(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】骨格筋に再標的化されたウイルス粒子
(51)【国際特許分類】
C12N 7/01 20060101AFI20241024BHJP
C07K 14/015 20060101ALI20241024BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20241024BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20241024BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20241024BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20241024BHJP
C12N 15/55 20060101ALI20241024BHJP
C12N 15/31 20060101ALI20241024BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20241024BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20241024BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C12N7/01 ZNA
C07K14/015
C12N5/10
C07K16/28
C07K19/00
C12N15/113 Z
C12N15/55
C12N15/31
C12N15/11 Z
A61K35/76
A61P21/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525653
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 US2022079339
(87)【国際公開番号】W WO2023081850
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サビン, リア
(72)【発明者】
【氏名】ステック, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カラツオス, クリストス
(72)【発明者】
【氏名】モーラー-タンク, スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】サマイ, ポウラミ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA93X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA43
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087NA13
4C087ZA94
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA01
4H045DA86
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書において、筋特異的表面タンパク質を使用して、ウイルス粒子、例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を筋細胞に再標的化するための組成物及び方法が提供される。それに応じて適合されるAAVは、骨格筋関連障害(例えば、X連鎖性筋細管ミオパチー(XLMTM)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、筋強直性ジストロフィー(DM1)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー1型(FSHD)、先天性筋ジストロフィー1A型(MDC1A)、肢帯型筋ジストロフィー、ジストログリカのパチーなど)の治療を必要とする患者におけるその治療のための実行可能な遺伝子療法プラットフォームであり得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子であって、
(i)改変AAVカプシドタンパク質と、
(ii)哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合する標的化リガンドと、を含み、
前記改変AAVカプシドタンパク質が、前記標的化リガンドと動作可能に連結されている、組換えAAV粒子。
【請求項2】
(a)前記改変AAVカプシドタンパク質が、タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバー及び第2のメンバーを含み、
(b)前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第2のメンバーが、前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合する前記標的化リガンドを含み、
前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバー及び前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第2のメンバーが、前記ウイルス粒子の指向性を前記哺乳動物筋細胞に向けるように会合している、請求項1に記載の組換えAVV粒子。
【請求項3】
前記哺乳動物筋特異的表面タンパク質が、ヒト筋細胞特異的表面タンパク質である、請求項1又は2に記載の組換えAAV粒子。
【請求項4】
前記哺乳動物筋細胞が、哺乳動物骨格筋細胞である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項5】
前記哺乳動物筋細胞の表面上に発現される前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合された前記改変AAVカプシドタンパク質を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項6】
前記哺乳動物筋細胞の表面上に発現される前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合された前記改変AAVカプシドタンパク質を含み、
前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質が、ヒト筋細胞特異的表面タンパク質であり、
前記哺乳動物筋細胞が、前記ヒト筋細胞特異的表面タンパク質を発現するように遺伝子改変された非ヒト動物筋細胞である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項7】
前記哺乳動物筋特異的表面タンパク質に結合された前記AAVカプシドタンパク質を含み、
前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質が、ヒト筋細胞特異的表面タンパク質であり、
前記哺乳動物筋細胞が、前記ヒト筋細胞特異的表面タンパク質を発現するように遺伝子改変された齧歯類筋細胞である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項8】
前記齧歯類筋細胞が、ラット筋細胞又はマウス筋細胞である、請求項7に記載の組換えAAV粒子。
【請求項9】
前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合された前記AAVカプシドタンパク質を含み、
前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質が、ヒト筋細胞特異的表面タンパク質であり、
前記哺乳動物筋細胞が、ヒト筋細胞である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項10】
前記組換えAAV粒子が、インビトロにある、請求項1~9のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項11】
前記組換えAAV粒子が、インビボにある、請求項1~9のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項12】
前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質が、哺乳動物カルシウム電位開口型補助サブユニットガンマ1(CACNG1)である、請求項1~11のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項13】
前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質が、ヒトCACNG1である、請求項12に記載の組換えAAV粒子。
【請求項14】
前記標的化リガンドが、重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3、及び/又はそれぞれ重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列のセット、及び/又は配列番号1~240のうちのいずれか1つに記載のHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセットを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項15】
(a)前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバーが、SpyTag、Isopeptag、SnoopTag、SpyTag002、SpyTag003、又はそれらの任意の生物学的に活性な部分若しくはバリアントを含み、
(b)前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第2のメンバーが、
(i)SpyCatcher、KTag、ピリン-C、SnoopCatcher、SpyCatcher002、SpyCatcher003、又はそれらの任意の生物学的に活性な部分若しくはバリアント、及び
(ii)哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合する前記標的化リガンドを含み、
(c)前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバー及び前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第2のメンバーが、イソペプチド結合により連結している、請求項1~14のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項16】
(a)前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバーが、SpyTag、又はそれらの任意の生物学的に活性な部分若しくはバリアントを含み、
(b)前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第2のメンバーが、前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合する前記標的化リガンドに融合された、SpyCatcher、又はそれらの任意の生物学的に活性な部分若しくはバリアントを含む、請求項15に記載の組換えAAV粒子。
【請求項17】
前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバーを、前記ウイルスカプシドタンパク質に動作可能に連結する第1及び/又は第2のリンカーを含む、請求項2~16のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項18】
前記第1及び第2のリンカーが、同一ではない、請求項17に記載の組換えAAV粒子。
【請求項19】
前記第1及び第2のリンカーが、同一である、請求項17に記載の組換えAAV粒子。
【請求項20】
前記第1のリンカーが、10アミノ酸長であり、かつ/又は前記第2のリンカーが、10アミノ酸の長さである、請求項17~19のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項21】
前記改変AAVカプシドタンパク質が、改変VP1カプシドタンパク質、改変VP2カプシドタンパク質、及び/又は改変VP3カプシドタンパク質を含み、
前記改変VP1カプシドタンパク質、改変VP2カプシドタンパク質、及び/又は改変VP3カプシドタンパク質が、タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバー及び/又は前記標的化リガンドの挿入を含み、
タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバー及び/又は前記標的化リガンドの前記挿入を含む、前記改変VP1カプシドタンパク質、改変VP2カプシドタンパク質、及び/又は改変VP3カプシドタンパク質の一部が、野生型AAVの対応するカプシドタンパク質に対し、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を更に含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項22】
前記改変VP1カプシドタンパク質、前記改変VP2カプシドタンパク質、及び/又は前記改変VP3カプシドタンパク質が、タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバー及び/又は前記標的化リガンドの前記挿入に加えて、
(i)アミノ酸の置換、挿入、若しくは欠失、
(ii)キメラアミノ酸配列、又は
(iii)(i)及び(ii)の任意の組み合わせ、を更に含む、請求項21に記載の組換えAAV粒子。
【請求項23】
アミノ酸の前記置換、挿入、又は欠失が、前記ウイルス粒子の天然指向性を低減し、かつ/又は検出可能な標識を作成する、請求項22に記載の組換えAAV粒子。
【請求項24】
前記AAVが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、表2に列挙される非霊長類動物のAAV、及びその任意のキメラからなる群から選択される、請求項1~23のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項25】
前記AAVが、AAV2である、請求項1~24のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項26】
前記組換えAAV粒子が、アミノ酸位置I-453及び/又はI-587に挿入され、任意選択的に片側又は両側のリンカーを介してAAV配列に連結されたタンパク質:タンパク質結合結合ペアの第1のメンバーを含む改変AAV2 VP1カプシドタンパク質を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項27】
前記組換えAAV粒子が、任意選択的にリンカーを介して、G453位に挿入された前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバーを含む改変AAV2 VP1カプシドタンパク質を含み、
任意選択的に、前記改変AAV2 VP1カプシドタンパク質が、R585A、R588A、R484A、R487A、K532A及びそれらの任意の組み合わせから選択される変異を更に含む、請求項26に記載の組換えAAV粒子。
【請求項28】
前記組換えAAV粒子が、前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバーを欠くAAV2 VP1カプシドタンパク質の第2のセットを含むモザイクAAVカプシドを含み、
任意選択的に、AAV2 VP1カプシドタンパク質の前記第2のセットが、R585A、R588A、R484A、R487A、K532A及びそれらの任意の組み合わせから選択される変異を含む、請求項26又は27に記載の組換えAAV粒子又は組成物。
【請求項29】
前記AAVが、AAV9である、請求項1~24のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項30】
前記ウイルスカプシドが、任意選択的にリンカーを介して、I-453位又はI-589位に挿入された特異的結合ペアの第1のメンバーを含む改変AAV9 VP1カプシドタンパク質を含む、請求項29に記載の組換えAAV粒子。
【請求項31】
前記組換えAAV粒子が、任意選択的にリンカーを介して、G453位に挿入されたタンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーを含む改変AAV9 VP1カプシドタンパク質を含み、
任意選択的に、前記改変AAV9 VP1カプシドタンパク質が、N272A、W503A、及びそれらの組み合わせから選択される変異を更に含む、請求項30に記載の組換えAAV粒子。
【請求項32】
前記組換えAAV粒子が、前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバーを欠くAAV9 VP1カプシドタンパク質の第2のセットを含むモザイクウイルスカプシドであり、
任意選択的に、AAV9 VP1カプシドタンパク質の前記第2のセットが、N272A、W503A、及びそれらの組み合わせから選択される変異を含む、請求項30又は31に記載の組換えAAV粒子。
【請求項33】
前記AAVが、鳥類AAV(AAAV)、非霊長類哺乳動物AAV又は有鱗目AAVである、請求項1~24のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項34】
前記非霊長類動物AAVが、AAAVである、請求項33に記載の組換えウイルス粒子又は組成物。
【請求項35】
前記ウイルスカプシドが、任意選択的にリンカーを介して、I-444位又はI-580位に挿入された前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバーを含む改変AAAV VP1カプシドタンパク質を含む、請求項34に記載の組換えウイルス粒子又は組成物。
【請求項36】
前記非霊長類動物AAVが、有鱗目AAVである、請求項33に記載の組換えウイルス粒子又は組成物。
【請求項37】
前記非霊長類動物AAVが、フトアゴヒゲトカゲAAVである、請求項33に記載の組換えウイルス粒子又は組成物。
【請求項38】
前記ウイルスカプシドが、任意選択的にリンカーを介して、I573位又はI436位に挿入された前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバーを含む改変フトアゴヒゲトカゲVP1カプシドタンパク質を含む、請求項37に記載の組換えウイルス粒子又は組成物。
【請求項39】
前記非霊長類動物AAVが、非霊長類哺乳動物AAVである、請求項33に記載の組換えウイルス粒子又は組成物。
【請求項40】
前記非霊長類哺乳動物AAVが、アシカAAVである、請求項39に記載の組換えウイルス粒子又は組成物。
【請求項41】
前記ウイルスカプシドが、任意選択的にリンカーを介して、I429、I430、I431、I432、I433、I434、I436、I437、及びI565からなる群から選択される位置に挿入された前記タンパク質:タンパク質結合ペアの前記第1のメンバーを含む改変AAAV VP1カプシドタンパク質を含む、請求項34に記載の組換えウイルス粒子又は組成物。
【請求項42】
前記組換えAAV粒子が、モザイクウイルスカプシドであり、任意選択的に、前記モザイクウイルスカプシドが、(i)その各々が前記標的化リガンドと会合していない第1の複数の参照カプシドタンパク質、及び(ii)その各々が前記標的化リガンドと会合している第2の複数のカプシドタンパク質を含み、任意選択的に、前記モザイクAAV粒子が、前記第1の複数の参照カプシドタンパク質と前記第2の複数のカプシドタンパク質とを1:7の比で含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項43】
前記標的化リガンドが、抗体又はその一部である、請求項1~42のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項44】
前記ウイルスカプシド内にカプシド封入された目的のヌクレオチドを更に含む、請求項1~43のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子。
【請求項45】
前記目的のヌクレオチドが、レポーター遺伝子である、請求項44に記載の組換えAAV粒子。
【請求項46】
前記目的のヌクレオチドが、β-ガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(eGFP)、MmGFP、青色蛍光タンパク質(BFP)、高感度青色蛍光タンパク質(eBFP)、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J-Red、DsRed、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、黄色蛍光タンパク質(YFP)、高感度黄色蛍光タンパク質(eYFP)、Emerald、CyPet、シアン蛍光タンパク質(CFP)、Cerulean、T-Sapphire、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、又はそれらの組み合わせをコードする、請求項44又は45に記載の組換えAAV粒子。
【請求項47】
前記目的のヌクレオチドが、治療用タンパク質、自殺遺伝子、抗体若しくはその断片、CRISPR/Casシステム若しくはその一部、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、RNAi分子、又はshRNA分子をコードする、請求項44に記載の組換えAAV粒子。
【請求項48】
(a)請求項1~47のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子と、(b)薬学的に許容可能な担体又は賦形剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項49】
目的のヌクレオチドを哺乳動物筋細胞に送達する方法であって、前記哺乳動物筋細胞を、(a)請求項1~47のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子、又は(b)請求項48に記載の医薬組成物と接触させることを含み、
前記筋細胞が、哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質を発現する、方法。
【請求項50】
前記接触することが、エクスビボで実行される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記接触することが、対象内で実行される、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記対象が、霊長類動物、好ましくはヒトである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記哺乳動物筋細胞が、哺乳動物骨格筋細胞である、請求項49~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質が、CACNG1である、請求項49~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記目的のヌクレオチドが、治療用タンパク質、自殺遺伝子、抗体若しくはその断片、CRISPR/Casシステム若しくはその一部、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、RNAi分子、又はshRNA分子をコードする、請求項49~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
筋消耗又は遺伝性筋疾患の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、
前記患者に、(a)請求項1~47のいずれか一項に記載の組換えAAV粒子、又は(b)請求項48に記載の医薬組成物を投与することを含み、
前記ウイルス粒子が、前記ウイルスカプシド内にカプシド封入された目的のヌクレオチドを含み、
前記目的のヌクレオチドが、治療用タンパク質、自殺遺伝子、抗体若しくはその断片、CRISPR/Casシステム若しくはその一部、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、RNAi分子、又はshRNA分子をコードする、方法。
【請求項57】
筋消耗又は遺伝性筋疾患の治療のための医薬品の製造のための、請求項1~47のいずれか一項に記載のウイルス粒子又は組成物、又は請求項48に記載の医薬組成物の使用。
【請求項58】
前記筋消耗又は遺伝性筋疾患が、X連鎖性筋細管ミオパチー(XLMTM)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、筋強直性ジストロフィー(DM1)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー1型(FSHD)、先天性筋ジストロフィー1A型(MDC1A)、肢帯型筋ジストロフィー、及びジストログリカノパチーからなる群から選択される、請求項56に記載の方法又は請求項57に記載の使用。
【請求項59】
前記組換えAAV粒子又は前記医薬組成物の前記患者への前記投与が、前記投与前の肝酵素(例えば、ALT、AST)又は補体成分(例えばBb、C3a)の対応するレベルよりも3倍を超える、好ましくは1.5倍を超える高い前記肝酵素又は前記補体成分のレベルの増加をもたらさない、請求項56~58のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、インビトロ又はインビボで骨格筋細胞などの筋細胞の改変に有用な、筋特異的表面タンパク質、例えば、カルシウム電位開口型(Voltage-Gaged)補助サブユニットガンマ1(CACNG1)又はカドヘリン15(CAD15)に再標的化されたカプシドタンパク質を含む、組換えウイルス粒子、例えば、組換えAAV粒子を作製及び使用する方法に関する。
【0002】
配列表
「11074WO01_xml」と題されたxml形式の配列表は、2022年11月4日に作製され、252Kbであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
特定の標的細胞への遺伝子の送達は、様々な慢性疾患及び遺伝的疾患の潜在的治療のための現代医学における最も重要な技術のうちの1つとなっている。理想的には、遺伝子送達媒体は、遺伝物質を所望の細胞に安定的に導入し、遺伝物質を非標的細胞に導入することを回避することができる。
【0004】
遺伝子送達媒体としての、ウイルス粒子、特にアデノ随伴ウイルス(AAV)に基づくウイルス粒子は、AAVが、毒性又は病原性の明白な証拠なしに、インビボで広範な霊長類の種及び組織を形質導入する能力を有しているために、多くの研究の焦点となっている。(Muzyczka,et al.(1992)Current Topics in Microbiology and Immunology,158:97-129)。更にAAVは有糸分裂後の組織に安全に形質導入される。ウイルスは稀に宿主の染色体内に統合される場合があり、ヒト第19番染色体のセーフハーバー座位への統合が非常に稀に発生するが、複製(Rep)タンパク質がトランスで供給された場合のみである。AAVゲノムは、感染細胞内で迅速に環状化及び鎖状体化し、感染細胞内に安定したエピソーム状態で存在し、ペイロードの長期的で安定した発現を提供する。
【0005】
更に近年、特定細胞へのAAV感染を操作して再指向することが達成されている。ウイルス粒子を使用した標的化遺伝子療法の進歩のうちの多くは、ウイルス粒子の非組換え的(非遺伝的)な改変、又は組換え的(遺伝的)な改変として要約され得、その結果ウイルス粒子の天然指向性のシュードタイピング、拡張、及び/又は再標的化をもたらす。(Nicklin and Baker(2002)Curr.Gene Ther.2:273-93、Verheiji and Rottier(2012)Advances Virol 2012:1-15にて概説されている)。
【0006】
直接的な組換え標的化手法では、標的化リガンドは、ウイルスカプシドに直接挿入されるか、又はウイルスカプシドに連結される、すなわち、タンパク質ウイルスカプシドの遺伝子が改変されて異種標的化リガンドを含むカプシドタンパク質が発現される。次いで標的化リガンドは、標的細胞上で優先的又は排他的に発現される受容体又はマーカーに再指向され、例えば結合する。(Stachler et al.(2006)Gene Ther.13:926-931、White et al.(2004)Circulation 109:513-519、また、Park et al.,(2007)Frontiers in Bioscience 13:2653-59、Girod et al.(1999)Nature Medicine 5:1052-56、Grifman et al.(2001)Molecular Therapy 3:964-75、Shi et al.(2001)Human Gene Therapy 12:1697-1711、Shi and Bartlett(2003)Molecular Therapy 7:515-525も参照されたい)。
【0007】
間接的な組換え手法では、ウイルスカプシドは、異種の「足場」を用いて改変され、その後標的化リガンドを含むアダプターに連結される。アダプターは、足場及び標的細胞に結合する。(Arnold et al.(2006)Mol.Ther.5:125-132、Ponnazhagen et al.(2002)J.Virol.76:12900-907、またWO97/05266も参照されたい)(1)抗体アダプターのFcに結合するFc結合分子(例えば、Fc受容体、プロテインAなど)、(2)ビオチン化アダプターに結合する(ストレプト)アビジン、(3)(ストレプト)アビジンに融合されたアダプターに結合するビオチン、(4)ウイルス粒子の検出及び/又は単離に有用な検出可能な標識であって、検出可能な標識及び標的分子に非共有結合することができる二特異性アダプターに結合された検出可能な標識、そして近年では(5)イソペプチド結合を形成するタンパク質:タンパク質結合ペア、などの足場が、様々なウイルス粒子に関して報告されている。(例えば、Gigout et al.(2005)Molecular Therapy 11:856-865、Stachler et al.(2008)Molecular Therapy 16:1467-1473、Quetglas et al.(2010)Virus Research 153:179-196、Ohno et al.(1997)Nature Biotechnology 15:763-767、Klimstra et al.(2005)Virology 338:9-21を参照されたい)。
AAV感染を指向する能力の提供の進歩とともに、目的の核酸を、目的の細胞、例えば哺乳動物筋細胞に特異的移行させるための標的を発見する必要性が依然として存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Muzyczka,et al.(1992)Current Topics in Microbiology and Immunology,158:97-129
【非特許文献2】Nicklin and Baker(2002)Curr.Gene Ther.2:273-93
【非特許文献3】Verheiji and Rottier(2012)Advances Virol 2012:1-15
【非特許文献4】Stachler et al.(2006)Gene Ther.13:926-931
【非特許文献5】White et al.(2004)Circulation 109:513-519
【非特許文献6】Park et al.,(2007)Frontiers in Bioscience 13:2653-59
【非特許文献7】Girod et al.(1999)Nature Medicine 5:1052-56
【非特許文献8】Grifman et al.(2001)Molecular Therapy 3:964-75
【非特許文献9】Shi et al.(2001)Human Gene Therapy 12:1697-1711
【非特許文献10】Shi and Bartlett(2003)Molecular Therapy 7:515-525
【非特許文献11】Arnold et al.(2006)Mol.Ther.5:125-132
【非特許文献12】Ponnazhagen et al.(2002)J.Virol.76:12900-907
【非特許文献13】Gigout et al.(2005)Molecular Therapy 11:856-865
【非特許文献14】Stachler et al.(2008)Molecular Therapy 16:1467-1473
【非特許文献15】Quetglas et al.(2010)Virus Research 153:179-196
【非特許文献16】Ohno et al.(1997)Nature Biotechnology 15:763-767
【非特許文献17】Klimstra et al.(2005)Virology 338:9-21
【発明の概要】
【0009】
本明細書では、AAVカプシドタンパク質を改変することで、哺乳動物骨格筋細胞への目的のヌクレオチドの標的導入を可能にし得ることを示す。
【0010】
本明細書に記載されるウイルス粒子は、本明細書に記載のウイルスカプシド又はウイルスカプシドタンパク質が筋細胞特異的表面タンパク質に結合する標的化リガンドを含むため、特に筋細胞への目的のヌクレオチドの標的導入に特に好適である。一部の実施形態では、ウイルスカプシド又はウイルスカプシドタンパク質は、結合ペアのその同族の第2のメンバーと会合している、結合ペアの第1のメンバーを含み、第2のメンバーは、筋細胞特異的表面タンパク質に結合する標的化リガンドに連結されている(例えば、融合されている)。一部の実施形態では、標的化リガンドは、任意選択的にリンカーを介して、第2のメンバーに動作可能に連結され、例えば、第2のメンバーに融合される。一部の実施形態では、標的化リガンドは、結合部分、例えば、天然リガンド、抗体、多特異性結合分子などであってもよい。一部の実施形態では、標的化リガンドは、抗体又はその一部である。一部の実施形態では、標的化リガンドは、筋細胞上の筋特異的表面タンパク質に結合する可変ドメイン及び重鎖定常ドメインを含む抗体である。一部の実施形態では、標的化リガンドは、標的細胞上の筋特異的表面タンパク質に結合する可変ドメイン及びIgG重鎖定常ドメインを含む抗体である。一部の実施形態では、標的化リガンドは、標的細胞上の筋特異的表面タンパク質に結合する可変ドメイン及びIgG重鎖定常ドメインを含む抗体であり、この場合においてIgG重鎖定常ドメインは、例えばリンカーを介して、第1のメンバーとイソペプチド共有結合を形成するタンパク質(例えば、タンパク質:タンパク質結合ペアの第2のメンバー)に動作可能に連結される。一部の実施形態では、本明細書に記載のカプシドタンパク質は、ウイルスカプシドタンパク質に動作可能に連結されるSpyTagを含み、SpyTagに共有結合されている第1のメンバーと、抗体可変ドメイン及びIgG重鎖ドメインを含む標的化リガンドに連結されたSpyCatcherを含む第2のメンバーとを含み、この場合においてSpyCatcher及びIgG重鎖ドメインは、例えば、GSGESG(配列番号253)などのアミノ酸リンカーを介して連結される。一部の実施形態では、筋特異的表面(surfrase)タンパク質は、CACNG1を含む。一部の実施形態では、標的化リガンドは、CACNG1、例えば、ヒトCACNG1に結合する。一部の実施形態では、標的化リガンドは、重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3、及び/又は重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のアミノ酸配列を含むHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセット、及び/又は配列番号1~240のうちのいずれか1つに記載のHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1-1】ASGR1又はCACNG1を発現するように遺伝子改変された293細胞株にGFPを送達するAAV2ベースの再標的化ウイルス感染を示す。(A)散布図は、AAV2 WT粒子、AAV2 HBM脱標的変異粒子、AAV2 SpyTag抗ASGR1粒子、又はAAV2 SpyTag抗CACNG1粒子による感染後のhASGR1発現陽性(+)細胞による緑色蛍光タンパク質(GFP)発現を評価するフローサイトメトリーから取得される。また、AAV2 WT粒子、AAV2 HBM脱標的変異粒子、AAV2 SpyTag抗ASGR1粒子、又はAAV2 SpyTag抗CACNG1粒子による感染後のhCACNG1陽性(+)細胞による緑色蛍光タンパク質(GFP)発現を評価するフローサイトメトリーから得られた散布図も示される。ウイルスは、形質導入のマーカーとしてGFPを発現する。(B)グラフは、(A)のフローサイトメトリープロットからのGFP+細胞のパーセンテージを定量化する。
【
図2-1】ASGR1又はCACNG1を発現するように遺伝子改変された293細胞株にGFPを送達するAAV9ベースの再標的化ウイルス感染を示す。(A)散布図は、「AAV9 wt」粒子、「AAV9脱標的変異」粒子、「AAV9 SpyTag抗ASGR1」粒子、又は「AAV9 SpyTag抗CACNG1」粒子による感染後のhASGR1発現陽性(+)細胞による緑色蛍光タンパク質(GFP)発現を評価するフローサイトメトリーから取得される。また、「AAV9 wt」粒子、「AAV9脱標的変異」粒子、「AAV9 SpyTag抗ASGR1」粒子、又は「AAV9 SpyTag抗CACNG1」粒子による感染後のhCACNG1陽性(+)細胞による緑色蛍光タンパク質(GFP)発現を評価するフローサイトメトリーから得られた散布図も示される。ウイルスは、形質導入のマーカーとしてGFPを発現する。(B)グラフは、2AのフローサイトメトリープロットからのGFP+細胞のパーセンテージを定量化する。
【
図3】ASGR1又はCACNG1を発現するように遺伝子改変された293細胞株にルフシェラーゼを送達するAAV2ベース及びAAV9ベース再標的化ウイルス感染(MOI 1×10
6)を示す。(A)AAV2 WT、AAV2 HBM+抗hASGR1、及びAAV2 HBM+抗hCACNG1 mAb#1粒子による感染後のhCACNG1陽性(+)の細胞によるホタルルシフェラーゼ発現を評価するために、ルシフェラーゼアッセイを実行した。また、AAV2 WT、AAV2 HBM+抗hASGR1、及びAAV2 HBM+抗hCACNG1 mAb#1粒子による感染後のhASGR1陽性(+)細胞によるホタルルシフェラーゼ発現を評価するルシフェラーゼアッセイの結果も示される。(B)AAV9 WT、AAV9 N272A、AAV9 N272A+抗hASGR1完全抗体、AAV9 N272A+抗hASGR1 Fab、AAV9 N272A+抗CACNG1 mAb#1完全抗体、及びAAV9 N272A+抗hCACNG1 mAb#1 Fabによる感染後のhCACNG1陽性(+)細胞によるホタルルシフェラーゼ発現を評価するために、ルシフェラーゼアッセイを実行した。また、AAV9 WT、AAV9 N272A、AAV9 N272A+抗hASGR1完全抗体、AAV9 N272A+抗hASGR1 Fab、AAV9 N272A+抗CACNG1 mAb#1完全抗体、及びAAV9 N272A+抗hCACNG1 mAb#1 Fabによる感染後のhCACNG1陽性(+)細胞によるホタルルシフェラーゼ発現を評価するルシフェラーゼアッセイの結果も示される。
【
図4】ヒト骨格筋管のAAV2ベースの再標的化ウイルス形質導入を示す。(A)代表的な免疫蛍光画像、並びに(B)CAGプロモーターの制御下で、eGFPを発現する指示されたAAVの2E+5vg/細胞で3日間形質導入後のヒト骨格筋管のミオシン重鎖(MyHC)陽性領域における平均GFP発現を定量化することによって評価される形質導入効率が提供される。形質導入効率は、ミオシン重鎖(MyHC)陽性筋管領域内の平均GFP蛍光強度を定量化することによって評価された。
【
図5】ヒト骨格筋管のAAV9ベースの再標的化ウイルス形質導入を示す。(A)代表的な免疫蛍光画像、並びに(B)CAGプロモーターの制御下で、eGFPを発現する指示されたAAVの2E+5vg/細胞で3日間形質導入後のヒト骨格筋管のミオシン重鎖(MyHC)陽性領域における平均GFP発現を定量化することによって評価される形質導入効率が提供される。
【
図6】分化マウスC2C12筋管のAAV9ベースの再標的化ウイルス形質導入を示す。(A)代表的な免疫蛍光画像、並びに(B)CAGプロモーターの制御下で、eGFPを発現する指示されたAAVの2E+5vg/細胞で3日間形質導入された分化マウスC2C12筋管のミオシン重鎖(MyHC)陽性領域における平均GFP発現を定量化することによって評価される形質導入効率。
【
図7-1】CACNG1に再標的化された全身的に送達されたAAV2は、インビボでの骨格筋の抗体依存性形質導入を実証することを示す。グラフは、エクスビボで撮像され、骨格筋細胞上にヒトCACNG1を発現するように遺伝子改変されたマウス(CACNG1ヒト化マウス)及び野生型50500マウスから単離された(A)肝臓(B)舌、(C)横隔膜、又は(D)四頭筋(quad)組織、の発光画像からの平均放射輝度値(光子/秒/cm2/sr)を提供し、マウスは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、又は5e11ウイルスゲノム(vg)/動物での、野生型(wt)AAV2粒子、AAV2脱標的粒子又は、目的のホタルルシフェラーゼヌクレオチドを担持し、(1)SpyCatcher-抗ヒトASGR1抗体若しくは(2)SpyCatcher-抗ヒトCACNG1抗体によって改変されたSpyTag付きAAV2粒子を静脈内注射された。これらのAAV2ウイルス粒子は、(a)「SpyTag」カプシドタンパク質(SpyTagは両側に10アミノ酸のリンカーが隣接する残基G453の直後に挿入される)と(b)SpyTagを有しないが、天然の受容体結合を減少させるR585A及びR588A変異を含有するカプシドとの間の1:7の比率で構成されるモザイクウイルス粒子である。ウイルスは、形質導入のマーカーとしてホタルルシフェラーゼを発現する。IV注射の5週間後、マウスをイソフルランを使用して麻酔し、ルシフェリン基質を注射し、7~10分後に安楽死させた。器官を採取し、IVIS Spectrumインビボ撮像システム(PerkinElmer)を使用して撮像した。生データを、living imageソフトウェアを使用して解析して、平均放射輝度(光子/秒/cm2/sr)を決定した。
【
図8-1】CACNG1に再標的化された系統的に送達されたAAV9が、インビボでの骨格筋の抗体依存性形質導入を実証していることを示す。グラフは、エクスビボで撮像され、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)又は5e10ウイルスゲノム(vg)/動物の野生型(wt)AAV9粒子、AAV9脱標的粒子又は目的のホタルルシフェラーゼヌクレオチドを担持し、(1)SpyCatcher-抗ヒトASGR1完全抗体、(2)SpyCatcher-抗ヒトASGR1 Fab、(3)SpyCatcher-抗ヒトCACNG1 mAb#1完全抗体、又は(4)SpyCatcher-抗ヒトCACNG1 mAb#1 Fabで改変されたSpyTag付きAAV9粒子を静脈内注射したヒトCACNG1を発現するように遺伝子改変されたマウス(CACNG1ヒト化マウス)から単離された(A)肝臓、(B)後肢、(C)四頭筋(quad)、又は(D)舌組織、の発光画像からの平均放射輝度値(光子/秒/cm2/sr)を提供する。これらのAAV9ウイルス粒子は、(a)「SpyTag」カプシドタンパク質(SpyTagは両側に10アミノ酸のリンカーが隣接する残基G453の直後に挿入される)と(b)SpyTagを有しないが、天然の受容体結合を減少させるN272A変異を含有するカプシドとの間の1:7の比率で構成されるモザイクウイルス粒子である。ウイルスは、形質導入のマーカーとしてホタルルシフェラーゼを発現する。IV注射の3週間後、マウスをイソフルランを使用して麻酔し、ルシフェリン基質を注射し、7~10分後に安楽死させた。以下の器官を、エクスビボ撮像のために採取した:肝臓、後肢、四頭筋、及び舌。器官を、IVIS Spectrumインビボ撮像システム(PerkinElmer)を使用して撮像した。生データを、living imageソフトウェアを使用して解析して、平均放射輝度(光子/秒/cm2/sr)を決定した。
【
図9】CACNG1を標的とする抗体(mAb#1及びmAb#2)又は非標的化対照としてのhASGR1にコンジュゲートされた野生型AAV9、脱標的化AAV9 N272A、及びAAV9の、1E+11vg/マウスの尾静脈注射の3週間後の(A)CACNG1
hu/hu、(B)WT C57BL/6、及び(C)D2-mdxマウスの肝臓及び四頭筋におけるGFP遺伝子発現解析を示す。GFP発現を、TaqmanベースのqPCRアッセイを介して定量化し、内因性対照としてのRplp0に対して正規化した。GFP mRNA発現は、各組織/マウス系統のWT AAV9と比較して呈示される。
【
図10】CACNG1を標的とする抗体(mAb#1、mAb#2、及びmAb#3)又は非標的化対照としてのhASGR1にコンジュゲートされた野生型AAV9、脱標的化AAV9 N272A、及びAAV9 N272Aの1E+11vg/マウスの尾静脈注射の3週間後のD2-mdxマウスの前脛骨筋及び腓腹筋/足底筋/ヒラメ筋の代表的な免疫蛍光画像を呈示する。無関係抗体(hASGR1)にコンジュゲートされたWT AAV9、脱標的化AAV9 N272A、AAV9並びに、ヒト及びサルCACNG1には結合するがマウスCACNG1には結合しない抗体(mAb#1)にコンジュゲートされたAAV9を注射されたD2-mdxマウスは、これらの筋肉において限定的なGFP蛍光しか示さないが、ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#2及びmAb#3)にコンジュゲートされたAAV9粒子を注射されたマウスは、筋肉全体にわたって筋線維のパッチにおいて堅牢なGFP蛍光を示す。
【
図11】CACNG1を標的とする抗体又は非標的化対照としてhASGR1にコンジュゲートされた野生型AAV9、脱標的化AAV9 N272A、及びAAV9 N272Aの注射後のD2-mdxマウスの肝臓及び四頭筋におけるeGFP発現の免疫組織化学染色を示す。AAV9野生型粒子は、D2-mdxマウスの肝臓に形質導入することができるが、AAV9 N272A粒子は肝臓から脱標的化され、肝臓においてGFPを発現しない。無関係抗体(hASGR1)又はヒト及びサルCACNG1には結合するがマウスCACNG1に結合しないCACNG1標的化抗体(mAb#1)にコンジュゲートされたAAV9 N272Aを注射したD2-mdxマウスは、肝臓又は四頭筋においてほとんど染色を示さない。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#2及びmAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子は、肝臓ではごくわずかなGFP染色を示すが、四頭筋では強いGFP染色を示す。
【
図12】CACNG1を標的とする抗体又は非標的化対照としてhASGR1にコンジュゲートされた野生型AAV9、脱標的化AAV9 N272A、及びAAV9 N272Aの注射後のD2-mdxマウスの腓腹筋/足底筋/ヒラメ筋におけるeGFP発現の免疫組織化学染色を示す。AAV9野生型粒子はD2-mdxマウスの腓腹筋/足底筋/ヒラメ筋に低レベルで形質導入できるが、AAV9 N272A粒子は腓腹筋/足底筋/ヒラメ筋に限定的な効率で形質導入する。無関係抗体(hASGR1)又はマウスCACNG1に結合しないヒトCACNG1に特異的なCACNG1標的化抗体(mAb#1)にコンジュゲートされたAAV9 N272Aを注射したD2-mdxマウスは、腓腹筋/足底筋/ヒラメ筋においてほとんど染色を示さない。ヒト及びマウスの両方のCACNG1に結合する抗体(mAb#2及びmAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子は、腓腹筋/足底筋/ヒラメ筋において非常に強いGFP染色を示す。
【
図13】CACNG1を標的とする抗体又は非標的化対照としてhASGR1にコンジュゲートされた野生型AAV9、脱標的化AAV9 N272A、及びAAV9 N272Aの注射後のD2-mdxマウスの前脛骨筋におけるeGFP発現の免疫組織化学染色を示す。AAV9野生型粒子は、D2-mdxマウスの前脛骨筋に低レベルで形質導入することができる。AAV9 N272A粒子単独、又は無関係抗体(hASGR1)若しくはヒト及びサルCACNG1には結合するがマウスCACNG1には結合しないCACNG1標的化抗体(mAb#1)にコンジュゲートされたAAV9 N272Aを注射したD2-mdxマウスは、前脛骨筋においてほとんど染色を示さない。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#2及びmAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子は、前脛骨筋の周囲に非常に強いGFP染色を示す。
【
図14】CACNG1を標的とする抗体又は非標的化対照としてhASGR1にコンジュゲートされた野生型AAV9、非標的化AAV9 N272A、及びAAV9 N272Aの注射後のD2-mdxマウスの心臓及び舌におけるeGFP発現の免疫組織化学染色を示す。AAV9野生型粒子は、D2-mdxマウスの舌に低レベルで形質導入することができるが、心臓には効率的に形質導入することができる。AAV9 N272A粒子単独、又は無関係抗体(hASGR1)若しくはヒト及びサルCACNG1には結合するがマウスCACNG1には結合しないCACNG1標的化抗体(mAb#1)にコンジュゲートされたAAV9 N272Aを注射したD2-mdxマウスは、舌においてほとんど染色を示さず、心臓においても低レベルの染色を示す。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#2及びmAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子は、舌において非常に強いGFP染色を示し、心臓では低いながらも検出可能なレベルの染色を示す。
【
図15】CACNG1を標的とする抗体又は非標的化対照としてhASGR1にコンジュゲートされた野生型AAV9、脱標的化AAV9 N272A、及びAAV9 N272Aの注射後のD2-mdxマウスの脾臓及び横隔膜におけるeGFP発現の免疫組織化学染色を示す。AAV9野生型粒子は、D2-mdxマウスの横隔膜に低レベルで形質導入することができる。AAV9 N272A粒子単独、又は無関係抗体(hASGR1若しくはヒト及びサルCACNG1には結合するがマウスCACNG1には結合しないCACNG1標的化抗体(mAb#1)にコンジュゲートされたAAV9 N272Aを注射したD2-mdxマウスは、横隔膜においてほとんど染色を示さない。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#2及びmAb#3)とコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子は、横隔膜において非常に強いGFP染色を示す。予想通り、試験したAAVのいずれでも脾臓の形質導入はほとんど観察されない。
【
図16】5’から3’の方向に、141塩基対末端逆位配列(ITR)、CAGGプロモーター、高感度緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする配列、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)、32塩基対バーコード、ヒト(h)成長ホルモン(GH)ポリAテール、及び141塩基対ITRを含む、一本鎖(ss)ウイルスゲノムの例示的な概略図(正確な縮尺ではない)を提供する。
【
図17】
図16に示すウイルスゲノムを含み、各々固有のバーコードを有し、抗CACNG1抗体で再標的化されたAAV9ウイルス粒子の投与後、
図16に示すウイルスゲノムを含む野生型AAV9ウイルス粒子(AAV)と比較して、非ヒト霊長類(カニクイザル)におけるインビボでの様々な筋肉への増強された形質導入を示す棒グラフを提供する。各候補AAVを、
図16に記載されるように固有のバーコード化ゲノムでパッケージングした。12の候補バーコード化プールのIV投与後、示された組織を収集し、各組織から精製された全RNA中の各バーコードの相対存在量を、次世代シーケンシング(NGS)を使用して評価した。以下のいくつかの組織(x軸)における各バーコード及び関連するカプシドにマッピングされたNGS読み取りのパーセンテージ(Y軸)を示す(注射されたウイルスプールに対して正規化されている):肝臓(外側左葉)及び骨格筋のサブセット(横隔膜、上腕二頭筋、大腿二頭筋、長指伸筋(EDL)、腓腹筋(grastrocnemius)、肋間筋、ヒラメ筋、前脛骨筋、腹横筋(transverse abdominus)、三頭筋、外側広筋、腰筋、舌)。ここに示すデータは、本試験における2匹の動物の平均である。肝臓では、予想通り、AAV9単独、及びASGR1 mAbにコンジュゲートされたAAV9 W503A又はN272Aが、組織中に存在する全てのバーコードの大部分を占める。骨格筋組織では、CACNG1標的化抗体にコンジュゲートされた脱標的化AAV9(N272A又はW503A)カプシドは、組織中に存在する全てのバーコードの大部分を占め、これは全バーコードのわずかな割合を占めるAAV9単独よりも優れた性能である。
【
図18】uDys5を発現するベクターゲノム構築物を使用したヒト骨格筋管及びC2C12マウス筋管のAAV9ベースの再標的化ウイルス形質導入を示す。グラフは、CK8プロモーターの制御下でuDys5を発現するCACNG1を標的とする抗体(mAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 WT又は脱標的化AAV9(N272A)のいずれかの2E+5vg/細胞で3日間形質導入後の、(A)ヒト筋管及び(B)C2C12マウス筋管における相対的uDys5 mRNA発現を定量化することによって評価された形質導入効率を提供する。uDys5発現を、TaqmanベースのqPCRアッセイを介して定量化し、内因性対照としてHprtに対して正規化した。uDys5 mRNA発現は、各細胞タイプについてWT AAV9と比較して呈示される。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子は、ヒト及びマウスの両方の筋管において、AAV9 WTと比較してより高いレベルのuDys5 mRNAを産生する。
【
図19】CK8プロモーターの制御下でuDys5を発現する、CACNG1を標的とする抗体(mAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 WT又は脱標的化 AAV9(N272A)のいずれかの、1E+12vg/マウスの尾静脈注射から5週間後のD2-mdxマウスの複数の組織におけるuDys5遺伝子発現を呈示する。uDys5 mRNA発現をTaqmanベースのqPCRアッセイを介して定量化し、内因性対照としてRplp0に対して正規化した。uDys5 mRNA発現は、各組織についてWT AAV9と比較して呈示される。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子は、予想通り、AAV9 WTと比較して肝臓の形質導入の減少を示し、肝臓においてAAV9 WTと比較して極めて低いレベルのuDys5 mRNAを産生する。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子は、心臓においてAAV9 WTと比較してより低いレベルのuDys5 mRNAを産生するが、そのレベルは検出可能である。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子は、調べた全ての骨格筋において、AAV9 WTと比較してより高いレベルのuDys5 mRNAを産生する。
【
図20】CK8プロモーターの制御下でuDys5を発現するCACNG1を標的とする抗体(mAb#3)にコンジュゲートされた野生型AAV9又は脱標的化AAV9 N272A粒子の1E+12vg/マウスの尾静脈注射から5週間後の野生型DBA2/J及びD2-mdxマウスの腓腹筋及び心臓の代表的な免疫蛍光画像を呈示する。WT AAV9を注射したD2-mdxマウスは、腓腹筋の筋線維膜におけるジストロフィンの低レベルの発現、及び心臓における力強い発現を示す。一方、ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#3)にコンジュゲートされた脱標的化AAV9 N272A粒子を注射したマウスは、腓腹筋の筋線維膜における力強いジストロフィン発現、及び心臓における軽度の発現を示す。
【
図21】CK8プロモーターの制御下でuDys5を発現するCACNG1を標的とする抗体(mAb#3)にコンジュゲートされた野生型AAV9又は脱標的化AAV9 N272A粒子の1E+12vg/マウスの尾静脈注射から5週間後のD2-mdxマウスの四頭筋におけるuDys5のタンパク質存在量を示す。β-アクチンをタンパク質負荷対照として使用し、タンパク質存在量を定量化し、任意の密度測定単位(A.U.)として及びプロットした。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#3)にコンジュゲートされた脱標的化AAV9 N272A粒子を注射されたマウスは、野生型AAV9を注射されたマウスと比較して、実質的により多くのuDys5タンパク質を呈示する。
【
図22】CK8プロモーターの制御下でuDys5を発現するCACNG1を標的とする抗体(mAb#3)にコンジュゲートされた野生型AAV9又は脱標的化AAV9 N272A粒子の1E+12vg/マウスの尾静脈注射から4週間後のD2-mdxマウスにおける血清クレアチンキナーゼ(CK)レベルを示す。PBS処置マウス及び野生型AAV9処置マウスは、処置後に血清CKの減少を示さなかったが、ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#3)にコンジュゲートされた脱標的化AAV9 N272A粒子で処置された全てのマウスは、血清CKの減少を示し、筋損傷の減少を示した。
【
図23】CK8プロモーターの制御下でuDys5を発現するCACNG1を標的とする抗体(mAb#3)にコンジュゲートされた野生型AAV9又は脱標的化AAV9 N272A粒子の1E+12vg/マウスの尾静脈注射から12週間後のD2-mdxマウスにおける最大前肢握力測定値を示す。点線は、同齢の対照DBA/2Jマウスの握力を表す。ヒト及びマウスCACNG1の両方に結合する抗体(mAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272A粒子を注射されたマウスは、WT AAV9粒子を注射されたマウスと比較して、最大握力が向上したことを示す。
【
図24-1】CAGプロモーターの制御下で、eGFPを発現するCACNG1を標的とする抗体(mAb#3)にコンジュゲートされた野生型AAV9又はAAV9 N272Aの注射後の指示された時点での、非ヒト霊長類(カニクイザル)における肝酵素及び補体経路バイオマーカーの血清レベルを示す。AAV9野生型粒子の投与は、予想通り、投与後48時間で(A)ALT、(B)AST、(C)Bb、及び(D)C3aの上昇をもたらしたが、CACNG1を標的とする抗体(mAb#3)にコンジュゲートされたAAV9 N272Aの投与は、これらのマーカーの上昇をもたらさず、これは、CACNG1を標的とする抗体にコンジュゲートされた肝臓脱標的化AAV9 N272A粒子が、肝臓指向性野生型AAV血清型よりも安全性の利点を提供することを示唆する。
【0012】
上述の図の各々において、
・「WT」は、野生型、例えば、変異又は改変のないAAVカプシドタンパク質を指す。
・「HBM」は、R585A及びR588Aを含むカプシドタンパク質を指す。例えば、SpyTag改変のないAAVカプシドタンパク質などの全ての「参照/脱標的化」AAV2カプシドタンパク質は、R585A及びR588Aのみを含む。SpyCatcher融合抗体に結合されたSpyTagを呈示する上述の図中の全てのAAV2カプシドタンパク質は、R484A、R487A、R585A、R588A、及びK532A変異を更に含む。
・「N272A」は、N272A変異を含むカプシドを指す。上述の図では、全ての「参照」/「脱標的化」AAV9カプシドタンパク質、例えば、SpyTag改変のないAAV9カプシドタンパク質は、N272A変異を含む。上述の図では、SpyTag改変を有する全てのAAV9カプシドタンパク質は、W503A変異を更に含むが、N272A変異は含まない。
・AAVに関連する「抗CACNG1」、「CACNG1」、又は「CACNG1 mAb」とは、両側に10アミノ酸のリンカーが隣接する残基G453の直後にSpyTagペプチドの挿入を含むAAVウイルスカプシドを指し、SpyTagペプチドは、CACNG1に特異的に結合する抗CACNG1抗体(又はそのFab断片)に融合されたSpyCatcherへのイソペプチド結合によって結合している。
上述の図においてCACNG1に特異的に結合する抗CACNG1抗体(又はそのFab断片)に融合されたSpyCatcherにイソペプチド結合によって結合されたSpyTagペプチドを呈示する全てのAAV粒子は、1:7のSpyTag改変ウイルスカプシドタンパク質対「脱標的化」ウイルスタンパク質の比(「1/8」と示される)を含むモザイクウイルスカプシドを含む。
・「CACNG1 mAb#1」は、ヒト及びサルCACNG1に結合するが、マウスCACNG1には結合しない抗CACNG1抗体を指す。
・「CACNG1 mAb#2」は、ヒト、サル、及びマウスCACNG1に結合する抗CACNG1抗体を指す。
・「CACNG1 mAb#3」は、ヒト、サル、及びマウスCACNG1に結合する抗CACNG1抗体を指す。
・「CACNG1 mAb#4」は、ヒト、サル、及びマウスCACNG1に結合する抗CACNG1抗体を指す。
・「CACNG1 mAb#5」は、ヒト及びサルに結合するが、マウスCACNG1には結合しない抗CACNG1抗体を指す。
・293細胞又はマウスに関連する「CACNG1」は、それぞれ、ヒトCACNG1を発現するように遺伝子改変された293細胞又はマウスを指す。
・内因性Cacng1のヒトCacng1配列によるホモ接合性置換を含むマウスは、「CACNG1hu/hu」と称される。
・マウスに関連する「50500」は、CACNG1マウスの系統一致対照を指す。
・AAVに関連する「抗ASGR1」、「ASGR1」、又は「ASGR1 mAb」とは、10アミノ酸のリンカーが両側に隣接する残基G453の直後にSpyTagペプチドの挿入を含むAAVウイルスカプシドを指し、SpyTagペプチドは、ASGR1に特異的に結合する抗ASGR1抗体又はそのFab断片に融合されたSpyCatcherへのイソペプチド結合によって結合している。
上述の図においてASGR1に特異的に結合する抗ASGR1抗体(又はそのFab断片)に融合されたSpyCatcherにイソペプチド結合によって結合されたSpyTagペプチドを呈示する全てのAAV粒子は、1:7のSpyTag改変ウイルスカプシドタンパク質対「脱標的化」ウイルスカプシドタンパク質の比(「1/8」と示される)を含むモザイクウイルスカプシドを含む。
・293細胞又はマウスに関連する「ASGR1」は、それぞれ、ヒトASGR1を発現するように遺伝子改変された293細胞又はマウスを指す。
・「h」は、「ヒト」を指す
・「Vh」は、抗体重鎖を指す
・「Vk」は、抗体軽鎖を指す
・「D2-mdx」とは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーのマウスモデルを指す
【発明を実施するための形態】
【0013】
骨格筋は身体内で最大の器官であり、全体重の約40%を占める。骨格筋は、人体における3つ重要な筋組織のうちの1つである。各骨格筋は、結合組織鞘によって一緒に包まれた数千の筋線維で構成されている。
【0014】
骨格筋の主な機能は、その固有の興奮収縮連関プロセスを介して行われる。筋肉が骨の腱に付着しているため、筋肉の収縮により骨が動き、特定の動きを実行できる。骨格筋はまた、構造的な支持を提供し、身体の姿勢を維持するのに役立つ。骨格筋はまた、器官特異的タンパク質を合成するために身体の様々な器官によって使用され得るアミノ酸の貯蔵源として作用する。骨格筋はまた、グリコーゲンの形態のグルコースの貯蔵源として働く。骨格筋はまた、恒常性(thermostasis)を維持する上で中心的な役割を果たし、飢餓時にエネルギー源として作用する。したがって、骨格筋は、運動、体温調節、及び全身代謝の制御において重要な役割を果たしている。
【0015】
多くの筋疾患、並びに通常の老化では、骨格筋組織のサイズ及び機能が低下し、機能的可動性が損なわれ、重度の筋疾患では、長期障害、及び早期死亡をもたらす。
【0016】
筋消耗及び遺伝性筋疾患の治療は、典型的には、広範囲に作用する療法、例えば筋消耗のためのテストステロン療法、筋ジストロフィーのためのグルココルチコイド、筋疾患(例えば、X連鎖性筋細管ミオパチー(XLMTM)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、筋強直性ジストロフィー(DM1)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー1型(FSHD)、先天性筋ジストロフィー1A型(MDC1A)、肢帯型筋ジストロフィー、及びジストログリカノパチーなど)の治療のための全身的AAV送達から構成される。これらの療法の非標的送達は、特定の筋肉取り込みの効率を低減すると同時に、他の器官に著しい有害なオフターゲット効果も引き起こす。
【0017】
治療ペイロードの筋肉送達を強化し、オフターゲット効果を軽減するために、カルシウム電位開口型補助サブユニットガンマ1(CACNG1)又は哺乳動物カドヘリン15(CAD15)などの筋特異的表面タンパク質を標的とするウイルス粒子、例えば、AAVウイルス粒子が本明細書に記載される。
【0018】
電位依存性カルシウムチャネルは、一般的に5つのサブユニットから構成される。CACNG1遺伝子によってコードされるタンパク質は、これらのサブユニットのうちの1つを表す。更に、CACNG1遺伝子、ガンマによってコードされるタンパク質は、2つの既知のガンマサブユニットタンパク質のうちの1つである。この特定のガンマサブユニットは、骨格筋1,4-ジヒドロピリジン感受性カルシウムチャネルの一部であり、興奮収縮連関において役割を果たす内在性膜タンパク質である。この遺伝子は、PMP-22/EMP/MP20ファミリーの機能的に多様な8員タンパク質サブファミリーの一部であり、膜貫通AMPA受容体制御タンパク質(TARP)として機能する2つのファミリーメンバーを有するクラスター内に位置する。CACNG1は、骨格筋において高度かつ特異的に発現される。ヒトCACNG1(CACNG1)をコードする遺伝子は、17番染色体の長腕上に位置する。CACNG1は、4つのエクソンを含み、約12,244塩基長である。ヒトCACNG1遺伝子の例示的な配列には、NCBIのアクセッション番号NM_0007582.2(配列番号241)が割り当てられている。例示的なヒトCACNG1タンパク質は、UniProtアクセッション番号O70578(配列番号242)が割り当てられている。
【0019】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。
【0020】
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈で別途明確に指示されない限り、複数への言及を含む。したがって、例えば、「1つの方法」への言及は、本明細書に記載される種類の、かつ/又は当業者には本開示の閲読により明らかになるであろう1つ以上の方法及び/又は工程を含む。
【0021】
「同一性パーセント(%)」などは、タンパク質の全長又はその一部にわたる、アミノ酸配列又はヌクレオチド配列に対して容易に決定することができる。部分は、それぞれ少なくとも約5アミノ酸又は24ヌクレオチドの長さであってもよく、それぞれ約700アミノ酸又は2100ヌクレオチドまでの長さであってもよい。一般的に、2つの異なるアデノ随伴ウイルスの間の「同一性」、「相同性」、又は「類似性」に言及する場合、「同一性」、「相同性」、又は「類似性」は、「アライメントされた」配列を参照して決定される。「アライメントされた」配列又は「アライメント」とは、複数の核酸配列又はタンパク質(アミノ酸)配列を指し、それらは多くの場合、参照配列と比較して塩基若しくはアミノ酸の欠落又は追加に対する補正を含む。
【0022】
アライメントは、公開されている、又は市販の様々な多重配列アライメントプログラムのいずれかを使用して実行されてもよい。配列アライメントプログラムは、アミノ酸配列については、例えば、「Clustal X」、「MAP」、「PIMA」、「MSA」、「BLOCKMAKER」、「MEME」、及び「Match-Box」プログラムなどが利用可能である。概して、これらのプログラムのいずれかをデフォルト設定で使用するが、当業者は、必要に応じてこれらの設定を変更することもできる。あるいは当業者は、参照されるアルゴリズム及びプログラムによって提供されるものと少なくとも同レベルの同一性又はアライメントを提供する、別のアルゴリズム又はコンピュータプログラムを利用することもできる。例えば、J.D.Thomson et al,Nucl.Acids.Res.,”A comprehensive comparison of multiple sequence alignments”,27(13):2682-2690(1999)を参照されたい。
【0023】
核酸配列については、複数の配列アライメントプログラムも利用可能である。そのようなプログラムの例としては、インターネット上のウェブサーバーを介してアクセス可能な「Clustal W」、「CAP Sequence Assembly」、「MAP」、及び「MEME」が挙げられる。当業者には、そのようなプログラムに関する他のソースも公知である。あるいは、Vector NTIユーティリティも使用される。また、ヌクレオチド配列の同一性を測定するために使用され得る当分野で公知の多数のアルゴリズムも存在しており、上述のプログラムも含有される。別の例としては、ポリヌクレオチド配列は、GCGバージョン6.1のプログラムであるFASTA(商標)を使用して比較することができる。Fasta(商標)は、クエリと検索配列の間の最良重複の領域のアライメント及び配列同一性の百分率を提供する。例えば、核酸配列間の配列同一性パーセントは、参照により本明細書に組み込まれるGCGバージョン6.1において提供される、そのデフォルトパラメータ(ワードサイズは6及びスコアリングマトリクスのためのNOPAM因子)を用いてFASTA(商標)を使用することで決定することができる。
【0024】
「有意な同一性」は、少なくとも90%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、例えば少なくとも99%、又は例えば少なくとも100%同一であるアミノ酸配列又は核酸配列のアライメントを包含する。
【0025】
「キメラ」という用語は、少なくとも2つの異なるAAV血清型に由来する核酸配列又はアミノ酸配列をそれぞれ含む機能遺伝子又はポリペプチド、例えば少なくとも第1のAAV及び第2のAAVの遺伝子又はポリペプチドの一部を包含し、この場合において少なくとも第1及び第2の部分は動作可能に連結されて、機能性アミノ酸をコードする機能性キメラAAV核酸を形成する。キメラとして指定されない限り、ヌクレオチド配列、遺伝子、ポリペプチド、及びアミノ酸は、ヌクレオチド配列、遺伝子、ポリペプチド、及びアミノ酸が、それぞれ単一のAAV血清型の核酸配列又はアミノ酸配列と有意な同一性を有する核酸配列又はアミノ酸配列を含むという点で、非キメラとみなされる。
【0026】
「抗体」という用語には、ジスルフィド結合によって相互接続された4つのポリペプチド鎖、2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む、免疫グロブリン分子が含まれる。各重鎖は、重鎖可変ドメイン(VH)及び重鎖定常領域(CH)を含む。重鎖定常領域は、少なくとも3つのドメイン、CH1、CH2、CH3、及び任意選択的にCH4を含む。各軽鎖は、軽鎖可変ドメイン(CH)及び軽鎖定常領域(CL)を含む。重鎖及び軽鎖可変ドメインは更に、フレームワーク領域(FR)と称されるより保存的な領域に差し込まれている、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域に更に細分化することができる。各重鎖及び軽鎖可変ドメインは、3つのCDR及び4つのFRを含み、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって、以下の順序で配列される。FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4(重鎖CDRは、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3と略される場合もあり、軽鎖CDRは、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3と略される場合もある)。典型的な四量体抗体構造は、2つの同一の抗原結合ドメインを含み、その各々がVHドメイン及びVLドメインの会合によって形成されており、その各々がそれぞれのCHドメイン及びCLドメインとともに抗体Fv領域を形成する。単一ドメイン抗体は、単一の抗原結合ドメイン、例えば、VH又はVLを含む。例えば抗原の特異的結合ペアの第1のメンバーを認識及び結合する抗体部分などの抗体の抗原結合ドメインは、「パラトープ」とも呼称される。パラトープは断片抗原結合(Fab領域)の一部である抗体のFv領域の小さな領域(5~10アミノ酸)であり、抗体の重鎖及び/又は軽鎖の一部を含有し得る。パラトープが特異的結合ペアの第1のメンバーに高アフィニティで結合するとき、パラトープは特異的結合ペアの第1のメンバーに特異的に結合する。「高アフィニティ」抗体という用語は、特異的結合ペアの標的の第1のメンバーに対し、約10-9M以下(例えば、約1×10-9M、1×10-10M、1×10-11M、又は約1×10-12M)のKDを有する抗体を指す。一実施形態では、KDは、表面プラズモン共鳴、例えば、BIACORE(商標)によって測定され、別の実施形態では、KDは、ELISAによって測定される。
【0027】
「相補性決定領域」という語句又は「CDR」という用語には、生物体の免疫グロブリン遺伝子の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列が含まれ、そのアミノ酸配列は、通常(すなわち、野生型動物では)免疫グロブリン分子(例えば、抗体又はT細胞受容体)の軽鎖又は重鎖の可変領域における2つのフレームワーク領域の間に見られる。CDRは、例えば生殖細胞系の配列又は再構成配列若しくは非再構成配列によって、例えば、ナイーヴB細胞若しくは成熟B細胞、又はT細胞によってコードされ得る。CDRは、体細胞変異され(例えば動物生殖細胞系でコードされた配列と異なり)、ヒト化され、及び/又はアミノ酸置換、付加、若しくは欠失で改変され得る。一部の環境下(例えば、CDR3に関して)では、CDRは、2つ以上の配列(例えば、生殖細胞系配列)によってコードされ得、その2つ以上の配列は(例えば、非再構成核酸配列においては)連続していないが、例えば、配列のスプライシング又は接続(例えば、重鎖CDR3を形成するためのV-D-J再構成)の結果として、B細胞核酸配列では連続している。
【0028】
「軽鎖」という語句は、任意の生物体由来の免疫グロブリン軽鎖配列を含み、別段の規定がない限り、代替軽鎖のみならず、ヒトκ軽鎖及びλ軽鎖、並びにVpreBを含む。別段の規定がない限り、軽鎖可変ドメインは、典型的には、3つの軽鎖CDR及び4つのフレームワーク(FR)領域を含む。一般に、完全長軽鎖には、アミノ末端からカルボキシル末端の方向に、FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4を含む可変ドメインと、軽鎖定常領域とが含まれる。軽鎖可変ドメインは、軽鎖可変領域遺伝子配列によってコードされ、概して、生殖細胞系に存在するVセグメント及びJセグメントのレパートリーに由来するVLセグメント及びJLセグメントを含む。様々な生物体のV軽鎖セグメント及びJ軽鎖セグメントの配列、位置、及び命名は、IMGTデータベース、www.imgt.orgで見ることができる。軽鎖は、例えば、軽鎖が現れる特異的結合ペア-結合タンパク質の第1のメンバーによって選択的に結合される特異的結合ペアの第1のメンバー又は第2の第1のメンバーのいずれも選択的に結合しない軽鎖を含む。軽鎖はまた、軽鎖が現れる特異的結合ペア-結合タンパク質の第1のメンバーによって選択的に結合される特異的結合ペアの1つ以上の第1のメンバーに結合し、これを認識することにより、重鎖又は別の軽鎖に結合してこれを認識するか、又はこれを補助する軽鎖を含む。一般的な軽鎖又は普遍的な軽鎖は、ヒトVκ1-39Jκ遺伝子又はヒトVκ3-20Jκ遺伝子に由来する軽鎖を含み、それらの体細胞変異(例えば、アフィニティ成熟)バージョンを含む。例示的なヒトVLセグメントは、ヒトVκ1-39遺伝子セグメント、ヒトVκ3-20遺伝子セグメント、ヒトVλ1-40遺伝子セグメント、ヒトVλ1-44遺伝子セグメント、ヒトVλ2-8遺伝子セグメント、ヒトVλ2-14遺伝子セグメント、及びヒトVλ3-21遺伝子セグメントを含み、それらの体細胞変異(例えば、アフィニティ成熟)バージョンを含む。1つの生物体(例えば、ヒト若しくは齧歯類、例えば、ラット若しくはマウス、又は鳥類、例えばニワトリ)由来の可変ドメインと、同じか又は異なる生物体(例えば、ヒト若しくは齧歯類、例えばラット若しくはマウス、又は鳥類、例えばニワトリ)由来の定常領域とを含む軽鎖を作製することができる。
【0029】
「約」又は「およそ」という用語は、統計的に有意の値の範囲内であることを含む。かかる範囲は、所与の値又は範囲の10倍以内、好ましくは50%以内、より好ましくは20%以内、なおより好ましくは10%以内、更により好ましくは5%以内であり得る。「約」又は「およそ」という用語によって包含される許容可能な変動は、研究中の特定の系に依存し、当業者によって容易に理解され得る。
【0030】
語句「重鎖」又は「免疫グロブリン重鎖」には、任意の生物体由来の、免疫グロブリン重鎖定常領域配列を含む免疫グロブリン重鎖配列が含まれる。別段の指定のない限り、重鎖可変ドメインは、3つの重鎖CDRと4つのFR領域とを含む。重鎖の断片としては、CDR、CDR及びFR、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。典型的な重鎖は、可変ドメインに続いて(N末端からC末端へ)、CH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを有する。重鎖の機能性断片には、特異的結合ペアの第1のメンバーを特異的に認識する(例えば、マイクロモル濃度、ナノモル濃度、又はピコモル濃度範囲のKDにより特異的結合ペアの第1のメンバーを認識する)ことができ、細胞を発現し、細胞から分泌可能であり、かつ少なくとも1つのCDRを含む、断片が含まれる。重鎖可変ドメインは、可変領域ヌクレオチド配列によってコードされ、これは一般に、生殖系細胞に存在するVH、DH、及びJHセグメントのレパートリー由来の、VH、DH、及びJHセグメントを含む。様々な生物体のV重鎖セグメント、D重鎖セグメント、及びJ重鎖セグメントの配列、位置、及び命名は、IMGTデータベースで見ることができ、これは、URLが「imgt.org」のワールドワイドウェブ(www)でインターネットを介してアクセス可能である。
【0031】
「重鎖のみの抗体」、「重鎖のみの抗原結合タンパク質」、「単一ドメイン抗原結合タンパク質」、「単一ドメイン結合タンパク質」、などの用語は、重鎖定常領域に動作可能に連結されている可変ドメインを含む免疫グロブリン様鎖を含む単量体又はホモ二量体の免疫グロブリン分子を指し、これは重鎖定常領域が、典型的には機能的なCH1ドメインを欠くために軽鎖と会合不可能である。したがって、「重鎖のみの抗体」、「重鎖のみの抗原結合タンパク質」、「単一ドメイン抗原結合タンパク質」、「単一ドメイン結合タンパク質」、などの用語は、(i)機能的CH1ドメインを欠く重鎖定常領域に動作可能に連結されている可変ドメインを含む免疫グロブリン様鎖のうちの1つを含む単量体単一ドメイン抗原結合タンパク質、又は(ii)2つの免疫グロブリン様鎖を含み、その各々が機能的CH1ドメインを欠く重鎖定常領域に動作可能に連結されている可変ドメインを含む、ホモ二量体単一ドメイン抗原結合タンパク質、の両方を包含する。様々な態様では、ホモ二量体単一ドメイン抗原結合タンパク質は、2つの同一の免疫グロブリン様鎖を含み、その各々が機能的CH1ドメインを欠く同一の重鎖定常領域に動作可能に連結されている同一の可変ドメインを含む。加えて、単一ドメイン抗原結合タンパク質の各免疫グロブリン様鎖は、可変ドメインを含み、これは、重鎖可変領域遺伝子セグメント(例えば、VH、DH、JH)、軽鎖遺伝子セグメント(例えば、VL、JL)、又はそれらの組み合わせに由来し得、重鎖定常領域(及び任意選択的にヒンジ領域)遺伝子、例えばIgG、IgA、IgE、IgD、又はそれらの組み合わせ、のCH1コード配列における欠失変異又は不活性化変異を含む重鎖定常領域(CH)遺伝子配列に連結し得る。重鎖遺伝子セグメントに由来する可変ドメインを含む単一ドメイン抗原結合タンパク質は、「VH単一ドメイン抗体」又は「VH単一ドメイン抗原結合タンパク質」と称され得、例えば、米国特許第8,754,287号、米国特許出願公開第2014/0289876号、同第2015/0197553号、同第2015/0197554号、同第2015/0197555号、同第2015/0196015号、同第2015/0197556号、同第2015/0197557号(それらの各々は、それらの全体が参照により組み込まれる)を参照されたい。軽鎖遺伝子セグメント由来の可変ドメインを含む単一ドメイン抗原結合タンパク質は、「VL単一ドメイン抗原結合タンパク質」と称され得、例えば、米国特許出願公開第2015/0289489号(その全体が参照により組み込まれる)を参照されたい。
【0032】
「軽鎖」という語句は、任意の生物体由来の免疫グロブリン軽鎖配列を含み、別段の規定がない限り、代替軽鎖のみならず、ヒトカッパ(κ)軽鎖及びラムダ(λ)軽鎖、並びにVpreBを含む。軽鎖可変ドメインは、典型的には、別段の規定がない限り、3つの軽鎖CDR及び4つのフレームワーク(FR)領域を含む。概して、完全長軽鎖は、アミノ末端からカルボキシル末端に向かって、FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4を含む可変ドメイン、及び軽鎖定常領域アミノ酸配列を含む。軽鎖可変ドメインは、軽鎖可変領域ヌクレオチド配列によってコードされ、概して、生殖系細胞に存在する軽鎖V及びJ遺伝子セグメントのレパートリーに由来する、軽鎖VL及び軽鎖JLセグメントを含む。様々な生物体の軽鎖V遺伝子セグメント及び軽鎖J遺伝子セグメントの配列、位置、及び命名は、IMGTデータベースで見ることができ、これは、URLが「imgt.org」のワールドワイドウェブ(www)でインターネットを介してアクセス可能である。軽鎖は、例えば、軽鎖が現れる特異的結合ペア-結合タンパク質の第1のメンバーによって選択的に結合される特異的結合ペアの第1のメンバー又は第2の第1のメンバーのいずれも選択的に結合しない軽鎖を含む。軽鎖はまた、軽鎖が現れる特異的結合ペア-結合タンパク質の第1のメンバーによって選択的に結合される特異的結合ペアの1つ以上の第1のメンバーに結合し、これを認識することにより重鎖に結合し、これを認識するか、又は重鎖を補助する軽鎖を含む。軽鎖はまた、軽鎖が現れる特異的結合ペア-結合タンパク質の第1のメンバーによって選択的に結合される特異的結合ペアの1つ以上の第1のメンバーに結合し、これを認識することにより重鎖に結合し、これを認識するか、又は重鎖を補助する軽鎖を含む。一般的な軽鎖又は普遍的な軽鎖は、ヒトVκ1-39Jκ5遺伝子又はヒトVκ3-20Jκ1遺伝子に由来する軽鎖を含み、それらの体細胞変異(例えば、アフィニティ成熟)バージョンを含む。
【0033】
「動作可能に連結されている」という語句は、本明細書で使用される場合、互いに直接的又は間接的に相互作用する、あるいは生物学的事象に関わるように互いに配置される、構成要素又はエレメントの物理的な並置(例えば、三次元的空間における)を含み、この並置は、かかる相互作用及び/又は配置を達成又は可能にする。一例を挙げると、核酸中の調節エレメント(例えば、発現制御配列)は、コード配列の発現及び/又は活性にその存在又は非存在が影響を与えるように、コード配列に対して位置する場合、コード配列に「動作可能に連結されている」と言われる。多くの実施形態では、「動作可能な連結」は、互いに関連する構成要素又はエレメントの共有結合を含む。当業者であれば、一部の実施形態では、有効な動作可能な連結を達成するために、共有結合は必要でないことを容易に理解するであろう。例えば、一緒に動作可能に連結されたタンパク質は、例えば、共有結合又は非共有結合を介して、互いに会合され得る。非限定的な例として、本明細書に記載のカプシドタンパク質は、標的化リガンドに動作可能に連結されてもよく、カプシドタンパク質は、任意選択的にカプシドタンパク質と標的化リガンドとの間に足場及び/又はアダプターを有するか、又は有さずに、標的化リガンドに非共有結合するか、又は標的化リガンドに共有結合する。別の例として、一部の実施形態では、核酸調節エレメントが制御するコード配列と動作可能に連結されている核酸調節エレメントは、目的のヌクレオチドと連続している。代替的に又は加えて、一部の実施形態では、1つ以上のそのような調節エレメントは、トランスで、又は距離をおいて作用し、目的のコード配列を制御する。一部の実施形態では、「調節エレメント」という用語は、本明細書で使用される場合、それらが連結されているコード配列の発現及びプロセシングに影響を与えるのに必要な及び/又は十分なポリヌクレオチド配列を指す。一部の実施形態では、調節エレメントは、適切な転写開始、終結、プロモーター及びエンハンサー配列、スプライシング及びポリアデニル化シグナルなどの効率的なRNA処理シグナル、細胞質mRNAを安定化する配列、翻訳効率を向上する配列(例えばコザックコンセンサス配列)、タンパク質安定性を向上する配列、並びに/又は一部の実施形態では、タンパク質分泌を向上する配列であり得るか、あるいはこれらを含み得る。一部の実施形態では、1つ以上の調節エレメントは、特定の宿主細胞若しくは生物体、又はそれらのタイプで優先的に又はそれらでのみ活性である。一例を挙げると、原核生物では、調節エレメントは、典型的には、プロモーター、リボソーム結合部位、及び転写終結配列を含み得、真核生物では、多くの実施形態では、調節エレメントは、典型的には、プロモーター、エンハンサー、及び/又は転写終結配列を含み得る。当業者であれば、多くの実施形態で、「調節エレメント」という用語は、その存在が発現及びプロセシングに不可欠な構成要素を指し、一部の実施形態で、その存在が発現に有利である構成要素(例えば、リーダー配列、標的化配列、及び/又は融合パートナー配列を含む)を含むことを理解するであろう。
【0034】
「再標的化」又は「再指向」とは、野生型粒子が組織内のいくつかの細胞及び/又は生物体内のいくつかの器官を標的化し、組織又は器官の一般的な標的化が、異種アミノ酸の挿入によって低下又は無効にされ、組織内のより特定の細胞又は生物体内のより特定の器官の再標的化が、特定の細胞によって発現されるマーカーに結合する標的化リガンドで(例えば、標的化リガンドを介して)達成されるというシナリオを含み得る。こうした再標的化又は再指向はまた、野生型粒子が組織を標的化し、組織の標的化が、異種アミノ酸の挿入によって低下又は無効にされ、完全に異なる組織への再標的化が標的化リガンドで達成されるというシナリオも含み得る。
【0035】
「特異的結合ペア」、「結合ペア」、「タンパク質:タンパク質結合ペアなどは、2つのメンバー(例えば、第1のメンバー(例えば、第1のポリペプチド)及び第2の同族メンバー(例えば、第2のポリペプチド))と相互作用して結合を形成する(例えば、第1のメンバーのエピトープとエピトープを認識する抗体の第2のメンバーの抗原結合部分との間の非共有結合、例えば、イソペプチド結合を形成することができるタンパク質間の共有結合;互いを認識し、タンパク質トランススプライシングのプロセスを通じて、隣接するタンパク質のライゲーション及びそれら自身の除去を媒介する分割インテイン)。一部の実施形態では、「同族」という用語は、一緒に機能する構成要素を指す。エピトープとその同族抗体、特に検出可能な標識としての機能も果たし得るエピトープ(例えば、c-myc)は、当分野で公知である。相互作用して共有結合性イソペプチド結合を形成できる特定のタンパク質:タンパク質結合ペアは、Veggiani et al.(2014)Trends Biotechnol.32:506に概説され、ペプチド:ペプチド結合ペア、例えば、SpyTag:SpyCatcher、SpyTag002:SpyCatcher002、SpyTag:KTag、isopeptag:pilin--C、SnoopTag:SnoopCatcherなど、及びそのバリアント、例えば、SpyTag003:SpyCatcher003が含まれる。概して、タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーとは概して、30アミノ酸の長さ未満であり、第2の同族タンパク質と自発的に共有結合性イソペプチド結合を形成する、タンパク質:タンパク質結合ペアのメンバーを指し、この場合において第2の同族タンパク質は概してより大きいが、例えばSpyTag:KTagシステムなどのように30アミノ酸の長さ未満の場合もある。
【0036】
「イソペプチド結合」という用語は、カルボキシル基又はカルボキサミド基とアミノ基との間のアミド結合を指し、ここで、アミノ基の少なくとも1つは、タンパク質主鎖に由来しないか、又は代替的に、タンパク質骨格の一部でないものと見られる。イソペプチド結合は、単一のタンパク質内に形成され得るか、又は2つのペプチド間若しくはペプチドとタンパク質との間で生じ得る。したがって、イソペプチド結合は、単一のタンパク質内の分子内に、又は分子間に、すなわち、2つのペプチド/タンパク質分子間に、例えば、2つのペプチドリンカー間に、形成され得る。典型的には、イソペプチド結合は、リシン残基と、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、若しくはグルタミン酸残基、又はタンパク質若しくはペプチド鎖の末端カルボキシル基との間に生じ得るか、又はタンパク質若しくはペプチド鎖のアルファ-アミノ末端と、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、若しくはグルタミン酸残基との間に生じ得る。イソペプチド結合に関与する対の各残基は、本明細書では反応性残基と呼ばれる。本発明の好ましい実施形態では、イソペプチド結合は、リシン残基とアスパラギン残基との間に、又はリシン残基とアスパラギン酸残基との間に形成され得る。特に、イソペプチド結合は、リシンの側鎖アミンと、アスパラギンのカルボキサミド基又はアスパラギン酸のカルボキシル基との間に生じ得る。
【0037】
SpyTag:SpyCatcherシステムは、米国特許第9,547,003号及びZaveri et al.(2012)PNAS 109:E690-E697に記載されており(これらのそれぞれは、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)、システムは、Streptococcus pyogenesのフィブロネクチン結合タンパク質FbaBのCnaB2ドメインに由来している。Zakeriらは、ドメインを分割することによって、AHIVMVDAYKPTK配列(配列番号243)を有する「SpyTag」ペプチドを取得し、これはその同族タンパク質である「SpyCatcher」(配列番号244に記載されるアミノ酸配列を有する112アミノ酸のポリペプチド)とアミド結合を形成する。(Zakeri(2012)、上記)。CnaB2ドメインに由来する更なる特異的結合ペアは、SpyTag:KTagであり、これは、SpyLigaseの存在下でイソペプチド結合を形成する。(Fierer(2014)PNAS 111:E1176-1181)。SpyLigaseは、反応性リシンを含有するSpyCatcherからβ鎖を切除することによって操作されており、その結果、アミノ酸配列ATHIKFSKRD(配列番号245)を有する、タンパク質:タンパク質結合ペアの10残基の第1のメンバーである、KTagが得られた。SpyTag002:SpyCatcher002システムは、Keeble et al(2017)Angew Chem Int Ed Engl 56:16521-25に記載されている(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。SpyTag002は、配列番号255として記載されるアミノ酸配列VPTIVMVDAYKRYKを有しており、SpyCatcher002に結合する。SpyTag003は、配列番号259として記載されるアミノ酸配列RGVPHIVMVDAYKRYKを有しており、SpyCatcher003に結合する。
【0038】
SnoopTag:SnoopCatcherシステムは、Veggiani(2016)PNAS 113:1202-07に記載されている。Streptococcus pneumoniae由来の接着因子である、RrgAのD4 Ig様ドメインを分割して、SnoopTag(残基734~745)及びSnoopCatcher(残基749~860)が形成された。SnoopTag及びSnoopCatcherのインキュベーションにより、相補的タンパク質間に特異的な自発的イソペプチド結合が生じる。Veggiani(2016))、上記。
【0039】
isopeptag:pilin-C特異的結合ペアは、Streptococcus pyogenes由来の主要ピリンタンパク質のSpy0128に由来した。(Zakeir and Howarth(2010)J.Am.Chem.Soc.132:4526-27)。Isopeptagは、配列番号254として記載されるアミノ酸配列TDKDMTITFTNKKDAEを有しており、ピリン-C(Spy0128の残基18~299)に結合する。SnoopTag及びSnoopCatcherのインキュベーションにより、相補的タンパク質間に特異的な自発的イソペプチド結合が生じる。Zakeir and Howarth(2010)、上記。
【0040】
「検出可能な標識」という用語は、例えば、非共有結合を介して例えば抗体パラトープなどの別のポリペプチド配列に高アフィニティで特異的に結合する特異的結合ペアのメンバーである、ポリペプチド配列を含む。例示的及び非限定的な検出可能な標識としては、ヘキサヒスチジンタグ、FLAGタグ、StrepIIタグ、ストレプトアビジン結合ペプチド(SBP)タグ、カルモジュリン結合ペプチド(CBP)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、S-タグ、HAタグ、及びc-mycからのmycタグ(配列番号246)が挙げられる。(Zhao et al.(2013)J.Analytical Meth.Chem.1-8において概説され、参照により本明細書に組み込まれる)。霊長類AAVに対する共通の検出可能な標識は、B1エピトープ(配列番号247)である。本明細書に記載されるいくつかのAAVカプシドタンパク質は、自然にはB1エピトープを含まず、本明細書においてB1エピトープを含むように改変され得る。概して本明細書に記載されるAAVカプシドタンパク質は、カプシドタンパク質の最後の10アミノ酸内のB1エピトープに対して、実質的な相同性を有する配列を含み得る。したがって一部の実施形態では、本発明の非霊長類AAVカプシドタンパク質は、カプシドタンパク質の最後の10アミノ酸以内に、1つ以上5つ未満の点変異を伴い改変されてもよく、それによって、AAVカプシドタンパク質は、B1エピトープを含むようになる。
【0041】
「標的細胞」という用語は、目的のヌクレオチドの発現が望ましい任意の細胞を含む。好ましくは、標的細胞は、以下に記載のように、細胞を標的化リガンドにより標的化することを可能にする受容体をそれらの表面上に呈する。
【0042】
「形質導入」又は「感染」などの用語は、ウイルス粒子による標的細胞核への核酸の導入を指す。形質導入などに関係する効率、例えば、「形質導入効率」という用語は、目的のヌクレオチドを含むウイルス粒子の組数とのインキュベーション後に、目的のヌクレオチドを発現する細胞の画分(例えば、パーセンテージ)を指す。形質導入効率を決定する公知の方法としては、蛍光レポーター遺伝子を用いて形質導入された細胞のフローサイトメトリー、目的のヌクレオチドの発現に関するRT-PCRなどが挙げられる。
【0043】
概して、「参照」ウイルスカプシドタンパク質/カプシド/粒子は、効果を試験するための変更を除いて、被験ウイルスカプシドタンパク質/カプシド/粒子と同一である。例えば、特異的結合ペアの第1のメンバーを被験ウイルス粒子に挿入することの効果、例えば形質導入効率に対する効果を決定するために、被験ウイルス粒子の形質導入効率(適切な標的化リガンドの存在下又は非存在下)は、特異的結合ペアの第1のメンバーの存在を除き、あらゆる例(例えば、追加の点変異、目的のヌクレオチド、ウイルス粒子の数及び標的細胞など)において被験ウイルス粒子と同一である参照ウイルス粒子の形質導入効率と比較され得る(必要に応じて、適切な標的化リガンドの非存在下又は存在下で)。一部の実施形態では、参照ウイルスカプシドタンパク質は、タンパク質:タンパク質結合ペアの少なくとも第1のメンバーを含むように改変された第2のウイルスカプシドタンパク質とカプシドを形成することができ、ここで参照ウイルスカプシドタンパク質は、タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーを含まず、好ましくは参照ウイルスカプシドタンパク質と改変ウイルスカプシドタンパク質によって形成されるカプシドは、モザイクカプシドである。
【0044】
アデノ随伴ウイルス(AAV)
「AAV」は、アデノ随伴ウイルスの略語であり、ウイルスそれ自体又はその誘導体を指すように使用され得る。AAVは、小さな非エンベロープ性の一本鎖DNAウイルスである。一般的に、野生型AAVゲノムは4.7kbであり、2つの末端逆位配列(ITR)と2つのオープンリーディングフレーム(ORF)であるrep及びcapを特徴とする。野生型repのリーディングフレームは、分子量78kD(Rep78)、68kD(Rep68)、52kD(Rep52)、及び40kD(Rep40)の4つのタンパク質をコードする。Rep78とRep68は、p5プロモーターから転写され、Rep52とRep40は、p19プロモーターから転写される。これらのタンパク質は、主に、AAVゲノムの転写及び複製を調節する機能を果たす。野生型のcapリーディングフレームは、83~85kD(VP1)、72~73kD(VP2)、及び61~62kD(VP3)の分子量を有する3つの構造(カプシド)ウイルスタンパク質(VP)をコードする。AAVビリオン(カプシド)中の総タンパク質のうちの80%超は、VP3から構成され、成熟ビリオンにおいて、VP1、VP2、及びVP3は、およそ1:1:10の相対量で存在しているが、1:1:8の比率でも報告されている。Padron et al.(2005)J.Virology 79:5047-58。
【0045】
AAVの様々な血清型のゲノム配列、並びに天然の末端逆位配列(ITR)、Repタンパク質、及びカプシドサブユニットの配列が、当分野で公知である。かかる配列は、文献中、又は例えばGenBankなどの公開データベース中に見出され得る。例えば、GenBankのアクセッション番号NC_002077(AAV1)、AF063497(AAV1)、NC001401(AAV-2)、AF043303(AAV2)、NC_001729(AAV3)、NC_001829(AAV4)、U89790(AAV4)、NC_006152(AAV5)、AF513851(AAV7)、AF513852(AAV8)、及びNC_006261(AAV8)を参照されたい。その開示内容は、AAVの核酸配列及びアミノ酸配列の教示に関し、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、Srivistava et al.(1983)J.Virology 45:555、Chiorini et al.(1998)J.Virology 71:6823、Chiorini et al.(1999)J.Virology 73:1309、Bantel-Schaal et al.(1999)J.Virology 73:939、Xiao et al.(1999)J.Virology 73:3994、Muramatsu et al.(1996)Virology 221:208、Shade et al.,(1986)J.Virol.58:921、Gao et al.(2002) Proc.Nat.Acad.Sci.USA 99:11854、Moris et al.(2004)Virology 33:375-383、米国特許出願公開第2017/0130245号、国際特許公開第00/28061号、同第99/61601号、同第98/11244号、及び米国特許第6,156,303号もまた参照されたい。これらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。本明細書の表2は、様々な非霊長類AAVの配列を提供する。
【0046】
「AAV」は、当該技術分野で周知の全てのサブタイプ、並びに天然に存在する形態及び改変された形態の両方を包含する。AAVには、霊長類AAV(例えば、AAV1型(AAV1)、霊長類AAV2型(AAV2)、霊長類AAV3型(AAV3B)、霊長類AAV4型(AAV4)、霊長類AAV5型(AAV5)、霊長類AAV6型(AAV6)、霊長類AAV7型(AAV7)、霊長類AAV8型(AAV8)、霊長類AAV9型(AAV9)、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAVDJ、Anc80L65、AAV2G9、AAV-LK03、霊長類AAV型rh10(AAV rh10)、AAV型h10(AAV h10)、AAV型hu11(AAV hu11)、AAV rh32.33型(AAV rh32.33)、AAVレトロ(AAVレトロ)、AAV PHP.B、AAV PHP.eB、AAV PHP.S、AAV2/8など、非霊長類動物AAV(例えば、鳥類AAV(AAAV))、及び他の非霊長類動物AAV、例えば哺乳動物AAV(例えば、コウモリAAV、アシカAAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、ヤギAAV、及びヒツジAAVなど)、有鱗目(squamate)AAV(例えば、ヘビAAV、フトアゴヒゲトカゲAAV)などが含まれる。「霊長類AAV」は、一般に霊長類から単離されたAAVを指す。同様に、「非霊長類動物AAV」とは、非霊長類動物から単離されたAAVを指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、遺伝子(例えば、rep、capなど)、カプシドタンパク質(例えば、VP1カプシドタンパク質、VP2カプシドタンパク質、VP3カプシドタンパク質など)、指定されるAAVのカプシドタンパク質の領域(例えば、PLA2領域、VP1-u領域、VP1/VP2共通領域、VP3領域)、ヌクレオチド配列(例えば、ITR配列)、例えばAAVなどのcap遺伝子又はカプシドタンパク質に関して、「[指定される]AAVの」は、それぞれ指定されるAAVに関して本明細書に記載される核酸配列又はアミノ酸配列を含む遺伝子又はポリペプチドに加えて、遺伝子又はポリペプチドのバリアントも包含し、バリアントは、1つ以上の生物学的機能を保持するために必要とされる最小の数のヌクレオチド又はアミノ酸を含むバリアントを含む。本明細書で使用される場合、バリアント遺伝子又はバリアントポリペプチドは、指定されるAAVの遺伝子又はポリペプチドに関して本明細書に記載される核酸配列又はアミノ酸配列とは異なる核酸配列又はアミノ酸配列を含み、この場合においてその差異は概して、遺伝子又はポリペプチドの少なくとも1つの生物学的機能は変化させず、及び/又は遺伝子又はポリペプチドの系統発生学的な特徴は変化させず、例えばその差異は、遺伝子コードの縮重、孤立性の変動、配列の長さなどが原因であってもよい。例えば、本明細書で使用されるrep遺伝子及びcap遺伝子は、遺伝子がそれぞれ1つ以上のRepタンパク質及びCapタンパク質をコードし得るという点で野生型遺伝子とは異なるrep遺伝子及びcap遺伝子を包含し得る。一部の実施形態では、Rep遺伝子は、少なくともRep78及び/又はRep68をコードする。一部の実施形態では、cap遺伝子は、1つ以上の選択的開始コドン、又は1つ以上の選択的開始コドン間の配列が除去され、それによりcap遺伝子が、ただ1つのCapタンパク質のみをコードするという点で野生型とは異なり得、例えばVP2及び/又はVP3の開始コドンが除去され、又は置換されて、それによりcap遺伝子は、機能性VP1カプシドタンパク質をコードするが、VP2カプシドタンパク質又はVP3カプシドタンパク質はコードしない。したがって本明細書で使用される場合、rep遺伝子は、機能性Repタンパク質をコードする任意の配列を包含する。cap遺伝子は、少なくとも1つの機能性cap遺伝子をコードする任意の配列を包含する。
【0048】
野生型cap遺伝子は、rep ORF中に存在するp40プロモーターの制御下で、cap遺伝子の1つのオープンリーディングフレームから3つ全てのVP1、VP2、及びVP3カプシドタンパク質を発現することが知られている。「カプシドタンパク質」、「Capタンパク質」などの用語は、ウイルスのカプシドの部分であるタンパク質を含む。アデノ随伴ウイルスについては、カプシドタンパク質は一般的に、VP1、VP2、及び/又はVP3と呼称され、それらは1つのcap遺伝子によりコードされ得る。AAVに関しては、3つのAAVカプシドタンパク質は、自然にはcap ORFの選択的翻訳開始コドンを利用して重複した様式で産生されるが、3つ全てのタンパク質は共通の停止コドンを使用する。野生型cap遺伝子のORFは、5’から3’に向かって3つの選択的開始コドン、すなわち「VP1開始コドン」、「VP2開始コドン」、及び「VP3開始コドン」、並びに1つの「共通停止コドン」をコードする。最大のウイルスタンパク質であるVP1は一般的に、VP1開始コドンから「共通停止コドン」までコードされる。VP2は一般的に、VP2開始コドンから共通停止コドンまでコードされる。VP3は一般的に、VP3開始コドンから共通停止コドンまでコードされる。したがってVP1は、VP2又はVP3と共有しないN末端配列を含んでおり、これをVP1固有領域(VP1-u)と呼ぶ。VP1-u領域は一般的に、VP1開始コドンから始まり、「VP2開始コドン」までの野生型cap遺伝子の配列によりコードされる。VP1-uはホスホリパーゼA2ドメイン(PLA2)を含み、これは感染並びに核局在シグナルに重要であり得、シグナルは、ウイルスが脱殻及びゲノム放出を行うための核への標的化を補助し得る。VP1、VP2、及びVP3カプシドタンパク質は、VP3全体を構成するものと同じC末端配列を共有し、これを本明細書においてVP3領域と呼称する場合もある。VP3領域は、VP3開始コドンから共通停止コドンまでコードされる。VP2は、VP1と共有する追加の約60アミノ酸を有する。この領域は、VP1/VP2共通領域と呼ばれている。
【0049】
一部の実施形態では、本発明のCapタンパク質のうちの1つ以上は、1つ以上のORFを有する1つ以上のcap遺伝子によりコードされ得る。一部の実施形態では、本発明のVPタンパク質は、パッケージング細胞における発現用の少なくとも1つの発現制御配列に動作可能に連結された別個のヌクレオチド配列を使用することによって、VP1、VP2、及び/又はVP3の任意の組み合わせをコードするヌクレオチド配列を含む複数のORFから発現されてもよく、各々が、本発明のVP1、VP2、及び/又はVP3カプシドタンパク質のうちの1つ以上を産生する。一部の実施形態では、本発明のVPカプシドタンパク質は、ウイルス複製細胞における発現用の1つの発現制御配列に動作可能に連結された別個のヌクレオチド配列を使用することによって、VP1、VP2又はVP3のいずれか1つをコードするヌクレオチド配列を含むORFから個々に発現されてもよく、各々が、VP1、VP2又はVP3カプシドタンパク質のうちの1つのみを産生する。別の実施形態では、VPタンパク質は、ウイルス複製細胞における発現用の少なくとも1つの発現制御配列に動作可能に連結されたVP1、VP2及びVP3カプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む1つのORFから発現されてもよく、各々が、VP1、VP2及びVP3カプシドタンパク質を産生する。したがって、本明細書に提供されているアミノ酸位置は、参照されるAAVのVP1カプシドタンパク質に関連させて提供されてもよく、当業者であれば、AAVのVP2及び/又はVP3カプシドタンパク質内の同じアミノ酸の位置、及び異なるAAV間での対応するアミノ酸位置をそれぞれ容易に決定することが可能であろう。
【0050】
「末端逆位配列」又は「ITR」という文言は、効率的な複製に必要とされるアデノ随伴ウイルスのゲノム中の対称性の核酸配列を含む。ITR配列は、AAV DNAゲノムの各末端に位置する。ITRは、ウイルスDNA合成の複製起点として機能し、AAV粒子へのパッケージングなど、AAV粒子の生成に必須のシス構成要素である。
【0051】
AAV ITRは、複製タンパク質のRep78又はRep68の認識部位を含む。ITRのA”D”領域は、DNAニック部位を含み、ここでDNA複製が開始されて、核酸複製工程に方向性を提供する。哺乳動物細胞におけるAAV複製は、典型的には2つのITR配列を含む。
【0052】
1つのITRは、ITRパリンドロームの両側の「A」領域と2つの対称性のD領域の両方の鎖上で、Rep結合部位を用いて操作されてもよい。二本鎖の環状DNA鋳型上で、かかる操作が行われた構築物は、Rep78又はRep68が開始した核酸複製を、両方向に進行させることができる。1つのITRは、環状粒子のAAV複製に十分である。本発明のAAVウイルス粒子を作製する方法において、repコード配列は、Repタンパク質又はRepタンパク質均等物をコードし、それらタンパク質は、トランスファープラスミド上に含まれるITRに結合することができる。
【0053】
本発明のCapタンパク質は、パッケージング細胞によって適切なRepタンパク質とともに発現された場合、目的のヌクレオチドと偶数個の2つ以上のITR配列とを含むトランスファープラスミドをカプシド封入し(encapsidate)得る。一部の実施形態では、トランスファープラスミドは、1つのITR配列を含む。一部の実施形態では、トランスファープラスミドは、2つのITR配列を含む。
【0054】
Rep78及び/又はRep68のいずれかが、ITRヘアピン配列上の固有で公知の部位に結合し、AAVゲノムの末端でヘアピン構造を破壊及びほぐすように機能する。それによりウイルス複製細胞の複製機構へのアクセスが提供される。公知のように、Repタンパク質は、Rep78、Rep68、Rep52及び/又はRep40の任意の組み合わせをコードするヌクレオチド配列を含む複数のORFから、ウイルス複製細胞における発現用の少なくとも1つの発現制御配列に動作可能に連結された別個のヌクレオチド配列を使用することによって、発現されてもよく、各々が、Rep78、Rep68、Rep52及び/又はRep40 Repタンパク質のうちの1つ以上を産生する。あるいはRepタンパク質は、パッケージング細胞における発現用の1つの発現制御配列に動作可能に連結された別個のヌクレオチド配列を使用することによって、Rep78、Rep68、Rep52又はRep40のいずれか1つをコードするヌクレオチド配列を含むORFから個々に発現されてもよく、各々が、ただ1つのRep78、Rep68、Rep52又はRep40 Repタンパク質のみを産生する。別の実施形態では、Repタンパク質は、各々が、Rep78及びRep52 Repタンパク質を産生するウイルス複製細胞における発現のための、少なくとも1つの発現制御配列に動作可能に連結されたRep78及びRep52 Repタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む1つのORFから発現されてもよい。
【0055】
本発明の例えばウイルス粒子などのAAVビリオンを作製する方法において、本発明のrepコード配列及びcap遺伝子は、単一パッケージングプラスミドで提供されてもよい。しかしながら、当業者であれば、かかる条件は必須ではないことを認識するであろう。かかるウイルス粒子は、ゲノムを含んでも含まなくてもよい。
【0056】
「キメラAAVカプシドタンパク質」は、2つ以上の異なるAAVからのアミノ酸配列、例えば部分を含み、並びにAAVウイルスカプシド/ウイルス粒子を形成する能力を有する、及び/又は形成する、AAVカプシドタンパク質を含む。キメラAAVカプシドタンパク質は、例えば複数の、例えば少なくとも2つの核酸配列を含むキメラヌクレオチドなどのキメラAAVカプシド遺伝子によりコードされてもよく、複数のうちの各々は、別個のAAVのカプシドタンパク質をコードするカプシド遺伝子の部分と同一であり、それら複数が一緒に機能性キメラAAVカプシドタンパク質をコードする。特定のAAVに対するキメラカプシドタンパク質の関連付けは、カプシドタンパク質が、AAVのカプシドタンパク質に由来する1つ以上の部分、及び異なるAAVのカプシドタンパク質に由来する1つ以上の部分を含むことを示している。例えば、キメラAAV2カプシドタンパク質は、AAV2のVP1、VP2、及び/又はVP3カプシドタンパク質の1つ以上の部分、並びに異なるAAVのVP1、VP2、及び/又はVP3カプシドタンパク質の1つ以上の部分を含む、カプシドタンパク質を含む。
【0057】
「部分」という用語は、少なくとも5つのアミノ酸又は少なくとも15個のヌクレオチドであるが、全長のポリペプチド又は核酸分子よりも小さく、部分が由来する配列に対し、100%の同一性を有することを指す。Penzes(2015)J.General Virol 2769を参照されたい。「部分」は、部分が由来するポリペプチド又は核酸分子が、例えば非霊長類動物AAV又は遠縁のAAVなど、「[指定される]AAVの」ものであること、又は特定のAAVに対し「有意な同一性」を有すること、を判定するのに十分なアミノ酸又はヌクレオチドの任意の連続セグメントを包含する。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも5アミノ酸又は15ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも10アミノ酸又は30ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも15アミノ酸又は45ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも20アミノ酸又は60ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも25アミノ酸又は75ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも30アミノ酸又は90ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも35アミノ酸又は105ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも40アミノ酸又は120ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも45アミノ酸又は135ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも50アミノ酸又は150ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも60アミノ酸又は180ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも70アミノ酸又は210ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも80アミノ酸又は240ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも90アミノ酸又は270ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、部分は、指定されるAAVと関連付けられた配列に対し、100%の同一性を有する少なくとも100アミノ酸又は300ヌクレオチドを含む。
【0058】
改変されたウイルスカプシドタンパク質、ウイルス粒子、ウイルス核酸
一部の実施形態では、Capタンパク質、例えば本明細書に記載されるVP1カプシドタンパク質、本明細書に記載されるVP2カプシドタンパク質、及び/又は本明細書に記載されるVP3カプシドタンパク質は、例えば、標的化リガンドの挿入、化学的修飾、結合ペアの第1のメンバー、検出可能な標識、点変異などのいずれか1つ又は組み合わせを含むように改変される。
【0059】
概して、指定されるAAVの遺伝子若しくはポリペプチド又はそのバリアントの改変は、指定されるAAVに関して本明細書に記載される核酸配列又はアミノ酸配列とは異なる核酸配列又はアミノ酸配列を生じさせ、この場合において改変は、1つ以上の生物学的機能を変化させ、与え、又は除去するが、AAV遺伝子又はAAVポリペプチドとしての遺伝子又はポリペプチドの系統発生学的な特徴は変化させない。改変は、第1のAAV血清型の配列を、キメラを作製するための第2のAAV血清型の配列と置換すること、化学改変、結合ペアの第1のメンバーの挿入、及び/又は点変異などのうちのいずれか1つ又は組み合わせを含んでもよく、それにより、カプシドタンパク質の天然指向性が低減又は無効化され、カプシドタンパク質の指向性がより容易に再指向され、及び/又はそれにより、カプシドタンパク質が検出可能な標識を含む。本明細書に記載される改変は、一般に、例えばAAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAVDJ、Anc80L65、AAV2G9、AAV-LK03、かかる血清型に基づくビリオン、現在使用されているAAV遺伝子療法モダリティからのビリオン、又はそれらの組み合わせなどの血清型の感染など、別のAAVの感染の過程で産生された、一般集団に存在する既存の抗体による改変カプシドの認識を変化させず、好ましくは、低認識を無認識へと低下させる改変が含まれる。
【0060】
標的化リガンド
本明細書に記載される改変は、標的化リガンドの、改変カプシドタンパク質及び/又は改変カプシドタンパク質を含むカプシドへの会合(例えば、呈示、動作可能な連結、結合)に関連し得る。一般に、本明細書に記載される標的化リガンドは、哺乳動物筋細胞によって発現される表面タンパク質、例えば哺乳動物筋細胞の表面上で発現されるタンパク質、例えば哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合する。一部の実施形態では、改変カプシドタンパク質及び/又は改変カプシドは、哺乳動物CACNG1、例えば、ヒトCACNG1に結合する標的化リガンドを含む。
[1]表1は、本明細書に記載されるAAVカプシドを再指向するために使用され得る非限定的かつ例示的な抗ヒトCACNG1モノクローナル抗体(mAb ID)の各結合部分(例えば、重鎖可変ドメイン(HCVR)、軽鎖可変ドメイン(LCVR)、並びにCDR1、CDR2、及びCDR3)の配列番号の概要を提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるAAVカプシドは、ヒトCACNG1に結合する標的化リガンドを含み、標的化リガンドは、重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3、及び/又は重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のアミノ酸配列とそれぞれ少なくとも90%同一であるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列のセット、及び/又は配列番号1~240のうちのいずれか1つに記載のHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセットを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるAAVカプシドは、ヒトCACNG1に結合する標的化リガンドを含み、標的化リガンドは、重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3、及び/又は重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のアミノ酸配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列のセット、及び/又は配列番号1~240のうちのいずれか1つに記載のHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセットを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるAAVカプシドは、ヒトCACNG1に結合する標的化リガンドを含み、標的化リガンドは、重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3、及び/又は重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列のセット、及び/又は配列番号1~240のうちのいずれか1つに記載のHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセットを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるAAVカプシドは、ヒトCACNG1に結合する標的化リガンドを含み、標的化リガンドは、重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3、及び/又は重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列のセット、及び/又は配列番号1~240のうちのいずれか1つに記載のHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセットを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるAAVカプシドは、ヒトCACNG1に結合する標的化リガンドを含み、標的化リガンドは、重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、CDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3、及び/又は重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のアミノ酸配列と99%同一であるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列のセット、及び/又は配列番号1~240のうちのいずれか1つに記載のHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセットを含む。本明細書では、表1に列挙される例示的な抗hCACNG1抗体のいずれかにより定義されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペア内に含有される6個のCDRのセット(すなわち、HCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3)を含む、抗体又はその抗原結合断片が提供される。一部の実施形態では、本明細書に記載される標的化リガンドは、配列番号2/10、配列番号18/26、配列番号34/42、配列番号50/58、配列番号66/74、配列番号82/90、配列番号98/106、配列番号114/122、配列番号130/138、配列番号146/154、配列番号162/170、及び配列番号178/186からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペア内に含有されるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列セットを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される標的化リガンドは、配列番号2/10、配列番号18/26、配列番号34/42、配列番号50/58、配列番号66/74、配列番号82/90、配列番号98/106、配列番号114/122、配列番号130/138、配列番号146/154、配列番号162/170、及び配列番号178/186からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む。
【表1-1】
【表1-2】
【0061】
31929/10728(野生型hIgG1)/14647(hIgG1 N180Q)
HCVR核酸配列(配列番号1)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCGTCTGGAATCACCTTCAGAAATTATGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATGTGGTATGATGGAAGTAATAAGTACTATGCAGACTCCGTGAAGGGCCGTTTCACCATCTCCGGAGACAATTCCAAGGTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTATATTACTGTGCGAGAAGGGGCACTATAAGAACAGCTGCCCCTTTTGACTACTGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号2)
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCTASGITFRNYGMHWVRQAPGKGLEWVAVMWYDGSNKYYADSVKGRFTISGDNSKVYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGTIRTAAPFDYWGQGTLVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号3)
GGA ATC ACC TTC AGA AAT TAT GGC
HCDR1アミノ酸配列(配列番号4)
G I T F R N Y G
HCDR2核酸配列(配列番号5)
ATG TGG TAT GAT GGA AGT AAT AAG
HCDR2アミノ酸配列(配列番号6)
M W Y D G S N K
HCDR3核酸配列(配列番号7)
GCG AGA AGG GGC ACT ATA AGA ACA GCT GCC CCT TTT GAC TAC
HCDR3アミノ酸配列(配列番号8)
A R R G T I R T A A P F D Y
LCVR核酸配列(配列番号9)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCAGAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAA
LCVRアミノ酸配列(配列番号10)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIK
LCDR1核酸配列(配列番号11)
CAG AGC ATT AGC AGC TAT
LCDR1アミノ酸配列(配列番号12)
Q S I S S Y
LCDR2核酸配列(配列番号13)
GCT GCA TCC
LCDR2アミノ酸配列(配列番号14)
A A S
LCDR3核酸配列(配列番号15)
CAA CAG AGT TAC AGT ACC CCT CCG ATC ACC
LCDR3アミノ酸配列(配列番号16)
Q Q S Y S T P P I T
HC核酸配列(配列番号193)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCGTCTGGAATCACCTTCAGAAATTATGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATGTGGTATGATGGAAGTAATAAGTACTATGCAGACTCCGTGAAGGGCCGTTTCACCATCTCCGGAGACAATTCCAAGGTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTATATTACTGTGCGAGAAGGGGCACTATAAGAACAGCTGCCCCTTTTGACTACTGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCGTGCCCAGCACCAGGCGGTGGCGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号194)
【化1】
【化2】
*下線付き太字のアスパラギン(N)は、トランスグルタミナーゼによるコンジュゲーションのためにグルタミン(Q)に変異され得る。例えば、配列番号269を参照されたい。
LC核酸配列(配列番号195)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCAGAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
LCアミノ酸配列(配列番号196)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
10715(野生型hIgG1)/14570(IgG1 N180Q):
HCVR核酸配列(配列番号17)
CAGGTGCAGCTACAGCAGTGGGGCGCAGGACTGTTGAAGCCTTCGGCGACCCTGTCCCGCACCTGCGCTGTCTATGGTGGGTCCTTCAGTGGTTACTACTGGAACTGGATCCGCCAGTCCCCAGGGAAGGGGCTGGAATGGATTGGGGAAATCCTTCATAGTGGAAGAACCAACTACAACCCGTCCCTCAAGAGTCGAGTCACCATATCAGTAGACACGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTGACCTCTGTGACCGCCGCGGACACGGCTGTATATTACTGTGCGGGAAGGATAGCAGCTCGTCACGGCTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号18)
QVQLQQWGAGLLKPSATLSRTCAVYGGSFSGYYWNWIRQSPGKGLEWIGEILHSGRTNYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLTSVTAADTAVYYCAGRIAARHGWFDPWGQGTLVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号19)
GGT GGG TCC TTC AGT GGT TAC TAC
HCDR1アミノ酸配列(配列番号20)
G G S F S G Y Y
HCDR2核酸配列(配列番号21)
ATC CTT CAT AGT GGA AGA ACC
HCDR2アミノ酸配列(配列番号22)
I L H S G R T
HCDR3核酸配列(配列番号23)
GCG GGA AGG ATA GCA GCT CGT CAC GGC TGG TTC GAC CCC
HCDR3アミノ酸配列(配列番号24)
A G R I A A R H G W F D P
LCVR核酸配列(配列番号25)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCCGTGTCTACATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCTCTTGTCGGGCGAGTCAGGATATTCGCAAGTGGTTAGCCTGGTATCAACAGAAACCAGGAAAAGCCCCTAAACTCCTGATCTATGCTACATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCTTCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAGGATTTTGCAACTTACTTTTGTCAACAGGCTAACAGTTTCCCGTTCACTTTTGGCCAGGGGACCAAGCTGGAGATCAAA
LCVRアミノ酸配列(配列番号26)
DIQMTQSPSSVSTSVGDRVTISCRASQDIRKWLAWYQQKPGKAPKLLIYATSSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYFCQQANSFPFTFGQGTKLEIK
LCDR1核酸配列(配列番号27)
CAG GAT ATT CGC AAG TGG
LCDR1アミノ酸配列(配列番号28)
Q D I R K W
LCDR2核酸配列(配列番号29)
GCT ACA TCC
LCDR2アミノ酸配列(配列番号30)
A T S
LCDR3核酸配列(配列番号31)
CAA CAG GCT AAC AGT TTC CCG TTC ACT
LCDR3アミノ酸配列(配列番号32)
Q Q A N S F P F T
HC核酸配列(配列番号197)
CAGGTGCAGCTACAGCAGTGGGGCGCAGGACTGTTGAAGCCTTCGGCGACCCTGTCCCGCACCTGCGCTGTCTATGGTGGGTCCTTCAGTGGTTACTACTGGAACTGGATCCGCCAGTCCCCAGGGAAGGGGCTGGAATGGATTGGGGAAATCCTTCATAGTGGAAGAACCAACTACAACCCGTCCCTCAAGAGTCGAGTCACCATATCAGTAGACACGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTGACCTCTGTGACCGCCGCGGACACGGCTGTATATTACTGTGCGGGAAGGATAGCAGCTCGTCACGGCTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号198)
【化3】
*下線付き太字のアスパラギン(N)は、トランスグルタミナーゼによるコンジュゲーションのためにグルタミン(Q)に変異され得る。例えば、配列番号269を参照されたい。
LC核酸配列(配列番号199)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCCGTGTCTACATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCTCTTGTCGGGCGAGTCAGGATATTCGCAAGTGGTTAGCCTGGTATCAACAGAAACCAGGAAAAGCCCCTAAACTCCTGATCTATGCTACATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCTTCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAGGATTTTGCAACTTACTTTTGTCAACAGGCTAACAGTTTCCCGTTCACTTTTGGCCAGGGGACCAAGCTGGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
LCアミノ酸配列(配列番号200)
DIQMTQSPSSVSTSVGDRVTISCRASQDIRKWLAWYQQKPGKAPKLLIYATSSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYFCQQANSFPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
10717(野生型hIgG1)/14572(hIgG1 N180Q)
HCVR核酸配列(配列番号33)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCGTCTGGATTCACCTTCAGTACATATGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATTTGGCATGATGGAAGTGATAAATATTATGTAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCTCCATCGCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTTTATCTGCAAATGAATAGTCTGAGAGTCGAGGACACGGGTATATATTACTGTGCGAGAAGGGGTATACGTGGAACCGTTTTTGACCACTGGGGCCTGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号34)
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSTYGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWHDGSDKYYVDSVKGRFSIARDNSKNTLYLQMNSLRVEDTGIYYCARRGIRGTVFDHWGLGTLVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号35)
GGA TTC ACC TTC AGT ACA TAT GGC
HCDR1アミノ酸配列(配列番号36)
G F T F S T Y G
HCDR2核酸配列(配列番号37)
ATT TGG CAT GAT GGA AGT GAT AAA
HCDR2アミノ酸配列(配列番号38)
I W H D G S D K
HCDR3核酸配列(配列番号39)
GCG AGA AGG GGT ATA CGT GGA ACC GTT TTT GAC CAC
HCDR3アミノ酸配列(配列番号40)
A R R G I R G T V F D H
LCVR核酸配列(配列番号41)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCTTCCACCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCCTCACTTGTCGGGCCAGTCAGAGTATTAGTAACAAGTTGGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAACCTCCTGATCTATAAGGCGTCTAATTTAGAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGAATTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGATGATTTTGCAACTTATTACTGCCAACAGTATAATAGTTATTCGTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAA
LCVRアミノ酸配列(配列番号42)
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTLTCRASQSISNKLAWYQQKPGKAPNLLIYKASNLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQYNSYSWTFGQGTKVEIK
LCDR1核酸配列(配列番号43)
CAG AGT ATT AGT AAC AAG
LCDR1アミノ酸配列(配列番号44)
Q S I S N K
LCDR2核酸配列(配列番号45)
AAG GCG TCT
LCDR2アミノ酸配列(配列番号46)
K A S
LCDR3核酸配列(配列番号47)
CAA CAG TAT AAT AGT TAT TCG TGG ACG
LCDR3アミノ酸配列(配列番号48)
Q Q Y N S Y S W T
HC核酸配列(配列番号201)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCGTCTGGATTCACCTTCAGTACATATGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATTTGGCATGATGGAAGTGATAAATATTATGTAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCTCCATCGCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTTTATCTGCAAATGAATAGTCTGAGAGTCGAGGACACGGGTATATATTACTGTGCGAGAAGGGGTATACGTGGAACCGTTTTTGACCACTGGGGCCTGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号202)
【化4】
*下線付き太字のアスパラギン(N)は、トランスグルタミナーゼによるコンジュゲーションのためにグルタミン(Q)に変異され得る。例えば、配列番号269を参照されたい。
LC核酸配列(配列番号203)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCTTCCACCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCCTCACTTGTCGGGCCAGTCAGAGTATTAGTAACAAGTTGGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAACCTCCTGATCTATAAGGCGTCTAATTTAGAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGAATTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGATGATTTTGCAACTTATTACTGCCAACAGTATAATAGTTATTCGTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
LCアミノ酸配列(配列番号204)
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTLTCRASQSISNKLAWYQQKPGKAPNLLIYKASNLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQYNSYSWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
10716(野生型hIgG1)/14571(hIgG1 N180Q)
HCVR核酸配列(配列番号49)
CAGGTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGAGACCCTGTCCCTCACCTGCACTGTCTCTGGTGACTCCATCAATAATTACTACTGGACCTGGCTCCGGCAGCCCCCAGGGAAGGGACTGGAGTGGATTGGTTATATCTATTACAGTGGGAGCGCCAACTACAACCCCTCCCTCAAGAGTCGAGTCACCATATCAGTAGACACGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTAAATTCTGTGACCGCTGCGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGGGGCGGTCAAGTACTTCCGGCATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号50)
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGDSINNYYWTWLRQPPGKGLEWIGYIYYSGSANYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLNSVTAADTAVYYCARGAVKYFRHWGQGTLVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号51)
GGT GAC TCC ATC AAT AAT TAC TAC
HCDR1アミノ酸配列(配列番号52)
G D S I N N Y Y
HCDR2核酸配列(配列番号53)
ATC TAT TAC AGT GGG AGC GCC
HCDR2アミノ酸配列(配列番号54)
I Y Y S G S A
HCDR3核酸配列(配列番号55)
GCG AGA GGG GCG GTC AAG TAC TTC CGG CAT
HCDR3アミノ酸配列(配列番号56)
A R G A V K Y F R H
LCVR核酸配列(配列番号57)
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCGGGCACCCTCTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGACTATTAACCACAACAACTTAGCCTGGTACCAGCAGAGACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCAACAGGGCCACTGCCATCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGAAGTGTATTCTTGTCAGCAGTATGGTAGCTTGCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAA
LCVRアミノ酸配列(配列番号58)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQTINHNNLAWYQQRPGQAPRLLIYGASNRATAIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFEVYSCQQYGSLPLTFGGGTKVEIK
LCDR1核酸配列(配列番号59)
CAG ACT ATT AAC CAC AAC AAC
LCDR1アミノ酸配列(配列番号60)
Q T I N H N N
LCDR2核酸配列(配列番号61)
GGT GCA TCC
LCDR2アミノ酸配列(配列番号62)
G A S
LCDR3核酸配列(配列番号63)
CAG CAG TAT GGT AGC TTG CCG CTC ACT
LCDR3アミノ酸配列(配列番号64)
Q Q Y G S L P L T
HC核酸配列(配列番号205)
CAGGTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGAGACCCTGTCCCTCACCTGCACTGTCTCTGGTGACTCCATCAATAATTACTACTGGACCTGGCTCCGGCAGCCCCCAGGGAAGGGACTGGAGTGGATTGGTTATATCTATTACAGTGGGAGCGCCAACTACAACCCCTCCCTCAAGAGTCGAGTCACCATATCAGTAGACACGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTAAATTCTGTGACCGCTGCGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGGGGCGGTCAAGTACTTCCGGCATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号206)
【化5】
*下線付き太字のアスパラギン(N)は、トランスグルタミナーゼによるコンジュゲーションのためにグルタミン(Q)に変異され得る。例えば、配列番号269を参照されたい。
LC核酸配列(配列番号207)
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCGGGCACCCTCTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGACTATTAACCACAACAACTTAGCCTGGTACCAGCAGAGACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCAACAGGGCCACTGCCATCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGAAGTGTATTCTTGTCAGCAGTATGGTAGCTTGCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
LCアミノ酸配列(配列番号208)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQTINHNNLAWYQQRPGQAPRLLIYGASNRATAIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFEVYSCQQYGSLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
10783(野生型hIgG1)/14574(hIgG1 N180Q)
HCVR核酸配列(配列番号65)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGACGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCGTCAGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATATGGATTGATGGAAGTAATAAATATTATGCAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAAGGGGGGGTATAGTAGTAGCTGCCCCCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号66)
QVQLVESGGGVVQPGTSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWIDGSNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGGIVVAAPFDYWGQGTLVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号67)
GGA TTC ACC TTC AGT AGC TAT GGC
HCDR1アミノ酸配列(配列番号68)
G F T F S S Y G
HCDR2核酸配列(配列番号69)
ATA TGG ATT GAT GGA AGT AAT AAA
HCDR2アミノ酸配列(配列番号70)
I W I D G S N K
HCDR3核酸配列(配列番号71)
GCG AGA AGG GGG GGT ATA GTA GTA GCT GCC CCC TTT GAC TAC
HCDR3アミノ酸配列(配列番号72)
A R R G G I V V A A P F D Y
LCVR核酸配列(配列番号73)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCAGAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAA
LCVRアミノ酸配列(配列番号74)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIK
LCDR1核酸配列(配列番号75)
CAG AGC ATT AGC AGC TAT
LCDR1アミノ酸配列(配列番号76)
Q S I S S Y
LCDR2核酸配列(配列番号77)
GCT GCA TCC
LCDR2アミノ酸配列(配列番号78)
A A S
LCDR3核酸配列(配列番号79)
CAA CAG AGT TAC AGT ACC CCT CCG ATC ACC
LCDR3アミノ酸配列(配列番号80)
Q Q S Y S T P P I T
HC核酸配列(配列番号209)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGACGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCGTCAGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATATGGATTGATGGAAGTAATAAATATTATGCAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAAGGGGGGGTATAGTAGTAGCTGCCCCCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号210)
【化6】
*下線付き太字のアスパラギン(N)は、トランスグルタミナーゼによるコンジュゲーションのためにグルタミン(Q)に変異され得る。例えば、配列番号269を参照されたい。
LC核酸配列(配列番号211)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCAGAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
LCアミノ酸配列(配列番号212)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
31944
HCVR核酸配列(配列番号81)
CAG GTG CAG TTG GTG GAG TCT GGG GGA GGC GTG GTC CAG CCT GGG AGG TCC CTG AGA CTC TCC TGT GAA GCG TCT GGA ATC ACC TTC AGA AAC TAT GGC ATG CAC TGG GTC CGC CAG GCT CCA GGC AAG GGG CTG GAG TGG GTG GCA GTT ATG TGG TAT GAT GGA AGT AAT AAA TAC TAC GCA GAC TCC GTG AAG GGC CGA TTC ACC ATC TCC AGA GAC AAT TCC AAG AAC ACG GTG TAT CTG CAA ATG AAC AGC CTG AGA GCC GAA GAC ACG GCT GTG TAT TAC TGT GCG AGA CGG GGT CAT ATA GCA ACA GCT GCT CCC TTT GAC TAC TGG GGC CAG GGA ACC CTG GTC ACC GTC TCC TCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号82)
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCEASGITFRNYGMHWVRQAPGKGLEWVAVMWYDGSNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGHIATAAPFDYWGQGTLVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号83)
GGA ATC ACC TTC AGA AAC TAT GGC
HCDR1アミノ酸配列(配列番号84)
GITFRNYG
HCDR2核酸配列(配列番号85)
atg tgg tat gat gga agt aat aaa
HCDR2アミノ酸配列(配列番号86)
MWYDGSN
HCDR3核酸配列(配列番号87)
GCG AGA CGG GGT CAT ATA GCA ACA GCT GCT CCC TTT GAC TAC
HCDR3アミノ酸配列(配列番号88)
ARRGHIATAAPFD
LCVR核酸配列(配列番号89)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCCGTAGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCCGGGCAAGTCAGAGCATTAGTAGTTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGGTCCTGATGTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAGGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAA
LCVRアミノ酸配列(配列番号90)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTISCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKVLMYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIK
LCDR1核酸配列(配列番号91)
CAG AGC ATT AGT AGT TAT
LCDR1アミノ酸配列(配列番号92)
QSISSY
LCDR2核酸配列(配列番号93)
GCT GCA TCC
LCDR2アミノ酸配列(配列番号94)
AAS
LCDR3核酸配列(配列番号95)
CAA CAG AGT TAC AGT ACC CCT CCG ATC ACC
LCDR3アミノ酸配列(配列番号96)
QQSYSTPPIT
HC核酸配列(配列番号213)
CAG GTG CAG TTG GTG GAG TCT GGG GGA GGC GTG GTC CAG CCT GGG AGG TCC CTG AGA CTC TCC TGT GAA GCG TCT GGA ATC ACC TTC AGA AAC TAT GGC ATG CAC TGG GTC CGC CAG GCT CCA GGC AAG GGG CTG GAG TGG GTG GCA GTT ATG TGG TAT GAT GGA AGT AAT AAA TAC TAC GCA GAC TCC GTG AAG GGC CGA TTC ACC ATC TCC AGA GAC AAT TCC AAG AAC ACG GTG TAT CTG CAA ATG AAC AGC CTG AGA GCC GAA GAC ACG GCT GTG TAT TAC TGT GCG AGA CGG GGT CAT ATA GCA ACA GCT GCT CCC TTT GAC TAC TGG GGC CAG GGA ACC CTG GTC ACC GTC TCC TCA GCCAAAACAACAGCCCCATCGGTCTATCCACTGGCCCCTGTGTGTGGAGATACAACTGGCTCCTCGGTGACTCTAGGATGCCTGGTCAAGGGTTATTTCCCTGAGCCAGTGACCTTGACCTGGAACTCTGGATCCCTGTCCAGTGGTGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTGCAGTCTGACCTCTACACCCTCAGCAGCTCAGTGACTGTAACCTCGAGCACCTGGCCCAGCCAGTCCATCACCTGCAATGTGGCCCACCCGGCAAGCAGCACCAAGGTGGACAAGAAAATTGAGCCCAGAGGGCCCACAATCAAGCCCTGTCCTCCATGCAAATGCCCAGCACCTAACCTCTTGGGTGGACCATCCGTCTTCATCTTCCCTCCAAAGATCAAGGATGTACTCATGATCTCCCTGAGCCCCATAGTCACATGTGTGGTGGTGGATGTGAGCGAGGATGACCCAGATGTCCAGATCAGCTGGTTTGTGAACAACGTGGAAGTACACACAGCTCAGACACAAACCCATAGAGAGGATTACAACAGTACTCTCCGGGTGGTCAGTGCCCTCCCCATCCAGCACCAGGACTGGATGAGTGGCAAGGAGTTCAAATGCAAGGTCAACAACAAAGACCTCCCAGCGCCCATCGAGAGAACCATCTCAAAACCCAAAGGGTCAGTAAGAGCTCCACAGGTATATGTCTTGCCTCCACCAGAAGAAGAGATGACTAAGAAACAGGTCACTCTGACCTGCATGGTCACAGACTTCATGCCTGAAGACATTTACGTGGAGTGGACCAACAACGGGAAAACAGAGCTAAACTACAAGAACACTGAACCAGTCCTGGACTCTGATGGTTCTTACTTCATGTACAGCAAGCTGAGAGTGGAAAAGAAGAACTGGGTGGAAAGAAATAGCTACTCCTGTTCAGTGGTCCACGAGGGTCTGCACAATCACCACACGACTAAGAGCTTCTCCCGGACTCCGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号214)
QVQLVESGGG VVQPGRSLRL SCEASGITFR NYGMHWVRQA PGKGLEWVAV MWYDGSNKYY ADSVKGRFTI SRDNSKNTVY LQMNSLRAED TAVYYCARRG HIATAAPFDY WGQGTLVTVS S AKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
LC核酸配列(配列番号215)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCCGTAGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCCGGGCAAGTCAGAGCATTAGTAGTTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGGTCCTGATGTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAGGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAACGAGCTGATGCTGCACCAACTGTATCCATCTTCCCACCATCCAGTGAGCAGTTAACATCTGGAGGTGCCTCAGTCGTGTGCTTCTTGAACAACTTCTACCCCAAAGACATCAATGTCAAGTGGAAGATTGATGGCAGTGAACGACAAAATGGCGTCCTGAACAGTTGGACTGATCAGGACAGCAAAGACAGCACCTACAGCATGAGCAGCACCCTCACGTTGACCAAGGACGAGTATGAACGACATAACAGCTATACCTGTGAGGCCACTCACAAGACATCAACTTCACCCATTGTCAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTGA
LCアミノ酸配列(配列番号216)
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ISCRASQSIS SYLNWYQQKP GKAPKVLMYA ASSLQSGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ SYSTPPITFG QGTRLEIK RADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRGEC
31265(野生型hIgG1)/5972(hIgG1 N180Q)
HCVR核酸配列(配列番号97)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCGTCTGGATTCACCTTCCGTTCCTATGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGTCAGTTATTTGGATTGATGGAAATAATATATACTATGCAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGGACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTTTATTACTGTGCGAGAAGACTGGCTATAACATCAGCTGCCCCCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号98)
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCTASGFTFRSYGMHWVRQAPGKGLEWVSVIWIDGNNIYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMDSLRAEDTAVYYCARRLAITSAAPFDYWGQGTLVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号99)
GGA TTC ACC TTC CGT TCC TAT GGC
HCDR1アミノ酸配列(配列番号100)
G F T F R S Y G
HCDR2核酸配列(配列番号101)
ATT TGG ATT GAT GGA AAT AAT ATA
HCDR2アミノ酸配列(配列番号102)
I W I D G N N I
HCDR3核酸配列(配列番号103)
GCG AGA AGA CTG GCT ATA ACA TCA GCT GCC CCC TTT GAC TAC
HCDR3アミノ酸配列(配列番号104)
A R R L A I T S A A P F D Y
LCVR核酸配列(配列番号105)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCAGAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAA
LCVRアミノ酸配列(配列番号106)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIK
LCDR1核酸配列(配列番号107)
CAG AGC ATT AGC AGC TAT
LCDR1アミノ酸配列(配列番号108)
Q S I S S Y
LCDR2核酸配列(配列番号109)
GCT GCA TCC
LCDR2アミノ酸配列(配列番号110)
A A S
LCDR3核酸配列(配列番号111)
CAA CAG AGT TAC AGT ACC CCT CCG ATC ACC
LCDR3アミノ酸配列(配列番号112)
Q Q S Y S T P P I T
HC核酸配列(配列番号217)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCGTCTGGATTCACCTTCCGTTCCTATGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGTCAGTTATTTGGATTGATGGAAATAATATATACTATGCAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGGACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTTTATTACTGTGCGAGAAGACTGGCTATAACATCAGCTGCCCCCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号218)
【化7】
*下線付き太字のアスパラギン(N)は、トランスグルタミナーゼによるコンジュゲーションのためにグルタミン(Q)に変異され得る。例えば、配列番号269を参照されたい。
LC核酸配列(配列番号219)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCAGAGCATTAGCAGCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACAGTACCCCTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
LCアミノ酸配列(配列番号220)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
31941
HCVR核酸配列(配列番号113)
CAGGTTCAGCTGGTGCAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGTTACGCCTTCACCACCTATGGTATCACCTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGACTTGAGTGGATGGGATGGATCAGCGCTTACAATGGAAATACAAACTATGCAGAGAAGGTCCAGGGCAGATTCACCATGACCACAGACACATCCACGAATACAGCCTACATGGAGCTGAGGAGCCTGAGATCCGACGACACGGCCGTGTATTTCTGTGCGAGAAAGGGTCACTATGGTTCGGGGACTTATTATAACCCCTTTGGTTTTGATTTTTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号114)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYAFTTYGITWVRQAPGQGLEWMGWISAYNGNTNYAEKVQGRFTMTTDTSTNTAYMELRSLRSDDTAVYFCARKGHYGSGTYYNPFGFDFWGQGTMVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号115)
ggt tac gcc ttc acc acc tat ggt
HCDR1アミノ酸配列(配列番号116)
GYAFTTYG
HCDR2核酸配列(配列番号117)
atc agc gct tac aat gga aat aca
HCDR2アミノ酸配列(配列番号118)
ISAYNGN
HCDR3核酸配列(配列番号119)
GCG AGA AAG GGT CAC TAT GGT TCG GGG ACT TAT TAT AAC CCC TTT GGT TTT GAT TTT
HCDR3アミノ酸配列(配列番号120)
CARKGHYGSGTYYNPFGFD
LCVR核酸配列(配列番号121)
GAAATTATGTTGATGCAGTCTCCAGGCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTAGCAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCAGCAGGGCCACTGACATCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGCAGTTTATTTCTGTCAGCAGTATTATGGCTCACCTTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAG
LCVRアミノ酸配列(配列番号122)
EIMLMQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATDIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYFCQQYYGSPWTFGQGTKVEIK
LCDR1核酸配列(配列番号123)
cag agt gtt agc agc agc tac
LCDR1アミノ酸配列(配列番号124)
QSVSSSY
LCDR2核酸配列(配列番号125)
ggt gca tcc
LCDR2アミノ酸配列(配列番号126)
GA
LCDR3核酸配列(配列番号127)
cag cag tat tat ggc tca cct tgg acg
LCDR3アミノ酸配列(配列番号128)
CQQYYGSPW
HC核酸配列(配列番号221)
CAGGTTCAGCTGGTGCAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGTTACGCCTTCACCACCTATGGTATCACCTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGACTTGAGTGGATGGGATGGATCAGCGCTTACAATGGAAATACAAACTATGCAGAGAAGGTCCAGGGCAGATTCACCATGACCACAGACACATCCACGAATACAGCCTACATGGAGCTGAGGAGCCTGAGATCCGACGACACGGCCGTGTATTTCTGTGCGAGAAAGGGTCACTATGGTTCGGGGACTTATTATAACCCCTTTGGTTTTGATTTTTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGCCAAAACGACACCCCCATCTGTCTATCCACTGGCCCCTGGATCTGCTGCCCAAACTAACTCCATGGTGACCCTGGGATGCCTGGTCAAGGGCTATTTCCCTGAGCCAGTGACAGTGACCTGGAACTCTGGATCCCTGTCCAGCGGTGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTGCAGTCTGACCTCTACACTCTGAGCAGCTCAGTGACTGTCCCCTCCAGCACCTGGCCCAGCGAGACCGTCACCTGCAACGTTGCCCACCCGGCCAGCAGCACCAAGGTGGACAAGAAAATTGTGCCCAGGGATTGTGGTTGTAAGCCTTGCATATGTACAGTCCCAGAAGTATCATCTGTCTTCATCTTCCCCCCAAAGCCCAAGGATGTGCTCACCATTACTCTGACTCCTAAGGTCACGTGTGTTGTGGTAGACATCAGCAAGGATGATCCCGAGGTCCAGTTCAGCTGGTTTGTAGATGATGTGGAGGTGCACACAGCTCAGACGCAACCCCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACTTTCCGCTCAGTCAGTGAACTTCCCATCATGCACCAGGACTGGCTCAATGGCAAGGAGTTCAAATGCAGGGTCAACAGTGCAGCTTTCCCTGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGCAGACCGAAGGCTCCACAGGTGTACACCATTCCACCTCCCAAGGAGCAGATGGCCAAGGATAAAGTCAGTCTGACCTGCATGATAACAGACTTCTTCCCTGAAGACATTACTGTGGAGTGGCAGTGGAATGGGCAGCCAGCGGAGAACTACAAGAACACTCAGCCCATCATGGACACAGATGGCTCTTACTTCGTCTACAGCAAGCTCAATGTGCAGAAGTCCAACTGGGAGGCAGGAAATACTTTCACCTGCTCTGTGTTACATGAGGGCCTGCACAACCACCATACTGAGAAGTCCCTCTCCCACTCTCCTGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号222)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYAFTTYGITWVRQAPGQGLEWMGWISAYNGNTNYAEKVQGRFTMTTDTSTNTAYMELRSLRSDDTAVYFCARKGHYGSGTYYNPFGFDFWGQGTMVTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVPSSTWPSETVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRDCGCKPCICTVPEVSSVFIFPPKPKDVLTITLTPKVTCVVVDISKDDPEVQFSWFVDDVEVHTAQTQPREEQFNSTFRSVSELPIMHQDWLNGKEFKCRVNSAAFPAPIEKTISKTKGRPKAPQVYTIPPPKEQMAKDKVSLTCMITDFFPEDITVEWQWNGQPAENYKNTQPIMDTDGSYFVYSKLNVQKSNWEAGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPGK
LC核酸配列(配列番号223)
GAAATTATGTTGATGCAGTCTCCAGGCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTAGCAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCAGCAGGGCCACTGACATCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGCAGTTTATTTCTGTCAGCAGTATTATGGCTCACCTTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAGCGAGCTGATGCTGCACCAACTGTATCCATCTTCCCACCATCCAGTGAGCAGTTAACATCTGGAGGTGCCTCAGTCGTGTGCTTCTTGAACAACTTCTACCCCAAAGACATCAATGTCAAGTGGAAGATTGATGGCAGTGAACGACAAAATGGCGTCCTGAACAGTTGGACTGATCAGGACAGCAAAGACAGCACCTACAGCATGAGCAGCACCCTCACGTTGACCAAGGACGAGTATGAACGACATAACAGCTATACCTGTGAGGCCACTCACAAGACATCAACTTCACCCATTGTCAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTGA
LCアミノ酸配列(配列番号224)
EIMLMQSPGT LSLSPGERAT LSCRASQSVS SSYLAWYQQK PGQAPRLLIY GASSRATDIP DRFSGSGSGT DFTLTISRLE PEDFAVYFCQ QYYGSPWTFG QGTKVEIK RADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRGEC
7660
HCVR核酸配列(配列番号129)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTCCAGCCGGGGGGGTCCCTGAAACTCTCCTGTACAGCCTCTGGGTTGACCCTCAGTGACTCTGCTATGCACTGGGTCCGCCAGGCTTCCGGGAAAGGGCTGGAGTGGGTTGGCCGTATAAGAAATAAGGCTAATAGGTACGCGACAGAATATGCTGCGTCGGTGAAAGGCAGGTTCACCATTTCAAGAGATGATTCAAAGAACACGGCGTATCTACAAATGAACAGCCTGAAAACCGAGGACACGGCCGTGTATTATTGTACTAGAAACTGGAAGATTTTCCTCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号130)
EVQLVESGGGLVQPGGSLKLSCTASGLTLSDSAMHWVRQASGKGLEWVGRIRNKANRYATEYAASVKGRFTISRDDSKNTAYLQMNSLKTEDTAVYYCTRNWKIFLFDYWGQGTLVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号131)
GGG TTG ACC CTC AGT GAC TCT GCT
HCDR1アミノ酸配列(配列番号132)
G L T L S D S A
HCDR2核酸配列(配列番号133)
ATA AGA AAT AAG GCT AAT AGG TAC GCG ACA
HCDR2アミノ酸配列(配列番号134)
I R N K A N R Y A T
HCDR3核酸配列(配列番号135)
ACT AGA AAC TGG AAG ATT TTC CTC TTT GAC TAC
HCDR3アミノ酸配列(配列番号136)
T R N W K I F L F D Y
LCVR核酸配列(配列番号137)
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCAGGCACCCTGACTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTGGCAGCAAATACTTAGCCTGGTTCCAGCAGAAACGTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCAGCAGGACCAGTGGCATCCCCGACAGGATCAGTGGCAGTGGGTCAGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGCAGTGTATTACTGTCAGCAGTATGGAAGTTCACCCTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAA
LCVRアミノ酸配列(配列番号138)
EIVLTQSPGTLTLSPGERATLSCRASQSVGSKYLAWFQQKRGQAPRLLIYGASSRTSGIPDRISGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPWTFGQGTKVEIK
LCDR1核酸配列(配列番号139)
CAG AGT GTT GGC AGC AAA TAC
LCDR1アミノ酸配列(配列番号140)
Q S V G S K Y
LCDR2核酸配列(配列番号141)
GGT GCA TCC
LCDR2アミノ酸配列(配列番号142)
G A S
LCDR3核酸配列(配列番号143)
CAG CAG TAT GGA AGT TCA CCC TGG ACG
LCDR3アミノ酸配列(配列番号144)
Q Q Y G S S P W T
HC核酸配列(配列番号225)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTCCAGCCGGGGGGGTCCCTGAAACTCTCCTGTACAGCCTCTGGGTTGACCCTCAGTGACTCTGCTATGCACTGGGTCCGCCAGGCTTCCGGGAAAGGGCTGGAGTGGGTTGGCCGTATAAGAAATAAGGCTAATAGGTACGCGACAGAATATGCTGCGTCGGTGAAAGGCAGGTTCACCATTTCAAGAGATGATTCAAAGAACACGGCGTATCTACAAATGAACAGCCTGAAAACCGAGGACACGGCCGTGTATTATTGTACTAGAAACTGGAAGATTTTCCTCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号226)
EVQLVESGGGLVQPGGSLKLSCTASGLTLSDSAMHWVRQASGKGLEWVGRIRNKANRYATEYAASVKGRFTISRDDSKNTAYLQMNSLKTEDTAVYYCTRNWKIFLFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
LC核酸配列(配列番号227)
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCAGGCACCCTGACTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTGGCAGCAAATACTTAGCCTGGTTCCAGCAGAAACGTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCAGCAGGACCAGTGGCATCCCCGACAGGATCAGTGGCAGTGGGTCAGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGCAGTGTATTACTGTCAGCAGTATGGAAGTTCACCCTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
LCアミノ酸配列(配列番号228)
EIVLTQSPGTLTLSPGERATLSCRASQSVGSKYLAWFQQKRGQAPRLLIYGASSRTSGIPDRISGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
9909
HCVR核酸配列(配列番号145)
GAGGTGCAGCTGTTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCGGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTAACAACTATGGCATGAGCTGGGTCCGCCAGGGTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCATCTATTAGTGGTAGTGGTGGTACCACATTCTACGCAGACTCCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCCGTATATTACTGTGGCAAAGGAGGATATTGTAGTAGTAGCGGCTGCCGTCACTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号146)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFNNYGMSWVRQGPGKGLEWVSSISGSGGTTFYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCGKGGYCSSSGCRHYGMDVWGQGTTVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号147)
GGA TTC ACC TTT AAC AAC TAT GGC
HCDR1アミノ酸配列(配列番号148)
GFTFNNYG
HCDR2核酸配列(配列番号149)
ATT AGT GGT AGT GGT GGT ACC ACA
HCDR2アミノ酸配列(配列番号150)
SGSGGT
HCDR3核酸配列(配列番号151)
GGC AAA GGA GGA TAT TGT AGT AGT AGC GGC TGC CGT CAC TAC GGT ATG GAC GTC
HCDR3アミノ酸配列(配列番号152)
CGKGGYCSSSGCRH
LCVR核酸配列(配列番号153)
CAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCAGCGTCTGGGACCCCCGGGCAGAGGGTCACCATCTCTTGTTCTGGAAGCAGCTCCAACATCGGAAATAATTATATATACTGGTACCAGCGGCTCCCAGGAACGACCCCCAAACTCCTCATCTATAGGAATAATCAGCGGCCCTCAGGGGTCCCTGACCGATTCTCTGGCTCCAAGTCTGGCACCTCAGCCTCCCTGGCCATCAGTGGGCTCCGGTCCGAGGATGAGGCTGATTATTACTGTGCAGCATGGGATGACACCCTGAGTGGGTATGTCTTCGGAACTGGGACCAAGGTCACCGTCCTA
LCVRアミノ酸配列(配列番号154)
QSVLTQPPSASGTPGQRVTISCSGSSSNIGNNYIYWYQRLPGTTPKLLIYRNNQRPSGVPDRFSGSKSGTSASLAISGLRSEDEADYYCAAWDDTLSGYVFGTGTKVTVL
LCDR1核酸配列(配列番号155)
AGC TCC AAC ATC GGA AAT AAT TAT
LCDR1アミノ酸配列(配列番号156)
SSNIGNNY
LCDR2核酸配列(配列番号157)
agg aat aat
LCDR2アミノ酸配列(配列番号158)
RN
LCDR3核酸配列(配列番号159)
GCA GCA TGG GAT GAC ACC CTG AGT GGG TAT GTC
LCDR3アミノ酸配列(配列番号160)
CAAWDDTLSGY
HC核酸配列(配列番号229)
GAGGTGCAGCTGTTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCGGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTAACAACTATGGCATGAGCTGGGTCCGCCAGGGTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCATCTATTAGTGGTAGTGGTGGTACCACATTCTACGCAGACTCCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCCGTATATTACTGTGGCAAAGGAGGATATTGTAGTAGTAGCGGCTGCCGTCACTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCCAAAACAACAGCCCCATCGGTCTATCCACTGGCCCCTGTGTGTGGAGATACAACTGGCTCCTCGGTGACTCTAGGATGCCTGGTCAAGGGTTATTTCCCTGAGCCAGTGACCTTGACCTGGAACTCTGGATCCCTGTCCAGTGGTGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTGCAGTCTGACCTCTACACCCTCAGCAGCTCAGTGACTGTAACCTCGAGCACCTGGCCCAGCCAGTCCATCACCTGCAATGTGGCCCACCCGGCAAGCAGCACCAAGGTGGACAAGAAAATTGAGCCCAGAGGGCCCACAATCAAGCCCTGTCCTCCATGCAAATGCCCAGCACCTAACCTCTTGGGTGGACCATCCGTCTTCATCTTCCCTCCAAAGATCAAGGATGTACTCATGATCTCCCTGAGCCCCATAGTCACATGTGTGGTGGTGGATGTGAGCGAGGATGACCCAGATGTCCAGATCAGCTGGTTTGTGAACAACGTGGAAGTACACACAGCTCAGACACAAACCCATAGAGAGGATTACAACAGTACTCTCCGGGTGGTCAGTGCCCTCCCCATCCAGCACCAGGACTGGATGAGTGGCAAGGAGTTCAAATGCAAGGTCAACAACAAAGACCTCCCAGCGCCCATCGAGAGAACCATCTCAAAACCCAAAGGGTCAGTAAGAGCTCCACAGGTATATGTCTTGCCTCCACCAGAAGAAGAGATGACTAAGAAACAGGTCACTCTGACCTGCATGGTCACAGACTTCATGCCTGAAGACATTTACGTGGAGTGGACCAACAACGGGAAAACAGAGCTAAACTACAAGAACACTGAACCAGTCCTGGACTCTGATGGTTCTTACTTCATGTACAGCAAGCTGAGAGTGGAAAAGAAGAACTGGGTGGAAAGAAATAGCTACTCCTGTTCAGTGGTCCACGAGGGTCTGCACAATCACCACACGACTAAGAGCTTCTCCCGGACTCCGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号230)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFNNYGMSWVRQGPGKGLEWVSSISGSGGTTFYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCGKGGYCSSSGCRHYGMDVWGQGTTVTVSSAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
LC核酸配列(配列番号231)
CAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCAGCGTCTGGGACCCCCGGGCAGAGGGTCACCATCTCTTGTTCTGGAAGCAGCTCCAACATCGGAAATAATTATATATACTGGTACCAGCGGCTCCCAGGAACGACCCCCAAACTCCTCATCTATAGGAATAATCAGCGGCCCTCAGGGGTCCCTGACCGATTCTCTGGCTCCAAGTCTGGCACCTCAGCCTCCCTGGCCATCAGTGGGCTCCGGTCCGAGGATGAGGCTGATTATTACTGTGCAGCATGGGATGACACCCTGAGTGGGTATGTCTTCGGAACTGGGACCAAGGTCACCGTCCTACGAGCTGATGCTGCACCAACTGTATCCATCTTCCCACCATCCAGTGAGCAGTTAACATCTGGAGGTGCCTCAGTCGTGTGCTTCTTGAACAACTTCTACCCCAAAGACATCAATGTCAAGTGGAAGATTGATGGCAGTGAACGACAAAATGGCGTCCTGAACAGTTGGACTGATCAGGACAGCAAAGACAGCACCTACAGCATGAGCAGCACCCTCACGTTGACCAAGGACGAGTATGAACGACATAACAGCTATACCTGTGAGGCCACTCACAAGACATCAACTTCACCCATTGTCAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTGA
LCアミノ酸配列(配列番号232)
QSVLTQPPSASGTPGQRVTISCSGSSSNIGNNYIYWYQRLPGTTPKLLIYRNNQRPSGVPDRFSGSKSGTSASLAISGLRSEDEADYYCAAWDDTLSGYVFGTGTKVTVLRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRGEC
10713(野生型hIgG1)/14573(hIgG1 N180Q)
HCVR核酸配列(配列番号161)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAAACTTGGTACAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTACCAGCCATGCCATGAACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCAGTTATTACTGGTAGAGGTTTTGACACACACTACGCTGACTCCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACATTTCCAAAAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCCGTTTATTACTGTGCGAAAGGTCTCTATGATTCGGGGAATTATTATATCGATTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号162)
EVQLVESGGNLVQPGGSLRLSCAASGFTFTSHAMNWVRQAPGKGLEWVSVITGRGFDTHYADSVKGRFTISRDISKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKGLYDSGNYYIDYWGQGTLVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号163)
GGA TTC ACC TTT ACC AGC CAT GCC
HCDR1アミノ酸配列(配列番号164)
G F T F T S H A
HCDR2核酸配列(配列番号165)
ATT ACT GGT AGA GGT TTT GAC ACA
HCDR2アミノ酸配列(配列番号166)
I T G R G F D T
HCDR3核酸配列(配列番号167)
GCG AAA GGT CTC TAT GAT TCG GGG AAT TAT TAT ATC GAT TAC
HCDR3アミノ酸配列(配列番号168)
A K G L Y D S G N Y Y I D Y
LCVR核酸配列(配列番号169)
CAGTCTGTGTTGACGCAGCCGCCCTCAGTGTCTGCGGCCCCAGGACAGAAGGTCACCATCTCCTGCTCTGGAAGCAGCTCCAACATTGGGAATAATTATGTTTCCTGGTACCAGCAGCTCCCAGGAACAGCCCCCAAACTCCTCATTTATGACAATAATAAGCGACCCTCAGGGATTCCTGACCGATTCTCTGGCTCCAAGTCTGGCACGTCAGCCACCCTGGGCATCACCGGACTCCAGACTGGGGACGAGGCCGATTATTACTGCGGAACATGGGATCTCAGCCTGAGTTTCAATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCAAGCTGACCGTCCTA
LCVRアミノ酸配列(配列番号170)
QSVLTQPPSVSAAPGQKVTISCSGSSSNIGNNYVSWYQQLPGTAPKLLIYDNNKRPSGIPDRFSGSKSGTSATLGITGLQTGDEADYYCGTWDLSLSFNWVFGGGTKLTVL
LCDR1核酸配列(配列番号171)
AGC TCC AAC ATT GGG AAT AAT TAT
LCDR1アミノ酸配列(配列番号172)
S S N I G N N Y
LCDR2核酸配列(配列番号173)
GAC AAT AAT
LCDR2アミノ酸配列(配列番号174)
D N N
LCDR3核酸配列(配列番号175)
GGA ACA TGG GAT CTC AGC CTG AGT TTC AAT TGG GTG
LCDR3アミノ酸配列(配列番号176)
G T W D L S L S F N W V
HC核酸配列(配列番号233)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAAACTTGGTACAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTACCAGCCATGCCATGAACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCAGTTATTACTGGTAGAGGTTTTGACACACACTACGCTGACTCCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACATTTCCAAAAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCCGTTTATTACTGTGCGAAAGGTCTCTATGATTCGGGGAATTATTATATCGATTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号234)
【化8】
*下線付き太字のアスパラギン(N)は、トランスグルタミナーゼによるコンジュゲーションのためにグルタミン(Q)に変異され得る。例えば、配列番号269を参照されたい。
LC核酸配列(配列番号235)
CAGTCTGTGTTGACGCAGCCGCCCTCAGTGTCTGCGGCCCCAGGACAGAAGGTCACCATCTCCTGCTCTGGAAGCAGCTCCAACATTGGGAATAATTATGTTTCCTGGTACCAGCAGCTCCCAGGAACAGCCCCCAAACTCCTCATTTATGACAATAATAAGCGACCCTCAGGGATTCCTGACCGATTCTCTGGCTCCAAGTCTGGCACGTCAGCCACCCTGGGCATCACCGGACTCCAGACTGGGGACGAGGCCGATTATTACTGCGGAACATGGGATCTCAGCCTGAGTTTCAATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCAAGCTGACCGTCCTAGGCCAGCCCAAGGCCGCCCCCTCCGTGACCCTGTTCCCCCCCTCCTCCGAGGAGCTGCAGGCCAACAAGGCCACCCTGGTGTGCCTGATCTCCGACTTCTACCCCGGCGCCGTGACCGTGGCCTGGAAGGCCGACTCCTCCCCCGTGAAGGCCGGCGTGGAGACCACCACCCCCTCCAAGCAGTCCAACAACAAGTACGCCGCCTCCTCCTACCTGTCCCTGACCCCCGAGCAGTGGAAGTCCCACCGGTCCTACTCCTGCCAGGTGACCCACGAGGGCTCCACCGTGGAGAAGACCGTGGCCCCCA
CCGAGTGCTCCTGA
LCアミノ酸配列(配列番号236)
QSVLTQPPSVSAAPGQKVTISCSGSSSNIGNNYVSWYQQLPGTAPKLLIYDNNKRPSGIPDRFSGSKSGTSATLGITGLQTGDEADYYCGTWDLSLSFNWVFGGGTKLTVLGQPKAAPSVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADSSPVKAGVETTTPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS
7854
HCVR核酸配列(配列番号177)
CAGGTTCAGCTGGTGCAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGTTACGCCTTCACCACCTATGGTATCACCTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGACTTGAGTGGATGGGATGGATCAGCGCTTACAATGGAAATACAAACTATGCAGAGAAGGTCCAGGGCAGATTCACCATGACCACAGACACATCCACGAATACAGCCTACATGGAGCTGAGGAGCCTGAGATCCGACGACACGGCCGTGTATTTCTGTGCGAGAAAGGGTCACTATGGTTCGGGGACTTATTATAACCCCTTTGGTTTTGATTTTTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCA
HCVRアミノ酸配列(配列番号178)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYAFTTYGITWVRQAPGQGLEWMGWISAYNGNTNYAEKVQGRFTMTTDTSTNTAYMELRSLRSDDTAVYFCARKGHYGSGTYYNPFGFDFWGQGTMVTVSS
HCDR1核酸配列(配列番号179)
GGT TAC GCC TTC ACC ACC TAT GGT
HCDR1アミノ酸配列(配列番号180)
G Y A F T T Y G
HCDR2核酸配列(配列番号181)
ATC AGC GCT TAC AAT GGA AAT ACA
HCDR2アミノ酸配列(配列番号182)
I S A Y N G N T
HCDR3核酸配列(配列番号183)
GCG AGA AAG GGT CAC TAT GGT TCG GGG ACT TAT TAT AAC CCC TTT GGT TTT GAT TTT
HCDR3アミノ酸配列(配列番号184)
A R K G H Y G S G T Y Y N P F G F D F
LCVR核酸配列(配列番号185)
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCAGGCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTAGCAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCAGCAGGGCCACTGGCATCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGCTTTGTATTTCTGTCAGCAGTATTATGGCTCACCTTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAA
LCVRアミノ酸配列(配列番号186)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFALYFCQQYYGSPWTFGQGTKVEIK
LCDR1核酸配列(配列番号187)
CAG AGT GTT AGC AGC AGC TAC
LCDR1アミノ酸配列(配列番号188)
Q S V S S S Y
LCDR2核酸配列(配列番号189)
GGT GCA TCC
LCDR2アミノ酸配列(配列番号190)
G A S
LCDR3核酸配列(配列番号191)
CAG CAG TAT TAT GGC TCA CCT TGG ACG
LCDR3アミノ酸配列(配列番号192)
Q Q Y Y G S P W T
HC核酸配列(配列番号237)
CAGGTTCAGCTGGTGCAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGTTACGCCTTCACCACCTATGGTATCACCTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGACTTGAGTGGATGGGATGGATCAGCGCTTACAATGGAAATACAAACTATGCAGAGAAGGTCCAGGGCAGATTCACCATGACCACAGACACATCCACGAATACAGCCTACATGGAGCTGAGGAGCCTGAGATCCGACGACACGGCCGTGTATTTCTGTGCGAGAAAGGGTCACTATGGTTCGGGGACTTATTATAACCCCTTTGGTTTTGATTTTTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
HCアミノ酸配列(配列番号238)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYAFTTYGITWVRQAPGQGLEWMGWISAYNGNTNYAEKVQGRFTMTTDTSTNTAYMELRSLRSDDTAVYFCARKGHYGSGTYYNPFGFDFWGQGTMVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
LC核酸配列(配列番号239)
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCAGGCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTAGCAGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCAGCAGGGCCACTGGCATCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGCTTTGTATTTCTGTCAGCAGTATTATGGCTCACCTTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
LCアミノ酸配列(配列番号240)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFALYFCQQYYGSPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0062】
CACNG1を結合する標的化リガンドの非限定的な例としては、(i)Fab断片、(ii)F(ab’)2断片、(iii)Fd断片、(iv)Fv断片、(v)一本鎖Fv(scFv)分子、(vi)dAb断片、及び(vii)抗体の超可変領域(例えば、CDR3ペプチドなどの単離された相補性決定領域(CDR))を模倣するアミノ酸残基、又は拘束された(constrained)FR3-CDR3-FR4ペプチドからなる最小認識単位が挙げられる。ドメイン特異的抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン欠失した抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノボディ(例えば、一価ナノボディ、二価ナノボディなど)、小モジュラー免疫薬(SMIP)、及びサメ可変IgNARドメインなどの他の操作された分子もまた、本明細書で使用される場合、「標的化リガンド」という表現に包含される。非限定的な実施形態では、本明細書に記載のウイルスカプシドを再標的化するのに有用なCACNG1に結合する抗CACNG1標的化リガンドは、scFvを含む含む。非限定的な例として、本明細書に記載のウイルスカプシドを再標的化するのに有用なVL-(Gly4Ser)3-VH形式のscFv配列は、重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3、及び/又は重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン/軽鎖可変ドメインペア、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のアミノ酸配列のうちのいずれか1つとそれぞれ90%、95%、97%、98%、99%若しくは100%同一であるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセット、及び/又は配列番号1~240のうちのいずれか1つに記載のHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3のセットを含み得る。
【0063】
哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合する標的化リガンドは、公知の方法、例えば、標的化リガンドが公知の方法に従って(例えば、組換え方法を使用して)直接挿入される直接的アプローチに従って、改変AAVカプシドタンパク質及び結果として生じるAAVカプシドと会合され(例えば、それによって呈示され、動作可能に連結され、結合され)得る。例えば、上記、Stachler et al.(2006)、上記、White et al.(2004)、上記、Girod et al.(1999)、上記、Grifman et al.(2001)、上記、Shi et al.(2001)、上記、Shi and Bartlett(2003)を参照されたい。哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合する標的化リガンドは、公知の化学リンカーを使用して、改変AAVカプシドタンパク質及び結果として生じるAAVカプシドに結合されてもよく、例えば、AAVカプシドタンパク質は、ジベンゾシコチン基又はアジド基を含むように化学的修飾されてもよく、及び任意選択的に、本明細書に記載される標的化リガンドが、ジベンゾシコチン基又はアジド基に結合されてもよく、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2022/028234号を参照されたい。ここで標的化リガンドは、例えば、-CSNH-結合などを介して、AAVカプシドタンパク質の一次アミノ酸基に共有結合される。一部の実施形態では、本明細書に記載の改変カプシドは、周知の直接組換え方法に従って、直接挿入されるか、又はそれに結合される標的化リガンド、例えば、抗CACNG1抗体又はその結合部分を含む。
【0064】
結合ペア
一部の実施形態では、哺乳動物筋細胞特異的表面タンパク質に結合する標的化リガンドは、間接的組換えアプローチに従って、改変AAVカプシドタンパク質及び結果として生じるAAVカプシドと会合され(例えば、それによって呈示され、動作可能に連結され、結合され)得、AAVカプシドタンパク質が、結合ペアの第1のメンバー(例えば、異種足場)を含むように改変され、任意選択的に、結合ペアの第1のメンバーは、結合ペアの第2の同族メンバー(例えば、アダプター)に連結(例えば、共有結合又は非共有結合で結合)されており、更に任意選択的に、結合ペアの第2の同族メンバーは、標的化リガンドに融合される。非限定的な例示的な結合ペアは、Buning and Srivastava(2019)Mol.Ther.Methods Clin Dev 12:248-265に列挙されている。
【0065】
したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載のカプシドタンパク質の改変は、例えば、結合ペア(例えば、タンパク質:タンパク質結合ペア、タンパク質:核酸結合ペア)の第1のメンバーを挿入する改変などのcap遺伝子の改変を介して、遺伝子レベルでの改変の結果一般的に生じるもの、Capタンパク質によって呈示される検出可能な標識などを含む。
【0066】
一部の実施形態では、第1のメンバーは、免疫グロブリン定常ドメインとの結合ペアを形成する。一部の実施形態では、第1のメンバーは、金属イオン、例えば、Ni2+、Co2+、Cu2+、Zn2+、Fe3+などと結合ペアを形成する。一部の実施形態では、第1のメンバーは、ストレプトアビジン、StrepII、HA、L14、4C-RGD、LH、及びプロテインAからなる群から選択される。
【0067】
一部の実施形態では、結合ペアは、酵素:核酸結合ペアを含む。一部の実施形態では、第1のメンバーは、HUH-エンドヌクレアーゼ又はHUHタグを含み、第2のメンバーは、核酸結合ドメインを含む。一部の実施形態では、第1のメンバーは、HUHタグを含む。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるU.S.2021/0180082を参照されたい。
【0068】
一部の実施形態では、本発明のカプシドタンパク質は、ペプチド:ペプチド結合ペアの少なくとも第1のメンバーを含む。
【0069】
一部の実施形態では、ペプチド:ペプチド結合ペアの第1のメンバー及び第2のメンバーの各々は、インテインを含む。例えば、Wagner et al.,(2021)Adv.Sci.8:2004018(1/22)、Muik et al.(2017) Biomaterials 144:84を参照されたい。これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0070】
一部の実施形態では、第1のメンバーは、B細胞エピトープであり、例えば、約1アミノ酸~約35アミノ酸の長さであり、例えば、免疫グロブリン可変ドメインなどの抗体パラトープとの結合ペアを形成する。一部の実施形態では、本発明のカプシドタンパク質は、結合ペアの第1のメンバーとして検出可能な標識を含むように改変される。多くの検出可能な標識が当分野で公知である。(例えば、Nilsson et al.(1997)”Affinity fusion strategies for detection,purification,and immobilization of modified proteins”Protein Expression and Purification 11:1-16、Terpe et al.(2003)”Overview of tag protein fusions:From molecular and biochemical fundamentals to commercial systems” Applied Microbiology and Biotechnology 60:523-533、及びそれらの中の参考文献を参照されたい)。検出可能な標識としては、限定されないが、固定化二価カチオン(例えば、Ni2+)に結合するポリヒスチジン検出可能標識(例えば、His-6、His-8、又はHis-10)、(例えば、インビボでビオチン化ポリペプチド配列上の)固定化アビジンに結合するビオチン部分、固定化グルタチオンに結合するGST(グルタチオンS-トランスフェラーゼ)配列、固定化Sタンパク質に結合するSタグ、固定化抗体若しくはドメイン又はそれらの断片に結合する抗原(例えば、対応する抗体に結合するT7、myc、FLAG、及びBタグを含む)、FLASH(登録商標)タグ(特定のヒ素系部分に連結する高検出可能な標識)、固定化リガンドに結合する受容体又は受容体ドメイン(又はその逆)、固定化IgGに結合するプロテインA又はその誘導体(例えばZ)、固定化アミロースに結合するマルトース結合タンパク質(MBP)、固定化アルブミンに結合するアルブミン結合タンパク質、固定化キチンに結合するキチン結合ドメイン、固定化カルモジュリンに結合するカルモジュリン結合ペプチド、及び固定化セルロースに結合するセルロース結合ドメイン、が挙げられる。別の検出可能な標識の例は、Covalysから市販されているSNAP-タグである(www.covalys.com)。一部の実施形態では、本明細書に開示される検出可能な標識は、抗体パラトープによって認識される検出可能な標識を含み、検出可能な標識及び抗体パラトープはタンパク質:タンパク質結合ペアを形成する。
【0071】
一部の実施形態では、本発明のカプシドタンパク質は、検出可能な標識を含むタンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーを含み、これはまた、Capタンパク質の検出及び/若しくは単離に使用されてもよく、並びに/又はタンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーとして使用されてもよい。一部の実施形態では、検出可能な標識は、検出可能な標識と、目的の細胞により発現される標的の両方に結合し得る多特異性結合タンパク質を含む標的化リガンドの結合のために、タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーとしての役割を果たす。一部の実施形態では、本発明のCapタンパク質は、c-myc(配列番号246)を含むタンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーを含む。タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーとしての検出可能な標識の使用は、例えば、WO2019/006043に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0072】
一部の実施形態では、第1のメンバーは、B1エピトープ(配列番号247)を含む。一部の実施形態では、カプシドタンパク質は、VP3領域にB1エピトープを含むように改変される。一部の実施形態では、第1のメンバーはFLAG、HA及びc-myc(EQKLISEEDL、配列番号246)からなる群から選択される。
【0073】
一部の実施形態では、カプシドタンパク質は、タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーを含み、この場合においてタンパク質:タンパク質結合ペアは、共有結合的なイソペプチド結合を形成する。一部の実施形態では、ペプチド:ペプチド結合ペアの第1のメンバーは、イソペプチド結合を介して、ペプチド:ペプチド結合ペアの同族の第2のメンバーに共有結合され、任意選択的に、この場合においてペプチド:ペプチド結合ペアの同族の第2のメンバーは、標的化リガンドと融合され、標的化リガンドは、目的の細胞によって発現される標的に結合する。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアは、SpyTag:SpyCatcher、SpyTag002:SpyCatcher002、SpyTag003:SpyCatcher003、SpyTag:KTag、Isopeptag:pilin-C、及びSnoopTag:SnoopCatcherからなる群から選択されてもよい。一部の実施形態では、第1のメンバーは、SpyTag(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)であり、タンパク質(第2の同族メンバー)は、SpyCatcher(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)である。一部の実施形態では、第1のメンバーは、SpyTag(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)であり、タンパク質(第2の同族メンバー)は、KTag(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)である。一部の実施形態では、第1のメンバーは、KTag(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)であり、タンパク質(第2の同族メンバー)は、SpyTag(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)である。一部の実施形態では、第1のメンバーは、SnoopTag(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)であり、タンパク質(第2の同族メンバー)は、SnoopCatcher(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)である。一部の実施形態では、第1のメンバーは、Isopeptag(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)であり、タンパク質(第2の同族メンバー)は、Pilin-C(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)である。一部の実施形態では、第1のメンバーは、SpyTag002(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)であり、タンパク質(第2の同族メンバー)は、SpyCatcher002(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)である。一部の実施形態では、第1のメンバーは、SpyTag003(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)であり、タンパク質(第2の同族メンバー)は、SpyCatcher003(又はその生物学的活性部分若しくはバリアント)である。一部の実施形態では、本発明のCapタンパク質は、SpyTag、又はその生物学的活性部分若しくはバリアントを含む。タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーの使用は、WO2019/006046に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0074】
一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバー、及び/又は検出可能な標識は、例えば少なくとも1アミノ酸の長さであるアミノ酸スペーサーなどの第1又は第2のリンカーを介して、本発明のCapタンパク質に動作可能に連結される(本発明のCapタンパク質を用いてインフレームで翻訳される、本発明のCapタンパク質に化学的に付加される、及び/又は本発明のCapタンパク質により呈示される)。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーは、例えば第1及び/又は第2のアミノ酸スペーサーなどの第1及び/又は第2のリンカーに隣接され、スペーサーの各々は、少なくとも1アミノ酸の長さである。
【0075】
一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは同一ではない。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1又は2アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2又は3アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2、3又は4アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2、3、4又は5アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2、3、4又は5アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2、3、4、5又は6アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6又は7アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7又は8アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8又は9アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び/又は第2のリンカーは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10アミノ酸、又はそれ以上の長さである。
【0076】
一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、配列及び/又は長さにおいて同一であり、各々、1アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、1アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、2アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、3アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、4アミノ酸の長さであり、例えばリンカーは、GLSG(配列番号248)である。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、5アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、6アミノ酸の長さであり、例えば第1及び第2のリンカーは各々、GLSGSG(配列番号249)の配列を含む。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、7アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、8アミノ酸の長さであり、例えば第1及び第2のリンカーは各々、GLSGLSGS(配列番号250)の配列を含む。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、9アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々、10アミノ酸の長さであり、例えば第1及び第2のリンカーは各々、GLSGLSGLSG(配列番号251)又はGLSGGSGLSG(配列番号252)の配列を含む。一部の実施形態では、第1及び第2のリンカーは、長さにおいて同一であり、各々の長さは、10アミノ酸よりも長い。
【0077】
概して本明細書に記載されるタンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、例えば、自身による特異的結合ペアの第1のメンバーを含むか、又は1つ以上のリンカーと組み合わされて、約5アミノ酸~約50アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、少なくとも5アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、6アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、7アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、8アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、9アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、10アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、11アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、12アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、13アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、14アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、15アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、16アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、17アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、18アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、19アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、20アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、21アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、22アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、23アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、24アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、25アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、26アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、27アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、28アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、29アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、30アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、31アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、32アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、33アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、34アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、35アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、36アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、37アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、38アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、39アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、40アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、41アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、42アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、43アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、44アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、45アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、46アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、47アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、48アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、49アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、タンパク質:タンパク質結合ペアのアミノ酸配列の第1のメンバーは、50アミノ酸の長さである。
【0078】
修飾カプシドタンパク質を含む修飾カプシド
一部の実施形態では、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、モザイクカプシドであり、例えば、少なくとも2セットのVP1、VP2、及び/又はVP3タンパク質を含み、各セットは、異なるcap遺伝子によりコードされる。本明細書のモザイクカプシドは概して、結合ペアの第1のメンバーと、結合ペアの第1のメンバーを欠く第2の対応するウイルスカプシドタンパク質とを含むように改変された、第1のウイルスカプシドタンパク質のモザイクを指す。モザイクカプシドに関連して、結合ペアの第1のメンバーを欠く第2のウイルスカプシドタンパク質は、参照カプシドタンパク質と呼称される場合もあり、参照cap遺伝子によりコードされる。一部のモザイクカプシドの実施形態では、好ましくは、タンパク質:タンパク質ペアの第1のメンバーで改変されたVP1、VP2、及び/又はVP3カプシドタンパク質がキメラカプシドタンパク質ではない場合、VP1、VP2及び/又はVP3参照カプシドタンパク質は、参照カプシドタンパク質が結合ペアの第1のメンバーを欠いていることを除き、結合ペアの第1のメンバーで改変されたウイルスVP1、VP2及び/又はVP3カプシドタンパク質のアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含み得る。一部のモザイクカプシドの実施形態では、VP1、VP2、及び/又はVP3参照カプシドタンパク質は、参照カプシドタンパク質が結合ペアの第1のメンバーを欠いていることを除き、結合ペアの第1のメンバーで改変されたウイルスVP1、VP2、及び/又はVP3カプシドタンパク質に対応する。一部の実施形態では、VP1参照カプシドタンパク質は、参照カプシドタンパク質が結合ペアの第1のメンバーを欠いていることを除き、結合ペアの第1のメンバーで改変されたウイルスVP1カプシドタンパク質に対応する。一部の実施形態では、VP2参照カプシドタンパク質は、参照カプシドタンパク質が結合ペアの第1のメンバーを欠いていることを除き、結合ペアの第1のメンバーで改変されたウイルスVP2カプシドタンパク質に対応する。一部の実施形態では、VP3参照カプシドタンパク質は、参照カプシドタンパク質が結合ペアの第1のメンバーを欠いていることを除き、結合ペアの第1のメンバーで改変されたウイルスVP3カプシドタンパク質に対応する。結合ペアの第1のメンバーを含むように更に改変されたキメラVP1、VP2、及び/又はVP3カプシドタンパク質を含む一部のモザイクカプシドの実施形態では、参照タンパク質は、対応するカプシドタンパク質であってもよく、その一部は、キメラカプシドタンパク質の一部を形成する。一部の実施形態では非限定的な例として、結合ペアの第1のメンバーを含むように改変されたキメラAAV2/AAAV VP1カプシドタンパク質を含むモザイクカプシドは、参照カプシドタンパク質として、第1のメンバーを欠くAAV2 VP1カプシドタンパク質、第1のメンバーを欠くAAAV VP1カプシドタンパク質、第1のメンバーを欠くキメラAAV2/AAAV VP1カプシドタンパク質を更に含んでもよい。同様に一部の実施形態では、結合ペアの第1のメンバーを含むように改変されたキメラAAV2/AAAV VP2カプシドタンパク質を含むモザイクカプシドは、参照カプシドタンパク質として、第1のメンバーを欠くAAV2 VP2カプシドタンパク質、第1のメンバーを欠くAAAV VP1カプシドタンパク質、第1のメンバーを欠くキメラAAV2/AAAV VP2カプシドタンパク質を更に含んでもよい。一部の実施形態では、結合ペアの第1のメンバーを含むように改変されたキメラAAV2/AAAV VP3カプシドタンパク質を含むモザイクカプシドは、参照カプシドタンパク質として、第1のメンバーを欠くAAV2 VP2カプシドタンパク質、第1のメンバーを欠くAAAV VP1カプシドタンパク質、第1のメンバーを欠くキメラAAV2/AAAV VP3カプシドタンパク質を更に含んでもよい。一部のモザイクカプシドの実施形態では、参照カプシドタンパク質は、結合ペアの第1のメンバーを欠き、結合ペアの第1のメンバーで改変された第1のカプシドタンパク質とカプシドを形成することができる限りは、任意のカプシドタンパク質であってもよい。
【0079】
概してモザイク粒子は、改変及び参照Cap遺伝子の混合物を、指定される比率で産生細胞にトランスフェクトすることにより作製されてもよい。粒子中のタンパク質サブユニットの比率、例えば改変VPタンパク質:非改変VPタンパク質の比率は、必ずではないが、結合ペアの第1のメンバーで改変された第1のカプシドタンパク質をコードするcap遺伝子の少なくとも2種と、1つ以上の参照cap遺伝子の比率、例えばパッケージング細胞へとトランスフェクトされる、改変cap遺伝子:参照cap遺伝子などの比率を、化学量論的に反映している。一部の実施形態では、粒子中のタンパク質サブユニットの比率は、パッケージング細胞へとトランスフェクトされる、改変cap遺伝子:参照cap遺伝子の比率を化学量論的に反映しない。
【0080】
一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、約1:59~約59:1の範囲である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットは、少なくとも約1:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約30の改変カプシドタンパク質と、約30の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:2である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約20の改変カプシドタンパク質と、約40の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約3:5である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:3である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約15の改変カプシドタンパク質と、約45の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:4である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約12の改変カプシドタンパク質と、約48の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:5である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約10の改変カプシドタンパク質と、約50の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:6である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:7である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:8である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:9である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約6の改変カプシドタンパク質と、約54の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:10である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:11である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約5の改変カプシドタンパク質と、約55の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:12である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:13である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:14である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約4の改変カプシドタンパク質と、約56の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:15である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:19である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約3の改変カプシドタンパク質と、約57の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:29である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約2の改変カプシドタンパク質と、約58の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約1:59である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約2:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約40の改変カプシドタンパク質と、約20の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約5:3である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約3:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約45の改変カプシドタンパク質と、約15の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約4:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約48の改変カプシドタンパク質と、約12の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約5:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約50の改変カプシドタンパク質と、約10の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約6:1である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約7:1である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約8:1である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約9:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約54の改変カプシドタンパク質と、約6の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約10:1である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約11:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約55の改変カプシドタンパク質と、約5の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約12:1である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約13:1である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約14:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約56の改変カプシドタンパク質と、約4の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約15:1である。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約19:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約57の改変カプシドタンパク質と、約3の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約29:1である(例えば、モザイクウイルス粒子は、約58の改変カプシドタンパク質と、約2の参照カプシドタンパク質を含む)。一部のモザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、少なくとも約59:1である。
【0081】
一部の非モザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、1:0であってもよく、この場合において非モザイクウイルス粒子の各カプシドタンパク質は、結合ペアの第1のメンバーで改変される。一部の非モザイクウイルス粒子の実施形態では、タンパク質サブユニットの比率は、0:1であってもよく、この場合において非モザイクウイルス粒子の各カプシドタンパク質は、結合ペアの第1のメンバーで改変されない。
【0082】
挿入部位
少なくとも広範囲かつ多数の近縁なファミリーメンバーが高度に保存されていることにより、列挙されるAAV以外のAAVの対応する挿入部位は、アミノ酸のアライメント又はカプシド構造の比較を行うことによって特定することができる。例えば、異なるAAVカプシドタンパク質の例示的なアライメントについては、Rutledge et al.(1998)J.Virol.72:309-19、Mietzsch et al.(2019)Viruses 11,362,1-34、及び米国特許第9,624,274号を参照されたい。それらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、Mietzcsh et al.(2019)は、
図7で様々なdependoparvovirusのリボンのオーバーレイを提供しており、可変領域VR I~VR IXを描写している。本命サイ著に記載されるような構造解析、及び配列解析を使用して、当業者であれば可変領域内のどのアミノ酸が、例えば本明細書に記載の標的化リガンド、結合ペアの第1のメンバー及び/又は検出可能な標識の挿入を受け入れられ得る、AAVのアミノ酸配列に相当するかを決定することができる。
【0083】
概して、標的化リガンド、結合ペアの第1のメンバー、及び/又は検出可能な標識は、AAVカプシドタンパク質の可変領域又は可変ループ、AAVカプシドタンパク質のGHループなどに挿入され得る。
【0084】
一部の実施形態では、結合ペアの第1のメンバー及び/又は検出可能な標識は、非霊長類動物AAVのVP1カプシドタンパク質において、AAV2カプシドタンパク質VP1のG453、AAV2カプシドタンパク質VP1のN587、AAV9カプシドタンパク質VP1のG453、及びAAV9カプシドタンパク質VP1のA589からなる群から選択されるアミノ酸の位置に対応するアミノ酸の位置の後に、挿入される。一部の実施形態では、結合ペアの第1のメンバー及び/又は検出可能な標識は、非霊長類動物AAVのVP1カプシドタンパク質において、AAV2 VP1カプシドのN587及びR588に対応するアミノ酸の間に挿入される。非霊長類動物VP1カプシドタンパク質の追加の好適な挿入部位としては、AAV2のVP1カプシドタンパク質のI-1、I-34、I-138、I-139、I-161、I-261、I-266、I-381、I-447、I-448、I-459、I-471、I-520、I-534、I-570、I-573、I-584、I-587、I-588、I-591、I-657、I-664、I-713、及びI-716に対応する部位が挙げられる(Wu et al.(2000)J.Virol.74:8635-8647)。本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質は、I-1、I-34、I-138、I-139、I-161、I-261、I-266、I-381、I-447、I-448、I-459、I-471、I-520、I-534、I-570、I-573、I-584、I-587、I-588、I-591、I-657、I-664、I-713、I-716、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるAAV2カプシドタンパク質の位置に対応する位置に挿入された、結合ペアの第1のメンバー及び/又は検出可能な標識を含む非霊長類動物カプシドタンパク質であってもよい。非霊長類動物AAVの追加の適切な挿入部位としては、AAV1のI-587又はI-590、AAV1のI-589、AAV3のI-585、AAV4のI-584又はI-585、及びAAV5のI-575又はI-585に対応する部位が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質は、I-587(AAV1)、I-589(AAV1)、I-585(AAV3)、I-585(AAV4)、I-585(AAV5)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される位置に対応する位置に挿入された、標的化配列、結合ペアの第1のメンバー及び/又は検出可能な標識を含む、非霊長類動物カプシドタンパク質であってもよい。
【0085】
一部の実施形態では、結合ペアの第1のメンバー、及び/又は検出可能な標識は、非霊長類動物AAVのVP1カプシドタンパク質において、鳥類AAVカプシドタンパク質VP1のI444、鳥類AAVカプシドタンパク質VP1のI580、フトアゴヒゲトカゲAAVカプシドタンパク質VP1のI573、フトアゴヒゲトカゲAAVカプシドタンパク質VP1のI436、アシカAAVカプシドタンパク質VP1のI429、アシカAAVカプシドタンパク質VP1のI430、アシカAAVカプシドタンパク質VP1のI431、アシカAAVカプシドタンパク質VP1のI432、アシカAAVカプシドタンパク質VP1のI433、アシカAAVカプシドタンパク質VP1のI434、アシカAAVカプシドタンパク質VP1のI436、アシカAAVカプシドタンパク質VP1のI437、及びアシカAAVカプシドタンパク質VP1のI565からなる群から選択されるアミノ酸の位置に対応するアミノ酸の位置の後に、挿入される。
【0086】
本明細書において、I-###、I#などの命名は、AAVカプシドタンパク質のVP1タンパク質に関するアミノ酸番号を###に命名する挿入部位(I)を指すが、このような挿入は、所与のアミノ酸の5アミノ酸のN末端又はC末端、好ましくは所与のアミノ酸の3アミノ酸、より好ましくは2アミノ酸、特に1アミノ酸のN末端又はC末端の配列中の1つのアミノ酸のN末端若しくはC末端に、好ましくはC末端に直接位置してもよい。更に本明細書で言及される位置は、AAVカプシド遺伝子によってコードされるVP1タンパク質との比較であり、対応する位置(及びその点変異)は、適切なAAVカプシド遺伝子によってコードされるVP1、VP2、及びVP3タンパク質の配列アライメントを実行することによって、カプシド遺伝子によってコードされるVP2及びVP3カプシドタンパク質を容易に特定することができる。
【0087】
したがって、開始コドンがずれた同一遺伝子の重複するリーディングフレームによってカプシドタンパク質はコードされているため、cap遺伝子のこれら部位のうちの1つのコード核酸の対応する位置への挿入は、VP1、VP2及び/又はVP3の挿入ももたらす。したがって例えばAAV2について、この命名に従えば、アミノ酸1~138の挿入はVP1にのみ挿入され、138~203の挿入は、VP1及びVP2に挿入され、203~C末端の挿入は、VP1、VP2、及びVP3に挿入され、これは当然のことながら、挿入部位I-587についても当てはまる。したがって、本発明は、VP1、VP2、及び/又はVP3タンパク質における対応する挿入を有するAAVの構造遺伝子を包含する。
【0088】
また本明細書において、本発明のVP3カプシドタンパク質をコードする核酸も提供される。AAVカプシドタンパク質は、必ずではないが、同一遺伝子のリーディングフレームを、開始コドンをずらして重複させることによりコードされる場合がある。一部の実施形態では、本発明のVP3カプシドタンパク質をコードする核酸は、本発明のVP2カプシドタンパク質又はVP1カプシドタンパク質はコードしない。一部の実施形態では、本発明のVP3カプシドタンパク質をコードする核酸は、本発明のVP2カプシドタンパク質はコードし得るが、本発明のVP1カプシドはコードしない。一部の実施形態では、本発明のVP3カプシドタンパク質をコードする核酸は、本発明のVP2カプシドタンパク質、及び本発明のVP1カプシドもコードし得る。
【0089】
一部の実施形態では、結合ペアの第1及び第2のメンバーを含む改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシド(例えば、この場合において第2のメンバーは、標的化リガンドに動作可能に連結され、多特異性結合タンパク質を含むなど)は、特定の細胞に感染する能力を有し、例えば、(結合ペアの第1及び第2のメンバーのいずれか、又は両方を欠き、例えば対照カプシドタンパク質を含むという点を除き、改変ウイルスカプシドタンパク質と同一である)対照ウイルスカプシドの能力と比較して、特定の細胞を標的とし、結合する能力が強化されている。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率が検出不可能であることと比較して、検出可能な形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも10%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも20%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも30%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも40%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも50%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも60%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも70%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも75%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも80%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも85%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照カプシドの形質導入効率よりも90%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも95%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結されたタンパク質:タンパク質結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも99%高い形質導入効率を示す。
【0090】
一部の実施形態では、結合ペアの第1及び第2のメンバーを含む改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシド(例えば、この場合において第2のメンバーは、標的化リガンドに動作可能に連結され、多特異性結合タンパク質を含むなど)は、特定の細胞に感染する能力を有し、例えば、(結合ペアの第1及び第2のメンバーのいずれか、又は両方を欠き、例えば対照カプシドタンパク質を含むという点を除き、改変ウイルスカプシドタンパク質と同一である)対照ウイルスカプシドの能力と比較して、特定の細胞を標的とし、結合する能力が強化されている。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率が検出不可能であることと比較して、検出可能な形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも10%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも20%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも30%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも40%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも50%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも60%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも70%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも75%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも80%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも85%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照カプシドの形質導入効率よりも90%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも95%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも99%高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも1.5倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも2倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも3倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも4倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも5倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも6倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも7倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも8倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも9倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも10倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照カプシドの形質導入効率よりも少なくとも20倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの適切な第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも30倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも40倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも50倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも60倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも70倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも80倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも90倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、標的化リガンドに連結された結合ペアの第1及び第2のメンバーに結合された、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含むウイルスカプシドは、対照ウイルスカプシドの形質導入効率よりも少なくとも100倍高い形質導入効率を示す。一部の実施形態では、非霊長類動物AAV、遠縁のAAV、又はそれらの組み合わせのカプシドタンパク質のアミノ酸配列、並びに任意選択的に結合ペアの第1及び第2のメンバー(例えばこの場合において第2のメンバーは、標的化リガンドに動作可能に連結され、多特異性結合タンパク質を含むなど)を含む、ウイルスカプシドタンパク質を含む本発明のウイルス粒子は、適切な対照ウイルス粒子(例えば、非霊長類動物AAV、遠縁のAAV又はそれらの組み合わせのカプシドタンパク質のアミノ酸配列を含むウイルスカプシドタンパク質の一部として、本発明のウイルスカプシド中の部分が含まれるAAV血清型のウイルスカプシドを含む)であって、また任意選択的に、結合ペアの第1及び第2のメンバーを含む(例えばこの場合において、第2のメンバーは、標的化リガンドに動作可能に連結され、多特異性結合タンパク質などを含む)と比較して、ヒト患者から単離された血清中の既存抗体による中和をより上手く回避することができる。一部の実施形態では、非霊長類動物AAV、遠縁のAAV又はそれらの組み合わせのカプシドタンパク質のアミノ酸配列を含むウイルスカプシドタンパク質を含む本発明のウイルス粒子は、適切な対照ウイルス粒子と比較して、中和(例えば、50%以上の感染阻害)に、少なくとも2倍多い総IVIG又はIgGを必要とする(例えば、本発明のウイルス粒子は、対照ウイルス粒子の少なくとも2倍のIC50値を有する)。
【0091】
検出可能な標識を含む本発明の一部の実施形態では、標的化リガンドは、(i)検出可能な標識に特異的に結合する抗体パラトープ、及び(ii)(例えば精製用)ビーズの表面に結合され得る、又は標的細胞により発現され得る、受容体に特異的に結合する第2の結合ドメイン、を含む、多特異性結合分子を含む。したがって、(i)検出可能な標識に特異的に結合する抗体パラトープ、及び(ii)受容体に特異的に結合する第2の結合ドメイン、を含む多特異性結合分子は、ウイルス粒子を標的とする。そのような「標的化」又は「指向」は、野生型ウイルス粒子が生物体内の組織及び/又はいくつかの器官内のいくつかの細胞を標的化し、検出可能な標識の挿入によって組織又は器官の広範な標的化を低下又は無効化し、生物体内の組織又はより特定の器官中のより特定の細胞への再標的化は多特異性結合分子で達成されるというシナリオを含み得る。そのような再標的化又は再指向はまた、野生型ウイルス粒子が組織を標的化し、組織の標的化が、検出可能な標識の挿入によって低下して無効にされ、完全に異なる組織への再標的化は、多特異性結合分子で達成されるというシナリオも含み得る。本明細書に記載される抗体パラトープは概して、例えば重鎖及び/又は軽鎖可変ドメインのCDR3領域など、検出可能な標識を特異的に認識する相補性決定領域(CDR)を最小限で含む。一部の実施形態では、多特異性結合分子は、検出可能な標識に特異的結合する抗体パラトープを含む抗体(又はその一部)を含む。例えば多特異性結合分子は、単一ドメイン重鎖可変領域又は単一ドメイン軽鎖可変領域を含んでもよく、この場合において単一ドメイン重鎖可変領域又は単一ドメイン軽鎖可変領域は、検出可能な標識に特異的結合する抗体パラトープを含む。一部の実施形態では、多特異性結合分子は、Fv領域を含んでもよく、例えば、多特異性結合分子は、検出可能な標識に特異的に結合する抗体パラトープを含む、scFvを含んでもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載される多特異性結合分子は、c-myc(配列番号246)に特異的に結合する抗体パラトープを含む。
【0092】
本発明の1つの実施形態は、本発明の改変ウイルスカプシドタンパク質を含む多量体構造である。多量体構造は、本明細書に記載される特異的結合ペアの第1のメンバーを含む、少なくとも5個、好ましくは少なくとも10個、より好ましくは少なくとも30個、最も好ましくは少なくとも60個の改変ウイルスカプシドタンパク質を含む。それらは、普通のウイルスカプシド(空のウイルス粒子)、又はウイルス粒子(目的のヌクレオチドをカプシド封入しているカプシド)を形成することができる。ウイルスゲノムを含むウイルス粒子の形成は、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドの使用に対し、非常に好ましい特性である。
【0093】
本発明の更なる実施形態は、少なくとも1つの改変ウイルスカプシドタンパク質及び/又はそれをコードする核酸の使用、好ましくは、製造のための、及び標的細胞への目的のヌクレオチドの導入における使用のための少なくとも1つの多量体構造(例えばウイルス粒子)の使用である。
【0094】
使用及び作製方法
本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質の更なる実施形態は、目的のヌクレオチド、例えば、レポーター遺伝子又は治療遺伝子を標的細胞に送達するためのそれらの使用である。一般的に目的のヌクレオチドのパッケージングは、AAV ITR配列間でAAVゲノムを目的の遺伝子と置換して、トランスファープラスミドを作製することを含み、次いで、周知の方法に従ってAAVカプシドに封入される。したがって、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドは、トランスファープラスミド及び/又は目的のヌクレオチドを封入してもよく、これは一般に、目的の遺伝子、例えば、レポーター遺伝子又は治療遺伝子、又は目的の遺伝子の一部(ウイルスプロモーター又は非ウイルスプロモーターの制御下にあり得る)に隣接する5’及び3’末端逆位配列(ITR)配列を含み得る。AAVウイルス粒子をパッケージングする周知の方法によると、改変ウイルスカプシド、5’ITR、及び3’ITRは、同じAAV血清型のものである必要はない。一実施形態では、目的のトランスファープラスミド及び/又はヌクレオチドは、5’から3’に向かって、5’ITR、プロモーター、遺伝子(例えば、レポーター及び/又は治療遺伝子)、及び3’ITRを含む。
【0095】
AAVトランスファープラスミド設計の考慮事項は、野生型AAVゲノムが約4.7kbであることである。したがって、個々のAAVのパッケージング能力を超える目的のヌクレオチドのパッケージングを提供する周知の戦略が、本明細書に含まれる。かかる戦略としては、ITR介在性組換えを利用して、2つの相補的ベクターゲノム由来の分子間組換えITRにわたる転写スプライシング、相同性によるベクター組換え、RNAトランススプライシング、及び/又は分割インテイン設計を介したタンパク質「トランススプライシング」によって、野生型AAVゲノムよりも大きい目的の遺伝子を発現するデュアルベクター戦略が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Nakai,H.et al.(2000)Nat.Biotechnol.18:527-532、Sun,L.(2000)Nat.Med.6:599-602(2000)、Ghosh,A.,et al.(2008)Mol.Ther.16:124-130(2008)、Lai,Y(2005)Nat.Biotechnol.23:1435-1439、Chew,W.L.et al.(2016)Nat.Methods 13:868-874、Li,J.(2008)Hum.Gene Ther.19:958-964を参照されたい。それら文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0096】
標的細胞に大型遺伝子を導入するためのデュアルAAVベクター戦略が記載されており、これは、デュアルベクター中の重複領域を含むトランススプライシング、及び2つのハイブリッドを含むがこれらに限定されない、様々な機構に依存する。Tornabene and Trapani(2020)Human Gene Ther.31:47-56、米国特許第8,236,557号も参照されたい。その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0097】
トランススプライシングアプローチは、AAV ITR配列がコンカテマー化して完全長ゲノムを再構成する能力を利用し、2つ以上のウイルスカプシドの各々は、2つ以上のトランスファープラスミドのうちの1つをそれぞれ封入し、その各々のトランスファープラスミドは、目的の遺伝子の一部を含む。例えば、デュアルベクターアプローチでは、2つのトランスファープラスミドは、以下のように設計され得る:5’-トランスファープラスミドは、プロモーター、目的の遺伝子のコード配列の5’部分、及びスプライシングドナー(SD)シグナルを含み、3’-トランスファープラスミドは、スプライシングアクセプター(SA)シグナル、目的の遺伝子の3’部分、及びポリAシグナルを含む。2つのAAVゲノムの尾から頭へのITR介在コンカテマー化の際に、SDシグナル及びSAシグナルは、組換えゲノムのスプライシングを可能にする。
【0098】
目的の大きな遺伝子はまた、重複領域アプローチをとる場合に分割される。重複領域アプローチでは、5’部分及び3’部分(したがって、5’トランスファープラスミド及び3’トランスファープラスミド)は、組換え誘導(recombinogenic)配列、例えば、相同領域を共有し、例えば、各部分は、重複配列を含む。目的の遺伝子は、組換え誘導配列、例えば、相同性/重複領域によって介在される相同組換えを介して、標的細胞内で完全に作製される。
【0099】
ハイブリッドアプローチでは、5’-トランスファープラスミド及び3’-トランスファープラスミドは各々、高度に組換え誘導配列を含み、組換え誘導配列は、目的の遺伝子のコード配列の5’部分のSDシグナルの下流、及び目的の遺伝子のコード配列の3’部分のSAシグナルの上流に配置される。このハイブリッドシステムでは、目的の遺伝子は、ITR介在性のコンカテマー化及びスプライシングを介してかつ/又は相同組換えによってのいずれかにより完全にすることができる。
【0100】
RNA又はタンパク質レベルでのトランススプライシングも利用され得る。RNAトランススプライシングアプローチでは、2つのトランスファープラスミドは、それぞれ、大きな遺伝子のプレmRNAの5’断片及び3’断片をコードし、トランススプライシングに有利に働くことができるイントロンハイブリダイゼーションドメインを共有して、2つの半転写物を結合させて完全な全長mRNAにしてもよい。
【0101】
タンパク質トランススプライシングは、翻訳後に発生し、分割インテインと呼ばれる介在タンパク質によって触媒される。分割インテインは、2つの宿主タンパク質の末端で2つの独立したポリペプチド(N-インテイン及びC-インテイン)として発現される。N-インテインポリペプチド及びC-インテインポリペプチドは、互いに遭遇するまで触媒的に不活性のままである。互いに遭遇すると、各インテインは、ペプチド結合を介したN-宿主ポリペプチド及びC-宿主ポリペプチドのライゲーションを媒介しながら、宿主タンパク質からそれ自体を正確に切除する。分割インテインの使用は、筋肉、肝臓、及び網膜疾患における目的の治療用遺伝子のAAVベースの送達に使用されてきた。例えば、N-及びC-インテインコード配列に融合されたミニジストロフィンcDNAの2つの半分の同時送達では、2つのポリペプチドの効率的な産生が示された。Li et al.(2008)Hum Gene Ther 19:958-64。同様に、AAV分割インテインは、クラスター化された規則的な間隔を置いた短い回文リピート(CRISPR)-Cas9ヌクレアーゼの発現及びライゲーションに広く使用されている。
【0102】
上記のデュアルベクターアプローチは、当該技術分野で周知である。例えば、上記のTornabene and Trapani(2020)、米国特許第8,236,557号を参照されたい。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載の改変ウイルスカプシドは、目的のヌクレオチドを封入し、目的のヌクレオチドは、目的の遺伝子の一部を含む。一部の実施形態では、目的の遺伝子の一部を含む目的のヌクレオチドは、スプライシングドナーシグナル又はスプライシングアクセプターシグナル及び/又は組換え誘導配列を更に含む。一部の実施形態では、目的の遺伝子の一部を含む目的のヌクレオチドは、イントロンハイブリダイゼーションドメインコード配列を含む。一部の実施形態では、目的の遺伝子の一部を含む目的のヌクレオチドは、N-インテイン又はC-インテインコード配列を含む。
【0103】
目的のトランスファープラスミド/ヌクレオチドの設計は、目的の遺伝子の発現を制御する1つ以上の調節エレメント、例えばプロモーター及び/又はエンハンサーエレメントを含むことを含む。有用なプロモーターの非限定的な例としては、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、脾臓病巣形成ウイルス(SFFV)プロモーター、伸長因子1アルファ(EF1a)プロモーター(1.2kb EFlaプロモーター、又は0.2kb EFlaプロモーター)、キメラEF 1a/IF4-プロモーター、及びホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーターが挙げられる。内部エンハンサーはまた、目的の遺伝子の発現を増加させるためにウイルス構築物中に存在し得る。例えば、CMVエンハンサー(Karasuyama et al.1989.J.Exp.Med.169:13、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を使用し得る。一部の実施形態では、CMVエンハンサーは、ニワトリβ-アクチンプロモーターと組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、組織特異的調節エレメント、例えば、筋特異的プロモーター及び/又は調節エレメントを使用して、目的の遺伝子の発現を駆動してもよい。例えば、筋クレアチンキナーゼ遺伝子に基づく筋特異的調節エレメントの使用は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)及び肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)などの筋遺伝子療法治療に使用されている。例えば、Salva,M.Z.et al.(2007)Mol.Ther.15:320-329を参照されたい。その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、本明細書において目的のトランスファープラスミド及び/又はヌクレオチドは、筋クレアチンキナーゼ(MCK)のエンハンサー及び/又はプロモーターを含み、MCKのエンハンサー及び/又はプロモーターは、目的の遺伝子の発現を駆動する。一部の実施形態では、本明細書において、目的のトランスファープラスミド及び/又はヌクレオチドは、RNAポリメラーゼIIを動員するエンハンサー及び/又はプロモーターエレメントを含み、MCKのエンハンサー及び/又はプロモーターは、目的の遺伝子の発現を駆動する。一部の実施形態では、本明細書において、目的のトランスファープラスミド及び/又はヌクレオチドは、RNAポリメラーゼIIIを動員するエンハンサー及び/又はプロモーターエレメントを含み、MCKのエンハンサー及び/又はプロモーターは、目的の遺伝子の発現を駆動する。
【0104】
一部の実施形態では、両方向性プロモーターベクターは、二重治療遺伝子カセットの送達にも使用されている。この一例は、HexA酵素のヘキソサミニダーゼαサブユニット及びβサブユニットの同時発現を駆動する両方向性ニワトリβ-アクチンユビキタスプロモーターであり、2つのそれぞれの遺伝子は、テイ・サックス病及びサンドホフ病に関与する。Lahey,et al.(2020)Mol.Ther.28:2150-2160、当該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、本明細書の目的のトランスファープラスミド及び/又はヌクレオチドは、両方向性プロモーターを含み、両方向性プロモーターは、2つの異なる目的の遺伝子の発現を駆動する。
【0105】
多様なレポーター遺伝子(又は検出可能部分)を、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質を含む多量体構造にカプシド封入することができる。例示的なレポーター遺伝子には、例えば、β-ガラクトシダーゼ(lacZ遺伝子がコード)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(eGFP)、MmGFP、青色蛍光タンパク質(BFP)、高感度青色蛍光タンパク質(eBFP)、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J-Red、DsRed、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、黄色蛍光タンパク質(YFP)、高感度黄色蛍光タンパク質(eYFP)、Emerald、CyPet、シアン蛍光タンパク質(CFP)、Cerulean、T-Sapphire、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、又はこれらの組み合わせが含まれる。本明細書に記載の方法は、緑色蛍光タンパク質をコードするレポーター遺伝子の使用を採用する標的化粒子の構築を実証する。しかし本開示の閲読時に当業者であれば、本明細書に記載のウイルスカプシドは、レポーター遺伝子の非存在下で作製され得ること、又は当分野で公知の任意のレポーター遺伝子を用いて作製され得ることを理解するであろう。
【0106】
多様な治療遺伝子は、例えばトランスファー粒子の一部として、本明細書に記載の改変ウイルスカプシドタンパク質を含む多量体構造にカプシド封入されることもできる。治療遺伝子の非限定的な例としては、毒素(例えば、自殺遺伝子)、治療抗体又はその断片、CRISPR/Casシステム又はその一部、アンチセンスRNA、siRNA、shRNAなどをコードするものが挙げられる。
【0107】
本発明の更なる実施形態は、改変カプシドタンパク質の調製のためのプロセスであり、方法は、
a)好適な条件下で改変カプシドタンパク質をコードする核酸を発現させる工程と、
b)工程a)の発現カプシドタンパク質を単離する工程と、を含む。
【0108】
一部の実施形態では、本明細書に記載のウイルス粒子は、モザイクカプシドを含み、例えばカプシドは、参照カプシドタンパク質との特定の比率で、本明細書に記載されるように(標的化リガンドとの共有結合の存在下又は非存在下で)遺伝子改変されたカプシドタンパク質を含む。こうしたモザイクウイルス粒子を作製するための方法は、
a)好適な条件下で、改変カプシドタンパク質をコードする核酸と、参照カプシドタンパク質をコードするヌクレオチドを、少なくとも約60:1~1:60、例えば2:1、1:1、3:5、1:2、1:3などの比率(wt/wt)で発現する工程と、
工程a)の発現カプシドタンパク質を単離する工程と、を含む。
【0109】
一部の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、少なくとも約1:60~約60:1の範囲、例えば2:1、1:1、3:5、1:2、1:3などの比率で、改変cap遺伝子:参照cap遺伝子(又は参照cap遺伝子の組み合わせ)を含み、又は本明細書に記載の方法は、混合する。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:2である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:3である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:4である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:5である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:6である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:7である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:8である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:9である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:10である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:11である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:12である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:13である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:14である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:15である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:16である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:17である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:18である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:19である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:20である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:25である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:30である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:35である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:40である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:45である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:50である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:55である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約1:60である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約2:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約3:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約4:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約5:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約6:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約7:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約8:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約9:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約10:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約11:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約12:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約13:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約14:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約15:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約16:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約17:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約18:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約19:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約20:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約25:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約30:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約35:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約40:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約45:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約50:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約55:1である。一部の実施形態では、比率は、少なくとも約60:1である。
【0110】
一部の実施形態では、モザイクウイルス粒子中のVPタンパク質サブユニットの比率は、必ずではないが、改変cap遺伝子:参照cap遺伝子の比率を化学量論的に反映する。非限定的な例示的実施形態として、本方法に従って形成されたモザイクカプシドは、必ずではないが、モザイクカプシドを作製するために使用されるものと同じものをコードする核酸の比率(wt:wt)と同様の改変カプシドタンパク質:参照カプシドタンパク質の比率をみなされ得る。一部の実施形態では、モザイクカプシドは、約1:59~約59:1のタンパク質サブユニットの比率を含む。
【0111】
本発明の更なる実施形態は、ウイルスの指向性を変更させる方法であり、方法は、(a)アミノ酸配列をコードする核酸を、ウイルスカプシドタンパク質をコードする核酸配列に挿入して、アミノ酸配列を含む遺伝子改変カプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を形成する工程、及び/又は(b)ウイルス粒子の産生に十分な条件下でパッケージング細胞を培養する工程であって、この場合においてパッケージング細胞は、核酸を含む、工程、を含む。本発明の更なる実施形態は、カプシドタンパク質の表面上に標的化リガンドを呈示させる方法であり、方法は、(a)好適な条件下で、本明細書に記載される改変ウイルスカプシドタンパク質をコードする核酸を(任意選択的に、参照カプシドタンパク質をコードするヌクレオチドとともに)発現させる工程であって、核酸は、特異的結合ペアの第1のメンバーを含むカプシドタンパク質をコードする、工程と、(b)工程(a)の特異的結合ペアの第1のメンバーを含む発現カプシドタンパク質、又はこれを含むカプシドを単離する工程と、(c)第1のメンバーと第2のメンバーの間のイソペプチド結合の形成が可能となる好適な条件下で、特異的結合ペアの第2の同族メンバーと、カプシドタンパク質又はカプシドをインキュベートする工程であって、特異的結合ペアの第2の同族メンバーは、標的化リガンドに融合されている、工程と、を含む。
【0112】
一部の実施形態では、パッケージング細胞は、目的のヌクレオチドを含むヘルパープラスミド及び/又はトランスファープラスミドを更に含む。一部の実施形態では、方法は更に、培養上清から、自己補完的アデノ随伴ウイルス粒子を単離することを含む。一部の実施形態では、方法は、パッケージング細胞を溶解すること、及び一本鎖アデノ随伴ウイルス粒子を細胞溶解物から単離することを更に含む。一部の実施形態では、方法は、(a)細胞残屑を除去すること、(b)例えばDNase I及びMgCl2などのヌクレアーゼを用いてウイルス粒子を含有する上清を処理すること、(c)ウイルス粒子を濃縮すること、(d)ウイルス粒子を精製すること、及び(e)(a)~(d)の任意の組み合わせを更に含む。
【0113】
本明細書に記載のウイルス粒子の生成に有用なパッケージング細胞としては、例えば、ウイルスに対して許容状態の動物細胞、若しくはウイルスに対して許容状態になるように改変された細胞、又は例えば、リン酸カルシウムなどの形質転換剤を使用したパッケージング細胞構築物が挙げられる。本明細書に記載のウイルスベクターの生成に有用なパッケージング細胞株の非限定的な例としては、例えば、ヒト胚腎臓293(HEK-293)細胞(例えば、米国培養細胞系統保存機関[ATCC]番号CRL-1573)、SV40 Large T-抗原を含有するHEK-293細胞(HEK-293T又は293T)、HEK293T/17細胞、ヒト肉腫細胞株HT-1080(CCL-121)、リンパ芽球様細胞株ラージー(CCL-86)、上皮神経膠芽腫-星状細胞腫様細胞株U87-MG(HTB-14)、T-リンパ腫細胞株HuT78(TIB-161)、NIH/3T3細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)(例えば、ATCC番号CRL9618、CCL61、CRL9096)、HeLa細胞(例えば、ATCC番号CCL-2)、Vero細胞、NIH 3T3細胞(例えば、ATCC番号CRL-1658)、Huh-7細胞、BHK細胞(例えば、ATCC番号CCL10)、PC12細胞(ATCC番号CRL1721)、COS細胞、COS-7細胞(ATCC番号CRL1651)、RATI細胞、マウスL細胞(ATCC番号CCLI.3)、HLHepG2細胞、CAP細胞、CAP-T細胞などが挙げられる。
【0114】
L929細胞、Cosset et al(1995)J Virol 69,7430-7436に概説されているFLYウイルスパッケージング細胞系、NS0(マウス骨髄腫)細胞、ヒト羊膜細胞(例えば、CAP、CAP-T)、酵母細胞(S.cerevisiae、Pichia pastorisを含むがこれらに限定されない)、植物細胞(タバコNTl、BY-2を含むがこれらに限定されない)、昆虫細胞(SF9、S2、SF21、Tni(例えば、High5)を含むがこれらに限定されない)、又は細菌細胞((E.coliを含むがこれに限定されない)。
【0115】
更なるパッケージング細胞及びシステム、核酸ゲノムを偽型ウイルス粒子にパッケージングするためのパッケージング技術及び粒子については、例えば、Polo,et al,Proc Natl Acad Sci USA,(1999)96:4598-4603を参照されたい。パッケージングの方法は、ウイルス構成要素を永久的に発現するパッケージング細胞を使用すること、又はプラスミドを用いて細胞を一過性にトランスフェクトすることを含む。
【0116】
更なる実施形態は、改変Capタンパク質を標的化ベクターと動作可能に連結するのに十分な条件下で、例えば、標的化ベクターの改変Capタンパク質への会合を促進するのに十分な条件下で、特異的結合ペアの第1及び第2のメンバーの化学結合及び/又は会合を介して、本明細書に記載される改変Capタンパク質を標的化ベクターと接触させることを含む方法を含み、ここで、第1のメンバーは、改変Capタンパク質に挿入され、第1のメンバー及び標的化ベクターは、特異的結合ペアの第2のメンバーに融合される。
【0117】
更なる実施形態には、ウイルスを再指向する方法、及び/又はレポーター若しくは治療遺伝子を標的細胞に送達する方法が含まれ、方法は、細胞をインビトロ(例えばエクスビボ)又はインビボで形質導入するための方法を含み、方法は、本明細書に記載のカプシドを含むウイルス粒子と標的細胞を接触させる工程を含み、この場合においてカプシドは、標的細胞によって発現される受容体に特異的に結合する標的化リガンドを含む。一部の実施形態では、標的細胞は、インビトロ(生体外)にある。他の実施形態では、標的細胞は、対象、例えばヒトにおいて、インビボにある。
【0118】
標的細胞
本明細書に開示される改変ウイルス粒子を使用して、目的のヌクレオチドを送達するために、多種多様な細胞を標的化してもよい。標的細胞は、概して、目的のヌクレオチド及び所望の効果に基づいて選択されるであろう。
【0119】
一部の実施形態では、目的のヌクレオチドを送達して、酵素欠損症、又はX連鎖重症複合免疫不全などの免疫欠損症などの生物体の欠損を埋め合わせるタンパク質を、標的細胞が産生することを可能にすることができる。したがって、一部の実施形態では、通常は動物中でタンパク質を産生するであろう細胞が標的化される。他の実施形態では、タンパク質が最も有益である領域内の細胞が標的化される。
【0120】
他の実施形態では、siRNAをコードする遺伝子などの目的のヌクレオチドは、標的細胞中の特定の遺伝子の発現を阻害することができる。目的のヌクレオチドは、例えば、病原体ライフサイクルに関与する遺伝子の発現を阻害し得る。したがって、病原体から感染しやすいか、あるいは病原体に感染した細胞が標的化され得る。他の実施形態では、目的のヌクレオチドは、標的細胞中の毒素の産生を担う遺伝子の発現を阻害し得る。
【0121】
他の実施形態では、目的のヌクレオチドは、毒性タンパク質を発現する細胞を殺傷する毒性タンパク質をコードし得る。この場合、腫瘍細胞又は他の不要な細胞が標的化され得る。
【0122】
更に他の実施形態では、治療用タンパク質をコードする目的のヌクレオチド。
【0123】
目的のヌクレオチドの発現が望ましい標的細胞の特定の集団が同定されると、その標的細胞の集団上で特異的に発現される標的受容体が選択される。標的受容体は、細胞の集団に対してのみか、又は他の細胞の集団に対するよりもその細胞の集団に対してより高い程度に発現され得る。発現が特異的であるほど、標的細胞に対してより特異的に送達が指向され得る。文脈に応じて、マーカーの(及びしたがって、遺伝子送達の)特異性の所望の量は変化し得る。例えば、毒性遺伝子を導入するために、非標的細胞の殺傷を回避するように高い特異性が最も好ましい。採取用のタンパク質の発現、又は包括的な影響が望ましい分泌生成物の発現のために、マーカー特異性がそれほど必要とされない場合がある。
【0124】
上記に考察されるように、標的受容体は、標的化リガンドを同定又は作成することができる任意の受容体であり得る。好ましくは、標的受容体は、受容体などのペプチド又はポリペプチドである。しかしながら、他の実施形態では、標的受容体は、結合パートナーによって認識され得る炭水化物又は他の分子であり得る。標的受容体の結合パートナー、例えば、リガンドが公知である場合、リガンドをアフィニティ分子として使用してもよい。しかしながら、結合分子が不明である場合、標準的な手順を使用して標的受容体に対する抗体を生成することができる。次に、抗体を標的化リガンドとして使用することができる。
【0125】
したがって標的細胞は、例えば、(1)用途(例えば、治療、収集されるタンパク質の発現、及び疾患抵抗性の付与)、及び(2)所望の量の特異性を有するマーカーの発現、を含む多様な因子に基づいて選択され得る。
【0126】
標的細胞は、いかなる方法でも限定されず、生殖系細胞及び細胞株、並びに体細胞及び細胞株の両方を含む。標的細胞が生殖系細胞であるとき、標的細胞は、好ましくは、単細胞胚及び胚幹細胞(ES)からなる群から選択される。
【0127】
医薬組成物、剤形、及び投与
更なる実施形態は、少なくとも1つの改変ウイルスカプシドタンパク質、及び本発明による適切な標的化リガンド、並びに/又は本発明による核酸を含む、医薬品を提供する。好ましくは、そのような医薬品は、遺伝子導入粒子として有用である。
【0128】
本明細書に記載のウイルス粒子と、薬学的に許容可能な担体及び/又は賦形剤と、を含む医薬組成物も本明細書に開示する。追加的に、本明細書に記載のウイルス粒子を含む医薬剤形を本明細書に開示する。
【0129】
本明細書で考察されるように、本明細書に記載のウイルス粒子は、様々な治療用途(インビボ及びエクスビボで)のために、また研究ツールとして使用することができる。
【0130】
本明細書に開示されるウイルス粒子に基づく医薬組成物は、1つ以上の生理学的に許容可能な担体及び/又は賦形剤を使用して、任意の従来的な方法で製剤化され得る。ウイルス粒子は、投与するために、例えば、注射、吸入、若しくは隔離(insulation)によって(口若しくは鼻のいずれかを通して)、又は経口、口腔内、非経口、若しくは直腸内投与によって、又は腫瘍に直接投与することによって処方され得る。
【0131】
医薬組成物は、全身投与、局所投与、又は局在化投与を含む、多様な投与モード用に製剤化され得る。技法及び製剤は、例えば、Remrnington’s Pharmaceutical Sciences,Meade Publishing Co.,Easton,Paに見ることができる。全身投与については、筋肉内、静脈内、腹腔内、及び皮下を含む、注射が好ましい。注射のために、医薬組成物は、好ましくは、ハンク溶液又はリンガー溶液などの生理学的に適合性のある緩衝液で、液体溶液中に製剤化され得る。加えて、医薬組成物は、固体形態で製剤化され得、使用直前に再溶解又は懸濁され得る。医薬組成物の凍結乾燥形態も好適である。
【0132】
経口投与のために、医薬組成物は、結合剤(例えば、アルファ-化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微晶質セルロース、又はリン酸水素カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、又はシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はデンプングリコール酸ナトリウム)、又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容可能な賦形剤とともに従来的な手段によって調製される、例えば、錠剤又はカプセルの形態をとることができる。錠剤はまた、当該技術分野で周知の方法によってコーティングされ得る。経口投与のための液体調製物は、例えば、溶液、シロップ、又は懸濁液の形態をとり得るか、あるいは使用前に水又は他の好適な媒体を含む構成を用いる乾燥生成物として提示され得る。かかる液体調製物は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、又は水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチン又はアカシア)、非水性媒体(例えば、油、油性エステル、エチルアルコール、又は分画植物油)、及び防腐剤(例えば、メチル又はプロピル-p-ヒドロキシ安息香酸又はソルビン酸)などの薬学的に許容可能な添加剤を用いる従来的な手段によって調製され得る。調製物はまた、必要に応じて、緩衝塩、香味剤、着色剤、及び甘味剤を含有してもよい。
【0133】
医薬組成物は、注射によって、例えば、ボーラス注射又は連続点滴によって、非経口投与用に製剤化することができる。注射用の製剤は、任意選択的に防腐剤を添加して、例えば、アンプル又は複数回投与容器内で単位剤形で提示することができる。医薬組成物は、油性媒体又は水性媒体中に懸濁液、溶液、又は乳濁液として更に製剤化することができ、懸濁剤、安定化剤、及び/又は分散剤を含む、他の薬剤を含有し得る。
【0134】
加えて、医薬組成物は、デポ剤として製剤化することもできる。これらの長時間作用する製剤は、移植(例えば、皮下又は筋肉内)又は筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、化合物は、好適な高分子若しくは疎水性材料(例えば、許容可能な油中の乳濁液として)又はイオン交換樹脂とともに、あるいは難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として製剤化され得る。他の好適な送達システムとしては、長期間にわたる薬物の局所的な非侵襲性送達の可能性を提供するマイクロスフェアが挙げられる。この技術は、炎症又は虚血を引き起こすことなく、冠動脈カテーテルを介して器官の任意の選択される部分に注射することができる前毛細血管サイズを有する、マイクロスフェアを含み得る。投与された治療薬は、マイクロスフェアから徐々に放出され、選択される組織中に存在する周囲細胞によって吸収される。
【0135】
全身投与は、経粘膜的手段又は経皮的手段によっても可能である。経粘膜的投与又は経皮的投与については、浸透するバリアに対して適切な浸透剤が製剤中に使用される。かかる浸透剤は、概して、当該技術分野で既知であり、例えば経粘膜的投与用に、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体が挙げられる。加えて、洗剤を使用して浸透を促進してもよい。経粘膜的投与は、鼻腔内噴霧又は座薬を使用して行ってもよい。局所投与のために、本明細書に記載のウイルス粒子は、当該技術分野で一般に知られている、軟膏、膏薬、ゲル、又はクリームに製剤化することができる。治癒を加速させるために、洗浄溶液を局所的に使用して損傷又は炎症を治療することもできる。
【0136】
注射可能な使用に好適な医薬品形態としては、滅菌水溶液又は分散液;ゴマ油、ピーナッツ油、又は水性プロピレングリコールを含む製剤;及び滅菌注射可能な溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末を挙げることができる。全ての場合において、医薬品形態は、滅菌される必要があり、かつ流体である必要がある。また、製造条件及びある特定の保存パラメータ(例えば、冷却及び凍結)の条件下で安定している必要があり、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保存される必要がある。
【0137】
本明細書に開示される製剤が対象における免疫応答を促進する治療剤として使用される場合、治療剤は、中性又は塩形態の組成物に製剤化され得る。薬学的に許容可能な塩には、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基で形成される)であって、例えば、塩酸若しくはリン酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸などで形成される、酸付加塩が含まれる。遊離カルボキシル基で形成される塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、又は水酸化第2鉄などの無機塩基、並びにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基などにも由来し得る。
【0138】
担体はまた、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、及び植物油を含有する溶媒又は分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆の使用によって、分散の場合は必要な粒子径の維持によって、かつ界面活性剤の使用の場合によって維持することができる。微生物の活動の防止は、当該技術分野で既知の様々な抗細菌剤及び抗真菌剤によってもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射可能な組成物の長期間の吸収は、吸収を遅らせる薬剤の組成物、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン使用によってもたらされ得る。
【0139】
滅菌注射可能な溶液は、必要に応じて、上記に列挙されている様々な他の成分を用いて、活性化合物又は構築物を適切な溶媒中に必要な量で組み込むことによって調製することができ、その後に濾過滅菌を行う。
【0140】
処方の際、溶液は、投与製剤と適合する様式で、及び治療上有効な量で投与され得る。製剤は、上記に記載の注射可能な溶液のタイプなど、多様な剤形で容易に投与されるが、徐放性カプセル又はマイクロ粒子及びマイクロスフェアなども用いることができる。
【0141】
水溶液中での非経口投与のために、例えば、必要に応じて溶液を好適に緩衝化し、最初に液体希釈剤を十分な生理食塩水又はグルコースと等張させるべきである。これらの特定の水溶液は、静脈内、腫瘍内、筋肉内、皮下、及び腹腔内投与に特に好適である。この文脈では、用いることができる滅菌水性媒体は、本開示に照らして当業者には分かるであろう。例えば、1mlの等張性NaCl溶液中に1回分の用量を溶解し、1000mlの皮下注入流体に添加するか、又は提案される注入部位に注射することができる。
【0142】
投与に責任を有する人物は、いずれの場合でも、個々の対象に対する適切な用量を決定するであろう。例えば、対象は、病原性微生物に対する、又は対象の条件(例えば、癌)に対する必要性若しくは曝露に応じて、ある期間の間毎日若しくは毎週、又は月1回、年2回、若しくは年1回、本明細書に記載のウイルス粒子を投与され得る。
【0143】
静脈内、腫瘍内、皮下、又は筋肉内注射などの非経口投与のために製剤化される化合物に加えて、他の薬学的に許容可能な形態には、例えば、経口投与のための錠剤又は他の固体、リポソーム製剤、徐放性カプセル、生分解性形態、及び現在使用されている任意の他の形態が含まれる。
【0144】
また、鼻腔内若しくは吸入可能な溶液若しくは噴霧、エアロゾル、又は吸入剤も使用し得る。鼻腔溶液は、ドロップ又は噴霧中の鼻腔通路に投与するように設計された水溶液であり得る。鼻腔溶液は、鼻の分泌に多くの点で類似しているように調製され得る。したがって、水性の鼻腔溶液は、通常、等張性であり、わずかに緩衝化されて、pH5.5~7.5を維持する。加えて、必要に応じて、眼科調製物及び適切な薬物安定剤に使用されるものと類似した抗菌防腐剤を製剤に含めることができる。様々な市販の点鼻調製物が知られており、例えば、抗生物質及び抗ヒスタミン剤を含むことができ、喘息予防のために使用される。
【0145】
経口製剤は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムとしての賦形剤を含み得る。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、ピル、カプセル、徐放性製剤、又は粉末の形態をとる。特定の定義された実施形態では、経口医薬組成物は、不活性希釈剤又は同化可能な食用担体を含むか、又は硬質若しくは軟質のシェルゼラチンカプセルで囲まれ得るか、又は錠剤に圧縮され得るか、又は食事の食品により直接組み込まれ得る。経口治療投与のために、活性化合物は、賦形剤と組み込んで、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハなどの形態で使用され得る。
【0146】
錠剤、トローチ、ピル、カプセルなどはまた、以下:トラガントゴム、アカシア、コーンスターチ、又はゼラチンとしての結合剤、リン酸二カルシウムなどの賦形剤、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、及びスクロース、ラクトース、若しくはサッカリンなどの甘味剤、又はハッカ油、冬緑油、若しくはチェリー香味料などの香味剤を含有し得る。投薬単位形態がカプセルである場合、上記のタイプの材料に加えて、液体担体が含有され得る。様々な他の材料が被覆として、又は別様に、投薬単位の物理的形態を変更するために存在し得る。例えば、錠剤、ピル、又はカプセルは、シェラック、糖、又はそれらの両方で被覆され得る。エリキシル剤のシロップは、活性化合物、甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチル及びプロピルパラベン、色素剤、並びにチェリー又はオレンジ風味などの香味剤を含有し得る。
【0147】
本明細書に開示される更なる実施形態は、方法及び組成物に使用するためのキットに関するものであり得る。キットはまた、好適な容器、例えば、バイアル、チューブ、ミニチューブ若しくはマイクロチューブ、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジ、又は他の容器も含み得る。追加の構成要素又は薬剤が提供されるとき、キットは、この薬剤又は構成要素が配置され得る1つ以上の追加の容器を収容し得る。本明細書のキットはまた、典型的には、ウイルス粒子及び市販のための密封閉じ込めにおける任意の他の試薬容器を含む手段を含むであろう。かかる容器としては、所望のバイアルが保持される注射器又はブロー成形プラスチック容器を挙げることができる。任意選択的に、記載の組成物には、例えば、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗真菌若しくは抗細菌剤、又は抗腫瘍剤などの1つ以上の追加の活性剤が必要な場合がある。
【0148】
本明細書に開示の組成物は、当該技術分野で既知の任意の手段によって投与され得る。例えば、組成物は、静脈内、腫瘍内、皮内、動脈内、腹腔内、病巣内、頭蓋内、関節内、前立腺内、胸膜内、気管内、鼻腔内、硝子体内、腟内、直腸内、局所的(topically)、腫瘍内、筋肉内、髄腔内、皮下、結膜下、小胞内、粘膜、心膜内、臍下、眼球内、経口的、局所的(locally)に、吸入、注射、点滴、連続点滴、局所的灌流によって、カテーテル、洗浄を介して、クリーム中で、又は脂質組成物中で、対象に投与することを含み得る。
【0149】
当業者に知られている任意の方法は、本明細書に記載のウイルス粒子、パッケージング細胞、及び粒子構築物の大規模生産に使用され得る。例えば、マスターシード及びワーキングシード在庫は、必要条件を満たした初代CEFにおいてGMP条件下で、又は他の方法によって調製され得る。パッケージング細胞は、大きな表面積のフラスコにプレーティングして、ほぼ合流点まで成長させ、ウイルス粒子を精製し得る。細胞を収穫し、単離及び精製された培養培地中にウイルス粒子を放出し得るか、又は機械的破損によって細胞内ウイルス粒子を放出することができる(細胞残渣は、大孔深度濾過及びエンドヌクレアーゼで消化された宿主細胞DNAによって除去することができる)。ウイルス粒子を、その後精製し、接線流濾過によって濃縮し、その後透析濾過し得る。得られた濃縮バルクは、安定化剤を含有する緩衝液で希釈し、バイアルに充填し、凍結乾燥させることによって製剤化することができる。組成物及び製剤は、後の使用のために保存され得る。使用のために、凍結乾燥ウイルス粒子を、希釈剤を添加することによって再構成することができる。
【0150】
併用療法で使用されるある特定の追加の薬剤は、当技術分野で既知の任意の手段によって製剤化及び投与することができる。
【0151】
本明細書に開示の組成物は、アルミニウム塩及び他の鉱物アジュバント、張力活性剤(tensoactive agents)、細菌誘導体、媒体、及びサイトカインなどのアジュバントも含み得る。アジュバントはまた、拮抗免疫調節特性を有してもよい。例えば、アジュバントは、Th1又はTh2免疫性を刺激することができる。本明細書に開示の組成物及び方法はまた、アジュバント療法を含み得る。
【0152】
骨格筋関連障害
また、骨格筋関連障害、例えば、筋消耗性疾患及び/又は遺伝性筋疾患、例えば、X連鎖性筋細管ミオパチー(XLMTM)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、筋強直性ジストロフィー(DM1)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー1型(FSHD)、先天性筋ジストロフィー1A型(MDC1A)、肢帯型筋ジストロフィー、ジストログリカノパチー、筋萎縮状態、代謝疾患などを治療する方法が本明細書に提供される。概して、かかる方法は、かかる骨格関連障害に罹患しているか、又はかかる骨格関連障害のリスクがある患者に、本明細書に記載されるウイルス粒子又は医薬組成物を投与することを含み、ウイルス粒子は、
(i)タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバーを含むように改変されたウイルスカプシドと、
(ii)タンパク質:タンパク質結合ペアの第2のメンバーであって、タンパク質:タンパク質結合ペアの第2のメンバーは、筋細胞の表面上に発現される筋特異的表面タンパク質(例えば、CACNG1)に結合する標的化リガンドを含み、
タンパク質:タンパク質結合ペアの第1のメンバー及びタンパク質:タンパク質結合ペアの第2のメンバーは、ウイルスカプシドの指向性を患者の筋細胞に向けるように会合する、第2のメンバーと、
(iii)ウイルスカプシド内にカプシド封入された目的のヌクレオチドと、を含む。
【0153】
一部の実施形態では、目的のヌクレオチドは、治療用タンパク質、自殺遺伝子、抗体若しくはその断片、CRISPR/Casシステム若しくはその一部、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、RNAi分子、又はshRNA分子をコードする。例えば、一部の実施形態では、目的のヌクレオチドは、例えば、筋萎縮状態又は代謝疾患のための、成長因子、神経栄養因子、疾患修飾筋タンパク質、代謝タンパク質をコードし得る。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表3-1】
【表3-2】
【実施例】
【0154】
以下の実施例は、説明目的のみに提供され、本発明の範囲を制限することを意図していない。
【0155】
方法
以下の実施例は、説明目的のみに提供され、本発明の範囲を制限することを意図していない。
【0156】
AAVウイルスベクターの調製
ウイルスは、以下のプラスミドを用いてPEI Proを使用して293T細胞パッケージング細胞をトランスフェクトすることにより作製された:抗体の重鎖と軽鎖のいずれかをコードする追加プラスミドとともに、又は伴わずに、pAdヘルパー、レポータータンパク質をコードするAAV2 ITR含有ゲノムプラスミド、及びAAV RepとCap遺伝子をコードするpAAV-CAPプラスミド。抗体重鎖構築物は全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、WO2019/006046に記載されるように、そのC末端でSpyCatcherに融合される。トランスフェクション複合体を不完全DMEM(追加のサプリメントなし)中で調製し、室温で10分間インキュベートした。
【0157】
以下のプラスミド及び数量で、293Tパッケージング細胞の15cmプレートをトランスフェクトすることにより、各ウイルスが作製された:
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0158】
CK8-uDys5は、US10479821B2に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0159】
インキュベーション後、複合体を、10%FBS、1XNEAA、1%Pen/Strep、及び1%L-グルタミンを補充したDMEMに添加する。
【0160】
トランスフェクトされたパッケージング細胞を、37℃で3日間インキュベートし、次に、標準的凍結解凍プロトコルを使用して細胞溶解物からウイルスを回収した。簡潔に言うと、パッケージング細胞を、こすり取ることによって持ちあげ、ペレットにした。上清を除去し、50mMのTris-HCl、150mMのNaCl、及び2mMのMgCl2[pH8.0]の溶液中に細胞を再懸濁した。ドライアイス/エタノール浴と37℃の水浴との間で激しくボルテックスを行いながら細胞懸濁液を行き来させることからなる凍結融解サイクルを3回連続で行うことにより、細胞溶解を誘導し、細胞内ウイルス粒子を放出させた。EMD Millipore Benzonase(50U/ml細胞溶解物)を用いて、時々混合しながら37℃で60分間溶解物を処理することによって、粘度を低下させた。次いで、残屑を遠心分離によってペレットにし、得られた上清を0.22μmのPVDF Millex-GVフィルターを通して濾過した。インビトロで試験される粗ウイルスについては、濾過された溶解物を、Ultracel-100膜(100KDa MWCO)フィルターカートリッジを備えたAmicon Ultra-15遠心フィルターユニットに直接添加する。フィルターユニットを、上部チャンバー内で所望の体積に達するまで5~10分間隔で遠心分離し、次に、濃縮粗ウイルスを低タンパク質結合管にピペットで移し、4℃で保存した。インビボで試験されるウイルスについては、清澄化された溶解物を、4段階のイオジキサノール密度勾配を使用して更に精製する。勾配をBeckman 70Tiロータに装填し、最大加速及び減速を使用して、66,100rpmで、10℃で1.5時間回転させる。超遠心分離後、イオジキサノール精製ビリオンを40~60%界面から抽出する。イオジキサノール溶液中のAAVは、イオジキサノールの濃度が1%未満となるように、DPBS+/+.001%プルロニック(登録商標)F68で希釈される。次いで、精製されたウイルスを、100kDa MWCO Amicon限外濾過ユニットを使用して所望の体積に濃縮する。
【0161】
力価(ミリリットル当たりのウイルスゲノム又はvg/mL)を、既知の濃度のウイルスの標準曲線を使用してqPCRによって決定した。
【0162】
細胞株:
293個の細胞株全てを、10%のFBS、1XNEAA、1%のPen/Strep、及び1%のL-グルタミンを補充したDMEM中で維持した。対応するcDNAを発現するベクターにより親293細胞株をレンチウイルス形質導入することによって、293 hASGR1/2及び293hCACNG1細胞株を作製した。全ての細胞株を、Regeneron TCコア施設から入手した。
【0163】
ヒト骨格筋芽細胞は、Cook Myosite(SkMDC;Lot#P01059-14M)から購入し、MyoTonic Growth Supplement(MS-3333)を補充したMyoTonic基礎培地(MB-2222)で維持し、5%CO2を含む37℃のインキュベーター中で増殖させた。
【0164】
C2C12マウス筋芽細胞をATCCから購入し、10%FBS及びペニシリンストレプトマイシンサプリメントを含むDMEM中で維持し、5%CO2を含む37℃のインキュベーター中で増殖させた。
【0165】
AAVカプシドタンパク質構築物
所望のSpyTag挿入、隣接するリンカーアミノ酸、及び更なる変異をコードするGeneBlocksを、IDTから購入し、製造業者のプロトコル(NEB)に従ってGibson Assemblyを使用して、BsiWI及びXcmIで消化されたpAAV9-CAP wtにクローニングした。
【0166】
SpyCatcherの抗体へのクローニング
抗体重鎖可変領域をコードするGeneBlocksをIDTから購入し、Gibsonアセンブリを使用してCMV hIgG4US Sap1 SpyCatcher骨格にクローニングした。
【0167】
細胞感染/形質導入及びフローサイトメトリー解析
細胞に感染させるために、培養中の細胞の培地にウイルス粒子を直接添加し、混合物を37℃でインキュベートした。感染後3日後に、細胞をトリプシン処理し、2%のFBSを含むPBS中に再懸濁し、GFP+細胞のパーセンテージをBD FACSCantoフローサイトメーターで収集し、FlowJoソフトウェアを使用して解析した。
【0168】
細胞感染/形質導入及びルシフェラーゼアッセイの読み取り値
細胞に感染させるために、培養中の細胞の培地にウイルス粒子を直接添加し、混合物を37℃でインキュベートした。感染の3日後、培地を除去し、Promega Glo溶解緩衝液を使用して細胞を溶解した。ルシフェリン基質(Promega Bright Gloキット)を溶解細胞に添加し、発光をルミノメーターを使用して測定した。
【0169】
筋管形質導入
ヒト骨格筋芽細胞を、透明底部及び黒色壁を備えたコラーゲンでコーティングされた96ウェルプレートに8500細胞/ウェルで播種した。24時間後、増殖培地をMyoTonic Differentiation Media(MD-5555)に変更し、2日ごとに交換した。分化の4日後、筋管が形成され、ウイルス調製物を補充した分化培地を、それぞれのウェルに添加した。3日後、その後のGFP検出のために筋管を4%PFAで固定するか、又はuDys5 mRNAの検出のためにトリゾールで溶解した。
【0170】
C2C12細胞を、透明底部及び黒色壁を備えたコラーゲンでコーティングされた96ウェルプレートに10,000細胞/ウェルで播種した。24時間後、増殖培地を分化培地(2%ウマ血清を含むDMEM)と置き換え、7.5%CO2を含む37℃のインキュベーターに入れた。分化の24時間後、分化培地で希釈されたウイルス調製物を使用して細胞を形質導入した。3日後、その後のGFP検出のために筋管を4%PFAで固定するか、又はuDys5 mRNAの検出のためにトリゾールで溶解した。
【0171】
筋管形質導入解析
室温で15分間固定した後、細胞をPBSで洗浄し、次いで0.3% Triton(登録商標)-Xを含むPBS中の20%ヤギ血清で室温で1時間ブロッキングした。ミオシン重鎖に対する一次抗体(MF20-c、Developmental Studies Hybridoma Bank)を、ブロッキング緩衝液中で1:200に希釈し、4℃で一晩インキュベーションの間に全てのウェルに添加した。次いでウェルをPBSで3回穏やかに洗浄し、Alexa 647コンジュゲート抗マウス二次抗体をブロッキング緩衝液で1:500に希釈し、室温で1時間で全てのウェルに添加した。次いで、細胞をPBSで洗浄し、DAPIで染色した後、Axio Observer顕微鏡(Ziess)を使用して撮像した。ミオシン重鎖陽性領域内のGFP強度を、HALOソフトウェア(Indica Labs)を使用して解析した。uDys5による形質導入の解析のために、製造業者のプロトコルに従ってRNeasy Mini Kit(Qiagen)を使用して、RNAを単離した。RNA精製を製造業者のプロトコルに従って完了させ、RNAの量及び品質をNanoDrop 2000で検証した。SuperScript VILO cDNA合成MasterMix(ThermoFisher)を使用して、等量のRNAを逆転写し、ヌクレアーゼを含まない水で10X希釈した。遺伝子発現は、Taqmanプライマー/プローブAGGGTAGCTAGCATGGAAAAACA(uDys5 fwd)、GGGCTTGTGAGACATGAGTGAT(uDys5 rev)、ATTTACATTCTTATGTGCCT(uDys5プローブ)を使用して評価され、ヒト及びマウスHprt:それぞれHs02800695_m1及びMm03024075_m1の内因性対照が使用された(Thermo Fisher)。
【0172】
マウス系統
ヒト化CACNG1マウス(CACNG1hu/hu)は、コードエクソン1、イントロン1、コードエクソン2~4(及び介在イントロン)、及び82bpの3’非翻訳領域(UTR)マウスCacng1の一部を、ヒトCACNG1のオルソロガスな部分コードエクソン1配列、イントロン1、コードエクソン2~4(及び介在イントロン)、完全3’UTR、及び3’UTR後の追加の158bpで置換することによって作製された。ヒト化ASGR1マウスは、WO/2019/006034に記載される方法に従って作製した。系統一致(50500)マウスを対照として使用し、社内で交配させた。野生型C57BL/6、DBA/2J、及びジストロフィーD2-mdxマウス(MDX)を、Jackson Laboratoryから購入した(それぞれ、ストック番号000664、000671、及び013141)。
【0173】
AAV2ルシフェラーゼベクターのインビボ解析
3~4カ月齢の範囲のオスの50500マウス及びヒト化CACNG1マウスに、PBS、又はルシフェラーゼレポーターを担持する野生型AAV2、AAV2 HBM抗ASGR1、若しくはAAV2 HBM抗CACNG1 mAb#1のいずれかの5E11 vgを尾静脈を介して静脈内注射した。IV注射の5週間後、マウスをイソフルランを使用して麻酔し、ルシフェリン基質を注射し、7~10分後に安楽死させた。肝臓、舌、横隔膜、及び四頭筋を採取し、IVIS Spectrumインビボ撮像システムを使用してエクスビボで撮像した。生データを、living imageソフトウェアを使用して解析して、平均放射輝度(光子/秒/cm2/sr)を決定した。
【0174】
AAV9ルシフェラーゼベクターのインビボ解析
10週齢のメスのヒト化CACNG1マウス及びヒト化ASGR1マウスに、PBS、又はルシフェラーゼレポーターを担持する5E10vgの野生型AAV9、AAV9 N272A、AAV9 N272A抗ASGR1 mAb、AAV9抗ASGR1 Fab、AAV9 N272A抗CACNG1 mAb#1、又はAAV9 N272A抗CACNG1 Fabのいずれかを尾静脈を介して静脈内注射した。注射の3週間後、マウスをイソフルランを使用して麻酔し、ルシフェリン基質を注射し、7~10分後に安楽死させた。肝臓、後肢、四頭筋、及び舌を採取し、IVIS Spectrumインビボ撮像システムを使用してエクスビボで撮像した。生データを、living imageソフトウェアを使用して解析して、平均放射輝度(光子/秒/cm2/sr)を決定した。
【0175】
AAV9 GFPベクターのインビボ解析
成体(3~7カ月齢)のオスのCACNG1hu/hu、WT C57BL/6、及びD2-mdxマウスに、1E +11vg/マウスのAAV9(WT AAV9、AAV9 N272A、AAV9 N272A抗ASGR1 mAb、並びにAAV9 N272A抗CACNG1 mAb「#1」及び「#2」、及び「#3」)を尾静脈注射した。注射の3週間後にマウスを屠殺し、免疫組織化学のために以下の器官を採取した:肝臓、脾臓、心臓、舌、横隔膜、四頭筋、腓腹筋/足底筋/ヒラメ筋複合体、及び前脛骨筋。
【0176】
カニクイザルにおけるプールしたAAV特性評価実験については、上述の方法を使用して、指示された抗体にコンジュゲートされた対照AAV及びAAV9バリアントを個別に生成したが、ウイルスゲノムプラスミドとしてバーコード化pITR-CAG-GFP-hGHpAプラスミドを用いて作製し、プール中に存在する12種類のウイルスの各々を、カプシドバリアントによる導入遺伝子発現を定量化するために使用される、固有の32ヌクレオチド長のバーコードを担持するpITR-CAG-GFP-hGHpAのバージョンでパッケージングした。2匹のオスのカニクイザルマカク(cynomolgus macaque)に、3E+13vg/kgのプールされたウイルス混合物の静脈内ボーラス注射を与えた。注射の2週間後、動物を安楽死させ、バーコード解析のために一連の組織及び器官を採取した。例えば、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、WO2018/144813、Stoeckius et al.(2018)Genome Biol.19:224、Stoeckius et al.(2017)Nat.Method 9:2579-10を参照されたい。表4は、様々なウイルス粒子に関連付けられたバーコード番号(BC#)を提供する(例えば、AAV9 cap変異及び該当する場合、対応する抗体番号)。
【表4-1】
【表4-2】
【0177】
野生型及び再標的化AAVの投与後の肝臓の健康状態及び補体活性化(ALT、AST、Bb、及びC3a)の血清読み取り値を評価するために、AAV9及びAAV9 N272A抗CACNG1 mAb#3を、上述の方法に従って生成し、pAAV CAG eGFPでパッケージングした。オスのカニクイザルマカクに、3E+13vg/kgのAAV9 wt(2匹の動物)若しくはAAV9 N272A抗CACNG1 mAb#3(2匹の動物)又は対照として生理食塩水(1匹の動物)のいずれかの静脈内ボーラス注射を与えた。ALT、AST、Bb、及びC3aの血清読み取り値を、ベースライン(投与前10日)、並びに投与後30分、6時間、24時間、及び48時間で収集した。注射の2週間後、動物を安楽死させ、解析のために一連の組織及び器官を採取した。
【0178】
免疫組織化学染色については、組織を中性緩衝ホルマリン溶液中で固定し、24時間後に70%エタノールに移した。パラフィン包埋の前に、器官を室温で70%エタノール中に保存した。組織を、標準化された平面切片化を使用して5μmの厚さで切片化した。eGFP発現に対する抗GFP IHC染色を、Benchmark ULTRA Ventana IHC/ISHシステムを使用して行った。画像解析を、HALO解析ソフトウェアを使用して行った。
【0179】
免疫蛍光染色については、筋組織をOCT包埋媒体に浸漬し、液体窒素冷却イソペンタン中で凍結させた。組織を12μmの厚さで凍結切片化し、その後、4%PFAで固定し、ラミニン(Sigma-Aldrich)、続いてAlexa 647コンジュゲート抗ウサギ二次抗体及びDAPI(Thermo Fisher Scientific)で染色した。スライドをFluoromount(Thermo Fisher Scientific)とともに載置し、Axioscanスライドスキャナ(Zeiss)で撮像した。
【0180】
バーコード解析については、カニクイザル組織及び器官から単離された総RNAを、製造業者の仕様に従ってMagMAX-96マイクロアレイ用Total RNA Isolation Kitを使用して精製した。次いで、RNAをTurbo DNaseで処理し、SuperScript IV逆転写酵素及びhGH pA特異的プライマー((5’-GTCATGCATGCCTGGAATC-3’、配列番号256)を使用してcDNA合成を行った。Q5 High Fidelity 2xマスターミックスを使用して、バーコードの上流(5’-TCGTCGGCAGCGTCAGATGTGTATAAGAGACAGCGAGCGCTGCTCGAGAG-3’、配列番号257)及び下流(5’-GTCTCGTGGGCTCGGAGATGTGTATAAGAGACAGGGGTCACAGGGATGCCAC-3’、配列番号258)に結合するプライマーを用いて、バーコード化されたGFP転写物をcDNA試料から増幅した。プールされたウイルス混合物は、試料に含まれていた。各試料を、ライブラリー調製の持続時間の間、3つの技術的反復で調製した。Illuminaアダプター及び固有のデュアルインデックス(UDI-Illumina)を含むアンプリコンを、量子ビット及びテープステーションを使用して定量化し、等モル比でプールし、300サイクルの高出力キットを使用してNextseq550で配列決定した。
【0181】
AAV9 uDys5ベクターのインビボ解析
6週齢のオスのD2-mdxマウスに、CK8プロモーター下で、uDys5を発現するWT AAV9又はAAV9 N272A抗CACNG1 mAb #3を1E+12vg/マウスで尾静脈注射した。注射の5週間後にマウスを屠殺し、qPCR解析のために以下の器官を採取し、RNAlater(Thermo Fisher社)に保存した:肝臓、心臓、四頭筋、腓腹筋、前脛骨筋、ヒラメ筋、舌、及び横隔膜。次いで、組織をトリゾール中で均質化し、MagMAX-96 total RNA Isolationキット(Life Technologies)を使用して水相を精製し、RNase-free Dnase Set(Qiagen)を使用してgDNAを除去した。SuperScript VILO Master Mix(Life Technologies)を使用してmRNAをcDNAに逆転写し、以下のTaqmanプライマー/プローブを使用して、AGGGTAGCTAGCATGGAAAAACA(uDys5 fwd)、GGGCTTGTGAGACATGAGTGAT(uDys5 rev)、ATTTACATTCTTATGTGCCT(uDys5プローブ)、内因性対照:AAGGCCGTGGTGCTGATG(Rplp0 fwd)、TCTCCAGAGCTGGGTTGTTCT(Rplp0 rev)、AAGAACACCATGATGCGCAAGGC(プローブ)を使用して、qPCRを実施した。
【0182】
uDys5筋線維膜局在の検出のために、腓腹筋及び心臓の凍結切片を4%PFAで固定し、ジストロフィン(Developmental Studies Hybridoma Bank)で染色し、続いてAlexa 546コンジュゲート抗マウス二次抗体で染色した。スライドをFluoromount(Thermo Fisher Scientific)とともに載置し、Axioscanスライドスキャナ(Zeiss)で撮像した。
【0183】
uDys5タンパク質の検出のために、四頭筋を液体窒素中で急速凍結し、その後、Fast Prep-24 5Gホモジナイザー(MP Biomedicals)のマウス脚筋設定を使用して均質化した。次いで、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤(Sigma)を含有する溶解緩衝液(50mMのTris HCl、100mMのNaCl、1mMのEDTA二水和物、1%のTriton 100×)を含む溶解マトリクスチューブ(MP Biomedicals)に、筋肉を添加した。BCAアッセイ(Thermo Fisher Scientific)を使用したタンパク質定量後、溶解物を試料緩衝液及び還元剤(Thermo Fisher Scientific)とともに70℃で10分間加熱した。等量のタンパク質を4~20%トリス-グリシンゲル(Bio-Rad)に装填して分離し、次いでTurboTransfer System(BioRad)を使用してPVDF膜(BioRad)に移した。膜を5%無脂肪乳(Cell Signaling)でブロッキングした後、以下の一次抗体と一晩インキュベーションした:ジストロフィン(Developmental Studies Hybridoma Bank、MANHINGE1A)、ベータアクチン(Abcam、ab8224)。洗浄後、膜を適切なHRPコンジュゲート二次抗体(Cell Signaling)とともにインキュベートした。膜をECL試薬(Cell Signaling)中でインキュベートし、可視化した(Amersham Imager 600)。ブロット画像をImageJを使用して定量した。
【0184】
uDys5による筋形質導入が筋損傷の循環バイオマーカーに及ぼす影響を評価するために、投与前及び投与の4週間後に血液を1.1mLのZ-Gelマイクロチューブ(Sarstedt)に採取し、血清を最低2時間凝固させた。血液を4℃、12,000RPMで10分間遠心分離した。次いで、上清を収集し、-80℃で凍結した。全ての試料を収集したら、それらを全て解凍し、次いで脱イオン水で1:4に希釈した。血清を、ADVIA(登録商標)Chemistry XPTシステム上のADVIA(登録商標)Chemistryクレアチンキナーゼ(CK_L)試薬(REF 10729780)を使用して解析した。
【0185】
uDys5を用いた筋形質導入の機能的効果を評価するために、6週齢のオスのD2-mdxマウスに、CK8プロモーター下でuDys5を発現するWT AAV9又はAAV9 N272A抗CACNG1 mAb #3を1E+12vg/マウスで尾静脈注射し、注射の12週間後に最大握力を評価した。前肢の握力は、マウスを尾によって垂直に保持し、プルバーを把持するまで下げることによって、コンピュータ化された握力計(Bioseb、BIO-GS3)を用いて評価した。次に、マウスは握力を失うまでゆっくりと上向きに引っ張られた。生成されたピーク力(グラム)は、試験と試験の間に3分間の休息を含めて5回引っ張った後に記録された。3回の試験後、試験全体で最大の力を平均化し、最大握力として記録した。
【0186】
本発明は、多数の実施形態を参照して具体的に示され、記載されているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示の様々な実施形態に対して、形式及び詳細が変更が可能であり、本明細書に開示の様々な実施形態は、特許請求の範囲を限定するように機能することを意図しないことを当業者は理解するであろう。本明細書に記載された方法及び材料と類似又は同等の任意の方法及び材料を、本発明の実践又は試験に使用することができるが、いくつかの好適な方法及び材料をこれより記載する。本明細書で引用された全ての刊行物は、その全体を説明するために参照により本明細書に組み込まれる。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。
【配列表】
【国際調査報告】