(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】差動的セグメント化開口アンテナのためのビームステアリング及びヌリング
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/30 20060101AFI20241024BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20241024BHJP
H01Q 5/40 20150101ALI20241024BHJP
H01Q 9/28 20060101ALI20241024BHJP
H01Q 13/10 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01Q3/30
H01Q21/06
H01Q5/40
H01Q9/28
H01Q13/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525005
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 US2022078857
(87)【国際公開番号】W WO2023077055
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591072086
【氏名又は名称】バテル メモリアル インスティチュート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パーキンス,ダニエル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェルシュ,ラファエル ジョセフ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB03
5J021AB05
5J021DB03
5J021GA02
5J021GA06
5J021HA01
5J045AA02
5J045AA26
5J045CA01
(57)【要約】
【課題】差動的セグメント化開口アンテナのためのビームステアリングシステムの提供。
【解決手段】ビームステアリングシステムが、アレイ状に配列された複数の角錐構造、及びアレイ状に形成された複数の要素を含む差動的セグメント化開口アンテナであって、各要素が2つの隣接した角錐構造の間に規定される、DSAアンテナと、要素ごとの位相変換を決定するための位相変換回路であって、要素ごとの位相変換が、要素に対するターゲットの角度及びDSAアンテナの動作周波数に基づく、位相変換回路と、位相変換に基づいて要素ごとの位相差を適用するための送信位相シフト回路であって、位相差が信号を、信号が建設的に干渉するようターゲットに操縦する、送信位相シフト回路と、位相変換に基づいて、信号に、注目信号のために建設的に干渉させ、不要な信号を、信号をヌルに操縦することによって抑制する、要素ごとの位相差を適用するための受信位相シフト回路と、を含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ状に配列された複数の角錐構造、及びアレイ状に形成された複数の要素を含む差動的セグメント化開口(DSA)アンテナであって、各要素が2つの隣接した角錐構造の間に規定される、DSAアンテナと、
前記複数の要素の要素ごとの位相変換を決定するための位相変換回路であって、要素ごとの前記位相変換が、前記要素に対するターゲットの角度及び前記DSAアンテナの動作周波数に基づく、位相変換回路と、
前記位相変換に基づいて要素ごとの送信位相差を適用するための送信位相シフト回路であって、前記送信位相差が、各要素から放射する信号を、各要素からの前記信号が建設的に干渉するよう前記ターゲットに操縦する、送信位相シフト回路と、
前記位相変換に基づいて要素ごとの受信位相差を適用するための受信位相シフト回路であって、前記受信位相差が、各要素によって受信された前記信号に注目信号のために建設的に干渉させ、前記要素からの不要な信号を、前記不要な信号をヌルに操縦することによって抑制する、受信位相シフト回路と、
を備える、ビームステアリングシステム。
【請求項2】
前記ターゲットに対する前記DSAアンテナの信号利得の変化を生じさせるために、各々のそれぞれの得られた送信位相差及び受信位相差が各々のそれぞれの要素に適用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ターゲットからの信号利得の選択された低下を発生するために、前記送信位相差及び受信位相差が増大及び/又は減少させられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
要素ごとの前記位相差θが、第1の式:
θ(度)=360(度/サイクル)*f(Hz)*t
dr(s)
によって決定され、ここで、fは前記注目信号の周波数であり、t
drは前記要素と隣接要素との間の伝搬距離である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記要素と隣接要素との間の前記伝搬距離が、第2の式:
【数1】
によって決定され、ここで、fは前記注目信号の周波数である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記不要な信号を前記ヌルに操縦することが、
第1の要素からの前記不要な信号のための第1の位相シフトを決定すること、
第1のシフトされた信号を作り出すために、前記第1の位相シフトを前記第1の要素からの前記不要な信号に適用すること、
第2の要素からの前記不要な信号のための第2の位相シフトを決定することであって、前記第2の位相シフトが、前記第1のシフトされた信号に相殺的に干渉するように決定される、決定すること、及び
第2のシフトされた信号を作り出すために前記第2の位相シフトを前記第2の要素に適用することであって、前記第2のシフトされた信号が前記第1のシフトされた信号に相殺的に干渉する、適用すること、
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記位相変換を増大及び/又は減少させ、前記動作周波数を増大及び/又は減少させることによって、前記ターゲットの場所を決定することをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ビームステアリングシステムであって、
アレイ状に配列された複数の角錐構造、及びアレイ状に形成された複数の要素を含む差動的セグメント化開口(DSA)アンテナであって、各要素が2つの隣接した角錐構造の間に規定され、前記DSAアンテナが、メインローブ及び少なくとも1つのサイドローブ、並びに前記メインローブと少なくとも1つのサイドローブとの間のヌル位置を有するビームパターンを有し、前記ヌル位置がヌル角に対応し、前記ビームパターンが前記DSAアンテナの要素数及び動作周波数に基づく、DSAアンテナと、
機械可読命令を含む非一時的記憶デバイスと、を備え、前記機械可読命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ以上のプロセッサに、
前記複数の要素の要素ごとの位相変換を決定することであって、要素ごとの前記位相変換が、前記要素に対するターゲットの角度、及び前記DSAアンテナの動作周波数に基づく、決定することと、
前記位相変換に基づいて要素ごとの送信位相差を決定することであって、前記送信位相差が、各要素から放射する信号を、各要素からの前記信号が建設的に干渉するよう、前記ターゲットに操縦する、決定することと、
前記位相変換に基づいて要素ごとの受信位相差を決定することであって、前記受信位相差が、各要素によって受信された前記信号に、注目信号のために建設的に干渉させ、前記要素からの不要な信号を、前記不要な信号を前記ヌル角に操縦することによって抑制する、決定することと、
を含む動作を遂行させる、ビームステアリングシステム。
【請求項9】
前記機械可読命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ以上のプロセッサに、
前記位相変換に前記アレイの前記要素の共通原点に対する各要素の位置を乗算し、前記ヌル角を減算又は加算することによって、ヌル位相シフトを決定することを含む動作を遂行させる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記機械可読命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ以上のプロセッサに、
前記ターゲットに対する前記DSAアンテナの信号利得の変化を生じさせるために、各々のそれぞれの要素に、各々のそれぞれの得られたヌル位相シフトを適用することを含む動作を遂行させる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記機械可読命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ以上のプロセッサに、
前記ターゲットに対する前記DSAアンテナの信号利得の変化を生じさせるために、各々のそれぞれの得られた送信位相差及び受信位相差を各々のそれぞれの要素に適用することを含む動作を遂行させる、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記機械可読命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ以上のプロセッサに、
第1の式:
θ(度)=360(度/サイクル)*f(Hz)*t
dr(s)
によって、要素ごとの前記送信位相差及び前記受信位相差θを決定することを含む動作を遂行させ、ここで、fは前記注目信号の周波数であり、t
drは前記要素と隣接要素との間の伝搬距離である、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記機械可読命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ以上のプロセッサに、
第2の式:
【数2】
によって、前記要素と隣接要素との間の伝搬距離を決定することを含む動作を遂行させ、ここで、fは前記注目信号の周波数である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記機械可読命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ以上のプロセッサに、
前記位相変換を増大及び/又は減少させ、前記動作周波数を増大及び/又は減少させることによって、前記ターゲットの場所を決定することを含む動作を遂行させる、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
ビームステアリングアンテナのための方法であって、
複数の要素の要素ごとの位相変換を決定することであって、要素ごとの前記位相変換が、前記要素に対するターゲットの角度、及び差動的セグメント化開口(DSA)アンテナの動作周波数に基づき、前記DSAアンテナが、アレイ状に配列された複数の角錐構造、及び方向要素のセットを含むアレイ状に形成された複数の要素を含み、各要素が2つの隣接した角錐構造の間に規定され、各要素の位置が前記アレイの前記要素の共通原点から距離を置いて配置されており、前記DSAアンテナが、メインローブ及び少なくとも1つのサイドローブ、並びに前記メインローブと少なくとも1つのサイドローブとの間のヌル位置を有するビームパターンを有し、前記ヌル位置がヌル角に対応し、前記ビームパターンが前記DSAアンテナの要素数及び動作周波数に基づき、前記位相変換が、前記DSAアンテナに対するターゲットの角度、及び前記DSAアンテナの動作周波数に基づく、決定することと、
前記複数の要素の要素ごとの位相変換を決定することであって、要素ごとの前記位相変換が、前記要素に対するターゲットの角度、及び前記DSAアンテナの動作周波数に基づく、決定することと、
前記位相変換に基づいて要素ごとの送信位相差を決定することであって、前記送信位相差が、各要素から放射する信号を、各要素からの前記信号が建設的に干渉するよう、前記ターゲットに操縦する、決定することと、
前記位相変換に基づいて要素ごとの受信位相差を決定することであって、前記受信位相差が、各要素によって受信された前記信号に、注目信号のために建設的に干渉させ、前記要素からの不要な信号を、前記不要な信号を前記ヌル角に操縦することによって抑制する、決定することと、
を含む方法。
【請求項16】
前記ターゲットに対する前記DSAアンテナの信号利得の変化を生じさせるために、各々のそれぞれの得られたヌル位相シフトを各々のそれぞれの要素に適用することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ターゲットからの信号利得の選択された低下を発生するために、前記得られたヌル位相シフトを増大及び/又は減少させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記位相変換に前記アレイの前記要素の前記共通原点に対する前記要素の前記位置を乗算し、前記ヌル角を減算又は加算することによって、前記得られたヌル位相シフトを決定することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
第1の式:
θ(度)=360(度/サイクル)*f(Hz)*t
dr(s)
によって、要素ごとの前記送信位相差及び前記受信位相差θを決定することをさらに含み、ここで、fは前記注目信号の周波数であり、t
drは前記要素と隣接要素との間の伝搬距離である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
第2の式:
【数3】
によって、前記要素と隣接要素との間の前記伝搬距離を決定することをさらに含み、ここで、fは前記注目信号の周波数である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年10月29日に出願された米国仮特許出願第63/273,346号の出願日の利益を主張する。同出願の教示全体は本明細書において参照により組み込まれる。
【0002】
連邦政府資金による研究開発の記載
[0002] 本発明は、米国特殊作戦軍によって与えられたSC-BATTELLE-CIOSP3-2018の下で連邦政府の支援を受けてなされた。連邦政府は本発明における一定の権利を有する。
【0003】
技術分野
[0003] 本開示は、差動的セグメント化開口(DSA(differentially segmented aperture))アンテナのためのビームステアリング及びヌリングに関する。
【背景技術】
【0004】
背景
[0004] ビームステアリングは、放射パターンのメインローブの方向を変更するための技術である。ビームステアリングは全ての放射要素上の入力信号の位相を変更する。これは、信号が特定の受信器にターゲットを定められることを可能にする。アンテナは、単一のビームを特定の方向に操縦するための共通周波数を有する放射要素を採用することができるか、又は異なる周波数のビームが、異なるユーザにサービス提供するために異なる方向に操縦され得る。
【0005】
図面の簡単な説明
[0005] 以下の詳細な説明が参照されなければならず、詳細な説明は添付の図面と併せて読まれなければならない。図面において、同様の符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】[0006]
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る差動的セグメント化開口(DSA)アンテナの様々な図を示す。
【
図1B】[0006]
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る差動的セグメント化開口(DSA)アンテナの様々な図を示す。
【
図1C】[0006]
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る差動的セグメント化開口(DSA)アンテナの様々な図を示す。
【
図2】[0007]
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係るDSAアンテナによって受信される空間内の点からの注目信号(SOI(signal of interest))の送信を示す。
【
図3】[0008]
図3は、本開示のいくつかの実施形態に係る、波が伝搬する角度を決定するために用いられる三角形を示す。
【
図4】[0009]
図4は、本開示に従うヌルを視覚化するビームパターンプロットを示す。
【
図5】[0010]
図5は、本開示に従う、DSAアンテナを用いて測定されたとおりの60度の方位角に配置された5800.1MHzの信号の周波数応答を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
[0013] 本開示は、その適用において、以下の説明において記載されるか、又は図面において示される構成要素の構成及び配置の詳細に限定されない。本明細書において説明される例は、他の実施形態の余地、及び様々な仕方で実施若しくは実行される余地があり得る。また、本明細書において用いられる術語及び専門用語は、当業者によって理解され得るように、説明の目的のためのものであり、限定と見なされるべきでないことは理解されるであろう。本説明全体を通して、同様の参照符号はいくつかの図全体を通して同様の構造を指示し得、このような構造は別個に説明されなくてもよい。さらに、特定の例示的な実施形態の任意の特定の特徴は、本明細書の任意の他の例示的な実施形態に、好適なものとして等しく適用され得る。換言すれば、本明細書において説明される様々な例示的な実施形態の間の特徴は交換可能であり、排他的なものではない。
【0008】
[0014] ビームステアリングは、送信及び/又は受信フェーズドアレイのビームを、建設的干渉を介して信号の大きさを最大化するボアサイトに対する角度に配置するプロセスである。ビームステアリングは、ホスト無線システムが、ホスト無線システムに対して何らかの任意の方位角に配置されたピア無線機から送信及び受信される信号を最大化することを可能にする。同様に、送信の場合、送信無線機のビームの外側の無線機は、送信信号の減衰したバージョンを受信するであろう。これは、ターゲットとされない無線機への一斉通信を抑制しつつ、単一のターゲット無線機への送信を必要とする適用のために望ましくなり得る。
【0009】
[0015] ヌリングは、何らかの任意の方位角から発する不要な干渉信号を、信号の大きさを最小化するヌルに操縦するプロセスである。これは、意図的な、又は意図的でない妨害信号が、無線機が注目信号を受信する能力を阻害する適用のために望ましい。
【0010】
[0016] 方向探知は、いくらかの距離離れて配置された複数の受信要素によって感知された、測定された信号位相差からSOIの方位角を決定するプロセスである。ビームステアリング、方向探知、及びヌリングは、任意の1つの時点において、等しいが、位相が互いにオフセットした信号を受信又は送信する複数の感知及び送信要素を用いることによって可能にされる。
【0011】
[0017]
図1A、
図1B、及び
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態に係るDSAアンテナアレイ100の様々な図を示す。
図1Aは、例示的なDSAアンテナアレイ100の、上から見下ろした図を示す。DSAアンテナアレイ100は、本明細書における例では、アレイ状に配列された、概ね角錐の構造である、複数の突出部を含み、1つの例示的な角錐構造が102とラベル付けされている。
図1Aの例では、アンテナ100は5行及び5列(5×5)の角錐構造を有する。各角錐構造の少なくとも1つの面は、図示のように、隣接した角錐構造に面する。2つの隣接した角錐構造の対向する面は水平要素104又は鉛直要素106を形成する。要素104は水平要素と指示され、要素106は鉛直要素と指示される。本例において5行及び5列(5×5)の角錐構造が存在することを所与とすると、水平要素104の5つの行が存在し、各行は水平要素104の4つの列を含む。それゆえ、水平要素104は、合計で20個の水平要素になる、(5×4)アレイを形成する。また、本例において5行及び5列(5×5)の角錐構造が存在することを所与とすると、鉛直要素106の5つの列が存在し、各行は鉛直要素106の4つの行を含む。それゆえ、鉛直要素106は、合計で20個の鉛直要素になる、(4×5)アレイを形成する。それゆえ、鉛直及び水平要素104、106は、要素のm個の数の行及びn個の数の列を有する、(m×n)アレイ状に配列される。
図1Aの例では、鉛直要素106はX軸に沿って列状に形成され、水平要素104はY軸に沿って行状に形成される。実施形態によっては、角錐構造は互いに概ね同一であり、また、互いに概ね等距離にあり、例えば、各要素は隣接要素から1”離れている。要素104、106の電磁的位置はその要素についての位相中心である。各位相中心は、要素によって送信される、又はそれによって受信される信号のための送信(Tx)及び受信(Rx)点を表す。
【0012】
[0018]
図1Bは、ベース誘電体層108上に形成された角錐状構造102を示す、DSAアンテナアレイ100の断面図を示す。
図1Bはまた、ターゲット110との通信(RX及び/又はTX)のための位置におけるDSAアンテナアレイ100を示す。ターゲット110はDSAアンテナアレイ100のX-Y平面に対して仰角(「El.Ang.」)及び方位角(「Az.Ang.」)に位置付けられている。本例では、Az.Ang.は、X方向におけるアレイの正面と垂直な軸112に対するターゲット110の角度である。
図1Cはまた、ターゲット110との通信(RX及び/又はTX)のための位置におけるDSAアンテナアレイ100の断面図を示す。本例では、El.Ang.は、Y方向におけるアレイの正面と垂直な軸114に対するターゲット110の角度である。以下においてより詳細に説明されるように、DSAアンテナアレイ100の水平要素104及び鉛直要素106は、DSAアンテナアレイ100とターゲット110との間の信号利得を最適化するべくターゲット110とのRx及び/又はTx通信のための位相シフトを与えるように制御され得る。
【0013】
[0019] 実施形態によっては、本開示のシステムはビームステアリング回路を含む。一般的な事項として、及び
図1A、
図1B、及び
図1Cを引き続き参照すると、アレイ100の配向に対するターゲット110の方位角及び/又は仰角は、概して、ターゲット110の方向におけるRx動作及びTx動作の両方における信号の利得に影響を及ぼす働きをする。例えば、アレイのピーク利得は、概して、アレイ100のビームパターン、具体的には、ビームパターンのメインローブがターゲット110に向けられた所に存在する。したがって、ビームステアリング回路は、概して、実質上、アレイ100とターゲット110との間の通信利得を最大化するために、アレイがターゲット110を直接(及びアレイ110の物理的運動を行うことなく)指向するよう、要素(104、106)の各々の上の位相角を与えるように構成されている。
【0014】
[0020] 実施形態によっては、ビームステアリング回路は、概して、アレイとターゲットとの間の信号強度を最大化するために(X次元及びY次元の両方における)アレイにわたる位相勾配を決定するように構成された位相変換回路を含む。位相勾配は、アレイに対するターゲットの方位角及び仰角、動作周波数(f)、並びにターゲットに対するDSAアレイの配向に基づく。システムは位相勾配に基づいて位相変換をDSAアレイ内の各要素に適用する。
【0015】
[0021] 実施形態によっては、ビームステアリング回路はまた、各要素から放射する信号を、各要素からの信号が建設的に干渉するよう、ターゲットに操縦するための、位相変換に基づく要素ごとの送信位相差を適用するための送信位相シフト回路を含む。加えて、ビームステアリング回路はまた、各要素によって受信された信号に、注目信号のために建設的に干渉させ、要素からの不要な信号を、不要な信号をヌルに操縦することによって抑制する、位相変換に基づく要素ごとの受信位相差を適用するための受信位相シフト回路を含む。
【0016】
[0022]
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係るDSAアンテナによって受信される空間内の点からのSOIの送信200を示す。
図2は、光の速度(c=3e8m/s)で伝搬する電磁波を自由空間内に放出する、注目信号SOI202を含む。SOI波が伝搬すると、それは所与の時点について何らかの位相角においてDSA感知要素(セグメント)によって感知される。波が感知される空間内の場所はセグメントの位相中心と呼ばれる。
図2の例では、波が感知される空間内の第1の場所は位相中心204と表される。波が伝搬し続けると、それは、位相中心206によっていくらか後の点時刻において、同じ位相角における次の最も近いセグメントによって感知される。時間差は、式(1)による、波が第1の要素から次のものへ自由空間内を進んだ距離である、伝搬距離(dr)を光の速度で除算したものに等しい。
【数1】
【0017】
[0023] 同様に、任意の1つの時点において、2つの要素によって測定される位相差θは式(2)によって時間(tdr)及びSOIの周波数(f)に関係する。
θ(度)=360(度/サイクル)*f(Hz)*tdr(s) (2)
【0018】
[0024] この関係から、式(3)に示されるように、測定された位相を用いて2つの要素の間の伝搬距離を算出することができる。
【数2】
【0019】
[0025] SOI源と受信要素との間の距離が信号の波長と比べて大きくなるのに従って、伝搬する波によって
図2において形成される三角形は直角三角形に近づく。それゆえ、次に、式(4)に示されるように、2つの要素の間の既知の固定した距離に沿った伝搬距離を用いて、αについて
図3における直角三角形を解くことによって、波が伝搬する角度(方位角)を決定することができる。
【数3】
【0020】
[0026] DSA開口セグメントの間の位相角を測定することによって、本開示のシステムはSOIの方位角を決定する。これは、本質的に、方向探知のプロセスである。同様に、DSA開口セグメントの間の送信信号の位相を、遠方の受信無線機の方位角に対応するように操作することができる。これは、DSA開口セグメントによって送信された信号が受信無線機の方位角における遠距離場内で建設的に合成され、それにより高い信号レベルをもたらすことを可能にする。
【0021】
[0027] 上述されたように、DSAはアレイの形態の複数の送信/感知セグメントから成る。本開示のいくつかの実施形態によれば、受信信号は、最終的に、各セグメントにおいて感知された信号の合成(合計)によって生成される。同様に、各セグメントに適用された送信信号は、遠方の受信器によって感知され得る単一の伝搬波として遠距離場内で合成する。互いに対する各セグメントの位相角は建設的及び相殺的干渉によって合成信号の振幅に影響を及ぼす。正確に同じ周波数を有する2つの波は、2つの波の間の位相差が一定であるため、位相コヒーレントであると言われる。0と等しい位相差を有する位相コヒーレント波は、同相であると言われる。2つの同相波は、合成されたとき、2倍の振幅を有する合計波を作り出す。これは建設的干渉として知られる。逆に、2つの位相コヒーレント波の間の位相差が180度であるときには、第2の波は第1のものを完全に打ち消し、0の振幅を有する合計波を作り出す。これは相殺的干渉として知られ、得られた信号はヌルと呼ばれ、角度はヌル角と呼ばれ、ヌルを作り出すために必要とされるシフトはヌル位相シフトと呼ばれる。ヌル、例えば、ヌル402は、
図4のビームパターンプロットにおいて、より高い周波数信号についてメインローブの両側にある急激なより低い大きさの逸脱として視覚化されている。メインローブの範囲は第1ヌルビーム幅(FNBW(First Null Beam Width))として知られる。同じく
図4に示されるのは、複数の信号が建設的干渉から相殺的干渉へ傾く際の予想される大きさの減少である。
【0022】
[0028] 実施形態によっては、DSAは、これらのセグメントへ/から放射する信号が建設的に干渉するよう開口セグメントの間の位相差を操作することによってビームステアリングを遂行する。この位相差は受信信号又は受信無線機の方位角に関連付けられる。SOI又は受信無線機の方位角が既知である場合には、互いに対する各開口セグメントの単一の位相シフトが所望の方位角において信号を最大化することになる。方位角が未知である場合には、合成信号が最大になる方位角を決定するために、受信信号についてのある範囲の角度にわたる走査を用いることができる。通信リンクのために、この同じ方位角を、今度は、送信のために用いることができる。
【0023】
[0029]
図5は、本開示に従う、DSAを用いて測定されたとおりの60度の方位角に配置された5800.1MHzの信号の例示的な周波数応答500を示す。これはビームステアリング及び方向探知の一例を示す。第1のトレース502は、単に、4つのDSA列からの信号が合成された後の処理されていない生信号である「不操縦」信号の応答を示す。第2のトレース504は、それらが60度の操縦角において最大の建設的干渉の恩恵を受けるように位相シフトが適用された4つのDSA列信号の合計である「操縦」信号を示す。操縦信号と不操縦信号との振幅の差、又は「操縦利得」は12.193dBである。
【0024】
[0030] ビームステアリングがない場合には、ボアサイトを外れたSOIの信号の大きさは、相殺的干渉のゆえに低減されると予想される。ビームステアリングは、それらのセグメント化された信号を、それらが建設的に干渉し、最大信号応答をもたらすよう、同相に戻す手法である。
【0025】
[0031] 実施形態によっては、ビームステアリングが効果をもたらす度合いは信号ビーム幅によって決定され、信号ビーム幅は、今度は、操縦される信号の波長、及び開口の幾何形状によって決定される。信号の周波数が増大するにつれて、信号波長は減少し、ボアサイトを外れた角度についての開口要素の間の位相差におけるより大きいシフトを生じさせる。開口要素の間の位相シフトが90度に近づくにつれて、全ての開口要素からの合成信号の大きさは低減される。この点において、それはヌルに落ち、理論的に0である。要素間の90度の位相シフトは1次元における4つの要素のための(0°、90°、180°、270°)の位相基準に等しいことに留意されたい。0°及び180°の信号は相殺的に干渉し、その一方で、90°及び270°の信号は相殺的に干渉し、ヌルを作り出す。
図4は、5”×5” 4×4要素DSA対周波数の例示的なビームパターンを示す。プロットから、低い周波数では、ビームパターンは開口の面全体にわたってほぼ完全に平坦であることがうかがえる。例えば、500MHzでは、信号方位角がボアサイトを外れるよう回転したときに、認識可能な信号の減少は存在しない。周波数が増大するにつれて、ローブが形成され、ボアサイトを外れた角度における大きさの減少を示す。おおよそ3.6GHzでは、ボアサイトから両方向に90度外れていることは、メインローブの両側にヌルを作り出す開口要素間の45度の位相シフトに対応する。周波数が3.6GHzを超えて増大すると、ヌルが中心により近づくため、メインローブはより狭くなる。引き続きの位相シフトは、より相殺性の弱い干渉を作り出すため、2次ローブが生成される。より大きい幾何形状の開口についてのビームパターンは、より低い周波数においてローブが生じ始めることになるようにスケーリングすることになる。
【0026】
[0032] 実施形態によっては、ビームステアリングにおいて採用される同じ方法を用いて、不要な干渉物、例えば、無線ジャマーからの信号を抑制することができる。この場合の目的は、これらの干渉物をヌルに操縦することである。これは、2つのセグメントの間の位相シフトが、一方のセグメントにおいて受信される干渉信号の位相を他方のセグメントのものに対して180度ずらすときに生じる。任意の他の方位角から受信されたSOIは、ヌルの外側にあることになる2つのセグメントの間の異なる位相オフセットを経験することになる。
図4から、ヌルは狭く、ヌルのほんの数度外側では、50dBを超える信号の大きさの差を生じさせ得ることがうかがえる。
【0027】
[0033] 実施形態によっては、ヌリングのプロセスは、ある範囲の位相角にわたる走査を遂行し、全ての開口セグメントの合成の大きさを算出することによって自動化することができる。この大きさが最小になる位相角がヌルであることになる。干渉信号が支配的信号であり、これにより、それが帯域内のエネルギーの大部分を占める場合には、帯域全体の最小の大きさに関連付けられた位相角はヌルのごく近くに位置することになる。干渉信号を周波数において隔離し、隔離された信号のヌルを見出すことによって、さらなるヌリング精度を実現することができる。
【0028】
[0034]
図6は、本開示のいくつかの実施形態に係る
図1A、
図1B、及び
図1CのDSAアンテナのためのビームパターンを示す。
図6は所与の周波数についてのDSAアンテナのビームパターンの3次元グラフを示す。図示のように、ビームパターンは、DSAアンテナの真正面にあるメインローブ602、及び1つが604とラベル付けされた、いくつかのサイドローブを含む。利得特性は、(例えば、DSAアンテナが、メインローブ602がターゲットに面するように操縦されたときに(上述された))、メインローブ602内で生じるTx及びRxについて最大化され、Tx及びRxがサイドローブ604内で生じるときには、低下した利得になる。メインローブ602とサイドローブ604との間にヌル位置606がある。ヌル位置606は方位角及び仰角(本明細書において「Null-Az.Ang」及び「Null-El.Ang」と称される)に対応する。利得特性は、(例えば、DSAアンテナが、ヌル位置606がターゲットに面するように操縦されたときに(上述された))、メインローブ内で生じるTx及びRxについて最小化される。図示のように、典型的には、複数のサイドローブ604及び複数のヌル位置606が存在する。上述されたように、ビームパターンは、概して、DSAアンテナの設計(例えば、要素数(m×n))、及び動作周波数に基づく。
図6に示されるビームパターンは、4×4の要素を有し、8.000GHzで動作するDSAアンテナについてのビームパターンを仮定している。
【0029】
[0035] 本開示の一態様によれば、それゆえ、ビームステアリングシステムであって、システムが、アレイ状に配列された複数の角錐構造、及びアレイ状に形成された複数の要素を含む差動的セグメント化開口(DSA)アンテナであって、各要素が2つの隣接した角錐構造の間に規定される、DSAアンテナと、複数の要素の要素ごとの位相変換を決定するための位相変換回路であって、要素ごとの位相変換が、要素に対するターゲットの角度、及びDSAアンテナの動作周波数に基づく、位相変換回路と、位相変換に基づいて要素ごとの位相差を適用するための送信位相シフト回路であって、位相差が、各要素から放射する信号を、各要素からの信号が建設的に干渉するよう、ターゲットに操縦する、送信位相シフト回路と、位相変換に基づいて要素ごとの位相差を適用するための受信位相シフト回路であって、位相差が、各要素によって受信された信号に、注目信号のために建設的に干渉させ、要素からの不要な信号を、不要な信号をヌルに操縦することによって抑制する、受信位相シフト回路と、を含む、ビームステアリングシステムが提供される。
【0030】
[0036] 本開示の別の態様によれば、それゆえ、ビームステアリングシステムであって、システムが、アレイ状に配列された複数の角錐構造、及びアレイ状に形成された複数の要素を含む差動的セグメント化開口(DSA)アンテナであって、各要素が2つの隣接した角錐構造の間に規定され、DSAアンテナが、メインローブ及び少なくとも1つのサイドローブ、並びにメインローブと少なくとも1つのサイドローブとの間のヌル位置を有するビームパターンを有し、ヌル位置がヌル角に対応し、ビームパターンがDSAアンテナの要素数及び動作周波数に基づく、DSAアンテナと、機械可読命令を含む非一時的記憶デバイスと、を含み、機械可読命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、1つ以上のプロセッサに、複数の要素の要素ごとの位相変換を決定することであって、要素ごとの位相変換が、要素に対するターゲットの角度、及びDSAアンテナの動作周波数に基づく、決定することと、位相変換に基づいて要素ごとの送信位相差を決定することであって、送信位相差が、各要素から放射する信号を、各要素からの信号が建設的に干渉するよう、ターゲットに操縦する、決定することと、位相変換に基づいて要素ごとの受信位相差を決定することであって、受信位相差が、各要素によって受信された信号に、注目信号のために建設的に干渉させ、要素からの不要な信号を、不要な信号をヌル角に操縦することによって抑制する、決定することと、を含む動作を遂行させる、ビームステアリングシステムが提供される。
【0031】
[0037] 本開示のさらに別の態様によれば、それゆえ、アンテナ用のビームステアリングのための方法であって、本方法が、複数の要素の要素ごとの位相変換を決定することであって、要素ごとの位相変換が、要素に対するターゲットの角度、及び差動的セグメント化開口(DSA)アンテナの動作周波数に基づき、DSAアンテナが、アレイ状に配列された複数の角錐構造、及び方向要素のセットを含むアレイ状に形成された複数の要素を含み、各要素が2つの隣接した角錐構造の間に規定され、各要素の位置がアレイの要素の共通原点から距離を置いて配置されており、DSAアンテナが、メインローブ及び少なくとも1つのサイドローブ、並びにメインローブと少なくとも1つのサイドローブとの間のヌル位置を有するビームパターンを有し、ヌル位置がヌル角に対応し、ビームパターンがDSAアンテナの要素数及び動作周波数に基づき、位相変換が、DSAアンテナに対するターゲットの角度、及びDSAアンテナの動作周波数に基づく、決定することと、複数の要素の要素ごとの位相変換を決定することであって、要素ごとの位相変換が、要素に対するターゲットの角度、及びDSAアンテナの動作周波数に基づく、決定することと、位相変換に基づいて要素ごとの送信位相差を決定することであって、送信位相差が、各要素から放射する信号を、各要素からの信号が建設的に干渉するよう、ターゲットに操縦する、決定することと、位相変換に基づいて要素ごとの受信位相差を決定することであって、受信位相差が、各要素によって受信された信号に、注目信号のために建設的に干渉させ、要素からの不要な信号を、不要な信号をヌル角に操縦することによって抑制する、決定することと、を含む方法が提供される。
【0032】
[0038] 本出願及び請求項で使用する時、用語「及び/又は(and/or)」によってつながれた事柄の並びは、列挙された事柄の任意の組み合わせを意味することができる。例えば、表現「A、B及び/又はC」は、A;B;C;A及びB;A及びC;B及びC;或いはA、B、及びCを意味することができる。本出願及び請求項で使用するとき、用語「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」によってつながれた事柄の並びは、列挙された用語の任意の組み合わせを意味することができる。例えば、表現「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」は、A;B;C;A及びB;A及びC;B及びC;或いはA、B、及びCを意味することができる。
【0033】
[0039] 「回路(circuitry)」は、本明細書における任意の実施形態で使用するとき、例えば、単独で、又は任意の組み合わせで、配線回路、1つ以上の個々の命令処理コアを含む1つ以上のコンピュータプロセッサなどのプログラム可能回路、状態機械回路、及び/又はプログラム可能回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及び/又は例えば、超並列処理、アナログ若しくは量子コンピューティング、ニューラルネットプロセッサなどのアクセラレータのハードウェア実施形態を含む将来のコンピューティング回路、並びに以上のもののノンシリコン実装形態を含み得る。回路は、集合的に、又は個々に、より大きいシステム、例えば、集積回路(IC(integrated circuit))、システムオンチップ(SoC(system on-chip))、特定用途向け集積回路(ASIC(application-specific integrated circuit))、プログラムマブル論理デバイス(PLD(programmable logic device))、デジタル信号プロセッサ(DSP(digital signal processor))、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA(field programmable gate array))、論理ゲート、レジスタ、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、チップセット等の部分を形成する回路として具現され得る。
【0034】
[0040] 本明細書において説明される動作のうちの任意のものは、個々に、又は組み合わせて、回路によって実行されたとき、動作を遂行する命令を内部に記憶した、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含む、1つ以上の非一時的記憶デバイスを含むシステム内で実施され得る。記憶デバイスとしては、任意の種類の有形の媒体、例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、光ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM(compact disk read-only memory))、コンパクトディスクリライタブル(CD-RW(compact disk rewritable))、及び光磁気ディスクを含む任意の種類のディスク、リードオンリーメモリ(ROM(read-only memory))、ランダムアクセスメモリ(RAM(random access memory))などのダイナミック及びスタティックRAM、消去可能プログラムマブルリードオンリーメモリ(EPROM(erasable programmable read-only memory))、電気的消去可能プログラムマブルリードオンリーメモリ(EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory))、フラッシュメモリ、ソリッドステートディスク(SSD(Solid State Disk))、組み込みマルチメディアカード(eMMC(embedded multimedia card))、セキュアデジタル入力/出力(SDIO(secure digital input/output))カードなどの半導体デバイス、磁気若しくは光カード、或いは電子命令を記憶するために適した任意の種類の媒体が挙げられる。命令は、ファームウェア実行可能コード、ソフトウェア実行可能コード、組み込み命令セット、アプリケーションソフトウェア等の形態のものであり得る。他の実施形態は、プログラム可能制御デバイスによって実行されるソフトウェアとして実施さ得る。また、本明細書において説明される動作は、1つを超える異なる物理場所における処理構造などの、複数の物理デバイスにわたって分散し得ることも意図される。
【0035】
[0041] 本明細書において採用される用語及び表現は、限定ではなく、説明の用語として使用されており、このような用語及び表現の使用において、図示及び説明される特徴(又はそれらの部分)の同等物を除外する意図は全くなく、様々な変更が請求項の範囲内で可能であることが認識される。したがって、請求項は、全てのこのような同等物を網羅することが意図される。様々な特徴、態様、及び実施形態が本明細書において説明された。特徴、態様、及び実施形態は、当業者によって理解されるであろうように、相互の組み合わせ、並びに変形及び変更を受け入れる余地がある。したがって、本開示は、このような組み合わせ、変形、及び変更を包含すると考えられるべきである。
【0036】
[0042] 本明細書全体を通じた「一実施形態(one embodiment)」、又は「一実施形態(an embodiment)」への言及は、実施形態に関して説明された特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体を通じた様々な箇所における、表現「一実施形態では(in one embodiment)」、又は「一実施形態では(in an embodiment)」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は1つ又は複数の実施形態において任意の好適な仕方で組み合わせられ得る。
【国際調査報告】