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特表2024-539963アトラクションシステムのインタラクティブ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】アトラクションシステムのインタラクティブ装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20241024BHJP
   A63G 31/16 20060101ALI20241024BHJP
   A63F 13/25 20140101ALI20241024BHJP
   A63F 13/215 20140101ALI20241024BHJP
   A63F 13/424 20140101ALI20241024BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241024BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20241024BHJP
   G02B 27/02 20060101ALN20241024BHJP
【FI】
G09G5/00 510B
A63G31/16
A63F13/25
A63F13/215
A63F13/424
G06F3/01 510
G09G5/00 550C
G09G5/00 555D
G09G5/37 200
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524665
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022046913
(87)【国際公開番号】W WO2023076065
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】17/509,586
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100170209
【弁理士】
【氏名又は名称】林 陽和
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン ロバート マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲン パトリック ジョン
【テーマコード(参考)】
2H199
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
2H199CA00
5C182AA04
5C182AB33
5C182AC46
5C182BA14
5C182BA29
5C182BA35
5C182BA75
5C182CB01
5C182DA02
5E555AA27
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC04
5E555CA47
5E555DA08
5E555FA00
(57)【要約】
アトラクションシステム50のためのウェアラブル装置が、ディスプレイ94と、ディスプレイ94に対して第1の斜角で配向されてディスプレイ94上にイメージを投影するように構成されたプロジェクタ130と、ディスプレイ94に対して第2の斜角で配向されたマイク98とを含む。マイク98は、ディスプレイ94から偏向する音響波を受け取るように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトラクションシステムのためのウェアラブル装置であって、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに対して第1の斜角で配向され、前記ディスプレイ上にイメージを投影するように構成されたプロジェクタと、
前記ディスプレイに対して第2の斜角で配向され、前記ディスプレイから偏向する音響波を受け取るように構成されたマイクと、
を備える、ウェアラブル装置。
【請求項2】
前記マイクは指向性マイクである、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項3】
前記ウェアラブル装置は、ユーザが前記ウェアラブル装置を装備することを可能にするように構成されたウェアラブルコンポーネントを備える、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項4】
第1の画面および第2の画面を備え、前記プロジェクタは、前記第1の画面および前記第2の画面を通じて前記イメージを前記ディスプレイ画面上に投影し、前記第1の画面および前記第2の画面は、前記ウェアラブル装置の横軸に沿って互いにオフセットされ、前記マイクは、前記第1の画面と前記第2の画面との間に配置される、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項5】
前記ディスプレイは、凹状プロファイルを有するレンズを含む、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項6】
前記マイクおよび前記プロジェクタは、
前記ディスプレイから偏向する前記音響波に基づくオーディオデータを前記マイクから受け取ることと、
前記オーディオデータの特性を分析することと、
前記オーディオデータの特性に基づいて、前記マイクから受け取った前記オーディオデータから前記オーディオデータのサブセットをフィルタ処理することと、
を含む動作を実行するように構成された制御システムに通信可能に結合される、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項7】
エンクロージャを備え、前記プロジェクタおよび前記マイクは、少なくとも部分的に前記エンクロージャ内に配置される、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項8】
アトラクションシステムのためのウェアラブル装置であって、
ウェアラブルコンポーネントと、
前記ウェアラブルコンポーネントに結合するように構成された相互作用アセンブリと、
を備え、
前記相互作用アセンブリは、
イメージを投影するように構成されたプロジェクタと、
マイクと、
ディスプレイと、
を含み、
前記プロジェクタは、前記プロジェクタによって投影された前記イメージが前記ディスプレイ上に提示されるように前記ディスプレイに対して第1の斜角で配向され、前記マイクは、前記ディスプレイから偏向する音響波を受け取ることに集中するように前記ディスプレイに対して第2の斜角で配向される、
ウェアラブル装置。
【請求項9】
前記ウェアラブルコンポーネントはヘッドセットを含む、
請求項8に記載のウェアラブル装置。
【請求項10】
前記相互作用アセンブリは、該相互作用アセンブリを前記ウェアラブルコンポーネントに結合するように構成されたベースを含み、該ベースは前記プロジェクタおよび前記マイクを含み、前記ディスプレイは前記ベースから延びる、
請求項8に記載のウェアラブル装置。
【請求項11】
前記ベースはハウジングを定め、前記プロジェクタの少なくとも一部が前記ハウジング内に配置される、
請求項10に記載のウェアラブル装置。
【請求項12】
前記ベースは、前記ハウジングの一部を定めるベースセクションを含み、該ベースセクションは、該ベースセクションを貫通して形成された開口部を含み、前記ベースは、前記開口部にわたって広がる画面を含み、前記プロジェクタは、前記画面を通じて前記ディスプレイ上にイメージを投影するように構成される、
請求項11に記載のウェアラブル装置。
【請求項13】
前記相互作用アセンブリは、前記開口部を横切って延びるセグメントを含み、前記マイクは前記セグメントに結合される、
請求項12に記載のウェアラブル装置。
【請求項14】
前記セグメントは、該セグメントを貫通して形成されたアパーチャを含み、前記マイクは前記アパーチャに挿入される、
請求項13に記載のウェアラブル装置。
【請求項15】
前記ベースは、前記ベースセクションから延びる外側セクションを含み、該外側セクションは、前記ウェアラブルコンポーネントに結合するように構成される、
請求項12に記載のウェアラブル装置。
【請求項16】
アトラクションシステムであって、
ディスプレイ、プロジェクタおよびマイクを含むインタラクティブ装置と、
前記インタラクティブ装置の前記マイクおよび前記プロジェクタに通信可能に結合されたコントローラと、
を備え、
前記プロジェクタおよび前記マイクは、前記プロジェクタが前記ディスプレイ上にイメージを投影するように構成されて、前記マイクが前記ディスプレイから偏向する音響波を受け取るように構成されるように、前記ディスプレイに対して斜めに角度付けされ、
前記コントローラは、
前記マイクを介してオーディオデータを受け取ることと、
前記プロジェクタに前記イメージを投影させるために、前記オーディオデータに基づいて前記プロジェクタにイメージデータを送信することと、
を含む動作を実行するように構成される、
アトラクションシステム。
【請求項17】
前記マイクを介して受け取られる前記オーディオデータは、前記ディスプレイから偏向する前記音響波を含み、前記コントローラは、
前記音響波の特性を分析することと、
前記特性に基づいて前記オーディオデータのサブセットを識別することと、
前記マイクから受け取った前記オーディオデータから前記オーディオデータの前記サブセットをフィルタ処理することと、
を含む動作を実行するように構成される、
請求項16に記載のアトラクションシステム。
【請求項18】
前記特性は前記音響波の強度を含み、前記コントローラは、前記オーディオデータの前記サブセットに関連する前記強度が閾値強度未満であると判定することに応答して、前記オーディオデータの前記サブセットをフィルタ処理するように構成される、
請求項17に記載のアトラクションシステム。
【請求項19】
前記インタラクティブ装置は、ヘッドセットと、該ヘッドセットに結合された相互作用アセンブリとを含み、該相互作用アセンブリは、前記ディスプレイ、前記プロジェクタ、および前記マイクを含む、
請求項16に記載のアトラクションシステム。
【請求項20】
前記インタラクティブ装置は、ベースセクションを含むベースを含み、前記ディスプレイは、前記ベースの第1の端部から延びて前記ベースセクションと前記ディスプレイとの間に隙間を形成し、前記マイクは、前記ベースセクションに結合されて、前記隙間内を前記ベースセクションから前記ディスプレイに向かって延びる、
請求項16に記載のアトラクションシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本節は、以下で説明および/または特許請求する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【発明の概要】
【0002】
遊園地およびその他の娯楽会場では、ゲストを乗り物またはアトラクションの体験に没入させるのに役立つように特殊効果を使用することがある。没入的環境としては、3次元(3D)小道具および大道具、ロボットまたは機械要素、および/またはメディアを提示する表示面を挙げることができる。たとえば、没入的環境は、ゲストによって実行されるアクションに基づいて動作するコンポーネントを介して提供することができる。従って、アトラクションはゲストに相互作用体験を提供することができる。しかしながら、ゲストによって実行されるアクションの識別または検出、従って対応するコンポーネントの適切な動作の決定は複雑または困難な場合がある。従って、より好適なまたは望ましい相互作用体験を提供するようにアトラクションを改善することが望まれている。
【0003】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、特許請求する主題の範囲を限定するものではなく、むしろ本主題の可能な形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本主題は、以下に示す実施形態と類似し得るまたは異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0004】
ある実施形態では、アトラクションシステムのためのウェアラブル装置は、ディスプレイと、ディスプレイに対して第1の斜角で配向され、ディスプレイにイメージを投影するように構成されたプロジェクタと、ディスプレイに対して第2の斜角で配向されたマイクとを含む。マイクは、ディスプレイから偏向する音響波を受け取るように構成される。
【0005】
ある実施形態では、アトラクションシステムのためのウェアラブル装置が、ウェアラブルコンポーネントと、ウェアラブルコンポーネントに結合するように構成された相互作用アセンブリとを含む。相互作用アセンブリは、イメージを投影するように構成されたプロジェクタと、マイクと、ディスプレイとを含む。プロジェクタは、プロジェクタによって投影されたイメージがディスプレイ上に提示されるようにディスプレイに対して第1の斜角で配向され、マイクは、ディスプレイから偏向する音響波を受け取ることに集中するようにディスプレイに対して第2の斜角で配向される。
【0006】
ある実施形態では、アトラクションシステムが、ディスプレイ、プロジェクタおよびマイクを有するインタラクティブ装置を含む。プロジェクタおよびマイクは、プロジェクタがディスプレイ上にイメージを投影するように構成され、マイクがディスプレイから偏向する音響波を受け取るように構成されるように、ディスプレイに対して斜めに角度付けされる。アトラクションシステムは、インタラクティブ装置のマイクおよびプロジェクタに通信可能に結合されたコントローラも含む。コントローラは、マイクを介してオーディオデータを受け取り、プロジェクタにイメージを投影させるために、オーディオデータに基づいてプロジェクタにイメージデータを送信するように構成される。
【0007】
全体を通じて同じ要素を同じ記号で示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらのおよびその他の特徴、態様および利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の態様によるアトラクションシステムの実施形態の概略図である。
【0009】
図2】本開示の態様によるアトラクションシステムのインタラクティブ装置の実施形態の概略図である。
【0010】
図3】本開示の態様によるアトラクションシステムのインタラクティブ装置の実施形態の概略図である。
【0011】
図4】本開示の態様によるインタラクティブ装置の相互作用アセンブリの実施形態の側面斜視図である。
【0012】
図5】本開示の態様による、アトラクションシステムのインタラクティブ装置を動作させる方法の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介する場合、「a」、「an」および「the」といった冠詞は、これらの要素が1つまたは2つ以上存在することを意味するものとする。「備える(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、包括的なものとして意図されており、列記する要素以外のさらなる要素が存在し得ることを意味する。また、本開示の「1つの実施形態」または「ある実施形態」についての言及は、記載する特徴も含むさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されるように意図するものではないと理解されたい。
【0014】
以下、本開示の1または2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明していない場合もある。いずれかの工学または設計プロジェクトなどにおけるいずれかのこのような実施の開発では、実施によって異なり得るシステム関連およびビジネス関連の制約の順守などの開発者の明確な目的を達成するために数多くの実施固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間がかかることもあるが、それにもかかわらず、本開示の恩恵を受ける通常の技術者にとって日常的な設計、製作および製造の取り組みであると理解されたい。
【0015】
本開示は、遊園地またはテーマパークなどの相互作用型アトラクションシステムに関する。アトラクションシステムは、アトラクションシステムのゲストによって実行される動作に基づいて動作することができる。たとえば、ゲストのうちの1人によって提供されたオーディオ入力(たとえば、発話)に基づいて特定の要素またはフィードバック(たとえば、音響効果、視覚イメージ)を提示することができる。実際には、ゲストによって提供された特定のオーディオ入力に基づいて、異なるゲストに異なる要素を提示することができる。従って、アトラクションシステムは、各ゲストに固有の相互作用的な体験を提供することができる。アトラクションシステムは、それぞれが入力(たとえば、マイクを介したオーディオ入力)を受け取って出力(たとえば、ディスプレイを介した視覚出力)を提供するように動作可能なインタラクティブ装置を意味し、または含むことができる。
【0016】
ある実施形態では、各ゲストが、オーディオ入力を受け取るように構成されたヘッドセットなどのインタラクティブ装置を装備することができる。アトラクションシステム(たとえば、一連のインタラクティブ装置または個々のインタラクティブ装置)は、インタラクティブ装置から受け取ったオーディオ入力に基づいて動作(たとえば、出力を提供)することができる。たとえば、複数のゲストが体験に参加している場合、各ゲストは、それぞれのゲストが装着しているヘッドセット(インタラクティブ装置)のマイクにコマンドを話すことができ、ヘッドセットは、コマンドに応答して特定のメディア(たとえば、音、イメージ、グラフィック、ビデオ)を出力することによってコマンドに応答することができる。具体例として、ユーザが「壁を赤く塗って」というコマンドを話した場合には、拡張現実(AR)を利用して、ヘッドセットのARゴーグルを介して観察される壁を赤くなったように見せることができる。しかしながら、インタラクティブ装置のうちの1つが複数のオーディオ入力を受け取ることもある。たとえば、インタラクティブ装置は、第1のゲスト(たとえば、インタラクティブ装置を装備しているゲスト)から受け取られる第1のオーディオ入力、第2のゲスト(たとえば、第1のゲストが装備しているインタラクティブ装置を装備していない隣接するゲスト)からの第2のオーディオ入力、および/またはアトラクションシステムのショー効果からの第3のオーディオ入力を受け取ることがある。これらの異なるオーディオ入力は、互いに干渉し、意図せず受け取られたオーディオ入力に基づいてアトラクションシステムの望ましくない動作を引き起こすことがある。すなわち、アトラクションシステムが第1の入力に基づいて動作せず、および/または第2のオーディオ入力および/または第3のオーディオ入力に基づいて望ましくない形で調整されることがある。具体例として、第1のゲストが話したコマンドが第2のゲストのヘッドセット内のマイクによって拾われる結果、第2のゲストからはコマンドが発されていないにもかかわらず、第2のゲストに対してコマンドが実行されてしまうことがある。
【0017】
従って、現在では、望ましくないオーディオ入力を制限して望ましいオーディオ入力に集中するようにインタラクティブ装置を動作させることでアトラクションシステムの動作を容易にすることができると認識されている。従って、本開示の実施形態は、特定のオーディオ入力の受信を阻止することができるインタラクティブ装置に関する。具体的には、インタラクティブ装置を、インタラクティブ装置を装備しているゲストからのオーディオ入力に集中して、近くに存在し得る他のソース(たとえば、インタラクティブ装置を装備していない他のゲスト、ショー効果、環境特徴)からのオーディオ入力を除外するように設計することができる。
【0018】
あるゲストがインタラクティブ装置を装備している時には、このゲストのことを、インタラクティブ装置に関連する、または「関連ゲスト」と呼ぶことができる。インタラクティブ装置は、インタラクティブ装置を装備しているゲストに視覚イメージを提示するように構成されたディスプレイを含むことができる。ディスプレイは、関連ゲストがこのような視覚イメージ(たとえば、拡張現実、仮想現実、または混合現実イメージ)を快適に見ることを可能にするように配置された(たとえば、角度付けされた、関連ゲストの顔に対して配置された)パネルを含むことができる。一例として、ディスプレイは、関連ゲストとディスプレイとの間に空間を形成するように配置することができる。インタラクティブ装置は、関連ゲストによって提供されるオーディオ入力を受け取るように構成されたマイクを含むこともできる。マイクは、関連ゲストによって提供されてディスプレイパネルから偏向するオーディオ入力を受け取るような形で配置する(たとえば、ディスプレイに対して角度を付けて配置する)ことができる。たとえば、マイクは、関連ゲストとディスプレイとの間に形成される空間内に延びることができる。このようなマイクの位置付けは、関連ゲストによって提供されていない特定のオーディオ入力をディスプレイが阻止することを可能にすることもできる。一例として、インタラクティブ装置のディスプレイおよび/または別のコンポーネントは、関連ゲストとディスプレイとの間の空間内にオーディオ入力が入り込むのを阻止し、および/またはオーディオ入力がディスプレイから偏向してマイクに向かうのを阻止することができる。従って、このマイクの配置は、関連ゲストによって提供されたオーディオ入力が他のオーディオ入力によって干渉されるのを阻止することができる。このようにして、インタラクティブ装置は、関連ゲストによって提供されたオーディオ入力に基づいてアトラクションシステムをより望ましく動作させることができる。
【0019】
上記の内容を踏まえて、図1は、遊園地のアトラクションシステム50の実施形態の概略図である。たとえば、アトラクションシステム50は、ジェットコースター、モーションシミュレータ、ウォーターライド、およびウォークスルーアトラクション(たとえば、迷路)などを含むことができる。アトラクションシステム50は、様々なゲストを配置できるゲストエリア52を含むことができる。ある実施形態では、ゲストエリア52が、アトラクションシステム50のモーションベースの周囲でおよび/または軌道に沿って移動(たとえば、並進、回転、枢動)し、および/またはアトラクションシステム50内で静止したままであることができる乗り物車両を含むことができる。さらなるまたは別の実施形態では、ゲストエリア52が、歩行可能エリア(たとえば、待ち行列または行列)などの空間を含むことができる。アトラクションシステム50は、アトラクションシステム50によって提供されるゲスト体験を強化するように動作できるショー効果54を含むこともできる。たとえば、ショー効果54は、照明、可動物体(たとえば、ロボット)、煙効果、および音響効果などを含むことができる。図示のアトラクションシステム50では、ショー効果54がゲストエリア52の外側に配置されているが、さらなるまたは別のアトラクションシステム50では、ショー効果54を少なくとも部分的にゲストエリア52内に配置することもできる。
【0020】
図示の実施形態では、第1のゲスト56および第2のゲスト58がゲストエリア52内に配置されている。ゲスト56、58の各々は、それぞれのインタラクティブ装置またはウェアラブル装置を装備(たとえば、装着またはこれらと連動)することができる。従って、第1のゲスト56は第1のインタラクティブ装置60(たとえば、第1のウェアラブル装置)を装備することができ、第2のゲスト58は第2のインタラクティブ装置62(たとえば、第2のウェアラブル装置)を装備することができる。本明細書で説明するように、インタラクティブ装置60、62の各々は、対応するゲスト56、58のそれぞれの頭部の周囲に配置されるように構成されたウェアラブルヘッドセットを含むことができる。しかしながら、ゲスト56、58は、さらなるまたは別のインタラクティブ装置60、62を異なる形で(たとえば、インタラクティブ装置60、62を保持することによって)装着または別様に装備することもできる。
【0021】
インタラクティブ装置60、62の各々は、ゲスト56、58とインタラクティブ装置60、62との間の相互作用に基づいてそれぞれのゲスト56、58から入力を受け取るように構成することができる。このような入力は、発話(たとえば、話し言葉)、ジェスチャ動作、物理的接触、および顔の表情などを含むことができる。このような入力は、インタラクティブ装置60、62のセンサ(たとえば、動き検出器、ジャイロスコープ、加速度計、マイク、イメージセンサ、カメラ)を介して取り込むことができる。また、インタラクティブ装置60、62が受け取った入力に基づいてアトラクションシステム50(たとえば、インタラクティブ装置60、62の出力、乗り物車両の動作、ショー効果の動作)を動作させることもできる。この目的のために、アトラクションシステム50は制御システム64(たとえば、自動化コントローラまたはプログラマブルコントローラ)を含むことができる。制御システム64は、メモリ66および処理回路68を含むことができる。メモリ66は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、および/またはリードオンリメモリ(ROM)などの不揮発性メモリ、光学ドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、またはアトラクションシステム50を動作させる命令を含む他のいずれかの非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。処理回路68は、このような命令を実行するように構成することができる。たとえば、処理回路68は、1または2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1または2以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1または2以上の汎用プロセッサ、またはこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0022】
ある実施形態では、制御システム64をインタラクティブ装置60、62の各々に通信可能に結合して、インタラクティブ装置60、62を動作させるように構成することができる。一例として、制御システム64は、ゲスト56、58を楽しませる様々な出力を提示するようにインタラクティブ装置60、62に命令するよう構成することができる。たとえば、制御システム64は、インタラクティブ装置60、62に、ゲスト56、58に対して視覚イメージを表示し、および/または音響効果(たとえば、音)を出力するように命令することができる。これに加えてまたは代えて、制御システム64は、ショー効果54を制御するように構成することもできる。実際には、制御システム64は、没入的体験のために仮想要素を提供することなどの特定の体験をゲスト56、58に提供するようにインタラクティブ装置60、62および/またはショー効果54の動作を制御するよう構成することができる。
【0023】
制御システム64は、ゲスト56、58によって提供された入力(たとえば、ゲスト56、58とインタラクティブ装置60、62との間の相互作用)に基づいてインタラクティブ装置60、62の動作を制御することによってゲスト56、58に相互作用体験を提供することもできる。すなわち、制御システム64は、ゲスト56、58によって提供された入力に基づいてインタラクティブ装置60、62(たとえば、インタラクティブ装置60、62に特定の視覚イメージを表示するようにおよび/または特定の音響効果を出力するように命令し)および/またはショー効果54を動作させる(たとえば、ショー効果54のうちの特定の1つを作動させる)ことができる。一例として、制御システム64は、ゲスト56、58が話したキーワードを識別し、このキーワードに基づいてアトラクションシステム50を動作させることなどにより、ゲスト56、58によって提供されたオーディオ入力に基づいてアトラクションシステム50を動作させることができる。このようにして、ゲスト56、58の各々は、インタラクティブ装置60、62との特定の相互作用に基づいて、より個人化されたまたは固有の体験を体験することができる。
【0024】
さらなる実施形態では、制御システム64が、ゲスト56、58の各々を特定のユーザプロファイルに関連付け、ユーザプロファイルに基づいてアトラクションシステム50を動作させて、ゲスト56、58に個人化された体験を提供することができる。たとえば、各ユーザプロファイルは、制御システム64がアトラクションシステム50を動作させるために使用する、ユーザ選好および/または前回のアトラクションシステム50の動作などの様々なタイプの情報を含むことができる。ある例では、制御システム64が、それぞれのオーディオ入力(たとえば、特定のピッチ、トーン、抑揚などの特定の特性を有するオーディオ入力)を異なるユーザプロファイルに関連付けることができる。制御システム64は、ゲスト56、58のうちの1人から提供されたオーディオ入力を受け取り、受け取ったオーディオ入力に関連するユーザプロファイルを識別し、ユーザプロファイルに基づいてアトラクションシステム50(たとえば、インタラクティブ装置60、62)を動作させることができる。別の例では、制御システム64が、選択されたユーザプロファイルを示すユーザ入力などの、ユーザプロファイルを示す他の情報を受け取ってアトラクションシステム50を動作させることができる。
【0025】
さらに、インタラクティブ装置60、62は、オーディオ入力間の干渉を阻止することができる。実際には、インタラクティブ装置60、62の各々は、対応するインタラクティブ装置60、62を装備しているゲスト56、58によって提供されたオーディオ入力を受け取る一方で、他のソース(たとえば、ショー効果54、対応するインタラクティブ装置60、62を装備していないゲスト)によって提供されたオーディオ入力を阻止するように構成することができる。たとえば、第1のインタラクティブ装置60は、第1のゲスト56が第1のインタラクティブ装置60を装備している間は第1のゲスト56によって提供されるオーディオ入力を受け取るように構成することができ、第2のインタラクティブ装置62は、第2のゲスト58が第2のインタラクティブ装置62を装備している間は第2のゲスト58によって提供されるオーディオ入力を受け取るように構成することができる。一方で、第1のインタラクティブ装置60は、第1のゲスト56が第1のインタラクティブ装置60を装備している間は第2のゲスト58によって提供されるオーディオ入力を阻止することができ、第2のインタラクティブ装置62は、第2のゲスト58が第2のインタラクティブ装置62を装備している間は第1のゲスト56によって提供されるオーディオ入力を阻止するように構成することができる。
【0026】
制御システム64は、対応するインタラクティブ装置60、62を装備しているゲスト56、58によって提供されたものではないオーディオ入力に基づくアトラクションシステム50の望ましくない動作を阻止することもできる。いくつかの実施形態では、制御システム64が、特定の検出されたオーディオ入力(たとえば、ショー効果54および/またはインタラクティブ装置60、62を装備していないゲストによって提供されたオーディオ入力)を阻止することなどによって、インタラクティブ装置60、62によって受け取られたオーディオ入力をフィルタ処理することができる。一例として、制御システム64は、インタラクティブ装置60、62が複数のオーディオ入力を受け取っていると判定し、最も弱い信号または強度を有するオーディオ入力を(たとえば、最も小さな音)インタラクティブ装置60、62が処理するのを阻止し、最も強い信号または強度を有するオーディオ入力(たとえば、インタラクティブ装置60、62を装備しているゲスト56、58が提供できる最も大きな音)をインタラクティブ装置60、62が処理するのを可能にすることができる。別の例として、制御システム64は、インタラクティブ装置60、62の各々が受け取っているオーディオ入力をモニタし、インタラクティブ装置60、62の一方が特定のオーディオ入力を受け取って処理すべきであると判定し、他方のインタラクティブ装置がこの特定のオーディオ入力を処理するのを阻止することができる。たとえば、制御システム64は、第1のゲスト56によって提供されたオーディオ入力を(たとえば、受け取られたオーディオ入力が閾値レベルを上回る強度(strength or intensity)を有していることに基づいて)第1のインタラクティブ装置60が処理すべきであると判定し、これに応答して(たとえば、第1のインタラクティブ装置60が処理すべきオーディオ入力のものと同様の特性またはパターンを含む受け取られたオーディオ入力をフィルタ処理することによって)、第1のゲスト56によって提供されたオーディオ入力を第2のインタラクティブ装置62が処理するのを阻止することができる。実際には、制御システム64は、オーディオ入力を受け取っているインタラクティブ装置60、62の(たとえば、他方のインタラクティブ装置60、62に対する)位置を決定し、(たとえば、インタラクティブ装置60、62間の距離が閾値未満であることに基づいて)他方のインタラクティブ装置60、62も同じオーディオ入力を受け取る可能性があると予測し、他方のインタラクティブ装置60、62がオーディオ入力を処理するのを阻止することができる。上述した内容の具体例として、第1のインタラクティブ装置60は、第1のゲスト56が「開始(start)」という口頭コマンドを発したことを検出することができる。すると、第2のインタラクティブ装置62は、コマンド間の混乱を避けるために、(「sta」という音の検出に基づいてコマンド検出の初期に予測できる)このコマンドに関連するオーディオ入力を阻止またはフィルタ処理することができる。オーディオ入力(たとえば、識別可能な口頭命令)の性質を処理のために検出および/または予測することにより、望ましくないオーディオ入力をより具体的にフィルタ処理または阻止することができる。
【0027】
図2は、インタラクティブ装置60、62の一方の実施形態の概略図である。インタラクティブ装置60、62は、メモリ90および処理回路92を含むことができる。ある実施形態では、メモリ90および処理回路92が、制御システム64のメモリ66および処理回路68とは別のものであることができる。このような実施形態では、インタラクティブ装置60、62の処理回路92を、制御システム64の処理回路68によって実行される動作とは別の動作を実行するように構成することができる。
【0028】
インタラクティブ装置60、62は、(たとえば、処理回路68および/または処理回路92から受け取られた命令に基づいて)視覚イメージを提示するように構成できるディスプレイ94を含むこともできる。インタラクティブ装置60、62は、ゲスト56、58がインタラクティブ装置60、62を装備するのを容易にするウェアラブルコンポーネント96をさらに含むことができる。一例として、ウェアラブルコンポーネント96は、ゲスト56、58の頭部の周囲に固定されるように構成されたストラップを有するヘッドセットを含むことができる。実際には、ウェアラブルコンポーネント96は、身体部分のサイズに対応してより良好にゲスト56、58に固定されるように調整可能であることができる。ある実施形態では、ウェアラブルコンポーネント96が装備されている間にゲスト56、58に対してディスプレイ94を望ましい形で配置するために、ウェアラブルコンポーネント96およびディスプレイ94を互いに対して配置(たとえば、互いに結合)ことができる。一例として、ゲスト56、58がウェアラブルコンポーネント96を介してインタラクティブ装置60、62を装備している間は、ディスプレイ94をゲスト56、58の目から特定の距離だけオフセットさせ、および/またはディスプレイ94によって提示される視覚イメージを容易に見ることができる特定の角度でゲスト56、58の頭部に対して配向することができる。
【0029】
インタラクティブ装置60、62は、オーディオ入力(たとえば、ゲスト56、58によって提供されるオーディオ入力)を受け取るように構成できるマイク98をさらに含むことができる。マイク98は、ディスプレイ94から偏向するオーディオ入力(たとえば、インタラクティブ装置60、62を装備しているゲスト56、58によって提供されたオーディオ入力)を受け取ることができるようにディスプレイ94に対して配置することができる。このようなマイク98の配置は、インタラクティブ装置60、62を装備していないゲストによって提供されるオーディオ入力および/またはショー効果54によって提供されるオーディオ入力などの他のオーディオ入力の受信を阻止することもできる。たとえば、ディスプレイ94は、特定のオーディオ入力がマイク98に向かうのを(たとえば、ディスプレイ94からマイク98に向かって偏向するのを)阻止することができる。ある実施形態では、マイク98が、特定の位置におけるオーディオ入力またはマイク98に対して特定の方向に移動する(たとえば、ディスプレイ94からマイク98に向かって特定の角度で偏向する)オーディオ入力を受け取るように構成された指向性マイク(たとえば、単一指向性マイク、カージオイドマイク)を含むことができる。従って、マイク98およびディスプレイ94の相対的位置付けは、特定のオーディオ入力(たとえば、ディスプレイ94からマイク98に向かって偏向していない、またはこのマイク98およびディスプレイ94の配置によって検出可能性が限られているオーディオ入力)の受信をさらに阻止またはフィルタ処理することができる。
【0030】
ある実施形態では、インタラクティブ装置60、62が、別の動作パラメータを検出するように構成されたセンサ100を含むことができる。一例として、センサ100は、イメージデータ(たとえば、ゲスト56、58の身体的外観、ゲストによって行われたジェスチャまたは顔の表情)、ゲスト56、58のバイオメトリックデータ、(たとえば、アトラクションシステム50内の)インタラクティブ装置60、62の位置、インタラクティブ装置60、62のバッテリ寿命、時刻、別の好適な動作パラメータ、またはこれらのいずれかの組み合わせを検出するように構成することができる。センサ100は、検出された動作パラメータを示すデータを、処理回路68および/またはアトラクションシステム50を動作させるための処理回路92に適宜に出力することができる。図示の実施形態では、インタラクティブ装置60、62が、音を出力するように構成できるスピーカ102も含む。たとえば、インタラクティブ装置60、62は、処理回路68および/または処理回路92によって送信された命令に基づいて音響効果を出力し、ディスプレイ94によって提供される視覚イメージと連動してゲスト56、58に固有の体験を提供することができる。これに加えてまたは代えて、インタラクティブ装置60、62は、触覚フィードバックを提供するように構成されたコンポーネント、光源、および作動可能コンポーネントなどの、ゲスト56、58に提供される体験を強化できる他のいずれかの好適なコンポーネントを含むこともできる。
【0031】
図3は、インタラクティブ装置60、62の一方の実施形態であることができるインタラクティブ装置120の実施形態の概略図である。図示のインタラクティブ装置120は、(たとえば、アトラクションシステム50の)ユーザまたはゲスト122によって装備される。たとえば、インタラクティブ装置120は、ユーザ122の頭部に装着されるように構成されたヘッドセットであることができるウェアラブルコンポーネント96を含むことができる。さらなるまたは別の実施形態では、ウェアラブルコンポーネント96が、ユーザによって保持される形、およびユーザ122の肩に装着される形などの別の形でユーザ122によって装備されるように構成された別のコンポーネントを含むこともできる。
【0032】
インタラクティブ装置120は、ウェアラブルコンポーネント96に結合するように構成された相互作用アセンブリ124を含むこともできる。一例として、相互作用アセンブリ124は、ウェアラブルコンポーネント96に付着するように構成されたベース126を含むことができる。ある実施形態では、ウェアラブルコンポーネント96および相互作用アセンブリ124を別々のコンポーネントとすることができ(たとえば、インタラクティブ装置120がモジュール式であることができ)、ベース126を、締結具、機械的取り付け(たとえば、締まり嵌め)、ストラップ、フックおよびパンチスルーなどを介してウェアラブルコンポーネント96に結合するように構成することができる。実際には、相互作用アセンブリ124とウェアラブルコンポーネント96との間の結合は、メンテナンスなどの目的で相互作用アセンブリ124がウェアラブルコンポーネント96から容易に取り外されるのを可能にすることができる。さらなるまたは別の実施形態では、ウェアラブルコンポーネント96および相互作用アセンブリ124が互いに一体であることができる。たとえば、溶接および/または成形を介してウェアラブルコンポーネント96にベース126を取り付けることができる。相互作用アセンブリ124は、ユーザ122と相互作用アセンブリ124との間の相互作用などに基づいてインタラクティブ装置120がユーザ122に固有の体験を提供するのを可能にすることができる。
【0033】
相互作用アセンブリ124は、ベース126の第1の端部128から延びるディスプレイ94と、ベース126の内側セクションまたは部分132に結合されたプロジェクタ130と、ベース126の内側セクション132に結合されたマイク98とを含むことができる。プロジェクタ130は、ディスプレイ94上にイメージを投影してユーザ122にイメージを提示するように構成することができる。たとえば、プロジェクタ130は、プロジェクタ130によって投影されたイメージをディスプレイ94からユーザ122に対して第1の方向134に(たとえば、ユーザ122の目に向けて)偏向させるように、ディスプレイ94に対して斜めに配向することができる。この目的のために、ディスプレイ94は、ユーザ122が投影イメージをより明瞭に見ることを可能にする反射レンズを含むことができる。ある実施形態では、相互作用アセンブリ124がユーザ122に仮想現実、拡張現実および/または複合現実体験を提供することができ、この場合、プロジェクタ130によって投影されるイメージは、現実世界の(たとえば、物理的)物体を補完および/または置換する仮想またはコンピュータ生成要素を含むことができる。従って、ディスプレイ94は、プロジェクタ130がディスプレイ94上にイメージを投影している間にディスプレイ94を通じて現実世界の環境を見ることを可能にしたりまたは阻止したりするように選択される不透明度を含むことができる。
【0034】
マイク98も、ディスプレイ94から偏向する音響波(audio waves)を受信できるように、ディスプレイ94に対して斜めに配向することができる。実際には、プロジェクタ130およびマイク98の各々は、鋭角または鈍角などの斜角136(たとえば、実質的に同じ斜角、異なる斜角)で配向することができる。マイク98は、ユーザ122によって出力されてディスプレイ94からマイク98への第2の方向138に偏向する音響波(たとえば、発話)を受信できるように配置することができる。また、ディスプレイ94に対するマイク98の位置は、ユーザ122によって出力されたものではない音響波(たとえば、他のユーザによって出力された音響波、ショー効果54によって出力された音響波)などの他の音響波をマイク98が受け取って処理するのをディスプレイ94が阻止するのを可能にすることができる。実際に、ユーザ122がインタラクティブ装置120を装備している時には、ユーザ122(たとえば、ユーザ122の頭部)およびディスプレイ94が協働してマイク98を取り囲んで、マイク98が望ましくない音響波を受信するのを阻止することができる。ある実施形態では、マイク98が、特定のエリアにおけるまたはマイク98に対して特定の方向から接近する音響波を取り込んで処理するように構成された指向性マイクを含むことができる。実際には、マイク98は、ディスプレイ94から偏向していない音響波などの、マイク98に対して他の方向に放出された音響波を処理しないことができる。従って、マイク98は、インタラクティブ装置120を装備しているユーザ122によって出力された音響波の処理をさらに可能にすることができる。ディスプレイ94は、ユーザ122の口からの音響波を受け取り、偏向を介して音響波をマイク98の方に向けるように湾曲し、面取りされ、および/または角度付けされた幾何学的形状(たとえば、全体的形状または表面)を有することができる。ディスプレイ94の形状は、外部音(たとえば、ユーザ122からのものではない音)をマイク98から離して偏向させる相補的動作を有することができる。マイク98は、ディスプレイ94による保護に加えて、インタラクティブ装置120の特徴によって定められる物理的障壁(たとえば、隆起したプラスチック壁)によって取り囲み、部分的に取り囲み、または別様に他の方向からのオーディオの受信から保護することもできる。
【0035】
制御システム64は、インタラクティブ装置120の動作を制御するように構成することができる。たとえば、制御システム64は、プロジェクタ130およびマイク98に通信可能に結合することができる。ある実施形態では、制御システム64を、マイク98からオーディオデータを受け取るように構成することができる。オーディオデータは、マイクによって受け取られた音響波に基づくことができ、またはこのような音響波を含むことができる。制御システム64は、マイク98から受け取られたオーディオデータに基づいてイメージを提示するようにプロジェクタ130を制御するよう構成することができる。一例として、制御システム64は、自然言語処理を介してオーディオデータからキーワードおよび/または語句を識別し、コマンド認識を介してオーディオデータに関連付けられたキーワード、語句および/またはその他の文脈に基づいて、対応するイメージデータ(たとえば、メモリ66に記憶されたイメージデータ)を識別するように構成することができる。その後、制御システム64は、プロジェクタ130にイメージデータを送信して、イメージデータに基づくイメージをプロジェクタ130に提示させることができる。このようにして、制御システム64は、ユーザ122によって実行されたアクション(たとえば、ユーザ122が話した言葉)に基づいてプロジェクタ130にイメージを提示させ、より相互作用的な体験をユーザ122に提供することができる。
【0036】
ある実施形態では、制御システム64を、受け取ったオーディオデータをより望ましく処理するために(たとえば、プロジェクタ130の動作を制御するために)、望ましくない可能性のあるオーディオ信号をフィルタ処理するように動作するよう構成することもできる。一例として、制御システム64は、特定の特性(たとえば、閾値周波数、閾値振幅、閾値波長、閾値期間、閾値速度)を有する音響波をフィルタ処理するように構成することができる。たとえば、ショー効果54によって生成された音などの特定の音響効果が生成する音響波は予想特性を有することができ、制御システム64は、予想特性に基づいてこのような音響波をフィルタ除去することができる。従って、制御システム64は、ユーザ122が話した言葉などの受け取られたオーディオデータをより良好に処理することができる。さらなるまたは別の実施形態では、制御システム64を、複数のユーザによって出力された音響波が受け取られていると判定し、それぞれの音響波を異なるユーザに関連付け、インタラクティブ装置120を動作させるために特定のユーザに関連する音響波を選択するように構成することができる。一例として、制御システム64は、第1の強度(たとえば、第1の振幅)などの第1の特性を有する第1の音響波と、第2の強度(たとえば、第2の振幅)などの第2の特性を有する第2の音響波とを受け取ることができる。たとえば、第1の音響波は、インタラクティブ装置120を装備しているユーザ122によって出力されたものであり、第2の音響波は、ユーザ122に隣接して位置する別のユーザによって出力されたものであることができる。従って、制御システム64は、第2の音響波ではなく第1の音響波に基づいてインタラクティブ装置120を動作させることができる。さらなる実施形態では、制御システム64が、インタラクティブ装置120によって受け取られたいくつかの音響波が他のインタラクティブ装置によって受け取られた音響波の特性に一致する特性を有することになどに基づいて、インタラクティブ装置120によって受け取られた特定の音響波が別のインタラクティブ装置を動作させるために既に受け取られていると判定することができる。従って、制御システム64は、他のインタラクティブ装置を動作させるために既に処理されている音響波に基づいてインタラクティブ装置120が動作するのを阻止することができる。
【0037】
ある実施形態では、インタラクティブ装置120が、異なる位置および/または向きに配置された複数のマイク98を含むことができる。従って、マイク98の各々は、異なる音響波を受け取るように構成することができる。たとえば、マイク98の第1のサブセットは、主にユーザ122によって出力された音響波を受け取り、マイク98の第2のサブセットは、主にショー効果54などの異なるソースによって生成された音響波を受け取ることができる。制御システム64は、各マイク98によって受け取られた音響波を集合的に処理して、インタラクティブ装置120を制御すべき態様を決定することができる。一例として、制御システム64は、マイク98の第1のサブセットを介して受け取られた音響波に基づいて、ユーザ122とインタラクティブ装置120との間の相互作用を決定することができ、マイク98の第2のサブセットを介して受け取られた音響波に基づいて、インタラクティブ装置120に関連するコンテキストを決定することができる。この結果、制御システム64は、相互作用およびコンテキストの両方に基づいてプロジェクタ130にイメージデータを送信することなどによってインタラクティブ装置120を動作させることができる。いくつかの実施形態では、特定の音の識別を容易にするために、1つのマイク(またはマイクのサブセット)によって検出された音を第2のマイク(またはマイクのサブセット)によって検出された音から減分することができる。
【0038】
制御システム64は、マイク98を選択的に動作させることもできる。ある実施形態では、制御システム64を、マイク98を互いに独立して動作させるように構成することができる。従って、制御システム64は、アトラクションシステム50の動作モード(たとえば、乗車サイクルのタイプ)などに基づいて各マイク98の動作を選択的に有効化または一時停止することができる。一例として、制御システム64は、マイク98のサブセットからの音響波の受信を阻止することができる。さらなるまたは別の実施形態では、制御システム64が、マイク98の各々から音響波を受け取り、受け取られた音響波の各々に関連するそれぞれのマイク98を決定し、マイク98のサブセットを選択し、マイク98のサブセットから受け取られた音響波に基づいてインタラクティブ装置120を動作させることができる。たとえば、制御システム64は、主にユーザ122が発した音響波に基づいてインタラクティブ装置120を動作させるために、第2のマイク98のセットによって取り込まれた音響波ではなく第1のマイク98のサブセットによって取り込まれた音響波に基づいて受信または動作することができる。
【0039】
図4は、相互作用アセンブリ124の実施形態の側面斜視図である。相互作用アセンブリ124は、ハウジングまたはエンクロージャ150を形成するように成形できるベース126を含む。図示の実施形態では、ベース126が、ベース126の内側セクション132に位置するベースセクション152と、ベースセクション152から延びてハウジング150を定めるU字形プロファイルを形成する外側セクション154(たとえば、ベースセクション152の両外側端)とを含む。ハウジング150内にはプロジェクタ130および/またはマイク98の少なくとも一部を配置することができ、ハウジング150はプロジェクタ130および/またはマイク98を遮蔽することができる。たとえば、セクション152、154は、プロジェクタ130および/またはマイク98の動作を改善するために、プロジェクタ130および/またはマイク98を埃および破片などの外部要素との接触から保護することができる。ある実施形態では、ベース126が追加セクションを含むことができ、および/または相互作用アセンブリ124が、セクション152、154に結合されてプロジェクタ130および/またはマイク98をハウジング150内でさらに取り囲むことができる追加コンポーネント(たとえば、パネル)を含むことができる。
【0040】
インタラクティブ装置120の組み立てた構成では、外側セクション154をウェアラブルコンポーネント96に結合するように構成して、ウェアラブルコンポーネント96をベース126の第1の端部128とは反対側の第2の端部155に結合することなどができる。たとえば、外側セクション154は、ウェアラブルコンポーネント96(たとえば、ウェアラブルコンポーネント96の対応するコネクタ)を結合できるコネクタ(たとえば、フック、穴、パンチスルー、マウント)を含むことができる。また、ベースセクション152は、ベースセクション152を貫通して形成された開口部156と、開口部156に広がる1または2以上の画面158とを含むことができる。ハウジング150内に配置されたプロジェクタ130は、画面158を通じてイメージを投影してディスプレイ94から偏向させるように構成することができる。たとえば、画面158は、プロジェクタ130によって投影されたイメージを、特定の角度でディスプレイ94に近付いてユーザ122による可視化のためにディスプレイ94から偏向するように向けることなどの、望ましい形でディスプレイ94上に出現させることができる。この目的のために、プロジェクタ130および/またはディスプレイ画面158は、ディスプレイ94に対して第1の斜角162で配向することができる。ある実施形態では、ディスプレイ94が、ユーザ122へのイメージの提示を容易にするために凹状プロファイルを含むことができる。たとえば、凹状プロファイルは、ユーザ122の目に対してイメージの焦点を調整することなどによって、プロジェクタ130から受け取られたイメージがより明瞭にユーザ122に見えるようにすることができる。
【0041】
また、開口部156を横切ってセグメント160が延びることにより、開口部156を別々の空間に分割することもできる。ある実施形態では、別々の画面158が開口部156の各空間にわたって広がることができる。すなわち、インタラクティブ装置120の横軸163に沿って画面158を互いにオフセットすることができる。別々のプロジェクタ130を、それぞれの画面158を通じてディスプレイ画面94上にイメージを投影するように構成することができる。一例として、制御システム64は、ディスプレイ94上に異なるイメージを投影してユーザ122に提示される可視化の制御を向上させるために、プロジェクタ130の各々を互いに独立して制御するように構成することができる。たとえば、一方のプロジェクタ130は、主にユーザ122の片方の目に見える第1のイメージを投影し、もう一方のプロジェクタ130は、主にユーザ122のもう片方の目に見える第2のイメージを投影することができる。ある実施形態では、ユーザ122が、プロジェクタ130によって投影された第1のイメージと第2のイメージとを視覚的に組み合わせて、(たとえば、立体視を介して)3次元深度を有する集合的イメージを知覚することができる。従って、プロジェクタ130によって投影されるイメージは、よりリアルな可視化をユーザ122に提供することができる。
【0042】
マイク98は、セグメント160に結合するように構成することができる。たとえば、セグメント160を貫通してアパーチャ164を形成し、アパーチャ164にマイク98を挿入することができる。従って、マイク98は、画面158間および/またはプロジェクタ130間に配置することができる。マイク98は、ディスプレイ94から偏向する音響波を受け取りまたは取り込むことに集中できるように、ディスプレイ94に対して第2の斜角165で配向することができる。ディスプレイ94が凹状プロファイルを含む実施形態では、凹状プロファイルが音響波をマイク98の方に向けることを容易にすることができる。たとえば、凹状プロファイルは、ディスプレイ94から偏向する音響波をディスプレイ94上の焦点に集中させまたは収集してこのような音響波を焦点からマイク98に向けることにより、偏向する音響波をディスプレイ94のいずれかの好適な位置からマイク98に向けることができる。
【0043】
マイク98は、ベースセクション152とディスプレイ94との間に広がる隙間166内に延びることができる。図示の実施形態では、相互作用アセンブリ124の材料の量および/または部品数を減少させることによってインタラクティブ装置120の製造を単純化するために、隙間166を外部環境に露出させることができる。さらなるまたは別の実施形態では、相互作用アセンブリ124がより完全にマイク98を取り囲むこともできる。一例として、ディスプレイ94(たとえば、ディスプレイ94の外側エッジ)がベース126の外側セクション154に向かって延びることもでき、および/または外側セクション154とディスプレイ94との間に延びる追加部品を使用することもできる。従って、相互作用アセンブリ124は、外部環境から向けられた音響波をマイク98が受信するのを阻止して、ディスプレイ94から偏向する音響波の受信を改善することができる。
【0044】
図5は、インタラクティブ装置(たとえば、インタラクティブ装置60、62、120のうちのいずれか)を動作させる方法またはプロセス190の実施形態のフローチャートである。方法190は、いずれかの好適な装置(たとえば、制御システム64の処理回路68、インタラクティブ装置60、62の処理回路92)が実行することができる。1つの実施形態では、有形の非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、制御システム64のメモリ66、インタラクティブ装置60、62のメモリ90)に記憶された命令を実行することによって方法190を実行することができる。たとえば、方法190は、少なくとも部分的に1または2以上のソフトウェアコンポーネントおよび1または2以上のソフトウェアアプリケーションなどによって実行することができる。方法190については特定の順序のステップを使用して説明するが、追加ステップを実行し、説明するステップを図示の順序とは異なる順序で実行し、および/または特定の説明するステップをスキップし、または完全に実行しないこともできる。
【0045】
ブロック192において、第1のオーディオデータを受け取ることができる。第1のオーディオデータは、第1のユーザから受け取る(たとえば、第1のユーザが出力する)ことができる。たとえば、第1のユーザはインタラクティブ装置を装備することができ、第1のオーディオデータは、第1のユーザによって出力され、インタラクティブ装置のディスプレイから偏向し、ディスプレイからインタラクティブ装置のマイクに向けられる音響波を含み、またはこのような音響波に基づくことができる。実際には、マイクを、ディスプレイから偏向する音響波の受信および取り込みを容易にするように配向することができる。従って、第1のオーディオデータの音響波は第1の(たとえば、より高い)強度を含むことができる。
【0046】
ブロック194において、(たとえば、第1のユーザに隣接して位置する)第2のユーザから第2のオーディオデータを受け取ることができる。第2のオーディオデータは、第2のユーザによって出力された音響波を含み、またはこのような音響波に基づくことができる。たとえば、第1のオーディオデータおよび第2のオーディオデータの各々は発話を含むことができる。従って、第2のオーディオデータは、第1のユーザから受け取られた第1のオーディオデータと同様の特定の特性(たとえば、ピッチ、トーン)を含むことができる。しかしながら、第2のユーザはインタラクティブ装置を装備していない場合があり、従ってディスプレイは、第2のユーザによって出力された音響波が相当量マイクに向けられるのを阻止することができる。実際には、マイクは、第2のユーザによって出力された音響波を第1のユーザによって出力された音響波と比べてそれほど多く取り込まないことができる。この結果、第2のオーディオデータの音響波は第2の(たとえば、より低い)強度を含むことができる。
【0047】
ブロック196において、アトラクションシステムのショー効果から第3のオーディオデータを受け取ることができる(たとえば、第3のオーディオデータは、ショー効果によって生成された音響波を含み、またはこのような音響波に基づくことができる)。たとえば、ショー効果は、気象要素、動物の鳴き声および機械音などの様々な音響効果を含むことができる。このような音響効果は、発話または話し言葉とは異なることができる。従って、第3のオーディオデータに関連する特性は、第1のオーディオデータおよび第2のオーディオデータに関連する特性と実質的に異なることができる。また、ディスプレイは、ショー効果によって出力された音響波が相当量マイクに向けられるのを阻止することができる。
【0048】
ブロック198において、インタラクティブ装置を動作させるために第1のオーディオデータを使用すべきであると決定することができる。実際には、第1のオーディオデータ、第2のオーディオデータおよび第3のオーディオデータは(たとえば、オーディオデータに関連するそれぞれの特性に基づいて)互いに識別可能であることができる。一例として、第1のオーディオデータ、第2のオーディオデータおよび第3のオーディオデータに関連する特性を分析して互いに比較することができる。たとえば、インタラクティブ装置は、インタラクティブ装置を装備しているユーザによって出力された音響波を示すオーディオデータに基づいて動作することができる。従って、ユーザによって出力された音響波を示す特性が第3のオーディオデータに含まれていないとの判定に基づいて、インタラクティブ装置を動作させるために第3のオーディオデータを使用すべきではないと決定することができる。ある例では、第3のオーディオデータに関連する特性が、ユーザによって出力された音響波を示す予想特性と一致しないことができる。別の例では、第3のオーディオデータに関連する特性が、第3のオーディオデータがアトラクションシステムのショー効果によって出力された音響波を含み、またはこのような音響波に基づくことを示すことができる。たとえば、ショー効果によって出力された音響波は他の予想特性を有することができ、第3のオーディオデータに関連する決定された特性は他の予想特性と一致することができ、これに応じて第3のオーディオデータを、ユーザではなくショー効果によって出力された音響波を含むもの、またはこのような音響波に基づくものとして識別することができる。
【0049】
さらに、上述したように、第2のオーディオデータは、第1のオーディオデータに類似し得る特定の特性を含むことができる。しかしながら、第2のオーディオデータの強度は、第1のオーディオデータの強度よりも実質的に低いことができる。従って、第2のオーディオデータに関連する強度が閾値強度未満であることに基づいて、インタラクティブ装置を動作させるために第2のオーディオデータを使用すべきではないと決定することができる。これに加えてまたは代えて、第2のオーディオデータが別のインタラクティブ装置を動作させるために使用されていると判定することもできる。たとえば、第2のオーディオデータに関連する特性は、別のインタラクティブ装置によって受け取られた、別のインタラクティブ装置を動作させるためなどに使用されている第4のオーディオデータに関連する特性と一致する場合がある。この結果、インタラクティブ装置を動作させるために第2のオーディオデータを使用すべきではないと決定することができる。
【0050】
ブロック200において、プロジェクタに、第1のオーディオデータに基づいてイメージを投影するように命令することができる。一例として、第1のオーディオデータに含まれる識別されたキーワードおよび/または語句に基づいて、対応するイメージデータを識別してプロジェクタに送信することができる。その後、プロジェクタは、イメージデータに基づいてイメージを提示することができる。このように、インタラクティブ装置は、ユーザに提供される可視化を調整することなどにより、インタラクティブ装置を装備しているユーザによって出力された音響波に基づいて動作することができる。従って、インタラクティブ装置は、より相互作用的かつ個人的体験をユーザに提供するように動作することができ、別のユーザおよび/またはショー効果によって出力された音響波からの干渉などに基づくインタラクティブ装置の望ましくない動作を阻止することができる。
【0051】
本明細書では、開示する実施形態のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正および変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に該当する全てのこのような修正および変更を含むものであると理解されたい。
【0052】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のものまたは純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物および具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」または「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1または2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】