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特表2024-540051タイヤ空気圧測定を提供する磁気式走行システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】タイヤ空気圧測定を提供する磁気式走行システム
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/02 20060101AFI20241024BHJP
   G01L 17/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G01M17/02
G01L17/00 301V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525200
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-27
(86)【国際出願番号】 US2022048532
(87)【国際公開番号】W WO2023076716
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/274,121
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522063723
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノイス,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】スタングラー,マイケル
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA12
2F055CC11
2F055EE11
2F055FF31
2F055FF43
2F055GG11
(57)【要約】
【解決手段】 タイヤの内圧を測定するためのシステムは、処理回路と、処理回路に結合されたメモリと、を含むことができる。メモリは、処理回路に動作を実施させるために、処理回路によって実行可能である命令を記憶することができる。これらの動作は、走行面上のタイヤの接地面の面積を判定することを含むことができる。これらの動作は、タイヤにかかる荷重を判定することを更に含むことができる。これらの動作は、タイヤにかかる荷重及び接地面の面積に基づいて、タイヤの内圧を判定することを更に含むことができる。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの内圧を測定するためのシステムであって、前記システムが、
処理回路と、
前記処理回路に結合されたメモリであって、前記処理回路に、
走行面上の前記タイヤの接地面の面積を判定する(1120)ことと、
前記タイヤにかかる荷重を判定する(1130)ことと、
前記タイヤにかかる前記荷重及び前記接地面の前記面積に基づいて、前記タイヤの前記内圧を判定する(1140)ことと、を含む動作を実施させるために、前記処理回路によって実行可能である命令を記憶している、メモリと、を備える、システム。
【請求項2】
上部に前記タイヤを受容するように構成された走行面を提供するハウジングであって、前記ハウジングが、内部に空洞を含み、前記空洞が、
前記処理回路、
前記メモリ、
トランシーバ、
前記走行面上の前記タイヤの前記接地面に関連する情報を測定するように構成された接触センサ、及び
前記タイヤが前記走行面上を移動するときに、前記タイヤにかかる前記荷重を測定するように構成された荷重センサ、のうちの少なくとも1つを含む、ハウジングを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記走行面を提供する非磁性層を更に備え、
前記接触センサが、
対向する第1の磁極と第2の磁極とを有する磁石であって、前記非磁性層が、前記走行面と前記磁石との間にあり、前記磁石が、前記第1の磁極が前記第2の磁極と前記非磁性層との間にあるように配置されている、磁石と、
前記磁石及び前記走行面上の前記タイヤから生じる磁場を検出するように構成された、前記磁石と関連付けられた磁気センサと、を含み、
前記タイヤの前記接地面の前記面積を判定することが、前記タイヤが前記走行面上を移動する間に取得された前記磁場の複数の測定値に基づいて、前記接地面の前記面積を判定することを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記磁気センサが、前記タイヤと前記走行面との間の接触点における前記タイヤのトレッド深さに関連するデータを測定する磁気センサの線形アレイを含み、前記データが、時間関数として記憶されることができる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記動作が、
前記タイヤが前記走行面と接触していた時間における前記タイヤの速度を判定する(1110)ことを更に含み、
前記タイヤの前記接地面の前記面積を判定することが、前記速度に基づいている、請求項2~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記タイヤを第1の位置において検出するように構成された第1のセンサと、
前記タイヤを第2の位置において検出するように構成された第2のセンサと、を更に備え、
前記速度を判定することが、
前記第1のセンサによる前記タイヤの検出と前記第2のセンサによる前記タイヤの検出との間の時間を判定することと、
前記時間と、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離とに基づいて、前記速度を判定することと、を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサが、前記タイヤが一方を転がった後、他方を転がるように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサが各々、
磁気センサ、
荷重センサ、又は
カメラのうちの1つを含む、請求項6~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記走行面が、半剛性層を含み、
前記空洞が、封止された空洞であり、
前記荷重センサが、前記タイヤが前記走行面上を移動するときの前記半剛性層のたわみに応答して、前記タイヤにかかる前記荷重に比例する較正応答を生成するように構成された圧力センサを含む、請求項2~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記走行面が、半剛性層を含み、
前記荷重センサが、前記タイヤが前記走行面上を移動するときに、前記タイヤにかかる前記荷重に比例する較正応答を生成するように構成されたロードセルを含む、請求項2~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記走行面が、半剛性層及び剛性層を含み、
前記荷重センサが、前記半剛性層と前記剛性層との間に位置付けられ、前記タイヤが前記走行面上を移動するときに、前記タイヤにかかる前記荷重に比例する較正応答を生成するように構成された圧縮可能な平行板コンデンサを含む、請求項2~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記走行面が、半剛性層を含み、
前記荷重センサが、前記半剛性層に結合され、前記タイヤが前記走行面上を移動するときに、前記タイヤにかかる前記荷重に比例する較正応答を生成するように構成されたひずみゲージを含む、請求項2~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記タイヤにかかる前記荷重を判定することが、前記タイヤにかかる前記荷重の表示を受信することを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理回路に通信可能に結合されたトランシーバを更に備え、
前記動作が、
前記トランシーバを介して、前記内圧の表示を、
前記タイヤと関連付けられた車両、及び
リモートデバイス、のうちの少なくとも1つに送信する(1150)ことを更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
タイヤの内圧を測定するためのシステムであって、前記システムが、
上部に前記タイヤを受容するように構成された走行面と、
前記走行面上の前記タイヤの接地面に関連する情報を測定するように構成された接触センサと、
前記タイヤが前記走行面上を移動するときに、前記タイヤにかかる荷重を測定するように構成された荷重センサと、
前記接触センサ及び前記荷重センサに通信可能に結合され、前記接地面に関連する前記情報及び前記タイヤにかかる前記荷重に基づいて、前記タイヤの前記内圧を判定するように構成された処理回路と、を備える、システム。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項を更に含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
タイヤの内圧を測定する方法であって、前記方法が、
走行面上の前記タイヤの接地面の面積を判定する(1120)ことと、
前記タイヤにかかる荷重を判定する(1130)ことと、
前記タイヤにかかる前記荷重及び前記接地面の前記面積に基づいて、前記タイヤの前記内圧を判定する(1140)ことと、を含む、方法。
【請求項18】
前記接地面の前記面積を判定することが、前記走行面を提供するハウジングの空洞内に位置付けられた磁気センサを介して、前記面積の表示を判定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記磁気センサを介して前記面積の前記表示を判定することが、
前記タイヤが前記走行面を横切って移動するときに、前記ハウジング内の磁石及び前記タイヤによって生成された磁場の変化に基づいて、前記走行面に接触する前記タイヤの面積を判定することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記接地面の前記面積を判定することが、
前記タイヤが前記走行面と接触している時間における前記タイヤの速度を判定する(1110)ことと、
前記速度及び前記磁場の前記変化に基づいて、前記接地面の長さを判定することと、
前記磁場の前記変化に基づいて、前記接地面の幅を判定することと、
前記長さ及び前記幅に基づいて、前記接地面の前記面積を判定することと、を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記速度を判定することが、
第1のセンサによる第1の位置における前記タイヤの検出と、第2のセンサによる第2の位置における前記タイヤの検出との間の時間を判定することと、
前記時間と、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離とに基づいて、前記速度を判定することと、を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記荷重を判定することが、前記荷重の表示を、
前記走行面を提供するハウジングの封止された空洞内に位置付けられた圧力センサ、
前記走行面の半剛性層の下に位置付けられたロードセル、
前記走行面の前記半剛性層と前記走行面の剛性層との間に位置付けられたコンデンサ、及び
前記走行面の前記半剛性層に結合されたひずみゲージ、のうちの少なくとも1つを介して判定することを含む、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記荷重を判定することが、前記荷重の表示を、
前記タイヤと関連付けられた車両、及び
リモートデバイス、のうちの少なくとも1つから受信することを含む、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記荷重及び前記面積に基づいて前記内圧を判定することが、前記荷重を前記面積で除算することを含む、請求項17~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記内圧の表示を、
前記タイヤと関連付けられた車両、及び
リモートデバイス、のうちの少なくとも1つに送信する(1150)ことを更に含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
処理回路によって実行可能である命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記処理回路に、
走行面上のタイヤの接地面の面積を判定する(1120)ことと、
前記タイヤにかかる荷重を判定する(1130)ことと、
前記タイヤにかかる前記荷重及び前記接地面の前記面積に基づいて、前記タイヤの内圧を判定する(1140)ことと、を含む動作を実施させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記動作が、請求項1~25のいずれか一項に記載の動作を更に含む、請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項28】
タイヤの内圧を判定するための分散型システムであって、前記分散型システムが、
複数の分散型処理回路と、
前記複数の分散型処理回路のうちの少なくとも1つの分散型処理回路に各々結合された1つ以上のメモリデバイスであって、前記複数の分散型処理回路に、
走行面上の前記タイヤの接地面の面積を判定する(1120)ことと、
前記タイヤにかかる荷重を判定する(1130)ことと、
前記タイヤにかかる前記荷重及び前記接地面の前記面積に基づいて、前記タイヤの前記内圧を判定する(1140)ことと、を含む動作を実施させるために、前記複数の分散型処理回路によって実行可能である命令を記憶している、1つ以上のメモリデバイスと、を備える、分散型システム。
【請求項29】
前記タイヤの前記接地面の前記面積を判定することが、前記タイヤの前記接地面の前記面積の表示を受信することを含み、
前記タイヤにかかる前記荷重を判定することが、前記タイヤにかかる前記荷重の表示を受信することを含む、請求項28に記載の分散型システム。
【請求項30】
前記内圧の表示を、
前記タイヤと関連付けられた車両、及び
リモートデバイス、のうちの少なくとも1つに送信する(1150)ことを更に含む、請求項28~29のいずれかに記載の分散型システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月1日に出願された米国仮特許出願第63/274,121号の優先権の利益を主張するものであり、その開示及び内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概してタイヤ空気圧を判定することに関し、特にタイヤ空気圧測定を提供する磁気式走行システム(「drive-over system、DOS」)に関する。
【背景技術】
【0003】
タイヤに充填されたガスの圧力をタイヤ空気圧と称することができる。いくつかの例では、タイヤ空気圧は、タイヤ空気圧ゲージを使用して手動で測定され得る。追加的又は代替的な例では、車両は、タイヤ空気圧を測定するためのオンボードタイヤ空気圧監視システム(tire-pressure monitoring system、「TPMS」)を含み得る。いくつかのTPMSは、タイヤ空気圧を間接的に測定する。例えば、アンチロックブレーキセンサは、1つのタイヤが他のタイヤよりも速く回転していることを検出することによって、1つのタイヤが他のタイヤよりもタイヤ空気圧が低いことを間接的に検出することができる。他のTPMSは、例えば、タイヤ内のタイヤ空気圧センサと通信することによって、タイヤ空気圧を直接測定する。このようなセンサは、タイヤ空気圧を自動的に監視するために使用され得、低圧が検出されたときに警告(例えば、警告灯)が運転者に提供され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不適切なタイヤ空気圧は、タイヤトレッド摩耗を加速させる可能性があり、これは、より頻繁なタイヤ交換及び/又は安全性の低下につながる可能性がある。いくつかの例では、空気圧が低いまま走行したタイヤは、破損点までタイヤを弱める熱を発生する可能性がある。追加的又は代替的な例では、急速に空気が抜けていくタイヤは、運転者に車両の制御を失わせる可能性がある。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、タイヤの内圧を測定するためのシステムが提供される。このシステムは、処理回路と、処理回路に結合されたメモリと、を含む。メモリは、処理回路に動作を実施させるために、処理回路によって実行可能である命令を記憶している。これらの動作は、走行面上のタイヤの接地面の面積を判定することを含む。これらの動作は、タイヤにかかる荷重を判定することを更に含む。これらの動作は、タイヤにかかる荷重及び接地面の面積に基づいて、タイヤの内圧を判定することを更に含む。
【0006】
他の実施形態によれば、タイヤの内圧を測定するためのシステムが提供される。このシステムは、走行面と、接触センサと、荷重センサと、処理回路と、を含む。走行面は、上部にタイヤを受容するように構成されている。接触センサは、走行面上のタイヤの接地面に関連する情報を測定するように構成されている。荷重センサは、タイヤが走行面上を移動するときに、タイヤにかかる荷重を測定するように構成されている。処理回路は、接触センサ及び荷重センサに通信可能に結合されており、接地面に関連する情報及びタイヤにかかる荷重に基づいて、タイヤの内圧を判定するように構成されている。
【0007】
他の実施形態によれば、タイヤの内圧を測定するための方法が提供される。本方法は、走行面上のタイヤの接地面の面積を判定することを含む。本方法は、タイヤにかかる荷重を判定することを更に含む。本方法は、タイヤにかかる荷重及び接地面の面積に基づいて、タイヤの内圧を判定することを更に含む。
【0008】
他の実施形態によれば、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読媒体は、処理回路によって実行可能である命令を記憶しており、処理回路に動作を実施させる。これらの動作は、走行面上のタイヤの接地面の面積を判定することを含む。これらの動作は、タイヤにかかる荷重を判定することを更に含む。これらの動作は、タイヤにかかる荷重及び接地面の面積に基づいて、タイヤの内圧を判定することを更に含む。
【0009】
他の実施形態によれば、タイヤの内圧を判定するための分散型システムが提供される。分散型システムは、複数の分散型処理回路と、複数の分散型処理回路のうちの少なくとも1つの分散型処理回路に各々結合された1つ以上のメモリデバイスと、を含む。1つ以上のメモリデバイスは、複数の分散型処理回路に動作を実施させるために、複数の分散型処理回路によって実行可能である命令を記憶している。これらの動作は、走行面上のタイヤの接地面の面積を判定することを含む。これらの動作は、タイヤにかかる荷重を判定することを更に含む。これらの動作は、タイヤにかかる荷重及び接地面の面積に基づいて、タイヤの内圧を判定することを更に含む。
【0010】
本発明の概念のいくつかの実施形態によれば、車両タイヤの監視を改善し、車の安全性を改善するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の更なる理解を提供するために含まれ、本出願に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の概念の特定の非限定的な実施形態を示す。
図1図1は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの空気圧測定を提供するための走行システムの一例を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、図1の走行システムのハウジングの一例を示す断面図である。
図3図3は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、図1の走行システムのハウジングの一例を示す拡大断面図である。
図4図4は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、磁石が垂直に取り付けられ、センサが磁石間の軸線に沿って位置付けられている、単一センサシステムの一例を示す断面図である。
図5A図5Aは、本発明の概念のいくつかの実施形態による、それぞれ別個のセンサアレイのための2つの空洞を有するハウジングの一例を示す上面図及び側面図である。
図5B図5Bは、本発明の概念のいくつかの実施形態による、それぞれ別個のセンサアレイのための2つの空洞を有するハウジングの一例を示す上面図及び側面図である。
図5C図5Cは、本発明の概念のいくつかの実施形態による、それぞれ別個のセンサアレイのための2つの空洞を有するハウジングの一例を示す上面図及び側面図である。
図6図6は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、各センサが2つの磁石の間のそれぞれの軸線に沿って位置付けられた状態で磁石が垂直に取り付けられている複数のセンサアレイシステムの一例を示す断面図である。
図7図7は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの接地面の面積を示すデータの例を示すヒートマップである。
図8図8は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの接地面の面積を示すデータの例を示すヒートマップである。
図9図9は、本発明概念のいくつかの実施形態による、センサの2つの線形アレイ(磁石を有する1つのアレイ及び磁石を有しない1つのアレイ)を含むシステムの一例を示す図である。
図10図10は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、ハウジングが、複数のセンサアレイのうちの1つに対して各々複数の空洞を有する一例を示すハウジングの側面図である。
図11図11は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの空気圧を判定するように構成されたコントローラの一例を示すブロック図である。
図12図12は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの空気圧を判定するための走行システムによって実施される動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本発明の概念の実施形態の例を示す添付の図面を参照して、本発明の概念を以下により詳細に説明する。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で実施され得、本明細書に記載される実施形態に制限されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。また、これらの実施形態は、相互に排他的ではないことに留意されたい。一実施形態からの構成要素は、別の実施形態において存在する/使用されると暗黙のうちに想定され得る。
【0013】
以下の説明は、開示される主題の様々な実施形態を提示する。これらの実施形態は、教示例として提示されており、開示された主題の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。例えば、説明される実施形態の特定の詳細は、説明される主題の範囲から逸脱することなく、修正、省略、又は拡張され得る。
【0014】
本明細書で説明される様々な実施形態は、タイヤにかかる荷重及び表面上のタイヤの接地面の面積に基づいて、タイヤの空気圧を測定するための手順を提供する。いくつかの例では、接地面とは、表面(例えば、路面)と実際に接触しているタイヤの一部分を指す。概念的には、タイヤ内圧(P)は、式P=L/Aを使用して、タイヤにかかる荷重(L)及びタイヤに関連する接地面の面積(A)に基づいて推定することができる。実際には、この関係は、他の変数(例えば、タイヤの材料剛性)を考慮するために経験的に測定することができる較正係数に基づいて調整される。
【0015】
いくつかの実施形態では、走行システム(「DOS」)は、タイヤにかかる荷重及び接地面の面積を測定するために使用される。DOSは、測定された荷重及び面積に基づいて、タイヤ空気圧を判定する処理回路を含むことができる。
【0016】
図1図3は、DOS100の上を走行するタイヤのタイヤ空気圧を判定できる、DOS100の一例を示している。DOS100は、スピードバンプと同様の形状(任意の好適な形状を使用することができるが)を有するハウジングを有することができ、このハウジングは、平坦領域に向かって上昇する第1のスロープと、平坦領域から下方に戻るように延在する第2のスロープと、を有する。金属板130は、走行面を提供するために平坦領域上に位置付けられ得る。
【0017】
この例では、ハウジングは、空洞250を含む。線形センサアレイは、空洞250内に位置付けられ、金属板130の長さまで延在している。線形センサアレイは、DOS100上を走行するタイヤによって引き起こされる磁場の変化を測定することができる磁石及び/又は磁気センサ(図4及び図6に示すような)を含むことができる。いくつかの例では、磁場の変化を使用して、接地面の面積を判定することができる。
【0018】
この例では、圧力センサ310が空洞250内に位置付けられている。圧力センサ310は、タイヤがDOS100を横切って移動するときにタイヤにかかる荷重の表示を出力することができる。いくつかの例では、圧力センサ310は、金属板130(半剛性層を含むことができる)のたわみによって引き起こされる、空洞250内の圧力の変化に応答して、荷重に比例する応答(例えば、電気信号)を生成する。この例では、空洞250は、圧力センサが効果的に動作することを可能にするために封止されている。しかしながら、他の実装形態では、空洞250は封止されていない場合がある。
【0019】
この例では、ロードセル320が空洞250内に位置付けられており、タイヤがDOS100を横切って移動するときにタイヤにかかる荷重を測定するように構成されている。
【0020】
この例では、ひずみゲージ360が空洞250内に位置付けられており、金属板130に結合されている。ひずみゲージ360は、金属板130のたわみを測定するように構成することができ、これを使用してタイヤにかかる荷重を判定することができる。
【0021】
追加的又は代替的な例では、コンデンサ(例えば、圧縮可能な平行板コンデンサ又はフレックスコンデンサ)が、金属板130とハウジングの剛性部分との間に含まれ、金属板130のたわみに基づいてタイヤにかかる荷重を測定することができる。追加的又は代替的な実施形態では、圧力センサ310、ロードセル320、ひずみゲージ360、コンデンサ、又は別の好適なロードセンサのサブセットのみがDOSに含まれる。追加的又は代替的な実施形態では、ハウジングは、各々が1つ以上の荷重センサ及び/又は接地面センサを含む複数の空洞を含み得る。他の実施形態では、DOSは、荷重センサを含まず、代わりに、タイヤと関連付けられた車両又はリモートデバイス(例えば、別個のスケール)からタイヤにかかる荷重の表示を受信する。
【0022】
図3は、空洞250内に位置付けられたコントローラ370を含むDOS100の一例を更に示している。コントローラ370(図10に更に示す)は、メモリ1004及びトランシーバ1006に通信可能に結合された処理回路1002を含むことができる。メモリ1004は、DOS100に動作を実施させるために、処理回路1002によって実行可能な命令を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの動作は、タイヤにかかる荷重及び走行面上のタイヤの接地面に基づいて、タイヤの内圧を判定することを含む。追加的又は代替的な実施形態では、トランシーバ1006は、荷重及び/又は面積の表示を受信することができる。追加的又は代替的な実施形態では、トランシーバ1006は、タイヤ空気圧の表示を送信することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、DOS内の1つ以上のセンサは、タイヤと関連付けられたデータを測定し、そのデータをリモートデバイス(例えば、クラウドベースのデバイス)に送信することができ、その後分析し、タイヤと関連付けられた車両のオペレータに報告する。
【0024】
タイヤがDOSの上を走行するときにタイヤの接地面を判定するための様々な実施形態が以下に説明される。
【0025】
本明細書に記載される本発明の概念のいくつかの実施形態は、走行面上のタイヤの接地面を判定するために使用される磁気センサシステムを提供し得る。いくつかの例では、磁気センサシステムは、タイヤのスチールベルトの外側にあるゴムの厚さを判定することができる。この厚さは、トレッドゴムと、溝の底部とスチールベルトとの間のゴムの薄層との両方を含み得、この厚さは、トレッド深さ(トレッド厚さとも称される)を判定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、磁気センサシステムの磁気センサは、センサアレイのスケーリング及び寸法制御を可能にするために、PCB上に取り付けることができる。
【0026】
このシステムは、電子機器、センサ、及び磁石を保護するハウジング(例えば、図5に関して以下でより詳細に考察されるようなハウジング501)内に封入され得、このハウジングは、車両が走行するための構造を提供し得、センサが、ハウジング内の磁石によって生成される誘導磁場に対するタイヤの応答を測定することを可能にする。
【0027】
本発明の概念のいくつかの実施形態は、センサが存在する平面に直交する平面内に整列された磁石(例えば、永久磁石又は電磁石)と結合されたときに、タイヤがアレイに直接隣接しているときに磁石に応答してスチールベルトに関連する磁場の測定を提供する磁気センサを提供し得る。同様に、図6に示されるように、アレイの長さに沿って磁場を測定するために、磁石のアレイを付随するセンサのアレイを用いることができる。図1図3に示されるように、非磁性層又は非磁性板とも称される非磁性材料(例えば、アルミニウム、Delrinなど)の板をセンサ及び磁石のアレイの上部に配設して、アレイ上を転がるタイヤからセンサ及び磁石を保護することができる。磁石(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)の極は、各々垂直に配向されており、(図4及び図6に示されるように)全ての北極Nが上を向き、全ての南極が下を向くか、又は全ての南極Sが上を向き、全ての北極Nが下を向く。
【0028】
磁石は、三角形、正方形、五角形、若しくは六角形、又は他の配置を含む、センサの周りに多数の方法で配置することができる。加えて、磁石は、磁石がセンサの真下(同じ垂直軸内)にあるように位置付けることができる。
【0029】
図4は、磁石407a及び407b(例えば、永久磁石又は電磁石)が垂直に取り付けられ、同じ極性が上向きである単一のセンサシステムを示している。図4に示されるように、全ての北極Nは、非磁性板403に向かって上を向き得るが、他の実施形態によれば、全ての南極Sは、非磁性板403に向かって上を向き得る。スチールベルト405aを有するタイヤ405は、トレッドブロック405bがセンサ401上にある状態で、タイヤ405がセンサの上を転がるときにセンサ401の上方に位置付けられる。非磁性板403は、センサ401(並びにフレーム421を有する磁石407a及び407b)をタイヤ405から保護/分離する。図4の断面図は、センサ401を通る垂直軸線431の両側に2つの磁石407a及び407bを示しているが、任意の数の磁石が、センサ401を通る垂直軸線431の周りに配置され得る。
【0030】
図4に示されるように、磁石407a及び407bは、非磁性フレーム421に埋め込まれ得る。図示されていないが、ホール効果センサ401も、非磁性フレーム421内に埋め込まれ得る。更に、磁石407a及び407bの上面は、システムの感度を高めるために、図示されるようにホール効果センサ401の下にあり得る。タイヤ405が、磁石407a及び407b並びにホール効果センサ401の反対側の非磁性板403上にあるとき、タイヤのスチールベルト405aは、磁石407a及び407bによって生成された磁場と相互作用し、ホール効果センサ401によって検出される磁場とのこれらの相互作用を使用して、トレッド深さ/厚さ405c及び/又は非磁性板403上のタイヤの接地面を判定することができる。
【0031】
図5は、非磁性板403が磁石507a、507b、507c、及び507dとタイヤ405との間にあるように、非磁性フレーム521内に取り付けられた磁石507a、507b、507c、及び507d(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)を有する複数のセンサアレイシステムを示している。図5では、複数のホール効果センサ401a、401b、及び401cが(非磁性フレーム521上に又はその中に埋め込まれて)提供されており、タイヤ405の幅にわたってタイヤトレッド深さ/厚さ405cの個別の測定が可能になる。図5では、各ホール効果センサは、図4の単一のホール効果センサに関して上で考察したように動作し得る。図5の断面図は、磁石及びセンサの全てを同じ垂直平面内に示しているが、磁石は、任意の好適な方法で配置され得る。図4に関して上で考察したように、磁石の上面は、システムの感度を高めるためにホール効果センサの下にあり得る。
【0032】
図6A図6Cは、それぞれ別個のセンサアレイのための2つの空洞605a及び605bを有するハウジング601を示している。2つの空洞605a~605bは、各々が磁気センサのアレイを含むように構成することができる。
【0033】
非磁性カバー板640(上で考察したように、上部板、板、非磁性層などとも称される)は、空洞605a~605bを覆って、その中の磁気センサを保護し、アレイの各センサからタイヤまでの距離を画定し得る。図6Aの上面図では、空洞605a~605bは、空洞605a~605bが非磁性カバー板640の下にあることを示すために破線でマークされている。非磁性カバー板640のための凹部を提供することによって、非磁性カバー板640の上面は、ハウジング601の隣接する表面と同一平面であり得る。
【0034】
センサ及び/又はセンサアレイ構造(例えば、図1図5のうちの1つ以上に関して上で考察したような)は、空洞605a~605b内に提供され得、非磁性カバー板640は、センサ/アレイの上に提供され得る。図4の断面図に関して上で考察したいくつかの実施形態によれば、センサ構造は、フレーム421、ホール効果センサ401、並びに磁石407a及び407bを含むように画定され得、この構造は、ハウジング601の空洞605a及び605bの各々に提供され得、非磁石カバー板640(図4の板403に対応する)は、センサ構造の上に提供され得る。図5の断面図に関して上で考察したいくつかの実施形態によれば、センサアレイ構造は、フレーム521、ホール効果センサ401a、401b、及び401c、並びに磁石507a、507b、507c、及び507dを含むように画定され得、この構造は、ハウジング601の空洞605a~605b内に提供され得、非磁石カバー板640(図5の板403に対応する)は、空洞605a~605b内のセンサ構造の上に提供され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、DOSは、タイヤトレッド深さを連続的に測定するためにセンサの線形アレイを使用し、これには、時間関数としてのデータを含むことができる。時間関数としてのこのデータは、ヒートマップとして表すことができる(例えば、図7図8に示されるように)。所与のタイヤ及び空気圧条件に対して、高速移動車両は、短いセンサトラックを生成し、低速移動車両は、より長いトラックを生成する。したがって、センサデータトラックの長さは、実際のタイヤパッチ長さと車両の速度との両方の関数であり得る。センサデータトラックからタイヤパッチ長を判定するために、センサアレイ上のタイヤの速度を知ることが必要であり得る。
【0036】
図7図8では、2つの異なる速度においてDOSの上を走行する2つの異なる車両に応答して、センサアレイによって測定されたデータから生成されたヒートマップの例を示している。この例では、図7と関連付けられた車両は、図8と関連付けられた車両よりも約6倍速く運転された。
【0037】
タイヤ(又はタイヤと関連付けられた車両)がDOSの上を走行するときのタイヤの速度を判定するための様々な実施形態が以下に説明される。
【0038】
いくつかの実施形態では、DOS内の複数の線形センサアレイを使用して、車両の速度を判定することができる。いくつかの例では、第1のセンサは、第1の時間において第1の位置でタイヤを検出することができ、第2のセンサは、第2の時間において第2の位置でタイヤを検出することができる。タイヤの速度は、第1の時間と第2の時間との差と、第1の位置と第2の位置との差とに基づいて算出することができる。追加的又は代替的な例では、第1のセンサ及び第2のセンサは、荷重センサ(例えば、ひずみゲージ)及び/又は接地面センサ(例えば、磁気センサ)の組み合わせであり得る。
【0039】
追加的又は代替的な実施形態では、別個のセンサ(例えば、気送管、カメラ、又はRFIDリーダ)を使用して、車両の速度を測定することができる。
【0040】
追加的又は代替的な実施形態では、タイヤと関連付けられた車両の速度は、車両又はリモートデバイスから受信することができる。
【0041】
複数のアレイシステムは、図9に関して以下で考察される。図9に示されるように、ホール効果センサの2つの線形アレイが提供され得、1つのアレイ903は、磁石を有さず、1つのアレイ901は、磁石を有する。アレイ901及び903において、正方形は、磁気センサを示し、アレイ901において、円は、磁石を示す。
【0042】
本発明の概念のいくつかの実施形態によれば、システムは、タイヤの進行方向に対して垂直な2つのセンサアレイ、図9に示されるように、磁石を有する1つのアレイ901と磁石を有しない第2のアレイ903とを配備し得る。磁石(円で示される)を有するセンサアレイ901は、タイヤのスチールベルトにおける残留磁化(例えば、タイヤのスチールベルトにおける残留磁場、形状異方性などを含む)と磁石からの磁場との両方に対する全体的な応答を提供する。磁石を有しないセンサアレイ903は、タイヤのスチールベルトにおける残留磁化(例えば、タイヤのスチールベルトにおける残留磁場、形状異方性など)のみをピックアップする。次いで、残留磁場は、磁石を有するセンサアレイを使用して測定された応答から数学的に抽出することができる。この手法は、磁気応答を微調整し、漂遊残留磁場を考慮する方法を提供し得る。換言すれば、アレイ901のセンサは、タイヤのスチールベルトが存在することによるアレイ901の磁石からの磁場の乱れを測定する。スチールベルトが近いほど、磁石からの磁場線に対するスチールベルトの影響が大きくなり、したがって、センサによって測定される信号の変化が大きくなる。
【0043】
ここで図11のフローチャートを参照して、本発明の概念のいくつかの実施形態による、DOS(例えば、図3のブロック図の構造を使用して実装されるDOS100)の動作について考察する。いくつかの例では、モジュールは、図10のメモリ1004に記憶され得、これらのモジュールは、モジュールの命令がそれぞれのDOS処理回路1002によって実行されたときに、処理回路1002がフローチャートのそれぞれの動作を実施するように命令を提供し得る。
【0044】
図11は、タイヤの内圧を判定するためにDOSによって実施される例示的な動作を示している。いくつかの実施形態では、DOSは、走行面と、接触センサと、荷重センサと、処理回路と、を含む。追加的又は代替的な実施形態では、DOS(例えば、DOS100)は、上部にタイヤを受容するように構成された走行面(例えば、金属板130)及び内部に空洞(例えば、空洞250)を提供するハウジングを含む。空洞は、処理回路(例えば、処理回路1102)、メモリ(例えば、メモリ1104)、トランシーバ(例えば、トランシーバ1106)、走行面上のタイヤの接地面と関連付けられた情報を測定するように構成された接触センサ(例えば、磁気センサアレイ140)、及びタイヤが走行面上を移動するときに、タイヤにかかる荷重を測定するように構成された荷重センサ(例えば、圧力センサ310、ロードセル320、又はひずみゲージ360)、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0045】
ブロック1110において、処理回路1102は、タイヤが走行面を横切って移動するときのタイヤの速度を判定する。いくつかの実施形態では、速度を判定することは、第1のセンサによる第1の位置におけるタイヤの検出と、第2のセンサによる第2の位置におけるタイヤの検出との間の時間を判定することと、時間、及び第1の位置と第2の位置との間の距離に基づいて速度を判定することと、を含む。
【0046】
ブロック1120において、処理回路1102は、走行面上のタイヤの接地面の面積を判定する。いくつかの実施形態では、接地面の面積を判定することは、走行面を提供するハウジングの空洞内に位置付けられた磁気センサを介して、面積の表示を判定することを含む。いくつかの例では、磁気センサを介して面積の表示を判定することは、タイヤが走行面を横切って移動するときに、ハウジング内の磁石及びタイヤによって生成された磁場の変化に基づいて、走行面に接触するタイヤの面積を判定することを含む。
【0047】
追加的又は代替的な実施形態では、接地面の面積を判定することは、速度及び磁場の変化に基づいて接地面の長さを判定することと、磁場の変化に基づいて接地面の幅を判定することと、長さ及び幅に基づいて接地面の面積を判定することと、を含む。
【0048】
ブロック1130において、処理回路1102は、タイヤにかかる荷重を判定する。いくつかの実施形態では、荷重を判定することは、走行面上を提供するハウジングの封止された空洞内に位置付けられた圧力センサ、走行面の半剛性層の下に位置付けられたロードセル、走行面の半剛性層と走行面の剛性層との間に位置付けられたコンデンサ、及び走行面の半剛性層に結合されたひずみゲージ、のうちの少なくとも1つを介して荷重の表示を判定することを含む。
【0049】
追加的又は代替的な実施形態では、荷重を判定することは、荷重の表示を受信することを含む。いくつかの例では、この表示は、外部システム(例えば、タイヤと関連付けられた車両及び/又はリモートデバイス)から受信される。
【0050】
ブロック1140において、処理回路1102は、タイヤにかかる荷重及び接地面の面積に基づいて、タイヤの内圧を判定する。いくつかの実施形態では、荷重及び面積に基づいて内圧を判定することは、荷重を面積で除算することを含む。
【0051】
ブロック1150において、処理回路1102は、トランシーバ1106を介して、タイヤの内圧の表示を送信する。いくつかの実施形態では、内圧の表示は、タイヤと関連付けられた車両に送信される。追加的又は代替的な実施形態では、内圧の表示は、リモートデバイスに送信される。いくつかの例では、リモートデバイスは、タイヤの内圧を示すためのディスプレイである。追加的又は代替的な例では、リモートデバイスは、同じ車両及び/又は他の車両の複数のタイヤの内圧を監視するための中央デバイスである。
【0052】
図11は、DOSによって実施されるものとして上述されているが、これらの動作は、分散型システム(例えば、クラウドネットワーク)を含む任意の好適なシステムによって実施することができる。いくつかの例では、分散型システムは、接地面の面積の表示及びタイヤにかかる荷重の表示を受信し、接地面の面積及びタイヤにかかる荷重に基づいてタイヤの内圧を判定する。
【0053】
本発明の概念の上述の様々な実施形態では、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明の概念を限定することを意図しないことを理解されたい。特に定義しない限り、本明細書において使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明の概念が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されていない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されないことが更に理解されよう。
【0054】
要素が別の要素に「接続されている」、「結合されている」、「応答している」、又はそれらの変形であると称されるとき、それは、他の要素に直接接続されている、結合されている、又は応答している可能性があり、あるいは介在する要素が存在することがある。対照的に、要素が別の要素に「直接接続されている」、「直接結合されている」、「直接応答している」、又はそれらの変形であると称されるとき、介在する要素は存在しない。全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。更に、本明細書で使用される場合、「結合される」、「接続される」、「応答する」、又はそれらの変形は、無線で結合される、接続される、又は応答することを含み得る。本明細書で使用される場合、「1つの(a)、「1つの(an)」、及び「その(the)」という単数形は、文脈が明らかに別途指示しない限り、複数形を同様に含むことを意図する。周知の機能又は構成は、簡潔さ及び/又は明瞭さのために詳細に説明されないことがある。「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0055】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素/動作を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素/動作は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素/動作と別の要素/動作を区別するためにのみ使用される。したがって、いくつかの実施形態における第1の要素/動作は、本発明の概念の教示から逸脱することなく、他の実施形態において第2の要素/動作と称することができる。同じ参照番号又は同じ参照指示子は、本明細書全体を通じて同じ又は同様の要素を示す。
【0056】
本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含む(includes)」、「有する(have)」、「有する(has)」、「有している(having)」、又はそれらの変形は、オープンエンドであり、1つ以上の述べられた特徴、整数、要素、ステップ、構成要素、又は機能を含むが、1つ以上の他の特徴、整数、要素、ステップ、構成要素、機能、又はそれらの群の存在又は追加を排除しない。更に、本明細書で使用される場合、ラテン語の句「exempli gratia」に由来する一般的な略語「e.g.」は、以前に言及された項目の1つ又は複数の一般的な例を導入又は指定するために使用され得、このような項目を限定することを意図するものではない。ラテン語の句「id est」に由来する一般的な略語「i.e.」は、より一般的な記述から特定の項目を指定するために使用され得る。
【0057】
図面における要素の寸法は、明確にするために誇張されることがある。更に、ある要素が別の要素の「上」にあると称されるとき、その要素は、他の要素の上に直接ある場合もあれば、その間に介在する要素がある場合もあることが理解されよう。更に、「上部」、「底部」、「上側」、「下側」、「上方」、「下方」などの用語は、本明細書では、図に示す要素又は特徴の相対位置を説明するために使用される。例えば、便宜上、図面の上部を「上部」と称し、図面の下部を「下部」と称するとき、実際には、本発明の概念の教示から逸脱することなく(例えば、構造が図の配向に対して180°回転している場合)、「上部」は「下部」とも呼ばれ、「下部」は「上部」とも呼ばれ得る。
【0058】
例示的な実施形態は、コンピュータ実装方法、装置(システム及び/若しくはデバイス)、並びに/又はコンピュータプログラム製品のブロック図及び/又はフローチャート図を参照して本明細書で説明される。ブロック図及び/又はフローチャート図のブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、1つ以上のコンピュータ回路によって実施されるコンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ回路、専用コンピュータ回路、及び/又は他のプログラム可能データ処理回路のプロセッサ回路に提供されて、コンピュータ及び/又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、トランジスタ、メモリ位置に記憶された値、及びこのような回路内の他のハードウェア構成要素を変換及び制御して、ブロック図及び/又はフローチャートブロックに指定された機能/動作を実装し、それによって、ブロック図及び/又はフローチャートブロックに指定された機能/動作を実装するための手段(機能性)及び/又は構造を作成するように、機械を生成し得る。
【0059】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができる有形コンピュータ可読媒体に記憶され得、その結果、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、ブロック図及び/又は1つ若しくは複数のフローチャートブロックに指定された機能/動作を実装する命令を含む製品を生成する。したがって、本発明の概念の実施形態は、集合的に「回路」、「モジュール」、又はそれらの変形と称され得る、デジタル信号プロセッサなどのプロセッサ(コントローラとも称される)上で動作する、ハードウェア及び/又はソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)において具体化され得る。
【0060】
いくつかの代替の実装形態では、ブロックに記載された機能/動作は、フローチャートに記載された順序とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行され得るか、又はブロックは、含まれる機能性/動作に応じて、時には逆の順序で実行され得る。更に、フローチャート及び/若しくはブロック図の所与のブロックの機能性は、複数のブロックに分離され得、かつ/又はフローチャート及び/若しくはブロック図の2つ以上のブロックの機能性は、少なくとも部分的に統合され得る。最後に、本発明の概念の範囲から逸脱することなく、図示されたブロック間に他のブロックが追加/挿入され得、かつ/又はブロック/動作が省略され得る。更に、図のうちのいくつかは、通信の主要な方向を示すために通信経路上に矢印を含むが、通信は、示された矢印とは反対の方向に行われ得ることを理解されたい。
【0061】
本発明の概念の原理から実質的に逸脱することなく、実施形態に対して多くの変形及び修正を行うことができる。全てのこのような変形及び修正は、本発明の概念の範囲内で本明細書に含まれることが意図される。したがって、上記で開示された主題は、限定ではなく例示であると見なされるものであり、実施形態の例は、本発明の概念の趣旨及び範囲内に入る全てのこのような修正、拡張、及び他の実施形態を包含することが意図される。したがって、法律によって許容される最大限まで、本発明の概念の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物を含む本開示の最も広い許容可能な解釈によって決定されるものであり、前述の詳細な説明によって制限又は限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの内圧を測定するためのシステムであって、前記システムが、
処理回路と、
前記処理回路に結合されたメモリであって、前記処理回路に、
走行面上の前記タイヤの接地面の面積を判定する(1120)ことと、
前記タイヤにかかる荷重を判定する(1130)ことと、
前記タイヤにかかる前記荷重及び前記接地面の前記面積に基づいて、前記タイヤの前記内圧を判定する(1140)ことと、を含む動作を実施させるために、前記処理回路によって実行可能である命令を記憶している、メモリと、を備える、システム。
【請求項2】
上部に前記タイヤを受容するように構成された走行面を提供するハウジングであって、前記ハウジングが、内部に空洞を含み、前記空洞が、
前記処理回路、
前記メモリ、
トランシーバ、
前記走行面上の前記タイヤの前記接地面に関連する情報を測定するように構成された接触センサ、及び
前記タイヤが前記走行面上を移動するときに、前記タイヤにかかる前記荷重を測定するように構成された荷重センサ、のうちの少なくとも1つを含む、ハウジングを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1のセンサが、第1の位置において前記タイヤを検出するように構成されており、
第2のセンサが、第2の位置において前記タイヤを検出するように構成されており、
前記動作が、
前記タイヤが前記走行面と接触していた時間における前記タイヤの速度を判定する(1110)ことを更に含み、
前記タイヤの前記速度を判定することが、
前記第1のセンサによる前記タイヤの検出と前記第2のセンサによる前記タイヤの検出との間の時間を判定することと、
前記時間と、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離とに基づいて、前記速度を判定することと、を含み、
前記接地面の前記面積を判定することが、
前記速度及び磁場の変化に基づいて、前記接地面の長さを判定することと、
前記磁場の前記変化に基づいて、前記接地面の幅を判定することと、
前記接地面の前記長さ及び前記接地面の前記幅に基づいて、前記接地面の前記面積を判定することと、を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記走行面が、半剛性層を含み、
前記荷重センサが、
前記タイヤが前記走行面上を移動するときの前記半剛性層のたわみに応答して、前記タイヤにかかる前記荷重に比例する較正応答を生成するように構成された圧力センサ、
前記タイヤが前記走行面上を移動するときに前記タイヤにかかる前記荷重に比例する較正応答を生成するように構成されたロードセル、
前記半剛性層と剛性層との間に位置付けられ、前記タイヤが前記走行面上を移動するときに前記タイヤにかかる前記荷重に比例する較正応答を生成するように構成された圧縮可能な平行板コンデンサ、
前記半剛性層に結合され、前記タイヤが前記走行面上を移動するときに前記タイヤにかかる前記荷重に比例する較正応答を生成するように構成されたひずみゲージ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項2~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
タイヤの内圧を測定するための方法であって、前記方法が、請求項1~4のいずれか一項に記載の動作を含む、方法。

【手続補正書】
【提出日】2024-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本開示の更なる理解を提供するために含まれ、本出願に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の概念の特定の非限定的な実施形態を示す。
図1図1は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの空気圧測定を 提供するための走行システムの一例を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、図1の走行システムの ハウジングの一例を示す断面図である。
図3図3は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、図1の走行システムの ハウジングの一例を示す拡大断面図である。
図4図4は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、磁石が垂直に取り付け られ、センサが磁石間の軸線に沿って位置付けられている、単一センサシステムの一 例を示す断面図である。
図5図5は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、各センサが2つの磁石 の間のそれぞれの軸線に沿って位置付けられた状態で磁石が垂直に取り付けられてい る複数のセンサアレイシステムの一例を示す断面図である
図6A図6Aは、本発明の概念のいくつかの実施形態による、それぞれ別個のセ ンサアレイのための2つの空洞を有するハウジングの一例を示す上面図及び側面図で ある。
図6B図6Bは、本発明の概念のいくつかの実施形態による、それぞれ別個のセ ンサアレイのための2つの空洞を有するハウジングの一例を示す上面図及び側面図で ある。
図6C図6Cは、本発明の概念のいくつかの実施形態による、それぞれ別個のセ ンサアレイのための2つの空洞を有するハウジングの一例を示す上面図及び側面図で ある。
図7図7は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの接地面の面積 を示すデータの例を示すヒートマップである。
図8図8は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの接地面の面積 を示すデータの例を示すヒートマップである。
図9図9は、本発明概念のいくつかの実施形態による、センサの2つの線形アレ イ(磁石を有する1つのアレイ及び磁石を有しない1つのアレイ)を含むシステムの 一例を示す図である。
図10図10は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの空気圧を 判定するように構成されたコントローラの一例を示すブロック図である。
図11図11は、本発明の概念のいくつかの実施形態による、タイヤの空気圧を 判定するための走行システムによって実施される動作の一例を示すフローチャートで ある。
【国際調査報告】