(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】異常な細胞成長を処置するための併用療法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/06 20060101AFI20241024BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241024BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20241024BHJP
A61P 5/00 20060101ALI20241024BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20241024BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241024BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20241024BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/4375 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/4523 20060101ALI20241024BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61K31/506
A61P5/00
A61P1/00
A61P17/00
A61P35/04
A61P11/00
A61K31/519
A61K31/5377
A61K31/4375
A61K31/437
A61K31/4523
A61K31/4184
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525058
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022078771
(87)【国際公開番号】W WO2023076991
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513000780
【氏名又は名称】ベラステム・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Verastem,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】パクター, ジョナサン エー.
(72)【発明者】
【氏名】チョウドゥリー, サンジブ
(72)【発明者】
【氏名】コマ, シルビア
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA20
4C084MA02
4C084MA52
4C084NA05
4C084ZA591
4C084ZA592
4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC061
4C084ZC062
4C084ZC411
4C084ZC412
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC21
4C086BC39
4C086BC42
4C086BC73
4C086BC82
4C086CB05
4C086CB09
4C086CB26
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA89
4C086ZB26
4C086ZC06
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
本明細書に記載される化合物、BRAF V600阻害剤、汎RAF阻害剤、CRAF阻害剤、またはRAF阻害剤、および二重RAF/MEK阻害剤の組合せを、例えば、異常な細胞成長/がんを処置することを必要とする対象における異常な細胞成長/がんを処置する方法において、使用することができる。本開示は、部分的には、例えば、異常な細胞成長(例えば、がん)の処置を必要とする対象の異常な細胞成長(例えば、がん)を処置する方法において使用することができる、組合せ(例えば、本明細書に記載される化合物、例えば、BRAF V600阻害剤、汎RAF阻害剤、CRAF阻害剤、またはRAF阻害剤、および二重RAF/MEK阻害剤の組合せ)を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のBRAF V600阻害剤を前記対象に投与することを含み、前記がんが、BRAF V600変異を有すると同定されている、方法。
【請求項2】
前記BRAF V600変異が、BRAF V600E、BRAF V600K、BRAF V600D、BRAF V600R、および/またはBRAF V600M変異である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記BRAF V600変異が、BRAF V600E変異である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記BRAF V600変異が、BRAF V600K変異である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記BRAF V600変異が、BRAF V600D変異である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記BRAF V600変異が、BRAF V600R変異である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記BRAF V600変異が、BRAF V600M変異である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物:
【化46】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物:
【化47】
である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記二重RAF/MEK阻害剤が前記式(I)の化合物のカリウム塩である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記二重RAF/MEK阻害剤が前記対象に経口投与される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記二重RAF/MEK阻害剤が1週間に2回投与される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり0.5mg~約10mgの用量で投与される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり3.2mgで投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり4mgで投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記二重RAF/MEK阻害剤が、前記二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、前記二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記BRAF V600阻害剤が、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、ベムラフェニブ、FORE-8394(PLX-8394)、チンロラゲニブ、AZ-304、アゲラフェニブ、KIN-2787、BGB-3245、ABM-1310、TQB-3233、UB-941、AFX-1251、ARQ 736、ASN003、AVB-BRAF、BDTX-4933、CFT1946、HLX208、RO5212054、RO7276389、もしくはTQ-B3233、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記BRAF V600阻害剤が、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、もしくはベムラフェニブ、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記BRAF V600阻害剤が前記対象に経口投与される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記BRAF V600阻害剤が毎日1回投与される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記BRAF V600阻害剤が毎日2回投与される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記BRAF V600阻害剤が、前記BRAF V600阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、前記BRAF V600阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記BRAF V600阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記BRAF V600阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記がんが膵臓がん、婦人科がん(例えば、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、子宮内膜がん、または外陰がん)、肝臓がん、前立腺がん、中皮腫、乳がん、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記がんが黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記肺がんが非小細胞肺がん(例えば、転移性非小細胞肺がん)である、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記黒色腫が切除不能黒色腫または転移性黒色腫である、請求項25または26に記載の方法。
【請求項29】
前記がんが結腸直腸がんである、請求項25または26に記載の方法。
【請求項30】
前記甲状腺がんが乳頭状甲状腺がん、濾胞性甲状腺がん、または未分化甲状腺がんである、請求項25または26に記載の方法。
【請求項31】
がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量の汎RAF阻害剤を前記対象に投与することを含み、前記がんがARAF、BRAF、CRAF、KRAS、NRAS、HRAS、EGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、NF1、SOS1、SOS2、MEK1、および/またはMEK2変異を有すると同定されている、方法。
【請求項32】
前記汎RAF阻害剤がBAL3833、LY3009120、REDX05358、IRICoR-Ipsen、JZP815、METiS-01、QLH11906、もしくはSJ-C1044、またはその薬学的に許容される塩である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記汎RAF阻害剤が前記対象に経口投与される、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記汎RAF阻害剤が毎日1回投与される、請求項31から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記汎RAF阻害剤が毎日2回投与される、請求項31から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記汎RAF阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される、請求項31から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記汎RAF阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される、請求項31から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のCRAF阻害剤を前記対象に投与することを含み、前記がんがARAF、BRAF、CRAF、KRAS、NRAS、HRAS、EGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、NF1、SOS1、SOS2、MEK1、および/またはMEK2変異を有すると同定されている、方法。
【請求項39】
前記CRAF阻害剤がMG005、Quanta-RAF1、もしくはSTX200、またはその薬学的に許容される塩である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記CRAF阻害剤が前記対象に経口投与される、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記CRAF阻害剤が毎日1回投与される、請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記CRAF阻害剤が毎日2回投与される、請求項38から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記CRAF阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される、請求項38から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記CRAF阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される、請求項38から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のRAF阻害剤を前記対象に投与することを含み、前記がんがRAF、BRAF、CRAF、KRAS、NRAS、HRAS、EGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、NF1、SOS1、SOS2、MEK1、および/またはMEK2変異を有すると同定されている、方法。
【請求項46】
前記RAF阻害剤がドナフェニブ、リフィラフェニブ、リゴセルチブ、BMS-908662、XP-102、ABM-2526、DDC-PanRAF、FNX006、もしくはVRN-XX、またはその薬学的に許容される塩である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記RAF阻害剤が前記対象に経口投与される、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
前記RAF阻害剤が毎日1回投与される、請求項45から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記RAF阻害剤が毎日2回投与される、請求項45から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記RAF阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される、請求項45から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記RAF阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される、請求項45から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物:
【化48】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項31から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物:
【化49】
である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記二重RAF/MEK阻害剤が前記式(I)の化合物のカリウム塩である、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記二重RAF/MEK阻害剤が前記対象に経口投与される、請求項31から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記二重RAF/MEK阻害剤が1週間に2回投与される、請求項31から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり0.5mg~約10mgの用量で投与される、請求項31から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり3.2mgで投与される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり4mgで投与される、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記二重RAF/MEK阻害剤が、前記二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、前記二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される、請求項31から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記がんが膵臓がん、婦人科がん(例えば、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、子宮内膜がん、または外陰がん)、肝臓がん、前立腺がん、中皮腫、乳がん、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、 甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである、請求項31から60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記がんが黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである、請求項31から61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記肺がんが非小細胞肺がん(例えば、転移性非小細胞肺がん)である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項64】
前記黒色腫が切除不能黒色腫または転移性黒色腫である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項65】
前記がんが結腸直腸がんである、請求項61または62に記載の方法。
【請求項66】
前記甲状腺がんが乳頭状甲状腺がん、濾胞性甲状腺がん、または未分化甲状腺がんである、請求項61または62に記載の方法。
【請求項67】
有効量のFAK阻害剤を前記対象に投与することをさらに含む、請求項1から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記FAK阻害剤がデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記FAK阻害剤が約100mg~約1000mgで投与される、請求項67または68に記載の方法。
【請求項70】
前記FAK阻害剤が1投与当たり約100mg~約400mgで投与される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記FAK阻害剤が1投与当たり200mgで投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記FAK阻害剤が1投与当たり400mgで投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記FAK阻害剤が毎日1回投与される、請求項67から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記FAK阻害剤が毎日2回投与される、請求項67から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記FAK阻害剤が、前記FAK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、前記FAK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される、請求項67から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記FAK阻害剤が前記対象に経口投与される、請求項67から75のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年10月28日に出願された米国仮特許出願第63/272,899号の利益およびそれに対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
RAS/RAF/MEK/ERK(MAPK)シグナル伝達経路の構成要素は、異常な細胞成長、例えば、がんを処置する機会となる。RAS/RAF/MEK/ERKにおける変異は、ヒトのがんにおいて高頻度で見出される。これらの変異体は、構成的に活性なMAPKキナーゼカスケードをもたらし、腫瘍細胞の増殖、分化、生存、および遊走に至る。RAS、RAF、MEK、およびERKなどのRAS/RAF/MEK/ERKシグナル伝達経路のある特定の構成要素の選択的阻害剤は、哺乳動物の異常な細胞成長、特にがんの処置において有用である。
【0003】
異常な細胞成長に関連する疾患および障害(例えば、がん)の重症度および幅広さのために、有効な治療手段および処置方法が必要とされている。本明細書に記載される化合物、組成物、組合せ物、および方法はこの目的に向けられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示は、部分的には、例えば、異常な細胞成長(例えば、がん)の処置を必要とする対象の異常な細胞成長(例えば、がん)を処置する方法において使用することができる、組合せ(例えば、本明細書に記載される化合物、例えば、BRAF V600阻害剤、汎RAF阻害剤、CRAF阻害剤、またはRAF阻害剤、および二重RAF/MEK阻害剤の組合せ)を提供する。
【0005】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のBRAF V600阻害剤を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0006】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のBRAF V600阻害剤を対象に投与することを含み、がんが、BRAF V600変異を有すると同定されている、方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、BRAF V600変異がBRAF V600E、BRAF V600K、BRAF V600D、BRAF V600R、および/またはBRAF V600M変異である。
【0007】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量の汎RAF阻害剤を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0008】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量の汎RAF阻害剤を対象に投与することを含み、がんがARAF、BRAF、CRAF、KRAS、NRAS、HRAS、EGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、NF1、SOS1、SOS2、MEK1、および/またはMEK2変異を有すると同定されている、方法が本明細書で提供される。
【0009】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のCRAF阻害剤を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0010】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のCRAF阻害剤を対象に投与することを含み、がんがARAF、BRAF、CRAF、KRAS、NRAS、HRAS、EGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、NF1、SOS1、SOS2、MEK1、および/またはMEK2変異を有すると同定されている、方法が本明細書で提供される。
【0011】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のRAF阻害剤を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0012】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のRAF阻害剤を対象に投与することを含み、がんがARAF、BRAF、CRAF、KRAS、NRAS、HRAS、EGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、NF1、SOS1、SOS2、MEK1、および/またはMEK2変異を有すると同定されている、方法が本明細書で提供される。
【0013】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I):
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0014】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、その薬学的に許容される塩を含む、式(II):
【化2】
の化合物(式中、変数は本明細書で定義される通りである)である。
【0015】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がIMM-1-104またはその薬学的に許容される塩である。
【0016】
他の目的および利点は、続く詳細な説明、実施例、および特許請求の範囲を考慮することから当業者に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、VS-6766(二重RAF/MEK阻害剤)+BRAF V600阻害剤(BRAFi)の相乗作用が、BRAF V600E黒色腫細胞系において、MEK阻害剤(MEKi)+BRAF V600阻害剤(BRAFi)の相乗作用よりも良好であることを図示する。BRAF V600E黒色腫細胞系のパネルにおけるVS-6766+BRAFiまたはMEKi+BRAFiを用いる3D増殖研究を実施して、VS-6766+BRAFiおよびMEKi+BRAFiの相乗作用を算出した。Bliss、Loewe、HSAおよびZIP相乗作用分析を実施して、複合相乗作用スコアを生成した。
【0018】
【
図2】
図2は、VS-6766(二重RAF/MEK阻害剤)+ベムラフェニブ(BRAFi)の相乗作用が、BRAF V600E黒色腫細胞系において、コビメチニブ(MEKi)+ベムラフェニブ(BRAFi)の相乗作用よりも良好であることを図示する。用量応答マトリックスを使用して、BRAF V600E黒色腫がん細胞系のパネルにおけるVS-6766(5μMで開始する1:5希釈)+ベムラフェニブ(5μMで開始する1:3希釈)およびコビメチニブ(5μMで開始する1:5希釈)+ベムラフェニブ(5μMで開始する1:3希釈)の組合せの抗増殖効果を評価した。相乗作用スコアを4つの異なる方法(Bliss、Loewe、HSA、およびZIP)の組合せを使用して算出した。Bliss相乗作用分析を示す。赤色=相乗作用;緑色=アンタゴニズム。
【0019】
【
図3】
図3は、VS-6766(二重RAF/MEK阻害剤)+ダブラフェニブ(BRAFi)の相乗作用が、BRAF V600E黒色腫細胞系において、トラメチニブ(MEKi)+ダフラフェニブ(BRAFi)の相乗作用よりも良好であることを図示する。用量応答マトリックスを使用して、BRAF V600E黒色腫がん細胞系のパネルにおけるVS-6766(5μMで開始する1:5希釈)+ダブラフェニブ(5μMで開始する1:3希釈)およびトラメチニブ(5μMで開始する1:5希釈)+ダブラフェニブ(5μMで開始する1:3希釈)の組合せの抗増殖効果を評価した。相乗作用スコアを4つの異なる方法(Bliss、Loewe、HSA、およびZIP)の組合せを使用して算出した。Bliss相乗作用分析を示す。赤色=相乗作用;緑色=アンタゴニズム。
【0020】
【
図4】
図4は、VS-6766+BRAFiの相乗作用が、BRAF V600E結腸直腸癌細胞系において、MEKi+BRAFiの相乗作用よりも良好であることを図示する。BRAF V600E結腸直腸癌細胞系のパネルにおけるVS-6766+BRAFiまたはMEKi+BRAFiを用いる3D増殖研究を実施して、VS-6766+BRAFiおよびMEKi+BRAFiの相乗作用を算出した。Bliss、Loewe、HSAおよびZIP相乗作用分析を実施して、複合相乗作用スコアを生成した。
【0021】
【
図5】
図5は、VS-6766(二重RAF/MEK阻害剤)+ベムラフェニブ(BRAFi)の相乗作用が、BRAF V600E結腸直腸癌細胞系において、コビメチニブ(MEKi)+ベムラフェニブ(BRAFi)の相乗作用よりも良好であることを図示する。用量応答マトリックスを使用して、BRAF V600E CRC細胞系のパネルにおけるVS-6766(5μMで開始する1:5希釈)+ベムラフェニブ(5μMで開始する1:3希釈)およびコビメチニブ(5μMで開始する1:5希釈)+ベムラフェニブ(5μMで開始する1:3希釈)の組合せの抗増殖効果を評価した。相乗作用スコアを4つの異なる方法(Bliss、Loewe、HSA、およびZIP)の組合せを使用して算出した。Bliss相乗作用分析を示す。赤色=相乗作用;緑色=アンタゴニズム。
【0022】
【
図6】
図6は、VS-6766(二重RAF/MEK阻害剤)+ダブラフェニブ(BRAFi)の相乗作用が、BRAF V600E結腸直腸癌細胞系において、トラメチニブ(MEKi)+ダフラフェニブ(BRAFi)の相乗作用よりも良好であることを図示する。用量応答マトリックスを使用して、BRAF V600E CRC細胞系のパネルにおけるVS-6766(5μMで開始する1:5希釈)+ダブラフェニブ(5μMで開始する1:3希釈)およびトラメチニブ(5μMで開始する1:5希釈)+ダブラフェニブ(5μMで開始する1:3希釈)の組合せの抗増殖効果を評価した。相乗作用スコアを4つの異なる方法(Bliss、Loewe、HSA、およびZIP)の組合せを使用して算出した。Bliss相乗作用分析を示す。赤色=相乗作用;緑色=アンタゴニズム。
【0023】
【
図7】
図7は、NRAS mt黒色腫細胞系におけるVS-6766(RAF/MEK clamp)+汎RAFiで観察された強い相乗作用を図示する。NRAS変異体黒色腫細胞系のパネルにおけるVS-6766+汎RAFiを用いる3D増殖研究を実施して、VS-6766+汎RAFiの相乗作用を算出した。Bliss、Loewe、HSAおよびZIP相乗作用分析を実施して、複合相乗作用スコアを生成した。
【0024】
【
図8】
図8は、NRAS mt黒色腫細胞系におけるVS-6766(二重RAF/MEK阻害剤)+汎RAFiで観察された強い相乗作用を図示する。用量応答マトリックスを使用して、NRAS変異体黒色腫細胞系のパネルにおけるVS-6766(5μMで開始する1:5希釈)+汎RAFi(5μMで開始する1:3希釈)の組合せの抗増殖効果を評価した。相乗作用スコアを4つの異なる方法(Bliss、Loewe、HSA、およびZIP)の組合せを使用して算出した。Bliss相乗作用分析を示す。赤色=相乗作用;緑色=アンタゴニズム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
本明細書に一般的に記載されるように、本開示は、部分的には、異常な細胞成長(例えば、がん)の処置を必要とする対象の異常な細胞成長(例えば、がん)を処置するのに有用な方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のBRAF V600阻害剤、汎RAF阻害剤、CRAF阻害剤、またはRAF阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
定義
化学的定義
【0026】
特定の官能基および化学用語の定義を、より詳細に以下に記載する。化学元素は、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.の表紙内側の元素の周期表に従って同定され、特定の官能基は、一般に、そこに記載される通りに定義される。加えて、有機化学の一般原則、ならびに特定の官能基の部分および反応性は、Thomas Sorrell, Organic Chemistry, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
【0027】
本明細書に記載される化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含むことができ、よって、様々な異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在することができる。例えば、本明細書に記載される化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体の形態であり得るか、またはラセミ混合物および1つもしくは複数の立体異性体が富化された混合物を含む立体異性体の混合物の形態であり得る。異性体は、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む当業者に公知の方法によって混合物から単離することができるか、または好ましい異性体を、不斉合成によって調製することができる。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981); Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);およびWilen, Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)参照。本発明は、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、および代替的に、様々な異性体の混合物として本明細書に記載される化合物をさらに包含する。
【0028】
本明細書で使用される場合、純粋なエナンチオマー化合物は、化合物の他のエナンチオマーまたは立体異性体を実質的に含まない(すなわち、鏡像体過剰率)。言い換えれば、化合物の「S」形態は、化合物の「R」形態を実質的に含まず、よって、「R」形態の鏡像体過剰率である。「エナンチオマー的に純粋」または「純粋なエナンチオマー」という用語は、化合物が、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、91重量%超、92重量%超、93重量%超、94重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、98.5重量%超、99重量%超、99.2重量%超、99.5重量%超、99.6重量%超、99.7重量%超、99.8重量%超、または99.9重量%超のエナンチオマーを含むことを表す。一部の実施形態では、重量は、化合物の全てのエナンチオマーまたは立体異性体の総重量に基づく。
【0029】
本明細書で提供される組成物中で、エナンチオマー的に純粋な化合物は、他の有効成分または非有効成分とともに存在することができる。例えば、エナンチオマー的に純粋なR-化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の賦形剤および約10%のエナンチオマー的に純粋なR-化合物を含むことができる。一部の実施形態では、そのような組成物中のエナンチオマー的に純粋なR-化合物は、化合物の総重量について、例えば、少なくとも約95重量%のR-化合物および多くて約5重量%のS-化合物を含むことができる。例えば、エナンチオマー的に純粋なS-化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の賦形剤および約10%のエナンチオマー的に純粋なS-化合物を含むことができる。一部の実施形態では、そのような組成物中のエナンチオマー的に純粋なS-化合物は、化合物の総重量について、例えば、少なくとも約95重量%のS-化合物および多くて約5重量%のR-化合物を含むことができる。一部の実施形態では、有効成分は、わずかな賦形剤もしくは担体とともに、または賦形剤もしくは担体なしで製剤化され得る。
【0030】
本明細書に記載される化合物はまた、1つまたは複数の同位体置換を含んでいてもよい。例えば、Hは、1H、2H(Dまたは重水素)、および3H(Tまたは三重水素)を含む任意の同位体形態であり得;Cは、12C、13C、および14Cを含む任意の同位体形態であり得;Oは、16Oおよび18Oを含む任意の同位体形態であり得;Fは、18Fおよび19Fを含む任意の同位体形態であり得る、などである。
【0031】
以下の用語は、以下にそれらとともに提示された意味を有することを意図しており、本発明の記載および意図される範囲を理解するのに有用である。化合物およびその薬学的に許容される塩、そのような化合物を含有する医薬組成物、ならびにそのような化合物および組成物を使用する方法を含み得る本発明を記載する場合、以下の用語は、存在する場合、他に指示されない限り、以下の意味を有する。本明細書に記載される場合、以下に定義される部分のいずれかが、多種多様な置換基で置換され得ること、および個別の定義が、以下に示されるそれらの範囲内にそのような置換された部分を含むことを意図していることも理解されるべきである。
【0032】
「ハロゲン原子」という用語は、本明細書で使用される場合、元素の周期表の7列目の放射線安定原子、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のいずれか1つを意味し、フッ素および塩素が好ましい。
【0033】
「エステル」という用語は、本明細書で使用される場合、式-(R)n-COOR’(式中、RおよびR’は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を通して結合)およびヘテロ脂環式(環炭素を通して結合)からなる群から選択され、nは、0または1である)を有する化学部分を指す。
【0034】
「アミド」という用語は、本明細書で使用される場合、式-(R)n-C(O)NHR’または-(R)n-NHC(O)R’(式中、RおよびR’は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を通して結合)およびヘテロ脂環式(環炭素を通して結合)からなる群から選択され、nは、0または1である)を有する化学部分を指す。アミドは、本発明の分子に結合したアミノ酸またはペプチド分子であり得、それによって、プロドラッグを形成し得る。
【0035】
本明細書で開示される化合物上の任意のアミン、ヒドロキシル、またはカルボキシル側鎖は、エステル化またはアミド化され得る。この目的を達成するために使用される手技および特定の基は、当業者に公知であり、その全体が本明細書に組み込まれる、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York, NY, 1999などの参考文献のソース中に容易に見出すことができる。
【0036】
「芳香族」という用語は、本明細書で使用される場合、共役したパイ電子系を有する少なくとも1つの環を有する芳香族基を指し、炭素環式アリール基(例えば、フェニル)および複素環式アリール基(例えば、ピリジン)の両方を含む。この用語は、単環式基または縮合環多環式(すなわち、炭素原子の隣接する対を共有する環)基を含む。「炭素環式」という用語は、1個または複数の共有結合的に閉じた環構造を含有し、環の骨格を形成する原子が、全て炭素原子である、化合物を指す。よって、この用語は、環骨格が炭素とは異なる少なくとも1個の原子を含有する複素環式環から炭素環式環を区別する。「ヘテロ芳香族」という用語は、少なくとも1個の複素環式環を含有する芳香族基を指す。
【0037】
本明細書で使用される場合「Ca~Cb」(ここで、「a」および「b」は整数である)は、アルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基の炭素原子の数、またはシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、もしくはヘテロシクリル基の環中の炭素原子の数を指す。すなわち、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルの環、アリールの環、ヘテロアリールの環、またはヘテロシクリルの環は、包括的に「a」~「b」個の炭素原子を含有することができる。よって、例えば、「C1~C4アルキル(C1 to C4 alkyl)」基または「C1~C4アルキル(C1-C4 alkyl)」基は、1~4個の炭素を有する全てのアルキル基、すなわち、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)-、および(CH3)3C-を指す。同じく、例えば、シクロアルキル基は、環(複数可)中に「a」~「b」個(両端を含む)の全原子、例えば、C3~C8シクロアルキル基は、3~8個の炭素原子を含有し得る。「a」および「b」が、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルケニルに関して指定されない場合、これらの定義に記載される最大範囲が想定される。同様に、「4~7員ヘテロシクリル」基は、4~7個の総環原子を有する全てのヘテロシクリル基、例えば、アゼチジン、オキセタン、オキサゾリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなどを指す。本明細書で使用される場合、「C1~C6」という用語は、C1、C2、C3、C4、C5、およびC6、ならびに2つの先行する数のいずれかによって定義される範囲を含む。例えば、C1~C6アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、およびC6アルキル、C2~C6アルキル、C1~C3アルキルなどを含む。同様に、C3~C8カルボシクリルまたはシクロアルキルは、3、4、5、6、7、および8個の炭素原子、または2つの数のいずれかによって定義される範囲、例えば、C3~C7シクロアルキルまたはC5~C6シクロアルキルを含有する炭化水素環、それぞれ含む。別の例として、3~10員ヘテロシクリルは、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個の環原子、または2つの先行する数のいずれかによって定義される範囲、例えば、4~6員または5~7員ヘテロシクリルを含む。
【0038】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、直鎖状もしくは分枝状の炭化水素鎖の完全に飽和した(二重結合または三重結合なし)炭化水素基を指す。アルキル基は、1~20個の炭素原子を有し得る(それが本明細書で出現する場合はいつでも、「1~20」などの数値範囲は、所与の範囲中のそれぞれの整数を指し、例えば、「1~20個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、20個までの炭素原子からなり得るが、本定義が、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の出現も包含することを意味する)。アルキル基はまた、1~10個の炭素原子を有する中サイズのアルキルであり得る。アルキル基はまた、1~5個の炭素原子を有する低級アルキルであり得る。化合物のアルキル基は、「C1~C4アルキル」または類似の名称として指定され得る。単に例として、「C1~C4アルキル」は、アルキル鎖中に1~4個の炭素原子が存在することを指し示し、すなわち、アルキル鎖は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルからなる群から選択される。例示的なアルキル基には、決してそれだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニルなどが含まれる。
【0039】
アルキル基は、置換または無置換であり得る。置換される場合、置換基(複数可)は、個々におよび独立して、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、保護C-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、ならびに一置換および二置換アミノ基を含むアミノ、ならびにそれらの保護誘導体から選択される1個または複数の基である。置換基が、「必要に応じて置換」されていると記載される場合はいつでも、その置換基は、上記の置換基の1個で置換されていてもよい。
【0040】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、直鎖状または分枝状の炭化水素鎖中に、1個または複数の二重結合を含有するアルキル基を指す。アルケニル基は、無置換または置換であり得る。置換される場合、置換基(複数可)は、アルキル基の置換に関して上記で開示されたものと同じ基から選択され得る。アルケニル基は、2~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルケニル」という用語の出現も包含する。アルケニル基はまた、2~9個の炭素原子を有する中サイズのアルケニルであり得る。アルケニル基はまた、2~4個の炭素原子を有する低級アルケニルであり得る。化合物のアルケニル基は、「C2~C4アルケニル」または類似の名称として指定され得る。単に例として、「C2~C4アルケニル」は、アルケニル鎖中に2~4個の炭素原子が存在することを指し示し、すなわち、アルケニル鎖は、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、プロペン-3-イル、ブテン-1-イル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ブテン-4-イル、1-メチル-プロペン-1-イル、2-メチル-プロペン-1-イル、1-エチル-エテン-1-イル、2-メチル-プロペン-3-イル、ブタ-1,3-ジエニル、ブタ-1,2-ジエニル、およびブタ-1,2-ジエン-4-イルからなる群から選択される。例示的なアルケニル基には、決してそれだけに限らないが、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニルなどが含まれる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、直鎖状または分枝状の炭化水素鎖中に、1個または複数の三重結合を含有するアルキル基を指す。アルキニル基は、無置換または置換であり得る。置換される場合、置換基(複数可)は、アルキル基の置換に関して上記で開示されたものと同じ基から選択され得る。アルキニル基は、2~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキニル」という用語の出現も包含する。アルキニル基はまた、2~9個の炭素原子を有する中サイズのアルキニルであり得る。アルキニル基はまた、2~4個の炭素原子を有する低級アルキニルであり得る。化合物のアルキニル基は、「C2~C4アルキニル」または類似の名称として指定され得る。単に例として、「C2~C4アルキニル」は、アルキニル鎖中に2~4個の炭素原子が存在することを指し示し、すなわち、アルキニル鎖は、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、ブチン-1-イル、ブチン-3-イル、ブチン-4-イル、および2-ブチニルからなる群から選択される。例示的なアルキニル基には、決してそれだけに限らないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、およびヘキシニルなどが含まれる。
【0042】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」は、鎖骨格中に、1個または複数のヘテロ原子、すなわち、それだけに限らないが、窒素、酸素および硫黄を含む炭素以外の元素を含有する、直鎖状または分枝状の炭化水素鎖を指す。ヘテロアルキル基は、1~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が指定されていない「ヘテロアルキル」という用語の出現も包含する。ヘテロアルキル基はまた、1~9個の炭素原子を有する中サイズのヘテロアルキルであり得る。ヘテロアルキル基はまた、1~4個の炭素原子を有する低級ヘテロアルキルであり得る。化合物のヘテロアルキル基は、「C1~C4ヘテロアルキル」または類似の名称として指定され得る。ヘテロアルキル基は、1個または複数のヘテロ原子を含有し得る。単に例として、「C1~C4ヘテロアルキル」は、ヘテロアルキル鎖中に1~4個の炭素原子、およびさらに、鎖の骨格中に1個または複数のヘテロ原子が存在することを指し示す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、完全に非局在化されたパイ電子系を有する、炭素環式(全て炭素)環、または2個もしくはそれよりも多くの縮合環(2個の隣接する炭素原子を共有する環)を指す。アリール基の例としては、それだけに限らないが、ベンゼン、ナフタレン、およびアズレンが挙げられる。アリール基は、置換または無置換であり得る。置換される場合、水素原子は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、保護C-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、ならびに一置換および二置換アミノ基を含むアミノ、ならびにそれらの保護誘導体から選択される1個または複数の基である置換基(複数可)によって置き換えられる。置換される場合、アリール基上の置換基は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、およびヘテロシクリルを含む、アリール基に縮合した非芳香族環を形成してもよい。
【0044】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、単環式または多環式芳香族環系(完全に非局在化したパイ電子系を有する環系)、1個または複数のヘテロ原子、すなわち、それだけに限らないが、窒素、酸素、および硫黄を含む炭素以外の元素を含有する1個または2個もしくはそれよりも多くの縮合環を指す。ヘテロアリール環の例としては、それだけに限らないが、フラン、チオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、およびトリアジンが挙げられる。ヘテロアリール基は、置換または無置換であり得る。置換される場合、水素原子は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、保護C-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、ならびに一置換および二置換アミノ基を含むアミノ、ならびにそれらの保護誘導体から選択される1個または複数の基である置換基(複数可)によって置き換えられる。置換される場合、ヘテロアリール(heteroayl)基上の置換基は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、およびヘテロシクリルを含む、アリール基に縮合した非芳香族環を形成してもよい。
【0045】
本明細書で使用される場合、「アラルキル」または「アリールアルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して接続されたアリール基を指す。アラルキルのアルキレン基およびアリール基は、置換または無置換であり得る。例には、それだけに限らないが、ベンジル、置換ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、およびナフチルアルキルが含まれる。一部の場合では、アルキレン基は、低級アルキレン基である。
【0046】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアリールアルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して接続されたヘテロアリール基である。ヘテロアラルキルのアルキレン基およびヘテロアリール基は、置換または無置換であり得る。例には、それだけに限らないが、2-チエニルメチル、3-チエニルメチル、フリルメチル、チエニルエチル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソキサゾリルアルキル、およびイミダゾリルアルキル、ならびにそれらの置換されたものだけでなく、ベンゾ縮合アナログが含まれる。一部の場合では、アルキレン基は、低級アルキレン基である。
【0047】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」は、2つの結合点を介して分子の残部に結合する炭素および水素のみを含有する、分枝鎖または直鎖の完全に飽和のジラジカル化学基(すなわち、アルカンジイル)を指す。アルキレン基は、1~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が指定されていないアルキレンという用語の出現も包含する。アルキレン基はまた、1~9個の炭素原子を有する中サイズのアルキレンであり得る。アルキレン基はまた、1~4個の炭素原子を有する低級アルキレンであり得る。アルキレン基は、「C1~C4アルキレン」または類似の名称として指定され得る。単に例として、「C1~C4アルキレン」は、アルキレン鎖中に1~4個の炭素原子が存在することを指し示し、すなわち、アルキレン鎖は、メチレン、エチレン、エタン-1,1-ジイル、プロピレン、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、1-メチル-エチレン、ブチレン、ブタン-1,1-ジイル、ブタン-2,2-ジイル、2-メチル-プロパン-1,1-ジイル、1-メチル-プロピレン、2-メチル-プロピレン、1,1-ジメチル-エチレン、1,2-ジメチル-エチレン、および1-エチル-エチレンからなる群から選択される。
【0048】
本明細書で使用される場合、「アルケニレン」は、2つの結合点を介して分子の残部に結合する炭素および水素のみを含有し、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有する、直鎖または分枝鎖のジラジカル化学基を指す。アルケニレン基は、2~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が指定されていないアルケニレンという用語の出現も包含する。アルケニレン基はまた、2~9個の炭素原子を有する中サイズのアルケニレンであり得る。アルケニレン基はまた、2~4個の炭素原子を有する低級アルケニレンであり得る。アルケニレン基は、「C2~C4アルケニレン」または類似の名称として指定され得る。単に例として、「C2アルケニレン」は、アルケニレン鎖中に2~4個の炭素原子が存在することを指し示し、すなわち、アルケニレン鎖は、エテニレン、エテン-1,1-ジイル、プロペニレン、プロペン-1,1-ジイル、プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-メチル-エテニレン、ブタ-1-エニレン、ブタ-2-エニレン、ブタ-1,3-ジエニレン、ブテン-1,1-ジイル、ブタ-1,3-ジエン-1,1-ジイル、ブタ-2-エン-1,1-ジイル、ブタ-3-エン-1,1-ジイル、1-メチル-プロパ-2-エン-1,1-ジイル、2-メチル-プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-エチル-エテニレン、1,2-ジメチル-エテニレン、1-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペニレン、3-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペン-1,1-ジイル、および2,2-ジメチル-エテン-1,1-ジイルからなる群から選択される。
【0049】
本明細書で使用される場合、「アルキリデン」は別の基の1個の炭素に結合し、二重結合を形成する、=CR’R”などの二価基を指し、アルキリデン基は、それだけに限らないが、メチリデン(=CH2)およびエチリデン(=CHCH3)が含まれる。本明細書で使用される場合、「アリールアルキリデン」は、R’およびR’’のいずれかがアリール基であるアルキリデン基を指す。アルキリデン基は、置換または無置換であり得る。
【0050】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は、式-OR(式中、Rは、上記で定義されたアルキルである)、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、アモキシ、tert-アモキシなどを指す。アルコキシは、置換または無置換であり得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、「アルキルチオ」は、式-SR(式中、Rは、上記で定義されたアルキルである)、例えば、メチルメルカプト、エチルメルカプト、n-プロピルメルカプト、1-メチルエチルメルカプト(イソプロピルメルカプト)、n-ブチルメルカプト、イソブチルメルカプト、sec-ブチルメルカプト、tert-ブチルメルカプトなどを指す。アルキルチオは、置換または無置換であり得る。
【0052】
本明細書で使用される場合、「アリールオキシ」および「アリールチオ」は、それぞれ、RO-およびRS-を指し、ここで、Rは、それだけに限らないが、フェニルなどのアリールである。アリールオキシおよびアリールチオは両方とも、置換または無置換であり得る。
【0053】
本明細書で使用される場合、「アシル」は、-C(=O)R(式中、Rは、本明細書で定義されるように、水素、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8カルボシクリル、アリール、5~10員ヘテロアリール、および5~10員ヘテロシクリルである)を指す。非限定的な例には、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、およびアクリルが含まれる。
【0054】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全に飽和の(二重結合なし)単環式または多環式環状炭化水素環系を指す。2個またはそれよりも多くの環から構成される場合、環は、縮合、架橋またはスピロ接続様式で一緒に接合され得る。シクロアルキル基は、C3~C10の範囲であり得、他の実施形態では、C3~C6の範囲であり得る。シクロアルキル基は、無置換または置換であり得る。例示的なシクロアルキル基には、決してそれだけに限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。置換される場合、置換基(複数可)は、アルキルであり得るか、または他に指示されない限り、アルキル基の置換に関して上記で指し示されたものから選択され得る。置換される場合、シクロアルキル基上の置換基は、アリールおよびヘテロアリールを含む、シクロアルキル基に縮合した芳香族環を形成してもよい。
【0055】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」は、環中に1個または複数の二重結合を含有するシクロアルキル基を指すが、1個を超えて存在する場合、環中で、完全に非局在化したパイ電子系を形成することができない(そうでなければ、基は、本明細書で定義される「アリール」であろう)。2個またはそれよりも多くの環から構成される場合、環は、縮合、架橋またはスピロ接続様式で一緒に接続され得る。シクロアルケニル基は、無置換または置換であり得る。置換される場合、置換基(複数可)は、アルキルであり得るか、または他に指示されない限り、アルキル基の置換に関して上記で開示された基から選択され得る。置換される場合、シクロアルケニル基上の置換基は、アリールおよびヘテロアリールを含む、シクロアルケニル基に縮合した芳香族環を形成してもよい。
【0056】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキニル」は、環中に1個または複数の三重結合を含有するシクロアルキル基を指す。2個またはそれよりも多くの環から構成される場合、環は、縮合、架橋またはスピロ接続様式で一緒に接合され得る。シクロアルキニル基は、無置換または置換であり得る。置換される場合、置換基(複数可)は、アルキルであり得るか、または他に指示されない限り、アルキル基の置換に関して上記で開示された基から選択され得る。置換される場合、シクロアルキニル基上の置換基は、アリールおよびヘテロアリールを含む、シクロアルキニル基に縮合した芳香族環を形成してもよい。
【0057】
本明細書で使用される場合、「ヘテロ脂環式」または「ヘテロアリシクリル」は、炭素原子、ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1~5個のヘテロ原子からなる安定な3~18員環を指す。「ヘテロ脂環式」または「ヘテロアリシクリル」は、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり得、これは、縮合、架橋またはスピロ接続様式で一緒に接合され得、「ヘテロ脂環式」または「ヘテロアリシクリル」中の窒素、炭素、および硫黄原子は、必要に応じて酸化され得、窒素は、必要に応じて四級化され得、環はまた、それらが全ての環全体にわたって完全に非局在化したパイ電子系を形成しないという条件で、1個または複数の二重結合を含有し得る。ヘテロアリシクリル基は、無置換または置換であり得る。置換される場合、置換基(複数可)は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、保護C-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、ならびに一置換および二置換アミノ基を含むアミノ、ならびにその保護誘導体からなる群から選択される1個または複数の基であり得る。そのような「ヘテロ脂環式」または「ヘテロアリシクリル」の例としては、それだけに限らないが、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、モルホリニル、オキシラニル、ピペリジニルA-オキシド、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、4-ピペリドニル、ピラゾリジニル、2-オキソピロリジニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、およびチアモルホリニルスルホンが挙げられる。置換される場合、ヘテロアリシクリル基上の置換基は、アリールおよびヘテロアリールを含む、ヘテロアリシクリル基に縮合した芳香族環を形成してもよい。
【0058】
本明細書で使用される場合、「(シクロアルケニル)アルキル」という用語は、置換基として、アルキレン基を介して接続されたシクロアルケニル基を指す。(シクロアルケニル)アルキルのアルキレンおよびシクロアルケニルは、置換または無置換であり得る。一部の場合では、アルキレン基は、低級アルキレン基である。
【0059】
本明細書で使用される場合、「(シクロアルキニル)アルキル」という用語は、置換基として、アルキレン基を介して接続されたシクロアルキニル基を。(シクロアルキニル)アルキルのアルキレンおよびシクロアルキニルは、置換または無置換であり得る。一部の場合では、アルキレン基は、低級アルキレン基である。
【0060】
本明細書で使用される場合、「O-カルボキシ」という用語は、「RC(=O)O-」基を指し、ここで、Rは、本明細書で定義されるように、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、または(ヘテロアリシクリル)アルキルであり得る。O-カルボキシは、置換または無置換であり得る。
【0061】
本明細書で使用される場合、「C-カルボキシ」という用語は、「-C(=O)R」基を指し、ここで、Rは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。C-カルボキシは、置換または無置換であり得る。
【0062】
本明細書で使用される場合、「トリハロメタンスルホニル」という用語は、「X3CSO2-」基(式中、Xは、ハロゲンである)を指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、「シアノ」という用語は、「-CN」基を指す。
【0064】
本明細書で使用される場合、「シアナト」という用語は、「-OCN」基を指す。
【0065】
本明細書で使用される場合、「イソシアナト」という用語は、「-NCO」基を指す。
【0066】
本明細書で使用される場合、「チオシアナト」という用語は、「-SCN」基を指す。
【0067】
本明細書で使用される場合、「イソチオシアナト」という用語は、「-NCS」基を指す。
【0068】
本明細書で使用される場合、「スルフィニル」という用語は、「-S(=O)-R」基を指し、ここで、Rは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。スルフィニルは、置換または無置換であり得る。
【0069】
本明細書で使用される場合、「スルホニル」という用語は、「-SO2R」基を指し、ここで、Rは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。スルホニルは、置換または無置換であり得る。
【0070】
本明細書で使用される場合、「S-スルホンアミド」という用語は、「-SO2NRARB」基を指し、ここで、RAおよびRBは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。S-スルホンアミドは、置換または無置換であり得る。
【0071】
本明細書で使用される場合、「N-スルホンアミド」という用語は、「-SO2N(RA)(RB)」基を指し、ここで、RAおよびRBは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。スルホニルは、置換または無置換であり得る。
【0072】
本明細書で使用される場合、「トリハロメタンスルホンアミド」という用語は、「X3CSO2N(R)-」基を指し、ハロゲンとしてのXおよびRは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。トリハロメタンスルホンアミドは、置換または無置換であり得る。
【0073】
本明細書で使用される場合、「O-カルバミル」という用語は、「-OC(=O)NRARB」基を指し、ここで、RAおよびRBは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。O-カルバミルは、置換または無置換であり得る。
【0074】
本明細書で使用される場合、「N-カルバミル」という用語は、「ROC(=O)NRA」基を指し、ここで、RおよびRAは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。N-カルバミルは、置換または無置換であり得る。
【0075】
本明細書で使用される場合、「O-チオカルバミル」という用語は、「-OC(=S)-NRARB」基を指し、ここで、RAおよびRBは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。O-チオカルバミルは、置換または無置換であり得る。
【0076】
本明細書で使用される場合、「N-チオカルバミル」という用語は、「ROC(=S)NRA-」基を指し、ここで、RおよびRAは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。N-チオカルバミルは、置換または無置換であり得る。
【0077】
本明細書で使用される場合、「C-アミド」という用語は、「-C(=O)NRARB」基を指し、ここで、RAおよびRBは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。C-アミドは、置換または無置換であり得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「N-アミド」という用語は、「RC(=O)NRA-」基を指し、ここで、RおよびRAは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。N-アミドは、置換または無置換であり得る。
【0079】
本明細書で使用される場合、「アミノ」という用語は、「-NRARB」基を指し、ここで、RAおよびRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義されるように、水素、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8カルボシクリル、C6~C10アリール、5~10員ヘテロアリール、および5~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0080】
本明細書で使用される場合、「アミノアルキル」という用語は、アルキレン基を介して接続されたアミノ基を指す。
【0081】
本明細書で使用される場合、「エステル」という用語は、「-C(=O)OR」基を指し、ここで、Rは、O-カルボキシに関して定義されたものと同じであり得る。エステルは、置換または無置換であり得る。
【0082】
本明細書で使用される場合、「低級アミノアルキル」という用語は、低級アルキレン基を介して接続されたアミノ基を指す。低級アミノアルキルは、置換または無置換であり得る。
【0083】
本明細書で使用される場合、「低級アルコキシアルキル」という用語は、低級アルキレン基を介して接続されたアルコキシ基を指す。低級アルコキシアルキルは、置換または無置換であり得る。
【0084】
本明細書で使用される場合、「アセチル」という用語は、-C(=O)CH3基を指す。
【0085】
本明細書で使用される場合、「パーハロアルキル」という用語は、水素原子の全てがハロゲン原子によって置き換えられているアルキル基を指す。
【0086】
本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」という用語は、環系の骨格中に炭素原子のみを含有する、非芳香族環式の環または環系を指す。カルボシクリルが環系である場合、2個またはそれよりも多くの環は、縮合、架橋またはスピロ接続様式で一緒に接合され得る。カルボシクリルは、環系中の少なくとも1個の環が芳香族ではないことを条件として、任意の飽和度を有し得る。よって、カルボシクリルには、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニルが含まれる。カルボシクリル基は、3~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が指定されていない「カルボシクリル」という用語の出現も包含する。カルボシクリル基はまた、3~10個の炭素原子を有する中サイズのカルボシクリルであり得る。カルボシクリル基はまた、3~6個の炭素原子を有するカルボシクリルであり得る。カルボシクリル基は、「C3~C6カルボシクリル」または類似の名称として指定され得る。カルボシクリル環の例としては、それだけに限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,3-ジヒドロインデン、ビシクロ(bicycle)[2.2.2]オクタニル、アダマンチル、およびスピロ[4.4]ノナニルが挙げられる。
【0087】
本明細書で使用される場合、「(シクロアルキル)アルキル」という用語は、置換基として、アルキレン基を介して接続されたシクロアルキル基を指す。(シクロアルキル)アルキルのアルキレンおよびシクロアルキルは、置換または無置換であり得る。例には、それだけに限らないが、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルブチル、シクロブチルエチル、シクロプロピルイソプロピル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチルなどが含まれる。一部の場合では、アルキレン基は、低級アルキレン基である。
【0088】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、完全に飽和のカルボシクリル環または環系を指す。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。
【0089】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1個の二重結合を有するカルボシクリル環または環系を意味し、ここで、環系中の環は、芳香族ではない。例はシクロヘキセニルである。
【0090】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」という用語は、炭素原子が、1~3個のヘテロ原子と一緒になって前記環を構成する、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、および8員環またはそれより多い員環を指す。ヘテロシクリルは、必要に応じて、そのような方法に適し、しかしながら、芳香族パイ電子系が生じない、1個または複数の不飽和結合を含有し得る。ヘテロ原子は、独立して、酸素、硫黄、および窒素から選択される。ヘテロシクリルは、定義が、オキソ系およびチオ系、例えば、ラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミド、環状カルバメートなどを含むように、1個または複数のカルボニルまたはチオカルボニル官能基をさらに含有することができる。「ヘテロシクリル」は、環骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、非芳香族環式の環または環系を指し得る。ヘテロシクリルは、縮合、架橋またはスピロ接続様式で一緒に接合され得る。ヘテロシクリルは、環系中の少なくとも1個の環が芳香族ではないことを条件として、任意の飽和度を有し得る。ヘテロ原子は、環系中の非芳香族環または芳香族環のいずれかに存在し得る。ヘテロシクリル基は、3~20環員(すなわち、環骨格を作り上げる原子の数、炭素原子およびヘテロ原子を含む)を有し得るが、本定義は、数値範囲が指定されていない「ヘテロシクリル」という用語の出現も包含する。ヘテロシクリル基はまた、3~10個の環員を有する中サイズのヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基はまた、3~6個の環員を有するヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基は、「3~6員ヘテロシクリル」または類似の名称として指定され得る。好ましい6員単環式ヘテロシクリルにおいて、ヘテロ原子(複数可)は、1個~3個までのO、N、またはSから選択され、好ましい5員単環式ヘテロシクリルにおいて、ヘテロ原子(複数可)は、O、N、またはSから選択される1個または2個のヘテロ原子から選択される。ヘテロシクリル環の例としては、それだけに限らないが、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセパニル、チエパニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキソピペラジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピロリジオニル、4-ピペリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,3-ジオキシニル、1、3-ジオキサニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチアニル、1,4-オキサチイニル、1,4-オキサチアニル、2//-1,2-オキサジニル、トリオキサニル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジニル、1,3-ジオキソリル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオリル、1,3-ジチオラニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、1,3-オキサチオラニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、チアモルホリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンズイミダゾリジニル、およびテトラヒドロキノリンが挙げられる。
【0091】
本明細書で使用される場合、「(ヘテロシクリル)アルキル」という用語は、置換基として、アルキレン基を介して接続されたヘテロシクリル基を指す。例には、それだけに限らないが、イミダゾリニルメチルおよびインドリニルエチルが含まれる。
【0092】
置換された基は、1個または複数の水素原子の別の原子または基による交換が存在している無置換親基に基づくか、またはそれに由来する。他に指示されない限り、基が、「置換」されていると見なされる場合、基は、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C7カルボシクリル(必要に応じて、ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換される)、C3~C7-カルボシクリル-C1~C6-アルキル(必要に応じて、ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換される)、5~10員ヘテロシクリル(必要に応じて、ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換される)、5~10員ヘテロシクリル-C1~C6-アルキル(必要に応じて、ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換される)、アリール(必要に応じて、ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換される)、アリール(C1~C6)アルキル(必要に応じて、ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換される)、5-10員ヘテロアリール(必要に応じて、ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換される)、5-10員ヘテロアリール(C1~C6)アルキル(必要に応じて、ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換される)、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルコキシ(C1~C6)アルキル(すなわち、エーテル)、アリールオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C1~C6)アルキル(例えば、-CF3)、ハロ(C1~C6)アルコキシ(例えば、-OCF3)、C1~C6アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミノ(C1~C6)アルキル、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアナト、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルフィニル、スルホニル、およびオキソ(=O)から独立して選択される1個または複数の置換基で置換される。基が、「必要に応じて置換」されていると記載される場合はいつでも、その基は、上記の置換基で置換され得る。
【0093】
一部の実施形態では、置換された基は、C1~C4アルキル、アミノ、ヒドロキシ、およびハロゲンから個々におよび独立して選択される1個または複数の置換基で置換される。
【0094】
ある特定のラジカル命名規則が、文脈に応じて、モノラジカルまたはジラジカルのいずれかを含み得ることが理解されるべきである。例えば、置換基が、分子の残部への2つの結合点を必要とする場合、置換基がジラジカルであることが理解される。例えば、2つの結合点を必要とするアルキルとして同定された置換基は、ジラジカル、例えば、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-などを含む。他のラジカル命名規則は、ラジカルが、「アルキレン」または「アルケニレン」などのジラジカルであることを明確に指し示す。
【0095】
他に指示されない限り、置換基が、「必要に応じて置換」されていると見なされる場合、置換基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、ならびに一置換および二置換アミノ基を含むアミノ、ならびにその保護誘導体から個々におよび独立して選択される1個または複数の基で置換され得る基であることを意味する。上記置換基の保護誘導体を形成し得る保護基は、当業者に公知であり、上記の Greene and Wutsなどの参考文献において見出され得る。
【0096】
他の定義
「約」および「およそ」は、測定値の性質または精度を考慮して、測定された量について許容される誤差の程度を一般的に意味するものとする。例示的な誤差の程度は、所与の値または値の範囲の20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。
【0097】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わないでヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容される塩は当技術分野で周知である。例えば、Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences (1977) 66:1-19で詳細に薬学的に許容される塩を記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適した無機および有機の酸および塩基から誘導されるものが含まれる。薬学的に許容される、非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸を用いて、あるいはイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。適切な塩基から誘導される薬学的に許容される塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN+(C1~4アルキル)4塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、ニトレート、低級アルキルスルホネート、およびアリールスルホネートなどの対イオンを使用して形成される非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンが含まれる。
【0098】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない非毒性の担体、佐剤、またはビヒクルを指す。本明細書に記載される組成物に使用され得る薬学的に許容される担体、佐剤またはビヒクルには、それだけに限らないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えばプロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。
【0099】
本明細書で使用される場合、投与が企図される「対象」には、それだけに限らないが、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、小児、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人))ならびに/あるいは非ヒト動物、例えば霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、齧歯類、ネコ、および/またはイヌなどの哺乳動物が含まれる。一部の実施形態では、対象がヒトである。一部の実施形態では、対象が非ヒト動物である。「ヒト」、「患者」、および「対象」という用語は本明細書で互換的に使用される。
【0100】
疾患、障害、および状態は本明細書で互換的に使用される。
【0101】
本明細書で使用される場合、特に指定しない限り、「処置する」、「処置すること」および「処置」という用語は、疾患、障害もしくは状態の重症度を低下させる、または疾患、障害もしくは状態の進行を遅延させるもしくは減速させる、患者が特定の疾患、障害または状態を患っている間に行われる行為を企図する(「治療的処置」とも)。
【0102】
一般に、化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量を指す。この分野の当業者によって認識されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置される疾患、投与様式、ならびに対象の年齢、体重、健康、および状態のような因子に応じて変化し得る。本明細書で使用される場合、特に指定しない限り、化合物の「治療有効量」は、疾患、障害もしくは状態の処置において治療利益を提供する、または疾患、障害もしくは状態に関連する1つもしくは複数の症状を遅らせるもしくは最小化するのに十分な量である。化合物の治療有効量は、疾患、障害または状態の処置において治療利益を提供する、単独でのまたは他の治療と組み合わせた、治療剤の量を意味する。「治療有効量」という用語は、治療全体を改善する、疾患もしくは状態の症状もしくは原因を減少させるもしくは回避する、または別の治療剤の治療有効性を増強する量を包含することができる。本明細書で使用される場合、特に指定しない限り、化合物の「予防有効量」は、疾患、障害もしくは状態、または疾患、障害もしくは状態に関連する1つもしくは複数の症状を防止する、あるいはその再発を防止するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、疾患、障害または状態の防止において予防利益を提供する、単独でのまたは他の薬剤と組み合わせた、治療剤の量を意味する。「予防有効量」という用語は、予防全体を改善する、または別の予防剤の予防有効性を増強する量を包含することができる。
【0103】
本明細書で使用される場合、「予防的処置」は、対象が特定の疾患、障害または状態を患い始める前に行われる行為を企図する。
【0104】
「経口剤形」という用語は、本明細書で使用される場合、薬剤を対象に投与するために使用される組成物または媒体を指す。典型的には、経口剤形は口を介して投与されるが、「経口剤形」は、対象に投与され、例えば口、食道、胃、小腸、大腸、および結腸を含む消化管の膜、例えば粘膜を横切って吸収される任意の物質を網羅することを意図している。例えば、「経口剤形」は、胃への栄養管を介して投与される溶液を網羅する。
【0105】
「サイクル」は、薬物の投与のサイクルの文脈において本明細書で使用される場合、薬物が投与され、薬物が対象に投与されない休止期間をさらに含み得る、期間を指す。一部の実施形態では、1サイクルは、4週間である。
【0106】
「RAS変異」は、RAS遺伝子の変異である。例えば、「KRAS変異」は、Krasタンパク質の活性GTP結合状態に有利に働くことによって、増加したおよび/または構成的な活性に関連する異常なKrasタンパク質機能をもたらす、KRAS遺伝子の変異(すなわち、核酸変異)またはKrasタンパク質の変異(すなわち、アミノ酸変異)である。変異は、GTP結合および構成的に活性なKrasタンパク質に有利に働く保存された部位にあり得る。一部の例では、変異がKRAS遺伝子のコドン12、13、および16の1つまたは複数にある。例えば、KRAS変異は、例えば、コドン12の単一の点置換変異(すなわち、KRAS G12X変異)としてKRAS遺伝子のコドン12にあり得る(例えば、KRAS G12V変異は、単一ヌクレオチド変化(c.35G>T)から生じ、12位のグリシン(G)のバリン(V)によるアミノ酸置換をもたらす)。例示的なKRAS G12X変異には、それだけに限らないが、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、およびKRAS G12Cが含まれる。別の例として、「NRAS変異」は、異常なNrasタンパク質機能をもたらす、NRAS遺伝子の変異(例えば、核酸変異)またはNrasタンパク質の変異(例えば、アミノ酸変異)である。
【0107】
「RAF変異」は、RAF遺伝子における変異である。例えば、「BRAF変異」は、BRAF遺伝子における変異である。一部の例では、BRAF遺伝子における変異は、BRAF V600E、BRAF V600K、BRAF V600D、BRAF V600R、およびBRAF V600M変異を含む、BRAF V600変異である。「CRAF」変異は、CRAF遺伝子における変異であり、「ARAF」変異は、ARAF遺伝子における変異である。
【0108】
処置方法
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のBRAF V600阻害剤を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0109】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のBRAF V600阻害剤を対象に投与することを含み、がんが、BRAF V600変異を有すると同定されている、方法が本明細書で提供される。
【0110】
一部の実施形態では、BRAF V600変異がBRAF V600E、BRAF V600K、BRAF V600D、BRAF V600R、および/またはBRAF V600M変異である。一部の実施形態では、BRAF V600変異がBRAF V600E変異である。一部の実施形態では、BRAF V600変異がBRAF V600K変異である。一部の実施形態では、BRAF V600変異がBRAF V600D変異である。一部の実施形態では、BRAF V600変異がBRAF V600R変異である。一部の実施形態では、BRAF V600変異がBRAF V600M変異である。
【0111】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I):
【化3】
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0112】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I):
【化4】
の化合物である。
【0113】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物のカリウム塩である。
【0114】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がIMM-1-104またはその薬学的に許容される塩である。
【0115】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、その薬学的に許容される塩を含む、式(II):
【化5】
の化合物(式中、変数は本明細書で定義される通りである)である。
【0116】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が表Iの化合物から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0117】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がダブラフェニブ、エンコラフェニブ、ベムラフェニブ、FORE-8394(PLX-8394)、チンロラゲニブ(tinloragenib)、AZ-304、アゲラフェニブ、KIN-2787、BGB-3245、ABM-1310、TQB-3233、UB-941、AFX-1251、ARQ 736、ASN003、AVB-BRAF、BDTX-4933、CFT1946、HLX208、RO5212054、RO7276389、もしくはTQ-B3233、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がダブラフェニブ、エンコラフェニブ、ベムラフェニブ、FORE-8394、チンロラゲニブ、AZ-304、アゲラフェニブ、もしくはKIN-2787、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がダブラフェニブ、エンコラフェニブ、もしくはベムラフェニブ、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がダブラフェニブまたはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がエンコラフェニブまたはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がベムラフェニブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0118】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が対象に経口投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に3回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に4回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に5回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に6回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が毎日1回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が毎日2回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される。
【0119】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が、BRAF V600阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、BRAF V600阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。
【0120】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびBRAF V600阻害剤が周期的に独立して投与される。
【0121】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびBRAF V600阻害剤が周期的に同時に投与される。
【0122】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は有効量のFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を対象に投与することをさらに含む。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約100mg~約1000mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり約100mg~約400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり200mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が毎日2回投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を3週間にわたり投与し、次いで、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が対象に経口投与される。
【0123】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0124】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0125】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0126】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0127】
一部の実施形態では、がんが膵臓がん、婦人科がん(例えば、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、子宮内膜がん、または外陰がん)、肝臓がん、前立腺がん、中皮腫、乳がん、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである。一部の実施形態では、がんが黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである。一部の実施形態では、肺がんが非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんが転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、黒色腫が切除不能黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫が転移性黒色腫である。一部の実施形態では、がんが結腸直腸がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが乳頭状甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが濾胞性甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが未分化甲状腺がんである。
【0128】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量のデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩および有効量のBRAF V600阻害剤を対象に投与することを含み、がんがBRAF V600変異を有すると同定されている、方法が本明細書で提供される。
【0129】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0130】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0131】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量の汎RAF阻害剤を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0132】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量の汎RAF阻害剤を対象に投与することを含み、がんがARAF、BRAF、CRAF、KRAS、NRAS、HRAS、EGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、NF1、SOS1、SOS2、MEK1、および/またはMEK2変異を有すると同定されている、方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、がんがARAF、BRAF、および/またはCRAF変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがKRAS、NRAS、および/またはHRAS変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがEGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、および/またはNF1変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがEGFRおよび/またはFGFR変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがALKR変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがNF1変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがSOS1および/またはSOS2変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがMEK1および/またはMEK2変異を有すると同定されている。
【0133】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I):
【化6】
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0134】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I):
【化7】
の化合物である。
【0135】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物のカリウム塩である。
【0136】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がIMM-1-104またはその薬学的に許容される塩である。
【0137】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、その薬学的に許容される塩を含む、式(II):
【化8】
の化合物(式中、変数は本明細書で定義される通りである)である。
【0138】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が表Iの化合物から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0139】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤がベルバラフェニブ(belvarafenib)、ナポラフェニブ(naporafenib)、リフィラフェニブ(lifirafenib)、トボラフェニブ(tovorafenib)、BAL3833、LY3009120、REDX05358、IRICoR-Ipsen、JZP815、METiS-01、QLH11906、もしくはSJ-C1044、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤がベルバラフェニブ、ナポラフェニブ、リフィラフェニブ、トボラフェニブ、BAL3833、LY3009120、もしくはREDX05358、またはその薬学的に許容される塩である。
【0140】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が対象に経口投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に3回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に4回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に5回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に6回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が毎日1回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が毎日2回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される。
【0141】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が、汎RAF阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、汎RAF阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。
【0142】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤および汎RAF阻害剤が周期的に独立して投与される。
【0143】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤および汎RAF阻害剤が周期的に同時に投与される。
【0144】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は有効量のFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を対象に投与することをさらに含む。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約100mg~約1000mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり約100mg~約400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり200mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が毎日2回投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を3週間にわたり投与し、次いで、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が対象に経口投与される。
【0145】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0146】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0147】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0148】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0149】
一部の実施形態では、がんが膵臓がん、婦人科がん(例えば、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、子宮内膜がん、または外陰がん)、肝臓がん、前立腺がん、中皮腫、乳がん、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである。一部の実施形態では、がんが黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである。一部の実施形態では、肺がんが非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんが転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、黒色腫が切除不能黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫が転移性黒色腫である。一部の実施形態では、がんが結腸直腸がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが乳頭状甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが濾胞性甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが未分化甲状腺がんである。
【0150】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量のデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩および有効量の汎RAF阻害剤を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0151】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0152】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0153】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のCRAF阻害剤を対象に投与することを含む。
【0154】
実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のCRAF阻害剤を対象に投与することを含み、がんがARAF、BRAF、CRAF、KRAS、NRAS、HRAS、EGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、NF1、SOS1、SOS2、MEK1、および/またはMEK2変異を有すると同定されている、方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、がんがARAF、BRAF、および/またはCRAF変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがKRAS、NRAS、および/またはHRAS変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがEGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、および/またはNF1変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがEGFRおよび/またはFGFR変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがALKR変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがNF1変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがSOS1および/またはSOS2変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがMEK1および/またはMEK2変異を有すると同定されている。
【0155】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I):
【化9】
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0156】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I):
【化10】
の化合物である。
【0157】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物のカリウム塩である。
【0158】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がIMM-1-104またはその薬学的に許容される塩である。
【0159】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、その薬学的に許容される塩を含む、式(II):
【化11】
の化合物(式中、変数は本明細書で定義される通りである)である。
【0160】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が表Iの化合物から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0161】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤がMG005、Quanta-RAF1、もしくはSTX200、またはその薬学的に許容される塩である。
【0162】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤が対象に経口投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に3回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に4回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に5回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に6回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が毎日1回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が毎日2回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される。
【0163】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤が、CRAF阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、CRAF阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。
【0164】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびCRAF阻害剤が周期的に独立して投与される。
【0165】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびCRAF阻害剤が周期的に同時に投与される。
【0166】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は有効量のFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を対象に投与することをさらに含む。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約100mg~約1000mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり約100mg~約400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり200mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が毎日2回投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を3週間にわたり投与し、次いで、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が対象に経口投与される。
【0167】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0168】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0169】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0170】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0171】
一部の実施形態では、がんが膵臓がん、婦人科がん(例えば、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、子宮内膜がん、または外陰がん)、肝臓がん、前立腺がん、中皮腫、乳がん、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである。一部の実施形態では、がんが黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである。一部の実施形態では、肺がんが非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんが転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、黒色腫が切除不能黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫が転移性黒色腫である。一部の実施形態では、がんが結腸直腸がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが乳頭状甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが濾胞性甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが未分化甲状腺がんである。
【0172】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量のデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩および有効量のCRAF阻害剤を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0173】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0174】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0175】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のRAF阻害剤を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0176】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量の二重RAF/MEK阻害剤および有効量のRAF阻害剤を対象に投与することを含み、がんがARAF、BRAF、CRAF、KRAS、NRAS、HRAS、EGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、NF1、SOS1、SOS2、MEK1、および/またはMEK2変異を有すると同定されている、方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、がんがARAF、BRAF、および/またはCRAF変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがKRAS、NRAS、および/またはHRAS変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがEGFR、ALKR、FGFR、PDGFR、および/またはNF1変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがEGFRおよび/またはFGFR変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがALKR変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがNF1変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがSOS1および/またはSOS2変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、がんがMEK1および/またはMEK2変異を有すると同定されている。
【0177】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I):
【化12】
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0178】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I):
【化13】
の化合物である。
【0179】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物のカリウム塩である。
【0180】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がIMM-1-104またはその薬学的に許容される塩である。
【0181】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、その薬学的に許容される塩を含む、式(II):
【化14】
の化合物(式中、変数は本明細書で定義される通りである)である。
【0182】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が表Iの化合物から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0183】
一部の実施形態では、RAF阻害剤がドナフェニブ、リフィラフェニブ、リゴセルチブ、BMS-908662、XP-102、ABM-2526、DDC-PanRAF、FNX006、もしくはVRN-XX、またはその薬学的に許容される塩である。
【0184】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が対象に経口投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に3回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に4回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に5回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に6回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が毎日1回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が毎日2回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される。
【0185】
一部の実施形態では、RAF阻害剤が、RAF阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、RAF阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。
【0186】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびBRAF V600阻害剤が周期的に独立して投与される。
【0187】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびBRAF V600阻害剤が周期的に同時に投与される。
【0188】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は有効量のFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を対象に投与することをさらに含む。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約100mg~約1000mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり約100mg~約400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり200mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1投与当たり400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が毎日2回投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を3週間にわたり投与し、次いで、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が対象に経口投与される。
【0189】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0190】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0191】
一部の実施形態では、RAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。
【0192】
一部の実施形態では、RAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
【0193】
一部の実施形態では、がんが膵臓がん、婦人科がん(例えば、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、子宮内膜がん、または外陰がん)、肝臓がん、前立腺がん、中皮腫、乳がん、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである。一部の実施形態では、がんが黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである。一部の実施形態では、肺がんが非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんが転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、黒色腫が切除不能黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫が転移性黒色腫である。一部の実施形態では、がんが結腸直腸がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが乳頭状甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが濾胞性甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが未分化甲状腺がんである。
【0194】
一部の実施形態では、がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量のデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩および有効量のRAF阻害剤を対象に投与することを含む。
【0195】
一部の実施形態では、RAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投与される。
二重RAF/MEK阻害剤
【0196】
本明細書に記載される例示的な二重RAF/MEK阻害剤はVS-6766(CKI27、CH5126766、またはRO5126766とも呼ばれる)である。
【0197】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物:
【化15】
またはその薬学的に許容される塩である。
【0198】
一部の実施形態では、式(I)の化合物が
【化16】
であり、これは、本明細書において化合物1またはVS-6766遊離形態とも呼ばれる。
【0199】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が式(I)の化合物のカリウム塩であり、これはVS-6766とも呼ばれる。式(I)の化合物の他の薬学的に許容される塩が本明細書で企図される。
【0200】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤は、その薬学的に許容される塩を含む式(II)の構造:
【化17】
[式中、
環Aは、
【化18】
であり、
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、それぞれ独立して、H、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、必要に応じて置換されたアミノ、必要に応じて置換されたC-アミド、必要に応じて置換されたN-アミド、必要に応じて置換されたエステル、必要に応じて置換されたスルホニル、必要に応じて置換されたS-スルホンアミド、必要に応じて置換されたN-スルホンアミド、必要に応じて置換されたスルホネート、必要に応じて置換されたO-チオカルバミル、必要に応じて置換されたN-チオカルバミル、必要に応じて置換されたN-カルバミル、必要に応じて置換されたO-カルバミル、必要に応じて置換されたウレア、必要に応じて置換されたC1~C6アルコキシ、必要に応じて置換されたC1~C6アルキル、必要に応じて置換されたC2~C6アルケニル、必要に応じて置換されたC2~C6アルキニル、必要に応じて置換されたC3~C8シクロアルキル、必要に応じて置換されたC6~C10アリール、必要に応じて置換されたC3~C8ヘテロシクリル、必要に応じて置換されたC3~C10ヘテロアリール、およびLからなる群から選択され;R
6は、H、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、必要に応じて置換されたアミノ、必要に応じて置換されたC1~C6アルコキシ、必要に応じて置換されたC1~C6アルキル、必要に応じて置換されたC2~C6アルケニル、および必要に応じて置換されたC2~C6アルキニルからなる群から選択され;
Xは、C(R
5)
2、CH(R
5)、CH
2、-O-、
【化19】
であり;
Lは、-Z
1-Z
2または-Z
1-Z
2-Z
3であり;
Z
1、Z
2、およびZ
3は、独立して、-CH
2-、-O-、-S-、S=O、-SO
2-、C=O、-CO
2-、-NO
2、-NH-、-CH
2CCH、-CH
2CN、-NR
5R
5’、-NH(CO)-、-(CO)NH-、-(CO)NR
5R
5’-、-NH-SO
2-、-SO
2-NH-、-R
5CH
2-、-R
5O-、-R
5S-、R
5-S=O、-R
5SO
2-、R
5-C=O、-R
5CO
2-、-R
5NH-、-R
5NH(CO)-、-R
5(CO)NH-、-R
5NH-SO
2-、-R
5SO
2-NH-、-NHCH
2CO-、-CH
2R
5-、-OR
5-、-SR
5-、S=O-R
5、-SO
2R
5-、C=O-R
5、-CO
2R
5-、-NHR
5-、-NH(CO)R
5-、-(CO)NHR
5-、-NH-SO
2R
5-、-SO
2-NHR
5-、必要に応じて置換されたC1~C6アルキル、必要に応じて置換されたC3~C8シクロアルキル、必要に応じて置換されたC6~C10アリール、必要に応じて置換されたC3~C8ヘテロシクリル、必要に応じて置換されたC3~C10ヘテロアリール、-CH
2-(必要に応じて置換されたアリール)、-CH
2-(必要に応じて置換されたC3~C8シクロアルキル)、および-CH
2-(必要に応じて置換されたC3~C10ヘテロアリール)からなる群から選択され;それぞれのR
5およびR
5は、独立して、H、重水素、必要に応じて置換されたC1~C6アルキル、必要に応じて置換されたC2~C6アルケニル、必要に応じて置換されたC2~C6アルキニル、必要に応じて置換されたC3~C8カルボシクリル、必要に応じて置換されたC6~C10アリール、必要に応じて置換されたC3~C8ヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたC3~C10ヘテロアリールから選択され;
Yは、CH
2、NH、またはOであり、ただし、R
1は、-O-ピリミジルではない]を有する化合物である。
【0201】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が表I中の化合物から選択される化合物である。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【表1-24】
【表1-25】
【0202】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がIMM-1-104(Immuneering)またはその薬学的に許容される塩である。
【0203】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が少なくとも1週間に1回(例えば、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、または1週間に6回)投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1週間に3回投与される。
【0204】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が約0.1mg~約100mg、例えば、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約4mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約2mg、約0.1mg~約1mg、約1mg~約5mg、約1mg~約10mg、約1mg~約20mg、約1mg~約40mg、約1mg~約60mg、約1mg~約80mg、約1mg~約100mg、約10mg~約100mg、約20mg~約100mg、約40mg~約100mg、約60mg~約100mg、または約80mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約0.5mg~約10mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約0.8mg~約10mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約1mg~約5mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約2mg~約4mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約0.1mg、0.2mg、0.5mg、1mg、1.5mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、または100mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約4mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約3.2mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が経口投与される。
【0205】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして投与される。一部の実施形態では、サイクルは、二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤は1週間に1回投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤は1週間に3回投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約0.8mg~約10mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約1mg~約5mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約2mg~約4mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約4mgで投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1投与当たり約3.2mgで投与される。
【0206】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に2回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり約0.8mg~約10mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に2回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり約1mg~約5mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に2回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり約2mg~約4mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に2回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり3.2mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に2回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり4mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、サイクルが少なくとも1回繰り返される。
【0207】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に3回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり約0.8mg~約10mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に3回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり約1mg~約5mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に3回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり約2mg~約4mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に3回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり3.2mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がサイクルとして1週間に3回投与され、サイクルが二重RAF/MEK阻害剤を3週間にわたり1投与当たり4mgの用量で投与し、次いで、二重RAF/MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、サイクルが少なくとも1回繰り返される。
【0208】
代替的な実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が連続的に(すなわち、二重RAF/MEK阻害剤が投与されない期間なしに、例えば、1週間)投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1週間に3回投与される。
【0209】
RAF阻害剤
例示的なRAF阻害剤としては、それだけに限らないが、
以下の構造:
【化20】
を有するドナフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化21】
を有するリフィラフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化22】
を有するリゴセルチブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化23】
を有するBMS-908662またはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化24】
を有するXP-102またはその薬学的に許容される塩、
ABM-2526(ABM Therapeutics)、DDC-PanRAF(Deciphera Pharmaceuticals)、FNX006(Chengdu Fanuoxi Biomedical Technology)、およびVRN-XX(Voronoi)、ならびにその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0210】
一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約0.1mg~約5000mg、例えば、約1mg~約3000mg、約10mg~約2000mg、例えば、約100mg~約2000mg、約100mg~約1500mg、約100mg~約1000mg、約100mg~約800mg、約100mg~約600mg、約100mg~約400mg、約100mg~約200mg、約200mg~約2000mg、約200mg~約1500mg、約200mg~約1000mg、約200mg~約800mg、約200mg~約600mg、約200mg~約400mg、約400mg~約2000mg、約400mg~約1500mg、約400mg~約1000mg、約400mg~約800mg、約400mg~約600mg、約600mg~約2000mg、約600mg~約1500mg、約600mg~約1000mg、約600mg~約800mg、約800mg~約2000mg、800mg~約1500mg、約800mg~約1000mg、約600mg~約2000mg、約600mg~約1500mg、約600mg~約1000mg、約600mg~約800mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり100mg~200mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり300mg~500mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり200mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり800mg~1000mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約1mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約5mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約10mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約50mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約100mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約150mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約200mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約250mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約300mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約350mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約400mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約450mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約500mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約550mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約650mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約700mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約750mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約800mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約850mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約900mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約950mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1投与当たり約1000mgで投与される。
【0211】
一部の実施形態では、RAF阻害剤が少なくとも1週間に1回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1週間に3回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1週間に4回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1週間に5回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が1週間に6回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が毎日少なくとも1回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が毎日1回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が毎日2回投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤が経口投与される。
【0212】
一部の実施形態では、RAF阻害剤がサイクルとして投与される。例えば、一部の実施形態では、RAF阻害剤が、RAF阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、RAF阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。
【0213】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、RAF阻害剤が投与される前に、投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、RAF阻害剤が投与された後に、投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がRAF阻害剤と併せて投与される。
【0214】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびRAF阻害剤が周期的に独立して投与される。
【0215】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびRAF阻害剤が周期的に同時に投与される。
【0216】
BRAF V600阻害剤
例示的なBRAF V600阻害剤としては、それだけに限らないが、
以下の構造:
【化25】
を有するダブラフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化26】
を有するエンコラフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化27】
を有するベムラフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化28】
を有するFORE-8394(PLX-8394)またはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化29】
を有するチンロラゲニブ(PF-07284890またはARRY-461)(Pfizer)またはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化30】
を有するAZ-304またはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化31】
を有するアゲラフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化32】
を有するKIN-2787またはその薬学的に許容される塩、
BGB-3245(MapKure)、ABM-1310(ABM Therapeutics)、TQB-3233(Jiangsu Chia-tai Tianqing Pharmaceutical)、UB-941(UBI Pharma)、AFX-1251(Afecta Pharmaceuticals)、ARQ 736(Merck)、ASN003(Asana BioSciences)、AVB-BRAF(Aravive)、BDTX-4933(Black Diamond Therapeutics)、CFT1946(C4 Therapeutics)、HLX208(NeuPharma)、RO5212054(Daiichi Sankyo)、RO7276389(Genentech)、およびTQ-B3233(Chia Tai Tianqing Pharmaceutical)、ならびにその薬学的に許容される塩が挙げられる。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がダブラフェニブ、エンコラフェニブ、ベムラフェニブ、FORE-8394、チンロラゲニブ、AZ-304、アゲラフェニブ、もしくはKIN-2787、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がダブラフェニブ、エンコラフェニブ、もしくはベムラフェニブ、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がダブラフェニブまたはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がエンコラフェニブまたはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がベムラフェニブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0217】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約0.1mg~約5000mg、例えば、約1mg~約3000mg、約10mg~約2000mg、例えば、約100mg~約2000mg、約100mg~約1500mg、約100mg~約1000mg、約100mg~約800mg、約100mg~約600mg、約100mg~約400mg、約100mg~約200mg、約200mg~約2000mg、約200mg~約1500mg、約200mg~約1000mg、約200mg~約800mg、約200mg~約600mg、約200mg~約400mg、約400mg~約2000mg、約400mg~約1500mg、約400mg~約1000mg、約400mg~約800mg、約400mg~約600mg、約600mg~約2000mg、約600mg~約1500mg、約600mg~約1000mg、約600mg~約800mg、約800mg~約2000mg、800mg~約1500mg、約800mg~約1000mg、約600mg~約2000mg、約600mg~約1500mg、約600mg~約1000mg、約600mg~約800mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり100mg~200mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり300mg~500mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり200mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり800mg~1000mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約1mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約5mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約10mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約50mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約100mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約150mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約200mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約250mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約300mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約350mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約400mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約450mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約500mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約550mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約600mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約650mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約700mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約750mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約800mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約850mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約900mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約950mgで投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1投与当たり約1000mgで投与される。
【0218】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が少なくとも1週間に1回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に3回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に4回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に5回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が1週間に6回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が毎日少なくとも1回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が毎日1回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が毎日2回投与される。一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が経口投与される。
【0219】
一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤がサイクルとして投与される。例えば、一部の実施形態では、BRAF V600阻害剤が、BRAF V600阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、BRAF V600阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。
【0220】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、BRAF V600阻害剤が投与される前に、投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、BRAF V600阻害剤が投与された後に、投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がBRAF V600阻害剤と併せて投与される。
【0221】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびBRAF V600阻害剤が周期的に独立して投与される。
【0222】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびBRAF V600阻害剤が周期的に同時に投与される。
【0223】
汎RAF阻害剤
例示的な汎RAF阻害剤としては、それだけに限らないが、
以下の構造:
【化33】
を有するベルバラフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化34】
を有するナポラフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化35】
を有するリフィラフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化36】
を有するトボラフェニブまたはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化37】
を有するBAL3833またはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化38】
を有するLY3009120またはその薬学的に許容される塩、
以下の構造:
【化39】
を有するREDX05358またはその薬学的に許容される塩、
IRICoR-Ipsen(IRICoR)、JZP815(Jazz Pharmaceuticals)、METiS-01(METiS Therapeutics)、QLH11906(Qilu Pharmaceutical)、およびSJ-C1044(Samjin Pharmaceutical)、ならびにその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0224】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約0.1mg~約5000mg、例えば、約1mg~約3000mg、約10mg~約2000mg、例えば、約100mg~約2000mg、約100mg~約1500mg、約100mg~約1000mg、約100mg~約800mg、約100mg~約600mg、約100mg~約400mg、約100mg~約200mg、約200mg~約2000mg、約200mg~約1500mg、約200mg~約1000mg、約200mg~約800mg、約200mg~約600mg、約200mg~約400mg、約400mg~約2000mg、約400mg~約1500mg、約400mg~約1000mg、約400mg~約800mg、約400mg~約600mg、約600mg~約2000mg、約600mg~約1500mg、約600mg~約1000mg、約600mg~約800mg、約800mg~約2000mg、800mg~約1500mg、約800mg~約1000mg、約600mg~約2000mg、約600mg~約1500mg、約600mg~約1000mg、約600mg~約800mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり100mg~200mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり300mg~500mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり200mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり800mg~1000mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約1mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約5mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約10mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約50mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約100mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約150mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約200mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約250mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約300mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約350mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約400mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約450mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約500mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約550mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約600mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約650mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約700mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約750mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約800mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約850mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約900mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約950mgで投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1投与当たり約1000mgで投与される。
【0225】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が少なくとも1週間に1回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に3回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に4回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に5回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が1週間に6回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が毎日少なくとも1回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が毎日1回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が毎日2回投与される。一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が経口投与される。
【0226】
一部の実施形態では、汎RAF阻害剤がサイクルとして投与される。例えば、一部の実施形態では、汎RAF阻害剤が、汎RAF阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、汎RAF阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。
【0227】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、汎RAF阻害剤が投与される前に、投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、汎RAF阻害剤が投与された後に、投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が汎RAF阻害剤と併せて投与される。
【0228】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤および汎RAF阻害剤が周期的に独立して投与される。
【0229】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤および汎RAF阻害剤が周期的に同時に投与される。
【0230】
CRAF阻害剤
例示的なCRAF阻害剤としては、それだけに限らないが、MG005(Metagone Biotech)、Quanta-RAF1(Quanta Therapeutics)、およびSTX200(SyntheX)、ならびにその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0231】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約0.1mg~約5000mg、例えば、約1mg~約3000mg、約10mg~約2000mg、例えば、約100mg~約2000mg、約100mg~約1500mg、約100mg~約1000mg、約100mg~約800mg、約100mg~約600mg、約100mg~約400mg、約100mg~約200mg、約200mg~約2000mg、約200mg~約1500mg、約200mg~約1000mg、約200mg~約800mg、約200mg~約600mg、約200mg~約400mg、約400mg~約2000mg、約400mg~約1500mg、約400mg~約1000mg、約400mg~約800mg、約400mg~約600mg、約600mg~約2000mg、約600mg~約1500mg、約600mg~約1000mg、約600mg~約800mg、約800mg~約2000mg、800mg~約1500mg、約800mg~約1000mg、約600mg~約2000mg、約600mg~約1500mg、約600mg~約1000mg、約600mg~約800mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり10mg~2000mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり100mg~1000mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり100mg~200mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり300mg~500mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり200mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり800mg~1000mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約1mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約5mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約10mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約50mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約100mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約150mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約200mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約250mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約300mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約350mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約400mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約450mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約500mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約550mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約600mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約650mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約700mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約750mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約800mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約850mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約900mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約950mgで投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1投与当たり約1000mgで投与される。
【0232】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤が少なくとも1週間に1回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に1回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に2回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に3回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に4回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に5回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が1週間に6回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が毎日少なくとも1回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が毎日1回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が毎日2回投与される。一部の実施形態では、CRAF阻害剤が経口投与される。
【0233】
一部の実施形態では、CRAF阻害剤がサイクルとして投与される。例えば、一部の実施形態では、CRAF阻害剤が、RAF阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、CRAF阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして投与される。
【0234】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、CRAF阻害剤が投与される前に、投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が、CRAF阻害剤が投与された後に、投与される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤がCRAF阻害剤と併せて投与される。
【0235】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびCRAF阻害剤が周期的に独立して投与される。
【0236】
一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤およびCRAF阻害剤が周期的に同時に投与される。
【0237】
FAK阻害剤
FAKタンパク質チロシンキナーゼの強力な阻害剤は、哺乳動物、特にヒトにおける抗増殖剤(例えば、抗がん剤)、抗腫瘍剤(例えば、固形腫瘍に対して有効)、抗血管新生剤(例えば、血管の増殖を停止または防止する)としての治療的使用に適合され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載されるFAK阻害剤を対象に投与することをさらに企図する。FAK阻害剤は、非血液悪性疾患、様々なヒト過剰増殖性障害、例えば、肝臓、腎臓、膀胱、乳房、胃、卵巣、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状腺、肝臓癌、肉腫、神経膠芽腫、頭頸部の悪性および良性腫瘍、ならびに他の過形成性状態、例えば、皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)および前立腺の良性過形成(例えば、BPH)の防止および処置において、ならびに中皮腫などの障害の防止および処置において有用であり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物、例えば、FAK阻害剤は、タンパク質チロシンキナーゼ2(PYK2)を阻害する。
【0238】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は有効量のFAK阻害剤を対象に投与することをさらに企図する。
【0239】
例示的なFAK阻害剤には、それだけに限らないが、以下の構造:
【化40】
を有するデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩が含まれる。デファクチニブはVS-6063(例えば、VS-6063遊離塩基)またはPF-04554878としても知られる。VS-6063および関連する化合物は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,928,109号にも開示されている。一部の実施形態では、VS-6063が薬学的に許容される塩(例えば、VS-6063塩酸塩)を形成することができる。
【0240】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化41】
を有するVS-4718またはその薬学的に許容される塩である。
【0241】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化42】
を有するTAE226またはその薬学的に許容される塩である。
【0242】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化43】
を有するGSK2256098またはその薬学的に許容される塩である。
【0243】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化44】
を有するPF-03814735またはその薬学的に許容される塩である。
【0244】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化45】
を有するBI-4464またはその薬学的に許容される塩である。
【0245】
一部の実施形態では、FAK阻害剤がBI-853520(IN10018;Boehringer Ingelheim)である。一部の他の実施形態では、FAK阻害剤がAPG-2449(Ascentage Pharma Group)である。
【0246】
一部の実施形態では、FAK阻害剤がデファクチニブ、TAE226、BI-853520、GSK2256098、PF-03814735、BI-4464、VS-4718、およびAPG-2449、またはその薬学的に許容される塩からなる群より選択される。例えば、FAK阻害剤がデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0247】
一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が毎日少なくとも1回投与される。例えば、一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が毎日1回投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が毎日2回投与される。
【0248】
一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が1投与当たり約100mg~約1000mg、例えば、約100mg~約800mg、約100mg~約600mg、約100mg~約400mg、約100mg~約200mg、約200mg~約1000mg、約400mg~約1000mg、約600mg~約1000mg、約800mg~約1000mg、約200mg~約800mg、約200mg~約600mg、約200mg~約400mg、約400mg~約800mg、または約400mg~約600mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が1投与当たり約200mg~約400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が1投与当たり約100mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が1投与当たり約200mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が1投与当たり約300mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が1投与当たり約400mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が1投与当たり約500mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が1投与当たり約600mgで投与される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブ)が経口投与される。
【0249】
一部の実施形態では、FAK阻害剤がサイクルとして投与され、サイクルは、FAK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、FAK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。一部の実施形態では、サイクルが少なくとも1回繰り返される。
疾患および障害
異常な細胞成長
【0250】
異常な細胞成長は、本明細書で使用される場合、特に指示しない限り、正常な調節機序から独立した細胞成長(例えば、接触阻害の喪失)を指す。これには、(1)例えば、変異チロシンキナーゼを発現させることによって、または受容体チロシンキナーゼの過剰発現によって増殖する腫瘍細胞(腫瘍);(2)例えば、異常なチロシンキナーゼ活性化が起こる他の増殖性疾患の良性および悪性細胞;(3)例えば、受容体チロシンキナーゼによって増殖する任意の腫瘍;(4)例えば、異常なセリン/トレオニンキナーゼ活性化によって増殖し得る任意の腫瘍;ならびに(5)例えば、異常なセリン/トレオニンキナーゼ活性化が起こる他の増殖性疾患の良性および悪性細胞の異常な成長が含まれる。異常な細胞成長は、上皮(例えば、癌腫、腺癌);間葉(例えば、肉腫(例えば、平滑筋肉腫、ユーイング肉腫));造血(hematopoetic)(例えば、リンパ腫、白血病、骨髄異形成(例えば、前悪性));または他の(例えば、黒色腫、中皮腫、および他の起源不明の腫瘍)細胞における細胞成長を指し得る。
新生物障害
【0251】
異常な細胞成長は新生物障害を指し得る。「新生物障害」は、自律成長または複製の能力を有する細胞を特徴とする疾患または障害、例えば増殖性細胞成長を特徴とする異常な状況または状態である。異常な細胞成長または分裂の結果としての組織の異常な塊、または「新生物」は良性、前悪性(上皮内癌)または悪性(がん)であり得る。
【0252】
例示的な新生物障害には、癌腫、肉腫、転移性障害(例えば、前立腺、結腸、肺、乳房および肝臓起源から生じる腫瘍)、造血性新生物障害、例えば、白血病、転移性腫瘍が含まれる。化合物による処置は、新生物障害の少なくとも1つの症状を好転させる(ameliorate)、例えば、細胞増殖を減少させる、腫瘍塊を減少させる等に有効な量であり得る。
がん
【0253】
本発明の発明的方法は、例えば、固形腫瘍、軟部組織腫瘍、およびその転移を含むがんの防止および処置において有用であり得る。開示される方法は、非固形がんの処置においても有用である。例示的な固形腫瘍には、様々な臓器系の悪性疾患(例えば、肉腫、腺癌、および癌腫)、例えば肺、乳房、リンパ系、消化管(例えば、結腸)、および尿生殖器(例えば、腎臓、尿路上皮、または精巣腫瘍)管、咽頭、前立腺、および卵巣の悪性疾患が含まれる。例示的な腺癌には、結腸直腸がん、腎細胞癌、肝臓がん(例えば、肝細胞癌)、肺の非小細胞癌、膵臓(例えば、転移性膵臓腺癌)および小腸のがんが含まれる。
【0254】
がんには、中皮腫;神経線維腫症;例えば、神経線維腫症2型、神経線維腫症1型;腎がん;肺がん、非小細胞肺がん;肝臓がん;甲状腺がん;卵巣;乳がん;神経系腫瘍;シュワン腫;髄膜腫;神経鞘腫症;聴神経腫;腺様嚢胞癌;上衣腫;上衣腫瘍、あるいは低下したマーリン発現および/もしくは変異、ならびに/またはNF-2遺伝子の欠失および/もしくはプロモーター過剰メチル化を呈す任意の他の腫瘍が含まれ得る。一部の実施形態では、がんが腎臓がんである。
【0255】
例えば、がんには、それだけに限らないが、卵巣がん、非小細胞肺がん(例えば、NSCLC腺癌)、子宮類内膜癌、膵臓腺癌、結腸直腸腺癌、結腸直腸がん、膵臓がん、または肺腺癌が含まれ得る。一部の実施形態では、NSCLCがKRAS変異を有すると特徴付けられる。一部の実施形態では、卵巣がんが低悪性度漿液性卵巣がんである。
【0256】
がんには、がん幹細胞、がん関連間葉細胞、または腫瘍開始がん細胞を含むと特徴付けられたがんが含まれ得る。がんには、がん幹細胞、がん関連間葉細胞、または腫瘍開始がん細胞が富化されていると特徴付けられているがんが含まれ得る(例えば、上皮間葉転換を受けた細胞が富化された腫瘍または転移性腫瘍)。
【0257】
がんとして、膵臓がん、婦人科がん(例えば、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、子宮内膜がん、または外陰がん)、肝臓がん、前立腺がん、中皮腫、乳がん、膀胱がん、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんが挙げられる。一部の実施形態では、がんが黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、甲状腺がん、神経膠芽腫または腎臓がんである。一部の実施形態では、肺がんが非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんが転移性非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、黒色腫が切除不能黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫が転移性黒色腫である。一部の実施形態では、がんが結腸直腸がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが乳頭状甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが濾胞性甲状腺がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんが未分化甲状腺がんである。
【0258】
がんは原発性腫瘍であり得る、すなわち、腫瘍成長開始の解剖学的部位に位置し得る。がんはまた転移性であり得る、すなわち、腫瘍成長開始の解剖学的部位以外の少なくとも第2の解剖学的部位に現れ得る。がんは再発性がん、すなわち、処置後、およびがんが検出不能であった期間の後に再発するがんであり得る。再発性がんは、解剖学的に元の腫瘍に対して局所的に、例えば、解剖学的に元の腫瘍の近くに;元の腫瘍に対して局部的に、例えば、元の腫瘍の近くに位置するリンパ節に;または元の腫瘍に対して遠位に、例えば、解剖学的に元の腫瘍から離れた領域に位置し得る。
【0259】
がんにはまた、例えば、それだけに限らないが、上皮がん、乳がん、肺がん、膵臓がん、結腸直腸がん(例えば、転移性結腸直腸がん、例えば、転移性KRAS変異)、前立腺がん、頭頸部がん、黒色腫(例えば、NRAS変異局所進行または転移性悪性皮膚黒色腫)、急性骨髄性白血病、および神経膠芽腫が含まれ得る。例示的な乳がんには、トリプルネガティブ乳がん、基底細胞様乳がん(basal-like breast cancer)、低クローディン乳がん、浸潤、炎症性、異形成、および治療に抵抗性の進行HER-2陽性またはER陽性がんが含まれる。
【0260】
一部の実施形態では、がんがRAS変異を有すると特徴付けられる。一部の実施形態では、がんがKRAS変異を有すると特徴付けられるがんである。一部の実施形態では、がんがNRAS変異を有すると特徴付けられるがんである。一部の実施形態では、がんがHRAS変異を有すると特徴付けられるがんである。
【0261】
一部の実施形態では、がんがRAF変異を有すると特徴付けられるがんである。一部の実施形態では、がんがBRAF変異を有すると特徴付けられるがんである。
【0262】
がんにはまた、肺腺癌、結腸直腸がん(CRC)、ぶどう膜黒色腫、、卵巣がん、子宮類内膜癌、膀胱尿路上皮癌、乳房の浸潤性小葉癌、子宮頸部扁平上皮癌、皮膚黒色腫、子宮頚管内腺癌(endocervical adenocarcinoma)、肝細胞癌、膵臓腺癌、二相型胸膜中皮腫(biphasic type pleural mesothelioma)、腎明細胞癌、腎明細胞癌、胃腺癌、胃管状腺癌、子宮癌肉腫、または子宮悪性ミュラー管混合腫瘍(uterine malignant mixed Mullerian tumor)が含まれ得る。
【0263】
一部の実施形態では、がんが切除不能または転移性黒色腫、完全切除を受けたリンパ節転移もしくは転移性疾患を伴う黒色腫、転移性非小細胞肺がんおよび白金系化学療法中もしくはその後の進行、白金系化学療法および療法の少なくとも1つの他のライン後の進行を伴う転移性小細胞肺がん、以前に抗血管新生療法を受けた進行性腎細胞癌、進行性腎細胞癌、古典的ホジキンリンパ腫、白金系療法中もしくはその後の疾患進行を伴う頭頸部の再発性もしくは転移性扁平上皮癌、局所進行性もしくは転移性尿路上皮癌、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)もしくはミスマッチ修復機能欠損(dMMR)転移性結腸直腸がん、または肝細胞癌である。
【0264】
一部の実施形態では、がんが黒色腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、頭頸部扁平上皮がん、古典的ホジキンリンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、尿路上皮癌、高頻度マイクロサテライト不安定性がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、肝細胞癌、メルケル細胞癌、腎細胞癌、または子宮内膜癌である。
【0265】
他のがんには、それだけに限らないが、ブドウ膜黒色腫、脳がん、腹部がん、食道がん、消化管がん、神経膠腫、肝臓がん、舌がん、神経芽細胞腫、骨肉腫、卵巣がん、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、多発性骨髄腫、皮膚がん、リンパ腫、血液がんおよび骨髄がん(例えば、進行血液悪性疾患、白血病、例えば、急性骨髄性白血病(原発性または続発性)、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、T細胞白血病、血液悪性疾患、進行骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、再発または難治性多発性骨髄腫、進行骨髄増殖性障害)、網膜がん、膀胱がん、子宮頸がん、腎臓がん、子宮内膜がん、髄膜種、リンパ腫、皮膚がん、子宮がん、肺がん、非小細胞肺がん、鼻咽腔癌、神経芽細胞腫、固形腫瘍、血液悪性疾患、扁平上皮癌、精巣がん、甲状腺がん、中皮腫、脳がん、外陰がん、肉腫、腸がん、口腔がん、内分泌がん、唾液腺がん、精母細胞セミノーマ、散発性甲状腺髄様癌(sporadic medulalry thyroid carcinoma)、非増殖精巣細胞、悪性肥満細胞に関連するがん、非ホジキンリンパ腫、およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫が含まれる。
【0266】
一部の実施形態では、腫瘍が固形腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍が局所進行または転移性である。一部の実施形態では、固形腫瘍が標準治療後に難治性(例えば、抵抗性)である。
【0267】
本明細書に記載される方法は、障害および/またはその関連する症状を減少させる、好転させるまたは完全に排除する、それが悪化しないようにする、進行速度を減速させる、あるいは障害が最初に排除されたらその再発率を最小化する(すなわち、再燃を回避する)ことができる。適した用量および治療レジメンは、使用される具体的な化合物、組合せ、および/または医薬組成物、ならびに化合物、組合せ、および/または医薬組成物の送達様式に応じて変化し得る。一部の実施形態では、本方法が、統計学的に有意に、本明細書に記載される組合せで処置された対象の、生存の平均の長さを増加させる、無進行生存の平均の長さを増加させる、および/または再発率を減少させる。
【0268】
一部の実施形態では、がんが肺がん(例えば、非小細胞肺がんCNSCLC)、例えば、KRAS変異体NSCLC;転移性がん)、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部のがん、皮膚または眼内黒色腫、子宮がん、卵巣がん(例えば、切除不能低悪性度卵巣がん、進行または転移性卵巣がん)、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、結腸がん、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、およびHer2/neuの遺伝子を発現しない乳がん))、子宮がん、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、ホジキン病、食道のがん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟部組織の肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、前立腺がん、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱のがん、腎臓または尿管のがん、腎細胞癌、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊椎軸腫瘍(spinal axis tumor)、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、中皮腫(例えば、悪性胸膜中皮腫、例えば外科的切除可能悪性胸膜中皮腫)または前記がんのうちの1つもしくは複数の組合せである。一部の実施形態では、がんが転移性である。一部の実施形態では、異常な細胞成長が局所的再発性である(例えば、対象が局所的再発性疾患、例えばがんを有する)。
追加の治療
【0269】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法および組成物が追加の治療と一緒に投与される。一実施形態では、1種または複数の化合物または医薬組成物の混合物がそれを必要とする対象に本明細書に記載される組合せと投与され得る。さらに別の実施形態では、1種または複数の化合物または組成物(例えば、医薬組成物)が、例えば、がん、糖尿病、神経変性疾患、心血管疾患、血液凝固、炎症、潮紅、肥満、加齢、ストレス等を含む様々な疾患の処置または回避のために本明細書に記載される組合せと投与され得る。様々な実施形態では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物を含む併用療法が、(1)1種または複数の化合物を本明細書に記載される組合せと組み合わせて含む医薬組成物および(2)同じ組成物に製剤化されていない本明細書に記載される1種または複数の化合物または医薬組成物と本明細書に記載される組合せの同時投与を指し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される組合せが追加の処置(例えば、追加のがん処置)と投与される。一部の実施形態では、追加の処置(例えば、追加のがん処置)が、同じもしくは別個の組成物で同時に(例えば、同じ時に)、または順次に投与され得る。逐次投与は、追加の、例えば、二次、処置(例えば、化合物または治療)の投与前(例えば、直前、5分、10分、15分、30分、45分、60分未満前;1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、48時間、72時間、96時間またはそれよりも長い時間の前;4日、5日、6日、7日、8日、9日またはそれよりも長い日数の前;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間またはそれよりも長い週数の前)のある処置の投与を指す。第1および第2の化合物または治療の投与の順序を逆にすることもできる。
【0270】
一部の実施形態では、追加の治療が、がん処置である。例示的ながん処置には、例えば、化学療法、標的化療法、例えば抗体療法、免疫療法、およびホルモン療法が含まれる。これらの処置の各々の例が以下で提供される。
化学療法
【0271】
一部の実施形態では、本明細書に記載される組合せが化学療法と投与される。化学療法は、がん細胞を破壊することができる薬物によるがんの処置である。「化学療法」は通常、標的化療法と対照的に、一般的に急速に分裂している細胞に影響を及ぼす細胞傷害薬を指す。化学療法薬物は、様々な可能な方法で細胞分裂、例えば、DNAの複製または新たに形成された染色体の分離を妨害する。化学療法のほとんどの形態は全て、急速に分裂している細胞を標的化し、がん細胞に特異的でないが、ある程度の特異性が、多くのがん細胞がDNA損傷を修復できないが、正常細胞は一般的にできることから生じ得る。
【0272】
がん治療に使用される化学療法剤の例としては、例えば、代謝拮抗薬(例えば、葉酸、プリン、およびピリミジン誘導体)およびアルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、白金、アルキルスルホネート、ヒドラジン、トリアゼン、アジリジン、紡錘体毒、細胞傷害剤、トポイソメラーゼ阻害剤など)が挙げられる。例示的な薬剤には、アクラルビシン、アクチノマイシン、アリトレチノイン(Alitretinon)、アルトレタミン、アミノプテリン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アトラセンタン、ベロテカン、ベキサロテン、ベンダムスチン(endamustine)、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カンプトテシン(Camptotnecin)、カペシタビン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、セレコキシブ、クロラムブシル、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デメコルチン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エファプロキシラル、エレスクロモル、エルサミトルシン(Elsamitrucin)、エノシタビン、エピルビシン、エストラムスチン、エトグルシド、エトポシド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル(5FU)、フォテムスチン、ゲムシタビン、ギリアデルインプラント、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、イロフルベン、イキサベピロン、ラロタキセル、ロイコボリン、リポソームドキソルビシン、リポソームダウノルビシン、ロニダミン、ロムスチン、ルカントン、マンノスルファン、マソプロコール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、アミノレブリン酸メチル、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトタン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ニムスチン、オブリメルセン、オマセタキシン、オルタタキセル、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペグアスパラガーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピラルビシン、ピキサントロン(Pixanlrone)、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ルビテカン、サパシタビン、セムスチン、シチマジーンセラデノベック(Sitimagene ceradenovec)、ストラタプラチン(Strataplatin)、ストレプトゾシン、タラポルフィン(Talaporfm)、テガフール・ウラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テセタキセル、テストラクトン、テトラニトレート、チオテパ、チアゾフリン、チオグアニン、チピファルニブ、トポテカン、トラベクテジン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、トリプラチン、トレチノイン、トレオスルファン、トロホスファミド、ウラムスチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ゾルビシン、および本明細書に記載される他の細胞増殖抑制剤または細胞傷害剤が含まれる。
【0273】
一部の薬物は単独よりも合わせてより良く働くので、しばしば2種またはそれよりも多い薬物が同じ時にまたは順次に与えられる。しばしば、2種またはそれよりも多い化学療法剤は併用化学療法として使用される。一部の実施形態では、化学療法剤(併用化学療法を含む)が本明細書に記載される組合せと組み合わせて使用され得る。
標的化療法
【0274】
一部の実施形態では、本明細書に記載される組合せが標的化療法と投与される。標的化療法は、がん細胞の調節解除されたタンパク質に特異的な薬剤の使用を構成する。低分子標的化療法薬物は、一般的にがん細胞内で変異した、過剰発現した、またはその他の点で非常に重要なタンパク質の酵素ドメインの阻害剤である。顕著な例は、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ(desatinib)、エルロチニブ(erolotinib)、イマチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、およびバンデタニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤、ならびにまたアルボシジブおよびセリシクリブなどのサイクリン依存性キナーゼ阻害剤である。モノクローナル抗体療法は、治療剤が、がん細胞の表面上のタンパク質に特異的に結合する抗体である別の戦略である。例としては、乳がんに典型的に使用される抗HER2/neu抗体トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ならびに様々なB細胞悪性疾患に典型的に使用される抗CD20抗体リツキシマブおよびトシツモマブが挙げられる。他の例示的な抗体には、セツキシマブ(Ctuximab)、パニツムマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、エドレコロマブ、およびゲムツズマブが含まれる。例示的な融合タンパク質には、アフリベルセプトおよびデニロイキンジフチトクスが含まれる。一部の実施形態では、標的化療法が本明細書に記載される組合せと組み合わせて使用され得る。
【0275】
標的化療法はまた、細胞表面受容体または腫瘍を取り囲む罹患細胞外マトリックスに結合することができる「ホーミングデバイス(homing device)」としての低分子ペプチドを伴い得る。これらのペプチドに付着した放射性核種(例えば、RGD)は、細胞の近傍で崩壊すればがん細胞を最終的に殺傷する。このような療法の例としては、BEXXAR(登録商標)が挙げられる。
免疫療法
【0276】
一部の実施形態では、本明細書に記載される組合せが免疫療法と投与される。がん免疫療法は、対象自身の免疫系が腫瘍と戦うよう誘導するように設計された治療戦略の多様なセットを指す。
【0277】
腫瘍に対する免疫応答を生成するための現代の方法には、表在性膀胱がんのための小胞内BCG免疫療法、ならびに腎細胞癌および黒色腫を有する対象において免疫応答を誘導するためのインターフェロンおよび他のサイトカインの使用が含まれる。ドナーの免疫細胞がしばしば移植片対腫瘍効果で腫瘍を攻撃するので、同種造血幹細胞移植は免疫療法の一形態と考えることができる。一部の実施形態では、免疫療法剤が本明細書に記載される組合せと組み合わせて使用され得る。
ホルモン療法
【0278】
一部の実施形態では、記載される組合せがホルモン療法と投与される。一部のがんの成長は、ある特定のホルモンを提供するまたは遮断することによって阻害することができる。ホルモン感受性腫瘍の一般的な例としては、ある特定の型の乳がんおよび前立腺がんが挙げられる。エストロゲンまたはテストステロンを除去または遮断することがしばしば重要な追加の処置である。ある特定のがんでは、プロゲストーゲンなどのホルモンアゴニストの投与が治療上有益となり得る。一部の実施形態では、ホルモン療法剤が本明細書に記載される組合せと組み合わせて使用され得る。
【0279】
一部の実施形態では、追加の薬剤は、ER、PR、および/またはARを修飾する薬剤である。例えば、追加の薬剤がARアンタゴニストであり、これには、それだけに限らないが、フルタミド、ビカルタミドおよびニルタミドが含まれる。一部の実施形態では、追加の薬剤は、エストロゲンまたはプロゲステロンを遮断する薬剤であり、これには、それだけに限らないが、アナストロゾール、レトロゾールおよびエキセメスタンを含む、アロマターゼ阻害剤が含まれる。一部の実施形態では、追加の薬剤は、それだけに限らないが、フルベストラント(fulvetrant)、タモキシフェンおよびラロキシフェンを含む、エストロゲン受容体モジュレーターである。
放射線療法
【0280】
本明細書に記載される組合せは、増殖性疾患、例えば、がん、例えば、がん幹細胞に関連するがんを処置するために、指向性エネルギーもしくは粒子、または放射性同位体処置、例えば、放射線療法、例えば、放射線腫瘍学と組み合わせて使用され得る。本明細書に記載される組合せは、指向性エネルギーもしくは粒子、または放射性同位体処置と同時にまたは順次に対象に投与され得る。例えば、本明細書に記載される組合せは、指向性エネルギーもしくは粒子、または放射性同位体処置、またはその組合せの前、その間またはその後に投与され得る。指向性エネルギーまたは粒子療法は、全身照射、局所照射、またはポイント照射を含み得る。指向性エネルギーまたは粒子は、加速装置、シンクロトロン、核反応、真空管、レーザー、または放射性同位体に由来し得る。この療法は、体外照射療法(external beam radiation therapy)、遠隔放射線療法、近接照射療法、密封線源放射線療法(sealed source radiation therapy)、全身放射性同位体療法、または非密封線源放射線療法(unsealed source radiotherapy)を含み得る。この療法は、放射性同位体、例えば放射性ヨウ素、コバルト、セシウム、カリウム、臭素、フッ素、炭素の摂取、またはこれに近接した配置を含み得る。体外照射は、指向性アルファ粒子、電子(例えば、ベータ粒子)、陽子、中性子、陽電子、または光子(例えば、電波、ミリ波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、またはガンマ線光子)への曝露を含み得る。放射線は処置を必要とする対象の任意の部分に指向され得る。
手術
【0281】
本明細書に記載される組合せは、増殖性疾患、例えば、がん、例えば、がん幹細胞に関連するがんを処置するために、手術、例えば外科的診査、介入、生検と組み合わせて使用され得る。本明細書に記載される組合せは、手術と同時にまたは順次に対象に投与され得る。例えば、本明細書に記載される組合せは、手術前(術前)、その間、もしくはその後(術後)、またはその組合せで投与され得る。手術は、1種または複数の細胞がさらなる分析のために回収される生検であり得る。生検は、例えば、メス、針、カテーテル、内視鏡、スパチュラ、または鋏により達成され得る。生検は、切除生検、切開生検、コア生検、または針生検、例えば、針吸引生検であり得る。手術は、がん性であると疑われるまたは同定された局所組織の除去を伴い得る。例えば、手順は、がん性病変、塊、ポリープ、または母斑の除去を伴い得る。手順は、大量の組織、例えば、乳房、骨、皮膚、脂肪、または筋肉の除去を伴い得る。手順は、臓器または節、例えば、肺、咽喉、舌、膀胱、子宮頸部、卵巣、精巣、リンパ節、肝臓、膵臓、脳、眼、腎臓、胆嚢、胃、結腸、直腸、または腸の一部または全体の除去を伴い得る。一実施形態では、がんが乳がん、例えばトリプルネガティブ乳がんであり、手術が乳房切除術または腫瘍摘除術である。
抗炎症剤
【0282】
本明細書に記載される組合せは抗炎症剤と投与され得る。抗炎症剤には、それだけに限らないが、非ステロイド性抗炎症剤(例えば、サリチレート(アスピリン(アセチルサリチル酸)、ジフルニサル、サルサレート)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ジクロフェナク、ナブメトン)、エノール酸(オキシカム)誘導体(ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム(Lomoxicam)、イソキシカム)、フェナム酸誘導体(フェナメート)(メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸)、選択的COX-2阻害剤(コキシブ)(セレコキシブ(Ceiecoxib))、スルホンアニリド(ニメスリド)、ステロイド(Steriods)(例えば、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、酢酸コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン)が含まれ得る。
鎮痛剤
【0283】
鎮痛剤には、それだけに限らないが、オピエート(例えば、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジヒドロモルヒネ、ペチジン、ブプレノルフィン、トラマドール、ベンラファキシン)、パラセタモール(paracetomal)および非ステロイド性抗炎症剤(例えば、サリチレート(アスピリン(アセチルサリチル酸)、ジフルニサル、サルサラート)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ジクロフェナク、ナブメトン)、エノール酸(オキシカム)誘導体(ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム)、フェナム酸誘導体(フェナメート)(メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸)、選択的COX-2阻害剤(コキシブ)(セレコキシブ)、スルホンアニリド(ニメスリド)が含まれ得る。
制吐剤
【0284】
本明細書に記載される組合せは制吐剤と投与され得る。制吐剤には、それだけに限らないが、5-HT3受容体アンタゴニスト(ドラセトロン(Anzemet)、グラニセトロン(Kytril、Sancuso)、オンダンセトロン(Zofran)、トロピセトロン(Navoban)、パロノセトロン(Aloxi)、ミルタザピン(Remeron))、ドーパミンアンタゴニスト(ドンペリドン、オランザピン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジン、プロクロルペラジン、メトクロプラミド(Reglan)、アリザプリド、プロクロルペラジン(Compazine、Stemzine、Buccastem、Stemetil、Phenotil)、NKl受容体アンタゴニスト(アプレピタント(Emend)、抗ヒスタミン薬(シクリジン、ジフェンヒドラミン(Benadryl)、ジメンヒドリナート(Gravol、ドラマミン)、メクロジン(ボニン、Antivert)、プロメタジン(ペンタジン、Phenergan、Promacot)、ヒドロキシジン)、ベンゾジアゼピン(benzodiazapines)(ロラゼパム、ミダゾラム)、抗コリン薬(ヒヨスチン)、ステロイド(デキサメタゾン)が含まれ得る。
組合せ
【0285】
「~と組み合わせて」という句ならびに「同時投与」、「同時投与すること」または「同時提供すること」という用語は、本明細書に記載される化合物の投与または本明細書に記載される治療の文脈において本明細書で使用される場合、2種(またはそれよりも多い)の異なる化合物または治療が疾患または障害(例えば、本明細書に記載される疾患または障害、例えばがん)への対象の罹患の経過中に対象に送達される、例えば、2種(またはそれよりも多い)の異なる化合物または治療が、対象が疾患または障害(例えば、本明細書に記載される疾患または障害、例えばがん)と診断された後、疾患または障害が治癒するもしくは排除される、または処置が他の理由で中止される前に対象に送達されることを意味する。
【0286】
一部の実施形態では、ある化合物または治療の送達が、投与に関して重複が存在するように、第2の化合物または治療の送達が始まる際に依然として行われている。これは時折本明細書において「同時」または「併せての送達」と呼ばれる。他の実施形態では、ある化合物または治療の送達が、他の化合物または治療の送達が始まる前に終了する。いずれかの場合の一部の実施形態では、処置(例えば、化合物、組成物、または治療の投与)が、併用投与のためにより有効である。例えば、第2の化合物または治療は、第2の化合物もしくは治療が第1の化合物もしくは治療の非存在下で投与される場合に見られるよりも、有効である、例えば、同等の効果がより少ない第2の化合物もしくは治療で見られる、または第2の化合物もしくは治療がより大きな程度まで症状を減少する、あるいは同様の状況が第1の化合物もしくは治療で見られる。一部の実施形態では、送達が、症状の減少、または障害に関連する他のパラメータが、他方の非存在下で送達される一方の化合物または治療で観察されるものよりも大きくなるようなものである。2種の化合物または治療の効果は部分的に相加的、完全に相加的、または相加的を超えるもの(例えば、相乗的)であり得る。送達は、第2の化合物または治療が送達された際に、送達された第1の化合物または治療が依然として検出可能であるようなものであり得る。
【0287】
一部の実施形態では、第1の化合物または治療と第2の化合物または治療が、同じもしくは別個の組成物で同時に(例えば、同じ時に)、または順次に投与され得る。逐次投与は、追加の、例えば、二次、化合物または治療の投与前(例えば、直前、5分、10分、15分、30分、45分、60分未満前;1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、48時間、72時間、96時間またはそれよりも長い時間の前;4日、5日、6日、7日、8日、9日またはそれよりも長い日数の前;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間またはそれよりも長い週数の前)のある化合物または治療の投与を指す。第1および第2の化合物または治療の投与の順序を逆にすることもできる。
【0288】
本明細書に記載される組合せは、異常な細胞成長、例えば、がんのための第一選択処置であり得(すなわち、がんを処置することを意図した別の薬物を以前投与されていない対象で使用される);がんのための第二選択処置であり得(すなわち、がんを処置することを意図した別の薬物を以前投与された、それを必要とする対象に使用される);がんのための第3または第4の処置であり得る(すなわち、がんを処置することを意図した2種または3種の別の薬物を以前投与された対象に使用される)。
投与および投与量
【0289】
本発明の組合せが経口、非経口、局所、直腸、またはインプラントリザーバーを介して、好ましくは、経口投与または注射による投与によって投与され得る。一部の場合では、組成物(例えば、医薬組成物)のpHが、組成物の安定性または有効性を増強するために、薬学的に許容される酸、塩基またはバッファーで調整され得る。
【0290】
一部の実施形態では、対象が組成物(例えば、医薬組成物)を経口投与される。一部の実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、それだけに限らないが、液体ゲル(liqui-gel)錠剤またはカプセル剤、シロップ、エマルジョンおよび水性懸濁物を含む任意の経口的に許容される剤形で経口投与されるものである。液体ゲルは、適したコンシステンシーを達成するために必要な場合には、ゼラチン、可塑剤、および/または乳白剤を含んでもよく、使用について承認されている腸溶コーティング、例えばシェラックでコーティングされてもよい。経口剤形(oral dosage)として使用される場合、組成物(例えば、医薬組成物)の所望のコンシステンシーを達成するために、追加の増粘剤、例えばガム、例えばキサンタンガム(xanthum gum)、デンプン、例えばコーンスターチ、またはグルテンを添加してもよい。所望であれば、ある特定の甘味剤および/または矯味矯臭剤および/または着色剤を添加してもよい。
【0291】
一部の実施形態では、対象に、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出製剤、液剤、および懸濁剤などの経口投与に適した形態の組成物(例えば、医薬組成物)が投与される。組成物(例えば、医薬組成物)は、正確な投与量の単回投与に適した単位剤形であり得る。医薬組成物は、本明細書に記載される化合物に加えて、薬学的に許容される担体を含んでもよく、必要に応じて例えば、安定剤、希釈剤、結合剤、および滑沢剤などの1種または複数の薬学的に許容される賦形剤をさらに含んでもよい。さらに、錠剤は、他の薬用または医薬剤、担体および/または佐剤を含み得る。例示的な医薬組成物には、圧縮錠剤(例えば、直接圧縮錠剤)が含まれる。
【0292】
有効成分または治療成分(例えば、本明細書に記載される化合物)を含む錠剤も提供される。有効成分または治療成分に加えて、錠剤は担体などのいくつかの不活性物質を含有し得る。薬学的に許容される担体は、水および石油、動物、植物または合成起源の油、例えば落花生油、ゴマ油などを含む油などの無菌液体であり得る。食塩溶液および水性デキストロースも液体の担い手(earners)として採用され得る。よって、本発明により使用するための経口剤形は、薬学的に使用することができる調製物への有効成分の処理を容易にする賦形剤および助剤を含む1種または複数の薬学的に許容される担体を使用して従来の方法で製剤化され得る。
【0293】
賦形剤は、圧縮される物質に優れた粉末流動および圧縮特性を付与することができる。賦形剤の例は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients (5th edition), Edited by Raymond C Rowe, Paul J. Sheskey, and Sian C. Owen; Publisher: Pharmaceutical Pressに記載されている。
【0294】
経口投与については、有効成分、例えば、本明細書に記載される化合物を、有効成分を当技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化することができる。このような担体は、本発明の有効成分を、対象による経口摂取のための、錠剤、丸剤、カプセル剤、液体、ゲル、シロップ、スラリー、散剤または顆粒剤、水または非水性媒体中の懸濁物または溶液などとして製剤化することを可能にする。経口使用のための薬理学的調製物は、固体賦形剤を使用して、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、所望であれば、例えば、錠剤を得るために適した助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理して製造することができる。希釈剤、結合剤または崩壊剤などの適した賦形剤が望ましいだろう。
【0295】
投与量は、採用される剤形および利用される投与経路に応じて変化し得る。正確な製剤、投与経路および投与量は、対象の状態に照らして個々の医師によって選ばれ得る。(例えば、Fingl, et al., 1975, in ' he Pharmacological Basis of Therapeutics"参照)。上に列挙される用量より低いまたは高い用量が要求される場合がある。特定の対象のための具体的な投与量および処置レジメンは、採用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の時間、排泄の速度、薬物組合せ、疾患、状態または症状の重症度および経過、対象の疾患、状態または症状への素因、ならびに処置している医師の判断を含む様々な因子に依存するだろう。治療の過程は、本明細書に記載される化合物の1回または複数回の別個の投与を含むことができる。治療の過程は、本明細書に記載される化合物の1または複数サイクルを含むことができる。
【0296】
一部の実施形態では、サイクルが、薬物の投与のサイクルの文脈において本明細書で使用される場合、薬物が対象に投与される期間を指す。例えば、薬物が21日のサイクルにわたって投与される場合、周期的投与、例えば毎日または毎日2回が21日間与えられる。薬物は、1を超えるサイクルにわたって投与され得る。残りの期間はサイクル間に挿入され得る。残りのサイクルは長さが1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、または1週間、2週間、3週間、4週間またはそれよりも長い週であり得る。
【0297】
経口剤形は、所望であれば、有効成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有し得る、FDA承認キットなどのパックまたはディスペンサーデバイスで提示され得る。ブリスターパックなどのパックは、例えば、金属またはプラスチック箔を含み得る。パックまたはディスペンサーデバイスは、投与のための指示が添付され得る。パックまたはディスペンサーはまた、組成物の形態またはヒトもしくは獣医学的投与の機関による承認を反映した、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に関連付けた通知が添付され得る。このような通知は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認された標識または承認された製品インサートのものであり得る。
【実施例】
【0298】
本明細書に記載される本発明をより完全に理解することができるようにするために、以下の実施例が示される。本出願に記載される実施例は、本明細書で提供される医薬組成物および方法を例示するために提供されており、その範囲を限定するものとして決して解釈されるべきでない。
【0299】
(実施例1)
がん細胞系における二重RAF/MEK阻害剤およびBRAF V600阻害剤または汎RAF阻害剤の相乗作用
材料および方法
in vitro 3D増殖アッセイ
例として、BRAF V600Eヒト黒色腫、BRAF V600Eヒト結腸直腸癌(CRC)、およびNRAS変異体ヒト黒色腫細胞系を3D条件下で成長させた。簡潔には、96ウェルプレートを50μLのMatrigel(100%)でコーティングし、Matrigelを固化させるために、37℃および5%のCO2で30分間にわたってインキュベートした。細胞を100μLの2%のMatrigel含有培地に播種した。終夜(17~22時間)のインキュベート後、細胞をVS-6766+/-BRAF V600阻害剤(例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ)、VS-6766+/-汎RAF阻害剤(例えば、ベルバラフェニブ、ナポラフェニブ、リフィラフェニブ、トボラフェニブ)、またはMEK阻害剤(例えば、コビメチニブ、トラメチニブ、ビニメチニブ)+/-BRAF(例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ)阻害剤で7日間にわたって処置した。VS-6766およびMEK阻害剤を、5μMで開始する1:5希釈で使用した。BRAF V600阻害剤および汎RAF阻害剤を、5μMで開始する1:3希釈で使用した。細胞生存度を細胞生存度CellTiter-Gloアッセイを使用して測定した。
相乗作用分析
【0300】
生データおよびメタデータファイルを単剤および組合せの活性についてカスタムR-スクリプトで処理した。Bliss、Loewe、Highest Single Agent(HSA)、およびZIP相乗作用分析を実施して、複合相乗作用スコアを生成した。要約グラフィックスおよび報告を可視化およびさらなる分析のためにセーブした。
結果
【0301】
二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766)が、BRAF V600がん細胞株のパネル(例えば、5つのBRAF V600E黒色腫(
図1~3)および3つのBRAF V600E結腸直腸癌(CRC)細胞株(
図4~6))におけるBRAF V600阻害剤(例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ)の抗増殖活性を増大させるかどうかを決定するために、3D増殖アッセイを実施した。相乗作用スコアを4つの異なる方法(Bliss、Loewe、HSA、およびZIP)の組合せを使用して算出した。
図1~6に示すように、二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766)は、BRAF V600E黒色腫およびCRC細胞株のパネルの細胞生存度を低下させるのにBRAF V600阻害剤と相乗的であった。さらに、二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766)+BRAF V600阻害剤の間の相乗作用を、MEK阻害剤(例えば、コビメチニブ、トラメチニブ、ビニメチニブ)+BRAF V600阻害剤の間の相乗作用と比較した。二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766)+BRAF V600阻害剤の相乗作用は、MEK阻害剤+BRAF V600阻害剤の相乗作用よりも良好であることが見出された。これらの結果は、BRAF V600Eなどであるがこれに限定されないBRAF V600変異を有するがんについて、BRAF V600阻害剤と組み合わせた二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766)の臨床評価を支持する。
【0302】
二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766)が、変異体細胞株のパネル(例えば、3つのNRAS変異体黒色腫細胞株(
図7、8))における汎RAF阻害剤(例えば、ベルバラフェニブ、ナポラフェニブ、リフィラフェニブ、トボラフェニブ)の抗増殖活性を増大させるかどうかを決定するために、3D増殖アッセイを実施した。相乗作用スコアを4つの異なる方法(Bliss、Loewe、HSA、およびZIP)の組合せを使用して算出した。
図7、8に示すように、二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766)は、NRAS変異体黒色腫細胞株のパネルの細胞生存度を低下させるのに汎RAF阻害剤と相乗的であった。これらの結果は、NRAS変異などであるがこれに限定されないRAS変異を有するがんについて、汎RAF阻害剤と組み合わせたVS-6766の臨床評価を支持する。
【0303】
均等物および範囲
特許請求の範囲において、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、反対の指示がない限り、または文脈から自明でない限り、1つまたは1つを超える数を意味し得る。群の1つまたは複数のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、反対の指示がない限り、または文脈から自明でない限り、群のメンバーの1つ、1つを超える数、または全てが、所与の生成物またはプロセスに存在する、採用される、または関連する場合に満たされると考えられる。本発明は、群の正確に1つのメンバーが所与の生成物またはプロセスに存在する、採用される、または関連する実施形態を含む。本発明は、群のメンバーの1つを超える数、または全てが所与の生成物またはプロセスに存在する、採用される、または関連する実施形態を含む。
【0304】
さらに、本発明は、列挙される特許請求の範囲の1つまたは複数に由来する1つまたは複数の制限、要素、条項、および記述用語が別の請求項に導入される全てのバリエーション、組合せ、および順列を包含する。例えば、別の請求項に従属するいずれの請求項も、同じ基本請求項に従属する他の請求項に見られる1つまたは複数の制限を含むよう修正することができる。要素がリストとして、例えばマーカッシュ群形式で提示されている場合、要素の各亜群も開示されており、いずれの要素も群から除去することができる。一般に、本発明、または本発明の態様が特定の要素および/または特徴を含むものとして言及されている場合、本発明または本発明の態様の一部の実施形態は、このような要素および/または特徴からなる、またはそれらから本質的になることが理解されるべきである。簡潔にするために、これらの実施形態は本明細書においてこの通りの言葉で具体的には示されていない。「含むこと」および「含有すること」という用語は、開放的であることを意図しており、追加の要素またはステップの包含を許すことにも留意する。範囲が与えられる場合、終点が含まれる。さらに、指示しない限り、または文脈および当業者の理解から自明でない限り、範囲として表されている値は、文脈が明確に定められない限り、本発明の異なる実施形態で明言されている範囲内の任意の具体的な値または部分範囲をその範囲の下限の単位の10分の1まで仮定することができる。
【0305】
本出願は様々な登録特許、公開された特許出願、雑誌論文、および他の刊行物に言及しており、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれている参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書が優先するものとする。さらに、先行技術に入る本発明のいずれの特定の実施形態も特許請求の範囲のいずれか1つまたは複数から明示的に除外され得る。このような実施形態は当業者に公知であるとみなされるので、除外が本明細書に明示的に示されていない場合であっても除外され得る。本発明のいずれの特定の実施形態も、先行技術の存在に関していようがいまいが、任意の理由で、任意の請求項から除外され得る。
【0306】
当業者は、単なる日常的な実験を使用して、本明細書に記載される具体的な実施形態との多くの均等物を認識する、または確認することができるだろう。本明細書に記載される本実施形態の範囲は、上記説明に限定されることを意図しておらず、むしろ添付の特許請求の範囲に示される通りである。当業者は、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書への様々な変更および修正を行うことができることを認識するだろう。
【国際調査報告】