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特表2024-539965防曇塗料及びその製造方法並びに防曇ガラス
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  • 特表-防曇塗料及びその製造方法並びに防曇ガラス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】防曇塗料及びその製造方法並びに防曇ガラス
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20241024BHJP
   C09D 133/06 20060101ALI20241024BHJP
   C09D 133/26 20060101ALI20241024BHJP
   C09D 163/00 20060101ALI20241024BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20241024BHJP
   C03C 17/32 20060101ALI20241024BHJP
   C09D 7/63 20180101ALN20241024BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D133/06
C09D133/26
C09D163/00
C09D7/61
C03C17/32 A
C09D7/63
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524672
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 CN2022129715
(87)【国際公開番号】W WO2023078375
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202111305548.3
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516151818
【氏名又は名称】フーイャォ グラス インダストリー グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 盈盈
(72)【発明者】
【氏名】郭 善済
(72)【発明者】
【氏名】▲パン▼ 淇瑞
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲ツァン▼忠
(72)【発明者】
【氏名】柯 城
【テーマコード(参考)】
4G059
4J038
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AC21
4G059FA15
4G059FA21
4G059FA29
4G059FA30
4G059FB05
4J038CG141
4J038CG171
4J038DB002
4J038DJ051
4J038GA03
4J038GA07
4J038GA09
4J038GA15
4J038JA18
4J038JA25
4J038JB05
4J038JC32
4J038KA03
4J038KA04
4J038MA09
4J038NA04
4J038NA06
4J038NA09
4J038NA14
4J038PA19
4J038PB07
4J038PC03
(57)【要約】
本願は、防曇塗料及びその製造方法並びに防曇ガラスに関する。前記防曇塗料の製造原料は、親水性コポリマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、硬化剤及び第1溶媒を含み、前記親水性コポリマーの製造原料は、親水性モノマー、開始剤及び第2溶媒を含み、水に対する前記エポキシ樹脂の溶解度は、約90%以上であり、水に対する前記親水性コポリマーの溶解度は、約90%以上である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防曇塗料であって、
前記防曇塗料の製造原料は、親水性コポリマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、硬化剤及び第1溶媒を含み、
前記親水性コポリマーの製造原料は、親水性モノマー、開始剤及び第2溶媒を含み、
水に対する前記エポキシ樹脂の溶解度は、約90%以上であり、
水に対する前記親水性コポリマーの溶解度は、約90%以上である、ことを特徴とする防曇塗料。
【請求項2】
前記親水性モノマーは、アクリル酸エステル系モノマーとアクリル酸アミド系モノマーとの組み合わせである、ことを特徴とする請求項1に記載の防曇塗料。
【請求項3】
前記アクリル酸エステル系モノマーは、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項2に記載の防曇塗料。
【請求項4】
前記アクリル酸アミド系モノマーは、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項2に記載の防曇塗料。
【請求項5】
前記エポキシ樹脂は、脂肪族グリシジルエーテルであり、
前記脂肪族グリシジルエーテルは、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールグリシジルエーテル、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の防曇塗料。
【請求項6】
前記親水性コポリマーとエポキシ樹脂との質量比は、約(1~4):1である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の防曇塗料。
【請求項7】
前記防曇塗料の製造原料は、重量部で、約1部~約80部の親水性コポリマー、約1部~約20部のエポキシ樹脂、約0.1部~約10部のカップリング剤、約0.4部~約15部の硬化剤、および約20部~約50部の第1溶媒を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の防曇塗料。
【請求項8】
前記カップリング剤は、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ジビニルトリアミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の防曇塗料。
【請求項9】
前記硬化剤は、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン、イソホロンジアミン、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の防曇塗料。
【請求項10】
前記開始剤は、窒素-窒素二重結合を含有するラジカル開始剤である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の防曇塗料。
【請求項11】
前記第1溶媒及び前記第2溶媒は、それぞれ独立してアルコール系溶媒又はエーテル系溶媒である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の防曇塗料。
【請求項12】
前記防曇塗料の製造原料は、シラン加水分解触媒、フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、またはそれらの組み合わせをさらに含む、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の防曇塗料。
【請求項13】
前記シラン加水分解触媒は、塩基触媒又は酸触媒である、ことを特徴とする請求項12に記載の防曇塗料。
【請求項14】
前記フィラーは、ナノシリカ、ナノアルミナ、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項12に記載の防曇塗料。
【請求項15】
前記酸化防止剤は、トリエチレングリコール-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、オクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロ肉桂酸、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ビス3-(3’5’ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項13に記載の防曇塗料。
【請求項16】
前記紫外線吸収剤は、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホン酸ベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項12に記載の防曇塗料。
【請求項17】
前記防曇塗料の製造原料は、促進剤をさらに含み、前記促進剤は、メチルリチウム、トリエチルアルミニウム、ヨウ化エチルマグネシウム、塩化メチル亜鉛、水素化トリメチル鉛、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載の防曇塗料。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の防曇塗料の製造方法であって、
親水性モノマー、開始剤及び第2溶媒を混合し、重合反応を行い、親水性共重合体を製造するステップと、
前記親水性コポリマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、硬化剤及び第1溶媒を混合し、架橋反応を行い、防曇塗料を製造するステップとを含む、ことを特徴とする防曇塗料の製造方法。
【請求項19】
防曇ガラスであって、
ガラス基板及び前記ガラス基板上の防曇コーティング層を含み、
前記防曇コーティング層は、ガラス基板に塗布された請求項1~17のいずれか一項に記載された防曇塗料から形成され、前記防曇コーティング層の厚さは、約5μm~30μmである、ことを特徴とする防曇ガラス。
【請求項20】
前記ガラス基板は、湾曲ガラス板であり、前記湾曲ガラス板は、凸面と凹面を有し、前記防曇コーティング層は、前記凹面に設けられ、前記防曇コーティングは、最大厚さと最小厚さを有し、前記最大厚さと最小厚さの差は、約1μm~5μmである、ことを特徴とする請求項19に記載の防曇ガラス。
【請求項21】
前記防曇ガラスは、中間接着層及び別のガラス基板をさらに含み、防曇コーティング層が塗布された前記ガラス基板、前記中間接着層及び前記別のガラス基板は、順に積層されて合わせガラスを形成し、前記防曇コーティング層は、前記ガラス基板の前記中間接着層とは反対側の表面に位置する、ことを特徴とする請求項19~20のいずれか一項に記載の防曇ガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年11月05日に出願された、出願番号が202111305548.3、名称が「防曇塗料及びその製造方法と防曇ガラス」である中国特許出願の優先権を主張し、ここではその全文を参考として取り込む。
【0002】
本願は、車両用ガラスの技術分野に関し、特に、防曇塗料及びその製造方法並びに防曇ガラスに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車ガラスは、車内外の温湿度の差が大きい条件で曇り現象が発生しやすく、曇りが運転者の視認性に影響を与え、さらに事故を引き起こす可能性がある。空調送風及び電気加熱法を一般的に採用して霧除去を行うと、これらの方法は、ヒステリシス性を有し、エネルギー消費が高い。
【0004】
現在、自動車のガラス基材上に2層のコーティング層を製造することにより、曇り現象を解消する技術案が開示されている。一技術案では、2層構造は、防曇の役割を果たす吸水防曇層と、接続緩衝の役割を果たすベース層とを含む。吸水防曇層は、使用中に繰り返し水を吸収して放出し、コーティング層の膨張収縮により大きな界面応力が発生し、単層の吸水防曇層だけを用いると、界面応力によりコーティング層と基材との接着力が低下し、剥離問題が発生しやすいため、一層のベース層を追加することが特に重要であり、それは、基材と緊密に結合するとともに、吸水防曇層による界面応力を緩和し、さらに全体の耐剥離性を向上させることができる。しかしながら、2層のコーティング層を形成するプロセスは煩雑であり、生産コストが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに基づいて、本願の様々な実施例によれば、防曇塗料を提供する。その技術案は、以下の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
防曇塗料であって、その製造原料は、親水性コポリマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、硬化剤及び第1溶媒を含み、前記親水性コポリマーの製造原料は、親水性モノマー、開始剤及び第2溶媒を含み、水に対する前記エポキシ樹脂の溶解度は、約90%以上であり、水に対する前記親水性コポリマーの溶解度は、約90%以上である。
【0007】
いくつかの実施例では、前記親水性モノマーは、アクリル酸エステル系モノマーとアクリル酸アミド系モノマーとの組み合わせである。
【0008】
いくつかの実施例では、前記アクリル酸エステル系モノマーは、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、またはそれらの組み合わせである。
【0009】
いくつかの実施例では、前記アクリル酸アミド系モノマーは、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、またはそれらの組み合わせである。
【0010】
いくつかの実施例では、前記エポキシ樹脂は、脂肪族グリシジルエーテルであり、前記脂肪族グリシジルエーテルは、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールグリシジルエーテル、またはそれらの組み合わせである。
【0011】
いくつかの実施例では、前記親水性コポリマーとエポキシ樹脂との質量比は、約(1~4):1である。
【0012】
いくつかの実施例では、防曇塗料の製造原料は、重量部で、約1部~約80部の親水性コポリマー、約1部~約20部のエポキシ樹脂、約0.1部~約10部のカップリング剤、約0.4部~約15部の硬化剤、および約20部~約50部の第1溶媒を含む。
【0013】
いくつかの実施例では、前記カップリング剤は、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ジビニルトリアミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、またはそれらの組み合わせである。
【0014】
いくつかの実施例では、前記硬化剤は、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン、イソホロンジアミン、またはそれらの組み合わせである。
【0015】
いくつかの実施例では、前記開始剤は、窒素-窒素二重結合を含有するラジカル開始剤である。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第1溶媒及び第2溶媒は、それぞれ独立してアルコール系溶媒又はエーテル系溶媒である。
【0017】
いくつかの実施例では、前記防曇塗料の製造原料は、シラン加水分解触媒、フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0018】
いくつかの実施例では、前記シラン加水分解触媒は、塩基触媒又は酸触媒である。
【0019】
いくつかの実施例では、前記フィラーは、ナノシリカ、ナノアルミナ、またはそれらの組み合わせである。
【0020】
いくつかの実施例では、前記酸化防止剤は、トリエチレングリコール-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、オクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロ肉桂酸、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ビス3-(3’5’ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、またはそれらの組み合わせである。
【0021】
いくつかの実施例では、前記紫外線吸収剤は、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホン酸ベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、またはそれらの組み合わせである。
【0022】
いくつかの実施例では、前記防曇塗料の製造原料は、促進剤をさらに含み、前記促進剤は、メチルリチウム、トリエチルアルミニウム、ヨウ化エチルマグネシウム、塩化メチル亜鉛、水素化トリメチル鉛、またはそれらの組み合わせである。
【0023】
本願は、上記防曇塗料の製造方法をさらに提供し、その技術案は、以下の通りである。
防曇塗料の製造方法は、親水性モノマー、開始剤及び第2溶媒を混合し、重合反応を行い、親水性共重合体を製造するステップと、前記親水性コポリマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、硬化剤及び第1溶媒を混合し、架橋反応を行い、防曇塗料を製造するステップとを含む。
【0024】
防曇ガラスは、ガラス基板及び前記ガラス基板上の防曇コーティング層を含み、前記防曇コーティング層は、ガラス基板に塗布された上記の防曇塗料から形成され、前記防曇コーティング層の厚さは、約5μm~30μmである。
【0025】
いくつかの実施例では、前記ガラス基板は、湾曲ガラス板であり、前記湾曲ガラス板は、凸面と凹面を有し、前記防曇コーティング層は、前記凹面に設けられ、前記防曇コーティングは、最大厚さと最小厚さを有し、前記最大厚さと最小厚さの差は、約1μm~5μmである。
【0026】
いくつかの実施例では、前記防曇ガラスは、中間接着層及び別のガラス基板をさらに含み、防曇コーティング層が塗布された前記ガラス基板、前記中間接着層及び前記別のガラス基板は、順に積層されて合わせガラスを形成し、前記防曇コーティング層は、前記ガラス基板の前記中間接着層とは反対側の表面に位置する。
【0027】
本願の1つまたは複数の実施例の詳細は、以下に記載されており、本願の他の特徴、目的および利点は、明細書および特許請求の範囲から明らかになる。
【0028】
以下、本願の実施例又は従来技術における技術案をより明瞭に説明するために、実施例又は従来技術の記載に必要な図面を簡単に紹介する。明らかなように、以下に記載される図面は、本願の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的労力をかけない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】一実施形態で製造された防曇ガラスの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得た全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0031】
別段の定義がない限り、本明細書で用いられる全ての技術・科学用語は、本願が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で用いられる用語は、実施形態及び実施例を説明するためのものだけであり、本願を制限することを意図したものではない。
【0032】
用語
本明細書において使用される用語又は表現は、別段の説明又は矛盾がない限り、以下の意味を有する。
【0033】
本願では、使用される用語「及び/又は」、「又は/及び」、「並びに/若しくは」の選択範囲は、2つ又は2つ以上の関連列挙項目のいずれか1つを含み、関連列挙項目の任意及びすべての組合せも含み、上記任意及びすべての組合せは任意の2つの関連列挙項目、任意の更に多くの関連列挙項目、又はすべての関連列挙項目の組合せを含む。
【0034】
本明細書において、「1種又は複数種」とは、列挙項目のいずれか1種、いずれか2種又はいずれか2種以上を指す。ここで、「複数種」とは、2種又は2種以上を指す。
【0035】
本明細書において使用される「その組み合わせ」、「その任意の組み合わせ」、「その任意の組み合わせ方式」などには、列挙項目の任意の2つ又は任意の2つ以上の項目の全ての適切な組み合わせ方式が含まれる。
【0036】
本明細書において、「好ましくは」は、より効果的な実施形態又は実施例を説明するためのものに過ぎず、本願の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0037】
本願において、オープン形式で記載された技術的特徴には、列挙された特徴からなるクローズド型技術的手段も、列挙された特徴を含むオープン型技術的手段も含まれる。
【0038】
本願では、数値区間について、特に説明しない限り、数値区間の2つの端点を含む。
【0039】
本願に係る百分率含有量は、特に説明しない限り、固液混合及び固相-固相混合に対して質量百分率を指し、液相-液相混合に対して体積百分率を指す。
【0040】
本願に係る百分率濃度は、特に説明しない限り、最終濃度という。前記最終濃度とは、成分を添加した後の系における添加当該添加成分の占める割合を指す。
【0041】
本願における温度パラメータは、特に限定しない限り、恒温処理であってもよいし、一定温度区間内の処理であってもよい。前記恒温処理では、温度が機器制御の精度範囲内で変動することができる。
【0042】
本願に係る「溶解度」は、特に限定しない限り、20℃において水に飽和状態に達したときに溶解する溶質の質量である。
【0043】
防曇塗料は、製造原料として、親水性コポリマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、硬化剤及び第1溶媒を含み、前記親水性コポリマーの製造原料は、親水性モノマー、開始剤及び第2溶媒を含み、水に対する前記エポキシ樹脂の溶解度は、90%以上であり、水に対する前記親水性コポリマーの溶解度は、90%以上である。
【0044】
本発明は、親水性モノマーを利用して開始剤の作用で重合反応を行い、溶解度の高い親水性コポリマーを製造する。その後、親水性コポリマーと、溶解度の高いエポキシ樹脂とを硬化剤の作用で反応させる。ここで、前記親水性コポリマーは、線状ポリマーであり、線状構造の親水性コポリマーは、エポキシ樹脂と架橋して強固な半相互侵入ネットワーク構造を形成することができ、表面付着性、耐摩耗性、靭性及び耐熱性の向上に有利である。半相互侵入ネットワーク構造により、コーディング層が吸水及び放水した後に発生する応力が解放され、コーディング層がガラス基材から剥離しにくくなる。同時に、カップリング剤は、塗料とガラス基材に重要な接続作用を果たすことができ、製造された塗料は、単層でガラス基材に直接塗布することができ、剥離しにくい。本発明の防曇塗料をガラス基材に単層で塗布することにより、防曇吸水層とガラス基材層との間のベース層を省略することができ、防曇吸水層の外表面のハードコーディング層を省略することもでき、生産プロセスを簡略化し、生産コストを低減することができる。また、本発明の防曇コーティング層は、吸水性に優れ、良好な防曇効果を有し、ガラスの積極的な防曇を実現でき、使用寿命が長く、自動車のエネルギー消費を顕著に低減することができる。
【0045】
溶解度が高いほど、極性基を多く持ち、より吸水性の高いコーティング層を形成しやすいことを示す。好ましくは、水に対する前記親水性コポリマーの溶解度は、約95%以上である。
【0046】
一実施例において、前記親水性モノマーは、アクリル酸エステル系モノマーとアクリル酸アミド系モノマーとの組み合わせである。
【0047】
アクリル酸エステル系モノマーとアクリル酸アミド系モノマーの組み合わせを用いることにより、両者は親水性モノマーとして、開始剤の作用下で重合反応し、溶解度の高い線状構造の親水性コポリマーを製造することができる。
【0048】
アクリル酸エステル重合体は、良好な成膜性及び基材との良好な付着力を有し、且つアクリル酸エステル系モノマーは、異なる側鎖構造により異なる機能を提供することができる。1つの好ましい実施例において、採用されるモノマーアクリル酸エステル系モノマーの側鎖は、いずれも親水基を含み、いずれもコーティング層の親水性を増加させることができ、また、メチル基を含むモノマーを採用してコーティング層の硬度及び耐水性を保証することができる。アクリル酸アミド系モノマーは、親水性のアミド基を提供するだけでなく、架橋作用も果たすことができる。
【0049】
選択可能に、親水性モノマーは、分子構造中に水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、シアノ基、アミド基等を含んでいてもよい。
【0050】
選択可能に、前記アクリル酸エステル系モノマーは、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、またはそれらの組み合わせである。
【0051】
選択可能に、前記アクリル酸アミド系モノマーは、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、またはそれらの組み合わせである。
【0052】
上記親水性モノマーは、開始剤の作用下で重合反応を行い、親水性コポリマーを製造することができる。
【0053】
選択可能に、前記開始剤は、窒素-窒素二重結合を含有するラジカル開始剤である。
【0054】
いくつかの実施例では、前記開始剤は、アゾ系開始剤であり、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、アゾビスイソブチルミダゾリン塩酸塩および2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリルを含むが、これらに限定されない。このタイプの開始剤は、分解すると1種のラジカルのみを生成し、他の副反応がない。
【0055】
理解できるように、上記重合反応は、第2溶媒中で行われる。
【0056】
選択可能に、第2溶媒は、アルコール系溶媒またはエーテル系溶媒であり、n-ブタノール、イソブタノール、エタノール、メタノール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル及びプロピレングリコールブチルエーテルを含むが、これらに限定されない。これらの有機溶媒は、上記親水性モノマーと相溶しやすいとともに、エポキシ樹脂などの成分と相溶することもでき、最終的に製造されたコーティングは相分離などの問題が生じない。
【0057】
理解できるように、上記重合反応は、不活性雰囲気下で行われる。
【0058】
不活性雰囲気を提供するガスは、窒素、アルゴンまたはヘリウムであってもよい。不活性ガスは、系反応に対する空気中の水分の影響を避けることができる。
【0059】
親水性コポリマーを製造した後、前記親水性コポリマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、硬化剤及び第1溶媒を混合し、架橋反応を行い、防曇塗料を製造する。
【0060】
選択可能に、前記エポキシ樹脂は、脂肪族グリシジルエーテルである。
【0061】
前記脂肪族グリシジルエーテルは、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールグリシジルエーテル、またはそれらの組み合わせである。
【0062】
脂肪族グリシジルエーテルは、分子構造中に開環架橋可能なエポキシ基を含み、さらに親水基を含む。
【0063】
好ましくは、前記脂肪族グリシジルエーテルは、分子構造中に少なくとも2つの官能基を含む。
【0064】
一実施例において、前記親水性コポリマーとエポキシ樹脂との質量比は、(1~4):1である。
【0065】
選択可能に、前記カップリング剤は、シランカップリング剤であり、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KH570)、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(KH550)、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KH560)、ジビニルトリアミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、またはそれらの組み合わせである。シランカップリング剤は、加水分解してSi-OHを生成し、ガラス基材とより緊密に結合することができる。
【0066】
さらに選択可能に、前記防曇塗料の製造原料は、シラン加水分解触媒をさらに含む。シラン加水分解触媒を添加すると、シランカップリング剤の加水分解を加速することができる。
【0067】
選択可能に、前記シラン加水分解触媒は、塩基触媒又は酸触媒である。
【0068】
前記塩基触媒は、アンモニア水、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを含むが、これらに限定されない。
【0069】
前記酸触媒は、硝酸、塩酸及び酢酸を含むが、これらに限定されない。
【0070】
選択可能に、前記硬化剤は、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン、イソホロンジアミン、またはそれらの組み合わせである。
【0071】
選択可能に、第1溶媒は、アルコール系溶媒またはエーテル系溶媒から選択され、n-ブタノール、イソブタノール、エタノール、メタノール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル及びプロピレングリコールブチルエーテルを含むが、これらに限定されない。これらの有機溶媒は、上記親水性モノマーと相溶しやすいとともに、エポキシ樹脂などの成分と相溶することもでき、最終的に製造されたコーティング層は相分離などの問題が生じない。前記第1溶媒は、第2溶媒と同一でも異なっていてもよい。
【0072】
いくつかの実施例では、防曇塗料の製造原料は、重量部で、約1部~約80部の親水性コポリマーと、約1部~約20部のエポキシ樹脂と、約0.1部~約10部のカップリング剤と、約0.4部~約15部の硬化剤と、約20部~約50部の第1溶媒とを含む。
【0073】
選択可能に、前記防曇塗料の製造原料は、フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤及びレベリング剤のうちの1種又は複数種をさらに含む。
【0074】
フィラーを添加することにより、コーティング層の耐摩耗性及び耐熱性を向上させることができる。一実施例において、前記フィラーは、ナノシリカ、ナノアルミナまたはそれらの組み合わせである。前記フィラーの一次粒子径は、20nm以下であることが好ましく、市販されている、エボニックのAERROSIL A200、AEROXIDE ALU C、WACKER HDKV15、N20等が挙げられる。
【0075】
フィラーの添加質量は、0.05%~0.20%(塗料総量比100%)であることが好ましい。
【0076】
酸化防止剤、紫外線吸収剤を添加することにより、コーティング層の耐老化性を向上させ、コーティング層の耐候性を向上させることができる。酸化防止剤は、トリエチレングリコール-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、オクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロ肉桂酸、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ビス3-(3’5’ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、またはそれらの組み合わせである。紫外線吸収剤は、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホン酸ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、またはそれらの組み合わせである。
【0077】
いくつかの好ましい実施例において、酸化防止剤は、トリエチレングリコール-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネートであり、紫外線吸収剤は、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノンであり、両者の添加質量は、それぞれ0.5%~1.5%及び0.1%~0.5%である(塗料総質量比100%)。
【0078】
レベリング剤を添加することにより、コーティング層にゆず肌やハジキなどが発生する問題を低減し、コーティング層の表面をより滑らか且つ平坦にすることができる。レベリング剤としては、例えば、ドイツのBYK社製のBYK-345、BYK-333、BYK-307、BYK337、BYK341等が挙げられる。
【0079】
好ましくは、レベリング剤の添加量は、系の総質量で150ppm~600ppmであってもよい。
【0080】
選択可能に、前記防曇塗料の製造原料は、促進剤をさらに含み、促進剤は、金属原子と炭素原子とが直接結合して形成された有機化合物であり、促進剤を添加することにより、金属の錯化作用を利用してコーティング層の靭性及び耐摩耗性を向上させることができる。一実施例において、前記促進剤は、メチルリチウム、トリエチルアルミニウム、ヨウ化エチルマグネシウム、塩化メチル亜鉛、水素化トリメチル鉛、またはそれらの組み合わせである。
【0081】
一実施例において、前記促進剤の添加質量は、0.5%~3%、好ましくは1%~1.8%である(塗料総質量比100%)。
【0082】
理解できるように、必要に応じて、本発明の防曇塗料に他の機能助剤を加えてもよい。
【0083】
本願の一実施形態は、以下のステップを含む防曇ガラスの製造方法を提供する。
【0084】
ステップ1:親水性コポリマーの製造
重量部で、反応フラスコに約5部~35部の親水性モノマー及び約40部~85部の溶媒を添加し、その後、不活性ガスを通気して撹拌分散させた後、開始剤を添加し、一定の温度で一定の時間反応させる。
【0085】
ステップ2:防曇塗料の製造
重量部で、約1部~80部の親水性コポリマー、約1部~20部のエポキシ樹脂、約0.1部~10部のカップリング剤、約0.5部~15部の硬化剤、及び約20部~50部の第1溶媒を均一に撹拌し、一定の温度で一定の時間反応させ、防曇塗料を得る。
【0086】
ステップ3:防曇ガラスの製造
図1に示すのは、本実施形態の防曇ガラスの構造模式図である。
【0087】
ガラス基材01の表面を洗浄処理する。ガラスをきれいに洗浄することは、塗布液をより十分且つ均一に塗布することに有利である。
【0088】
理解できるように、洗浄処理は、物理的洗浄、化学的洗浄、物理的洗浄と化学的洗浄との組み合わせによる洗浄であり、洗浄処理における物理的洗浄は、ガーゼ拭き、粉研磨、プラズマ処理またはそれらの組み合わせである。物理的洗浄における研磨粉は、ナノ酸化セリウム、ナノ酸化アルミニウム、ナノ酸化マグネシウムまたはそれらの組み合わせである。化学的洗浄は、アルカリ洗浄、酸洗浄、フィッシュイーター溶液浸漬又はそれらの組み合わせである。洗浄処理は、ガラスの粉塵粒子を除去するとともに表面を活性化させることを目的とするものであり、洗浄方式は、前述のものに限定されず、目的を達成できる任意の方式であってもよい。
【0089】
その後、防曇塗料を一定の塗布方式でガラス表面に塗布し、防曇塗料がガラス表面でレベリングされた後、一定の温度で一定の時間硬化し、硬化後に防曇コーティング層02を形成し、防曇コーティング層02は、化学結合でガラス基材01の表面にしっかりと付着することができ、前記防曇コーティング層の厚さは、約5μm~30μmである。
【0090】
選択可能に、塗布方式は、スピンコート、シャワーコート、スプレーコート、ディップコート又はスプレーコートである。一実施例において、前記塗布は、スプレーコートである。スプレーコートプロセスを採用することにより、コーティング層の厚さをより正確に制御し、コーティング層の厚さ全体の均一性を確保することができる。
【0091】
選択可能に、硬化温度は、約120℃~200℃であり、硬化時間は、約20min~720minである。
【0092】
一実施例において、防曇塗料を防曇スプレーとして製造して使用することができ、運転者は、自動車ガラスに前記防曇スプレーをスプレーすることができ、ガラスの積極的な防曇を実現し、使用寿命を長くし、自動車のエネルギー消費を顕著に低減することができる。
【0093】
防曇ガラスであって、ガラス基板と、前記ガラス基板上の防曇コーティング層とを含み、前記防曇コーティング層は、ガラス基板上に塗布された上記の防曇塗料から形成され、前記防曇コーティング層の厚さは、約5μm~30μmである。
【0094】
一実施例において、前記ガラス基板は、湾曲ガラス板であってもよく、前記湾曲ガラス板は、凸面と凹面を有し、前記防曇コーティング層は、前記凹面に設けられ、前記防曇コーティング層は、最大厚さと最小厚さを有し、前記最大厚さと最小厚さの差は、約1μm~5μmである。
【0095】
前記凹面に防曇コーティング層を形成することは、スプレーコートプロセスによって実現することができ、コーティング層の厚さをより正確に制御して、コーティングの厚さ全体の均一性を確保することができる。
【0096】
一実施例において、前記防曇ガラスは、中間接着層及び別のガラス基板をさらに含み、防曇コーティング層が塗布された前記ガラス基板、前記中間接着層及び前記別のガラス基板は、順に積層されて合わせガラスを形成し、前記防曇コーティング層は、前記ガラス基板の前記中間接着層とは反対側の表面に位置する。
【0097】
以下、具体的な実施例及び比較例を参照してさらに説明し、以下の具体的な実施例に係る原料は、特別な説明がない限り、いずれも市販品であってもよく、使用される機器は、特別な説明がない限り、いずれも市販品であってもよく、係るプロセスは、特別な説明がない限り、いずれも当業者にとって通常選択されるものである。
【0098】
実施例1
本実施例は、防曇ガラス及びその製造方法を提供する。ステップは、以下の通りである。
【0099】
ステップ1:親水性コポリマーの製造
2gのヒドロキシエチルアクリレート、4gのアクリルアミド、40gのプロピレングリコールメチルエーテルを秤量して反応フラスコに入れ、窒素ガスを通気して保護し、均一に撹拌した後、さらに0.15gのアゾビスイソブチロニトリルを加え、反応フラスコを70℃の油浴に置き、12時間撹拌して反応させ、溶解度が94%の親水性コポリマーを得た。
【0100】
ステップ2:防曇塗料の製造
ステップ1で製造された親水性コポリマー7.5g、エポキシ樹脂EX-313(日本ナガセケムテックス株式会社の市販品、グリセリントリグリシジルエーテルに属し、溶解度が99%)5gを取り、両者の質量比は1.5:1であり、両者を無水エタノール50gで均一に混合し、さらに0.5gのシランカップリング剤KH550と0.6gのジエチレントリアミンを加え、均一に撹拌した後、常温で2時間反応させ、防曇塗料1を得た。
【0101】
ステップ3:防曇ガラスの製造
ガラス基材の表面を洗浄処理し、ステップ2で製造された防曇塗料をガラス基材に塗布し、150℃で2時間硬化させ、防曇ガラスを得た。
【0102】
実施例2
本実施例は、防曇ガラス及びその製造方法を提供する。ステップは、以下の通りである。
【0103】
ステップ1:親水性コポリマーの製造
2gのヒドロキシエチルアクリレート、4gのアクリルアミド、40gのプロピレングリコールメチルエーテルを秤量して反応フラスコに入れ、窒素ガスを通気して保護し、均一に撹拌した後、さらに0.15gのアゾビスイソブチロニトリルを加え、反応フラスコを70℃の油浴に置き、撹拌して12時間反応させ、溶解度が94%の親水性コポリマーを得た。
【0104】
ステップ2:防曇塗料の製造
ステップ1で製造された親水性コポリマー12g、エポキシ樹脂EX-614B(日本ナガセケムテックス株式会社の市販品、ソルビットグリシジルエーテルに属し、溶解度が94%)3gを取り、両者の質量比は4:1であり、両者を無水エタノール50gで均一に混合し、さらに0.5gのシランカップリング剤KH560と0.4gのジエチレントリアミンを加え、均一に撹拌した後、常温で2時間反応させ、防曇塗料2を得た。
【0105】
ステップ3:防曇ガラスの製造
ガラス基材の表面を洗浄処理し、ステップ2で製造された防曇塗料をガラス基材に塗布し、160℃で2時間硬化させ、防曇ガラスを得た。
【0106】
実施例3
本実施例は、防曇ガラス及びその製造方法を提供する。ステップは、以下の通りである。
【0107】
ステップ1:親水性コポリマーの製造
1gのヒドロキシエチルメタクリレート、4gのN,N-ジメチルアクリルアミド、40gのプロピレングリコールメチルエーテルを秤量して反応フラスコに入れ、窒素ガスを通気して保護し、均一に撹拌した後、さらに0.1gのアゾビスイソブチロニトリルを加え、反応フラスコを70℃の油浴に置き、12時間撹拌して反応させ、溶解度が92%の親水性コポリマーを得た。
【0108】
ステップ2:防曇塗料の製造
ステップ1で製造された親水性コポリマー7.5g、エポキシ樹脂EX-313(日本ナガセケムテックス株式会社の市販品、グリセリントリグリシジルエーテルに属し、溶解度が99%)5gを取り、両者の質量比は1.5:1であり、両者を無水エタノール50gで均一に混合し、さらに0.5gのシランカップリング剤KH550と1.3gのヒドロキシエチルエチレンジアミンを加え、均一に撹拌した後、常温で3時間反応させ、防曇塗料3を得た。
【0109】
ステップ3:防曇ガラスの製造
ガラス基材の表面を洗浄処理し、ステップ2で製造された防曇塗料をガラス基材に塗布し、150℃で2時間硬化させ、防曇ガラスを得た。
【0110】
実施例4
本実施例は、防曇ガラス及びその製造方法を提供する。ステップは、以下の通りである。
【0111】
ステップ1:親水性コポリマーの製造
1.5gのヒドロキシエチルメタクリレート、5gのN,N-ジメチルアクリルアミド、55gのプロピレングリコールメチルエーテルを秤量して反応フラスコに入れ、窒素ガスを通気して保護し、均一に撹拌した後、さらに0.15gのアゾビスイソブチロニトリルを加え、反応フラスコを80℃の油浴に置き、1時間撹拌して反応させ、溶解度が93%の親水性コポリマーを得た。
【0112】
ステップ2:防曇塗料の製造
ステップ1で製造された親水性共重合体6g、エポキシ樹脂EX-512(日本ナガセケムテックス株式会社の市販品、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルに属し、溶解度は100%)6gを取り、両者の質量比は1:1であり、両者を無水エタノール50gで均一に混合し、さらに0.5gのシランカップリング剤KH550と1.2gのヒドロキシエチルエチレンジアミンを加え、均一に撹拌した後、常温で1時間反応させ、防曇塗料4を得た。
【0113】
ステップ3:防曇ガラスの製造
ガラス基材の表面を洗浄処理し、ステップ2で製造された防曇塗料をガラス基材に塗布し、200℃で1時間硬化させ、防曇ガラスを得た。
【0114】
実施例5
本実施例は、防曇ガラス及びその製造方法を提供する。ステップは、以下の通りである。
【0115】
ステップ1:親水性コポリマーの製造
6gのアクリル酸ヒドロキシエチル、40gのプロピレングリコールメチルエーテルを秤量して反応フラスコに入れ、窒素ガスを通気して保護し、均一に撹拌した後、さらに0.15gのアゾビスイソブチロニトリルを加え、反応フラスコを70℃の油浴に置き、12時間撹拌して反応させ、溶解度が92%の親水性コポリマーを得た。
【0116】
ステップ2:防曇塗料の製造
ステップ1で製造された親水性コポリマー7.5g、エポキシ樹脂EX-313(日本ナガセケムテックス株式会社の市販品、グリセリントリグリシジルエーテルに属し、溶解度が99%)5gを取り、両者の質量比は1.5:1であり、両者を無水エタノール50gで均一に混合し、さらに0.5gのシランカップリング剤KH550と0.6gのジエチレントリアミンを加え、均一に撹拌した後、常温で2時間反応させ、防曇塗料5を得た。
【0117】
ステップ3:防曇ガラスの製造
ガラス基材の表面を洗浄処理し、ステップ2で製造された防曇塗料をガラス基材に塗布し、150℃で2時間硬化させ、防曇ガラスを得た。
【0118】
比較例1
本比較例は、防曇ガラス及びその製造方法を提供する。ステップは、以下の通りである。
【0119】
ステップ1:親水性コポリマーの製造
2gのヒドロキシエチルアクリレート、4gのアクリルアミド、40gのプロピレングリコールメチルエーテルを秤量して反応フラスコに入れ、窒素ガスを通気して保護し、均一に撹拌した後、さらに0.15gのアゾビスイソブチロニトリルを加え、反応フラスコを70℃の油浴に置き、12時間撹拌して反応させ、溶解度が94%の親水性コポリマーを得た。
【0120】
ステップ2:防曇塗料の製造
ステップ1で製造された親水性共重合体10g、エポキシ樹脂EX-313(日本ナガセケムテックス株式会社の市販品、グリセリントリグリシジルエーテルに属し、溶解度が99%)5gを取り、両者の質量比は2:1であり、両者を無水エタノール50gで均一に混合し、さらにイソホロンジアミン1.5gを加え、均一に撹拌した後、常温で2時間反応させ、防曇塗料6を得た。
【0121】
ステップ3:防曇ガラスの製造
ガラス基材の表面を洗浄処理し、ステップ2で製造された防曇塗料をガラス基材に塗布し、150℃で2時間硬化させ、防曇ガラスを得た。
【0122】
比較例2
本比較例は、防曇ガラス及びその製造方法を提供する。ステップは、以下の通りである。
【0123】
ステップ1:防曇塗料の製造
6gのエポキシ樹脂EX-313(日本ナガセケムテックス株式会社の市販品、グリセリントリグリシジルエーテルに属し、溶解度が99%)を取り、50gの無水エタノールで均一に混合し、さらに1.5gのヒドロキシエチルエチレンジアミンを加え、均一に撹拌した後、常温で2時間反応させ、防曇塗料7を得た。
【0124】
ステップ2:防曇ガラスの製造
ガラス基材の表面を洗浄処理し、ステップ1で製造された防曇塗料をガラス基材に塗布し、120℃で2時間硬化させ、防曇ガラスを得た。
【0125】
上記製造された防曇ガラスに対してそれぞれ性能評価を行い、評価要求は、以下のとおりである。
防曇性評価:防曇ガラスを20℃、50%RH環境下に1時間放置した後、100ml以上の35℃の水面上(水面から5cm)に移し、目視にて曇り時間(s)を測定した。
耐煮沸性:防曇ガラスを100℃沸騰水中に2時間置き、取り出して外観を観察した。
OK:コーティング層に白化、皮むき、剥がれ又は脱落が見られない。
NG:コーティング層に白化、皮むき、剥がれまたは脱落が見られる。
耐アルカリ性:防曇ガラスを0.1n NaOHに3時間浸漬し、取り出して脱イオン水で洗浄して乾燥させ、外観を観察した。
OK:コーティング層に白化、皮むき、剥がれ又は脱落が見られない。
NG:コーティング層に白化、皮むき、剥がれまたは脱落が見られる。
耐摩耗性:米国Taber 5131を用いて防曇ガラスに対して耐摩耗性試験を行い、試験条件下で荷重4.9N/400mm(20mm*20mm摩擦面)、40サイクル/分、5000回摩耗し、1000回ごとに摩擦布を交換し、試験後、外観を観察し、日本信社製のHZ-V3型ヘイズメーターを用いてヘイズ試験を行った。
OK:コーティング層にクラック、剥がれ又は脱落が見られず、ヘイズ変化値が2未満。
NG:コーティング層にクラック、剥がれ又は脱落が見られ、ヘイズ変化値が2未満。
【0126】
評価結果は、表1に示す通りである。
【0127】
【表1】
【0128】
表1から明らかなように、実施例1~5の単層防曇ガラスは、防曇性評価、耐ボイル性及び耐アルカリ性がいずれも要求を満たし、工程が削減され、生産コストが低減される。具体的には、ガラスの曇り時間を遅らせることができ、良好な防曇性を有し、運転安全性を確保し、自動車のエネルギー消費を低減することができる。同時に、良好な耐煮沸性と耐アルカリ性を有し、剥離しにくい。また、実施例1~4の単層防曇ガラスは、耐摩耗性にも優れていた。実施例5では、親水性モノマーとしてアクリレート系モノマーのみを使用したため、コーティング層の耐摩耗性がやや低下し、これは、アクリル酸アミド系モノマーの架橋作用が不足し、架橋密度が減少し、コーティング層の強度が低下したためである。
【0129】
比較例として、比較例2は、親水性共重合体とカップリング剤を添加していないため、耐煮沸性、耐アルカリ性、耐摩耗性がいずれも要求を満たすことができず、防曇コーティング層とガラス基材との接続力が悪く、コーティング層が吸水して膨張収縮を経て応力が発生した後、コーティング層が基材から剥離しやすく、且つ親水性共重合体がエポキシ樹脂と半相互侵入ネットワーク構造を形成せず、ネットワーク構造が強固でないため、表面が剥離しにくいことを示す。比較例1は、カップリング剤を添加していないため、耐煮沸性が悪く、カップリング剤がコーティング層と基材との接続に重要な役割を果たすことを示す。
【0130】
上述した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上述した実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載された範囲と見なされるべきである。
【0131】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態のみを示しており、その説明は、より具体的かつ詳細であるが、特許請求の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。なお、当業者であれば、本発明の思想を逸脱することなく、若干の変形及び改良を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。したがって、本願の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防曇塗料であって、
前記防曇塗料の製造原料は、親水性コポリマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、硬化剤及び第1溶媒を含み、
前記親水性コポリマーの製造原料は、親水性モノマー、開始剤及び第2溶媒を含み、
水に対する前記エポキシ樹脂の溶解度は、約90%以上であり、
水に対する前記親水性コポリマーの溶解度は、約90%以上である、ことを特徴とする防曇塗料。
【請求項2】
前記親水性モノマーは、アクリル酸エステル系モノマーとアクリル酸アミド系モノマーとの組み合わせであり、
前記アクリル酸エステル系モノマーは、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、またはそれらの組み合わせであり、
及び/又は、前記アクリル酸アミド系モノマーは、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項3】
前記エポキシ樹脂は、脂肪族グリシジルエーテルであり、
前記脂肪族グリシジルエーテルは、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールグリシジルエーテル、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項4】
前記親水性コポリマーとエポキシ樹脂との質量比は、約(1~4):1である、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項5】
前記防曇塗料の製造原料は、重量部で、約1部~約80部の親水性コポリマー、約1部~約20部のエポキシ樹脂、約0.1部~約10部のカップリング剤、約0.4部~約15部の硬化剤、および約20部~約50部の第1溶媒を含む、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項6】
前記カップリング剤は、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ジビニルトリアミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項7】
前記硬化剤は、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン、イソホロンジアミン、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項8】
前記開始剤は、窒素-窒素二重結合を含有するラジカル開始剤である、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項9】
前記第1溶媒及び前記第2溶媒は、それぞれ独立してアルコール系溶媒又はエーテル系溶媒である、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項10】
前記防曇塗料の製造原料は、シラン加水分解触媒、フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、またはそれらの組み合わせをさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項11】
前記シラン加水分解触媒は、塩基触媒又は酸触媒であり、
及び/又は、前記フィラーは、ナノシリカ、ナノアルミナ、またはそれらの組み合わせであり、
及び/又は、前記酸化防止剤は、トリエチレングリコール-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、オクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロ肉桂酸、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'-ビス3-(3'5'ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、またはそれらの組み合わせであり、
及び/又は、前記紫外線吸収剤は、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホン酸ベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項10に記載の防曇塗料。
【請求項12】
前記防曇塗料の製造原料は、促進剤をさらに含み、前記促進剤は、メチルリチウム、トリエチルアルミニウム、ヨウ化エチルマグネシウム、塩化メチル亜鉛、水素化トリメチル鉛、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項に記載の防曇塗料。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の防曇塗料の製造方法であって、
親水性モノマー、開始剤及び第2溶媒を混合し、重合反応を行い、親水性共重合体を製造するステップと、
前記親水性コポリマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、硬化剤及び第1溶媒を混合し、架橋反応を行い、防曇塗料を製造するステップとを含む、ことを特徴とする防曇塗料の製造方法。
【請求項14】
防曇ガラスであって、
ガラス基板及び前記ガラス基板上の防曇コーティング層を含み、
前記防曇コーティング層は、ガラス基板に塗布された請求項1~12のいずれか一項に記載された防曇塗料から形成され、前記防曇コーティング層の厚さは、約5μm~30μmである、ことを特徴とする防曇ガラス。
【請求項15】
前記ガラス基板は、湾曲ガラス板であり、前記湾曲ガラス板は、凸面と凹面を有し、前記防曇コーティング層は、前記凹面に設けられ、前記防曇コーティングは、最大厚さと最小厚さを有し、前記最大厚さと最小厚さの差は、約1μm~5μmであり、
及び/又は、前記防曇ガラスは、中間接着層及び別のガラス基板をさらに含み、防曇コーティング層が塗布された前記ガラス基板、前記中間接着層及び前記別のガラス基板は、順に積層されて合わせガラスを形成し、前記防曇コーティング層は、前記ガラス基板の前記中間接着層とは反対側の表面に位置する、ことを特徴とする請求項14に記載の防曇ガラス。
【国際調査報告】