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特表2024-540036歯科医用要素のハンドル/器具トレイを取り付け、取り外すための機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】歯科医用要素のハンドル/器具トレイを取り付け、取り外すための機構
(51)【国際特許分類】
   A61G 15/16 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61G15/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525136
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2022078108
(87)【国際公開番号】W WO2023072569
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】21205497.7
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベートゲ、トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ラッケブラント、トーステン
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052LL05
(57)【要約】
本発明は、可動歯科医用要素(2)を有する歯科処置ユニット(1)に関し、歯科医用要素(2)を移動させるための少なくとも1つの取り外し可能なハンドル(3)と、器具(5)を配置するための取り外し可能な器具トレイ(4)と、ここで、器具トレイ(4)は、1つ以上の器具(5)をそれぞれ配置するための1つ以上の爪(4a)を有する器具トレイ(4)を有し、ハンドル(3)をロック/ロック解除するための第1のロック機構(6)と、ここで、ロック解除状態では、ハンドル(3)が歯科医用要素(2)から取り外し可能であり、器具トレイ(4)をロック/ロック解除するための第2のロック機構(7)とを備え、ここで、ロック解除状態では、爪(4a)を含む器具トレイ(4)が歯科医用要素(2)から取り外し可能である。歯科医用要素(2)は、取り外しのためにハンドル(3)をロック解除するために第1のロック機構(6)を個別に作動させるように予め定められた方向(P)に移動させることができる可動作動要素(8)を備え、同じ可動作動要素(8)は、取り外しのために器具トレイ(4)をロック解除するために第2のロック解除機構(7)を個別に作動させるように前記予め定められた方向(P)とは反対の方向(P’)に移動させることができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な歯科医用要素(2)を有する歯科処置ユニット(1)であって、
前記歯科医用要素(2)を移動させるための少なくとも1つの取り外し可能なハンドル(3)と、
器具(5)を配置するための取り外し可能な器具トレイ(4)と、ここで、前記器具トレイ(4)は、1つ以上の器具(5)をそれぞれ配置するための1つ以上の爪(4a)を有し、
前記ハンドル(3)をロック/ロック解除するための第1のロック機構(6)と、ここで、ロック解除状態では、前記ハンドル(3)は、前記歯科医用要素(2)から取り外し可能であり、
前記器具トレイ(4)をロック/ロック解除するための第2のロック機構(7)とを備え、ここで、ロック解除状態では、前記爪(4a)を含む前記器具トレイ(4)は、前記歯科医用要素(2)から取り外し可能であり、
前記歯科医用要素(2)は、取り外しのために前記ハンドル(3)をロック解除するために前記第1のロック機構(6)を個別に作動させるように予め定められた方向(P)に移動させることができる可動の作動要素(8)を備え、同じ可動の前記作動要素(8)は、取り外しのために前記器具トレイ(4)をロック解除するために前記第2のロック解除機構(7)を個別に作動させるように予め定められた方向(P)とは反対の方向(P’)に移動させることができることを特徴とする、歯科処置ユニット(1)。
【請求項2】
前記第1のロック機構(6)は、ラッチノーズ(10)を有するばね荷重式のトーションカム(9)と、ハンドルシャフト(12)上のラッチノッチ(11)とを備え、前記作動要素(8)は、前記トーションカム(9)の前記ラッチノーズ(10)が前記ハンドルシャフト(12)の前記ラッチノッチ(11)から係合解除されるように、作動時に前記トーションカム(9)を予め定められた前記方向(P)に沿って回転させるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項3】
前記ハンドルシャフト(12)上の前記ラッチノッチ(11)に面する前記トーションカム(9)上の前記ラッチノーズ(10)の接触面は、湾曲した形状を有することを特徴とする、請求項2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項4】
前記第2のロック機構(7)は、ラッチノーズ(14)を有する曲げ要素(13)と、前記器具トレイ(4)上のラッチ開口(15)とを備え、ここで、前記作動要素(8)は、予め定められた前記方向(P)とは反対の前記方向(P’)に沿って作動されると、前記曲げ要素(13)を延伸させて、その前記ラッチノーズ(14)が前記器具トレイ(4)の前記ラッチ開口(15)から係合解除されるように配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項5】
前記第1のロック機構(6)は、ロック解除されたときに前記ハンドル(3)を排出するためにハンドルシャフト(12)をロック解除位置に押すばね要素(16)を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項6】
前記第2のロック機構(7)は、ロック解除されたときに前記器具トレイ(4)を排出するために前記器具トレイ(4)をロック解除位置に押すばね要素(17)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項7】
ハンドルシャフト(12)は、前記ハンドル(3)がロック状態にあるときに、前記歯科医用要素(2)の溝(19)に形状嵌合式に入る突起(18)を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項8】
ハンドルシャフト(12)は、前記ハンドル(3)のロック状態において、前記歯科医用要素(2)内における対応する対向壁部(21)上に形状嵌合式に着座される円錐壁部(20)を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項9】
前記作動要素(8)は、前記ハンドル(3)から離れて面する前記歯科医用要素(2)の下側に配置されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項10】
可動の前記作動要素(8)は、前記ハンドル(3)とは別個に設けられ、回転可能なレバーの形態を有するか、または前後に可動なスライダの形態を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張出願EP21205497.7の全内容は、PCTの規定の下で、この国際出願を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、歯科処置ユニットに関し、特に、その歯科医用要素に関する。
【背景技術】
【0003】
歯科診療において患者を変更する場合、人、使用者および患者間での細菌の移動を防止するために、重要な表面において、できるだけ集中的に、歯科医用要素を洗浄し、衛生的に再処理することができることが必要である。この理由のために、現在の歯科医用要素のハンドルは、ハンドルの熱消毒を可能にするために取り外し可能であるように設計されている。あるいは、ハンドルは、使い捨てシリコーンオーバーレイで保護される。現在知られている、歯科医用要素の組立および分解のための機構は、スリーブ形状のハンドルと、歯科医用要素上のホーン形状のキャリア上のラッチとを有する。
【0004】
器具トレイは、電気的に及び液圧空気圧的に作動される器具の安全な位置決めのために使用される。衛生上の理由から、器具トレイは、加熱消毒装置で衛生的に再処理できるように、取り外し可能に設計されている。
【0005】
歯科処置ユニットの歯科医用要素および器具トレイの衛生は、歯科作業にとって極めて重要である。従来技術においては、歯科医用要素のハンドルと器具トレイとを取り付け、取り外すための別個のロック要素は、限られた操作性を有し、汚染のリスクを増大させるという問題がある。
【発明の概要】
【0006】
現在、本発明者らは、ハンドルをロック解除するように機能する作動要素が器具トレイを別個にロック解除するためにも使用され得る、歯科処置ユニットの先行技術については認識していない。したがって、作動要素は、操作性を改善し、汚染のリスクを低減するために二重の機能を備えることができる。
【0007】
本発明の目的は、ハンドルおよび器具トレイのロック/ロック解除が、共通の作動要素によって選択的かつ容易に実行され得る、歯科処置ユニットを提供することである。
【0008】
本目的は、請求項1に記載の歯科処置ユニットによって達成される。従属請求項の主題事項は、好ましい実施形態および更なる展開に関する。
【0009】
本発明による歯科処置ユニットは、可動の歯科医用要素を有する。歯科医用要素は、歯科医用要素を移動させるための少なくとも1つの取り外し可能なハンドルと、器具を配置するための取り外し可能な器具トレイ、ここで、器具トレイは1つ以上の器具をそれぞれ配置するための1つ以上の爪を有し、ハンドルをロック/ロック解除するための第1のロック機構と、ここで、ロック解除状態では、ハンドルが歯科医用要素から取り外し可能であり、器具トレイをロック/ロック解除するための第2のロック機構とを備え、ここで、ロック解除状態では、爪を含む器具トレイが歯科医用要素から取り外し可能である。歯科医用要素は、取り外しのためにハンドルをロック解除するために第1のロック機構を別個に作動させるように予め定められた方向に移動させることができ、取り外しのために器具トレイをロック解除するために第2のロック機構を別個に作動させるように予め定められた方向とは反対の方向に移動させることができる可動作動要素を有する。
【0010】
本発明の主な有利な効果は、本発明による歯科処置ユニットが、共通の作動要素によって、ハンドルまたは器具トレイのいずれかを取り外しのために選択的にロック解除することができ、したがって、一般に知られている歯科処置ユニットよりも容易かつ安全に操作することができることである。ハンドルをロック解除するように機能する作動要素は、器具トレイをロック解除するためにも使用される。したがって、作動要素は二重の機能を備える。
【0011】
本発明の本質的な特徴は、ロック機構を別々に作動させるために2つの異なる方向に作動させることができる共通の作動要素を使用することである。この目的のために、当業者は、従来技術から知られている様々な任意のロック機構を使用することができる。
【0012】
有利な実施形態では、第1のロック機構は、ラッチ機構を有し、ラッチ機構は、好ましくは、ラッチノーズを有するばね荷重式トーションカムと、ハンドルシャフト上のラッチノッチとを備える。ハンドルをロック解除するために、トーションカムは作動要素と共に回転される。ラッチ機構は自己補強効果を有する。ラッチノッチは、ラッチ機構が公差補償及び遊び低減効果を有するように、湾曲形状を有することが好ましい。作動要素は、回転可能なレバーのように取り付けられてもよい。あるいは、前後にスライドできるように、スライダのように取り付けることもできる。
【0013】
別の有利な実施形態では、第2のロック機構は、ラッチ機構も有し、ラッチ機構は、好ましくは、ラッチノーズを有する曲げ要素と、器具トレイ上のラッチノッチとを備える。器具トレイをロック解除するために、曲げ要素は作動要素によって曲げられる。
【0014】
さらに有利な実施形態では、第1のロック機構は、好ましくは、ロック解除されたときにハンドルを排出するための排出機能をさらに有する。これは、ばね要素によって実現される。
【0015】
さらなる有利な実施形態では、第2のロック機構は、好ましくは、ロック解除されたときに器具トレイを排出するための排出機能も有する。これは、ばね要素によっても実現される。
【0016】
さらなる有利な実施形態では、ハンドルシャフトは、ハンドルがロック状態にあるときに、歯科医用要素の溝に形状嵌合して入る突起を有する。これにより、遊びを最小限にすることができ、ロック状態でハンドルが回転しないように固定することができる。
【0017】
別の有利な実施形態では、ハンドルシャフトは、ばね荷重式ラッチ機構、例えば、形状適合着座を可能にするトーションカムによって、円錐形停止部に対して引っ張られる。これにより、円錐形のストッパによる遊びの少ない嵌合が可能になる。同時に、これは、公差補償ハンドル機構を可能にする。
【0018】
別の実施形態では、作動要素は、ハンドルから離れる方向に面する歯科医用要素の側に、好ましくは歯科医用要素の下側に配置される。ハンドルと作動要素とのこの空間的な分離は、ハンドルが取り外されたときに、ハンドルレセプタクルの近傍の把持領域全体をより容易に清掃することを可能にする。ハンドルおよび器具トレイは、熱消毒されてもよい。したがって、遠隔解除、すなわちハンドルのロック解除は、ハンドルから遠く離れており、これは衛生的に重要である。したがって、作動要素を通じたハンドルの相互汚染は、不可能であるか、または非常に低い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
下記の説明において、例示的な実施形態を使用し、図面を参照することによって、本発明についてより詳細に説明する。
図1図1は、本発明の実施形態による歯科処置ユニットの概略図を示す。
図2図2は、図1の歯科処置ユニットの器具トレイおよびハンドルを有する歯科医用要素の拡大図を示す。
図3図3は、図1の歯科処置ユニットの器具トレイを有する歯科医用要素の拡大図を示し、ハンドルは取り外されている。
図4図4は、図2の歯科処置ユニットの器具トレイおよびハンドルを有する歯科医用要素の断面図を示す。
図5図5は、図2の歯科処置ユニットの器具トレイおよびハンドルを有する歯科医用要素の断面図を示し、作動要素は、取り外しのためにハンドルをロック解除するように第1の方向に作動されている。
図6図6は、図2の器具トレイと歯科処置ユニットのハンドルとを有する歯科医用要素の断面図を示し、ハンドルはロック解除後に取り外されている。
図7図7は、図2の歯科処置ユニットの器具トレイを有する歯科医用要素の断面図を示し、作動要素は、取り外しのために器具トレイをロック解除するために第1の方向とは反対の第2の方向に作動されている。
図8図8は、図2の歯科処置ユニットの器具トレイを有する歯科医用要素の断面図を示し、器具トレイはロック解除後に取り外されている。
図9図9は、図2の歯科処置ユニットの器具トレイを有する歯科医用要素の斜視図を示し、器具トレイはロック解除後に取り外されている。
【0020】
図面に示される参照番号は、下記に列挙される要素を示し、例示的な実施形態の以下の説明において参照される。
1. 歯科処置ユニット
2,2’歯科医用要素、補助要素
3. ハンドル
4. 器具トレイ
4a.爪
5. 器具
6. 第1のロック機構
7. 第2のロック機構
8. 作動要素
9. トーションカム
10. ラッチノーズ
11. ラッチノッチ(凹部)
12. シャフト
13. 曲げ要素
14. ラッチノーズ
15. ラッチノッチ(開口)
16. ばね要素
17. ばね要素
18. 突起
19. 溝
20. 円錐壁部
21.円錐対向壁部
22. 患者用椅子
23. 椅子基部
24. 水ユニット
25. ユーザ(タッチ制御)インタフェース
26. フットスイッチ
27. 器具ホース
28. 吸引ホース
29. カップリング
30. ハンドルレセプタクル
【0021】
図1は、本発明の実施形態にしたがった、歯科処置ユニット(1)を部分的に示している。歯科処置ユニット(1)は、椅子ベース(23)を有する患者椅子(22)と、水ユニット(24)と、補助要素(2’)と、好ましくはユーザインタフェース(25)を有する歯科医用要素(2)と、フットスイッチ(26)とを備える。水ユニット(24)は、図1において患者用椅子(22)の左側に配置される。水ユニット(24)は、患者用椅子(22)の右側に配置することもできる。洗浄プロセスは、水ユニット(24)によって実行することができる。統合された洗浄プロセスは、本発明による歯科処置ユニット(1)のユーザが器具(5)のカップリング(29)およびホース(27,28)を衛生的に保つことをより容易にすることを意図している。
【0022】
歯科処置ユニット(1)は、概して、先行技術から当業者にはかなりの程度まで知られており、したがって、説明を不必要に長くしないために、さらなる詳細は省略される。以下の説明では、歯科医用要素(2)について詳細に説明する。
【0023】
歯科医用要素
図1に示すように、歯科処置ユニット(1)は、好ましくは、移動可能な歯科医用要素(2)を有する。図2および図3に示すように、歯科医用要素(2)は、それを移動させるための2つの取り外し可能なハンドル(3)を有する。図9に示すように、歯科医用要素(2)は、器具(5)を配置するための取り外し可能な器具トレイ(4)も有する。図1に示すように、器具トレイ(4)は、器具(5)をそれぞれ配置するための複数の爪(4a)を有する。爪(4a)を含む器具トレイ(4)は、好ましくは、プラスチック材料の一体部品として提供される。
【0024】
図4に示すように、歯科医用要素(2)は、各側に、ハンドル(3)をロック/ロック解除するための第1のロック機構(6)と、器具トレイ(4)をロック/ロック解除するための第2のロック機構(7)とを備える。第1のロック機構(6)のロック解除状態では、ハンドル(3)は、歯科医用要素(2)から完全に取り外し可能である。第2のロック機構(7)のロック解除状態では、爪(4a)を含む器具トレイ(4)は、歯科医用要素(2)から完全に取り外し可能である。ハンドル(3)および器具トレイ(4)は、互いに独立してロック解除および取り外しが可能である。
【0025】
ハンドルのロック解除及びロック
図4から図6に示すように、歯科医用要素(2)は、取り外しのためにハンドル(3)をロック解除するために第1のロック機構(6)を作動させるように予め定められた方向(P)に移動させることができる可動の作動要素(8)を有する。作動要素(8)は、ハンドル(3)から離れて面する歯科医用要素(2)の下側に位置する。作動要素(8)は、ハンドル(3)とは別に設けられる。作動要素(8)は、回転可能なレバーの形態を有する。あるいは、作動要素(8)は、前後に移動させることができる可動スライダ(図示せず)の形態を有してもよい。
【0026】
図5に示すように、第1のロック機構(5)は、ラッチノーズ(10)を有するトーションカム(9)を有する。ハンドルシャフト(12)には、ラッチノッチ(11)がある。作動要素(8)が予め定められた方向(P)に沿って移動されると、作動要素(8)は、ばね荷重式トーションカム(9)を回転させ、その結果、そのラッチノーズ(10)がハンドルシャフト(12)のラッチノッチ(11)から係合解除され、したがって、ハンドル(3)を自由に取り外すことができる。第1のロック機構(5)のロック状態では、ラッチ作用は、ばね荷重式トーションカムによって自己補強され、その結果、ハンドルシャフト(12)の引き抜きは不可能である。図3に示すように、ハンドル(3)は移動部品なしで設けられている。従って、ラッチ又はラッチ解除中に、工具を使用せずに片手で操作することが可能である。ハンドルシャフト(12)が挿入されるハンドルレセプタクル(30)は、完全に歯科医用要素(2)の内側にあり、露出されず、したがって保護される。
【0027】
図5に示すように、ハンドルシャフト(12)上のラッチノッチ(11)と接触するためのトーションカム(9)上のラッチノーズ(10)の接触面は、ハンドル(3)のロック状態における遊びを低減するために湾曲形状を有する。ハンドル(12)を歯科医用要素(2)に結合し、かつ、歯科医用要素(2)から解放するために、結合/解放中に妨害する締め付けを防止するために、組立クリアランスが必要である。他方、ハンドル(3)のロック状態では、この遊びは最小限に減らされなければならない。上述のラッチ機構により、関連する構成要素の公差、並びに可能な範囲内の組立公差が、接合されたハンドル(3)の締まり嵌めに影響を及ぼさないことが可能になる。ハンドル(3)の人間工学的に安全な取り扱いのために、および、歯科医用要素(2)の正確な位置決めのために、ハンドル(3)と歯科医用要素(2)のヘッドとの間の可能な限り最も剛性で堅固な接続が必要である。これは、上述のラッチ機構によって可能になる。
【0028】
図6に示すように、第1のロック機構(6)は、ロック解除されたときにハンドル(3)を排出するためにハンドルシャフト(3)を解放位置に押すばね要素(16)を有する。
【0029】
図5および図6に示すように、ハンドルシャフト(12)は、ハンドル(3)がロックされたときに、歯科医用要素(2)の溝(19)に確実に入る突起(18)を有する。
【0030】
図4に示すように、ハンドルシャフト(12)は、ハンドル(3)がロックされたときに、歯科医用要素(2)における対応する円錐形の対向壁部(21)にきちんと着座する円錐形の壁部(20)を有する。
【0031】
器具トレイのロック解除およびロック
図7及び図8に示すように、可動の作動要素(8)は、取り外しのために器具トレイ(4)をロック解除するために、第2のロック機構(7)を作動させるように予め定められた方向(P)とは反対の方向(P’)に移動させることができる。
【0032】
図7から図8に示すように、第2のロック機構(6)は、ラッチノーズ(14)を有する曲げ要素(13)を有する。器具トレイ(4)上には、ラッチノッチ(15)がある。作動要素(8)が反対方向(P’)に沿って移動されると、作動要素(8)は曲げ要素(13)を撓ませ、その結果、そのラッチノーズ(14)は器具トレイ(4)のラッチノッチ(15)から係合解除される。
【0033】
図8に示すように、第2のロック機構(7)は、ロック解除されたときに器具トレイ(4)を排出するために器具トレイ(4)を解放位置に押すばね要素(17)を有する。
【0034】
ハンドル(3)及び器具トレイ(4)は、好ましくは、熱消毒され、組み立て前の状態で衛生的に完璧である。ハンドル(3)および器具トレイ(4)を取り付けるとき、両方の要素を歯科医用要素(2)上に確実にしっかりと取り付けるために触れられなければならないのは、ハンドル(3)および器具トレイ(4)のみである。したがって、ロック機構(6;7)の追加の/同時の手動操作は必要とされない。この事実は、他の要素に触れることによる汚染がないので、衛生的な利点を提供する。ロックは、ハンドル(3)をレセプタクル(30)に挿入し、器具トレイ(4)を曲げ要素(13)の上に乗せるだけで自動的に行われる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な歯科医用要素(2)を有する歯科処置ユニット(1)であって、
前記歯科医用要素(2)を移動させるための少なくとも1つの取り外し可能なハンドル(3)と、
器具(5)を配置するための取り外し可能な器具トレイ(4)と、ここで、前記器具トレイ(4)は、1つ以上の器具(5)をそれぞれ配置するための1つ以上の爪(4a)を有し、
前記ハンドル(3)をロック/ロック解除するための第1のロック機構(6)と、ここで、ロック解除状態では、前記ハンドル(3)は、前記歯科医用要素(2)から取り外し可能であり、
前記器具トレイ(4)をロック/ロック解除するための第2のロック機構(7)とを備え、ここで、ロック解除状態では、前記爪(4a)を含む前記器具トレイ(4)は、前記歯科医用要素(2)から取り外し可能であり、
前記歯科医用要素(2)は、取り外しのために前記ハンドル(3)をロック解除するために前記第1のロック機構(6)を個別に作動させるように予め定められた方向(P)に移動させることができる可動の作動要素(8)を備え、同じ可動の前記作動要素(8)は、取り外しのために前記器具トレイ(4)をロック解除するために前記第2のロック解除機構(7)を個別に作動させるように予め定められた方向(P)とは反対の方向(P’)に移動させることができることを特徴とする、歯科処置ユニット(1)。
【請求項2】
前記第1のロック機構(6)は、ラッチノーズ(10)を有するばね荷重式のトーションカム(9)と、ハンドルシャフト(12)上のラッチノッチ(11)とを備え、前記作動要素(8)は、前記トーションカム(9)の前記ラッチノーズ(10)が前記ハンドルシャフト(12)の前記ラッチノッチ(11)から係合解除されるように、作動時に前記トーションカム(9)を予め定められた前記方向(P)に沿って回転させるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項3】
前記ハンドルシャフト(12)上の前記ラッチノッチ(11)に面する前記トーションカム(9)上の前記ラッチノーズ(10)の接触面は、湾曲した形状を有することを特徴とする、請求項2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項4】
前記第2のロック機構(7)は、ラッチノーズ(14)を有する曲げ要素(13)と、前記器具トレイ(4)上のラッチ開口(15)とを備え、ここで、前記作動要素(8)は、予め定められた前記方向(P)とは反対の前記方向(P’)に沿って作動されると、前記曲げ要素(13)を延伸させて、その前記ラッチノーズ(14)が前記器具トレイ(4)の前記ラッチ開口(15)から係合解除されるように配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項5】
前記第1のロック機構(6)は、ロック解除されたときに前記ハンドル(3)を排出するためにハンドルシャフト(12)をロック解除位置に押すばね要素(16)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項6】
前記第2のロック機構(7)は、ロック解除されたときに前記器具トレイ(4)を排出するために前記器具トレイ(4)をロック解除位置に押すばね要素(17)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項7】
ハンドルシャフト(12)は、前記ハンドル(3)がロック状態にあるときに、前記歯科医用要素(2)の溝(19)に形状嵌合式に入る突起(18)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項8】
ハンドルシャフト(12)は、前記ハンドル(3)のロック状態において、前記歯科医用要素(2)内における対応する対向壁部(21)上に形状嵌合式に着座される円錐壁部(20)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項9】
前記作動要素(8)は、前記ハンドル(3)から離れて面する前記歯科医用要素(2)の下側に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項10】
可動の前記作動要素(8)は、前記ハンドル(3)とは別個に設けられ、回転可能なレバーの形態を有するか、または前後に可動なスライダの形態を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
ハンドル(3)及び器具トレイ(4)は、好ましくは、熱消毒され、組み立て前の状態で衛生的に完璧である。ハンドル(3)および器具トレイ(4)を取り付けるとき、両方の要素を歯科医用要素(2)上に確実にしっかりと取り付けるために触れられなければならないのは、ハンドル(3)および器具トレイ(4)のみである。したがって、ロック機構(6;7)の追加の/同時の手動操作は必要とされない。この事実は、他の要素に触れることによる汚染がないので、衛生的な利点を提供する。ロックは、ハンドル(3)をレセプタクル(30)に挿入し、器具トレイ(4)を曲げ要素(13)の上に乗せるだけで自動的に行われる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 移動可能な歯科医用要素(2)を有する歯科処置ユニット(1)であって、
前記歯科医用要素(2)を移動させるための少なくとも1つの取り外し可能なハンドル(3)と、
器具(5)を配置するための取り外し可能な器具トレイ(4)と、ここで、前記器具トレイ(4)は、1つ以上の器具(5)をそれぞれ配置するための1つ以上の爪(4a)を有し、
前記ハンドル(3)をロック/ロック解除するための第1のロック機構(6)と、ここで、ロック解除状態では、前記ハンドル(3)は、前記歯科医用要素(2)から取り外し可能であり、
前記器具トレイ(4)をロック/ロック解除するための第2のロック機構(7)とを備え、ここで、ロック解除状態では、前記爪(4a)を含む前記器具トレイ(4)は、前記歯科医用要素(2)から取り外し可能であり、
前記歯科医用要素(2)は、取り外しのために前記ハンドル(3)をロック解除するために前記第1のロック機構(6)を個別に作動させるように予め定められた方向(P)に移動させることができる可動の作動要素(8)を備え、同じ可動の前記作動要素(8)は、取り外しのために前記器具トレイ(4)をロック解除するために前記第2のロック解除機構(7)を個別に作動させるように予め定められた方向(P)とは反対の方向(P’)に移動させることができることを特徴とする、歯科処置ユニット(1)。
[2] 前記第1のロック機構(6)は、ラッチノーズ(10)を有するばね荷重式のトーションカム(9)と、ハンドルシャフト(12)上のラッチノッチ(11)とを備え、前記作動要素(8)は、前記トーションカム(9)の前記ラッチノーズ(10)が前記ハンドルシャフト(12)の前記ラッチノッチ(11)から係合解除されるように、作動時に前記トーションカム(9)を予め定められた前記方向(P)に沿って回転させるように配置されていることを特徴とする、[1]に記載の歯科処置ユニット(1)。
[3] 前記ハンドルシャフト(12)上の前記ラッチノッチ(11)に面する前記トーションカム(9)上の前記ラッチノーズ(10)の接触面は、湾曲した形状を有することを特徴とする、[2]に記載の歯科処置ユニット(1)。
[4] 前記第2のロック機構(7)は、ラッチノーズ(14)を有する曲げ要素(13)と、前記器具トレイ(4)上のラッチ開口(15)とを備え、ここで、前記作動要素(8)は、予め定められた前記方向(P)とは反対の前記方向(P’)に沿って作動されると、前記曲げ要素(13)を延伸させて、その前記ラッチノーズ(14)が前記器具トレイ(4)の前記ラッチ開口(15)から係合解除されるように配置されていることを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
[5] 前記第1のロック機構(6)は、ロック解除されたときに前記ハンドル(3)を排出するためにハンドルシャフト(12)をロック解除位置に押すばね要素(16)を有することを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
[6] 前記第2のロック機構(7)は、ロック解除されたときに前記器具トレイ(4)を排出するために前記器具トレイ(4)をロック解除位置に押すばね要素(17)を有することを特徴とする、[1]から[5]のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
[7] ハンドルシャフト(12)は、前記ハンドル(3)がロック状態にあるときに、前記歯科医用要素(2)の溝(19)に形状嵌合式に入る突起(18)を有することを特徴とする、[1]から[6]のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
[8] ハンドルシャフト(12)は、前記ハンドル(3)のロック状態において、前記歯科医用要素(2)内における対応する対向壁部(21)上に形状嵌合式に着座される円錐壁部(20)を有することを特徴とする、[1]から[7]のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
[9] 前記作動要素(8)は、前記ハンドル(3)から離れて面する前記歯科医用要素(2)の下側に配置されることを特徴とする、[1]から[8]のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
[10] 可動の前記作動要素(8)は、前記ハンドル(3)とは別個に設けられ、回転可能なレバーの形態を有するか、または前後に可動なスライダの形態を有することを特徴とする、[1]から[9]のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【国際調査報告】