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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】CCR6受容体調節剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20241024BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241024BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C07D401/14
A61P29/00
A61P37/02
A61P35/00
A61P43/00 111
C07D405/14 CSP
A61K31/4439
A61K31/444
A61K31/4545
A61K31/501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524747
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 EP2022079766
(87)【国際公開番号】W WO2023072924
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/079694
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517248845
【氏名又は名称】イドルシア・ファーマシューティカルズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IDORSIA PHARMACEUTICALS LTD
【住所又は居所原語表記】HEGENHEIMERMATTWEG 91, 4123 ALLSCHWIL, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ アルマン
(72)【発明者】
【氏名】エヴァ キャロッフ
(72)【発明者】
【氏名】フランシス ウブラー
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル メイヤー
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC60
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZC01
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物、それらの合成、及び、例えば炎症性/自己免疫疾患/障害及び癌の予防又は治療のためのCCR6受容体調節剤としての使用に関する。
【化1】
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩
【化1】
(式中、
Qは、N、CH又はC-R(Rは、ハロゲン又はC1-3-アルキルを表す。)を表し;Rは、
- C1-3-アルキル;
を表し;
は、
- 水素;
- C1-4-アルキル;
- ヒドロキシ-C1-3-アルキル;
- C1-3-フルオロアルキル;又は、
- C3-5-シクロアルキル;
を表し;
3aは、
- ハロゲン;
- C1-5-アルキル;
- C1-3-フルオロアルキル;
- C1-3-フルオロアルコキシ;
- C3-5-シクロアルキル;又は、
- 1-(C1-3-フルオロアルキル)-C3-5-シクロアルキル;
を表し;
3bは、
- 水素;又は、
- ハロゲン;
を表し;
は、
- C1-4-アルキルであって、未置換であるか;1個の置換基により置換され、上記置換基が、ヒドロキシ又はC1-3-アルキル-アミノから選択されるか;又は、2個の
置換基により置換され、第1の置換基がヒドロキシを表し、第2の置換基がC-フルオロアルキルを表す、C1-4-アルキル;又は、
- -L-Cy(
-- -L-は、直接結合又は-CH-を表し;
-- Cyは、窒素又は酸素から選択される1個の環ヘテロ原子を任意で有するC3-7-シクロアルキルを表し、Cyは、独立に、未置換であるか;又は、
--- 1個の
---- ヒドロキシ;
---- オキソ;
---- C1-4-アルキル;
---- -C(=O)R(Rは、C1-3-アルキル又はヒドロキシ-C1-3-アルキルを表す。);又は、
---- C1-3-アルキル-カルボニル-アミノ;
により置換されるか;又は、
--- 2個の置換基により置換され、第1の置換基がオキソを表し、かつ第2の置換基がC1-3-アルキルを表すか;又は、2個の置換基により置換され、第1の置換基がヒドロキシを表し、かつ第2の置換基がC1-3-アルキル-カルボニルを表し;
-- 又は、Cyは飽和5~8員架橋二環式炭化水素環系を表し、Cyは、独立に、1個の置換基により置換され、上記置換基は、
--- ヒドロキシ-C1-3-アルキル;又は、
--- -C(=O)R(Rは、
---- ヒドロキシ;
---- -NRN1N2(RN1及びRN2は、独立に、水素又はC1-3-アルキルを表すか;又は、RN1及びRN2は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ピロリジニルを形成する。);又は、
---- C1-3-アルコキシ;
を表す。);
から選択され;
-- 又は、Cyは、窒素又は酸素から独立に選択される1又は2個の環ヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリールを表す。);
を表し;かつ
は、
- C1-4-アルキル;
- ヒドロキシ-C1-3-アルキル;
- C1-3-アルコキシ-C1-3-アルキル;
- C3-7-シクロアルキル;
- C1-3-フルオロアルキル;
- C1-3-アルキル-カルボニル;又は、
- C1-3-アルキル-カルボニル-アミノ-C1-3-アルキル;
を表すか;
又は、R及びRは、それらが結合するトリアゾリル環と一緒に、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル又は6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-b][1,2,4]トリアゾール-2-イルを形成する。)。
【請求項2】
QがCHを表し;
が、
- C1-3-アルキル;
を表し;
が、
- 水素;
- C1-4-アルキル;
- ヒドロキシ-C1-3-アルキル;又は、
- C1-3-フルオロアルキル;
を表し;
3aが、
- ハロゲン;
- C1-5-アルキル;
- C1-3-フルオロアルキル;
- C1-3-フルオロアルコキシ;
- C3-5-シクロアルキル;又は、
- 1-(C1-3-フルオロアルキル)-C3-5-シクロアルキル;
を表し;
3bが、
- 水素;
を表し;
が、
- C1-4-アルキルであって、1個の置換基により置換され、上記置換基が、ヒドロキシ又はC1-3-アルキル-アミノから選択されるか;又は、2個の置換基により置換され、第1の置換基がヒドロキシを表し、第2の置換基がC-フルオロアルキルを表す、C1-4-アルキル;又は、
- -L-Cy(
-- -L-は直接結合又は-CH-を表し;
-- Cyは、窒素又は酸素から選択される1個の環ヘテロ原子を任意に有するC3-7-シクロアルキルを表し、Cyは、独立に、未置換であるか;又は、
--- 1個の
---- ヒドロキシ;又は、
---- -C(=O)R(RはC1-3-アルキルを表す。);
により置換されるか;
-- 又は、Cyは飽和5~8員架橋二環式炭化水素環系を表し、Cyは、独立に、1個の置換基により置換され、上記置換基は、
--- ヒドロキシ-C1-3-アルキル;又は、
--- -C(=O)R(Rは、
---- ヒドロキシ;又は、
---- C1-3-アルコキシ;
を表す。);
から選択され;
-- 又は、Cyは、1個の環窒素原子を有する6員のヘテロアリールを表す。);
を表し;
が、
- C1-4-アルキル;
- ヒドロキシ-C1-3-アルキル;
- C3-7-シクロアルキル;又は、
- C1-3-フルオロアルキル;
を表す;
請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
3aが、C1-5-アルキル又はC1-3-フルオロアルキルを表す、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
が、C1-4-アルキル又はヒドロキシ-C1-3-アルキルを表す、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
が、
- C1-4-アルキルであって、1個のヒドロキシにより置換されるか;又は、2個の置換基により置換され、第1の置換基がヒドロキシを表し、第2の置換基がC-フルオロアルキルを表す、C1-4-アルキル;又は、
- -L-Cy(
-- -L-は直接結合を表し;
-- Cyは、窒素又は酸素から選択される1個の環ヘテロ原子を任意に有するC3-7-シクロアルキルを表し、Cyは、独立に、未置換であるか;又は、
--- 1個の
---- ヒドロキシ;又は、
---- -C(=O)R(RはC1-3-アルキルを表す。);
により置換されるか;
-- 又は、Cyは、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル又はビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルを表し、Cyは、独立に、1個の置換基により置換され、上記置換基は、
--- ヒドロキシ-C1-3-アルキル;又は、
--- -C(=O)R(Rは、
---- ヒドロキシ;又は、
---- C1-3-アルコキシ;
を表す。);
から選択され;
-- 又は、Cyはピリジニルを表す。);
を表す;
請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が、C1-4-アルキル又はC3-7-シクロアルキルを表す、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
a) 基
【化2】
が、3-メチル-アゼチジン-3-イル、1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル、1-イソプロピル-3-メチル-アゼチジン-3-イル、1-(2-ヒドロキシエチル)-3-メチル-アゼチジン-3-イル又は1-(2,2-ジフルオロエチル)-3-メチル-アゼチジン-3-イルを表し;
b) 基
【化3】
が、4-ブロモ-フェニル、4-エチル-フェニル、4-(n-プロピル)-フェニル、4-イソプロピル-フェニル、4-tert-ブチル-フェニル、4-シクロプロピル-フェニル、4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-フェニル、4-トリフルオロメトキシ-フェニル又は4-(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル)-フェニルを表し;
c) 基
【化4】
が、5-(1-シクロプロピル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(4-ヒドロキシ-シクロヘキシル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(4-メトキシカルボニル-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(1-メチル-1-メチルアミノ-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(1-ヒドロキシ-シクロブチル-メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(4-カルボキシ-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロヘキシル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-メチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-(2-ヒドロキシエチル)-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-エチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロペンチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-tert-ブチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-(2,2-ジフルオロプロピル)-5-テトラヒドロピラ
ン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロブチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(3-(ヒドロキシメチル)-ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-(3-(ヒドロキシメチル)-ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(4-ヒドロキシ-テトラヒドロピラン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-(4-ヒドロキシ-テトラヒドロピラン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(N-アセチル-ピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-(N-アセチル-ピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル又は5-(1-シクロプロピル-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イルを表す;請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
ヒドロキシ基を担持する不斉炭素原子が式(II)に示す絶対配置を有する;請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【化5】
【請求項9】
(R)-(4-ブロモ-フェニル)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-メタノール;
(R)-(4-tert-ブチル-フェニル)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H
-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-[4-(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル)-フェニル]-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-メタノール;(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-[4-(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-フェニル]-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-エチル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-プロピル-フェニル)-メタノール;
トランス-4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-シクロヘキサノール;
(R)-2-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-1,1,1-トリフルオロ-プロパン-2-オール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸 メチルエステル;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(1-メチル-1-メチルアミノ-エチル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
1-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イルメチル)-シクロブタノール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロヘキシル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-{5-[1-メチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-メタノール;
2-[3-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-[1,2,4]トリアゾール-1-イル]-エタノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-{5-[1-エチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-{5-[1-イソプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロペンチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-tert-ブチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-(2,2-ジフルオロ-プロピル)-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロブチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-[5-(1-シクロプロピル-5-ピリジン-3-イル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル]-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-(4-シクロプロピル-フェニル)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-メタノール;
2-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-プロパン-2-オール;
2-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-プロパン-2-オール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(3-ヒドロキシメチル-ビシクロ[1.1.1]ペンタ-1-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-{5-[5-(3-ヒドロキシメチル-ビシクロ[1.1.1]ペンタ-1-イル)-1-イソプロピル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-テトラヒドロ-ピラン-4-オール;
4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-テトラヒドロ-ピラン-4-オール;
1-[4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピペリジン-1-イル]
-エタノン;
1-[4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-エタノン;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1-イソプロピル-3-メチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-[1-(2,2-ジフルオロ-エチル)-3-メチル-アゼチジン-3-イル]-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
2-{3-[(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-イル}-エタノール;又は、
2-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-(3-メチル-アゼチジン-3-イル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-プロパン-2-オール;
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(3-フルオロ-4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-2-フルオロ-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-トランス-シクロヘキサノール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-2-メチル-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-トランス-シクロヘキサノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-[5-(1-イソプロピル-5-プロピル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル]-メタノール;
4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-1-メチル-ピペリジン-2-オン;
N-[4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-トランス-シクロヘキシル]-アセタミド;
1-[4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-ヒドロキシ-エタノン;
4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ
-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-4-メチル-ピペリジン-2-オン;
4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピペリジン-2-オン;
1-[4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル]-エタノン;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-{5-[1-(2-メトキシ-エチル)-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-メタノール;
(R)-(1-シクロプロピル-3-メチル-アゼチジン-3-イル)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
N-{2-[3-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-[1,2,4]トリアゾール-1-イル]-エチル}-アセタミド;又は、
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-{6-[1-イソプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリダジン-4-イル}-メタノール;
である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物を有し、さらに少なくとも1種の薬学的許容される担体を有する、医薬組成物。
【請求項12】
医薬として使用するための請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
炎症性/自己免疫疾患、病態又は障害の予防又は治療において使用するための、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
癌の予防又は治療において使用するための、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
炎症性/自己免疫疾患、病態又は障害;又は癌の予防又は治療のための方法であって、薬学的に有効な量の請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物を、当該予防又は治療を必要とする対象に投与することを有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び、当該受容体の調節により改善される種々の疾患、病態又は障害の治療又は予防におけるCCR6受容体調節剤としてのそれらの使用に関する。さらに、本発明は、1又は2種以上の式(I)の化合物を有する医薬組成物及び当該化合物の製造方法等の関連した側面に関する。
【背景技術】
【0002】
ケモカイン受容体は、ペプチド性ケモカインリガンドを認識し、結合するGタンパク質共役受容体(GPCR)ファミリーを有する。ケモカイン受容体及びそれらのリガンドの主な機能は、定常状態(steady state)において、並びに、感染又は炎症に関連して、リンパ器官及び組織へ、及び、リンパ器官及び組織からの白血球のトラフィッキング(trafficking)を引き起こすことである。加えて、ケモカインシグナル伝達イベントは、免疫細胞の表面上のインテグリン分子の活性化を引き起こして、活性化した内皮への強い接着を可能にし、血液から炎症組織への遊走を促進することができる(Montresor A、Frontiers in Imm.、2012;Meissner A、Blood、2003)。ケモカイン受容体6(CCR6、別名、BN-1、C-C CKR-6、CD196、CKRL3、CMKBR6、DCR2、DRY6、GPR29、GPRCY4、STRL22)は、主にエフェクターCD4+Tヘルパー細胞上で発現するGPCRであるが、B細胞、CD8+細胞傷害性T細胞、調節性T細胞(regulatory T cells)(Treg)、未成熟樹状細胞(immature dendritic cells)(DC)及び3型自然リンパ球系細胞(type 3 innate lymphoid cells)(ILC3)上にも存在する(Cua DJ、Nat Rev Immunol.2010年7月;10(7):479-89.doi:10.1038/nri2800)。CCR6は、ケモカインCCL20(ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド20(Chemokine(C-C motif)ligand20)に結合する(Greaves DR、J Exp Med.1997年9月15日;186(6):837-44.doi:10.1084/jem.186.6.837.)。CCL20は、マクロファージ炎症性タンパク質3a(MIP-3a)、肝および活性化調節ケモカイン(liver and activation-regulated chemokine)(LARC)又はExodus-1とも呼ばれる(Schutyser E、Cytokine Growth Factor Rev. 2003年10月;14(5):409-26.doi:10.1016/s1359-6101 (03)00049-2)。CCR6/CCL20相互作用は腸管粘膜における液性応答(humoral response)を規定し、小腸粘膜におけるリンパ球恒常性に必要である(Cook DN、Immunity.2000年5月;12(5):495-503.doi:10.1016/s1074-7613(00)80201-0)。定常状態条件下において、CCR6及びCCL20は腸管におけるIgAの産生を制御しており、パイエル板(Peyer’s patches)で発現しているCCL20が、CCR6+lgA+B細胞を粘膜にガイドし、分泌型IgAが腸管内腔内に放出される(Lin YL、Front Immunol、2017;8:805.doi:10.3389/fimmu.2017.00805;Reboldi A、Science.2016年5月13日;352(6287):aaf4822.doi:10.1126/science.aaf4822)。炎症条件下では、CCL20の発現は、内皮及び上皮細胞の両方において(Harper EG、J Invest Dermatol.2009年9月;129(9):2175-83.doi:10.1038/jid.2009.65;PLoS One.2015;10(11):e0141710.doi:10.1371/journal.pone.0141710)及び
組織線維芽細胞において(Hattori T、Mediators Inflamm.2015;2015:436067.doi:10.1155/2015/436067)、IL-17A、TNFa及びIL-1bを含む炎症促進性サイトカインにより強く上方制御されている。インターロイキン(IL)-17Aの発現は、転写因子RORgtを発現する細胞に限定される(Cell.2006年9月22日;126(6):1121-33.doi:10.1016/j.cell.2006.07.035)。IL-17Aの発現は、ヒトT細胞上のCCR6の発現とともに分離されていることが示された(Singh SP、J Immunol.2008年1月1日;180(1):214-21.doi:10.4049/jimmunol.180.1.214;Nat Immunol.2007年6月;8(6):639-46.doi:10.1038/ni1467)。CCR6はRORgtの標的遺伝子としても記述され(PLoS One.2017;12(8):e0181868.doi:10.1371/journal.pone.0181868;Skepner J、J Immunol.2014年3月15日;192(6):2564-75.doi:10.4049/jimmunol.1302190)、従って、RORgt+細胞種におけるIL-17AとCCR6の共発現の説明がつく。
【0003】
先行技術中の特定の開示が、CCR6の調節に関連するものとみなされるかもしれない。例えば、Tawaraishiaら(Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters、Volume 28、Issue 18、2018、3067-3072頁、ISSN 0960-894X、https://doi.org/10.1016/j.bmcl.2018.07.042)は、選択的CCR6阻害剤としての一連のベンゼンスルホニル-アミノシクロヘキサン誘導体を開示する。CN103588697は、CCR6アンタゴニストとしてのスルホンアミド誘導体、及び、自己免疫疾患、炎症、乾癬、多発性硬化症又は癌等のCCR6-介在疾患の治療におけるそれらの使用を教示する。WO2014/075580は、ケモカイン受容体を標的とするためのアウリントリカルボン酸(aurintricarboxylic acid)の使用を記述する。WO2015/084842は、CCR6関連疾患の治療において使用してよい特定のスルホンアミドを教示する。WO2017/087607、WO2010/131145、WO2013/061004、WO2013/061005、WO2019/036374及びWO2020/058869は、ケモカイン/CCR6関連疾患の治療において使用するための特定のシクロブテンジオンを提供する。WO2019/136370は、特定のタイプの乾癬の治療法を教示する。WO2019/147862は、ケモカイン調節剤として使用してよいアゼチジン誘導体を提案する。WO2021219849は、特定のCCR6受容体調節剤に関する。
【0004】
さらに、WO1999/43664は、抗炎症及び鎮痛特性を有する特定のピロリジノンを開示する。WO2019/105915においては、MAGL阻害剤として使用してよい特定の複素環化合物が提供される。WO2015/057626、US2015/0105366、WO2014/062658、WO2015/057205及びTanis VMら、(Bioorg Med Chem Lett.2019年6月15日;29(12):1463-1470.doi:10.1016/j.bmcl.2019.04.021)は、関節リウマチ又は乾癬の治療に使用してよいRORyt受容体の調節剤に関する。WO03/022808は、殺虫剤として使用するための特定のアゼチジン誘導体を提案する。WO2008/103426及びWO2007/022351は、ムスカリン受容体アンタゴニストとして有用な特定の四級アンモニウム化合物を開示する。WO2006/136830は、プロテインキナーゼ阻害剤としての特定のヘテロアリール-アルキルアミンを教示する。WO91/13359は、複素環コリン作動性賦活剤を提案する。US3458635は、うつ病の治療に使用してよい特定のピロリジンを教示する。GB1304650は鎮痙性ピロリジンを開示する。US3479370、US3
489769、US3499002、US3542807及びUS3651085は、鎮痛/鎮静活性を有する特定のピロリジンに関する。
【0005】
本発明のCCR6調節剤は、単独で又は組み合わせて、下記の疾患又は障害の治療又は予防に有用であると考えられる:関節リウマチ(RA)は関節の慢性炎症を引き起こし、ケモカインは、炎症細胞による炎症を起こした滑膜の浸潤を制御する。RAは、CCL20の放出の増大及びそれに続く炎症を起こした関節へのCCR6+T細胞の動員を特徴とする。CCL20は、RAの関節液中で多く発現している(Hirota、J Exp Med.2007年11月26日;204(12):2803-12.doi:10.1084/jem.20071397;Matsui T、Clin Exp Immunol.2001年7月;125(1):155-61.doi:10.1046/j.1365-2249.2001.01542.x)。RAの患者においては、炎症を起こした滑膜中でCCR6+Th細胞が見出されており、早期RAの患者では、末梢血CCR6+Th細胞の比率の増大が見出されている(van Hamburg JP、Arthritis Rheum.2011年1月;63(1):73-83.doi:10.1002/art.30093;Leipe J Arthritis Rheum.2010年10月;62(10):2876-85.doi:10.1002/art.27622;Nistala K、Arthritis Rheum.2008年3月;58(3):875-87.doi:10.1002/art.23291)。CCL20の産生は、RA患者由来の滑膜培養組織(synovium explants)又は線維芽細胞様滑膜細胞において、TNF-a、IL-1b及びIL-17による刺激の後、上方制御されることが知られている(Matsui T、Clin Exp Immunol.2001年7月;125(1):155-61.doi:10.1046/j.1365-2249.2001.01542.x;J Immunol.2001年11月15日;167(10):6015-20.doi:10.4049/jimmunol.167.10.6015;Chevrel G、Ann Rheum Dis.2002年8月;61(8)730-3.doi:10.1136/ard.61.8.730)。RA滑膜中でCCR6+B細胞が報告されており、抗原提示、自己抗体産生及び/又は炎症性サイトカイン産生により発病に寄与する。さらに、リツキシマブ(Rituximab)はRAに対する有効な治療法であり(Cohen SB、Arthritis Rheum.2006年9月;54(9):2793-806.doi:10.1002/art.22025)、このことは、RAの発病におけるCCR6+B細胞の役割を支持している。加えて、CCR6-欠損マウスは、lgG1依存メモリーB細胞応答不全を有する(J Immunol.2015年1月15日;194(2):505-13.doi:10.4049/jimmunol.1401553)。前臨床げっ歯類モデルにより、コラーゲン誘発関節炎(CIA)モデルにおける関節炎症の重篤度がCCR6欠損マウスでは低いことが示された。コラーゲン特異抗体の産生が、CCR6欠損マウスでは、野生型マウスに比べて減少していることが観察され、関節炎症もまた減少した(J Cell Mol Med.2018年11月;22(11):5278-5285.doi:10.1111/jcmm.13783)。さらに、CCR6+細胞の枯渇はSKG関節炎の重篤度を減少させた(Hirota K、J Exp Med.2007年11月26日;204(12):2803-12.doi:10.1084/jem.20071397)。
【0006】
強直性脊椎炎患者の末梢血ではCCR6+Th17が増大している(Shen H、Arthritis Rheum.2009年6月;60(6):1647-56.doi:10.1002/art.24568)。循環インターロイキン-17-分泌インターロイキン-23受容体-陽性γ/δ T細胞が、活動性(active)強直性脊椎炎の患者においても報告された(Kenna TJ、Arthritis Rheum.2012年5月;64(5):1420-9.doi:10.1002/art.33507
)。セクキヌマブ(Secukinumab)、IL-17A阻害剤、が強直性脊椎炎(AS)において有効であることが示された(Baeten D、N Engl J Med.2015年12月24日;373(26):2534-48.doi:10.1056/NEJMoa1505066)。メモリーB細胞上のCD32Bの発現はASにおいて増大しており、疾患活動性と関連していた。さらに、AS患者の滑膜コンパートメント(synovial compartment)内では、CCR6細胞傷害性T細胞及びCD32BメモリーB細胞が大幅に増大していた(Sueur A、Clin Exp Rheumatol.2019年11月20日;PMID:31820725)。
【0007】
乾癬はありふれた自己免疫皮膚疾患である。Th17-関連サイトカインの役割が臨床的に検証され、乾癬性炎症におけるそれらの役割が確認されている(Paul C、J Eur Acad Dermatol Venereol.2015年6月;29(6):1082-90.doi:10.1111/jdv.12751)。IL-17R遮断抗体(ブロダルマブ(brodalumab)、AMG 827)が、乾癬の臨床症状を減少させ、乾癬患者の皮膚生検においてCCL20の発現を減少させることも示された(Papp KA、N Engl J Med.2012年3月29日;366(13):1181-9.doi:10.1056/NEJMoa1109017)。また、IL-23中和抗体(グセルクマブ(guselkumab))が、乾癬性炎症を減少させるのに有効であることが示された(Reich K、Lancet.2019年9月7日;394(10201):831-839.doi:10.1016/S0140-6736(19)31773-8)。CCR6欠損マウスにおいては、IL-23の皮内注射後において乾癬状皮膚病変が進行しなかった(Hedrick MN、J Clin Invest.2009年8月;119(8):2317-29.doi:10.1172/jci37378)。低分子CCR6アンタゴニストが、アルダラ(Aldara)及びIL-36a-注射マウス乾癬モデルにおいて有効であることも示された(Campbell JJ、J Immunol.2019年3月15日;202(6):1687-1692.doi:10.4049/jimmunol.1801519;Campbell
JJ、J Immunol.2017年11月1日;199(9):3129-3136.doi:10.4049/jimmunol.1700826)。さらに、CCR6欠損マウスは、イミキモド(imiquimod)誘発耳介腫脹から保護されていることが示された(Yu S、J Invest Dermatol. 2019年2月;139(2):485-488.doi:10.1016/j.jid.2018.07.036)。
【0008】
抗CCR6中和抗体は、マウスにおいて、アルダラ誘発耳介腫脹に対する有効性をも示した(Robert R、JCI Insight.2017年8月3日;2(15):e94821。2017年8月3日にオンラインで公表 doi:10.1172/jci.insight.94821)。CCR6に結合するが、T細胞遊走を阻害する操作された(engineered)ジスルフィド結合CCL20二量体が、乾癬のIL-23依存マウスモデルにおいて、皮膚腫脹を減少させることが示された(Getschman AE、Proc Natl Acad Sci U S A.2017年11月21日;114(47):12460-12465.doi:10.1073/pnas.1704958114)。すなわち、これらのデータは、上皮及び真皮のCCL20産生、CCR6+T細胞の炎症を起こした乾癬皮膚への強い動員、IL-23によるそれらの活性化並びにそれらのIL-17A及びIL-22の発現からなる正のフィードバックが、乾癬性皮膚病変において発症性のTh17応答を駆動することを示している。従って、CCR6の阻害は、乾癬を治療するための有力な治療手段であると認識されている(Hedrick MN、Expert Opin Ther Targets.2010年9月;14(9):911-22.doi:10.1517/14728222.2010.504716;Mabuchi T、J Dermatol Sci.2012年1月;
65(1):4-11.doi:10.1016/j.jdermsci.2011.11.007)。CCR6の発現は、乾癬性関節炎(PsA)患者の滑膜において上方制御されていることが示された(Dolcino M、PLoS One.2015年6月18日;10(6):e0128262.doi:10.1371/journal.pone.0128262)。PsA患者の滑液から単離されたIL-17A及びGM-CSF発現CD4+T細胞もCCR6を発現していた(Al-Mossawiら、Nat Commun.2017年11月15日;8(1):1510.doi:10.1038/s41467-017-01771-2)。PsA患者の滑液において、CCL20が大幅に上方制御されていることが示された(Melis L、Ann Rheum Dis.2010年3月;69(3):618-23.doi:10.1136/ard.2009.107649)。
【0009】
酒さ(rosacea)を含むさらなる炎症性皮膚障害において、炎症を起こした皮膚でCCL20のレベルが大幅に上昇していることが示された(Buhl T、JID、2015)。
【0010】
CCR6及びCCL20は、活動性クローン病(CD)及び潰瘍性大腸炎(UC)において大幅に上昇している(Skovdahlら、PLoS One.2015年11月4日;10(11):e0141710.doi:10.1371/journal.pone.0141710)。腸細胞(enterocyte)のCCL20産生の上昇が、過敏性腸症候群(IBD)における結腸上皮へのリンパ球動員において重要な役割を担っていることが提唱されている(Kwon JH、Gut.2002年12月;51(6):818-26.doi:10.1136/gut.51.6.818)。CCL20及びCCR6の発現は、UC患者から切除した直腸の組織学的重症度とも相関する。慢性UCにおけるCCL20発現は、病理検査後において、急性UCの場合よりも高い(Uchida K、Gastroenterol Res Pract.2015;2015:856532.doi:10.1155/2015/856532)。健常対照と比較して、UCの患者のPBMCにおいて、CCL20の発現は有意に上方制御されていた。スルファサラジン(sulfasalazine)及びGCで処理したUC群は、PBMCにおけるCCL20発現の減少を示し、これは疾患の回復を伴った。TNFα又はIL-1β-誘発CCL20分泌は、ヒト腸上皮細胞株のスルファサラジン及び/又はGC処理により顕著に減少した(Lee H J、2 Inflamm Bowel Dis.2005年12月;11(12):1070-9.doi:10.1097/01.mib.0000187576.26043.ac)。CCR6の欠乏は、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)で処理して慢性炎症を誘発したマウスにおいて、腸病理の減少を引き起こした(Varona R、Eur J Immunol.2003年10月;33(10):2937-46.doi:10.1002/eji.200324347)。
【0011】
CCR6を発現するTh17細胞は、ドライアイ疾患(dry eye disease)(DED)(眼球表面(ocular surface)の炎症状態であり、角膜穿孔を引き起こすことがある。)を介在する重要なエフェクターであることが示された。DEDマウスモデルにおいて、CCL20を抗体により中和すると、眼球表面へのTh17動員が減少し、臨床成績が改善した(Dohlman TH、Invest Ophthalmol Vis Sci.2013年6月12日;54(6):4081-91.doi:10.1167/iovs.12-11216)。従って、CCR6/CCL20系の阻害が、DEDを治療するための治療メカニズムとして提案された。
【0012】
CCR6発現が、多発性硬化症(MS)患者の脳脊髄液から単離したT細胞について記述されている(van Langelaar J、Brain、2018年5月1日;141(5):1334-1349.doi:10.1093/brain/awy069
)。CCR6発現は、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)において、炎症を起こしたCNSに浸潤するT細胞上でも見られた(Mony JT、Front Cell Neurosci.2014;8:187.doi:10.3389/fncel.2014.00187)。さらに、CCL20遺伝子多形性がMS患者コホートと関連していることが示された(El Sharkavら、Gene.2019年2月15日;685:164-169.doi:10.1016/j.gene.2018.11.006)。前臨床データはCCR6がEAEの発症に重要であることを示した(Reboldi A、Nat Immunol.2009年5月;10(5):514-23.doi:10.1038/ni.1716)。この知見は後の研究により確認されており、すなわち、CCR6欠損マウスは疾患の誘発に抵抗性であり、重症度のピークが減少することが示された。同じ研究において、hCCL20のワクチン接種によりホストマウスにおいて抗マウスCCL20応答が生じ、これは臨床スコアを十分に減少させた(Abraham M、Clin Immunol.2017年10月;183:316-324.doi:10.1016/j.clim.2017.09.018)。しかしながら、EAE発症におけるCCR6の役割については矛盾するデータがある(J Neuroimmunol.2009年8月18日;213(1-2):91-9.doi:10.1016/j.jneuroim.2009.05.011)。EAEの重症度及び組織病理は、最初の臨床症状の際に抗CCL20を注射した後、有意に減少した(Kohler RE、J Immunol.2003年6月15日;170(12):6298-306.doi:10.4049/jimmunol.170.12.6298)。抗CCR6中和抗体が、マウスにおけるEAEの重症度を減少させることが示された(Robert R、JCI Insight.2017年8月3日;2(15):e94821.2017年8月3日にオンラインで公表。doi:10.1172/jci.insight.94821)。IL-6及びIL-17は、マウスアストロサイトのCCL20の発現を増大させる(Meares GP、Glia.2012年5月;60(5)771-81.doi:10.1002/glia.22307)。
【0013】
胚中心(GC)形成の動態及びB細胞応答にCCR6及びCCL20が影響を与えることが提唱されており、CCR6は、マウス及びヒト胚中心の両者におけるマーカーメモリーB細胞前駆体であると考えられる(Suan D、Immunity.2017年12月19日;47(6):1142-1153.e4.doi:10.1016/j.immuni.2017.11.022)。全身性エリテマトーデス(SLE)患者の抹消B細胞において、ナイーブ(naive)、プレ-GC、GC/形質細胞及びメモリーB細胞上のCCR6の発現は増大していた(Lee AYS、Clin Rheumatol.2017年6月;36(6):1453-1456.doi:10.1007/s10067-017-3652-3)。CD4+CCR6+細胞もまたSLE患者の疾患重症度に寄与するかもしれず、抗DNA+SLE患者において増大することが示されており、これは疾患重症度及び赤血球沈降速度と相関する(Zhong W、PeerJ.2018;6:e4294.doi:10.7717/peerj.4294)。
【0014】
原発性シェーグレン症候群(pSS)の患者の唾液腺におけるCCR6の発現の増大が示された[Scand J Immunol.2020年3月;91(3):e12852.doi:10.1111/sji.12852]。CCL20mRNA発現の増大傾向も観察された。健常対照(HC)と比較した場合の、pSSの患者の血液循環におけるCCR6+Th細胞(CCR9-及びCCR9+の両方)の有意な減少が示された[Scand J Immunol.2020年3月;91(3):e12852.doi:10.1111/sji.12852]。
【0015】
自己免疫性肝炎(AIH)の動物モデルにおいて、抗TNF-αの投与は肝CCL20発現を抑制した。抗CCL20を投与されたマウスはAIHの減少を示した。さらに、T
NFα刺激は肝細胞におけるCCL20発現を増強した。これらの知見は、TNFαが、肝CCL20発現の上方制御を介したAIHの誘発に必須であることを示唆しており、これによりCCR6+T細胞が動員され、発症を駆動する(Clin Immunol.2013年1月;146(1):15-25.doi:10.1016/j.clim.2012.10.008)。
【0016】
本発明のCCR6調節剤は、単独で又は組み合わせて、後部ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、消化管内のアレルギー性疾患、I型糖尿病及び子宮内膜症を含む自己免疫疾患又は障害の治療又は予防に有用であると考えられる(Medicina(Kaunas).2018年11月16日;54(5).doi:10.3390/medicina54050088)。CCR6調節剤はまた、単独で又は組み合わせて、IL-17Aレベルの上昇が記録されている眼球表面の疾患の治療に有用であり、このような疾患には、マイボーム腺機能不全;GVHD、移植片対宿主病;自己免疫性角膜炎、糸状角膜炎、関節リウマチを伴うドライアイ症候群;全身性疾患を伴わないドライアイ症候群;スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson syndrome)が含まれる(J Korean Med Sci.2011年7月;26(7):938-44.doi:10.3346/jkms.2011.26.7.938)。
【0017】
本発明のCCR6調節剤は、単独で又は組み合わせて、悪性疾患の治療又は予防に有用であると考えられる。siRNA、shRNA、CCR6ノックアウト動物、CCL20リガンド処理又は抗体を用いたCCR6/CCL20系の調節が、単剤として、又は、癌の予防若しくは治療のための(特にPD1及び/又はPDL1遮断等の)免疫療法と組み合わせて、実験的疾患モデルにおいて腫瘍の増殖及び転移工程を変化させることが示された。
【0018】
悪性腫瘍の治療のためにこの系を調節する治療の可能性は、低分子干渉RNA(siRNA)又は低分子ヘアピン型RNA(shRNA)によるCCR6又はCCL20のサイレンシングを用いて、腫瘍マウスモデルにおいて記述されている。具体的には、皮膚T細胞リンパ腫(My-La細胞)のマウスモデルにおいて、Abeらは、CCR6標的siRNAの投与が、対照動物と比較した場合、動物の生存を延長させたことを報告している(Oncotarget.2017年1月31日;8(5)7572-7585.doi:10.18632/oncotarget.13810.)。別のアプローチを用いて、Itoらは、CCR6サイレンシングsiRNAコンストラクトを有するTリンパ腫細胞(My-La)を注射したマウスが、対照細胞を注射したマウスよりも有意に長く生存することを示した(Blood.2014年3月6日;123(10):1499-511.doi:10.1182/blood-2013-09-527739.)。Zhu及び共同研究者らは、shRNAにより癌細胞中のCCR6をサイレンスすると、1組の結腸直腸癌細胞株を皮下注射したマウスの腫瘍結節の平均体積及び重量が減少することを示した(PMID Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis.2018年2月;1864(2):387-397.doi:10.1016/j.bbadis.2017.10.033.)。患者由来神経膠芽腫細胞株を用いた神経膠芽腫異種移植モデル(xenograft model)において、CCR6発現をサイレンスするshRNAコンストラクトを有する細胞を注射したマウスは、対照細胞を注射したものよりも長く生存した。加えて、組織学及び免疫組織化学的検査により、対照腫瘍と比較して、CCR6標的shRNAを有する神経膠腫細胞により形成された腫瘍ははるかに小さく、腫瘍血管形成が有意に低下していることが明らかになった。すなわち、これらのデータは、CCR6シグナル伝達が、リンパ腫、直腸結腸腫瘍及び神経膠芽腫を含む悪性腫瘍の発癌能を増強するという概念をさらに支持するものである(Oncogene.2018年6月;37(23):3070-3087.doi:10.1038/s41388-018-0182-7.)。具体的には、CCR6ノックアウト動物を用
いた腫瘍形成におけるCCR6/CCL20系の関与が文献に報告された。結腸直腸癌(CRC)のCMT93マウスモデルにおいて、野生型動物と比較して、CCR6を欠損するマウスの腫瘍では、T調節性細胞(T regulatory cells)の浸潤が完全に阻害された。報告されたデータはさらに、腫瘍浸潤性T調節性細胞の腫瘤へのホーミング及びトラフィッキングが、in vivoにおいてケモカイン受容体CCR6に依存することを示唆している(PLoS One、2011年4月29日;6(4):e19495.doi:10.1371/journal.pone.0019495.)。Nandiらによれば、自発的腸腫瘍形成(spontaneous intestinal tumorigenesis)のマウスモデルにおいて[APCMIN/+マウス、大腸ポリポーシス(adenomatous polyposis coli)(APC)遺伝子における突然変異に対しヘテロ接合性]、CCR6を欠損するマウスでは自発的腸腫瘍形成の発生が低下していた(PLoS One.2014;9(5):e97566.doi:10.1371/journal.pone.0097566.)。
【0019】
腫瘍形成におけるCCR6/CCL20系の潜在的役割は、組み換えCCL20ケモカインの投与によっても示された。具体的には、結腸直腸癌(CMT93細胞)のマウスモデルにおいて、Liuらは、組み換えマウスCCL20で処理したマウスにおいて、腫瘍サイズが、PBS対照と比較して有意に増大することを示し、これは、結腸直腸癌の増殖及び発症におけるCCL20の重要な役割を示唆している(PLoS One.2011年4月29日;6(4):e19495.doi:10.1371/journal.pone.0019495.)。
【0020】
具体的には、中和CCL20抗体を用いて、腫瘍促進におけるCCR6/CCL20系の潜在的役割がマウスモデルを用いた文献中に示されている。Ikeda及び共同研究者らは、特異的皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)マウスモデルを使用した。このモデルにおいて、動物はCTCL細胞の多臓器への転移により死ぬ。しかしながら、中和CCL20抗体の投与により、異種移植を受けた(xenografted)マウスの生存が有意に延びた(Oncotarget.2016年3月22日;7(12):13563-74.doi:10.18632/oncotarget.6916.)。Lee及び共同研究者らは、転移性乳癌のマウスモデルにおいて(MDA-MB-231細胞をヌードマウスの左心室内に注射した。)、抗CCL20抗体の投与が、ヒトにおける疾患において乳癌の主要な転移部位の1つである骨転移の発生を予防したことを記述した(Sci Rep.2017年8月29日;7(1):9610.doi:10.1038/s41598-017-09040-4.)。上咽頭癌のヒト化マウスモデルにおいて、Mrizakらは、抗CCL20モノクローナル抗体をマウスに注射した場合、シャム処置(sham treated)動物と比較して、T調節性細胞の腫瘍内への動員が有意に減少することを観察した(J Natl Cancer Inst.2015年1月;107(1):363.doi:10.1093/jnci/dju363.)。加えて、肝細胞癌(Hepa1-6細胞)のマウスモデルにおいて、抗CCL20抗体を用いて免疫応答性マウスのCCL20活性を遮断すると、腫瘍発生が低減し、腫瘍増殖及び遠位の転移が抑制された。さらに、著者らは、このマウスモデルにおいて、CCL20の中和に伴い、腫瘍血管新生が有意に阻害されたことを報告した(Heら、PMID 28560063-Am J Cancer Res.2017;7(5):1151-1163.)。同じマウスモデルを用いて、抗CCL20中和抗体の投与は、T調節性細胞、特にCCR6陽性T調節性細胞の腫瘍内への浸潤を顕著に減少させ、腫瘍の増殖を有意に減少させた。マウスを抗PDL-1抗体で併用処理すると、抗腫瘍活性はさらに増強された。すなわち、これらのデータは、CCL20遮断が、T調節性細胞の腫瘍への動員を阻害することにより、肝細胞癌のマウスモデルにおいて抗PD-L1抵抗性を抑制することができることを示唆する(Hepatology.2019年7月;70(1):198-214.doi:10.1002/hep.30593.)。
【0021】
具体的には、腫瘍転移におけるCCR6/CCL20系の潜在的役割が文献に記述されている。Dellacasagrandeらは、形質細胞腫瘍のマウスモデルにおいて、(マウス形質細胞腫瘍(MOPC315)のs.c.注射による)原発腫瘍の腫瘍細胞と比較して、肝臓に播種された腫瘍細胞が機能性CCR6を過剰発現することを報告した。同じ著者らは、正常肝と比較して、CCR6が、結腸、甲状腺及び卵巣癌の細小肝転移(small liver metastases)において過剰発現していることを見出した(Scand J Immunol.2003年6月;57(6):534-44.doi:10.1046/j.1365-3083.2003.01263.x.)。
【0022】
さらに、本発明のCCR6調節剤は、単独で又は組み合わせて、CCR6及び/又はCCL20の発現が、疾患進行及び標準的治療への抵抗性と相関する癌の治療又は予防に有用であると考えられる。具体的には、膨大な数の癌について、CCR6発現の疾患進行との相関が文献に記述されている。例えば、腎細胞癌において、CCR6発現は全生存の低下と相関する(Cancers(Basel).2019年12月30日;12(1).doi:10.3390/cancersl 2010089.)。結腸直腸癌において、CCR6の腫瘍発現は転移と正に相関し、CCR6の上方制御は、低い生存率、短い無病生存期間(PLoS One.2014;9(6):e101137.doi:10.1371/journal.pone.0101137.)及び低い5年全生存(Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis.2018年2月;1864(2):387-397.doi:10.1016/j.bbadis.2017.10.033.)を予見する。卵巣癌において、高いCCR6mRNA発現は予後の悪さとも相関する(Cancer Lett.2020年3月1日;472:59-69.doi:10.1016/j.canlet.2019.12.024.)。CCR6発現は直腸癌の攻撃性(aggressiveness)と相関し、実際に、高レベルのCCR6タンパク質の発現は、放射線療法に対する反応者(responders)よりも、無反応者に多い(Cancer Res Treat.2018年10月;50(4):1203-1213.doi:10.4143/crt.2017.538.)。前立腺癌におけるCCR6の発現レベルは、より進行型で攻撃的な疾患の臨床的及び病理学的特徴と相関した(J Cancer Res Clin Oncol.2008年11月;134(11):1181-9.doi:10.1007/s00432-008-0403-5.)。非小細胞肺癌(NSCLC)において、高いCCR6発現は無病生存期間の短さと相関し、病期非依存的に疾患再発のリスクを5倍増大させる(PLoS One.2011;6(9):e24856.doi:10.1371/journal.pone.0024856.)。腫瘍組織内へのCCR6陽性免疫細胞の浸潤の増大を伴う肝細胞癌患者は、予後が不良であった(Am J Cancer Res.2017;7(5):1151-1163.)。
【0023】
CCR6と同様に、そのリガンドであるCCL20の発現が、幾つかの適応症に対して、疾患の帰結が不良であることと相関することが報告されている。具体的には、乳癌において、CCL20発現の上昇は、全無病生存の低下、無転移生存率の低下と(Sci Rep.2017年8月29日;7(1):9610.doi:10.1038/s41598-017-09040-4.)、組織学的悪性度の上昇、KI67インデックスの上昇及び腋窩リンパ節転移と有意に相関した。さらに、乳腺腫瘍のCCL20発現は、T調節性細胞のマーカーであるFOXP3の発現と正に相関した。腋窩リンパ節転移並びにCCL20発現及びFOXP3陽性T調節性細胞の同時上昇を伴う患者の全生存は最低であった(Medicine(Baltimore).2019年12月;98(50):e18403.doi:10.1097/MD.0000000000018403.)。NSCLCにおいて、CCL20の発現の上昇は全生存の低下と相関した(Biomed
Pharmacother.2015年2月;69:242-8.doi:10.10
16/j.biopha.2014.12.008.)(Cancer Lett.2015年7月10日;363(1):60-70.doi:10.1016/j.canlet.2015.04.005.)。NSCLCと同様に、CCL20発現の上昇を伴う肝細胞癌患者は、全生存及び無再発生存が低かった。同じ著者らは、CCL20発現が、腫瘍サイズ、腫瘍数、血管侵入(vascular invasion)、腫瘍の分化及び腫瘍の再発と有意に相関したことを記述している(J Gastrointest Surg.2012年4月;16(4):828-36.doi:10.1007/s11605-011-1775-4.)。CCR6又はCCL20単独に加えて、CCR6/CCL20共発現の疾患進行との相関について文献中に記載がある。実際に、CCL20及びCCR6両方の過剰発現は、グレードの低い組織よりもグレードの高い神経膠腫組織で検出されており、世界保健機構(WHO)の腫瘍グレードの上昇に従って増大した。特に、CCL20/CCR6共発現を伴う神経膠腫患者は全生存が最も短かった(Med Oncol.2012年12月;29(5):3491-7.doi:10.1007/s12032-012-0314-9.)。
【0024】
さらに、CCR6及び/又はCCL20発現は、化学療法抵抗性の増強と相関し、転移と関連する。実際に、CCL20の発現により、乳癌細胞の化学療法抵抗性が増大することがある(PLoS Biol.2018年7月;16(7):e2005869.doi:10.1371/journal.pbio.2005869.)。Rubieらは、結腸直腸癌肝転移(CRLM)及び肝細胞癌(HOC)のヒトサンプルにおいて、CCL20/CCR6の有意な上方制御が観察された(RT-PCR)ことを記述している。さらに、CCL20は、原発性HCCに比べ、結腸直腸癌肝転移において有意に過剰発現しており、これは、肝悪性腫瘍の発癌及び進行におけるCCL20/CCR6リガンド-受容体ペアの関与を示している(World J Gastroenterol.2006年11月7日;12(41):6627-33.doi:10.3748/wjg.v12.i41.6627.)。
【0025】
本発明のCCR6調節剤は、単独で又は組み合わせて、患者のサンプル又は癌細胞株においてCCR6及び/又はCCL20が発現又は過剰発現している疾患又は障害の治療又は予防において有用であると考えられる。具体的には、数種のタイプの癌又は癌細胞株でケモカイン受容体CCR6が発現していることが文献に記述されている。Lu及び共同研究者らは、CCR6発現が、喉頭癌組織において、それらの正常対照より高いことを記述している。著者らは、CCR6が、TU212、M4E、M2E及びHep-2等の汎用の喉頭癌細胞においても発現していることを報告した(Biomed Pharmacother.2017年1月;85:486-492 doi:10.1016/j.biopha.2016.11.055.)。悪性黒色腫の遺伝子発現データに基づいて、報告された生物学的ネットワーク(biological networks)とともに、CCR6遺伝子は、免疫応答及び腫瘍増殖に関与する有用な因子として記述され、特徴づけられた(PLoS One.2018;13(1):e0190447.doi:10.1371/journal.pone.0190447.)。唾液腺及び甲状腺の21のMALTリンパ腫の全エクソーム解析により、CCR6が発現していることが明らかになった(Haematologica.2018年8月;103(8):1329-1336.doi:10.3324/haematol.2018.191601.)。成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)のサンプルにおいて、CCR6の転写物が検出され、さらに、フローサイトメトリー解析により、CCR6がタンパク質レベルで見出された(Leuk Lymphoma.2006年10月;47(10):2163-73.doi:10.1080/10428190600775599.)。患者由来前立腺癌サンプルにおいて、CCR6の遺伝子発現(mRNA)は、隣接正常組織に比べ、腫瘍組織において有意に高かった(Cancer Res Treat.2015年4月;47(2):306-12.doi:10.4143/crt.2014.015.)。CCR
6発現は汎用癌細胞株において検出されており、実際に、Mays及び共同研究者らによれば、唾液腺腺様嚢胞癌(salivary adenoid cystic carcinoma)細胞SACC-83において、RT-PCR遺伝子分析によれば、他のCCケモカイン受容体とともに、CCR6が発現していた(Anticancer Res.2016年8月;36(8):4013-8.)。Moellerらによれば、U266
1970、U-266 1984、U-1958、Karpas 707、LP-1、28 L-363、HL407E及びHL407L.3を含む多発性骨髄腫(MM)細胞株において、CCR6もまた発現していた(Leukemia.2003年1月;17(1):203-10.doi:10.1038/sj.leu.2402717.)。
【0026】
CCR6と同様に、リガンドCCL20が多数の腫瘍サンプル及び腫瘍細胞株において発現していることが、文献中に報告されている。例えば、Zhang及び共同研究者らは、NSCLC患者のサンプルで、CCL20の発現は、近接組織のサンプルよりも腫瘍サンプルにおいて高いことをRT-PCRを用いて示し、このことは免疫組織化学的検査を用いて、タンパク質レベルでも検証された(Biomed Pharmacother.2015年2月;69:242-8.doi:10.1016/j.biopha.2014.12.008.)。胆管癌サンプル及び対応する正常組織の遺伝子発現分析により、CCL20は、健常組織に対して悪性組織において最も顕著に過剰発現している遺伝子の1つであることが明らかになった(EXCLI J.2020;19:154-166.doi:10.17179/excli2019-1893.)。CCL20発現は、多発性骨髄腫(MM)のヒトサンプルでも報告された(Cancer Res.2008年8月15日;68(16):6840-50.doi:10.1158/0008-5472.CAN-08-0402.)。さらに、Rubiesらによれば、CCL20のmRNA及びタンパク質は、CCL20の発現が弱い同等の正常膵臓と比べて、膵臓癌において有意に上方制御されている(8倍)(J Transl Med.2010年5月
10;8:45.doi:10.1186/1479-5876-8-45.)。CCL20は口腔扁平上皮癌(IHC染色)においても発現しており、Leeらは、優れた抑制活性を有するヒトCCR6+調節性T細胞において発現が増強されていることを報告した(J Immunol.2017年7月15日;199(2):467-476.doi:10.4049/jimmunol.1601815.)。
【0027】
CCR6又はCCL20単独に加えて、CCR6とCCL20両方の共発現が、癌患者のサンプル及び癌細胞株について文献中に報告されている。成人T細胞白血病/リンパ腫患者のサンプルにおいて(Microarray及びIHCタンパク質染色)(Int J Oncol.2014年9月;45(3):1200-8.doi:10.3892/ijo.2014.2524.)及びCTCLにおいて、両遺伝子が発現していることが記述されている。後者においては、CCL20及びCCR6が、mRNA及びタンパク質レベルで検出された(Clin Cancer Res.2011年12月15日;17(24)7529-38.doi:10.1158/1078-0432.CCR-11-1192.)。肝細胞癌のサンプルのトランスクリプトーム解析(ナノストリング(nanostring))により、CCR6及びCCL20の発現が明らかになった。さらに、非腫瘍と腫瘍組織の間の走化性勾配が報告されており、CCR6/CCL20系に関与するT調節性細胞、腫瘍関連マクロファージ及びナチュラルキラー細胞の動員工程が示唆されている(Proc Natl Acad Sci U S A.2017年7月18日;114(29):E5900-E5909.doi:10.1073/pnas.1706559114.)。同様に、Guo及び共同研究者らは、健常組織と比較した場合の肝細胞癌病変におけるCCR6及びCCL20の上方制御並びに肝細胞癌細胞株におけるCCR6及びCCL20の発現を報告した(L02、Li-/、Huh-7、SNU-387、Hep3B)(Oncol Rep.2019年9月;42(3):1075-1089.doi:10.3892/or.2019.7221.)。Nandiら
によれば、ヒト結腸直腸癌においては、CCL20及びCCR6の両方が発現している(IHCタンパク質染色)。NSCLCのサンプルでは、CCR6とCCL20の両方の発現が大幅に高いことが見出された(タンパク質及びmRNA)(Oncol Lett.2017年12月;14(6):8183-8189.doi:10.3892/ol.2017.7253)。in situハイブリダイゼーション法を用いると、CCL20及びCCR6の両mRNA部分が、分析したすべての膵臓癌サンプルにおいて強く発現していた。対照的に、健常膵臓ではCCL20及びCCR6の発現は低かった(Int J Cancer.1999年5月 17;81(4):650-7.doi:10.1002/(sici)1097-0215(19990517)81:4<650::aid-ijc23>3.0.co;2-#.)。Jin及び共同研究者らは、公開されているデータセットを使用して、神経膠芽腫におけるCCR6及びCCL20の発現を調べた。著者らは、GEOデータセット、GSE2223を使用して、正常な脳と神経膠芽腫組織の間でCCL20及びCCR6のmRNAレベルを比較した。再び、CCR6及びCCL20の発現レベルは、正常脳組織よりも神経膠芽腫組織において有意に高かった(Oncogene.2018年6月;37(23):3070-3087.doi:10.1038/s41388-018-0182-7.)。加えて、Wallaceらは、子宮内膜腺癌培養組織及び細胞株において、CCL20及びその受容体CCR6の発現が非悪性の子宮内膜と比較して高いことを観察した(mRNA、RT-PCR)(Mol Cell Endocrinol.2011年1月1日;331(1):129-35.doi:10.1016/j.mce.2010.08.018.)。CCL20/CCR6系は、乳癌、胆管癌及び甲状腺癌において役割を担っていると考えられる。これは、CCR6/CCL20遺伝子及び/又はタンパク質の発現が、患者由来乳癌細胞において(Mol Carcinog.2016年7月;55(7):1175-86.doi:10.1002/mc.22360.)、HuCCT1及びTFK-1胆管癌細胞株()(Winら、PMID 32194362)(EXCLI J.2020;19:154-166.doi:10.17179/excli2019-1893.)並びにTPC-1、BCPAP、FTC-133及びSW1736等の甲状腺癌細胞株において(Tumour Biol.2016年4月;37(4):5569-75.doi:10.1007/s13277-015-4418-7.)報告されているからである。さらに、本発明のCCR6調節剤は、単独で又は組み合わせて、CCR6/CCL20系活性の発現及び/又は証拠が報告されている癌、又は、腫瘍微小環境内でCCR6+調節性T細胞が確認されている癌の治療又は予防に有用であると考えられる。
【発明の概要】
【0028】
1) 本発明の一側面は式(I)の化合物に関する:
【0029】
【化1】
(式中、
Qは、N、CH又はC-R(Rは、ハロゲン又はC1-3-アルキルを表す。)を表し;Rは、
- C1-3-アルキル(特にメチル);
を表し;
は、
- 水素;
- C1-4-アルキル(特に、メチル又はイソプロピル);
- ヒドロキシ-C1-3-アルキル(特に2-ヒドロキシエチル);
- C1-3-フルオロアルキル(特にC-フルオロアルキル;とりわけ2,2-ジフルオロエチル);又は、
- C3-5-シクロアルキル;
を表し;
3aは、
- ハロゲン(特に臭素);
- C1-5-アルキル(特に、エチル、n-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル;とりわけイソプロピル);
- C1-3-フルオロアルキル(特に2,2,2-トリフルオロ-エチル);
- C1-3-フルオロアルコキシ(特にC-フルオロアルコキシ;とりわけトリフルオロメトキシ);
- C3-5-シクロアルキル(特にシクロプロピル);又は、
- 1-(C1-3-フルオロアルキル)-C3-5-シクロアルキル(特に1-(C-フルオロアルキル)-C3-5-シクロアルキル;とりわけ1-トリフルオロメチル-シクロプロピル);
を表し;
3bは、
- 水素;又は、
- ハロゲン;
を表し;
は、
- C1-4-アルキルであって、未置換であるか;1個の置換基により置換され、上記置換基が、ヒドロキシ又はC1-3-アルキル-アミノ(特にメチル-アミノ)から選択
されるか;又は、2個の置換基により置換され、第1の置換基がヒドロキシを表し、第2の置換基がC-フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル)を表す、C1-4-アルキル[特に、かかるC1-4-アルキルは、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-メチル-1-(メチル-アミノ)-エチル又は1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-エチルを表す。];又は、
- -L-Cy(
-- -L-は、直接結合(すなわち、Cyは、上記トリアゾリル環に直接結合する。)又は-CH-(特に直接結合)を表し;
-- Cyは、窒素又は酸素から選択される1個の環ヘテロ原子を任意で有するC3-7-シクロアルキルを表し(特に、かかるCyは、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル又はピペリジニル;とりわけ、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラン-4-イル又はピペリジン-4-イルを表す。)、Cyは、独立に、未置換であるか;又は、
--- 1個の
---- ヒドロキシ;
---- オキソ;
---- C1-4-アルキル;
---- -C(=O)R(Rは、C1-3-アルキル(特にメチル)又はヒドロキシ-C1-3-アルキルを表す。);又は、
---- C1-3-アルキル-カルボニル-アミノ;
により置換されるか;又は、
--- 2個の置換基により置換され、第1の置換基がオキソを表し、かつ第2の置換基がC1-3-アルキルを表すか;又は、2個の置換基により置換され、第1の置換基がヒドロキシを表し、かつ第2の置換基がC1-3-アルキル-カルボニルを表し;
-- 又は、Cyは飽和5~8員架橋二環式炭化水素環系を表し(特に、かかる環系は、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル又はビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルを表す。)、Cyは、独立に、(特に、当該環系の3級炭素原子において)1個の置換基により置換され、上記置換基は、
--- ヒドロキシ-C1-3-アルキル(特にヒドロキシ-メチル);又は、
--- -C(=O)R(Rは、
---- ヒドロキシ;
---- -NRN1N2(RN1及びRN2は、独立に、水素又はC1-3-アルキルを表すか;又は、RN1及びRN2は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ピロリジニルを形成する。);又は、
---- C1-3-アルコキシ(特にメトキシ);
を表す。);
から選択され;
-- 又は、Cyは、窒素又は酸素から独立に選択される1又は2個の(特に1個の)環ヘテロ原子(特に窒素)を有する5又は6員のヘテロアリール(特に6員のヘテロアリール)を表す(特に、Cyはピリジニル;とりわけピリジン-3-イルを表す。);
[特に、かかる-L-Cy基は、テトラヒドロピラン-4-イル、4-ヒドロキシ-テトラヒドロピラン-4-イル、1-ヒドロキシ-シクロブチル-メチル、4-ヒドロキシ-シクロヘキシル、ピリジン-3-イル、4-メトキシカルボニル-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル、4-カルボキシ-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル、3-ヒドロキシメチル-ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル又はN-アセチル-ピペリジン-4-イルを表す。]。);
を表し;かつ
は、
- C1-4-アルキル(特に、メチル、エチル、イソプロピル又はtert-ブチル);
- ヒドロキシ-C1-3-アルキル(特に2-ヒドロキシエチル);
- C1-3-アルコキシ-C1-3-アルキル;
- C3-7-シクロアルキル(特に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル);
- C1-3-フルオロアルキル(特に2,2-ジフルオロプロピル);
- C1-3-アルキル-カルボニル;又は、
- C1-3-アルキル-カルボニル-アミノ-C1-3-アルキル;
を表すか;
又は、R及びRは、それらが結合するトリアゾリル環と一緒に、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル又は6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-b][1,2,4]トリアゾール-2-イルを形成する。)。
【0030】
ここに記載される定義は、態様1)~13)のいずれか1つに定義される式(I)の化合物に対して一律に適用されるものであり、特段の定義によってより広い又はより狭い定義が与えられない限り本明細書及び請求項を通じて必要な変更を加えて適用される。当然ながら、ある用語の定義又は好ましい定義が、ここに定義されるいずれか又は他のすべての用語のいずれか又は好ましい定義におけるそれぞれの用語を、独立して(及びそれらと共に)定義し置き換えるものであってよい。各態様又は請求項中に明示的に別段の定義がない場合には、本明細書中に定義した基は未置換である。
【0031】
「ハロゲン」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素;特に、フッ素、塩素又は臭素を意味する。R3bに対して好ましい例はフッ素である。
【0032】
「オキシ」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、基-O-を意味する。
【0033】
「オキソ」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、基=Oを意味する。
【0034】
「アミノ」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、基-NHを意味する。
【0035】
「アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1~6個の炭素原子を有する、直鎖の又は分枝した飽和炭化水素鎖基を意味する。「Cx-y-アルキル」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、先に定義したアルキル基を意味する。Cx-y-アルキル基が別の置換基と組み合わせて使用される場合には、この用語は、当該置換基がCx-y-アルキル基を介して分子の残りの部分に結合することを意味する。例えば、C1-6-アルキル基は1~6個の炭素原子を有する。C1-4-アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル及びイソブチルである。
【0036】
「ヒドロキシアルキル(又はヒドロキシ-アルキル)」という用語は、単独で使用される場合も、又は、組み合わせて使用される場合も、1個の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられた、先に定義したアルキル基を意味する。「ヒドロキシ-Cx-y-アルキル」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、単独で使用される場合も、又は、組み合わせて使用される場合も、アルキル基がx~y個の炭素原子を有する、先に定義したヒドロキシアルキル基を意味する。例えば、ヒドロキシ-C1-3-アルキル基は、1~
3個の炭素原子を有する、先に定義したヒドロキシアルキル基である。ヒドロキシ-C1-3-アルキル基の例は、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、1-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル及び1-メチル-2-ヒドロキシ-エチルである。
【0037】
「フルオロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1又は2以上の(場合によってはすべての)水素原子がフッ素で置き換えられた、先に定義したアルキル基を意味する。「Cx-y-フルオロアルキル」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、先に定義したフルオロアルキル基を意味する。例えば、C1-3-フルオロアルキル基は、1~3個の炭素原子を有し、1~7個の水素原子がフッ素で置き換えられている。C1-3-フルオロアルキル基の例は、トリフルオロメチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル及び2,2,2-トリフルオロエチルである。C1-3-フルオロアルキル基の好ましい例は、1個の炭素原子を有し、1~3個の水素原子がフッ素で置き換えられたC-フルオロアルキル基である。かかるC-フルオロアルキル基の例は、モノ-、ジ-及びトリ-フルオロメチル;特にトリフルオロメチルである。
【0038】
「シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、3~7個の炭素原子(好ましくは3~6個の炭素原子)を有する、飽和単環式炭化水素環を意味する。「Cx-y-シクロアルキル」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する飽和単環式炭化水素環を意味する。例えば、C3-6-シクロアルキル基は3~6個の炭素原子を有する。C3-5-シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルである。C3-7-シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルである。上記のシクロアルキル基は、未置換であるか又は明示的に定義されるように置換される。
【0039】
「1個の環ヘテロ原子を任意で有するC3-7-シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1個の炭素環原子が、酸素、窒素又は硫黄(特に酸素又は窒素)から選択されるヘテロ原子で置き換えられるか、又は、明示的に定義されるように置き換えられた、先に定義したC3-7-シクロアルキル基を意味する。窒素又は酸素から選択される1個の環ヘテロ原子を任意で有するC3-7-シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アジリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル及びテトラヒドロピラニル;特に、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びピペリジニル;とりわけ、テトラヒドロピラニル及びピペリジニルである。上記の基は、未置換であるか又は明示的に定義されるように置換される。
【0040】
「C1-3-フルオロアルキル-C3-5-シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1個の水素原子が、先に定義したC1-3-フルオロアルキル(特にC-フルオロアルキル)で置き換えられた、先に定義したC3-5-シクロアルキル基を意味する。特に、当該C1-3-フルオロアルキルは、分子の残りの部分への当該C3-5-シクロアルキルの結合点において結合する。かかる基の例は、1-トリフルオロメチル-シクロプロピル、1-トリフルオロメチル-シクロブチル及び1-トリフルオロメチル-シクロペンチルである。
【0041】
「アルキル-カルボニル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1個の水素原子が基-C(=O)-で置き換えられた、本明細書で定義したアルキル基を意味する。「Cx-y-アルキル-カルボニル」(x及びyはそれぞれ整
数である。)という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、アルキル基がx~y個の炭素原子を有する、先に定義したアルキル-カルボニル基を意味する。例えば、C1-3-アルキル-カルボニル基は、1~3個の炭素原子を有する、先に定義したアルキル-カルボニル基である。かかる基の例は、アセチル、エチル-カルボニル、プロピル-カルボニル及びイソプロピル-カルボニルである。
【0042】
「アルキル-カルボニル-アミノ」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1個の水素原子が、先に定義したアルキル-カルボニル基で置き換えられた、先に定義したアミノ基を意味する。「Cx-y-アルキル-カルボニル-アミノ」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、アルキル基がx~y個の炭素原子を有する、先に定義したCx-y-アルキル-カルボニル-アミノ基を意味する。C1-3-アルキル-カルボニル-アミノ基は、1~3個の炭素原子を有する、先に定義したアルキル-カルボニル基である。かかるC1-3-アルキル-カルボニル-アミノ基の例は、アセチル-アミノ、エチル-カルボニル-アミノ、プロピル-カルボニル-アミノ、イソプロピル-カルボニル-アミノ;特にアセチルである。
【0043】
「アルコキシ」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1個の水素原子が-O-で置き換えられた、先に定義したアルキル基、すなわち、基アルキル-O-を意味する。「Cx-y-アルコキシ」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、アルコキシ基がx~y個の炭素原子を有する、先に定義したアルコキシ基を意味する。例えば、C1-3-アルコキシ基は、1~3個の炭素原子を有する、本明細書で定義したアルコキシ基である。C1-3-アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ又はイソプロポキシ;特にメトキシである。
【0044】
「フルオロアルコキシ」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1又は2以上の(場合によってはすべての)水素原子がフッ素で置き換えられた、先に定義したアルコキシ基を意味する。「Cx-y-フルオロアルコキシ」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、先に定義したフルオロアルコキシ基を意味する。例えば、C1-3-フルオロアルコキシ基は、1~3個の炭素原子を有し、1~7個の水素原子がフッ素で置き換えられている。C1-3-フルオロアルコキシ基の例は、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ及び2,2,2-トリフルオロエトキシである。
【0045】
「5又は6員のヘテロアリール」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、それぞれが酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1~4個の環ヘテロ原子(好ましくは1~3個の環ヘテロ原子)を有する5又は6員の単環式芳香環を意味する。5員の基の例は、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル及びテトラゾリル等の5員のヘテロアリール基である。6員のヘテロアリール基の例は、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルである。かかる5又は6員のヘテロアリール基の好ましい例は、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルである。上記のヘテロアリール基は、未置換であるか又は明示的に定義されるように置換される。
【0046】
「飽和5~8員架橋二環式炭化水素環系」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、2個の炭素原子を共有する2個の炭化水素環であって、両
方の環の炭素原子の総数が整数の5~8である炭化水素環を意味する。より具体的には、当該用語は、「ビシクロ[x.y.z]アルキルであって、炭素原子の総数が整数の5~8であり、「x」、「y」及び「z」のそれぞれが0より大きいビシクロ[x.y.z]アルキル」[すなわち、「x」、「y」及び「z」の合計は3~6であり;整数である「x」、「y」及び「z」は、独立に、2個の3級炭素原子に結合する3つの架橋のそれぞれにおける炭素原子の数を降順に(x>y>z)示す。]という用語により記述される化合物を意味する。かかる5~8員架橋二環式炭化水素環系の例は、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル及びビシクロ[2.2.2]オクタニルである。上記の環系は、未置換であるか又は明示的に定義されるように置換される。
【0047】
本特許出願において、点線として描かれる結合は、分子の残りの部分への記載された基の結合点を示す。例えば、下記の基
【0048】
【化2】
は、1-R-3-R-アゼチジン-3-イルを表す。
【0049】
本発明のさらなる態様を以下に記述する:
2) 一態様は、
QがCHを表し;
が、
- C1-3-アルキル(特にメチル);
を表し;
が、
- 水素;
- C1-4-アルキル(特に、メチル又はイソプロピル);
- ヒドロキシ-C1-3-アルキル(特に2-ヒドロキシエチル);又は、
- C1-3-フルオロアルキル(特にC-フルオロアルキル;とりわけ2,2-ジフルオロエチル);
を表し;
3aが、
- ハロゲン(特に臭素);
- C1-5-アルキル(特に、エチル、n-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル;とりわけイソプロピル);
- C1-3-フルオロアルキル(特に2,2,2-トリフルオロ-エチル);
- C1-3-フルオロアルコキシ(特にC-フルオロアルコキシ;とりわけトリフルオロメトキシ);
- C3-5-シクロアルキル(特にシクロプロピル);又は、
- 1-(C1-3-フルオロアルキル)-C3-5-シクロアルキル(特に1-(C-フルオロアルキル)-C3-5-シクロアルキル;とりわけ1-トリフルオロメチル-シクロプロピル);
を表し;
3b
- 水素;
を表し;
が、
- C1-4-アルキルであって、1個の置換基により置換され、上記置換基が、ヒドロキシ又はC1-3-アルキル-アミノ(特にメチル-アミノ)から選択されるか;又は、2個の置換基により置換され、第1の置換基がヒドロキシを表し、第2の置換基がC-フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル)を表す、C1-4-アルキル;
[特に、かかるC1-4-アルキルは、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-メチル-1-(メチル-アミノ)-エチル又は1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-エチルを表す。];又は、
- -L-Cy(
-- -L-は直接結合(すなわち、Cyは上記トリアゾリル環に直接結合する。)又は-CH-(特に直接結合)を表し;
-- Cyは、窒素又は酸素から選択される1個の環ヘテロ原子を任意に有するC3-7-シクロアルキルを表し(特に、かかるCyは、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル又はピペリジニル;とりわけ、シクロブチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラン-4-イル又はピペリジン-4-イルを表す。)、Cyは、独立に、未置換であるか;又は、
--- 1個の
---- ヒドロキシ;又は、
---- -C(=O)R(RはC1-3-アルキル(特にメチル)を表す。);
により置換されるか;
-- 又は、Cyは飽和5~8員架橋二環式炭化水素環系を表し(特に、かかる環系は、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル又はビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルを表す。)、Cyは、独立に、(特に、当該環系の3級炭素原子において)1個の置換基により置換され、上記置換基は、
--- ヒドロキシ-C1-3-アルキル(特にヒドロキシ-メチル);又は、
--- -C(=O)R(Rは、
---- ヒドロキシ;又は、
---- C1-3-アルコキシ(特にメトキシ);
を表す。);
から選択され;
-- 又は、Cyは、1個の環窒素原子を有する6員のヘテロアリールを表す(特にCyはピリジニル;とりわけピリジン-3-イルを表す。);
[特に、かかる-L-Cy基は、テトラヒドロピラン-4-イル、4-ヒドロキシ-テトラヒドロピラン-4-イル、1-ヒドロキシ-シクロブチル-メチル、4-ヒドロキシ-シクロヘキシル、ピリジン-3-イル、4-メトキシカルボニル-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル、4-カルボキシ-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル、3-ヒドロキシメチル-ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル又はN-アセチル-ピペリジン-4-イルを表す。]。);
を表し;
が、
- C1-4-アルキル(特に、メチル、エチル、イソプロピル又はtert-ブチル);
- ヒドロキシ-C1-3-アルキル(特に2-ヒドロキシエチル);
- C3-7-シクロアルキル(特に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル);又は、
- C1-3-フルオロアルキル(特に2,2-ジフルオロプロピル);
を表す;
態様1)に従う化合物に関する。
【0050】
3) さらなる態様は、QがCHを表す、態様1)に従う化合物に関する。
【0051】
4) さらなる態様は、R3bが水素を表す、態様1)に従う化合物に関する。
【0052】
5) さらなる態様は、Rが、
- C1-4-アルキル(特に、メチル又はイソプロピル);又は、
- ヒドロキシ-C1-3-アルキル(特に2-ヒドロキシエチル);
を表す、態様1)~4)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0053】
6) さらなる態様は、RがC1-4-アルキル(特にメチル)を表す、態様5)に従う化合物に関する。
【0054】
7) さらなる態様は、
3aが、
- C1-5-アルキル(特に、エチル、n-プロピル、イソプロピル又はtert-ブチル);又は、
- C1-3-フルオロアルキル(特に2,2,2-トリフルオロ-エチル);
を表す、態様1)~6)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0055】
8) さらなる態様は、R3aがC1-5-アルキル(特にイソプロピル)を表す、態様7)に従う化合物に関する。
【0056】
9) さらなる態様は、
が、
- C1-4-アルキルであって、1個のヒドロキシにより置換されるか;又は、2個の置換基により置換され、第1の置換基がヒドロキシを表し、第2の置換基がC-フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル)を表す、C1-4-アルキル;又は、
- -L-Cy(
-- -L-は直接結合を表し(すなわち、Cyは上記トリアゾリル環に直接結合する。);
-- Cyは、窒素又は酸素から選択される1個の環ヘテロ原子を任意に有するC3-7-シクロアルキルを表し(特に、かかるCyは、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル又はピペリジニル;とりわけ、シクロヘキシル、テトラヒドロピラン-4-イル又はピペリジン-4-イルを表す。)、Cyは、独立に、未置換であるか;又は、
--- 1個の
---- ヒドロキシ;又は、
---- -C(=O)R(RはC1-3-アルキル(特にメチル)を表す。);
により置換されるか;
-- 又は、Cyは、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル又はビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルを表し、Cyは、独立に、(特に、当該環系の3級炭素原子において)1個の置換基により置換され、上記置換基は、
--- ヒドロキシ-C1-3-アルキル(特にヒドロキシ-メチル);又は、
--- -C(=O)R(Rは、
---- ヒドロキシ;又は、
---- C1-3-アルコキシ(特にメトキシ);
を表す。);
から選択され;
-- 又は、Cyは、1個の環窒素原子を有する6員のヘテロアリールを表す(特に、Cyはピリジニル;とりわけピリジン-3-イルを表す。)。);
を表す;態様1)~8)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0057】
10) さらなる態様は、
が、
- -L-Cy(
-- -L-は直接結合を表し(すなわち、Cyは、上記トリアゾリル環に直接結合する。);
-- Cyは、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル又はピペリジニル(特に、シクロヘキシル、テトラヒドロピラン-4-イル又はピペリジン-4-イル)を表し、Cyは、独立に、未置換であるか;又は、
--- 1個の
---- ヒドロキシ;又は、
---- -C(=O)R(RはC1-3-アルキル(特にメチル)を表す。);
により置換されるか;
-- 又は、Cyは、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル又はビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルを表し、Cyは、独立に、(特に、当該環系の3級炭素原子において)1個の置換基により置換され、上記置換基は、
--- ヒドロキシ-C1-3-アルキル(特にヒドロキシ-メチル);又は、
--- -C(=O)R(Rは、
---- ヒドロキシ;又は、
---- C1-3-アルコキシ(特にメトキシ);
を表す。);
から選択され;
-- 又は、Cyはピリジニル(特にピリジン-3-イル)を表す。);
を表す;態様9)に従う化合物に関する。
【0058】
11) さらなる態様は、Rが、
- C1-4-アルキル(特に、メチル、エチル、イソプロピル又はtert-ブチル);又は、
- C3-7-シクロアルキル(特に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル);
[好ましくは、イソプロピル又はシクロプロピル]を表す、態様1)~10)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0059】
12) 一態様は、下記の特徴a)、b)及び/又はc)の少なくとも1つ、特に2つ、とりわけすべてが存在する、態様1)~11)のいずれか1つに従う化合物に関する:a) 基
【0060】
【化3】
が、3-メチル-アゼチジン-3-イル、1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル、1-イソプロピル-3-メチル-アゼチジン-3-イル、1-(2-ヒドロキシエチル)-3-メチル-アゼチジン-3-イル又は1-(2,2-ジフルオロエチル)-3-メチル-アゼチジン-3-イルを表す;
b) 基
【0061】
【化4】
が、4-ブロモ-フェニル、4-エチル-フェニル、4-(n-プロピル)-フェニル、4-イソプロピル-フェニル、4-tert-ブチル-フェニル、4-シクロプロピル-フェニル、4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-フェニル、4-トリフルオロメトキシ-フェニル又は4-(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル)-フェニルを表す;
c) 基
【0062】
【化5】
が、5-(1-シクロプロピル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(4-ヒドロキシ-シクロヘキシル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル(特にトランス-5-(1-シクロプロピル-5-(4-ヒドロキシ-シクロヘキシル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル)、5-(1-シクロプロピル-5-(1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(4-メトキシカルボニル-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(1-メチル-1-メチルアミノ-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(1-ヒドロキシ-シクロブチル-メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(4-カルボキシ-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロヘキシル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-メチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-(2-ヒドロキシエチル)-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-エチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロペンチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾ
ール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-tert-ブチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-(2,2-ジフルオロプロピル)-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロブチル-5-テトラヒドロピラン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(3-(ヒドロキシメチル)-ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-(3-(ヒドロキシメチル)-ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(4-ヒドロキシ-テトラヒドロピラン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-(4-ヒドロキシ-テトラヒドロピラン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-シクロプロピル-5-(N-アセチル-ピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル、5-(1-イソプロピル-5-(N-アセチル-ピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル又は5-(1-シクロプロピル-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イルを表す。
【0063】
13) さらなる態様は、ヒドロキシ基を担持する不斉炭素原子が式(II)に示す絶対配置を有する、態様1)~12)のいずれか1つに従う化合物に関する:
【0064】
【化6】
【0065】
14) 別の態様は、下記の化合物から選択される、態様1)に従う化合物に関する:(R)-(4-ブロモ-フェニル)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3
-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-メタノール;
(R)-(4-tert-ブチル-フェニル)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-[4-(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル)-フェニル]-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-メタノール;(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-[4-(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-フェニル]-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-エチル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-プロピル-フェニル)-メタノール;
トランス-4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-シクロヘキサノール;
(R)-2-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-1,1,1-トリフルオロ-プロパン-2-オール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸 メチルエステル;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(1-メチル-1-メチルアミノ-エチル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
1-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イルメチル)-シクロブタノール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロヘキシル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル
)-{5-[1-メチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-メタノール;
2-[3-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-[1,2,4]トリアゾール-1-イル]-エタノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-{5-[1-エチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-{5-[1-イソプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロペンチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-tert-ブチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-(2,2-ジフルオロ-プロピル)-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロブチル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-[5-(1-シクロプロピル-5-ピリジン-3-イル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル]-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-(4-シクロプロピル-フェニル)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-メタノール;
2-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-プロパン-2-オール;
2-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-プロパン-2-オール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(3-ヒドロキシメチル-ビシクロ[1.1.1]ペンタ-1-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-{5-[5-(3-ヒドロキシメチル-ビシクロ[1.1.1]ペンタ-1-イル)-1-イソプロピル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-テトラヒドロ-ピラン-4-オール;
4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピ
ル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-テトラヒドロ-ピラン-4-オール;
1-[4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-エタノン;
1-[4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-エタノン;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1-イソプロピル-3-メチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-[1-(2,2-ジフルオロ-エチル)-3-メチル-アゼチジン-3-イル]-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
2-{3-[(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-イル}-エタノール;又は、
2-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-(3-メチル-アゼチジン-3-イル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-プロパン-2-オール。
【0066】
15) 別の態様は、下記の化合物から選択される、態様1)に従う化合物に関する:(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(3-フルオロ-4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-2-フルオロ-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-トランス-シクロヘキサノール;
4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-2-メチル-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-トランス-シクロヘキサノール;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-[5-(1-イソプロピル-5-プロピル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピリジン-3-イル]-メタノール;
4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-1-メチル-ピペリジン-2-オン;
N-[4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-トランス-シクロヘキシル]-アセタミド;
1-[4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-ヒドロキシ-エタノン;
4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-4-メチル-ピペリジン-2-オン;
4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ピペリジン-2-オン;
1-[4-(5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2-イソプロピル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル]-エタノン;
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-{5-[1-(2-メトキシ-エチル)-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-メタノール;
(R)-(1-シクロプロピル-3-メチル-アゼチジン-3-イル)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール;
N-{2-[3-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-[1,2,4]トリアゾール-1-イル]-エチル}-アセタミド;又は、
(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-{6-[1-イソプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリダジン-4-イル}-メタノール。
【0067】
先に開示した異なる態様1)~13)の従属関係に従って、下記の態様が可能であり、意図されており、そして個々の形態としてここに具体的に開示される:
2+1、3+1、4+1、5+1、5+2+1、5+3+1、5+4+1、6+5+1、6+5+2+1、6+5+3+1、6+5+4+1、7+1、7+2+1、7+3+1、7+4+1、7+5+1、7+5+2+1、7+5+3+1、7+5+4+1、7+6+5+1、7+6+5+2+1、7+6+5+3+1、7+6+5+4+1、8+7+1、8+7+2+1、8+7+3+1、8+7+4+1、8+7+5+1、8+7+5+2+1、8+7+5+3+1、8+7+5+4+1、8+7+6+5+1、8+7+6+5+2+1、8+7+6+5+3+1、8+7+6+5+4+1、9+1、9+2+1、9+3+1、9+4+1、9+5+1、9+5+2+1、9+5+3+1、9+5+4+1、9+6+5+1、9+6+5+2+1、9+6+5+3+1、9+6+5+4+1、9+7+1、9+7+2+1、9+7+3+1、9+7+4+1、9+7+5+1、9+7+5+2+1、9+7+5+3+1、9+7+5+4+1、9+7+6+5+1、9+7+6+5+2+1、9+7+6+5+3+1、9+7+6+5+4+1、9+8+7+1、9+8+7+2+1、9+8+7+3+1、9+8+7+4+1、9+8+7+5+1、9+8+7+5+2+1、9+8+7+5+3+1、9+8+7+5+4+1、9+8+7+6+5+1、9+8+7+6+5+2+1、9+8+7+6+5+3+1、9+8+7+6+5+4+1、10+9+1、10+9+2+1、10+9+3+1、10+9+4+1、10+9+5+1、10+9+5+2+1、10+9+5+3+1、10+9+
5+4+1、10+9+6+5+1、10+9+6+5+2+1、10+9+6+5+3+1、10+9+6+5+4+1、10+9+7+1、10+9+7+2+1、10+9+7+3+1、10+9+7+4+1、10+9+7+5+1、10+9+7+5+2+1、10+9+7+5+3+1、10+9+7+5+4+1、10+9+7+6+5+1、10+9+7+6+5+2+1、10+9+7+6+5+3+1、10+9+7+6+5+4+1、10+9+8+7+1、10+9+8+7+2+1、10+9+8+7+3+1、10+9+8+7+4+1、10+9+8+7+5+1、10+9+8+7+5+2+1、10+9+8+7+5+3+1、10+9+8+7+5+4+1、10+9+8+7+6+5+1、10+9+8+7+6+5+2+1、10+9+8+7+6+5+3+1、10+9+8+7+6+5+4+1、11+1、11+2+1、11+3+1、11+4+1、11+5+1、11+5+2+1、11+5+3+1、11+5+4+1、11+6+5+1、11+6+5+2+1、11+6+5+3+1、11+6+5+4+1、11+7+1、11+7+2+1、11+7+3+1、11+7+4+1、11+7+5+1、11+7+5+2+1、11+7+5+3+1、11+7+5+4+1、11+7+6+5+1、11+7+6+5+2+1、11+7+6+5+3+1、11+7+6+5+4+1、11+8+7+1、11+8+7+2+1、11+8+7+3+1、11+8+7+4+1、11+8+7+5+1、11+8+7+5+2+1、11+8+7+5+3+1、11+8+7+5+4+1、11+8+7+6+5+1、11+8+7+6+5+2+1、11+8+7+6+5+3+1、11+8+7+6+5+4+1、11+9+1、11+9+2+1、11+9+3+1、11+9+4+1、11+9+5+1、11+9+5+2+1、11+9+5+3+1、11+9+5+4+1、11+9+6+5+1、11+9+6+5+2+1、11+9+6+5+3+1、11+9+6+5+4+1、11+9+7+1、11+9+7+2+1、11+9+7+3+1、11+9+7+4+1、11+9+7+5+1、11+9+7+5+2+1、11+9+7+5+3+1、11+9+7+5+4+1、11+9+7+6+5+1、11+9+7+6+5+2+1、11+9+7+6+5+3+1、11+9+7+6+5+4+1、11+9+8+7+1、11+9+8+7+2+1、11+9+8+7+3+1、11+9+8+7+4+1、11+9+8+7+5+1、11+9+8+7+5+2+1、11+9+8+7+5+3+1、11+9+8+7+5+4+1、11+9+8+7+6+5+1、11+9+8+7+6+5+2+1、11+9+8+7+6+5+3+1、11+9+8+7+6+5+4+1、
11+10+9+1、11+10+9+2+1、11+10+9+3+1、11+10+9+4+1、11+10+9+5+1、11+10+9+5+2+1、11+10+9+5+3+1、11+10+9+5+4+1、11+10+9+6+5+1、11+10+9+6+5+2+1、11+10+9+6+5+3+1、11+10+9+6+5+4+1、11+10+9+7+1、11+10+9+7+2+1、11+10+9+7+3+1、11+10+9+7+4+1、11+10+9+7+5+1、11+10+9+7+5+2+1、11+10+9+7+5+3+1、11+10+9+7+5+4+1、11+10+9+7+6+5+1、11+10+9+7+6+5+2+1、11+10+9+7+6+5+3+1、11+10+9+7+6+5+4+1、11+10+9+8+7+1、11+10+9+8+7+2+1、11+10+9+8+7+3+1、11+10+9+8+7+4+1、11+10+9+8+7+5+1、11+10+9+8+7+5+2+1、11+10+9+8+7+5+3+1、11+10+9+8+7+5+4+1、11+10+9+8+7+6+5+1、11+10+9+8+7+6+5+2+1、11+10+9+8+7+6+5+3+1、11+10+9+8+7+6+5+4+1、12+1、13+1、13+2+1、13+3+1、13+4+1、13+5+1、13+5+2+1、13+5+3+1、13+5+4+1、13+6+5+1、13+6+5+2+1、13+6+5+3+1、13+6+5+4+1、13+7+1、13+7+2+1、13+7+3+1、13+7+4+1、13+7+5+1、13+7+5+2+1、13+7+5+3+1、13+7+5+4+1、13+7+6+5+1、13+7+6+5
+2+1、13+7+6+5+3+1、13+7+6+5+4+1、13+8+7+1、13+8+7+2+1、13+8+7+3+1、13+8+7+4+1、13+8+7+5+1、13+8+7+5+2+1、13+8+7+5+3+1、13+8+7+5+4+1、13+8+7+6+5+1、13+8+7+6+5+2+1、13+8+7+6+5+3+1、13+8+7+6+5+4+1、13+9+1、13+9+2+1、13+9+3+1、13+9+4+1、13+9+5+1、13+9+5+2+1、13+9+5+3+1、13+9+5+4+1、13+9+6+5+1、13+9+6+5+2+1、13+9+6+5+3+1、13+9+6+5+4+1、13+9+7+1、13+9+7+2+1、13+9+7+3+1、13+9+7+4+1、13+9+7+5+1、13+9+7+5+2+1、13+9+7+5+3+1、13+9+7+5+4+1、13+9+7+6+5+1、13+9+7+6+5+2+1、13+9+7+6+5+3+1、13+9+7+6+5+4+1、13+9+8+7+1、13+9+8+7+2+1、13+9+8+7+3+1、13+9+8+7+4+1、13+9+8+7+5+1、13+9+8+7+5+2+1、13+9+8+7+5+3+1、13+9+8+7+5+4+1、13+9+8+7+6+5+1、13+9+8+7+6+5+2+1、13+9+8+7+6+5+3+1、13+9+8+7+6+5+4+1、13+10+9+1、13+10+9+2+1、13+10+9+3+1、13+10+9+4+1、13+10+9+5+1、13+10+9+5+2+1、13+10+9+5+3+1、13+10+9+5+4+1、13+10+9+6+5+1、13+10+9+6+5+2+1、13+10+9+6+5+3+1、13+10+9+6+5+4+1、13+10+9+7+1、13+10+9+7+2+1、13+10+9+7+3+1、13+10+9+7+4+1、13+10+9+7+5+1、13+10+9+7+5+2+1、13+10+9+7+5+3+1、13+10+9+7+5+4+1、13+10+9+7+6+5+1、13+10+9+7+6+5+2+1、13+10+9+7+6+5+3+1、13+10+9+7+6+5+4+1、13+10+9+8+7+1、13+10+9+8+7+2+1、13+10+9+8+7+3+1、13+10+9+8+7+4+1、13+10+9+8+7+5+1、13+10+9+8+7+5+2+1、13+10+9+8+7+5+3+1、13+10+9+8+7+5+4+1、13+10+9+8+7+6+5+1、13+10+9+8+7+6+5+2+1、13+10+9+8+7+6+5+3+1、13+10+9+8+7+6+5+4+1、
13+11+1、13+11+2+1、13+11+3+1、13+11+4+1、13+11+5+1、13+11+5+2+1、13+11+5+3+1、13+11+5+4+1、13+11+6+5+1、13+11+6+5+2+1、13+11+6+5+3+1、13+11+6+5+4+1、13+11+7+1、13+11+7+2+1、13+11+7+3+1、13+11+7+4+1、13+11+7+5+1、13+11+7+5+2+1、13+11+7+5+3+1、13+11+7+5+4+1、13+11+7+6+5+1、13+11+7+6+5+2+1、13+11+7+6+5+3+1、13+11+7+6+5+4+1、13+11+8+7+1、13+11+8+7+2+1、13+11+8+7+3+1、13+11+8+7+4+1、13+11+8+7+5+1、13+11+8+7+5+2+1、13+11+8+7+5+3+1、13+11+8+7+5+4+1、13+11+8+7+6+5+1、13+11+8+7+6+5+2+1、13+11+8+7+6+5+3+1、13+11+8+7+6+5+4+1、13+11+9+1、13+11+9+2+1、13+11+9+3+1、13+11+9+4+1、13+11+9+5+1、13+11+9+5+2+1、13+11+9+5+3+1、13+11+9+5+4+1、13+11+9+6+5+1、13+11+9+6+5+2+1、13+11+9+6+5+3+1、13+11+9+6+5+4+1、13+11+9+7+1、13+11+9+7+2+1、13+11+9+7+3+1、13+11+9+7+4+1、13+11+9+7+5+1、13+11+9+7+5+2+1、13+11+9+7+5+3+1、13+11+9+7+5+4+1、13+11+9+7+6+5+1、13+11+9+7+6+5+2+1、13
+11+9+7+6+5+3+1、13+11+9+7+6+5+4+1、13+11+9+8+7+1、13+11+9+8+7+2+1、13+11+9+8+7+3+1、13+11+9+8+7+4+1、13+11+9+8+7+5+1、13+11+9+8+7+5+2+1、13+11+9+8+7+5+3+1、13+11+9+8+7+5+4+1、13+11+9+8+7+6+5+1、13+11+9+8+7+6+5+2+1、13+11+9+8+7+6+5+3+1、13+11+9+8+7+6+5+4+1、13+11+10+9+1、13+11+10+9+2+1、13+11+10+9+3+1、13+11+10+9+4+1、13+11+10+9+5+1、13+11+10+9+5+2+1、13+11+10+9+5+3+1、13+11+10+9+5+4+1、13+11+10+9+6+5+1、13+11+10+9+6+5+2+1、13+11+10+9+6+5+3+1、13+11+10+9+6+5+4+1、13+11+10+9+7+1、13+11+10+9+7+2+1、13+11+10+9+7+3+1、13+11+10+9+7+4+1、13+11+10+9+7+5+1、13+11+10+9+7+5+2+1、13+11+10+9+7+5+3+1、13+11+10+9+7+5+4+1、13+11+10+9+7+6+5+1、13+11+10+9+7+6+5+2+1、13+11+10+9+7+6+5+3+1、13+11+10+9+7+6+5+4+1、13+11+10+9+8+7+1、13+11+10+9+8+7+2+1、13+11+10+9+8+7+3+1、13+11+10+9+8+7+4+1、13+11+10+9+8+7+5+1、13+11+10+9+8+7+5+2+1、13+11+10+9+8+7+5+3+1、13+11+10+9+8+7+5+4+1、13+11+10+9+8+7+6+5+1、13+11+10+9+8+7+6+5+2+1、13+11+10+9+8+7+6+5+3+1、13+11+10+9+8+7+6+5+4+1又は13+12+1。
【0068】
上記のリスト中、数字は上記の番号に応じた態様を意味し、「+」は他の態様からの従属関係を表す。種々の態様は読点により個々に分けられている。換言すると、例えば「6+5+2+1」は、態様1)に従属する態様2)に従属する態様5)に従属する態様6)を意味し、すなわち、態様「6+5+2+1」は、態様2)、5)及び6)のすべての特徴によりさらに限定された態様1)に従う式(I)の化合物に相当する。
【0069】
本発明は、態様1)に定義する式(I)の化合物、又は、そのような化合物であって、それぞれの従属関係に従って態様2)~13)のいずれか1つの特徴によってさらに限定される化合物;その薬学的に許容される塩;及び、医薬としての、特に以下に記載されるCCR6受容体が関与する疾患又は障害の治療における医薬としての、そのような化合物の使用に関する。
【0070】
本発明はまた、同位体標識された、特にH(重水素)標識された式(I)の化合物をも包含し、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、式(I)の化合物と同一である。同位体標識された、特にH(重水素)標識された式(I)の化合物及びその塩は、本発明の範囲に包含される。水素をより重い同位体H(重水素)に置換することにより代謝安定性が増大するため、例えば、in-vivoでの半減期が長くなり、あるいは、必要用量を減らすことができ、又は、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の1つの態様においては、式(I)の化合物は同位体標識されていないか、又は、それらは1若しくは2以上の重水素原子によってのみ標識されている。副態様においては、式(I)の化合物は全く同位体標識されていない。同位体標識された式(I)の化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、後述の方法と同様に製造してよい。
【0071】
化合物、塩、医薬組成物、疾患等について複数形が使用される場合は、単数の化合物、塩、医薬組成物、疾患等をも意味することが意図されている。
【0072】
態様1)~15)に従う式(I)の化合物に対するいかなる言及も、状況に応じて、そのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)をも指すものと解される。
【0073】
「薬学的に許容される塩」という用語は、対象化合物の所望の生物活性を保持し、かつ最小の望ましくない毒性作用を示す塩を意味する。そのような塩としては、対象化合物中の塩基性基及び/又は酸性基の存在に応じた、無機又は有機の酸及び/又は塩基付加塩が挙げられる。参考としては、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties、Selection and Use.」、P.Heinrich Stahl、Camille G.Wermuth(Eds.)、Wiley-VCH、2008;及び「Pharmaceutical Salts and Co-crystals」、Johan Wouters and Luc
Quere(Eds.)、RSC Publishing、2012を参照されたい。
【0074】
ここに記載される定義は、態様1)~13)のいずれか1つに定義される式(I)の化合物に対して一律に適用されるものであり、特段の定義によってより広い又はより狭い定義が与えられない限り本明細書及び請求項を通じて必要な変更を加えて適用される。当然ながら、ある用語の定義又は好ましい定義が、ここに定義されるいずれか又は他のすべての用語のいずれか又は好ましい定義におけるそれぞれの用語を、独立して(及びそれらと共に)定義し置き換えるものであってよい。
【0075】
式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子等の、1又は2以上の不斉中心を有する化合物を包含してよく、それらは(R)-並びに(S)-配置で存在することができる。式(I)の化合物はさらに、1又は2以上の二重結合を有する化合物を包含してよく、それらはZ-並びにE-配置で存在することができ、及び/又は、環系に置換基を有する化合物を包含してよく、それらは互いに相対的にシス(cis)並びにトランス(trans)配置で存在することができる。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は、好ましくは立体異性体が富化された形態で、特に本質的に純粋な立体異性体として存在してよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してよい。
【0076】
特定の化合物(又は包括的構造)が(R)-又は(S)-エナンチオマーとして記載される場合、そのような記載は、富化された、特に本質的に純粋な、エナンチオマーの形態の各化合物(又は包括的構造)を意味するものと解される。同様に、ある化合物の特定の不斉中心が(R)-又は(S)-配置にある、又は、特定の相対配置にあると記載される場合、そのような記載は、上記不斉中心の各配置に関し、富化された、特に本質的に純粋な形態の上記化合物を意味するものと解される。同様に、シス又はトランスの記載は、富化された、特に本質的に純粋な形態の各立体異性体を意味するものと解される。同様に、特定の化合物(又は包括的構造)がZ又はE立体異性体として記載される場合(又は、ある化合物中の特定の二重結合がZ又はE配置にあると記載される場合)、そのような記載は、富化された、特に本質的に純粋な立体異性体形態の各化合物(又は包括的構造)(又は、二重結合の各配置に関して、富化された、特に本質的に純粋な形態の化合物)を意味するものと解される。
【0077】
「富化(enriched)」という用語は、立体異性体に関連して使用される場合、本発明に関しては、それぞれの立体異性体が、それぞれ他の立体異性体/それぞれ他の立体異性体の全体に対して、少なくとも70:30、特に少なくとも90:10の比率で(すなわち、少なくとも70重量%、特に少なくとも90重量%の純度で)存在することを意味するものと解される。
【0078】
「本質的に純粋な」という用語は、立体異性体に関連して使用される場合、本発明に関しては、それぞれの立体異性体が、それぞれ他の立体異性体/それぞれ他の立体異性体の全体に対して、少なくとも95重量パーセント、特に、少なくとも99重量パーセントの純度で存在することを意味するものと解される。
【0079】
態様1)~15)に従う式(I)の化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、(特に経口等の)経腸又は(局所的適用又は吸入を含む)非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0080】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた方法で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part5、「Pharmaceutical Manufacturing」[Lippincott Williams&Wilkinsにより出版]参照。)、既述の式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上適合性のある固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0081】
数値の範囲を記述するために「間」という語が使用される場合は常に、示された範囲の末端の点は明示的にその範囲に含まれるものとする。例えば:温度範囲が40℃から80℃の間であると記述される場合、末端の点である40℃と80℃はその範囲に含まれることを意味し;あるいは、可変数が1から4の間の整数であると定義される場合、可変数は整数の1、2、3又は4であることを意味する。
【0082】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に置かれる「約」(あるいは「付近」)という用語は、本出願において、X-Xの10%からX+Xの10%の間、好ましくはX-Xの5%からX+Xの5%の間を表す。温度の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」という用語は、この出願において、Y-10℃からY+10℃の間、好ましくはY-5℃からY+5℃の間を表す。
【0083】
先に定義した式(I)の化合物は、CCR6受容体の調節により改善される種々の疾患、病態又は障害の予防又は治療に有用である。CCR6受容体が関与する、かかる疾患、病態又は障害は、炎症性及び/又は自己免疫疾患、病態又は障害並びに癌と定義してよい。
【0084】
先に定義した式(I)の化合物は、CCR6受容体の調節により改善される種々の疾患、病態又は障害の予防又は治療に有用である。CCR6受容体が関与する、かかる疾患、病態又は障害は、関節リウマチ;強直性脊椎炎;脊椎関節炎;乾癬;乾癬性関節炎;酒さ等の炎症性皮膚障害;クローン病;潰瘍性大腸炎;炎症性腸疾患;過敏性腸症候群;ドライアイ疾患;多発性硬化症;全身性エリテマトーデス;シェーグレン症候群;自己免疫性肝炎;原発性硬化性胆管炎;後部ブドウ膜炎;アレルギー性結膜炎;消化管内のアレルギー性疾患;I型糖尿病及び子宮内膜症;マイボーム腺機能不全等のIL-17Aレベルの上昇が記録されている眼球表面の疾患;GVHD;移植片対宿主病;自己免疫性角膜炎;糸状角膜炎;関節リウマチを伴うドライアイ症候群;全身性疾患を伴わないドライアイ症候群;スティーブンス・ジョンソン症候群;尋常性乾癬、滴状乾癬、逆乾癬(inverse psoriasis)、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を包含する乾癬;自己免疫性角膜炎;糸状角膜炎;自己免疫性ブドウ膜炎;アレルギー性結膜炎;喘息;消化管のアレルギー性疾患;T1D;子宮内膜症;マイボーム腺機能不全;移植片対宿主病;若年性関節炎;若年性関節リウマチ;全身発症性関節リウマチ;少関節型関節リウマチ;少関節型若
年性関節リウマチ;多関節型関節リウマチ;腸炎性関節炎;若年性Reiter症候群;強直性脊椎炎;若年性強直性脊椎炎;SEA症候群;反応性関節炎(反応性関節症);乾癬性関節症;若年性腸炎性関節炎;リウマチ性多発筋痛症;腸炎性脊椎炎(enteropathic spondylitis);若年性特発性関節炎(JIA);若年性乾癬性関節炎;若年性関節リウマチ;全身発症性若年性関節リウマチ;急性膵炎;慢性膵炎;巨細胞性動脈炎;動脈硬化症;骨侵食(bone erosion);intraperotoneal abscesses;腹腔内膿瘍;及び/又は炎症性疾患からの二次骨関節炎を包含する炎症性/自己免疫疾患、病態又は障害と定義してよい。
【0085】
さらに、CCR6受容体の調節により改善されるかかる疾患、病態又は障害は、皮膚癌、例えば、黒色腫(表在拡大型、結節性、悪性黒子及び末端黒子型黒色腫);進行期黒色腫(advanced melanoma);転移性黒色腫;Merkel細胞癌;カポジ肉腫;基底細胞癌;扁平上皮癌;及び光線角化症等の前癌性皮膚病変;扁平上皮及び非扁平上皮NSCLC等の小細胞肺癌及び非小細胞肺癌(SCLC、NSCLC);胸膜肺芽腫並びに気管気管支腫瘍等を包含する肺癌;膀胱癌(urinary bladder
cancer)を包含する膀胱癌(bladder cancer);尿路上皮細胞癌;中皮腫;明細胞型RCC;乳頭状RCC;嫌色素性RCC;非明細胞型RCC;分類不能型RCC;転移性腎細胞癌;転移性腎明細胞癌;腎実質癌(renal parenchymal carcinoma)等の腎細胞癌(RCC)を包含する腎癌;結腸直腸癌;転移性結腸直腸癌;家族性大腸ポリポーシス(FAP);直腸癌;大腸癌(colon
carcinoma);結腸直腸腺腫;結腸直腸腺癌;結腸直腸癌肝転移;遺伝性非ポリープ性結腸直腸癌;食道癌(esophageal cancer);胃癌(gastric cancer);進行胃癌(gastric cancer);胆嚢癌;胆管癌;肝細胞癌(hepatocellular carcinoma);膵臓腺癌又は膵管腺癌等の膵臓癌;膵内分泌腫瘍;を包含する消化器癌;子宮内膜癌(endometrial cancer);卵巣癌;去勢抵抗性前立腺癌を包含する前立腺癌(prostate cancer);脳転移、悪性神経膠腫、多形神経膠芽腫(glioblastoma multiforme)、髄芽腫、髄膜腫、星状細胞腫を包含する脳腫瘍;末梢性神経外胚葉性腫瘍;乏突起星細胞腫瘍(oligoastrocytic tumors);乏突起神経膠腫;上衣腫瘍;退形成性星細胞膠腫(anaplastic astrocytoma);毛様細胞性星状細胞腫;頭蓋咽頭腫;脊髄腫瘍;脳幹神経膠腫;中枢神経系非定型奇形腫様/横紋筋肉腫様腫瘍;髄芽腫;中枢神経系胚細胞腫瘍;頭蓋咽頭腫;上衣腫;神経芽細胞腫;感覚神経芽腫等の頭頸部癌;子宮頸癌(cervical cancer);進行子宮頸癌(cervical cancer);normal-like型、basal-like型、claudin-low型、HER2陽性、ルミナル(luminal)-A、ルミナル-B及びトリプルネガティブ乳癌(breast carcinoma);妊娠期乳癌(pregnancy breast cancer)及び男性乳癌;を包含する乳癌(breast cancer);口腔腫瘍;上咽頭腫瘍;心臓腫瘍;胸部癌(thoracic cancer);ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫;原発性眼内B細胞リンパ腫;びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫;粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫;胃MALTリンパ腫;皮膚T細胞性リンパ腫;中枢神経系原発リンパ腫;セザリー症候群及びWaldenstroemマクログロブリン血症;等のリンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性白血病;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;有毛細胞白血病;慢性骨髄性白血病;成人T細胞白血病;等の白血病;癌腫;腺癌;甲状腺乳頭癌及び甲状腺髄様癌を包含する甲状腺癌;絨毛癌;ユーイング肉腫(Ewing’s sarcoma);骨肉腫等の骨癌;高悪性度骨肉腫;横紋筋肉腫;ユーイング肉腫(Ewing sarcoma);骨の悪性線維性組織球腫;脊索腫;軟部組織肉腫を包含する肉腫;骨髄腫;多発性骨髄腫;陰唇癌;喉頭癌(laryngeal cancer);下咽頭癌(hypopharynx carcinoma);舌癌;唾液腺癌(salivary g
land carcinoma);子宮頸癌(cervix carcinoma);子宮体癌;子宮内膜癌(endometrium carcinoma);絨毛癌(chorion carcinoma);精巣癌;膀胱癌(urinary carcinoma);気管支癌;基底細胞腫;奇形腫;網膜芽細胞腫;脈絡膜黒色腫;精上皮腫;軟骨肉腫;筋肉腫;脂肪肉腫;線維肉腫;形質細胞腫瘍;肝細胞癌;進行肝臓癌;消化管間質腫瘍;神経内分泌腫瘍;胆管癌;虫垂癌;消化管カルチノイド腫瘍;カルチノイド腫瘍;膵島腫瘍;小腸癌;胃癌(stomach cancer);副腎皮質癌;副甲状腺癌;傍神経節腫;褐色細胞腫(pheochromocytoma);下垂体腫瘍;陰茎癌;腎盂及び尿管癌;睾丸癌;尿道癌;Wilms腫瘍;頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;卵管癌;妊娠性絨毛腫瘍;原発性腹膜癌;腟癌;外陰部癌;下咽頭癌(hypopharyngeal cancer);喉頭癌(laryngeal cancer);乳頭腫癌(papillomatosis cancer);口唇及び口腔癌;転移性頸部扁平上皮癌;口腔癌(mouth cancer);鼻咽頭癌;中咽頭癌;副鼻腔及び鼻腔及び副鼻腔癌;副甲状腺癌;咽頭癌(pharyngeal cancer);喉の癌(throat cancer);慢性骨髄増殖性疾患;ランゲルハンス細胞組織球症;形質細胞腫瘍(plasma cell neoplasm);骨髄異形成症候群;骨髄増殖性疾患;正中線癌(midline tract carcinoma);ウイルス誘発腫瘍;等の癌;及び/又は;CCR6及び/又はCCL20介在転移、走化、細胞接着、経内皮遊走、細胞増殖及び/又は生存が関与する疾患を包含するものと定義してよい。
【0086】
特に、CCR6受容体の調節により改善されるかかる疾患、病態又は障害は下記から選択される;
- 炎症性/自己免疫疾患、病態又は障害(例えば、関節リウマチ;強直性脊椎炎;脊椎関節炎;乾癬;乾癬性関節炎;炎症性皮膚障害、例えば酒さ;クローン病;潰瘍性大腸炎;過敏性腸症候群;炎症性腸疾患;ドライアイ疾患;多発性硬化症;全身性エリテマトーデス;シェーグレン症候群;自己免疫性肝炎;原発性硬化性胆管炎;尋常性乾癬、滴状乾癬、逆乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を包含する乾癬;自己免疫性角膜炎;糸状角膜炎;自己免疫性ブドウ膜炎;アレルギー性結膜炎;喘息;消化管のアレルギー性疾患;1型糖尿病(T1D);子宮内膜症;マイボーム腺機能不全;及び/又は移植片対宿主病);及び/又は
- 癌(例えば、T細胞リンパ腫及び原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫を包含するリンパ腫;神経膠腫及び神経膠芽腫を包含する脳癌;トリプルネガティブ乳癌を包含する乳癌;結腸直腸癌;肝細胞癌;腎細胞癌;非小細胞肺癌及び小細胞肺癌を包含する肺癌;胃癌(gastric cancer);Merkel細胞癌、皮膚扁平上皮癌及び悪性黒色腫を包含する黒色腫;膀胱癌(bladder cancer);扁平上皮細胞頭頸部癌を包含する頭頸部癌;ホジキンリンパ腫;子宮頸癌(cervical cancer);子宮内膜癌(endometrial cancer);大腸がん(colon cancer);消化管間質腫瘍;膵臓癌;前立腺癌(prostatic cancer);急性骨髄性白血病を包含する白血病;卵巣癌;食道癌(oesophageal carcinomas);中皮腫;神経芽細胞腫;肉腫、例えば高悪性度骨肉腫;星状細胞腫;骨髄腫;局所進行性及び転移性尿路上皮癌を包含する尿路上皮癌;MSI-H又はdMMR癌;直腸癌;喉頭癌(laryngeal cancer);唾液腺癌;多発性骨髄腫;胆管癌;口腔扁平上皮癌;甲状腺癌;及び/又は食道胃接合部癌)。
【0087】
特に、CCR6受容体の調節により改善されるかかる疾患、病態又は障害は下記から選択される;
- 炎症性/自己免疫疾患、病態又は障害(例えば、乾癬;乾癬性関節炎;関節リウマチ;強直性脊椎炎;脊椎関節炎;炎症性皮膚障害、例えば酒さ;クローン病;潰瘍性大腸炎;過敏性腸症候群;炎症性腸疾患;ドライアイ疾患;多発性硬化症;全身性エリテマトーデス;シェーグレン症候群;自己免疫性肝炎;及び/又は原発性硬化性胆管炎)。特に、
かかる疾患、病態又は障害は、乾癬、乾癬性関節炎又は炎症性腸疾患であり;とりわけ、A1) 乾癬若しくは乾癬性関節炎;又はA2) 炎症性腸疾患から選択してよく;及び/又は、
- 癌(例えば、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫);脳癌(例えば、神経膠腫又は神経膠芽腫);乳癌;結腸直腸癌;肝細胞癌(hepatocarcinomas);腎細胞癌;肺癌;及び/又は胃癌(gastric cancer)。
【0088】
癌の予防又は治療に使用する場合、かかる使用は、式(I)の化合物の単剤治療剤としての使用並びに1又は2種以上の化学療法剤及び/又は放射線療法及び/又は標的療法と組み合わせた(特に、標的療法と組み合わせた)それらの使用を包含する。
【0089】
「放射線療法」(「radiotherapy」又は「radiation therapy」又は「radiation oncology」)という用語は、癌の予防(補助療法)及び/又は治療における電離放射線の医学的使用を意味し;外部及び内部放射線療法を包含する。
【0090】
「標的療法」という用語は、特定のタイプの癌細胞又は間質細胞に作用する低分子又は抗体等の1又は2種以上の抗新生物剤を用いた、癌の予防(補助療法)及び/又は治療を意味する。ある種の標的療法は、癌細胞の増殖や拡散に関わるある種の酵素、タンパク質又はその他の分子の作用をブロックする。他のタイプの標的療法は、免疫系が癌細胞を殺すのを助け(免疫療法);又は、血管新生、腫瘍内における新しい血管の成長及び形成を阻害し;又は癌細胞に毒性物質を直接送り込んで殺す。式(I)の化合物と組み合わせるのに特に適した標的療法の例は、免疫療法、特にプログラム細胞死受容体1(PD-1受容体)又はそのリガンドPD-L1を標的とする免疫療法である。
【0091】
免疫療法は、(i) (補助刺激を含む)刺激受容体のアゴニスト、又は、(ii) T細胞に対する(補助抑制を含む)抑制性シグナルのアンタゴニストをさらに意味し、両者とも抗原特異的T細胞応答の増幅を引き起こす(免疫チェックポイント制御剤(immune checkpoint regulators)と呼ばれることが多い。)。刺激性及び抑制性分子の幾つかは免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。補助刺激又は補助抑制受容体に結合する膜結合リガンドの重要なファミリーの1つはB7ファミリーであり、これは、B7-1、B7-2、B7-HI(PD-LI)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)及びB7-H6を含む。補助刺激又は補助抑制受容体に結合する膜結合リガンドの別のファミリーは、同系統のTNF受容体ファミリーメンバーに結合するTNFファミリーの分子群であり、CD40及びCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-IBBL、CD137(4-IBB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fnl4、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTpR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TLIA、TRAMP/DR3、EDAR、EDAI、XEDAR、EDA2、TNFRI、リンフォトキシン(Lymphotoxin) a/TNFp、TNFR2、TNFa、LTPR、リンフォトキシン a 1p2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRが含まれる。
【0092】
式(I)の化合物と組み合わせて使用する場合、「標的療法」という用語は特に以下のような薬剤を意味する:
a) 上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤又はブロッキング抗体(例えば、ゲフィチニブ(Gefitinib)、エルロチニブ(Erlotinib)、アファチニブ(
Afatinib)、イコチニブ(Icotinib)、ラパチニブ(Lapatinib)、パニツムマブ(Panitumumab)、ザルツムマブ(Zalutumumab)、ニモツズマブ(Nimotuzumab)、マツズマブ(Matuzumab)及びセツキシマブ(Cetuximab))並びにトラスツズマブ(trastuzumab)(HERCEPTIN);
b) RAS/RAF/MEK経路阻害剤(例えば、ベムラフェニブ(Vemurafenib)、ソラフェニブ(Sorafenib)、ダブラフェニブ(Dabrafenib)、GDC-0879、PLX-4720、LGX818、RG7304、トラメチニブ(Trametinib)(GSK1120212)、コビメチニブ(Cobimetinib)(GDC-0973/XL518)、ビニメチニブ(Binimetinib)(MEK162、ARRY-162)、セルメチニブ(Selumetinib)(AZD6244));
c) ヤヌスキナーゼ(Janus kinase)(JAK)阻害剤(例えば、ルキソリチニブ(Ruxolitinib)、イタシチニブ(Itacitinib)、モメロチニブ(Momelotinib));
d) アロマターゼ阻害剤(例えば、エキセメスタン(Exemestane)、レトロゾール(Letrozole)、アナストロゾール(Anastrozole)、ボロゾール(Vorozole)、フォルメスタン(Formestane)、ファドロゾール(Fadrozole));
e) シグナル伝達阻害剤(STI)。「シグナル伝達阻害剤」は、癌細胞の正常な機能におけるシグナル経路の重要なステップの1又は2種以上を選択的に阻害することにより、アポトーシスを引き起こす薬剤である。適切なSTiとしては:(i) bcr/ablキナーゼ阻害剤(例えば、STI 571(GLEEVEC(登録商標))、ダサチニブ(Dasatinib));(ii) 上皮成長因子(EGF)受容体阻害剤(例えば、キナーゼ阻害剤(IRESSA(登録商標)、SSI-774)及び抗体(Imclone:C225[Goldsteinら、Clin.Cancer Res.、1:1311-1318(1995)]及びAbgenix:ABX-EGF));(iii)
her-2/neu受容体阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)(例えば、L-744,832(Kohlら、Nat.Med.、1(8):792-797(1995)));(iv) Aktファミリーキナーゼ又はAkt経路の阻害剤(例えば、ラパマイシン(rapamycin)(例えば、Sekulicら、Cancer Res.、60:3504-3513(2000)を参照。));(v) 細胞周期キナーゼ阻害剤(例えば、フラボピリドール(flavopiridol)及びUCN-01(例えば、Sausville、Curr.Med.Chem.Anti-Cane.Agents、3:47-56(2003)を参照。));及び(vi) ホスファチジルイノシトールキナーゼ阻害剤(例えば、LY294002(例えば、Vlahosら、J Biol.Chem.、269:5241-5248(1994)参照。))が挙げられるが、これらに限定されるものではない;
f) 血管新生阻害剤、特にVEGFシグナル伝達阻害剤(例えば、ベバシズマブ(Bevacuzimab)(アバスチン(Avastin))、ラムシルマブ(Ramucirumab)、ソラフェニブ又はアキシチニブ(Axitinib));
g) 免疫チェックポイント阻害剤(例えば、ペムブロリズマブ(Pembrolizumab)(ランブロリズマブ(Lambrolizumab)、MK-3475)、ニボルマブ(Nivolumab)、ピディリズマブ(Pidilizumab)(CT-011)、AMP-514/MEDI0680、PDR001、SHR-1210;REGN2810、BGBA317、PF-06801591、MGA-012、TSR042、JS-001、BCD100、IBI-308、BI-754091等の抗PD1抗体;PD-1を標的とする融合タンパク質(例えばAMP-224);低分子抗PD1剤(例えば、WO2015/033299、WO2015/044900及びWO2015/034820に開示される化合物);抗PD1L抗体(例えば、BMS-936559
、アテゾリズマブ(atezolizumab)(MPDL3280A、RG7446)、アベルマブ(avelumab)(MSB0010718C)、デュルバルマブ(durvalumab)(MEDI4736));抗PDL2抗体(例えばAMP224);抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ(ipilimumab)、tremilmumab);抗リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)抗体(例えば、Relatlimab(BMS-986016)、IMP701、IMP731、MK-4280、ImmuFact IMP321);抗T細胞免疫グロブリン ムチン-3(TIM-3)抗体(例えば、MBG453、TSR-022);抗Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)抗体(例えば、RG6058(抗TIGIT、MTIG7192A));抗キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)(例えばリリルマブ(Lirilumab)(IPH2102/BMS-986015))、ガレクチンのアンタゴニスト(例えば、ガレクチン-1、ガレクチン-9)、BTLA;
h) ワクチン療法的アプローチ(例えば、樹状細胞ワクチン療法、DNA、(例えば、gp100ペプチド又はMAGE-A3ペプチドを用いた)ペプチド又はタンパク質ワクチン療法並びに組換えウイルス;
i) 顆粒球単球コロニー刺激因子(GMCSF)遺伝子トランスフェクト腫瘍細胞ワクチン(GVAX)又はFms-関連チロシンキナーゼ3(Flt-3)リガンド遺伝子トランスフェクト腫瘍細胞ワクチン(FVAX)又はToll様受容体増強GM-CSF腫瘍ベースワクチン(TEGVAX)等の免疫調節因子を分泌するように遺伝子的に修飾された患者由来又は同種(allogenic)(非自己)癌細胞の再導入;
j) キメラ抗原受容体(CAR)改変T-細胞(例えばCTL019)等のT細胞ベース養子免疫療法;
k) サイトカイン又は免疫サイトカインベース治療(例えば、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン10、インターロイキン15、TGF-β);
l) Toll-様レセプター(TLR)アゴニスト(例えば、レシキモド(resiquimod)、イミクイムド(imiquimod)、motolimod、グルコピラノシル脂質A、CpGオリゴデオキシヌクレオチド);
m) サリドマイドアナログ(例えば、レナリドマイド(Lenalidomide)、ポマリドミド(Pomalidomide));
n) T細胞共刺激受容体の活性化剤(例えば、抗CD137/4-1BB抗体(例えば、BMS-663513/ウレルマブ(urelumab)、Utomilumab(PF-05082566);抗OX40/CD134(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー4)(例えば、RG7888(MOXR0916)、9B12;MEDI6469、GSK3174998、MEDI6383、MEDI0562)、抗OX40-リガンド/CD252;抗グルココルチコイド誘発TNFRファミリー関連遺伝子(GITR)(例えば、TRX518、MEDI1873、MK-4166、BMS-986156、BMS-986153)、抗CD40(TNF受容体スーパーファミリーメンバー5)抗体(例えば、Dacetuzumab(SGN-40)、HCD122、CP-870,893、RG7876、ADC-1013、APX005M、SEA-CD40);抗CD40-リガンド抗体(例えばBG9588);抗CD27抗体(例えばVarlilumab);抗CD28抗体;抗ICOS抗体);
o) 二重特異性抗体又は抗体フラグメント、抗体模倣タンパク質(antibody
mimetic proteins)等の腫瘍特異性抗原並びにT-細胞表面マーカーに結合する分子(例えば、設計アンキリン反復配列タンパク質(designed ankyrin repeat proteins)(DARPINS)、二重特異性T細胞engager(BITE、例えばAMG103、AMG330));
p) コロニー刺激因子-1受容体(CSF-1R)を標的とする抗体又は低分子量阻害剤(例えば、Emactuzumab(RG7155)、Cabiralizumab(FPA-008)、PLX3397);
q) ナチュラルキラー細胞上の免疫細胞チェックポイントを標的とする薬剤(例えば、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)に対する抗体(例えばLirilumab(IPH2102/BMS-986015));
r) アデノシン受容体又はアデノシン三リン酸(ATP)をアデノシンに変換するエクトヌクレオチダーゼCD39及びCD73を標的とする薬剤(例えば、MEDI9447(抗CD73抗体)、PBF-509;CPI-444(アデノシンA2a受容体アンタゴニスト);
s) CCR2又はCCR4等のケモカイン受容体に対するアンタゴニスト;
t) (例えば、抗CD25モノクローナル抗体(例えばダクリズマブ(daclizumab))を用いて、又は、ex vivo 抗CD25ビーズ枯渇(ex vivo
anti-CD25 bead depletion)により)T調節性細胞を枯渇させ又は阻害する、又は、T細胞のアネルギー(anergy)若しくは疲弊(exhaustion)を元に戻す又は防止する、補体系v)因子(the complement
system v) agents)の調節剤。
【0093】
式(I)の化合物と組み合わせて使用する場合、免疫チェックポイント阻害剤及び、特に、PD-1受容体又はそのリガンドPD-L1を標的とするものが好ましい。
【0094】
「化学療法」という用語は、1又は2種以上の細胞毒性抗新生物剤(「細胞毒性化学療法剤」)による癌の治療を意味する。化学療法は、放射線療法又は外科手術等の他の癌治療と併用されることが多い。この用語は特に、分裂の早い(これは大抵の癌細胞の主な特性の1つである。)細胞を殺すことで作用する従来の化学療法剤を意味する。化学療法では、一度に1種の薬物(単剤化学療法)又は一度に数種の薬物(併用化学療法又は多剤化学療法)を用いうる。光への暴露によってのみ細胞毒性活性へと変化する薬物を用いる化学療法は、光化学療法又は光力学療法と呼ばれる。
【0095】
本明細書で使用する「細胞毒性化学療法剤」又は「化学療法剤」という用語は、アポトーシス又は細胞壊死を引き起こす活性な抗新生物剤を意味する。
【0096】
式(I)の化合物と組み合わせて使用する場合、この用語は特に、下記のような従来の細胞毒性化学療法剤を意味する:
1) アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキル、ニトロソウレア及びトリアゼンを包含するが、これらに限定されない。)(例えば、ウラシルマスタード、メクロレタミン(mechlorethamine)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、イホスファミド(ifosfamido)、ストレプトゾシン(streptozocin)、カルムスチン(carmustine)、ロムスチン(lomustine)、メルファラン(melphalan)、ブスルファン(busulfan)、プロカルバジン(procarbazine)、ダカルバジン(dacarbazine)、テモゾロミド、ピポブロマン(pipobroman)、トリエチレンメラミン(triethylene-melamine)、トリエチレンチオホスホラミン(triethylenethiophosphoramine)、チオテパ(thiotepa)又はアルトレタミン(altretamine);特にテモゾロミド;2) プラチナ製剤(例えば、シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)又はオキサリプラチン(oxaliplatin));3) 代謝拮抗薬(例えば、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil)、フロクスウリジン(floxuridine)、ペントスタチン(pentostatine)、カペシタビン(capecitabine)、6-メルカプトプリン(6-mercaptopurine)、メトトレキセート(methotrexate)、ゲムシタビン(gemcitabine)、シタラビン(cytarabine)、フルダラビン(fludara
bine)又はペメトレキセド(pemetrexed));4) 抗腫瘍抗生物質(例えば、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、エピルビシン(epirubicin)、イダルビシン(idarubicin)、アクチノマイシン-D(actinomycin-D)、ブレオマイシン(bleomycin)、マイトマイシン-C(mitomycin-C)又はミトキサントロン(mitoxantrone));5) 有糸分裂阻害物質(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル(docetaxel)、イキサベピロン(ixabepilone)、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)、ビノレルビン(vinorelbine)、ビンデシン(vindesine)又はエストラムスチン(estramustine));又は6) トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド(etoposide)、テニポシド(teniposide)、トポテカン(topotecan)、イリノテカン(irinotecan)、ジフロモテカン(diflomotecan)又はエロモテカン(elomotecan))。また、適切なのは、細胞毒性薬(cytotoxic agents)、例えば、生物学的応答調節物質(biological response modifiers);増殖抑制物質(growth inhibitors);抗ホルモン療法剤(antihormonal therapeutic agents);ロイコボリン(leucovorin);テガフール(tegafur);及び造血成長因子(haematopoietic growth factors)である。
【0097】
式(I)の化合物と組み合わせて使用する場合、好ましい細胞毒性化学療法剤は、上記のアルキル化剤(特に、フォテムスチン(fotemustine)、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、ダカルバジン、及び、特にテモゾロミド等のそのプロドラッグ;又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩;とりわけテモゾロミド);有糸分裂阻害物質(特に、パクリタキセル、ドセタキセル、イキサベピロン;又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩;とりわけパクリタキセル);プラチナ製剤(特に、シスプラチン、オキサリプラチン及びカルボプラチン);並びにエトポシド(etoposide)及びゲムシタビン(gemcitabine)である。
【0098】
いかなる疑義をも避けるために、化合物がある疾患、病態又は障害の予防又は治療に有用であると記載されている場合には、そのような化合物は、同様に当該疾患の予防又は治療のための医薬の製造における使用に適している。
【0099】
本発明はまた、先に及び/又は以下に記載する化合物の薬学的に有効な量を、単独で又は他の薬理学的に有効な化合物及び/又は治療と組み合わせて、対象に投与することを有する、先に及び/又は以下に言及する疾患、病態又は障害の予防又は治療方法に関する。
【0100】
本発明の好ましい態様において、式(I)の化合物の投与量は、1mgから1000mg/日の間、特に5mgから500mg/日の間、さらに25mgから400mg/日の間、とりわけ50mgから200mg/日の間に含まれる。
【0101】
「予防(prevention)」という用語の意味は、「予防(prophylaxis)」と理解してもよいものとする。
【0102】
式(I)の化合物の製造
本発明のさらなる側面は式(I)の化合物の製造方法である。本発明の式(I)に従う化合物は、市販の又は周知の出発物質から、実験の項に記載された方法に従って;類似の方法により;又は、以下に概説する一般的反応シークエンスに従って製造することができる。以下で使用する「R」、「R」、「R3a」、「R3b」、「R」、「R」及び「Q」という用語は、式(I)中の対応する定義から導き出すことができ、又は、本明
細書中に明示的/黙視的に定義されている。「R」という用語は以下のスキーム中に定義されている。疑義を避けるために、当該用語の意味は、式(I)中のQの置換基を示すために使用される用語「R」の意味とは異なってよい。本明細書で使用する他の略語は実験の項で明示的に定義されており、又は、定義される通りである。保護基の使用は、当技術分野において周知である(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Wiley-Interscience、1999参照)。この目的のために、そのような保護基が必要に応じて導入されているものと仮定する。得られた化合物は、それ自体知られた方法により、塩、特にその薬学的に許容される塩に変換してもよい。
【0103】
一般的製造経路:
式(I)の化合物は、式(A1)の中間体(PGは、Boc等のアミン保護基を表す。)を出発物質として製造することができ、それをN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩と標準的な条件下(例えば、T3P(登録商標)、DIPEA、DCM、RT)で反応させて、式(A2)のワインレブアミド(Weinreb amide)誘導体を得る(スキームA)。n-ブチルリチウムの存在下、THF中、-78℃付近の温度にて、Xが臭素等のハライドである式(A3)の化合物と反応させることにより、式(A4)のケトン誘導体が製造され、これは、同様に、n-ヘキシルリチウムを用いて、THF中、-78℃付近の温度にて、式(A5)のブロモ誘導体とさらに反応させることができ、式(A6)の3級アルコール中間体を与える。この段階で、キラル固定相におけるHPLC又はSFCによるキラル分離を行うことができ、エナンチオマーとして純粋な式(A6)の中間体が得られる。Boc保護基の場合には、RT付近の温度にて、ジオキサン中、HClで処理する等の標準的な条件下における保護基の開裂により、遊離の式(A7)のNH誘導体を得ることができ、置換基R及びRによっては、これは式(I)の最終的な実施例となることができる。DIPEA若しくはTEA等の塩基の存在下又は酢酸等の酸の存在下、DCM、MeOH、THF若しくはジオキサン又はその混合物等の溶媒中、RT付近の温度にて、還元剤としてNaBH(OAc)又はNaBHCNを用いる等の標準的な条件下で、式(A7)のアミン及び式(A8)のアルデヒド又は式(A9)のケトンを用いて還元的アミノ化工程を行うことができ、式(I)の化合物が得られる。あるいは、TEA、DIPEA又はCsCO等の塩基の存在下、MeOH、THF又はDMF等の溶媒中、0℃~70℃の温度にて撹拌することにより、式(A7)の中間体は、Xがヨウ素又は臭素である式(A10)の反応物によりアルキル化することができ、式(I)の化合物を与える。さらに、Rがシクロプロピルである式(I)の化合物は、AcOHの存在下、MeOH中、RT付近の温度にて、NaBHCNを用いて、(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシランとのカップリングにより製造することができる。
【0104】
【化7】
あるいは、式(I)の化合物は、スキームBに記載の手順に従って製造することができ、式(A4)のケトン及びQがCH、CMe、CF又はCClである式(B6)のブロモシアノピリジンの、THF等の溶媒中の溶液は、-78℃付近の温度にて、n-ヘキシルリチウムで処理することができる。得られた式(B1)の中間体は、DIPEA又はKCO等の塩基の存在下、DMSO又はEtOH等の溶媒中、RT付近の温度にて、ヒドロキシルアミンで処理することにより、式(B2)のアミドキシムに変換してよい。式(B2)のアミドキシムは2種の互変異性型で存在してよく、6員のヘテロアリールの置換基は、-C(NH)=N-OH又は-C(=NH)-NH-OHを表す。式(B2)のアミドキシムは、酢酸中無水酢酸を用いたアセチル化、次いで水素化(Pd/Cの存在下)が関与する段階的手順において、式(B3)のアミジンに変換することができる。式(A6)又は(I)の化合物中のトリアゾール環の形成は、2工程のワンポット手順により行ってよく、式(B3)のアミジンは、標準的なアミドカップリング条件下(HATU、DIPEA、DMF)で、式(B4)のカルボン酸にカップリングすることができ、次いで、80℃付近の高温にて、式(B5)のヒドラジンを用いて環形成が行われる。スキームAに記載の手順に従うアゼチジン環の脱保護及びN-アルキル化は、この段階又はこれよりも早い段階で行うことができる。
【0105】
【化8】
3aが、C1-5アルキル、C1-3フルオロアルキル又はC3-5シクロアルキルを表す式(I)の化合物又は式(A6)の中間体を得る別の方法は、R3aが臭素を表し、R3bが水素を表す式(I)のブロモフェニル化合物又は式(A6)の中間体が関与する(スキームC)。これは、Suzuki条件下(Pd触媒及びトルエン/水中の塩基)で、BXが、BFK、Bpin又はB(OH)を表し、R3aが、C1-5アルキル、C1-3フルオロアルキル又はC3-5シクロアルキルを表す式(C1)のボロン種とカップリングすることができ、両者においてR3aが、C1-5アルキル、C1-3フルオロアルキル又はC3-5シクロアルキルを表し、R3bが水素を表す式(I)の化合物又は式(A6)の中間体を生成させる。
【0106】
【化9】
式(A5)のブロモピリジン構成要素(building blocks)は、スキーム
Dに示す手順に従って合成することができる。これらの製造は、式(D1)のアミジンを出発物質とし、スキームBに関して既に既述したトリアゾール環形成を必要とする。
【0107】
【化10】
式(A1)、(A3)、(A8)、(A9)、(A10)、(B4)、(B5)、(B6)、(C1)、(D1)の反応物は、市販されているか、又は、公表されたプロトコルに従って合成することができる。
【0108】
式(I)の化合物がエナンチオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、エナンチオマーは、当業者に知られた方法:例えばジアステレオマー塩の形成及び分離、又は、キラル固定相上のHPLCを用いて分離することができる。エナンチオマーの分離は、式(I)の化合物について、又は、それより前の段階で行ってよい。
【0109】
精製条件によって、中間体及び式(I)の化合物は、遊離塩基として又はギ酸塩若しくは塩酸塩等の塩として単離してよい。状況に応じて、当業者に既知の方法を適用して遊離形態を単離してよい。
【0110】
実験の項
(本項及び明細書の前記部分で使用する)略語:
Ac アセチル
anal 分析用
anh 無水
aq 水性
Boc tert.-ブチルオキシカルボニル
Bu n-ブチル
BSA ウシ血清アルブミン
cataCXium(登録商標)A Pd G3 メシレート[(ジ(1-アダマンチル)-n-ブチルホスフィン)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)
CC カラムクロマトグラフィー
CV カラム体積
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EA 酢酸エチル
Et エチル
FLIPR 蛍光イメージングプレートリーダー(fluorescent imaging plate reader)
Fluo-8-AM アセチルオキシメチル 2-[N-[2-(アセチルオキシメトキシ)-2-オキソエチル]-4-[3-(アセチルオキシメトキシ)-6-オキソキサンテン-9-イル]-2-[2-[2-[ビス[2-(アセチルオキシメトキシ)-2-オキソエチル]アミノ]フェノキシ]エトキシ]アニリノ]アセテート
eq 当量
g グラム
HATU (1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシド ヘキサフルオロホスフェート
HEK ヒト胎児腎
Hex n-ヘキシル
h 時間
Hep ヘプタン
iPr イソプロピル
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC-MS 液体クロマトグラフィー 質量分析
[M] 分子量
M モル濃度[mol/L-1
Me メチル
mg ミリグラム
min 分
mL ミリリットル
org 有機
Pd/C パラジウム炭素
PG 保護基
pin ピナコール
prep 分取用
RT 室温
rxn 反応
sat 飽和
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
soln 溶液
t 時間
T3P(登録商標) プロパンホスホン酸無水物
TEA トリエチルアミン
保持時間
THF テトラヒドロフラン
【0111】
I. 化学
下記の実施例は本発明の生物活性を有する化合物の製造を説明するが、その範囲を限定
するものではまったくない。
【0112】
全般: すべての温度は摂氏温度(℃)で示す。別段の記載が無い限り、反応は、アルゴン雰囲気下、RTで起こり、磁気撹拌棒を備えた、火炎乾燥した(水分感受性の反応について)丸底スラスコ又は封止可能なチューブ中にて行われる。
【0113】
使用した定性分析法:
LC-MSの保持時間は、下記の溶出条件を用いて得た:
I) LC-MS(A):
40℃に温度制御されたZorbax RRHD SB-Aq、1.8μm、2.1x50mmカラム。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.04%TFA;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は0.8mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0114】
【表1】
キラルHPLC/SFCの保持時間は、下記の溶出条件を用いて得た:
I) キラルSFC(A):
40℃に温度制御されたCHIRALCEL OD-H、5μm、4.6x250mmカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=CO;溶媒B=MeOH。溶出液の流速は4mL/minであり、無勾配(isocratic)溶媒の割合は90%(A)/10%(B)であった。
【0115】
II) キラルSFC(B):
40℃に温度制御されたCHIRALPAK ID、5μm、4.6x250mmカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=CO;溶媒B=MeCN/EtOH/DEA 50/50/0.1。溶出液の流速は4mL/minであり、無勾配溶媒の割合は65%(A)/35%(B)であった。
【0116】
III) キラルSFC(C):
40℃に温度制御されたChiralcel OD-D、5μm、4.6x250mmカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=CO;溶媒B=MeCN/EtOH/ 1/1。溶出液の流速は4mL/minであり、無勾配溶媒の割合は70%(A)/30%(B)であった。
【0117】
IV) キラルSFC(D):
40℃に温度制御されたChiralCel OD-H、5μm、4.6x250mmカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=CO;溶媒B=MeCN/EtOH/DEA 50/50/0.1。溶出液の流速は4mL/minであり、無勾配溶媒の割合は65%(A)/35%(B)であった。
【0118】
V) キラルSFC(E):
40℃に温度制御されたChiralCel OD-H、5μm、4.6x250mmカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=CO;溶媒B=MeCN/EtOH/DEA 50/50/0.1。溶出液の流速は4mL/minであり
、無勾配溶媒の割合は75%(A)/25%(B)であった。
【0119】
VI) キラルSFC(F):
40℃に温度制御されたChiralPak ID、5μm、4.6x250mmカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=CO;溶媒B=MeCN/EtOH/DEA 50/50/0.1。溶出液の流速は4mL/minであり、無勾配溶媒の割合は65%(A)/35%(B)であった。
【0120】
VII) キラルSFC(G):
40℃に温度制御されたCHIRALCEL OJ-H、5μm、4.6x250mmカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=CO;溶媒B=MeOH。溶出液の流速は4mL/minであり、無勾配溶媒の割合は95%(A)/5%(B)であった。
【0121】
VIII) キラルSFC(H):
40℃に温度制御されたCHIRALPAK IH、5μm、4.6x250mmカラムを使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=CO;溶媒B=MeCN+EtOH 1/1。溶出液の流速は4mL/minであり、溶出(run)の時間は5minであり、無勾配溶媒の割合は85%(A)/15%(B)であった。
【0122】
使用した精製方法:
使用した分取用LC-MS法:
分取用LC-MSによる精製は以下に記載の条件を用いて行った。
【0123】
I) Prep LC-MS(I):
Zorbaxカラム(SB-AQ、7μmOBD、50x150mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=MeCN;溶媒B=水+0.5%ギ酸(25%)。溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0124】
【表2】
II) Prep LC-MS(II):
X-Bridgeカラム(Waters C18、10μmOBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%NHOH(25%);溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0125】
【表3】
III) Prep LC-MS(III)
X-Bridgeカラム(Waters C18、10μmOBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%NHOH(25%);溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0126】
【表4】
IV) Prep LC-MS(IV)
X-Bridgeカラム(Waters C18、10μmOBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%NHOH(25%);溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0127】
【表5】
V) Prep LC-MS(V):
Agilentカラム(Zorbax SB-Aq、5μmOBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%ギ酸;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0128】
【表6】
VI) Prep LC-MS(VI):
Agilentカラム(Zorbax SB-Aq、5μmOBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%ギ酸;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0129】
【表7】
VII) Prep LC-MS(VII):
Agilentカラム(Zorbax SB-Aq、5μmOBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%ギ酸;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0130】
【表8】
VIII) Prep LC-MS(VIII):
Agilentカラム(Zorbax SB-Aq、5μmOBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%ギ酸;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0131】
【表9】
IX) Prep LC-MS(IX):
X-Bridgeカラム(Waters C18、10μmOBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%ギ酸;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線勾配を使用する):
【0132】
【表10】
X) Prep LC-MS(X):
X-Bridgeカラム(Waters C18、10μmOBD、30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は下記の通りであった:溶媒A=水+0.5%ギ酸;溶媒B=MeCN。溶出液の流速は75mL/minであり、溶出混合液の混合割合の特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間で
は直線勾配を使用する):
【0133】
【表11】
使用した分取用キラルSFC及びHPLC法:
分取用キラルSFC及びHPLCによる精製は以下に記載の条件を用いて行った。
【0134】
I) PrepキラルSFC(I):
40℃に温度制御されたChiralCel OD-H(5μm、30x250mm)カラムを使用した。溶出溶媒はCO/MeOH 90/10であり、160mL/minの流速で流した。
【0135】
II) PrepキラルSFC(II):
40℃に温度制御されたChiralPak ID(5μm、30x250mm)カラムを使用した。溶出溶媒はCO/MeCN:EtOH:DEA 80:80:0.1 80/20であり、160mL/minの流速で流した。
【0136】
III) PrepキラルSFC(III):
40℃に温度制御されたChiralCel OD-H(5μm、30x250mm)カラムを使用した。溶出溶媒はCO/MeCN:EtOH 1:1 70/30であり、160mL/minの流速で流した。
【0137】
IV) PrepキラルSFC(IV):
40℃に温度制御されたChiralCel OD-H(5μm、30x250mm)カラムを使用した。溶出溶媒はCO/(MeCN:EtOH:DEA 50:50:0.1) 65/35であり、160mL/minの流速で流した。
【0138】
V) PrepキラルSFC(V):
40℃に温度制御されたChiralCel OD-H(5μm、30x250mm)カラムを使用した。溶出溶媒はCO/(MeCN:EtOH:DEA 50:50:0.1) 75/25であり、160mL/minの流速で流した。
【0139】
VI) PrepキラルSFC(VI):
40℃に温度制御されたChiralPak ID(5μm、30x250mm)カラムを使用した。溶出溶媒はCO/(MeCN:EtOH:DEA 50:50:0.1)
65/35であり、160mL/minの流速で流した。
【0140】
VII) PrepキラルSFC(VII):
40℃に温度制御されたChiralCel OJ-H(5μm、30x250mm)カラムを使用した。溶出溶媒はCO/MeOH 95/5であり、160mL/minの流速で流した。
【0141】
VIII) PrepキラルSFC(VIII):
40℃に温度制御された(R,R)Whelk-O1(5μm、30x250mm)カラムを使用した。溶出溶媒はCO/(MeCN:EtOH:DEA 50:50:0.1) 60/40であり、160mL/minの流速で流した。
【0142】
IX) PrepキラルSFC(IX):
40℃に温度制御されたChiralPak IH(5μm、30x250mm)カラムを使用した。溶出溶媒はCO/50%MeCN-50%EtOH 85/15であり、160mL/minの流速で6min流した。
【0143】
式A2の中間体の製造
A2.1 3-(メトキシ-メチル-カルバモイル)-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
1-Boc-3-メチルアゼチジンカルボン酸(20g)のDCM(500mL)中の溶液に、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(8.97g)、DIPEA(54mL)及びDCM中T3P(登録商標) 1.72M(68mL)を、水浴でRTに冷却しながら加えた。得られた溶液をRTにて2h30撹拌した後、aq.sat.NaHCOでクエンチした。相を分離し、有機層をクエン酸(10%)及び水で洗浄した。その後、水層を1xDCMで再抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮し、HV下で乾燥して、24.9gの表題化合物を茶色のオイルとして得た。LC-MS(A):t=0.78min;[M+H]:259.29。
【0144】
式A4の中間体の製造
ブロミドA3(1.3eq)のanhTHF(1.6~2.6mL/mmol)中の-78℃に冷却した溶液に、アルゴン下、内部温度を-70℃未満に維持しながら、BuLi(ヘキサン中2.5M、1.2eq)を滴下により加えた(BuLiをHexLiで置き換えた中間体A4.6の製造を除く。)。得られた混合物を-78℃にて30min撹拌した。ワインレブアミドA2(1eq)のanhTHF(0.9~1.1mL/mmol)中の溶液を、内部温度を-70℃未満に維持しながら、滴下により加えた。得られた溶液をRTに温まるようにし、反応が完了するまで撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、DCMで抽出した。有機相を合わせて、塩水(brine)で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発乾固した。得られた粗製物質を、Biotage(登録商標)の充填済みカートリッジSfaer Silica D又はSnap KP-SILを用い、Hep/EAで溶出して、CCにより精製した。
【0145】
【表12】
式A5の中間体の製造
A5.1 3-ブロモ-5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン
DMF(40.2mL)及びDIPEA(4.61mL)を、5-ブロモピリジン-3-カルボキシイミドアミド(carboximidamide)塩酸塩(2g)、テトラヒドロピラン-4-カルボン酸(1387mg)及びHATU(3.36g)に加えた。この溶液をRTにて一晩撹拌した。次いでシクロプロピルヒドラジン塩酸塩(1.38g)、次にAcOH(4.61mL)を加え、混合物を80℃にて撹拌した。次いで、混合物をEAで希釈し、aq.sat.NaHCO、次いで水及び塩水で洗浄した。有機相を合わせて、MgSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮し、CC(Biotage(登録商標)、110g sphere amino、A:Hep、B:EA;勾配(%Bで);4.3CVにわたって12~50)により精製して、1.88gの表題化合物を白色の固体として得た。LC-MS(A):t=0.89min;[M+H]:350.94。
【0146】
式A6の中間体の製造
ケトンA4(1eq)及びブロミドA5.1(1.0~1.1eq)のanhTHF(3.4~9mL/mmol)中の-78℃に冷却した溶液に、アルゴン下、内部温度を-70℃未満に維持しながら、HexLi(ヘキサン中2.3M、1.05~1.3eq)を滴下により加えた。得られた溶液を、反応が完了するまで-70℃未満で撹拌し、水でクエンチし、EAで抽出した。有機相を合わせて、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。得られた粗製物を、Biotage(登録商標)の充填済みカートリッジSfaer KP-Amino又はSnap KP-SILを用いて、Hep/EA(
A6.1~A6.3)又はDCM/MeOH(A6.15)で溶出することにより精製した。必要に応じて、prep.LC-MSによるさらなる精製を方法IIIを用いて行った。A6.16をprep.キラルSFC(III)によりさらに精製した(キラルSFC(C):t=2.43min、2番目に溶出する異性体)。A6.25をprep.LC-MS法Xにより精製した。
【0147】
【表13】
中間体B3.1(1eq.)、カルボン酸(1.2eq.)、モレキュラーシーヴ(3A、450mg/mmol B3.1)及びHATU(1.2eq.)のDMF(4mL/mmol B3.1)中の混合物に、DIPEA(4eq.)を加えた。RTにて2.5h撹拌した後、カルボン酸(1.2eq.)及びHATU(1.2eq.)をDMF(2mL/mmol B3.1)中に予め混合した溶液を加え、混合物を中間体の形成が完了するまで、さらに1時間撹拌した。次いで、混合物に、置換ヒドラジン(1.5eq.)及びAcOH(10eq.)を加えた。反応液を、85℃にて1h又は中間体の変換が完了するまで撹拌した。RTに冷却した後、混合物をEAで希釈し、sat.aq.NaHCO及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残渣を、下記の表に記載の条件を用いて、prep.LC-MSにより精製した。
【0148】
【表14】
【0149】
【表15】
【0150】
【表16】
対応する中間体B3(1eq.)、カルボン酸(1.2eq.)、モレキュラーシーヴ(3A、450mg/mmol B3.1)及びHATU(1.2eq.)のDMF(4mL/mmol B3)中の混合物に、DIPEA(4eq.)を加えた。RTにて1h撹拌した後、出発物質の変換が不完全な場合には、カルボン酸(1.2eq.)及びHATU(1.2eq.)をDMF(2mL/mmol B3)中に予め混合した溶液を加え、中間体の形成が完了するまで混合物をさらに1時間撹拌した。次いで、混合物に、置換ヒドラジン(1.5eq.)及びAcOH(10eq.)を加えた。反応液を、85℃にて1h又は中間体の変換が完了するまで撹拌した。RTに冷却した後、混合物をEAで希釈し、sat.aq.NaHCO及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残渣を、下記の表に記載の条件を用いて、prep.LC-MSにより精製した。
【0151】
【表17】
式A7の中間体の製造
中間体A6(1eq)のジオキサン(4~5mL/mmol)中の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、8eq)を加えた。反応混合物をRTにて1~2h撹拌し、蒸発乾固して、粗製の塩酸塩を得た。A7.28及びA7.29の反応混合物は、蒸発乾固せずに、それぞれaq.sat.NaHCO及び1N NaOHの添加によりpH8~10に中和し、次いでDCMで抽出した。合わせた有機層を蒸発させ、HVで乾燥した。
【0152】
【表18】
【0153】
【表19】
【0154】
【表20】
式B1の中間体の製造
B1.1 3-[(R)-(5-シアノ-ピリジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
フラスコに、中間体A4.4(10.0g)、5-ブロモ-3-シアノピリジン(7.49g)及びTHF(100mL)を仕込み、混合物を-78℃に冷却し、次いでHexLiのヘキサン中の溶液(2.3M、17.8mL)を30minにわたって滴下により加えた。-78℃にて1h撹拌した後、冷却バスを除き、反応混合物をsat.aq.NHClの添加によりクエンチした。RTに温めた後、混合物をEAで希釈し、水及び塩水で順次洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して、粗製物質を茶色のオイルとして得た。残渣をCC(CombiFlash、RediSep 330g SiO、勾配 200mL/minにて、30minにわたってHep/EA 9:1から5:5へ)に付して、黄色の非晶質固体を得、それをprep LC-MS(I)でさらに精製し、次いでPrepキラルSFC(I)でエナンチオマーを分離して、3.22gの所望の生成物(灰白色の固体)を2番目に溶出するエナンチオマーとして得た。LC-MS(A):t=1.05min;[M+H]:422.28。キラルSFC(A):t=2.21min。
【0155】
B1.2 5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ニコチノニトリル
B1.2.1 5-[(R)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-(3-メチル-アゼチジン-3-イル)-メチル]-ニコチノニトリル
中間体B1.1(0.5g)をHCl(ジオキサン中4M、8.9mL)で処理した。反応混合物をRTにて2h撹拌し、蒸発乾固して、粗製の塩酸塩をベージュ色の粉末として得た。LC-MS(A):t=0.69min;[M+H]:321.92。
【0156】
B1.2.2 5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ニコチノニトリル
中間体B1.2.1(0.55g)のanhジオキサン(24mL)中の溶液に、DIPEA(1.1mL)、ホルムアルデヒド(HOの37%溶液、0.15mL)及びNaBH(OAc)(741mg)を加えた。反応混合物をRTにて15min撹拌し、NaOH(1M)でクエンチし、EAで抽出した。有機相を合わせて、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。得られた粗製物を、Biotage(登録商標)の充填済みカートリッジSfaer KP-Amino Dを用い、EA/MeOHで溶出して、CCにより精製して、表題化合物を黄色のオイル(0.34g)として得た。LC-MS(A):t=0.70min;[M+H]:336.09。
【0157】
B1.3 3-[(R)-(5-シアノ-6-フルオロ-ピリジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体B1.3を、中間体A4.4(2.00g)及び5-ブロモ-2-フルオロニコチノニトリル(1.73g)を用いて、B1.1について記載した手順に従って合成した。後処理の後、粗製物をCC(CombiFlash、RediSep 330g SiO2、勾配 nHept/EtOAc 100/0から60/40へ)、次いでprep LC-MS(Zorbaxカラム SB-AQ、7μmOBD、50x150mm、勾配
150mL/minにて、8minで(HO中0.5%ギ酸)/MeCN 60/40から25/75へ)で精製して、生成物をラセミ体(630mg)として得た。キラルSFC(方法I)によるさらなる精製により、生成物を、エナンチオマーとして純粋な白色の固体(282mg)として得た。LC-MS(A):t=1.08min;[M+H]:440.32。分析用キラルSFC(A):1.99min。
【0158】
B1.4 3-[(R)-(5-シアノ-6-メチル-ピリジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体B1.4を、中間体A4.4(2.00g)及び5-ブロモ-2-メチルニコチノニトリル(1.68g)を用いて、B1.3について記載した手順に従って合成した。後処理の後、粗製物をCC(CombiFlash、RediSep 220g SiO2、勾配 nHept/EtOAc 100/0から50/50へ)、次いでprep LC-MS(Zorbaxカラム SB-AQ、7μmOBD、50x150mm、勾配 150mL/minにて、8minで(HO中0.5%ギ酸)/MeCN 60/40から30/70へ)で精製して、生成物をラセミ体(1.73g mg)として得た。キラルSFC(方法VII)によるさらなる精製により、生成物を、エナンチオマーとして純粋な白色の固体(619mg)として得た。LC-MS(A):t=1.07min;[M+H]:436.34。分析用キラルSFC(G):1.82min。
【0159】
B1.5 3-[(R)-(6-シアノ-ピリダジン-4-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
B1.5.1 3-[(6-クロロ-ピリダジン-4-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
表題化合物(4.0g、ベージュ色の固体)を、中間体A4.4(10g)及び5-ブロモ-3-クロロピリダジン(7.1g)を出発物質として、中間体B1.1に記載の手順に従って、しかしながら溶媒としてTHFの代わりにトルエンを用いて、合成した。粗製物質をCC(Biotage、SNAP 340g、溶媒A:Hep;溶媒B:EA;%Bで表した勾配:0から50へ)で精製した。LC-MS(A):t=1.06min;[M+H]:432.08。
【0160】
B1.5.2. 3-[(R)-(6-クロロ-ピリダジン-4-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
表題化合物を、PrepキラルSFC(IX)を用いた、実施例B1.5.1のキラル分離により得た。LC-MS(A):t=1.05min;[M+H]:432.22;キラルSFC(H):2.72min。
【0161】
B1.5.3 3-[(R)-(6-シアノ-ピリダジン-4-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸
tert-ブチルエステル
中間体B1.5.2(140mg)、亜鉛粉末(75mg)、シアン化亜鉛(62mg)、Pd(dba)(21mg)、dppf(103mg)のDMF(1.5mL)中の懸濁液を、還流下で1h45加熱した。反応混合物をRTに冷まし、HO及びDCMで希釈した。層を分離し、水相をDCMで抽出した(3x)。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。prep LC-MS(VII)で精製して、49mgの所望の生成物をベージュ色の固体として得た。LC-MS(A):t=1.03min;[M+H]:423.24。
【0162】
B1.6 3-{(R)-(5-シアノ-ピリジン-3-イル)-ヒドロキシ-[4-(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル)-フェニル]-メチル}-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
フラスコに、中間体A4.3(800mg)、5-ブロモ-3-シアノピリジン(424mg)及びTHF(53mL)を仕込み、混合物を-78℃に冷却し、次いでBuLiのヘキサン中の溶液(2.5M、1.24mL)を15minにわたって滴下により加えた。-78℃にて30min撹拌した後、冷却バスを除き、反応混合物を水の添加によりクエンチした。混合物をEAで抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥
し、ろ過し、真空下で濃縮して、粗製物質を茶色のオイルとして得た。残渣をCC(Biotage 50g SiO、勾配 Hep/EA 12%から100%へ)に付して、黄色のフォームを得、それをprep LC-MS(VIII)でさらに精製し、次いでエナンチオマーをPrepキラルSFC(I)で分離して、0.15gの所望の生成物を2番目に溶出するエナンチオマーとして得た。LC-MS(A):t=1.06min;[M+H]:488.05。キラルSFC(A):t=1.78min。
【0163】
B1.7 5-{(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-[4-(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル)-フェニル]-メチル}-ニコチノニトリル
表題化合物を、中間体B1.6(134mg)を出発物質として、中間体B1.2について記載した2工程の手順に従って合成した。粗製物を白色のフォーム(74mg)として単離した。LC-MS(A):t=0.73min;[M+H]:401.97。
【0164】
式B2の中間体の製造
B2.1 3-[(R)-ヒドロキシ-[5-(N-ヒドロキシカルバミミドイル)-ピリジン-3-イル]-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(又はその互変異性型 tert-ブチル (R,Z)-3-(ヒドロキシ(5-(N’-ヒドロキシカルバミミドイル)ピリジン-3-イル)(4-イソプロピルフェニル)メチル)-3-メチルアゼチジン-1-カルボキシラート)
中間体B1.1(1.00g)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(247mg)のDMSO(5mL)中の溶液に、DIPEA(0.81mL)を滴下により加えた。反応混合物をRTにて3h撹拌した。完全に変換した後、それを、ゆっくりと(10min)、水が入った、アイスバスで冷却したフラスコに移した。得られた白色の懸濁液をRTにて30min撹拌した。混合物をろ過し、残渣を水で3回洗浄し、HV下で一晩、次いで真空下で45℃にて乾燥した。白色の固体(1.09g)を得た。LC-MS(A):t=0.81min;[M+H]:455.31。
【0165】
B2.2 5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-N-ヒドロキシ-ニコチンアミジン(nicotinamidine)
中間体B1.2(372mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(234mg)及びKCO(613mg)のEtOH(8.1mL)中の懸濁液を、RTにて5h撹拌した。それをろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、粗製の表題化合物を白色の粉末(497mg)として得た。LC-MS(A):t=0.54min;[M+H]:369.04。
【0166】
B2.3 3-[(R)-[6-フルオロ-5-(N-ヒドロキシカルバミミドイル)-ピリジン-3-イル]-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
表題化合物を、中間体B1.3(279mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(66mg)及びDIPEA(0.22mL)を用いて、B2.1について記載した手順に従って製造した。粗製物をprep LC-MS(V)で精製して、所望の生成物を明黄色の固体(61mg)として得た。LC-MS(A):t=0.87min;[M+H]:473.30。
【0167】
B2.4 3-[(R)-ヒドロキシ-[5-(N-ヒドロキシカルバミミドイル)-6-メチル-ピリジン-3-イル]-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
表題化合物を、中間体B1.4(619mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(148mg
)及びDIPEA(0.49mL)を用いて、B2.1について記載した手順に従って製造した。変換の完了を促進するために、ヒドロキシルアミン及びDIPEAをさらに数回加えた。粗製物をprep LC-MS(VI)で精製して、所望の生成物を白色の固体(207mg)として得た。LC-MS(A):t=0.78min;[M+H]:469.38。
【0168】
B2.5 3-[(R)-ヒドロキシ-[6-(N-ヒドロキシカルバミミドイル)-ピリダジン-4-イル]-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体B1.5(49mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(24.4 4mg)及びKCO(64mg)のEtOH(0.84mL)中の懸濁液を、RTにて20h撹拌した。それをろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、粗製の表題化合物を茶色がかった固体(63mg)として得た。LC-MS(A):t=0.92min;[M+H]:456.28。
【0169】
B2.6 5-{(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-[4-(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル)-フェニル]-メチル}-N-ヒドロキシ-ニコチンアミジン
表題化合物を、中間体B1.7(72mg)を出発物質として、中間体B2.2について記載した手順に従って合成した。粗製物を白色のフォーム(74mg)として単離した。LC-MS(A):t=0.57min;[M+H]:435.18。
【0170】
式B3の中間体の製造
B3.1 3-[(R)-(5-カルバミミドイル-ピリジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体B2.1(400mg)のAcOH(15mL)中の溶液に、無水酢酸(0.11mL)を加えた。この溶液をRTにて45min撹拌した。パラジウム活性炭素(10%、含水(50%)、20mg)を加え、混合物をRTにて1h15min水素化した。反応混合物をセライトでろ過し、残渣をAcOHで洗浄し、合わせたろ液を真空下で濃縮して、粗製物質を無色の非晶質固体として得た。粗製物をprep LC-MS(V)でさらに精製して、表題化合物を白色の固体(265mg)として得た。LC-MS(A):t=0.78min;[M+H]:439.29。
【0171】
B3.2 5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ニコチンアミジン
表題化合物を、中間体B2.2(497mg)を出発物質として、アセチル化工程をRTにて2h、水素化をRTにて18h行ったことを除いては、中間体B3.1について記載した合成手順に従って合成した。粗製物を黄色のフォーム(216mg)として単離した。LC-MS(A):t=0.50min;[M+H]:353.04。
【0172】
B3.3 3-[(R)-(5-カルバミミドイル-6-フルオロ-ピリジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
表題化合物を、中間体B2.3(57mg)から、B3.1について記載した手順に従って(アセチル化1h、水素化2h)合成した。粗製物をprep LC-MS(V)で精製して、所望の生成物を白色の固体(45mg)として得た。LC-MS(A):t=0.82min;[M+H]:457.36。
【0173】
B3.4 3-[(R)-(5-カルバミミドイル-6-メチル-ピリジン-3-イル)
-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
表題化合物を、中間体B2.4(80mg)から、B3.1について記載した手順に従って(アセチル化30min、水素化1.5h)合成し、所望の生成物を白色のフォーム(75mg)として得た。粗製物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LC-MS(A):t=0.78min;[M+H]:453.38。
【0174】
B3.5 3-[(R)-(6-カルバミミドイル-ピリダジン-4-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
表題化合物を、中間体B2.5(52mg)から、B3.1について記載した手順に従って(アセチル化17h、水素化23h)合成した。反応が完了した後、反応混合物をろ過し、ろ液を1N NaOHの添加によりpH12に塩基性化し、DCMで抽出した(3x)。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空下で濃縮して、所望の生成物を黄色がかった固体(75mg)として得た。粗製物をさらに精製することなく次の工程で使用した。LC-MS(A):t=0.79min;[M+H]:440.28。
【0175】
B3.6 5-{(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-[4-(1-トリフルオロメチル-シクロプロピル)-フェニル]-メチル}-ニコチンアミジン
表題化合物を、中間体B2.6(70mg)を出発物質として、中間体B3.1について記載した合成手順に従って合成した。LC-MS(A):t=0.53min;[M+H]:419.23。
【0176】
式B4の中間体の製造
B4.1 3-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸
3-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニトリル(150mg)のEtOH(2.3mL)中の溶液に、水(0.5mL)及びaq.NaOH(10.8M、0.65mL)を加えた。反応混合物を75℃にて2h撹拌した。RTに冷却した後、混合物をaq.HCl(6.8M、~1mL)で酸性化(pH2-3)した。混合物をEAで4回抽出し、有機層を合わせて、MgSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して、表題化合物を白色の固体(180mg)として得た。H-NMR(500MHz、DMSO) δ=12.2(br s、1H)、4.54(t、J=5.6Hz、1H)、3.37(d、J=5.4Hz、2H)、1.81(s、6H)ppm。
【0177】
実施例1~4及び38の製造
中間体A7(1eq)のanhジオキサン(18.3mL/mmol)中の溶液に、DIPEA(3eq)、ホルムアルデヒド(HO中の37%溶液、1.5eq)及びNaBH(OAc)(2.6eq)を加えた。反応混合物をRTにて15min~1h撹拌し、NaOH(1M)でクエンチし、EAで抽出した。有機相を合わせて、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。得られた粗製物を、下表に記載の条件を用いてprep LC-MSで、次いで下表に示した通りにPrepキラルSFCで精製した。純粋なエナンチオマーを、analキラルSFC(方法及び分で表した保持時間(tキラル)を下表に記載する。)及びanalLC-MS(方法A、分で表した保持時間(tLC-MS)及び観察された質量を下表に示す。)で特徴付けた。
【0178】
【表21】
実施例5~7の製造
実施例1(1eq)、有機ボラン(organoborane)(2eq)、cataCXium(登録商標)A Pd G3(0.1eq)及びCsCO(3eq)を、トルエン(5mL/mmol)と水(0.5mL/mmol)の混合物中に混合したものを、アルゴンでフラッシュし、封止したバイアル中で100℃にて加熱し、18h撹拌した。反応混合物をEAで希釈し、NaOH(1M)及び塩水で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。下記の表中に示した方法を用いて、粗製物をprep LC-MSで精製した。
【0179】
【表22】
実施例8~12の製造
中間体B3.2(1eq)、カルボン酸(1.5eq)及びHATU(1.1eq)のDMF(5mL/mmol)中の混合物に、DIPEA(4eq)を加えた。RTにて1~1.5h撹拌した後、中間体の形成が完了するまで、シクロプロピルヒドラジン塩酸塩(1.5eq)及びAcOH(10eq)をRTにて加えた。反応液を80℃にて20min~18h撹拌した。RTに冷却した後、混合物をEAで希釈し、1M aq.NaOH及び塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。粗製物を、下表に記載の条件を用いて、prep.LC-MSにより精製した。
【0180】
【表23】
実施例13の製造: 4-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸
実施例10(1eq)のMeOH(8.6mL/mmol)中の溶液に、LiOH・HO(1.5eq)及びHO(4.3mL/mmol)を加えた。反応混合物をRTにて18h撹拌し、真空下で濃縮し、EAと半飽和NHCl水溶液との間で分画した。有機相を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮して、表題化合物を黄色がかった油性残渣として得た。LC-MS(A):t=0.76min;[M+H]:570.16。
【0181】
実施例14~33、39、40、48及び51の製造
中間体A7(1eq.)のジオキサン(10mL/mmol)中の溶液に、TEA(2eq.)又はAcOH(1.5eq;実施例48について)、aq.ホルムアルデヒド(37wt.%、2eq.)及びNaBH(OAc)(1.5eq.)を加えた。混合物をRTにて一晩撹拌して、出発物質を完全に変換させた。反応混合物をろ過し、真空下で濃縮し、次いでprep LC-MSで精製して、所望の化合物を得た。下表にPrep LC-MS法を記載する。実施例39はキラルSFC(VIII)でさらに精製して、生成物を未反応出発物質から分離した。
【0182】
【表24】
【0183】
【表25】
【0184】
【表26】
実施例34の製造: (R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1-イソプロピル-3-メチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール
中間体A7.4(30mg)のMeOH(1mL)、AcOH(100μL)及びアセトン(44.4μL)中の溶液に、NaB(OAc)H(44mg)をRTにて加えた。得られた懸濁液をRTにて3h30撹拌し、次いで水でクエンチし、MeOHで希釈し、prep LC-MS(III)で精製して、7mgの表題化合物を白色の粉末として得た。LC-MS(A):t=0.77min;[M+H]:530.20。
【0185】
実施例35~37及び49の製造
実施例35: (R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-[1-(2,2-ジフルオロ-エチル)-3-メチル-アゼチジン-3-イル]-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール
中間体A7.4(30mg)のMeOH(1mL)中の溶液に、TEA(36.4μL)、次いで1,1-ジフルオロ-2-ヨードエタン(39μL)をRTにて加えた。この溶液を65℃にて101h振とうした後、冷まし、MeOH及び水で希釈し、prep LC-MS(III)で精製して、6mgの表題化合物を灰白色の粉末として得た。LC-MS(A):t=0.76min;[M+H]:552.10。
【0186】
実施例36: 2-{3-[(R)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-3-メチル-アゼチジン-1-イル}-エタノール
表題化合物を、2-ヨードエタノール(17.5μL)を用い、70h撹拌して、実施例
35に記載した手順に従って合成し、prep LC-MS(IV)で精製して、3mgの表題化合物を白色の粉末として得た。LC-MS(A):t=0.71min;[M+H]:532.10。
【0187】
実施例37: 2-(2-シクロプロピル-5-{5-[(R)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-(3-メチル-アゼチジン-3-イル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-プロパン-2-オール
中間体A7.17を実施例37とした。手順及び特徴をセクションA7に記載する。LC-MS(A):t=0.69min;[M+H]:462.36。
【0188】
実施例49: (R)-(1-シクロプロピル-3-メチル-アゼチジン-3-イル)-{5-[1-シクロプロピル-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール
中間体A7.4(24mg)のMeOH(1mL)、AcOH(5.6μL)及び(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(30μL)中の溶液に、NaBHCN(30μL)を65℃にて加えた。反応混合物を6h30撹拌し、次いでシリンジフィルターを通してろ過し、水で希釈し、prep LC-MS(IV)で直接精製して、8mgの表題化合物を白色の粉末として得た。LC-MS(A):t=0.77min;[M+H]:528.36。
【0189】
実施例41~47の製造
中間体B3.2(1eq)、カルボン酸(1.5eq)及びHATU(1.1eq)のDMF(5mL/mmol)中の混合物に、DIPEA(4eq)を加えた。40~45℃にて15~60min、必要に応じて、中間体が完全に形成されるまでRTにて一晩撹拌した後、イソプロピルヒドラジン塩酸塩(1.5eq)及びAcOH(10eq)をRTにて加えた。反応液を80℃にて10~45min撹拌した。RTに冷却した後、混合物をEAで希釈し、1M aq.NaOH及び塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。粗製物を、任意でBiotageクロマトグラフィー、次いで下表に記載の条件を用いて、prep.LC-MSで精製した。
【0190】
【表27】
実施例50の製造: N-{2-[3-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-[1,2,4]トリアゾール-1-イル]-エチル}-アセタミド
50.1: {2-[3-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-[1,2,4]トリアゾール-1-イル]-エチル}-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
中間体B3.2(175mg)、テトラヒドロピラン-4-カルボン酸(79mg)、モレキュラーシーヴ(3A、50mg)及びHATU(234mg)のDMF(3mL)中の混合物に、DIPEA(0.34mL)を加えた。RTにて60min撹拌した後、tert-ブチル-N-(2-ヒドラジニルエチル)カルバメート塩酸塩(158mg)及びAcOH(0.284mL)をRTにて加えた。反応液を85℃にて60min撹拌した。RTに冷却した後、混合物をsat.aq.NaHCOの添加により中和し、EAで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。粗製物をprep.LC-MS(III)で精製して、表題化合物を白色の固体(0.14g)として得
た。LC-MS(A):t=0.76min;[M+H]:605.41。
【0191】
50.2: (R)-{5-[1-(2-アミノ-エチル)-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-1H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-ピリジン-3-イル}-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノール
中間体50.1(140mg)にジオキサン中4M HCl(5mL)を加え、無色の溶液をRTにて30min撹拌した。反応混合物をsat.aq.NaHCOの添加により7~8のpHとし、HOで希釈した。水相をEAで抽出した(5x)。有機相を合わせて、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。次いで、水相を、1M NaOHの添加によりpH10に塩基性化し、DCMで抽出した。有機層を合わせて、MgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。両方の粗製物を合わせて、HV下で一晩乾燥して、表題化合物(107mg)を黄色がかったフォームとして得た。LC-MS(A):t=0.55min;[M+H]:505.40。
【0192】
50.3: N-{2-[3-{5-[(R)-(1,3-ジメチル-アゼチジン-3-イル)-ヒドロキシ-(4-イソプロピル-フェニル)-メチル]-ピリジン-3-イル}-5-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)-[1,2,4]トリアゾール-1-イル]-エチル}-アセタミド
中間体50.2(50mg)のジオキサン(0.5mL)中の溶液に、DIPEA(33μL)、次いで無水酢酸(9μL)を加え、混合物をRTにて1h撹拌した。反応混合物を蒸発乾固し、残渣をMeOH中に溶解し、KCOで処理した。RTにて2h撹拌した後、反応混合物をろ過し、水及びCHCNで希釈し、prep.LC-MS(IV)で直接精製して、24mgの所望の生成物を白色の固体として得た。LC-MS(A):t=0.63min;[M+H]:547.35。
【0193】
II. 生物学的アッセイ
FLIPRアッセイ: 化合物の生物活性を、ヒトCCR6(GenBank:AY242126)を発現する改変HEK-293細胞を用いて、蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR:Molecular Devices)にて試験する。バイオアッセイの2日前に、凍結細胞を、10%FCS及び1%ペニシリン-ストレプトマイシンを添加したDMEM培地中で、ポリ-L-リジンで予めコートした384ウェルプレート上に播く。バイオアッセイの当日に、細胞上清を廃棄し、細胞を、室温で暗所にて30分間、pH6.75にて20mM Hepesで緩衝液化し、0.05%BSAを添加したハンクス平衡塩類溶液(Hanks Balanced Salt Solution)(Gibco)中でFluo-8-AM(Focus Biomolecules)で染色する。色素を含まないことを除いては、上記緩衝液と同じ緩衝液を、洗浄及び化合物希釈工程でも使用する(アッセイ緩衝液)。細胞をwash-station(Biotek)で洗浄して余分な色素を除き、最終的に40マイクロリットルのアッセイ緩衝液を残す。細胞を暗所にて室温で15分間インキュベートした後、化合物を加える。試験化合物の保存溶液を、DMSOにて10mMの濃度に調製し、まずDMSOで段階希釈し、次にアッセイ緩衝液に移して、阻害用量反応曲線に必要な濃度にする。アッセイ緩衝液中にて室温で45分のインキュベーション時間の後、メーカーの使用説明書に従い、FLIPR装置内で、10マイクロリットルの各化合物希釈液を、化合物のプレートから組換え細胞を含むプレートへと移す。細胞及び化合物を暗所にて室温で30分間プレインキュベートした後、再度FLIPR装置を用いて、10マイクロリットルのアゴニストCCL20(Peprotech)を10nMの最終濃度で加える。試験化合物及びアゴニストの添加前及び添加後の蛍光の変化をモニターする。CCL20添加後の基準レベルを超える発光ピーク値を、ベースライン減算後にエクスポートする。算出されるIC50値は、各日のアッセイ操作により変動することがある。この種の変動は、当業者に既知である。同一の化合
物についてIC50値を数回求めた場合は、平均値を示す。データを下表に示す。
【0194】
【表28】
【国際調査報告】