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特表2024-540050改善されたエアバッグの吸引のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】改善されたエアバッグの吸引のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/26 20110101AFI20241024BHJP
【FI】
B60R21/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525199
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022048090
(87)【国際公開番号】W WO2023076517
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】17/453,178
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598122843
【氏名又は名称】オートリブ エー・エス・ピー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,ジェフリー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】コピエール,エフ. チャド
【テーマコード(参考)】
3D054
【Fターム(参考)】
3D054AA07
3D054FF13
3D054FF17
(57)【要約】
【解決手段】 周囲空気を吸引するためのエアバッグクッションアセンブリ(100)、並びに関連するアセンブリ、方法、及び構成要素。いくつかの実施形態は、ハウジングなどから展開するように構成され得るエアバッグクッション(124)を備える、吸引エアバッグクッションアセンブリ(100)を備え得る。アセンブリは、複数の吸引ポートを通してエアバッグクッション内に膨張ガスを送達するように構成された1つ以上の膨張導管(140)を更に備え得る。各膨張導管は、周囲空気をクッション内に吸引するための膨張ガスの効率を改善する様式で膨張ガスを方向転換させるための、導管あたり2列以上のポート及び/又は角度付けられた特徴部などの、吸引効率を改善するための特徴部を備え得る。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]であって、エアバッグクッション[124]と、前記エアバッグクッション[124]に流体結合された吸引ハウジング[120]であって、前記エアバッグクッション[124]の膨張中に前記エアバッグクッション[124]内への周囲空気の受容を可能にするように構成された吸引入口を備える、吸引ハウジング[120]と、インフレータ、及び前記インフレータと流体結合された膨張導管[140]を備える、膨張モジュール[130]と、を備え、前記膨張導管[140]が長軸を含み、前記膨張導管[140]が、複数の吸引ポート[142]を通して前記インフレータから前記エアバッグクッション[124]内に膨張ガスを送達するように構成されており、前記膨張導管[140]が、少なくとも2列の吸引ポート[142a、142b]を備えることを特徴とする、吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項2】
前記少なくとも2列の吸引ポート[142]のうちの第1の列の前記吸引ポート[142a]の各々が、前記膨張導管[140]の中心からオフセットされており、前記中心が、前記吸引入口の第1の吸引開口部に隣接する前記膨張導管[140]の第1の側に向かって、前記長軸に対して垂直に測定され、前記少なくとも2列の吸引ポート[142]のうちの第2の列の前記吸引ポート[142b]の各々が、前記第1の側の反対側にあり、かつ前記吸引入口の第2の吸引開口部に隣接する前記膨張導管[140]の第2の側に向かって、前記中心からオフセットされている、請求項1に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項3】
前記第1の列の前記吸引ポート[142a]の各々が、前記膨張導管[140]の前記第1の側に向かって角度付けられており、前記第2の列の前記吸引ポート[142b]の各々が、前記膨張導管[140]の前記第2の側に向かって角度付けられている、請求項2に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項4】
前記複数の吸引ポート[142]のうちの前記吸引ポート[142]の各々が、広がった遠位部分を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項5】
前記広がった遠位部分が、展開中に前記吸引入口を通る周囲空気の到来方向に少なくとも実質的に対応する垂直方向に向かって角度付けられている、角度付けられた表面[143]を備える、請求項4に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項6】
前記角度付けられた表面[143]が、前記垂直方向と少なくとも実質的に平行である、請求項5に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項7】
前記角度付けられた表面[143]が、前記吸引ポート[142]の各々の隣接する近位部分に対して約25度の角度を画定している、請求項4又は5に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項8】
前記インフレータと流体結合された複数の膨張導管[140]を更に備え、前記複数の膨張導管[140]のうちの各膨張導管[140]が、長軸を備え、前記複数の膨張導管[140]のうちの各膨張導管[140]が、複数の吸引ポート[142]を通して前記インフレータから前記エアバッグクッション[124]内に膨張ガスを送達するように構成されており、前記複数の膨張導管[140]のうちの各膨張導管[140]が、少なくとも2列の吸引ポート[142a、142b]を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項9】
少なくとも前記複数の吸引ポート[142]のサブセットが、多面ポート[140]であって、
展開中に前記吸引入口を通る前記周囲空気の到来方向に少なくとも実質的に対応する垂直方向から離れるように膨張ガスを方向付ける第1の部分と、
前記第1の部分に対して前記垂直方向に向かう方向に角度付けられた第2の部分と、を備える、多面ポート[140]を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項10】
吸引ポート[242a]の第1の列の各吸引ポート[242a]が、前記第1の列の前記吸引ポート[242a]の各々が第2の列の吸引ポート[242b]と隣接する前記膨張導管[240]の長軸に沿った場所に位置決めされるように、吸引ポート[242b]の前記第2の列の吸引ポート[242b]からオフセットされた吸引ポート[242a]を備える、請求項1~9のいずれかに記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[200]。
【請求項11】
少なくとも前記吸引ポート[142]のサブセットが、前記膨張ポート[142]の遠位部分において前記吸引ポート[142]を拡幅する広がり特徴部を少なくとも部分的に画定している、請求項1~のいずれか一項に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]請求項1~10のいずれか一項に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項12】
前記広がり特徴部が、周囲空気が前記アセンブリに進入する垂直方向と少なくとも実質的に平行である表面[143]を備える、請求項11に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項13】
前記吸引ポート[142]の各々が、垂直方向に少なくとも実質的に平行な方向に延在する角度付けられた表面[143]を備え、前記垂直方向が、前記複数の膨張導管[140]の各々の各長手方向軸を通って延在する平面に対して少なくとも実質的に垂直である、請求項1に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項14】
前記角度付けられた表面[143]の各々が、そのそれぞれの吸引ポート[142]の隣接する表面から約25度の角度で延在する、請求項13に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項15】
前記膨張ポート[142]の各々が、少なくとも部分的に、垂直方向に少なくとも実質的に平行な方向から約25度の角度で延在し、前記垂直方向が、前記複数の膨張導管[140]の各々の各長手方向軸を通って延在する平面に対して少なくとも実質的に垂直である、請求項13又は14に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
自律型車両などの車両技術における様々な改善は、エアバッグアセンブリの動作方法を変更する必要があり得る。例えば、いくつかの自律型車両、又は他のより新しい車両では、より大きいエアバッグが使用され得る。これは、例えば、エアバッグモジュールと車両乗員との間の距離が長いために必要になり得る。いくつかのシステムでは、複数の乗員に対する保護を提供するために、単一のクッションが使用され得ることが更に想到される。
【0002】
しかしながら、既存の吸引エアバッグアセンブリは、大きい、嵩張る、及び/又は複雑であるなどの多数の欠点を抱えており、多くの場合多数の異なる構成要素及び弁機構を必要とする。かかる既存のアセンブリは、多くの場合複雑であり、及び/又は組み立てが必要以上に困難であり、コストを更に追加する。
【0003】
更に、他の吸引システムが使用されてきたが、それらは、多くの場合あまり効率的ではなく、かつ改善することができる吸引率を有する。
【0004】
したがって、本発明者らは、前述の制限及び/又は先行技術の他の制限のうちの1つ以上を克服するシステム及び方法を提供することが望ましいであろうと判断した。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される発明概念は、例えば、各膨張導管上の複数列において吸引を発生させるための膨張ポートを提供すること、及び/又は効率を改善するために1つ以上の特徴部を有するポートを形成することによって、吸引効率を改善するアセンブリを提供することを可能にし得る。例えば、いくつかの実施形態は、ガスの速度を改善する、より低い圧力を発生させる、及び/又は吸引効率を改善するように設計された領域内に超音波プルームを方向付けるための広がり角及び/又はプラントル-マイヤー特徴部を有する膨張ポートを備え得る。
【0005】
いくつかの実施形態による、吸引エアバッグクッションアセンブリのより具体的な例では、アセンブリは、エアバッグクッションを備え得、エアバッグクッションを備えるハウジング及び/又はエアバッグパッケージの一部であり得る。吸引ハウジングは、エアバッグクッション及び/又はエアバッグクッションハウジングに流体結合され得る。吸引ハウジングは、エアバッグクッションの膨張中にエアバッグクッション内への周囲空気の受容を可能にするように構成された吸引入口を備え得る。アセンブリは、インフレータと、インフレータと流体結合された膨張導管と、備える、膨張モジュールを更に備え得る。膨張導管は、長軸を備え得、複数の吸引ポートを通してインフレータからエアバッグクッション内に膨張ガスを送達するように構成され得る。膨張導管のうちの1つ以上(いくつかの実施形態では、その各々)は、少なくとも2列の吸引ポートを備え得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、少なくとも2列の吸引ポートのうちの第1の列の吸引ポートの各々は、膨張導管の中心からオフセットされており、中心は、吸引入口の第1の吸気開口に隣接する膨張導管の第1の側に向かって、長軸に対して垂直に測定される。いくつかのかかる実施形態では、少なくとも2列の吸引ポートのうちの第2の列の吸引ポートの各々は、第1の側の反対側にあり、かつ吸引入口の第2の吸引開口部に隣接する膨張導管の第2の側に向かって、中心からオフセットされている。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の列の吸引ポートの各々は、膨張導管の第1の側に向かって角度付けられ得、及び/又は第2の列の吸引ポートの各々は、膨張導管の第2の側に向かって角度付けられ得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、複数の吸引ポートのうちの吸引ポートの各々は、広がった遠位部分を備え得る。いくつかのかかる実施形態では、広がった遠位部分は、展開中に吸引入口を通る周囲空気の到来方向に少なくとも実質的に対応する垂直方向に向かって角度付けられている、角度付けられた表面を備え得る。いくつかのかかる実施形態では、角度付けられた表面は、垂直方向と平行であり得るか、又は少なくとも実質的に平行であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、角度付けられた表面は、吸引ポートの各々の隣接する近位部分に対して約25度の角度を画定し得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、少なくとも2列の吸引ポートは、第1の列と、第2の列と、を備え得る。いくつかのかかる実施形態では、第1の列は、第1の列の吸引ポートの各々が第2の列の吸引ポートに隣接する膨張導管の長軸に沿った場所に位置決めされるように、第2の列の吸引ポートからオフセットされた、吸引ポートを備え得る。
【0011】
いくつかの実施形態は、インフレータと流体結合された複数の膨張導管を更に備え得、複数の膨張導管のうちの各膨張導管が、長軸を含み、複数の膨張導管のうちの各膨張導管が、複数の吸引ポートを通してインフレータからエアバッグクッション内に膨張ガスを送達するように構成されている。いくつかのかかる実施形態では、複数の膨張導管のうちの各膨張導管は、少なくとも2列の吸引ポートを備える。
【0012】
いくつかの実施形態による吸引エアバッグクッションアセンブリの別の例では、アセンブリは、エアバッグクッションと、膨張中にエアバッグクッション内への周囲空気の受容を可能にするように構成された吸引入口を備えるハウジングと、を備え得る。アセンブリは、インフレータから膨張ガスを送達するように構成された膨張導管を備える膨張モジュールを更に備え得、膨張導管は、インフレータの作動に応じて、吸引入口を通して周囲空気を引き込むように構成された複数の膨張ポートを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも複数の膨張ポートのサブセットは、多面ポートを備え得る。例えば、いくつかの実施形態では、多面ポートは、展開中に吸引入口を通る周囲空気の到来方向に少なくとも実質的に対応する垂直方向から離れるように膨張ガスを方向付ける第1の部分と、第1の部分に対して垂直方向に向かって角度付けられた方向に、第1の部分に対して角度付けられた第2の部分と、を備え得る。
【0013】
いくつかの実施形態は、少なくとも1つの弁フラップを備える弁アセンブリを更に備え得、弁アセンブリは、インフレータの作動に応じて少なくとも1つの弁フラップが開くように構成されており、弁アセンブリは、エアバッグクッションの膨張に従って空気及び膨張ガスが吸引入口を通って出ることを防止するために、エアバッグクッションの吸引に従って少なくとも1つの弁フラップが閉じるように更に構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、膨張導管は、膨張導管の第1の側に隣接する第1の列の膨張ポートと、第1の側の反対側の膨張導管の第2の側に隣接する第2の列の膨張ポートと、を備え得る。いくつかのかかる実施形態では、第1の列は、第1の列の吸引ポートの各々が第2の列の吸引ポートに隣接する膨張導管の長軸に沿った場所に位置決めされるように第2の列の吸引ポートからオフセットされた、及び/又は第2の列の吸引ポートと千鳥状に配置された、吸引ポートを備え得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2の部分は、膨張ポートの遠位部分において膨張ポートを拡幅する広がり特徴部を少なくとも部分的に画定し得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2の部分は、垂直方向と少なくとも実質的に平行であり得る。
【0017】
いくつかの実施形態による吸引エアバッグクッションアセンブリのなお別の例では、アセンブリは、エアバッグクッションと、エアバッグクッションの膨張中にエアバッグクッション内への周囲空気の受容を可能にするように構成された吸引入口と、を備え得る。アセンブリは、複数の膨張導管を更に備え得る。複数の膨張導管の各々は、第1の列の膨張ポートと、第2の列の膨張ポートと、備え得る。好ましくは、第1の列の膨張ポートの各々は、第2の列の膨張ポートに向かって角度付けられている、角度付けられた表面を備え、第2の列内の膨張ポートの各々は、第1の列内の膨張ポートに向かって角度付けられている、角度付けられた表面を備える。アセンブリは、吸引入口を通した周囲空気の受容を可能にするために開くように構成され、かつエアバッグクッションの膨張に従って閉じるように構成された少なくとも1つの弁を備える、弁アセンブリを更に備え得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、角度付けられた表面のうちの1つ以上(好ましくは各々)は、そのそれぞれの膨張ポートのサイズが拡大している。
【0019】
いくつかの実施形態では、角度付けられた表面の各々は、垂直方向に少なくとも実質的に平行であるそのそれぞれのポートの隣接する部分及び/又は近位部分に対してある方向に延在し、垂直方向は、複数の膨張導管の各々の各長手方向軸を通って延在する平面に対して少なくとも実質的に垂直である。いくつかのかかる実施形態では、角度付けられた表面の各々は、そのそれぞれの膨張ポートの隣接する表面から約25度の角度で延在し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、膨張ポートの各々は、少なくとも部分的に、垂直方向に少なくとも実質的に平行な方向から約25度の角度で延在し得、垂直方向は、複数の膨張導管の各々の各長手方向軸を通って延在する平面に対して少なくとも実質的に垂直である。
【0021】
一実施形態に関連して本明細書に開示される特徴、構造、工程、又は特性は、1つ以上の代替実施形態において任意の好適な方法で組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面を参照して、本開示の様々な実施形態を含む、本開示の非限定的かつ非網羅的な実施形態が説明される。
図1図1は、いくつかの実施形態による、吸引エアバッグ膨張アセンブリの斜視図である。
図2図2は、図1の吸引エアバッグ膨張アセンブリの断面図である。
図3図3は、吸引効率を改善するための吸引ポートの好ましい広がり角特徴部を例示する拡大断面図である。
図4図4は、他の実施形態による、吸引エアバッグ膨張アセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の様々な実施形態と一致する装置、システム、及び方法の詳細な説明を以下に提供する。いくつかの実施形態について説明するが、本開示は、開示される特定の実施形態のいずれかに限定されるものではなく、代わりに多数の代替形態、修正形態、及び均等物を包含することを理解されたい。加えて、本明細書に開示される実施形態の完全な理解を提供するために、以下の説明において多数の具体的な詳細が記載されているが、いくつかの実施形態は、これらの詳細の一部又は全てを伴わずに実施することができる。更に、明確にする目的で、本開示を不必要に不明瞭にすることを回避するために、関連技術分野において既知の特定の技術資料について詳細に説明していない。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「実質的に」は、示されるように機能する動作、特性、属性、状態、構造、項目、若しくは結果の完全若しくはほぼ完全な程度又は度合いを指す。例えば、「実質的に」円筒形又は「実質的に」垂直である物体は、物体/特徴が、同じ又はほぼ同じ機能をもたらすように、円筒形/垂直又はほぼ円筒形/垂直のいずれかであることを意味する。この用語によって提供される正確な許容される偏差の程度は、特定の文脈に依存し得る。「実質的に」の使用は、動作、特性、属性、状態、構造、項目、若しくは結果の完全な又はほぼ完全な欠如を指すために、負の含意で使用される場合に等しく適用可能である。例えば、底部を「実質的に含まない」構造は、底部を完全に欠いている、又はその効果が底部を完全に欠いていた場合と実質上同じであるように、底部をほぼ完全に欠いているかのいずれかである。
【0025】
同様に、本明細書で使用するとき、用語「約」は、所与の値が、範囲に関連付けられた機能を依然として達成しながら、端点の「わずか上」又は「わずか下」であり得ることを提供することによって、数値範囲の端点に柔軟性を提供するために使用される。
【0026】
装置、方法、及びシステムは、いくつかの場合では膨張ガスと一緒に、周囲空気を利用して、いくつかの実施形態では、複数の乗員のためのエアバッグクッション、自律型車両のためのエアバッグクッション、又は歩行者のエアバッグクッションなどの、より大きいエアバッグクッションを膨張させるように構成された吸引エアバッグクッションアセンブリに関して、本明細書に開示される。本明細書に開示される様々な実施形態は、例えば、かかるアセンブリの結合機構、構成要素、及び/又は機能を改善するための固有の特徴を提供し得る。
【0027】
本開示の実施形態は、図面を参照することによって最良に理解され得、同様の部分は、同様の数字によって指定され得る。開示される実施形態の構成要素は、本明細書の図面に概ね記載及び例示されるように、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、本開示の装置及び方法の実施形態の以下の詳細な説明は、特許請求されるように、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、単に本開示の可能な実施形態を表すものである。加えて、特に指定しない限り、方法の工程は、必ずしも、任意の特定の順序で実行される必要はなく、又は更には連続的に実行される必要はなく、また工程は1回のみ実行される必要もない。特定の好ましい実施形態及び実装形態に関する更なる詳細は、ここで添付図面を参照してより詳細に説明される。
【0028】
図1は、吸引エアバッグクッションアセンブリ100を描写する。吸引エアバッグクッションアセンブリ100は、エアバッグクッションパッケージ110を備え、エアバッグクッションパッケージは、そこから展開するように位置決め及び構成されたエアバッグクッション124を備える(図1に示さず。図2を参照されたい)。吸引エアバッグクッションアセンブリ100は、エアバッグクッションパッケージ110に結合された吸引ハウジング120を更に備える。吸引ハウジング120は、エアバッグクッションを受容するための、並びに/又はエアバッグクッションパッケージ110を結合及び/又は受容するための、開口側及び/又はその上側の開口部を備える。吸引エアバッグクッションアセンブリ100は、包装及び展開するための場所にエアバッグクッション124を保持するように、細長いレール113によって吸引ハウジング120に取り付けられ得る。この開口側の反対側で、吸引ハウジング120は、膨張中にエアバッグクッション内への周囲空気の受容を可能にするように構成された吸引入口を備える。
【0029】
描写された実施形態では、吸引入口は、吸引ハウジング120のこの側面に沿ってグリッドパターンで整列された複数の開口部を備え、開口部は、横断部材及び膨張導管140によって画定されている。しかしながら、代替的な実施形態では、吸引入口が、所望に応じて、単一の開口部を備え得る(いくつかのかかる実施形態では、吸引ハウジング120の下側全体が開き得る)こと、又は任意の他の好適な数の開口部を備え得ることが想到される。
【0030】
膨張モジュール130は、吸引ハウジング120に結合され得る。下でより詳細に説明するように、好ましい実施形態では、膨張モジュール130は、吸引ハウジング120に摺動可能に結合され得る。膨張モジュール130は、インフレータを備え、インフレータは、例えば、ディスクインフレータを備え得る。しかしながら、インフレータが管状インフレータ又は別の好適なインフレータなどの別のタイプのインフレータを代わりに備え得る、他の実施形態が想到される。
【0031】
吸引ハウジング120は、上で言及されるように、膨張中にエアバッグクッション124内への周囲空気の受容を可能にするように構成され得る吸引入口を備える、第1の側又は下側を備え得る。吸引ハウジング120は、エアバッグクッション124及び/又はエアバッグクッションパッケージ110をその中で受容するように構成された、第1の側の反対側の第2の側又は上側を更に備え得る。吸引ハウジング120の第3の側は、上側端部と及び下側端部との間に延在し、閉じられ得るか、又は少なくとも実質的に閉じられ得る。
【0032】
この開口側、又は他の実施形態では1つ以上の開口部は、膨張モジュール130によって閉じられるように、又は少なくとも実質的に閉じられるように構成され得る。より具体的には、膨張モジュール130は、吸引ハウジング120の開口側で受容するように、かつ膨張モジュール130と結合された時点で(描写された実施形態の場合では、モジュールに完全に滑り込むことを意味する)開口側/開口部を閉じるように構成され得る。
【0033】
膨張モジュール130は、インフレータと流体結合された、管などの複数の膨張導管140を更に備える。膨張管140の各々は、複数の膨張又は吸引ポート142(代替的には、膨張中にクッション124内に周囲空気を引き込むのを支援するので、吸引ポートと称される)と、膨張管140及び/又はポート142の各々は、インフレータから膨張ガスをエアバッグクッション124に送達するように構成されている。好ましくは、アセンブリ100は、膨張ガスが十分に高い速度で送達されて、膨張中に吸引入口を通して周囲空気をエアバッグクッション124内に引き込むように構成されている。代替の実施形態では、各ポート142は、膨張導管140のうちの1つ以上から延在し得るノズルなどに形成され得る。
【0034】
図1の描写された実施形態では、膨張/吸引ポート142は、対向する2列の各膨張導管140内に形成されている。したがって、ポート142aは、第1の列の一部であり、ポート142bは、第2の列の一部である。好ましくは、これらの2つの列は、各膨張導管140の中心に対して互いにオフセットされている。言い換えれば、各膨張導管140の長軸に対して垂直に中心を測定した場合、1つの列の各ポート142aは、好ましくは吸引入口の第1の吸引開口部に隣接する、膨張導管140の第1の側に向かって、中心からオフセットされており、吸引ポートの第2の列の各吸引ポート142bは、第1の側の反対側にあり、かつ好ましくは吸引入口の別の第2の吸引開口部に隣接する同じ膨張導管140の第2の側に向かって、中心からオフセットされている。下で考察され、図4の実施形態に描写されるように、いくつかの実施形態では、ポートはまた、又は代替的に、各導管の中心ではなく、互いに対して千鳥状に配置され得、及び/又はオフセットされた列で形成され得る。
【0035】
このようにして、ポート142を通して送達される噴流/膨張は、導管140の反対側の縁部のより近くに位置決めされ得、これは、より良好な吸引流を発生させることによって、より効率的な吸引システムを可能にし得る。理論に制限されるものではないが、これは、好ましくは、ガスの超音波プルームを管/導管140の縁部のより近くに配置することで、こうした高速ガスによって発生する低圧ゾーンを、周囲空気を引き込む場所又は空気をより高い体積でより効率的にクッション内に吸引する場所のより近くに位置決めすることによるものであると考えられる。これはまた、流れを発生させるために必要な膨張ガスの量と比較してより多くの周囲空気をクッション内に吸引するための負圧を改善し、それによって、好ましくはアセンブリの吸引率をより高くし得る。
【0036】
また、拡張ガスの流線が交差しないように、又は交差が少なくとも最小限であるように、ポート142が互いに十分に離間されることも好ましくなり得る。したがって、好ましくは、ポート142は、描写された実施形態の場合のように、吸引入口に割り当てられた領域内の各隣接するポートの間に最大量の空間を伴って離間される。
【0037】
図2に示されるように、アセンブリ100は、弁アセンブリ160を更に備え得る。弁アセンブリ160は、空気及び膨張ガスが弁アセンブリ160の弁フラップの下の吸引入口を通って出るのを防止するために、好ましくはインフレータの作動時に自動的に開くように構成され、更には、エアバッグクッションの膨張中に自動的に閉じるように構成された、1つ以上の弁を備え得る。いくつかの実施形態では、弁アセンブリ160の1つ以上の弁は、エアバッグクッションの膨張中の所定の段階で自動的に閉じるように構成され得る。
【0038】
描写された実施形態では、弁アセンブリ160は、第1の弁162a又は弁フラップと、第2の弁162b又は弁フラップと、を備える。弁162a及び162bは、吸引入口の少なくとも2つの別個の開口部を自動的に開閉するように構成された、バタフライフラップなどのフラップを備え得る。描写された実施形態を含むいくつかの実施形態では、これらのフラップは、吸引入口を画定する開口部の各々を開閉するように構成され得る。描写された実施形態では、弁162a及び162bの各々は、それぞれの弁のヒンジ付部分161などの中央部分において互いに枢動可能に結合された、2つのフラップを備える。したがって、図2に示されるように、弁162a及び162bは、それらのそれぞれのフラップをこの中央部分/ライン161において枢動させることによって、膨張中にフラップのそれぞれの開構成に枢動するように構成され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、弁アセンブリ160の弁フラップは、膨張中にフラップが撓むように十分に可撓性であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、これらのフラップは、付勢をそれらのそれぞれの閉構成に向かって維持するように十分に剛性であり得る。言い換えれば、弁及び/又は弁フラップは、(関連するエアバッグクッション内の部分的真空によって発生させる)開く力を必要とするように構成され得、そうでない場合は、それらのそれぞれの閉構成に向かって付勢される。弁フラップ自体は、いくつかの実施形態ではこの機能を実行するように構成され得、他の実施形態では、所望の開閉機能を容易にするために、ヒンジなどのかかる弁フラップの支持部材が提供され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、弁フラップは、(少なくともエアバッグクッション124の生地と比較して)比較的剛性の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、かかる弁フラップは、単にかかるフラップを吸引入口に隣接して堅固に結合することによって、所望の様式で動作させるように構成され得る。代替的に、フラップ162a/162bは、それらがそれぞれの閉位置に向かって付勢されるように、一端部においてヒンジ結合され得る。いくつかの実施形態は、部分的に又は完全に互いに重なるフラップを備え得る。
【0041】
弁アセンブリ160は、同様に、吸引ハウジング120と摺動可能に結合可能であり得る。したがって、図2に示されるように(開構成にあるフラップ162a/162bを示す)、例えば、弁アセンブリ160のフラップ162a/162bの枢軸点は、細長い突出部又はビード161を備え得、これは、吸引ハウジング120の下部分に沿って形成された対応する細長いスロット内で摺動可能に受容され得る。突出部/ビード161及びそれらの対応スロットは、好ましくは、弁アセンブリ160が吸引ハウジング120内のその適切な位置に保持されることを確実にするために、球根状の下部分及び狭くなったネック部分を備える。
【0042】
また、図2の断面図は、エアバッグクッション124の膨張中に開構成にある弁アセンブリ160のフラップ/弁162a及び162bを描写する。上で言及されるように、膨張ポート142を通して高速膨張ガスを方向付けることによって圧力差が発生し、その結果、好ましくは、(すなわち、更なる機械的要素又は他の力/作用を伴わずに)弁及び/又は弁アセンブリ160のフラップを自動的に開かせる。これは、エアバッグクッション124の膨張が周囲空気によって補われることを可能にし、周囲空気は、吸引入口の1つ以上の開口部を通ってエアバッグクッション124に進入し得る。好ましくは、膨張ポート142は、弁フラップ162a/162bを自動的に開かせることを可能にするための十分な圧力差を発生させるために使用され得る。次いで、この同じ圧力差は、周囲空気がエアバッグクッション124の膨張を支援することを可能にし得る。好ましくは、膨張ガスは、強制的な様式でエアバッグクッション124内に導入される。したがって、圧力差に加えて及び/又はその代わりに、ポート142を通して送達されるガス量の速度及び/又は割合は、周囲空気を膨張ガス内に同伴させ、したがって、この膨張ガスとともにエアバッグクッション124内に吸引させるのに十分であり得る。
【0043】
膨張中の所望の時点で、弁アセンブリ160の弁及び/又はフラップ162a/162bを自動的に閉じて、空気及び膨張ガスが漏出するのを防止するか、又は少なくとも、エアバッグクッション124から漏出し得る空気及び膨張ガスの量を低減する。ここでも、これは数多くの方法で達成され得るが、好ましくは、弁アセンブリ160の弁及び/又はフラップは、ヒンジをそれらの開構成に再位置決めし、その後にヒンジをそれらの閉構成に自動的に戻すために閾値量の力及び/又は圧力が必要とされるように、ヒンジによって、ヒンジの物理的構造及び取り付けの結合/枢軸点によって、又は別様に、それらのそれぞれの閉位置に付勢される。
【0044】
したがって、弁アセンブリ160の弁/フラップは、好ましくは、最初に閉構成で動作し、次いで、膨張中に自動的に開くように構成され、これは、例えば、インフレータからの膨張ガスによって、エアバッグクッション124内に部分的真空を発生させることによって生じ得る。膨張に続いて、システムは、再度自動的に閉じて、乗員の接触中にクッション内のガス(周囲空気及び膨張ガスの両方)を維持するように構成され得る。システムは、弁、導管、ポートなどの位置決め及び構成によって、これらの3つの段階(閉じる、膨張中に開く、膨張中に又はそれに続いて再度閉じる)を所望の時間に自動的に提供するように特に構成され得る。
【0045】
より具体的には、最初の展開に応じて、クッション124がカバーを突き破る前に(展開の「突破段階」)、クッション124内にかなりの圧力が達成され得る。この高い圧力により、吸引入口を遮断しなければ、ハウジングの後部からの漏出の可能性が非常に高くなる。吸引入口を遮断することができないことはまた、所望のクッション拘束も妨げ得る。突破段階に続いて、吸引入口を可能な限り迅速に開いて、周囲空気が膨張プロセスを支援することを可能にすることが好ましい。
【0046】
ここでも、弁フラップ162a/162bは、先に言及される圧力差の減少、反対側において生じる圧力差、及び/又は膨張ポート142を通して送達されている膨張ガスの停止に続いて、自動的に再度閉じるように構成され得る。先に言及されるように、いくつかの実施形態では、弁フラップ162a/162bは、この膨張段階を容易にするように、それらのそれぞれの閉位置に向かって付勢され得る。1つ以上のエアバッグクッション通気口(図示せず)が使用され得、所望の展開/拘束特性を提供するように調整され得る。
【0047】
描写された実施形態では、図2及び図3に示されるように、吸引ハウジング120は、エアバッグクッションパッケージ110に形成された対応する一対の細長いレール113を受容するように構成された一対の細長いチャネル123を備える。これは、いくつかの実施形態ではいかなる締結具も使用することなく、又は少なくとも実質的に締結具を使用することなく、エアバッグクッションパッケージ110、吸引ハウジング120、及び膨張モジュール130を互いに摺動可能に結合すること可能にし得る。
【0048】
これらの図にも示されるように、膨張モジュール130は、膨張導管140に対して垂直に延在する複数の支持部材によって画定されたフレームを更に備える。追加の支持部材は、導管140と平行に延在し得る。かかる平行支持部材148は、フレームの両側で導管140を境界し得る。図3に示されるように、一対の細長いグルーブ125は、吸引ハウジング120内に形成され得る。いくつかの実施形態では、支持部材148は、グルーブ125内で受容され得る突出部149を備え得る。
【0049】
図3はまた、膨張/吸引ポート142の好ましい構成も描写する。具体的には、ポート142a及び142bは、好ましくは、広がった遠位部分をもたらす複数の部品によって形成される。いくつかの更に好ましい実施形態では、広がった遠位部分は、プラントル-マイヤー特徴部を更に備え得る、広がり角特徴部を形成する角度付けられた表面を備える。言い換えれば、いくつかの実施形態では、第1の列の各ポート142aは、最初に、外向きにその膨張導管140の第1の側に向かって角度付けられ、第2の列のポート142bの各々は、膨張導管140の第2の反対側に向かって、反対方向に外向きに角度付けられている。
【0050】
この部分の(膨張ガスの視点から)遠位には、広がり角を画定する1つ以上の表面143が形成され、これらの表面は、ポート142を開き得/そのサイズを拡大し得、及び/又は好ましくは、ポート142の隣接する近位部分に対して反対方向に角度付けられ得る。図2及び図3の描写された実施形態を含むいくつかの実施形態では、各角度付けられた表面143は、展開中に吸引入口を通る周囲空気の到来方向に少なくとも実質的に対応する垂直方向(垂直とは、図2及び図3において上方向である)に向かって角度付けられ得る。描写された実施形態を含む好ましい実施形態では、角度付けられた表面143は、複数の膨張導管140の各々の各長手方向軸を通って延在する平面に対して少なくとも実質的に垂直な方向に更に延在し得る。
【0051】
更に好ましい実施形態では、ポート142a及び142bは、それらのそれぞれの近位部分において、垂直方向に対して約0度~約45度に角度付けられ得る(図3の角度α)。いくつかのかかる実施形態では、角度αは、約10度~約30度であり得る。いくつかのかかる実施形態では、角度αは、約25度であり得る。
【0052】
同様に、好ましい実施形態では、角度付けられた表面143は、そのそれぞれの吸引ポートの各々の隣接する近位部分に対して約5度~約35度の角度を画定する(図3の角度β)。いくつかのかかる実施形態では、角度βは、約25度であり得る。したがって、描写された実施形態では、角度α及びβは、同じであり得るか、又は少なくとも実質的に同じであり得るが、全ての想到される実施形態についてそのようにする必要はない。
【0053】
ここでも、理論に制限されるものではないが、この好ましいジオメトリは、プルームを近位の角度付けられた表部分(好ましい実施形態では、垂直から約25度)から垂直又はほぼ垂直に変化させることにより、プルームが、アセンブリ100のクッション124内に流れ込む吸引空気とより平行に流れることを可能にすることが考えられる。追加的に、プラントル-マイヤー角度表面の使用は、拡張扇の作成に有用であり得、実際には、角度付けられた表面の反対側のプルームの外部表面に沿ったガス速度を増加させる。プルームを最外表面ガス速度の増加とともに調整することは、例えば、吸引を発生させるために必要なインフレータガス質量流と比較してより大きい吸引質量流を可能にすることによって、より効率的な吸引を容易にし得る。
【0054】
図4は、代替的な実施形態による、吸引エアバッグクッションアセンブリ200を描写する。吸引エアバッグクッションアセンブリ200は、そこから展開するように位置決め及び構成されたエアバッグクッションを備えるエアバッグクッションパッケージ及び/又はハウジング(ハウジング及びクッションは、図4に示されず、図2に示されるものと同様であり得る)を備える。吸引エアバッグクッションアセンブリ200は、エアバッグクッションハウジングに結合された吸引ハウジング220を更に備える。吸引ハウジング220は、吸引ハウジング120と同様であり得、したがって、例えば、膨張中にエアバッグクッション内への周囲空気の受容を可能にするように構成された吸引入口を備え得る。
【0055】
同様に、膨張モジュール230は、吸引ハウジング220に結合され得る。膨張モジュール230は、膨張モジュール130のように、インフレータと流体結合された複数の膨張導管/管240を更に備え得る。ここでも、膨張管240の各々は、複数の膨張又は吸引ポート242を備え、膨張管240及び/又はポート242の各々は、インフレータからエアバッグクッション内に膨張ガスを送達するように構成されている。
【0056】
膨張/吸引ポート242は、ポート142のように、対向する2列の各膨張導管240内に形成されている。したがって、ポート242aは、第1の列の一部であり、ポート242bは、第2の列の一部である。同じく、ポート142のように、これらの2つの列は、各膨張導管240の中心に対して互いにオフセットされている。言い換えれば、各膨張導管240の長軸に対して垂直に中心を測定した場合、1つの列の各ポート242aは、好ましくは吸引入口の第1の吸引開口部に隣接する、膨張導管240の第1の側に向かって、中心からオフセットされており、吸引ポートの第2の列の各吸引ポート242bは、第1の側の反対側にあり、かつ好ましくは吸引入口の別の第2の吸引開口部に隣接する同じ膨張導管240の第2の側に向かって、中心からオフセットされている。
【0057】
しかしながら、ポート142とは異なり、第1の列のポート242aは、第1の列のポート242aの各々が、どちらの列も第2の列のポート242bと隣接する位置である膨張導管240の長軸に沿った場所に位置決めされるように、第2の列のポート242bから千鳥状に配置又はオフセットされている。アセンブリ200のこの千鳥状の特徴部は、いくつかの利益を有し得る。例えば、千鳥状に配置されたポートを有することは、アセンブリに対する増加された強度を提供し得、展開荷重強度を改善する。これはまた、対向する列の最も近いポート間の面積を増加させて、部品強度も増加させ得る。
【0058】
アセンブリ200のポートの他の特徴部及び/又は残部は、先に説明したもののいずれかと同一又は同様であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポート242は、少なくとも最初に垂直方向から外向きに離れて角度付けられ得る。いくつかのかかる実施形態では、ポートは、近位方向から遠位方向への領域において多面であり得、多セクションであり得、及び/又は広がり得る。例えば、プラントルマイヤー広がり角面などの角度付けられた表面は、膨張ガスを最初の外向きの方向から垂直又はほぼ垂直方向に方向付けて、展開中の隣接する周囲空気の吸引効率を改善し得る。
【0059】
前述の明細書は、様々な実施形態及び実装形態を参照して説明されている。しかしながら、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を行うことができることを理解するであろう。例えば、様々な動作工程、並びに動作工程を実行するための構成要素は、特定の用途に応じて、又はシステムの動作に関連付けられた任意の数の費用関数を考慮して、様々な方法で実装され得る。したがって、工程のうちの任意の1つ以上は、削除、修正、又は他の工程と組み合わせることができる。更に、本開示は、限定的な意味ではなく例示的なものと見なされるべきであり、そのような全ての修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。同様に、様々な実施形態に関して、利益、他の利点、及び問題に対する解決策が上で説明されてきた。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、及び任意の利益、利点、若しくは解決策を生じさせる、又はより顕著にさせることができる任意の要素は、重要な、必要な、若しくは必須の特徴又は要素として解釈されるべきではない。
【0060】
当業者は、本発明の基本原理から逸脱することなく、上で説明される実施形態の詳細に多くの変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]であって、エアバッグクッション[124]と、前記エアバッグクッション[124]に流体結合された吸引ハウジング[120]であって、前記エアバッグクッション[124]の膨張中に前記エアバッグクッション[124]内への周囲空気の受容を可能にするように構成された吸引入口を備える、吸引ハウジング[120]と、インフレータ、及び前記インフレータと流体結合された膨張導管[140]を備える、膨張モジュール[130]と、を備え、前記膨張導管[140]が長軸を含み、前記膨張導管[140]が、複数の吸引ポート[142]を通して前記インフレータから前記エアバッグクッション[124]内に膨張ガスを送達するように構成されており、前記膨張導管[140]が、少なくとも2列の吸引ポート[142a、142b]を備えることを特徴とする、吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項2】
前記少なくとも2列の吸引ポート[142]のうちの第1の列の前記吸引ポート[142a]の各々が、前記膨張導管[140]の中心からオフセットされており、前記中心が、前記吸引入口の第1の吸引開口部に隣接する前記膨張導管[140]の第1の側に向かって、前記長軸に対して垂直に測定され、前記少なくとも2列の吸引ポート[142]のうちの第2の列の前記吸引ポート[142b]の各々が、前記第1の側の反対側にあり、かつ前記吸引入口の第2の吸引開口部に隣接する前記膨張導管[140]の第2の側に向かって、前記中心からオフセットされている、請求項1に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項3】
前記第1の列の前記吸引ポート[142a]の各々が、前記膨張導管[140]の前記第1の側に向かって角度付けられており、前記第2の列の前記吸引ポート[142b]の各々が、前記膨張導管[140]の前記第2の側に向かって角度付けられている、請求項2に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項4】
前記複数の吸引ポート[142]のうちの前記吸引ポート[142]の各々が、広がった遠位部分を備える、請求項1に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項5】
前記広がった遠位部分が、展開中に前記吸引入口を通る周囲空気の到来方向に少なくとも実質的に対応する垂直方向に向かって角度付けられている、角度付けられた表面[143]を備える、請求項4に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項6】
前記角度付けられた表面[143]が、前記垂直方向と少なくとも実質的に平行である、請求項5に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項7】
前記角度付けられた表面[143]が、前記吸引ポート[142]の各々の隣接する近位部分に対して約25度の角度を画定している、請求項4に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項8】
前記インフレータと流体結合された複数の膨張導管[140]を更に備え、前記複数の膨張導管[140]のうちの各膨張導管[140]が、長軸を備え、前記複数の膨張導管[140]のうちの各膨張導管[140]が、複数の吸引ポート[142]を通して前記インフレータから前記エアバッグクッション[124]内に膨張ガスを送達するように構成されており、前記複数の膨張導管[140]のうちの各膨張導管[140]が、少なくとも2列の吸引ポート[142a、142b]を備える、請求項1に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項9】
少なくとも前記複数の吸引ポート[142]のサブセットが、多面ポート[140]であって、
展開中に前記吸引入口を通る前記周囲空気の到来方向に少なくとも実質的に対応する垂直方向から離れるように膨張ガスを方向付ける第1の部分と、
前記第1の部分に対して前記垂直方向に向かう方向に角度付けられた第2の部分と、を備える、多面ポート[140]を備える、請求項1に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項10】
吸引ポート[242a]の第1の列の各吸引ポート[242a]が、前記第1の列の前記吸引ポート[242a]の各々が第2の列の吸引ポート[242b]と隣接する前記膨張導管[240]の長軸に沿った場所に位置決めされるように、吸引ポート[242b]の前記第2の列の吸引ポート[242b]からオフセットされた吸引ポート[242a]を備える、請求項1に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[200]。
【請求項11】
少なくとも前記吸引ポート[142]のサブセットが、前記膨張ポート[142]の遠位部分において前記吸引ポート[142]を拡幅する広がり特徴部を少なくとも部分的に画定している、請求項1~10のいずれか一項に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項12】
前記広がり特徴部が、周囲空気が前記アセンブリに進入する垂直方向と少なくとも実質的に平行である表面[143]を備える、請求項11に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項13】
前記吸引ポート[142]の各々が、垂直方向に少なくとも実質的に平行な方向に延在する角度付けられた表面[143]を備え、前記垂直方向が、前記複数の膨張導管[140]の各々の各長手方向軸を通って延在する平面に対して少なくとも実質的に垂直である、請求項1に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項14】
前記角度付けられた表面[143]の各々が、そのそれぞれの吸引ポート[142]の隣接する表面から約25度の角度で延在する、請求項13に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ[100]。
【請求項15】
前記膨張ポート[142]の各々が、少なくとも部分的に、垂直方向に少なくとも実質的に平行な方向から約25度の角度で延在し、前記垂直方向が、前記複数の膨張導管[140]の各々の各長手方向軸を通って延在する平面に対して少なくとも実質的に垂直である、請求項13又は14に記載の吸引エアバッグクッションアセンブリ。
【国際調査報告】