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特表2024-540042皮膚表面のプラズマ治療用のプラズマ治療デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】皮膚表面のプラズマ治療用のプラズマ治療デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/44 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61N1/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525146
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 EP2022080533
(87)【国際公開番号】W WO2023078916
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】102021128463.5
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512158435
【氏名又は名称】シノギー・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】CINOGY GmbH
【住所又は居所原語表記】Max-Naeder-Str. 15, 37115 Duderstadt, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘルモルト、ヤン-ヘンドリク
(72)【発明者】
【氏名】レトケ、ロニー
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053MM02
4C053MM05
4C053MM08
(57)【要約】
本発明は、誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイスに関し、-グリップを有するハウジングと、-ハウジング上に配置された治療ヘッドと、-治療ヘッド上に設けられた電極装置であって、少なくとも1つの電極と、治療されるべき皮膚表面に対して少なくとも1つの電極を完全に覆う誘電体とが設けられた電極装置と、ここで、誘電体は、治療面を有し、治療ヘッドから治療されるべき皮膚表面に向かって、治療面を備える表面セクションで突出し、-誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するためにハウジング中に配置された高電圧段と、ここにおいて、高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置によって電極装置の少なくとも1つの電極と電気接触しているか、又は電気接触させることができ、を備える、プラズマ治療デバイスにおいて、電極装置の誘電体は、ヒドロゲルではないポリウレタンゲルから少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイス(10)であって、
-グリップを有するハウジング(11)と、
-前記ハウジング(11)上に配置された治療ヘッド(12)と、
-前記治療ヘッド(12)上に設けられた電極装置であって、少なくとも1つの電極(19)と、治療されるべき前記皮膚表面に対して前記少なくとも1つの電極(19)を完全に覆う誘電体(18)とが設けられた電極装置と、ここで、前記誘電体は、治療面(18a)を有し、前記治療ヘッド(12)から治療されるべき前記皮膚表面に向かって、前記治療面(18a)を備える表面セクションで突出し、
-前記誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するために前記ハウジング(11)中に配置された高電圧段(15)と、ここにおいて、前記高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置(35)によって前記電極装置の前記少なくとも1つの電極(19)と電気接触しているか、又は電気接触させることができ、
を備える、プラズマ治療デバイス(10)において、
前記電極装置の前記誘電体(18)は、ヒドロゲルではないポリウレタンゲルから少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、プラズマ治療デバイス(10)。
【請求項2】
前記ポリウレタンゲルは、少なくとも前記治療面(18a)上でスキン層によって覆われていることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項3】
前記誘電体(18)は、誘電体支持体(17a)の平坦なキャリア(17)上で前記治療ヘッド(12)中に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項4】
前記電極装置は、前記ハウジング(11)上に取り外し可能に配置され、前記接続装置(35)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記少なくとも1つの電極(19)を前記高電圧段(15)に接続することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電極(19)は、前記治療面(18a)とは反対の前記治療ヘッド(12)の後側に電気接続ボルト(20)を有する前記誘電体(18)から引き出され、電気絶縁カバー(21)によって取り囲まれており、前記電気接続ボルト(20)は、前記電極装置が前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに、電気接触のために前記ハウジング(11)中に設けられた対接点と係合する接触面(25)を有することを特徴とする、請求項4に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項6】
前記電気絶縁カバー(21)は、前記電気接続ボルト(20)の前記接触面(25)を超えて突出し、そのため、前記対接点との前記電気接触は、前記電極装置が前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記電気絶縁カバー(21)の内側で生じるか、又は前記電気接続ボルト(20)の前記接触面(25)は、前記電気絶縁カバー(21)を超えて突出し、そのため、前記対接点との前記電気接触は、前記電極装置が前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記ハウジング中のマウント中の前記電気絶縁カバー(21)の外側で生じることを特徴とする、請求項5に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項7】
少なくとも1つのばね負荷式タペット(28)が、前記ハウジング(11)中の前記電気絶縁カバー(21)に対して半径方向に配置され、前記少なくとも1つのばね負荷式タペットは、前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に前記電極装置を取り外し可能に据え付けることを目的として前記電気絶縁カバー(21)中の凹部中でスナップインセクション(29)を介して相互作用することを特徴とする、請求項5又は6に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項8】
前記プラズマ治療デバイス(10)は、前記ハウジング(11)中の前記治療ヘッド(12)の前記挿入位置を検出するように設計された少なくとも1つの位置センサ(22)を有し、前記高電圧段(15)は、前記挿入位置が前記少なくとも1つの位置センサ(22)によって検出されない限りオフに切り替えられることを特徴とする、請求項4~7のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項9】
前記治療ヘッド(12)は、前記ハウジング(11)中に移動可能に据え付けられ、前記誘電体バリアプラズマが生成されている間に前記電極装置が移動させられるように、前記ハウジング(11)中に配置されたモータ(30)に動作可能に接続されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項10】
電気エネルギーを前記高電圧段(15)に供給するように構成された電気エネルギー貯蔵部が、前記ハウジング中に設けられていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項11】
前記高電圧段(15)は、外部エネルギー源(32)に接続されるか、又は接続することができることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項12】
前記誘電体(18)の前記治療面(18a)は、ガス空間を形成するために隆起部と隆起部間の窪みとを有するスペーサを有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの電極(19)を有する前記電極装置は、前記誘電体バリアプラズマを生成するために、前記少なくとも1つの電極が対電極としての治療されるべき前記皮膚表面と相互作用するように構成されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)で使用されるときの誘電体バリアプラズマ放電用の治療ヘッド(12)であって、前記治療ヘッド(12)は、少なくとも1つの電極(19)と、治療されるべき皮膚表面に対して前記少なくとも1つの電極(19)を完全に覆う誘電体(18)とを有する電極装置を備え、前記誘電体(18)は、治療面(18a)を有し、前記治療ヘッド(12)から治療されるべき前記皮膚表面に向かって、前記治療面(18a)を備える表面セクションで突出し、ポリウレタンベースのゲル状材料から少なくとも部分的に形成されている、治療ヘッド(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマは、例えば、アクセスするのが困難な皮膚表面のエリア上でさえも確実な消毒を可能にし、また、ケア又は治癒物質の吸収のために皮膚表面を整え、例えば、組織中の微小循環を増大させることによって、一般に創傷治癒に対してプラスの効果を有することができるので、皮膚及び創傷表面を誘電体バリアプラズマを用いて有利に治療することができることが、しばらくの間知られている。
【0003】
特に、治療されるべき表面に属する体を対電極(いわゆる「浮遊電極」)として使用することによって、プラズマの安全且つ効果的な形成が可能であることが見出された。これは、治療デバイスが高電圧を伝える少なくとも1つの電極のみを有し、それ自体の対電極を必要としないことを意味する。
【0004】
DE 10 2009 060 627 B4は、平坦な可撓性の電極及び可撓性の平坦な誘電体から成る電極装置について開示しており、電極装置において、誘電体は、平坦な電極を全ての側で取り囲み、電極の1つの接続のみが、高電圧生成器に接続するために絶縁された仕方で誘電体から引き出されている。誘電体は、治療されるべき表面、例えば、人間又は動物の体の皮膚表面と接触することを意図され、接触側に突起構造を有し、突起構造は、誘電体バリアプラズマを形成することができるガス空間が突起間に形成されるので、スペーサとして機能する。
【0005】
DE 10 2012 015 482 A1に記載の治療デバイスは、類似の装置を装備され、電極を埋め込む誘電体が、治療デバイスのハウジングの前壁を形成する。可撓的に埋め込まれた平坦な電極を有する可撓性の誘電体から成る可撓性の電極装置は、電極装置の後ろに配置された弾性圧力手段によって治療されるべき表面に押圧され、それは、治療されるべき表面、特に皮膚表面の輪郭に対する電極装置の適合性を改善する。
【0006】
DE 10 2013 019 058 A1及び更に発展したDE 10 2016 100 466 A1は、治療されるべき表面が対電極として機能し、電極を埋め込む誘電体がハウジングから突出するボールから形成される、誘電体バリアプラズマ治療用の治療デバイスについて開示している。ボールは、ハウジング中に回転可能に据え付けられ、電極は、全ての可能な回転位置で誘電体によって覆われる。これは、治療されるべき表面を横切る治療デバイスの柔軟で自由な移動を可能にする。
【0007】
DE 10 2015 111 401 B3は、治療剤で充填することができる貯蔵チャンバに動作可能に接続された通路開口部を誘電体が有する、誘電体バリアプラズマ治療用の治療デバイスについて開示している。貯蔵チャンバの体積は、治療デバイスに圧力を印加することによって低減され、そのため、治療剤は、通路開口部を通って治療されるべき表面のエリアに達する。
【0008】
DE 10 2018 126 489 A1は、複数の剛毛を有する治療ヘッドとしてブラシヘッドを備える、誘電体バリアプラズマ治療用の治療デバイスについて説明している。剛毛間に形成されたガス空間は、電極装置によって誘電体バリアプラズマを形成するために使用される。
【0009】
WO 2017/162505 A1から、第1の電極と、誘電体によって第1の電極から絶縁された第2の電極とによってプラズマが生成される、皮膚用の治療デバイスが知られており、ここにおいて、プラズマ治療は、例えば、皮膚のひだにおける隠された皮膚表面を露出することによって、機械的マニピュレータによってサポートされることになる。マニピュレータは、スイベルジョイントを介してプラズマ生成器に接続することができる。
【0010】
DE 10 2017 118 568 B3は、誘電体によって遮蔽された電極装置が位置する治療ヘッドを有するプラズマ治療デバイスについて開示しており、ここにおいて、治療ヘッドでは、電極装置は、治療ヘッドが体内に挿入されたときに体の内側の周囲組織の形状を取ることができるように、軟質弾性コアの周りに空間的に閉じられた可撓性シースを形成し、可撓性誘電体の薄層によってその外面を覆われる。
【0011】
DE 10 2008 008 034 A1は、ポリウレタンゲル及びその製造方法について開示している。
【0012】
DE 10 2018 132 918 A1は、切断端にパッドとして適用されるべきライナーについて説明しており、ここで、誘電体バリアプラズマ放電用の電極装置が、ライナーに一体化される。
【0013】
DE 10 2019 109 940 A1は、電極装置と、接続導体を有する誘電体から成る接触取り付け部とを備える、誘電体バリアプラズマ治療用の治療デバイスについて説明している。接続導体は、次いで、接触要素によって交流高電圧源に接続することができ、接触要素の接触ピンは、接触取り付け部の誘電体中の凹部を通って接続導体に接触する。
【0014】
特に美容及び医療目的のために、誘電体バリアプラズマを用いる治療はまた、顔などの皮膚の敏感なエリアに望ましい。ここでの欠点は、そのような敏感な皮膚エリアが、適切な治療デバイスを用いた最適なプラズマ治療用の誘電体の材料と接触し、その材料は、使用される材料に応じて、そのような敏感な皮膚エリアに対して必要な感度を有しないというものである。より長い治療は、従って、不快又は心地悪くあり得る。
【0015】
本発明は、従って、誘電体バリアプラズマ放電を用いた、特に敏感な皮膚表面の改善された治療が可能となるように、上述したタイプの治療デバイスを構成することを目的とする。
【0016】
本発明によると、この課題は、請求項1に記載のプラズマ治療デバイスによって解決される。本発明の有利な実施形態が、対応する下位請求項に見出されることになる。
【発明の概要】
【0017】
請求項1によると、前提部に記載のプラズマ治療デバイスは、誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するために提案される。前提部によると、プラズマ治療デバイスは、グリップを有するハウジングを備え、治療ヘッドが、ハウジング上に配置される。治療ヘッドは、少なくとも1つの電極と、治療されるべき皮膚表面に対して少なくとも1つの電極を完全に覆う誘電体とを備える電極装置を備え、誘電体は、治療ヘッドから治療されるべき表面に、治療面を含む表面セクションで突出する治療面を有する。更に、高電圧段が、誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するためにハウジング中に設けられ、高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置によって電極装置の少なくとも1つの電極と電気接触しているか、又は電気接触させることができる。ハウジング及びグリップは、特に、電気絶縁性であるように設計することができる。治療ヘッドは、ハウジング上にしっかりと又は取り外し可能に配置することができる。
【0018】
高電圧段は、高電圧段が誘電体バリアプラズマを生成するために必要な電気高電圧信号を生成し、それらを少なくとも1つの電極に放出するように制御デバイスによって制御される。高電圧段は、高電圧信号が個々のパルスの形態、パルスパケットの形態、及び/又は減衰振動の形態で個々のパルス信号として生成され、電極に放出されるように設計することができる。減衰振動を伴うパルスパケットの場合、開始波は、最高振幅を有する。高電圧段は、従って、高電圧生成器であり、高電圧生成器は、高電圧変圧器の仕方で入力電圧を高電圧に変換する。
【0019】
本発明によると、電極装置の誘電体は、ヒドロゲルではないポリウレタンゲルから少なくとも部分的に形成されていることがここで提供される。
【0020】
驚くべきことに、そのようなポリウレタンゲルは、誘電体として適しており、そのため、非常に軟質且つ可撓性の高い誘電体を、敏感な皮膚エリアを治療するのに特に適した誘電体バリアプラズマを生成するためのプラズマ治療デバイス上に設けることができる。ゲル状誘電体は、好ましくは、誘電体表面上に少なくとも軟質で耐引裂性のスキンを装備され、そのため、誘電体との接触を使用して、敏感な皮膚エリアを治療することができ、誘電体中に埋め込まれた電極に偶発的に触れるリスクがない。これは、誘電体を成形するためのキャスティングプロセス中に、ポリウレタンゲルのスキンを形成することによって、又は好ましくは、シリコーン若しくは好ましくはポリウレタン製であり得るフィルムをゲルに適用することによって作られる耐引裂性の誘電体表面が、電極から関係する人へのスパークオーバのリスクをもたらすであろう誘電体の治療面の機械的破壊を防止し、同時に、敏感な皮膚エリアの快適で穏やかな治療をもたらすからである。軟質でしなやかなポリウレタンゲルは、少なくとも1つのポリオールの、少なくとも1つの適切なイソシアネートとの反応から作り出され、ゲルの固定化分散(液体)相は、少なくとも1つのポリオールによって形成され、ヒドロゲルの場合のように水によって形成されるのではない。むしろ、ポリウレタンゲルの水含有量は、製造後の湿気の吸収に起因して、5重量%未満、好ましくは3重量%未満である。ポリウレタンゲルを完全に封入することができるスキンは、1mm未満、好ましくは0.5mm未満、特に好ましくは0.2mm未満の厚さを有し、ゲルの有利な機械的特性(軟性、湾曲面への適合性、快適な接触感)が損なわれないほど可撓性である。スキンがフィルムによって形成される場合、それは、成形より前にポリウレタンゲルと共に型中に挿入することができる。
【0021】
本発明により、従って、敏感な皮膚エリアを治療するときに誘電体バリアプラズマを生成するための既知のプラズマ治療デバイスの欠点を克服することが可能である。
【0022】
ヒドロゲルではないポリウレタンゲルを、誘電体バリアプラズマを生成するための電極装置の誘電体として形成することができ、この目的のために使用することができることが認識された。
【0023】
誘電体は、ポリウレタンゲルから完全に形成することができ、電気絶縁性となるように設計される。しかしながら、誘電体が少なくとも2つの層から成り、治療面を備える誘電体の第1の層のみがポリウレタンゲルから形成され、適用可能な場合には、上記で説明したスキン層を設けられ、その一方で、誘電体の残りの層がシリコーンなどの別の可撓性材料製であることも考えられる。電極は、層間に完全に埋め込むことができるか、又は第1の層中にのみ埋め込むことができるか、若しくは好ましくは第2の層中に埋め込むことができる。
【0024】
ポリウレタンゲルは、例えば、ゾル-ゲルであり得る。そのようなゲル状材料は、ゾル-ゲルプロセスで作り出される。特に、ゲルは、可塑剤なしで作製及び形成することができ、弾性特性を有する固体の寸法安定性を有する。その電気的特性は、本発明に従って、誘電体バリアプラズマを生成するための誘電体としてそれが使用されることを可能にする。
【0025】
特に、ゲル状材料は、製造プロセス中に注入可能な材料であり得、誘電体は、ゲル状材料を注入することによって型中で製造される。適切なフィルムを型中に挿入してスキンを形成し、ゲル状材料が、次いで、ゲル状材料を型中に注入することによって前記フィルムに適用されることが考えられる。埋め込まれた電極は、電極が既に型内の所望の位置にあり、充填中に注入可能な材料によって取り囲まれるという点で、誘電体と共に製造することができる。しかしながら、誘電体が、個々に又は別個に作り出された2つ以上の層で構成され、少なくとも1つの電極が、従って、2つの層間に埋め込まれることも考えられる。しかしながら、誘電体は、単一部品として製造されるが、製造プロセス中に一緒にされ、境界層で材料結合を形成する異なる材料の複数の層から成ることも考えられる。
【0026】
少なくとも1つの電極は、好ましくは、誘電体としてゲル状材料によって完全に取り囲まれるか、又はその中に埋め込まれる。
【0027】
誘電体の治療面は、ほぼ平坦となるように設計されることを提供することができる。これは、特に、誘電体が球状ではないことを意味すると理解されるべきである。本発明の文脈では、治療面における誘電体の平坦な形態は、治療面の平面がほぼ平らであるか又は平坦であることを意味すると理解される。しかしながら、ほぼ平坦な治療面は、湾曲度(空間方向に見た円弧の長さに対する中心角の比)が50%未満である(所定の又は製造公差に起因する)依然として許容可能な湾曲であると理解される。
【0028】
しかしながら、誘電体はまた、半球形状にまでより湾曲することができる。
【0029】
一実施形態によると、誘電体は、誘電体支持体の平坦なキャリア上の治療ヘッド中に配置されていることが提供される。平坦なキャリア上では、誘電体は、後に実証されることになるように、治療ヘッドを有する電極装置を置き換えることができるように、キャリアの誘電体支持体に(取り外し可能に又は恒久的に)固定されることが提供される。治療ヘッドは、キャリアと、誘電体及び電極を備える電極装置と、電極を高電圧段と接続するための接続装置とから形成される。
【0030】
一実施形態によると、電極装置は、ハウジング上に取り外し可能に配置され、接続装置は、電極装置が挿入位置でハウジング上に移動可能に据え付けられたときに少なくとも1つの電極を高電圧段に接続することが提供される。電極装置又は治療ヘッドは、ハウジング中に、取り外し位置から挿入位置に、及びその逆に移動させることができる。
【0031】
特に好ましくは、電極装置は、スナップイン接続の助けを借りてハウジング上に取り外し可能に配置される。スナップイン接続の助けを借りて、電極接続又は治療ヘッド全体は、治療ヘッドを置き換えることができるように、特にキャリアが使用されるときにハウジング中に取り外し可能に据え付けることができる。治療ヘッドは、ハウジング中に、取り外し位置から挿入位置中へ移動することができ、それにおいて、スナップイン接続は、治療ヘッドをハウジングにしっかりと固定する。スナップイン接続を解放することによって、治療ヘッドは、挿入位置から取り外し位置に至り、ハウジングから取り除くことができる。スナップオン接続の取り外しは、対応する接続力に打ち勝つことによって、又はエジェクタ機構を作動させることによって達成することができる。
【0032】
一実施形態によると、少なくとも1つの電極は、治療面とは反対の電極装置の後側に電気接続ボルトを有する誘電体から引き出されており、電気絶縁カバーによって取り囲まれており、電気接続ボルトは、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられたときに、電気接触のためにハウジング中に設けられた対接点と係合する接触面を有することが提供される。
【0033】
電極(電気接続ボルト)の内部引き出し端部を有する絶縁カバーを、プラズマ治療デバイスのハウジング中のマウント中に挿入し、スナップオン接続によってハウジング中に取り外し可能に保持することができる。電極装置が挿入位置に至らせられるとすぐに、スナップイン接続は、特別に設けられた要素に係合し、このことから、治療ヘッドを挿入位置に確実に保持する。
【0034】
一実施形態によると、電気絶縁カバーは、電気接続ボルトの接触面を越えて突出し、そのため、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられたときに、絶縁カバーの内側の対接点との電気接触が行われることが提供される。
【0035】
対接点は、ハウジング中のばね接点であり得、ばね接点は、電極装置が挿入位置に挿入されると電気接続ボルトの前方接触面に接触し、確実な電気接触を保証するように、ある特定のばね力で前記接触面を押圧する。この場合、可能な限り高い動作安全性を保証し、スパークのリスクを防止するために、対接点が絶縁カバー内の高電圧接触(HV接触)用の接触面に接触することを提供することができる。
【0036】
しかしながら、電気接続ボルトの接触面が電気絶縁カバーを越えて突出し、そのため、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられたときに、例えば、ばね接点がケーシング側で接続ボルトの周りに係合することによって、対接点との電気接触がハウジング中のマウント中の絶縁カバーの外側で生じることも考えられる。
【0037】
一実施形態によると、スナップイン接続は、少なくとも1つのばね負荷式タペットがハウジング中の絶縁カバーに対して半径方向に配置されるように設計され、少なくとも1つのばね負荷式タペットは、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられたときに治療ヘッドを取り外し可能に据え付けることを目的として絶縁カバー中の凹部中でスナップインセクションを介して相互作用することをを提供することができる。
【0038】
少なくとも1つのばね負荷式タペットは、電極装置が挿入位置でハウジング上に据え付けられ、絶縁カバーの凹部中にそのスナップインセクションを介して係合すると、電気絶縁カバーの方向に(本質的に絶縁カバー又は接続ボルトの軸に対して垂直)にばね力を印加し、そのため、タペットを横断する電極装置の並進運動を防止する。この場合、絶縁カバー中に設けられた凹部は、電極装置が回転軸を中心として回転することができるように、円周状(準無限)であり得る。
【0039】
しかしながら、(特に回転方向に対して軸方向に)治療ヘッドの一時的な固定を保証する他のスナップイン接続が考えられる。例えば、回転シャフト又は駆動列から特定のボールセクションで突出し、回転シャフト又は駆動列に対して半径方向にばね負荷されるばね負荷式ボールが、回転シャフト又は駆動シャフト中に設けられることが考えられる。前記ばね負荷式ボールは、ここで、電極装置が挿入されるハウジングのガイドチャネル内の凹部中に係合することができ、このことから、電極装置を回転方向に対して軸方向に固定することができる。
【0040】
好ましい実施形態によると、プラズマ治療デバイスは、ハウジング中の治療ヘッドの挿入位置を検出するように設計された少なくとも1つの測位センサ(測定値センサ)を有し、高電圧段は、挿入位置が少なくとも1つの位置センサによって検出されない限りオフに切り替えられることが提供される。
【0041】
この位置センサは、治療ヘッドが挿入位置でハウジング中に挿入されたときにのみ高電圧段を作動させることができることを保証し、それによって、ハウジング中に設けられた対接点から、特にまだ係合されていない治療ヘッド又は電極装置への意図しないスパークオーバを回避することができる。治療ヘッドが適所にない状態で誤って動作させられた治療デバイスは、従って、対接点に対して作用するであろうプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成しないであろう。挿入位置が位置センサによって検出されたときにのみ、ハウジング中の対接点が電極と接触し、誘電体によってスパークが防止されることが保証される。
【0042】
そのような位置センサ又は測定値センサは、例えば、位置スイッチの助けを借りて実現することができる。挿入位置では、位置スイッチは、高電圧段及び/又は制御デバイスとの電圧供給を確立するオン位置(NOスイッチ、「常時開」)に保持される。治療ヘッドがハウジング中に据え付けられていない解放位置では、位置スイッチは、高電圧段及び/又は制御デバイスのための電圧供給が中断されないオフ位置にある。治療デバイスの偶発的な作動は、従って、高電圧信号の生成につながらない。
【0043】
代替として又は追加として、治療ヘッドの挿入位置はまた、導通テスタの助けを借りて検出することができる。この目的のために、少なくとも2つの接続された導電性接点が、例えば、治療ヘッド上に設けられ、導電性接点は各々、挿入位置で導通テスタと電気接触する。2つの導電性接点間の可能な電流の流れに基づいて、前記導通テスタは、ここで、治療ヘッドが挿入位置に正しく据え付けられているかどうかを判断することができる。この場合も、導通試験が陰性である限り、治療デバイスの偶発的な作動は高電圧信号の生成につながらない。光バリア、磁気検出器、RFID検出器、及び同様のものも、正しい位置を測定するために使用することができる。
【0044】
一実施形態によると、電極装置は、ハウジング中に移動可能に据え付けられ、誘電体バリアプラズマが生成されている間に電極装置が移動させられるように、ハウジング中に配置されたモータに動作可能に接続されていることが提供される。電極装置の移動は、例えば、振動の形態の回転運動、回転振動運動、及び/又は並進運動、並びにそれらの組み合わせであり得る。並進運動は、例えば、往復運動であり得、その往復運動では、回転振動運動と同様に、並進運動の運動方向が、周期的に変化する。特に、運動方向の変化は、反対の運動方向であり得る。
【0045】
誘電体バリアプラズマ治療に加えて、移動はまた、血液循環を刺激するマッサージを引き起こすことができ、必要である場合には、皮膚表面に適用される治療剤をマッサージですり込むことができる。
【0046】
好ましい実施形態によると、電気エネルギーを高電圧段に供給するように構成された電気エネルギー貯蔵部が、ハウジング中に設けられていることが提供される。電気エネルギー貯蔵部は、バッテリであり得る。しかしながら、電気エネルギー貯蔵部はまた、再充電可能バッテリの形態で再充電可能であり得る。これは、プラズマ治療デバイスをある特定の時間期間にわたって外部エネルギー源なしに自律的に動作させることを可能にし、それによって、手動で動作させられる治療デバイス中のそのような移動式エネルギー貯蔵部の助けを借りて、対応する誘電体バリアプラズマ放電を、電極装置の移動(特に回転運動又は回転振動運動)と共に、ある特定の時間期間にわたって動作させることもできると判断された。
【0047】
代替として又は追加として、高電圧段が外部エネルギー源に接続されるか又は接続することができることを提供することができる。これは、外部エネルギー源によって治療デバイス中のエネルギー貯蔵部を充電することを可能にする。しかしながら、外部エネルギー源が高電圧段に電気エネルギーを直接供給するように構成され、そのため、移動式エネルギー貯蔵部がデバイス中に展開される必要がないことも考えられる。
【0048】
一実施形態によると、誘電体の治療面は、1つ以上のガス空間を形成するために隆起部と隆起部間の窪みとを有するスペーサを有することが提供される。そのようなスペーサは、複数の突起又は格子壁の助けを借りて形成することができ、それらの突起又は格子壁間には、プラズマを生成するために必要とされるガス空間を形成する窪みがある。
【0049】
請求項14は、上記で説明したようなプラズマ治療デバイスで使用されるときの誘電体バリアプラズマ放電用の治療ヘッドを特許請求し、治療ヘッドは、少なくとも1つの電極と、治療されるべき皮膚表面に対して少なくとも1つの電極を完全に覆う誘電体とを有する電極装置を備え、誘電体は、治療面を有し、治療ヘッドから治療されるべき皮膚表面に向かって、治療面を備える表面セクションで突出し、ポリウレタンベースのゲル状材料から形成される。
【0050】
本発明は、添付の図によってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明の一実施形態によるプラズマ治療デバイスの断面図である。
図2図1からのプラズマ治療デバイスの治療ヘッドを通る断面図である。
図3】外部エネルギー源を伴う更なる実施形態におけるプラズマ治療デバイスである。
図4】導通テスタを有する更なる実施形態におけるプラズマ治療デバイスの断面図である。
図5】2つの代替の実施形態における図4からのプラズマ治療デバイスの治療ヘッドを通る断面図である。
図6図5からの2つの代替の実施形態の電極装置を通る断面図である。
図7】更なる実施形態における治療ヘッドの図である。
図8】運動方向が周期的に変化する並進運動を伴う実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1では、上側の図a)は、横断面を示し、下側の図b)は、断面図としての上面図を示す。ハウジング11と治療ヘッド12とを有するプラズマ治療デバイス10を認識することができる。図1からの実施形態の例では、ハウジング11は、上部ハウジング部11a及び下部ハウジング部11bを有し、治療ヘッド12は、下部ハウジング部11b中でハウジング11中に挿入されている。作動ボタン13もまた、治療デバイス10を作動及び/又は作動停止させるために下部ハウジング部11b中に配置される。
【0053】
制御デバイス14が、ハウジング11中に収容され、制御デバイス14は、高電圧段15に動作可能に接続される。変圧器の形態の高電圧段15は、プラズマを生成するために高電圧信号を生成するように構成される。作動ボタン13を作動させることは、制御デバイス14が作動させ、制御デバイス14は、高電圧段15の助けを借りて、誘電体バリアプラズマを生成するための高電圧信号の生成をトリガする。更に、別の作動ボタンが設けられ得、別の作動ボタンを用いて、電極装置の移動をプラズマとは無関係に開始することができる。
【0054】
制御デバイス14は、再充電可能バッテリの形態の電気エネルギー源16に接続され、電気エネルギー源16は、制御デバイス14を動作させ、高電圧信号を生成するために必要とされる電気エネルギーを提供する。再充電可能バッテリは、再充電可能バッテリを充電するために、ハウジングの外側のインタフェースと共に引き出すことができる。しかしながら、再充電可能バッテリが誘導充電デバイスの助けを借りて誘導的に充電されることも考えられる。
【0055】
図1の実施形態の例では、以下の図に詳細に説明する治療ヘッド12は、挿入位置にあり、電極装置の誘電体18が配置される平坦なキャリア17も備える。誘電体18は、例えば、接着によって、取り外し不可能な仕方でキャリア17の誘電体支持体17aに取り付けることができる。
【0056】
電極19は、誘電体18中に埋め込まれ、この電極は、誘電体18と電極装置を形成し、接続ボルト20によって誘電体18から引き出され、支持体17を貫通して遠くハウジング11中に突出している。キャリア17の後部から離れて突出する延長部は、電気絶縁カバー21を形成し、電気絶縁カバー21は、特に取り外し可能な仕方で、ハウジング11に電極装置又は治療ヘッド12を締結するための接続装置35の一部である。
【0057】
電極装置の誘電体18は、電気絶縁性のゲル状ポリウレタンベースの材料製であり、治療面18aを有し、治療面18aは、治療されるべき皮膚表面上に配置される。治療面18aは、誘電体バリアプラズマの形成のためにガス空間37が形成されるように、窪みを含む、好ましくは誘電体中に成形されたスペーサ36(図7)を有することができる。そのようなスペーサは、複数の突起又は格子構造から形成することができる。
【0058】
図2がより詳細に説明する接続装置35によって、治療ヘッド12の電極19は、電極装置又は治療ヘッド12がハウジング11中の挿入位置に据え付けられたときに高電圧段15と電気的に接触させられ、そのため、高電圧段15によって生成された高電圧信号を、誘電体バリアプラズマを生成するために電極19に伝えることができる。
【0059】
治療ヘッド12がハウジング11中に挿入されていないときに作動ボタン13を作動させるときの偶発的なスパークオーバ又は短絡のリスクを回避するために、位置センサ22a、22bが設けられ、位置センサ22a、22bは、電線23を介して制御デバイス14に接続される。測位センサ22の助けを借りて治療ヘッド12の正しい挿入が検出された場合、それぞれの線23の回路が閉じられ、それに応じて制御デバイス14に電気エネルギーを供給させる。
【0060】
治療ヘッド12は、回転軸を中心として回転することができるように、ハウジング11中に回転可能に据え付けられている。回転軸は、接続ボルト20に対して軸方向又は同軸となるように設計される。更に、モータ30が、デバイス10中に設けられ、前記モータは、シャフト31を介して治療ヘッド12を回転又は回転振動する仕方で駆動する。この目的のために、例えば、スプロケットを電気絶縁カバー21の円周上に設けることができ、スプロケットは、シャフト31の対応する歯車に係合し、このことから、治療ヘッド12を回転又は回転振動する仕方で駆動する。
【0061】
図2の左側は、治療ヘッド12が挿入位置にある状態の断面図B-B(図1を参照)であり、右側は、治療ヘッド12が解放された非挿入位置にある状態の断面図である。ハウジング11中に収容された接続装置35は、電極19の接続ボルト20の電気絶縁カバー21を形成するキャリア17の延長部を正確に挿入することができるガイドチャネル24を有する。電気絶縁カバー21は、接触面25が電気絶縁カバー21内にあるように、電極19とは反対の端部において接続ボルト20よりも長くなるように設計される。
【0062】
接続装置35はまた、ハウジング11上又は中に設けられたばね接点26を有し、ばね接点26は、治療ヘッド12がハウジング中の挿入位置に据え付けられたときに接続ボルト20の接触面25に電気的に接触するための対接点として機能する(左側の図)。逆に、非挿入位置では(右側の図)、ばね接点26と接触面25との間に電気接続はない。電気絶縁カバー21は、接続ボルト20の接触面25の端部を越えて突出しているので、ばね接点26との電気接触は、電気絶縁カバー21の内側で生じる。
【0063】
ばね接点26は、接触のために回路基板27上に配置することができ、回路基板27は、高電圧段15及び/又は制御デバイス14をばね接点26に電気接続するための電気接触手段を有する。
【0064】
接続装置35は、図2の実施形態の例では、合計で2つのばね負荷式タペット28を有するスナップイン接続を形成する。タペット28は、電気絶縁カバー21の方向に半径方向のばね力を印加することができるように据え付けられる。電気絶縁カバー21に面するタペット28の端部には、スナップインセクション29としての湾曲面があり、スナップインセクション29は、治療ヘッド12、このことから、電極装置が挿入されると、電気絶縁カバー21中の(スナップイン)窪みに係合するか又はスナップインし、それによって、治療ヘッド12を挿入位置に保持する。電気絶縁カバー21中の窪みは、好ましくは、治療ヘッド12が回転可能に据え付けられるように円周状であり、回転軸は、接続ボルト20内にある。ばね接点26は、治療ヘッド12、従って、電極装置が回転軸を中心として回転するときであっても、電極19の一定の接触を保証する。
【0065】
挿入位置では、タペット28は、リセットされ、それによって、それぞれの側の位置センサ22を作動させ、それによって、位置センサ22は、図1からの回路を閉じ、このことから、デバイス中の電子機器を作動動作状態に設定する。
【0066】
図2の右側に示すように、電極装置が挿入位置からハウジング11から治療ヘッド12と共に取り除かれる場合、タペット28は、ばね負荷式の据え付けによってガイドチャネル24中に端部停止部まで押し込まれ、この位置では、位置センサ22は、作動させられず、回路は、従って、開いており、それによって、デバイス中の電子機器は、作動停止動作状態に設定される。NCセンサ(NC=常時閉)に加えて、NOセンサ(NO=常時開)も、及び位置センサ22として押しボタン又は光バリアも使用することができることは、必然的に専門家の手の届く範囲内である。
【0067】
図3は、プラズマ治療デバイス10が外部エネルギー源32に接続され、そのため、再充電可能バッテリ又はハウジングの内側のバッテリが不要になる実施形態の例を示す。デバイスは、ケーブルを介して外部電源32から供給される。
【0068】
図4、5、及び6は、位置スイッチ22a、22bの代替として又はそれに加えて、導通テスタ33a、33bが(図1及び2からの)位置センサ22として設けられる実施形態の例を図示し、それらは、治療ヘッド12が挿入位置に移動させられると導電性リング34に接触する。導通テスタ33a、33bは、次いで、それらが治療ヘッド12の導電性リング34と電気接触していることを検出することができ、それによって、挿入位置における治療ヘッド12の正しい嵌合が想定される。前記位置センサ22は、制御デバイス14を作動動作状態又は作動停止動作状態に設定するために、制御デバイス14の電線に接続することができる。
【0069】
2つの実施形態を図5及び6に示す。左側には、以前に説明したように、キャリア17と、キャリア17上に配置された誘電体18とを備える治療ヘッド12を図示している。図5及び6の右側の図は、キャリア17を必要としない誘電体18を示し、それにおいて、誘電体18は、高さが厚くなっている。誘電体18から突出する接続ボルト20は、別個の電気絶縁カバー21によって取り囲まれ、前記電気絶縁カバー21は、誘電体18中に突出する。キャリア17を有するこの設計はまた、導通テスタなしでも根本的に考えられる。
【0070】
導電性リング34は、キャリア17の後部(左側)又は誘電体18の後部(右側)に位置し、前記リングは、挿入位置でそれぞれの導通テスタ33a、33bと接触させられる。
【0071】
電気絶縁性のゲル状材料製の誘電体18は、単一部品として設計し、電極を一体的に埋め込むことができる。しかしながら、誘電体18が2つ以上の接続された層から形成され、(治療面を形成する)皮膚側の層が他の層と比較してより薄く、また軟質且つ弾性であることも考えられる。
【0072】
図7は、誘電体の治療面18aがスペーサ36を備え、その間に1つ以上のガス空間37が形成され、その中に生成されたプラズマが広がることができる実施形態を図示する。図7のスペーサ36は、誘電体18中に形成された突起であり、前記突起は、好ましくは、ゲル状材料から単一部品として形成されている。スペーサ36もまた、従って、ゲル状材料、好ましくは、誘電体18と同じ材料製である。
【0073】
左側a)の上面図は、治療ヘッド12が交互の回転方向で振動する仕方で駆動されることを示す。一方向への回転角度は、1回の完全なターン未満、好ましくは、完全なターンの半分未満、特に好ましくは、完全なターンの四分の一未満に制限される。
【0074】
図8は、電極又は治療ヘッドが、並進的な仕方で移動することができるようにハウジング11中に配置される実施形態を示す。この目的のために、プラズマ治療デバイスは、モータ(ここでは隠れているので図示せず)を有し、その駆動シャフト38は、端面に偏心ボルト38aを備え、偏心ボルト38aは、接続ボルト20と重なるスリーブ44の長穴43中に形状嵌めの仕方で係合する。スリーブ44は、実施形態の例ではキャリア17を介して誘電体18に接続され、ハウジング中で並進的な仕方で(接続ボルト20に対して軸方向に)移動することができ、そのため、スリーブ44の長穴43と相互作用する偏心ボルト38aに起因するモータの駆動シャフト38の回転は、モータの回転運動をスリーブ44の、このことから電極装置の並進的な往復運動(ストローク運動)に変換する。治療ヘッド12の左側の矢印によって示す並進運動は、モータの駆動シャフト38の回転運動と相関して、その並進運動方向を周期的に変化させ、それによって、並進運動はまた、モータの回転速度に依存する振動として知覚することができる。
【0075】
この場合、スリーブ44は、図8の実施形態の例では、電極装置又は治療ヘッド12を内部に挿入することができるマウントを内側に形成するように設計される。ここで、以前に説明した接続手段、特にスナップイン接続などの取り外し可能な接続手段を利用して、プラズマ治療デバイス上への治療ヘッド又は電極装置の正確な挿入を可能にすることができる。しかしながら、電極装置(特に接続ボルトを有する誘電体)がスリーブ44にしっかりと接続され、取り外すことができないことも考えられる。
【0076】
スリーブ44に対して、治療ヘッド12又は電極装置は、このことから、スリーブ44の並進運動を電極装置に、及びことによると治療ヘッド12に伝えることができるように固定される。
【0077】
図8の実施形態の例では、接続ボルト20は、挿入位置でスリーブ44の内部空洞中に据え付けられ、接続ボルト20は、その上部エリア中で、高電圧段への電気接続を目的としてハウジング中に設けられた対接点40と接触させられる。接続ボルト20のエリアでは、キャリア17はまた、スリーブ44の内部空洞中にある特定のセクションで突出し、スリーブ44の内壁と形状嵌め及び/又は圧入嵌めを形成する。クランプばね40によって形成される対接点は、スリーブ44にしっかりと接続され得る。
【0078】
特に、周期的に変化する運動方向を有する並進運動は、接続ボルト20に対して軸方向である。
【0079】
[参照リスト]
10 プラズマ治療デバイス
11 ハウジング
11a 上部ハウジング部
11b 下部ハウジング部
12 治療ヘッド
13 作動ヘッド
14 制御デバイス
15 高電圧段
16 内部電気エネルギー源
17 キャリア
17a 誘電体支持体
18 誘電体
18a 治療面
19 電極
20 接続ボルト
21 電気絶縁カバー
22 位置センサ
22a 第1の位置スイッチ
22b 第2の位置スイッチ
23 線
24 ガイドチャネル
25 接触面
26 ばね接点
27 回路基板
28 タペット
29 スナップインセクション
30 モータ
31 モータシャフト
32 外部エネルギー源
33 導通テスタ
34 導電性リング
35 接続装置
36 スペーサ
37 ガス空間
38 駆動シャフト
38a 駆動シャフトの偏心ボルト
39 凹部
40 対接点としてのクランプばね
43 長穴
44 スリーブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイス(10)であって、
(a)グリップを有するハウジング(11)と、
(b)前記ハウジング(11)上に配置された治療ヘッド(12)と、
(c)前記治療ヘッド(12)上に設けられた電極装置であって、少なくとも1つの電極(19)と、治療されるべき前記皮膚表面に対して前記少なくとも1つの電極(19)を完全に覆う誘電体(18)とが設けられた電極装置と、ここで、前記誘電体は、治療面(18a)を有し、前記治療ヘッド(12)から治療されるべき前記皮膚表面に向かって、前記治療面(18a)を備える表面セクションで突出し、
(d)前記誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するために前記ハウジング(11)中に配置された高電圧段(15)と、ここにおいて、前記高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置(35)によって前記電極装置の前記少なくとも1つの電極(19)と電気接触しているか、又は電気接触させることができ、
を備える、プラズマ治療デバイス(10)において、
前記電極装置の前記誘電体(18)は、ヒドロゲルではないポリウレタンゲルから少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、プラズマ治療デバイス(10)。
【請求項2】
前記ポリウレタンゲルは、少なくとも前記治療面(18a)上でスキン層によって覆われていることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項3】
(a)前記ポリウレタンゲルは、少なくとも1つのポリオールの、少なくとも1つのイソシアネートとの反応から作り出され、
(b)前記ポリウレタンゲルの固定化分散相は、前記少なくとも1つのポリオールによって形成される
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項4】
前記ポリウレタンゲルの水含有量は、5重量%未満である
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項5】
前記誘電体(18)は、誘電体支持体(17a)の平坦なキャリア(17)上で前記治療ヘッド(12)中に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項6】
前記電極装置は、前記ハウジング(11)上に取り外し可能に配置され、前記接続装置(35)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記少なくとも1つの電極(19)を前記高電圧段(15)に接続することを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電極(19)は、前記治療面(18a)とは反対の前記治療ヘッド(12)の後側に電気接続ボルト(20)を有する前記誘電体(18)から引き出され、電気絶縁カバー(21)によって取り囲まれており、前記電気接続ボルト(20)は、前記電極装置が前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに、電気接触のために前記ハウジング(11)中に設けられた対接点と係合する接触面(25)を有することを特徴とする、請求項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項8】
前記電気絶縁カバー(21)は、前記電気接続ボルト(20)の前記接触面(25)を超えて突出し、そのため、前記対接点との前記電気接触は、前記電極装置が前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記電気絶縁カバー(21)の内側で生じるか、又は前記電気接続ボルト(20)の前記接触面(25)は、前記電気絶縁カバー(21)を超えて突出し、そのため、前記対接点との前記電気接触は、前記電極装置が前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記ハウジング中のマウント中の前記電気絶縁カバー(21)の外側で生じることを特徴とする、請求項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項9】
少なくとも1つのばね負荷式タペット(28)が、前記ハウジング(11)中の前記電気絶縁カバー(21)に対して半径方向に配置され、前記少なくとも1つのばね負荷式タペットは、前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に前記電極装置を取り外し可能に据え付けることを目的として前記電気絶縁カバー(21)中の凹部中でスナップインセクション(29)を介して相互作用することを特徴とする、請求項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項10】
前記プラズマ治療デバイス(10)は、前記ハウジング(11)中の前記治療ヘッド(12)の前記挿入位置を検出するように設計された少なくとも1つの位置センサ(22)を有し、前記高電圧段(15)は、前記挿入位置が前記少なくとも1つの位置センサ(22)によって検出されない限りオフに切り替えられることを特徴とする、請求項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項11】
前記治療ヘッド(12)は、前記ハウジング(11)中に移動可能に据え付けられ、前記誘電体バリアプラズマが生成されている間に前記電極装置が移動させられるように、前記ハウジング(11)中に配置されたモータ(30)に動作可能に接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項12】
電気エネルギーを前記高電圧段(15)に供給するように構成された電気エネルギー貯蔵部が、前記ハウジング中に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項13】
前記高電圧段(15)は、外部エネルギー源(32)に接続されるか、又は接続することができることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項14】
前記誘電体(18)の前記治療面(18a)は、ガス空間を形成するために隆起部と隆起部間の窪みとを有するスペーサを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの電極(19)を有する前記電極装置は、前記誘電体バリアプラズマを生成するために、前記少なくとも1つの電極が対電極としての治療されるべき前記皮膚表面と相互作用するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
【請求項16】
誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイス(10)で使用るときの誘電体バリアプラズマ放電用の治療ヘッド(12)であって、
(a)前記プラズマ治療デバイス(10)は、
(i)グリップを有するハウジング(11)と、
(ii)プラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するために前記ハウジング(11)中に配置された高電圧段(15)とを備え、
(b)前記治療ヘッド(12)は、
(i)少なくとも1つの電極(19)と、
(ii)治療されるべき皮膚表面に対して前記少なくとも1つの電極(19)を完全に覆う誘電体(18)とを有する電極装置を備え、
(iii)前記誘電体(18)は、治療面(18a)を有し、前記治療ヘッド(12)から治療されるべき前記皮膚表面に向かって、前記治療面(18a)を備える表面セクションで突出し、
(iv)前記治療ヘッド(12)は、前記ハウジング(11)上に配置されるようにセットアップされ、
(c)前記高電圧段は、前記少なくとも1つの電極(19)と電気接触しているか、又は電気接触させることができる、治療ヘッド(12)において、
前記電極装置の前記誘電体(18)は、ヒドロゲルではないポリウレタンゲら少なくとも部分的に形成されている、治療ヘッド(12)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
[参照リスト]
10 プラズマ治療デバイス
11 ハウジング
11a 上部ハウジング部
11b 下部ハウジング部
12 治療ヘッド
13 作動ヘッド
14 制御デバイス
15 高電圧段
16 内部電気エネルギー源
17 キャリア
17a 誘電体支持体
18 誘電体
18a 治療面
19 電極
20 接続ボルト
21 電気絶縁カバー
22 位置センサ
22a 第1の位置スイッチ
22b 第2の位置スイッチ
23 線
24 ガイドチャネル
25 接触面
26 ばね接点
27 回路基板
28 タペット
29 スナップインセクション
30 モータ
31 モータシャフト
32 外部エネルギー源
33 導通テスタ
34 導電性リング
35 接続装置
36 スペーサ
37 ガス空間
38 駆動シャフト
38a 駆動シャフトの偏心ボルト
39 凹部
40 対接点としてのクランプばね
43 長穴
44 スリーブ
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 誘電体バリアプラズマを用いて生体細胞を含む皮膚表面を治療するためのプラズマ治療デバイス(10)であって、
-グリップを有するハウジング(11)と、
-前記ハウジング(11)上に配置された治療ヘッド(12)と、
-前記治療ヘッド(12)上に設けられた電極装置であって、少なくとも1つの電極(19)と、治療されるべき前記皮膚表面に対して前記少なくとも1つの電極(19)を完全に覆う誘電体(18)とが設けられた電極装置と、ここで、前記誘電体は、治療面(18a)を有し、前記治療ヘッド(12)から治療されるべき前記皮膚表面に向かって、前記治療面(18a)を備える表面セクションで突出し、
-前記誘電体バリアプラズマを生成するために必要とされる高電圧信号を生成するために前記ハウジング(11)中に配置された高電圧段(15)と、ここにおいて、前記高電圧段は、少なくとも1つの高電圧供給線を備える接続装置(35)によって前記電極装置の前記少なくとも1つの電極(19)と電気接触しているか、又は電気接触させることができ、
を備える、プラズマ治療デバイス(10)において、
前記電極装置の前記誘電体(18)は、ヒドロゲルではないポリウレタンゲルから少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、プラズマ治療デバイス(10)。
[2] 前記ポリウレタンゲルは、少なくとも前記治療面(18a)上でスキン層によって覆われていることを特徴とする、[1]に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[3] 前記誘電体(18)は、誘電体支持体(17a)の平坦なキャリア(17)上で前記治療ヘッド(12)中に配置されていることを特徴とする、[1]又は[2]に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[4] 前記電極装置は、前記ハウジング(11)上に取り外し可能に配置され、前記接続装置(35)は、前記電極装置が挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記少なくとも1つの電極(19)を前記高電圧段(15)に接続することを特徴とする、[1]~[3]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[5] 前記少なくとも1つの電極(19)は、前記治療面(18a)とは反対の前記治療ヘッド(12)の後側に電気接続ボルト(20)を有する前記誘電体(18)から引き出され、電気絶縁カバー(21)によって取り囲まれており、前記電気接続ボルト(20)は、前記電極装置が前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに、電気接触のために前記ハウジング(11)中に設けられた対接点と係合する接触面(25)を有することを特徴とする、[4]に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[6] 前記電気絶縁カバー(21)は、前記電気接続ボルト(20)の前記接触面(25)を超えて突出し、そのため、前記対接点との前記電気接触は、前記電極装置が前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記電気絶縁カバー(21)の内側で生じるか、又は前記電気接続ボルト(20)の前記接触面(25)は、前記電気絶縁カバー(21)を超えて突出し、そのため、前記対接点との前記電気接触は、前記電極装置が前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に据え付けられたときに前記ハウジング中のマウント中の前記電気絶縁カバー(21)の外側で生じることを特徴とする、[5]に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[7] 少なくとも1つのばね負荷式タペット(28)が、前記ハウジング(11)中の前記電気絶縁カバー(21)に対して半径方向に配置され、前記少なくとも1つのばね負荷式タペットは、前記挿入位置で前記ハウジング(11)上に前記電極装置を取り外し可能に据え付けることを目的として前記電気絶縁カバー(21)中の凹部中でスナップインセクション(29)を介して相互作用することを特徴とする、[5]又は[6]に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[8] 前記プラズマ治療デバイス(10)は、前記ハウジング(11)中の前記治療ヘッド(12)の前記挿入位置を検出するように設計された少なくとも1つの位置センサ(22)を有し、前記高電圧段(15)は、前記挿入位置が前記少なくとも1つの位置センサ(22)によって検出されない限りオフに切り替えられることを特徴とする、[4]~[7]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[9] 前記治療ヘッド(12)は、前記ハウジング(11)中に移動可能に据え付けられ、前記誘電体バリアプラズマが生成されている間に前記電極装置が移動させられるように、前記ハウジング(11)中に配置されたモータ(30)に動作可能に接続されていることを特徴とする、[1]~[8]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[10] 電気エネルギーを前記高電圧段(15)に供給するように構成された電気エネルギー貯蔵部が、前記ハウジング中に設けられていることを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[11] 前記高電圧段(15)は、外部エネルギー源(32)に接続されるか、又は接続することができることを特徴とする、[1]~[10]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[12] 前記誘電体(18)の前記治療面(18a)は、ガス空間を形成するために隆起部と隆起部間の窪みとを有するスペーサを有することを特徴とする、[1]~[11]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[13] 前記少なくとも1つの電極(19)を有する前記電極装置は、前記誘電体バリアプラズマを生成するために、前記少なくとも1つの電極が対電極としての治療されるべき前記皮膚表面と相互作用するように構成されていることを特徴とする、[1]~[12]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)。
[14] [1]~[13]のいずれか一項に記載のプラズマ治療デバイス(10)で使用されるときの誘電体バリアプラズマ放電用の治療ヘッド(12)であって、前記治療ヘッド(12)は、少なくとも1つの電極(19)と、治療されるべき皮膚表面に対して前記少なくとも1つの電極(19)を完全に覆う誘電体(18)とを有する電極装置を備え、前記誘電体(18)は、治療面(18a)を有し、前記治療ヘッド(12)から治療されるべき前記皮膚表面に向かって、前記治療面(18a)を備える表面セクションで突出し、ポリウレタンベースのゲル状材料から少なくとも部分的に形成されている、治療ヘッド(12)。
【国際調査報告】