IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サイレラ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】修飾インドール化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/14 20060101AFI20241024BHJP
   C07D 403/06 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/4045 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/4192 20060101ALI20241024BHJP
   A61K 31/4196 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20241024BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C07D209/14 CSP
C07D403/06
A61K31/4045
A61K31/4155
A61K31/4192
A61K31/4196
A61P25/00
A61P25/18
A61P25/30
A61P25/24
A61P29/00
A61P25/04
A61P25/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525104
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 US2022047552
(87)【国際公開番号】W WO2023076150
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/273,710
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522434598
【氏名又は名称】サイレラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤクーブ、ジニーン
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ、エレナ
(72)【発明者】
【氏名】サルム、ジャクリーン
(72)【発明者】
【氏名】ウィトウスキ、クリストファー
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA03
4C086BC13
4C086BC36
4C086BC60
4C086BC62
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA18
4C086ZB11
4C086ZC39
(57)【要約】
新規化合物を提供する。これら化合物はインドールの4位が修飾されており、DMT及びDMT誘導体に構造的に関連する。これら化合物は、DMT化合物及びDMTに構造的に関連した化合物が使用される用途などの用途に用いることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式を有する化合物であって、
【化1】

=COOH,CONH,CHOH,CHOCOCH,CHOCH,CHNH,CHCONH,CHNHSOCH,又は、窒素含有ヘテロ5員環;及び
=H又はC2n+1,ここで、n=1~12、及び
=H又はC2m+1,ここで、m=1~12、
であることを特徴とする化合物。
【請求項2】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メタノール又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項3】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸又はその塩であることを特徴とする請求項1化合物。
【請求項4】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボキサミド又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項5】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチルアセテート又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項6】
2-(4-(メトキシメチル)-1H-インドール―3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項7】
2-(4-(1H-ピラゾール-5-イル)-1H-インドール―3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項8】
2-(4-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1H-インドール―3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項9】
2-(4-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1H-インドール―3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項10】
2-(4-アミノメチル)-1H-インドール―3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項11】
N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチルアセトアミド又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項12】
N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチルメタンスルフォンアミド又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項13】
2-(4-(1H-テトラゾール―5-イル)-1H-インドール―3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項14】
化合物が、
【化2】

又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項15】
化合物が、
【化3】

又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項16】
化合物が、
【化4】

又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項17】
化合物が、
【化5】

又はその塩であることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項18】
はCH及びRはCHであることを特徴とする請求項1の化合物。
【請求項19】
薬学的に許容される塩であることを特徴とする請求項1~18のいずれか1項の化合物。
【請求項20】
前記塩は、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、又は酒石酸塩であることを特徴とする請求項19の化合物。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項の化合物を有する製剤を被検体に投与することを含む、疾患、障害又は健康状態を治療、管理、又は予防する方法。
【請求項22】
前記健康状態は神経、気分、或いは乱用障害又は疾患であることを特徴とする請求項21の方法。
【請求項23】
前記方法は障害を治療するものであり、前記障害はうつ病、中枢神経系炎症、中毒、頭痛、或いは痴呆、又は認知及び記憶障害であることを特徴とする請求項22の方法。
【請求項24】
神経、気分、或いは乱用障害又は疾患を治療、管理又は予防するための、請求項1~18のいずれか1項の化合物を有する薬剤。
【請求項25】
神経、気分、或いは乱用障害又は疾患を治療、管理又は予防するための、請求項1~18のいずれか1項の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2021年10月29日に出願された米国仮特許出願第63/273,710号の出願日の利益を主張し、その開示全体を参照して組み入れる。
[発明の分野]
本発明は、修飾インドール化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
向精神薬は、行動、気分、思考又は認識に影響を与える化合物である。このような薬物には、統合失調症治療薬、抗不安薬、興奮薬、再取り込み阻害薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)、三環系抗うつ薬、及び精神安定剤が含まれる。このような化合物の幾つかは、歴史的に適応外の向精神薬として使用されてきたが、明確な臨床効果を求めて現在も研究が行われている。このような化合物の多くは、インドールに由来している。
【0003】
インドールの誘導体であるN,N-ジメチルトリプタミン(DMT)、及びDMTに構造的に関連した、特定の他の化合物は、被検体に投与されたときに有効であることが最近報告された。しかし、インドール化合物を修飾できる数は無数にある。よって、インドール誘導体の新規化合物を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、新規インドール誘導化合物(修飾インドール化合物とも称する)、こうした新規化合物の合成方法、及びこうした新規化合物の利用法を目的とする。このような化合物は、インドール4位にある一定の部分構造を有することにより、DMT化合物及びDMT化合物誘導体と構造的に異なっている。
【0005】
第1の実施形態では、本発明は式Iの化合物を提供する。
【化1】
(式I)
ここで、
=COOH,CONH,CHOH,CHOCOCH,CHOCH,CHNH,CHCONH,CHNHSOCH,ピラゾール、テトラゾール、イミダゾール、或いは、炭素又は窒素原子のどちらか一方で結合した他の窒素含有ヘテロ5員環;
=H又はC2n+1,ここで、n=1~12,及び
=H又はC2m+1,ここで、m=1~12。
【0006】
第2の実施形態では、本発明は式Iの化合物及び1つ以上の賦形剤を含む製剤又は薬剤を提出する。
【0007】
第3の実施形態では、本発明は式Iの化合物の使用を提供する。ここで、使用とは、神経、気分、或いは乱用障害や疾患を治療、管理、又は防止することである。こうした障害は、例えば、うつ病、中枢神経系炎症、依存症、頭痛、又は、痴呆、或いは認知及び記憶障害などでありえる。
【0008】
第4の実施形態では、本発明は式Iの化合部の製造方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の様々な実施形態について詳細に説明する。次の説明において、本発明を完全に理解するために、特定の詳細部分を多数明示する。しかし、文脈から指摘又は暗に示されたりしない限り、こうした詳細部分は例示を目的としたものであり、本発明の範囲をいかようにも限定すると考えるべきではない。さらに、様々な又は特定の実施形態に関連して述べられた特徴は、その排他性が明確に述べられるか文脈から暗示されない限り、本明細書中開示された他の実施形態に係る使用には適さないと考えるべきではない。
【0010】
なお、見出し部分は読者の利便性のために提供されており、本明細書に開示される如何なる実施形態の範囲を限定するものではない。
【0011】
[定義]
【0012】
文脈から明示、又は暗に示されることがない限り、以下の用語及び語句は以下に示す意味を有する。
【0013】
不定冠詞「a」及び「an」、並びに定冠詞「the」は、文脈から明示されない限り、単数と同様に複数の用例も含む。
【0014】
用語「約」及び「略」は、当業者が測定する特定の値について許容される誤差があることを意味し、この値がどのように計測され測定されるのかに部分的に依存する。ある実施形態では、「約」又は「略」の用語は、1、2、3、又は4標準偏差内にあることを意味する。また、ある実施形態では、「約」又は「略」の用語は、所与の値又は範囲の30%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、又は0.05%内にあることを意味する。
【0015】
「乱用障害」とは、個人の脳及び行動に悪影響を及ぼし、適法又は不法な薬物や薬剤投与を制御できなくなる障害及び疾患を意味する。処方箋薬、非処方箋薬、及び非認可薬は全て乱用薬物になり得る。乱用される可能性のある薬物や薬物投与には、アンフェタミン、オピオイド、ベンゾジアゼピン、コカイン、バルビタール、アルコール、マリファナ、及びニコチンが含まれるが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書中に使用される「組成物」及び「製剤」の用語は、特定の成分(明示された場合、特定の量の)を有する組成物のみならず、任意の特定量の特定成分の組み合わせに直接又は間接的に由来する任意の製造物を有する組成物を包含することを意味する。
【0017】
「DMT」はN,N-ジメチルトリプタミンを意味し、これは以下の構造をもつ分子である。
【化2】

【0018】
「賦形剤」とは、本発明の式Iの化合物のような薬剤の活性成分とともに処方できる物質のことである。1以上の多数の理由によって、賦形剤を含ませることができる。例えば、長期安定化や、充填剤として、又は活性成分の治療効果増強のためであるが、これに限定されない。治療効果の増強には、吸収性増加、粘性低下、又は活性成分の溶解性向上などが挙げられる。賦形剤の具体例には、(1)糖化合物、例えば、ラクトース、デキストリン、グルコース、スクロース及びソルビトール、並びに、希釈材として用いるケイ酸塩、カルシウム及びマグネシウム塩、NaCl、及びKClなどの無機化合物;(2)合成ポリマー、例えば、結合剤として用いるでんぷん、糖、糖アルコール、及びセルロース誘導体;(3)崩壊剤として用いるでんぷん、セルロース誘導体、アルギン酸塩、及びクロスポビドン;(4)滑剤として用いるコロイド状無水ケイ素、及びその他のシリカ化合物;(5)滑沢剤として用いるステアリン酸及びその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム;(6)コーティング剤又はフィルムとして用いるスクロース、及び酢酸フタル酸セルロース;(7)合成及び/又は天然色素などの着色剤、が含まれるがこれらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用されるように、「速放性製剤」とは、経口、経鼻、又は経皮的に服用した式Iの化合物などの薬学的活性成分の製剤として定義され、投与後血中に薬剤が速やかに吸収される製剤である。
【0020】
「インドール」という用語は、化学式CN及び以下の構造をもつ芳香族複素環式有機化合物を意味する。
【化3】

インドール誘導体は、どちらか一方の環、又は各々の環の1以上の位置に結合する1以上の置換基又は構造部分を有する。DMTはインドール誘導体である。
【0021】
「管理する」、「管理の」及び「管理」の用語は、疾患又は障害、或いはその1以上の症状が進捗、広がる、又は悪化を防ぐ又は遅らせることを意味する。被検体にとって予防薬及び/又は治療薬による有益な効果が、疾患又は障害を直す結果にならないことが、しばしばある。この際、「管理の」の用語は、疾患の再発を防止又は最小化する試みにおいて、特定の疾患に苦しむ被検体を治療することを包含する。
【0022】
本明細書で用いるように、「改良型放出」又は「長期放出」とは、経口、経鼻又は経皮的に服用した式Iの化合物などの薬学的活性成分の製剤として定義され、この製剤は、薬学的活性成分を数時間又は数日間にわたり放出し、薬物の血漿濃度を相対的に一定に保つ。こうした改良型には多数の目的があり、例えば、長時間治療活性を維持する、毒性作用を弱める、低いpHによって活性物質の分解を防ぐ、局所治療のために消化管の所定区分に活性物質を向かわせる、又は特定の時点で活性物質の放出を行うなどが挙げられる。
【0023】
「気分障害」とは、個人の気分の乱れが根本的特徴である一群の状態を意味する。気分障害は躁病(気分高揚障害)又は軽躁病(うつ病)の一群である。
【0024】
本明細書で用いられるように、「経口」とは、口腔粘膜、舌下、バッカル、食道、胃、又は腸管膜を経由して吸収される形態の薬剤を意味する。「カプセル」の用語は、薬学的活性成分及び非活性成分が、ゼラチン、重合セルロース又はその他の好適な材料で構成された外殻内に固体、液体又は半固体として含まれる経口組成物を意味する。カプセルは飲み込まれるようにできており、食道、胃又は腸管内側を通って全身吸収されるように、前記組成物が溶解して薬学的活性成分を放出する。
【0025】
「経鼻」及び「鼻腔内経由」とは、鼻粘膜を通して吸収する形態の薬剤であること、又は薬剤を供給することを意味する。経鼻送達は、溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、リポソーム、及び微粒子などの幅広い形態で作用できるが、これらに限定されない。
【0026】
「神経障害」とは、中枢又は抹消神経系、例えば、脳、脊髄、脳神経、末梢神経、神経根、自律神経系、神経筋接合部、及び筋肉などの疾患を意味する。このような障害には、てんかん、アルツハイマー病及びその他の認知症、脳血管疾患、卒中、偏頭痛、群発性頭痛及びその他の頭痛障害、多発性硬化症、パーキンソン病、神経感染症、脳腫瘍、頭部外傷による神経系の外傷性障害、外傷又は恐怖経験による精神的外傷性疾患(外傷後ストレス障害:PDS)、及び栄養失調や薬物乱用の結果としての神経障害などが含まれる。乱用物質には、多数の中毒性物質があり、アルコール及び薬物、並びにこれらの組み合わせが含まれるが、限定されない。さらに、多数のバクテリア(例えば、マイコバクテリア結核、髄膜炎菌)、ウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス:HIV、ライム病、エンテロウイルス、西ナイルウイルス、ジカ)、真菌(例えば、クリプトコッカス、アスペルギルス)、及び寄生虫(例えば、マラリア、シャガス)による感染は、神経系に悪影響を与えて神経障害を引き起こす。こうした障害に伴う神経症状は、感染自体、及び/又は免疫反応によって起こり得る。
【0027】
「薬学的に許容される塩」とは、本発明の組成物又は薬物の製剤に用いるのに十分な純度と品質を有する塩である。ヒトへの使用(臨床及び一般用医薬(OTC))及び家畜への使用の両者ともに、本発明の範囲に含まれる。本発明の製剤には、ヒト又は家畜のどちらかに使用する組成物又は薬物が含まれる。薬学的に許容される塩には、タンパク質の遊離アミノ基と形成された酸添加塩が含まれるが、これに限定されない。
【0028】
「予防する」、「予防の」、及び「予防」の用語は、疾患又は障害の発症、再発又は拡大を防止すること、或いはその1以上の症状の防止を意味する。この用語は、また、特定の疾患症状を阻害又は低減することも包含する。特に、疾患の家族歴を持つ被検体は、ある実施形態における予防計画のための候補者である。さらに、症状再発の履歴をもつ被検体は、予防のための潜在的候補者でもある。その際、「予防」の用語は、「予防処置」の用語と互換的に用いることができる。
【0029】
ある化合物の「予防効果量」とは、疾患又は障害を十分に予防する量、或いはその再発を予防する量である。「予防効果量」の用語は、予防方法全体を改善する、又は別の予防薬の予防効果を増強する量を包含する。
【0030】
「被検体」の用語は、哺乳類などの動物を含むことと本明細書中で定義される。例えば、哺乳類には、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどが挙げられる。特定の実施形態では、被検体はヒトである。
【0031】
本明細書で用いるように、及び特に言及しない限り、化合物の「治療有効量」とは、疾患又は障害の治療又は管理において、治療効果を提供する、又は疾患又は障害にともなう1以上の症状を遅延又は低減させるのに十分な量のことを意味する。「治療有効量」の用語は、治療全体を改善し、疾患又は障害の症状又は原因を低減又は回避し、或いは別の治療薬の治療効果を増強する量を意味することができる。
【0032】
「治療する」、「治療の」、及び「治療」の用語は、疾患又は障害の、或いは疾患又は障害にともなう1以上の症状の根絶又は改善を意味する。ある実施形態では、これら用語は、疾患又は障害をもつ被検体に1以上の予防薬又は治療薬を投与することで、疾患又は障害の拡大又は増悪を低減することを意味する。幾つかの実施形態では、これら用語は、ある特別疾患の症状が発現した後で、1以上の追加活性薬剤と伴に又はこれらを伴わずに、式Iの化合物を投与することを意味する。
【0033】
「経皮」とは、皮膚を通して血流中に吸収されるようにした形態の薬剤であるか、又はその薬剤を供給することを意味する。
【0034】
[化合物]
本発明の化合物は、以下の共通式を有する修飾インドール化合物である。
【化4】
(式I)
ここで、
=COOH,CONH,CHOH,CHOCOCH,CHOCH,CHNH,CHCONH,CHNHSOCH,ピラゾール、テトラゾール、イミダゾール、或いは、炭素又は窒素原子のどちらか一方に結合した他の窒素含有ヘテロ5員環;
=H又はC2n+1、n=1~12,及び
=H又はC2m+1、m=1~12である。
【0035】
ある実施形態では、R及びRは、ともにHである。また、幾つかの実施形態では、RもRもHではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はHであり、R及びRのもう一方はHではない。
【0036】
ある実施形態では、R及びRは、ともにCHである。また、幾つかの実施形態では、RもRもCH3ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はCH3であり、R及びRのもう一方はCH3ではない。
【0037】
ある実施形態では、R及びRは、ともにCである。また、幾つかの実施形態では、RもRもCではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はCであり、R及びRのもう一方はCではない。
【0038】
ある実施形態では、R及びRは、ともにCである。また、幾つかの実施形態では、RもRではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はであり、R及びRのもう一方はではない。
【0039】
ある実施形態では、R及びRは、ともにC49である。また、幾つかの実施形態では、RもRもC49ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はC49であり、R及びRのもう一方はC49ではない。
【0040】
ある実施形態では、R及びRは、ともにC511である。また、幾つかの実施形態では、RもRもC511ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はC511であり、R及びRのもう一方はC511ではない。
【0041】
ある実施形態では、R及びRは、ともにC613である。また、幾つかの実施形態では、RもRもC613ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はC613であり、R及びRのもう一方はC613ではない。
【0042】
ある実施形態では、R及びRは、ともにC715である。また、幾つかの実施形態では、RもRもC715ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はC715であり、R及びRのもう一方はC715ではない。
【0043】
ある実施形態では、R及びRは、ともにC817である。また、幾つかの実施形態では、RもRもC817ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はC817であり、R及びRのもう一方はC817ではない。
【0044】
ある実施形態では、R及びRは、ともにC919である。また、幾つかの実施形態では、RもRもC919ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はC919であり、R及びRのもう一方はC919ではない。
【0045】
ある実施形態では、R及びRは、ともにC1021である。また、幾つかの実施形態では、RもRもC1021ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はC1021であり、R及びRのもう一方はC1021ではない。
【0046】
ある実施形態では、R及びRは、ともにC1123である。また、幾つかの実施形態では、RもRもC1123ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はC1123であり、R及びRのもう一方はC1123ではない。
【0047】
ある実施形態では、R及びRは、ともにC1225である。また、幾つかの実施形態では、RもRもC1225ではない。さらに、幾つかの実施形態では、R及びRの一方はC1225であり、R及びRのもう一方はC1225ではない。
【0048】
ある実施形態では、Rは、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、又はイミダゾール部分である。
【0049】
ある実施形態では、前記化合物は以下に示すものからなる群から選ばれる。
(3-(2-ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メタノール、
(3-(2-ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸、
(3-(2-ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボキサミド、
(3-(2-ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチルアセテート、
2-(4-メトキシメチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、
2-(4-(1H-ピラゾール-5-イル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、
2-(4-((1H-1,2,3-トリアゾール―1-イル)メチル)-1H-インドール3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、
2-(4-((1H-1,2,4-トリアゾール―1-イル)メチル)-1H-インドール3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、
2-(4-(アミノメチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、
N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール―4-イル)メチル)アセトアミド、
2-(4-(1H-テトラゾール-5-イル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、及び
N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール―4-イル)メチル)メタンスルフォンアミド。
【0050】
式Iに入る化合物の追加例として以下を含む。
【化5】
【0051】
本発明の化合物は、式I又はその塩の形態であってよい。幾つかの実施形態では、前記塩は、薬学的に許容される塩である。また、幾つかの実施形態では、前記塩は、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、又はフマル酸塩である。また、幾つかの実施形態では、前記塩は結晶形態である。
【0052】
[剤形]
【0053】
本発明の化合物は、このような化合物を送達するように設計された製剤又は薬剤中の前記活性成分、又は複数の活性成分の1つであってよい。前記製剤又は薬剤は、例えば、経皮的に塗布され、噴霧可能な液体、ゲル、クリーム、ローション、軟膏、経皮パッチなどの形態であって良い。
【0054】
或いは、これら化合物は経口で送達できる。経口製剤は、錠剤、カプセル、ソフトゲル、ストリップス、及び経口パッチの形態で製造される。
【0055】
または、これら化合物は経鼻で送達できる。経鼻投与は、例えば、鼻腔に送達される霧状の形態で行える。
【0056】
幾つかの実施形態では、式Iの化合物は1以上の治療薬と同時に投与される。同時投与とは、同時に又は続けて行うことである。同時投与薬とは、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)であってよい。MAOIには、ハルマラアルカロイド、ハルミン、ハルマン、ハルマリン、ヒドラジン、イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアルアミド、フェネルジン、ヒドラカルバジン、トラニルシプロミン、ビフェメラン、モクロベミド、ピルリンドール、トロキサトン、ラサギリン、セレギニン、サフィナミド、及びその他のモノアミンオキシダーゼAの可逆的阻害薬(RIMA)が含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
また、別の実施形態では、他の種類の神経学的活性薬由来の化合物が、式Iの化合物と一緒に投与され、相乗的な治療効果を与える。その他の神経学的活性薬には、以下の種類に属する化合物が挙げられるが、これらに限定されない:抗精神薬、抗うつ薬、抗不安薬、興奮薬、再取り込み阻害薬(SSRI又はSSNRI)、向知性薬、三環系抗うつ薬、気分安定薬、NMDA拮抗薬、及び5-HT拮抗薬である。
【0058】
幾つかの実施形態では、式Iの化合物は、薬物乱用を低減する1以上の治療薬と一緒に投与される。オピオイド中毒を治療するために一緒に投与する他の薬物には、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:メタドン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソンなどである。また、アルコール中毒症の治療のために一緒に投与する他の薬物には、エチルアルコール、ジスルフィラム、ナルトレキソン、アカンプロサート、ベンゾジアゼピンなどがあるが、これらに限定されない。また、ニコチン中毒の治療のために一緒に投与する他の薬物には、低用量のニコチン、ブプロピオン、バレニクリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
本発明の製剤は、1以上の賦形剤も含むことができる。従って、幾つかの実施形態では、本発明は式Iの化合物及び1以上の賦形剤を含む組成物又は薬剤に向けられる。これらの賦形剤は、例えば、1以上の希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤又はフィルム、及び着色剤として作用できる。これらの賦形剤を含む製剤は、即時放出、徐放又は長期放出用に設計できる。
【0060】
[使用]
【0061】
本発明は、また、神経学的、気分又は中毒障害又は疾患の治療、管理、又は予防に用いられる式Iの化合物を提供する。前記障害は、例えば、うつ病、中枢神経系の炎症、中毒、頭痛、又は痴呆、或いは認知及び記憶障害である。
【0062】
これら製造物は、予防的又は治療的に、必要に即して被検体に与えられ、予防効果量又は治療効果量にて与えられる。これら化合物を投与する方法として、経口、経鼻、経皮、静脈内、又は、被検体にDMT塩を送達するために有効であると当業者が見做すだろうその他任意の経路を介して行うことができるが、これに限定されない。
【0063】
本発明の化合物は、例えば、インドール自体、又は本開示の実施例1~12に示されるような関連するインドール誘導体から調製できる。このような方法の幾つかは、既知のインドール誘導体から開始されるが、一方で、他の方法は、本明細書で開示される新規化合物を用いて開始される。
【実施例
【0064】
コンピュータで求めた結合スコアを、以下の関連受容体について、式Iに属する11個の化合物について評価した:6WGT(5-HT2A)、5TVN(5-HT2B)。4IAR(5HT2C)、5HK2(σ-1)、4IAR(5-HT1B)、及び6HIN(5-HT)。表IA及びIBに示す結果は各化合物の有効結合の予測である。
【0065】
【表1】
表IA








【0066】
【表2】
表IB






【0067】
以下は、表IA及び表IBに示した化合物を、当業者がどのようにして合成できるかを述べた11の実施例である。さらに、N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)メタンスルフォンアミドの合成方法を記載した12番目の実施例である。
【実施例1】
【0068】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メタノール
【化6】
【0069】
[手順]
Speeter-Anthonyトリプタミン合成によってベンジルアルコールを合成する。インドール-4-カルバルデヒドを、塩化オキサリルと処理し、続いて適当なアミンと処理してグリオキサールアミドを得、次に、水素化リチウムアルミニウムを用いてトリプタミンにまで還元する。
【実施例2】
【0070】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸
【化7】
【0071】
[手順]
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸は、インドール-4-カルボキシアルデヒドから合成される。前記アルデヒドを希釈酸及びエチレングリコールを用いてアセタール保護する。次にこの材料をSpeeter-Anthonyトリプタミン合成にかけ、三級アミンを与える。含水酸性条件にてアセタール保護基を除去し、続いて塩化ナトリウム、リン酸1ナトリウム、及び2-メチル-2-ブテンを用いるPinnick酸化条件にて、アルデヒドをカルボン酸に酸化する。
【実施例3】
【0072】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボキサミド
【化8】

【0073】
[手順]
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸を塩化チオニルと処理して酸クロリドとし、前記アミドを合成する。この酸クロリドの溶液にアンモニアを吹き込んで適当なアミドを与える。
【実施例4】
【0074】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル アセテート
【化9】
【0075】
[手順]
テトラヒドロフラン中で1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及び触媒量のジメチルアミノピリジンを用いて、酢酸を活性化する。これに、テトラヒドロフラン中の(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メタノールの溶液を、滴下して加えて、ベンジルエステルとして最終製造物を形成する。
【実施例5】
【0076】
2-(4-メトキシメチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン
【化10】
【0077】
[手順]
インドール-4-カルボキシアルデヒドのインドール窒素を、ジ-tert-ブチルジカルボネート、トリエチルアミン及び触媒量のジメチルアミノピリジンを用いて保護する。4位のアルデヒドを水素化ホウ素ナトリウムでアルコールに還元し、続いて、3臭化リンで臭化アルキルに変換する。これにナトリウムメトキシドを加え、臭素を置換し、メチルエーテルとする。最後に、オキサリルクロリド、次にジメチルアミンで、ベンジルエーテルを処理し、グリオキサールアミドを作成し、水素化リチウムアルミニウムで還元して最終製造物を得る。
【実施例6】
【0078】
2-(4-(1H-ピラゾール-5-イル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン
【化11】
【0079】
[手順]
2-(4-(1H-ピラゾール-5-イル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン
【0080】
インドール-4-カルボキシアルデヒドから合成される。メチルマグネシウムブロミドを加えたのちにDess-Martin超原子価ヨウ素化合物を用いるアルコール酸化により、前記アルデヒドをケトンに変換する。このケトンをN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと縮合し、続いて、氷酢酸中のヒドラジンを用いて環化させる。
【実施例7】
【0081】
2-(4-((1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン
【化12】
【0082】
[手順]
インドール-4-カルボキシアルデヒドのインドール窒素を、ジ-tert-ブチルジカルボネート、トリエチルアミン及び触媒量のジメチルアミノピリジンを用いて保護する。4位のアルデヒドを水素化ホウ素ナトリウムでアルコールに還元し、続いて、3臭化リンで臭化アルキルに変換する。1,2,3-トリアゾールを、炭酸カリウムを用いて脱プロトン化し、続いて臭化アルキルの溶液に加えてベンジルトリアゾールに置換する。最後に、このベンジルトリアゾールを、オキサリルクロリド及び続いてジメチルアミンで処理し、グリオキサールアミドとし、次に水素化リチウムアルミニウムで還元して、最終製造物を得る。
【実施例8】
【0083】
2-(4-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン
【化13】
【0084】
[手順]
インドール-4-カルボキシアルデヒドのインドール窒素を、ジ-tert-ブチルジカルボネート、トリエチルアミン及び触媒量のジメチルアミノピリジンを用いて保護する。4位のアルデヒドを水素化ホウ素ナトリウムでアルコールに還元し、続いて、3臭化リンで臭化アルキルに変換する。1,2,4-トリアゾールを、炭酸カリウムを用いて脱プロトン化し、続いて臭化アルキルの溶液に加えてベンジルトリアゾールに置換する。最後に、このベンジルトリアゾールを、オキサリルクロリド及び続いてジメチルアミンで処理し、グリオキサールアミドとし、次に水素化リチウムアルミニウムで還元して、最終製造物を得る。
【実施例9】
【0085】
2-4-(アミノメチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン
【化14】
【0086】
[手順]
前記ベンジルアミンは、Speeter-Anthonyトリプタミン合成を用いて、インドール-4-カルボニトリルから合成される。インドール-4-カルボニトリルを、オキサリルクロリド、続いてジメチルアミンと処理し、グリオキサールアミドとし、次に水素化リチウムアルミニウムでトリプタミンに還元する。
【実施例10】
【0087】
N-((3-(2-(ジメチルアミノ(エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)アセトアミド
【化15】
【0088】
[手順]
N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)アセトアミドは、2-4-(アミノメチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミンから合成される。このベンジルアミンをアセチルクロリド(又は適当な酸クロリド)で処理し、所望のアミドを得る。
【実施例11】
【0089】
2-4-(1H-テトラゾール-5-イル)-1H-インドール-3-イル)-N,Nジメチルエタン-1-アミン
【化16】
【0090】
[手順]
前記テトラゾールは、インドール-4-カルボニトリルをアジ化ナトリウム及び塩化アンモニウムと処理して合成される。トリプタミン側鎖は、オキサリルクロリドとジメチルアミンを用い、続いて水素化リチウムアルミニウムを用いる還元で三級アミンにする、Speeter-Anthonyトリプタミン合成によって導入される。
【実施例12】
【0091】
N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)メタンスルフォンアミド
【化17】
【0092】
[手順]
N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)メタンスルフォンアミドは、2-4-(アミノメチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミンから合成される。ベンジルアミンは、メタンスルフォニルクロリド(又は適当なスルフォニルクロリド)と処理して、スルフォンアミドを得る。
【実施例13】
【0093】
2-(4-(アミノエチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン
【化18】
【0094】
[手順]
アルゴン雰囲気下、清潔で乾燥した反応容器に、2-Me-THF(20.7mL)に溶かした、2-(4-シアノ-1H-インドール-3-イル)N,N-ジメチル-2-オキソアセトアミド(1.50g、6.22mmol、1当量)を入れた。容器を加熱するとスラリーが観察された。このスラリーに、LiAlH(THF中、2.4M)(14.9mL、35.8mmol、5.75当量)を滴下して加えた。この粘稠な混合物を加熱し終夜維持した。反応はGlauber塩で止め、セライトでろ過した。得られた淡黄色のろ液を続いて減圧下濃縮し、黄色油状物を得た。この油状物を窒素雰囲気下で乾燥し、淡黄色の固形物(1.30g、96%)として製造物を得た。HNMR(メタノール-d、600MHz)δ7.1-7.2(m、1H)、6.9-7.0(m、2H)、6.86(d、1H,J=7.3Hz)、4.08(s、2H),2.96(t,2H、1.0Hz)、2.55(t、2H.J=1.0Hz)、2.2-2.3(m、6H)。13CNMR(メタノール-d、151MHz)δ137.5,133.9,124.1、122.6,121.0,117.8,112.1,110.2,61.2,44.1,43.0,24.8。HRMS C1319([M+H])として:計算値 217.1579;測定値 217.1577。2-(4-(アミノメチル)-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミンが回収された。
【実施例14】
【0095】
N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)アセトアミド
【化19】
【0096】
[手順]
前記アミン(0.270g、1.23mmol、1当量)を2-Me-THF(3.19mL)に溶かし、アルゴン下冷却した。アセチルクロリド(0.107mL、1.37mmol、1.1当量)を滴下して加えた。反応物を室温で終夜撹拌した。得られた反応物に酢酸エチルを加えた。有機層を水で水洗した。有機層をNaSOで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して黄色油状物を得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(100:0-90:10 DCM:MeOH/NH)で精製し、淡黄色の固形物を得た(0.180g、56%)。HNMR(クロロホルム-d、600MHz)δ8.61(brs、1H)、7.29(d、1H,J=8.0Hz)、7.11(t、1H,J=7.6Hz)、7.0-7.0(m、1H),7.00(d、1H,J=7.3Hz)、6.17(brs、1H)、4.78(d、2H,J=1.0Hz)、3.02(t、2H,J=7.6Hz)、2.63(t、2H,J=1.0Hz)、2.30(s、6H),1.98(s、3H)。13CNMR(クロロホルム-d、151MHz)δ169.7,137.1,129.7,125.0,122.7,121.9,120.7,114.3,111.3,61.2.45.6,42.5,25.2,23.2。HRMS C1521O([M+H])として:計算値 259.1685;測定値 259.1684。N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)アセトアミドが回収された。
【実施例15】
【0097】
N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)メタンスルフォンアミド
【化20】
【0098】
[手順]
前記アミン(0.104g、0.479mmol、1当量)を2-Me-THF(1.23mL)に溶かし、アルゴン下冷却した。メタンスルフォニルクロリド(0.0822mL、0.718mmol、1.5当量)を滴下して加えた。反応物を室温で終夜撹拌した。得られた沈殿物をろ別し、エーテルで洗浄した。有機層を2.00M HClで洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して黄色油状物を得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(100:0-90:10 DCM:MeOH/NH)で精製し、淡褐色の固形物を得た(0.0609g、43%)。HNMR(クロロホルム-d、600MHz)δ8.24(brs、1H)、7.33(d、1H,J=8.0Hz)、7.13(t、1H,J=1.0Hz)、7.08(s、1H),7.07(d、1H,J=2.2Hz)、4.69(s,2H)、3.10(t、2H,J=6.7Hz)、2.71(t、2H,J=1.0Hz)、2.68(s、3H),2.27(s、6H),13CNMR(クロロホルム-d、151MHz)δ137.1、129.6,124.9,123.0,121.9,121.9,114.8,111.7,61.9,45.7,41.4,25.6。HRMS C1421S([M+H])として:計算値 295.1354;測定値 295.1353。N-((3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)メタンスルフォンアミドが回収された。
【実施例16】
【0099】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル アセテート
【化21】
【0100】
[手順]
前記アミン(0.125g、0.575mmol、1当量)を水(0.0104mL)及び酢酸(0.0987mL)に溶かし、続いて冷却した。最小量の水に入れたNaNO(0.0794g、1.15mmol、2当量)を反応物に滴下して加えた。温めて反応を室温に戻し、続いて飽和NaHCOで中和し、エーテルで抽出した。エーテル層をNaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮した。得られた油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(100:0-90:10 DCM:MeOH/NH)で精製し、褐色の固形物を得た(0.0262g、21%)。HNMR(メタノール-d、600MHz)δ7.2-7.3(m、1H)、7.03(s、1H),6.9-7.0(m、1H),6.9-6.9(m、1H),5.36(s、2H),3.0-3.0(m、2H),2.7-2.7(m、2H),2.33(s、6H),1.98(s、3H)。HRMS C1520([M+H])として:計算値 260.1525;測定値 260.1532。(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル アセテートが回収された。
【実施例17】
【0101】
(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メタノール
【化22】
【0102】
[手順]
前記アミン(0.969g、4.46mmol、1当量)を水(0.161mL)及び酢酸(0.766mL)に溶かし、続いて冷却した。過剰量の水に入れたNaNO(0.615g、8.92mmol、1当量)を反応物に滴下して加えた。温めて反応を室温に戻し、続いて飽和NaHCOで中和し、エーテルで抽出した。エーテル層をNaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮して赤色の油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(100:0-90:10 DCM:MeOH/NH)で精製した。(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)メタノールが回収された。
【国際調査報告】