(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】安定した除草性組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 47/36 20060101AFI20241024BHJP
A01N 25/22 20060101ALI20241024BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20241024BHJP
A01N 25/08 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A01N47/36 101E
A01N25/22
A01P13/00
A01N25/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525525
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 GB2022052757
(87)【国際公開番号】W WO2023079271
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202121050620
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520077872
【氏名又は名称】ユーピーエル コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UPL CORPORATION LIMITED
(71)【出願人】
【識別番号】522073629
【氏名又は名称】ユーピーエル ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UPL Europe Ltd.
【住所又は居所原語表記】The Centre, 1st Floor, Birchwood Park, Warrington, Cheshire, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メルテス エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ピロッテ アラン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA04
4H011BB14
4H011BC07
4H011BC20
4H011DA14
4H011DC06
4H011DC08
4H011DG16
(57)【要約】
本開示は、1種または複数種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤を含む、安定した農薬組成物に関する。本開示はまた、安定した除草性組成物を調製するための方法およびその使用方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬組成物であって、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム、を含む、組成物。
【請求項2】
前記トリアジニルスルホニル尿素除草剤が、クロルスルフロン、シノスルフロン、エタメトスルフロン、ヨードスルフロン、イオフェンスルフロン、メトスルフロン、プロスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステルからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記トリアジニルスルホニル尿素除草剤が、トリベヌロンメチルまたはチフェンスルフロンメチルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、前記組成物の総重量の約1%w/w~約60%w/wのトリアジニルスルホニル尿素除草剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマー担体がケイ酸塩担体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記ケイ酸塩担体が、カオリン粘土、ベントナイト粘土、変性ベントナイト粘土、活性ベントナイト、合成シリカ並びに珪藻シリカ、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記スルホン酸誘導体の塩が、アルキルナフタレンスルホネート、リグノスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、それらの塩、誘導体、ブレンド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記スルホン酸誘導体の塩が、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムブレンド、芳香族スルホン酸の縮合物、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジノニルナフタレンスルホン酸カルシウム、ナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合物、アルキル置換ナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、スルホン化ナフタレン-ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、リグノスルホン酸ナトリウム、変性リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウム、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸、分岐ドデシルベンゼンスルホン酸、および直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン塩からなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩は、1:1から20:1の範囲内の比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
固体製剤の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記固体製剤が水分散性顆粒(WDG)を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
固体農薬組成物であって、
a)少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;
b)ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム;および
c)任意で、農薬上許容できる賦形剤、
を含む、組成物。
【請求項13】
前記農薬上許容できる賦形剤が、分散剤、着色剤、結合剤、消泡剤、酸化防止剤、溶媒、保存剤、流動促進剤、固化防止剤、pH調整剤、緩衝剤、配合助剤、またはそれらの組み合わせのうちの1種または複数種から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、前記トリアジニルスルホニル尿素除草剤を前記組成物の総重量の約0.1%w/w~約60%w/wの量で含み、前記ポリマー担体を約5%w/w~約70%w/wの量で含み、前記スルホン酸誘導体の塩を約1%w/w~約20%w/wの量で含み、前記農薬上許容できる賦形剤を約0.1%w/w~約30%w/wの量で含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、前記組成物の総重量の約0.1%w/w~約20%w/wの量のトリベヌロンメチル、約5%w/w~約60%w/wの量のチフェンスルフロンメチル、約5%w/w~約60%w/wの量のポリマー担体、約1%w/w~約20%w/wの量のスルホン酸誘導体の塩、および約0.1%w/w~約30%w/wの量の農薬上許容できる賦形剤を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステル、およびポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む、安定した農薬組成物の、雑草を防除するための使用。
【請求項17】
安定した農薬組成物を調製するための方法であって、
a)、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、およびポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを混合し、均質な混合物を得るステップ;
b)ステップ(a)の前記均質な混合物を造粒して顆粒を得るステップ;および
c)前記顆粒を乾燥させて、安定した農薬組成物を得るステップ、
を含む、方法。
【請求項18】
前記トリアジニルスルホニル尿素除草剤がトリベヌロンメチル、チフェンスルフロンメチルおよびそれらの組み合わせを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(b)の造粒が、パン造粒、噴霧乾燥または押出を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
雑草の防除方法であって、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム、
を含む安定した農薬組成物を、植物またはその場所に施用することを含み、
前記安定剤システムは、噴霧溶液中の前記トリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を制御する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、安定した農薬組成物に関する。より詳細には、本開示は、1種以上のトリアジニルスルホニル尿素除草剤を含む固体除草性組成物に関する。本開示はまた、安定した除草性組成物を調製するための方法およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
雑草は、農作物の有害因子の中で、農作物の収量を減少させる最も強力な農作物有害因子である。雑草は、農業慣行を妨害し、利用可能な栄養源および空間について作物と競合し、且つ農作物の成長、収量および質を低下させる、不要な/望ましくない植物である。一般に、雑草はより多くの種子を産生し、種子は数年間土壌に休眠したままである。さらに、雑草は、新たに掘り返された領域に侵入し、入手の乏しい水分、栄養素、および光について、主要な作物と競合する能力を示す。収量および生産の損失とは別に、雑草はまた、ニッチを与え、昆虫、植物病原体、および他の有害因子を宿しており、したがって、有害因子による主要な作物に対する攻撃の発生率を増加させ得る。したがって、不要な/望ましくない植物または雑草の成長の防除は、農作物において高い収量を得るために重要であり、圃場における主な課題の1つである。
【0003】
除草剤は、不要な植物/雑草を防除するために使用される化合物である。除草剤の中で、置換尿素除草剤(SUH)は、非選択的除草剤の大きなグループである。SUHは、路側および排水溝などの非作物領域における厄介な広葉雑草および草地の防除に施用されることが多いが、多くは、特定の作物の出芽前および出芽後の施用もまた登録されている。ほとんどのSUHは土壌に結合し、植物の根に取り込まれる。フェニル基またはスルホニル基が尿素構造で置換されたものは、2つの主要なタイプのSUHである。それらは、ピリミジニルスルホニル尿素およびトリアジニルスルホニル尿素を含む。スルホニル尿素は、アセト乳酸シンターゼと呼ばれる植物酵素を阻害し、それにより、分岐鎖アミノ酸合成が損なわれる。
【0004】
トリアジニルスルホニル尿素除草剤は、高活性除草剤である。公知のトリアジニルスルホニル尿素除草剤のうちの2つは、トリベヌロンメチルおよびチフェンスルフロンメチル除草剤である。
【0005】
トリベヌロンメチル(TBM)、メチル2-[[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-メチルカルバモイル]スルファモイル]ベンゾエートは、スルホニル尿素除草剤ファミリーのメンバーである。それは、分枝鎖アミノ酸(バリンおよびイソロイシン)の合成を阻害し、それによって細胞分裂および雑草の成長を停止させることによって雑草を防除する。トリベヌロンメチルは、穀物、特にイネの農業的雑草防除に一般的に使用されている。
【0006】
チフェンスルフロンメチル、メチル3-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)カルバモイルスルファモイル]チオフェン-2-カルボキシレートは、コムギ、オオムギ、およびダイズにおける出芽後の広葉雑草防除のためのスルホニル尿素除草剤である。
【0007】
他の農薬と同様に、トリアジニルスルホニル尿素除草剤は、水和剤(WP)、顆粒水和剤(WDG)および錠剤(TB)などの様々な異なる形態の濃縮物として製剤化することができる。トリアジニルスルホニル尿素除草剤のWP製剤の欠点の1つは、それが製造中に粉塵の問題を引き起こし、処方者の健康に悪影響を及ぼすことである。さらに、WPはまた、噴霧機器に残留するトリアジニルスルホニル尿素除草剤の混入という汚染問題を引き起こす。一方、除草性組成物のTB製剤は、測定および使用が容易である。しかしながら、TB製剤は、小児およびペットにとって誘因性で、摂取リスクをもたらす。WPおよびTBと比較して、WDG製剤は容易に測定および混合される。WDGは粉塵が少ないため、取り扱い中の利用者にとって吸入の危険が少ない。
【0008】
さらに、トリアジニルスルホニル尿素除草剤は加水分解しやすいため、その製剤の開発中ならびにこれらの除草剤の施用中には、多大な注意が必要である。スルホニル尿素除草剤の自然の分解は、水性加水分解反応、微生物のプロセス(主に土壌で起こる)または光分解反応によって起こる。トリアジニルスルホニル尿素除草剤の中で、トリベヌロンメチルは水の存在下で加水分解する傾向がある。スルホニル尿素架橋の開裂は、特に酸性条件下での分解のための主要な初期化学反応である。したがって、それは、様々なpH値を有する他の活性成分とタンクで混合されると分解し得る。
【0009】
したがって、貯蔵寿命の間安定したままであり、不要な/望ましくない植物または雑草に施用する前にタンクミックス中に水で希釈したとき、トリアジニルスルホニル尿素の制御不能な分解にも耐える、特にWDGの形態のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の堅牢な製剤を開発する必要性が存在する。
【0010】
本開示の目的:
【0011】
本開示の主な目的は、(1種または複数種の)トリアジニルスルホニル尿素除草剤を含む安定した農薬組成物を提供することである。
【0012】
本開示の別の目的は、(1種または複数種の)トリアジニルスルホニル尿素除草剤を含む安定した農薬組成物の調製方法を提供することである。
【0013】
本開示の別の目的は、(1または複数種の)トリアジニルスルホニル尿素除草剤を含む安定した農薬組成物を使用して、望ましくない植物/棒を防除するための方法を提供することである。
【発明の概要】
【0014】
本開示の一態様において、本開示は、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム、
を含む農薬組成物を提供し、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を制御する。
【0015】
一態様において、本開示は、
a)少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム、
を含む農薬組成物を提供し、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を制御する。
【0016】
一態様において、本開示は、
a)少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを1:1から20:1の範囲内の比で含む安定剤システム
を含む農薬組成物を提供し、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を80%まで制御する。
【0017】
別の態様では、本開示は、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステル;およびケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む、安定した農薬組成物の調製方法を提供し、安定剤システムがトリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を制御する。当該方法は、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、およびポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを混合するステップ;
b)ステップ(a)の均質な混合物を造粒して顆粒を得るステップ;および
c)顆粒を乾燥させて安定した農薬組成物を得るステップ、を含む。
【0018】
別の態様では、本開示は、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステル;およびポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を植物またはその場所に施用することによって、望ましくない植物/雑草を防除する方法を提供する。
【0019】
本開示の別の態様では、安定した農薬組成物は、不要な/望ましくない植物/雑草の成長を防除するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
当業者は、本明細書に記載された開示が具体的に記載されたもの以外の変形および修飾を受け得ることを認識するであろう。本明細書に記載の開示は、すべてのそのような変形および修飾を含むことを理解されたい。本開示はまた、本明細書で個々にまたは集合的に言及または指示されるすべてのそのようなステップ、特徴、組成物および方法、ならびに任意の2つ以上の前記ステップまたは特徴のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0021】
以下の詳細な説明の目的のために、本開示は、明示的に反対に指定されている場合を除いて、様々な代替の変形およびステップの連鎖を想定し得ることを理解されたい。さらに、実施例以外、または別段の指示がある場合を除き、本明細書および特許請求の範囲で使用されている材料、反応条件などの量を表すすべての数字は、すべての場合において、「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。
【0022】
したがって、反対のことが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは近似値であり、本開示によって得ようとする所望の特性に応じて変動し得る。極めて控えめに言っても、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の丸めの技法を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
【0023】
本明細書で使用される場合、特に明示的に指定されない限り、値、範囲、量またはパーセンテージを表すものなどのすべての数は、「約」という語が明示的に出現しない場合でも、この用語で始められているかのように読むことができる。本明細書に列挙された任意の数値範囲は、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことが意図されている。複数は単数を包含し、逆もまた同様である。例えば、単数形「a」、「an」および「the」は、1つの指示対象に明示的かつ明確に限定されない限り、複数の指示対象を含む。
【0024】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」などの用語は、オープンエンドである、すなわち、含むがこれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。
【0025】
本明細書で使用される場合、「約」または「およそ」という用語は、記載された値を含み、問題の測定値および特定の量の測定に関連する誤差(すなわち、測定システムの限界)を考慮して、当業者によって判定される特定の値の許容可能な偏差範囲内を意味する。例えば、「約」は、1つ以上の標準偏差の範囲内、または記載された値の±10もしくは±5の範囲内を意味することができる。値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、その範囲内に入る各々の別個の値を個別に参照する簡略的な方法として役立つことを意図しているにすぎず、各々の別個の値は、あたかもそれが本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。すべての範囲の端点は、範囲内に含まれ、独立して組み合わせることができる。パラメータの範囲が提示されている場合、その範囲内のすべての整数、およびその10分の1も提示されていると理解される。例えば、「0.1~80%」は、0.1%、0.2%、0.3%など、最大80%を含む。
【0026】
本明細書に記載の態様および実施形態はまた、「含む(comprising)」という節を「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」または「から実質的になる(consisting substantially of)」のいずれかに置き換えると解釈されるものとする。
【0027】
「植物」および「植生」という用語は、発芽種子、発芽実生、栄養繁殖体から発芽する植物、および定着した植生を含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「場所」という用語は、雑草の雑草防除、典型的には選択的な雑草防除が望まれる、所望の作物の近傍を示すものとする。この場所は、雑草の侵入が出現しているか、またはまだ出現していない所望の作物植物の近傍を含む。作物という用語は、多数の所望の作物植物またはある場所で成長する個々の作物植物を含むものとする。
【0028】
本開示に関して、本明細書で使用される場合、「安定した」という用語は、物理的に安定した組成物、すなわち、活性成分および不活性成分が貯蔵寿命中にいずれにでも実質的に分解されることなく、また、噴霧溶液を作製するために水で希釈されることなく安定したままである水分散性組成物を指すことを意図している。
【0029】
本開示に関して、「噴霧溶液」という用語は、望ましくない植生を処理する目的で、安定した除草性組成物を、水で、農業上許容できるよう希釈することを意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、「出芽前」という用語は、実生が地上から現れる前の時点を指す。任意の除草剤が出芽前段階で施用される場合、それは発芽した雑草実生の定着を妨げる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「出芽後」という用語は、実生が地上から出た後の時点を指す。任意の除草剤が出芽後段階で施用される場合、それは発芽した雑草実生の成長を妨げる。
【0032】
驚くべきことに、ポリマー担体およびスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含む安定剤をWDG組成物に組み込むことによって、トリアジニルスルホニル尿素除草剤、好ましくはトリベヌロンメチルの分解を防止できることが、ここで見出された。WDGを水に分散させて最終用途の噴霧溶液を得ると、WDG組成物中の、ポリマー担体とスルホン酸誘導体の塩とを含む安定剤は、その分解を防止するため、作物に噴霧するためにタンクでしばしば作製されるトリアジニルスルホニル尿素除草剤の噴霧溶液の寿命を延ばす。したがって、噴霧溶液は、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の実質的な分解なしに、より長期間維持することができる。
【0033】
したがって、一実施形態によれば、安定した農薬組成物であって、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム、
を含む、組成物を提供するものであり、
安定剤システムは、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を制御する。
【0034】
一実施形態によれば、トリアジニルスルホニル尿素除草剤は、クロルスルフロン、シノスルフロン、エタメトスルフロン、ヨードスルフロン、イオフェンスルフロン、メトスルフロン、プロスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステルからなる群から選択される。
【0035】
一実施形態によれば、トリアジニルスルホニル尿素除草剤はトリベヌロンである。
【0036】
一実施形態によれば、トリアジニルスルホニル尿素除草剤はトリベヌロンメチルである。
【0037】
一実施形態によれば、トリアジニルスルホニル尿素除草剤はチフェンスルフロンである。
【0038】
一実施形態によれば、トリアジニルスルホニル尿素除草剤はチフェンスルフロンメチルである。
【0039】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、安定した農薬組成物の総重量の約0.1%w/w~約80%w/wの量のトリアジニルスルホニル尿素除草剤を含む。
【0040】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、安定した農薬組成物の総重量の約0.5%w/w~約70%w/wの量のトリアジニルスルホニル尿素除草剤を含む。
【0041】
好ましい実施形態では、安定した農薬組成物が、安定した農薬組成物の総重量の約1%w/w~約60%w/wの量のトリアジニルスルホニル尿素除草剤を含む。
【0042】
好ましい実施形態において、安定した農薬組成物は、安定した農薬組成物の総重量の約1%w/w~約60%w/wの量のトリベヌロンメチルを含む。
【0043】
好ましい実施形態では、安定した農薬組成物が、安定した農薬組成物の総重量の約1%w/w~約60%w/wの量のチフェンスルフロンメチルを含む。
【0044】
一実施形態によれば、安定剤システムは、ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む。
【0045】
一実施形態によれば、ポリマー担体はケイ酸塩担体である。
【0046】
一実施形態によれば、ケイ酸塩担体は、カオリン粘土およびベントナイト粘土からなる群から選択され、これらは天然ベントナイトまたは修飾物、例えば活性ベントナイト、合成シリカおよび珪藻シリカ、およびそれらの混合物であってもよい。
【0047】
一実施形態によれば、ケイ酸塩担体はカオリン(白土)である。
【0048】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、安定した農薬組成物の総重量の約1%w/w~約80%w/wの量でポリマー担体を含む。
【0049】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約5%w/w~約70%w/wの量でポリマー担体を含む。
【0050】
好ましい実施形態では、安定した農薬組成物が、組成物の総重量の約10%w/w~約60%w/wのポリマー担体を含む。
【0051】
好ましい実施形態において、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約10%w/w~約60%w/wのケイ酸塩担体を含む。
【0052】
一実施形態によれば、安定剤システムは、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含む。
【0053】
一実施形態によれば、スルホン酸誘導体の塩は、アルキルナフタレンスルホネート、好ましくは1~10個の炭素原子を有するアルキル基を有するもの、例えば、メチル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルおよびノニル、例えば、ナトリウムブチルナフタレンスルホネートおよびナトリウムノニルナフタレンスルホネートからなる群から選択される。市販のアルキルナフタレンスルホネートの例は、Morwet(登録商標)B、Morwet IP、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム混合物(Morwet EFW)およびアルキルナフタレンスルホネート塩(Rhodacal BX 78)である。適切な市販の凝縮物の例は、Morwet D-425である。同様に、リグノスルホン酸塩、リグノスルホン酸塩、変性リグノスルホン酸ナトリウム(Borresperse 3A)、芳香族スルホン酸の縮合物、例えばBaykanol SL、TANIGAN(登録商標)WLF、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(supragil WP)、リグノスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびポリカルボン酸ナトリウム混合物(Geropon TA 72)、ラウリル硫酸ナトリウム(Agnique 2490 PB)、ジノニルナフタレンスルホン酸カルシウム、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸、分岐ドデシルベンゼンスルホン酸、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン塩、ナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合物、アルキル置換ナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、スルホン化ナフタレン-ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩である。
【0054】
好ましい実施形態によれば、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩は、アルキルスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0055】
好ましい実施形態によれば、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩は、アルキルスルホン酸ナトリウムおよびリグノスルホン酸ナトリウムである。
【0056】
好ましい実施形態によれば、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびリグノスルホン酸ナトリウムである。
【0057】
好ましい実施形態によれば、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩は、アルキルスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸である。
【0058】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、安定した農薬組成物の総重量の約0.1%w/w~約25%w/wの量でスルホン酸誘導体の2種の塩を含む。
【0059】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約1%w/w~約20%w/wの量でスルホン酸誘導体の2種の塩を含む。
【0060】
好ましい実施形態において、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約5%w/w~約15%w/wのスルホン酸誘導体の2種の塩を含む。
【0061】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、
a)少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム、を含み、
安定剤システムが、前記トリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を制御する。
【0062】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルを含む。
【0063】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物はトリベヌロンメチルおよびチフェンスルフロンメチルを含む。
【0064】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物はトリベヌロンメチルおよびメトスルフロンまたはその誘導体を含む。
【0065】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物はトリベヌロンメチルおよびクロルスルフロンまたはその誘導体を含む。
【0066】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、チフェンスルフロンメチルおよびクロルスルフロンまたはその誘導体を含む。
【0067】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、チフェンスルフロンメチルおよびメトスルフロンまたはその誘導体を含む。
【0068】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、1:1から1:70の範囲内の比でチフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルを含む。
【0069】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、1:1から1:50の範囲内の比でチフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルを含む。
【0070】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、1:1から1:30の範囲内の比でチフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルを含む。
【0071】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、1:1から1:15の範囲内の比でチフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルを含む。
【0072】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、チフェンスルフロンメチルとトリベヌロンメチルとを1:9の比で含む。
【0073】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、
a)少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを1:1から20:1の範囲内の比で含む安定剤システムを含み、
安定剤システムが、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を80%まで制御する。
【0074】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、
a)少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを1:1から20:1の範囲内の比で含む安定剤システムを含み、
安定剤システムが、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を80%まで制御する。
【0075】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを1:1から20:1の範囲内の比で含む。
【0076】
好ましい実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを1:1の比で含む。
【0077】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを2:1の比で含む。
【0078】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを3:1の比で含む。
【0079】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを4:1の比で含む。
【0080】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを5:1の比で含む。
【0081】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを10:1の比で含む。
【0082】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含み、スルホン酸誘導体の2種の塩はリグノスルホン酸ナトリウムおよびアルキルスルホン酸ナトリウムである。
【0083】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含み、リグノスルホン酸ナトリウムおよびアルキルスルホン酸ナトリウムが3:1の比で存在する。
【0084】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含み、スルホン酸誘導体の2種の塩はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびアルキルスルホン酸ナトリウムである。
【0085】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の安定剤システムは、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含み、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびアルキルスルホン酸ナトリウムは3:1の比で存在する。
【0086】
一実施形態によれば、安定剤システムは、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を制御する。さらに、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を制御する。
【0087】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を制御する。
【0088】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、トリベヌロンメチルの分解を制御する。
【0089】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、チフェンスルフロンメチルの分解を制御する。
【0090】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の95%分解を制御する。
【0091】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、トリベヌロンメチルの95%分解を制御する。
【0092】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、チフェンスルフロンメチルの95%分解を制御する。
【0093】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の90%分解を制御する。
【0094】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、トリベヌロンメチルの90%分解を制御する。
【0095】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、チフェンスルフロンメチルの90%分解を制御する。
【0096】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の85%分解を制御する。
【0097】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した除草性組成物がその施用時に水で希釈される場合、トリベヌロンメチルの85%分解を制御する。
【0098】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物がその施用時に水で希釈される場合、チフェンスルフロンメチルの85%分解を制御する。
【0099】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の95%以上の分解を制御する。
【0100】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリベヌロンメチルの95%以上の分解を制御する。
【0101】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のチフェンスルフロンメチルの95%以上の分解を制御する。
【0102】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の90%以上の分解を制御する。
【0103】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリベヌロンメチルの90%以上の分解を制御する。
【0104】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のチフェンスルフロンメチルの90%以上の分解を制御する。
【0105】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の85%を超える分解を制御する。
【0106】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリベヌロンメチルの85%以上の分解を制御する。
【0107】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のチフェンスルフロンメチルの85%以上の分解を制御する。
【0108】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の80%を超える分解を制御する。
【0109】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のトリベヌロンメチルの80%以上の分解を制御する。
【0110】
一実施形態によれば、安定剤システムは、噴霧溶液中のチフェンスルフロンメチルの80%以上の分解を制御する。
【0111】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合に、最長30分間、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の95%以上の分解を制御する。
【0112】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合、最長30分間、トリベヌロンメチルの95%以上の分解を制御する。
【0113】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合に、最長30分間、チフェンスルフロンメチルの95%以上の分解を制御する。
【0114】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合に、最長1時間、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の90%以上の分解を制御する。
【0115】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合、最長1時間、トリベヌロンメチルの90%以上の分解を制御する。
【0116】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合に、最長1時間、チフェンスルフロンメチルの90%以上の分解を制御する。
【0117】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合、最長5時間、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の85%を超える分解を制御する。
【0118】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合、最長5時間、トリベヌロンメチルの85%以上の分解を制御する。
【0119】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製するとき、最長5時間、チフェンスルフロンメチルの85%以上の分解を制御する。
【0120】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合、最長24時間、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の80%を超える分解を制御する。
【0121】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合、最長24時間、トリベヌロンメチルの80%以上の分解を制御する。
【0122】
一実施形態によれば、安定剤システムは、安定した農薬組成物を水で希釈してその施用のための噴霧溶液を調製する場合に、最長24時間、チフェンスルフロンメチルの80%以上の分解を制御する。
【0123】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物の噴霧溶液は、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステル、
b)希釈剤;および
c)ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを1:1から20:1の範囲内の比で含む安定剤システム
を含み、安定剤システムは、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の分解を80%まで制御する。
【0124】
一実施形態によれば、希釈剤は水である。
【0125】
一実施形態によれば、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルを含む安定した農薬組成物の噴霧溶液は、組成物が施用目的で希釈剤と混合されたときに得られる。
【0126】
一実施形態によれば、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルを含む安定した農薬組成物の噴霧溶液は、組成物が施用目的で水と混合されたときに得られる。
【0127】
一実施形態によれば、少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルを含む安定した農薬組成物の噴霧溶液は、組成物が施用目的で希釈剤と混合されたときに得られる。
【0128】
一実施形態によれば、少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルを含む安定した農薬組成物の噴霧溶液は、組成物が施用目的で水と混合されたときに得られる。
【0129】
一実施形態によれば、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤は、最長24時間分解しない。
【0130】
一実施形態によれば、噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤は、最長48時間分解しない。
【0131】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステル;
b)ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを1:1から20:1の範囲内の比で含む安定剤システム;および
c)少なくとも1つの農薬上許容できる賦形剤、を含む。
【0132】
本開示の一実施形態によれば、農薬上許容できる賦形剤は、着色剤、結合剤、消泡剤、酸化防止剤、溶媒、保存剤、塩基またはそれらの組み合わせの1つ以上から選択される。
【0133】
一実施形態では、着色剤は、酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルー、ならびにアリザリン染料、アゾ染料または金属フタロシアニン染料などの有機染料、ならびに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの微量元素から選択することができる。
【0134】
一実施形態では、結合剤は、限定するものではないが、糖蜜、顆粒糖、アルギネート、カラヤガム、ジャガーガム、トラガカントガム、多糖類ガム、粘液、キサンタンガムまたはそれらの組み合わせから選択することができる。別の実施形態では、結合剤は、ケイ酸塩、例えばケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体、エチルセルロースおよびメチルセルロースを含むセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピル-セルロース、ポリビニルピロリドン、デキストリン、マルトデキストリン、多糖類、脂肪、油、タンパク質、アラビアガム、シェラック、塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、リグノスルホン酸カルシウム、アクリル共重合体、デンプン、ポリビニルアクリレート、ゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、キトサン、ポリエチレンオキシド、アクリルイミド重合体および共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、メチルアクリルイミド単量体、アルギネート、エチルセルロース、ポリクロロプレンおよびシロップまたはそれらの混合物;酢酸ビニル、メチルセルロース、塩化ビニリデン、アクリル、セルロース、ポリビニルピロリドンおよび多糖類のポリマーおよびコポリマー;塩化ビニリデンおよび酢酸ビニル-エチレンコポリマーのポリマーおよびコポリマー;ポリビニルアルコールとスクロースとの組み合わせ;グリセロール、プロピレングリコール、ポリグリコールなどの可塑剤から選択されてもよい。
【0135】
一実施形態によれば、消泡剤は、ポリジメトキシシロキサン、ポリジメチルシロキサン、アルキルポリアクリレート、ヒマシ油、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸硫酸塩、脂肪アルコール、脂肪アルコールエステル、脂肪アルコール硫酸塩、フットオリーブ油、モノおよびジグリセリド、パラフィン油、パラフィンワックス、ポリプロピレングリコール、シリコーン油、植物脂肪、植物脂肪硫酸塩、植物油、植物油硫酸塩、植物油硫酸塩、植物ワックス、植物ワックス硫酸塩、ケイ素またはステアリン酸マグネシウムに基づく薬剤から選択され得る。
【0136】
農薬組成物はまた、1つ以上の酸化防止剤を含み得る。好ましくは、農薬製剤は抗酸化剤を含む。酸化防止剤は、例えば、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体(例えば、ウロカニン酸)、ペプチド、例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびその誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコペン)およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよびさらなるチオ化合物(例えば、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、および非常に低い耐用量(例えば、pmol/kg~pmol/kg)でのスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、また、金属キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、EDTA、EGTA、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、没食子酸エステル(例えば、プロピル、オクチルおよびドデシル)、フラボノイド、カテキン、ビリルビン、ビリベルジンおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ヒドロキノンおよびその誘導体(例えば、アルブチン)、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸、ジパルミチン酸、酢酸、リン酸アスコルビルMg、アスコルビン酸ナトリウムおよびアスコルビン酸マグネシウム、リン酸アスコルビルおよび硫酸二ナトリウム、リン酸アスコルビルトコフェリルカリウム、アスコルビン酸キトサン)、イソアスコルビン酸およびその誘導体、トコフェロールおよびその誘導体(例えば、酢酸トコフェロール、リノール酸、オレイン酸およびコハク酸、トコフェレス-5、トコフェレス-10、トコフェレス-12、トコフェレス-18、トコフェレス-50、トコフェルソラン)、ビタミンAおよび誘導体(例えば、ビタミンAパルミチン酸塩)、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン、ルチン酸およびその誘導体、ルチニル二硫酸二ナトリウム、桂皮酸及びその誘導体(例えば、フェルラ酸、フェルラ酸エチル、カフェ酸)、コウジ酸、キトサングリコール酸塩およびサリチル酸塩、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤシン酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、セレンおよびセレン誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびスチルベン誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)がある。本開示によれば、適切な誘導体(塩、エステル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)およびこれらの特定の活性成分の混合物またはこれらの酸化防止剤を含む植物抽出物(例えば、ティーツリー油、ローズマリー抽出物およびローズマリン酸)を使用することができる。一般に、前述の酸化防止剤の混合物が可能である。
【0137】
一実施形態によれば、適切な溶媒の例は、水、芳香族溶媒(例えば、キシレン)、水、パラフィン(例えば灯油またはディーゼル油などの鉱油留分)、コールタール油および植物または動物起源の油、脂肪族、環状および芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはそれらの誘導体、アルコール(例えば、メタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン、ガンマ-ブチロラクトン)、ピロリドン(NMP、NEP、NOP)、アセテート(グリコールジアセテート)、グリコール、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸および脂肪酸エステル、イソホロンおよびジメチルスルホキシドである。原則として、溶媒混合物も使用され得る。
【0138】
別の実施形態では、適切な保存剤は、例えばベンゾチアゾール、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、ジクロロ-s-トリアジントリオンナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、1,2-フェニル-イソチアゾリン-3-オン、クロロキシレノールパラオキシ安息香酸ブチルおよび安息香酸である。
【0139】
別の実施形態において、好適な塩基は、炭酸ナトリウムである。
【0140】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約0.1%w/w~約30%w/wの量の農薬上許容できる賦形剤を含む。
【0141】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約0.1%w/w~約80%w/wの量のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、約5%w/w~約70%w/wの量のポリマー担体および約1%w/w~約20%w/wの量のスルホン酸誘導体の塩を含む。
【0142】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約0.1%w/w~約80%w/wの量のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、約5%w/w~約70%w/wの量のケイ酸塩担体および約1%w/w~約20%w/wの量のスルホン酸誘導体の塩を含む。
【0143】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約0.1%w/w~約60%w/wの量のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、約5%w/w~約70%w/wの量のポリマー担体、約1%w/w~約20%w/wの量のスルホン酸誘導体の塩および約0.1%w/w~約30%w/wの量の農薬上許容できる賦形剤を含む。
【0144】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約0.1%w/w~約70%w/wの量のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、約5%w/w~約60%w/wの量のポリマー担体および約1%w/w~約20%w/wの量のスルホン酸誘導体の塩を含む。
【0145】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約0.1%w/w~約70%w/wの量のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、約5%w/w~約60%w/wの量のケイ酸塩担体および約1%w/w~約20%w/wの量のスルホン酸誘導体の塩を含む。
【0146】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約0.1%w/w~約60%w/wの量のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、約5%w/w~約60%w/wの量のケイ酸塩担体および約1%w/w~約20%w/wの量のスルホン酸誘導体の塩を含む。
【0147】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約0.1%w/w~約20%w/wの量のトリベヌロンメチル、約5%w/w~約60%w/wの量のチフェンスルフロンメチル、約5%w/w~約60%w/wの量のポリマー担体および約1%w/w~約20%w/wの量のスルホン酸誘導体の塩を含む。
【0148】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、組成物の総重量の約0.1%w/w~約20%w/wの量のトリベヌロンメチル、約5%w/w~約60%w/wの量のチフェンスルフロンメチル、約5%w/w~約60%w/wの量のケイ酸塩担体および約1%w/w~約20%w/wの量のスルホン酸誘導体の塩を含む。
【0149】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、トリベヌロンメチルを組成物の総重量の約0.1%w/w~約20%w/wの量で含み、チフェンスルフロンメチルを約5%w/w~約60%w/wの量で含み、ケイ酸塩担体を約5%w/w~約60%w/wの量で含み、スルホン酸誘導体の塩を約1%w/w~約20%w/wの量で含み、農薬上許容できる賦形剤を約0.1%w/w~約30%w/wの量で含む。
【0150】
一実施形態によれば、本開示は、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および
b)ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム
を含む安定した農薬組成物を提供し、
安定した農薬組成物は固体製剤の形態である。
【0151】
一実施形態において、安定した農薬組成物は、カプセル懸濁液(CS)、分散性濃縮物(DC)、乳化性濃縮物(EC)、油中水エマルジョン(EO)、水中油エマルジョン(EW)、マイクロエマルジョン(ME)、油分散物(OD)、油混和性流動性濃縮物(油混和性懸濁液(OF)、油混和性液体(OL)、懸濁濃縮物(SC)、懸濁エマルジョン(SE)、可溶性濃縮物(SL)、水分散性顆粒(WGまたはWDG)、水溶性顆粒(SG)、水溶性粉末(SP)、湿潤性粉末(WP)、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0152】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は水分散性粒剤(WGまたはWDG)の形態で存在する。
【0153】
一実施形態において、本開示は、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;
b)ポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム;および
c)場合により農薬上許容できる賦形剤、を含む、組成物を提供する。
【0154】
一実施形態において、本開示は、WDG農薬組成物であって、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;
b)ポリマー担体およびスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含む安定剤システム;および
c)任意で、農薬上許容できる賦形剤、
を含む、固体農薬組成物を提供する。
【0155】
一実施形態において、本開示は、WDG農薬組成物であって、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;
b)ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム;および
c)場合により農薬上許容できる賦形剤、を含む、組成物を提供する。
【0156】
一実施形態において、本開示は、
a)2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;
b)ケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システム;および
c)任意で、農薬上許容できる賦形剤、
を含む、WDG農薬組成物を提供する。
【0157】
一実施形態では、本発明は、2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;およびケイ酸塩担体と、タンクミックスまたは予め配合された(プレミックス)組成物のいずれかの形態のスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む、WDG農薬組成物を提供する。
【0158】
一実施形態では、本発明は、2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;およびケイ酸塩担体と、予め配合された(プレミックス)組成物の形態のスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む、WDG農薬組成物を提供する。
【0159】
一実施形態によれば、WDG組成物は2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤を含み、2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤はチフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルを含む。
【0160】
一実施形態によれば、WDG組成物は、チフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルを含み、チフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルは、50:450の活性成分の比で存在する。
【0161】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、望ましくない植物の成長を防除するために使用される。
【0162】
一実施形態では、本開示は、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;およびポリマー担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物の、雑草を防除するための使用を提供する。
【0163】
一実施形態では、本開示は、2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;および雑草を防除するための、ケイ酸塩担体およびスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物の使用を提供する。
【0164】
一実施形態によれば、本開示は、安定した農薬組成物の調製方法であって、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、およびポリマー担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを混合し、均質な混合物を得るステップ;
b)ステップ(a)の均質な混合物を造粒して顆粒を得るステップ;および
c)顆粒を乾燥させて安定した農薬組成物を得るステップ、
を含む方法を提供する。
【0165】
一実施形態によれば、本開示は、安定した農薬組成物の調製方法であって、
a)少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、およびケイ酸塩担体と、スルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを混合し、均質な混合物を得るステップ;
b)ステップ(a)の均質な混合物を造粒して顆粒を得るステップ;および
c)顆粒を乾燥させて安定した農薬組成物を得るステップ、
を含む方法を提供する。
【0166】
一実施形態によれば、本開示の安定した農薬組成物を調製する方法は、WDG製剤をもたらし、ステップ(b)の造粒は、パン造粒、噴霧乾燥または押出を含む。
【0167】
一実施形態によれば、本開示の安定した農薬組成物を調製する方法は、WDG製剤をもたらし、ステップ(b)の造粒は、押出を含む。
【0168】
一実施形態によれば、本開示の安定した農薬組成物の調製方法は、
a)少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを混合し、均質な混合物を得るステップ;
b)ステップ(a)の均質な混合物に水を添加することによって生地を調製するステップ;
c)生地を押し出して顆粒を得るステップ;および
d)顆粒を乾燥させて安定した農薬組成物を得るステップを含む。
【0169】
一実施形態によれば、農薬成分または賦形剤の添加および混合の順序は、厳密には重要ではない。一実施形態では、例えば、乾燥成分をブレンドし、次いで組成物を水と混合して、生地を得る。
【0170】
一実施形態によれば、水を微細スプレーとして添加して、組成物から生地を調製して、顆粒を得ることができる。
【0171】
一実施形態によれば、上記成分の均質な混合物は、リボンブレンダー、Vブレンダー、高強度低ミキサー、プラウシアーミキサー、ニーダーミキサーなどの適切なブレンダーを使用して得られる。
【0172】
一実施形態によれば、トリアジニルスルホニル尿素除草剤のブレンド、安定剤システムを農薬上許容できる賦形剤と共に粉砕して、均一なブレンドを得ることができる。
【0173】
粉砕は、エアジェットミル、空気分級機ミル、ハンマーミル、ピンディスクミルなどの適切なデバイスで行うことができる。ジェットミルは、粉砕される粒子がガスの流れによって加速され、衝突によって粉砕される剪断または粉砕機である。二重向流(対向ジェット)および螺旋状(パンケーキ)流体エネルギーミルなど、いくつかの異なるタイプのジェットミルの設計がある。
【0174】
一実施形態によれば、顆粒の乾燥は、噴霧乾燥機または流動床噴霧乾燥機または流動床噴霧造粒機などの適切な乾燥装置で行われてもよい。
【0175】
一実施形態によれば、押し出された顆粒の乾燥は、40~80℃の範囲の温度で行われる。
【0176】
好ましい実施形態によれば、顆粒の乾燥は、40~65℃の範囲の温度で行われる。
【0177】
好ましい実施形態によれば、顆粒の乾燥は50℃の温度で行われる。
【0178】
一実施形態によれば、本開示の方法で使用される材料は、微細に分けられた形態、好ましくは一般に製造業者によって供給される市販グレードの化学物質の形態である空気粉砕された形態であってもよい。
【0179】
一実施形態では、噴霧溶液のpHは4.0~7.0の範囲である。
【0180】
本開示の一実施形態によれば、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;およびポリマー担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物は、水で希釈して噴霧溶液を作製した場合、4.0~7.0というpH値になる。
【0181】
本開示の一実施形態によれば、2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物は、水で希釈して噴霧溶液を作製した場合、4.0~7.0というpH値になる。
【0182】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、1~20μmの範囲の粒径分布(D50)を有する。
【0183】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、1~15μmの範囲の粒径分布(D50)を有する。
【0184】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、1~10μmの範囲の粒径分布(D50)を有する。
【0185】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、2~8μmの範囲の粒径分布(D50)を有する。
【0186】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、2.73μmの粒径分布(D50)を有する。
【0187】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、6.75μmの粒径分布(D50)を有する。
【0188】
一実施形態では、本開示は、トリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルの分解を制御する方法であって、ポリマー担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを少なくとも1つのトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルに添加するステップを含む方法を提供する。
【0189】
一実施形態では、本開示は、トリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルの分解を制御する方法であって、ケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルに添加するステップを含む方法を提供する。
【0190】
一実施形態によれば、本開示は、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそのエステル;およびポリマー担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、植物またはその場所に施用することによって植物を処理する方法を提供する。
【0191】
一実施形態によれば、本開示は、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそのエステル;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、植物またはその場所に施用することによって植物を処理する方法を提供する。
【0192】
一実施形態によれば、本開示は、トリベヌロンメチル;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、植物またはその場所に施用することによって植物を処理する方法を提供する。
【0193】
一実施形態によれば、本開示は、チフェンスルフロンメチル;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、植物またはその場所に施用することによって植物を処理する方法を提供する。
【0194】
一実施形態によれば、本開示は、2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそのエステル;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムとを含む安定した農薬組成物を、植物またはその場所に施用することによって植物を処理する方法を提供する。
【0195】
一実施形態によれば、本開示は、トリベヌロンメチルおよびチフェンスルフロンメチル除草剤;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、植物またはその場所に施用することによって植物を処理する方法を提供する。
【0196】
一実施形態によれば、本開示は、トリベヌロンメチル、チフェンスルフロンメチル、およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、植物またはその場所に施用することによって植物を処理する方法を提供し、当該安定剤システムは、噴霧溶液中のトリベヌロンメチルおよびチフェンスルフロンメチル除草剤の80%を超える分解を制御する。
【0197】
一実施形態によれば、本開示は、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステル;およびポリマー担体およびスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を雑草またはその場所に施用することによって、雑草を防除する方法を提供する。
【0198】
一実施形態によれば、本開示は、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステル;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、雑草またはその場所に施用することによって、雑草を防除する方法を提供する。
【0199】
一実施形態によれば、本開示は、トリベヌロンメチル;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、雑草またはその場所に施用することによって雑草を防除する方法を提供する。
【0200】
一実施形態によれば、本開示は、チフェンスルフロンメチル;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、雑草またはその場所に施用することによって雑草を防除する方法を提供する。
【0201】
一実施形態によれば、本開示は、2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩、およびそのエステル;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムとを含む安定した農薬組成物を、雑草またはその場所に施用することによって雑草を防除する方法を提供する。
【0202】
一実施形態によれば、本開示は、トリベヌロンメチルおよびチフェンスルフロンメチル除草剤;およびケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含む安定した農薬組成物を、雑草またはその場所に施用することによって雑草を防除する方法を提供する。
【0203】
本開示の安定した農薬組成物は、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、ビート、ナタネ、ヒマワリ、デュラムコムギ、秋コムギ、圃場トウモロコシ、冬オオムギ、ワタ、秋オオムギ、休閑地、春コムギ、ライコムギ、冬コムギ、サトウキビ、タバコなど;野菜;ナス、トマト、ピメント、ハツカカ、ジャガイモなどのナス科野菜、キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン、カボチャなどのウリ科野菜、ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コヒラビ、ハクサイ、キャベツ、ハクサイ、カラシ、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜、ゴボウ、春菊、チョウセンアザミ、レタスなどのキク科の野菜、ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガスなどのユリ科野菜、ニンジン、パセリ、セロリ、パクニップなどのセリ科の野菜、ホウレンソウ、スイスカードなどの葉物野菜、シソ、ハッカ、バジルなどのアカザ科の野菜、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、コロカシア属など、花、観葉植物、芝草、果物:リンゴ、ナシ、マルメロなどのナシの実、モモ、プラム、ネクタリン、スモモ、サクランボ、アプリコット、プルーンなどの石肉質の果物、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘類、クリ、くるみ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツなどのナッツ類、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリーなどのベリー類、ブドウ、柿、オリーブ、プラム、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココナッツなど、果樹以外の木:チャ、桑、草花、トネリコ、シラカバ、ハナミズキなどの樹木、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、コナラ、ポプラ、ユダの木、リクダンバルフォルモサナ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミ、ツガ、ジュニパー、マツ、アカマツ、イチイなどの作物の中の雑草を標的とするために使用され得る。
【0204】
好ましい実施形態によれば、安定した農薬組成物は、カノーラ、デュラムコムギ、秋コムギ、飼育用トウモロコシ、ナタネ、春オオムギ、テンサイ、冬オオムギ、ワタ、秋オオムギ、休閑、穀物ソルガム、イネ、ダイズ、春コムギ、ライコムギ、冬コムギなどの作物の中の雑草を標的とするように使用される。
【0205】
一実施形態によれば、標的雑草は、Alopecurus myosuroides Huds、(ブラックグラス、ALOMY)、Amaranthus palmeri(パーマーアマランス、AMAPA)Amaranthus viridis(スレンダーアマランサス、AMAVI)、Avena fatua(ワイルドエンバク、AVEFA)、Brachiaria decumbens Stapf、またはUrochloa decumbens(Stapf)、Brachiaria brizantha、またはUrochloa brizantha、Brachiaria platyphylla(Groseb.)Nash、またはUrochloa platyphylla(broadleaf signalgrass、BRAPP)、Brachiaria plantaginea、またはUrochloa plantaginea(alexandergrass、BRAPL)、Cenchrus echinatus(southern sandbar、CENEC)、Digitaria horizontalis Willd.(ジャマイカメヒシバ、DIGHO)、Digitaria insularis(サワーグラス、TRCIN)、Digitaria Sanguinalis(large crabgrass、DIGSA)、Echinochloa crus-galli(ヒエ、ECHCG)、Echinochloa Colonum(ジャングルライス、ECHCO)、Eleusine indica Gaertn.(グーズグラス、エレイン)、Lolium multiflorum Lam.(イタリアンライグラス、LOLMU)、Panicum dichlotomiflorum Michx.(オオクサキビ、PANDI)、Panicurn miliaceum L.(wild-proso millet、PANMI)、Sesbania exaltata(hemp sesbania、SEBEX)、Setaria faberi Herrm.(アキノエノコログサ、SETFA)、Setaria viridis(エノコログサ、SETVI)、ソルガムハレペンス(ジョンソングラス、SORHA)、ソルガムバイカラー、Moench属、アルンディナセウム(シャッターケーン、SORVU)、Cyperus esculentus(イエローナッツエッジ、CYPES)、Cyperus rotundus(パープルナッツエッジ、CYPRO)、Abutilon theophrasti(velvetleaf、ABUTH)、アマランサス種(アカザおよびアマランサス、AMASS)、Ambrosia artemislifolia L.(ブタクサ、AMBEL)、Ambrosia psilostachya DC.(西洋ブタクサ、AMBPS)、Ambrosia trifida(ジャイアントラグウィード、AMBTR)、Arioda aristata(スパードアノダ、ANVCR)、Asclepias syriaca(common milkweed、ASCSY)、コセンダングサ(hairy beggarticks、BIDPI)、ボレリア種(BOISS)、Borreria alataまたはSpermacoce alata Aubl.またはSpermacoce latifolia(broadleaf buttonweed、BOILF)、Chenopodium album L.(common lambsquarters、CHEAL)、Cirsium arvense(カナダアザミ、CIRAR)、Commelina benghalensis(マルバツユクサ、COMBE)、チョウセンアサガオ(ヨウシュチョウセンアサガオ、DATST)、ダウカス・カロタ(ノラニンジン、DAUCA)、ユーフォルビアヘテロフィラ(ワイルドポインセチア、EPHHL)、ユーフォルビア・ヒルタまたはチャマエシス・ヒルタ(トウダイグサ、EPHHI)、ユーフォルビア・デンタタ・ミクス.(toothed spurge、EPHDE)、Erigeron bonariensisまたはConyza bonariensis(ノジオウギク、ERIBO)、Erigeron canadensisまたはConyza canaderisis(ヒメムカシヨモギ、ERICA)、Conyza sumatrensis(オオアレチノギク、ERIFL)、Helianthus annuus(コモンサンフラワー、HELAN)、Jacquemontia tamnifolia(smallflower morningglory、IAQTA)、Ipomoea hederacea(アメリカアサガオ、IPOHE)、Ipomoea lacunosa(white morningglory、IPOLA)、Lactuca serriola(トゲチシャ、LACSE)、Portulaca oleracoa(スベリヒユ、POROL)、Richardia種(プスリー、RCHSS)、Salsola tragus(ロシアアザミ、SASKR)、Sida種(キンゴジカ、SIDSS)、Sida Spinosa(prickly sida、SIDSP)、Sinapis arvensis(ワイルドマスタード、SINAR)、Solanum ptychanthum(アメリカイヌホオズキ、SOLPT)、Tridax procumbens(coat buttons、TRQPR)、またはXanthium strumarium(オナモミ、XANST)から選択され得る。
【0206】
一実施形態によれば、本開示は、雑草の出芽前または出芽後のいずれかに施用され得る。安定した農薬組成物の利点は、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の良好な希釈安定性および制御されたまたは少ない分解である。
【0207】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物は、少なくとも2種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤、その農業上許容できる塩およびそのエステルを含み、トリアジニルスルホニル尿素除草剤はトリベヌロンメチルまたはチフェンスルフロンメチルを含む。
【0208】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物はトリベヌロンメチルを含み、トリベヌロンメチルは250~500ga.i./haの量で施用される。
【0209】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物はトリベヌロンメチルを含み、トリベヌロンメチルは450ga.i./haの量で施用される。
【0210】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物はチフェンスルフロンメチルを含み、チフェンスルフロンメチルは1~150ga.i./haの量で施用される。
【0211】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物はチフェンスルフロンメチルを含み、チフェンスルフロンメチルは50ga.i./haの量で施用される。
【0212】
本開示の一実施形態によれば、農薬組成物の様々な成分は、本開示による組成物を調製するために、個々にまたは既に部分的にまたは完全に少なくとも1つの他のものと混合されて、使用され得る。それらをパッケージングし、さらにキットオブパーツなどの組成物として使用することも可能である。
【0213】
一実施形態によれば、安定した農薬組成物を含むキットが提供される。キットは複数の成分を含み、各成分は本開示の安定した農薬組成物の成分の少なくとも1つまたは複数を含み得る。
【0214】
一実施形態によれば、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤または農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;およびポリマー担体およびスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含む安定剤システムを含むキットが提供される。
【0215】
一実施形態によれば、少なくとも1種のトリアジニルスルホニル尿素除草剤または農業上許容できる塩、およびそれらのエステル;およびケイ酸塩担体およびスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩を含む安定剤システムを含むキットが提供される。
【0216】
1つの実施形態において、キットは、安定した農薬組成物を調製するために使用され得る1つまたは複数、つまりすべてを含む成分を含み得る。例えば、キットは、トリアジニルスルホニル尿素除草剤、ならびにケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の少なくとも2種の塩とを含む安定剤システムを含み得る。成分の1つまたは複数は、既に組み合わされていてもよく、または予め配合されていてもよい。3つ以上の成分がキットに提供される実施形態では、成分は既に組み合わされていてもよく、したがってバイアル、ボトル、缶、パウチ、バッグまたはキャニスタなどの単一の容器にパッケージングされる。
【0217】
本明細書および実施例は例示であるが、本開示を限定するものではなく、本開示の精神および範囲内の他の実施形態が、当業者に対してそれらを示唆することが理解されよう。本開示の範囲内でもある他の実施形態を実施することができる。以下の実施例は本開示を例示するが、決して特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0218】
実施例1:チフェンスルフロンメチル50+トリベヌロンメチル450WDGの調製
【表1】
【0219】
5.20gのチフェンスルフロンメチルおよび47.17gのトリベヌロンメチルを混合し、3gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、9gのリグノスルホン酸ナトリウム、およびカオリン粘度を含む安定剤を(必要に応じて)さらに添加し、均一な混合物を得るためにブレンドした。さらに4.82gの炭酸ナトリウムを混合物に添加した。水を加えて混合物から生地を調製し、押出して顆粒を得、顆粒を乾燥させて安定した農薬組成物を得た。
【0220】
実施例2:チフェンスルフロンメチル50+トリベヌロンメチル450WDGの調製
【表2】
【0221】
チフェンスルフロンメチル、トリベヌロンメチル、炭酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸ナトリウム、およびカオリンを上述の量で混合し、実施例1の方法に従ってWDG製剤を調製した。
【0222】
実施例3:トリベヌロンメチル450WDGの調製
【表3】
【0223】
トリベヌロンメチル、炭酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸ナトリウム、およびカオリンを上述の量で混合し、実施例1の方法に従ってWDG製剤を調製した。
【0224】
実施例4:チフェンスルフロンメチル50WDGの調製
【表4】
【0225】
チフェンスルフロンメチル、炭酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸ナトリウム、およびカオリンを上述の量で混合し、実施例1の方法に従ってWDG製剤を調製した。
【0226】
実施例5:安定性試験
実施例1および実施例2の組成物を調べて、最初に25℃で、2ヶ月後に40℃、3ヶ月後に35℃で活性成分の安定性を評価した。実施例1および実施例2の両方の組成物中の活性成分であるチフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルは、かなり安定したままであった。両方の活性物質がかなり安定したままであり、チフェンスルフロンメチルは99%超が回収され、トリベヌロンメチルは95%超が回収されることが見出された。全体として、実施例1および実施例2の両方の組成物が安定性試験において満足のいくものであることが分かった。結果を表1にまとめた。
【0227】
【0228】
実施例6:分散性および沈降試験
【0229】
実施例1および実施例2の組成物の安定性を確実にするために、分散性のみならず、沈降について試験した。方法は、試験試料を使用して試料の分散性(最大用量(maximum dose rate))を決定することを含み、これを100mL目盛り付き遠心管中の100mLの標準硬水に添加した。管を繰り返し反転させ、顆粒の完全な分散に必要な反転の回数を記録した。管をかき回さないように24時間静置した。15分、30分、1時間、4時間、および24時間後に分離体積を記録した。結果を表2にまとめた。
【0230】
【0231】
実施例7:懸濁性試験
【0232】
実施した懸濁性試験において、実施例1および実施例2の組成物のpHは中性付近であることが分かった。粒径D50は2.73から6.75μmの間のままであった。持続性の泡の範囲は許容限界内であった。湿式ふるいの結果も満足のいくものであることがわかった。また、最大用量(0.045%)でのCIPAC法を用いて懸濁性も算出した。持続時間は30分であった。両方の活性物質が98%を超える懸濁性を有することが分かった。分散物の自発性も90%を超えることが分かった。結果を表3にまとめた。
【0233】
【0234】
実施例8:噴霧溶液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の安定性の研究
【0235】
実施例1の組成物を希釈してタンクミックスを調製し、チフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルの回収率を0時間、2時間、4時間、6時間および24時間の種々の時間間隔で観察した。チフェンスルフロンメチルは、あまり分解することなく24時間にわたってタンク希釈液で非常に安定したままであることが観察された。24時間でわずか0.4%の分解が観察された。同様に、トリベヌロンメチルはタンク希釈液で安定したままであり、24時間で約20%の分解が観察され、これは許容範囲内であった。結果を表4にまとめた。
【0236】
【0237】
実施例9:タンク希釈液中のトリアジニルスルホニル尿素除草剤の比較研究
【0238】
実施例1、実施例2および実施例3の組成物を用いてタンク希釈液を調製し、これらの組成物を市場標準品(チフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチル)と比較した。実施例1~3の組成物ならびに市場標準品について、チフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルの回収率を観察した。チフェンスルフロンメチルは、3つの組成物すべてにおいて非常に安定したままであることが見出された。しかし、市場標準品では、24時間でトリベヌロンメチルの約40%の分解が観察され、作物へのさらなる施用には適さなかった。一方、トリベヌロンメチルは、実施例1(すなわち、回収率80.3%)、実施例2(すなわち、回収率87.8%)、および実施例3(すなわち、回収率88.7%)の組成物で非常に安定したままであることが分かった。結果を表5にまとめた。
【0239】
【0240】
かくして、本願の発明者らは、トリアジニルスルホニル尿素除草剤の安定した農薬組成物を開発することに成功した。組成物は、タンク希釈液においてより長い安定性を示すことが見出されている。チフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルの両方の分解は、ケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の塩とを含む安定剤の存在下で制御されることが見出されている。上記の実験データから、本開示のケイ酸塩担体とスルホン酸誘導体の塩とを含む安定化剤は、チフェンスルフロンメチルおよびトリベヌロンメチルの分解防止に有効であることが明らかである。組成物は、輸送および貯蔵寿命の間、かなりに安定したままであった。したがって、本開示の趣旨および範囲は、そこに含まれる好ましい実施形態の説明に限定されるべきではない。
【国際調査報告】