(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】締結装置および解放装置を備えた心臓ポンプインプラントシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/95 20130101AFI20241024BHJP
A61M 60/165 20210101ALI20241024BHJP
【FI】
A61F2/95
A61M60/165
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524641
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022078609
(87)【国際公開番号】W WO2023076869
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520469457
【氏名又は名称】カルディオン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KARDION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】シェレンベルク,インガ
(72)【発明者】
【氏名】バウムバッハ,ハーディ
(72)【発明者】
【氏名】ハインツェ,マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,トマス
(72)【発明者】
【氏名】ウェニング,レオン
【テーマコード(参考)】
4C077
4C267
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD21
4C267AA56
4C267CC19
4C267GG24
(57)【要約】
本明細書には、心臓ポンプなどのインプラント装置に関するシステムおよび方法が開示されている。インプラント装置は、インプラント、締結装置、解放装置、および搬送装置を含んでもよい。インプラントは、脈管中の移植のために形作られてもよい。締結装置は、インプラントに連結され、締結装置が脈管中でインプラントを締結するように構成された締結位置と、締結装置を解放位置に移動させ、インプラントを解放するように構成され得る解放装置との間で移動可能な連結セクションを有してもよい。搬送装置は、締結装置に連結されてもよく、作動に応答して、締結位置と解放位置との間で締結装置の搬送を引き起こすように適合される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓サポートシステムとして使用するためのインプラント装置であって、
心臓ポンプを含み、脈管中に移植するように構成されたインプラントと、
前記インプラントに接続され、締結装置が前記脈管中に締結するように構成されている締結位置と、前記締結装置が前記インプラントを解放するように構成されている解放位置との間で移動可能な前記締結装置と、
前記締結装置に連結され、作動に応答して、前記締結位置と前記解放位置との間で前記締結装置を移動させるように適合された搬送装置と、を含むインプラント装置。
【請求項2】
前記締結装置が折り畳み可能フレームとして形成され、前記折り畳み可能フレームが、前記締結位置で開かれ、前記解放位置で折り畳まれる、請求項1に記載のインプラント装置。
【請求項3】
前記搬送装置が少なくとも一つのプルコードを含み、前記少なくとも一つのプルコードが、引張動作の形態の作動に応答して、前記締結位置から前記解放位置への前記締結装置の搬送を引き起こすように、および解放動作の形態のさらなる作動に応答して、前記解放位置から前記締結位置への前記締結装置の搬送を引き起こすように構成されている、請求項2に記載のインプラント装置。
【請求項4】
前記締結装置が、前記締結位置において少なくとも三つの接触点で前記脈管に半径方向に接触するように形作られた少なくとも三つの締結アームを含む、請求項1に記載のインプラント装置。
【請求項5】
前記締結装置が、前記インプラントのための保持フレームを含み、前記保持フレームが、
前記インプラントを前記脈管中に定置するための少なくとも二つの足部と、
X線を使用して、前記脈管中の前記締結装置の位置をチェックすることを可能にするように適合された少なくとも一つのX線マーカーと、を含む、請求項1に記載のインプラント装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのX線マーカーが前記保持フレームの少なくとも一つの足部上に配設され、前記X線マーカーが前記保持フレームの別の構成要素のX線画像とは異なる構造を有する、請求項5に記載のインプラント装置。
【請求項7】
前記保持フレームの前記少なくとも二つの足部が、前記保持フレームを大動脈弁の弁尖の間に位置付けるように構成されている、請求項5に記載のインプラント装置。
【請求項8】
前記保持フレームがニチノール材料を含む、請求項5に記載のインプラント装置。
【請求項9】
前記搬送装置が、
前記締結位置で前記締結装置の周りに巻き付くように形作られたスリングと、
前記締結装置を前記締結位置から前記解放位置に搬送するために、前記搬送装置が前記締結装置の周りに巻き付いたときに、前記スリングを締めるように構成されている作動装置と、をさらに含む、請求項1に記載のインプラント装置。
【請求項10】
前記作動装置が、先行する回転作動、先行する摺動作動、または先行する押圧作動に応答して、前記スリングを開くまたは延ばして、前記スリングで前記締結装置を巻くように適合されている、請求項9に記載のインプラント装置。
【請求項11】
前記解放位置にある前記締結装置および前記インプラントを受容するように形作られたスリーブ装置をさらに含む、請求項1に記載のインプラント装置。
【請求項12】
心臓ポンプを含むインプラントを脈管中に移植するためのシステムであって、
ハウジング開口部、前記ハウジング開口部に隣接する第一の作動領域、および前記ハウジング開口部の反対側の前記第一の作動領域に隣接する移動可能な停止装置を含むハウジングと、
直線的に移動可能な様式で前記ハウジングに受容されるように構成されたスライダセクションを有するスライダと、
前記スライダに接続された前記心臓ポンプを含む前記インプラントと、
作動に応答して前記スライダの直線動作を引き起こすように適合された作動部材と、を含み、前記停止装置が、前記スライダセクションが接触位置で前記停止装置に接触する時、前記スライダの前記直線動作を防止し、前記スライダセクションが前記第一の作動領域から出るのを防止するように構成されている、システム。
【請求項13】
前記ハウジングが、第二の作動領域をさらに含み、前記停止装置が、前記第一の作動領域と前記第二の作動領域との間に配設される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記スライダが前記第二の作動領域に入るのを可能にするために、前記スライダセクションが前記接触位置に配置された時、解放動作に応答して開くように構成された少なくとも一つの解放ユニットをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも一つの解放ユニットが、前記解放動作に応答して前記停止装置を開くように構成され、前記少なくとも一つの解放ユニットが、前記作動部材の直線動作を有する作動要素として構成され、前記直線動作が、前記作動要素を引き出すことを含み、前記スライダセクションが、前記接触位置に配設される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも一つの解放ユニットが、前記スライダが前記第二の作動領域に入るのを防止するために、前記スライダが前記接触位置に配設された時、阻止動作に応答して前記停止装置を閉じるように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
解放装置の前記阻止動作が、前記解放動作と反対の動作を表す、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも一つの解放ユニットが、前記スライダセクションが前記第一の作動領域に戻るのを防止するために、前記スライダが前記第二の作動領域に位置付けられると、前記停止装置を閉じるように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも一つの解放ユニットが、前記作動部材によって作動可能であり、前記作動部材が、前記作動とは反対の作動に応答して、作動範囲中で前記スライダの前記直線動作とは反対の前記スライダの直線戻り動作を引き起こすようにさらに構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記作動部材が回転ノブをさらに含み、前記作動要素が回転作動要素である、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年10月26日に出願された、「IMPLANT DEVICE,OPERATING DEVICE FOR OPERATING AN IMPLANT DEVICE,IMPLANT SYSTEM AND METHOD FOR MANUFACTURING AN IMPLANT DEVICE」と題する米国仮特許出願第63/263,043号の利益を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれ、全ての目的のために本明細書の一部を成す。
【0002】
本開示は、概して医療用インプラントに関し、特に、心臓ポンプの低侵襲送達および移植を実施するための装置、プロセス、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
医療技術における低侵襲送達システムは、多くの場合、機能、動作原理、設計、安全性、人間工学、生産、制御および試験、組立、輸送および/または使用などの様々な要因に関して設計される。これらの因子は同様に、脈管系にインプラントを固定するための固定機構の設計中に考慮され得る。得られた解決策の変形が、これらの因子を用いて評価され、それによって各因子は特定の重み付けを有し得る。
【0004】
この評価に関して、多種多様なハンドル設計が考案および設計されている。したがって、以下では動作機器とも呼ばれるハンドルの設計、ならびに特定の機構は、製品の所与の要件に個別に適合されなければならない。
【0005】
同様に、脈管系にインプラントを固定するための多種多様な異なる固定機構が市販されている。ニチノール製の自己拡張ステントシステムは、血管の内壁に対して半径方向のクランプ力を加えることによってインプラントの移動を防止するために、医療技術の様々な用途で使用される。
【発明の概要】
【0006】
脈管中にインプラントを固定するための締結装置、脈管の中にインプラントを解放するための解放装置、および脈管の中にインプラントを移植するためのアクチュエータの、任意の組み合わせを含み得るインプラント装置に関するシステムおよび方法が本明細書に開示される。本明細書に提示されるアプローチは、インプラント装置を動作させるための動作装置、インプラントシステム、インプラント装置を製造するための方法、この方法を使用する装置、および最後に主要要件に従った対応するコンピュータプログラムをさらに含み得る。従属請求項に列挙された手段により、独立請求項に特定された装置の有利なさらなる訓練および改善が可能である。
【0007】
提示されたアプローチで達成され得る利点には、インプラントを脈管中に締結し、インプラント装置を脈管から除去するための実用的な方法を提供することが含まれるがこれに限定されない。
【0008】
インプラント装置が本明細書に開示される。一部の実施形態では、インプラント装置は、インプラント、締結装置、および搬送装置を含んでもよい。インプラントは、脈管の中への移植のために形作られてもよい。締結装置は、インプラントに接続されてもよく(例えば、着脱可能)、締結装置が脈管中でインプラントを固定または固定可能にし得る締結位置と、締結装置がインプラントを解放し得る解放位置との間で移動可能であってもよい。搬送装置は、締結装置に連結されてもよく、作動に応答して、締結位置と解放位置との間で締結装置の搬送を引き起こすように適合されてもよい。
【0009】
一部の実施形態では、締結装置は、連結セクション、締結セクション、および搬送セクションでさらに構成されもよい。連結セクションは、インプラントに連結するように構成されてもよい。締結セクションは、締結装置の締結位置で脈管の内側と接触して、インプラントを脈管中に固定するように形作られてもよい。搬送セクションは、連結セクションを締結セクションに接続してもよく、締結装置がインプラントを解放し得る押し込み作用に応答して、締結装置を締結位置から解放位置へと搬送させるように構成されてもよい。
【0010】
一部の実施形態では、解放装置は、締結装置を使用して脈管中に移植可能なインプラントを解放してもよい。解放装置は、スリングおよび作動装置を含んでもよい。スリングは、締結装置が脈管中にインプラントを締結または締結可能にし得る締結位置で、締結装置の周りに巻き付くように形作られてもよい。作動装置は、スリングが締結装置の周りに巻き付いて、締結位置から、締結装置がインプラントを解放し得る解放位置に、締結装置を移動させるときに、スリングを締めるように構成されてもよい。
【0011】
スリングは、締結装置の周りに巻き付くための可撓性ループを有してもよく、また随意に、ガイドロッドもしくはガイドワイヤもしくは剛直なガイドロープ、またはループをガイドするための他のガイド要素をさらに有してもよい。
【0012】
脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータは、ハウジング、スライダ装置、および作動要素を含んでもよい。ハウジングは、ハウジング開口部、ハウジング開口部に隣接する作動領域、およびハウジング開口部の反対側の作動領域に隣接する移動可能な停止装置を有してもよい。スライダ装置は、ハウジング中に直線的に移動可能に受容または受容され得るスライダセクションを有してもよい。アクチュエータは、作動に応答して、作動範囲でスライダ装置の直線動作を引き起こすように適合されてもよい。停止装置は、作動範囲外へのスライダセクションの通過を防止するために、スライダセクションが作動範囲内の接触位置で停止装置と接触するときに、スライダ装置の直線動作を防止するように適合されてもよい。
【0013】
インプラントは、例えば、心臓サポートシステムと共に、または心臓サポートシステムとして使用するために構成されたポンプを含んでもよい。こうしたインプラントでは、脈管は、よって、その中にポンプが挿入され、かつ締結装置によって固定されるように形作られ得る血管であり得る。ポンプは、脈管中の流体、例えば、血液を運ぶように構成されてもよく、この目的のために、例えば、流体吸引を生成するための回転可能なインペラと、インペラを駆動するための駆動部とを含んでもよい。搬送装置のおかげで、本明細書に提示されるインプラントは、有利なことに、解放位置に迅速かつ容易に搬送されることができ、ここで1回の作動のみでインプラントを脈管から穏やかに除去することができる。
【0014】
締結装置は、例えば、折り畳み可能または折り畳み式のフレームであってもよく、フレームは、締結位置で広げられるまたは展開または拡張され、解放位置で折り畳まれ得る。締結位置では、フレームは、脈管と半径方向に接触して、例えば、脈管中にクランプ留めされ得る。解放位置では、フレームは、脈管に接触することができず、例えば、インプラントに隣接して配設され得る。解放位置では、インプラントは、脈管に対して摩擦がほとんどまたは全くない状態で、脈管から除去され得る。
【0015】
一部の実施形態では、締結装置は締結セクションを有してもよい。締結位置では、締結装置の締結セクションは、インプラントが摩擦締結されるように、例えば、血管中にクランプ留めされるように、血管の内側に接触してもよい。一部の実施形態では、締結セクションは、血管の内側と半径方向に接触してもよい。締結位置では、締結装置は、広げられてもよく、例えばクランプ留めされてもよい。締結位置では、搬送セクションおよび/または締結セクションは、連結セクションから離れて延びるように配設されてもよい。解放位置では、締結装置は折り畳まれてもよく、搬送セクションおよび/または締結セクションは、例えばインプラントにもたれて横たわるか、またはインプラントに対して押し付けられて配設されてもよい。例えば、回収シースとしても知られる、解放スリーブまたは補強管によって、圧力が搬送セクションに加えられてもよい。圧力作動を継続することによって、締結装置は、解放スリーブの中に折り畳まれてもよく、折り畳まれた締結装置を有するインプラント全体が、解放スリーブの中に収容されてもよい。それ故に、本明細書に提示される締結装置は、有利なことに、単にボタンを押すことによって解放位置に迅速かつ容易に搬送されることができ、ここで締結装置と連結されたインプラントは血管から穏やかに除去され得る。
【0016】
一部の実施形態では、締結装置は、解放装置のスリングによって一緒に引っ張られるようにさらに構成されてもよい。解放装置のスリーブ装置は、インプラントおよびそれを包囲する締結装置を収容してもよい。
【0017】
一部の実施形態では、締結装置は、連結セクションの管状内部にインプラントを受容するために、および追加的または代替的に、解放スリーブを連結セクションの上に置くために管状に形作られ得る、連結セクションを含んでもよい。それ故に、連結セクションの直径は、インプラントの直径よりも大きく、追加的または代替的に、解放スリーブの直径よりも小さくてもよい。こうした管状連結セクションは、円筒形の細長いインプラントを管の内部に収容することを可能にし得る。管状連結セクションおよびインプラントは、例えば周方向に、互いに機械的に連結されてもよい。こうした管状連結セクションはまた、解放スリーブを連結セクションの上または周りにしっかりと保持することを可能にしてもよく、その結果、締結装置が最初に解放位置に押し込まれ、次いでインプラントと一緒に完全に受容され得る。
【0018】
締結位置では、連結セクションの直径は、締結セクションの全長、および追加的または代替的に、搬送セクションの全長よりも小さくてもよい。このようにして、ガイドスリーブは、締結装置の狭い点で受容されてもよく、次いで、脈管内の締結は、その後方の締結装置のより広いセクションを押すことによって解放されてもよく、これはその後、例えば、折り畳まれる。
【0019】
締結位置では、搬送セクションはまた、半径方向に、および追加的または代替的に、連結セクションと締結セクションとの間にある角度で配設されてもよい。搬送セクションの半径方向成形は、ガイドスリーブが完全に折り畳まれて、締結装置と共に内部インプラントを受容することを可能にし得る。先細りした締結セクションは、締結装置が解放位置に移動されたときに、ガイドスリーブが、わずかな力で搬送セクションに沿って簡単に摺動することを可能にし得る。
【0020】
締結装置の少なくとも一つのセクションが、形状記憶部、および追加的または代替的に設計形態による自己拡張材料を有する場合も有利であり得る。これらのセクションは、例えば、搬送セクション、および追加的または代替的に締結セクションであってもよい。材料はニッケル-チタン合金、例えばニチノールであってもよい。こうした材料は、締結装置が締結位置とは独立して搬送されることを可能にし得る。
【0021】
一実施例によれば、締結セクションは、締結位置にある三つの接触点で導管と半径方向に接触するように形作られた少なくとも三つの固定アームを有してもよい。これにより、インプラントを脈管中に固定する穏やかでかつ安全な方法が作り出され得る。
【0022】
一部の実施形態では、締結装置アームは、保持フレームとして構成されてもよい。インプラント装置用の保持フレームは、インプラントを脈管中に定置するための少なくとも二つの足部と、X線光を使用して脈管中の足部の少なくとも一つの位置をチェックすることを可能にするように適合された少なくとも一つのX線マーカーとを含んでもよい。脈管は、一部の例では、大動脈であってもよい。
【0023】
保持フレームは格子構造であってもよく、これはニチノールを含んでもよく、心臓サポートシステムなどのインプラントをしっかりと保持し、かつ大動脈の内側に定置されるか、または大動脈の三つの弁尖の間に移植されるように構成されてもよい。保持フレームは、少なくとも二つの足部を含んでもよい。一部の実施形態では、一つの足部は、保持フレームまたは心臓サポートシステムを、大動脈中の特定の所望の位置に保持するために使用され得るクランプまたは支持要素であってもよい。
【0024】
心臓サポートシステムは、心臓ポンプであってもよく、例えば、これは少なくとも一つの保持フレームによって、大動脈の内部に移植され、そこに保持されてもよい。X線マーカーは、X線で別の構造と明確に区別可能な構造であってもよく、それ故に、外科医によって使用されて、手術中およびフォローアップ中に心臓サポートシステムの位置を検証するのに役立ち得る。これは、X線マーカーを視認可能にするため、X線の使用を用いて行われ得る。
【0025】
短期的血管内心臓サポートシステムは、(皮膚を通して)経皮的に、または様々な動脈(例えば、大腿動脈)アクセスを介して、外科的に送達される。システムの最終位置付けは、術中に(例えば、超音波または蛍光透視法を介して)視覚的に支援される。しかしながら、これらのシステムは、局所固定の欠如により、高い転位リスクを有し得る。現在のニチノールフレームは、長手方向軸におけるそれらの回転整列のいかなる指標も外科医に提供しない。大動脈内に低侵襲的に定置される新規のVADシステムまたは心臓サポートシステムは、整列中、移植に必要な精度を可能にすることができる。
【0026】
本明細書に提示されるVADシステム、および特にポンプは、例えば、大動脈内に定置および固定される保持フレームとして使用され得るニチノールフレームによって支持されてもよい。心臓サポートシステムの良好な機能を確実にするために、保持フレームは、前面が大動脈弁に平行かつ中心に位置付けられてもよい。ニチノールフレームは、安定した固定のための三つの足部を含んでもよい。移植中、これらは、大動脈弁と一致するように位置付けられてもよく、三つの弁尖の間に定置されてもよい。
【0027】
以前のVADシステムでは、X線画像の二次元的性質は、外科医が長手方向軸の回転整列を評価するための情報はほとんどないことを意味した。本明細書に提示されるアプローチは、ニチノールフレームとして本明細書で示される保持フレームの追加のインジケータを通して、この位置付けプロセスを迅速かつ安全に実施することを可能にする。これは、手術時間の短縮、誤った位置付けの回避、それ故に患者に対するリスクの回避につながる。位置付けはまた、フォローアップチェックで容易にチェックすることができ、いかなる傾きも迅速に検出することができる。
【0028】
X線マーカーは、特にX線マーカーが保持フレームの別の構成要素のX線画像とは異なる構造を有する、保持フレームの少なくとも一つの足部の設計に従って配設されてもよい。これは、手術中ならびにフォローアップ中に、X線の助けを借りて、X線マーカーを簡単かつ確実に検出することができ、それ故に、保持フレームの位置付けをチェックすることができるという利点を提供する。X線マーカーは、外科医が保持フレーム、それ故に心臓サポートシステムの正確な整列を検証することができる手がかりを提供することができる。
【0029】
保持フレームおよび/または足部は、実施例による格子構造として構成されてもよい。格子構造は、ワイヤが格子の中に曲げられて足部を形成し、および/またはX線マーカーを形成し得る構造であってもよい。こうした設計は、技術的に単純かつ費用効果の高い手段でX線マーカーを実現できるという利点を提供する。
【0030】
一部の実施形態によれば、X線マーカーは、保持フレームの別の領域とは異なる塗りつぶし構造を有してもよい。塗りつぶし構造は、足部または保持フレームの有界領域の少なくとも一部を塗りつぶしする構造であってもよい。これは、外科医または医師が保持フレームの位置を識別するのを容易にする視覚的コントラストを生成し得る。
【0031】
一実施例によれば、X線マーカーは、保持フレームの別の領域から区別され得る記号を形成してもよい。記号は、明確で認識しやすいX線マーカーの所定の構造であってもよい。これはまた、保持フレームの位置付けの確実かつ明確な識別を可能にする視覚的コントラストを作り出す。
【0032】
加えて、X線マーカーは、外側輪郭の特徴的な設計または形状を有する保持フレームのさらなる領域を区別することができるように構成されてもよい。これはまた、保持フレームの位置付けを明確に識別することを可能にする視覚的コントラストを作り出す。
【0033】
一実施例によれば、X線マーカーは、保持フレームの別の領域から区別可能であり得るサイズを有してもよい。これはまた、保持フレームの位置付けを明確に識別することを可能にする視覚的コントラストを作り出す。
【0034】
X線マーカーは、一実施例による保持フレームのさらなる領域から区別可能なパターンを有してもよい。これはまた、保持フレームの位置の明確な識別を可能にする視覚的コントラストを作り出す。
【0035】
一実施例によれば、保持フレームの少なくとも二つの足部は、保持フレームを大動脈弁の弁尖の間に位置付けてもよい。これは、心臓サポートシステムの機能の改善に役立ち得る。本明細書に提示されるアプローチは、心臓サポートシステムの誤作動、または装置が誤って位置付けられた場合の、心臓サポートシステムを用いた療法の中止などの、患者への危険を低減し得る。それ故に、保持フレームを使用して装置を移植部位に固定することによって、滑りのリスクを回避または少なくとも低減し得る。
【0036】
一実施例によれば、保持フレームは、ニチノール材料を少なくとも部分的に含んでもよい。ニチノールは、生体適合性および超弾性特性の利点を組み合わせ、これは複雑な構造でさえも小さな空間に送達して圧縮することを可能にし得る。
【0037】
一実施例によれば、保持フレームは、同心円状に、または別の方法で心臓サポートシステムに連結されてもよく、または接続されてもよい。保持フレームは、心臓サポートシステムに永久的に、半永久的に、または一時的に連結されてもよい。カップリングは、大動脈における心臓サポートシステムの信頼できる支援を確保するのに役立ち得る。
【0038】
一部の実施形態では、搬送装置は、少なくとも一つのプルコードを含んでもよく、これは引張動作の形態の作動に応答して、締結位置から解放位置への締結装置の移動を引き起こすように、および/または解放動作の形態のさらなる作動に応答して、解放位置から締結位置への締結装置の搬送を引き起こすように形作られてもよい。プルコードはまた、牽引動作に応答して締結装置をインプラントに向かって引っ張るために、少なくとも一つのケーブルによって締結装置に取り付けられてもよい。プルコードの解放またはゆるみに応答して解放動作が影響を受け得るように、締結装置は、インプラントに対して予め張力がかけられていてもよい。
【0039】
一部の実施形態では、プルコードは、搬送装置を動作させるための動作装置と連結するために構成されたプルコードドライバを含んでもよい。プルコードドライバは、プルコードの反対側のワイヤの端に位置してもよい。こうしたプルコードドライバは、例えば、作動を引き起こすために、搬送装置を自動的に動作させることを可能にし得るという点で有利である。
【0040】
一部の実施形態では、搬送装置は、解放装置として構成されてもよい。解放装置は、回転作用、および追加的または代替的に、摺動作用、および追加的または代替的に、押圧作用に応答して、スリングの締め付けを提供するように形作られ得る制御装置を含んでもよい。締結装置の周りのスリングのループ、例えばフレームは、制御装置に応答して締められてもよい。
【0041】
制御装置はさらに、回転作用、追加的または代替的に、摺動作用、および追加的または代替的に、押圧作用に応答して、ループを開かせ、追加的または代替的に、ループを延長し、追加的または代替的に、締結装置をループで巻くように適合されてもよい。開放/延長/巻付回転制御/摺動制御/圧力制御は、締付回転制御/摺動制御/圧力制御の前であってもよい。開放/延長/巻付回転制御は、締付回転制御とは反対方向であってもよい。開放/延長/巻付摺動作用は、締付摺動作用とは反対方向であってもよい。
【0042】
一部の実施形態では、解放装置は、開放/延長/巻付回転作動、開放/延長/巻付摺動作動、開放/延長/巻付押圧作動、締付回転作動、締付摺動作動、および/または締付押圧作動のうちの一部またはすべてに適応するように適合された作動部材を含んでもよい。このようにして、作動は、単一の作動部材または異なる作動部材によって実行され得る。
【0043】
解放装置は、解放位置にある締結装置および/またはインプラントを受容するように形作られたスリーブ装置をさらに含んでもよい。スリーブ装置は、保護的様式で上述の要素を収容してもよく、これはインプラントの穏やかな取り外しを可能にし得る。
【0044】
スリーブ装置はまた、スリーブ装置内に位置し得る、かつスリーブ装置の長手方向の力に抵抗するように追加的または代替的に構成され得る、摺動装置を含んでもよい。これは、解放装置の適用に安定性を提供する。
【0045】
一実施例によれば、作動部材は、さらなる回転作動、および追加的または代替的に、さらなる摺動作動、および追加的または代替的にさらなる圧力作動に応答して、解放位置にある締結装置、および追加的または代替的に、インプラントの上に、スリーブ装置の延長を引き起こすように構成されてもよい。さらなる回転作動は、開放/延長/巻付回転作動、および追加的または代替的に、締付回転作動に対して横断方向に影響を受け得る。さらなる摺動作動が、開放/延長/巻付摺動作動、および追加的または代替的に、締付摺動作動に対して横断方向に実施されてもよい。制御装置は、さらなる回転作動、および追加的または代替的に、さらなる摺動作動、および追加的または代替的に、さらなる押圧作動に適応するように構成されたさらなる作動部材を有してもよい。スリーブ装置が延ばされると、インプラントに向かうスリーブ装置の直線動作は、インプラントが締結装置と共にスリーブ装置に収容されるまで影響を受け得る。
【0046】
解放装置は、インプラントが迅速かつ容易に解放位置に搬送することを可能にしてもよく、ここでインプラントは血管から穏やかに除去され得る。解放装置は、有利なことに、締結装置と共に任意のインプラントに使用され得る。解放装置はまた、インプラントを血管から除去するために使用され得る。
【0047】
一部の実施形態では、インプラント装置は、送達システムと共に使用するために構成されたアクチュエータを含んでもよく、これはアクチュエータおよび移植されるインプラントを含み得る。アクチュエータは、例えば、アクチュエータに連結されたインプラントを脈管の所望の位置に輸送し、追加的または代替的に、それをその位置に解放または固定するために、アクチュエータの作動または様々な作動によって、インプラントを脈管中に移植するように構成されてもよい。アクチュエータは、手動操作を意図してもよく、有利なことに片手で操作され得る。第一のランナーセクションは、ランナー装置の端部セクションであり得る。第一のランナーセクションの反対側のさらなるランナーセクションは、インプラントに連結するためにハウジング開口部から導出されてもよく、または導出されるように配設されてもよい。アクチュエータは、アーマチュアに機械的に結合されてもよく、例えば、回転作動の形態でのアクチュエータの作動に応答して、アーマチュアの直線動作が影響を受け得るように、アクチュエータは回転可能に形成されてもよい。アクチュエータは、例えば、回転ノブであってもよく、作動は、例えば、回転ノブ上の手動回転作動であってもよい。スライダセクションに隣接するスライダ装置の追加のスライダセクションは、例えば、ハウジング開口部の外に配設されてもよく、追加的または代替的に、回転ノブを通してガイドされてもよい。こうした作動装置は、作動装置の少なくとも一つの機能領域を動作させることを可能にして、例えば、片手で作動することによって作動装置に連結されたインプラントを移動させる。
【0048】
ハウジングは、第二の設定範囲を含んでもよく、停止装置は設定範囲と第二の設定範囲との間に位置し得る。第二の設定範囲内で、作動装置の第二の機能範囲は、例えば、インプラントを作動装置から移動または解放または分離するように動作してもよい。第二の設定範囲へのスライダ装置の通行は、停止装置によって防止され得る。これにより、作動装置の別の機能が実施され得る第二の設定範囲への意図しない通行が防止される。
【0049】
一実施例によれば、解放装置は、スライダセクションが接触位置に位置付けられて、スライダが第二の移動範囲へと通行することを可能にする時に、解放動作に応答して停止装置を開くように適合された少なくとも一つの解放ユニットを、作動装置が含むことを可能にするように構成されてもよい。それ故に、アクチュエータのための解放装置は、解放動作によって合図され得る意識的な決定を行うことによって、作動領域に割り当てられた機能領域から、作動装置の別の機能領域が動作し得る第二の作動領域への移行を可能にし得る。
【0050】
アクチュエータと共に使用するために、解放装置は、制御要素によって作動されてもよい。解放装置はここでは、例えば、スライダセクションが接触位置に配設された時に、作動要素の作動要素直線動作、特に作動要素からの引き抜きとして構成される解放動作に応答して停止装置を開くように構成することができる。「引き抜き」とは、作動要素をハウジングから引き離すこととして理解することができる。これにより、作動装置は、一つの作動要素のみを動作させることによって、異なる機能を実施することができる二つの異なる設定範囲で動作することが可能になる。作動要素上のすべての上述の作動および動作は、片手で実行することができる。
【0051】
解放装置は、スライダセクションが接触位置にあるときに係止動作に応答して停止装置を閉じるようにさらに適合されて、スライダセクションが第二の設定範囲に入るのを防止してもよい。言い換えれば、停止装置は、係止動作によって閉じたままにすることができる。これはまた、第二の機能範囲を動作させないという意識的な決定を可能にする。
【0052】
一つの設計形態によれば、解放装置の阻止動作は、解放動作とは反対の動作を表し得る。それ故に、係止動作は、作動要素の直線動作とは反対の作動要素の直線動作、例えば、ハウジングに向かう、またはハウジングに対する作動要素の押圧動作であり得る。このようにして、作動要素の多くの単純な作動および動作を実現して、異なる機能を動作させることができる。
【0053】
スライダセクションが設定範囲に戻るのを防止するために、スライダ装置が第二の設定範囲中に位置付けられるとすぐに、解放装置がまた停止装置を閉じるように構成されているとさらに有利である。このようにして、明らかに別個の制御性を達成することができ、それによって、例えば、閉じた機能領域に戻ることが防止される。
【0054】
一つの設計形態によれば、作動要素は、その作動とは反対の作動に応答して、作動範囲内のスライダ装置の直線的な戻り動作に影響を与えるように構成され得る。したがって、作動要素は、反対の作動に応答して、第二の設定範囲内の941装置の反対の直線戻り動作に影響を与えるように構成され得る。それ故に、設定範囲内、および追加的または代替的に第二の設定範囲内の二方向の直線動作が、例えば動作の調整を実行するために可能である。
【0055】
代替的な実施形態では、アクチュエータは、ガイド装置およびカテーテルシステムと共に構成され得る。カテーテルシステムは、ガイド装置に連結されるか、または連結可能であり、インプラントを移植するための解放装置と、解放装置を移動するために、ガイド装置の少なくとも一部に対して移動可能な曲げ可能な移動装置とを含む。ガイド装置は、移動装置の曲げ操作を(例えば機械的に)制御するように構成されている。本明細書で提示される作動装置、特にこの作動装置のガイド装置では、ガイド装置は、例えば、複雑に湾曲したチャネルに沿って移動装置を曲げるように構成されているため、移動装置によって移動される解放装置によるインプラントの挿入プロセスは、特に穏やかな様式で可能である。それ故に、移植中、脈管屈曲における脈管の脈管壁への圧力を最小化することができる。
【0056】
ガイド装置は、例えば、ガイド装置によって引き起こされる外側ガイドユニットの曲げ動作に応答して内側セクションを曲げるために、その中またはその上に移動装置の内側セクションが受容されるか、または受容可能である、可撓性の外側ガイドユニットを含んでもよい。このようにして、ガイド装置の上または中に収容された移動装置は、例えば、可撓性管状ガイド装置内に沿って移動することができる。こうした外部ガイドユニットは、移動装置の周方向の曲げおよび移動装置に対する保護の両方を可能にする。
【0057】
しかしながら、ガイド装置はまた、ガイド装置によって引き起こされる内側ガイドユニットの曲げ動作に応答して、セクションを曲げるために、移動装置のセクション中に受容されるか、または受容可能である可撓性の内側ガイドユニットを含んでもよい。こうした構成では、移動装置の一部は、ガイド装置を収容するために可撓性かつ管状であってもよい。移動装置およびガイド装置の特にスリムなシステムが可能である。
【0058】
移動装置は、直線的に移動可能であり、追加的または代替的に回転可能であり得る。動き装置の直線動作または回転は、例えば、この目的のために提供されるカテーテルシステム制御要素の一つ以上の操作に応答してもよい。直線動作を使用して、インプラントを有する解放装置をチャネルの中に挿入することができる。回転は、インプラントの挿入または解放を支援し得る。
【0059】
これは、移動装置が、ガイド装置の少なくとも一つのガイド装置セクションに対して回転方向に、および追加的または代替的に並進方向なしに連結されるか、または連結され得る場合にも有利である。このようにして、移動装置およびガイド装置は、機械的動作によって互いに影響することなく、互いに連結され得る。
【0060】
カテーテルシステム、および追加的または代替的に、ガイド装置は、動き装置の動作を阻止するように構成されてもよい。可動性は、例えば、ロック信号またはアクチュエータロック作動に応答して阻止され得る。これは、制御装置の機能を意図的に設定し、意図しない作動を回避する手段を提供する。
【0061】
カテーテルシステム、および追加的または代替的にガイド装置はまた、動き装置の直線的動きおよび追加的または代替的に回転的動きを可能にするか、または生じさせるように構成されてもよい。直線的動き、および追加的または代替的に回転的動きは、例えば、制御装置の有効化信号または有効化作動に応答して、有効化または引き起こされてもよい。これは、作動装置のさらなる機能を意識的に設定する可能性を作り出す。
【0062】
カテーテルシステム、および追加的または代替的にガイド装置は、動き装置の直線的動きを阻止し、追加的または代替的に、動き装置の回転的動きを解放または引き起こすように構成されてもよい。装置の直線運動は、制御信号または制御作動に応答して無効化されてもよい。追加的または代替的に、移動装置の回転移動性は、制御信号もしくは制御作動に応答して有効化もしくは引き起こされてもよく、またはさらなる制御信号もしくは制御作動に応答して有効化もしくは引き起こされてもよい。これは、制御装置の追加的機能を意図的に設定する手段を提供する。
【0063】
開示されたインプラント装置は、上記の態様の組み合わせを特徴とすることができる。例えば、一部の実施形態では、インプラント装置は、締結位置を有し、折り畳み可能であり、ガイドシステムおよびカテーテルを有するアクチュエータも有する締結装置を有するように構成されてもよい。締結装置は、インプラントシステムを脈管の定位置にクランプ留めするように機能し、アクチュエータは、締結装置から脈管の屈曲の周りを通り抜けて延び、所望の場所でインプラントを解放することができる。
【0064】
一部の実施形態では、その実施例は、X線プロセスの使用を通して、締結装置が移植のために適切な位置にクランプ留めされていることを示す保持フレームをさらに含んでもよい。アクチュエータはそこから延びてもよく、ユーザーは、ユーザーがインプラントに行ってほしい正確な場所にインプラントを送達するために、カテーテルの長さおよび配向を知ることになる。
【0065】
インプラント装置の別個の実施例は、保持フレームを制御する解放装置を含んでもよい。保持フレームは、クランプ留めして、適切な位置にクランプされていることを示すことができ、その後ループを用いて除去することができる。
【0066】
インプラント装置の機能部品の多くの追加の組み合わせを利用して、状況に最適な構成を作り出すことができることは、当技術分野で知識がある者によって理解されるべきである。これらの状況には、挿入されるインプラントのタイプおよびインプラントの脈管系内部の位置が含まれ得る。脈管系は複雑であり、脈管系の一つの場所におけるインプラントの実装はカテーテルの利点を必要とする一方で、別の場所では必要としない場合がある。カテーテルを含む構成は、血管などの脈管を通して曲がることなく容易にアクセス可能な脈管系の場所に移植する時は、望ましくない場合がある。
【0067】
一部の実施形態では、インプラント装置は、搬送装置に連結し、操作に応答して搬送装置を作動させる、操作装置をさらに含む。こうした操作装置は、搬送装置を手動でまたは自動的に作動させるために使用することができる。
【0068】
一つの設計によれば、操作装置は、搬送装置のプルコードのプルコードドライバと連結されるように構成されたスライダ装置を有してもよい。これにより、オペレータインターフェイスと搬送装置との間の機械的連結が可能になる。
【0069】
オペレータ制御装置はまた、回転制御に応答して、搬送装置と連結された状態で動作するように構成されてもよい。
【0070】
一設計によると、操作装置が、操作または作動中の圧縮力に抵抗するために、搬送装置の少なくとも一部分を受容するための支援押出装置を有する場合、さらに有利である。この場合、支援押出装置は、例えば、操作中のプルコードの圧縮力に抵抗するために、プルコードのセクションを収容することができる。
【0071】
インプラントシステムは、以前に提示されたインプラント装置のうちの一つ、および以前に提示された操作装置のうちの一つを有し得る。こうしたインプラントシステムは、脈管からインプラント装置を安全に除去するための十分に細長いシステムを実現する。一部の実施形態では、除去は、インプラントシステム上にガイドスリーブを定置することによって実行される。
【0072】
一部の実施形態では、インプラントシステムは、インプラント305と、インプラントに電力を提供し得るか、またはインプラントもしくは他の機能からのセンサ信号を検出し得る外部コンソールとの間で電気的に通信するために使用され得る、導電体を担持するセンサケーブルまたはシャフトを含んでもよい。センサケーブルは、搬送装置をガイドするように構成されてもよい。解放装置としてさらに構成される搬送装置は、スリングのループを通過する、および/またはスリングのガイドロッドに沿って延びるセンサケーブルを含むことができる。センサケーブルは、搬送装置のプルコードのうちの一つとして構成されてもよい。これにより、解放装置をインプラント、および追加的または代替的に締結装置の周りのループに安全にガイドすることが可能になる。
【0073】
以前に提示したインプラント装置のうちの一つを製造するための方法も提示される。方法は、提供する工程および連結する工程を含む。提供工程は、脈管中に移植するためのインプラントと、インプラントに(例えば、取り外し可能に)接続された締結装置とを提供し、これは、締結装置が脈管中にインプラントを締結するまたは締結可能にする締結位置と、締結装置がインプラントを解放する解放位置との間で移動可能である。連結する工程において、搬送装置は締結装置に連結されていて、搬送装置は、作動に応答して締結位置と解放位置との間で締結装置の搬送を引き起こすように適合されている。
【0074】
作動装置を製造するための方法も提示される。方法は、提供する工程および組み立てる工程を含む。提供する工程は、ハウジング開口部と、ハウジング開口部に隣接する作動部分と、ハウジング開口部の反対側の作動部分に隣接する移動可能な停止装置とを有するハウジングと、スライダ手段と、アクチュエータとを提供する。組み立てる工程では、ハウジングと、スライダ手段と、アクチュエータとが、スライダ手段のスライダセクションがハウジングに直線的に移動可能に受容されるように、かつアクチュエータが、作動に応答して作動範囲内でスライダ手段の直線動作を引き起こすように配設されるように組み立てられ、停止装置は、スライダセクションが作動範囲内の接触位置で停止装置に接触するときに、スライダの直線動作を防止して、スライダセクションが作動範囲から出るのを防止するように配設される。
【0075】
ガイド装置およびカテーテルシステムと共に構成されるアクチュエータを製造するための方法も提示される。方法は、提供する工程および連結する工程を含む。提供工程は、インプラントを移植するための解放装置と、解放装置を移動するための曲げ可能な移動装置とを有する、ガイド装置およびカテーテルシステムを提供する。連結する工程では、ガイド装置およびカテーテルシステムは、移動装置がガイド装置に対して移動可能であるように、かつガイド装置が移動装置の曲げ操作を機械的に制御して作動装置を生成するように配設されるように連結される。
【0076】
この手順は、例えば、ソフトウェアもしくはハードウェアで、または例えば、制御ユニット中のソフトウェアとハードウェアの混合で実装することができる。
【0077】
本明細書で提示されるアプローチはまた、適切な施設で本明細書に提示されるプロセスの変形の工程を実行、制御、または実装するように構成されている装置を作り出す。装置の形態でのアプローチのこの設計変形はまた、アプローチの根底にあるタスクを迅速かつ効率的に解決するために使用することができる。
【0078】
この目的のために、装置は、信号もしくはデータを処理するための少なくとも一つのコンピューティングユニット、信号もしくはデータを格納するための少なくとも一つのメモリユニット、センサからセンサ信号を読み取るため、またはデータもしくは制御信号をアクチュエータに出力するためのセンサもしくはアクチュエータへの少なくとも一つのインターフェイス、および/または通信プロトコルに埋め込まれたデータを読み取りまたは出力するための少なくとも一つの通信インターフェイスを有してもよい。コンピューティングユニットは、例えば、信号プロセッサ、マイクロコントローラなどであってもよく、メモリユニットは、フラッシュメモリ、EEPROM、または磁気メモリユニットであり得る。通信インターフェイスは、無線および/または有線でデータを読み取りまたは出力するように構成されてもよく、これによって有線データを読み取りもしくは出力することができる通信インターフェイスは、例えば電気的もしくは光学的に、対応するデータ伝送回線からこれらのデータを読み取りもしくは出力することができるか、またはそれらを対応するデータ伝送回線に出力することができる。
【0079】
本事例の装置は、センサ信号を処理し、その関数として制御信号および/またはデータ信号を出力する電気装置として理解され得る。装置はインターフェイスを有してもよく、これはハードウェアおよび/またはソフトウェアベースであり得る。ハードウェア構成の場合、インターフェイスは、例えば、装置の様々な機能を含有する、いわゆるシステムASICの一部とすることができる。しかしながら、インターフェイスは、別個の集積回路であるか、または少なくとも部分的に個別部品からなることも可能である。ソフトウェアベースの教育の場合、インターフェイスは、例えば、マイクロコントローラ上に、他のソフトウェアモジュールの隣に存在する、ソフトウェアモジュールとすることができる。
【0080】
半導体メモリ、ハードディスクメモリ、または光メモリなどの機械可読キャリアまたは記憶媒体上に記憶されてもよく、上述の実行の形態の一つによるプロセスの工程を実行、実装、および/または制御するために使用される、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムはまた、特に、プログラム製品またはプログラムがコンピュータまたは装置上で実行される場合に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
ここで提示されるアプローチの実行例は、図面に示されており、以下の説明でより詳細に説明される。これは以下を示す。
【0082】
【
図1】
図1は、心臓ポンプを含むインプラントを心臓内部に移植することを示すインプラント装置を示す。
【
図2】
図2は、インプラントを心臓に移植するために、患者の脚を介して脈管系の中に血管内挿入されたインプラント装置を示す。
【
図3】
図3は、設計例による心臓ポンプを有するインプラント装置の概略側面図を示す。
【
図4】
図4は、インプラント装置と、実行例に従ってインプラント装置を動作させるための操作装置とを有するインプラントシステムの概略側面図を示す。
【
図5】
図5は、設計例による、解放位置に配設されたインプラントシステムの概略側面図を示す。
【
図6】
図6は、設計例による、インプラントと、インプラントを解放するための解放装置とを有するインプラントシステムの概略側面図を示す。
【
図7】
図7は、設計例による、制御装置の回転作動前のインプラントシステムの概略側面図を示す。
【
図8】
図8は、設計例による、インプラントシステムのスリングの締め付け、およびスリーブ装置上へのフレームの折り畳みの概略側面図を示す。
【
図9】
図9は、設計例による、インプラントと、チャネル中にインプラントを締結するための締結装置とを有するインプラントシステムの概略側面図を示す。
【
図10】
図10は、設計例による締結装置の概略断面図を示す。
【
図11】
図11は、設計例による、解放位置に配設されたインプラントシステムの概略側面図を示す。
【
図12】
図12は、設計例による、解放位置にある締結装置の概略断面図を示す。
【
図13】
図13は、設計例による、脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータの概略側面図を示す。
【
図14】
図14は、スライダの直線動作を実施した後、脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータの概略側面図を示す。
【
図15】
図15は、アクチュエータのスライダセクションが接触位置に配設された、脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータの概略側面図を示す。
【
図16】
図16は、アクチュエータのスライダ装置が第二の設定範囲に位置付けられた、脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータの概略側面図を示す。
【
図17】
図17は、ガイド装置および脈管中にインプラントを移植するためのカテーテルシステムを有するアクチュエータの概略側面図を示す。
【
図18】
図18は、曲げ可能な外側ガイドユニットを有する、脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータの概略側面図を示す。
【
図19】
図19aは、移動性が阻止されたアクチュエータの作動装置の概略側面図を示す。
図19bは、移動可能なアクチュエータの作動装置の概略側面図を示す。
【
図20】
図20は、直線的に動くことが防止されたアクチュエータの作動装置の概略側面図を示す。
【
図21】
図21は、心臓サポートシステムのための保持フレームの一実施例の概略図を示す。
【
図22】
図22の四つの部分図は、それぞれ、心臓サポートシステムのための保持フレームのX線マーカーの設計例の概略図である。
【
図23】
図23は、実行例による、インプラント装置を製造するためのプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本アプローチの好ましい実行例の以下の説明では、同一のまたは類似の参照符号が、異なる図に示される要素に対して使用されるが、これは類似の効果を有し、それによってこれらの要素の繰り返しの記載は省略される。
【0084】
図1は、インプラント装置の描写を示す。
図1のインプラント装置は、心臓の中に入り、心臓空間内の適切な場所にインプラントを配備する。インプラント装置は、インプラント装置が移植される位置に応じて、本明細書に開示される様々な方法で構成および適合され得る。
【0085】
図2は、同様に、心臓の大動脈に到達するための、脚の静脈を通したインプラント装置システムの挿入を示す。心臓中に位置付けられると、インプラント装置は、心臓血管系の中にインプラントを配備する。
【0086】
図3は、設計例によるインプラント装置300の概略側面図を示す。
【0087】
インプラント装置300は、インプラント305、締結装置310、および搬送装置315を有する。インプラントは、脈管の中への移植のために形作られる。締結装置310は、インプラント305に接続され(例えば、取り外し可能)、締結装置310が脈管などの解剖学的空間にインプラント305を締結するまたは締結可能にする締結位置320と、締結装置310がインプラント305を解放する解放位置との間で移動可能である。搬送装置315は、締結装置310に連結され、作動322に応答して、締結位置320と解放位置との間で締結装置310の搬送を引き起こすように適合される。解放位置を
図5に示す。
【0088】
この設計例によれば、インプラント305は、心臓サポートシステムに対する使用のために、または心臓サポートシステムとして使用するために構成されたポンプの実施例に過ぎない。この実施例によれば、インプラント305は、血管中に移植されるように構成されていて、締結装置310によってここに示される締結位置320においてそこに固定され得る。血管は、例えば、大動脈であってもよい。ポンプは、流体、この場合、血液を、脈管中で運ぶためのこの設計例に従って形成され、この設計例によれば、この目的のために、流体吸引を生成するための回転可能なインペラ、およびインペラを駆動するための駆動装置を有し、さらに、少なくとも一つのセンサおよびセンサケーブル325を有してもよい。代替的な設計例によれば、インプラント305は、脈管などの解剖学的空間に移植され得る任意の他の物体もしくは装置として、または別の低侵襲の移植可能な装置として構成されている。
【0089】
この設計例によれば、締結装置310は、折り畳み式(例えば、折り畳み可能な)フレームとして構成され、それによって、フレームは、締結位置320で展開され(例えば、開かれ)、解放位置で折り畳まれる(例えば、折り曲げられる)。締結位置320では、フレームは、設計例によれば、導管に半径方向に接触するように、かつ導管中にクランプ留めされるように配設される。解放位置では、フレームは、一実施例によれば、脈管と接触せず、一実施例によれば、インプラント305に隣接して配設される。
【0090】
この設計例によれば、搬送装置315は、引張動作の形態の作動322に応答して、締結位置320から解放位置への締結装置310の搬送に影響を与える目的のために、および/または解放動作の形態のさらなる作動に応答して、解放位置から締結位置320への締結装置310の搬送に影響を与える目的のために、形成されている少なくとも一つのプルコード330を有する。この設計例によれば、プルコード330は、牽引動作に応答して締結装置310をインプラント305に向かって引くために、ケーブル333またはいくつかのケーブル333によって締結装置310に取り付けられる。締結装置310は、一実施例によれば、プルコード330の解放または降伏に応答して解放動作が影響を受け得るように、予め張力がかけられている。プルコード330はまた、この実施例によれば、インプラント305のセンサケーブル325上もしくはその中に配設されるか、またはセンサケーブル325の周りにガイドされる。
【0091】
さらに、この設計例によれば、プルコード330は、プルコードドライバ335および/またはケーブル333のケーブル接合部340を有する。この設計例によれば、プルコードドライバ335およびケーブル接合点340は、プルコード330の両端に配設される。引張ケーブルドライバ335は、搬送装置315を操作するための操作装置と連結するために構成されている。この設計例によれば、フレームの四つのフレームセクションに取り付けられた少なくとも四つのケーブル333は、ケーブル接合点340から離れるようにケーブル接合点340から半径方向に延びる。代替的な設計例によれば、フレームのフレームセクションに取り付けられた四つ以上または以下のケーブル333は、ケーブル接合部340から半径方向に延びる。
【0092】
本明細書に提示されるインプラント装置300は、折り畳み式締結装置310で脈管系に固定されるインプラント305の除去を可能にする、一体化されたプルコード330を用いて、いわゆる回収手順またはインプラント305の除去を可能にする。実行例によれば、ここではプルコードドライバ335および/またはセンサケーブル325の形態の、回収システムの接続点は、患者へのインプラント305の移植中にアクセス可能なままである。インプラント装置300は、折り畳み式フレームの形態の締結装置310を有し、これは、引張機構によって、および一設計例によれば、本体の外側の支援押出によって作動および除去することができる。
【0093】
図3は、センサケーブル325およびプルコードドライバ335へのアクセスがどのように作成されるかを示す。
【0094】
図4は、設計例による、インプラント装置300と、インプラント装置300を操作するための操作装置405と、を有するインプラントシステム400の概略側面図を示す。これは、
図3に記載のインプラント装置300であり得る。
【0095】
インプラントシステム400は、インプラント装置300および操作装置405も特徴とする。操作装置405は、インプラント装置300の搬送装置315を動作させるために構成され、操作装置405は、この設計例によると、この目的のために搬送装置315に連結され、例えば、張力322の増加に応答して折り畳まれる、または張力の解放に応答して拡張するなど、動作に応答して、搬送装置315の作動を引き起こすように構成されている。
【0096】
この設計例によれば、操作装置405は、搬送装置315のプルコード330のプルコードキャリア335に連結されているスライダユニット410を有する。オペレータ制御装置405は、この設計例によれば、回転動作として構成された操作に応答して、搬送装置315と連結された状態で作動322を引き起こすようにさらに構成されてもよい。
【0097】
この設計例によれば、操作装置はまた、操作および/または作動中の圧縮力に抵抗するために、搬送装置315の少なくとも一セクションを受容するための支援押出装置415を有する。この設計例によれば、プルコード330の一セクションは、操作中のプルコード330の圧縮力に抵抗するために、支援押出装置415によって収容される。
【0098】
操作装置405の形態で「回収ハンドル」に接続された支援押出は、センサケーブルまたはシャフトを介して血管系に挿入され得る。例えば、設計例によれば、既に本体中にあるセンサケーブルまたはシャフトが、カテーテルシステムのガイドとして使用される。インプラントシステム400は、ここで、迅速に実施することができ、患者にストレスをほとんど与えない、低侵襲処置を可能にする。
【0099】
例えば、インプラント305および/または締結装置320の上にかぶせることができるスリーブの形態で実現され得る、いわゆる回収シースは、この設計例では必要とされず、それによって、インプラントシステム400の全体的なシステムが、有利なことに非常にスリムのままとなる。
【0100】
図5は、設計例によるインプラントシステム400の概略側面図を示す。これは、
図4に記載のインプラントシステム400であり得るが、フレームがインプラント305に隣接して位置付けられている解放位置500に、締結装置310が配設されるという点が異なる。
【0101】
この設計例によれば、解放位置500は、プルコード330に連結された操作装置405のアクチュエータの回転動作505によってもたらされた。回転運動505によって、スライダユニット410は、操作装置405の内部の中に直線的に移動し、それ故に、連結されたプルコード330を動作装置405の中に引っ張った。操作装置405の直線動作510に加えて回転動作505を継続または安定に保持することによって、設計例によると、インプラント305が、直線的に脈管から引き出され得る。
【0102】
ここでは、「ハンドル」とも呼ばれる、操作装置405を用いて、プルコード330が設計例によればどのように引き込まれるかが示されており、それによって支援押出装置415が圧縮力に抵抗する。
【0103】
図6は、設計例による、インプラント305と、展開したときにインプラント305を固定し、折り畳まれたときにインプラント305を解放するための締結装置310とを有するインプラントシステム600の概略側面図を示す。
【0104】
インプラント305は、脈管中に移植されるように形作られていてもよく、脈管中にインプラント305を締結するための搬送装置615を有する。この設計例によれば、搬送装置615は、締結装置310がインプラント305を脈管中に締結するか、または締結することを可能にする締結位置610に配設される。
【0105】
解放装置605は、スリング625および操作装置620を有する。スリング625は、締結位置610で締結装置310の周りに巻き付くように構成されている。作動装置620は、締結位置610から、締結装置がインプラント305を解放する解放位置に締結装置310を移動させるために、スリング625が締結装置310の周りに巻き付いたときに、スリング625を締めるように構成されている。
図6では、締結装置310は、スリング625が締結装置310の周りに既に巻き付いているが、スリング625を締める前の状態で示されている。解放位置を
図8に示す。
【0106】
この設計例によれば、スリング625は、この設計例による締結装置310および/もしくはガイドロッド630の周りに巻き付く可撓性ループ625を、または代替的な設計例によると、ループ625をガイドし、および/もしくはそれを制御装置620に機械的に接続するガイドワイヤもしくは剛性ガイドロープを有する。
【0107】
この設計例によれば、インプラント305は、例えば、心臓サポートシステムと共に、または心臓サポートシステムとして使用するために構成されたポンプである。この設計例によれば、インプラント305は、血管中に移植されるように構成されていて、固定装置310によってここに示される締結位置610においてそこに固定され得る。血管は、例えば、大動脈であってもよい。ポンプは、流体、この場合、血液を、チャネル中で運ぶためのこの設計例に従って形成され、この設計例によれば、この目的のために、流体吸引を生成するための回転可能なインペラ、およびインペラを駆動するための駆動装置を有し、さらに、少なくとも一つのセンサおよびセンサケーブルを有してもよい。代替的な設計例によれば、インプラント305は、チャネルの中に移植され得る任意の他の物体もしくは装置として、または別の低侵襲の移植可能な装置として構成されている。
【0108】
この設計例によれば、締結装置310は、折り畳み可能なフレームとして構成され、それによって、フレームは、締結位置610で開かれ、解放位置で折り畳まれる。締結位置610では、フレームは、設計例によれば、導管に半径方向に接触するように、かつ導管中にクランプ留めされるように配設される。この設計例によれば、フレームは、締結位置610へと自動的に移動するような方法で予め張力がかけられる。解放位置では、フレームは、一設計例によれば、チャネルと接触せず、一設計例によれば、インプラント305に隣接して配設されて、ループ625によって一緒に引っ張られる。
【0109】
操作装置620は、回転作動および/または摺動作動および/または圧力作動に応答して、可撓性ループ625を含むスリング625を締めるために、この設計例に従って形作られる。この回転作動810を
図8に示す。操作装置620は、この実施例によると、先行する回転作動635に応答して、ならびに/または代替的な実施例によると、先行する摺動作動および/もしくは先行する押圧作動に応答して、スリング625の開放および/もしくは延長、ならびに/または締結装置310をスリング625で巻き付けるようにさらに構成されている。この設計例によれば、回転作動および/または摺動作動および/または圧力作動に先行する回転作動635が影響を受けており、それによって、スリング625が開放し、延長し、インプラント305の上に定置されている。
【0110】
この設計例によれば、解放装置605は、回転作動および/または摺動作動および/または押圧作動および/または先行する回転作動635および/または先行する摺動作動および/または先行する押圧作動を受容するように構成されたアクチュエータ(作動要素)640を含む。
【0111】
この設計例によれば、解放装置605はまた、スリーブ装置645を有し、これは解放位置の締結装置310および/またはインプラント305を受容するように構成されている。この設計例によれば、スリーブ装置645はまた、プッシャーとも呼ばれるプッシャー装置650を有し、これはスリーブ装置645中に配設されるかまたは配設可能である、および/またはスリーブ装置645の長手方向の力に抵抗するように構成されている。
【0112】
本明細書に提示される解放装置605は、ループ625によって、折り畳み式フレームで脈管系に固定されているインプラント305の除去を可能にする。解放装置605は、有利なことに、ループ625によるインプラント305への接続/力伝達を確立する、普遍的に適用可能な回収システムを実現する。解放装置605では、ループ625が普遍的に適用可能であり得るため、異なるインプラントサイズの様々に異なるインプラント305を操作することができる。
【0113】
図7は、設計例によるインプラントシステム600の概略側面図を示す。これは、
図6に記載されるインプラントシステム600であり得る。
【0114】
この設計例によれば、インプラントシステム600の初期位置は、
図6に記載の操作装置620の先行する回転作動の前に示されている。
【0115】
また「回収システム」として説明され得る解放装置605は、インプラント305のセンサケーブル700を介して、この設計例に従ってインプラント305に挿入されてもよい。この実施例によると、センサケーブル700は、スリング615のループ625を通してガイドされ、および/またはスリング615のガイドロッド630のそばに沿って延びる。ループ615全体が、この実施例によるとスリーブ装置645に収容される。
【0116】
図8は、設計例によるインプラントシステム600の概略側面図を示す。これは、解放位置800に配設された、
図6または
図7に記載されたインプラントシステム600であり得る。
【0117】
この設計例によれば、折り畳み可能フレームとして構成されている締結装置310は、解放位置800で折り畳まれ、および/またはインプラント305に隣接して配設される。この設計例によると、解放位置800は、アクチュエータ640の回転作動805に応答して影響を受け、それによって、この設計例による回転作動805は、
図6に示す先行する回転作動とは反対方向に影響を受けた。代替的な設計実施例によると、操作装置620は、作動805のうちの一つ以上、または先行する作動のうちの一つ以上を実施するための異なるアクチュエータ640を含む。
【0118】
この設計例によれば、操作装置620はまた、さらなる回転作動810および/またはさらなる摺動作動および/またはさらなる圧力作動に応答して、解放位置800にある締結装置310および/またはインプラント305を介して、スリーブ装置645が延びるように構成されている。さらなる回転作動810は、この設計例によれば、回転作動805および/または先行する回転作動に対して横方向引き起こされた。この目的のために、この設計例によると操作装置620は、さらなる回転作動810に適応するように、または代替的な設計例によるとさらなる摺動作動および/もしくはさらなる押圧作動に適応するように構成されたさらなる作動要素815を有する。さらなる回転作動810に応答して、インプラント305が、解放位置800の締結装置310と一緒にスリーブ装置645に収容されるまで、この設計例によるとスリーブ装置645の直線動作820がインプラント305上に生じた。一方、作動装置620の一つの位置は、この設計実施例によれば変化しない。
【0119】
要約すると、
図8は、スリング625がどのように締められ、次いで、フレーム310がスリーブ装置645の上に折り畳まれたかを示し、これはまた、回収シースとして説明され得る。
【0120】
これで、インプラント305は、解放装置605によって設計例に従って脈管から除去することができ、例えば、引き出すことができる。
【0121】
図9は、設計例による、インプラント305と、チャネル中にインプラント305を締結するための締結装置310とを有するインプラントシステム900の概略側面図を示す。
【0122】
締結装置310は、連結セクション905、締結セクション910、および搬送セクション925を有する。連結セクション905は、インプラント305と連結するように形作られている。締結セクション910は、ここに示す締結装置310の固定位置920で脈管の内側に接触して、インプラント305を脈管中に固定するように構成されている。搬送セクション925は、連結セクション905を締結セクション910に接続し、締結装置310を締結位置920から、押圧作動935に応答して締結装置310がインプラント305を解放する解放位置へと搬送するように形作られている。
【0123】
この設計例によれば、インプラント305は、設計例による心臓サポートシステムと共に、または心臓サポートシステムとして使用するために構成されたポンプである。この実施例によれば、インプラント305は、血管中に移植されるように構成されていて、締結装置310によってここに示される締結位置920においてそこに固定され得る。血管は、例えば、大動脈であってもよい。ポンプは、流体、この場合、血液を、チャネル中で運ぶためにこの設計例に従って形成され、この設計例によれば、この目的のために、流体吸引を生成するための回転可能なインペラ、およびインペラを駆動するための駆動装置を有し、さらに、少なくとも一つのセンサおよびセンサケーブルを有してもよい。代替的な設計例によれば、インプラント305は、チャネル中に移植され得る任意の他の物体もしくは装置として、または別の低侵襲の移植可能な装置として構成されている。
【0124】
この設計例によれば、締結セクション910は、インプラント305が脈管中に非積極的に固定され得るような方法で、締結位置920で脈管の内側に接触するように形作られ、ここではクランプ留めされ得る。設計例によれば、締結セクション910は、半径方向に導管の内側に接触する。締結位置920で、締結装置310は展開される(例えば、開かれる)。この設計例によれば、締結位置920では、搬送セクション925および/または締結セクション910は、連結セクション905から離れて延びるように配設される。設計例によれば、締結装置310は、
図11および
図12に示す解放位置に折り畳まれて配設される。この設計例によれば、回収シースとしても知られる、解放スリーブ941または補強ホースによって、圧力作動935が搬送セクション925に適用され得る。以下では、圧力作動935を継続することによって、締結装置310を折り畳むことができ、さらに、締結装置310を有するインプラント305全体を、解放スリーブ941に収容することができる。
図11および
図12も参照されたい。
【0125】
この設計例によれば、締結装置310は、折り畳み可能フレームとして形成され、一体であってもよい。この設計例によれば、連結セクション905は、連結セクション905の管状内部945にインプラント305を受容するために、および/または解放スリーブ941を連結セクション905の上に置くために管状に形作られる。この設計例によれば、連結セクション905は、設計例に従って円周方向にインプラント305の外壁に機械的に取り付けられる。したがって、この設計例によれば、連結セクション905の連結セクション直径は、インプラント305のインプラント直径よりも大きく、および/または解放スリーブ941の解放スリーブ直径よりも小さい。さらに、締結位置920では、この設計例によれば、連結セクション905の連結セクション直径は、締結セクション910の締結セクション全長および/または搬送セクション925の搬送セクション全長よりも小さい。締結位置920では、この設計例によれば、搬送セクション925は、連結セクション905と締結セクション910との間で半径方向および/または斜めに先細りするように配設される。この実施例によると、搬送セクションの全長は、連結セクション905から締結セクション910へと増加する。締結装置310の少なくとも一つのセクション905、910、925は、この設計例によると、ニチノールなどの超弾性および/または自己拡張材料を有する。この設計例によると、少なくとも搬送セクション925および/または締結セクション910は、設計例によるニッケル-チタン合金、例えばニチノールを含む材料を有する。この設計例によれば、締結装置310は、ここに示す締結位置920に独立して搬送される。この設計例によれば、締結セクション910は、少なくとも三つの締結アーム940を有し、これらは締結位置920において三つの接触点で脈管と半径方向に接触するように形作られている。この設計例によれば、締結アーム940は、締結セクション910の弾性を可能にする湾曲した形状を有する。
【0126】
この設計例によれば、連結セクション905は、
図9に示すような構成要素950を有し、構成要素950は、連結セクション905が半径方向に拡張して、連結セクションがインプラント305の上に前進し、その超弾性特性を介してインプラント305に内向き圧力を加えてインプラントに接続したままになることを可能にするスロットを有する、レーザー切断された超弾性ニチノール管から作製されてもよい。追加的または代替的に、連結セクション905は、インプラント305上の適合する嵌合部と機械的に嵌合して、インプラントから連結セクションが外れるのを防止する嵌合部(例えば、突出部または穴)を有してもよい。この実行例によれば、搬送セクション925は、この実行例による構成要素955を有する。構成要素955は、連結セクション905を締結セクション910に接続する支柱であってもよく、支柱955は、半径方向に突出し、締結装置310が締結位置920にあるとき、遠位に(すなわち、連結セクションから離れて)角度付けられ、これは、解放スリーブ941が支柱955の上に前進したときに、締結装置310を解放位置1100に折り畳む動きを容易にし得る。支柱955は、示されるように、頂点で隣接する支柱に接合してもよく、頂点960で締結アーム940に接続してもよい。設計例は、頂点960に隣接してもよく、締結アーム940の遠位アームセクション970に接続してもよい半径方向旋回セクション965を含んでもよく、半径方向旋回セクション965は、遠位アームセクション970が半径方向平面内で中心軸に向かって、および中心軸から離れて曲がることを弾性的に可能にし、さらに導管中にインプラントを固定するために脈管に半径方向外向きの力を加えるように構成されている。半径方向旋回セクション965は、遠位アームセクション970よりも可撓性であってもよい。
【0127】
本明細書に提示される締結装置310は、解放スリーブ941と一緒に、締結装置310によって脈管中に締結され得るインプラント305を解放するための解放システム946としても説明され得る。ガイドスリーブ941は、連結セクション905を受容するように、および搬送セクション925に作動圧力935を加えて、締結装置310を締結位置920から、締結装置310がインプラント305を脈管から解放する解放位置1100に搬送するように構成されている。
【0128】
この設計例によれば、本明細書に提示される締結装置310は、血管中のインプラント305の一時的な固定を可能にするように取り外し可能であるフレームを実現する。一時的な固定機構の場合、脈管系に加えられる半径方向の力に関して妥協することが重要である。こうした妥協は、本明細書に提示される締結装置310によって実現され、一方では締結装置310のおかげで移行を防止し、他方では、周囲組織を損傷することなくインプラントシステム900をより安全に除去する(回収する)ことを保証する。記載されるフレームは、有利なことに、補強管(例えば、回収シース941)を押すことによって再び折り畳み可能である。ここではインプラント305の形態の内側コアは、フレームの予め形成されたニチノールフレーム構造の均一な折り畳みを画定する。
図9は、フレームがどのように開かれるかを示す。フレームは、回収シース941を格納することによって展開してもよく、設計例に従って、インプラント305を脈管構造内に固定する。
【0129】
図10は、設計例による締結装置310の概略図を示す。これは、締結位置920にある
図9の側面図に記載される締結装置310であってもよく、それによって、締結装置310は、この設計例によると、観察者に対して90°回転して(すなわち、正面図)示されている。
【0130】
この設計例によれば、搬送セクション925の六つの均等に離間した支柱955は、連結セクション905から斜めに離れて延び、および/またはこの設計例に従って支柱955を格子様の様式で接続する搬送セクション925の編組1005で終了する。この設計例によれば、三つの締結アーム940はそれぞれ、この設計例に従って、それぞれが格子の頂点960から均等に離間して延び、頂点960はそれぞれ、二つの隣接する支柱955の間の中央に配設される。
【0131】
図11は、設計例によるインプラントシステム900の概略側面図を示す。これは、
図9に説明されるインプラントシステム900とすることができるが、締結装置310が、この設計例によると解放位置1100に配設されるという点が異なる。
【0132】
解放位置1100では、締結装置310は、この設計例に従って折り畳まれて配設され、それによって、この設計例によれば、搬送セクションおよび/または締結セクションは、インプラント305に隣接して配設されるか、またはインプラント305に対して押し付けられる。解放位置1100では、締結装置310は、脈管と接触しないように、この設計例に従って配設される。この場合、締結装置310は、この設計例に従ってインプラント305に近接して配設され、この設計例によるとガイドスリーブ941によって完全に折り畳まれる。
【0133】
フレームは、ここでは管(回収シース)の形態のガイドスリーブ941を前進させることによって、この設計例に従って閉じられ、フレームはインプラント305上に均等に折り畳まれる。
【0134】
図12は、設計例による締結装置310の概略図を示す。これは、解放位置1100における
図11の側面図に記載される締結装置310であってもよく、それによって締結装置310は、この設計例によると観察者に対して90°回転して(すなわち、正面図)示されている。この設計例による解放位置1100における締結装置310の最大直径は、連結セクション905の連結セクション直径に本質的に対応する。
【0135】
図13は、設計例による、脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータ1300の断面図を示す。
【0136】
アクチュエータ1300はこの設計例に従って、心臓サポートシステムと共に、または心臓サポートシステムとして使用するための、設計例に従って形状付けられたポンプの形態のインプラントを移植するように、形作られている。一実施例によれば、脈管は、ポンプが挿入され、随意に締結されるように構成された血管である。ポンプは、流体、例えば、血液を、チャネル中で運ぶためにこの設計例に従って形成され、設計例によれば、この目的のために、流体吸引を生成するための回転可能なインペラ、および/またはインペラを駆動するための駆動装置を有する。
【0137】
アクチュエータ(作動装置)1300は、ハウジング1305、スライダ装置1310、および作動要素1315を有する。ハウジング1305は、ハウジング開口部1320、ハウジング開口部1320に隣接する設定範囲1325、およびハウジング開口部1320の反対側の設定範囲1325に隣接する移動可能な停止装置1330を有する。スライダ装置1310は、ハウジング1305に直線的に移動可能に収容される、またはされ得るスライダセクション1335を有する。作動部材1315は、作動1340に応答して、作動範囲1325におけるスライダ手段1310の直線動作1345を引き起こすように適合されていて、停止装置1330は、スライダセクション1335が作動範囲1325の接触位置で停止装置1330に接触するときに直線動作1345を防止して、スライダセクション1335が作動範囲1325から出るのを防止するように適合されている。
【0138】
アクチュエータ1300は、設計例によれば、アクチュエータ1300の作動1340または異なる作動1340によって、アクチュエータ1300に連結されたインプラントを脈管の所望の位置に移動させ、および/またはそれを所定位置に解放もしくは固定することによって、インプラントを脈管中に移植するように構成されている。
【0139】
アクチュエータ(作動装置)1300は、手動作動1340のためのこの設計例に従って操作されるように構成されている。この設計例によれば、スライダセクション1335は、スライダ装置1310の端部セクションとして実現される。スライダセクション1335の反対側のスライダ装置1310のさらなるスライダセクション1350は、この設計例に従ってインプラントと連結するように構成される、および/またはハウジング開口部1320から導出されるように配設される。代替的な設計例によれば、スライダ装置1310は、スライダセクション1335のみを有し、これは、スライダセクション1335の反対側の側面上のインプラントに連結されるように構成された接続装置と連結される。
【0140】
この設計例によれば、作動要素1315は、スライダ装置1310に機械的に連結される、および/またはハウジング1305の外側に配設される。スライダセクション1335に隣接するスライダ装置1310の追加のスライダセクション1355は、この設計実施例によると、ハウジング開口部1320から導出され、作動要素1315を通過し、および/または作動要素1315に機械的に接続されて配設される。作動要素1315は、この設計例による回転ノブとして形作られてもよく、それによって、作動1340は、回転ノブ上の回転作動として実現され得る。この設計例によれば、作動要素1315は、作動1340と反対の作動に応答して、設定範囲1325におけるスライダ直線動作1345と反対のスライダ装置1310の直線戻り動作に影響を与えるように構成されている。
【0141】
この設計例によれば、ハウジング1305はまた、第二の設定範囲1360を有し、停止装置1330は、設定範囲1325と第二の設定範囲1360との間に位置する。この設計例によれば、スライダ装置1310は、停止装置1330によって、第二の設定範囲1360に入ることが防止される。この設計例によると、アクチュエータ(作動装置)1300は、スライダセクション1335が接触位置に配置されて、スライダ手段1310が第二の作動範囲1360に入るのを可能にする時、解放動作1370に応答して、停止装置1330を開くように適合された少なくとも一つの解放ユニットを含む。この設計例によれば、スライダセクション1335は、ハウジング開口部1320と設定範囲1325との間の停止領域中、または設定範囲1325中に位置する。この設計例によれば、有効化動作1370は、ここに示すスライダセクション1335の位置付けにおいて阻止され得る。
【0142】
本明細書に提示されるアクチュエータ(作動装置)1300は、送達システムのためのハンドル設計およびハンドル機構を実現する。
【0143】
インプラントは、既にカテーテルを介してヒトに移植されている。これは、様々なアクセス経路を介して行うことができる。とりわけ、「TAVI」処置(Transcatheter Aortic Valve Implantation(経カテーテル大動脈弁留置術)、心臓弁置換)から知られる「経大腿」、「経大動脈」および「経心尖」経路について、ここで言及する必要がある。アクセス経路は、患者(例えば、サイズ、脈管の状態、インプラントサイズ)およびインプラントに応じて選択される。可能な限り正確かつ安全に移植を実施できるようにするために、すべてのアクセス経路ならびに心臓弁などのインプラントに対する特別なカテーテルシステムがある。ハンドルならびに送達システム全体の設計および機能は、必要とされる個々の工程ならびにインプラントのサイズに対して適合される。今日の「VAD」(Ventricular Assist Device、補助人工心臓)システムまたは心臓サポートシステムは、そのサイズおよび性質のために、送達システムを使用することなく、従来的には外科的に移植される。短期心臓サポートシステムはまた、ワイヤに沿った送達システムを完全になしで、または経大腿経路を介した単純な送達システムのいずれかで送達される。
【0144】
本明細書に提示されるアクチュエータ1300は、経大腿、経大動脈、および経心尖アプローチを介したVADシステムの送達のために有利な選択肢である。
【0145】
アクチュエータ1300の記載されたハンドル機能概念は、複雑なインプラント解放機構の片手操作を可能にして、動作性を改善し、片手でできることにより安全性が増加する。アクチュエータ1300は、「機能範囲」とも呼ばれ得る、二つの異なる設定範囲1325、1360の単純かつ明らかに別個の制御性を可能にするが、以下の図の説明も参照されたい。いわゆる「思考点」1375は、二つの機能領域/位置付け範囲1325、1360の間の移行領域を表す。操作範囲1325では、この設計例によると可逆的操作が可能である。第二の制御範囲1360に切り替えるとすぐに、この実施例によると、制御範囲1325への移行はもはや不可能になる。移行範囲「思考点」1375は、ユーザーがそれを「意識的に」有効化することを必要とする。この移行範囲は、機能的および機械的ハンドル設計によって可能となり、誤った操作からユーザーを保護する。本明細書に提示されるアクチュエータ(作動装置)1300の利点は、人間工学が機能と直接相互作用することである。さらに、操作性が改善され、誤った操作の可能性が非常に低い。
【0146】
図14は、設計例による、脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータ1300の断面図を示す。これは、
図13に記載のアクチュエータ1300であってもよく、そこではスライダ装置1310が、スライダセクション1335が接触位置1400に移動するまでアクチュエータ1315を作動させることによって、スライダの直線動作を実施した。ここに示すスライダセクション1335の接触位置1400では、有効化動作1370も実施され、停止装置1330が開かれて、スライダ装置1310が第二の設定範囲に入ることを可能にしている。
【0147】
この設計例によれば、解放装置は、作動要素1315によって作動された。この設計実施例によると、解放装置は、スライダセクション1335が接触位置1400に配設された時に、作動要素1315の作動要素直線動作、特に作動要素1315からの引き出しとして構成されている解放動作1370に応答して、停止装置1330を開くように構成されている。「引き出す」時、作動要素1315は、この設計例によると、ハウジングから引き離された。
【0148】
図15は、設計例による、脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータ1300の断面図を示す。これは、前述の図に記載のアクチュエータ1300であってもよく、そこではスライダセクション1335が接触位置1400に配設されるが、解放動作の代わりに阻止動作1500が実行されていて、これはスライダ装置1310が第二の設定範囲に入るのを防止する。
【0149】
この設計例によれば、解放装置は、スライダ装置1310が第二の設定範囲1360に入るのを防止するために、スライダセクション1335が接触位置1400に配設されたときに、阻止動作1500に応答して停止装置1330を閉じるまたは閉じたままにするように構成されている。
【0150】
この実行例によれば、阻止動作1500は、
図14に示す解放動作と反対の動作として実行された。この設計例によると、阻止動作1500は、作動要素直線動作とは反対の作動要素1315の作動要素直線動作、この設計例によると、作動要素1315のハウジングに向かうまたはハウジングへの押圧動作を表す。
【0151】
図16は、設計例による、脈管中にインプラントを移植するためのアクチュエータ1300の断面図を示す。これは、前述の
図13~15に記載のアクチュエータ1300であってもよく、そこではスライダ装置1310が、作動1340、解放動作、および新たな作動1340によって第二の設定範囲1360に搬送されている。
【0152】
この設計例によれば、作動要素1315は、作動1340に応答して、第二の範囲1360で直線動作1345を継続するように構成されている。設計例によれば、作動要素1315は、反対の作動に応答して、第二の設定範囲1360においてスライダ装置1310の反対の直線戻り動作を引き起こすように構成されている。
【0153】
この設計例によれば、解放装置は、スライダセクション1335が設定範囲1325に戻るのを防止するために、スライダ装置1310が第二の設定範囲1360に位置付けられるとすぐに停止装置1330を閉じるように構成されている。阻止動作300の性能は、有効化動作が実施されるとすぐに、および/またはスライダ装置1310が第二の位置付け範囲1360に配設されるとすぐに、この実行例に従って阻止される。
【0154】
図17は、設計例による脈管にインプラント1705を移植するためのアクチュエータ1700の概略図を示す。
【0155】
アクチュエータ1700は、ガイド装置1710およびカテーテルシステム1715を有する。カテーテルシステム1715は、ガイド装置1710に連結されるか、または連結することができ、インプラント1705を移植するための解放装置1720と、解放装置1720を移動させるためにガイド装置1710に対して移動可能な可撓性移動装置1725と、を含む。ガイド装置1710は、移動装置1725の曲げ動作を機械的に制御するように構成されている。
【0156】
アクチュエータ1700はこの設計例に従って、心臓サポートシステムと共に、または心臓サポートシステムとして使用するための、設計例に従って形状付けられたポンプの形態のインプラント1705を移植するように、形作られている。一実施例によれば、導管は、ポンプが挿入され、随意に締結されるように構成された血管である。ポンプは、流体、例えば、血液を、チャネル中で運ぶためにこの設計例に従って形成され、設計例によれば、この目的のために、流体吸引を生成するための回転可能なインペラ、および/またはインペラを駆動するための駆動装置を有する。代替的な設計例によれば、インプラント1705は、チャネルの中に移植され得る任意の他の物体もしくは装置として、または別の低侵襲の移植可能な装置として構成されている。
【0157】
この設計例によれば、ガイド装置1710は、ガイド装置1710によって引き起こされる外側ガイドユニット1730の曲げ動作に応答して、内側セクション1735を曲げるために、移動装置1725の内側セクション1735がその中または上に受容されるか、または受容可能である、曲げ可能な外側ガイドユニット1730を含む。この設計実施例によると、外側ガイドユニット1730は管状である、および/または可撓性材料で形成されている。この設計実施例によると、移動装置1725は、直線的に移動可能および/または回転可能であるように構成されている。移動装置1725の直線動作1740または回転1745は、この目的のために形成されたカテーテルシステム1715の操作要素の一つ以上の異なる操作手順に応答して、実施例に従って実施される。さらに、この実施例によると、移動装置1725は、ガイド装置1710の少なくとも一つのガイド装置セクションに対して、回転および/または並進運動することなく連結されるか、または連結され得る。
【0158】
この設計例によれば、アクチュエータ(作動装置)1700はまた、カテーテルシステム1715のセクションおよびガイド装置1710のセクションが収容されるハウジング1750を有する。一つの設計例によると、ハウジング1750は、移動装置1725を移動させるために、少なくとも一つの手動操作制御要素を有する。
【0159】
アクチュエータ1700は、この設計例によるとアクチュエータ1700およびインプラント1705を有する送達システムなど、いわゆる「送達システム」に対して拡張制御性を実現する。アクチュエータ1700の設計は、複雑な解剖学的脈管コースに沿ったカテーテルシステム1715の拡張制御性を可能にする。送達されるインプラント1705の画定挿入および拡張制御性/整列は、有利である。さらに、アクチュエータ1700の使用は、回転および並進運動の自由度の組合せで、曲げ平面における独立した整列を可能にする。
【0160】
図18は、設計例による、脈管にインプラントを移植するためのアクチュエータ1700の概略図を示す。これは、
図17に記載のアクチュエータ1700であってもよいが、この設計例によるガイド装置1710は、曲げ可能な外側ガイドユニットの代わりに、ガイド装置1710によって引き起こされる内側ガイドユニット1800の曲げ動作に応答して、移動装置1725に少なくとも部分的に収容されて移動装置の少なくとも一部を曲げる曲げ可能な内側ガイドユニット1800を有するという点が異なる。
【0161】
この設計実施例によると、移動装置1725全体、または代替的な設計実施例によると、内側ガイドユニット1800を含む移動装置1725の一部のみが管状である、および/または可撓性材料から形成される。
【0162】
図19aは、設計例による、脈管にインプラントを移植するためのアクチュエータ1700の概略図を示す。これは、前述の
図17~18のうちの一つに記載されるアクチュエータ(作動装置)1700のうちの一つであってもよい。
【0163】
カテーテルシステム1715および/またはガイド装置1710はこの設計例に従って、移動装置1725の可動性を阻止するように構成されている。カテーテルシステム1715および/またはガイド装置1710はこの実施例に従って、例えば、アクチュエータ(作動装置)1700の制御要素において、阻止信号または阻止作動に応答して可動性を阻止するように構成されている。
【0164】
カテーテルシステム1715およびガイド装置1710の相対的動作は、この設計例によると阻止される。
【0165】
図19bは、設計例による、脈管にインプラントを移植するためのアクチュエータ1700の概略図を示す。これは、前述の
図17~19aのうちの一つに記載されるアクチュエータ(作動装置)1700のうちの一つであってもよい。
【0166】
カテーテルシステム1715および/またはガイド装置1710は、この設計例によれば、移動装置1725の直線運動および/または回転運動を解放または引き起こすように構成されている。カテーテルシステム1715および/またはガイド装置1710はこの設計例に従って、例えば、制御要素上のアクチュエータ(作動装置)1700の有効化信号または有効化作動に応答して、直線および/または回転移動性を解放または引き起こすために構成されている。
【0167】
カテーテルシステム1715およびガイド装置1710の相対的動作はこの設計例によると、並進および回転に関してなされる。
【0168】
図20は、設計例による、脈管にインプラントを移植するためのアクチュエータ1700の概略図を示す。これは、前述の
図17~19bのうちの一つに記載されるアクチュエータ(作動装置)1700のうちの一つであってもよい。
【0169】
カテーテルシステム1715および/またはガイド装置1710は、この設計例に従って、移動装置1725の直線動作を阻止する、および/または移動装置1725の回転動作を解放または引き起こすように構成されている。カテーテルシステム1715および/またはガイド装置1710はこの設計例に従って、例えば、制御要素での制御信号または制御作動に応答して、移動装置の直線移動性を阻止するように構成されている。追加的または代替的に、カテーテルシステム1715および/またはガイド装置1710はこの設計例に従って、例えば、操作要素における制御信号もしくは制御作動に応答して、またはさらなる制御信号もしくはさらなる制御作動に応答して、移動装置1725の回転移動性を可能にするか、または引き起こすように構成されている。
【0170】
カテーテルシステム1715およびガイド装置1710の相対的動作はこの設計例に従って、任意の位置での並進運動に関して阻止されるが、回転は自由である。
【0171】
図21は、心臓サポートシステム2102のための保持フレーム2100の設計例の概略図を示し、これは概略的にのみ示され、したがって
図21では破線である。
【0172】
保持フレーム2100は、ワイヤメッシュ要素として構成されている。
図21の図では、心臓サポートシステム2102はまた、概略的なものに過ぎず、したがって破線であり、それによって、この設計例に示される実施例によると、リング形状の格子要素2103が本明細書に提供され、これは、例えば、移植された状態では大動脈壁に寄せて置かれる。格子要素2103は、保持支柱2104を介して心臓サポートシステム2102の本体(例えば、モータブロック)に連結され、それ故に、大動脈中において心臓サポートシステム2102を所望の位置に位置付けることを可能にする。保持支柱2104は、例えば、心臓サポートシステム2102の外面の周りに定置またはクランプ留めされた管を形成し、それによって心臓サポートシステム2102にクランプ留めされ得る。保持フレーム2100は、心臓サポートシステム2102を大動脈に定置するための三つ以上の足部2105、2115、2125を有してもよく、前記足部2105、2115、および2125は、相互接続されたワイヤループとして構成され、保持支柱2104の反対側の側面上で格子要素2103から離れて延びる。
【0173】
さらに、保持フレーム2100は、X線を使用して、大動脈中の足部2105、2115、2125のうちの少なくとも一つの位置をチェックすることを可能にするために形成されるX線マーカー2130を有する。X線マーカー2130は、保持フレーム2100の足部2115上に位置してもよく、保持フレーム2100の別の構成要素のX線画像の構造とは異なる構造を有する。保持フレーム2100および足部2105、2115、2125は、格子構造として構成されている。保持フレーム2100の足部2105、2115、2125は、保持フレーム2100を大動脈弁の弁尖の間に位置付けるように構成されてもよい。保持フレーム2100は、少なくとも部分的にニチノール材料を含む。保持フレーム2100は、心臓サポートシステム2102の中央に永久的に接続されてもよい。それを用いてインプラントが大動脈内部に固定される保持フレーム2100は、ニチノール編組またはレーザー切断ニチノール管から成ってもよい。心臓サポートシステム2102は、例えば、保持支柱2104によって、保持フレーム2100の中央に永久的に接続されてもよい。保持フレーム2100は、ニチノールフレームとも称され得る。三つの足部2105、2115、2125は、保持フレーム2100が、大動脈弁の三つの弁尖の間に位置付けられることを容易にし得る。これは、心臓サポートシステム2102の機能を改善するのに役立つ。
【0174】
図22は、心臓サポートシステム2102の保持フレームのX線マーカー2130の例の概略図を示し、これは
図21に記載される心臓サポートシステム2102の保持フレームであり得る。
図22は、保持フレームの足部2115上に取り付けられるか、または足部2115に埋め込まれ、保持フレームの別の構成要素のX線画像に示されるものとは異なる設計を有する、X線マーカー2130の合計四つの例を示す。足部2115を有する保持フレームの位置付けは、X線を使用した撮像技術の助けを借りて、手術中およびフォローアップチェック中に実施され、その結果、X線マーカー2130の位置を、異なる構造によって明確に識別することができ、保持フレームが全体として、よってまた心臓サポートシステムの位置が、どのように位置付けられているかを、これから見ることも可能である。X線画像で視覚的に容易に区別することができる、足部2105、2115、2125およびX線マーカー2130の設計により、医師は、撮像方法、特にX線を使用して、脈管内の保持フレームの配向を決定することが可能になる。配向の単純かつ明確な識別を保証または少なくとも容易にするために、三つの足部2105、2115、2125のうちの少なくとも一つは、その構造に関して他のものと強く対照をなす。足部2115のうちの一つのX線マーカー2130は、例えば、右上の部分図に示されるように、異なる程度の塗りつぶし2205(表面-輪郭)であり得る。この部分図では、X線マーカー2130は高度の塗りつぶしを有し、これはX線画像で明確に見える。さらなる差別化の可能性は、区別可能な記号2200によって、外側輪郭の区別可能な設計によって、足部2115の区別可能なサイズによって、または区別可能なパターンによって達成することができる。例えば、X線マーカー2130は、左上図では狭いリングとして構成されているのに対し、左下図では広いリングとして構成されている。右下図の図では、X線マーカーは、塗りつぶしされた幅の広いリングとして構成されている。四つの部分図の各々において、足部2115のX線マーカー2130は、他の二つの足部2105および2125とは異なる形状を有し、その結果、他の足部に対するX線マーカー2130の位置を、明確、迅速かつ確実に識別できることが分かる。
【0175】
図22では、設計例のX線マーカー2130は、保持フレームのさらなる領域から区別できる記号2200として構成されている。第二の実施例では、この記号2200は、上述のように、区別可能な塗りつぶし2205を有する。第三および第四の設計例は、X線マーカー2130の記号のさらなる設計を示す。
【0176】
従来の構造と比較して、本明細書に提示されるX線マーカー2130の変形は、生産およびニチノール構造への統合、ならびにそれらのサポートからの取り外しのリスクに関して問題がない。製造プロセス中にニチノールフレームをマーキングすることによって、例えば、これらのリスクが回避され、コストが節約される。
【0177】
図23は、設計例によるインプラント装置を製造するための手順2300のフローチャートを示す。これは、
図3~22のいずれかに記載されるインプラント装置のうちの一つであり得る。
【0178】
手順2300は、提供の工程2305および連結の工程2310を有する。提供工程2305は、脈管の中に移植するためのインプラントと、インプラントに接続された(例えば、取り外し可能に接続された)締結装置とを提供し、これは、締結装置が脈管中にインプラントを締結するまたは締結可能にする締結位置と、締結装置がインプラントを解放する解放位置との間で移動可能である。連結の工程2310において、搬送装置は締結装置に連結されていて、搬送装置は、作動に応答して締結位置と解放位置との間で締結装置の搬送を引き起こすように適合されている。
【0179】
本明細書に提示される手順の工程は、繰り返すことができ、ならびに記載されるものとは異なる順序で実施され得る。
【0180】
(番号付けされた例示的な実施形態)
以下は、番号付けされた例示的な実施形態(NEE)の非網羅的なリストである。
【0181】
NEE1. 導管中に移植するためのインプラントと、インプラントに接続され、かつ締結装置がインプラントを導管中に締結するかまたは締結可能にする締結位置と、締結装置がインプラントを解放する解放位置との間で移動可能な締結装置と、締結装置に連結され、かつ作動に応答して締結装置を締結位置と解放位置との間で搬送させるように適合された搬送装置と、を含むインプラント装置。
【0182】
NEE2. 締結装置が折り畳み可能フレームとして形成され、折り畳み可能フレームが、締結位置で開かれ、解放位置で折り畳まれるように配設される、番号付けされた例示的な実施形態(NEE)1に記載のインプラント装置。
【0183】
NEE3. 搬送装置が、引張動作の形態の作動に応答して、締結位置から解放位置への締結装置の搬送を引き起こす目的のために、および解放動作の形態のさらなる作動に応答して、解放位置から締結位置への締結装置の搬送に影響を与える目的のために、形成されている少なくとも一つのプルコードを有する、NEE2に記載のインプラント装置。
【0184】
NEE4. 引張ケーブルが、搬送装置を操作するための操作装置に連結するために形作られた引張ケーブルドライバを有する、NEE3に記載のインプラント装置。
【0185】
NEE5. NEE1のインプラント装置の搬送装置を操作するための操作装置であって、操作装置が、搬送装置に連結可能であるように設計されていて、操作に応答して、搬送装置の作動を引き起こす操作装置。
【0186】
NEE6. 搬送装置のプルコードのプルコードドライバに連結され得るように形成されたランナー装置を有する、NEE5に記載の操作装置。
【0187】
NEE7. 回転運動として形成されたオペレータに応答して、搬送装置との連結状態で作動を引き起こすように適合された、NEE6に記載の操作装置。
【0188】
NEE8. 操作中の圧縮力に抵抗するために、搬送手段の少なくとも一部分を受容するための支援押出手段を含む、NEE6に記載の操作装置。
【0189】
NEE9. NEE1に記載のインプラント装置およびNEE5に記載の操作装置を有するインプラントシステム。
【0190】
NEE10. NEE1に記載のインプラント装置を製造するための方法であって、前記方法が、導管の中に移植するためのインプラントおよびインプラントに接続された締結装置を提供する工程であって、締結装置が導管中にインプラントを締結可能または固定可能にする締結位置と、締結装置がインプラントを解放する解放位置との間で締結装置が移動可能である、提供する工程と、搬送装置を締結装置に連結する工程であって、搬送装置が、作動に応答して、締結位置と解放位置との間の締結装置の搬送を引き起こすように適合されている、連結する工程と、を含む方法。
【0191】
NEE11. NEE10に記載のプロセスの工程を対応するユニットで実行および制御するように配設された機器。
【0192】
NEE12. NEE10に記載の方法の工程を実行および制御するように適合されたコンピュータプログラム。
【0193】
NEE13. NEE12に記載のコンピュータプログラムが格納される、機械可読記憶媒体。
【0194】
NEE14. 締結装置が導管中にインプラントを締結する、または締結可能にする締結位置で、締結装置の周りに巻き付くように形作られたスリングと、締結位置から、締結装置がインプラントを解放する解放位置へと締結装置を搬送するために、搬送装置が締結装置の周りに巻き付いたときに、スリングを締めるように設計された作動装置と、を搬送装置が含む、NEE1に記載のインプラント装置。
【0195】
NEE15. 作動装置が、回転作動および/または摺動作動および/または押圧作動に応答して、スリングを締めるように形作られている、NEE14に記載のインプラント装置。
【0196】
NEE16. 作動装置が、先行する回転作動、先行する摺動作動、または先行する押圧作動に応答して、スリングを開くまたは延ばして、スリングで締結装置を巻くように適合されている、NEE15に記載の搬送装置。
【0197】
NEE17. 回転作動および/または摺動作動および/または押圧作動および/または先行する回転作動および/または先行する摺動作動および/または先行する押圧作動を受容するように適合された作動部材を含む、NEE16に記載の搬送装置。
【0198】
NEE18. 解放位置にある締結装置およびインプラントを受容するように形作られたスリーブ装置を含む、NEE17に記載の搬送装置。
【0199】
NEE19. スリーブ装置中に配設されているかまたは配設可能であり、スリーブ装置の長手方向の力に抵抗するように設計されている摺動装置を、スリーブ装置が含む、NEE18に記載の搬送装置。
【0200】
NEE20. 作動装置が、さらなる回転作動、さらなる摺動作動、またはさらなる圧力作動に応答して、解放位置にある締結装置およびインプラントを介して、スリーブ装置を延ばすように設計されている、NEE18に記載の搬送装置。
【0201】
NEE21. NEE20に記載の搬送装置および締結装置を備えたインプラントを有するインプラントシステム。
【0202】
NEE22. 締結装置が折り畳み式フレームとして形成され、フレームが解放位置で折り畳まれ、締結位置で展開されるように配設される、NEE21に記載のインプラントシステム。
【0203】
NEE23. インプラントが、解放装置をガイドするように形作られ、および/またはスリングのループを通してガイドされ、および/またはスリングのガイドロッドに沿って延びるシャフトを有する、NEE22に記載のインプラントシステム。
【0204】
NEE24. NEE14に記載の解放装置を製造するための方法であって、締結装置がインプラントを導管中に締結するか、または締結可能にする締結位置で、締結装置の周りに巻き付くように形作られたループを提供する工程と、解放装置を生成するために、作動装置をループに連結する工程であって、締結位置から、締結装置がインプラントを解放する解放位置に締結装置を搬送するために、締結装置がその周りに巻き付いたときに、作動装置がループと連結された状態でループを締めるように設計されている、連結する工程と、を含む、方法。
【0205】
NEE25. NEE24に記載のプロセスの工程を対応するユニットで実行および制御するように配設された機器。
【0206】
NEE26. NEE24に記載の方法の工程を実行および制御するように適合されたコンピュータプログラム。
【0207】
NEE27. NEE26に記載のコンピュータプログラムが格納される、機械可読記憶媒体。
【0208】
NEE28. NEE1に記載のインプラント装置の締結装置であって、インプラントに連結するために形作られた連結セクションと、インプラントを導管中に締結するための締結装置の締結位置で、導管の内側に接触するように形作られた締結セクションと、連結セクションを締結セクションに接続し、押圧作動に応答して締結位置から、締結装置がインプラントを解放する解放位置への締結装置の搬送を引き起こすように構成された搬送セクションと、の特徴を有する、締結装置。
【0209】
NEE29. 連結セクションが、連結セクションの管状内部でインプラントを受容するため、および連結セクションの上に解放スリーブを前進させるために、管状形状で形成されている、NEE28に記載の締結装置。
【0210】
NEE30. 締結位置における連結セクションの連結セクション直径が、締結セクションの締結セクション全長および搬送セクションの搬送セクション全長よりも小さい、NEE29に記載の締結装置。
【0211】
NEE31. 締結位置において、搬送セクションが、連結セクションと締結セクションとの間に半径方向かつ斜めに配設される、NEE25に記載の締結装置。
【0212】
NEE32. 締結装置の少なくとも一部分が、超弾性、形状記憶、および/または自己拡張材料を含む、NEE31に記載の締結装置。
【0213】
NEE33. 折り畳み式フレームとして、随意に一体型に形成される、NEE32に記載の締結装置。
【0214】
NEE34. 締結セクションが、締結位置において少なくとも三つの接触点で導管に半径方向に接触するように形作られた少なくとも三つの締結アームを含む、NEE28に記載の締結装置。
【0215】
NEE35. NEE35に記載の締結装置と、締結装置に連結されるか、または連結可能なインプラントとを有する、インプラントシステム。
【0216】
NEE36. 締結装置によって導管中に締結され得るインプラントを解放するための解放システムであって、NEE28に記載の締結装置と、連結セクションを受容するため、および圧力作動を搬送セクションに適用して、締結装置を締結位置から、締結装置がインプラントを解放する解放位置へと搬送するために形成された解放スリーブと、を含む、解放システム。
【0217】
NEE37. NEE31に記載のインプラントシステムを製造するための方法であって、インプラントおよび固定装置を提供する工程と、連結セクションがインプラントに連結され、搬送セクションが、搬送セクションへの圧力作動に応答して締結装置が締結位置から解放位置へと搬送されるように配設されるように、締結装置をインプラントに連結する工程と、を含む、方法。
【0218】
NEE38. 導管中にインプラントを移植するためのアクチュエータであって、ハウジング開口部、ハウジング開口部に隣接する調整領域、およびハウジング開口部の反対側の調整領域に隣接した移動可能な停止装置を有するハウジングと、スライダ手段であって、スライダ手段のスライダセクションが、直線移動可能な様式でハウジング中に受容されるまたは受容可能であるスライダ手段と、作動に応答して、作動範囲でスライダ手段の直線動作を引き起こすように適合された作動部材と、の特徴を含み、スライダセクションが作動範囲から出るのを防止するために、スライダセクションが作動範囲の接触位置で停止手段に接触する時、スライダの直線動作を防止するように、停止手段が形成されている、アクチュエータ。
【0219】
NEE39. ハウジングが第二の作動領域を有し、停止装置が作動領域と第二の作動領域との間に配設される、NEE38に記載の作動装置。
【0220】
NEE40. スライダ手段が第二の作動領域に入るのを可能にするために、スライダセクションが接触位置に配置される時、解放動作に応答して停止装置を開くように適合された解放手段を含む、NEE39に記載の作動装置。
【0221】
NEE41. 解放装置が、スライダセクションが接触位置に配設されている時、作動要素の作動要素直線動作として、特に作動要素の引き出しとして設計されている解放動作に応答して、停止装置を開くように設計されている、NEE40に記載の作動装置。
【0222】
NEE42. スライダ手段が第二の作動範囲に入るのを防止するために、スライダセクションが接触位置に配設される時、阻止動作に応答して、停止装置を閉じるように適合された解放手段を含む、NEE40の一つに記載の作動装置。
【0223】
NEE43. 解放装置において、係止動作が、解放動作とは反対の動作を表す、NEE42に記載の作動装置。
【0224】
NEE44. スライダ手段が第二の作動領域に位置付けられて、スライダセクションが作動領域の中に戻ることを防止すると、停止手段を閉じるように、解放手段が適合されている、NEE40に記載の作動装置。
【0225】
NEE45. 解放装置が作動要素によって作動可能である、NEE44に記載の作動装置。
【0226】
NEE46. 作動部材が、作動とは反対の作動に応答して、作動範囲においてスライダの直線動作とは反対のスライダ装置の直線戻り動作を引き起こすように適合されている、NEE45に記載の作動装置。
【0227】
NEE47. 作動要素が回転ノブとして形成され、特に作動要素が回転作動要素である、NEE38に記載の作動装置。
【0228】
NEE48. NEE38に記載のアクチュエータを製造するための方法であって、ハウジング開口部、ハウジング開口部に隣接する調整領域、およびハウジング開口部の反対側の調整領域に隣接する移動可能な停止装置を有するハウジングと、スライダ装置と、作動要素とを提供する工程と、アーマチュア装置のアーマチュアセクションが直線的に移動可能な様式でハウジングに受容されるように、および作動に応答して、作動領域においてアーマチュア装置のアーマチュア直線動作を引き起こすようにアクチュエータが配設されるように、ハウジング、アーマチュア装置およびアクチュエータを取り付ける工程とを含み、スライダセクションが作動領域から出るのを防止するために、スライダセクションが作動領域の接触位置で停止手段に接触する時、スライダの直線動作を防止するように、停止手段が配設される、方法。
【0229】
NEE49. NEE48に記載の方法の工程を対応するユニットで実行および/または制御するように配設された機器。
【0230】
NEE50. NEE48に記載の方法の工程を実行および/または制御するように適合されたコンピュータプログラム。
【0231】
NEE51. NEE50に記載のコンピュータプログラムが格納される、機械可読記憶媒体。
【0232】
NEE52. 導管中にインプラントを移植するためのアクチュエータであって、ガイド装置と、インプラントを移植するための解放装置、および解放装置を移動させるためにガイド装置の少なくとも一部に対して移動可能かつ移動可能な可撓性移動装置を有する、ガイド装置に連結されるか、または連結されるように適合されたカテーテルシステムと、の特徴を含み、前記ガイド装置が前記解放装置の曲げ操作を制御するように適合されている、アクチュエータ。
【0233】
NEE53. ガイド装置によって引き起こされる外側ガイドユニットの曲げ動作に応答して内側セクションを曲げるために、その中またはその上に移動装置の内側セクションが受容されるか、または受容可能である、曲げ可能な外側ガイドユニットを、ガイド装置が含む、NEE52に記載のアクチュエータ。
【0234】
NEE54. ガイド装置によって引き起こされる外側ガイドユニットの曲げ動作に応答してセクションを曲げるために、移動装置の一セクションに受容されるか、または受容可能である、曲げ可能な内側ガイドユニットを、ガイド装置が含む、NEE52に記載のアクチュエータ。
【0235】
NEE55. 移動装置が、直線的に移動可能および/または回転可能であるように設計されている、NEE54に記載のアクチュエータ。
【0236】
NEE56. 移動装置が、ガイド装置の少なくとも一つのガイド装置セクションに対して、回転および/または並進運動することなく連結されるか、または連結され得る、NEE55に記載のアクチュエータ。
【0237】
NEE57. カテーテルシステムおよび/またはアクチュエータが、移動装置の可動性を阻止するように適合されている、NEE54に記載のアクチュエータ。
【0238】
NEE58. カテーテルシステムおよび/またはガイド装置が、移動装置の直線動作および/または回転動作を解放するまたは引き起こすように設計されている、NEE57に記載のアクチュエータ。
【0239】
NEE59. カテーテルシステムおよび/またはガイド装置が、移動装置の直線動作を阻止する、および/または移動装置の回転動作を解放するもしくは引き起こすように設計されている、NEE58に記載のアクチュエータ。
【0240】
NEE60. NEE52に記載のアクチュエータを製造するための方法であって、 ガイド装置と、インプラントを移植するための解放装置、および解放装置の少なくとも一部分を移動するための曲げ可能な移動装置を有するカテーテルシステムとを提供する工程と、移動装置がガイド装置に対して移動可能であるように、および移動装置の曲げ動作を制御してアクチュエータを生成するようにガイド装置が配設されるように、ガイド装置とカテーテルシステムとを連結する工程と、を含む方法。
【0241】
NEE61. NEE60に記載の方法の工程を対応するユニットで実行および制御するように配設された機器。
【0242】
NEE62. NEE60に記載の方法の工程を実行および制御するように適合されたコンピュータプログラム。
【0243】
NEE63. NEE62に記載のコンピュータプログラムが格納される、機械可読記憶媒体。
【0244】
NEE64. 心臓補助システムのための保持フレームであって、心臓補助システムを大動脈に定置するための少なくとも二つの足部と、X線を使用して、足部のうちの少なくとも一つの大動脈中の位置をチェックすることを可能にするように適合された少なくとも一つのX線マーカーと、の特徴を有する、保持フレーム。
【0245】
NEE65. X線マーカーが保持フレームの少なくとも一つの足部上に配設され、特にX線マーカーが保持フレームの別の構成要素のX線画像とは異なる構造を有する、NEE64に記載の保持フレーム。
【0246】
NEE66. 保持フレームおよび/または足部が格子構造として形成される、NEE65に記載の保持フレーム。
【0247】
NEE67. X線マーカーが、保持フレームの別の領域とは異なる塗りつぶし構造を有する、NEE65に記載の保持フレーム。
【0248】
NEE68. X線マーカーが、保持フレームのさらなる領域から区別可能な記号を形成する、NEE67に記載の保持フレーム。
【0249】
NEE69. X線マーカーが、保持フレームの外側輪郭の区別可能な形状を有する、NEE64に記載の保持フレーム。
【0250】
NEE70. X線マーカーが、保持フレームのさらなる領域から区別可能なサイズを有する、NEE69に記載の保持フレーム。
【0251】
NEE71. X線マーカーが、保持フレームの区別可能なパターンを有する、NEE70に記載の保持フレーム。
【0252】
NEE72. 保持フレームの二つの足部が、保持フレームを大動脈弁の弁尖の間に位置付けるように構成されている、NEE64に記載の保持フレーム。
【0253】
NEE73. 保持フレームが、少なくとも部分的にニチノール材料を含む、NEE72に記載の保持フレーム。
【0254】
NEE74. 保持フレームが、心臓補助システムの中央におよび/または永久的に接続されている、NEE64に記載の保持フレームを有する心臓補助システム。
【0255】
NEE75. 前述のNEE64~74のいずれかに記載の保持フレームを製造するための方法であって、心臓補助システムを大動脈に定置するための少なくとも二つの足部を有する保持フレームを形成する工程を含み、形成する工程において、少なくとも一つのX線マーカーが、X線を使用して、足部のうちの少なくとも一つの大動脈中の位置をチェックすることを可能にするように適合されている、方法。
【0256】
NEE76. NEE75に記載の方法の工程を実行および制御するように適合されたコンピュータプログラム。
【0257】
NEE77. NEE75に記載のコンピュータプログラムが格納される、機械可読記憶媒体。
【0258】
実行例で第一の特徴と第二の特徴の間に「および/または」リンクが含まれる場合、これは、実行例に、一つの実行形態によれば、第一の特徴および第二の特徴の両方が含まれ、別の実行形態によれば、第一の特徴のみまたは第二の特徴のみのどちらかが含まれると解釈されるべきである。
【0259】
本開示に記載される実装形態に対するさまざまな修正は、当業者に容易に明らかであり、本明細書に定義される一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実装形態に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に示す実装形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された特許請求の範囲、原理、及び新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。「例」という語は、本明細書では、「例、実例、又は例解として役立つ」ことを意味するためにのみ使用される。本明細書に「実施例」として記載された任意の実装形態は、別段の記載がない限り、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0260】
別個の実装形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実装形態で組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装形態の文脈で記載されたさまざまな特徴は、複数の実装形態で別々に、または任意の好適なサブコンビネーションで実装することができる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、当初はそのように特許請求された場合もあるが、特許請求された組み合わせからの一つまたは複数の特徴は、場合により、その組み合わせから削除され得、特許請求された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形を対象とすることができる。
【0261】
同様に、動作は特定の順序で図面に図示されるが、これは、望ましい結果を達成するために、このような動作が、示される特定の順序で、もしくは連続した順序で実行されること、または図示された全ての動作が実行されることを必要とするとは理解されるべきでない。さらに、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。一部の事例では、特許請求の範囲に列挙された行為は、異なる順序で実行されてもよく、それでも望ましい結果を達成することができる。
【0262】
一般に、本明細書で使用される用語は一般に、「オープン(open)」な用語として意図されることを、当業者は理解するであろう(例えば、用語「含む(including)」は、「含む(including)が限定されない」と解釈されるべきであり、「有する(having)」は、「少なくとも有する(having)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」は、「含む(includes)が限定されない」などと解釈されるべきである)。導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が意図される場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に記述され、そのような記述がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の記述を導入するための導入語句「少なくとも一つ」および「一つまたは複数」の使用を含み得る。しかしながら、こうした語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による特許請求の範囲の記述の導入が、同じ特許請求の範囲が、導入語句「一つまたは複数」または「少なくとも一つ」、および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でも、そのような導入された特許請求の範囲の記述を含む任意の特定の特許請求の範囲を、そのような記述を一つのみ含む実施形態に限定することを暗示するものとして解釈されるべきではない。特許請求の範囲の記述を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。更に、導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が明示的に記述されているとしても、当業者は、このような記述は、典型的には、少なくとも記述された数字を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語なしで「二つの記述」の単なる記述は、典型的には、少なくとも二つの記述、又は二つ以上の記述を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用される場合、概して、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、並びに/又はA、B、及びCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用される場合、一般に、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、並びに/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。説明、特許請求の範囲、または図面において、二つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の離接語および/または語句は、用語のうちの一つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図していると理解されるべきであると、当技術分野の者によってさらに理解されるであろう。例えば、語句「AまたはB」は、「A」もしくは「B」、または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【国際調査報告】