(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】車両のヘッドランプのための照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/19 20180101AFI20241024BHJP
F21W 102/135 20180101ALN20241024BHJP
【FI】
F21S41/19
F21W102:135
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525494
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2022079353
(87)【国際公開番号】W WO2023072747
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】チュアン、チュン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、クラスニエ
(57)【要約】
車両(1)のヘッドランプ用の照明装置(7)であって、メイン取付プレート(9)と、各々が中間支持体(17、117、217)に取り付けられた複数の別個の発光モジュール(11、111、211)とを備え、各中間支持体は、問題のモジュール(11、111、211)に固有のピボット軸(2000、2100、2200)の周りでメイン取付プレート(9)に対して移動可能に取り付けられ、前記装置は、複数のモジュール(11、111、211)のうちの2つのモジュール(11、111、211)のアセンブリ又はサブアセンブリを連結するための少なくとも1つの部材(25)を更に含み、前記2つのモジュール(11、111、211)の同時移動を可能にするように、前記2つのモジュール(11、111、211)を支持する中間支持体(17、117、217)を接続する、照明装置(7)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のヘッドランプ、特にフロントヘッドランプ、のための照明装置(7)であって、それがメイン取付プレート(9)と、各々が中間支持体(17、117、217)に取り付けられる複数の別個の発光モジュール(11、111、211)、特に少なくとも2つの発光モジュール(11、111、211)とを備え、各中間支持体は、前記メイン取付プレート(9)に対し、問題の発光モジュール(11、111、211)に固有のピボット軸(2000、2100、2200)の周りで、特に水平軸の周りで、移動可能に取り付けられており、前記異なる発光モジュール(11、111、211)の前記ピボット軸は平行且つ別個であり、前記照明装置(7)は更に:
- 前記モジュール(11、111、211)の前記ピボット軸(2000、2100、2200)に直交する第1調整軸(1000)の周りで、特に垂直軸の周りで、前記メイン取付プレート(9)を移動させるように構成され、前記複数のモジュール(11、111、211)の同時移動を可能にする第1調整手段(13)と;
- 前記複数のモジュール(11、111、211)のうちの少なくとも2つのモジュール(11、111、211)を、各々それに固有の前記ピボット軸(2000、2100、2200)の周りで傾けることによって、前記メイン取付プレート(9)に対して同時に移動させるように構成される第2調整手段(23)と;
- 前記複数のモジュール(11、111、211)のうちの2つのモジュール(11、111、211)のアセンブリ又はサブアセンブリを連結するための少なくとも1つの連結部材(25)であって、前記2つのモジュール(11、111、211)のうちの一方の動きの前記2つのモジュール(11、111、211)のうちの他方への伝達又はその逆によって、前記2つのモジュール(11、111、211)の同時移動を可能にするように、前記2つのモジュール(11、111、211)を支持する前記中間支持体(17、117、217)を接続する少なくとも1つの連結部材(25)と、
を備える照明装置(7)。
【請求項2】
前記2つの発光モジュール(11、211)が、前記ピボット軸(2000、2200)に直交する方向に沿って、特に垂直方向(Z)に沿って、少なくとも部分的に重ね合わされる、請求項1に記載の照明装置(7)。
【請求項3】
前記2つの発光モジュール(11、211)が、前記第1調整軸(1000)に及び前記ピボット軸(2000、2200)に直交する方向、特に長手方向(X)、に沿って、互いに対してオフセットする、請求項1又は2に記載の照明装置(7)。
【請求項4】
前記連結部材(25)が、第1連結ゾーン(41)において前記2つのモジュール(11、211)のうちの一方に接続され且つ第2連結ゾーン(43、43’)において前記2つのモジュール(11、211)のうちの他方に接続されるロッド(45)を備え、前記ロッド(45)が、それが少なくとも、前記第1連結ゾーン(41、41’)の近傍において延びる第1エルボー(51a)と、前記第2連結ゾーン(43、43’)の近傍に延びる第2エルボー(51b)とを有するように、曲げられる、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の照明装置(7)。
【請求項5】
前記2つのモジュール(11、211)のうちの一方に固有の前記中間支持体(17、217)に少なくとも部分的に接続される及び/又は前記2つのモジュール(11、211)のうちの他方に固有の前記中間支持体(17、217)に少なくとも部分的に接続される前記連結部材(25)をガイドするための少なくとも1つのガイド手段(59)を更に備える、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の照明装置(7)。
【請求項6】
前記2つの発光モジュール(111、211)が、前記ピボット軸(2100,2200)に平行な方向に沿って、特に水平方向に沿って、並置される、請求項1に記載の照明装置(7)。
【請求項7】
前記2つの発光モジュール(111、211)が、前記第1調整軸(1000)に及び前記ピボット軸に直交する方向、特に長手方向(X)、に沿って、互いに対してオフセットする、請求項6に記載の照明装置(7)。
【請求項8】
前記連結部材(25)が、第1連結ゾーン(41、41’’)において前記2つのモジュール(111、211)のうちの一方に接続され且つ第2連結ゾーン(43、43’’)において前記2つのモジュール(111、211)のうちの他方に接続されるスライダー(71)を備え、前記スライダー(71)が、前記第1調整軸(1000)に及び前記ピボット軸に垂直な方向、特に長手方向、に沿って、移動されるために、前記メイン取付プレート(9)と相互作用するように構成される、請求項6又は7に記載の照明装置(7)。
【請求項9】
前記2つの発光モジュールが第1発光モジュール(211a)及び第2発光モジュール(211b)によって形成され、2つのピボットポイント(19)において中間支持体(217c)を介して前記メイン取付プレート(9)に移動可能に取り付けられる第3発光モジュールを更に備え、当該2つのピボットポイント(19)は、前記第3発光モジュールに固有であり且つ前記第1モジュールの及び前記第2モジュールの前記ピボット軸に平行であるピボット軸(2200c)を定め、前記第1調整手段(13)が、前記メイン取付プレート(9)を介した前記第1調整軸(1000)の周りでの前記3つのモジュール(211a、211b、211c)の同時移動を可能にし、前記第2調整手段(23)が、それに固有の前記ピボット軸の周りでの前記3つのモジュール(211a、211b、211c)のうちの少なくとも2つの前記同時移動を可能にするように、前記装置が構成される、請求項1に記載の照明装置(7)。
【請求項10】
前記第1発光モジュール(211a)及び前記第2発光モジュール(211b)が、前記ピボット軸(2000,2200)に直交する方向に沿って、特に垂直方向(Z)に沿って、少なくとも部分的に重ね合わされ、前記第2発光モジュール(211b)及び前記第3発光モジュール(211c)は、前記ピボット軸(2200b、2200c)に平行な方向に沿って、特に水平方向に沿って、並置され、前記少なくとも1つの連結部材は第1部材(25a)及び第2部材(25b)を備え、前記第1部材(25a)は、前記第1モジュール及び前記第2モジュールのうちの一方の移動の前記第1モジュール及び前記第2モジュールのうちの他方への伝達によって及びその逆によって前記第1モジュール及び前記第2モジュールの同時移動を可能にするように、前記第1モジュール(211a)及び前記第2モジュール(211b)を連結するために前記第1モジュール及び前記第2モジュールを支持する前記中間支持体(217a、217b)を接続し、前記第2部材(25b)は、前記第2モジュール及び前記第3モジュールのうちの一方の移動の前記第2モジュール及び前記第3モジュールのうちの他方への伝達によって及びその逆によって前記第2モジュール及び前記第3モジュールの同時移動を可能にするように、前記第2モジュール(211b)及び前記第3モジュール(211c)を連結するために前記第2モジュール及び前記第3モジュールを支持する前記中間支持体(217b、217c)を接続し、前記第2調整手段(23)が、前記3つのモジュール(211a、211b、211c)の、それらのそれぞれのピボット軸(2200a、2200b、2200c)の周りでの同時移動を可能にするようになっている、請求項9に記載の照明装置(7)。
【請求項11】
前記第1発光モジュール(211a)と前記第2発光モジュール(211b)及び/又は前記第2発光モジュール(211b)と前記第3発光モジュール(211c)は、前記第1調整軸に及び前記ピボット軸に直交する方向、特に長手方向、に沿って、互いに対してオフセットする、請求項10に記載の照明装置(7)。
【請求項12】
前記第1連結部材(25a)が、第1連結ゾーン(41’)において前記第1モジュール及び前記第2モジュール(211a、211b)のうちの一方に接続され且つ第2連結ゾーン(43’)において前記第1モジュール及び前記第2モジュール(211a、211b)のうちの他方に接続されるロッド(45)を備え、前記ロッドは、それが前記第1連結ゾーンの近傍において延びる第1エルボー(51a)と、前記第2連結ゾーンの近傍において延びる第2エルボー(51b)とを有するように、曲げられる、請求項10又は11に記載の照明装置(7)。
【請求項13】
前記照明装置が、前記第1モジュール及び前記第2モジュールのうちの一方に固有の前記中間支持体(217)に少なくとも部分的に接続され及び/又は前記2つのモジュールのうちの他方に固有の前記中間支持体に少なくとも部分的に接続される前記第1連結部材(25a)をガイドするための少なくとも1つのガイド手段(59)を更に備える、請求項10~12のうちのいずれか一項に記載の照明装置(7)。
【請求項14】
前記第2連結部材(25b)が、第1連結ゾーン(41’’)において前記第2モジュール及び前記第3モジュール(211b、211c)のうちの一方に接続され且つ第2連結ゾーン(43’’)において前記第2モジュール及び前記第3モジュール(211b、211c)のうちの他方に接続されるスライダー(71)を備え、前記スライダーが、前記第1調整軸に及び前記ピボット軸に垂直な方向、特に長手方向、に沿って移動されるために、前記メイン取付プレート(9)と相互作用するように構成される、請求項10~13のうちのいずれか一項に記載の照明装置(7)。
【請求項15】
前記第1調整軸(1000)が、前記ピボット軸に平行な方向に沿って前記メイン取付プレート(9)内の中心に配置されている、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の照明装置(7)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、ヘッドランプのための、特に車両のフロントヘッドランプのための、照明装置に関する。発明はまた、そのような照明装置が設けられる車両に関する。
【発明の概要】
【0002】
自動車車両には従来、夜間や低照度時に車両前方の道路を照らすことが意図されるヘッドランプ、特にフロントヘッドランプすなわちヘッドライト、が設けられている。これらのヘッドランプは、一般に、2つの点灯モードで使用可能である:第1「ハイビーム」モード及び第2「ロービーム」モード。「ハイビーム」モードは、車両の前方の遠くまで明るく道路を照らすことを可能にする。「ロービーム」モードは、道路のより限定的な照明を提供するが、それでもなお他の道路利用者を眩惑することなく良好な視界を提供する。この目的のために、ヘッドランプは1つ又は複数の別個の発光モジュールを備えることができる。
【0003】
従来、各発光モジュールは少なくとも1つの可動支持体に取り付けられ、他の道路利用者に悪影響を与えることなく発光モジュールによって道路が適切に照らされることを確実にするために、発光モジュールの傾きの調整を許容するために、当該少なくとも1つの可動支持体は特に旋回することができる。そのような可動支持体は、1つ又は複数の調整手段によって移動され、所与のモジュールに固有の複数の発光モジュールに共通の主支持体又は中間支持体とすることができる。
【0004】
特に、ヘッドランプが複数の発光モジュールを含む場合、連結手段を介して前記モジュールの独立した又は同時的な調整を実施できるようにすることは、既知の慣行である。しかし、そのような連結手段は、かさばり、複雑であり、例えば2つよりも多い発光モジュールを含むヘッドランプの場合のように発光モジュールの数が増えることに関して適さないという欠点を有する。さらに、車両の美的外観によって課される多数の寸法的制約によって、それを組み込むために利用可能なスペースによって、及びヘッドランプが対応しなければならないさまざまな照明機能によって、連結手段は制限される。
【0005】
本発明は、この状況に収まり、照明装置の設置面積を最小化しつつ、発光モジュールの簡単且つ適切な調整を可能にする複数の発光モジュールを備える照明装置を提供することを目的とする。
【0006】
発明は、車両のヘッドランプ、特にフロントヘッドランプ、のための照明装置に関し、その照明装置は、メイン取付プレートと、各々が中間支持体に取り付けられる複数の別個の発光モジュール、特に少なくとも2つの発光モジュール、とを備え、各中間支持体は、メイン取付プレートに対し、当該発光モジュールに固有のピボット軸、特に水平軸、の周りで移動可能に取り付けられており、異なる発光モジュールのピボット軸は、平行且つ別個である。照明装置は、更に以下を備える:
- モジュールのピボット軸に直交する第1調整軸、特に垂直軸、の周りでメイン取付プレートを移動させ、複数のモジュールの同時移動を可能にするように構成される第1調整手段;
- 複数のモジュールのうちの少なくとも2つのモジュールを、各々、それに固有のピボット軸の周りで傾斜させることによって、メイン取付プレートに対して同時に移動させるように構成される第2調整手段;
- 複数のモジュールのうちの2つのモジュールのアセンブリ又はサブアセンブリを連結するための少なくとも1つの部材であって、その2つのモジュールのうちの一方のモジュールの動きの、前記2つのモジュールのうちの他方のモジュールへの伝達によって、前記2つのモジュールの同時移動を可能にするように、前記2つのモジュールを支える中間支持体を接続する、少なくとも1つの部材。
【0007】
第1実施形態によれば、2つの発光モジュールは、ピボット軸に直交する方向に沿って、特に垂直方向に沿って、少なくとも部分的に重ね合わせられることができる。特に、2つの発光モジュールは、第1調整軸及びピボット軸に直交する方向に沿って、特に長手方向に沿って、互いに対して相対的にオフセットすることができる。
【0008】
連結部材は、第1連結ゾーンにおいて2つのモジュールの一方に接続され且つ第2連結ゾーンにおいて2つのモジュールの他方に接続されるロッドを備えることができ、ロッドは、第1連結ゾーンの近傍に延在する少なくとも第1エルボーと、第2連結ゾーンの近傍に延在する第2エルボーとを有するように曲げられる。
【0009】
特に、第1調整軸によって定められる方向に沿って、2つのモジュールのうちの一方のピボット軸を第1連結ゾーンから離す距離は、2つのモジュールのうちの他方のピボット軸を第2連結ゾーンから離す距離と同一とすることができる。
【0010】
照明装置は、2つのモジュールのうちの一方に固有の中間支持体に少なくとも部分的に連結される、及び/又は、2つのモジュールのうちの他方に固有の中間支持体に少なくとも部分的に連結される連結部材をガイドするための少なくとも1つのガイド手段を更に備えることができる。
【0011】
第2実施形態によれば、2つの発光モジュールは、ピボット軸に平行な方向に沿って、特に水平方向に沿って、並置することができる。特に、2つの発光モジュールは、第1調整軸及びピボット軸に直交する方向に、特に長手方向に、沿って、互いに対して相対的にオフセットすることができる。
【0012】
第2実施形態によれば、連結部材は、第1連結ゾーンにおいて2つのモジュールの一方に連結され且つ第2連結ゾーンにおいて2つのモジュールの他方に連結されるスライダーを備えることができ、スライダーは、第1調整軸に及びピボット軸に垂直な方向、特に長手方向、に沿って移動されるように、メイン取付プレートと相互作用するように構成される。
【0013】
特に、第1調整軸によって定められる方向に沿って、2つのモジュールのうちの一方のピボット軸を第1連結ゾーンから離す距離は、2つのモジュールのうちの他方のピボット軸を第2連結ゾーンから離す距離と同一とすることができる。
【0014】
第3実施形態によれば、照明装置は3つの発光モジュールを備えることができる。一例によれば、前記2つの発光モジュールは、第1発光モジュールと第2発光モジュールとによって形成され、照明装置は、第3発光モジュールに固有のピボット軸を定め且つ第1モジュール及び/又は第2モジュールのピボット軸と平行な2つのピボットポイントにおいて、中間支持体を介してメイン取付プレートに移動可能に取り付けられた第3発光モジュールを更に備える。そして、その装置は、第1調整手段が、メイン取付プレートを介して第1調整軸を中心とする3つのモジュールの同時移動を可能にし、第2調整手段が、それに固有のピボット軸を中心とする3つのモジュールのうちの少なくとも2つのモジュールの同時移動を可能にするように構成される。
【0015】
特定の実施形態によれば、第1発光モジュール及び第2発光モジュールは、ピボット軸に直交する方向に沿って、特に垂直方向に沿って、少なくとも部分的に重ね合わされ、第2発光モジュール及び第3発光モジュールは、ピボット軸に平行な方向に沿って、特に水平方向に沿って、並置され、前記少なくとも1つの連結部材は、第1モジュール及び第2モジュールの一方の第1モジュール及び第2モジュールの他方に対する移動及びその逆の場合による第1モジュール及び第2モジュールの同時移動を可能にするように、第1モジュール及び第2モジュールを支持する中間支持体(217a、217b)を接続する第1モジュール(211a)及び第2モジュール(211b)を連結するための第1部材(25a)と、第2モジュール及び第3モジュールの一方の第2モジュール及び第3モジュールの他方に対する移動及びその逆の場合による第2モジュール及び第3モジュールの同時移動を可能にするように、第2モジュール及び第3モジュールを支持する中間支持体(217b、217c)を接続する第3モジュール(211c)に第2モジュール(211b)を連結するための第2部材(25b)と、を備え、それによって第2調整手段が、3つのモジュールのそれらのそれぞれのピボット軸を中心とした同時移動を可能にする。
【0016】
第1発光モジュール及び第2発光モジュールは、第1調整軸に及びピボット軸に直交する方向、特に長手方向、に沿って、互いに対して相対的にオフセットすることができる。
【0017】
第1連結部材は、第1連結ゾーンにおいて第1モジュール及び第2モジュールの一方に接続され且つ第2連結ゾーンにおいて第1モジュール及び第2モジュールの他方に接続されるロッドを備えることができ、ロッドは、それが第1連結ゾーンの近傍において延在する第1エルボーと、第2連結ゾーンの近傍において延在する第2エルボーとを少なくとも有するように、曲げられる。
【0018】
第1調整軸によって定められる方向に沿って、第1発光モジュール及び第2発光モジュールの一方のピボット軸を第1連結ゾーンから分離する距離は、第1発光モジュール及び第2発光モジュールの他方のピボット軸を第2連結ゾーンから分離する距離と同一とすることが可能である。
【0019】
照明装置は、第1モジュール及び第2モジュールのうちの一方に固有の中間支持体に少なくとも部分的に接続され及び/又は第1モジュール及び第2モジュールのうちの他方に固有の中間支持体に少なくとも部分的に接続される第1連結部材をガイドするための少なくとも1つのガイド手段を、更に備えることができる。
【0020】
第2発光モジュール及び第3発光モジュールは、第1調整軸に及びピボット軸に直交する方向、特に長手方向、に沿って、互いに対して相対的にオフセットすることができる。
【0021】
第2連結部材は、第1連結ゾーンにおいて第2モジュール及び第3モジュールの一方に接続され、第2連結ゾーンにおいて第2モジュール及び第3モジュールの他方に接続されるスライダーを備えることができ、スライダーは、第1調整軸に及びピボット軸に垂直な方向、特に長手方向、に沿って移動されるために、メイン取付プレートと相互作用するように構成される。
【0022】
第1調整軸によって定められる方向に沿って、第2モジュール及び第3モジュールの一方のピボット軸を第1連結ゾーンから離す距離は、第2モジュール及び第3モジュールの他方のピボット軸を第2連結ゾーンから離す距離と同一にすることができる。
【0023】
特に、実装される実施形態にかかわらず、第1調整軸は、ピボット軸に平行な方向に沿って、3つの発光モジュールのうちの少なくとも2つの間に介在させることができる。
【0024】
特に、実装される実施形態にかかわらず、第1調整軸は、ピボット軸に平行な方向に沿ってメイン取付プレート内の中央に配置することができる。
【0025】
発明は、上記のような少なくとも1つの照明装置を含む自動車車両にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
更なる詳細、特徴及び利点は、非限定的に指し示すものとして、以下の図において説明される様々な例示的実施形態を参照して以下に与えられる詳細な説明を読めば、より明確に明らかになるであろう:
【
図1】
図1は、一実施形態による車両の概略図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態による照明装置の部分概略図である。
【
図3】
図3は、発光モジュールを含まない
図2の照明装置の分解概略図である。
【
図4】
図4は、第1中間支持体及び第2中間支持体によって形成されるアセンブリの概略図である。
【
図5】
図5は、第1中間支持体の例示的な実施形態の概略図である。
【
図6】
図6は、第2中間支持体の例示的な実施形態の概略図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態による照明装置の概略図である。
【
図8】
図8は、発光モジュールを含まない
図7の照明装置の分解概略図である。
【
図9】
図9は、
図7に説明される照明装置の第1中間支持体及び第2中間支持体によって形成されるアセンブリの概略図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態による照明装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、車両1、特に1つ又は複数のヘッドランプ3が設けられる自動車車両1、の実施形態を概略的に示す。この例において、当該ヘッドランプ3はフロントヘッドランプである。
【0028】
以下の説明において、慣例により、自動車車両1が直線的に移動する方向が、長手方向Xと定められる。順方向は、自動車車両1が通常長手方向に沿って走行する方向に対応し、逆方向とは反対である。長手方向に直交し且つ地面と平行な平面に位置する方向は、横方向Yとして言及される。方向X及び方向Yに直交する方向、言い換えれば車両1が立っている地面に直交する方向、は、垂直方向Zとして言及される。こうして、それを必要とする図に示された直接参照系XYZが定められる。
【0029】
同様に、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「右」及び「左」という用語は、車両1に設けられたヘッドランプの作動位置において容易に識別可能な方向又は向きを指す。用語「上」は、車両1のルーフ及び/又はボンネットに向かう向きを示し、用語「下」は、車両1のシル(sill)に向かう向きを示す。用語「右」は、車両1の進行の方向における道路シーンの右手サイドに向かう向きを示す一方で、用語「左」は、車両1の進行の方向における道路シーンの左手サイドに向かう向きを示す。
【0030】
ヘッドランプ3は、特に
図2に破線で概略的に描かれている、一方側で開口するハウジング5を備え、そこにおいて少なくとも1つの照明装置7が配置されている。またヘッドランプ3は、ハウジング5の開口部を閉じる図示しないアウターレンズを備える。
【0031】
一般に、照明装置7はメイン取付プレート9を備え、当該メイン取付プレート9において、複数の別個の発光モジュール11、すなわち少なくとも2つの発光モジュール11、が取り付けられる。非限定的な例として、各発光モジュール11は、ロービーム及び/又はハイビームを発するモジュール11から構成することが可能である。例えば、発光モジュールは、少なくとも1つの光源と、光源から発せられる光ビームを整形するための1つ以上の光学部品と、任意でヒートシンクと、を備えることができる。
【0032】
メイン取付プレート9はハウジング5に対して移動可能に取り付けられている。照明装置7は、メイン取付プレート9に配置される第1調整手段13であって、メイン取付プレート9によって支持される複数のモジュール11の異なるモジュール11の同時移動を可能にするために、メイン取付プレート9を第1調整軸1000の周りで移動させるように構成される第1調整手段13を備える。そのような調整手段は、特に
図7及び
図10において見ることができる。例えば、メイン取付プレート9は、ハウジング5に含まれる図示しない受け手段に対して相補的な形状を有する回転手段15を備える。そのような回転手段15及び受け手段は、例えば、一緒にピボット接続を定める。
【0033】
第1調整手段13は、特にメイン取付プレートに含まれる第1作動点P1に、作用し、メイン取付プレート9を第1調整軸1000の周りで回転させるように構成される。好ましくは、そのような第1作動点P1は、したがって、第1調整軸1000からゼロでない距離で延びる。その結果、その取付プレートは照明装置7に固有の複数の発光モジュール11を全体的に支持し、発光モジュール11はハウジング5との直接的ないかなる機械的接続からも解放される。
【0034】
示される例において、第1調整軸1000は、垂直方向Zに平行に又は実質的に平行に延びる。従って、メイン取付プレート9は、第1調整軸1000を中心としたハウジング5に対するメイン取付プレート9及び発光モジュール11の角度位置の調整を可能にするように、右又は左に水平に旋回することができる。発光モジュール11はメイン取付プレート9によって全体に支持されているため、メイン取付プレートの角度位置を調整することが、発光モジュール11の角度位置の同時調整を可能にすることが理解されよう。図示しない1つの代替によれば、第1調整軸1000は、横方向Yに平行に延びることができる。
【0035】
また発光モジュール11は、複数の中間支持体17を介してメイン取付プレート9に対して移動可能に取り付けられている。特に、照明装置7は、発光モジュール11と同数の中間支持体17を備えることで、所与の各発光モジュール11が、それに固有の中間支持体17に取り付けられるようになっている。特に、各発光モジュールの中間支持体は、発光モジュールを形成する要素から分離されている。したがって、中間支持体はヒートシンクとは異なる。例えば、中間支持体は、好ましくは熱伝導性のない、プラスチックなどの合成ポリマー材料から作られることができる。
【0036】
中間支持体17は、各々、中間支持体17に固有のピボット軸2000、ひいては注目される発光モジュール11に固有のピボット軸2000を定める2つのピボットポイント19で、メイン取付プレート9に接続されており、前記ピボット軸2000は、1つのモジュール11から別のモジュール11まで別個のものである。ここで「ピボットポイント」とは、メイン取付プレート9と所与の中間支持体17との間の接続ゾーンを意味するものとして与えられる。特に、ピボットポイント19は、例えばボールジョイント接続タイプの、ピボット要素21に対応し、発光モジュール11がそのピボット軸2000の周りで旋回することを可能にする。発光モジュール7の異なるピボット軸2000は互いに平行である。好ましくは、それらは、水平方向と平行に延び、特に実施形態によっては実質的に横方向Yに向けられる。
【0037】
照明装置7は、複数のモジュールのうちの全部又は一部のモジュール11を、メイン取付プレート9に対して同時に移動させるように構成される第2調整手段23を更に備える。第2調整手段23は、各発光モジュール11を、ここでは水平又は実質的に水平なその固有のピボット軸2000の周りで、傾けることを可能にし、それによって例えば車両1の姿勢に応じて、投射されるビームの高さを調整するようになっている。上述の代替によれば、第2調整手段は、垂直軸又は実質的に垂直な軸に関する調整を可能にすることができる。第2調整手段23は、中間支持体17のうちの1つに含まれる第2作動点P2に作用し、中間支持体17のそれらのそれぞれのピボット軸の周囲におけるメイン取付プレート9に対する旋回を操作することを可能にする。
【0038】
光ビームの高さの調整中に、複数の発光モジュール11のうちの少なくともいくつかの発光モジュール11の同時移動を保証するために、照明装置7は、複数のモジュール11のうちの2つのモジュール11を連結するための少なくとも1つの部材25を備える。そのような連結部材25は、2つのモジュール11の一方の動きの2つのモジュール11の他方への伝達によって、それらの同時移動を可能にするように、前記モジュール11を支持する中間支持体17を連結する。言い換えれば、少なくとも2つのモジュール及び連結部材25は、照明装置7の複数のモジュール11内でアセンブリ又はサブアセンブリを形成することができる。連結部材25は、問題となっているその2つの発光モジュール11の相対的な位置付けに応じて、以下に示す様々な代替によって作られることができる。
【0039】
図2~
図6は、第1実施形態による照明装置7の例示的な実施形態を示す。照明装置7は、上述したように様々な構成要素を備え、以下で第1モジュール11a及び第2モジュール11bと称される少なくとも2つの発光モジュール11を有し、当該少なくとも2つの発光モジュール11は、上述した中間支持体17の第1中間支持体17a及び第2中間支持体17bによってそれぞれ支持される。前記モジュール11a、11bは、特に、それらが、それらのピボット軸2000に直交する方向に沿って、特に垂直方向Zに沿って、少なくとも部分的に重ね合わされるように、ヘッドランプ3に配置される。言い換えれば、少なくとも1つの垂直軸が第1モジュール11a及び第2モジュール11bを貫通する。この例において、第2モジュール11bは、垂直方向Zに沿って、第1モジュール11aよりも低い位置にある。
【0040】
図示の例において、第1モジュール11aは特にロービームランプとすることができ、その一方で第2モジュールはハイビームランプとすることができる。また代替として、第1モジュール及び第2モジュールは、同じランプ、特にロービームランプ、の2つのビームとすることもできる。例えば、第1モジュール11aは、「フラット」ビームに対応する、フラットな又は実質的にフラットな上方カットオフを含むビームを形成することができ、第2モジュール11bは、「キンク」ビームに対応する、斜めの部分を有する上方カットオフを含むビームを形成することができ、又はその逆も可能である。
【0041】
そのような実施形態において、メイン取付プレート9は、第2中間支持体17b及び第2モジュール11bを、それを取り囲むように支持するように構成される少なくとも1つのフレーム27を備える。フレーム27は特に閉じられており、複数のブランチ29で構成されており、それは少なくとも部分的に直線状及び/又は曲線状とすることができる。メイン取付プレート9は2つの部材31を更に備え、当該2つの部材31は、フレーム27と一体的に形成され、上方に延び、第1中間支持体17a及び第1モジュール11aを支持するように構成される。その結果、ヘッドランプ3が車両1の所定の位置にある場合、第1中間支持体17a及び/又は第1モジュール11aは、2つの部材31間に少なくとも部分的に延びる。
【0042】
フレーム27及び部材31は、有利には、一体型アセンブリを形成し、つまり、それらは、それらを損傷又は破壊したりすることなく、互いに分離することはできない。図示されたメイン取付プレートの形状は、決して限定的なものではないことに留意される。したがって、その形状は、例えば、フレーム27が第1モジュール11aを取り囲むように、又は部材31が下方に延びるように、反転させられることができる。同様に、示されない代替に従って、部材31が追加されて、例えばねじ止めや溶接によって、フレーム27に固定されることもできる。再び代替として、フレーム27は、第1中間支持体17a及び第2中間支持体17bを直接支えるように形作られ及び/又は大きさにされることができる。
【0043】
上記で開示したように、メイン取付プレート9は第1調整軸1000、ここでは垂直な第1調整軸1000、の周囲において移動可能である。それは、ピボット接続を定める2つの回転手段15であって、それがヘッドランプのハウジング5に対して第1調整軸1000の周囲で相対的に動くことを可能にする2つの回転手段15を支持する。これらの2つの回転手段15は、特に、メイン取付プレート9の、垂直方向に沿った、反対側部分又は反対側端部に、例えばフレーム27に連結された支柱33の自由端に、配置されることができる。
【0044】
中間支持体17は、メイン取付プレート9に対して移動可能に取り付けられ、特に旋回可能に取り付けられる。各中間支持体17は、例えば問題となっている発光モジュール11が少なくとも部分的に配置されるプレート35と、プレート35に接続され且つその両側において延びる2つのアーム37とを備える。
【0045】
非限定的な例によれば、第1中間支持体17aは実質的にH形状である。プレート35は、少なくとも部分的に水平面又は実質的に水平面において延びる。第1発光モジュール11aのピボット軸2000の定義に寄与する第1ピボットポイント19aであって、以下で第1ピボット軸2000aと称される第1ピボットポイント19aは、第1アーム37aに含まれる。第2ピボットポイント19bは第2アーム37bに含まれる。ピボットポイント19は、特に、メイン取付プレート9に含まれる、相補的な形状を有する連結手段39と相互作用するように構成されるヘッドを備える。この例において、第1中間支持体17aはメイン取付プレート9の部材31に固定される。同様に、第1中間支持体17aのピボットポイント19a、19bは、地面と平行な面において、並べられ又は実質的に並べられる。
【0046】
同様に、第2中間支持体17bは、プレート35及び2つのアーム37を備える。アーム37は、図示の例において、横方向Y及び垂直方向Zに沿って前記プレート35の両側に延びる。各アーム37は、上述したようにピボットポイント19a、19bを含み、これはフレーム27に作られたメイン取付プレート9との接続によって形成される。特に、第2中間支持体17bのアーム37は、フレーム27の2つの反対側のブランチ29と相互作用する。
【0047】
同様に、第1中間支持体17a及び第2中間支持体17bは、連結部材25を介して間接的に互いに接続される。特に、連結部材25は、第1中間支持体17aに含まれる第1連結ゾーン41と、第2中間支持体17bに含まれる第2連結ゾーン43とに接続される。
【0048】
図示された特定の例示的な実施形態によれば、第1モジュール11a及び第2モジュール11bは、長手方向Xに沿って互いに相対的にオフセットされる。言い換えれば、前記モジュール11は、第1調整軸1000に及びピボット軸に直交する方向に沿ってオフセットされる。例えば、そのようなオフセットは、前記モジュール11の各々に固有のピボットポイントで又は前面において評価されることができる。この例において、第2モジュール11bは、長手方向に沿って第1モジュール11aよりも更に前方に位置し、第2連結ゾーン43は、長手方向に沿って、第1連結ゾーン41に対して前方に向かってオフセットされる。そのような位置決めは、特に、ヘッドランプ3のアウターレンズの形状、特にカーブ、に依存し、ひいては車両のデザインに依存する。
【0049】
連結部材25は、
図2~
図4に示すように、ロッド45を備えることができる。ロッド45は、第1連結ゾーン41において第1中間支持体17aを介して第1モジュール11aに間接的に連結され、第2連結ゾーン43において第2中間支持体17bを介して第2モジュール11bに間接的に連結される。連結部材25によって発生されるフットプリントを制限するために及び垂直及び長手方向の両方のオフセットに適応させるために、ロッド45は有利には曲げられている。それは、特に、直線状の又は実質的に直線状の中間部分47と、2つの反対側の端部分49とを備え、当該2つの反対側の端部分49は、各々が中間支持体17のうちの1つに取り付けられるように意図されており、各々がエルボー51によって中間部分47に接続される。特に、第1エルボー51aは第1連結ゾーン41の近傍において延び、その一方で第2エルボー51bは第2連結ゾーン43の近傍において延びる。
【0050】
ロッド45は、特にS形状又は実質的にS形状であり、すなわち、ロッド45の2つの端部分49は、中間部分47に対して横方向に延び、同じ方向に沿って反対側を向いている。ここで、照明装置7が組み立てられて車両に配置される場合、中間部分47は垂直方向又は実質的に垂直方向に延び、その一方で端部分49は横方向に、特にそれに対して垂直に、延びる。図示の例において、第1中間支持体17aに接続されたロッド45の第1端部分49は後方に向かって延び、その一方で反対側の第2端部分49は前方に向かって延びる。
【0051】
各端部分49は、中間支持体17のうちの1つに含まれる受け要素と相補的な形状によって相互作用するように構成される接続要素53を支持する。接続要素は、特に、
図3に見られるように、異なる中間支持体17とボールジョイント接続を形成するように、少なくとも部分的に円形ヘッドの形態をとる。
【0052】
このように、中間支持体17の各々は、照明装置の別の構成要素に少なくとも3つの「ポイント」又はゾーンで接続されている。ピボットポイント19とメイン取付プレート9との間に成される接続において、前記接続の中心は、初期位置、すなわち静止位置、に対して空間的に実質的に固定されたままである。逆に、連結ゾーン41、43の一方と連結部材25との間に存在する接続部の中心は、中間部分47の延在の方向に沿って、この例では垂直方向又は実質的に垂直な方向Zに沿って、移動される。
【0053】
上述したように、与えられる中間支持体17内において、モジュール11の及び問題となっている支持体のピボット軸2000を定めるように、2つのピボットポイント19が整列している。問題となっている中間支持体17に固有の連結ゾーンは、ピボット軸2000に対して、特に第1調整軸1000によって定められる方向、すなわちこのケースでは垂直方向Z、に沿って、オフセットされている。
【0054】
好ましくは、連結ゾーン43、44は、中間支持体17のアーム37のうちの1つにおいて、この同じアーム37に含まれるピボットポイント19からゼロでない距離で、配置される。例えば、第1中間支持体17aの場合において
図4又は
図5に示されるように、第1アーム37aは、第1ピボットポイント19a及び第1連結ゾーン41を備え、これらは特にアーム37の反対側端部分に配置される。逆に、第2ピボットポイント19bは、第2アーム37内で、垂直方向Zに沿って、より中心的な位置にある。
【0055】
同様に、第2中間支持体17bにおいて、第1アーム37aは、第2ピボット軸2000の第1ピボットポイント19aと、第2連結ゾーン43とを備え、後者は、好ましくは、第1アーム37a内に端部位置がある。
【0056】
更に、照明装置7内において、第1連結ゾーン43及び第2連結ゾーン44は、好ましくは、それらが第1調整軸1000によって定められる方向、すなわちこのケースでは垂直方向Z、に沿って整列するように又は実質的に整列するように、配置される。
【0057】
更に、任意であるが好ましくは、2つのモジュール11の一方のピボット軸2000を第1連結ゾーン41から離す、第1調整軸1000によって定められる方向に沿った距離は、2つのモジュール11の他方のピボット軸2000を第2連結ゾーン43から離す距離と同一である。したがって図示の例において、第1モジュール11aの第1ピボット軸2000aは、垂直方向Zに沿って定められる距離55であって第2ピボット軸2000bを第2連結ゾーン43から離間させる距離57と等しい距離55だけ、第1連結ゾーン41から離間している。連結ゾーン41、43のそのような位置決めは、特に、2つのモジュールのうちの一方の動きが前記モジュールの他方に伝えられる場合の、2つのモジュール11間の傾斜度の変動を低減することを目的としている。
【0058】
図示された例示的な実施形態において、第2調整手段23は、第2中間支持体17bを介して第1モジュール及び第2モジュール11a、11bに間接的に接続されている。特に、第2調整手段23は、第2作動点P2において第2中間支持体17bに接続されており、当該第2作動点P2は前記支持体のアーム37のうちの1つに含まれている。より具体的には、第2作動点P2は、第2アーム37bにおいて、垂直方向Zに沿ってピボット軸2000bからゼロでない距離に配置される。したがってこれらのモジュール11の各々によって発せられるビームを車道上のより遠くに又はより近くに向けるために、受信した自動又は手動の垂直調整コマンド指示に応じて、第2調整手段23は、第2中間支持体17bを、ひいては第2モジュール11bを、第2ピボット軸2000bの周囲で一方向に又は他方向に旋回させるように、第2作動点P2で第2中間支持体17bを引いたり押したりする。
【0059】
随意的に、一方のモジュール11の動きの他方への最適な伝達を確保するために、照明装置7は、連結部材25をガイドするための少なくとも1つのガイド手段59を備えることができる。その少なくとも1つのガイド手段59は、2つのモジュール11のうちの一方に固有の中間支持体17に少なくとも部分的に接続されうる、及び/又は、2つのモジュール11のうちの他方に固有の中間支持体17に少なくとも部分的に接続されうる。
【0060】
例えば、
図4又は
図5に示すように、ガイド手段59は、第1中間支持体17aに接続されたフィン61を備えることができる。フィン61は、第1中間支持体17aの第1アーム37aに接続される取付部分63と、連結部材25を受ける及び/又は連結部材25と相互作用することが可能なガイド部分65とを備える。取付部分63及びガイド部分65は、特に互いに横方向に、例えば垂直に、延びることができる。フィン61は、追加されて第1中間支持体17aに固定されることもでき、或いは、それと一体的に形成されることもできる。
【0061】
ガイド部分65は、ロッド45の延在の方向及び/又は第1調整軸1000の方向に対して横向きの、特に直交する、少なくとも1つの方向に沿ってロッド45の動きを制限するように構成されている。この例において、ガイド手段59は、垂直方向Zに沿ったロッド45の動きを最適化することに、特に横方向Yに沿った両方向のその動きを制限しながら、寄与する。ここで、ガイド部分65は、連結部材25の全部又は一部、特にここではロッド45の中間部分47を受けることができる開口部を縁どる実質的に開いたU形状を有する。図示の例において、それはロッド45と相補的な形状を有し、長手方向Xに沿った一方向の、ここでは車両1の後方に向けての、その動きのみを制限する。図示していない1つの代替によれば、ガイド部分65は閉鎖されることもでき、すなわち、その開口部は、そのブロック手段の動きが長手方向Xに沿って両方向に制限されるように、継続的なエッジによって境界が定められる。
【0062】
フィン61は第1連結ゾーン41の近傍に配置されている。その結果、ガイド部分65は、垂直方向Zに対して横方向に、連結部材25の方向に延びる。好ましくは、ガイド部分65はロッド45の直線中間部分47と相互作用する。
【0063】
有利には、ガイド手段59は、3方向に沿って連結部材25の動きを制限するように構成可能である。特に、ガイド手段59のフィン61は、上述したように、横方向Yに沿って且つ長手方向Xの全部又は一部に沿って、及びロッド45の移動の方向、ここでは垂直方向Z、に沿って、連結部材25のための停止部を形成するように構成されることができる。例えば、ガイド手段59は、ロッド45のエルボー51のうちの少なくとも1つに関して、垂直方向Zに沿った少なくとも一方向の停止部を形成する。そのような配置構成は、特に問題となっている発光モジュール11の移動を制限することを可能にする。
【0064】
代替的又は追加的に、例えば、
図6に示すように、ガイド手段59は、第2中間支持体17bに連結されたフィン61を備えることができる。そのようなフィン61は、第1中間支持体17aを参照して説明したフィンと同様であり、上記の説明が準用される。ここで、それは第2連結ゾーン43の近傍において延びる。S形状ロッドの具体的な事例において、第2中間支持体17bのフィン61は、例えば、車両1の前方に向かって延びることができる。
【0065】
図示しない代替実施形態によれば、ガイド手段59は、有利には複数のフィン61を備える。特に、第1フィン61は第1中間支持体17aに連結されることができ、その一方で第2フィン61は第2中間支持体17bに連結されることができ、各々が連結ゾーン41、43のうちの一方の近傍にある。そして、前記フィン61は、特に、長手方向において反対方向に方向付けられることができ、例えば一方を車両の前方に向けて且つ他方を後方に向けて方向付けられる。
【0066】
したがってユーザは、2つのモジュール11a、11bによって発せられる光ビームの高さを調整したい場合、彼ら/彼女らは第2調整手段23を介して第2モジュール11bの傾斜を制御する。第2調整手段23は、第2中間支持体17bを、特にそのプレート35を、ひいては第2モジュール11bを、第2ピボット軸2000bの周りで傾けるために、第2作動点P2に力を加える。例えば、そのような力は、前記支持体を引っ張ったり押したりするように、長手方向Xに沿って及ぼされる。同時に、第2中間支持体17bに剛連結された連結部材25が駆動され、第2モジュール11bによって行われる傾斜動作が第1モジュール11aに伝えられる。例えば、第2モジュール11bが上方に傾くと、ロッド45は、垂直方向Zに沿うロッドの延在の方向に沿って、ここではピボット軸2000a、2000bに直交する方向に沿って、並進する。こうして、ロッド45の位置は、中間部分47が垂直方向Zに沿って下降するように下げられる。横方向と長手方向の少なくとも一部とに沿ったロッド45の動きは、ガイド手段59によって制限されるので、その動きはできるだけ正確に伝えられる。前記動きは第1モジュール11aに伝えられ、第2連結ゾーン43における接続要素53が下降され、第2モジュール11bを第2ピボット軸2000bの周りで上方に傾ける。したがって連結部材25は、第1発光モジュール11aを、第2発光モジュール11bと同じ旋回方向に、同じ傾き度で傾けることを可能にする。このようにして、その2つの発光モジュール11は、それらのそれぞれのピボット軸2000a、2000bの周りで傾くことによって同時に調整され、単一の垂直調整コマンドが2つのモジュール11に一様に伝えられる。
【0067】
図7~
図9は、発明による照明装置7の第2実施形態を示しており、当該実施形態において、少なくとも1つの連結部材25によって互いに連結された2つの発光モジュール11の相対的な位置付けが、上述したものとは異なっている。そのような実施形態は、第1実施形態の原理を採用するものであり、従って、上記の説明は、別段の記載がない限り、準用される。明確性のために、同一又は実質的に同一の構成要素には同一の参照符号が使用されている。発光モジュール及び中間支持体に関する参照符号は、その位置関係を第1実施形態から区別するために100ずつ増やされている;したがって、そのモジュールは参照符号111で示され、中間支持体は参照符号117で示される。
【0068】
第2実施形態は、2つの発光モジュール111がピボット軸2100に平行な方向、ここでは水平方向又は横方向Y、に沿って並置されている点で、特に第1実施形態と異なる。言い換えれば、第1モジュール111a及び第2モジュール111bは、横方向Yに沿って少なくとも部分的に対向して延び;したがって、長手方向X及び横方向Yを含む同じ水平面が、第1モジュール111a及び第2モジュール111bを通る。例として、第1モジュール111aは特にロービームランプとすることができ、第2モジュール111bはハイビームランプとすることができる。
【0069】
第1実施形態を参照した上記開示と同様に、2つの発光モジュール111も、第1調整軸1000に及びピボット軸に直交する方向に沿って、互いに対して相対的にオフセットされる。この例において、第2モジュール111bは、長手方向Xに沿って第1モジュール111aに対して前方に向かってオフセットされる。
【0070】
第1実施形態と同様に、メイン取付プレート9は少なくとも1つのフレーム27を備える。特に、図示の例において、メイン取付プレート9は、共通の中央ブランチ67で互いに連結された第1フレーム27aと第2フレーム27bとを含む。第1フレーム27a及び第2フレーム27bの各々は、接続される2つのモジュール111のうちの少なくとも1つの発光モジュール111を受けるように構成されている。この例において、第1フレーム27aが第1モジュール111a及び第1中間支持体117aを受け、その一方で第2フレーム27bが第2モジュール111b及び第2中間支持体117bを受ける。
【0071】
以下の説明において、第1発光モジュール111a及び第1中間支持体117aは、第1実施形態を参照して上述したように、第2モジュール11b及び第2中間支持体17bに関する特徴の全部又は一部をそれぞれ採用することができる。第1中間支持体117aは、プレート35及び2つのアーム37を備える。各アーム37は、メイン取付プレート9との接続によって形成されるピボットポイント19を備え、メイン取付プレート9は、ここでは第1フレーム27a上に製造され、第1中間支持体117aの第1ピボット軸2100aを定め、第1モジュール111aの延長による。特に、第1中間支持体117aのアーム37は、第1フレーム27aの2つの反対側のブランチ29と相互作用する。
【0072】
非限定的な例示的実施形態によれば、第2中間支持体117bは、複数のセグメント69を含む閉じられたフレームの形態をとる。ここで「セグメント」は、全体の一部を意味するものとして与えられる。例えば、第2中間支持体117bは、少なくとも部分的に、長手方向Xに沿ってメイン取付プレート9の第2フレーム27bの続きにおいて延びることができる。或いは、第2中間支持体117bは、例えばU形状又は実質的にU形状である開放形状を有することができる。第2中間支持体117bは、長手方向Xに沿って、すなわち、異なるピボット軸2100に対して及び第1調整軸1000に対して直交する方向に沿って、第1中間支持体117aと第2中間支持体117bとの間にメイン取付プレート9が介在するように、配置される。第2中間支持体117bは、第2中間支持体117bの及び第2モジュール111bの第2ピボット軸2100bを定める2つのピボットポイント19を備える。前記ピボットポイント19は、第2中間支持体117bの反対側セグメント69に配置されている。
【0073】
第1モジュール111a及び第2モジュール111bは、連結部材25を介して互いに接続されている。本実施形態において、連結部材25は、第1中間支持体117aに含まれる第1連結ゾーン41に及び第2中間支持体117bに含まれる第2連結ゾーン43に接続されたスライダー71を備える。特に、スライダー71はバー73を備え、当該バー73の2つの反対側端部が、中間支持体117のうちの1つに対する接続のための要素53を支持する。バー73は、特に、ロッド45を参照して上述したように、第1連結ゾーン41及び第2連結ゾーン43に接続されたボールジョイント接続部を介し、第1中間支持体117aに及び第2中間支持体117bに接続される。
【0074】
バー73はまた、第1調整軸1000に対して及びピボット軸2100に対して横方向に、特に垂直に、移動させられるために、メイン取付プレート9と相互作用するように構成されている。特に、バーは、長手方向Xに沿って又は実質的に長手方向に沿って、移動される。特にバー73は、メイン取付プレート9に含まれるレール75と相補的な形状を有する。この目的のために、それは、レール75に含まれる少なくとも1つの溝79と相互作用するように構成される少なくとも1つのリブ77を備える。
【0075】
スライダー71は、好ましくは第2調整手段23に近接して配置される。それは、実質的に長手方向Xに沿って、第1ピボット軸2100aと第2ピボット軸2100bとの間に延びる。レール75は特に、図示の例において、メイン取付プレート9の2つのフレーム27a、27bに共通する中央ブランチ67に組み込まれている。同様に、スライダーは第2作動点P2に接続され又は第2作動点P2に支持する。特に、そのバーは第2作動点P2を支持する。
【0076】
図8及び
図9に模式的に描かれているバー73は、例えばモーターを備える第2調整手段23から来るコマンド指示によって並進するように制御される。レール75の溝79は、バー73を適切な並進に導くように構成されている。メイン取付プレート9に対するスライダー71のバー73の相対移動は、第1連結ゾーン41に及び第2連結ゾーン43に同時に力を及ぼし、それは、第1中間支持体117a、第2中間支持体117b、ひいてはそれらが支持する発光モジュール111の、それらに固有のピボット軸2100の周りでの傾きをもたらす。
【0077】
第1モジュール111a及び第2モジュール111bの同一の傾斜を保証するために、連結ゾーン41、43の位置は、特に、第1調整軸1000によって定められる方向に沿って、第1モジュール111aの第1ピボット軸2100aを第1連結ゾーン41から隔てる距離83と、第2モジュール111bの第2ピボット軸2100bを第2連結ゾーン43から隔てる距離85とが同一になるように、定められる。
【0078】
したがって、上記のように、ユーザが2つのモジュール111によって発せられる光ビームの高さを調整したい場合、それらは第2作動点P2を介して第1発光モジュール111aの傾斜を指令する。第2調整手段23は、第1中間支持体117a、ひいては第1モジュール111aを第1ピボット軸2100aの周りで傾けるために、第2作動点P2に力を加える。例えば、そのような力は、前記支持体を引っ張ったり又は押したりするように、長手方向に沿って及ぼされる。同時に、スライダー71内で、第1中間支持体117aに剛接続されるバー73が駆動され、メイン取付プレート9のレール75に対して相対的に移動され、そしてそのような移動は第2モジュール111bに伝えられる。例えば、第1モジュール111aが上方に傾けられると、バー73は同時に長手方向に沿って後方に向かって並進し、その結果、第2モジュール111bを、第1発光モジュール111aと同じ旋回方向及び同じ傾き度でそれを傾けるように引っ張る。
【0079】
最後に、
図10~
図12は、照明装置7が3つの発光モジュールを備える第3実施形態を示す。明確のために、特に断りがない限り、第1実施形態又は第2実施形態と同一又は実質的に同一の構成要素には同一の参照符号が使用される。発光モジュール及び中間支持体に関する参照符号は、第1実施形態から200だけ増加している。
【0080】
本実施形態において、第1発光モジュール211a及び第2発光モジュール211bは、第1実施形態に従って構成されることができるサブアセンブリに含まれる。第3発光モジュール211cは、第3モジュール211cに固有の第3ピボット軸2200cを定め且つ第1モジュール211a及び第2モジュール211bのピボット軸に平行な2つの調整可能なピボットポイント19において、第3中間支持体217cを介してメイン取付プレート9に移動可能に取り付けられる。そのような照明装置7において、第1調整手段13は、有利には、メイン取付プレート9を介して、第1調整軸1000の周りでの3つのモジュール211の同時移動を可能にし、その一方で、連結部材25によって一緒に接続されるサブアセンブリに含まれる少なくともモジュール211は、第2調整手段23を介して同時に移動させられることができる。
【0081】
図示された特定の実施形態において、第1発光モジュール211a及び第2発光モジュール211bは、第1実施形態に従って構成された第1サブアセンブリ87を形成し、その一方で、第2モジュール211b及び第3モジュール211cは、上述の第2実施形態に従って構成された第2サブアセンブリ89を形成する。従って、上記の説明は、特に説明された発光モジュール及び連結部材の相対的な位置付けに関して、前記各サブアセンブリの各々に準用される。特に、そのような例示的な実施形態において、第2発光モジュール211bは、第1サブアセンブリ87及び第2サブアセンブリ89に共通である。同様に、メイン取付プレート9は2つのサブアセンブリに共通である。
【0082】
図示の例において、第1モジュール211a及び第2モジュール211bは、一緒になってロービームを形成する2つのビームを発する。例えば、第1モジュールは、「フラット」ビームに対応する上方カットオフであって平坦な又は実質的に平坦な上方カットオフを有するビームを形成することができ、第2モジュールは、「キンク」ビームに対応する上方カットオフであって、斜め部分を有する上方カットオフを有するビームを形成することができる。第3モジュール211cは、補足ハイビームを形成するビームを発し、当該補足ハイビームは、第1モジュール211a及び第2モジュール211bによって形成されるロービームを補足する。第1発光モジュール211a、第2発光モジュール211b、及び第3発光モジュール211cによって形成されるビームの重ね合わせは、このようにハイビームを形成する。
【0083】
第2発光モジュール211bは、第1連結部材25aと呼ばれ且つ上述のロッド45を備える連結部材25によって、第1モジュール211aに接続される。第2モジュール211bは、更に、第1連結部材25aとは別の連結部材25によって第3モジュール211cに接続されており、当該連結部材25は、第2連結部材25bと呼ばれ、上述したようにスライダー71を備える。このように3つのモジュール211は直接的又は間接的に互いに接続されており、それによって第2調整手段23を介した前記モジュール211のうちの1つの調整が、このようにしてそれらのそれぞれのピボット軸2200の周りで3つのモジュール211の同時移動を可能になる。ここで、第2実施形態の第1発光モジュール111a及び第1中間支持体117aは、それぞれ第2発光モジュール211b及び第2中間支持体217bに対応し、その一方で第1実施形態の第2発光モジュール11b及び第2中間支持体17bは、本実施形態の第3発光モジュール211c及び第3中間支持体217cに対応することに留意される。
【0084】
メイン取付プレート9は、特に、第1実施形態及び第2実施形態を参照して上述した特徴の全部又は一部を採用することができる。この例において、メイン取付プレートは、第2モジュール11bが延在する第1フレーム27aと、第1フレーム27aに接続され且つ第3発光モジュール211cが延在する第2フレーム27bと、第1フレーム27aに接続され且つ第1発光モジュール11aを支持する2つの部材31とを備える。
【0085】
好ましくは、第1調整手段13は、第1調整軸1000からゼロでない距離で、特に第3発光モジュール211cの近傍で、メイン取付プレート9上に配置される。第1調整軸1000はまた、ピボット軸2100に平行な方向に沿って、すなわちここでは横方向Yに沿って、メイン取付プレート9内で、好ましくは中央に配置され又は実質的に中央に配置される。第1調整軸1000は、特に、横方向Zに沿って、3つの発光モジュール211のうちの少なくとも2つの間に配置される。ここで、第1調整軸1000は、第1モジュール211aと第2モジュール211bと第3モジュール211cとの間に介在している。
【0086】
同様に、第2調整手段23は、横方向Yに沿ったメイン取付プレート9の中央ゾーンの近傍に、特に中央ブランチ67上で、第2連結部材25bの近傍に、配置される。更に、第2調整手段23は、それらが第1調整軸1000によって定められる方向に沿って、ここでは垂直方向に沿って、2つの別個のモジュール211に固有の少なくとも2つのピボット軸2200の間に介在するように、配置される。この例において、第2調整手段は、第1ピボット軸2200aと、第2及び第3ピボット軸2200b、2200cとの間に介在される。
【0087】
特に、調整装置は次のように構成される:
- 第1連結部材25aにおいて、第1モジュール211aの第1ピボット軸2200aは、第1連結ゾーン41’から、垂直方向Zに沿って定められる距離55であって、第1連結部材25aの第2連結ゾーン43’から第2ピボット軸2000bを隔てる距離57に等しい距離55だけ隔てられており;そして
- 第2連結部材25bにおいて、連結ゾーン41’’、43’’の位置は、特に、第1調整軸1000によって定められる方向に沿って、第2モジュール211bの第2ピボット軸2200bを第1連結ゾーン41’’から離す距離83が、第3モジュール211cの第3ピボット軸2200cを第2連結ゾーン43’’から離す距離85と同一になるように、定められる。
【0088】
同様に、前記距離55、57、83、85は、好ましくは等しいか、実質的に等しい。各連結部材25の各々に固有の連結ゾーンのそのような位置決めは、特に、3つのモジュール211間の傾きの度合いのばらつきを低減することを目的としている。
【0089】
上述したように、異なるモジュール211によって発せられる光ビームの高さ調節が指令されると、第2調整手段23は、それによって第2作動点P2に、特に第2モジュール211bの中間支持体217bに、力を及ぼし、第2ピボット軸2200bの周りで第2モジュール211bの傾斜を引き起こす。上述したように、同時的に、第3中間支持体217cに剛接続されたバー73が駆動され、メイン取付プレート9のレール75に対して相対的に移動する。その後、第3モジュール211cは第2モジュール211bと同じ程度に傾けられる。並行して、第2モジュール211bの傾斜は、第1中間支持体217aに剛性的に接続された第1連結部材25aを駆動する。ロッド45の動きは第1モジュール211aに伝えられ、第2連結ゾーン43’における接続手段は、第1モジュール211aを、第2発光モジュール及び第3発光モジュール211b、211cと同じピボット方向に且つ同じ傾斜度で下降させて傾斜させる。このようにして、発光モジュール211は、それらのそれぞれのピボット軸2000の周りで傾くことによって同時的に調整され、単一の調整コマンドが3つのモジュール211に均一に伝えられる。
【0090】
図示されていない第3実施形態の代替的な例示的な実施形態によれば、照明装置7は、3つの発光モジュールを含み、当該3つの発光モジュールのうちの第1発光モジュール及び第2発光モジュールは、上述の第2実施形態に従って構成可能なサブアセンブリに含まれている。第3発光モジュールは、第3発光モジュールに固有のピボット軸を定め且つ第1モジュール及び第2モジュールのピボット軸と平行な2つのピボットポイントで、中間支持体を介してメイン取付プレート9に移動可能に取り付けられている。特に第3実施形態を参照して与えられる上記の説明は、本代替案にも準用される。特に、上述の説明と同様に、照明装置7は、有利には、第1調整手段13が、メイン取付プレート9を介して第1調整軸1000を中心とする3つのモジュールの同時移動を可能にし、第2調整手段23が、それに固有のピボット軸の周りにおけるその3つのモジュールのうちの少なくとも2つの同時移動を可能にするように、構成される。
【0091】
したがって、発明による照明装置7は、少なくとも1つの連結部材25を介し、複数の発光モジュール211の水平方向及び垂直方向の同時調整を可能にする。発明による照明装置7は、有利には、限られたスペースに、特に車両1のフロントエンドにおいて、適しており、提案された解決策は低減された設置面積をもたらす。
【0092】
更に、実装される実施形態にかかわらず、複数のモジュールのうちの少なくとも1つのモジュールは、前記モジュールに固有のマイクロ調整手段91とともに設けられることができ、その垂直及び/又は水平の調整、換言すればそれに固有のピボット軸の周りにおける又は第1調整軸1000に平行な軸の周りにおけるそれぞれの調整を可能にする。マイクロ調整とは、小さい振幅による調整を意味するものとして与えられ、当該小さい振幅は、特に問題のモジュールに接続される複数のモジュールのうちのいかなる他のモジュールにも伝えられない。非限定的な例として、そのような調整は±1°のオーダーとすることができる。この例において、第3実施形態では、第3モジュール211cが、他の2つとは独立して、そのようなマイクロ調整手段211cとともに設けられる。特に、マイクロ調整手段91は、問題のモジュールのピボットポイント19に設けられる。このように、マイクロ調整手段91の作動は、そのモジュールの位置の単独での調整を可能にし、ひいては発せられる光ビームの整列の調整を可能にし、当該モジュールには、それが、複数のモジュールのうちの他のモジュールとは独立して、接続される。1つ又は複数のマイクロ調整手段91を、第1実施形態又は第2実施形態を参照して説明したように、複数のモジュールのうちの少なくとも1つのモジュールに組み込むこともできることに留意される。
【0093】
しかしながら、本発明は、ここに記載され及び図示された手段及び構成に限定されるものではなく、また任意の等価な手段又は構成、及びそのような手段の任意の技術的に機能的な組み合わせにも、それらが本書類に記載及び図示された機能を最終的に実行するのであれば、及ぶ。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のヘッドランプ、特にフロントヘッドランプ、のための照明装置(7)であって、それがメイン取付プレート(9)と、各々が中間支持体(17、117、217)に取り付けられる複数の別個の発光モジュール(11、111、211)、特に少なくとも2つの発光モジュール(11、111、211)とを備え、各中間支持体は、前記メイン取付プレート(9)に対し、問題の発光モジュール(11、111、211)に固有のピボット軸(2000、2100、2200)の周りで、特に水平軸の周りで、移動可能に取り付けられており、前記異なる発光モジュール(11、111、211)の前記ピボット軸は平行且つ別個であり、前記照明装置(7)は更に:
- 前記モジュール(11、111、211)の前記ピボット軸(2000、2100、2200)に直交する第1調整軸(1000)の周りで、特に垂直軸の周りで、前記メイン取付プレート(9)を移動させるように構成され、前記複数のモジュール(11、111、211)の同時移動を可能にする第1調整手段(13)と;
- 前記複数のモジュール(11、111、211)のうちの少なくとも2つのモジュール(11、111、211)を、各々それに固有の前記ピボット軸(2000、2100、2200)の周りで傾けることによって、前記メイン取付プレート(9)に対して同時に移動させるように構成される第2調整手段(23)と;
- 前記複数のモジュール(11、111、211)のうちの2つのモジュール(11、111、211)のアセンブリ又はサブアセンブリを連結するための少なくとも1つの連結部材(25)であって、前記2つのモジュール(11、111、211)のうちの一方の動きの前記2つのモジュール(11、111、211)のうちの他方への伝達又はその逆によって、前記2つのモジュール(11、111、211)の同時移動を可能にするように、前記2つのモジュール(11、111、211)を支持する前記中間支持体(17、117、217)を接続する少なくとも1つの連結部材(25)と、
を備える照明装置(7)。
【請求項2】
前記2つの発光モジュール(11、211)が、前記ピボット軸(2000、2200)に直交する方向に沿って、特に垂直方向(Z)に沿って、少なくとも部分的に重ね合わされる、請求項1に記載の照明装置(7)。
【請求項3】
前記2つの発光モジュール(11、211)が、前記第1調整軸(1000)に及び前記ピボット軸(2000、2200)に直交する方向、特に長手方向(X)、に沿って、互いに対してオフセットする、請求項
1に記載の照明装置(7)。
【請求項4】
前記連結部材(25)が、第1連結ゾーン(41)において前記2つのモジュール(11、211)のうちの一方に接続され且つ第2連結ゾーン(43、43’)において前記2つのモジュール(11、211)のうちの他方に接続されるロッド(45)を備え、前記ロッド(45)が、それが少なくとも、前記第1連結ゾーン(41、41’)の近傍において延びる第1エルボー(51a)と、前記第2連結ゾーン(43、43’)の近傍に延びる第2エルボー(51b)とを有するように、曲げられる、請求項
1に記載の照明装置(7)。
【請求項5】
前記2つのモジュール(11、211)のうちの一方に固有の前記中間支持体(17、217)に少なくとも部分的に接続される及び/又は前記2つのモジュール(11、211)のうちの他方に固有の前記中間支持体(17、217)に少なくとも部分的に接続される前記連結部材(25)をガイドするための少なくとも1つのガイド手段(59)を更に備える、請求項
1に記載の照明装置(7)。
【請求項6】
前記2つの発光モジュール(111、211)が、前記ピボット軸(2100,2200)に平行な方向に沿って、特に水平方向に沿って、並置される、請求項1に記載の照明装置(7)。
【請求項7】
前記2つの発光モジュール(111、211)が、前記第1調整軸(1000)に及び前記ピボット軸に直交する方向、特に長手方向(X)、に沿って、互いに対してオフセットする、請求項6に記載の照明装置(7)。
【請求項8】
前記連結部材(25)が、第1連結ゾーン(41、41’’)において前記2つのモジュール(111、211)のうちの一方に接続され且つ第2連結ゾーン(43、43’’)において前記2つのモジュール(111、211)のうちの他方に接続されるスライダー(71)を備え、前記スライダー(71)が、前記第1調整軸(1000)に及び前記ピボット軸に垂直な方向、特に長手方向、に沿って、移動されるために、前記メイン取付プレート(9)と相互作用するように構成される、請求項
6に記載の照明装置(7)。
【請求項9】
前記2つの発光モジュールが第1発光モジュール(211a)及び第2発光モジュール(211b)によって形成され、2つのピボットポイント(19)において中間支持体(217c)を介して前記メイン取付プレート(9)に移動可能に取り付けられる第3発光モジュールを更に備え、当該2つのピボットポイント(19)は、前記第3発光モジュールに固有であり且つ前記第1モジュールの及び前記第2モジュールの前記ピボット軸に平行であるピボット軸(2200c)を定め、前記第1調整手段(13)が、前記メイン取付プレート(9)を介した前記第1調整軸(1000)の周りでの前記3つのモジュール(211a、211b、211c)の同時移動を可能にし、前記第2調整手段(23)が、それに固有の前記ピボット軸の周りでの前記3つのモジュール(211a、211b、211c)のうちの少なくとも2つの前記同時移動を可能にするように、前記装置が構成される、請求項1に記載の照明装置(7)。
【請求項10】
前記第1発光モジュール(211a)及び前記第2発光モジュール(211b)が、前記ピボット軸(2000,2200)に直交する方向に沿って、特に垂直方向(Z)に沿って、少なくとも部分的に重ね合わされ、前記第2発光モジュール(211b)及び前記第3発光モジュール(211c)は、前記ピボット軸(2200b、2200c)に平行な方向に沿って、特に水平方向に沿って、並置され、前記少なくとも1つの連結部材は第1部材(25a)及び第2部材(25b)を備え、前記第1部材(25a)は、前記第1モジュール及び前記第2モジュールのうちの一方の移動の前記第1モジュール及び前記第2モジュールのうちの他方への伝達によって及びその逆によって前記第1モジュール及び前記第2モジュールの同時移動を可能にするように、前記第1モジュール(211a)及び前記第2モジュール(211b)を連結するために前記第1モジュール及び前記第2モジュールを支持する前記中間支持体(217a、217b)を接続し、前記第2部材(25b)は、前記第2モジュール及び前記第3モジュールのうちの一方の移動の前記第2モジュール及び前記第3モジュールのうちの他方への伝達によって及びその逆によって前記第2モジュール及び前記第3モジュールの同時移動を可能にするように、前記第2モジュール(211b)及び前記第3モジュール(211c)を連結するために前記第2モジュール及び前記第3モジュールを支持する前記中間支持体(217b、217c)を接続し、前記第2調整手段(23)が、前記3つのモジュール(211a、211b、211c)の、それらのそれぞれのピボット軸(2200a、2200b、2200c)の周りでの同時移動を可能にするようになっている、請求項9に記載の照明装置(7)。
【請求項11】
前記第1発光モジュール(211a)と前記第2発光モジュール(211b)及び/又は前記第2発光モジュール(211b)と前記第3発光モジュール(211c)は、前記第1調整軸に及び前記ピボット軸に直交する方向、特に長手方向、に沿って、互いに対してオフセットする、請求項10に記載の照明装置(7)。
【請求項12】
前記第1連結部材(25a)が、第1連結ゾーン(41’)において前記第1モジュール及び前記第2モジュール(211a、211b)のうちの一方に接続され且つ第2連結ゾーン(43’)において前記第1モジュール及び前記第2モジュール(211a、211b)のうちの他方に接続されるロッド(45)を備え、前記ロッドは、それが前記第1連結ゾーンの近傍において延びる第1エルボー(51a)と、前記第2連結ゾーンの近傍において延びる第2エルボー(51b)とを有するように、曲げられる、請求項1
0に記載の照明装置(7)。
【請求項13】
前記照明装置が、前記第1モジュール及び前記第2モジュールのうちの一方に固有の前記中間支持体(217)に少なくとも部分的に接続され及び/又は前記2つのモジュールのうちの他方に固有の前記中間支持体に少なくとも部分的に接続される前記第1連結部材(25a)をガイドするための少なくとも1つのガイド手段(59)を更に備える、請求項1
0に記載の照明装置(7)。
【請求項14】
前記第2連結部材(25b)が、第1連結ゾーン(41’’)において前記第2モジュール及び前記第3モジュール(211b、211c)のうちの一方に接続され且つ第2連結ゾーン(43’’)において前記第2モジュール及び前記第3モジュール(211b、211c)のうちの他方に接続されるスライダー(71)を備え、前記スライダーが、前記第1調整軸に及び前記ピボット軸に垂直な方向、特に長手方向、に沿って移動されるために、前記メイン取付プレート(9)と相互作用するように構成される、請求項1
0に記載の照明装置(7)。
【請求項15】
前記第1調整軸(1000)が、前記ピボット軸に平行な方向に沿って前記メイン取付プレート(9)内の中心に配置されている、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の照明装置(7)。
【国際調査報告】