよび/または任意のグリコール不純物は、このアルコリシスステップから得られる液体成分中に存在してもよい。特定の態様では、グリコリシスプロセスにおけるルイス塩基触媒、例えば、水酸化物系または炭酸塩系触媒の利用も、EGの分解の低減および/またはグリコール不純物の低減を促進するか、またはそれに寄与する場合がある。
【0051】
グリコールおよびアルコール組成物のリサイクル
上記で考察したように、種々の態様では、グリコリシスプロセスで利用されるグリコールは、本明細書に開示される1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための後続の一連のプロセスで再使用することができる。態様において、高いレベルでは、アルコリシスプロセスから得られる液体成分は、再使用のために、例えば、1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための後続のポリエステル組成物の後続の一連のグリコリシスにおける再使用のために加工されてもよい。同じ態様または代替的な態様では、メタノールは、アルコリシスプロセスから得られる液体成分から回収されてもよく、例えば、後続のアルコリシスプロセスで再使用されてもよい。このような態様では、メタノールは、液体成分を蒸留条件に曝露することによって回収されてもよい。
【0052】
態様では、上記で考察したように、アルコリシスプロセスから得られる液体成分は、グリコリシスプロセスで使用されるグリコール、アルコール組成物、グリコリシスプロセスで発生するグリコール、例えば、EG、DEG、および/またはCHDMを含んでもよい。種々の態様では、この液体成分は、例えば、アルコール組成物の少なくとも一部、例えば、メタノール、またはメタノールとエチレングリコールとの混合物を除去または分離するために、分離プロセスに供されてもよい。特定の態様では、アルコール組成物の少なくとも一部を除去するために、液体成分を蒸留または短行程蒸留に曝露することができる。例示的な非限定的態様では、蒸留条件は、液体成分を約260℃以下、約220℃以下、約200℃以下、約180℃以下、約160℃以下、約150℃以下、約130℃以下、約60℃以上、約70℃以上、約60℃~約220℃、約70℃~約220℃、約60℃~約180℃、または約60℃~約160℃の温度に曝露することを含んでもよい。同じまたは代替的な態様では、蒸留条件は、約1Torr(133.3Pa)~約800Torr(106,657Pa)、または約30Torr(3999Pa)~約500Torr(66,661Pa)の圧力を含んでもよい。態様では、液体成分は、アルコール組成物の全部または実質的な部分が液体成分から除去されるまで、例えば気化するまで、蒸留条件に曝露されてもよい。特定の態様では、アルコール組成物の少なくとも一部は、リサイクルグリコールとともに存在する場合、後続のグリコリシスプロセス中に除去されてもよく、例えば、グリコリシス条件により除去または気化されてもよい。特定の態様では、液体成分から回収されたアルコール、例えばメタノールは、後続のアルコリシスプロセスで使用するためにアルコリシス反応容器に戻されてもよい。
【0053】
態様では、液体成分の蒸留は、本明細書に記載される方法およびシステムでの使用に好適な任意の容器または蒸留システムで行われてもよい。一態様では、蒸留容器は、アルコリシス反応容器、および/または例えば、ジアルキルテレフタレート固体または不溶性成分を単離するためにアルコリシスに引き続いて利用される濾過プロセスの任意の構成要素と流体連通することができる。同じまたは代替的な態様では、蒸留容器はグリコリシス容器と流体連通することができる。
【0054】
種々の態様では、液体成分の蒸留は、アルコール組成物を気化させ、ポット残渣を残すことができる。態様では、ポット残渣は、グリコールおよび液体成分中に存在する任意の他の重質物、例えば非気化性化合物を含む。態様では、ポット残渣中のグリコールは、リサイクルグリコールと称されてもよく、および/または本明細書に記載される蒸留条件を使用する連続蒸留プロセスの非気化性部分からのグリコールは、リサイクルグリコールと称されてもよい。一態様では、リサイクルグリコールとして、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せを挙げることができる。
【0055】
態様では、上記で考察したように、リサイクルグリコールは、ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するために、本明細書に記載の後続の一連のプロセスで利用されてもよい。さらに、態様では、リサイクルグリコールは、この後続の一連のジアルキルテレフタレート回収を経た後、本明細書に記載のプロセスを使用して再度リサイクルされてもよい。態様では、リサイクルグリコールは、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回回収して再使用されてもよい。特定の態様では、リサイクルグリコールが後続の一連のジアルキルテレフタレート回収に使用される場合、リサイクルグリコールが既使用触媒を含む可能性があるため、後続のグリコリシスステップにおける触媒の添加を省略することができる。
【0056】
態様では、リサイクルグリコールを回収および再使用した場合、得られる回収されたジアルキルテレフタレートは、回収および再使用されなかったグリコールを使用して回収されたジアルキルテレフタレートのものと同程度の純度を示すことが予想外に見出された。態様では、このジアルキルテレフタレートの同程度の純度は、リサイクルグリコールを少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回再使用した後に存在し、結果として少なくとも約90%、少なくとも約93%、または少なくとも約95%の純度を有するジアルキルテレフタレートが回収される。
【0057】
例示的なシステム
図1は、ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための1つの例示的なシステムおよび/または方法を概略的に示す。システム100は、ポリエステル組成物、例えば上述のポリエステル組成物の供給源110を含む。1つの例示的な態様では、ポリエステル組成物は、上記で詳細に考察したように、任意選択の前処理プロセスを経ることができる。このような態様では、この任意選択の前処理は、ポリエステル組成物を容器120中の解重合条件に曝露する前に行われてもよい。容器120はグリコリシス容器を表し、ここでポリエステル組成物が受容され、上記で詳細に考察したように、解重合条件下で1種以上のグリコールに曝露される。態様では、容器120は、供給源110と流体連通することができる。種々の態様では、上記で考察したように、ポリエステル組成物は、容器120中で解重合条件に曝露された後、1種以上の解重合生成物に変換される。種々の態様では、上記で考察したように、1種以上の解重合生成物は、モノマーおよび/または2~10、2~8、2~6もしくは2~4の重合度を有するオリゴマーを含んでもよい。態様では、1種以上の解重合生成物は、液体成分中の1種以上の解重合生成物とともに、液体成分および固体成分を含む混合物中に存在する。上記で考察したように、解重合条件はEGの生成をもたらすことができる。特定の態様では、上記で詳細に考察したように、解重合プロセスから容器120内で発生したEGは、容器120から除去されてもよい。態様では、上記で考察したように、この混合物は、固液分離デバイス130、例えば、濾過システムに曝露され、ここで1種以上の解重合生成物を含む液体成分が固体成分から分離される。種々の態様では、本明細書で考察されるように、固液分離デバイス130は、容器120および/または容器140と流体連通することができる。
図1に示される態様では、1種以上の解重合生成物および/または液体成分は、容器140中でアルコリシス条件に曝露されてもよい。態様では、1種以上の解重合生成物および/または液体成分は、このアルコリシスプロセスで直接利用されてもよい。このような態様では、1種以上の解重合生成物および/または液体成分は、このアルコリシスプロセスで利用される前に、任意のさらなる加工、例えば、蒸留および/または他の分離プロセスに供されなくてもよい。アルコリシス条件は、上記で詳細に考察されている。態様では、上記で考察したように、1種以上の解重合生成物および/または液体成分のアルコリシスは、ジアルキルテレフタレートを含む不溶性または固体成分、ならびにアルコール組成物、グリコール、および潜在的に本明細書に記載される他の可溶性成分を含む液体成分を含む混合物をもたらしてもよい。上記で考察したように、得られるアルコリシス反応混合物は、回収されたジアルキルテレフタレート160を含む固体成分を分離するために、固液分離デバイス150、例えば、濾過システムに曝露されてもよい。態様では、固液分離デバイス150は、容器140と流体連通してもよい。様々な態様では、固液分離デバイス150における固液分離から得られる液体成分は、1種以上のアルコール、1種以上のグリコール、または両方を含んでもよい。このような態様では、この液体成分は、システム170で1つ以上の蒸留または他の分離プロセスに曝露されてもよい。システム170において、1種以上のアルコールは、上記で考察したように液体成分から分離され、任意選択で後続のアルコリシスプロセスで使用するために容器140に戻されてもよい。同じまたは代替的な態様では、システム170において、上記で考察したように1種以上のグリコールが回収され、後続の解重合プロセスのために容器120に戻されてもよい。さらに、種々の態様では、システム170は、貯蔵または容器120に戻す以外の目的のために、液体成分からEGを選択的に除去することができる。システム170は、液体成分から1種以上のアルコールおよび/または1種以上のグリコールを選択的に回収するために好適な任意の種類の分離または蒸留システムであってもよい。特定の態様では、システム100に関連する本明細書に記載の方法は、連続方法、バッチ方法、または半連続方法として実施することができる。システム100は単なる一例のシステムであり、システム構成要素の他の構成が本明細書の開示によって企図されることが理解される。例えば、システム100の1種以上の構成要素は、システム100の1種以上の他の構成要素から物理的に分離されていなくてもよく、区別されていなくてもよい。システム100は、本明細書に開示される方法の態様を強調するために概略的に示されているに過ぎないことがさらに理解される。
【0058】
ポリエステルまたは他の生成物を形成するための回収されたジアルキルテレフタレートの使用
上記で考察したように、本明細書に開示される方法は、DMTなどの高純度のジアルキルテレフタレートをもたらすことができる。例えば、特定の態様では、回収されたDMTは、これらに限定されないがPETおよびTMCD含有ポリエステルを含む1種以上のポリエステルを形成するために利用されてもよい。特定の態様では、回収されたDMTを使用して形成されたポリエステルは、再生ポリエステルと称されてもよい。種々の態様では、回収されたDMTを使用して形成された生成物は、バージンDMTから形成された同様の生成物と区別できない場合がある。このような態様では、DMTが十分な純度のものであるため、PETおよびTMCD含有ポリエステルを形成するための任意の好適なプロセスが利用されてもよい。
【0059】
同じまたは代替的な態様では、回収されたDMTは、CHDMを形成するために利用されてもよい。種々の態様では、回収されたDMTを使用して形成されたCHDMは、回収されたDMTの高純度により、バージンDMTから形成されたCHDMと区別できない場合がある。このような態様では、CHDMは、任意の好適なプロセスを使用して回収されたDMTから形成されてもよい。
【0060】
種々の態様では、回収されたDMTは、1種以上の可塑剤を形成するために利用されてもよい。特定の態様では、回収されたDMTを使用して形成される可塑剤は、ジブチルテレフタレート(DBT)および/またはジオクチルテレフタレート(DOTP)を含んでもよい。種々の態様では、回収されたDMTを使用して形成されたDBTおよび/またはDOTPは、回収されたDMTの高純度により、バージンDMTから形成されたDBTおよび/またはDOTPそれぞれと区別できない場合がある。このような態様では、DBTおよび/またはDOTPは、任意の好適なプロセスを使用して回収されたDMTから形成されてもよい。
【0061】
本開示は、その態様の以下の実施例によってさらに説明することができるが、これらの実施例は単に説明のために含まれ、別段詳細に指示されない限り、本開示の範囲を限定するものではないことが理解される。
【実施例】
【0062】
材料
FDST-5は、100モル%のTPA、93.0モル%のEG、4.1モル%のCHDM、および2.9モル%のDEGを含み、Eastmanから入手可能である。IV:0.751dL/g。
【0063】
FDST-3は、97.7モル%のTPA、2.3モル%のIPA、96.7モル%のEG、および3.3モル%のDEGを含み、PolyQuestから入手可能である。IV:0.563dL/g。
【0064】
エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、ポリ(エチレングリコール)(PEG200)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、メタノール、炭酸カリウム、50%水酸化ナトリウム水溶液、トルエンおよびキシレンはAldrichから入手可能である。Isopar C、Isopar E、Isopar G、Isopar H、Isopar LおよびIsopar Mを含むイソパラフィン系炭化水素(isopar(商標))は、ExxonMobilから入手可能である。すべての化学薬品および試薬は、別段言及されない限り、入手したまま使用した。
【0065】
分析手順
燃焼イオンクロマトグラフィー(CIC)分析。CIC分析は、930 Metrohm燃焼イオンクロマトグラフィーシステムを使用して実施した。試料を、まず燃焼モジュールで1000℃で燃焼した。燃焼中に発生した得られたガスを、Metrohm 920吸収モジュールで吸収液に溶解した。吸収液はイオンクロマトグラフで事前に濃縮し、分析する。
【0066】
ガスクロマトグラフィー(GC)分析。GC分析は、7693Aオートサンプラーおよび2つのG4513Aタワーを備えたAgilentモデル7890Bガスクロマトグラフで実施した。ガスクロマトグラフ(GC)に、60m×0.32mm×1.0ミクロンのDB-1701(商標)(J&W123-0763)および60m×0.32×1ミクロンのDB-1(商標)(J&W123-1063)の2本のカラムを取り付け、試料を両方のカラムに同時に注入した。共通のオーブン温度プログラムを使用し、試料成分を水素炎イオン化検出(FID)によって検出した。目的の成分について5点較正を実施した。ガスクロマトグラフをEZChrom Elite Chromatography Data Systemに接続した。
【0067】
メタノリシス生成物試料は、既知の体積のピリジン系内部標準溶液を既知の質量の試料に添加し、次いでN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)で誘導体化することによって調製した。
【0068】
BHET GC収率%は以下のように計算した:(GCによる粗生成物中のBHETの重量%)/(PET/EG投入に基づくBHETの理論重量%)*100%
BHDET GC収率%は次のように計算した:(GCによる粗生成物中のBHDETの重量%)/(PET/DEG投入に基づくBHDETの理論重量%)*100%
DMT GC収率%は以下のように計算した:(最終的なDMTの重量)/(理論的なDMTの重量)*100%。
【0069】
DMT GC純度%は以下のように計算した:(GCによる最終生成物中のDMTの重量%)/(GCによる全wt.%)*100%。GCで示される主な不純物には、MeOH、水、およびEGが含まれる。ほぼすべての例のDMT純度は、MeOH、水、およびEGを除くと99%より高い。
【0070】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)。サイズ排除クロマトグラフィーGPC分析は、UV-Vis検出器を備えたAgilent1100シリーズGPC/SEC分析システムで実施した。使用したカラムセットは、ガード付きPolymer Laboratories 5μm Plgel、mixed Cおよびoligoporeであった。溶離液は、硝酸テトラエチルアンモニウム(1グラム/溶媒2リットル)を含む95%塩化メチレンおよび5%ヘキサフルオロイソプロパノールからなった。試験は、周囲温度で流量1.0mL/分を用いて実施した。機器は、リニアPETオリゴマー標準物質で較正した。
【0071】
試料10mgを10mLの塩化メチレン/ヘキサフルオロイソプロパノール(70/30)に溶解することによって試料を調製した。流量マーカーとして10μLのトルエンを添加した。注入量は10μLであった。
【0072】
液体クロマトグラフィー(LC)。オリゴマーのLC分析は、範囲190~900nmのダイオードアレイ検出器(DAD)を備えたHP 1100シリーズ液体クロマトグラフで実施した。システムに40℃のZorbax Poroshell 120 EC-C18(4.6×50mm、2.7μm)カラムを装着した。流量は1.0mL/分であった。移動相は水(25nM酢酸アンモニウム)(A)およびアセトニトリル(B)であった。溶出勾配は以下の通りであった:0分、95%A/5%B;2分、95%A/5%B;18分、0%A/100%B;28分、0%A/100%B;28.1分、95%A/5%B;33分、95%A/5%B。試料溶液は、約4mgの試料を1mLのDMF/DMSO(50/50)に溶解することによって調製した。注入量は2μLであった。オリゴマー分布は面積%として報告した。
【0073】
固有粘度の測定。本明細書で有用な特定のポリマー材料の固有粘度(IV)は、重量で60/40のフェノール/テトラクロロエタン中約0.5重量%のポリマー濃度を使用して、1/2mLキャピラリーバルブを有するLabGlass社のワグナー粘度計で、ASTM D2857-70手順に従って決定する。手順は、ポリマー/溶媒系を120℃で15分間加熱し、溶液を25℃に冷却し、25℃での流動時間を測定することによって行う。IVは、以下の式から計算する:
【0074】
【0075】
(式中、η:ポリマー濃度0.5g/溶媒100mLにおける25℃での固有粘度、tS:試料流動時間、t0:溶媒ブランク流動時間、C:溶媒100mLあたりのグラム単位のポリマー濃度)。本出願中の固有粘度の単位はデシリットル/グラムである。
【0076】
以下の実施例では、テトラクロロエタン/フェノール(50/50、重量比)中30℃で粘度を測定し、以下の式に従って計算した:
【0077】
【0078】
(式中、ηspは比粘度であり、Cは濃度である)。
【0079】
実施例1:グリコリシス触媒
本実施例1では、FDST-3(3g)およびDEG(またはEGまたはPEG200)(7g)および触媒を、磁気撹拌棒を備えた20mLバイアルに投入した。得られた混合物を設定温度で加熱ブロックで加熱し、4時間撹拌した。反応アリコートをGC分析によって分析した。PETグリコリシスには、種々の触媒を種々の温度で利用した(表1)。ビス2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル)テレフタレート(BHDET)収率、例えばBHDET wt.%は、GC分析を使用して決定した。BHDET wt.%は、グリコリシス反応におけるPETの総重量に対するものである。ビス2-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)収率、例えばBHET wt.%を、GC分析を使用して決定した。BHET wt.%は、グリコリシス反応におけるPETの総重量に対するものである。結果を表1に示す。表1で分かるように、多くの触媒が、多種多様なグリコリシス温度で高い(例えば、50%以上)BHDET(またはBHET)収率をもたらした。
【0080】
この例では、DEGは、150℃と170℃の両方で、モノマーグリコリシス生成物の収率の点でEGよりわずかに良好に機能した。PEG-200も、30%PET/グリコールおよび50%PET/グリコールの両方で良好に機能した。しかし、粗生成物は、試験方法がないため、モノマー%については分析しなかった。
【0081】
【0082】
実施例2A~2C:種々のグリコールを用いたグリコリシス/メタノリシス反応の実施例。
実施例2A - PEG-200
3つ口500mL丸底フラスコに機械式撹拌器、還流冷却器および熱電対を装備した。FDST-5ペレット(50.04g)、炭酸カリウム(0.50g)およびポリ(エチレングリコール)(100.0g)を投入。得られた混合物を窒素雰囲気下で200℃に加熱し、PETペレットが溶解するまで200℃で保持した。加熱マントルを取り外し、溶液を周囲温度まで冷却した。混合物に、メタノール(200.35g)を投入。得られた混合物を50℃に加熱した後、50%NaOH溶液(0.208mL)を滴下添加した。撹拌を15分間続けた。加熱マントルを外し、フラスコを室温まで2時間冷却する。生成物を濾過/洗浄によって回収し、空気中で乾燥させた。生成物を白色結晶性固体として得た(46.03g、収率91%、GC純度97%)。
【0083】
実施例2B - TEG/EG 1/1(wt.)
3つ口1リットル丸底フラスコに機械式撹拌器、還流冷却器および熱電対を装備した。FDST-5ペレット(75.11g)、炭酸カリウム(0.78g)、エチレングリコール(38.06g)、およびトリエチレングリコール(37.82g)を投入。得られた混合物を窒素雰囲気下で195℃に加熱し、PETペレットが溶解するまで195℃で保持した。加熱マントルを取り外し、溶液を周囲温度まで冷却した。混合物にメタノール(300.40g)を投入。得られた混合物を加熱還流した後、50%NaOH溶液(0.312mL)を滴下添加した。撹拌を15分間続けた。加熱マントルを取り外し、フラスコを室温まで2時間冷却した。生成物を濾過/洗浄によって回収し、空気中で乾燥させた。DMT生成物を白色結晶性固体として得た(67.76g、収率89%、GC純度98%)。
【0084】
実施例2C - CHDM/EG 1/1(wt.)
3つ口1リットル丸底フラスコに機械式撹拌器、還流冷却器および熱電対を装備した。FDST-5ペレット(75.93g)、炭酸カリウム(0.74g)、エチレングリコール(37.65g)、および1,4-シクロヘキサンジメタノール(37.53g)を投入。得られた混合物を窒素雰囲気下で195℃に加熱し、PETペレットが溶解するまで195℃で保持した。加熱マントルを取り外し、溶液を周囲温度まで冷却した。混合物にメタノール(300.72g)を投入。得られた混合物を加熱還流した後、50%NaOH溶液(0.312mL)を滴下添加した。撹拌を15分間続けた。加熱マントルを取り外し、フラスコを室温まで2時間冷却する。生成物を濾過/洗浄によって回収し、空気中で乾燥させた。DMT生成物を白色結晶性固体として得た(68.61g、収率91%、GC純度98%)。
【0085】
実施例3A~3D - EGのオーバーヘッド除去を伴うDEGグリコリシス
標準的な反応手順。機械式撹拌器、ディーンスタークトラップまたはデカンター、冷却器、熱量検出器および窒素雰囲気生成装置を装備した加熱マントル内に、3つ口1リットルRBフラスコを配置した。RBにPET試料、DEG、必要であればEG、および溶媒を投入した。キシレンを使用する場合はデカンターにキシレンを充填し、DEGのみを使用する場合はトラップを空にしておく。N2流およびかき混ぜをオンにする。設定温度まで加熱する。PETが溶解するまで保持する(1~8時間)。EG溶媒がデカンターに収集され、経時的にその形成速度をモニターし、必要に応じて除去する。DEGのみを使用する(キシレンを使用しない)場合は、真空~150torr(0~400torrの範囲)下で反応を実行し、必要に応じて表面下N2でスパージする。反応が完了したら、加熱を止め、室温まで冷却する。必要に応じて生成物を濾過し、GC、GPCおよび粘度(任意選択)で液体を分析する。濾過からの固形残渣をメタノールで洗浄し、乾燥させ、uniquantおよびCHN分析によって分析する。
【0086】
標準的な溶媒補助グリコリシス手順。機械式撹拌器、デカンター、冷却器、熱電対および窒素雰囲気生成装置を装備した加熱マントル内に、3つ口1リットルRBフラスコを配置した。RBに、PET試料、DEGおよび溶媒を投入した。デカンターに同伴溶媒を充填した。N2流およびかき混ぜをオンにする。設定温度まで加熱する。PETが溶解するまで保持する(1~8時間)。EG溶媒がデカンターの底相として収集される。経時的なrEGの収集速度をモニターし、必要に応じて除去する。反応が完了したら加熱を止め、<60℃に冷却する。生成物を濾過し、GC、GPCおよび粘度(任意選択)で液体を分析する。濾過からの固形残渣をメタノールで洗浄し、乾燥させ、uniquantおよびCHN分析によって分析する。
【0087】
標準的な無溶媒グリコリシス手順。機械式撹拌器、Oldershawカラム、還流ヘッドまたは単蒸留ヘッド、冷却器、熱電対、真空制御器、および窒素雰囲気生成装置を装備した加熱マントル内に、3つ口1リットルRBフラスコを配置した。RBに、PET試料、DEG、および必要に応じてEGを投入した。N2流およびかき混ぜをオンにする。設定温度まで加熱する。PETが溶解するまで保持する(1~8時間)。真空制御器を所望の圧力に設定する。還流ヘッドを使用する場合は、磁石電力タイマーを使用して還流パーセントを設定し、取出し温度を設定する。所望の蒸気温度に達すると、rEGが蒸留物収集フラスコに収集され始める。EGオーバーヘッドを追い出すために、必要に応じて表面下N2で反応をスパージすることができる。反応が完了したら、加熱を止め、室温まで冷却する。必要に応じて生成物を濾過し、GC、GPCおよび粘度(任意選択)で液体を分析する。濾過からの固形残渣をメタノールで洗浄し、乾燥させ、uniquantおよびCHN分析によって分析する。
【0088】
実施例3A - オーバーヘッドEG除去を伴う無溶媒DEGグリコリシス
本実施例では、PETを上述の標準的な無溶媒グリコリシス手順と同様のグリコリシス条件に供した。具体的には、機械式撹拌器、Oldershawカラム、単蒸留ヘッド、冷却器、熱電対、真空制御器、表面下窒素ライン、および窒素雰囲気生成装置を装備した加熱マントル内に、3つ口1リットルRBフラスコを配置した。RBに114.2gのPET、145.7gのDEG、および1.14gのK2CO3を投入した。窒素流およびかき混ぜをオンにした。フラスコを、溶液内の熱電対によって制御される200℃の設定値まで加熱した。真空制御器を400torr(0.53atm)に設定した。窒素を、溶液全体に表面下でスパージした。到達した溶液の最高温度は200.6℃であり、PETは、温度において約1時間で、すべて視認可能に溶解した。42.62gの蒸留物を収集し、GC分析により、これは約57.6%EGであり、残りがDEGであることが示された。DEGオリゴマーを冷却し、ブフナー漏斗で濾過した。DEGオリゴマーの試料15gを、NaOH触媒40mgおよびメタノール13.5gを使用して、25℃まで冷却する65℃の低温メタノリシスに供した。DMTの収率は96.3%であった。
【0089】
実施例3B - オーバーヘッドEG除去を伴う無溶媒DEGグリコリシス
本実施例では、PETを上述の標準的な無溶媒グリコリシス手順と同様のグリコリシス条件に供した。具体的には、機械式撹拌器、Oldershawカラム、還流ヘッド、冷却器、熱電対、真空制御器、および窒素雰囲気生成装置を装備した加熱マントル内に、3つ口1リットルRBフラスコを配置した。RBに、75gのPET、95.7gのDEG、5gのEG(カラム内の還流量を増加させるため)、および0.75gのK2CO3を投入した。窒素流およびかき混ぜをオンにした。フラスコを、溶液内の熱電対によって制御される200℃の設定値に加熱した。真空制御器を150torr(0.2atm)に設定した。電磁石によって制御される蒸気取出しヘッドは、30~50%の取出しに設定した。到達した溶液の最高温度は194.5℃であり、PETは、温度において約1時間ですべて視認可能に溶解した。13.875gのEG蒸留物を収集した。DEGオリゴマーを冷却し、ブフナー漏斗で濾過した。DEGオリゴマーの試料15gを、NaOH触媒40mgおよびメタノール16.1gを使用して、25Cまで冷却する65℃の低温メタノリシスに供した。DMTの収率は78%であった。
【0090】
実施例3C - DEGおよびEG除去を伴う無溶媒PETグリコリシス
下表に記載されるPETおよびDEGを用いたグリコリシス反応におけるEGの除去について、窒素スパージングおよび真空圧を試験した。表2のデータに利用されたグリコリシス反応は、実施例2で利用されたものと同様であった。結果を表2に示す。表2に示すように、PETは、1.5時間以内に完全に反応して溶解した。グリコリシスプロセスで最大86%のEGが回収された。
【0091】
【0092】
実施例3D - DEGを用いた溶媒補助PETグリコリシスおよびEG除去
PETグリコリシスは、標準的な溶媒補助グリコリシス手順のグリコリシスステップで上述されたものと同様の方法で、様々な同伴溶媒の存在下でDEGを用いて行った。具体的な条件に関する追加情報は、以下の表3に見出すことができる。以下の表3で分かるように、PETグリコリシス中のEG除去において2種の同伴溶媒を試験した。実験は、K2CO3およびNaOMeの存在下で、150および175℃で行った。表3に示すように、EGは良好な収率で回収された。しかし、反応終了時に顕著な量の不溶性PETが回収された。
【0093】
【0094】
実施例4 - グリコリシス中間体の低温メタノリシス
本実施例では、上記の実施例で生成されたいくつかのグリコリシス中間体をメタノリシス反応に供した。この実施例では、グリコリシス中間体(DEGオリゴマー)をメタノリシス条件に供し、メタノリシス条件は、DEGオリゴマーをメタノールおよびアルコリシス触媒に65℃で15分間曝露し、30分かけて25℃に冷却し、25℃で30分間保持することを含む。本実施例で利用したグリコリシス中間体は、以下の表4で参照されるように、上記の実施例で生成された。
【0095】
【0096】
実施例4 - 2ステップグリコリシスおよびメタノリシスプロセス
本実施例では、PETをグリコリシスおよびメタノリシスプロセスに供し、プロセスは、195℃で、グリコリシス触媒(1wt.%のK2CO3)の存在下でPETを1種以上のグリコールに曝露し、グリコリシス反応生成物を1.5mol.%のNaOHの存在下で、50℃でメタノリシスに供すること(メタノールは、PET1部に対してメタノール4部の量で存在する)を含む。具体的な反応およびプロセスは、表5に示される参照される反応について上記の実施例に記載されている。表5で分かるように、すべての実験で優れたDMT収率およびDMT品質が得られた。
【0097】
【0098】
本開示はまた、以下の番号付けされた項に従って説明されてもよい。
項1.ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法であって、ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露して第1の混合物を用意するステップであり、第1の混合物が、1種以上の解重合生成物;エチレングリコール(EG);および1種以上の不溶性成分を含み、解重合条件が、約120℃~約260℃の範囲の温度、約0.013atm(0.2psig)~約10.2atm(150psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約10時間の範囲の期間を含み、第1のグリコール組成物が、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せを含むステップ;反応容器中で、ポリエステル組成物を第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露する間に、反応容器からEGの少なくとも一部を除去するステップ;第1の混合物の第1の液体成分の少なくとも一部を、アルコリシス条件下で1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露して第2の混合物を用意するステップであり、第2の混合物が、1種以上のジアルキルテレフタレートを含む固体成分および第2の液体成分を含み、アルコリシス条件が、約25℃~約90℃の範囲の温度、約1atm(14.7psig)~約2atm(30psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約5時間の範囲の期間を含むステップ;ならびに1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を、固液分離によって第2の混合物から分離するステップを含む、方法。
【0099】
項2.反応容器中で、ポリエステル組成物を第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露する間に溶媒が存在する、項1に記載の方法。
項3.溶媒がC7~C16炭化水素であり、100℃~250℃の沸点を有する、項2に記載の方法。
【0100】
項4.解重合条件が、0.013atm(0.2psig)~約1atm(14.7psig)の圧力を含む、項1~3に記載の方法。
項5.ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露する間に、第1のグリコール組成物とポリエステル組成物の重量比が約1:9~約9:1の範囲である、項1~4に記載の方法。
【0101】
項6.第1のグリコール組成物がEGをさらに含み、EGとジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せとの重量比が約99:1~約0:100の範囲である、項1~5に記載の方法。
【0102】
項7.1種以上のアルコールとポリエステル組成物との重量比が約2:1~約10:1の範囲であり得る、項1~6に記載の方法。
項8.ポリエステル組成物が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)変性PET、イソフタル酸(IPA)変性PET、ジエチレングリコール(DEG)変性PET、ネオペンチルグリコール(NPG)変性PET、プロパンジオール(PDO)変性PET、ブタンジオール(BDO)変性PET、ヘキサンジオール(HDO)変性PET、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)変性PET、イソソルビド変性PET、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)変性PET、ポリ(エチレングリコール)(PEG)変性PET、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)含有コポリエステル、イソソルビド含有コポリエステル、またはこれらの組合せを含む、項1~7に記載の方法。
【0103】
項9.ポリエステル組成物が、0モル%~100モル%のCHDM、0モル%~100モル%のDEG、0モル%~100モル%のNPG、0モル%~100モル%のPDO、0モル%~100モル%のBDO、0モル%~100モル%のHDO、0モル%~100モル%のMPジオール、0モル%~100モル%のイソソルビド、0モル%~100モル%のPTMG、0モル%~100モル%のPEG、および0モル%~30モル%のイソフタル酸を含み、1種以上のポリエステル中のジオール等価物の合計が約100モル%であり、1種以上のポリエステル中の二酸等価物の合計が約100モル%である、項1~8に記載の方法。
【0104】
項10.ポリエステル組成物が、ASTM D2857-70に従って決定して約0.1dL/g~約1.2dL/gの固有粘度を有する、項1~9に記載の方法。
項11.ポリエステル組成物中に存在する1種以上のポリエステルがリサイクルされたポリエステルである、項1~10に記載の方法。
【0105】
項12.ポリエステル組成物が1種以上の異物を含み、1種以上の異物が、ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、綿、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スパンデックス、天然繊維、セルロースエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ナイロン、ポリ(乳酸)、ポリジメチルシロキサン、ポリシラン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、無機充填剤、色素、顔料、カラートナー、着色剤、可塑剤、接着剤、難燃剤、金属、アルミニウム、および鉄からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、項1~11に記載の方法。
【0106】
項13.1種以上の異物が、ポリエステル組成物中の1種以上のポリエステルの重量に対して0.01wt.%~50wt.%の量でポリエステル組成物中に存在する、項12に記載の方法。
【0107】
項14.固体成分中の1種以上のジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレート(DMT)を含み、DMTが少なくとも90%の純度である、項1~13に記載の方法。
項15.固体成分が、1000ppm以下、もしくは500ppm以下の量のジメチルイソフタレート(DMI);1000ppm以下、もしくは500ppm以下の量のビスフェノールA(BPA);または両方をさらに含む、項1~14に記載の方法。
【0108】
項16.1種以上のグリコリシス触媒が、Li2CO3、K2CO3、CaCO3、Na2CO3、Cs2CO3、ZrCO3、LiOH、NaOH、KOH、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、マグネシウムメトキシド(Mg(OMe)2、カリウムt-ブトキシド、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac)2)、酢酸亜鉛(Zn(OAc)2)、酢酸マンガン(II)(Mn(OAc)2)、ハイドロタルサイト、ゼオライトおよび塩化リチウムからなる群から選択されるメンバーを含む、項1~15に記載の方法。
【0109】
項17.1種以上のグリコリシス触媒が、LiOH、NaOH、KOH、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、ZrCO3、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac)2)、Cs2CO3、エチレングリコールナトリウム塩、および酢酸マンガン(II)(Mn(OAc)2)からなる群から選択されるメンバーを含む、項16に記載の方法。
【0110】
項18.1種以上のグリコリシス触媒が、LiOH、NaOH、KOH、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、Cs2CO3、エチレングリコールナトリウム塩およびリチウムメトキシド(LiOMe)からなる群から選択されるメンバーを含む、項16に記載の方法。
【0111】
項19.第1の混合物の第1の液体成分の少なくとも一部を1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露する前に、第1の混合物の第1の液体成分から1種以上の不溶性成分の少なくとも一部を分離するステップであって、異物の少なくとも一部が1種以上の不溶性成分中に存在するステップをさらに含む、項12~13に記載の方法。
【0112】
項20.分離が、濾過、遠心分離、沈降、沈殿またはそれらの組合せを含む、項19に記載の方法。
項21.1種以上のアルコールがメタノールを含む、項1~20に記載の方法。
【0113】
項22.アルコリシス触媒が、ポリエステル組成物の重量に対して0.1wt.%~20wt.%の量で存在する、項1~21に記載の方法。
項23.アルコリシス触媒が、K2CO3、Na2CO3、Li2CO3、Cs2CO3;KOH、LiOH、NaOH;NaOMe、Mg(OMe)2、KOMe、KOt-Bu、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含む、項1~22に記載の方法。
【0114】
項24.アルコリシス触媒が、KOH、NaOH、NaOMeまたはそれらの組合せを含む、項23に記載の方法。
項25.第2の液体成分が、第1のグリコール組成物の少なくとも一部、アルコール組成物の少なくとも一部、またはそれらの組合せを含む、項1~24に記載の方法。
【0115】
項26.第1のグリコール組成物の少なくとも一部を第2の液体成分から分離してリサイクルグリコール組成物を形成するステップをさらに含む、項25に記載の方法。
項27.リサイクルグリコール組成物の存在下で、第2のポリエステル組成物中の1種以上のポリエステルを解重合するステップをさらに含む、項26に記載の方法。
【0116】
項28.バッチ方法、半連続方法、または連続方法として実行される、項1~27に記載の方法。
項29.1種以上の解重合生成物が、モノマー、オリゴマー、またはそれらの組合せを含む、項1~28に記載の方法。
【0117】
項30.1種以上のオリゴマーが2~10の重合度を示す、項29に記載の方法。
項31.第1のグリコール組成物を第2の液体成分から分離してリサイクルグリコール組成物を形成するステップが、第2の液体成分を蒸留プロセスに曝露して第1のグリコール組成物の少なくとも一部を回収することを含む、項26に記載の方法。
【0118】
項32.ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法であって、ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露して第1の混合物を用意するステップであり、第1の混合物が第1の液体成分および1種以上の不溶性成分を含み、第1のグリコール組成物が、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せを含み、第1の液体成分が、1種以上の解重合生成物およびエチレングリコール(EG)を含み、解重合条件が、約120℃~約260℃の範囲の温度、約0.013atm(0.2psig)~約10.2atm(150psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約10時間の範囲の期間を含むステップ;第1の液体成分の少なくとも一部を、アルコリシス反応容器中で、アルコリシス条件下で1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露して第2の混合物を用意するステップであり、第2の混合物が、1種以上のジアルキルテレフタレートを含む固体成分および第2の液体成分を含み、アルコリシス条件が、約25℃~約90℃の範囲の温度、約1atm(14.7psig)~約2atm(30psig)の範囲の圧力、および約0.5時間~約5時間の範囲の期間を含むステップ;第2の混合物から1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を分離するステップ;ならびに第2の液体成分の少なくとも一部を蒸留条件に曝露してEGの少なくとも一部を分離し、リサイクルグリコール組成物を用意するステップであり、リサイクルグリコール組成物が第1のグリコール組成物の少なくとも一部を含むステップを含む、方法。
【0119】
項33.ポリエステル組成物を、解重合条件下で反応容器中で、第1のグリコール組成物および1種以上のグリコリシス触媒に曝露して第1の混合物を用意する間に、第1のグリコール組成物とポリエステル組成物との重量比が約1:9~約9:1の範囲である、項32に記載の方法。
【0120】
項34.第1のグリコール組成物がEGをさらに含み、EGとジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、またはそれらの組合せとの重量比が約99:1~約0:100の範囲である、項32~33に記載の方法。
【0121】
項35.1種以上のアルコールとポリエステル組成物の重量比が約2:1~約10:1の範囲であり得る、項32~34に記載の方法。
項36.ポリエステル組成物が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)変性PET、イソフタル酸(IPA)変性PET、ジエチレングリコール(DEG)変性PET、ネオペンチルグリコール(NPG)変性PET、プロパンジオール(PDO)変性PET、ブタンジオール(BDO)変性PET、ヘキサンジオール(HDO)変性PET、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)変性PET、イソソルビド変性PET、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)含有コポリエステル、イソソルビド含有コポリエステル、PTMG変性PET、またはこれらの組合せを含む、項32~35に記載の方法。
【0122】
項37.ポリエステル組成物が、0モル%~100モル%のCHDM、0モル%~100モル%のDEG、0モル%~100モル%のNPG、0モル%~100モル%のPDO、0モル%~100モル%のBDO、0モル%~100モル%のHDO、0モル%~100モル%のMPジオール、0モル%~100モル%のイソソルビド、0モル%~100モル%のPTMG、0モル%~100モル%のPEG、および0モル%~30モル%のイソフタル酸を含み、1種以上のポリエステル中のジオール等価物の合計が約100モル%であり、1種以上のポリエステル中の二酸等価物の合計が約100モル%である、項32~36に記載の方法。
【0123】
項38.ポリエステル組成物が、ASTM D2857-70に従って決定して約0.1dL/g~約1.2dL/gの固有粘度を有する、項32~37に記載の方法。
項39.ポリエステル組成物中に存在する1種以上のポリエステルがリサイクルされたポリエステルである、項32~38に記載の方法。
【0124】
項40.ポリエステル組成物が1種以上の異物を含み、1種以上の異物が、ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、綿、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スパンデックス、天然繊維、セルロースエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ナイロン、ポリ(乳酸)、ポリジメチルシロキサン、ポリシラン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、無機充填剤、色素、顔料、カラートナー、着色剤、可塑剤、接着剤、難燃剤、金属、アルミニウム、および鉄からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、項32~39に記載の方法。
【0125】
項41.1種以上の異物が、ポリエステル組成物中の1種以上のポリエステルの重量に対して0.01wt.%~50wt.%の量でポリエステル組成物中に存在する、項40に記載の方法。
【0126】
項42.固体成分中の1種以上のジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレート(DMT)を含み、DMTが少なくとも90%の純度である、項32~41に記載の方法。
【0127】
項43.固体成分が、1000ppm以下、もしくは500ppm以下の量のジメチルイソフタレート(DMI);1000ppm以下、もしくは500ppm以下の量のビスフェノールA(BPA);または両方をさらに含む、項32~42に記載の方法。
【0128】
項44.1種以上のグリコリシス触媒が、Li2CO3、K2CO3、CaCO3、Na2CO3、Cs2CO3、ZrCO3、LiOH、NaOH、KOH、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、マグネシウムメトキシド(Mg(OMe)2、カリウムt-ブトキシド、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac)2)、酢酸亜鉛(Zn(OAc)2)、酢酸マンガン(II)(Mn(OAc)2)、ハイドロタルサイト、ゼオライトおよび塩化リチウムからなる群から選択されるメンバーを含む、項32~43に記載の方法。
【0129】
項45.1種以上のグリコリシス触媒が、LiOH、NaOH、KOH、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、ZrCO3、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac)2)、Cs2CO3、エチレングリコールナトリウム塩、および酢酸マンガン(II)(Mn(OAc)2)からなる群から選択されるメンバーを含む、項44に記載の方法。
【0130】
項46.1種以上のグリコリシス触媒が、LiOH、NaOH、KOH、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、Cs2CO3、エチレングリコールナトリウム塩、リチウムメトキシド(LiOMe)、ハイドロタルサイト、およびゼオライトからなる群から選択されるメンバーを含む、項44に記載の方法。
【0131】
項47.第1の液体成分の少なくとも一部を1種以上のアルコールおよびアルコリシス触媒に曝露する前に、第1の混合物の第1の液体成分から1種以上の不溶性成分の少なくとも一部を分離するステップであって、異物の少なくとも一部が1種以上の不溶性成分中に存在するステップをさらに含む、項40~41に記載の方法。
【0132】
項48.分離が、濾過、遠心分離、沈降、沈殿またはそれらの組合せを含む、項47に記載の方法。
項49.1種以上のアルコールがメタノールを含む、項32~48に記載の方法。
【0133】
項50.第2の液体成分の少なくとも一部を蒸留条件に曝露してEGの少なくとも一部を分離するステップが、リサイクルアルコール組成物をさらにもたらす、項32~49に記載の方法。
【0134】
項51.リサイクルアルコール組成物の少なくとも一部をアルコリシス反応容器に供給するステップをさらに含む、項50に記載の方法。
項52.溶媒が、トルエン、キシレン、isopar C、isopar E、isopar G、isopar H、isopar L、isopar M、またはそれらの組合せである、項2~31に記載の方法。
【0135】
本開示は、特にその特定の態様を参照して詳細に説明されたが、本開示の精神および範囲内で変形および修正がなされてもよいことが理解される。
【国際調査報告】