(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】加圧流体を標的部位に単独で又は治療剤と併せて送達するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/145 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61M5/145
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525100
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022047013
(87)【国際公開番号】W WO2023076076
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【氏名又は名称】伊藤 茂
(72)【発明者】
【氏名】オット, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ロスカ, インガ
(72)【発明者】
【氏名】ベン, ナイル
(72)【発明者】
【氏名】スラッタリー, デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】キディ, フィオナン
(72)【発明者】
【氏名】オ ベルトゥーン, クリオストイル
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ, ジャック
(72)【発明者】
【氏名】マッギー, ディアメド
(72)【発明者】
【氏名】カミル, イーサン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA01
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD03
4C066EE06
4C066FF01
4C066GG06
4C066QQ15
(57)【要約】
治療剤を標的部位に送達するのに適したシステムは、治療剤を収容するための容器と、加圧流体を有する圧力源であって、容器の少なくとも一部と選択的に流体連通する圧力源と、容器と選択的に流体連通し、且つ治療剤又は加圧流体を標的部位に送達するように構成されたカテーテルと、容器を確実に保持し、且つスイッチを移動可能に支持するように構成されたハウジングとを含み得、スイッチは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、スイッチが第1の位置にあるとき、治療剤の送達は、阻止される一方、加圧流体の送達は、許可され、スイッチが第2の位置にあるとき、治療剤の送達は、許可される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療剤を標的部位に送達するのに適したシステムであって、
治療剤を収容するための容器と、
加圧流体を有する圧力源であって、前記容器の少なくとも一部と選択的に流体連通する圧力源と、
前記容器と選択的に流体連通し、且つ前記治療剤又は前記加圧流体を標的部位に送達するように構成されたカテーテルと、
前記容器を確実に保持し、且つスイッチを移動可能に支持するように構成されたハウジングと
を含み、
前記スイッチは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、
前記スイッチが前記第1の位置にあるとき、前記治療剤の送達は、阻止される一方、前記加圧流体の送達は、許可され、
前記スイッチが前記第2の位置にあるとき、前記治療剤の送達は、許可される、システム。
【請求項2】
前記圧力源と前記容器との間に接続された第1の弁と、
前記治療剤なしで前記加圧流体を送達するか又は前記治療剤を送達するために、前記第1の弁を選択的に作動させるように構成されたボタンと
をさらに含み、
前記スイッチが前記第1の位置にあるとき、前記スイッチは、前記ボタンが第1の状態まで押し下げられることを可能にし、前記圧力源内の前記加圧流体が前記治療剤の送達なしで前記第1の弁を通して且つ前記カテーテル内に流れることを可能にし、
前記スイッチが前記第2の位置にあるとき、前記スイッチは、前記ボタンが第2の状態まで押し下げられることを可能にし、前記圧力源内の前記加圧流体が前記第1の弁を通して前記容器内に流れ、且つ前記容器内の前記治療剤を、前記カテーテルを通して押し進めることを可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記容器と前記カテーテルとの間に接続された第2の弁をさらに含み、前記第2の弁が第1の状態であるとき、前記カテーテルは、前記容器と流体連通せず、前記第2の弁が第2の状態であるとき、前記カテーテルは、前記容器と流体連通する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記スイッチが前記第1の位置にあるとき、前記スイッチは、ボタンが最大で第1の距離だけ遠位側に移動され得るように前記ボタンをブロックし、
前記スイッチが前記第2の位置にあるとき、前記スイッチは、前記ボタンが最大で第2の距離だけ遠位側に移動されることを可能にし、
前記第1の距離は、前記第2の距離未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記スイッチが前記第1の位置にあるとき、前記スイッチは、空間を占有し、前記空間は、占有されていないとき、第1の状態から第2の状態へのボタンの移動を可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記スイッチが前記第2の位置にあるとき、前記スイッチは、前記空間から離れて移動され、前記ボタンが前記第2の状態まで押し下げられることを可能にする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記スイッチは、スライダを含み、及び前記ハウジングは、前記スライダを摺動可能に支持するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記スイッチは、後退位置と伸長位置との間で移動可能であり、前記スイッチが前記後退位置にあるとき、前記治療剤の送達は、阻止される一方、前記加圧流体の送達は、許可され、前記スイッチが前記伸長位置にあるとき、前記治療剤の送達は、許可される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記スイッチは、
前記ハウジングの内面に回動可能に接続された中間部分と、
前記中間部分から下方に延びるフックと、
前記中間部分から上方に延びる突出部と
を含み、
前記突出部は、前記ハウジングの上方に延び、
前記スイッチは、前記突出部を下方に押すことが前記フックを下方に移動させ、それにより、前記スイッチが前記後退位置から前記伸長位置に向かって移動するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記スイッチは、伸長位置と後退位置との間で移動可能であり、前記スイッチが前記伸長位置にあるとき、前記治療剤の送達は、阻止される一方、前記加圧流体の送達は、許可され、前記スイッチが前記後退位置にあるとき、前記治療剤の送達は、許可される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記スイッチは、
クリック可能なボタンと、
前記クリック可能なボタンから下方に延びるフックと
を含み、前記スイッチは、前記クリック可能なボタンを押し、且つ次いで離すことにより、前記伸長位置と前記後退位置との間で移動するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1又は2~11のいずれか一項に記載の限定に従うシステム。
【請求項13】
治療剤を標的部位に送達するのに適した方法であって、
加圧流体を有する圧力源を作動させることであって、前記圧力源は、治療剤を収容する容器の少なくとも一部と選択的に流体連通する、作動させることと、
前記加圧流体が前記治療剤の送達なしで第1の弁を通して且つカテーテル内に流れるように、前記第1の弁を作動させるためにボタンを押し下げることであって、前記第1の弁は、前記圧力源と前記容器との間に接続され、及び前記カテーテルは、前記容器と選択的に流体連通し、且つ前記加圧流体又は前記治療剤を標的部位に送達するように構成される、押し下げることと、
前記加圧流体が前記第1の弁を通して且つ前記容器内に流れることを可能にするように前記第1の弁を作動させるために、前記ボタンがさらに押し下げられ得るようにスイッチを第1の位置から第2の位置に移動させることであって、前記スイッチは、前記容器を確実に保持するハウジングによって移動可能に支持される、移動させることと
を含む方法。
【請求項14】
前記加圧流体が、前記容器内の前記治療剤を、前記カテーテルを通して押し進めることを可能にするように、第2の弁を第1の状態から第2の状態に移行させることをさらに含み、前記第2の弁は、前記容器と前記カテーテルとの間に接続される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
治療剤を標的部位に送達するのに適したシステムであって、
治療剤を収容するための容器と、
加圧流体を有する圧力源であって、前記容器の少なくとも一部と選択的に流体連通する圧力源と、
前記容器と選択的に流体連通し、且つ前記治療剤又は前記加圧流体を標的部位に送達するように構成されたカテーテルと、
前記容器を確実に保持し、且つスイッチを移動可能に支持するように構成されたハウジングと
を含み、
前記スイッチは、分割可能部分を含み、且つ前記分割可能部分が分割された後、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、
前記スイッチが前記第1の位置にあるとき、前記治療剤の送達は、阻止される一方、前記加圧流体の送達は、許可され、
前記スイッチが前記第2の位置に移動されるとき、前記分割可能部分は、前記スイッチが前記第2の位置にあるときに前記治療剤の送達が許可されるように分割される、システム。
【請求項16】
前記スイッチは、シャフトとリングとを含むスライダを含み、
前記リングは、前記分割可能部分と残りの部分とを含み、
前記ハウジングは、前記スライダを摺動可能に支持するように構成され、前記システムは、
前記圧力源と前記容器との間に接続された第1の弁と、
前記治療剤なしで前記加圧流体を送達するか又は前記治療剤を送達するために、前記第1の弁を選択的に作動させるように構成されたボタンと
をさらに含み、
前記スライダが前記第1の位置にあるとき、前記スライダは、前記ボタンが第1の状態まで押し下げられることを可能にし、前記圧力源内の前記加圧流体が前記治療剤の送達なしで前記第1の弁を通して且つ前記カテーテル内に流れることを可能にし、
前記スライダが前記第2の位置にあるとき、前記スライダは、前記ボタンが第2の状態まで押し下げられることを可能にし、前記圧力源内の前記加圧流体が前記第1の弁を通して前記容器内に流れ、且つ前記容器内の前記治療剤を、前記カテーテルを通して押し進めることを可能にする、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記スライダが前記第1の位置にあるとき、前記第1の弁のピストンは、前記スライダの前記リングを通して延びる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記スライダを前記第1の位置から前記第2の位置に向かって移動させることは、前記分割可能部分を分割させ、前記分割可能部分が分割された後、前記スライダは、前記第2の位置に移動され得る、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記スライダが前記第1の位置にあるとき、前記リングは、前記ボタンが最大で第1の距離だけ遠位側に移動され得るように前記ボタンをブロックし、
前記スライダが前記第2の位置に移動されるとき、前記リングの前記残りの部分は、前記ボタンをブロックせず、前記ボタンが最大で第2の距離だけ遠位側に移動されることを可能にし、
前記第1の距離は、前記第2の距離未満である、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記スライダが前記第1の位置にあるとき、前記リングは、空間を占有し、前記空間は、占有されていないとき、前記第1の状態から前記第2の状態への前記ボタンの移動を可能にする、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記スライダが前記第2の位置にあるとき、前記分割可能部分は、前記リングの前記残りの部分から分割され、及び前記リングの前記残りの部分は、空間から離れて移動され、前記ボタンが前記第2の状態まで押し下げられることを可能にする、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
請求項15又は16~21のいずれか一項に記載の限定に従うシステム。
【請求項23】
近位端と、遠位端と、前記近位端及び前記遠位端間に延びる内腔とを含む本体であって、入口ポートと、第1の出口ポートと、第2の出口ポートとを含む本体と、
前記本体の前記内腔の長さに沿って摺動可能に移動可能なピストンと
を含む弁であって、
前記ピストンは、前記ピストンの外面に配置されている離間された第1及び第2の開口部を含み、
前記第1及び第2の開口部は、前記ピストンの長さに対してある角度で前記ピストンを通して延びるブリッジによって接続される、弁。
【請求項24】
前記角度は、90度未満である、請求項23に記載の弁。
【請求項25】
前記ピストンは、前記ピストンの前記外面に配置されている離間された第1及び第2の谷部をさらに含み、前記第1及び第2の谷部は、前記入口ポート、前記第1の出口ポート又は前記第2の出口ポートを選択的に閉鎖するように構成された第1及び第2のシール部材をそれぞれ受け入れるように構成される、請求項23に記載の弁。
【請求項26】
前記第1の谷部は、前記第2の谷部の近位に配置され、前記第1の開口部は、前記第1の谷部の近位に配置され、前記第2の開口部は、前記第1及び第2の谷部間に配置される、請求項25に記載の弁。
【請求項27】
前記ピストンは、前記ピストンの前記外面に配置されている離間された第1及び第2の凹部をさらに含み、前記第1の開口部は、前記第1の凹部に配置され、及び前記第2の開口部は、前記第2の凹部に配置される、請求項25に記載の弁。
【請求項28】
前記第1の凹部は、前記ピストンの第1の断面の円周の周りに延び、前記第2の凹部は、前記ピストンの第2の断面の円周の周りに延び、前記第1の谷部は、前記ピストンの第3の断面の円周の周りに延び、前記第2の谷部は、前記ピストンの第4の断面の円周の周りに延びる、請求項27に記載の弁。
【請求項29】
前記ピストンの前記第1、第2、第3及び第4の断面は、離間されており、且つ互いに平行である、請求項28に記載の弁。
【請求項30】
前記第1及び第2のシール部材は、それぞれ少なくとも1つのOリングを含む、請求項25に記載の弁。
【請求項31】
前記第1の谷部は、第1の副谷部及び第2の副谷部を含み、第1のOリングは、前記第1の副谷部に配置され、及び第2のOリングは、前記第2の副谷部に配置される、請求項25に記載の弁。
【請求項32】
前記本体の前記入口ポート、前記第1の出口ポート及び前記第2の出口ポート並びに前記ピストンの前記第1及び第2の谷部は、前記第2のシール部材が前記第2の出口ポートと軸方向に整列されるとき、前記第1のシール部材が前記入口ポート及び前記第1の出口ポートから軸方向にオフセットされ、それにより、前記第1及び第2の開口部と前記ブリッジとを介して前記入口ポートと前記第1の出口ポートとの間に流体連通が確立され、及び前記第1のシール部材が前記第1の出口ポートと軸方向に整列されるとき、前記第1のシール部材が前記入口ポートから軸方向にオフセットされ、且つ前記第2のシール部材が前記第2の出口ポートから軸方向にオフセットされ、それにより、前記第1及び第2の開口部と前記ブリッジとを介して前記入口ポートと前記第2の出口ポートとの間に流体連通が確立されるように構成及び離間される、請求項25に記載の弁。
【請求項33】
請求項23又は24~32のいずれか一項に記載の限定に従う弁。
【請求項34】
近位端と、遠位端と、前記近位端及び前記遠位端間に延びる内腔とを含む本体であって、入口ポートと、第1の出口ポートと、第2の出口ポートとを含む本体と、
前記本体の前記内腔の長さに沿って摺動可能に移動可能なピストンと
を含む弁であって、
前記ピストンは、前記ピストンの長さに沿って延びるブリッジによって接続されている離間された第1及び第2の溝を含み、
前記第1の溝は、前記ピストンの第1の断面の直径に沿って前記ピストンを通して半径方向に延び、
前記第2の溝は、前記ピストンの第2の断面の直径に沿って前記ピストンを通して半径方向に延びる、弁。
【請求項35】
前記ピストンは、前記ピストンの外面に配置されている離間された第1及び第2の谷部をさらに含み、前記第1及び第2の谷部は、前記入口ポート、前記第1の出口ポート又は前記第2の出口ポートを選択的に閉鎖するように構成された第1及び第2のシール部材をそれぞれ受け入れるように構成される、請求項34に記載の弁。
【請求項36】
前記本体の前記入口ポート、前記第1の出口ポート及び前記第2の出口ポート並びに前記ピストンの前記第1及び第2の谷部は、前記第2のシール部材が前記第2の出口ポートと軸方向に整列されるとき、前記第1のシール部材が前記入口ポート及び前記第1の出口ポートから軸方向にオフセットされ、それにより、前記第1及び第2の溝と前記ブリッジとを介して前記入口ポートと前記第1の出口ポートとの間に流体連通が確立され、及び前記第1のシール部材が前記第1の出口ポートと軸方向に整列されるとき、前記第1のシール部材が前記入口ポートから軸方向にオフセットされ、且つ前記第2のシール部材が前記第2の出口ポートから軸方向にオフセットされ、それにより、前記第1及び第2の溝と前記ブリッジとを介して前記入口ポートと前記第2の出口ポートとの間に流体連通が確立されるように構成及び離間される、請求項35に記載の弁。
【請求項37】
前記第1の谷部は、前記ピストンの第3の断面の円周の周りに延び、前記第2の谷部は、前記ピストンの第4の断面の円周の周りに延びる、請求項35に記載の弁。
【請求項38】
前記ピストンの前記第1、第2、第3及び第4の断面は、離間されており、且つ互いに平行である、請求項37に記載の弁。
【請求項39】
前記第1及び第2のシール部材は、それぞれ少なくとも1つのOリングを含む、請求項35に記載の弁。
【請求項40】
前記第1の谷部は、第1の副谷部及び第2の副谷部を含み、第1のOリングは、前記第1の副谷部に配置され、及び第2のOリングは、前記第2の副谷部に配置される、請求項35に記載の弁。
【請求項41】
前記第1の谷部は、前記第2の谷部の近位に配置され、前記第1の溝は、前記第1の谷部の近位に配置され、前記第2の溝は、前記第1及び第2の谷部間に配置される、請求項35に記載の弁。
【請求項42】
請求項34又は35~41のいずれか一項に記載の限定に従う弁。
【請求項43】
弁を操作する方法であって、前記弁は、近位端と、遠位端と、前記近位端及び前記遠位端間に延びる内腔とを含む本体であって、入口ポートと、第1の出口ポートと、第2の出口ポートとを含む本体と、前記本体の前記内腔の長さに沿って摺動可能に移動可能なピストンとを含み、前記ピストンは、前記ピストンの少なくとも一部を通して延びるブリッジを含み、前記方法は、
前記ブリッジを介して前記入口ポートと前記第1の出口ポートとの間に第1の流体連通が確立されるように前記ピストンを移動させることと、
前記ブリッジを介して前記入口ポートと前記第2の出口ポートとの間に第2の流体連通が確立されるように前記ピストンを移動させることと
を含む、方法。
【請求項44】
前記入口ポートと前記第1の出口ポートとの間の前記第1の流体連通及び前記入口ポートと前記第2の出口ポートとの間の前記第2の流体連通が両方ともブロックされるように、前記ピストンを移動させることをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月25日に提出された米国仮特許出願第63/271,556号明細書からの優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本実施形態は、概して、医療装置に関し、詳細には、治療剤を標的部位に送達するための医療装置に関する。
【背景技術】
【0003】
治療剤をヒト又は動物の体内に導入することが望ましい可能性があるいくつかの場合がある。例えば、治療薬又は生物活性物質は、生物学的効果を達成するために導入され得る。生物学的効果は、止血の誘導、穿孔の封鎖、再狭窄の可能性の低減又は癌性腫瘍若しくは他の疾患の治療など、数々の目標とされる結果を含み得る。
【0004】
このような治療剤の多くは、静脈内注射(IV)技法を用いて又は経口薬を介して注入される。このような技法は、医薬品の全体的な導入を可能にする一方、多くの場合、選択された標的部位への治療剤の誘導された正確な送達を可能にし得る、治療剤の局所的又は標的化された送達を提供することが望ましい場合がある。例えば、腫瘍への治療剤の局所的な送達は、正常な健康な組織への治療剤の曝露を低減させる可能性があり、これにより潜在的に有害な副作用が低減する可能性がある。
【0005】
治療剤の局所的な送達は、カテーテル及び同様の導入装置を用いて行われている。一例として、カテーテルを患者内の標的部位に向けて進め、カテーテルの管腔を通して治療剤を標的部位に注入することができる。通常、カテーテルの管腔に治療剤を注入するために、シリンジ又は同様の装置を使用することができる。しかしながら、このような送達技法では、注入された治療剤の流れが比較的弱い場合がある。
【0006】
さらに、標的化された方法で粉末形態などの特定の形態において治療剤を所望の部位に送達することが困難又は不可能な場合がある。例えば、治療用粉末がシリンジ又は他の容器内に収容されている場合、それは、潜在的に有害な副作用を同様に低減し得る局所的な方法でカテーテルを通して標的部位に容易に送達されない可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの一般的態様は、治療剤を標的部位に送達するのに適したシステムであって、治療剤を収容するための容器と、加圧流体を有する圧力源であって、容器の少なくとも一部と選択的に流体連通する圧力源と、容器と選択的に流体連通し、且つ治療剤又は加圧流体を標的部位に送達するように構成されたカテーテルと、容器を確実に保持し、且つスイッチを移動可能に支持するように構成されたハウジングとを含み、スイッチは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、スイッチが第1の位置にあるとき、治療剤の送達は、阻止される一方、加圧流体の送達は、許可され、スイッチが第2の位置にあるとき、治療剤の送達は、許可される、システムを含む。
【0008】
本開示の別の一般的態様は、治療剤を標的部位に送達するのに適した方法であって、加圧流体を有する圧力源を作動させることであって、圧力源は、治療剤を収容する容器の少なくとも一部と選択的に流体連通する、作動させることと、加圧流体が治療剤の送達なしで第1の弁を通して且つカテーテル内に流れるように、第1の弁を作動させるためにボタンを押し下げることであって、第1の弁は、圧力源と容器との間に接続され、及びカテーテルは、容器と選択的に流体連通し、且つ加圧流体又は治療剤を標的部位に送達するように構成される、押し下げることと、加圧流体が第1の弁を通して且つ容器内に流れることを可能にするように第1の弁を作動させるために、ボタンがさらに押し下げられ得るようにスイッチを第1の位置から第2の位置に移動させることであって、スイッチは、容器を確実に保持するハウジングによって移動可能に支持される、移動させることとを含む方法を含む。
【0009】
本開示の別の一般的態様は、治療剤を標的部位に送達するのに適したシステムであって、治療剤を収容するための容器と、加圧流体を有する圧力源であって、容器の少なくとも一部と選択的に流体連通する圧力源と、容器と選択的に流体連通し、且つ治療剤又は加圧流体を標的部位に送達するように構成されたカテーテルと、容器を確実に保持し、且つスイッチを移動可能に支持するように構成されたハウジングとを含み、スイッチは、分割可能部分を含み、且つ分割可能部分が分割された後、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、スイッチが第1の位置にあるとき、治療剤の送達は、阻止される一方、加圧流体の送達は、許可され、スイッチが第2の位置に移動されるとき、分割可能部分は、スイッチが第2の位置にあるときに治療剤の送達が許可されるように分割される、システムを含む。
【0010】
本開示の別の一般的態様は、近位端と、遠位端と、近位端及び遠位端間に延びる内腔とを含む本体であって、入口ポートと、第1の出口ポートと、第2の出口ポートとを含む本体と、本体の内腔の長さに沿って摺動可能に移動可能なピストンと含む弁であって、ピストンは、ピストンの外面に配置されている離間された第1及び第2の開口部を含み、第1及び第2の開口部は、ピストンの長さに対してある角度でピストンを通して延びるブリッジによって接続される、弁を含む。
【0011】
本開示の別の一般的態様は、近位端と、遠位端と、近位端及び遠位端間に延びる内腔とを含む本体であって、入口ポートと、第1の出口ポートと、第2の出口ポートとを含む本体と、本体の内腔の長さに沿って摺動可能に移動可能なピストンとを含む弁であって、ピストンは、ピストンの長さに沿って延びるブリッジによって接続されている離間された第1及び第2の溝を含み、第1の溝は、ピストンの第1の断面の直径に沿ってピストンを通して半径方向に延び、第2の溝は、ピストンの第2の断面の直径に沿ってピストンを通して半径方向に延びる、弁を含む。
【0012】
本開示の別の一般的態様は、弁を操作する方法であって、弁は、近位端と、遠位端と、近位端及び遠位端間に延びる内腔とを含む本体であって、入口ポートと、第1の出口ポートと、第2の出口ポートとを含む本体と、本体の内腔の長さに沿って摺動可能に移動可能なピストンとを含み、ピストンは、ピストンの少なくとも一部を通して延びるブリッジを含み、方法は、ブリッジを介して入口ポートと第1の出口ポートとの間に第1の流体連通が確立されるようにピストンを移動させることと、ブリッジを介して入口ポートと第2の出口ポートとの間に第2の流体連通が確立されるようにピストンを移動させることとを含む、方法を含む。
【0013】
本開示による治療剤を標的部位又は弁に送達するのに適したシステムは、上に記載された特徴及び/又はオリジナルの提出されたままの特許請求の範囲に記載された特徴の任意の組み合わせを含み得る。
【0014】
本発明の他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図及び詳細な記載を検討することで当業者に明らかであるか又は明らかになるであろう。そのような追加のシステム、方法、特徴及び利点は、すべて本発明の範囲内であることが意図される。
【0015】
本発明は、以下の図面及び記載を参照することにより、よりよく理解することができる。図中の構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれている。さらに、図では、同様の参照数字は、異なる図全体を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態による治療剤を送達するためのシステムの斜視図であり、ハウジング、前方弁(第2の弁)、スイッチ及びボタンを示す。
【
図2A】
図1のシステムの別の斜視図であり、第1の状態の前方弁、第1の位置におけるスイッチ及びデフォルト状態のボタンを示す。
【
図2B】
図1のシステムの別の斜視図であり、第2の状態の前方弁、第2の位置におけるスイッチ及びデフォルト状態のボタンを示す。
【
図3】
図1のシステムの分解図であり、後方弁(第1の弁)を示す。
【
図4】ハウジングの一部が取り外された
図1のシステムの別の斜視図であり、第1の状態の前方弁、第1の位置におけるスイッチ及び押し下げられたボタンを示す。
【
図4A】
図4のシステムの一部の部分拡大斜視図であり、第1の位置におけるスイッチ及び押し下げられたボタンを示す。
【
図4B】
図4のシステムの一部の拡大詳細図である。
【
図5】
図4のシステムの別の斜視図であり、第2の状態の前方弁、第2の位置におけるスイッチ及び押し下げられたボタンを示す。
【
図5A】
図5のシステムの一部の部分拡大斜視図であり、第2の位置におけるスイッチ及び押し下げられたボタンを示す。
【
図5B】
図5のシステムの一部の拡大詳細図である。
【
図6】
図1のシステムのハウジングの第1の部分の斜視図である。
【
図6A】
図6のハウジングの第1の部分の一部の拡大詳細図である。
【
図7】
図1のシステムのハウジングの第2の部分の斜視図である。
【
図8A-8B】
図1のシステムのスイッチの斜視図である。
【
図8C-8D】
図1のシステムのスイッチの側面図である。
【
図9】後方弁及びボタンを示す、
図1のシステムの一部の拡大分解図であり、後方弁は、本体及びピストンを含む。
【
図11】
図9のシステムの斜視組立図であり、後方弁及びボタンが一緒に結合された状態を示す。
【
図13A】
図1の前方弁の拡大斜視図であり、前方弁の上部及び前方弁の下部を示す。
【
図14A-14B】
図13Aの前方弁の斜視図であり、前方弁の上部及び下部が一緒に結合された状態を示す。
【
図15】
図1のシステムの断面図であり、第1の状態の前方弁、第1の位置におけるスイッチ及びデフォルト状態のボタンを示す。
【
図16】
図1のシステムの別の断面図であり、第1の状態の前方弁、第1の位置におけるスイッチ及び押し下げられたボタンを示す。
【
図16B】第1の位置におけるスイッチを示す、
図16のシステムの一部の断面図である。
【
図17】
図1のシステムの別の断面図であり、第2の状態の前方弁、第2の位置におけるスイッチ及びデフォルト状態のボタンを示す。
【
図17B】
図17のシステムの一部の断面図であり、第1の位置から第2の位置に移動されたスイッチを示す。
【
図18】
図1のシステムの別の断面図であり、第2の状態の前方弁、第2の位置におけるスイッチ及び押し下げられたボタンを示す。
【
図19】別の実施形態による治療剤を送達するためのシステムの斜視図であり、ハウジング、前方弁(第2の弁)、スイッチ及びボタンを示す。
【
図20】ハウジングの第1の部分及びハウジングの第2の部分を示す、
図19のシステムの部分分解図である。
【
図21】
図19のシステムのハウジングの第1の部分の斜視図である。
【
図22】
図19のシステムのハウジングの第2の部分の斜視図である。
【
図25】
図19のシステムのハウジングの第1の部分のガイド部材の別の実施形態の拡大斜視図である。
【
図26】
図19のシステムのスイッチの一部の別の実施形態の斜視図である。
【
図27】後方弁の別の実施形態の概略断面図である。
【
図28】
図9の後方弁のピストンの別の実施形態の斜視図である。
【
図32】デフォルト状態の
図28のピストンを含む後方弁の断面図である。
【
図34】治療剤送達位置における
図32の後方弁の断面図である。
【
図35】別の実施形態による治療剤送達システムのスイッチの拡大図である。
【
図36-37】別の実施形態による治療剤送達システムのスイッチの拡大部分図である。
【
図38】伸長位置におけるスイッチの別の実施形態を示す、治療剤送達システムの説明図である。
【
図40】
図38のスイッチの説明図であり、伸長位置におけるスイッチを示す。
【
図41】
図38のスイッチの説明図であり、後退位置におけるスイッチを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照して様々な態様について記載するが、これらの図面では、同様の要素は、概ね同様の数字で識別される。それらの態様の様々な要素の関係性及び機能は、以下の詳細な記載を参照することによってよりよく理解され得る。しかしながら、それら態様は、図面に示されるか又は以下に明示的に記載されるものに限定されない。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく(但し、特定の図面は、一定の縮尺で描かれ、そのように信頼され得る)、特定の場合、従来の材料、構造及びアセンブリなど、本明細書に開示される態様の理解に必要でない詳細が省略されている可能性があることも理解されたい。
【0018】
現在開示されている実施形態の理解を促進する目的のため、ここで、図面に示されている実施形態を参照し、特定の言語を使用してそれについて記載する。それにもかかわらず、本発明の範囲の限定がそれにより意図されるものではなく、本発明が関連する技術分野の当業者が通常想到するであろう、示された装置における変更形態及びさらなる修正形態並びに本明細書に示されたような本発明の原理のさらなる適用が企図されることが理解されるべきである。
【0019】
本出願では、「近位」という用語は、医療処置中、概ね医師に向かう方向を指し、「遠位」という用語は、医療処置中、概ね患者の解剖学的構造内の標的部位に向かう方向を指す。「~するように構成された」という用語は、記載した機能を達成し、且つ/又は他の構成要素とのインターフェース若しくは相互作用を行うために特定の構造を必要とする、特定の態様における構造上の限定を記載するために使用され、単なる意図的又は理論的な用途を記載するために使用されるものではない。「一般的に」、「約」、「実質的に」等などの相対的な用語及びより広い用語は、開示及び/又は特許請求の明瞭且つ明確な範囲を提供するものとして当業者に理解されるであろう。例えば、「約4~6N」という用語は、正確に4~6Nを必要とするのではなく、むしろそれ及び機能的均等物を含むものとして理解されるであろう。
【0020】
ここで、
図1~18を参照すると、1種又は複数の治療剤を標的部位に送達するのに適したシステム20の実施形態が示されている。この実施形態では、システム20は、治療剤38を収容するように構成された容器30と、容器30の少なくとも一部と選択的に流体連通するように配置されるように構成された、加圧流体を有する少なくとも1つの圧力源68と、容器30と選択的に流体連通するように配置され、以下にさらに十分に説明するように、治療剤38又は加圧流体を、カテーテル90を通して患者内の標的部位に送達するように構成されたカテーテル90とを含む。
【0021】
システム20は、容器30、圧力源68、カテーテル90及び以下に記載する他の構成要素を確実に保持し、収容し、係合し、且つ/又は覆うのに適したハウジング22をさらに含む。好ましくは、ハウジング22は、使用者によって把持され得る直立セクション24と、容器30のためのハウジングとして機能するセクション25とを含む。ハウジング22は、スイッチ100を移動可能に支持するようにも構成され、スイッチ100は、第1の位置102(例えば、
図2Aに示すような)と第2の位置104(例えば、
図2Bに示すような)との間で移動可能である。システム20は、スイッチ100が第1の位置102にあるとき、加圧流体の送達が許可される一方で治療剤38の送達が阻止され、スイッチ100が第2の位置104にあるとき、以下でさらに詳細に記載するように、治療剤38の送達が許可されるように構成される。アクチュエータ26は、治療剤なしで加圧流体を送達する前又は治療剤を送達する前に使用者によって係合され得る。
【0022】
システム20は、圧力源68と容器30との間に接続されるように構成された第1の弁80(例えば、
図4及び5に示されるような)と、容器30とカテーテル90との間に接続されるように構成された第2の弁43と、以下でさらに詳細に記載されるように、第1の弁80を選択的に作動させて、治療剤38なしで加圧流体を送達するか又は治療剤38を送達するように構成されたボタン88とを含む。
【0023】
容器30は、治療剤38を収容するための任意の適切なサイズ及び形状を含み得る。
図1及び3に示すように、容器30は、第1の領域31と、第2の領域32と、容器30の内部によって画定されるリザーバ33とを有する概ね管状の構成を含む。
【0024】
図3を参照すると、容器30は、入口チューブ40、出口チューブ50及びキャップ60をさらに含み得、キャップ60は、容器30の第1の領域31に固定されるように構成される。入口チューブ40は、それらの間に延びる管腔を有する第1及び第2の端部41及び42を有し、出口チューブ50は、それらの間に延びる管腔を有する第1及び第2の端部51及び52を有する。入口チューブ40の第1の端部41は、キャップ60に形成された入口ポート62と流体連通するように配置され、出口チューブ50の第1の端部51は、キャップ60に形成された出口ポート63と流体連通するように配置される。入口ポート62にはキャップ67を固定することができ、これにより、入口ポート62とチューブ61との間の接続が可能になる(
図3及び4参照)。いくつかの実施形態では、O-リングは、入口ポート62の周囲又は入口チューブ40の第1の端部41の周囲(例えば、第1の端部41が入口ポート62から延び出るとき)に配置され得、これにより、キャップ67が入口ポート62上に固定されると、キャップ67は、良好に密閉され、それにより、動作中に流体が漏れることなく、容器30内に適切に入る。
【0025】
キャップ60の出口ポート63は、チューブ64と流体連通するように配置することができ、チューブ64は、遠位方向に延び、カテーテル90に接続し、それらの間には第2の弁43が配置されている。第2の弁43を操作することにより、使用者は、カテーテル90を介してチューブ64から流れる治療剤38を選択的に送達する選択肢を有する。例えば、第2の弁43は、第1の状態45(例えば、
図2Aに示すような閉状態)と第2の状態47(例えば、
図2Bに示すような開状態)とを有するように構成することができる。第2の弁43が第1の状態45にあるとき(例えば、
図4、15及び16に示すように)、カテーテル90は、チューブ64及び容器30と流体連通しない。第2の弁43が第2の状態47にあるとき(例えば、
図5、17及び18に示すように)、カテーテル90はチューブ64及び容器30と流体連通している。
【0026】
動作中、キャップ60の入口ポート62を通過した流体は、入口チューブ40を通してリザーバ33に導かれる。注目すべきことに、容器30の第2の領域32付近のU字形の湾曲は、流体が元来容器30の第1の領域31から第2の領域32に向かう方向に流れ、次いで第2の領域32から第1の領域31に戻る方向に流れるように、流体の流れの方向を効果的におよそ180度変える。
図1及び3に示されるように、容器30の第1の領域31は、使用中に容器30の第2の領域32の上方に垂直に配置されるが、第1の領域31及び第2の領域32が互いに少なくとも部分的に水平方向に隣接して配置されるように、第1の領域31及び第2の領域32の互いに対する配置を異ならせることも可能である。
【0027】
出口チューブ50の第2の端部52は、
図3に示すように、容器30の第2の領域32の上方の所定の距離で終端し得る。したがって、圧力源68からの流体が第2の領域32から第1の領域31に向かって方向転換されるとき、リザーバ33内の流体及び治療剤38は、出口チューブ50を通して出口ポート63を通り、標的部位に向かって導かれ得る。代替的に、出口チューブ50を省略し、治療剤38をリザーバ33から出口ポート63に直接流入させ得る。容器30及び出口ポート63に関する他の変形形態は、米国特許第8,118,777号明細書に見出すことができ、この特許の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
キャップ60は、容器30の第1の領域31に密閉可能に係合するための任意の適切な構成を含み得る。一例では、治療剤38をリザーバ33内に収容するためにOリングがキャップ60の外周に適所に保持される。入口チューブ40及び出口チューブ50は、米国特許第8,118,777号明細書でさらに説明されているものなどの1つ又は複数の支持部材によって容器30内の適所に保持することができる。
【0029】
さらに、キャップ60は、ハウジング22のセクション25の相補的な内部領域との確実で取外し可能な係合を可能にする1つ又は複数のフランジを含み得る。例えば、容器30を回転させることにより、キャップ60のフランジがセクション25内の適所にロックされ得る。
【0030】
有利には、この態様では、第1の治療剤を収容する第1の容器は、システム20と共に使用するためにハウジング22に結合され得、続いて、第2の組成物又は薬剤を収容する第2の容器は、システム20と共に使用するためにハウジング22に結合され得る。例として、限定するものではないが、一実施形態では、システム20は、止血力の形態の治療剤を収容する第1の容器30を「予め装填」され得る。後の時点で粘接着性組成物を送達することが有益であると考えられる場合があり、この場合、第1の容器30を回転させてそのフランジをハウジング22のセクション25から外し、次いで粘接着性組成物を送達するために第2の容器30をハウジング22のセクション25に挿入することができる。簡潔にするために、容器30内の製剤を「治療剤38」と呼ぶが、本明細書で説明するように、ハウジング22に結合された容器30内の特定の製剤は、交換又は変更され得、それ自体治療効果を達成しても又はしなくてもよい。
【0031】
圧力源68は、所望の圧力を有する流体を生成又は供給することができる1つ又は複数の構成要素を含み得る。一実施形態では、圧力源68は、液体又は気体などの加圧流体を含み得る。例えば、
図3に示すように、圧力源68は、二酸化炭素、窒素又は人体に適合し得る任意の他の適切な気体又は液体などの選択された気体又は液体の加圧流体カートリッジを含み得る。加圧流体カートリッジは、カートリッジ内部において、比較的高い第1の所定の圧力、例えば約1,800psiで気体又は液体を含有し得る。圧力源68は、任意選択的に、1つ又は複数の市販の構成要素を含み得る。
【0032】
流体は、圧力源68から、圧力出口72を有するレギュレータ弁70などの圧力レギュレータを通して流れ得、この圧力レギュレータは、圧力をより低い第2の所定の圧力まで下げることができる。いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、スペーサ71がレギュレータ弁70と圧力源68との間に配置され得、これは、輸送中に圧力源68を所定の位置に固定することを容易にする。
【0033】
圧力源68から流体を放出するためにアクチュエータ26を作動させることができる。例えば、使用者はアクチュエータ26を回転させることができ、これはアクチュエータ26とハウジング22との間のねじ係合を介して直線運動に変換される。直線性の前進が圧力源68に与えられると、レギュレータ弁70は圧力カートリッジ(及びスペーサ71)のシールを貫通して高圧流体を放出することができる。レギュレータ弁70が圧力を減じた後、流体は圧力出口72からチューブ75を介して第1の弁80に向かって流れ得る。
【0034】
図3及び13A~14Bを参照すると、第2の弁43は、上部120及び下部122を含むストップコックであり得る。下部122は、第1の入口ポート124、第2の入口ポート126、出口ポート128及び中間セクション125を含み、第1の入口ポート124及び出口ポート128は、中間セクション125の遠位側に配置され、第2の入口ポート126は、中間セクション125の近位側に配置される。上部120の下部セクション123は、貫通孔121を含み、中間セクション125に受け入れられるように構成される。第2の入口ポート126は、チューブ64に接続されるように構成され、出口ポート128は、カテーテル90に接続されるように構成される。
【0035】
第2の弁43は、第2の弁43の上部120の回転を介して、第1の状態45(例えば、
図2Aに示すような閉状態)と第2の状態47(例えば、
図2Bに示すような開状態)との間で移行させることができる。例えば、
図2A及び2Bに示されるように、第2の弁43の上部120を第1の方向110(例えば、時計回り)に回転させることにより、第2の弁43を第1の状態45(例えば、閉状態)から第2の状態47(例えば、開状態)に移行させることができ、第2の弁43を反対の第2の方向(例えば、反時計回り;図示せず)に回転させると、第2の弁43を第2の状態47(例えば、開状態)から第1の状態45(例えば、閉状態)に戻すことができる。第2の弁43が第1の状態45にあるとき、第2の入口ポート126と出口ポート128との間の通路は、カテーテル90が容器30と流体連通しないように、上部120の下部123によって遮断される。第2の弁43が第2の状態47にあるとき、貫通孔121を介して第2の入口ポート126と出口ポート128との間に通路が確立され、カテーテル90が容器30と流体連通する。
【0036】
図3及び9~12を参照すると、第1の弁80は、近位端81aと、遠位端81bと、近位端81a及び遠位端81bの間に延びる内腔81cとを有する本体81を含む。近位端82a及び遠位端82bを有するピストン82は、本体81内に少なくとも部分的に配置され、本体81の内腔81cの長さに沿って摺動可能に移動可能である。ボタン88がピストン82の近位端部分82aに接続されるように構成され、それにより、ボタン88の押し下げによってピストン82が本体81の内腔81cの長さに沿って遠位側に移動する。ピストン82のこの近位端部分82aは、ボタン88への結合を容易にするために、(例えば、
図15に示されるように)本体81の外側にある距離を延び得る。ピストン82の遠位端部分82bは、圧縮ばね95の近位端95aに隣接して位置決めされ得る(例えば、
図9及び15Bに示されるように)。この態様では、ピストン82は、ピストン82がさらに近位側に配置されるように傾斜を付けられるデフォルト状態(例えば、ボタン88に力が加えられないとき)を提供され得るが、使用者がボタン88に十分な力を加えると、ピストン82は、以下に記載される目的のために、圧縮ばね95の力に抗して遠位側に移動され得る。ボタン88が離される(例えば、押し下げを解除される)と、ピストン82は、デフォルト状態に戻る。
【0037】
様々な入口ポート及び出口ポートが第1の弁80に関連付けられ得る。
図1~18に示す実施形態では、本体81は、入口ポート92、第1の出口ポート93及び第2の出口ポート94を含む。第1の弁80の入口ポート92は、(例えば、
図4に示すように)レギュレータ弁70の圧力出口72から延びるチューブ75に結合され得、したがって所定圧力の加圧流体を第1の弁80に提供する。第1の出口ポート93は、(例えば、
図4に示すように)第2の弁43の第1の入口ポート124から延びるチューブ65に結合され得る。第2の出口ポート94は、キャップ60の入口ポート62から延びるチューブ61に結合され得る。
【0038】
図12に示すように、第1の弁80のピストン82は、ピストン82の長さに沿って延びるブリッジ134によって接続されている離間された第1の溝130及び第2の溝132を有する概ね管状の本体83を含み得る。ブリッジ134は、ピストン82の少なくとも一部を通して延び得る。いくつかの実施形態では、
図27に示すように、ブリッジ134は、ピストン82の遠位端部分82bまで延び得、これによりピストン82の製造が容易になり得る。第1の溝130は、ピストン82の第1の断面136の直径に沿って半径方向にピストン82を貫通して延び、第2の溝132は、ピストン82の第2の断面138の直径に沿って半径方向にピストン82を貫通して延びる。この構成により、流体連通経路は、ピストン82内のブリッジ134を介した第1及び第2の溝130及び132間の流れを可能にするように整列することができる。
【0039】
図9及び12を参照すると、第1の弁80のピストン82は、ピストン82の外面に配置されている離間された第1の谷部140及び第2の谷部142をさらに含み得る。第1の谷部140及び第2の谷部142は、以下でより詳細に考察するように、入口ポート92、第1の出口ポート93又は第2の出口ポート94を選択的に閉鎖するように構成された第1のシール部材144及び第2のシール部材146をそれぞれ受け入れるように構成される。
【0040】
図12~12Dを参照すると、第1の谷部140は、一定の深さでピストン82の第3の断面137の円周の周りに延びることができ、第2の谷部142は、一定の深さでピストン82の第4の断面139の円周の周りに延びることができる。ピストン82の第1、第2、第3及び第4の断面136、138、137及び139は、離間されており、且つ互いに平行であり得る。
図12に示すように、第1の谷部140は第2の谷部142の近位側に配置され、第1の溝130は第1の谷部140の近位側に配置され、第2の溝132は第1及び第2の谷部140及び142の間に配置される。
【0041】
第1の谷部140は、ピストン82の外面の一部によって離間された第1の副谷部140aと第2の副谷部140bとを含み得る。第2の谷部142は、ピストン82の外面の一部によって離間された第3の副谷部142a及び第4の副谷部142bを含み得る。第1のシール部材144及び第2のシール部材146は、それぞれの第1の谷部140及び第2の谷部142に受け入れられるように構成された少なくとも1つのOリングをそれぞれ含み得る。
図9に示すように、第1のシール部材144は、第1の副谷部140a内に配置されるように構成された第1のOリング144aと、第2の副谷部140b内に配置されるように構成された第2のOリング144bとを含む。第2のシール部材146は、第3の副谷部142aに配置されるように構成された第3のOリング146aと、第4の副谷部142bに配置されるように構成された第4のOリング146bとを含む。
【0042】
使用時、ピストン82は、少なくとも部分的に本体81内に配置され、本体81の内腔81cの長さに沿って摺動可能に移動可能である。第1の弁80の本体81の入口ポート92、第1の出口ポート93及び第2の出口ポート94、ピストン82の第1及び第2の谷部140及び142並びに第1及び第2のシール部材144及び146は、第2のシール部材146が第2の出口ポート94と軸方向に整列されるとき、第1のシール部材144が入口ポート92及び第1の出口ポート93から軸方向にオフセットされ、それにより、流体連通(例えば、第1の流体連通)が第1及び第2の溝130及び132並びにブリッジ134を介して入口ポート92と第1の出口ポート93との間に確立されるように(例えば、
図16に示されるように)構成及び離間される。一方、第1のシール部材144が第1の出口ポート93と軸方向に整列されるとき、第1のシール部材144が入口ポート92から軸方向にオフセットされ、且つ第2のシール部材146が第2の出口ポート94から軸方向にオフセットされ、それにより、流体連通(例えば、第2の流体連通)が第1及び第2の溝130及び132並びにブリッジ134を介して入口ポート92と第2の出口ポート94との間に確立される(例えば、
図18に示されるように)。
【0043】
上述したように、システム20は、スイッチ100も備え、このスイッチ100は、治療剤38なしで加圧流体を送達するか又は治療剤38を送達するために、第1の弁80の作動を選択的に許可するように構成される。いくつかの実施形態では、
図2A、2B及び4~5Aに示されるように、スイッチ100は、スライダ100であり得、ハウジング22は、スライダ100を摺動可能に支持するように構成され、それにより、スライダ100が第1の位置102にあるとき(例えば、
図2A及び4Aに示されるように)、スライダ100は、ボタン88が第1の状態87(例えば、
図4Aに示すように)に押し下げられることを可能にし、これは、圧力源68内の加圧流体が第1の弁80を通してカテーテル90内に治療剤の送達を伴わずに流れることを可能にし、スライダ100が第2の位置104(例えば、
図2B及び5Aに示すように)にあるとき、スライダ100は、ボタン88が第2の状態91(例えば、
図5Aに示すように)に押し下げられることを可能にし、これは、圧力源68内の加圧流体が第1の弁80を通して容器30内に流れ、以下でさらに詳細に考察されるように、容器30内の治療剤38を、カテーテル90を通して押し進めることを可能にする。
【0044】
図4~5Bを参照すると、スライダ100が第1の位置102にあるとき(例えば、
図4及び4Aに示すように)、スライダ100は、ボタン88をブロックし、それにより、ボタン88は、デフォルト状態(例えば、力がボタン88にかけられていないとき;
図15に示されるように)から最大で第1の距離だけ(例えば、ボタン88の遠位端88bがスライダ100に接触するまで;
図4Aに示されるように、ここで、ボタン88は、第1の状態87にある)遠位側に移動され得る。スライダ100が第2の位置104にあるとき(例えば、
図5及び5Aに示されるように)、スライダ100は、ボタン88が最大で第2の距離だけ(例えば、ボタン88の遠位端88bが第1の弁80の本体81の近位端81aに接触するまで;
図5Aに示されるように、ここで、ボタンは、第2の状態91にある)遠位側に移動することを可能にする。第1の距離は、第2の距離未満である。
図4Aに示されるように、スライダ100が第1の位置102にあるとき、スライダ100は、空間89を占有し、空間89は、占有されていないとき、ボタン88の第1の状態87から第2の状態91への移動を可能にする。
図5Aに示すように、スライダ100が第2の位置104にあるとき、スライダ100は空間89から離れ、ボタン88を第2の状態91まで押し下げられることを可能にする。
【0045】
図15~18を参照すると、ボタン88がデフォルト状態(例えば、
図15に示すように、ここで、それは、使用者によって係合されていない)にあるとき、圧縮ばね95によって与えられる力は、ピストン82をそのデフォルト状態に付勢し、この状態で、ピストン82の第1の谷部140に配置された第1のシール部材144は、本体81の入口ポート92と軸方向に整列し、それにより、(レギュレータ弁70によって調節される)圧力源68からの加圧流体は、第1の弁80に流入しない。
【0046】
図16~16Cに示されるように、スライダ100が第1の位置102にあり、ボタン88が、圧縮ばね95によって提供される力に打ち勝つように使用者によって押し下げられると、ボタン88は第1の状態87へ遠位側に進められ(例えば、ここで、ボタン88は、完全に押し下げられ、スライダ100によってブロックされる)、第1のシール部材144は、入口ポート92及び第1の出口ポート93から軸方向にオフセットされ、第2のシール部材146は、第2の出口ポート94と軸方向に整列され、それにより、圧力源68からの加圧流体が入口ポート92を介して第1の弁80に流入し、第1の溝130に流入し、ブリッジ134を通して第2の溝132に流入し、第1の出口ポート93を介して第1の弁80から出る。このようにして、(レギュレータ弁70によって調節された)圧力源68からの加圧流体は、第1の出口ポート93に導かれ、チューブ65に入り、そこで第2の弁43の第1の入口ポート124を介してカテーテル90に導かれる。
【0047】
図17~18Bを参照すると、スライダ100が第1の位置102から第2の位置104に移動されると(例えば、
図17Bに示すように)、スライダ100はボタン88の経路から外れるように移動され、これにより、ボタン88の遠位端88bが第1の弁80の本体81の近位端81aに接触するまでボタン88を遠位方向に移動させることが可能になる(例えば、
図18Bに示すように、ここで、ボタン88は、第2の状態91にある)。ボタン88が第2の状態91まで押し下げられると、第1のシール部材144は、本体81の入口ポート92から軸方向にオフセットされるが、第1の出口ポート93と軸方向に整列し、第2のシール部材146は、本体81の第2の出口ポート94から軸方向にオフセットされ、それにより、圧力源68からの加圧流体が入口ポート92を介して第1の弁80に流入し、第1の溝130に流入し、ブリッジ134を通して第2の溝132に流入し、第2の出口ポート94を介して第1の弁80から出る。
【0048】
このようにして、圧力源68からの加圧流体(レギュレータ弁70によって調節される)は、第2の出口ポート94に導かれ、チューブ61に導かれ、そこで、キャップ60の入口ポート62に導かれ、治療剤38を収容する容器30に導かれ、そこで、出口チューブ50に導かれ、キャップ60の出口ポート63に導かれ、チューブ64に導かれ、その時点で、治療剤38の送達は、上述したように、第2の弁43によって制御され得る。第2の弁43が第2の状態47にあるとき(例えば、
図18に示すように)、第2の入口ポート126と出口ポート128との間に通路が確立され、それにより、チューブ64から流れる治療剤38は、出口ポート128に結合されたカテーテル90を通して送達され得る。
【0049】
上述のように、スライダ100、第1の弁80及びボタン88の構成により、システム20は、治療剤38(例えば、粉末)の送達前に正圧を送達することが可能になり、これは、カテーテル90がスコープチャネルを通して供給されるとき、粉末噴霧の間、スコープが新しい標的に移動されるとき並びにスコープが潅注されるとき又は誤って血液/流体のプールに浸漬されるときを含むが、これらに限定されない様々な状況で流体の浸入を防止するのに有利であり、それにより流体及び水分飽和媒体におけるシステム性能を向上させる。さらに、システム20が水分飽和媒体中で治療剤38(例えば、噴霧粉末)を送達し、システムが詰まる危険性を除去する能力を有することにより、有利には、全体的な処置時間及び顧客体験を改善し、システムごとに包装されるカテーテルの数を減少させることにもつながり、それにより環境負荷を低減する。
【0050】
ピストン82に含まれる溝、ブリッジ、谷部、副谷部及びシール部材並びに第1の弁80に関連する入口ポート及び出口ポートの数、構成及び位置は、第1の弁80の1つの状態では、入口ポートと、第2の弁43の入口ポート124に結合されたチューブ65に接続された出口ポートとの間の流れを可能にし、且つ加圧流体(治療剤38なし)又は治療剤38が第1の弁80及び第1の弁80に結合されたボタンを使用して選択的に送達され得るように、第1の弁80の別の状態では、入口ポートと、キャップ60の入口ポート62に結合されたチューブ61に接続された出口ポートとの間の流れを可能にするように、流体連通経路を選択的に整列させることができる限り、本発明の範囲から逸脱することなく、所望及び/又は必要に応じて変化させることができることが理解されるであろう。
【0051】
図6~8Dを参照すると、ハウジング22及びスイッチ100の第1の実施形態が示されており、スイッチ100は、ハウジング22によって摺動可能に支持されたスライダ100である。ハウジング22は、第1の部分150及び第2の部分152を含み、これらは、互いに結合されると、システム20の他の構成要素(例えば、容器30)を少なくとも部分的に保持し、収容し、係合し、且つ/又は覆うように構成されたキャビティをそれらの間に形成し、スライダ100を摺動可能に支持するように構成される。
図6~7に示すように、ハウジング22の第1の部分150は、第1の上部151及び第1の内面154を含み、ハウジング22の第2の部分152は、第2の上部153及び第2の内面156を含む。
【0052】
第1の上部151は、第1の上部151の第1の上面155から下方に延びる第1の凹状部分171を含み、第1の凹状部分171は、第1の上面155よりも下方に配置された第1の部分166及び第2の部分168を含み、それらの間に配置された第1の切欠き170を含む。第2の上部153は、第2の上部153の第2の上面157から下方に延びる第2の凹状部分173を含み、第2の凹状部分173は、第2の上面157よりも下方に配置された第3の部分172及び第4の部分174を含み、それらの間に配置された第2の切欠き176を含む。第1及び第2の凹状部分171及び173は、以下でさらに詳細に考察するように、スライダ100の少なくとも一部を摺動可能に支持するように構成される。
【0053】
第1の部分150は、第1の内面154から外側に延びる第1のガイド部材158及び第2のガイド部材160を含む。第1のガイド部材158及び第2のガイド部材160は、離間され、少なくとも部分的に第1の凹状部分171の下に配置される。第2の部分152は、第2の内面156から外側に延びる第3のガイド部材162及び第4のガイド部材164を含む。第3のガイド部材162及び第4のガイド部材164は、離間され、少なくとも部分的に第2の凹状部分173の下に配置される。第1、第2、第3及び第4のガイド部材は、以下でさらに詳細に考察するように、スライダ100の少なくとも一部を摺動可能に支持するように構成される。
【0054】
図8A~8Dを参照すると、スライダ100は、上部180と下部181とを含む。上部180は、頂部186と、頂部186から下方に延びるネック部187とを含む。下部181は主部188を含み、この主部188は、上部セクション189と、下部セクション190と、上部セクション189及び下部セクション190の間に延び、それらを接続する中間セクション191とを含み、第1の溝192と第2の溝194とが、上部セクション189と下部セクション190との間に形成され、中間セクション191の両側に配置される。ネック部187は、下部181の上部セクション189から上方に延びている。下部181は、上部セクション189の側面183から外方及び下方に延びるアーム部分182も含む。アーム部分182は、以下でより詳細に考察されるように、ピストン82の近位端部分82aの少なくとも一部を受け入れるように構成された切欠き184も含む。
【0055】
図3~5Bを参照すると、ハウジング22の第1の部分150及びスライダ100は、第1及び第2のガイド部材158及び160がそれぞれ第1及び第2の溝192及び194内に摺動可能に受け入れられる一方、頂部186が第1の凹状部分171内に摺動可能に受け入れられ、第1及び第2の部分166及び168によって摺動可能に支持され、ネック部187が第1の切欠き170内で摺動可能に移動可能である(例えば、
図5Bに示されるように)ように構成される。ハウジング22の第2の部分152及びスライダ100は、第3及び第4のガイド部材162及び164がそれぞれ第1及び第2の溝192及び194内に摺動可能に受け入れられる一方、頂部186が第2の凹状部分173内に摺動可能に受け入れられ、第3及び第4の部分172及び174によって摺動可能に支持され、ネック部187が第2の切欠き176内で摺動可能に移動可能であるように構成される。
【0056】
図1~5Bを参照すると、スライダ100が第1の位置にあるとき(例えば、
図2A及び4Bに示すように)、スライダ100の頂部186は、ハウジング22の第2の部分152の第2の凹状部分173に摺動可能に受け入れられ、第3及び第4の部分172及び174によって摺動可能に支持され、ネック部187が第2の切欠き176内で摺動可能に移動可能であり、第3及び第4のガイド部材162及び164がそれぞれスライダの第1及び第2の溝192及び194に摺動可能に受け入れられる。スライダ100が第2の位置104にあるとき(例えば、
図2B及び5Bに示すように)、頂部186は、ハウジング22の第1の部分150の第1の凹状部分171に摺動可能に受け入れられ、第1及び第2の部分166及び168によって摺動可能に支持され、ネック部187が第1の切欠き170内で摺動可能に移動可能であり、第1及び第2のガイド部材158及び160がそれぞれスライダ100の第1及び第2の溝192及び194に摺動可能に受け入れられる。
【0057】
ハウジング22の第1の部分150及び第2の部分152は、それらが結合されたときに、第1の凹状部分171及び第2の凹状部分173が、頂部186が第1の凹状部分171及び第2の凹状部分173の間を移動するときに頂部186を摺動可能に支持する連続凹状部分を形成し、第1の切欠き170及び第2の切欠き176が、ネック部187が第1の切欠き170及び第2の切欠き176の間を移動することを可能にする連続切欠きを形成し、第1のガイド部材158及び第3のガイド部材162が連続ガイド部材を形成し、第2のガイド部材160及び第4のガイド部材164が連続ガイド部材を形成し、それにより、スライダ100が連続ガイド部材に沿って第1の位置102と第2の位置104との間で移動することができるように構成される。スライダ100のアーム部分182は、スライダ100が第1の位置102にあるとき、ボタン88の遠位方向の移動がアーム部分182によってブロックされるように、ピストン82の近位端部分82aの少なくとも一部が(例えば、
図4Aに示されるように)切欠き184に受け入れられ、スライダ100が第2の位置104にあるとき、アーム部分182がボタン88の遠位方向の移動の経路から外れるように(例えば、
図5Aに示されるように)構成される。
【0058】
第1の凹状部分171、第2の凹状部分173、スイッチ100(例えば、スライダ100)、第1~第4のガイド部材158~164、第1の弁80のピストン82及びボタン88の構成及び位置は、上述した意図された機能/目的/用途が達成され得る限り、本発明の範囲から逸脱することなく、所望及び/又は必要に応じて変えることができる。
【0059】
例えば、切欠き184の形状は、第1の弁80の近位端部分82aの形状に応じて変えることができる。
図4A及び8Dに示されるように、第1の弁80の近位端部分82aは、概ね管状の形状を有し、切欠き184は、第1の弁80の近位端部分82aの少なくとも一部を受け入れるように構成された対応する概ね半円状の形状を有する。別の例として、アーム部分182の幅185(例えば、
図8Cに示すような)は、ボタン88が第1の状態87にあるとき(例えば、
図4Aに示されるように;ボタンは、アーム部分182の幅185によってブロックされる)、第1の弁80は、上記でさらに詳細に考察されるように、治療剤38なしで加圧流体が送達されるような状態であるように構成され、及びアーム部分182が取り外され、ボタン88の遠位端88bが第1の弁80の本体81の近位端81aに接触するとき(例えば、
図5Aに示されるように)、第1の弁80は、治療剤38が送達されるような状態であるように構成される。
【0060】
いくつかの実施形態では、
図36及び37に示すように、スライダ300は、シャフト107及びリング109を含むことができ、リング109は、分割可能部分111及び残りの部分113を含む。スライダ300のこの実施形態に関して以下で考察する特徴は、スイッチの他の実施形態に組み込むことができ、スイッチの他の実施形態に関して本明細書で考察される特徴及び/又は機能は、スイッチ300のこの実施形態に適用することができ、したがって、簡潔さのために、スイッチ300のこの実施形態では、同様の特徴/機能については詳細に考察しない。スライダ300は、分割可能部分111が分割された後、第1の位置302と第2の位置304との間で移動可能である。いくつかの実施形態では、例えば分割動作前に、スライダ300は、
図4Aのスライダ100(又は
図26のスライダ100’)のように見えるが、360度の完全なリングを有し得、分割動作後、スライダ300は、
図4Aのスライダ100(又は
図26のスライダ100’)のように見え得る。
【0061】
図36及び37では、スライダ300のいくつかの部分が説明のために省略されているが、それ以外には
図4Aのスライダ100(又は
図26のスライダ100’)のように見え得る。本明細書で考察されるスイッチの他の実施形態と同様に、スライダ300が第1の位置302(
図2Aに示されるような)にあるとき、スライダ300はボタンを第1の状態まで押し下げることを可能にし、圧力源内の加圧流体が第1の弁を通して、治療剤の送達がなくカテーテル内に流れることを可能にし、スライダ300が第2の位置304(
図2Bに示されるような)にあるとき、スライダ300は、ボタンを第2の状態まで押し下げることを可能にし、圧力源内の加圧流体が第1の弁を通して且つ容器内に流れ、容器内の治療剤を、カテーテルを通して押し進めることを可能にする。
【0062】
いくつかの実施形態では、
図36及び37に示すように、スライダ300が第1の位置302にあるとき、第1の弁のピストン82の近位端部分82aは、スライダ300のリング109を通して延び、スイッチの他の実施形態で考察したように、リング109は、空間を占有し、空間は、占有されていないとき、第1の状態から第2の状態へのボタンの移動を可能にする。スイッチの他の実施形態で考察したように、スライダ300が第1の位置302にあるとき、リング109は、ボタンが最大で第1の距離だけ遠位側に移動され得るようにボタンをブロックする。
【0063】
スライダ300を第1の位置302から第2の位置304に向かって移動させると、分割可能部分111が(例えば、シャフト107に加えられる力により、且つリング109を通して延びるピストン82の近位端部分82aにより)分割され、分割可能部分111が分割された後、スライダ300を第2の位置304に移動させることができる。スライダ300が第2の位置304にあるとき、分割可能部分111は、リング109の残りの部分113からすでに分割され、リング109の残りの部分113は、空間から遠ざかり(例えば、残りの部分113は、もはやボタンをブロックしない)、ボタンを第2の状態まで押し下げることができる(例えば、スイッチの他の実施形態で考察されたように、ボタンを最大で第2の距離だけ遠位側に移動させることができ、第1の距離は、第2の距離未満である)。
【0064】
スイッチ300のこの実施形態は、輸送中及び装置のセットアップ中にスライダが確実に定位置にロックされ、治療剤の偶発的な展開の危険性が低減される点で有利である。初めてスライダを押して治療剤の噴霧を作動させるとき、使用者は、分割可能部分111を分割するために力を加えなければならない。非限定的な一例として、スライダを分割するのに必要な力は、スライダが分配力に耐えるが、使用者がスライダを作動させることができないほど大きすぎないことを確実にするために約4~6Nであり得る。シャフト107、リング109、分割可能部分111及び残りの部分113の構成は、治療剤の初回展開を可能にするためにスイッチの一部を分割する必要がある限り、本発明の範囲から逸脱することなく、所望及び/又は必要に応じて変えることができる。
【0065】
さらに、いくつかの実施形態では、スイッチは、限定しないが、スイッチ100を回転させること、回動させること、捻ること及び/又は押し下げることにより、上述したように、加圧流体(治療剤38なし)又は治療剤38を選択的に送達するためのボタンを選択的にブロックするように構成される限り、本発明の範囲から逸脱することなく、スライダでなくてもよい。非限定的な一例として、いくつかの実施形態では、
図35に示すように、スイッチ400は、上方/後退位置402と下方/伸長位置404との間で移動可能である(以下でより詳細に考察するが、特に図示しない)。スイッチ400のこの実施形態に関して以下で考察される特徴は、スイッチの他の実施形態に組み込むことができ、スイッチの他の実施形態に関して本明細書で考察される特徴及び/又は機能は、スイッチ400のこの実施形態に適用することができ、したがって、簡潔にするために、スイッチ400のこの実施形態では、同様の特徴/機能については詳細に考察しない。
【0066】
スイッチ400が上方/後退位置402にあるとき、加圧流体の送達が許可される一方で治療剤の送出が阻止され、スイッチ400が下方/伸長位置404にあるとき、治療剤の送達が許可される。スイッチの他の実施形態で考察されたように、スイッチ400が上方/後退位置402にあるとき、スイッチ400はボタンを第1の状態まで押し下げることを可能にし、治療剤の送達がない状態で圧力源内の加圧流体が第1の弁を通してカテーテル内に流れることを可能にし、スイッチ400が下方/伸長位置404にあるとき、スイッチは、ボタンを第2の状態まで押し下げることを可能にし、圧力源内の加圧流体が第1の弁を通して且つ容器内に流れ、容器内の治療剤を、カテーテルを通して押し進めることを可能にする。
【0067】
図35に示すように、スイッチ400は、ハウジングの内面23に回動可能に接続された中間部分103と、中間部分103から下方に延びるフック105と、中間部分103から上方に延びる突出部101とを含み、突出部101はハウジングの上方に延びる。スイッチ400は、突出部101を下方に押すことによりフック105が下方に移動し、それにより、スイッチ400が上方/後退位置402から下方/伸長位置404に向かって移動するように構成される。いくつかの実施形態では、中間部分103は、第1の端部部分103aと第2の端部部分103bとの間に延びる跳ね板であり得、第1の端部部分103aは、ハウジングの内面23に接続され、第2の端部部分103bは、片持ち状である。突出部101及びフック105は、いずれも中間部分103の第2の端部部分103bから延び得る。
【0068】
突出部101が押し下げられないとき、スイッチの他の実施形態で考察されたように、フック105は空間を占有し、空間は、占有されていないとき、第1の状態から第2の状態へのボタンの移動を可能にし、フック105は、ボタンが最大で第1の距離だけ遠位側に移動され得るようにボタンをブロックする。突出部101が押し下げられると、フック105は下方に移動し(例えば、フック105は空間から遠ざかる)、これは、スイッチの他の実施形態で考察されたように、ボタンが最大の第2の距離だけ遠位側に移動することを可能にし(例えば、ボタンが第2の状態まで押し下げられることを可能にし)、第1の距離は、第2の距離未満である。
【0069】
図35に示すように、フック105は、突出部101が押し下げられていないとき、フック105が第1の弁のピストンの近位端部分82aに係合し、突出部101が押し下げられたとき、フック105が下方に移動して第1の弁のピストンに係合しないJフックであり得る。突出部101を押し下げたままにすると、スイッチ400が下方/伸長位置404に留まることができ、突出部101を離すと、フック105が上方に移動して、スイッチ400が下方/伸長位置404から上方/後退位置402に移動する。スイッチ400のこの実施形態は、治療剤を展開する際に使用者が突出部を押さえる必要があるため、治療剤が誤って展開される危険性が低減される点で有利である。中間部分103、突出部101及びフック105の構成は、治療剤の展開を可能にするためにスイッチを押さえる必要がある限り、本発明の範囲から逸脱することなく、所望及び/又は必要に応じて変えることができる。
【0070】
別の非限定的な例として、いくつかの実施形態では、
図38~41に示すように、スイッチ500は、伸長位置502(例えば、
図38及び
図40に示すような)と後退位置504(例えば、
図39及び41に示すような)との間で移動可能である。スイッチ500が伸長位置502にあるとき、加圧流体の送達が許可される一方で治療剤の送達が阻止され、スイッチ500が後退位置504にあるとき、治療剤の送達が許可される。スイッチ500のこの実施形態は、スイッチ500を作動させるのに必要な力を低減するのに有利である。スイッチ500のこの実施形態に関して以下で考察される特徴は、スイッチの他の実施形態に組み込むことができ、スイッチの他の実施形態に関して本明細書で考察される特徴及び/又は機能は、スイッチ500のこの実施形態に適用することができ、したがって、簡潔にするために、スイッチ500のこの実施形態では、同様の特徴/機能については詳細に考察しない。
【0071】
スイッチ500は、クリック可能なボタン501と、クリック可能なボタン501から下方に延びるフック503とを含み、スイッチ500は、クリック可能なボタン501を押してから離すことにより、伸長位置502と後退位置504との間を移動するように構成される。
図40及び41に示すように、クリック可能なボタン501は、ノッチ510を有するカム本体506、ボール508及びばね512を含む。クリック可能なボタン501の機能性及び動作機構は、筆記の技術分野で公知であり、筆記の技術分野におけるクリック可能なボタンの他の実施形態は、例えば、パーカーのジョッターペンのクリック可能なボタンを含め、本発明の範囲から逸脱することなくスイッチ500に組み込むことができる。
【0072】
スイッチ500が伸長位置502にあるとき、スイッチ500はボタン88を第1の状態まで押し下げることを可能にし、圧力源内の加圧流体が第1の弁を通して、治療剤の送達なしにカテーテル内に流れることを可能にし、スイッチ500が後退位置504にあるとき、スイッチ500はボタン88を第2の状態まで押し下げることを可能にし、圧力源内の加圧流体が第1の弁を通して、容器内に流れ、容器内の治療剤を、カテーテルを通して押し進めることを可能にする。
【0073】
図38に示すように、スイッチ500が伸長位置502にあるとき、フック503は、第1の弁のピストン82の近位端部分82aに係合し、ボタン88が最大で第1の距離だけ遠位側に移動され得るようにボタン88をブロックする。
図39に示されるように、スイッチ500が後退位置504にあるとき、フック503は上方に移動し、第1の弁のピストン82と係合しないため、ボタン88を最大で第2の距離だけ遠位側に移動させることができ、第1の距離は第2の距離未満である。
【0074】
図38及び39を参照すると、スイッチ500が伸長位置502にあるとき、フック503は空間を占有し、空間は、占有されていないとき、ボタン88の第1の状態から第2の状態への移動を可能にする。スイッチが後退位置504にあるとき、フック503は、空間から離れて移動され、ボタン88が第2の状態まで押し下げられることを可能にする。
【0075】
使用時には、カテーテル90が第2の弁43の出口ポート128に接続された状態で、使用者は、スイッチ100が第1の位置102にあり、第2の弁が第1の状態45にあることを確認し(例えば、
図2Aに示すように)、それから圧力源68を作動させることができる(例えば、アクチュエータ26を操作することによって)。治療剤38なしで加圧流体を送達するために、使用者は、スイッチ100によってブロックされるまでボタン88を完全に押し下げることにより、第1の弁80を作動させることができる(例えば、
図4A及び16に示すように)。これにより、加圧流体が治療剤38の送達なしに第1の弁80を通してカテーテル90に流入することが可能になる。ボタン88を完全に押し下げたまま、使用者は、カテーテル90を、標的部位に達するまで(例えば、カテーテル90の遠位端がスコープから出るまで)患者の腔内(例えば、患者の腔内に延びるスコープ内)に挿入することができる。
【0076】
次に、治療剤38を送達するために、使用者はボタン88を離し、スイッチ100を第1の位置102から第2の位置104に移動させ(例えば、
図17Bに示すように;第1の弁80を作動させるためにボタン88をさらに押し下げることができるように)、第2の弁43を第1の状態45から第2の状態47に移行させ(例えば、
図2Bに示すように;これにより加圧流体が容器30内の治療剤38を、カテーテル90を通して押し進めることが可能になる)、ボタン88が第1の弁80の本体81の近位端81aによってブロックされるまで、ボタン88を完全に押し下げることができる。これにより、加圧流体が第1の弁80を通して容器30に流入することができる。ボタン88を所望の回数(例えば、3回)押して保持することにより、所望のショット数(例えば、3ショット)の治療剤38を送達することができる。所望の量の治療剤38が送達された後、使用者はボタン88を離し、第2の弁43を第1の状態45に戻し、スイッチ100を第1の位置102に戻すことができる。
【0077】
図19~24Bを参照すると、治療剤を送達するためのシステム20’の別の実施形態が開示されている。
図19及び20に示すように、システム20’は、ハウジング22’、第1の弁80’、第2の弁43’、スイッチ100’及びボタン88’を含む。
図1~18に示すようなシステム20の実施形態に関して上述した特徴は、
図19~24Bに示すようなシステム20’の実施形態に単独で又は組み合わせて含まれ得、これには、システム20’を形成する基本構成要素、それら基本構成要素の構成、位置決め及び機能並びに治療剤38なしで加圧流体を選択的に送達するか又は治療剤38を送達するためのボタン88’の操作方法が含まれるが、これらに限定されない。簡潔にするために、上述した特徴は、
図19~24Bに示すようなシステム20’のこの実施形態に関して繰り返さない。
【0078】
図20~22Aを参照すると、ハウジング22’は、第1の部分150’及び第2の部分152’を含み、これらは、一緒に結合されると、システム20’の他の構成要素(例えば、第1の弁80’)を少なくとも部分的に保持し、収容し、係合し、且つ/又は覆うように構成されたキャビティを形成し、スライダ100’を摺動可能に支持するように構成される。
図21~21Bに示すように、ハウジング22’の第1の部分150’は、第1の上部151’及び第1の内面154’を含む。
図22及び22Aに示すように、ハウジング22’の第2の部分152’は、第2の上部153’及び第2の内面156’を含む。
【0079】
第1の上部151’は、第1の上部151’の側面159から少なくとも部分的に外側に延びる片持ち部分171’を含む。片持ち部分171’は、プラットフォーム167から上方に延びるフランジ169によって囲まれたプラットフォーム167を含み、第1の切欠き170’がプラットフォーム167の少なくとも一部に沿って延びる。第2の部分152’の第2の上部153’は、第1の上部151’の側面159から外側に延びる片持ち部分171’の少なくとも一部を受け入れるように構成された第2の切欠き176’を含み、それにより、第1及び第2の部分150’及び152’は、片持ち部分171’が少なくとも部分的に第2の切欠き176’内に受け入れられた状態で、ハウジング22’を形成するように一緒に結合され得る。片持ち部分171’は、以下でより詳細に考察されるように、スライダ100’の少なくとも一部を摺動可能に支持するように構成される。
【0080】
第1の部分150’は、第1の内面154’から外側に延びる第1のガイド部材158’及び第2のガイド部材160’を含む。第1及び第2のガイド部材158’及び160’は、離間される。第2の部分152’は、第2の内面156’から外側に延びるガイド支持体165’を含む。第1及び第2のガイド部材158’及び160’並びにガイド支持体165’は、ハウジング22’の第1の部分150’及び第2の部分152’がハウジング22’を形成するように一緒に結合されると、第1及び第2のガイド部材158’及び160’の近位端158’a及び160’aがガイド支持体165’に係合し、それにより、第1及び第2のガイド部材158’及び160’がガイド支持体165’によって支持され、固定されるように構成される。第1及び第2のガイド部材158’及び160’は、以下でさらに詳細に考察されるように、スライダ100’の少なくとも一部を摺動可能に支持するように構成される。
【0081】
図19、20及び23A~24Bを参照すると、スイッチ100’(例えば、スライダ100’)は、上部180’及び下部181’を含む。上部180’は、頂部186’とネック部187’とを含む。下部181’は、主部188’を含み、この主部188’は、上部セクション189’と、下部セクション190’と、上部セクション189’及び下部セクション190’の間に延び、それらを接続する中間セクション191’とを含み、第1の溝192’及び第2の溝194’が、上部セクション189’及び下部セクション190’の間に形成され、中間セクション191’の両側に配置される。下部セクション181’は、上部セクション189’の側面183’から外方及び下方に延びるアーム部分182’も含む。アーム部分182’は、システム20の実施形態に関してより詳細に上で考察したように、第1の弁80’のピストンの近位端部分の少なくとも一部を受け入れるように構成された切欠き184’も含む。
【0082】
上部186’は、上部193と下部195とを含む。ネック部187’は、スライダ100’の移動が頂部186’の上部193を操作することによって達成され得るように、頂部186’とネック部187とが一緒に結合されるように、頂部186’の下部195の少なくとも一部を受け入れるように構成された溝197を含む。この構成は、システム20’の他のすべての構成要素が組み立てられた後、ネック部187’の溝197に下部195を挿入することによって上部186’を容易に組み立てることができるため、組み立てが容易であるという点で有利である。システム20の実施形態に関してより詳細に上で考察されたように、ハウジング22’及びスライダ100’の第1の部分150’は、第1及び第2のガイド部材158’及び160’がそれぞれ第1及び第2の溝192’及び194’内に摺動可能に受け入れられるように構成され、一方、スライダ100’の頂部186’の上部193は、片持ち部分171’内に摺動可能に受け入れられ、ネック部187’が第1の切欠き170’内で摺動可能に移動可能な状態でプラットフォーム167’によって摺動可能に支持される。
【0083】
スライダ100’の上部193がフランジ169の第1の端部196に配置されると、スライダ100’は第1の位置102’にあり、第1の弁80’のピストンの近位端部分の少なくとも一部がアーム部分182’の切欠き184’内に受け入れられ、それにより、ボタン88’の遠位方向の移動がアーム部分182’によってブロックされる。スライダ100’の上部193がフランジ169の第2の端部198に配置されると、スライダ100’は、アーム部分182’がボタン88’の遠位方向移動の経路から外れる第2の位置104’にある。プラットフォーム167’に沿って且つ第1及び第2のガイド部材158’及び160’に沿って第1の位置102’と第2の位置104’との間でスライダ100’の上部193を移動させる能力は、スライダ100’の円滑な移動/動作を提供するのに有利である。
【0084】
いくつかの実施形態では、ガイド部材158’及び160’並びにスイッチ100’(例えば、スライダ100’)は、スライダ100’とガイド部材158’及び160’との間の意図しない相対移動を防止するように構成され得る。例えば、
図25に示すように、ガイド部材158’及び160’は、複数の切欠き208及び210をそれぞれ含み得る。いくつかの実施形態では、複数の切欠き208及び210は、それぞれのガイド部材158’及び160’の長さに沿ってそれぞれ連続し得る。例えば、
図25に示されるように、複数の切欠き208及び210は、連続的に配置される5つの切欠きをそれぞれ含み、各切欠きは、同一/類似の構成(例えば、形状、サイズ)を有する。
図25に示すように、各切欠きは湾曲した構成を有する。
【0085】
いくつかの実施形態では、
図26に示すように、一対のアーム200及び202は、スライダ100’の中間セクション191’の両側から、第1及び第2の溝192’及び194’のそれぞれの方向に沿って外側に延びることができ、一対のアーム200及び202の遠位端は、それぞれのアーム200及び202から外側に延びる突出部204及び206をそれぞれ含む。突出部204及び206は、それぞれの切欠き210及び208に受け入れられるようにそれぞれ構成され得る。
図19、20、25及び26を参照すると、アーム200及び202並びに突出部204及び206は、スライダ100’の上部193がフランジ169の第1の端部196に配置されるとき、スライダ100’が第1の位置102’にあるように構成され、突出部204及び206は、それぞれのガイド部材160’及び158’の対応する切欠き210及び208にそれぞれ係合し/少なくとも部分的に受け入れられ、それにより、ガイド部材158’及び160’に対するスライダ100’の意図しない移動(例えば、輸送中)が防止され、これは、第1の位置102’と第2の位置104’との間のスライダ100’の偶発的な移動を防止するのに有利である。
【0086】
使用者は、スライダ100’を対応する方向に押すことにより、スライダ100’を第1の位置102’と第2の位置104’との間において手動で移動させることができる。スライダ100’の移動の間、複数の切欠き208及び210は、突出部204及び206がそれぞれガイド部材160’及び158’の対応する切欠き210及び208を出入りするため、使用者に触覚フィードバックを提供する。各ガイド部材158’及び160’内の切欠き208及び210の構成(例えば、形状、サイズ)、数及び位置並びに各アーム202及び200及び突出部206及び204の構成(例えば、形状、サイズ、長さ)は、上述した触覚フィードバックが提供され得る限り、及び/又はスライダ100’が第1の位置102’と第2の位置104’との間を移動する際にスライダ100’とガイド部材158’及び160’との間の偶発的な移動を防止する機能が達成され得る限り、本発明の範囲から逸脱することなく、所望及び/又は必要に応じて変えることができる。
【0087】
図28~34を参照すると、第1の弁380のピストン382の別の実施形態が示されており、これは、本発明の範囲から逸脱することなく、上述したシステム20の任意の実施形態に、上述した他の構成要素(例えば、ハウジング、スライダ)の任意の実施形態と共に、所望及び/又は必要に応じて組み込むことができる。第1の弁380は、近位端381aと、遠位端381bと、近位端381a及び遠位端381bの間に延びる内腔381cとを有する本体381を含む。近位端部分382a及び遠位端部分382bを有するピストン382は、少なくとも部分的に本体381内に配置され、本体381の内腔381cの長さに沿って摺動可能に移動可能である。ボタン388がピストン382の近位端部分382aに接続されるように構成され、それにより、ボタン388の押し下げにより、ピストン382が本体381の内腔381cの長さに沿って遠位側に移動する。ピストン382のこの近位端部分382aは、ボタン388への結合を容易にするために、(例えば、
図32に示されるように)本体381の外側にある距離を延び得る。ピストン382の遠位端部分382bは、(例えば、
図32~34に示されるように)圧縮ばね395の近位端395aに隣接して位置決めされ得る。この態様では、ピストン382は、ピストン382がさらに近位側に配置されるように傾斜を付けられるデフォルト状態(例えば、
図32に示されるように、ボタン388に力が加えられないとき)を提供され得るが、使用者がボタン388に十分な力を加える場合、ピストン382は、以下に記載される目的のために、圧縮ばね395の力に抗して遠位側に移動され得る。ボタン388が解放される(例えば、押し下げを解除される)と、ピストン382は、デフォルト状態に戻る。
【0088】
様々な入口ポート及び出口ポートが第1の弁380に関連付けられ得る。
図32~34に示す実施形態では、本体381は、入口ポート392、第1の出口ポート393及び第2の出口ポート394を含む。第1の弁380の入口ポート392は、(例えば、第1の弁80の別の実施形態に関して上述した
図4に示すように)レギュレータ弁70の圧力出口72から延びるチューブ75に結合され得、したがって所定圧力の加圧流体を第1の弁380に提供する。第1の出口ポート393は、第2の弁43の第1の入口ポート124から延びるチューブ65に結合され得る(例えば、第1の弁80の別の実施形態に関して上述した
図4に示されるように)。第2の出口ポート394は、キャップ60の入口ポート62から延びるチューブ61に結合され得る(例えば、第1の弁80の別の実施形態に関して上述した
図4に示されるように)。
【0089】
図28~31を参照すると、第1の弁380のピストン382は、ピストン382の外面に配置されている離間された第1の開口部330及び第2の開口部332を有する概ね管状の本体383を含み得る。第1及び第2の開口部330及び332は、ピストン382の長さに対して角度αでピストン382を通して延びるブリッジ334によって接続される。ブリッジ334は、ピストン382の少なくとも一部を通して延び得る。いくつかの実施形態では、
図31に示されるように、角度αは90度未満である。この構成により、流体連通経路は、ピストン382内部のブリッジ334を介した第1及び第2の開口部330及び332間の流れを可能にするように整列することができる。
【0090】
ピストン382は、ピストン382の外面に配置されている離間された第1及び第2の凹部331及び333をさらに含む。第1の開口部330は、第1の凹部331に配置され、第2の開口部332は、第2の凹部333に配置される。第1及び第2の凹部331、333の存在は、それぞれの第1及び第2の出口ポート393及び394への空気流の送達を補助するのに有利である。
図31に示すように、第1の凹部331は、一定の深さでピストン382の第1の断面336の円周の周りに延びることができ、第2の凹部333は、一定の深さでピストン382の第2の断面338の円周の周りに延びることができる。
【0091】
図31を参照すると、第1の弁380のピストン382は、ピストン382の外面に配置されている離間された第1の谷部340及び第2の谷部342をさらに含むことができる。第1の谷部340及び第2の谷部342は、以下により詳細に考察されるように、入口ポート392、第1の出口ポート393又は第2の出口ポート394を選択的に閉鎖するように構成された第1のシール部材344及び第2のシール部材346をそれぞれ受け入れるように構成される。第1の谷部340は、一定の深さでピストン382の第3の断面337の円周の周りに延びることができ、第2の谷部342は、一定の深さでピストン382の第4の断面339の円周の周りに延びることができる。ピストン382の第1、第2、第3及び第4の断面336、338、337及び339は、離間されており、且つ互いに平行であり得る。
図31に示すように、第1の谷部340は、第2の谷部342の近位側に配置され得、第1の開口部330は、第1の谷部340の近位側に配置され得、第2の開口部332は、第1及び第2の谷部340、342間に配置され得る。
【0092】
図31に示されるように、第1の谷部340は、ピストン382の外面の一部によって離間された第1の副谷部340a及び第2の副谷部340bを含み得る。第2の谷部342は、ピストン382の外面の一部によって離間された第3の副谷部342a及び第4の副谷部342bを含み得る。第1及び第2のシール部材344及び346は、それぞれの第1及び第2の谷部340及び342に受け入れられるように構成された少なくとも1つのOリングをそれぞれ含み得る。
図31及び32を参照すると、第1のシール部材344は、第1の副谷部340a内に配置されるように構成された第1のOリング344aと、第2の副谷部340b内に配置されるように構成された第2のOリング344bとを含む。第2のシール部材346は、第3の副谷部342aに配置されるように構成された第3のOリング346aと、第4の副谷部342bに配置されるように構成された第4のOリング346bとを含む。
【0093】
図32に示すように、第1の弁380は、ボタン388が押し下げられていない(例えば、ボタン388に力が加えられていない)とき、第1のシール部材344が入口ポート392と軸方向に整列し、それにより、入口ポート392がブロックされ、入口ポート392と第1及び第2の出口ポート393及び394のいずれか1つとの間に流体連通が存在しないように構成される。
【0094】
使用時(例えば、ピストン382を有する第1の弁380がシステム20に組み込まれるとき)、ピストン382は、少なくとも部分的に本体381内に配置され、本体381の内腔381cの長さに沿って摺動可能に移動可能である。第1の弁380の本体381の入口ポート392、第1の出口ポート393及び第2の出口ポート394、ピストン382の第1及び第2の谷部340及び342並びに第1及び第2のシール部材344及び346は、第2のシール部材346が第2の出口ポート394と軸方向に整列されるとき、第1のシール部材344が入口ポート392及び第1の出口ポート393から軸方向にオフセットされ、それにより、流体連通(例えば、第1の流体連通)が第1及び第2の開口部330及び332並びにブリッジ334を介して入口ポート392と第1の出口ポート393との間に確立される(例えば、
図33に示されるように、ここで、
図4A及び16Cに関して上述されるように、スライダ100は、第1の位置102にあり(例えば、
図2A及び4Aに示すように)、ボタン388を
図33に示す程度まで部分的に押し下げることを可能にし、圧力源68内の加圧流体が第1の弁380を通して治療剤の送達なしでカテーテル90内に流れることを可能にする)ように構成及び離間される。
【0095】
さらに、第1のシール部材344が第1の出口ポート393と軸方向に整列されるとき、第1のシール部材344は入口ポート392から軸方向にオフセットされ、第2のシール部材346は第2の出口ポート394から軸方向にオフセットされ、それにより、流体連通(例えば、第2の流体連通)が第1及び第2の開口部330及び332並びにブリッジ334を介して入口ポート392と第2の出口ポート394との間に確立され(例えば、
図34に示すように、ここで、
図5A及び18Bに関して上述したように、スライダ100は、第2の位置104にあり(例えば、
図2B及び5Aに示すように)、ボタン388が
図34に示す程度まで押し下げられることを可能にする)、圧力源68内の加圧流体が第1の弁380を通して容器30内に流れ、上でさらに詳細に考察されたように、容器30内の治療剤38を、カテーテル90を通して押し進めることを可能にする)。
【0096】
加圧流体(治療剤38を含まない)又は治療剤38が第1の弁380及び第1の弁380に結合されたボタン388を使用して選択的に送達され得るように、第1の弁380の1つの状態で入口ポートと第2の弁43の入口ポート124に結合されたチューブ65に接続された出口ポートとの間の流れを可能にし、且つ第1の弁380の別の状態で入口ポートとキャップ60の入口ポート62に結合されたチューブ61に接続された出口ポートとの間の流れを可能にするように、流体連通経路が選択的に整列され得る限り、本発明の範囲から逸脱することなく、ピストン382に含まれる開口部、ブリッジ、谷部、副谷部及びシール部材並びに第1の弁380に関連する入口ポート及び出口ポートの数、構成(例えば、形状/サイズ)及び位置は、所望及び/又は必要に応じて変え得ることが理解されるであろう。
【0097】
本発明の様々な実施形態について記載したが、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物に照らす以外に限定されない。さらに、本明細書に記載した利点は、必ずしも本発明の唯一の利点ではなく、本発明のすべての実施形態が、記載された利点のすべてを達成することは、必ずしも想定されない。
【国際調査報告】